(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】パラキサンチンをベースにしたカフェイン代替組成物、および、低速カフェイン代謝者(slow caffeine metabolizer)においてそれを使用する方法
(51)【国際特許分類】
A23L 33/10 20160101AFI20240719BHJP
C12Q 1/6869 20180101ALN20240719BHJP
【FI】
A23L33/10
C12Q1/6869 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505000
(86)(22)【出願日】2022-07-27
(85)【翻訳文提出日】2024-03-22
(86)【国際出願番号】 US2022038599
(87)【国際公開番号】W WO2023009681
(87)【国際公開日】2023-02-02
(32)【優先日】2022-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523360256
【氏名又は名称】ピーエックス・アイエヌジー,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100120754
【氏名又は名称】松田 豊治
(72)【発明者】
【氏名】パーピュラ,マーティン
(72)【発明者】
【氏名】ジャガー,ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】ウェルズ,ショーン
(72)【発明者】
【氏名】リャオ,カイリン
【テーマコード(参考)】
4B018
4B063
【Fターム(参考)】
4B018LB10
4B018MD07
4B018MD09
4B018MD17
4B018MD18
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4B018ME14
4B063QA01
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4B063QQ22
4B063QQ44
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4B063QS39
(57)【要約】
本開示の組成物、方法は、低速カフェイン代謝を有する対象のための栄養補助食品に関するものであり、パラキサンチンおよび任意に、パラキサンチンの効果を調節するその他化合物を含む。パラキサンチンを含有する補助製品の使用目的には、低速カフェイン代謝者である対象における、持久能力、気分、活力、脂肪分解、エネルギー消費、課題遂行能力および/または食欲低下のうち少なくとも1つの増強が含まれる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
低速カフェイン代謝者(SCM)である対象における認知機能を増強する方法であって、
a.ある個体をSCM対象として同定するステップと、
b.パラキサンチン約2mg~約800mgを含む組成物を前記SCM対象に提供するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記SCM対象を同定する前記ステップが、低速カフェイン代謝に関連する遺伝的バリアントについて前記個体に遺伝子型決定を行うステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記遺伝的バリアントが、CYP1A2、ADORA2Aおよび/またはCYP2E1遺伝子にある、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記遺伝的バリアントがCYP1A2遺伝子にあり、前記対象の遺伝子型がACまたはCCである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記SCM対象が、前記個体に対して前記個体自身のカフェインへの応答性についての質問票調査を実施するステップにより同定される、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記SCM対象が、SCMであると自己診断する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記SCM対象を同定する前記ステップが、前記個体のカフェイン代謝速度を測定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
認知機能の増強が、前記SCM対象における、注意力、情報取得、情報処理、作業記憶、短期記憶、長期記憶、前向性記憶、逆向性記憶、記憶想起、弁別学習、意思決定、抑制応答制御、注意セット転換能力、遅延報酬強化学習、逆転学習、自発行動の時間的統合、処理スピード、推論、問題解決および/または社会的認知のうち1つまたは複数の増加により測定される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記組成物が、1-メチルキサンチンおよび/または7-メチルキサンチンから選択される少なくとも1つの作用剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記1-メチルキサンチンおよび/または7-メチルキサンチンが、前記組成物中に約50mgから約400mgまでの量で存在する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記SCM対象への前記組成物の投与が、同程度の用量の前記組成物の投与を受けた高速カフェイン代謝者である対象と比較して、血清中の脳由来神経栄養因子(BDNF)濃度を少なくとも約10%増加させる、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記組成物が、チロシン、N-アセチルチロシン、タウリン、フペルジンA、アセチル-l-カルニチン、CDPコリン、α-GPC、コリンビトレート、クエン酸コリン、B12、カフェイン、メチルリベリン、テアクリン、パラキサンチン、テオブロミン、アシュワガンダ、イワベンケイ属、ルテイン、ゼアキサンチン、魚油、クレアチン、朝鮮人参、ヤマブシタケ、ナイアシン、ノムシタケ属、テアニン、ビタミンB群、GABA、スルブチアミン、ビンポセチン、アデノシン三リン酸、イノシトール、強化されたケイ酸アルギニン、ニトレート、電解質、ヘスペリジンおよびヘスペリジン誘導体、ならびに/またはバコパからなる群から選択される少なくとも1つの成分をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
SCM対象における運動遂行能力を増強する方法であって、有効量のパラキサンチンを含む組成物を前記対象に投与するステップを含む方法。
【請求項14】
投与されるパラキサンチンの量が約50mgから約400mgまでである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記対象が、持久力の増加を経験する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記組成物が約2mgから約800mgまでの量の1-メチルキサンチンをさらに含み、対象への前記組成物の投与が、同程度の用量のパラキサンチンまたは1-メチルキサンチンの単独での投与と比較して、運動遂行能力の相乗的な増加をもたらす、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記SCM対象への前記組成物の投与が、同程度の用量のカフェインを投与した場合の前記対象における変化と比較して、血清中のN-メチルニコチンアミド(MNA)濃度を約20~100%増加させる、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
SCM対象における体重減少を促進する方法であって、
a.ある個体をSCM対象として同定するステップと、
b.パラキサンチン約2mg~約800mgを含む組成物を前記SCM対象に提供するステップと
を含む方法。
【請求項19】
体重減少が、前記対象における熱産生を誘導することを通じて促進される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記組成物が、カフェイン、緑茶、カプサイシン、ガルシニア・カンボジア、ヨヒンビンおよびビターオレンジからなるリストから選択される1つまたは複数の化合物をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記SCM対象への前記組成物の投与が、同程度の用量のカフェインを投与した場合の前記対象における変化と比較して、血清中のN-メチルニコチンアミド(MNA)濃度を約20~100%増加させ、前記対象が、エネルギー知覚の増加および/または神経過敏知覚の低減を経験する、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
体重減少が、前記対象における脂肪分解を強化することを通じて促進される、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[001]本出願は、2021年7月27日出願の「苦味が低減されているカフェイン代替物およびそれを使用する方法」と題された米国特許仮出願第63/226,113号、および、2022年4月15日出願の「パラキサンチンをベースにした生物活性組成物、および、低速カフェイン代謝者においてそれを使用する方法」と題された米国特許仮出願第63/331,732号について、35U.S.C.§119(e)に基づく利益を主張するものであり、これらの文献はそれぞれ、あらゆる目的のために、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[002]本開示の技術は、一般的には、カフェインの代謝が遅い一定の対象への生理学的利益の提供における使用のためにパラキサンチンを単独および組合せで利用する組成物、方法およびシステムに関する。より詳細には、本開示は、合成的に生産されたか天然源から誘導されたかを問わないパラキサンチンおよびその他化合物、ならびに、生理学的利益を提供するためのこれら化学化合物の使用であって、提供される生理学的利益がパラキサンチン濃度ならびに相乗剤および拮抗剤の存在により変動しうる使用に関する。
【背景技術】
【0003】
[003]カフェインは、苦味を有する白色の結晶性プリン、メチルキサンチンアルカロイドであり、デオキシリボ核酸(DNA)およびリボ核酸(RNA)のアデニンおよびグアニン塩基と化学的に類縁性がある。カフェインは、アフリカ、東アジアおよび南米を原産地とするいくつかの植物の種子、実または葉において見出され、これらの部位の捕食昆虫からの保護および近接する種子の発芽の防止に役立っている。最もよく知られているカフェイン源はコーヒー豆であるが、コーヒー豆とはコーヒーノキ属(Coffea)の植物の種子が誤ってそう呼ばれているものである。
【0004】
[004]コーヒー飲料におけるカフェイン濃度は、かなりばらついていることがある。コーヒーの標準的な1杯はカフェイン100mgを含むとされることが多いが、米国内のコーヒーショップで購入された14種類の異なるスペシャルティコーヒーについての最近の分析では、いれた状態のコーヒー約240ml(8オンス)中のカフェインの量には72~130mgの幅があることが見出された(McCusker,R.R.、Goldberger,B.A.およびCone,E.J.、2003、Caffeine content of specialty coffees.、J.Anal.Toxicol.、27:520~522.)。エスプレッソコーヒーにおけるカフェインには、シングルショットで58~76mgの幅があった。興味深いことに、別々の6日間に同一の店舗から購入された同タイプのコーヒーのカフェイン含有量は、1杯約240ml(8オンス)当たり130mgから282mgまで変動があった。
【0005】
[005]さらに、個体のカフェインへの応答のし方には、集団内で実質的なばらつきがある。このばらつきは、個体間におけるカフェインの代謝され方のばらつきの関数である。大まかには、集団は以下の3群に分けることができる。
【0006】
[006]1.高速代謝者:カフェインの代謝が速いことから、カフェイン自体による効果をほとんどまたは全く経験しない個体である。この群は、カフェインを消費後すぐに眠れる傾向がある。彼らは、副作用をほとんど経験しないだけでなく利益もほとんど経験しない。
【0007】
[007]2.中速代謝者(average metabolizer):副作用が過度に重荷になることなくカフェインの利益/エネルギーを経験する個体。
[008]3.低速代謝者:集団の平均より有意に遅い速度でカフェインが代謝される個体。このような個体は、12~24時間の長さの副作用、中でも、ブレインフォグ(brain fog)、頭痛、不整脈、頻脈、高血圧、睡眠困難を伴う副作用を有しうる。こうした個体の場合、彼らが経験する副作用の多くは、カフェインからもたらされるいかなる利益をもしばしば上回る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
[009]したがって、当技術分野においては、代替的な化学化合物およびその混合物であって、それなしでは低速代謝者が享受できないカフェインの利益を提供しうる化学化合物およびその混合物を同定することが必要とされている。また、濃度を変化させることによりさまざまな利益をもたらすように使用でき、したがって原材料の生産をより少なく済ませられる、化学化合物およびその混合物を提供することも望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
[010]本明細書においては、低速カフェイン代謝者(SCM)である対象における認知機能を増強するための組成物および方法であって、ある個体をSCM対象として同定するステップと、パラキサンチンを含む組成物を該SCM対象に提供するステップとによる方法が開示される。一定の実施形態において、SCM対象を同定するステップは、低速カフェイン代謝に関連する遺伝的バリアントについて個体に遺伝子型決定を行うステップを含む。一定の実装形態では、該遺伝的バリアントは、CYP1A2、ADORA2Aおよび/またはCYP2E1遺伝子にある。例示的な実装形態では、該遺伝的バリアントはCYP1A2遺伝子にあり、該対象の遺伝子型はACまたはCCである。一定の実施形態において、SCM対象は、個体に対して該個体自身のカフェインへの応答性についての質問票調査を実施するステップにより同定される。さらなる実施形態において、SCM対象は、SCMであると自己診断する。またさらなる実施形態において、SCM対象は、個体のカフェイン代謝速度を測定することにより同定される。
【0010】
[011]一定の実施形態において、認知機能の増強は、SCM対象における、注意力、情報取得、情報処理、作業記憶、短期記憶、長期記憶、前向性記憶、逆向性記憶、記憶想起、弁別学習、意思決定、抑制応答制御(inhibitory response control)、注意セット転換能力、遅延報酬強化学習(delayed reinforcement learning)、逆転学習、自発行動の時間的統合、処理スピード、推論、問題解決および/または社会的認知のうち1つまたは複数の増加により測定される。一定の実施形態によれば、SCM対象への該組成物の投与は、同程度の用量の該組成物の投与を受けた高速カフェイン代謝者である対象と比較して、血清中の脳由来神経栄養因子(BDNF)濃度を少なくとも約10%増加させる。
【0011】
[012]一定の実施形態において、該組成物は、1-メチルキサンチンおよび/または7-メチルキサンチンから選択される少なくとも1つの作用剤をさらに含む。例示的な実装形態では、1-メチルキサンチンおよび/または7-メチルキサンチンは、該組成物中に約50mgから約400mgまでの量で存在する。さらなる実施形態によれば、該組成物は、チロシン、N-アセチルチロシン、タウリン、フペルジンA、アセチル-l-カルニチン、CDPコリン、α-GPC、コリンビトレート(choline bitrate)、クエン酸コリン、B12、カフェイン、メチルリベリン、テアクリン、パラキサンチン、テオブロミン、アシュワガンダ、イワベンケイ属(rhodiola)、ルテイン、ゼアキサンチン、魚油、クレアチン、朝鮮人参(ginseng)、ヤマブシタケ、ナイアシン、ノムシタケ属(cordyceps)、テアニン、ビタミンB群、GABA、スルブチアミン、ビンポセチン、アデノシン三リン酸、イノシトール、強化されたケイ酸アルギニン、ニトレート、電解質、ヘスペリジンおよびヘスペリジン誘導体、ならびに/またはバコパからなる群から選択される少なくとも1つの成分をさらに含む。
【0012】
[013]さらに、本明細書においては、SCM対象における運動遂行能力(athletic performance)を増強する方法であって、有効量のパラキサンチンを含む組成物をSCM対象に投与するステップを含む方法が開示される。一定の実装形態では、投与されるパラキサンチンの量は、約50mgから約400mgまでである。
【0013】
[014]一定の実施形態において、該対象は、持久力の増加を経験する。
[015]一定の実施形態において、該組成物は、約2mgから約800mgまでの量の1-メチルキサンチンをさらに含み、対象への該組成物の投与が、同程度の用量のパラキサンチンまたは1-メチルキサンチンの単独での投与と比較して、運動遂行能力の相乗的な増加をもたらす。
【0014】
[016]さらなる実施形態において、SCM対象への該組成物の投与は、同程度の用量のカフェインを投与した場合の該対象における変化と比較して、血清中のN-メチルニコチンアミド(MNA)濃度を約20~100%増加させる。
【0015】
[017]さらに、本明細書においては、SCM対象における体重減少を促進する方法であって、ある個体をSCM対象として同定するステップと、パラキサンチン約25mg~約400mgを含む組成物を該SCM対象に提供するステップとを含む方法が開示される。一定の実施形態において、体重減少は、対象における熱産生を誘導することを通じて促進される。
【0016】
