IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッドの特許一覧

特表2024-528005複数の状態を有する電気穿孔カテーテルのための電場可視化
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】複数の状態を有する電気穿孔カテーテルのための電場可視化
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/32 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
A61N1/32
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505106
(86)(22)【出願日】2022-07-27
(85)【翻訳文提出日】2024-03-21
(86)【国際出願番号】 US2022038431
(87)【国際公開番号】W WO2023009569
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】63/226,075
(32)【優先日】2021-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】グトブロト、サラ アール.
(72)【発明者】
【氏名】クープ、ブレンダン イー.
(72)【発明者】
【氏名】オリニク、ダスティン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】グッゲンベルガー、カート エドモンド
(72)【発明者】
【氏名】カウフスマン、ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】マイヤーホーファー、エドワード ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ダーブール、ローレン
(72)【発明者】
【氏名】デドコフ、ドミトリー
(72)【発明者】
【氏名】ディミトロフ、ペーター
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053JJ02
4C053JJ11
4C053JJ23
(57)【要約】
電極アセンブリおよび1つ以上の状態を有するカテーテルを含む、電気穿孔アブレーションのためのシステム。電極アセンブリは、カテーテルが異なる状態にあるとき、異なる形状であってもよい。コントローラは、電場の1つ以上のモデルに基づいて、カテーテルが異なる状態にあるときに電極アセンブリによって生成される電場のグラフィカル表現を生成するように構成される。いくつかの実施形態では、コントローラは、患者の解剖学的マップ上に1つ以上の電場のグラフィカル表現を重ね合わせるように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極アセンブリおよび複数の状態を含むカテーテルであって、前記カテーテルが前記複数の状態のうちの第1の状態にあるときに前記電極アセンブリが第1の形状を有し、前記カテーテルが前記複数の状態のうちの第2の状態にあるときに前記電極アセンブリが第2の形状を有し、前記第2の形状が前記第1の形状とは異なり、前記電極アセンブリが複数の電極を含む、カテーテルと、
コントローラであって、
電場の第1のモデルに基づいて、前記カテーテルが前記第1の状態にあり、標的場所に近接して展開されるとき、前記複数の電極によって生成される電気穿孔の閾値を超える第1の電場の第1のグラフィカル表現を生成し、
電場の第2のモデルに基づいて、前記カテーテルが前記第2の状態にあり、前記標的場所に近接して展開されるとき、前記複数の電極によって生成される電気穿孔の閾値を超える第2の電場の第2のグラフィカル表現を生成し、
グラフィカルユーザインターフェースにおいて、前記第1の電場の前記第1のグラフィカル表現および前記第2の電場の前記第2のグラフィカル表現を、前記標的場所に近接する患者の解剖学的マップ上に重ね合わせるように構成される、コントローラとを備える、電気穿孔アブレーションのためのシステム。
【請求項2】
前記第2の形状は、前記第1の形状と類似しない、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第2の形状の体積は、前記第1の形状の体積よりも小さい、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記カテーテルは、長手方向軸線を画定するカテーテルシャフトを含み、前記電極アセンブリは、複数のスプラインと、近位端と、遠位端とを含み、前記複数の電極の少なくとも一部は、前記複数のスプライン上に配置され、前記電極アセンブリの前記近位端は、前記カテーテルシャフトから延在する、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記複数のスプラインの各スプラインは、前記カテーテルが前記第1の状態にあるときに、前記電極アセンブリの前記遠位端と前記近位端との間で前記長手方向軸線の周りに曲線状に配置される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記複数のスプラインは、前記カテーテルが前記第2の状態にあるとき、花弁様曲線に配置される、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記コントローラはさらに、前記第1の電場の前記第1のグラフィカル表現と前記第2の電場の前記第2のグラフィカル表現との間の差の表示を生成するように構成される、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の電場の前記第1のグラフィカル表現は、1つ以上の第1のエリアを含み、前記1つ以上の第1のエリア内の前記第1の電場の電場強度の大きさは、所定の閾値よりも大きい、請求項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記第2の電場の前記第2のグラフィカル表現は、1つ以上の第2のエリアを含み、前記1つ以上の第2のエリア内の前記第2の電場の電場強度の大きさは、所定の閾値よりも大きい、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1のグラフィカル表現は、前記カテーテルの第1の表現を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記コントローラはさらに、
前記カテーテルの第2の表現と、前記カテーテルによって行われる電気穿孔アブレーションの1つ以上の治療セッションの表示とを含む、ソフトウェアウィジェットを生成し、
前記ソフトウェアウィジェットを前記グラフィカルユーザインターフェースに提示するように構成され、
前記ソフトウェアウィジェットは、前記1つ以上の治療セッションのうちある治療セッションを識別する表示を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
コントローラによって、電場の第1のモデルに基づいて、第1の状態にあるカテーテル上の電極を使用して生成された第1の電場の第1のグラフィカル表現を生成するステップであって、前記カテーテルは、前記カテーテルが前記第1の状態にあるときに第1の形状を有する電極アセンブリを含む、ステップと、
ディスプレイ上に、前記電場の前記第1のグラフィカル表現および標的場所に近接する患者の解剖学的マップを提示するステップと、
コントローラによって、電場の第2のモデルに基づいて、第2の状態にあるカテーテル上の電極を使用して生成された第2の電場の第2のグラフィカル表現を生成するステップであって、前記カテーテルは、前記カテーテルが前記第2の状態にあるときに第2の形状を有する電極アセンブリを含み、前記第2の形状は、前記第1の形状とは異なる、ステップと、
前記ディスプレイ上に、前記電場の前記第2のグラフィカル表現および前記標的場所に近接する前記解剖学的マップを提示するステップとを含む、電気穿孔によるアブレーションを計画する方法。
【請求項13】
前記第2の形状が前記第1の形状と類似しない、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の電場の前記第1のグラフィカル表現と前記第2の電場の前記第2のグラフィカル表現との間の差の表示を生成するステップをさらに含む、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記カテーテルの第2の表現、および前記カテーテルによって行われる電気穿孔アブレーションの1つ以上の治療セッションの表示を含む、ソフトウェアウィジェットを生成するステップと、
前記ディスプレイ上に、前記ソフトウェアウィジェットを提示するステップとをさらに含む、請求項12~14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、患者の組織をアブレーションするための医療システムおよび方法に関する。より具体的には、本開示は、電気穿孔による組織のアブレーションのための医療システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アブレーション処置は、患者における多くの異なる状態を治療するために使用される。アブレーションは、心不整脈、良性腫瘍、がん性腫瘍を治療するため、および手術中の出血を制御するために使用され得る。通常、アブレーションは、高周波(RF)アブレーションおよびクライオアブレーションを含む熱的アブレーション技術によって達成される。RFアブレーションでは、プローブが患者に挿入され、高周波の波がプローブを介して周囲の組織に伝送される。高周波の波は熱を発生させ、熱は周囲の組織を破壊し、血管を焼灼する。クライオアブレーションでは、中空針またはクライオプローブが患者に挿入され、低温の熱伝導性流体がプローブを通って循環されることで周囲の組織を凍結して死滅させる。RFアブレーションおよびクライオアブレーション技術は、細胞壊死を通じて組織を無差別に死滅させるが、これは、食道内の組織、横隔神経細胞、および冠動脈内の組織などの、そうでなければ健康な組織を損傷または死滅させることがある。
【0003】
別のアブレーション技術は、電気穿孔を使用する。電気穿孔または電気透過処理では、電場を細胞に印加して細胞膜の透過性を増加させる。電気穿孔は、電場の強度によって、可逆的または不可逆的であり得る。電気穿孔が可逆的である場合、細胞膜の増加した透過性は、細胞が治癒および回復する前に、化学物質、薬物、および/またはデオキシリボ核酸(DNA)を細胞に導入するために使用され得る。電気穿孔が不可逆的である場合、影響を受けた細胞はアポトーシスによって死滅する。
【0004】
