(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】流体接続アセンブリ
(51)【国際特許分類】
F16L 37/091 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
F16L37/091
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504583
(86)(22)【出願日】2021-07-28
(85)【翻訳文提出日】2024-01-24
(86)【国際出願番号】 US2021071029
(87)【国際公開番号】W WO2023009162
(87)【国際公開日】2023-02-02
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519147290
【氏名又は名称】オエティカ エヌワイ インク
【氏名又は名称原語表記】Oetiker NY, Inc.
【住所又は居所原語表記】4437 Walden Avenue, Lancaster, New York, U.S.A
(74)【代理人】
【識別番号】110002675
【氏名又は名称】弁理士法人ドライト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エンゲランド, オリバー
【テーマコード(参考)】
3J106
【Fターム(参考)】
3J106AA01
3J106AB01
3J106BB01
3J106BD01
3J106BE40
3J106CA19
3J106EA03
3J106EB02
3J106EC01
3J106EC07
3J106ED02
3J106ED07
3J106EE02
3J106EF04
(57)【要約】
コネクタ本体であって、第1の端部と、第2の端部と、貫通孔と、溝を含み、前記溝が第2の半径方向外向面、少なくとも1つのアキシャル面、および少なくとも1つの開口部を含む、第1の半径方向外向面と、を含むコネクタ本体と、前記溝に配置され、前記貫通孔内に延びることができるように構成された保持クリップと、二次リテーナであって、第3の端部、第4の端部、半径方向内向面、および第3の半径方向外向面を含む円筒部と、少なくとも1つのアーム部であって、前記第4の端部に枢動可能に接続された第1の部材と、前記第1の部材に枢動可能に接続されるとともに前記溝に係合して前記二次リテーナを前記コネクタ本体に接続可能に構成された第2の部材と、を含む少なくとも1つのアーム部と、を含む二次リテーナと、を含む、流体接続アセンブリ。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタ本体であって、
第1の端部と、
第2の端部と、
貫通孔と、
溝を備え、前記溝が第2の半径方向外向面、少なくとも1つのアキシャル面、および少なくとも1つの開口部を含む、第1の半径方向外向面と、
を含むコネクタ本体と、
前記溝に配置され、前記貫通孔内に延びることができるように構成された保持クリップと、
二次リテーナであって、
第3の端部、第4の端部、半径方向内向面、および第3の半径方向外向面を備える円筒部と、
少なくとも1つのアーム部であって、
前記第4の端部に枢動可能に接続された第1の部材と、
前記第1の部材に枢動可能に接続されるとともに前記溝に係合して前記二次リテーナを前記コネクタ本体に接続可能に構成された第2の部材と、
を備えた少なくとも1つのアーム部と、
を含む二次リテーナと、
を備える、
流体接続アセンブリ。
【請求項2】
前記第3の端部は、前記貫通孔内で前記保持クリップと係合可能に構成されている、
請求項1に記載の流体接続アセンブリ。
【請求項3】
前記第1の部材は、前記第4の端部から第1の軸方向に半径方向外側に延びる、
請求項1に記載の流体接続アセンブリ。
【請求項4】
前記第2の部材は、前記第1の部材から、前記第1の軸方向と反対の第2の軸方向に半径方向内側に延びる、
請求項3に記載の流体接続アセンブリ。
【請求項5】
前記少なくとも1つのアーム部は、周方向の空間によって分離された複数のアーム部を備える、
請求項1に記載の流体接続アセンブリ。
【請求項6】
前記第1の部材および前記第2の部材は、直線状部材である、
請求項1に記載の流体接続アセンブリ。
【請求項7】
前記第1の部材を前記第4の端部に接続する曲線状部材をさらに備える、
請求項1に記載の流体接続アセンブリ。
【請求項8】
前記第3の端部から半径方向外側に延び、前記保持クリップと係合可能に構成された少なくとも1つの第3の部材をさらに備える、
請求項1に記載の流体接続アセンブリ。
