特表 2024-528033 化粧品組成物及び医薬組成物用の保存料

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公表特許公報(A)

(11)【公表番号】

(43)【公表日】2024-07-26

(54)【発明の名称】化粧品組成物及び医薬組成物用の保存料

(51)【国際特許分類】

   A61K 8/34 20060101AFI20240719BHJP

   A61Q 19/00 20060101ALI20240719BHJP

   A61Q 5/00 20060101ALI20240719BHJP

   A61Q 11/00 20060101ALI20240719BHJP

   A61Q 5/02 20060101ALI20240719BHJP

   A61Q 5/12 20060101ALI20240719BHJP

   A61Q 19/10 20060101ALI20240719BHJP

【ＦＩ】

A61K8/34

A61Q19/00

A61Q5/00

A61Q11/00

A61Q5/02

A61Q5/12

A61Q19/10

【審査請求】未請求

【予備審査請求】未請求

(21)【出願番号】P 2024505217

(86)(22)【出願日】2022-07-29

(85)【翻訳文提出日】2024-03-06

(86)【国際出願番号】 US2022038929

(87)【国際公開番号】W WO2023009849

(87)【国際公開日】2023-02-02

(31)【優先権主張番号】63/226,862

(32)【優先日】2021-07-29

(33)【優先権主張国・地域又は機関】US

(81)【指定国・地域】

(71)【出願人】

【識別番号】512110499

【氏名又は名称】セイケム インコーポレイテッド

(74)【代理人】

【識別番号】100145403

【弁理士】

【氏名又は名称】山尾 憲人

(74)【代理人】

【識別番号】100156144

【弁理士】

【氏名又は名称】落合 康

(72)【発明者】

【氏名】エークマン，エレーヌ

(72)【発明者】

【氏名】エンゲル，ティム

(72)【発明者】

【氏名】マユー，セドリック

(72)【発明者】

【氏名】カー，アリ

(72)【発明者】

【氏名】ヨーク，ロバート

【テーマコード（参考）】

4C083

【Ｆターム（参考）】

4C083AA031

4C083AA112

4C083AA122

4C083AB052

4C083AB332

4C083AC022

4C083AC072

4C083AC111

4C083AC112

4C083AC121

4C083AC122

4C083AC151

4C083AC241

4C083AC302

4C083AC351

4C083AC391

4C083AC392

4C083AC421

4C083AC422

4C083AC471

4C083AC481

4C083AC641

4C083AC661

4C083AC691

4C083AC711

4C083AC712

4C083AC781

4C083AC782

4C083AC791

4C083AC841

4C083AC881

4C083AD071

4C083AD132

4C083AD202

4C083AD262

4C083AD352

4C083AD391

4C083AD392

4C083AD442

4C083AD641

4C083AD662

4C083BB04

4C083BB05

4C083BB06

4C083BB07

4C083CC04

4C083CC05

4C083CC14

4C083CC17

4C083CC18

4C083CC19

4C083CC20

4C083CC21

4C083CC23

4C083CC25

4C083CC32

4C083CC38

4C083DD08

4C083DD11

4C083DD17

4C083DD21

4C083DD23

4C083DD27

4C083DD31

4C083DD41

4C083EE01

4C083EE14

4C083EE17

4C083EE18

4C083EE26

4C083EE34

4C083EE35

(57)【要約】

様々な保存料及びこれらの保存料を組み込んだ組成物、並びにこれらの保存料及び組成物を使用する様々な方法が記載される。例えば、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールなどの保存料と、１つ以上の他の成分（例えば、天然成分）とを含む化粧品組成物及び医薬組成物を含む様々な組成物が記載される。

【特許請求の範囲】

【請求項1】

化粧品組成物であって、
３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールと、
３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールと、
少なくとも１つの界面活性剤と、
無機塩を含むレオロジー調整剤と、を含む、化粧品組成物。

【請求項2】

所与の粘度を達成するための前記無機塩の濃度が、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオール及び／又は３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールを欠くこと以外は同一の組成物よりも低い、請求項１に記載の組成物。

【請求項3】

前記少なくとも１つの界面活性剤が、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、又はこれらの混合物を含む、請求項１又は２に記載の組成物。

【請求項4】

前記少なくとも１つの界面活性剤が、アルキルポリグルコシド、ココイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルグリシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、ラウリルグルコースカルボキシレート、コカミドプロピルベタイン、ラウリルグルコシド、デシルグルコシド、カプリリル／カプリルグルコシド、ココグルコシド、ヘキシルグルコシド、ココイルグルタミン酸二ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、パルモイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸カリウム、ラウロイルグルタミン酸カリウム、ミリストイルグルタミン酸カリウム、ラウロイルグリシン酸ナトリウム、ココイルグリシン酸カリウム、ココイルグリシン酸カリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ココイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム、メチルオレオイルタウリン酸ナトリウム、メチルラウロイルタウリン酸ナトリウム、メチルココイルタウリン酸ナトリウム、ココイルメチルグルカミド、カプリリル／カプリルメチルグルカミド、ラウロイル／ミリストイルメチルグルカミド、ココベタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、ラウリルベタイン、ココアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、ラウレススルホコハク酸二ナトリウム、オレアミドＭＩＰＡスルホコハク酸二ナトリウム、コカミドＤＥＡ、コカミドＭＥＡ、コカミドＭＩＰＡ、Ｃ１４－１６オレフィンスルホン酸ナトリウム、ココ酸カリウム、パーム脂肪酸カリウム、ラウリン酸カリウム、オリーブ油脂肪酸カリウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ココ硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウレス硫酸マグネシウム、ラウレス硫酸アンモニウム、セテアリル硫酸ナトリウム、ミレス硫酸ナトリウム、ミレス硫酸マグネシウム、ミレス硫酸アンモニウム、Ｃ_１２～Ｃ_１８アルキル硫酸ナトリウム、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項１～３のいずれか一項に記載の組成物。

【請求項5】

前記少なくとも１つの界面活性剤がアニオン性界面活性剤を含み、前記アニオン性界面活性剤が硫酸化界面活性剤を含む、請求項１～４のいずれか一項に記載の組成物。

【請求項6】

前記少なくとも１つの界面活性剤が、少なくとも１つのアニオン性界面活性剤と少なくとも１つの非イオン性界面活性剤との混合物、又は少なくとも１つのアニオン性界面活性剤と少なくとも１つの両性界面活性剤との混合物を含む、請求項１～５のいずれか一項に記載の組成物。

【請求項7】

前記アニオン性界面活性剤が硫酸化界面活性剤を含み、前記非イオン性界面活性剤がアルキルポリグルコシドを含み、かつ／又は前記両性界面活性剤がベタインを含む、請求項６に記載の組成物。

【請求項8】

前記硫酸化界面活性剤が、ココイル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ココ硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウレス硫酸マグネシウム、ラウレス硫酸アンモニウム、セテアリル硫酸ナトリウム、ミレス硫酸ナトリウム、ミレス硫酸マグネシウム、ミレス硫酸アンモニウム、Ｃ_１２～Ｃ_１８アルキル硫酸ナトリウム、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項５～７のいずれか一項に記載の組成物。

【請求項9】

前記無機塩が、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項１～８のいずれか一項に記載の組成物。

【請求項10】

前記無機塩が塩化ナトリウムである、請求項１～９のいずれか一項に記載の組成物。

【請求項11】

前記組成物がＩＳＯ規格１６１２８に従って少なくとも９５％天然である、請求項１～１０のいずれか一項に記載の組成物。

【請求項12】

前記組成物が少なくとも１つの追加のグリセロール誘導体を更に含む、請求項１～１１のいずれか一項に記載の組成物。

【請求項13】

前記少なくとも１つの追加のグリセロール誘導体が式（Ｉ）の化合物であり、

【化1】

式中、Ｒが、任意選択で置換されたＣ_３～Ｃ_２２アルキル、任意選択で置換されたＣ_３～Ｃ_１８アルケニル、又は任意選択で置換されたＣ_６～Ｃ_１０アリールである、請求項１２に記載の組成物。

【請求項14】

前記少なくとも１つの追加のグリセロール誘導体が、（イソ－）ブチルグリセリルエーテル、（イソ－）アミルグリセリルエーテル、ヘキシルグリセリルエーテル、メチルヘプチルグリセリルエーテル、１－ノニルグリセリルエーテル、１－ドデシルグリセリルエーテル、３－［（２－エチルヘキシル）オキシ］－１，２－プロパンジオール、３－［（２－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオール、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項１３に記載の組成物。

【請求項15】

前記組成物が少なくとも１つの追加の保存料を更に含む、請求項１～１４のいずれか一項に記載の組成物。

【請求項16】

前記少なくとも１つの追加の保存料が、１，３－プロパンジオール、１，５－ペンタンジオール、２，３－ブタンジオール、パルミチン酸アスコルビル、ラウロイルアルギン酸エチルＨＣｌ、カプリル酸グリセリル、ヒドロキシアセトフェノン、ラクトバチルス発酵ライセート、ラクトバチルス／ダイコン根発酵濾液、ペンチレングリコール、フェネチルアルコール、フェニルプロパノール、ポリイプシロン－リジン、アニス酸ナトリウム、ラウロイルラクチル酸ナトリウム、セスキカプリル酸キシリチル、ウンデシレン酸亜鉛、フェノキシエタノール、及びグルコノ－デルタ－ラクトンからなる群から選択される、請求項１５に記載の組成物。

【請求項17】

前記組成物が、Ｃ_４～Ｃ_１０アルカンジオール、Ｃ_４～Ｃ_１０ビシナルアルカンジオール、金属キレート剤、四級アンモニウム塩、ホスホニウム塩、抗酸化剤、ポリマーレオロジー調整剤、及びこれらの混合物からなるリストから選択される少なくとも１つの追加の成分を更に含む、請求項１～１６のいずれか一項に記載の組成物。

【請求項18】

前記組成物が、約２～約１０．５、約３～約８、約４～約７、約４～約６、約５～約７、約５．５～約７、約５．５～約６．５、又は約５．５のｐＨを有する、請求項１～１７のいずれか一項に記載の組成物。

【請求項19】

前記組成物が、約０．１重量％～約１０重量％、約０．１重量％～約３重量％、約０．１重量％～約１．５重量％、約０．１重量％～約１重量％、約０．２５重量％～約５重量％、約０．２５重量％～約３重量％、約０．２５重量％～約１．５重量％、約０．２５重量％～約１重量％、約０．５重量％～約５重量％、約０．５重量％～約３重量％、約０．５重量％～約１．５重量％、約０．５重量％～約１重量％、約１重量％～約５重量％、約１重量％～約３重量％、又は約１重量％～約１．５重量％の濃度の３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールを含む、請求項１～１８のいずれか一項に記載の組成物。

【請求項20】

前記組成物が、約０．１重量％～約１０重量％、約０．１重量％～約３重量％、約０．１重量％～約１．５重量％、約０．１重量％～約１重量％、約０．２５重量％～約５重量％、約０．２５重量％～約３重量％、約０．２５重量％～約１．５重量％、約０．２５重量％～約１重量％、約０．５重量％～約５重量％、約０．５重量％～約３重量％、約０．５重量％～約１．５重量％、約０．５重量％～約１重量％、約１重量％～約５重量％、約１重量％～約３重量％、又は約１重量％～約１．５重量％の濃度の３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールを含む、請求項１～１９のいずれか一項に記載の組成物。

【請求項21】

前記無機塩の濃度が、約０．２５重量％～約５重量％、約０．５重量％～約３重量％、又は約１重量％～約２重量％である、請求項１～２０のいずれか一項に記載の組成物。

【請求項22】

前記無機塩の濃度が約１重量％未満である、請求項１～２１のいずれか一項に記載の組成物。

【請求項23】

前記界面活性物質の濃度が約１重量％～約５重量％である、請求項１～２２のいずれか一項に記載の組成物。

【請求項24】

前記組成物が、溶液、エマルジョン、ゲル、又は懸濁液である、請求項１～２３のいずれか一項に記載の組成物。

【請求項25】

前記組成物が固体基材に充填され、前記固体基材が、（ウェット）ワイプ、パッド、ティッシュ、スポンジ、又はタオルを含む、請求項１～２４のいずれか一項に記載の組成物。

【請求項26】

前記組成物が、シャンプー、コンディショナー、ドライシャンプー、ボディウォッシュ、洗顔クレンザー、フェイスマスク、バブルバス、クレンジング乳液、ミセラーウォーター、メイクアップリムーバー、クレンジングワイプ、ヘアマスク、液体石鹸、シェービング用石鹸、シェービング用フォーム、クレンジングフォーム、デイクリーム、アンチエイジングクリーム、ボディミルク、フェイシャルローション、ボディローション、インシャワーボディローション、ボディムース、フェイスセラム、アイクリーム、日焼け止めローション、サンクリーム、フェイスクリーム、アフターシェイブローション、プレシェービングクリーム、脱毛クリーム、スキンホワイトニングジェル、セルフタンニングクリーム、抗ニキビジェル、ヘアオイル、ヘアスタイリングジェル、ヘアスタイリングクリーム、ポマード、縮れ防止セラム、デタングラー、頭皮トリートメント、ヘアカラー剤、枝毛用流体（split end fluid）、デオドラント、制汗剤、ベビークリーム、防虫剤、ハンドクリーム、日焼け止めローション、日焼け止めジェル、フットクリーム、エクスフォリエーター、ボディスクラブ、固形石鹸、ヘアトリートメント、マウスウォッシュ、歯磨き粉、歯ホワイトニング剤、保湿剤、セラム、トナー、アクアシャーベット、クリームジェル、スタイリングムース、ハイドロアルコールジェル、ボディオイル、シャワー乳液、ヘアスプレー、コーミングクリーム、日焼け止め、香料、香水、マスカラ、ファンデーション、プライマー、コンシーラー、ブラッシュ、ブロンザー、セッティングパウダー、セッティングスプレー、ブレミッシュバームクリーム、カラーコレクティングクリーム、アイライナー、ブローライナー、ナイトクリーム、アイブロウゲル、ハイライター、リップステイン、リップスティック、リップグロス、リップバーム、リップクレヨン、ハンドサニタイザー、除光液、セルライトトリートメント、キューティクルクリーム、アイシャドウ、入浴剤、ボディミスト、オードトワレ、潤滑ジェル、イルミネーター、ヘアスプレー、コーミングクリーム、ベビーパウダー、及びおむつかぶれクリームからなる群から選択される、請求項１～２５のいずれか一項に記載の組成物。

