(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】移送システム
(51)【国際特許分類】
B65G 47/54 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
B65G47/54 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505308
(86)(22)【出願日】2022-07-28
(85)【翻訳文提出日】2024-03-26
(86)【国際出願番号】 EP2022071213
(87)【国際公開番号】W WO2023006886
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2021/071201
(32)【優先日】2021-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524036538
【氏名又は名称】オムニモド・エーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】フセヴォロト・アルカディーヴィチ・カルポフ
(72)【発明者】
【氏名】トビアス・ドラーゲ・ロティ
(72)【発明者】
【氏名】ボ・ヴィレム・ヴォエルフェルト
(72)【発明者】
【氏名】マリウス・ハムレ・ノルドリク
(72)【発明者】
【氏名】ビョルン・トラルフ・ブロットコルブ
【テーマコード(参考)】
3F016
【Fターム(参考)】
3F016AA01
3F016BA01
3F016CD08
(57)【要約】
物体を搬送するための搬送システムであって、複数のコンベヤモジュール、および、搬送フレームを備え、各コンベヤモジュールが、搬送されるべき物体の表面と係合するように構成された係合表面を備える少なくとも1つの回転可能要素と、少なくとも1つの回転可能要素の回転が係合表面の回転をもたらすことにより物体の移動をもたらすように、少なくとも1つの回転可能要素を回転させるように構成された、駆動機構と、駆動機構を介して回転可能要素の回転を制御するように構成された制御機構と、を備え、搬送フレームが、物体を載せて搬送するための実質的に平坦な表面を一緒に提供するコンベヤモジュールのアレイを形成するためにコンベヤモジュールを受け入れるようにそれぞれが構成された、複数の開口と、コンベヤモジュールの制御機構と通信するように構成された制御システムと、を備え、各コンベヤモジュールが、開口内に解放可能に取り付けられるように構成されており、コンベヤモジュールを開口内に取り付けることが、制御機構と制御システムとの間の電気的接続を確立し、それにより制御システムと取り付けられたコンベヤモジュールとの間の電気通信が促進される、搬送システム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体を搬送するための搬送システムであって、前記搬送システムは、
複数のコンベヤモジュールであって、各コンベヤモジュールが、
搬送されるべき物体の表面と係合するように構成された係合表面を備える少なくとも1つの回転可能要素と、
少なくとも1つの前記回転可能要素の回転が前記係合表面の回転をもたらすことにより前記物体の移動をもたらすように、少なくとも1つの前記回転可能要素を回転させるように構成された、駆動機構と、
前記駆動機構を介して前記回転可能要素の回転を制御するように構成された制御機構と、
を備える、コンベヤモジュールと、
搬送フレームであって、前記搬送フレームが、
物体を載せて搬送するための実質的に平坦な表面を一緒に提供するコンベヤモジュールのアレイを形成するためにコンベヤモジュールを受け入れるようにそれぞれが構成された、複数の開口と、
前記コンベヤモジュールの前記制御機構と通信するように構成された制御システムと、
を備える、搬送フレームと、
を備え、
各コンベヤモジュールが、開口内に解放可能に取り付けられるように構成されており、
コンベヤモジュールを開口内に取り付けることにより、前記制御機構と前記制御システムとの間の電気的接続が確立され、それにより、前記制御システムと取り付けられた前記コンベヤモジュールとの間の電気通信が促進される、搬送システム。
【請求項2】
前記コンベヤモジュールの前記制御機構と前記搬送フレームの前記制御システムとの間に確立される電気的接続が、前記制御機構と制御システムとの間の物理的接続によって提供される、請求項1に記載の搬送システム。
【請求項3】
前記制御機構が、プリント回路板を備え、前記プリント回路板が、前記コンベヤモジュールから外部に延在するように配置される、請求項1または2に記載の搬送システム。
【請求項4】
前記搬送フレームが、ソケットを備え、前記ソケットが、前記制御システムの少なくとも一部分を収容するように構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の搬送システム。
【請求項5】
前記ソケットが、開口部を備え、前記開口部が、前記コンベヤモジュールが前記制御機構と前記搬送フレームの前記制御システムとの間の電気的接続を確立することを可能にするように構成されている、請求項4に記載の搬送システム。
【請求項6】
前記ソケットが、前記制御機構と前記制御システムとの間の接続を促進するためのガイドを提供するように構成されている、請求項5に記載の搬送システム。
【請求項7】
前記開口部が、前記ソケットにおける前記開口部から前記制御システムに向かって内方にテーパする少なくとも1つの内部側面を備える、請求項5または6に記載の搬送システム。
【請求項8】
前記開口部が、逆ピラミッド型を有する、請求項7に記載の搬送システム。
【請求項9】
前記コンベヤモジュールが、ケーシングをさらに備え、前記ケーシングが、前記制御機構および前記駆動機構を少なくとも部分的に収容するように構成されている、請求項1から8のいずれか一項に記載の搬送システム。
【請求項10】
前記ケーシングが、モータを収容するように構成されている、請求項9に記載の搬送システム。
【請求項11】
前記ケーシングが、ハウジングの外部にある、請求項9または10に記載の搬送システム。
【請求項12】
前記制御機構の一部分が、前記ケーシングを越えて延在する、請求項9から11のいずれか一項に記載の搬送システム。
【請求項13】
前記ケーシングを越えて延在する前記制御機構の前記一部分が、少なくとも1つの面取り部を備える、請求項12に記載の搬送システム。
【請求項14】
前記ケーシングが、ハウジングに解放可能に取り付けられるように構成されている、請求項9から13のいずれか一項に記載の搬送システム。
【請求項15】
前記ケーシングが、かみ合い機構を使用して前記ハウジングに解放可能に取り付けられるように構成されている、請求項14に記載の搬送システム。
【請求項16】
前記かみ合い機構が、前記ケーシング上に設けられた第1のかみ合い部材、および、前記ハウジング上に設けられた第2のかみ合い部材を備え、前記第1および第2のかみ合い部材が、前記ケーシングを前記ハウジングに解放可能に取り付けるために互いに解放可能に係合するようになされている、請求項15に記載の搬送システム。
【請求項17】
前記コンベヤモジュールが、少なくとも1つの前記回転可能要素を少なくとも部分的に収容するように構成されたハウジングを備える、請求項1から16のいずれか一項に記載の搬送システム。
【請求項18】
前記ハウジングが、
前記回転可能要素を少なくとも部分的に取り囲むように配置される第1のハウジング部と、
前記駆動機構の少なくとも一部分を取り囲むように配置される第2のハウジング部と、
前記第1のハウジング部および前記第2のハウジング部を互いに固着するように構成されたロック機構と、
を備える、請求項17に記載の搬送システム。
【請求項19】
前記ハウジングが、前記ハウジングの周囲を囲んで延在する軌道を備え、前記軌道が、弾性的に変形可能な1本の材料を受け入れるように構成されている、請求項17または18に記載の搬送システム。
【請求項20】
少なくとも1つの磁性部分をさらに備え、少なくとも1つの前記磁性部分が、前記コンベヤモジュールがその動作的構成にあるときに前記コンベヤモジュールの上部外表面上に位置する、請求項17から19のいずれか一項に記載の搬送システム。
【請求項21】
前記ハウジングが、前記コンベヤモジュールが前記開口内に取り付けられるときに前記搬送フレームと係合するように構成された複数のフランジを備え、その結果、前記フランジが、前記搬送フレーム内で前記ハウジングを支持するように配置されている、請求項17から20のいずれか一項に記載の搬送システム。
【請求項22】
前記複数のフランジのそれぞれが、前記ハウジングから離れるように外方にテーパしている、請求項21に記載の搬送システム。
【請求項23】
前記コンベヤモジュールが、前記コンベヤモジュールの頂部における第1の開口部と前記コンベヤモジュールの基部における第2の開口部との間に延在する貫通通路を備える、請求項1から22のいずれか一項に記載の搬送システム。
【請求項24】
少なくとも1つの前記回転可能要素が、少なくとも部分的に前記貫通通路内に位置する、請求項23に記載の搬送システム。
【請求項25】
物体を搬送するための搬送システムのためのコンベヤモジュールであって、前記コンベヤモジュールは、
搬送されるべき物体の表面と係合するように構成された係合表面を備える少なくとも1つの回転可能要素と、
ハウジングであって、少なくとも1つの前記回転可能要素が、前記ハウジングによって画定されたチャンバ内に回転可能に取り付けられるようになされている、ハウジングと、
を備え、
前記ハウジングが、前記チャンバへの第1の開口部を備え、前記係合表面の少なくとも一部分が、前記第1の開口部を通って延在し、
前記コンベヤモジュールがまた、
前記第1の開口部を少なくとも部分的に覆うように配置される蓋であって、前記第1の開口部を通って延在する前記係合表面の前記一部分を受け入れるように配置された開口を備える、蓋と、
前記蓋における前記開口と前記ハウジングの基部における第2の開口部との間に延在する貫通通路と、
を具備する、コンベヤモジュール。
【請求項26】
少なくとも1つの前記回転可能要素が、少なくとも部分的に前記貫通通路内に位置する、請求項25に記載のコンベヤモジュール。
【請求項27】
前記ハウジングの前記基部が傾斜しており、前記第2の開口部が、前記傾斜の最下部に位置する、請求項25または26に記載のコンベヤモジュール。
【請求項28】
前記貫通通路が、前記ハウジングから離れるように前記ハウジングの前記基部における前記第2の開口部から延在するように構成されたシュートを備える、請求項25から27のいずれか一項に記載のコンベヤモジュール。
【請求項29】
前記蓋が、他の前記コンベヤモジュールの蓋との組合せで使用されたときに物体を搬送するための移送表面の少なくとも一部分を形成するように構成されている、請求項25から28のいずれか一項に記載のコンベヤモジュール。
【請求項30】
前記蓋が、長方形の外周を備える、請求項25から29のいずれか一項に記載のコンベヤモジュール。
【請求項31】
前記蓋が、実質的に三角形の突出部を有する少なくとも1つの隅部を備え、前記三角形の突出部が、別のコンベヤモジュール上の対応する三角形の突出部と協働するように構成されている、請求項25から30のいずれか一項に記載のコンベヤモジュール。
【請求項32】
前記実質的に三角形の突出部が、丸みを帯びた頂点を備える、請求項31に記載のコンベヤモジュール。
【請求項33】
前記蓋が、内向きのテーパを有する外周を備える、請求項25から32のいずれか一項に記載のコンベヤモジュール。
【請求項34】
ケーシングをさらに備え、前記ケーシングが、制御機構および駆動機構を少なくとも部分的に収容するように構成されている、請求項25から33のいずれか一項に記載のコンベヤモジュール。
【請求項35】
前記ケーシングが、モータを収容するように構成されている、請求項34に記載のコンベヤモジュール。
【請求項36】
前記ケーシングが、前記ハウジングの外部にある、請求項34または35に記載のコンベヤモジュール。
【請求項37】
前記制御機構の一部分が、前記ケーシングを越えて延在する、請求項34から36のいずれか一項に記載のコンベヤモジュール。
【請求項38】
前記ケーシングが、前記ハウジングに解放可能に取り付けられるように構成されている、請求項34から37のいずれか一項に記載のコンベヤモジュール。
【請求項39】
前記ケーシングが、かみ合い機構を使用して前記ハウジングに解放可能に取り付けられるように構成されている、請求項38に記載のコンベヤモジュール。
【請求項40】
前記コンベヤモジュールが、搬送フレームの開口内に解放可能に取り付けられるように構成されており、コンベヤモジュールを開口内に取り付けることが、前記コンベヤモジュールと前記搬送フレームとの間の電気的接続を確立して、前記搬送フレームと取り付けられた前記コンベヤモジュールとの間の電気通信を促進する、請求項25から39のいずれか一項に記載のコンベヤモジュール。
【請求項41】
搬送システム内で物体を搬送するための搬送表面であって、
前記搬送表面は、物体が搬送され得る移送表面を画定するように互いに隣接して配置される複数のコンベヤモジュールを備え、
前記複数のコンベヤモジュールのそれぞれが、上方部分を備え、前記上方部分が、実質的に三角形の突出部を有する少なくとも1つの隅部を備え、前記三角形の突出部が、前記複数のコンベヤモジュールのうちの別のコンベヤモジュール上の対応する三角形の突出部と協働するように構成されている、搬送表面。
【請求項42】
前記複数のコンベヤモジュールのそれぞれの前記上方部分が、実質的に長方形の外周を備える、請求項41に記載の搬送表面。
【請求項43】
前記複数のコンベヤモジュールが、1つのコンベヤモジュールがその隣接するコンベヤモジュールと比較して実質的に90度回転されるように配置される、請求項41または42に記載の搬送表面。
【請求項44】
前記実質的に三角形の突出部が、丸みを帯びた頂点を備える、請求項43に記載の搬送表面。
【請求項45】
前記上方部分が、内向きのテーパを有する外周を備える、請求項41から44のいずれか一項に記載の搬送表面。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体移送システム内で複数の物体を移動させるためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば小包仕分けシステムのための仕分けシステムは、典型的には、小包を受け取ってそれらをそれらの目的地へ送ることが可能な搬送システムを含む。搬送システムは、コンベヤベルトまたは協働する車輪のシステムなどの移送表面を含み、小包はその移送表面の上に載り、中央制御システムによってあちこちに移動される。移送表面は、以下の通り、いくつかの異なる形態をとることができる。
【0003】
