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特表2024-528059光電池を配線するための方法及び装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】光電池を配線するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/05 20140101AFI20240719BHJP
   H01L 31/0224 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
H01L31/04 570
H01L31/04 262
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505282
(86)(22)【出願日】2022-07-22
(85)【翻訳文提出日】2024-03-18
(86)【国際出願番号】 EP2022070712
(87)【国際公開番号】W WO2023006632
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】070114/2021
(32)【優先日】2021-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(31)【優先権主張番号】070511/2021
(32)【優先日】2021-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(31)【優先権主張番号】000184/2022
(32)【優先日】2022-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522384787
【氏名又は名称】メガソル エネルギー アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】ギスラー, マルクス
【テーマコード(参考)】
5F251
【Fターム(参考)】
5F251EA19
5F251FA15
(57)【要約】
本開示は、光電池を配線して光電池のストリングを形成するための方法及び装置、並びに、光電池のストリングを備えるモジュールに関する。光電池は、典型的には第1の方向に配置され、それらのそれぞれの背面上の細長い配線要素によって直列に電気的に相互接続される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電池(1)を配線して、電気的に相互接続された光電池(1)のストリング(2)を形成するための方法であって、
a.プラットフォーム(3)の上に、第1の光電池(1.1)、第2の光電池(1.2)及び第3の光電池(1.3)を、第1の方向(x)において互いに隣接して配置するステップであって、前記第2の光電池(1.2)は、前記第1の光電池(1.1)及び前記第3の光電池(1.3)に対して回転された配向で、前記第1の光電池(1.1)と前記第3の光電池(1.3)との間に配置される、ステップ、
b.前記第1の光電池(1.1)と前記第2の光電池(1.2)を、それらのそれぞれの背面(4)の上で、直列に、少なくとも1つの細長い配線要素(5.1)によって、第1の横方向位置において前記第1の方向(x)に、電気的に相互接続するステップ、及び、
c.前記第2の光電池(1.2)と前記第3の光電池(1.3)を、それらのそれぞれの背面(4)の上で、直列に、少なくとも1つの細長い配線要素(5.2)によって、第2の横方向位置において前記第1の方向(x)に、電気的に相互接続するステップ
を含み、
前記第1の横方向位置及び前記第2の横方向位置は、前記第1の方向(x)に対して垂直に、互いに対してオフセットされている、方法。
【請求項2】
a.第1の後続の光電池(6.1)を、前記プラットフォーム(3)の上で、前記第1の方向(x)において、前記ストリング(2)を一時的に追尾する光電池(1)に隣接して配置し、前記第1の後続の光電池(6.1)と、前記ストリング(2)を一時的に追尾する前記光電池(1)とを、それらのそれぞれの背面(4)の上で、直列に、少なくとも1つの細長い配線要素(5)によって、前記第1の横方向位置において前記第1の方向(x)に、電気的に相互接続する、ステップ、及び/又は、
b.第2の後続の光電池(6.2)を、前記プラットフォーム(3)の上で、前記第1の方向(x)において、前記ストリング(2)を一時的に追尾する光電池(1)に隣接して配置し、前記第2の後続の光電池(6.2)と、前記ストリング(2)を一時的に追尾する前記光電池(1)とを、それらのそれぞれの背面(4)の上で、直列に、少なくとも1つの細長い配線要素(5)によって、前記第2の横方向位置において前記第1の方向(x)に、電気的に相互接続する、ステップ
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の後続の光電池(6.1)及び前記第2の後続の光電池(6.2)は、それぞれ、前記第1の後続の光電池(6.1)又は前記第2の後続の光電池(6.2)の少なくとも1つの主導体路(7)が、前記第1の方向(x)において、前記ストリング(2)を一時的に追尾する前記光電池(1)の反対の極性の主導体路(7)と整列されるように、前記ストリング(2)を一時的に追尾する前記光電池(1)に隣接して、回転された配向で配置される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つの細長い配線要素(5)を、前記第1の横方向位置又は前記第2の横方向位置において、前記第1の方向(x)に、前記プラットフォーム(3)上に堆積するステップを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの細長い配線要素(5)は、供給手段(9)から前記第1の方向(x)に前記堆積手段(8)によって引き出され、前記堆積手段(8)はそれにより前記プラットフォーム(3)に対して移動する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
a.前記第1の横方向位置に前記少なくとも1つの細長い配線要素(5)を堆積させるために、第1のグリッパーアーム(12)上の前記第1の横方向位置に配置された少なくとも1つの第1のグリッパー(10)によって、少なくとも1つの細長い配線要素(5)を把持するステップ、及び、
