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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】電磁界プローブ
(51)【国際特許分類】
   G01R 29/08 20060101AFI20240719BHJP
   H05K 1/03 20060101ALN20240719BHJP
【FI】
G01R29/08 F
H05K1/03 610B
H05K1/03 610G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505164
(86)(22)【出願日】2022-07-19
(85)【翻訳文提出日】2024-03-18
(86)【国際出願番号】 EP2022070205
(87)【国際公開番号】W WO2023006506
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】2108129
(32)【優先日】2021-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507362786
【氏名又は名称】コミサリア ア エナジー アトミック エ オックス エナジーズ オルタネティヴ
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】マルナ,ロイク
(72)【発明者】
【氏名】ジュヴォー,カミーユ
(57)【要約】
【解決手段】本明細書は、電磁界プローブ(10)に関し、電磁界プローブは接地面(12)及び容量性ルーフ(13)を備えており、接地面及び容量性ルーフは誘電体材料(14)によって隔てられており、電磁界プローブは、誘電体材料を貫いて延びて少なくとも1つの励起ビア及び少なくとも1つの接地ビアを有する少なくとも3つのビア(110, 111, 112) を備えており、少なくとも3つのビアは、少なくとも1つの励起ビアに電力を供給すると、2つの電流ループを形成するように配置されており、電流ループは夫々、容量性ルーフの面と平行な磁場(H1, H2)に感応するように、容量性ルーフの面に延びて容量性ルーフに直交する方向に延び、電流ループは容量性ルーフの面で互いに直交する方向を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主面(XY)に沿って延びている電磁界プローブ(10,10’,10”)であって、
導電性の接地面(12)、及び
前記接地面(12)から距離を隔てて配置されている導電性の容量性ルーフ(13)
を備えており、
前記接地面及び前記容量性ルーフは、前記接地面及び前記容量性ルーフ間の界面の少なくとも一部に亘って誘電体材料(14)によって隔てられており、
前記電磁界プローブは、前記誘電体材料(14)を貫いて延びている少なくとも3つの導電性ビア(110, 111, 112, 113, 114, 115) を更に備えており、
前記少なくとも3つの導電性ビアは夫々、前記容量性ルーフ(13)に電気的に連結されて、前記接地面(12)から電気的に絶縁されて、電力源に連結されるように構成されている励起ビア(110, 114, 115) であるか、又は、前記接地面(12)を前記容量性ルーフ(13)と電気的に連結している接地ビア(111, 112, 113) であり、前記少なくとも3つの導電性ビアは少なくとも1つの励起ビア及び少なくとも1つの接地ビアを有し、
前記少なくとも3つの導電性ビアは、少なくとも1つの励起ビアに電力を供給すると、第1の電流ループ(201) 及び第2の電流ループ(202) を形成するように配置されており、前記第1の電流ループ及び前記第2の電流ループは夫々、前記容量性ルーフ(13)の面と実質的に平行な磁場(H1, H2)に感応するように、前記容量性ルーフの面に延びて前記容量性ルーフに実質的に直交する方向に前記少なくとも3つの導電性ビアの少なくとも1つを通って延び、前記第1の電流ループ及び前記第2の電流ループは、前記容量性ルーフ(13)の面で互いに実質的に直交する方向を有し、
前記電磁界プローブの高さは、前記電磁界プローブの使用波長の30分の1より低い、電磁界プローブ。
【請求項2】
前記少なくとも3つの導電性ビアは、励起ビア(110) 、第1の接地ビア(111) 及び第2の接地ビア(112) を有しており、前記第1の電流ループ(201) は、前記励起ビア(110) 、前記容量性ルーフ(13)及び前記第1の接地ビア(111) 間を延び、前記第2の電流ループ(202) は、前記励起ビア(110) 、前記容量性ルーフ(13)及び前記第2の接地ビア(112) 間を延びる、請求項1に記載の電磁界プローブ(10,10’)。
【請求項3】
前記容量性ルーフ(13)の面内の前記第1の接地ビア(111) の接続ポイント(111A)を前記容量性ルーフ(13)の面内の前記励起ビア(110) の接続ポイント(110A)と連結する直線(CC)が、前記容量性ルーフ(13)の面内の前記第2の接地ビア(112) の接続ポイント(112A)を前記容量性ルーフ(13)の面内の前記励起ビア(110) の接続ポイント(110A)と連結する直線(DD)に実質的に直交する、請求項2に記載の電磁界プローブ(10,10’)。
【請求項4】
前記少なくとも3つの導電性ビアは、接地ビア(113) 、第1の励起ビア(114) 及び第2の励起ビア(115) を有しており、前記第1の電流ループは、前記第1の励起ビア(114) 、前記容量性ルーフ(13)及び前記接地ビア(113) 間を延び、前記第2の電流ループは、前記第2の励起ビア(115) 、前記容量性ルーフ(13)及び前記接地ビア(113) 間を延びる、請求項1に記載の電磁界プローブ(10”)。
【請求項5】
前記容量性ルーフ(13)の面内の前記第1の励起ビア(114) の接続ポイント(114A)を前記容量性ルーフ(13)の面内の前記接地ビア(113) の接続ポイント(113A)と連結する直線(CC)が、前記容量性ルーフ(13)の面内の前記第2の励起ビア(115) の接続ポイント(115A)を前記容量性ルーフ(13)の面内の前記接地ビア(113) の接続ポイント(113A)と連結する直線(DD)に実質的に直交する、請求項4に記載の電磁界プローブ(10”)。
【請求項6】
前記容量性ルーフ(13)の厚さ全体を横切る開口部によって形成されているスロット(130, 131)を更に備えている、請求項1~5のいずれか1つに記載の電磁界プローブ(10,10’,10”)。
【請求項7】
前記スロット(130, 131)は、前記容量性ルーフ(13)の面内の前記励起ビア(110) の接続ポイント(110A)を通過して、前記容量性ルーフ(13)の面内の前記第1の接地ビア(111) の接続ポイント(111A)及び前記容量性ルーフ(13)の面内の前記第2の接地ビア(112) の接続ポイント(112A)から実質的に等距離で延びる直線(AA)に対して軸対称を示す、請求項3を引用する請求項6に記載の電磁界プローブ(10,10’)。
【請求項8】
