(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】針先端保護及びパッシブ血液制御を備えたカテーテルアセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61M 25/06 20060101AFI20240719BHJP
A61M 39/24 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
A61M25/06 500
A61M25/06 512
A61M39/24
A61M25/06 514
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505249
(86)(22)【出願日】2022-07-25
(85)【翻訳文提出日】2024-01-27
(86)【国際出願番号】 US2022038120
(87)【国際公開番号】W WO2023009404
(87)【国際公開日】2023-02-02
(32)【優先日】2021-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】307048044
【氏名又は名称】スミス メディカル エーエスディー インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100093067
【氏名又は名称】二瓶 正敬
(72)【発明者】
【氏名】ロール、クリストファー、ディー
(72)【発明者】
【氏名】コーラー、トーマス、ティー
【テーマコード(参考)】
4C066
4C267
【Fターム(参考)】
4C066AA07
4C066BB01
4C066CC01
4C066KK05
4C066KK09
4C066QQ15
4C267AA24
4C267BB03
4C267BB24
4C267BB33
4C267CC08
4C267HH09
(57)【要約】
閉鎖システムカテーテル(CSC)であり得る安全なカテーテルアセンブリは、カテーテルハブの中隔の近位にある封止部材を有する。第1の実施形態において、封止部材は、針クリップの係止部が、準備完了状態でカテーテルハブ内部の針クリップを固定保持するように位置決めされる円筒形スリーブであり得る。第2の実施形態において、針クリップは、略円筒形の封止部材に収容される。針クリップを内部に備えた封止部材及びカテーテルハブは、準備完了状態においてともに固定連結される。第3の実施形態において、カテーテルハブのリテーナ部材は、準備完了状態において、針クリップをカテーテルハブに結合し、封止部材は、リテーナ部材の遠位にある。すべての実施形態において、封止部材は、中隔を逆流し得るカテーテルハブの内部空洞の流体のリザーバとして作用し得る。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠位端及び開口近位端を有する壁によって規定される本体と、前記遠位端と前記開口近位端との間の前記壁の内面によって規定される内部空洞とを有するカテーテルハブと、
前記カテーテルハブの前記遠位端から長手方向軸に沿って延在する遠位端を有し、前記内部空洞への通路を確立するカテーテルと、
前記カテーテルハブの前記内部空洞に位置決めされた中隔と、
針ハブと、開口遠位端を有する遠位部とを有する針ハウジングと、
前記針ハブに取り付けられた近位端と、前記針ハウジングの前記遠位端から離れるように延在する鋭利な遠位先端とを有する針と、
前記針は、前記カテーテルハブの前記内部空洞内に延在し、前記カテーテルに沿ってスライド可能に延在し、その遠位先端は、前記カテーテルアセンブリが準備完了状態にあるとき、前記カテーテルの前記遠位端と、前記カテーテルハブの前記近位端に隣接した前記針ハウジングの前記遠位部と、を超えて延在する針と、
前記針に沿ってスライド可能に位置決めされた針先端プロテクタであって、基部と、前記基部から対向頂点下方に対応する対向バンプ及び対応する障壁を有する各頂点まで遠位に延在する対向アームとを有し、前記対向バンプは、前記長手方向軸を2方向に横切って移動可能である針先端プロテクタと、
前記カテーテルハブの前記壁の前記内面に固定的に係合され、且つ、周方向に接触しているスリーブ部材と、を備え、
前記カテーテルアセンブリが前記準備完了状態にあるとき、前記針先端プロテクタの前記対向アームの前記遠位バンプは、前記中隔の近位の前記カテーテルハブの前記内部空洞内に位置決めされ、前記針は、前記障壁間を通過し、前記障壁を、前記長手方向軸から離れる方向に付勢することで、前記対向バンプを前記スリーブ部材と摩擦接触させ、
前記針が前記カテーテルから引っ込められ、前記針の前記遠位先端が、前記障壁が前記針によってもはや付勢されないように、前記障壁を通り過ぎて近位に移動するとき、前記対向バンプは、前記長手方向軸に向かって前記スリーブ部材から離れるように移動して、前記針先端プロテクタが前記カテーテルハブから分離可能となるように、前記スリーブ部材から前記針先端プロテクタを係合解除する、カテーテルアセンブリ。
【請求項2】
前記スリーブ部材は、膜によって分離された遠位セクションと近位セクションとを規定する内面を有する略円筒形の封止部材を備え、前記遠位セクションは、前記中隔の近位表面と当接した遠位端を有し、前記近位セクションは、前記カテーテルアセンブリが前記準備完了状態にあるとき、前記対向バンプが前記封止部材の前記近位セクションの前記内面と摩擦係合するように、前記障壁及び前記対向バンプを備える前記針先端プロテクタの少なくとも遠位部を受容するための開口近位端を有する、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項3】
前記準備完了状態において、前記針先端プロテクタは、前記中隔の近位の前記カテーテルハブの前記内部空洞内に収容され、前記針先端プロテクタの遠位部は、前記針先端プロテクタが前記カテーテルハブの前記内部空洞の内部において取り外し不能に保持されるように、前記スリーブ部材の近位セクションと摩擦接触している、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項4】
前記カテーテルハブから一体的に延在するサイドポートハブを更に備え、前記カテーテルハブの前記壁における前記サイドポートハブへの開口部は、前記サイドポートハブと前記カテーテルハブの前記内部空洞との間に貫通通路を確立し、前記サイドポートハブは、チュービングに接続されるように適合された非患者開口部を有し、
前記中隔は、前記サイドポート開口部の近位の前記カテーテルハブの前記内部空洞内に位置決めされる、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項5】
前記封止部材の前記遠位セクションは、前記針が前記中隔及び前記膜から引っ込められるとき、血液の逆流を含むリザーバとして作用し、前記膜は、前記針の前記遠位先端が前記針先端プロテクタ内に捕捉されている際に再封止することで、血液が前記カテーテルハブの前記内部空洞内に漏れることを防ぐ、請求項2に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項6】
前記チュービングは、前記サイドポートハブにおける前記非患者開口部に接続された一端と、流体貯蔵デバイスのコネクタに接続された他端と、を有する、請求項4に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項7】
前記針先端プロテクタは、前記針を通過させるための開口部を有する基部を備え、前記アームは、各々、前記2つのアームが互いに略同平面上の関係にあるとき、リブケージ様構造を形成するように他方のアームに向かってそこから直角に折れ曲がる対応リブを有し、前記障壁のうちの一方は、前記アームがそれらの自然な非付勢位置にあるとき、前記障壁の他方と重なり合う、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項8】
