(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】セロトニン5-HT2B阻害化合物
(51)【国際特許分類】
C07D 451/04 20060101AFI20240719BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20240719BHJP
A61P 9/04 20060101ALI20240719BHJP
A61K 31/46 20060101ALI20240719BHJP
C07D 519/00 20060101ALI20240719BHJP
A61K 31/497 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
C07D451/04 CSP
A61P9/00
A61P9/04
A61K31/46
C07D519/00 311
A61K31/497
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504986
(86)(22)【出願日】2022-07-15
(85)【翻訳文提出日】2024-01-26
(86)【国際出願番号】 US2022037255
(87)【国際公開番号】W WO2023009330
(87)【国際公開日】2023-02-02
(32)【優先日】2021-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515230154
【氏名又は名称】ゾエティス・サービシーズ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100106080
【氏名又は名称】山口 晶子
(72)【発明者】
【氏名】イーウィン,リチャード・エイ
(72)【発明者】
【氏名】フェンウィック,アシュリー・イー
(72)【発明者】
【氏名】サブラマニアン,ゴビンダン
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB15
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA36
(57)【要約】
本発明は、式(1)の新規のセロトニンc5-HT2B受容体アンタゴニスト、及びその薬学的に許容される塩を記載し、式中、環A、L、X、X’、R
3、(1)R
4、m、及びnは、本明細書に記載の通りである。また、動物、好ましくはイヌにおける粘液腫性僧帽弁疾患(MMVD)、うっ血性心不全(CHF)、及び/又は無症候性心不全の治療のための、式(1)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む、組成物、並びに化合物、又はその薬学的に許容される塩を使用する方法が記載される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)の化合物であって、
【化1】
式中、Xが、CH又はNであり、
Lが、NR
1又はOであり、
X’が、CR
2又はNであり、
R
1が、H、C
1-C
6アルキル、フェニル、又はピリジニルであり、前記フェニル又はピリジニルが、各々、1つ又は2つのR
4置換基で任意に置換され、
R
2が、H、C
1-C
4アルキル、-CF
3、若しくはハロであり、
R
3が、H、シアノ、ハロ、C
1-C
4アルキル、若しくは-CF
3であるか、
又はR
2とR
3が、一緒に接合して、メチル、ハロ、若しくは-CF
3で任意に置換された5若しくは6員の炭素環式環を形成し、
環Aが、フェニル、ナフチル、N、O、及びSからなる群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有する5若しくは6員のヘテロアリール環、又はN、O、及びSからなる群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有する10若しくは11員の縮合ヘテロアリール環であり、
R
4が、C
1-C
4アルキル、ハロ、シアノ、又は-CF
3から選択され、
mが、整数0、1、又は2であり、
nが、整数0、1、2、又は3であり、nが整数2、又は3であるとき、各R
4が、同じであっても異なっていてもよい、化合物、並びにその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
環Aが、フェニル、チオフェニル、ピリジニル、チアゾリル、イソチアゾリル、及びインドリルからなる群から選択され、Lが、NR
1であり、mが、整数1である、請求項1に記載の式(1)の化合物、及びその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
以下:
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-クロロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-フルオロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-クロロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-((1H-インドール-5-イル)メチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(チオフェン-2-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-2-メチル-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-7-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インダゾール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(ピリジン-2-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(ピリジン-3-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1-(ピリジン-4-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-3-シアノ-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-2-(トリフルオロメチル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1-(4-フルオロフェニル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1-フェニル-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ベンゾフラン-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(イソチアゾール-5-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(イソチアゾール-3-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(チアゾール-2-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、及び
N-((1R,3s,5S)-8-((4-メチルチアゾール-2-イル)メチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミドからなる群から選択される、請求項1に記載の式(1)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
以下:
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-クロロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-フルオロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-クロロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-((1H-インドール-5-イル)メチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(チオフェン-2-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-2-メチル-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(ピリジン-2-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-2-(トリフルオロメチル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1-(4-フルオロフェニル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1-フェニル-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ベンゾフラン-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(イソチアゾール-5-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、及び
N-((1R,3s,5S)-8-(イソチアゾール-3-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミドからなる群から選択される、請求項3に記載の式(1)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
以下:
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-クロロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-フルオロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-クロロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-((1H-インドール-5-イル)メチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(チオフェン-2-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-2-メチル-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ベンゾフラン-6-カルボキサミド、及び
N-((1R,3s,5S)-8-(イソチアゾール-5-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミドからなる群から選択される、請求項4に記載の式(1)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
式(1A)の化合物
【化2】
(式中、R
2が、H、メチル、又は-CF
3であり、R
3が、H、メチル、又はシアノであり、nが、整数0、1、又は2である)である、請求項2に記載の式(1)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
以下:
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-フルオロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-クロロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-2-メチル-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、及び
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-2-(トリフルオロメチル)-1H-インドール-6-カルボキサミドからなる群から選択される、請求項5に記載の式(1A)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
式(1B)の化合物
【化3】
(式中、環Aが、インドリル、チオフェニル、ピリジニル、イソチアゾリル、及びチアゾリルからなる群から選択され、R
4が、メチル又はハロであり、nが、整数0又は1である)である、請求項1に記載の式(1)の化合物、及びその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
以下:
N-((1R,3s,5S)-8-((1H-インドール-5-イル)メチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(チオフェン-2-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(ピリジン-2-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(イソチアゾール-5-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、及び
N-((1R,3s,5S)-8-(イソチアゾール-3-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミドからなる群から選択される、請求項8に記載の式(1B)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
式(1C)の化合物、式(1D)の化合物、又は式(1E)の化合物
【化4】
(式中、R
1が、フルオロ又はクロロで任意に置換されたフェニルであり、R
4が、ハロ又は-CF
3であり、nが、整数0又は1である)である、請求項1に記載の式(1)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1-(4-フルオロフェニル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、若しくは
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1-フェニル-1H-インドール-6-カルボキサミドである、請求項10に記載の式(1C)の化合物、N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキサミド、若しくは
N-((1R,3s,5S)-8-(4-クロロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキサミドである、式(1D)の化合物、又はN-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ベンゾフラン-6-カルボキサミドである、式(1E)の化合物、及びそれらの薬学的に許容される塩。
【請求項12】
以下:
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-クロロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-フルオロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-クロロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-((1H-インドール-5-イル)メチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(チオフェン-2-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-2-メチル-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ベンゾフラン-6-カルボキサミド、及び
N-((1R,3s,5S)-8-(イソチアゾール-5-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミドからなる群から選択される、請求項4に記載の式(1)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
以下:
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-フルオロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-クロロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-((1H-インドール-5-イル)メチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、及び
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ベンゾフラン-6-カルボキサミドからなる群から選択される、請求項12に記載の式(1)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の式(1)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む、組成物であって、前記組成物が、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を更に含む、組成物。
【請求項15】
MMVD、CHF、及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療するための医薬品を調製するための、請求項1~13のいずれか一項に記載の式(1)の化合物、又はその薬学的に許容される塩の使用であって、前記動物が、コンパニオン動物である、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物における僧帽弁疾患及びうっ血性心不全の治療に有用なセロトニン5-HT2B受容体アンタゴニストである新規の化合物を記載する。本発明はまた、本発明の化合物、及びその薬学的に許容される塩を含む組成物、並びに僧帽弁疾患、うっ血性心不全、及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療するために当該化合物を使用する方法を記載する。
【背景技術】
【0002】
セロトニン5-HT2B受容体は、ラット胃底の収縮を制御するセロトノゲンGタンパク質共役受容体として最初に特徴付けられた(Clineschmidt,et al.,1985,J.Pharmacol.Exp.Ther.,235,696)。5-HT2Bは、以来、脂肪組織、中枢神経系、心臓、肝臓、腸、肺、骨格筋、脾臓、及び他の臓器及び組織を含むヒト組織において(Kursar et al.,1994,Mal.Pharmacol.,46,227;Sanden et al.,2000,Neurochem Int.,36,427-435;Borman et al.,2002 Br.J.Pharmacol.,135,1144;Schmuck et al.,1994,FEES Lett.,342,85)、かつ肺、心臓、平滑筋、及び脳を含むイヌ組織(Bonaventure et.al,Eur J.Pharmacol.2005 April 25,513(3)181-192;Oyama et.al.,J.Vet.Intern.Med.2010,24,27-36)において検出されている。アンタゴニスト、部分アンタゴニスト、逆アゴニスト、及び5-HT2B脱感作剤を含む5-HT2Bの調節剤は、5-HT2Bの活性化が直接的又は間接的な役割を有する、これらの組織における障害のための治療として使用することができる。
【0003】
セロトニン(5-ヒドロキシトリプタミン、5HT)レベル及びシグナル伝達の制御は、中枢神経系、腸収縮及び運動性、並びに血管機能の障害を治療するために使用される。5-HTは、血管収縮及び弛緩において役割を有し、血管機能、成長、及び形態に影響を及ぼし得る。野生型マウスは、低酸素条件下で肺動脈性高血圧症(PAH)の症状を発症するが、5-HT2B受容体ノックアウトマウスは発症せず、5-HT2Bの調節がPAHを緩和し得ることを示唆している。5-HT2B受容体ノックアウトマウスの表現型は、心臓発達のためのこの受容体の重要性を実証する。生存マウスは、損なわれた筋細胞増殖に起因する未発達の心臓を有する(Nebigil,et.al.,2001,Circulation,103,2973)。逆に、マウスにおける5-HT2Bの過剰発現は、心臓肥大をもたらす(Nebigil,et.al.,2003,Circulation,107(25),3223)。選択的5-HT2Bアンタゴニストは、イソプロテレノール誘発性心肥大を防止する(Jaffre et al.,2004,Circulation,110,969)。より最近では、イヌにおけるタキペーシング誘発性非代償性心不全のモデルからのゲノミクスデータは、5-HT2B mRNAの上方制御を示した(Ojaimi et.al.,2007,Physiol.Genomics 29,76)。したがって、5-HT2Bの調節は、うっ血性心不全などの心臓肥大に関連する障害を治療し得る。実際、ヒト及び実験動物モデルの両方において、セロトニンシグナル伝達の増加は、弁間質細胞分化及び粘液腫性弁損傷を誘導し得る。
【0004】
粘液腫性僧帽弁疾患(MMVD)は、イヌにおける心血管疾患の主要な原因である。MMVDは、僧帽弁の機能不全を引き起こし、ナトリウムと水分の保持、神経ホルモン系の活性化、体積過負荷、及び最終的なうっ血性心不全(CHF)を促進する僧帽弁逆流を引き起こす。本明細書で使用される同義のMMVDの医学用語としては、僧帽弁疾患(MVD)、変性僧帽弁疾患(DMVD)、慢性弁疾患(CVD)、慢性弁膜性心疾患(CVHD)、及び心房心室弁不全(AVVI)が挙げられる。MMVDの病態は、通常は静止している僧帽性間質細胞の、より活性な筋線維芽細胞表現型への分化及び活性化を伴い、これは、弁組織における組織学的及び分子的変化の多くを媒介する。MMVDは、10歳以上の全てのイヌの約30%に存在し、イヌにおけるCHFの最も頻繁な原因である。MMVDは小型犬、キャバリア・キングチャールズ・スパニエル、チワワ、マルチーズ、ペキニーズ、トイ及びミニチュア・プードルなどの品種で最も一般的である。疾患の自然史は、成人発症、加齢による可変的な進行、及び重篤な疾患を有するイヌにおけるCHFの最終的な発症の1つである。
【0005】
MMVDの現在の治療には、アンジオテンシン酵素阻害剤、利尿剤、血管拡張剤、及び病気の進行を停止させるのではなく、症候性の緩和を中心とする陽性のイノトロピーが含まれる。更に、これらの治療のいくつかは、動物に更なる有害なリスク、例えば、食欲不振、嗜眠、心機能の変化(例えば、分極)、及び腎障害をもたらす。本発明の式(1)の化合物は、イヌの5-HT2B(c5-HT2B)受容体に対する親和性を有し、MMVDを有するイヌの患者を治療して、MMVD、CHF、及び/又は無症候性心不全の進行を遅らせるためのより新しく、より安全な薬物療法を獣医師に提供し得る。
【発明の概要】
【0006】
本発明の一態様では、動物、特にイヌの粘液腫性僧帽弁疾患、うっ血性心不全、及び/又は無症候性心不全の治療に有用な新規のセロトニンイヌ5HT2B(c5-HT2B)受容体アンタゴニストである。別の態様では、MMVD、CHF、及び/又は無症候性心不全を有する動物、好ましくはイヌを治療するための、本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩、及び任意に薬学的に許容される賦形剤を含む、組成物である。
【0007】
本発明の一態様では、式(1)の化合物であって、
【化1】
式中、Xが、CH又はNであり、
Lが、NR
1又はOであり、
X’が、CR
2又はNであり、
R
1が、H、C
1-C
6アルキル、フェニル、又はピリジニルであり、フェニル又はピリジニルが、各々、1つ又は2つのR
4置換基で任意に置換され、
R
2が、H、C
1-C
4アルキル、-CF
3、若しくはハロであり、
R
3が、H、シアノ、ハロ、C
1-C
4アルキル、若しくは-CF
3であるか、