前記スロット(130) は、前記容量性ルーフ(13)の面内の前記接地ビア(113) の接続ポイント(113A)を通過して、前記容量性ルーフ(13)の面内の前記第1の励起ビア(114) の接続ポイント(114A)及び前記容量性ルーフ(13)の面内の前記第2の励起ビア(115) の接続ポイント(115A)から実質的に等距離で延びる直線(AA)に対して軸対称を示す、請求項5を引用する請求項6に記載の電磁界プローブ(10”)。
【請求項9】
補足的な接地ビア又は補足的な励起ビアである少なくとも1つの補足的な導電性ビアを更に備えている、請求項1~8のいずれか1つに記載の電磁界プローブ。
【請求項10】
前記誘電体材料は空気である、請求項1~9のいずれか1つに記載の電磁界プローブ。
【請求項11】
前記誘電体材料は基板であり、例えば有機基板又はセラミック基板である、請求項1~9のいずれか1つに記載の電磁界プローブ。
【請求項12】
前記主面(XY)における前記電磁界プローブの大きさが、前記電磁界プローブの使用波長の4分の1より小さく、例えば、前記電磁界プローブの使用波長の20分の1~4分の1の範囲内であるか、又は前記電磁界プローブの使用波長の20分の1~10分の1の範囲内であるか、又は前記電磁界プローブの使用波長の20分の1~15分の1の範囲内である、請求項1~11のいずれか1つに記載の電磁界プローブ。
【請求項13】
前記電磁界プローブの高さが、前記電磁界プローブの使用波長の100 分の1~30分の1の範囲内であるか、又は前記電磁界プローブの使用波長の105 分の1~30分の1の範囲内である、請求項1~12のいずれか1つに記載の電磁界プローブ。
【請求項14】
前記接地面(12)は前記容量性ルーフ(13)と平行である、請求項1~13のいずれか1つに記載の電磁界プローブ(10,10’,10”)。
【請求項15】
電磁界プローブ(10,10’,10”)を製造する方法であって、
導電性の接地面(12)を準備する工程、
導電性の容量性ルーフ(13)を準備する工程、
前記電磁界プローブの高さが前記電磁界プローブの使用波長の30分の1より低いように、前記容量性ルーフ(13)を前記接地面(12)から距離を隔てて配置する工程、
少なくとも1つの励起ビア(110, 114, 115) を前記容量性ルーフ(13)に連結して、前記接地面(12)から電気的に絶縁する工程、
少なくとも1つの接地ビア(111, 112, 113) を前記接地面(12)及び前記容量性ルーフ(13)に連結する工程
を有し、
前記少なくとも1つの励起ビア及び前記少なくとも1つの接地ビアの数が少なくとも3であり、
前記少なくとも1つの励起ビア及び前記少なくとも1つの接地ビアは、励起ビアに電力を供給すると、第1の電流ループ(201) 及び第2の電流ループ(202) を形成するように配置されており、前記第1の電流ループ及び前記第2の電流ループは夫々、前記容量性ルーフ(13)の面と実質的に平行な磁場(H1, H2)に感応するように、前記容量性ルーフ(13)の面に延びて前記容量性ルーフに実質的に直交する方向に延び、前記第1の電流ループ及び前記第2の電流ループは、前記容量性ルーフ(13)の面で互いに実質的に直交する方向を有する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に、電磁界プローブの分野に関する。電磁界プローブは、特に磁場及び電場の分布が均一ではない、少なくとも部分的に閉じられたキャビティなどの環境での無線情報伝送に特に適用される。
【背景技術】
【0002】
情報伝送、より具体的には電磁波を用いた無線伝送の分野では、磁場及び電場の分布が必ずしも均一ではないような環境がある。このような状況は特に、電磁場の波長に対する寸法(電気的寸法)が物理的限界より大きい少なくとも部分的に閉じられた環境で情報の伝送を望む場合に生じる。環境の例として、少なくとも所与の長さに亘って少なくとも部分的に閉じられた金属キャビティが挙げられる。
【0003】
このような金属キャビティ内で情報を伝送するために、(電場用の)先端型若しくはストランド型プローブ及び/又は(磁場用の)ループ型プローブを使用し、電磁場の確立モードを励起させて、キャビティ内で発生する電磁場に結合することが一般的である。そのため、一又は複数のプローブがキャビティ内の電磁場の一又は複数の確立されたモードと結合するという条件で、キャビティの2つのポイント間で通信することが可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、閉じられたキャビティ内では、電場及び磁場の向き及び分布は、キャビティのサイズ及び形状並びにキャビティを形成する材料によって主に制御される。例えば、少なくとも1つの横断寸法が電磁場の波長の半分程度である閉じられたキャビティでは、電場及び磁場が略均一に確立され得る(「基本」と称されるモード)。逆に、閉じられたキャビティの2つの横断寸法が電磁場の波長の略半分より大きい場合、最小値及び最大値を示す非均一な電場分布及び磁場分布が、電場及び/又は磁場が非常に低いか又はゼロである領域と、電場及び/又は磁場が非常に高い領域とで生じる(「高次」と称されるモード)。
【0005】
更に、電場及び磁場の分布は、キャビティ内の電磁場の周波数に応じて変わる。同一のサイズ及び同一の形状のキャビティでは、周波数が高くなるほど、より高次モードが生じ、キャビティ内の電場及び磁場の均一性が低下する。結果として、周波数が高いほど、電磁場の低下(又は「無効」)が発生する確率が高くなる。
【0006】
これらの現象により、無線情報伝送はキャビティ内のプローブの位置に依存する。言い換えれば、これらの現象は、キャビティの任意のポイントで情報を送信する及び/又は受信する能力に直接影響を及ぼす。
【0007】
ある解決策では、キャビティ内の高次モードを考慮するために、先端型(若しくはストランド型)及び/又はループ型の複数のプローブをキャビティ内の様々な位置に配置する。ある解決策では、特に所定の電磁場確立モードを励起させるためにプローブの形状を適合させるが、特にプローブの形状が複雑である場合、組み立ての問題及び/又は製造の問題が発生する可能性がある。
【0008】
更に、プローブの形状の適合は一般に、電場を感知可能なプローブ及び磁場を感知可能な別のプローブという少なくとも2つのプローブをキャビティ内に設けるという必要性を取り除くには十分ではない。実際、近距離伝送には、電場及び磁場の両方を感知可能であることが必要である。ここで、遠距離場とは異なり、近接場(例えば金属キャビティ)では、電場及び磁場は必ずしも関連しておらず、一般に電場又は磁場の1つを取り込み得るだけでは、対象とする環境のあらゆるポイントで情報を確実且つ継続的に伝送するには十分ではない。
【0009】
更に、既知のプローブは一般にある磁場の向きを感知可能なままであるため、磁場の特定の向きはこれらのプローブによって取り込まれ得ないか又は取り込まれるのが困難である。
【0010】
環境(例えばキャビティ)の空間のあらゆるポイントで電場及び磁場によって形成される2つの成分を感知可能な電磁界プローブであって、対象とする環境、特に磁場及び電場の分布が必ずしも均一ではない環境で情報を伝送するように適合されている電磁界プローブが必要である。特に、プローブの面内の磁場の向きに関係なく動作可能な電磁界プローブが必要である。
【0011】
プローブの動作周波数が何であれ、特に対象とする環境内の電磁場の伝送モードと結合する周波数の範囲外で、このようなプローブが、環境のあらゆるポイントで十分な伝送レベルを更に維持可能であることが有利である。