不可逆的電気穿孔は、非熱的アブレーション技術として使用され得る。不可逆的電気穿孔では、一連の短い高電圧パルスを使用して、アポトーシスによって細胞を死滅させるのに十分強い電場を発生させる。心臓組織のアブレーションでは、不可逆的電気穿孔は、RFアブレーションおよびクライオアブレーションなどの熱的アブレーション技術による無差別な死滅に対する安全かつ有効な代替手段であり得る。不可逆的電気穿孔は、標的組織を死滅させるが、非標的心筋組織、赤血球、血管平滑筋組織、内皮組織、および神経細胞などの他の細胞または組織を永久的に損傷しない電場強度および持続時間を使用することによって、心筋組織などの標的組織を死滅させるために使用され得る。不可逆的電気穿孔アブレーション処置を計画することは、可逆的に電気穿孔されたのとは対照的に、どの組織が不可逆的に電気穿孔されたかを示す急性可視化やデータの欠如により、困難であり得る。組織の回復は、アブレーションが完了した後、数分、数時間、または数日にわたって生じ得る。
【発明の概要】
【0005】
例1では、電気穿孔アブレーションのためのシステムは、電極アセンブリおよび複数の状態を含むカテーテルを備え、電極アセンブリは、カテーテルが複数の状態のうちの第1の状態にあるときに第1の形状を有し、電極アセンブリは、カテーテルが複数の状態のうちの第2の状態にあるときに第2の形状を有する。第2の形状は、第1形状と異なってもよく、電極アセンブリは、複数の電極を含んでもよい。電気穿孔アブレーションのためのシステムはさらに、電場の第1のモデルに基づいて、カテーテルが第1の状態にあり、標的場所に近接して展開されるとき、複数の電極によって生成される第1の電場の第1のグラフィカル表現を生成するように構成される、コントローラを備える。コントローラはさらに、電場の第2のモデルに基づいて、カテーテルが第2の状態にあり、標的場所に近接して展開されるとき、複数の電極によって生成される第2の電場の第2のグラフィカル表現を生成し、グラフィカルユーザインターフェースにおいて、標的場所に近接する患者の解剖学的マップ上に、第1の電場の第1のグラフィカル表現および第2の電場の第2のグラフィカル表現を重ね合わせるように構成されてもよい。
【0006】
例2では、例1のシステムにおいて、第2の形状は、第1の形状とは類似しない。
例3では、例1のシステムにおいて、第2の形状は、体積が第1の形状よりも小さい。
例4では、例1~3のいずれかのシステムにおいて、カテーテルは、長手方向軸線を画定するカテーテルシャフトを含み、電極アセンブリは、複数のスプラインと、近位端と、遠位端とを含み、複数の電極の少なくとも一部は、複数のスプライン上に配置され、電極アセンブリの近位端は、カテーテルシャフトから延在する。
【0007】
例5では、例4のシステムにおいて、複数のスプラインの各スプラインは、カテーテルが第1の状態にあるときに、電極アセンブリの遠位端と近位端との間で長手方向軸線の周りに曲線状に配置される。
【0008】
例6では、例4のシステムにおいて、複数のスプラインは、カテーテルが第2の状態にあるとき、花弁様曲線に配置される。
例7では、例1~6のいずれかのシステムにおいて、コントローラは、第1の電場の第1のグラフィカル表現と第2の電場の第2のグラフィカル表現との間の差の表示を生成するようにさらに構成される。
【0009】
例8では、例1~7のいずれかのシステムにおいて、第1の電場の第1のグラフィカル表現は、1つ以上の第1のエリアを含み、1つ以上の第1のエリア内の第1の電場の電場強度は、大きさが所定の閾値よりも大きい。
【0010】
例9では、例8のシステムにおいて、第2の電場の第2のグラフィカル表現は、1つ以上の第2のエリアを含み、1つ以上の第2のエリア内の第2の電場の電場強度の大きさは、所定の閾値より大きい。
【0011】
例10では、例1~9のいずれかのシステムにおいて、第1のグラフィカル表現は、カテーテルの第1の表現を含む。
実施例11では、実施例1~10のいずれかのシステムにおいて、コントローラは、カテーテルの第2の表示と、カテーテルによって行われる電気穿孔アブレーションの1つ以上の治療セッションの表示とを含むソフトウェアウィジェットを生成し、ソフトウェアウィジェットをグラフィカルユーザインターフェースに提示するようにさらに構成される。いくつかの例では、ソフトウェアウィジェットは、1つ以上の治療セッションのうちある治療セッションを識別する表示を含む。
【0012】
例12では、電気穿孔によるアブレーションを計画する方法は、コントローラによって、かつ電場の第1のモデルに基づいて、第1の状態にあるカテーテル上の電極を使用して生成される第1の電場の第1のグラフィカル表現を生成するステップであって、カテーテルは、カテーテルが第1の状態にあるときに第1の形状を有する電極アセンブリを含む、ステップと、電場の第1のグラフィカル表現および標的場所に近接する患者の解剖学的マップをディスプレイ上に提示するステップと、コントローラによって、かつ電場の第2のモデルに基づいて、第2の状態にあるカテーテル上の電極を使用して生成される第2の電場の第2のグラフィカル表現を生成するステップであって、カテーテルは、カテーテルが第2の状態にあるときに第2の形状を有する電極アセンブリを含み、第2の形状は第1の形状とは異なる、ステップと、ディスプレイ上に、電場の第2のグラフィカル表現および標的場所に近接する解剖学的マップを提示するステップとを含む。
【0013】
例13では、例12の方法において、第2の形状は第1の形状とは類似しない。
例14では、例12または13のいずれかの方法において、第1の電場の第1のグラフィカル表現と第2の電場の第2のグラフィカル表現との間の差の表示を生成するステップをさらに含む。
【0014】
例15では、実施例12~14のいずれかの方法において、カテーテルの第2の表現と、カテーテルによって行われる電気穿孔アブレーションの1つ以上の治療セッションの表示とを含むソフトウェアウィジェットを生成するステップと、ソフトウェアウィジェットをディスプレイ上に提示するステップとをさらに含む。
【0015】
例16では、電気穿孔アブレーションのためのシステムは、複数の電極を有するカテーテルと、カテーテルの表現およびカテーテルによって行われる電気穿孔アブレーションの1つ以上の治療セッションの表示を含むソフトウェアウィジェットを生成し、ソフトウェアウィジェットをグラフィカルユーザインターフェースに提示するように構成されたコントローラとを備える。いくつかの例では、ソフトウェアウィジェットは、1つ以上の治療セッションのうちある治療セッションを識別する表示を含む。
【0016】
例17では、例16のシステムにおいて、コントローラは、電場のモデルに基づいて、複数の電極の電場のグラフィカル表現を生成し、複数の電極の電場のグラフィカル表現を表示するようにさらに構成される。
【0017】
例18では、例16または17のいずれかのシステムにおいて、ソフトウェアウィジェットは、カテーテルの断面図を含む。
例19では、例16~18のいずれかのシステムにおいて、ソフトウェアウィジェットは、カテーテルのカテーテル軸線と電気穿孔アブレーションの標的アブレーションエリアの標的軸線との間の軸線方向関係を表すアライメントインジケータを含む。
【0018】
例20では、例16~19のいずれかのシステムにおいて、カテーテルの表現は、第1の時間におけるカテーテルの第1の表現と、第2の時間におけるカテーテルの第2の表現とを含む。
【0019】
例21では、例20のシステムにおいて、第1の表現および第2の表現は、第1の時間におけるカテーテルと第2の時間におけるカテーテルとの間の差異を示し、差異は、形状の差異、回転角度の差異、電場強度の差異、および場所の差異のうちの少なくとも1つを含む。
【0020】
例22では、例16~21のいずれかのシステムにおいて、ソフトウェアウィジェットは、複数の電極によって生成される電場を表す電場表示をさらに含む。
複数の実施形態が開示されているが、本発明のさらに他の実施形態は、本発明の例示的な実施形態を示し説明する以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。したがって、図面および詳細な説明は、本質的に例示的なものであり、限定的なものではないとみなされたい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本開示の主題の実施形態による、電気生理学システムを使用して患者を治療するための、および患者の心臓を治療するための例示的な臨床設備を示す図である。
図2A】本開示の主題の実施形態による、不可逆的電気穿孔によるアブレーションを含む電気穿孔に使用することができるカテーテルを示す概略図である。
図2B】本開示の主題の実施形態による、不可逆的電気穿孔によるアブレーションを含む電気穿孔に使用することができるカテーテルを示す概略図である。
図3A】本開示の主題の実施形態による、不可逆的電気穿孔によるアブレーションを含む電気穿孔に使用することができるカテーテルを示す概略図である。
図3B】本開示の主題の実施形態による、不可逆的電気穿孔によるアブレーションを含む電気穿孔に使用することができるカテーテルを示す概略図である。
図3C】本開示の主題の実施形態による、不可逆的電気穿孔によるアブレーションを含む電気穿孔に使用することができるカテーテルを示す概略図である。
図4A】本開示の主題の実施形態によるグラフィカルユーザインターフェースの例を示す図である。
図4B】本開示の主題の実施形態によるグラフィカルユーザインターフェースの例を示す図である。
図5A】本開示の主題の実施形態による、アブレーション治療の計画および/または実施を容易にするソフトウェアウィジェットを示す。
図5B】本開示の主題の実施形態による、アブレーション治療の計画および/または実施を容易にするソフトウェアウィジェットを示す。
図5C】本開示の主題の実施形態による、アブレーション治療の計画および/または実施を容易にするソフトウェアウィジェットを示す。
図6A】本開示の主題の実施形態による、並んで表示されたソフトウェアウィジェットおよび電場のグラフィカル表現を示す図である。
図6B】本開示の主題の実施形態による、並んで表示されたソフトウェアウィジェットおよび電場のグラフィカル表現を示す図である。
図7A】電極アセンブリを含むカテーテルによって生成される、様々な強度を伴う電場の例を示す。
図7B】電極アセンブリを含むカテーテルによって生成される、様々な強度を伴う電場の例を示す。
図8】本開示の主題の実施形態による、不可逆的電気穿孔によるアブレーションを計画する方法を示すフローチャート図である。
【0022】
本発明は、様々な修正形態および代替形態を受け入れることができるが、特定の実施形態が図面において例として示されており、以下で詳細に説明されている。しかしながら、その意図は、本発明を説明される特定の実施形態に限定することではない。むしろ、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に入るすべての修正形態、均等物、および代替形態を包含するものとする。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の詳細な説明は、本質的に例示的なものであり、本発明の範囲、適用性、または構成を限定することを意図するものでは決してない。むしろ、以下の説明は、本発明の例示的な実施形態を実装するためのいくつかの実際的な例示を提供する。構成、材料、および/または寸法の例は、選択された要素に対して提供される。当業者は、言及される例の多くが様々な適切な代替形態を有することを認識するであろう。
【0024】
