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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】障害物除去システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/221 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
A61B17/221
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505307
(86)(22)【出願日】2022-07-29
(85)【翻訳文提出日】2024-03-28
(86)【国際出願番号】 US2022074334
(87)【国際公開番号】W WO2023010127
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】63/227,669
(32)【優先日】2021-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517416374
【氏名又は名称】マイクロベンション インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MICROVENTION, INC.
【住所又は居所原語表記】35 Enterprise, Aliso Viejo, California 92656 (US)
(74)【代理人】
【識別番号】100109634
【弁理士】
【氏名又は名称】舛谷 威志
(74)【代理人】
【識別番号】100160831
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 元
(72)【発明者】
【氏名】ワーデン,グラント
(72)【発明者】
【氏名】インロウ,ジェフ
(72)【発明者】
【氏名】ラム,キエット
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160EE22
4C160MM36
(57)【要約】
凝血塊などの障害物を血管系から捕捉・除去する障害物除去システムが提供される。障害物除去システムは、細長部材に、例えば細長部材の遠位端に接続された1つ以上の係合部材を含んでもよい。係合部材は、その近位部と遠位部との間に、「涙滴」形状などの非対称な本体形状および/または非対称なセル構成を有してもよい。係合部材は複数のストラットで構成してもよい。「ドッグボーン」形状を有する少なくとも1つのストラットに、1つ以上の放射線不透過性マーカを接続してもよい。係合部材の内部または外部にフィルタとして機能するメッシュ構造を配置してもよい。係合部材を開いた状態に維持するのを補助するために、支持ワイヤを内部に配置してもよい。複数の係合部材が使用される場合、各係合部材のサイズは異なっていてもよい。
【選択図】図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
障害物除去システムであって、
細長部材と、
複数の開放セルを有する係合部材と、を備え、前記係合部材は、半径方向に圧縮された構成と半径方向に拡張された構成とを有し、前記半径方向に拡張された構成は、中間領域および近位領域よりも大きな直径の遠位領域を有する長手方向に非対称な形状を形成する、ことを特徴とする障害物除去システム。
【請求項2】
前記複数の開放セルは、前記遠位領域において前記中間領域よりも低い空隙率を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の障害物除去システム。
【請求項3】
前記係合部材は、複数のストラットからなる、ことを特徴とする請求項1に記載の障害物除去システム。
【請求項4】
前記複数のストラットは、前記係合部材の前記近位領域または前記遠位領域から縮小された幅にテーパー状となる、ことを特徴とする請求項3に記載の障害物除去システム。
【請求項5】
前記複数のストラットの少なくとも1つは、幅が縮小された領域を含み、さらに前記幅が縮小された領域上にまたはその周囲に配置された放射線不透過性材料を含む、ことを特徴とする請求項3に記載の障害物除去システム。
【請求項6】
前記複数のストラットの少なくとも1つは、中央部と、前記中間領域 の近位端から外側に延在する近位側突起と、前記中間領域の遠位端から外側に延在する遠位側突起と、を備え、前記中央部は、前記近位側突起および前記遠位側突起よりも幅が狭い、ことを特徴とする請求項3に記載の障害物除去システム。
【請求項7】
前記複数のストラットの前記少なくとも1つにおける、前記中間領域上に、または前記中間領域周辺に配置された放射線不透過性材料をさらに備える、ことを特徴とする請求項6に記載の障害物除去システム。
【請求項8】
前記係合部材は、放射線不透過性の遠位先端部を備える、ことを特徴とする請求項1に記載の障害物除去システム。
【請求項9】
前記放射線不透過性遠位先端部は、前記係合部材の遠位端周囲に配置されたワイヤを備える、ことを特徴とする請求項8に記載の障害物除去システム。
【請求項10】
前記係合部材に連結されたメッシュ構造をさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の障害物除去システム。
【請求項11】
前記メッシュ構造は、前記係合部材内に配置されている、ことを特徴とする請求項10に記載の障害物除去システム。
【請求項12】
前記メッシュ構造は、前記係合部材の外側に隣接して配置されている、ことを特徴とする請求項10に記載の障害物除去システム。
【請求項13】
前記係合部材内に配置された支持ワイヤをさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の障害物除去システム。
【請求項14】
障害物除去システムであって、
細長部材と、
複数の係合部材とを備え、前記複数の係合部材の少なくとも1つは、複数の開放セルを有する複数のストラットから構成され、前記複数の係合部材は、半径方向に圧縮された構成と半径方向に拡張された構成とを有し、前記半径方向に拡張された構成は、中間領域および近位領域よりも大きな直径の遠位領域を有する長手方向に非対称な形状を形成する、ことを特徴とする障害物除去システム。
【請求項15】
前記複数の係合部材は、遠位側係合部材と近位側係合部材とを含み、前記遠位側係合部材の幅は、前記近位側係合部材の幅より小さい、ことを特徴とする請求項14に記載の障害物除去システム。
【請求項16】
前記複数の係合部材は、前記遠位側係合部材と前記近位側係合部材との間に中央係合部材を備え、前記中央係合部材の幅は、前記遠位側係合部材の幅より大きく、前記中央係合部材の幅は、前記近位側係合部材の幅より小さい、ことを特徴とする請求項15に記載の障害物除去システム。
【請求項17】
前記複数の開放セルは、前記遠位領域において前記中間領域よりも低い空隙率を有する、ことを特徴とする請求項14に記載の障害物除去システム。
【請求項18】
前記複数の係合部材の少なくとも1つに連結されたメッシュ構造をさらに備える、ことを特徴とする請求項14に記載の障害物除去システム。
【請求項19】
前記複数の係合部材の少なくとも1つに連結された支持ワイヤをさらに備える、ことを特徴とする請求項14に記載の障害物除去システム。
【請求項20】
障害物除去システムであって、
細長部材と、
血栓を補足する係合部とを備え、前記係合部は複数の開放セルを含み、半径方向に圧縮された構成と、半径方向に拡張された構成とを有し、
前記半径方向に拡張された構成は、中間領域および近位領域よりも大きな直径の遠位領域を有する長手方向に非対称な形状を形成する、ことを特徴とする障害物除去システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2021年7月30日に出願された障害物除去システムと題する米国仮出願整理番号63/227669に基づく優先権を主張するものであり、その内容全体はここに参照により組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本明細書では、血管系から凝血塊または他の物質などの障害物を捕捉し除去するためのデバイス、並びにこのようなデバイスに関連し、血管系内の標的領域へデバイスを送達させるシステムおよび方法を記載する。
【0003】
