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特表2024-528022冷蔵庫およびその超音波補助処理装置の故障監視方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】冷蔵庫およびその超音波補助処理装置の故障監視方法
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/12 20060101AFI20240719BHJP
   F25D 23/00 20060101ALI20240719BHJP
   F25D 11/00 20060101ALI20240719BHJP
   F25D 31/00 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
F25D23/12 Z
F25D23/00 302Z
F25D11/00 101A
F25D31/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505193
(86)(22)【出願日】2022-06-27
(85)【翻訳文提出日】2024-02-06
(86)【国際出願番号】 CN2022101624
(87)【国際公開番号】W WO2023005559
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】202110857405.7
(32)【優先日】2021-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522029969
【氏名又は名称】チンダオ ハイアール レフリジレーター カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER REFRIGERATOR CO., LTD
【住所又は居所原語表記】Haier Industry Park, Haier Road No. 1 Laoshan District Qingdao,Shandong 266101, China
(71)【出願人】
【識別番号】521161200
【氏名又は名称】ハイアール スマート ホーム カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100104226
【弁理士】
【氏名又は名称】須原 誠
(72)【発明者】
【氏名】ヂャオ ビンタン
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン ポン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジン
(72)【発明者】
【氏名】ワン リーイェン
【テーマコード(参考)】
3L045
3L345
【Fターム(参考)】
3L045AA03
3L045BA01
3L045CA02
3L045MA12
3L045PA02
3L045PA04
3L345AA02
3L345AA30
3L345EE48
3L345KK02
3L345KK03
(57)【要約】
冷蔵庫およびその超音波補助処理装置の故障監視方法である。超音波補助処理装置は、並列に配置され、同一の超音波発生器から送信された駆動信号を受信し、目標食材に対して超音波振動を発生させるために使用される複数の第1超音波振動子と、超音波振動から実際誘導電圧を発生させるための第2超音波振動子と、を含む。故障監視方法は、第2超音波振動子によって発生された実際誘導電圧を取得するステップと、実際誘導電圧と標準誘導電圧を比較するステップと、実際誘導電圧が標準誘導電圧よりも小さい場合、超音波発生器の電源を切断するステップと、を含む。複数の第1超音波振動子に故障があるかどうかを適時に発見することができ、故障した第1超音波振動子を適時に修理または交換して危険を回避することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列に配置され、同一の超音波発生器から送信された駆動信号を受信し、目標食材に対して超音波振動を発生させるために使用される複数の第1超音波振動子と、前記超音波振動から実際誘導電圧を発生させるための第2超音波振動子とを含む冷蔵庫の超音波補助処理装置の故障監視方法であって、前記故障監視方法は、
前記第2超音波振動子によって発生した実際誘導電圧を取得するステップと、
前記実際誘導電圧と標準誘導電圧を比較するステップと、
前記実際誘導電圧が前記標準誘導電圧よりも小さい場合、前記超音波発生器の電源を切断するステップと、を含む、冷蔵庫の超音波補助処理装置の故障監視方法。
【請求項2】