有形物(例えば、製品、在庫など)および/または無形物(例えば、データ、通貨の電子表現、アカウント、情報、物の部分(例えば、パーセンテージ、分数)、計算、データモデル、動的システムモデル、アルゴリズム、パラメータなど)の測定値(例えば、寸法、特性、属性、構成要素など)およびそれらの範囲に関して本明細書で使用される用語として、「約」および「およそ」は、言及された測定値を含み、言及された測定値に適度に近いが、測定誤差、測定および/または製造機器較正の差、測定値の読み取りおよび/または設定におけるヒューマンエラー、他の測定値(例えば、他のものに関連する測定値)を考慮して性能および/または構造パラメータを最適化するために行われる調整、特定の実装シナリオ、人、コンピュータ装置、および/または機械による物、設定、および/または測定値の不正確な調整および/または操作、システム公差、制御ループ、機械学習、予測可能な変動(例えば、統計的に有意でない変動、カオス的変動、システムおよび/またはモデル不安定性など)、選好などに起因すると当業者によって理解され容易に確認されるような適度に小さい量だけ異なり得る任意の測定値も含む測定値を指すために互換的に使用され得る。
【0025】
例示的な方法は、1つ以上の図面(たとえば、フロー図、通信フローなど)によって表され得るが、図面は、本明細書で開示される様々なステップの任意の要件、またはそれらの間の特定の順序を示唆するものとして解釈されるべきではない。しかしながら、特定のいくつかの実施形態は、本明細書で明示的に説明され得るように、および/またはステップ自体の性質から理解され得るように(例えば、いくつかのステップの性能は、前のステップの結果に依存し得る)、特定のステップおよび/または特定のステップ間の特定の順序を必要とし得る。加えて、項目(例えば、入力、アルゴリズム、データ値など)の「セット」、「サブセット」、または「グループ」は、1つ以上の項目を含んでもよく、同様に、項目のサブセットまたはサブグループは、1つ以上の項目を含んでもよい。「複数」とは、1つより多くを意味する。
【0026】
本明細書で使用される場合、「に基づく」という用語は、限定的であることを意味せず、むしろ、少なくとも「に基づく(based on)」に続く用語を入力として使用することによって、決定、識別、予測、計算などが実行されることを示す。例えば、特定の情報に基づいて結果を予測することは、追加的に又は代替的に、同じ決定を別の情報に基づかせることができる。
【0027】
不可逆的電気穿孔(IRE)は、高電圧の短い(例えば、100マイクロ秒以下)パルスを使用して、アポトーシスによって細胞を死滅させる。IREは、心筋を死滅させるために標的化され得、食道血管平滑筋および内皮を含む他の隣接組織を傷つけない。IRE治療は、複数の治療セクションで送達されてもよい。治療セクション(例えば、10ミリ秒の持続時間)は、電気穿孔発生器によって電力供給される電気穿孔装置によって生成および送達される複数の電気パルス(例えば、20パルス、30パルスなど)を含んでもよい。
【0028】
図1は、本開示の主題の実施形態による、電気生理学システム50を使用して患者20を治療するための、および患者20の心臓30を治療するための例示的な臨床設備10を示す図である。電気生理学システム50は、電気穿孔装置60と、ディスプレイ92と、任意選択の場所特定場発生器80とを含む。また、臨床設備10は、撮像機器94(Cアームによって表される)などの追加の機器と、オペレータが電気生理学システム50の様々な態様を制御することを可能にするように構成された様々なコントローラ要素とを含む。当業者によって理解されるように、臨床設備10は、図1に示されていない他の構成要素および構成要素の配置を有してもよい。
【0029】
電気穿孔装置60は、電気穿孔カテーテル105と、導入器シース110と、コントローラ90と、電気穿孔発生器130とを含む。実施形態では、電気穿孔装置60は、患者の心臓30における標的組織に電場エネルギーを送達して組織アポトーシスを生じさせ、組織が電気信号を伝導できないようにするように構成される。また、以下でより詳細に説明するように、電気穿孔装置60は、電場のモデルに基づいて、電気穿孔カテーテル105を使用して生成することができる電場のグラフィカル表現を生成し、ディスプレイ92上で、患者の心臓の解剖学的マップ上に電場のグラフィカル表現を重ね合わせることで、電気穿孔カテーテル105を使用した不可逆的電気穿孔によるアブレーションの計画(例えば、アブレーション処置の前および最中のアブレーションの計画)においてユーザを支援するように構成される。
【0030】
実施形態では、電気穿孔装置60は、電気穿孔カテーテル105の特性、および患者20の心臓30内などの患者20内の電気穿孔カテーテル105の位置に基づいて、電場のグラフィカル表現を生成するように構成される。実施形態では、電気穿孔装置60は、電気穿孔カテーテル105の特性、および患者20の心臓30内などの患者20内の電気穿孔カテーテル105の位置、および組織の測定されたインピーダンスなどのカテーテル105の周囲の特性に基づいて、電場のグラフィカル表現を生成するように構成される。
【0031】
コントローラ90は、電気穿孔装置60の機能的態様を制御するように構成される。実施形態では、コントローラ90は、電気パルス、例えば、電気パルスの大きさ、電気パルスのタイミングおよび持続時間を生成するように電気穿孔発生器130を制御するように構成される。実施形態では、電気穿孔発生器130はパルスシーケンスを発生させ、電気穿孔カテーテル105に供給するためのパルス発生器として動作可能である。
【0032】
実施形態では、導入器シース110は、それを通って電気穿孔カテーテル105が患者の心臓30の中の特定の標的部位に展開され得る送達導管を提供するように動作可能である。しかしながら、導入器シース110は、電気生理学システム50全体の状況を提供するために本明細書で図示および説明されていることが理解されよう。
【0033】
当業者によって理解されるように、図1に示される電気生理学システム50の描写は、システム50の様々な構成要素の全般的な概観を提供することを意図しており、本開示が構成要素のいずれかのセットまたは構成要素の配置に限定されることを示唆する意図は決してない。例えば、当業者は、追加のハードウェア構成要素、例えば、ブレークアウトボックス、ワークステーションなどが電気生理学システム50に含まれてもよく、含まれる可能性が高いことを容易に認識するであろう。
【0034】
図示の実施形態では、電気穿孔カテーテル105は、ハンドル105aと、シャフト105bと、電極アセンブリ150とを含む。ハンドル105aは、電極アセンブリ150を所望の解剖学的な場所に位置決めするためにユーザによって操作されるように構成される。シャフト105bは、遠位端105cを有し、全般的に、電気穿孔カテーテル105の長手方向軸線を画定する。示されるように、電極アセンブリ150は、シャフト105bの遠位端105cに、またはその近くに設置される。実施形態では、電極アセンブリ150は、電気穿孔発生器130に電気的に結合されて、電気パルスシーケンスまたはパルス列を受け取り、それによって、不可逆的電気穿孔によって標的組織をアブレーションするための電場を選択的に発生させる。
【0035】
実施形態では、図1に示されるように、電極アセンブリ150は、1つ以上の電極152を含む。電極152は、アブレーション電極、および任意選択で、マッピング電極を含んでもよい。いくつかの構成では、マッピング電極は、心腔の詳細な3次元幾何学的解剖学的マップまたは表現、ならびに関心のある心臓電気活動が幾何学的解剖学的マップ上に重ね合わされる電気解剖学的マップを生成し、ディスプレイ92によって表示するために使用されるように構成される。
【0036】
特定の実施形態では、電気穿孔カテーテル105は、電極アセンブリおよび複数の状態を有するカテーテルである。実施形態では、電極アセンブリは、カテーテル105が複数の状態のうちの第1の状態にあるときに第1の形状を有し、カテーテル105が複数の状態のうちの第2の状態にあるときに第2の形状を有する。電極アセンブリは、複数の電極を含む。いくつかの実施形態では、電極アセンブリの第2の形状は、第1の形状とは異なる。いくつかの実施形態では、電極アセンブリの第2の形状は、第1の形状とは類似しない。いくつかの実施形態では、電極アセンブリの第2の形状の体積は、第1の形状の体積より小さい。カテーテル105は、2つより多くの状態を有してもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル105は、互いに離散的な状態とは対照的に、互いに連続的な状態を有する。換言すれば、カテーテルは、状態の連続スペクトルに沿って調整することができ、離散的な有限数の状態に限定されない。ある特定の例では、カテーテル105の電極アセンブリは、2つより多くの異なる形状を有してもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、コントローラ90は、ディスプレイ92上にレンダリングされるグラフィカルユーザインターフェース95を生成するように構成される。いくつかの実施形態では、コントローラ90は、カテーテル105および/または治療セッションと関連付けられたデータを収集し、データリポジトリ(例えば、ファイル、データベースなど)に記憶するように構成される。いくつかの例では、コントローラ90は、電場の第1のモデルに基づいて複数の電極によって生成される第1の電場の第1のグラフィカル表現、および電場の第2のモデルに基づいて複数の電極によって生成される第2の電場の第2のグラフィカル表現を生成し、ディスプレイ92上にレンダリングされたグラフィカルユーザインターフェース上のカテーテルの場所における患者の解剖学的マップ上に電場の第1および第2のグラフィカル表現を重ね合わせるように構成される。第1のグラフィカル表現は、カテーテルが第1の状態にあり、標的場所に近接して展開されるときに生成される。第2のグラフィカル表現は、カテーテルが第2の状態にあり、標的場所に近接して展開されるときに生成される。
【0038】
いくつかの例では、コントローラ90は、互いに異なる状態(例えば、2つ以上の状態、連続状態)におけるカテーテル105の電極アセンブリの既知の形状に基づいて電場を決定し、対応する電場のグラフィカル表現を生成するように構成される。ある特定の例では、コントローラ90は、互いに異なる状態(例えば、2つ以上の状態、連続状態)におけるカテーテル105の電極アセンブリの既知の相対的な電極の場所に基づいて電場を決定し、対応する電場のグラフィカル表現を生成するように構成される。
【0039】