【請求項27】

シャンプー組成物であって、
３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールと、
３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールと、
ココイル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ココ硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウレス硫酸マグネシウム、ラウレス硫酸アンモニウム、セテアリル硫酸ナトリウム、ミレス硫酸ナトリウム、ミレス硫酸マグネシウム、ミレス硫酸アンモニウム、及びＣ_１２～Ｃ_１８アルキル硫酸ナトリウムからなる群から選択される界面活性剤と、
無機塩を含む任意選択のレオロジー調整剤と、を含み、
所与の粘度を達成するための前記無機塩の濃度が、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオール及び／又は３－［（ｎ－オクチルオキシオキシ］－１，２－プロパンジオールを欠くこと以外は同一の組成物よりも低い、シャンプー組成物。

【請求項28】

前記組成物がレオロジー調整剤を含まない、請求項２７に記載のシャンプー組成物。

【請求項29】

保存料を含む化粧品組成物を製造する方法であって、
３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールと３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールを混合して、保存料プレミックスを形成することと、
前記保存料プレミックスを前記組成物の他の成分と組み合わせて、前記保存料を含む組成物を形成することと、を含む、方法。

【請求項30】

低塩化粧品組成物のレオロジーを向上させる（増粘させる）方法であって、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオール及び３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールを、前記組成物であって、前記組成物が１重量％以下の無機塩を含む、前記組成物と混合することを含む、方法。

【請求項31】

低塩化粧品組成物を製造する方法であって、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオール及び３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールを、前記組成物であって、前記組成物が、所与の粘度を達成するために３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオール及び／又は３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールを欠くこと以外は同一の組成物よりも少ない量の無機塩を含む、前記組成物と混合することを含む、方法。

【請求項32】

前記３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールと前記３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールが一緒に混合されて組み合わせになった後に、前記組み合わせが前記組成物と混合される、請求項３０又は３１に記載の方法。

【請求項33】

前記組成物が、請求項１～２８のいずれか一項に記載の組成物を含む、請求項２９～３１のいずれか一項に記載の方法。

【請求項34】

皮膚、毛髪、又は歯のクレンジング、トリートメント、又はケアを必要とする対象における皮膚、毛髪、又は歯をクレンジング、トリートメント、又はケアする方法であって、請求項１～２８のいずれか一項に記載の組成物を前記対象の前記皮膚、前記毛髪、又は前記歯に塗布することを含む、方法。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、様々な保存料及びこれらの保存料を組み込んだ組成物、並びにこれらの保存料及び組成物を使用する様々な方法に関する。例えば、本発明の様々な組成物には、天然由来のグリセリルエーテル３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールなどの保存料と、１つ以上の他の成分（例えば、天然成分）とを含む化粧品組成物及び医薬組成物が含まれる。

【背景技術】

【0002】

様々な組成物、特にパーソナルケア用の組成物（例えば、医薬組成物及び化粧品組成物）は、真菌及び細菌などの天然に存在する微生物で汚染されている可能性がある。汚染は、組成物と使用者の皮膚との直接接触（例えば、デオドラント、リップスティックなど）から生じるか、又は組成物の調製中（例えば、水、空気など）に生じる可能性がある。汚染は、組成物を使用者の皮膚に塗布するために使用されるブラシ、ワイプ、コットンパッドなどの器具又はアプリケーターの使用／反復使用から生じる可能性もある。保存料をこれらの組成物に添加して、導入された微生物を排除し、かつそれらの永続的な定着を防止する組成物の能力を提供することにより、長期安定性を向上させることができる。しかしながら、これらの保存料は、使用者に危害若しくは刺激を引き起こすか、又は規制限度を超えるほど過度に高くなることなく、抗菌効果を示すのに比較的十分に高い濃度でなければならない。

【0003】

更に、高濃度の保存料は、製剤特性に悪影響を及ぼす可能性がある。例えば、高濃度の１つ以上の保存料を有する組成物は、低下した製剤安定性及び望ましくないレオロジー特性を呈する可能性がある。したがって、低濃度で有効であり、危害若しくは刺激が少なく、かつ／又は製剤特性に悪影響を及ぼさない保存料が依然として必要とされている。

【発明の概要】

【0004】

本発明の様々な態様は、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールと、少なくとも１つの追加の成分とを含む組成物（例えば、化粧品組成物及び医薬組成物）を対象とする。

【0005】

更なる態様は、化粧品組成物又は医薬組成物を保存する及び／又はそのレオロジーを向上させる（増粘させる）方法に関する。本方法は、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールを組成物の少なくとも１つの追加の成分と混合することを含む。

【0006】

他の態様は、皮膚、毛髪、又は歯のクレンジング、トリートメント、又はケアを必要とする対象における皮膚、毛髪、又は歯をクレンジング、トリートメント、又はケアする方法に関する。本方法は、第１の態様の組成物を対象の皮膚、毛髪、又は歯に塗布することを含む。

【0007】

他の目的及び特徴は、以下で部分的に明らかになり、部分的に指摘される。

【図面の簡単な説明】

【0008】

【図1】実施例５に詳述される、ＡＰＧ（すなわち、アルキルポリグルコシド）を有する硫酸化界面活性剤系の粘度増加を示す。各列は、硫酸化界面活性剤系（ココ硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、及びラウリルエーテル硫酸ナトリウム）と、保存料（保存料なし、ヘプチルオキシ（すなわち、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオール）、オクチルオキシ（すなわち、３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオール）、及びヘプチルオキシ＋オクチルオキシ（すなわち、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオール＋３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオール））との組み合わせの製剤を表す。

【0009】

【図2】実施例５に詳述される、ＣＡＰＢ（すなわち、コカミドプロピルベタイン）を有する硫酸化界面活性剤系の粘度増加を示す。各列は、硫酸化界面活性剤系（ラウリル硫酸アンモニウム及びラウリルエーテル硫酸ナトリウム）と、保存料（保存料なし、ヘプチルオキシ（すなわち、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオール）、オクチルオキシ（すなわち、３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオール）、及びヘプチルオキシ＋オクチルオキシ（すなわち、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオール＋３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオール））との組み合わせの製剤を表す。

【0010】

【図3】実施例５に詳述される、塩を含む製剤及び塩を含まない製剤の粘度増加を示す。各列は、保存料（製剤（すなわち、保存料なし）、製剤＋ヘプチルオキシ（すなわち、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオール）、及び製剤＋ヘプチルオキシ＋オクチルオキシ（すなわち、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオール＋３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオール）と、塩条件（塩化ナトリウムあり及び塩化ナトリウムなし）との組み合わせの製剤を表す。

【0011】

【図4A】３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオール及び３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールを用いて作製したシャンプー製剤を示し、これらを順に製剤に添加し、これにより、実施例６に記載の沈殿物がもたらされる。

【0012】

【図4B】３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオール及び３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールを用いて作製したシャンプー製剤を示し、これらを一緒に予混合した後に製剤に添加し、これにより、実施例６に記載の透明な溶液がもたらされる。

【発明を実施するための形態】

【0013】

本発明は、様々な保存料及びこれらの保存料を組み込んだ組成物、並びにこれらの保存料及び組成物を使用する様々な方法に関する。例えば、本発明の様々な組成物には、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールなどの保存料と、１つ以上の他の成分（例えば、天然成分）とを含む化粧品組成物及び医薬組成物が含まれる。本明細書で使用される場合、「保存料」という用語には、微生物増殖を抑制すること（例えば、抗菌）及び／又は組成物中の望ましくない化学変化を防止することを主な目的又は排他的な目的として添加される成分が含まれる。

【0014】

驚くべきことに、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールが、低濃度で使用された場合でさえも、広いｐＨ範囲にわたって広い有効性で、組成物（例えば、化粧品組成物及び医薬組成物）中の微生物増殖を阻止することが発見された。更に、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールは、皮膚刺激の低下を呈する／皮膚刺激を呈しないことが見出され、非皮膚感作物質として使用することができる。更に、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールが多官能性成分であることが発見された。例えば、この成分は、シャンプー（例えば、全天然シャンプー組成物）、天然ウェットワイプ、エマルジョンウェットワイプ、及びロールオンデオドラントなどの様々な組成物において、増粘剤／レオロジー調整剤として、かつ界面活性剤／乳化剤として機能する。この成分は、現在の保存料と比較して、製剤能力、有効性、水和／湿潤効果、保湿効果、感覚効果、及びデオドラント効果の向上を提供することができる。有利なことに、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールは、既存の組成物と比較してより少ない添加物しか必要としない組成物を提供する。したがって、本明細書に記載の保存料及び保存料の組み合わせは、特に全天然水性組成物に抗菌効果の改善及び製剤能力の向上を提供する。いくつかの実施形態では、本組成物は、ＩＳＯ規格１６１２８に従って少なくとも９５％天然である。

【0015】

本発明の様々な態様は、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールを含む高純度濃縮物組成物を対象とする。例えば、本濃縮物組成物は、約９０重量％以上、約９１重量％以上、約９２重量％以上、約９３重量％以上、約９４重量％以上、約９５重量％以上、約９６重量％以上、約９７重量％以上、約９８重量％以上、約９９重量％以上、約９９．９重量％以上、又は約９９．９９重量％以上の濃度の３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールを有することができる。本濃縮物組成物は、本明細書に記載の様々な他の下流組成物の調製及び保存に有用である。本濃縮物組成物は、本明細書に記載の１つ以上の追加の成分を更に含むことができる。

【0016】

本発明の更なる態様は、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールと、少なくとも１つの追加の成分とを含む組成物を対象とする。これらの組成物は、例えば、様々なタイプのパーソナルケア組成物とすることができる。本組成物は、化粧品組成物及び／又は医薬組成物とすることができる。

【0017】

様々な実施形態では、本組成物は、水性組成物を含む。本組成物は、溶液、エマルジョン、ゲル、又は懸濁液とすることができる。いくつかの実施形態では、本組成物はゲルであり、ゲルは、水中油型（oil-in-water、ｏ／ｗ）ゲル、クリームゲル、ヒドロアルコールゲル、又はヒドロゲルとすることができる。ある特定の実施形態では、本組成物は、水中油型エマルジョン又は油中水型エマルジョンの水相である。

【0018】

様々な実施形態では、本組成物は、局所用組成物（すなわち、使用者の外表面への局所又は塗布に好適な組成物である。

【0019】

また、本組成物は、リーブオン組成物（例えば、デオドラント）又はリンスオフ組成物（例えば、シャンプー）とすることができる。

【0020】

特定の化粧品組成物及び医薬組成物の例としては、シャンプー、コンディショナー、ドライシャンプー、ボディウォッシュ、洗顔クレンザー、フェイスマスク、バブルバス、クレンジング乳液、ミセラーウォーター、メイクアップリムーバー、クレンジングワイプ、ベビーワイプ、ヘアマスク、液体石鹸、シェービング用石鹸、シェービング用フォーム、クレンジングフォーム、デイクリーム、アンチエイジングクリーム、ボディミルク、フェイシャルローション、ボディローション、インシャワーボディローション、ボディムース、フェイスセラム、アイクリーム、日焼け止めローション、サンクリーム、フェイスクリーム、アフターシェイブローション、プレシェービングクリーム、脱毛クリーム、スキンホワイトニングジェル、セルフタンニングクリーム、抗ニキビジェル、ヘアオイル、ヘアスタイリングジェル、ヘアスタイリングクリーム、ポマード、縮れ防止セラム、デタングラー、頭皮トリートメント、ヘアカラー剤、枝毛用流体（split end fluid）、デオドラント、制汗剤、ベビークリーム、防虫剤、ハンドクリーム、日焼け止めローション、日焼け止めジェル、フットクリーム、エクスフォリエーター、ボディスクラブ、固形石鹸、ヘアトリートメント、マウスウォッシュ、歯磨き粉、歯ホワイトニング剤、保湿剤、セラム、トナー、アクアシャーベット、クリームジェル、スタイリングムース、ハイドロアルコールジェル、ボディオイル、シャワー乳液、ヘアスプレー、コーミングクリーム、日焼け止め、香料、香水、マスカラ、ファンデーション、プライマー、コンシーラー、ブラッシュ、ブロンザー、セッティングパウダー、セッティングスプレー、ブレミッシュバームクリーム、カラーコレクティングクリーム、アイライナー、ブローライナー、ナイトクリーム、アイブロウゲル、ハイライター、リップステイン、リップスティック、リップグロス、リップバーム、リップクレヨン、ハンドサニタイザー、除光液、セルライトトリートメント、キューティクルクリーム、アイシャドウ、入浴剤、ボディミスト、オードトワレ、潤滑ジェル、イルミネーター、ヘアスプレー、コーミングクリーム、ベビーパウダー、及びおむつかぶれクリームが挙げられる。

