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  • 特表-ステップダウン電圧レギュレータ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】ステップダウン電圧レギュレータ
(51)【国際特許分類】
   G05F 1/56 20060101AFI20240719BHJP
   H02M 3/155 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
G05F1/56 310K
H02M3/155 S
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504535
(86)(22)【出願日】2022-05-23
(85)【翻訳文提出日】2024-01-24
(86)【国際出願番号】 EP2022063909
(87)【国際公開番号】W WO2022263113
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】102021206147.8
(32)【優先日】2021-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】リスト,カルステン
(72)【発明者】
【氏名】シューマッハ,ハルトムート
(72)【発明者】
【氏名】カメル,アシュラフ
(72)【発明者】
【氏名】バシュレンコ,ロマン
(72)【発明者】
【氏名】カルナー,リュディガー
【テーマコード(参考)】
5H430
5H730
【Fターム(参考)】
5H430BB01
5H430BB05
5H430BB09
5H430BB11
5H430EE06
5H430FF02
5H430FF13
5H730AS05
5H730BB13
5H730DD04
5H730EE57
5H730EE59
5H730FD01
5H730FD41
(57)【要約】
本発明は、コンフィギュレーション可能な評価制御ユニット(10)と、コンフィギュレーション可能なトリガ回路(12)と、コンフィギュレーション可能な電圧補償回路(5)と、少なくとも制御可能な半導体スイッチ(T)とを内蔵したコンフィギュレーション可能な集積スイッチング回路(2)、および、この集積スイッチング回路(2)のそれぞれの接続ポートに電気接続されている、各種コンポーネントを実装した外部スナバ回路(14)を実装したステップダウン電圧レギュレータ(1)であって、この集積スイッチング回路(2)の出力(A)のところでタップ可能な出力電圧(Vоut)を表しているフィードバック信号(Vrueck)が、評価制御ユニット(10)にフィードバックされており、この評価制御ユニット(10)が、このフィードバック信号(Vrueck)に基づいて、トリガ回路(12)と連携して、少なくとも一つのスイッチング信号を発生して、少なくとも一つの制御可能な半導体スイッチ(T)に出力することによって、集積スイッチング回路(2)の一つの入力(E)に印加された入力電圧(Vin)を調整して、最大でもこの入力電圧(Vin)と同じ電圧レベルの出力電圧(Vоut)を発生するための、閉ループ制御回路を成立させるような仕様に仕立てられており、その際には、この集積スイッチング回路(2)が、電気接続された外部スナバ回路(14)と連携して、評価制御ユニット(10)のコンフィギュレーション、トリガ回路(12)のコンフィギュレーション、および電圧補償回路(5)のコンフィギュレーションに依存して、第1のコンフィギュレーションにおいてはリニアレギュレータ(2A)として、第2のコンフィギュレーションにおいてはステップダウンスイッチングコンバータ(2B)として作用する、ステップダウン電圧レギュレータ(1)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンフィギュレーション可能な評価制御ユニット(10)と、コンフィギュレーション可能なトリガ回路(12)と、コンフィギュレーション可能な電圧補償回路(5)と、少なくとも制御可能な半導体スイッチ(T)とを内蔵したコンフィギュレーション可能な集積スイッチング回路(2)、および、前記集積スイッチング回路(2)のそれぞれの接続ポートに電気接続されている、各種コンポーネントを実装した外部スナバ回路(14)を実装したステップダウン電圧レギュレータ(1)であって、前記集積スイッチング回路(2)の出力(A)のところでタップ可能な出力電圧(Vоut)を表しているフィードバック信号(Vrueck)が、前記評価制御ユニット(10)にフィードバックされており、前記評価制御ユニット(10)が、前記フィードバック信号(Vrueck)に基づいて、前記トリガ回路(12)と連携して、少なくとも一つのスイッチング信号を発生して、前記少なくとも一つの制御可能な半導体スイッチ(T)に出力することによって、前記集積スイッチング回路(2)の一つの入力(E)に印加された入力電圧(Vin)を調整して、最大でも前記入力電圧(Vin)と同じ電圧レベルの出力電圧(Vоut)を発生するための、閉ループ制御回路を成立させるような仕様に仕立てられており、その際には、前記集積スイッチング回路(2)が、前記電気接続された外部スナバ回路(14)と連携して、前記評価制御ユニット(10)のコンフィギュレーション、前記トリガ回路(12)のコンフィギュレーション、および前記電圧補償回路(5)のコンフィギュレーションに依存して、第1のコンフィギュレーションにおいてはリニアレギュレータ(2A)として、第2のコンフィギュレーションにおいてはステップダウンスイッチングコンバータ(2B)として作用する、ステップダウン電圧レギュレータ(1)。
【請求項2】
前記集積スイッチング回路(2)のリニアレギュレータ(2A)としての前記第1のコンフィギュレーションにおける前記外部スナバ回路(14)がコンポーネントとして一つの短絡ブリッジ(KB)と一つのコンデンサ(C)とを内蔵することを特徴とする、請求項1に記載のステップダウン電圧レギュレータ(1)。
【請求項3】