血管系に血栓が蓄積すると凝血塊の形成につながる。凝血塊が形成されると、血管系の下流域への血液供給が制限されることになる。神経血管系に血栓があると、脳卒中につながる可能性がある。
【0004】
デバイスと血管壁との高い摩擦によって引き起こされる内皮剥離の危険性を制限しつつ、血栓を機械的で最大限捕捉しやすくする一方で、断片化された塊が血管系に残る可能性を減少させる障害物除去デバイスが必要とされている。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本発明の実施の形態が可能であるこれら及び他の態様、特徴及び利点は、以下の本発明の実施の形態の説明から明らかとなり、明瞭となるであろう。
【0006】
図1図1は、例示的な実施の形態による係合部材の側面図である。
【0007】
図2図2は、例示的な実施の形態による係合部材の側面図である。
【0008】
図3A図3Aは、例示的な実施の形態による複数の連結された係合部材の側面図である。
【0009】
図3B図3Bは、例示的な実施の形態による複数の連結された係合部材の側面図である。
【0010】
図4図4は、例示的な実施の形態による係合部材のストラットパターンの平面図である。
【0011】
図5図4は、例示的な実施の形態による係合部材のストラットパターンの平面図である。
【0012】
図6図6は、例示的な実施の形態による放射線不透過性マーカを保持する構造を示す拡大図である。
【0013】
図7図7は、例示的な実施の形態による放射線不透過性マーカを保持する構造を示す拡大図である。
【0014】
図8図8は、例示的な実施の形態による放射線不透過性マーカを示す拡大図である。
【0015】
図9図9は、例示的な実施の形態による放射線不透過性マーカを示す拡大図である。
【0016】
図10図10は、例示的な実施の形態による放射線不透過性マーカを示す拡大図である。
【0017】
図11図11は、例示的な実施の形態による係合部材の遠位端に設けられた放射線不透過性マーカの拡大図である。
【0018】
図12図12は、例示的な実施の形態による図11の放射線不透過性マーカを作成する工程の側面図である。
【0019】
図13図13は、例示的な実施の形態による図11の放射線不透過性マーカを作成する工程の側面図である。
【0020】
図14図14は、例示的な実施の形態による図11の放射線不透過性マーカを作成する工程の側面図である。
【0021】
図15図15は、例示的な実施の形態による図11の放射線不透過性マーカを作成する工程の側面図である。
【0022】
図16図16は、例示的な実施の形態によるメッシュ構造を内部に有する係合部材の側面図である。
【0023】
図17図17は、例示的な実施の形態によるメッシュ構造を内部に有する係合部材の側面図である。
【0024】
図18図18は、例示的な実施の形態による、複数の係合部材の間にメッシュ構造を有する係合部材の側面図である。
【0025】
図19図19は、例示的な実施の形態による、メッシュ構造係合部材を背後に有する係合部材の側面図である。
【0026】
図20図20は、例示的な実施の形態によるメッシュ構造の側面図である。
【0027】
図21図21は、例示的な実施の形態によるメッシュ構造の側面図である。
【0028】
図22図22は、例示的な実施の形態によるメッシュ構造の側面図である。
【0029】
図23図23は、例示的な実施の形態による支持ワイヤを内部に有する係合部材の側面図である。
【0030】
図24図24は、例示的な実施の形態による支持ワイヤを内部に有する係合部材の側面図である。
【0031】
図25A図25Aは、例示的な実施の形態による係合部材を作成するための第1の工程の側面図である。
【0032】
図25A図25Aは、例示的な実施の形態による係合部材を作成するための第2の工程の側面図である。
【0033】
図25A図25Aは、例示的な実施の形態による係合部材を作成するための第3の工程の側面図である。
【発明の概要】
【0034】
本明細書において、デバイスと血管壁との高い摩擦によって引き起こされる内皮剥離の危険性を制限しつつ、血栓を機械的で最大限捕捉しやすくする一方で、断片化された塊が血管系に残る可能性を減少させる障害物除去デバイスが記載される。
【0035】
一実施の形態では、障害物除去デバイスは、1つ以上の係合部材の遠位端またはその近傍で連結される細長部材を含んでもよい。1つ以上の係合部材は、送達デバイス内で鞘状および/または拘束された状態となっているときは圧潰構成を有しており、鞘状となっていない、および/または拘束されていない状態のときは拡張した構成を有することができる。
【0036】
1つの例示的な実施の形態では、1つの係合部材のみが、細長部材の遠位端など、細長部材に直接的または間接的に接続されてもよい。別の例示的な実施の形態では、複数の係合部材(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ以上の複数の係合部材)が、細長部材に直接的または間接的に連結されていてもよい。複数の係合部材を有する実施の形態では、係合部材のうちの1つのみが、または1つ以上の係合部材が、細長部材に連結されてもよい。
【0037】
例示的な一実施の形態では、1つ以上の係合部材が、細長部材のワイヤ上または遠位部上に配置され、接続されてもよい。いくつかの例示的な実施の形態において、各係合部材の近位端および遠位端は、各係合部材がそれぞれに対して相対的に回転可能となるように、連結リンクを介して互いに接続されてもよい。
【0038】
1つの例示的な実施の形態において、複数の係合部材の1つ以上の係合部材は、異なる幅または直径を有していてもよい。1つの例示的な実施の形態において、各係合部材の幅または直径は、障害物除去システムの近位端と遠位端との間で減少してもよい。
【0039】
1つの例示的な実施の形態において、1つ以上の係合部材は、1つ以上の係合部材が半径方向に圧縮された構成から半径方向に拡張された構成に拡張されたときに、複数のセルまたは開口を画定する複数のストラットをそれぞれ有してもよい。1つ以上の係合部材は、ニチノールまたは同様の材料から形成することができ、所望の輪郭形状を達成するために管またはパネルからレーザ切断してもよい。
【0040】
1つの例示的な実施の形態において、係合部材の1つ以上は、係合部材の基端部と遠位部との間に、非対称な本体形状および/または非対称なセル構成とを有してもよい。係合部材の1つ以上は、その遠位端が半径方向に比較的大きな直径まで拡大し、次いで残りの近位長さに亘って係合部材の近位端まで先細りとなる、全体的に「涙滴」形状を有してもよい。
【0041】
各係合部材が複数のストラットから構成される例示的な実施の形態では、ストラットは、係合部材の中央部に向かって幅が減少するように、全体的にテーパー状となっていてもよい。したがって、近位ストラットは、張力が加えられた際に径方向力または追従力を増大させることなく、長手方向の剛性を高くするように、中央付近で太くなるテーパー状となってもよい。
【0042】
1つの例示的な実施の形態において、係合部材の1つ以上は、1つ以上のストラットの少なくとも一部周辺に配置された1つ以上の放射線不透過性マーカを含んでもよい。複数のストラットの1つ以上は、中央部と、中央部から遠位側に延在する第1の突出部と、中央部から近位側に延在する第2の突出部とを有する「ドッグボーン」ストラット形状など、放射線不透過性マーカを所定位置に保持することを補助する1つ以上の構造的特徴または形状を含んでいてもよい。中央部の角には、放射線不透過性マーカがストラットから滑り落ちるのを防止するストッパとして機能する隆起、コブなどの突起を含んでもよい。
【0043】
例示的な一実施の形態では、メッシュ構造は、係合部材内に配置されてもよく、係合部材外部で係合部材に隣接して配置されてもよく、塞栓の小片を捕捉するフィルタとして機能する。メッシュ構造は、単一の編組線から構成されてもよく、複数の編組線から構成されてもよい。
【0044】
例示的な一実施の形態では、係合部材は、1つ以上の支持ワイヤを含んでもよい。1つ以上の支持ワイヤは、係合部材をその拡張された構成で支持することができる。
【0045】
1つの例示的な実施の形態において、血栓を補足する係合部は複数の開放セルを含み、半径方向に圧縮された構成と、半径方向に拡張された構成とを有し、半径方向に拡大された形状は、中間領域および近位領域よりも大きな直径の遠位領域を有する長手方向に非対称な形状を形成する。
【0046】
障害物を除去する方法は、1つ以上の係合部材を送達カテーテルから前進させることと、1つ以上の係合部材と障害物とを係合させることと、を含んでもよい。