いくつかの実施形態では、コントローラ90は、第1の電場の第1のグラフィカル表現と第2の電場の第2のグラフィカル表現との間の差の表示を生成するようにさらに構成される。いくつかの例では、第1の電場の第1のグラフィカル表現は、1つ以上の第1のエリアを含み、1つ以上の第1のエリア内の第1の電場の電場強度の大きさは、所定の閾値よりも大きい。いくつかの例では、第2の電場の第2のグラフィカル表現は、1つ以上の第2のエリアを含み、1つ以上の第2のエリア内の第2の電場の電場強度の大きさは、所定の閾値より大きい。いくつかの実施形態では、第1のグラフィカル表現は、カテーテル105の表現を含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、以下でより詳細に説明されるように、コントローラ90は、カテーテル105の表現と、カテーテル105によって行われる電気穿孔アブレーションの1つ以上の治療セッションの表示とを含むソフトウェアウィジェットを生成し、ソフトウェアウィジェットをグラフィカルユーザインターフェースに提示するように構成され得る。実施形態では、ソフトウェアウィジェットは、1つ以上の治療セッションのうちある治療セッションを識別する表示を含む。実施形態では、ソフトウェアウィジェットは、カテーテル105が様々な回転角度、様々な場所、および/または異なる形状(例えば、バスケット形状、花形状など)を有する様々な状態にある複数の治療セッションの表現を含む。一例では、アブレーション治療のために、カテーテルは、4つの異なる回転角度で配置され、各角度において2つの異なる形状で配置されることを含む、8つの治療セッションを行うように展開される。いくつかの実施形態では、ソフトウェアウィジェットは、カテーテル105の断面概略図を含む。コントローラ90は、電場のモデルに基づいて複数の電極の電場のグラフィカル表現を生成し、ソフトウェアウィジェット内に複数の電極の電場のグラフィカル表現を表示するようにさらに構成され得る。
【0041】
いくつかの例では、カテーテル105の表現は、第1の時間におけるカテーテルの第1の表現と、第2の時間におけるカテーテルの第2の表現とを含む。第1の表現および第2の表現は、第1の時間におけるカテーテルと第2の時間におけるカテーテルとの間の差を示し得る。示された差は、形状の差異、回転角度の差異、電場強度の差異、および場所の差異のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、ソフトウェアウィジェットは、電場を表す電場表示を含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、ソフトウェアウィジェットは、カテーテル105のアライメント情報を表すアライメントインジケータを含む。いくつかの例では、アライメントインジケータは、第1の時間におけるカテーテル105と第2の時間におけるカテーテル105との間の軸線方向関係、例えば、前の治療セッションからの1つの治療セッション中のカテーテル105の配向の変化を表す。ある特定の例では、アライメントインジケータは、カテーテルと電気穿孔アブレーション治療の標的アブレーションエリアとの間の軸線方向関係を表す。
【0043】
いくつかの実施形態では、電気穿孔カテーテル105上の1つ以上のマッピング電極は、電気信号を測定し、解剖学的マップとも呼ばれる電気解剖学的マップを生成するためにコントローラ90によって処理され得る出力信号を生成することができる。いくつかの例では、電気解剖学的マップは、アブレーションの前に生成されて、関心のある心腔内の心臓組織の電気的活動を決定する。いくつかの例では、電気解剖学的マップは、アブレーションされた組織および心腔全体の電気的活動における所望の変化を検証する際にアブレーション後に生成される。マッピング電極はまた、体内の3次元空間におけるカテーテル105の位置を決定するために使用されてもよい。例えば、オペレータがカテーテル105の遠位端を関心のある心腔内で移動させるとき、カテーテル移動の境界は、コントローラ90によって使用され得、コントローラ90は、心腔の解剖学的マップを形成するために、マッピングおよびナビゲーションシステムを含むか、またはそれに結合し得る。心腔の解剖学的マップは、蛍光透視法などの電離放射線を使用せずにカテーテル105のナビゲーションを容易にするために、およびアブレーションの間隔をガイドし、オペレータが関心のある解剖学的構造を完全にアブレーションするのを助けるために、アブレーションが完了したときにアブレーションの場所をタグ付けするために使用され得る。
【0044】
実施形態によると、電気生理学的システム50の様々な構成要素(例えば、コントローラ90)は、1つ以上のコンピュータ装置上に実装されてもよい。コンピュータ装置は、本開示の実施形態を実装するのに適した任意のタイプのコンピュータ装置を含み得る。コンピュータ装置の例は、ワークステーション、サーバ、ラップトップ、ポータブル装置、デスクトップ、タブレットコンピュータ、ハンドヘルド装置、汎用グラフィックス処理ユニット(GPGPU)などの専用コンピュータ装置または汎用コンピュータ装置を含み、それらのすべては、システム50の様々な構成要素に関して図1の範囲内で企図される。
【0045】
いくつかの実施形態では、コンピュータ装置は、以下の装置:プロセッサ、メモリ、入力/出力(I/O)ポート、I/Oコンポーネント、および電源を直接的および/または間接的に結合するバスを含む。任意の数の追加の構成要素、異なる構成要素、および/または構成要素の組合せもこのコンピュータ装置に含まれ得る。バスは、1つ以上のバス(例えば、アドレスバス、データバス、またはそれらの組合せなど)であり得るものを表す。同様に、いくつかの実施形態では、コンピュータ装置は、いくつかのプロセッサ、いくつかのメモリコンポーネント、いくつかのI/Oポート、いくつかのI/Oコンポーネント、および/またはいくつかの電源を含んでもよい。加えて、任意の数のこれらの構成要素またはそれらの組み合わせが、いくつかのコンピュータ装置にわたって分散および/または複製され得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、システム50は、1つ以上のメモリ(図示せず)を含む。1つ以上のメモリは、揮発性および/または不揮発性メモリ、一時的および/または非一時的記憶媒体の形態のコンピュータ可読媒体を含み、リムーバブル、非リムーバブル、またはそれらの組合せであってもよい。媒体の例としては、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電子的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、光学またはホログラフィック媒体、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置または他の磁気記憶装置、データ伝送、および/または情報を記憶するために使用することができ、たとえば量子状態メモリなどのコンピュータ装置によってアクセスすることができる任意の他の媒体が挙げられる。いくつかの実施形態では、1つ以上のメモリは、プロセッサ(例えば、コントローラ90)に、本明細書で議論されるシステム構成要素の実施形態の態様を実装させ、および/または本明細書で議論される方法および手順の実施形態の態様を行わせるためのコンピュータ実行可能命令を記憶する。
【0047】
コンピュータ実行可能命令は、例えば、コンピュータコード、機械使用可能命令など、例えば、コンピュータ装置に関連付けられた1つ以上のプロセッサによって実行されることができるプログラムコンポーネントなどを含んでもよい。プログラムコンポーネントは、様々な言語、開発キット、フレームワークなどを含む、任意の数の異なるプログラミング環境を使用してプログラムされ得る。本明細書で企図される機能の一部または全部は、さらに、または代替として、ハードウェアおよび/またはファームウェアで実装され得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、メモリは、以下に説明される構成のうちのいずれか1つを使用して実装され得るデータリポジトリを含んでもよい。データリポジトリは、ランダムアクセスメモリ、フラットファイル、XMLファイル、および/または1つ以上のデータベースサーバもしくはデータセンタ上で実行される1つ以上のデータベース管理システム(DBMS)を含んでもよい。データベース管理システムは、リレーショナル(RDBMS)、階層(HDBMS)、多次元(MDBMS)、オブジェクト指向(ODBMSもしくはOODBMS)またはオブジェクトリレーショナル(ORDBMS)データベース管理システムなどであってもよい。データリポジトリは、例えば、単一のリレーショナルデータベースであってもよい。いくつかの場合において、データリポジトリは、データ統合プロセスまたはソフトウェアアプリケーションによってデータを交換および集約することができる複数のデータベースを含み得る。例示的な実施形態では、データリポジトリの少なくとも一部は、クラウドデータセンタにおいてホストされてもよい。場合によっては、データリポジトリは、単一のコンピュータ、サーバ、記憶装置、クラウドサーバなどでホストされてもよい。いくつかの他の場合には、データリポジトリは、一連のネットワーク化されたコンピュータ、サーバ、または装置上でホストされてもよい。場合によっては、データリポジトリは、ローカル、リージョン、およびセントラルを含むデータストレージデバイスのティア上でホストされてもよい。
【0049】
システム50の様々な構成要素は、通信インターフェース、例えば、有線または無線インターフェースを介して通信する、またはそれを介して結合され得る。通信インターフェースは、任意の有線または無線の短距離および長距離通信インターフェースを含むが、これらに限定されない。有線インターフェースは、ケーブル、アンビリカルなどを使用してもよい。短距離通信インターフェースは、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、またはBluetooth(登録商標)規格、IEEE802規格(例えば、IEEE802.11)、IEEE802.15.4規格に基づくものなどのZigBee(登録商標)もしくは類似の仕様などの既知の通信規格、または他のパブリックもしくはプロプライエタリ無線プロトコルに準拠するインターフェースであってもよい。長距離通信インターフェースは、例えば、広域ネットワーク(WAN)、セルラーネットワークインターフェース、衛星通信インターフェースなどであってもよい。通信インターフェースは、イントラネットなどのプライベートコンピュータネットワーク内にあってもよいし、インターネットなどのパブリックコンピュータネットワーク上にあってもよい。
【0050】
図2A図2Bは、本開示の主題の実施形態による、不可逆的電気穿孔によるアブレーションを含む、電気穿孔アブレーションに使用することができる電気穿孔アブレーションカテーテル200を示す概略図である。図2Aは、第1の状態のカテーテル200を示す図であり、図2Bは、第2の状態のカテーテル200を示す図である。カテーテル200は、2つ以上の状態を有してもよく、状態は、ユーザによって形成可能もしくは制御可能であるか、または治療中に電気穿孔システムによって自動的に形成可能である。カテーテル200は、カテーテルシャフト202と、カテーテルシャフト202の遠位端206でカテーテルシャフト202に連結された複数のカテーテルスプライン204とを含む。カテーテル200はさらに、カテーテルシャフト202の中に配置され、カテーテルシャフト202の遠位端206から遠位に延在する、内側シャフト203を含んでもよい。理解されるように、カテーテルシャフト202は、その近位端において、電気穿孔アブレーション処置中にユーザによって操作されるように構成されたハンドルアセンブリ(図示せず)に結合される。さらに示されるように、カテーテル200は、カテーテルシャフト202の遠位端206から延在する遠位端に電極アセンブリ220を含む。
【0051】