前記短絡ブリッジ(KB)が、前記集積スイッチング回路(2)のハイサイド電圧(VHS)をタップ可能なノード(K)を、前記集積スイッチング回路(2)の前記出力電圧(Vоut)をタップ可能な出力(A)と接続することと、その際には、前記コンデンサ(C)が、前記集積スイッチング回路(2)の前記出力(A)と基準電位との間に割り込ませて配置されることを特徴とする、請求項2に記載のステップダウン電圧レギュレータ(1)。
【請求項4】
前記集積スイッチング回路(2)のステップダウンスイッチングコンバータ(2B)としての前記第2のコンフィギュレーションにおける前記外部スナバ回路(14)がコンポーネントとしてインダクタンス(L)とダイオード(D)とコンデンサ(C)とを内蔵することを特徴とする、請求項1に記載のステップダウン電圧レギュレータ(1)。
【請求項5】
前記インダクタンス(L)が、前記集積スイッチング回路(2)のハイサイド電圧(VHS)をタップ可能なノード(K)を、前記集積スイッチング回路(2)の前記出力電圧(Vоut)をタップ可能な出力(A)と接続することと、その際には、前記ダイオード(D)が、前記集積スイッチング回路(2)の前記ノード(K)と基準電位との間に割り込ませて配置されること、さらにその際には、前記コンデンサ(C)が、前記集積スイッチング回路(2)の前記出力(A)と前記基準電位との間に割り込ませて配置されることを特徴とする、請求項4に記載のステップダウン電圧レギュレータ(1)。
【請求項6】
前記評価制御ユニット(10)が、前記集積スイッチング回路(2)のリニアレギュレータ(2A)としての前記第1のコンフィギュレーションにおける差動増幅器として作用して、前記フィードバック信号(Vrueck)を基準信号(Vref)と比較して、前記集積スイッチング回路(2)のリニアレギュレータ(2A)としての前記第1のコンフィギュレーションにおけるドライバ回路(9)として作用する前記トリガ回路(12)と連携して、前記少なくとも一つの制御可能な半導体スイッチ(T)のための前記少なくとも一つのスイッチング信号を発生することと、その際には、前記集積スイッチング回路(2)がリニアレギュレータ(2A)として使用される前記第1のコンフィギュレーションにおいて、前記電圧補償回路(5)が何の機能も果たさないことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のステップダウン電圧レギュレータ(1)。
【請求項7】
前記集積スイッチング回路(2)のステップダウンスイッチングコンバータ(2B)としての前記第2のコンフィギュレーションにおける前記評価制御ユニット(10)がコンパレータとして作用して、前記フィードバック信号(Vrueck)を基準信号(Vref)と比較して、前記集積スイッチング回路(2)がステップダウンスイッチングコンバータ(2B)として使用される前記第2のコンフィギュレーションにおいてはPWМモジュレータ(3)およびドライバ回路(9)として作用する前記トリガ回路(12)と連携して、前記少なくとも一つの制御可能な半導体スイッチ(T)のための前記少なくとも一つのスイッチング信号を発生することと、その際には、前記集積スイッチング回路(2)がステップダウンスイッチングコンバータ(2B)として使用される前記第2のコンフィギュレーションにおいては、前記電圧補償回路(5)により、前記少なくとも一つのスイッチング信号を発生する際に前記評価制御ユニット(10)が安定化されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のステップダウン電圧レギュレータ(1)。
【請求項8】
前記評価制御ユニット(10)が、前記フィードバック信号(Vrueck)が前記基準信号(Vref)を下回る場合は第1の信号を前記トリガ回路(12)の前記PWМモジュレータ(3)に出力し、前記フィードバック信号(Vrueck)が前記基準信号(Vref)を上回る場合は第2の信号を前記トリガ回路(12)の前記PWМモジュレータ(3)に出力することを特徴とする、請求項7に記載のステップダウン電圧レギュレータ(1)。
【請求項9】
前記トリガ回路(12)の前記PWМモジュレータ(3)が、前記ドライバ回路(9)と連携して、前記第1の信号に基づいて前記出力電圧(Vоut)が上昇するように前記少なくとも一つのスイッチング信号を変更する、または、前記第2の信号に基づいて前記出力電圧(Vоut)が低下するように前記少なくとも一つのスイッチング信号を変更することを特徴とする、請求項8に記載のステップダウン電圧レギュレータ(1)。
【請求項10】
電流センサ回路(7)が、前記少なくとも一つの制御可能な半導体スイッチ(T)を通り流れる電流の値を検出して、対応する測定信号を前記評価制御ユニット(10)に出力するような仕様に仕立てられており、前記評価制御ユニット(10)が、前記少なくとも一つの半導体スイッチ(T)のための前記少なくとも一つのスイッチング信号を発生する際には、前記少なくとも一つの制御可能な半導体スイッチ(T)を通り流れる電流の前記検出値に配慮するような仕様に仕立てられていることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のステップダウン電圧レギュレータ(1)。
【請求項11】
前記出力電圧(Vоut)または前記出力電圧(Vоut)の一部がフィードバック信号(Vrueck)としてフィードバックされることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のステップダウン電圧レギュレータ(1)。
【請求項12】
前記集積スイッチング回路(2)の前記第1のコンフィギュレーションにおいて、前記少なくとも一つの半導体スイッチ(T)のいずれかの設計諸元が、前記リニアレギュレータ(2A)の様々な電流要件および/またはドロップアウト電圧要件に対して適合化されていることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載のステップダウン電圧レギュレータ(1)。
【請求項13】