【0047】
障害物除去システムの製造方法は、1つ以上の係合部材を形成することと、1つ以上の係合部材の少なくとも1つを細長部材に連結することと、を含んでもよい。
【0048】
障害物除去システムを製造する別の方法は、複数のストラットからなる係合部材を提供することと、複数のストラットの1つ以上に、またはその周囲に放射線不透過性材料を塗布することと、を含んでもよい。
【実施の形態】
【0049】
以下、添付図面を参照して、本発明の具体的な実施の形態について説明する。しかし、本発明は、多くの異なる形態で実施されても良く、本明細書で説明される実施の形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの例示的な実施の形態は、本開示が徹底して完全となり、当業者に本発明の範囲を完全に伝えるように提供される。添付の図面に示された実施の形態の詳細な説明で使用される用語は、本発明を限定することを意図するものではない。図面では、類似の番号は類似の要素を指す。異なる実施の形態が記載されているが、各実施の形態の特徴は、他の記載された実施の形態と互換的に使用することができる。換言すると、各実施の形態の特徴のいずれかを互いに混合して組み合わせることが可能であり、実施の形態は、図示または記載された特徴のみを含むと必ずしも厳格に解釈されるべきではない。
【0050】
以下に説明する専門用語の目的について、凝血塊、血栓、塞栓、障害物という用語は同義に使用することができる。障害物除去デバイスについて説明するが、当該デバイスは凝血塊、血栓、塞栓、異物、その他の物質を捕捉するためにも使用できる。デバイス上の係合部材は、凝血塊、血栓、塞栓、異物、障害物、またはその他の物質に係合することができる。
【0051】
本明細書において、ある値について言及する場合、「約(about)」または「約(around)」という用語の使用は、記載された値のプラスマイナス5%以内を意味すると理解してもよい。
【0052】
本発明は、1つ以上の係合部材など、1つ以上の係合構造を含む障害物除去システムで構成されてもよい。係合部材などの係合構造は、一般的に、拡張可能な構造であって、拡張位置にある際に、凝血塊または同様の構成物が構造内部に係合および/または進入することを可能にする大きさの複数の開口部、セル、または空間を有する拡張可能な構造であると考えられる。
【0053】
係合部材の少なくとも1つは、直接的または間接的に、細長部材に接続されていてもよい。係合部材は、細長部材(例えば細長部材の遠位端)に1つだけ連結されていてもよいし、複数の係合部材が細長部材に連結されていてもよい。
【0054】
複数の係合部材が利用される場合、隣接する係合部材は、各係合部材が他の係合部材に対して相対的に回転可能となるように、連結リンクを介して相互に連結されてもよい。このような構成によって、動きの自由度を提供することができ、凝血塊の回収プロセスを増強する事ができる。
【0055】
各係合部材は、係合部材が拡張され、半径方向に拡大された構成となった際に、複数のセルまたは開口を画定する複数のストラットを含んでもよい。係合部材は、係合部材の基端部と遠位部との間に、非対称な本体形状と、非対称なセル構成とを有してもよい。したがって、係合部材の第1の部分は、係合部材の第2の部分とは異なるサイズおよび/またはセルサイズ/レイアウトを有してもよい(例えば、係合部材の遠位側半分は、係合部材の近位側半分とは異なるサイズおよび/またはセルサイズ/レイアウトを有してもよい)。
【0056】
複数の係合部材が利用される場合、1つ以上の係合部材は、残りの1つ以上の係合部材とは異なるサイズを有してもよい。したがって、本発明は、それぞれ異なるサイズ(例えば、幅または直径)を有する複数の係合部材を含んでもよい。各係合部材の大きさは、障害物除去システムの近位端と遠位端との間で縮小してもよい。サイズが同様の係合部材対をグループ化し、後続の対がそれぞれ前の対とは異なる大きさ有するようにしてもよい。
【0057】
係合部材のセルまたは開口部は、係合部材の遠位部においてより低い空隙率(即ち、より小さいセルサイズ)を有し、係合部材の中間部において全体的に高い空隙率(すなわち、より大きいセルサイズ)を有してもよい。中間部の全体的に高い空隙率は、凝血塊が係合部材に進入し除去することを補助し得る。係合部材の遠位部における空隙率を小さくすると、凝血塊が係合部材を介して移動することを防止し、回収に失敗するおそれがある。
【0058】
ストラット自体に幅が異なる部分があってもよい。ストラットは、係合部材の中間部に向かって幅が減少するように、全体的にテーパー状に形成されてもよい(即ち、ストラットは、係合部材の近位部における第1の幅から中間部に向かって幅が減少してもよい)。したがって、張力が加えられた際の剛性を高めるために、中央付近のストラットを太くしてもよい。遠位ストラットは、近位ストラットのテーパーとは反対方向にテーパー状になってもよい。
【0059】
係合部材の1つ以上は、1つ以上の放射線不透過性マーカを含んでもよい。各放射線不透過性マーカは、ストラット周囲に巻かれたワイヤ、ワイヤコイル、巻かれたリボン、ストラット周囲に折り曲げられたシート、ストラット周囲に配置されたハイポチューブ、ビーズ等から構成してもよい。放射線不透過性マーカをストラットに取り付ける方法としては、接着剤、溶接、溶融など様々な方法が挙げられるが、これらに限定されない。
【0060】
ストラットは、当該ストラット上に放射線不透過性マーカを保持するのに有用な構造的特徴または形状を含んでもよい。1つ以上のストラットは、その近位端および遠位端においてストラットの隣接する領域に対して幅が増大した領域を有する「ドッグボーン」形状を含んでもよい。ストラットの中央部両端に設けられた突起は、放射線不透過性マーカが近位側または遠位側に滑り落ちるのを防止することができる。
【0061】
障害物除去システムは、凝血塊回収プロセス中の損失を防止するために塞栓の小片を捕捉するフィルタとして機能可能なメッシュ構造を含んでもよい。メッシュ構造は、少なくとも部分的に係合部材内にあってもよいし、係合部材の外側で係合部材に隣接していてもよい。メッシュ構造は、単一の編組線から構成されてもよく、さまざまな形状の複数の編組線から構成されてもよい。
【0062】
障害物除去システムは、特に蛇行血管を通る際に、1つ以上の係合部材において拡張の補助および圧潰の阻止を支援する1つ以上の構造を係合部材内に含んでもよい。1つ以上の構造は、1つ以上の係合部材内部に配置された1つ以上の支持ワイヤを含んでもよい。1つ以上の支持ワイヤは、螺旋形状または複数の同心リング形状を含む広範囲の形状にヒートセットしてもよい。
【0063】
実施の形態の具体例を以下にさらに説明する。しかしながら、実施の形態におけるいずれの特徴も、任意の組み合わせで互いに混合して組み合わせることができることを理解されたい。したがって、本発明は、これらの実施の形態のみに限定されるべきではなく、より広範な組み合わせが可能である。
【0064】
図1図2は、障害物除去デバイス101の様々な実施の形態において使用され得る係合部材100を示している。本明細書に示され、および/または記載されるシステムおよび方法は、さまざまな障害物除去デバイス101と共に利用可能であり、図に示される例示的な実施の形態は、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。本明細書に示され、および/または記載されるシステムおよび方法は、非限定的に例えば米国特許第10729455号、同第10722254号、同第10709466号、同第9833252号、同第9770251号、同第9211132号、および米国特許公開第2019/0046210号に示され、および/または記載される障害物除去デバイス101と組み合わせて利用可能であり、これらのすべてが、参照によりその全体を本明細書に組み込むものとする。
【0065】
図に示される例示的な一実施の形態において、障害物除去デバイス101は、血管系内に蓄積し得る血栓または同様の物質に係合することのできる1つ以上の遠位側係合部材100を含んでもよい。係合部材100は、血栓または塞栓に隣接して展開され、その後近位側に後退させることにより血栓または塞栓を係合部材100内に捕捉することができる。その後、係合部材100をさらに近位側に送達デバイス105内に引きこまれ、患者から取り外してもよい。
【0066】