b.前記第2の横方向位置に少前記なくとも1つの細長い配線要素(5)を堆積させるために、前記第1のグリッパーアーム(12)又は別個の第2のグリッパーアーム(13)上の前記第2の横方向位置に配置された少なくとも1つの第2のグリッパー(11)によって、少なくとも1つの細長い配線要素(5)を把持するステップ
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの第1のグリッパー(10)は、前記第1の横方向位置と前記第2の横方向位置との間で切り換えることにより、前記少なくとも1つの第2のグリッパー(11)として作用する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの細長い配線要素(5)は、堆積中に、前記第1の方向(x)において互いに隣接して配置された2つの光電池(1)の前記第1の方向(x)における長さよりも小さな長さに、特に個々の光電池(1)よりも大きな長さに切断される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項9】
前記プラットフォーム(3)上に第1の光電池(1.1)及び第2の光電池(1.2)のみが配置され、
a.前記第2の横方向位置における前記第1の方向(x)の少なくとも1つの細長い配線要素(5.2)によって、前記第1の光電池(1.1)を電気的に接触させるステップ、及び、
b.前記第1の光電池(1.1)と前記第2の光電池(1.2)を、それらのそれぞれの背面(4)の上で、直列に、前記第1の横方向位置における前記第1の方向(x)の少なくとも1つの細長い配線要素(5.1)によって、電気的に相互接続するステップ
を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項10】
前記光電池(1)のうちの少なくとも1つ、特に前記第1の光電池(1.1)及び/又は前記第2の光電池(1.2)及び/又は前記第3の光電池(1.3)は、前記第1の方向(x)において互いに隣接して配置された2つの別個の半電池(24)を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項11】
背面主導体路(7)を有する光電池(1)を配線して光電池(1)のストリング(2)を形成するための装置(14)であって、
a.第1の方向(x)において互いに隣接して配置された少なくとも第1の光電池(1.1)、第2の光電池(1.2)及び第3の光電池(1.3)を担持するように構成されたプラットフォーム(3)と、
b.細長い配線要素(5)を光電池(1)に適用するためのアプリケーター(15)であって、
i.少なくとも1つの供給部(16)から細長い配線要素(5)を供給するために配置された供給手段(9)、及び、
ii.堆積手段(8)であって、前記プラットフォーム(3)及び前記堆積手段(8)は互いに対して前記第1の方向(x)に移動されるように構成され、
前記堆積手段(8)は、背面(4)上で前記第1の方向(x)において互いに隣接して配置された第1の光電池(1.1)と第2の光電池(1.2)を電気的に相互接続するために、前記第1の方向(x)における前記供給手段(9)からの少なくとも1つの細長い配線要素(5)を第1の横方向位置に堆積し、
背面(4)上で前記第1の方向(x)において互いに隣接して配置された第2の光電池(1.2)と第3の光電池(1.3)を電気的に相互接続するために、前記第1の方向(x)における前記供給手段(9)からの少なくとも1つの細長い配線要素(5)を第2の横方向位置に堆積するように構成され、
前記第1の横方向位置及び前記第2の横方向位置は、前記第1の方向(x)に対して垂直に、互いに対してオフセットされている、堆積手段(8)
を含むアプリケーター(15)と、
を含む装置(14)。
【請求項12】
供給装置(17)が、前記プラットフォーム(3)上に後続の光電池(6.1、6.2)を、前記後続の光電池(6.1、6.2)の配向が前記ストリング(2)を一時的に追尾する前記光電池(1)に対して回転されるように配置するよう、構成される、請求項11に記載の装置(14)。
【請求項13】
前記堆積手段(8)は、横方向にオフセットして配置され、細長い配線要素(5)をそれぞれ前記第1の横方向及び前記第2の横方向に堆積するように構成された、少なくとも1つの第1のグリッパー(10)及び少なくとも1つの第2のグリッパー(11)を備える、請求項11又は12に記載の装置(14)。
【請求項14】
前記堆積手段(8)は、前記第1の方向(x)に対して実質的に垂直に横方向(y)に延び、前記第2の方向(y)において交互に取り付けられた第1のグリッパー(10)のグループ及び第2のグリッパー(11)のグループを有するグリッパーアーム(12)を備える、請求項11又は12に記載の装置(14)。
【請求項15】
前記堆積手段(8)は、それぞれ前記第1の方向(x)に対して実質的に垂直に第2の方向(y)に延びる第1のグリッパーアーム(12)及び第2のグリッパーアーム(13)を備え、
前記第1のグリッパーアーム(12)は、前記横方向(y)において互いに所定の距離を隔てて取り付けられた第1のグリッパー(10)のグループを有し、
前記第2のグリッパーアーム(13)は、前記横方向(y)において互いに所定の距離を隔てて取り付けられた第2のグリッパー(11)のグループを有する、
請求項11又は12に記載の装置(14)。
【請求項16】
第1の方向(x)に延びる光電池(1)のストリング(2)を備える光電池モジュール(18)であって、前記ストリング(2)は、
a.前記第1の方向(x)において互いに隣接して配置された少なくとも第1の板状の光電池(1.1)、第2の板状の光電池(1.2)及び第3の板状の光電池(1.3)であって、各光電池(1.1、1.2、1.3)は、
それぞれの前記光電池(1)の背面(4)を横断して前記第1の方向(x)に実質的に平行にそれぞれ延びる少なくとも1つの正の主導体路(7.1)及び少なくとも1つの負の主導体路(7.2)であって、前記少なくとも1つの正の主導体路(7.1)は、いくつかの正のコンタクトフィンガー(20)によってp型半導体領域(19)に接続され、前記少なくとも1つの負の主導体路(7.2)は、前記いくつかの正のコンタクトフィンガー(20)と噛み合ういくつかの負のコンタクトフィンガー(22)によってn型半導体領域(20)に接続される、少なくとも1つの正の主導体路(7.1)及び少なくとも1つの負の主導体路(7.2)を備え、
前記第2の光電池(1.2)は、前記第2の光電池(1.2)の前記主導体路(7.1、7.2)が前記第1の光電池(1.1)及び前記第3の光電池(1.3)の反対極性の主導体路(7.2、7.1)と整列するよう、前記第1の光電池(1.1)及び前記第3の光電池(1.3)に対して回転された配向で、前記第1の光電池(1.1)と前記第3の光電池(1.3)との間に配置される、第1の板状の光電池(1.1)、第2の板状の光電池(1.2)及び第3の板状の光電池(1.3)と、