【0021】

ある特定の実施形態では、本組成物は、シャンプー、コンディショナー、ボディウォッシュ、洗顔クレンザー、及びバブルバスからなる群から選択される。

【0022】

様々な実施形態では、本組成物は、少なくとも１つの薬剤を含む薬用組成物を含む。

【0023】

いくつかの実施形態では、本組成物は、固体基材に充填される。固体基材は、ワイプ（ウェットワイプ）、パッド、ティッシュ、スポンジ、又はタオルを含むことができる。

【0024】

概して、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールの濃度は、単独で又は１つ以上の他の保存料と組み合わせてのいずれかで抗菌効果を提供するのに十分である。例えば、本組成物は、約０．２５重量％以上、約０．５重量％以上、又は約１重量％以上の濃度の３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールを含むことができる。様々な実施形態では、本組成物は、約０．２５重量％～約５重量％、約０．２５重量％～約３重量％、約０．２５重量％～約１．５重量％、約０．２５重量％～約１重量％、約０．５重量％～約５重量％、約０．５重量％～約３重量％、約０．５重量％～約１．５重量％、約０．５重量％～約１重量％、約１重量％～約５重量％、約１重量％～約３重量％、又は約１重量％～約１．５重量％の濃度の３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールを含む。いくつかの実施形態では、本組成物は、約０．０１重量％以上、約０．１重量％以上、約０．２５重量％以上、約０．５重量％以上、又は約１重量％以上の濃度の３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールを含む。いくつかの実施形態では、本組成物は、約０．１重量％～約１０重量％、約０．１重量％～約３重量％、約０．１重量％～約１．５重量％、約０．１重量％～約１重量％、約０．２５重量％～約５重量％、約０．２５重量％～約３重量％、約０．２５重量％～約１．５重量％、約０．２５重量％～約１重量％、約０．５重量％～約５重量％、約０．５重量％～約３重量％、約０．５重量％～約１．５重量％、約０．５重量％～約１重量％、約１重量％～約５重量％、約１重量％～約３重量％、又は約１重量％～約１．５重量％の濃度の３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールを含む。

【0025】

上述したように、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオール保存料は、広いｐＨ範囲にわたって組成物中で使用することができる。例えば、本組成物は、約１０．５以下、約９以下、約８以下、又は約７以下のｐＨを有することができる。加えて又はあるいは、本組成物は、約２以上、約３以上、又は約４以上のｐＨを有することができる。様々な実施形態では、本組成物は、約２～約１０．５、約３～約８、約４～約７、約４～約６、約５～約７、約５．５～約７、約５．５～約６．５、約５～約６、又は約５．５のｐＨを有する。

【0026】

追加の成分－他の保存料
本組成物は、少なくとも１つの他の保存料（すなわち、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールに加えて）を更に含むことができる。例えば、本組成物は、少なくとも１つの他の保存料（すなわち、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールに加えて）を、約１重量％以上、約２重量％以上、約５重量％以上、約１０重量％以上、約１５重量％以上、又は約２０重量％以上の濃度で含むことができる。いくつかの実施形態では、少なくとも１つの他の保存料の濃度は、約１重量％～約５０重量％、約２重量％～約５０重量％、約５重量％～約５０重量％、約１０重量％～約５０重量％、約２０重量％～約５０重量％、約１重量％～約２５重量％、約２重量％～約２５重量％、約５重量％～約２５重量％、約１０重量％～約２５重量％、約１重量％～約１５重量％、約２重量％～約１５重量％、約５重量％～約１５重量％、約１０重量％～約１５重量％、約１重量％～約１０重量％、約２重量％～約１０重量％、約５重量％～約１０重量％、又は約１重量％～約５重量％とすることができる。

【0027】

様々な実施形態では、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールの追加の保存料に対する重量比は、約１：２０～約２０：１、約１：１０～約１０：１、約５：１～約１：５、又は約１：１とすることができる。更に、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールの量は、追加の保存料と比較して過剰であることがあり得る。例えば、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールの追加の保存料に対する重量比は、約１．１：１以上、約１．５：１以上、約２：１以上、約３：１以上、約４：１以上、約５：１以上、約１０：１以上、又は約２５：１以上とすることができる。いくつかの実施形態では、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールの追加の保存料に対する重量比は、約１：１～約１００：１、約１：１～約５０：１、約１：１～約２０：１、約１．１：１～約１００：１、約１．１：１～約５０：１、約１．１：１～約２０：１、約２：１～約１００：１、約２：１～約５０：１、約２：１～約２０：１、約５：１～約１００：１、約５：１～約５０：１、約５：１～約２０：１、約１０：１～約１００：１、約１０：１～約５０：１、約１０：１～約２０：１、約２０：１～約１００：１、約２０：１～約５０：１、又は約５０：１～約１００：１である。いくつかの実施形態では、追加の保存料の３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールに対する重量比は、約１：１～約１００：１、約１：１～約５０：１、約１：１～約２０：１、約１．１：１～約１００：１、約１．１：１～約５０：１、約１．１：１～約２０：１、約２：１～約１００：１、約２：１～約５０：１、約２：１～約２０：１、約５：１～約１００：１、約５：１～約５０：１、約５：１～約２０：１、約１０：１～約１００：１、約１０：１～約５０：１、約１０：１～約２０：１、約２０：１～約１００：１、約２０：１～約５０：１、又は約５０：１～約１００：１である。

【0028】

いくつかの実施形態では、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールは、本組成物中に存在する総保存料含有量の約１０重量％以上、約２０重量％以上、約３０重量％以上、約４０重量％以上、約５０重量％以上、約６０重量％以上、約７０重量％以上、約８０重量％以上、約９０重量％以上、又は約９５重量％以上を構成する。ある特定の実施形態では、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールは、本組成物中に存在する総保存料含有量の約１０重量％～約９９重量％、約３０重量％～約９９重量％、約５０重量％～約９９重量％、約７０重量％～約９９重量％、約９０重量％～約９９重量％、約１０重量％～約９５重量％、約３０重量％～約９５重量％、約５０重量％～約９５重量％、約７０重量％～約９５重量％、約９０重量％～約９５重量％、約１０重量％～約９０重量％、約３０重量％～約９０重量％、約５０重量％～約９０重量％、約７０重量％～約９０重量％、約１０重量％～約８０重量％、約３０重量％～約８０重量％、約５０重量％～約８０重量％、約７０重量％～約８０重量％、約１０重量％～約７０重量％、約３０重量％～約７０重量％、又は約５０重量％～約７０重量％を構成する。

【0029】

様々な実施形態では、追加の成分は、保存料として機能することもできるグリセロール誘導体を含む。グリセロール誘導体は、式（Ｉ）の化合物とすることができ、

【化1】

式中、Ｒが、任意選択で置換されたＣ_３～Ｃ_１８アルキル、任意選択で置換されたＣ_３～Ｃ_１８アルケニル、又は任意選択で置換されたＣ_６～Ｃ_１０アリールである。

【0030】

いくつかの実施形態では、Ｒは、分岐又は非分岐であり、かつ１つ以上のヒドロキシル基、１つ以上のＣ_１～Ｃ_４アルコキシ基、又は１つ以上のヒドロキシル及び１つ以上のＣ_１～Ｃ_４アルコキシ基の両方によって置換されたＣ_３～Ｃ_１８アルキル又はＣ_３～Ｃ_１８アルケニルである。ある特定の実施形態では、Ｒは、分岐であるか非分岐であるかにかかわらず、アルキル鎖内で最大４個の酸素原子によって中断されているＣ_３～Ｃ_１８アルキルである。更なる実施形態では、Ｒは、１つ以上のヒドロキシル、１つ以上のＣ_１～Ｃ_４アルコキシ基、又は１つ以上のヒドロキシル及び１つ以上のＣ_１～Ｃ_４アルコキシ基の両方によって置換されたＣ_６～Ｃ_１０アリールである。

【0031】

本明細書で使用される「アルキル」という用語は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル基、及びそれらの対応する環式部分（例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルなど）などであるが、これらに限定されない、直鎖又は分岐環式又は非環式部分とすることができる飽和一価ヒドロカルビル基を指す。

【0032】

本明細書で使用される「アルケニル」という用語は、１つの炭素－炭素二重結合を有する非環式分岐又は非分岐状炭化水素を指す。したがって、アルケニルは、部分飽和又は不飽和とすることができる。

【0033】

本明細書で使用される「アリール」という用語は、炭素環式芳香族基を指す。アリール基の例としては、フェニル、ベンジル、ナフチル、又はアントラセニルが挙げられるが、これらに限定されない。

【0034】

本明細書で使用される「アルコキシ」という用語は、Ｏ－アルキル基（ここで、アルキルは上で定義されたとおりであり、Ｏは酸素を表す）を含む。代表的なアルコキシ基としては、－Ｏ－メチル、－Ｏ－エチル、－Ｏ－ｎ－プロピル、－Ｏ－ｎ－ブチルが挙げられるが、これらに限定されない。アルコキシは、飽和、部分飽和、又は不飽和とすることができる。

【0035】

様々な実施形態では、追加の成分（又は追加の保存料）は、３－［（２－エチルヘキシル）オキシ］－１，２－プロパンジオール、３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオール、及び３－［（２－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールからなる群から選択される少なくとも１つのグリセロール誘導体を含む。いくつかの実施形態では、追加の成分は、（イソ－）ブチルグリセリルエーテル、（イソ－）アミルグリセリルエーテル、ヘキシルグリセリルエーテル、メチルヘプチルグリセリルエーテル、３－オクチルグリセリルエーテル、１－ノニルグリセリルエーテル、及び１－ドデシルグリセリルエーテルからなる群から選択される少なくとも１つのグリセロール誘導体を含む。

【0036】

様々な実施形態では、追加の成分（又は追加の保存料）は、３－［（２－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールを含む。様々な実施形態では、本組成物は、約０．０１重量％以上、約０．１重量％以上、約０．２５重量％以上、約０．５重量％以上、又は約１重量％以上の濃度の３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールを含む。様々な実施形態では、本組成物は、約０．１重量％～約１０重量％、約０．１重量％～約３重量％、約０．１重量％～約１．５重量％、約０．１重量％～約１重量％、約０．２５重量％～約５重量％、約０．２５重量％～約３重量％、約０．２５重量％～約１．５重量％、約０．２５重量％～約１重量％、約０．５重量％～約５重量％、約０．５重量％～約３重量％、約０．５重量％～約１．５重量％、約０．５重量％～約１重量％、約１重量％～約５重量％、約１重量％～約３重量％、又は約１重量％～約１．５重量％の濃度の３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールを含む。

【0037】

本組成物は、少なくとも１つのグリセロール誘導体を、約１重量％以上、約２重量％以上、約５重量％以上、約１０重量％以上、約１５重量％以上、又は約２０重量％以上の濃度で含むことができる。いくつかの実施形態では、少なくとも１つのグリセロール誘導体の濃度は、約１重量％～約５０重量％、約２重量％～約５０重量％、約５重量％～約５０重量％、約１０重量％～約５０重量％、約２０重量％～約５０重量％、約１重量％～約２５重量％、約２重量％～約２５重量％、約５重量％～約２５重量％、約１０重量％～約２５重量％、約１重量％～約１５重量％、約２重量％～約１５重量％、約５重量％～約１５重量％、約１０重量％～約１５重量％、約１重量％～約１０重量％、約２重量％～約１０重量％、約５重量％～約１０重量％、又は約１重量％～約５重量％とすることができる。

【0038】

様々な実施形態では、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールの少なくとも１つのグリセロール誘導体に対する重量比は、約１：２０～約２０：１、約１：１０～約１０：１、約５：１～約１：５、又は約１：１とすることができる。更に、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールの量は、少なくとも１つのグリセロール誘導体と比較して過剰であることがあり得る。例えば、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールの少なくとも１つのグリセロール誘導体に対する重量比は、約１．１：１以上、約１．５：１以上、約２：１以上、約３：１以上、約４：１以上、約５：１以上、約１０：１以上、又は約２５：１以上とすることができる。いくつかの実施形態では、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールの少なくとも１つのグリセロール誘導体に対する重量比は、約１：１～約１００：１、約１：１～約５０：１、約１：１～約２０：１、約１．１：１～約１００：１、約１．１：１～約５０：１、約１．１：１～約２０：１、約２：１～約１００：１、約２：１～約５０：１、約２：１～約２０：１、約５：１～約１００：１、約５：１～約５０：１、約５：１～約２０：１、約１０：１～約１００：１、約１０：１～約５０：１、約１０：１～約２０：１、約２０：１～約１００：１、約２０：１～約５０：１、又は約５０：１～約１００：１である。

【0039】

様々な実施形態では、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールは、本組成物中に存在する総グリセロール誘導体含有量の約１０重量％以上、約２０重量％以上、約３０重量％以上、約４０重量％以上、約５０重量％以上、約６０重量％以上、約７０重量％以上、約８０重量％以上、約９０重量％以上、又は約９５重量％以上を構成する。いくつかの実施形態では、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールは、本組成物中に存在する総グリセロール誘導体含有量の約１０重量％～約９９重量％、約３０重量％～約９９重量％、約５０重量％～約９９重量％、約７０重量％～約９９重量％、約９０重量％～約９９重量％、約１０重量％～約９５重量％、約３０重量％～約９５重量％、約５０重量％～約９５重量％、約７０重量％～約９５重量％、約９０重量％～約９５重量％、約１０重量％～約９０重量％、約３０重量％～約９０重量％、約５０重量％～約９０重量％、約７０重量％～約９０重量％、約１０重量％～約８０重量％、約３０重量％～約８０重量％、約５０重量％～約８０重量％、約７０重量％～約８０重量％、約１０重量％～約７０重量％、約３０重量％～約７０重量％、又は約５０重量％～約７０重量％を構成する。

【0040】

本組成物は、保存料として機能することもできる１つ以上のＣ_４～Ｃ_１０アルカンジオール（すなわち、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールに加えて）も更に含むことができる。いくつかの実施形態では、本組成物は、１つ以上のＣ_４～Ｃ_１０隣接アルカンジオールを更に含む。