本明細書に示され、および/または記載されるシステムおよび方法は、さまざまな送達デバイス105と共に利用可能であり、図に示される例示的な実施の形態は、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。非限定的な例として、送達デバイス105の例示的な実施の形態では、障害物除去デバイス101の通過を可能にする連続した通路を有するカテーテル、シース、または管状ジャケットを含むがこれらに限定されず、様々な管状医療送達デバイスを含むことができる。
【0067】
図1に示すように、障害物除去デバイス101の例示的な実施の形態では、1つ以上の係合部材100の遠位端またはその近傍で連結される細長部材103を含んでもよい。いくつかの実施の形態では、細長部材103は、中実部材であってよい。別の実施の形態では、細長部材103は管状であってもよい。例えば、細長部材103は、その長さの少なくとも一部を貫通して延びるルーメンを含んでもよい。いくつかの実施の形態では、細長部材103は、当該細長部材103を貫通する連続したルーメンを有してもよく、これによりカテーテルのように機能する(例えば、続きに配備されるアイテム用の導管として使用することができる)。細長部材103は、障害物除去デバイス101自体を位置決めするために使用される可能性があるため、プッシャーと見なすことができる。上方に配置された送達デバイス105は、細長部材103と1つ以上の係合部材100の両方が送達デバイス105から前進および/または送達デバイス105内に引きこまれることを可能にするように、細長部材103上方に配置されてもよい。
【0068】
各係合部材100は、送達デバイス105内で鞘状となっているときは圧潰構成を有しており、鞘状となっていないときは図1図2に示されるような拡張した構成を有することができる。各係合部材100は、それを拘束する外力が加えられているか(送達デバイス105に鞘状に収納されている場合のように)、または拘束力が存在しないか(鞘状に収納されていない場合のように)に基づいて、自己圧潰可能および自己拡張可能であってよい。各係合部材100は、形状記憶材料(例えば、ニチノール)で構成することができ、拡張性形状記憶を付与するためにヒートセットすることができる。これにより、係合部材100は、送達デバイス105から解放されたときに拡張形状をとることができる。
【0069】
一実施例では、細長部材103の遠位端に1つの係合部材100のみが配置され、(直接的または間接的に)接続されてもよい。別の例では、図3Aに示されるように、細長部材103の遠位端に複数の係合部材100が配置されてもよい(図3Aでは、細長部材103自体は図示されないが、細長部材103は、少なくとも最近位側係合部材100に連結されてもよく、いくつかの実施の形態では、複数の係合部材100に連結されてもよいことに留意されたい)。
【0070】
複数の係合部材100はすべて、細長部材103のワイヤまたは遠位部上に配置され、接続されてもよい。あるいは、各係合部材100の近位端および遠位端は、連結リンク(例えば、各係合部材100内に配置されたフレア状端部を有する軸またはピン)を介して互いに接続されてもよい。後者の構成に対する利点の1つとして、各係合部材100が他の係合部材100に対して独立して回転できることが挙げられる。この独立した回転は、各係合部材100がある程度自由に動くので、凝血塊の回収処置を改良できる。
【0071】
いくつかの例示的な実施の形態では、連結リンクが、各係合部材100に対してある程度のスライド移動を可能とするため(例えば、フレア状端部を有する軸またはピンは、保持構造よりも若干長い)、各係合部材100の移動の独立性をさらに改良することができる。米国特許第9211132号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)には、このような連結構造に関するさらなる情報が記載されている。
【0072】
1つ以上の係合部材100はそれぞれ、係合部材100が半径方向に圧縮された構成から半径方向に拡張した構成に拡張されたときに、複数のセルまたは開口104A~104Dを画定する複数のストラット102を有してもよい。係合部材100は、ニチノールまたは同様の材料から形成することができ、所望の輪郭形状を達成するために管またはパネルからレーザ切断してもよい。他の材料や他の切断および/または機械加工工程も、本発明の範囲内に含まれるであろう。
【0073】
一実施の形態において、係合部材100は、非対称な本体形状と、係合部材100の近位部と遠位部との間の非対称な(即ち、長手方向に非対称な)セル構成とを有するように構成されてもよい。換言すれば、係合部材100の第1の部分は、係合部材100の第2の部分と同じサイズまたはセルサイズ/レイアウトを有さなくてもよい。1つの例示的な実施の形態において、係合部材100の遠位側半分は、係合部材100の近位側半分とは異なるサイズまたはセルサイズ/レイアウトを有することができる。別の例示的な実施の形態において、係合部材100の遠位側四分の一の長さは、係合部材100の近位側四分の三の長さとは異なるサイズまたはセルサイズ/レイアウトを有することができる。異なる用途に適するように、異なる実施の形態において他の様々な構成を利用することができる。
【0074】
図3A図3Bは、互いに連結された複数の係合部材100を示している。図3Aは、4つの係合部材100を有する例示的な実施の形態を示す。図3Bは、6つの係合部材100を有する例示的な実施の形態を示す。異なる用途に適するように異なる実施の形態においてより多くの、またはより少ない係合部材100を利用することができるため、図に示される様々な例示的な実施の形態に示される係合部材100の数は、範囲を限定することを意味しないことが理解されるべきである。一例として、いくつかの例示的な実施の形態は、3つ未満の係合部材100、5つの係合部材100、または6つ以上の係合部材100を有してもよい。
【0075】
図示される例示的な実施の形態では、係合部材100は直線状に配置され、各係合部材100は展開された構成として示されている。送達および/または展開の際に、係合部材100は、蛇行血管を通過するなど、直線状に配置されないことがあることを理解すべきである。
【0076】
図3Aは、係合部材100がそれぞれ実質的に同じサイズである例示的な実施の形態を示す。しかしながら、いくつかの実施の形態では、係合部材100の1つ以上が、残りの係合部材100の1つ以上より大きくまたは小さくてもよい。図3Bは、係合部材100の幅または直径が近位端と遠位端との間で減少する例示的な実施の形態を示す。いくつかの実施の形態では、係合部材100の幅または直径が近位端と遠位端との間で増大する逆の構成が利用されてもよい。したがって、近位側係合部材100は、遠位側係合部材100よりも幅または直径が大きくてもよく、近位側係合部材100と遠位側係合部材100との間の中央係合部材100は、遠位側係合部材100よりも幅または直径が大きく、近位側係合部材100よりも幅または直径が小さくてもよい。
【0077】
引き続き図3Bを参照すると、複数の係合部材100は、実質的に同様の幅または直径を有する係合部材100の対を含んでもよいことが分かる。図示された例示的な実施の形態において、係合部材100の遠位対は、係合部材100の中央の対よりも幅または直径が大きく、係合部材100の中央の対は、係合部材100の近位対よりも幅または直径が大きい。異なる実施の形態において、幅または直径が増減する様々な他の構成を利用してもよい。例えば、いくつかの実施の形態では、係合部材100の幅または直径は、減少してから増加し、その逆となることもあり得る。
【0078】
半径方向に拡張された構成の係合部材100の本体形状およびセルは図1および図2において最もよく示されており、図4および若干変更された設計を示す図5では、平坦化された構成の(即ち、係合部材100が半径方向に圧縮され、切り開かれ、平面に横たえられたかのような状態の)係合部材100が示されている。図4図5は、係合部材100(例えば、レーザ切断されたシート)の製造工程中に形成された形状であり、その形状を半径方向に拡大するためにとられる製造工程の前の形状であると考えることができる。
【0079】
これら図からわかるように、係合部材100の本体形状は、その遠位端113が半径方向に比較的大きな直径まで拡大し、次いで残りの近位長さに亘って係合部材100の近位端111まで先細りとなる、全体的に「涙滴」形状を有してもよい。一実施例では、係合部材100のストラット102は、係合部材100の遠位端から最初の四分の一の長さにおいて、半径方向に最大遠位径まで拡張し、近位方向の残りの四分の三の長さにおいて直径が先細りとなる。所望の拡張形状は、例えば、拡張時に強制的に所望の形状および直径にするマンドレル上に係合部材を形状セットまたはヒートセットすることによって達成することができる。
