(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】血行力学パラメータ及び損傷を受けた脳組織の同時表示
(51)【国際特許分類】
A61B 6/50 20240101AFI20240719BHJP
A61B 6/46 20240101ALI20240719BHJP
A61B 5/0275 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
A61B6/50 511G
A61B6/50 500B
A61B6/46 536Q
A61B5/0275 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504985
(86)(22)【出願日】2022-07-28
(85)【翻訳文提出日】2024-03-22
(86)【国際出願番号】 US2022074272
(87)【国際公開番号】W WO2023010089
(87)【国際公開日】2023-02-02
(32)【優先日】2021-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521480846
【氏名又は名称】イスキマビュー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ISCHEMAVIEW,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】バンマー、ローラント
(72)【発明者】
【氏名】ストラカ、マトゥーシュ
(72)【発明者】
【氏名】エンドレス、ユルゲン
【テーマコード(参考)】
4C017
4C093
【Fターム(参考)】
4C017AA11
4C017AB06
4C017AC40
4C017BC11
4C017BC23
4C017BD04
4C017BD06
4C017CC01
4C017CC08
4C017DD17
4C093AA22
4C093AA24
4C093CA17
4C093DA02
4C093FD12
4C093FF17
4C093FF19
4C093FF23
4C093FF37
(57)【要約】
血液供給の妨げに基づいて脳組織損傷量を示すオーバーレイを有する画像を生成することができる。造影データが解析されて、個人の脳の領域に関する灌流パラメータを特定することができる。損傷した脳組織の存在に関する灌流パラメータの閾値は、個人の脳の1つ又は複数の領域への血流を妨げる生体状況の発症から経過した時間期間に基づくことができる。造影データが解析されて、個人の脳の領域に関する低濃度測度を特定することもできる。低濃度測度が脳組織損傷に対応する尤度も、生体状況の発症から経過した時間期間に基づいて特定することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
各々がプロセッサ及びメモリを含む1つ又は複数の計算デバイスを含む計算システムが、個人の脳内の造影剤の存在に基づいて前記個人の前記脳内の第1の特性を示す造影データを取得することと、
前記計算システムにより、前記個人の前記脳の1つ又は複数の血管に対応する生体状況の発症から経過した時間量を特定することと、
前記計算システムにより、前記個人の前記脳の血管に関連し、前記時間量及び前記造影データに基づく1つ又は複数の血流パラメータの1つ又は複数の閾値レベルを決定することであって、前記1つ又は複数の閾値レベルは前記個人の脳への損傷を示す、決定することと、
前記計算システムにより、前記1つ又は複数の血流パラメータのうちの1つの血流パラメータが、少なくとも、前記個人の前記脳の血管に関する前記1つ又は複数の閾値レベルのうちの1つの閾値レベルであると判定することと、
前記計算システムにより及び前記1つの血流パラメータに基づいて、損傷を受けた組織を含む前記個人の前記脳の少なくとも1つの領域を示す画像を生成することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記1つ又は複数の閾値は、前記生体状況の発症から経過した第1の時間期間に対応する血流パラメータの第1の閾値レベルを含み、
前記1つ又は複数の閾値は、前記生体状況の発症から経過した第2の時間期間に対応する前記血流パラメータの第2の閾値を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記計算システムにより、前記時間量が第1の時間量に対応すると判定することと、
前記計算システムにより、前記血流パラメータが少なくとも前記第1の閾値レベルであることに基づいて、損傷が前記個人の前記脳の前記領域に生じたと判定することと、を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の閾値レベルは、前記第1の閾値レベルよりも大きい前記血流パラメータの値に対応する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記血流パラメータは脳血流を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記計算システムにより、前記第1の造影データのボクセル情報を解析することにより前記血流パラメータを特定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記計算システムにより、前記個人の前記脳内の前記造影剤の不在下での前記個人の前記脳内の第2の特性を示す追加の造影データを取得することと、
前記計算システムにより及び前記時間量に基づいて、前記個人の前記脳の組織への損傷を判定するためのモデルの1つ又は複数のパラメータの1つ又は複数の重みを決定することと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記計算システムにより、前記追加の造影データの幾つかのボクセルの強度値を解析することにより、前記モデルのパラメータの値を特定することと、
前記計算システムにより及び前記時間量に基づいて、前記パラメータの重みを決定することと、
を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記計算システムにより、前記パラメータの前記重みを使用して実行される前記モデルに、前記個人の前記脳の領域の低濃度測度を特定させることと、
前記計算システムにより、前記低濃度測度が少なくとも低濃度閾値レベルであると判定することと、
前記計算システムにより、前記個人の前記脳の前記領域の組織が損傷したと判定することと、
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記生体状況は、前記個人の前記脳の少なくとも1つの領域への血流の妨げである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
システムであって、
1つ又は複数のハードウェアプロセッサと、
コンピュータ可読命令を含む1つ又は複数の非一時的コンピュータ可読記憶媒体と、
を備え、
前記コンピュータ可読命令は、前記1つ又は複数のハードウェアプロセッサにより実行されると、前記1つ又は複数のハードウェアプロセッサに動作を実行させ、
前記動作は、
個人の脳内の造影剤の存在に基づいて前記個人の前記脳内の第1の特性を示す造影データを取得する動作と、
前記個人の前記脳の1つ又は複数の血管に対応する生体状況の発症から経過した時間量を特定する動作と、
前記個人の前記脳の血管に関連し、前記時間量及び前記造影データに基づく1つ又は複数の血流パラメータの1つ又は複数の閾値レベルを決定する動作であって、前記1つ又は複数の閾値レベルは前記個人の脳への損傷を示す、決定する動作と、
前記1つ又は複数の血流パラメータのうちの1つの血流パラメータが、少なくとも、前記個人の前記脳の血管に関する前記1つ又は複数の閾値レベルのうちの1つの閾値レベルであると判定する動作と、
前記個人の前記脳の前記血管に基づいて、損傷を受けた組織を含む前記個人の前記脳の少なくとも1つの領域を示す画像を生成する動作と、
を含む、システム。
【請求項12】
前記1つ又は複数の非一時的コンピュータ可読記憶媒体は追加のコンピュータ可読命令を含み、前記追加のコンピュータ可読命令は、前記1つ又は複数のハードウェアプロセッサにより実行されると、前記1つ又は複数のハードウェアプロセッサに追加の動作を実行させ、前記追加の動作は、
前記個人の前記脳内の前記造影剤の不在下での前記個人の前記脳内の第2の特性を示す追加の造影データを取得する動作と、
前記時間量に基づいて、前記個人の前記脳の組織への損傷を判定するためのモデルの1つ又は複数のパラメータの1つ又は複数の重みを決定する動作と、
を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1の造影技法は、1つ又は複数の灌流ベースのコンピュータ断層撮影(CT)造影技法を実施し、前記第2の造影技法は、1つ又は複数の非造影CT造影技法を実施する、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1の造影技法は、1つ又は複数のコンピュータ断層撮影血管造影(CTA)造影技法を実施し、前記第2の造影技法は、1つ又は複数の非造影CT造影技法を実施する、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記1つ又は複数の非一時的コンピュータ可読記憶媒体は追加のコンピュータ可読命令を含み、前記追加のコンピュータ可読命令は、前記1つ又は複数のハードウェアプロセッサにより実行されると、前記1つ又は複数のハードウェアプロセッサに追加の動作を実行させ、前記追加の動作は、
前記個人の前記脳の前記領域に対応する第1のオーバーレイ及び前記個人の前記脳の追加の領域に対応する第2のオーバーレイを含む画像を生成する動作
を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
方法であって、
1つ又は複数のプロセッサ及びメモリを含む計算システムにより、個人の脳内の造影剤の不在下での前記個人の前記脳内の特性を示す造影データを取得することと、
前記計算システムにより、前記個人の前記脳の1つ又は複数の血管に対応する生体状況の発症から経過した時間量を特定することと、
前記計算システムにより及び前記時間量に基づいて、前記個人の前記脳の組織への損傷を判定するためのモデルの1つ又は複数のパラメータの1つ又は複数の重みを決定することと、
前記計算システムにより、追加の造影データの幾つかのボクセルの強度値を解析することにより、前記モデルの1つ又は複数のパラメータのうちの1つのパラメータの値を特定することと
前記計算システムにより及び前記時間量に基づいて、前記1つのパラメータの重みを決定することと、
前記計算システムにより及び前記個人の前記脳の前記血管に基づいて、損傷した組織を含む前記個人の前記脳の少なくとも1つの領域を示す画像を生成することと、
を含む、方法。
【請求項17】
前記計算システムにより、前記個人の前記脳内の造影剤の存在に基づいて、前記個人の前記脳内の追加の特性を示す追加の造影データを取得することと、
前記計算システムにより及び前記時間量に基づいて、前記個人の前記脳の血管に関連する1つ又は複数の血流パラメータの1つ又は複数の閾値レベルを決定することであって、前記1つ又は複数の閾値レベルは前記個人の脳への損傷を示す、決定することと、
を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記計算システムにより及び前記時間量に基づいて、前記個人の前記脳の血管に関連する1つ又は複数の血流パラメータの1つ又は複数の閾値レベルを決定することであって、前記1つ又は複数の閾値レベルは前記個人の脳への損傷を示す、決定することと、
前記計算システムにより、前記1つ又は複数の血流パラメータのうちの1つの血流パラメータが、少なくとも、前記個人の前記脳の血管に関する前記1つ又は複数の閾値レベルのうちの1つの閾値レベルであると判定することと、
を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記造影データは、非灌流ベースの造影技法を含む造影技法により生成され、
前記追加の造影データは、灌流ベースの造影技法を含む追加の造影技法により生成される、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記計算システムにより、第1の時間期間中の前記血流パラメータの前記1つ又は複数の値及び1つ又は複数の低濃度測度に対応する第1のユーザインタフェースデータを生成することと、
前記計算システムにより、第2の時間期間中の前記血流パラメータの前記1つ又は複数の値及び1つ又は複数の低濃度測度に対応する第2のユーザインタフェースデータを生成することと、
を含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
血行力学パラメータ及び損傷を受けた脳組織の同時表示に関する。
【背景技術】
【0002】
損傷は、組織への血流が妨げられたとき、人体に生じ得る。組織への血流の減少には、血管閉塞、血管破裂、血管狭窄、又は血管圧迫等の幾つかの原因があり得る。組織への損傷の重症度は、組織への血流の妨げの程度及び組織への血流が妨げられる時間量に依存し得る。組織への血液供給が長期間にわたり不適切である状況では、組織は梗塞し得る。梗塞組織は、血液供給の欠如に起因して組織細胞が死ぬことから生じ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
血行力学パラメータ及び損傷を受けた脳組織の同時表示に関する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではない図面中、同様の番号は様々な図における同様の構成要素を記載し得る。任意の特定の要素又は動作の考察を容易に識別するために、参照番号中の最初の1つ又は複数の桁は、その要素が最初に紹介された図番を指す。幾つかの実施態様は、限定ではなく例として示される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】1つ又は複数の実施態様例による、異なる造影モダリティからのデータを集計し、脳組織への潜在的な損傷を示すオーバーレイを含む画像を生成するアーキテクチャの一例の図表現である。
【
図2】1つ又は複数の実施態様例による、個人の脳を通る血流に関する灌流パラメータを特定するアーキテクチャの一例の図表現である。
【
図3】1つ又は複数の実施態様例による、脳組織に関する低濃度測度を特定するアーキテクチャの一例の図表現である。
【
図4】1つ又は複数の実施態様例による、脳組織への損傷量を特定するために異なる造影モダリティから生成された情報を集計するアーキテクチャの一例の図表現である。
【
図5】1つ又は複数の実施態様例による、個人の脳の1つ又は複数の血管に対応する生体状況の発症のタイミングに基づいて脳組織への損傷量を示す画像データを生成するアーキテクチャの一例の図表現である。
【
図6】1つ又は複数の実施態様例による、異なる造影モダリティにより生成された画像データに基づいて集計画像を特定し、脳組織への潜在的な損傷量を示す集計画像のオーバーレイを生成するプロセスの動作例を示すフローチャートである。
【
図7】1つ又は複数の実施態様例による、脳組織に関する灌流パラメータ及び低濃度測度を特定し、脳組織の少なくとも一部への潜在的な損傷量を特定するプロセスの動作例を示すフローチャートである。
【
図8】1つ又は複数の実施態様例による、個人の脳の1つ又は複数の血管に対応する生体状況の発症に基づいて、損傷した脳組織を示す出力画像を生成するプロセスの動作例を示すフローチャートである。
【
図9】1つ又は複数の実施態様例による、異なる灌流パラメータ及び低濃度解析に従って特定された個人の脳内の関心領域を示すオーバーレイを有する灌流ベースのCT造影データの幾つかのスライスを含むユーザインタフェースの一例の図である。
【
図10】1つ又は複数の実施態様例による、1つ又は複数の機械可読媒体から命令を読み取って実行し、本明細書に記載の任意の1つ又は複数の方法論を実行し得るコンピュータシステムの形態の機械の構成要素を示すブロック図である。
【
図11】1つ又は複数の実施態様例による、本明細書に記載の1つ又は複数のハードウェアアーキテクチャと併せて使用し得る代表的なソフトウェアアーキテクチャを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
組織への血流減少に起因した組織への損傷及び/又はリスクの程度を特定するために、種々の造影技法を実行することができる。1つ又は複数の例では、灌流ベースの造影技法が実施されて、血液供給の減少を経験した個人の脳の領域を識別することができる。別の実施態様は、脳血管造影を通して査定を実行することである。例えば、コンピュータ断層撮影(CT)造影技法が使用されて、個人の脳の画像を捕捉することができる。CT造影技法により生成された画像は解析されて、損傷した個人の脳の領域が、それらの領域への血液供給欠如に起因して不可逆的損傷を受けたリスクが高いと判定することができる。種々の例において、造影剤を個人に送達することができ、個人の脳に血液を供給する血管を通る造影剤の流れを示すCT画像を捕捉することができる。造影剤がまだ動脈にある間に画像が撮影される場合、これはCT血管造影(CTA)と呼ばれる。CTA造影技法は、血液を脳に運ぶ血管の画像を捕捉することを含むことができ、血管の狭窄又は閉塞の指示を提供することができる。血液を脳に運ぶ血管の重症の狭窄又は閉塞は、血流が損なわれるか又は妨げられる組織に損傷を生じさせる恐れがある。したがって、少なくとも幾つかの場合、1つ又は複数の血管の狭窄又は閉塞の量は、組織損傷が持続しているか又は将来、組織損傷を持続する恐れし得る脳の領域の疑いが生じ得る。血流又は組織における血液到達時間等の血行力学パラメータの導出を目的として、造影剤が大きな動脈、毛細血管床、及び流出静脈を通っている時間中に画像が動的に撮影される場合、技法はCT灌流(CTP)と呼ばれる。脳の領域への造影剤の流れの妨げは、その領域の脳組織に損傷を生じさせる恐れがある脳の領域への血液供給の欠如を示し得る。1つ又は複数の例において、造影剤は、キャリア溶液内に配置されるヨウ素又はガドリニウムを含むことができる。造影剤を実施する灌流ベースの磁気共鳴(MR)造影技法は、血液の供給が妨げられている個人の脳の領域を識別するのに使用することもできる。
【0007】
さらに、非造影剤ベースの造影技法は、血液供給の欠如に起因して損傷した可能性がある個人の脳の領域を識別するために実施することができる。説明のために、拡散ベースのMR造影技法を使用して、血液供給が妨げられ、ひいては損傷を受けた個人の脳の部分を特定することができる。少なくとも一部の例において、脳組織への損傷は不可逆的であり得る。1つ又は複数の説明のための例において、拡散ベースのMR造影技法は、血液供給の欠如に起因して損傷した脳組織を識別するために実施することができる。さらに、非造影CT撮像技法は、領域への血液供給が不十分であることに起因して損傷した脳組織の領域の特定に使用することができる。梗塞の超急性期において、非造影CT頭部画像でのわずかな強度及び形態変化は、もはや救出することができない脳組織のエリアを明らかにすることができる。非造影CTは典型的には、別個のCT取得であるが、造影剤が脳に到達する前に撮影される動的CT灌流スキャンフェーズから情報を導出することもできる。造影剤が脳に入る前に捕捉されたスキャンフェーズは、ベースライン時点と呼ぶことができる。ベースライン時点は脳の非造影CT画像から導出することもできる。
【0008】
個人の脳への組織損傷の量及び組織への血流が回復できない場合に危険に曝される恐れがある脳の量の特定は、個人の処置選択肢の決定に使用することができる。種々の例において、再灌流治療を実施して、妨げられていた脳の領域への血液供給を回復することができる。種々の例において、再灌流治療の有効性は、脳組織への血流欠如を生じさせた状況を受けて脳組織への既存の損傷の程度に基づき得る。1つ又は複数の例において、個人の脳への既存の組織損傷量に基づいて脳の領域への血流を回復するための種々の介入は、効果がないか又は個人に更なる損傷を生じさせる恐れがある。したがって、脳組織への血流を回復するための介入の安全性及び有効性は、脳組織への損傷量に依存し得るため、血液供給の妨げによる脳組織への損傷量を特定するために使用される技法の正確性の改善が望ましい。
【0009】
既存の造影技法では、血液供給の欠如に起因した脳組織への損傷量は過小評価され得る。例えば、第1の血液源からの血流が妨げられる脳の領域には、第2の血液源から血液を供給することができる。しかしながら、種々の状況において、第2の血液源から領域に供給される血液は、第1の血液源からの血液供給の妨げに起因して損傷が既に発生した後、その領域に到達し得る。したがって、脳の領域への組織損傷を特定するために灌流造影が使用される状況において、灌流造影技法を使用して捕捉される画像は、領域の脳組織への既存の損傷にも拘わらず、領域への血液供給が回復されたことを示すことができる。灌流造影技法を使用して捕捉される画像は再灌流を示すことができるため、再灌流造影技法を使用して捕捉された画像に基づく組織損傷の特定は過小評価され得る。これらの状況において、個人に提供される処置選択肢は、脳組織の実際の損傷量では有効ではないことがあり、むしろ、灌流ベースの造影技法を使用して捕捉された画像により示される脳組織の見掛け損傷量に有効であることがある。したがって、これらの状況で個人に提供される処置は、個人に提供される処置選択肢が脳組織の実際の損傷量に対応する状況よりも有効性が低い可能性がある。
【0010】
灌流造影は、急性脳卒中患者において、領域における血流が実質的に低下した場合、その組織が損傷することを推測するのに使用される。例えば、損傷した脳組織は、脳の第1の半球における領域への血流が脳の第2の半球の対応する領域での値の30%未満である状況において特定することができる。経験的に、そのような大きな血流低下は、永久的に損傷した脳組織の良好であるが完全ではない予測子であることがわかっている。しかしながら、これらの脳血流低下の不在は、脳組織が損傷していないことの兆候として常に解釈されるわけではない。例えば、血餅を溶解するために血栓溶解剤が与えられている可能性があり又は血餅が血管中でより遠位に移動し、そうすることにより、分枝血管の出口(口)を含むセグメントを解放した可能性がある。即ち、幾つかの領域は少なくとも部分的に再灌流することができる。そのような場合、灌流ベースの造影は、これらの領域の再灌流成功の結果として、これらの領域での血流低下を示さないことがある。しかしながら、その領域における下層組織は既に不可逆的に損傷している可能性がある。不可逆的に損傷した組織の全体量は、患者を処置するか否かの判定に重要な因子であるため、救出することができない組織量を可能な限り精密に知ることは、重要な知識である。したがって、灌流画像で検出可能ではない、不可逆的に損傷した組織の説明のために、追加情報を含むことが必要とされる。これは、非造影CTからの追加情報が有用であり得る場合である。灌流ベースの画像と非造影CT画像を使用して特定される低濃度値との組合せが、1つのみの方法だけよりも梗塞サイズのより真の推定を与える。
【0011】
本明細書に記載の技法、システム、プロセス、及び方法は、既存の技法よりも血液供給の妨げに基づいて脳組織損傷量の正確な指示を提供する画像を生成することに関する。1つ又は複数の実施態様において、第1の造影データを第1の造影技法により生成することができ、第2の造影データを第2の造影技法により生成することができる。第1の造影技法は灌流ベースの造影技法であることができる。説明のために、第1の造影技法はCT灌流造影を含むことができる。第2の造影技法は非灌流ベースの造影技法であることができる。例えば、第2の造影技法は非造影CT造影を含むことができる。
【0012】
第1の造影データのボクセル強度を解析して、個人の脳の幾つかの領域への血液供給を示す幾つかの灌流パラメータを特定することができる。それらの幾つかの灌流パラメータを使用して、損傷した個人の脳組織の1つ又は複数の第1の領域を特定することができる。1つ又は複数の第1の領域は、第1の造影技法を使用して生成された個人の脳の1つ又は複数の画像に配置されるオーバーレイとして表示することができる。1つ又は複数の例において、灌流パラメータは、個人の脳の1つ又は複数の第1の領域が不可逆的損傷を受けたことを示すことができる。さらに、灌流パラメータは、1つ又は複数の第1の領域に関して少なくとも1つの閾値確率の損傷が発生したことを示すことができる。
【0013】