【0041】

例えば、本組成物は、１つ以上のジオールを、約１重量％以上、約２重量％以上、約５重量％以上、約１０重量％以上、約１５重量％以上、又は約２０重量％以上の濃度で含むことができる。いくつかの実施形態では、１つ以上のジオールの濃度は、約１重量％～約５０重量％、約２重量％～約５０重量％、約５重量％～約５０重量％、約１０重量％～約５０重量％、約２０重量％～約５０重量％、約１重量％～約２５重量％、約２重量％～約２５重量％、約５重量％～約２５重量％、約１０重量％～約２５重量％、約１重量％～約１５重量％、約２重量％～約１５重量％、約５重量％～約１５重量％、約１０重量％～約１５重量％、約１重量％～約１０重量％、約２重量％～約１０重量％、約５重量％～約１０重量％、又は約１重量％～約５重量％とすることができる。

【0042】

様々な実施形態では、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールの１つ以上のジオールに対する重量比は、約１：２０～約２０：１、約１：１０～約１０：１、約５：１～約１：５、又は約１：１とすることができる。更に、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールの量は、１つ以上のジオールと比較して過剰であることがあり得る。例えば、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールの１つ以上のジオールに対する重量比は、約１．１：１以上、約１．５：１以上、約２：１以上、約３：１以上、約４：１以上、約５：１以上、約１０：１以上、又は約２５：１以上とすることができる。いくつかの実施形態では、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールの１つ以上のジオールに対する重量比は、約１：１～約１００：１、約１：１～約５０：１、約１：１～約２０：１、約１．１：１～約１００：１、約１．１：１～約５０：１、約１．１：１～約２０：１、約２：１～約１００：１、約２：１～約５０：１、約２：１～約２０：１、約５：１～約１００：１、約５：１～約５０：１、約５：１～約２０：１、約１０：１～約１００：１、約１０：１～約５０：１、約１０：１～約２０：１、約２０：１～約１００：１、約２０：１～約５０：１、又は約５０：１～約１００：１である。

【0043】

いくつかの実施形態では、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールは、本組成物中に存在する総ジオール含有量の約１０重量％以上、約２０重量％以上、約３０重量％以上、約４０重量％以上、約５０重量％以上、約６０重量％以上、約７０重量％以上、約８０重量％以上、約９０重量％以上、又は約９５重量％以上を構成する。いくつかの実施形態では、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールは、本組成物中に存在する総ジオール含有量の約１０重量％～約９９重量％、約３０重量％～約９９重量％、約５０重量％～約９９重量％、約７０重量％～約９９重量％、約９０重量％～約９９重量％、約１０重量％～約９５重量％、約３０重量％～約９５重量％、約５０重量％～約９５重量％、約７０重量％～約９５重量％、約９０重量％～約９５重量％、約１０重量％～約９０重量％、約３０重量％～約９０重量％、約５０重量％～約９０重量％、約７０重量％～約９０重量％、約１０重量％～約８０重量％、約３０重量％～約８０重量％、約５０重量％～約８０重量％、約７０重量％～約８０重量％、約１０重量％～約７０重量％、約３０重量％～約７０重量％、又は約５０重量％～約７０重量％を構成する。

【0044】

様々な実施形態では、追加の成分（又は追加の保存料）は、３－［（２－エチルヘキシル）オキシ］－１，２－プロパンジオール、３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオール、及び３－［（２－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールからなる群から選択される少なくとも１つのグリセロール誘導体を含む。いくつかの実施形態では、追加の成分は、ブチルグリセリルエーテル、（イソ）アミルグリセリルエーテル、ヘキシルグリセリルエーテル、３－オクチルグリセリルエーテル、１－ノニルグリセリルエーテル、及び１－ドデシルグリセリルエーテルからなる群から選択される少なくとも１つのグリセロール誘導体を含む。

【0045】

上述したように、本組成物は、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールと組み合わせて１つ以上の追加の保存料を含むことができる。例えば、保存料は、１，３－プロパンジオール、３－［（２－エチルヘキシル）オキシ］－１，２－プロパンジオール、３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオール、３－［（２－オクチルｌ）オキシ］－１，２－プロパンジオール、メチルプロパンジオール、ヘキソキシ－プロパン－１，２－ジオール、ヘプトキシ－プロパン－１，２－ジオール、オクトキシ－プロパン－１，２－ジオール、３－フェノキシ－プロパン－１，２－ジオール、３－ベンジルオキシ－プロパン－１，２－ジオール、３－フェニルエチルオキシ－プロパン－１，２－ジオール、３－フェニルプロピルオキシ－プロパン－１，２－ジオール、３－メチルベンジルオキシ－プロパン－１，２－ジオール、２－ブロモ－２－ニトロ－１，３－プロパンジオール、３－（４－クロルフェノキシ）－１，２－プロパンジオール（クロルフェネシン）、又は３－（４－クロロフェノキシ）－１，２－プロパンジオールなどのプロパンジオールを更に含むことができる。いくつかの実施形態では、保存料は、１，５－ペンタンジオール及び１，２－ペンタンジオールなどのペンタンジオールを更に含む。ある特定の実施形態では、保存料は、２，３－ブタンジオールなどのブタンジオールを更に含む。他の実施形態では、保存料は、１，２－ヘキサンジオール及び１，６－ヘキサンジオールなどのヘキサンジオールを更に含む。様々な実施形態では、保存料は、１，２－オクタンジオール及び１，８－オクタンジオールなどのオクタンジオールを更に含む。なお他の実施形態では、保存料は、１，２－デカンジオール及び１，１０－デカンジオールなどのデカンジオールを更に含む。

【0046】

３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールと組み合わせて使用することができる追加の保存料の他の例としては、チモール、オイゲノール、ベンジルアルコール、２－フェニルエチルアルコール、３－フェニルプロパノール、２－フェノキシエタノール、１－フェノキシ－プロパン－２－オール、３－フェノキシプロパノール、ベンジルオキシメタノール、フェノキシイソプロパノール、フェネチルアルコール、フェニルプロパノール、ケイ皮アルコール、２，４－ジクロロベンジルアルコール、（エチレンジオキシ）ジメタノール、α，α’，α’’－トリメチル－１，３，５－トリアジン－１，３，５（２Ｈ，４Ｈ，６Ｈ）－トリエタノール、（１－ヒドロキシ－４－メチル－６－（２，４，４－トリメチルペンチル）－２（１Ｈ）－ピリドン、２－アミノエタノール）、ファルネソール、２－ベンジルヘプタン－１－オール、ペンチレングリコール、カプリリルグリコール、クロロキシレノール、フェノキシエタノール、４－クロロ－ｍ－クレゾール、アリールオキシアルコール［フェノキシプロパノール（１－フェノキシプロパン－２－オール、２－フェノキシプロパン－１－オール、及び３－フェノキシプロパン－１－オールなど）］、オリゴアルカノールアリールエーテル［フェノキシジエタノール、フェノキシトリエタノール、フェノキシオリゴエタノール、フェノキシジプロパノール、フェノキシトリプロパノール、及びフェノキシオリゴプロパノール］、アリールアルカノール［３－フェニルプロパン－１－オール、ベラチルアルコール（３，４－ジメトキシフェニルメチルアルコール）、並びに２－メチル－１－フェニル－２－プロパノール］が挙げられる。更なる実施形態では、追加の保存料は、４－クロロ－３，５－ジメチルフェノール、ブロモクロロフェン、２，２’－メチレンビス（６－ブロモ－４－クロロフェノール）、３－メチル－４－（１－メチルエチル）フェノール、２－ベンジル－４－クロロ－フェノール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。

【0047】

追加の保存料は、ヒドロキシアセトフェノン、２－ヒドロキシアセトフェノン、３－ヒドロキシアセトフェノン、４－ヒドロキシアセトフェノン、又はこれらの組み合わせなどのアセトフェノン誘導体とすることもできる。

【0048】

更に、追加の保存料は、テトラヒドロ－１，３，４，６－テトラキス（ヒドロキシメチル）イミダゾ［４，５－ｄ］イミダゾール－２，５（１Ｈ，３Ｈ）－ジオン、１，３－ビス（ヒドロキシメチル）－５，５－ジメチルイミダゾリジン－２，４－ジオン、１，３－ビス－（ヒドロキシメチル）－５，５－ジメチル－２，４－イミダゾリジンジオン、１，６－ビス（４－アミジノ－２－ブロモフェノキシ）－ｎ－ヘキサン及びその塩、１，６－ビス（４－アミジノ－フェノキシ）－ｎ－ヘキサン及びその塩、クロルヘキシジン、５－ブロモ－５－ニトロ－１，３－ジオキサン、５－エチル－１－アザ－３，７－ジオキサビシクロ（３．３．０）オクタン、１，２－ジブロモ－２，４－ジシアノブタン、１－（４－クロロフェノキシ）－１－（１Ｈ－イミダゾール－１－イル）－３，３－ジメチル－２－ブタノン、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。

【0049】

追加の保存料の他の例としては、２，４，４’－トリクロロ－２’－ヒドロキシ－ジフェニルエーテル（トリクロサン）、２－ヒドロキシビフェニルエーテル及びその塩、並びにこれらの組み合わせ、並びにホルムアルデヒド及びパラホルムアルデヒドなどのアルデヒド、４－ヒドロキシベンズアルデヒド、オルト－、メタ－、及びパラ－アニスアルデヒド、ケイ皮アルデヒド、又はグルタルアルデヒドが挙げられる。

【0050】

追加の保存料は、安息香酸、パラ－ヒドロキシ安息香酸、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ベンジル、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸、サリチル酸、サリチル酸Ｎ－アルキルアミド、例えば、ｎ－オクチルサリチルアミド又はｎ－デシルサリチルアミドなど、２，４－ヘキサジエン酸（ソルビン酸）、ソルビン酸のヒドロキシエチルグリシン、レブリン酸、アニス酸、ペリル酸、ケイ皮酸、デヒドロ酢酸、ギ酸、１０－ウンデシレン酸、カプリルヒドロキサム酸、ソルボヒドロキサム酸、４－ヒドロキシ安息香酸、プロピオン酸、乳酸、２－ブチルオクタン酸、並びにこれらの様々な塩及びエステルとすることもできる。

【0051】

追加の保存料は、Ｎ－（４－クロロフェニル）－Ｎ’－（３，４－ジクロロフェニル）－ウレア、１，１’－メチレン－ビス（３－（１－ヒドロキシメチル－２，４－ジオキシイミダゾリン－５－イル）ウレア）、Ｎ－ヒドロキシメチル－Ｎ－（１，３－ジ（ヒドロキシメチル）－２，５－ジオキソイミダゾリジン－４－イル）－Ｎ’－ヒドロキシ－メチルウレア、イミダゾリジニルウレア、１，３－ビス（ヒドロキシメチル）－１－（１，３，４－トリス（ヒドロキシメチル）－２，５－ジオキソイミダゾリジン－４－イル）ウレア（ジアゾリジニルウレア）、及びイミダゾリジニルウレアのうちの１つ以上も含むことができる。

【0052】

追加の保存料は、モノグリセリド、ポリグリセリド、中鎖トリグリセリド、カプリル酸プロパンジオール、一価アルコールの脂肪酸エステル、オクタデカン酸モノグリセリルエステル（オクタデカン酸由来）、１，２－プロパンジオールとのオクタデカン酸モノエステル、グリセロールとのオクタデカン酸モノエステル、ジオールとのウンデカ－１０－エン酸モノエステル、プロパン－１，３－ジオールとのウンデカ－１０－エン酸モノエステル、及びグリセロールとのウンデカ－１０－エン酸モノエステルなどの１つ以上の脂肪酸エステルを含むことができる。

【0053】

追加の保存料は、パラベン又はその塩、例えば、ベンジルパラベン、ブチルパラベン、エチルパラベン、イソブチルパラベン、イソプロピルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、及びこれらの組み合わせとすることができる。

【0054】

追加の保存料のなお更なる例としては、重金属クエン酸塩、ピロクトース、亜鉛塩、ピリチオン及びその重金属塩、フェノール硫酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛、ビス（２－ピリジルチオ）亜鉛１，１’－ジオキシド、亜鉛ピリチオン、２－亜鉛－スルフィドピリジンＮ－オキシド、及びこれらの組み合わせが挙げられる。

【0055】

追加の保存料は、ケトコナゾール、オキシコナゾール、ビフォナゾール、ブトコナゾール、クロコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、エニルコナゾール、フェンチコナゾール、イソコナゾール、ミコナゾール、スルコナゾール、チオコナゾール、フルコナゾール、イトラコナゾール、テルコナゾール、（ＲＳ）－１－（４－クロロフェノキシ）－１－イミダゾール－１－イル－３，３－ジメチルブタン－２－オン（クリンバゾール）、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される１つ以上の抗真菌剤も含むことができる。

【0056】

他の追加の保存料としては、Ｎ，Ｎ’－（デカン－１，１０－ジイルジピリジン－１－イル－４－イリデン）－ジオクタン－１－アミン二塩酸塩（オクテニジン二塩酸塩）（オクテニジン）、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ジイソブチルエトキシエチルジメチルベンジルアンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化トリセチルメチルアンモニウム、塩化銀（ＡｇＣｌ）、塩化ベンザルコニウム、ポリ－（ヘキサメチレンジグアニド）塩酸塩、塩化１－（３－クロロアリル－３，５，７－トリアザ－１－アゾニア－アダマンタン、塩化Ｎ－アルキル（Ｃ_１２～Ｃ_２２）トリメチル－アンモニウム、塩化アルキル－（Ｃ_８～Ｃ_１８）－ジメチル－ベンジル－アンモニウム、塩化セチルピリジウム、クロルヘキシジン塩酸塩、及びこれらの組み合わせが挙げられる。別の実施形態では、保存料は、臭化Ｎ－アルキル（Ｃ_１２～Ｃ_２２）トリメチル－アンモニウム及び／又は臭化アルキル－（Ｃ_８～Ｃ_１８）－ジメチル－ベンジルアンモニウムである。