【0012】
このようなプローブが、入力インピーダンス及び/又は出力インピーダンスと調整可能な放射光効率とを有することが更に有利である。
【0013】
このようなプローブが、あらゆるタイプの環境及び/又はあらゆるタイプの伝送システムに一体化され得るようにプローブの大きさを小さくすることが更に有利である。
【0014】
実施形態は、既知の電磁界プローブの不利点の全て又は一部を克服する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
実施形態は、主面に沿って延びている電磁界プローブであって、
導電性の接地面、及び
前記接地面から距離を隔てて配置されている導電性の容量性ルーフ
を備えており、
前記接地面及び前記容量性ルーフは、前記接地面及び前記容量性ルーフ間の界面の少なくとも一部に亘って誘電体材料によって隔てられており、
前記電磁界プローブは、前記誘電体材料を貫いて延びている少なくとも3つの導電性ビアを更に備えており、
前記少なくとも3つの導電性ビアは夫々、前記容量性ルーフに電気的に連結されて、前記接地面から電気的に絶縁されて、電力源に連結されるように構成されている励起ビアであるか、又は、前記接地面を前記容量性ルーフと電気的に連結している接地ビアであり、前記少なくとも3つの導電性ビアは少なくとも1つの励起ビア及び少なくとも1つの接地ビアを有し、
前記少なくとも3つの導電性ビアは、少なくとも1つの励起ビアに電力を供給すると、第1の電流ループ及び第2の電流ループを形成するように配置されており、前記第1の電流ループ及び前記第2の電流ループは夫々、前記容量性ルーフの面と実質的に平行な磁場に感応するように、前記容量性ルーフの面に延びて前記容量性ルーフに実質的に直交する方向に延び、前記第1の電流ループ及び前記第2の電流ループは、前記容量性ルーフの面で互いに実質的に直交する方向を有する、電磁界プローブを提供する。
【0016】
実施形態によれば、前記少なくとも3つの導電性ビアは、励起ビア、第1の接地ビア及び第2の接地ビアを有しており、前記第1の電流ループは、前記励起ビア、前記容量性ルーフ及び前記第1の接地ビア間を延び、前記第2の電流ループは、前記励起ビア、前記容量性ルーフ及び前記第2の接地ビア間を延びる。
【0017】
特定の実施形態によれば、前記容量性ルーフの面内の前記第1の接地ビアの接続ポイントを前記容量性ルーフの面内の前記励起ビアの接続ポイントと連結する直線が、前記容量性ルーフの面内の前記第2の接地ビアの接続ポイントを前記容量性ルーフの面内の前記励起ビアの接続ポイントと連結する直線に実質的に直交する。
【0018】
実施形態によれば、前記少なくとも3つの導電性ビアは、接地ビア、第1の励起ビア及び第2の励起ビアを有しており、前記第1の電流ループは、前記第1の励起ビア、前記容量性ルーフ及び前記接地ビア間を延び、前記第2の電流ループは、前記第2の励起ビア、前記容量性ルーフ及び前記接地ビア間を延びる。
【0019】
特定の実施形態によれば、前記容量性ルーフの面内の前記第1の励起ビアの接続ポイントを前記容量性ルーフの面内の前記接地ビアの接続ポイントと連結する直線が、前記容量性ルーフの面内の前記第2の励起ビアの接続ポイントを前記容量性ルーフの面内の前記接地ビアの接続ポイントと連結する直線に実質的に直交する。
【0020】
実施形態によれば、前記電磁界プローブは、前記容量性ルーフの厚さ全体を横切る開口部によって形成されているスロットを更に備えている。
【0021】
特定の実施形態によれば、前記スロットは、前記容量性ルーフの面内の前記励起ビアの接続ポイントを通過して、前記容量性ルーフの面内の前記第1の接地ビアの接続ポイント及び前記容量性ルーフの面内の前記第2の接地ビアの接続ポイントから実質的に等距離で延びる直線に対して軸対称を示す。
【0022】
別の特定の実施形態によれば、前記スロットは、前記容量性ルーフの面内の前記接地ビアの接続ポイントを通過して、前記容量性ルーフの面内の前記第1の励起ビアの接続ポイント及び前記容量性ルーフの面内の前記第2の励起ビアの接続ポイントから実質的に等距離で延びる直線に対して軸対称を示す。
【0023】
実施形態によれば、前記電磁界プローブは、補足的な接地ビア又は補足的な励起ビアである少なくとも1つの補足的な導電性ビアを更に備えている。
【0024】
実施形態によれば、前記誘電体材料は空気である。
【0025】
別の実施形態によれば、前記誘電体材料は基板であり、例えば有機基板又はセラミック基板である。
【0026】
実施形態によれば、前記主面における前記プローブの大きさが、前記プローブの使用波長の4分の1より小さく、例えば、前記プローブの使用波長の20分の1~4分の1の範囲内であるか、又は前記プローブの使用波長の20分の1~10分の1の範囲内である。
【0027】
実施形態によれば、前記プローブの高さが、前記プローブの使用波長の30分の1より低く、例えば前記プローブの使用波長の100 分の1~30分の1の範囲内であるか、又は前記プローブの使用波長の105 分の1~30分の1の範囲内である。
【0028】
実施形態によれば、前記接地面は前記容量性ルーフと平行である。
【0029】
実施形態は、電磁界プローブを製造する方法であって、
導電性の接地面を準備する工程、
導電性の容量性ルーフを準備する工程、
前記容量性ルーフを前記接地面から距離を隔てて配置する工程、
少なくとも1つの励起ビアを前記容量性ルーフに連結して、前記接地面から電気的に絶縁する工程、
少なくとも1つの接地ビアを前記接地面及び前記容量性ルーフに連結する工程
を有し、
前記少なくとも1つの励起ビア及び前記少なくとも1つの接地ビアの数が少なくとも3であり、
前記少なくとも1つの励起ビア及び前記少なくとも1つの接地ビアは、励起ビアに電力を供給すると、第1の電流ループ及び第2の電流ループを形成するように配置されており、前記第1の電流ループ及び前記第2の電流ループは夫々、前記容量性ルーフの面と実質的に平行な磁場に感応するように、前記容量性ルーフの面に延びて前記容量性ルーフに実質的に直交する方向に延び、前記第1の電流ループ及び前記第2の電流ループは、前記容量性ルーフの面で互いに実質的に直交する方向を有する、方法を提供する。
【0030】
全ての実施形態について、対象とする環境は、例えば、金属キャビティなどの少なくとも部分的に閉じられたキャビティである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
前述の特徴及び利点等は、添付図面を参照して本発明を限定するものではない例示として与えられる特定の実施形態の本開示の残り部分に詳細に記載される。
【0032】
図1A】実施形態に係るプローブを平面視(主面)で示す図である。
図1B図1Aのプローブを主面に垂直な面(断面BB)に沿って示す断面図である。
図1C図1Aのプローブを3Dで示す図である。
図2】実施形態に係るプローブを示す概略図である。
図3】別の実施形態に係るプローブを平面視で示す図である。
図4】別の実施形態に係るプローブを平面視で示す図である。
図5A】実施形態に係るプローブに相当するように互いに90°で2方向に向いたプローブに関して得られた測定結果を示す図表である。
図5B】実施形態に係るプローブに相当するように互いに90°で2方向に向いたプローブに関して得られた測定結果を示す図表である。
