(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】車両バッテリ充電システム用地上接続ユニット
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20240719BHJP
B60L 53/16 20190101ALI20240719BHJP
B60L 53/30 20190101ALI20240719BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
B60L53/16
B60L53/30
H02J7/00 P
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504978
(86)(22)【出願日】2022-07-28
(85)【翻訳文提出日】2024-03-12
(86)【国際出願番号】 EP2022071250
(87)【国際公開番号】W WO2023006900
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】102021119665.5
(32)【優先日】2021-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524033593
【氏名又は名称】イーズリンク・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Easelink GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】ザヴェルスキー,マルティン
(72)【発明者】
【氏名】ホーファー,マクシミリアン
(72)【発明者】
【氏名】リードル,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】シュトッキンガー,ヘルマン
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA03
5G503FA06
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125FF12
5H125FF14
(57)【要約】
地上側ベース(30)と上部外壁(12)とを備え、少なくとも1つのプリント回路基板(28)が配置される受入空間がベース(30)と外壁(12)との間に形成され、車両側の相手側接続点に接続するために外壁(12)の外側に設けられた複数の接続点(14)を備える、車両バッテリ充電システム用の地上接続ユニット(10)であって、
接続点(14)は電気配線によってプリント回路基板(28)に導電的に接続されており、電気配線が、少なくとも部分的に、ベース(30)に向けてバネ状に撓むように構成された、可撓性の自由に延びる接続点ブリッジ(34)によって形成されていることを特徴とする地上接続ユニット(10)。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地上側ベース(30)と上部外壁(12)とを備え、少なくとも1つのプリント回路基板(28)が配置される受入空間がベース(30)と外壁(12)との間に形成され、車両側の相手側接続点に接続するために外壁(12)の外側に設けられた複数の接続点(14)を備える、車両バッテリ充電システム用の地上接続ユニット(10)であって、
接続点(14)は電気配線によってプリント回路基板(28)に導電的に接続されており、電気配線が、少なくとも部分的に、ベース(30)に向けてバネ状に撓むように構成された、可撓性の自由に延びる接続点ブリッジ(34)によって形成されていることを特徴とする、地上接続ユニット(10)。
【請求項2】
接続点ブリッジ(34)は、関連するプリント回路基板(28)の上面側及び下面側の一方に取り付けられていることを特徴とする、請求項1に記載の地上接続ユニット(10)。
【請求項3】
地上接続ユニット(10)の側面視または上面視において、接続点ブリッジ(34)は、それぞれ弾性変形して、関連する接続点が上部外壁(12)に対して垂直に移動する際にその形状が変化する少なくとも1つの円弧を描くことを特徴とする、請求項1または2に記載の地上接続ユニット(10)。
【請求項4】
接続点ブリッジ(34)は、ワイヤボンディング、溶接、はんだ付け、プレス、圧着、クランプ、またはネジ止めによって、その端部がそれぞれ隣接する部品に固定されていることを特徴とする、請求項1から3の何れか1項に記載の地上接続ユニット(10)。