b.前記第1の光電池(1.1)と前記第2の光電池(1.2)とを、それらのそれぞれの背面(4)上の第1の横方向位置において、直列に電気的に相互接続する少なくとも1つの細長い配線要素(5)と、
c.前記第2の光電池(1.2)と前記第3の光電池(1.3)とを、それらのそれぞれの背面(4)上の第2の横方向位置において、直列に電気的に相互接続する少なくとも1つの細長い配線要素(5)と、
を含む、光電池モジュール(18)。
【請求項17】
前記第1の方向(x)において1つおきの光電池(1.2)が180度だけ、特に垂直な回転軸(z)の周りに回転されることを条件として、前記ストリング(2)は複数の光電池(1)を含む、請求項16に記載の光電池モジュール(18)。
【請求項18】
前記第1の方向(x)において1つおきの光電池(1.2)は、前記第1の横方向位置において少なくとも1つの細長い配線要素(5)によって前記ストリング(2)の先行する光電池(1)に、及び、前記第2の横方向位置において少なくとも1つの細長い配線要素(5)によって前記ストリング(2)の後続の光電池(1)に、それぞれ相互接続される、請求項16又は17に記載の光電池モジュール(18)。
【請求項19】
前記少なくとも1つの正の主導体路(7.1)と前記少なくとも1つの負の主導体路(7.2)は、それぞれの前記光電池(1)の、特に垂直な回転軸(x)の周りの180度の回転に対して、対称に配置される、請求項16又は17に記載の光電池モジュール(18)。
【請求項20】
前記光電池(1)のうちの少なくとも1つ、特に前記第1の光電池(1.1)及び/又は前記第2の光電池(1.2)及び/又は前記第3の光電池(1.3)は、前記第1の方向(x)において互いに隣接して配置された2つの別個の半電池(24)を含む、請求項16又は17に記載の光電池モジュール(18)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光電池を配線して光電池のストリングを形成するための方法及び装置、並びに、少なくとも1つの光電池のストリングを含むモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
背面接点を有する光電池は、背面、すなわち主に太陽に面する面とは反対側の面に、電極を有する。このタイプの光電池は、前面及び背面に電極を有する通常の光電池と比較して、優れた効率を提供する。これは、モジュール内で電池を電気的に相互接続するために必要とされる配線要素が、太陽光/放射を受ける光電池の前面の表面を、部分的に覆い隠すためである。背面接点電池では、配線要素が前面を覆い隠すことはなく、光を受け取るためのより大きな表面が提供される。
【0003】
しかしながら、複数の背面接点電池を直列に電気的に相互接続してストリングを形成することは、些細なことではなく、これらの光電池のストリングを含む光電池モジュールを大量生産するために、効率的な方法で行われるべきである。
【0004】
いくつかの試みが、以下で簡単に説明される従来技術から知られている。
【0005】
LG Electronics INCの名義で2017年3月に公開された特許文献1は、太陽電池モジュール及びその製造方法に関する。太陽電池モジュールは、半導体基板と、それぞれが異なる極性を有し半導体基板の背面上で第1の方向に延びる第1及び第2の電極と、をそれぞれが含む複数の太陽電池と、半導体基板の背面上で第1の方向と交差する第2の方向に延び、導電性接着剤を介して第1及び第2の電極のうちの一方に接続され、絶縁層によって他方の電極から絶縁された複数の導電線と、を含む。導電性接着剤は、一方の電極に接続された第1の接着剤層と、第1の接着剤層上に配置され、複数の導電線に接続された第2の接着剤層と、を含む。
【0006】
Sunpower Corporationの名義で2020年4月に公開された特許文献2は、ラップアラウンド金属コンタクトフィンガーを有する太陽電池を含む光起電力(PV)ストリングに関する。導電性コネクタを結合してラップアラウンド金属コンタクトフィンガーを有する太陽電池を形成する方法。加えて、特許文献2は、第1の複数の金属コンタクトフィンガーと、第1の複数の金属コンタクトフィンガーと互いに噛み合わされた第2の複数の金属コンタクトフィンガーと、を含む太陽電池に関し、第1の複数の金属コンタクトフィンガーのうちの少なくとも1つは、太陽電池の第1の縁部と少なくとも1つのコンタクトパッドとの間を通過するラップアラウンド金属フィンガーを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許出願公開第3142156号明細書書
【特許文献2】国際公開第2020/069419号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、背面接点を有する光電池は、光を電気に変換する際に優れた効率を有する。加えて、このタイプの光電池を含むモジュールは、配線要素が典型的には見えないため、審美的により魅力的である。なぜなら、配線要素は、モジュールの背面に配置され、したがってモジュールの前面上には見えないからである。しかしながら、モジュール内の光電池の電気的な相互接続は、効率的な方法で行われるべきであり、理想的には、製造方法及び装置の複雑さは最小限に保たれるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これを達成するために、本開示の第1の態様は、光電池を配線して、電気的に相互接続された光電池のストリングを形成するための方法を対象とする。当該方法は、プラットフォーム上に、第1、第2及び第3の光電池を、第1の方向において互いに隣接して配置するステップを含む。第2の光電池は、第1の光電池と第3の光電池との間に、第1の光電池及び第3の光電池に対して回転された配向で、配置される。通常、回転は、垂直な回転軸に対するものである。プラットフォーム上の第1、第2及び第3の光電池は、それぞれ、背面を上向きに、又は代替的にそれぞれを下向きにして配置されることを意味する。
【0010】
典型的には、光電池は、それらの光学的に活性な表面を互いに隣接させて配置される。光学的に活性な表面は、(太陽)光/放射を受け、少なくとも部分的に光を電気に変換することができる、光電池の表面を指す。
【0011】