前記第2超音波振動子によって発生した実際誘導電圧を取得するステップは、
前記第2超音波振動子に接続された収集装置のサンプリング値を取得し、前記サンプリング値を前記第2超音波振動子によって発生した実際誘導電圧とすることを含む、請求項1に記載の超音波補助処理装置の故障監視方法。
【請求項3】
前記標準誘導電圧は、前記複数の第1超音波振動子の正常動作中に前記第2超音波振動子によって発生した電圧値に応じて設定される、請求項1に記載の超音波補助処理装置の故障監視方法。
【請求項4】
前記超音波発生器の電源を切断するステップの後に、
前記実際誘導電圧と前記標準誘導電圧の差に基づいて故障コードを生成するステップをさらに含み、前記故障コードは、故障した前記第1超音波振動子の数を示すために使用される、請求項1~3のいずれか1項に記載の超音波補助処理装置の故障監視方法。
【請求項5】
前記実際誘導電圧と前記標準誘導電圧の差に基づいて故障コードを生成するステップの後に、
前記冷蔵庫の表示インタフェースに前記故障コードを表示し、前記冷蔵庫のブザーを制御して故障提示音を発するステップをさらに含む、請求項4に記載の超音波補助処理装置の故障監視方法。
【請求項6】
前記実際誘導電圧と標準誘導電圧を比較するステップの後に、
前記実際誘導電圧が前記標準誘導電圧と等しい場合、前記超音波補助処理装置の総処理時間を積算し、前記超音波補助処理装置の総処理時間が予め設定された処理時間に達したとき、前記超音波補助処理装置の処理を終了させるステップをさらに含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の超音波補助処理装置の故障監視方法。
【請求項7】
前記超音波補助処理装置の総処理時間を積算するステップは、
前記超音波補助処理装置の動作開始と同時にタイマーをオンにするステップと、
前記タイマー合計計時時間を取得するステップと、
前記タイマー合計計時時間を前記超音波補助処理装置の総処理時間とするステップと、を含む、請求項6に記載の超音波補助処理装置の故障監視方法。
【請求項8】
並列に配置され、同一の超音波発生器から送信された駆動信号を受信し、目標食材を処理する超音波振動を発生させるための複数の第1超音波振動子、および前記超音波振動から誘導電圧を発生させるための前記第2超音波振動子を含む超音波補助処理装置と、
メモリおよびプロセッサを含み、前記メモリに制御プログラムが記憶され、前記制御プログラムが前記プロセッサによって実行されると請求項1~8のいずれか1項に記載の超音波補助処理装置の故障監視方法を実施するコントローラと、を備える、冷蔵庫。
【請求項9】
前記超音波補助処理装置は、
前記冷蔵庫の貯蔵室内に配置されたトレイをさらに含み、
前記第2超音波振動子は前記トレイの底部の中央に配置され、
前記複数の第1超音波振動子は前記第2超音波振動子の周りであって前記トレイの底部の周囲に配置されている、請求項8に記載の冷蔵庫。
【請求項10】
前記超音波発生器に第1配線および第2配線が接続され、各前記第1超音波振動子の2つの接点はそれぞれ前記第1配線および前記第2配線に接続されている、請求項8に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵庫の技術分野に関し、特に、冷蔵庫およびその超音波補助処理装置の故障監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、超音波食材処理装置は、食材の処理効率を高めるために、食材を洗浄したり、食材の漬け込み速度、凍結速度を速めたりするために主に使用されている。先行技術において、超音波食材処理装置は、運転中、オープンループ制御方式を採用し、一部の装置は、リアルタイムで追跡し、超音波発生器の周波数を調整することが可能な周波数追跡電路も備えている。
【0003】
しかしながら、複数の超音波振動子が並列に接続された場合、追跡電路はすべての超音波振動子の動作状態を正確に感知することができず、例えば、1つの超音波振動子のみ損傷が発生した場合、適時に把握して効果的に処理することができず、より広範囲の部材損傷または紛失を引き起こす可能性があるため、まだ改良の余地がある。
【発明の概要】
【0004】
本発明の第1態様の1つの目的は、第1超音波振動子が故障したかどうかを監視し、第1超音波振動子が故障したとき直ちに効果的に処理することである。
【0005】
本発明の第1態様のもう1つの目的は、故障した第1超音波振動子の数を把握するために故障コードを生成することである。
【0006】
本発明の第2態様の目的は冷蔵庫を提供することである。
【0007】
