(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】自動車用ロック
(51)【国際特許分類】
E05B 85/20 20140101AFI20240719BHJP
E05B 85/26 20140101ALI20240719BHJP
【FI】
E05B85/20
E05B85/26
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505057
(86)(22)【出願日】2022-07-19
(85)【翻訳文提出日】2024-02-09
(86)【国際出願番号】 DE2022100516
(87)【国際公開番号】W WO2023006143
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】102021119651.5
(32)【優先日】2021-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510222604
【氏名又は名称】キーケルト アクツィーエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】スゼジェニー, ピーター
(72)【発明者】
【氏名】イナン, オマー
(72)【発明者】
【氏名】シファー, ホルガー
(72)【発明者】
【氏名】ショルツ, マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ショーネンベルク, トーマス
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250HH01
2E250JJ41
2E250JJ42
2E250JJ45
2E250KK01
2E250LL01
2E250PP04
(57)【要約】
本発明は、回転ラッチ(3)と少なくとも1つの爪部(4)とを有するロック機構(3,4)を備え、ロック機構部品(3,4)は、静止した支持本体(9)に回転可能に装着され、支持本体(9)は、少なくとも1つのロック機構部品(3,4)の停止面(11,12)を形成し、支持本体(9)は、少なくとも一部の断面で、ロック機構部品(3,4)の凸状の軸受面(10)を有する自動車用ロックに関する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転ラッチ(3)と少なくとも1つの爪部(4)とを有するロック機構(3,4)を備える自動車用ロックであって、
前記ロック機構の部品(3,4)は、静止した支持本体(9)に回転可能に装着され、前記支持本体(9)は、少なくとも1つのロック機構部品(3,4)の停止面(11,12)を形成し、前記支持本体(9)は、少なくとも一部の断面で、前記ロック機構部品(3,4)の凸状軸受面(10)を有することを特徴とする、自動車用ロック。
【請求項2】
前記支持本体(9)は、前記ロック機構部品(3,4)と面一の軸受面(10)を有することを特徴とする、請求項1に記載の自動車用ロック。
【請求項3】
前記支持本体(9)は、前記ロック機構部品(3,4)の為の停止面(11,12)を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の自動車用ロック。
【請求項4】
前記停止面(11,12)は、前記軸受面(10)に直接接していることを特徴とする、請求項3に記載の自動車用ロック。
【請求項5】
前記軸受面(10)が一様な半径(R1)を有することを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の自動車用ロック。
【請求項6】
前記半径(R1)は、0.8mm~1.5mm、好ましくは1mmであることを特徴とする、請求項5に記載の自動車用ロック。
【請求項7】
前記支持本体(9)は、爪部用軸受点(7)の一部を形成することを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の自動車用ロック。
【請求項8】
前記ロック機構部品(3,4)、特に前記爪部用軸受点(7)は、前記ロック機構部品、特に前記爪部(4)のガイド面(13)を有することを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の自動車用ロック。
【請求項9】
前記ガイド面の半径(R2)は、3-6mm、好ましくは4-5mmであることを特徴とする、請求項8に記載の自動車用ロック。
【請求項10】
前記支持本体(9)は、前記ロック機構部品(3,4)の凹部(14)内に受容可能であり、前記凹部(14)は、少なくとも軸受手段(15)、特にプラスチックとともに領域的に形成されていることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の自動車用ロック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、回転ラッチと少なくとも1つの爪部とを有するロック機構を備え、ロック機構部品が静止した支持本体に回転可能に装着され、支持本体が少なくとも1つのロック機構部品の停止面を形成する自動車用ロックに関する。
