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特表2024-528036SARM1阻害剤としての置換ピリジン誘導体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】SARM1阻害剤としての置換ピリジン誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/06 20060101AFI20240719BHJP
   C07D 417/14 20060101ALI20240719BHJP
   C07D 417/06 20060101ALI20240719BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240719BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20240719BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240719BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
C07D401/06 CSP
C07D417/14
C07D417/06
A61P43/00 111
A61P25/28
A61P25/00
A61K31/4439
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505223
(86)(22)【出願日】2022-07-27
(85)【翻訳文提出日】2024-03-26
(86)【国際出願番号】 US2022038577
(87)【国際公開番号】W WO2023009663
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】63/226,557
(32)【優先日】2021-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/305,103
(32)【優先日】2022-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/368,034
(32)【優先日】2022-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524035830
【氏名又は名称】ヌラ バイオ,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コルリ,ラオ
(72)【発明者】
【氏名】テグリー,クリストファー マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ヂゥー,リウシェン
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,ショーン ポメロイ
(72)【発明者】
【氏名】タスカー,アンドリュー スチュワート
(72)【発明者】
【氏名】グライス,シェリル エー.
(72)【発明者】
【氏名】レイノルズ,チャールズ ハワード
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC17
4C086BC38
4C086BC60
4C086BC82
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA10
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA13
4C086MA16
4C086MA17
4C086MA22
4C086MA23
4C086MA28
4C086MA31
4C086MA35
4C086MA37
4C086MA43
4C086MA52
4C086MA56
4C086MA58
4C086MA59
4C086MA60
4C086MA66
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZC02
(57)【要約】
【解決手段】
本開示は、ピリジン誘導体、その組成物、ならびにSARM1活性の阻害および/または神経障害の処置もしくは予防に有用な関連方法に関する。SARM1活性化は、損傷した軸索においてNAD+レベルの急速な低下を引き起こし得、これは、次に、変性を経験し得る。特定の実施形態では、化合物は、NAD+の減少または枯渇(例えば、SARM1 NADアーゼの阻害)から生じる軸索変性を含む、軸索変性を阻害する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式IIaの化合物
【化1】
またはその薬学的に許容される塩であって、
式中、
Qは、-Cy、-C1-4アルキル-Cy、-CF、またはC1-4アルキル-CFであり、
は、Hであり、
は、HまたはC1-4アルキルであり、
およびR4aは、それぞれ独立して、H、ハロ、およびC1-4アルキルから選択され、
各Rは独立して、H、ハロ、およびC1-4アルキルから選択され、ここで、Rは、炭素原子に結合しており、
およびRは、それぞれ独立して、H、-OR、-NR、C1-4アルキル、およびC1-4ハロアルキルから選択され、
Cyは、C6-10アリール、C3-7シクロアルキル、5~6員ヘテロアリール、および4~7員ヘテロシクロアルキルから選択され、それぞれが、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される、1、2、3、4、または5個のRCy置換基によって任意選択で置換され、
あるいは、2つの隣接するRCy置換基は、それらが結合している原子と一緒になって、縮合フェニル、C3-7シクロアルキル、5~6員ヘテロアリール、または4~7員ヘテロシクロアルキル環を形成し、それぞれが、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される1、2、3、4、または5個の置換基によって任意選択で置換され、
各R、R、R、およびRは、独立して、H、C1-4アルキル、およびC1-4ハロアルキルから選択され、前記C1-4アルキルは、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、およびC1-4ハロアルコキシから独立して選択される、1、2、または3個の置換基によって任意選択で置換され、
各Rは独立して、H、C1-4アルキル、およびCNから選択され、
nは、0、1、または2であり、ならびに
mは、1または2である、
化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
が、Hまたはメチルである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
がHである、請求項1または請求項2のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
がHである、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
4aがHである、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
各RがHである、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
およびRが、それぞれ独立して、HおよびOHから選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
およびRの少なくとも一方がHである、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
およびRが両方ともHである、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
がOHであり、RがHである、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
がNRであり、RがHである、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
がNHであり、RがHである、請求項11に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
Qが、-CFまたはC1-4アルキル-CFである、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
Qが-CFである、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項15】
Qが、-Cyまたは-C1-4アルキル-Cyである、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項16】
Qが-Cyである、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項17】
Cyが、C6-10アリールおよび5~6員ヘテロアリールから選択され、それぞれが、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される1、2、3、4、または5個のRCy置換基によって任意選択で置換される、請求項1~12、15、および16のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項18】
Cyが、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される1、2、3、または4個のRCy置換基によって任意選択で置換される5~6員ヘテロアリールから選択される、請求項1~12、15、および16のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項19】
Cyが、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される1個または2個のRCy置換基によって任意選択で置換される5員ヘテロアリールから選択される、請求項1~12、15、および16のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項20】
Cyが、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される1個または2個のRCy置換基によって任意選択で置換されるチアゾイルである、請求項1~12、15、および16のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項21】
Cyが、非置換チアゾイルである、請求項1~12、15、および16のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項22】
Cyが
【化2】
である、請求項21に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項23】
各RCy置換基が、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、OR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、NR、NRC(O)R、NRS(O)、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される、請求項1~12および15~20のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項24】
nが0である、請求項1~23のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項25】
mが1である、請求項1~24のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項26】
mが2である、請求項1~24のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項27】
式IVの化合物
【化3】
またはその薬学的に許容される塩であって、
式中、
は、SまたはN(R)であり、
Qは、-Cy、-C1-4アルキル-Cy、-CF、またはC1-4アルキル-CFであり、
Xは、-C(R)(R)-、-C(O)-、または-C(=N-OH)-であり、
は、Hであり、
は、HまたはC1-4アルキルであり、
およびR4aは、それぞれ独立して、H、ハロ、およびC1-4アルキルから選択され、
各Rは独立して、H、ハロ、およびC1-4アルキルから選択され、ここで、Rは、炭素原子に結合しており、
およびRは、それぞれ独立して、H、-OR、-NR、C1-4アルキル、およびC1-4ハロアルキルから選択され、
Cyは、C6-10アリール、C3-7シクロアルキル、5~6員ヘテロアリール、および4~7員ヘテロシクロアルキルから選択され、それぞれが、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される1、2、3、4、または5個のRCy置換基によって任意選択で置換され、
あるいは、2つの隣接するRCy置換基は、それらが結合している原子と一緒になって、縮合フェニル、C3-7シクロアルキル、5~6員ヘテロアリール、または4~7員ヘテロシクロアルキル環を形成し、それぞれが、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される1、2、3、4、または5個の置換基によって任意選択で置換され、
各R、R、R、およびRは、独立して、H、C1-4アルキル、およびC1-4ハロアルキルから選択され、前記C1-4アルキルは、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、およびC1-4ハロアルコキシから独立して選択される1、2、または3個の置換基によって任意選択で置換され、
各Rは独立して、H、C1-4アルキル、およびCNから選択され、ならびに、
nは、0、1、または2である、化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項28】
Xが-C(R)(R)-である、請求項27に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項29】
Xが-C(O)-である、請求項27に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項30】
式IVa
【化4】
を有する、請求項27に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項31】
がHである、請求項30に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩。
【請求項32】
式IVb
【化5】
を有する、請求項27に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項33】
が、Hまたはメチルである、請求項27~32のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項34】
がHである、請求項27~33のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項35】
4aがHである、請求項27~34のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項36】
およびRが、それぞれ独立して、HおよびOHから選択される、請求項27~35のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項37】
およびRの少なくとも一方がHである、請求項27~36のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項38】
およびRが両方ともHである、請求項27~37のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項39】
がOHであり、RがHである、請求項27~38のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項40】
nが0である、請求項27~39のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項41】
nが1である、請求項27~39のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項42】
4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン、
4-((2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン、
2-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)アセトニトリル、
3-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)プロパンニトリル、
rac-4-(1-(2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)エチル)ピリジン、
(R)-4-(1-(2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)エチル)ピリジン、
(S)-4-(1-(2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)エチル)ピリジン、
5-((4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)メチル)チアゾール、
4-((5-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)ピリジン、
2-(ピリジン-4-イルメチル)-4-(2,2,2-トリフルオロエチル)チアゾール、
4-(ピリジン-4-イルメチル)-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)チアゾール、
rac-4-(1-(5-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピロール-2-イル)エチル)ピリジン、
(S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール、
(R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール、
2,2,2-トリフルオロ-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オン、
(E/Z)-2,2,2-トリフルオロ-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オンオキシム、
4-((5-メチル-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン、
(S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-アミン、
(R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-アミン、
(S)-2,2,2-トリフルオロ-N-メチル-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-アミン、
(R)-2,2,2-トリフルオロ-N-メチル-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-アミン、
(S)-2,2,2-トリフルオロ-N,N-ジメチル-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-アミン、
(R)-2,2,2-トリフルオロ-N,N-ジメチル-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-アミン、
(E/Z)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)チアゾール-2-イル)エタン-1-オンオキシム、
(R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)チアゾール-2-イル)エタン-1-アミン、
(S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)チアゾール-2-イル)エタン-1-アミン、
(S)-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-5-イル)メタノール、
(R)-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-5-イル)メタノール、
(5-((3-メチルピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-5-イル)メタノール、
3,5-ジクロロ-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)ピリジン、
1-(4-((3-クロロピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)-2,2,2-トリフルオロエタン-1-オール、
(S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((S)-1-(ピリジン-4-イル)エチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール、
(R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((S)-1-(ピリジン-4-イル)エチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール、
(S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((R)-1-(ピリジン-4-イル)エチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール、
(R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((R)-1-(ピリジン-4-イル)エチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール、
3-メチル-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン、
(R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)-1-(チアゾール-5-イル)エタン-1-オール、ならびに、
(S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)-1-(チアゾール-5-イル)エタン-1-オール
から選択される化合物、またはそれらのいずれかの薬学的に許容される塩。
【請求項43】
3-クロロ-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン、
2-クロロ-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン、
2-フルオロ-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン、
(S)-(5-((3-メチルピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-5-イル)メタノール、
(R)-(5-((3-メチルピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-5-イル)メタノール、
(R)-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-2-イル)メタノール、
(S)-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-2-イル)メタノール、
(R)-1,1,1-トリフルオロ-2-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)プロパン-2-オール、
(S)-1,1,1-トリフルオロ-2-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)プロパン-2-オール、
(S)-4-((2-(2,2,2-トリフルオロ-1-メトキシエチル)-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)ピリジン、
(R)-4-((2-(2,2,2-トリフルオロ-1-メトキシエチル)-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)ピリジン、
(R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(5-((2-フルオロピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール、
(S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(5-((2-フルオロピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール、
ピリジン-2-イル(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)メタノール、
3-フルオロ-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン、
(S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((3-メチルピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール、
(R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((3-メチルピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール、
(S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((3-フルオロピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール、
(R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((3-フルオロピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール、
1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)プロパン-2-オール、ならびに、
1,1,1-トリフルオロ-2-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)プロパン-2-オール
から選択される化合物、またはそれらのいずれかの薬学的に許容される塩。
【請求項44】
少なくとも1つの薬学的に許容される担体と、請求項1~43のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩とを含む、医薬組成物。
【請求項45】
SARM1を阻害する方法であって、前記方法が、前記SARM1を請求項1~43のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩と接触させる工程を含む、方法。
【請求項46】
前記接触させる工程がインビトロで行われる、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記接触させる工程がインビボで行われる、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
軸索変性の阻害を必要とする患者における軸索変性を阻害する方法であって、前記方法が、前記患者に、請求項1~43のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を、阻害量で投与する工程を含む、方法。
【請求項49】
前記軸索変性が、前記軸索におけるNAD+の異常な減少または枯渇によって引き起こされる、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
神経障害の処置または予防を必要とする患者における神経障害を処置または予防する方法であって、前記方法は、前記患者に、請求項1~43のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を治療有効量で投与する工程を含む、方法。
【請求項51】
前記神経障害が神経変性疾患である、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記患者に、請求項1~43のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩を、さらなる薬学的に活性な薬剤と組み合わせて、治療有効量で投与する工程を含む、請求項50または請求項51のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2021年7月28日に出願された米国仮出願第63/226,557号、2022年1月31日に出願された米国仮出願第63/305,103号、および2022年7月8日に出願された米国仮出願第63/368,034号の優先権を主張するものであり、これらの文献のそれぞれは、参照によりその全体が援用される。
【0002】
本開示は、SARM1活性の阻害および/または神経障害の処置もしくは予防に有用な化合物および組成物、ならびに関連する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
老化は、神経変性疾患の発症の主要な危険因子を構成する。軸索変性は、末梢神経障害および外傷性脳損傷を含む、多くの神経変性および神経障害における重要な病理学的事象である(Gerdts,J.et al.,Neuron,2016,89,449-60)。軸索変性は、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、および筋萎縮性側索硬化症にも関与しており、変性は、症状の発症および広範なニューロン喪失に先行する(Kurowska,Z.et al.,J.Parkinson’s Dis.,2016,6,703-07)。これらの神経学的疾病(neurological conditions)は、固有の原因疾患(underlying etiology)を有するが、疾病の初期段階における軸索変性の阻害は、機能的シナプスの喪失を予防し、ニューロンの結合性を維持することによって、それらの進行を遅延または防止し得る(Essuman,K.et al.,Neuron,2017 Mar 22,93(6),1334-43)。
【0004】
損傷後の軸索変性は、近位細胞体(proximal cell body)に向かって(逆行性変性と呼ばれる)と、遠位軸索終末に向かって(ワーラー変性または順行性変性と呼ばれる)との両方で生じる(Kanamori A. et al.,Am.J.Pathol.2012 Jul;181(1):62-73)。損傷部位の遠位にある軸索のその部分で起こるワーラー変性は、軸索損傷後に末梢神経系(PNS)および中枢神経系(CNS)の両方で起こる。ワーラー変性は、通常、病変の24~36時間以内に始まる。変性前、軸索の遠位部は電気的に興奮し続ける傾向があるが、損傷後、軸索骨格は崩壊し、軸索膜は分裂する。
【0005】
細胞体の死および軸索変性のプロセスは、独立した事象である。前述のとおり、軸索変性が神経変性疾患における臨床症状に先行し、細胞体喪失の前に起こることを示す証拠が存在する。したがって、軸索変性は、病理学的プロセスにおける初期の事象を構成し、神経細胞死の前に神経変性を処置するための潜在的な治療標的を提供する(Salvados,N.et al.,Front.Neurosci.,2017,11,451)。
【0006】
以上の観点から、軸索変性の予防による神経変性疾患などの神経障害の処置のための新しいモダリティが必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、式Iの化合物
【0008】
【化1】
またはその薬学的に許容される塩などのSARM1の阻害剤に関し、構成部材(constituent member)は本明細書で定義される。
【0009】
一態様では、式IIaの化合物、またはその薬学的に許容される塩が本明細書に記載され、
【0010】
【化2】
式中、
Qは、-Cy、-C1-4アルキル-Cy、-CF、またはC1-4アルキル-CFであり、
は、Hであり、
は、HまたはC1-4アルキルであり、
およびR4aは、それぞれ独立して、H、ハロ、およびC1-4アルキルから選択され、
各Rは独立して、H、ハロ、およびC1-4アルキルから選択され、Rは、炭素原子に結合しており、
およびRは、それぞれ独立して、H、-OR、-NR、C1-4アルキル、およびC1-4ハロアルキルから選択され、
Cyは、C6-10アリール、C3-7シクロアルキル、5~6員ヘテロアリール、および4~7員ヘテロシクロアルキルから選択され、それぞれが、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される1、2、3、4、または5個のRcy置換基によって任意選択で置換され、
あるいは、2つの隣接するRcy置換基は、それらが結合している原子と一緒になって、縮合フェニル、C3-7シクロアルキル、5~6員ヘテロアリール、または4~7員ヘテロシクロアルキル環を形成し、それぞれが、任意選択で、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される、1、2、3、4、または5個の置換基によって置換され、
、R、R、およびRのそれぞれは、独立して、H、C1-4アルキル、およびC1-4ハロアルキルから選択され、上記C1-4アルキルは、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、およびC1-4ハロアルコキシから独立して選択される1、2、または3個の置換基によって任意選択で置換され、
各Rは独立して、H、C1-4アルキル、およびCNから選択され、
nは、0、1、または2であり、ならびに
mは、1または2である。
【0011】
いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、Rは、Hまたはメチルである。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、RはHである。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、RはHである。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、R4aはHである。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、RはHである。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、RおよびRは、それぞれ独立して、HおよびOHから選択される。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、RおよびRは両方ともHである。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、RはOHであり、RはHである。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、RはNRであり、RはHである。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、RはHである。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、Qは、-CFまたはC1-4アルキル-CFである。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、Qは、-CFである。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、Qは、-Cyまたは-C1-4アルキル-Cyである。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、Qは-Cyである。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、Cyは、C6-10アリールおよび5~6員ヘテロアリールから選択され、それぞれが、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される、1、2、3、4、または5個のRcy置換基によって任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、Cyは、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される1、2、3、または4個のRcy置換基によって任意選択で置換される5~6員ヘテロアリールから選択される。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、Cyは、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される1個または2個のRcy置換基によって任意選択で置換される5員ヘテロアリールから選択される。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、Cyは、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される1個または2個のRcy置換基によって任意選択で置換されるチアゾイルである。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、Cyは、非置換チアゾイルである。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、Cyは
【0012】
【化3】
である。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、各Rcy置換基は、独立して、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、OR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、NR、NRC(O)R、NRS(O)、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、nは0である。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、nは1である。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、nは2である。
【0013】
別の態様では、式IVの化合物、またはその薬学的に許容される塩が本明細書に記載され、
【0014】
【化4】
式中、
は、SまたはN(R)であり、
Qは、-Cy、-C1-4アルキル-Cy、-CF、またはC1-4アルキル-CFであり、
Xは、-C(R)(R)-、-C(O)-、または-C(=N-OH)-であり、
は、Hであり、
は、HまたはC1-4アルキルであり、
およびR4aは、それぞれ独立して、H、ハロ、およびC1-4アルキルから選択され、
各Rは独立して、H、ハロ、およびC1-4アルキルから選択され、Rは、炭素原子に結合し、
およびRは、それぞれ独立して、H、-OR、-NR、C1-4アルキル、およびC1-4ハロアルキルから選択され、
Cyは、C6-10アリール、C3-7シクロアルキル、5~6員ヘテロアリール、および4~7員ヘテロシクロアルキルから選択され、それぞれが、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される、1、2、3、4、または5個のRcy置換基によって任意選択で置換され、
あるいは、2つの隣接するRcy置換基は、それらが結合している原子と一緒になって、縮合フェニル、C3-7シクロアルキル、5~6員ヘテロアリール、または4~7員ヘテロシクロアルキル環を形成し、それぞれが、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される1、2、3、4、または5個の置換基によって任意選択で置換され、
、R、R、およびRのそれぞれは、独立して、H、C1-4アルキル、およびC1-4ハロアルキルから選択され、上記C1-4アルキルは、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、およびC1-4ハロアルコキシから独立して選択される、1、2、または3個の置換基によって任意選択で置換され、
各Rは独立して、H、C1-4アルキル、およびCNから選択され、ならびに
nは、0、1、または2である。
【0015】
いくつかの実施形態では、式IVの化合物であり、Xは-C(R)(R)-である。いくつかの実施形態では、式IVの化合物であり、Xは-C(O)-である。
【0016】
別の態様では、式IVaの化合物、またはその薬学的に許容される塩が本明細書に記載される。
【0017】
【化5】
【0018】
いくつかの実施形態では、式IVaの化合物であり、RはHである。
【0019】
別の態様では、式IVbの化合物、またはその薬学的に許容される塩が本明細書に記載されている。
【0020】
【化6】
【0021】
いくつかの実施形態では、式IV、IVa、またはIVbの化合物であり、Rは、Hまたはメチルである。いくつかの実施形態では、式IV、IVa、またはIVbの化合物であり、RはHである。いくつかの実施形態では、式IV、IVa、またはIVbの化合物であり、R4aはHである。いくつかの実施形態では、式IV、IVa、またはIVbの化合物であり、RおよびRは、それぞれ独立して、HおよびOHから選択される。いくつかの実施形態では、式IV、IVa、またはIVbの化合物であり、RおよびRのうちの少なくとも一方はHである。いくつかの実施形態では、式IV、IVa、またはIVbの化合物であり、RおよびRは両方ともHである。いくつかの実施形態では、式IV、IVa、またはIVbの化合物であり、RはOHであり、RはHである。いくつかの実施形態では、式IV、IVa、またはIVbの化合物であり、nは0である。いくつかの実施形態では、式IV、IVa、またはIVbの化合物であり、nは1である。
【0022】
別の態様では、式IIの化合物、またはその薬学的に許容される塩が本明細書に記載され、
【0023】
【化7】
式中、
、Z、およびZは、それぞれ独立して、O、S、N、またはCから選択され、環Eは、5員芳香環であり、
Qは、-CN、-C1-4アルキル-CN、-Cy、-C1-4アルキル-Cy、-CF、またはC1-4アルキル-CFであり、
Xは、-C(R)(R)-、-C(O)-、または-C(=N-OH)-であり、
は、Hであり、
は、HまたはC1-4アルキルであり、
、R、およびR4aは、それぞれ独立して、H、ハロ、およびC1-4アルキルから選択され、
各Rは独立して、H、ハロ、およびC1-4アルキルから選択され、Rは、炭素原子に結合し、
が-O-、-S-、または-N=である場合、Rは存在せず、
が-O-、-S-、または-N=である場合、Rは存在せず、
が-O-、-S-、または-N=である場合、R4aは存在せず、
およびRは、それぞれ独立して、H、-OR、-NR、C1-4アルキル、およびC1-4ハロアルキルから選択され、
Cyは、C6-10アリール、C3-7シクロアルキル、5~6員ヘテロアリール、および4~7員ヘテロシクロアルキルから選択され、それぞれが、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される、1、2、3、4、または5個のRcy置換基によって任意選択で置換され、
あるいは、2つの隣接するRcy置換基は、それらが結合している原子と一緒になって、縮合フェニル、C3-7シクロアルキル、5~6員ヘテロアリール、または4~7員ヘテロシクロアルキル環を形成し、それぞれが、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される、1、2、3、4、または5個の置換基によって任意選択で置換され、
各R、R、R、およびRは、独立して、H、C1-4アルキル、およびC1-4ハロアルキルから選択され、上記C1-4アルキルは、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、およびC1-4ハロアルコキシから独立して選択される、1、2、または3個の置換基によって任意選択で置換され、
各Rは独立して、H、C1-4アルキル、およびCNから選択され、
nは、0、1、または2であり、ならびに
mは、1または2であり、
ここで、化合物は、
【0024】
【化8】
以外のものである。
【0025】
いくつかの実施形態では、式IIの化合物であり、Xは-C(R)(R)-である。いくつかの実施形態では、式IIの化合物であり、Xは-C(O)-である。いくつかの実施形態では、式IIの化合物であり、Xは-C(=N-OH)-である。
【0026】
別の態様では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩が本明細書に記載され、
【0027】
【化9】
式中、
、Z、およびZは、それぞれ独立して、O、S、N、またはCから選択され、環Eは、5員芳香環であり、
Qは、-CN、-C1-4アルキル-CN、-Cy、-C1-4アルキル-Cy、-CF、またはC1-4アルキル-CFであり、
は、Hであり、
は、HまたはC1-4アルキルであり、
、R、およびR4aは、それぞれ独立して、H、ハロ、およびC1-4アルキルから選択され、
各Rは独立して、H、ハロ、およびC1-4アルキルから選択され、Rは、炭素原子に結合し、
が-O-、-S-、または-N=である場合、Rは存在せず、
が-O-、-S-、または-N=である場合、Rは存在せず、
が-O-、-S-、または-N=である場合、R4aは存在せず、
およびRは、それぞれ独立して、H、OH、およびC1-4アルキルから選択され、
Cyは、C6-10アリール、C3-7シクロアルキル、5~6員ヘテロアリール、および4~7員ヘテロシクロアルキルから選択され、それぞれが、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される、1、2、3、4、または5個のRcy置換基によって任意選択で置換され、
あるいは、2つの隣接するRcy置換基は、それらが結合している原子と一緒になって、縮合フェニル、C3-7シクロアルキル、5~6員ヘテロアリール、または4~7員ヘテロシクロアルキル環を形成し、それぞれが、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される、1、2、3、4、または5個の置換基によって任意選択で置換され、
各R、R、R、およびRは、独立して、H、C1-4アルキル、およびC1-4ハロアルキルから選択され、上記C1-4アルキルは、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、およびC1-4ハロアルコキシから独立して選択される、1、2、または3個の置換基を用いて任意選択で置換され、
各Rは独立して、H、C1-4アルキル、およびCNから選択され、
nは、0、1、または2であり、ならびに
mは、1または2であり、
ここで、化合物は、
【0028】
【化10】
以外のものである。
【0029】
いくつかの実施形態では、式IまたはIIの化合物は、式IIa、IIb、IIc、IId、またはIIeの構造を有する化合物である。
【0030】
【化11】
【0031】
いくつかの実施形態では、式IまたはIIの化合物は、式IIaの構造を有する化合物である。
【0032】
【化12】
【0033】
いくつかの実施形態では、式I、II、IIa、IIb、IIc、IId、またはIIeの化合物であり、Rは、Hまたはメチルである。いくつかの実施形態では、式I、II、IIa、IIb、IIc、IId、またはIIeの化合物であり、RはHである。いくつかの実施形態では、式I、II、IIa、IIb、IIc、IId、またはIIeの化合物であり、RはHである。いくつかの実施形態では、式I、II、IIa、IIb、IIc、IId、またはIIeの化合物であり、RはHである。いくつかの実施形態では、式I、II、IIa、IIb、IIc、IId、またはIIeの化合物であり、R4aはHである。いくつかの実施形態では、式I、II、IIa、IIb、IIc、IId、またはIIeの化合物であり、RはHである。いくつかの実施形態では、式I、II、IIa、IIb、IIc、IId、またはIIeの化合物であり、RおよびRは、それぞれ独立して、HおよびOHから選択される。いくつかの実施形態では、式I、II、IIa、IIb、IIc、IId、またはIIeの化合物であり、RおよびRの少なくとも一方はHである。いくつかの実施形態では、式I、II、IIa、IIb、IIc、IId、またはIIeの化合物であり、RおよびRは両方ともHである。いくつかの実施形態では、式I、II、IIa、IIb、IIc、IId、またはIIeの化合物であり、RはOHであり、RはHである。いくつかの実施形態では、式II、IIa、IIb、IIc、IId、またはIIeの化合物であり、Rは-ORであり、RはHである。いくつかの実施形態では、式II、IIa、IIb、IIc、IId、またはIIeの化合物であり、Rは-ORであり、RはC1-4アルキルであり、RはHである。いくつかの実施形態では、式II、IIa、IIb、IIc、IId、またはIIeの化合物であり、Rは-OCHであり、RはHである。いくつかの実施形態では、式I、II、IIa、IIb、IIc、IId、またはIIeの化合物であり、RはNRであり、RはHである。いくつかの実施形態では、式I、II、IIa、IIb、IIc、IId、またはIIeの化合物であり、RはHである。いくつかの実施形態では、式I、II、IIa、IIb、IIc、IId、またはIIeの化合物であり、Qは、-CNまたは-C1-4アルキル-CNである。いくつかの実施形態では、式I、II、IIa、IIb、IIc、IId、またはIIeの化合物であり、Qは-CNである。いくつかの実施形態では、式I、II、IIa、IIb、IIc、IId、またはIIeの化合物であり、Qは-CFまたはC1-4アルキル-CFである。いくつかの実施形態では、式I、II、IIa、IIb、IIc、IId、またはIIeの化合物であり、Qは-CFである。いくつかの実施形態では、式I、II、IIa、IIb、IIc、IId、またはIIeの化合物であり、Qは、-Cyまたは-C1-4アルキル-Cyである。いくつかの実施形態では、式I、II、IIa、IIb、IIc、IId、またはIIeの化合物であり、Qは-Cyである。いくつかの実施形態では、式I、II、IIa、IIb、IIc、IId、またはIIeの化合物であり、Cyは、C6-10アリールおよび5~6員ヘテロアリールから選択され、それぞれが、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される、1、2、3、4、または5個のRcy置換基によって任意選択で置換される。
いくつかの実施形態では、式I、II、IIa、IIb、IIc、IId、またはIIeの化合物であり、Cyは、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される、1個、2個、3個、または4個のRcy置換基によって任意選択で置換される5~6員ヘテロアリールから選択される。いくつかの実施形態では、式I、II、IIa、IIb、IIc、IId、またはIIeの化合物であり、Cyは、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される1個または2個のRcy置換基によって任意選択で置換される5員ヘテロアリールから選択される。いくつかの実施形態では、式I、II、IIa、IIb、IIc、IId、またはIIeの化合物であり、Cyは、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される、1個または2個のRcy置換基によって任意選択で置換されるチアゾイルから選択される。いくつかの実施形態では、式I、II、IIa、IIb、IIc、IId、またはIIeの化合物であり、Cyはチアゾイルである。いくつかの実施形態では、式I、II、IIa、IIb、IIc、IId、またはIIeの化合物であり、各Rcy置換基は、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、OR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、NR、NRC(O)R、NRS(O)、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される。いくつかの実施形態では、式I、II、IIa、IIb、IIc、IId、またはIIeの化合物であり、nは0である。いくつかの実施形態では、式I、II、IIa、IIb、IIc、IId、またはIIeの化合物であり、mは1である。いくつかの実施形態では、式I、II、IIa、IIb、IIc、IId、またはIIeの化合物であり、mは2である。
【0034】
本発明はさらに、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩、および少なくとも1つの薬学的に許容される担体を含む医薬組成物に関する。
【0035】
別の態様では、少なくとも1つの薬学的に許容される担体、および本明細書に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物である。
【0036】
本発明はさらに、SARM1を阻害する方法に関し、該方法は、SARM1を本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩と接触させる工程を含む。
