(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】コンプライアント機構を備えたオーバーザスコープクリップ
(51)【国際特許分類】
A61B 17/08 20060101AFI20240719BHJP
A61B 17/10 20060101ALI20240719BHJP
A61B 17/94 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
A61B17/08
A61B17/10
A61B17/94
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505105
(86)(22)【出願日】2022-07-11
(85)【翻訳文提出日】2024-01-26
(86)【国際出願番号】 US2022036683
(87)【国際公開番号】W WO2023022811
(87)【国際公開日】2023-02-23
(32)【優先日】2021-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522368684
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック メディカル デバイス リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】シン、ラジブクマール
(72)【発明者】
【氏名】アディカラス バラン、アルン
(72)【発明者】
【氏名】スミス、ポール
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC02
4C160CC07
4C160MM43
(57)【要約】
クリッピングシステムはアダプタとクリップとを含む。アダプタは、挿入装置の遠位端上に取り付けられており、アダプタの遠位面に形成された第1の環状溝を有する。クリップは、本体と、結合部とリングとを有する中央体と、顎部とを有し、顎部は、外側アーム近位端で本体に結合された外側アームと、外側アームの径方向内側に配置されるとともに、内側アーム近位端でリングに結合された内側アームとを有する。本体は、本体の近位面から近位に延在する環状突起を含む。突起は、クリップをアダプタに結合するべくアダプタの第1の環状溝内に挿入される。クリップの軸に沿った中央体の移動によって、挿入形態と配置形態との間の顎部の移動が引き起こされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織を処置するためのクリッピングシステムであって、
挿入装置の遠位端上に取り付け可能に構成された近位端から遠位端まで長手方向に延在するアダプタであって、前記アダプタの遠位面に形成された第1の環状溝を有する前記アダプタと、
クリップであって、(i)本体と、(ii)結合部とリングとを有する中央体と、(iii)外側アーム近位端で前記本体に結合された外側アームと、前記外側アームの径方向内側に配置されるとともに、内側アーム近位端で前記リングに結合された内側アームとを有する第1および第2の顎部と、を含む前記クリップと、
を備え、
前記本体は、前記本体の近位面から近位に延在する環状突起を含み、前記環状突起は、前記クリップを前記アダプタに結合するために前記アダプタの前記第1の環状溝内に挿入可能に構成されており、
前記クリップの軸に沿った前記中央体の移動により、前記第1および第2の顎部が互いに離間してそれらの間に組織を受容するための挿入形態と、前記第1および第2の顎部が互いに引き寄せられてそれらの間に組織を把持するための配置形態との間の前記第1および第2の顎部の移動が引き起こされる、クリッピングシステム。
【請求項2】
前記クリップは、コンプライアント材料で形成されたモノリシック構造を有する、請求項1に記載のクリッピングシステム。
【請求項3】
前記コンプライアント材料がニチノールである、請求項1または2に記載のクリッピングシステム。
【請求項4】
前記第1および第2の顎部は、前記挿入形態に向かって付勢されている、請求項1または2に記載のクリッピングシステム。
【請求項5】
前記中央体の近位移動により、前記内側アームの対応する近位移動を引き起こして前記外側アームを前記配置形態に向かって内側に屈曲させるように構成されている、請求項1~4のうちのいずれか一項に記載のクリッピングシステム。
【請求項6】
前記クリップの前記本体は、前記クリップが前記配置形態にあるときに前記リングを受容するように構成された第2の環状溝を含む、請求項1または2に記載のクリッピングシステム。
【請求項7】
前記第2の環状溝の最遠位部の第1の直径は、前記リングの第2の直径よりも小さく、前記リングは、前記第2の環状溝の前記最遠位部を越えて近位に押し込まれた後に前記第2の環状溝内に嵌め込まれるように構成されている、請求項1~6のうちのいずれか一項に記載のクリッピングシステム。
【請求項8】
