(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】姿勢装置
(51)【国際特許分類】
A61F 5/01 20060101AFI20240719BHJP
A61G 13/12 20060101ALI20240719BHJP
A47C 3/16 20060101ALI20240719BHJP
A47C 9/00 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
A61F5/01 E
A61G13/12 A
A47C3/16
A47C9/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505220
(86)(22)【出願日】2022-07-29
(85)【翻訳文提出日】2024-03-11
(86)【国際出願番号】 AU2022050819
(87)【国際公開番号】W WO2023004478
(87)【国際公開日】2023-02-02
(32)【優先日】2021-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524035759
【氏名又は名称】オ―オ―ブイ アイピー プロプライエタリ― リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】ウラデタ,ダニエル
【テーマコード(参考)】
3B091
3B095
4C098
4C341
【Fターム(参考)】
3B091CA01
3B095CA02
4C098BC28
4C341MN15
4C341MS06
4C341MS14
(57)【要約】
使用者に支持面を提供するように構成された姿勢装置を開示する。装置は、本体であって、該本体は前端及び後端を有する、本体と、前端と後端との間にある上面であって、該上面は支持面を提供する上面とを含み、本体は弾性材料から作られ、使用時に、該材料は、使用者の体重に応答して弾性戻り力を生成し、該弾性戻り力は使用者の骨盤が中立になるか又はわずかに前方に傾斜する姿勢を促す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者のために支持面を提供するように構成された姿勢装置であって、前端及び後端を有する本体と、上面と、基部とを含み、前記基部は、前記本体が少なくとも1つの不安定方向を有するように輪郭形成されている、装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの不安定方向は、前記前端と前記後端との間で延びる長手方向軸を含む垂直前後面内に概してある方向を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
使用時に、前記垂直前後面は、前記使用者の矢状面と概して一致する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの不安定方向は垂直左右面内に概してある方向を含み、前記垂直左右面は、前記前端と前記後端との間に延びる中央長手方向軸に対して概して直角である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記垂直左右面は前記使用者の冠状面と概して一致する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記装置は、前記使用者の体重が加わることにより前記装置によって脊椎に圧力が加えられると、前記使用者の腰椎は、少なくとも部分的に、前記使用者の左側と右側との間でバランスが取れた中立曲線を取るように付勢され、前記使用者の胸椎が弛緩するように、前記使用者の骨盤及び脊椎を支持する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記本体は弾性材料から作られ、使用時に、該材料は、前記使用者の体重に応答して戻り力を生成し、該戻り力は前方方向に成分を有する、先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
使用者に支持面を提供するように構成された姿勢装置であって、前端及び後端を有する本体と、前記前端と前記後端との間にある上面とを含み、前記上面の少なくとも一部が前記支持面を提供し、前記本体は弾性材料から作られ、使用時に、該材料は、前記使用者の体重に応答して戻り力を生成し、該戻り力は前方方向に成分を有する、装置。
【請求項9】
前記戻り力は、前記使用者の骨盤が中立になるか又はわずかに傾斜する姿勢を促す、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記上面及び前記基部面は異なる表面形状を有する、先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
使用者に支持面を提供するように構成された姿勢装置であって、前端及び後端を有する本体と、前記前端と前記後端との間にある上面であって、該上面の少なくとも一部は、前記支持面を提供する前記上面の少なくとも一部を提供する、上面と、基部面とを含み、
前記上面及び前記基部面は異なる表面形状を有する、装置。
【請求項12】
前記基部は、前記本体の前端と後端との間に延びる長手方向軸に沿い、外方に湾曲する長手方向形状を有し、該長手方向形状はその中央部で最も低くなる、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記基部は、前記長手方向軸に垂直な横方向軸に沿った横方向形状をさらに有し、該横方向形状は、その中央部で最も低くなるように外方に湾曲している、請求項11又は請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記基部は、
前記本体の前端と後端との間に延びる長手方向軸に沿い、外方に湾曲する長手方向形状であって、該長手方向形状はその中央部で最も低くなる、長手方向形状と、
前記長手方向軸に垂直な横方向軸に沿った横方向形状であって、該横方向形状は、その中央部で最も低くなるように外方に湾曲している、横方向形状と、
を有する、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記本体は、前記前端でよりも前記後端で高さが高くなるような形状を有し、前記本体は前記前端と前記後端との間にあるが前記後端により近い場所で高さが最も高くなる、請求項11乃至14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
使用者に支持面を提供するように構成された姿勢装置であって、前端及び後端を有する本体と、前記前端と前記後端との間にある上面と、基部面とを含み、前記上面の少なくとも一部が前記支持面を提供し、
前記上面と前記基部面とは異なる表面形状を有し、
前記本体は、前記前端でよりも前記後端で高さが高くなるような形状を有し、前記本体は前記前端と前記後端との間にあるが前記後端により近い場所で高さが最も高くなる、装置。
【請求項17】
使用時に、前記基部は概して平面である、請求項8乃至11のいずれか一項又は請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記上面及び前記基部面は前記本体の前端で接する、先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項19】
前記本体は、前記上面と前記基部との間に位置する後面を前記本体の後端に有し、前記後面は、前記基部の湾曲とは異なる湾曲を有する、先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項20】
前記支持面は、使用時に、前記使用者の骨盤が中立になるか又はわずかに前方傾斜するよう促すように形成及び方向付けられた輪郭を有する、先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項21】
前記輪郭は、使用時に、前記装置がその長手方向バランス点に位置する場合に、前記使用者の骨盤が中立になるか又はわずかに前方傾斜することで、前記使用者の腰椎が中立的な位置にある姿勢を促すように方向付けられている、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記上面は前記後端から延びる後方区画を含み、前記支持面は該後方区画の前方に位置する、先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項23】
前記支持面は概して凸状に輪郭形成されたエンベロープ内に配置されている、先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項24】
前記上面は、前記支持面から徐々に押し下げられた波形領域を含み、前記支持面は、該波形領域の周囲に概して位置する、先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項25】
前記波形領域は、概して四角形のような形状又は三角形のような形状を有する周囲を有する、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記波形領域は凹部を有するように輪郭形成されている、請求項24又は25に記載の装置。
【請求項27】
前記凹部は、前記本体のピーク高さ領域の前方に位置する、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記波形領域は、概して、前記凹部の前方に位置する凸部をさらに有する、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記凹部の曲率半径は前記凸部の曲率半径よりも小さい、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記凸部の曲率半径に対する前記凹部の曲率半径の比は1対φである、請求項28に記載の装置。
【請求項31】
前記本体は、前記後端に位置し且つ前記上部に隣接する後面を有し、前記後面は、前記後端でより高い高さを前記本体に提供する、先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項32】
前記装置は椅子のフレームによって支持される、先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項33】
前記装置は、前記椅子の座席を形成するように、前記椅子と機能的に一体化されている、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記装置は、前記椅子の座席部分に固定されている、請求項32に記載の装置。