【請求項9】
前記少なくとも1つの第3の部材は、前記第3の半径方向外向面に対して垂直に配置される、
請求項8に記載の流体接続アセンブリ。
【請求項10】
肩および第4の半径方向外向面を含むチューブをさらに備え、流体接続アセンブリの接続状態において、前記保持クリップが前記チューブを前記コネクタ本体内に固定する、
請求項1に記載の流体接続アセンブリ。
【請求項11】
前記二次リテーナのロック位置において、前記半径方向内向面は、前記第4の半径方向外向面と係合する、
請求項10に記載の流体接続アセンブリ。
【請求項12】
円筒部であって、
第1の端部と、
第2の端部と、
半径方向内向面と、
半径方向外向面と、
を含む円筒部と、
円周方向の空間によって分離された複数のアーム部と、を備え、前記複数のアーム部の各アーム部は、
前記第2の端部に枢動可能に接続された近位端を含み、前記第2の端部から第1の軸方向に半径方向外側に延びる第1の部材と、
前記第1の部材の遠位端に枢動可能に接続された第2の部材と、
を備える、
流体接続アセンブリ用のリテーナ。
【請求項13】
前記第2の部材は、前記遠位端から、前記第1の軸方向と反対の第2の軸方向に半径方向内側に延びる、
請求項12に記載のリテーナ。
【請求項14】
前記円筒部は、一定の直径を備える、
請求項12に記載のリテーナ。
【請求項15】
前記円筒部は、第1の円周方向端部と第2の円周方向端部とを形成する円周方向間隙をさらに備える、
請求項12に記載のリテーナ。
【請求項16】
前記円筒部は弾性変形可能である、
請求項15に記載のリテーナ。
【請求項17】
前記円筒部は、前記第2の端部から前記第1の軸方向に延び、円周方向に間隔を置いて配置された複数の切欠きをさらに備える、
請求項12に記載のリテーナ。
【請求項18】
前記第1の端部から半径方向外側に延びる少なくとも1つの第3の部材をさらに備える、
請求項12に記載のリテーナ。
【請求項19】
前記少なくとも1つの第3の部材は、円周方向に間隔を置いて配置された複数の第3の部材を備え、
各第3の部材は、半径方向外向面に対して垂直に配置される、
請求項18に記載のリテーナ。
【請求項20】
前記第1の部材を前記第2の端部に接続する曲線状部材をさらに備え、前記第1の部材および前記第2の部材は、直線状部材である、
請求項12に記載のリテーナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、流体コネクタに関し、より詳細には、追加の固定またはバックアップ固定の装置を提供する一次保持クリップと二次リテーナの両方を含む流体接続アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
流体コネクタ、流体接続、および流体接続アセンブリは、多くの用途、特に自動車用途にとって不可欠な構成要素である。自動車システムは、ラジエーター、トランスミッション、エンジンなどのさまざまな構成要素で構成されているため、流体は、各構成要素内だけでなく、構成要素間を移動できる必要がある。構成要素間を移動する流体の例は、トランスミッション流体の温度を下げるためにトランスミッションからトランスミッションオイルクーラーに移動するトランスミッション流体である。構成要素間を移動する流体の別の例は、ターボチャージャーへ、および/またはターボチャージャーからポンプで送られるオイルである。流体は主に、流体コネクタによって各構成要素に接続された柔軟なまたは硬いホースを介して構成要素間を移動する。このような流体コネクタは、通常、チューブがコネクタ本体に完全に挿入されたときにチューブの隆起した肩の後ろにスナップするように適合された、コネクタ本体に搭載された保持クリップ、保持リングクリップ、またはスナップリングを含む。ただし、このような保持クリップは、不適切に取り付けられると破損する可能性がある。また、流体圧力が高い状況では、このような保持クリップが破損する可能性もある。
【0003】
したがって、リテーナクリップが破損した場合に追加の固定および/またはバックアップ固定を提供するために、リテーナクリップと相補的に構成することができる二次リテーナを含む流体接続アセンブリに対する長年の切実なニーズがある。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に示される態様によれば、コネクタ本体であって、第1の端部と、第2の端部と、貫通孔と、溝を備え、前記溝が第2の半径方向外向面、少なくとも1つのアキシャル面、および少なくとも1つの開口部を含む、第1の半径方向外向面と、を含むコネクタ本体と、前記溝に配置され、前記貫通孔内に延びることができるように構成された保持クリップと、二次リテーナであって、第3の端部、第4の端部、半径方向内向面、および第3の半径方向外向面を備える円筒部と、少なくとも1つのアーム部であって、前記第4の端部に枢動可能に接続された第1の部材と、前記第1の部材に枢動可能に接続されるとともに前記溝に係合して前記二次リテーナを前記コネクタ本体に接続可能に構成された第2の部材と、を備えた少なくとも1つのアーム部と、を含む二次リテーナと、を備える、流体接続アセンブリが提供される。