実施形態では、電極アセンブリ220は、複数のエネルギー送達電極225を含み、電極アセンブリ220は、第1の状態および第2の状態で選択的に動作可能であるように構成される。場合によっては、第1の状態では、電極アセンブリ220は、アブレーションエネルギーを送達して、ある直径を有する円周アブレーション損傷を形成するように構成される。
【0052】
いくつかの実施形態では、電極アセンブリ220は、内側シャフト203を含み、内側シャフト203は、カテーテルシャフト202から延在し、その中に後退するように適合される。場合によっては、電極アセンブリ220は、内側シャフト203の遠位端211において内側シャフト203に連結された複数のスプライン204を含む。場合によっては、電極アセンブリ220は、近位端211a(内側シャフト203の遠位端211と重なる)および遠位端212を有する中心シャフト203aをさらに含む。場合によっては、複数のスプライン204は、中心シャフト203aの遠位端212に結合される。実施形態では、電極225は、複数のスプライン204上に配置された複数の第1の電極208および複数の第2の電極210を含む。一例では、複数の第2の電極210は、中心シャフト203aの遠位端212の近くに配置され、複数の第1の電極208は、中心シャフト203aの近位端211aの近くに配置される。
【0053】
場合によっては、第1の状態で動作するとき、内側シャフト203および中心シャフト203aは、例えば、図2Aに図示されるように、カテーテルシャフト202から延在される。場合によっては、第1の状態では、複数の第1の電極208および複数の第2の電極210の両方が、例えば、肺静脈隔離(PVI)処置において使用される、円周アブレーション損傷のための比較的大きい直径を形成するように、選択的に通電されて活性化される。
【0054】
いくつかの実施形態では、第2の状態で動作するとき、内側シャフト203および中心シャフト203aは、例えば、図2Bに図示されるように、複数の第1の電極208の全てまたは一部がカテーテルシャフト202の中に後退させられるように、カテーテルシャフト202の中に少なくとも部分的に後退させられる。場合によっては、第2の状態では、複数の第1の電極208は、非活性化され(例えば、第1の電極208を任意のパルス発生器回路から電気的に切断することによって)、複数の第2の電極210は、活性化され、電気穿孔によって局所アブレーション損傷を生成するために使用される。
【0055】
アブレーションカテーテル200は、長手方向軸線222を有する。本明細書で使用される場合、長手方向軸線は、物体の断面の重心を通過する線を指す。実施形態では、複数のスプライン204は、空洞224を形成する。複数のスプライン204は、第1の状態において空洞224aを形成し、第2の状態において空洞224bを形成する。実施形態では、空洞224aの体積は、空洞224bの体積よりも大きい。いくつかの実施形態では、第1の状態において、空洞224aの長手方向軸線222に概ね垂直な最大断面積は、直径d1を有する。いくつかの実施形態では、第2の状態において、空洞224bの長手方向軸線222に概ね垂直な最大断面積は、直径d2を有する。場合によっては、直径d1は直径d2よりも大きい。
【0056】
いくつかの例では、直径d1は、20ミリメートル~35ミリメートルの範囲である。ある特定の例では、直径d1は、10ミリメートル~25ミリメートルの範囲である。いくつかの例では、直径d2は、5ミリメートル~16ミリメートルの範囲である。いくつかの例では、直径d2は、5ミリメートル~16ミリメートルの範囲である。一例では、直径d1は直径d2よりも30%~100%大きい。一例では、直径d1は直径d2よりも少なくとも30%大きい。一例では、直径d1は直径d2よりも少なくとも20%大きい。一例では、直径d1は直径d2よりも少なくとも100%大きい(すなわち、直径d2の少なくとも2倍)。一例では、直径d1は直径d2よりも少なくとも150%大きい(すなわち、直径d2の少なくとも2.5倍)。
【0057】
場合によっては、第1の電極のグループ208は、複数のスプライン204の外周に、または外周に近接して配置され、第2の電極のグループ210は、カテーテル200の遠位端212に近接して配置される。場合によっては、第1の電極のグループ208は近位電極と呼ばれ、第2の電極のグループ210は遠位電極と呼ばれ、遠位電極210は、近位電極208よりも電気穿孔アブレーションカテーテル200の遠位端212の近くに配置される。いくつかの実装形態では、電極225は、導電性インクまたは光学インクの薄膜を含んでもよい。インクは、ポリマーベースであり得る。インクは、導電性材料と組み合わせて炭素および/またはグラファイトなどの材料をさらに含んでもよい。電極は、さらに放射線不透過性である、銀、銀フレーク、金、および白金などの生体適合性低抵抗金属を含んでもよい。
【0058】
第1の電極のグループ208内の各電極および第2の電極のグループ210内の各電極は、電気を伝導し、コントローラ(例えば、図1のコントローラ90)およびアブレーションエネルギー発生器(例えば、図1の電気穿孔発生器130)に動作可能に接続されるように構成される。実施形態では、第1の電極のグループ208および第2の電極のグループ210内の電極のうちの1つ以上は、フレックス回路を含む。場合によっては、複数の第1の電極208は個別に制御可能である。場合によっては、複数の第2の電極は個別に制御可能である。場合によっては、複数の第1の電極208の全部または一部は、第2の状態において非活性化される。場合によっては、複数の第2の電極210の一部は、第2の状態において非活性化される。
【0059】
第1の電極のグループ208内の電極は、第2の電極のグループ210内の電極から離間している。第1の電極のグループ208は電極208a~208fを含み、第2の電極のグループ210は電極210a~210fを含む。また、電極208a~208fなどの第1の電極のグループ208内の電極は互いに離間しており、電極210a~210fなどの第2の電極のグループ210内の電極は互いに離間している。
【0060】
同じカテーテル200上の他の電極に対する、第1の電極のグループ208内の電極の空間的関係および配向、ならびに第2の電極のグループ210内の電極の空間的関係および配向は、既知であるか、または決定することができる。実施形態では、同じカテーテル200上の他の電極に対する、第1の電極のグループ208内の電極の空間的関係および配向、ならびに第2の電極のグループ210内の電極の空間的関係および配向は、いったんカテーテルが展開されると、一定である。
【0061】
電場に関して、実施形態では、第1の電極のグループ208内の電極の各々および第2の電極のグループ210内の電極の各々は、アノードまたはカソードであるように選択されてもよく、それにより、電場が第1および第2の電極のグループ208および210内の任意の2つ以上の電極間に設定され得る。また、実施形態では、第1の電極のグループ208内の電極の各々および第2の電極のグループ210内の電極の各々は、二相極となるように選択されてもよく、それにより、電極がアノードとカソードとの間で切り替わるかまたは交互になる。電場に関して、実施形態では、第1の電極のグループ208内の電極のグループおよび第2の電極のグループ210内の電極のグループは、アノードもしくはカソードまたは二相極であるように選択されてもよく、それにより、電場が第1および第2の電極のグループ208および210内の任意の2つ以上の電極のグループ間に設定され得る。
【0062】
実施形態では、第1の電極のグループ208および第2の電極のグループ210内の電極は、二相極電極であるように選択されてもよく、それにより、二相パルス列を含むパルス列の最中に、選択された電極は、アノードとカソードとの間で切り替わるかまたは交互になり、電極は、一方が常にアノードであり、他方が常にカソードである単相送達とはならない。場合によっては、第1および第2の電極のグループ208および210内の電極は、別のカテーテルの電極(複数可)と一緒に電場を形成してもよい。そのような場合、第1および第2の電極のグループ208および210内の電極は、電場のアノードまたは電場のカソードとなり得る。
【0063】
さらに、本明細書で説明されるように、電極は、アノードおよびカソードのうちの1つであるように選択されるが、本開示全体を通して、電極は、アノードとカソードとの間で切り替わるまたは交互になるように、二相性極であるように選択され得ることを述べなくても理解されたい。場合によっては、第1の電極のグループ208内の電極のうちの1つ以上は、カソードであるように選択され、第2の電極のグループ210内の電極のうちの1つ以上は、アノードであるように選択される。実施形態では、第1の電極のグループ208内の電極のうちの1つ以上をカソードとして選択されてもよく、第1の電極にグループ208内の電極のうちの別の1つ以上をアノードとして選択されてもよい。さらに、実施形態では、第2の電極のグループ210内の電極のうちの1つ以上をカソードとして選択されてもよく、第2の電極にグループ210内の電極のうちの別の1つ以上をアノードとして選択されてもよい。
【0064】
場合によっては、第1の電極のグループ208は、カテーテルスプライン204の最大外周(d1)の近位に配置され、第2の電極のグループ210は、カテーテルスプライン204の最大外周の遠位に配置される。いくつかの実施形態では、追加の電極(すなわち、マッピング電極)が、複数のスプライン204の各々に追加されてもよい。
【0065】
図3A図3Cは、本開示の主題の実施形態による、不可逆的電気穿孔によるアブレーションを含む、電気穿孔アブレーションに使用することができるアブレーションカテーテル300を示す概略図である。
【0066】
図3Aは、第1の動作モードと呼ばれる第1の状態にあるカテーテル300Aを示す。いくつかの実施形態では、カテーテル300Aは、電極アセンブリ301Aを含む。電極アセンブリ301Aは、図3Aにおいて、バスケット形状と呼ばれる第1の形状を有する。カテーテル300は、カテーテルシャフト302を含む。電極アセンブリは、カテーテルシャフト302の遠位端306においてカテーテルシャフト302に結合された複数のスプライン304を含む。カテーテルスプライン304は、カテーテルスプライン204上に配置された複数の電極310を含む。複数の電極310内の電極の各々は、電気を伝導し、電気穿孔発生器(例えば、図1における電気穿孔発生器130)に動作可能に接続されるように構成される。実施形態において、複数の電極310内の電極のうちの1つは金属を含む。
【0067】
電極アセンブリ301Aは、カテーテルシャフト302の遠位端306に近い近位端316と、カテーテルシャフト302の遠位端306からさらに離れた遠位端314とを有する。示されるように、カテーテルシャフト302は、長手方向軸線312を画定し、複数のスプライン304は、遠位端314と近位端160との間に曲線形状で配置される。実施形態では、第1の状態における電極アセンブリ301の各スプライン304は、転換点のない曲線として配置される。いくつかの実施例では、各スプライン304は、所定の程度未満の湾曲度を有する。例えば、各スプライン304は、45°未満の湾曲度を有する。
【0068】