【請求項5】
ピン(32)が外壁(12)上の接続点(14)の内側に設けられ、ピン(32)は、接続点(14)の裏面側に別部品として形成されるかまたは一体的に形成されて、接続点(14)から突出し、ピン(32)は、関連するプリント回路基板(28)に向かって延び、それぞれの電気配線の一部を構成し、少なくとも1つのそれぞれの接続点ブリッジ(34)が、ピン(32)とプリント回路基板(28)との間に延び、接続点ブリッジ(34)は、ピン(32)の長手方向に弾性的にバネ状に撓むことができ、ピン(32)をプリント回路基板(28)に電気的に接続することを特徴とする、請求項1から4の何れか1項に記載の地上接続ユニット(10)。
【請求項6】
ピン(32)は、関連するプリント回路基板(28)を越えて延びていることを特徴とする、請求項5に記載の地上接続ユニット(10)。
【請求項7】
複数の接続点ブリッジ(34)が、少なくとも1つのプリント回路基板(28)及び/または関連するピン(32)に、共同で接着または溶接またははんだ付けされていることを特徴とする、請求項5または6に記載の地上接続ユニット(10)。
【請求項8】
接続点ブリッジ(34)は、関連するプリント回路基板(28)に一体的形成され、それぞれの自由端によって関連するピン(32)に固定されることを特徴とする、請求項5から7の何れか1項に記載の地上接続ユニット(10)。
【請求項9】
複数の接続点ブリッジ(34)がピン(32)ごとに設けられていることを特徴とする、請求項5から8の何れか1項に記載の地上接続ユニット(10)。
【請求項10】
少なくともいくつかの、好ましくは全ての接続点ブリッジ(34)が、受容空間内に収容され取付ホルダに受容され、取付ホルダは、接続点ブリッジ(34)を少なくとも1つのプリント回路基板(28)及びピン(32)に対して位置決めすることを特徴とする、請求項5から9の何れか1項に記載の地上接続ユニット(10)。
【請求項11】
ピン(32)が、特に接触溶接によって、外壁(12)の接続点(14)に溶接されていることを特徴とする、請求項5から10の何れかに記載の地上接続ユニット(10)。
【請求項12】
各ピン(32)に対して側方ガイド(38)が設けられていることを特徴とする、請求項5から11の何れか1項に記載の地上接続ユニット(10)。
【請求項13】
側方ガイド(38)が、保持プレート(42)に取り付けられるか、または保持プレート(42)と一体的に形成されたスリーブによって形成され、ピン(32)がスリーブ内に延びていることを特徴とする、請求項12に記載の地上接続ユニット(10)。
【請求項14】
押さえ板(42)は、一方では外壁(12)に固定され、他方ではプリント回路基板(28)を保持するために、少なくとも1つのプリント回路基板(28)に固定されていることを特徴とする、請求項13に記載の地上接続ユニット(10)。
【請求項15】
押さえ板(42)と外壁(12)とは、凹部に係合する突起(50)によって、互いに対して横方向に位置決めされていることを特徴とする、請求項13または14に記載の地上接続ユニット(10)。
【請求項16】
外壁(12)とベース(30)との間に、外壁(12)をベース(30)上で上下方向に支持する支持部品(52)が延びていることを特徴とする、請求項1から15の何れか1項に記載の地上接続ユニット(10)。
【請求項17】
支持部品(52)は、ベース(30)と一体的に形成されていることを特徴とする、請求項16に記載の地上接続ユニット(10)。
【請求項18】
導電性の中間プレートが、外壁(12)の裏面側に取り付けられており、保護アース接続点である複数の接続点(14)が、中間プレートに電気的に結合されており、中間プレートが、接続点ブリッジ(34)によってプリント回路基板(28)に接続されていることを特徴とする、請求項1から17の何れか1項に記載の地上接続ユニット(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両バッテリ充電システム用地上接続ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
電動車両の場合、車両側の部品(車両接続ユニットとも称される)と地面に静止している部品(地上接続ユニットとも称される)との間に自動化された方法で電気配線が確立された導電充電システムが知られている。
【0003】