【0080】
1つの例示的な実施の形態において、係合部材100は、拡張された際に約3mmの長さを有し、その遠位端から近位方向の長さ約1mmに沿って約2mmの最大径方向の直径に達し、近位方向に径方向直径が減少した先細り形状を有してもよい。別の例示的な実施の形態において、係合部材100は、拡張された際に約6mmの長さを有し、長さ約2mmに沿って約3mmの最大径方向の直径に達し、近位方向に径方向直径が減少した先細り形状を有してもよい。したがって、いくつかの実施の形態から、係合部材100の最大径は、長さの約25%~75%に等しいことが理解されるべきである。1つの例示的な実施の形態において、係合部材100の最大径方向直径は、係合部材100の長さの約66%に等しくてもよい。別の例示的な実施の形態では、係合部材の最大径は、係合部材100の長さの約50%に等しくてもよい。
【0081】
図にも示されるように、係合部材100の開放空間を構成するセル104Cは、係合部材100の遠位部において全体的に低い空隙率(即ち、より小さいセルサイズ)を有し、中間部において概して高い空隙率(即ち、より大きいセルサイズ)を有するように構成されてもよい。いくつかの実施の形態では、セル104Cの全体的に高い空隙率は、近位部にも存在し得る。中間部の空隙率が全体的に高いため、係合部材100内に凝血塊が入りやすくなる可能性がある。
【0082】
遠位部における空隙率を減少させることによって、凝血塊は、係合部材100を介して移動しにくくなり、うまく回収される可能性が高くなり得る。加えて、このセルおよびストラットパターンは、係合部材100の中間部においてより柔軟性を可能にし得るため、係合部材100は、血管内の曲線周りにあわせて良好に湾曲可能となる一方、遠位部の凝血塊を捕捉および解放する能力に対して悪影響が及んだりねじれたりしにくくなる。
【0083】
より大きな近位側空隙率(即ち、より大きな近位側セル)によって、デバイスの近位部に沿ったストラット面積が小さくなるため、係合部材100が格納される際に圧潰に対する耐性が低くなる。さらに、全体的にテーパー状の(例えば、係合部材100の近位端から遠位端に向かって全体の直径が増大する)形状は、送達デバイス105からの送達および/または展開の際に、係合部材100のより滑らかな拡張および圧潰を可能にし得るため、凝血塊回収処置を補助する。
【0084】
上述の空隙率は、各セルの数および/またはサイズを増減することによって調整することができる。一例として図1図3のパターンでは、係合部材100は約3mmの長さを有してもよい。係合部材100の遠位端にある第1の複数のセル104A(例えば、4つのセル)は、セルサイズ/直径が約0.5mmである。第1の複数のセル104Aの近位側に隣接する第2の複数のセル104B(例えば、4つのセル)は、セルサイズ/直径が約0.9mmである。第2の複数のセル104Bの近位側に隣接する第3の複数のセル104C(例えば、4つのセル)は、セルサイズ/直径が約2mmである。第2の複数のセル104C の近位側に隣接する第4の複数のセル104D(例えば、4つのセル)は、セルサイズ/直径が約1.5mmである。
【0085】
本明細書に記載されるサイズ/直径の値は、単に例示的なものであり、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。上述したように、また図に示されるように、第1の(最遠位側の)複数のセル104Aは、第2の複数のセル104Bのサイズ/直径よりも小さいサイズ/直径を有してもよく、第2の複数のセル104Bは、第3の複数のセル104Cのサイズ/直径よりも小さいサイズ/直径を有してもよく、第3の複数のセル104Cは、第4の複数のセル104Dのサイズ/直径よりも大きいサイズ/直径を有してもよいことが分かる。したがって、係合部材100の遠位端から、セル104A、104B、104C、104Dのサイズ/直径は、まず大きくなり、続いて近位端で再び小さくなり得ることがわかる。
【0086】
長さの関数として別の言い方をすれば、上述した一例示的な実施の形態などでは、第1の(最遠位側の)複数のセル104Aのサイズ/直径は、係合部材100の長さの約17%に等しくてもよく、第2の複数のセル104Bのサイズ/直径は、係合部材100の長さの約30%に等しくてもよく、第3の複数のセル104Cのサイズ/直径は、係合部材100の長さの約66%に等しくてもよく、第4の複数のセル104Dのサイズ/直径は、係合部材100の長さの約50%に等しくてもよい。
【0087】
相対的には、一例示的な実施の形態において、第1の(最遠位側の)複数のセル104Aは、第2の複数のセル104Bのサイズ/直径の約55%であってもよく、第2の複数のセル104Bは、第3の複数のセル104Cのサイズ/直径の約45%であってもよく、第3の複数のセル104Cは、第4の複数のセル104Dのサイズ/直径の約133%であってもよい。
【0088】
別の例として図1図3のパターンでは、係合部材100は約6mmの長さを有することができる。係合部材100の遠位端にある第1の複数のセル104A(例えば、4つのセル)は、セルサイズ/直径が約10mmである。第1の複数のセル104Aの近位側に隣接する第2の複数のセル104B(例えば、4つのセル)は、セルサイズ/直径が約15mmである。第2の複数のセル104Bの近位側に隣接する第3の複数のセル104C(例えば、4つのセル)は、セルサイズ/直径が約70mmである。第3の複数のセル104Cの近位側に隣接する第4の複数のセル104D(例えば、4つのセル)は、セルサイズ/直径が約20mmである。
【0089】
長さの関数として別の言い方をすれば、上述した一例示的な実施の形態などでは、第1の(最遠位側の)複数のセル104Aのサイズ/直径は、係合部材100の長さの約166%に等しくてもよく、第2の複数のセル104Bのサイズ/直径は、係合部材100の長さの約250%に等しくてもよく、第3の複数のセル104Cのサイズ/直径は、係合部材100の長さの約1166%に等しくてもよく、第4の複数のセル104Dのサイズ/直径は、係合部材100の長さの約333%に等しくてもよい。
【0090】
さらに、係合部材100の空隙率および性能特性は、各ストラット102部分の幅を増減することによって調整することができる。ストラットは、例えば、係合部材100の中央部に向かって幅が減少するように、全体的にテーパー状となっていてもよい。具体的には、ストラット102は、セル104Dを形成する係合部材100の近位部における第1の幅から、セル104Cを形成する係合部材100の中間部に向かって遠位側に幅を減少させてもよい。同様に、ストラット102は、セル104Aを形成する係合部材100の遠位部における第1の幅から、セル104Cを形成する係合部材100の中間部に向かって近位側に幅を減少させてもよい。
【0091】
換言すると、近位ストラットは、ストラット102が係合部材100の最大外径に近づくほど太くなり、張力が加えられた際に径方向力または追従力を増大させることなく、長手方向の剛性を高くするように、ハイポチューブの中央付近で太くなるテーパー状となってもよい。最遠位ストラット102は、閉じたチューブに戻り、近位ストラットとは反対方向にテーパー状となるパターンを形成してもよい。この位置で硬さが減少することにより、ストラット102が遠位側の閉じた部分から内側に曲がり、係合部材100が血管壁に対して全体的に対向することがなくなるため、遠位フィルタがより多くのルーメン内空間を占有する。中央の大きな開口部によって、血栓が係合部材100に吸収され、遠位端113によって捕捉され得る。可撓性の近位ストラット102は、近位端111と遠位端113との間の径方向および長手方向の硬さの不均衡により、張力が加えられるとパラシュート形状に開いた状態に保持され得る。
【0092】
図1図2に示されるように、係合部材100は、1つ以上の放射線不透過性マーカ106を含んでもよい。これらのマーカ106は、1つ以上のストラット102の一部の周囲に配置された放射線不透過性材料から構成されてもよい。当技術分野で知られている様々な種類の放射線不透過性材料を利用することができる。非限定的に例えば、放射線不透過性材料は、タングステン、90%がプラチナで残りがイリジウムのプラチナ-イリジウム、金、またはこれらに類似する材料から構成されてもよい。