さらに、第2の造影データのボクセル強度を解析して、損傷した個人の脳組織の1つ又は複数の第2の領域を特定することができる。1つ又は複数の例において、第2の造影データを解析して、個人の脳の領域に関連する低濃度のインジケータを生成することができる。低濃度は、脳組織領域の濃度低下を指す。脳組織領域の濃度低下は、健康な脳組織で見られる水分量よりも、領域における水分量が多い結果であり得る。種々の例において、低濃度は脳組織損傷のインジケータであり得る。1つ又は複数の例において、脳組織損傷に対応する、少なくとも閾値測度の低濃度を有する脳の1つ又は複数の領域は、第2の造影技法を使用して生成された個人の脳の1つ又は複数の画像に配置されるオーバーレイとして示すことができる。1つ又は複数の例において、低濃度のインジケータは、個人の脳の1つ又は複数の第2の領域が不可逆的損傷を受けたことを示すことができる。さらに、低濃度のインジケータは、1つ又は複数の第2の領域に関して損傷が発生した少なくとも閾値確率があることを示すことができる。
【0014】
1つ又は複数の実施態様において、第1の造影技法を使用して生成された第1の造影データに基づいて特定された第1の領域及び第2の造影技法を使用して生成された第2の造影データに基づいて特定された第2の領域は、少なくとも部分的な重複量を有することができる。種々の例において、1つ又は複数の第2の領域は、1つ又は複数の第1の領域に含まれない脳組織の部分を含むことができる。これらの状況では、1つ又は複数の第1の領域と1つ又は複数の第2の領域との組合せは、1つ以上の第1の領域のみ又は1つ以上の第2の領域のみのいずれかよりも、個人に関して脳組織損傷の正確な指示を提供することができる。1つ又は複数の説明のための例では、第1の造影データから導出された画像を含み、1つ又は複数の第1の領域を表示する第1のオーバーレイ及び1つ又は複数の第2の領域を表示する第2のオーバーレイの両方を含むユーザインタフェースを生成することができる。このようにして、計算デバイスを介してユーザインタフェースを見る医療従事者に、個人に関する脳組織損傷のより正確なビューを提供することができる。したがって、医療従事者は、個人の脳組織への損傷量に関連する、既存のシステムにより提供される情報を見る場合よりも安全で有効であり得る個人の処置選択肢を示すことができる。
【0015】
図1は、1つ又は複数の実施態様例による、異なる造影モダリティからのデータを集計し、脳組織への潜在的な損傷を示すオーバーレイを含む画像を生成するアーキテクチャ100の図表現である。1つ又は複数の例において、アーキテクチャ100は、不可逆的に損傷した脳組織を示すユーザインタフェースを生成するのに実施することができる。アーキテクチャ100は画像処理システム102を含むことができる。画像処理システム102は1つ又は複数の計算デバイス104により実施することができる。1つ若しくは複数の計算デバイス104は、1つ若しくは複数のサーバ計算デバイス、1つ若しくは複数のデスクトップ計算デバイス、1つ若しくは複数のラップトップ計算デバイス、1つ若しくは複数のタブレット計算デバイス、1つ若しくは複数のモバイル計算デバイス、又はそれらの組合せを含むことができる。特定の実施態様において、1つ又は複数の計算デバイス104の少なくとも一部は、分散計算環境で実施することができる。例えば、1つ又は複数の計算デバイス104の少なくとも一部は、クラウド計算アーキテクチャで実施することができる。
【0016】
画像処理システム102は灌流画像処理システム106を含むことができる。灌流画像処理システム106は、第1の造影技法110により生成された第1の造影データ108を取得することができる。第1の造影技法110は灌流ベースの造影技法であることができる。1つ又は複数の例において、第1の造影技法110はコンピュータ断層撮影(CT)ベースの造影技法であることができる。1つ又は複数の説明のための例において、第1の造影技法110はCT灌流ベースの造影技法であることができる。1つ又は複数の説明のための追加の例において、第1の造影技法110はCT血管造影ベースの造影技法であることができる。
【0017】
第1の造影データ108は、CT造影装置により捕捉された個人114の脳112の1つ又は複数の画像に対応することができる。1つ又は複数の例において、CT造影装置は、時間期間にわたる個人114の脳112の幾つかの画像を捕捉することができる。このようにして、脳112の一連の画像をその時間期間にわたって連続して捕捉することができる。一連の画像中の個々の画像は、本明細書では「スライス」と呼ぶことができる。スライスは脳112の異なる領域に対応することができる。例えば、CT造影装置は、個人114の肩又は首のスライスの捕捉を開始し、頭蓋底、脳112を通って個人114の頭部の頂部まで上に移動することができる。1つ又は複数の例において、CT造影装置は、個人114の脳112の同じ又は同様の領域の複数の画像を経時捕捉することができる。造影プロセスの一環として、静脈注射等を介して個人114に造影剤を送達することができる。第1の造影データ108は、造影剤が送達される前の脳112を示す個人114の脳112の画像と、脳112の1つ又は複数の領域における造影剤の存在を示す個人114の脳112の画像とを含むことができる。
【0018】
第1の造影データ108は、個人114の脳112の捕捉された画像のボクセルの強度値を示すことができる。強度値はハウンズフィールド単位で示すことができる。1つ又は複数の例において、造影剤が存在する脳112の領域に対応するボクセルの強度値は、造影剤が存在しない脳112の領域に対応するボクセルの強度値よりも大きい値であることができる。種々の例において、第1の造影データ108に含まれるボクセルの強度値は、脳112の領域に存在する造影剤の量を示すことができる。説明するために、脳112の領域内に存在する造影剤の量が増えるにつれて、その領域に対応するボクセルの強度値も上がることができる。さらに、脳112の領域内に存在する造影剤の量が減るにつれて、その領域に対応するボクセルの強度値も下がることができる。
【0019】
1つ又は複数の例において、第1の造影データ108は、医用におけるデジタル画像と通信(DICOM)規格に従ってフォーマットすることができる。CT造影装置により捕捉される画像に対応するデータに加えて、第1の造影データ108はCT造影装置により捕捉された画像についての追加情報を含むことができる。例えば、第1の造影データ108は、個人114の脳112の個々のスライスが捕捉された時間及び/又は個人114の脳112の個々のスライスが捕捉された時間間隔を示すタイミングデータを含むことができる。加えて、第1の造影データ108はスライスの特性を示すことができる。説明のために、第1の造影データ108はスライスの厚さ、スライス間距離、ボクセル寸法、又はボクセル位置の少なくとも1つを示すことができる。第1の造影データ108は、個人114に対応する情報、第1の造影データ108が生成された施設に対応する情報、又は第1の造影データ108に含まれた個人114の脳112の画像を捕捉したCT造影装置に対応する情報の少なくとも1つ等の更なる情報を示すこともできる。
【0020】
灌流画像処理システム106は、第1の造影データ108を解析し、1つ又は複数の灌流パラメータ116を生成することができる。1つ又は複数の灌流パラメータ116は、個人114の脳112の1つ又は複数の領域を通る血流を示すことができる。1つ又は複数の灌流パラメータ116は脳血流(CBF)の測度を含むことができる。加えて、1つ又は複数の灌流パラメータ116は脳血液量(CBV)の測度を含むことができる。さらに、1つ又は複数の灌流パラメータ116は、平均トレーサ通過時間(MTT)の測度を含むことができる。MTTは、脳の領域を通る造影剤の平均通過時間に対応することができる。1つ又は複数の灌流パラメータ116は、組織残留関数(tissue residue function)のピークに対応するTmaxを含むこともできる。組織残留関数は、ボクセルに入った造影剤の量が後にそのボクセル内部に留まる確率を示す。1つ又は複数の灌流パラメータ116は、第1の造影データ108の少なくとも一部における個々のボクセルについて特定することができる。
【0021】
種々の例において、灌流画像処理システム106は、脳112の1つ又は複数の領域に関して第1の造影データ108のボクセルの強度値を解析して、1つ又は複数の灌流パラメータ116を特定することができる。例えば、灌流画像処理システム106は、第1の造影データ108に含まれる1つ又は複数の画像をテンプレート画像と見当合わせすることができる。テンプレート画像は、多くの個人の脳の画像から導出される解剖学的テンプレートを含むことができる。テンプレート画像と見当合わせされた後、第1の造影データ108に含まれる1つ又は複数の画像は、人間の脳の幾つかの領域を示すアトラスと位置合わせすることができる。種々の例において、アトラスは血管、実質等の位置を示すことができる。このようにして、第1の造影データ108に含まれる1つ又は複数の画像に関して幾つかの領域を識別することができる。1つ又は複数の例において、第1の造影データ108の1つ又は複数の画像は、アトラスに含まれる幾つかの領域に従ってラベリングすることができる。次いで、灌流画像処理システム106が、ある時間期間にわたり領域の1つ又は複数に対応するボクセルの強度値を解析して、1つ又は複数の灌流パラメータ116を特定することができる。説明のために、灌流画像処理システム106は、脳112の血管に対応するボクセルの強度を解析して、1つ又は複数の灌流パラメータ116を特定することができる。
【0022】
灌流画像処理システム106は、第1の造影データ108と併せて1つ又は複数の灌流パラメータ116を解析して、1つ又は複数の領域への血液供給の妨げに起因して損傷した組織である脳112の1つ又は複数の領域を特定することもできる。例えば、第1の造影データ108は、個人114の脳112の第1の画像118を含むことができる。1つ又は複数の説明のための例において、第1の画像118は、所与の時間にCT造影装置により捕捉されたスライスを含むことができる。第1の画像118は、造影剤が存在する血管120を示すことができる。灌流画像処理システム106は、血液を脳112のセクション122に供給する血管120に対応するボクセルの1つ又は複数の灌流パラメータ116及び強度値を解析して、セクション122への血流の妨げの程度及びセクション122への血流の妨げの時間量を特定することができる。セクション122への血流の妨げの程度に基づいて、灌流画像処理システム106は、組織が損傷した確率が少なくとも閾値確率であるセクション122の第1の関心領域124を特定することができる。1つ又は複数の実施態様において、灌流画像処理システム106は、第1の関心領域124を示す第1のオーバーレイに対応する第1のオーバーレイ造影データ126を生成することができる。1つ又は複数の例において、第1のオーバーレイは、第1の画像118と併せて表示することができる。
【0023】
灌流画像処理システム106は、個々の灌流パラメータ116に基づいて損傷した脳組織を有する領域を特定することができる。例えば、灌流画像処理システム106は、領域に含まれるボクセルの脳洪水流の1つ又は複数の測度に基づいて、損傷した脳組織を含む確率が少なくとも閾値確率である領域を特定することができる。1つ又は複数の追加の例において、灌流画像処理システム106は、Tmaxの1つ又は複数の値に基づいて、損傷した脳組織を有する領域を特定することができる。1つ又は複数の更なる例において、灌流画像処理システム106は、脳血液量の1つ又は複数の値に基づいて、損傷した脳組織を有する領域を特定することができる。灌流画像処理システム106は、平均トレーサ通過時間の1つ又は複数の値に基づいて、損傷した脳組織を有する領域を特定することができる。更なる追加の例において、灌流画像処理システム106は、脳血流、脳血液量、Tmax、又は平均トレーサ通過時間の少なくとも1つの1つ又は複数の値に基づいて、損傷した脳組織を有する領域を特定することができる。
【0024】
1つ又は複数の説明のための例において、灌流画像処理システム106は、灌流パラメータ116の2つ以上を使用して識別された領域間の差に基づいて、損傷した脳組織の量及び/又は損傷した脳組織の予測量を特定することができる。説明のために、灌流画像処理システム106は、脳血流の値を使用して損傷した脳組織を含む確率が少なくとも閾値確率である第1の領域と、Tmaxの値を使用して損傷した脳組織を含む確率が少なくとも閾値確率である第2の領域とを特定することができる。1つ又は複数の例において、第1の領域は、第1の時間における損傷した脳組織量の近似に対応することができ、第2の領域は、後の第2の時間における損傷した脳組織量の近似に対応することができ、第2の領域の体積は第1の領域よりも大きい。これらの状況において、第1の領域と第2の領域との間の体積差は、第1の領域の体積が第2の領域の体積に経時増大し得ることを示すことができる。種々の例において、損傷した脳組織を処置又は損傷した脳組織量を最小に抑えるために処方される介入は、第1の領域と第2の領域との間の体積差に基づくことができる。例えば、第1の処置は、第1の領域と第2の領域との間の体積差が閾値差未満である状況で処方することができ、第2の処置は、第1の領域と第2の領域との間の体積差が閾値差以上である状況で処方することができる。
【0025】
灌流画像処理システム106は、損傷した個人114の脳112内の組織の領域を特定する1つ又は複数の機械学習技法を実施することもできる。種々の例において、1つ又は複数の機械学習技法を使用して、損傷確率が少なくとも閾値確率である個人114の脳112内の組織の領域を特定することができる。1つ又は複数の例において、1つ又は複数の畳み込みニューラルネットワークを実施して、個人114の脳112内の潜在的に損傷した組織の領域を特定し得る。例えば、U-Netアーキテクチャを実施して、個人114の脳112内の損傷した組織の領域を特定し得る。さらに、1つ又は複数の分類畳み込みニューラルネットワークを実施して、個人114の脳112内の損傷した組織の領域を特定し得る。1つ又は複数の説明のための例において、低濃度解析システム128は、幾つかのCT灌流画像をトレーニング画像として取得することができる。トレーニング画像は、1つ又は複数の損傷領域を有する第1の個人の脳の第1の幾つかの画像と、損傷領域を含まない第2の個人の脳の第2の幾つかの画像とを含むことができる。1つ又は複数の状況において、第1の幾つかの画像は1つ又は複数の損傷領域を有するものとして分類することができ、第2の幾つかの画像は損傷領域がないものとして分類することができる。1つ又は複数の更なる例において、第1の画像に含まれる第1の個人の脳の指定された領域は、損傷領域として分類することができる。1つ又は複数の機械学習技法と併せて生成された1つ又は複数のモデルのパラメータの値は、トレーニングプロセスを通して特定することができる。トレーニングプロセスが完了し、1つ又は複数のモデルが、追加の画像セットを使用して検証された後、1つ又は複数のモデルを使用して、新しい画像の損傷領域を分類することができる。
【0026】
画像処理システム102は低濃度解析システム128を含むこともできる。低濃度解析システム128は、第2の造影データ130に基づいて個人114の脳112の1つ又は複数の領域の濃度値を特定することができる。1つ又は複数の例において、低濃度解析システム128は、1つ又は複数の閾値未満の濃度値を有する組織を含む個人114の脳112の1つ又は複数の領域を特定することができる。種々の例において、1つ又は複数の閾値未満の濃度値を有する脳組織は、損傷が脳組織で生じたことを示すことができる。
【0027】
第2の造影データ130は第2の造影技法132により生成することができる。第2の造影技法132は非灌流ベースの造影技法であることができる。種々の例において、第2の造影技法132は非造影剤ベースの造影技法であることができる。1つ又は複数の説明のための例において、第2の造影技法132は1つ又は複数の非造影CT造影技法を実施することができる。しかしながら、第2の造影技法132は、第1の造影技法108からの1つ又は複数の画像、特に造影剤が脳に到達する前に取得された画像で置換することもできる。これらの状況において、第1の造影技法110及び第2の造影技法132は、異なるときに捕捉された第1の造影データ108及び第2の造影データ130と同じ造影モダリティを含み得る。説明のために、第1の造影データ108は、個人114の脳112に造影剤が存在する時間期間中、CT灌流等の造影技法により捕捉することができ、第2の造影データ130は、個人114の脳112に造影剤が存在しない時間期間中、同じ造影モダリティにより捕捉することができる。
【0028】
第2の造影データ130は、CT造影装置により捕捉された個人114の脳112の1つ又は複数の画像に対応することができる。1つ又は複数の例において、CT造影装置は、時間期間にわたり個人114の脳112の幾つかの画像を捕捉することができる。このようにして、脳112の一連の画像を時間期間にわたり連続して捕捉することができる。スライスは、脳112の異なる領域に対応することができる。例えば、CT造影装置は、個人114の肩又は首の画像の捕捉を開始し、頭蓋底、脳112を通って個人114の頭部の頂部まで上に移動することができる。1つ又は複数の例において、CT造影装置は、個人114の脳112の同じ又は同様の領域の複数の画像を経時捕捉することができる。
【0029】
第2の造影データ130は、個人114の脳112の捕捉された画像のボクセルの強度値を示すことができる。強度値はハウンズフィールド単位で示すことができる。1つ又は複数の例において、比較的低濃度を有する脳112の領域に対応するボクセルの強度値は、比較的高濃度を有する脳112の領域と比べて比較的低い強度値を有する。これらの状況において、第2の造影データ130に含まれるボクセルの強度値は、ボクセルに対応する脳組織の濃度が上がるにつれて増大する。
【0030】
1つ又は複数の例において、第2の造影データ130は医用におけるデジタル画像と通信(DICOM)規格に従ってフォーマットすることができる。CT造影装置により捕捉される画像に対応するデータに加えて、第2の造影データ130はCT造影装置により捕捉された画像についての追加情報を含むことができる。例えば、第2の造影データ130は、個人114の脳112の個々のスライスが捕捉された時間及び/又は個人114の脳112の個々のスライスが捕捉された時間間隔を示すタイミングデータを含むことができる。加えて、第2の造影データ130はスライスの特性を示すことができる。説明のために、第2の造影データ130はスライスの厚さ、スライス間距離、ボクセル寸法、又はボクセル位置の少なくとも1つを示すことができる。第2の造影データ130は、個人114に対応する情報、第1の造影データ108が生成された施設に対応する情報、又は第2の造影データ130に含まれた個人114の脳112の画像を捕捉したCT造影装置に対応する情報の少なくとも1つ等の更なる情報を示すこともできる。
【0031】
種々の例において、低濃度解析システム128は、脳112の1つ又は複数の領域に関して第2の造影データ130のボクセルの強度値を解析して、脳112の領域のハウンズフィールド濃度値を特定し、ハウンズフィールド濃度値に基づいて損傷組織である脳112の領域を識別することができる。種々の例において、低濃度解析システム128は、第2の造影データ130に含まれるボクセルの強度値を解析して、損傷の確率が少なくとも閾値確率である個人114の脳112の領域を特定することができる。1つ又は複数の例において、低濃度解析システム128は、第2の造影データ130に含まれる1つ又は複数の画像をテンプレート画像と見当合わせすることができる。テンプレート画像は、多くの個人の脳の画像から導出された解剖学的テンプレートを含むことができる。テンプレート画像と見当合わせされた後、第2の造影データ130に含まれる1つ又は複数の画像は人間の脳の幾つかの領域を示すアトラスと位置合わせすることができる。このようにして、第2の造影データ130に含まれる1つ又は複数の画像に関して幾つかの領域を識別することができる。1つ又は複数の例において、第2の造影データ130の1つ又は複数の画像は、アトラスに含まれる幾つかの領域に従ってラベリングすることができる。説明のために、低濃度解析システム128はアトラスを使用して、脳112の脳室、脳112内の脳脊髄液、及び脳112の軟組織、例えば実質及び追加の血管を特定することができる。
【0032】
1つ又は複数の例において、低濃度解析システム128は、脳112の異なる半球におけるボクセルを解析して、低濃度組織を含む脳112の1つ又は複数の領域を特定することができる。1つ又は複数の説明のための例において、第2の造影データ130は個人114の脳112の第2の画像134を含むことができる。種々の例において、第2の画像134は、1つ又は複数の非造影CT造影技法を使用して所与の時間にCT造影装置により捕捉されたスライスを含むことができる。低濃度解析システム128は、脳112の第1の半球136に含まれるボクセルと脳112の第2の半球138に含まれるボクセルとの間の空間的相関を特定することができる。1つ又は複数の例において、第1の半球136及び第2の半球138は、本明細書では互いの対側と呼ぶことができる。加えて、第2の半球138に配置された第2のボクセルに空間的に対応する第1の半球136に配置された第1のボクセルは、本明細書では互いの対側と呼ぶことができる。
【0033】
低濃度解析システム128は次いで、第2の半球138に配置されたボクセルの強度値に関して、第1の半球136に配置されたボクセルの強度値を解析することができる。種々の例において、低濃度解析システム128は、第1の半球136における対側ボクセル位置と第2の半球138における対側ボクセル位置との差を特定することができる。1つ又は複数の例において、低濃度解析システム128は、対側の第2のボクセルとの強度値差が少なくとも閾値差である第1のボクセルを有する脳112の1つ又は複数の領域を特定することができる。
図1の説明のための例では、低濃度解析システム128は、第2の半球138の第2の関心領域140が、第2の関心領域140におけるボクセル位置の対側である第1の半球136におけるボクセル位置との強度値差が少なくとも閾値差であるボクセルを含む。1つ又は複数の例において、第2の関心領域140は、第2の関心領域140への血液供給の妨げに起因して損傷した脳組織を示すことができる。1つ又は複数の追加の例において、低濃度解析システム128は、第1の半球136及び第2の半球138におけるボクセル位置の強度値の対側解析に代えて又は加えて、1つ又は複数の機械学習技法を使用して第2の関心領域140を特定することができる。1つ又は複数の実施態様において、低濃度解析システム128は、第2の関心領域140を示す第2のオーバーレイに対応する第2のオーバーレイ造影データ142を生成することができる。1つ又は複数の例において、第1のオーバーレイは第2の画像134と併せて表示することができる。
【0034】
低濃度解析システム128は、個人114の脳112内の低濃度組織の領域を特定する1つ又は複数の機械学習技法を実施することもできる。1つ又は複数の例において、1つ又は複数の畳み込みニューラルネットワークを実施して、個人114の脳112の低濃度組織の領域を特定し得る。例えば、U-Netアーキテクチャを実施して、個人114の脳112の低濃度組織の領域を特定することができる。さらに、1つ又は複数の分類畳み込みニューラルネットワークを実施して、個人114の脳112の低濃度組織の領域を特定することができる。1つ又は複数の説明のための例において、低濃度解析システム128は、幾つかの非造影CT画像をトレーニング画像として取得することができる。トレーニング画像は、1つ又は複数の低濃度領域を有する第1の個人の脳の第1の幾つかの画像と、低濃度領域を含まない第2の個人の脳の第2の幾つかの画像とを含むことができる。1つ又は複数の状況において、第1の幾つかの画像は1つ又は複数の低濃度領域を有するものとして分類することができ、第2の幾つかの画像は低濃度領域がないものとして分類することができる。1つ又は複数の更なる例において、第1の画像に含まれる第1の個人の脳の指定された領域は、低濃度領域として分類することができる。1つ又は複数の機械学習技法と併せて生成された1つ又は複数のモデルのパラメータの値は、トレーニングプロセスを通して特定することができる。トレーニングプロセスが完了し、1つ又は複数のモデルが、追加の画像セットを使用して検証された後、1つ又は複数のモデルを使用して、新しい画像の低濃度領域を分類することができる。
【0035】