【0037】
別の態様は、SARM1を阻害する方法であって、該方法は、SARM1を本明細書に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩と接触させる工程を含む。いくつかの実施形態では、SARM1を阻害する方法であって、該方法は、SARM1を本明細書に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩と接触させる工程を含み、接触はインビトロで行われる。いくつかの実施形態では、SARM1を阻害する方法であって、該方法は、SARM1を本明細書に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩と接触させる工程を含み、接触はインビボで行われる。
【0038】
本発明はさらに、軸索変性の阻害を必要とする患者において軸索変性を阻害する方法に関し、該方法は、患者に、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩を、阻害量で投与する工程を含む。
【0039】
別の態様では、軸索変性の阻害を必要とする患者において軸索変性を阻害する方法であって、該方法は、患者に、本明細書に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩を、阻害量で投与する工程を含む方法。いくつかの実施形態では、軸索変性の阻害を必要とする患者において軸索変性を阻害する方法であって、該方法は、患者に、本明細書に記載される化合物、またはその薬学的に許容される塩を、阻害量で投与する工程を含み、軸索変性は、軸索におけるNADの異常な減少または枯渇によって引き起こされる。
【0040】
本発明はさらに、神経障害の処置または予防を必要とする患者において神経障害を処置または予防する方法に関し、該方法は、患者に、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩を治療有効量で投与する工程を含む。
【0041】
別の態様は、神経障害の処置または予防を必要とする患者において神経障害を処置または予防する方法であって、該方法は、患者に、本明細書に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩を治療有効量で投与する工程を含む方法。いくつかの実施形態では、神経障害の処置または予防を必要とする患者において神経障害を処置または予防する方法であって、該方法は、患者に、本明細書に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩を治療有効量で投与する工程を含み、神経障害は、神経変性疾患である。
【0042】
本発明はさらに、神経障害の処置または予防を必要とする患者において神経障害を処置または予防する方法であって、該方法は、患者に、本発明に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩を、さらなる薬学的に活性な薬剤と組み合わせて、治療有効量で投与する工程を含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、神経障害の処置または予防を必要とする患者において神経障害を処置または予防する方法であって、該方法は、患者に、本明細書に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩を、さらなる薬学的に活性な薬剤と組み合わせて、治療有効量で投与する工程を含む、方法を提供する。
【0044】
本発明はさらに、神経障害の処置または予防を必要とする患者の神経障害の処置または予防における、本発明に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用に関する。
【0045】
本発明はさらに、神経障害の処置または予防を必要とする患者の神経障害を処置または予防するための薬剤の調製において使用するための、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【発明の詳細な説明】
【0046】
プログラムされた細胞死経路(例えば、アポトーシス)と同様に、損傷または疾患に反応した軸索変性は、損傷軸索セグメントの破壊を引き起こす局所シグナル伝達カスケードを刺激する(Summers D.W.,et al.,PNAS USA,2016 Oct 11,113(41):E6271-E6280)。損傷の後に、軸索骨格は崩壊し、軸索膜は分裂する。軸索変性に続き、ミエリン鞘は分解され、マクロファージによる浸潤が続き、マクロファージは、シュワン細胞と共に、変性から生じる細胞残屑を除去する(Coleman M.P.,et al.,PNAS USA,1998 Aug,95(17):9985-90)。
【0047】
SARM1(滅菌αおよびTIRモチーフ含有1)タンパク質(NP_055892)は、軸索変性に関与する724アミノ酸タンパク質である。これはまた、感染性障害および炎症性障害にも関与している。FLJ36296、KIAA0524、MyD88-5、SAMドメイン含有タンパク質2、およびSAMD2としても知られるSARM1タンパク質は、i)ミトコンドリア局在化シグナル、ii)アルマジロ/HEATモチーフからなる自己阻害性N末端領域、iii)多量体化に関与する2つの滅菌アルファモチーフ、およびiv)酵素活性を有するC末端Toll/インターロイキン-1受容体の4つのドメインを含む(Essuman K.,et al.,Neuron 2017 Mar,93(6):1334-43.e5)。
【0048】
SARM1タンパク質は、ワーラー変性経路において重要な役割を果たす。SARM1の活性化は、損傷した軸索の遠位部分におけるNADレベルの急速な低下(collapse)を誘発し、次いでこれは変性を受ける(Gerdts J.et al.,Science 2015 Apr.348(6233):453-57)。SARM1のToll/インターロイキン受容体(TIR)ドメインの二量体化の促進は、NAD損失および軸索変性を促進するのに充分であることが示されている。
【0049】
SARM1の活性は、NMKNAT酵素がNADのSARM1媒介性枯渇(SARM1-mediated depletion)を妨げることが見出されているので、生存因子NMNAT2の保護的性質に少なくとも部分的に関与している。MAPキナーゼ経路を含む他の変性促進シグナル伝達経路(pro-degeneration signaling pathway)は、SARM1活性化に関係付けられている。MAPKシグナル伝達は、SARM1活性化を促進するNMNAT2の喪失を促進することが示されている(例えば、Yang J.et al.,Cell 2015 Jan 160(1-2):161-76を参照されたい)。
【0050】
SARM1は、自然免疫反応に関与する。これは、ストレスおよび他の刺激に反応して神経細胞死を促進する。SARM1は、損傷後の軸索変性の活性化において極めて重要な役割を果たすTLR3依存性遺伝子およびTLR4依存性遺伝子の誘導を阻害することによって、TICAM1/TRIF依存性Toll様受容体シグナル伝達の負の調節因子として作用する。さらに、SARM1は、MYD88依存性経路または非TLRシグナル伝達に影響を及ぼすことなく、TICAM1/TRIF依存性転写因子活性化および遺伝子誘導を特異的に遮断する。これはまた、NF-κ-BおよびIRF活性化の負の調節因子でもある。
(例えば、Summers,D.W.Et al.,J Neurosci.,2014 Jul 9,34(28):9338-50を参照のこと)。
【0051】
いくつかの実施形態では、本発明は、SARM1の阻害剤を提供する。SARM1活性化は、損傷した軸索においてNADレベルの急速な低下を引き起こし得、これは、次に、変性を経験する。特定の実施形態では、化合物は、NADの減少または枯渇(例えば、SARM1 NADアーゼの阻害)から生じる軸索変性を含む軸索変性を阻害する。
【0052】
本明細書にさらに記載されるのは、活性部位SARM1 NADヒドロラーゼ阻害剤である。いくつかの態様では、本明細書に記載される阻害剤は、触媒ポケットにおいて作用するが、基質結合と直接競合しない。いくつかの態様では、阻害剤は、NAD加水分解反応を日和見的に遮断し(opportunistically intercepting)、かつ反応生成物アデノシンジホスフェートリボース(ADPR)との共有結合性コンジュゲーションを受けることによって機能する非競合的プロ阻害剤である。いくつかの実施形態では、得られた小分子-ADPRアダクトは、インビボで軸索保護のようなノックアウトを付与し、翻訳可能なバイオマーカー神経フィラメント光のレベルを低下させ、機能的保護を付与する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるのは、SARM1だけでなく、年齢に関連した低下および疾患に関係付けられる、関連NADヒドロラーゼのより広範なパネルに関する意味を有する薬理学的阻害の様式である。
【0053】
化合物
その薬学的に許容される塩、活性代謝産物、および薬学的に許容される溶媒和物を含む、本明細書に記載の化合物は、SARM1の阻害剤である。
【0054】
本発明は、式Iの化合物
【0055】
【化13】
またはその薬学的に許容される塩などの、SARM1の阻害剤に関し、
式中、
、Z、およびZは、それぞれ独立して、O、S、N、またはCから選択され、環Eは、5員芳香環であり、
Qは、-CN、-C1-4アルキル-CN、-Cy、-C1-4アルキル-Cy、-CF、またはC1-4アルキル-CFであり、
は、Hであり、
は、HまたはC1-4アルキルであり、
、R、およびR4aは、それぞれ独立して、H、ハロ、およびC1-4アルキルから選択され、
各Rは独立して、H、ハロ、およびC1-4アルキルから選択され、Rは、炭素原子に結合し、
が-O-、-S-、または-N=である場合、Rは存在せず、
が-O-、-S-、または-N=である場合、Rは存在せず、
が-O-、-S-、または-N=である場合、R4aは存在せず、
およびRは、それぞれ独立して、H、OH、およびC1-4アルキルから選択され、
Cyは、C6-10アリール、C3-7シクロアルキル、5~6員ヘテロアリール、および4~7員ヘテロシクロアルキルから選択され、それぞれが、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される1、2、3、4、または5個のRcy置換基によって任意選択で置換され、
あるいは、2つの隣接するRcy置換基は、それらが結合している原子と一緒になって、縮合フェニル、C3-7シクロアルキル、5~6員ヘテロアリール、または4~7員ヘテロシクロアルキル環を形成し、それぞれが、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される1、2、3、4、または5個の置換基によって任意選択で置換され、
各R、R、R、およびRは、独立して、H、C1-4アルキル、およびC1-4ハロアルキルから選択され、上記C1-4アルキルは、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、およびC1-4ハロアルコキシから独立して選択される1、2、または3個の置換基よって任意選択で置換され、
各Rは独立して、H、C1-4アルキル、およびCNから選択され、
nは、0、1、または2であり、ならびに
mは、1または2である。
いくつかの実施形態では、化合物は、
【0056】
【化14】
以外のものである。
【0057】
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は式IIa、IIb、IIc、IId、またはIIeを有する。
【0058】
【化15】
【0059】
いくつかの実施形態では、環Eは、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、チアゾール、イソオキサゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、フラン、およびチオフェンから選択される5員芳香環である。いくつかの実施形態では、環Eは、ピロール、イミダゾール、トリアゾール、およびチアゾールから選択される5員芳香環である。
【0060】
いくつかの実施形態では、Rは、Hまたはメチルである。いくつかの実施形態では、RはHである。
【0061】
いくつかの実施形態では、RはHである。
【0062】
いくつかの実施形態では、RはHである。
【0063】
いくつかの実施形態では、R4aはHである。
【0064】
いくつかの実施形態では、各RはHである。
【0065】
いくつかの実施形態では、RおよびRは、それぞれ独立して、HおよびOHから選択される。いくつかの実施形態では、RおよびRの少なくとも1つはHである。いくつかの実施形態では、RおよびRは両方ともHである。
【0066】
いくつかの実施形態では、Qは、-CN、-C1-4アルキル-CN、-CF、またはC1-4アルキル-CFである。いくつかの実施形態では、Qは、-CNまたは-C1-4アルキル-CNである。いくつかの実施形態では、Qは-CNである。いくつかの実施形態では、Qは、-CFまたはC1-4アルキル-CFである。いくつかの実施形態では、Qは-CFである。いくつかの実施形態では、Qは、-Cyまたは-C1-4アルキル-Cyである。いくつかの実施形態では、Qは-Cyである。
【0067】
いくつかの実施形態では、Cyは、C6-10アリールおよび5~6員ヘテロアリールから選択され、それぞれが、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される、1、2、3、4、または5個のRcy置換基によって任意選択で置換される。
【0068】
いくつかの実施形態では、Cyは、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される、1、2、3、または4個のRcy置換基によって任意選択で置換される5~6員ヘテロアリールから選択される。
【0069】
いくつかの実施形態では、Cyは、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される、1個または2個のRcy置換基によって任意選択で置換される5員のヘテロアリールから選択される。
【0070】
いくつかの実施形態では、Cyは、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される、1個または2個のRcy置換基によって任意選択で置換されるチアゾイルから選択される。
【0071】
いくつかの実施形態では、Cyはチアゾイルである。
【0072】
いくつかの実施形態では、各Rcy置換基は、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、OR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、NR、NRC(O)R、NRS(O)、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される。
【0073】
いくつかの実施形態では、nは0である。いくつかの実施形態では、nは1である。いくつかの実施形態では、nは2である。
【0074】
いくつかの実施形態では、mは1である。いくつかの実施形態では、mは2である。
【0075】
いくつかの実施形態では、この化合物は、式IIIa、IIIb、IIIc、IIIdまたはIIIeの化合物である。
【0076】
【化16】





【0077】
いくつかの実施形態では、式IIの化合物、またはその薬学的に許容される塩であるSARM1阻害剤が本明細書に記載され、
【0078】
【化17】
式中、
、Z、およびZは、それぞれ独立して、O、S、N、またはCから選択され、環Eは、5員芳香環であり、
Qは、-CN、-C1-4アルキル-CN、-Cy、-C1-4アルキル-Cy、-CF、またはC1-4アルキル-CFであり、
Xは、-C(R)(R)-、-C(O)-、または-C(=N-OH)-であり、
は、Hであり、
は、HまたはC1-4アルキルであり、
、R、およびR4aは、それぞれ独立して、H、ハロ、およびC1-4アルキルから選択され、
各Rは独立して、H、ハロ、およびC1-4アルキルから選択され、Rは、炭素原子に結合し、
が-O-、-S-、または-N=である場合、Rは存在せず、
が-O-、-S-、または-N=である場合、Rは存在せず、
が-O-、-S-、または-N=である場合、R4aは存在せず、
およびRは、それぞれ独立して、H、-OR、-NR、C1-4アルキル、およびC1-4ハロアルキルから選択され、
Cyは、C6-10アリール、C3-7シクロアルキル、5~6員ヘテロアリール、および4~7員ヘテロシクロアルキルから選択され、それぞれが、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される1、2、3、4、または5個のRcy置換基によって任意選択で置換され、
あるいは、2つの隣接するRcy置換基は、それらが結合している原子と一緒になって、縮合フェニル、C3-7シクロアルキル、5~6員ヘテロアリール、または4~7員ヘテロシクロアルキル環を形成し、それぞれが、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される1、2、3、4、または5個の置換基によって任意選択で置換され、
各R、R、R、およびRは、独立して、H、C1-4アルキル、およびC1-4ハロアルキルから選択され、上記C1-4アルキルは、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、およびC1-4ハロアルコキシから独立して選択される1、2、または3個の置換基によって任意選択で置換され、
各Rは独立して、H、C1-4アルキル、およびCNから選択され、
nは、0、1、または2であり、ならびに
mは、1または2であり、
ここで、化合物は、
【0079】
【化18】
以外のものである。
【0080】
いくつかの実施形態では、式IIの化合物であり、Xは-C(R)(R)-である。いくつかの実施形態では、式IIの化合物であり、Xは-C(O)-である。いくつかの実施形態では、式IIの化合物であり、Xは-C(R)(R)-であり、mは1である。いくつかの実施形態では、式IIの化合物であり、Xは-C(R)(R)-であり、mは2である。いくつかの実施形態では、式IIの化合物であり、RおよびRは、それぞれ独立して、HおよびOHから選択される。いくつかの実施形態では、式IIの化合物であり、少なくとも1つのRおよびRは、Hである。いくつかの実施形態では、式IIの化合物であり、RおよびRは、両方ともHである。いくつかの実施形態では、式IIの化合物であり、RはOHであり、RはHである。いくつかの実施形態では、式IIの化合物であり、Rは-ORであり、RはHである。いくつかの実施形態では、式IIの化合物であり、Rは-ORであり、RはC1-4アルキルであり、RはHである。いくつかの実施形態では、式IIの化合物であり、Rは-OCHであり、RはHである。いくつかの実施形態では、式IIの化合物であり、RはNRであり、RはHである。いくつかの実施形態では、式IIの化合物であり、RはNHであり、RはHである。
【0081】
いくつかの実施形態では、式IIの化合物であり、Xは-C(O)-である。いくつかの実施形態では、式IIの化合物であり、Xは-C(O)-であり、mは1である。
【0082】
いくつかの実施形態では、式IIの化合物であり、Xは-C(=N-OH)-である。いくつかの実施形態では、式IIの化合物であり、Xは-C(=N-OH)-であり、mは1である。
【0083】
いくつかの実施形態では、式IIの化合物であり、Qは、-CNまたは-C1-4アルキル-CNである。いくつかの実施形態では、式IIの化合物であり、Qは-CNである。いくつかの実施形態では、式IIの化合物であり、Qは-C1-4アルキル-CNである。
【0084】
いくつかの実施形態では、式IIの化合物であり、Qは、-CFまたはC1-4アルキル-CFである。いくつかの実施形態では、式IIの化合物であり、Qは-CFである。いくつかの実施形態では、式IIの化合物であり、QはC1-4アルキル-CFである。
【0085】
いくつかの実施形態では、式IIの化合物であり、Qは、-Cyまたは-C1-4アルキル-Cyである。いくつかの実施形態では、式IIの化合物であり、Qは-Cyである。いくつかの実施形態では、式IIの化合物であり、Qは-C1-4アルキル-Cyである。
【0086】
いくつかの実施形態では、式IIの化合物であり、Qは-Cyであり、Cyは、C6-10アリールおよび5~6員ヘテロアリールから選択され、それぞれが、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される1、2、3、4、または5個のRcy置換基によって任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、式IIの化合物であり、Qは-Cyであり、Cyは、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される1個、2個、3個、または4個のRcy置換基によって任意選択で置換される5~6員ヘテロアリールから選択される。いくつかの実施形態では、式IIの化合物であり、Qは-Cyであり、Cyは、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される1または2個のRcy置換基によって任意選択で置換される5員ヘテロアリールから選択される。いくつかの実施形態では、式IIの化合物であり、Qは-Cyであり、Cyは、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される1個または2個のRcy置換基によって任意選択で置換されるチアゾイルである。いくつかの実施形態では、式IIの化合物であり、Qは-Cyであり、Cyは、1または2個のRcy置換基によって任意選択で置換されたチアゾイルであり、各Rcy置換基は、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、OR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、NR、NRC(O)R、NRS(O)、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される。
【0087】
いくつかの実施形態では、式IIの化合物であり、Qは-Cyであり、Cyは非置換チアゾイルである。
【0088】
いくつかの実施形態では、式IIの化合物であり、nは0である。いくつかの実施形態では、式IIの化合物であり、nは1である。いくつかの実施形態では、式IIの化合物であり、nは2である。
【0089】
いくつかの実施形態では、式IIの化合物であり、Rは、Hまたはメチルである。いくつかの実施形態では、式IIの化合物であり、RはHである。いくつかの実施形態では、式IIの化合物であり、Rはメチルである。
【0090】
いくつかの実施形態では、式IIaの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩が本明細書に記載され、
【0091】
【化19】
式中、
Qは、-Cy、-C1-4アルキル-Cy、-CF、またはC1-4アルキル-CFであり、
は、Hであり、
は、HまたはC1-4アルキルであり、
およびR4aは、それぞれ独立して、H、ハロ、およびC1-4アルキルから選択され、
各Rは独立して、H、ハロ、およびC1-4アルキルから選択され、Rは、炭素原子に結合し、
およびRは、それぞれ独立して、H、-OR、-NR、C1-4アルキル、およびC1-4ハロアルキルから選択され、
Cyは、C6-10アリール、C3-7シクロアルキル、5~6員ヘテロアリール、および4~7員ヘテロシクロアルキルから選択され、それぞれが、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される1、2、3、4、または5個のRcy置換基によって任意選択で置換され、
あるいは、2つの隣接するRcy置換基は、それらが結合している原子と一緒になって、縮合フェニル、C3-7シクロアルキル、5~6員ヘテロアリール、または4~7員ヘテロシクロアルキル環を形成し、それぞれが、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される1、2、3、4、または5個の置換基によって任意選択で置換され、
各R、R、R、およびRは、独立して、H、C1-4アルキル、およびC1-4ハロアルキルから選択され、上記C1-4アルキルは、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、およびC1-4ハロアルコキシから独立して選択される1、2、または3個の置換基によって任意選択で置換され、
各Rは独立して、H、C1-4アルキル、およびCNから選択され、
nは、0、1、または2であり、ならびに
mは、1または2である。
【0092】
いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、Rは、HおよびC1-4アルキルから選択される。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、RはHである。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、RはC1-4アルキルである。
【0093】
いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、R4aは、HおよびC1-4アルキルから選択される。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、R4aはHである。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、R4aはC1-4アルキルである。
【0094】
いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、mは1である。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、mは2である。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、RおよびRは、それぞれ独立して、HおよびOHから選択される。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、少なくとも1つのRおよびRはHである。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、RおよびRは、両方ともHである。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、RはOHであり、RはHである。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、Rは-ORであり、RはHである。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、Rは-ORであり、RはC1-4アルキルであり、RはHである。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、Rは-OCHであり、RはHである。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、RはNRであり、RはHである。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、RはNHであり、RはHである。
【0095】
いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、Qは、-CFまたはC1-4アルキル-CFである。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、Qは-CFである。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、QはC1-4アルキル-CFである。
【0096】
いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、Qは、-Cyまたは-C1-4アルキル-Cyである。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、Qは-Cyである。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、Qは-C1-4アルキル-Cyである。
【0097】
いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、Qは-Cyであり、Cyは、C6-10アリールおよび5~6員ヘテロアリールから選択され、それぞれが、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される1、2、3、4、または5個のRcy置換基によって任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、Qは-Cyであり、Cyは、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される1、2、3、または4個のRcy置換基によって任意選択で置換される5~6員ヘテロアリールから選択される。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、Qは-Cyであり、Cyは、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される1または2個のRcy置換基によって任意選択で置換される5員ヘテロアリールから選択される。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、Qは-Cyであり、Cyは、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される1個または2個のRcy置換基によって任意選択で置換されるチアゾイルである。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、Qは-Cyであり、Cyは、1または2個のRcy置換基によって任意選択で置換されたチアゾイルであり、各Rcy置換基は、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、OR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、NR、NRC(O)R、NRS(O)、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される。
【0098】
いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、Qは-Cyであり、Cyは非置換チアゾイルである。
【0099】
いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、nは0である。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、nは1である。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、nは2である。
【0100】
いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、Rは、Hまたはメチルである。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、RはHである。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物であり、Rはメチルである。
【0101】
いくつかの実施形態では、
4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン、
4-((2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン、
2-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)アセトニトリル、
3-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)プロパンニトリル、
rac-4-(1-(2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)エチル)ピリジン、
(R)-4-(1-(2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)エチル)ピリジン、
(S)-4-(1-(2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)エチル)ピリジン、
5-((4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)メチル)チアゾール、
4-((5-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)ピリジン、
2-(ピリジン-4-イルメチル)-4-(2,2,2-トリフルオロエチル)チアゾール、
4-(ピリジン-4-イルメチル)-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)チアゾール、
rac-4-(1-(5-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピロール-2-イル)エチル)ピリジン、
(S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール、
(R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール、
2,2,2-トリフルオロ-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オン、
(E/Z)-2,2,2-トリフルオロ-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オンオキシム、
4-((5-メチル-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン、
(S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-アミン、
(R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-アミン、
(S)-2,2,2-トリフルオロ-N-メチル-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-アミン、
(R)-2,2,2-トリフルオロ-N-メチル-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-アミン、
(S)-2,2,2-トリフルオロ-N,N-ジメチル-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-アミン、
(R)-2,2,2-トリフルオロ-N,N-ジメチル-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-アミン、
(E/Z)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)チアゾール-2-イル)エタン-1-オンオキシム、
(R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)チアゾール-2-イル)エタン-1-アミン、
(S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)チアゾール-2-イル)エタン-1-アミン、
(S)-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-5-イル)メタノール、
(R)-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-5-イル)メタノール、
(5-((3-メチルピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-5-イル)メタノール、
3,5-ジクロロ-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)ピリジン、
1-(4-((3-クロロピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)-2,2,2-トリフルオロエタン-1-オール、
(S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((S)-1-(ピリジン-4-イル)エチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール、
(R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((S)-1-(ピリジン-4-イル)エチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール、
(S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((R)-1-(ピリジン-4-イル)エチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール、
(R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((R)-1-(ピリジン-4-イル)エチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール、
3-メチル-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン、
(R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)-1-(チアゾール-5-イル)エタン-1-オール、ならびに
(S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)-1-(チアゾール-5-イル)エタン-1-オール
から選択される化合物、またはそれらのいずれかの薬学的に許容される塩である。
【0102】
いくつかの実施形態では、
3-クロロ-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン、
2-クロロ-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン、
2-フルオロ-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン、
(S)-(5-((3-メチルピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-5-イル)メタノール、
(R)-(5-((3-メチルピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-5-イル)メタノール、
(R)-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-2-イル)メタノール、
(S)-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-2-イル)メタノール、
(R)-1,1,1-トリフルオロ-2-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)プロパン-2-オール、
(S)-1,1,1-トリフルオロ-2-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)プロパン-2-オール、
(S)-4-((2-(2,2,2-トリフルオロ-1-メトキシエチル)-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)ピリジン、
(R)-4-((2-(2,2,2-トリフルオロ-1-メトキシエチル)-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)ピリジン、
(R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(5-((2-フルオロピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール、
(S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(5-((2-フルオロピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール、
ピリジン-2-イル(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)メタノール、
3-フルオロ-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン、
(S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((3-メチルピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール、
(R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((3-メチルピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール、
(S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((3-フルオロピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール、
(R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((3-フルオロピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール、
1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)プロパン-2-オール、ならびに
1,1,1-トリフルオロ-2-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)プロパン-2-オール
から選択される化合物、またはそれらのいずれかの薬学的に許容される塩である。
【0103】
さらなる実施形態
実施形態1.式IIの化合物
【0104】
【化20】

またはその薬学的に許容される塩であって、
式中
、Z、およびZは、それぞれ独立して、O、S、N、またはCから選択され、環Eは、5員芳香環であり、
Qは、-CN、-C1-4アルキル-CN、-Cy、-C1-4アルキル-Cy、-CF、またはC1-4アルキル-CFであり、
Xは、-C(R)(R)-、-C(O)-、または-C(=N-OH)-であり、
は、Hであり、
は、HまたはC1-4アルキルであり、
、R、およびR4aは、それぞれ独立して、H、ハロ、およびC1-4アルキルから選択され、
各Rは独立して、H、ハロ、およびC1-4アルキルから選択され、Rは、炭素原子に結合し、
が-O-、-S-、または-N=である場合、Rは存在せず、
が-O-、-S-、または-N=である場合、Rは存在せず、
が-O-、-S-、または-N=である場合、R4aは存在せず、
およびRは、それぞれ独立して、H、-OR、-NR、C1-4アルキル、およびC1-4ハロアルキルから選択され、
Cyは、C6-10アリール、C3-7シクロアルキル、5~6員ヘテロアリール、および4~7員ヘテロシクロアルキルから選択され、それぞれが、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される1、2、3、4、または5個のRcy置換基によって任意選択で置換され、
あるいは、2つの隣接するRcy置換基は、それらが結合している原子と一緒になって、縮合フェニル、C3-7シクロアルキル、5~6員ヘテロアリール、または4~7員ヘテロシクロアルキル環を形成し、それぞれが、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される1、2、3、4、または5個の置換基によって任意選択で置換され、
各R、R、R、およびRは、独立して、H、C1-4アルキル、およびC1-4ハロアルキルから選択され、上記C1-4アルキルは、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、およびC1-4ハロアルコキシから独立して選択される1、2、または3個の置換基によって任意選択で置換され、
各Rは独立して、H、C1-4アルキル、およびCNから選択され、
nは、0、1、または2であり、ならびに
mは、1または2であり、
ここで、化合物は、
【0105】
【化21】
以外のものである。
実施形態2.Xが-C(R)(R)-である、実施形態1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態3.Xが-C(O)-である、実施形態1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態4.式Iの化合物
【0106】
【化22】
またはその薬学的に許容される塩であって、
式中
、Z、およびZは、それぞれ独立して、O、S、N、またはCから選択され、環Eは、5員芳香環であり、
Qは、-CN、-C1-4アルキル-CN、-Cy、-C1-4アルキル-Cy、-CF、またはC1-4アルキル-CFであり、
は、Hであり、
は、HまたはC1-4アルキルであり、
、R、およびR4aは、それぞれ独立して、H、ハロ、およびC1-4アルキルから選択され、
各Rは独立して、H、ハロ、およびC1-4アルキルから選択され、、Rは、炭素原子に結合しており、
が-O-、-S-、または-N=である場合、Rは存在せず、
が-O-、-S-、または-N=である場合、Rは存在せず、
が-O-、-S-、または-N=である場合、R4aは存在せず、
およびRは、それぞれ独立して、H、OH、およびC1-4アルキルから選択され、
Cyは、C6-10アリール、C3-7シクロアルキル、5~6員ヘテロアリール、および4~7員ヘテロシクロアルキルから選択され、それぞれが、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される1、2、3、4、または5個のRcy置換基によって任意選択で置換され、
あるいは、2つの隣接するRcy置換基は、それらが結合している原子と一緒になって、縮合フェニル、C3-7シクロアルキル、5~6員ヘテロアリール、または4~7員ヘテロシクロアルキル環を形成し、それぞれが、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される1、2、3、4、または5個の置換基によって任意選択で置換され、
各R、R、R、およびRは、独立して、H、C1-4アルキル、およびC1-4ハロアルキルから選択され、上記C1-4アルキルは、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、およびC1-4ハロアルコキシから独立して選択される、1、2、または3個の置換基によって任意選択で置換され、
各Rは独立して、H、C1-4アルキル、およびCNから選択され、
nは、0、1、または2であり、ならびに
mは、1または2であり、
ここで、化合物は、
【0107】
【化23】
以外のものである。
実施形態5.式IIa、IIb、IIc、IId、もしくはIIeを有する実施形態1または実施形態4に記載の化合物、もしくはその薬学的に許容される塩。
【0108】
【化24】

実施形態6.式IIaを有する、実施形態5に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0109】
【化25】
実施形態7.Rが、Hまたはメチルである、実施形態1~6のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態8.RがHである、実施形態1~7のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態9.RがHである、実施形態1~8のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態10.RがHである、実施形態1~9のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態11.R4aがHである、実施形態1~10のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態12.各RがHである、実施形態1~11のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態13.RおよびRが、それぞれ独立して、HおよびOHから選択される、実施形態1~12のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態14.RおよびRの少なくとも一方がHである、実施形態1~13のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態15.RおよびRが両方ともHである、実施形態1~13のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態16.RがOHであり、RがHである、実施形態1~13のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態17.RがNRであり、RがHである、実施形態1~13のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態18.RがNHであり、RがHである、実施形態17に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態19.Qが、-CNまたは-C1-4アルキル-CNである、実施形態1~18のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態20.Qが-CNである、実施形態1~18のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態21.Qが、-CFまたはC1-4アルキル-CFである、実施形態1~18のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態22.Qが-CFである、実施形態1~18のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態23.Qが、-Cyまたは-C1-4アルキル-Cyである、実施形態1~18のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態24.Qが-Cyである、実施形態1~18のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態25.Cyが、C6-10アリールおよび5~6員ヘテロアリールから選択され、それぞれが、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される、1、2、3、4、または5個のRcy置換基によって任意選択で置換される、実施形態1~18、23、および24のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態26.Cyが、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される1、2、3、または4個のRcy置換基によって任意選択で置換されている5~6員ヘテロアリールから選択される、実施形態1~18、23、および24のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態27.Cyが、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される1個または2個のRcy置換基によって任意選択で置換される5員ヘテロアリールから選択される、実施形態1~18、23、および24のいずれか1つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態28.Cyが、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される1個または2個のRcy置換基によって任意選択で置換されるチアゾイルである、実施形態1~18、23、および24のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態29.Cyが、非置換チアゾイルである、実施形態1~18、23、および24のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態30.各Rcy置換基が、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、OR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、NR、NRC(O)R、NRS(O)、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される、実施形態1~18および23~28のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態31.nが0である、実施形態1~30のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態32.mが1である、実施形態1~31のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態33.mが2である、実施形態1~31のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態34.