ステップダウン電圧コンバータ(1)のレイアウトに、前記集積スイッチング回路(2)の前記外部スナバ回路(14)の前記各種コンポーネントのための複数の接点位置が提供されるものがあることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載のステップダウン電圧レギュレータ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車載システムに内部システム電圧を発生させるために導入することができるような、集積スイッチング回路を実装したステップダウン電圧レギュレータに関する。
【背景技術】
【0002】
エアバッグシステム用の現行の制御装置では、制御装置の内部で組込み型電源により発生される数種類の内部供給電圧が利用されるようになっている。その際には様々な電圧レギュレータが導入されるが、これらは例えばステップアップスイッチングコンバータ(ブーストコンバータ)、ステップダウンスイッチングコンバータ(バックコンバータ)、および/またはリニアレギュレータ(LDO:低ドロップアウトレギュレータ)などの仕様に仕立てられたものであるとよい。ステップダウン電圧レギュレータとして、例えば出力電力が500mW未満と微小である、2~5V台またはそれと同程度の低電圧向けのリニアレギュレータを使用することができる。そのシンプルなデザインは、コイルやダイオードを不要とする単純な電圧調整方式とあいまって、低コストの回路を実現可能にしている。しかしながら、これは効率に劣ったものとなっている。出力電力がそれよりも高く700mWを上回る場合は、ステップダウン電圧レギュレータとして、ステップダウンスイッチングコンバータを導入することができる。これらは、一部は90%を上回るという非常に高い効率により、高効率の電源供給ソリューションを実現可能にしているが、そのかなり複雑なデザインは、電圧補償のためにコイルやダイオードを実装したスナバ回路の追加を必要とする複雑な電圧調整方式とあいまって、導入コストを押し上げて割高にしている。さらにその上にその電圧調整方式も、外部追加スナバ回路の様々なコンポーネントにより著しく左右されることになる。どのようなステップダウン電圧レギュレータをどのような適用方式で導入するかは、それぞれのプリント基板のレイアウト、全損失電力量、熱挙動などに決定的な影響を与えるために、システム全体の早期設計段階で決定されなければならない。例えば既存のデザインのステップダウン電圧レギュレータには様々なタイプのものがあり、そこに存在しているプリント基板レイアウトにより、特定のトータルアーキテクチャが前もって規定されることになるのだが、実装素子および/またはスナバ回路素子をただ単に変更することによって、これらをフレキシブルに適合化することは目下のところ不可能である。このため、ステップダウン電圧レギュレータの出力電力を、システム変数および/またはシステム機能性の関数としてスケーリングすることは非現実的である。ステップダウン電圧レギュレータとして選定されるのがスイッチングコンバータであるのか、それともリニアレギュレータであるのかは、システムの要件に応じて決まり、いったん決まった後にそれを変更するのは不可能である。
【0003】
車載エレクトロニクス部門における高いコスト圧力を受けて、とりわけ電気回路の設計諸元の固有の適用事例に対する適合化が非常に厳密に行われるようになり、高性能化という趣意での「リザーブ」の余地はほとんど残されていないという事態を来たしている。これは、例えばエアバッグシステムの現行の制御装置にとっては、システムに電圧を供給するためのそれぞれの回路が、選定されている負荷状況に非常に厳密に限定されていることを意味している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
独立形式請求項である請求項1の各特徴を具備したステップダウン電圧レギュレータは、集積スイッチング回路の出力における様々な電力要件に対するステップダウン電圧レギュレータのフレキシブルな適合化が可能になるとともに、その際のシステムコストおよび変更に伴う工数は最小限に抑えられるという長所を有している。したがって、制御装置に対応した専用の内部電源でも、またシステム全体でも、非常に良好なスケーラビリティが簡単な方法で可能となっている。
【0005】
要約すると、ステップダウンスイッチングコンバータとしてもリニアレギュレータとしても作動可能な集積スイッチング回路を実装したステップダウン電圧レギュレータが提供される。その際にこの集積スイッチング回路は、外部スナバ回路のそれぞれのコンポーネントおよび集積スイッチング回路の当該コンフィギュレーションをただ単に適合化することによって、例えばプログラミング、ピンコーディング、またはその類いによって、リニアレギュレータの機能も、またステップダウンスイッチングコンバータの機能も実現できるように設計されている。それにより、対応している内部電源の性能を、低コストで、しかも同じシステムアーキテクチャ(ハードウェア回路、プリント基板)で、非常に簡単に拡張することが可能である。したがって、ステップダウン電圧レギュレータにより提供される出力電力が500mW未満である「小型」システムであっても、集積スイッチング回路を、外部スナバ回路として安定化コンデンサだけが接続されたリニアレギュレータとして動作させることができる。ステップダウン電圧レギュレータにより提供される出力電力が700mWを上回る「大型」のシステムであれば、集積スイッチング回路は、外部スナバ回路として上述の安定化コンデンサにさらに追加してコイルとダイオードとが接続された高性能ステップダウンスイッチングコンバータとして動作されることになる。そこではリニアレギュレータとしての動作モードにおいても優れたコストメリットが維持されるように、集積スイッチング回路の各構成部品のデザインが選定されている。
【0006】