図5C】実施形態に係るプローブに相当するように互いに90°で2方向に向いたプローブに関して得られた測定結果を示す図表である。
図6A】実施形態に係るプローブの第1の使用例を示す図である。
図6B】実施形態に係るプローブの第2の使用例を示す図である。
図6C】実施形態に係るプローブの第3の使用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
様々な図には、同様の特徴が同様の参照符号によって示されている。特に、様々な実施形態で共通の構造的特徴及び/又は機能的特徴は同一の参照符号を有してもよく、同一の構造的特性、寸法的特性及び材料的特性を有してもよい。
【0034】
明瞭化のために、記載されている実施形態の理解に有用な工程及び要素のみを図示し、詳細に説明している。特に、励起ビアの電力供給は、一般的に記載されておらず、本発明の分野における当業者の技能の範囲内である。
【0035】
特に示されていない場合、共に接続された2つの要素について言及する場合、これは、導体以外のいかなる中間要素も無しの直接接続を表し、共に連結された2つの要素について言及する場合、これは、これら2つの要素が接続され得るか、又は一若しくは複数の他の要素を介して連結され得ることを表す。
【0036】
以下の記載では、「前」、「後ろ」、「最上部」、「底部」、「左」、「右」などの絶対位置、若しくは「上方」、「下方」、「上側」、「下側」などの相対位置を限定する用語、又は「水平方向」、「垂直方向」などの方向を限定する用語を参照するとき、特に指定されていない場合、この用語は図面の向き又は通常の使用位置にあるプローブを指す。
【0037】
図面においてXYで示されている主面におけるプローブの大きさは、主面の2つの垂直方向、例えば第1の方向X及び第2の方向Yの大きさに相当する。例えば、矩形状(例えば正方形状)のプローブでは、主面における大きさは矩形の2つの辺に相当し、円形状のプローブでは、主面における大きさは円の直径に相当し、楕円形状のプローブでは、主面における大きさは楕円の2つの軸に相当する。
【0038】
プローブの使用波長は、プローブがある波長で動作するように構成されている場合、プローブの使用波長がこの波長であるように定められている。
【0039】
特に指定されていない場合、「約」、「略」、「実質的に」及び「程度」という表現は、該当する値のプラスマイナス10%、好ましくはプラスマイナス5%を表す。
【0040】
図1A図1B及び図1Cは、実施形態に係るプローブ10の3つの図面、平面図(主面)、主面XYに垂直な面の断面BB、及び3D図である。
【0041】
図示されている電磁界プローブ10は、
-接地面12、
-接地面12から距離を隔てて配置されている容量性ルーフ13(接地面12及び容量性ルーフ13は誘電体材料14によって隔てられている)、並びに
-誘電体材料14を貫通する3つの導電性ビア110, 111, 112
を備えており、3つの導電性ビアは、
--容量性ルーフ13に電気的に連結されており、電力源に連結され得る励起ビア110 、
--第1の接地ビア111 、及び
--第2の接地ビア112
であり、接地ビアは、接地面12を容量性ルーフ13と電気的に連結することができる。
【0042】
励起ビア110 は、接地面12に電気的に連結されていない。
【0043】
簡略化のために、接地ビア(grounding vias)は「接地ビア(ground vias)」と表され得る。接地ビアは、接地面12と容量性ルーフ13との間に短絡回路を形成する機能を有する。
【0044】
容量性ルーフ13は導電性を有し、好ましくは平面形状(例えば板の形状又は基板上の金属堆積物の形状)を有する。接地面12は導電性を有し、好ましくは平面形状(例えば板の形状又は基板上の金属堆積物の形状)を有する。容量性ルーフ13は、実質的に接地面12と平行であることが好ましい。
【0045】
プローブは主面XYに沿って延びている。容量性ルーフ13が接地面12と平行であるため、容量性ルーフ、接地面、ひいてはプローブは、同一の主面XYに沿って(接地面及び容量性ルーフ間の距離に等しい厚さに、接地面の厚さ及び容量性ルーフの厚さを加えた厚さで)延びているとみなされる。
【0046】
接地面12、容量性ルーフ13、及び各ビアは、金属、例えば銅、アルミニウム又は鋼で少なくとも部分的に非限定的に夫々形成されてもよい。
【0047】
図示されている例では、容量性ルーフ13の面内の第1の接地ビア111 の接続ポイント111Aを容量性ルーフ13の面内の励起ビア110 の接続ポイント110Aと連結する直線CCは、容量性ルーフ13の面内の第2の接地ビア112 の接続ポイント112Aを容量性ルーフ13の面内の励起ビア110 の接続ポイント110Aと連結する直線DDに実質的に直交する。
【0048】
言い換えれば、図示されている容量性ルーフ13は正方形状であるため、第2の接地ビア112 は、容量性ルーフの面内の励起ビア110 の接続ポイント110Aを通過する容量性ルーフ13の対角線AA(又は対称軸芯AA)に関して第1の接地ビア111 と対称的に配置されている。他方では、第1の接地ビア111 及び第2の接地ビア112 は、以下で説明するように、主面XYの2つの異なる方向の磁場を取り込み得るべく、励起ビア110 に対して点対称に配置されていない。
【0049】
この3つの励起ビア及び接地ビアの配置により、励起ビア110 に電力を供給するとき、容量性ルーフの面を通って容量性ルーフ13に実質的に直交する方向に延びる2つの電流ループ201, 202を形成することが可能である。
【0050】
簡略化のために、各電流ループは容量性ルーフの面を通って延びるが、接地面に実質的に直交すると記載され得る。接地面に実質的に直交するループによって、電力供給ループが、接地面に直交する面に含まれるか又は直交して投射され得る外形に沿って延びていると特に理解すべきである。言い換えれば、このようなループの外形は、ループの長さに応じて接地面に実質的に直交する面内に延びてもよい。
【0051】
従って、各電流ループは垂直方向に(Z方向に沿って)延びて主面XYの方向に沿って延び、2つの電流ループは、主面XYで互いに実質的に直交する方向を有する。このため、以下に説明するように、第1の電流ループ201 は主面XYの第1の方向Xの磁場H1に感応し、第2の電流ループ202 は主面XYの第2の方向Yの磁場H2に感応する。第2の方向Yが第1の方向Xに直交することが特定されている。
【0052】
更に、容量性ルーフ13は、容量性ルーフの厚さ全体に亘る開口部に相当するスロット130 を有しており、スロット130 は、対称軸芯AAに対して互いに実質的に対称な2つの部分1301, 1302を有している。各部分は、対称軸芯AAに対して45°の角度を形成する矩形状の渦巻形状を有する。この渦巻形状により、容量性ルーフの大きさを小さくしても、かなり長いスロットを得ることが可能である。スロットの長さを延ばすことにより、プローブの動作周波数を下げることが可能である。より一般的には、容量性ルーフにスロットを設けて大きさ調整することによって、プローブの動作周波数を調整することが可能になる。特に、スロットの長さはプローブの共振周波数に影響を及ぼす。
【0053】