この目的のために、電気接続点は通常、車両のアンダボディに設けられており、必要に応じて、地上接続ユニットの対応する接続面に接触させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような地上接続ユニットは、例えば、WO2019/052962A1に開示されている。この地上接続ユニットは、地上側ベースと上部外壁とを有し、その間に電子機器が受容される受容空間が形成される。少なくとも1つのプリント回路基板が設けられ、このプリント回路基板は、外壁の外側に設けられる接続点に電気的に接続される。これらの接続点は、車両が充電を必要とするときに電気的に結合するために、車両側コネクタに接近する。上部外壁には、これらの接続点が多数設けられており、そのうちの(例えば、相手接続点に接続する接続点のうちの)2つまたは3つ以上が、コネクタが結合されたときに充電電流を送る。外壁に複数の接続点が分布しているということは、地上接続ユニットに対して車両の向きを最適にする必要がないことを意味する。車両のコネクタ上の相手接続点と最適に接続する接続点またはその一部のみが、最終的に電流を流すために接続される。
【0005】
既に述べたように、外壁の接続点は、通電するようにプリント回路基板に接続され、これは通常、その裏側の接続点に設けられたピンによって行われる。
【0006】
地上接続ユニットは駆動される、すなわち、おそらく数トンのかなりの重量負荷にさらされることもあり得るので、これらの地上接続ユニットを、長年にわたって安全に機能するように頑丈に構成する必要がある。一方、地上接続ユニットの内部の電気接続が、外部からの機械的負荷にもかかわらず無傷のままであることをここで保証しなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、地上側ベースと上部外壁とを含み、少なくとも1つのプリント回路基板が配置される受容空間がベースと外壁との間に形成され、車両側相手接続点に接続するために外壁の外側に設けられた複数の接続点を含み、接続点が電気配線によってプリント回路基板に導電的に接続される、車両バッテリ充電システム用の地上接続ユニットによって達成される。この電気配線は、少なくとも部分的には、可撓性で自由に延びる接続点ブリッジによって形成されており、この接続点ブリッジは、ベースに向かってバネ状に撓むことができるように構成されている。
【0008】
外壁上のそれぞれの接続点とプリント回路基板との間の電気配線ルートにおける、可撓性で自由に延びる接続点ブリッジにより、外壁は、荷重を受けたときに、幾分弾性的にそれ自体降伏することができ、これにより、電気配線の部品及びその固定点の疲労強度に悪影響を及ぼさない。ピンをプリント回路基板にはんだ付けし、高安定性の外壁を設けるというこれまで考えられてきた解決策は、本発明によって置き換えられる。すなわち、システムの剛性ではなく、弾性が意図的に選択されている。
【0009】
プリント回路基板は、好ましくは、受入空間内に吊り下げられるように収容され、接続点ブリッジは、プリント回路基板の上側及び下側の一方に取り付けられる。特に、接続点ブリッジはプリント回路基板から開始される。それぞれの弾性を有する接続点ブリッジへの接続を、自動化された方法で比較的簡単に行うことができるからである。上側または下側での位置決めにより、プリント回路基板上のそれぞれの締結点に作用するのは、主にプリント回路基板から垂直に離れた箇所からの引張荷重であり、問題となる剪断荷重はあまり生じない。
【0010】
地上接続ユニットの側面視または上面視において、接続点ブリッジは、それぞれ関連する接続点が上部外壁に対して垂直に移動したときに形状が変化する、少なくとも1つの円弧を描くことができ、接続点ブリッジは弾性変形する。この配置により、接続点ブリッジ自体にはほとんど応力がかからず、同時に電気配線の隣接部分間の最適な干渉緩和手段として機能することが保証される。好ましくは、円弧は側部または上部に開いており、すなわち、接続点ブリッジによって形成される横向きのまたは直立した”U”の字が含まれる。脚部の自由端は、隣接する部品、例えば、プリント回路基板あるいはピン接続する、または外壁の接続点に直接接続するための移行部を形成する。
【0011】