画像処理システム106は出力画像システム144を含むことができる。出力画像システム144は、第1のオーバーレイ造影データ126及び第2のオーバーレイ造影データ142を取得して、1つ又は複数の集計画像146を生成することができる。1つ又は複数の集計画像146は、第1のオーバーレイ造影データ126に対応する第1のオーバーレイと、第2のオーバーレイ造影データ142に対応する第2のオーバーレイとを含むことができる。1つ又は複数の例において、出力画像システム144は、第1のオーバーレイ造影データ126及び第2のオーバーレイ造影データ142と併せて第1の造影データ108又は第2の造影データ130の少なくとも一方を使用して1つ又は複数の集計画像146を生成することができる。例えば、出力画像システム144は、第1のオーバーレイ造影データ126に対応する第1のオーバーレイ及び第2のオーバーレイ造影データ142に対応する第2のオーバーレイと共に第1の造影データ108の画像を含むように、1つ又は複数の集計画像146を生成することができる。1つ又は複数の説明のための例において、出力画像システム144は、第1の関心領域124に対応する第1のオーバーレイと、第2の関心領域140に対応する第2のオーバーレイとを有する第1の画像118を含むように、1つ又は複数の集計画像146を生成することができる。
【0036】
1つ又は複数の例において、個々に見ると、第1の関心領域124は、損傷した脳組織の実際の量よりも少ない損傷脳組織量を示し得る。これらの状況において、第1の関心領域124は、第2の関心領域140の体積よりも小さい体積を有することができる。したがって、第1の関心領域124と第2の関心領域140との体積差を示す1つ又は複数の集計画像146を生成することにより、出力画像システム144は、脳112の組織への損傷のより正確な推定を示す集計画像146を含むユーザインタフェースを医療従事者に提供することができる。その結果、再灌流治療の患者選択を改善することができ、低濃度領域全体が既に梗塞している場合等、潜在的に効果のない処置を回避することができる。
【0037】
図1の説明のための例に示されていないが、画像処理システム102は、脳組織損傷及びリスク解析システムを含むこともできる。脳組織損傷及びリスク解析システムは、異なる灌流パラメータ116を使用して特定された関心領域の体積差を特定することができる。例えば、脳組織損傷及びリスク解析システムは、第1の閾値における第1の灌流パラメータに従って第1の関心領域、例えば梗塞領域の第1の体積を特定し、第2の閾値における第2の灌流パラメータに従って第2の関心領域、例えばリスク領域に梗塞領域を加えたものの第2の体積を特定することができる。説明のために、脳組織損傷及びリスク解析システムは、第1の領域における相対脳血流が脳112の対側領域における相対脳血流の少なくとも30%未満であることに基づいて、脳112の第1の領域の第1の体積を特定することができる。さらに、脳組織損傷及びリスク解析システムは、6秒よりも長いT
maxを有する脳112の第2の領域の第2の体積を特定することができる。第1の体積と第2の体積との体積差、即ち、リスクのある組織を計算し、ユーザインタフェース内に表示することができる。1つ又は複数の説明のための例において、第1の体積と第2の体積との差は、本明細書ではミスマッチ体積と呼ぶことができる。さらに、第1の体積と第2の体積との比率も計算し、ユーザインタフェース内に表示することができる。第1の体積と第2の体積との比率は、本明細書ではミスマッチ比率と呼ぶことができる。種々の例において、脳組織損傷確率が少なくとも閾値確率である個人の処置推奨を決定するために、ミスマッチ体積及びミスマッチ比率は医療従事者により使用されることができる。
【0038】
さらに、
図1の説明のための例に示されないが、第1の造影技法110はCT血管造影システムを含むことができ、第1の造影データ108はCT血管造影画像を含むことができる。これらの状況において、画像処理システム102は、CT血管造影画像に基づいて損傷組織を有する脳112の1つ又は複数の領域を特定するために、追加の画像処理システムを含み得る。1つ又は複数の例において、追加の画像処理システムは、わずかなシグナル強調が不在である1つ又は複数のCT血管造影画像の領域を識別するとともに、1つ又は複数のCT血管造影画像に基づいて脳112の血管の狭窄を特定することにより、脳112のコア領域を導出することができる。脳112の領域。脳112の1つ又は複数の領域における血管の狭窄を解析して、損傷組織を有する1つ若しくは複数の領域の確率を特定するか又は1つ若しくは複数の領域への損傷の測度を特定することができる。種々の例において、1つ又は複数の機械学習技法を実施して、脳の血管の狭窄を解析し、損傷組織を含む個人114の脳112の領域を特定することができる。説明のために、幾つかのCT血管造影トレーニング画像を取得することができる。トレーニング画像は、脳の損傷領域において血管の狭窄を有する第1の個人の脳の第1の幾つかの画像と、損傷組織に生じた血管の狭窄を含まない第2の個人の脳の第2の幾つかの画像とを含むことができる。第1の幾つかの画像は損傷組織を有する少なくとも1つの領域を有するものとして分類することができ、第2の幾つかの画像は損傷領域がないものとして分類することができる。1つ又は複数の追加の例において、第1の画像に含まれる第1の個人の脳の指定された領域は、損傷領域として分類することができる。1つ又は複数の機械学習技法と併せて生成された1つ又は複数のモデルのパラメータの値は、トレーニングプロセスを通して特定することができる。トレーニングプロセスが完了し、1つ又は複数のモデルが、追加の画像セットを使用して検証された後、1つ又は複数のモデルを使用して、損傷組織を含むもの又は損傷組織を含まないものとして新しい画像に含まれた脳の領域を分類することができる。
【0039】
図2は、1つ又は複数の実施態様例による、個人の脳を通る血流に関する灌流パラメータを特定するアーキテクチャ200の図表現である。アーキテクチャ200
は灌流画像処理システム106を含むことができる。灌流画像処理システム106は、CT灌流画像データ202を取得することができる。CT灌流画像データ202はCT造影装置により捕捉することができる。灌流ベースのCT造影プロセス中、造影剤を個人に送達することができ、灌流ベースの造影プロセス中、個人の脳を通る造影剤の存在及び移動を捕捉することができる。個人の脳を通る造影剤の存在及び移動は、個人の脳を通る血液の存在及び移動に対応することができる。加えて、CT灌流画像データ202は、時間期間にわたり捕捉された幾つかの画像を含むことができる。CT灌流画像データ202に含まれる幾つかの画像は、本明細書ではスライスと呼ぶことができる。CT灌流画像データ202はフォーマットすることができ、DICOM規格に対応する情報を含むことができる。
【0040】
灌流画像処理システム106は、動作204において1つ又は複数の造影剤前画像を生成すること等の幾つかのプロセスを実行することができる。説明のために、灌流画像処理システム106は、動作206において幾つかの動作を実行して、動作206において、CT灌流画像データ202が灌流画像処理システム106により処理されるために、幾つかのルールに関してCT灌流画像データ202を解析することができる。例えば、灌流画像処理システム106は、動作206において、CT灌流画像データ202を解析して、画像の捕捉のタイミングに関連する、タグ等のCT灌流画像データ202がCT灌流画像データ202に含まれるか否かを判定することができる。CT灌流画像データ202に含まれる画像のサンプリングのタイミングが、動作206において、CT灌流画像データ202に含まれるタイミングタグに基づいて特定することができる。1つ又は複数の例において、灌流画像処理システム106は、1000秒等のCT灌流画像データ202の捕捉に使用されたスキャンの最大時間閾値に基づいて、処理されるCT灌流画像データ202の量を特定することができる。灌流画像処理システム106は、動作206において、CT灌流画像データ202が、画像の位置、間隔、及び向きを示すタグを含むか否かを判定することもできる。CT灌流画像データ202に含まれる情報は灌流画像処理システム106により使用されて、スライスを重ねる処理を決定することができる。動作206は、CT灌流画像データ202が、損傷し梗塞リスクのある脳組織を示すことができる関心領域を計算するのに灌流画像処理システム106が使用可能であるという情報を含むか否かを判定することもできる。
【0041】
動作208において、灌流画像処理システム106は動き補正プロセスを実行することができる。種々の例において、画像取得中の患者の動きは灌流画像の品質を低下させる恐れがある。動作208における動き補正プロセスは、画像取得中の患者の動きの影響を低減することができる。動作208における動き補正プロセスは、空間位置合わせずれについての3次元(3D)剛体コレジストレーションを含むことができる。1つ又は複数の例において、灌流時系列における時点が参照ボリュームと位置合わせされる。参照ボリュームは、CT灌流画像データ202の多くの他のボリュームと最も類似するボリュームであることができる。説明のために、CT灌流画像データ202に含まれる個々のスライスを解析して、互いに対する類似性メトリックを特定することができる。個々のスライスの類似性メトリックは最適化されて、最も多数の追加画像に関して類似性メトリックの値が最大であるスライスを特定することができる。1つ又は複数の実施態様において、参照画像であると判定されなかったスライスの少なくとも一部が、参照画像に関して解析されることができ、造影プロセス中の個人の動きに対応するスライスとして識別されることができる。1つ又は複数の説明のための例において、類似性測度は、平均二乗差手順を使用して特定することができる。
【0042】
個々の画像スライスで、個々の画像スライスと参照画像との間の類似性を最適化する回転パラメータ及び/又は並進パラメータを特定することができる。並進パラメータ及び/又は回転パラメータは、画像セグメントの再位置合わせに使用することができる。1つ又は複数の説明のための例において、スライスは参照画像に関して再サンプリングされて、参照画像のボクセルの位置及び/又はサイズに対応するようにスライスのボクセルの位置又はサイズの少なくとも一方を変更することができる。説明のために、参照画像からの位置差が任意の寸法におけるボクセルの10%、任意の寸法におけるボクセルの25%、任意の寸法におけるボクセルの半分、又は任意の寸法におけるボクセルの75%等の指定量を超える状況において、個人が動いている時間期間中の画像を捕捉したスライスは、回転パラメータ及び並進パラメータを用いて新しい位置に再サンプリングすることができる。ボクセルの寸法は、CT灌流画像データ202に含まれる情報から灌流画像処理システム106により識別することができる。このようにして、スライスは、費用関数が最適化され、位置変更により、参照画像と幾つかの追加のスライスとの間の位置合わせの少なくとも閾値量の改善が生じる状況において再サンプリングされる。
【0043】
種々の例において、動作206における動き補正プロセスを使用して、参照画像との位置合わせ閾値量未満の破損スライスを特定することができる。破損スライスは、灌流画像処理システム106によりラベリングすることができ、灌流画像処理システム106による灌流パラメータの計算で利用されなくてよい。動作208における動き補正プロセスの最終結果は、CT灌流画像データ202のスライスに含まれた解剖学的構造が参照画像の解剖学的構造と比較的同じ又は同様の位置にあるように位置合わせされたCT灌流画像データ202に含まれるスライス数を最大化する動き補正済み画像データを生成することであることができる。1つ又は複数の例において、造影プロセス中、個人の頭部を保持する頭部ホルダ等の非解剖学的構造は除去することができる。
【0044】
動作210において、様々な時間間隔で取得されているCT灌流画像データ202のスライスに基づいて、時間補正プロセスを灌流画像処理システム106により実行することができる。動作210において実行される時間補正プロセスは、動作208において実行される動き補正プロセスにより生成される動き補正済みデータに関して実行することができる。時間補正動作は、一定の間隔の時間間隔を有する共通時間軸上にCT灌流画像データ202を再サンプリングすることを含むことができる。一定間隔の時間間隔は、約0.1秒から約2秒、約0.1秒から1秒、約0.5秒から2秒、約1秒から2秒、又は約0.5秒から約1秒であることができる。1つ又は複数の説明のための例において、一定間隔の時間間隔は1秒であることができる。1つ又は複数の説明のための追加の例において、一定間隔の時間間隔は0.5秒であることができる。1つ又は複数の説明のための更なる例において、一定間隔の時間間隔は2秒であることができる。更に他の説明のための例において、一定間隔の時間間隔は0.25秒であることができる。動作210において実行される時間補正プロセスは、スライスのボクセルに関連するCT灌流画像データ202の部分を使用し、CT灌流画像データ202に含まれるタイミングデータに基づいて、X軸、Y軸及びZ軸上の座標により表される各空間位置で区分線形曲線を特定することを含むことができる。各空間位置の区分線形曲線は定義された一定の時間間隔に再サンプリングされて、共通の時間間隔を有する時間的に解決されたデータセットを生成することができる。動作208で実行される動き補正プロセスから特定され、動き補正済みデータから除去された破損スライスのタイミングデータは、破損スライスの近傍時点で捕捉されたスライスに基づいて、線形補間を使用して補間することができる。
【0045】
灌流画像処理システム106は、動作212において、CT灌流画像データ202に関して造影剤の性質及びタイミングを推定するプロセスを実行することもできる。例えば、動作212において、灌流画像処理システム106は、脳組織に対応するボクセルに関する造影剤の到着時間を特定することができる。脳組織は、血管と、血管内にある血液とを含むことができる。種々の例において、所与の時点での脳組織に対応するボクセルにわたるシグナル変化の平均を特定することにより、平均造影剤通過曲線を生成することができる。1つ又は複数のボクセルの造影剤到着時間は、平均造影剤通過曲線から特定された情報を使用して特定することができる。造影剤到着時間は、CTスキャンの開始から造影剤到着時間までの時間を含むベースライン時間フレームを特定するのに使用することができる。ベースライン時間フレームは、その後、CT灌流画像データ202の灌流パラメータを特定するために、灌流画像処理システム106により使用されることができる。例えば、動作214において、CT灌流画像データ202の造影剤前ベースライン画像216は、造影剤が到着する前のベースライン時間範囲内のスライスの平均として特定することができる。造影剤前ベースライン画像216は、灌流画像処理システム106による後続処理のために提供することができる。例えば、造影剤前ベースライン画像216は、動作218において、画像データを解剖学的テンプレートに位置合わせし、個人の脳の領域を識別するために使用することができる。造影剤前ベースライン画像216は、オーバーレイを有する集計画像を生成する際に使用するために、出力画像システム144に提供することもできる。種々の例において、造影剤前ベースライン画像216は、灌流ベースの造影空間への非灌流ベースの画像の見当合わせを実行するのに使用することができる。
【0046】
解剖学的テンプレートへのCT灌流画像データ202の位置合わせ及びCT灌流画像データ202に基づく個人の脳領域の識別は、動作220において、脳組織をセグメント化し、脳マスクを生成することを含むことができる。脳マスクは、造影剤の到着前に計算された造影剤前ベースライン画像216に基づいて決定することができる。脳マスクは、血管及び実質を含む脳組織等の個人の脳の特徴の2次元画像を含むことができる。頭蓋骨、硬膜、脂肪、皮膚、筋肉、眼、及び骨等の、造影剤前ベースライン画像216に含まれる追加の特徴は除去することができる。脳マスクは、造影剤前ベースライン画像216のボクセルに関する、開閉等の形態学的動作を実行することにより生成することができる。形態学的動作の後に連結成分解析技法が続き、造影剤前ベースライン画像216から非脳特徴を除去して、脳マスクを生成することができる。1つ又は複数の強度値閾値を使用して、脳マスクの生成に使用されるボクセルを決定することができる。1つ又は複数の例において、相対的又は絶対的強度値閾値の少なくとも1つを使用することができる。
【0047】
CT灌流画像データ202が、5mm、10mm、20mm、30mm、40mm、50mm、60mm、又は75mm等の閾値量未満のZ軸に沿った解剖学的カバレッジを有するCT造影技法を使用して生成される実施態様において、動作220において、セグメント化プロセスを実行して脳マスクを生成することができる。CT造影技法の解剖学的カバレッジは、データチャネルの数、検出器行の数、ピッチ、セクションの厚さ、スキャン時間、又はガントリ回転時間の少なくとも1つに対応することができる。セグメント化プロセスは、様々な強度値を含むセグメント化閾値を決定することができる。強度値の範囲は、脳組織の以前に特定された強度値に基づいて、脳組織に対応することができる。ボクセルは、ボクセルの強度値が、セグメント化閾値に対応する値の範囲に含まれるとの判定に基づいて脳マスクに含まれ得る。さらに、ボクセルは、ボクセルの強度値が、セグメント化閾値に対応する値の範囲外であるとの判定に基づいて脳マスクから除外し得る。
【0048】
CT灌流画像データ202が、少なくとも閾値量のZ軸に沿った解剖学的カバレッジを有するCT造影技法を使用して生成される状況において、動作222において、CT灌流画像データ202に共に見当合わせされる解剖学的テンプレートを使用して脳マスクが決定され、頭蓋内組織を識別することができる。解剖学的テンプレートは、人間の脳の幾つかのCT画像から生成される人間の頭蓋骨及び脳の複合画像を含むことができる。CT灌流画像データ202は、解剖学的テンプレートと弾性的に共に見当合わせされて、変更後画像データを生成することができる。変更後画像データは、解剖学的テンプレートに対応するようなCT灌流画像データ202の変更量を示すパラメータに対応することができる。種々の例において、見当合わせプロセスに基づいて変形場を生成することができる。1つ又は複数の例において、変形場は、個人の脳の幾つかの領域を示すアトラスに適用することができる。アトラスは、幾人かの個人の脳の幾つかの画像から導出された脳の個々の領域の各位置に基づいて生成することができる。アトラスはCT灌流画像データ202に対応するように変換されることができ、CT灌流画像データ202の脳マスクは、変更されたアトラスに対応するCT灌流画像データ202の領域に基づいて生成することができる。1つ又は複数の実施態様において、Z軸に沿った解剖学的カバレッジが少なくとも閾値量である状況において動作220に関して実行される手順を使用して決定された脳マスクは、Z軸に沿った解剖学的カバレッジが閾値量以下である状況において動作222において実行される手順を使用して決定される脳マスクと組み合わせることができる。
【0049】
動作224は、CT灌流画像データ202のボクセルに存在する造影剤効果の効果に対応するボクセルの強度差値を生成することを含むことができる。CT灌流画像データ202は、造影剤が1つ又は複数のボクセルの位置に存在しなかった時間期間に対応するCT灌流画像データ202に含まれる情報を除去することにより造影剤効果を示すように変更することができる。種々の例において、造影剤の存在に対応するボクセルの強度値を特定するために使用される動作は、画像データを生成する1つ又は複数の造影技法に基づくことができる。例えば、コンピュータ断層撮影法がCT灌流画像データ202の生成に使用される状況において、造影剤の存在に対応するピクセルの強度値は、所与の時間における幾つかの場所のボクセルの強度値をハウンズフィールド単位(HU)で示す造影剤濃度曲線の値に基づいて特定することができる。1つ又は複数の例において、濃度曲線の値は、指定された時間において所与の位置におけるCT灌流画像データでの強度値とベースライン強度値との間の差に基づくことができる。1つ又は複数の説明のための例において、ベースライン値は、動作214において特定された平均造影剤前ベースラインスライスに基づいて特定することができる。
【0050】
動作218において画像データを解剖学的テンプレートに位置合わせし、個人の脳の領域を識別するプロセスは、動作226において、動脈入力関数(AIF)及び静脈出力関数(VOF)を特定することを含むこともできる。動作226は、脳内にある大きな血管に対応するボクセルのクラスタを特定することにより動脈入力関数を特定することを含むことができる。動脈入力関数は、比較的大きな入力動脈での造影剤の経時濃度を示すことができる。1つ又は複数の例において、動脈入力関数は、脳の中大脳動脈又は前大脳動脈にある血管に基づくことができる。解剖学的カバレッジがコンピュータ断層撮影造影の閾値未満の場合等の追加の例において、骨及び他の非脳組織が除去された後の脳の前部及び後部に対応するCT灌流画像データ202の部分で動脈入力関数のボクセルのクラスタ候補を決定することができる。
【0051】
静脈出力関数は、脳内にある大きな血管に対応するボクセルのクラスタを特定することにより特定することができる。静脈入力関数は、比較的大きな出力静脈の造影剤の経時濃度を示すことができる。1つ又は複数の例において、静脈出力関数は、脳の矢状静脈洞及び直静脈洞という静脈エリアにある血管に基づくことができる。解剖学的カバレッジがコンピュータ断層撮影造影の閾値未満である場合等の追加の例において、骨及び他の非脳組織が除去された後の脳の前部及び後部に対応する画像データの部分において、クラスタ候補を決定することができる。
【0052】
1つ又は複数の例において、動脈入力関数及び静脈出力関数を特定する動作226におけるプロセスは、ボクセル候補に関する脳組織を表す各ボクセルにおける造影剤濃度曲線の振幅、造影剤濃度曲線のピークの時間、及び造影剤濃度曲線のピークの幅を特定することを含むことができる。種々の例において、所与のボクセルの最高ピークを使用して、所与のボクセルの造影剤濃度曲線の振幅、造影剤濃度曲線のピーク時間、及び造影剤濃度曲線のピークの幅を特定することができる。個々のボクセルのピーク情報は、振幅値の範囲、時間値の範囲、及び幅値の範囲に対応する標的ピーク形状に関して解析することができる。ボクセル候補のサブセットが、1つ又は複数の基準に従ったボクセルのピーク情報の解析に基づいて識別することができる。1つ又は複数の基準は、負の振幅、閾値ピーク幅未満のピーク幅、又はCT灌流画像データ202に含まれるボクセルの少なくともピーク閾値数の残り外のピークを含むことができる。1つ又は複数の基準を満たすボクセルのサブセットについて、灌流画像処理システム106はピーク振幅、オフセット、及び幅の平均値を特定することができる。灌流画像処理システム106は、ボクセル候補のサブセットのピーク振幅、オフセット、及び幅値の標準偏差を特定することもできる。ボクセル候補のサブセットに含まれる各ボクセルのピーク情報の値は、ピーク振幅、オフセット、及び幅の平均値に関連して正規化することができる。
【0053】
ボクセル候補のサブセットに含まれる個々のボクセルの動脈入力関数のスコアを特定することができる。スコアは、個々のボクセルの振幅値が平均振幅値よりも大きい量に基づいて、個々のボクセル候補で特定することができる。個々のボクセルのオフセット値が平均オフセット値よりも先である量に基づいて、個々のボクセル候補のスコアを特定することもできる。さらに、ピークの幅が平均ピーク値よりも狭い量に基づいて、個々のボクセル候補のスコアを特定することができる。
【0054】
灌流画像処理システム106は、最高スコアを有する少なくとも閾値数のボクセルを特定することができる。ボクセルの閾値数は10から50、12から45、15から30、又は18から25であることができる。灌流画像処理システム106は、第2の群に含まれる近傍ボクセルを含まないボクセルをこの追加のサブセットから特定することもできる。平均動脈入力関数は、残りのボクセルの時間対造影剤濃度曲線を使用して特定することができる。
【0055】