良好な結果は、2つの光電池を、第1の方向においてオーバーラップを有する状態で互いに隣接して配置する場合に可能であり、オーバーラップは、好ましくは2つの光電池の光学的に不活性な領域にある。いくつかの変形例では、オーバーラップは0.1~0.6ミリメートル、好ましくは約0.3ミリメートルであり得るが、電池に応じてオーバーラップを適合させることができる。光電池を、オーバーラップを有する状態で配置することは、有利である、なぜなら、光電池のストリングを第1の方向において短くすることができる一方、本質的に同一の光学面を有するからである。
【0012】
通常、方法は更に、第1の光電池と第2の光電池を、それらのそれぞれの背面の上で、直列に、少なくとも1つの細長い配線要素によって、第1の横方向位置において第1の方向に、電気的に相互接続するステップと、第2の光電池と第3の光電池を、それらのそれぞれの背面の上で、直列に、少なくとも1つの細長い配線要素によって、第2の横方向位置において第1の方向に、電気的に相互接続するステップと、を備える。
【0013】
第1の方向においてオーバーラップを有する状態で互いに隣接して配置された光電池を電気的に相互接続するとき、細長い配線要素は、典型的にはストリングの前面上には見えない。これは、審美的により魅力的なモジュールを製造することを可能にする。なぜなら、細長い配線要素による光反射が低減され、モジュールがより均一に見えるからである。
【0014】
光電池を配線する際に所望の効率を達成するために、第1及び第2の横方向位置は、第1の方向に対して垂直に、互いに対してオフセットされている。これにより、2つの隣接する光電池の間のそれぞれの少なくとも1つの細長い配線要素の本質的に直線的な交差が可能になる。
【0015】
通常、第1、第2及び第3の光電池は、それぞれ第1の縁部と、第1の縁部とは反対側の第2の縁部と、を備える板状であり、電池は、第1及び第2の縁部に沿って互いに隣接して、第1の方向に配置される。この文脈において、第2の光電池の回転された配向は、第2の光電池の第1の縁部が第3の光電池の第1の縁部に面し、第2の光電池の第2の縁部が第1の光電池の第2の縁部に面することとして、理解され得る。光電池がオーバーラップを有する状態で互いに隣接して配置される場合、オーバーラップの領域における光電池の縁部は、好ましくは平行である。
【0016】
第1の光電池と第2の光電池のオーバーラップは、第2の光電池と第3の光電池のオーバーラップと、同一のオーバーラップ積層順序を有し得る。これは、うろこ状のオーバーラップとして説明され得る。しかしながら、第2の光電池は、第1及び第3の光電池と同様にオーバーラップし得る。これは、レンガ壁状のオーバーラップとして説明され得る。
【0017】
所望の長さの光電池のストリングを製造するために、本方法は、好ましくは、第1の後続の光電池を、プラットフォームの上で、第1の方向において、ストリングを一時的に追尾する光電池に隣接して配置するステップと、第1の後続の光電池と、ストリングを一時的に追尾する光電池とを、それらのそれぞれの背面の上で、直列に、少なくとも1つの細長い配線要素によって、第1の横方向位置において第1の方向に、電気的に相互接続するステップと、を備える。代替的に又は付加的に、第2の後続の光電池を、プラットフォームの上で、第1の方向において、ストリングを一時的に追尾する光電池に隣接して配置し、第2の後続の光電池と、ストリングを一時的に追尾する光電池とを、それらのそれぞれの背面の上で、直列に、少なくとも1つの細長い配線要素によって、第2の横方向位置において第1の方向に、電気的に相互接続するステップを含む。これらのステップは、第1又は第2の後続の光電池によって、プラットフォームの上に配置された中間ストリングを延長させるものとして理解され得る。
【0018】
好ましくは、第1の及び/又は第2の後続の光電池は、それぞれ、第1の又は第2の後続の光電池の少なくとも1つの主導体路が、第1の方向において、ストリングを一時的に追尾する光電池の反対の極性の主導体路と整列されるように、ストリングを一時的に追尾する光電池に隣接して、回転された配向で配置される。
【0019】
用途の分野に応じて、第1及び第2の後続の光電池によってストリングを延長させるステップは、所望の数の光電池が直列に電気的に相互接続されて所望の長さ(すなわち電池の数)のストリングが形成されるまで、交互に行われる。
【0020】
良好な結果のために、本方法は、第1の後続の光電池と、ストリングを一時的に追尾する光電池とを、それらのそれぞれの背面上で直列に電気的に相互接続するために、第1の横方向位置において、少なくとも1つの細長い配線要素を、第1の方向に堆積させるステップを含む。加えて、本方法は、第2の光電池と、ストリングを一時的に追尾する光電池とを、それらのそれぞれの背面上で直列に電気的に相互接続するために、第2の横方向位置において、少なくとも1つの細長い配線要素を、第1の方向に堆積させるステップを含み得る。換言すれば、本方法は、少なくとも1つの細長い配線要素を、第1又は第2の横方向位置において、プラットフォーム上に第1の方向に堆積させるステップを含む。
【0021】
ストリングの製造中、光電池をプラットフォーム上に配置し、その後、細長い配線要素をその上に堆積させることができる。代替的に又は付加的に、細長い配線要素をプラットフォーム上に堆積させ、その後、少なくとも1つの光電池を、少なくとも1つの細長い配線要素を既に担持しているプラットフォーム上に配置することができる。
【0022】
実施に応じて、少なくとも1つの細長い配線要素は、供給手段から第1の方向に堆積手段によって引き出され、それにより、堆積手段はプラットフォームに対して移動する。設計に応じて、供給手段は、フィーダごとに1つの供給部から堆積手段に配線材料を供給するように構成されたいくつかのフィーダを備える。供給手段はまた、準連続配線材料を所定の長さに切断するように構成された分離手段を備え得る。
【0023】
堆積手段は、第1の横方向位置又は第2の横方向位置に堆積させるために、少なくとも1つの細長い配線要素を交互に引き出してもよいが、堆積手段は、一方を第1の横方向位置に、他方を第2の横方向位置に堆積させるために、少なくとも2つの細長い配線要素を同時に引き出してもよい。
【0024】
いくつかの変形例では、本方法は、第1の横方向位置に少なくとも1つの細長い配線要素を堆積させるために、第1のグリッパーアーム上の第1の横方向位置に配置された少なくとも1つの第1のグリッパーによって、少なくとも1つの細長い配線要素を把持するステップを備える。加えて、本方法は、第2の横方向位置に少なくとも1つの細長い配線要素を堆積させるために、第1のグリッパーアーム又は別個の第2のグリッパーアーム上の第2の横方向位置に配置された少なくとも1つの第2のグリッパーによって、少なくとも1つの細長い配線要素を把持するステップを備える。
