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特表2024-527958カーブ走行時に車両の走行速度を制限する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】カーブ走行時に車両の走行速度を制限する方法
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/00 20060101AFI20240719BHJP
   B60W 40/072 20120101ALI20240719BHJP
   B60W 40/109 20120101ALI20240719BHJP
   B60W 40/105 20120101ALI20240719BHJP
【FI】
B60W30/00
B60W40/072
B60W40/109
B60W40/105
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504923
(86)(22)【出願日】2022-06-22
(85)【翻訳文提出日】2024-03-25
(86)【国際出願番号】 EP2022067043
(87)【国際公開番号】W WO2023006306
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】102021003873.8
(32)【優先日】2021-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598051819
【氏名又は名称】メルセデス・ベンツ グループ アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Mercedes-Benz Group AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 120,70372 Stuttgart,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100176946
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 智恵
(74)【代理人】
【識別番号】110003649
【氏名又は名称】弁理士法人真田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボット ティエモ
(72)【発明者】
【氏名】ゲルケ ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ノドラー フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ラーブ ヴォルフガング
(72)【発明者】
【氏名】シュルッター マティアス
(72)【発明者】
【氏名】シュトライター ステファニー
(72)【発明者】
【氏名】シラ アネット
(72)【発明者】
【氏名】フォクトレンダー ルーベン
【テーマコード(参考)】
3D241
【Fターム(参考)】
3D241BA08
3D241BA10
3D241BA18
3D241BB06
3D241BB27
3D241CD03
3D241CE01
3D241CE05
3D241DB02Z
3D241DB09Z
3D241DC43B
(57)【要約】
本発明は、カーブ(K)の走行時に車両の走行速度(v)を制限する方法に関し、デジタルマップを用いて、車両の前方にある道路区間の曲率(κ)の経過が算出され、曲率(κ)の経過および車両の物理的な負荷限界に依存して、許容カーブ速度(v)の経過が算出され、カーブ(K)の走行時に、算出された許容カーブ速度(v)を超えないように車両が制御され、曲率(κ)が指定の曲率限界値(κlim)よりも大きい道路区間は、曲率(κ)の経過の評価によってカーブ区間として識別され、この識別されたカーブ区間上で局所的な曲率最大値が識別され、各局所的な曲率最大値に対して、曲率(κ)および許容横方向加速度(aquerzul)に依存して許容カーブ速度(v)が算出される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーブ(K)の走行時に車両の走行速度(v)を制限する方法であって、前記車両の前方にある道路区間の曲率(κ)の経過が算出され、前記曲率(κ)の経過および前記車両の物理的な負荷限界に依存して、許容カーブ速度(v)の経過が算出され、前記カーブ(K)の走行時に、前記算出された許容カーブ速度(v)を超えないように前記車両が制御される方法において、
-前記曲率(κ)が指定の曲率限界値(κlim)よりも大きい道路区間は、前記曲率(κ)の経過の評価によってカーブ区間として識別され、
-前記識別されたカーブ区間上で局所的な曲率最大値が識別され、
-前記カーブ区間上で複数の局所的な曲率最大値が識別された場合、各局所的な曲率最大値に対して、前記曲率(κ)および許容横方向加速度(aquerzul)に依存して許容カーブ速度(v)が算出される
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記許容横方向加速度(aquerzul)は、前記曲率(κ)に依存して指定される
ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記許容横方向加速度(aquerzul)は、前記曲率(κ)に依存して、特性曲線(KL1)または参照テーブルとして指定される
ことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記識別されたカーブ区間は、複数の隣接するカーブセクション(KS1からKSn)に分割され、隣り合うカーブセクション(KS1からKSn)間の境界は、前記局所的な曲率最大値によって形成される
ことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
それぞれのカーブセクション(KS1からKSn)の開始時と終了時の前記許容カーブ速度(v)間の偏差が算出され、前記算出された偏差が指定の速度閾値を超える場合、前記それぞれのカーブセクション(KS1からKSn)上で、補間によって、前記それぞれのカーブセクション(KS1からKSn)の開始時と終了時の前記許容カーブ速度(v)に基づいて、少なくとも1つのさらなる許容カーブ速度(v)が算出される
ことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記補間は、線形補間として実施される
ことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記それぞれのカーブセクション(KS1からKSn)の開始時と終了時の前記許容カーブ速度(v)間の前記算出された偏差が大きいほど、前記算出されたさらなる許容カーブ速度(v)の数はより大きい数が選択される
ことを特徴とする、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つのさらなる許容カーブ速度(v)に対するそれぞれの位置は、前記関連する曲率(κ)が決定され、2つの曲率値間の線形補間によって追加の速度制限の正確な位置が算出されることによって決定される
ことを特徴とする、請求項5から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
特性曲線(KL2)または参照テーブルは、前記速度(v)に依存して前記許容横方向加速度(aquerzul)を算出するために使用される
ことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記追加の速度制限の必要性についての後付け検査が加速プロセスに基づいて実行され、後続の曲率最大値で速度制限に達するために必要な加速度が、指定のまたは指定することができる、調整可能な加速度制限を超える場合、前記追加の速度制限は省略される
ことを特徴とする、請求項5から9のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルによる、カーブ走行時に車両の走行速度を制限する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カーブ走行時の推奨速度の最適な位置決定について、文献に多くのアプローチがあるが、それらは現実をあまり反映していないか、または不十分である。複雑なカーブ形状が、たった1つの速度制限だけで考慮されることが多い。その結果、自動および予測速度制御システムは、カーブ走行時に間違ったタイミング(または間違った位置)で速度を調整するということがよくある。
【0003】
独国特許出願公開第102006006365号明細書は、車両の前後方向の移動を制御するための装置および方法を説明しており、周囲データおよび/または区間データが検知され、ルート上の車両の位置に依存する車両に影響を与える基礎として使用される。ルートの曲率経過と、それに依存する最高速度経過が予め決定され、この最高速度経過は車両の物理的負荷限界に適合させるために修正され、その修正された最高速度経過に基づいて、速度制限が実施される。
【0004】
独国特許出願公開第102009023489号明細書は、車両の速度を制御する方法および装置を説明している。デジタルマップデータに基づいて、前方にある道路区間に依存する最高速度経過が算出される。さらに、車両の速度は、速度が最高速度経過の速度より大きくても、指定された制限速度を下回らないように、算出された最高速度経過に応じて制限される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、カーブ走行時に車両の走行速度を制限するための改善された方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、本発明に応じて、請求項1に記載の、カーブ走行時に車両の走行速度を制限する方法によって達成される。
【0007】
本発明の有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
【0008】
カーブの走行時に車両の走行速度を制限する本発明による方法では、特にデジタルマップによって、および/または周囲検知のためのセンサシステムのデータによって、車両の前方にある道路区間の曲率の経過が算出され、この曲率の経過および車両の物理的な負荷限界に依存して、許容カーブ速度の経過が算出され、カーブの走行時に、算出された許容カーブ速度を超えないように車両が制御される。本発明によれば、曲率が指定の曲率限界値よりも大きい道路区間は、曲率経過の評価によってカーブ区間として識別され、この識別されたカーブ区間上で局所的な曲率最大値が識別され、カーブ区間上で複数の局所的な曲率最大値が識別された場合、各局所的な曲率最大値に対して、曲率および許容横方向加速度に依存して許容カーブ速度が算出される。