4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン、
4-((2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン、
2-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)アセトニトリル、
3-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)プロパンニトリル、
rac-4-(1-(2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)エチル)ピリジン、
(R)-4-(1-(2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)エチル)ピリジン、
(S)-4-(1-(2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)エチル)ピリジン、
5-((4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)メチル)チアゾール、
2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタノール、
4-((5-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)ピリジン、
2-(ピリジン-4-イルメチル)-4-(2,2,2-トリフルオロエチル)チアゾール、
4-(ピリジン-4-イルメチル)-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)チアゾール、
rac-4-(1-(5-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピロール-2-イル)エチル)ピリジン、
(S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール、
(R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール(12a)、
2,2,2-トリフルオロ-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オン塩酸塩、
(E/Z)-2,2,2-トリフルオロ-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オンオキシム、
4-((5-メチル-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン、
(S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタンアミン、
(R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタンアミン、
(S)-2,2,2-トリフルオロ-N-メチル-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-アミン、
(R)-2,2,2-トリフルオロ-N-メチル-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-アミン、
(S)-2,2,2-トリフルオロ-N,N-ジメチル-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-アミン、
(R)-2,2,2-トリフルオロ-N,N-ジメチル-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-アミン、
(E/Z)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)チアゾール-2-イル)エタン-1-オンオキシム、
(R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)チアゾール-2-イル)エタン-1-アミン、
(S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル) チアゾール-2-イル)エタン-1-アミン、
(S)-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-5-イル)メタノール、
(R)-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-5-イル)メタノール、
(5-((3-メチルピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-5-イル)メタノール、
3,5-ジクロロ-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)ピリジン、
1-(4-((3-クロロピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)-2,2,2-トリフルオロエタン-1-オール、
(1R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(1-(ピリジン-4-イル)エチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール、
(S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((S)-1-(ピリジン-4-イル)エチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール、
3-メチル-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン、
(R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)-1-(チアゾール-5-イル)エタン-1-オール、ならびに
(S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)-1-(チアゾール-5-イル)エタン-1-オール、
から選択される、実施形態1に記載の化合物、またはそれらのいずれかの薬学的に許容される塩。
実施形態35.少なくとも1つの薬学的に許容される担体と、実施形態1~34のいずれか1つに記載の化合物または式Iの化合物
【0110】
【化26】
または薬学的に許容されるその塩と、を含む医薬組成物であって、
式中、
、Z、およびZは、それぞれ独立して、O、S、N、またはCから選択され、環Eは、5員芳香環であり、
Qは、-CN、-C1-4アルキル-CN、-Cy、-C1-4アルキル-Cy、-CF、またはC1-4アルキル-CFであり、
は、Hであり、
は、HまたはC1-4アルキルであり、
、R、およびR4aは、それぞれ独立して、H、ハロ、およびC1-4アルキルから選択され、
各Rは独立して、H、ハロ、およびC1-4アルキルから選択され、Rは、炭素原子に結合し、
が-O-、-S-、または-N=である場合、Rは存在せず、
が-O-、-S-、または-N=である場合、Rは存在せず、
が-O-、-S-、または-N=である場合、R4aは存在せず、
およびRは、それぞれ独立して、H、OH、およびC1-4アルキルから選択され、
Cyは、C6-10アリール、C3-7シクロアルキル、5~6員ヘテロアリール、および4~7員ヘテロシクロアルキルから選択され、それぞれが、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される、1、2、3、4、または5個のRcy置換基によって任意選択で置換され、
あるいは、2つの隣接するRcy置換基は、それらが結合している原子と一緒になって、縮合フェニル、C3-7シクロアルキル、5~6員ヘテロアリール、または4~7員ヘテロシクロアルキル環を形成し、それぞれが、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される1、2、3、4、または5個の置換基によって任意選択で置換され、
各R、R、R、およびRは、独立して、H、C1-4アルキル、およびC1-4ハロアルキルから選択され、上記C1-4アルキルは、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、およびC1-4ハロアルコキシから独立して選択される1、2、または3個の置換基によって任意選択で置換され、
各Rは独立して、H、C1-4アルキル、およびCNから選択され、
nは、0、1、または2であり、ならびに
mは、1または2である、
医薬組成物。
実施形態36.少なくとも1つの薬学的に許容される担体と、実施形態1~34のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩とを含む医薬組成物。
実施形態37.SARM1を阻害する方法であって、該方法が、SARM1を、実施形態1~34のいずれか1つに記載の化合物または式Iの化合物
【0111】
【化27】
またはその薬学的に許容される塩に接触させる工程を含み、
、Z、およびZは、それぞれ独立して、O、S、N、またはCから選択され、環Eは、5員芳香環であり、
Qは、-CN、-C1-4アルキル-CN、-Cy、-C1-4アルキル-Cy、-CF、またはC1-4アルキル-CFであり、
は、Hであり、
は、HまたはC1-4アルキルであり、
、R、およびR4aは、それぞれ独立して、H、ハロ、およびC1-4アルキルから選択され、
各Rは独立して、H、ハロ、およびC1-4アルキルから選択され、Rは、炭素原子に結合し、
が-O-、-S-、または-N=である場合、Rは存在せず、
が-O-、-S-、または-N=である場合、Rは存在せず、
が-O-、-S-、または-N=である場合、R4aは存在せず、
およびRは、それぞれ独立して、H、OH、およびC1-4アルキルから選択され、
Cyは、C6-10アリール、C3-7シクロアルキル、5~6員ヘテロアリール、および4~7員ヘテロシクロアルキルから選択され、それぞれが、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される1、2、3、4、または5個のRcy置換基によって任意選択で置換され、
あるいは、2つの隣接するRcy置換基は、それらが結合している原子と一緒になって、縮合フェニル、C3-7シクロアルキル、5~6員ヘテロアリール、または4~7員ヘテロシクロアルキル環を形成し、それぞれが、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される1、2、3、4、または5個の置換基によって任意選択で置換され、
各R、R、R、およびRは、独立して、H、C1-4アルキル、およびC1-4ハロアルキルから選択され、上記C1-4アルキルは、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、およびC1-4ハロアルコキシから独立して選択される1、2、または3個の置換基によって任意選択で置換され、
各Rは独立して、H、C1-4アルキル、およびCNから選択され、
nは、0、1、または2であり、ならびに
mは、1または2である、
方法。
実施形態38.SARM1を阻害する方法であって、該方法は、SARM1を、実施形態1~34のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩に接触させる工程を含む、方法。
実施形態39.接触させる工程がインビトロで行われる、実施形態37または実施形態38に記載の方法。
実施形態40.接触させる工程がインビボで行われる、実施形態37または実施形態38に記載の方法。
実施形態41.軸索変性の阻害を必要とする患者における軸索変性を阻害する方法であって、該方法は、患者に、実施形態1~34のいずれか1つに記載の化合物または式Iの化合物
【0112】
【化28】

またはその薬学的に許容される塩を、阻害量で投与する工程を含み、
、Z、およびZは、それぞれ独立して、O、S、N、またはCから選択され、環Eは、5員芳香環であり、
Qは、-CN、-C1-4アルキル-CN、-Cy、-C1-4アルキル-Cy、-CF、またはC1-4アルキル-CFであり、
は、Hであり、
は、HまたはC1-4アルキルであり、
、R、およびR4aは、それぞれ独立して、H、ハロ、およびC1-4アルキルから選択され、
各Rは独立して、H、ハロ、およびC1-4アルキルから選択され、Rは、炭素原子に結合し、
が-O-、-S-、または-N=である場合、Rは存在せず、
が-O-、-S-、または-N=である場合、Rは存在せず、
が-O-、-S-、または-N=である場合、R4aは存在せず、
およびRは、それぞれ独立して、H、OH、およびC1-4アルキルから選択され、
Cyは、C6-10アリール、C3-7シクロアルキル、5~6員ヘテロアリール、および4~7員ヘテロシクロアルキルから選択され、それぞれが、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される1、2、3、4、または5個のRcy置換基によって任意選択で置換され、
あるいは、2つの隣接するRcy置換基は、それらが結合している原子と一緒になって、縮合フェニル、C3-7シクロアルキル、5~6員ヘテロアリール、または4~7員ヘテロシクロアルキル環を形成し、それぞれが、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される1、2、3、4、または5個の置換基によって任意選択で置換され、
各R、R、R、およびRは、独立して、H、C1-4アルキル、およびC1-4ハロアルキルから選択され、上記C1-4アルキルは、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、およびC1-4ハロアルコキシから独立して選択される1、2、または3個の置換基によって任意選択で置換され、
各Rは独立して、H、C1-4アルキル、およびCNから選択され、
nは、0、1、または2であり、ならびに
mは、1または2である、
方法。
実施形態42.軸索変性の阻害を必要とする患者において軸索変性を阻害する方法であって、該方法は、患者に、実施形態1~34のいずれか1つに記載の化合物または薬学的に許容されるその塩を、阻害量で投与する工程を含む、方法。
実施形態43.軸索変性が、軸索におけるNAD+の異常な減少または枯渇によって引き起こされる、実施形態41または実施形態42に記載の方法
実施形態44.神経障害の処置または予防を必要とする患者において神経障害を処置または予防する方法であって、該方法は、患者に、実施形態1~34のいずれか1つに記載の化合物または式Iの化合物
【0113】
【化29】
またはその薬学的に許容される塩を治療有効量で投与する工程を含み、
、Z、およびZは、それぞれ独立して、O、S、N、またはCから選択され、環Eは、5員芳香環であり、
Qは、-CN、-C1-4アルキル-CN、-Cy、-C1-4アルキル-Cy、-CF、またはC1-4アルキル-CFであり、
は、Hであり、
は、HまたはC1-4アルキルであり、
、R、およびR4aは、それぞれ独立して、H、ハロ、およびC1-4アルキルから選択され、
各Rは独立して、H、ハロ、およびC1-4アルキルから選択され、Rは、炭素原子に結合し、
が-O-、-S-、または-N=である場合、Rは存在せず、
が-O-、-S-、または-N=である場合、Rは存在せず、
が-O-、-S-、または-N=である場合、R4aは存在せず、
およびRは、それぞれ独立して、H、OH、およびC1-4アルキルから選択され、
Cyは、C6-10アリール、C3-7シクロアルキル、5~6員ヘテロアリール、および4~7員ヘテロシクロアルキルから選択され、それぞれが、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される1、2、3、4、または5個のRcy置換基によって任意選択で置換され、
あるいは、2つの隣接するRcy置換基は、それらが結合している原子と一緒に、縮合フェニル、C3-7シクロアルキル、5~6員ヘテロアリール、または4~7員ヘテロシクロアルキル環を形成し、それぞれが、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、C(O)R、C(O)NR、C(O)OR、OC(O)R、OC(O)NR、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、C(=NR)R、C(=NR)NR、NRC(=NR)NR、NRS(O)R、NRS(O)、NRS(O)NR、S(O)R、S(O)NR、S(O)、およびS(O)NRから独立して選択される1、2、3、4、または5個の置換基によって任意選択で置換され、
各R、R、R、およびRは、独立して、H、C1-4アルキル、およびC1-4ハロアルキルから選択され、上記C1-4アルキルは、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、およびC1-4ハロアルコキシから独立して選択される1、2、または3個の置換基によって任意選択で置換され、
各Rは独立して、H、C1-4アルキル、およびCNから選択され、
nは、0、1、または2であり、ならびに
mは、1または2である、方法。
実施形態45.神経障害の処置または予防を必要とする患者において神経障害を処置または予防する方法であって、該方法は、患者に、実施形態1~35のいずれか1つに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を治療有効量で投与する工程を含む、方法。
実施形態46.神経障害が神経変性疾患である、実施形態44または実施形態45に記載の方法。
実施形態47.患者に、実施形態1~35のいずれか1つの化合物またはその薬学的に許容される塩を、さらなる薬学的に活性な薬剤と組み合わせて、治療有効量で投与する工程を含む、実施形態44~46のいずれか1つに記載の方法。
【0114】
明確にするために別個の実施形態の文脈で説明される本発明の特定の特徴も、単一の実施形態で組み合わせて提供され得ることをさらに理解されたい。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈で説明される本発明の様々な特徴も、別々に、または任意の適切な部分的組み合わせ(subcombination)で提供され得る。
【0115】
本明細書の様々な箇所において、本発明の化合物の置換基は、群または範囲で開示される。本発明は、そのような群および範囲のメンバーのありとあらゆる個々の部分的組み合わせを含むことが具体的に意図される。例えば、「C1-6アルキル」という用語は、メチル、エチル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、およびCアルキルを個々に開示することを具体的に意図する。
【0116】
本明細書の様々な箇所において、様々なアリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、およびヘテロシクロアルキル環が記載される。別段の定めがない限り、これらの環は、原子価によって許容される任意の環員(ring members)において分子の残りに結合され得る。例えば、「ピリジニル」、「ピリジル」、または「ピリジン環」という用語は、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル環またはピリジン-4-イル環を指し得る。
【0117】
本明細書の様々な箇所において、二価(di-valent)または連結基が存在し得る。各連結基は、いずれかの方向に連結すると理解される。つまり、連結基が-A-B-と記載される場合、別段の指定がない限り、連結基は方向性が限定されず、-B-A-でもあり得ることが理解される。例えば、連結基がC(=O)-O-と記述される場合、それは、-O-C(=O)-も意味する。
【0118】
「n」が整数である場合、「n員(n-membered)」という用語は、典型的には、環形成原子(ring-forming atoms)の数が「n」である部分における環形成原子の数を記載する。例えば、ピペリジニルは6員ヘテロシクロアルキル環の例であり、ピラゾリルは5員ヘテロアリール環の例であり、ピリジルは6員ヘテロアリール環の例であり、1,2,3,4-テトラヒドロ-ナフタレンは10員シクロアルキル基の例である。
【0119】
可変(variable)が複数回出現する本発明の化合物について、各可変は、可変を定義する群から独立して選択される異なる部分であり得る。例えば、同じ化合物上に同時に存在する2つのR基を有する構造が記載される場合、2つのR基は、Rについて定義された基から独立して選択される異なる部分を表すことができる。
【0120】
本明細書で使用される場合、「任意選択で置換された(optionally substituted)」という語句は、非置換または置換を意味する。
【0121】
本明細書で使用される場合、「置換された(substituted)」という用語は、水素原子が非水素基によって置換されることを意味する。所与の原子における置換は、原子価によって限定されることを理解されたい。いくつかの実施形態では、オキソ(=O)で置換された原子は、オキソ置換基で置換された2個の水素原子を有する。
【0122】
本明細書で使用される場合、「Ci-j」という用語は、iおよびjが整数である場合、化学基と組み合わせて使用され、化学基中の炭素原子の数の範囲を指定し、i-jは範囲を定義する。例えば、C1-6アルキルは、1,2,3,4,5,または6個の炭素原子を有するアルキル基を指す。
【0123】
本明細書で使用される場合、「アルキル(alkyl)」という用語は、単独でまたは他の用語と組み合わせて使用され、直鎖または分岐鎖であり得る飽和炭化水素基を指す。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~7個、1~6個、1~4個、または1~3個の炭素原子を含有する。アルキル部分の例には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-メチル-1-ブチル、3-ペンチル、n-ヘキシル、1,2,2-トリメチルプロピル、n-ヘプチルなどの化学基が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、アルキル基は、メチル、エチル、またはプロピルである。いくつかの実施形態では、アルキル基はメチルである。
【0124】
本明細書で使用される場合、「ハロ(halo)」または「ハロゲン(halogen)」は、単独でまたは他の用語と組み合わせて使用され、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードを含む。いくつかの実施形態では、ハロは、FまたはClである。
【0125】
本明細書で使用される場合、「ハロアルキル(haloalkyl)」という用語は、単独でまたは他の用語と組み合わせて使用され、同じか、異なり得る、ハロゲン原子置換基(halogen atom substituents)の全原子価まで有するアルキル基を指す。いくつかの実施形態では、ハロゲン原子はフルオロ原子である。
いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~6個または1~4個の炭素原子を有する。
ハロアルキル基の例には、CF、C、CHF、CCl、CHCl、CClなどが含まれる。
【0126】
本明細書で使用される場合、「アルコキシ(alkoxy)」という用語は、単独でまたは他の用語と組み合わせて使用され、式-O-アルキルの基を指す。アルコキシ基の例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ(例えば、n-プロポキシおよびイソプロポキシ)、t-ブトキシなどが含まれる。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~6個または1~4個の炭素原子を有する。
【0127】
本明細書で使用される場合、「ハロアルコキシ(haloalkoxy)」は、単独でまたは他の用語と組み合わせて使用され、式-O-(ハロアルキル)の基を指す。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~6個または1~4個の炭素原子を有する。
ハロアルコキシ基の一例は-OCFである。
【0128】
本明細書で使用される場合、「アミノ(amino)」は、単独でまたは他の用語と組み合わせて使用され、NHを指す。
【0129】
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル(cycloalkyl)」という用語は、単独でまたは他の用語と組み合わせて使用され、環化アルキル基および環化アルケニル基を含む非芳香族環式炭化水素を指す。シクロアルキル基は、単環式または多環式(例えば、2、3、または4個の縮合環、架橋環、またはスピロ環を有する)環系を含むことができる。シクロアルキルの定義には、シクロアルキル環に縮合した(すなわち、共通の結合を有する)1つ以上の芳香環(例えば、アリールまたはヘテロアリール環)を有する部分、例えば、シクロペンタン、シクロヘキセン、シクロヘキサンなどのベンゾ誘導体、またはシクロペンタンまたはシクロヘキサンのピリド誘導体も含まれる。シクロアルキル基の環形成炭素原子は、オキソによって任意選択で置換され得る。シクロアルキル基はまた、シクロアルキリデンを含む。「シクロアルキル」という用語はまた、ブリッジヘッドシクロアルキル基(例えば、アドマンタン-1-イルなどの、少なくとも1つのブリッジヘッド炭素を含有する非芳香族環状炭化水素部分)およびスピロシクロアルキル基(例えば、スピロ[2.5]オクタンなどの、単一の炭素原子で縮合した少なくとも2つの環を含有する非芳香族炭化水素部分)を含む。いくつかの実施形態では、シクロアルキル基は、3~10個の環員、または3~7個の環員を有する。いくつかの実施形態では、シクロアルキル基は、単環式または二環式である。いくつかの実施形態では、シクロアルキル基は単環式である。いくつかの実施形態では、シクロアルキル基は、C3-7単環式シクロアルキル基である。シクロアルキル基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプタトリエニル、ノルボルニル、ノルピニル、ノルカルニル、テトラヒドロナフタレニル、オクタヒドロナフタレニル、インダニルなどが含まれる。いくつかの実施形態では、シクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルである。
【0130】
本明細書で使用される場合、「ヘテロシクロアルキル(heterocycloalkyl)」という用語は、単独でまたは他の用語と組み合わせて使用され、窒素、硫黄、酸素およびリンから独立して選択される少なくとも1つのヘテロ原子環員を有する環構造の一部として1つ以上のアルケニレンまたはアルキニレン基を任意選択で含有し得る、非芳香族環または環系を指す。ヘテロシクロアルキル基は、単環式または多環式(例えば、2、3、または4個の縮合環、架橋環またはスピロ環を有する)環系を含むことができる。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は、窒素、硫黄、および酸素から独立して選択される1、2、3、または4個のヘテロ原子を有する単環式基または二環式基である。ヘテロシクロアルキルの定義には、非芳香族ヘテロシクロアルキル環、例えば、1,2,3,4-テトラヒドロ-キノリンなどに縮合した(すなわち、共通の結合を有する)1つ以上の芳香族環(例えば、アリール環またはヘテロアリール環)を有する部分も含まれる。ヘテロシクロアルキル基はまた、ブリッジヘッドヘテロシクロアルキル基(例えば、アザアダマンタン-1-イルなどの、少なくとも1つのブリッジヘッド原子を含有するヘテロシクロアルキル部分、)およびスピロヘテロシクロアルキル基(例えば、[1,4-ジオキサ-8-アザ-スピロ[4.5]デカン-N-イル]などの、単一の原子において縮合した少なくとも2つの環を含有するヘテロシクロアルキル部分)を含むことができる。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は、3~10個の環形成原子、4~10個の環形成原子、または約3~8個の環形成原子を有する。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は、2~20個の炭素原子、2~15個の炭素原子、2~10個の炭素原子、または約2~8個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は、1~5個のヘテロ原子、1~4個のヘテロ原子、1~3個のヘテロ原子、または1~2個のヘテロ原子を有する。ヘテロシクロアルキル基の環中の炭素原子またはヘテロ原子は、酸化されてカルボニル、N-オキシド、もしくはスルホニル基(または他の酸化結合)を形成し得るか、または窒素原子は四級化され得る。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキル部分は、C2-7単環式ヘテロシクロアルキル基である。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は、モルホリン環、ピロリジン環、ピペラジン環、ピペリジン環、テトラヒドロピラン環、テトラヒドロピリジン、アゼチジン環、またはテトラヒドロフラン環である。
【0131】
本明細書で使用される場合、「アリール(aryl)」という用語は、単独でまたは他の用語と組み合わせて使用され、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチルなどの単環式または多環式(例えば、縮合環系)芳香族炭化水素部分を指すが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、アリール基は、6~10個の炭素原子または6個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、アリール基は、単環式基または二環式基である。いくつかの実施形態では、アリール基は、フェニルまたはナフチルである。いくつかの実施形態では、アリール基はフェニルである。
【0132】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール(heteroaryl)」という用語は、単独でまたは他の用語と組み合わせて使用され、窒素、硫黄、および酸素から独立して選択される1つ以上のヘテロ原子環員を有する、単環式または多環式(例えば、縮合環系)芳香族炭化水素部分を指す。いくつかの実施形態では、ヘテロアリール基は、窒素、硫黄、および酸素から独立して選択される1、2、3、または4個のヘテロ原子を有する単環式基または二環式基である。
【0133】
いくつかの実施形態では、ヘテロアリール基は、5~14員ヘテロアリール基である。
いくつかの実施形態では、ヘテロアリール基は、5~10員ヘテロアリール基である。
いくつかの実施形態では、ヘテロアリール基は、5~6員ヘテロアリール基である。
ヘテロアリール基の例には、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、フリル、チエニル、イミダゾリル、チアゾリル、インドリル、ピリル、オキサゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリニル、イソキサゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラアゾリル、インダゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、イソチアゾリル、プリニル、カルバゾリル、ベンゾイミダゾリル、インドリニル、ピロリル、アゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイソキサゾリル、イミダゾ[1,2-b]チアゾリルなどが含まれるが、これらに限定されない。ヘテロアリール基の環中の炭素原子またはヘテロ原子は、酸化されてカルボニル基、N-オキシド基、もしくはスルホニル基(または他の酸化結合)を形成することができるか、または窒素原子は、環の芳香族性が保存される限り、四級化することができる。いくつかの実施形態では、ヘテロアリール基は、3~10個の炭素原子、3~8個の炭素原子、3~5個の炭素原子、1~5個の炭素原子、または5~10個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、ヘテロアリール基は、3~14個、4~12個、4~8個、9~10個、または5~6個の環形成原子を含有する。いくつかの実施形態では、ヘテロアリール基は、1~4個、1~3個、または1~2個のヘテロ原子を有する。
【0134】
本明細書に記載される化合物は、不斉(asymmetric)(例えば、1つ以上の立体中心(stereocenter)を有する)であり得る。別段の指示がない限り、エナンチオマーおよびジアステレオマーなど、全ての立体異性体が意図される。不斉置換炭素原子(asymmetrically substituted carbon atom)を含有する本発明の化合物は、光学活性形態またはラセミ形態で単離し得る。光学不活性な出発物質(optically inactive stating materials)から光学活性な形態を調製する方法は、ラセミ混合物の分割、または立体選択的合成(stereoselective synthesis)などによって、当該技術分野において公知である。オレフィンの幾何異性体、C=N二重結合などもまた、本明細書に記載される化合物中に存在し得、そのような安定な異性体は全て、本発明において企図される。本発明の化合物のシスおよびトランス幾何異性体は、異性体の混合物として、または分離された異性体形態として単離され得る。
【0135】
本発明の化合物はまた、互変異性形態(tautomeric form)を含む。互変異性形態は、単結合と隣接する二重結合とのスワップ、ならびに付随するプロトンの移動(concomitant immigration of a proton)から生じる。互変異性形態には、プロトトロピー互変異性体が含まれ、これは、同じ実験式および全電荷を有する異性体プロトン化状態である。プロトトロピー互変異性形態の例には、ケトン-エノール対、アミド-イミド酸対、ラクタム-ラクチム対、エナミン-イミン対、およびプロトンが複素環系の2つ以上の位置を占め得る環状形態、例えば、1H-および3H-イミダゾール、1H-、2H-および4H-1,2,4-トリアゾール、1H-および2H-イソインドール、ならびに1H-および2H-ピラゾールが含まれる。
【0136】
本発明の化合物はまた、中間体または最終化合物に生じる、原子の全ての同位体を含む。同位体は、同じ原子番号であるが異なる質量数を有する原子を含む。例えば、水素の同位体には、トリチウムおよび重水素が含まれる。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、少なくとも1つの重水素原子を含む。
【0137】
「化合物」という用語は、本明細書で使用される場合、別段の定めがない限り、示される構造のすべての立体異性体、幾何異性体、互変異性体、および同位体を含むことを意味する。「化合物」という用語はまた、それが作製された方法によって限定されない。したがって、本発明の化合物は、合成プロセスまたは生物学的プロセス(酵素変換または代謝などによる)またはそれらの組み合わせによって作製された分子を含む。
【0138】
すべての化合物、およびその薬学的に許容される塩は、水および溶媒などの他の物質(例えば、水和物および溶媒和物の形態)とともに見出すことができるか、または単離し得る。
【0139】
いくつかの実施形態では、本発明の化合物、またはその塩は、実質的に単離されている。「実質的に単離された(substantially isolated)」とは、化合物が、それが形成または検出された環境から少なくとも部分的にまたは実質的に分離されていることを意味する。部分的な分離は、例えば、本発明の化合物に富む組成物を含むことができる。実質的な分離は、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、少なくとも約97重量%、または少なくとも約99重量%の本発明の化合物、もしくはその塩を含有する組成物を含み得る。化合物およびそれらの塩を単離するための方法は、当該技術分野において日常的に行われる。
【0140】
「薬学的に許容される(pharmaceutically acceptable)」という語句は、本明細書では、妥当な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症を伴わずに、妥当な利益/リスク比に相応して、ヒトおよび動物の組織と接触させて使用するのに適した化合物、材料、組成物、および/または剤形を指すために使用される。
【0141】
本発明はまた、本明細書に記載の化合物の薬学的に許容される塩を含む。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される塩」は、開示される化合物の誘導体を指し、親化合物が、既存の酸または塩基部分をその塩形態に変換することによって修飾される。薬学的に許容される塩の例には、アミンなどの塩基性残基の鉱酸塩または有機酸塩、カルボン酸などの酸性残基のアルカリまたは有機塩が含まれるが、これらに限定されない。本発明の薬学的に許容される塩は、例えば、非毒性無機酸または有機酸から形成される親化合物の非毒性塩を含む。本発明の薬学的に許容される塩は、従来の化学的方法によって、塩基性または酸性部分を含有する親化合物から合成することができる。一般に、このような塩は、これらの化合物の遊離酸形態または遊離塩基形態を、化学量論量の適切な塩基または酸と、水中または有機溶媒中、または2つの混合物中で反応させることによって調製することができる。適切な塩のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences,17th ed.,Mack Publishing Company, Easton,Pa,1985,p.1418 and Journal of Pharmaceutical Science,66,2(1977)に見出され、これらの文献のそれぞれは、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0142】
使用方法
本発明の化合物は、SARM1の活性を阻害することができる。例えば、本発明の化合物は、阻害量の本発明の化合物を細胞、個体、または患者に投与することによって、酵素の阻害を必要とする細胞または個体または患者においてSARM1の活性または機能を阻害するために使用することができる。本明細書で使用される場合、「細胞において(in a cell)」という用語は、細胞膜の内部および細胞膜の表面の両方を含む。
【0143】
本発明の化合物は、SARM1阻害剤として、細胞におけるNAD+のレベルを増加させ得る。したがって、本発明はさらに、試料または患者におけるNAD+のレベルを増加させる方法に関し、該方法は、試料を本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩に接触させる工程または患者に投与する工程を含み、ここで、NAD+の増加したレベルは、接触させる工程または投与する工程の前のNAD+のレベルに対するものである。
【0144】
本発明の化合物は、SARM1阻害剤として、軸索変性を阻害することができる。したがって、本発明はさらに、試料または患者における軸索変性を阻害する方法に関し、該方法は、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩を阻害する量で、試料に接触させるか、または患者に投与する工程を含む。
【0145】
本発明の化合物は、SARM1の異常な発現または活性に関連する様々な疾患の処置および予防に有用である。例えば、本発明の化合物は、神経障害の処置および予防に有用である。「神経障害(neurological disorder)」という用語は、一般に、中枢神経系または末梢神経系を含む神経系に影響を与える障害を指す。「神経障害(neurological disorder)」という用語はまた、神経系に対するネクサスを有する眼適応症(ocular indication)を含む。
【0146】
いくつかの実施形態では、本発明の化合物の投与によって処置可能または予防可能な神経障害には、神経変性疾患が含まれる。神経変性疾患は、中枢神経系への損傷によって特徴付けられ、多くの場合、シナプス的に相互接続される(synaptically interconnected)ニューロンの特定の集団の進行性機能不全、変性、および死によって同定することができる。神経変性疾患の例には、パーキンソン病(PD)、アルツハイマー病(AD)、ハンチントン病(HD)、プリオン病、運動ニューロン疾患(MND)、脊髄小脳失調症(spinocerebellar ataxia)(SCA)、脊髄性筋萎縮症(spinal muscular atrophy)(SMA)、筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis)(ALS)、およびてんかんが含まれる。
【0147】
本発明の方法によって処置可能または予防可能な神経障害の例には、脊髄性筋萎縮症(SMA)、化学療法誘発性末梢神経障害(Chemotherapy Induced Peripheral Neuropathy)(代表的な化学療法剤には、ビンカアルカロイド(vinca-alkaloid)、タキソール、およびプラチンが含まれる)、多発性硬化症(multiple sclerosis)(MS)、外傷性脳損傷(traumatic brain injury)(TBI)、脊髄損傷、脳卒中、パーキンソン病、緑内障、ハンチントン病、アルツハイマー病、サルコット・マリー・トゥース病(Charcot-Marie-Tooth disease)(CMT)、網膜色素変性症(retinitis pigmentosa)(RP)、加齢黄斑変性症(age-related macular degeneration)(AMD)、小径線維ニューロパチー(small fiber neuropathy)、末梢神経障害(例えば、ウイルス性ニューロパチー)、脊髄小脳失調症、嚢胞性線維症、家族性アミロイドポリニューロパチー、海綿状脳症、球脊髄性筋萎縮症、遺伝性歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症、副腎白質ジストロフィー、副腎骨髄ニューロパチー、アレキサンダー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、バッセン・コーンツヴァイク症候群(Bassen-Kornzweig syndrome)、ベル麻痺(Bell’s palsy)、進行性核上性麻痺(progressive supra nuclea palsy)(PSP)、橋中心髄鞘崩壊症、群発性頭痛、先天性髄鞘形成不全(congenital hypomyelination)、大脳皮質基底核変性症(corticobasal degeneration)、クロイツフェルト-ヤコブ病、てんかん、認知症(例えば、前頭側頭型認知症およびレビー小体型認知症)、脱髄障害(例えば、虚血性脱髄(ischemic demyelination))、脳脊髄炎、フリードライヒ運動失調症、ゴーシェ病、遺伝性感覚性自律神経性ニューロパチー(hereditary sensory and autonomic neuropathy)(HSAN)、ハーラー症候群、クラッベ病、異染性白質ジストロフィー、片頭痛および緊張型頭痛、軽度認知障害、運動脊髄神経疾患(motor spinoneuron disease)、視神経脊髄炎、ニーマン・ピック病、視神経炎、ペリツェウス・メルツバッハ病、末梢神経障害、脳室周囲性白質軟化症(periventricular leukomalacia)、ヘルペス後神経痛、プリオン病、進行性核上麻痺、進行性多病巣性白質脳症、テイ・サックス病、胸椎椎間板ヘルニア、横断性脊髄炎、三叉神経痛、ワーラー変性、小脳変性症、キアリ奇形、ジストニア、脳炎(例えば、小児ウイルス性脳炎およびラクロスウイルス性脳炎)、びっくり病(hyperekplexia)、多巣性運動ニューロパチー、筋ジストロフィー、重症筋無力症、ミオパシー、神経線維腫症、神経性セロイドリポフスチン症、ニューロパチー(例えば、末梢性ニューロパチー)、情動調節障害(pseudobulbar affect)、レストレスレッグス症候群、二分脊椎、脊髄空洞症、胸郭出口症候群、ならびに横断性脊髄炎が含まれる。
【0148】
他の実施形態では、本発明の化合物の投与によって処置可能または予防可能な神経障害は、ニューロパチーである。本明細書で使用する場合、「ニューロパチー(neuropathy)」という用語は、神経系の疾患状態を広く指し、これには、多発性ニューロパチー、 ニューロパチー、運動失調症、網膜色素変性症(NARP)、 家族性アミロイドニューロパチー、 糖尿病性ニューロパチー(糖尿病による末梢ニューロパチー)、 末梢ニューロパチー(例えば、化学療法誘発性末梢神経障害(CIPN)であり、ビンカアルカロイド、ボルテゾミブ、イキサベピロン、サリドマイドおよびその類似体、タキサン系薬剤、プラチナ系薬剤によって引き起こされるCIPNが含まれる)、および脳神経障害(例えば、聴神経障害および視神経障害)が含まれる。この用語はまた、遺伝性障害(例えば、NMNAT2遺伝子突然変異障害)に関連する他のニューロパチーを含む。
【0149】
さらに他の実施形態では、本発明の化合物の投与によって処置可能または予防可能な神経障害は、眼神経障害(例えば、視神経障害)である。「視神経症(optic neuropathy)」という用語は、多数の原因による視神経への損傷を指す。視神経障害の種類には、虚血性視神経症(例えば、前部虚血性視神経症および後部虚血性視神経症)、視神経炎(例えば、慢性再発性炎症性視神経症(chronic relapsing inflammatory optic neuropathy)(CRION)、単離視神経炎(single isolated optic neuritis)(SION)、および再発性単離視神経炎(relapsing isolated optic neuritis))、圧迫性視神経症、浸潤性視神経症、外傷性視神経症、ミトコンドリア性視神経症(mitochondrial optic neuropathy)、および遺伝性視神経症(例えば、レーベル遺伝性視神経障害(Leber’s hereditary optic neuropathy)(LHON)、遺伝性圧脆弱性神経症(neuropathy with liability to pressure palsy)(HNPP)、および優性視神経萎縮)が含まれる。