前記針ハウジングの前記遠位部は、前記開口遠位端から近位の内側肩部を備え、前記開口遠位端は、前記カテーテルアセンブリが前記準備完了状態にあるとき、前記針ハウジングの前記内側肩部と当接した前記カテーテルハブの前記近位端で前記カテーテルハブの近位部を受容する、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項9】
前記カテーテルハブから延在するウィングを更に備える、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項10】
遠位端と開口近位端との間の壁の内面によって規定された内部空洞を有する本体を規定する壁と、前記本体から延在するサイドポートバブと、前記サイドポートハブ内の通路を前記内部空洞に接続する前記壁における開口部とを有するカテーテルハブと、
前記内部空洞への流体通路を確立するために前記カテーテルハブの遠位端から長手方向軸に沿って延在する前記遠位端とを有するカテーテルハブと、
前記壁の前記開口部の近位で、前記カテーテルハブの前記内部空洞内に位置決めされた中隔と、
針ハブと、開口遠位端を有する遠位部とを有する針ハウジングと、
前記針ハブに取り付けられた近位端と前記針ハウジングの前記遠位端から離れるように延在する鋭利な遠位先端とを有し、前記カテーテルハブの前記内部空洞内に向かって延在し、前記中隔を貫通し、前記準備完了状態において、その遠位先端が前記カテーテルの前記遠位先端を超えて延在するように、前記カテーテルに沿ってスライド可能に延在する針と、
前記カテーテルハブの前記壁の前記内面と固定係合し、且つ、周方向接触するスリーブ部材であって、前記スリーブ部材の遠位端は前記中隔の近位表面と接触しているスリーブ部材と、
針に沿ってスライド可能に位置決めされた針先端プロテクタであって、基部と、前記基部から各対向頂点まで遠位に延在する対向アームとを有し、対向頂点は、対応する対向バンプ及び長手方向軸に向かう頂点の横方向の対応する障壁を有し、前記対向バンプは、長手軸の横方向において2方向に移動可能である針先端プロテクタと、
前記カテーテルアセンブリが前記準備完了状態にあるとき、前記針先端プロテクタの前記対向アームの前記遠位バンプが前記スリーブ部材内に位置決めされ、前記針は、前記障壁間を通過し、前記対向バンプが前記スリーブ部材と摩擦接触するように付勢されるように、前記長手方向軸から離れる方向に前記障壁を付勢する、カテーテルアセンブリ。
【請求項11】
前記針が前記カテーテルから引っ込められ、前記針の前記遠位先端が、前記障壁が前記針によってもはや付勢されないように、前記障壁を通り過ぎて近位に移動するとき、前記対向バンプは、前記長手方向軸に向かって前記スリーブ部材から離れるように移動して、前記針先端プロテクタが前記カテーテルハブから分離可能となるように、前記スリーブ部材から前記針先端プロテクタを係合解除する、請求項10に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項12】
前記針ハウジングの前記遠位部は、前記カテーテルアセンブリが準備完了状態にある際、前記カテーテルハブの前記近位端に隣接する、請求項10に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項13】
前記スリーブ部材は、前記遠位端を有する遠位セクション及び近位セクションを規定する内面を有する略円筒形封止部材を備え、膜は、前記遠位セクションと前記近位セクションとを分離し、前記近位セクションは、前記カテーテルアセンブリが前記準備完了状態にあるとき、前記対向バンプが前記封止部材の前記近位セクションの前記内部と摩擦係合するように、前記障壁と前記対向バンプとを備えた前記針先端プロテクタの少なくとも遠位部を受け入れるための開口近位端を有する、請求項10に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項14】
前記準備完了状態において、前記針先端プロテクタは、前記中隔の近位の前記カテーテルハブの前記内部空洞内に収容され、前記針先端プロテクタの遠位部は、前記針先端プロテクタが前記カテーテルハブの前記内部空洞の内部においで取り外し不能に保持されるように、前記スリーブ部材の近位セクションと摩擦接触している、請求項10に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項15】
前記封止部材の前記遠位セクションは、前記針が前記中隔及び前記膜から引っ込められるとき、血液の逆流を含むリザーバとして作用し、前記膜は、前記針の前記遠位先端が前記針先端プロテクタ内に捕捉されている際に再封止することで、血液が前記カテーテルハブの前記内部空洞内に漏れることを防ぐ、請求項13に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項16】
前記サイドポートハブの通路に流体的に接続された一端と、流体貯蔵デバイスのコネクタに接続された他端と、を有するチュービングを更に備える、請求項10に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項17】
前記針先端プロテクタは、前記針を通過させるための開口部を有する基部を備え、前記アームは、各々、前記2つのアームが互いに略同平面上の関係にあるとき、リブケージ様構造を形成するように他方のアームに向かってそこから直角に折れ曲がる対応リブを有し、前記障壁のうちの一方は、前記アームがそれらの自然な非付勢位置にあるとき、前記障壁の他方と重なり合う、請求項10に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項18】
前記針ハウジングの前記遠位部は、前記開口遠位端から近位の内側肩部を備え、前記開口遠位端は、前記カテーテルアセンブリが前記準備完了状態にあるとき、前記針ハウジングの前記内側肩部と当接した前記カテーテルハブの前記近位端で前記カテーテルハブの近位部を受容する、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、針ハウジングをデバイスのカテーテルハブに連結し、デバイスが準備完了状態にあるときから使用後のデバイスの廃棄まで、デバイスの針の鋭利な遠位先端を遮蔽する、パッシブ針先端保護機構を有する安全なカテーテルアセンブリデバイスに関する。デバイスにおける、パッシブ血液制御機構が提供される。
【背景技術】
【0002】
従来のカテーテルアセンブリは、典型的に、カテーテルハブと、その遠位に延在するカテーテルチューブと、オーバーザニードル式でともに搭載された針アセンブリと、を有する。針アセンブリは、典型的に、針ハブ又はサポートと、針ハブから遠位に延在する針カニューレとを備える。閉鎖システムカテーテル(CSC)は、カテーテルハブにサイドポートを含み得るカテーテルアセンブリであり、サイドポートからのチュービングが、シリンジ又は流体ポンプなどの流体貯蔵デバイスに結合され得る。使用準備完了位置又は準備完了状態では、針アセンブリの針ハブに取り付けられた針カニューレ、又は単に針は、カテーテルチューブを通って延在し、カテーテルチューブの遠位端を超えてその鋭利な遠位先端を遠位に露出させる。針の鋭利な遠位先端は、血管系内にカテーテルチューブを挿入するために、患者の組織、例えば、患者の静脈又は動脈を貫通するのに使用される。カテーテルチューブが血管系内に正しく配置されると、針は、カテーテルアセンブリから引っ込められ、流体経路が、カテーテルアセンブリがCSCアセンブリである場合はサイドポート及びカテーテルハブの内部空洞を介して、流体貯蔵器と患者の静脈又は動脈との間に確立されるようにする。サイドポートがないカテーテルアセンブリの場合、流体経路は、患者の静脈又は動脈と、カテーテルハブの開口近位端に連結するコネクタ、最もよくあるのはルアーを有する流体貯蔵又はチュービングとの間に確立される。針先端プロテクタは、使用後に、針全体ではないにしても、少なくとも針の鋭利な遠位先端を捕捉するために、カテーテルアセンブリに設けられ得る。