スロットの形状のこの例は限定ではなく、スロットの所与の長さを得るために他のスロットの形状が可能である。例えば、スロットは他の直線的な形状、他の渦巻形状、又は蛇行形状を有してもよい。スロットは、連続したスロットを形成するために互いに連結された複数の部分に分割されてもよい。
【0054】
スロットが設けられているため、実施形態に係るプローブの電気的寸法を小さくすることが更に可能である。
【0055】
スロットを設けて大きさ調整することによって、様々な実施形態に応じてプローブの入力インピーダンス(及び/又は出力インピーダンス)を所与の値に調整することが更に可能である。この大きさ調整は、容量性ルーフ上の電流の伝搬を考慮して変更し、所望の入力インピーダンス(及び/又は出力インピーダンス)を得ることによって行われる。スロットは、プローブの入力インピーダンスを所与の値、例えば無線情報伝送の分野での典型的なインピーダンスである50オームに調整すべく大きさ調整されてもよい。
【0056】
(必ずしも必要ではない)スロットに関連するパラメータに加えて、様々な実施形態に係るプローブは、プローブの機能の全て又は一部、特に動作周波数及び波長、入力インピーダンス、出力インピーダンス、並びに/又は放射効率に作用し得る以下の複数の設計パラメータを有する。
- ビアの直径:主にプローブのインピーダンスに作用することが可能である
- ビア間の距離:主にプローブのインピーダンスに作用することが可能である
- プローブ/容量性ルーフの大きさ:主にプローブの共振周波数に作用することが可能である
- プローブの高さ:主にプローブの帯域幅(品質係数)に作用することが可能である
- 誘電体材料の選択:主にプローブの共振周波数に作用することが可能である
【0057】
特に、ビアの直径及びビア間の距離により、プローブの入力インピーダンスを、測定システム(例えばセンサ)の入力インピーダンス及び/又は通信システム(例えばRFIC無線周波数チップ)の入力インピーダンスと一致させるように調整することが可能であってもよい。
【0058】
接地面の主面における大きさは、容量性ルーフの大きさより大きいか又は例えば容量性ルーフの大きさと等しい。
【0059】
従って、プローブの設計中、上記に挙げたパラメータの全て又は一部に作用させることにより、プローブを特にあらゆる種類の環境、制約及び/又は用途に適合させることが可能である。
【0060】
特に、誘電体材料は、
- 空気、
- 誘電体基板、例えば
- 有機基板、例えばRogers 4003 (登録商標)基板、duroid 5880 (登録商標)基板、FR4 基板、
- セラミック基板、例えばRogers curamik(登録商標)基板、又は低温同時焼成セラミックス(LTCC)基板
であってもよい。
【0061】
誘電体基板は、場合によっては様々な誘電体材料、又は混合した有機/セラミック材料を含む誘電体材料の複数の層の積層体で形成されてもよい。
【0062】
誘電体材料が基板である場合、ビアは接地面上で容量性ルーフを機械的に支持する機能を果たしてもよい。誘電体材料が空気である場合、絶縁材料、例えばプラスチック又はナイロンで形成された柱状体が、接地面上での容量性ルーフの機械的な保持を補強すべく接地面及び容量性ルーフ間に追加されてもよい。これらの柱状体は、容量性ルーフの下又は前記容量性ルーフの縁部に配置されてもよい。
【0063】
接地ビア及び励起ビアは異なる外形(円形、多角形、・・・)を有してもよい。図示されている例のように、ビアが円形タイプである場合、ビアの直径は1mm程度であってもよく、又は100 μm~5mmの範囲内であってもよい。
【0064】
面内における(プローブの動作波長に対する)プローブの電気的寸法は、1/20~1/4 の範囲内であってもよく、又は1/20~1/10の範囲内であってもよく、又は1/20~1/15の範囲内であってもよい。
【0065】
(プローブの動作波長に対する)プローブの電気的高さは、1/30以下であることが好ましい。従って、プローブの高さは、プローブの動作波長に対して現在の高さよりはるかに低い。プローブの高さは、1/150 ~1/30の範囲内であってもよく、又は1/100 ~1/30の範囲内であってもよく、例えば実質的に1/100 に等しくてもよい。
【0066】
従って、プローブの大きさが減少し得る。例えば、接地ビアの数を増やす必要なく、及び/又は、磁性誘電体材料内に接地ビアを配置する必要なく、大きさが減少し得る。従って、接地面と容量性ルーフとの間の誘電体材料は、空気又は必ずしも必要ではない磁性誘電体材料であってもよい。プローブは、特に様々なタイプの環境及び/又は伝送システムに一体化されてもよい。
【0067】
例として、図2のプローブ10は、433 MHz の周波数で動作するように構成されてもよい。この例では容量性ルーフの大きさに相当する主面XYにおけるプローブの大きさは40×40mm2 であってもよい。プローブの高さh1は4mmであってもよい。ビアの直径は、励起ビアの場合1.5 mmであってもよく、接地ビアの場合0.3 mmであってもよく、各接地ビアと励起ビアとの間の距離D4は8mmであってもよい。スロットの長さは164.4 mmであってもよく、幅は1.65 mm であってもよい。この長さは、5つの区分を有する2つの矩形状の渦巻を形成することによって得られてもよく、図1Aに示されているように、2つの連続する区分は互いに垂直に結合されており、各渦巻は、長さL1が21mmの第1の区分、長さL2が13.15 mmの第2の区分、長さL3が24.65 mmの第3の区分、長さL4が11.2 mm の第4の区分、及び長さL5が12.2 mm の第5の区分を有する。第1の渦巻1301は線CCから距離D1を隔てて設けられている。第2の渦巻は、線DDから同じ距離D1だけ離れている。例では、距離D1は3mmである。
【0068】
図2は、別の実施形態に係るプローブに適用されてもよいが、図1A図1Cのプローブ10を例としてプローブの概略図を示す。概略図に示されているプローブは、主面XYに垂直な面に沿った断面図CC(断面は図1Aに示されている)の図1A図1Cのプローブである。
【0069】
励起ビア110 は、電源300 から電力が供給されると、第1の接地ビア111 に集中する第1の電流200 を発生させ、このため、プローブは垂直電場Eを感知可能になる。更に、励起ビア110 、容量性ルーフ13及び第1の接地ビア111 間に第1の電流ループ201 を形成する第2の電流が発生し、このため、プローブは、プローブの主面XYの第1の方向Xに沿った磁場成分H1を感知可能になる。
【0070】
上述した図及び電流は、第2の接地ビア112 に関して同様であり、第2の電流ループ202 が、励起ビア110 、容量性ルーフ13及び第2の接地ビア112 間に形成されるため、プローブは、主面の第2の方向Yに沿った磁場成分H2を感知可能になる。
【0071】
従って、プローブは、電磁場、つまり(方向Zの)垂直電場及び主面XYにおける磁場Hに全方向で結合可能であり、(面の2つの垂直方向X,Yにおける成分を感知可能である)。
【0072】
このため特に、環境内のプローブの数を増やす必要なく、環境の様々なポイント間で情報を伝送する質を向上させることができ、特に対象とする環境内での伝送をより均一にすることができる。
【0073】
図3は、別の実施形態に係るプローブ10’を平面視で示す。
【0074】