【0002】
[0002]自動車用ロックは、自動車上に移動可能に配置された構成部品が自動車の使用中にその位置に確実に保持されなければならない場合に使用される。原則的に、このような自動車用ロックは、回転ラッチと少なくとも1つの爪部とからなるロック機構を装備している。ロック機構、ロック機構部品および固体ロックケースもまた、高強度材料、好ましくは鋼で作られているが、これは、自動車用ロックが極端な状況においても可動構成部品を確実に位置決めして保持しなければならないからである。自動車用ロックは、移動構成部品に挿入され、本体に固定されたロックホルダと協働することが多い。自動車用ロックまたはロック機構とロックホルダとの間の相対的な移動によって、ロック機構は、ロックホルダと係合している回転ラッチを爪部が遮断する少なくとも1つのラッチ位置に転移することができる。この設計は原理的に証明されている。
【0003】
[0003]自動車産業における1つの発展は、自動車用ロックが電気モータによって開放可能であることである。ここで克服されるべき欠点は、閉鎖位置、すなわちロック機構の主な休止位置において、電気モータを使用して車両ロックを開放するために電気モータ駆動装置によって克服されなければならない高い力がロック機構に蓄積されることである。高い閉鎖力は、実質的に、可動構成部品と自動車本体との間の密封圧力に起因する。特に、スライドドアのような非常に大きな可動構成部品の場合には、ロック機構内で高い閉鎖力が維持されなければならず、このことは、ロック機構のロックを解除するときに高い力につながる。電気モータ駆動装置は、シールから生じる力だけでなく、たとえば、事故や車体の変形の際に生じる力にも打ち勝つことができなければならない。事故の発生した場合、本体がねじれる可能性があり、極端な場合には、ロック機構とロックホルダとの間に最適な閉鎖比が存在しない。上記の場合に電気モータによる開放を可能にするために、一つのアプローチは、ロック機構の開閉時にロック機構に生じる摩擦力を低減することである。
【0004】
[0004]例として、ロック機構部品間の摩擦力を低減する方法を開示するDE 10-2016-215 336 A1をここに挙げることができる。この場合、ロック機構内に、特に回転ラッチと爪部との間に軸受ケージが配置され、この軸受ケージ内に、たとえば、ボールまたはシリンダを受容して、爪部と回転ラッチとの間の転がり摩擦を全体として確保することができる。これにより、摩擦力が低減され、ロック機構を容易に開放することができる。
【0005】
[0005]DE 10 2009 029 023 A1は、支持爪部と、支持爪部に装着された爪部とを有するロック機構を開示している。これにより、爪部を傾斜させることができ、ロック機構に作用する力を早期に減少させることができるので、ロック機構を容易に開放することができる。
【0006】
[0006]一般的な従来技術は、ロック機構における摩擦力を低減するための別のアプローチを提供し、ここで、爪部の軸受シャフトは、爪部を受けるための開放された軸受トラフを有する静止した支持本体として設計される。これにより、爪部の軸受面を支持本体に係合させて爪部と爪部の軸受シャフトとの係合面を小さくすることができ、摩擦値の最適化を図ることができる。この手法は原理的には成功しているが、堅牢性に関してはさらに改良できる。ここから発明が始まる。
【0007】
【概要】
【0008】
[0007]本発明は、堅牢性を更に高めることができ、ロック機構の開放力に影響を与えることができるように、一般的な自動車用ロック、特に自動車用ドアロックを更にに開発するという技術的課題に基づいている。
【0009】
[0008]この目的は、独立クレーム1の特徴によって達成される。本発明の有利な実施形態は、従属クレームに明記されている。なお、以下に説明する実施形態は、これに限定されるものではない。むしろ、明細書及び従属クレームに記載された特徴の任意の可能な変形が可能である。
【0010】
[0009]本発明の自動車用ロックは、技術的課題を解決するために、自動車用ロックが、回転ラッチと少なくとも1つの爪部とを備えたロック機構を有し、ロック機構部品は、静止した支持本体に回転可能に装着され、支持本体は、少なくとも1つのロック機構部品に対する停止面を形成し、支持本体は、ロック機構部品に対する少なくとも領域的に凸状の軸受面を有することを特徴とする。本発明に係る自動車用ロック装置の設計によれば、支持本体をより大きく形成することが可能となり、ロック機構部品に対する軸受領域の寸法を大きくすることが可能となる。低い軸受摩擦の利点は、ロック機構の軸受点における高い表面力の可能性の利点と組み合わされる。一方、軸受点の凸状設計により、軸受点自体を全体的に大きくすることができ、より高い力を吸収することができ、他方、ロック機構部品と軸受点との間の摩擦値を最小限に抑えることができる。支持本体は、凸状に設計された軸受面を有するロック機構のための摩擦最適化軸受点を提供する。ロック機構部品と軸受点との間の摩擦を最小限に抑えつつ、ロック機構部品の軸受点に十分な安定性を与えることができる。また、軸受面が凸状に設計されているため、全体の横断面を大きくすることができるので、軸受点の堅牢性を向上させることができる。