【0003】
カテーテルハブの開口近位端は、典型的に、患者の血管系とルアーテーパとの間に流体接続を確立するために、雄型ルアーテーパをカテーテルハブの内部空洞に受容するように適合される。近位端にはまた、例えば、ルアーテーパが雄型ルアーロックカラー又はナットに連結されて投与セット又はシリンジの端部などの雄型ルアーロックコネクタの一部を形成するとき、カテーテルハブ内にルアーテーパを固定する、外耳、フランジ等が設けられ得る。正常条件下では、針を引っ込めた後、ルアーテーパがカテーテルハブに挿入される前に、血液は、直ちに、カテーテルチューブを通ってカテーテルハブの内部空洞に流れ始める。CSCアセンブリの場合、血液が、カテーテルハブの側から延在するポートから延在するチュービングに逆流するのを防止するために、中隔がカテーテルハブ内に設けられ得る。
【0004】
使用中、カテーテルの遠位端を超えて延在する針カニューレの遠位先端は、患者の静脈又は動脈に挿入される。カテーテルが正しく配置されると、針カニューレが除去される。針の遠位先端は、例えば、患者の静脈に挿入された限りにおいて、患者の血液に露出される。したがって血液は、針の遠位部に付着する可能性が最も高い。針に付着した汚染された血液が環境に曝される可能性は常にある。したがって針がカテーテルハブに対して引っ込められる際、余剰の血液がカテーテルハブ内に維持されること、針が廃棄のためにカテーテルハブから取り外されるとき、針の汚染された遠位先端が環境に曝されるのを防ぐこと、が望ましい。
【発明の概要】
【0005】
本発明の安全なカテーテルアセンブリは、多数の実施形態を包含する。第1の実施形態は、封止部材を収容するのに十分な長さを有するように構成されたカテーテルハブと、カテーテルアセンブリがCSCアセンブリである場合の中隔と、針先端プロテクタと、を有する。封止部材は、貫通孔を規定する周壁を備えた、略円筒状の構成を有するエラストマースリーブであり得る。封止部材を近位セクションと遠位セクションに分離するために、スリーブに一体の膜があり得る。近位セクションは、長さが針先端プロテクタの係止機構とともに作用するのに十分である限り、遠位セクションよりも短い長さを有し得る。係止機構は、針クリップの障壁が、使用準備完了位置又は準備完了状態にあるカテーテルハブ内の針クリップを通過する針によって付勢されるとき、封止部材の壁に押し当てられ、針先端プロテクタの各アームにおける対向キャッチ又はバンプであり得る。封止部材は、封止部材の壁の外面とカテーテルハブの壁の内面とにおいて、各キャッチ機構の手段によってカテーテルハブ内の定位置に位置決めされる。
【0006】
カテーテルハブに統合されたサイドポートハブを有するCSCアセンブリの場合、中隔は、中隔の遠位のカテーテルハブの内部空洞とサイドポートの孔との間に流体連通経路を確立する開口部の近位のカテーテルハブ内部に位置決めされる。針がカテーテルハブを通過し、針クリップの障壁をカテーテルハブの長手方向軸から離れるように横方向に付勢している状態で、各アームに関連付けられた対向バンプは、障壁と一斉に動いて、封止部材の壁に押し当てられ、カテーテルハブ内に針クリップを摩擦保持する。カテーテルハブから遠位に延在するカテーテルが、患者の血管系、例えば、静脈内に正しく配置された後、針は、カテーテルから、次いでカテーテルハブから引き抜かれる。針の遠位先端が中隔を通り過ぎて引っ張られると、中隔の遠位のカテーテルハブの内部空洞の流体が、封止部材の遠位セクションによって規定されたチャンバに逆流し得る。針の遠位先端が封止部材の膜を通り過ぎて引っ込められるとき、エラストマー膜は、チャンバを閉鎖するように再封止し、チャンバが、逆流した流体を貯蔵するリザーバとして作用するようにする。針の遠位先端が針クリップ内に引き込まれ、針クリップの障壁の近位にあるとき、障壁は、もはや針によって付勢されなくなっている。したがって障壁の各アームは、アームの対向バンプが封止部材の近位セクションの壁から解放されるように、それらの自然な位置に戻る。結果として、針の遠位部が内部に捕捉された針クリップは、カテーテルハブから取り外され得る。針の近位端が取り付けられた針ハブを有する針ハウジングは、針クリップの一部が準備完了状態においてカテーテルハブから出て延在する場合、カテーテルハブから離れるときに針クリップを収容する遠位ハウジング又はカラーを有し得る。
【0007】
本発明の別の実施形態は、封止部材の内部に完全に収容された針クリップを有する。この実施形態において、封止部材は、エラストマー材料で製作され、各アパーチャを有し得る基部及び前部を含む略中空の円筒形本体を有する。準備完了状態において、封止部材は、中隔の近位のカテーテルハブの内部空洞に収容される。カテーテルハブが一体サイドポートを有するCSCアセンブリにおいて、中隔は、サイドポートの孔をカテーテルハブの内部空洞に接続する開口部の近位でカテーテルハブ内に位置決めされる。針がカテーテルハブの遠位端から延在するカテーテルまで、カテーテルハブを通って延在するとき、針クリップのアームにおける障壁は、アームにおける対向バンプが封止部材の対応部分に押し当てられるように、カテーテルハブの長手方向軸から離れるように横方向に付勢される。封止部材の一部に押し当てられることで、ひいては、カテーテルアセンブリが準備完了状態にあるとき、針クリップ及び封止部材がカテーテルハブに固定的に取り付けられるように、カテーテルハブの内壁にて、キャッチ機構、例えば、内側溝部に押し当てられる。
【0008】
使用後、針は、針の遠位先端がカテーテル、中隔、及び封止部材から取り外されるようにカテーテルハブに対して近位に引っ張られ、最終的に、障壁がもはや針によってカテーテルハブの長手方向軸から離れるように横方向に付勢されないように、針クリップ内に捕捉される。結果として、障壁の移動に従う対向バンプは、針クリップの中心に向かうように移動することによってそれらの自然な位置に戻り、カテーテルハブの内壁の内側溝部から解放される。その後、針クリップが内部に収容された封止部材は、カテーテルハブから取り外され得る。封止部材の前端は、中隔の近位表面と当接しているため、中隔の遠位のカテーテルハブの内部空洞から逆流し得る流体は、封止部材内に収集され、封止部材及び針クリップがカテーテルハブから取り外される前に、逆流した流体のリザーバとして作用する。エラストマー中隔は、中隔の遠位のカテーテルハブの内部空洞からの流体の更なる逆流を防ぐために針の遠位先端が針クリップに捕捉されるまでに、再封止したであろう。
【0009】
更なる実施形態は、カテーテルハブの開口近位端にリテーナ部材を有するカテーテルハブを有する。リテーナ部材は、針によって付勢されているその障壁を有する針クリップが通過するのを防ぐような寸法を有する開口部を有する。封止部材であり得る遠位中隔及び近位中隔は、カテーテルハブの内部空洞内に位置決めされる。遠位中隔は、エラストマー材料から製作され、針が通過するためのアパーチャを有し得る。CSCアセンブリの場合、遠位中隔は、サイドポートと中隔の遠位の内部空洞との間の流体通過経路を確立する開口部の近位のカテーテルハブの内部空洞に位置決めされる。近位中隔はまた、エラストマー材料で製作されてよく、遠位中隔の近位表面に隣接して開口遠位端を有する略円筒形の中空部材である。開口部は、近位中隔の近位基部に設けられ得る。開口部の代わりに、1つ以上の再封止可能なスリットが近位中隔の近位基部に設けられ、針が近位基部を貫通するのを補助し得る。
【0010】