【0057】

追加の保存料の更なる例は、ジアミノアルキルアミド、Ｌ－リジンヘキサデシルアミド、２－クロロアセトアミド、ハイアミン、（ベンジルオキシメトキシ）－メタノールヘキサメチレンテトラミン、二硫化セレン、ジラウリル亜硫酸チアミン、メタ重亜硫酸塩、ジラウリル硫酸チアミン（thiamine dilauryl sulphate、ＴＤＳ）、アルミニウムクロロヒドロキシル酢酸ナトリウム、酢酸クロルヘキシジン、ヒドロキシメチル－アミノ酢酸ナトリウム、Ｎ－ラウリルサルコシン酸ナトリウム、Ｎ－パルメチルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン、カリウム－Ｎ－ラウリルサルコシン、ヨウ素酸ナトリウム、ジエチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム塩、パルミチン酸アスコルビル、ラウロイルアルギン酸エチルＨＣｌ、モノラウリン酸グリセロール（glycerol monolaurate、ＧＭＬ）、カプリル酸グリセリル、モノカプリン酸グリセロール、モノカプリル酸グリセロール、カプリル酸ソルビタン、モノカプリン酸ジグリセロール（diglycerol monocaprate、ＤＭＣ）、アニス酸ナトリウム、ラウロイルラクチル酸ナトリウム、セスキカプリル酸キシリチル、クエン酸トリエチル、ポリアミノプロピルビグアニド、グルコン酸クロルヘキシジン、サッカリン酸アルキル－（Ｃ_８～Ｃ_１８）－ジメチル－ベンジルアンモニウム、ブチルカルバミン酸３－ヨード－２－プロピニル、ブチルカルバミン酸ヨードプロピニル、メチルジブロモグルタロニトリル、ヒドロキシメチルアミノ酢酸ナトリウム、ヒドロキシメチルグリシン酸ナトリウム、及びこれらの組み合わせを含む。

【0058】

追加の保存料は、５－クロロ－２－メチル－３（２Ｈ）－イソチアゾリノン、２－メチル－３（２Ｈ）－イソチアゾリノン、メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン、２－オクチル－２Ｈ－イソチアゾール－３－オン、１，２－ベンズイソチアゾール－３（２Ｈ）－オン、３－アセチル－２－ヒドロキシ－６－メチル－４Ｈ－ピラン－４－オン、クロロブタノラム、５－アミノ－１，３－ビス（２－エチルヘキシル）－５－メチル－ヘキサヒドロピリミジン、４，４－ジメチル－１，３－オキサゾリジン、ベンジルヘミホルマール、トロポロン、２－ブロム－２－（ブロムメチル）ペンタンジニトリル、Ｎ－（３－アミノプロピル）－Ｎ－ドデシルプロパン－１，３－ジアミン、ピリジン－２－チオール－１－オキシド、ナフチフィン、テルビナフィン、オクトピロックス（ピロクトンオラミン）、キトサン、ポリイプシロン－リシン、Ｎ－ミリストイルグリシン、ジメチロールジメチルヒダントイン（dimethylol dimethyl hydantoin、ＤＭＤＭＨ）、ＤＭＤＭヒダントイン、及び３，４，４’－トリクロロカルバニリド（trichlorocarbanilide、ＴＴＣ又はトリクロカルバン）のうちの１つ以上も含むことができる。

【0059】

追加の保存料は、ラクトバチルス発酵ライセート、ラクトバチルス／ダイコン根発酵濾液、タイム油、クローブ油、メントール、及びミント油のうちの１つ以上を更に含むことができる。

【0060】

様々な実施形態では、追加の保存料は、天然保存料（例えば、天然源から得られる又はそれに由来する）を含む。いくつかの実施形態では、追加の保存料は、ＣＯＳＭＯＳ規格に従う少なくとも１つの天然保存料を含む。例えば、天然保存料は、１，３－プロパンジオール、１，５－ペンタンジオール、２，３－ブタンジオール、パルミチン酸アスコルビル、ラウロイルアルギン酸エチルＨＣｌ、カプリル酸グリセリル、ヒドロキシアセトフェノン、ラクトバチルス発酵ライセート、ラクトバチルス／ダイコン根発酵濾液、ペンチレングリコール、フェネチルアルコール、フェニルプロパノール、ポリイプシロン－リジン、アニス酸ナトリウム、ラウロイルラクチル酸ナトリウム、セスキカプリル酸キシリチル、ウンデシレン酸亜鉛、フェノキシエタノール、及びグルコノ－デルタ－ラクトンのうちの１つ以上を含むことができる。

【0061】

様々な実施形態では、追加の成分（又は追加の保存料）は、（イソ－）アミルグリセリルエーテルを含む。

【0062】

様々な実施形態では、追加の成分（又は追加の保存料）は、ヘキサンジオールを含む。

【0063】

様々な実施形態では、追加の成分は、ベタイン（例えば、コカミドプロピルベタイン）を含む。

【0064】

様々な実施形態では、追加の成分（又は追加の保存料）は、ヒドロキシアセトフェノン（hydroxyacetophenone、ＨＡＰ）を含む。

【0065】

様々な実施形態では、追加の成分（又は追加の保存料）は、３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールを含む。

【0066】

様々な実施形態では、追加の成分（又は追加の保存料）は、３－［（２－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールを含む。

【0067】

様々な実施形態では、追加の成分（又は追加の保存料）は、２－エチルヘキシルグリセリルエーテルを含む。

【0068】

保存料の様々な組み合わせ（例えば、上記の保存料の任意の組み合わせ）を使用することができる。

【0069】

追加の成分－レオロジー調整剤
本明細書に記載の組成物は、本組成物の粘度を増加させるためにレオロジー調整剤（すなわち、増粘剤）も更に含むことができる。レオロジー調整剤の例としては、親水性シリカ、多糖類、キサンタンガム、デヒドロキサンタンガム、グアーガム、カラヤガム、寒天、アルギン酸塩、カラギーナン、イナゴマメ種子粉、加水分解トウモロコシデンプン、チロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、様々なカチオン性デンプン、グアー（例えば、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド）、カルボマー、高分子量の脂肪酸ポリエチレングリコールモノエステル及びジエステル、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、エトキシル化脂肪酸グリセリド、脂肪酸とペンタエリスリトール又はトリメチロールプロパンなどのポリオールとのエステル、狭い範囲の脂肪アルコールエトキシレート、ラウレス－２、ラウレス－３、及びラウレス－４、並びに塩化ナトリウム及び塩化アンモニウムなどの塩が挙げられる。ある特定の実施形態では、レオロジー調整剤は、ポリマーである。

【0070】

様々な実施形態では、レオロジー調整剤は、無機塩を含む。無機塩は、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、又はこれらの混合物とすることができる。様々な実施形態では、無機塩の濃度は、約０．０１重量％～約５重量％、約０．０１重量％～約３重量％、約０．１重量％～約３重量％、又は約０．１重量％～約１重量％の範囲である。様々な実施形態では、無機塩の濃度は、約１重量％未満、例えば、１重量％、０．９重量％、０．８重量％、０．７重量％、０．６重量％、０．５重量％、０．４重量％、０．３重量％、０．２重量％、０．１重量％、又は０．０１重量％である。様々な実施形態では、無機塩の濃度は、０重量％である（すなわち、本組成物はいずれの無機塩も含まない）。様々な実施形態では、本組成物は、レオロジー調整剤を本質的に含まない。様々な実施形態では、本組成物は、レオロジー調整剤を含まない。

【0071】

上述したように、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールが多官能性成分であることが発見された。例えば、この成分は、増粘剤／レオロジー調整剤として機能することができる。したがって、様々な実施形態では、本組成物は、追加のレオロジー調整剤を使用なしでレオロジー特性の向上を呈する。また、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールは、既存の組成物と比較してより少ない添加物しか必要としない組成物を提供する。したがって、いくつかの実施形態では、本組成物は、追加のレオロジー調整剤を含まないか、又は本質的に含まない（例えば、総組成物の１重量％未満、０．１重量％未満、又は更には０．０１重量％未満）。例えば、本組成物は、１つ以上の追加のレオロジー調整剤を含まないか、又は本質的に含まない（例えば、総組成物の１重量％未満、０．１重量％未満、又は更には０．０１重量％未満）（例えば、上記の１つ以上のレオロジー調整剤を含まないか、又は本質的に含まない）ことがあり得る。無機塩レオロジー調整剤の場合、無機塩の濃度の低下又は無機塩の不在により、塗布されたときに毛髪又は皮膚の乾燥、それに対する刺激、及びそれに対する損傷の減少をもたらす化粧品組成物が提供される。

【0072】

追加の成分－界面活性剤
本明細書に記載の組成物は、少なくとも１つの界面活性剤も更に含むことができる。界面活性剤には、一般に、様々なアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、及び／又は両性界面活性剤が含まれる。いくつかの実施形態では、本組成物は、美容的及び／又は薬学的に許容される１つ以上のアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、及び／又は両性界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも１つの界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、又はこれらの混合物を含む。

【0073】

いくつかの実施形態では、少なくとも１つの界面活性剤はアニオン性界面活性剤を含み、アニオン性界面活性剤は硫酸化界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも１つの界面活性剤は、少なくとも１つのアニオン性界面活性剤と少なくとも１つの非イオン性界面活性剤との混合物、又は少なくとも１つのアニオン性界面活性剤と少なくとも１つの両性界面活性剤との混合物を含む。いくつかの実施形態では、アニオン性界面活性剤は硫酸化界面活性剤を含み、非イオン性界面活性剤はアルキルポリグルコシドを含み、かつ／又は両性界面活性剤はベタインを含む。

【0074】

いくつかの実施形態では、本組成物は、約１重量％以上、約２重量％以上、約５重量％以上、約１０重量％以上、約２０重量％以上、約３０重量％以上、約４０重量％以上、又は約５０重量％以上の界面活性剤濃度を有する。ある特定の実施形態では、本組成物は、約１重量％～約６０重量％、約２重量％～約６０重量％、約５重量％～約６０重量％、約１０重量％～約６０重量％、約２０重量％～約６０重量％、約１重量％～約５０重量％、約２重量％～約５０重量％、約５重量％～約５０重量％、約１０重量％～約５０重量％、約２０重量％～約５０重量％、約１重量％～約２５重量％、約２重量％～約２５重量％、約５重量％～約２５重量％、約１０重量％～約２５重量％、約１重量％～約１５重量％、約２重量％～約１５重量％、約５重量％～約１５重量％、約１０重量％～約１５重量％、約１重量％～約１０重量％、約２重量％～約１０重量％、約５重量％～約１０重量％、又は約１重量％～約５重量％の界面活性剤濃度を有する。

【0075】

アニオン界面活性剤の例としては、例えば、アルキル及びアルキレンカルボキシレート、アルキルエーテルカルボキシレート、脂肪アルコールスルフェート、脂肪アルコールエーテルスルフェート、アルキルアミドスルフェート及びスルホネート、脂肪酸アルキルアミドポリグリコールエーテルスルフェート、アルカンスルホネート及びヒドロキシアルカンスルホネート、オレフィンスルホネート、イセチオネートアシルエステル、α－スルファ脂肪酸エステル、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルフェノールグリコールエーテルスルホネート、スルホスクシネート、スルホコハク酸モノエステル及びジエステル、脂肪アルコールエーテルホスフェート、タンパク質／脂肪酸縮合生成物、アルキルモノグリセリドスルフェート及びスルホネート、他の硫酸化界面活性剤、アルキルグリセリドエーテルスルホネート、脂肪酸メチルタウリド、脂肪酸サルコシネート、スルホリシノレート、アシルグルタメート、これらの混合物、及びこれらの塩が挙げられる。

【0076】

アニオン性界面活性剤のタイプは、硫酸化界面活性剤である。硫酸化界面活性剤の例としては、ココイル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ココ硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウレス硫酸マグネシウム、ラウレス硫酸アンモニウム、セテアリル硫酸ナトリウム、ミレス硫酸ナトリウム、ミレス硫酸マグネシウム、ミレス硫酸アンモニウム、及びＣ_１２～Ｃ_１８アルキル硫酸ナトリウムが挙げられる。

【0077】

様々な実施形態では、本組成物は、１つ以上の非イオン性界面活性剤を含む。非イオン性界面活性剤の例としては、アルキルエトキシレート、エトキシル化脂肪アルコール、エトキシル化脂肪酸、エトキシル化脂肪酸グリセリド、又はエトキシル化アルキルフェノールなどの様々なエトキシル化界面活性剤；モノ又はジアルキルアルカノールアミド；及びアルキル多糖類が挙げられる。

【0078】

ある特定の実施形態では、本組成物は、脂肪アルコールエトキシレート（アルキルポリエチレングリコール）、アルキルフェノールポリエチレングリコール、アルキルメルカプタンポリエチレングリコール、脂肪アミンエトキシレート（アルキルアミノポリエチレングリコール）、脂肪酸エトキシレート（アシルポリエチレングリコール）、ポリプロピレングリコールエトキシレート、脂肪酸アルキロールアミド（脂肪酸アミドポリエチレングリコール）、Ｎ－アルキル－、Ｎ－アルコキシポリヒドロキシ－脂肪酸アミド、スクロースエステル、ソルビトールエステル、ポリグリコールエーテル、及びこれらの混合物からなる群から選択される１つ以上の非イオン性界面活性剤を含むことができる。本発明の組成物に含むことができる他の糖由来の非イオン性界面活性剤としては、脂肪酸Ｎ－アルキルポリヒドロキシ脂肪酸アミドが挙げられる。