更に問題となるのは、接続点ブリッジを電気配線の隣接部分に確実に取り付けることである。1つの変形例によれば、本発明は、接続点ブリッジが、ワイヤボンディング、溶接、またははんだ付けによって、その端部でそれぞれの隣接する部品に固定することを提供する。あるいは、接続点ブリッジは、プレス、圧着、クランプ、またはネジ止めによって、その端部でそれぞれ隣接する部品に固定することもできる。ワイヤボンディングでは、通常アルミニウム製のワイヤを使用し、振動と熱を加えることで隣接する部品に直接固定する。ワイヤが接続点ブリッジを形成する。この方法の特徴は、長期安定性が高いことと、自動化が可能でコスト効率が高いことである。いわゆるレーザーボンディングも適用できる。
【0012】
既に示したように、外壁の接続点の内側にピンを設けることができ、ピンは関連するプリント回路基板に向かって延び、それぞれの電気配線の一部を構成する。ピンは、ここでは別個の部品として形成されてもよく、すなわち一体となって接続点に続くものではない。しかし、代替案として、ピンは、その裏面側で接続点と一体的に形成され、接続点から突出することにより、接続点に一体的に続いていてもよい。ピンとプリント回路基板との間には、少なくとも1つのそれぞれの接続点ブリッジが設けられ、この接続点ブリッジは、ピンの長手方向にバネとして弾力的に撓むことができ、ピンをプリント回路基板に電気的に接続する。ピンは、好ましくは、外壁に荷重がかかったときに垂直方向に変位するように、関連する接点の裏面側から垂直に突出している。
【0013】
ピンが関連するプリント回路基板を越えて延びている場合、すなわち、その外壁の横方向に延びている場合、または凹部もしくは開口部を通って延びている場合、接続点ブリッジは、例えば、ピンの下側に非常に簡単に取り付けることができ、その後、プリント回路基板の下側まで円弧状、例えば直立U字状に延びる。接続点ブリッジのこの向きは、長期安定性の点で非常に有利であることが判明している。
【0014】
完全に自動化された製造におけるサイクルタイムを短縮するために、複数の接続点ブリッジを少なくとも1つのプリント回路基板及び/または関連するピンに共同で接着または溶接またははんだ付けすることができる。
【0015】
接続点ブリッジは、関連するプリント回路基板に一体以下されている場合もある。すなわち、プリント回路基板は、接続点ブリッジを形成し、その自由端が関連するピンに固定される、一種の弾性を有する導電性延長部を有する。その結果、接続点ブリッジを提供するための別個の部品は必要ない。
【0016】
接続点ブリッジの故障の可能性を考慮し、ピンごとに複数の接続点ブリッジを設けることで、長期安定性という点で更なる安全性を確保することができる。
【0017】
受入空間内での接続点ブリッジの位置決めを確実にするために、少なくと幾つかの、好ましくは全ての接続点ブリッジを、受入空間内に収容される取付ホルダに受け入れてもよい。この取付ホルダは、接続点ブリッジを少なくとも1つのプリント回路基板と、ピンが設けられている場合はこれらのピンと相対的に位置決めする。特に、この取付ホルダは、疲労強度の観点から接続点ブリッジの最適な向きを提供する。例えば、上記で既に数回述べたU字型接続点ブリッジは、「U」が例えば正確に水平または直立するように配置されるように方向付けられる。また、接続点ブリッジ同士の摩擦を防ぐために、接続点ブリッジが他の接続点ブリッジと接続するのを防ぐ。
【0018】
ピンは、特に接触溶接によって外壁の接続点に溶接することができる。必要に応じて、接続点とピンの材料は異なっていてもよいが、必ずしもそうである必要はない。
【0019】
各ピンのための側方オプションガイドは、更に、荷重下での所定の曲げに対して、常に一定の最適化されたラインの向きを提供する。
【0020】
側方ガイドは、それと一体的に形成されたスリーブまたはそれに挿入されたスリーブを有する保持プレートで構成することができ、その中をピンが延びる。
【0021】
プリント回路基板は、例えば、ベースから離間するようにホルダによって取り付けられ、外壁に固定されてもよい。これは、地上接続トユニットに機械的な負荷がかかったときの電気配線の相対的な動きを抑えるためのものである。ホルダは、また保持プレートとスリーブから構成されていてもよいが、これは任意である。
【0022】
この目的のために、押さえ板は、一方では外壁に、他方では少なくとも1つのプリント回路基板に、プリント回路基板を吊り下げた状態で保持するために固定することができる。
【0023】
一般に、上述の特徴の組み合わせに限定されることなく、プリント回路基板は、可能な限り荷重をそこから遠ざけるために、受入空間内で浮動的に支持されることが好ましい。この目的のために、プリント回路基板は、例えば、プリント回路基板が依然として可動であるように、場合によっては下方からの選択的支持を伴って、吊り下げられるように設置されてもよい。