【0093】
放射線不透過性材料は、ストラット102周囲に巻かれた図1図2に示されるようなワイヤ、ワイヤコイル、巻かれたリボン、ストラット周囲に折り曲げられたシート、ストラット102周囲に配置されたハイポチューブであってよい。図9図10は、ストラット102周囲に配置されたマーカ106Aの例示的な実施の形態を示している。必要に応じて、これらの形態の放射線不透過性マーカ106、106Aのいずれかを、接着剤、溶接、または溶融を介してさらに取り付けて、ビーズを形成してもよい。別の実施例では、放射線不透過性材料は、切り開かれた(例えば、2枚貝のように材料を水平方向に切り込み、切り開いた)中実部材で構成することができ、当該部材をストラット102の上に取り付け、接着剤または溶接により開口部を閉じることで、放射線不透過性材料をストラット102に固定してもよい。
【0094】
シートやハイポチューブなどの非ワイヤのマーカは、カテーテル内でのストラット102の屈曲量を減らすために、可能な限り最小限の材料で設計してもよい。薄肉シート材料からなるマーカは、マーカがハイポチューブの外側で一層、ハイポチューブの内側で二層以上となるようにストラットに巻くことができ、こうすることにより、ストラットの短縮や塑性変形を引き起こし得る程に過度にストラットをカテーテルのライナから離れる方向に曲げることなく、マーカのサイズを増大させることができる。
【0095】
ストラット102はまた、放射線不透過性マーカ106を所定の位置に保持するのに有用な1つ以上の構造的特徴または形状を含んでもよい。当該構造的特徴の一例として、図4および図5に示される「ドッグボーン」ストラット形状104Eが挙げられる。当該形状104Eは、ストラット102の近位端および遠位端の隣接する領域に対して幅が増大した領域を形成する。拡張された形状104Eはさらに、近位端および遠位端で中間部に対してより大きい幅を有することができる。これは、全体的に矩形形状であって、両端に幅が拡張した「隆起(bump)」などの突起104Fを有する形状、または両端が拡張したテーパー状の砂時計形状の形態であってもよい。拡張された近位端および遠位端は、放射線不透過性ワイヤなどの放射線不透過性材料が中間部に巻き付けられ、形状104Eから近位側または遠位側に滑り落ちるのを防止することを可能にする。
【0096】
図6は、図4図5に示したストラット形状104Eの例示的な実施の形態の拡大図である。図6に示すように、ストラット形状104Eは、中央部と、中央部の遠位側から遠位方向に延在する遠位側突起と、中央部の近位側から近位方向に延在する近位側突起とから構成されてもよい。遠位側突起および近位側突起の両方の幅は、これらが延在する先にある中央部の幅よりも小さくてもよい。図6に示すように、中央部の角には、マーカ106がストラット形状104Eから滑り落ちるのを防止するストッパとして機能する隆起、コブなどの突起104Fを含んでもよい。
【0097】
ストラット形状104Eの幅を増大さらなる利点の1つとして、比較的多量の放射線不透過性材料を必要とすることなく、視覚化技術で比較的大きなマーカ領域として表示され得ることが挙げられる。言い換えると、放射線不透過性材料は、より大きな表面積にわたって薄い層として維持することができ、良好に可視化することができるため、デバイスの圧縮サイズまたは他の性能特性を増大させるほどにさらなる放射線不透過性材料を必要としない。一例では、ストラット形状104Eは、長さが約0.2mm、中間幅が約0.005mm、端部幅が約0.007mmであってもよい。
【0098】
さらに、図4図5に示されるように、ストラット形状104Eは、係合部材100が半径方向に圧縮された構成で、マーカ106が互いに接触しないように、互いに径方向にずらされてもよい。例えば、2つの形状104Eを互いから長手方向にずらしてもよく(例えば、図4の下側の2つのストラット)、または、そのような構造104Eのない径方向に隣接する2つのストラット間に配置してもよい(例えば、図4の上側3つのストラット)。
【0099】
図7図8には別の構造形状の例が示されており、ストラット102の領域104Gの直径が、ストラット102の近位側および遠位側に隣接する部分の直径よりも小さくてもよい。放射線不透過性ワイヤなどの放射線不透過性材料を、直径が縮小した領域104Gの周囲に巻き付けられてもよく、これにより放射線不透過性マーカ106の形状を比較的小さく維持できる。
【0100】
単一の係合部材100または複数の近位側係合部材100に連結された遠位側係合部材100の場合、遠位端は図11に示されるように放射線不透過性マーカ110を含んでもよい。遠位端をプラチナなどの放射線不透過性材料から構成することもできるが、これに限定されない。
【0101】
図12図15には、放射線不透過性マーカ110の例示的な実施の形態を作成する工程の一例が示されている。まず、図12に示されるように、一端に拡張部またはボール110Bを有する金属ワイヤ110A(例えば、ステンレス鋼)を作成してもよい。例えば、ワイヤの長さは約0.040インチ~約0.045インチで、外径は約0.004インチ、拡大部110Bの外径は約0.0011インチである。ワイヤ110Aは、図13に示されるように、拡張部110Bが係合部材100内部で近位側に位置するように、係合部材100の遠位側開口部を介して送り込まれてもよい。
【0102】
図14に示されるように、中空のシリンダまたはマーカチューブ110Cが、ワイヤ110A上に送り込まれている。マーカチューブ110Cは、90%がプラチナで10%がイリジウムの合金などの放射線不透過性材料で構成することができるが、これに限定されるものではなく、一例では、外径約0.015インチ、長さ0.11インチ、壁厚0.003インチ、内径約0.006インチとすることができる。UV接着剤フィレットを、拡大部110Bとマーカバンド110Cの遠位面上に塗布して、滑らかな面を形成してもよい。
【0103】
最後に、図15に示されるように、ワイヤ110Aの遠位先端を溶接して、マーカチューブ110Cの遠位側に第2の遠位側拡大部110Dを形成し、マーカチューブ110Cを係合部材100の遠位端の位置に維持してもよい。
【0104】
ニチノール製マーカバンドがステントリーバの遠位端に溶接されると、ニチノールワイヤには0.005インチ以上0.015インチ未満の弛みが生じ得るため、マイクロカテーテル内でのマーカのスムーズな追従と連結が可能となる。マーカチューブ110Cと遠位側拡大部110Dには、必要に応じてUV接着剤をさらに塗布してもよく、こうすることが滑らかな表面形成に有用である。
【0105】
障害物除去デバイス101はまたメッシュ構造120で構成されてもよく、図16図17に示されるように係合部材100内に、または図18図19に示されるように係合部材100外部に隣接して構成されてもよい。メッシュ構造120は、塞栓の小片を捕捉するさらなるフィルタとして機能することにより、このような塞栓の小片の保持を補助し、これら小片が凝血塊回収処置において失われる可能性を最小限にすることができる。
【0106】
メッシュ構造120は、ニチノールワイヤまたはニチノールの外層と放射線不透過性材料の内核を有する延伸充填チューブなどの単一の編組線または複数の編組線で構成することができる。メッシュ構造120は、球形状、先細りの楕円形状、円板形状、円柱形状、または他の様々な形状など、所望の三次元形状に拡張するように形状セットすることができる。メッシュ構造120は、完全に囲まれた形状(例えば、球形)であってもよく、凹形、カップ形状、または同様の形状を形成する開口部を有していてもよい。このような凹形状では、塞栓を捕捉しやすくするために、凹状の開口部を遠位側に向けて配置することが望ましいことがある。
【0107】
図16は、拡張可能な三次元のメッシュ構造120を内部に有する係合部材100の実施の形態の一例を示している。メッシュ構造120の遠位端および近位端は、係合部材100の遠位端および近位端に内部で連結され、両構造体100、120が共に拡張するようにしてもよい。したがって、メッシュ構造120は、係合部材100の拡張を補助し、圧潰に対する抵抗を補助してもよい。
【0108】
図16の実施の形態のメッシュ構造120は、長手方向に対称な形状(例えば、両端がテーパー状の楕円形)を有するものとして図示されているが、これに代えてメッシュ構造120は、図1に示す係合部材100と同様に、長手方向に非対称な形状を有してもよい。
【0109】