【請求項35】
前記装置は、前記椅子のフレームで回転可能に支持されている、請求項32乃至34のいずれか一項に記載の装置。
【請求項36】
支持面を有する椅子であって、前記支持面は、請求項1乃至35のいずれか一項に記載の姿勢装置によって提供される、椅子。
【請求項37】
請求項1乃至31のいずれか一項に記載の姿勢装置を座席として含む運動器具。
【請求項38】
請求項17又は請求項17に従属する場合の請求項18乃至31のいずれか一項に記載の姿勢装置を含む便座であって、前記姿勢装置の支持面は中空領域の周囲に実質的に設けられている、便座。
【請求項39】
使用者のために支持面を提供するように構成された姿勢装置を作るための方法であって、該姿勢装置は、前端及び後端を有する本体と、前記支持面を提供する上面と、基部とを含み、当該方法は、
前記基部及び前記上面に異なる表面形状を設けること、
を含み、
前記上面は、前記本体の後部の高さが前記本体の前部の高さよりも大きくなるような形状を有する、方法。
【請求項40】
概して湾曲した輪郭を前記基部に設けることであって、該概して湾曲した輪郭は、前記本体の前端と後端との間に延びる長手方向軸に沿い、外方に湾曲する長手方向形状を有し、該長手方向形状はその中央部分で最も低くなる、こと、
をさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記長手方向軸に垂直な横方向軸に沿った外方に湾曲する横方向形状を前記基部に設けることであって、該横方向形状はその中央部分で最も低くなる、こと、
をさらに含む、請求項39又は40に記載の方法。
【請求項42】
前記上面は凹部領域を含み、前記支持面は該凹部領域の周囲に位置する、請求項39乃至41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記上面と前記基部との間を接続する端面を前記本体に設けることをさらに含む、請求項39乃至42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記端面は前記後端に位置する、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記姿勢装置の表面が2種類以上の幾何学的形状によって記述可能になるように、前記姿勢装置にスプライン幾何学的形状を適用することをさらに含む、請求項39乃至44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記本体の上面及び基部は、複数のボリュームを重ねることによって得られる幾何学的形状をとり、該複数のボリュームは、対応する円を該円の中心を中心に回転させることによって得られる、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記円は、前記基部の表面輪郭を定義する2つの基部輪郭円を含み、前記基部の表面輪郭は、
前記2つの基部輪郭円の間の交差領域を二分する弦を前記2つの基部輪郭円が共有するように、前記2つの基部輪郭円を部分的に重ね合わせることと、
前記弦を中心に前記交差領域を回転させて回転楕円体ボリュームを定義することと、
によって得られ、
前記回転楕円体ボリュームの下面の一部は、前記基部の表面輪郭を提供する、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記弦に垂直な軸は、垂線から角度的にオフセットされている、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記弦のそれぞれの端部と、前記基部輪郭円のいずれかの中心との間でそれぞれ延びる2つの半径は互いに直角である、請求項47又は48に記載の方法。
【請求項50】
前記円は、前記交差領域と部分的に重なる上面円を含み、前記本体の上面の表面輪郭は、前記上面円をその中心を中心に回転させることによって得られるボリュームの上面部分によって提供され、前記ボリュームの前記上面部は、前記回転楕円体ボリュームの前記下面の前記一部の上方に位置する、請求項47乃至49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
着座位置にある使用者の姿勢を支援する方法であって、前記使用者の体の矢状面又は冠状面の一方又は双方の方向に前記使用者の微小運動を促すために、前記使用者を少なくとも1つの不安定方向にさらすことを含む、方法。
【請求項52】
前記使用者の骨盤が中立であるか又は前方及び下方にわずかに傾斜する姿勢を促すために、前記使用者に戻し力を受けさせることをさらに含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
着座位置にある使用者の姿勢を支援する方法であって、前記使用者の骨盤が中立であるか又は前方及び下方にわずかに傾斜する姿勢を促すために、前記使用者に戻し力を受けさせることを含む、方法。
【請求項54】
前記使用者は、請求項1乃至36のいずれか一項に記載の姿勢装置又は椅子に座っている、請求項52乃至53のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はパーソナルサポート装置に関し、具体的には、人間工学的な座位を促すように構成された姿勢装置(posture device)に関する。
【背景技術】
【0002】
脊椎又は身体のずれは、座りがちな生活習慣を送ること又は長時間座ることから生じる健康上の懸念である。研究によると、誤った座位姿勢は脊柱湾曲アライメント、体幹及びコアマッスルの活性化及び頭頸部の位置に影響を及ぼし得る。
【0003】
したがって、正しい又は人間工学的な座位を奨励する戦略は、悪い座位、例えば身体が猫背又は前かがみの姿勢に関連する健康への影響に対する予防措置として重要である。悪い座位姿勢を回避するための既存の戦略は、反重力制御のための「消極的戦略」、すなわち、人が意識的に直立座位を採用することを含む。1つの例は、反重力制御のための補償的な局所「ロックイン」戦略であり、身体のコア領域の「セントラルシンチパターン」を強化する行動を伴う。しかしながら、この戦略は過剰な表層神経筋活動をもたらし、脊椎の一部の区画が圧迫され、自由に動けなくなる効果がある。その結果、コアコントロールと、自由に呼吸する能力とが損なわれる。
【0004】
理想的な座位では、腰椎は中立位置にあり、腰椎前弯をとることが示されている。この位置では、骨盤の中立又はわずかな前方傾斜があり、胸椎は弛緩している。これは、反重力制御のための補償的な局所「ロックイン」戦略の結果ではない。
【0005】
本明細書又は以下で先行技術に言及する場合、明示的に別段の指定がない限り、そのような言及は、先行技術がオーストラリア又は他の国における当該技術分野の技術常識の一部を形成することを認めるものではないことを理解すべきである。
【発明の概要】
【0006】
装置の使用者の身体が、少なくとも部分的に、中立的な腰椎および弛緩した胸椎を有する座位姿勢をとるように促す装置が開示される。
【0007】
第1の態様では、使用者のために支持面を提供するように構成された姿勢装置が提供され、当該装置は、前端及び後端を有する本体と、上面と、基部とを含み、前記基部は、前記本体が少なくとも1つの不安定方向を有するように輪郭形成されている。
【0008】
一部の形態では、不安定性は主として少なくとも1つの方向に限定される。少なくとも1方向は垂直前後面(vertical front-to-back plane)内に概してある方向、垂直左右面(vertical side-to-side plane)に概してある方向又はその両方を含み得る。少なくとも1つの方向は、前後方向又は左右方向から斜めな方向をさらに含んでもよく、斜め方向における不安定性は、前後又は左右方向における不安定性よりも小さい。
【0009】
一部の形態では、前記少なくとも1つの不安定方向は、前記前端と前記後端との間で延びる長手方向軸を含む垂直前後面内に概してある方向を含む。
【0010】
一部の形態では、使用時に、前記垂直前後面は、前記使用者の矢状面と概して一致する。
【0011】
一部の形態では、前記少なくとも1つの不安定方向は垂直左右面内に概してある方向を含み、前記垂直左右面は、前記前端と前記後端との間に延びる長手方向軸に対して概して直角である。
【0012】
一部の形態では、前記垂直左右面は前記使用者の冠状面と概して一致する。
【0013】
一部の形態では、前記装置は、前記使用者の体重が加わることにより前記装置によって脊椎に圧力が加えられると、前記使用者の腰椎は、少なくとも部分的に、前記使用者の左側と右側との間でバランスが取れた中立曲線を取るように付勢され、前記使用者の胸椎が弛緩するように、前記使用者の骨盤及び脊椎を支持する。
【0014】
一部の形態では、前記本体は弾性材料から作られ、使用時に、該材料は、前記使用者の体重に応答して戻り力を生成し、該戻り力は前方方向に成分を有する。
【0015】
第2の態様では、使用者に支持面を提供するように構成された姿勢装置が提供され、当該装置は、前端及び後端を有する本体と、前記前端と前記後端との間にある上面とを含み、前記上面の少なくとも一部が前記支持面を提供し、前記本体は弾性材料から作られ、使用時に、該材料は、前記使用者の体重に応答して戻り力を生成し、該戻り力は前方方向に成分を有する。
【0016】
一部の形態では、前記戻り力は、前記使用者の骨盤が中立になるか又はわずかに傾斜する姿勢を促す。傾斜は前方及び下方であり得る。
【0017】
一部の形態では、前記戻り力は、材料が安定することを許容せず、これは、使用者の神経系が微調整を継続的に行うことを促すことにより、ロック戦略を妨げる。
【0018】
一部の形態では、前記戻り力は、材料が安定することを許容せず、これは、使用者の神経系が微調整を継続的に行うことを促すことにより、能動的な着座を必要とする。
【0019】
説明した態様のいずれかのうちの一部の形態では、前記上面及び前記基部面は異なる表面形状(surface profiles)を有する。
【0020】
第3の態様では、使用者に支持面を提供するように構成された姿勢装置が提供され、当該装置は、前端及び後端を有する本体と、前記前端と前記後端との間にある上面であって、前記上面の少なくとも一部は、前記支持面を提供する前記上面の少なくとも一部を提供する、上面と、基部面とを含む。前記上面及び前記基部面は異なる表面形状を有する。
【0021】
一部の形態では、前記基部は、前記本体の前端と後端との間に延びる長手方向軸に沿い、外方に湾曲する長手方向形状(longitudinal profile)を有し、該長手方向形状はその中央部で最も低くなる。
【0022】
一部の形態では、前記基部は、前記長手方向軸に垂直な横方向軸に沿った横方向形状(transverse profile)をさらに有し、該横方向形状は、その中央部で最も低くなるように外方に湾曲している。