[018]このような実施形態の一定の実装形態において、該組成物は、カフェイン、緑茶、カプサイシン、ガルシニア・カンボジア、ヨヒンビンおよびビターオレンジからなるリストから選択される1つまたは複数の化合物をさらに含む。
【0017】
[019]さらなる実施形態において、SCM対象への該組成物の投与は、同程度の用量のカフェインを投与した場合の該対象における変化と比較して、血清中のN-メチルニコチンアミド(MNA)濃度を約20~100%増加させ、該対象は、エネルギー知覚の増加および/または神経過敏知覚(perception of jitteriness)の低減を経験する。さらなる実施形態では、体重減少は、該対象における脂肪分解を強化することを通じて促進される。
【0018】
[020]一定の実施形態において、本開示の組成物は、パラキサンチンの同族体、誘導体および反復体(iteration)ならびにパラキサンチンの合成化学的等価体(synthetic chemical equivalent)を含む。
【0019】
[021]一定の実施形態によれば、本開示の組成物は、凝集化されたパラキサンチン、例えば、その塩、マイクロカプセル化、リポソーム化またはエステル化型のものを含む。
[022]一定の実施形態によれば、パラキサンチンは、グリセリド、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(PEG)、ラウロイルマクロゴール、ラウロイルマクロゴール誘導体、および、1-メチルキサンチンとパラキサンチンとの共結晶化製品と組み合わされる。
【0020】
[023]多数の実施形態を開示してあるが、本開示のさらに他の実施形態は、本開示の組成物、システムおよび方法の例示的な実施形態を示し記載する以下の詳細な説明から、当業者には明らかとなろう。理解されるであろうが、本開示の組成物、システムおよび方法は、多様な自明の態様において、すべて本開示の精神および範囲から逸脱することなく変形を行うことが可能である。したがって、図面および詳細な説明は、限定的ではなく例証的な性質のものとして受け取られたい。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[024]本発明の1つ以上の実施形態を詳細に説明する前に、本発明はその適用において、以下の説明に記載された、または図面に示された構成の詳細および構成要素の配置に限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態をとること、ならびに、多様な方式で実行および実施されることが可能である。また、本明細書において用いられる表現および用語は説明を目的としたものであって限定的なものと解釈されるべきではないことも理解されたい。
【0022】
[025]本明細書では、範囲が、「約」一方の特定の値からおよび/または「約」他方の特定の値まで、という形で表されることがある。そのような範囲が表されている場合、さらなる態様は、書かれた一方の特定の値からおよび/または書かれた他方の特定の値までを包含する。同様に、値が先行詞「約」の使用により近似値として表されている場合は、書かれた特定の値がさらなる態様を形成することは理解されよう。それぞれの範囲の両端点は、他方の端点と関係した形でも他方の端点から独立した形でも有意であることは、さらに理解されよう。また、本明細書にはいくつもの値が開示されていること、および、それぞれの値は、その特定の値そのものだけでなく、「約」その特定の値としても本明細書において開示されていることについても理解されたい。例を挙げると、「10」という値が開示されている場合は、「約10」も開示されている。また、2つの特定のユニット値(unit)間にある各ユニット値も開示されていることについても理解されたい。例を挙げると、10および15が開示されている場合は、11、12、13および14も開示されている。
【0023】
[026]本明細書で使用される場合、用語「対象」は、投与ターゲット、例えば動物を指す。したがって、本明細書に開示の方法の対象は、ヒト、非ヒト霊長動物、ウマ、ブタ、ウサギ、イヌ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ネコ、モルモットまたは齧歯動物でありうる。この用語は、特定の年齢または性別を表さない。したがって、成体および新生児/仔の対象ならびに胎児/仔は、男女/雄雌を問わず網羅されるものとする。一態様において、対象は、哺乳動物である。患者とは、疾患または障害を患っている対象を指す。本明細書で使用される場合、用語「処置」は、疾患、病的状態または障害の治癒、改善、安定化または予防を目的とした、患者の医学的管理を指す。この用語は、積極的処置、つまり、疾患、病的状態または障害を快方に向かわせることを具体的に目的とした処置を包含し、さらに、原因処置、つまり、関連する疾患、病的状態または障害の原因を取り除くことを目的とした処置を包含する。加えて、この用語は、姑息的処置、つまり、疾患、病的状態または障害の治癒ではなく症状緩和のためにデザインされた処置;予防的処置、つまり、関連する疾患、病的状態または障害の発現を最小化することまたは部分的もしくは完全に阻害することを目的とした処置;および支持的処置、つまり、関連する疾患、病的状態または障害を快方に向かわせることを目的とした別の特定の療法を補うために用いられる処置を包含する。さまざまな態様において、この用語は、哺乳動物(例えばヒト)を包含する対象の処置一切を網羅し、(i)疾患の素因を有する可能性があるが罹患しているとは未だ診断されていない対象において当該疾患の発症を予防すること、(ii)疾患を阻害すること、すなわち、その発現を阻止すること、または(iii)疾患を緩和すること、すなわち、当該疾患の退縮を生じさせることを包含する。一態様において、対象は哺乳動物、例えば霊長動物であり、さらなる態様において、対象はヒトである。
【0024】
[027]本明細書で使用される場合、用語「有効量」および「有効な量」は、望ましい結果を達成するのにまたは望ましくない状態に効果を及ぼすのに十分な量を指す。例えば、「治療有効量」は、望ましい治療結果を達成するのにまたは望ましくない症状に効果を及ぼすのには十分であるが、許容できない有害な副作用を引き起こすには一般的に不十分である、量を指す。任意の特定の患者に対する具体的な治療有効用量レベルは、さまざまな因子に依存することになろう。そのような因子としては、処置対象となる障害および障害の重症度;用いられる具体的な組成物;患者の年齢、体重、全身の健康状態、性別および食生活;投与回数;投与経路;用いられる具体的な化合物の排出速度;処置の継続期間;用いられる具体的な化合物と組み合わせてまたは併用の形で使用される薬物など、医学分野で周知の因子が挙げられる。例えば、化合物の用量を、望ましい治療効果を達成するために必要とされるレベルより低いレベルで開始し、望ましい効果が達成されるまで投与量を徐々に増加させることは、十分に当技術分野の技能の範囲内である。所望により、有効な1日用量は、複数回投与のための用量に分けられてもよい。結果的に、1回用量の組成物は、1日用量である当該量、または合わせて1日用量になるその約量(submultiple)を含有することができる。用法用量は、禁忌の場合は個々の医師による調節が可能である。用法用量は変化させることが可能であり、1日1回または複数回の投与を1日または数日にわたって行う形での投与が可能である。所与のクラスの医薬製品の適切な用法用量については、文献にガイダンスを見出すことができる。さらなるさまざまな態様において、調製物は、「予防有効量」で、つまり、疾患または状態の予防に有効な量で、投与することができる。
【0025】
[028]本明細書で使用される場合、用語「脱カフェイン製品」は、カフェインを典型的に含有する製品のうち、カフェインの一部、最大限または全部が除去されている(例えば、カフェイン除去プロセスを介して)製品を指す。例えば、脱カフェイン製品は、カフェインを典型的に含有する製品に通常伴う量に比してカフェインの量が低減されている(例えば、95%除去、97%除去、99%除去されている)ことが可能である。
【0026】
[029]一定の実施形態において、脱カフェイン製品はコーヒー製品である。さらなる実施形態において、脱カフェイン製品は茶製品である。
[030]またさらなる実施形態において、脱カフェイン製品は、清涼飲料水またはエナジードリンクなどである。このような実施形態では、カフェイン除去プロセスが存在する必要はなく、むしろ、カフェインは、成分として単純に低減または除外される。
【0027】
[031]本明細書で使用される場合、用語「実質的に」は、作用、性質、特性、状態、構造、項目または結果の程度または度合いが完全またはほぼ完全であることを指す。例えば、「実質的に」封入されている物体、といえば、その物体が完全に封入されているかまたはほぼ完全に封入されていることを意味することになろう。絶対的な完全性からの逸脱についての厳密な許容度は、場合によっては特定の文脈に依存しうる。しかし一般的には、完全に近いということは、絶対的かつ総合的な完全が得られた場合と同様の全体的結果が得られるほどの近さにあるということであろう。「実質的に」の使用は、作用、性質、特性、状態、構造、項目または結果が完全にまたはほぼ完全に欠如していることを指すための否定的な意味合いで使用される場合にも等しく適用可能である。例えば、粒子を実質的に含まない組成物は、粒子を完全に欠いているか、または、粒子をほぼ完全に欠いていることから、その効果は当該組成物が粒子を完全に欠いていた場合と同様であることになろう。換言すれば、ある成分または要素を実質的に含まない組成物は、当該成分または要素の測定可能な効果が認められない限り、これらを実際には含有したままでもよい。
【0028】
[032]本明細書で使用される場合、用語「相乗効果」またはその文法的変化形は、2つ以上の活性化合物の組合せにおいて見られる協調作用を意味し、包含する。この協調作用では、2つ以上の活性化合物が組み合わされることで生じる活性は、各活性化合物単独の活性の総和を超える。用語「相乗的に有効な量」は、本明細書で使用される場合、先に定義した相乗効果をもたらす2つ以上の活性化合物の量を意味し、包含する。
【0029】
[033]本明細書で使用される場合、「低速カフェイン代謝者」は、本明細書中では「SCM」とも呼ばれ、カフェイン代謝が、母集団の代謝速度の中央値より実質的に遅い対象のことである。一定の実施形態において、SCM対象は、シトクロムP450(CYP1A2)遺伝子のイントロン1に(C/A)一塩基多型を有する対象と定義される。具体的には、この多型がホモ接合のC/Cである個体である。SCMのその他の遺伝子マーカーは、Thorn CFら、PharmGKB Summary:Caffeine Pathway.、PHARMACOGENET GENOMICS.(2012)、22(5)、389~395に記載されており、同文献は、参照によりその全体が組み込まれる。
【0030】
[034]SCM個体は、集団の30~60%を占める可能性がある。場合によっては、遺伝的要因以外の理由で人はSCMになりうる。例えば、アルコールおよびグレープフルーツジュースはいずれも、カフェインクリアランス速度を低下させる効果を有する。同様に、経口避妊薬は、特に月経周期の後半に、カフェイン代謝速度を低下させる。さらに、妊娠は、特に妊娠第3期に、カフェイン代謝速度を低下させる。したがって、本明細書に開示の組成物および方法は、遺伝的か非遺伝的かを問わない要因に起因するSCMを有する対象に、有益な効果をもたらすことができる。
【0031】
[035]パラキサンチンを含む組成物およびその関連する使用が開示される。パラキサンチンは、1,7-ジメチルキサンチンまたは1,7-ジメチル-3H-プリン-2,6-ジオンとしても知られる。パラキサンチンは、合成的に生産されてもよく、または、天然源から(例えば抽出により)もしくは発酵を経て単離されてもよい。そのような入手源から単離されたパラキサンチンは、純度95%以上に精製されうる。場合により、パラキサンチンが原材料の50%またはそれよりさらに低い割合を占めるような低精製が用いられてもよい。いくつかの実施形態において、パラキサンチン源において典型的に見出される他のパラキサンチン同族体を包含しうる天然源から単離されたパラキサンチンを利用することが好ましい場合がある。
【0032】
[036]一定の代替的な実施形態において、本開示の組成物は、パラキサンチン同族体または類似体を含む。一定の実施形態において、パラキサンチン同族体または類似体は、1-メチルキサンチン、3-メチルキサンチンおよび/または7-メチルキサンチンである。一定の実施形態において、該組成物は、前述のメチルキサンチンのうちの1つを含む。さらなる実施形態において、該組成物は、前述のメチルキサンチンの組合せを含む。またさらなる実施形態において、該組成物は、1つまたは複数のメチルキサンチンとパラキサンチンとを含む。
【0033】
[037]一定の実施形態では、パラキサンチンは、対象において複数のプラス効果をもたらすために1つまたは複数の他の化学化合物(例えば、他の活性成分)と組み合わされてもよい。パラキサンチンおよび/またはパラキサンチンと組み合わされる化学化合物の投与量を変えることにより、目的とされる多様な生理学的効果が選択されうる。該組成物は、単一の利益を主として提供するものであってもよく、または、多数の利益を同時に提供するものであってもよい。一定の実施形態において、パラキサンチンは、没食子酸、(+)-カテキン(C)、(-)-エピカテキン(EC)、(+)-ガロカテキン(GC)、(-)-エピガロカテキン(EGC)、(-)-没食子酸カテキン(CG)、(-)-没食子酸ガロカテキン(GCG)、(-)-没食子酸エピカテキン(ECG)および(-)-没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、グリセリド、プロピレングリコール、ラウロイルマクロゴール、ラウロイルマクロゴール誘導体、バイオペリン(bioperine)の共結晶化製品、ピペリン、黒コショウ、ベルガモッチン、ジヒドロキシベルガモッチン(CYP3A4)、フラボノイド(ナリンギン、ヘスペリジン、ノビレチン、タンゲレチン、ケルセチン)、プテロスチルベン、フィセチン、フィトソーム、サリシン、魚油(ω-3脂肪酸および特異的小脂質炎症収束性エポキシド誘導体(specialized,small lipid pro-resolving epoxide derivative))、オキシリピン、タルトチェリー、オキアミ油、アスタキサンチン、タンパク質分解酵素、硫酸グルコサミン、コンドロイチン硫酸、MSM(メチルスルホニルメタン)、SAMe(S-アデノシルメチオニン)、ASU(avocado-soybean unsapponifiable fraction:アボカド-ダイズ不けん化物断片)、ミリストレイン酸セチル、Dolichos falcate、トリテルペノイド、acacia catechu、Andrographis paniculata、Scutalleria baicalensis、硫酸アグマチン、イラクサ、サジー、クルクミン、Cissus Quadrilangularis、Boswellia Serrata、Wasabia japonica(ティーツリー油に用いられるワサビ抽出物)、エミュー油、アルニカ属(Arnica)、Mangifera indica L.(ウルシ科)、Lagenaria breviflora、Zingiber officinale(ショウガおよびギンゲロール/ショウガオール)、hoodia gordonii、カフェイン、ヨヒンビン、メチルシネフリン、シネフリン、テオブロミン、フラベノイド(flavenoid)、トコフェロール、テオフィリン、α-ヨヒンビン、共役リノール酸(CLA)、オクトパミン、エボジアミン、トケイソウ、赤トウガラシ、カイエン、ラズベリーケトン、グッグル、緑茶、ガラナ、コーラナッツ、β-フェネチルアミン、Acacia rigidula、フォルスコリン(Coleus forskohlli)、テオフィリン、シネフリン、ヨヒンビン、イワベンケイ属、アシュワガンダ、朝鮮人参、ginkgo biloba、エゾウコギ(siberian ginseng)、ゲンゲ、甘草、緑茶、霊芝、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、プレグネノロン、チロシン、N-アセチルチロシン、グルクロノラクトン、タウリン、アセチル-L-カルニチン、5-ヒドロキシトリプトファン、トリプトファン、フェネチルアミン、Sceletium tortuosum(およびメセンブリンアルカロイド)、デンドロビウム(Dendrobium)属の種、Acacia rigidula、PQQ(ピロロキノリンキノン)、ユビキノン(1)、ニコチンアミドリボシド、ピカミロン、フペルジンA(トウゲシバまたはHuperzia serrata、L-ドパ、Mucuna pruriens、およびフォルスコリン(Coleus forskohlli)、2-(ジメチルアミノ)エタノール(DMAE)、DMAEビタートレート、ならびにこれらの組合せからなる群から選択される1つまたは複数の付加的な活性成分と組み合わされる。
【0034】
[038]別の実施形態において、パラキサンチンは、より低い投与量レベルで、および/または、その活性を調節もしくはその活性と拮抗する化合物と一緒に、使用されうる。そのような組成物は、持久能力、気分、活力、脂肪分解、エネルギー消費、課題遂行能力(exercise performance)および/または食欲低下の増強を誘導しうる。
【0035】
[039]本発明を使用する利点は、本発明の原理による化学組成物を用いた低速カフェイン代謝者である対象がこれに対する耐性を生じにくい可能性があることである。つまり、ある人に対して誘導された効果に対するその人の感受性は低下しない可能性がある。
【0036】