図17は、メッシュ構造120が係合部材100内部の一部にのみ、具体的には遠位部または遠位側半分のみに配置されてる別の例示的な実施の形態を示す。しかしながら、これに代えて、いくつかの実施の形態では、メッシュ構造120が近位部または近位側半分にのみ配置されてもよい。
【0110】
図17に示す例示的な実施の形態では、メッシュ構造120は、全体的に丸みを帯びた円筒形状に拡大してもよいが、形状については様々な異なる形状が可能である。メッシュ構造120を遠位側に配置することにより、係合部材100の中間部および近位部を自由にして塞栓が係合部材100の内部に入りやすくする一方で、塞栓をより効果的に補足可能となる。
【0111】
図18図19には、メッシュ構造120が係合部材100に対して外側に配置され得る例示的な実施の形態が示されている。一例として、メッシュ構造120は、係合部材100の近位側に配置され、必要に応じて別の係合部材100の遠位側に配置されてもよい。メッシュ構造120の遠位端は、係合部材100の近位端に連結されてもよく、必要に応じて2つの構造が互いに相対的に回転可能となっていてもよい。
【0112】
さらに、メッシュ構造120は、その長さに沿って均一な空隙サイズ/空隙率を有していてもよく、拡張後に異なる空隙サイズを有してもよい。例えば、図20に示されるように、遠位端はより小さな空隙サイズを有してもよく、図21に示されるように、中間部は近位端または遠位端よりも小さな空隙サイズを有してもよい。
【0113】
一例として、メッシュ構造120に沿って異なる編組パターンを使用することによって空隙サイズを異ならせることができる。例えば、図20図21の実施の形態では、編組パターンを切り替えて、PPI(「Picksperinch」インチ当たりのピック)が異なる領域を増加させることができる。あるいは、図22に示されるように、メッシュ構造120の一部を共編みにして、異なる領域(例えば、図の中間部)の空隙率を下げることもできる。
【0114】
別の例では、メッシュ構造120は、メッシュ構造120が拡張された際に、長手方向により拡張または収縮する領域が生成されるなど、同一のまたは異なる編組パターンで異なる空隙率を達成するように部分的に形状セットされてもよい。
【0115】
別の例では、メッシュ構造の一部を除去またはトリミングして、所望の領域の空隙率を低下させることができる。これは、凹形状またはカップ形状のメッシュ構造120を作成する場合に特に有用である。
【0116】
係合部材100はまた、その構造内に1つ以上の支持構造を含んでいてもよく、特に血管の非常に湾曲した部分の周りで、拡張を改善し圧潰に対する抵抗を補助してもよい。前述したように、メッシュ構造120のいずれかによって支持されるようにしてもよい。
【0117】
図23図24に示すように、係合部材100は1つ以上の支持ワイヤ130を含んでもよい。このような1つ以上の支持ワイヤ130は、メッシュ構造120の代わりに、またはメッシュ構造120に加えて利用することができる。1つ以上の支持ワイヤ130は、係合部材100の内径と同等またはさらに大きな拡張された三次元形状にヒートセットされてもよく、こうすることで係合部材100が半径方向外側へ押されるようにしてもよい。拡張された際の1つ以上の支持ワイヤ130の形状は、異なる実施の形態において変動し得るため、図に示す例示的な実施の形態によって限定されると解釈されるべきではない。1つの例示的な実施の形態では、1つ以上の支持ワイヤ130は、螺旋状またはコイル状に拡張してもよい。
【0118】
1つ以上の支持ワイヤ130は、様々な異なる形状を形成してもよい。例えば、ワイヤ130は、図23図24に示すように、全体的に螺旋形状を形成してもよい。あるいは、1つ以上の支持ワイヤ130は、係合部材100の軸に対して直角に配向された1つ以上の離散的な円形状を形成してもよい。
【0119】
図25A図25Cには、例示的な係合部材100の形成方法が示されている。図示されるように、1つ以上の固定具140を使用してもよい。まず、ワイヤを編み込んだり、ハイポチューブなどの管状部材で初期形状を形成する。その後、1つ以上の固定具140を最初の管状形状の内部に配置して、本明細書に記載され示される非対称形状を形成してもよい。一例として、図25Aおよび25Bに示すような最終拡張形状にヒートセットする前に、管状部材のいずれかの端部内に固定具140を配置してテーパーを形成してもよい。
【0120】
図25Cは、2つの別個の固定具140A、140Bが利用されている様子を示しており、第1の固定具140Aは第2の固定具140Bよりも小さい直径または幅を有している。複数の固定具140A、140Bの使用は、単一の固定具140が管状部材内に収まらない状況において望ましい場合がある。図25Cに示す実施の形態では、第1の固定具140Aはスペーサプランジャから構成され、第2の固定具140Bは拡張プレートから構成されてもよい。
【0121】
条項:
【0122】
実施の形態は、以下の番号付けされた条項に記載されている。
【0123】
第1項障害物を除去する方法は、1つ以上の係合部材を送達カテーテルから前進させることを含んでもよい。1つ以上の係合部材の各々は、複数の開放セルを形成する複数のストラットから構成される。1つ以上の係合部材は、半径方向に圧縮された構成と半径方向に拡張された構成とを有する。半径方向に拡張された構成は、中間領域および近位領域よりも大きな直径の遠位領域を有する長手方向に非対称な形状を形成する。さらに、障害物を1つ以上の係合部材で係合することを含む。
【0124】
第2項障害物除去システムの製造方法は、1つ以上の係合部材を形成することを含んでもよい。1つ以上の係合部材の各々は、複数のストラットおよび複数の開放セルを含む。1つ以上の係合部材は、半径方向に拡張された構成と半径方向に圧縮された構成とを有する。半径方向に拡張された構成は、中間領域および近位領域よりも大きな直径の遠位領域を有する長手方向に非対称な形状を形成する。さらに、1つ以上の係合部材の少なくとも1つを細長部材に連結することを含む。
【0125】
第3項障害物除去システムを製造する方法は、複数の開放セルを形成する複数のストラットからなる係合部材を提供することを含んでもよい。ストラットの少なくとも1つは、ドッグボーン形状を形成する幅が拡張された領域を有する。さらに、ドッグボーン形状の中央部に放射線不透過性材料を塗布することを含む。
【0126】
第4項障害物除去システムを製造する方法は、複数の開放セルを形成する複数のストラットからなる係合部材を提供することを含んでもよい。ストラットの少なくとも1つは、幅が縮小された領域を有する。さらに、幅が縮小した領域の周囲に放射線不透過性材料を塗布することを含む。
【0127】
第5項障害物除去システムを製造する方法は、複数の開放セルを形成する複数のストラットからなる係合部材を提供することと、係合部材の遠位端を介してワイヤを前進させることと、放射線不透過性チューブをワイヤに配置することと、ワイヤの遠位端に拡大部を形成することとを含んでもよい。
【0128】
第6項障害物除去システムを製造する方法は、複数の開放セルを形成する複数のストラットからなる係合部材を提供することと、メッシュ構造を障害物除去システムに接続するか、メッシュ構造を障害物除去システムの近くに配置することとを含んでもよい。
【0129】
第7項第6項に記載の方法であって、メッシュ構造が、係合部材の内部で少なくとも部分的に連結される。
【0130】
第8項第6項に記載の方法であって、メッシュ構造が係合部材の外部に配置される。
【0131】
第9項障害物除去システムを製造する方法は、複数の開放セルを形成する複数のストラットからなる係合を提供することと、さらに、係合部材の内部に対して拡張するように構成された障害物除去システム内の支持ワイヤを接続することとを含んでもよい。
【0132】
本明細書の実施の形態、特徴、または詳細のいずれも、互いに組み合わせて使用できることに留意されたい。換言すると、特定の特徴を個別に記載してきたが、これらの特徴の任意の組み合わせを互いに組み合わせることができることが企図されている。したがって、本明細書には、本明細書に記載された特徴の任意の組み合わせを有する実施の形態が含まれる。
【0133】
本発明は特定の実施の形態及び用途に関して記載されているが、当業者は、この教示に照らして、請求項に係る発明の精神から逸脱することなく、または範囲を超えることなく、追加の実施の形態及び修正を生成することができる。したがって、本明細書の図面および記載内容は、本発明の理解を容易にするために例示として提示されたものであり、その範囲を限定するように解釈されるべきではないことを理解されたい。