【0024】
本発明の更なる変形例では、押さえ板と外壁は、凹部に係合する突起によって互いに対して横方向に位置決めされる。これは、機械的結合が提供されることを意味する。
【0025】
更に、外壁とベースとの間に、外壁をベース上で垂直方向に支持する支持部品を設けてもよい。これらの支持部品、または場合によっては単一の支持部品は、車両がその上を走行する際に外壁がバネで撓み過ぎるのを防止するために、ベースに対する外壁の機械的安定性を確保するためのものである。
【0026】
支持部品はベースと一体的に形成され、ピン状の構成を有していてもよい。
【0027】
外壁の裏面側に複数の保護アース接続点を電気的に結合するために、外壁の裏面側に導電性の中間板を設けてもよい。これらのライン部は、一方では関連する保護アース接続点に接続され、他方では共有の接続点ブリッジによってプリント回路基板に接続される。これにより、接続点ブリッジの数を減らすことができる。
【0028】
本発明の更なる特徴及び利点は、以下の図面及び参照される以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1は、本発明による地上接続ユニットの概略上面図である。
【
図2】
図2は、本発明による地上接続ユニットの概略断面側面図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1の実施形態による地上接続ユニットの概略断面図である。
【
図4】
図4は、本発明の第2の実施形態による地上接続ユニットの概略断面図である。
【
図5】
図5は、本発明の第3の実施形態による地上接続ユニットの概略断面図である。
【
図6】
図6は、本発明の第4の実施形態による地上接続ユニットの概略断面図である。
【
図7】
図7は、
図6による地上接続ユニットの一部の上面図であり、接続点、基礎となる接続点ブリッジ及びプリント回路基板を備えている。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、車両バッテリ充電システム用の地上接続ユニット10を示す。この地上接続ユニット10は、私有地または公共地の地面に置かれるか、または地面の高さに敷設され、高さが比較的低い板状の形状を有する。
【0031】
簡単にまとめると、バッテリの充電は次のように行われる:ハイブリッド車または電気自動車が、地上ユニットの上を動く。その後、下側に突出した複数の接続点を有する車両接続ユニットが、地上接続ユニットに対して下方に移動する。地上接続ユニットでは、上面に露出している多数の接続点のうち、どの接続点に車両側の相手接続点がぴったりと位置しているかが判断される。充電プロセスが開始できるように、これらの接続点のいくつかへの電力供給が起動される。
【0032】
地上接続ユニット10のいくつかの詳細を以下に説明する。
【0033】
地上接続ユニット10は上部外壁12を有し、その上にマトリックス状に配置された多数の接続点14が配置されている。接続点14はパターン状に配置され、図示された実施形態では、二次元ブラヴェ格子、より正確には六角形格子の形で配置されている。
【0034】
図示の例では、地上接続ユニット10は、3つの地上接続部16、18、20を備え、これらの地上接続部16、18、20は、地域の電力網のそれぞれの接続部に接続されている。地上接続部16、18、20は、それぞれ異なる電位を提供する。
【0035】
地上接続ユニット10には、電位ごとに電位レベル22、24、26が設けられている(
図2参照)。3つの電位レベルのみが描かれているが、異なる数の電位レベルを設けることもできる。もちろん、電位レベルは互いに絶縁されている。
【0036】
図示した例示的な実施形態では、電位レベル22~26は、例えば、
図3に図示したプリント回路基板28の導電層である。プリント回路基板28は、地上接続ユニット10の内部の空間に配置されている。
【0037】
この受入空間は、いわゆる地上側ベース30によって地面に向かって仕切られており、ベース30は側壁を有するか、外壁12がベース30に向かう側壁を有するか、または、外壁12とベース30とを接続し、地上接続ユニット10の内部に液密な受入空間を提供する別個の側壁が設けられるかの何れかである。
【0038】
