(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】着脱式センサを有する内視鏡
(51)【国際特許分類】
A61B 1/00 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
A61B1/00 550
A61B1/00 530
A61B1/00 680
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504577
(86)(22)【出願日】2022-08-31
(85)【翻訳文提出日】2024-01-24
(86)【国際出願番号】 IB2022058155
(87)【国際公開番号】W WO2023031813
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】102021122444.6
(32)【優先日】2021-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000113263
【氏名又は名称】HOYA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー,ヴォルフガング
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161CC06
4C161DD03
4C161FF35
4C161GG11
4C161HH52
4C161UU06
(57)【要約】
本開示は、患者に挿入するための管部(200)であって、前記管部(200)の遠位側に遠位端部(300)が設けられている管部(200)と、少なくとも1つのセンサ(28)と、を有する内視鏡(10)に関する。センサ(28)は、内視鏡(10)に取り外し可能に取り付け可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡(10)であって、
患者に挿入するための管部(200)であって、前記管部(200)の遠位側に遠位端部(300)が設けられている管部(200)と、
少なくとも1つのセンサ(28)と、
を備え、
前記センサ(28)が、前記内視鏡(10)に取り外し可能に取り付け可能である、
内視鏡(10)。
【請求項2】
前記センサ(28)が、前記内視鏡(10)の前記遠位端部(300)に取り外し可能に取り付け可能であり、無線でエネルギーが供給されるように構成され、前記センサ(28)が、情報を無線で送信するように構成されている、
請求項1に記載の内視鏡。
【請求項3】
前記センサ(28)が、前記内視鏡(10)の前記遠位端部(300)に取り外し可能に取り付け可能であり、前記センサ(28)とは反対側の信号伝送ケーブル(21)の端部(24)において信号処理装置(802)に接続されるように構成された前記信号伝送ケーブル(21)に接続される、
請求項1に記載の内視鏡。
【請求項4】
前記信号伝送ケーブル(21)が、前記内視鏡(10)の前記遠位端部(300)を前記内視鏡(10)の近位把持ユニット(100)に接続する前記内視鏡(10)の前記管部(200)に取り外し可能に取り付け可能であり、
前記近位把持ユニット(100)の近位側において、プロセッサ(801)に接続されるように構成されたプロセッサコネクタ(500)が設けられている、
請求項3に記載の内視鏡。
【請求項5】
前記センサ(28)が、スナップイン接続、スリップオン接続、取り外し可能な接着接続、または機械的プラグイン接続によって前記内視鏡(10)に取り外し可能に取り付け可能である、
請求項1から4のいずれか一項に記載の内視鏡。
【請求項6】
前記信号伝送ケーブル(21)が、スナップイン接続、取り外し可能な接着接続、または機械的プラグイン接続によって前記管部(200)に取り外し可能に取り付け可能である、
請求項3から5のいずれか一項に記載の内視鏡。
【請求項7】
前記管部(200)には、スリップオンシースが取り外し可能に取り付けられており、前記信号伝送ケーブル(21)が、前記スリップオンシース内に一体化されている、
請求項3から6のいずれか一項に記載の内視鏡。
【請求項8】
前記内視鏡(10)の前記遠位端部(300)が超音波センサ(30)を備え、
前記センサ(28)と前記超音波センサ(30)との間の相対位置情報が知られているか、決定できるように、前記センサ(28)を前記超音波センサ(30)に関して前記内視鏡(10)上に取り外し可能に取り付け可能である、
請求項1から7のいずれか一項に記載の内視鏡。
【請求項9】
前記センサ(28)が、前記超音波センサ(30)に隣接して、前記内視鏡(10)の前記遠位端部(300)に取り外し可能に取り付け可能である、
請求項8に記載の内視鏡。
【請求項10】
前記センサ(28)がホール効果センサである、