ボクセル候補のサブセットに含まれる個々のボクセルの静脈出力関数についてのスコアを特定することもできる。個々のボクセルの振幅値が平均振幅値よりも大きい量に基づいて、個々のボクセル候補のスコアを特定することができる。動脈入力関数に関して造影剤の到着時間後少なくとも0.5秒、少なくとも1秒、少なくとも2秒、少なくとも3秒、又は少なくとも4秒である造影剤到着時間を有するボクセル候補のスコアを特定することができる。1つ又は複数の例において、動脈入力関数に関する造影剤の到着時間後約2秒から約15秒、動脈入力関数に関する造影剤の到着時間後約3秒から約12秒、動脈入力関数に関する造影剤の到着時間後約4秒から10秒、又は動脈入力関数に関する造影剤の到着時間後約2秒から約10秒の造影剤到着時間を有するボクセル候補のスコアを特定することができる。灌流画像処理システム106は、最高スコアを有する少なくとも閾値数のボクセルを特定することができる。ボクセルの閾値数は約10から50、12から45、15から30、又は18から25であることができる。灌流画像処理システム106は、この追加のサブセットから、第2の群に含まれる近傍ボクセルを含まないボクセルを特定することもできる。平均動脈出力関数は、残りのボクセルの時間対造影剤濃度曲線を使用して、平均静脈出力関数を特定することができる。
【0056】
灌流画像処理システム106は、動作228において、灌流パラメータを生成することもできる。灌流パラメータを生成することは、動作230において、CT灌流画像データ202の少なくとも一部に含まれるノイズを低減する1つ又は複数の空間フィルタリング演算を含むことができる。例えば、1つ又は複数の空間フィルタリング演算により、急激な強度変化を除去することができる。説明のために、適用される最小量の空間フィルタリングから適用される最大量の空間フィルタリングまでを含む指定されたフィルタ幅を有するガウス平滑化カーネル。1つ又は複数の説明のための例において、指定されたフィルタリングの最小量は0.0mm、0.1mm、0.25mm、0.5mm、0.75mm、又は1mmであることができる。1つ又は複数の説明のための追加の例において、空間フィルタリングの最大量は7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、又は13mmであることができる。種々の例において、動脈入力関数及び静脈出力関数の計算に使用されるボクセルに対応するデータは、1つ又は複数の空間フィルタリング演算から除外される。さらに、1つ又は複数の実施態様において、脳の組織に対応しないCT灌流画像データ202に含まれるボクセルは、1つ又は複数の空間フィルタリング演算から除外することができる。
【0057】
さらに、動作232において、1つ又は複数の逆畳み込み演算を実行して、組織残留関数を特定することができる。組織残留関数は、所与の時間にボクセルに入った造影剤の量が後の時間においてボクセルに残留している確率を記述することができる。1つ又は複数の逆畳み込み演算は、脳組織に対応するボクセルの造影剤濃度対時間曲線に関して実行することができる。1つ又は複数の例において、1つ又は複数の逆畳み込み演算は、フーリエ変換スペクトルに適用された1つ又は複数のフィルタを使用して正規化された1つ又は複数のフーリエ変換を実施することを含むことができる。
【0058】
動作234において、CT灌流画像データ202の少なくとも一部の個々のスライスに含まれる個々のボクセルの1つ又は複数の灌流パラメータを特定することができる。1つ又は複数の灌流パラメータは、灌流パラメータデータ236に含まれることができる。灌流パラメータデータ236は、灌流画像処理システム106により、損傷している確率が少なくとも閾値確率である脳組織を特定するため及び/又は損傷リスクのある脳組織を特定するために使用することができる。1つ又は複数の状況において、損傷した脳組織は梗塞する恐れがある。さらに、種々の例において、損傷した脳組織は不可逆的に損傷する恐れがある。
【0059】
1つ又は複数の灌流パラメータは相対脳血液量(rCBV)を含むことができる。相対脳血液量は、組織残留関数下面積を特定することにより特定することができる。さらに、1つ又は複数の灌流パラメータは相対脳血流(rCBF)を含むことができる。相対脳洪水流は、組織残留関数のピークを特定することにより特定することができる。さらに、1つ又は複数の灌流パラメータは平均トレーサ通過時間(MTT)を含むことができる。個々のボクセルの平均トレーサ通過時間は、セントラルボリューム原理を使用して特定することができる。セントラルボリューム原理は、MTT=CBV/CBFであることを示す。1つ又は複数の追加の例において、1つ又は複数の灌流パラメータはTmaxを含むことができる。Tmaxは、組織残留関数のピークを特定することにより特定することができ識別することができる。
【0060】
1つ又は複数の説明のための例において、個々のボクセルの脳血液量、脳血流、及び平均トレーサ通過時間は、L.エステルゴー(L.Ostergaard)、R.M.ワイスコフ(R.M.Weiskoff)、D.A.チェスラー(D.A.Chesler)、C.ギルデンステッド(C.Gyldensted)、B.R.ローズ(B.R.Rose)著、「血管内トレーサボーラスを使用した脳血流の高解像度測定(High resolution measurement of cerebral blood flow using intravascular tracer bolus passages)」、第1部:数学的手法及び統計的解析(Part I:Mathematical approach and statistical analysis)、磁気共鳴医学(Magn Reson Med.)、1996年11月;36(5):715-25に記載の技法に関連する技法を使用して特定することができる。脳血液量、脳血流、及び平均トレーサ通過時間の値は相対値であることができる。1つ又は複数の説明のための更なる例において、個々の時間スライスの組織残留関数の最大値に基づいて個々のボクセルのTmaxを特定することができる。Tmaxの値は秒単位で与えられる絶対値であることができる。
【0061】
図3は、1つ又は複数の実施態様例による、脳組織に関する低濃度測度を特定するアーキテクチャ300の一例の図表現である。低濃度の脳のエリアは、対側半球における脳の対応する領域よりも小さい強度値を有するボクセルを含むことができる。1つ又は複数の例において、低濃度領域のより低い強度値は、低濃度領域のボクセルに対応する組織における水分量の増大を示すことができる。
【0062】
CT画像データの低濃度解析は、非造影CT画像データ302を使用して特定することができる。非造影CT画像データ302は、結合された被験者の脳の3次元画画像を形成する幾つかの2次元スライスを含むことができる。1つ又は複数の例において、非造影CT画像データ302は、軸方向に沿って被験者の脳の少なくとも60mm、少なくとも70mm、少なくとも80mm、少なくとも90mm、少なくとも100mm、少なくとも110mm、少なくとも120mm、少なくとも130mm、少なくとも140mm、又は少なくとも150mmをカバーすることができる。1つ又は複数の追加の例において、非造影CT画像データ302は、約0.5mmから約5mm、約0.1mmから約6mm、約1mmから約4mm、約2mmから約5mm、又は約2mmから約6mmの厚さを有するスライスを含むことができる。種々の例において、非造影CT画像データ302は、スライス厚と同様の値を有するスライス間隔を有することができる。
【0063】
低濃度解析システム128は、動作304において、1つ又は複数の画像データ前処理動作を実行することができ、非造影CT画像データ302に対して実行されることができる。例えば、ガントリがCTスキャン中に傾斜する状況において、非造影CT画像データ302の各スライスに対応するデータは、ガントリの傾斜に基づいて生成される画像原点のオフセットを補正するように、ガントリ傾斜に従って並進することができる。さらに、1つ又は複数の演算を実行して、一貫した厚さを有する非造影CT画像データ302のスライスを生成することができる。説明のために、種々の例において、非造影CT画像データ302は、部分容積効果及びストリークアーチファクトを最小化するために、頭蓋底におけるスライスが脳組織に対応するスライスよりも厚いことに起因して異なる厚さを有するスライスを含み得る。1つ又は複数の例において、一貫した厚さを有するスライスを生成する1つ又は複数の前処理動作は、第1の厚さを有するスライスの第1の群と、第1の厚さよりも厚い第2の厚さを有するスライスの第2の群とを含むことができる。1つ又は複数の説明のための例において、第1の厚さは1mm、1.25mm、1.5mm、1.75mm、2mm、2.25mm、2.5mm、2.75mm、3mm、3.25mm、又は3.5mmであることができ、第2の厚さは4mm、4.5mm、5mm、5.5mm、6mm、6.5mm、又は7mmであることができる。第1の群に含まれるスライスは、第2の群のスライス間隔に対応するように軸方向において再サンプリングすることができる。さらに、スライス厚が閾値厚未満の状況において、幾つかのスライスをマージすることができる。1つ又は複数の説明のための例において、マージの閾値厚は0.5mm、0.75mm、1mm、1.25mm、1.5mm、2mm、又は2.5mmであることができる。閾値厚未満の厚さを有するスライスをマージすることは、個々のスライスの信号対雑音比を改善することができる。マージされるスライスの数は、スライス間の標的間隔メトリックに基づくことができる。種々の例において、標的間隔メトリックは2mm、2.5mm、3mm、3.5mm、4mm、4.5mm、又は5mmであることができる。
【0064】
動作306において、対側ミラーリング演算を実行することができる。対側ミラーリング演算は、低濃度に関して非造影CT画像データ302を解析するのに使用されるべき非造影CT画像データ302の部分を決定する演算を含むことができる。このようにして、非造影CT画像データ302のボクセルの低濃度性の正確な速度を提供し、低濃度解析を実行するための処理時間を短縮するために、非造影CT画像データ302のサブセットが低濃度解析を受ける。1つ又は複数の例において、灌流画像処理システム106で利用されるアトラスを用いて非造影CT画像データ302のコレジストレーションプロセスを実行することにより、非造影CT画像データ302は軟組織、脳室、及び脳脊髄液に分けることができる。
【0065】
さらに、非造影CT画像データ302に含まれるボクセルのメジアン強度値を特定することができる。メジアン強度値は、脳脊髄液に対応する非造影CT画像データ302のボクセルを特定するのに使用される閾値強度値であることができる。種々の例において、0HUから60HUの強度値を有するボクセルが、メジアン強度値の特定に利用される。CT画像データのボクセルのメジアン強度値は、脳脊髄液の位置、脳内出血の位置、又は骨に関連する体積効果の少なくとも1つの特定に使用される。1つ又は複数の説明のための例において、脳脊髄液を特定する閾値強度値は6HUから15HU、8HUから12HU、又は10HUから15HUであることができる。1つ又は複数の説明のための追加の例において、脳内出血及び体積効果を判定するための閾値強度値は、25HUから50HU、35HUから45HU、又は40HUから50HUであることができる。種々の例において、脳脊髄液、脳内出血、及び/又は体積効果の閾値は、1つ又は複数の閾値と異なるメジアン強度値に基づくオフセットにより変更することができる。脳脊髄液を判定するための閾値強度値は動的輪郭モデルに関連して使用されて、脳脊髄液に対応するスライスのピクセルを特定することができる。これらの状況において、脳脊髄液マスクを生成することができる。脳脊髄液に対応しない非造影CT画像データ302の部分は、低濃度解析で使用することができる。
【0066】
さらに、個人の脳の第1の半球の軟組織ボクセル(例えば、脳室及び脳脊髄液に対応しないボクセル)の個人の脳の第2の半球における軟組織ボクセルと関連した空間相関を特定することができる。種々の例において、非造影CT画像データ302は矢状面にミラーリングすることができ、ミラーリングされたデータは非造影CT画像データ302と位置合わせすることができ、その後に1つ又は複数の非剛体位置合わせプロセスが続く。脳室及び脳脊髄液は、ミラーリングされたデータ及び非造影CT画像データ302の両方で識別することができる。ミラーリングされたデータ及び非造影CT画像データ302は次いで、メジアンフィルタリング及びガウスフィルタリングによりスライス前処理することができる。1つ又は複数の説明のための例において、1つ又は複数のメジアンフィルタリング演算は、約0.5mmから約2.5mm、約0.8mmから約1.6mm、又は約1.2mmから約2mmのカーネル半径を用いて実行することができ、1つ又は複数のガウスフィルタリング演算は、約0.2mmから約2mm、約0.4mmから約1.2mm、又は約0.5mmから約1.5mmのカーネル半径を用いて実行することができる。
【0067】
非造影CT画像データ302に対応する脳組織の低濃度を特定することは、非造影CT画像データ302及び1つ又は複数の追加のパラメータを含む入力データに基づくことができる。1つ又は複数の追加のパラメータは、脳の対抗する半球における健康な組織と低濃度組織との間の最小強度値差を含むことができる。動作308において、低濃度解析が実行され得る。低濃度解析は、脳の第2の半球における対側領域にあるボクセルの強度値に関して解析することができる第1の半球にある脳の領域に対応するボクセルの強度値を特定することを含むことができる。
【0068】
動作310において、低濃度解析を受けるボクセルの低濃度測度を特定するために、幾つかの閾値演算を実行することができる。対側半球の強度値間の差が閾値よりも大きい状況において、ボクセルは低濃度組織と関連すると判定することができる。1つ又は複数の説明のための例において、低濃度領域を識別するための強度値の閾値差は少なくとも2HU、少なくとも3HU、少なくとも4HU、少なくとも5HU、少なくとも6HU、少なくとも7HU、少なくとも8HU、少なくとも9HU、又は少なくとも10HUであることができる。1つ又は複数の説明のための追加の例において、低濃度領域を識別するための強度値の閾値差は22HU以下、21HU以下、20HU以下、19HU以下、18HU以下、17HU以下、16HU以下、15HU以下、14HU以下、13HU以下、又は12HU以下であることができる。1つ又は複数の説明のための更なる例において、低濃度領域を識別するための強度値の閾値差は、2HUから22HU、3HUから20HU、4HUから18HU、又は5HUから12HU等の上記強度値から選択される幾つかの強度値範囲を含むことができる。
【0069】
低濃度閾値は、動作312において、損傷した脳組織及び/又は損傷確率が少なくとも閾値確率である脳組織を示す1つ又は複数の関心領域を生成するのに使用することができる。1つ又は複数の例において、損傷した脳組織は梗塞していることができる。
【0070】
低濃度関心領域314は、1つ又は複数のインサイトセグメンテーション及びレジストレーションツールキット(ITK)画像に含まれることができる。1つ又は複数のITK画像は、初期CT画像データの生成に使用されるCT造影デバイスのガントリ傾斜に基づいて変更された初期非造影CT画像データ302に対応することができる。1つ又は複数のITK画像は、初期CT画像データにおける可変スライス厚に基づいて変更され、一貫した厚さを有する変更済みスライスをマージするように再サンプリングされた初期非造影CT画像データ302に対応することもできる。1つ又は複数のITK画像は、2つ以上のラベルを有する1つ又は複数の造影マップを含むことができる。例えば、1つ又は複数のITK画像は、亜急性脳組織を「1」とラベリングし、背景及び/又は非亜急性脳組織を「0」とラベリングする造影マップを含むことができる。さらに、1つ又は複数のITK画像は、1つ又は複数のハウンズフィールド単位閾値からの差を示すラベルを有する造影マップを含むことができる。1つ又は複数の機械学習技法が実施される状況において、非造影CT画像データを使用して梗塞を判定するために閾値は使用されなくてよい。
【0071】
低濃度解析の結果は、灌流パラメータデータ236のミスマッチ解析に使用することができる。CT灌流ミスマッチ解析は、1つ又は複数のJSONファイルに含まれる参照を介して低濃度解析ITKファイルにアクセスすることができる。非造影CT画像データ302は、造影剤前ベースライン画像216と共にCT灌流画像データ202の座標空間に見当合わせすることができる。低濃度解析は灌流画像処理システム106のミスマッチ出力と統合されて、低濃度解析において検出された領域を可視化し、低濃度領域を有するスライスを特定することができる。非造影CT画像データ302が別のスキャンから取得されず、造影剤前ベースライン画像に基づく状況において、非造影CT画像データ302と造影剤前ベースライン画像216との間の見当合わせプロセスは実行されなくてよい。非造影CT画像データ302が別のスキャンから取得されず、造影剤前ベースライン画像に基づく状況において、CT灌流画像データ202は、見当合わせずれを回避するために、患者の動きに関して補正することができる。造影剤が個人の脳に入る前及び後に捕捉された画像を含むCT灌流画像データ202を生成するために捕捉された時系列の画像は、動き補正することができる。
【0072】
損傷した及び/又は損傷確率が閾値確率である脳組織に対応する灌流関心領域の体積、例えば、正常なCBF値の25%、正常なCBF値の30%、正常なCBF値の35%、又は正常なCBF値の40%及びNCCT(若しくは造影剤前ベースラインCTスキャン)での低濃度領域の体積は、ラベリングされた画像のラベリングされた領域に含まれるボクセルを計算し、ボクセル数を単一のボクセルの体積で乗算することにより特定することができる。異なる程度の低濃度、異なる量の組織損傷、及び/又は組織損傷が存在する異なる確率を示す、複数の領域が重複する状況において、より大きな領域は、上記より大きな領域内にあるより小さな領域の体積を含むことができる。例えば、第1の領域が第2の領域を含む状況において、第1の領域の体積は、第1の領域に対応するボクセル及び第2の領域の体積を含むことができる。
【0073】
異なる灌流パラメータに関する領域灌流画像の体積間の差を示すミスマッチ比率及び体積を特定することができる。ミスマッチ比率及びミスマッチ体積は、脳組織への血流が引き続き妨げられた場合、損傷するリスクがあり得る脳組織の量に対応することができる。1つ又は複数の説明のための例において、CT灌流では、ミスマッチ比率は
【0074】
【0075】
により特定することができ、ミスマッチ体積は
ミスマッチ体積=ROIvolume(Tmax>th1)-ROI(rCBF<th2)
により特定することができ、式中、thは所与の領域の閾値である。
【0076】
1つ又は複数の例において、Tmaxのth1値は少なくとも4秒、少なくとも6秒、少なくとも8秒、又は少なくとも10秒であることができる。さらに、相対脳血流(rCBF)のth2値は20%未満、30%未満、34%未満、又は38%未満であることができる。種々の例において、相対脳血液量(rCBV)のth値は34%未満、38%未満、又は42%未満であることができる。1つ又は複数の説明のための例において、閾値th1及びth2は、医療従事者の裁量で任意に選ぶことができる。
【0077】
図3の説明のための例は、非造影CT画像データに対して低濃度解析を実行する1つ又は複数の実施態様例に関するが、低濃度関心領域を特定するのに異なる実施態様を使用することも可能である。例えば、
図1及び低濃度解析システム128に関して説明したように、機械学習技法を実施して低濃度関心領域を特定することができる。
【0078】
図4は、1つ又は複数の実施態様例による、脳組織への不可逆的損傷の程度の推定を特定するために異なる造影モダリティから生成された情報を集計するアーキテクチャ400の一例の図表現である。アーキテクチャ400は出力画像システム144を含むことができる。動作402において、出力画像システム144は、灌流パラメータデータ236及び低濃度関心領域314並びにCT灌流画像データ202を取得することができる。出力画像システム144は、動作404において、脳室及び脳脊髄液に対応するCT灌流画像データ202の部分を除去することができる。出力画像システム144は、動作406において、CT灌流画像データ202に基づいて、非造影CT画像データ302から導出された低濃度関心領域と灌流画像処理システム106により識別された関心領域とを見当合わせすることもできる。種々の例において、出力画像システム144は、低濃度解析システム128により実行された低濃度解析から導出された関心領域と、灌流画像処理システム106によりCT灌流画像データ202の解析から導出された関心領域とに基づいて、1つ又は複数の集計画像146を生成することができる。説明のために、1つ又は複数の集計画像146は、灌流画像処理システム106によりCT灌流画像データ202から導出された関心領域を示す第1のオーバーレイと、低濃度解析システム128により実行された低濃度解析から導出された関心領域を示す第2のオーバーレイとを含むことができる。第1のオーバーレイ及び第2のオーバーレイは、CT灌流画像データ202の1つ又は複数のスライス上に表示することができる。
【0079】
図4の説明のための例は、損傷した可能性がある個人の脳の関心領域を示すオーバーレイを生成する1つ又は複数の実施態様例に関するが、追加の実施態様を実行することもできる。脳室及び脳脊髄液に対応する部分以外のCT灌流画像データ202の異なる部分は除去することができ、即ち、脳室及び脳脊髄液に対応するCT灌流画像データ202の部分は残すことができる。さらに、出力画像システム144への適用に先立って、灌流関心領域及び低濃度関心領域が識別され結合することができる。
【0080】
図5は、1つ又は複数の実施態様例による、個人の脳の1つ又は複数の血管に対応する生体状況の発症のタイミングに基づいて脳組織への損傷量を示す画像データを生成するアーキテクチャの一例の図表現である。画像処理システム102は造影データ502を取得し得る。造影データ502は、1つ又は複数の造影データ源から取得し得る。1つ又は複数の造影データ源は、1つ又は複数の造影技法を実施して造影データ502を生成し得る。
【0081】
1つ又は複数の例において、造影データ502は、第1の造影技法を実施することにより生成される第1の造影データを含み得る。第1の造影技法は灌流ベースの造影技法であることができる。1つ又は複数の説明のための例において、第1の造影技法はコンピュータ断層撮影(CT)ベースの造影技法であることができる。1つ又は複数の説明のための追加の例において、第1の造影技法はCT灌流ベースの造影技法であることができる。1つ又は複数の説明のための追加の例において、第1の造影技法はCT血管造影ベースの造影技法であることができる。
【0082】
さらに、造影データ502は、第2の造影技法により生成することができる第2の造影データを含むことができる。第2の造影技法は非灌流ベースの造影技法であることができる。種々の例において、第2の造影技法は非造影剤ベースの造影技法であることができる。1つ又は複数の説明のための例において、第2の造影技法は1つ又は複数の非造影CT造影技法を実施することができる。
【0083】
種々の例において、造影データ502は、脳の一連の画像を時間期間にわたり連続して捕捉することができるように、CT造影装置により時間期間にわたり捕捉された個人の脳の1つ又は複数の画像に対応することができる。一連の画像の個々の画像は、本明細書では「スライス」と呼ぶことができる。造影データは、造影剤が送達される前の脳を示す個人の脳の画像と、脳の1つ又は複数の領域における造影剤の存在を示す個人の脳の追加の画像とを含むことができる。
【0084】
造影データ502は、個人の脳の捕捉された画像のボクセルの強度値を示すことができる。強度値はハウンズフィールド単位で示すことができる。1つ又は複数の例において、造影剤が存在する脳の領域に対応するボクセルの強度値は、造影剤が存在しない脳の領域に対応するボクセルの強度値よりも大きい値であることができる。種々の例において、造影データ502に含まれるボクセルの強度値は、個人の脳の領域に存在する造影剤の量を示すことができる。1つ又は複数の説明のための例において、造影データ502は、医用におけるデジタル画像と通信(DICOM)規格に従ってフォーマットすることができる。種々の例において、造影データ502は、
図1の第1の造影データ108又は
図1の第2の造影データ130の少なくとも一方を含むことができる。画像処理システム102は発症タイミングデータ504を取得することもできる。発症タイミングデータ504は、生体状況が個人の脳内に存在するようになったときから経過した時間量を示すことができる。1つ又は複数の例において、発症タイミングデータ504は、数分から数時間までの時間期間を示すことができる。例えば、発症タイミングデータ504は、1分から48時間、10分から40時間、30分から36時間、1時間から30時間、2時間から24時間、30分から12時間、1時間から12時間、15分から6時間、又は15分から4時間であることができる。1つ又は複数の説明のための例において、発症タイミングデータ504は、生体状況が個人の脳内で検出されてから経過した時間量を示すことができる。1つ又は複数の説明のための追加の例において、発症タイミングデータ504は、生体状況の1つ又は複数の症状が個人で検出されてから経過した時間量を示すことができる。種々の例において、生体状況は、個人の脳の1つ又は複数の領域への血流を低下させ得る。少なくとも幾つかの例において、生体状況は個人の脳の1つ又は複数の血管に関連することができる。説明のために、生体状況は卒中を含むことができる。