図示されているプローブ10’は、スロット131 の形状とスロットの長さの減少とによって図1A~1Cのプローブとは異なる。図1A~1Cのプローブ10と同様に、スロット131 は容量性ルーフ13の対称軸芯AAに対して実質的に対称な2つの部分1311, 1312を有し、各部分は前記対称軸芯と45°の角度を形成するが、2つの部分1311, 1312は、互いに垂直に連結された3つの区分で夫々配置されている点で異なるため、5つの区分を有するスロットと比較してスロットの長さが減少する。スロットの長さが減少することにより、プローブの動作周波数を上げることが可能である。
【0075】
図1A~1Cに関連して記載されている他の機能、大きさ調整手段及び代替例並びに図2の動作図は図3のプローブに適用されてもよい。
【0076】
例として、図3のプローブ10’は、900 MHz の周波数で動作するように構成されてもよい。この例では容量性ルーフの大きさに相当する主面XYにおけるプローブの大きさは30×30mm2 であってもよい。プローブの高さは4mmであってもよい。ビアの直径は、励起ビアの場合1.8 mmであってもよく、接地ビアの場合0.8 mmであってもよく、各接地ビアと励起ビアとの間の距離は5mmであってもよい。スロットの長さは65mmであってもよく、幅は1mmであってもよい。この長さは、3つの区分を夫々有する2つの矩形状の渦巻を形成することによって得られてもよく、図3に示されているように、2つの連続する区分は互いに垂直に結合されており、各渦巻は、長さL1が14.93 mmの第1の区分、長さL2が8.95mmの第2の区分、及び長さL3が8.7 mmの第3の区分を有する。第1の渦巻1311は直線CCから距離D1だけ離れている。第2の渦巻1312は、直線DDから同じ距離D1だけ離れている。例では、距離D1は4.2 mmである。更に、第2の区分は、容量性ルーフの縁部から、例えば4.2 mmの距離D2だけ夫々離れており、第3の区分は、容量性ルーフの縁部から、例えば1.8 mmの距離D3だけ夫々離れている。
【0077】
図4は別の実施形態に係るプローブ10”を平面視で示す。
【0078】
図示されているプローブは、(図1A~1Cのプローブ10の1つの励起ビア110 及び2つの接地ビア111, 112の代わりに)接地ビア113 並びに第1の励起ビア114 及び第2の励起ビア115 を備えている点で図1A ~1Cのプローブとは異なる。
【0079】
第1の電流ループ201 が、容量性ルーフ13に接続されている第1の励起ビア114 及び接地ビア113 によって形成されている点、並びに第2の電流ループ202 が、容量性ルーフ13に接続されている第2の励起ビア115 及び接地ビア113 によって形成されている点を除いて、図2の記載が、この他の実施形態に適用される。
【0080】
この他の実施形態により、主面XYにおける磁場の2つの直交成分を識別することが可能になる。実際、X軸に向いた磁場H1の部分は第1の電流ループ201 と結合する。Y軸に向いた磁場は、第1の電流ループ201 に結合しないか又は僅かにしか結合しない。相補的に、Y軸に向いた磁場H2の部分は第2の電流ループ202 と結合する。X軸に向いた磁場は第2の電流ループ202 に結合しないか又は非常に僅かにしか結合しない。
【0081】
第1の励起ビア114 及び第2の励起ビア115 は接地面12に電気的に連結されていない。
【0082】
動作中、第1の励起ビア114 及び第2の励起ビア115 は、(互いに位相シフトしてもよい)2つの電流を供給できる1つの電源、又は2つの独立した電源によって電力供給されてもよい。
【0083】
図示されている例では、容量性ルーフ13の面内の第1の励起ビア114 の接続ポイント114Aを容量性ルーフ13の面内の接地ビア113 の接続ポイント113Aと連結する直線CCは、容量性ルーフ13の面内の第2の励起ビア115 の接続ポイント115Aを容量性ルーフ13の面内の接地ビア113 の接続ポイント113Aと連結する直線DDに実質的に直交する。
【0084】
言い換えれば、図示されている容量性ルーフ13は正方形状であるため、第2の励起ビア115 は、容量性ルーフの面内の接地ビア113 の接続ポイント113Aを通過する容量性ルーフ13の対角線(又は対称軸芯)AAに関して第1の励起ビア114 と対称的に配置されている。他方では、第1の励起ビア114 及び第2の励起ビア115 は、以下で説明するように、主面XYの2つの異なる方向における磁場を取り込み得るべく、接地ビア113 に対して点対称に配置されていない。
【0085】
図1A~1C及び図3に関連して記載されている他の機能、大きさ調整手段及び代替例が図4のプローブに適用されてもよい。
【0086】
図2の動作図に関しては、上述したように基本的に同一のままである。差は、2つの励起ビア及び1つの接地ビアが設けられているため、励起ビア114, 115が一又は複数の電源から電力供給されると、第1の電流ループ201 が、第1の励起ビア114 、容量性ルーフ13及び接地ビア113 間に形成されるため、プローブが、プローブの主面XYの第1の方向Xに沿った磁場H1を感知可能になり、第2の電流ループ202 が、第2の励起ビア115 、容量性ルーフ13及び接地ビア113 間に形成されるため、プローブは、主面の第2の方向Yに沿った磁場H2を感知可能になるということである。
【0087】
(不図示の)他の実施形態によれば、プローブは第4のビアを有してもよく、第4のビアは、以下であってもよい。
- 補足的な接地ビア:図1A~1B又は図2の実施形態を参照する変形例によれば、補足的な接地ビアは、対称軸芯AAに対して第1の接地ビア又は第2の接地ビアと同一の側又は反対側で第1の接地ビア111 及び励起ビア110 と又は第2の接地ビア112 及び励起ビア110 と実質的に整列してもよい。図3の実施形態を参照する別の変形例によれば、補足的な接地ビアは、対称軸芯AAに対して第1の励起ビア又は第2の励起ビアと同一の側又は反対側で接地ビア113 及び第1の励起ビア114 と又は接地ビア113 及び第2の励起ビア115 と実質的に整列してもよい。
- 補足的な励起ビア:図1A~1B又は図2の実施形態を参照する変形例によれば、補足的な励起ビアは、対称軸芯AAに対して第1の接地ビア又は第2の接地ビアと同一の側又は反対側で第1の接地ビア111 及び励起ビア110 と又は第2の接地ビア112 及び励起ビア110 と実質的に整列してもよい。この場合、同一の電流ループ201 及び電流ループ202 の全ての励起ビアが共に電気的に接続される。
【0088】
補足的な接地ビアにより、例えば主にプローブの共振の振幅を制御することが可能になり、補足的な励起ビアにより、例えばプローブの入力インピーダンスの虚数部を制御することが可能になる。
【0089】
図1A図1B図1C図3及び図4のプローブでは、容量性ルーフは、好ましくは実質的に正方形状を有するが、実施形態は、言うまでもなくこのタイプの形状に限定されない。容量性ルーフは、例えば、正方形以外の多角形、円形又は楕円形、又はあらゆる他の適切な形状を有してもよい。
【0090】
実施形態に係るプローブを製造する方法の例を以下に開示する。参照番号については、図1A図1B図1C図3及び図4を参照することができる。
【0091】