特に、本発明の第1態様によれば、本発明は、冷蔵庫の超音波補助処理装置の故障監視方法を提供し、超音波補助処理装置は、並列に配置され、同一の超音波発生器から送信された駆動信号を受信し、目標食材に対して超音波振動を発生させるために使用される複数の第1超音波振動子と、超音波振動から実際誘導電圧を発生させるための第2超音波振動子とを含み、故障監視方法は、
第2超音波振動子によって発生された実際誘導電圧を取得するステップと、
実際誘導電圧と標準誘導電圧を比較するステップと、
実際誘導電圧が標準誘導電圧よりも小さい場合、超音波発生器の電源を切断するステップと、を含む。
【0008】
選択的に、第2超音波振動子によって発生された実際誘導電圧を取得するステップは、第2超音波振動子に接続された収集装置のサンプリング値を取得し、サンプリング値を第2超音波振動子によって発生した実際誘導電圧とすることを含む。
【0009】
選択的に、標準誘導電圧は、複数の第1超音波振動子の正常動作中、第2超音波振動子によって発生した電圧値に応じて設定される。
【0010】
選択的に、超音波発生器の電源を切断するステップの後に、実際誘導電圧と標準誘導電圧の差に基づいて故障コードを生成するステップをさらに含み、故障コードは故障した第1超音波振動子の数を示すために使用される。
【0011】
選択的に、実際誘導電圧と標準誘導電圧の差に基づいて故障コードを生成するステップの後に、冷蔵庫の表示インタフェースに故障コードを表示し、冷蔵庫のブザーを制御して故障提示音を発するステップをさらに含む。
【0012】
選択的に、実際誘導電圧と標準誘導電圧を比較するステップの後に、実際誘導電圧が標準誘導電圧と等しい場合、超音波補助処理装置の総処理時間を積算し、超音波補助処理装置の総処理時間が予め設定された処理時間に達したとき、超音波補助処理装置の処理を終了させるステップをさらに含む。
【0013】
選択的に、超音波補助処理装置の総処理時間を積算するステップは、
超音波補助処理装置の動作開始と同時にタイマーをオンにするステップと、
タイマー合計計時時間を取得するステップと、
タイマー合計計時時間を超音波補助処理装置の総処理時間とするステップと、を含む。
【0014】
本発明の第2態様によれば、本発明は冷蔵庫を提供し、
並列に配置され、同一の超音波発生器から送信された駆動信号を受信し、目標食材を処理するための超音波振動を発生させるための複数の第1超音波振動子、および超音波振動から誘導電圧を発生させるための第2超音波振動子を含む超音波補助処理装置と、
メモリおよびプロセッサを含み、メモリ内に制御プログラムが記憶され、制御プログラムがプロセッサによって実行されると請求項1~8のいずれか1項に記載の超音波補助処理装置の故障監視方法を実施するコントローラと、を備える。
【0015】
選択的に、超音波補助処理装置は、冷蔵庫の貯蔵室内に設けられたトレイをさらに含み、第2超音波振動子はトレイの底部の中央に配置され、複数の第1超音波振動子は第2超音波振動子の周りであってトレイの底部の周囲に配置されている。
【0016】
選択的に、超音波発生器に第1配線および第2配線が接続され、各第1超音波振動子の2つの接点はそれぞれ第1配線および第2配線に接続される。
【0017】
本発明の超音波補助処理装置の故障監視方法は、複数の第1振動子の動作過程により第2超音波振動子が実際誘導電圧を発生させることが判明した場合、実際誘導電圧と標準誘導電圧を比較することにより、実際誘導電圧が標準誘導電圧よりも小さい場合、第1振動子が故障したことを示すことができ、このとき、超音波発生器の電源を自動的に切断することにより、第1振動子の動作を停止し、故障した第1振動子によるより広範囲の損傷を効果的に回避することができる。
【0018】
さらに、本実施形態では、故障コードは、実際誘導電圧と標準誘導電圧の差に基づいて生成され、異なる差は、異なる数の第1振動子が故障したことを示すため、効果的に区別することができる。
【0019】
以下の添付図面を参照して本発明の具体的な実施例を詳細に説明することにより、本発明の上記およびその他の目的、利点および特徴は、当業者にとって明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
以下の好ましい実施形態の詳細な説明を読めば、様々な他の利点および利益は当業者にとって明らかになるであろう。添付図面は好ましい実施形態の目的を例示する目的でのみ使用され、本発明を限定するものではない。添付図面全体を通じて、同じ参照符号は同じ部材を示す。
【0021】
図1】本発明の一実施例による冷蔵庫の概略構造図である。
図2】本発明の一実施例による超音波補助処理装置の概略構造図である。
図3】本発明の一実施例による冷蔵庫の概略ブロック図である。
図4】本発明の一実施例による超音波補助処理装置の故障監視方法の概略図である。