本発明の様々な実施形態により提供されるのは、コンフィギュレーション可能な評価制御ユニットと、コンフィギュレーション可能なトリガ回路と、コンフィギュレーション可能な電圧補償回路と、少なくとも制御可能な半導体スイッチとを内蔵したコンフィギュレーション可能な集積スイッチング回路、および、この集積スイッチング回路の様々な接続ポートに電気接続されている、各種コンポーネントを実装した外部スナバ回路を実装したステップダウン電圧レギュレータである。集積スイッチング回路の出力のところでタップ可能な出力電圧を表しているフィードバック信号が評価制御ユニットにフィードバックされており、この評価制御ユニットは、このフィードバック信号に基づいて、トリガ回路と連携して、少なくとも一つのスイッチング信号を発生して、少なくとも一つの制御可能な半導体スイッチに出力することによって、集積スイッチング回路の一つの入力に印加された入力電圧を調整して、最大でもこの入力電圧と同じ電圧レベルの出力電圧が発生するようになっている閉ループ制御回路を成立させるような仕様に仕立てられている。集積スイッチング回路は、電気接続された外部スナバ回路と連携して、評価制御ユニットのコンフィギュレーション、トリガ回路のコンフィギュレーション、および電圧補償回路のコンフィギュレーションに依存して、第1のコンフィギュレーションにおいてはリニアレギュレータとして、第2のコンフィギュレーションにおいてはステップダウンスイッチングコンバータとして作用する。
【0007】
本発明の様々な実施形態により、制御装置に対応した内部電源のスケーラビリティの大幅な拡大が可能になるために、それぞれの出力負荷および/または出力ラインが占める広いエリアを同じ集積スイッチング回路でカバーできるようになる。またその際のステップダウン電圧レギュレータの電気回路内およびプリント基板レイアウト内における必要な適合化は、最小限に限定されることになる。類型的にステップダウンスイッチングコンバータとしての動作モードのためには、リニアレギュレータとしての動作モード用のプリント基板レイアウトの中に既に与えられている既存の外部スナバ回路内に、ただ一つのインダクタンスもしくはストレージスロットルまたはコイルと、フリーホイールダイオードとが補足される。集積スイッチング回路自体は、その構成部品のコンフィギュレーションを変更することによって、リニアレギュレータとしての動作モードからステップダウンスイッチングコンバータとしての動作モードに切り換えられる。集積スイッチング回路の構成部品である評価制御ユニットおよび/またはトリガ回路および/または電圧補償回路のコンフィギュレーションは、例えば集積スイッチング回路の初回動作の前または間に、例えばピンコーディング、または工場側のプログラミング、または、例えばシステムプログラミングインターフェース(SPI)を介しての制御装置のマイクロコントローラによる、または例えばEEPROMなどの外部メモリを読み込むことによる、システム側のプログラミングを利用して、行われるとよい。ステップダウン電圧レギュレータの出力電力は、集積スイッチング回路と外部スナバ回路の具体的な仕様にもよるが、例えば3~4倍へと、極めて簡単に変化させることができる。それにより例えば、リニアレギュレータとしての動作モードにおいては200mAの平均電流で6.7Vの入力電圧から3.3Vの出力電圧を供給するステップダウン電圧レギュレータを実現することができる。ステップダウンスイッチングコンバータとしての動作モードにおいては、同じ集積スイッチング回路により、600mAの平均電流で3.3Vの出力電圧を提供することができる。それによりシステム全体に、存在している内部電源のアーキテクチャ内で、例えばさらに別のセンサ類、高性能マイクロコントローラ、通信インターフェースなどの様々な付加的な電気負荷を、極めて容易に補足することができる。新たな集積スイッチング回路の追加は一切不要であり、それよりもむしろ、現行の集積スイッチング回路をリニアレギュレータとしての動作モードからステップダウンスイッチングコンバータとしての動作モードに変換するとともに、外部スナバ回路に必要なパッシブ型の構成部品を補足してやれば足りることになる。
【0008】
評価制御ユニットとは、ここでは、例えば任意の制御装置内、特に任意のエアバッグ制御装置内に導入可能な電気回路であると解釈できるものである。評価制御ユニットは、フィードバック信号を受信してこれを評価することによって、少なくとも一つの制御可能な半導体スイッチのトリガ回路を相応にアクティブ化または非アクティブ化するようになっている。そのために評価制御ユニットは、少なくとも一つの対応するインターフェースを有しているとよい。
【0009】
それぞれの引用形式請求項に掲記される措置および展開構成例により、独立形式請求項である請求項1に提示されるステップダウン電圧レギュレータの有益な改良が可能である。
【0010】
集積スイッチング回路のリニアレギュレータとしての第1のコンフィギュレーションにおける外部スナバ回路がコンポーネントとして一つの短絡ブリッジと一つのコンデンサを内蔵できるようにすると特に有益である。その場合は短絡ブリッジが、集積スイッチング回路のハイサイド電圧をタップ可能な一つのノードを、集積スイッチング回路の出力電圧をタップ可能な一つの出力と接続するとよい。コンデンサは、集積スイッチング回路のこの出力と一つの基準電位との間に割り込ませて配置されたものであるとよく、それにつなげられた負荷を介して出力電圧を安定化できるようになっている。それにより、リニアレギュレータとして作用する一つの集積スイッチング回路が実装されるステップダウン電圧レギュレータの簡単なインプリメンテーションが可能になる。
【0011】
ステップダウン電圧レギュレータの有益な構成形態において、外部スナバ回路は、集積スイッチング回路のステップダウンスイッチングコンバータとしての第2のコンフィギュレーションにおけるコンポーネントとしてインダクタンスとダイオードとコンデンサとを内蔵するとよい。その場合は短絡ブリッジの代わりにインダクタンスが、集積スイッチング回路の上述のハイサイド電圧をタップ可能なノードを、集積スイッチング回路の上述の出力電圧をタップ可能な出力と接続するとよい。ダイオードは、集積スイッチング回路のこのノードと上述の基準電位との間に割り込ませて配置されたものであるとよく、フリーホイールダイオードとして作用できるようになっている。コンデンサは、集積スイッチング回路のリニアレギュレータとしての動作モードに類似して、集積スイッチング回路の上述の出力と上述の基準電位との間に割り込ませて配置されたものであるとよい。それにより、ステップダウンスイッチングコンバータとして作用する集積スイッチング回路が実装されるステップダウン電圧レギュレータの簡単なインプリメンテーションが可能になる。