実施形態によれば、誘電体材料で形成された基板14、例えばFR4 タイプの基板が利用可能であり、
- 第1の工程では、基板の下面14B に金属層を形成して、定められた大きさに従って接地面12を形成し、
- 第2の工程では、基板の上面14A に金属層を形成して、定められた大きさに従って容量性ルーフ13を形成し、
- 第3の工程では、場合によっては、スロット130, 131を、容量性ルーフ13の厚さに亘って、定められた長さ及びパターンで形成し、
- 第4の工程では、接地面12及び容量性ルーフ13を電気的に連結する接地ビア111, 112(又は1つの接地ビア113 )と、容量性ルーフ13に電気的に連結されているが接地面12から電気的に絶縁されている1つの励起ビア110 (又は励起ビア114, 115)を誘電体基板に形成し、
- 場合によっては、(第4の工程の前又は後であってもよい)第5の工程では、励起ビア110 を通すべく接地面12の厚さに亘って開口部を形成し(又は場合によっては、複数の励起ビア114, 115を通すべく複数の開口部を形成し)、例えば接地面を通る励起ビアの各通路に電気絶縁体を追加することにより、各励起ビアを接地面から電気的に絶縁する。
【0092】
第1の工程は、誘電体材料で形成された基板の下面全体を金属被覆して接地面を形成する工程を有してもよい。
【0093】
第2の工程は、誘電体材料で形成された基板の上面を少なくとも部分的に金属被覆して容量性ルーフを形成する工程を有してもよい。
【0094】
第3の工程は、容量性ルーフを機械加工するか又はエッチングして、スロットを形成する工程を有してもよい。
【0095】
第4の工程は、マイクロエレクトロニクスの分野で知られている技術に従って基板にビアを印刷する工程を有してもよい。
【0096】
別の実施形態によれば、2つの金属層が既に形成されている基板を使用してもよい。そのため、第1の工程及び第2の工程は必要ではなくなる。例えば、FR4 タイプの基板などの2つの片面基板(絶縁層上の金属被膜面)を使用してもよい。各基板の金属被膜面をエッチングして、必要に応じて、容量性ルーフを形成する基板にスロットを形成してもよく、及び/又は、一又は複数の励起ビアを通すべく接地面を形成する基板に一又は複数の開口部を形成してもよい。次に、2つの片面基板を、予め接着剤の層で夫々被覆されている絶縁層によって組み立てる。その後、このようにして得られた構造体を穿孔して、孔を金属被覆して接地ビア及び励起ビアを形成する。
【0097】
別の実施形態によれば、基板は使用されず、誘電体材料は空気である。そのため、第1の工程及び第2の工程は省略され、金属板を配置して、定められた大きさの接地面を形成する工程、及び別の金属板を配置して、定められた大きさの容量性ルーフを形成する別の工程と置き替えられてもよい。更に、この実施形態によれば、第4の工程では、接地ビア及び励起ビアを基板に形成しない。一又は複数の接地ビアを接地面及び容量性ルーフに組み立ててもよく(例えば溶接又はねじ留めしてもよく)、一又は複数の励起ビアを、容量性ルーフに組み立ててもよい(例えば溶接又はねじ留めしてもよい)一方、接地面から電気的に絶縁してもよい。構造を安定させるために、絶縁材料、例えばプラスチック又はナイロンで形成された柱状体を、接地面及び容量性ルーフ間に加えてもよい。これらの柱状体は、容量性ルーフの下又は前記容量性ルーフの縁部に配置されてもよい。
【0098】
図5A~5Cは、直径336 ミリメートルの円筒状の金属キャビティ内における、技術的現状のプローブに関して得られた測定結果と比較した、実施形態に係るプローブに相当する互いに対して90°で2方向に向いたプローブに関して得られた測定結果を示す。
【0099】
グラフ毎に、横座標は夫々の対象とするプローブの動作周波数を表す。縦座標は、キャビティの1つのポイントに配置された送信アンテナとキャビティの様々なポイントに配置された対象とするプローブとの間の伝送損失をdB単位で表す。図5A~5Cでは、曲線501 及び曲線502 は、送信アンテナと実施形態に係るプローブとの間の最小伝送レベル及び最大伝送レベルを示し、曲線501 は最小レベルを示し、曲線502 は最大レベルを示す。他の図形503 及び図形504 は、互いに直交する2つの方向に沿って配置された技術的現状のプローブに関して得られた結果を示す。
【0100】
図5Aは、300 ~500 MHz の範囲内の周波数で得られた測定結果を示す。図5Bは、600 ~1,100 MHz の範囲内の周波数で得られた測定結果を示す。図5Cは、1,800 ~2,600 MHz の範囲内の周波数で得られた測定結果を示す。
【0101】
周波数が高くなるほど、より高次モードが生じ、キャビティ内の電場及び磁場の均一性が低下し、技術的現状のプローブの図形503 及び図形504 では更に伝送の低下(無効)が生じる。
【0102】
他方では、曲線501 及び曲線502 は、実施形態に係るプローブが、非常に高い周波数でも、これらの伝送損失を補償し得ることを示す。点線で囲まれた領域は、技術的現状のプローブと比較してプローブが伝送を大幅に向上させる領域の例に対応する。
【0103】
図6A図6B及び図6Cは、実施形態に係るプローブの3つの使用例を示す。
【0104】
図6Aに示されている第1の例では、構成要素20(例えば、センサ又はRFICチップ)が実施形態に係るプローブ10に連結されており、プローブ-構成要素の集合体がキャビティ40内に設けられている。更に、アンテナ30が、プローブに連結された構成要素と通信するために、キャビティ40内で電磁波50を送信するように適合されている。キャビティ内でモードが確立され、電磁場がプローブによって取り込まれて、プローブは構成要素からアンテナ30に情報を後方散乱させ得る。この例では、構成要素はプローブの下に配置されてプローブと接している。
【0105】
図6Bに示されている第2の例では、構成要素20が、実施形態に係るプローブ10にコネクタによって連結されており、プローブのみがキャビティ40内に配置されている。更に、アンテナ30が、キャビティ40内で電磁波50を送信するように適合されており、更に構成要素20にコネクタによって連結されている。キャビティ内でモードが確立され、アンテナ30(ひいてはプローブ10)によって発生した電磁場が、例えば送信測定を行うためにプローブ10(ひいてはアンテナ30)によって取り込まれる。
【0106】
図6Cに示されている第3の例では、構成要素20が、実施形態に係るプローブ10にコネクタによって連結されており、プローブのみがキャビティ40内に配置されている。更に、アンテナ30が、キャビティ40内に電磁波50を送信するように適合されている。この構成の目的は、例えば、キャビティ内のプローブ10のあらゆる位置に関する電磁場成分の値をマッピングするために、アンテナ30によって放射される電磁場を測定することである。
【0107】
記載されている適用例の各々では、複数のプローブをキャビティ内に使用することが可能である。更に、図示されているキャビティは閉じられてもよく又は部分的に閉じられてもよい。
【0108】
様々な実施形態に係る電磁界プローブの可能な適用の中で、以下が可能である。
- 計測技術:例えば、近距離測定
- 通信:例えば、大きな寸法のキャビティ内の情報の無線伝送
- マイクロ波周波数:例えば、高次モードの導波路内の電磁場の励起用