請求項1から9のいずれか一項に記載の内視鏡。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の内視鏡(10)と、信号処理装置(802)と、プロセッサ(801)と、の組合せであって、
前記信号処理装置(802)が、前記プロセッサ(801)とは別体のユニットである、
組合せ。
【請求項12】
請求項1から10のいずれか一項に記載の内視鏡(10)と、信号処理装置(802)と、プロセッサ(801)と、の組合せであって、
前記信号処理装置(802)と前記プロセッサ(801)とが共通のユニットを形成する、
組合せ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、着脱式センサを有する内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
このような内視鏡としては、例えば、超音波内視鏡を挙げることができる。超音波内視鏡は、例えば、超音波内視鏡の遠位端部(または区間)に超音波センサ(超音波センサ)を有する。超音波センサは、検査される患者の領域またはエリアの超音波画像を生成する。内視鏡は、内視鏡の特定の部分の位置を決定するための位置センサを有することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示の目的は、特定の内視鏡部分または検査されるべき領域の正確な位置を、空間内で、かつ患者に対して確実に決定することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、請求項1に記載の内視鏡によって達成される。
【0005】
その例が、従属請求項に詳述される。
【0006】
内視鏡は、患者に挿入するための(挿入されることになる)管部を有する。管部の遠位側には、遠位端部が設けられている。センサは、この内視鏡の外部に(外部から)取り付け可能である(取り付けられるように構成されている)。センサは、内視鏡から再び取り外されるように構成される(取り外すことができる)。
【0007】
内視鏡に取り外し可能に取り付けられたセンサは、センサが一時的に取り付けられた内視鏡の部分に関してセンサによって取り出される所望の情報を取り出し(問い合わせまたはサンプリングし)、この情報をオペレータに提供することができる。
【0008】
センサが位置決定センサ(位置検出センサ)として設計されている場合、センサは、センサが一時的に取り付けられている内視鏡の部分の位置および向きに関する情報を取り出し、この情報をオペレータに提供することができる。
【0009】
センサは、内視鏡の遠位端部に取り外し可能に取り付け可能とすることができ、信号伝送ケーブル(信号送信ケーブル)であって、センサとは反対側の信号伝送ケーブルの端部において信号処理装置に接続されるように構成された信号伝送ケーブルに接続することができる。これにより、センサを使用して、空間内の、患者に対する(患者に対する/患者に対する)内視鏡の遠位端部の位置および向きに関する情報を確実に決定することができる。
【0010】
あるいは、信号伝送ケーブルなしで内視鏡を設けることもでき、センサからのセンサ信号を適切な装置によって無線で伝送することができる。
【0011】
信号伝送ケーブルは、内視鏡の遠位端部を内視鏡の近位把持ユニット(ハンドルユニット)に接続する内視鏡の管部に取り外し可能に取り付け可能とすることができ、プロセッサに接続されるように構成されたプロセッサコネクタ(プロセッサターミナル)が近位把持ユニットの近位側に設けられている。これにより、信号伝送ケーブルが内視鏡の取り扱いを妨げることがない。
【0012】
センサは、スナップイン接続(クリップイン/オン接続)、取り外し可能(開放可能)な接着接続、または機械的プラグイン接続によって内視鏡に取り外し可能に取り付け可能とすることができる。これにより、センサを内視鏡に取り付け、再度容易に取り外すことができる。
【0013】
信号伝送ケーブルは、スナップイン接続、取り外し可能な接着接続、または機械的プラグイン接続によって管部に取り外し可能に取り付け可能とすることができる。これにより、信号伝送ケーブルを管部に取り付け、再度容易に取り外すことができる。
【0014】
管部には、スリップオンシース(スリップオンカバー/コーティング)を取り外し可能に取り付けることができ、信号伝送ケーブルは、スリップオンシース内に一体化されている。信号伝送ケーブルとして機能するそのようなスリップオンシースは、管部の挿入を容易にし、それを妨げない表面を有することができる。さらに、特に薄いスリップオンシースが選択された場合、スリップオンシースが管部に配置されたときに管部の直径がわずかに増加するだけである。スリップオンシースが取り付けられたときの管部の外観は、従来の管部の外観と一致する。加えて、スリップオンシースの使用は、信号伝送ケーブルが管部上で変位しない(動かない)ことを特に有利な方法で確実にする。このようにして、信号伝送ケーブルは、回転および位置に関して固定された方式で管部上に配置される。