図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25A
図25B
図25C
【手続補正書】
【提出日】2023-01-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
障害物除去システムであって、
細長部材と、
一体の連続体からなり、複数の開放セルを有する係合部材と、を備え、前記係合部材は、半径方向に圧縮された構成と半径方向に拡張された構成とを有し、前記半径方向に拡張された構成は、中間領域および近位領域よりも大きな直径の遠位領域を有する長手方向に非対称な形状を形成する、ことを特徴とする障害物除去システム。
【請求項2】
前記複数の開放セルは、前記遠位領域において前記中間領域よりも低い空隙率を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の障害物除去システム。
【請求項3】
前記係合部材は、複数のストラットからなる、ことを特徴とする請求項1に記載の障害物除去システム。
【請求項4】
前記複数のストラットは、前記係合部材の前記近位領域または前記遠位領域から縮小された幅にテーパー状となる、ことを特徴とする請求項3に記載の障害物除去システム。
【請求項5】
前記複数のストラットの少なくとも1つは、幅が縮小された領域を含み、さらに前記幅が縮小された領域上にまたはその周囲に配置された放射線不透過性材料を含む、ことを特徴とする請求項3に記載の障害物除去システム。
【請求項6】
前記複数のストラットの少なくとも1つは、中央部と、前記中間領域の近位端から外側に延在する近位側突起と、前記中間領域の遠位端から外側に延在する遠位側突起と、を備え、前記中央部は、前記近位側突起および前記遠位側突起よりも幅が狭い、ことを特徴とする請求項3に記載の障害物除去システム。
【請求項7】
前記複数のストラットの前記少なくとも1つにおける、前記中間領域上に、または前記中間領域周辺に配置された放射線不透過性材料をさらに備える、ことを特徴とする請求項6に記載の障害物除去システム。
【請求項8】
前記係合部材は、放射線不透過性の遠位先端部を備える、ことを特徴とする請求項1に記載の障害物除去システム。
【請求項9】
前記放射線不透過性遠位先端部は、前記係合部材の遠位端周囲に配置されたワイヤを備える、ことを特徴とする請求項8に記載の障害物除去システム。
【請求項10】
前記係合部材に連結されたメッシュ構造をさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の障害物除去システム。
【請求項11】
前記メッシュ構造は、前記係合部材内に配置されている、ことを特徴とする請求項10に記載の障害物除去システム。
【請求項12】
前記メッシュ構造は、前記係合部材の外側に隣接して配置されている、ことを特徴とする請求項10に記載の障害物除去システム。
【請求項13】
前記係合部材内に配置された支持ワイヤをさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の障害物除去システム。
【請求項14】
障害物除去システムであって、
細長部材と、
複数の係合部材とを備え、前記複数の係合部材の少なくとも1つは、複数の開放セルを有する複数のストラットから構成され、前記複数の係合部材は、半径方向に圧縮された構成と半径方向に拡張された構成とを有し、前記半径方向に拡張された構成は、中間領域および近位領域よりも大きな直径の遠位領域を有する長手方向に非対称な形状を形成する、ことを特徴とする障害物除去システム。
【請求項15】
前記複数の係合部材は、遠位側係合部材と近位側係合部材とを含み、前記遠位側係合部材の幅は、前記近位側係合部材の幅より小さい、ことを特徴とする請求項14に記載の障害物除去システム。
【請求項16】
前記複数の係合部材は、前記遠位側係合部材と前記近位側係合部材との間に中央係合部材を備え、前記中央係合部材の幅は、前記遠位側係合部材の幅より大きく、前記中央係合部材の幅は、前記近位側係合部材の幅より小さい、ことを特徴とする請求項15に記載の障害物除去システム。
【請求項17】
前記複数の開放セルは、前記遠位領域において前記中間領域よりも低い空隙率を有する、ことを特徴とする請求項14に記載の障害物除去システム。
【請求項18】
前記複数の係合部材の少なくとも1つに連結されたメッシュ構造をさらに備える、ことを特徴とする請求項14に記載の障害物除去システム。
【請求項19】
前記複数の係合部材の少なくとも1つに連結された支持ワイヤをさらに備える、ことを特徴とする請求項14に記載の障害物除去システム。
【請求項20】
障害物除去システムであって、
細長部材と、
血栓を補足する係合部とを備え、前記係合部は複数の開放セルを含み、半径方向に圧縮された構成と、半径方向に拡張された構成とを有し、
前記半径方向に拡張された構成は、中間領域および近位領域よりも大きな直径の遠位領域を有する長手方向に非対称な一体の連続する形状を形成する、ことを特徴とする障害物除去システム。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
障害物除去システムであって、
細長部材と、
一体の連続体からなり、複数の開放セルを有する係合部材と、を備え、前記係合部材は、半径方向に圧縮された構成と半径方向に拡張された構成とを有し、前記半径方向に拡張された構成は、中間領域および近位領域よりも大きな直径の遠位領域を有する長手方向に非対称な形状を形成する、ことを特徴とする障害物除去システム。
【請求項2】
前記複数の開放セルは、前記遠位領域において前記中間領域よりも低い空隙率を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の障害物除去システム。
【請求項3】
前記係合部材は、複数のストラットからなる、ことを特徴とする請求項1に記載の障害物除去システム。
【請求項4】
前記複数のストラットは、前記係合部材の前記近位領域または前記遠位領域から縮小された幅にテーパー状となる、ことを特徴とする請求項3に記載の障害物除去システム。
【請求項5】
前記複数のストラットの少なくとも1つは、幅が縮小された領域を含み、さらに前記幅が縮小された領域上にまたはその周囲に配置された放射線不透過性材料を含む、ことを特徴とする請求項3に記載の障害物除去システム。
【請求項6】
前記複数のストラットの少なくとも1つは、中央部と、前記中間領域の近位端から外側に延在する近位側突起と、前記中間領域の遠位端から外側に延在する遠位側突起と、を備え、前記中央部は、前記近位側突起および前記遠位側突起よりも幅が狭い、ことを特徴とする請求項3に記載の障害物除去システム。
【請求項7】
前記複数のストラットの前記少なくとも1つにおける、前記中間領域上に、または前記中間領域周辺に配置された放射線不透過性材料をさらに備える、ことを特徴とする請求項6に記載の障害物除去システム。
【請求項8】
前記係合部材は、放射線不透過性の遠位先端部を備える、ことを特徴とする請求項1に記載の障害物除去システム。
【請求項9】
前記放射線不透過性遠位先端部は、前記係合部材の遠位端周囲に配置されたワイヤを備える、ことを特徴とする請求項8に記載の障害物除去システム。
【請求項10】
前記係合部材に連結されたメッシュ構造をさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の障害物除去システム。
【請求項11】
前記メッシュ構造は、前記係合部材内に配置されている、ことを特徴とする請求項10に記載の障害物除去システム。
【請求項12】
前記メッシュ構造は、前記係合部材の外側に隣接して配置されている、ことを特徴とする請求項10に記載の障害物除去システム。
【請求項13】
前記係合部材内に配置された支持ワイヤをさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の障害物除去システム。
【請求項14】
前記係合部材に対して遠位側に配置された第2の係合部材をさらに含み、前記第2の係合部材の幅が前記係合部材の幅よりも小さい、ことを特徴とする請求項1に記載の障害物除去システム。
【請求項15】
前記第2の係合部材に対して遠位側に配置された第3の係合部材をさらに含み、前記第3の係合部材の幅が前記第2の係合部材の幅よりも小さい、ことを特徴とする請求項14に記載の障害物除去システム。
【国際調査報告】