【0150】
さらに他の実施形態では、本発明の化合物の投与によって処置可能または予防可能な神経障害は、多発性硬化症(multiple sclerosis)(MS)、化学療法誘発性末梢神経障害(CIPN)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、緑内障、外傷性脳損傷(TBI)、または脳卒中である。
【0151】
本明細書で使用される場合、「細胞(cell)」という用語は、インビトロ、エクスビボ、またはインビボでの細胞を指すことを意味する。いくつかの実施形態では、エクスビボ細胞は、哺乳動物などの生物から切除された組織試料の一部であり得る。いくつかの実施形態では、インビトロ細胞は、細胞培養物中の細胞であり得る。いくつかの実施形態では、インビボ細胞は、哺乳動物などの生物において生細胞である。
【0152】
本明細書で使用される場合、「接触させる(contacting)」という用語は、インビトロ系またはインビボ系において、示された部分を接合させる(bringing together)ことを指す。例えば、SARM1を本発明の化合物と「接触させる」こと、または細胞を本発明の化合物と「接触させる」ことは、SARM1を有するヒトなどの個体または患者に、本発明の化合物を投与すること、ならびに、例えば、SARM1を含有する細胞または精製調製物(purified preparation)を含有する試料に、本発明の化合物を導入することを含む。
【0153】
本明細書で使用される場合、「個体(individual)」または「患者(patient)」という用語は、互換的に使用され、哺乳動物、特にヒトを指す。個体または患者は、処置を必要とし得る。
【0154】
本明細書で使用される場合、「治療有効量(therapeutically effective amount)」という語句は、研究者、獣医師、医師、または他の臨床医が求めている、組織、系、動物、個体、またはヒトにおける生物学的または医薬的応答を誘発する活性化合物または医薬品の量を指す。
【0155】
本明細書で使用される場合、語句「阻害量(inhibiting amount)」は、組織、系、動物、個体、またはヒトにおいて測定可能なSARM1阻害または軸索変性を誘発する活性化合物または医薬品(pharmaceutical agent)の量を指す。
【0156】
本明細書中で使用される場合、「処置する(treating)」または「処置(treatment)」とは、1)疾患の病態または症状を経験しているか、もしくは示している個体における疾患を阻害する(すなわち、病態および/または症状のさらなる発症を抑止する)ことを指すか、または2)疾患の病態または症状を経験しているか、もしくは示している個体において疾患を改善する(すなわち、病態および/または症状を好転させる)。
【0157】
本明細書で使用される場合、「予防する(preventing)」または「予防(prevention)」という用語は、疾患にかかり得るが、疾患の病態または症状をまだ経験していないかもしくは示していない個体における疾患を予防することを指す。いくつかの実施形態では、本発明は、患者に、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩を治療有効量で投与することによって、患者における疾患を予防する方法に関する。
【0158】
併用療法
1つ以上のさらなる薬学的に活性な薬剤または処置方法は、本発明の化合物と組み合わせて使用され得る。薬剤は、単回剤形(single dosage form)で化合物と組み合わせることができるか、または薬剤は、別々の剤形として同時にもしくは連続して投与することができる。さらなる薬剤の例には、アカンプロサート、アゴメラチン、アルモトリプタン、アマンタジン、アミスルプリド、アミトリプチリン、アポモルヒネ、アリピプラゾール、アセナピン、アトモキセチン、バクロフェン、A型ボツリヌス毒素、ブロモクリプチン、頬側ミダゾラム(buccal midazolam)、ブプレノルフィン、ブスピロン、カベルゴリン、カルバマゼピン、クロルジアゼポキシド、クロルプロマジン、シタロプラム、クロバザム、クロメチアゾール、クロミペラミン、クロナゼパム、クロザピン、デンザピン、コベネルドパ、コカレドパ、ダントロレン、デキストロアンフェタミン、ジアゼピン、ジバルプロエクスナトリウム、ドネペジル、ドキセピン、デュロキセチン、エレトリプタン、エンタカポン、エピネフリン、エスシタロプラム、エスリカルバゼピン、エトスルキミド、フィンゴリモド、フルオキセチン、フルペンチキソール、フルペンチキソール、フルフェナジン持続性注射剤(モデケート)、フルボキサミン(ファブリン)、フロバトリプタン、ガバペンチン、ガランタミン、ハロペリドール、イミプラミン、ラコサミド、ラモトリギン、レベチラセタム、レボメプロマジン、リスデキサムフェタミン、リチウム、ロフェプラミン、ロプラゾラム、ロラゼパム、ロルメタゼパム、ルラシドン、メラトニン、メマンチン、メチルフェニデート、ミアンセリン、ミルタザピン、モクロベミド、モダフィニル、ナラトリプタン、ネオスチグミン、ニトラゼパム、ノルトリプチリン、オランザピン、オルリスタット、オルフェナドリン、オキサゼパム、オクスカルバゼピン、パリペリドン、パリペリドン、パロキセチン、ペランパネル、ペルゴリド、ペリシアジン、フェノバルビタール、フェニトイン、ピラセタム、ピゾチフェン、プラミペキソール、プレガバリン、プリミドン、プロクロルペラジン、プロサイクリジン、ピリドスチグミン、クエチアピン、ラサギリン、レボキセチン、リスペリドン、リバスチグミン、リザトリプタン、ロピニロール、ロチゴチン、ルフィナミド、セレギリン、セルトラリン、オキシベートナトリウム、バルプロ酸ナトリウム、スルピリド、スマトリプタン、テマゼパム、テトラベナジン、チアガビン、チザニジン、トルカポン、トピラマート、トラゾドン、トリヘキシフェニジル、トリミプラミン、バルプロ酸セミナトリウム、ベンラファキシン、ビガバトリン、ボルチオキセチン、ゾルミトリプタン、ゾルピデム、ゾニサミド、ゾピクロン、ズクロペンチキソールが含まれる。
【0159】
いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の薬学的に活性な薬剤は、神経保護剤を含むことができる。いくつかの実施形態では、神経保護剤は、デュアルロイシン-ジッパーキナーゼ(dual leucine-zipper kinase)(DLK)阻害剤である。いくつかの実施形態では、神経保護剤はニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼ(nicotinamide phosphoribosyltransferase)(NAMPT)阻害剤である。
【0160】
いくつかの実施形態では、1つ以上のさらなる薬学的に活性な薬剤は、NAD+またはNAD+前駆体であり得る。NAD+前駆体には、例えば、ニコチンアミドリボシド(NR)、ニコチン酸(NA)、ニコチン酸リボシド(NaR)、ニコチンアミド(NAM)、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)、ニコチン酸モノヌクレオチド(NaMN)、トリプトファン、ビタミンB3、およびニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NAAD)が含まれる。
【0161】
医薬製剤および剤形
医薬品として使用される場合、本発明の化合物は、医薬組成物の形態で投与することができる。医薬組成物は、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体との組み合わせを指す。
【0162】
これらの組成物は、医薬分野において周知の方法で調製することができ、局所的処置または全身的処置が所望されるかどうか、かつ処置される領域に応じて、様々な経路によって投与することができる。医薬組成物は、活性化合物を、薬学的に使用することができる調製物に加工することを容易にする賦形剤および補助剤を含む1つ以上の生理学的に許容される担体を使用して、従来の方法で製剤化され得る。適切な製剤は、選択される投与経路に依存する。本明細書に記載の医薬組成物に適切な賦形剤に関するさらなる詳細は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Nineteenth Ed(Easton,Pa:Mack Publishing Company,1995)、Hoover,John E.,Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,Pennsylvania 1975、Liberman,H.A.and Lachman,L.,Eds.,Pharmaceutical Dosage Forms,Marcel Decker,New York,N.Y.,1980、およびPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Seventh Ed.(Lippincott Williams & Wilkins1999)に見出され得、そのような開示について、参照により本明細書に援用される。
【0163】
投与は、経口、局所(眼ならびに鼻腔内、膣、および直腸送達を含む、粘膜へのものを含む)、肺(例えば、噴霧器によるものを含む、粉末またはエアロゾルの吸入または吹送によるもの、気管内、鼻腔内、表皮、および経皮)、眼(例えば、点眼薬、または硝子体内、結膜下、テノン下、もしくは球後注射)、あるいは非経口によるものであり得る。
【0164】
本発明はまた、活性成分として、上記発明の化合物の1つ以上を、1つ以上の薬学的に許容される担体と組み合わせて含有する医薬組成物を含む。本発明の組成物の作製では、活性成分は、典型的には、賦形剤と混合されるか、賦形剤によって希釈されるか、または例えば、カプセル、サシェ、紙、もしくは他の容器の形態でのこのような担体内に封入される。賦形剤が希釈剤として働く場合、それは、活性成分のためのビヒクル、担体、または媒体として作用する固形、半固形、または液体材料であり得る。したがって、組成物は、錠剤、丸剤、散剤、ロゼンジ剤、サシェ剤、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁剤、エマルジョン、液剤、シロップ剤、エアロゾル剤(固形として、または液体媒体において)、軟膏剤、軟質、および硬質ゼラチンカプセル剤、坐剤、滅菌注射液剤、および滅菌包装散剤の形態であり得る。
【0165】
組成物は、単位剤形(unit dosage form)で製剤化することができる。「単位剤形」という用語は、ヒト対象および他の哺乳動物のための単位投与量(unitary dosages)として適切な物理的に別個の単位を指し、各単位は、所望の治療効果をもたらすように計算された所定量の活性物質を、適切な医薬賦形剤と共に含有する。
【0166】
活性化合物は、広い投与量範囲にわたって有効であり得、通常、薬学的に有効な量で投与される。しかしながら、実際に投与される化合物の量は、通常、処置される疾病、選択された投与経路、実際に投与される化合物、個々の患者の年齢、体重、および応答、患者の症状の重症度などを含む関連する状況に従って医師によって決定されることが理解されるであろう。
【0167】
錠剤などの固形組成物を調製するため、主要な活性成分を医薬賦形剤と混合して、本発明の化合物の均質な(homogeneous)混合物を含有する固形予備製剤組成物(solid pre-formulation composition)を形成する。これらの予備製剤組成物を均質として言及する場合、活性成分は、典型的には、組成物が、錠剤、丸剤、およびカプセル剤などの同等に有効な単位剤形に容易に細分され得るように、組成物全体に均等に分散される。次いで、この固形予備製剤は、上記の種類の単位剤形に細分される。
【0168】
本発明の錠剤または丸剤は、長期作用の利点をもたらす剤形を提供するようにコーティングするかまたは他の方法で配合(compound)することができる。例えば、錠剤または丸剤は、内側投与成分(inner dosage component)および外側投与成分(outer dosage component)を含むことができ、後者は前者を覆うエンベロープの形態である。2つの成分は、腸溶性層(enteric layer)によって分離することができ、該腸溶性層は、胃における崩壊に抵抗し、内部成分を無傷で十二指腸に通過させるか、または放出を遅延させるのに役立つ。様々な材料が、このような腸溶性層またはコーティングに使用され得、このような材料には、多数のポリマー酸、ならびにポリマー酸とシェラック、セチルアルコール、および酢酸セルロースなどの材料との混合物が含まれる。
【0169】
本発明の化合物および組成物を経口または注射による投与のために組み込むことができる液体形態には、水溶液、適切に風味付けされたシロップ、水性懸濁液または油性懸濁液、ならびに綿実油、ゴマ油、ヤシ油、またはピーナッツ油などの食用油を含む風味付けされたエマルジョン、ならびにエリキシル剤および類似の医薬ビヒクルが含まれる。
【0170】
吸入または吹送のための組成物には、薬学的に許容される水性溶媒もしくは有機溶媒、またはそれらの混合物中の溶液および懸濁液、ならびに粉末が含まれる。液体または固形組成物は、上記のような適切な薬学的に許容される賦形剤を含有し得る。いくつかの実施形態では、組成物は、局所または全身効果のために経口または経鼻呼吸経路によって投与される。組成物は、不活性ガスの使用によって噴霧することができる。噴霧された溶液は、噴霧デバイスから直接呼吸され得るか、または噴霧デバイスは、フェイスマスクテントもしくは間欠的陽圧呼吸機(intermittent positive pressure breathing machine)に取り付けられ得る。溶液、懸濁液、または粉末組成物は、適切な様式で製剤を送達するデバイスから経口投与または経鼻投与することができる。
【0171】
患者に投与される化合物または組成物の量は、投与されるもの、予防または治療などの投与の目的、患者の状態、投与の様式に応じて変動するであろう。治療の適用では、組成物は、疾患およびその合併症の症状を治癒するか、または少なくとも部分的に停止させるのに充分な量で、疾患に既に罹患している患者に投与することができる。有効用量は、処置される疾患状態、ならびに疾患の重症度、患者の年齢、体重、および全身状態などの因子に応じた担当臨床医の判断次第である。
【0172】
患者に投与される組成物は、上記の医薬組成物の形態であり得る。これらの組成物は、従来の滅菌技術によって滅菌することができ、または滅菌濾過することができる。水溶液は、そのまま使用するためにパッケージング、または凍結乾燥することができ、該凍結乾燥調製物は、投与前に滅菌水性担体(sterile aqueous carrier)と混合される。
【0173】
本発明の化合物の治療投与量は、例えば、処置が行われる特定の用途、化合物の投与様式、患者の健康および状態、ならびに処方する医師の判断に従って変動し得る。医薬組成物中の本発明の化合物の割合または濃度は、投与量、化学的特性(例えば、疎水性)、および投与経路を含むいくつかの因子に応じて変動し得る。投与量は、疾患または障害の種類および進行の程度、特定の患者の全体的な健康状態、選択された化合物の相対的な生物学的有効性、賦形剤の製剤、およびその投与経路などの変数に依存する可能性が高い。有効用量は、インビトロまたは動物モデル試験系に由来する用量反応曲線(dose-response curves)から外挿することができる。
【0174】
本発明は、具体的な実施例によって詳細に説明する。以下の実施例は、例示を目的として提供され、決して本発明を限定することを意図するものではない。当業者は、本質的に同じ結果をもたらすように変更または修正することができる様々な重要でないパラメータを容易に認識するであろう。実施例の化合物は、本明細書に提供されるアッセイの1つ以上によると、SARM1の阻害剤であることが見出された。
【実施例
【0175】
一般的な実験
空気または水分に敏感な全ての反応は、窒素雰囲気下で火炎乾燥ガラス器具(flame-dried glassware)で行った。市販の試薬はすべて、Sigma-Aldrich(MilliporeSigma)、Combi-Blocks、Enamine、Sinopharm Chemical Reagent Co.(SCRc)、およびAlfa Acerなどの供給業者から購入し、別段の記載がない限り精製せずに使用した。プロトン核磁気共鳴(H NMR)スペクトルは、Bruker AVIII 400またはBruker AVIII 500分光計で記録した。試料は、重水素化クロロホルム(CDCl)、ジメチルスルホキシド(DMSO-d)、アセトニトリル(CDCN)、またはメタノール(CDOD)に溶解した。化学シフト(Chemical shift)は、百万分率(ppm)で記録し、重クロロホルム(δ 7.26ppm)、DMSO-d(δ 2.50ppm)、CDCN(δ 1.94ppm)、またはCDOD(δ 3.31ppm)の中心線(centerline)を基準とする。データは、以下、化学シフト、多重度(s=シングレット、d=ダブレット、t=トリプレット、q=カルテット、qt=クインテット、m=マルチプレット、br=ブロード)のように記録した。結合定数(J値)は、ヘルツ(Hz)で与えられる。低分解能ESI質量スペクトルは、Agilent 1200 HPLC/6100SQシステムまたはAgilent 1260 Infinity II HPLC/6125SQシステムのいずれかで記録した。LCMS測定は、Agilent 1200 HPLC/6100SQシステムで記録した。

略語のリスト:
aq 水性
Boc tert-ブチルオキシカルボニル
BocO Boc-無水物、またはジ-tert-ブチルジカルボネート
CDI 1,1’-カルボニル-ジイミダゾール
d 日数
H(重水素)
DABCO 1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン
dba ジベンジリデンアセトン
DCM ジクロロメタン
DMP Dess-Martinペルヨージナン、または3-オキソ-1λ,2-ベンゾヨードキソール-1,1,1(3H)-トリイルトリアセタート
DEA ジエチルアミン
DHP 3,4-ジヒドロピラン
DIAD ジイソプロピルアゾジカルボキシレート
DIPEA N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMAP 4-(ジメチルアミノ)ピリジン
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
DPPA ジフェニルホスホリルアザイド
EDC・HCl N-エチル-N’-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩
ESI-MS エレクトロスプレーイオン化-質量分析
Et エチル
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
equiv 当量
FA ギ酸の添加
h 時間
HATU 1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム 3-オキシドヘキサフルオロホスフェート
HOBt 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
LAH リチウムアルミニウムヒドリド
LCMS 液体クロマトグラフィー質量分析
LiHMDS リチウムビス(トリメチルシリル)アミド
MS 質量分析
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
MHz メガヘルツ
min 分
mg ミリグラム
mL ミリリットル
mmol ミリモル
M モル(molar)
MeCN アセトニトリル
mol モル(mole)
Ms メタンスルホニル
MW マイクロウェーブ
N ノルマル
NBS N-ブロモスクシンイミド
NCS N-クロロスクシンイミド
Otf トリフルオロメタンスルホネート
Pd/C パラジウム炭素
PE 石油エーテル
Ph フェニル
PTSA p-トルエンスルホン酸
H NMR プロトン核磁気共鳴
RP-HPLC 逆相高速液体クロマトグラフィー
RT 保持時間
rt 室温
sat 飽和
SEM 2-(トリメチルシリル)エトキシメチル
SFC 超臨界流体クロマトグラフィー
T3P プロピルホスホン酸無水物
TBAF テトラブチルアンモニウムフルオリド
TBPH tert-ブチルヒドロペルオキシド溶液(Luperox(登録商標)、TBH70X)
t-BuOK カリウムtert-ブトキシド
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
THP テトラヒドロピラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
Tol トルエン
TosMIC p-トルエンスルホニルメチルイソシアニド
wt% 重量パーセント
v/v% 容量パーセント濃度
w/v% 質量対容量パーセント
XPhos 2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル
【0176】
実施例1. 4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン
【0177】
【化30】
工程1. エチル 3-(((1-アミノ-3,3,3-トリフルオロプロピリデン)アミノ)オキシ)アクリレート。
添加漏斗(addition funnel)を使用して、MeOH(10mL)中のナトリウム金属(843mg、36.7mmol)を含有するフラスコに、MeOH(10mL)中のNHOH・HCl(2.55g、36.7mmol)の懸濁液をゆっくりと添加した。得られた混合物を15分間撹拌した。懸濁液を濾過し、濾液を0℃に冷却し、3,3,3-トリフルオロプロピオニトリル(4g、36.7mmol)を添加した。
反応混合物を1時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、得られた油状物をMeCN(150mL)に溶解し、TEA(3.72g、36.7mmol)を溶液に添加した。得られた混合物を80℃に加熱し、MeCN(20mL)中のプロピオル酸エチル(3.6g、36.7mmol)の溶液を添加した。得られた反応物を80℃で18時間撹拌した。次いで、反応物を室温に冷却し、溶媒を減圧下で蒸発させ、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、黄色油状物としてエチル 3-(((1-アミノ-3,3,3-トリフルオロプロピリデン)アミノ)オキシ)アクリレート(7.1g、81%)を得た。LCMS ESI-MS m/z:241[M+H]
【0178】
工程2. エチル 2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-5-カルボキシレート。
エチル 3-(((1-アミノ-3,3,3-トリフルオロプロピリデン)アミノ)オキシ)アクリレート(5g、20.8mmol)およびPHO(60mL)を180℃に加熱し、30分間撹拌した。反応物を冷却し、そして粗製混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、エチル 2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-5-カルボキシレート(1.8g)を黄色油状物として得た。この化合物をさらに精製することなく次の工程で使用した。LCMS ESI-MS m/z:223[M+H]
【0179】
工程3. (2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-5-イル)メタノール。
無水THF(50mL)中のエチル 2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-5-カルボキシレート(1g、4.5mmol)の溶液に、0℃のTHF(11.2mL、11.2mmol)中の1M LAHを添加した。得られた混合物を室温に加温し、3時間撹拌した。反応物を水の添加によりクエンチし、濾過した。濾液をNaSOで乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮して、(2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-5-イル)メタノール(560mg)を黄色固形物として得た。この化合物をさらに精製することなく次の工程で使用した。
LCMS ESI-MS m/z:181[M+H]
【0180】
工程4. 2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-カルボアルデヒド。
DCM(50mL)およびMeCN(50mL)中の(2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-5-イル)メタノール(560mg、3.11mmol)の溶液にMNO(2.64g、31.1mmol)を添加し、得られた混合物を室温で3時間撹拌した。この反応混合物を濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗製の2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-カルボアルデヒド(498mg)を黄色固形物として得た。この化合物をさらに精製することなく次の工程で使用した。LCMS ESI-MS m/z:179[M+H]
【0181】
工程5. tert-ブチル 4-ホルミル-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-1-カルボキシレート。
DCM(40mL)中の2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-カルボアルデヒド(1g、5.61mmol)、TEA(1.13g、11.2mmol)、および(Boc)O(2.45g、11.2mmol)の溶液を、室温で16時間撹拌した。混合物をHO(20mL)の添加によりクエンチし、有機物をEtOAc(3×100mL)に抽出した。有機層を合わせ、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、tert-ブチル 4-ホルミル-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-1-カルボキシレート(716mg、46%)を褐色油状物として得た。
LCMS ESI-MS m/z:179[M+H-Boc]
【0182】
工程6. tert-ブチル 4-(ヒドロキシ(ピリジン-4-イル)メチル)-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-1-カルボキシレート。
THF(30mL)中の4-ヨードピリジン(839mg、4.09mmol)の溶液を0℃に冷却し、EtMgBr(4.10mL、4.09mmol、THF中1.0M)を滴下した。混合物を0℃で1時間撹拌し、tert-ブチル 4-ホルミル-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-1-カルボキシレート(716mg、2.57mmol)を0℃で添加した。添加後、得られた混合物を室温に加温し、16時間撹拌した。混合物をHO(20mL)の添加によりクエンチし、有機物をEtOAc(3×80mL)に抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮して、粗製のtert-ブチル 4-(ヒドロキシ(ピリジン-4-イル)メチル)-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-1-カルボキシレート(2.87g)を褐色油状物として得た。この化合物をさらに精製することなく次の工程で使用した。LCMS ESI-MS m/z:358[M+H]
【0183】
工程7. 4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン。
AcOH(50mL)中の粗製tert-ブチル 4-(ヒドロキシ(ピリジン-4-イル)メチル)-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-1-カルボキシレート(2.87g、8.03mmol)およびZn(5.22g、80.3mmol)の混合物を、16時間、130℃に加熱した。得られた混合物を濾過し、沈殿物をMeOH(50mL)ですすいだ。濾液を減圧下で濃縮した。この残渣に飽和NaHCO(50mL)を添加し、有機物をDCM/MeOH(10:1、3×50mL)に抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLCにより精製して、4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン(308mg、31%)を白色固形物として得た。H NMR(400MHz、DMSO-d、ppm):δ12.01(s,1H)、8.44(d,J=6.0Hz,2H)、7.23(d,J=6.0Hz,2H)、6.84(s,1H)、3.84(s,2H)、3.65(q,J=10.8Hz,2H)。LCMS ESI-MS m/z:242[M+H]
【0184】
実施例2. 4-((2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン。
【0185】
【化31】
工程1. 1-ブロモ-3-(ピリジン-4-イル)プロパン-2-オン臭化水素酸塩。
1-(ピリジン-4-イル)プロパン-2-オン(25g、185mmol)、HBr(AcOH中30%)(250mL)の撹拌混合物に、窒素雰囲気下、15℃で臭素(29.6g、185mmol)を滴下した。混合物を室温で5時間撹拌した。混合物をEtO(1L)で希釈した。得られた混合物を濾過し、濾過ケーキをEtO(2×20mL)ですすいだ。これは、減圧下の濃縮により、1-ブロモ-3-(ピリジン-4-イル)プロパン-2-オン臭化水素酸塩(49.8g)が淡黄色固形物として得られた。この化合物をさらに精製することなく次の工程で使用した。LCMS ESI-MS m/z:214、216[M+H]
【0186】
工程2. 2-オキソ-3-(ピリジン-4-イル)プロピル-4,4,4-トリフルオロブタノエート。
1,4-ジオキサン(150mL)中の4,4,4-トリフルオロブタン酸(3.32g、23.3mmol)およびDBU(8.89g、58.4mmol)の混合物を窒素雰囲気下、室温で5分間撹拌した。この混合物に、1-ブロモ-3-(ピリジン-4-イル)プロパン-2-オン(5g、23.4mmol)を添加した。得られた混合物を窒素雰囲気下、室温で3時間撹拌した。得られた混合物をEtOAc(3×500mL)に抽出した。合わせた有機層をブライン(2×300mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、2-オキソ-3-(ピリジン-4-イル)プロピル 4,4,4-トリフルオロブタノエート(2g)を淡黄色固形物として得た。この化合物をさらに精製することなく次の工程で使用した。LCMS ESI-MS m/z:276[M+H]
【0187】
工程3. 4-((2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン。
1,2-ジメチルベンゼン(4mL)中の2-オキソ-3-(ピリジン-4-イル)プロピル-4,4,4-トリフルオロブタノエート(0.2g、0.727mmol)および酢酸アンモニウム(0.56g、7.27mmol)の混合物を、マイクロ波管中160℃で10分間撹拌した(合計2gの2-オキソ-3-(ピリジン-4-イル)プロピル-4,4,4-トリフルオロブタノエートに対する、x10回の反応)。
合わせた混合物を分取HPLCにより精製して、4-((2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン(79.2mg、4.3%)を黄色固形物として得た。H NMR(300MHz、DMSO-d、ppm):δ 11.65(s、1H)、8.61-8.33(m、2H)、7.33-7.12(m、2H)、6.76(s、1H)、3.80(s、2H)、2.89-2.75(m、2H)、2.74-2.55(m、2H)。LCMS ESI-MS m/z:256[M+H]
【0188】
実施例3. 2-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)アセトニトリル。
【0189】
【化32】
工程1. 4-ヨード-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール。
無水THF(50mL)中の4-ヨード-1H-イミダゾール(10g、0.052mol)の溶液を0℃に冷却し、NaH(2.47g、0.062mol、60%)を添加した。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、続いてSEM-Cl(10.3g、0.062mol)を添加した。次いで、反応混合物を室温に加温し、2時間撹拌した。反応物をHO(20mL)の添加によりクエンチし、得られた混合物をEtOAc(3×100mL)に抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗製残渣を得た。粗製残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、4-ヨード-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール(9.58g、57%)を褐色液体として得た。LCMS ESI-MS m/z:325[M+H]
【0190】
工程2. ピリジン-4-イル(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メタノール。
THF(50mL)中の4-ヨード-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール(8.52g、0.026mol)の溶液に、iPrMgCl(24.3mL、0.032mol、THF中1.3M)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間撹拌し、イソニコチンアルデヒド(3.38g、0.032mol)を添加した。得られた混合物を室温に加温し、16時間撹拌した。次いで、混合物をHO(20mL)の添加によってクエンチし、EtOAc(3×100mL)に抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、ピリジン-4-イル(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メタノール(10.4g)を褐色液体として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。LCMS ESI-MS m/z=306[M+H]
【0191】
工程3. 4-((1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン。
AcOH(100mL)中のピリジン-4-イル(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メタノール(10.4g、0.034mol)およびZn(22.2g、0.34mol)の溶液を130℃に加熱し、16時間撹拌した。混合物を濾過し、MeOH(50mL)ですすいだ。次いで、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を飽和NaHCO(200mL)の溶液に加え、有機物をEtOAc(3×200mL)に抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残渣をシリカゲルカラムによって精製して、4-((1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン(5.50g)を褐色液体として得、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。LCMS ESI-MS m/z:290[M+H]
【0192】
工程4. 4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-カルボアルデヒド。
-70℃の無水THF(20mL)中の4-((1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン(2.22g、7.67mmol)の撹拌溶液に、n-BuLi(9.2mL、23mmol、ヘキサン中2.5M溶液)を窒素雰囲気下で添加した。反応混合物を-70℃で2時間撹拌し、続いてDMF(0.841g、11.5mmol)を添加した。次いで、混合物を室温に加温し、16時間撹拌した。得られた混合物をHO(20mL)の添加によりクエンチし、有機物をEtOAc(3×100mL)に抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。その粗製残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-カルボアルデヒド(1.05g,43%)を褐色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:318[M+H]
【0193】
工程5. 2-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)アセトニトリル。
DME(10mL)中の4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-カルボアルデヒド(250mg、0.788mmol)およびTosMIC(231mg、1.18mmol)の撹拌溶液に、t-BuOK(134mg、1.18mmol)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌し、次いでMeOH(50mL)を添加した。得られた混合物を加熱還流し、2時間撹拌した。このとき、反応物をHO(20mL)の添加によりクエンチし、EtOAc(3×50mL)に抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、2-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)アセトニトリル(300mg)を褐色液体として得、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。LCMS ESI-MS m/z:329[M+H]
【0194】
工程6. 2-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)アセトニトリル。
DCM/TFA(10mL、v/v=2:1)中の2-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)アセトニトリル(300mg、0.913mmol)の溶液を室温で3時間撹拌した。揮発物を減圧下で除去し、残渣を飽和NaHCO(20mL)の溶液に加え、有機物をEtOAc(3×20mL)に抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣を分取-HPLCで精製して、2-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)アセトニトリル(37mg,24%)を褐色油状物として得た。H NMR(400MHz、DMSO-d、ppm):δ11.99(s,1H)、8.44(d,J=6.8Hz,2H)、7.23(d,J=6.0Hz,2H)、6.84(s,1H)、4.04(s,2H)、3.82(s,2H)。LCMS ESI-MS m/z:199[M+H]
【0195】
実施例4.3-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)プロパンニトリル
【0196】
【化33】
工程1.(E)-3-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)アクリロニトリル。
THF(10mL)中のジエチル(シアノメチル)ホスホナート(167mg、0.945mmol)の撹拌溶液を0℃に冷却し、次いでt-BuOK(106mg、0.945mmol)を添加した。混合物を0℃で1時間撹拌した後、4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-カルボアルデヒド(実施例3、工程4、250mg、0.788mmol)を添加した。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、反応物をHO(20mL)の添加によりクエンチし、有機物をEtOAc(3×50mL)に抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、(E)-3-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)アクリロニトリル(150mg、47%)を褐色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:341[M+H]
【0197】
工程2. 3-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)プロパンニトリル。
MeOH(10mL)中の(E)-3-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)アクリロニトリル(150mg、0.441mmol)およびPd/C(15mg、10%wt/wt)の混合物を、水素雰囲気下、室温で2時間撹拌した。得られた混合物を濾過し、その濾液を減圧下で濃縮して、粗製の3-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)プロパンニトリル(126mg)を褐色油状物として得、これをさらに精製せずに次の工程に使用した。LCMS ESI-MS m/z:343[M+H]
【0198】
工程3. 3-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)プロパンニトリル。
DCM/TFA(10mL、v/v=2:1)中の3-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)プロパンニトリル(126mg、0.368mmol)の溶液を室温で3時間撹拌した。次いで、反応物を減圧下で濃縮し、残渣を飽和NaHCO(20mL)の溶液に添加し、EtOAc(3×20mL)に抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を逆相HPLCにより精製して、3-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)プロパンニトリル(53mg、57%)を褐色油状物として得た。H NMR(400MHz、DMSO-d、ppm)δ 11.67(s,1H)、8.43(d,J=5.2Hz,2H)、7.23(d,J=4.8Hz,2H)、6.75(s,1H)、3.82(s,2H)、2.94-2.79(m,4H)。LCMS ESI-MS m/z:213[M+H]
【0199】
実施例5、5a、および5b. (rac)-4-(1-(2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)エチル)ピリジン、(S)-4-(1-(2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)エチル)ピリジン、および(R)-4-(1-(2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)エチル)ピリジン。
【0200】
【化34】
工程1. tert-ブチル 4-イソニコチノイル-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-1-カルボキシレート。
DCM(30mL)中のtert-ブチル 4-(ヒドロキシ(ピリジン-4-イル)メチル)-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-1-カルボキシレート(635mg、1.78mmol、実施例1、工程7)、MnO(1.55g、17.8mmol)の溶液を室温で16時間撹拌した。得られた混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、tert-ブチル 4-イソニコチノイル-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-1-カルボキシレート(355mg)を褐色油状物として得た。この化合物をさらに精製することなく次の工程で使用した。LCMS ESI-MS m/z:256[M+H-Boc]
【0201】
工程2. tert-ブチル 4-(1-ヒドロキシ-1-(ピリジン-4-イル)エチル)-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-1-カルボキシレート。