第1の例示的な搬送システムは、主リングに取り付けられた複数のフィードイン経路およびフィードアウト経路を有するコンベヤベルトリングを含む。小包は、フィードイン搬送経路を介して中央リングへ搬送されて、各小包がその指定されたフィードアウトコンベヤ経路に到達するまで、リングを回って移送される。このシステムに関する問題は、搬送システムが全体的に大型の固定されたコンベヤベルトのシステムであり、そのため、搬送経路の適応性が非常に限られることである。さらに、これらのシステムは、典型的には、小規模および中規模の施設が利用するにはあまりにも大きくかつ高額である。これらのシステムは、それらの機能性または構成を容易に調整することができない。
【0004】
第2の例示的な搬送システムは、運搬ロボットがフロアを動き回り小包を収集してフロア上の様々な場所に分配する、シャトルロボットシステムを含む。しかし、このシステムは、2次元において小包を移動させることしかできない。さらに、一時に限られた数の運搬ロボットが動作し、そのため、一時に移送される小包の数も限られる。加えて、運搬ロボットは、他方では、一定の大きさの物体を運搬するように設計されており、したがって、取り扱われる必要がある物体の大きさのばらつきが大きい状況では役に立たない。
【0005】
第3の例示的な搬送システムは、小包の移送のための移送層と、小包の保管のための保管層とを含む。ロボットが、移送層を通して保管層上のその望ましい位置まで小包を移動させる。小包は、移送層に適合するように設計されたコンテナに入れられて移動される。しかし、小包を移送するためのコンテナの使用に起因して、システムを通してコンテナ内で移送され得る小包の大きさに限界がある。さらに、一定の大きさのコンテナを使用することは、小さな小包が取り扱われる場合に空間を非効率的に使用することになる。
【0006】
一部の搬送システムは、全方向コンベヤベルトとして知られる、あらゆる方向に小荷物を移動させることができるコンベヤベルトを含む。このコンベヤベルトは、駆動システムに命令を送る制御システムによって制御される。システムは、複数のフロアセグメントを含むことが多く、各フロアセグメントが、セグメント内に配置された複数の全方向車輪を有する。各セグメント内の全方向車輪は、電線により制御システムに接続される。場合によっては、セグメントは、配線を検査するためにフロアから持ち上げられ得る。これらのシステムは、高い処理量が可能であるが、一般に高精度を有さない。
【0007】
従来の電子商取引自動化解決策は、大きく、嵩張り、費用がかかり、典型的には拡張の容易さが欠けており、かつ/または、3つ全ての次元における空間の活用に関して制限がある。さらに、解決策の多くは、実行時間の高度な適応性を可能にせず、それらの機能性のパラメータは、特定のハードウェア構成によって確定されていることが多く、応需型の運用調整および最適化の余地は、ほとんどない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
機能の応需型の調整および最適化を可能にするソフトウェアによって動かされる、少なくとも2つの次元、好ましくは3つの次元での動作を可能にする柔軟なモジュール式ハードウェアシステムを有することが、望ましいはずである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の態様によれば、複数のコンベヤモジュールを備える、物体を搬送するための搬送システムが提供される。各コンベヤモジュールは、搬送されるべき物体の表面と係合するように構成された係合表面を備える少なくとも1つの回転可能要素と、少なくとも1つの回転可能要素の回転が係合表面の回転をもたらすことにより物体の移動をもたらすように、少なくとも1つの回転可能要素を回転させるように構成された、駆動機構と、駆動機構を介して回転可能要素の回転を制御するように構成された制御機構と、を具備する。物体を搬送するための搬送システムはまた、搬送フレームであって、物体を載せて搬送するための実質的に平坦な表面を一緒に提供するコンベヤモジュールのアレイを形成するためにコンベヤモジュールを受け入れるようにそれぞれが構成された、複数の開口と、コンベヤモジュールの制御機構と通信するように構成された制御システムと、を備える、搬送フレームを具備する。各コンベヤモジュールは、開口内に解放可能に取り付けられるように構成される。コンベヤモジュールを開口内に取り付けることにより、制御機構と制御システムとの間の電気的接続が確立され、それにより、制御システムと取り付けられたコンベヤモジュールとの間の電気通信が促進される。
【0010】
コンベヤモジュールは、コンベヤモジュールを所定の位置に保持するために任意のねじまたは他の固定具を使用する必要なしに、単純に搬送フレームに挿入され得る。同様に、コンベヤモジュールは、任意の固定具を外す必要なしに、コンベヤモジュールを搬送フレームから持ち上げることにより単純に搬送フレームから取り外され得る。各コンベヤモジュールは、コンパクトであり、その設計が単純であり、かつ、容易な設置および搬送フレームからの取外しを可能にする。各コンベヤモジュールは、コンパクトなコンベヤモジュールを提供するのに役立つ、統合された歯車に基づく動力伝達システムを備える。
【0011】
物体を搬送するための搬送システムは、任意の大きさの物体を移動させる能力、物体を任意の方向に自由に移動させる能力、および、同時に移動させることができる物体の数に制限なくいくつかの物体を様々な方向に同時に移動させる能力を提供する。
【0012】
コンベヤモジュールの制御機構と搬送フレームの制御システムとの間に確立される電気的接続は、制御機構と制御システムとの間の物理的接続によって提供されてもよい。いくつかの例では、物理的接続は、直接的な物理的接続であり得る。これは、制御機構と制御システムとの間の安全な電気的接続および電気通信を確実にするのに役立つ。
【0013】
回転可能要素は、全方向車輪であることが好ましい。これは、第1および第2の方向における活発な被動運動を提供し、第1および第2の方向は、相反する方向であり、例えば順方向および逆方向である。全方向車輪はまた、第3および第4の方向における受動運動を提供し、第3および第4の方向は、相反する方向であり、かつ、第1および第2の方向に対して垂直であり、例えば左方向および右方向である。全方向車輪は、垂直方向を含む複数の方向における運動を実現するための簡便な機構を提供し、それにより、コンベヤモジュール内に存在する構成要素の総数が少なくなる。
【0014】
いくつかの例では、少なくとも1つの回転可能要素は、駆動機構のシャフトとかみ合うように構成された形状を有する開口を備え得る。駆動シャフトとかみ合う回転可能要素を有することにより、追加の固定構成要素によってではなくかみ合い機構だけにより回転可能要素をシャフトに固定して取り付けることが可能とされ得る。これは、コンベヤモジュールの複雑さを低減するのに役立つ。加えて、回転可能要素は、シャフトの回転が回転可能要素の回転を自動的にもたらすように、駆動機構のシャフトと係合してもよい。
【0015】
開口は、駆動機構のシャフト上の対応する隆起部または突出部と例えばかみ合う態様で係合するように構成された複数の凹部またはくぼみを備える断面を有することが好ましい。
【0016】
複数の凹部は、開口の周囲に均等に離間されてもよい。2つ以上の凹部が存在することが好ましい。いくつかの発展形態では、開口は、4つの凹部を備える断面を有し得る。この場合、開口は、十字形開口と考えられてもよく、対応するシャフトは、十字形の断面輪郭を有して4つの隆起部を備えることが好ましい。他の発展形態では、開口は、5つの凹部を備えることがあり、そのため、開口は、対応する星形の断面輪郭を有するシャフトと係合するように構成された星形の輪郭を有するように構成され得る。理解されるであろうように、例えば2つ、3つ、6つ、または7つ以上といった、任意の数の凹部および対応する隆起部が使用されてもよい。複数の凹部を備える開口、および、対応する隆起部を備えるシャフトは、回転可能要素とシャフトとの間の必要とされるかみ合い係合を実現してそれらを結合させる、単純であるが効果的な手段を提供する。
【0017】
駆動機構は、モータを備えてもよい。モータは、モータをコンベヤモジュール内の所定の位置に保持するように構成された係合手段を備えてもよい。これは、モータがコンベヤモジュール内で横方向に移動するのを防ぐことができる。
【0018】
係合手段は、モータから延在する複数の突出部を含んでもよい。突出部は、コンベヤモジュール内の対応する凹部と係合するように構成され得る。突出部は、実質的に向かい合って位置し、モータの周囲に位置し得る。
【0019】
コンベヤモジュールは、コンベヤモジュールの頂部における第1の開口部とコンベヤモジュールの基部における第2の開口部との間に延在する貫通通路を備え得ることが、好ましい。貫通通路は、コンベヤモジュールを完全に通過することができる。貫通通路は、水および/または異物がコンベヤモジュール内に蓄積しないように、水、塵、または他の異物がコンベヤモジュールを通過することを可能にすることができる。
【0020】
いくつかの例では、少なくとも1つの回転可能要素は、少なくとも部分的に貫通通路内に配置され得る。これは、回転可能要素上に集まったいかなる水および/または異物も貫通通路を介してコンベヤモジュールを通過することを可能にし得る。したがって、この配置は、回転可能要素の動きが影響されないまたは妨げられないように、回転可能要素と接触する任意の流体または外来物がコンベヤモジュールのハウジングから出て行くことができることを確実にするのに役立ち得る。加えて、この配置は、別体の貫通通路を有するのではなく、コンベヤモジュール全体のためのコンパクトな設計を提供する。
【0021】
貫通通路は、流体または物体が重力の作用下で第1の開口部から第2の開口部まで貫通通路を通過することを可能にするように配置されることが、好ましい。貫通通路は、コンベヤモジュールがその動作的構成に保持されているときに、実質的に垂直に配向され得る。これは、コンベヤモジュール内に受動的排出システムを提供し、そのため、能動的な排出システムまたは除去システムを必要とせずに、水および異物がコンベヤモジュールから除去されることを可能にすることができる。
【0022】
制御機構は、プリント回路板(PCB)を備えることが好ましい。PCBは、電線を必要とせずに、電気的接続を促進することができる。これは、コンベヤモジュールの容易な組立てを促進することができる。いくつかの例では、プリント回路板は、コンベヤモジュールから延在するように配置されることがあり、好ましくはコンベヤモジュールから外部に延在するように配置される。制御システムもまた、プリント回路板を備えることができる。制御機構および制御システムは、それぞれがプリント回路板を備えることができる。
【0023】
いくつかの例では、コンベヤモジュールは、少なくとも1つの回転可能要素と制御機構と駆動機構とを少なくとも部分的に収容するように構成されたハウジングを備えることがある。ハウジングは、内部構成要素を水および塵から隔離する完全な筐体として働くことができる。
【0024】
いくつかの例では、制御機構の一部分は、ハウジングを越えて延在し得る。これは、電気的接続のための制御機構への容易なアクセスを促進することができる。
【0025】
ハウジングを越えて延在する制御システムの部分は、搬送フレームの制御システムと係合するように配置されることが好ましい。これは、電線を必要とせずにコンベヤモジュールを搬送フレームに電気的に接続するための簡単な機構を提供する。
【0026】
搬送フレームは、基部板を備えることができる。基部板は、他の構成要素が取り付けられ得る構造を提供することができる。
【0027】
基部板は、制御機構の一部分を受け入れるように構成された第1のスロットを備えることができる。基部板は、貫通通路の一部分を受け入れるように構成された第2のスロットを備えることができる。スロットは、制御機構の一部分および/または貫通通路の一部分と搬送フレームの基部板との係合を通じて、コンベヤモジュールが搬送フレームと係合したことを保証することができる。これは、コンベヤモジュールが搬送フレームにしっかりと挿入されることを確実にするのに役立つことができ、また、搬送フレーム内でのコンベヤモジュールの不要な側方移動を防ぐのに役立つことができる。
【0028】
貫通通路の一部分は、制御機構の一部分よりもハウジングからさらに遠くに延在することが好ましい。これは、コンベヤモジュールが搬送フレームに挿入されるときに第1のスロットが制御機構の一部分を受け入れる前に第2のスロットが貫通通路の一部分を受け入れるという効果を有することができる。これは、制御機構の一部分を介してコンベヤモジュールと搬送フレームとの間の電気的接続が作られる前にコンベヤモジュールが開口内で正確に位置合わせされることを確実にすることができる。これは、コンベヤモジュールと搬送フレームとの間に安定した電気的接続が作られることを確実にすることができる。
【0029】
ハウジングは、複数のフランジを備えることができる。複数のフランジは、特にコンベヤモジュールが搬送フレームの開口内に取り付けられたときに搬送フレームと係合するように構成され得る。フランジは、実質的に向かい合って配置され得る。フランジは、コンベヤモジュールが搬送フレームの一部分の上に載ることを可能にすることができ、そのため、フランジは、搬送フレーム内でコンベヤモジュールを支持するのに役立つことができる。具体的には、フランジは、搬送フレーム内でハウジングを支持するのに役立つことができる。したがって、フランジは、支持部材の形態と見なされてもよく、また、フランジは、コンベヤモジュールが搬送フレーム内に取り付けられたときに搬送フレームにかかるコンベヤモジュールの重さを支えるように配置されてもよい。フランジは、コンベヤモジュールが搬送フレームに余計に挿入されないことを確実にするのに役立つことができる。
【0030】
複数のフランジのそれぞれは、ハウジングから離れるように外方にテーパすることが好ましい。これは、コンベヤモジュールが搬送フレーム内に取り付けられたときにハウジングを支持するのに十分なフランジの表面積を提供するのに役立つことができる。
【0031】
いくつかの例では、フランジは、側部輪郭が実質的に三角形であり得る。フランジは、直角三角形の形状を形成するように配置されてもよい。
【0032】
いくつかの例では、ハウジングは、対のフランジの各フランジが向かい合って配置されるように、ハウジングの両側に設けられた1対のハウジングを備え得る。ハウジングは、第1の対向する側面の対と、第2の対向する側面の対とを備えることができ、第1の対向する側面の対の長さは、第2の対向する側面の対の長さよりも大きい。対のフランジは、ハウジングの第1の対向する側面の対上に設けられ得ることが、好ましい。言い換えれば、ハウジングが長方形の形状を有する場合、対のフランジは、ハウジングのより長い2つの側面上に設けられる。
【0033】
ハウジングは、コンベヤモジュールの上部外表面を提供するように配置された蓋を備え得る。蓋は、長方形であることが好ましい。蓋は、長方形であってよく、ハウジングは、正方形であってよい。蓋は、第1の対向する側面の対と、第2の対向する側面の対とを備えることができ、第1の対向する側面の対の長さは、第2の対向する側面の対の長さよりも大きい。フランジの対は、例えば蓋の幅側面であるより小さな寸法を有する蓋の第1の対向する側面に対応するハウジングの対向する側面上に設けられ得ることが、好ましい。言い換えれば、ハウジングが正方形の形状を有し、蓋が長方形の形状を有する場合、対のフランジは、蓋のより長い2つの側面に対応するハウジングの2つの側面上に設けられる。