【0085】
1つ又は複数の例において、発症タイミングデータ504は、1つ又は複数の計算デバイスの1つ又は複数の入力デバイスを介して捕捉することができる。例えば、発症タイミングデータ504は、計算デバイスにより表示される1つ又は複数のユーザインタフェースを介して捕捉することができる。さらに、発症タイミングデータ504は、計算デバイスの1つ又は複数のマイクロホン等の1つ又は複数のオーディオ入力デバイスを介して捕捉することができる。1つ又は複数の説明のための例において、発症タイミングデータ504は医療従事者の計算デバイスにより捕捉することができる。1つ又は複数の説明のための更なる例において、発症タイミングデータ504は、生体状況が存在する個人の計算デバイスにより捕捉することができる。種々の例において、発症タイミングデータ504は造影データ502の解析に基づいて特定することができる。
【0086】
画像処理システム102は灌流画像処理システム106を含むことができる。灌流画像処理システム106は、造影データ502を解析し、造影データ502の1つ又は複数のボクセルの1つ又は複数の灌流パラメータ116を生成することができる。例えば、灌流画像処理システム106は、脳の1つ又は複数の領域に関して造影データ502のボクセルの強度値を解析して、1つ又は複数の灌流パラメータ116を特定することができる。1つ又は複数の灌流パラメータ116は、個人の脳の1つ又は複数の領域を通る血流を示すことができる。1つ又は複数の説明のための例において、灌流パラメータ116は、脳血流(CBF)の測度、脳血液量(CBV)の測度、平均トレーサ通過時間(MTT)の測度、又はボクセルに入り、後にボクセル内部に残る造影剤の量に対応するTmaxの少なくとも1つを含むことができる。
【0087】
灌流画像処理システム106は、造影データ502と併せて1つ又は複数の灌流パラメータ116を解析して、1つ又は複数の領域への血液供給の妨げに起因して損傷した組織を有する脳の1つ又は複数の領域を特定することができる。例えば、灌流画像処理システム106は、1つ又は複数の灌流パラメータ116及び個人の脳の血管に対応するボクセルの強度値を解析して、個人の脳の1つ又は複数の領域への血流の妨げの程度を特定することができる。1つ又は複数の例において、1つ又は複数の灌流パラメータ116は解析されて、個人の脳の領域への血流への妨げの時間量を特定することができる。1つ又は複数の説明のための例において、灌流画像処理システム106は造影データ502を解析して、発症タイミングデータ504の少なくとも一部を特定することができる。個人の脳の1つ又は複数の領域への血流の妨げの程度に基づいて、灌流画像処理システム106は、損傷組織を有する確率が少なくとも閾値確率である1つ又は複数の関心領域を特定することができる。
【0088】
1つ又は複数の例において、灌流画像処理システム106は閾値データ506を利用して、損傷組織が存在する可能性がある個人の脳の1つ又は複数の領域を特定することができる。1つ又は複数の説明のための例において、閾値データ506は灌流パラメータ116の1つ又は複数の閾値レベルを示すことができる。閾値レベルは、個人の脳の領域における損傷組織に対応する灌流パラメータ116の値を示すことができる。種々の例において、閾値レベルは、個人の脳の領域内の組織が損傷した最小確率に少なくとも対応する灌流パラメータ116の値を示すことができる。少なくとも幾つかの例において、閾値データ506は、脳血流、脳血液量、MTT、又はTmaxの少なくとも1つの1つ又は複数の閾値を含むことができる。
【0089】
灌流画像処理システム106により利用される閾値データ506は、発症造影データ504に基づくことができる。例えば、個人の脳の1つ又は複数の領域への血流を妨げる生体状況の発症からの時間期間が変わるにつれて、灌流画像処理システム106により使用される1つ又は複数の閾値も変わることができる。1つ又は複数の例において、生体状況の発症からの時間期間が長くなるにつれて、1つ又は複数の灌流パラメータの1つ又は複数の閾値も上がることができる。種々の例において、個人の脳の1つ又は複数の領域への血流を妨げた生体状況の発症から現在時刻までの第1の時間期間中、個人の脳の1つ又は複数の領域で損傷が生じたか否かを判定するために、灌流画像処理システム106により1つ又は複数の第1の閾値を使用することができる。さらに、生体状況の発症からの第2の時間期間中、個人の脳の1つ又は複数の領域で損傷が生じたか否かを判定するために、灌流画像処理システム106により1つ又は複数の第2の閾値を使用することができる。
【0090】
1つ又は複数の説明のための例において、個人の脳の1つ又は複数の領域への血流を妨げる生体状況の発症からの第1の時間期間は、30分以下、1時間以下、2時間以下、4時間以下、又は6時間以下であることができる。これらの状況において、第1の時間期間に関連する灌流パラメータ116の閾値の説明のための例は、標準脳血流値の10%未満、標準脳血流値の15%未満、標準脳血流値の20%未満、又は標準脳血流値の25%未満、又は標準脳血流値の30%未満である脳血流値であることができる。1つ又は複数の例において、標準脳血流値は、造影データ502が捕捉された個人からの情報を使用して特定することができる。標準脳血流値は、幾人かの個人からの情報を使用して特定することもできる。種々の例において、標準脳血流値は、幾人かの個人の脳血流値の解析に基づく平均脳血流値であることができる。少なくとも幾つかの例において、標準脳血流値は個人の年齢に基づくことができる。1つ又は複数の追加の例において、標準脳血流値は、個人の脳の1つ又は複数の領域に含まれる1つ又は複数の血管の血液値値に基づくことができる。1つ又は複数の更なる例において、標準脳血流値は血管の直径に基づくことができる。
【0091】
1つ又は複数の説明のための追加の例において、生体状況の発症からの第2の時間期間は、第1の時間期間と関連する閾値よりも長いことができる。説明のために、個人の脳の1つ又は複数の領域への血流を妨げる生体状況の発症からの第2の時間期間は少なくとも30分、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも4時間、又は少なくとも6時間であることができる。1つ又は複数の例において、第2の時間期間は、第2の時間期間の下限に応じて、48時間以下、36時間以下、24時間以下、18時間以下、12時間以下、10時間以下、8時間以下、6時間以下、又は4時間以下等の上限を有することもできる。種々の例において、第2の時間期間に関連する血流パラメータの閾値は、第1の時間期間に関連する血流パラメータの閾値よりも大きい値であることができる。説明のために、第2の時間期間での灌流パラメータ116の閾値の説明のための例は、標準血流値の25%未満、標準血流値の30%未満、標準血流値の35%未満、標準血流値の40%未満、標準血流値の45%未満、又は標準血流値の50%未満である脳血流値であることができる。種々の例において、第2の時間期間に関連する血流パラメータの閾値は、第1の時間期間に関連する血流パラメータの閾値よりも大きい値であることができる。更に他の例において、第2の時間期間に関連する血流パラメータの閾値は、第1の時間期間に関連する血流パラメータの閾値よりも小さい値であることができる。血流パラメータが脳血流、脳血液量、MTT、又はTmaxの少なくとも1つを含む状況において、個人の脳の領域への血流を妨げる生体状況の発症からの時間が長くなるにつれて、その領域で生じる再灌流尤度も高くなることができるため、第1の時間期間の閾値は第2の時間期間の閾値未満であることができる。したがって、個人の脳の領域への血流は、卒中等の領域への血流の妨げを生じさせた生体状況の初期段階では比較的低い値であることができ、一方、生体状況の後期段階では、血流は、かつて又は現在血流を制限するのに使用された血管以外の血管から増大している可能性がある。
【0092】
灌流画像処理システム106は、第1のシステム出力データ508を生成することができる。第1のシステム出力データ508は、灌流パラメータ116の1つ又は複数の値を含むことができる。第1のシステム出力データ508は、個人の脳の1つ又は複数の領域への損傷の確率を示すこともできる。加えて、第1のシステム出力データ508は、組織損傷が存在するか又は存在確率が少なくとも閾値確率である個人の脳の領域を示すオーバーレイに対応するオーバーレイ造影データを含むことができる。種々の例において、灌流画像処理システム106は1つ又は複数の計算モデルを実行して、灌流パラメータ116又は第1のシステム出力データ508の1つ又は複数の値の少なくとも1つを特定することができる。1つ又は複数の説明のための例において、灌流画像処理システム106は1つ又は複数の機械学習技法を実行して、灌流パラメータ116又は第1のシステム出力データ508の1つ又は複数の値の少なくとも1つを生成することができる。
【0093】
画像処理システム102は低濃度解析システム128を含むこともできる。低濃度解析システム128は、個人の脳の1つ又は複数の領域に関して造影データ502のボクセルの強度値を解析して、低濃度510の1つ又は複数の測度を特定することができる。低濃度の1つ又は複数の測度は、ハウンズフィールド密度値として表すことができる。1つ又は複数の例において、低濃度510の1つ又は複数の測度が特定されて、組織損傷が存在する個人の脳の1つ又は複数の領域を識別することができる。種々の例において、低濃度解析システム128は造影データ502に含まれるボクセルの強度値を解析して、損傷確率が少なくとも閾値確率である個人の脳の領域を特定することができる。1つ又は複数の追加の例において、低濃度解析システム128は、個人の脳の異なる半球におけるボクセルを解析して、低濃度組織を含む脳の1つ又は複数の領域を特定することができる。1つ又は複数の説明のための例において、低濃度解析システム128は1つ又は複数の機械学習技法を実施して、個人の脳における低濃度組織の領域を特定することもできる。
【0094】
発症タイミングデータ504は低濃度解析システム128により解析されて、個人の脳の領域に組織損傷が存在する尤度を特定することができる。1つ又は複数の例において、個人の脳の領域に組織損傷が存在する尤度は、個人の脳の1つ又は複数の血管に関する生体状況の発症からの時間が長くなるにつれて上がり得る。1つ又は複数の状況において、低濃度解析システム128により生成された結果の正確性又は精度の少なくとも一方は、生体状況の発症からの時間が長くなるにつれて増大することができる。即ち、個人の脳の低濃度組織は、生体状況の発症からの時間が長くなるにつれてより確実に検出することができる。したがって、低濃度解析システム128は、組織損傷が存在する個人の脳の1つ又は複数の領域及び組織損傷の存在尤度に対応する尤度スコアを特定することができる。1つ又は複数の説明のための例において、低濃度解析システム128は、組織損傷が存在する個人の脳の1つ又は複数の領域を示す第2のシステム出力データ512を生成することができる。低濃度解析システム128は、造影データ502を使用して生成された低濃度510の測度が1つ又は複数の領域における組織損傷を示す尤度を生成することもできる。
【0095】
1つ又は複数の計算モデルを実行して、組織損傷が個人の脳に存在することを示す、低濃度510の測度に関する尤度を特定することができる。種々の例において、低濃度解析システム128は1つ又は複数の機械学習アルゴリズムを実行して、組織損傷が個人の脳に存在することを示す、低濃度510の測度に関する尤度を特定することができる。例えば、1つ又は複数の機械学習分類アルゴリズムを実行して、組織損傷が個人の脳に存在することを示す、低濃度510の測度に関する尤度を特定することができる。1つ又は複数の説明のための例において、1つ又は複数のランダムフォレストアルゴリズムを実行して、組織損傷が個人の脳に存在することを示す、低濃度510の測度に関する尤度を特定することができる。1つ又は複数の説明のための更なる例において、組織損傷が個人の脳に存在することを示す、低濃度510の測度に関する組織損傷が存在する尤度は、個人の脳の領域への組織損傷を示す1つ又は複数のランダムフォレストアルゴリズムの出力の分岐数に基づくことができる。
【0096】
1つ又は複数の説明のための例において、低濃度解析システム128は、生体状況の発症からの第1の時間期間中の個人の脳の造影データ502を解析し、低濃度510の第1の測度を特定することができる。低濃度解析システム128は、低濃度510の第1の測度に基づいて、組織損傷が存在する個人の脳の1つ又は複数の領域を特定することができる。低濃度解析システム128、発症タイミングデータに基づいて、組織損傷が1つ又は複数の領域に存在することを示す低濃度510の第1の測度の尤度を特定することもできる。尤度が閾値尤度未満の状況において、低濃度解析システム128は第2のシステム出力データ512において、組織損傷が1つ又は複数の領域に存在しないことを示すことができる。さらに、尤度が少なくとも閾値尤度である状況において、低濃度解析システム128は、組織損傷が1つ又は複数の領域に存在することを第2のシステム出力データ512において示すことができる。
【0097】
低濃度解析システム128は、生体状況の発症から第2の時間期間中、個人の脳の造影データ502を解析し、低濃度の第2の測度を特定することもできる。第2の時間期間は第1の時間期間に続くことができる。種々の例において、低濃度解析システム128は、発症タイミングデータ504に基づいて、組織損傷が少なくとも1つ又は複数の領域に存在することを低濃度510の第2の測度が示す追加の尤度を特定することができる。追加の尤度が閾値尤度未満の状況において、低濃度解析システム128は、組織損傷が1つ又は複数の領域に存在しないことを第2のシステム出力データ512において示すことができる。さらに、追加の尤度が少なくとも閾値尤度である状況において、低濃度解析システム128は、組織損傷が1つ又は複数の領域に存在することを第2のシステム出力データ512において示すことができる。1つ又は複数の説明のための例において、低濃度の第2の測度に基づいて特定された追加の尤度は、低濃度の第1の測度に基づいて特定された初期尤度よりも大きい値であることができる。
【0098】
画像処理システム102は出力画像システム144を含むことができる。出力画像システム144は、第1のシステム出力データ508及び第2のシステム出力データ512を解析して、1つ又は複数の出力画像514を特定することができる。1つ又は複数の例において、出力画像システム144は1つ又は複数の計算モデル516を実行して、1つ又は複数の出力画像514を生成することができる。1つ又は複数の例において、出力画像システム144は、第1のシステム出力データ508に対して1つ又は複数の計算モデル516を実行して、組織損傷が存在する個人の脳の第1の領域を特定することができる。さらに、出力画像システム144は、第2のシステム出力データ512に対して1つ又は複数の計算モデル516を実行して、組織損傷が存在する個人の脳の第2の領域を特定することができる。種々の例において、第2の領域は第1の領域の少なくとも一部と重複することができる。さらに、第2の領域は、第1の領域に含まれない個人の脳の部分を含むことができる。
【0099】
1つ又は複数の説明のための例において、出力画像システム144は、第1の領域及び第2の領域に基づいて集計画像を生成することができる。集計画像は、第1の領域に対応する第1のオーバーレイと、第2の領域に対応する第2のオーバーレイとを含むことができる。1つ又は複数の実施態様において、1つ又は複数の計算モデル516は、第2の領域に関連する第2のシステム出力データ512に含まれる尤度に基づいて実行することができる。1つ又は複数の状況において、1つ又は複数の計算モデル516は、尤度値に基づいて第2の領域が集計画像に含まれるべきではないと判定することができる。1つ又は複数の追加の例において、1つ又は複数の計算モデル516は、尤度値に基づいて第2の領域の部分が集計画像に含まれるべきではないと判定することができる。1つ又は複数の更なる例において、第2の領域又は第2の領域の少なくとも一部は、集計画像から第2の領域の少なくとも一部を除外するという、第2のシステム出力データ512に含まれる指示に基づいて、集計画像に含まれなくてよい。指示は、第2の領域における損傷組織に対応する低濃度510の測度に関連して低濃度解析システム128により生成される尤度値に基づいて決定することができる。1つ又は複数の出力画像は、造影データ502に含まれた画像に重ねられた第1の領域及び第2の領域の少なくとも一部の少なくとも一方を含むことができる。例えば、1つ又は複数の出力画像514は、損傷組織が存在する個人の脳の1つ又は複数の領域を示す1つ又は複数のオーバーレイと併せて、造影剤が存在した状態での個人の脳の1つ又は複数のCT画像を含むことができる。1つ又は複数の追加の例において、1つ又は複数の出力画像514は、損傷組織が存在する個人の脳の1つ又は複数の非造影CT画像を含むことができる。1つ又は複数の更なる例において、1つ又は複数の出力画像514は、造影剤が存在した状態での個人の脳の少なくとも第1のCT画像と、損傷組織が存在するか又は損傷組織が存在する確率が少なくとも閾値確率である個人の脳の領域を示す1つ又は複数のオーバーレイと併せた個人の脳の少なくとも第2の非造影CT画像とを含むことができる。少なくとも幾つかの例において、1つ又は複数の出力画像514に含まれるCT画像は、1つ又は複数の出力画像514に含まれた非造影CT画像に関する1つ又は複数のオーバーレイとは異なる1つ又は複数のオーバーレイを有することができる。1つ又は複数の状況において、灌流ベースのCT画像の1つ又は複数のオーバーレイは、組織損傷が存在するものとして灌流画像処理システム106により特定された1つ又は複数の領域に対応することができる。非造影CT画像の1つ又は複数のオーバーレイは、組織損傷が存在するものとして低濃度解析システム128により特定された1つ又は複数の領域に対応することができる。
【0100】
図6~
図8は、損傷された脳組織を示す画像を生成するプロセスのフローチャートを示す。プロセスは、プロセスの動作が画像処理システム102の機能構成要素により部分的又は全体的に実行し得るように、1つ又は複数のプロセッサにより実行されるコンピュータ可読命令で具現化し得る。したがって、後述のプロセスは、幾つかの状況において、
図6~
図8を参照した例としてのものである。しかしながら、他の実施態様において、
図6~
図8に関して説明されるプロセスの動作の少なくとも幾つかは、他の種々のハードウェア構成でデプロイし得る。したがって、
図6~
図8に関して説明されるプロセスは、画像処理システム102への限定を意図せず、1つ又は複数の追加の構成要素により全体的又は部分的に実施することができる。記載のフローチャートは順次プロセスとして動作を示すことができるが、動作の多くは並列又は同時に実行することができる。加えて、動作の順序は再構成することが可能である。プロセスは、動作が完了したときに終了する。プロセスはメソッド、プロシージャ、アルゴリズム等に対応し得る。方法の動作は、全体的又は部分的に実行されてよく、他の方法の動作の幾つか又は全てと併せて実行されてよく、本明細書に記載のシステム等の任意の数の異なるシステム又は任意のシステムに含まれるプロセッサ等のシステムの任意の部分により実行されてよい。
【0101】
図6は、1つ又は複数の実施態様例による、異なる造影モダリティにより生成された画像データに基づいて集計画像を特定し、脳組織への潜在的な損傷量を示す集計画像のオーバーレイを生成するプロセス600の動作例を示すフローチャートである。動作602において、プロセス600は、個人の脳の第1の造影データを取得することを含むことができる。1つ又は複数の例において、第1の造影データは第1の造影技法により生成し得る。第1の造影技法は、個人の脳内の流体の灌流特性に関連することができる。種々の例において、第1の造影技法は、個人の脳の血管内の血液の存在を示す個人の脳の画像を生成することができる。1つ又は複数の説明のための例において、第1の造影技法はコンピュータ断層撮影灌流造影技法を含むことができる。1つ又は複数の追加の例において、第1の造影技法はコンピュータ断層撮影血管造影技法を含むことができる。
【0102】
加えて、プロセス600は、動作604において、第2の造影データを取得することができる。1つ又は複数の例において、第2の造影データは、非灌流ベースの造影技法である第2の造影技法により生成し得る。1つ又は複数の説明のための例において、第2の造影技法は非造影コンピュータ断層撮影造影技法を含むことができる。1つ又は複数の説明のための追加の例において、第2の造影技法は拡散ベースの磁気共鳴造影技法を含むことができる。第2の造影データは、第2の時間期間にわたり連続して捕捉された幾つかの第2のスライスを含むことができる。個々の第2のスライスは、個人の脳の一部の断面を含むことができる。種々の例において、第1の造影データ及び第2の造影データは、異なる造影装置により生成することができる。第1の造影データ及び第2の造影データは、同じ造影装置を使用して生成することもできる。さらに、1つ又は複数の例において、第1の造影データ及び第2の造影データは、異なる時間期間中に生成することができる。少なくとも幾つかの例において、異なる時間期間は重複しなくてよい。
【0103】
種々の例において、第1の造影データ及び第2の造影データは、異なるときに同じ造影モダリティを使用して捕捉することができる。例えば、第1の造影データは、造影剤が個人の脳に存在している時間期間中、造影技法を使用して捕捉することができる。さらに、第2の造影データは、造影剤が個人の脳に存在していない時間期間中、造影技法を使用して捕捉することができる。1つ又は複数の説明のための例において、造影技法は、造影剤が個人に送達される前に脳の画像を捕捉し、造影剤が個人に送達された後に個人の脳の画像を捕捉するコンピュータ断層撮影灌流造影技法を含むことができる。1つ又は複数の説明のための例において、第1の造影データは、第1の時間期間にわたり連続して捕捉された幾つかの第1のスライスを含むことができ、第2の造影データは、第2の時間期間にわたり連続して捕捉された幾つかの第2のスライスを含むことができる。個々の第1のスライス及び第2のスライスは、個人の脳の一部の断面を含むことができる。
【0104】
プロセス600は、動作606において、第1の造影データの第1のボクセルの第1の強度値に基づいて1つ又は複数の灌流パラメータを特定することを含むこともできる。1つ又は複数の灌流パラメータは、個人の脳における血流を示すことができる。1つ又は複数の灌流パラメータは、第1の造影データに含まれる個々のボクセルについて生成することができる。1つ又は複数の例において、1つ又は複数の灌流パラメータが特定されるボクセルの数は、脳組織に対応することができる。種々の例において、第1の造影データは解析されて、脳組織に対応する第1の造影データに含まれるボクセルを識別することができる。1つ又は複数の説明のための例において、第1の造影データ内の脳組織に対応するボクセルは、ボクセルの強度値を解析することにより特定することができる。さらに、第1の造影データ内の脳組織に対応するボクセルは、第1の造影データの少なくとも一部がアトラスと位置合わせされる、脳の幾つかの領域を示すアトラスに基づいて特定することができる。
【0105】
プロセス600は、動作608において、1つ又は複数の灌流パラメータに基づいて、組織への損傷が個人の脳の1つ又は複数の第1の領域で生じたと判定することを含むこともできる。1つ又は複数の例において、1つ又は複数の関心領域の1つ又は複数の灌流パラメータは、1つ又は複数の閾値に関連して解析することができる。種々の例において、1つ又は複数の閾値は、脳組織の損傷に対応すると前に判定された1つ又は複数の灌流パラメータの値に対応することができる。種々の例において、1つ又は複数の閾値は、脳組織に損傷が存在する確率に対応することができ、例えば、脳組織に損傷が存在する少なくとも50%の確率、脳組織に損傷が存在する少なくとも60%の確率、脳組織に損傷が存在する少なくとも70%の確率、脳組織に損傷が存在する少なくとも80%の確率、脳組織に損傷が存在する少なくとも90%の確率、脳組織に損傷が存在する少なくとも95%の確率、又は脳組織に損傷が存在する少なくとも99%の確率に対応することができる。1つ又は複数の説明のための例において、1つ又は複数の灌流パラメータは脳血流を含むことができる。脳血流の測度は、第1の造影データに含まれるボクセルの強度値を解析することにより特定することができる。個人の脳の1つ又は複数の領域に対応するボクセルの脳血流の測度は、脳血流の1つ又は複数の測度に関して解析することができる。個人の脳の領域のボクセルが、1つ又は複数の閾値に対応する脳血流の測度と関連する状況において、組織損傷が個人の脳の領域に存在する確率が少なくとも閾値確率であるとの判定がなされることができる。
