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特表2024-528003娯楽用乗り物及び娯楽用乗り物を操作する方法
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  • 特表-娯楽用乗り物及び娯楽用乗り物を操作する方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】娯楽用乗り物及び娯楽用乗り物を操作する方法
(51)【国際特許分類】
   A63G 7/00 20060101AFI20240719BHJP
   A63G 21/04 20060101ALI20240719BHJP
   A63G 31/02 20060101ALI20240719BHJP
   A63G 31/16 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
A63G7/00
A63G21/04
A63G31/02
A63G31/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505104
(86)(22)【出願日】2022-08-10
(85)【翻訳文提出日】2024-01-26
(86)【国際出願番号】 EP2022072415
(87)【国際公開番号】W WO2023017067
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】102021121045.3
(32)【優先日】2021-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522402302
【氏名又は名称】マック ライズ アイピー ゲーエムベーハー ウント コー カーゲー
【氏名又は名称原語表記】Mack Rides IP GmbH & Co.KG
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ゴルト、デニス
(72)【発明者】
【氏名】ハーシュ、トビアス
(72)【発明者】
【氏名】クラウス、ミヒャエル
(57)【要約】
本発明は、軌道に沿って案内される少なくとも1つの車両を備えた娯楽用乗り物に関し、乗客を収容するための少なくとも1つの乗客収容部が車両に配置されており、車両に対する乗客収容部の運動、位置及び/又は向きが少なくとも1つの調整ユニットによって少なくとも1つの自由度で変化可能であり、調整ユニットを制御できる制御器が設けられており、制御器が記憶装置と信号通信し、記憶装置には、それぞれの乗客収容部の走行中に実行されるべき運動、とるべき位置及び/又はとるべき向きが記憶内容として間接的又は直接的に記憶されており、制御器は、それぞれの乗客収容部の調整ユニットを制御することによって、乗り物の走行中に軌道の所定の地点において、それぞれの乗客収容部に位置、向き及び/又は運動を順次とらせるように設定されており、娯楽用乗り物は、乗客が関連する乗客収容部についての記憶内容を指定するための手段を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軌道に沿って案内される少なくとも1つの車両を備えた娯楽用乗り物であって、乗客を収容するための少なくとも1つの乗客収容部が前記車両に配置されており、前記車両に対する前記乗客収容部の運動、位置及び/又は向きが少なくとも1つの調整ユニットによって少なくとも1つの自由度で変化可能であり、前記調整ユニットを制御できる制御器が設けられている、娯楽用乗り物において、
前記制御器が記憶装置と信号通信し、前記記憶装置には、それぞれの前記乗客収容部の走行開始前又は走行中に実行されるべき運動、とるべき位置及び/又はとるべき向きが記憶内容として間接的又は直接的に記憶されており、前記制御器は、それぞれの前記乗客収容部の前記調整ユニットを制御することによって、走行開始前又は走行中に前記軌道の所定の地点においてそれぞれの前記乗客収容部に前記位置、向き及び/又は運動を順次とらせるように設定されており、
前記娯楽用乗り物は、前記乗客が関連する前記乗客収容部についての前記記憶内容を指定するための手段を有する、ことを特徴とする娯楽用乗り物。
【請求項2】
前記乗客は、走行に入る前に、前記娯楽用乗り物での前記乗客の走行開始前又は走行中に前記乗客収容部が前記車両に対してとる、又は行うべき少なくとも1つの運動、位置、及び/又は向きを選択し、