【0015】
内視鏡の遠位端部は、超音波センサ(超音波センサ)を有する(含む)場合があり、センサと超音波センサとの間の相対位置情報が知られているか、決定できる(識別可能である)ような方法で、センサを超音波センサに関して(関して/関して)内視鏡上に取り外し可能に取り付け可能であり得る。これにより、空間内で、かつ患者に対して、超音波センサの正確な位置を確実に決定することが可能になる。センサは、内視鏡上の任意の適切な位置に取り外し可能に取り付けることができる。
【0016】
センサは、超音波センサに隣接して、内視鏡の遠位端部に取り外し可能に取り付け可能とすることができる。これにより、取り外し可能に取り付けられたセンサと超音波センサとの相対位置を容易に決定することができる。
【0017】
センサは、ホール効果センサ(ホールセンサ)または、いわゆるEMセンサなどの任意の他の位置決定センサとすることができる。例えば、パッシブセンサを使用することができ、このパッシブセンサは、例えば、内視鏡に取り外し可能に取り付け可能なアクティブセンサ(放射または放射線を恒久的にまたはスイッチがオンになったときに出力する)からの電磁放射または他の放射を受信する。それにより、位置決定は、技術的に簡単で費用効果の高い方法でセンサによって実現することができる。
【0018】
また、取り外し可能に取り付け可能であるセンサを有する内視鏡と、信号処理装置と、プロセッサとの組合せ(セット)において、信号処理装置は、プロセッサ(制御装置)とは別体とすることができる。これにより、取り外し可能に取り付け可能であるセンサで判定された情報を、プロセッサで処理される情報とは別に扱うことができる。
【0019】
また、取り外し可能に取り付け可能であるセンサを有する内視鏡と、信号処理装置と、プロセッサとの組合せにおいて、信号処理装置は、プロセッサと合わせられたユニットとすることができる。信号処理装置は、プロセッサに統合することができるか、またはプロセッサにプラグ接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】センサが取り外し可能に取り付ける内視鏡の例を示す図である。
【
図2】センサのケーブルを内視鏡に取り外し可能に取り付けられるばねクリップを示す図である。
【
図3】
図2のばねクリップを内視鏡の管部(挿入部)に取り付けた斜視図である。
【
図4】センサが取り外し可能に取り付けられた内視鏡の遠位部分の斜視図である。
【
図5】超音波画像の位置が象徴的に示されている、
図4の内視鏡の遠位部分の斜視図である。
【
図6】
図4の内視鏡の遠位部分の斜視図を示し、超音波画像の位置が象徴的に示され、生検ツールが作業チャネルを通って前方に押し進められている。
【
図7】取り付け可能なセンサが内視鏡から取り外されている、内視鏡の遠位部分を示す図である。
【
図8】センサが内視鏡に取り付けられた
図7の内視鏡の遠位部分を示す図である。
【
図9】センサのケーブルを内視鏡に取り外し可能に締結するためのリング要素の第2の例を示す図である。
【
図10】
図9のリング要素が内視鏡の管部に取り付けられた第2の例の斜視図である。
【
図11】第2の例に係る開放リング要素の斜視図である。
【
図12】内視鏡の管部上に配置されたときの開放リング要素の斜視図である。
【
図13】センサが取り付けられた内視鏡の第3の例を示す図である。
【
図14】センサが取り付けられた内視鏡の第4の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示の例を以下に記載する。
【0022】
第1の例
まず、第1の例を
図1から
図8を参照して説明する。
【0023】
一般構造
図1は、内視鏡10の斜視図を示す。第1の例では、内視鏡10は、超音波内視鏡として設計されている。
【0024】
内視鏡10は、内視鏡10の制御本体としての把持ユニット100を有する。把持ユニット100は、例えば遠位部分300を旋回させるための任意選択の制御ノブ110を有する。また、把持ユニット100には、例えば作業チャネル用の挿入部120が形成されている。作業チャネルは、管部200として具現化された内視鏡10の挿入部の遠位部分300まで延在する。管部200は、把持部材100の遠位側から延在し、検査、治療などの目的で患者に挿入するために使用される。したがって、管部200は、その遠位側で遠位部分300に接続される。遠位部分300を旋回させると、遠位部分300が管部200に対して(管部200の遠位端に対して)相対的に移動する。
【0025】
把持ユニット100の近位側には、内視鏡ケーブル400が把持ユニット100に接続されている。内視鏡ケーブル400は、把持ユニット100に電力を供給したり、把持ユニット100とプロセッサ801(