【0023】
一部の形態では、前記基部は、前記本体の前端と後端との間に延びる長手方向軸に沿い、外方に湾曲する長手方向形状であって、該長手方向形状はその中央部で最も低くなる、長手方向形状と、前記長手方向軸に垂直な横方向軸に沿った横方向形状であって、該横方向形状は、その中央部で最も低くなるように外方に湾曲している、横方向形状と、を有する。
【0024】
一部の形態では、前記本体は、前記前端でよりも前記後端で高さが高くなるような形状を有し、前記本体は前記前端と前記後端との間にあるが前記後端により近い場所で高さが最も高くなる。
【0025】
第4の態様では、使用者に支持面を提供するように構成された姿勢装置が提供され、当該装置は、前端及び後端を有する本体と、前記前端と前記後端との間にある上面と、基部面とを含み、前記上面の少なくとも一部が前記支持面を提供する。前記上面と前記基部面とは異なる表面形状を有する。前記本体は、前記前端でよりも前記後端で高さが高くなるような形状を有し、前記本体は前記前端と前記後端との間にあるが前記後端により近い場所で高さが最も高くなる。
【0026】
第3及び第4の態様の一部の形態では、使用時に、前記基部は概して平面である。
【0027】
一部の形態では、前記上面及び前記基部面は前記本体の前端で接する。
【0028】
一部の形態では、前記本体は、前記上面と前記基部との間に位置する後面を前記本体の後端に有し、前記後面は、前記基部の湾曲(curvature)とは異なる湾曲を有する
【0029】
いずれかの態様の一部の形態では、前記支持面は、使用時に、前記使用者の骨盤が中立になるか又はわずかに前方傾斜するよう促すように形成及び方向付けられた輪郭を有する。
【0030】
前記輪郭は、使用時に、前記装置がその長手方向バランス点に位置する場合に、前記使用者の骨盤が中立になるか又はわずかに前方傾斜することで、前記使用者の腰椎が中立的な位置にある姿勢を促すように方向付けられ得る。
【0031】
いずれの態様の一部の形態では、前記上面は前記後端から延びる後方区画を含み、前記支持面は該後方区画の前方に位置する。
【0032】
いずれかの態様の一部の形態では、前記支持面は概して凸状に輪郭形成されたエンベロープ(profiled envelope)内に配置されている。
【0033】
いずれかの態様の一部の形態では、前記上面は、前記支持面から徐々に押し下げられた波形領域(scalloped area)を含み、前記支持面は、該波形領域の周囲に概して位置する。
【0034】
前記波形領域は、概して四角形のような形状又は三角形のような形状を有する周囲を有し得る。
【0035】
前記波形領域は凹部を有するように輪郭形成され得る。
【0036】
前記凹部は、前記本体のピーク高さ領域の前方に位置し得る。
【0037】
前記波形領域は、概して、前記凹部の前方に位置する凸部をさらに有し得る。
【0038】
前記凹部の曲率半径は前記凸部の曲率半径よりも小さくてもよい。
【0039】
前記凸部の曲率半径に対する前記凹部の曲率半径の比は1対φであり得る。
【0040】
いずれかの態様の一部の形態では、前記本体は、前記後端に位置し且つ前記上部に隣接する後面を有し、前記後面は、前記後端でより高い高さを前記本体に提供する。
【0041】
いずれかの態様の一部の形態では、前記装置は椅子のフレームによって支持される。
【0042】
前記装置は、前記椅子の座席を形成するように、前記椅子と機能的に一体化され得る。
【0043】
前記装置は、前記椅子の座席部分に固定され得る。
【0044】
前記装置は、前記椅子のフレームで回転可能に支持され得る。
【0045】
第5の態様では、支持面を有する椅子が提供され、支持面は、上記の態様のいずれかに係る姿勢装置によって提供される。
【0046】
第6の態様では、使用者のために支持面を提供するように構成された姿勢装置を作るための方法が提供され、該姿勢装置は、前端及び後端を有する本体と、前記支持面を提供する上面と、基部とを含み。当該方法は、前記基部及び前記上面に異なる表面形状を設けることを含み、前記上面は、前記本体の後部の高さが前記本体の前部の高さよりも大きくなるような形状を有する。
【0047】
一部の形態では、前記方法は、概して湾曲した輪郭を前記基部に設けることであって、該概して湾曲した輪郭は、前記本体の前端と後端との間に延びる長手方向軸に沿い、外方に湾曲する長手方向形状を有し、該長手方向形状はその中央部分で最も低くなる、こと、をさらに含む。
【0048】
一部の形態では、前記上面は凹部領域を含み、前記支持面は前記凹部領域の周囲に位置する。
【0049】
一部の形態では、前記方法は、前記上面と前記基部との間を接続する端面を前記本体に設けることをさらに含む。
【0050】
一部の形態では、前記端面は前記後端に位置する。
【0051】
一部の形態では、前記方法は、前記姿勢装置の表面が2種類以上の幾何学的形状(geometries)によって記述可能(describable)になるように、前記姿勢装置にスプライン幾何学的形状を適用することをさらに含む。
【0052】
一部の形態では、前記本体の上面及び基部は、複数のボリューム(volumes)を重ねることによって得られる幾何的学形状をとり、該複数のボリュームは、対応する円を該円の中心を中心に回転させることによって得られる。
【0053】
一部の形態では、前記円は、前記基部の表面輪郭を定義する2つの基部輪郭円(base profile circles)を含み、前記基部の表面輪郭は、前記2つの基部輪郭円の間の交差領域を二分する弦を前記2つの基部輪郭円が共有するように、前記2つの基部輪郭円を部分的に重ね合わせることと、前記弦を中心に前記交差領域を回転させて回転楕円体ボリューム(spheroid volume)を定義することと、によって得られる。前記回転楕円体ボリュームの下面の一部は、前記基部の表面輪郭を提供する。
【0054】
一部の形態では、前記弦に垂直な軸は、垂線から角度的にオフセットされている。
【0055】
一部の形態では、前記弦のそれぞれの端部と、前記基部輪郭円のいずれかの中心との間でそれぞれ延びる2つの半径は互いに直角である。
【0056】
一部の形態では、前記円は、前記交差領域と部分的に重なる上面円を含み、前記本体の上面の表面輪郭は、前記上面円をその中心を中心に回転させることによって得られるボリュームの上面部分によって提供され、前記ボリュームの前記上面部は、前記回転楕円体ボリュームの前記下面の前記一部の上方に位置する。
【0057】
第7の態様では、着座位置にある使用者の姿勢を支援する方法であって、前記使用者の体の矢状面又は冠状面の一方又は双方の方向に前記使用者の微小運動を促すために、前記使用者を少なくとも1つの不安定方向にさらすことを含む方法を提供する。
【0058】
一部の形態では、前記方法は、前記使用者の骨盤が中立であるか又は前方及び下方にわずかに傾斜する姿勢を促すために、前記使用者に戻し力を受けさせることをさらに含む。
【0059】
第8の態様では、着座位置にある使用者の姿勢を支援する方法であって、前記使用者の骨盤が中立であるか又はわずかに傾斜する姿勢を促すために、前記使用者に戻し力を受けさせることを含む方法が提供される。傾斜は前方及び下方であり得る。
【0060】
一部の形態では、使用者は、上述の態様に係る姿勢装置又は椅子に座っている。
【0061】
さらなる態様では、姿勢装置は、運動の間に不安定性、故に骨盤及び体幹の動的制御を加えるために既存のピラティス及び運動器具で用いることができる。
【0062】
さらなる態様では、座席として姿勢装置を含む運動器具が提供される。
【0063】
さらなる態様では、姿勢装置を含む便座が提供され、姿勢装置の支持面は、中空領域の周りに実質的に提供される。
【図面の簡単な説明】
【0064】
実施形態は、添付の図面を参照して、例としてのみ説明される。
【
図1-1】
図1-1は、拡張又はハイパー腰椎前弯である座った人の側面図を示す。
【
図1-2】
図1-2は、本開示の実施形態に従って提供される姿勢装置に座っている人の側面図を示す。
【
図1-3】
図1-3は、前かがみになっている誤った姿勢で座っている人の側面図を示す。
【
図1-4】
図1-4は、後方に傾いている誤った姿勢で座っている人の側面図を示す。
【
図1-5】
図1-5は、前かがみの誤った姿勢で座っている人の側面図である。
【
図2-1】
図2-1は、右に前かがみになり、頭部が左に傾いた、誤った姿勢で座っている人を示す。
【
図2-2】
図2-2は、本開示の実施形態に従って提供される姿勢装置に座っている人を示す。
【
図2-3】
図2-3は、右に前かがみになり、首が右に曲がった、誤った姿勢で座っている人を示す。
【
図3-1】
図3-1は、本開示の実施形態に従って提供される姿勢装置の正面斜視図を示す。
【
図3-2】
図3-2は、
図3-1に示す姿勢装置の側面図を示す。
【
図3-3】
図3-3は、
図3-1に示す姿勢装置の上面図を示す。
【
図3-4】
図3-4は、
図3-1に示す姿勢装置の底面図を示す。
【
図3-5】
図3-5は、
図3-1に示す姿勢装置の前面図を示す。
【
図3-6】
図3-6は、
図3-1に示す姿勢装置の後面図を示す。
【
図3-7】
図3-7は、断面軸B-B及びC-Cを示す、
図3-1に示す姿勢装置の上面図を示す。
【
図3-8】
図3-8は、軸B-Bで取られた
図3-7の姿勢装置の断面図を示す。
【
図3-9】
図3-9は、軸C-Cで取られた
図3-7の姿勢装置の断面図を示す。
【
図4-1】
図4-1は、本開示の実施形態に従って提供される姿勢装置の正面斜視図を示す。
【
図4-2】
図4-2は、
図4-1に示す姿勢装置の側面図を示す。
【
図4-3】
図4-3は、
図4-1に示す姿勢装置の上面図を示す。
【
図4-4】
図4-4は、
図4-1に示す姿勢装置の底面図を示す。
【
図4-5】
図4-5は、
図4-1に示す姿勢装置の前面図を示す。
【
図4-6】
図4-6は、
図4-1に示す姿勢装置の後面図を示す。
【
図4-7】
図4-7は、断面軸D-D及びE-Eを示す、
図4-1に示される姿勢装置の上面図を示す。
【
図4-8】
図4-8は、軸D-Dで取られた
図4-7の姿勢装置の断面を示す。
【
図4-9】
図4-9は、軸E-Eで取られた
図4-7の姿勢装置の断面を示す。
【
図5-1】
図5-1は、開示の別の実施形態に従って提供される姿勢装置の正面斜視図を示す。
【
図5-2】
図5-2は、
図5-1に示す姿勢装置の底面斜視図を示す。
【
図5-3】
図5-3は、断面軸F-F及びG-Gを示す、
図5-1に示す姿勢装置の上面図を示す。
【
図5-4】
図5-4は、
図5-1に示す姿勢装置の底面図を示す。
【
図5-5】
図5-5は、
図5-1に示す姿勢装置の前面図を示す。
【
図5-6】
図5-6は、
図5-1に示す姿勢装置の後面図を示す。
【
図5-7】