【0005】
いくつかの実施形態では、前記第3の端部は、前記貫通孔内で前記保持クリップと係合可能に構成されている。いくつかの実施形態では、前記第1の部材は、前記第4の端部から第1の軸方向に半径方向外側に延びる。いくつかの実施形態では、前記第2の部材は、前記第1の部材から、前記第1の軸方向と反対の第2の軸方向に半径方向内側に延びる。いくつかの実施形態では、前記少なくとも1つのアーム部は、周方向の空間によって分離された複数のアーム部を備える。いくつかの実施形態では、前記第1の部材および前記第2の部材は、直線状部材である。いくつかの実施形態では、流体接続アセンブリは、前記第1の部材を前記第4の端部に接続する曲線状部材をさらに備える。いくつかの実施形態では、流体接続アセンブリは、前記第3の端部から半径方向外側に延び、前記保持クリップと係合可能に構成された少なくとも1つの第3の部材をさらに備える。いくつかの実施形態では、前記少なくとも1つの第3の部材は、前記第3の半径方向外向面に対して垂直に配置される。いくつかの実施形態では、流体接続アセンブリは、肩および第4の半径方向外向面を含むチューブをさらに備え、流体接続アセンブリの接続状態において、前記保持クリップが前記チューブを前記コネクタ本体内に固定する。いくつかの実施形態では、前記二次リテーナのロック位置において、前記半径方向内向面は、前記第4の半径方向外向面と係合する。
【0006】
本明細書に示される態様によれば、円筒部であって、第1の端部と、第2の端部と、半径方向内向面と、半径方向外向面と、を含む円筒部と、円周方向の空間によって分離された複数のアーム部と、を備え、前記複数のアーム部の各アーム部は、前記第2の端部に枢動可能に接続された近位端を含み、前記第2の端部から第1の軸方向に半径方向外側に延びる第1の部材と、前記第1の部材の遠位端に枢動可能に接続された第2の部材と、を備える、流体接続アセンブリ用のリテーナが提供される。
【0007】
いくつかの実施形態では、前記第2の部材は、前記遠位端から、前記第1の軸方向と反対の第2の軸方向に半径方向内側に延びる。いくつかの実施形態では、前記円筒部は、一定の直径を備える。いくつかの実施形態では、前記円筒部は、第1の円周方向端部と第2の円周方向端部とを形成する円周方向間隙をさらに備える。いくつかの実施形態では、前記円筒部は弾性変形可能である。いくつかの実施形態では、前記円筒部は、前記第2の端部から前記第1の軸方向に延び、円周方向に間隔を置いて配置された複数の切欠きをさらに備える。いくつかの実施形態では、リテーナは、前記第1の端部から半径方向外側に延びる少なくとも1つの第3の部材をさらに備える。いくつかの実施形態では、前記少なくとも1つの第3の部材は、円周方向に間隔を置いて配置された複数の第3の部材を備え、各第3の部材は、半径方向外向面に対して垂直に配置される。いくつかの実施形態では、リテーナは、前記第1の部材を前記第2の端部に接続する曲線状部材をさらに備え、前記第1の部材および前記第2の部材は、直線状部材である。
【0008】
本明細書に示す態様によれば、例えばターボチャージャーの流体接続に使用するための流体接続アセンブリが提供される。流体接続アセンブリは、コネクタ本体と、保持クリップと、保持クリップを介してコネクタ本体内に保持されるチューブと、二次リテーナを備える。二次リテーナは、コネクタ本体の貫通孔と係合してその中にチューブをさらに保持する円筒部または内側リング部を含む。二次リテーナは、内側リング部にヒンジ接続された1つまたは複数のアーム部または外側リング部を有し、外側リング部は、コネクタ本体の外側溝と係合する。いくつかの実施形態では、外側リング部は、内側リング部に対して鋭角で配置される。
【0009】
本開示のこれらおよび他の目的、特徴、および利点は、図面および添付の特許請求の範囲を考慮して、本開示の以下の詳細な説明を検討することで容易に明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
対応の参照符号が対応の部品を指す添付の概略図を参照して、様々な実施形態が例としてのみ開示される。
【
図1B】
図1Aに示される流体接続アセンブリの背面斜視図である。