THF(20mL)中のtert-ブチル 4-イソニコチノイル-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-1-カルボキシレート(355mg、1.00mmol)の溶液を0℃に冷却した。MeMgBr(2mL、2mol、THF中1.0M)をこの混合物に滴下し、室温に加温し、16時間撹拌した。得られた混合物をHO(20mL)の添加によりクエンチし、有機物をEtOAc(3×50mL)に抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮して、粗製のtert-ブチル 4-(1-ヒドロキシ-1-(ピリジン-4-イル)エチル)-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-1-カルボキシレート(420mg)を褐色油状物として得た。この化合物をさらに精製することなく次の工程で使用した。LCMS ESI-MS m/z:372[M+H]
【0202】
工程3. (rac)-4-(1-(2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)エチル)ピリジン。
AcOH(50mL)中の粗製のtert-ブチル 4-(1-ヒドロキシ-1-(ピリジン-4-イル)エチル)-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-1-カルボキシレート(420mg、1.13mmol)およびZn(735mg、11.3mol)の混合物を130℃で16時間加熱した。混合物を濾過し、沈殿物をMeOH(50mL)ですすぎ、濾液を減圧下で濃縮した。この残渣に飽和NaHCO(50mL)を添加し、有機物をDCM/MeOH(10:1、3×50mL)に抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLCにより精製して、4-(1-(2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)エチル)ピリジン(95mg、37%)を褐色油状物として得た。H NMR(400MHz、MeOH-d4、ppm)δ 8.42(s,2H)、7.30(d,J=6.0Hz,2H)、6.96(s,1H)、4.14(s,1H)、3.58(q,J=10.8Hz,2H)、1.61(d,J=7.2Hz,3H)。LCMS ESI-MS m/z:256[M+H]
【0203】
工程4.(S)-4-(1-(2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)エチル)ピリジン、および(R)-4-(1-(2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)エチル)ピリジン。
4-(1-(2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)エチル)ピリジン(150mg,0.588mmol)をキラルHPLCによって分離して、初期溶出異性体(early eluting isomer)4-(1-(2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)エチル)ピリジン(実施例5a、50.5mg)および後期溶出異性体(late eluting isomer)4-(1-(2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)エチル)ピリジン(実施例5b、44.1mg)を白色固形物として得た。
【0204】
ピーク1.H NMR(400MHz,DMSO-d、ppm)δ 12.0(s,1H)、8.44(d,J=6.0Hz,2H)、7.23(d,J=6.0Hz,2H)、6.86(s,1H)、4.03(q,J=7.2Hz,1H)、3.64(q,J=11.2Hz,2H)、1.49(d,J=7.2Hz,3H)。
LCMS ESI-MS m/z:256[M+H]
【0205】
ピーク2.H NMR(400MHz,DMSO-d,ppm)δ 11.96(s,1H)、8.44(d,J=6.0Hz,2H)、7.23(d,J=6.0Hz,2H)、6.87(s,1H)、4.02-4.035(m,1H)、3.64(q,J=11.2Hz,2H)、1.49(d,J=7.2Hz,3H)。LCMS ESI-MS m/z:256[M+H]
【0206】
絶対立体化学(absolute stereochemistry)を任意に割り当てた。
【0207】
実施例6. 5-((4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)メチル)チアゾール
【0208】
【化35】
工程1. (4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-5-イル)メタノール。
窒素雰囲気下で-70℃に冷却した無水THF(20mL)中の4-((1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン(実施例3、工程3、700mg、2.42mmol)の撹拌溶液に、n-BuLi(2.42mL、6.04mmol、ヘキサン中2.5M溶液)を滴下した。得られた反応物を-70℃で1時間撹拌し、チアゾール-5-カルボアルデヒド(812mg、7.35mmol)の溶液を5分間かけてゆっくりと添加した。次いで、反応物を室温まで加温し、3時間撹拌した。混合物をHO(20mL)の添加によりクエンチし、有機物をEtOAc(3×100mL)に抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗製の(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-5-イル)メタノール(1.02g)を褐色油状物として得、さらに精製することなく次の工程で使用した。LCMS ESI-MS m/z:403[M+H]
【0209】
工程2. 5-((4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)メチル)チアゾール。
AcOH(10mL)中の(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-5-イル)メタノール(1.02g、粗製物、2.53mmol)およびZn(1.65g、25.3mmol)の混合物を130℃で16時間撹拌した。得られた混合物を濾過し、MeOH(20mL)ですすぎ、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を飽和NaHCO(50mL)の溶液に添加し、有機物をDCM/MeOH(10:1v/v、3×50mL)に抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を逆相HPLCにより精製して、5-((4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)メチル)チアゾール(51mg、8%)を白色固形物として得た。H NMR(400MHz,CDCl,ppm)δ 8.63(s,1H)、8.41(d,J=6.0Hz,2H)、7.53(s,1H)、7.15(d,J=5.6Hz,2H)、7.14(s,1H)、4.24(s,2H)、3.89(s,2H)。LCMS ESI-MS m/z:257[M+H]
【0210】
実施例7および7a.(S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール、および(R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール
【0211】
【化36】
工程1. 2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタノール。
4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-カルボアルデヒド(実施例3、工程4、15.5g、48.9mmol、1.0当量)およびTHF(155mL)の混合物に、TMSCF(8.3g、58.4mmol、1.2当量)を添加した。得られた混合物を0℃に冷却し、CsFを添加した。得られた溶液を室温で一晩撹拌した。得られた混合物を濾過し、その濾液を減圧下でエバポレートし、そして得られた残渣を逆相カラムクロマトグラフィーにより精製して、2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタノールをオフホワイトの固形物として得た(15g、79%)。
【0212】
工程2. (rac)-2,2,2-トリフルオロ-1-[4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル]エタノール。
TFA(3mL)およびDCM(3mL)中の2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタノール(300mg、0.77mmol)の混合物を窒素雰囲気下、室温で一晩撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮して、赤色油状物を得た。粗物質(230mg)を分取HPLCにより精製して、(rac)-2,2,2-トリフルオロ-1-[4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル]エタノール(113mg、57%)を白色固形物として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d,ppm):δ 12.19(d,J=40.6Hz,1H)、8.44(d,J=5.0Hz,2H),7.28-7.14(m,2H),7.08(d,J=5.8Hz,1H),6.80(d,J=65.5Hz,1H),5.23-4.94(m,1H)、3.33(s、2H)。LCMS ESI-MS m/z:258[M+H]
【0213】
工程3. (S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール、および(R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール。
(rac)-2,2,2-トリフルオロ-1-[4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル]エタノール(1g)を分取SFCによって精製した。
ピーク1を白色固形物(395mg、29%)として単離し、ピーク2を白色固形物(391mg、29%)として単離した。
ピーク1。H NMR(400MHz,DMSO-d,ppm):δ 12.25(s,1H),8.51-8.34(m,2H),7.38-7.22(m,2H),7.11(d,J=5.9Hz,1H),6.86(s,1H),5.25-5.01(m,1H),3.86(s,2H)。LCMS ESI-MS m/z:258[M+H]
ピーク2。H NMR(400MHz、DMSO-d、ppm):δ 12.24(s,1H),8.48-8.42(m,2H),7.28-7.22(m,2H),7.11(d,J=5.9Hz,1H),6.86(s,1H),5.18-5.06(m,1H),3.86(s,2H)。LCMS ESI-MS m/z:258[M+H]
【0214】
絶対立体化学を任意に割り当てた。
【0215】
実施例8. 4-((5-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)ピリジン
【0216】
【化37】
工程1. 2-(ピリジン-4-イル)アセトヒドラジド。
EtOH(4mL)中のメチル-2-(ピリジン-4-イル)アセタート(206mg、1.36mmol)およびヒドラジン一水和物(102mg、2.04mmol)の溶液を75℃で16時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を逆相HPLCにより精製して、2-(ピリジン-4-イル)アセトヒドラジド(120mg,58%)を無色油状物として得、これをさらに精製せずに次の工程で使用した。LCMS ESI-MS m/z:152[M+H]
【0217】
工程2.エチル-3,3,3-トリフルオロプロパンイミデート。
HCl(ジオキサン中4N、2.5mL、10mmol)を、0℃のEtOH中の3,3,3-トリフルオロプロパンニトリル(404mg、3.7mmol)の溶液にゆっくりと添加し、それを室温で16時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮して、エチル-3,3,3-トリフルオロプロパンイミデートを白色固形物として得、これをさらに精製することなく次の工程で使用した。LCMS ESI-MS m/z:156[M+H]
【0218】
工程3. 4-((5-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)ピリジン。
エチル-3,3,3-トリフルオロプロパンイミデート(40mg、0.26mmol)を、MeCN(1.5ml)中の2-(ピリジン-4-イル)アセトヒドラジド(39mg、0.26mmol)の溶液に添加し、それを室温で10分間および50℃で20分間撹拌した。次いで、それを105℃で1時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を逆相HPLCにより精製して、4-((5-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)ピリジン(2.4mg、4%)を無色油状物として得た。H NMR(400MHz、MeCN-d3、ppm)δ 8.50(d,J=5.1Hz,2H)、7.28(d,J=5.0Hz,2H)、4.13(s,2H)、3.62(q,J=10.8Hz,2H)。LCMS ESI-MS m/z:243[M+H]
【0219】
実施例9. 2-(ピリジン-4-イルメチル)-4-(2,2,2-トリフルオロエチル)チアゾール
【0220】
【化38】
工程1. エチル 4-(2,2,2-トリフルオロエチル)-チアゾール-2-カルボキシレート。
バイアルに、1-クロロ-4,4,4-トリフルオロブタン-2-オン(1.81mL、0.36mmol)およびEtOH(2mL)を注いだ。次いで、エチルカルバモチオイルホルメート(57.7mg、0.43mmol)を添加し、得られた反応混合物を80℃に加熱した。16時間後、反応混合物を減圧下で濃縮して、エチル 4-(2,2,2-トリフルオロエチル)チアゾール-2-カルボキシレートを無色の固形物(43mg)として得、化合物をさらに精製することなく次の工程で使用した。LCMS ESI-MS m/z:240[M+H]
【0221】
工程2. (4-(2,2,2-トリフルオロエチル)-チアゾール-2-イル)メタノール。
バイアルに、エチル 4-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1,3-チアゾール-2-カルボキシレート(10.4mL、1.04mmol)およびMeOH(2mL)を注いだ。水素化ホウ素ナトリウム(118mg、3.11mmol)を反応混合物に添加し、1時間撹拌した。反応物を水(10mL)の添加によりクエンチし、水層をDCM(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮して、(4-(2,2,2-トリフルオロエチル)チアゾール-2-イル)メタノールを淡黄色固形物として得(200mg)、これをさらに精製せずに次の工程に使用した。LCMS:ESI-MS m/z:198[M+H]
【0222】
工程3. 4-(2,2,2-トリフルオロエチル)-チアゾール-2-カルボアルデヒド。
バイアルに(4-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1,3-チアゾール-2-イル)メタノール(10.4mL、1.04mmol)を注ぎ、DCM(10mL)に溶解した。次いで、1,1-ビス(アセチルオキシ)-3-オキソ-3H-1λ,2-ベンズヨーダオキソール-1-イルアセテート(617mg、1.46mmol)を反応混合物に添加した。12時間後、反応混合物をDCM(20mL)で希釈し、水(1×10mL)、ブライン(1×10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、粗製の4-(2,2,2-トリフルオロエチル)チアゾール-2-カルボアルデヒドを淡黄色の油状物(82mg)として得、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。
【0223】
工程4. ピリジン-4-イル(4-(2,2,2-トリフルオロエチル)-チアゾール-2-イル)メタノール。
バイアルに4-ヨードピリジン(1.51mL、0.302mmol)を注ぎ、THF(1.4mL)に溶解した。溶液を0℃に冷却し、エチルマグネシウムブロミド(0.12mL、0.363mmol)を30秒間かけて滴下した。4-(2,2,2-トリフルオロエチル-チアゾール-2-カルボアルデヒド(工程3からの粗製物、59mg、0.3mmol)を反応混合物に添加し、得られた混合物を0℃で10分間撹拌した。次いで、反応物を室温に加温し、撹拌した。反応混合物を30分後に水(20mL)の添加によりクエンチし、有機物をEtOAc(3×30mL)に抽出した。合わせた有機層をブライン(1×30mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗混合物を順相クロマトグラフィーによって精製して、ピリジン-4-イル(4-(2,2,2-トリフルオロエチル)-チアゾール-2-イル)メタノール(22mg、27%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl、ppm)δ 8.68-8.44(m,2H)、7.51-7.33(m,2H)、7.17(s,1H)、5.97(s,1H)、3.84(q,J=10.1Hz,2H)。LCMS ESI-MS m/z:275[M+H]
【0224】
工程5. 2-(ピリジン-4-イルメチル)-4-(2,2,2-トリフルオロエチル)チアゾール。
バイアルに、(ピリジン-4-イル)(2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1,3-チアゾール-4-イル)メタノール(1.42mL、0.142mmol)を注ぎ、酢酸(1.4mL)に溶解した。次いで、亜鉛(52.4mg、0.802mmol)を添加し、反応物を80℃に加熱した。別の亜鉛(52.4mg、0.802mmol)を18時間後に添加した。2時間後、別の亜鉛(52.4mg、0.802mmol)を添加し、80℃でさらに2時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、セライトで濾過し、EtOAc(10mL)およびMeOH(10mL)で洗浄した。濾液をEtOAc(30mL)で希釈し、飽和NaHCO(40mL)の水溶液でクエンチした。水層をEtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させた。この反応混合物を濃縮し、そして順相クロマトグラフィーにより精製して、2-(ピリジン-4-イルメチル)-4-(2,2,2-トリフルオロエチル)チアゾールを透明黄色油状物(12mg、56%)として得た。H NMR(400MHz、CDCl、ppm)δ 8.60(d、J=4.9Hz、2H)、7.28(t,J=3.8Hz,2H)、7.15(s,1H)、4.35(s,2H)、3.63(q,J=10.5Hz,2H)。LCMS ESI-MS m/z:259[M+H]
【0225】
実施例10. 4-(ピリジン-4-イルメチル)-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)チアゾール
【0226】
【化39】
工程1. (2-(2,2,2-トリフルオロエチル)チアゾール-4-イル)メタノール。
オーブン乾燥バイアル(oven dried vial)に2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸(435mg、2.06mmol)を注ぎ、アルゴン下でTHF(4.7mL)に懸濁させた。次いで、ボランジメチルスルフィド(586μL、6.18mmol)を2分間かけて滴下した。これを室温で16時間撹拌した後、反応混合物を0℃に冷却し、1M HCl溶液をゆっくり添加してクエンチした。バブリングが終わった後、反応混合物をEtOAc(3×30mL)に抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をクロマトグラフィーにより精製して、ピリジン-4-イル(2-(2,2,2-トリフルオロエチル)チアゾール-4-イル)メタノール(209mg、51%)を透明黄色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:198[M+H]
【0227】
工程2. 2-(2,2,2-トリフルオロエチル)チアゾール-4-カルボアルデヒド。
バイアルに(2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1,3-チアゾール-4-イル)メタノール(202mg、1.02mmol)を注ぎ、DCM(4mL)に溶解した。反応混合物をアルゴン下で急速に撹拌し、Dess-Martinペルヨージナン(739mg、1.74mmol)を添加した。これを室温で2時間撹拌した後、反応混合物を水(20mL)の添加によりクエンチし、EtOAc(30mL)で希釈した。層を分離し、水層をEtOAc(3×20mL)に抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、2-(2,2,2-トリフルオロエチル)チアゾール-4-カルボアルデヒド(113mg、56%)を無色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:196[M+H]
【0228】
工程3. ピリジン-4-イル(2-(2,2,2-トリフルオロエチル)チアゾール-4-イル)メタノール。
フラスコに4-ヨードピリジン(1.28mL、256μmol)を注ぎ、THF(1.4mL)に溶解した。溶液を0℃に冷却し、エチルマグネシウムブロミド(0.133mL、0.44mmol)を30秒かけて滴下した。得られた混合物を室温で30分間撹拌した後、THF(1mL)中の2-(2,2,2-トリフルオロエチル)チアゾール-4-カルボアルデヒドをゆっくりと添加し、それを室温で1時間撹拌した。反応混合物を水(20mL)の添加によりクエンチし、EtOAc(30mL)で希釈した。層を分離し、水層をEtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、ピリジン-4-イル(2-(2,2,2-トリフルオロエチル)チアゾール-4-イル)メタノール(54mg、59%)を透明油状物として得た。H NMR(400MHz,CDCl,ppm)δ 8.68-8.44(m,2H)、7.51-7.33(m,2H)、7.17(s,1H)、5.97(s,1H)、3.84(q,J=10.1Hz,2H)。LCMS ESI-MS m/z:275[M+H]
【0229】
工程4. 4-(ピリジン-4-イルメチル)-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)チアゾール。
バイアルに(ピリジン-4-イル)(2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1,3-チアゾール-4-イル)メタノール(39mg、0.142mmol)および酢酸(1.4mL)を注いだ。次いで、亜鉛(93mg、1.42mmol)を添加し、反応物を80℃に18時間加熱した。追加の亜鉛(93mg、1.42mmol)を添加し、反応物を80℃で2時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、セライトで濾過し、EtOAc(10mL)およびMeOH(10mL)ですすいだ。濾液をEtOAc(30mL)で希釈し、飽和水溶液で中和した。NaHCO溶液(40mL)を、pH紙を用いて約pH7までチェックした。水層をEtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、4-(ピリジン-4-イルメチル)-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)チアゾール(18mg、49%)を透明黄色油状物としてもたらした。H NMR(400MHz,CDCl,ppm)δ 8.72-8.40(m,2H)、7.21(d,J=5.4Hz,2H)、6.97(s,1H)、4.15(s,2H)、3.84(q,J=10.2Hz,2H)。
LCMS ESI-MS m/z:259[M+H]
【0230】
実施例11. (rac)-4-(1-(5-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピロール-2-イル)エチル)ピリジン
【0231】
【化40】
工程1. 1-(5-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピロール-2-イル)エタン-1-オン。
1-(1H-ピロール-2-イル)エタン-1-オン(100mg、0.916mmol)およびDMSO(2mL)の撹拌溶液に、亜鉛トリフルオロエタンスルフィネート(461mg、0.916mmol)、次いでtert-ブチル-ヒドロペルオキシド(389mg、3.02mmol、70% aq)を添加した。反応混合物を4mLの反応バイアル中で60℃に加熱した。2時間後、反応混合物をシリカゲルクロマトグラフィーにより直接精製して、1-(5-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピロール-2-イル)エタン-1-オン(54mg)を白色固形物として得、これをさらに精製せずに次の工程で使用した。LCMS ESI-MS m/z:192[M+H]
【0232】
工程2. tert-ブチル 2-アセチル-5-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピロール-1-カルボキシレート。
1-(5-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピロール-2-イル)エタン-1-オン(54mg、0.282mmol)およびTHF(5mL)の溶液に、窒素雰囲気下、0℃で、60%NaH(25mg、0.625mmol)を添加した。
30分後、ジ-tert-ブチルジカルボネート(93mg、0.424mmol)を添加した。3時間後、この反応物を水の添加によりクエンチし、EtOAcで抽出した。
有機層を水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル 2-アセチル-5-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピロール-1-カルボキシレート(37mg、45%)を得た。LCMS ESI-MS m/z:236[M-tBu]+
【0233】
工程3. 1-メチル-1-(ピリジン-4-イル)-5-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H,3H-ピロール[1,2-c]オキサゾール-3-オン。
窒素雰囲気下の5mL丸底フラスコに、4-ヨード-ピリジン(6.35mL、1.27mmol)およびTHF(3mL)を添加した。
溶液を0℃に冷却し、エチルマグネシウムブロミド(0.423mL、1.27mmol)の溶液を30秒間かけて滴下した。反応物を室温まで加温し、30分間撹拌した。THF(2mL)中のtert-ブチル-アセチル-1H-ピロール-1-カルボキシレート(200mg、0.956mmol)を0℃で添加し、反応物を室温になるまで加温した。1時間後、反応物を水の添加によりクエンチし、固形物NHClを添加して、水層を飽和させた。水層を分離し、有機層をNaSOで乾燥させた。有機層を濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物をシリカクロマトグラフィーで精製することによって、淡黄色油状物として、1-メチル-1-(ピリジン-4-イル)-5-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H、3H-ピロール[1,2-c]オキサゾール-3-オン(23.7mg、69%)を得た。LCMS ESI-MS m/z:297[M+H]
【0234】
工程4. (rac)-4-(1-(5-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピロール-2-イル)エチル)ピリジン。
1-メチル-1-(ピリジン-4-イル)-5-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H、3H-ピロール[1,2-c]オキサゾール-3-オン(23.7mg、0.088mmol)および酢酸(1mL)の溶液に亜鉛粉末(57.3mg、0.877mmol)を添加し、得られた混合物を4mLの反応バイアル中、125℃で2時間加熱した。反応混合物をセライトで濾過し、減圧下で濃縮して、(rac)-4-(1-(5-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピロール-2-イル)エチル)ピリジン(22mg、99%)を黄色油状物として得た。H NMR(400MHz,CDCl,ppm)δ 8.38(br s,2H)、7.15(d,J=8.0Hz,2H)、6.11-6.08(m,2H)、4.14(q,J=8.0Hz,1H)、3.26(q,J=12.0Hz,2H),1.59(d,J=8.0Hz,3H)。LCMS ESI-MS m/z:255[M+H]
【0235】
実施例12. 2,2,2-トリフルオロ-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オン塩酸塩
【0236】
【化41】
工程1. 2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オン。
DCM(6mL)中の2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタノール(実施例7、工程1、300mg、0.77mmol)およびDMP(394mg、0.93mmol)の混合物を窒素雰囲気下、室温で2時間撹拌した。反応物を飽和NaHCO水溶液(10mL)および飽和Na水溶液(10mL)を室温でクエンチした。得られた混合物をDCM(2×15mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2×10mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オンを黒色油状物(290mg、97%)として得た。LCMS ESI-MS m/z:386[M+H]
【0237】
工程2. 2,2,2-トリフルオロ-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オン塩酸塩。
2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オン(290mg,0.75mmol)、DCM(2.9mL)、およびTFA(2.9mL)の混合物を窒素雰囲気下、室温で一晩撹拌した。得られた溶液を減圧下で濃縮して、黄色油状物を得た。残渣をジオキサン(10mL)中の4M HClに溶解し、次いで室温で一晩撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮して、黄色油状物を得た。粗生成物(200mg)を分取HPLCにより精製して、粗生成物を黄色固形物として得た(105mg)。粗生成物を分取HPLCによって再度精製した。合わせた生成物画分(the combined product fractions)(500mL)を濃HCl(5mL)で処理し、減圧下で濃縮して産出し、分取HPLCにより精製してNHCl塩を除去して、2,2,2-トリフルオロ-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オン塩酸塩を黄色固形物として得た(31mg,14%)。H NMR(400MHz、DO、ppm):δ 8.75-8.58(m、2H)、7.84(d,J=6.3Hz,2H)、7.43(s,1H)、4.42(s,2H)。LCMS ESI-MS m/z:271[M+H]
【0238】
実施例13. (E/Z)-2,2,2-トリフルオロ-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オンオキシム
【0239】
【化42】
EtOH(2mL)中の2,2,2-トリフルオロ-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オン 2,2,2-トリフルオロアセテート(実施例12、110mg、0.298mmol)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下、室温でNHOH・HCl(41mg、0.596mmol)を添加した。得られた混合物を窒素雰囲気下、80℃で3時間撹拌した。得られた混合物を飽和NaHCO水溶液でpH8に塩基性化した。粗生成物(100mg)を分取HPLCによって精製して、(E/Z)-2,2,2-トリフルオロ-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オンオキシム(16mg、14%)を白色固形物として得た。H NMR(400MHz、DMSO-d、ppm):δ12.72(s,2H)、8.49-8.43(m,2H)、7.29-7.23(m,2H)、7.08(s,1H)、3.98(s,2H)。LCMS ESI-MS m/z:271[M+H]
【0240】
実施例14. 4-((5-メチル-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン
【0241】
【化43】
工程1. 4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン。
2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール(実施例7、工程1、1.2g)、トリフェニルホスフィン(0.97g、3.7mmol)、イミダゾール(0.25g、3.7mmol)、ヨウ素(0.47g、1.8mmol)、およびテトラヒドロフラン(12mL)を、25℃の20mLバイアル中で合わせた。得られた混合物を窒素雰囲気下、70℃で1時間撹拌した。得られた混合物を、0~10℃の飽和NaSO水溶液でクエンチし、EtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(1×20mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣を逆相カラムクロマトグラフィーにより精製して、4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン(0.56g)を褐色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:372[M+H]
【0242】
工程2. 4-((5-ブロモ-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン。
DMF(6mL)中の4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン(520mg、1.4mmol)およびNBS(274mg、1.54mmol)の混合物を、窒素雰囲気下、室温で3時間撹拌した。反応物を0~5℃の飽和NaSO水溶液でクエンチした。得られた混合物をEtOAc(2×10mL)で抽出し、合わせた有機層をブライン(1×20mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、褐色油状物(300mg)を得た。粗物質を逆相カラムクロマトグラフィーにより精製して、4-((5-ブロモ-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン(150mg)を褐色固形物として得た。LCMS ESI-MS m/z:450/452[M+H]
【0243】
工程3. 4-((5-メチル-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン。
1,4-ジオキサン(5mL)中の4-((5-ブロモ-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン(120mg、0.27mmol)およびメチルボロン酸(24mg、0.40mmol)の溶液に、KCO(110mg、0.80mmol)およびPd(dppf)Cl(4mg、0.005mmol)を添加した。混合物をNで1分間バブリングした。得られた混合物を窒素雰囲気下、100℃で一晩撹拌した。反応物を室温に冷却し、次いで0~5℃の冷却水でクエンチした。得られた混合物をEtOAc(2×5mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1×10mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。粗生成物4-((5-メチル-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン(100mg、褐色油状物)を、さらに精製せずに次の工程に直接使用した。LCMS ESI-MS m/z:386[M+H]
【0244】
工程4. 4-((5-メチル-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン。
DCM(1mL)中の4-((5-メチル-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン(100mg、0.21mmol、約81%純度)の撹拌混合物に、窒素雰囲気下、室温でTFA(1mL)を滴下した。得られた混合物を窒素雰囲気下、45℃で一晩撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮し、残渣をEtOAc(5mL)およびHO(5mL)に溶解し、次いで飽和NaHCO水溶液でpH8に塩基性化した。溶液をEtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1×10mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、褐色油状物(80mg)を得た。粗生成物を分取HPLCにより精製して、4-((5-メチル-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン(12mg、22%)を白色固形物として得た。H NMR(400MHz、DMSO-d、ppm):δ 11.78(s,1H)、8.49~8.38(m,2H)、7.21~7.12(m,2H)、3.92~3.70(d,2H)、3.58(m,J=11.1,3.2Hz,2H)、2.20~1.9(d,3H)。LCMS ESI-MS m/z:256[M+H]
【0245】
実施例15および15a. (S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-アミンおよび(R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-アミン
【0246】
【化44】
工程1. (rac)-4-((2-(1-クロロ-2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン。
DMF(8.5mg、0.117mmol)中のSOCl(3mL)の溶液を0℃に冷却した。(rac)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール(実施例7、工程2、300mg、1.2mmol)を0℃で少しずつ加え、次いで室温で一晩撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮して、(rac)-4-([2-(1-クロロ-2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル]メチル)ピリジン(300mg)を黄色固形物として得た。LCMS ESI-MS m/z:276[M+H]
【0247】
工程2. (rac)- 2,2,2-トリフルオロ-N-(4-メトキシベンジル)-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-アミン。
DMF(3mL)中の(rac)-4-([2-(1-クロロ-2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル]メチル)ピリジン(300mg、1.1mmol)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下、0℃で4-メトキシ-ベンゼンメタンアミン(1.5g、10.9mmol)を滴下した。得られた混合物を窒素雰囲気下、室温で3時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮して褐色固形物を得た。その粗製生成物(500mg)を逆相カラムクロマトグラフィーにより精製して、(rac)-2,2,2-トリフルオロ-N-(4-メトキシベンジル)-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-アミン(200mg,49%)を黄色固形物として得た。LCMS ESI-MS m/z:377[M+H]
【0248】
工程3. (rac)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-アミン。
DCM(2mL)中の(rac)-2,2,2-トリフルオロ-N-(4-メトキシベンジル)-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-アミン(180mg、0.478mmol)の撹拌溶液に、TFA(2mL)を窒素雰囲気下、室温で添加し、一晩撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮して、黄色固形物を得た。粗生成物(200mg)を分取HPLCにより精製して、(rac)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-アミン(80mg、65%)を黄色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:257[M+H]
【0249】
工程4. (S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-アミンおよび(R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-アミン。
(rac)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-アミン(100mg)を分取SFCによって精製した。ピーク1を白色固形物(22mg、28%)として単離し、ピーク2を白色固形物(17mg、21%)として単離した。
ピーク1。H NMR(400MHz、DMSO-d、ppm):δ 8.48-8.42(m,2H)、7.27-7.21(m,2H)、6.85(s,1H)、4.55-4.45(m,1H)、3.86(s,2H);LCMS ESI-MS m/z:257[M+H]
ピーク2。H NMR(400MHz,DMSO-d,ppm):δ 8.48-8.42(m,2H)、7.27-7.21(m,2H)、6.84(s,1H)、4.52-4.46(m,1H);LCMS ESI-MS m/z:257[M+H]
【0250】
絶対立体化学を任意に割り当てた。
【0251】
実施例16および16a.(S)-2,2,2-トリフルオロ-N-メチル-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-アミンおよび(R)-2,2,2-トリフルオロ-N-メチル-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-アミン
【0252】
【化45】
工程1.(rac)-2,2,2-トリフルオロ-N-メチル-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-アミン。
EtOH(3mL)中の撹拌溶液4-((2-(1-クロロ-2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)ピリジン(実施例15、工程1、300mg、1.09mmol)に、窒素雰囲気下、0℃でCHNH(1mL、EtOH中30%)を滴下した。得られた混合物を室温で2時間撹拌し、減圧下で濃縮して、褐色油状物を得た。粗生成物(100mg)を分取HPLCにより精製して、2,2,2-トリフルオロ-N-メチル-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-アミン(60mg、20%)を黄色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:271[M+H]
【0253】
工程2. (S)-2,2,2-トリフルオロ-N-メチル-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-アミン、および(R)-2,2,2-トリフルオロ-N-メチル-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-アミン。