図3Bは、第2の動作モードと呼ばれる第2の状態にあるカテーテル300Bおよび300Cを端面図で示し、図3Cは、第2の状態にあるカテーテル300Cを側面図で示す。実施形態では、複数のスプライン304の各々は、その上に配置された1つ以上の電極310を含む。例えば、示されるように、スプライン304aは、4つの電極を含む。いくつかの実施形態では、複数のスプライン304の各々は、4つより多くの電極を含んでもよい。いくつかの実施形態では、複数のスプライン304の各々は、4つより少ないの電極を含んでもよい。当業者によって理解され得るように、各スプライン上の電極の数は、各電極間の間隔を含めて、調節され得る。カテーテルシャフトは、キャップ324をさらに含んでもよい。実施形態では、キャップ324は、組織への外傷を低減するために非外傷性である。
【0069】
図示される複数のスプライン304の各々は、類似のサイズ、形状、およびスプライン304上の隣り合う電極310間の間隔を有する。他の実施形態では、サイズ、形状、およびスプライン304上の隣り合う電極310間の間隔は異なってもよい。いくつかの実施形態では、複数のスプライン304の各々の厚さおよび長さは、電極の数およびスプライン304上の各電極間の間隔に基づいて変化してもよい。スプライン304は、類似の異なる材料から作製されてもよく、厚さまたは長さが変化してもよい。
【0070】
示されるように、複数のスプライン304の各々は、電極アセンブリ301の遠位端314が電極アセンブリ301の近位端316に隣り合う第2の状態において花弁様曲線322に配置される。複数のスプライン304の各々は、カテーテルシャフト302の遠位端306を通過し、カテーテルシャフトルーメン内でカテーテルシャフト302に繋がれ得る。複数のスプライン304の各々の遠位端は、カテーテル300のキャップ324に繋がれ得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の曲線322は電気的に絶縁されている。示されるように、花弁様曲線322は、転換点を含む。
【0071】
いくつかの実施形態では、カテーテル300Bは、図3Bに示されるように、第2の形状、または花形状と称される形状に配置される電極アセンブリ301Bを含む。いくつかの実施形態では、カテーテル300Cは、図3Cに示されるように、第2の形状に配置される電極アセンブリ301Cを含む。示されるように、複数のスプライン304の各々は、回転し、またはねじれて屈曲し、花弁形状曲線322を形成するように、可撓性湾曲を含んでもよい。花弁形状形態におけるスプラインの最小曲率半径は、約7mm~約25mmの範囲内であってもよい。例えば、スプライン304は、カテーテル300の遠位部分において電極アセンブリ301を形成してもよく、スプラインのセットがカテーテル300の長手方向軸線に概ね平行に配置される第1の形状と、スプラインのセットがカテーテル300の長手方向軸線の周りを回転し、またはねじれて屈曲し、全般的にカテーテルの長手方向軸線から離れるように付勢される第2の形状との間で変形するように構成されてもよい。第1の形状では、スプラインのセット304の各スプラインは、長手方向軸線312と1つの平面内にあってもよい。第2の形状では、スプラインのセット304の各スプラインは、長手方向軸線312から離れるように付勢して、長手方向軸線312に対して概ね垂直に配置された花弁様曲線322を形成してもよい。このようにして、スプラインのセット304は、ねじれて屈曲し、カテーテル300の長手方向軸線312から離れるように付勢され、したがって、スプライン304が、特に肺口の開口部に隣接する心内膜空間の幾何学的形状により容易に適合することを可能にする。第2の形状は、例えば、図3Bに示されるような端面図から花形状に似ていてもよい。いくつかの実施形態では、第2の形態におけるスプラインのセット内の各スプラインは、ねじれて屈曲し、正面から見たときに、180度に近接する曲線の近位端と遠位端との間の湾曲の角度を呈する、花弁様曲線を形成してもよい。
【0072】
スプラインのセットはさらに、第2の形状から第3の形状に変形するように構成されてもよく、スプラインのセット304は、肺静脈口を取り囲む組織などの標的組織に押し付けられてもよい(例えば、接触してもよい)。複数のスプライン304は、展開されていないときにカテーテルシャフト302の長手方向軸線312に概ね平行な形状を形成し、完全に展開されたときに長手方向軸線312に平行な軸(図示せず)の周りに巻かれ(例えば、螺旋状に巻かれ、ねじられ)、様々な形状の間に任意の中間形状(ケージまたはバレルなど)を形成し得る。
【0073】
図4A図4Bは、本開示の主題の実施形態によるグラフィカルユーザインターフェース400の例を示す図である。上述したように、コントローラ(例えば、図1のコントローラ90)を含む電気穿孔カテーテルシステム(例えば、図1の電気穿孔装置60)は、電場のモデルに基づいて、電気穿孔カテーテルを使用して生成することができる電場のグラフィカル表現403を生成し、患者の心臓の解剖学的マップ402上に電場のグラフィカル表現403を重ね合わせる。このグラフィカル表現は、不可逆的電気穿孔によるアブレーションを計画する際にユーザを支援し、および/またはユーザがそれに応じてアブレーション計画を調整するためにアブレーションの進行に関するリアルタイムの視覚的フィードバックを与え得る。実施形態では、コントローラ(例えば、図1のコントローラ90)は、ディスプレイ(例えば、図1のディスプレイ92)上の解剖学的マップ上の電場のグラフィカル表現の重ね合わせにおいて、これらおよび他のグラフィカル表現を表示するように構成される。
【0074】
いくつかの実施形態では、コントローラ(例えば、図1のコントローラ90)は、解剖学的マップ上の電場のグラフィカル表現の重ね合わせにおいて、厚さのない3次元表面のみを表示するように構成される。いくつかの実施形態(図示せず)では、グラフィカル表現403は、投影された電場の異なる強度を表すために異なる色を含んでもよい。いくつかの実施形態(図示せず)では、グラフィカル表現403は、投影された電場の異なる強度を表すために勾配またはベクトル場を含んでもよい。
【0075】
示されるように、電極アセンブリ401を含むカテーテル405は、患者の心臓の静脈内に展開される。グラフィカルユーザインターフェースは、患者の静脈の解剖学的マップ402上の周囲組織へのアブレーションの影響を有する電場のグラフィカル表現406を含む。軸線410は、静脈(図示せず)の軸線と位置合わせされるカテーテル405の投影軸線である。いくつかの例では、グラフィカル表現406はエリア407を含み、エリア407内の電場の電場強度は所定の閾値よりも大きい。いくつかの例では、グラフィカル表現406はエリア407を含み、エリア内の電場の電場強度は、電気穿孔の閾値(例えば、250V/cm)よりも大きい。ある特定の例では、グラフィカル表現406はエリア407を含み、エリア内の電場の電場強度は、不可逆的電気穿孔の閾値(例えば、400V/cm)よりも大きい。グラフィカルユーザインターフェース400は、カテーテル405、長手方向軸線410、解剖学的マップ402、およびカテーテル405の展開形状の関数として予測される電場の表現を含むので、ユーザが、蛍光透視法を必要とせずに、治療セッション中にカテーテル405を前進またはナビゲートすることを可能にする。
【0076】
電極アセンブリは、複数のスプライン404を含み、複数のスプライン404は、スプライン上に配置された1つ以上の電極408を含む。1つ以上の電極408は、アブレーション電極および/またはマッピング電極を含んでもよい。いくつかの実施例では、1つ以上の電極は、遠位端416におけるエンドキャップおよびカテーテルシャフト(図示せず)などのカテーテル405の他の構成要素に配置されてもよい。
【0077】
いくつかの実施形態では、図4Aおよび4Bは、リアルタイムで更新され、カテーテルの位置およびカテーテル405によって生成される電場を示す。ある特定の実施形態では、電場のグラフィック表現406は、例えば、電場強度、組織接触、および場所を表す色を含む、1つ以上のインジケータを含む。いくつかの例では、グラフィカル表現406は、カテーテル405が、以前のグラフィカル表現に関連付けられた以前の治療セッションの以前の場所から現在の治療セッションにおける新しい場所に移動した場合、以前のグラフィカル表現406の色とは異なる色であってもよい。ある特定の例では、グラフィカル表現406は、カテーテル405が以前のグラフィカル表現に関連付けられた以前の治療セッションから回転した場合、以前のグラフィカル表現406の色とは異なる色であってもよい。いくつかの例では、色はグレースケール色である。特定の実施形態は、図4Aおよび4Bは、治療セッションにおける変化を示すために、並べて提示される。いくつかの実施形態では、カテーテル405の電場は、カテーテル内の電極の既知の相対的な場所に基づいて生成される。
【0078】
図4Aは、第1の形状(例えば、バスケット形状)として、複数のスプライン404が電極アセンブリ401の近位端414と電極アセンブリ401の遠位端416との間で曲線状に配置されている第1の状態のカテーテル405を示す。図4Bは、複数のスプライン404が第2の形状(例えば、花の形状)として花弁様曲線状に配置されている第2の状態のカテーテル405を示す。いくつかの実施形態では、スプライン404は電気的に絶縁されている。電極アセンブリ401が第1の形状にあるとき、電極アセンブリ401上のスプラインは、カテーテル405の長手方向軸線に概ね平行に配置され得る。第1の形状では、各スプラインは、長手方向軸線410と1つの平面内にあってもよい。
【0079】
いくつかの実施形態では、図4Aおよび4Bに示されるように、カテーテル405が第1の状態にあるときの電極アセンブリ401の第1の形状は、カテーテル405が第2の状態にあるときの電極アセンブリ401の第2の形状とは類似しない。図2A図2Bに示す他の実施形態では、第1の状態の電極アセンブリの形状の体積は、第2の状態のスプラインの形状の体積と異なる。
【0080】
上述したように、コントローラ(例えば、図1のコントローラ90)は、電気穿孔発生器(例えば、図1のエレクトロポレーション発生器130)を制御して、電気パルスを生成し、患者の心腔内の標的エリアに治療を送達するように構成される。いくつかの実施形態では、コントローラは、電場の第1のモデルに基づいて、第1の状態における複数の電極の電場の第1のグラフィカル表現を生成し、電場の第2のモデルに基づいて、第2の状態における複数の電極の電場の第2のグラフィカル表現を生成し、カテーテル405が展開される標的場所における患者の解剖学的マップ上に電場の第1および第2のグラフィカル表現を重ね合わせるように構成されてもよい。
【0081】
電極アセンブリ401が第2の形状にあるとき、電極アセンブリ401上のスプラインは、カテーテル405の長手方向軸線の周りを回転し、またはねじれて屈曲し、全般的に、カテーテル405の長手方向軸線から離れるように付勢する。第2の形状では、各スプラインは、長手方向軸線410から離れるように付勢して、長手方向軸線410に対して概ね垂直に配置された花弁様曲線を形成してもよい。このようにして、スプラインのセット304は、ねじれて屈曲し、長手方向軸線410から離れるように付勢され、したがって、スプラインが、特に肺口の開口部に隣接する心内膜空間の幾何学的形状により容易に適合することを可能にする。第2の形状は、例えば、図4Bに示されるような端面図から花の形状に似ていてもよい。いくつかの実施形態では、第2の形態におけるスプラインのセット内の各スプラインは、ねじれて屈曲し、正面から見たときに、180度に近接する曲線の近位端と遠位端との間の湾曲の角度を呈する、花弁様曲線を形成してもよい。