【0034】
いくつかの例では、対のフランジの各フランジは、コンベヤフレームの上に載るための支持表面を提供するために、ハウジングの前述の対向する側面の下方に延在し、かつ、前述の対向する側面のそれぞれから離れるように徐々に延在して、ハウジングの側面から外へ垂直方向に延在する下部表面を各フランジ上に形成し、ここで、例えば、支持部材は、それらがハウジングの前述の対向する側面の下方に延在するにつれて、外方にテーパする。各フランジの下部表面によって提供される支持表面は、ハウジングの上部表面と実質的に平行であることが好ましい。これは、コンベヤモジュールが搬送フレームの開口内で正確に位置合わせされること、例えばコンベヤモジュールが搬送フレーム内で実質的に垂直に取り付けられることを確実にするのに役立つことができる。
【0035】
いくつかの例では、ハウジングは、ハウジングの周囲を囲んで延在する軌道を備え得る。軌道は、弾性的に変形可能な1本の材料を受け入れるように構成され得る。この材料は、コンベヤモジュールが搬送フレームに挿入されたときにコンベヤモジュールと搬送フレームとの間の滑合を実現するのに役立つことができる。これは、搬送フレームの開口内でコンベヤモジュールがあちこち動くことを防ぐことができ、そのような動きは、電気的接続を破壊する可能性がある。
【0036】
コンベヤモジュールは、少なくとも1つの磁性部分を備えることが好ましい。少なくとも1つの磁性部分は、コンベヤモジュールがその動作的構成にあるときにコンベヤモジュールの上部外表面上に位置してもよい。磁性部分は、コンベヤモジュールが電磁気によって取り扱われること、例えば取り上げられてあちこちに移動されることを可能にすることができる。少なくとも1つの磁性部分は、コンベヤモジュールの取外しおよびコンベヤフレームへの挿入のために、電磁石による係合のための磁性材料を含むことができる。これは、コンベヤモジュールの挿入および搬送フレームからの取外しのための単純で簡便な機構を提供することができる。
【0037】
電磁石とコンベヤモジュールとの間の接触を促進するために、磁性部分は、コンベヤモジュールの外表面上に位置することが好ましく、また、コンベヤモジュールが搬送フレームに挿入されたときに露出したままであるコンベヤモジュールの表面上に位置することが好ましい。したがって、磁性部分は、コンベヤモジュールの上部外表面上に位置することが好ましい。
【0038】
磁性部分は、例えば鉄、鋼鉄、またはニッケルといった任意の適切な磁性材料を含むことができる。
【0039】
1つより多い磁性部分、例えば、2つ以上の磁性部分が、コンベヤモジュール上に存在してもよい。磁性部分はまた、磁性接触点と呼ばれることがある。2つ以上の磁性接触点を設けることは、電磁石とコンベヤモジュールとの間の安定した接続を実現するのに役立ち得る。これは、電磁石がコンベヤモジュールを取り扱っているときに電磁石とコンベヤモジュールとの間の不要な移動を少なくすることができる。理解されるであろうように、例えば4つ以上の磁性部分といった任意の適切な数の磁性部分が存在してもよい。複数の磁性部分は、コンベヤモジュールの上部外表面の周囲を囲んで離間され得る。場合によっては、複数の磁性部分は、互いに均等に離間され得る。他の場合では、複数の磁性部分は、互いに不規則に離間され得る。
【0040】
いくつかの例では、1つまたは複数の磁性部分は、金属板の形態をとることがある。他の例では、1つまたは複数の磁性接点は、少なくとも部分的にコンベヤモジュールにねじ込まれ得る少なくとも1つのねじの形態をとることがある。しかし、理解されるであろうように、磁性部分をコンベヤモジュールに組み込むための任意の他の適切な手段を使用することができる。
【0041】
コンベヤモジュールは、ケーシングをさらに備えることができる。ケーシングは、制御機構および駆動機構を少なくとも部分的に収容するように構成され得る。具体的には、ケーシングは、駆動機構のモータを収容するように構成される。ケーシングは、制御機構のプリント回路板を少なくとも部分的に収容するように構成されてもよい。ケーシングは、制御機構の一部分および駆動機構の一部分を保護するのに役立ち得る。
【0042】
ケーシングは、ハウジングの外部にあることが好ましい。このようにして、ケーシングは、ハウジングとは別体の構成要素と見なされ得る。したがって、制御機構の一部分および駆動機構の一部分は、ハウジング内に位置せず、そのため、ハウジングから独立しておりハウジングとは別体であると見なされ得る。この配置は、駆動機構の少なくとも一部分および制御機構の少なくとも一部分への容易なアクセスを提供して、これらの構成要素のより速やかな交換を可能にする。
【0043】
ケーシングは、ハウジングに解放可能に取り付けられ得る。これは、ケーシングおよび/またはケーシング内に収容された構成要素を修理または交換することができるように、ケーシングがハウジングから取り外されることを可能にし得る。
【0044】
いくつかの例では、例えばかみ合いフック機構といったかみ合い機構が、ケーシングをハウジングに解放可能に取り付けるために使用され得る。かみ合い機構は、ケーシング上に位置し得る第1のフックの形態であり得る第1のかみ合い部材と、ハウジング上に位置し得る第2のフックの形態であり得る第2のかみ合い部材と、を備えることができる。第1および第2のかみ合い部材は、ケーシングをハウジングに解放可能に取り付けるために、例えば解放可能な摺動係合で、互いに解放可能に係合するように配置され得る。したがって、第1および第2のフックは、互いに解放可能に係合するように構成され得る。このようにして、ハウジングは、ケーシングの重さを少なくとも部分的に支えるように配置され得る。
【0045】
制御機構の一部分は、ケーシングを越えて延在するように配置され得る。制御機構の遠位部分がケーシングを越えて延在するように配置されることが、好ましい。このようにして、制御機構の一部分は、ケーシング内に収容されない。これは、電気的接続のための制御機構への容易なアクセスを促進することができる。ケーシングを越えて延在する遠位部分は、制御機構のプリント回路板の少なくとも一部分を含むことが好ましい。
【0046】
ケーシングを越えて延在する制御機構の部分は、少なくとも1つの面取り部を備え得ることが好ましい。制御機構のこの部分は、テーパを有する端部を備えることができる。この設計は、制御システムとの制御機構の正確な位置合わせを確実にするのに役立つことができる。加えて、制御機構と制御システムとの間に電気的接続を確立するときに精密さがあまり必要とされず、そのため、面取り部またはテーパは、電気的接続が作られなくなるまでに、より程度の大きな位置ずれを許容する。
【0047】
いくつかの例では、制御機構のプリント回路板の遠位端部における少なくとも1つの隅部が、面取りされる。プリント回路板の遠位端部における対向する隅部の対が面取りされることが、好ましい。この設計は、制御システムとの制御機構の正確な位置合わせを確実にするのに役立ち得る。
【0048】
搬送システムは、ソケットを備えることができる。ソケットは、搬送フレームの一部分であってもよい。ソケットは、制御システムの少なくとも一部分を少なくとも部分的に収容するように構成されることが好ましい。ソケットは、制御システムの少なくとも一部分を損傷から保護することができる。
【0049】
いくつかの例では、ソケットは、コンベヤモジュールが制御機構と搬送フレームの制御システムとの間の電気的接続を確立することを可能にするように構成された開口部を備える。ソケットは、制御機構と制御システムとの間の電気的接続を促進するためのガイドを提供するように構成されてもよい。
【0050】
ソケットの開口部は、ソケットにおける開口部からソケット内に収容された制御システムに向かって内方にテーパしている少なくとも1つの内部側面を備えることが好ましい。ソケットは、面取りされた少なくとも1つの内部側面を備えてもよい。しかし、いくつかの例では、ソケットは、内方にテーパしている少なくとも1対の面取りされた内部側面を備えることがあり、ここで、ソケットの全ての内部側面が、例えば切頭逆ピラミッド構成を形成するように、面取りされかつ/またはテーパ付けされていることが好ましい。
【0051】
いくつかの例では、ソケットは、実質的に漏斗形状の開口部を備え得る。漏斗形状の開口部は、制御機構から制御システムに向かって延在して、コンベヤモジュールと搬送フレームとの間の電気的接続の確立を促進する。
【0052】
コンベヤモジュールは、少なくとも1つの回転可能要素を少なくとも部分的に収容するように構成されたハウジングを備えることができる。
【0053】
コンベヤモジュールのハウジングは、ロック機構を備え得る。ロック機構は、第1のハウジング部を第2のハウジング部に取り付けるように構成され得る。第1のハウジング部は、蓋部分などのハウジングの上部表面であり得る。第2のハウジング部は、例えば駆動機構の少なくとも一部分を覆うための側板などの、側面部分であってもよい。このようにして、ハウジングは、回転可能要素を少なくとも部分的に取り囲むように配置される第1のハウジング部と、駆動機構の少なくとも一部分を取り囲むように配置される第2のハウジング部と、第1のハウジング部および第2のハウジング部を互いに固着するように構成されたロック機構とを備えると見なされ得る。ロック機構は、少なくとも1つのロックタブを備え得る。ロックタブは、第1のハウジング部上に設けられてもよい。ロックタブは、第2のハウジング部上に設けられたロック特徴と係合するように構成されてもよい。ロック機構は、ハウジングと一体であってもよい。このようにして、ロック機構は、別体の構成要素ではなく、そのため、個別的な構成要素の総数が少なくなり、それにより、製造費用が削減される。
【0054】
ハウジングは、蓋部分を備えることが好ましく、蓋部分は、コンベヤモジュールが搬送フレームに取り付けられたときのコンベヤモジュールの不要な移動を防ぐのに役立ち得る長方形の外周を有することが、より好ましい。加えて、長方形の周囲は、搬送フレーム内でのコンベヤモジュールの正確な配向を促進することができる。
【0055】
いくつかの発展形態では、蓋部分は、実質的に三角形の隅部を備える。三角形の隅部は、尖った隅部ではなく丸みを帯びた隅部であり得ることが好ましい。有利には、丸みを帯びた隅部は、物体または小包が隅部に引っ掛かるのを防ぐのに役立ち得る。三角形の隅部は、移送表面上で搬送されている物体の荷重を分散させるのにも役立ち得る。
【0056】
別の態様によれば、物体を搬送するための搬送システムのためのコンベヤモジュールが提供され、コンベヤモジュールは、搬送されるべき物体の表面と係合するように構成された係合表面を備える少なくとも1つの回転可能要素と、ハウジングと、を具備し、少なくとも1つの回転可能要素は、ハウジングによって画定されるチャンバ内に回転可能に取り付けられるようになされている。ハウジングは、チャンバへの第1の開口部を備え、係合表面の少なくとも一部分が、第1の開口部を通って延在する。コンベヤモジュールは、第1の開口部を少なくとも部分的に覆うようになされた蓋であって、第1の開口部を通って延在する係合表面の部分を受け入れるように配置された開口を備える、蓋と、蓋における開口とハウジングの基部における第2の開口部との間に延在する貫通通路と、をさらに具備する。貫通通路は、蓋における開口を通ってチャンバに入るいかなる流体、塵、異物なども貫通通路を介してチャンバから出て行くことができるように、配置される。
【0057】
貫通通路は、ハウジング内のチャンバが不要な外来物によって閉塞されるのを防ぐが、そのような不要な外来物は、回転可能要素が回転する能力に影響し、そのため、コンベヤモジュールが正確に動作するのを妨げる可能性がある。貫通通路は、コンベヤモジュールを完全に貫通してコンベヤモジュールの頂部からコンベヤモジュールの底部まで延在して、外来物および流体がコンベヤモジュールを迅速に通過するための効率的な通路を提供する。
【0058】
ハウジングの基部が傾斜しており、第2の開口部が傾斜の最下部に位置することが、好ましい。つまり、ハウジングによって画定されるチャンバの基部は、傾斜していることが好ましい。貫通通路は、傾斜した基部の最下部に向かって配置される基部上の位置を貫通するように配置され得る。これは、流体または外来物がハウジング上の平坦な基部上に集まるのではなく第2の開口部に向かって移動してハウジングから出て行く傾向にあることを確実にするのに役立ち、流体または外来物がハウジングの平坦な基部上に集まると、ハウジングを閉塞する場合がある。
【0059】
貫通通路は、ハウジングから離れるようにハウジングの基部における第2の開口部から延在するように構成されたシュートを備えることができる。したがって、いくつかの例では、シュートは、チャンバの基部からハウジングの下の位置まで延在し得る。これは、流体または外来物がハウジングの任意の内部部分に干渉する(例えば、閉塞する)可能性が低下するように、前述の流体または外来物がハウジングの本体からある距離を置いてハウジングから出て行くことを確実にすることができる。
【0060】
蓋は、他のそのようなコンベヤモジュールの蓋との組合せで使用されたときに物体を搬送するための搬送表面の少なくとも一部分を形成するように構成されてもよい。このようにして、複数のコンベヤモジュールが互いに協動して、より大きな移送表面を形成することができる。加えて、移送表面の面積は、移送表面を形成するために使用されるコンベヤモジュールの数を変えることによって容易に調整することができる。このモジュール構成は、任意の大きさおよび形状の移送表面を構築する簡単かつ効率的な方法である。
【0061】
蓋は、長方形の外周を備えることが好ましい。このようにして、蓋は、蓋の幅を画定する2つの辺と蓋の長さを画定する2つの辺とを有して、実質的に四辺形の(具体的には長方形の)形状であってもよく、ここで、幅の方の辺の寸法は、長さの方の辺の寸法とは異なる(例えば、より短い)。長方形の外周は、コンベヤモジュールが搬送フレーム内に取り付けられたときのコンベヤモジュールの不要な移動を防ぐのに役立ち得る。加えて、長方形の周囲は、搬送フレーム内でのコンベヤモジュールの正確な配向を促進し得る。
【0062】
蓋は、実質的に三角形の突出部を有する少なくとも1つの隅部を備え得る。三角形の突出部は、別の類似のコンベヤモジュール上の対応する三角形の突出部と協働するように構成され得る。
【0063】
このようにして、三角形の突出部は、隣接して配置された別のそのようなコンベヤモジュールの蓋の隅部上の対応する三角形の突出部と実質的に碁盤目状にくっつくように構成され得る。例えば、いくつかの構成では、隣接して配置される4つのそのようなコンベヤモジュールの蓋の隅部上の三角形の突出部が、実質的にその構成の中心において実質的に碁盤目状にくっつくように構成され得る。三角形の突出部は、隣接したコンベヤモジュール間の相対移動を軽減するのに役立つことができ、場合によってはそのような相対移動を防ぐのに役立つことができる。三角形の隅部は、移送表面上で搬送されている物体の荷重を分散させるのにも役立つことができる。
【0064】