図5-7は、
図5-1に示す姿勢装置の側面図を示す。
【
図5-8】
図5-8は、軸F-Fで取られた
図5-3の姿勢装置の断面図を示す。
【
図5-9】
図5-9は、軸G-Gで取られた
図5-3の姿勢装置の断面図を示す。
【
図6-1】
図6-1は、本開示の別の実施形態に従って提供される姿勢装置の後面斜視図を示す。
【
図6-2】
図6-2は、
図6-1に示す姿勢装置の上面図を示す。
【
図6-3】
図6-3は、
図6-1に示す姿勢装置の前面斜視図を示す。
【
図6-4】
図6-4は、
図6-1に示す姿勢装置の後面図を示す。
【
図6-5】
図6-5は、
図6-1に示す姿勢装置の側面図を示す。
【
図6-6】
図6-6は、
図6-1に示す姿勢装置の前面図を示す。
【
図7】
図7は、姿勢装置の幾何学的構造の例を示す。
【
図8-1】
図8-1は、基部が実質的に平坦な姿勢装置の実施形態を示す。
【
図8-2】
図8-2は、基部が実質的に平坦な姿勢装置の別の実施形態を示す。
【
図9】
図9は、本発明に従って提供される姿勢装置が座席として組み込まれた椅子の側面図を示す。
【
図10】
図10は、本発明に従って提供される2つの姿勢装置が座席として組み込まれた運動器具の斜視図を示す。
【
図11-1】
図11-1は、基部が実質的に平坦であり、装置のリム領域内の波形領域が中空である姿勢装置の実施形態の上面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0065】
以下の詳細な説明では、詳細な説明の一部を形成する添付の図面を参照する。詳細な説明で説明し、図面に図示される例示の実施形態は限定することを意図しない。提示される主題の精神又は範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用し、他の変更を行ってもよい。本明細書で一般的に説明され、図面に示される本開示の態様は、多種多様の異なる構成で配置、置換、結合、分離及び設計することができ、その全てが本開示で企図されることを容易に理解できるであろう。
【0066】
以下では、「前」、「後ろ」若しくは「後方」、「左」、「右」、「上」、「下」、「垂直」、「水平」等の任意の方向及び向きを、使用時の姿勢装置に関して言及する。前後方向は装置の長手方向とみなされるのに対して、長手方向に対して横にある横方向と左右方向は横方向とみなされる。姿勢装置が用いられている場合、姿勢装置の「前」及び「後ろ」(又は「後方」)はそれぞれ、姿勢装置に座っている人の前側及び後ろ側の方に位置する。したがって、姿勢装置の「左側」及び「右側」は、装置を用いている人の左側及び右側にそれぞれ対応する。
【0067】
以下では、使用者が、腰椎が中立になり、胸椎が弛緩した最適な座位姿勢をとることを促し、使用者が消極的な戦略をとる傾向を緩和する本開示に係る姿勢装置を開示する。
図1-1~
図1-5に様々な姿勢の側面図を示す。
図1-1は、「反重力」戦略としてコアマッスルを意識的に制御している人がとる姿勢を示し、その結果、使用者の背骨は過度に且つ部分的に湾曲している(すなわち「前弯」)。
図1-2は、姿勢装置100に座っている人10の姿勢を示す。以下でより詳細に説明するように、姿勢装置100の設計によって促される、人10の骨盤は中立であるか又は骨盤がわずかに前方傾斜する。中立骨盤又はわずかな前方傾斜は、臨床診療において主に定義又は理解されている。
図1-3は、人が前かがみの姿勢で座っているときに背骨に過度の湾曲があり得ることを示す。
図1-4は、人が後ろに傾きすぎたときの背骨の過度の湾曲を示す。
図1-5は、腰から前に傾きすぎている人を示し、背骨は中立な湾曲を有していない姿勢装置100は
図1-2に示す着座位置を促すため、。
図1-1及び
図1-3~
図1-5に示す他の一般的な誤った着座位置が生じる可能性が低い。
【0068】
姿勢装置100は、骨盤が中立であるか又はわずかに傾いた正しい着座位置を促すように設計されている。中立又はわずかに傾斜した骨盤姿勢を促す異なるバージョンは、異なる生理学的要件を有する使用者のために意図されている。正しい着座位置を促すことは、最も一般的なレベルで1つ以上の機構によって行われる。
【0069】
第1の機構は、使用者が装置を不安定な平衡状態で維持するために自身の位置を動的に調整する必要があるようにするために、姿勢装置に不安定性を導入することであり、使用者はバランスを確保するために最適な着座位置に留まる必要がある。第2の機構は、正しい着座位置を促すよう輪郭形成された(contoured)支持面を提供することである。
【0070】
輪郭形成された支持面のみを用い、安定した基部を有する実施形態は、以下で説明する上部輪郭のいずれか及び説明するその変形例を有し得る。不安定な基部のみを用いる実施形態は、以下の実施形態のいずれかで説明する基部の輪郭及びその変形例を有し得る。輪郭形成された支持面及び不安定な基部の両方を用いる実施形態は、以下で説明する上部輪郭のいずれか及び以下に説明する基部の輪郭のいずれか及びその変形例を有し得る。
【0071】
第1の機構を提供する姿勢装置は、不安定な基部の輪郭を有することによって、不安定になるように設計されている。好ましい姿勢装置100は、不安定性が主に姿勢装置100の前後方向及び左右方向に限定される2つの方向に不安定性を有する。しかしながら、その代わりに、不安定性は主にこれらの方向のうちの一方のみに限定されてもよい。姿勢装置100にわたる「前後」平面は、使用時に使用者の矢状面と整合する。姿勢装置100にわたる「左右」平面は、使用時に使用者の冠状面と整合する。
【0072】
しかしながら、特定の設計、使用される材料等の異なる要因に応じて、前後方向及び左右方向に対して斜めの方向に少量の不安定性が存在し得る。これにより、使用者は、斜めの不安定性を補償するために「斜め」の動きを作り出すことができる。このような「斜め」の動きは、前後方向又は左右方向の不安定性を補償するための前後方向又は左右方向の動きと比較して最小限である。そのため、これらの実施形態では、姿勢装置の不安定性は、依然として、前後方向、左右方向又はその両方で主に限定されると考えられる。
【0073】
使用時、不安定な姿勢装置100に座ることで自然な反応が誘発され、使用者の身体は不安定性を軽減するために、矢状面及び冠状面のバランスポイントを見つける。双方の方向でバランスが得られる位置を見つけ維持することにより、使用者は、
図1-2に示すように自然で最適な着座位置にとどまる。これは、使用者が意識的に制御された位置を見つけて(
図1-1に示すように前弯をもたらし得る)真っ直ぐな姿勢で座る必要がない。
【0074】
後述するように、姿勢装置100は、装置の上面と底面又は基部面ごとに2つの異なる輪郭を有する。下面は、装置に着座した使用者が装置上でバランスを保つために不安定な平衡状態を維持する必要があるように、前後方向及び左右方向で不安定性を生じるように設計されている。
【0075】
上面は、使用者の骨盤における矯正的な傾斜を促すような輪郭を有する。この場合、底面は、不安定な平衡状態にあるときに使用者が矯正的な傾斜をとることも促すような輪郭をさらに有していてもよい。
【0076】
人口の大半にとって、装置が中立な骨盤又はわずかな前方傾斜を提供するように設計されることが有益である。しかしながら、人口のごく一部にとっては、反対方向の矯正的な傾斜が望ましい場合がある。したがって、異なる実施形態は後方傾斜を促すように設計され得る。
【0077】
姿勢装置の以下の実施形態は、中立骨盤又はわずかな前方傾斜を促すものとして説明される。しかし、以下に説明される姿勢装置の態様は、装置が前方傾斜又は後方傾斜を生じさせるように設計されているかどうかにかかわらず適用可能である。例えば、使用者が動的に安定することを促す不安定性の生成に関連して説明される態様は、異なる実施形態に適用可能である。
【0078】
使用者の骨盤のわずかな前方傾斜を促す実施形態の場合、上面及び下面はそれぞれ、中立骨盤又はわずかな前方傾斜を促すように設計され、本願では、座っている間に腰椎の自然な湾曲を維持するのに役立つと説明されている。したがって、使用時には、両方の表面は、装置に座っている人の体重に応じて反力を提供する。
【0079】
前後方向の不安定性を提供するために、姿勢装置100の底部(「基部」とも呼ばれる)は長手(すなわち、前後)方向に形状形成(profiled)されている。これにより、姿勢装置100は、装置100にわたる中央長手軸に整合する前後平面内で動くか又は屈曲できる。長手方向形状(longitudinal profile)は、使用者が矢状(前後)方向における自身の身体の「バランス」点又は重心を見つけるのを促すように設計されている。この「バランス点」は、着座した使用者が姿勢装置100上のどこに位置するかによっても影響を受ける。例えば、装置が骨盤の中立又はわずかな前方傾斜を促すように設計されている場合、使用者がさらに後方に座ると、「バランス点」の位置では、使用者がより前方に座る場合と比べて、使用者の骨盤の前方傾斜が少なくなり、使用者の腰椎の湾曲が少なくなる。
【0080】
装置100は、使用者が最適な矢状位置、すなわち矢状バランス点に留まっているときに、長手方向において最も安定する。最適な身体の矢状アライメントは、脊椎に対して中立且つバランスのとれた位置を提供するのに役立つ。これは、体幹表面の活性化を低減し、脊椎への負荷を低減して、より最適な頭頸部の位置を促すのに役立ち得る。したがって、姿勢装置の長手方向形状及び支持面は、姿勢装置100が前後方向でバランスを取っている場合、支持面が骨盤の矯正位置を促すように、例えば、装置に座っている人の骨盤が中立又はわずかに前方傾斜するように方向付けられるように設計される必要がある。
【0081】
横方向の不安定性を作り出すために、姿勢装置100の基部は、装置100が装置本体102にわたる横方向軸に概ね整合した左右方向平面内で動くか又は屈曲できるように横方向に形状形成されている。横方向形状は、使用者が、使用者の体の冠状方向(左右)で冠状「バランス」点又は重心を見つけるのを容易にするように設計されている。装置100は、使用者が右側と左側の間でバランスを取っている最適な冠状位置にいるときに、横方向において最も安定する。これは、背骨及び骨盤に対する非対称な負荷及びトルクを減少させるのに役立つ。
【0082】
様々な座位姿勢を
図2-1~
図2-3の後面図に示す。
図2-1では、右側に前かがみになっている人の誤った姿勢により、背骨が側方に湾曲している。
図2-3では、右側に前かがみになっており、さらに首が右に曲がっている人の誤った姿勢により、背骨が側方に湾曲している。冠状面でのバランスの効果は
図2-2で見ることができる。
図2-2では、体の自然な反応は冠状面の左側と右側の間でバランスを取ることであるため、姿勢装置100の使用は、背骨の左右非対称の原因を回避するのに役立つ。