又はR
2とR
3が、一緒に接合して、メチル、ハロ、若しくは-CF
3で任意に置換された5若しくは6員の炭素環式環を形成し、
環Aが、フェニル、ナフチル、N、O、及びSからなる群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有する5若しくは6員のヘテロアリール環、又はN、O、及びSからなる群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有する10若しくは11員の縮合ヘテロアリール環であり、
R
4が、C
1-C
4アルキル、ハロ、シアノ、又は-CF
3から選択され、
mが、整数0、1、又は2であり、
nが、整数0、1、2、又は3であり、nが整数2又は3であるとき、各R
4が、同じであっても異なっていてもよい、化合物、並びにその薬学的に許容される塩である。
【0008】
本発明の一態様では、環Aは、フェニル、ナフチル、キノリニル、インドリル、インダゾリル、フラニル、チオフェニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、又はテトラゾリルからなる群から選択され、各々、(R4)nで置換され、nは、整数0、1、又は2である。別の態様では、環Aは、フェニル、インドリル、チオフェニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、又はトリアゾリルであり、各々、(R4)nで置換され、nは、整数0、1、又は2である。別の態様では、環Aは、フェニル、インドリル、インダゾリル、チオフェニル、ピリジニル、ピリダジニル、イミダゾリル、チアゾリル、又はイソチアゾリルであり、各々、(R4)nで置換され、nは、整数0、1、又は2である。別の態様では、環Aは、フェニル、インドリル、インダゾリル、チオフェニル、ピリジニル、チアゾリル、又はイソチアゾリルであり、各々、(R4)nで置換され、nは、整数0、1、又は2である。別の態様では、環Aは、フェニル、インドリル、チオフェニル、ピリジニル、チアゾリル、又はイソチアゾリルであり、各々、(R4)nで置換され、nは、整数0又は1である。別の態様では、環Aは、フェニル、チオフェニル、イソチアゾリル、又はインドリルであり、各々、(R4)nで置換され、nは、整数0又は1である。別の態様では、環Aは、(R4)nで置換されたフェニルであり、nは、整数0又は1である。別の態様では、環Aは、(R4)nで置換されたインドリルであり、nは、整数0又は1である。別の態様では、環Aは、(R4)nで置換されたチオフェニルであり、nは、整数0又は1である。別の態様では、環Aは、(R4)nで置換されたイソチアゾリルであり、nは、整数0又は1である。
【0009】
本発明の一態様では、Xは、CHである。別の態様では、Xは、Nである。
【0010】
本発明の一態様では、Lは、Oである。別の態様では、Lは、NR1である。別の態様では、Lは、NR1であり、R1は、Hであるか、又はR1は、フェニル若しくはピリジニルであり、各々、1つ又は2つのR4置換基で任意に置換される。別の態様では、Lは、NR1であり、R1は、Hであるか、又はR1は、フェニル若しくはピリジニルであり、各々、1つのR4置換基で任意に置換される。別の態様では、Lは、NR1であり、R1は、Hであるか、又はR1は、ピリジニル若しくはフェニルであり、各々、フルオロ、クロロ、又は-CF3で任意に置換される。別の態様では、Lは、NR1であり、R1は、Hであるか、又はR1は、フルオロ、クロロ、若しくは-CF3で任意に置換されたフェニルである。別の態様では、Lは、NR1であり、R1は、Hであるか、又はR1は、フルオロで任意に置換されたフェニルである。別の態様では、Lは、NR1であり、R1は、Hである。
【0011】
本発明の一態様では、X’は、Nである。別の態様では、X’は、CR2であり、R2は、H、メチル、ハロ、又は-CF3である。別の態様では、X’は、CR2であり、R2は、H、メチル、フルオロ、クロロ、又は-CF3である。別の態様では、X’は、CR2であり、R2は、H、メチル、又は-CF3である。別の態様では、X’は、CR2であり、R2は、Hであるか、又はX’は、CHである。
【0012】
本発明の一態様では、R3は、H、メチル、エチル、イソプロピル、フルオロ、クロロ、--CF3、又はシアノである。別の態様では、R3は、H、メチル、フルオロ、クロロ、-CF3、又はシアノである。別の態様では、R3は、H、メチル、フルオロ、クロロ、又はシアノである。別の態様では、R3は、H、メチル、クロロ、又はシアノである。別の態様では、R3は、H又はシアノである。別の態様では、R3は、Hである。
【0013】
本発明の一態様では、R2及びR3は、一緒に接合して、ハロ又は-CF3で任意に置換された縮合シクロペンチル又はシクロヘキシル環を形成する。別の態様では、R2及びR3は、一緒に接合して、フルオロ、クロロ、又は-CF3で任意に置換された縮合シクロペンチル又はシクロヘキシル環を形成する。別の態様では、R2及びR3は、一緒に接合して、フルオロ又はクロロで任意に置換された縮合シクロペンチル又はシクロヘキシル環を形成する。別の態様では、R2及びR3は、一緒に接合して、縮合シクロペンチル又はシクロヘキシル環を形成する。別の態様では、R2及びR3は、一緒に接合して、縮合シクロヘキシル環を形成する。
【0014】
本発明の一態様では、R4は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t-ブチル、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨウ素、シアノ、又は-CF3である。本発明の別の態様では、R4は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、クロロ、フルオロ、ブロモ、シアノ、又は-CF3である。本発明の別の態様では、R4は、メチル、エチル、イソプロピル、クロロ、フルオロ、シアノ、又は-CF3である。本発明の別の態様では、R4は、メチル、クロロ、フルオロ、又は-CF3である。
【0015】
本発明の一態様では、mは、整数0又は1である。別の態様では、mは、整数0である。本発明の別の態様では、mは、整数1である。
【0016】
本発明の一態様では、nは、整数0、1、又は2であり、nが整数2であるとき、各R4は、同じであっても異なっていてもよい。別の態様では、nは、整数0又は1である。別の態様では、nは、整数1である。別の態様では、nは、整数0である。
【0017】
本発明の一態様では、式(1)の化合物であって、式中、環Aが、フェニルであり、mが、整数1であり、nが、整数0、1、又は2であり、Xが、CHであり、Lが、NR1であり、R1が、Hであり、X’が、CR2であり、R2とR3が、一緒に接合して、シクロペンチル又はシクロヘキシルを形成し、R4が、フルオロ、クロロ、又は-CF3である、化合物である。別の態様では、式(1)の化合物であって、式中、環Aが、フェニルであり、mが、整数1であり、nが、整数0又は1であり、Xが、CHであり、Lが、NR1であり、R1が、Hであり、X’が、CR2であり、R2とR3が、一緒に接合して、シクロヘキシルを形成し、R4が、フルオロ、クロロ、若しくは-CF3である、化合物、又はその薬学的に許容される塩である。別の態様では、式(1)の化合物であって、式中、環Aが、フェニルであり、mが、整数1であり、nが、整数0であり、Xが、CHであり、Lが、NR1であり、R1が、Hであり、X’が、CR2であり、R2とR3が、一緒に接合して、シクロヘキシルを形成する、化合物、及びその薬学的に許容される塩である。
【0018】
本発明の一態様では、式(1)の化合物であって、式中、Xが、CHであり、Lが、NR1であり、R1が、Hであるか、又はR1が、フェニル又はピリジニルであり、各々、1つ又は2つのR4置換基で任意に置換され、環Aが、フェニル、ナフチル、キノリニル、インドリル、フラニル、チオフェニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、インダゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、又はテトラゾリルであり、各々、(R4)nで置換され、X’が、CR2であり、R2が、H、メチル、又は-CF3であり、R3が、H又はシアノであり、mが、整数1であり、nが、整数0、1、又は2である、化合物、及び薬学的に許容される塩である。別の態様では、式(1)の化合物であって、式中、Xが、CHであり、Lが、NR1であり、R1が、Hであるか、又はR1が、フェニル若しくはピリジニルであり、各々、1つ又は2つのR4置換基で任意に置換され、環Aが、フェニル、インドリル、インダゾリル、チオフェニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、又はトリアゾリルであり、各々、(R4)nで置換され、X’が、CR2であり、R2が、H、メチル、又は-CF3であり、R3が、H又はシアノであり、mが、整数1であり、nが、整数0、1、又は2である、化合物、及びその薬学的に許容される塩である。別の態様では、式(1)の化合物であって、式中、Xが、CHであり、Lが、NR1であり、R1が、Hであるか、又は、R1が、フェニル若しくはピリジニルであり、各々、1つのR4置換基で任意に置換され、環Aが、フェニル、インドリル、インダゾリル、チオフェニル、ピリジニル、イミダゾリル、チアゾリル、又はイソチアゾリルであり、各々、(R4)nで置換され、X’が、CR2であり、R2が、H、メチル、又は-CF3であり、R3が、H又はシアノであり、mが、整数1であり、nが、整数0、1、又は2である、化合物、及びその薬学的に許容される塩である。別の態様では、式(1)の化合物であって、式中、Xが、CHであり、Lが、NR1であり、R1が、Hであるか、又は、R1が、1つのR4置換基で任意に置換されたフェニルであり、環Aが、フェニル、インドリル、チオフェニル、ピリジニル、チアゾリル、又はイソチアゾリルであり、各々、(R4)nで置換され、X’が、CR2であり、R2が、H、メチル、又は-CF3であり、R3が、H又はシアノであり、mが、整数1であり、nが、整数0、1、又は2である、化合物、及びその薬学的に許容される塩である。別の態様では、式(1)の化合物であって、式中、Xが、CHであり、Lが、NR1であり、R1が、Hであるか、又は、R1が、フルオロで任意に置換されたフェニルであり、環Aが、フェニル、インドリル、チオフェニル、ピリジニル、チアゾリル、又はイソチアゾリルであり、各々、(R4)nで置換され、X’が、CR2であり、R2が、H、メチル、又は-CF3であり、R3が、H又はシアノであり、mが、整数1であり、nが、整数0又は1である、化合物、及びその薬学的に許容される塩である。別の態様では、式(1)の化合物であって、式中、Xが、CHであり、Lが、NR1であり、R1が、Hであるか、又は、R1が、フルオロで任意に置換されたフェニルであり、環Aが、フェニル、インドリル、チオフェニル、チアゾリル、又はイソチアゾリルであり、各々、(R4)nで置換され、X’が、CR2であり、R2が、H、メチル、又は-CF3であり、R3が、Hであり、mが、整数1であり、nが、整数0又は1である、化合物、及びその薬学的に許容される塩である。別の態様では、式(1)の化合物であって、式中、Xが、CHであり、Lが、NR1であり、R1が、Hであり、環Aが、フェニル、インドリル、チオフェニル、又はイソチアゾリルであり、各々、(R4)nで置換され、X’が、CR2であり、R2が、H、メチル、又は-CF3であり、R3が、Hであり、mが、整数1であり、nが、整数0又は1である、化合物、及びその薬学的に許容される塩である。
【0019】
本発明の別の態様では、式(1)の化合物であって、式中、Xが、CHであり、Lが、Oであり、環Aが、(R4)nで置換されたフェニルであり、X’が、CR2であり、R2及びR3が、両方ともHであり、mが、整数1であり、nが、整数0、1、又は2である、化合物、並びにその薬学的に許容される塩である。別の態様では、式(1)の化合物であって、式中、Xが、CHであり、Lが、Oであり、環Aが、(R4)nで置換されたフェニルであり、X’が、CR2であり、R2及びR3が、両方ともHであり、mが、整数1であり、nが、整数0又は1である、化合物、並びにその薬学的に許容される塩である。別の態様では、式(1)の化合物であって、式中、Xが、CHであり、Lが、Oであり、環Aが、(R4)nで置換されたフェニルであり、X’が、CR2であり、R2及びR3が、両方ともHであり、R4が、メチル、フルオロ、クロロ、又は-CF3であり、mが、整数1であり、nが、整数0又は1である、化合物、並びにその薬学的に許容される塩である。別の態様では、式(1)の化合物であって、式中、Xが、CHであり、Lが、Oであり、環Aが、(R4)nで置換されたフェニルであり、X’が、CR2であり、R2及びR3が、両方ともHであり、R4が、メチル、フルオロ、又はクロロであり、mが、整数1であり、nが、整数0又は1である、化合物、並びにその薬学的に許容される塩である。
【0020】
本発明の別の態様では、式(1)の化合物であって、式中、Xが、CHであり、Lが、O又はNR1であり、環Aが、フェニル、ピリジニル、インドリル、チオフェニル、イソチアゾリル、又はチアゾリルであり、各々、(R4)nで置換され、X’が、CR2であり、R1、R2、及びR3が、各々Hであり、mが、整数1であり、nが、整数0、1、又は2である、化合物、並びにその薬学的に許容される塩である。別の態様では、式(1)の化合物であって、式中、Xが、CHであり、Lが、O又はNR1であり、環Aが、フェニル、ピリジニル、インドリル、チオフェニル、イソチアゾリル、又はチアゾリルであり、各々、(R4)nで置換され、X’が、CR2であり、R1、R2、及びR3が、各々Hであり、mが、整数1であり、nが、整数0、1、又は2である、化合物、並びにその薬学的に許容される塩である。別の態様では、式(1)の化合物であって、式中、Xが、CHであり、Lが、O又はNR1であり、環Aが、フェニル、インドリル、チオフェニル、イソチアゾリル、又はチアゾリルであり、各々、(R4)nで置換され、X’が、CR2であり、R1、R2、及びR3が、各々Hであり、mが、整数1であり、nが、整数0又は1である、化合物、並びにその薬学的に許容される塩である。別の態様では、式(1)の化合物であって、式中、Xが、CHであり、Lが、O又はNR1であり、環Aが、フェニル、インドリル、チオフェニル、又はイソチアゾリルであり、各々、(R4)nで置換され、X’が、CR2であり、R1、R2、及びR3が、各々Hであり、R4が、メチル、フルオロ、クロロ、又は-CF3であり、mが、整数1であり、nが、整数0又は1である、化合物、並びに薬学的に許容されるその塩である。
【0021】
本発明の別の態様では、式(1)の化合物であって、式中、Xが、CH又はNであり、Lが、NR1であり、環Aが、フェニル、ピリジニル、インドリル、チオフェニル、イソチアゾリル、又はチアゾリルであり、各々、(R4)nで置換され、X’が、CR2であり、R1、R2、及びR3が、各々Hであり、mが、整数1であり、nが、整数0、1、又は2である、化合物、並びにその薬学的に許容される塩である。別の態様では、式(1)の化合物であって、式中、Xが、CH又はNであり、Lが、NR1であり、環Aが、フェニル、ピリジニル、インドリル、チオフェニル、イソチアゾリル、又はチアゾリルであり、各々、(R4)nで置換され、X’が、CR2であり、R1、R2、及びR3が、各々Hであり、R4が、メチル、フルオロ、クロロ、又は-CF3であり、mが、整数1であり、nが、整数0、1、又は2である、化合物、並びに薬学的に許容されるその塩である。別の態様では、式(1)の化合物であって、式中、Xが、CH又はNであり、Lが、NR1であり、環Aが、フェニル、インドリル、ピリジニル、チオフェニル、又はイソチアゾリルであり、各々、(R4)nで置換され、X’が、CR2であり、R1、R2、及びR3が、各々Hであり、R4が、メチル、フルオロ、又はクロロであり、mが、整数1であり、nが、整数0、1、又は2である、化合物、並びに薬学的に許容されるその塩である。別の態様では、式(1)の化合物であって、式中、Xが、CH又はNであり、Lが、NR1であり、環Aが、(R4)nで置換されたフェニルであり、X’が、CR2であり、R1、R2、及びR3が、各々Hであり、R4が、フルオロ又はクロロであり、mが、整数1であり、nが、整数0又は1である、化合物、並びにその薬学的に許容される塩である。
【0022】
本発明の別の態様では、式(1)の化合物であって、式中、環Aが、フェニル、インドリル、ピリジニル、チオフェニル、又はイソチアゾリルであり、Xが、Nであり、Lが、NR1であり、X’が、CR2であり、R1、R2、及びR3が、各々Hであり、R4が、メチル、フルオロ、クロロ、又は-CF3であり、mが、整数1であり、nが、整数0、1、又は2である、化合物、並びにその薬学的に許容される塩である。別の態様では、式(1)の化合物であって、式中、環Aが、フェニル、インドリル、ピリジニル、チオフェニル、又はイソチアゾリルであり、Xが、Nであり、Lが、NR1であり、X’が、CR2であり、R1、R2、及びR3が、各々Hであり、R4が、フルオロ又はクロロであり、mが、整数1であり、nが、整数0、1、又は2である、化合物、並びにその薬学的に許容される塩である。別の態様では、式(1)の化合物であって、式中、環Aが、フェニル、インドリル、ピリジニル、チオフェニル、又はイソチアゾリルであり、Xが、Nであり、Lが、NR1であり、X’が、CR2であり、R1、R2、及びR3が、各々Hであり、R4が、フルオロ又はクロロであり、mが、整数1であり、nが、整数0又は1である、化合物、又はその薬学的に許容される塩である。
【0023】
本発明の別の態様では、式(1)の化合物であって、式中、環Aが、フェニル、インドリル、ピリジニル、チオフェニル、又はイソチアゾリルであり、Xが、CH又はNであり、Lが、NR1又はOであり、R1が、Hであり、X’が、CR2であり、R2が、H又はメチルであり、R3が、H又はシアノであり、R4が、フルオロ、クロロ、又は-CF3であり、mが、整数1であり、nが、整数0、1、又は2である、化合物、及びその薬学的に許容される塩である。別の態様では、式(1)の化合物であって、式中、環Aが、フェニル、インドリル、ピリジニル、チオフェニル、又はイソチアゾリルであり、Xが、CH又はNであり、Lが、NR1又はOであり、X’が、CR2であり、R1、R2、及びR3が、各々Hであり、R4が、フルオロ又はクロロであり、mが、整数1であり、nが、整数0、1、又は2である、化合物、並びにその薬学的に許容される塩である。別の態様では、式(1)の化合物であって、式中、環Aが、フェニル、インドリル、ピリジニル、チオフェニル、又はイソチアゾリルであり、Xが、CH又はNであり、Lが、NR1又はOであり、X’が、CR2であり、R1、R2、及びR3が、各々Hであり、R4が、フルオロ又はクロロであり、mが、整数1であり、nが、整数0又は1である、化合物、並びにその薬学的に許容される塩である。
【0024】
本発明の別の態様では、式(1)の化合物であって、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-クロロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-フルオロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-クロロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-((1H-インドール-5-イル)メチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(チオフェン-2-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-2-メチル-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-7-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インダゾール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(ピリジン-2-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(ピリジン-3-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(ピリジン-4-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(ピラジン-2-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-((1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)メチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-フェニル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1-(ピリジン-4-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-3-シアノ-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-2-(トリフルオロメチル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1-(4-フルオロフェニル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1-フェニル-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ベンゾフラン-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(イソチアゾール-5-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(イソチアゾール-3-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(チアゾール-2-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、及び
N-((1R,3s,5S)-8-((4-メチルチアゾール-2-イル)メチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミドからなる群から選択される、化合物、並びにその薬学的に許容される塩である。
【0025】
本発明の別の態様では、式(1)の化合物であって、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキサミド;
N-((1R,3s,5S)-8-(4-クロロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-フルオロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-クロロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-((1H-インドール-5-イル)メチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(チオフェン-2-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-2-メチル-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-7-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インダゾール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(ピリジン-2-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(ピリジン-3-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1-(ピリジン-4-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-3-シアノ-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-2-(トリフルオロメチル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1-(4-フルオロフェニル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1-フェニル-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ベンゾフラン-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(イソチアゾール-5-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(イソチアゾール-3-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(チアゾール-2-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、及び