図5】本発明の一実施例による超音波補助処理装置の故障監視方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して本開示の例示的な実施例をより詳細に説明する。添付図面に本開示の例示的な実施例が示されているが、本開示は、ここでの実施例によって限定されることなく、様々な形態で実施され得ることを理解されたい。むしろ、これらの実施例は、本開示をより徹底的に理解し、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるために提供される。
【0023】
上記問題を解決するために、本発明は冷蔵庫10を提供する。図1は、本発明の一実施例による冷蔵庫10の概略構造図である。該冷蔵庫10は一般に庫体100を備え、庫体100内に1つまたは複数の貯蔵室110が形成され、貯蔵室110は、冷凍温度に応じて冷蔵貯蔵室、冷凍貯蔵室、温度可変貯蔵室などを形成するように構成され得る。具体的に、貯蔵室110の数、機能、レイアウト方式は必要に応じて設定すればよい。
【0024】
本発明の冷蔵庫10は、超音波補助処理装置200(図1には図示せず)をさらに備えてもよい。本実施形態では、超音波補助処理装置200は冷蔵庫10の冷蔵貯蔵室内に配置される。もちろん、ある場合に、超音波補助処理装置200は冷凍貯蔵室内または温度可変貯蔵室内に配置されてもよい。超音波補助処理装置200の機能は漬け込み補助、凍結補助などを含むが、これらに限定されない。超音波補助処理装置200は引き出しのように冷蔵貯蔵室内に配置されてもよく、または冷蔵貯蔵室内に直接配置されてもよい。
【0025】
図2は、本発明の一実施例による超音波補助処理装置200の概略構造図である。図3を参照すると、超音波補助処理装置200は少なくとも超音波発生器230、複数の第1超音波振動子210および1つの第2超音波振動子220を含む。超音波発生器230は冷蔵庫10の背面側に配置されてもよく、駆動信号を送信するために使用される。複数の第1超音波振動子210は並列に配置され、それぞれ超音波発生器230から送信された超音波信号を受信し、目標食材に対して超音波振動を発生させる。第2超音波振動子220は、超音波発生器230から送信された駆動信号を受信するために使用されず、複数の第1超音波振動子210によって発生した超音波振動から実際誘導電圧を発生させるために使用される。
【0026】
さらに、超音波補助処理装置200は、貯蔵室110内に配置されたトレイ240をさらに含む。本実施形態では、トレイ240はステンレス金属材料から形成される。第2超音波振動子220はトレイ240の底部外側の中央に配置され、複数の第1超音波振動子210は第2超音波振動子220の周りであってトレイ240の底部外側の周囲に配置されている。複数の第1超音波振動子210の動作過程中に発生した超音波振動がトレイ240を介して第2超音波振動子220に比較的十分に伝達され得る。
【0027】
選択可能な実施例では、第1超音波振動子210は4つであり、4つの第1超音波振動子210はトレイ240の底部外側にアレイ状に配置され、第2超音波振動子220は4つの第1超音波振動子210の中心位置に位置し、トレイ240に固定される。
【0028】
本実施形態では、超音波発生器230に第1配線231および第2配線232が接続され、各第1超音波振動子210の2つの接点はそれぞれ第1配線231および第2配線232に接続されている。すなわち4つの第2超音波振動子220は並列に配置され、独立して動作する。
【0029】
図2は、本発明の一実施例による冷蔵庫10の概略ブロック図である。さらに、該冷蔵庫10はコントローラ300、収集装置330、計時装置340などをさらに備えてもよい。
【0030】
コントローラ300はメモリ320およびプロセッサ310を含み、メモリ320内に制御プログラム321が記憶され、制御プログラム321がプロセッサ310によって実行されると本実施例の超音波補助処理装置200の故障監視方法を実施する。コントローラ300は超音波発生器230の電源信号に接続され、電源により超音波発生器230をオンオフにする。コントローラ300は冷蔵庫10の主制御基板に集積されてもよく、超音波発生器230に隣接して別個に設けられてもよい。コントローラ300はさらに冷蔵庫10の主制御装置に信号接続されて、主制御装置に超音波発生器230の動作状態を提供し、主制御装置からの制御指令を受信してもよい。
【0031】
コントローラ300は、一定のデータ処理能力を有する様々なデバイスによって実装されてもよく、典型的な配置では、コントローラ300はメモリ320、プロセッサ310、入力/出力インタフェースなどを含んでもよい。
【0032】