実質的に三角形の突出部は、丸みを帯びた頂点を備えることが好ましい。このようにして、蓋は、尖った突出部ではなく実質的に丸みを帯びた突出部を備えると見なされ得る。有利には、丸みを帯びた突出部は、物体または小包が三角形の突出部に引っ掛かるのを防ぐのに役立ち得る。
【0065】
いくつかの例では、蓋は、内向きのテーパを有する外周を備える。これは、物体または小包が蓋の外側縁部に引っ掛からないことを確実にするのに役立ち得る。場合によっては、各三角形の突出部の上部表面および下部表面が、それぞれ、内方にテーパ付けされる。
【0066】
前述のように、コンベヤモジュールは、ケーシングを備えることができ、ケーシングは、制御機構および駆動機構を少なくとも部分的に収容するように構成され得る。ケーシングは、モータを収容するように構成され得る。ケーシングは、ハウジングの外部にあってもよい。制御機構の一部分(例えば、遠位部分)が、ケーシングを越えて延在してもよい。ケーシングは、ハウジングに解放可能に取り付けられるように構成され得る。ケーシングは、かみ合い機構を使用してハウジングに解放可能に取り付けられるように構成され得る。前述のように、コンベヤモジュールは、搬送フレームの開口内に解放可能に取り付けられるように構成されてもよく、コンベヤモジュールを開口内に取り付けることにより、コンベヤモジュールと搬送フレームとの間の電気的接続が確立され、搬送フレームと取り付けられたコンベヤモジュールとの間の電気通信が促進される。これらの特徴の利点は、これらの特徴に関してすでに説明されたものと実質的に同じであり、このコンベヤモジュールに等しく適用される。
【0067】
別の態様によれば、搬送システム内で物体を搬送するための搬送表面が提供され、搬送表面は、移送表面を画定するように互いに隣接して配置された複数のコンベヤモジュールを備え、この移送表面上で物体を搬送することができる。複数のコンベヤモジュールのそれぞれが、上方部分を備え、上方部分は、実質的に三角形の突出部を有する少なくとも1つの隅部を備え、三角形の突出部は、複数のコンベヤモジュールのうちの別のコンベヤモジュール上の対応する三角形の突出部と協動するように構成されている。これは、複数のコンベヤモジュールが実質的に互いに碁盤目状にくっつくことを可能にする。
【0068】
したがって、第1のコンベヤモジュールの三角形の突出部が、隣接して配置される少なくとも1つの第2のコンベヤモジュールの隅部上の対応する三角形の突出部と実質的に碁盤目状にくっつくように配置され得る。別の例では、隣接して配置される4つのそのようなコンベヤモジュールの隅部上の三角形の突出部が、実質的にその配置の中心において碁盤目状にくっつくことができる。
【0069】
この設計は、隣接するコンベヤモジュール間の相対移動を防ぐのに役立つことができ、これは、より安定した移送表面を提供するのに役立つことができる。
【0070】
複数のコンベヤモジュールのそれぞれの上方部分は、実質的に長方形の外周を備えることが好ましい。複数のコンベヤモジュールは、第1の長方形上方部分の長さを画定する辺が第2の上方部分の幅を画定する辺に隣接して配置される隣接構成(adjacent configuration)において、一緒に配置され得る。このようにして、複数のコンベヤモジュールの配置は、あるコンベヤモジュールが1つまたは複数の隣接するコンベヤモジュールと比較して実質的に90度回転される(すなわち、配向される)ような配置とされ得る。これは、コンベヤモジュールが互いに隣接して配置されるときにコンベヤモジュールが互いに対して正確に配向されることを確実にするのに役立ち得る。これは、コンベヤモジュールの互いに対する相対移動を防ぐのにも役立ち得る。
【0071】
前述のように、実質的に三角形の突出部は、丸みを帯びた頂点を備える。蓋であり得る上方部分は、内向きのテーパを有する外周を備えることができる。これらの特徴の利点は、これらの特徴に関してすでに説明されたものと実質的に同じであり、この搬送表面に等しく適用される。
【0072】
別の態様によれば、物体を搬送するための搬送システムのためのコンベヤモジュールが提供され、コンベヤモジュールは、搬送されるべき物体の表面と係合するように構成された係合表面を備える少なくとも1つの回転可能要素と、少なくとも1つの回転可能要素の回転が係合表面の回転をもたらすことにより物体の移動をもたらすように、少なくとも1つの回転可能要素を回転させるように構成された、駆動機構と、駆動機構を介して回転可能要素の回転を制御するように構成された制御機構と、を具備し、コンベヤモジュールは、搬送フレームの開口内に解放可能に取り付けられるように構成され、コンベヤモジュールを開口内に取り付けることにより、コンベヤモジュールの制御機構と搬送フレームの制御システムとの間の電気的接続が確立され、それにより、搬送フレームとコンベヤモジュールとの間の電気通信が促進される。
【0073】
別の態様によれば、物体を搬送するための搬送システムのための搬送フレームが提供され、搬送フレームは、物体を載せて搬送するための実質的に平坦な表面を一緒に提供するコンベヤモジュールのアレイを形成するために上記のコンベヤモジュールを受け入れるようにそれぞれが構成された、複数の開口と、コンベヤモジュールの制御機構と通信するように構成された制御システムと、を備え、各開口は、開口内に解放可能に取り付けられたコンベヤモジュールを有するように構成され、コンベヤモジュールを開口内に取り付けることにより、コンベヤモジュールの制御機構と搬送フレームの制御システムとの間の電気的接続が確立され、それにより、制御システムとコンベヤモジュールとの間の電気通信が促進される。
【0074】
別の態様によれば、物体の移動を計画するための計画システムが提供される。計画システムは、物体情報を得るように構成された情報取得システムであって、物体情報が物体の宛先位置を含む、情報取得システムと、走査位置から宛先位置までの物体の経路を決定するように構成された処理システムと、を備える。計画システムはまた、上記の物体を搬送するための搬送システムと通信するように構成された主制御システムを備え、主制御システムは、物体が回転可能要素の回転を通じて走査位置から宛先位置までの決定された経路に沿って実質的に平坦な表面にわたって移動されるように、コンベヤモジュールの駆動機構を制御するように構成される。
【0075】
システムは、電子商取引および物流に関連する施設および業務において使用するための仕分け解決策、保管解決策、および移送解決策を設計しかつ実施するための高度にモジュール式かつ合理的な手法を提供する。システムは、倉庫、流通センター、および他の類似の施設に存在するいくつかの業務を自動化するために使用され得る。ハードウェアのモジュール式の設計は、知的自動化ソフトウェアと相まって、従来の電子商取引解決策および物流自動化解決策には典型的には存在しない、優れた拡張性と容易な機能性の適応とを可能にする。
【0076】
システムは、物体を任意の方向に自由に移動させるために全方向移送表面のシステムを使用するとともに物体の大きさに関してより少ない制限で効率的に動作する、モジュール式のハードウェアプラットフォームを提供する。ハードウェアプラットフォームの完全な制御を有する高性能ソフトウェアシステムと相まって、得られるシステムは、使用時に調整されて、例えば経時的に互いに関連付けられる様々な業務の処理量といった機能性に対する様々な要求に最適化され得る。
【0077】
計画システムは、移送表面にわたる複数の物体の精密な移動を可能にする柔軟な全方向移送表面を使用する、高性能のモジュール式の仕分け保管および移送システムを提供する。
【0078】
場合により、計画システムは、移送表面の少なくとも一部分を上昇および下降させるように構成されたエレベータモジュールを備える。エレベータモジュールを含むことにより、3次元での動作が可能になる。
【0079】
次に、単なる例として、添付の図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【
図2】コンベヤモジュールの部分断面図(part-cross sectional view)である。
【
図13】搬送フレームおよびコンベヤモジュールの斜視図である。
【
図14】搬送フレームおよびコンベヤモジュールの斜視図である。
【
図14a】搬送フレームおよびコンベヤモジュールの上面図である。
【
図14b】搬送フレームおよびコンベヤモジュールの断面図である。
【
図14c】搬送フレームおよびコンベヤモジュールの断面図である。
【
図15】搬送フレームおよびコンベヤモジュールの斜視図である。
【
図16】搬送フレームおよびコンベヤモジュールの斜視図である。
【
図17】コンベヤモジュールおよび物体の概略図である。
【
図21】コンベヤモジュールの一部分の斜視図である。
【
図22】コンベヤモジュールの一部分の斜視図である。
【
図23】コンベヤモジュールの一部分の側面図である。
【
図28】コンベヤモジュールおよび搬送フレームの側面図である。
【
図29】コンベヤモジュールの一部分の斜視図である。
【
図30】コンベヤモジュールの一部分の斜視図である。
【
図31】複数のコンベヤモジュールの上面図である。
【
図32】複数のコンベヤモジュールの一部分の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0081】
本開示は、物体を搬送システムの表面上であちこち移動させるための搬送システムに関する。以下の説明では、搬送システムを使用して移動され得る物体の種類の一例として、小包が使用される。一般に、搬送システムは、複数のコンベヤモジュール、および搬送フレームを備える。各搬送モジュールは、小包の表面と係合するように構成された係合表面を有する少なくとも1つの回転可能要素を備える。各搬送モジュールはまた、少なくとも1つの回転可能要素を回転させるように構成された駆動機構を有する。このようにして、少なくとも1つの回転可能要素の回転が係合表面の回転をもたらすことにより、係合表面上の小包の移動がもたらされる。搬送モジュールの制御機構が、駆動機構を介して回転可能要素の回転を制御するように、および、一般にコンベヤモジュールの外部にある制御システムと通信するように、構成される。搬送フレームは、複数の開口を備える。各開口は、コンベヤモジュールのアレイを形成するためにコンベヤモジュールを受け入れるように構成される。コンベヤモジュールのアレイは、小包を搬送するための実質的に平坦な表面を一緒に提供する。各コンベヤモジュールは、搬送フレームの開口内に解放可能に取り付けられるように構成される。コンベヤモジュールを開口内に取り付けることにより、コンベヤモジュールと制御システムとの間の電気的接続が確立され、したがって、制御システムと取り付けられたコンベヤモジュールとの間の電気通信が促進される。
【0082】
使用に際して、コンベヤモジュールの係合表面に載っている小包が、1つのコンベヤモジュールの係合表面から隣接するコンベヤモジュールの係合表面へ移動されるように、回転可能要素の回転を通じて、作り出された実質的に平坦な表面にわたって移動される。これは、実質的に平坦な表面にわたって小包が移動される効果を有する。
【0083】
実質的に平坦な表面にわたって小包が移動する特定の経路は、計画システムと呼ばれることがある主通信および制御システムによって決定されかつ制御される。この計画システムは、実質的に平坦な表面にわたる小包の移動を追跡しかつ計画する。
【0084】
次に、搬送システムおよび計画システムのさらなる詳細について説明する。
【0085】
まずコンベヤモジュールに目を向けると、
図1は、例示的なコンベヤモジュール2を示す。コンベヤモジュール2は、電動車輪システム(MWS:motorised wheel system)と呼ばれることがある。一般に、コンベヤモジュール2は、2つの作動全方向車輪4の形態をした回転可能要素を含む単一のユニットである。これらの車輪4は、1つの方向において小包に力が印加されることを可能にする一方で、小包が直交方向において全方向車輪4上を受動的に転動することも可能にする。
【0086】
より詳細には、コンベヤモジュール2は、複数の側板で作られて全体的に立方形の形状を有するハウジング6と、上蓋8と、を含む。上蓋8は、
図1に示されるように、開口10を備え、全方向車輪4のそれぞれの一部分が、この開口10を通って突出する。
【0087】
各全方向車輪4は、単一の車輪として働くように協働するサブ車輪12、14の対を備える。各サブ車輪12、14は、複数の固定セグメント12a、14aおよび可動セグメント12b、14bを備える。複数の固定セグメント12a、14aおよび可動セグメント12b、14bは、各サブ車輪12、14の外周を構成する。具体的には、固定セグメント12a、14aおよび可動セグメント12b、14bは、互いに離間されるように、また、互いに交互に並ぶように、各サブ車輪12、14の周りに配置される。言い換えれば、1つの固定セグメント12aが、2つの可動セグメント12bに円周方向に隣接し(すなわち、2つの可動セグメント12bの間に位置し)、同様に、1つの可動セグメント12bが、2つの固定セグメント12aに円周方向に隣接する(すなわち、2つの固定セグメント12aの間に位置する)。
【0088】
上蓋における開口10を通って突出する各サブ車輪12、14の外周の部分は、係合表面の一部分を形成する。係合表面は、小包が載せられ、全方向車輪4の動作を通じて小包の移動をもたらす、コンベヤモジュール2の部分である。
【0089】
固定セグメント12a、14aは、サブ車輪本体とともに固定して回転して(すなわち、固定セグメント12a、14aは、サブ車輪12、14がモータによって駆動される方向に回転する)、前方向および後方向の運動をもたらす。全方向車輪4の被動運動中、可動セグメント12b、14bもまた、係合表面上の小包の順方向および逆方向の運動をもたらすのに役立つ。さらに、可動セグメント12b、14bは、被動方向に対して直角に受動的に回転して、横方向への運動をもたらすことができる。
【0090】
全方向車輪4を構成する2つのサブ車輪12、14は、一方のサブ車輪12の固定セグメント12aが他方のサブ車輪14の可動セグメント14bに隣接するように、互いにオフセットしている。
【0091】
図2で分かるように、各全方向車輪4は、車軸16に取り付けられ、車軸16は、複数の歯車18とモータ20とを備える駆動機構に接続される。複数の歯車18を使用することにより、全方向車輪4を駆動するための力がモータ20から車軸16に伝達される。歯車18が非常に少ない摩擦で自由に回転することができるように、各歯車18に対して軸受が設けられ、モータ20から全方向車輪4への効率的な動力伝達だけでなく摩耗の低減がもたらされる。車軸16は、例えば
図20に示されるように、ハウジング6の対向する側面上の溝13の対によって受け入れられる。
【0092】
図3に示された特定の例では、車軸16は、十字形の断面を有する。車軸16の十字形の輪郭は、全方向車輪4が車軸16に取り付けられたときに全方向車輪4の本体を貫通する対応する形状の穴とかみ合う態様で係合するように構成されている。車軸16と全方向車輪4との間のかみ合い係合の結果として、車軸16の回転が、直接的に全方向車輪4の回転をもたらす。しかし、理解されるであろうように、車軸と全方向車輪との間のかみ合い係合が達成されるのであれば、車軸16の断面輪郭、および、全方向車輪4の本体を貫通する対応する形状の穴に対して、任意の他の適切な形状を使用することができる。例えば、車軸、および全方向車輪の本体を貫通する穴の両方が、n個の突端を有する(n-pointed)星形状の断面輪郭を有してもよく、ここで、nは、2よりも大きい整数である。