【0079】

いくつかの実施形態では、本組成物は、１つ以上のアルキル多糖類界面活性剤を含む。アルキル多糖類界面活性剤の例としては、以下の式の化合物が挙げられ、
Ｒ－Ｏ－（ｓｕｇ）_ｕ
式中、Ｒが、約４～約３０個の炭素原子又は約４～２０個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アルキルフェニル、アルケニルフェニルから選択される直鎖又は分岐鎖の置換又は非置換ヒドロカルビルである。ｓｕｇ部分は、糖残基であり、開放構造又は環状（すなわち、ピラノース）構造であってもよい。糖類は、５個若しくは６個の炭素原子を有する単糖類、二糖類、オリゴ糖類、又は多糖類であってもよい。好適な糖類部分（それらの対応するピラノース形態を含む）の例としては、リボース、キシロース、アラビノース、グルコース、ガラクトース、マンノース、テロース、グロース、アロース、アルトロース、イドース、リキソース、リブロース、ソルボース（ソルビタン）、フルクトース、及びこれらの混合物が挙げられる。好適な二糖類の例としては、マルトース、ラクトース、及びスクロースが挙げられる。二糖類、オリゴ糖類、及び多糖類は、２つ以上の同一の糖類の組み合わせ、例えば、マルトース（２つのグルコース）とすることができるか、又は２つ以上の異なる糖類、例えば、スクロース（グルコースとフルクトースとの組み合わせ）とすることができる。重合度、ｕは、１～約５０、１～約２５、１～約１０、１～約５、１～約３、又は１～約２の平均数である。

【0080】

様々な実施形態では、アルキル多糖類界面活性剤は、アルキルポリグルコシド（alkylpolyglucoside、ＡＰＧ）界面活性剤とすることができる。例えば、いくつかのＡＰＧは、上記の式のものであり、式中、Ｒが、好ましくは４～３０個の炭素原子若しくは４～２０個の炭素原子を有する分岐鎖若しくは直鎖アルキル基であるか、又は所与の範囲内の平均値を有するアルキル基の混合物であり、ｓｕｇが、グルコース残基（例えば、グリコシド）であり、ｕが、１～約５、より好ましくは、１～約３である。様々な実施形態では、界面活性剤は、上記の式の１つ以上のＡＰＧを含み、式中、Ｒが、５～２０個の炭素原子若しくは６～１６個の炭素原子を有する分岐鎖若しくは直鎖アルキル基であるか、又は所与の範囲内の平均値を有するアルキル基の混合物であり、ｕが、１～約３である。アルキルポリグルコシドは、カプリリル／カプリルグルコシド、ココグルコシド、及びスクロースグルコシドからなる群から選択することができる。

【0081】

ある特定の実施形態では、本組成物は、アルカリ金属塩、並びにモノアルキルアンモニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩、及びトリアルキルアンモニウム塩としてＮ－アルキル－ｐ－アミノプロピオネート及びＮ－アルキル－ｐ－イミノジプロピオネート；Ｎ－アシルアミノアルキル－Ｎ，Ｎ－ジメチルアセトベタイン（例えば、Ｎ－アシルアミノプロピル－Ｎ，Ｎ－ジメチルアセトベタイン、アルキル－ジメチルスルホプロピルベタイン、イミダゾリン系両性界面活性剤（例えば、１－（Ｐ－カルボキシメチルオキシエチル）－１－（カルボキシルメチル）－２－ラウリルイミダゾリニウムのナトリウム塩；アミンオキシド（例えば、アルキル－ジメチルアミンオキシド）；並びに脂肪酸アミドアルキルジメチルアミンオキシドからなる群から選択される１つ以上の両性界面活性剤を含む。

【0082】

ある特定の実施形態では、本組成物は、１つ以上のベタイン界面活性剤を含む。例えば、ベタイン界面活性剤は、アルキルベタイン（例えば、ココジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルアルファカルボキシエチルベタイン、セチルジメチルカルボキシメチルベタイン、オレイルジメチルガンマカルボキシプロピルベタイン、及びラウリルビス（２－ヒドロキシプロピル）アルファカルボキシエチルベタイン）；スルホベタイン（例えば、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルジメチル－スルホエチルベタイン、及びラウリルビス（２－ヒドロキシルエチル）スルホプロピルベタイン）；イミダゾールのカルボキシル誘導体であるベタイン；アルキルジメチルアンモニウムアセテートであるベタイン；アルキルジメチルカルボニルチルアンモニウム塩であるベタイン；並びに脂肪酸アルキルアミドベタイン（例えば、ヤシ脂肪酸アミドプロピルベタイン及びＮ－ヤシ脂肪酸アミドエチル－Ｎ－［２－（カルボキシメトキシ）エチル］グリセロール）から選択することができる。１つの好ましいベタイン界面活性剤は、コカミドプロピルベタインである。

【0083】

様々な実施形態では、本組成物は、アルキルポリグルコシド、ココ硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルグリシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、ラウリルグルコースカルボキシレート、コカミドプロピルベタイン、ラウリルグルコシド、デシルグルコシド、カプリリル／カプリルグルコシド、ココグルコシド、ヘキシルグルコシド、ココイルグルタミン酸二ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、パルモイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸カリウム、ラウロイルグルタミン酸カリウム、ミリストイルグルタミン酸カリウム、ラウロイルグリシン酸ナトリウム、ココイルグリシン酸カリウム、ココイルグリシン酸カリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ココイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム、メチルオレオイルタウリン酸ナトリウム、メチルラウロイルタウリン酸ナトリウム、メチルココイルタウリン酸ナトリウム、ココイルメチルグルカミド、カプリリル／カプリルメチルグルカミド、ラウロイル／ミリストイルメチルグルカミド、ココベタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、ラウリルベタイン、ココアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、ラウレススルホコハク酸二ナトリウム、オレアミドＭＩＰＡスルホコハク酸二ナトリウム、コカミドＤＥＡ、コカミドＭＥＡ、コカミドＭＩＰＡ、Ｃ_{１４－１６}オレフィンスルホン酸ナトリウム、ココ酸カリウム、パーム脂肪酸カリウム、ラウリン酸カリウム、オリーブ油脂肪酸カリウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ココ硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウレス硫酸マグネシウム、ラウレス硫酸アンモニウム、セテアリル硫酸ナトリウム、ミレス硫酸ナトリウム、ミレス硫酸マグネシウム、ミレス硫酸アンモニウム、Ｃ_１２～Ｃ_１８アルキル硫酸ナトリウム、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも１つの界面活性剤を含む。

【0084】

いくつかの実施形態では、本組成物中の界面活性剤の総濃度は、約１重量％～約３０重量％、約１０重量％～約２５重量％、又は約１２重量％～約２４重量％とすることができる。いくつかの実施形態では、本組成物中の界面活性剤の濃度は、約１２重量％、２１重量％、又は２４重量％である。

【0085】

いくつかの実施形態では、本組成物中の硫酸化界面活性剤の濃度は、約１重量％～約１５重量％、約５重量％～約１２重量％、又は約８重量％～約１０重量％とすることができる。いくつかの実施形態では、硫酸化界面活性剤の濃度は、約８重量％又は１０重量％である。

【0086】

追加の成分－抗酸化剤
いくつかの実施形態では、本組成物は、抗酸化剤を更に含む。様々な実施形態では、抗酸化剤は、天然抗酸化剤（例えば、天然源から得られる又はそれに由来する）を含む。いくつかの実施形態では、抗酸化剤は、ＣＯＳＭＯＳ規格に従う天然抗酸化剤を含む。例えば、抗酸化剤は、５，７－ジヒドロキシ－２－（４－ヒドロキシフェニル）クロマン－４－オン（ナリンゲニン）、２－（３，４－ジヒドロキシフェニル）－５，７－ジヒドロキシ－４Ｈ－１－ベンゾピラン－４－オン（ケルセチン）、５，７－ジヒドロキシ－２－（３－ヒドロキシ－４－メトキシフェニル）クロマン－４－オン（ヘスペレチン）、５，７－ジヒドロキシ－２－（３，４－ジヒドロキシフェニル）－クロマン－４－オン（エリオジクチオール）、及びこれらの組み合わせのうちの１つ以上を含むことができる。

【0087】

抗酸化剤の様々な例としては、（ｉ）フラボン、例えば、タキシフォリン（エピカテキン）、イソクラネチン、アロマデンドリン（アロマデドリン）、アカセチン、イソクテラレイン、ルテオリン、ケンペロール、アピゲニン、ジオスメチン、クリソエリオール、クリシン、ガランギン、リモシトリン；フラボノール、例えば、アザレアチン、フィセチン、ゴシペチン、ケンフェリド、イソラムネチン、モリン、ミリセチン、ナツダイダイン、パキポドール、ラムナジン、及びラムネチン；（ｉｉ）フラボノン、例えば、エリオシトリン、ナリルチン、ヘスペリジン、ネオポンシリン、ネオエリオシトリン、ナリンゲニン、ネオヘスペリデン、ポンシリン、イソロイフォリン、デオスミン、ロイフォリン、及びネオデオスミン；（ｉｉｉ）フラボノールから形成されたグリコシド、例えば、アストラガリン、アザレイン、ヒペロシド、イソクエルシチン、ケンペリトリン、ミリシトリン、クエルシトリン、ロビニン、ルチン、スピレオシド、及びキサントラムニン；（ｉｖ）ポリメトキシル化フラボン、例えば、シネンセチン、ノビレチン、ヘプタメトキシフラボン、ナツダイダイン、５－デメチルノビレチン、タンジェレチン、テトラ－Ｏ－メチルスクテラレイン、テトラ－Ｏ－メチルイソスクテラレイン、ヘキソ－Ｏ－メチルクエルセタゲチン、ヘキサ－Ｏ－メチルゴッシペチン、及び５－ヒドロキシ－３，７，８，３’，４’－ペンタメトキシフラボン；並びに（ｖ）フラボノイド又はそのグリコシル化前駆体、例えば、ケルセチンの誘導体、好ましくは、アルファ－グルコシルルチン、カルノソール、カルノソール酸、レスベラトロール、シナピン酸、クルクミノイド、レチノイド（例えば、パルミチン酸レチニル、レチノール、又はトレチノイン）、ウルソール酸、レブリン酸、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアイアック酸（nordihydroguaiac acid）、トリヒドロキシブチロフェノン、及び尿酸が挙げられる。

【0088】

抗酸化剤は、アムレンシン、アピゲトリン、バイカレイン、ブチン、ジオスミン、エリオジクチオール、ユーパフォリン、ユーパチリン、フラボキサート、ゲンクワニン、ヒスピズリン、ホモエリオジクチオール、イカリイン、イソサクラネチン、リクビルチン（likvirtin）、リクイリチン、リクイリチゲニン、ネオヘスペリジン、ピノセムブリン、ロビノース、ルチノース、サクラネチン、サクラニン、スクテラレイン、スピレノシド（spirenoside）、ステルビン、タンゲリチン、テクトクリシン、トロキセルチン、及びウォゴニンのうちの１つ以上も含むことができる。

【0089】

抗酸化剤は、イミダゾール（例えば、ウロカニン酸）及びその誘導体も含むことができる。

【0090】

他の抗酸化剤としては、１つ以上のアミノ酸、例えば、グリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン、及びシステイン若しくはその誘導体、例えば、システイン塩酸塩、アセチルシステイン、並びにＮ－アシルアミノ酸及びその塩（例えば、Ｎ－オクタノイルグリシン、Ｌｉｐａｃｉｄｅ Ｃ８Ｇ）；並びに／又はペプチド、例えば、Ｄ，Ｌ－カルノシン、Ｄ－カルノシン、Ｌ－カルノシン、及びそれらの誘導体（好ましくは、アンセリン）、カルニチン、クレアチン、マトリカインペプチド（例えば、リシル－トレオニル－トレオニル－リシル－セリン）、及びパルミトイル化ペンタペプチドが挙げられる。

【0091】

抗酸化剤は、１つ以上のカロテノイド、カロテン（好ましくは、アルファ－カロテン、ベータ－カロテン、リコペン）、及びそれらの誘導体を含むことができる。

【0092】

他の抗酸化剤としては、リポ酸及びその誘導体（例えば、ジヒドロリポ酸）、エリソルビン酸、フェルラ酸エチル、フェルラ酸、コウジ酸、ノルジヒドログアイアレチン酸、フェニルチオグリコール酸、チオジグリコール酸、チオグリコール酸、チオ乳酸、チオサリチル酸、アルファ－ヒドロキシカルボン酸（例えば、グリコール酸、マンデル酸）及びその塩、ｐ－ヒドロキシ安息香酸エステル（例えば、そのメチル、エチル、プロピル、又はブチルエステル）、ロスマリン酸、安息香酸樹脂の安息香酸コニフェリル、ルチニン酸（rutinic acid）及びその誘導体、葉酸及びその誘導体、ユビキノン及びその誘導体、ユビキノール及びその誘導体、ビタミンＣ及び誘導体（好ましくは、パルミチン酸アスコルビル、アスコルビルリン酸Ｍｇ、酢酸アスコルビル、アスコルビルグルコシド）、アルファ－ヒドロキシ酸（好ましくは、クエン酸、マレイン酸）、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、タンニン、ビリルビン、ビリベルジン、ＥＤＴＡ、ＥＧＴＡ、及びそれらの誘導体）、チオジプロピオン酸及びその誘導体（好ましくは、エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシド、及び塩）、ヒドロキシ酸、ウロカニン酸、フィチン酸、乳酸、リノレン酸、コーヒー酸、及びクロロゲン酸が挙げられる。

【0093】

脂肪酸、例えば、不飽和脂肪酸及びその誘導体（好ましくは、ガンマ－リノレン酸、リノール酸、オレイン酸）、脂肪酸、及びヒドロキシ脂肪酸も、好適な抗酸化剤である。

【0094】

なお他の抗酸化剤としては、プロピルチオウラシル又は他のチオール（例えば、チオレドキシン、グルタチオン、シスチン、シスタミン、及びグリコシル、それらのＮ－アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル、及びラウリル、パルミトイル、オレイル、ガンマ－リノレイル、コレステリル、グリセリル、及びオリゴグリセリルエステル）及びそれらの塩、チオールグリコシルエステル、チオールＮ－アセチルエステル、チオールメチルエステル、チオールエチルエステル、チオールプロピルエステル、チオールアミルエステル、チオールブチルエステル、チオールラウリルエステル、チオールパルミトイルエステル、チオールオレイルエステル、チオールリノレイルエステル、チオールコレステリルエステル、並びにチオールグリセリルエステルが挙げられる。