前記選択と、前記乗客が乗る前記乗客収容部の識別とが前記娯楽用乗り物に伝送され、
前記選択又は前記選択に対応する制御命令が、走行開始前、又は遅くとも走行開始時に前記乗客収容部の制御ユニットの前記記憶装置に記憶される、請求項1に記載の娯楽用乗り物を操作する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、娯楽用乗り物及び娯楽用乗り物を操作する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
娯楽用乗り物は、レジャーパーク及びアミューズメントパーク、縁日や祭りで人気のアトラクションである。娯楽用乗り物は、通常、例えば座席などの少なくとも1つの乗客収容部を含む少なくとも1つの車両を有し、車両は軌道に沿って案内される。その場合、娯楽用乗り物に乗ることの魅力は、例えばジェットコースタなどがそうであるように軌道の形状によって、また、例えばゴーストコースタの場合や子供向けのおとぎの国を鉄道車両で走り抜ける場合には軌道の周囲によって伝えることができる。
【0003】
娯楽用乗り物の魅力を高めるために、このようないくつかの娯楽用乗り物で既に実現された措置は、調整ユニットによって乗客収容部を車両に対して位置決め及び/又は移動させることができるというものである。ジェットコースタの走行中又はおとぎの国エクスプレスの走行中は、乗り物を体験する視点が決まったパターンに従って変えられる。
【0004】
どちらの場合も、座席に対する乗客収容部の個別の運動又は位置決めが可能にされることによって走行の魅力を更に高めることができる。例えば、筋金入りのローラコースタファンは、ループを走行中に座席がその軸を中心に回転もするときに、又はらせん状のラインを走行中に座席が進行方向に対して90°回転することに魅力を感じるかもしれないのに対して、おとぎの国エクスプレスでは、乗客収容部と車両との相対運動によって、子供がお気に入りのおとぎ話の場面を特に長い間見ることができる。
【0005】
その一方で、ローラコースタの次の走行では、レールに沿った車両の動きでも場合によってはがまんの限界であるため、走行中に谷底を見なくて済むように、急降下するときに乗客収容部の向きを変えたいだれかが同じ席に座ることができるように、或いはおとぎの国の次の走行で同じの席につく子供のお気に入りのおとぎ話が別のおとぎ話であって、乗客収容部を別の向きにするとそれをより長く見ることができるようにすべきである。
【0006】
すなわち、乗客収容部の運動又は位置決めが好ましくは予め決まっているのではなく、個別に実行できるということがすぐに分かる。乗客収容部の運動や位置決めが、車両の特定の乗客収容部に座るか、又は座らなければならないという事実によって前もって定められるべきではない。実際には、乗客収容部の割り当ては、大抵の場合、順番を待つ各乗客の位置によって行われ、選択することはできない。
【0007】
特許文献1から知られるこの問題を解決するアプローチは、各乗客収容部に制御可能な運動装置が直接割り当てられ、その運動が乗客により操作装置によって制御されることを企図する。例えば、そのような操作装置はジョイスティックであり得、走行中のジョイスティックの操作により車両に対する乗客収容部の位置及び/又は向きが変化する。しかし、実際には、このアプローチは比較的ゆっくりとした乗り物で実行可能であり、更にこれは大人が制御する場合にのみ実行可能であることが明らかになる。娯楽用乗り物での走行中に受ける刺激及び/又は力は非常に強く、大抵の場合、それによって操作装置の適切かつ正確な使用に悪影響が及ぼされるか、又は完全に妨げられることが判明している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】独国実用新案第202010000403号明細書
【発明の概要】
【0009】
したがって、本発明の課題は、走行中の乗客位置の改善されたカスタマイズオプションを可能にする娯楽用乗り物を提供すること、及びそのような娯楽用乗り物を操作する方法を提供することである。
【0010】
上記課題は、請求項1の特徴を有する娯楽用乗り物、及び請求項2の特徴を有するそのような娯楽用乗り物を操作する方法によって解決される。従属請求項は、本発明の有利な発展形態に関する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】娯楽用乗り物を操作する方法の例示的進行を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明による娯楽用乗り物は、軌道に沿って案内される少なくとも1つの車両を有し、乗客を収容するための少なくとも1つの乗客収容部が車両に配置されている。