[040]一定の態様によれば、本開示のパラキサンチン含有組成物は、低速カフェイン代謝者である対象において、同程度の用量のカフェインを含有する組成物を投与した場合に比べて、以下の明確な利点を少なくとも有する。パラキサンチンの方が、特に、低速カフェイン代謝者である対象の場合、毒性が実質的に低い。パラキサンチンの方が、安定性が高い(例えば、時間が経過してもカフェインほどには効力を失わない)。パラキサンチン含有組成物の方が、より強力な覚醒促進剤である(一定の実施形態において、アデノシン受容体拮抗作用による)。さらに、パラキサンチン含有組成物は、線条体ドパミントーン(striatal dopaminergic tone)を強化する。またさらに、パラキサンチンは、睡眠反跳を生じさせない。さらに、パラキサンチンは、使用が中止された際、カフェインの場合に生じるほど高頻度には離脱効果を生じさせない。またさらに、パラキサンチンは、不安を増大させない。またさらに、パラキサンチンは、苦味がカフェインより弱い。別の実施形態において、パラキサンチンは、より高い投与量レベルで、および/または、相乗作用のある化合物と一緒に、使用されうる。
【0037】
[041]これらの組成物は、低速カフェイン代謝者である対象の基礎/安静時代謝率を上昇させ、熱産生を増加させ、食欲を低下させ、認知能力を向上させ、α波帯域脳活動(Alpha wave brain activity)を増加させ、および/または幸福感を誘導することができる。理論に拘束されるものではないが、本発明者らは、より高い投与量レベルではパラキサンチンは、ノルアドレナリン作動性およびドパミン作動性を示すことができ、アデノシン受容体阻害の増加を呈することができると考えている。
【0038】
[042]別の実施形態において、パラキサンチンは、エフェドリン、カフェイン、サリチル酸などと組み合わされる。前述の組合せは、SCM対象において、パラキサンチンの刺激効果との相乗効果をもたらしうる。例えば、一定の実施形態において、パラキサンチンは、カフェインの過剰な刺激効果を調節し、それにより心拍数および他の代謝活性を安定化させる目的で、はるかに少ない量のカフェインと組み合わされる。つまり、パラキサンチンとカフェインとを組み合わせる結果、カフェインにより誘導される集中力およびエネルギーの増加は賦与するがパラキサンチンによりカフェインの効果が調節されるおかげで心拍数および血圧は上昇させない組成物を得ることができる。したがって、この組合せ(またはパラキサンチン単独)を用いる結果、SCM対象において、カフェインが原因で生じる興奮状態を伴うことなく、覚醒および落ち着きを高めることができる。
【0039】
[043]本開示のさらなる利点は、パラキサンチンをベースにした組成物の投与は、テオブロミンおよびテオフィリンへのSCM対象の曝露を回避することである。テオブロミンおよびテオフィリンは、カフェイン消費の有害作用を助長するおそれのある2つのカフェイン代謝産物である。特に、規制物質であり気管支拡張薬であるテオフィリンは、カフェインまたは他のカフェイン代謝産物のいずれよりもはるかに毒性が高い。テオフィリンの副作用としては、不整脈、混乱、血圧上昇、不安および睡眠困難が挙げられる。CYP1A2およびCYP2E1は、いずれもテオフィリンおよびテオブロミンからその代謝産物(キサンチンおよびメチル尿酸)への変換に関与しており、そのため低速代謝者は、高速代謝者よりテオフィリンおよびテオブロミンの作用を長く受ける可能性がある。したがって、SCM対象は、カフェイン、テオブロミンおよびテオフィリンのすべてが生理学的効果および副作用を12~24時間発揮することを経験する可能性があるが、一方、高速代謝者はこれらを経験しない。SCM対象へのパラキサンチンの投与は、これらの代謝産物を生じさせる経路を回避し、結果として、ユーザーに、よりクリーンなエネルギー経験をもたらす。
【0040】
[044]さらなる実施形態によれば、パラキサンチンを含む栄養補助食品は、運動遂行能力を強化するために使用される。これらの実施形態の例示的な態様によれば、パラキサンチンを含む栄養補助食品は、疲労を軽減し、エネルギーを増強し、可動性を向上させ、警戒力を増強する目的でSCM対象に提供されてもよい。さらなる実施形態において、SCM対象への本開示の組成物の投与は、心保護を目的に行われる。さらなる実施形態において、本開示の組成物の投与は、SCM対象における筋収縮および筋性能を増強する。これらの実施形態の例示的な態様において、筋性能は、骨格筋中へのカリウム(K+)輸送を増加させることを通じて強化される。さらなる態様において、筋性能は、細胞内カルシウムを増加させることを通じて(例えば、リアノジン受容体(RyR)の活性化によって)強化される。
【0041】
[045]別の実施形態において、パラキサンチンは、皮膚を明るくする、皮膚にハリをもたらす、および/または皮膚の弾力性を高めることを目的としたクリームまたはローションを生産するために、ボディークリームまたはローション中に組み込むための局所剤として使用されうる。パラキサンチン局所剤は、限局部位の経皮的な脂肪消失を促進するために使用されてもよい。さらに、パラキサンチンは、限局部位の代謝強化および/または熱産生強化を促進するためのクリームまたはローションに使用されてもよい。
【0042】
[046]さらなる実施形態によれば、パラキサンチンは、鎮痛剤および/または抗炎症剤のうち1つまたは複数と組み合わされる。例示的な実装形態において、パラキサンチンは、イブプロフェン、サリチル酸、抗炎症剤、サリシン、魚油(ω-3脂肪酸および特異的小脂質炎症収束性誘導体)、タルトチェリー、オキアミ油、アスタキサンチン、タンパク質分解酵素、硫酸グルコサミン、コンドロイチン硫酸、MSM(メチルスルホニルメタン)、SAMe(S-アデノシルメチオニン)、ASU(アボカド-ダイズ不けん化物断片)、ミリストレイン酸セチル、Dolichos falcateおよび/またはトリテルペノイドと組み合わされる。
【0043】
[047]パラキサンチンの投与量は、約2mgから約800mgまでの範囲でありうる。別の実施形態において、パラキサンチンの投与量の範囲は、約50mgから約400mgまででありうる。別の実施形態において、パラキサンチンは、1つまたは複数のバイオアベイラビリティー・エンハンサーと組み合わされる。例示的な実施形態において、バイオアベイラビリティー・エンハンサーとしては、限定されるものではないが、バイオペリン、ピペリン、黒コショウ、ベルガモッチン、ジヒドロキシベルガモッチン(CYP3A4阻害剤)、フラボノイド(ヘスペリジン、ナリンギン、タンゲリチン(tangeritin)、ケルセチンおよびノビレチンを包含する。別個でも組合せでもよい)、プテロスチルベン、フィセチン、ナノカプセル化、マイクロカプセル化、リポソームおよび/またはフィトソームが挙げられる。パラキサンチンと組み合わされるエンハンサーは、パラキサンチンのどの性質が特定の使用に要求されるかに依存しうる。
【0044】
[048]別の実施形態において、パラキサンチンは、1つまたは複数の送達方法を用いてSCM対象に投与されうる。送達方法としては、例えば、経皮パッチ剤および/もしくはクリーム剤、用時混合粉末剤(ready to mix powder)、静注法、カプセル剤、錠剤、液剤(他の飲料と混合して用いるタイプの液剤を包含する)、ソフトゲル剤、ショット剤様式(shot format)、ならびに/または、石鹸、ローションおよびシャンプーなどの化粧料としての適用が挙げられる。パラキサンチンが持つ抗炎症性は、さまざまな局所適用に要求される可能性がある。
使用方法
[049]さらに、本明細書では、低速カフェイン代謝者(SCM)である対象における身体能力またはエネルギーを増強する方法であって、ある個体をSCM対象として同定するステップと、パラキサンチン約2mg~約800mgを含む組成物を該SCM対象に提供するステップとによる方法が開示される。一定の実施形態において、SCM対象を同定するステップは、低速カフェイン代謝に関連する遺伝的バリアントについて該個体に遺伝子型決定を行うステップを包含する。
【0045】
[050]用語「遺伝子型」は、細胞全体またはある遺伝子の特定の対立遺伝子組成を指し、これに対して用語「表現型」は、特定の遺伝子型の検出可能な外的発現を指す。
[051]本明細書で使用される場合、ある対象(またはDNA試料)をある遺伝子の多型対立遺伝子について「遺伝子型決定」するとは、当該遺伝子のどの対立または多型形質が対象(または試料)に存在するかを検出することを指す。当技術分野で周知のように、ある個体は、特定の対立遺伝子についてヘテロ接合性である場合もあればホモ接合性である場合もある。2つを超える対立形質が存在しうることから、可能性として3つを超える遺伝子型が存在しうる。
【0046】
[052]例示的な実装形態では、遺伝的バリアントは、CYP1A2、ADORA2Aおよび/またはCYP2E1遺伝子にある。さらなる例示的な実装形態では、ある個体がCYP1A2*1Fバリアントを保有していれば該個体はSCM対象として同定される。一定の実施形態において、遺伝的バリアントはCYP1A2遺伝子にあり、対象の遺伝子型はACまたはCCである。
【0047】
[053]さらなる実施形態によれば、SCM対象は、個体に対して該個体自身のカフェインへの応答性についての質問票調査を実施するステップにより同定される。このような実施形態では、個体は、さまざまな質問、例えば、1日のカフェイン消費量、カフェイン消費後に経験される副作用、および、個体自身の睡眠に対するカフェインの効果などについて質問されうる。当業者には、その他の点についての問いもSCM対象の同定に際して可能であることは理解されよう。一定の実装形態において、個体は、SCMであると自己同定することが可能である。このような実装形態では、個体は、オンライン質問票調査などを通じて自己同定に導かれることが可能である。さらなる実装形態は、SCM対象を特徴付ける1つまたは複数の特徴について個体に情報を与えることを包含する。
【0048】
[054]またさらなる実施形態によれば、SCM対象を同定するステップは、個体のカフェイン代謝速度を測定するステップをさらに含みうる。そのようなステップは、カフェインを個体に投与するステップと、投与後のさまざまな時点におけるカフェイン代謝産物の存在について血液または尿をアッセイするステップとにより実施されうる。
【0049】
[055]一定の実施形態によれば、本明細書に開示の組成物は、1つまたは複数の医学的状態の処置を必要とするSCM対象において、その処置の際に使用される。一定の実装形態では、本開示の組成物は、ナルコレプシー、睡眠時無呼吸および交代勤務睡眠障害、不眠症、てんかん、注意欠陥障害、注意欠陥多動性障害症候群(ADHD)、認知欠陥障害(cognitive deficit disorder)、麻痺、制御されない怒り(uncontrolled anger)、偏頭痛、薬物乱用・依存症(substance abuse addiction)、摂食障害、抑うつ、不安障害、外傷性頭部傷害(TBI)、パーキンソン病、アルツハイマー病ならびに/または認知症に罹患しているSCM対象に投与される。
【0050】
[056]一定の態様において、本開示の組成物は、神経保護剤である。一定の実施形態において、本開示の組成物を必要とするSCM対象へのその投与は、神経保護を目的に行われる。これらの実施形態の例示的な態様において、この神経保護は、ドパミン作動性細胞死からの保護の形をとる。
【0051】
[001]処置される対象および投与経路に応じて、本発明の化合物は、さまざまな用量で投与されうる。用量は対象ごとに異なることになろうが、パラキサンチンの適当な1日用量は、単回または複数回用量での投与として一対象当たり約1から約1000mgの範囲内(例えば、約1mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約75mg、100、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、もしくは約1000mgなど、またはその中の任意の範囲もしくは値)である。
【0052】
[002]有利には、本開示の組成物は、1回用量が例えば1日1回もしくはそれより低い頻度で投与される形で、または、1日の総投与量が1日2回、3回もしくは4回の分割用量で投与される形で、投与されうる。一定の実施形態において、該組成物は、必要に応じて(例えば、対象がエネルギー、運動遂行または認知能力などの強化を必要とするときに)投与される。
運動遂行能力
[003]さらに、本明細書においては、SCM対象における遂行能力またはエネルギーを強化する方法であって、本明細書に開示の組成物を該対象に投与するステップを含む方法が開示される。本明細書で使用される場合、用語「遂行能力を強化する」は、遂行能力を増強すること一切を意味するものとする。遂行能力は、任意の方式でアセスメントすることが可能である。ある種の強化は、容易に測定される。例えば、タイムを競う競技では、タイムの向上により、遂行能力の強化をアセスメントすることができる。ある種の遂行能力強化特性は、競技者もしくは実施者または観察者により主観的に判定されることが可能である。このような場合において、遂行能力の強化とは、遂行能力が、強化されている、増大されている、高速化している、良くなっているなどと主観的に知覚されたことを意味する。一定の実施形態において、本開示の方法は、運動遂行能力を強化するために使用される。「運動遂行能力」は、任意の専門的または娯楽的活動力を指し、ここで、実施者、例えば競技者は、身体的行為、例えばランニング、水泳、ゴルフ、ボウリング、アーチェリー、フットボール、野球、バスケットボール、サッカー、ハイキング、サイクリング、ダンスなどを行う。一定の実施形態において、運動遂行能力は、対象における持久力の増強を通じて増強される。換言すれば、本開示の組成物の投与は、対象の持久力レベルを増強し、それにより該対象の運動遂行能力を強化する。さらなる実施形態において、対象への該組成物の投与は、認知能力を増加させ、それにより運動遂行能力を増強する。
【0053】
[004]一定の実施形態において、該組成物が投与されると、SCM対象は、気分、エネルギー、集中力、集中もしくは性的欲求のうち少なくとも1つの増強、または、不安、疲労、努力知覚もしくは疼痛知覚のうち少なくとも1つの軽減を経験する。
【0054】
[005]さらなる実施形態において、対象に継続投与される場合、該組成物は、継続使用が中止されても対象における依存性および/または対象における離脱効果を生じさせない。
【0055】
[006]さらに、本明細書においては、SCM対象における運動持久力を増加させる方法であって、本明細書に開示の組成物を該対象に投与するステップを含む方法が開示される。一定の実装形態において、対象に投与される組成物は、1-メチルキサンチンとパラキサンチンとを含む。例示的な実装形態では、パラキサンチンおよび1-メチルキサンチンの投与は、パラキサンチンまたは1-メチルキサンチンの単独での投与と比較して、対象における運動持久力の相乗的な増加をもたらす。
【0056】
[007]さらなる実施形態によれば、対象への本開示の組成物の投与は、該対象のエネルギーレベル知覚(perceived level of energy)を増加させる。例示的な実装形態では、対象は、エネルギーの少なくとも約5パーセントの増加を経験する。一定の実施形態によれば、投与される組成物は、L-テアニン、ホスファチジルコリン、α-GPC(L-α-グリセリルホスホリルコリン)、シチコリン(シチジン二リン酸コリン(CPDコリン))、酒石酸水素コリン、Bacopa Monnieri、ホスファチジルセリン、ピロカルピンおよびセビメリン、Amburana cearensis、Lippia sidoides、Paullinia cupana、Plathymiscium floribundum、テトラヒドロクルクミンおよびSolanum asperum、ならびに/またはこれらの組合せ、カフェイン、テオブロミン、ナリンギン、ヘスペリジン、2-(ジメチルアミノ)エタノール(DMAE)、DMAEビタートレート、フペルジンA、テアクリン、メチルリベリン、B12、スルブチアミン、コウボク、ケトン、MCT、ω-3、ルテイン、ゼアキサンチン、チロシンおよびn-アセチルチロシン、タウリン、アセチル-l-カルニチン、ならびに/またはこれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの成分を(1-Mxおよび/またはパラキサンチンに加え)さらに含む。
【0057】
[008]一定の実施形態において、SCM対象のエネルギーレベル知覚は、約2%から約50%までの間で増加する。さらなる実施形態において、対象のエネルギーレベル知覚は、約5%から約30%までの間で増加する。またさらなる実施形態では、対象のエネルギーレベル知覚は、約10%から約25%までの間で増加する。
【0058】
[009]N-メチルニコチンアミド(MNA)は、低い筋エネルギー利用率に応答して貯蔵エネルギーの利用を強化する新規のマイオカインである(Strоmら)。MNAレベルの変化は、エネルギーの増加、体重管理の増強、および脂肪燃焼/消失の増加に関連する。一定の実装形態において、本開示の組成物の投与は、プラセボの投与を受けたSCM対象と比較して、血清中のMNA濃度を約30~70%増加させる。さらなる実施形態では、本開示の組成物の投与は、プラセボの投与を受けたSCM対象と比較して、血清中のMNA濃度を約50%増加させる。またさらなる実施形態では、本開示の組成物の投与は、同程度の用量の該組成物の投与を受けた高速カフェイン代謝者と比較して、血清中のMNA濃度を約20~50%増加させる。またさらなる実施形態では、本開示の組成物の投与は、カフェインの投与を受けたSCM対象と比較して、血清中のSCM濃度を約75%増加させる。
筋機能
[010]さらに、本明細書においては、対象における筋機能を増加させる方法であって、本明細書に開示の組成物を該対象に投与するステップによる方法が開示される。一定の態様では、本明細書において、有効量の1つまたは複数の本明細書に開示の組成物の投与を通じて筋成長を促進する方法が開示される。一定のさらなる態様において、有効量の本開示の組成物の投与は、対象における筋タンパク質合成(MPS)レベルの増加をもたらす。またさらなる態様において、有効量の本開示の組成物の投与は、対象における筋増加(muscle accretion)の増強をもたらす。
【0059】
[011]一定の態様では、本明細書において、有効量の1つまたは複数の本明細書に開示の組成物の投与を通じて筋成長を促進する方法が開示される。一定のさらなる態様において、有効量の本開示の組成物の投与は、対象における筋タンパク質合成(MPS)レベルの増加をもたらす。またさらなる態様において、有効量の本開示の組成物の投与は、対象における筋増加の増強をもたらす。
【0060】