N-((1R,3s,5S)-8-((4-メチルチアゾール-2-イル)メチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミドからなる群から選択される、1000nM未満のc5-HT2B阻害IC50を有する、化合物、並びにその薬学的に許容される塩である。
【0026】
本発明の別の態様では、式(1)の化合物であって、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-クロロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-フルオロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-クロロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-((1H-インドール-5-イル)メチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(チオフェン-2-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-2-メチル-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-7-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インダゾール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(ピリジン-2-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-3-シアノ-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-2-(トリフルオロメチル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1-(4-フルオロフェニル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1-フェニル-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ベンゾフラン-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(イソチアゾール-5-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(イソチアゾール-3-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(チアゾール-2-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、及び
N-((1R,3s,5S)-8-((4-メチルチアゾール-2-イル)メチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミドからなる群から選択される、500nM未満のc5-HT2B阻害IC50を有する、化合物、並びにその薬学的に許容される塩である。
【0027】
本発明の別の態様では、式(1)の化合物であって、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-クロロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-フルオロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-クロロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-((1H-インドール-5-イル)メチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(チオフェン-2-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-2-メチル-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(ピリジン-2-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-2-(トリフルオロメチル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1-(4-フルオロフェニル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1-フェニル-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ベンゾフラン-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(イソチアゾール-5-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、及び
N-((1R,3s,5S)-8-(イソチアゾール-3-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミドからなる群から選択される、100nM未満のc5-HT2B阻害IC50を有する、化合物、並びにその薬学的に許容される塩である。
【0028】
本発明の別の態様では、式(1)の化合物であって、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-クロロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-フルオロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-クロロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-((1H-インドール-5-イル)メチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(チオフェン-2-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-2-メチル-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ベンゾフラン-6-カルボキサミド、及び
N-((1R,3s,5S)-8-(イソチアゾール-5-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミドからなる群から選択される、10nM未満のc5-HT2B阻害IC50を有する、化合物、並びにその薬学的に許容される塩である。
【0029】
本発明の別の態様では、式(1)の化合物であって、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-フルオロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-クロロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-((1H-インドール-5-イル)メチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、及び
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ベンゾフラン-6-カルボキサミドからなる群から選択される、1nM未満のc5-HT2B阻害IC50を有する、化合物、並びにその薬学的に許容される塩である。
【0030】
本発明の別の態様では、N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミドである、1nM未満のc5-HT2B阻害IC50を有する式(1)の化合物、又はその薬学的に許容される塩である。
【0031】
本発明の別の態様では、N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキサミドである、1nM未満のc5-HT2B阻害IC50を有する式(1)の化合物、又はその薬学的に許容される塩である。
【0032】
本発明の別の態様では、N-((1R,3s,5S)-8-(4-フルオロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミドである、1nM未満のc5-HT2B阻害IC50を有する式(1)の化合物、又はその薬学的に許容される塩である。
【0033】
本発明の別の態様では、N-((1R,3s,5S)-8-(4-クロロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミドである、1nM未満のc5-HT2B阻害IC50を有する式(1)の化合物、又はその薬学的に許容される塩である。
【0034】
本発明の別の態様では、N-((1R,3s,5S)-8-((1H-インドール-5-イル)メチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミドである、1nM未満のc5-HT2B阻害IC50を有する式(1)の化合物、又はその薬学的に許容される塩である。
【0035】
本発明の別の態様では、N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ベンゾフラン-6-カルボキサミドである、1nM未満のc5-HT2B阻害IC50を有する式(1)の化合物、又はその薬学的に許容される塩である。
【0036】
別の態様では、式(1A)の化合物である式(1)の化合物、
【化2】
及びその薬学的に許容される塩であって、式中、R
2、R
3、及び(R
4)
nが、本明細書に定義される通りである。別の態様では、式(1A)の化合物であって、式中、R
2、R
3、及びR
4が、本明細書に定義される通りであり、nが、整数0、1、又は2である、化合物、並びにその薬学的に許容される塩である。別の態様では、式(1A)の化合物であって、式中、R
2が、H、メチル、フルオロクロロ、又は-CF
3であり、R
3が、H、フルオロ、クロロ、メチル、又はシアノであり、R
4が、メチル、ハロ、又は-CF
3であり、nが、整数0、1、又は2である、化合物、及びその薬学的に許容される塩である。別の態様では、式(1A)の化合物であって、式中、R
2が、H、メチル、又は-CF
3であり、R
3が、H又はシアノであり、R
4が、メチル、フルオロ、クロロ、又は-CF
3であり、nが、整数0、1、又は2である、化合物、及びその薬学的に許容される塩である。別の態様では、式(1A)の化合物であり、式中、R
2及びR
3が、両方ともHであり、R
4が、フルオロ、クロロ、又は-CF
3であり、nが、整数0又は1である、化合物、並びにその薬学的に許容される塩である。
【0037】
別の態様では、式(1A)の化合物であって、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-フルオロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-クロロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-2-メチル-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-3-シアノ-1H-インドール-6-カルボキサミド、及び
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-2-(トリフルオロメチル)-1H-インドール-6-カルボキサミドからなる群から選択される、化合物、並びにその薬学的に許容される塩である。
【0038】
別の態様では、式(1A)の化合物であって、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-フルオロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-クロロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-2-メチル-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、及び
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-2-(トリフルオロメチル)-1H-インドール-6-カルボキサミドからなる群から選択される、100nM未満のc5-HT2B阻害IC50を有する、化合物、並びにその薬学的に許容される塩である。
【0039】
別の態様では、式(1A)の化合物であって、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-フルオロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-クロロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、及び
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-2-メチル-1H-インドール-6-カルボキサミドからなる群から選択される、10nM未満のc5-HT2B阻害IC50を有する、化合物、並びにその薬学的に許容される塩である。
【0040】
別の態様では、式(1A)の化合物であって、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(4-フルオロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、及び
N-((1R,3s,5S)-8-(4-クロロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミドからなる群から選択される、1nM未満のc5-HT2B阻害IC50を有する、化合物、並びにその薬学的に許容される塩である。
【0041】
本発明の別の態様では、式
【化3】
(1B)の化合物である式(1)の化合物であって、式中、環Aが、インドリル、チオフェニル、ピリジニル、ピラジニル、イソチアゾリル、又はチアゾリルであり、各々、(R
4)
nで置換され、(R
4)
nが、本明細書に定義される通りである、化合物、及びその薬学的に許容される塩である。別の態様では、式(1B)の化合物であって、式中、環Aが、インドリル、チオフェニル、ピリジニル、イソチアゾリル、又はチアゾリルであり、各々、(R
4)
nで置換され、R
4が、メチル、ハロ、又は-CF
3であり、nが、整数0、1、又は2である、化合物、及びその薬学的に許容される塩である。別の態様では、式(1B)の化合物であって、式中、環Aが、インドリル、チオフェニル、ピリジニル、イソチアゾリル、又はチアゾリルであり、各々、(R
4)
nで置換され、R
4が、メチル、フルオロ、クロロ、又は-CF
3であり、nが、整数0、1、又は2である、化合物、及びその薬学的に許容される塩である。別の態様では、式(1B)の化合物であって、式中、環Aが、インドリル、チオフェニル、イソチアゾリル又はチアゾリルであり、各々、(R
4)
nで置換され、R
4が、メチル、フルオロ、クロロ、又は-CF
3であり、nが、整数0又は1である化合物、及びその薬学的に許容される塩である。別の態様では、式(1B)であって、
N-((1R,3s,5S)-8-((1H-インドール-5-イル)メチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(チオフェン-2-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(ピリジン-2-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(ピリジン-3-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1-フェニル-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(イソチアゾール-5-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(イソチアゾール-3-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(チアゾール-2-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、及び
N-((1R,3s,5S)-8-((4-メチルチアゾール-2-イル)メチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミドからなる群から選択される、化合物、並びにその薬学的に許容される塩である。
【0042】
別の態様では、式(1B)の化合物であって、
N-((1R,3s,5S)-8-((1H-インドール-5-イル)メチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(チオフェン-2-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(ピリジン-2-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(イソチアゾール-5-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、及び
N-((1R,3s,5S)-8-(イソチアゾール-3-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミドからなる群から選択される、100nM未満のc5-5HT2B阻害IC50を有する、化合物、並びにその薬学的に許容される塩である。
【0043】
別の態様では、式(1B)の化合物であって、
N-((1R,3s,5S)-8-((1H-インドール-5-イル)メチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-(チオフェン-2-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、及び
N-((1R,3s,5S)-8-(イソチアゾール-5-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミドからなる群から選択される、10nM未満のc5-5HT2B阻害IC50を有する、化合物、並びにその薬学的に許容される塩である。
【0044】
別の態様では、N-((1R,3s,5S)-8-((1H-インドール-5-イル)メチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミドである、1nM未満のc5-5HT2B阻害IC50を有する式(1B)の化合物、及びその薬学的に許容される塩である。
【0045】
別の態様では、式(1C)の化合物である式(1)の化合物であって、
【化4】
式中、R
1が、フェニル又はピリジニルであり、各々、フルオロ、クロロ、又は-CF
3で任意に置換され、
(R
4)
nが、本明細書に定義される通りである、化合物、及びその薬学的に許容される塩である。別の態様では、式(1C)の化合物であって、式中、R
1が、フェニル又はピリジニルであり、各々、フルオロ、クロロ、又は-CF
3で任意に置換され、R
4が、メチル、フルオロ、クロロ、又は-CF
3であり、nが、整数0、1、又は2である、化合物、及びその薬学的に許容される塩である。別の態様では、式(1C)の化合物であって、式中、R
1が、フェニル又はピリジニルであり、各々、フルオロ又はクロロで任意に置換され、R
4が、フルオロ、クロロ、又は-CF
3であり、nが、整数0又は1である、化合物、及びその薬学的に許容される塩である。別の態様では、式(1C)の化合物であって、式中、R
1が、フェニル又はピリジニルであり、各々、フルオロ又はクロロで任意に置換され、nが、整数0又は1である、化合物、及びその薬学的に許容される塩である。別の態様では、式(1C)の化合物であって、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1-(ピリジン-4-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1-(4-フルオロフェニル)-1H-インドール-6-カルボキサミド、及び
N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1-フェニル-1H-インドール-6-カルボキサミドからなる群から選択される化合物、並びにその薬学的に許容される塩。
【0046】
別の態様では、N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1-(4-フルオロフェニル)-1H-インドール-6-カルボキサミド又はN-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1-フェニル-1H-インドール-6-カルボキサミドである、100nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1C)の化合物、及びその薬学的に許容される塩である。
【0047】
別の態様では、式(1D)の化合物である式(1)の化合物であって、
【化5】
式中、(R
4)
nが、本明細書に定義される通りである、化合物、及びその薬学的に許容される塩である。別の態様では、式(1D)の化合物であって、式中、R
4が、メチル、ハロ、又は-CF
3であり、nが、整数0、1、又は2である、化合物、及びその薬学的に許容される塩である。別の態様では、式(1D)の化合物であって、式中、R
4が、フルオロ、クロロ、又は-CF
3であり、nが、整数0、1、又は2である、化合物、及びその薬学的に許容される塩。別の態様では、式(1D)の化合物であって、式中、R
4が、フルオロ、クロロ、又は-CF
3であり、nが、整数0又は1である、化合物、及びその薬学的に許容される塩である。別の態様では、式(1D)の化合物であって、式中、R
4が、フルオロ又はクロロであり、nが、整数0又は1である、化合物、及びその薬学的に許容される塩である。別の態様では、N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキサミド又はN-((1R,3s,5S)-8-(4-クロロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキサミドである式(1D)の化合物、及びその薬学的に許容される塩である。
【0048】
別の態様では、N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキサミドである、1nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1D)の化合物、及びその薬学的に許容される塩である。
【0049】
別の態様では、式(1E)の化合物である式(1)の化合物であって、
【化6】
式中、(R
4)
nが、本明細書に定義される通りである、化合物、及びその薬学的に許容される塩である。別の態様では、式(1E)の化合物であって、式中、R
4が、メチル、ハロ、又は-CF
3であり、nが、整数0、1、又は2である、化合物、及びその薬学的に許容される塩である。別の態様では、式(1E)の化合物であって、式中、R
4が、フルオロ、クロロ、又は-CF