車両は、例えばジェットコースタ若しくはローラコースタの場合によくあるように、軌道を予め定めるレール上を走行する列車又は車であり得る。しかし、例えば、曳航機構を用いて運河網の特定のルート上を案内されるボートでもあり得る。例として挙げられる別の代替案は、ゴンドラ又はトロリーであり、その軌道はガイドレール又は支持ケーブルの経路によって予め定められ得る。
【0013】
大抵の実施形態では、乗客収容部は、例えば車両に、又は車両から垂れ下がるように配置することができる座席である。例えば、スタンドアップコースタで使用されるような、乗客が走行中にその上に立ったり、乗客がそれにぶら下がったり、乗客がその上に横たわったりする配置であってもよい。
【0014】
車両に対するそれぞれの乗客収容部の運動、位置及び/又は向きは、少なくとも1つの調整ユニットによって少なくとも1つの自由度で変更可能若しくは設定可能である。乗客収容部は、例えば、1つの調整ユニット又は複数の調整ユニットによって1つ又は複数の軸を中心に回転可能若しくは旋回可能であってもよいし、1つ又は複数の方向に移動可能であってもよい。それに応じて、これらの自由度は、例えば、回転自由度又は並進自由度であり得、後者は場合によっては(例えば、適切なリンクガイドを使用する場合に)非線形となることもできる。
【0015】
更に、調整ユニットを制御できる制御器がある。すなわち、調整ユニットは、制御器によって制御され、これによって駆動される乗客収容部は、走行中に少なくとも1つ、殊に複数の異なる設定位置に自動的に移動されるか、或いは制御されて、又は制御されずに動かされる。これを、例えば走行の特定の時点又は軌道の特定の地点で行うことができる。その場合、最も単純なケースでは、これは位置変更であり得、その位置変更が実行される間、所定の位置が保たれる。しかし、位置変更は走行全体における乗客収容部の追加的運動であってもよく、この運動は一連の位置または向きとして表すか、若しくは解することができる。乗客収容部は、運動時に、制御されない及び/又は制動されない運動を実行することができ、殊に自由に動くことができる。或いは、この運動は、乗客収容部の自由な、及び/又は制御されない運動の感覚を乗客に与える、制御された運動であってもよい。軌道に沿った娯楽用乗り物の走行中に、軌道上の位置に依存して乗客収容部の位置又は向きを変化させることもできる。
【0016】
本発明にとって重要なことは、制御器が記憶装置と信号通信しており、記憶装置には、それぞれの乗客収容部の走行中にとるべき位置、向き及び/又は運動が記憶内容として間接的又は直接的に記憶されていること、制御器が、調整ユニットを制御することによって、乗り物の走行中に乗客収容部にこれらの位置、向き及び/又は運動を軌道の所定の地点において順次とらせるように設定されていること、並びに娯楽用乗り物が、乗客によって、関連する乗客収容部についての記憶内容を指定するための手段を有することである。
【0017】
位置、向き及び/又は運動の直接的な記憶とは、制御器が記憶装置から目標の位置若しくは運動を読み取り、それらを達成するために必要な制御命令を決定するということと理解される。このアプローチには、記憶装置に書き込まれる、若しくは記憶装置から読み取られる必要があるデータの量がかなり少なくなる利点があるが、制御器に対して、例えば制御器の計算能力に関して、高い要求が課せられる。
【0018】
これに対して、位置、向き及び/又は運動の間接的な記憶では、記憶装置に制御命令が記憶されており、それにより制御器が記憶装置からプログラムを読み取り、娯楽用乗り物の走行中にプログラムを実行することによって、制御器が、調整ユニットに、対応する位置、向き及び/又は運動をとらせるようにする。このアプローチは、それぞれの乗客収容部の調整ユニットの(ローカル)制御に課せられる要求を軽減する。
【0019】
その場合、記憶装置は、それぞれの乗客収容部の調整ユニットの制御のローカル記憶装置であってもよいし、娯楽用乗り物の中央記憶装置であってもよいし、それぞれの乗客収容部の制御器に割り当てられるデータベースであってもよい。
【0020】
乗客が、関連する乗客収容部についての記憶内容、すなわち、乗客収容部がとるべき運動、位置及び/又は向きを指定するための手段は、乗客が乗る乗客収容部の運動に乗客が個別に影響を及ぼすことを可能にする。