図1に概略的に示す)との間でデータを受け渡したりするために用いられる。内視鏡ケーブル400の近位端には、プロセッサコネクタ500が設けられている。これにより、内視鏡ケーブル400は、把持ユニット100からプロセッサコネクタ500まで延びる。プロセッサコネクタ500は、プロセッサ801との接続を形成する(プロセッサ801に接続する)ために用いられる。プロセッサ801は、内視鏡10によって得られたデータを評価し、それをディスプレイ(図示せず)に表示する。
【0026】
遠位部分300は、超音波ヘッドまたは超音波センサ30を有する。例えば、
図5を参照されたい。遠位部分300はまた、
図5、
図6および
図7に示すように、作業チャネル出口320を含む。他の点では、遠位部分300は、任意の他の既知の機能を有してもよい。
【0027】
超音波センサ30は、信号出力窓31を有する。超音波センサ30は、信号出力窓31を介して、角度範囲36として示される所定の検出範囲内で超音波信号を放射/受信することができる。角度範囲36の角度二等分線35は、超音波センサ30の位置合わせを示している。
図5および
図6を参照されたい。受信信号は、内視鏡10内を走る信号線を介してプロセッサ801に送られる。超音波信号は既知の方式で評価される。
【0028】
図6に示すように、器具321は、既知の方法で、作業チャネル出口320から角度範囲36の超音波センサ30によってサンプリングされた領域まで押し進める(前進させる)ことができる。器具321は、組織検査のための生検プローブとすることができる。
【0029】
検査される領域の正確な位置を、空間内で、かつ患者に関して表示することができるようにするために、センサ28は、超音波内視鏡の遠位部分300に結合された位置決定センサとして使用することができる。
【0030】
この例では、センサ28は、センサアセンブリ20の一部として内視鏡10に取り外し可能に取り付けられる。この例では、センサ28は、内視鏡10の遠位部分300に取り外し可能に取り付けられる。より正確には、センサ28は、センサアセンブリ20の遠位端を形成する遠位接続要素27内に配置される。例えば、センサ28は、遠位接続要素27に埋め込まれる。遠位接続要素27は、プラスチックで作ることができる。遠位接続要素27は、遠位部分300の所定のドッキング部37に取り外し可能に取り付け可能である。言い換えると、遠位接続要素27は、超音波センサ30の所定のドッキング部37に取り外し可能に取り付け可能である。
【0031】
ドッキング部37は、遠位部分300の外周に形成することができる。ドッキング部37は、ドッキング部37を超音波センサ30に対して正確に位置決めすることを可能にする突起/突起部および凹部またはスナップインフック、スナップインラグなどの位置決め装置を有することができる。遠位接続要素27は、遠位接続要素27がドッキング部37に取り付けられたときにドッキング部37の位置決め装置と係合する適切な対向/嵌合装置を備えることができる。これは、遠位接続要素27とドッキング部37との間の固有の相対位置関係を規定する。これは、ひいては、遠位接続要素27内のセンサ28の位置が既知であるため、センサ28と超音波センサ30との間の固有の相対位置関係を規定する。
【0032】
遠位接続要素27は、回転が固定され(非回転)かつ変位不可能である方式でドッキング部37に取り外し可能に取り付けることができる。
【0033】
この例では、遠位接続要素27は、2つのウイング部271および272を有するU字形に形成される。センサ28は、ウイング部271と272との少なくとも一方に配置される。センサ28はまた、遠位接続要素27全体にわたって延びることができる。センサ28はまた、遠位接続要素27に別様に一体化され得る。センサ28は、遠位接続要素27内に鋳造することができる。
【0034】
この例では、センサ28は、位置決定センサとして実施される。センサ28は、超音波センサ30の位置を検出するための、好ましくは6自由度(3つの平行移動と3つの回転のデータ;前/後、上/下、および左/右の、3つの垂直な軸に沿った平行移動であり、横断方向の軸、長手方向の軸、および垂直な軸の周りの回転と組み合わせられる)のセンサである。
【0035】
この例では、センサ28はホールセンサとして実施される。この目的のために、磁場を生成するために内視鏡10の展開位置で既知の磁場発生器が使用される。ホールセンサとして実施されたセンサ28の位置が決定される。これにより、超音波センサ30の位置および向きが分かり、超音波センサ30の隣に、センサ28が超音波センサ30から既知の距離で位置している。
【0036】
センサアセンブリ20は、接続ケーブルとして構成されている。センサアセンブリ20は、遠位端の遠位接続要素27を有するケーブル21と、近位端のプラグコネクタ24とを有する。
図1を参照されたい。
【0037】