【0025】
代替的に、少なくとも1つの第1のグリッパーは、第1の横方向位置と第2の横方向位置との間で切り換えることにより、少なくとも1つの第2のグリッパーとして作用する。この場合、必要とされるグリッパーアームは1つだけであるが、製造速度を高めるために、追加のグリッパーアームが可能である。
【0026】
良好な性能のために、少なくとも1つの細長い配線要素は、堆積中に、第1の方向に互いに隣接して配置された2つの光電池の第1の方向における長さ未満に、特に個々の光電池よりも長い長さに切断される。これは、従来技術に示されるような、光電池間の細長い配線要素の冗長なクロスオーバーの切断を、時代遅れなものにする。これは、細長い配線要素が、一旦堆積されると、既に必要な長さを有するためである。
【0027】
用途の分野に応じて、第1及び第2の光電池のみが、プラットフォーム上に配置される。ここで、第3の光起電力セルは省略される(又は、少なくとも最初には)。この場合、本方法は、第2の横方向位置において第1の方向の少なくとも1つの細長い配線要素によって第1の光電池を電気的に接触させるステップを含む。少なくとも1つの細長い配線要素は、通常、少なくとも1つの端部接触導体などに電気的に相互接続されるべき第1の光電池を越えて、第1の方向に延びる。ここで、本方法は更に、第1の光電池と第2の光電池を、それらのそれぞれの背面の上で、直列に、少なくとも1つの細長い配線要素によって、第1の横方向位置において第1の方向に、電気的に相互接続するステップを含む。
【0028】
用途に応じて、光電池のうちの少なくとも1つは、複数の別個の部品を含み得る。光電池のうちの少なくとも1つ、特に第1及び/又は第2及び/又は第3の光電池が、第1の方向において互いに隣接して配置された2つの別個の半電池を含む場合、良好な結果が可能である。各半電池は、典型的には、第2の方向よりも第1の方向において小さな拡がりを有し、特に、第1の方向において完全な光電池の約半分の長さ、及び、第2の方向において完全な光電池と比較して同様の幅を有する。
【0029】
特に、細長い配線要素をそれぞれの背面に熱的にはんだ付けするとき、光電池は、特にプラットフォームから上方に曲がる傾向がある。この変形は、第1の方向における光電池の連続的な拡がりを短縮することにより最小化され得る。なぜなら、各半電池は、完全な光電池よりも小さく曲がるからである。2つの別個の半電池は、上述した方法が調整なしで又は最小限の調整で適用され得るよう、好ましくは対を形成する。なぜなら、1対の半電池は、ユニット/1つの光電池として取り扱われ得るからである。好ましい変形例では第1、第2及び第3の光電池、並びに、第1及び第2の後続の光電池は、それぞれ、1対の半電池として形成される。典型的には、1対の半電池は、完全な光電池を、その主導体路に対して実質的に垂直に、2つの別個の半電池に分割することによって、生成される。
【0030】
同様に、完全な光電池について前述したように、半電池の各対は、プラットフォーム上で、オーバーラップを有する状態で、隣接して又は間隔をあけて配置され得る。
【0031】
本開示の第2の態様は、背面主導体路を有する光電池を配線して光電池のストリングを形成するための装置を対象とする。本装置は、通常、第1の方向に互いに隣接して配置された少なくとも第1、第2及び第3の光電池を担持するように構成されたプラットフォームを備える。光電池に細長い配線要素を適用するためのアプリケーターは、典型的には、プラットフォームに隣接して及び/又はその上方に配置される。アプリケーターは、通常、細長い配線要素を少なくとも1つの供給源から堆積手段に供給するように配置された供給手段を備える。プラットフォーム及び堆積手段は、互いに対して第1の方向に移動するように構成される。光電池を配線するために、堆積手段は、背面上で第1の方向において互いに隣接して配置された第1の光電池と第2の光電池を電気的に相互接続するために、第1の方向における供給手段からの少なくとも1つの細長い配線要素を第1の横方向位置に堆積するように構成される。加えて、堆積手段は、背面上で第1の方向において互いに隣接して直列に配置された第2の光電池と第3の光電池を電気的に相互接続するために、第1の方向における供給手段からの少なくとも1つの細長い配線要素を第2の横方向位置に堆積するように構成される。
【0032】
第1及び第2の横方向位置は、好ましくは、第1の方向に対して垂直に、互いに対してオフセットされている。
【0033】
これは、実質的に直線状で平行な細長い配線要素によって、第1の方向において複数の光電池を電気的に相互接続することを可能にする。用途に応じて、堆積手段は、第1及び/又は横方向の位置に複数の細長い配線要素を実質的に同時に堆積するように構成される。第1及び第2の光電池を相互接続する第1の横方向位置における少なくとも1つの細長い配線要素は、好ましくは、第2の横方向位置において第2及び第3の光電池を相互接続する細長い配線要素と、部分的にオフセットされる。
【0034】
良好な結果を得るために、供給装置は、ストリングを一時的に追尾する光電池に対して、後続の光電池の配向が回転されるよう、後続の光電池をプラットフォーム上に配置するように構成される。前述したように、これは、ストリングを延長するための後続の光電池の配置を可能にし、1つおきの光電池は回転された配向でプラットフォーム上に配置される。
【0035】
細長い配線要素を供給するための供給手段は、好ましくはプラットフォームに隣接して、特に第1の方向におけるプラットフォームの端部に隣接して配置される。これにより、プラットフォームは、既に直列に電気的に相互接続されたストリングの光電池を、第1の方向に、供給手段から離れるように移動させることができる。ここで、ストリングを延長するための後続の光電池は、典型的には、プラットフォーム上で供給手段に隣接して配置されるが、それは、堆積手段が供給手段から少なくとも1つの細長い配線要素を引き出すための距離が最小化されるからである。
【0036】