ラセミ混合物(60mg)を分取SFCによって精製した。ピーク1を黄色の半固形物(23mg、38%)として単離し、ピーク2を黄色の半固形物(21mg、35%)として単離した。
【0254】
ピーク1。H NMR(400MHz,DMSO-d,ppm):δ 8.49-8.43(m,2H)、7.27-7.21(m,2H)、6.87(s,1H)、4.29(q,J=7.8Hz,1H)、3.88(s,2H)、2.26(s,3H)。LCMS ESI-MS m/z:271[M+H]
【0255】
ピーク2。H NMR(400MHz,DMSO-d、ppm):δ8.49-8.43(m,2H)、7.27-7.21(m,2H)、6.88(s,1H)、4.30(q,J=7.9Hz,1H)、3.88(s,2H)、2.26(s,3H)。LCMS ESI-MS m/z:271[M+H]
【0256】
絶対立体化学を任意に割り当てた。
【0257】
実施例17および17a.(S)-2,2,2-トリフルオロ-N,N-ジメチル-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-アミン、および(R)-2,2,2-トリフルオロ-N,N-ジメチル-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-アミン
【0258】
【化46】
【0259】
工程1. (rac)-2,2,2-トリフルオロ-N,N-ジメチル-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-アミン。
EtOH(3mL)中の4-((2-(1-クロロ-2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)ピリジン(実施例15、工程1、300mg、1.1mmol)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下、0℃でジメチルアミン(EtOH中30%、1mL)を滴下した。得られた混合物を窒素雰囲気下、室温で2時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮して、黄色油状物を得た。粗生成物(150mg)を分取HPLCによって精製して、黄色油状物として(rac)-2,2,2-トリフルオロ-N,N-ジメチル-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-アミン(100mg、32.3%)を得た。LCMS ESI-MS m/z:285[M+H]
【0260】
工程2. (S)-2,2,2-トリフルオロ-N,N-ジメチル-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-アミン、および(R)-2,2,2-トリフルオロ-N,N-ジメチル-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-アミン。
(rac)-2,2,2-トリフルオロ-N,N-ジメチル-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-アミン(100mg)を分取SFCによって精製した。ピーク1を黄色油状物(28mg、28%)として単離し、ピーク2を黄色油状物(22mg、22%)として単離した。
【0261】
ピーク1。H NMR(400MHz,DMSO-d、ppm):δ 11.98(s,1H)、8.48-8.42(m,2H)、7.26-7.20(m,2H)、6.86(s,1H)、4.48(q,J=8.8Hz,1H)、3.89(s,2H)、2.29(s,6H)。LCMS ESI-MS m/z:285[M+H]
【0262】
ピーク2。
H NMR(400MHz,DMSO-d,ppm):δ 11.99(s,1H)、8.45(s,2H)、7.23(d,J=5.0Hz,2H)、6.92(s,1H)、6.71(s,0H)、4.48(s,1H)、3.95(s,1H)、3.86(s,1H)、2.29(s,6H)。LCMS ESI-MS m/z:285[M+H]
【0263】
絶対立体化学を任意に割り当てた。
【0264】
実施例18.(E/Z)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)チアゾール-2-イル)エタン-1-オンオキシム
【0265】
【化47】
【0266】
工程1. エチル 4-(ピリジン-4-イルメチル)チアゾール-2-カルボキシレート。
EtOH(80mL)中の1-ブロモ-3-(ピリジン-4-イル)プロパン-2-オン臭化水素酸塩(13.7g、46.7mmol)、およびエチル 2-アミノ-2-チオキソアセタート(6.8g、51.4mmol)の混合物を、窒素雰囲気下、80℃で4時間撹拌した後、室温に冷却した。混合物を飽和NaHCO(水溶液)でpH7に調整し、EtOAc(3×50mL)で抽出した。有機抽出物をブライン(1×50mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、エチル 4-(ピリジン-4-イルメチル)チアゾール-2-カルボキシレートを黄色油状物として得た(7.0g、60%)。LCMS ESI-MS m/z:249[M+H]
【0267】
工程2. (4-(ピリジン-4-イルメチル)チアゾール-2-イル)メタノール。
EtOH(100mL)中のエチル 4-(ピリジン-4-イルメチル)チアゾール-2-カルボキシレート(7.0g、28.2mmol)の溶液を、窒素雰囲気下、室温で4時間、NaBH(5.4g、141.0mmol)で処理した。反応物を、0℃の飽和NHCl(水溶液)(200mL)を添加することによってクエンチし、EtOAc(3×80mL)で抽出した。得られた有機抽出物を減圧下で濃縮して、(4-(ピリジン-4-イルメチル)チアゾール-2-イル)メタノールを黄色油状物(6.0g)として得た。この化合物をさらに精製することなく次の工程で使用した。LCMS ESI-MS m/z:207[M+H]
【0268】
工程3. 4-(ピリジン-4-イルメチル)チアゾール-2-カルボアルデヒド。
DCM(130mL)中の(4-(ピリジン-4-イルメチル)チアゾール-2-イル)メタノール(6.0g、22mmol)の溶液を、窒素雰囲気下、室温で2時間、DMP(10.2g、24mmol)で処理した。反応物を0℃の飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(20mL)の添加によりクエンチした。得られた混合物を飽和NaHCO水溶液でpH7に塩基性化した。水層をEtOAc(3×80mL)で抽出した。得られた混合物を減圧下で濃縮して、4-(ピリジン-4-イルメチル)チアゾール-2-カルボアルデヒド(6.0g)を褐色油状物として得た。この化合物をさらに精製することなく次の工程で使用した。LCMS ESI-MS m/z:205[M+H]
【0269】
工程4. 2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)チアゾール-2-イル)エタン-1-オール。
THF(100mL)中の4-(ピリジン-4-イルメチル)-1,3-チアゾール-2-カルボアルデヒド(6.0g、14.7mmol)の溶液をTMSCF(2.5g、17.6mmol)で処理し、窒素雰囲気下、室温で5分間撹拌した。次いで、CsF(2.7g、17.6mmol)を0℃で少しずつ添加し、得られた混合物を窒素雰囲気下、室温で一晩撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)チアゾール-2-イル)エタン-1-オール(1.8g、44%)を白色固形物として得た。LCMS ESI-MS m/z:275[M+H]
【0270】
工程5. 2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)チアゾール-2-イル)エタン-1-オン。
DCM(15mL)中の2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)チアゾール-2-イル)エタン-1-オール(500mg、1.8mmol)の混合物に、DMP(850mg、2.0mmol)を窒素雰囲気下、室温で少しずつ添加した。得られた混合物を室温で1時間撹拌した。反応物を0℃の飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(10mL)の添加によりクエンチした。得られた混合物を飽和NaHCO水溶液でpH7に塩基性化した。水層をEtOAc(3×20mL)で抽出した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)チアゾール-2-イル)エタン-1-オン(400mg、80%)を白色固形物として得た。LCMS ESI-MS m/z:273[M+H]
【0271】
工程6. (E/Z)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)チアゾール-2-イル)エタン-1-オンオキシム。
EtOH(15mL)中の2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)チアゾール-2-イル)エタン-1-オン(400mg、1.5mmol)およびNHOH・HCl(204mg、2.9mmol)の混合物を窒素雰囲気下、80℃で一晩撹拌した。混合物を室温に冷却した。混合物を飽和NaHCO水溶液でpH7に塩基性化した。水層をEtOAc(3×20mL)で抽出した。得られた混合物を減圧下で濃縮して、黄色固形物を得た。固形物をEtOAc(20mL)で粉砕し、濾別して黄色固形物を得、これを分取HPLCにより精製して、(E/Z)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)チアゾール-2-イル)エタン-1-オンオキシム(31mg、7%)を白色固形物として得た。H NMR(400MHz、DMSO-d、ppm):δ 8.47(s,2H)、7.30(s,2H)、7.16(s,1H)、4.15(s,2H)、LCMS ESI-MS m/z:288[M+H]
【0272】
実施例19および19a. (S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)チアゾール-2-イル)エタン-1-アミン、および(R)-2、2、2-トリフルオロ-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)チアゾール-2-イル)エタン-1-アミン
【0273】
【化48】
工程1. 2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)チアゾール-2-イル)エタン-1-アミン。
MeOH(8mL)中の(E/Z)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)チアゾール-2-イル)エタン-1-オンオキシム(実施例18、工程6、400mg、1.4mmol)の溶液を6M HCl(20mg、0.5mmol)で、室温で2分間処理し、続いてPd/C(160mg、40wt%)を室温で少しずつ添加し、水素雰囲気下、室温で一晩撹拌した。得られた混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して黄色固形物を得た。粗物質(180mg)を分取HPLCにより精製して、2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)チアゾール-2-イル)エタン-1-アミンを白色固形物として得た(100mg、26%)。LCMS ESI-MS m/z:274[M+H]
【0274】
工程2. (S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)チアゾール-2-イル)エタン-1-アミン、および(R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(5-(ピリジン-4-イルメチル)チアゾール-2-イル)エタン-1-アミン。
2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)チアゾール-2-イル)エタン-1-アミンのラセミ混合物(100mg)を分取SFCによって精製した。ピーク1を白色固形物(23mg、6%)として単離し、ピーク2を白色固形物(23mg、6%)として単離した。
【0275】
ピーク1。H NMR(400MHz,DMSO-d,ppm):δ 8.45-8.51(m,2H)、7.45(s,1H)、7.24-7.3(m,2H)、4.90(q,J=7.9Hz,1H)、4.11(s,2H)、2.86(s,2H)。LCMS ESI-MS m/z:274[M+H]
【0276】
ピーク2。H NMR(400MHz,DMSO-d,ppm):δ 8.42-8.55(m,2H)、7.45(s,1H)、7.2-7.33(m,2H)、4.91(s,1H)、4.11(s,2H)、2.84(s,2H)。LCMS ESI-MS m/z:274[M+H]
【0277】
絶対立体化学を任意に割り当てた。
【0278】
実施例20および20a. (S)-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-5-イル)メタノール、および(R)-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-5-イル)メタノール
【0279】
【化49】
【0280】
工程1. (rac)-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-5-イル)メタノール。
THF(15mL)の5-ブロモチアゾール(310mg、1.9mmol)の溶液を、窒素雰囲気下、0℃で30分間、iPrMgCl・LiCl(1.6mL、2.1mmol)で処理し、続いて、0℃で4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-カルボアルデヒド(実施例3、工程4、500mg、1.6mmol)を滴下した。得られた混合物を窒素雰囲気下、室温で1時間撹拌した。反応物を0℃の水/氷(10mL)の添加によりクエンチし、EtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を減圧下で濃縮した。残渣を逆相クロマトグラフィーで精製して、黄色油状物として(rac)-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-5-イル)メタノールを得た(200mg、31%)。LCMS ESI-MS m/z:403[M+H]
【0281】
工程2. (rac)-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-5-イル)メタノール。
DCM(8.0mL)中の(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-5-イル)メタノール(200mg、0.5mmol)の溶液を、窒素雰囲気下、室温で、一晩TFA(8.0mL)で処理した。得られた混合物を減圧下で濃縮し、次いで、0℃のエタン-1,2-ジアミン(0.5mL)で処理した。得られた混合物を減圧下で濃縮して、黄色固形物を得た。残渣を第1に逆相クロマトグラフィーによって精製して、黄色固形物として(rac)-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-5-イル)メタノール(180mg、60%)を得た。粗生成物を第2に分取HPLCにより精製して、(rac)-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-5-イル)メタノール(100mg、74%)を白色固形物として得た。
【0282】
工程3. (S)-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-5-イル)メタノール、および(R)-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-5-イル)メタノール。
(rac)-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-5-イル)メタノール(100mg)を分取SFCによって精製した。
ピーク1を白色固形物(29mg、22%)として単離し、ピーク2を白色固形物(29mg、21%)として単離した。
【0283】
ピーク1。H NMR(400MHz、DMSO-d、ppm):δ 11.95(s,1H),9.00(s,1H),8.50-8.36(m,2H),7.74(s,1H),7.29-7.18(m,2H),6.77(s,1H),6.60(dd,J=4.5,1.9Hz,1H)、6.02(d,J=4.5Hz,1H),3.82(s,2H)。LCMS ESI-MS m/z:273[M+H]
【0284】
ピーク2。H NMR(400MHz,DMSO-d,ppm):δ 12.00(d,J=62.8Hz,1H)、9.00(s,1H)、8.44(d,J=5.0Hz,2H)、7.74(s,1H)、7.31-7.14(m,2H),6.82(s,1H)6.63-6.50(m,1H)、6.02(d,J=4.4Hz,1H)、3.80(s,2H)。LCMS ESI-MS m/z:273[M+H]
絶対立体化学を任意に割り当てた。
【0285】
実施例21.(rac)-(5-((3-メチルピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-5-イル)メタノール
【0286】
【化50】
工程1. (5-((3-メチルピリジン-4-イル)メチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-5-イル)メタノール。
THF(25mL)中の5-ブロモ-1,3-チアゾール(430mg、2.62mmol)の撹拌溶液に、iPrMgCl・LiCl(1.92mL、2.49mmol、THF中1.3M溶液)を窒素雰囲気下、0℃で10分間かけて滴下した。反応混合物を10分間撹拌し、1mLのTHF中の(rac)-4-((3-メチルピリジン-4-イル)メチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-カルボアルデヒド(実施例25、工程4、435mg、1.31mmol)の溶液を反応系に滴下した。得られた混合物を1時間撹拌した。この物質を別の50mgバッチと合わせ、得られた混合物を0℃の飽和NHCl(50mL)でクエンチした。次いで、有機物をEtOAc(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。その粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、(4-((3-メチルピリジン-4-イル)メチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-5-イル)メタノール(423mg、63%)を明褐色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:=417[M+H]
【0287】
工程2. (rac)-(4-((3-メチルピリジン-4-イル)メチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-5-イル)メタノール。
DCM(4mL)中の(5-((3-メチルピリジン-4-イル)メチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-5-イル)メタノール(373mg、0.89mmol)の撹拌溶液に、TFA(4mL)を0℃で滴下した。得られた混合物を室温に加温し、12時間撹拌した。この混合物を別の50.0mgバッチと合わせ、得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を飽和NaHCOでpH8~9に塩基性化し、有機物をDCM(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を無水MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。その粗製生成物を逆相クロマトグラフィーにより精製して、(rac)-(5-((3-メチルピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-5-イル)メタノール(101mg、34%)を淡黄色固形物として得た。H NMR(400MHz、DMSO-d、ppm):δ 8.98(s,1H)、8.32-8.24(m,2H)、7.73(s,1H)、7.08(d,J=4.9Hz,1H)、6.67(s,1H)、6.01(s,2H)、3.79(s,2H)、2.27(s,3H)。
LCMS ESI-MS m/z:=287[M+H]
【0288】
実施例22. 3,5-ジクロロ-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)ピリジン
【0289】
【化51】
工程1. (3,5-ジクロロピリジン-4-イル)(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メタノール。
テトラヒドロフラン(60mL)中の4-ヨード-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール(6.0g、18.5mmol)の溶液に、ブロモ(イソプロピル)マグネシウム(22.2mL、22.2mmol)を、窒素雰囲気下、-15℃で10分間かけて滴下し、30分間撹拌した。得られた混合物に、3,5-ジクロロイソニコチンアルデヒド(3.9g、22.2mmol)を少しずつ添加し、さらに30分間撹拌した。混合物を別の500mgバッチと合わせ、得られた混合物を0℃の飽和NHCl(200mL)の添加によりクエンチした。有機物をEtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮して、淡黄色油状物を得た。その粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、(3,5-ジクロロピリジン-4-イル)(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メタノール(6.40g,85%)を淡黄色固形物として得た。LCMS ESI-MS m/z:=374[M+H]
【0290】
工程2. 3,5-ジクロロ-4-((1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン。
(3,5-ジクロロピリジン-4-イル)(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メタノール(5.80g、15.5mmol)の酢酸(58mL)溶液を、窒素雰囲気下、室温、亜鉛(12.1g、186mmol)で処理した。得られた混合物を80℃に加熱し、1時間撹拌した。次いで、得られた混合物を室温に冷却し、別の500mgバッチと合わせた。沈殿した固形物を濾過し、濾過ケーキをDCM(2×30mL)ですすいだ。濾液を減圧下で濃縮した。残渣を飽和NaCOでpH8~9に塩基性化し、有機物をDCM(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層を無水MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、3,5-ジクロロ-4-((1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン(4.98g、80%)を淡黄色油状物として得た。
LCMS ESI-MS m/z:=357,358[M+H]
【0291】
工程3. 4-((3,5-ジクロロピリジン-4-イル)メチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-カルボアルデヒド。
テトラヒドロフラン(78mL)中の3,5-ジクロロ-4-((1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン(3.9g、10.9mmol)の溶液を、窒素雰囲気下、-78℃でLDA(16.3mL、32.7mmol、THF中2M溶液)で処理した。得られた混合物をさらに5分間撹拌し、DMF(1.59g、21.8mmol)を滴下した。得られた混合物をさらに0.5時間撹拌した。この混合物を別の500mgバッチと合わせ、得られた混合物を0℃の飽和NHCl(水溶液)(100mL)の添加によりクエンチした。有機物をEtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。その粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、4-((3,5-ジクロロピリジン-4-イル)メチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-カルボアルデヒド(2.9g,54%)を明黄色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:=386[M+H]
【0292】
工程4.1-(4-((3,5-ジクロロピリジン-4-イル)メチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)-2,2,2-トリフルオロエタン-1-オール。
テトラヒドロフラン(48mL)中の4-((3,5-ジクロロピリジン-4-イル)メチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-カルボアルデヒド(2.40g、6.21mmol)の溶液を、窒素雰囲気下、室温で、トリフルオロメチルトリメチルシラン(1.32g、9.32mmol)で処理した。反応物を0℃に冷却し、CsF(1.42g、9.32mmol)を少しずつ添加した。次いで、反応物を室温に加温し、2時間撹拌した。この混合物を別の500mgバッチと合わせ、得られた混合物を減圧下で濃縮した。粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、1-(4-((3,5-ジクロロピリジン-4-イル)メチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)-2,2,2-トリフルオロエタン-1-オール(2.9g,85%)を淡黄色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:=456[M+H]
【0293】
工程5. 3,5-ジクロロ-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン。
テトラヒドロフラン(24mL)中の1-(4-((3,5-ジクロロピリジン-4-イル)メチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)-2,2,2-トリフルオロエタン-1-オール(2.40g、5.26mmol)の溶液を、窒素雰囲気下で、トリフェニルホスフィン(1.66g、6.31mmol)、イミダゾール(0.43g、6.31mmol)、およびヨウ素(0.80g、3.16mmol)で処理した。反応物を70℃に加熱し、1時間撹拌した。この混合物を別の500mgバッチと合わせ、得られた混合物を0℃の飽和NaSO(100mL)水溶液の添加によりクエンチした。有機物をEtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。その粗製生成物を逆相クロマトグラフィーにより精製して、3,5-ジクロロ-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン(2.40g、85%)を明黄色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:=440[M+H]
【0294】
工程6. 3,5-ジクロロ-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)ピリジン。
DCM(2.5mL)中の3,5-ジクロロ-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン(500mg、1.14mmol)の溶液を、窒素雰囲気下、0℃のトリフルオロ酢酸(2.5mL)で滴下処理した。反応物を室温に加温し、12時間撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残渣を飽和NaHCOでpH7~8に塩基性化し、その上で生成物を溶液から沈殿させた。沈殿物を濾過によって収集し、水(2×4mL)ですすぎ、3,5-ジクロロ-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)ピリジン(63mg、17%)をオフホワイトの固形物として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d,ppm):δ 11.99(s,1H)、8.61(s,2H)、6.76(s,1H)、4.11(s,2H)、3.65(q,J=11.2Hz,2H)、19F NMR(376MHz,DMSO-d,ppm):δ-63.63,-63.66,-63.71;LCMS ESI-MS m/z:=310[M+H]
【0295】
実施例23 (rac)-1-(4-((3-クロロピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)-2,2,2-トリフルオロエタン-1-オール
【0296】
【化52】
工程1. (3-クロロピリジン-4-イル)(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メタノール。
THF(100mL)中の4-ヨード-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール(実施例3、工程1、10g、31mmol)の溶液に、窒素雰囲気下、0℃で20分間かけてイソプロピルマグネシウムブロミド(37mL、37.0mmol、THF中1M溶液)を滴下した。得られた混合物を0.5時間撹拌し、3-クロロイソニコチンアルデヒド(5.2g、37mmol)を10分かけて滴下した。得られた混合物を0℃で1時間撹拌した。反応が完了すると、それを0℃の飽和NHCl水溶液(200mL)の添加によりクエンチした。水層をEtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮して、淡黄色油状物を得た。その粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、(3-クロロピリジン-4-イル)(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メタノール(2.5g、24%)を淡黄色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:340[M+H]
【0297】
工程2. 3-クロロ-4-((1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン。
酢酸(13mL)中の(3-クロロピリジン-4-イル)(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メタノール(1.3g、3.8mmol)の溶液に、亜鉛(3g、46.0mmol)を室温、窒素雰囲気下で添加した。得られた混合物を80℃に加熱し、2時間撹拌した。反応が完了すると、沈殿した固形物を濾過し、固形物をDCM(2×30mL)ですすいだ。別の200mgバッチをこの混合物と合わせ、濾液を減圧下で濃縮した。この残渣をDCM(30mL)に溶解し、飽和NaCO(2×15mL)で洗浄した。有機層を無水MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、淡黄色油状物を得た。その粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、3-クロロ-4-((1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン(1.1g、78%)を明黄色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:324[M+H]
【0298】
工程3. 4-((3-クロロピリジン-4-イル)メチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-カルボアルデヒド。
テトラヒドロフラン(8mL)中の3-クロロ-4-((1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン(400mg、1.2mmol)の溶液に、LDA(1.49mL、34.9mmol、THF中2M溶液)を-78℃で滴下し、5分間撹拌した。上記混合物にDMF(180mg、2.5mmol)を-78℃で滴下し、30分間撹拌した。次いで、反応物を、0℃の飽和NHCl(30mL)の添加によりクエンチした。得られた混合物をEtOAc(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮して、淡黄色油状物を得た。粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、4-((3-クロロピリジン-4-イル)メチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-カルボアルデヒド(143mg,32%)を明黄色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:352[M+H]
【0299】
工程4. 1-(4-((3-クロロピリジン-4-イル)メチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)-2,2,2-トリフルオロエタン-1-オール。
テトラヒドロフラン(2.4mL)中の4-((3-クロロピリジン-4-イル)メチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-カルボアルデヒド(120mg、0.341mmol)の溶液に、窒素雰囲気下、25℃でトリフルオロメチルトリメチルシラン(72.7mg、0.512mmol)を添加した。反応物を0℃に冷却し、CsF(77.7mg、0.512mmol)を少しずつ添加した。得られた混合物を室温に加温し、2時間撹拌した。得られた混合物を別の20.0mgバッチと合わせ、減圧下で濃縮した。粗製生成物を逆相クロマトグラフィーにより精製して、1-(4-((3-クロロピリジン-4-イル)メチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)-2,2,2-トリフルオロエタン-1-オール(124mg、74%)を明黄色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:=422[M+H]
【0300】
工程5. 1-(4-((3-クロロピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)-2,2,2-トリフルオロエタン-1-オール。
DCM(0.4mL)中の1-(4-((3-クロロピリジン-4-イル)メチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)-2,2,2-トリフルオロエタン-1-オール(80.0mg、0.190mmol)の溶液に、TFA(0.4mL)を0℃で滴下した。反応物を室温に加温し、12時間撹拌した。次いで、得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を飽和NaHCOでpH7~8に塩基性化し、DCM(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層を無水MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を分取HPLCによって精製して、1-(4-((3-クロロピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)-2,2,2-トリフルオロエタン-1-オール(14mg、25%)をオフホワイトの固形物として得た。HNMR:(400MHz,DMSO-d,ppm):δ 12.24(d,J=50.4Hz,1H)、8.58(d,J=13.4Hz,1H)、8.43(dd,J=17.9,4.9Hz,1H),7.27(dd,J=19.0,4.9Hz,1H)、7.11(dd,J=15.6,5.8Hz,1H)、6.95-6.59(m,1H)、5.13(p、J=6.8Hz、1H)、3.98(d,J=39.2Hz,2H)。LCMS ESI-MS m/z:=402[M+H]
【0301】
実施例24、24a、24b、24c. (S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((S)-1-(ピリジン-4-イル)エチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール、(R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((R)-1-(ピリジン-4-イル)エチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール、(S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((R)-1-(ピリジン-4-イル)エチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール、および(R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((S)-1-(ピリジン-4-イル)エチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール
【0302】
【化53】
工程1. 1-(ピリジン-4-イル)-1-(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)エタン-1-オール。
THF(50mL)中の4-ヨード-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール(5.0g、15.4mmol)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下、0℃で1M i-PrMgBr(16.9mL、16.9mmol)を滴下した。反応混合物を0℃で30分間撹拌した。次いで、1-(ピリジン-4-イル)エタン-1-オン(2.05g、16.9mmol)を滴下し、得られた混合物を室温に加温し、2時間撹拌した。反応混合物を氷水(50mL)に注ぎ、有機物をEtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製生成物を逆相クロマトグラフィーにより精製して、1-(ピリジン-4-イル)-1-(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)エタン-1-オール(3.7g、75%)を明黄色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:=320[M+H]
【0303】
工程2. 4-(1-(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)エチル)ピリジン。
AcOH(37mL)中の1-(ピリジン-4-イル)-1-(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)エタン-1-オール(3.7g、11.5mmol)およびZn(9.09g、139mmol)の混合物を、窒素雰囲気下、80℃で一晩撹拌した。得られた混合物を室温に冷却した。得られた混合物を濾過し、濾過ケーキをMeOH(30mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮した。
粗製生成物を逆相クロマトグラフィーにより精製して、4-(1-(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)エチル)ピリジン(3g、81%)を黄色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:=304[M+H]
【0304】
工程3. 4-(1-(ピリジン-4-イル)エチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-カルボアルデヒド。
THF(50mL)中の4-(1-(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)エチル)ピリジン(2.6g、8.56mmol)の撹拌溶液に、2.5M n-BuLi(10.2mL、25.7mmol)を窒素雰囲気下、-78℃で滴下した。反応混合物を30分間撹拌した。次いで、DMF(1.25g、17.1mmol)を混合物に滴下し、反応物を室温に加温した。得られた混合物を5時間撹拌した。次いで、反応混合物を0~5℃の飽和NHCl(60mL)に注いだ。有機物をEtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(80mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製生成物を逆相クロマトグラフィーにより精製して、4-(1-(ピリジン-4-イル)エチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-カルボアルデヒド(1.2g、41%)を明黄色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:=332[M+H]
【0305】
工程4. 2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(1-(ピリジン-4-イル)エチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール。
THF(20mL)中の4-(1-(ピリジン-4-イル)エチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-カルボアルデヒド(1.10g、3.31mmol)およびTMSCF(0.71g、4.97mmol)の撹拌混合物に、5~10℃のCsF(0.76g、4.97mmol)を少しずつ添加した。得られた混合物を室温に加温し、窒素雰囲気下で2時間撹拌した。反応混合物を氷水(30mL)に注ぎ、有機物をEtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。その粗製生成物を、さらに精製せずに次の工程で直接使用した。LCMS ESI-MS m/z:=402[M+H]
【0306】
工程5. 2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(1-(ピリジン-4-イル)エチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール。
DCM(12mL)中の2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(1-(ピリジン-4-イル)エチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール(1.2g、2.98mmol)の混合物に、窒素雰囲気下、5~10℃のTFA(12mL)を滴下した。得られた混合物を室温で一晩撹拌し、減圧下で濃縮した。残渣をEtOAc(10mL)およびHO(10mL)に溶解し、得られた混合物をNaCO(水溶液)でpH10に塩基性化した。有機物をEtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を逆相クロマトグラフィーにより精製して、2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(1-(ピリジン-4-イル)エチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール(0.50g、2工程で51%)を黄色固形物として得た。
LCMS ESI-MS m/z:=272[M+H]
【0307】
工程6.(S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((S)-1-(ピリジン-4-イル)エチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール、(R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((R)-1-(ピリジン-4-イル)エチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール、(S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((R)-1-(ピリジン-4-イル)エチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール、および(R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((S)-1-(ピリジン-4-イル)エチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール。