3であり、nが、整数0、1、又は2である、化合物、及びその薬学的に許容される塩。別の態様では、式(1E)の化合物であって、式中、R
4が、フルオロ、クロロ、又は-CF
3であり、nが、整数0又は1である、化合物、及びその薬学的に許容される塩である。別の態様では、式(1E)の化合物であって、式中、R
4が、フルオロ又はクロロであり、nが、整数0又は1である、化合物、及びその薬学的に許容される塩である。別の態様では、N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ベンゾフラン-6-カルボキサミドである式(1E)の化合物、及びその薬学的に許容される塩である。
【0050】
本発明の更に別の態様では、式(1)の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む組成物である。以下に記載の組成物では、実施例の番号は、本明細書に記載の各々の化合物名と交換可能である。別の態様では、1000nM未満のc5-5HT2B IC50を有する式(1)の化合物であって、当該化合物が、実施例1~13、18~20、若しくは22~28のうちのいずれか1つである、化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む組成物である。別の態様では、500nM未満のc5-5HT2B IC50を有する式(1)の化合物であって、当該化合物が、実施例1~12、19~20、若しくは22~28のうちのいずれか1つである、化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む組成物である。別の態様では、100nM未満のc5-5HT2B IC50を有する式(1)の化合物であって、当該化合物が、実施例1~8、11~12、20、若しくは22~26のうちのいずれか1つである、化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む組成物である。別の態様では、10nM未満のc5-5HT2B IC50を有する式(1)の化合物であって、当該化合物が、実施例1~8、24、若しくは25のうちのいずれか1つである、化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む組成物である。別の態様では、1nM未満のc5-5HT2B IC50を有する式(1)の化合物であって、当該化合物が、実施例1、2、4~6、若しくは24のうちのいずれか1つである、化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む組成物である。別の態様では、式(1)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む組成物は、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を更に含む。
【0051】
別の態様では、式(1A)、式(1B)、式(1C)、式(1D)、若しくは式(1E)の化合物である式(1)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む、組成物である。別の態様では、式(1A)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む組成物である。別の態様では、式(1B)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む組成物である。別の態様では、式(1C)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む組成物である。別の態様では、式(1D)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む組成物である。別の態様では、式(1E)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む組成物である。別の態様では、組成物は、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を更に含む。
【0052】
別の態様では、500nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1A)の化合物であって、当該化合物が、実施例1、4~5、8、11、19、若しくは20のうちのいずれか1つである、化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む組成物である。別の態様では、100nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1A)の化合物であって、当該化合物が、実施例1、4~5、8、11、若しくは20のうちのいずれか1つである、化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む組成物である。別の態様では、10nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1A)の化合物であって、当該化合物が、実施例1、4~5、若しくは8のうちのいずれか1つである、化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む組成物である。別の態様では、1nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1A)の化合物であって、当該化合物が、実施例1、4、若しくは5のうちのいずれか1つである、化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む組成物である。別の態様では、組成物は、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を更に含む。
【0053】
別の態様では、1000nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1B)の化合物であって、当該化合物が、実施例6~7、12~13、若しくは25~28のうちのいずれか1つである、化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む組成物である。別の態様では、500nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1B)の化合物であって、当該化合物が、実施例6~7、12、若しくは25~28のうちのいずれか1つである、化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む組成物である。別の態様では、100nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1B)の化合物であって、当該化合物が、実施例6、7、12、25、若しくは26のうちのいずれか1つである、化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む組成物である。別の態様では、10nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1B)の化合物であって、当該化合物が、実施例6、7、若しくは25のうちのいずれか1つである、化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む組成物である。別の態様では、1nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1B)の化合物であって、当該化合物が、実施例6である、化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む組成物である。別の態様では、組成物は、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を更に含む。
【0054】
別の態様では、100nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1C)の化合物であって、当該化合物が、実施例22若しくは23である、化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む組成物である。
【0055】
別の態様では、10nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1D)の化合物であって、当該化合物が、実施例2若しくは3である、化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む組成物である。別の態様では、1nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1D)の化合物であって、当該化合物が、実施例2である、化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む組成物である。
【0056】
別の態様では、1nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1E)の化合物であって、当該化合物が、実施例24のうちのいずれか1つである、化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む組成物である。別の態様では、組成物は、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を更に含む。
【0057】
別の態様では、組成物は、経口で、又は注射によって投与される。別の態様では、組成物は、経口で投与される。別の態様では、組成物は、皮下注射又は筋肉内注射によって投与される。別の態様では、組成物は、週に3回投与される。別の態様では、組成物は、週に5回投与される。別の態様では、組成物は、1日おきに投与される。別の態様では、組成物は、毎日投与される。別の態様では、組成物は、1日2回投与される。
【0058】
本発明の更に別の態様では、MMVD、CHF、及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療する方法は、治療量の式(1)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする動物に投与することによる。以下に記載の治療の方法では、実施例の番号は、本明細書に記載の各々の化合物名と交換可能である。別の態様では、MMVD、CHF、及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療する方法は、治療量の式(1)の化合物であって、当該化合物が、1000nM未満の5c-5HT2B IC50を有し、実施例1~13、18~20、若しくは22~28である、化合物、又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする動物に投与することによる。別の態様では、MMVD、CHF、及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療する方法は、治療量の式(1)の化合物であって、当該化合物が、500nM未満の5c-5HT2B IC50を有し、実施例1~12、19~20、若しくは22~28である、化合物、又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする動物に投与することによる。別の態様では、MMVD、CHF、及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療する方法は、治療量の式(1)の化合物であって、当該化合物が、100nM未満の5c-5HT2B IC50を有し、実施例1~8、11~12、20、若しくは22~26である、化合物、又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする動物に投与することによる。別の態様では、MMVD、CHF、及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療する方法は、治療量の式(1)の化合物であって、当該化合物が、10nM未満の5c-5HT2B IC50を有し、実施例1~8、24、若しくは25である、化合物、又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする動物に投与することによる。別の態様では、MMVD、CHF、及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療する方法は、治療量の式(1)の化合物であって、当該化合物が、1nM未満の5c-5HT2B IC50を有し、実施例1、2、4~6、若しくは24である、化合物、又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする動物に投与することによる。別の態様では、動物は、コンパニオン動物である。別の態様では、コンパニオン動物は、イヌである。
【0059】
別の態様では、MMVD、CHF、及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療する方法は、治療量の、式(1A)、式(1B)、式(1C)、式(1D)、又は式(1E)の化合物である式(1)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする動物に投与することによる。別の態様では、動物は、コンパニオン動物である。別の態様では、コンパニオン動物は、イヌである。
【0060】
別の態様では、MMVD、CHF、及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療する方法は、治療量の式(1A)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする動物に投与することによる。別の態様では、MMVD、CHF、及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療する方法は、治療量の、実施例1、4、5、8、11、19、若しくは20のうちのいずれか1つである、500nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1A)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする動物に投与することによる。別の態様では、MMVD、CHF、及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療する方法は、治療量の、実施例1、4、5、8、11、若しくは20のうちのいずれか1つである、100nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1A)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする動物に投与することによる。別の態様では、MMVD、CHF、及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療する方法は、治療量の、実施例1、4、5、若しくは8のうちのいずれか1つである、10nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1A)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする動物に投与することによる。別の態様では、MMVD、CHF、及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療する方法は、治療量の、実施例1、4、若しくは5のうちのいずれか1つである、1nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1A)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする動物に投与することによる。別の態様では、動物は、コンパニオン動物である。別の態様では、コンパニオン動物は、イヌである。
【0061】
別の態様では、MMVD、CHF、及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療する方法は、治療量の式(1B)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする動物に投与することによる。別の態様では、MMVD、CHF、及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療する方法は、治療量の、実施例6~7、12~13、若しくは25~28のうちのいずれか1つである、1000nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1B)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする動物に投与することによる。別の態様では、MMVD、CHF、及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療する方法は、治療量の、実施例6~7、12、若しくは25~26のうちのいずれか1つである、100nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1B)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする動物に投与することによる。別の態様では、MMVD、CHF、及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療する方法は、治療量の、実施例6~7、若しくは25のうちのいずれか1つである、10nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1B)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする動物に投与することによる。別の態様では、MMVD、CHF、及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療する方法は、治療量の、実施例6である、1nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1B)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする動物に投与することによる。別の態様では、動物は、コンパニオン動物である。別の態様では、コンパニオン動物は、イヌである。
【0062】
別の態様では、MMVD、CHF、及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療する方法は、治療量の式(1C)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする動物に投与することによる。
【0063】
別の態様では、MMVD、CHF、及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療する方法は、治療量の、実施例18、22、若しくは23のうちのいずれか1つである、1000nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1C)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする動物に投与することによる。別の態様では、MMVD、CHF、及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療する方法は、治療量の、実施例22若しくは23である、100nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1C)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする動物に投与することによる。別の態様では、動物は、コンパニオン動物である。別の態様では、コンパニオン動物は、イヌである。
【0064】
別の態様では、MMVD、CHF、及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療する方法は、治療量の式(1D)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする動物に投与することによる。別の態様では、MMVD、CHF、及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療する方法は、治療量の式(1D)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする動物に投与することによる。別の態様では、MMVD、CHF、及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療する方法は、治療量の、実施例2若しくは3である、10nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1D)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする動物に投与することによる。別の態様では、MMVD、CHF、及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療する方法は、治療量の、実施例2である、1nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1D)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする動物に投与することによる。別の態様では、動物は、コンパニオン動物である。別の態様では、コンパニオン動物は、イヌである。
【0065】
別の態様では、MMVD、CHF、及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療する方法は、治療量の式(1E)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする動物に投与することによる。別の態様では、MMVD、CHF、及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療する方法は、治療量の、実施例24である、1nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1E)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする動物に投与することによる。別の態様では、動物は、コンパニオン動物である。別の態様では、コンパニオン動物は、イヌである。
【0066】