【0009】
ここで説明されている発明は、カーブ内の関連する位置に、関連するカーブ速度を設定し、必要に応じて複数の速度制限も設定する。これにより、速度制御システムは、正確かつ確実に機能することができる。
【0010】
1つの実施形態では、許容横方向加速度が曲率に依存して、特に特性曲線または参照テーブルとして指定される。
【0011】
1つの実施形態では、識別されたカーブ区間が、複数の隣接するカーブセクションに分割され、隣り合うカーブセクション間の境界は、局所的な曲率最大値によって形成される。
【0012】
1つの実施形態では、それぞれのカーブセクションの開始時と終了時の許容カーブ速度間の偏差が算出され、算出された偏差が指定の速度閾値を超える場合、それぞれのカーブセクション上で、補間、特に線形補間によって、それぞれのカーブセクションの開始時と終了時の許容カーブ速度に基づいて、少なくとも1つのさらなる許容カーブ速度が算出される。
【0013】
1つの実施形態では、それぞれのカーブセクションの開始時と終了時の許容カーブ速度の間で算出された偏差が大きいほど、算出されたさらなる許容カーブ速度の数はより大きい数が選択される。
【0014】
1つの実施形態において、少なくとも1つのさらなる許容カーブ速度に対するそれぞれの位置は、関連する曲率が決定され、2つの曲率値間の線形補間によって追加の速度制限の正確な位置が算出されることによって決定される。
【0015】
1つの実施形態では、特性曲線または参照テーブルが、速度に依存して許容横方向加速度を算出するために使用される。
【0016】
1つの実施形態では、追加の速度制限の必要性についての後付け検査が加速プロセスに基づいて実行され、後続の曲率最大値で速度制限に達するために必要な加速度が、指定のまたは指定することができる、調整可能な加速度制限を超える場合、追加の速度制限は省略される(不要とされる)。
【0017】
以下、本発明の実施例を、図面を参照して詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】カーブの概略図である。
図2】カーブセクションに分割されたカーブの概略図である。
図3】カーブ曲率に依存した許容横方向加速度の特性曲線の概略図である。
図4】カーブセクションに分割されたカーブの概略図である。
図5】速度に依存した許容横方向加速度の特性曲線の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
全ての図において、相互に対応する部分には、同一の参照符号が付されている。
【0020】
本発明は、カーブKの走行時に車両の走行速度を制限する方法に関する。
【0021】
本発明によれば、特にデジタルマップを使って、車両前方の道路区間の曲率経過(変化)が算出される。曲率経過の評価により、曲率κ(カーブ曲率κとも称される)が指定の(所定の)曲率限界値κlimよりも大きい道路区間は、カーブ区間として識別される。曲率κは、ここでは、曲率の量(大きさ)であると理解される。つまり、曲率の方向を示す任意の符号、すなわち曲率が左または右への曲率であるかどうかを示す符号は考慮されない。識別されたカーブ区間では、局所的な曲率最大値k2、k6、k8、k12が識別される。各局所的最大値に対して、許容カーブ速度vが、曲率κおよび許容横方向加速度に依存して(に応じて、の関数として)算出される。車両は、カーブKを走行する際、算出された許容カーブ速度vを超えないように制御される。
【0022】
図1は、カーブの概略図である。
【0023】
カーブKは、例えばカーブ入口KEとカーブ出口KAを持つ領域k1からk16に分割され、曲率の一方向において、曲率閾値κlimよりも大きい曲率κを有している。このとき、図1において、カーブ入口KEは、曲率閾値κlimよりも小さな曲率κを持つカーブKの手前にある領域k0である。図1において、カーブ出口KAは、曲率閾値κlimよりも小さな曲率κを持つカーブKの後にある領域k14である。
【0024】
図2は、カーブセクションKS1からKS5に分割されたカーブKの概略図である。
【0025】
カーブ入口KEとカーブ出口KAの間では、カーブKをさらにカーブセクションKS1からKS5に分割することができ、これらのカーブセクションは、それぞれセクション開始とセクション終了を有している。
【0026】
スタートセクションKS1は、カーブ入口KE、つまり図2の領域k0で始まり、後続のカーブ曲率最大値、つまり図2の領域k2まで延びている。エンドセクションKS5は、カーブ出口、つまり図2の領域k14で終わり、最後の曲率最大値、つまり図2の領域k12で始まる。
【0027】
1つまたは複数の中間セクションKS2からKS4は、スタートセクションKS1とエンドセクションKS5の間に位置することができる。中間セクションKS2からKS4は、それぞれ曲率最大値、つまり図2の領域k2、k6、k8でそれぞれ始まり、後続の曲率最大値、つまり図2の領域k6、k8、k12まで延びている。
【0028】