【0095】

抗酸化剤には、ビタミンＡ及びその誘導体、例えば、パルミチン酸ビタミンＡ；並びにトコフェレス－５、トコフェレス－１０、トコフェレス－１２、トコフェレス－１８、トコフェレス－５０、トコフェルソラン、トコフェロール（例えば、ビタミンＥ）及びその誘導体（例えば、ビタミンＥ誘導体、例えば、酢酸ビタミンＥ、リノール酸ビタミンＥ、ニコチン酸ビタミンＥ、及びコハク酸ビタミンＥ）も含まれる。

【0096】

抗酸化剤は、金属キレート剤、例えば、アルファ－ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、又はラクトフェリンも含むことができる。

【0097】

抗酸化剤の他の例としては、亜鉛又はその誘導体（例えば、ＺｎＯ、ＺｎＳＯ４）、セレン又はその誘導体（例えば、セレンメチオニン）、スーパーオキシドジスムターゼ、及びスチルベン又はその誘導体（例えば、スチルベンオキシド、トランス－スチルベンオキシド）が挙げられる。

【0098】

抗酸化剤は、１つ以上の糖、例えば、マンノース、オーロチオグルコース、及び／又はそれらの誘導体を含むことができる。

【0099】

１つ以上の植物の様々な抽出物又は画分も抗酸化剤として機能することができる。例としては、緑茶、ルイボス、ハニーブッシュ、ブドウ、ローズマリー、セージ、メリッサ、タイム、ラベンダー、オリーブ、オート麦、カカオ、イチョウ、チョウセンニンジン、カンゾウ、ハニーサックル、ソフォラ、プエラリア、マツ、柑橘類、ユカン（Ｐｈｙｌｌａｎｔｈｕｓ ｅｍｂｌｉｃａ）又はセントジョーンズワート、ブドウ種子、コムギ胚芽、及びユカン（Ｐｈｙｌｌａｎｔｈｕｓ ｅｍｂｌｉｃａ）の抽出物又は画分が挙げられる。

【0100】

抗酸化剤は、補酵素、例えば、補酵素Ｑ－１０、プラストキノン、及びメナキノンも含むことができる。

【0101】

抗酸化剤の更なる例としては、ｐ－ヒドロキシアニソール、３－ｔｅｒｔ－ブチル－４－ヒドロキシアニソール、２，６－ジ－ｔｅｒｔ－ブチル－ｐ－クレゾール、ジオレイルトコフェリルメチルシラノール、フロログルシノール、デクスパンテノール、ヒノキトール、チオジグリコール、チオジグリコールアミド、ヒドロキノン、ｔｅｒｔ－ブチルヒドロキノン、ジアミルヒドロキノン、ジ－ｔｅｒｔ－ブチルヒドロキノン、デシルメルカプトメチルイミダゾール、チオジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロピオン酸ジトリデシル、チオジプロピオン酸ジセチル、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジミリスチルチオ、トリオレイン酸ジガロイル、ルチニル二硫酸二ナトリウム、硫酸ヒドロキシルアミン、没食子酸ドデシル、没食子酸オクチル、没食子酸プロピル、ヒドロキシルアミン塩酸塩、チオグリコール酸イソオクチル、マデカシコシド、コハク酸メトキシ－ＰＥＧ－７－ルチニル、エリソルビン酸ナトリウム、チオグリコール酸ナトリウム、ソルビチルフルフラール、ｏ－トリルビグアニド、亜リン酸トリス（ノニルフェニル）ホスファイト、ジメチロールジメチルヒダントイン、ユビキノン、ユビキノール、及びカルノシンが挙げられる。

【0102】

抗酸化剤の様々な組み合わせ（例えば、上記の抗酸化剤の任意の組み合わせ）を使用することができる。

【0103】

追加の成分－その他
本明細書に記載の様々な組成物は、少なくとも１つの追加の成分を含むことができる。例えば、本組成物は、少なくとも１つの活性成分（例えば、薬学的有効成分、美容的有効成分、及び／又は生物学的有効成分）を含むことができる。薬学的有効成分（すなわち、薬剤）には、例えば、抗菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、抗掻痒剤、抗ヒスタミン剤、抗脂漏剤、防臭剤、殺菌／創傷治癒剤、抗炎症剤、抗がん剤、及び免疫調節剤などが含まれる。

【0104】

本組成物の追加の成分は、１つ以上の不活性物質又は賦形剤も含むことができる。

【0105】

いくつかの実施形態では、少なくとも１つの追加の成分には、１つ以上の薬剤、ふけ防止剤、皮膚光沢剤、セルフタンニング剤、角質除去剤、酵素、抗ニキビ剤、デオドラント及び制汗剤、シラミ駆除剤、油性物質、ワックス、他の保存料、乳化剤、共乳化剤、可溶化剤、カチオン性ポリマー、フィルム形成剤、過脂肪剤、再脂化剤、泡安定剤、安定剤、保存増強成分、染料、顔料、乳白剤、研磨剤、吸収剤、固化防止剤、増量剤、パール化剤、着臭剤、香水又は香料、担体、溶媒又は希釈剤、噴射剤、官能性酸、粘度調整剤、増粘剤及びゲル化剤、ｐＨ調整剤、緩衝剤、抗酸化剤、キレート剤、収斂剤、日焼け止め剤、日焼け防止剤、皮膚浸透促進剤、ＵＶフィルター、皮膚コンディショニング剤、皮膚軟化剤、保湿剤、閉塞剤、消泡剤、香味剤、電解質、酸化剤、還元剤、並びにこれらの組み合わせが含まれる。

【0106】

様々な実施形態では、追加の成分は、天然成分（例えば、天然源から得られる又はそれに由来する）を含む。いくつかの実施形態では、本組成物は、天然成分からなる又は本質的になる（すなわち、９５重量％超又は更には９９重量％超）。天然成分は、ＣＯＳＭＯＳ基準に従って認定されたものとすることができる。

【0107】

本明細書に記載の組成物は、リン酸二デンプン、フィチン酸ナトリウム、クエン酸トリエチル、フィチン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、及びクエン酸カルシウムからなる群から選択される少なくとも１つのキレート剤を更に含むことができる。

【0108】

本明細書に記載の組成物は、四級アンモニウム及び／又はホスホニウム塩も更に含むことができる。四級塩は、コンディショニング剤として一般に使用されており、いくつかの事例では保存料として使用される。

【0109】

組成物の追加の特性を向上させる保存料
いくつかの実施形態では、本発明は、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールと、３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールと、界面活性剤と、無機塩を含むレオロジー調整剤とを含む化粧品組成物を対象とする。

【0110】

上述したように、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールと３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールとの組み合わせは、化粧品組成物及び他の組成物に有効な保存料を提供する。

【0111】

驚くべきことに、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールと３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールとの組み合わせが、毛髪及び／又は皮膚を洗浄するために使用される化粧品組成物中に含まれる界面活性剤などの上記の界面活性剤を更に含む組成物の粘度を相乗的に増加させることができることが発見された。粘度の相乗的増加は、シャンプー及び他の洗浄用化粧品組成物で一般に使用されているアニオン性（硫酸化）界面活性剤を含む界面活性剤系において最も顕著であった。更に、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールと３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールとの組み合わせから生じた粘度の増加は、界面活性剤の混合物を含む界面活性剤系を用いて製剤化された組成物、例えば、アニオン性（硫酸化）界面活性剤／非イオン性（ＡＰＧ）界面活性剤系を有する組成物及びアニオン性（硫酸化）界面活性剤／両性（ベタイン）界面活性剤系を有する組成物でも観察される。

【0112】

上述したように、塩化ナトリウムなどの無機塩は、本組成物の粘度を増加させるためにレオロジー調整剤（すなわち、増粘剤）として化粧品組成物中で使用される。３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールと３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールとの組み合わせの粘度効果の向上は、レオロジー調整剤などの無機塩を更に含む組成物で観察される。特に、この組み合わせは、所与の目標粘度を達成するための無機塩の濃度が３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオール及び／又は３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールを欠くこと以外は同一の組成物よりも低い組成物の製剤化を可能にする。更に、この効果は、無機塩レオロジー調整剤も含む組成物で観察されたが、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールと３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールとの組み合わせの結果としてのレオロジー特性の相乗的向上（すなわち、粘度の増加）は、無機塩レオロジー剤を含まない組成物にも提供される。この発見は、所望のレオロジー特性を依然として呈する、本明細書に記載のより低い濃度の無機塩しか有しないか又は無機塩を有しない組成物の製剤化を可能にする。化粧品組成物中の無機塩が毛髪又は皮膚に塗布されたときに乾燥及び刺激を引き起こす可能性があるため、より低い有機塩濃度又は無機塩の不在は有益である。

【0113】

当業者に認識されるように、組成物によって呈される所望の目標粘度は、組成物の意図される使用によって変化する。３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールと３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールとの組み合わせを含む本発明のこれらの実施形態による組成物は、無機塩又は他のレオロジー調整剤を含めて又は含めずにのいずれかで、商業的に望ましい目標粘度を呈するように製剤化することができる。

【0114】

驚くべきことに、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールと３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールとの組み合わせを含む組成物を製剤化する際に、組成物中の成分の溶解度が、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールと３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールを一緒に予混合した後に組成物の他の成分と混合した場合、これらの化合物が別個にかつ順次添加された場合の組成物と比較して向上することも発見された。３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールは、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールと比較してより低い水性系中での溶解度を有する。更に、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールは溶解度効果の向上を提供し、これにより、沈殿物形成のリスクをあまり伴うことなく透明な組成物を製剤化することができるようになる。

【0115】

例示的な組成物
いくつかの実施形態では、本発明は、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールと、３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールと、界面活性剤と、無機塩を含むレオロジー調整剤と、を含む化粧品組成物を対象とする。いくつかの実施形態では、所与の粘度を達成するための無機塩の濃度は、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオール及び／又は３－［（ｎ－オクチルオキシオキシ］－１，２－プロパンジオールを欠くこと以外は同一の組成物よりも低い。

【0116】

いくつかの実施形態では、本発明は、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールと、３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールと、ココイル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ココ硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウレス硫酸マグネシウム、ラウレス硫酸アンモニウム、セテアリル硫酸ナトリウム、ミレス硫酸ナトリウム、ミレス硫酸マグネシウム、ミレス硫酸アンモニウム、及びＣ_１２～Ｃ_１８アルキル硫酸ナトリウムからなる群から選択される硫酸化界面活性剤と、無機塩を含む任意選択のレオロジー調整剤と、を含むシャンプー組成物であって、所与の粘度を達成するための無機塩の濃度が、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオール及び／又は３－［（ｎ－オクチルオキシオキシ］－１，２－プロパンジオールを欠くこと以外は同一の組成物よりも低い、シャンプー組成物を対象とする。様々な実施形態では、これらの組成物は、レオロジー調整剤を含まない。

【0117】

様々な組成物（例えば、化粧品組成物及び医薬組成物）に使用するための例示的な成分及び成分組み合わせが、以下の表１、表２Ａ、及び表２Ｂに記載される。

【0118】

【表1-1】

【表1-2】

【0119】

【表2-1】

【表2-2】

【0120】

【表3-1】

【表3-2】

【表3-3】

【0121】

使用方法
本発明は、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールを使用して１つ以上の製剤特性を向上させる様々な方法も含む。いくつかの実施形態では、本方法は、組成物、特に化粧品組成物又は医薬組成物を保存するためのものである。更なる実施形態では、本方法は、組成物、特に化粧品組成物又は医薬組成物のレオロジーを向上させ（例えば、増粘させ）、それにより、追加の成分を排除するか、又はその使用レベルを最小限に抑え、皮膚感作効果の可能性を低下させるためのものである。概して、これらの方法は、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールを組成物の少なくとも１つの追加の成分（例えば、本明細書に記載の追加の成分）と混合することを含む。様々な実施形態では、本発明は、低塩化粧品組成物のレオロジーを向上させる（増粘させる）方法であって、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオール及び３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールを、当該組成物であって、当該組成物が１重量％以下の無機塩を含む、当該組成物と混合することを含む、方法を対象とする。様々な実施形態では、本発明は、刺激を軽減させる低塩化粧品組成物を製造する方法であって、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオール及び３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールを、当該組成物であって、当該組成物が、所与の粘度を達成するために３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオール及び／又は３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールを欠くこと以外は同一の組成物よりも少ないパーセンテージの無機塩を含む、当該組成物と混合することを含む、方法を対象とする。

【0122】

これらの方法において、本組成物は、本明細書に記載の組成物のうちのいずれかを含むことができる。ある特定の実施形態では、本組成物は、シャンプー、コンディショナー、ボディウォッシュ、洗顔クレンザー、及びバブルバスからなる群から選択される。

【0123】

本発明は、本明細書に記載の組成物を使用して、皮膚、毛髪、又は歯のクレンジング、トリートメント、又はケアを必要とする対象における皮膚、毛髪、又は歯をクレンジング、トリートメント、又はケアする様々な方法も対象とする。これらの方法は、本出願に記載の組成物を対象の皮膚、毛髪、又は歯に塗布することを含む。いくつかの実施形態では、本組成物は、顔、首、体、口、手、足、脇の下、目の周り、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される対象の領域に塗布される。ある特定の実施形態では、本方法は、この領域から本組成物をすすぐ又は除去することを更に含む。