【0106】
さらに、プロセス600は、動作610において、低濃度の閾値測度に対応する低濃度測度を有する脳組織の1つ又は複数の部分に対応する脳の1つ又は複数の第2の領域を特定することを含むことができる。低濃度測度は、1つ又は複数の第2の領域に含まれるボクセルの強度値に基づいて特定することができる。低濃度の閾値測度は、非造影コンピュータ断層撮影造影技法を使用して生成された画像含まれるボクセルの前に解析された強度値に基づいて、脳組織損傷確率が関連する低濃度測度に対応することができる。
【0107】
さらに、動作612において、プロセス600は、1つ又は複数の第1の領域を示す第1のオーバーレイと、1つ又は複数の第2の領域を含む第2のオーバーレイとを含む集計画像を生成することを含むことができる。1つ又は複数の例において、集計画像は、第1の造影データに含まれる複数のスライスの個々のスライスに対応することができる。これらの状況において、集計画像は、灌流ベースのコンピュータ断層撮影造影技法により捕捉された複数のスライスのうちのスライスを含むことができる。種々の例において、集計画像はユーザインタフェースに含まれることができる。1つ又は複数の説明のための例において、ユーザインタフェースに対応するユーザインタフェースデータを生成することができる。ユーザインタフェースは、第1の造影データに含まれる複数のスライスを表示することもできる。個々のスライスの少なくとも一部は、1つ又は複数の灌流パラメータの値に従って、損傷していたか又は損傷確率が少なくとも閾値確率である、個々のスライスにより表示される脳組織の1つ又は複数の領域に対応する第1のオーバーレイの各々を含むことができる。さらに、個々のスライスの少なくとも一部は、1つ又は複数の領域の低濃度値に従って、損傷していたか又は損傷確率が少なくとも閾値確率である、個々のスライスにより表示される脳組織の1つ又は複数の領域に対応する第2のオーバーレイの各々を含むことができる。
【0108】
図7は、1つ又は複数の実施態様例による、脳組織に関する灌流パラメータ及び低濃度測度を特定して、脳の不可逆的損傷の程度を特定するプロセス700の動作例を示すフローチャートである。動作702において、プロセス700は、個人の脳内の灌流特性に対応する第1の造影技法により生成された個人の脳の第1の造影データを取得することを含むことができる。1つ又は複数の説明のための例において、第1の造影技法は、コンピュータ断層撮影灌流造影技法を含むことができる。
【0109】
加えて、プロセス700は、動作704において、非灌流ベースの造影技法である第2の造影技法により生成された第2の造影データを取得することを含むことができる。1つ又は複数の説明のための例において、第2の造影技法は非造影コンピュータ断層撮影造影技法を含むことができる。第2の造影データは、第2の時間期間にわたり連続して捕捉された幾つかの第2のスライスを含むことができる。個々の第2のスライスは、個人の脳の一部の断面を含むことができる。
【0110】
プロセス700は、動作706において、第1の造影データに基づいて、組織への損傷が個人の脳の1つ又は複数の第1の領域に関連して生じたと判定することを含むこともできる。1つ又は複数の例において、1つ又は複数の第1の領域の特定に先立って、第1の造影データは、第1の造影データの捕捉中の個人の動きについて補正することができる。例えば、第1の造影データは、時間期間にわたり連続して捕捉された幾つかの第1のスライスを含む。第1の造影データの捕捉中の個人の動きに応答して、少なくとも閾値量だけ参照画像からオフセットされた第1のスライスの1つ又は複数を特定することができる。種々の例において、見当合わせプロセスを実行して、1つ又は複数の第1のスライスを参照画像と位置合わせすることができる。見当合わせプロセスに基づいて、1つ又は複数の動き補正パラメータを決定することができる。1つ又は複数の動き補正パラメータは、1つ又は複数の第1のスライスのボクセルを参照画像の対応するボクセルの閾値距離内に位置決めする1つ若しくは複数の回転パラメータ又は1つ若しくは複数の並進パラメータの少なくとも一方を含むことができる。
【0111】
1つ又は複数の追加の例において、第1の造影データは時間補正プロセスを受けることができる。時間補正プロセスは、第1のスライスの一部がある時間間隔で捕捉され、上記ある時間間隔が第1のスライスの追加の部分の捕捉間の追加の時間間隔と異なることを突き止めることを含むことができる。さらに、時間補正プロセスは、第1のスライスが、連続した第1のスライス間の時間間隔が共通する状態で配置されるように、時間間隔及び追加の時間間隔を共通の時間間隔に変更することを含むことができる。
【0112】
種々の例において、組織損傷を有する1つ又は複数の第1の領域を特定することは、幾つかの灌流パラメータを特定することを含むことができる。1つ又は複数の例において、灌流パラメータは、造影剤がボクセルに到着する前のボクセルのベースライン強度値に基づいて特定することができる。ベースライン強度値を特定するために、造影剤がボクセルに到着する前に捕捉された第1の造影データの部分を特定することができる。例えば、時間期間にわたる第1の造影データに含まれるボクセルの少なくとも一部の強度値変化を特定することができ、強度値変化に基づいて、造影剤が個人の脳の一部に入った時間を特定することができる。即ち、造影剤の到着前のボクセルの強度値は、造影剤が存在するボクセルの強度値よりも低いことができる。第1の造影データの個々のスライスに含まれるボクセルへの造影剤の到着時間を特定した後、到着時間前に捕捉した第1の造影データの部分に基づいて、造影剤が存在しない個人の脳像の画像を生成することができる。
【0113】
加えて、損傷した脳組織を有する脳の1つ又は複数の第1の領域を特定することは、第1の造影データの少なくとも一部と人間の頭部の解剖学的テンプレートとの間の見当合わせプロセスを実行することと、見当合わせプロセスの結果として変形場を生成することとを含むことができる。変形場は、解剖学的テンプレートと位置合わせするために、第1の造影データに含まれるボクセルを変形すべき程度を示すことができる。解剖学的構造との位置合わせ後、第1の造影データに関して個人の脳の種々の領域を識別することができる。例えば、人間の脳の幾つかの領域を示すアトラスに変形場を適用して、個人の脳に対応する変更済みアトラスを生成することができる。このようにして、1つ又は複数の灌流パラメータの特定に使用されない脳の領域に対応する第1の造影データの部分を除去することができる。説明のために、変更済みアトラスに含まれる各領域は、個人の脳の個々の領域の特定に使用することができ、脳組織に対応しない第1の造影データの1つ又は複数の部分は除去することができる。その結果、頭蓋骨又は眼等の第1の造影データに捕捉され得る個人の身体の他の部位のない、脳組織に対応する変更済み第1の造影データが生成される。
【0114】
1つ又は複数の灌流パラメータは、個人の脳組織に関連するボクセルの強度値に基づいて特定することができ、強度値は、個々のボクセルの造影剤濃度曲線により示すことができる。1つ又は複数の例において、造影剤濃度曲線は、1つ又は複数の参照強度値に対する個々のボクセルの経時強度値に基づいて、変更済みの第1の造影データに含まれる個々のボクセルについて特定することができる。種々の例において、1つ又は複数の参照値のうちの少なくとも1つの参照値との差が閾値差を超える変更済みの第1の造影データに含まれるボクセルの強度値は、造影剤がボクセルに存在することを示す。
【0115】
種々の例において、動脈入力関数及び静脈出力関数を使用して、1つ又は複数の灌流パラメータを特定することができる。1つ又は複数の例において、変更済みアトラスにおいて閾値直径を有する第1の血管の1つ又は複数の第1の位置に基づいて、少なくとも閾値直径を有する第1の血管を含む変更済みの第1の造影データの動脈入力関数の1つ又は複数の第1の候補領域を特定することができる。1つ又は複数の第1の候補領域は、中大脳動脈の少なくとも一部又は前大脳動脈の少なくとも一部を含むことができる。動脈入力関数は、1つ又は複数の第1の候補領域のうちの第1の候補領域に含まれる第1のボクセルの第1の造影剤濃度曲線に基づいて生成することができる。さらに、変更済みアトラスにおいて閾値直径を有する第2の血管の1つ又は複数の第2の位置に基づいて、少なくとも閾値直径を有する第2の血管を含む、変更済みの第1の造影データの静脈出力関数の1つ又は複数の第2の候補領域を特定することができる。1つ又は複数の第2の候補領域は、矢状静脈洞領域の少なくとも一部又は直静脈洞領域の少なくとも一部を含む。静脈出力関数は、1つ又は複数の第2の候補領域のうちの第2の候補領域に含まれる第2のボクセルの第2の造影剤濃度曲線に基づいて特定することができる。
【0116】
さらに、第1の造影データに関連する灌流パラメータの値の特定は、個人の脳の1つ又は複数の領域に含まれるボクセルの組織残留関数に基づいて特定することができる。組織残留関数は、動脈入力関数に関する変更済み造影データに含まれるボクセルの造影剤濃度曲線に対して1つ又は複数の逆畳み込み演算を実行することにより生成することができる。
【0117】
1つ又は複数の灌流パラメータは、個々のボクセルの組織残留関数下面積に対応する相対脳血液量を含むことができる。1つ又は複数の灌流パラメータは、個々のボクセルの組織残留関数のピークに対応する相対脳血流を含むこともできる。さらに、1つ又は複数の灌流パラメータは、個々のボクセルの脳血流に対する脳血液量の比率に対応する平均トレーサ通過時間を含むことができる。1つ又は複数の例において、1つ又は複数の灌流パラメータは、個々のボクセルの組織残留関数のピークの時間に対応するTmaxを含むことができる。
【0118】
プロセス700は、動作708において、第1の造影データに対応し、造影剤が存在する個人の脳の第1のオーバーレイとして、1つ又は複数の第1の領域を示す第1のオーバーレイ造影データを生成することを含むことができる。1つ又は複数の例において、第1のオーバーレイは、灌流ベースのコンピュータ断層撮影画像のスライス上に表示することができる。
【0119】
動作710において、プロセス700は、個人の脳の1つ又は複数の第2の領域に関連して組織が生じたと判定することを含むことができる。1つ又は複数の第2の領域の一部は、1つ又は複数の第1の領域の少なくとも一部と重複することができる。種々の例において、第2のオーバーレイにより示される体積は、第1のオーバーレイにより示される体積よりも大きいことができる。
【0120】
1つ又は複数の例において、個人の脳の1つ又は複数の第2の領域に関連して生じた組織への損傷は、1つ又は複数の第2の領域に関する低濃度の値に基づいて特定することができる。低濃度値は、1つ又は複数の第2の領域に含まれるボクセルの強度値を解析することにより特定することができる。説明のために、個人の脳の第1の半球にある第1のボクセルと個人の脳の第2の半球にある第2のボクセルとの間の相関を特定することができる。加えて、個々の第2のボクセルの第2の強度値に対する個々の第1のボクセルの第1の強度値の差を特定することができる。個々の第2のボクセルは、個々の第1のボクセルの対側に表示することができる。第1の強度値と第2の強度値との間の差は、個々の第1のボクセル及び個々の第2のボクセルに対応する脳組織の低濃度測度を示すことができる。
【0121】
1つ又は複数の実施態様において、低濃度測度は、幾つかの閾値強度差に関して差を解析して、幾つかのボクセル群を生成することにより生成することができ、個々のボクセル群は、幾つかの閾値強度差値のうちの1つ又は複数の閾値強度差に対応する。個々のボクセル群に対応する1つ又は複数の閾値強度差値は、個々のボクセル群に対応する脳組織の各部分の低濃度測度を示すことができる。種々の例において、少なくとも第1の閾値強度差値に対応する第1のボクセル群を特定することができる。第1のボクセル群は第2のオーバーレイの1つ又は複数の第2の領域のうちの第2の領域に対応することができ、第1のボクセル群は、脳組織の第1の部分の低濃度の第1の測度に対応することができる。さらに、少なくとも第2の閾値強度差値に対応する第2のボクセル群を特定することができる。第2のボクセル群は、第2のオーバーレイの1つ又は複数の第2の領域のうちの追加の第2の領域に対応することができる。第2のボクセル群は、脳組織の第2の部分の低濃度の第2の測度に対応することができ、低濃度の第2の測度は低濃度の第1の測度と異なることができる。1つ又は複数の説明のための例において、脳組織の異なる部分に対応する低濃度の異なる速度は、異なる閾値強度差値を示すように表示することができる。例えば、第1のボクセル群は第1の色と併せて表示することができ、第2のボクセル群は第2の色と併せて表示することができる。
【0122】
プロセス700は、動作712において、第2のオーバーレイ造影データを生成することを含むこともできる。第2のオーバーレイ造影データは、個人の脳の1つ又は複数の領域を個人の脳の第2の画像への第2のオーバーレイとして示すことができる。第2の画像は第2の造影データに含まれるスライスであることができる。さらに、第2の画像は、造影剤が個人の脳にないことを示すことができる。
【0123】
さらに、動作714において、プロセス700は、個人の脳の第1の画像、第1のオーバーレイ、及び第2のオーバーレイを含む集計画像を生成することを含むことができる。1つ又は複数の説明のための例において、ユーザインタフェースに対応し、医療従事者に表示するために計算デバイスに提供することができるユーザインタフェースデータを生成することができる。ユーザインタフェースは、第1の造影データに含まれる複数のスライスを表示することもできる。個々のスライスの少なくとも一部は、1つ又は複数の灌流パラメータの値に従って、損傷したか又は損傷確率が少なくとも閾値確率である個々のスライスにより表示される脳組織の1つ又は複数の領域に対応する第1のオーバーレイの各々を含むことができる。さらに、個々のスライスの少なくとも一部は、1つ又は複数の領域の低濃度値に従って、損傷したか又は損傷確率が少なくとも閾値確率である個々のスライスにより表示される脳組織の1つ又は複数の領域に対応する第2のオーバーレイの各々を含むことができる。
【0124】
図8は、1つ又は複数の実施態様例による、個人の脳の1つ又は複数の血管に対応する生体状況の発症に基づいて、損傷した脳組織を示す出力画像を生成するプロセス800の動作例を示すフローチャートである。プロセス800は、動作802において、個人の脳の第1の造影データを取得することを含むことができる。第1の造影データは第1の造影技法により生成することができる。第1の造影データは、個人の脳内の流体の灌流特性に対応することができる。動作804において、プロセス800は、個人の脳の第2の造影データを取得することを含むこともできる。第2の造影データは、非灌流ベースの造影モダリティである第2の造影技法により生成することができる。1つ又は複数の例において、第1の造影技法は1つ又は複数の灌流ベースのコンピュータ断層撮影(CT)造影技法を実施することができ、第2の造影技法は1つ又は複数の非造影CT造影技法を実施する。1つ又は複数の追加の例において、第1の造影技法は1つ又は複数のコンピュータ断層撮影血管造影(CTA)技法を実施し、第2の造影技法は1つ又は複数の非造影CT造影技法を実施する。1つ又は複数の更なる例において、第1の造影データは、非灌流ベースの造影技法を含む造影技法により生成することができ、第2の造影データは、灌流ベースの造影技法を含む追加の造影技法により生成することができる。
【0125】
加えて、動作806において、プロセス800は、個人の脳の1つ又は複数の血管に対応する生体状況の発症から経過した時間量を特定することを含むことができる。1つ又は複数の例において、生体状況は、個人の脳の少なくとも1つの領域への血流の妨げである。1つ又は複数の説明のための例において、生体状況は卒中を含むことができる。
【0126】
プロセス800は、動作808において、第1の造影データ及び時間量に基づいて、個人の脳の血管に関連する1つ又は複数の血流パラメータの1つ又は複数の閾値レベルを決定することを含むことができる。1つ又は複数の閾値レベルは、生体状況の発症から経過した第1の時間期間に対応する血流パラメータの第1の閾値レベルを含むことができる。さらに、1つ又は複数の閾値レベルは、生体状況の発症から経過した第2の時間期間に対応する血流パラメータの第2の閾値を含むことができる。第2の時間期間は第1の時間期間よりも長い時間期間であることができる。種々の例において、第1の時間期間は15分から2時間又は30分から4時間であることができる。さらに、第2の時間期間は4時間から6時間、3時間から5時間、又は5時間から8時間であることができる。1つ又は複数の更なる例において、第2の閾値レベルは、第1の閾値レベルよりも大きい血流パラメータの値に対応することができる。1つ又は複数の説明のための例において、血流パラメータは脳血流を含むことができる。
【0127】
さらに、動作810において、プロセス800は、血流パラメータが、個人の脳に関して少なくとも閾値レベルであると判定することを含むことができる。血流パラメータの1つ又は複数の値は、第1の造影データのボクセル情報を解析することにより特定することができる。1つ又は複数の説明のための例において、血流パラメータは、第1の時間期間中、第1の閾値レベルに関して解析することができる。これらの状況において、個人の脳の領域への損傷は、血流パラメータが少なくとも第1の閾値レベルであることに基づいて判定することができる。加えて、血流パラメータは、第2の時間期間中、第2の閾値に関して解析することもできる。これらの状況において、個人の脳の領域への損傷は、血流パラメータが少なくとも第2の閾値レベルであることに基づいて判定することができる。1つ又は複数の例において、血流パラメータは、第1の時間期間及び第2の時間期間の両方中、解析することができる。1つ又は複数の追加の例では、個人の脳の領域への損傷が第1の時間期間中に検出される状況において、第2の時間期間中の続く解析は行われなくてよい。1つ又は複数の更なる例では、個人の脳の領域への損傷が第1の時間期間中に検出されない状況において、第2の時間期間中等、1つ又は複数の続く解析が行われることができる。
【0128】
さらに、プロセス800は、動作812において、第2の造影データに基づいて、個人の脳に関する1つ又は複数の低濃度測度を特定することを含むことができる。造影データに含まれるボクセルの強度値が解析されて、損傷確率が少なくとも閾値確率である個人の脳の領域を特定することができる。少なくとも幾つかの例において、個人の脳の異なる半球におけるボクセルが解析されて、低濃度組織を含む脳の1つ又は複数の領域を特定することができる。1つ又は複数の例において、1つ又は複数の機械学習技法を実施して、個人の脳における低濃度組織の領域を特定することができる。1つ又は複数の追加の例において、個人の脳の組織への損傷を測定するために、時間量に基づいて、モデルの1つ又は複数のパラメータの1つ又は複数の重みを決定することができる。1つ又は複数の説明のための例において、追加の造影データの幾つかのボクセルの強度値が解析されて、モデルのパラメータの値を特定することができ、パラメータの重みは時間量に基づいて決定することもできる。種々の例において、モデルはパラメータの重みを使用して実行されて、個人の脳の領域の低濃度測度を特定することができる。
【0129】
動作814において、プロセス800は、1つ又は複数の低濃度測度に基づいて、損傷が個人の脳の1つ又は複数の領域に存在すると判定することを含むことができる。低濃度測度が少なくとも閾値レベルの低濃度である状況において、損傷は個人の脳に存在する可能性がある。
【0130】
プロセス800は、動作816において、時間量に基づいて、1つ又は複数の低濃度測度が1つ又は複数の領域の組織損傷に対応する尤度を特定することもできる。1つ又は複数の例において、1つ又は複数の計算モデル、例えば、1つ若しくは複数の機械学習分類モデル又は1つ若しくは複数のランダムフォレストモデルが実行されて、組織損傷が個人の脳に存在することを示す低濃度測度の尤度を特定することができる。
【0131】
動作818において、プロセス800は、個人の脳の少なくとも1つの領域が損傷組織を含むことを示す画像を生成することを含むことができる。1つ又は複数の例において、画像は、第1の時間期間中の血流パラメータの1つ又は複数の値及び1つ又は複数の低濃度測度の少なくとも1つを表示するユーザインタフェースに含まれ得る。少なくとも幾つかの例において、ユーザインタフェースは、第2の時間期間中の血流パラメータの1つ又は複数の値及び1つ又は複数の低濃度測度を表示することもできる。さらに、ユーザインタフェースは、損傷が生じた個人の脳の1つ又は複数の領域を示す1つ又は複数のオーバーレイを含み得る。1つ又は複数の説明のための例において、個人の脳への損傷は、卒中に起因して生じ得る。
【0132】
図9は、1つ又は複数の実施態様例による、異なる灌流パラメータ及び低濃度解析に従って特定された個人の脳内の関心領域を示すオーバーレイを有する灌流ベースのCT画像の幾つかのスライスを含むユーザインタフェース900の一例の図である。例えば、ユーザインタフェース900は幾つかの第1のスライス902を含むことができる。幾つかの第1のスライス902は、灌流ベースのコンピュータ断層撮影造影技法を使用して捕捉することができ、異なるときに捕捉された個人の脳の異なるセクションに対応することができる。幾つかの第1のスライス902の一部は、脳血流(CBF)の値が閾値(30%)未満である個人の脳の領域に対応する第1のオーバーレイ904を有することができる。閾値は、第1のオーバーレイ904と関連する領域に含まれる組織と健康な脳組織の脳血流値との間の差の量に対応することができる。
【0133】
幾つかのスライス902の一部は、第2のオーバーレイ906を含むこともできる。第2のオーバーレイは、閾値ハウンズフィールド単位差範囲(≧5HU且つ≦12HU)内の低濃度値を有する脳の領域に対応することができる。第2のオーバーレイ906と関連する領域に含まれるボクセルの閾値差範囲は、第1のオーバーレイ904及び第2のオーバーレイ906と関連する領域を含む脳の対向する半球にある脳の半球における対側にあるボクセルに関連することができる。1つ又は複数の説明のための例において、第1のオーバーレイ904に関連する体積と第2のオーバーレイ906に関連する体積との組合せは、個人の脳内の損傷組織の総体積を生み出すことができる。
【0134】
図9の説明のための例は、異なるパターンを有する領域として第1のオーバーレイ904及び第2のオーバーレイ906を示しているが、追加の例において、第1のオーバーレイ904及び第2のオーバーレイ906は、複数の色の連合として又は重複領域が半透明であることができ、色の混合として表示することができるように、異なる色を使用して表示することができる。
【0135】
図10は、機械可読媒体(例えば、機械可読記憶媒体)から命令を読み取り、本明細書で考察される方法論の任意の1つ又は複数を実行することが可能な、幾つかの実施態様例による機械1000の構成要素を示すブロック図である。特に、