好ましい変形例では、堆積手段は、横方向にオフセットされて配置され、第1の横方向位置及び第2の横方向位置にそれぞれ細長い配線要素を堆積するように構成された、少なくとも1つの第1のグリッパー及び少なくとも1つの第2のグリッパーを備える。典型的には、少なくとも1つの第1のグリッパーは第1の横方向位置に配置され、少なくとも1つの第2のグリッパーは第2の横方向位置に配置される。しかしながら、少なくとも1つの第1のグリッパーは、第1の横方向位置と第2の横方向位置との間で切り換えることにより、少なくとも1つの第2のグリッパーとして作用し得る。少なくとも1つの第1のグリッパー及び少なくとも1つの第2のグリッパーは、それぞれ、特にそれぞれのグリッパーを開閉することにより、細長い配線要素を把持及び解放するように構成される。通常、少なくとも1つの第1のグリッパー及び少なくとも1つの第2のグリッパーは、供給手段から突出し得る細長い配線要素の端部によって、それぞれの細長い配線要素を把持する。
【0037】
好ましくは、堆積手段は、横方向において第1の方向に対して実質的に垂直に延び、第2の方向において交互に取り付けられた第1のグリッパーのグループと第2のグリッパーのグループとを有するグリッパーアームを備える。グリッパーは、通常、プラットフォームの上方に移動可能に配置される。
【0038】
代替的に、堆積手段は、それぞれ第1の方向に対して実質的に垂直に第2の方向に延びる、第1及び第2のグリッパーアームを備え得る。この場合、第1のグリッパーアームは、典型的には互いに横方向に一定の距離だけ隔てて取り付けられた第1のグリッパーのグループを有し、第2のグリッパーアームは、互いに横方向に一定の距離だけ隔てて取り付けられた第2のグリッパーのグループを有する。ここで、第1のグリッパーは、それぞれ、第1の横方向位置において、それぞれ第2の横方向位置に配置された第2のグリッパーと、通常は横方向において交互に配置される。
【0039】
好ましい変形例では、プラットフォームは、搬送手段、例えば、その上に配置された光電池を第1の方向に搬送するように構成されたコンベヤーベルトを備える。
【0040】
良好な性能のために、装置は、細長い配線要素の堆積を制御するための、堆積手段に通信可能に相互接続された制御ユニットを備える。好ましくは、制御ユニットは、第1の方向における少なくとも1つのグリッパーアームの移動を制御するように構成される。典型的には、制御ユニットは、更に、少なくとも1つの第1のグリッパー及び少なくとも1つの第2のグリッパーを、特に、細長い配線要素を把持及び解放する際に、制御するように構成される。いくつかの変形例では、制御ユニットは、プラットフォーム上に配置された光電池の前進を制御するために、プラットフォーム、特に搬送手段に通信可能に相互接続される。
【0041】
光電池を配線してストリングを形成するための方法の前述した実施形態は、同時に、相応して設計された装置の実施形態を開示し、逆もまた同様である。装置の上述した実施形態は、本開示による方法を実行するのに役立ち得る。
【0042】
本開示の第3の態様は、第1の方向に延びる光電池のストリングを備える光電池モジュールを対象とする。ストリングは、通常、第1の方向に互いに隣接して配置された、少なくとも第1、第2及び第3のプレート状の光電池を含む。
【0043】
これらの電池、は一般に、前面シートと背面シートとの間に配置される。典型的には、前面シート、光電池の1つ又は複数のストリング及び背面シートの層の固定的な接合は、例えば積層によるEVA(エチレン-酢酸ビニル)のようなポリマーの少なくとも1つの中間層による。
【0044】
好ましい変形例では、各光電池は、それぞれの光電池の背面を横断して第1の方向に実質的に平行にそれぞれ延びる、少なくとも1つの正の主導体路及び少なくとも1つの負の主導体路を備える。典型的には、少なくとも1つの正の主導体路は、いくつかの正のコンタクトフィンガーによってp型半導体領域に接続され、少なくとも1つの負の主導体路は、いくつかの正のコンタクトフィンガーと互いに噛むみ合ういくつかの負のコンタクトフィンガーによってn型半導体領域に接続される。少なくとも1つの正の主導体路及び少なくとも1つの負の主導体路は、それぞれの光電池の電気極として見ることができる。
【0045】
効率的な電気的相互接続のために、第2の光電池は、第2の光電池の主導体路が第1及び第3の光電池の反対極性の主導体路と整列するよう、第1及び第3の光電池に対して回転された配向で、第1及び第3の光電池の間に配置される。少なくとも1つの細長い配線要素は、第1の光電池と第2の光電池とを、それらのそれぞれの背面上の第1の横方向位置において、直列に電気的に相互接続する。加えて、少なくとも1つの細長い配線要素は、第2の光電池と第3の光電池とを、それらのそれぞれの背面上の第2の横方向位置において、直列に電気的に相互接続する。このようにして、光電池の正の主導体路は、進行中の又は後続の光電池の負の主導体路と(又はその逆に)、電気的に相互接続され得る。
【0046】
用途の分野に応じて、少なくとも1つのストリングは、第1及び第2の光電池のみを含み、第3の光電池は省略される。これは、典型的には、例えばルーフタイルとして使用するための幅の狭い光電池に当てはまる。
【0047】
好ましい変形例では、ストリングは複数の光電池を含み、第1の方向において1つおきの光電池は、180度だけ、特に垂直な回転軸の周りに回転される。良好な結果は、第1の方向における1つおきの光電池が、第1の横方向位置において少なくとも1つの細長い配線要素によりストリングの先行する光電池に、及び、第2の横方向位置において少なくとも1つの細長い配線要素によりストリングの後続の光電池に、又はその逆に、相互接続されるときに達成され得る。
【0048】
ストリング内の1つおきの回転された光電池の効率的な電気的相互接続を可能にするために、少なくとも1つの正の主導体路及び少なくとも1つの負の主導体路は、それぞれの光電池の、特に垂直な回転軸を中心とする180度の回転に対して、対称に配置される。これは、ストリングの光電池を直列に電気的に相互接続する細長い配線要素の実質的に直線的な交差を可能にする。
【0049】
モジュールが、互いに隣接して、特に第1の方向において実質的に平行に配置された2つ以上の光電池のストリングを備える場合、ストリングは、通常、各ストリングの終点及び/又は始点に隣接して配置された端部接触導体によって、直列に電気的に相互接続される。典型的には、2つの隣接するストリングを電気的に相互接続するために、1つの端部接触導体は、1つのストリングの終点及び隣接するストリングの始点に沿って延びることができる。好ましくは、端部接触導体は、細長い配線要素によって、ストリングの後に向かってそれぞれ進んでいる光電池に電気的に相互接続される。
【0050】
用途の分野に応じて、細長い配線要素は、実質的に円形又は矩形の断面を有する。細長い配線要素は、リボン、特にスズめっきされた銅リボン、リード線、布、好ましくは導電性フィラメント及び絶縁性フィラメントを含む織布のうちの少なくとも1つであり得る。