【0093】
この場合ではDCモータであるモータ20は、
図4に見られる。モータ20は、コンベヤモジュールハウジング6のチャネル22に収容されている。モータ20がチャネル22内で自由に回転するのを防ぐために、モータ20は、モータ20の本体から離れるように径方向に延在する突出部24の対を備える。突出部24は、モータ20の周囲を囲んで実質的に向かい合って離間されている。つまり、突出部24は、互いからおおよそ180度の所に位置している。突出部24は、モータ20を所定の位置に保持するために、チャネル22内の対応する形状のスロット26の対と係合するようになされている。この係合の結果として、モータ20は、その中心点の周りを自由に回転することができない。
【0094】
図3および
図4には示されていないが、歯車18およびモータ20を覆って駆動機構の部品を塵および外部要因による損傷から保護するために、背板および側板が設けられる。加えて、背板は、ハウジング6内のチャネルに沿ったモータ20の側方移動を防ぐのに役立ち、そのため、背板は、モータ20がハウジング6内のチャネル22から脱落するのを防ぐ。
【0095】
コンベヤモジュール2は、
図4に示されるように、プリント回路板(PCB)の形態をとる制御機構28を備える。制御機構28は、モータ上の接続点31を介してモータ20に接続され、接続点31は、モータ20と制御機構28との間に電気的インターフェースを提供する。制御機構28は、モータ20および歯車18を介して全方向車輪4の回転を制御する。
【0096】
制御機構28はまた、典型的には搬送フレームの一部分であるコンベヤモジュール2の外部にある制御システムと通信するようになされている。このようにして、制御機構28は、制御システムから命令を受信し、それに応じてモータ20を制御することができる。これについては、後でより詳細に説明する。
【0097】
図5に示されるように、コンベヤモジュール2のハウジング6は、コンベヤモジュール2の本体から離れるようにハウジング6の底部7から突出するシュート30を備える。ここで、ハウジング6の底部7は、上蓋8の反対側のハウジング6の部分に相当する。シュート30の詳細は、
図6および
図7により明確に見られる。
【0098】
シュート30は、通路34を備え、この通路34は、全方向車輪4が自由に回転することを可能にするようにその内部に配置されるチャンバ36まで、コンベヤモジュール2の本体内へ延在する。チャンバ36は、コンベヤモジュール2の上蓋8における開口10と流体的に接続する。シュート30は、水および塵の排出システムとして働いて、開口10に入る塵および水がチャンバ36および通路34を通り開口部32を介してシュート30から流れ出ることを可能にする。使用に際して、コンベヤモジュール2の通路34は、実質的に垂直になる。これは、チャンバ36内に集まったいかなる塵も重力の作用下で通路34を下方に流れてシュート30における開口部32から出て行くことができるという利点を有する。これは、車輪4の回転運動に影響する可能性のある、チャンバ36内または全方向車輪4を取り囲む空間内での異物、特に水および塵の蓄積を回避する。したがって、コンベヤモジュール2は、コンベヤモジュール2の頂部における第1の開口部(すなわち、上蓋8における開口10)とコンベヤモジュールの基部における第2の開口部(すなわち、シュート30の開口部32)との間に延在する貫通通路を備えると考えられ得る。全方向車輪4は、少なくとも部分的にこの貫通通路内に位置する。
【0099】
次に
図8に目を向けると、金属格子フレームの形態をした例示的な搬送フレーム40が示されている。搬送フレーム40は、搬送フレーム40にわたって格子様の態様で規則的に配置された複数の開口42を備える。搬送フレーム40の開口42は、それぞれ、
図14に示されるようにコンベヤモジュール2を受け入れてコンベヤモジュール2のアレイを形成するためのものであり、コンベヤモジュール2のアレイは、その上に受け止められた小包を移送するための搬送表面を形成する。したがって、搬送フレーム40は、移送表面を形成するために多くの搬送モジュール2を一緒に保持するための支持構造として働き、小包は、移送表面上で移送され得る。
【0100】
搬送フレーム40は、
図9に示される骨組44、および、
図10に示される基部板58を備える。
【0101】
骨組44は、実質的に互いに平行にかつ互いに離間されて位置決めされた2つの支持板46を備える。
図9に示されるように、支持板46は、骨組44の2つの側縁部に隣接しかつ平行に位置する。支持板46は、これらの支持板46が搬送システムの重さに耐えることができるように十分に強固であるように、ステンレス鋼で作られる。
【0102】
骨組はまた、実質的に互いに平行にかつ互いに離間されて位置決めされた複数の1次内側板48を備える。1次内側板48は、
図9に示されるように、全体的に支持板46に垂直であり、かつ、骨組の中間領域を横切って延在する。支持板46は、アルミニウムで作られ得る。
【0103】
図9に示されるように、複数のコネクタ板50が、実質的に互いに平行にかつ互いに離間されて位置決めされて、複数の内側板48をいくつかのサブグループに分けるように働く。コネクタ板50は、内側板48に平行であり、かつ、支持板46に垂直である。コネクタ板50は、アルミニウムで作られ得る。
図12に示されるように、各コネクタ板50は、骨組44の下に骨組44から離れるように延在する複数のコネクタ脚52を備える。
【0104】
格子様の骨組44を完成させるために、複数の2次内側板54が、実質的に支持板46に平行に位置決めされて、骨組44の内側領域を横切って延在する。2次内側板54は、1次内側板48およびコネクタ板50に垂直である。2次内側板54は、アルミニウムで作られ得る。
【0105】
最後に、
図9に示されるように、4つの縁板56が、骨組44の外側縁部の周りに設置されて、骨組44の外側境界を形成する。縁板56は、アルミニウムで作られ得る。
【0106】
骨組の全ての板は、各板内の複数のスロットを使用して互いに接続される。したがって、1つの板が別の板に差し込まれて、交差部を形成する。具体的には、板は、重力の作用下で互いに入り込むように配置され、そのため、骨組44は、物理的な固定構成要素ではなく重力の作用下で一緒に保持され得る。
図9に示された例では、構成された骨組44は、14x14個の開口42を有する格子を形成し、ここで、各開口42は、83mmx83mmの大きさの正方形である。しかし、別の骨組の大きさも考えられる。
【0107】
骨組44が構成されると、基部板58は、
図11に示されるように、骨組44の下側に取り付けられる。基部板58が骨組44に取り付けられると、コネクタ脚52は、
図12に示されるように、基部板58における対応するスロットを通って延在する。搬送フレーム40の構造的完全性を向上させるために、基部板58は、例えば点溶接を使用して、骨組44に溶接され得る。
【0108】
制御システム60が、主制御システムおよび各コンベヤモジュール2と通信するようになされる。制御システム60は、
図13に示されるように、搬送フレーム40の一部分を形成し、かつ、複数のPCB62を含むPCBシステムの形態をとる。Mod-PCB(モジュール式PCB)と呼ばれることもあるPCB62は、2つの一般的な形態で提供される。第1の形態は、大PCB62aと呼ばれ、搬送フレーム40における4x4個の開口42を覆う大きさの面積を有するPCBを含み得る。第2の形態は、小PCB62bと呼ばれ、搬送フレーム40における1x4個の開口42を覆う大きさの面積を有するPCBを含み得る。基部板58の形状に起因して異なる形態が必要とされ、それらは
図10により明瞭に見られる。基部板58は全体的に正方形の形状であるが、基部板58の各隅部には空隙または空所が存在する。したがって、
図13に示されるように、大PCB62aは、基部板58の主たる正方形の領域を覆うために使用され、一方で、小PCB62bは、基部板58のより短い4つの外側縁部領域のそれぞれを覆うために使用される。したがって、2つの異なるPCBの形態は、同じ機能を果たすものである。しかし、それらの異なる構造は、基部板58が制御システム60によって完全に覆われることを確実にする。PCB62のこの配置は、可能な限り少ない種類の形態および少ない個別のPCBを使用して基部板58の全領域を覆う、効率的な方法である。複数のPCB62は、電線を使用して互いに接続される。示された例では、電線は、コネクタ脚52に通されており、コネクタ脚52は、電線が整理されて邪魔にならずに保持されることを確実にするために、輪の形態をしている。しかし、示されていない他の例では、電線は、別の方法で配置されることがあり、例えば、電線は、チャネル内に設置され得る。
【0109】
制御システム60は、搬送フレーム40の下に位置する主電源に接続される。具体的には、各PCB62は、電源ユニット(PSU:power supply unit)に接続される電源インレットを備える。したがって、各搬送フレーム40に対して1つのPSUが存在する。
【0110】
前述のように、各コンベヤモジュール2は、複数のコンベヤモジュール2で構成された移送表面を形成するために、
図14に示されるように搬送フレーム40における開口42に挿入されるように設計されている。各コンベヤモジュール2は同一であるので、複数の同一のコンベヤモジュール2を使用して移送表面を形成することにより、全体的な製造費用が削減される。加えて、各コンベヤモジュール2内の全ての全方向車輪4が同じ方向を指しており、また、各コンベヤモジュール2が車輪4を駆動するために1つだけのモータ20を有するので、各コンベヤモジュール2は、作製するのが比較的安価である。
【0111】
具体的には、コンベヤモジュール2は、開口に容易に挿入されるように、また、開口42から容易に取り外されるように、設計される。言い換えれば、コンベヤモジュール2と搬送フレーム40との間には、固定されたまたは恒久的な接続が存在しない。代わりに、コンベヤモジュール2は、必要とされるときに開口42に挿入され、その後、必要とされなくなったときに、または交換もしくは修理のために、開口42から取り外され得る。このようにして、コンベヤモジュール2は、開口42内に固定して取り付けられるのではなく、開口42内に解放可能に取り付けられるものと考えられ得る。必要になり次第コンベヤモジュール2を挿入および取外しする能力は、「プラグアンドプレイ」と呼ばれ得る。
【0112】
コンベヤモジュール2は、コンベヤモジュール2が搬送フレーム40の開口42に挿入されたときにコンベヤモジュール2の制御機構28が搬送フレーム40の制御システム60と、具体的にはPCB62と、自動的に接続するように、設計される。したがって、これは、コンベヤモジュール2が搬送フレーム40の開口42に挿入されたときにコンベヤモジュール2の制御機構28が搬送フレーム40の制御システム60との接続を介して主制御システムと自動的に接続することになる効果を有する。
【0113】
搬送フレーム40へのコンベヤモジュール2の挿入に応じて搬送モジュール2と搬送フレーム40との間に電気的接続を自動的に確立することは、搬送フレーム40へのコンベヤモジュール2の挿入に応じて搬送モジュール2と主制御システムとの間に電気的接続が自動的に確立されることを意味する。
【0114】
搬送フレーム40の下側上の各PCB62は、PCB62の上方の複数のコンベヤモジュール2に接続されるだけでなく、PCB62の下方の主電源および制御システムに接続される。このようにして、各コンベヤモジュール2は、搬送フレーム40のPCB62を介して主電源および制御システムに接続される。
【0115】
コンベヤモジュール2の設計、ならびに搬送フレーム40の下側上の接続および電力供給のための大PCB62の提供により、各コンベヤモジュール2を搬送フレーム40の開口42内に簡単に「落とす」ことができ、コンベヤモジュール2は、PCBの形態をしたそれ自体の制御機構を中央制御システムに接続する。この「プラグアンドプレイ」取付けシステムは、万一既存のコンベヤモジュール2が故障した際にコンベヤモジュール2を非常に迅速に交換することを可能にし、したがって、維持管理の費用を減少させる。
【0116】
次に、プラグアンドプレイ解決策を促進するいくつかの特徴について論じる。
【0117】
少なくとも
図3~
図7のいずれかで分かるように、制御機構28は、コンベヤモジュール2のハウジング6を越えて延在する部分29を備える。シュート30もまた、コンベヤモジュール2の主なハウジング6を越えて延在する。
【0118】
図14aで分かるように、各開口42は、2つのスロット、すなわち1次スロット64および2次スロット66を備える。1次スロット64および2次スロット66のどちらも、実質的に長方形の形状である。一般に、1次スロット64は、2次スロット66よりも大きい。各開口における1次スロット64および2次スロット66は、
図10に示されるような基部板58におけるスロット64、66に対応する。
【0119】
図14cで分かるように、コンベヤモジュール2が開口42に挿入されるときに、制御機構28の延長部分29は、基部板58における2次スロット66に挿入されるように配置される。具体的には、コンベヤモジュール2の制御機構28の各延長部分29が、搬送フレーム40のPCB62上のPCI接続インターフェース61によって受け入れられる。延長部分29は、雌PCIコネクタ61に入り込み、この雌PCIコネクタ61は、基部板58の下方に取り付けられたPCB62から上方にコンベヤモジュール2に向かって延在する。コンベヤモジュール2が開口42に挿入されるときに、延長部分29は、PCB62上のPCIコネクタ61に滑り込み、したがって、コンベヤモジュール2の制御機構28を搬送フレーム40の制御システム60に接続する。
【0120】
コンベヤモジュール2上のPCBの形態をした制御機構28、ならびに搬送フレーム40上の対応するPCB62およびPCI61接続部の使用は、各コンベヤモジュール2を互いに独立的に制御しかつ電力供給する能力を提供する。電線に基づくシステムではなくPCBを使用することは、よりコンパクトなシステム、および、より迅速な組立プロセスをもたらす。さらに、多数の配線を外す必要なしにコンベヤモジュール2を搬送フレーム40におけるその対応する開口42から簡単に持ち上げることができるので、コンベヤモジュール2および搬送フレーム40の両方の維持管理は、遙かに簡単である。
【0121】
加えて、コンベヤモジュール2が開口42に挿入されるときに、シュート30は、
図14bで分かるように、基部板58における1次スロット64に挿入されるように配置される。基部板58を通って延在するシュート30はコンベヤモジュール2を搬送フレーム40の開口42内に係留するように働くので、上記のことは重要である。具体的には、シュート30は、コンベヤモジュール2を開口42内で正確に位置合わせするのに役立ち、これは、PCB62上のPCI接続部61との延長部分29の正確な位置合わせを確実にするのに役立つ。具体的には、シュート30は延長部分29よりもハウジング6からさらに離れるように延在するので、コンベヤモジュール2が開口42に挿入されるときに、シュート30は、最初に基部板における1次スロット64に挿入されて、正確な位置合わせを確実にする。コンベヤモジュール2がさらに開口42に挿入されるにつれて、延長部分29は、搬送フレーム40のPCB62と接続する。