収集装置330は、第2超音波発生器230の実際誘導電圧を収集するために、冷蔵庫10のコンピュータ制御ボードに集積され、第2超音波発生器230に電気的に接続されてもよい。計時装置340は、超音波補助処理装置200の処理時間が食材の予め設定された処理時間に達した後に、超音波補助処理装置200の処理を適時に終了させるために、超音波補助処理装置200の処理時間を積算する。
【0033】
なお、第1超音波振動子210は圧電セラミックス製であり、故障した場合、例えば割れが発生した場合、そのまま動作し続けると、より広範囲の割れが発生し、該第1超音波振動子210の廃棄や危険につながることが理解される。したがって、この問題を解決するために、本実施形態では、第2超音波振動子220を追加し、第2超音波振動子220によって発生した誘導電圧に応じて複数の第1超音波発生器230に故障があるかどうかを判定し、故障した第1超音波振動子210を適時に修理または交換することができる。
【0034】
図4は、本発明の一実施例による超音波補助処理装置200の故障監視方法の概略図である。図4を参照すると、該故障監視方法は少なくとも以下のステップS102~ステップS106を含む。
【0035】
ステップS102:第2超音波振動子220によって発生した実際誘導電圧を取得する。
【0036】
ステップS104:実際誘導電圧と標準誘導電圧を比較する。
【0037】
ステップS106:実際誘導電圧が標準誘導電圧よりも小さい場合、超音波発生器230の電源を切断する。
【0038】
なお、実際誘導電圧と標準誘導電圧の大小関係は2つのみ存在する。第1に、複数の第1超音波振動子210がすべて正常動作状態にある場合、実際誘導電圧が標準誘導電圧と等しく、第2に、複数の第1超音波振動子210中の少なくとも1つが故障した場合、実際誘導電圧が標準誘導電圧よりも小さく、故障した第1超音波振動子210の数が多いほど、実際誘導電圧が小さくなる。動作過程中の第1超音波振動子210の振幅が変化しないので、実際誘導電圧が標準誘導電圧よりも大きい状況は発生しない。第1超音波振動子210の振幅を増加すると、それに対応して新たな標準誘導電圧が測定標準として使用される。
【0039】
本発明の超音波補助処理装置200の故障監視方法は、複数の第1振動子動作過程により第2超音波振動子220が実際誘導電圧を発生させることが判明した場合、実際誘導電圧と標準誘導電圧を比較することにより、実際誘導電圧が標準誘導電圧よりも小さい場合、第1振動子が故障したことを示すことができ、このとき、超音波発生器230の電源を自動的に切断することにより、第1振動子の動作を停止し、故障した第1振動子によるより広範囲の損傷を効果的に回避することができる。
【0040】
上記ステップS102において、第2超音波振動子220によって発生した実際誘導電圧を取得するステップは、収集装置330のサンプリング値を取得し、サンプリング値を第2超音波振動子220によって発生した実際誘導電圧とすることであってもよい。収集装置330は冷蔵庫10のコンピュータ制御ボードに集積され、第2超音波振動子220に電気的に接続されてもよい。
【0041】
標準誘導電圧は、複数の第1超音波振動子210の正常動作中、第2超音波振動子220によって発生した電圧値に応じて設定され、各第1超音波振動子210の振幅が同時に増加または減少するとき、標準誘導電圧の電圧値もそれに対応して増加または減少する。
【0042】
上記ステップS106では、超音波発生器230の電源を切断するステップの後に、実際誘導電圧と標準誘導電圧の差に基づいて故障コードを生成してもよく、故障コードは故障した第1超音波振動子210の数を示すことができる。例えば、第1超音波振動子210の数が4つであり、4つの第1超音波振動子210がすべて正常動作状態である場合、標準誘導電圧は2.5Vである。1つの第1超音波振動子210が故障したとき、第2超音波振動子220によって発生した実際誘導電圧は2.0Vであり、2つの第1超音波振動子210が故障したとき、第2超音波振動子220によって発生した実際誘導電圧は1.5Vであり、3つの第1超音波振動子210が故障したとき、第2超音波振動子220によって発生した実際誘導電圧は1Vであり、4つの第1超音波振動子210が全部故障したとき、第2超音波振動子220によって発生した実際誘導電圧は0Vである。実際誘導電圧と標準誘導電圧の差に基づいて生成された故障コードが差に応じて異なるため、故障した第1超音波振動子210の数も故障コードごとに異なり、効果的に区別することができる。
【0043】
さらに、実際誘導電圧と標準誘導電圧の差に基づいて故障コードを生成するステップの後に、冷蔵庫10の表示インタフェースに故障コードを表示し、冷蔵庫10のブザーを制御して故障提示音を発してもよく、作業者が故障状况を適時に把握し、故障した第1超音波振動子210を修理または交換することができる。