組織を処置するためのクリッピングシステムであって、
近位端から遠位端まで長手方向に延在するシャフトと、前記近位端から前記遠位端まで延在するワイヤとを含む内視鏡であって、前記ワイヤが前記ワイヤの遠位端に拡大部を含む前記内視鏡と、
前記内視鏡の前記シャフトの前記遠位端上に取り付けられた近位部と、前記近位部から遠位に延在する遠位部とを含むアダプタと、
クリップであって、(i)本体と、(ii)結合部とリングとを有する中央体と、(iii)外側アーム近位端で前記本体に結合された外側アームと、前記外側アームの径方向内側に配置されるとともに、内側アーム近位端で前記リングに結合された内側アームとを有する第1および第2の顎部と、を含む前記クリップと、
を備え、
前記本体は、前記本体の近位面から近位に延在する環状突起を含み、前記環状突起は、前記クリップを前記アダプタに結合するために前記アダプタの第1の環状溝内に挿入可能に構成されており、
前記ワイヤは前記結合部に形成された開口部を貫通しており、前記ワイヤの前記拡大部は前記開口部よりも遠位に位置しており、
前記開口部の直径は、前記ワイヤの前記拡大部の直径よりも小さく、
前記ワイヤの近位および遠位への移動により、前記クリップの軸に沿った前記中央体の対応する移動が引き起こされ、
前記クリップの前記軸に沿った前記中央体の移動により、前記第1および第2の顎部が互いに離間してそれらの間に組織を受容するための挿入形態と、前記第1および第2の顎部が互いに引き寄せられてそれらの間に組織を把持するための配置形態との間の前記第1および第2の顎部の移動が引き起こされる、クリッピングシステム。
【請求項9】
前記クリップは、コンプライアント材料で形成されたモノリシック構造を有する、請求項8に記載のクリッピングシステム。
【請求項10】
前記コンプライアント材料がニチノールである、請求項8または9に記載のクリッピングシステム。
【請求項11】
前記第1および第2の顎部は前記挿入形態に向かって付勢されており、
前記ワイヤの近位への移動により、前記結合部への前記ワイヤの前記拡大部の当接、前記結合部の近位への移動、ならびに前記配置形態に向けての前記第1および第2の顎部の移動が引き起こされ、
前記ワイヤの解放により、前記挿入形態への前記第1および第2の顎部の復帰が可能とされる、請求項8または9に記載のクリッピングシステム。
【請求項12】
前記中央体の近位移動により、前記内側アームの対応する近位移動を引き起こして前記外側アームを前記配置形態に向かって内側に屈曲させるように構成されている、請求項8~11のうちのいずれか一項に記載のクリッピングシステム。
【請求項13】
前記クリップの前記本体は、前記クリップが前記配置形態にあるときに前記リングを受容するように構成された第2の環状溝を含む、請求項8または9に記載のクリッピングシステム。
【請求項14】
前記第2の環状溝の最遠位部の第1の直径は、前記リングの第2の直径よりも小さく、前記リングは、前記第2の環状溝の前記最遠位部を越えて近位に押し込まれた後に前記第2の環状溝内に嵌め込まれるように構成されている、請求項8~13のうちのいずれか一項に記載のクリッピングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、内視鏡装置に関し、特に、組織を処置するための内視鏡クリッピング装置に関する。本開示は、2021年8月17日に出願された米国仮特許出願第63/260,325号の優先権を主張し、参照によりその開示が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
医師は、現在、積極的な介入的および治療的内視鏡胃腸(GI)処置をより進んで実行するようになってきており、これは、GI管の壁を穿孔するリスクを増加させ得るか、または処置の一部としてGI管の閉鎖を必要とし得る。このような手技には、例えば、大きな病変の除去、粘膜下の問題を治療するためのGI管の粘膜層下のトンネリング、組織の全層除去、GI管の外側を通過させることによる他の器官上の問題の治療、および手術後の問題(例えば、手術後漏出、手術ステープルラインの分解、および吻合漏出)の内視鏡的治療/修復が含まれ得る。
【0003】
現在、組織は、スルーザスコープクリップ(through-the-scope clip)またはオーバーザスコープクリップ(over-the-scope clip)を含む内視鏡閉鎖装置を介して処置され得る。オーバーザスコープクリップは、より大きな組織欠損の閉鎖を達成するために特に有用であり得る。これらの内視鏡閉鎖装置は、病院の費用を節約することができ、患者に利益を提供し得る。しかしながら、いくつかの場合において、現在の内視鏡閉鎖装置は、使用することが困難であるか、位置決めするのに時間がかかるか、またはある穿孔、状態、および解剖学的構造について不十分であり得る。