図10は、コンピュータシステムの形態例での機械1000の図表現を示し、機械1000内で、機械1000に本明細書で考察される方法論の任意の1つ又は複数を実行させる命令1002(例えば、ソフトウェア、プログラム、アプリケーション、アプレット、アプリ、又は他の実行可能コード)を実行し得る。したがって、命令1002を使用して、本明細書に記載のモジュール又は構成要素を実施し得る。命令1002は、記載され図示された機能を記載されたように実行するようにプログラムされた特定の機械1000に汎用のプログラムされていない機械1000を変換する。代替の実施態様において、機械1000は、スタンドアロンデバイスとして動作し、又は他の機械に結合(例えば、ネットワーク接続)されてもよい。ネットワーク接続されるデプロイでは、機械1000は、サーバ-クライアントネットワーク環境においてサーバ機若しくはクライアント機の立場として動作してもよく又はピアツーピア(若しくは分散)ネットワーク環境においてピア機として動作してもよい。機械1000は、限定されないが、サーバコンピュータ、クライアント歩ユタ、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ネットブック、セットトップボックス(STB)、個人情報端末(PDA)、エンターテイメントメディアシステム、セルラ電話、スマートフォン、携帯電話、ウェアラブルデバイス(例えば、スマートウォッチ)、スマートホームデバイス(例えば、スマート家電)、他のスマートデバイス、ウェブ家電、ネットワークルータ、ネットワークスイッチ、ネットワークブリッジ、又は機械1000により行われるべき動作を指定する命令1002を順次若しくは他の方法で実行することが可能な任意の機械を含み得る。さらに、単一の機械1000のみが示されているが、「機械」という用語は、本明細書で考察される方法論の任意の1つ又は複数を実行するための命令1002を個々に又はまとめて実行する機械の集まりを含むものとしても解釈されるものとする。
【0136】
機械1000は、プロセッサ1004、メモリ/ストレージ1006、及びI/O構成要素1008を含み得、これらはバス1010等を介して互いと通信するように構成し得る。これに関して、「プロセッサ」は、制御信号(例えば、「コマンド」、「演算コード」、「機械コード」等)に従ってデータ値を操作し、機械1000を動作させるために適用される対応する出力信号を生成する任意の回路又は仮想回路(実際のプロセッサ1004で実行される論理によりエミュレートされる物理的な回路)を指す。一実施態様例において、プロセッサ1004(例えば、中央演算処理装置(CPU)、縮小命令セット計算(RISC)プロセッサ、複合命令セット計算(CISC)プロセッサ、グラフィックス処理ユニット(GPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、無線周波数集積回路(RFIC)、別のプロセッサ、又はそれらの任意の適した組合せ)は、例えば、命令1002を実行し得るプロセッサ1012及びプロセッサ1014を含み得る。「プロセッサ」という用語は、命令1002を同時に実行し得る2つ以上の独立したプロセッサ(「コア」と呼ばれることがある)を含み得るマルチコアプロセッサ1004を包含することが意図される。
図10は複数のプロセッサ1004を示しているが、機械1000は、単一のコアを有する単一のプロセッサ1012プロセッサ1012、複数のコアを有する単一のプロセッサ1012プロセッサ1012(例えば、マルチコアプロセッサ)、単一のコアを有する複数のプロセッサ1012、1014、複数のコアを有する複数のプロセッサ1012、1014、又はそれらの任意の組合せを含み得る。
【0137】
メモリ/ストレージ1006は、メインメモリ1016又は他のメモリストレージ等のメモリ及びストレージユニット1018を含み得、プロセッサ1004はバス1010等を介してこれらの両方にアクセス可能である。ストレージユニット1018及びメインメモリ1016は、本明細書に記載の方法論又は機能の任意の1つ又は複数を具現化する命令1002を記憶する。命令1002は、機械1000による実行中、完全又は部分的に、メインメモリ1016内、ストレージユニット1018内、プロセッサ1004の少なくとも1つ内(例えば、プロセッサのキャッシュメモリ内)、又はそれらの任意の適した組合せに存在してもよい。したがって、メインメモリ1016、ストレージユニット1018、及びプロセッサ1004のメモリは、機械可読媒体の例である。これに関して、「機械可読媒体」は、本明細書では「コンピュータ可読記憶媒体」とも呼ばれ、命令1002及びデータを一時的又は永続的に記憶することが可能な構成要素、デバイス、又は他の有形媒体を指し、限定されないが、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、バッファーメモリ、フラッシュメモリ、光媒体、磁気媒体、キャッシュメモリ、他のタイプのストレージ(例えば、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM))、及び/又はそれらの任意の適した組合せを含み得る。「機械可読媒体」という用語は、命令1002を記憶することが可能な単一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中化若しくは分散データベース又は関連するキャッシュ及びサーバ)を含むものとして解釈し得る。「機械可読媒体」という用語は、命令1002が、機械1000の1つ又は複数のプロセッサ1004により実行されると、機械1000に本明細書に記載の方法論の任意の1つ又は複数を実行させるように、機械1000により実行される命令1002(例えば、コード)を記憶することが可能な任意の媒体又は複数の媒体の組合せを含むものとしても解釈されるものとする。したがって、「機械可読媒体」は、単一の記憶装置又はデバイス及び「クラウドベース」のストレージシステム又は複数の記憶装置若しくはデバイスを含むストレージネットワークを指す。「機械可読媒体」という用語はそれ自体、信号を除外する。
【0138】
I/O構成要素1008は、入力の受信、出力の提供、出力の生成、情報の送信、情報の交換、測定値の捕捉等を行うために多種多様な構成要素を含み得る。特定の機械1000に含まれる特定のI/O構成要素1008は、機械のタイプに依存することになる。例えば、携帯電話等の可搬性機械はタッチ入力デバイス又は他のそのような入力機構を含む可能性が高く、一方、ヘッドレスサーバ機はそのようなタッチ入力デバイスを含まない可能性が高い。I/O構成要素1008は、
図10には示されていない多くの他の構成要素を含み得ることが理解されよう。以下の考察を単に簡単にするために、I/O構成要素1008構成要素1008は機能に従ってグループ分けされており、このグループ分けは決して限定ではない。種々の実施形態例において、I/O構成要素1008は、ユーザ出力構成要素1020及びユーザ入力構成要素1022を含み得る。ユーザ出力構成要素1020は、視覚構成要素(例えば、プラズマディスプレイパネル(PDP)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、プロジェクタ、又は陰極線管(CRT)等のディスプレイ)、音響構成要素(例えば、スピーカ)、触覚構成要素(例えば、振動モータ、抵抗機構)、他の信号発生器等を含み得る。ユーザ入力構成要素1022は、英数字入力構成要素(例えば、キーボード、英数字入力を受け取るように構成されたタッチスクリーン、光学キーボード、又は他の英数字入力構成要素)、ポイント式の入力構成要素(例えば、マウス、タッチパッド、トラックボール、ジョイスティック、モーションセンサ、又は他のポインティング機器)、触覚入力構成要素(例えば、物理的ボタン、タッチ又はタッチジェスチャの位置又は力を提供するタッチスクリーン、又は他の触覚入力構成要素)、オーディオ入力構成要素(例えば、マイクロホン)等を含み得る。
【0139】
更なる実施形態例において、I/O構成要素1008は、広範囲の構成要素の中でもとりわけ、バイオメトリック構成要素1024、動き構成要素1026、環境構成要素1026、又は位置構成要素1030を含み得る。例えば、バイオメトリック構成要素1024は、表現(例えば、手による表現、顔による表現、声による表現、身体のジェスチャ、又は目の追跡)の検出、生体信号(例えば、血圧、心拍数、体温、発汗、又は脳波)の測定、人の識別(例えば、音声識別、網膜識別、顔識別、指紋識別、又は脳波に基づく識別)等を行うための構成要素を含み得る。動き構成要素1026は、加速度センサ構成要素(例えば、加速度計)、重力センサ構成要素、回転センサ構成要素(例えば、ジャイロスコープ)等を含み得る。環境構成要素1026は、例えば、照明センサ構成要素(例えば、光度計)、温度センサ構成要素(例えば、周囲温度を検出する1つ若しくは複数の温度計)、湿度センサ構成要素、圧力センサ構成要素(例えば、気圧計)、音響センサ構成要素(例えば、背景雑音を検出する1つ若しくは複数のマイクロホン)、近接センサ構成要素(例えば、近くの物体を検出する赤外線センサ)、ガスセンサ(例えば、安全のために有害ガスの濃度を検出したり大気の汚染を検出したりするためのガス検出センサ)、又は周囲の物理的環境に対応する示唆、測定結果、若しくは信号を提供可能な他の構成要素を含み得る。位置構成要素1030は、位置センサ構成要素(例えば、全地球測位システム(GPS)受信機構成要素)、高度センサ構成要素(例えば、高度を導出可能な空気圧を検出する高度計又は気圧計)、方向センサ構成要素(例えば、磁力計)等を含み得る。
【0140】
通信は、広範囲の技術を使用して実施され得る。I/O構成要素1008は、機械1000をネットワーク1034又はデバイス1036に結合するように動作可能な通信構成要素1032を含み得る。例えば、通信構成要素1032は、ネットワークインタフェース構成要素又はネットワーク1034とのインタフェースに適切な他のデバイスを含み得る。更なる例において、通信構成要素1032は、有線通信構成要素、無線通信構成要素、セルラ通信構成要素、近距離通信(NFC)構成要素、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)構成要素(例えば、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)ローエナジー(Low Energy))、Wi-Fi(登録商標)構成要素、及び他の形態を介して通信を提供する他の通信構成要素を含み得る。デバイス1036は、別の機械1000又は広範囲の周辺デバイス(例えば、USBを介して結合された周辺デバイス)のうちの任意のものとすることができる。
【0141】
さらに、通信構成要素1032は識別子を検出し得又は識別子を検出するように動作可能な構成要素を含み得る。例えば、通信構成要素1032は、無線周波数識別(RFID)タグリーダ構成要素、NFCスマートタグ検出構成要素、光学リーダ構成要素(例えば、ユニバーサルプロダクトコード(UPC)バーコード等の1次元バーコード、クイックレスポンスコード(QRコード(登録商標))等の多次元バーコード、アズテックコード(Aztec Code)、データマトリックス(Data Matrix)、データグリフ(Dataglyph)、マキシコード(MaxiCode)、PDF417、ウルトラコード(Ultra Code)、UCC RSS-2Dバーコード、及び他の光学コード等を検出するための光学センサ)、又は音響検出構成要素(例えば、タグ付き音響信号を識別するためのマイクロホン)を含み得る。加えて、通信構成要素1032、例えば、インターネットプロトコル(IP)ジオロケーションを介した位置、Wi-Fi(登録商標)信号三角測量を介した位置、特定の位置を示し得るNFCビーコン信号の検出を介した位置等を介して様々な情報が導出され得る。
【0142】
これに関して、「構成要素」は、関数若しくはサブルーチン呼び出し、分岐点、API、又は特定の処理又は制御機能の区分化又はモジュール化を提供する他の技術により定義される境界を有するデバイス、物理的エンティティ、又は論理を指す。構成要素は、機械プロセスを実行するために、他の構成要素とのインタフェースを介して結合し得る。構成要素は、他の構成要素及び通常、関連する機能のうちの特定の機能を実行するプログラムの一部分と併用されるように設計された、パッケージングされた機能ハードウェアユニットであり得る。構成要素は、ソフトウェア構成要素(例えば、機械可読媒体で具現化されるコード)又はハードウェア構成要素のいずれかで構成し得る。「ハードウェア構成要素」は、特定の動作を実行することが可能な有形ユニットであり、特定の物理的様式で構成又は配置し得る。種々の実施態様例において、1つ又は複数のコンピュータシステム(例えば、スタンドアロンコンピュータシステム、クライアントコンピュータシステム、若しくはサーバコンピュータシステム)、又はコンピュータシステムの1つ若しくは複数のハードウェア構成要素(例えば、プロセッサ若しくはプロセッサ群)は、本明細書に記載のように特定の動作を実行するように動作するハードウェア構成要素としてソフトウェア(例えば、アプリケーション又はアプリケーション部分)により構成し得る。
【0143】
ハードウェア構成要素は機械的、電子的、又はそれらの任意の適した組合せで実施することもできる。例えば、ハードウェア構成要素は、特定の動作を実行するように永久的に構成された専用回路又は論理を含み得る。ハードウェア構成要素は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又はASIC等の専用プロセッサであり得る。ハードウェア構成要素は、特定の動作を実行するようにソフトウェアにより一時的に構成されるプログラマブル論理又は回路を含むことも可能である。例えば、ハードウェア構成要素は、汎用プロセッサ1004又は他のプログラマブルプロセッサにより実行されるソフトウェアを含み得る。そのようなソフトウェアにより構成されると、ハードウェア構成要素は、構成された機能を実行するように独自に適用された特定の機械(又は機械1000の特定の構成要素)になり、もはや汎用プロセッサ1004ではない。機械的にハードウェア構成要素を専用の永久的に構成された回路で実施するかそれとも一時的に構成された回路(例えば、ソフトウェアにより構成される)で実施するかの決定は、費用及び時間の考慮事項によって決まり得ることが理解されよう。したがって、「ハードウェア構成要素」(又は「ハードウェア実施構成要素」)という句は、エンティティが特定の様式で動作するように又は本明細書に記載の特定の動作を実行するように物理的に構築されるか、永久的に構成される(例えば、ハードワイヤード)か、又は一時的に構成される(例えば、プログラムされる)かを問わず、有形のエンティティを包含するものとして理解されるべきである。ハードウェア構成要素が一時的に構成(例えば、プログラム)され、各ハードウェア構成要素が常に構成又はインスタンス生成される必要があるわけではない実施態様を考える。例えば、ハードウェア構成要素が、専用プロセッサになるようにソフトウェアにより構成された汎用プロセッサ1004を含む場合、汎用プロセッサ1004は、異なるときにそれぞれ異なる専用プロセッサ(例えば、異なるハードウェア構成要素を含む)として構成され得る。したがって、ソフトウェアは、例えば、あるときに特定のハードウェア構成要素を構成し、別のときに異なるハードウェア構成要素を構成するように特定のプロセッサ1012、1014、又はプロセッサ1004を構成する。
【0144】
ハードウェア構成要素は、他のハードウェア構成要素に情報を提供及び他のハードウェア構成要素から情報を受信することができる。したがって、記載のハードウェア構成要素は、通信可能に結合されるものと見なすことができる。複数のハードウェア構成要素が同時に存在する場合、通信は、ハードウェア構成要素の2つ以上の間又は2つ以上の中で信号伝送を通して(例えば、適切な回路及びバスを経由して)達成し得る。複数のハードウェア構成要素が異なるときに構成又はインスタンス生成される実施態様において、そのようなハードウェア構成要素間の通信は、例えば、複数のハードウェア構成要素がアクセスすることができるメモリ構造への情報の記憶及びメモリ構造からの検索を通して達成し得る。例えば、あるハードウェア構成要素は動作を実行し、通信可能に結合されたメモリデバイスにその動作の出力を記憶し得る。次いで後の時間に、更なるハードウェア構成要素がメモリデバイスにアクセスして、記憶されていた出力を検索して処理し得る。
【0145】
ハードウェア構成要素は、入力デバイス又は出力デバイスとの通信を開始することもでき、リソース(例えば、情報の集まり)に対して動作することができる。本明細書に記載の方法例の種々の動作は、少なくとも部分的に、関連する動作を実行するように一時的に構成(例えば、ソフトウェアにより)又は永久的に構成された1つ又は複数のプロセッサ1004により実行し得る。一時的に構成されるかそれとも永久的に構成されるかを問わず、そのようなプロセッサ1004は、本明細書に記載の1つ又は複数の動作又は機能を実行するように動作するプロセッサ実施構成要素を構成し得る。本明細書で使用される場合、「プロセッサ実施構成要素」は、1つ又は複数のプロセッサ1004を使用して実施されるハードウェア構成要素を指す。同様に、本明細書に記載の方法は少なくとも部分的にプロセッサに実施され得、特定のプロセッサ1012、1014又はプロセッサ1004はハードウェアの一例である。例えば、方法の動作の少なくとも幾つかは、1つ又は複数のプロセッサ1004又はプロセッサ実施構成要素により実行し得る。さらに、1つ又は複数のプロセッサ1004は、「クラウド計算」環境において又は「サービス型ソフトウェア」(SaaS)として関連動作の実行をサポートするように動作することもできる。例えば、動作の少なくとも幾つかはコンピュータ群(プロセッサ1004を含む機械1000の例として)により実行し得、これらの動作はネットワーク1034(例えば、インターネット)を介して及び1つ又は複数の適切なインタフェース(例えば、API)を介してアクセス可能である。動作の特定の実行は、単一の機械1000内に存在するのみならず、幾つかの機械にわたりデプロイされたプロセッサ間で分散し得る。幾つかの実施態様例において、プロセッサ1004又はプロセッサ実施構成要素は、単一の地理的場所(例えば、家庭環境、オフィス環境、又はサーバファーム)に配置されてよい。他の実施態様例において、プロセッサ1004又はプロセッサ実施構成要素は、幾つかの地理的場所にわたり分散してもよい。
【0146】
図11は、本明細書に記載の種々のハードウェアアーキテクチャと併用し得る一例のソフトウェアアーキテクチャ1102を含むシステム1100を示すブロック図である。
図11はソフトウェアアーキテクチャの非限定的な例であり、本明細書に記載の機能を促進するために、他の多くのアーキテクチャが実施されてもよいことが理解されよう。ソフトウェアアーキテクチャ1102は、とりわけ、プロセッサ1004、メモリ/ストレージ1006、及び入力/出力(I/O)構成要素1008を含む
図10の機械1000等のハードウェアで実行し得る。代表的なハードウェアレイヤ1104が示されており、例えば、
図10の機械1000を表すことができる。代表的なハードウェアレイヤ1104は、実行可能命令1108が関連する処理ユニット1106を含む。実行可能命令1108は、本明細書に記載の方法、構成要素等の実施を含め、ソフトウェアアーキテクチャ1102の実行可能命令を表す。ハードウェアレイヤ1104は、これもまた実行可能命令1108を有するメモリ又はストレージモジュールメモリ/ストレージ1110の少なくとも一方も含む。ハードウェアレイヤ1104は他のハードウェア1112を含んでよい。
【0147】
図11のアーキテクチャ例において、ソフトウェアアーキテクチャ1102は、各レイヤが特定の機能を提供するレイヤのスタックとして概念化し得る。例えば、ソフトウェアアーキテクチャ1102は、オペレーティングシステム1114、ライブラリ1116、フレームワーク/ミドルウェア1118、アプリケーション1120、及びプレゼンテーションレイヤ1120等のレイヤを含み得る。動作的に、アプリケーション1120又はレイヤ内の他の構成要素は、ソフトウェアスタックを通してAPI呼び出し1124を呼び出し、API呼び出し1124に応答してメッセージ1126を受信し得る。示されているレイヤは代表的な性質のものであり、全てのソフトウェアアーキテクチャが全てのレイヤを有するわけではない。例えば、幾つかのモバイル又は専用オペレーティングシステムによっては、フレームワーク/ミドルウェア1118を提供しないものもあれば、そのようなレイヤを提供するものもある。他のソフトウェアアーキテクチャは追加又は異なるレイヤを含み得る。
【0148】
オペレーティングシステム1114は、ハードウェアリソースを管理し、一般サービスを提供し得る。オペレーティングシステム1114は、例えば、カーネル1128、サービス1130、及びドライバ1132を含み得る。カーネル1128は、ハードウェアとその他のソフトウェアレイヤとの間の抽象レイヤとして機能し得る。例えば、カーネル1128は、メモリ管理、プロセッサ管理(例えば、スケジューリング)、構成要素管理、ネットワーキング、セキュリティ設定等を担当し得る。サービス1130は、他の共通サービスをその他のソフトウェアレイヤに提供し得る。ドライバ1132は、下層のハードウェアの制御又はインタフェースを担当する。例えば、ドライバ1132は、ハードウェア構成に応じてディスプレイドライバ、カメラドライバ、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)ドライバ、フラッシュメモリドライバ、シリアル通信ドライバ(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)ドライバ)、Wi-Fi(登録商標)ドライバ、オーディオドライバ、電力管理ドライバ等を含む。
【0149】
ライブラリ1116は、アプリケーション1120、他の構成要素、又はレイヤの少なくとも1つにより使用される共通基盤を提供する。ライブラリ1116は、他のソフトウェア構成要素が、下層のオペレーティングシステム1114の機能(例えば、カーネル1128、サービス1130、ドライバ1132)と直接インタフェースするよりも容易にタスクを実行できるようにする機能を提供する。ライブラリ1116は、メモリ割り振り機能、ストリング操作機能、数学的機能等の機能を提供し得るシステムライブラリ1134(例えば、C標準ライブラリ)を含み得る。加えて、ライブラリ1116は、メディアライブラリ(例えば、MPEG4、H.264、MP3、AAC、AMR、JPG、PNG等の種々のメディアフォーマットの提示及び操作をサポートするためのライブラリ)、グラフィックスライブラリ(例えば、グラフィックコンテンツ内の2次元又は3次元をディスプレイにレンダリングするのに使用し得るOpenGLフレームワーク)、データベースライブラリ(例えば、種々のリレーショナルデータベース機能を提供し得るSQLite)、ウェブライブラリ(例えば、ウェブブラウジング機能を提供し得るWebKit)等のAPIライブラリ1136を含み得る。ライブラリ1116は、他の多くのAPIをアプリケーション1120及び他のソフトウェア構成要素/モジュールに提供するための多種多様な他のライブラリ1138を含むこともできる。
【0150】
フレームワーク/ミドルウェア1118(ミドルウェアと呼ばれることもある)は、アプリケーション1120又は他のソフトウェア構成要素/モジュールにより使用され得るより高水準の共通基盤を提供する。例えば、フレームワーク/ミドルウェア1118は、種々のグラフィカルユーザインタフェース機能、高水準リソース管理、高水準ロケーションサービス等を提供し得る。フレームワーク/ミドルウェア1118は、アプリケーション1120又は他のソフトウェア構成要素/モジュールにより利用し得る広範囲の他のAPIを提供し得、そのうちの幾つかは特定のオペレーティングシステム1114又はプラットフォームに固有であり得る。
【0151】
アプリケーション1120は、内蔵アプリケーション1140及び第三者アプリケーション1142を含む。代表的な内蔵アプリケーション1140の例には、限定されないが、コンタクトアプリケーション、ブラウザアプリケーション、ブックリーダーアプリケーション、ロケーションアプリケーション、メディアアプリケーション、メッセージングアプリケーション、又はゲームアプリケーションがあり得る。第三者アプリケーション1142は、特定のプラットフォームのベンダー以外のエンティティによりアンドロイド(ANDROID)(登録商標)又はIOS(商標)ソフトウェア開発キット(SDK)を使用して開発されたアプリケーションを含み得、IOS(商標)、アンドロイド(ANDROID)(登録商標)、ウィンドウズ(WINDOWS)(登録商標)フォン等のモバイルオペレーティングシステム又は他のモバイルオペレーティングシステムで実行されるモバイルソフトウェアであり得る。第三者アプリケーション1142は、本明細書に記載の機能を促進するために、モバイルオペレーティングシステム(オペレーティングシステム1114等)により提供されるAPI呼び出し1124を呼び出し得る。
【0152】
アプリケーション1120は、内蔵オペレーティングシステム機能(例えば、カーネル1128、サービス1130、ドライバ1132)、ライブラリ1116、及びフレームワーク/ミドルウェア1118を使用して、システムのユーザと対話するためのUIを作成し得る。これに代えて又は加えて、幾つかのシステムにおいて、ユーザとの対話は、プレゼンテーションレイヤ1120等のプレゼンテーションレイヤを通して行うことができる。これらのシステムにおいて、アプリケーション/構成要素「論理」は、ユーザと対話するアプリケーション/構成要素の態様と別であることができる。