針が引っ込められた際、針の遠位先端が近位中隔の近位にある状態で、近位基部のスリットは、再封止することで、近位中隔によって規定されたチャンバが、遠位中隔の遠位にあるカテーテルハブの内部空洞から遠位中隔を通って逆流し得た流体のためのリザーバとして作用するようにする。本実施形態の場合、針クリップは、以前の実施形態と同じであり、すなわち対向バンプは、針クリップの障壁に接続され、その動きに連動して移動する。針が障壁間を通過する準備完了状態において、障壁は、対向バンプが外側に拡張して、リテーナ部材の開口部の寸法よりも大きな横寸法をもたらすように、針クリップの中心から離れるように付勢される。結果として、針クリップは、カテーテルハブから取り外すことができない。使用後、針は、カテーテルハブに対して近位に引き込まれる。針の遠位先端が針クリップにトラップされるとき、対向バンプは、障壁の自然な位置への移動に続いて、針クリップの中心に向かって移動する。結果として、対向バンプの横寸法は、針クリップがカテーテルハブから取り外せるように、リテーナ部材の開口部の寸法よりも小さい。使用中の針クリップの露出を防止するために、針クリップを包囲するように針ハウジングの遠位端にカラーが設けられる。針クリップは、カラーに取り外し不能に収容されている。
【0011】
したがって本発明は、
遠位端及び開口近位端を有する壁によって規定される本体と、遠位端と開口近位端との間の壁の内面によって規定される内部空洞を有するカテーテルハブと、
カテーテルハブの遠位端から長手方向軸に沿って延在する遠位端を有し、内部空洞への通路を確立するカテーテルと、
カテーテルハブの内部空洞に位置決めされた中隔と、
針ハブと、開口遠位端を有する遠位部とを有する針ハウジングと、
針ハブに取り付けられた近位端と針ハウジングの遠位端から離れるように延在する鋭利な遠位先端とを有する針と、
針は、カテーテルハブの内部空洞内に延在し、カテーテルに沿ってスライド可能に延在し、その遠位先端は、カテーテルアセンブリが準備完了状態にあるとき、カテーテルの遠位端と、カテーテルハブの近位端に隣接した針ハウジングの遠位部と、を超えて延在する針と、
針に沿ってスライド可能に位置決めされた針先端プロテクタであって、基部と、基部から対向頂点下方に対応する対向バンプ及び対応する障壁を有する各頂点まで遠位に延在する対向アームを有し、対向バンプは、長手方向軸を2方向に横切って移動可能である針先端プロテクタと、
カテーテルハブの壁の内面に固定的に係合され、且つ、周方向に接触しているスリーブ部材と、を備え、
カテーテルアセンブリが準備完了状態にあるとき、針先端プロテクタの対向アームの遠位バンプは、中隔の近位のカテーテルハブの内部空洞内に位置決めされ、針は、障壁間を通過し、障壁を、長手方向軸から離れる方向に付勢することで、対向バンプをスリーブ部材と摩擦接触させ、
針がカテーテルから引っ込められ、針の遠位先端が、障壁が針によってもはや付勢されないように、障壁を通り過ぎて近位に移動するとき、対向バンプは、長手方向軸に向かってスリーブ部材から離れるように移動して、針先端プロテクタがカテーテルハブから分離可能となるように、スリーブ部材から針先端プロテクタを係合解除する、カテーテルアセンブリを対象とする。
【0012】
本発明は更に、
遠位端と開口近位端との間の壁の内面によって規定された内部空洞を有する本体を規定する壁を有し、サイドポートハブが本体から延在し、壁における開口部がサイドポートハブ内の通路を内部空洞と接続し、カテーテルが及びカテーテルハブの遠位端から長手方向軸に沿って延在することで、内部空洞への流体通路を確立するカテーテルハブと、
壁の開口部の近位で、カテーテルハブの内部空洞内に位置決めされた中隔と、
針ハブと、開口遠位端を有する遠位部とを有する針ハウジングと、
針ハブに取り付けられた近位端と針ハウジングの遠位端から離れるように延在する鋭利な遠位先端とを有し、カテーテルハブの内部空洞内に向かって延在し、中隔を貫通し、準備完了状態において、その遠位先端がカテーテルの遠位先端を超えて延在するように、カテーテルに沿ってスライド可能に延在する針と、
カテーテルハブの壁の内面と固定係合し、且つ、周方向接触するスリーブ部材であって、スリーブ部材の遠位端は中隔の近位表面と接触しているスリーブ部材と、
針に沿ってスライド可能に位置決めされた針先端プロテクタであって、基部と、基部から各対向頂点まで遠位に延在する対向アームを有し、対向頂点は、対応する対向バンプ及び長手方向軸に向かう頂点の横方向の対応する障壁を有し、対向バンプは、長手軸の横方向において2方向に移動可能である針先端プロテクタと、
カテーテルアセンブリが準備完了状態にあるとき、針先端プロテクタの対向アームの遠位バンプがスリーブ部材内に位置決めされ、針は、障壁間を通過し、対向バンプがスリーブ部材と摩擦接触するように付勢されるように、長手方向軸から離れる方向に障壁を付勢する、カテーテルアセンブリを対象とする。
【0013】
本発明の別の実施形態は、
遠位端及び開口近位端を有する壁によって規定される本体と、遠位端と開口近位端との間の壁の内面によって規定される内部空洞を有するカテーテルハブと、
カテーテルハブの遠位端から長手方向軸に沿って延在する遠位端を有し、内部空洞への通路を確立するカテーテルと、
針ハブに取り付けられた近位端と鋭利な遠位先端とを有する針であって、カテーテルハブの内部空洞内に向かって延在し、カテーテルアセンブリが準備完了状態にあるとき、その遠位先端がカテーテルの遠位端を超えて延在するように、カテーテルに沿ってスライド可能に延在する針と、
針に沿ってスライド可能に位置決めされた針先端プロテクタであって、基部と、基部から対向頂点下方に対応する対向バンプ及び対応する障壁を有する各頂点まで遠位に延在する対向アームを有し、対向バンプは、長手方向軸を2方向に横切って移動可能である針先端プロテクタと、
基部アパーチャを有する近位基部から前方アパーチャを有する遠位前方まで延在する略中空の円筒形本体を有する封止部材であって、遠位及び前方アパーチャは互いに整列される封止部材と、を備え、
針先端プロテクタは、カテーテルアセンブリが準備完了状態にあるとき、対向バンプが円筒形本体の所与の対向部を伸張させるように、長手方向軸から離れる方向に障壁を付勢するように、且つ、前方アパーチャを通じて、針先端プロテクタの障壁間で、針が基部アパーチャを通過するように、封止部材内に収容される、カテーテルアセンブリを対象とする。
【0014】
本発明の実施形態は更に、
遠位端及び開口近位端を有する壁によって規定される本体と、遠位端と開口近位端との間の壁の内面によって規定される内部空洞を有するカテーテルハブであって、カテーテルは、カテーテルハブの遠位端から長手方向軸に沿って延在する遠位端を有し、内部空洞への通路を確立するカテーテルハブと、
内部空洞内に位置決めされた針先端プロテクタを収容する中空本体を有する封止部材であって、本体は、基部アパーチャを有する近位基部を前方アパーチャを有する遠位前方に接続し、針先端プロテクタは、開口部を有する基部、及び基部から各対向頂点まで延在する対向アームを備え、対向頂点は、頂点下方に対応する対向バンプ及び対応する障壁を有し、対向バンプは、長手方向軸の横方向において2方向に移動可能である封止部材と、を備え、
封止部材は、鋭利な遠位先端を有する針が封止部材の基部アパーチャ及び針先端プロテクタの基部における開口部を通過するときにカテーテルハブの内部空洞内に固定保持され、障壁が長手方向軸から離れる方向に付勢されるように針先端プロテクタの障壁間を通過することで、対向バンプを移動させ、カテーテルハブの壁の内面において係止機構と係止係合するように本体の所与の対向部を伸張させる、カテーテルアセンブリを対象とする。
【0015】
本発明の更に別の実施形態は、
遠位端及び開口近位端を有する壁によって規定される長手方向軸に沿った本体と、遠位端と開口近位端との間の壁の内面によって規定される内部空洞を有するカテーテルハブであって、カテーテルは、カテーテルハブの遠位端から長手方向軸に沿って延在する遠位端を有し、内部空洞への通路を確立するカテーテルハブと、