車両接続ユニットが地上接続ユニット10の上を移動すると、車両接続ユニットの複数の接続点が地上接続ユニット10のいくつかの接続点14と接続する。対応する対になった接続点が検出され、これらの接続点の一部が地上接続ユニット10のそれぞれの回路によって作動され、他の接続点は遮断されたままとなり、充電プロセスが開始できる。
【0039】
地上接続ユニット10の内部構造、特に機械的構造と電気的構造について、更に詳しく説明する。
【0040】
外壁12は、接続点14の領域に多数の窪みを有し、接続点14は、それぞれの窪みの底部の領域で外壁12の裏面に接着され、外壁12の上面と面一である。
【0041】
接続点14は、例えば、小さなステンレス鋼板である。接続点14の裏側から始まる電気配線は、この場合、プリント回路基板28上の対応する接続点に至るいくつかの部分から構成されている。この電気配線の一部分は、各接続点14に対して、真鍮または鋼鉄製のピン32であり、このピン32は、例えば、はんだ付け、溶接または接着によって接続点14の裏面側に固定される板状の端部を有している。ピン32の板状の拡大の領域では、ピン32は、更に、ポッティングコンパウンド36によって外壁12に保持され、密閉される。
【0042】
ピン32は、ベース30に向かって、好ましくは外壁12の上面に対して垂直に延び、好ましくはプリント回路基板28を越えて距離をおいて(横方向に越えて、またはプリント回路基板28の凹部または開口部を通って)延びる。
【0043】
プリント回路基板28の下面には、1つまたは複数の可撓性の自由に延びる接続点ブリッジ34が設けられており、この接続点ブリッジ34は、プリント回路基板28の下面まで延び、それぞれのピン32をプリント回路基板28上の対応する接続点と電気的に接続する。この接続点ブリッジ34またはブリッジ34がないと、ピン32はプリント回路基板28と電気的に接触しない。
【0044】
説明したように、接続点ブリッジ34またはブリッジ34は自由に延び、ベース30に向かってバネのように自由に撓むように作られている。これは、車両が地上接続ユニット10上に位置し、外壁12がバネのように最小限度撓み、対応するピン32を下方に移動させるとき、接続点ブリッジ34が、ピン32の下端壁とプリント回路基板28の下面との間の変化する距離を補償することを意味する。
【0045】
接続点ブリッジ34は円弧状、特にU字形状を有する。この例では、「U」は、開放側が上方を向いた直立U字形である。あるいは、横になったU字形でもよい。
【0046】
接続点ブリッジ34のピン32への取り付けは、溶接またははんだ付けによって行われるが、好ましくは接着、ここでは特にワイヤボンディングによって行われる。
【0047】
接続点ブリッジのプリント回路基板への取り付けは、同じ種類の取り付け方法を用いて行われる。
【0048】
図3に示す実施形態の代替案として、ピン32は、もちろん、プリント回路基板28の上面側の領域または上面側の手前で終端することもでき、これにより、接続点ブリッジ34は、それぞれのピン32の下面からプリント回路基板28の上面側へ、ここでも「U」として円弧状に延びる。
【0049】
押さえ板42と、スリーブ状に一体形成された側方ガイド38とを有するホルダ40が設けられている。
図3の左側のピン32は、ホルダ40のスリーブ状の側方ガイド38を通って延びている。押さえ板42は、外壁12の下側に接触している。押さえ板42と一体的に形成された延長部44は、押さえ板42からプリント回路基板28まで延びており、プリント回路基板28は延長部44に固定されている。このようにして、プリント回路基板28は、ホルダ40を介して外壁12に吊り下げ式に結合され、ホルダ40は、締結要素46によって外壁12に固定される。
【0050】
ホルダ40には、保持板42の下方に遮蔽板48を取り付けることができる。
図3に見られるように、多数の横方向ガイド38もプリント回路基板28の支持体として機能することができる。
【0051】
ホルダ40は、凹部、より具体的には相補的な凹部(この場合はプレート42の凹部)に突出する突起50によって、外壁12に対して横方向に位置付けられている。
【0052】
車両によって荷重が加えられたときに、外壁12の機械的支持を得るため、複数の支持部品52が設けられている。支持部品52は、ベース30の上面から、外壁12まで、あるいは、
図3による実施形態のように、ホルダ40及び/または遮蔽板48が外壁12の下方に設けられている場合には、対応する単数または複数のプレートの下面まで延びている。このようにして、ベース30と外壁12との間に機械的な橋渡しが達成される。
【0053】