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、組織を処置するためのクリッピングシステムに関し、クリッピングシステムは、挿入装置の遠位端上に取り付け可能に構成された近位端から遠位端まで長手方向に延在するアダプタを含む。前記アダプタは、前記アダプタの遠位面に形成された第1の環状溝を有する。前記システムはさらに、クリップであって、(i)本体と、(ii)結合部とリングとを有する中央体と、(iii)外側アーム近位端で本体に結合された外側アームと、前記外側アームの径方向内側に配置されるとともに、内側アーム近位端で前記リングに結合された内側アームとを有する第1および第2の顎部と、を含む前記クリップを有する。前記本体は、前記本体の近位面から近位に延在する環状突起を含む。前記環状突起は、前記クリップを前記アダプタに結合するために前記アダプタの前記第1の環状溝内に挿入可能に構成されている。前記クリップの軸に沿った前記中央体の移動により、前記第1および第2の顎部が互いに離間してそれらの間に組織を受容するための挿入形態と、前記第1および第2の顎部が互いに引き寄せられてそれらの間に組織を把持するための配置形態との間の前記第1および第2の顎部の移動が引き起こされる。
【0005】
一実施形態において、前記クリップは、コンプライアント材料で形成されたモノリシック構造を有する。
一実施形態において、前記コンプライアント材料はニチノールである。
【0006】
一実施形態において、前記第1および第2の顎部は、前記挿入形態に向かって付勢されている。
一実施形態において、前記中央体の近位移動により前記内側アームの対応する近位移動を引き起こして前記外側アームを前記配置形態に向かって内向きに屈曲させるように構成されている。
【0007】
一実施形態において、前記クリップの前記本体は、前記クリップが前記配置形態にあるときに前記リングを受容するように構成された第2の環状溝を含む。
一実施形態において、前記第2の環状溝の最遠位部の第1の直径は、前記リングの第2の直径よりも小さく、前記リングは、前記第2の環状溝の最遠位部を越えて近位に押し込まれた後に前記第2の環状溝内に嵌め込まれるように構成されている。
【0008】
また、本開示は、組織を処置するためのクリッピングシステムに関し、クリッピングシステムは、近位端から遠位端まで長手方向に延在するシャフトと、前記近位端から前記遠位端まで延在するワイヤとを含む内視鏡であって、前記ワイヤが前記ワイヤの遠位端に拡大部を含む前記内視鏡と、前記内視鏡の前記シャフトの前記遠位端上に取り付けられた近位部と、前記近位部から遠位に延在する遠位部とを含むアダプタと、クリップであって、(i)本体と、(ii)結合部とリングとを有する中央体と、(iii)外側アーム近位端で前記本体に結合された外側アームと、前記外側アームの径方向内側に配置されるとともに、内側アーム近位端で前記リングに結合された内側アームとを有する第1および第2の顎部と、を含む前記クリップとを含む。前記本体は、前記本体の近位面から近位に延在する環状突起を含み、前記環状突起は、前記クリップを前記アダプタに結合するべく前記アダプタの第1の環状溝内に挿入可能に構成されている。前記ワイヤは前記結合部に形成された開口部を貫通するとともに、前記ワイヤの前記拡大部が開口部よりも遠位に位置している。前記開口部の直径は、前記ワイヤの前記拡大部の直径よりも小さい。前記ワイヤの近位および遠位への移動により、前記クリップの軸に沿った前記中央体の対応する移動が引き起こされる。前記クリップの前記軸に沿った前記中央体の移動により、前記第1および第2の顎部が互いに離間してそれらの間に組織を受容するための挿入形態と、前記第1および第2の顎部が互いに引き寄せられてそれらの間に組織を把持するための配置形態との間の前記第1および第2の顎部の移動が引き起こされる。
【0009】
一実施形態において、前記クリップは、コンプライアント材料で形成されたモノリシック構造を有する。
一実施形態において、前記コンプライアント材料はニチノールである。
【0010】
一実施形態において、前記第1および第2の顎部は、前記挿入形態に向かって付勢されている。前記ワイヤの近位への移動により、前記結合部への前記ワイヤの前記拡大部の当接、前記結合部の近位への移動、ならびに前記配置形態に向けての前記第1および第2の顎部の移動が引き起こされる。前記ワイヤの解放により、前記挿入形態への前記第1および第2の顎部の復帰が可能とされている。
【0011】
一実施形態において、前記中央体の近位移動により前記内側アームの対応する近位移動を引き起こして前記外側アームを前記配置形態に向かって内向きに屈曲させるように構成されている。
【0012】
一実施形態において、前記クリップの前記本体は、前記クリップが前記配置形態にあるときに前記リングを受容するように構成された第2の環状溝を含む。
一実施形態において、前記第2の環状溝の最遠位部の第1の直径は、前記リングの第2の直径よりも小さく、前記リングは、前記第2の環状溝の最遠位部を越えて近位に押し込まれた後に前記第2の環状溝内に嵌め込まれるように構成されている。