【0012】
ステップダウン電圧レギュレータのさらに有益な構成形態において、評価制御ユニットは、集積スイッチング回路のリニアレギュレータとしての第1のコンフィギュレーションにおけるフィードバック信号を一つの基準信号と比較して、集積スイッチング回路がリニアレギュレータとして使用されるこの第1のコンフィギュレーションにおけるドライバ回路として作用可能なトリガ回路と連携して、少なくとも一つの半導体スイッチのためのトリガ信号を発生できるようになっている差動増幅器として作用するとよい。その場合は電圧補償回路が、集積スイッチング回路のリニアレギュレータとしてのこの第1のコンフィギュレーションにおける何の機能も果たさないようにするとよい。
【0013】
ステップダウン電圧レギュレータのさらに有益な構成形態において、評価制御ユニットは、集積スイッチング回路がステップダウンスイッチングコンバータとして使用される第2のコンフィギュレーションにおいては、フィードバック信号を基準信号と比較して、集積スイッチング回路がステップダウンスイッチングコンバータとして使用されるこの第2のコンフィギュレーションにおいてはPWMモジュレータ(PWM:Pulse Width Modulation、パルス幅変調)およびドライバ回路として作用可能なトリガ回路と連携して、少なくとも一つの制御可能な半導体スイッチのための少なくとも一つのスイッチング信号を発生できるようになっているコンパレータとして作用するとよい。その場合は電圧補償回路により、集積スイッチング回路がステップダウンスイッチングコンバータとして使用されるこの第2のコンフィギュレーションにおいては、評価制御ユニットが、この少なくとも一つのスイッチング信号を発生する際に安定化されるとよい。さらにその上に評価制御ユニットは、フィードバック信号が上述の基準信号を下回る場合は第1の信号をトリガ回路のPWМモジュレータに出力し、フィードバック信号が上述の基準信号を上回る場合は第2の信号をトリガ回路のPWМモジュレータに出力するとよい。それに続いてトリガ回路のPWМモジュレータは、ドライバ回路と連携して、第1の信号に基づいて、出力電圧が上昇するように少なくとも一つのスイッチング信号を変更したり、第2の信号に基づいて、出力電圧が低下するように少なくとも一つのスイッチング信号を変更したりするとよい。この少なくとも一つのスイッチング信号はPWМ信号(パルス幅変調信号)として発生されるために、出力用電圧の高効率調整が可能である。
【0014】
ステップダウン電圧レギュレータのさらに有益な構成形態においては、電流センサ回路が、少なくとも一つの制御可能な半導体スイッチを通り流れる電流の値を検出して、それに対応した測定信号を評価制御ユニットに出力するような仕様に仕立てられているとよいが、この評価制御ユニットは、少なくとも一つの制御可能な半導体スイッチのための少なくとも一つのスイッチング信号を発生する際には、この少なくとも一つの半導体スイッチを通り流れる電流の検出値に配慮するような仕様に仕立てられている。それにより所望される出力電圧をより精確に設定することが可能である。さらにその上に検出された電流値が過大である場合は、この少なくとも一つの半導体スイッチがオフにされるとよい。
【0015】
ステップダウン電圧レギュレータのさらに有益な構成形態において、出力電圧または出力電圧の一部は、フィードバック信号としてフィードバックされるとよい。それにより出力電圧を、例えば直接リンク方式で、集積スイッチング回路の対応する接続ポートに印加することができる。あるいはその代わりに出力電圧は、外部または内部の分圧器を介してフィードバックされるとよい。
【0016】
ステップダウン電圧レギュレータのさらに有益な構成形態において、少なくとも一つの半導体スイッチのいずれかの設計諸元は、集積スイッチング回路の第1のコンフィギュレーションにおいて、リニアレギュレータの様々な電流要件および/またはドロップアウト電圧要件に対して適合化されているとよい。したがって、例を挙げると、少なくとも一つの制御可能な半導体スイッチのレイアウト面積や接触抵抗が、集積スイッチング回路の第1のコンフィギュレーションにおいて、リニアレギュレータの様々な電流要件および/またはドロップアウト電圧要件に対して適合化されているとよい。集積スイッチング回路のステップダウンスイッチングコンバータとしての動作モードにおいては、少なくとも一つの制御可能な同じ半導体スイッチを用いて、PWМ信号として印加されるスイッチング信号のクロック動作(設定されているパルス印加時間と休止時間の比)に基づいて、出力電力の大幅な上昇を達成することができる。
【0017】
ステップダウン電圧レギュレータのさらに有益な構成形態において、ステップダウン電圧コンバータのレイアウトには、集積スイッチング回路の外部スナバ回路の各種コンポーネントのための複数の接点位置が提供されるものがあるとよい。それにより、集積スイッチング回路のリニアレギュレータとしての第1のコンフィギュレーションと集積スイッチング回路のステップダウンスイッチングコンバータとしての第2のコンフィギュレーションとの間の速やかな変更が可能である。
【0018】
図面には本発明の実施例の一例が示されており、以下の説明ではこれについて詳しく解説する。図中の同じ符号は、同じ機能もしくは類似機能を実行するコンポーネントもしくは素子を表している。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明にしたがったステップダウン電圧レギュレータの実施例を、リニアレギュレータとして作用する集積スイッチング回路とともに示す概略的なブロック線図である。