【
図2】
図1Aに示される流体接続アセンブリの正面分解斜視図である。
【
図4】
図3Aの線4-4に概ね沿う二次リテーナの断面図である。
【
図5】
図1Aの線5-5に概ね沿う流体接続アセンブリの断面図である。
【
図6】
図1Aの線6-6に概ね沿う流体接続アセンブリの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
初めに、異なる図面での同様の図面番号は、同一または機能的に類似の構造要素を特定することを認識されたい。特許請求の範囲は、開示された態様に限定されないことを理解されたい。
【0012】
さらに、本開示は、記載された特定の方法、材料、および変形に限定されず、そのため当然ながら変化しうることを理解されたい。ここで使用される用語は、特定の態様を記述することのみを目的とし、特許請求の範囲を限定する意図がないことも理解されたい。
【0013】
他に定義されなければ、ここに使用される技術的および科学的な語すべては、この開示が関連する技術分野の当業者に一般的に理解されるものと同じ意味を有する。ここに記載されるものと類似または同等の方法、装置、または材料が実施形態例の実施または試験に使用されることを理解されたい。本開示のアセンブリは、油圧、電子機器、空気圧、および/またはばねによって駆動されうる。
【0014】
「実質的に」の語は、「近く」、「非常に近く」、「約」、「およそ」、「だいたい」、「近似する」、「近い」、「本質的に」、「近隣に」、「近傍に」等のような語と同義語であって、このような語は、明細書および特許請求の範囲に出現する際に互換的に使用されうることを認識されたい。「近接の」の語は、「近くに」、「近い」、「隣接の」、「近隣の」、「直近の」、「隣の」等のような語と同義語であって、このような語は、明細書および特許請求の範囲に出現する際に互換的に使用されうることを理解されたい。「およそ」の語は、指定値の10パーセント以内の値を意味することが意図されている。
【0015】
本出願における「または」の使用は、特に明記しない限り、「非排他的」な取り合わせに関するものであることを理解されたい。例えば、「アイテムxはAまたはBである」という場合、これは次の(1)、(2)のいずれかを意味することが理解される。(1)アイテムxはAおよびBの一方または他方のみである。(2)アイテムxはAとBの両方である。言い換えれば、「または」という言葉は、「排他的なまたは」の取り合わせを定義するためには使用されない。例えば、「アイテムxはAまたはBである」という記載についての「排他的なまたは」の取り合わせは、xがAおよびBのいずれか1つのみであることが必要とされる。
【0016】
さらに、本明細書で使用される場合、システムまたは要素と組合わせた「の少なくとも1つを備える」および「の少なくとも1つを備えている」という表現は、システムまたは要素が、その表現の後に挙げられた要素の1つまたは複数を含むことを意味することを意図している。例えば、第1の要素、第2の要素および第3の要素の少なくとも1つの要素を備える装置、は、以下の構造的取り合わせのいずれか1つとして解釈されることを意図している。すなわち、第1の要素を備える装置、第2の要素を備える装置、第3の要素を備える装置、第1の要素および第2の要素を備える装置、第1の要素および第3の要素を備える装置、第1の要素、第2の要素および第3の要素を備える装置、または、第2の要素および第3の要素を備える装置。同様の解釈は、「の少なくとも1つで使用される」という表現が本明細書で使用されている場合にも意図されている。さらに、本明細書で使用される場合、「および/または」は、列挙された要素または条件の1つまたは複数が含まれるかまたは発生する可能性があることを示すために使用される文法上の接続詞を意味することを意図している。例えば、第1の要素、第2の要素および/または第3の要素を備える装置は、以下の構造的取り合わせのいずれか1つとして解釈されることを意図する。すなわち、第1の要素を備える装置、第2の要素を備える装置、第3の要素を備える装置、第1の要素および第2の要素を備える装置、第1の要素および第3の要素を備える装置、第1の要素、第2の要素、および第3の要素を備える装置、または、第2の要素および第3の要素を備える装置。
【0017】
ここで使用する「チューブ」という語は、ホース、パイプ、チャネル、導管、チューブ端形成部、または水力学および流体力学で使用される他の任意の適切なパイプ流と同義であることを認識されたい。さらに、「チューブ」という語は、気体または液体の流れを含みかつ許容するのに適した任意の材料の硬いまたは柔軟な導管を意味しうることを認識されたい。