したがって、センサアセンブリ20において、センサ28は、ケーブル21を介してプラグコネクタ24に接続される。プラグコネクタ24は、ケーブル21の近位端に位置する。プラグコネクタ24は、上述のプロセッサ801に、またはこのプロセッサ801とは別個の信号処理装置802に接続することができる。信号処理装置802は、
図1に概略的に示されている。
【0038】
ケーブル21の長さは、内視鏡10の管部200の長さと、内視鏡10の内視鏡ケーブル400の長さとの合計略等しい。ケーブル21は、取り外し可能な締結装置22によって内視鏡10の管部200に取り付けられる。管部200の長さに沿って、ケーブル21には、1つまたは複数の締結装置22を設けることができる。
【0039】
この例では、複数の締結装置22が、ケーブル21上の管部200の長さに沿って設けられている(
図1には5つの締結装置22が示されている)。それぞれの締結装置22は、管部200に取り外し可能に取り付けることができる。
【0040】
この例では、締結装置22は、以下でより詳細に説明するばねクリップとして構成される。
【0041】
図2は、締結装置としてケーブル21に組み込まれたばねクリップ22を示す。
【0042】
ばねクリップ22は、流線型形状を有し、ケーブル21が長手方向に貫通している本体223を有する。より具体的には、ケーブル21は、本体223の内周においてルートが形成されている。本体223は、ケーブル21に対して変位することができない(変位可能ではない)。
【0043】
第1のウイング221および第2のウイング222は、本体223から延びている。第1のウイング221および第2のウイング222は、内視鏡10の管部200の外周の一部を囲むことができるような形状になっている。これにより、
図3に示すように、ばねクリップ22が管部200に強固に取り付けられる。ウイング221、222は弾性である。これにより、ウイング221とウイング222との間の空間が広がってウイング221、222が管部200の外周の周りを摺動できるように、ウイング221、222を屈曲して開くことができる。
【0044】
ウイング221および222は、平らな葉状ウイングとして設計されている。上述のように、ばねクリップ22を管部200に取り外し可能に取り付けた場合、
図3に示すように、ばねクリップ22のウイング221、222の外径は、管部200の外径よりもわずかに大きいだけである。
【0045】
これは、
図1および
図4に示すように、センサアセンブリ20のケーブル21を、それぞれの締結装置22によって管部200に取り外し可能に取り付けることができることを意味する。これにより、ケーブル21は、ケーブル21がケーブルループを妨害しないように、しっかりと締め付けて管部200に取り付けることが可能になる。
図1を参照されたい。
【0046】
ケーブル21が締結装置22によって管部200上にしっかりと配置されているので、ケーブル21からの干渉なしに管部200を患者に挿入することができる。
【0047】
動作の態様
センサアセンブリ20は、遠位接続要素27が、回転が固定され、平行移動不可能であるようにドッキング部37に取り外し可能に取り付けられるような方法で、内視鏡10に取り外し可能に取り付けられ、ケーブル21の締結装置22は、ケーブル21が管部200にしっかりと当接するような方法で、管部200上の適切な位置にクリップ留めされる。
【0048】
これで、内視鏡10の使用準備が整う。超音波センサ30の正確な位置を決定することができる。超音波センサ30の位置および/または向きの任意の変化は、センサ28によって決定することができる。
【0049】
本開示の効果
ケーブル21、締結装置22、およびセンサ28を有するセンサアセンブリ20は、非常に小さい横方向/幅方向寸法(延在方向に垂直な方向の非常に小さい寸法)を有し、管部200に対してしっかりと当接する。締結装置22は、ケーブル21が管部200に対して変位または回転するのを防止する。このため、管部200に取り付けられたセンサアセンブリ20は、内視鏡10の挿入時および動作時の取り扱いにほとんど影響を及ぼさない。
【0050】
遠位部分300に取り付けられると、センサ28は、超音波センサ30に対して固定された明確な関係を有する。センサ28は、超音波センサ30に対して固定された明確な関係を有するため、超音波センサ30の正確な位置および向きは、センサ28によって決定することができる。センサ28をドッキング部37上に確実に位置決めすることにより、センサ28の偶発的な回転または変位が防止される。
【0051】
したがって、超音波センサ30の位置および/または向きの任意の変化を含む正確な位置および向きを、センサ28によって検出することができる。これにより、空間内の、患者に対する超音波センサ30によって決定された超音波画像の位置を決定し視覚化することができる。したがって、超音波センサ30自体を含む超音波センサ30によって検査される領域の正確な位置は、空間内で患者に対して特に確実に決定することができ、ディスプレイに表示することができる。超音波画像をCTおよびMRなどの他の撮像技術と重ね合わせる/オーバーレイすることが可能である。3次元超音波画像も生成することができる。