本発明の更に別の態様では、MMVD、CHF、及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療するための医薬品を調製するための、式(1)の化合物、又はその薬学的に許容される塩の使用である。以下に記載の使用において、実施例の番号は、本明細書に記載の各々の化合物名と交換可能である。別の態様では、MMVD、CHF及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療するための医薬品を調製するための、1000nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1)の化合物であって、当該化合物が、実施例1~13、18~20、若しくは22~28のいずれか1つである、化合物、又はその薬学的に許容される塩の使用である。別の態様では、MMVD、CHF及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療するための医薬品を調製するための、500nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1)の化合物であって、当該化合物が、実施例1~12、19~20、若しくは22~28のいずれか1つである、化合物、又はその薬学的に許容される塩の使用である。別の態様では、MMVD、CHF及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療するための医薬品を調製するための、100nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1)の化合物であって、当該化合物が、実施例1~8、11~12、20、若しくは22~26のいずれか1つである、化合物、又はその薬学的に許容される塩の使用である。別の態様では、MMVD、CHF及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療するための医薬品を調製するための、10nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1)の化合物であって、当該化合物が、実施例1~8、24、若しくは25のいずれか1つである、化合物、又はその薬学的に許容される塩の使用である。別の態様では、MMVD、CHF及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療するための医薬品を調製するための、1nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1)の化合物であって、当該化合物が、実施例1、2、4~6、若しくは24のいずれか1つである、化合物、又はその薬学的に許容される塩の使用である。別の態様では、動物は、コンパニオン動物である。別の態様では、コンパニオン動物は、イヌである。
【0067】
別の態様では、MMVD、CHF及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療するための医薬品を調製するための、式(1A)、式(1B)、式(1C)、式(1D)、又は式(1E)の化合物、又はその薬学的に許容される塩の使用である。別の態様では、動物は、コンパニオン動物である。別の態様では、コンパニオン動物は、イヌである。
【0068】
別の態様では、MMVD、CHF及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療するための医薬品を調製するための、式(1A)の化合物、又はその薬学的に許容される塩の使用である。別の態様では、MMVD、CHF及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療するための医薬品を調製するための、実施例1、4、5、8、11、19、若しくは20のいずれか1つである、500nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1A)の化合物、又はその薬学的に許容される塩の使用である。別の態様では、MMVD、CHF及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療するための医薬品を調製するための、実施例1、4、5、8、11、若しくは20のいずれか1つである、100nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1A)の化合物、又はその薬学的に許容される塩の使用である。別の態様では、MMVD、CHF及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療するための医薬品を調製するための、実施例1、4、5、若しくは8のいずれか1つである、10nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1A)の化合物、又はその薬学的に許容される塩の使用である。別の態様では、MMVD、CHF及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療するための医薬品を調製するための、実施例1、4、若しくは5のいずれか1つである、1nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1A)の化合物、又はその薬学的に許容される塩の使用である。別の態様では、動物は、コンパニオン動物である。別の態様では、コンパニオン動物は、イヌである。
【0069】
別の態様では、MMVD、CHF及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療するための医薬品を調製するための、式(1B)の化合物、又はその薬学的に許容される塩の使用である。別の態様では、MMVD、CHF及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療するための医薬品を調製するための、実施例6、7、12~13、若しくは25~28のいずれか1つである、1000nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1B)の化合物、又はその薬学的に許容される塩の使用である。別の態様では、MMVD、CHF及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療するための医薬品を調製するための、実施例6~7、12、若しくは25~28のいずれか1つである、500nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1B)の化合物、又はその薬学的に許容される塩の使用である。別の態様では、MMVD、CHF及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療するための医薬品を調製するための、実施例6~7、12、25、若しくは26のいずれか1つである、100nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1B)の化合物、又はその薬学的に許容される塩の使用である。別の態様では、MMVD、CHF及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療するための医薬品を調製するための、実施例6、7、若しくは25のいずれか1つである、10nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1B)の化合物、又はその薬学的に許容される塩の使用である。別の態様では、MMVD、CHF及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療するための医薬品を調製するための、実施例6である、1nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1B)の化合物、又はその薬学的に許容される塩の使用である。別の態様では、動物は、コンパニオン動物である。別の態様では、コンパニオン動物は、イヌである。
【0070】
別の態様では、MMVD、CHF及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療するための医薬品を調製するための、式(1C)の化合物、又はその薬学的に許容される塩の使用である。別の態様では、MMVD、CHF及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療するための医薬品を調製するための、実施例18、22、若しくは23のいずれか1つである、1000nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1C)の化合物、又はその薬学的に許容される塩の使用である。別の態様では、MMVD、CHF及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療するための医薬品を調製するための、実施例22若しくは23である、100nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1C)の化合物、又はその薬学的に許容される塩の使用である。別の態様では、動物は、コンパニオン動物である。別の態様では、コンパニオン動物は、イヌである。
【0071】
別の態様では、MMVD、CHF及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療するための医薬品を調製するための、式(1D)の化合物、又はその薬学的に許容される塩の使用である。別の態様では、MMVD、CHF及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療するための医薬品を調製するための、実施例2若しくは3である、10nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1D)の化合物、又はその薬学的に許容される塩の使用である。別の態様では、MMVD、CHF及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療するための医薬品を調製するための、実施例2である、1nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1D)の化合物、又はその薬学的に許容される塩の使用である。別の態様では、動物は、コンパニオン動物である。別の態様では、コンパニオン動物は、イヌである。
【0072】
別の態様では、MMVD、CHF及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療するための医薬品を調製するための、式(1E)の化合物、又はその薬学的に許容される塩の使用である。別の態様では、MMVD、CHF及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療するための医薬品を調製するための、実施例24である、1nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1E)の化合物、又はその薬学的に許容される塩の使用である。別の態様では、動物は、コンパニオン動物である。別の態様では、コンパニオン動物は、イヌである。
【0073】
本発明の別の態様では、MMVD、CHF、及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療する方法は、治療有効量の式(1)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を、少なくとも1つの追加の心血管剤と組み合わせて、それを必要とする動物に投与することによる。本発明の別の態様では、MMVD、CHF、及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療する方法は、治療有効量の式(1A)の化合物、実施例1、4、5、8、11、19、若しくは20のいずれか1つである、500nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1A)の化合物、実施例1、4、5、8、11、若しくは20のうちのいずれか1つである、100nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1A)の化合物、実施例1、4、5、若しくは8のうちのいずれか1つである、10nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1A)の化合物、実施例1、4、若しくは5のうちのいずれか1つである、1nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1A)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を、少なくとも1つの追加の心血管剤と組み合わせて、それを必要とする動物に投与することによる。本発明の別の態様では、MMVD、CHF、及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療する方法は、治療有効量の式(1B)の化合物、実施例6、7、12、13、若しくは25~28のいずれか1つである、1000nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1B)の化合物、実施例6、7、12、若しくは25~28のうちのいずれか1つである、500nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1B)の化合物、実施例6、7、12、若しくは25~26のうちのいずれか1つである、100nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1B)の化合物、実施例6、7、若しくは25のうちのいずれか1つである、10nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1B)の化合物、実施例6である、1nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1B)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を、少なくとも1つの追加の心血管剤と組み合わせて、それを必要とする動物に投与することによる。本発明の別の態様では、MMVD、CHF、及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療する方法は、治療有効量の式(1C)の化合物、実施例18、22、若しくは23のいずれか1つである、1000nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1C)の化合物、実施例22若しくは23である、100nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1C)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を、少なくとも1つの追加の心血管剤と組み合わせて、それを必要とする動物に投与することによる。本発明の別の態様では、MMVD、CHF、及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療する方法は、治療有効量の式(1D)の化合物、実施例2若しくは3である、10nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1D)の化合物、実施例2である、1nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1D)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を、少なくとも1つの追加の心血管剤と組み合わせて、それを必要とする動物に投与することによる。本発明の別の態様では、MMVD、CHF、及び/又は無症候性心不全を有する動物を治療する方法は、治療有効量の式(1E)の化合物、実施例24ある、1nM未満の5c-5HT2B IC50を有する式(1E)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を、少なくとも1つの追加の心血管剤と組み合わせて、それを必要とする動物に投与することによる。別の態様では、動物は、コンパニオン動物である。別の態様では、動物は、イヌである。別の態様では、少なくとも1つの追加の心血管剤は、ACE阻害剤及び/又は利尿剤からなる群から選択される。別の態様では、ACE阻害剤の非限定的な例としては、エナラプリル、カプトプリル、ベナゼプリル、ラミプリルなどが挙げられる。別の態様では、利尿剤の非限定的な例としては、フロセミド、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、スピロノラクトン、アミロリド、トリアムテレン、イソソルビドなどが挙げられる。
【発明の説明】
【0074】
定義
本明細書に記載され、かつ特許請求されている本発明の目的のために、以下の用語及び語句を以下のように定義する。
【0075】
「約」は、測定可能な数値変数に関連して使用される場合、変数の示された値、及び示された値の実験誤差内(例えば、平均値の95%信頼区間以内)又は示された値の10パーセント以内にある変数の全ての値のいずれか大きい方を指す。
【0076】
本明細書で使用する場合、「追加の獣医学的(又は薬学的)薬剤(複数可)」は、別段の指示がない限り、動物、好ましくはイヌにおけるMMVD、CHF、及び/又は無症候性心不全の治療に有用である、治療有効量の当該薬剤(複数可)を提供する他の獣医学的又は薬学的化合物又は製品(すなわち、薬物)を指す。
【0077】
本明細書で使用する場合、「アルキル」は、別段の指示がない限り、一般式CnH2n+1の飽和一価炭化水素アルカンラジカルを指す。アルカンラジカルは、直鎖でも分枝鎖でもよく、非置換でも置換でもよい。例えば、「(C1-C4)アルキル」という用語は、1~4つの炭素原子を含有する一価の直鎖又は分枝鎖脂肪族基を指し、同様に、C1-C3アルキルは、1~3つの炭素原子を含有する一価の直鎖又は分枝鎖脂肪族基を指す。(C1-C4)アルキル基の非排他的な例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、sec-ブチル、t-ブチル、n-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。アルキル部分は、脂肪族鎖の炭素原子のうちのいずれか1つによって化学部分に結合し得る。
【0078】
本明細書で使用する場合、「動物(複数可)」は、別段の指示がない限り、哺乳動物である個体動物を指す。具体的には、哺乳動物は、ヒト及び非ヒトである脊椎動物を指し、これらは、分類学上は哺乳綱のメンバーである。非ヒト哺乳動物の非排他的な例は、コンパニオン動物を含む。コンパニオン動物の非排他的な例としては、イヌ、ネコ、及びウマが挙げられる。好ましいコンパニオン動物は、イヌである。
【0079】
本明細書で使用する場合、「無症候性(オカルト、前臨床)心不全」は、別段の指示がない限り、MMVDに起因する心臓の任意の収縮性障害又は疾患を指す。
【0080】
本明細書で使用する場合、「炭素環」は、別段の指示がない限り、完全飽和炭素環式アルキル部分、すなわち、炭素原子のみを含有する5~6員環、すなわち、シクロペンチル及びシクロヘキシルを含む。炭素環基は、本明細書に記載されるように任意に置換され得る。
【0081】
「本発明の化合物(複数可)」は、別段の指示がない限り、式(1)、式(1A)、式(1B)、式(1C)、式(1D)、及び式(1E)の化合物について記載されているc5-HT2Bアンタゴニスト、特に、実施例1~実施例28の化合物、並びに/又はその薬学的に許容される塩を指す。
【0082】
「うっ血性心不全」、又は「心不全」は、別段の指示がない限り、心臓が身体への血液供給の要求に追いつくことができず、一般に、心臓及び肺の圧力の増加に起因する肺内の液体の蓄積をもたらす、明らかな過程を指す。用語(複数可)はまた、心臓の任意の収縮性障害又は疾患に関する。臨床的症状は、原則として、心臓の細胞及び分子成分の変化、並びに心臓サイズの増加及び心機能の悪化をもたらす恒常性制御を駆動するメディエーターの変化の結果である。
【0083】
本明細書で使用する場合、「ハロゲン」又は「ハロ」は、別段の指示がない限り、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードを指す。好ましいハロには、フルオロ及びクロロが含まれる。
【0084】
本明細書で使用する場合、「ヘテロアリール」は、別段の指示がない限り、5~6員の芳香族単環式環、又は10~11員の縮合芳香環を指し、当該単環式及び縮合環部分は、各々独立して、N、O、及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子、好ましくは1~4つのヘテロ原子を含有する。単環式ヘテロアリールの非排他的な例としては、ピロリル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニルなどが挙げられる。縮合ヘテロアリールの非排他的な例としては、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、チエノ[2,3-c]ピリジン、チエノ[3,2-b]ピリジン、ベンゾ[1,2,5]チアジアゾールなどが挙げられる。好ましいヘテロアリールとしては、チアゾリル、イソチアゾリル、チオフェニル、ピリジニル、及びインドリルが挙げられる。ヘテロアリール基は、単環式環又は縮合環内の炭素原子又は窒素ヘテロ原子のうちのいずれか1つにより化学部分に結合することができる。
【0085】
「粘液腫性僧帽弁変性(MMVD)」は、別段の指示がない限り、僧帽弁変性の明らかな過程を指す。MMVDは、一般に、聴診によって心臓雑音として検出される。MMVDはまた、僧帽弁疾患(MVD)、変性僧帽弁疾患(DMVD)、慢性弁疾患(CVD)、慢性弁膜性心疾患(CVHD)、及び心房心室弁不全(AVVI)という同義の医学用語を含む。
【0086】
本明細書で使用する場合、「任意に置換される」は、別段の指示がない限り、参照基が、参照基の価数に依存する、リストされた基から個別に及び独立に選択される1つ以上の追加の基(複数可)で置換され得ることを意味する。
【0087】
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される」は、別段の指示がない限り、物質又は組成物が、化学的及び/又は毒性学的に、配合物、組成物を含む他の成分、及び/又はそれらを用いて治療される動物と適合性であることを示す。語句「及び薬学的に許容される塩(複数可)」の使用は、「又は薬学的に許容される塩(複数可)」と交換することができる。
【0088】
「治療有効量」は、別段の指示がない限り、(i)動物におけるMMVD、CHF、及び/若しくは無症候性心不全を治療する(ii)動物におけるMMVD、CHF、及び/若しくは無症候性心不全の1つ以上の症状を軽減、改善、又は排除する、又は(iii)動物におけるMMVD、CHF、及び/若しくは無症候性心不全の発症を予防するか、若しくは遅延させる、本発明の化合物の量を指す。
【0089】
本明細書で使用する場合、「治療」、「治療する(treating)」、「治療する(treat)」などは、別段の指示がない限り、動物におけるMMVD、CHF、及び/又は無症候性心不全の進行を緩和、停止、又は遅延させることを指す。本明細書で使用する場合、これらの用語はまた、動物の状態に応じて、障害若しくは状態、又は障害若しくは状態関連する症状の発症を予防することも包含し、障害若しくは状態又はそれに関連する症状の重症度を低減することも含む。したがって、治療は、投与時点でCHFと診断されていない動物への本発明の化合物の投与を指すことができる。
【0090】
粘液腫性僧帽弁変性症(MMVD)は、高齢のイヌにおいて最も一般的な後天性心疾患であり、新たな心臓雑音である。心臓の雑音は、全ての心拍で聞こえる音であり、心臓の乱れた血流によって引き起こされる。MMVDは、僧帽弁に影響を及ぼす可能性のある過程の症状である。MMVDは、主に高齢期の小さい品種のイヌに影響を及ぼすが、より大きな品種のイヌに影響を及ぼし得る。一部の小さい品種のイヌは、他のイヌよりも早く時期に影響を受け、キャバリア・キングチャールズ・スパニエルがこれまでに説明された中で最も顕著である。
【0091】
僧帽弁は、左心房と左心室との間の弁である。肺からの酸素化された血液は、左心房に入り、僧帽弁を通って左心室に入り、その後身体にポンピングされる。僧帽弁は、左心室が収縮すると閉じ、血液が左心房に戻るのを防ぐ。健康な僧帽弁は、薄く、しなやかで、腱索(CT)によって所定の位置に固定される。粘液腫性変性は、左心房への血液の逆流(僧帽弁逆流)を可能にする弁の完全な閉鎖を妨げる小結節の形成により弁が厚くなったときに起こる過程である。時間が経つにつれて、心房と心室は、拡大によって代償し、漏出は徐々に悪化する。漏れ量が増えるにつれて、心房圧が上昇する。いくつかの事例では、CTが破裂し、部分的に固定されていない僧帽弁(僧帽弁プロラプス)を引き起こし得る。圧力の上昇は、肺に伝達され、CHFをもたらす。
【0092】
心臓雑音は、一般に、MMVDを検出することができる最も早い手段である。雑音が検出された後、MMVD症状は、3~4年間現れない場合がある。多くの場合、MMVDの悪化の最初の外的徴候は、咳又は呼吸努力の増加であり、これは、拡大した心臓からの気道圧力、並びに/又は肺及び心臓の流体うっ血に起因し得る。
【0093】