【0044】
1つの好ましい実施例では、実際誘導電圧と標準誘導電圧を比較するステップの後に、実際誘導電圧が標準誘導電圧と等しい場合、すなわち各第1超音波振動子210がすべて正常動作状態にある場合、超音波補助処理装置200の総処理時間を積算し、超音波補助処理装置200の総処理時間が予め設定された処理時間に達したとき、超音波補助処理装置200の処理を終了させてもよい。ここでの予め設定された処理時間とは、食材が処理されて処理が完了するまでの時間を指し、超音波補助処理装置200の総処理時間が予め設定された処理時間に達すると、食材の処理が基本的に完了したことを示し、このとき、超音波補助処理装置200の処理を終了させることができる。
【0045】
超音波補助処理装置200の総処理時間を積算するステップは、超音波補助処理装置200の動作開始と同時にタイマーをオンにし、タイマー合計計時時間を取得し、タイマー合計計時時間を超音波補助処理装置200の総処理時間としてもよい。この方法は、比較的簡単で操作しやすい。
【0046】
図5は、本発明の一実施例による超音波補助処理装置200の故障監視方法のフローチャートである。図5を参照すると、該故障監視方法は少なくとも以下のステップS202~ステップS220を含む。
【0047】
ステップS202:収集装置330のサンプリング値を取得する。このステップでは、収集装置330は冷蔵庫10のコンピュータ制御ボードに集積され、第2超音波振動子220に電気的に接続されてもよい。
【0048】
ステップS204:サンプリング値を第2超音波振動子220によって発生した実際誘導電圧とする。
【0049】
ステップS206:実際誘導電圧が標準誘導電圧よりも小さいかどうかを判定し、そうである場合、ステップS208を実行し、そうでない場合、ステップS214を実行する。
【0050】
このステップでは、実際誘導電圧と標準誘導電圧の大小関係は2つのみ存在する。第1は、複数の第1超音波振動子210がすべて正常動作状態にある場合であり、実際誘導電圧が標準誘導電圧と等しくなる。第2は、複数の第1超音波振動子210中の少なくとも1つが故障した場合であり、実際誘導電圧が標準誘導電圧よりも小さく、故障した第1超音波振動子210の数が多いほど、実際誘導電圧が小さくなる。動作過程中、第1超音波振動子210の振幅が変化しないので、実際誘導電圧が標準誘導電圧よりも大きい状況は発生しない。第1超音波振動子210の振幅を増加すると、新たな標準誘導電圧もそれに対応して測定標準として使用される。
【0051】
ステップS208:超音波発生器230の電源を切断する。
【0052】
ステップS210:実際誘導電圧と標準誘導電圧の差に基づいて故障コードを生成する。このステップでは、実際誘導電圧と標準誘導電圧の差に基づいて生成された故障コードが差に応じて異なり、故障コードが異なることは故障した第1超音波振動子210の数が異なることを示す。
【0053】
ステップS212:冷蔵庫10の表示インタフェースに故障コードを表示し、冷蔵庫10のブザーを制御して故障提示音を発する。このステップでは、ブザーを制御して故障提示音を発することにより、作業者に故障した第1超音波振動子210を適時に修理または交換することを促す。
【0054】
ステップS214:表示インタフェースに表示された故障コードをクリアする。このステップでは、故障コードは複数の超音波振動子に故障があった場合に生成され、作業者は故障コードに従って修理または交換し、修理または交換が完了した後、再び監視するとき第1超音波振動子210が故障したことが発見されなければ、表示インタフェースに表示された故障コードをクリアする。前回の監視過程で故障コードが生成されない場合、今回の実行過程で表示インタフェースに故障コードが表示されずクリアする必要もなく、ステップS214をスキップしてステップS216を直接実行してもよい。
【0055】
ステップS216:超音波補助処理装置200の総処理時間を積算する。
【0056】
ステップS218:超音波補助処理装置200の総処理時間が予め設定された処理時間に達したかを判定し、そうである場合、ステップS220を実行し、そうでない場合、ステップS202に戻る。このステップでは、予め設定された処理時間とは、食材が処理されて処理が完了するまでの時間を指し、超音波補助処理装置200の総処理時間が予め設定された処理時間に達したとき、食材の処理が基本的に完了し、このとき、超音波補助処理装置200の処理を終了させればよい。
【0057】
ステップS220:超音波補助処理装置200の処理を終了させ、収集装置330を介したサンプリング値の取得を停止する。
【0058】