【0083】
正しい座位を促すためのさらなる機構は、姿勢装置を構成するために高反発性で柔軟な材料を用いることである。弾性材料は、好ましくは座り心地を提供するが、人間工学的な姿勢装置として機能しながら使用者の体重を支えることができるように十分な剛性を備えている。また、使用中の姿勢装置が使用者の体重によって圧縮されるような材料である必要がある。圧縮によって材料の弾性が戻り力を生み出し、それが使用者の方に押し戻される。これにより、動的な座位環境が生み出される。これは、使用者が姿勢装置に座っている間、使用者の中枢神経系が常に微調整を行うことで応答し、補償的なロック又は硬直戦略を回避するのに役立つことを意味する。
【0084】
代替的な実施形態では、姿勢装置100は弾力性のない材料で作られる。それは、装置内の輪郭により、矯正位置及び冠状及び矢状のバランスを促す機能を依然保持する。しかしながら、これらの実施形態に係る装置100は、それほど多くの着座快適性を提供しない。
【0085】
図3-1~
図3-9は、開示の一形態における姿勢装置300を示す。姿勢装置100は本体302を含む。本体302は前端104及び後端106を有する。装置本体302は上面108と、前端304と後端306との間に延びる基部110とを有する。後面307は、上面308とベース310との間で後端306に位置する。前端304では、上面308が基部310に合流する。上面302は使用者のための支持面を提供する。支持面は、使用時に、姿勢装置300上に座っている人の骨盤を「わずかに」前方且つ下方に傾斜するよう位置決めするのに役立つような形状を有する。例えば、この傾斜は、0~25度の範囲、より好ましくは0~20度の範囲、より好ましくは0~15度の範囲、さらにより好ましくは5~10度の範囲にあり得る。
【0086】
装置本体302は、体重の大半を支持し、中立骨盤又はわずかな前方傾斜を促すために、前端304の高さよりも後端306の高さの方が高い。図示の実施形態では、上面308及び基部310は前端部で接する(
図3-2参照)。後ろ側の高さは、使用者の体重を十分に支持し、意図する使用者のために骨盤を中立に又はわずかな前方傾斜した状態で保持するのに役立つように選択されるため、装置が例えば成人用又は小児用かによって異なる。
【0087】
図3-5及び
図3-6で最良の形で見られるように、装置は、その中央縦軸(図示せず)を中心に概ね対称である。
図3-2で最良の形で見られるように、側面形状で見ると、上面は後方区画312、中間区画316及び前方区画322の3つの区画を概して含む。後方区画312は、姿勢装置300の後端306と、姿勢装置300が最も高い位置にあるピーク領域320との間にある。したがって、装置100の高さはこの後方区画312で概して増加している。中間区画316は、ピーク領域320と屈曲領域322との間にある。前方区画314は、屈曲領域322と姿勢装置300の前端304との間にある。装置300の高さは、中間区画316及び前方区画314で概して減少しているが、中間区画316ではより緩やかに減少し、前方区画314ではより急速に減少する。側面形状で見ると、中間区画316は概して平坦又は浅い凹状の湾曲部を有するのに対して、前方区画314は概してわずかに凸状の湾曲部を有する。湾曲部の変化は高さがどれだけ早く変化するかと一致し、中間区画316と前方区画314との間の屈曲領域322で起こる。この長手方向の高さ形状は、使用者の解剖学的構造に適合するのに役立ち、使用者の骨盤の前方傾斜を促すのに役立つ。
図3-2から、上面302が前端でベース310と出会うように、装置300の高さが前端304に向かって減少することが分かる。しかしながら、他の実施形態では、前端でベース310と上面302を接続するために前端に位置する前面がある。前面は、上面の湾曲部と基部の湾曲部とは異なる湾曲部を有する。
【0088】
姿勢装置300は、長手(前後)軸に対して横方向に測定された、変化する横幅を有する。横幅は、上面308の屈曲領域322にわたって概して最も大きい。ここから、姿勢装置300は、前端304に向かって、また、後端306に向かって幅が先細りになる。使用時に装置の最も広い部分は、使用者の骨盤又は大腿の前部を支持する傾向があるが、これは使用者に依存する着座位置に依存する。変化する横幅は、姿勢装置300を正しく方向付けるように使用者を直感的に導くのに役立つ。図示では、装置300は概して後端306に近づくにつれて狭くなり、前端304に向かうにつれて広くなるが、この構成はこの実施形態又は他の実施形態にとって必須の特徴ではない。
【0089】
好ましい実施形態では、以下により詳細に説明するように、姿勢装置300の上面308は、ヒトの骨盤の解剖学的構造を収容し、使用者に快適性を提供する波形(scallop)の凹部(互換的に「波形」又は「空隙」と呼ばれる)を含む。波形の凹部が好ましいが、姿勢装置は波形の凹部なしでも機能し得ることを理解すべきである。
【0090】
波形領域の形状は、使用者の大腿部の下の姿勢装置内の空隙のサイズに影響を与え得る。したがって、より浅い空隙を提供するように形成された波形領域は、より深い空隙を提供するように形成された波形領域よりも、より中立姿勢又は前方傾斜がより少なく姿勢を促す傾向がある。
【0091】
図3-1、
図3-3、
図3-5及び
図3-6から分かるように、姿勢装置300の上面308は、波形領域(「凹部領域」とも呼ばれる)314の周りに縁領域319を有する。縁領域319は、使用者が支持される表面を提供することを意図している。しかしながら、使用者は、姿勢装置の誤った使用又は不正確な寸法付けにより、波形領域に接触し、その上に支持され得ることが理解されよう。波形領域314は縁領域319から徐々に凹んでいる。凹部領域114は、縁領域319から徐々に凹む輪郭318を有する。この図における輪郭は、凹部の底部につながる傾斜壁328を含む。
図3-2及び
図3-5で最良な形で見られるように、縁領域119自体も、凹部領域314に隣接する領域から上面308の周辺317に向かって徐々に下方に傾斜している。そのため、縁領域319は、凸状を有する輪郭形成された外側エンベロープを該して有する。一部の他の実施形態では、緩やかな傾斜は設けられていない。
【0092】
凹部領域314は、骨盤底の解剖学的構造に合うのに役立ち得る輪郭を有するように構成されていることが好ましい。輪郭によって提供される凹部は、男性使用者の快適性を確保するのにも役立ち得る。図示の実施形態では、凹部領域314の周囲315は、(
図3-3及び
図3-7で最良の形で示すように)ほぼ凧状に類似した形状を有するが、より広くは、骨盤底の解剖学的構造を模倣するために概して四角形の形状を有することができる。凹部領域314の周囲の縁領域119は使用者の臀部及び腰に対して支持を提供する。一部の実施形態では、姿勢装置300のサイズは、成人集団の大部分に対して坐骨結節(すなわち腰骨)の幾何学的形状に合うように選択される。凹部領域314が設けられているこれらの実施形態において、縁319は腰骨を支持するようなサイズを概して有する。
【0093】
図3-7~
図3-9は、凹部領域314の例示の輪郭をより詳細に示す。この輪郭は全ての実施形態で設ける必要がないことが理解されよう。
図3-8は、線B-Bで取られた断面、すなわち、凹部輪郭318を二等分する中央縦軸で取られた断面である。
図3-9は、姿勢装置300の前方及び後端306に向かって見た線C-Cで取られた断面である。線C-Cは、凹部領域314が最大の横幅を有する位置でほぼ取られる。
【0094】
図3-8に示すように、凹部領域314は、姿勢装置300のピーク領域320の前方に位置する。凹部領域314は、姿勢装置300の前端304の方に延びる。姿勢装置310のピーク領域320から始まり、凹部輪郭318は、凹状区画324とそれに続く凸状区画326とを含む。凹部領域314は凹状区画324で最も深く、凸状区画326でより浅くなり、姿勢装置300の前端104に向かって徐々に浅くなる。
【0095】
凹状区画324は前方傾斜面325を含む。使用者が姿勢装置300上で十分に前方に着座している場合、使用者の体重は傾斜面325を押し得る。後部(すなわち、傾斜面325の後方)における弾性材料の結果として生じる屈曲は、使用者に対して押し返す戻り力を生じ、骨盤底の前方傾斜を促す。
【0096】
2つの区画324、326は異なる曲率半径を有する。例示的な構成では、凹状区画の半径と凸状区画の半径との比は1対φである。
【0097】
図3-9は、凹部領域314がその幅にわたって横方向にも凹状であることを示す。
図3-7は、凹部領域314の横方向に最も広い部分は概して凹状区画324と凹状区画326との間の移行領域にあることを示す。
【0098】
本開示の一部の実施形態は、使用者の解剖学的構造に合うのに役立つ前述の構成を含み得る。
【0099】
図4-1~
図4-9は、
図3-1~
図3-9に示されているものと同様の実施形態を示すが、この実施形態における凹部領域414は、前の実施形態における凹部領域314と比べて姿勢装置400の前端404により近くに位置している点で異なる。この結果、「前方」凸部を有さないか又は
図3-1~
図3-9に示す輪郭118を有するあまり目立たない「前方」凸部を有する輪郭118が得られる。凹部領域414の幾何学的形状と姿勢装置400の残りの部分との間の交差は異なる形状の波形領域414をもたらし、波形領域の周辺415は、上から見た場合(
図4-7)、涙滴形状等の概ね三角形の形状である。
【0100】
図4-1~
図4-9に示す実施形態の他の態様は、
図3-1~
図3-9に関して説明したものと同じである。したがって、同様の特徴には同様の参照番号が割り当てられている。この割り当ては、
図3-1~
図3-9に示す特徴に「3xy」の形式で番号が割り当てられている場合、その同様の特徴には、
図4-1~
図4-9において「4xy」の形式で番号が割り当てられるという割り当てシステムを用いる。
【0101】
図5-1~
図5-9は姿勢装置の別の実施形態を示す。姿勢装置500は、
図4-1~
図4-9に示す姿勢装置400の「より薄い」バージョンのものであり、身長の低い人又は子供により適している。相対的な厚さのためにより多くの材料を有し、より高い体重範囲の使用者を支持することができるより厚い実施形態300、400に比べて、より体重が軽い使用者にも適している。前の実施形態と同様の特徴を有する姿勢装置500の特徴は、前述の割り当てシステムを用いて同様の特徴に言及するために用いた番号と同様の番号を用いて言及する。
【0102】
図示のように、姿勢装置500は、高さがより低い点を除いて、
図4-1~
図4-9に示す姿勢装置400と同様である。例えば、姿勢装置500も使用者に前方傾斜を提供することが分かる。装置が弾性材料で作られている前の実施形態の場合と同様に、装置500に対する後方圧縮、下方圧縮又はその両方によって生成される弾性力は、使用者が自然に前方傾斜をとるように促すのに役立つ。