【0018】
ここで図面に移ると、
図1Aは、流体接続アセンブリ10の正面斜視図である。
図1Bは、流体接続アセンブリ10の背面斜視図である。
図2は、流体接続アセンブリ10の正面分解斜視図である。流体接続アセンブリは、概して、コネクタ本体40、保持クリップ70、チューブ80、および二次リテーナ100を備える。以下の説明は、
図1A~
図2と照らし合わせて解釈されたい。
【0019】
チューブ80は、端部82、セクション83、肩87、セクション89、端部94、および貫通孔96を備える。貫通孔96は、端部82から端部94までチューブ80を通って延びる。セクション83は、端部82と肩87との間に配置されており、半径方向外向面84を備える。半径方向外向面84は、実質的に一定の直径を含む。いくつかの実施形態では、半径方向外向面84は、端部82に近接した円錐台状または曲線状のテーパを備える(
図5を参照)。いくつかの実施形態では、セクション83は、半径方向外向面84と肩87との間に配置された隆起セクションをさらに含む。肩87は、セクション83とセクション89との間に配置されており、半径方向外向面86および面88を備える。示されるように、半径方向外向面86は、半径方向外向面84から面88まで延びる円錐台形の面である。半径方向外向面86は、軸方向AD2に向かうにつれて直径が増加する。いくつかの実施形態では、半径方向外向面86は、軸方向AD1に少なくとも部分的に面するアキシャル面である。いくつかの実施形態では、チューブ80は、半径方向外向面86と面88との間に配置された一定の直径の半径方向外向面を備える。肩面88は、軸方向AD2に少なくとも部分的に面するアキシャル面である。セクション89は、肩87と端部94との間に配置されており、半径方向外向面92を備える。半径方向外向面92は、実質的に一定の直径を含む。いくつかの実施形態では、セクション89は、肩面88と半径方向外向面92との間に配置された隆起セクション、すなわち半径方向外向面90をさらに備える。半径方向外向面90は、半径方向外向面92の直径よりも大きい直径を有する。
【0020】
チューブ80は、具体的には端部82を先にしてコネクタ本体40、具体的には貫通孔41に挿入されるように構成される。チューブ80は、セクション83、または半径方向外向面84がシール62と係合し(
図5参照)、肩87が保持クリップ70を軸方向に通過する(すなわち、肩87が
図5に示されるように保持クリップ70の右側に配置される)まで、コネクタ本体40に挿入される。コネクタ本体40内にチューブ80を固定するのは、突起72A~Cと肩面88との係合である。チューブ80は、ビード、半径方向外向きに延びる突起もしくはフランジ、またはランプ輪郭を備える任意の従来のチューブまたはチューブ端形成部であってもよく、これは、チューブの外側面上で半径方向外側および軸方向に延び、コネクタ本体内にチューブを固定することを認識されたい。いくつかの実施形態では、チューブ80は、金属を備える。いくつかの実施形態では、チューブ80は、非金属(例えば、ポリマー、ゴム、セラミックなど)を備える。
【0021】
図3Aは、二次100の正面斜視図である。
図3Bは、二次リテーナ100の背面斜視図である。
図3Cは、二次リテーナ100の背面図である。
図4は、
図3Aの線4-4に概ね沿う二次リテーナ100の断面図である。
図5は、
図1Aの線5-5に概ね沿う流体接続アセンブリ10の断面図である。
図6は、
図1Aの線6-6に概ね沿う流体接続アセンブリ10の断面図である。以下の説明は、
図1A~
図6と照らし合わせて解釈されたい。
【0022】
コネクタ本体40は、端部42から端部44まで延びる貫通孔41と、半径方向内向面46と、半径方向内向面48と、溝50と、半径方向外向面52と、溝54と、ヘッド58と、半径方向外向面60とを備える。コネクタ本体40は、流体が充填されるか、流体が流れる構成要素に接続されるように構成される。例えば、コネクタ本体40は、雄ねじを備えていてもよい半径方向外向面60を介して、ターボチャージャー、冷凍圧縮機、またはトランスミッションに接続されてもよい。コネクタ本体40は、ヘッド58を介して(例えば、レンチを使用して)構成要素のねじ穴にねじ込まれ、その後、オイル、冷媒、トランスミッション流体、冷却液などが充填される。いくつかの実施形態では、ヘッド58は六角形であるが、ヘッド58は、コネクタ本体40にトルクを加えるのに適した任意の幾何学的形状を備えていてもよいことを認識されたい。流体コネクタ10、具体的にはコネクタ本体40が取り付けられる別の構成要素は、凝縮器、蒸発器、またはポンプである。流体接続アセンブリ10は、流体接続が望まれる他の様々な構成要素、アセンブリ、およびサブアセンブリに使用されてもよいことを認識されたい。半径方向外向面60は、溝56をさらに備えていてもよい。シールまたはOリング64が溝56内に配置され、コネクタ本体40とそれが接続される構成要素との間に液密シールを形成する。