カテーテルハブの内部空洞に位置決めされた中隔と、
カテーテルハブの内部空洞に固定的に取り付けられた本体を有する封止部材であって、針が通過するときにアパーチャと周方向当接することができるようにする寸法を備えたアパーチャを備える近位基部、及び中隔の近位表面と当接している開口遠位端を有する封止部材と、を備えるカテーテルアセンブリ用のカテーテルハブを対象とする。
【0016】
本発明の別の実施形態は、更に、
遠位端及び開口近位端を有する壁によって規定される本体と、遠位端と開口近位端との間の壁の内面によって規定される内部空洞を有するカテーテルハブであって、カテーテルは、カテーテルハブの遠位端から長手方向軸に沿って延在する遠位端を有し、内部空洞への通路を確立するカテーテルハブと、
針ハブに取り付けられた近位端と鋭利な遠位先端とを有する針であって、カテーテルハブの内部空洞内に向かって延在し、カテーテルアセンブリが準備完了状態にあるとき、その遠位先端がカテーテルの遠位端を超えて延在するように、カテーテルに沿ってスライド可能に延在する針と、
カテーテルハブの内部空洞に位置決めされた中隔と、
カテーテルハブの内部空洞に固定的に取り付けられた本体を有する封止部材であって、針が通過するときにアパーチャと周方向当接することができるようにする寸法を備えたアパーチャ、及び中隔の近位表面と当接している開口遠位端を有する封止部材と、
準備完了状態において封止部材の近位の内部空洞内に針に沿ってスライド可能に位置決めされた針先端プロテクタであって、針が通過する開口部を有する基部、及び基部から対応する対向バンプを有する各対向頂点まで遠位に延在する対向アームを備え、アームは、その対応する頂点から長手方向軸に向かって離れる方向に各々角度を有し、対向バンプは、長手方向軸の横方向において2方向に移動可能であることで、各障壁を長手方向軸に対して移動させるようにし、障壁は、準備完了状態で針によって付勢される針先端プロテクタと、を備えるカテーテルアセンブリを対象とする。
【0017】
本発明の別の実施形態は、
遠位端及び開口近位端を有する壁によって規定される本体と、遠位端と開口近位端との間の壁の内面によって規定される内部空洞を有するカテーテルハブであって、カテーテルは、カテーテルハブの遠位端から長手方向軸に沿って延在する遠位端を有し、内部空洞への通路を確立するカテーテルハブと、
針ハブに取り付けられた近位端と鋭利な遠位先端とを有する針であって、カテーテルハブの内部空洞内に向かって延在し、カテーテルアセンブリが準備完了状態にあるとき、その遠位先端がカテーテルの遠位端を超えて延在するように、カテーテルに沿ってスライド可能に延在する針と、
カテーテルハブの内部空洞に位置決めされた中隔と、
準備完了状態において封止部材の近位の内部空洞内に針に沿ってスライド可能に位置決めされた針先端プロテクタであって、針が通過する開口部を有する基部、及び基部から対応する対向バンプを有する各対向頂点まで遠位に延在する対向アームを備え、アームは、その対応する頂点から長手方向軸に向かって離れる方向に各々角度を有し、対向バンプは、長手方向軸の横方向において2方向に移動可能であることで、各障壁を長手方向軸に対して移動させるようにし、障壁は、準備完了状態で針によって付勢される、針先端プロテクタと、
カテーテルハブの開口近位端に固定的に取り付けられたリテーナ部材であって、針先端プロテクタの障壁が針によって付勢されているとき、針先端プロテクタがカテーテルハブから分離するのを防ぐような寸法を備えた開口部を有するリテーナ部材と、を備えるカテーテルアセンブリを対象とする。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明は、添付の図面と併せて解釈される本発明の以下の説明を参照することで、明らかとなり、本発明自体が最もよく理解されるであろう。
【0019】
【
図1】準備完了状態における、本発明のカテーテルアセンブリの第1の実施形態の全体図である。
【
図2】カテーテルハブと、その封止部材及び針クリップに対する関係との断面図である。
【
図4】
図3の断面斜視図であるが、針の針先端部分が針クリップ内に捕捉されている。
【
図5】針クリップがカテーテルハブから分離されている様子を示す全体図である。
【
図6】針クリップがカテーテルハブから分離された様子を示す拡大断面図である。
【
図7】準備完了状態における、本発明のカテーテルアセンブリの別の実施形態である。
【
図8】カテーテルアセンブリのカテーテルハブに位置決めされた封止部材に収容された針クリップの断面図である。
【
図10】
図9の断面図であるが、針の遠位先端部分が針クリップ内に捕捉された様子が示されている。
【
図11】針クリップが内部に収容された封止部材がカテーテルハブから分離された様子を示す断面斜視図である。
【
図12】安全な状態においてカテーテルハブアセンブリから分離された封止部材に収容された針クリップの全体図を示す。
【
図13】その準備完了状態における、本発明の更に他の実施形態の全体図である。
【
図14】
図13の実施形態の、針クリップ、中隔、封止部材、カテーテルハブの開口近位端におけるリテーナ部材、及び針ハウジングのカラーの間の関係を示す断面図である。
【
図15】カテーテルハブの近位端における針クリップとリテーナ部材とを収容するカラーの拡大断面斜視図である。
【
図16】カテーテルハブから分離されたカラー及び針クリップがリテーナ部材に嵌合された様子を示す断面斜視図である。
【
図17】針ハウジングとその遠位カラーとがカテーテルアセンブリのカテーテルハブから分離された様子を示す全体図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下の検討のために、本明細書で使用される「遠位」という用語は、安全なカテーテルアセンブリ、又は閉鎖システムカテーテルアセンブリCSCの針カニューレに平行な軸に沿った方向、すなわちカテーテル挿入中、対象に最も近いことを指すことが理解されなければならない。逆に、本明細書で使用される「近位」という用語は、カテーテルが対象の静脈に挿入されたときに、遠位方向と反対の、対象から更に遠い、針カニューレに平行な軸に沿って横たわる方向を指す。安全なカテーテルデバイスの遠位端及び近位端を言及するために使用され得る他の用語には、それぞれ、「患者端部」及び「ユーザ端部」が含まれ得る。また、簡略化のために、カテーテルアセンブリデバイス、又は末梢脈管内カテーテルアセンブリ(PIVC)、及び閉鎖システムカテーテルアセンブリ(CSC)は、「カテーテルアセンブリ」又は「安全なカテーテル」と称されてもよく、針先端プロテクタは、「安全な針クリップ」又は単に「安全なクリップ」又は「針クリップ」と称されてもよい。
【0021】
本出願と同一の譲受人に譲渡された、以下の米国出願及び特許は、安全なカテーテルアセンブリに関する。出願第15/733,439号、第15/435,700号、米国第8,652,104号、米国第10,080,867号、米国第10,548,522号、及び米国第10,675,440号である。’439号及び’700号出願及び’104号、’867号、’522号、及び’440号特許の各開示は、本出願の開示への参照により援用される。
【0022】
安全なカテーテルアセンブリ2の第1の実施形態の全体図が、
図1に示されている。図示するように、カテーテルアセンブリ2は、主要本体部4a、遠位部4b、及び開口近位端4hを有する近位部4cを有するカテーテルハブ4を有する(