【0013】
さらに、本開示は、組織を治療するための方法に関し、方法は、内視鏡を介して身体管腔内の標的領域にクリップを挿入することであって、前記クリップが前記クリップの複数の顎部が互いに離間した開放挿入形態にてアダプタを介して内視鏡シャフトの遠位端上に取り付けられており、前記クリップの本体によって前記クリップがアダプタに結合されている、前記クリップを挿入することを含む。方法は、前記組織が前記クリップの前記複数の顎部の間の空間内に引き込まれるように前記内視鏡の作業チャネルおよび前記クリップを通じて組織把持器を挿入することを含む。方法は、前記作業チャネルと前記クリップとを通るワイヤを近位に引き込むことであって、前記ワイヤが、前記ワイヤの遠位端に、前記クリップの結合部に係合して前記結合部の対応する近位移動を生じさせる拡大部を有しており、前記結合部の近位移動により、前記結合部に連結されている前記クリップのリングの対応する近位移動が引き起こされ、前記リングが前記複数の顎部の内側アームの近位端に結合されており、前記リングの近位移動により前記内側アームの対応する近位移動が引き起こされ、前記複数の顎部が、前記内側アームの径方向外側に配置された外側アームを含み、前記外側アームは、前記外側アームの近位端で前記クリップの前記本体に結合されるとともに前記外側アームの遠位端で前記内側アームに結合されており、前記内側アームの近位移動によって、前記複数の顎部が互いに離間した挿入形態から、前記複数の顎部が互いに接近してそれらの間に前記組織を把持するための配置形態に向かって、前記外側アームの前記遠位端がともに引き寄せられる、前記ワイヤを近位に引き込むことを含む。方法は、前記ワイヤをさらに近位に引き込むことにより、前記クリップの本体に形成された対応する環状溝内に前記リングを押し込むことであって、前記環状溝が、前記リングをその内部に保持して前記クリップを前記配置形態に維持するように構成されている、前記対応する環状溝内に前記リングを押し込むことを含む。方法は、前記ワイヤをさらに引き込むことにより、前記ワイヤの拡大部を破断させて前記クリップを前記アダプタから分離させることを含む。
【0014】
一実施形態において、前記クリップは、コンプライアント材料で形成されたモノリシック構造を有する。
一実施形態において、前記複数の顎部は前記挿入形態に向かって付勢されている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本開示の例示的な実施形態によるシステムの斜視図を示す。
【
図2A】
図2Aは、挿入形態における
図1のシステムの遠位部の長手方向側面図を示す。
【
図2B】
図2Bは、配置形態における
図1のシステムの遠位部の別の長手方向側面図を示す。
【
図3A】
図3Aは、挿入形態における本開示の例示的な実施形態によるクリップの長手方向側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示は、以下の説明および添付の図面を参照してさらに理解され得る。本開示において、同様な要素は同じ参照番号で参照される。本開示は、クリッピングシステムに関し、特に、クリップの初期配置をその最終配置の前に視認可能および調節可能とするオーバーザスコープ内視鏡クリッピングシステムに関する。本開示の例示的な実施形態は、内視鏡の遠位端上にアダプタを介して取り付け可能なクリップを備える。クリップは、挿入形態と配置形態との間で移動可能な複数の顎部を有している。
【0017】
本開示の実施形態によるクリップは、内視鏡または他の挿入機器の遠位端にアダプタを介して取り付けられる。アダプタは、内視鏡の端部上で摺動し、摩擦嵌合を介して内視鏡上に維持される。クリップは、アダプタ内に取り付けられるとともに内視鏡の遠位端の周囲に延在しており、内視鏡の遠位端を越えて遠位に延在する2つの組織クリッピング顎部を有している。本開示の実施形態によるクリップの顎部は、それらクリップの顎部が互いに離間してクリッピング対象の組織を受容するための挿入形態に向けて付勢されている。
【0018】
各顎部の径方向内側の近位部は、中央体のリングに結合されている。中央体はワイヤと係合しており、ワイヤは、リングを近位および遠位に移動させることにより、顎部を、挿入形態と、顎部をともに引き寄せて組織をクリッピングするための配置形態との間で移動させる。ワイヤの近位への移動により中央体が近位に引き込まれることで、各顎部の径方向内側の近位部が近位に引き込まれて顎部が閉じる。また、ワイヤを解放することで、顎部が、その固有の付勢下で、挿入形態へと広がることが可能となる。これにより、顎部の径方向内側の近位部が遠位に引っ張られることで、リングおよびワイヤが遠位に引っ張られる。これにより、ユーザは、クリップの挿入形態にて、クリッピング対象の標的組織に対してクリップを位置決めすることができる。
【0019】