図2】本発明にしたがったステップダウン電圧レギュレータを、ステップダウンスイッチングコンバータとして作用する集積スイッチング回路とともに示す概略的なブロック線図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1および図2から明らかであるように、本発明にしたがったステップダウン電圧レギュレータ1の図示の実施例は、コンフィギュレーション可能な評価制御ユニット10と、コンフィギュレーション可能なトリガ回路12と、コンフィギュレーション可能な電圧補償回路5と、少なくとも制御可能な半導体スイッチTとを内蔵したコンフィギュレーション可能な集積スイッチング回路2、および、この集積スイッチング回路2のそれぞれの接続ポートに電気接続されている、各種コンポーネントを実装した外部スナバ回路14を内蔵する。そこでは集積スイッチング回路2の一つの出力Aのところでタップ可能な出力電圧Voutを表しているフィードバック信号Vrueckが、評価制御ユニット10にフィードバックされている。評価制御ユニット10は、このフィードバック信号Vrueckに基づいて、トリガ回路12と連携して少なくとも一つのスイッチング信号を発生して、これが少なくとも一つの制御可能な半導体スイッチTに出力されることによって、集積スイッチング回路2の一つの入力Eに印加された入力電圧Vinを調整して、最大でもこの入力電圧Vinと同じ電圧レベルの出力電圧Voutを発生するための閉ループ制御回路を成立させている。集積スイッチング回路2は、電気接続された外部スナバ回路14と連携して、評価制御ユニット10のコンフィギュレーション、トリガ回路12のコンフィギュレーション、および電圧補償回路5のコンフィギュレーションに依存して、図1に示される第1のコンフィギュレーションにおいてはリニアレギュレータ2Aとして、図2に示される第2のコンフィギュレーションにおいてはステップダウンスイッチングコンバータ2Bとして、作用する。
【0021】
図1および図2からさらに明らかであるように、図示の実施例においては集積スイッチング回路2がp-MOSFETの仕様に仕立てられた制御可能な半導体スイッチTを一つだけ内蔵している。当然ながら、それ以外の適切な電気構成部品もまた、制御可能な半導体スイッチ1として使用することができる。さらにその上に集積スイッチング回路2の出力Aには負荷RLがロードされているが、これはここにはオーム抵抗として図示されている。当然ながらほかにも誘導性または容量性の負荷や、誘導性または容量性または抵抗性の負荷の任意の混合形態も考えられる。さらにその上に外部スナバ回路14は、集積スイッチング回路2の動作方式に関係なく出力電圧Voutを安定化するためのコンデンサCを内蔵している。
【0022】
図1からさらに明らかであるように、集積スイッチング回路2がリニアレギュレータ2Aとして使用される第1のコンフィギュレーションにおいて、外部スナバ回路14Aがさらにそれに追加して短絡ブリッジKBを内蔵している。この短絡ブリッジKBは、集積スイッチング回路2のハイサイド電圧VHSをタップ可能なノードKを、集積スイッチング回路2の出力電圧Vоutをタップ可能な出力Aと接続している。コンデンサCは、集積スイッチング回路2のこの出力Aと基準電位との間に割り込ませて配置されている。
【0023】
図2からさらに明らかであるように、集積スイッチング回路2がステップダウンスイッチングコンバータ2Bとして使用される第2のコンフィギュレーションにおいては、外部スナバ回路14Bがさらにそれに追加して一つのインダクタンスLと一つのダイオードDとを内蔵している。インダクタンスLは、集積スイッチング回路2のハイサイド電圧VHSをタップ可能な上述のノードKを、集積スイッチング回路2の出力電圧Vоutをタップ可能な上述の出力Aと接続している。ダイオードDは、フリーホイールダイオードとして作用し、集積スイッチング回路2のノードKと基準電位との間に割り込ませて配置されている。コンデンサCは、集積スイッチング回路2の出力Aと前出の基準電位との間に割り込ませて配置されている。点線で示される図1のインダクタンスLとダイオードDおよび図2の短絡ブリッジKBは、図示されるステップダウン電圧コンバータ1のレイアウトには、集積スイッチング回路2の外部スナバ回路14の各種コンポーネントのための複数の接点位置が提供されるものがあることを示唆するものである。
【0024】
図1および図2からさらに明らかであるように、ステップダウン電圧レギュレータ1の図示の実施例においては、トリガ回路12がPWМモジュレータ3とドライバ回路9とを内蔵している。それ以外にも出力電圧Vоutの一部が、第1の抵抗R1と第2の抵抗R2とから成る分圧器を経由して、フィードバック信号Vrueckとして評価制御ユニット10にフィードバックされている。ステップダウン電圧レギュレータ1の図示の実施例においては、測定抵抗Rsもしくはシャント抵抗を内蔵した電流センサ回路7が、制御可能な半導体スイッチTを通り流れる電流の値を検出して、対応する測定信号を評価制御ユニット10に出力するようになっている。評価制御ユニット10は、半導体スイッチTのための少なくとも一つのスイッチング信号を発生する際には、この制御可能な半導体スイッチTを通り流れる電流の検出値に配慮する。制御可能な半導体スイッチTのいずれかの設計諸元、例えばレイアウト面積や接触抵抗などは、集積スイッチング回路2の第1のコンフィギュレーションにおいてリニアレギュレータ2Aの様々な電流要件および/またはドロップアウト電圧要件に対して適合化されている。
【0025】
図1に示される、集積スイッチング回路2がリニアレギュレータ2Aとして使用される第1のコンフィギュレーションにおいて、評価制御ユニット10が差動増幅器として作用して、フィードバック信号Vrueckを基準信号Vrefと比較して、集積スイッチング回路2がリニアレギュレータ2Aとして使用されるこの第1のコンフィギュレーションにおいてドライバ回路9としてだけ作用するようになっているトリガ回路12と連携して、制御可能な半導体スイッチTのための少なくとも一つのスイッチング信号を発生する。これは、集積スイッチング回路2がリニアレギュレータ2Aとして使用されるこの第1のコンフィギュレーションにおいて、PWМモジュレータ3も電圧補償回路5も、何の機能も果たさないことを意味している。図示の実施例においては、この基準信号Vrefがある一つの内部電圧レベルとなっている。あるいはその代わりにこの基準信号Vrefは、集積スイッチング回路2の対応する基準信号ポートに印加されるある一つの外部電圧レベルであってもかまわない。