rac-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-[1-(ピリジン-4-イル)エチル]-1H-イミダゾール-2-イル)エタノール(350mg)を分取SFCにより分離して、ピーク1(57mg、16.3%、de=100%)を白色固形物として、他の3つの立体異性体の混合物であるピーク2(150mg)を白色固形物として得た。ピーク2を分取-SFCによりさらに精製して、ピーク3(15.3mg、10%、de=98.6%)を白色固形物として、2つの立体異性体が残っている混合物であるピーク4(50mg)を白色固形物として得た。ピーク4を分取SFCによりさらに精製して、ピーク5(11.2mg、22%、de=99.8%)を白色固形物として、ピーク6(8.8mg、18%)を白色固形物として得た。
ピーク1.H NMR:(400MHz,DMSO-d,ppm):δ 12.12(s,1H)、8.44(d,2H)、7.24(d,2H)、7.06(d,J=5.9Hz,1H)、6.91(s,1H)、5.16-5.04(m,1H)、4.04(s,1H)、1.50(d,J=7.2Hz,3H)。LCMS ESI-MS m/z:=272[M+H]
ピーク3.H NMR:(400MHz,DMSO-d,ppm):δ 12.10(s,1H)、8.44(d,J=5.1Hz,2H)、7.25(d,J=5.1Hz,2H)、7.15-6.65(m,2H)、5.10(q,J=7.3Hz,1H)、4.03(s,1H)、1.50(d,J=7.1Hz,3H)。LCMS ESI-MS m/z:=272[M+H]
ピーク5.H NMR:(400MHz,DMSO-d,ppm):δ 12.25-12.03(m,1H)、8.51-8.41(m,2H)、7.28-7.21(m,2H)、7.10-6.70(m,2H)、5.17-5.05(m,1H)、4.17-3.97(m,1H)、1.56-1.46(m,3H)。LCMS ESI-MS m/z:=272[M+H]
ピーク6.H NMR:(400MHz,DMSO-d,ppm):δ 12.25-12.00(m,1H)、8.51-8.39(m,2H)、7.27-7.20(m,2H)、7.12-6.66(m,2H)、5.16-5.03(m,1H)、4.20-3.95(m,1H)、1.58-1.40(m,3H)。LCMS ESI-MS m/z:=272[M+H]
【0308】
絶対立体化学を任意に割り当てた。
【0309】
実施例25. 3-メチル-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン
【0310】
【化54】
【0311】
工程1. 3-メチルイソニコチンアルデヒド。
ジオキサン(94.5mL)およびHO(10.5mL)中の3-クロロピリジン-4-カルボアルデヒド(7.0g、49.5mmol)およびトリメチル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリボリナン(24.8g、98.9mmol、THF中50%)の溶液に、KCO(13.7g、98.9mmol)およびPd(dppf)ClCHCl(2.0g、2.5mmol)を添加した。窒素雰囲気下、100℃で0.5時間撹拌した後、沈殿した固形物を濾過により除去した。濾液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムによって精製して、淡黄色の油として3-メチルイソニコチンアルデヒド(4.2g、70%)を得た。LCMS ESI-MS m/z:122[M+H]
【0312】
工程2. (3-メチルピリジン-4-イル)(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メタノール。
THF(107mL)中の4-ヨード-1-([2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル)イミダゾール(10.7g、33mmol)の溶液を、窒素雰囲気下、0℃で20分間、イソプロピルマグネシウムブロミド溶液(39.6mL、39.6mmol、THF中1M溶液)で処理した。得られた混合物を0℃でさらに0.5時間撹拌した。上記混合物に、3-メチルイソニコチンアルデヒド(3.6g、29.7mmol)を0℃で10分間かけて滴下した。得られた混合物を0℃でさらに1時間撹拌した。反応物を飽和塩化アンモニウム溶液(200mL)により0℃でクエンチした。水層をEtOAc(3×100mL)で抽出し、無水NaSOで乾燥させた。固形物を濾過により回収し、濾過ケーキをEtOAc(2×30mL)ですすいだ。合わせた有機溶液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、(3-メチルピリジン-4-イル)(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メタノール(6.6g、70%)を淡黄色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:320[M+H]
【0313】
工程3. 3-メチル-4-((1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン。
酢酸(70mL)中の(3-メチルピリジン-4-イル)(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メタノール(6.95g、21.8mmol)の撹拌溶液に、亜鉛(17.1g、261mmol)を室温、窒素雰囲気下で添加した。得られた混合物を80℃で2時間撹拌した。沈殿した固形物を濾過によって収集し、濾過ケーキをDCM(2×30mL)ですすいだ。得られた有機溶液を減圧下で濃縮した。残渣をDCM(30mL)に溶解した。有機層を飽和NaCO(2×15mL)で洗浄した。有機層を無水MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、3-メチル-4-((1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン(4.7g、71%)を淡黄色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:304[M+H]+。
【0314】
工程4. 4-((3-エチルピリジン-4-イル)メチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-カルボアルデヒド。
THF(94mL)中の3-メチル-4-((1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン(4.70g、15.5mmol)の溶液に、LDA(23.2mL、46.5mmol、THF中2M溶液)を-78℃で滴下した。得られた混合物を-78℃で0.5時間撹拌した。上記混合物にジメチルホルムアミド(2.26g、31.0mmol)を滴下し、次いで-78℃で0.5時間撹拌した。反応物を、0℃の飽和NHCl溶液(150mL)によりクエンチした。得られた混合物をEtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させた。沈殿した固形物を、漏斗を用いてDCM(2×30mL)で抽出した。合わせた有機溶液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、4-((3-メチルピリジン-4-イル)メチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-カルボアルデヒド(3.45g、67%)を淡黄色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:332[M+H]
【0315】
工程5. 2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((3-メチルピリジン-4-イル)メチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール。
テトラヒドロフラン(60mL)中の4-((3-メチルピリジン-4-イル)メチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-カルボアルデヒド(3.15g、9.5mmol)の溶液を、窒素雰囲気下、室温でトリフルオロメチルトリメチルシラン(2.03g、14.3mmol)で処理し、続いて、0℃でフッ化セシウム(2.17g、14.3mmol)を少しずつ添加した。得られた混合物を室温でさらに2時間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((3-メチルピリジン-4-イル)メチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール(3.26g、78%)を淡黄色固形物として得た。LCMS ESI-MS m/z:402[M+H]
【0316】
工程6. 3-メチル-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン。
テトラヒドロフラン(34mL)中の2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((3-メチルピリジン-4-イル)メチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール(2.0g、4.98mmol)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下、室温で、トリフェニルホスフィン(1.57g、5.98mmol)、イミダゾール(0.41g、5.98mmol)、およびヨウ素(0.76g、2.99mmol)を添加した。得られた混合物を70℃で1時間撹拌した。
反応物を0℃の飽和NaSO溶液でクエンチした。得られた混合物をEtOAc(2×15mL)で抽出した。沈殿した固形物をEtOAc(2×15mL)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を逆相クロマトグラフィーにより精製して、3-メチル-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン(1.46g、63%)を明黄色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:386[M+H]
【0317】
工程7。 3-メチル-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン。
DCM(2.5mL)中の3-メチル-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン(500mg、1.3mmol)の溶液に、窒素雰囲気下、0℃でTFA(2.5mL)を滴下した。混合物を室温に加温し、12時間撹拌した。完了したら、反応物を減圧下で濃縮した。残渣を飽和NaHCO(水溶液)でpH7~8に塩基性化し、有機物をDCM(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を無水MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を逆相クロマトグラフィーにより精製して、3-メチル-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン(190mg、57%)をオフホワイトの固形物として得た。
H NMR(400MHz,DMSO-d,ppm):δ 11.98(d,J=30.2Hz,1H),8.36-8.24(m,2H),7.06(dd,J=24.3,5.0Hz,1H),6.86-6.57(m,1H),3.84(d,J=44.3Hz,2H),3.65(qd,J=11.1,5.6Hz,2H)2.26(d,J=4.5Hz,3H)。LCMS ESI-MS m/z:256[M+H]
【0318】
実施例26および26a. (R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)-1-(チアゾール-5-イル)エタン-1-オールおよび(S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)-1-(チアゾール-5-イル)エタン-1-オール
【0319】
【化55】
【0320】
工程1. 2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)-1-(チアゾール-5-イル)エタン-1-オール。
DCM(1mL)およびTFA(1mL)中の2,2,2-トリフルオロ-1-[4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-([2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル)イミダゾール-2-イル]-1-(1,3-チアゾール-5-イル)エタノール(100mg、0.21mmol)の溶液を室温で一晩撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、逆相クロマトグラフィーにより精製して、2,2,2-トリフルオロ-1-[4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル]-1-1(1,3-チアゾール-5-イル)エタノール(50mg、69%)を黄色固形物として得た。
【0321】
工程2. (R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)-1-(チアゾール-5-イル)エタン-1-オール、および(S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)-1-(チアゾール-5-イル)エタン-1-オール。ラセミ混合物(50mg)を分取SFCによって分離した。ピーク1を白色固形物(4.6mg、9%)として収集し、ピーク2を白色固形物(7.4mg、14%)として収集した。
ピーク1.H NMR(400MHz,DMSO-d,ppm):δ 12.41(s,1H)、9.14(d,J=1.8Hz,1H)、8.65-8.27(m,2H)、8.09(d,J=2.3Hz,1H)、7.27(d,J=5.0Hz,2H)、6.92(s,2H)、3.91(s,2H)。LCMS ESI-MS m/z:341[M+H]
ピーク2.H NMR(400MHz,DMSO-d,ppm):δ 12.40(d,J=66.4Hz,1H),9.14(s,1H),8.46(ddd,J=9.2,4.4,1.6Hz,2H),8.27(d,J=10.0Hz,1H),8.08(s,1H),7.38-7.15(m,2H)、6.86(d,J=73.0Hz,1H),3.91(d,J=27.0Hz,2H)。LCMS ESI-MS m/z:341[M+H]
【0322】
絶対立体化学を任意に割り当て、回転異性体を観察した。
【0323】
実施例27. 3-クロロ-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン
【0324】
【化56】
工程1. 3-クロロ-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン。
AcOH(10mL)中の3,5-ジクロロ-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン(1g、2.2mmol、実施例22、工程5)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下、25℃、亜鉛(1.78g、27.2mmol)で処理した。得られた混合物を80℃で12時間撹拌した。得られた混合物を室温に冷却し、固形物を濾過により除去し、濾過ケーキをAcOH(2×5mL)ですすいだ。得られた混合物に亜鉛(1.78g、27.2mmol)を25℃で添加した。得られた混合物を80℃でさらに12時間撹拌した。この操作をさらに2回繰り返した(濾過し、亜鉛を添加する)。固形物を濾過により除去し、濾過ケーキをDCM(2×30mL)ですすいだ。得られた有機溶液を減圧下で濃縮して、淡褐色油状物を得た。粗製生成物(2.2g)を、さらに精製せずに次の工程で直接使用した。LCMS ESI-MS m/z:=406[M+H]
【0325】
工程2. 3-クロロ-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン。
DCM(11mL)中の3-クロロ-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン(2.2g,1.3mmol)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下、0℃でTFA(11mL)を滴下した。得られた混合物を25℃で12時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣をDCM(10mL)およびHO(10mL)に溶解し、混合物を飽和NaHCOでpH8~9に塩基性化した。得られた混合物をDCM(3×30mL)で抽出した。有機層を無水MgSOで乾燥させた。固形物を濾過により除去し、濾過ケーキを漏斗においてDCM(2×20mL)ですすいだ。得られた有機溶液を減圧下で濃縮した。残渣を逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、3-クロロ-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン(120mg、2工程で19%)をオフホワイトの固形物として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d,ppm):δ 8.58(d,J=16.1Hz,1H)、8.49-8.38(m,1H)、7.31(d,J=4.9Hz,1H)、6.92(s,1H)、3.99(d,J=43.4Hz,2H)、3.67(q,J=11.1Hz,2H)。LCMS ESI-MS m/z:=276[M+H]
【0326】
実施例28. 2-クロロ-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン
【0327】
【化57】
工程1. 4-ヨード-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)イミダゾール。
DMF(200mL)の4-ヨード-1H-イミダゾール(20g、103.1mmol)の溶液を窒素雰囲気下、0℃で1時間、NaH(60%、3g、124mmol)で処理し、続いてSEM-Cl(20.6g、124mmol)を0℃で滴下した。得られた混合物を窒素雰囲気下、室温で一晩撹拌した。反応物を0℃で水/氷(600mL)の添加によりクエンチした。水層をEtOAc(3×200mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブライン(1×200mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させた。得られた混合物を濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、PE/EA(10:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、4-ヨード-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)イミダゾール(25g、75%)を黄色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:325[M+H]
【0328】
工程2. (2-メトキシピリジン-4-イル)(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)イミダゾール-4-イル)メタノール。
THF(60mL)中の4-ヨード-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)イミダゾール(10g、30.8mmol)の溶液を、ブロモ(プロパン-2-イル)マグネシウム(33.7mL、33.6mmol、1M)で窒素雰囲気下、-10℃で1時間処理し、続いて-10℃で2-メトキシピリジン-4-カルボアルデヒド(3.9g、28mmol)を滴下した。得られた混合物を窒素雰囲気下、室温で2時間撹拌した。得られた混合物をEtOAc(30mL)で希釈した。反応物を室温でNaSO・10HO(10g)の添加によりクエンチした。沈殿した固形物を濾過し、濾過ケーキをEtOAc(2×20mL)ですすいだ。酢酸エチル洗浄液を回収し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、(2-メトキシピリジン-4-イル)(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)イミダゾール-4-イル)メタノール(5g、53%)を黄色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:336[M+H]
【0329】
工程3. (2-メトキシピリジン-4-イル)(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)イミダゾール-4-イル)メチルアセタート。
DCM(90mL)中の(2-メトキシピリジン-4-イル)(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)イミダゾール-4-イル)メタノール(4.5g、13.4mmol)の溶液を、TEA(2.7g、26.8mmol)、DMAP(0.2g、1.3mmol)、Ac2O(1.4g、13.4mmol)で、窒素雰囲気下、室温で1時間処理した。得られた混合物を30mLの水で洗浄した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、(2-メトキシピリジン-4-イル)(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)イミダゾール-4-イル)メチルアセタート(4.8g、95%)を黄色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:377[M+H]
【0330】
工程4. 2-メトキシ-4-((1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン。
MeOH(95mL)中の(2-メトキシピリジン-4-イル)(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)イミダゾール-4-イル)メチルアセタート(4.8g、12.7mmol)およびPd/C(2.4g、22.5mmol)の混合物を水素雰囲気下、室温で一晩撹拌した。得られた混合物を濾過し、濾過ケーキをEtOAc(2×30mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮した。残渣を逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、2-メトキシ-4-((1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン(3.5g、86%)を黄色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:320[M+H]
【0331】
工程5.4-((2-メトキシピリジン-4-イル)メチル]-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル)イミダゾール-2-カルボアルデヒド。
THF(60mL)中の22-メトキシ-4-((1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン(3g、9.4mmol)の溶液を、窒素雰囲気下、-78℃で2時間、n-BuLi(7.5mL、18.8mmol、2.5M)で処理し、続いて-78℃でDMF(1.4g、18.8mmol)を滴下した。反応物を水/氷(20mL)の添加により-20℃でクエンチした。水層をEtOAc(3×20mL)で抽出した。有機層を合わせ、減圧下で濃縮した。残渣を逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、5-((2-メトキシピリジン-4-イル)メチル]-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル)イミダゾール-2-カルボアルデヒド(2.2g、67%)を黄色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:348[M+H]
【0332】
工程6. 2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((2-メトキシピリジン-4-イル)メチル]-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル)イミダゾール-2-イル)エタノール。
THF(40mL)中の5-((2-メトキシピリジン-4-イル)メチル]-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル)イミダゾール-2-カルボアルデヒド(2g、5.8mmol)の溶液を、窒素雰囲気下、0℃で5分間、TMSCF(1g、6.9mmol)で処理し、続いて0℃でCsF(1.1g、6.9mmol)を少しずつ添加した。得られた混合物を窒素雰囲気下、室温で一晩撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、2,2,2-トリフルオロ-1-(5-((2-メトキシピリジン-4-イル)メチル]-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル)イミダゾール-2-イル)エタノール(2.1g、87%)を黄色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:418[M+H]
【0333】
工程7: 2-メトキシ-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル)イミダゾール-4-イル]メチル)ピリジン。
THF(19mL)中の2,2,2-トリフルオロ-1-(5-((2-メトキシピリジン-4-イル)メチル]-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル)イミダゾール-2-イル)エタノール(1.9g、4.6mmol)の溶液を、イミダゾール(0.3g、4.6mmol)、PPh3(1.4g、5.5mmol)、I(0.7g、2.7mmol)で、窒素雰囲気下、65℃で一晩処理した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、2-メトキシ-4-((2-(2、2、2-トリフルオロエチル)-3-((2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル)イミダゾール-4-イル]メチル)ピリジン(1.2g、66%)を黄色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:402[M+H]
【0334】
工程8. 2-クロロ-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン。
POCl(6mL)中の2-メトキシ-4-((2-(2、2、2-トリフルオロエチル)-3-((2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル)イミダゾール-4-イル]メチル)ピリジン(0.3g、0.7mmol)の溶液を、窒素雰囲気下100℃で一晩撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣をNaOH水溶液(1M)でpH7に塩基性化した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、粗生成物を白色固形物として得た。粗生成物を分取HPLCによってさらに精製して、2-クロロ-4-((2-(2、2、2-トリフルオロエチル)-3H-イミダゾール-4-イル]メチル)ピリジン(75mg、36%)を白色固形物として得た。H NMR(400MHz,メタノール-d4,ppm):δ 8.26(d,J=5.2Hz,1H)、7.34(d,J=1.3Hz,1H)、7.26(dd,J=5.2,1.5Hz,1H)、6.97(s,1H)、3.98(s,2H)、3.64(q,J=10.6Hz,2H)。LCMS ESI-MS m/z:276[M+H]
【0335】
実施例29. 2-フルオロ-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン
【0336】
【化58】
工程1. 4-ヨード-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル)イミダゾール。
DMF(200mL)の4-ヨード-1H-イミダゾール(20g、103mmol)の溶液をNaH(60%、3g、124mmol)で窒素雰囲気下、0℃で1時間処理し、続いてSEM-Cl(20.6g、124mmol)を0℃で滴下した。得られた混合物を窒素雰囲気下、室温で一晩撹拌した。反応物を0℃で水/氷(600mL)の添加によりクエンチした。水層をEtOAc(3×200mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブライン(1×200mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させた。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、4-ヨード-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル)イミダゾール(25g、75%)を黄色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:325[M+H]
【0337】
工程2: (2-フルオロピリジン-4-イル)(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル)イミダゾール-4-イル)メタノール
THF(30mL)中の4-ヨード-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル)イミダゾール(5g、15.4mmol)の溶液を、窒素雰囲気下、-10℃で1時間、i-PrMgBr(18.5mL、18.5mmol、1M)で処理し、続いて-10℃で2-フルオロピリジン-4-カルボアルデヒド(1.9g、15.4mmol)を滴下した。得られた混合物を窒素雰囲気下、室温で2時間撹拌した。反応物をNaSO・10HO(5g)固形物の添加により室温でクエンチした。得られた混合物を濾過し、濾過ケーキを漏斗において、EtOAc(2×20mL)ですすいだ。濾液を回収し、減圧下で濃縮した。残渣を逆フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、(2-フルオロピリジン-4-イル)(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル)イミダゾール-4-イル)メタノール(3.5g、70%)を褐色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:324[M+H]
【0338】
工程3. (2-フルオロピリジン-4-イル)(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル)イミダゾール-4-イル)メチルアセタート。
DCM(66mL)中の(2-フルオロピリジン-4-イル)(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル)イミダゾール-4-イル)メタノール(3.3g、10.2mmol)の撹拌溶液に、TEA(2.1g、20.4mmol)、DMAP(0.12g、1mmol)、AcO(1g、10.2mmol)を窒素雰囲気下、室温で添加した。得られた混合物を窒素雰囲気下、室温で1時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。得られた混合物をEtOAc(30mL)で希釈した。得られた混合物を水(2×20mL)およびブライン(20mL)で洗浄した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を逆フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、(2-フルオロピリジン-4-イル)(1-((2-(トリメチルシリル) エトキシ]メチル)イミダゾール-4-イル)メチルアセタート(3.5g、85%)を黄色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:366[M+H]
【0339】
工程4. 2-フルオロ-4-((1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル)イミダゾール-4-イル)メチル]ピリジン。
MeOH(70mL)中の(2-フルオロピリジン-4-イル)(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル)イミダゾール-4-イル)メチルアセタート(3.5g、9.1mmol)およびPd/C(1.7g、15.6mmol)の混合物を水素雰囲気下、室温で一晩撹拌した。得られた混合物を濾過し、濾過ケーキをEtOAc(2×20mL)で洗浄した。濾液を回収し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、2-フルオロ-4-((1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル)イミダゾール-4-イル)メチル]ピリジン(2.7g、97%)を黄色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:308[M+H]
【0340】
工程5. 4-((2-フルオロピリジン-4-イル)メチル]-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル)イミダゾール-2-カルボアルデヒド。
THF(54mL)中の2-フルオロ-4-((1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル)イミダゾール-4-イル)メチル]ピリジン(2.7g、8.8mmol)の溶液を、窒素雰囲気下、-78℃で2時間、n-BuLi(7mL、17.6mmol、2.5M)で処理し、続いて-78℃でDMF(1.3g、17.6mmol)を滴下した。得られた混合物を窒素雰囲気下、-78℃で30分間撹拌した。反応物を水/氷(10mL)の添加により-20℃でクエンチした。水層をEtOAc(3×20mL)で抽出した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を逆フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、4-((2-フルオロピリジン-4-イル)メチル]-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル)イミダゾール-2-カルボアルデヒド(1.5g、51%)を黄色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:336[M+H]
【0341】
工程6. 2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((2-フルオロピリジン-4-イル)メチル]-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル)イミダゾール-2-イル)エタノール。
THF(28mL)中の4-((2-フルオロピリジン-4-イル)メチル]-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル)イミダゾール-2-カルボアルデヒド(1.4g、4.2mmol)の溶液を、窒素雰囲気下、0℃で5分間、TMSCF(0.7g、5mmol)で処理し、続いて0℃でCsF(0.8g、5mmol)を少しずつ添加した。得られた混合物を窒素雰囲気下、室温で一晩撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を逆フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((2-フルオロピリジン-4-イル)メチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル)イミダゾール-2-イル)エタノール(1.4g、83%)を黄色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:406[M+H]
【0342】
工程7. 2-フルオロ-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3-((2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル)イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン。
THF(4mL)中の2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((2-フルオロピリジン-4-イル)メチル]-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル)イミダゾール-2-イル)エタノール(400mg、1mmol)の溶液を、イミダゾール(67.2mg、1mmol)、PPh(310mg、1.2mmol)、およびI(150mg、0.6mmol)で、窒素雰囲気下、65℃で一晩処理した。得られた混合物をEtOAc(10mL)で希釈した。Na(水溶液、10mL)を室温で添加することによって反応をクエンチした。水層をEtOAc(2×10mL)で抽出した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を逆フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、2-フルオロ-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3-((2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル)イミダゾール-4-イル]メチル)ピリジン(300mg、78%)を淡黄色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:390[M+H]
【0343】
工程8. 2-フルオロ-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン。
DCM(4.8mL)中の2-フルオロ-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3-((2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル)イミダゾール-4-イル]メチル)ピリジン(240mg、0.6mmol)の溶液を、窒素雰囲気下、室温、一晩CFCOOH(4.8mL)で処理した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣をMeOH(3mL)に溶解した。反応物を室温でエチレンジアミン(1mL)の添加によりクエンチした。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、粗物質を白色固形物として得た。粗物質を分取HPLCによってさらに精製して、2-フルオロ-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン(146mg、92%)を白色固形物として得た。H NMR(400MHz,メタノール-d4,ppm):δ 8.10(d,J=5.2Hz,1H),7.20(dt,J=5.3,1.8Hz,1H),6.95(d,J=12.4Hz,2H),4.02(s,2H),3.63(q,J=10.6Hz,2H)。LCMS ESI-MS m/z:260[M+H]
【0344】
実施例30および30a.(S)-(5-((3-メチルピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-5-イル)メタノール、および(R)-(5-((3-メチルピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-5-イル)メタノール
【0345】
【化59】
rac-(5-((3-メチルピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-5-イル)メタノール(96.6mg、実施例21)を分取キラル-HPLCによって分離して、淡黄色固形物としてピーク1(22.3mg、23%)および淡黄色固形物としてピーク2(24.3mg、25%)を得た。
【0346】
ピーク1.H NMR(400MHz,DMSO-d,ppm):δ 11.95(d,J=57.8Hz,1H)、8.99(d,J=0.8Hz,1H)、8.34-8.23(m,2H)、7.73(s,1H)、7.09(d,J=5.0Hz,1H)、6.81-6.44(m,2H)、6.01(dd,J=4.6,1.0Hz,1H)、3.82(d,J=42.2Hz,2H)、2.27(s,3H)。LCMS ESI-MS m/z:=287[M+H]
ピーク2.H NMR(400MHz,DMSO-d,ppm):δ 11.98(d,J=59.6Hz,1H),8.99(s,1H),8.31-8.23(m,2H),7.73(s,1H),7.09(d,J=5.1Hz,1H),6.81-6.48(m,2H)、6.01(s,1H)、3.82(d,J=41.6Hz,2H)、2.27(s,3H)。LCMS ESI-MS m/z:=287[M+H]
絶対立体化学を任意に割り当てた。
【0347】
実施例31および31a.(R)-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-2-イル)メタノール、および(S)-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-2-イル)メタノール
【0348】
【化60】
工程1.(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル)イミダゾール-2-イル](1,3-チアゾール-2-イル)メタノール。
THF(8mL)中の2-ブロモチアゾール(248mg、1.51mmol)の撹拌溶液に、i-PrMgCl-LiCl(THF中1.3M)(1.16mL、1.51mmol)を窒素雰囲気下、0℃で滴下した。得られた混合物を室温で30分間撹拌した。上記混合物に、4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-カルボアルデヒド(400mg、1.26mmol、実施例3、工程4)を0℃で滴下した。得られた混合物を室温でさらに1時間撹拌した。反応物を0℃で飽和NHCl(水溶液)(20mL)の添加によりクエンチした。得られた混合物をEtOAc(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1×20mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮して、粗生成物を黄色油状物として得た。粗製生成物を逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-2-イル)メタノール(200mg、39%)を黄色固形物として得た。
LCMS ESI-MS m/z:403[M+H]
【0349】
工程2. (5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-2-イル)メタノール。
DCM(2mL)およびCFCOOH(2mL)中の(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-2-イル)メタノール(200mg、0.5mmol)の溶液を窒素雰囲気下、室温で一晩撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣をMeOH(2mL)に溶解し、エチレンジアミン(1mL)でクエンチした。得られた混合物を分取HPLCにより精製して、(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-2-イル)メタノール(80mg、59%)を白色固形物として得た。LCMS ESI-MS m/z:273[M+H]
【0350】
工程3. (R)-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-2-イル)メタノール、および(S)-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-2-イル)メタノール。
rac-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)(チアゾール-2-イル)メタノール混合物(80mg)を分取SFCにより精製して、ピーク1(14.4mg、18%)を白色固形物として、ピーク2(16.7mg、21%)を白色固形物として得た。