【0153】
本開示の範囲から逸脱せずに変更及び修正を開示された実施態様に対して行うことが可能である。これら及び他の変更又は修正は、以下の特許請求の範囲に表現される本開示の範囲内に含まれることが意図される。
【0154】
本主題の態様の非限定的な付番リストを以下に提示する。
態様1.方法であって、各々がプロセッサ及びメモリを含む1つ又は複数の計算デバイスにより、個人の脳内の造影剤の存在に基づいて、個人の脳内の第1の特性を示す第1の造影データを取得することと、1つ又は複数の計算デバイスのうちの少なくとも1つの計算デバイスにより、個人の脳内の造影剤の不在下での個人の脳内の第2の特性を示す第2の造影データを取得することと、1つ又は複数の計算デバイスのうちの少なくとも1つの計算デバイスにより、第1の造影データに基づいて、個人の脳の1つ又は複数の第1の領域に関連して組織への損傷が生じたと判定することと、1つ又は複数の計算デバイスのうちの少なくとも1つの計算デバイスにより、第1の造影データに対応する個人の脳の第1の画像の第1のオーバーレイとして、1つ又は複数の第1の領域を示す第1のオーバーレイ造影データを生成することと、1つ又は複数の計算デバイスのうちの少なくとも1つの計算デバイスにより、第2の造影データに基づいて、個人の脳の1つ又は複数の第2の領域に関連して組織への損傷が生じたと判定することであって、1つ又は複数の第2の領域の一部は1つ又は複数の第1の領域の少なくとも一部と重複する、判定することと、1つ又は複数の計算デバイスのうちの少なくとも1つの計算デバイスにより、第2の造影データに対応する、造影剤が存在していない個人の脳の第1の画像の第2のオーバーレイとして、1つ又は複数の第2の領域を示す第2のオーバーレイ造影データを生成することと、1つ又は複数の計算デバイスのうちの少なくとも1つの計算デバイスにより、第1の画像、第1のオーバーレイ、及び第2のオーバーレイを含む集計画像を生成することとを含む、方法。
【0155】
態様2.第1の造影データは第1の造影技法により生成され、第2の造影データは、第1の造影技法と異なる第2の造影技法により生成される、態様1に記載の方法。
【0156】
態様3.第1の造影技法は、1つ又は複数の灌流ベースのコンピュータ断層撮影(CT)造影技法を実施し、第2の造影技法は、1つ又は複数の非造影CT造影技法を実施する、態様2に記載の方法。
【0157】
態様4.第1の造影技法は、1つ又は複数のコンピュータ断層撮影血管造影(CTA)造影技法を実施し、第2の造影技法は、1つ又は複数の非造影CT造影技法を実施する、態様2に記載の方法。
【0158】
態様5.1つ又は複数の計算デバイスのうちの少なくとも1つの計算デバイスにより、第1の画像及び第2の画像に先立ち、造影剤が追加の個人の脳内に存在する時間期間中に捕捉されたトレーニング画像を取得することであって、トレーニング画像は、少なくとも1つの損傷した脳領域を示す第1の画像群と、損傷した脳領域の不在を示す第2の画像群とを含む、取得することと、1つ又は複数の計算デバイスのうちの少なくとも1つの計算デバイスにより、トレーニング画像を使用してトレーニングプロセスを実行することであって、それにより、1つ又は複数の畳み込みニューラルネットワークに対応する1つ又は複数のトレーニング済みモデルのパラメータの値を特定する、実行することとを含み、1つ又は複数のトレーニング済みモデルは、損傷した個人の脳の1つ又は複数の第1の領域を特定するのに使用される、態様1~4のいずれか1つに記載の方法。
【0159】
態様6.第1の造影データは、時間期間にわたり連続して捕捉された幾つかの第1の画像を含み、方法は、1つ又は複数の計算デバイスのうちの少なくとも1つの計算デバイスにより、第1の造影データの捕捉中の個人の動きに対応して、少なくとも閾値量だけ参照画像からオフセットされた1つ又は複数の第1の画像を特定することと、1つ又は複数の計算デバイスのうちの少なくとも1つの計算デバイスにより、見当合わせプロセスを実行することであって、それにより、1つ又は複数の第1の画像を参照画像と位置合わせする、実行することと、1つ又は複数の計算デバイスのうちの少なくとも1つの計算デバイスにより、見当合わせプロセスに基づいて、1つ又は複数の第1の画像のボクセルを参照画像の対応するボクセルの閾値距離内に位置決めする1つ若しくは複数の回転パラメータ又は1つ若しくは複数の並進パラメータの少なくとも一方を含む1つ又は複数の動き補正パラメータを特定することと、1つ又は複数の計算デバイスのうちの少なくとも1つの計算デバイスにより、幾つかの第1の画像の一部が、幾つかの第1の画像の追加の一部の捕捉の追加の時間間隔と異なる時間間隔で捕捉されたと判定することと、1つ又は複数の計算デバイスのうちの少なくとも1つの計算デバイスにより、幾つかの第1の画像が、連続した第1の画像間の時間間隔が共通の状態で配置されるように、共通の時間間隔であるように時間間隔及び追加の時間間隔を変更することとを含む、態様1~5のいずれか1つに記載の方法。
【0160】
態様7.1つ又は複数の計算デバイスのうちの少なくとも1つの計算デバイスにより、時間期間にわたる第1の造影データに含まれるボクセルの少なくとも一部の強度値変化を特定することと、1つ又は複数の計算デバイスのうちの少なくとも1つの計算デバイスにより、強度値変化に基づいて、造影剤が個人の脳の一部に入った到着時間を特定することとを含む態様1~6のいずれか1つに記載の方法。
【0161】
態様8.1つ又は複数の計算デバイスのうちの少なくとも1つの計算デバイスにより、到着時間に続けて捕捉された第1の画像に基づいて第1の造影データを生成することと、1つ又は複数の計算デバイスのうちの少なくとも1つの計算デバイスにより、到着時間に先立って捕捉された第2の画像に基づいて第2の造影データを生成することとを含む態様7に記載の方法。
【0162】
態様9.第1の造影データ及び第2の造影データは、1つ又は複数の灌流ベースのコンピュータ断層撮影造影技法を使用して生成される、態様8に記載の方法。
態様10.1つ又は複数の計算デバイスのうちの少なくとも1つの計算デバイスにより、動脈入力関数に関して、第1の造影データに含まれるボクセルの造影剤濃度曲線に対して1つ又は複数の逆畳み込み演算を実行することであって、それにより、組織残留関数を生成する、実行することと、1つ又は複数の計算デバイスのうちの少なくとも1つの計算デバイスにより、第1の造影データの個々のスライスに含まれる個々のボクセルの組織残留関数に基づいて複数の灌流パラメータを特定することであって、1つ又は複数の第1の領域は複数の灌流パラメータに基づいて特定される、特定することとを含む態様8に記載の方法。
【0163】
態様11.複数の灌流パラメータは、個々のボクセルについて、個々のボクセルの組織残留関数下面積に対応する相対脳血液量と、個々のボクセルの組織残留関数のピークに対応する相対脳血流と、個々のボクセルの相対脳血流に対する相対脳血液量の比率に対応する平均トレーサ通過時間と、個々のボクセルの組織残留関数のピークの時間に対応するTmaxとを含む、態様10に記載の方法。
【0164】
態様12.システムであって、1つ又は複数のハードウェアプロセッサと、コンピュータ可読命令を含む1つ又は複数の非一時的コンピュータ可読記憶媒体とを備え、コンピュータ可読命令は、1つ又は複数のハードウェアプロセッサにより実行されると、1つ又は複数のハードウェアプロセッサに動作を実行させ、動作は、個人の脳内の造影剤の存在に基づいて、個人の脳内の第1の特性を示す第1の造影データを取得する動作と、個人の脳内の造影剤の不在下での個人の脳内の第2の特性を示す第2の造影データを取得する動作と、第1の造影データに基づいて、個人の脳の1つ又は複数の第1の領域に関連して組織への損傷が生じたと判定する動作と、第1の造影データに対応する個人の脳の第1の画像の第1のオーバーレイとして、1つ又は複数の第1の領域を示す第1のオーバーレイ造影データを生成する動作と、第2の造影データに基づいて、個人の脳の1つ又は複数の第2の領域に関連して組織への損傷が生じたと判定する動作であって、1つ又は複数の第2の領域の一部は1つ又は複数の第1の領域の少なくとも一部と重複する、判定する動作と、第2の造影データに対応する、造影剤が存在していない個人の脳の第1の画像の第2のオーバーレイとして、1つ又は複数の第2の領域を示す第2のオーバーレイ造影データを生成する動作と、個人の脳の第1の画像、第1のオーバーレイ、及び第2のオーバーレイを含む集計画像を生成する動作とを含む、システム。
【0165】
態様13.1つ又は複数の非一時的コンピュータ可読記憶媒体は追加のコンピュータ可読命令を含み、追加のコンピュータ可読命令は、1つ又は複数のハードウェアプロセッサにより実行されると、1つ又は複数のハードウェアプロセッサに追加の動作を実行させ、追加の動作は、個人の脳の第1の半球にある第1のボクセルと個人の脳の第2の半球にある第2のボクセルとの間の相関を特定する動作と、個々の第2のボクセルの第2の強度値に対する個々の第1のボクセルの第1の強度値の差を特定することであって、個々の第2のボクセルは個々の第1のボクセルの対側に配置され、第1の強度値と第2の強度値との間の差は、個々の第1のボクセル及び個々の第2のボクセルに対応する脳組織の低濃度測度を示す、特定する動作と、幾つかの閾値強度差値に関して差を解析する動作であって、それにより、幾つかのボクセル群を生成し、個々のボクセル群は、幾つかの閾値強度差値のうちの1つ又は複数の閾値強度差値に対応する、解析する動作とを含み、個々のボクセル群に対応する1つ又は複数の閾値強度差値は、個々のボクセル群に対応する脳組織の各部分に関する低濃度測度を示す、態様12に記載のシステム。
【0166】
態様14.1つ又は複数の非一時的コンピュータ可読記憶媒体は追加のコンピュータ可読命令を含み、追加のコンピュータ可読命令は、1つ又は複数のハードウェアプロセッサにより実行されると、1つ又は複数のハードウェアプロセッサに追加の動作を実行させ、追加の動作は、少なくとも第1の閾値強度差値に対応する第1のボクセル群を特定する動作であって、第1のボクセル群は第2のオーバーレイの1つ又は複数の第2の領域の第2の領域に対応し、第1のボクセル群は脳組織の第1の部分の第1の低濃度測度に対応する、特定する動作と、少なくとも第2の閾値強度差値に対応する第2のボクセル群を特定する動作であって、第2のボクセル群は第2のオーバーレイの1つ又は複数の第2の領域の追加の第2の領域に対応し、第2のボクセル群は脳組織の第2の部分の第2の低濃度測度に対応し、第2の低濃度測度は第1の低濃度測度と異なる、特定する動作とを含む、態様13に記載のシステム。
【0167】
態様15.1つ又は複数の非一時的コンピュータ可読記憶媒体は追加のコンピュータ可読命令を含み、追加のコンピュータ可読命令は、1つ又は複数のハードウェアプロセッサにより実行されると、1つ又は複数のハードウェアプロセッサに追加の動作を実行させ、追加の動作は、第1の画像及び第2の画像に先立って、造影剤が幾つかの追加の個人の脳内に存在しない時間期間中に捕捉されたトレーニング画像を取得する動作であって、トレーニング画像は、少なくとも1つの損傷した脳領域を示す第1の画像群及び損傷した脳領域がないことを示す第2の画像群を含む、取得する動作と、1つ又は複数の計算デバイスのうちの少なくとも1つの計算デバイスにより、トレーニング画像を使用してトレーニングプロセスを実行する動作であって、それにより、1つ又は複数の畳み込みニューラルネットワークに対応する1つ又は複数のトレーニング済みモデルのパラメータの値を特定する、実行する動作とを含み、個人の脳の1つ又は複数の第2の領域に関連して組織への不可逆的損傷が生じた確率は、1つ又は複数のトレーニング済みモデルを使用して特定される、態様12~14のいずれか1つに記載のシステム。
【0168】
態様16.1つ又は複数の非一時的コンピュータ可読記憶媒体は追加のコンピュータ可読命令を含み、追加のコンピュータ可読命令は、1つ又は複数のハードウェアプロセッサにより実行されると、1つ又は複数のハードウェアプロセッサに追加の動作を実行させ、追加の動作は、第1の造影データの第1のボクセルの第1の強度値に基づいて1つ又は複数の灌流パラメータを特定する動作であって、1つ又は複数の灌流パラメータは、個人の脳の1つ又は複数の第1の領域に関連して組織への損傷が生じたと判定するのに使用される、特定する動作を含む、態様12~15のいずれか1つに記載のシステム。
【0169】
態様17.方法であって、各々がプロセッサ及びメモリを含む1つ又は複数の計算デバイスにより、1つ又は複数の灌流ベースの造影技法を実施する第1の造影技法により生成された個人の脳の第1の造影データを取得することと、1つ又は複数の計算デバイスのうちの少なくとも1つの計算デバイスにより、第2の造影技法により生成された第2の造影データを取得することであって、第2の造影技法は非灌流ベースの造影技法である、取得することと、1つ又は複数の計算デバイスのうちの少なくとも1つの計算デバイスにより、第1の造影データの第1のボクセルの第1の強度値に基づいて1つ又は複数の灌流パラメータを特定することと、1つ又は複数の計算デバイスのうちの少なくとも1つの計算デバイスにより、1つ又は複数の灌流パラメータに基づいて、個人の脳の1つ又は複数の第1の領域に関連して組織への損傷が生じたと判定することと、1つ又は複数の計算デバイスのうちの少なくとも1つの計算デバイスにより、第2の造影データの第2のボクセルの第2の強度値に基づいて個人の脳の1つ又は複数の第2の領域を特定することであって、1つ又は複数の第2の領域は、低濃度の閾値測度に対応する低濃度測度を有する脳組織の1つ又は複数の部分に対応する、特定することと、1つ又は複数の計算デバイスのうちの少なくとも1つの計算デバイスにより、1つ又は複数の第1の領域を示す第1のオーバーレイ及び1つ又は複数の第2の領域を含む第2のオーバーレイを含む集計画像を生成することとを含む、方法。
【0170】
態様18.1つ又は複数の計算デバイスのうちの少なくとも1つの計算デバイスにより、第1の造影データに基づいて、個人の脳の領域の脳血流量を特定することと、1つ又は複数の計算デバイスのうちの少なくとも1つの計算デバイスにより、脳血流量が脳血流の閾値量未満であると判定することと、1つ又は複数の計算デバイスのうちの少なくとも1つの計算デバイスにより、脳血流量が閾値量未満であることに基づいて、領域に関連して組織への損傷が生じたと判定することとを含み、領域は1つ又は複数の第1の領域に含まれる、態様17に記載の方法。
【0171】
態様19.1つ又は複数の計算デバイスのうちの少なくとも1つの計算デバイスにより、第1の造影データの第1のボクセルの第1の強度値に基づいて脳血流の測度を特定することと、1つ又は複数の計算デバイスのうちの少なくとも1つの計算デバイスにより、脳血流の閾値測度に対応する第1のボクセルの一部の脳血流の測度の一部に基づいて1つ又は複数の第1の領域を特定することとを含む態様17又は18に記載の方法。
【0172】
態様20.第1の造影データは、時間期間にわたり捕捉された複数のスライスを含み、複数のスライスの個々のスライスは、個人の脳の各断面に対応し、集計画像は複数のスライスの個々のスライスに対応し、方法は、1つ又は複数の計算デバイスのうちの少なくとも1つの計算デバイスにより、複数のスライスの個々のスライスを表示し、複数のスライスのうちの個々のスライスの少なくとも一部の第1のオーバーレイの各々及び第2のオーバーレイの各々を表示するユーザインタフェースに対応するユーザインタフェースデータを生成することを含む、態様17~20のいずれか1つに記載の方法。
【0173】
態様21.方法であって、各々がプロセッサ及びメモリを含む1つ又は複数の計算デバイスを含む計算システムが、個人の脳内の造影剤の存在に基づいて前記個人の前記脳内の第1の特性を示す造影データを取得することと、前記計算システムにより、前記個人の前記脳の1つ又は複数の血管に対応する生体状況の発症から経過した時間量を特定することと、前記計算システムにより、前記個人の前記脳の血管に関連し、前記時間量及び前記造影データに基づく1つ又は複数の血流パラメータの1つ又は複数の閾値レベルを決定することであって、前記1つ又は複数の閾値レベルは前記個人の脳への損傷を示す、決定することと、前記計算システムにより、前記1つ又は複数の血流パラメータのうちの1つの血流パラメータが、少なくとも、前記個人の前記脳の血管に関する前記1つ又は複数の閾値レベルのうちの1つの閾値レベルであると判定することと、前記計算システムにより及び前記1つの血流パラメータに基づいて、損傷を受けた組織を含む前記個人の前記脳の少なくとも1つの領域を示す画像を生成することと、を含む方法。
【0174】
態様22.前記1つ又は複数の閾値は、前記生体状況の発症から経過した第1の時間期間に対応する血流パラメータの第1の閾値レベルを含み、前記1つ又は複数の閾値は、前記生体状況の発症から経過した第2の時間期間に対応する前記血流パラメータの第2の閾値を含む、態様21に記載の方法。
【0175】
態様23.前記計算システムにより、前記時間量が第1の時間量に対応すると判定することと、前記計算システムにより、前記血流パラメータが少なくとも前記第1の閾値レベルであることに基づいて、損傷が前記個人の前記脳の前記領域に生じたと判定することと、を含む、態様22に記載の方法。
【0176】
態様24.前記第2の閾値レベルは、前記第1の閾値レベルよりも大きい前記血流パラメータの値に対応する、態様22に記載の方法。
態様25.前記血流パラメータは脳血流を含む、態様22に記載の方法。
【0177】
態様26.前記計算システムにより、前記第1の造影データのボクセル情報を解析することにより前記血流パラメータを特定することを含む、態様21~25のいずれか1つに記載の方法。
【0178】
態様27.前記計算システムにより、前記個人の前記脳内の前記造影剤の不在下での前記個人の前記脳内の第2の特性を示す追加の造影データを取得することと、前記計算システムにより及び前記時間量に基づいて、前記個人の前記脳の組織への損傷を判定するためのモデルの1つ又は複数のパラメータの1つ又は複数の重みを決定することと、を含む、態様21~26のいずれか1つに記載の方法。
【0179】
態様28.前記計算システムにより、前記追加の造影データの幾つかのボクセルの強度値を解析することにより、前記モデルのパラメータの値を特定することと、前記計算システムにより及び前記時間量に基づいて、前記パラメータの重みを決定することと、を含む、態様27に記載の方法。
【0180】
態様29.前記計算システムにより、前記パラメータの前記重みを使用して実行される前記モデルに、前記個人の前記脳の領域の低濃度測度を特定させることと、前記計算システムにより、前記低濃度測度が少なくとも低濃度閾値レベルであると判定することと、前記計算システムにより、前記個人の前記脳の前記領域の組織が損傷したと判定することと、を含む、態様28に記載の方法。
【0181】
態様30.前記生体状況は、前記個人の前記脳の少なくとも1つの領域への血流の妨げである、態様21~29のいずれか1つに記載の方法。
態様31.システムであって、1つ又は複数のハードウェアプロセッサと、コンピュータ可読命令を含む1つ又は複数の非一時的コンピュータ可読記憶媒体と、を備え、前記コンピュータ可読命令は、前記1つ又は複数のハードウェアプロセッサにより実行されると、前記1つ又は複数のハードウェアプロセッサに動作を実行させ、前記動作は、個人の脳内の造影剤の存在に基づいて前記個人の前記脳内の第1の特性を示す造影データを取得する動作と、前記個人の前記脳の1つ又は複数の血管に対応する生体状況の発症から経過した時間量を特定する動作と、前記個人の前記脳の血管に関連し、前記時間量及び前記造影データに基づく1つ又は複数の血流パラメータの1つ又は複数の閾値レベルを決定する動作であって、前記1つ又は複数の閾値レベルは前記個人の脳への損傷を示す、決定する動作と、前記1つ又は複数の血流パラメータのうちの1つの血流パラメータが、少なくとも、前記個人の前記脳の血管に関する前記1つ又は複数の閾値レベルのうちの1つの閾値レベルであると判定する動作と、前記個人の前記脳の前記血管に基づいて、損傷を受けた組織を含む前記個人の前記脳の少なくとも1つの領域を示す画像を生成する動作と、を含む、システム。
【0182】
態様32.前記1つ又は複数の非一時的コンピュータ可読記憶媒体は追加のコンピュータ可読命令を含み、前記追加のコンピュータ可読命令は、前記1つ又は複数のハードウェアプロセッサにより実行されると、前記1つ又は複数のハードウェアプロセッサに追加の動作を実行させ、前記追加の動作は、前記個人の前記脳内の前記造影剤の不在下での前記個人の前記脳内の第2の特性を示す追加の造影データを取得する動作と、前記時間量に基づいて、前記個人の前記脳の組織への損傷を判定するためのモデルの1つ又は複数のパラメータの1つ又は複数の重みを決定する動作と、を含む、態様31に記載のシステム。
【0183】
態様33.前記第1の造影技法は、1つ又は複数の灌流ベースのコンピュータ断層撮影(CT)造影技法を実施し、前記第2の造影技法は、1つ又は複数の非造影CT造影技法を実施する、態様32に記載のシステム。
【0184】
態様34.前記第1の造影技法は、1つ又は複数のコンピュータ断層撮影血管造影(CTA)造影技法を実施し、前記第2の造影技法は、1つ又は複数の非造影CT造影技法を実施する、態様32に記載のシステム。
【0185】
態様35.前記1つ又は複数の非一時的コンピュータ可読記憶媒体は追加のコンピュータ可読命令を含み、前記追加のコンピュータ可読命令は、前記1つ又は複数のハードウェアプロセッサにより実行されると、前記1つ又は複数のハードウェアプロセッサに追加の動作を実行させ、前記追加の動作は、前記個人の前記脳の前記領域に対応する第1のオーバーレイ及び前記個人の前記脳の追加の領域に対応する第2のオーバーレイを含む画像を生成する動作を含む、態様32に記載のシステム。
【0186】
態様36.方法であって、1つ又は複数のプロセッサ及びメモリを含む計算システムにより、個人の脳内の造影剤の不在下での前記個人の前記脳内の特性を示す造影データを取得することと、前記計算システムにより、前記個人の前記脳の1つ又は複数の血管に対応する生体状況の発症から経過した時間量を特定することと、前記計算システムにより及び前記時間量に基づいて、前記個人の前記脳の組織への損傷を判定するためのモデルの1つ又は複数のパラメータの1つ又は複数の重みを決定することと、前記計算システムにより、追加の造影データの幾つかのボクセルの強度値を解析することにより、前記モデルの1つ又は複数のパラメータのうちの1つのパラメータの値を特定することと前記計算システムにより及び前記時間量に基づいて、前記1つのパラメータの重みを決定することと、前記計算システムにより及び前記個人の前記脳の前記血管に基づいて、損傷した組織を含む前記個人の前記脳の少なくとも1つの領域を示す画像を生成することと、を含む、方法。
【0187】
態様37.前記計算システムにより、前記個人の前記脳内の造影剤の存在に基づいて、前記個人の前記脳内の追加の特性を示す追加の造影データを取得することと、前記計算システムにより及び前記時間量に基づいて、前記個人の前記脳の血管に関連する1つ又は複数の血流パラメータの1つ又は複数の閾値レベルを決定することであって、前記1つ又は複数の閾値レベルは前記個人の脳への損傷を示す、決定することと、を含む、態様36に記載の方法。
【0188】
態様38.前記計算システムにより及び前記時間量に基づいて、前記個人の前記脳の血管に関連する1つ又は複数の血流パラメータの1つ又は複数の閾値レベルを決定することであって、前記1つ又は複数の閾値レベルは前記個人の脳への損傷を示す、決定することと、前記計算システムにより、前記1つ又は複数の血流パラメータのうちの1つの血流パラメータが、少なくとも、前記個人の前記脳の血管に関する前記1つ又は複数の閾値レベルのうちの1つの閾値レベルであると判定することと、を含む、態様37に記載の方法。
【0189】
態様39.前記造影データは、非灌流ベースの造影技法を含む造影技法により生成され、前記追加の造影データは、灌流ベースの造影技法を含む追加の造影技法により生成される、態様37に記載の方法。
【0190】
態様40.前記計算システムにより、第1の時間期間中の前記血流パラメータの前記1つ又は複数の値及び1つ又は複数の低濃度測度に対応する第1のユーザインタフェースデータを生成することと、前記計算システムにより、第2の時間期間中の前記血流パラメータの前記1つ又は複数の値及び1つ又は複数の低濃度測度に対応する第2のユーザインタフェースデータを生成することと、を含む、態様38に記載の方法。
【国際調査報告】