次いで、ユーザは、内視鏡の視覚システムを使用して、顎部とその顎部によって把持された組織とを観察しながら、顎部の間に組織の一部を引き込みつつ、顎部を配置形態に向かって引き込む。適切な組織が把持されていないか、または組織が所望どおりに把持されていない場合、ユーザは、クリップを再び開くために制御ワイヤを解放し得る。これにより、把持された組織が解放されて、組織の所望の部分が顎部の間に位置するまで装置が再配置され得る。組織が所望どおりに顎部の間に位置していることが観察されると、クリップを完全な配置形態に近づけるべく制御ワイヤが近位に引かれ得る。この完全な配置形態では、顎部は、以下でより詳細に説明されるように、クリッピングされた組織上で閉じられた状態に固定される。
【0020】
クリップは、中央体のリングを受容するように構成された溝を含み、ワイヤが所定の距離を超えて近位に移動すると、リングがその溝内に嵌め込まれて制御ワイヤが解放されてもリングが遠位に移動することが防止される。これにより、顎部が組織上にてクリッピングされた配置形態に固定される。制御ワイヤは、リングに結合されたクロス部材の開口部を通過し、制御ワイヤの遠位端の拡大部が、開口部を取り囲むクロス部材の面に係合することで、制御ワイヤが近位に引かれると、クロス部材およびリングが近位に引かれて顎部が閉じる。
【0021】
リングが溝内に嵌め込まれると、制御ワイヤに張力を加えても、制御ワイヤがさらに近位に移動することはない。この張力が所定のレベルを超えると、拡大部の端部が制御ワイヤの残りの部分から裂けて離れる。この時点で、クリップは、クリップとアダプタとの間の界面によってのみ内視鏡に接続される。これにより、クリップとクリッピングされた組織との間の接続によってクリップがアダプタから離れるように内視鏡を近位に単に引き抜くことによって、クリップを内視鏡およびアダプタから完全に分離することができる。これにより、以下でより詳細に説明するように、標的組織上におけるクリッピング位置にクリップを残して、内視鏡およびアダプタを身体から取り除くことができる。
【0022】
具体的には、
図1~
図3Cに示されるように、例示的な実施形態による組織欠損および/または穿孔を処置するためのクリッピングシステム100は、アダプタ118に結合されたクリップ116を有するクリップアセンブリ110を備える。クリップ116が結合されたアダプタ118は、内視鏡102の遠位端上に取り付け可能に構成されている。当業者は、クリップ116およびアダプタ118が異なるモデルの内視鏡に対応するように異なるサイズおよび形状で作製され得ることを理解し得る。また、クリップ116およびアダプタ118は、任意の他のタイプの可撓性または剛性を有する挿入装置に適合するようにサイズおよび形状が設定され得る。アダプタ118は、内視鏡102の内視鏡シャフト108の遠位端112上で摺動し、例えば、摩擦嵌合によりシャフト108上に維持される。クリップ116は、顎部120a,120bが
図1のようなシャフト108の遠位端を越えて遠位に延在するように、アダプタ118の遠位端上に取り付けられる。クリップ116は、クリップ116の顎部120a,120bが互いに離間してそれらの間に組織を受容するための挿入形態(
図2Aおよび
図3A)と、クリップ116の顎部120a,120bが閉じてクリップ116内に引き込まれた組織を把持するための初期配置形態(
図2Bおよび
図3C)との間で移動可能とされる。初期配置形態では、顎部120a,120bは閉じられているかまたは部分的に閉じられているが、クリップ116を再度位置決めすることが望まれる場合には、再度開放することが可能である。顎部120a,120bの各々は、当業者ならば理解し得るように、それらの間に標的組織を把持するために、例えば歯または粗面などの把持機構132を任意で含む。
【0023】
クリップ116は本体305を含み、本体305は、本体305の近位面304から近位に延在する環状突起302(
図3Bおよび
図3C)を有する。環状突起302は、クリップ116をアダプタ118に解放可能に結合するべくアダプタ118の遠位面308に形成された対応する環状溝306内に挿入可能に構成されている。一実施形態において、アダプタ118およびクリップ116は、クリップ116がアダプタ118に対して自由に回転可能とされるように互いに嵌合されている。これにより、内視鏡102の除去中に内視鏡102が回転されても、配置されたクリップが不用意に回転されないようにすることができる。したがって、内視鏡102に加えられる回転力は、クリップ116およびクリッピングされた組織には伝達されない。
【0024】