【0021】
しかしながら、この乗客収容部は、通常、乗客が運動、位置若しくは向きを指定する時点にはまだ決まっていない。したがって、この手段は、乗客がこの決定を行うことを可能にしなければならないだけでなく、正しい乗客収容部へのこの内容の正しい割り当ても保証しなければならない。
【0022】
従って、それぞれの乗客収容部についての記憶内容を決定するためのこれらの手段は、乗客が所望の運動及び/又は一連の位置若しくは向きを入力できる少なくとも1つの入力手段と、これらのデータを記憶装置に伝送するか、又は読み取ることができる伝送手段と、を含む。
【0023】
本発明の第1の実施形態では、これらの伝送手段は、それぞれの乗客収容部に直接割り当てられた受信手段を有し、それにより乗客の入力手段から乗客収容部の受信手段への直接伝送が行われる。
【0024】
この本実施形態に属する具体的な実施形態では、例えば、入力手段が、対応するアプリがインストールされた乗客のスマートフォンである。アプリはディスプレイに軌道の形状を示す。乗客は、例えば指で触れることによって、軌道セグメントをマークし、位置、向き、及び/又は運動、すなわちこの軌道セグメント上で行われるべき一連の運動、位置及び/又は向きを選択する。これは任意的に、少なくとも部分的に提案された位置、方向、運動、及び/又は運動パターンからの選択或いはそれらの考慮に基づいても行うことができるが、乗客収容部の技術的に可能な範囲内で完全に自由な自分自身の創作として行うこともできる。
【0025】
選択が終了した後、アプリはこれらのデータを、例えばスマートフォンのディスプレイに表示されるQRコード(登録商標)に変換することができ、したがってスマートフォンは、送信手段としても用いられ、したがって伝送手段の一部を形成する。
【0026】
次に、乗客の順番が来て、座席若しくは乗客収容部がその乗客が乗る娯楽用乗り物に割り振られると、このQRコード(登録商標)が、例えば乗客収容部に配置されている伝送手段の受信手段を形成する読み取り装置によって走査され、QRコード(登録商標)に含まれるデータが制御器の記憶装置に書き込まれ、データがこの記憶装置から読み取られ、乗客収容部の調整ユニットの実行されるべき制御命令に変換される。
【0027】
当然のことながら、ディスプレイ、好ましくはタッチディスプレイ、及びタッチディスプレイにおいて実現することもできるキーボード、を有する特定の入力手段も考えられ、これらが一時的に乗客に引き渡される。特に、この策を選択した場合、例えば待ち時間の間に乗客によって指定若しくは生成されたデータは、乗車する際にこの入力手段がプラグを介して乗客収容部に接続されることによって伝送され得る。次いで、走行後、入力手段が乗客収容部から取り外され、規定の初期状態にリセットされ、別の乗客に再び引渡される。
【0028】
乗客の選択したデータ、若しくは選択に基づいて生成されたデータのワイヤレス伝送も可能である。
本発明の別の実施形態では、記憶内容が受信手段から、まず、中央記憶手段に、例えば娯楽用乗り物の中央制御ユニットのデータベースに伝送され、選択の完了時に乗客も受け取る識別コードと共にそこに記憶される。乗客のスマートフォンでアプリを使用する場合、例えば、ワイヤレスデータ接続を確立することができ、このワイヤレスデータ接続によりこれらのデータをデータベースに伝送することができ、識別コードはバーコード又はQRコード(登録商標)であり得る。乗客は乗客収容部において席につくと、乗客収容部にある読み取り装置を用いてこのコードを読み込む。次に、乗客収容部に割り当てられた制御器は、この識別コードについて記憶されたデータセットを娯楽用乗り物の中央記憶手段から呼び出す。特に、乗客に特定の入力手段が引き渡される場合には、RFIDチップを介して識別を行うこともできる。
【0029】
最初に娯楽用乗り物の中央記憶手段への伝送が行われる本発明の実施形態では、入力手段は、例えば順番待ちの列をつくる乗客が案内されるターミナルなど、娯楽用乗り物の定置の要素であってもよく、その場合、乗客はそこで乗客収容部の個々の位置、向き及び/又は運動をプログラミングすることができる。この場合も、例えば乗客のすぐ近くにあるRFIDタグ、或いは乗客が携帯電話を用いて撮影できるQRコード(登録商標)又はバーコードを識別のために用いることができる。車両に乗り込むと、若しくは乗客収容部において席につくと、この識別コードが読み取り装置を用いて読み取られ、次いで、乗客収容部の制御器がこの識別コードに割り当てられた中央データベースの記憶内容を要求する。