【0011】
[0010]本発明に係る自動車用ロックは、ドア用ロックであることが好ましく、サイドドア用ロックであることがさらに好ましいが、自動車に移動可能に配置された構成部品を固定する必要がある場合には、どのような場合にも使用することができる。ここでは、たとえば、フードロック、スライドドア用ロック、カバーまたはフラップ用ロック、後尾扉またはドア、特に自動車の使用時に所定位置に確実に保持されなければならない、または安全関連機能を備えなければならないこれら全ての構成部品について言及すべきものとする。
【0012】
[0011]ロック機構は、爪部によって少なくとも1つのラッチ位置(メインラッチ位置)に保持可能な回転ラッチを有する。しかしながら、たとえば、サイドドアに規定されているように、メインラッチおよびプリラッチ位置を装備したロック機構も使用される。ロック機構は、さらに、爪部、または、たとえば、爪部およびブロックレバーを装備することができる。ロックレバーは、少なくとも1つのラッチ位置、好ましくはメインラッチ位置においてロック機構に開放モーメントが生じたときに使用され、この開放モーメントは、ロック機構の独立した開放を開始させ、この独立した開放は、ブロックレバーによって防止可能である。したがって、本発明は、特別なロック機構に限定されるものではなく、ロック機構が開放力を低減してロック解除される利点を提供する。
【0013】
[0012]本発明によれば、ロック機構部品及び少なくとも1つのロック機構部品が支持本体に装着されている。ロック機構部品は、通常、軸受シャフトのロックプレートに保持される。その結果、ロック機構部品は、旋回可能または回転可能に移動して係合することができる。本発明によれば、軸受面は、支持面として設計され、ロック機構のための少なくとも1つの停止面を提供する。これにより、ロック機構部品の移動を軸受点自体、即ち、支持本体によって制限することができる。これにより、利点を組み合わせることができる。一方では、ロック機構部品と軸受点との間の摺動摩擦を低減することができ、他方では、ロック機構のための更なる停止部を省略することができる。本発明は、ロック機構の全ての部分に適用することができ、好ましくは、爪部は、本発明による凸状支持本体によって支持することができ、停止部を備えることができる。
【0014】
[0013]支持本体が、ロック機構部品に対して面一の軸受面を有する場合には、本発明の有利な実施形態の変形例が得られる。多くの利点は、凸状軸受面をロック機構構成部品に対して面一に配置することによって達成することができる。一方では、ロック機構部品と軸受面との間の摩擦力の非常に正確な構成を調整することができ、他方では、騒音状態を最適化することができる。ロック機構部品の連続的な移動は、ロック機構部品を軸受面に対して面一、従って、平坦に適用することによって確保することができる。したがって、ロック機構部品の移動中に軸受面が変化することがないので、ロック機構の連続的かつ一貫して支持された移動を実現することができる。したがって、ロック機構において同じ摩擦比および表面力を達成することができ、これにより、ロック機構が円滑に移動することが保証される。ここでいう面一とは、ロック機構部品が不変面で軸受面に連続的に寄りかかっていることをいう。
【0015】
[0014]支持本体がロック機構のための停止面を有する場合にも有利であり、本発明の実施形態を形成することができる。したがって、支持本体は幾つかの機能を有することができる。一方、支持本体は、ロック機構部品の移動時には、軸受面、すなわち摩擦および軸受面として機能するとともに、ロック機構部品に対して少なくとも1つの停止面を提供することができる。ロック機構部品が、爪部の上方を移動され、たとえば、メインラッチ位置に移動される場合、停止部は、ロック機構部品間の相互作用によって規定される。一方、ロック機構部品がラッチ位置から外れて解除位置に転移した場合には、支持本体に停止面を形成することにより、自動車用ロックにおける別個の追加の支持面を省略することができる。支持本体上に停止面を形成することによって、より少ない数の部品で同じ機能性を有する自動車用ロックを提供する構造的により単純な解決策を提供することができる。
【0016】