【0051】
いくつかの変形例では、細長い配線要素は、接着剤、特に、細長い配線要素を光電池に固定的に接合するための導電性接着剤を含む。他の変形例では、細長い配線要素は、光電池にはんだ付けされるように構成される。いくつかの他の変形例では、それぞれの光電池の背面上の細長い要素の位置を固定するために、接着性のフィルム又は基材又はテープが使用される。この場合、少なくとも1つの細長い配線要素とそれぞれの光電池との間の良好な電気的接続を、特に低温はんだ付け剤を使用する後続の積層中に、達成することが可能である。
【0052】
前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明の両方は、実施形態を提示し、本開示の性質及び特性を理解するための概要又はフレームワークを提供することを意図していることを理解されたい。添付の図面は、更なる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する。図面は様々な実施形態を示し、説明と共に、開示される概念の原理及び作用を説明するのに役立つ。
【0053】
本明細書に記載される開示は、本明細書において以下に与えられる、添付の特許請求の範囲に記載される開示に限定されると見なされるべきではない詳細な説明及び添付の図面から、より完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1】本開示による光電池を配線するための装置の第1の変形例を示す。
図2a】背面主導体路を有する光電池の第1の変形例を示す。
図2b】背面主導体路を有する光電池の第2の変形例を示す。
図3】本開示による光電池モジュールの第1の変形例を示す。
図4】a)~e)は、本開示による方法の第1の変形例の最初のステップを示す。
図5】a)~e)は、本開示による方法の第1の変形例のステップを示す。
図6】a)~e)は、本開示による方法の第2の変形例の最初のステップを示す。
図7】a)~e)は、本開示による方法の第1の変形例のステップを示す。
図8】a)~e)は、装置の第1の変形例によって実行される本開示による方法のステップを示す。
図9】a)~e)は、装置の第2の変形例によって実行される本開示による方法のステップを示す。
図10】本開示による光電池モジュールの第2の変形例を示す。
図11a】背面主導体路を有する光電池の第3の変形例を示す。
図11b】背面主導体路を有する光電池の第4の変形例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0055】
ここで、いくつかの実施形態を詳細に参照するが、その例は、全てではないがいくつかの特徴が示された、添付の図面に示されている。実際、ここに開示される実施形態は、多くの異なる形態で具現化され得るものであり、ここで説明される実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。可能な限り、同様の参照番号が、同様の構成要素又は部品を参照するために用いられる。
【0056】
図1は、本開示による光電池1を配線するための装置14の第1の変形例を示し、図2a及びbは、背面主導体路7を有する光電池1の第1及び第2の変形例を示す。これらの光電池1は、図3に示されるように、電気的に相互接続されて、本開示による第1の変形例の光電池モジュール18を製造するために使用されるストリング2を形成する。図4a)~e)及び図5a)~e)は、本開示による方法の第1の変形例のステップを示し、図6a)~e)及び図7a)~e)は、本開示による方法の第2の変形例のステップを示す。図8a)~e)及び図9a)~e)には、堆積手段8の第1及び第2の変形例の詳細図が、それぞれ、本方法のステップを実行するように示されている。図11a及びbは、背面主導体路7を有し、2つの別個の半電池24を備える、光電池1の第3及び第4の変形例を示す。これらの光電池1は、図10に示されるように、電気的に相互接続されて、本開示による光電池モジュール18を製造するために使用されるストリング2を形成する。
【0057】
図1には、背面主導体路7を有する光電池1を配線して光電池1のストリング2を形成するための装置14が見られる。装置14は、典型的には、第1の方向xにおいて互いに隣接して配置された光電池1を、第1の方向xに搬送するための搬送手段3.1を有する、プラットフォーム3を備える。装置14は、図示の第1の変形例では、供給手段9及び堆積手段8を備えるアプリケーター15を更に備える。
【0058】
光電池1を配線するために、堆積手段8は、背面4上で第1の方向xにおいて互いに隣接して配置された第1の光電池1.1と第2の光電池1.2を電気的に相互接続するために、第1の方向xにおける供給手段9からの少なくとも1つの細長い配線要素5.1を第1の横方向位置(方向y)に堆積するように構成される。加えて、堆積手段8は、背面4上で第1の方向xにおいて互いに隣接して配置された第2の光電池1.2と第3の光電池1.3を電気的に相互接続するために、第1の方向xにおける供給手段9からの少なくとも1つの細長い配線要素5.2を第2の横方向位置に堆積するように構成される。細長い配線要素は、プラットフォームの上に直接的に、又は、当該プラットフォームの上に配置された光電池1の上に、堆積され得る。
【0059】
図1において見られるように、装置14は、光電池1を堆積手段8に供給するように構成された、堆積手段8に隣接して配置された供給装置17をも備え得る。供給装置17は、図示の変形例では、光電池1を貯蔵するための貯蔵部17.1と、少なくとも1つの光電池1を所定の位置に位置合わせするための位置合わせ手段17.3と、プラットフォーム3上に光電池を配置するための配置手段17.2と、を備える。
【0060】
図2a及び2bは、背面4上に配置された主導体路7を有する、光電池1の2つの変形例を示す。図2aには、横方向yにおいて互いに実質的に等間隔で配置された12個の主導体路7を備える、光電池の第1の変形例が示されている。各主導体路7は、実質的に、第1の方向xにおける背面4の全長にわたる。図示の変形例では、6つの正の主導体路7.1と、6つの負の主導体路7.2とが、交互に配置されている。図2bに示される第2の変形例では、主導体路7は、横方向yにおいて互いに等間隔で配置されていない。両方の変形例において、正の主導体路7.1は、それぞれいくつかの正のコンタクトフィンガー20によって、p型半導体領域19に電気的に接続されている。負の主導体路7.2は、正のコンタクトフィンガー20と互いに噛み合ういくつかの負のコンタクトフィンガー22によって、n型半導体領域21に電気的に接続されている。