【0026】
図2に示される、集積スイッチング回路2がステップダウンスイッチングコンバータ2Bとして使用される第2のコンフィギュレーションにおいては、評価制御ユニット10がコンパレータとして作用して、フィードバック信号Vrueckを基準信号Vrefと比較して、集積スイッチング回路2がステップダウンスイッチングコンバータ2Bとして使用されるこの第2のコンフィギュレーションにおいてはPWМモジュレータ3およびドライバ回路9として作用するようになっているトリガ回路12と連携して、制御可能な半導体スイッチTのための少なくとも一つのスイッチング信号を発生する。そこではこの少なくとも一つのスイッチング信号が、パルス印加時間と休止時間の比が設定されたPWМ信号となっている。このPWМ信号を発生するために、PWМモジュレータ3には内部クロック信号CLKが印加されている。集積スイッチング回路2がステップダウンスイッチングコンバータ2Bとして使用されるこの第2のコンフィギュレーションにおいては、この少なくとも一つのスイッチング信号のクロック動作に基づいて、同じ半導体スイッチTを用いて、集積スイッチング回路2がリニアレギュレータ2Aとして使用される第1のコンフィギュレーションのときよりも格段と高い出力電力を達成することができる。集積スイッチング回路2がステップダウンスイッチングコンバータ2Bとして使用されるこの第2のコンフィギュレーションにおいては、電圧補償回路5により、少なくとも一つのスイッチング信号を発生する際に評価制御ユニット10が安定化されるようになっている。評価制御ユニット10は、フィードバック信号Vrueckが基準信号Vrefを下回る場合はトリガ回路12のPWМモジュレータ3に第1の信号を出力し、フィードバック信号Vrueckが基準信号Vrefを上回る場合はトリガ回路12のPWМモジュレータ3に第2の信号を出力する。それによりトリガ回路12のPWМモジュレータ3は、ドライバ回路9と連携して、この第1の信号に基づいて出力電圧Vоutが上昇するように、または、この第2の信号に基づいて出力電圧Vоutが低下するように、少なくとも一つのスイッチング信号を変更する。これらの変更は、PWМ信号のパルス印加時間と休止時間の比を相応に変更することによって達成される。
【0027】
集積スイッチング回路2自体は、その構成部品のコンフィギュレーションを変更することによって、リニアレギュレータ2Aとしての動作モードからステップダウンスイッチングコンバータ2Bとしての動作モードに切り換えられるようになっている。評価制御ユニット10および/またはトリガ回路12および/または電圧補償回路5のコンフィギュレーションの差異により、および/または、基準信号Vrefの電圧レベルの差異により、出力電圧Vоutのレベルや精確さに関する様々な要求に対して、その時々のステップダウン電圧レギュレータ1を適合化することができる。集積スイッチング回路2の構成部品である評価制御ユニット10および/またはトリガ回路12および/または電圧補償回路5のコンフィギュレーションは、例えば集積スイッチング回路2の初回動作の前または間に、例えばピンコーディング、または工場側のプログラミング、または、例えばシステムプログラミングインターフェース(SPI)を介しての制御装置の一つのマイクロコントローラによる、または例えばEEPROMなどの外部メモリを読み込むことによる、システム側のプログラミングを利用して、行われるとよい。
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2024-01-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンフィギュレーション可能な評価制御ユニット(10)と、コンフィギュレーション可能なトリガ回路(12)と、コンフィギュレーション可能な電圧補償回路(5)と、少なくとも制御可能な半導体スイッチ(T)とを内蔵したコンフィギュレーション可能な集積スイッチング回路(2)、および、前記集積スイッチング回路(2)のそれぞれの接続ポートに電気接続されている、各種コンポーネントを実装した外部スナバ回路(14)を実装したステップダウン電圧レギュレータ(1)であって、前記集積スイッチング回路(2)の出力(A)のところでタップ可能な出力電圧(Vоut)を表しているフィードバック信号(Vrueck)が、前記評価制御ユニット(10)にフィードバックされており、前記評価制御ユニット(10)が、前記フィードバック信号(Vrueck)に基づいて、前記トリガ回路(12)と連携して、少なくとも一つのスイッチング信号を発生して、前記少なくとも一つの制御可能な半導体スイッチ(T)に出力することによって、前記集積スイッチング回路(2)の一つの入力(E)に印加された入力電圧(Vin)を調整して、最大でも前記入力電圧(Vin)と同じ電圧レベルの出力電圧(Vоut)を発生するための、閉ループ制御回路を成立させるような仕様に仕立てられており、その際には、前記集積スイッチング回路(2)が、前記電気接続された外部スナバ回路(14)と連携して、前記評価制御ユニット(10)のコンフィギュレーション、前記トリガ回路(12)のコンフィギュレーション、および前記電圧補償回路(5)のコンフィギュレーションに依存して、第1のコンフィギュレーションにおいてはリニアレギュレータ(2A)として、第2のコンフィギュレーションにおいてはステップダウンスイッチングコンバータ(2B)として作用する、ステップダウン電圧レギュレータ(1)。
【請求項2】
前記集積スイッチング回路(2)のリニアレギュレータ(2A)としての前記第1のコンフィギュレーションにおける前記外部スナバ回路(14)がコンポーネントとして一つの短絡ブリッジ(KB)と一つのコンデンサ(C)とを内蔵することを特徴とする、請求項1に記載のステップダウン電圧レギュレータ(1)。