[0015]停止面が軸受面に直接寄りかかる場合には、別の有利な実施形態の変形例を提供することができる。ロック機構は、軸受面上方を移動しながら摺動する。端部位置、たとえば、メインラッチ位置では、ロック機構部は、さらに停止面に係合するようになる。これにより、ロック機構の他の接触面が形成され、支持本体に対する面圧が低減される。換言すれば、軸受面と接触面とは、ロック機構部品における面力を吸収するための共通の支持面を提供する。したがって、支持本体は、軸受面として、停止面として機能することができ、支持本体に対する面圧力を低減するための拡大面を提供することができる。また、直接接合された停止面と軸受面とを組み合わせることにより、自動車用ロックの構造のコンパクトさも全体として支持することができる。
【0017】
[0016]軸受面は、均一な半径を有することが好ましい。軸受面に固定半径を形成することにより、ロック機構部品の軸受に対する構造的に簡単な解決策を提供することができる。0.8mm~約1.5mmの半径、好ましくは1mmの半径は、ロック機構部品を支えるのに十分な面を提供することができることが示されている。このようにロック機構部品を支える半径を小さく形成することにより、ロック機構部品と支持本体との摩擦を20%以上低減することができる。その結果、ロック機構内の負荷の下でも僅かな移動を達成することができ、これは、ロック機構をロック解除するときの電気モータ駆動装置にとって有利である。
【0018】
[0017]支持本体が爪部用軸受の一部を形成する場合には、それによって特に滑らかなロック機構を提供することができる。もちろん、支持本体はロック機構部品である爪部に限定されるものではないが、本発明に係る支持本体を爪部用軸受の領域に形成することにより、ロック機構部品を移動させる際の力比を良好にすることができることが示されている。本発明に係る軸受面と停止面とを有する支持本体の設計により、停止部を一体化した摩擦最適化爪部用軸受を最小限の設置スペースで利用可能にすることができる。
【0019】
[0018]さらに、ロック機構部品、特に爪部用軸受にロック機構部品、特に爪部用軸受のガイド面を設ければ、支持本体およびロック機構の全体としての堅牢性を更に高めることができる。支持本体上のガイド面は、支持本体上の軸受面と正反対に形成されることが好ましい。これにより、一方の軸受面と他方のガイド面を用いてロック機構部品を移動させることができる。軸受面が追加のロック機構部品から対応する力を吸収する場合、ガイド面は、ロック止機構部品を移動させるための滑らかに移動する堅牢な支持本体を提供することができる。ロック機構を移動させるために使用される軸受面を減少させることによって、摩擦を最適化した軸受点に、減少した摩擦係数を提供することができ、一方、ロック機構部品軸受の堅固な設計は、好ましくは直径方向に配置されたガイド面を形成することによって達成することができる。
【0020】
[0019]半径1mm程度が軸受面の領域で有利であることが判明しているが、ガイド面を形成するために半径4~6mm、好ましくは、5mmで、ロック機構部品に対する軸受点の堅牢性の点で好ましい結果が得られた。支持本体上のガイド面は、支持本体上方に領域的にのみ延び、その結果、異なる形状が、支持本体の直径方向に対向する端部に生じ、支持本体の対称構造が全体的に有利である。軸受面およびガイド面の対称設計および配置、停止面、およびガイド面の反対配置は、軸受面およびガイド面の凸状設計によって支持本体の横断面を増大させる。支持本体の横断面積を大きくすることにより、ロック機構部品の為の軸受面としての耐荷重断面積が大きくなる。これにより、ロック機構の堅牢性を向上させることができる。しかしながら、ロック機構全体のレバー比が横断面積の増大に伴って変化する点、すなわち、従来に比べてレバーを短くすることができる点で、ロック機構の堅牢性が向上し、軸受点の支持効果が向上し、ロック機構のレバー比にプラスの影響を与えることができる。
【0021】
[0020]さらにノイズ挙動を増大させ、またロック機構部品の円滑な移動を可能にするために、本発明は、支持本体をロック機構の凹部内に受容することができ、この凹部は、少なくとも部分的に軸受手段、特にプラスチックで裏打ちされるか、または形成されることを提案する。ロック機構部品、特に爪部の凹部がプラスチックで裏打ちされている場合には、ロック機構部品の低ノイズ更に摩擦を最適化した軸受を可能にすることができる。軸受点の領域に配置されたプラスチックは、ロック機構部品用の滑り軸受を形成しており、特にロック機構における停止ノイズを低減することができる。また、ロック機構部品と軸受点との間に良好な摩擦相手を組み合わせることができるので移動しやすくなる。全体として、本発明による設計は、ロック機構部品のための摩擦最適化された軸受点を提供し、本発明による設計によって全体的に堅牢性を増大させることができる。
【0022】