【0124】

本発明は、保存料を含む化粧品組成物を製造する様々な方法であって、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールと３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールを混合して、保存料プレミックスを形成することと、保存料プレミックスを当該組成物の他の成分と組み合わせて、当該保存料を含む組成物を形成することと、を含む、様々な方法も対象とする。３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールと３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールを予混合することにより、最終組成物中に生じる沈殿物の量が減少する。組成物を製造する他の方法のうちのいずれかは、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールと３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールを一緒に混合して組み合わせにした後に、この組み合わせを組成物と混合することができる。

【0125】

本発明を詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲から逸脱することなく、修正及び変更が可能であることは明らかであろう。

【実施例】

【0126】

本発明を更に例証するために以下の非限定的な実施例を提供する。

【0127】

実施例１：製剤
以下の表３に提示した天然ベースの組成物を調製し、安定性について試験した。所与の濃度は重量パーセントであり、水が組成物の残りを構成する（適量で示す）。各タイプの組成物は、低濃度製剤（０．５％の３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオール）及び高濃度製剤（１％の３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオール）を有した。これらの製剤は全て好適な安定性を呈することが見出された。

【0128】

【表4-1】

【表4-2】

【0129】

天然クリーム製剤を製造するための手順は以下のとおりである。相Ａを、キサンタンガムを水中に撹拌しながら分散させることによって調製する。その後、グリセリンを添加する。塊のない均質な混合物が得られるまで、混合物を連続して撹拌する。その後、相Ａを８０～８５℃に加熱する。３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオール及びクエン酸を除く残りの全ての成分を溶融装置に添加して相Ｂを形成し、８０℃に加熱する。相Ａ及び相Ｂを、８５℃に加熱した相Ｂを相Ａに５分間かけて添加することによって乳化する。その後、エマルジョンを適度に撹拌しながら冷却する。その後、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオール及び任意の他の保存料を撹拌しながら添加する。最後に、必要に応じてｐＨをクエン酸で５．５に調整する。

【0130】

実施例２：微生物増殖の防止をスクリーニングするためのＢＩＯＬＵＭＩＸアッセイ
微生物増殖の防止における本組成物の有効性をＢＩＯＬＵＭＩＸアッセイでスクリーニングした。ＢＩＯＬＵＭＩＸアッセイは、微生物汚染を示す二酸化炭素が試料中で検出されたときに色の変化を生じる。３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールなしの保存料を含まない製剤を陰性対照として使用し、製剤を特定の３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオール重量パーセントで使用した。合格基準は、表５の基準Ａを満たすことである。結果を以下の表４に示す。

【0131】

【表5】

【0132】

予想したとおり、保存料を含まないクレンジングワイプ及び天然シャンプー試料はＢＩＯＬＵＭＩＸアッセイに不合格であり、これは、保存料の不在下での試料中の微生物増殖を示す。しかしながら、１重量％の用量で使用したクレンジングワイプ、エマルジョンワイプ、天然クリーム、天然シャンプー、及び天然ロールオンデオドラント製剤はＢＩＯＬＵＭＩＸアッセイに合格し、これは、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールが通常汚染されてしまったこれらの製品中の微生物増殖の阻止に成功したことを示す。

【0133】

実施例３．保存効力試験
実施例１に従って調製した選択製剤（すなわち、天然クレンジングワイプ、エマルジョンワイプ、及び天然ロールオンデオドラント）を、抗菌有効性についての保存効力試験（ｃｈａｌｌｅｎｇｅ ｔｅｓｔｉｎｇ ｆｏｒ ａｎｔｉｍｉｃｒｏｂｉａｌ ｅｆｆｅｃｔｉｖｅｎｅｓｓ、ＣＴＮＦ）に供した。この試験をＩＳＯ １１９３０に従って行った。ＩＳＯ １１９３０方法論は、ＵＳＰ－ＮＦ ＜５１＞に類似しており、微生物汚染物質の増殖を阻害し、かつその量を減少させることによって製品の安全性を維持するのに役立つ、保存料の活性又は製品の他の固有の特性を評価する。この保存効力試験で標準として使用したＣＴＮＦ試験要件を以下の表５に示す。この保存効力試験で使用した製剤を上の表３及び表４に記載している。

【0134】

【表6】

【0135】

３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールなしの保存料を含まない製剤を陰性対照として使用し、製剤を特定の３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオール重量パーセントで使用した。製剤を、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、大腸菌、カンジダ・アルビカンス、及びアスペルギルス・ブラシリエンシスに対して試験した。７日目、１４日目、及び２８日目時点の特定の種別の汚染の対数減少についての結果を以下の表に示す。

【0136】

【表7】

【0137】

【表8】

【0138】

これらの結果は、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールを含む製剤が全て、ＣＴＮＦ試験を経て承認され、抗菌保護性能の基準Ａ要件を満たすことを示す。予想したとおり、陰性対照は基準Ａの要件を満たさない。したがって、これらの３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールを含む製剤の微生物学的リスクは許容範囲内であるとみなされ、この化粧品はＩＳＯ １１９３０：２０１９の要件を満たす。

【0139】

０日目、７日目、１４日目、及び２８日目時点の特定の種別の汚染の細胞数の結果を以下の表に示す。

【0140】

【表9】

【0141】

【表10】

【0142】

皮膚細菌叢で見つけられる主な臭気原因細菌のうちの２つである細菌乾燥菌症－コードスシエ（ｓｏｕｃｈｉｅｒ）Ｍ’及び表皮ブドウ球菌－コードスシエＣ’を用いて製剤を試験したことを除いて、以下に示すロールオンデオドラント保存効力試験をＩＳＯ １１９３０に従って行った。保存効力試験で使用したロールオンデオドラント製剤を上の表３及び表４に記載している。３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールなしの保存料を含まない製剤を陰性対照として使用し、１重量％の３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールを含む高濃度製剤を試験した。７日目、１４日目、及び２８日目時点の特定の種別の汚染の対数減少についての結果を表１０に示す。

【0143】

【表11】

【0144】

これは、１％３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールの添加により、天然ロールオンデオドラントのブドウ球菌などの細菌の対数減少がより速く増加することを示す。

【0145】

実施例４．複数の保存料を用いたＢＩＯＬＵＭＩＸ試験
以下の実施例は、保存料としての３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールと３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールとの組み合わせの効果を実証する。３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオール及び３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールの両方を保存料として添加したことを除いて、製剤は前実施例と同じである。ＢＩＯＬＵＭＩＸ試験を同じ方法で行い、以下の表に報告したパーセンテージは、その特定の製剤に添加した各保存料のパーセンテージである。

【0146】

【表12】

【0147】

【表13】

【0148】

【表14】

【0149】

保存料を含まない製剤は不合格であった。低濃度及び高濃度の天然クリーム、低濃度のエマルジョンワイプ、並びに低濃度及び高濃度の天然シャンプーは、Ａ要件を満たした。高濃度のエマルジョンワイプは、Ｂ要件を満たした。

【0150】

実施例５．３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオール及び３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールによる相乗的増粘
以下の実施例は、様々な界面活性剤系におけるレオロジー／増粘に対する３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオール及び３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールの効果を実証する。４つの製剤を表１４の４つの最右列に示し、成分を重量パーセントで示している。これらの製剤は、塩化ナトリウム、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオール、及び３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールのパーセンテージが異なる。結果として得られた粘度及び粘度の相対的変化を表の下の２つの行に示す。

【0151】

【表15】

【0152】

本実施例は、１％３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオール及び１％３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールの添加により、界面活性剤系の粘度が大幅に増加することを実証する。

【0153】

別の塩基性界面活性剤系：アニオン性／非イオン性（ＡＰＧ－アルキルポリグルコシド）で増粘挙動試験も行った。各列は、重量パーセントとして列記した成分を有する特定の製剤に対応する。残りは水であり、適量で表した。ＡＭ％は、活性物質％（例えば、乾燥界面活性剤％）を示す。各製剤の粘度を太字で示す。製剤は全て透明な外観を有した。

【0154】

【表16】

【0155】

製剤は全て透明な外観を有した。この試験は、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオール及び３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールにより、ＡＰＧを含む硫酸化界面活性剤系において予想外の粘度増加（すなわち増粘）がもたらされることを実証する。表１５の結果を図１に示す。

【0156】

異なる塩基性界面活性剤系：アニオン性／両性（ＣＡＰＢ－コカミドプロピルベタイン）で更なる増粘挙動試験を行った。結果を以下の表１６に示す。各列は、重量パーセントとして列記した成分を有する特定の製剤に対応する。残りは水であり、適量で表した。ＡＭ％は、活性物質％（例えば、乾燥界面活性剤％）を示す。各製剤の粘度を太字で示す。

【0157】

【表17】

【0158】

ココイル硫酸ナトリウム／ＣＡＰＥ製剤は室温で固体になったため、使用不能であった。

【0159】

ラウリル硫酸アンモニウム／ＣＡＰＥ製剤及びラウリルエーテル硫酸ナトリウム／ＣＡＰＥ製剤は全て透明な外観を有した。これらの結果は、両性界面活性剤を含む界面活性剤系において３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオール及び３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールを一緒に使用した場合、予想外の相乗的粘度増加（すなわち、増粘）がもたらされることを示す。表１６の結果を図２に示す。

【0160】

更なる増粘挙動試験を行い、硫酸化界面活性剤と硫酸塩を含まない界面活性剤を比較した。結果を以下の表１７に示す。各列は、重量パーセントとして列記した成分を有する特定の製剤に対応する。残りは水であり、適量で表した。ＡＭ％は、活性物質％（例えば、乾燥界面活性剤％）を示す。塩化ナトリウム、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオール、及び３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールを順次添加し、粘度の変化を各添加後に測定し、以下の表１７に記載した。

【0161】

【表18】

【0162】

表１７は、１％３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオール及び１％３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールが硫酸化界面活性剤系において塩で粘度を増大させることができるが、硫酸塩を含まない界面活性剤系では塩が粘度に影響を及ぼさないことを示す。

【0163】

更なる増粘挙動試験を行い、塩（例えば、塩化ナトリウム）あり及びなしでの粘度差を決定した。結果を以下の表１８に示す。各列は、重量パーセントとして列記した成分を有する特定の製剤に対応する。残りは水であり、適量で表した。ＡＭ％は、活性物質％（例えば、乾燥界面活性剤％）を示す。各製剤の粘度を太字で示す。

【0164】

【表19】

【0165】

表１８は、１％３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオール及び１％３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールの添加により、塩を含まない界面活性剤系の粘度が増加することを示す。１％３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオール及び１％３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールの添加により、塩を含む界面活性剤系の粘度が大幅に増加する。表１８の粘度のグラフ表示を図３で見つけることができる。

【0166】

概して、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオール及び３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールはいずれも、特に硫酸化界面活性剤系においてＮａＣｌと組み合わせて、実証された粘度向上剤である。塩基性硫酸化界面活性剤系において粘度向上剤として３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオール及び３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールを一緒に使用することにより、最適粘度を得るために少量の塩のみが必要とされる。塩が、乾燥、刺激、及び毛髪への損傷を引き起こす可能性があるため、これは、製剤の刺激を低下させるのに理想的である。

【0167】

実施例６．３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールと３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールの予混合による沈殿の減少
次に、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールと３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールを予混合した後にこれらを組成物に添加した場合の効果を、化合物を個別に添加した場合と比較した。表１９は、使用した製剤を示す。

【0168】

【表20】

【0169】

第１のプロセスでは、ココ硫酸ナトリウムを６５～７０℃に加熱した脱塩水中に溶解させた。３つの他の界面活性剤（ココ硫酸ナトリウム、ココグルコシド、及びオレイン酸グリセリルを有するココグルコシド）を撹拌しながらブレンドに添加した。均質な混合物が得られるまで混合物を更に撹拌した。３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールを添加した。その後、３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールを添加した。クエン酸溶液でｐＨを５．５に調整した。その後、塩化ナトリウムを添加して、粘度を調整した。このプロセスの結果として得られた溶液を図４Ａに示す。沈殿を伴う濁った溶液が観察された。

【0170】

第２のプロセスは、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオール及び３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールの添加を除いて、第１のプロセスと同一である。ココ硫酸ナトリウムを６５～７０℃に加熱した脱塩水中に溶解させた。３つの他の界面活性剤（ココ硫酸ナトリウム、ココグルコシド、及びオレイン酸グリセリルを有するココグルコシド）を撹拌しながらブレンドに添加した。均質な混合物が得られるまで混合物を更に撹拌した。３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオール及び３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールを予混合し、すでに組み合わせた主混合物に添加した。クエン酸溶液でｐＨを５．５に調整した。その後、塩化ナトリウムを添加して、粘度を調整した。このプロセスの結果を図４Ｂに示す。透明で均質な溶液が観察された。

【0171】

したがって、３－（ヘプチルオキシ）プロパン－１，２－ジオールと３－［（ｎ－オクチル）オキシ］－１，２－プロパンジオールを予混合することにより、溶解度が向上し、より少ない沈殿物しか生じないより透明な溶液がもたらされる。

【0172】

本発明又はその好ましい実施形態の要素を導入する際に、「ａ」、「ａｎ」、「ｔｈｅ」、及び「ｓａｉｄ」という冠詞は、それらの要素のうちの１つ以上が存在することを意味するよう意図されている。「備える（comprising）」、「含む（including）」、及び「有する（having）」という用語は、包括的であるよう意図されており、列記された要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味する。

【0173】

上記を考慮して、本発明のいくつかの目的が達成され、かつ他の有利な結果が得られることが分かるであろう。本発明の範囲から逸脱することなく上記の組成物及び方法に様々な変更を加えることができるため、上記の記述に含まれる全ての事項が例証として解釈されるべきであり、限定的な意味で解釈されるべきではないことが意図されている。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4A】

【図4B】

【国際調査報告】