【0109】
様々な実施形態及び変形例が説明されている。当業者は、これらの様々な実施形態及び変形例のある特徴が組み合わされてもよいと理解し、他の変形例が当業者に想起される。特に、接地面及び容量性ルーフは、同一の表面積を有することが示されている。或いは、接地面の表面積が容量性ルーフの表面積より大きくてもよく、又は容量性ルーフの表面積が接地面の表面積より大きくてもよい。更に、容量性ルーフは必ずしもスロットを含まなくてもよい。
【0110】
最後に、記載されている実施形態及び変形例の実際の実施は、上述した機能的な表示に基づく当業者の技能の範囲内である。
【0111】
本特許出願は、参照によって本明細書に組み込まれている、2021年7月27日に出願された仏国特許出願第21/08129 号明細書の優先権を主張している。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
【手続補正書】
【提出日】2024-03-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
面に沿って延びている電磁界プローブであって、
導電性の接地面、及び
前記接地面から距離を隔てて配置されている導電性の容量性ルー
備えており、
前記接地面及び前記容量性ルーフは、前記接地面及び前記容量性ルーフ間の界面の少なくとも一部に亘って誘電体材料によって隔てられており、
前記電磁界プローブは、前記誘電体材料を貫いて延びている少なくとも3つの導電性ビアを更に備えており、
前記少なくとも3つの導電性ビアは夫々、前記容量性ルーフに電気的に連結されて、前記接地面から電気的に絶縁されて、電力源に連結されるように構成されている励起ビアであるか、又は、前記接地面を前記容量性ルーフと電気的に連結している接地ビアであり、前記少なくとも3つの導電性ビアは少なくとも1つの励起ビア及び少なくとも1つの接地ビアを有し、
前記少なくとも3つの導電性ビアは、少なくとも1つの励起ビアに電力を供給すると、第1の電流ループ及び第2の電流ループを形成するように配置されており、前記第1の電流ループ及び前記第2の電流ループは夫々、前記容量性ルーフの面と実質的に平行な磁場に感応するように、前記容量性ルーフの面に延びて前記容量性ルーフに実質的に直交する方向に前記少なくとも3つの導電性ビアの少なくとも1つを通って延び、前記第1の電流ループ及び前記第2の電流ループは、前記容量性ルーフの面で互いに実質的に直交する方向を有し、
前記電磁界プローブの高さは、前記電磁界プローブの使用波長の30分の1より低い、電磁界プローブ。
【請求項2】
前記少なくとも3つの導電性ビアは、励起ビア、第1の接地ビア及び第2の接地ビアを有しており、前記第1の電流ループは、前記励起ビア、前記容量性ルーフ及び前記第1の接地ビア間を延び、前記第2の電流ループは、前記励起ビア、前記容量性ルーフ及び前記第2の接地ビア間を延びる、請求項1に記載の電磁界プローブ。
【請求項3】
前記容量性ルーフの面内の前記第1の接地ビアの接続ポイントを前記容量性ルーフの面内の前記励起ビアの接続ポイントと連結する直線が、前記容量性ルーフの面内の前記第2の接地ビアの接続ポイントを前記容量性ルーフの面内の前記励起ビアの接続ポイントと連結する直線に実質的に直交する、請求項2に記載の電磁界プローブ。
【請求項4】
前記少なくとも3つの導電性ビアは、接地ビア、第1の励起ビア及び第2の励起ビアを有しており、前記第1の電流ループは、前記第1の励起ビア、前記容量性ルーフ及び前記接地ビア間を延び、前記第2の電流ループは、前記第2の励起ビア、前記容量性ルーフ及び前記接地ビア間を延びる、請求項1に記載の電磁界プローブ。
【請求項5】
前記容量性ルーフの面内の前記第1の励起ビアの接続ポイントを前記容量性ルーフの面内の前記接地ビアの接続ポイントと連結する直線が、前記容量性ルーフの面内の前記第2の励起ビアの接続ポイントを前記容量性ルーフの面内の前記接地ビアの接続ポイントと連結する直線に実質的に直交する、請求項4に記載の電磁界プローブ。
【請求項6】
前記容量性ルーフの厚さ全体を横切る開口部によって形成されているスロットを更に備えている、請求項1~5のいずれか1つに記載の電磁界プローブ。
【請求項7】
前記スロットは、前記容量性ルーフの面内の前記励起ビアの接続ポイントを通過して、前記容量性ルーフの面内の前記第1の接地ビアの接続ポイント及び前記容量性ルーフの面内の前記第2の接地ビアの接続ポイントから実質的に等距離で延びる直線に対して軸対称を示す、請求項3を引用する請求項6に記載の電磁界プローブ。
【請求項8】
前記スロットは、前記容量性ルーフの面内の前記接地ビアの接続ポイントを通過して、前記容量性ルーフの面内の前記第1の励起ビアの接続ポイント及び前記容量性ルーフの面内の前記第2の励起ビアの接続ポイントから実質的に等距離で延びる直線に対して軸対称を示す、請求項5を引用する請求項6に記載の電磁界プローブ。
【請求項9】
補足的な接地ビア又は補足的な励起ビアである少なくとも1つの補足的な導電性ビアを更に備えている、請求項1~のいずれか1つに記載の電磁界プローブ。
【請求項10】
前記誘電体材料は空気である、請求項1~のいずれか1つに記載の電磁界プローブ。
【請求項11】
前記誘電体材料は基板であり、例えば有機基板又はセラミック基板である、請求項1~のいずれか1つに記載の電磁界プローブ。
【請求項12】
前記主面における前記電磁界プローブの大きさが、前記電磁界プローブの使用波長の4分の1より小さく、例えば、前記電磁界プローブの使用波長の20分の1~4分の1の範囲内であるか、又は前記電磁界プローブの使用波長の20分の1~10分の1の範囲内であるか、又は前記電磁界プローブの使用波長の20分の1~15分の1の範囲内である、請求項1~のいずれか1つに記載の電磁界プローブ。
【請求項13】
前記電磁界プローブの高さが、前記電磁界プローブの使用波長の100 分の1~30分の1の範囲内であるか、又は前記電磁界プローブの使用波長の105 分の1~30分の1の範囲内である、請求項1~のいずれか1つに記載の電磁界プローブ。
【請求項14】
前記接地面は前記容量性ルーフと平行である、請求項1~のいずれか1つに記載の電磁界プローブ。
【請求項15】
電磁界プローブを製造する方法であって、
導電性の接地面を準備する工程、
導電性の容量性ルーフを準備する工程、
前記電磁界プローブの高さが前記電磁界プローブの使用波長の30分の1より低いように、前記容量性ルーフを前記接地面から距離を隔てて配置する工程、
少なくとも1つの励起ビアを前記容量性ルーフに連結して、前記接地面から電気的に絶縁する工程、
少なくとも1つの接地ビアを前記接地面及び前記容量性ルーフに連結する工程
を有し、
前記少なくとも1つの励起ビア及び前記少なくとも1つの接地ビアの数が少なくとも3であり、
前記少なくとも1つの励起ビア及び前記少なくとも1つの接地ビアは、励起ビアに電力を供給すると、第1の電流ループ及び第2の電流ループを形成するように配置されており、前記第1の電流ループ及び前記第2の電流ループは夫々、前記容量性ルーフの面と実質的に平行な磁場に感応するように、前記容量性ルーフの面に延びて前記容量性ルーフに実質的に直交する方向に延び、前記第1の電流ループ及び前記第2の電流ループは、前記容量性ルーフの面で互いに実質的に直交する方向を有する、方法。
【国際調査報告】