【0061】
図11a及び11bは、同様の光電池1を示し、図2aに示される第1の変形例は、図11aに示される第3の変形例に対応し、図2bに示される第2の変形例は、図11bに示される第4の変形例に対応する。しかしながら、図11a及び11bに示される光電池1の変形例は、それぞれ2つの別個の半電池24を備える。典型的には、半電池24のそのような対は、完全な光電池1を、その主導体路7.1、7.2に対して実質的に垂直に、2つの別々の半電池24に分割することによって、生成される。
【0062】
図3に見られる光電池モジュール18の第1の変形例は、それぞれ4つの光電池1から成る2つのストリング2を備える。ストリング2は、2つのストリング2のそれぞれの端部に沿って横方向yに延びる、共通の端部接触導体23を介して、直列に電気的に相互接続されている。各ストリング2内で、第1の方向xにおいて1つおきの光電池1は、180度だけ回転されている(すなわち、第1の方向及び横方向x、yに対して垂直な、垂直回転軸)。これにより、細長い配線要素5.1、5.2による2つの隣接する光電池1の実質的に直線的な配線が可能になる。
【0063】
これとは対照的に、図10に見られる光電池モジュール18の第2の変形例は、それぞれ4つの光電池1から成る2つのストリング2を備える。光電池1の各々は、第1の方向xにおいて互いに隣接して配置された2つの別個の半電池24を備える。各半電池24は、典型的には、完全な光電池1と比較して、第1の方向xにおける約半分の長さと、第2の方向yにおける同様の幅と、を有する。
【0064】
本開示による方法の第1の変形例では、図4及び図5に示されるように、細長い配線要素5.1及び5.2はプラットフォーム3の上に堆積され、光電池1.1、1.2は、供給装置17によって、後に、細長い配線要素を担持するプラットフォーム3の上に配置される。典型的には、実質的に平行な細長い配線要素5.2、5.1のグループがプラットフォームの搬送手段3.1の上に堆積され、次いで、後続の光電池がその上に配置され、最後に、搬送手段3.1が、およそ1つの光電池1の長さだけ、第1の方向xに移動する。このルーチンは、所望の数の光電池が相互接続されるまで、繰り返される。
【0065】
細長い配線要素5とそれぞれの主導体路との電気的な相互接続は、細長い配線要素5に塗布された接着剤によって、又は、はんだ付けによって、プラットフォーム3の上で直接的に行われ得る。
【0066】
図6及び7では、図4及び5と比較して、光電池1が最初にプラットフォーム3の上に配置され、細長い配線要素5.1、5.2がその上に後に堆積されるという点で、ステップのシーケンスが交換されている。
【0067】
細長い配線要素5.1、5.2の堆積が図8及び9に示されており、図8では、堆積手段8が、プラットフォーム3の上方で第1の方向に移動可能に配置された第1のグリッパーアーム12を備える。第1のグリッパー10のグループは、第1のグリッパーアーム12上の第2のグリッパー11のグループと交互に、第1のグリッパーアーム12上に配置されている。図8a)に示されるように、細長い配線要素5.2のグループを第2の横方向位置に配置するために、第1のグリッパーアーム12は、供給手段9に隣接する位置に移動され、その結果、第2のグリッパー11は、それぞれの第2のグリッパー11を閉じることによって、配線材料の端部をそれぞれ把持することができる。その後、第1のグリッパーアーム12は、供給手段9から離れるように移動され、それにより、配線材料を供給手段9から引き出す。第1のグリッパーアームの第1の方向xにおける中間終端位置に到達する前に、細長い配線要素5.2が第2のグリッパー11の把持を解放することにより堆積され得るよう、配線材料が所定の長さに切断される。その後、搬送手段3.1は、およそ光電池1の第1の方向xにおける長さだけ、第1の方向xに前進する。次に、図8b)に示されるように、第1グリッパー10が配線材料の端部を把持できるよう、第1グリッパーアーム12が第1の方向に供給手段9まで戻される。その後、第1のグリッパーアーム12は、供給手段9から離れるように第1の方向xに移動され、それにより、そこから配線材料を引き出す。図8c)に見られるように、第1のグリッパーアーム12の次の中間終端位置では、第1のグリッパー10が引き出された細長い配線要素5を第1の横方向位置において解放している。次に、搬送手段3.1が、第1の方向xに前進される。
【0068】
これは、図8d)及びe)において、平行な細長い配線要素5.2のグループを第2の横方向位置に堆積するために繰り返される。
【0069】
これとは対照的に、堆積手段8の第2の変形例は、図9a)~e)に示されるように、第2のグリッパー11のグループがその上に配置された付加的な第2のグリッパーアーム13を備える。これにより、第1のグリッパー10のグループ及び第2のグリッパー11のグループの独立した移動が可能になり、第1の横方向位置及び第2の横方向位置において、細長い配線要素5.1、5.2を実質的に同時に堆積することが可能になる。
【0070】
むしろ、本明細書で使用される語は、限定ではなく説明の語であり、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な変更が行われ得ることが理解される。
【符号の説明】
【0071】
1 光電池
1.1 第1の光電池
1.2 第2の光電池
1.3 第3の光電池
2 (光電池の)ストリング
3 プラットフォーム
3.1 搬送手段
4 背面
5 細長い配線要素
5.1 第1の横方向位置における細長い配線要素
5.2 第2の横方向位置における細長い配線要素
6 後続の光電池
6.1 第1の後続の光電池
6.2 第2の後続の光電池
7 主導体路
7.1 正の主導体路
7.2 負の主導体路
8 堆積手段
9 供給手段
10 第1のグリッパー
11 第2のグリッパー
12 第1のグリッパーアーム
13 第2のグリッパーアーム
14 装置
15 アプリケーター
16 (細長い配線要素の)供給部
17 (光電池の)供給装置
17.1 (光電池の)貯蔵部
17.2 配置手段(ロボット)
17.3 位置合わせ手段
18 光電池モジュール
19 P型半導体領域
20 正のコンタクトフィンガー
21 N型半導体領域
22 負のコンタクトフィンガー
23 端部接触導体
24 (光電池の)半電池
図1
図2a-2b】
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11a-11b】
【国際調査報告】