図2)。図示の閉鎖システムカテーテル(CSC)アセンブリの場合、近位端に向かって角度を有するポートが主要本体部4aから一体的に延在する。議論の目的で、角度付きポートをサイドポート4dと称することがある。チュービング14は、サイドポート4dの開口端部から延在する。チュービング14の他端は、相手方コネクタ、例えば、シリンジ、流体ポンプ、又は他の何らかの流体貯蔵器のルアーコネクタに結合するように適合されたコネクタ16に嵌合される。したがって流体連通経路は、流体が、サイドポート4d及びチュービング14を通ってカテーテルハブ4を介して、患者と流体貯蔵器との間を2方向に流れ得るように、コネクタとカテーテルハブ4の内部空洞との間に確立される。クリップ30は、チュービング14に沿ってスライド可能に嵌合され、所望に応じて、チュービング14をクランプして流体の流れを遮断するために使用され得る。主要本体部4aの下方には、カテーテルハブを患者の皮膚に載置又は(テープによって)固定するために臨床医によって使用され得る2つのウィング4eが両方向に延在している。カテーテル10は、遠位部4bに形成されたチャンネルにその近位端4bを圧入することによって、カテーテルハブ4の遠位部4bから延在する(
図3~4)。針カニューレ、又は単に針12は、カテーテルハブ4を通って延在し、従来から知られているように、その鋭利な遠位先端12aがカテーテル10の遠位端10aを超えて延在するように、カテーテル10を通ってスライド可能に挿入される。2つのサイドグリッパ6bを備えた本体部6aを含む針ハウジング6は、カテーテルハブ4に連結される。針ハウジング6の近位端に取り付けられているのは、カテーテル及び針が血管内、例えば、患者の静脈内に正しく配置されていることを判定するために勢いよく流れる血液が臨床医によって観察されるように、空気を通過させるフラッシュプラグ8である。
図1に示されるように、カテーテルアセンブリ2は、使用準備完了位置又は準備完了状態にある。
【0023】
図2は、カテーテルハブ4の主要部分と、カテーテルハブ4の近位端4hに隣接する針ハウジング6の近位部との断面図である。図示のように、カテーテルハブ4は、壁4fによって形成され、内壁4f1は、実質的にカテーテルハブ4の長さに沿って延在する内部又は内部空洞4gを規定する。主要本体部4aにおいて、中隔18は、貫通流体経路が、チュービング14とカテーテルハブ4の内部空洞との間に延びるように、サイドポート4dの孔への入口を形成する開口部20の近位に位置決めされる。議論を容易にするために、中隔18の遠位のカテーテルハブ4内の内部空洞4gは、図中4g1で示されている。中隔18は、カテーテルハブ4に沿って延在する長手方向軸22を中心にしたアパーチャ18aを有し得る。中隔18がシリコーン又はゴム等のエラストマー材料から製作される場合、アパーチャ18aは必要ないことがある。代わりに、針12が中隔18を通過するのを補助するために、1つ以上のスリットが提供され得る。図示の例示的な実施形態において、カテーテルハブ4の主要本体部4aと近位部4cとに跨り得る封止部材24が、中隔18の近位に位置決めされる。
【0024】
封止部材24はまた、例えば、シリコーン又はポリイソプレンなどのエラストマー材料から製作され得る。膜24aは、封止部材24を遠位セクション24bと近位部24cとに分割する。セクション24cは、遠位セクション24bよりも短い長さを有する様子が示されているが、必ずしもそうでなくてもよい。封止部材24は、それらの構成要素におけるキャッチ機構、例えば、カテーテルハブ4の内壁4f1に形成された周方向突起4jとキャッチ接触した封止部材24の周方向ノッチ24dと、ともに作用することによって、カテーテルハブ4に対して取り外し不能に保持される。周方向溝部4iの形での別のキャッチ機構が、カテーテルハブ4の内壁4f1に更に形成されている。膜24aは、針12がより容易に貫通又は通過するのを補助するために、1つ以上のスリット(図示せず)を有し得る。針12の除去時に、膜24aは、遠位セクション24bによって形成されたチャンバ24eが、中隔18の遠位の内部空洞4g1から逆流する可能性のある流体を貯蔵するためのリザーバとして作用するように、再封止する。
【0025】
安全な針先端プロテクタ又は針クリップ26も、カテーテルハブ4の内側に位置決めされる。針クリップ26は、針12を通過させる開口部26bを有する基部26aを有する。2つのアーム26c1及び26c2が基部26aから延在する。図示の例示的な実施形態において、針クリップ26の基部部分は
図4に示されるように、アーム26c1及び26c2が基部26aの対向縁部から長手方向軸22に向かうように傾斜し、その後、それらの自然な位置で傾斜の最下点から平坦化する漏斗状部分を備え得る。アーム26c1及び26c2の遠位部は、長手方向軸22から離れるように屈曲して対向バンプ26d1及び26d2を形成した後、長手方向軸22に向かうように屈曲して湾曲端部フィンガを備えた各障壁26e1及び26e2を形成する。
図4に示されるように、それらの自然な位置では、障壁26e2は、障壁26e1と重なる。針クリップ26は、ステンレス鋼などの金属材料から作製され得る。
【0026】
図2~3に示されるように、障壁26e1及び26e2は、対向バンプ26d1及び26d2が封止部材24の近位セクション24cにおいて壁24fに押し当てられるように長手方向軸22から横方向に離れて移動するように、針12が間を通過するときに長手方向軸22から離れるように外側に付勢される。押し付けられた封止部材24の部分は、次いで、カテーテルハブ4の内面4f1の周方向溝部4iを押し込み、針クリップ26をカテーテルハブ4に固定保持する。したがって針クリップ26の障壁26e1及び26e2が針12によって付勢されているとき、針クリップ26及びカテーテルハブ4は、一緒に固定結合される。
図2~3は、準備完了状態のカテーテルアセンブリ2を示している。
【0027】
針12は、例示的な実施形態ではノッチとして示されており、針特徴部12bが針クリップ26の基部26aにて開口部を通過しないように、針の残りの部分とは異なった寸法を有している。
図2~4の実施形態の場合、基部26aにおける開口部は、針特徴部ノッチが開口部に到達するときに、ノッチが開口部の縁部で捕捉され、針12の更なる近位方向への移動で針クリップ12をカテーテルハブ4に対して近位方向に引っ張るように、構成され得る。ノッチ12bはまた、針と従来から知られている針に重ね合わせるカテーテルとが患者の静脈内に正しく配置されることを臨床医が見ることができるように、患者からの血液が針内に向かって、また針内から針ハウジングのフラッシュチャンバ内に流入できるように作用する。針は、針の鋭利な遠位先端の近くに形成されたバンプ又は突起などの他の針の特徴を有し得ることを理解しなければならない。
【0028】
図4は、カテーテル10から取り外され、中隔18及び封止部材24の膜24aを通過して近位方向に引き込まれた、針12を示している。また、針12の遠位先端12aは、障壁26e1及び26e2から近位に針クリップ16の内部に捕捉された様子が示されている。障壁26e1及び26e2がもはや針12によって付勢されなくなると、アーム26c1及び26c2は、それらの自然な位置に、すなわち長手方向軸22に沿って整列して戻り、障壁26e1及び26e2が、互いに重なり合って閉鎖し、針12の遠位先端12aが更なる遠位方向への移動及び環境への露出をしないようにする。更に、障壁26e1及び26e2が互いに閉鎖した状態で、対向バンプ26d1及び26d2は、針クリップ26がもはやカテーテルハブ4の摩擦取り付けされないように、封止部材24の壁24fから解放される。同時に、針特徴部26bは、方向矢印28によって指定された方向への針12の更なる近位方向への移動により、針12及び針クリップ26をカテーテルハブ4から取り外すように、以上に検討したとおり、開口部12bに対してともに作用する。
【0029】
図4に示されるように、アーム26c1及び26c2が長手方向軸22に沿った整列位置にある状態で、アーム26c1及び26c2からのリブ26f1及び26f2は、各々、ともに、遠位先端12aを含む針12のトラップされた遠位部を包囲するようにリブケージ様構造を形成する。
図5~6は、針12及び針クリップ26が、カテーテルハブ4から分離されている様子が示されている。遠位先端12aが針クリップ26に捕捉された状態で、カテーテルアセンブリ、又はより具体的には汚染された針は、安全な位置又は安全な状態にあると見なされ得る。