[012]一定の実施形態によれば、本明細書に開示の組成物は、筋力トレーニングレジメと併用して投与されうる。当業者には理解されるであろうが、有効量の本開示の組成物の投与は、対象における筋力の増強および運動遂行能力/エルゴジェネシス(ergogenesis)の増強をもたらす。
【0061】
[013]一態様において、本開示の化合物は、筋萎縮を阻害する。さらなる態様において、本開示の化合物は、筋量を増加させる。またさらなる態様において、本開示の化合物は、筋肥大を誘導する。またさらなる態様において、本開示の化合物は、筋萎縮を阻害し、筋量を増加させる。またさらなる態様において、本開示の化合物は、筋萎縮を阻害し、筋肥大を誘導する。さらなる態様において、筋萎縮の阻害は、対象におけるものである。またさらなる態様において、筋量の増加は、対象におけるものである。またさらなる態様において、対象は哺乳動物である。またさらなる態様において、哺乳動物はヒトである。
【0062】
[014]一定の態様において、本開示の組成物の投与は、加齢に関係する筋萎縮またはサルコペニアを予防または処置する際に有効である。さらなる態様において、本開示の組成物の投与は、筋肉固定に関連する筋萎縮、例えば、骨折骨にギプスをはめた場合に高頻度に生じるような筋萎縮を予防または処置する際に有効である。さらなる態様において、本開示の組成物の投与は、悪液質としても知られるがんなどの疾患に関連する筋萎縮を予防または処置する際に有効である。
【0063】
[015]一定の態様によれば、該組成物は、サルコペニアを有する対象に投与される。さまざまな態様において、該組成物は、治療有効量で投与される。さらなる態様において、該組成物は、予防有効量で(例えば、サルコペニア、悪液質、または固定化誘発性の萎縮を発症するリスクがある対象に)投与される。
【0064】
[016]一定の態様において、該組成物は、筋肉の強さ、サイズ、および/または筋機能をさらに強化するための1つまたは複数の付加的な活性成分をさらに含む。一定の実施形態において、1つまたは複数の付加的な活性成分はアミノ酸である。一定の実施形態によれば、アミノ酸は、イソロイシン、ロイシンおよびバリンを非限定的に含む分子鎖アミノ酸(BCAA)の群から選択される。さらなる実施形態において、アミノ酸は、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファンおよびバリンを非限定的に含む必須アミノ酸の群から選択される。またさらなる実施形態では、アミノ酸は、アルギニン、システイン、グルタミン、グリシン、プロリン、エルゴチオネインおよびチロシンを非限定的に含む条件付き必須アミノ酸の群から選択される。一定の実施形態によれば、条件付き必須アミノ酸はチロシンである。またさらなる実施形態では、アミノ酸は、アラニン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、セリン、セレノシステインおよびピロリシンを非限定的に含む非必須アミノ酸の群から選択される。またさらなる実施形態では、アミノ酸誘導体は、クレアチン、カルニチン、β-アラニン、タウリン、β-ヒドロキシ-β-メチルブチレート、L-アルギニン、ω-3脂肪酸、ビタミンD、乳清タンパク質、BAIBA、および、動物、植物または発酵源由来のその他タンパク質抽出物の群から選択される。
【0065】
[017]これらの実施形態の例示的な態様によれば、該組成物は、疲労を軽減し、エネルギーを増強し、可動性を向上させ、警戒力を増強することができる。さらなる実施形態において、本開示の組成物の投与は、心保護を目的に行われる。さらなる実施形態において、本開示の組成物の投与は、筋収縮および筋性能を増強する。これらの実施形態の例示的な態様において、筋性能は、骨格筋中へのカリウム(K+)輸送を増加させることを通じて強化される。さらなる態様において、筋性能は、細胞内カルシウムを増加させることを通じて(例えば、リアノジン受容体(RyR)の活性化によって)強化される。
【0066】
[018]該組成物が有効量の1-メチルキサンチンとパラキサンチンとを含む前述の実施形態の一定の態様において、パラキサンチンおよび1-メチルキサンチンの投与は、パラキサンチンまたは1-メチルキサンチンの単独での投与と比較して、対象における筋肉のサイズおよび/または機能の相乗的な増加をもたらす。
体重減少
[019]一定の実施形態によれば、脂肪消失は、SCM対象における熱産生を誘導することを通じて促進される。このような実施形態の例示的な実装形態によれば、該組成物は、カフェイン、緑茶、カプサイシン、ガルシニア・カンボジア、ヨヒンビン、カテコール、没食子酸エピガロカテキンEGCG、カテキン、ならびにプロアントシアニジンおよびオクタコサノール、シネフリン、テアクリン、メチルリベリン、カイエン、グレインズ・オブ・パラダイス、ショウガ抽出物ならびにビターオレンジから選択される1つまたは複数の化合物も含むことができる。
【0067】
[020]さらなる実施形態によれば、脂肪消失は、対象における食欲の抑制を通じて促進される。このような実施形態の例示的な実装形態において、該組成物は、コロハ、グルコマンナン、gymnema sylvestre、5-HTP、Caralluma fimbriata、緑茶抽出物、共役リノール酸、ガルシニア・カンボジアおよびイエルバマテから選択される1つまたは複数の化合物をさらに含むことができる。
【0068】
[021]またさらなる実施形態によれば、脂肪消失は、SCM対象における脂肪分解を強化することを通じて促進される。このような実施形態の例示的な実装形態において、該組成物は、カフェイン、緑茶抽出物、L-カルニチン、ガルシニア・カンボジア(ヒドロキシクエン酸)、カプサイシン、朝鮮人参、タウリン、シルクペプチド、BAIBA、グレインズ・オブ・パラダイス、ショウガおよびオクタコサノールから選択される1つまたは複数の化合物をさらに含むことができる。
【0069】
[022]一定の実施形態において、本開示の組成物は、対象に投与されると、該対象の安静時エネルギー消費量を、該対象のベースラインレベルまたはプラセボ投与の場合に比較して増加させる。一定の実施形態において、本開示の組成物を投与した場合の対象の安静時エネルギー消費量の増加率は、約3%から約30%までである。さらなる実施形態において、本開示の組成物を投与した場合の対象の安静時エネルギー消費量の増加率は、約5%から約25%までである。またさらなる実施形態では、本開示の組成物を投与した場合の対象の安静時エネルギー消費量の増加率は、約8%から約20%までである。またさらなる実施形態では、本開示の組成物を投与した場合の対象の安静時エネルギー消費量の増加率は、約10%からである。
【0070】
[023]一定の実装形態によれば、本開示の方法は、SCM対象のカロリー摂取量を制限することをさらに含む。例示的な実装形態では、対象における脂肪消失量は、同等のカロリー制限を行っているが該組成物の投与を受けていない対象の脂肪消失量より大きい。さらなる実装形態によれば、対象における脂肪消失の対筋肉喪失比は、同等のカロリー制限を行っているが該組成物の投与を受けていない対象の脂肪消失の対筋肉喪失比より大きい。
【0071】
[024]さらに、本明細書においては、SCM対象における食欲を抑制する方法であって、約2mg~約800mgのパラキサンチンを含む組成物を該対象に投与するステップによる方法が開示される。一定の実施形態において、対象への該組成物の投与は、該対象の食欲を5%から約70%までの範囲で低減させる。さらなる実施形態において、対象の食欲の低減率は、約10%から約60%までである。またさらなる実施形態では、対象の食欲の低減率は、約20%から約50%までである。またさらなる実施形態では、対象の食欲の低減率は、少なくとも約30%である。
【0072】
[025]本開示の方法の一定の実施形態によれば、該組成物は治療有効量で投与される。さらなる実施形態では、該組成物は予防有効量で投与される。
[026]一定の態様では、本出願において、有効量の1つまたは複数の本明細書に開示の組成物の投与を通じてSCM対象における体重減少を促進する方法が開示される。一定の態様によれば、有効量の本開示の組成物の投与は、糖尿病の処置;糖尿病の合併症からなる群から選択される状態もしくは障害の予防、進行緩徐化、遅延化もしくは処置;1型糖尿病、2型糖尿病、耐糖能障害(IGT)、空腹時血糖障害(IFG)、高血糖、食後高血糖、過体重、肥満、メタボリックシンドロームおよび妊娠糖尿病からなる群から選択される代謝障害の予防、進行緩徐化、遅延化もしくは処置;または血糖管理の改善および/もしくは空腹時血漿グルコース、食後血漿グルコースおよび/もしくはグリコシル化ヘモグロビンHbA1cの低減;または耐糖能障害IGT)、空腹時血糖障害(IFG)、インスリン抵抗性から、および/またはメタボリックシンドロームから2型糖尿病への進行の予防、緩徐化、遅延化もしくは逆行;または糖尿病の合併症、例えば白内障ならびに微小および大血管疾患、例えば腎症、網膜症、ニューロパチー、組織虚血、動脈硬化症、心筋梗塞、脳卒中ならびに末梢動脈閉塞性疾患などからなる群から選択される状態もしくは障害の予防、進行緩徐化、遅延化もしくは処置;または体重および/もしくは体脂肪の低減、または体重および/もしくは体脂肪増加の予防、または体重および/もしくは体脂肪低減の促進;または異所性脂肪の異常蓄積に起因する疾患もしくは状態の予防、緩徐化、遅延化もしくは処置;またはインスリン感受性の維持および/もしくは改善、ならびに/または、高インスリン血症および/もしくはインスリン抵抗性の処置もしくは予防;移植後発症糖尿病(NODAT)および/もしくは移植後メタボリックシンドローム(PTMS)の予防、進行緩徐化、遅延化もしくは処置;NODATおよび/もしくはPTMSに伴う合併症、例えば、微小および大血管疾患およびイベント、移植片拒絶、感染症ならびに死亡などの予防、遅延化もしくは低減;嚢胞性線維症に関連した糖尿病の処置、高尿酸血症および高尿酸血症関連の状態の処置;腎臓結石の処置もしくは予防;低ナトリウム血症の処置を必要とするSCM対象におけるこれらの予防、進行緩徐化、遅延化もしくは処置に用いられる。
【0073】
[027]別の態様は、SCM対象における脂肪貯蔵、エネルギー利用および/または体重減少を調整するための併用療法を包含する。例示的な実施形態では、エネルギー利用増加や体脂肪減少のための、または体重減少促進のための組合せは、本開示の方法および組成物を、例えば、薬物療法、胃バイパス、十二指腸空腸バイパス、胆膵路変更、垂直スリーブ胃切除術、調節性胃バンディング術、垂直遮断胃形成術、胃内バルーン療法、胃ひだ形成術(gastric plication)、Magenstrasse and Mill法、小腸転位術(small bowel transposition)、胆汁流出路変更、褐色脂肪組織の調節(例えば、活性化の制御、分化の強化、補充的な移植等)、冷却脂肪融解術、薬物投与、胃腸管の少なくとも一部分を支配する神経への電気刺激、概日リズムに影響を与える治療法、胆汁酸の調節、腸粘液産生および代謝、十二指腸管腔内バリア(duodenal endoluminal barrier)もしくは類似の胃腸管操作などの手術または治療法と組み合わせることを含みうる。例えば、組成物ジロイシンは、胃バイパス術または他の胃腸もしくは肥満手術に先行して、もしくはそれと併用して、もしくはその後に、SCM対象に投与されることが可能である。
【0074】
[028]一定の態様において、SCM対象における本開示の組成物の投与は、体重および/もしくは体脂肪の低減の予防、または体重および/もしくは体脂肪増加の予防、または体重および/もしくは体脂肪低減の容易化;または、肝脂肪の異常蓄積に起因する疾患もしくは状態の予防、緩徐化、遅延化もしくは処置;またはインスリン感受性の維持および/もしくは改善、ならびに/または、高インスリン血症および/もしくはインスリン抵抗性の処置もしくは予防に有効である。
認知機能
[029]本明細書においては、SCM対象における認知機能を強化する方法であって、本明細書に開示の組成物を該対象に投与するステップを含む方法が開示される。一定の実施形態において、認知機能の増強は、注意力、情報取得、情報処理、作業記憶、短期記憶、長期記憶、前向性記憶、逆向性記憶、記憶想起、弁別学習、意思決定、抑制応答制御(inhibitory response control)、注意セット転換能力、遅延報酬強化学習(delayed reinforcement learning)、逆転学習、自発行動の時間的統合、処理スピード、推論、問題解決および/または社会的認知のうち1つまたは複数の増加により測定される。
【0075】
[030]一定の実施形態において、本開示の組成物の投与は、SCM対象における作業記憶を増大させる。
[031]さらなる実施形態において、本開示の組成物の投与は、SCM対象における注意力を増大させる。
【0076】
[032]脳由来神経栄養因子(BDNF)は、学習および記憶に関係した可塑的変化に関与するキー分子である(Mirandaら、Brain-Derived Neurotrophic Factor:A Key Molecule for Memory in the Healthy and the Pathological.Brain.、Front.Cell.Neurosci.、2019、13:363.)。BDNFの増加は、認知の増強と結び付いている。一定の実施形態によれば、SCM対象への本開示の組成物の投与は、結果として、対象における血漿中のBNDFレベルの増加をもたらす。一定の実装形態において、本開示の組成物の投与は、プラセボの投与を受けたSCM対象と比較して、血清中のBDNF濃度を約30~60%増加させる。さらなる実施形態では、本開示の組成物の投与は、プラセボの投与を受けたSCM対象と比較して、血清中のBDNF濃度を約50%増加させる。またさらなる実施形態では、本開示の組成物の投与は、同程度の用量の該組成物の投与を受けた高速カフェイン代謝者と比較して、血清中のBDNF濃度を少なくとも約10%増加させる。またさらなる実施形態では、本開示の組成物の投与は、カフェインの投与を受けたSCM対象と比較して、血清中のBDNF濃度を約50%増加させる。
【0077】
[033]一定の実施形態によれば、SCM対象における認知機能を強化する本開示の方法の組成物は、チロシン、N-アセチルチロシン、タウリン、フペルジンA、アセチル-l-カルニチン、CDPコリン、α-GPC、コリンビトレート、クエン酸コリン、B12、カフェイン、メチルリベリン、テアクリン、パラキサンチン、テオブロミン、アシュワガンダ、イワベンケイ属、ルテイン、ゼアキサンチン、魚油、クレアチン、朝鮮人参、ヤマブシタケ、ナイアシン、ノムシタケ属、テアニン、ビタミンB群、GABA、スルブチアミン、ビンポセチン、アデノシン三リン酸、イノシトール、強化されたケイ酸アルギニン、ニトレート、電解質、ヘスペリジンおよびヘスペリジン誘導体、ならびに/またはバコパをさらに含む。
処置の方法
[034]さらに、本明細書においては、ある状態の処置を必要とするSCM対象において該状態を処置する方法であって、本明細書に開示の組成物を該SCM対象に投与するステップによる方法が開示される。一定の実施形態において、状態は、ナルコレプシー、てんかん、注意欠陥障害、注意欠陥多動性障害症候群(ADHD)、認知欠陥障害(cognitive deficit disorder)、麻痺、制御されない怒り(uncontrolled anger)、偏頭痛、薬物乱用・依存症(substance abuse addiction)、摂食障害、抑うつ、不安障害、外傷性頭部傷害(TBI)、パーキンソン病、アルツハイマー病および認知症から選択される。
【0078】
[035]さらに、本明細書においては、気分障害を処置する方法であって、気分障害の処置を必要とする対象に本明細書に開示の組成物を投与するステップによる方法が開示される。一定の実施形態において、気分障害は、臨床的うつ病、産後うつ病もしくは分娩後うつ病、周産期うつ病、非定型うつ病、メランコリー型うつ病、精神病性大うつ病、緊張病性うつ病、季節性情動障害、気分変調症、二重うつ病、抑うつ性パーソナリティー障害、反復性短期うつ病、小うつ病性障害、双極性障害もしくは躁うつ性障害、慢性の医学的状態が原因で生じるうつ病、併存うつ病、治療抵抗性うつ病、難治性うつ病、自殺傾向、自殺念慮または自殺行動から選択される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法は、抑うつ(例えば、中等度または重度うつ病)に罹患している対象に治療効果をもたらす。いくつかの実施形態において、気分障害は、本明細書に記載されている疾患または障害に関連する。
【0079】
[036]一定の実施形態において、気分障害は、抑うつである。例示的な実装形態において、対象は、抑うつまたは抑うつリスクありと診断されている。
[037]さらに、本明細書においては、不安障害の処置を必要とする対象においてそれを処置する方法であって、本明細書に開示の組成物を該障害の処置を必要とする対象に投与するステップによる方法が開示される。一定の実施形態において、不安障害は、全般性不安障害、パニック障害、強迫性障害、恐怖症、心的外傷後ストレス障害)から選択される。当業者には理解されるであろうが、不安障害とは、異常かつ病的な恐怖および不安についてのいくつかの異なる形態を網羅する包括的な用語である。
【0080】
[038]一定の実施形態によれば、該組成物は治療有効量で投与される。さらなる実施形態では、該組成物は予防有効量で投与される。
[039]一定の実施形態において、気分障害または不安障害を処置する方法において使用される該組成物は、L-テアニン、ホスファチジルコリン、α-GPC(L-α-グリセリルホスホリルコリン)、シチコリン(シチジン二リン酸コリン(CPDコリン))、酒石酸水素コリン、Bacopa Monnieri、ホスファチジルセリン、ピロカルピンおよびセビメリン、Amburana cearensis、Lippia sidoides、Paullinia cupana、Plathymiscium floribundum、テトラヒドロクルクミンおよびSolanum asperum、ならびに/またはこれらの組合せ、カフェイン、テオブロミン、ナリンギン、ヘスペリジン、2-(ジメチルアミノ)エタノール(DMAE)、DMAEビタートレート、コウボク、テアニン、ホスファチジルセリン、アシュワガンダ、イワベンケイ属、タウリン、チロシン、n-アセチルチルソイン(n-acetyl-tyrsoine)、マクナ(macuna)、sceletium tortuosa、5-HTP、トリプトファン、サフラン、ビタミンD、SAMe、ヤマブシタケおよび/またはフペルジンAからなる群から選択される少なくとも1つの成分をさらに含む。