【0023】
シール62は、コネクタ本体40内に配置される。具体的には、シール62は、溝50内に配置される。溝50は、半径方向内向面48に配置される。いくつかの実施形態では、シール62は、Oリングである。いくつかの実施形態では、半径方向内向面46は、端部44から面47まで延びる円筒面である。半径方向内向面46は、面47を介して半径方向内向面48に接続されている。いくつかの実施形態では、面47は、概ね円筒状の半径方向内向面46を概ね円筒状の半径方向内向面48に接続する円錐台状の面である。いくつかの実施形態では、面47は、軸方向AD2に向くアキシャル面である。いくつかの実施形態では、半径方向内向面48は、端部42から面47まで延びる円筒面である。
【0024】
溝54は、半径方向外向面52に配置されており、アキシャル面54A、半径方向外向面54B、およびアキシャル面54Cを備える。半径方向外向面54Bの直径は、半径方向外向面52の直径よりも小さい。面54Aは、半径方向外向面54Bから半径方向外側に延び、軸方向AD1を向いている。面54Cは、半径方向外向面54Bから半径方向外側に延び、軸方向AD2を向いている。いくつかの実施形態では、面54Aおよび54Cは、平行である。溝54は、端部44とヘッド58との間に軸方向に配置される。いくつかの実施形態では、溝54は、ヘッド58のすぐ隣に配置される。溝54は、その周りに円周方向に配置された開口部55A~Cをさらに備える。開口部55A~Cは、半径方向外向面54Bから貫通孔41まで延びる。溝54は、以下にさらに詳細に説明するように、保持クリップ70および二次リテーナ100と係合可能に構成される。いくつかの実施形態では、コネクタ本体40は金属を備える。いくつかの実施形態では、コネクタ本体40は、非金属(例えば、ポリマー、セラミック、ゴム)を備える。
【0025】
保持クリップまたは保持リングまたはスナップクリップ/リング70は、本体40の溝54内に配置される。保持クリップ70は、半径方向内側に延びる1つまたは複数の突起を含むほぼリング形状である。示される実施形態では、保持クリップ70は、突起72A~Cを備える。突起72A~Cは、溝54の開口部55A~Cを通って半径方向内側に延びる。突起72A~Cは、肩87、具体的には面88に係合してチューブ80をコネクタ本体40内に固定するように構成される。保持クリップ70は、弾性変形して元の形状に戻ることができる任意の材料(金属、ポリマーなど)を備えることができる。
【0026】
二次リテーナ100は、概して、円筒部102と、少なくとも1つのアーム部120と、を備えており、コネクタ本体40、チューブ80、および保持クリップ70と係合可能に構成される。円筒部102は、コネクタ本体40内に少なくとも部分的に配置され、アーム部120は、コネクタ本体40の外側に配置される。円筒部102は、端部104、端部106、半径方向内向面108、および半径方向外向面110を含む。いくつかの実施形態では、示されるように、円筒部102、すなわち、半径方向内向面108および半径方向外向面110は、一定の直径を備える。円筒部102は、チューブ80およびリテーナ70と係合可能に構成される。具体的には、端部104は、リテーナ70と係合するように構成され、半径方向内向面108は、チューブ80と係合するように構成される。いくつかの実施形態では、円筒部102は、可変直径を備える。いくつかの実施形態では、円筒部102は、端部106から軸方向AD1に延びる1つまたは複数の切欠きまたは開口部、例えば4つの切欠き112A~Dを備える。切欠き112A~Dは、円筒部102を半径方向に通って半径方向外向面110から半径方向内向面108まで延びる。いくつかの実施形態では、示されるように、切欠き112A~Dは、円周方向に互いに間隔を置いて配置されており、アーム部材120を円周方向に分離している。いくつかの実施形態では、円筒部102は、それぞれ端部116A~Bに近接して配置され端部106から軸方向AD1に延びる切欠き114A~Bをさらに備える。切欠き114A~Bは、円筒部102を半径方向に通って半径方向外向面110から半径方向内向面108まで延びる。
【0027】
円筒部102は、円周方向端部116Aおよび円周方向端部116Bを形成する円周方向間隙118をさらに備える。