この実施形態におけるクリップ116は、コンプライアント材料で形成されたモノリシック構造を有しており、組織を受け入れるために顎部120a,120bが離間した状態の挿入形態に向かって付勢されている。このようなコンプライアント材料としては、例えば、プラスチック、ニチノール、コンプライアント金属などを挙げることができる。当業者であれば、クリップ116は単一体として形成されてもよいし、例えば溶接によって互いに接合された別個の要素から構成されてもよいことを認識し得る。クリップ116の顎部120a,120bの各々は、外側アーム125aと、外側アーム125aに対して径方向内側に配置された内側アーム125bとを含む。顎部120a,120bの外側アーム125aの各々は、本体305に結合された近位端から、把持機構132で終端する遠位端まで延在している。顎部120a,120bの内側アーム125bの各々は、中央体121のリング122に結合された近位端から、同様に把持機構部132で終端する遠位端まで延在している。
【0025】
外側アーム125aおよび内側アーム125bは、それらの遠位端において把持機構132で結合されている。顎部120a,120bの各々は、外側アーム125aと内側アーム125bとの間に延在する支持要素126を含む。外側アーム125aおよび内側アーム125bの各々は、把持機構132の把持面積を増加させるために、把持機構132に近接して広い幅を有する遠位部127(
図2B)を含む。
【0026】
内側アーム125bは、中央体121の近位または遠位への移動により内側アーム125bを近位や遠位に移動させて顎部120a,120bを互いに接近させたり互いに離間させたりするように移動させることでクリップを挿入形態と配置形態との間で遷移させるように、中央体121に結合されている。本体305は移動しないため、外側アーム125aの近位端の近位または遠位への動きはない。一方、リング122の移動に伴い内側アーム125bが近位に移動すると、外側アーム125aの遠位端が内側に曲げられることにより、それら外側アーム125aの遠位端が、
図3Bおよび
図3Cに示されるように、ともに配置形態となる。中央体121が遠位に移動すると、内側アーム125bが遠位に押されて、外側アーム125aがそれらの初期形状に復帰可能とされることで、顎部120a,120bの遠位端は挿入形態における互いから離間する状態となる。支持要素126は、外側アーム125aが曲げられるときに外側アーム125aと内側アーム125bとの間の距離を維持するとともに、顎部120a,120bを挿入形態に向かって付勢するように構成されている。
【0027】
中央体121の移動を制御するために、制御ワイヤ114は、ハンドル部分104からクリップアセンブリ110まで遠位に延在して、中央体121の結合部123に係合している。制御ワイヤ114は、結合部123に形成された開口部312を通過するとともに、制御ワイヤ114の遠位端に拡大部310(
図3C)を含む。拡大部310は、開口部312よりも大きい直径を有しており、この拡大部が開口部312を通って近位に移動できないように開口部312の遠位に配置されている。結合部123は、結合部123からリング122まで径方向外側に延在する1つまたは複数のリブ314を介してリング122に結合されている。制御ワイヤ114の近位への移動により、拡大部310が結合部123に対して押し付けられることで、中央体121がアダプタ118に対して近位に引っ張られて上述のように顎部120a,120bが閉じられる。
【0028】
クリップ116の顎部120a,120bは開位置(挿入形態)に向かって付勢されているので、ワイヤ114を解放することにより、顎部120a,120bは付勢された開位置に戻ることができる。上述したように、操作者は、内視鏡102を操作することで、クリップ116をクリッピング対象の標的組織に隣接して位置決めすることができる。次いで、操作者は、組織を(例えば、内視鏡102の作業チャネルを通して吸引または把持ツールを適用することによって)顎部120a,120b間の空間内に引き込み、内視鏡102の視覚システムを使用してクリップとクリッピングされた組織とを視認しながら顎部120a,120bを部分的に閉鎖し得る。クリップ116が適切に位置決めされていないと操作者が判断した場合、操作者は、制御ワイヤ114を解放することでクリップ116を再び開いて組織を解放することができる。
【0029】
次いで、内視鏡102が再配置され得る。このプロセスは、部分的に閉じられた顎部120a,120bの間に所望の組織が適切に把持されていることを操作者が観察するまで繰り返され得る。この時点で、操作者は、拡大部が制御ワイヤ114の残りの部分から分離させる所定の張力に達するまで(例えば、ハンドル部分104上のアクチュエータを利用して)制御ワイヤ114にさらなる張力を加える。これにより、クリップ116が制御ワイヤ114から解放され、クリップ116がクリッピングされた組織上で閉状態に固定される。次いで、操作者は、内視鏡102を近位に引き込んで、クリップ116をアダプタ118および内視鏡102から分離し得る。その結果、クリップ116を標的組織に対してクリッピングされた位置に残しつつ、内視鏡102およびアダプタ118を身体から取り除くことができる。
【0030】