MMVDの進行を、特に疾患の初期段階で予防することが証明されている薬物はない。単独又は組み合わせのいずれかで、フロセミド、ピモベンダン、ACE阻害剤(例えば、エナラプリル)、及びスピロノラクトンを含む治療は、MMVD、CHF及び/又は無症候性心不全を管理するために投与される。フロセミドは強力な利尿剤であり、体内から水分を除去し、それによって肺液うっ血を減少させる。ピモベンダンは、心臓がより効果的に働くのを助け、心臓リモデリングを減少させ、MMVD患者の生存率を改善することが示されている。ACE阻害剤及びスピロノラクトンは、重度の心臓病で生じる有害な代償機構を遮断し、生存を延長させることも示されている。これらの薬物の副作用には、アレルギー反応、ふらつき、食欲不振、無気力、下痢、失神が含まれる。CHFの治療に使用されることがある他の医薬としては、ヒドロクロロチアジド、アムロジピン、トルセミド、及びジゴキシンが挙げられる。
【0094】
新しい薬物及び治療レジメンの開発にもかかわらず、いつ治療すべきか、及びこれらの動物のうちのいくつかのための最良の介入が何であるかについて不確実性が残っている。2009年に、危険因子並びに臨床的及び診断的イメージングサインに基づく、心臓病を分類するための客観的分類システムが開発された。
【0095】
心不全は、異なる段階に分けられ、これらは、異なる分類システム、例えば、国際小動物心臓健康評議会(ISACHC)、ニューヨーク心臓協会(NYHA)機能分類システム、及び米国獣医内科学会(ACVIM)のコンセンサスステートメント(2009年)による現在使用されている分類によって定義された。分類システム間のいかなる曖昧さを除去するために、以下に記載される分類システムは、同義語とみなされる。
【0096】
国際小動物心臓健康協議会(ISACHC)システムによる分類:クラスI:無症候性(オカルト又は前臨床としても知られる)、クラスIA:基礎心疾患に対する代償の証拠がない(X線又は心エコー検査で容積過負荷又は圧力過負荷が検出されない)、クラスIB:基礎心疾患に対する代償の臨床的徴候(X線又は心エコー検査で容積過負荷又は圧力過負荷が検出される)、クラスII:安静時又は軽度の運動時での臨床的徴候を伴う軽度から中等度の心不全(治療が必要)、クラスIII:進行した心不全、重度のうっ血性心不全の臨床的徴候、クラスIIIA:在宅治療が可能、クラスIIIB:入院が必要。
【0097】
ニューヨーク心臓協会(New York Heart Association、NYHA)機能分類システム:クラスI:無症候性心疾患(例えば、慢性弁膜症(CVHD)が存在するが、運動しても臨床的徴候は明らかではない)を有する患者を表す、クラスII:激しい運動中にのみ臨床的徴候を引き起こす心疾患を有する患者を表す、クラスIII:日常的な活動又は軽度の運動で臨床的徴候を引き起こす心疾患を有する患者を表す、クラスIV:安静時でも重度の臨床的徴候を引き起こす心疾患を有する患者を表す。
【0098】
ACVIMシステムは、心臓病及び心不全の4つの基本的な段階を説明する。ステージA:心疾患を発症するリスクが高いが、現在特定可能な心臓の構造的障害を有していない患者、ステージB:構造的心疾患を有する(例えば、僧帽弁逆流の典型的な雑音が存在する)が、心不全によって引き起こされる臨床的徴候を発症していない患者(予後及び治療に対する重要な臨床的意義のために、パネルは、更にステージBをステージB1とB2に細分化した)。ステージB1:CVHDに応答した心臓リモデリングのX線検査又は心エコー検査の証拠がない無症候性患者。ステージB2:左側心臓拡大のX線又は心エコー検査所見によって証明されるように、血液動態学的に有意な弁逆流を有する無症候性患者。ステージC:構造的心疾患に関連する心不全の過去又は現在の臨床的徴候を有する患者。ステージD:標準療法に抵抗性である、CVHDによって引き起こされる心不全の臨床的徴候を有する末期疾患を有する患者。
【0099】
心臓の病理は、ISACHCクラスI、NYHAクラスI、及びACVIMステージB2で始まり、これらのステージでは、心臓の雑音又は心房の拡大はあるが、臨床的症状はない(ISACHCクラスI又は無症候性/オカルト/前臨床ステージ)。臨床的症状は、疾患の進行の過程で顕在化する(ISACHCクラスII又はIII、NYHAクラスII、III、又はIV、ACVIMステージC及びD)。本発明の化合物は、c5-HT2Bに対する親和性を有するため、化合物は、MMVD、CHF及び/又は無症候性心不全を治療するための潜在的に新しい薬物を獣医に提供し得る。
【0100】
本発明の式(1)の化合物は、化学の分野で周知の過程と同様の過程を含む合成経路によって、特に本明細書に含まれる記載を鑑みて合成することができる。出発物質は、一般に、Aldrich Chemicals(Milwaukee,WI)、Combi-Blocks(San Diego,CA)、Synthonix Chemicals(Wake Forest,NC)、Enamine(Monmouth Jct.NJ)及びその他、又は当業者に周知の方法を使用して容易に調製される(例えば、一般に、Louis F.Fieser and Mary Fieser,”Reagents for Organic Synthesis”,1;19,Wiley,New York(1967,1999 ed.)、又は補足を含む、Beilsteins Handbuch der organischen Chemie,4,Aufl.ed.Springer-Verlag,Berlin(Beilsteinオンラインデータベースを介しても利用可能)に記載の方法によって調製される)。説明目的で、下記の反応スキームに、本発明の化合物を合成するための可能性のある経路、及び主要中間体を示す。個別の反応ステップの更なる詳細な説明は、実施例の項で見ることができる。当業者であれば、本発明の化合物は、本明細書に記載の方法の適応及び/若しくは当該技術、例えば、本明細書に記載の技術で既知の方法の適応による、本明細書に記載の方法以外の方法によって、又は”Comprehensive Organic Transformations-A Guide to Functional Group Transformations”,RC Larock,Wiley-VCH(1999年又はそれ以降の版)などの標準的なテキストを使用して、作製することができることを理解するであろう。
【0101】
スキーム1は、本発明の化合物の調製及び単離のための一般的手順の概要を示す。しかしながら、本明細書で十分に説明され、特許請求の範囲に引用されている本発明は、以下のスキーム又は調製様式の詳細によって限定されることが意図されないことを、理解されたい。
【0102】
以下に記載される実施例及び方法において、以下の反応物及びその他の略称には、以下が含まれる:室温(RT)、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン(DCM)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、メタノール(MeOH)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、(1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート(HATU)、N-メチルモルホリン(NMM)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(i-Pr2NEt)、トリアセトキシ水素酸ナトリウム(NaBH(OAc)3、酢酸(AcOH)、tert-ブチルオキシカルボニル(BOC)、トリフルオロ酢酸(TFA)、水酸化リチウム(LiOH)、炭酸セシウム(Cs2CO3)、ヨウ化銅(I)(CuI)、1,2-ジクロロエタン(DCE)、水(H2O)、ハンクの平衡塩類溶液(HBSS)、ウシ胎児血清(FBS)、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)、最小必須培地(MEM)、及び(4-2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)。
【0103】
本発明の化合物の薬学的に許容される塩は、従来の様式で調製され得る。例えば、遊離塩基の溶液は、純粋な又は好適な溶媒中のいずれかで、適切な酸で処理することができ、得られた塩は、反応溶媒の濾過、又は減圧下での蒸発によって単離される。好適な塩に関する概説については、”Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use”by Stahl and Wermuth(Wiley-VCH,Weinheim,Germany,2002)を参照されたい。
【0104】
本発明の式(1)の化合物は、その天然型で又は塩として使用され得る。安定した非毒性酸又は塩基塩の形成が所望される場合、薬学的に許容される塩としての化合物の投与が適切であり得る。本発明の化合物の薬学的に許容される塩としては、アセテート、アジペート、アスパルテート、ベンゾエート、ベシレート、バイカーボネート/カーボネート、バイスルフェート/スルフェート、ボレート、カンシレート、シトレート、エジシレート、エトグルタレート(etoglutarate)、エシレート、ホルメート、フマレート、グルセプテート、グルコネート、グルクロネート、グルセロホスフェート、ヘキサフルオロホスフェート、ヒベンゼート、ヒドロクロライド/クロライド、ヒドロブロミド/ブロミド、ヒドロヨード/ヨード、イセチオネート、ラクテート、マレート、マレエート、マロネート、メシレート、メチルスルフェート、ナフチレート、2-ナプシレート、ニコチネート、ニトレート、オロテート、オキサレート、パルミテート、パモエート、ホスフェート/ハイドロゲンホスフェート/ジハイドロゲンホスフェート、サッカレート、ステアレート、スクシネート、タルトレート、トシレート、及びトリフルオロアセテート塩が挙げられるがこれらに限定されない。
【0105】
本発明の式(1)の化合物は、本明細書に記載のスキーム及び手順によって説明されるように調製することができる。
【0106】
スキーム1.式(1)の化合物の調製
【化7】
式中、Wが、環A(任意に置換された((R
4)
n)であり、R
4及びnは、本明細書に記載の通りである)であり、X、L、及びX’もまた、本明細書に記載の通りである。第1のBoc保護アミン中間体(1a)は、標準的な還元アルキル化技術によって調製することができ、還元剤(トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム)は、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、又はPd/C(H
2又はEt
3SiHを含む)などの他の還元剤で置き換えることができる。Boc-アミンをTFAで脱保護した後、次いで、アミン(1b)を、HATUなどの古典的なアミドカップリング剤を使用して、ピロロ-ピリジン酸(又はインドール-、インダゾール-、若しくはベンゾフラン-カルボン酸)と連結させることができる。
【0107】
本発明の式(1)の化合物は、動物、特にイヌ(c5-HT2B)におけるMMVP、CHF、及び/又は無症候性心不全の治療のための5-HT2Bアンタゴニストとして有用である。本発明の別の態様は、治療有効量の本発明の式(1)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む獣医学的組成物である。本発明の別の態様は、治療有効量の本発明の式(1)の化合物、又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される賦形剤と、を含む獣医学的組成物である。本発明の式(1)の化合物(その中で使用される組成物及び方法を含む)、又はその薬学的に許容される塩は、本明細書に記載の治療用途のための医薬品の製造に使用することができる。
【0108】
本発明の式(1)化合物、又はその薬学的に許容される塩は、単独で、又は想定される特定の使用及び治療される動物の種に適切な配合物で投与され得る。一般に、それらは、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と連携して配合物として投与することになる。「賦形剤」という用語は、本明細書では、本発明の式(1)化合物又は任意の追加の獣医学的薬剤以外の任意の成分を説明するために使用される。賦形剤(複数可)の選択は、特定の投与様式、溶解度及び安定性に対する賦形剤(複数可)の影響、並びに剤形の性質などの因子に大きく依存するであろう。賦形剤(複数可)に加えて、投与される本発明の化合物の量、及び状態又は障害を化合物で治療するための投薬レジメンは、動物の年齢、体重、性別、及び医学的状態、疾患の重症度、投与の経路及び頻度を含む様々な因子に依存するため、大きく異なり得る。
【0109】
一態様では、獣医学的組成物は、本発明の式(1)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される担体を伴って含む。濃度範囲は、組成物(例えば、経口又は注射可能)に応じて異なるであろう。経口投薬については、活性剤(すなわち、本発明の化合物)の範囲は、約0.1~約10mg/kg、好ましくは約0.5~約5mg/kg、更により好ましくは約0.5~約3mg/kg、最も好ましくは約0.5~約1.5mg/kgである。注射可能な溶液については、活性剤の範囲は、約0.1~約50mg/mL、好ましくは約0.5~約25mg/mL、より好ましくは約1~約10mg/mL、更により好ましくは約2~約5mg/mLである。好ましい投与経路は、経口である。濃度範囲及び好ましい濃度範囲は、治療上有効な用量であると考えられる。更に、用量範囲及び好ましい用量範囲は、本明細書に記載される濃度よりも高くても低くてもよい。
【0110】
配合物は、従来の溶解及び混合手順を使用して調製され得る。それらの調製のためのかかる組成物及び方法は、例えば、”Remington’s Veterinary Sciences”,19th Edition(Mack Publishing Company,1995、及び”Veterinary Dosage Forms:Tablets,Vol.1”,by H.Lieberman and L.Lachman,Marcel Dekker,N.Y.,1980(ISBN 0-8247-6918-X)で見ることができる。
【0111】
典型的な配合物は、本発明の式(1)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤と混合することによって調製される。好適な賦形剤は、当業者に周知であり、炭水化物、ワックス、水溶性及び/又は膨潤性ポリマー、親水性又は疎水性材料、ゼラチン、油、溶媒、水などの材料を含む。特定の賦形剤(複数可)は、本発明の化合物が適用される手段及び目的に依存するであろう。溶媒は、一般に、動物に投与されるのに安全であると当業者に認識される溶媒に基づいて選択される。配合物はまた、薬物(すなわち、本発明の化合物、又はその獣医学的組成物)の上品な見かけを提供するか、又は獣医学的製品(すなわち、医薬品)の製造を補助するために、1つ以上の緩衝液、安定化剤、界面活性剤、湿潤剤、潤滑剤、乳化剤、懸濁剤、防腐剤、抗酸化剤、不透明化剤、滑剤、加工助剤、着色剤、甘味剤、芳香剤、香味剤、及び他の既知の添加剤を含み得る。本発明の式(1)化合物は、典型的には、投与のために容易に制御可能な剤形を提供するために、獣医学的剤形に配合物されるであろう。
【0112】
本発明の式(1)化合物を投与することができる方法は、経口及び注射可能(例えば、非経口、皮下、及び筋肉内)を含む。
【0113】
本発明の式(1)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、カプセル、ボーラス、錠剤、散剤、トローチ剤、チュアブル錠、マルチ及びナノ粒子、ゲル、固溶体、フィルム、噴霧、又は液体形態によって経口投与され得る。これは、好ましい投与方法であり、したがって、経口投与用の化合物を開発することが望ましい。かかる配合物は、軟質又は硬質カプセル、口当たりの良い軟質又は硬質チュアブル錠の充填剤として用いることができ、これらは、典型的には、賦形剤、例えば、水、エタノール、ポリエチレングリコール、N-メチルピロリドン、プロピレングリコール、メチルセルロース、又は好適な油、並びに1つ以上の乳化剤、風味剤、及び/又は懸濁剤を含む。液体形態は、懸濁液、溶液、シロップ、水薬、及びエリキシル剤を含む。液体配合物は、例えばサシェから固体を再構成することによって調製してもよい。
【0114】
注射可能な配合物は、他の物質、例えば、溶液を血液と等張にするための十分な塩類やグルコースを含有することができる滅菌水溶液の形態で調製することができる。許容される液体賦形剤には、ゴマ油及び綿実油などの植物油、トリアセチンなどのグリセリド、安息香酸ベンジル、ミリスチン酸イソプロピル、及びプロピレングリコールの脂肪酸誘導体などのエステル、並びにピロリジン-2-オン、ベンジルアルコール、及びグリセロールホルマールなどの有機溶媒が含まれる。配合物は、最終配合物が約0.01~30重量%の活性成分を含有するように、本発明の化合物を、単独で又は追加の獣医学的薬剤とともに、液体賦形剤(複数可)中に溶解又は懸濁することによって調製される。
【0115】
注射可能な投与のための好適なデバイスとしては、針(極微針を含む)注射器、無針注射器、及び注入技法が挙げられる。注射可能な配合物は、典型的には、塩、炭水化物、及び緩衝剤(好ましくは3~9のpHまで)などの賦形剤を含有し得る水溶液であるが、いくつかの用途については、それらは、滅菌非水溶液として、又は滅菌パイロジェンフリー水などの好適なビヒクルとともに使用される乾燥粉末形態として、より好適に配合され得る。例えば凍結乾燥による滅菌条件下での注射可能な配合物の調製は、当業者に周知の標準的な獣医学的技術によって容易に達成され得る。注射可能な溶液の調製に使用される本発明の化合物の溶解度は、溶解度増強剤を使用することによって増加させることができる。
【0116】
本発明の式(1)の化合物、又はその薬学的に許容される塩の投与は、1日1回又は2回であると企図される。好ましくは、1日1回(qd)。
【0117】
本発明の組成物は、本明細書に記載されているように、単独で投与することができ、又は少なくとも1つの他の追加の獣医学的薬剤と組み合わせて投与することによって、より広域の獣医学的有用性を提供することができる。薬学的薬剤を含む、これらの少なくとも1つの他の追加の獣医学的薬剤は、本発明の化合物と同時に、又は動物の治療期間中いつでも投与することができる。
【0118】
本発明の化合物とともに使用して、心臓病(例えば、MMVD、CHF、及び/又は無症候性心不全)を治療することができる追加の薬学的(獣医学的)心血管剤の以下のリストは、可能な組み合わせを示すことを意図しており、それらのいかなる限定を課すことも意図していない。追加の薬学的(獣医学的)薬剤の非限定的な例としては、浮腫及び滲出を低減するための利尿薬(例えば、フロセミド、クロロチアジド、インダパミド、トリアムテレン、ヒドロクロロチアジドなど);心臓病の進行を遅らせ、水分損失を促進するナトリウムの再吸収をブロックする可能性がある、アルドステロン媒介性心筋線維症を低減するためのアルドステロンアンタゴニスト(例えば、スピロノラクトン、エプレレノンなど);並びに血管を弛緩させることによってバランスの取れた血管拡張をもたらす、アンジオテンシン変換酵素の作用を阻害するためのACE阻害剤(例えば、エナラプリル、アキュプリル(accupril)、カプトプリル、ラミプリルなど)が挙げられる。
【0119】
動物への適用のための獣医学的組成物は、本発明の化合物又はその組み合わせを投与するために使用される方法に応じて、様々な方法でパッケージ化することができる。一般に、分配のための物品は、獣医学的組成物を適切な形態でその中に堆積させた容器を含む。好適な容器は、当業者に周知であり、ボトル(プラスチック及びガラス)、小袋、アンプル、プラスチックバッグ、金属シリンダなどの材料を含む。容器はまた、パッケージの内容物への不注意なアクセスを防止するための不正開封防止アセンブリを含んでもよい。加えて、容器には、容器の内容物を記載したラベルが貼られている。ラベルは、適切な警告も含んでいてもよい。
【0120】
本発明の式(1)化合物(そこで使用される組成物及び方法を含む)、又はその薬学的に許容される塩は、本明細書に記載の治療用途のための医薬品の製造に使用することもできる。
【0121】
下記の実施例における式(1)の化合物の構造を、プロトン磁気共鳴分光法及び質量分析のうちの1つ以上の方法によって確認した。プロトン磁気共鳴(1H NMR)スペクトルを、400メガヘルツ(MHz)の磁場強度で操作するBruker分光計を使用して決定した。化学シフトは、内部テトラメチルシラン標準又は残留プロトン化NMR溶媒から低磁場で100万分の1(PPM、δ)の単位で報告する。質量スペクトル(MS)データを、マルチモードエレクトロスプレー及び大気圧化学イオン化(MM-ES+APCI)方法を用いるAgilent質量分析計(1290 Infinity II)を使用して得た。X-ブリッジC8(50×4.6)mm、3.5μmカラムを用いて、Agilent1260 Infinity II上で高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を行った。移動相は、1.0mL/分の流速で、水中のアセトニトリルと10mMの炭酸水素アンモニウムの二成分グラジエントであった。
【実施例】
【0122】
以下の実施例は、本発明の式(1)の化合物を調製するための処理条件のより詳細な説明を提供する。しかしながら、本明細書で十分に説明され、特許請求の範囲に引用されている本発明は、以下の調製様式の詳細によって限定されることが意図されないことを、理解されたい。
【0123】
中間体
(1R,3s,5S)-8-(4-クロロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン2,2,2-トリフルオロアセテートの合成
【化8】
ステップ-1:tert-ブチル((1R,3s,5S)-8-(4-クロロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)カルバメートの合成。DCM(10.0mL)中の4-クロロベンズアルデヒド1(500mg、3.57mmol)の撹拌溶液に、tert-ブチル((1R,3s,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)カルバメート(969.3mg、4.28mmol;CAS番号132234-68-5))、及び酢酸(0.05mL、0.79mmol)を0℃で添加した。得られた反応混合物を室温で1時間撹拌した。その後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.51g、7.14mmol)を反応混合物に添加し、一晩撹拌した。完了後、反応混合物を水で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。組み合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。粗生成物をコンビフラッシュクロマトグラフィー(30%酢酸エチル-ヘキサン)によって精製して、tert-ブチル((1R,3s,5S)-8-(4-クロロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)カルバメート(800.0mg)をオフホワイト色の固体として得た。
【0124】
ステップ-2:(1R,3s,5S)-8-(4-クロロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン2,2,2-トリフルオロアセテートの合成。DCM(20.0mL)中のtert-ブチル((1R,3s,5S)-8-(4-クロロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]-オクタン-3-イル)カルバミン酸(800.0mg、2.28mmol)の撹拌溶液に、TFA(1.04mL、13.71mmol)を0℃で添加した。得られた反応混合物を室温で2時間撹拌した。完了後、反応混合物を減圧下で濃縮し、乾燥させて、(1R,3s,5S)-8-(4-クロロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン(500mg)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ1.88-1.96(m,4H),2.04-2.06(m,2H),2.32-2.34(m,2H),3.88-3.90(m,2H),4.18(bs,2H),4.54-4.56(m,1H),7.57(bs,4H),8.13(bs,2H).