【0122】
延長部分29の前に基部板58に挿入されるシュート30を有することにより、搬送フレーム40および主制御システムとの電気的接続がなされる前に、開口42内でのコンベヤモジュール2の正確な位置決めが達成される。これは、コンベヤモジュール2の挿入中に電気構成要素に損傷を与える可能性を低下させるとともに、良好な電気的接続がなされることを確実にする。したがって、基部板における1次スロット64は、位置合わせスロット64と考えられてもよく、2次スロット66は、接続スロット66と考えられてもよい。
【0123】
図14bで分かるように、シュート30もまた、PCB62における対応するスロットを通って延在し、そのため、開口部32は、PCB62を通過する。シュート30の機能は、塵および水がコンベヤモジュール2のハウジング6の内側から外側へ流れ出ることを可能にすることであるので、上記のことは必須である。したがって、シュート30は、排出される塵および水がPCB上に堆積せずまた電気構成要素のいずれとも接触しないことを確実にするために、PCB62を貫通して延在しなければならない。電気構成要素と接触し得るいかなる水も短絡をもたらす可能性があり、そのような短絡は構成要素に損傷を与える可能性があり、また、潜在的な火災の原因であるので、上記のことは重要である。
【0124】
開口42内でのコンベヤモジュール2の正確な設置をさらに促進するために、コンベヤモジュール2のハウジング6は、例えば
図4に示されるように、フランジ68の対を備える。フランジ68は、ハウジング6の両側に実質的に互いに向かい合って位置する。各フランジ68は、ハウジング6の側面の長さに沿って延在する。コンベヤモジュール2が開口42に挿入されたときに、フランジ68は骨組44に当接して、コンベヤモジュール2が開口42にさらに挿入されるのを防ぐ。具体的には、各フランジ68は、骨組44の板46、48、50、54、56の頂面の上に載る。これは、制御機構28の延長部分29が制御システム60のPCI接続部61に正確に挿入されて良好な電気的接続を確実にすることを保証するのに役立つ。フランジ68はまた、骨組44内でハウジング6を支持することができ、そのため、フランジ68は、支持部材と考えられてもよい。フランジは、骨組44上のコンベヤモジュール2の重さを支えるように働く。
【0125】
論じられるように、フランジ68は、一般に、4つの側部全てにではなく、ハウジング6の2つの対向する側部上にのみ位置する。ハウジング6は、全体的に正方形の形状を有する。しかし、上蓋8は、全体的に長方形の形状を有する。フランジの対は、上蓋8の短い方の側部に対応するハウジング6の側部上に配置される。具体的には、上蓋8は、
図6に示されるように、フランジ68の上に延在するように配置される。フランジ68の上に延在する上蓋8を有することにより、隣接するコンベヤモジュール2が開口42への挿入または開口42からの取外し中に互いに引っ掛かる可能性が低くなる。
【0126】
コンベヤモジュールはまた、ハウジング6の周囲を囲んで延在する軌道70を備え、この軌道70は、
図5に部分的に見ることができる。軌道70は、フランジ68の下方に位置する。軌道70は、弾性的に変形可能な1本の材料を受け入れる形状となされる。材料はまた、軌道70の形状に従うことができるように、柔軟である。適切な材料の例は、発泡体またはゴムを含む。材料は、軌道70の全長に沿って軌道70に挿入されて、コンベヤモジュール2が開口42内で位置決めされたときにコンベヤモジュール2のハウジングと骨組44の板との間に締まり嵌めを提供するように働く。材料は、ハウジング6と板との間の任意の空間を満たして、開口42内でのコンベヤモジュール2の側方移動を防ぐ。不要な側方移動を防ぐことは、安定した電気的接続を確実にすることおよび構成要素の損傷を防ぐことのために、重要である。
【0127】
搬送フレーム40からのコンベヤモジュール2の取外しを促進するために、いくつかのコンベヤモジュール2は、
図18に示されるような少なくとも1つの磁性部分5を含む。磁性部分5は、電磁石を備える取外しデバイスが電磁石とコンベヤモジュール2上の少なくとも1つの磁性部分5との間の相互作用を通じてコンベヤモジュール2を搬送フレーム40から取り外すことを可能にする。
図18に示された例では、磁性部分5は、コンベヤモジュール2の上部外表面上に位置していると考えられ得るように、コンベヤモジュール2のハウジング6の上蓋8内に位置し、その結果、磁性部分5は電磁石によって容易にアクセス可能であり、そのことが、電磁石によるコンベヤモジュール2の取扱い、具体的にはコンベヤモジュール2の挿入および搬送フレーム40からの取外しを促進する。
【0128】
図18で分かるように、コンベヤモジュール2は、複数の磁性部分5を備え、この場合では4つの磁性部分5を備える。この例では、磁性部分5は、上蓋8の開口10の両側に位置している。コンベヤモジュール2と取外しデバイスの電磁石との間の複数の磁性接触点5が、搬送フレーム40からのコンベヤモジュール2の安定した取外しを促進する。
【0129】
1つまたは複数の磁性部分5は、上蓋8内、例えば上蓋8における凹部内に位置する金属板の形態をとる。
【0130】
図15は、移送表面または搬送表面を形成するために複数のコンベヤモジュール2で満たされた搬送フレーム40を示す。
図15および
図16で分かるように、搬送フレーム40の各隅部に空所72が存在する。空所72は、追加の構成要素のための支持構造(図示せず)を受け入れるためのものであり、追加の構成要素の例は、後で説明される。
【0131】
コンベヤモジュール2は、交互になるパターンまたはチェス盤様のパターンで搬送フレーム40に挿入され、このパターンは、
図16に最も明瞭に見られる。交互になるとは、搬送フレーム40を上方から見たときにコンベヤモジュール2内の全方向車輪4が前後に駆動される方向に配置されるのと左右に駆動される方向に配置されるのとの間で交互に並ぶことを意味する。コンベヤモジュール2内の全方向車輪4の駆動方向は、コンベヤモジュール2の長手軸線と見なされ得る。したがって、コンベヤモジュール2の交互配置は、複数のコンベヤモジュール2の長手軸線が0度に位置合わせされるのと90度に位置合わせされるのとの間で交互に並ぶことを意味し、位置合わせの角度は、上方から見たときの搬送フレーム40に対して定められる。したがって、
図16に示されるように、0度に位置合わせされた全方向車輪は、搬送フレーム40に沿って上下に配向されていると見なされてよく、90度に位置合わせされた全方向車輪4は、搬送フレーム40にわたって左右に配向されていると見なされてよい。
【0132】
基部板58におけるスロット64、66の配置は、コンベヤモジュール2のこの交互配置を促進する。すでに論じられたように、また、
図10に示されるように、基部板58における1次スロット64および2次スロット66は、コンベヤモジュール2の異なる構成要素をそれぞれが受け入れるので、大きさが異なる。具体的には、シュート30を受け入れるための1次スロット64は、制御機構28の部分29を受け入れるための2次スロット66よりも大きい。これは、シュート30および延長部分29が1次スロット64および2次スロット64、66と係合可能であるように、各コンベヤモジュール2が1つの配向においてのみ開口42に挿入され得ることを意味する。
図10に示されるように、各開口42におけるスロットは、1つの開口のスロットが0度に位置合わせされ、隣接する開口のスロットが90度に位置合わせされる、交互パターンで配置される。これは、コンベヤモジュール2が搬送フレーム40に挿入されたときに基部板スロット64、66の配向の結果として自動的に交互になる態様で配置され、そのためコンベヤモジュール2を正しくない配向で搬送フレーム40に挿入することが不可能なはずであることを意味する。
【0133】
前述のように、全方向車輪4は、任意の他の車輪付きデバイスと同様に、車輪4により物体が前後に押されることを可能にする。しかし、車輪4の可動セグメントは、物体が車輪4上で左右に受動的に転動することを可能にする。
【0134】
コンベヤモジュール2における全方向車輪4の使用の結果として、搬送フレーム40におけるコンベヤモジュール2の交互パターンは、互いに90度の関係で位置合わせされた少なくとも2つの全方向車輪4と物体が接触している限り、任意の物体を任意の方向に自由に移動させることができる。
【0135】
各コンベヤモジュール2は1つの方向に被駆動力を提供することができるので、隣接するコンベヤモジュール2間で前後に交互する90度の回転を伴って多数のコンベヤモジュール2が一緒に配置されたときに、得られる移送表面は、x方向およびy方向の両方、ならびにそれらの任意の和において被駆動力を印加することができる。例えば、x方向における移動は、x方向を「指す」全方向車輪4のみを駆動することによって達成することができ、斜め方向の移動は、物体の下の全ての全方向車輪4を回転させることによって達成することができる。したがって、どの時点でも全てのコンベヤモジュール2が駆動される必要があるとは限らない。代わりに、小包の移動をもたらすのに必要とされるコンベヤモジュールだけが作動される。これは、
図17に示されている。
【0136】
図17は、搬送表面上の2つの小包を表している2つの輪郭線A1、A2を示す。一方の正方形Bのセットは、横方向の移動(頁にわたって左右)を適用することができ、一方で、交互パターンにおける他方の正方形Cのセットは、縦方向の移動(頁に沿って上下)を適用することができる。第1の小包A1は、駆動される横方向の正方形Bにより横方向に移動され、かつ、縦方向の正方形Cの上を受動的に移動している。第2の小包A2は、正方形BおよびCの両方によって適用される被駆動力の和の結果として斜め方向に移動される。
【0137】
搬送フレーム40は、基本的に、各コンベヤモジュール2の全方向車輪4を互いに独立的に制御することが可能な全方向駆動装置として働く。つまり、任意の1つのコンベヤモジュール2の全方向車輪4の動きは、任意の他のコンベヤモジュール2の全方向車輪4の動きから独立している。言い換えれば、全方向車輪4は、同時に全てが作動して動作する必要はなく、どの時点でも、小包の移動をもたらすのに必要な車輪のみが、駆動されることを必要とする。これは、移送表面上の小包の精密かつ個別的な制御を可能にする。
【0138】
交互する格子様のパターンを形成するための搬送フレーム40におけるコンベヤモジュール2の特定の配置は、隣接する(縦方向および横方向の両方において隣接する)コンベヤモジュール2間の空間が比較的狭く、そのため全方向車輪4間の距離も短いことを意味する。これは、移送表面全体にわたって比較的高密度の全方向車輪4が存在することを意味する。それにより、小包の移動が調整され得る前、例えば小包の進行方向が変更される前に、小包が長距離を移動する必要がないので、高い移動精度がもたらされる。さらに、コンベヤモジュール2の比較的高い密度は、対応する全方向車輪4間の短い距離とともに、より小さな小包を移送表面上であちこち移動させられることを意味する。
【0139】
移送表面上の小包の特定の移動をもたらすための全方向車輪4の特定の制御は、最終的には、搬送フレーム40の制御システム60を介して制御機構28に命令を送る主制御システムによって行われる。
【0140】
搬送フレーム40の制御システム60は、主制御システムに接続され、主制御システムは、搬送システムの搬送フレーム40およびコンベヤモジュール2の全体的な制御を有する。制御システム60のPCB62は、イーサネット接続を使用して主制御システムと通信する。制御システムの各PCB62は、イーサネットケーブルを有し、複数のイーサネットケーブルは、主制御システムに送られる主イーサネットスイッチに組み合わせられて、LANネットワークを作り出す。LANネットワークおよび関連するイーサネットプロトコルは、中央制御システムと制御システム60との間の通信の効率的かつ拡張可能な手段である。
【0141】
制御システムは、全体的な計画システムの一部分を形成する。一般に、計画システムは、搬送システムを通る小包の移動を制御して小包がそれらの最終目的地に到達するのを確実にするシステムである。
【0142】
計画システムは、情報取得システム、処理システム、および主制御システムを含む。情報取得システムは、小包から小包情報を得るようになされており、ここで、小包情報は、小包の宛先位置を含む。処理システムは、走査位置から宛先位置までの小包の経路を決定するように構成される。主制御システムは、前述の搬送システムと通信するように構成され、ここで、主制御システムは、小包が回転可能要素の回転を通じて走査位置から宛先位置までの決定された経路に沿って実質的に平坦な表面にわたって移動されるように、コンベヤモジュールの駆動機構を制御するように構成される。さらなる詳細が、以下で提供される。
【0143】
各小包の最終目的地を判定するために、各小包は、最初に計画システムに入れられることを必要とする。小包がシステムに入れられると、小包に関連する情報、例えば小包のIDおよびその最終目的地を読み出すことができ、それらの情報は、小包がその最終目的地まで移送表面にわたって移動するための経路を計画するために、計画システムによって使用され得る。
【0144】
したがって、各個別の小包に何をすべきかを計画システムが知るために、小包は、識別されて、顧客によって提供されたデータベース内の小包と整合される必要がある。これは、取得システムを使用して小包に関する情報を得ることによって行われる。いくつかの例では、取得システムは、走査システムの形態をとる。この場合、走査システムは、小包上のバーコードを走査し、顧客によって提供されたデータベース内のコードを検索する。
【0145】
具体的には、開始位置において移送表面上に小包を置くことによりシステム上に新たな小包が置かれると、小包は、移送表面を構成する全方向車輪4により走査領域へ駆動または移動される。小包が走査領域に到達すると、小包上のバーコードが走査される。これは、バーコードスキャナまたはカメラなどの任意の適切な撮像装置を使用して行われ得る。
【0146】
走査システムは、様々な位置に位置決めされかつ様々な方向を指す、複数の走査装置を備える。これは、走査システムが小包上のどこかにあるバーコードを識別しかつ走査することを可能にする。具体的には、走査領域では、走査装置は、小包の頂部にあるバーコードをキャプチャするために、走査領域の上方に位置して下方を指す。走査装置はまた、小包の側面上のバーコードをキャプチャするために、水平方向周囲の周りに位置決めされて、この周囲によって画定される領域の中心に向かって内方を指す。いくつかの走査装置は、小包の下側上に存在するバーコードをキャプチャするために、移送表面上に位置決めされて上方を指す。
【0147】
次いで、バーコードが見つけられて走査されると、計画システムは、顧客によって提供された小包のデータベースを検索して、バーコードからその小包に整合するコードを見つけ出す。