【0082】
図4Aおよび4Bに示されるものに加えて、スプラインのセットはさらに、第2の形状から第3の形状に変形するように構成されてもよく、スプラインは、肺静脈口を取り囲む組織などの標的組織に押し付けられてもよい(例えば、接触してもよい)。スプラインは、展開されていないときに長手方向軸線410に概ね平行な形状を形成し、完全に展開されたときに長手方向軸線410に平行な軸線(図示せず)の周りに巻かれ(例えば、螺旋状に巻かれ、ねじられ)、様々な形状の間に任意の中間形状(ケージまたはバレルなど)を形成し得る。
【0083】
図5A図5Cは、本開示の特定の実施形態による、アブレーション治療の計画および/または実行を容易にするソフトウェアウィジェット500を示す。実装形態では、ソフトウェアウィジェット500は、1つ以上のプロセッサによって実行されるソフトウェア命令のセットによって実装される。示されるように、数字502、504は、アブレーション治療セッション(例えば、セッション1、セッション2)の数を表す。502は、以前の治療セッションを示し、504は、ユーザが行っている現在の治療セッションを示す。いくつかの例では、円515の外側に位置する複数の四角形506、508は、断面図におけるカテーテルの電極の場所を表す。ある特定の例では、円の外側に位置する複数の四角形506、508は、断面図から見たときの電極アセンブリ上のスプラインの場所を表す。506は、第1の(過去の)セッション中のスプラインの場所を表し、508は、第2の(現在の)セッション中のスプラインの場所を表す。いくつかの例では、示されるように、カテーテルは、第1のセッションと第2のセッションとの間で25度回転される。図示されていない他の例では、回転角度は25度より大きくても小さくてもよい。
【0084】
実施形態では、カテーテル表現510は、各セッション間の電極アセンブリの相対位置を示す。図5Aに示されるように、円515の内側に位置する複数の歯511を伴うカテーテル表現510は、電極アセンブリが、以前の適用/セッションと比較して、患者の静脈に沿ってより遠位位置にあることを示す。図5Bに示されるように、実線の円5155は、電極アセンブリの位置が、以前の適用/セッションと比較して、患者の静脈内で実質的に同じままであることを示す。図5Cに示されるように、破線の円515は、電極アセンブリの位置が、以前の適用/セッションと比較して、患者の静脈または心腔に沿って、より洞(antral)または近位位置にあることを示す。
【0085】
実施形態では、ソフトウェアウィジェット500は、アライメントインジケータ512を含む。いくつかの例では、図5Aおよび図5Cに示すように、アライメントインジケータ512は、患者の静脈または心腔内の標的アブレーションエリアの軸線に対するカテーテルの投影軸線(例えば、カテーテルのカテーテルシャフトによって画定される軸線)のずれを示す矢印または破線矢印である。アライメントインジケータ512は、様々な形状および/または色を有してもよい。図5Bに示すように、アライメントインジケータ512は、カテーテルシャフトの投影軸線が患者の静脈または心腔内の標的アブレーションエリアの軸線と実質的に位置合わせされていることを示すドットである。
【0086】
いくつかの実施形態では、コントローラ(例えば、図1のコントローラ90)は、カテーテルの表現および電気穿孔アブレーションの1つ以上の治療セッションの表示(図5A図5Cには図示せず)を含むソフトウェアウィジェット500を生成し、ソフトウェアウィジェット500を表示するように構成され得る。実施形態では、ソフトウェアウィジェットは、1つ以上の治療セッションのうちある治療セッションを識別する表示を含む。いくつかの実施形態では、ソフトウェアウィジェットは、カテーテル(例えば、図1のカテーテル105)の断面図を含む。コントローラは、電場のモデルに基づいて複数の電極の電場のグラフィカル表現を生成し、複数の電極の電場のグラフィカル表現を表示するようにさらに構成され得る。
【0087】
実施形態では、ソフトウェアウィジェット500は、カテーテルと電気穿孔アブレーション治療の標的アブレーションエリアとの間の軸線方向関係を表すアライメントインジケータ512を含む。いくつかの例では、カテーテル105の表現は、第1の時間におけるカテーテルの第1の表現と、第2の時間におけるカテーテルの第2の表現とを含む。第1の表現および第2の表現は、第1の時間におけるカテーテルと第2の時間におけるカテーテルとの間の差を示してもよい。示された差は、形状の差異、回転角度の差異、および場所の差異のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、ソフトウェアウィジェットは、電場を表す電場表示をさらに含む。
【0088】
図6A図6Bは、本開示の主題の実施形態による、並んで表示されたソフトウェアウィジェットおよび電場のグラフィカル表現を示す図である。
示されるように、電極アセンブリ601を含むカテーテル600は、患者の心腔内に展開される。ディスプレイ(例えば、図1のディスプレイ92)は、患者の心腔の解剖学的マップ602上の周囲組織へのアブレーションの影響を有する電場のグラフィカル表現606を示す。軸線610は、標的アブレーションエリア(図示せず)の軸線と位置合わせされるカテーテル600の投影軸線である。
【0089】
電極アセンブリは、複数のスプライン604を含み、複数のスプライン604の各々の上に配置された1つ以上の電極608を含む。1つ以上の電極608は、アブレーション電極および/またはマッピング電極を含んでもよい。複数のスプライン604の各々は、1つ以上の電極608以外の追加の電極を含んでもよい。
【0090】
図6Aは、複数のスプライン604が電極アセンブリ601の遠位端614と電極アセンブリ601の近位端616との間にバスケット形状で配置されている第1の状態のカテーテル600を示す。図6Bは、複数のスプライン604がペダル様ループを有する花形状に配置された第2の状態にあるカテーテル600を示す。いくつかの実施形態では、ループは電気的に絶縁されている。
【0091】
いくつかの実施形態では、示されるように、第1の状態の曲線形状は、第2の状態のループ形状とは類似しない。先に図2A図2Bに示された他の実施形態では、第1の状態におけるスプラインの形状は、第2の状態におけるスプラインの形状と単に異なる。
【0092】
上述したように、コントローラ(例えば、図1のコントローラ90)は、電気穿孔発生器(例えば、図1の電気穿孔発生器130)を制御して、電気パルスを生成し、患者の静脈内の標的エリアに治療を送達するように構成される。いくつかの実施形態では、コントローラは、電場の第1のモデルに基づいて、第1の状態における複数の電極の電場の第1のグラフィカル表現を生成し、電場の第2のモデルに基づいて、第2の状態における複数の電極の電場の第2のグラフィカル表現を生成し、カテーテルの場所における患者の解剖学的マップ上に電場の第1および第2のグラフィカル表現を重ね合わせるように構成されてもよい。
【0093】
いくつかの実施形態では、コントローラ(例えば、図1のコントローラ90)は、カテーテル600の表現および電気穿孔アブレーションの1つ以上の治療セッションの表示(図示せず)を含むソフトウェアウィジェット618を生成し、ソフトウェアウィジェット618を表示するように構成され得る。ソフトウェアウィジェット618は、本明細書で説明されるような任意の実施形態および構成を含み得る。実施形態では、ソフトウェアウィジェットは、1つ以上の治療セッションのうちある治療セッションを識別する表示を含む。いくつかの実施形態では、ソフトウェアウィジェットは、線620が図6Aに示しているカテーテル600の断面図を含む。コントローラは、電場のモデルに基づいて複数の電極の電場のグラフィカル表現を生成し、複数の電極の電場のグラフィカル表現を表示するようにさらに構成され得る。
【0094】
実施形態では、ソフトウェアウィジェット618は、カテーテルと電気穿孔アブレーション治療の標的アブレーションエリアとの間の軸線方向関係を表すアライメントインジケータを含む。いくつかの例では、カテーテル105の表現は、第1の時間におけるカテーテルの第1の表現と、第2の時間におけるカテーテルの第2の表現とを含む。第1の表現および第2の表現は、第1の時間におけるカテーテルと第2の時間におけるカテーテルとの間の差を示してもよい。示された差は、形状の差異、回転角度の差異、および場所の差異のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、ソフトウェアウィジェットは、電場を表す電場表示をさらに含む(図示せず)。
【0095】
図7A~7Bは、電極アセンブリを含むカテーテルによって生成される、様々な強度を伴う電場の例を示す。示されるように、カテーテル700は、カテーテルシャフト702および電極アセンブリ701を含む。電極アセンブリは、シャフト702の遠位端706に連結された複数のスプライン704を含む。複数のスプライン704の各々は、1つ以上の電極708を含む。カテーテルシャフト702は、シャフト702の長さに沿って延在する長手方向軸線712を画定する。
【0096】
図7Aは、複数のスプライン704が電極アセンブリ701の遠位端714と近位端716との間に曲線形状で配置されている第1の状態のカテーテル700を示す。示されるように、電極アセンブリ701の近位端716は、可撓性カテーテル700のカテーテルシャフト702から延在する。
【0097】
図7Bは、複数のスプライン704が電極アセンブリ701の遠位端714と近位端716との間に花弁様曲線で配置されている第2の状態のカテーテル700を示す。示されるように、遠位端714は、第2の状態と比較して、第1の状態において電極アセンブリ701の近位端716からさらに離れている。このため、第1の状態で発生する電場の深さ(L1)は、第2の状態で発生する電場の深さ(L2)よりも大きい。同様に、第1の状態において発生する電場の幅(W1)は、第2の状態において発生する電場の幅(W2)よりも短い。
【0098】
内側電場718は、電極アセンブリ701のより近くに位置し、電極アセンブリ701からさらに離れて位置する外側電場720よりも相対的に強い。いくつかの例では、内側電界718は、約400ボルト/センチメートル以上であってもよい。場合によっては、外側電場720は、約250ボルト/センチメートル以上であるが、400ボルト/センチメートル未満であってもよい。いくつかの実施形態では、内側電場718は、不可逆的電気穿孔を実行するのに十分に強くてもよい。いくつかの実施形態では、外側電場720は、可逆的電気穿孔を行うのに十分な強さのみであってもよい。
【0099】
図8は、本開示の主題の実施形態による、不可逆的電気穿孔によるアブレーションを計画する方法を示すフローチャート図である。本方法は、本明細書で前述したカテーテルに関連して説明されるが、任意の好適な電気穿孔カテーテルを本方法で使用してもよい。方法の実施形態の態様は、例えば、電気生理学システムまたはコントローラ(例えば、図1のシステム50、図1のコントローラ90)によって実行されてもよい。方法の1つ以上のステップは、任意選択であり、かつ/または本明細書に説明される他の実施形態の1つ以上のステップによって修正され得る。加えて、本明細書で説明される他の実施形態の1つ以上のステップが、方法に追加されてもよい。