図3に見られるように、支持部品52は、連結部品54、例えばプレートによって、一体的にまたは複数個に互いに結合することもできる。代替的には、連結部品54は、ベース30に一体的に連結することもでき、その場合、支持部品52は、ベース30から上方に一体的に突出する。
【0054】
図示された実施形態では、右側のピン32は鋼製である。ピン32は、外壁12の円錐状の窪みに収容されたアンカーコーン60を通って延びている。アンカーコーン60の下側にはフェライトスリーブ62が隣接しており、このフェライトスリーブ62は、横方向ガイド38のブッシュ状の拡径部64に収容されている。
【0055】
ここでも接続点ブリッジ34は、ピン32の下側に存在する。フェライトスリーブ62とアンカーコーンは、車両接続ユニットの位置決めと位置合わせに使用される磁界を伝導する。
【0056】
図示された実施形態では、1つ以上のリレー70がプリント回路基板28の上面に取り付けられている。
【0057】
図4による実施形態は、以下の特徴に関して
図3による実施形態と異なるので、相違点のみを説明し、同一または機能的に同一の部品には、これまでの参照番号が付されている。
図3による実施形態とは対照的に、ここではピンは設けられておらず、むしろ、可撓性で自由に延びる接続点ブリッジ34が、それぞれの接続点14の下側からプリント回路基板28まで延びている。それぞれの接続点14及びプリント回路基板28への取り付けは、先に述べた任意の方法によって行われる。
【0058】
図4による変形例では、接続点ブリッジ34はプリント回路基板28の上面に固定されている。
【0059】
この場合、プリント回路基板28は外壁12の比較的近くに位置するが、外壁12から離間しているため、リレー70または他の体積の大きい電子部品は、プリント回路基板28の下面に取り付けられる。
【0060】
ここでももちろん、それぞれの可撓性で自由に伸びる接続点ブリッジ34は、接続点ブリッジ34に引張荷重をかけずに可能な限り動きを吸収するために、円弧状に構成されている。接続点ブリッジ34は、ここでは横向きの「U」の形をしている。
【0061】
この例では、接続点14ごとに1つの接続点ブリッジ34のみが図示されているが、接続点14ごとに2つ以上の接続点ブリッジ34を設けることも容易である。
【0062】
図4によれば、支持部品は図示されていないが、もちろん存在することができる。
【0063】
更に、プリント回路基板及び/または接続点14及び/またはピン32に全てまたは多数の接続点ブリッジを共同で取り付けるために、はんだ付け、溶接または結合を自動的に、好ましくは複数の同時ツールでも実施できるように、いわば、接続点ブリッジ34の全てまたは複数のグループを受け取り、プリント回路基板28または接続点14に対してそれらを位置決めする取付ホルダを設けてもよい。取付ホルダは、操作中に接続点ブリッジ34を互いに相対的に位置決めするために、受入空間に残ることができる。
【0064】
図4に更に示されるように、支持部品52は、ベース30と一体的に形成されることもある。
【0065】
図5に示す実施形態では、導電性の中間プレート148が外壁12の裏面側に固定されている。この中間プレート148は、PE接続点とも呼ばれる、複数の保護アース接続点と電気的に接続する。
【0066】
中間プレート148は、例えば締結ネジ150によってピン32に結合され、同時に電気接続部に使用されることもある。全ての保護アース接続点をプリント回路基板28に電気的に接続するには、1つの接続点ブリッジ34で十分である。
【0067】
既に説明した部品及び部分には、既に説明した参照番号が付されているので、個別に説明する必要はない。
【0068】
図6及び
図7による実施形態では、接続点ブリッジ34は、側面図ではなく上面図において「U」字形である(
図7参照)。したがって、水平な「U」の字である。
【0069】
ここでも-これは限定的な意味で理解されるべきではないが-プレス部品であってもよい接続点ブリッジ34は、ピン32の下側にネジ止めされている。ここで、任意に、ピン32は、コンタクト14内に一体的に移行し、後方でコンタクト14から突出していてもよい
もちろん、一方の接続点ブリッジ34と隣接部分、すなわちピン32またはプリント回路基板28との間の他の接触接続も、一般に、任意の実施形態に限定されることなく、例えば、
図7の線152によって象徴される押圧または圧着、または2つの部分の接続点14またはピン32の間のクランプを提供することができる。
【国際調査報告】