【0052】
センサ28は、簡単に、かつ迅速に、内視鏡10への取り付けおよび内視鏡10からの再度の取り外しが可能である。
【0053】
上述した原理は、既存の内視鏡にも適用することができる。内視鏡には、外部から取り外し可能に取り付け可能なセンサを後付けすることができる。
【0054】
遠位接続要素27は、小さい半径方向寸法を有する。したがって、遠位接続要素27は、遠位部分300に取り外し可能に取り付けられたとき、遠位部分300における半径方向寸法をわずかに増加させるだけである。したがって、遠位接続要素27は、遠位部分300に取り外し可能に取り付けられたとき、内視鏡10の挿入中および動作中に管部200の挿入および管部200の取り扱いにほとんど影響を与えない。
【0055】
センサ28を有するセンサアセンブリ20は、内視鏡10とは別個に形成されるため、比較的高価な内視鏡10に変更を加える必要なく、比較的安価なセンサ28を別のセンサ28に置き換えることができる。
【0056】
センサ28を有するセンサモジュール20は、後に改造として内視鏡で使用することができる。
【0057】
センサ28を有するセンサアセンブリ20は、内視鏡10とは別個に形成されるため、必要に応じて、ユーザが所望する場合、センサアセンブリ20なしで、すなわちセンサ28なしで、内視鏡10を使用することもできる。これにより、超音波センサの位置および向きを判定するために、必要に応じて位置判定機能を搭載した内視鏡をユーザに提供する。
【0058】
第2の例
以下では、第2の例を
図9から
図12を参照して説明する。
【0059】
第1の例では、締結装置22はばねクリップの形態で実施されている。この第2の例では、締結装置22は、弾性ストラップホルダ(ストラップ)2022の形態で実施される。
図9および
図10を参照されたい。
【0060】
弾性ストラップホルダ2022は、弾性ストラップ2024を有し、その端部には、アイとして作用するリング2025が固定的に配置されている。リング2025とは反対側の端部において、ストラップ2024は、ケーブル21に固定して接続される本体2026に接続される。本体2026は、ストラップホルダ2022のためのケーブル締結部として機能し、ケーブル21に対して変位することができない。
【0061】
本体2026には、径方向外側を向く突起部2027が形成されている。突起部2027の外径は、突起部2027がリング2025を貫通するように選択される。これにより、リング2025を突起部2027にフィットさせることができる。
図9および
図10を参照されたい。
【0062】
ストラップ2024は、管部200の周方向寸法に一致する長さを有する。より正確には、ストラップ2024の長さは、ストラップ2024が管部200の外周の周りにしっかりとフィットして延び、張力がかけられた状態でリングに引っ掛けられるように選択される。
図12および
図10を参照されたい。
【0063】
弾性ストラップホルダ2022の機能は、第1の例のばねクリップと同様である。弾性ストラップホルダ2022は締結装置として機能し、それにより、センサアセンブリ20のケーブル21は、ケーブル21が管部200に対して変位不可能で、かつ回転不可能である方式で一時的に固定されるように、固定され、安定した方式で管部200に取り外し可能に取り付けられる。
【0064】
第3の例
以下、第3の例について、
図13を参照して説明する。
【0065】
図13は、センサが取り付けられた内視鏡の第3の例を示す。
【0066】
ケーブル21を有するセンサアセンブリが、内視鏡に取り外し可能に取り付けられる。構造は第1の例と同様である。第3の例におけるケーブル21は、(第1の例のような)管部200に対するケーブル21の取り外し可能な締結に加え、内視鏡ケーブル400に対しても取り外し可能に締結される。この目的のために、恒久的に一体化された締結装置22がケーブル21の近位領域に設けられ、ケーブル21は、ケーブル21を内視鏡ケーブル400に一時的にしっかりと締結することができるように、内視鏡ケーブル400に一時的に取り付けることができる。
【0067】
ケーブル21の近位領域の締結装置22は、第1または第2の例と同じ設計を有することができる。
【0068】
ケーブル21は、プロセッサまたは信号処理装置へとルートが形成され、そのどちらかにプラグコネクタ24が、緩んだ状態ではなく、内視鏡ケーブル400に締結されて挿入される。
【0069】
第3の例では、ケーブル21および内視鏡ケーブル400が損傷することを防止する。いわゆるケーブルの絡まりが回避される。
【0070】
第4の例