図3Cに最もよく示されるように、円周方向間隙118は、端部116Aと端部116Bとの間の角度を示す角度γによって測定することができる。いくつかの実施形態では、角度γは75度である。円周方向間隙118により、円筒部102が弾性を有し、チューブ80上に半径方向に組付けられることが可能になる。例えば、二次リテーナ100がチューブ80上で半径方向に配置されると(すなわち、チューブ80が間隙118を通って移動すると)、円筒部102は、半径方向外側の方向に拡張(すなわち、直径が増加)し、その後、チューブ80上に適切に配置されると、収縮して元の直径に戻ってもよい。さらに、円筒部102の拡張性により、円筒部102がチューブ80の周囲にぴったりと適合することがさらに可能になる。チューブ80(例えば、半径方向外向面92または半径方向外向面90)の直径が、半径方向内向面108の直径よりも大きい場合、一度組付けられると、二次リテーナ100は、チューブ80と摩擦係合し、これにより構成要素間のガタツキが防止される。
【0028】
いくつかの実施形態では、二次リテーナ100は、1つまたは複数の部材130をさらに備える。部材130は、半径方向外向面110から半径方向RD1に半径方向外側に延びる。部材130は、軸方向AD1に向くアキシャル面132を備える。いくつかの実施形態では、面132は、半径方向外向面110に対して垂直に配置される。いくつかの実施形態では、面132は、半径方向外向面110に対して非垂直に配置される。いくつかの実施形態では、二次リテーナ100は、空間134によって円周方向に分離された複数の部材130を備える。
【0029】
アーム部または複数のアーム部120は、円筒部102に枢動可能に接続される。いくつかの実施形態では、示されるように、二次リテーナ100は、円周方向空間128A~Dによって分離された複数のアーム部、例えば5つのアーム部120を備える。いくつかの実施形態では、アーム部120は、切欠き112A~Dによって分離されていてもよい。アーム部120のそれぞれは、部材122および部材124を備える。部材122は、その近位端において、端部106から半径方向RD1に半径方向外側におよび軸方向AD1に延びる。いくつかの実施形態では、示されるように、部材122は、半径方向外向面110に対して角度αで配置された直線状部材である。いくつかの実施形態では、角度αは、25度である。いくつかの実施形態では、アーム部120は、部材122を端部106に接続する曲線状部材126をさらに備える。曲線状部材126は、半径Rを備える。
【0030】
部材124は、部材122の遠位端から半径方向RD2に半径方向内側におよび軸方向AD2に延びる。いくつかの実施形態では、示されるように、部材124は、部材122に対して角度βで配置された直線状部材である。いくつかの実施形態では、角度βは、55度である。部材124および部材122は、本質的に、コネクタ本体40に係合するように配置されたフックを形成する。具体的には、部材124は、溝54に係合して二次リテーナ100をコネクタ本体40に固定するように構成される。アーム部120は、コネクタ本体の半径方向外向面52に係合するときに半径方向外側に変位し、その後、溝54に係合したときに元の位置に戻ることができるように構成されている(すなわち、アーム部120は、弾性である)。
【0031】
流体接続アセンブリ10を組立てるには、保持クリップ70は、コネクタ本体40に配置され、それによって、溝54と係合し、突起72A~Cが開口部55A~Cと係合して貫通孔41内に突出する(
図5~
図6を参照)。次に、チューブ80は、端部82を先にして、コネクタ本体40内に軸方向AD1に挿入される。半径方向外向面84は、シール62と係合し、セクション83は、半径方向内向面48に近接してコネクタ本体40の内側に配置される。肩87が突起72A~Cと係合すると、保持クリップ70は、半径方向RD1に半径方向外側に拡張する。肩87が突起72A~Cを乗り越えると(すなわち、突起72A~Cと面47との間に軸方向に配置されると)、突起72A~Cは、半径方向RD2に半径方向内側にスナップバックして接続状態を形成する。接続状態では、肩87は、面47および/または面46に係合するか、または近接して配置される。面47は、肩87、したがってチューブ80が軸方向AD1に変位することを防止し、突起72A~Cは、肩87、したがってチューブ80がコネクタ本体40に対して軸方向AD2に変位することを防止する。このように、リテーナ70とコネクタ本体40およびチューブ80との係合により、コネクタ本体40に対するチューブ80の軸方向AD1およびAD2、並びに半径方向RD1およびRD2への変位が防止される。
【0032】