ピーク1.H NMR(400MHz,DMSO-d,ppm)δ 11.93(s,1H)、8.53-8.24(m,2H)、7.80-7.49(m,2H)、7.37-7.06(m,2H)、6.94-6.60(m,2H)、5.91(d,J=4.6Hz,1H),3.82(s,2H)。LCMS ESI-MS m/z:273[M+H]
ピーク2.H NMR(400MHz,DMSO-d,ppm):δ 11.9(d,J=65.9Hz,1H)、8.43(d,J=5.3Hz,2H)、7.80-7.64(m,2H)、7.24(d,J=5.6Hz,2H)、7.04-6.44(m,2H)、5.91(d,J=4.7Hz,1H)、3.84(d,J=41.5Hz,2H)。LCMS ESI-MS m/z:273[M+H]
絶対立体化学を任意に割り当てた。
【0351】
実施例32および32a. (R)-1,1,1-トリフルオロ-2-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)プロパン-2-オール、および(S)-1,1,1-トリフルオロ-2-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)プロパン-2-オール
【0352】
【化61】
工程1. 1,1,1-トリフルオロ-2-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)プロパン-2-オール。
THF(6mL)中の2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オン(600mg、1.55mmol、実施例12、工程1)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下、-78℃でブロモ(メチル)マグネシウム(THF中1M、0.75mL、1.86mmol)を滴下した。得られた混合物を窒素雰囲気下、0℃で2時間撹拌した。反応物を0℃で水/氷(20mL)でクエンチした。得られた混合物をEtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1×50mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮して、1,1,1-トリフルオロ-2-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)プロパン-2-オール(500mg、80%)を褐色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:402[M+H]
【0353】
工程2. 1,1,1-トリフルオロ-2-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)プロパン-2-オール。
DCM(2.5mL)中の1,1,1-トリフルオロ-2-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)プロパン-2-オール(500mg、1.24mmol)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下、0℃でTFA(2.5mL)を滴下した。得られた混合物を窒素雰囲気下、室温で一晩撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮して、黄色固形物を得た。粗生成物(300mg)を2mLのMeOHに溶解し、1mLのエチレンジアミンでクエンチした。得られた混合物を分取HPLCにより精製して、1,1,1-トリフルオロ-2-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)プロパン-2-オール(65mg、19%)を白色固形物として得た。LCMS ESI-MS m/z:272[M+H]
【0354】
工程3. (R)-1,1,1-トリフルオロ-2-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)プロパン-2-オール、および(S)-1,1,1-トリフルオロ-2-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)プロパン-2-オール。
rac-1,1,1-トリフルオロ-2-(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)プロパン-2-オール(65mg)をSFCにより精製して、ピーク1(6mg、9.2%)を白色固形物として、ピーク2(7.9mg、12%)を白色固形物として得た。
ピーク1。H NMR(400MHz,DMSO-d,ppm)δ 8.47-8.41(m,2H)、7.27-7.21(m,2H)、6.77(s,1H)、6.04(s,1H)、3.85(s,2H)、1.66(d,J=1.1Hz,3H)。LCMS ESI-MS m/z:272[M+H]
ピーク2。H NMR(400MHz,DMSO-d,ppm)δ 8.41(d,J=5.1Hz,2H)、7.21(d,J=5.1Hz,2H)、6.74(s,1H)、6.63(s,1H)、3.84(s,2H)、1.64(s,3H)。LCMS ESI-MS m/z:272[M+H]
絶対立体化学を任意に割り当てた。
【0355】
実施例33および33a. (S)-4-((2-(2,2,2-トリフルオロ-1-メトキシエチル)-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)ピリジン、および(R)-4-((2-(2,2,2-トリフルオロ-1-メトキシエチル)-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)ピリジン
【0356】
【化62】
工程1. 2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-トリチル-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール。
THF(15mL)中の4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-トリチル-1H-イミダゾール-2-カルボアルデヒド(実施例3、工程3による、1.5g、3.5mmol)およびTMSCF(0.74g、5.2mmol)の撹拌混合物溶液に、窒素雰囲気下、0℃でCsF(0.8g、5.2mmol)を少しずつ添加した。得られた混合物を窒素雰囲気下、室温で2時間撹拌した。反応混合物を冷却した水(20mL)に注ぎ、EtOAc(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。粗生成物(1.40g)をさらに精製せずに次の工程に直接使用した。LCMS ESI-MS m/z:=500[M+H]
【0357】
工程2. 4-((2-(2,2,2-トリフルオロ-1-メトキシエチル)-1-トリチル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)ピリジン。
THF(13mL)中の2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-トリチル-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール(1.3g、2.6mmol)の溶液に、窒素雰囲気下、NaH(0.21g、5.2mmol、60重量%)を0℃で少しずつ加えた。得られた混合物を窒素雰囲気下、0℃で30分間撹拌した。上記混合物に、CHI(0.74g、5.2mmol)を0℃で滴下した。得られた混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を冷却した水(15mL)に注ぎ、EtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(15mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。その粗製生成物(0.8g)を、さらに精製せずに次の工程で直接使用した。LCMS ESI-MS m/z:=514[M+H]
【0358】
工程3. 4-((2-(2,2,2-トリフルオロ-1-メトキシエチル)-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)ピリジン。
MeOH(4mL)中の4-((2-(2,2,2-トリフルオロ-1-メトキシエチル)-1-トリチル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)ピリジン(0.8g、1.56mmol)の溶液に、窒素雰囲気下、10℃で4M HCl/MeOH(4mL)を滴下した。反応物を室温で2時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣をEtOAc(10mL)およびHO(10mL)に溶解し、混合物をEtOAc(10mL×2)で抽出した。水相を飽和NaCO(水溶液)でpH約10に塩基性化した。得られた混合物をEtOAc(4×10mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。粗製生成物を逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、4-((2-(2,2,2-トリフルオロ-1-メトキシエチル)-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)ピリジン(0.2g、3工程で29%)を白色固形物として得た。LCMS ESI-MS m/z:=272[M+H]
【0359】
工程4. (S)-4-((2-(2,2,2-トリフルオロ-1-メトキシエチル)-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)ピリジン、および(R)-4-((2-(2,2,2-トリフルオロ-1-メトキシエチル)-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)ピリジン。
rac-4-((2-(2,2,2-トリフルオロ-1-メトキシエチル)-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)ピリジン(100mg)を分取SFCにより精製して、ピーク1(33mg、33%、ee=100%)を白色固形物として、ピーク2(32mg、32%、ee=100%)を白色固形物として得た。
ピーク1.H NMR:(400MHz,DMSO-d,ppm):δ 12.50-12.15(m,1H)、8.52-8.40(m,2H)、7.27-7.19(m,2H)、7.02-6.68(m,1H)、5.11-4.99(m,1H)、3.98-3.81(m,2H)、3.34(s,3H)。LCMS ESI-MS m/z:=272[M+H]
ピーク2.H NMR:(400MHz,DMSO-d,ppm):δ 12.50-12.15(m,1H)、8.52-8.40(m,2H)、7.27-7.19(m,2H)、7.02-6.68(m,1H)、5.11-4.99(m,1H)、3.98-3.80(m,2H)、3.37-3.33(m,3H)。LCMS ESI-MS m/z:=272[M+H]
絶対立体化学を任意に割り当てた。
【0360】
実施例34および34a.(R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(5-((2-フルオロピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール、および(S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(5-((2-フルオロピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール。
【0361】
【化63】
工程1. 2,2,2-トリフルオロ-1-(5-((2-フルオロピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール。
DCM(4mL)中の2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((2-フルオロピリジン-4-イル)メチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール(200mg、0.5mmol、実施例29、工程6)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下、室温でCFCOOH(4mL)を滴下した。得られた混合物を窒素雰囲気下、室温で一晩撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、MeOH(2mL)に溶解した。得られた混合物を室温でエチレンジアミン(1mL)の添加によりクエンチし、逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、2,2,2-トリフルオロ-1-(5-((2-フルオロピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール(80mg、59%)を白色固形物として得た。LCMS ESI-MS m/z:276[M+H]
【0362】
工程2. (S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(5-((2-フルオロピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール、および(R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(5-((2-フルオロピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール。
rac-2,2,2-トリフルオロ-1-(5-((2-フルオロピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール(80mg)を分取SFCにより精製して、ピーク1(21.5mg、16%)を白色固形物として、ピーク2(13.1mg、10%)を白色固形物として得た。
ピーク1.H NMR(400MHz,DMSO-d,ppm):δ 8.13(d,J=5.1Hz,1H)、7.22(dd,J=5.2,1.3Hz,1H)、7.02(d,J=1.5Hz,1H)、6.90(s,1H)、5.99(s,1H)、5.13(q,J=7.3Hz,1H)、3.92(s,2H)。LCMS ESI-MS m/z:276[M+H]
ピーク2.H NMR(400MHz,DMSO-d,ppm):δ 12.23(d,J=49.6Hz,1H)、8.12(d,J=5.2Hz,1H)、7.22(d,J=5.1Hz,1H)、7.10(d,J=5.8Hz,1H)、7.01(s,1H)、6.96(s,1H)、5.12(dd,J=10.0,4.1Hz,1H)、3.90(s,2H)。LCMS ESI-MS m/z:276[M+H]
絶対立体化学を任意に割り当てた。
【0363】
実施例35. (rac)-ピリジン-2-イル(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)メタノール
【0364】
【化64】
工程1. ピリジン-2-イル(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)メタノール。
THF(10mL)中の4-((1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン(500mg、1.73mmol、実施例3、工程3)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下、-60℃でn-BuLi(2.1mL、5.19mmol、2.5M)を滴下した。得られた混合物を窒素雰囲気下、-60℃で1時間撹拌した。次いで、2-ホルミルピリジン(462.5mg、4.32mmol)を-60℃で滴下し、得られた混合物を窒素雰囲気下、-60℃でさらに1時間撹拌した。反応物を-60℃で飽和NHCl(水溶液)(20mL)でクエンチした。得られた混合物をEtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1×10mL)で洗浄し、無水MgSOで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、次いで分取HPLCによりさらに精製して、ピリジン-2-イル(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)メタノール(352mg、48%)を淡黄色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:=397[M+H]
【0365】
工程2. ピリジン-2-イル(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)メタノール。
DCM(1.5mL)中のピリジン-2-イル(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)メタノール(352mg、0.825mmol)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下、0℃でTFA(1.5mL)を滴下した。
得られた混合物を30℃で一晩撹拌した。
得られた混合物を減圧下で濃縮した。
残渣をDCM(10mL)およびHO(10mL)に溶解し、混合物を飽和NaCOでpH9~10に塩基性化した。
得られた混合物をDCM(5×20mL)で抽出した。
有機層を合わせ、無水MgSOで乾燥させた。
固形物を濾過により除去し、濾過ケーキをDCM(2×20mL)ですすいだ。
得られた有機溶液を減圧下で濃縮した。
残渣を分取-HPLCにより精製して、ピリジン-2-イル(5-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)メタノール(3.1mg,1.4%)をオフホワイトの固形物として得た。
H NMR(400MHz,DMSO-d,ppm):δ 11.83(d,J=70.9Hz,1H)、8.43(dd,J=13.7,4.7Hz,3H)、7.79(t,J=7.7Hz,1H)、7.36-7.14(m,3H)、6.63(d,J=92.6Hz,1H)、6.16(d,J=4.2Hz,1H)、5.65(t,J=4.0Hz,1H)、3.81(d,J=50.1Hz,2H)。LCMS ESI-MS m/z:=267[M+H]
【0366】
実施例36. 3-フルオロ-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン
【0367】
【化65】
工程1. 3-フルオロ-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン。
THF(3.6mL)中の2,2,2-トリフルオロ-1-(5-((3-フルオロピリジン-4-イル)メチル]-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル)イミダゾール-2-イル)エタノール(400mg、1mmol、実施例38、工程5)の溶液を、メチル-イミダゾール(98.5mg、1.20mmol)、トリブチルホスフィン(607mg、3.00mmol)、およびI(241mg、0.95mmol)で、窒素雰囲気下、25℃で5時間処理した。得られた混合物をEtOAc(10mL)で希釈した。反応物を室温でNa水溶液(10mL)の添加によりクエンチした。水層をEtOAc(2×10mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、3-フルオロ-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン(230mg、57%)を黄色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:390[M+H]
【0368】
工程2. 3-フルオロ-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン。
DCM(2.3mL)中の3-フルオロ-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン(230mg、0.56mmol)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下、0℃でTFA(2.3mL)を滴下した。得られた混合物を室温で3時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣をDCM(10mL)およびHO(10mL)に溶解し、混合物を飽和NaCOでpH9~10に塩基性化した。得られた混合物をDCM(5×20mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水MgSOで乾燥させた。固形物を濾過により除去し、濾過ケーキを漏斗において、DCM(2×20mL)ですすいだ。得られた有機溶液を減圧下で濃縮した。残渣を分取-HPLCにより精製して、3-フルオロ-4-((2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン(94.4mg、65%)を白色固形物として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d,ppm):δ 12.01(s,1H)、8.48(d,J=1.7Hz,1H)、8.32(d,J=4.9Hz,1H)、7.30(t,J=5.8Hz,1H)、6.91(s,1H)、3.89(s,2H)、3.66(q,J=11.1Hz,2H)。
LCMS ESI-MS m/z:=260[M+H]
【0369】
実施例37および37a.(S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((3-メチルピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール、および(R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((3-メチルピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール
【0370】
【化66】
工程1. (rac)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((3-メチルピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール。
DCM(2mL)中の2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((3-メチルピリジン-4-イル)メチル]-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル)イミダゾール-2-イル)エタノール(250mg、0.623mmol、実施例25、工程5)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下、0℃でTFA(2mL)を滴下した。得られた混合物を窒素雰囲気下、室温で一晩撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮して、黄色油状物を得た。残渣をDCM(10mL)およびHO(10mL)に溶解し、得られた混合物を飽和NaCO(水溶液)でpH8に塩基性化した。得られた混合物をDCM(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。粗製生成物を逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((3-メチルピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタノール(150mg、89%)を黄色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:=272[M+H]
【0371】
工程2. (S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((3-メチルピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール、および(R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((3-メチルピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール。
(rac)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((3-メチルピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタノール(100mg)を分取SFCによって分離して、ピーク1(32mg、粗製)を黄色固形物として、ピーク2(27mg、粗製)を黄色固形物として得た。
ピーク1の粗生成物(32mg)を逆相フラッシュクロマトグラフィーによってさらに精製して、純粋な異性体(27mg)をオフホワイトの固形物として得た。
ピーク2の粗生成物(27mg)を逆相フラッシュクロマトグラフィーによってさらに精製して、純粋な異性体(19.5mg)をオフホワイトの固形物として得た。
ピーク1.H NMR:(400MHz,DMSO-d,ppm):δ 8.33-8.25(m,2H)、7.08(d,J=4.8Hz,1H)、6.76(s,1H)、5.94(s,0H)、5.11(q,J=7.2Hz,1H)、3.82(s,2H)、2.53-2.47(m,2H)、2.26(s,3H)。
ピーク2.H NMR(400MHz,DMSO-d,ppm):δ 12.23-12.10(d,1H)、8.35-8.24(m,2H)、7.12-7.01(m,2H)、6.85-6.55(m,1H)、5.17-5.04(m,1H)、3.89(s,1H)、3.80(s,1H)、2.29-2.23(d,J=3.6Hz,3H)。
絶対立体化学を任意に割り当てた。
【0372】
実施例38および38a.(S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((3-フルオロピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール、および(R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((3-フルオロピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール
【0373】
【化67】
工程1. (3-フルオロピリジン-4-イル)(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メタノール。
THF(10mL)中の4-ヨード-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)イミダゾール(5g、15.4mmol)の溶液を、窒素雰囲気下、-15℃で1時間、i-PrMgBr(18.5mL、18.5mmol、1M)で処理し、続いて-15℃で3-フルオロピリジン-4-カルボアルデヒド(2.3g、18.5mmol)を滴下した。得られた混合物を窒素雰囲気下、-15℃で1時間撹拌した。反応物をNaSO・10HO(5g)固形物の添加により室温でクエンチした。得られた混合物を濾過し、濾過ケーキをEtOAc(2×20mL)ですすいだ。濾液を回収し、減圧下で濃縮した。残渣を逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、(3-フルオロピリジン-4-イル)(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メタノール(3.9g,77%)を黄色油状物として得た。
LCMS ESI-MS m/z:324[M+H]
【0374】
工程2. (3-フルオロピリジン-4-イル)(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチルアセタート。
DCM(40mL)中の(3-フルオロピリジン-4-イル)(3-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)イミダゾール-4-イル)メタノール(3.9g、11.9mmol)の撹拌溶液に、TEA(2.4g、23.8mmol)、DMAP(0.15g、1.2mmol)およびAcO(1.2g、11.9mmol)を窒素雰囲気下、室温で添加した。得られた混合物を窒素雰囲気下、室温で3時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。得られた混合物をEtOAc(30mL)で希釈した。得られた混合物を水(2×20mL)およびブライン(20mL)で洗浄した。得られた混合物を濃縮した。残渣を逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、(3-フルオロピリジン-4-イル)(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチルアセタート(4g、87%)を褐色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:366[M+H]
【0375】
工程3. 3-フルオロ-4-((1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン。
MeOH(40mL)中の(3-フルオロピリジン-4-イル)(3-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)イミダゾール-4-イル)メチルアセタート(4g、10.4mmol)、TEA(1.1g、10.9mmol)、およびPd/C(0.4g、10重量%)の混合物を、水素雰囲気下、室温で一晩撹拌した。得られた混合物を濾過し、濾過ケーキをEtOAc(2×20mL)で洗浄した。濾液を回収し、減圧下で濃縮した。残渣を逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、3-フルオロ-4-((1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン(1.9g、56%)を褐色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:308[M+H]
【0376】
工程4. 4-((3-フルオロピリジン-4-イル)メチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-カルボアルデヒド。
THF(30mL)中の3-フルオロ-4-((1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)イミダゾール-4-イル)メチル)ピリジン(2.1g、6.4mmol)の溶液を、窒素雰囲気下、-40~-30℃で2時間、n-BuLi(8.2mL、19.2mmol、2.5M)で処理し、続いて-40~-30℃でDMF(4.7g、64mmol)を滴下した。得られた混合物を窒素雰囲気下、-40~-30℃で4時間撹拌した。反応物を水/氷(10mL)の添加により-60℃でクエンチした。水層をEtOAc(3×20mL)で抽出した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、4-((3-フルオロピリジン-4-イル)メチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-カルボアルデヒド(1.1g、50%)を黄色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:336[M+H]
【0377】
工程5. 2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((3-フルオロピリジン-4-イル)メチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール。
DCM(22mL)中の4-((3-フルオロピリジン-4-イル)メチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)イミダゾール-2-カルボアルデヒド(1.1g、3.2mmol)の溶液を、窒素雰囲気下、-10℃、5分間、TMSCF(0.7g、4.8mmol)で処理し、続いて-10℃でCsF(0.7g、4.8mmol)を少しずつ添加した。得られた混合物を窒素雰囲気下、-10℃で3時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((3-フルオロピリジン-4-イル)メチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール(602mg、42%)を黄色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:406[M+H]
【0378】
工程6. 2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((3-フルオロピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール。
2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((3-フルオロピリジン-4-イル)メチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)イミダゾール-2-イル)エタノール(200mg、0.49mmol)のDCM(2mL)溶液を、窒素雰囲気下、室温で3時間、TFA(2mL)で処理した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣をDCM(5mL)およびHO(10mL)に溶解し、混合物を飽和NaCOでpH9~10に塩基性化した。得られた混合物をDCM(5×5mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水MgSOで乾燥させた。固形物を濾過により除去し、濾過ケーキをDCM(2×5mL)ですすいだ。濾液を減圧下で濃縮した。残渣を逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((3-フルオロピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタノール(107mg、75%)を黄色油状物として得た。LCMS ESI-MS m/z:276[M+H]
【0379】
工程7. (S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((3-フルオロピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オールおよび(R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((3-フルオロピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール。
2,2,2-トリフルオロ-1-(4-((3-フルオロピリジン-4-イル)メチル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタノール(100mg)を分取SFCによって分離して、ピーク1(27mg)を白色固形物として、ピーク2(23mg)を白色固形物として得た。
ピーク1.H NMR:(400MHz,DMSO-d,ppm):δ 12.23(d,J=58.7Hz,1H)、8.49(dd,J=14.4,1.7Hz,1H)、8.38-8.29(m,1H)、7.28(ddd,J=22.9,6.6,4.8Hz,1H)、7.10(dd,J=15.1,5.7Hz,1H)、6.94-6.61(m,1H)、5.11(dt,J=12.0,6.1Hz,1H)、3.93(d,J=42.9Hz,2H)。LCMS ESI-MS m/z:=276[M+H]
ピーク2.H NMR:(400MHz,DMSO-d,ppm):δ 12.23(d,J=58.5Hz,1H)、8.49(dd,J=14.4,1.7Hz,1H)、8.39-8.28(m,1H)、7.28(ddd,J=22.9,6.6,4.9Hz,1H)、7.10(dd,J=15.4,5.8Hz,1H)、6.78(dd,J=111.9,1.7Hz,1H)、5.20-5.03(m,1H)、3.99(s,2H)。LCMS ESI-MS m/z:=276[M+H]
絶対立体化学を任意に割り当てた。
【0380】
実施例39. 1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)プロパン-2-オール
【0381】
【化68】
工程1. 1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-トリチル-1H-イミダゾール-2-イル)プロパン-2-オール。
DCM(2.5mL)中の2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-(トリフェニルメチル)イミダゾール-2-イル)エタノン(実施例12によると、500mg、1.0mmol)の溶液を、窒素雰囲気下、-10℃、5分間TMSCF(214mg、1.5mmol)で処理し、続いて-10℃でCsF(15.2mg、0.1mmol)を少しずつ添加した。得られた混合物を窒素雰囲気下、-10℃で3時間撹拌した。反応物を室温で飽和NHCl(水溶液)(10mL)でクエンチした。得られた混合物をEtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1×10mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を分取-HPLCにより精製して、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-トリチル-1H-イミダゾール-2-イル)プロパン-2-オール(228mg、40%)を白色固形物として得た。LCMS ESI-MS m/z:=568[M+H]
【0382】
工程2. 1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)プロパン-2-オール。
DCM(2.5mL)中の1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-(トリフェニルメチル)イミダゾール-2-イル)プロパン-2-オール(228.0mg、0.4mmol)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下、0℃でTFA(2.5mL)を滴下した。得られた混合物を30℃で一晩撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣をDCM(5mL)およびHO(5mL)に溶解し、混合物を飽和NaCOでpH9~10に塩基性化した。得られた混合物をDCM(5×10mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水NaSOで乾燥させた。固形物を濾過により除去し、濾過ケーキを漏斗において、DCM(2×5mL)ですすいだ。得られた有機溶液を減圧下で濃縮した。残渣を分取-HPLCにより精製して、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)プロパン-2-オール(13.8mg、11%)を白色固形物として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d,ppm):δ 8.46(d,J=5.1Hz,2H)、7.24(d,J=4.9Hz,2H)、6.92(s,1H)、3.91(s,2H)。19F NMR:(376MHz,DMSO-d,ppm):δ -74.5317,-76.2685,-76.4187,-76.6636.LCMS ESI-MS m/z:=326[M+H]
【0383】
実施例40. (rac)-1,1,1-トリフルオロ-2-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)プロパン-2-オール
【0384】
【化69】
工程1. ピリジン-4-イル(2-(2-(トリフルオロメチル)オキシラン-2-イル)-1-トリチル-1H-イミダゾール-4-イル)メタノン。
ACN(10mL)中のt-BuOK(0.3g、3mmol)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下、室温でトリメチルスルホキソニウムヨージド(0.4g、2mmol)を滴下した。得られた混合物を窒素雰囲気下、室温で30分間撹拌し、MeCN(2mL)中の2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1-(トリフェニルメチル)イミダゾール-2-イル)エタノン(実施例12、工程2によると、1g、2mmol)を室温で滴下した。得られた混合物を窒素雰囲気下、室温でさらに16時間撹拌した。反応物を室温で、水(50mL)でクエンチした。得られた混合物をEtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1×50mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を分取-HPLCにより精製して、4-(2-(2-(トリフルオロメチル)オキシラン-2-イル)-1-(トリフェニルメチル)イミダゾール-4-カルボニル)ピリジン(330mg、31%)を白色固形物として得た。LCMS ESI-MS m/z:=526[M+H]
【0385】
工程2. (rac)-1,1,1-トリフルオロ-2-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)プロパン-2-オール。
THF(1.5mL)中のBF・EtO(81mg、0.5mmol)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下、0℃でBH-MeS(2.1mg、0.1mmol)を滴下した。次いで、THF(0.2mL)中の4-(2-(2-(トリフルオロメチル)オキシラン-2-イル)-1-(トリフェニルメチル)イミダゾール-4-カルボニル)ピリジン(150mg、0.3mmol)を0℃で滴下し、得られた混合物を窒素雰囲気下、室温で一晩撹拌した。反応物を室温で水(10mL)の添加によりクエンチした。得られた混合物をEtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(5mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を白色固形物として得た。粗生成物を分取HPLCによって精製して、(rac)-1,1,1-トリフルオロ-2-(4-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)プロパン-2-オール(18mg、23%)を白色固形物として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d,ppm):δ 8.58-8.39(m,2H)、7.32-7.18(m,2H)、6.78(s,1H)、6.04(s,1H)、3.86(s,2H)、1.67(s,3H)。LCMS ESI-MS m/z:=272[M+H]
【0386】
実施例A
生物学的アッセイ
50μMの化合物(DMSOに溶解し、DMSOの最終濃度は1%v/vである)、40nMのヒトSARM1(50-724)、0.3mMのNMN、20μMのNAD、1mMのTCEP、25mMのHEPES pH7.4、10mMのKCl、および10mMのMgClを含有する20μLの用量で各反応を行った。反応物を室温で60分間インキュベートし、20μLの0.4%ギ酸でクエンチした。試料を、Phenomenex製のSynergi 2.5μM Fusion-RP 100Å(100×3.0mm)LCカラムを用いたAgilent HPLC 1260 Infinity IIで行った。各試料の総実行時間は4分であった。実行は、40mM酢酸アンモニウムpH6.0中の1.5%メタノールを用いた定組成であった。試料を55℃で0.8mL/分の流速で流した。NADおよびNAMのピーク面積を、OpenLAB CDS(Chem Station edition)ソフトウェアを使用して決定した。用量反応のために、化合物をDMSO中で連続的に1:3に希釈し、1%DMSO中で100μMの最終化合物濃度で開始して反応物に添加した。
【0387】
上記のアッセイによるIC50データを表1に示す(IC50<1μM(***)、1μM≦IC50<10μM(**)、10μM≦IC50≦100μM())。
†絶対立体化学を任意に割り当てた。
【0388】
【表1-1】
【0389】
【表1-2】
【0390】
本明細書に記載されたものに加えて、本発明の様々な改変は、前述の説明から当業者には明らかであろう。そのような改変もまた、添付の特許請求の範囲内に収まることが意図される。本出願において引用される全ての特許、特許出願、および刊行物を含む各参考文献は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【国際調査報告】