上述したように、一実施形態において、クリップ116は、アダプタ118を介して内視鏡102に取り付けられる。アダプタ118は、この実施形態では、標準的な内視鏡102の内視鏡シャフト108の遠位端112上に取り付け可能となるようにサイズおよび形状が設定されているが、当業者ならば理解し得るように、アダプタ118は、クリッピング対象の組織が位置する体内の標的部位にアクセスするのに適切な任意の(可撓性または剛性を有する)挿入装置の遠位端上に取り付け可能となるようにサイズおよび形状が設定され得る。この実施形態におけるアダプタ118は、内視鏡の遠位端上に取り付け可能となるようにサイズおよび形状が設定された実質的に管状の構造である。アダプタ118は、アダプタ18を貫通するチャネルを含む。このチャネルは、アダプタ118が内視鏡上に取り付けられるときに内視鏡の長手方向軸に実質的に位置合わせされるとともに、アダプタ118が内視鏡の遠位端に取り付けられたときに内視鏡の光学システムの視野の閉塞が最小限に抑えられるように内視鏡の遠位端から離れて延在している。一実施形態において、アダプタ118は、内視鏡の相似形状に一致するように、断面が実質的に円形である。
【0031】
しかしながら、当業者ならば理解し得るように、内視鏡が非円形(例えば、楕円形)である場合、アダプタは、例えば、内視鏡の遠位端との摩擦嵌合をもたらすようにサイズおよび形成が適宜設定され得る。この実施形態における中央体121は、例えば、組織把持器などのツールの通過を可能とするように、結合部123とリング122との間に配置される1つまたは複数の空間316を含む。1つまたは複数の空間316は、内視鏡の光学システムの視野の閉塞を最小限にするように構成されている。
【0032】
この実施形態における内視鏡シャフト108の近位端111はハンドル部分104を含む。このハンドル部分104は、例えば身体管腔(例えば、胃腸管)を通じて、可撓性の内視鏡をクリッピング対象の標的組織に隣接する標的部位まで誘導するために、医師または他のユーザにより使用され得る。当業者ならば理解し得るように、この実施形態における内視鏡シャフト108は、身体管腔の蛇行した経路を通じて挿入されるのに十分な可撓性を有しており、したがって、内視鏡を通じてまたは内視鏡に沿ってクリップ116まで延在するこのシステムの構成要素のすべても、標的部位へのこの挿入を可能とするのに十分な可撓性を有している。
【0033】
この実施形態におけるクリップ116の本体305は、クリップ116が配置形態にあるときにリング122を固定可能に受容するように構成された環状溝318を含む。制御ワイヤ114が特定の点を越えて近位に移動すると、リング122が環状溝318内に押し込まれる。環状溝318は、その最遠位端に、リング122の直径よりも小さい直径を有する縮径部320を含む。クリップ116はコンプライアント材料で形成されているため、リング122は、縮径部320を通過するように押し込まれることで環状溝318内に嵌め込まれて環状溝318内に固定される。リング122が環状溝318内に固定されることで、顎部120a,120bが配置形態に保持される。制御ワイヤ114のさらなる近位移動によってリング122が環状溝318よりもさらに近位に移動しないようにするために、1つまたは複数の止め部322(
図3Cでは3つ示される)が環状溝318に隣接して設けられており、この止め部322は、環状溝318よりも近位におけるクリップ116の内面から径方向内側に延在している。
【0034】
1つまたは複数の止め部322は、リング122が環状溝318よりもさらに近位に移動することを防止するための堅固な止め部(hard stop)として機能する。この結果、リング122が環状溝318内に嵌め込まれた後、制御ワイヤ114のさらなる近位への移動が防止され、制御ワイヤ114に加えられる追加の張力が最終的に拡大部310を制御ワイヤ114の残りの部分から分離するレベルまで上昇すると、クリップ116がアダプタ118から分離される。内視鏡102およびアダプタ118は、その後、配置されたクリップ116を残しつつ、取り外すことができる。操作者は、ハンドル部分104内の作動装置を使用することで、ワイヤ114の動きを所望に制御することができる。
【0035】
本開示の範囲から逸脱することなく、本開示において様々な変形が行われ得ることが当業者には明らかである。さらに、当業者であれば、様々な実施形態のいずれかの特徴が、実施形態の説明および/または機能と矛盾しない任意の方法で組み合わされ得ることを理解し得る。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織を処置するためのクリッピングシステムであって、
挿入装置の遠位端上に取り付け可能に構成された近位端から遠位端まで長手方向に延在するアダプタであって、前記アダプタの遠位面に形成された第1の環状溝を有する前記アダプタと、
クリップであって、(i)本体と、(ii)結合部とリングとを有する中央体と、(iii)外側アーム近位端で前記本体に結合された外側アームと、前記外側アームの径方向内側に配置されるとともに、内側アーム近位端で前記リングに結合された内側アームとを有する第1および第2の顎部と、を含む前記クリップと、