【0030】
図7~12を参照すると、本発明の第2の実施形態が示されている。本実施形態及び以降に検討される実施形態の場合、
図1~6に示される実施形態と同一である、又は同一の機能を有する構成要素は、同一の参照符号でラベル付けされる。
図7に示されるカテーテルアセンブリ2の全体図は、カテーテルハブ4の全長が、
図1の実施形態に示されるカテーテルハブの長さよりも短くてもよいことを示している。
図7~9は、準備完了状態のカテーテルアセンブリ2を示している。
【0031】
図8~10に示される例示的な実施形態は、近位端32b及び前方端部32cを備える本体32aを有した略円筒形封止部材32内に収容された針クリップ26を有する。本実施形態の場合、中隔18は、封止部材32の前方端部32cの開口部32dと整列するアパーチャ18aを有する様子が示されている。封止部材32は、例えば、シリコーン又はポリイソプレンなどのエラストマー材料で製作されており、針の遠位先端は、それを容易に貫通し得るため、開口部32dは、封止部材32には不要となり得る。針クリップ26の基部26aは、封止部材32の近位端32bに取り付けられるか、又は当接する。開口部32eは、針12が封止部材32内を通過できるように、封止部材32の近位端32bに設けられ得る。
図8に示されるように、針12は、準備完了状態では、その遠位先端12aがカテーテル10の遠位端10aを超えて延在するように、封止部材32、中隔18を通過し、カテーテル10を通って延在する。封止部材32の前方端部32cは、中隔18の近位表面18bに当接しており、針が患者から引っ込められて封止部材32内を通過するとき、カテーテルハブ4の内部空洞4g1内の流体が、中隔18を過ぎて、封止部材32の壁32aによって規定されたチャンバ32f内に逆流し得るようにする。したがってチャンバ32は、針12が患者から引き抜かれるとき、内部空洞4g1からの逆流流体のリザーバとして作用する。カテーテルハブ4を備えた結合針クリップ26は、針クリップ26の障壁26e1及び26e2がその間を通過する針12によって付勢されるときに、それらの各バンプ26d1及び28d2が封止部材32の壁32aの対応部分をカテーテルハブ4の内面における周方向溝部4i内に押し込むという点で、以前に検討した実施形態と同様である。結果として、針クリップ26及び封止部材32は、準備完了状態のカテーテルハブ4の内壁に摩擦取り付けされる。
【0032】
図9は、遠位先端12aがカテーテル10の近位端10bを通り過ぎるように、カテーテルハブ4に対して方向矢印28によって示される方向に針12が引っ込められている様子を示している。図示のように、障壁26e1及び26e2は、その内部に収容された封止部材32及び針クリップ26が、カテーテルハブ4の内部空洞に摩擦保持され続けるように、針12によって付勢され続ける。
【0033】
図10は、針12の遠位先端12aが、障壁が、もはや針によって付勢されておらず、それらの自然な重なり位置にあるように、障壁26e1及び26e2の近位の針クリップ26に捕捉されている様子を示している。したがって対向バンプ26d1及び26d2は、封止部材32及び針クリップ26が、もはやカテーテルハブ4に摩擦保持されないように、封止部材32から解放される。本実施形態の場合、針特徴部12bは、
図11に示されるように、針12の近位方向への更なる移動が、封止部材32及びその中に収容された針クリップ26をカテーテルハブ4から取り外すように、ベース開口部26bで捕捉される。
図12は、針ハウジング6が、針12を介して封止部材32に収容された針クリップ26に接続されている全体図を示している。本実施形態において、針クリップ26は、準備完了状態から使用済み針が処分される時まで、環境から隠蔽される。
【0034】
図13~17の実施形態のカテーテルアセンブリ2の全体図が
図13に示されている。ここで、ハウジング又はカラー34が、針ハウジング6の遠位端に示されている。
図14~15を参照すると、針ハウジング6は、その遠位端6cにおいて、従来から知られているように、相手方コネクタ、例えば、ルアーコネクタに結合するためのフランジ6dを有する。カラー34は、その近位基部34bからの中空伸長部34aを有する円筒体であり得る。伸張部34aは、通過する針12を収容するための開口部34a2を有する近位端34a1を有する。カラー34の基部34bは、準備完了状態の針ハウジング6の遠位端6cに当接している。カラー34の本体34cは、伸張部34aによって規定された空間34dに拡張するチャンバ34dを形成する。周方向突起34fは、本体34c及び伸張部34aが合流してチャンバ34dと空間34eとの間に幅狭開口部を形成する接合部にて、内側に延在する。針クリップ26は、基部部分26gが、周方向突起34fによって形成された幅狭開口部よりも大きな横寸法を有するため、その漏斗状基部部分26gが伸張部34aの空間34e内にトラップされていることによって、カラー34に取り外し不能に保持される。
【0035】
図14~16を参照すると、中隔18は、カテーテルハブ4の内部で、サイドポート4dへの開口部20の近位に位置決めされる。略スリーブ様の円筒形エラストマー封止部材36は、中隔18の近位に位置決めされ、その開口遠位端36aは、中隔18の近位表面18bに当接する。開口部又はアパーチャ36bは、針12が通過できるように、封止部材36の近位端36cに設けられ得る。しかしながら、近位端36cの開口部は、特に、針がエラストマー材料を貫通するのを補助するために少なくとも1つのスリットが設けられる場合、針がエラストマー近位端を容易に貫通することができる限り、不要であり得ることが理解されなければならない。封止部材36によって形成されたチャンバ36dは、針が中隔18を過ぎて近位に引き込まれるとき、内部空洞4g1から中隔18を通じて逆流し得る流体を収集するリザーバとして作用し得る。
【0036】
リテーナ部材がカテーテルハブ4の開口近位端に取り外し不能に取り付けられるように、カテーテルハブ4の開口近位端に圧入されるスナップリングの形であり得るリテーナ部材38が、
図13~17の例示的な実施形態に更に示されている。リテーナ部材38は、障壁26e1及び26e2が針12によって長手方向軸22から離れるように付勢されるとき、横方向に拡張された対向バンプ26d1及び26d2の横寸法よりも小さい横寸法を有する開口部38aを有する。結果として、針クリップ26は、障壁26e1及び26e2が針12によって準備完了状態に付勢されているとき、又は針12が患者から引っ込んでいるがその遠位先端12aが針クリップ26内にまだ捕捉されていないとき、カテーテルハブ4に固定保持される。針クリップ26がカテーテルハブ4に固定保持されているとき、針ハウジング6の遠位端6cは、カラー34の基部34bと当接接触する。針12の長さは、カテーテルアセンブリが準備完了状態にあるとき、その遠位端12aがカテーテル10の遠位端10aを超えて延在するような長さである。図示はされていないが、カテーテルハブ4の近位端4hに対してともに作用することで、準備完了状態のカテーテルハブ4に対するカラー34の更なる遠位方向への移動を防止し、針の挿入とその上にあるカテーテルの患者への挿入とを補助するために、内側肩部又は段差がカラー34の内面に設けられ得る。
【0037】
図16は、カテーテルハブ4から分離された、内部に針クリップ26の収容されたカラー34を示している。理解されるように、遠位先端12aが針クリップ26の内部にトラップされると、障壁26e1及び26e2は、針12によってもはや付勢されないため、それらの自然な位置に戻り、それによって、関連の対向バンプ26d1及び26d2を長手方向軸22に向かって横方向に移動させる。結果として、対向バンプ26d1及び26d2間の横寸法は、リテーナ部材38の開口部38aの横寸法よりも小さくなるように減少することで、針クリップ26を、方向矢印28で示される方向に沿って針12の更なる移動でリテーナ部材38から取り外されるようにする。