【0081】
[040]さらに、本明細書においては、加齢関連認知低下の処置または予防を必要とするSCM対象においてそれを処置または予防する方法であって、有効量の本明細書に開示の組成物を該対象に投与するステップを含む方法が開示される。一定の実施形態において、該組成物の投与は、注意力、情報取得、情報処理、作業記憶、短期記憶、長期記憶、前向性記憶、逆向性記憶、記憶想起、弁別学習、意思決定、抑制応答制御、注意セット転換能力、遅延報酬強化学習、逆転学習、自発行動の時間的統合、処理スピード、推論、問題解決および/または社会的認知のうち1つまたは複数を増加させる。一定の実装形態では、対象への該組成物の投与は、該対象におけるカタラーゼおよび/またはグルタチオンレベルを増加させる。さらなる実装形態では、対象に投与される該組成物はパラキサンチンと1-メチルキサンチンとを含み、パラキサンチンおよび1-メチルキサンチンの投与は、パラキサンチンまたは1-メチルキサンチンの単独での投与と比較して、対象におけるカタラーゼおよび/またはグルタチオンの相乗的な増加をもたらす。
【0082】
[041]さらに、本明細書においては、アルツハイマー病の処置または予防を必要とするSCM対象においてそれを処置または予防する方法であって、有効量の本明細書に開示の組成物を該対象に投与するステップを含む方法が開示される。一定の実装形態では、対象への該組成物の投与は、該対象におけるアミロイドβタンパク質(Aβ)レベルを減少させる。一定の実施形態において、対象はアルツハイマー病と診断されている。さらなる実施形態において、対象はアルツハイマー病のリスクを有する。またさらなる実施形態では、対象は軽度認知障害と診断されている。
【0083】
[042]一定の態様において、本開示の組成物は、神経保護剤である。一定の実施形態において、本開示の組成物を必要とする対象へのその投与は、神経保護を目的に行われる。これらの実施形態の例示的な態様において、この神経保護は、ドパミン作動性細胞死からの保護の形をとる。
【0084】
[043]対象への本開示の組成物の投与は、対象に医薬調製物を提供するあらゆる方法を包含しうる。そのような方法は当業者には周知であり、限定されるものではないが、経口投与、経皮投与、吸入による投与、経鼻投与、局所投与、膣内投与、経眼投与、耳内投与、脳内投与、経直腸投与、舌下投与、皮内投与、口腔投与、ならびに、注射剤投与を包含する非経口投与、例えば、静脈内投与、動脈内投与、筋内投与および皮下投与などが挙げられる。投与は、連続的でも間欠的でもよい。さまざまな態様において、調製物は、治療的に投与されうる。つまり、既存の疾患または状態を処置するために投与されうる。さらなるさまざまな態様において、調製物は、予防的に投与されうる。つまり、疾患または状態を予防するために投与されうる。
【0085】
[044]SCM対象への本開示の組成物の投与は、対象に医薬調製物を提供するあらゆる方法を包含しうる。そのような方法は当業者には周知であり、限定されるものではないが、経口投与、経皮投与、吸入による投与、経鼻投与、局所投与、膣内投与、経眼投与、耳内投与、脳内投与、経直腸投与、舌下投与、皮内投与、口腔投与、ならびに、注射剤投与を包含する非経口投与、例えば、静脈内投与、動脈内投与、筋内投与および皮下投与などが挙げられる。投与は、連続的でも間欠的でもよい。さまざまな態様において、調製物は、治療的に投与されうる。つまり、既存の疾患または状態を処置するために投与されうる。さらなるさまざまな態様において、調製物は、予防的に投与されうる。つまり、疾患または状態を予防するために投与されうる。
栄養補助製品(nutritional supplement)
[045]本開示の組成物は、栄養補助食品の形態をとることが可能であり、または、それ自体が栄養補助食品と組み合わせて使用されることが可能である。栄養補助食品は本明細書においては補助食品(food supplement)とも呼ばれる。
【0086】
[046]栄養補助製品は、多くの形態、例えば、錠剤、カプセル、ソフトゲル、ゲルカプセル、液体または粉末の形態のものがありうる。栄養補助食品の中には、必須栄養素の十分な食事摂取量の確保を助けることが可能なものもあれば、疾患リスクの低減を助けることができるものもある。
食品製品
[047]本開示の組成物は、食品製品の形態をとりうる。ここで、用語「食品」は広義に使用され、ヒト用の食品および飲み物、ならびに動物用の食品および飲み物(すなわち飼料)を網羅する。好ましくは、食品製品は、ヒトが消費するのに適しており、そのためにデザインされている。
【0087】
[048]食品は、用途および/または適用様式および/または投与様式に応じて、液体、固体または懸濁液の形態のものでありうる。
[049]食品製品の形態のものである場合、該組成物は、栄養学的に許容される担体、栄養学的に許容される希釈剤、栄養学的に許容される賦形剤、栄養学的に許容されるアジュバント、栄養学的に活性のある成分のうち1つまたは複数を含むか、または、これらのうち1つまたは複数と一緒に使用されることが可能である。
【0088】
[050]例として、本開示の組成物は、フルーツジュース、乳清タンパク質を含む飲料:健康もしくはハーブ茶、ココアドリンク、コーヒードリンク、ヨーグルトおよび/もしくは飲むヨーグルト、チーズ、アイスクリーム、デザート、菓子、ビスケット、ケーキ、ケーキミックスもしくはケーキフィリング、スナックフード、フルーツフィリング、ケーキ用もしくはドーナツ用アイシング、即席のパン用フィリングクリーム、クッキー用フィリング、即時使用可能なパン用フィリング、低カロリーフィリング、成人用栄養飲料、酸味の付いた(acidified)大豆/ジュース飲料、栄養もしくは健康バー、飲料粉末、カルシウム強化豆乳またはカルシウム強化コーヒー飲料のうち1つの形態をとりうる。
食品成分
[051]本開示の組成物は、食品成分および/または飼料成分の形態をとりうる。
【0089】
[052]本明細書で使用される場合、用語「食品成分」または「飼料成分」は、ヒトおよび動物用の栄養および/もしくは健康補助製品としての機能性食品もしくは食物に添加されているまたは添加されることが可能な組成物を包含する。
【0090】
[053]食品成分は、用途および/または適用様式および/または投与様式に応じて、液体、懸濁液または固体の形態のものでありうる。
機能性食品
[054]本開示の組成物は、機能性食品の形態をとりうる。
【0091】
[055]本明細書で使用される場合、用語「機能性食品」は、栄養学的効果をもたらすことが可能なだけでなく、さらなる有益な効果を消費者に届けることも可能な食品を意味する。
【0092】
[056]したがって、機能性食品とは、純粋に栄養学的な効果以外に特定の機能、例えば医学的または生理学的利益などを当該食品に賦与する構成要素または成分(本明細書に記載されているものなど)が組み込まれている、普通の食品である。
【0093】
[057]機能性食品の法的な定義はないが、この分野に関心のある関係者の大半は、機能性食品とは、基本的な栄養学的効果を超える特定の健康効果を有するものとして市販されている食品である、との認識で一致している。
【0094】
[058]機能性食品としては、ニュートラシューティカルがある。ここで、用語「ニュートラシューティカル」は、栄養学的効果および/または味覚的満足をもたらすことが可能なだけでなく治療的な(または他の有益な)効果を消費者に届けることも可能な食品を意味する。「ニュートラシューティカル」は、食品と医薬とを分ける従来の境界線を越えるものである。
医療用食品
[059]本開示の組成物は、医療用食品の形態をとりうる。
【0095】
[060]「医療用食品」とは、医師の監督の元にまたはそれなしで消費または投与されるように処方されており、一般に認められた科学的原理に基づく特徴的な栄養所要量が医学的評価により確立されている特定の食事管理または状態を対象としている、食品を意味する。
【0096】
[061]本発明の多様な態様および実施形態は、番号の付いた下記の項により定義される。
第1項 パラキサンチン約2mgから約800mgまでを含む第1の活性成分を含む組成物。
第2項 パラキサンチンが約20mgから約600mgまでの量で存在する、第1項に記載の組成物。
第3項 パラキサンチンが50mgから約400mgまでの量で存在する、第2項に記載の組成物。
第4項 L-テアニン、ホスファチジルコリン、α-GPC(L-α-グリセリルホスホリルコリン)、シチコリン(シチジン二リン酸コリン(CPDコリン))、酒石酸水素コリン、Bacopa Monnieri、ホスファチジルセリン、ピロカルピンおよびセビメリン、Amburana cearensis、Lippia sidoides、Paullinia cupana、Plathymiscium floribundum、テトラヒドロクルクミンおよびSolanum asperum、ならびに/またはこれらの組合せ、没食子酸、(+)-カテキン(C)、(-)-エピカテキン(EC)、(+)-ガロカテキン(GC)、(-)-エピガロカテキン(EGC)、(-)-没食子酸カテキン(CG)、(-)-没食子酸ガロカテキン(GCG)、(-)-没食子酸エピカテキン(ECG)および(-)-没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、グリセリド、プロピレングリコール、ラウロイルマクロゴール、ラウロイルマクロゴール誘導体、バイオペリンの共結晶化製品、ピペリン、黒コショウ、ベルガモッチン、ジヒドロキシベルガモッチン(CYP3A4)、フラボノイド(ナリンギン、ヘスペリジン、ノビレチン、タンゲレチン、ケルセチン)、プテロスチルベン、フィセチン、フィトソーム、サリシン、魚油(ω-3脂肪酸および特異的小脂質炎症収束性エポキシド誘導体)、オキシリピン、タルトチェリー、オキアミ油、アスタキサンチン、タンパク質分解酵素、硫酸グルコサミン、コンドロイチン硫酸、MSM(メチルスルホニルメタン)、SAMe(S-アデノシルメチオニン)、ASU(アボカド-ダイズ不けん化物断片)、ミリストレイン酸セチル、Dolichos falcate、トリテルペノイド、acacia catechu、Andrographis paniculata、Scutalleria baicalensis、硫酸アグマチン、イラクサ、サジー、クルクミン、Cissus Quadrilangularis、Boswellia Serrata、Wasabia japonica(ティーツリー油に用いられるワサビ抽出物)、エミュー油、アルニカ属、Mangifera indica L.(ウルシ科)、Lagenaria breviflora、Zingiber officinale(ショウガおよびギンゲロール/ショウガオール)、hoodia gordonii、カフェイン、ヨヒンビン、メチルシネフリン、シネフリン、テオブロミン、トコフェロール、テオフィリン、α-ヨヒンビン、共役リノール酸(CLA)、オクトパミン、エボジアミン、トケイソウ、赤トウガラシ、カイエン、ラズベリーケトン、グッグル、緑茶、ガラナ、コーラナッツ、β-フェネチルアミン、Acacia rigidula、フォルスコリン(Coleus forskohlli)、テオフィリン、シネフリン、ヨヒンビン、イワベンケイ属、アシュワガンダ、朝鮮人参、ginkgo biloba、エゾウコギ、ゲンゲ、甘草、緑茶、霊芝、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、プレグネノロン、チロシン、N-アセチルチロシン、グルクロノラクトン、タウリン、アセチル-L-カルニチン、5-ヒドロキシトリプトファン、トリプトファン、フェネチルアミン、Sceletium tortuosum(およびメセンブリンアルカロイド)、デンドロビウム属の種、Acacia rigidula、PQQ(ピロロキノリンキノン)、ユビキノン(01)、ニコチンアミドリボシド、ピカミロン、フペルジンA(トウゲシバまたはHuperzia serrata、L-ドパ、Mucuna pruriens、およびフォルスコリン(Coleus forskohlli)、2-(ジメチルアミノ)エタノール(DMAE)、DMAEビタートレート、中鎖トリグリセリド、クレアチン、シトルリン、アルギニン、ヤマブシタケ、ノムシタケ属、ロイシン、イソロイシン、バリン、BAIBA、エルゴチオネイン、グレインズ・オブ・パラダイス、カンナ(Kanna)、フペルジンA、ケトン、マカ、朝鮮人参、アシュワガンダ、イワベンケイ属、テアニン、BCAA、β-アラニン、魚油、シトルリン、アルギニン、HMB、HICA、バレニン、カルノシン、アンセリン、ならびにこれらの組合せからなる群から選択される第2の活性成分をさらに含む、第1から第3項に記載の組成物。
第5項 パラキサンチン同族体またはパラキサンチン類似体をさらに含む、第1項に記載の組成物。
第6項 前記パラキサンチン同族体または類似体が、カフェイン、7-メチルキサンチン、3-メチルキサンチン、1-メチルキサンチン、テオブロミン、テオフィリン、リベリン、メチルリベリンおよびこれらの組合せからなる群から選択される、第5項に記載の組成物。
第7項 パラキサンチン同族体または類似体がカフェインである、第6項に記載の組成物。
第8項 カフェインの有効用量が、パラキサンチンを含まない組成物におけるカフェインの有効用量より低い、第7項に記載の組成物。
第9項 パラキサンチンと1-メチルキサンチンとを含む組成物。
第10項 パラキサンチンおよび1-メチルキサンチンがそれぞれ約2mgから約800mgまでの量で存在する、第9項に記載の組成物。
第11項 パラキサンチンおよび1-メチルキサンチンがそれぞれ約20mgから約600mgまでの量で存在する、第10項に記載の組成物。
第12項 パラキサンチンおよび1-メチルキサンチンがそれぞれ約50mgから約400mgまでの量で存在する、第11項に記載の組成物。
第13項 L-テアニン、ホスファチジルコリン、α-GPC(L-α-グリセリルホスホリルコリン)、シチコリン(シチジン二リン酸コリン(CPDコリン))、酒石酸水素コリン、Bacopa Monnieri、ホスファチジルセリン、ピロカルピンおよびセビメリン、Amburana cearensis、Lippia sidoides、Paullinia cupana、Plathymiscium floribundum、テトラヒドロクルクミンおよびSolanum asperum、ならびに/またはこれらの組合せ、没食子酸、(+)-カテキン(C)、(-)-エピカテキン(EC)、(+)-ガロカテキン(GC)、(-)-エピガロカテキン(EGC)、(-)-没食子酸カテキン(CG)、(-)-没食子酸ガロカテキン(GCG)、(-)-没食子酸エピカテキン(ECG)および(-)-没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、グリセリド、プロピレングリコール、ラウロイルマクロゴール、ラウロイルマクロゴール誘導体、バイオペリンの共結晶化製品、ピペリン、黒コショウ、ベルガモッチン、ジヒドロキシベルガモッチン(CYP3A4)、フラボノイド(ナリンギン、ヘスペリジン、ノビレチン、タンゲレチン、ケルセチン)、プテロスチルベン、フィセチン、フィトソーム、サリシン、魚油(ω-3脂肪酸および特異的小脂質炎症収束性エポキシド誘導体)、オキシリピン、タルトチェリー、オキアミ油、アスタキサンチン、タンパク質分解酵素、硫酸グルコサミン、コンドロイチン硫酸、MSM(メチルスルホニルメタン)、SAMe(S-アデノシルメチオニン)、ASU(アボカド-ダイズ不けん化物断片)、ミリストレイン酸セチル、Dolichos falcate、トリテルペノイド、acacia catechu、Andrographis paniculata、Scutalleria baicalensis、硫酸アグマチン、イラクサ、サジー、クルクミン、Cissus Quadrilangularis、Boswellia Serrata、Wasabia japonica(ティーツリー油に用いられるワサビ抽出物)、エミュー油、アルニカ属、Mangifera indica L.(ウルシ科)、Lagenaria breviflora、Zingiber officinale(ショウガおよびギンゲロール/ショウガオール)、hoodia gordonii、カフェイン、ヨヒンビン、メチルシネフリン、シネフリン、テオブロミン、フラベノイド(flavenoid)、トコフェロール、テオフィリン、α-ヨヒンビン、共役リノール酸(CLA)、オクトパミン、エボジアミン、トケイソウ、赤トウガラシ、カイエン、ラズベリーケトン、グッグル、緑茶、ガラナ、コーラナッツ、β-フェネチルアミン、Acacia rigidula、フォルスコリン(Coleus forskohlli)、テオフィリン、シネフリン、ヨヒンビン、イワベンケイ属、アシュワガンダ、朝鮮人参、ginkgo biloba、エゾウコギ、ゲンゲ、甘草、緑茶、霊芝、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、プレグネノロン、チロシン、N-アセチルチロシン、グルクロノラクトン、タウリン、アセチル-L-カルニチン、5-ヒドロキシトリプトファン、トリプトファン、フェネチルアミン、Sceletium tortuosum(およびメセンブリンアルカロイド)、デンドロビウム属の種、Acacia rigidula、PQQ(ピロロキノリンキノン)、ユビキノン(01)、ニコチンアミドリボシド、ピカミロン、フペルジンA(トウゲシバまたはHuperzia serrata、L-ドパ、Mucuna pruriens、およびフォルスコリン(Coleus forskohlli)、2-(ジメチルアミノ)エタノール(DMAE)、DMAEビタートレート、中鎖トリグリセリド、クレアチン、シトルリン、アルギニン、ヤマブシタケ、ノムシタケ属、ロイシン、イソロイシン、バリン、BAIBA、エルゴチオネイン、グレインズ・オブ・パラダイス、カンナ、フペルジンA、ケトン、マカ、朝鮮人参、アシュワガンダ、イワベンケイ属、テアニン、BCAA、β-アラニン、魚油、シトルリン、アルギニン、HMB、HICA、バレニン、カルノシン、アンセリン、ならびにこれらの組合せからなる群から選択される活性物質のうち1つまたは複数をさらに含む、第9から第12項のいずれか一項に記載の組成物。