図14は、センサが取り付けられた内視鏡の第4の例を示す図である。
【0071】
この例のセンサ28は、無線で動作するセンサである。このセンサ28は、例えばプラグオン手段またはスナップイン手段によって、内視鏡10の遠位端部300に取り外し可能に取り付けられる。センサ28の遠位端部300への取り外し可能な取り付けは、第1の例と同様に達成することができる。
【0072】
センサ28は無線で給電することができ、センサ28は無線で情報を送信することができる。これは、センサ28がケーブルまたはケーブル締結を必要としないことを意味する。
【0073】
第5の例
以下では、図面に別々に示されていない第5の例を説明する。
【0074】
この例では、構造は、
図1の内視鏡10およびセンサアセンブリ20に対応する。
【0075】
センサアセンブリ20は、その長手方向の範囲に沿って複数の締結装置22を有する。締結装置22の少なくとも1つ、または複数の締結装置22、または締結装置22のすべてにおいて、位置を決定するための追加のセンサが統合される。
【0076】
この例では、超音波センサ30の位置を正確に決定することに加えて、患者における管部200の正確な位置を決定することができ、例えばディスプレイに表示することが好ましい。
【0077】
代替例
本明細書で開示される実施例は、任意に組み合わせることができる。
【0078】
第1の例では、生検プローブとして実施された器具321は、作業チャネル出口から角度範囲36で超音波センサ30によってサンプリングされた領域まで前方に押される。本開示はこれに限定されない。器具321は、任意の他の器具、またはそうでなければ、マイクロ内視鏡とすることができる。
【0079】
ドッキング部37は、位置決め装置を有する必要はない。センサ28と超音波センサ30との位置関係は、他の方法で定義することもできる。センサ28を備える遠位接続要素27は、スナップイン接続、取り外し可能な接着接続、または機械的プラグイン接続、または任意の他の取り外し可能な接続によって内視鏡10に取り外し可能に取り付けることができる。
【0080】
センサ28は、遠位接続要素27に一体化される必要はない。センサ28は、接続要素27の近位に配置することができる。センサ28は、センサアセンブリ20のケーブル21内で接続要素27の近位に一体化され得る。
【0081】
センサ28は、超音波センサ30と一意かつ正確に既知の位置関係にあればよい。センサ28と超音波センサ30との位置関係は、予め規定されていてもよいし、少なくとも決定可能であってもよい。
【0082】
第1および第2の例では、センサ28はホール効果センサとして実施される。センサ28は、位置を決定するための任意の適切な技術的原理を適用することによって実施することができる。位置検出のために、センサ28は、磁気3D位置センサ(NDI Auroraなど)として、または5Dセンサもしくは6Dセンサとして実施することができる。センサ28はまた、空間内の超音波センサ30の位置および向きを検出するための任意の誘導、容量、または磁気センサとして実施することができる。
【0083】
センサ28に加えて、いくつかのさらなる位置検出センサを管部200に沿って一定の間隔で取り付けて、体内の管部200の位置を検出することができる。これにより、体内の内視鏡の管部200の位置を視覚化することができる。これらのさらなる位置検出センサは、センサ28と同じ位置検出のための技術的原理を使用することができ、または異なるタイプの位置検出センサとすることができる。
【0084】
これら例では、センサ28は、超音波センサ30の位置検出に用いられる。本開示はこれに限定されない。センサ28は、超音波センサ以外の他の内視鏡部の位置検出用のセンサとすることができる。また、センサ28は、位置検出用のセンサである必要はなく、ガスセンサ、DNAをデコードするバイオセンサ、分子を検出するセンサ、または光学センサとすることができる。
【0085】
第1の例では、締結装置はばねクリップ22として設計されている。第2の例では、締結装置は弾性ストラップホルダ2022として設計されている。ケーブル21を管部200に締結する他の方法を使用することができる。取り外し可能なスナップインファスナ、接着テープ、ベルクロ(登録商標)ファスナ、内視鏡を押し通すための弾性リングなどを締結装置として選択することができる。
【0086】
さらに、別個のシース部材を管部200に押し付けることができ、シース部材はケーブル21の機能を有する。超音波センサ30に近いセンサ28に加えて、さらなるセンサを、シース要素の長手方向範囲に沿ってこの別個のシース部材に組み込むことができる。このような代替的な内視鏡の外観は、センサアセンブリ20のない