別の実施形態では、異なる数のカーブセクションKS1からKSnが設けられていてよい。
【0029】
これにより、複数のカーブセクションKS1からKSnを同じ方向に形成することができる。
【0030】
1つの実施形態では、カーブ入口KEには速度制限vzulが与えられていない。
【0031】
第1のカーブセクションKS1(領域k0からk2)内の第1の速度制限は、第1の曲率最大値(領域k2)の位置にあってもよく、または追加の速度制限vzulの位置にあってもよい。
【0032】
カーブセクションKS1からKSn内には、少なくとも1つの曲率最大値、ただし、最大2つの曲率最大値を含むことができる。
【0033】
すべての曲率最大値で、速度制限vzulを以下の式に基づいて算出することができる。
【0034】
【数1】
【0035】
許容横方向加速度aquerzul(κ)は、カーブ曲率κに依存する特性曲線KL1として使用可能である。
【0036】
図3は、特性曲線KL1の概略図である。
【0037】
特性曲線KL1内では、その参照ポイント(格子点)間で線形補間を行う必要がある。
【0038】
例えば、特性曲線KL1は、次の参照ポイントを有することができる。
【0039】
【表1】
【0040】
曲率最大値での速度制限vzulは、以下のように決定することができる。
【0041】
考慮中のカーブセクションKS1からKSnが曲率最大値で始まる場合、必要な加速度が、指定のまたは指定することができる、調整可能な制限値を下回る場合(すなわち、後続の最大値の速度制限vzulが量的に先行する最大値に近いところにある場合)は、後続の曲率最大値は省略されるべきである。
【0042】
以下の場合、後続の最大値の速度制限vzulは省略される。
【0043】
【数2】
【0044】
カーブ出口KAでの速度制限vzul(法定速度制限vlegalの位置)は、以下のように決定される。
【0045】
考慮中のカーブセクションKS1からKSnがカーブ終点KEで終了している(つまり、曲率κは、指定のまたは指定することができる、調整可能な曲率制限を下回っている)場合、曲率κが現在の速度制限vzulに相当する、カーブ終点KEの前にある位置が算出される。この位置は、所望のカーブ終点KEである。この位置は次のように計算される。
【0046】
【数3】
【0047】
カーブ曲率κと法定速度制限vlegalとの関係は、特性曲線または参照テーブルに保存することができる。
【0048】
【数4】
【0049】
許容横方向加速度aquerzulと法定速度制限vlegalとの関係は、特性曲線または参照テーブルに保存することができる。
【0050】
【数5】
【0051】
カーブ終点KEは、本適用において、例えば特定のビット幅、例えば8ビットで、その数値範囲の最高値、例えば255であり、このことはデータが使用できない状態を示すことができる。カーブ終点KEで、初めて法定速度制限vlegalで再び走行することができる。
【0052】
個々のカーブセクションKS1からKSn内の追加の速度制限は、以下のように計算することができる。
【0053】
カーブセクションの始点とカーブセクションの終点との間の絶対速度差Δvが考慮され、速度差パラメータvP1、vP2と比較される。
【0054】
ケースa)では、Δv<vP1が該当する。この場合、追加の速度制限は設定されない。
【0055】
ケースb)では、Δv>vP1が該当する。この場合、Δv/2に相当する位置で追加の速度制限が設定される。
【0056】
ケースc)では、Δv>vP2が該当する。この場合、Δv/3及び2Δv/3に相当する位置で2つの追加の速度制限が設定される。
【0057】
図4は、カーブセクションKS1からKS3に分割されたカーブKの概略図である。
【0058】
スタートセクションKS1は、カーブ入口KE、つまり図4の領域k0で始まり、後続のカーブ曲率最大値、つまり図4の領域k8まで延びている。エンドセクションKS3は、カーブ出口KA、つまり図4の領域k14で終わり、最後の曲率最大値、つまり図4の領域k12で始まる。
【0059】
中間セクションKS2は、スタートセクションKS1とエンドセクションKS3との間に位置する。中間セクションKS2は、カーブ曲率最大値、つまり図4の領域k8で始まり、後続のカーブ曲率最大値、つまり図4の領域k12まで延びている。スタートセクションKS1の始点では、100km/hの速度制限が設定されている。スタートセクションKS1の終点では、67km/hの速度制限が設定されている。スタートセクションKS1の始点とスタートセクションKS1の終点との間の絶対速度差Δvは、33km/hである。図示されている例では、速度差パラメータvP1,vP2が以下のように設定されている。
P2=30km/h
P1=20km/h
【0060】
第1の追加速度制限は、vACS1=100-33/3=89km/hとなる。第2の追加速度制限は、vACS2=100-233/3=78km/hとなる。
【0061】
さらに、追加の速度制限に対して、関連する位置を決定することができる。このために、追加の速度制限に対して、関連するカーブ曲率を決定することができる。
【0062】
追加速度制限の正確な位置は、例えば、2つの曲率値間の線形補間によって算出される。速度vに依存する(応じて)許容横方向加速度aquerzulを算出するための特性曲線を、使用することができる。