図17は、カテーテルハブ4から分離されたカラー34と針12を介して針ハウジング6に接続されたその覆われた針クリップ26とが安全に配置され得る、安全な状態におけるカテーテルアセンブリ2の全体図を示している。
【0038】
本明細書全体に記載され、添付の図面に示されたすべての事項が、例示としてのみ解釈され、限定の意味として解釈されないことが、本発明者らの意図である。したがって本発明は、添付の特許請求の範囲の精神及び範囲によってのみ限定されることが意図されている。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
安全なカテーテルアセンブリ2の第1の実施形態の全体図が、
図1に示されている。図示するように、カテーテルアセンブリ2は、主要本体部4a、遠位部4b、及び開口近位端4hを有する近位部4cを有するカテーテルハブ4を有する(
図2)。図示の閉鎖システムカテーテル(CSC)アセンブリの場合、近位端に向かって角度を有するポートが主要本体部4aから一体的に延在する。議論の目的で、角度付きポートをサイドポート4dと称することがある。チュービング14は、サイドポート4dの開口端部から延在する。チュービング14の他端は、相手方コネクタ、例えば、シリンジ、流体ポンプ、又は他の何らかの流体貯蔵器のルアーコネクタに結合するように適合されたコネクタ16に嵌合される。したがって流体連通経路は、流体が、サイドポート4d及びチュービング14を通ってカテーテルハブ4を介して、患者と流体貯蔵器との間を2方向に流れ得るように、コネクタとカテーテルハブ4の内部空洞との間に確立される。クリップ30は、チュービング14に沿ってスライド可能に嵌合され、所望に応じて、チュービング14をクランプして流体の流れを遮断するために使用され得る。主要本体部4aの下方には、カテーテルハブを患者の皮膚に載置又は(テープによって)固定するために臨床医によって使用され得る2つのウィング4eが両方向に延在している。カテーテル10は、遠位部4bに形成されたチャンネルにその近位端
10bを圧入することによって、カテーテルハブ4の遠位部
10bから延在する(
図3~4)。針カニューレ、又は単に針12は、カテーテルハブ4を通って延在し、従来から知られているように、その鋭利な遠位先端12aがカテーテル10の遠位端10aを超えて延在するように、カテーテル10を通ってスライド可能に挿入される。2つのサイドグリッパ6bを備えた本体部6aを含む針ハウジング6は、カテーテルハブ4に連結される。針ハウジング6の近位端に取り付けられているのは、カテーテル及び針が血管内、例えば、患者の静脈内に正しく配置されていることを判定するために勢いよく流れる血液が臨床医によって観察されるように、空気を通過させるフラッシュプラグ8である。
図1に示されるように、カテーテルアセンブリ2は、使用準備完了位置又は準備完了状態にある。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
図8~10に示される例示的な実施形態は、近位端32b及び前方端部32cを備える本体32aを有した略円筒形封止部材32内に収容された針クリップ26を有する。本実施形態の場合、中隔18は、封止部材32の前方端部32cの開口部32dと整列するアパーチャ18aを有する様子が示されている。封止部材32は、例えば、シリコーン又はポリイソプレンなどのエラストマー材料で製作されており、針の遠位先端は、それを容易に貫通し得るため、開口部32dは、封止部材32には不要となり得る。針クリップ26の基部26aは、封止部材32の近位端32bに取り付けられるか、又は当接する。開口部32eは、針12が封止部材32内を通過できるように、封止部材32の近位端32bに設けられ得る。
図8に示されるように、針12は、準備完了状態では、その遠位先端12aがカテーテル10の遠位端10aを超えて延在するように、封止部材32、中隔18を通過し、カテーテル10を通って延在する。封止部材32の前方端部32cは、中隔18の近位表面18bに当接しており、針が患者から引っ込められて封止部材32内を通過するとき、カテーテルハブ4の内部空洞4g1内の流体が、中隔18を過ぎて、封止部材32の壁32aによって規定されたチャンバ32f内に逆流し得るようにする。したがって
封止部材32は、針12が患者から引き抜かれるとき、内部空洞4g1からの逆流流体のリザーバとして作用する。カテーテルハブ4を備えた結合針クリップ26は、針クリップ26の障壁26e1及び26e2がその間を通過する針12によって付勢されるときに、それらの各バンプ26d1及び28d2が封止部材32の壁32aの対応部分をカテーテルハブ4の内面における周方向溝部4i内に押し込むという点で、以前に検討した実施形態と同様である。結果として、針クリップ26及び封止部材32は、準備完了状態のカテーテルハブ4の内壁に摩擦取り付けされる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
図13~17の実施形態のカテーテルアセンブリ2の全体図が
図13に示されている。ここで、ハウジング又はカラー34が、針ハウジング6の遠位端に示されている。
図14~15を参照すると、針ハウジング6は、その遠位端6cにおいて、従来から知られているように、相手方コネクタ、例えば、ルアーコネクタに結合するためのフランジ6dを有する。カラー34は、その近位基部34bからの中空伸長部34aを有する円筒体であり得る。伸張部34aは、通過する針12を収容するための開口部34a2を有する近位端34a1を有する。カラー34の基部34bは、準備完了状態の針ハウジング6の遠位端6cに当接している。カラー34の本体34cは、伸張部34aによって規定された空間34
eに拡張するチャンバ34dを形成する。周方向突起34fは、本体34c及び伸張部34aが合流してチャンバ34dと空間34eとの間に幅狭開口部を形成する接合部にて、内側に延在する。針クリップ26は、基部部分26gが、周方向突起34fによって形成された幅狭開口部よりも大きな横寸法を有するため、その漏斗状基部部分26gが伸張部34aの空間34e内にトラップされていることによって、カラー34に取り外し不能に保持される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
リテーナ部材がカテーテルハブ4の開口近位端に取り外し不能に取り付けられるように、カテーテルハブ4の開口近位端に圧入されるスナップリングの形であり得るリテーナ部材38が、
図13~17の例示的な実施形態に更に示されている。リテーナ部材38は、障壁26e1及び26e2が針12によって長手方向軸22から離れるように付勢されるとき、横方向に拡張された対向バンプ26d1及び26d2の横寸法よりも小さい横寸法を有する開口部38aを有する。結果として、針クリップ26は、障壁26e1及び26e2が針12によって準備完了状態に付勢されているとき、又は針12が患者から引っ込んでいるがその遠
位端12aが針クリップ26内にまだ捕捉されていないとき、カテーテルハブ4に固定保持される。針クリップ26がカテーテルハブ4に固定保持されているとき、針ハウジング6の遠位端6cは、カラー34の基部34bと当接接触する。針12の長さは、カテーテルアセンブリが準備完了状態にあるとき、その遠位
先端12aがカテーテル10の遠位端10aを超えて延在するような長さである。図示はされていないが、カテーテルハブ4の近位端4hに対してともに作用することで、準備完了状態のカテーテルハブ4に対するカラー34の更なる遠位方向への移動を防止し、針の挿入とその上にあるカテーテルの患者への挿入とを補助するために、内側肩部又は段差がカラー34の内面に設けられ得る。
【国際調査報告】