【0148】
情報取得システムの例として走査システムが提供されているが、他のシステムも使用され得る。例えば、場合によっては、計画システムは、新たな小包に関する情報を外部ソースから受信することができる。この場合、情報取得システムは、小包を識別して顧客によって提供されたデータベースにおける小包と整合させるために小包に関する情報を受信するようになされた処理デバイスまたは計算デバイスであり得る。
【0149】
小包が識別された後、計画システムはまた、データベースを使用して小包の最終目的地を調べることができ、その結果、計画システムは、それに応じて小包の動作および移動を計画することができる。
【0150】
小包の移動は、処理システムによって決定される。処理システムは、小包およびその移動を観察するための観察システムと、小包が移送表面にわたって取る経路を決定するための計画システムとを含む。
【0151】
一般に、計画システムは、システムにおける全ての小包のための移動ステップを決定するために、機械学習アルゴリズムを使用する。これは、アルゴリズムがシステムの物理的構成(例えば、フロアの幾何形状、フロアの数)、運転パターン、移動されている他の小包の数、ならびに小包の大きさおよび形状を考慮に入れて、展開されたシステムごとにアルゴリズム自体を最適化するという利点を有する。
【0152】
観察システムは、小包が移送表面にわたって移動するときに小包を検出しかつ追跡することができる複数のビデオカメラを備える。複数のビデオカメラは、移送表面の上方に設置されて、移送表面を見下ろす。全体的なシステムの移送表面は、一般に、所望の全体的な移送表面の形状を構築するために隣同士に配置された複数の搬送フレームで構成される。一般に、各移送モジュールの上方にいくつかのカメラが存在する。ビデオカメラからのビデオストリームは、カメラからストリームを見るために、また、フィード内の小包を検出して引き続き追跡するために、ソフトウェアアルゴリズムによって使用される。
【0153】
観察システムおよび計画システムは、他の小包および障害物を回避しながら小包を移送表面にわたってその最終目的地へ送るために、処理システムとして一緒に機能する。計画システムは、小包のための移動シーケンスを計画し、このシーケンスは、適切な命令をコンベヤモジュール2に送信して全方向車輪4の動きを制御することによって実行される。計画された移動シーケンスは、動作モードによって決定される。1つの例示的な動作モードは、「シーケンシング」と呼ばれ、この場合、小包は、それらが所望の順序/シーケンスにおいて移送表面の上に載るまであちこち移動される。この動作は、小包が1つずつシステムから取り出されて、トラックが送達経路を通過しているときの荷下ろしの順序にトラック内での配置の順序が整合するように小包がトラック内に配置される前に、行われ得る。
【0154】
主制御システムは、観察システムからの観察データを使用して小包の移動を制御する総合ソフトウェアシステムである。制御システムは、各小包の所望の状態(位置および回転)を入力として取り入れて、小包をその所望の状態に向かって移動させる一連の制御命令を作り出す。これを行っている間、制御システムは、移動の軌跡における誤りをチェックするために観察システムからランタイムデータを使用し、必要な場合には調整命令を作り出す。
【0155】
各移動命令は、ベクトルの形態[線速度、角速度]で最初に表現され、ここで、各ベクトルは、小包が特定の時間ステップ中に有するべき線速度および角速度を表す。次いで、各小包に対してベクトル場が作られ、このベクトル場は、命令としてコンベヤモジュール2に適用されたときに、所望の線速度および角速度をもたらす。最後に、ベクトル場は、小包直下のコンベヤモジュール2にのみ適用される(ここで、各小包の下にどのコンベヤモジュール2があるかを判定するために、観察データが再度使用される)。
【0156】
最後に、各全方向車輪4は横方向または縦方向の力場要素しか生成することができないので、各コンベヤモジュール2に送信される制御信号は、その特定のコンベヤモジュール2上の全方向車輪4の方向に平行な場要素のベクトル成分のみを表す。例えば、適用されるべき一様なベクトル場が[2、1]である場合(横方向における2、および縦方向における1を意味する)、2の制御信号は、横方向に力を印加することができる全てのコンベヤユニット2に送信され、1の制御信号は、縦方向に力を印加することができる全てのコンベヤユニット2に送信される。最終的に、制御信号のこの数字は、実際のRPMに変換される(そのため、2は、時計方向における最大RPMを表すことができ、1は、時計方向における最大RPMの50%を表すことができ、-2は、反時計方向における最大RPMを表すことができる)。
【0157】
次に、計画システムを動作させる全般的なステップについて簡単に説明する。
【0158】
第1に、小包が移送表面上に置かれる。これは一般に、移送表面上の開始位置において行われる。次いで、小包は、小包を全体的なシステムに入れるために、観察システムによって直ちに撮像され検出される。次いで、検出された小包は、システム内で識別されて追跡され得るように、IDを割り当てられる。IDは、同時に移送表面上にある2つの小包が同じIDを有することがないように、割り当てられる。例えば小包の現在位置および寸法といった小包に関する関連情報を含む「小包インスタンス」が作られる。計画システムは、新たな小包について知らされ、その小包を移動させるための命令が作り出される。第1の移動命令は、典型的には、走査システムがバーコードを使用して小包の最終目的地を識別することができるように、また、その後で計画システムがそれに応じて小包の移動を計画することができるように、小包を走査領域へ送るためのものである。
【0159】
小包が移送表面に沿って移動するときに、観察システムは、ビデオカメラによってキャプチャされた以前のタイムフレームからの位置情報を使用し、その位置情報を現在のタイムフレームにおける位置情報と比較することにより、小包を追跡する。移送システムに沿って小包を追跡するために使用される位置情報は、xy座標、小包の寸法、および移送表面所の小包の向きを含む。
【0160】
現在のフレームからの検出を以前のフレームにおいて識別された小包と整合させるために使用されるいくつかの前提は、以下の通りである。
i)小包が2つのフレーム間で理に合わない距離を移動したはずがない(2つのフレーム間の時間は、典型的には1秒の1/20の範囲内である)。
ii)小包が2つのフレーム間でその角度を理に合わない量だけ変化させたはずがない。
iii)小包がその存続期間を通して同じ寸法を有する。
iv)小包の移動ベクトルが、与えられた移動命令と相関し、これは、小包が左に1cm移動される命令を与えられたときに右に1cm移動していることが全くありそうにないことを意味する。
【0161】
すでに論じられたように、移送表面の物理的表面は、小包の検出をより容易かつより精密にする、チェス盤様のパターンを有する。これは、チェス盤パターンがどのようなものであるかを計画システムが理解しているという事実、および、このパターンが表面上でいつでもどこでも同じであるという事実によるものである。したがって、システムはパターンの規則性を使用して表面上の物体をより良く検出することができるので、このパターンを有する表面上の物体を検出することが、より容易になる。
【0162】
前述のように、また、
図15および
図16を参照すると、搬送フレーム40は、複数の追加の構造を受け入れるために、複数の空所72、および各搬送フレーム40の隅部を備える。場合によっては、空所72は、観察システムのビデオカメラのための取付け構造を受け入れることができる。
【0163】
他の例では、第2の移送表面が、第1の層の上方に位置する搬送フレーム40の第2の層を備えて存在し得る。この場合、空所は、搬送フレームの第2の層が支持される支持構造を提供する。
【0164】
搬送フレームの複数の層を備える計画システムでは、小包が異なる層間を移動することを可能にするために、1つまたは複数のエレベータモジュールが存在する。エレベータモジュールは、上下に垂直に移動することができる搬送フレームである。これは、空所72においてラックアンドピニオンシステムなどの機械的エレベータシステムを用いることによって達成される。この例では、4つのレールが空所72のそれぞれに配置され、各レールは、レールの垂直方向長さに沿ってラックを有する。エレベータモジュールは、ラックに接続される対応する歯車を有する4つのモータを含むであろう。
【0165】
モータの作動により、歯車が回転してエレベータを上下に移動させる。さらに、この例では、移送モジュールはまた、レール上に取り付けられるいくつかのローラを有する。これらのローラは、位置合わせおよび安定性を提供して、エレベータモジュールが常にレール上に正確に位置し、歯車がそれらのラックと良好に接触し続けることを確実にする。
【0166】
多レベル計画システムは、複数の利点を有する。第1に、得られるシステムは、高度にモジュール式である。搬送フレームが1つのレベルに存在するどの時点においても、任意の既存のレールの上に新たなレールのセットを単純に置くことにより、新たなフロアまたはレベルが追加され得る。一部の大型の多層システムは、ラックアンドピニオンの代わりにケーブルに基づくエレベータシステムを使用し得る。
【0167】
第2に、得られるシステムは、2つのエレベータモジュールが同じ垂直コラム内に設置されることを容易に可能にし、つまり、2つのエレベータモジュールが同じ昇降システムを使用して動作するが、エレベータモジュールが互いに独立して動作することを可能にする。
【0168】
要約すると、計画システムは、ハードウェアおよびソフトウェアの側面を備える。ハードウェアは、主として、小包をあらゆる方向に自由に移動させることができる表面をそれぞれが有する、複数の搬送フレームで構成される。この表面は、全方向コンベヤベルトと呼ばれることがある。場合により、ハードウェアは、移送表面を上下に移動させるための複数のエレベータモジュールを含み得る。いくつかの搬送フレームが積み重ねられてもよく、エレベータモジュールが、異なるフロアを互いに接続する。コンベヤモジュールおよび移送モジュールの両方が、あらゆる方向に一緒に積み重ねられ得るように設計され、したがって、任意の表面領域を覆いかつ任意の量のフロアを有し得るシステムの形成を可能にする。次いで、小包は、コンベヤモジュールを使用して各フロア上で自由に移動することができ、また、エレベータモジュールを使用してフロア間を自由に移動することができる。包括的なソフトウェアシステムが、ビデオカメラを使用して、小包を検出し追跡する。ソフトウェアシステムはまた、小包の移動を計画し、適切な移動制御ルーチンおよび手順を実施する。
【0169】
計画システムは、小包を自由に、場合によっては3次元において移動させることができる、モジュール式全方向コンベヤベルトシステムである。システムは、多数の小包を伴う複雑な仕分け、保管、回収、および他の動作シーケンスを同時に並行して行う能力(同じ空間における動作の並列実行)を有する。
【0170】
上記の説明は、移送表面上で物体を搬送するための例示的な搬送システムに関する。以下では、搬送システムの構成要素のうちの少なくともいくつかの代替的な例が説明される。いずれの代替的な構成要素も、すでに説明されたような搬送システムを構成するために、すでに説明された任意の構成要素との組合せで一般に使用され得ることが、理解されるであろう。例えば、代替的なコンベヤモジュールが、代替的な搬送システムを提供するために、すでに説明された搬送フレームとともに使用され得る。以下の論述は、コンベヤモジュールの様々な変更形態に関する。
【0171】
コンベヤモジュール102の代替的な例が、
図19に全体的に示されている。一般に、このコンベヤモジュール102は、このコンベヤモジュール102が、1つの方向において小荷物に力が印加されることを可能にする一方で小荷物が縦方向において全方向車輪104上を受動的に転動することも可能にするための作動全方向車輪104の形態の回転可能要素を含む単一ユニットであるという点において、すでに説明され例えば
図1に示されたコンベヤモジュール2と機能的に類似している。
【0172】
前述のように、このコンベヤモジュールは、ハウジング106、(
図20に示されるような)モータ120および歯車118、ならびにPCBの形態をした制御機構128を備える。そうでないことが述べられていない限り、これらの構成要素は、すでに説明されたものと実質的に同じである。両方の例示的なコンベヤモジュールに共通する特徴および構成要素は、再度説明されない。
【0173】
再度
図19に目を向けると、ハウジング106の設計は、ハウジング106の複雑さを低減するために修正されている。これまでは、モータ20および制御機構28は、例えば
図4に示されるように、ハウジング6の内側に配置されていた。この代替的な構成では、ハウジング106は大きさを縮小されており、その結果、モータ120および制御機構128は、もはやハウジング106によって囲まれていない。代わりに、モータ120、および制御機構128の少なくとも一部分は、ハウジング106とは別体のケーシング107内に位置している。これは、コンベヤモジュール102の分解組立図を示す
図20に示されており、ケーシング107は、ハウジング106とは別体の構成要素である。したがって、モータ120および制御機構128は、ハウジング106内に直接設置されない。代わりに、これらの構成要素は、ハウジング106から独立している。すでに説明された例と同様に、モータ120は、
図20に示された複数の歯車118と一緒に駆動機構の一部分を形成する。したがって、この例では、駆動機構の少なくとも一部分は、ケーシング107内に位置している。
【0174】
図21は、ケーシング107をより詳細に示す。図に示すように、ケーシング107は、全体的に円筒形のボディ109を備え、このボディ109は、駆動機構、特にモータ120の少なくとも一部分が内側に設置されてケーシング107の円筒形のボディ109によって全体的に囲まれることを可能にするために、一方の端部に開口部111を有する。ケーシング107はまた、
図21に示されるように、制御機構128の少なくとも一部分を受け入れるためのチャネル113を備える。具体的には、ケーシング107は、制御機構128のプリント回路板を少なくとも部分的に収容する。
【0175】
モータ120などの駆動機構の一部分および制御機構128の一部分をハウジング106とは別体のケーシング107内に設置することにより、モータ120および制御機構128の両方へのより容易なアクセスが実現して、これらの構成要素の速やかな交換が可能になる。この利点は、少なくとも、ケーシング107がハウジング106の外部にありハウジング106とは独立してアクセス可能であることを示す
図19から分かる。
【0176】
ケーシング107は、かみ合い機構115を使用してハウジング106に固着され得る。一般に、かみ合い機構は、ケーシング107上に位置する第1のフック形突出部115aの形態の第1のかみ合い部材と、ハウジング106上に位置する第2のフック形突出部115bの形態の第2のかみ合い部材とを備える。第1および第2のかみ合い部材115a、115bは、ケーシング107をハウジング106に解放可能に固着するために、互いに解放可能に係合するようになされている。