【0063】
図5は、特性曲線KL2の概略図である。
【0064】
例えば、特性曲線KL2は、次の参照ポイントを有することができる。
【0065】
【表2】
【0066】
【数6】
【0067】
追加の速度制限の必要性について(に関する)後付け検査(フォローアップ検査、遡及検査)を加速プロセスに基づいて行うことができる。追加の速度制限は、例えば、後続の曲率最大値で速度制限vzulに達するために必要な加速度が、指定のまたは指定することができる、調整可能な加速度制限を超える場合(つまり、追加の速度制限が後続の最大値からあまりに大きく異なっており、従って無効である場合)、省略される。
【0068】
追加の速度制限は、例えば以下の場合に省略される。
【0069】
【数7】
【0070】
加速度の制限alimit1およびalimit2は、異なるように、または、同じであるように予め決定されてもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0071】
【特許文献1】独国特許出願公開第102006006365号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102009023489号明細書
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-04-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーブ(K)の走行時に車両の走行速度(v)を制限する方法であって、前記車両の前方にある道路区間の曲率(κ)の経過が算出され、前記曲率(κ)の経過および前記車両の物理的な負荷限界に依存して、許容カーブ速度(v)の経過が算出され、前記カーブ(K)の走行時に、前記算出された許容カーブ速度(v)を超えないように前記車両が制御される方法において、
-前記曲率(κ)が指定の曲率限界値(κlim)よりも大きい道路区間は、前記曲率(κ)の経過の評価によってカーブ区間として識別され、
-前記識別されたカーブ区間上で局所的な曲率最大値が識別され、
-前記カーブ区間上で複数の前記局所的な曲率最大値が識別された場合、各々の前記局所的な曲率最大値に対して、前記曲率(κ)および許容横方向加速度(aquerzul)に依存して前記許容カーブ速度(v)が算出される
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記許容横方向加速度(aquerzul)は、前記曲率(κ)に依存して指定される
ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記許容横方向加速度(aquerzul)は、前記曲率(κ)に依存して、特性曲線(KL1)または参照テーブルとして指定される
ことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記識別されたカーブ区間は、複数の隣接するカーブセクション(KS1からKSn)に分割され、隣り合う前記カーブセクション(KS1からKSn)間の境界は、前記局所的な曲率最大値によって形成される
ことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
それぞれの前記カーブセクション(KS1からKSn)の開始時と終了時の前記許容カーブ速度(v)間の偏差が算出され、前記算出された偏差が指定の速度閾値を超える場合、前記それぞれのカーブセクション(KS1からKSn)上で、補間によって、前記それぞれのカーブセクション(KS1からKSn)の開始時と終了時の前記許容カーブ速度(v)に基づいて、少なくとも1つのさらなる許容カーブ速度(v)が算出される
ことを特徴とする、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記補間は、線形補間として実施される
ことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記それぞれのカーブセクション(KS1からKSn)の開始時と終了時の前記許容カーブ速度(v)間の前記算出された偏差が大きいほど、前記算出されたさらなる許容カーブ速度(v)の数より多く選択される
ことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つのさらなる許容カーブ速度(v)に対するそれぞれの位置は、前記関連する曲率(κ)が決定され、2つの曲率値間の線形補間によって追加の速度制限の正確な位置が算出されることによって決定される
ことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
特性曲線(KL2)または参照テーブルは、前記許容カーブ速度(v)に依存して前記許容横方向加速度(aquerzul)を算出するために使用される
ことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記追加の速度制限の必要性についての後付け検査が加速プロセスに基づいて実行され、後続の曲率最大値で速度制限に達するために必要な加速度が、指定のまたは指定することができる、調整可能な加速度制限を超える場合、前記追加の速度制限は省略される
ことを特徴とする、請求項に記載の方法。
【国際調査報告】