【0125】
上記で提供されるステップは、一般に、例えば、4-クロロベンズアルデヒド(実施例3及び5)を、a)4-フルオロベンズアルデヒド(実施例4)、b)インドール-5-カルボキサルデヒド(実施例6)、c)チオフェン-2-カルボキサルデヒド(実施例7)、d)4-(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド(実施例11)、e)2-ピリジンカルボキサルデヒド(実施例12)、f)3-ピリジンカルボキサルデヒド(実施例13)、g)4-ピリジンカルボキサルデヒド(実施例14)、h)2-ピラジンカルボキサルデヒド(実施例15)、i)1-メチル-2-イミダゾールカルボキサルデヒド(実施例16)、j)イソチアゾール-5-カルボールデヒド(実施例25)、k)イソチアゾール-3-カルボールデヒド(実施例26)、l)チアゾール-2-カルボールデヒド(実施例27)、及びm)4-メチルチアゾール-2-カルボールデヒド(実施例28)と置き換えることによって、同様のアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン.2,2,2-トリフルオロ酢酸類似体を調製するために使用した。
【0126】
(1R,3s,5S)-8-フェニル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン2,2,2-トリフルオロアセテートの合成
【化9】
このN-フェニル中間体は、フェニルボロン酸をフェニルの供給源として使用するチャン-ラム反応によって調製され、酸化銅で触媒され、酢酸銅は、この触媒の一般的な代替物である。次いで、中間体をTFAで脱保護して、実施例17の合成に使用される中間体を得た。
【0127】
ステップ-1:tert-ブチル((1R,3s,5S)-8-フェニル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)カルバメートの合成。メタノール(5.0mL)中のフェニルボロン酸(300mg、2.46mmol)の撹拌溶液に、tert-ブチル((1R,3s,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)カルバメート(668.21mg、2.95mmol)、及びCu2O(17.85mg、0.12mmol)を添加した。得られた反応混合物を室温で16時間、空気雰囲気下で撹拌した。完了後、反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。組み合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。粗生成物を、コンビフラッシュカラムクロマトグラフィー(30%酢酸エチル-ヘキサン)によって精製して、tert-ブチル((1R,3s,5S)-8-フェニル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)カルバメート(100.0mg)をオフホワイト色の固体として得た。
【0128】
ステップ-2:(1R,3s,5S)-8-フェニル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミンの合成。DCM(5.0mL)中のtert-ブチル((1R,3s,5S)-8-フェニル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)カルバミン酸塩(100.0mg、0.33mmol)の撹拌溶液に、TFA(0.13mL、1.66mmol)を0℃で添加した。得られた反応混合物を室温で2時間撹拌した。完了後、反応混合物を減圧下で濃縮し、乾燥させて、(1R,3s,5S)-8-フェニル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン2,2,2-トリフルオロアセテート(50mg)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ1.62-1.68(m,4H),1.75-1.77(m,2H),1.97-1.99(m,2H),3.56-3.58(m,1H),4.33(bs,2H),6.65(t,J=7.20Hz,1H),6.82(d,J=8.04Hz,2H),7.20(t,J=7.84Hz,2H),7.63(bs,2H).
【0129】
1-フェニル-1H-インドール-6-カルボン酸の合成
【化10】
上述のN-フェニルインドール誘導体は、インドールエステルと、ヨウ化銅(I)で触媒されるヨウ化アリールとの間のウルマン型反応を使用して、炭酸セシウムの存在下で合成した。酸中間体を、水酸化リチウムによるエステル加水分解によって生成した。この過程はまた、実施例18、21、及び22のための同様の中間体を生成した。本質的に、ヨードベンゼン(実施例23)を、a)4-ヨード-ピリジン(実施例18)、b)1-ヨード-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(実施例21)、及びc)1-ヨード-4-フルオロベンゼン(実施例22)に置き換えた。
【0130】
ステップ-1:メチル1-フェニル-1H-インドール-6-カルボキシレートの合成。DMF(5.0mL)中のヨードベンゼン(500.0mg、2.45mmol)の撹拌した脱気溶液に、1H-インドール-6-カルボン酸メチルエステル(698.04mg、3.92mmol)、CuI(142.65mg、0.50mmol)、及びCs2CO3(1.60mg、4.90mmol)を添加した。得られた反応混合物を120℃で16時間加熱した。完了後、反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。組み合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。粗生成物をコンビフラッシュカラムクロマトグラフィー(20%酢酸エチル-ヘキサン)によって精製して、1-フェニル-1H-インドール-6-カルボキシレートメチル(300.0mg)を褐色固体として得た。
【0131】
ステップ-2:1-フェニル-1H-インドール-6-カルボン酸の合成。THF及び水(6mL、1:1)中のメチル1-フェニル-1H-インドール-6-カルボキシレート(300.0mg、1.20mmol)の撹拌溶液に、LiOH.H20(42.94mg、1.70mmol)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。完了後、反応混合物を減圧下で濃縮し、水で希釈し、pHを、1M HClを使用することによって4に調整した。このようにして形成された沈殿物を濾過し、粗生成物をペンタンで粉砕し、乾燥させて、1-フェニル-1H-インドール-6-カルボン酸(200.0mg)をオフホワイト色の固体として得た。LCMS[M-H=235.8].
【0132】
中間体(1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-エキソ-アミンは、遊離塩基として、米国の企業(Combi-Blocks、AstaTech、及びSynthonix)から市販で購入することができる。
【化11】
【0133】
実施例1.N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド
【化12】
以下の反応スキームに従って、実施例1を調製した。
【化13】
【0134】
ステップ1:1H-インドール-6-カルボン酸(1.0g、6.2mmol)、HATU(1.5当量、6.588mmol)、及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.53mL、8.784mmol)を、N,N-ジメチルホルムアミド(10mL)中で10分間撹拌した。
【0135】
ステップ2:ステップ1の溶液に、8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-エキソ-アミン(1000mg、4.392mmol)を室温で添加し、3時間撹拌した。混合物を、分取HPLCによって生成して、標題化合物を白色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δppm 1.55-1.70(m,4H)1.77(t,2H)1.95-2.10(m,2H)3.17(bs,2H)3.59(bs,1H)4.25(bs,1H)6.46(bs,1H)7.20-7.28(m,1H)7.32(t,2H)7.35-7.41(m,2H)7.48(bs,1H)7.50-7.58(m,2H)7.93(bs,1H)8.09(d,1H)11.32(br s,1H).LC-MS(m/z):[M+H]=359.
【0136】
実施例2.N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキサミド。化合物を実施例1と同様に調製したが、1H-インドール-6-カルボン酸を1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボン酸で置き換えた。
【化14】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ1.66-1.78(m,6H),1.99-2.04(m,2H),3.18(bs,2H),3.62(s,2H),4.17-4.23(m,1H),6.54(s,1H),7.23-7.25(m,1H),7.32(t,J=7.2Hz,2H),7.38-7.40(m,2H),7.66(bs,1H),7.75(d,J=8.2Hz,1H),8.07-8.11(m,2H),11.75(s,1H).LC-MS(m/z):[M+H]=360.
【0137】
実施例3.N-((1R,3s,5S)-8-(4-クロロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキサミド。化合物を実施例1と同様に調製したが、1H-インドール-6-カルボン酸を1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボン酸で置き換え、8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-エキソ-アミンを(1R,3s,5S)-8-(4-クロロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン.2,2,2-トリフルオロアセテートで置き換えた。
【化15】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ1.66-1.78(m,6H),1.97-2.03(m,2H),3.16(bs,2H),3.61(s,2H),4.17-4.22(m,1H),6.54(s,1H),7.37-7.43(m,4H),7.64-7.68(m,1H),7.75(d,J=8.2Hz,1H),8.07-8.12(m,2H),11.76(s,1H).LC-MS(m/z):[M+H]=394.
【0138】
実施例4.N-((1R,3s,5S)-8-(4-フルオロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド。化合物を実施例1と同様に調製したが、8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-エキソ-アミンを(1R,3s,5S)-8-(4-フルオロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン.2,2,2-トリフルオロアセテートで置き換えた。
【化16】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ1.63-1.65(m,4H),1.72-1.78(m,2H),1.99-2.01(m,2H),3.16(bs,2H),3.56(s,2H),4.20-4.26(m,1H),6.46(s,1H),7.14(t,J=8.7Hz,2H),7.38-7.42(m,2H),7.48-7.55(m,3H),7.93(s,1H),8.09(d,J=7.9Hz,1H),11.32(s,1H).LC-MS(m/z):[M+H]=377.
【0139】
実施例5.N-((1R,3s,5S)-8-(4-クロロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド。化合物を実施例1と同様に調製したが、8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-エキソ-アミンを(1R,3s,5S)-8-(4-クロロベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン.2,2,2-トリフルオロアセテートで置き換えた。
【化17】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ1.64-1.66(m,4H),1.73-1.79(m,2H),1.98-2.02(m,2H),3.17(bs,2H),3.59(s,2H),4.18-4.28(m,1H),6.46(s,1H),7.37-7.41(m,4H),7.48-7.55(m,3H),7.93(s,1H),8.08(d,J=8Hz,1H),11.31(s,1H).LC-MS(m/z):[M+H]=393.
【0140】
実施例6.N-((1R,3s,5S)-8-((1H-インドール-5-イル)メチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド。化合物を実施例1と同様に調製したが、8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-エキソ-アミンを(1R,3s,5S)-8-((1H-インドール-5-イル)メチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン.2,2,2-トリフルオロアセテートで置き換えた。
【化18】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ1.55-1.66(m,4H),1.74-1.79(m,2H),2.01-2.06(m,2H),3.20(bs,2H),3.62(s,2H),4.19-4.28(m,1H),6.37(bs,1H),6.46(bs,1H),7.12(d,J=8.6Hz,1H),7.29-7.34(m,2H),7.47-7.53(m,4H),7.93(s,1H),8.08(d,J=8.2Hz,1H),10.98(s,1H),11.31(s,1H).LC-MS(m/z):[M+H]=398.
【0141】
実施例7.N-((1R,3s,5S)-8-(チオフェン-2-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド。化合物を実施例1と同様に調製したが、8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-エキソ-アミンを(1R,3s,5S)-8-(チオフェン-2-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン.2,2,2-トリフルオロアセテートで置き換えた。
【化19】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ1.64-1.65(m,4H),1.72-1.78(m,2H),1.97-1.99(m,2H),3.24(bs,2H),3.77(s,2H),4.20-4.24(m,1H),6.46(s,1H),6.95(s,2H),7.39-7.53(m,4H),7.94(s,1H),8.11(d,J=8.3Hz,1H),11.31(s,1H).LC-MS(m/z):[M+H]=365.
【0142】
実施例8.N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-2-メチル-1H-インドール-6-カルボキサミド。化合物を実施例1と同様に調製したが、1H-インドール-6-カルボン酸を2-メチル-1H-インドール-6-カルボン酸で置き換えた。
【化20】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ1.63-1.65(m,4H),1.73-1.79(m,2H),1.98-2.02(m,2H),2.40(s,3H),3.17(bs,2H),3.59(s,2H),4.20-4.26(m,1H),6.16(s,1H),7.22-7.25(m,1H),7.31-7.39(m,5H),7.46-7.48(m,1H),7.80(s,1H),8.03(d,J=8.2Hz,1H),11.13(s,1H).LC-MS(m/z):[M+H]=373.
【0143】
以下の反応スキームに従って、実施例8を調製した。
【化21】
【0144】
実施例9.N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-7-カルボキサミド。化合物を実施例1と同様に調製したが、1H-インドール-6-カルボン酸を2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-7-カルボン酸で置き換え、実施例1と同様に調製したが、1H-インドール-6-カルボン酸を2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-7-カルボン酸で置き換えた。
【化22】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ1.58-1.65(m,4H),1.75-1.84(m,6H),2.01(bs,2H),2.58-2.63(m,2H),2.70-2.74(m,2H),3.18(bs,2H),3.60(bs,2H),4.20-4.26(m,1H),7.22-7.26(m,1H),7.31-7.35(m,3H),7.38-7.39(m,2H),7.48(d,J=8.2Hz,1H),7.79(s,1H),8.03(d,J=8Hz,1H),10.88(s,1H).LC-MS(m/z):[M+H]=413.
【0145】
実施例10.N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インダゾール-6-カルボキサミド。化合物を実施例1と同様に調製したが、1H-インドール-6-カルボン酸を1H-インダゾール-6-カルボン酸で置き換えた。
【化23】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ1.64-1.66(m,4H),1.74-1.80(m,2H),2.01(bs,2H),3.18(bs,2H),3.58(s,2H),4.21-4.27(m,1H),7.23-7.39(m,5H),7.58(d,J=8.3Hz,1H),7.79(d,J=8.3Hz,1H),8.03(bs,1H),8.12(bs,1H),8.32(d,J=7.6Hz,1H),13.32(s,1H).LC-MS(m/z):[M+H]=360.
【0146】
実施例11.N-((1R,3s,5S)-8-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド。化合物を実施例1と同様に調製したが、8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-エキソ-アミンを(1R,3s,5S)-8-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン.2,2,2-トリフルオロアセテートで置き換えた。
【化24】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ1.64-1.67(m,4H),1.75-1.81(m,2H),2.00-2.04(m,2H),3.18(bs,2H),3.69(s,2H),4.22-4.26(m,1H),6.46(s,1H),7.48-7.54(m,3H),7.60-7.62(m,2H),7.69-7.71(m,2H),7.93(s,1H),8.10(d,J=7.8Hz,1H),11.33(s,1H).LC-MS(m/z):[M+H]=427.