【請求項3】
前記短絡ブリッジ(KB)が、前記集積スイッチング回路(2)のハイサイド電圧(VHS)をタップ可能なノード(K)を、前記集積スイッチング回路(2)の前記出力電圧(Vоut)をタップ可能な出力(A)と接続することと、その際には、前記コンデンサ(C)が、前記集積スイッチング回路(2)の前記出力(A)と基準電位との間に割り込ませて配置されることを特徴とする、請求項2に記載のステップダウン電圧レギュレータ(1)。
【請求項4】
前記集積スイッチング回路(2)のステップダウンスイッチングコンバータ(2B)としての前記第2のコンフィギュレーションにおける前記外部スナバ回路(14)がコンポーネントとしてインダクタンス(L)とダイオード(D)とコンデンサ(C)とを内蔵することを特徴とする、請求項1に記載のステップダウン電圧レギュレータ(1)。
【請求項5】
前記インダクタンス(L)が、前記集積スイッチング回路(2)のハイサイド電圧(VHS)をタップ可能なノード(K)を、前記集積スイッチング回路(2)の前記出力電圧(Vоut)をタップ可能な出力(A)と接続することと、その際には、前記ダイオード(D)が、前記集積スイッチング回路(2)の前記ノード(K)と基準電位との間に割り込ませて配置されること、さらにその際には、前記コンデンサ(C)が、前記集積スイッチング回路(2)の前記出力(A)と前記基準電位との間に割り込ませて配置されることを特徴とする、請求項4に記載のステップダウン電圧レギュレータ(1)。
【請求項6】
前記評価制御ユニット(10)が、前記集積スイッチング回路(2)のリニアレギュレータ(2A)としての前記第1のコンフィギュレーションにおける差動増幅器として作用して、前記フィードバック信号(Vrueck)を基準信号(Vref)と比較して、前記集積スイッチング回路(2)のリニアレギュレータ(2A)としての前記第1のコンフィギュレーションにおけるドライバ回路(9)として作用する前記トリガ回路(12)と連携して、前記少なくとも一つの制御可能な半導体スイッチ(T)のための前記少なくとも一つのスイッチング信号を発生することと、その際には、前記集積スイッチング回路(2)がリニアレギュレータ(2A)として使用される前記第1のコンフィギュレーションにおいて、前記電圧補償回路(5)が何の機能も果たさないことを特徴とする、請求項1に記載のステップダウン電圧レギュレータ(1)。
【請求項7】
前記集積スイッチング回路(2)のステップダウンスイッチングコンバータ(2B)としての前記第2のコンフィギュレーションにおける前記評価制御ユニット(10)がコンパレータとして作用して、前記フィードバック信号(Vrueck)を基準信号(Vref)と比較して、前記集積スイッチング回路(2)がステップダウンスイッチングコンバータ(2B)として使用される前記第2のコンフィギュレーションにおいてはPWМモジュレータ(3)およびドライバ回路(9)として作用する前記トリガ回路(12)と連携して、前記少なくとも一つの制御可能な半導体スイッチ(T)のための前記少なくとも一つのスイッチング信号を発生することと、その際には、前記集積スイッチング回路(2)がステップダウンスイッチングコンバータ(2B)として使用される前記第2のコンフィギュレーションにおいては、前記電圧補償回路(5)により、前記少なくとも一つのスイッチング信号を発生する際に前記評価制御ユニット(10)が安定化されることを特徴とする、請求項1に記載のステップダウン電圧レギュレータ(1)。
【請求項8】
前記評価制御ユニット(10)が、前記フィードバック信号(Vrueck)が前記基準信号(Vref)を下回る場合は第1の信号を前記トリガ回路(12)の前記PWМモジュレータ(3)に出力し、前記フィードバック信号(Vrueck)が前記基準信号(Vref)を上回る場合は第2の信号を前記トリガ回路(12)の前記PWМモジュレータ(3)に出力することを特徴とする、請求項7に記載のステップダウン電圧レギュレータ(1)。
【請求項9】
前記トリガ回路(12)の前記PWМモジュレータ(3)が、前記ドライバ回路(9)と連携して、前記第1の信号に基づいて前記出力電圧(Vоut)が上昇するように前記少なくとも一つのスイッチング信号を変更する、または、前記第2の信号に基づいて前記出力電圧(Vоut)が低下するように前記少なくとも一つのスイッチング信号を変更することを特徴とする、請求項8に記載のステップダウン電圧レギュレータ(1)。
【請求項10】
電流センサ回路(7)が、前記少なくとも一つの制御可能な半導体スイッチ(T)を通り流れる電流の値を検出して、対応する測定信号を前記評価制御ユニット(10)に出力するような仕様に仕立てられており、前記評価制御ユニット(10)が、前記少なくとも一つの半導体スイッチ(T)のための前記少なくとも一つのスイッチング信号を発生する際には、前記少なくとも一つの制御可能な半導体スイッチ(T)を通り流れる電流の前記検出値に配慮するような仕様に仕立てられていることを特徴とする、請求項1に記載のステップダウン電圧レギュレータ(1)。
【請求項11】
前記出力電圧(Vоut)または前記出力電圧(Vоut)の一部がフィードバック信号(Vrueck)としてフィードバックされることを特徴とする、請求項1に記載のステップダウン電圧レギュレータ(1)。
【請求項12】
前記集積スイッチング回路(2)の前記第1のコンフィギュレーションにおいて、前記少なくとも一つの半導体スイッチ(T)のいずれかの設計諸元が、前記リニアレギュレータ(2A)の様々な電流要件および/またはドロップアウト電圧要件に対して適合化されていることを特徴とする、請求項1に記載のステップダウン電圧レギュレータ(1)。
【請求項13】
ステップダウン電圧コンバータ(1)のレイアウトに、前記集積スイッチング回路(2)の前記外部スナバ回路(14)の前記各種コンポーネントのための複数の接点位置が提供されるものがあることを特徴とする、請求項1に記載のステップダウン電圧レギュレータ(1)。

【国際調査報告】