【0100】
800において、本方法は、カテーテルが患者内に挿入された後に、心臓組織に対する患者内の電極の場所を決定するステップを含み、802において、本方法は、患者内のカテーテルの近傍または周囲の心臓組織の特性を決定するステップを含む。
【0101】
804において、方法は、複数の状態のうちの1つにおいてカテーテルによって生成され得る電場をモデル化するステップを含む。また、いくつかの実施形態では、本方法は、標的表面組織およびより深部の組織のアブレーションを含む、電気穿孔によって標的心臓組織をアブレーションするのに最も適していると思われる電極を選択するステップを含む。実施形態では、これは、電圧振幅のようなユーザ入力を提供するステップを含む。実施形態では、本方法は、異なる形状のカテーテルの電極アセンブリによって生成され得る電場をモデル化するステップを含む。いくつかの例では、カテーテルの電極アセンブリは、第2の状態の形状とは異なる第1の状態の形状を有する。実施形態では、カテーテルの電極は、カテーテルが様々な状態にあるときに既知の相対位置を有する。
【0102】
いくつかの実施形態では、804において、方法は、コントローラによって、電場の第1のモデルに基づいて、第1の状態にあるカテーテル上の電極を使用して生成された第1の電場の第1のグラフィカル表現を生成するステップを含み、カテーテルは、カテーテルが第1の状態にあるときに第1の形状を有する電極アセンブリを含む。いくつかの実施形態では、804において、方法は、コントローラによって、電場の第2のモデルに基づいて、第2の状態にあるカテーテル上の電極を使用して生成された第2の電場の第2のグラフィカル表現を生成するステップを含み、カテーテルは、カテーテルが第2の状態にあるときに第2の形状を有する電極アセンブリを含み、第2の形状は、第1の形状とは異なる。いくつかの例では、第2の形状は第1の形状と類似しない。
【0103】
いくつかの実施形態では、方法は、第1の電場の第1のグラフィカル表現と第2の電場の第2のグラフィカル表現との間の差の表示を生成するステップをさらに含む。
806において、本方法は、例えば、電場によって影響を受ける、または影響を受け得る心臓組織の表面積および深さを含む、特定の電場強度における電場形状を推定するステップを含む。実施形態では、本方法は、心臓組織の異なる部分における電場の強度を判定するステップを含む。いくつかの例では、電場はある程度の不確実性を伴って決定される。実施形態では、これは、不可逆的電気穿孔によって組織をアブレーションするために、選択された電極間に電場を生成するための電気パルスを決定するステップを含む。実施形態では、これは、電極の既知の相対的な場所に少なくとも部分的に基づいて、不可逆的電気穿孔によって組織をアブレーションするために、選択された電極間に電場を生成するための電気パルスを決定するステップを含む。また、実施形態では、これは、電場強度および電場が心臓組織に印加される時間の長さなどの電場のための投与パラメータを決定するステップを含む。
【0104】
808において、本方法は、コントローラ90によって、電場のモデルに基づいて、カテーテル上の選択された電極を使用して生成され得る電場のグラフィカル表現を生成するステップを含む。実施形態では、本方法は、カテーテルの特性、患者内のカテーテルの位置または場所、および患者内のカテーテルを取り囲む心臓組織の特性に基づいて、電場のグラフィカル表現を生成するステップを含む。
【0105】
810において、方法は、ディスプレイ92などのディスプレイ上に、電場のグラフィカル表現および患者の解剖学的マップを表示するステップを含み、これは、電気穿孔によるアブレーションの計画を支援するため、および/または表示された表現に従ってリアルタイムでアブレーション計画を変更するために使用され得る。実施形態では、これは、心臓の解剖学的マップ上に関心のある電場のグラフィカル表現を重ね合わせるステップを含む。実施形態では、グラフィカル表現を表示するステップは、電極のうちの選択された電極に提供される電気パルスの電気パルスパラメータに基づく電場強度を表示することを含む。
【0106】
いくつかの実施形態では、810において、本方法は、ディスプレイ上に、電場の第1のグラフィカル表現および標的場所に近接する患者の解剖学的マップを提示するステップを含む。いくつかの実施形態では、810において、本方法は、ディスプレイ上に、電場の第2のグラフィカル表現および標的場所に近接する解剖学的マップを提示するステップを含む。
【0107】
実施形態では、グラフィカル表現は、以下のうちの1つ以上を表示するステップを含み得る:解剖学的マップ上の電場のグラフィカル表現内の電場線、解剖学的マップ上の電場のグラフィカル表現内の電場強度の閾値線、電場強度の閾値線が周囲組織と交差するマーキングのうちの少なくとも1つを表示するステップ、可逆的電気穿孔の予測ゾーンを表示するステップ、不可逆的電気穿孔の予測ゾーンを表示するステップ、電場が以前に作成された損傷と交差するマーキングを表示するステップ、および予測された損傷を解剖学的マップ上に表示するステップ。
【0108】
812において、本方法は、アブレーション計画を容易にするためにソフトウェアウィジェット(例えば、図5A図5Cのソフトウェアウィジェット500)を生成および表示するステップを含む。実施形態では、ソフトウェアウィジェットは、カテーテル、カテーテルの場所、カテーテルの回転角度、治療セッションの進行、カテーテルのアライメント、および他の関連アブレーション情報のうちの1つ以上の表現を含む。
【0109】
いくつかの実施形態では、本方法は、カテーテルの第2の表現と、カテーテルによって行われる電気穿孔アブレーションの1つ以上の治療セッションの表示とを含む、ソフトウェアウィジェットを生成するステップをさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、方法は、ソフトウェアウィジェットをディスプレイ上に提示するステップをさらに含んでもよい。
【0110】
方法は、次の治療セッションのために800に戻る。また、実施形態では、本方法は、コントローラによって、周囲組織に対するカテーテルの位置の変化、カテーテルの変化、カテーテルの電極に提供されるパルスパラメータの変化、および周囲組織の測定されたインピーダンス値の変化のうちの1つ以上に基づいて、電場のグラフィカル表現を治療セッションにわたって動的に変化させるステップを含む。
【0111】
本発明の範囲から逸脱することなく、説明した例示的な実施形態に対して様々な修正および追加を行うことができる。例えば、上述の実施形態は特定の特徴に言及しているが、本発明の範囲はまた、特徴の異なる組み合わせを有する実施形態、および説明された特徴の全てを含まない実施形態を含む。したがって、本発明の範囲は、特許請求の範囲内に入るすべてのそのような代替形態、修正形態、および変形形態を、そのすべての均等物とともに包含することが意図される。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-03-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極アセンブリおよび複数の状態を含むカテーテルであって、前記カテーテルが前記複数の状態のうちの第1の状態にあるときに前記電極アセンブリが第1の形状を有し、前記カテーテルが前記複数の状態のうちの第2の状態にあるときに前記電極アセンブリが第2の形状を有し、前記第2の形状が前記第1の形状とは異なり、前記電極アセンブリが複数の電極を含む、カテーテルと、
コントローラであって、
電場の第1のモデルに基づいて、前記カテーテルが前記第1の状態にあり、標的場所に近接して展開されるとき、前記複数の電極によって生成される電気穿孔の閾値を超える第1の電場の第1のグラフィカル表現を生成し、
電場の第2のモデルに基づいて、前記カテーテルが前記第2の状態にあり、前記標的場所に近接して展開されるとき、前記複数の電極によって生成される電気穿孔の閾値を超える第2の電場の第2のグラフィカル表現を生成し、
グラフィカルユーザインターフェースにおいて、前記第1の電場の前記第1のグラフィカル表現および前記第2の電場の前記第2のグラフィカル表現を、前記標的場所に近接する患者の解剖学的マップ上に重ね合わせるように構成される、コントローラとを備える、電気穿孔アブレーションのためのシステム。
【請求項2】
前記第2の形状は、前記第1の形状と類似しない、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第2の形状の体積は、前記第1の形状の体積よりも小さい、請求項に記載のシステム。
【請求項4】
前記カテーテルは、長手方向軸線を画定するカテーテルシャフトを含み、前記電極アセンブリは、複数のスプラインと、近位端と、遠位端とを含み、前記複数の電極の少なくとも一部は、前記複数のスプライン上に配置され、前記電極アセンブリの前記近位端は、前記カテーテルシャフトから延在する、請求項に記載のシステム。
【請求項5】
前記複数のスプラインの各スプラインは、前記カテーテルが前記第1の状態にあるときに、前記電極アセンブリの前記遠位端と前記近位端との間で前記長手方向軸線の周りに曲線状に配置される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記複数のスプラインは、前記カテーテルが前記第2の状態にあるとき、花弁様曲線に配置される、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記コントローラはさらに、前記第1の電場の前記第1のグラフィカル表現と前記第2の電場の前記第2のグラフィカル表現との間の差の表示を生成するように構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の電場の前記第1のグラフィカル表現は、1つ以上の第1のエリアを含み、前記1つ以上の第1のエリア内の前記第1の電場の電場強度の大きさは、所定の閾値よりも大きい、請求項に記載のシステム。
【請求項9】
前記第2の電場の前記第2のグラフィカル表現は、1つ以上の第2のエリアを含み、前記1つ以上の第2のエリア内の前記第2の電場の電場強度の大きさは、所定の閾値よりも大きい、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1のグラフィカル表現は、前記カテーテルの第1の表現を含む、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
前記コントローラはさらに、
前記カテーテルの第2の表現と、前記カテーテルによって行われる電気穿孔アブレーションの1つ以上の治療セッションの表示とを含む、ソフトウェアウィジェットを生成し、
前記ソフトウェアウィジェットを前記グラフィカルユーザインターフェースに提示するように構成され、
前記ソフトウェアウィジェットは、前記1つ以上の治療セッションのうちある治療セッションを識別する表示を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のシステム
【国際調査報告】