【0147】
実施例12.N-((1R,3s,5S)-8-(ピリジン-2-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド。化合物を実施例1と同様に調製したが、8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-エキソ-アミンを(1R,3s,5S)-8-(ピリジン-2-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン.2,2,2-トリフルオロアセテートで置き換えた。
【化25】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ1.61-1.68(m,4H),1.78-1.84(m,2H),1.98-2.02(m,2H),3.23(bs,2H),3.73(s,2H),4.22-4.28(m,1H),6.46(s,1H),7.23-7.26(m,1H),7.48-7.56(m,4H),7.76-7.80(m,1H),7.94(s,1H),8.11(d,J=7.9Hz,1H),8.48(bs,1H),11.32(s,1H).LC-MS(m/z):[M+H]=360.
【0148】
実施例13.N-((1R,3s,5S)-8-(ピリジン-3-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド。化合物を実施例1と同様に調製したが、8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-エキソ-アミンを(1R,3s,5S)-8-(ピリジン-3-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン.2,2,2-トリフルオロ酢酸塩で置き換えた。
【化26】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ1.65-1.66(m,4H),1.73-1.79(m,2H),1.98-2.02(m,2H),3.17(bs,2H),3.62(s,2H),4.18-4.26(m,1H),6.46(s,1H),7.35-7.38(m,1H),7.48-7.56(m,3H),7.76(d,J=7.4Hz,1H),7.93(s,1H),8.09(d,J=8Hz,1H),8.46(d,J=3.7Hz,1H),8.57(s,1H),11.32(s,1H).LC-MS(m/z):[M+H]=360.
【0149】
実施例14.N-((1R,3s,5S)-8-(ピリジン-4-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド。化合物を実施例1と同様に調製したが、8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-エキソ-アミンを(1R,3s,5S)-8-(ピリジン-4-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン.2,2,2-トリフルオロ酢酸塩で置き換えた。
【化27】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ1.65-1.67(m,4H),1.73-1.79(m,2H),2.01(bs,2H),3.17(bs,2H),3.63(s,2H),4.20-4.26(m,1H),6.47(s,1H),7.40(bs,2H),7.48-7.54(m,3H),7.93(s,1H),8.10(d,J=7.4Hz,1H),8.51(bs,2H),11.33(s,1H).LC-MS(m/z):[M+H]=360.
【0150】
実施例15.N-((1R,3s,5S)-8-(ピラジン-2-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド。化合物を実施例1と同様に調製したが、8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-エキソ-アミンを(1R,3s,5S)-8-(ピラジン-2-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン.2,2,2-トリフルオロアセテートで置き換えた。
【化28】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ1.65-1.69(m,4H),1.78-1.84(m,2H),1.99-2.02(m,2H),3.25(bs,2H),3.79(s,2H),4.22-4.28(m,1H),6.46(s,1H),7.48-7.56(m,3H),7.93(s,1H),8.12(d,J=8Hz,1H),8.55(d,J=13.5Hz,2H),8.79(s,1H),11.33(s,1H).LC-MS(m/z):[M+H]=361.
【0151】
実施例16.N-((1R,3s,5S)-8-((1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)メチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド(ZTS-527811)。LC-MS(m/z):[M+H]=363.化合物を実施例1と同様に調製したが、8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-エキソ-アミンを(1R,3s,5S)-8-((1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)メチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン.2,2,2-トリフルオロアセテートで置き換えた。
【化29】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ1.62-1.64(m,4H),1.69-1.74(m,2H),1.97-1.98(m,2H),3.15(bs,2H),3.62(s,2H),3.73(s,3H),4.20-4.21(m,1H),6.46(s,1H),6.73(s,1H),7.07(s,1H),7.48-7.55(m,3H),7.92(s,1H),8.09(d,J=8.4Hz,1H),11.32(s,1H).
【0152】
実施例17.N-((1R,3s,5S)-8-フェニル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド。化合物を実施例1と同様に調製したが、8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-エキソ-アミンを(1R,3s,5S)-8-フェニル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン.2,2,2-トリフルオロアセテートで置き換えた。
【化30】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ1.58-1.65(m,2H),1.77-1.87(m,4H),1.98-2.03(m,2H),4.31(bs,2H),4.47-4.52(m,1H),6.43(bs,1H),6.60-6.64(m,1H),6.82(d,J=7.4Hz,2H),7.18-7.21(m,2H),7.45-7.48(m,3H),7.90(s,1H),8.08(d,J=7.8Hz,1H),11.27(s,1H).LC-MS(m/z):[M+H]=345.
【0153】
以下の反応スキームに従って、実施例17を調製した。
【化31】
【0154】
実施例18.N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1-(ピリジン-4-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド。化合物を実施例1と同様に調製したが、1H-インドール-6-カルボン酸を1-(ピリジン-4-イル)-1H-インドール-6-カルボン酸で置き換えた。
【化32】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ1.59-1.65(m,4H),1.72-1.76(m,2H),1.98-2.04(m,2H),3.18(bs,2H),3.55(s,2H),4.21-4.29(m,1H),6.85(d,J=3.1Hz,1H),7.24-7.36(m,5H),7.71-7.77(m,4H),7.96(d,J=3.2Hz,1H),8.22-8.26(m,2H),8.76(d,J=5.8Hz,2H).LC-MS(m/z):[M+H]=436.
【0155】
以下の反応スキームに従って、実施例18を調製した。
【化33】
【0156】
実施例19.N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-3-シアノ-1H-インドール-6-カルボキサミド。化合物を実施例1と同様に調製したが、1H-インドール-6-カルボン酸を3-シアノ-1H-インドール-6-カルボン酸で置き換えた。
【化34】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ1.63-1.65(m,4H),1.76(t,J=11.3Hz,2H),2.00-2.02(m,2H),3.17(bs,2H),3.58(s,2H),4.21-4.28(m,1H),7.22-7.25(m,1H),7.30-7.38(m,4H),7.67(d,J=8.4Hz,1H),7.75(d,J=8.4Hz,1H),8.05(s,1H),8.28(d,J=8.1Hz,1H),8.38(s,1H),12.43(s,1H).LC-MS(m/z):[M+H]=384.
【0157】
以下の反応スキームに従って、実施例19を調製した。
【化35】
【0158】
実施例20.N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-2-(トリフルオロメチル)-1H-インドール-6-カルボキサミド。化合物を実施例1と同様に調製したが、1H-インドール-6-カルボン酸を2-(トリフルオロメチル)-1H-インドール-6-カルボン酸で置き換えた。
【化36】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ1.63-1.65(m,4H),1.75(t,J=11.6Hz,2H),1.98-2.02(m,2H),3.16(bs,2H),3.60(s,2H),4.19-4.25(m,1H),7.07(s,1H),7.21-7.25(m,1H),7.31-7.38(m,4H),7.63(d,J=8.5Hz,1H),7.71(d,J=8.5Hz,1H),7.98(s,1H),8.26(d,J=8Hz,1H),12.49(s,1H).LC-MS(m/z):[M+H]=427.
【0159】
以下の反応スキームに従って、実施例20を調製した。
【化37】
【0160】
実施例21.N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-インドール-6-カルボキサミド。化合物を実施例1と同様に調製したが、1H-インドール-6-カルボン酸を1-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-インドール-6-カルボン酸で置き換えた。
【化38】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ1.62-1.64(m,4H),1.70-1.76(m,2H),1.99-2.03(m,2H),3.17(bs,2H),3.55(s,2H),4.20-4.26(m,1H),6.82(d,J=3.1Hz,1H),7.21-7.24(m,1H),7.30-7.37(m,4H),7.68-7.72(m,2H),7.88-7.90(m,3H),7.98(d,J=8.4Hz,2H),8.12(s,1H),8.21(d,J=8.2Hz,1H).LC-MS(m/z):[M+H]=503.
【0161】
以下の反応スキームに従って、実施例21を調製した。
【化39】
【0162】
実施例22.N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1-(4-フルオロフェニル)-1H-インドール-6-カルボキサミド。化合物を実施例1と同様に調製したが、1H-インドール-6-カルボン酸を1-(4-フルオロフェニル)-1H-インドール-6-カルボン酸で置き換えた。
【化40】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ1.61-1.63(m,4H),1.73(t,J=11Hz,2H),1.98-2.03(m,2H),3.16(bs,2H),3.55(s,2H),4.20-4.26(m,1H),6.74(d,J=3Hz,1H),7.21-7.24(m,1H),7.30-7.37(m,4H),7.46(t,J=8.6Hz,2H),7.64-7.68(m,4H),7.75(d,J=3.1Hz,1H),7.96(s,1H),8.17(d,J=8.1Hz,1H).LC-MS(m/z):[M+H]=453.
【0163】
以下の反応スキームに従って、実施例22を調製した。
【化41】
【0164】
実施例23.N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1-フェニル-1H-インドール-6-カルボキサミド。化合物を実施例1と同様に調製したが、1H-インドール-6-カルボン酸を1-フェニル-1H-インドール-6-カルボン酸で置き換えた。
【化42】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ1.62-1.64(m,4H),1.71-1.76(m,2H),2.00(bs,2H),3.16(bs,2H),3.56(s,2H),4.19-4.27(m,1H),6.75(d,J=2.5Hz,1H),7.21-7.25(m,1H),7.30-7.37(m,4H),7.42-7.48(m,1H),7.62-7.69(m,6H),7.79(d,J=2.8Hz,1H),8.03(s,1H),8.19(d,J=8Hz,1H).LC-MS(m/z):[M+H]=435.
【0165】
以下の反応スキームに従って、実施例23を調製した。
【化43】
【0166】
実施例24.N-((1R,3s,5S)-8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ベンゾフラン-6-カルボキサミド。化合物を実施例1と同様に調製したが、1H-インドール-6-カルボン酸をベンゾフラン-6-カルボン酸で置き換えた。LC-MS(m/z):[M+H]=360.
【化44】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6,100℃)δ1.77-1.92(m,6H),2.08(bs,2H),3.32(bs,2H),3.75(bs,2H),4.26-4.30(m,1H),6.98(s,1H),7.27-7.29(m,1H),7.33-7.37(t,J=8.0Hz,2H),7.40-7.44(m,2H),7.68(d,J=13Hz,1H),7.78(d,J=8.0Hz,1H),7.90-7.92(m,1H),8.02(bs,1H),8.06(s,1H).
【0167】
実施例25.N-((1R,3s,5S)-8-(イソチアゾール-5-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド。化合物を実施例1と同様に調製したが、8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-エキソ-アミンを(1R,3s,5S)-8-(イソチアゾール-5-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン.2,2,2-トリフルオロアセテートで置き換えた。LC-MS(m/z):[M+H]=366.
【化45】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ1.66-1.68(m,4H),1.74-1.80(m,2H),1.96-1.99(m,2H),3.25(bs,2H),3.93(s,2H),4.21-4.23(m,1H),6.47(s,1H),7.22(s,1H),7.48(s,1H),7.52-7.54(m,2H),7.94(s,1H),8.14(d,J=7.56Hz,1H),8.46(s,1H),11.33(s,1H).
【0168】
実施例26.N-((1R,3s,5S)-8-(イソチアゾール-3-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド。化合物を実施例1と同様に調製したが、8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-エキソ-アミンを(1R,3s,5S)-8-(イソチアゾール-3-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン.2,2,2-トリフルオロアセテートで置き換えた。LC-MS(m/z):[M+H]=366.
【化46】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ1.64-1.66(m,4H),1.75-1.81(m,2H),1.99(bs,2H),3.20(s,2H),3.78(s,2H),4.23-4.27(m,1H),6.46(s,1H),7.38(d,J=4.36Hz,1H),7.48-7.56(m,3H),7.93(s,1H),8.11(d,J=8.16Hz,1H),9.01(bs,1H),11.32(s,1H).
【0169】
実施例27.N-((1R,3s,5S)-8-(チアゾール-2-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド。化合物を実施例1と同様に調製したが、8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-エキソ-アミンを(1R,3s,5S)-8-(チアゾール-2-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン.2,2,2-トリフルオロアセテートで置き換えた。LC-MS(m/z):[M+H]=366.
【化47】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ1.68-1.69(m,4H),1.78-1.84(m,2H),2.00(bs,2H),3.30(s,2H),3.92(s,2H),4.23-4.26(m,1H),6.47(s,1H),7.48(s,1H),7.52-7.54(m,2H),7.62(s,1H),7.72(bs,1H),7.95(s,1H),8.16(d,J=7.72Hz,1H),11.33(s,1H).
【0170】
以下の反応スキームに従って、実施例27を調製した。
【化48】
【0171】
実施例28.N-((1R,3s,5S)-8-((4-メチルチアゾール-2-イル)メチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インドール-6-カルボキサミド。化合物を実施例1と同様に調製したが、8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-エキソ-アミンを(1R,3s,5S)-8-(4-メチルチアゾール-2-イルメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン.2,2,2-トリフルオロアセテートで置き換えた。LC-MS(m/z):[M+H]=380.
【化49】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ1.67-1.69(m,4H),1.76-1.82(m,2H),1.98-2.00(m,2H),2.32(s,3H),3.29(s,2H),3.85(s,2H),4.23-4.26(m,1H),6.47(s,1H),7.13(s,1H),7.47-7.49(m,1H),7.51-7.56(m,2H),7.94(s,1H),8.15(d,J=8.04Hz,1H),11.32(s,1H).
【0172】
イヌ5-HT2B(c5-HT2B)インビトロアッセイ
イヌ5-HT2B受容体を安定して発現するCHO-K1細胞を、20μlの培養培地(GlutaMAX(商標)高グルコース+5%透析FBS+10mM HEPES+1×MEM非必須アミノ酸を含むDMEMの透明な底の384ウェル黒色プレートにおいて、37℃及び5%CO2で少なくとも18時間1つのウェル当たり20,000個の細胞で播種した。細胞プレートに、pH7.4で20mMのHEPES及び5mMのプロベネシドを補充した、カルシウム及びマグネシウムを含有するHBSS中で調製したFLIPR(登録商標)カルシウム5アッセイキットを20μl/ウェルで装填し、37℃及び5%CO2で30分間インキュベートし、次いで室温で更に30分間インキュベートした。細胞内カルシウム応答を、室温で470~495nmの励起波長及び515~575nmの放出波長でカルシウム5色素の動態応答を測定するFLIPR(登録商標)Tetra機器を使用して測定した。最初のベースライン記録後、細胞を最初に5倍濃度のアンタゴニスト(10μl/ウェル)でチャレンジし、カルシウム応答をほぼ2分間記録した。最初のアンタゴニストチャレンジが完了した後、細胞プレートを、FLIPR Tetra(登録商標)器具の中で10分間、室温でインキュベートした。最後に、室温での10分間のインキュベーションの後に第2の動態アッセイを行い、最初のベースライン記録後のEC80濃度のセロトニン(15μl/ウェル)の阻害応答を測定した。試験した各アンタゴニストについて、IC50濃度を決定した。
【0173】
上述のインビトロアッセイに従って、本発明の化合物のc5-HT2B受容体に対するIC
50親和性を表1に提供する。
【表1】
【0174】
表1に見られるように、本発明の化合物は、c5-HT2B受容体に対する親和性を有する。表1に提供されるデータに基づいて、好ましい本発明の化合物は、1000nM未満のc5-HT2B阻害IC50値を有する。より好ましい本発明の化合物は、100nM未満のc5-HT2B阻害IC50値を有する。更により好ましい本発明の化合物は、10nM未満のc5-HT2B阻害IC50値を有する。
【国際調査報告】