図1の内視鏡10と同じである。この別個のシース部材は、内視鏡10から取り外し可能であり、したがって内視鏡に一時的に取り付け可能とすることができる。この別個のシース部材は、上記の例で説明したように、超音波センサ30および管部200の位置および向きを決定するために使用することができる。別個のシース部材は、ケーブルおよびセンサを案内するだけでなく、患者を傷害から保護する。別個のシース部材は、アンダーカットをほとんどまたは全く有さないように形成することができるため、汚染に対する良好な保護を提供する。
【0087】
本開示は、超音波内視鏡に好適に適用可能である。しかし、本開示の原理は、任意の他の種類の内視鏡にも適用可能である。
【符号の説明】
【0088】
10 内視鏡
20 センサアセンブリ
21 ケーブル
22 ばねクリップ(締結装置)
24 プラグコネクタ
27 遠位接続要素
28 センサ
30 超音波センサ
31 信号出力窓
35 角度二等分線
36 超音波センサの角度範囲
37 ドッキング部
100 把持ユニット
110 制御ノブ
120 挿入部
200 管部
221 ウイング
222 ウイング
223 本体
271 ウイング部
272 ウイング部
300 遠位部分
320 作業チャネル出口
321 器具
400 内視鏡ケーブル
500 プロセッサコネクタ
801 プロセッサ
802 信号処理装置
2022 弾性ストラップホルダ
2024 ストラップ
2025 リング
2026 本体
2027 突起部
【手続補正書】
【提出日】2024-01-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡(10)であって、
患者に挿入するための管部(200)であって、前記管部(200)の遠位側に遠位端部(300)が設けられている管部(200)と、
少なくとも1つのセンサ(28)と、
を備え、
前記センサ(28)が、前記内視鏡(10)に取り外し可能に取り付け可能である、
内視鏡(10)。
【請求項2】
前記センサ(28)が、前記内視鏡(10)の前記遠位端部(300)に取り外し可能に取り付け可能であり、無線でエネルギーが供給されるように構成され、前記センサ(28)が、情報を無線で送信するように構成されている、
請求項1に記載の内視鏡。
【請求項3】
前記センサ(28)が、前記内視鏡(10)の前記遠位端部(300)に取り外し可能に取り付け可能であり、前記センサ(28)とは反対側の信号伝送ケーブル(21)の端部(24)において信号処理装置(802)に接続されるように構成された前記信号伝送ケーブル(21)に接続される、
請求項1に記載の内視鏡。
【請求項4】
前記信号伝送ケーブル(21)が、前記内視鏡(10)の前記遠位端部(300)を前記内視鏡(10)の近位把持ユニット(100)に接続する前記内視鏡(10)の前記管部(200)に取り外し可能に取り付け可能であり、
前記近位把持ユニット(100)の近位側において、プロセッサ(801)に接続されるように構成されたプロセッサコネクタ(500)が設けられている、
請求項3に記載の内視鏡。
【請求項5】
前記センサ(28)が、スナップイン接続、スリップオン接続、取り外し可能な接着接続、または機械的プラグイン接続によって前記内視鏡(10)に取り外し可能に取り付け可能である、
請求項1に記載の内視鏡。
【請求項6】
前記信号伝送ケーブル(21)が、スナップイン接続、取り外し可能な接着接続、または機械的プラグイン接続によって前記管部(200)に取り外し可能に取り付け可能である、
請求項3に記載の内視鏡。
【請求項7】
前記管部(200)には、スリップオンシースが取り外し可能に取り付けられており、前記信号伝送ケーブル(21)が、前記スリップオンシース内に一体化されている、
請求項3に記載の内視鏡。
【請求項8】
前記内視鏡(10)の前記遠位端部(300)が超音波センサ(30)を備え、
前記センサ(28)と前記超音波センサ(30)との間の相対位置情報が知られているか、決定できるように、前記センサ(28)を前記超音波センサ(30)に関して前記内視鏡(10)上に取り外し可能に取り付け可能である、
請求項1に記載の内視鏡。
【請求項9】
前記センサ(28)が、前記超音波センサ(30)に隣接して、前記内視鏡(10)の前記遠位端部(300)に取り外し可能に取り付け可能である、
請求項8に記載の内視鏡。
【請求項10】
前記センサ(28)がホール効果センサである、
請求項1に記載の内視鏡。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の内視鏡(10)と、信号処理装置(802)と、プロセッサ(801)と、の組合せであって、
前記信号処理装置(802)が、前記プロセッサ(801)とは別体のユニットである、
組合せ。
【請求項12】
請求項1から10のいずれか一項に記載の内視鏡(10)と、信号処理装置(802)と、プロセッサ(801)と、の組合せであって、
前記信号処理装置(802)と前記プロセッサ(801)とが共通のユニットを形成する、
組合せ。
【国際調査報告】