[0021]以下、好適な実施形態に基づいて添付図面を参照しながら本発明をより詳細に説明する。しかしながら、この原理が適用されるが、例示的実施形態が本発明を限定するものではなく、単に1つの実施形態を表すものである。示された特徴は、個別に、又はクレームと同様に明細書の更なる特徴と組み合わせて、個別に又は組み合わせて実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、本発明に係る自動車用ロックをその基本形状で示す。
【
図2】
図2は、爪部の軸受点の領域における支持本体の一実施形態を示す。
【0024】
【詳細な説明】
【0025】
[0023]
図1は、発明の説明に不可欠な構成要素を有する自動車ドア用ロックを原理的に示している。自動車ドア用ロックは、自動車ドア(図示せず)に接続されているのが好ましい。本実施形態では、これに金属製ロック用ケース1であるベース1が用いられる。ロック用ケース1は、図示しない自動車ドアに接続されている。ロック用ケースの開口部2に係合する締結ネジ(図示せず)は、この目的のために役立つことができる。
【0026】
[0024]本実施形態において、ロック用ケース1には、回転ラッチ3と爪部4とから構成されるロック機構3,4が装着されている。原則的には、複数の爪部4、即ち、いわゆる多爪ロック機構も実現可能であるが、これは図示されていない。ドア用ロックまたは自動ドア用ロックのロック機構3,4は、図示しない自動車本体に接続されたロックホルダ5と相互作用する。
【0027】
[0025]
図1は、ロック機構3,4の閉鎖状態を基本的な形態で示しており、単に設計機構の構造を説明するためのものである。このロック機構3,4のメインラッチ位置の閉鎖状態において、ロックホルダ5は回転ラッチによって保持され、図示されるメインラッチ位置において爪部4によって保持される。この場合、追加の爪部用バネ6は、爪部4が
図1に矢印で表示される軸7に対して閉鎖トルクを備えることを確実にする。回転ラッチ3もまた、
図1に矢印で表示されているようなモーメントを有しており、このモーメントは、好ましくはドアの密封圧力によって発生させることができるが、回転ラッチ用バネによっても発生させることができる。
【0028】
[0026]さらに、軸7に対して反時計廻り方向の開放モーメントまたは開放トルクで爪部4に作用する電気駆動装置または開放駆動装置8も、
図1に見える。爪部4が開放駆動装置8の助けによって回転ラッチ3との係合から持ち上げられるとすぐに、回転ラッチ3は、その開放トルクのために旋回して開放することができ、ロックピン5を解除する。
【0029】
[0027]
図2は、爪部用軸受としての本発明による軸受点7の設計を示す。軸受点7は、支持本体9と、軸受面10と、2つの停止面11,12と、ガイド面13とを備えている。爪部4には凹部14が挿入されており、凹部14には更に軸受手段15が設けられている。さらに、爪部4は、少なくとも部分的にプラスチック製ケーシング16を備えている。
【0030】
[0028]
図1に明確に示されるように、爪部4は、軸受面10に対して面一である。また、ガイド面13を介して爪部4を保持することにより、爪部4の遊びのない移動を実現することができる。本実施形態において、軸受面10の半径R1は1mmでであり、ガイド面13の半径は5mmである。ガイド面13は支持本体9の一部にのみ延びているので、一方では、軸受面10とガイド面13との確実な案内および接触が、爪部4の移動範囲全体にわたって実現できる。本実施形態では、軸受手段15が凹部14を完全に包囲しているが、支持本体9と係合している領域のみに軸受手段を設けることも考えられる。爪部4のメインラッチ位置が再び
図2に示されているので、停止面11もまた凹部14または軸受手段15と係合している。したがって、停止面11は、爪部4に対する別の停止部を省略できるように、爪部の移動を制限する。
【0031】
[0029]凹部14は、軸受手段15によって包囲されている。爪部4は、軸受面10及びガイド面13に沿って、爪部4の凹部14内を移動する。凹部14はベル形状として説明することができ、したがって、全体としてベル軸受点と呼ぶことができる。軸受面10及びガイド面13は、全体として支持本体9の横断面積が拡大するように凸状に設計されている。拡大された横断面積は、軸受点7の耐荷重横断面を増大させ、全体としてロック機構3,4の堅牢性を増大させることができる。堅牢性の向上に加えて、本発明に従って設計された軸受位置7は、摩擦を最適化したロック機構部品の軸受位置を提供することができ、この実施例では、爪部用軸受点を提供することができる。これにより、ロック機構部品3、4または爪部4に対して電気モータで開放することができ、堅牢な滑らかな動作の軸受点7が提供される。
【0032】
【符合の説明】
【0033】
1…ロック用ケース、
2…開口部、
3,4…ロック機構、
3…回転ラッチ、
4…爪部、
5…ロックホルダ、
6…爪部用バネ、
7…軸、軸受点、
8…開放駆動装置、
9…支持本体、
10…軸受面、
11,12…停止面、
13…ガイド面、
14…凹部、
15…軸受手段、
16…プラスチックケーシング、
R1(R2)…半径。
【国際調査報告】