【0103】
上面508と基部510との間の後面507は、
図4-1~
図4-9に示す実施形態の後面407よりも高さが低い。
【0104】
図6-1~
図6-7は姿勢装置の別の実施形態を示す。姿勢装置600は、姿勢装置の代替的な「より薄い」バージョンのものである。前の実施形態と同様の特徴を有する姿勢装置600の特徴は、前に説明した割り当てシステムを用いて割り当てられた同様の番号を用いて言及する。そのため、
図6-1~
図6-7で「6xy」と言及される特徴は、
図5-1~
図5-9で「5xy」として言及される特徴に対応する。前の実施形態の特定の特徴に対する可能な変形は、この実施形態の同様の特徴にも該当することが理解されよう。
【0105】
姿勢装置600は、
図5-1~
図5-8に示す姿勢装置500と同様であるが、姿勢装置600の波形領域614が、
図3-1に示す姿勢装置300の波形領域314と同様に、概ね四角形又は凧形である周囲を有する点で異なる。
【0106】
使用者が姿勢装置に着座し、矢状及び冠状バランスを達成するために微小運動を行うと、微小運動は、座っている間に骨盤底を緊張させるのにも役立つはずである。さらに、中立骨盤又はわずかな前方傾斜で座ることは、骨盤底を緊張させるのに役立つことが示されている。したがって、姿勢装置300、400、500、600は、骨盤筋の制御を改善するのにも有用であり得る。
【0107】
姿勢装置は、定式的に定義可能な幾何学的形状に基づいて設計された表面を有し得る。姿勢装置の全体的な表面の幾何学的形状は「スプライン幾何学的形状」、すなわち、表面の複数の幾何学的形状によって定義される。しかしながら、異なる表面の幾何学的形状は円によって定義される必要はない。姿勢装置の各表面は、円の区画又はそれが形成するボリューム、楕円の区画又はそれが形成するボリューム(volume)、放物線曲線又はそれが形成するボリューム、半径を連続的に変化させることによって定義される別の幾何学的形状又はそれ自体をスプライン幾何学的形状によって定義することができる。
【0108】
以下では、
図7を参照して、円及び円を回転又は重ねることによって生成されるボリューム(例えば、球及び回転楕円球)によって定義される表面の幾何学的形状の一例を説明する。
図7は姿勢装置の例示の幾何学的構造を示し、装置は、複数の球の交差及び複数の球の外形から作られたかのように形成されている。複数の球は、この図でその側面を示し、円202、204、206、208、210、212として示す。そのため、球の間の関係は、円の間の対応する関係によっても表すこともできる。
【0109】
姿勢装置の基部の表面は、円202、204間の交差領域を二等分する弦216の周りで交差領域を回転させることによって得られる回転楕円体ボリューム203の底面の一部によって形成される。そのため、円202、204は基部形状の円である。円202、204は同じサイズ(すなわち、同じ半径又は直径)である。しかしながら、他の実施形態では円202、204は異なる半径を有し得る。
【0110】
基部の形状円202、204間の重なりは弦216の長さによって定義できる。弦216は、いずれかの円202、204の中心と交点220、221のそれぞれとの間に定義される半径が互いに90度になるように選択される。すなわち、弦216の長さは基部の形状円202、204の半径の√2倍である。
【0111】
弦216は水平面から約13.26度の角度にある。そのため、円202、204の中心を結ぶ仮想線は垂直から13.26度傾いている。垂直からのこの傾きが生じる方向は姿勢装置の後方方向を定義する。すなわち、円202、204は、上側の円202が姿勢装置の後方方向を定義する方向の方にわずかに位置するように整列されている。円202、204と弦216の角度との間の重なりの量は、装置100の高さ及び装置100の輪郭を調整するために、異なる設計において異なるように設定できる。上述の13.26度の角度オフセットは一例であることが理解されよう。他の実施形態においては、当業者が選択できるように、他の角度オフセットを設けることができる。一部の非限定の例では、角度オフセットの範囲は5度~25度のいずれかであり、特に、10~15度の間の範囲にあり得る。
【0112】
円210は、姿勢装置100の後端曲線(後面)を定義する。より具体的には、後部の形状円210を回転させることによって得られるボリュームは姿勢装置の後面を定義する。したがって、円210は、その直径(すなわち、その中心)を中心に回転させた場合、得られる球形ボリュームは回転楕円形ボリューム(すなわち、円202、204間の交点)と重なるように位置する。球210の特定の位置は
図7に示すものと同一である必要はない。後部形状円210の位置決めの調整は、装置100の前後の長さ及び装置100の後端の高さを変更するために行うことができる。
【0113】
姿勢装置の後面は、回転楕円体ボリューム203と後面円210を回転させることによって形成されるボリュームとの間の交点225と、後面円210及び上面円206を回転させることによって形成されるボリュームとの間の交点222から延びる。
【0114】
「上面」の円206は姿勢装置の上面を定義する。その位置及び半径は、姿勢装置内の波形(設けられている場合)を除く上面を定義する。この実施形態では、上面の円206は、基部の形状円202、204間の交点220で基部の形状円204に接するように位置する。
【0115】
円208及び212は、装置内の波形の輪郭を幾何学的に定義するために用いられる。したがって、円208、212は「波形」円とも呼ばれる。波形円208、212は互いに接するように配置されている。円208、212の中心を結ぶ仮想線は、弦216から後方に向けて、垂直軸に対して約5度回転オフセットされている。したがって、この仮想線は垂線から約8.26度オフセットされている。ここでも、ここで提供される角度オフセットは例にすぎず、他の実施形態では異なり得る。例えば、一部の非限定的な例では、円208、212の中心を結ぶ仮想線は垂線から5~20度の間、より具体的には5~15度の間、さらに具体的には5~10度の間でオフセットされている。
【0116】
小さい方の波形円212の半径と大きい方の波形円208の半径との比は1対φである。しかしながら、他の例では異なる比を用いてもよい。
【0117】
上部波形円212は、姿勢装置100の凹部又は波形を部分的に定義する負の空間(negative space)又は空隙を得るために、その中心を中心に回転されている。したがって、この空隙と、上面円206を回転することによって得られるボリュームとを重ね合わせた結果として、波形領域又は輪郭の第1の部分が得られる。この第1の部分は、
図3-8に示す凹状の波形区画124を提供する。
図7に示す図では、この第1の部分は、上部円206と上部波形円212との間の交点224から、2つの波形円208、212間の接線接触226に延びる上部波形円212の円弧によって表される。
【0118】
波形領域又は輪郭の第2の部分を定義するために、底部波形円208は、それ自体を中心に回転されている(すなわち、その中心又はその直径を中心に)。第2の部分は、接線接触226と、底部波形円208と上面円206との間の交点228との間に延びる。この第2の部分は、
図3-8に示す凸状波形区画126を提供する。第1の部分及び第2の部分の縁は、表面間のより緩やかな遷移を形成するために融合又はフィレットされている。第1の部分及び第2の部分が共に波形の輪郭を提供する。
【0119】
姿勢装置の上面は、上面円206をそれ自身を中心に回転させることによって形成されるボリュームによって定義されるが、後面によって後方に結合され、回転楕円体ボリューム203によって底部に結合される。
図7では、上面は、上面円206と後面円210との間の交点222から、上面円206と基部面円202との間の交点229に延びる円弧によって表される。波形は、前の段落で説明したように、波形の輪郭を提供するために上面から空隙を形成することによって作られる。そのため、上面円206を回転させることにより形成されるボリュームは、波形の周りにシートボリュームを提供する。したがって、上記の波形の輪郭の周りのこのボリュームからの表面部分は支持面を提供する。
【0120】
したがって、姿勢装置のボリュームは、上記の方法で定義された様々な表面(後面、上面)及び輪郭(波形の輪郭の第1の部分及び第2の部分)によって結合される回転楕円体ボリューム203内の部分によって定義される。
【0121】
したがって、互いに対する円の位置の調整は、姿勢装置の異なる最終的なボリューム形状をもたらす。例えば、波形円212、208の位置は、交点220からさらに離れるように動かすことができる。これにより、姿勢装置の前端により近い波形輪郭が得られる。波形輪郭と装置の本体を定義する他の幾何学的形状との間の、結果として得られる相互作用により、周囲が凧形又は四角形よりも三角形又は涙滴形に近い波形領域が得られる。
【0122】
以下の寸法は一例として提供されており、開示した態様の精神又は範囲を限定するものと解釈すべきではない。1つの例では、
図3-1~
図3-6に示す実施形態の装置本体102の後部高さは約18.1センチメートル(cm)である。装置の幅は、その最も広い点で左右に約27.5cmであり、最も長い点で前後に約36.1cmである。他の例では、姿勢装置は、例えば、異なる体型又は年齢の使用者に適合するように異なる寸法を有し得る。
【0123】
専門家の指導の下で、この装置は矯正ツールとして用いることができ、中立的な骨盤位置を形成するか又は使用者をより前方に座らせてより前方への骨盤傾斜を促進し、使用者をより後方に座らせて、重心をさらに後方に移動させ、より少ない前方への骨盤傾斜及びより少ない腰椎前弯を形成する。
【0124】
上述の姿勢装置100は、使用者を支持するために任意の表面上で用いることができる独立型ユニットとすることができる。さらに、座席又は椅子の他の部分に固定されるように、座席又は椅子に設けられるように構成できる。例えば、座席表面上の特定領域に適合させ、そこに取り付け又は固定できる。この意味で、姿勢装置は、椅子、すなわち椅子のフレームによって間接的に支持される。姿勢装置と座面との間の取り付けは解除可能であってもよく、姿勢装置はそれが適さない使用者のために取り外すことができるか又は姿勢装置は、異なる使用者に適合するように別の姿勢装置に交換され得る。
【0125】
さらなる実施形態では、姿勢装置100は、椅子の座席に取り付け可能ではなく、椅子の座面を直接設けられるように、椅子に機能的に統合できる。例えば、装置100は、椅子フレームの一部であるか又はそれ自体が椅子フレームによって支持されるプレート、プラットフォーム等によって支持され得る。プレート又はプラットフォームは、座面が位置し得るよりも低い垂直高さにあるため、姿勢装置の支持面は座席の高さで提示できる。姿勢装置と椅子フレームとの間の接続又は取り付けは、異なる使用者に適合するように姿勢装置を別の姿勢装置と交換することができるようにリリース可能であってもよい。