【0030】
本発明による方法を用いて本発明による娯楽用乗り物が操作される。この方法は、乗客が、走行に入る前に、この乗客の乗客収容部が、娯楽用乗り物での乗客の走行開始前または走行中に車両に対してとるべき少なくとも1つの運動、位置、運動及び/又は向きを選択し、この選択、及びこの乗客が乗る乗客収容部の識別が娯楽用乗り物に伝達され、この選択又はこの選択に対応する制御命令が走行開始前、又は遅くとも走行の開始時に、この乗客収容部の制御ユニットに割り当てられた記憶装置に記憶されることを特徴とする。
【0031】
この方法の特に好ましい実施形態では、乗客は、走行に入る前に、この乗客の乗客収容部が、娯楽用乗り物での乗客の走行中に車両に対してとるべき少なくとも1つの運動、位置、運動及び/又は向きをこの乗客のスマートフォンのアプリを用いて選択する。
【0032】
図1は、娯楽用乗り物を操作する方法の例示的進行を概略的に示す。第1の工程100において、少なくとも1人の乗客が走行に入る前に、娯楽用乗り物の車両の乗客収容部が走行中にとる、又はとるべき少なくとも1つの運動、位置及び/又は向きを選択することができる。
【0033】
例えば、乗客は乗り物に向かう前にスマートフォンにアプリをダウンロードし、娯楽用乗り物への後の乗車のための選択をアプリで行うことができる。例えば、次のオプションから選択することができる。
【0034】
-車両における乗客収容部の位置、
-車両の進行方向、すなわち前進方向又は後進方向に対する乗客収容部の向き、
-フリースピン、すなわち、走行中の乗客収容部の制御されない、及び/又は制動されない運動、特に回転運動。
【0035】
第2の工程200において、少なくとも1人の乗客の識別情報が、行われた選択と共に娯楽用乗り物に伝送される。
少なくとも1人の乗客が娯楽用乗り物の車両に乗り込み、乗客収容部において席につくと直ちに、任意的な第3の工程300において識別を行うことができ、それによって、第1の工程100において行われた選択がそれぞれの乗客収容部にリンクされるか、若しくは割り当てられる。識別は、例えば識別コード、バーコード、QRコード(登録商標)などを用いて行うことができる。
【0036】
例えば、乗客はスマートフォンを用いて対応する乗客収容部のQRコード(登録商標)を走査することができるか、又は乗客収容部における読み取り装置がスマートフォンから識別コードを読み取り、次いで、乗客収容部の制御器がこの識別コードに割り当てられた中央データベースの記憶内容を要求する。
【0037】
第4の工程400において、制御器は、行われた選択に関する対応するデータセットを呼び出し、工程500において、対応する制御命令がそれぞれの乗客収容部の制御ユニットの記憶装置に記憶される。工程600において、制御命令が実行される。
【0038】
工程600における制御命令の実行を、工程300~工程500の直後、及び走行の開始前に、特に娯楽用乗り物の駅において開始することができる。例えば、第1の制御命令は、第1の工程100で行われた選択とそれぞれの乗客収容部との間の割り当てが行われ、行われた選択に関する対応する1つのデータセット又は対応する複数のデータセットがロードされると直ちに第1の制御命令を実行することができる。乗客が識別され、及び/又は乗客収容部において席についた後、制御命令は、直ぐに、特に走行開始前の車両の停止状態において実行され得る。その場合、車両は、娯楽用乗り物の駅にあることが好ましい。
【0039】
最も単純なケースでは、乗客収容部を回転ジョイントを介して車両に接続することができる。回転ジョイントは、制御ユニットが調整ユニットを用いて操作可能なクラッチを有することができ、及び/又は制御ユニットが調整ユニットを用いて操作可能な回転ジョイントをロックできるボルトを有することができる。したがって、乗客収容部は、固定されるか、又は自由に回転可能であり得、これにより、乗り物での走行中に乗客収容部が好ましくは自由な回転運動を行うことができる。
【0040】
調整ユニットは、例えば、アクチュエータ、駆動装置、及び/又はブレーキであり得る。
更に、調整ユニットは、乗客収容部に対する位置及び/又は向きを少なくとも1つの自由度で変更するように設定され得る。例えば、乗客収容部の向きを「後方」又は「前方」に調節することができるか、或いは上記の回転運動を調整ユニットによって減衰させる、制動する、又はそれどころか増幅させるか、或いは運動パターンを生成することができる。
図1
【国際調査報告】