試作サンプルを実際に使用した後、本実施例の冷蔵庫10およびその超音波補助処理装置200の故障監視方法は、故障した第1超音波振動子210を適時に発見し、超音波発生器230の電源を直ちに切断することができるので、第1超音波振動子210の割れによる危険を回避することができる。
【0059】
ここまで、本明細書で本発明の複数の例示的な実施例を網羅的かつ詳細に説明したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の開示内容に基づいて、本発明の原理に適合する他の多くの変形または修正を直接に決定または推論することができることが、当業者にとって明らかであろう。したがって、本発明の範囲はそれらのすべての変形または修正をカバーすることを意図していることが理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-02-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列に配置され、同一の超音波発生器から送信された駆動信号を受信し、目標食材に対して超音波振動を発生させるために使用される複数の第1超音波振動子と、前記超音波振動から実際誘導電圧を発生させるための第2超音波振動子とを含む冷蔵庫の超音波補助処理装置の故障監視方法であって、前記故障監視方法は、
前記第2超音波振動子によって発生した実際誘導電圧を取得するステップと、
前記実際誘導電圧と標準誘導電圧を比較するステップと、
前記実際誘導電圧が前記標準誘導電圧よりも小さい場合、前記超音波発生器の電源を切断するステップと、を含む、冷蔵庫の超音波補助処理装置の故障監視方法。
【請求項2】
前記第2超音波振動子によって発生した実際誘導電圧を取得するステップは、
前記第2超音波振動子に接続された収集装置のサンプリング値を取得し、前記サンプリング値を前記第2超音波振動子によって発生した実際誘導電圧とすることを含む、請求項1に記載の超音波補助処理装置の故障監視方法。
【請求項3】
前記標準誘導電圧は、前記複数の第1超音波振動子の正常動作中に前記第2超音波振動子によって発生した電圧値に応じて設定される、請求項1に記載の超音波補助処理装置の故障監視方法。
【請求項4】
前記超音波発生器の電源を切断するステップの後に、
前記実際誘導電圧と前記標準誘導電圧の差に基づいて故障コードを生成するステップをさらに含み、前記故障コードは、故障した前記第1超音波振動子の数を示すために使用される、請求項1に記載の超音波補助処理装置の故障監視方法。
【請求項5】
前記実際誘導電圧と前記標準誘導電圧の差に基づいて故障コードを生成するステップの後に、
前記冷蔵庫の表示インタフェースに前記故障コードを表示し、前記冷蔵庫のブザーを制御して故障提示音を発するステップをさらに含む、請求項4に記載の超音波補助処理装置の故障監視方法。
【請求項6】
前記実際誘導電圧と標準誘導電圧を比較するステップの後に、
前記実際誘導電圧が前記標準誘導電圧と等しい場合、前記超音波補助処理装置の総処理時間を積算し、前記超音波補助処理装置の総処理時間が予め設定された処理時間に達したとき、前記超音波補助処理装置の処理を終了させるステップをさらに含む、請求項1に記載の超音波補助処理装置の故障監視方法。
【請求項7】
前記超音波補助処理装置の総処理時間を積算するステップは、
前記超音波補助処理装置の動作開始と同時にタイマーをオンにするステップと、
前記タイマー合計計時時間を取得するステップと、
前記タイマー合計計時時間を前記超音波補助処理装置の総処理時間とするステップと、を含む、請求項6に記載の超音波補助処理装置の故障監視方法。
【請求項8】
並列に配置され、同一の超音波発生器から送信された駆動信号を受信し、目標食材を処理する超音波振動を発生させるための複数の第1超音波振動子、および前記超音波振動から誘導電圧を発生させるための前記第2超音波振動子を含む超音波補助処理装置と、
メモリおよびプロセッサを含み、前記メモリに制御プログラムが記憶され、前記制御プログラムが前記プロセッサによって実行されると請求項1~のいずれか1項に記載の超音波補助処理装置の故障監視方法を実施するコントローラと、を備える、冷蔵庫。
【請求項9】
前記超音波補助処理装置は、
前記冷蔵庫の貯蔵室内に配置されたトレイをさらに含み、
前記第2超音波振動子は前記トレイの底部の中央に配置され、
前記複数の第1超音波振動子は前記第2超音波振動子の周りであって前記トレイの底部の周囲に配置されている、請求項8に記載の冷蔵庫。
【請求項10】
前記超音波発生器に第1配線および第2配線が接続され、各前記第1超音波振動子の2つの接点はそれぞれ前記第1配線および前記第2配線に接続されている、請求項8に記載の冷蔵庫。
【国際調査報告】