【0126】
姿勢装置が位置する座面又は姿勢装置100を支持するためのプレート又はプラットフォームは可動であってもよい。例えば、座面又はプレート若しくはプラットフォームは、椅子のフレーム又はフレーム部分に対して水平面上で回転可能であってもよい。
【0127】
装置はピラティス又は運動器具上に配置でき、使用者が動的に座って、負荷をかける運動又は負荷をかけない運動を行いながら自身の体幹及び骨盤を制御できるようにする。
【0128】
座部が姿勢装置である椅子の例の側面図を
図9に示す。この例では、椅子900は支持基部900を含み、その上で座部905及び後部910が支持される。姿勢装置を椅子に組み込むための正確な配置は当業者によって考案することができる。後部910は任意である。座部905は姿勢装置915を含む。姿勢装置915は、フレーム又はブラケット部品によって座部で可動に保持される。人が姿勢装置に座った場合、その人は、姿勢装置の設計による不安定性を克服するためにバランスを維持する必要がある。不安定性を克服する必要があるため、背もたれを支持して座っている間の骨盤の動的制御が促される。2つの明確な平面における不安定性は、1つの平面における不安定性よりも大きな制御を促す。場合によっては、椅子のベース及び後部は互いに独立して動くことができる。これにより、使用者は骨盤から独立して体幹を動かすことができ、これはさらに機能的な動きであり、姿勢装置の不安定な設計のために骨盤の動的制御を維持する。同様に、姿勢装置を運動器具に組み込んで、器具内に座席を設けることができる。運動器具では、座席として姿勢装置を組み込むことは、使用者が制御しなければならない骨盤の多平面の不安定性を提供し、負荷運動において大きな利点を有する。負荷運動を行っている間に姿勢装置に着座することは、使用者が運動を行っている間に骨盤に対称性を見出すことを促す。これは、使用者が身体の両側に均等に負荷をかけ、腕及び脚を押したり、引いたり、曲げたり、伸ばしたりしながら、体幹及び骨盤の制御を開始することを促す。これらの運動の例としては、広背筋プルダウン、着座ベンチプレス、着座チェストフライ、着座ショルダープレス、着座ローイング、レッグプレス、脚の外転及び内転及び脚の伸展である。姿勢装置は、これらの運動の少なくともいずれか1つのために設計されたジムの機器に組み込んでもよい。その一例を、座席として姿勢装置1005が組み込みこまれたプルダウン運動器具1000を示す
図10に示す。
【0129】
先に述べたように、姿勢装置の代替的な実施形態は、正しい又は最適な着座姿勢を促すように輪郭形成された支持面を提供するために、上面が輪郭形成される設計のみを採用し得る。そのため、輪郭形成された上面を有する任意の実施形態(独立型か又は椅子若しくは他の器具に統合されているかにかかわらず)は、基部が使用者にその上でバランスをとることを要求するように設計されていない代替的な実施形態を有し得る。例えば、基部は、椅子、座又はその下にある任意の支持プレート若しくはプラットフォーム上で安定して支持されることができるように単に平坦であり得る。
【0130】
例えば、これは、移動車両、例えば、車椅子の座席で用いることを意図した姿勢装置、又は底部輪郭によってもたらされる不安定性が望ましくないか若しくは必要でない場合により好ましい実施形態であり得る。
【0131】
図8-1は、平坦な基部802と、より中立的な着座位置を促す上面804とを有する姿勢装置800を示す。
図8-2は、平坦な基部812と、より中立的な着座位置を促す上面814とを有する姿勢装置810を示す。
【0132】
図11-1~
図11-3は、縁1119内の波形領域が中空であることを除いて、
図8-1及び
図8-2に示すものと同様の装置1100のさらなる変形例を示す。縁1119は、使用者が使用中に着座し、それによって支持される支持面を提供する。この設計は、例えば便座として姿勢装置1100を提供するのに適している。装置の上部輪郭の設計は、骨盤をわずかに前方に傾斜させる。この設計を便座として用いることで、骨盤が排便のための最適な位置に配置される。便座として中空の中心を有する姿勢装置を含むトイレ1200の例を
図12に示す。
【0133】
本開示の精神又は範囲から逸脱することなく、前述の部品に変形及び修正がなされ得る。
【0134】
例えば、上記の実施形態は、凹部と、凹部の周囲の縁とを有するものとして説明されている。しかしながら、姿勢装置の代替的な実施形態は凹部及び縁の特徴を含まなくてもよい。姿勢装置は、上面が、ピーク部分の前に凹部を含む上部輪郭を提供することによって、使用者の解剖学的構造に依然として適合できる(例えば、
図3-2参照)。
【0135】
上記の実施形態では、姿勢装置は、2つの自由度を提供する、すなわち、2つの方向に不安定性を有すると説明した。しかしながら、代替的な実施形態では、姿勢装置は前後方向のみに不安定性を有し得る。これは、使用者の身体及び骨盤が前方に傾斜するバランス点を見出すための微調整を誘発するツールを依然として提供する。
【0136】
波形領域が提供される上記の実施形態では、波形の深さを変えることができる。例えば、これは、意図する使用者のサイズに依存し得る。子供による使用を意図した実施形態の波形の深さは、大人による使用を意図した実施形態のそれより小さくてもよい。
【0137】
波形領域が設けられる上記の実施形態では、縁領域は、上面の外周に向かって下向きの傾斜を有するように示されている。しかしながら、この下方傾斜は任意であり、全ての波形実施形態に含まれていなくてもよい。
【0138】
上述の実施形態では、波形領域は、三角形又は凧、菱形、平行四辺形等の四角形の形状に形成される。しかしながら、波形領域の形状にばらつきがあってもよい。
【0139】
上述の実施形態では、姿勢装置の基部は任意で弾性であってもよい。
【0140】
姿勢装置の実施形態は、装置を1つに成形することにより又は共成形された部分を接合することによって得られる一体型として形成され得る。本体は単一の材料から作られてもよいし、異なる材料から作られた部分を含み得る。例えば、使用者の体重を受けるように意図された本体の上部は、本体の下部とは異なる材料を用いて作られていてもよい。
【0141】
上記の実施形態は、使用者の骨盤が中立的になるか又はわずかに前方傾斜することを促す上部輪郭を提供するものとして説明されている。しかし、より一般的には、本開示は、(異なる矯正を必要とする使用者のために)異なる方向に姿勢を矯正する着座位置を促す上部輪郭を提供し、それ同時に、使用者に冠状及び矢状の不安定性を提供し、着座時に冠状及び矢状双方のバランスを動的に達成するように使用者が筋肉を使うことを促す下部輪郭を提供する態様も含む。
【0142】
そのため、独立型の装置として用いられるか又は事務用椅子又は他の家具等の椅子若しくは器具の一部のための座席として用いられるかにかかわらず、1つ以上の面に不安定性を有する姿勢装置の実施形態は動的な着座を促すように構成されている。動的な着座は能動的であり、装置により使用者は自由な動きが可能になるため、頻繁な姿勢変化を伴う。そのため、装置の使用により骨盤が自由に動く環境が作られるため、使用者は座っている間に骨盤及び体を自由に動かすことができる動的又は能動的な着座が可能になる。装置の使用は、人がじっと座っているときに「動的な安定性」を作り出す。
【0143】
例えば、従来のオフィスチェアでは、使用者の動きに追従しないため、これは容易ではない。通常、従来の椅子に座ると、特に訓練されていない背筋の場合に姿勢が悪くなり、腰痛をもたらす。また、背もたれや肘掛けが背筋に負担をかけ、正しい座り姿勢を維持することができない。長時間同じ姿勢で座ることの問題はよく研究されている。長時間同じ姿勢で座っていると、腹筋の失調(de-conditioning)により、体幹の筋力の低下につながる。失調は、体幹の筋力の低下及び脚の筋肉等他の筋肉が緊張をもたらし得る。失調の結果生じる不均衡は脊椎支持系に影響を与え、腰痛をもたらし得る。仕事で長時間座っていると、首や背中の痛みが生じることが報告されている。着座の間に頻繁な動きを伴う動的な着座は課題を改善するのに役立つ。
【0144】
上記では、姿勢装置は座席を提供するものとして主に説明してきたが、他の方法で用いることもできる。装置は複数の面で不安定であるため、動的制御を始めるために身体の他の部分に用いることができる。例えば、コアマッスルを運動させるための器具として用いることができる。膝を装置の波形領域に置き、バードドッグ等の4点運動を行うことで、使用者から脚、股関節、骨盤及び体幹の安定化効果を開始する動的環境が有利に作られる。
【0145】
装置は骨盤、腰椎及び股関節の制御された運動を促す運動装置としても用いることができる。
【0146】
以下の特許請求の範囲及び前述の説明では、明示的な表現又は必要な含意のために文脈が他のことを必要とする場合を除き、「含む」という用語又は「含み」若しくは「含むこと」等のその変形は包括的な意味で、すなわち、記載された特徴の存在を特定するが、開示の様々な実施形態でさらなる特徴の存在又は追加を排除しないという意味で用いられている。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者のために支持面を提供するように構成された姿勢装置であって、前端及び後端を有する本体と、上面と、基部とを含み、前記基部は、前記本体が少なくとも1つの不安定方向を有するように輪郭形成されている、装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの不安定方向は、前記前端と前記後端との間で延びる長手方向軸を含む垂直前後面内に概してある方向を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
使用時に、前記垂直前後面は、前記使用者の矢状面と概して一致する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの不安定方向は垂直左右面内に概してある方向を含み、前記垂直左右面は、前記前端と前記後端との間に延びる中央長手方向軸に対して概して直角である、請求項
1に記載の装置。
【請求項5】
前記垂直左右面は前記使用者の冠状面と概して一致する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記装置は、前記使用者の体重が加わることにより前記装置によって脊椎に圧力が加えられると、前記使用者の腰椎は、少なくとも部分的に、前記使用者の左側と右側との間でバランスが取れた中立曲線を取るように付勢され、前記使用者の胸椎が弛緩するように、前記使用者の骨盤及び脊椎を支持する、請求項