第14項 1-メチルキサンチンと7-メチルキサンチンとを含む組成物。
第15項 1-メチルキサンチンおよび7-メチルキサンチンがそれぞれ約2mgから約800mgまでの量で存在する、第14項に記載の組成物。
第16項 1-メチルキサンチンおよび7-メチルキサンチンがそれぞれ約20mgから約600mgまでの量で存在する、第15項に記載の組成物。
第17項 1-メチルキサンチンおよび7-メチルキサンチンがそれぞれ約50mgから約400mgまでの量で存在する、第16項に記載の組成物。
第18項 L-テアニン、ホスファチジルコリン、α-GPC(L-α-グリセリルホスホリルコリン)、シチコリン(シチジン二リン酸コリン(CPDコリン))、酒石酸水素コリン、Bacopa Monnieri、ホスファチジルセリン、ピロカルピンおよびセビメリン、Amburana cearensis、Lippia sidoides、Paullinia cupana、Plathymiscium floribundum、テトラヒドロクルクミンおよびSolanum asperum、ならびに/またはこれらの組合せ、没食子酸、(+)-カテキン(C)、(-)-エピカテキン(EC)、(+)-ガロカテキン(GC)、(-)-エピガロカテキン(EGC)、(-)-没食子酸カテキン(CG)、(-)-没食子酸ガロカテキン(GCG)、(-)-没食子酸エピカテキン(ECG)および(-)-没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、グリセリド、プロピレングリコール、ラウロイルマクロゴール、ラウロイルマクロゴール誘導体、バイオペリンの共結晶化製品、ピペリン、黒コショウ、ベルガモッチン、ジヒドロキシベルガモッチン(CYP3A4)、フラボノイド(ナリンギン、ヘスペリジン、ノビレチン、タンゲレチン、ケルセチン)、プテロスチルベン、フィセチン、フィトソーム、サリシン、魚油(ω-3脂肪酸および特異的小脂質炎症収束性エポキシド誘導体)、オキシリピン、タルトチェリー、オキアミ油、アスタキサンチン、タンパク質分解酵素、硫酸グルコサミン、コンドロイチン硫酸、MSM(メチルスルホニルメタン)、SAMe(S-アデノシルメチオニン)、ASU(アボカド-ダイズ不けん化物断片)、ミリストレイン酸セチル、Dolichos falcate、トリテルペノイド、acacia catechu、Andrographis paniculata、Scutalleria baicalensis、硫酸アグマチン、イラクサ、サジー、クルクミン、Cissus Quadrilangularis、Boswellia Serrata、Wasabia japonica(ティーツリー油に用いられるワサビ抽出物)、エミュー油、アルニカ属、Mangifera indica L.(ウルシ科)、Lagenaria breviflora、Zingiber officinale(ショウガおよびギンゲロール/ショウガオール)、hoodia gordonii、カフェイン、ヨヒンビン、メチルシネフリン、シネフリン、テオブロミン、トコフェロール、テオフィリン、α-ヨヒンビン、共役リノール酸(CLA)、オクトパミン、エボジアミン、トケイソウ、赤トウガラシ、カイエン、ラズベリーケトン、グッグル、緑茶、ガラナ、コーラナッツ、β-フェネチルアミン、Acacia rigidula、フォルスコリン(Coleus forskohlli)、テオフィリン、シネフリン、ヨヒンビン、イワベンケイ属、アシュワガンダ、朝鮮人参、ginkgo biloba、エゾウコギ、ゲンゲ、甘草、緑茶、霊芝、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、プレグネノロン、チロシン、N-アセチルチロシン、グルクロノラクトン、タウリン、アセチル-L-カルニチン、5-ヒドロキシトリプトファン、トリプトファン、フェネチルアミン、Sceletium tortuosum(およびメセンブリンアルカロイド)、デンドロビウム属の種、Acacia rigidula、PQQ(ピロロキノリンキノン)、ユビキノン(01)、ニコチンアミドリボシド、ピカミロン、フペルジンA(トウゲシバまたはHuperzia serrata、L-ドパ、Mucuna pruriens、およびフォルスコリン(Coleus forskohlli)、2-(ジメチルアミノ)エタノール(DMAE)、DMAEビタートレート、中鎖トリグリセリド、クレアチン、シトルリン、アルギニン、ヤマブシタケ、ノムシタケ属、ロイシン、イソロイシン、バリン、BAIBA、エルゴチオネイン、グレインズ・オブ・パラダイス、カンナ、フペルジンA、ケトン、マカ、朝鮮人参、アシュワガンダ、イワベンケイ属、テアニン、BCAA、β-アラニン、魚油、シトルリン、アルギニン、ヒドロキシメチルブチレート、HICA、バレニン、カルノシン、アンセリン、カーボネート、プロバイオティクス、ならびにこれらの組合せからなる群から選択される1つまたは複数の活性成分をさらに含む、第14から第17項のいずれか一項に記載の組成物。
第19項 粉末である、第1から第18項のいずれか一項に記載の組成物。
第20項 補助製品(supplement)が固体経口剤形のものである、第1から第19項のいずれか一項に記載の組成物。
第21項 補助製品が局所投与用に製剤化されている、第1から第20項のいずれか一項に記載の組成物。
第22項 カフェインを実質的に含まない、第7および第8項を除く第1から第21項のいずれか一項に記載の組成物。
第23項 低速カフェイン代謝者(SCM)である対象におけるエネルギーを増強する方法であって、
a.ある個体をSCM対象として同定するステップと、
b.請求項1から23のいずれか一項に記載の組成物を該SCM対象に提供するステップと
を含む方法。
第24項 該組成物が投与されると、該対象が、気分、エネルギー、集中力、集中もしくは性的欲求のうち少なくとも1つの増強、または、不安、疲労、努力知覚もしくは疼痛知覚のうち少なくとも1つの軽減を経験する、第23項に記載の方法。
第25項 該対象に継続投与される場合、該組成物は、継続使用が中止されても該対象における依存性および/または該対象における離脱効果を生じさせない、第24項に記載の方法。
第26項 投与されるパラキサンチンの量が約50mgから約400mgまでである、第23項に記載の方法。
第27項 該対象が、疲労の少なくとも約6パーセントの低減を経験する、第23項に記載の方法。
第28項 該SCM対象が、エネルギーの少なくとも約5パーセントの増加を経験する、第23項に記載の方法。
第29項 該組成物が、L-テアニン、ホスファチジルコリン、α-GPC(L-α-グリセリルホスホリルコリン)、シチコリン(シチジン二リン酸コリン(CPDコリン))、酒石酸水素コリン、Bacopa Monnieri、ホスファチジルセリン、ピロカルピンおよびセビメリン、Amburana cearensis、Lippia sidoides、Paullinia cupana、Plathymiscium floribundum、テトラヒドロクルクミンおよびSolanum asperum、ならびに/またはこれらの組合せ、カフェイン、テオブロミン、ナリンギン、ヘスペリジン、2-(ジメチルアミノ)エタノール(DMAE)、DMAEビタートレート、コウボク、テアニン、ホスファチジルセリン、アシュワガンダ、イワベンケイ属、タウリン、チロシン、n-アセチルチルソイン、マクナ、sceletium tortuosa、5-HTP、トリプトファン、サフラン、ビタミンD、SAMe、ヤマブシタケおよびフペルジンAからなる群から選択される少なくとも1つの成分をさらに含む、第23項に記載の方法。
第30項 SCM対象における運動持久力を増加させる方法であって、第1から第13項のいずれか一項に記載の組成物を該対象に投与するステップを含む方法。
第31項 該組成物が第9から第13項のいずれか一項に記載の組成物であり、該組成物でのパラキサンチンおよび1-メチルキサンチンの投与が、パラキサンチンまたは1-メチルキサンチンの単独での投与と比較して該対象における運動持久力の相乗的な増加をもたらす、第30項に記載の方法。
第32項 ある状態の処置を必要とするSCM対象において該状態を処置する方法であって、第1から第13項のいずれか一項に記載の組成物を該対象に投与するステップを含む方法。
第33項 該状態が、ナルコレプシー、てんかん、注意欠陥障害、注意欠陥多動性障害症候群(ADHD)、認知欠陥障害、麻痺、制御されない怒り、偏頭痛、薬物乱用・依存症、摂食障害、抑うつ、不安障害、外傷性頭部傷害(TBI)、脳震とう、パーキンソン病、アルツハイマー病および認知症から選択される、第32項に記載の方法。
第34項 該状態が気分障害である、第32項に記載の方法。
第35項 該気分障害が抑うつである、第34項に記載の方法。
第36項 該対象が、抑うつまたは抑うつリスクありと診断されている、第35項に記載の方法。
第37項 該状態が不安障害である、第33項に記載の方法。
第38項 該組成物が治療有効量で投与される、第33項に記載の方法。
第39項 該組成物が予防有効量で投与される、第33項に記載の方法。
第40項 該組成物が1-パラキサンチンを約2mgから約800mgまでの量で含む、第33項に記載の方法。
第41項 該組成物が、L-テアニン、ホスファチジルコリン、α-GPC(L-α-グリセリルホスホリルコリン)、シチコリン(シチジン二リン酸コリン(CPDコリン))、酒石酸水素コリン、Bacopa Monnieri、ホスファチジルセリン、ピロカルピンおよびセビメリン、Amburana cearensis、Lippia sidoides、Paullinia cupana、Plathymiscium floribundum、テトラヒドロクルクミンおよびSolanum asperum、ならびに/またはこれらの組合せ、カフェイン、テオブロミン、ナリンギン、ヘスペリジン、2-(ジメチルアミノ)エタノール(DMAE)、DMAEビタートレート、コウボク、テアニン、ホスファチジルセリン、アシュワガンダ、イワベンケイ属、タウリン、チロシン、n-アセチルチルソイン、マクナ、sceletium tortuosa、5-HTP、トリプトファン、サフラン、ビタミンD、SAMe、ヤマブシタケおよび/またはフペルジンAからなる群から選択される少なくとも1つの成分をさらに含む、第32項に記載の方法。
第42項 注意力の強化を必要とするSCM対象においてそれを強化する方法であって、第1から第22項のいずれか一項に記載の組成物を投与するステップを含む方法。
第43項 作業記憶の増強を必要とする対象においてそれを増強する方法であって、第1から第22項のいずれか一項に記載の組成物を該対象に投与するステップを含む方法。
第44項 SCM対象における認知能力を増強する方法であって、第1から第22項のいずれか一項に記載の組成物を投与するステップを含む方法。
第45項 認知機能の増強が、注意力、情報取得、情報処理、作業記憶、短期記憶、長期記憶、前向性記憶、逆向性記憶、記憶想起、弁別学習、意思決定、抑制応答制御、注意セット転換能力、遅延報酬強化学習、逆転学習、自発行動の時間的統合、処理スピード、推論、問題解決および/または社会的認知のうち1つまたは複数の増加により測定される、第44項に記載の方法。
第46項 該対象が加齢関連認知低下を経験している、第44または第45項に記載の方法。
第47項 該対象への該組成物の投与が、該対象におけるBDNFレベルを増加させる、第44から第46項のいずれか一項に記載の方法。
第48項 加齢関連認知低下の処置または予防を必要とするSCM対象においてそれを処置または予防する方法であって、有効量の第1から第22項のいずれか一項に記載の組成物を該対象に投与するステップを含む方法。
第49項 該組成物の投与が、注意力、情報取得、情報処理、作業記憶、短期記憶、長期記憶、前向性記憶、逆向性記憶、記憶想起、弁別学習、意思決定、抑制応答制御、注意セット転換能力、遅延報酬強化学習、逆転学習、自発行動の時間的統合、処理スピード、推論、問題解決および/または社会的認知のうち1つまたは複数を増加させる、第48項に記載の方法。
第50項 該対象への該組成物の投与が、該対象におけるカタラーゼおよび/またはグルタチオンレベルを増加させる、第49項に記載の方法。
第51項 該組成物が第9から第13項のいずれか一項に記載の組成物であり、該組成物でのパラキサンチンおよび1-メチルキサンチンの投与が、パラキサンチンまたは1-メチルキサンチンの単独での投与と比較して、該対象におけるカタラーゼおよび/またはグルタチオンの相乗的な増加をもたらす、第50項に記載の方法。
第52項 該対象への該組成物の投与が、該対象におけるBDNFを増加させる、第49項に記載の方法。
第53項 該組成物が第9から第13項のいずれか一項に記載の組成物であり、該組成物でのパラキサンチンおよび1-メチルキサンチンの投与が、パラキサンチンまたは1-メチルキサンチンの単独での投与と比較して、該対象におけるBDNFの相乗的な増加をもたらす、第51項に記載の方法。
第54項 該対象への該組成物の投与が、該対象におけるアミロイドβタンパク質(Aβ)レベルを減少させる、第49項に記載の方法。
第55項 該組成物が第9から第13項のいずれか一項に記載の組成物であり、該組成物でのパラキサンチンおよび1-メチルキサンチンの投与が、パラキサンチンまたは1-メチルキサンチンの単独での投与と比較して、該対象におけるAβの相乗的な減少をもたらす、第54項に記載の方法。
第56項 アルツハイマー病の処置または予防を必要とするSCM対象においてそれを処置または予防する方法であって、有効量の第1から第22項のいずれか一項に記載の組成物を該対象に投与するステップを含む方法。
第57項 該組成物が第9から第13項のいずれか一項に記載の組成物であり、該組成物でのパラキサンチンおよび1-メチルキサンチンの投与が、パラキサンチンまたは1-メチルキサンチンの単独での投与と比較して、該対象におけるAβの相乗的な減少をもたらす、第56項に記載の方法。
第58項 該対象がアルツハイマー病と診断されている、第56項に記載の方法。
第59項 該対象がアルツハイマー病のリスクを有する、第56項に記載の方法。
第60項 該対象が軽度認知障害と診断されている、第56項に記載の方法。
第61項 筋肉の強さ、筋肉のサイズおよび/または筋機能を増強するための栄養補助製品であって、第1から第22項のいずれか一項に記載の組成物を含む栄養補助製品。
第62項 粉末またはカプセルである、第69項に記載の栄養補助製品。
第63項 対象における筋肉のサイズを増加させる方法であって、筋肉のサイズの増加を必要とする対象に有効量の第1から第22項のいずれか一項に記載の組成物を投与するステップを含む方法。
第64項 該組成物が第9から第13項のいずれか一項に記載の組成物であり、該組成物でのパラキサンチンおよび1-メチルキサンチンの投与が、パラキサンチンまたは1-メチルキサンチンの単独での投与と比較して、該対象における筋肉のサイズの相乗的な増加をもたらす、第74項に記載の方法。
第65項 SCM対象における体重減少を促進する方法であって、第1から第22項のいずれか一項に記載の組成物を該対象に投与するステップを含む方法。
第66項 体重減少が、該対象における熱産生を誘導することを通じて促進される、第76項に記載の方法。
第67項 該組成物が、カフェイン、緑茶、カプサイシン、ガルシニア・カンボジア、ヨヒンビンおよびビターオレンジからなるリストから選択される1つまたは複数の化合物をさらに含む、第77項に記載の方法。
第68項 体重減少が該対象における食欲の抑制を通じて促進され、該対象への該組成物の投与が、該対象における食欲を少なくとも約30%抑制する、第76項に記載の方法。
第69項 体重減少が、該対象における脂肪分解を強化することを通じて促進される、第76項に記載の方法。
第70項 該対象への該組成物の投与が、該対象における呼吸商を少なくとも約10%減少させる、第76項に記載の方法。
第71項 該対象における安静時エネルギー消費量が少なくとも約15%増加される、第76項に記載の方法。
第72項 該組成物が、カフェイン、緑茶抽出物、L-カルニチン、ガルシニア・カンボジア(ヒドロキシクエン酸)、カプサイシン、朝鮮人参、タウリン、シルクペプチド、カテコール、没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、カテキン、プロアントシアニジンおよびオクタコサノールからなるリストから選択される1つまたは複数の化合物をさらに含む、第80項に記載の方法。
第73項 該対象のカロリー摂取量を制限することをさらに含み、該対象における体重減少量が、同等のカロリー制限を行っているが該組成物の投与を受けていない対象の体重減少量より大きく、かつ、該対象における脂肪消失の対筋肉喪失比が、同等のカロリー制限を行っているが該組成物の投与を受けていない対象の脂肪消失の対筋肉喪失比より大きい、第76項に記載の方法。
第74項 該対象がカフェインを投与されない、第76項に記載の方法。
第75項 SCM対象における食欲を抑制する方法であって、第1から第22項のいずれか一項に記載の組成物を該対象に投与するステップを含む方法。
第76項 該組成物の投与が、該対象における食欲を少なくとも約30%低下させる、第86項に記載の方法。
第77項 該対象がカフェインを投与されない、第86項に記載の方法。
第78項 SCM対象における脂肪消失を促進する方法であって、第1から第13項のいずれか一項に記載の組成物を該対象に投与するステップを含む方法。
第79項 該対象がカフェインを投与されない、第89項に記載の方法。
第80項 脂肪消失が、該対象における熱産生を誘導することを通じて促進される、第89項に記載の方法。
第81項 該組成物が、カフェイン、緑茶、カプサイシン、ガルシニア・カンボジア、ヨヒンビン、カテコール、EGCG、カテキン、ならびにプロアントシアニジンおよびオクタコサノールならびにビターオレンジからなるリストから選択される1つまたは複数の化合物をさらに含む、第91項に記載の方法。
第82項 脂肪消失が、該対象における食欲の抑制を通じて促進される、第89項に記載の方法。
第83項 該対象への該組成物の投与が、該対象における食欲を少なくとも約30%抑制する、第93項に記載の方法。