次に、二次リテーナ100は、チューブ80に配置され、それによって、端部104(すなわち、部材130)が肩87の方を向き、端部106が肩87から離れる方向を向く。二次リテーナ100は、チューブ80をコネクタ本体内に挿入する前にチューブ80上に配置され得ることを認識されたい。前述したように、二次リテーナ100は、円周方向間隙118を介してチューブ80、すなわち半径方向外向面92上に半径方向に組付けられ、それによって、半径方向内向面108が半径方向外向面92と係合する。このような組付け中(すなわち、半径方向外向面92が円周方向間隙118を通過するとき)、円筒部102は、弾性的に拡張または直径が増加してもよい。チューブ80が前述のように保持クリップ70を介してコネクタ本体40に適切に固定されると、二次リテーナ100は、チューブ80に沿って軸方向AD1に移動される。二次リテーナ100が端部44に係合すると、部材124の角度によってアーム部120が半径方向RD1に半径方向外側に拡張する。アーム部120は、部材124が溝54と位置合わせされるまで拡張状態に留まり、その時点でアーム部120は元の位置にスナップバックする。これが二次リテーナ100のロック位置である。
【0033】
二次リテーナ100のロック位置では、1)部材124が溝54、具体的には半径方向外向面54Bおよび/またはアキシャル面54Aと係合する、2)半径方向内向面108がチューブ80、具体的には半径方向外向面90および/または半径方向外向面92と係合する、および/または3)端部104、具体的には部材130の面132が保持クリップ70と係合する。いくつかの実施形態では、ロック位置では、部材130の半径方向外向面が半径方向内向面46と係合し、これによって、破片がコネクタ本体40に入るのを防止または抑制する。したがって、二次リテーナ100は、コネクタ本体40の貫通孔41内の突起70A~Cに軸方向AD1の軸力を与えるので、追加の保持力を保持クリップ70に与える。クリップ70は、要素間のチャタリングを防止する。また、保持クリップ70が不適切な組付けまたは過剰な力により破損した場合、二次リテーナ100は、チューブ80がコネクタ本体40から排出されるのを防止することになる。
【0034】
流体接続アセンブリ10のロックを解除するには、係合されたアーム部120を半径方向外側に変位させて部材124を溝54から係合解除する必要があり、その時点で二次リテーナ100が軸方向AD2に変位し、コネクタ本体40から取り外される(必要に応じてチューブ80からも取り外される)。次に、保持クリップ70は、突起72A~Cが肩87から半径方向に離れて外れるまで半径方向に拡張され、その時点でチューブ80は軸方向AD2に変位され、コネクタ本体40から取り外される。必要に応じて、保持クリップ70は、コネクタ本体40から完全に取り外されてもよい。
【0035】
上記の開示の様々な態様、ならびに他の特徴および機能、あるいはそれらの代替物は、望ましくは、他の多くの異なるシステムまたは用途に組合わせることができることが認識されよう。その中の様々な現在予期しないまたは予期しない代替、変形、変更、または改善は、当業者によって今後行われることがあり、これらも以下の特許請求の範囲に含まれることも意図される。
【符号の説明】
【0036】
10 流体接続アセンブリ
40 コネクタ本体
41 貫通孔
42 端部
44 端部
46 半径方向内向面
47 半径方向内向面
48 半径方向内向面
50 溝
52 半径方向外向面
54 溝
54A 面
54B 面
54C 面
55A 開口部
55B 開口部
55C 開口部
56 溝
58 ヘッド
60 半径方向外向面
62 シール
64 シール
70 保持クリップ
72A 突起
72B 突起
72C 突起
80 チューブ
82 端部
83 セクション
84 半径方向外向面
86 半径方向外向面
87 肩
88 面
89 セクション
90 半径方向外向面
92 半径方向外向面
94 端部
96 貫通孔
100 二次リテーナ
102 円筒部
104 端部
106 端部
108 半径方向内向面
110 半径方向外向面
112A 切欠き
112B 切欠き
112C 切欠き
112D 切欠き
114A 切欠き
114B 切欠き
116A 端部
116B 端部
118 間隙
120 アーム部
122 部材
124 部材
126 部材
128A 空間
128B 空間
128C 空間
128D 空間
130 部材
132 面
134 空間または複数の空間
AD1 軸方向
AD2 軸方向
CD1 円周方向
CD2 円周方向
R 半径
RD1 半径方向
RD2 半径方向
α 角度
β 角度
γ 角度
【国際調査報告】