1に記載の装置。
【請求項7】
前記本体は弾性材料から作られ、使用時に、該
弾性材料は、前記使用者の体重に応答して戻り力を生成し、該戻り力は前方方向に成分を有する、
請求項1に記載の装置。
【請求項8】
使用者に支持面を提供するように構成された姿勢装置であって、前端及び後端を有する本体と、前記前端と前記後端との間にある上面とを含み、前記上面の少なくとも一部が前記支持面を提供し、前記本体は弾性材料から作られ、使用時に、該
弾性材料は、前記使用者の体重に応答して戻り力を生成し、該戻り力は前方方向に成分を有する、装置。
【請求項9】
前記戻り力は、前記使用者の骨盤が中立になるか又はわずかに傾斜する姿勢を促す、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記上面及び前記基部面は異なる表面形状を有する、
請求項8に記載の装置。
【請求項11】
使用者に支持面を提供するように構成された姿勢装置であって、前端及び後端を有する本体と、前記前端と前記後端との間にある上面であって、該上面の少なくとも一部は、前記支持面を提供する前記上面の少なくとも一部を提供する、上面と、基部面とを含み、
前記上面及び前記基部面は異なる表面形状を有する、装置。
【請求項12】
前記基部は、前記本体の前端と後端との間に延びる長手方向軸に沿い、外方に湾曲する長手方向形状を有し、該長手方向形状はその中央部で最も低くなる、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記基部は、前記長手方向軸に垂直な横方向軸に沿った横方向形状をさらに有し、該横方向形状は、その中央部で最も低くなるように外方に湾曲している
、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記基部は、
前記本体の前端と後端との間に延びる長手方向軸に沿い、外方に湾曲する長手方向形状であって、該長手方向形状はその中央部で最も低くなる、長手方向形状と、
前記長手方向軸に垂直な横方向軸に沿った横方向形状であって、該横方向形状は、その中央部で最も低くなるように外方に湾曲している、横方向形状と、
を有する、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記本体は、前記前端でよりも前記後端で高さが高くなるような形状を有し、前記本体は前記前端と前記後端との間にあるが前記後端により近い場所で高さが最も高くなる、請求項1
1に記載の装置。
【請求項16】
使用者に支持面を提供するように構成された姿勢装置であって、前端及び後端を有する本体と、前記前端と前記後端との間にある上面と、基部面とを含み、前記上面の少なくとも一部が前記支持面を提供し、
前記上面と前記基部面とは異なる表面形状を有し、
前記本体は、前記前端でよりも前記後端で高さが高くなるような形状を有し、前記本体は前記前端と前記後端との間にあるが前記後端により近い場所で高さが最も高くなる、装置。
【請求項17】
使用時に、前記基部は概して平面である
、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記上面及び前記基部面は前記本体の前端で接する、
請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記本体は、前記上面と前記基部との間に位置する後面を前記本体の後端に有し、前記後面は、前記基部の湾曲とは異なる湾曲を有する、
請求項16に記載の装置。
【請求項20】
前記支持面は、使用時に、前記使用者の骨盤が中立になるか又はわずかに前方傾斜するよう促すように形成及び方向付けられた輪郭を有する、
請求項16に記載の装置。
【請求項21】
前記輪郭は、使用時に、前記装置がその長手方向バランス点に位置する場合に、前記使用者の骨盤が中立になるか又はわずかに前方傾斜することで、前記使用者の腰椎が中立的な位置にある姿勢を促すように方向付けられている、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記上面は前記後端から延びる後方区画を含み、前記支持面は該後方区画の前方に位置する、
請求項16に記載の装置。
【請求項23】
前記支持面は概して凸状に輪郭形成されたエンベロープ内に配置されている、
請求項16に記載の装置。
【請求項24】
前記上面は、前記支持面から徐々に押し下げられた波形領域を含み、前記支持面は、該波形領域の周囲に概して位置する、
請求項16に記載の装置。
【請求項25】
前記波形領域は、概して四角形のような形状又は三角形のような形状を有する周囲を有する、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記波形領域は凹部を有するように輪郭形成されている、請求
項25に記載の装置。
【請求項27】
前記凹部は、前記本体のピーク高さ領域の前方に位置する、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記波形領域は、概して、前記凹部の前方に位置する凸部をさらに有する、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記凹部の曲率半径は前記凸部の曲率半径よりも小さい、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記凸部の曲率半径に対する前記凹部の曲率半径の比は1対φである、請求項28に記載の装置。
【請求項31】
前記本体は、前記後端に位置し且つ前記上部に隣接する後面を有し、前記後面は、前記後端でより高い高さを前記本体に提供する
、請求項16に記載の装置。
【請求項32】
前記装置は椅子のフレームによって支持される
、請求項16に記載の装置。
【請求項33】
前記装置は、前記椅子の座席を形成するように、前記椅子と機能的に一体化されている、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記装置は、前記椅子の座席部分に固定されている、請求項32に記載の装置。
【請求項35】
前記装置は、前記椅子のフレームで回転可能に支持されている、請求項3
2に記載の装置。
【請求項36】
支持面を有する椅子であって、前記支持面は、請求項1乃至35のいずれか一項に記載の姿勢装置によって提供される、椅子。
【請求項37】
請求項1乃至31のいずれか一項に記載の姿勢装置を座席として含む運動器具。
【請求項38】
請求項1
7に記載の姿勢装置を含む便座であって、前記姿勢装置の支持面は中空領域の周囲に実質的に設けられている、便座。
【請求項39】
使用者のために支持面を提供するように構成された姿勢装置を作るための方法であって、該姿勢装置は、前端及び後端を有する本体と、前記支持面を提供する上面と、基部とを含み、当該方法は、
前記基部及び前記上面に異なる表面形状を設けること、
を含み、
前記上面は、前記本体の後部の高さが前記本体の前部の高さよりも大きくなるような形状を有する、方法。
【請求項40】
概して湾曲した輪郭を前記基部に設けることであって、該概して湾曲した輪郭は、前記本体の前端と後端との間に延びる長手方向軸に沿い、外方に湾曲する長手方向形状を有し、該長手方向形状はその中央部分で最も低くなる、こと、
をさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記長手方向軸に垂直な横方向軸に沿った外方に湾曲する横方向形状を前記基部に設けることであって、該横方向形状はその中央部分で最も低くなる、こと、
をさらに含む、請求
項40に記載の方法。
【請求項42】
前記上面は凹部領域を含み、前記支持面は該凹部領域の周囲に位置する、請求項3
9に記載の方法。
【請求項43】
前記上面と前記基部との間を接続する端面を前記本体に設けることをさらに含む、請求項3
9に記載の方法。
【請求項44】
前記端面は前記後端に位置する、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記姿勢装置の表面が2種類以上の幾何学的形状によって記述可能になるように、前記姿勢装置にスプライン幾何学的形状を適用することをさらに含む、請求項3
9に記載の方法。
【請求項46】
前記本体の上面及び基部は、複数のボリュームを重ねることによって得られる幾何学的形状をとり、該複数のボリュームは、対応する円を該円の中心を中心に回転させることによって得られる、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記円は、前記基部の表面輪郭を定義する2つの基部輪郭円を含み、前記基部の表面輪郭は、
前記2つの基部輪郭円の間の交差領域を二分する弦を前記2つの基部輪郭円が共有するように、前記2つの基部輪郭円を部分的に重ね合わせることと、
前記弦を中心に前記交差領域を回転させて回転楕円体ボリュームを定義することと、
によって得られ、
前記回転楕円体ボリュームの下面の一部は、前記基部の表面輪郭を提供する、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記弦に垂直な軸は、垂線から角度的にオフセットされている、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記弦のそれぞれの端部と、前記基部輪郭円のいずれかの中心との間でそれぞれ延びる2つの半径は互いに直角である、請求
項48に記載の方法。
【請求項50】
前記円は、前記交差領域と部分的に重なる上面円を含み、前記本体の上面の表面輪郭は、前記上面円をその中心を中心に回転させることによって得られるボリュームの上面部分によって提供され、前記ボリュームの前記上面部分は、前記回転楕円体ボリュームの前記下面の前記一部の上方に位置する、請求
項49に記載の方法。
【請求項51】
着座位置にある使用者の姿勢を支援する方法であって、前記使用者の体の矢状面又は冠状面の一方又は双方の方向に前記使用者の微小運動を促すために、前記使用者を少なくとも1つの不安定方向にさらすことを含む、方法。
【請求項52】
前記使用者の骨盤が中立であるか又は前方及び下方にわずかに傾斜する姿勢を促すために、前記使用者に戻し力を受けさせることをさらに含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
着座位置にある使用者の姿勢を支援する方法であって、前記使用者の骨盤が中立であるか又は前方及び下方にわずかに傾斜する姿勢を促すために、前記使用者に戻し力を受けさせることを含む、方法。
【請求項54】
前記使用者は、請求項1乃至36のいずれか一項に記載の姿勢装置又は椅子に座っている、請求項52乃至53のいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】