を備え、
前記本体は、前記本体の近位面から近位に延在する環状突起を含み、前記環状突起は、前記クリップを前記アダプタに結合するために前記アダプタの前記第1の環状溝内に挿入可能に構成されており、
前記クリップの軸に沿った前記中央体の移動により、前記第1および第2の顎部が互いに離間してそれらの間に組織を受容するための挿入形態と、前記第1および第2の顎部が互いに引き寄せられてそれらの間に組織を把持するための配置形態との間の前記第1および第2の顎部の移動が引き起こされる、クリッピングシステム。
【請求項2】
前記クリップは、コンプライアント材料で形成されたモノリシック構造を有する、請求項1に記載のクリッピングシステム。
【請求項3】
前記コンプライアント材料がニチノールである、
請求項2に記載のクリッピングシステム。
【請求項4】
前記第1および第2の顎部は、前記挿入形態に向かって付勢されている、
請求項1に記載のクリッピングシステム。
【請求項5】
前記中央体の近位移動により、前記内側アームの対応する近位移動を引き起こして前記外側アームを前記配置形態に向かって内側に屈曲させるように構成されている、
請求項1に記載のクリッピングシステム。
【請求項6】
前記クリップの前記本体は、前記クリップが前記配置形態にあるときに前記リングを受容するように構成された第2の環状溝を含む、
請求項1~5のうちのいずれか一項に記載のクリッピングシステム。
【請求項7】
前記第2の環状溝の最遠位部の第1の直径は、前記リングの第2の直径よりも小さく、前記リングは、前記第2の環状溝の前記最遠位部を越えて近位に押し込まれた後に前記第2の環状溝内に嵌め込まれるように構成されている、
請求項6に記載のクリッピングシステム。
【請求項8】
組織を処置するためのクリッピングシステムであって、
近位端から遠位端まで長手方向に延在するシャフトと、前記近位端から前記遠位端まで延在するワイヤとを含む内視鏡であって、前記ワイヤが前記ワイヤの遠位端に拡大部を含む前記内視鏡と、
前記内視鏡の前記シャフトの前記遠位端上に取り付けられた近位部と、前記近位部から遠位に延在する遠位部とを含むアダプタと、
クリップであって、(i)本体と、(ii)結合部とリングとを有する中央体と、(iii)外側アーム近位端で前記本体に結合された外側アームと、前記外側アームの径方向内側に配置されるとともに、内側アーム近位端で前記リングに結合された内側アームとを有する第1および第2の顎部と、を含む前記クリップと、
を備え、
前記本体は、前記本体の近位面から近位に延在する環状突起を含み、前記環状突起は、前記クリップを前記アダプタに結合するために前記アダプタの第1の環状溝内に挿入可能に構成されており、
前記ワイヤは前記結合部に形成された開口部を貫通しており、前記ワイヤの前記拡大部は前記開口部よりも遠位に位置しており、
前記開口部の直径は、前記ワイヤの前記拡大部の直径よりも小さく、
前記ワイヤの近位および遠位への移動により、前記クリップの軸に沿った前記中央体の対応する移動が引き起こされ、
前記クリップの前記軸に沿った前記中央体の移動により、前記第1および第2の顎部が互いに離間してそれらの間に組織を受容するための挿入形態と、前記第1および第2の顎部が互いに引き寄せられてそれらの間に組織を把持するための配置形態との間の前記第1および第2の顎部の移動が引き起こされる、クリッピングシステム。
【請求項9】
前記クリップは、コンプライアント材料で形成されたモノリシック構造を有する、請求項8に記載のクリッピングシステム。
【請求項10】
前記コンプライアント材料がニチノールである、
請求項9に記載のクリッピングシステム。
【請求項11】
前記第1および第2の顎部は前記挿入形態に向かって付勢されており、
前記ワイヤの近位への移動により、前記結合部への前記ワイヤの前記拡大部の当接、前記結合部の近位への移動、ならびに前記配置形態に向けての前記第1および第2の顎部の移動が引き起こされ、
前記ワイヤの解放により、前記挿入形態への前記第1および第2の顎部の復帰が可能とされる、
請求項8に記載のクリッピングシステム。
【請求項12】
前記中央体の近位移動により、前記内側アームの対応する近位移動を引き起こして前記外側アームを前記配置形態に向かって内側に屈曲させるように構成されている、
請求項8に記載のクリッピングシステム。
【請求項13】
前記クリップの前記本体は、前記クリップが前記配置形態にあるときに前記リングを受容するように構成された第2の環状溝を含む、
請求項8~12のうちのいずれか一項に記載のクリッピングシステム。
【請求項14】
前記第2の環状溝の最遠位部の第1の直径は、前記リングの第2の直径よりも小さく、前記リングは、前記第2の環状溝の前記最遠位部を越えて近位に押し込まれた後に前記第2の環状溝内に嵌め込まれるように構成されている、
請求項13に記載のクリッピングシステム。
【国際調査報告】