第84項 該対象への該組成物の投与が、該対象における呼吸商を少なくとも約10%減少させる、第89項に記載の方法。
第85項 該組成物が、コロハ、グルコマンナン、gymnema sylvestre、5-HTP、Caralluma fimbriata、緑茶抽出物、共役リノール酸、ガルシニア・カンボジアおよびイエルバマテからなるリストから選択される1つまたは複数の化合物をさらに含む、第93項に記載の方法。
第86項 脂肪消失が、該対象における脂肪分解を強化することを通じて促進される、第89項に記載の方法。
第87項 該組成物が、カフェイン、緑茶抽出物、L-カルニチン、ガルシニア・カンボジア(ヒドロキシクエン酸)、カプサイシン、朝鮮人参、タウリン、シルクペプチドおよびオクタコサノールからなるリストから選択される1つまたは複数の化合物をさらに含む、第97項に記載の方法。
第88項 該対象のカロリー摂取量を制限することをさらに含む、第89項に記載の方法。
第89項 該対象における脂肪消失量が、同等のカロリー制限を行っているが該組成物の投与を受けていない対象の脂肪消失量より大きい、第99項に記載の方法。
第90項 該対象における脂肪消失の対筋肉喪失比が、同等のカロリー制限を行っているが該組成物の投与を受けていない対象の脂肪消失の対筋肉喪失比より大きい、第99項に記載の方法。
第91項 SCM対象におけるエネルギーを増加させるための、1-メチルキサンチンとパラキサンチンとを含む組成物。
第92項 パラキサンチンおよび1-メチルキサンチンがそれぞれ約2mgから約800mgまでの量で存在する、第102項に記載の組成物。
第93項 パラキサンチンおよび1-メチルキサンチンがそれぞれ約50mgから約400mgまでの量で存在する、第103項に記載の組成物。
第94項 L-テアニン、ホスファチジルコリン、α-GPC(L-α-グリセリルホスホリルコリン)、シチコリン(シチジン二リン酸コリン(CPDコリン))、酒石酸水素コリン、Bacopa Monnieri、ホスファチジルセリン、ピロカルピンおよびセビメリン、Amburana cearensis、Lippia sidoides、Paullinia cupana、Plathymiscium floribundum、テトラヒドロクルクミンおよびSolanum asperum、ならびに/またはこれらの組合せ、没食子酸、(+)-カテキン(C)、(-)-エピカテキン(EC)、(+)-ガロカテキン(GC)、(-)-エピガロカテキン(EGC)、(-)-没食子酸カテキン(CG)、(-)-没食子酸ガロカテキン(GCG)、(-)-没食子酸エピカテキン(ECG)および(-)-没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、グリセリド、プロピレングリコール、ラウロイルマクロゴール、ラウロイルマクロゴール誘導体、バイオペリンの共結晶化製品、ピペリン、黒コショウ、ベルガモッチン、ジヒドロキシベルガモッチン(CYP3A4)、フラボノイド(ナリンギン、ヘスペリジン、ノビレチン、タンゲレチン、ケルセチン)、プテロスチルベン、フィセチン、フィトソーム、サリシン、魚油(ω-3脂肪酸および特異的小脂質炎症収束性エポキシド誘導体)、オキシリピン、タルトチェリー、オキアミ油、アスタキサンチン、タンパク質分解酵素、硫酸グルコサミン、コンドロイチン硫酸、MSM(メチルスルホニルメタン)、SAMe(S-アデノシルメチオニン)、ASU(アボカド-ダイズ不けん化物断片)、ミリストレイン酸セチル、Dolichos falcate、トリテルペノイド、acacia catechu、Andrographis paniculata、Scutalleria baicalensis、硫酸アグマチン、イラクサ、サジー、クルクミン、Cissus Quadrilangularis、Boswellia Serrata、Wasabia japonica(ティーツリー油に用いられるワサビ抽出物)、エミュー油、アルニカ属、Mangifera indica L.(ウルシ科)、Lagenaria breviflora、Zingiber officinale(ショウガおよびギンゲロール/ショウガオール)、hoodia gordonii、カフェイン、ヨヒンビン、メチルシネフリン、シネフリン、テオブロミン、トコフェロール、テオフィリン、α-ヨヒンビン、共役リノール酸(CLA)、オクトパミン、エボジアミン、トケイソウ、赤トウガラシ、カイエン、ラズベリーケトン、グッグル、緑茶、ガラナ、コーラナッツ、β-フェネチルアミン、Acacia rigidula、フォルスコリン(Coleus forskohlli)、テオフィリン、シネフリン、ヨヒンビン、イワベンケイ属、アシュワガンダ、朝鮮人参、ginkgo biloba、エゾウコギ、ゲンゲ、甘草、緑茶、霊芝、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、プレグネノロン、チロシン、N-アセチルチロシン、グルクロノラクトン、タウリン、アセチル-L-カルニチン、5-ヒドロキシトリプトファン、トリプトファン、フェネチルアミン、Sceletium tortuosum(およびメセンブリンアルカロイド)、デンドロビウム属の種、Acacia rigidula、PQQ(ピロロキノリンキノン)、ユビキノン(01)、ニコチンアミドリボシド、ピカミロン、フペルジンA(トウゲシバまたはHuperzia serrata、L-ドパ、Mucuna pruriens、フォルスコリン(Coleus forskohlli)、2-(ジメチルアミノ)エタノール(DMAE)、DMAEビタートレート、中鎖トリグリセリド、クレアチン、シトルリン、アルギニン、ヤマブシタケ、ノムシタケ属、ロイシン、イソロイシン、バリン、BAIBA、エルゴチオネイン、グレインズ・オブ・パラダイス、カンナ、フペルジンA、ケトン、マカ、朝鮮人参、アシュワガンダ、イワベンケイ属、テアニン、BCAA、β-アラニン、魚油、シトルリン、アルギニン、ヒドロキシメチルブテレート(hydroxy-methylbuterate)、HICA、バレニン、カルノシン、アンセリン、ならびにこれらの組合せからなる群から選択される活性剤をさらに含む、第102項に記載の組成物。
第95項 対象に投与されると、同程度の用量のパラキサンチンまたは1-メチルキサンチンが単独で投与された場合と比較して、エネルギーの相乗的な増加をもたらす、第102項に記載の組成物。
第96項 1-メチルキサンチンとパラキサンチンとが約4:1~約1:4の比で存在する、第102項に記載の組成物。
第97項 SCM対象におけるエネルギーを増加させる方法であって、有効量の1-メチルキサンチンを含む組成物を該対象に投与するステップを含む方法。
第98項 投与される1-メチルキサンチンの量が約2mgから約800mgまでである、第108項に記載の方法。
第99項 該対象がエネルギー知覚の少なくとも約5%の増加を経験する、第108項に記載の方法。
第100項 該対象が、不安、疲労、努力知覚および/または疼痛知覚のうち少なくとも1つの低減を経験する、第108項に記載の方法。
第101項 該組成物が、約2mgから約800mgまでの量のパラキサンチンをさらに含む、第108項に記載の方法。
第102項 該組成物でのパラキサンチンおよび1-メチルキサンチンの投与が、同程度の用量のパラキサンチンまたは1-メチルキサンチンの単独での投与と比較して、該対象におけるエネルギー知覚の相乗的な増加をもたらす、第112項に記載の方法。
第103項 該組成物が、L-テアニン、ホスファチジルコリン、α-GPC(L-α-グリセリルホスホリルコリン)、シチコリン(シチジン二リン酸コリン(CPDコリン))、酒石酸水素コリン、Bacopa Monnieri、ホスファチジルセリン、ピロカルピンおよびセビメリン、Amburana cearensis、Lippia sidoides、Paullinia cupana、Plathymiscium floribundum、テトラヒドロクルクミンおよびSolanum asperum、ならびに/またはこれらの組合せ、カフェイン、テオブロミン、ナリンギン、ヘスペリジン、2-(ジメチルアミノ)エタノール(DMAE)、DMAEビタートレート、コウボク、テアニン、ホスファチジルセリン、アシュワガンダ、イワベンケイ属、タウリン、チロシン、n-アセチルチルソイン、マクナ、sceletium tortuosa、5-HTP、トリプトファン、サフラン、ビタミンD、SAMe、ヤマブシタケおよびフペルジンAからなる群から選択される少なくとも1つの成分をさらに含む、第108項に記載の方法。
第104項 該組成物がカフェインを実質的に含まない、第108項に記載の方法。
第105項 SCM対象における運動遂行能力を増強する方法であって、有効量の1-メチルキサンチンを含む組成物を該対象に投与するステップを含む方法。
第106項 投与される1-メチルキサンチンの量が約50mgから約400mgまでである、第115項に記載の方法。
第107項 運動遂行能力が少なくとも約10%増加される、第116項に記載の方法。
第108項 該対象が、持久力の増加を経験する、第116項に記載の方法。
第109項 該組成物が、約2mgから約800mgまでの量のパラキサンチンをさらに含み、対象への該組成物の投与が、同程度の用量のパラキサンチンまたは1-メチルキサンチンの単独での投与に対して、運動遂行能力の相乗的な増加をもたらす、第116項に記載の方法。
第110項 該組成物が、L-テアニン、ホスファチジルコリン、α-GPC(L-α-グリセリルホスホリルコリン)、シチコリン(シチジン二リン酸コリン(CPDコリン))、酒石酸水素コリン、Bacopa Monnieri、ホスファチジルセリン、ピロカルピンおよびセビメリン、Amburana cearensis、Lippia sidoides、Paullinia cupana、Plathymiscium floribundum、テトラヒドロクルクミンおよびSolanum asperum、ならびに/またはこれらの組合せ、カフェイン、テオブロミン、ナリンギン、ヘスペリジン、2-(ジメチルアミノ)エタノール(DMAE)、DMAEビタートレート、フペルジンA、テアクリン、メチルリベリン、B12、スルブチアミン、コウボク、ケトン、MCT、ω-3、ルテイン、ゼアキサンチン、チロシンおよびn-アセチルチロシン、タウリン、アセチル-l-カルニチン、ならびに/またはこれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの作用剤をさらに含む、第116項に記載の方法。
第111項 低速カフェイン代謝に関連する遺伝的バリアントについて該個体に遺伝子型決定を行うステップによりSCM対象を同定するステップをさらに含む、第23から第110項のいずれか一項に記載の方法。
第112項 該遺伝的バリアントが、CYP1A2、ADORA2Aおよび/またはCYP2E1遺伝子にある、第111項に記載の方法。
第113項 該個体がCYP1A2*1Fバリアントを保有していれば該個体はSCM対象として同定される、請求項112に記載の方法。
第114項 該個体に対して該個体自身のカフェインへの応答性についての質問票調査を実施するステップにより該SCM対象を同定するステップをさらに含む、第23から第113項のいずれか一項に記載の方法。
第115項 第114項 該個体のカフェイン代謝速度を測定するステップにより該SCM対象を同定するステップをさらに含む、第23から第113項のいずれか一項に記載の方法。
第116項 約2mgから約800mgまでのパラキサンチンを含むカフェイン代替物であって、同程度の量のカフェインに比較して苦味が低減されているカフェイン代替物。
第117項 第116項に記載のカフェイン代替物を含む脱カフェイン飲料。
第118項 該脱カフェイン製品がコーヒー製品である、第117項に記載の脱カフェイン飲料。
第119項 該脱カフェイン製品が茶製品である、第117項に記載の脱カフェイン飲料。
第120項 該脱カフェイン製品が清涼飲料水またはエナジードリンクである、第117項に記載の脱カフェイン飲料。
第121項 パラキサンチン同族体またはパラキサンチン類似体をさらに含む、第116項に記載のカフェイン代替物。
第122項 前記パラキサンチン同族体または類似体が、カフェイン、1-メチルキサンチン、7-メチルキサンチン、テオブロミン、テオフィリン、リベリン、メチルリベリンおよびこれらの組合せからなる群から選択される、第121項に記載のカフェイン代替物。
第123項 該パラキサンチン同族体または類似体がカフェインである、第122項に記載のカフェイン代替物。
第124項 カフェインの有効用量が、パラキサンチンを含まない組成物におけるカフェインの有効用量より低い、第123項に記載のカフェイン代替物。
第125項 カフェインを実質的に含まない、第116から122項のいずれか一項に記載のカフェイン代替物。
第126項 対象における身体能力またはエネルギーを増強する方法であって、天然か合成かを問わないパラキサンチン約2mg~約800mgを含むカフェイン代替物を該対象に提供するステップを含む方法。
第127項 該カフェイン代替物が投与されると、該対象が、気分、エネルギー、集中力、集中もしくは性的欲求のうち少なくとも1つの増強、または、不安、疲労、努力知覚もしくは疼痛知覚のうち少なくとも1つの軽減を経験する、第126項に記載の方法。
第128項 該対象に継続投与される場合、該カフェイン代替物は、継続使用が中止されても該対象における依存性および/または該対象における離脱効果を生じさせない、第127項に記載の方法。
第129項 パラキサンチンの量が約50mgから約400mgまでである、第126項に記載の方法。
第130項 該対象が、疲労の少なくとも約6パーセントの低減を経験する、第126項に記載の方法。
第131項 該対象が、エネルギーの少なくとも約5パーセントの増加を経験する、第126項に記載の方法。
第132項 該カフェイン代替物が、L-テアニン、ホスファチジルコリン、α-GPC(L-α-グリセリルホスホリルコリン)、シチコリン(シチジン二リン酸コリン(CPDコリン))、酒石酸水素コリン、Bacopa Monnieri、ホスファチジルセリン、ピロカルピンおよびセビメリン、Amburana cearensis、Lippia sidoides、Paullinia cupana、Plathymiscium floribundum、テトラヒドロクルクミンおよびSolanum asperum、ならびに/またはこれらの組合せ、カフェイン、パラキサンチン、1-メチルキサンチン、7-メチルキサンチン、テオブロミン、ナリンギン、ヘスペリジン、2-(ジメチルアミノ)エタノール(DMAE)、DMAEビタートレート、フペルジンA、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)、外因性ケトン、中鎖トリグリセリド(MCT)、エルゴチオネイン、ベルベリン、ジヒドロベルベリン、ならびにこれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの成分をさらに含む、第126項に記載の方法。
第133項 注意力の強化を必要とする対象においてそれを強化する方法であって、パラキサンチンを含むカフェイン代替物を該対象に投与するステップを含む方法。
第134項 作業記憶の増強を必要とする対象においてそれを増強する方法であって、パラキサンチンを含むカフェイン代替物を該対象に投与するステップを含む方法。
第135項 対象における認知能力を増強する方法であって、パラキサンチンを含むカフェイン代替物を該対象に投与するステップを含む方法。
第136項 対象において体重減少および/または脂肪消失を助ける方法であって、パラキサンチンを含むカフェイン代替物を該対象に投与するステップを含む方法。
第137項 該体重減少が、該対象における代謝増加によりもたらされる、第136項に記載の方法。
第138項 該体重減少が、該対象におけるカロリー摂取量減少によりもたらされる、第136項に記載の方法。
第139項 パラキサンチンを含む脱カフェイン製品における使用のためのカフェイン代替組成物。
第140項 該脱カフェイン製品が、比較可能なカフェイン含有製品よりも、消費された際に苦味が弱いと知覚される、第139項に記載の組成物。
第141項 対象に投与された場合に、同程度の用量のカフェインに比較して不安を増加させない、第139項に記載の組成物。
第142項 反復投与された場合、対象における依存性を生じさせず、かつ、使用が中止された場合、該対象における離脱効果を生じさせない、第139項に記載の組成物。
第143項 同程度の用量のカフェインに比較して苦味が弱い、第139項に記載の組成物。
第144項 同程度の用量のカフェインに比較して毒性が低い、第139項に記載の組成物。
第145項 カフェインの利益を保持する脱カフェイン製品を調製する方法であって、比較可能なカフェイン含有製品中のカフェインの量と実質的に近似した量のパラキサンチンを該脱カフェイン製品に適用するステップを含む方法。
【実施例】
【0097】
[062]以下の実施例は、本明細書において特許請求する化合物、組成物、物品、デバイスおよび/または方法を作製および評価する方法の一部の例の完全な開示および説明を当業者に提供する目的で提示するものであり、本発明を純粋に例示することを意図したものであって、本発明者らが自身の発明と考えるものの範囲を限定することを意図したものではない。ただし、当業者は、本開示に照らせば、開示されている特定の実施形態に多くの変更を施すことが可能であり、その場合でも本発明の精神および範囲から逸脱することなく同様または類似の結果を得ることが可能であることを理解すべきである。
【0098】
実施例1
N-メチルニコチンアミド(エネルギー、体重管理、脂肪消失)
方法
試験デザイン
1.デザイン:
[063]ランダム化、二重盲検、クロスオーバー、4処置群、4剤、2期、対照試験。
2.被験者数:
[064]第I期では、4処置群それぞれに被験者6名ずつの24名であった。2週間のウォッシュアウト期間の後、同一の被験者が第II期に再び参加した。合計24名の被験者のデータを試験終了時点に向かって前向きに分析した。
【0099】
【0100】
3.ランダム化:
[065]ランダム化コードが正規に表示された被験製品を、治験依頼者が治験責任医師に提供した。ランダム化スケジュールに従い、治験責任医師/被指名者は、第0日にIP(Investigational Product:被験製品)を分配した。IPは、安全でありながらアクセス可能な場所に治験責任医師が保管した。
4.補給:
第I期
[066]第1処置群:脱カフェイン飲料+カフェイン50mg(低速代謝者3名および高速代謝者3名)
[067]第2処置群:脱カフェイン飲料+カフェイン200mg(低速代謝者3名および高速代謝者3名)
[068]第3処置群:脱カフェイン飲料+enfinity(登録商標)パラキサンチン50mg(低速代謝者3名および高速代謝者3名)
[069]第4処置群:脱カフェイン飲料+enfinity(登録商標)パラキサンチン200mg(低速代謝者3名および高速代謝者3名)
[070]第I期における7日間の処置の完了後、14日間のウォッシュアウト期間が終了したら施設に来院するよう被験者に依頼した。第II期には同一の被験者セットが参加した。この被験者セットに以下の用量の被験製品を投与した。
第II期
[071]第1処置群:脱カフェイン飲料+プラセボ50mg(同群は第I期でカフェイン50mgの投与を受けた) - 第I期の被験者と同一の6名
[072]第2処置群:脱カフェイン飲料+プラセボ200mg(同群は第I期でカフェイン200mgの投与を受けた) - 第I期の被験者と同一の6名
[073]第3処置群:脱カフェイン飲料+プラセボ50mg(同群は第I期でパラキサンチン50mgの投与を受けた) - 第I期の被験者と同一の6名
[074]第4処置群:脱カフェイン飲料+プラセボ200mg(同群は第I期でパラキサンチン200mgの投与を受けた) - 第I期の被験者と同一の6名
[075]被験者6名からなる各群は、低速カフェイン代謝者3名および高速カフェイン代謝者3名のサブセットを有した。合計で、全4群/処置群は、低速カフェイン代謝者12名および高速カフェイン代謝者12名を有した。被験者合計24名分のデータを試験終了時点に向かって前向きに分析した。
5.ゲノム検査:
[076]血液試料を採取し、被験者を比較的低速の代謝を有する群と比較的高速の代謝を有する群との2群に分けたレポートに基づいて、ゲノムシーケンシングを分析した。
6.血液試料:
[077]来院ごとに各被験者から3mlの採血を行い、エネルギーのバイオマーカーとしてのN-メチルニコチンアミド(MNA)をLCMSにより分析した。MNAは、低い筋エネルギー利用率に応答して貯蔵エネルギーの利用を強化する新規のマイオカインである(Strоmら、N1-methylnicotinamide is a signaling molecule produced in skeletal muscle coordinating energy metabolism.、Sci Rep 2018、8:3016)。
7.結果:
[078]7日間のパラキサンチン摂取は、プラセボ摂取に比して、かつ、カフェイン摂取に比して、MNAの大幅な用量依存的増加を示した。全体結果についてカフェイン高速代謝者および低速代謝者別のサブグループ分析を行ったところ、カフェイン低速代謝者において、パラキサンチン摂取はカフェイン摂取に比して、カフェイン低速代謝者におけるMNAの有意に大幅な増加をもたらすことが示された。
パラキサンチン50mg(n=6)対プラセボ50mg(n=6)
[079]パラキサンチン50mg(n=6)は、MNAを9.35±3.10ng/mlから11.38±1.85ng/mlへ、プラセボに比して21.7%有意に増加させた(p<0.05)。MNAは、プラセボ群(n=6)では7.41±2.13ng/mlから5.81±5.73ng/mlへ21.6%減少した。
カフェイン50mg(n=6)対プラセボ50mg(n=6)
[080]カフェイン50mg(n=6)は、MNAを8.89±3.08ng/mlから10.10±2.06ng/mlへ、プラセボに比して13.6%増加させたが、有意差は認められなかった(p=0.1147)。MNAは、プラセボ群(n=6)では7.78±1.49ng/mlから5.53±3.89ng/mlへ28.9%減少した。
パラキサンチン50mg(n=6)対カフェイン50mg(n=6)
[081]パラキサンチン50mgは、カフェイン50mgに比して66.8%というMNAの大幅な増加を示した。
パラキサンチン200mg(n=6)対プラセボ200mg(n=6)
[082]パラキサンチン200mg(n=6)は、MNAを8.91±1.45ng/mlから12.47±1.61ng/mlへ、プラセボに比して40.0%有意に増加させた(p<0.05)。MNAは、プラセボ群(n=6)では5.68±2.81ng/mlから4.54±2.58ng/mlへ20.1%減少した。
カフェイン200mg(n=6)対プラセボ200mg(n=6)
[083]カフェイン200mg(n=6)は、MNAを8.54±2.60ng/mlから10.44±1.24ng/mlへ、プラセボに比して22.2%増加させたが、有意差は認められなかった(p=0.4335)。MNAは、プラセボ群(n=6)では5.85±3.65ng/mlから6.07±3.06ng/mlへ3.7%増加した。
パラキサンチン200mg(n=6)対カフェイン200mg(n=6)
[084]パラキサンチン200mgは、カフェイン200mgに比して86.9%というMNAの大幅な増加を示した。
パラキサンチン50mg(低速代謝者、n=3)対プラセボ50mg(低速代謝者、n=3)
[085]カフェイン低速代謝者(n=3)における7日間のパラキサンチン50mg摂取は、MNAを8.36±2.20ng/mlから12.40±1.03ng/mlへ、48.3%有意に増加させた。MNAは、プラセボ群(n=3、カフェイン低速代謝者)では7.67±1.73ng/mlから8.64±5.90ng/mlへ12.6%増加した。
カフェイン50mg(低速代謝者、n=3)対プラセボ50mg(低速代謝者、n=3)
[086]カフェイン低速代謝者(n=3)における7日間のカフェイン50mg摂取は、MNAを8.73±1.81ng/mlから10.67±1.50ng/mlへ、22.2%増加させた。MNAは、プラセボ群(n=3、カフェイン低速代謝者)では6.87±1.13ng/mlから7.18±1.79ng/mlへ4.5%増加した。
パラキサンチン50mg(低速代謝者、n=3)対カフェイン50mg(低速代謝者、n=3)
[087]カフェイン低速代謝者において、パラキサンチン50mgは、カフェイン50mgに比して108%というMNAの大幅な増加を示した。
パラキサンチン200mg(低速代謝者、n=3)対プラセボ200mg(低速代謝者、n=3)
[088]カフェイン低速代謝者(n=3)における7日間のパラキサンチン200mg摂取は、MNAを9.26±0.50ng/mlから13.47±1.36ng/mlへ、45.5%有意に増加させた。MNAは、プラセボ群(n=3、カフェイン低速代謝者)では6.34±1.26ng/mlから4.01±2.50ng/mlへ36.8%減少した。
カフェイン200mg(低速代謝者、n=3)対プラセボ200mg(低速代謝者、n=3)
[089]カフェイン低速代謝者(n=3)における7日間のカフェイン200mg摂取は、MNAを9.37±2.45ng/mlから10.77±1.49ng/mlへ、14.9%増加させた。MNAは、プラセボ群(n=3、カフェイン低速代謝者)では5.40±4.39ng/mlから6.63±1.77ng/mlへ22.8%増加した。
パラキサンチン200mg(低速代謝者、n=3)対カフェイン200mg(低速代謝者、n=3)
[090]カフェイン低速代謝者において、パラキサンチン200mgは、カフェイン200mgに比して75%というMNAの大幅な増加を示した。
パラキサンチン50mg(高速代謝者、n=3)対プラセボ50mg(高速代謝者、n=3)
[091]カフェイン高速代謝者(n=3)における7日間のパラキサンチン50mg摂取はMNAレベルを変化させず、摂取前10.34±2.20ng/mlが摂取後10.34±1.58ng/mlになった。MNAは、プラセボ群(n=3、カフェイン高速代謝者)では7.14±2.08ng/mlから2.98±1.96ng/mlへ58.2%減少した。
カフェイン500mg(高速代謝者、n=3)対プラセボ500mg(高速代謝者、n=3)
[092]カフェイン低速代謝者(n=3)における7日間のカフェイン200mg摂取は、MNAを9.03±3.53ng/mlから9.52±2.04ng/mlへ、5.4%増加させた。MNAは、プラセボ群(n=3、カフェイン低速代謝者)では8.67±0.90ng/mlから3.87±0.40ng/mlへ55.3%減少した。
パラキサンチン200mg(高速代謝者、n=3)対プラセボ200mg(高速代謝者、n=3)
[093]カフェイン高速代謝者(n=3)における7日間のパラキサンチン200mg摂取は、MNAを8.56±1.72ng/mlから11.45±0.66ng/mlへ、33.8%有意に増加させた。MNAは、プラセボ群(n=3、カフェイン高速代謝者)では5.01±3.28ng/mlから5.08±2.04ng/mlへ1.4%増加した。
カフェイン200mg(高速代謝者、n=3)対プラセボ200mg(高速代謝者、n=3)
[094]カフェイン低速代謝者(n=3)における7日間のカフェイン200mg摂取は、MNAを7.70±1.95ng/mlから10.10±0.37ng/mlへ、31.2%増加させた。MNAは、プラセボ群(n=3、カフェイン低速代謝者)では6.28±1.58ng/mlから5.50±3.43ng/mlへ12.4%減少した。
【0101】
[095]パラキサンチン200mg(高速代謝者、n=3)対カフェイン200mg(高速代謝者、n=3)。
[096]カフェイン高速代謝者において、パラキサンチン200mgは、カフェイン200mgに比して20.4%というMNAの大幅な増加を示した。
【0102】
【0103】
実施例2
カフェイン低速代謝者および高速代謝者におけるパラキサンチン対カフェイン
認知、記憶、学習(脳由来神経栄養因子)
方法
[097]脳由来神経栄養因子(BDNF)は、学習および記憶に関係した可塑的変化に関与するキー分子である(Mirandaら、Brain-Derived Neurotrophic Factor:A Key Molecule for Memory in the Healthy and the Pathological.Brain.、Front.Cell.Neurosci.、2019、13:363.)。BDNFの増加は、認知の増強と結び付いている。
試験デザイン
1 デザイン:
[098]ランダム化、二重盲検、クロスオーバー、4処置群、4剤、対照試験。
2 被験者数:
[099]第I期では、2処置群それぞれに被験者6名ずつの12名であった。2週間のウォッシュアウト期間の後、同一の被験者が第II期に再び参加した。
3 ランダム化:
[0100]ランダム化コードが正規に表示された被験製品を、治験依頼者が治験責任医師に提供した。ランダム化スケジュールに従い、治験責任医師/被指名者は、第0日にIPを分配した。IPは、安全でありながらアクセス可能な場所に治験責任医師が保管した。
4 補給:
第I期
[0101]第1処置群:脱カフェイン飲料+カフェイン50mg(低速代謝者3名および高速代謝者3名)
[0102]第2処置群:脱カフェイン飲料+enfinity(登録商標)パラキサンチン50mg(低速代謝者3名および高速代謝者3名)
[0103]第I期における7日間の処置の完了後、14日間のウォッシュアウト期間が終了したら施設に来院するよう被験者に依頼した。第II期には同一の被験者セットが参加した。この被験者セットに以下の用量の被験製品を投与した。
第II期
[0104]第1処置群:脱カフェイン飲料+プラセボ50mg(同群は第I期でカフェイン50mgの投与を受けた) - 第I期の被験者と同一の6名
[0105]第2処置群:脱カフェイン飲料+プラセボ50mg(同群は第I期でパラキサンチン50mgの投与を受けた) - 第I期の被験者と同一の6名
[0106]被験者6名からなる各群は、低速カフェイン代謝者3名および高速カフェイン代謝者3名のサブセットを有した。合計で、全2群/処置群は、低速カフェイン代謝者6名および高速カフェイン代謝者6名を有した。被験者のデータ合計12名分を試験終了時点に向かって前向きに分析した。
5.ゲノム検査:
[0107]血液試料を採取し、被験者を比較的低速の代謝を有する群と比較的高速の代謝を有する群との2群に分けたレポートに基づいて、ゲノムシーケンシングを分析した。
6.血液試料:
[0108]各来院時に各被験者から3mlの採血を行い、認知のバイオマーカーである脳由来神経栄養因子(BDNF)をLCMSにより分析した。
7.結果:
[0109]パラキサンチンはBDNFレベルを有意に増加させ、カフェインに比して37.5%というBDNFの大幅な増加を示した。カフェイン高速代謝者および低速代謝者のサブグループにおけるBDNFレベルの変化について分析したところ、カフェイン低速代謝者において、パラキサンチンはカフェインに比して47.3%というカフェインの大幅な増加を示した。
【0104】
【0105】
実施例3
カフェイン低速代謝者におけるパラキサンチン対カフェイン
スポーツ栄養、エネルギー、集中力、気分、興奮状態
[0110]健康な女性被験者、年齢層は31~45歳、ゲノム検査によって低速カフェイン代謝者として分類されており、コーヒーを飲むことにより、苛立ち感(jittery feel jittery)、および、メンタルフォグ(mental fog)を生じるなど集中面での問題を経験することから、午後のコーヒーを避けている。
【0106】
[0111]カプセル形態のパラキサンチン100mgを朝服用すると、被験者は、30分以内にエネルギー、集中力および気分のレベルが著しく増加するのを感じた。この服用は、カフェインを摂った場合に比して最大で4時間の長続きする効果を有した。加えて、情緒的および身体的な活動性レベルが増強され、結果として、ランニングタイムが速くなり(4キロメートル(2.5マイル)走)、かつ、運動課題中、気持ちよさが増強されたことで、距離が4.8キロメートル(3マイル)伸びた。パラキサンチンの投与量をより高い200mgにして摂ったところ、同様の結果がもたらされ、悪影響は伴わなかった。
【0107】
実施例4
カフェイン低速代謝者におけるパラキサンチン対カフェイン
自信、睡眠、エネルギー、集中力、気分、興奮状態
[0112]健康な男性被験者、年齢層は31~45歳、ゲノム検査によって低速カフェイン代謝者として分類されており、低用量、すなわち<200mgのコーヒーを飲むことにより、エネルギーだけでなく興奮状態、不安、心拍数の増加がもたらされるのを経験する。より大用量では、不安、心拍数に関する問題がさらに大きくなり、かつ、自身の睡眠に悪影響が及ぶことから、午後にコーヒーを飲むことを避けている。
【0108】
[0113]カプセル形態のパラキサンチン100mgを朝服用すると、被験者は、エネルギー、集中力および気分がカフェインの場合に比して著しく増強されるのを経験し、その結果、自信に満ち楽しく機敏に動ける感覚がもたらされ、さまざまな課題にいっそう集中して取り組み満足感を得られるようになった。加えて、パラキサンチンを摂った場合には、入眠および睡眠持続ができなくなるような悪影響がなかった。これらの効果および経験は、パラキサンチンの投与量をより高い200mgおよび300mgにした場合には、さらに増強された。
【0109】
実施例5
カフェイン低速代謝者におけるパラキサンチン対カフェイン
不安、エネルギー、集中力、気分、興奮状態
[0114]健康な女性被験者、年齢層は46~65歳、ゲノム検査によって低速カフェイン代謝者に分類されており、毎日のコーヒーを飲むことにより、過度に不安および苛立ち(jittery)、最悪な場合は偏頭痛を経験し、午前11時を過ぎるとあらゆる物事が毎日の睡眠パターンを妨げる。そこで被験者は、体積比でカフェインを1/2、脱カフェイン品を1/2にして飲むことにより、負の効果を低減させ、何とか対応できている。
【0110】
[0115]カプセル形態のパラキサンチン200mgを朝服用すると、被験者は、30分以内にエネルギー、集中力および気分のレベルが著しく増加するのを感じた。この服用は、カフェインを摂った場合に比して最大で4時間長続きする効果を有した。被験者が気づいた最も大きな差は、はるかにクリーンな感じがする点である。何らかの不安または神経過敏が生じる徴候はなく、心は、実にクリアで強く増強されたエネルギーレベルを感じる。被験者は、投与量をより高い200mgおよび300mgにしてパラキサンチンを使用することにより、さらにいっそうの増強を経験した。
【0111】
実施例6
カフェイン高速代謝者対低速代謝者 - 認知
[0116]デザイン:カフェイン低速代謝者6名を2群に分割した。被験者は、連続引き算テスト(SST:serial subtraction test)を完了した。このテストでは被験者は、認知能力の評価のために、100から始めて7の数を連続14回引くことを求められた。各被験者がテストを完了するのに要した総時間を記録し、これを認知能力の測定値として用いた。ベースライン検査実施の後、カフェイン200mg(女性46歳、女性31歳、男性30歳)かパラキサンチン200mg(男性30歳、女性27歳、女性25歳)かのいずれかを7日間消費するように被験者をランダムに指定し、次いで、再度ベースライン検査を実施した。
【0112】
[0117]結果:カフェイン200mgの消費は、SSTを完了するアベレージ時間をベースライン時の76.7秒から74.7秒に低減させた。一方、パラキサンチン200mgの消費は、SSTを完了するアベレージ時間をベースライン時の74.3秒から70.0秒に減少させた。認知能力の増強(カフェイン群では2.0秒、パラキサンチン群では4.3秒)は、カフェイン低速代謝者群においてカフェイン群と比較した場合、パラキサンチン群の方が115%大きかった。
【0113】
[0118]多数の実施形態を開示してあるが、本開示のさらに他の実施形態は、本開示の組成物、システムおよび方法の例示的な実施形態を示し記載する以下の詳細な説明から、当業者には明らかとなろう。理解されるであろうが、本開示の組成物、システムおよび方法は、多様な自明の態様において、すべて本開示の精神および範囲から逸脱することなく変形を行うことが可能である。したがって、図面および詳細な説明は、限定的ではなく例証的な性質のものとして受け取られたい。
【国際調査報告】