図22および
図23は、第1のフック形突出部115aがハウジング106上の対応する第2のフック形突出部115bとかみ合うように構成されている、ケーシング107を示す。ケーシング107をハウジング106に固着するのを支援するために、追加の固着手段も使用され得る。例えば、
図22および
図23は、ケーシング107をハウジング106に固着するために使用されるねじ117の形態をした追加の固着手段を示す。このようにして、ハウジング106は、ケーシング107の重さを少なくとも部分的に支えるようになされ得る。
【0177】
別体のケーシング107およびかみ合い機構115の使用により、ハウジング106の全体的な複雑さが低減され、それにより、製造費用および材料費用が削減される。前述のように、モータを覆ってモータを塵および損傷から保護するだけでなくハウジング内でのモータの移動を防ぐために、背板が必要とされた。さらに、モータ120を収容するためのケーシング107の使用により、背板の必要性がなくなり、全体的に部品がより少なくなることにつながる。製造するのがより安価であることの他に、全体的な部品がより少ないことにより、故障する可能性のある構成要素がより少なくなる。さらに、制御機構128を別体のケーシング107内に設置することにより制御機構128をハウジング106から隔離することは、制御機構128が故障した場合にハウジング106全体ではなくケーシング107の交換を可能にする。これは、コンベヤモジュール102の有効寿命を向上させる。
【0178】
前述の例に類似した態様で、この例の制御機構128は、部分129、特に制御機構128のプリント回路板の少なくとも一部分を含む遠位部分を備え、この部分129は、コンベヤモジュール2のケーシング107を越えて延在する。これは、例えば、
図21および
図22で分かる。前述のように、コンベヤモジュール102が搬送フレーム40の開口42に挿入されたときに、制御機構128の延長部分129は、コンベヤモジュール102の制御機構128を搬送フレーム40の制御システム60に接続するために、搬送フレーム40のPCB62上のPCI接続インターフェース61によって受け入れられる。
【0179】
PCB62上のPCI接続部61との延長部分129の正確な位置合わせを確実にするのをさらに支援するために、延長部分129は、
図24および
図25に示されるように面取り隅部119を備える。具体的には、面取り隅部は、延長部分129の遠位端部に位置する対向する隅部の少なくとも1つの対である。いくつかの例では、この設計は、わずかにテーパ付けされた形状を延長部分129に与える。面取り隅部119は、延長部分129の端部において延長部分129の幅を減少させ、そのため、この端部をPCI接続部61に挿入するときに必要とされる正確さが少なくなる。具体的には、面取り隅部119は、延長部分129がPCI接続部61に入らなくなるまでに、より程度の大きな位置ずれを許容する。面取り隅部119はまた、挿入中に隅部が別の構成要素に引っ掛かる可能性を低下させ、そのため、コンベヤモジュール102を搬送フレーム40に挿入することが、より迅速であるとともにより容易である。いくつかの例では、制御機構128は、テーパ付けされた端部を実質的に制御機構128の外周全体の周りに備える。
【0180】
制御機構128の費用および複雑さを低減するために、これまでは制御機構128の一部分を形成していたいくつかの電気構成要素が、搬送フレーム40のPCB62に移動され得る。例えば、
図24および
図25に示された設計のようないくつかの設計では、制御機構128は、(例えば、
図23に示されるように制御機構128とモータ120との間の電気的接続を提供するための)コネクタ63、および、電子装置の大きな部品を通過する電流スパイクを防ぐ働きをする2つのコンデンサ65のみを含み得る。電子装置の多くを制御機構128からPCB62に移動させることは、変更または機能向上が必要とされたときに制御機構128自体を再プログラミングするのを支援する必要性をなくすのに役立つ。
【0181】
いくつかの例では、搬送フレーム40は、例えば
図26に示されるようなソケット121を備え得る。ソケット121は、搬送フレーム40上の制御システム60の少なくとも一部分、具体的にはPCIコネクタ61を少なくとも部分的に覆うように構成される。ソケット121は、カバーの形態と見なされ得る。ソケット121は、PCIコネクタ61を(例えば、流体に起因する)損傷から保護するとともに、搬送フレーム40へのコンベヤモジュール102の挿入を促進するためのガイドとして働く。
【0182】
図27に示されるように、ソケット121は一般に、PCIコネクタ61を収容するための大きさおよび形状とされる。一般にフランジを備えるソケット121の基部131は、搬送フレーム40のPCB62に取り付けられる。ソケット121は、制御機構128の延長部分129がソケット121からPCIコネクタ61に挿入されて電気的接続を形成することを可能にするための開口部123を備える。開口部123は、全体的に漏斗の形状を有すると見なされてよく、漏斗形状は、PCIコネクタ61に向かってテーパしている。より詳細には、また、
図26および
図27に示されるように、ソケット121の開口部123は、複数の内部側面133を備え、内部側面133のそれぞれは、ソケット121内に収容されたPCIコネクタ61に向かって開口部123から内方にテーパする。したがって、開口部123は一般に、挿入方向においてPCIコネクタ61に向かって狭まる断面を有する。開口部123の形状は、逆ピラミッド型と呼ばれ得る。開口部123は、例えば
図28に示されるように、延長部分129をPCIコネクタ61に向かって案内するように働き、搬送フレーム40とのコンベヤモジュール102の接続を促進する。
【0183】
図19および
図20を振り返ると、また、前述の例と同様に、コンベヤモジュール102は、それを通って全方向車輪104が突出する上蓋108と、歯車118を覆うための側板125(歯車板とも呼ばれ得る)とを備える。
【0184】
上蓋108を側板125に取り付けるために、ハウジング106は一般に、上蓋108(これは一般に、ハウジング106の上部表面を形成している第1のハウジング部と考えられ得る)を側板125(これは一般に、駆動機構の少なくとも一部分を覆うための第2のハウジング部と考えられ得る)に取り付けるためのものであるロック機構を備える。ロック機構は一般に、第1のハウジング部上に設けられたロックタブを備え、このロックタブは、第2のハウジング部上に設けられたロック特徴と係合するように構成されている。より具体的には、
図29に示されるように、上蓋108は、上蓋108を側板125に接続するためのいくつかのロックタブ127を備える。ロックタブ127は、上蓋108の2つの隅部において1つの縁部に沿って位置し、全体的にL字形状のブラケット127aの形態をとる。ロックタブ127は、
図29に示されるように小さな突出部の形態をとる側板125上の対応するロック特徴127bを受け入れるための大きさおよび形状とされる。組立て中、
図30に示されるように、側板125上のロック特徴127bは、上蓋108上のブラケット127aに挿入され得る。上蓋108は、側板125を所定の位置に保持することを促進する。ロックタブ127の使用は、固定具数および組立て時間を減少させ、そのため、製品全体を製造する時間および費用が減少する。いくつかの例では、側板125をハウジング106に固定するために、ねじ(図示せず)も使用され得る。ロック機構は、第1および第2のハウジング部と一体である。このようにして、ロック機構は、別体の構成要素ではなく、そのため、個別の構成要素の総数が減少され、それにより製造費用が削減される。
【0185】
いくつかの発展形態では、駆動列および歯車は、運転雑音を減少させるほかに製造費用を削減するのに役立つPOMなどのポリマーで作られる。POMの使用はまた、接合する部品の表面摩耗を低減し、また、ポリマーの弾性特性により、クロスシャフトとモータシャフトとのより緊密な嵌合が確実にされ得る。したがって、精度および雑音の両方の観点から、改善される。
【0186】
図16に関連してすでに説明されたように、コンベヤモジュールは、交互になるパターンまたはチェス盤様のパターンで搬送フレームに挿入される。交互になるコンベヤモジュールにより実質的に滑らかな表面が作り出されることを保証するために、コンベヤモジュールが実質的に互いに接近して碁盤目状にくっつくことを確実にするためのいくつかの有利な特徴が設けられ得る。具体的には、上蓋108の外周は、
図31および
図32を参照して説明されるように、修正されている。
【0187】
上蓋108は、実質的に四辺形の外周を有し、具体的にはすでに論じられたように長方形の外周を有する。長さと比較して異なる幅を有する上蓋108をコンベヤモジュール102に提供することは、(例えば
図31におけるように上方から観察したときの)複数のコンベヤモジュール102の行および列が互いに対して移動するのを防ぐのに役立つ。さらに、長方形の形状の上蓋108を提供することにより、搬送フレーム40内での正しくない配向におけるコンベヤモジュール102の挿入が防がれる。長方形の上蓋108を有する各コンベヤモジュール102は、
図31で分かるように、2回の回転対称を有する。
【0188】
上蓋108は、実質的に上蓋108の隅部に位置する少なくとも1つの突出部143をさらに備える。突出部は一般に、実質的に三角形の隅部143の形態をとり、これは、
図32に最も明瞭に見られる。各三角形の隅部143は、物体または小荷物が隅部143に引っ掛かるかまたは絡みつくのを防ぐために、一点で終端するのではなく丸みを帯びた頂点を形成するように丸くされる。丸みを帯びた隅部143はまた、製造または設置中に個人に損傷を与えることが少ない。三角形の隅部143によって提供される上蓋108の表面領域のわずかな延長により、頂面に沿って印加されるいかなる力も、隣接するコンベヤモジュール102に向かって、この延長された領域にわたって分散され得る。
【0189】
図31に示されるように、各コンベヤモジュール102の上蓋108は、上蓋108の4つの隅部のそれぞれに位置する4つの三角形の突出部143を備える。これらの三角形の突出部143のそれぞれは、例えば
図32で分かるように、隣接するコンベヤモジュール102上の少なくとも1つの対応する三角形の突出部143と協働するための大きさおよび形状とされる。具体的には、4つのコンベヤモジュール102の4つの三角形の突出部143が、4つの三角形の突出部143、したがって4つのコンベヤモジュール102が互いに実質的に碁盤目状にくっつくように、協働するように配置される。この配置は、隣接するコンベヤモジュール102間の相対移動を最小限に抑えるのに役立つことができ、これは、物体を搬送することができるより安定した表面を提供するのに役立ち得る。
【0190】
各上蓋108は一般に、少なくとも1つの隣接する上蓋108と全体的に碁盤目状にくっつくための大きさおよび形状とされるが、例えば
図32に示されるように、隣接する上蓋108間に間隙147が残ることを確実にすることが有利であり得る。この間隙147は、構成中の、特に各コンベヤモジュール102を搬送フレーム40に挿入するときの、公差を考慮する。間隙147はまた、表面上に集まり得る流体および異物が開口10に関連してすでに説明されたのと同様の態様でコンベヤモジュール102を通過することを可能にし得る。
【0191】
図32にさらに示されるように、上蓋108の外周は、上蓋108の上面からコンベヤモジュール102の基部に向かってわずかなテーパ145を備える。このテーパ145は、コンベヤモジュール102の容易な設置をさらに促進する一方で、離型中に部品のための抜き勾配としての役割も果たす。加えて、テーパ付けされた周囲145は、表面上に集まり得る流体および異物が上蓋108の周囲に引っ掛かることなくコンベヤモジュール102を通過することをさらに促進することができる。
【0192】
例えば
図5に関連して前述されたように、コンベヤモジュールは、全方向車輪104が少なくとも部分的に存在するコンベヤモジュール102のチャンバ36内への通路34を有するシュート30を備える。チャンバ36は、コンベヤモジュール102の上蓋108における開口110と流体的に接続する。シュート30は、水および塵の排出システムとして働いて、開口110に入る塵および水がチャンバ36および通路34を通りシュート30の最下部における開口部32を介してシュート30から流れ出ることを可能にする。
【0193】
チャンバ36は、チャンバ36の本体と上蓋108との間の第1の開口部158、および、チャンバ36と通路34との間の第2の開口部159を備えると考えられ得る。
図33に示されるように(しかし、
図6にも同様に適用される)、全方向車輪104の少なくとも一部分が、第1の開口部158を通って延在する。上蓋108における開口110は、前述のように、全方向車輪104の少なくとも一部分がまた上蓋108における開口110を通って延在するように、全方向104のこの部分を受け入れる。上蓋108は、チャンバ36における第1の開口部158を少なくとも部分的に覆うように働く。
【0194】
チャンバ36は、ハウジング106の基部とも見なされ得る基部160を備える。
図33に示されるように、基部160は、全体的に下方に傾斜しており、第2の開口部159は、傾斜した基部160の最下部に位置する。貫通通路34は、第2の開口部159とシュート30の開口部32との間に延在する。開口110に入る塵および水がチャンバ36を通り通路34を介してシュート30から流れ出ることを可能にするので、チャンバ36は、上蓋108における開口110とハウジング106の基部160における第2の開口部159との間に延在する貫通通路37を形成すると見なされ得る。通路34およびシュート30は、ハウジング106から離れるように第2の開口部159から延在する。通路34およびシュート30は、貫通通路37の一部分と見なされてもよく、そのため、貫通通路37は、ハウジング106全体を貫通して延在する。
【0195】
傾斜した基部160は、塵および水がハウジング106の底部に留まるのではなくハウジング106から出て行くことを助長する。上蓋108と全方向車輪104との間からハウジング106に入ることができるがシュートを通って出て行くことができない異物によりコンベヤモジュールのハウジング106の内側が詰まるのを防ぐために、開口110の形状および大きさは、修正され得る。具体的には、開口110と全方向車輪104との間のクリアランスは、最大で3.2mmとすることができ、一方で、シュートは、5.8mmの幅を有することができる。細長い異物片に対しても同様の考慮がなされ、この場合、開口110と全方向車輪104との間の間隙を通り抜けることができる異物の最大長さは、53mmであり、これは、場合によっては、シュートの長さでもある。
【符号の説明】
【0196】
2 コンベヤモジュール、搬送モジュール、コンベヤユニット
4 全方向車輪
5 磁性部分、磁性接触点
6 ハウジング、コンベヤモジュールハウジング
7 底部
8 上蓋
10 開口
12 サブ車輪
12a 固定セグメント
12b 可動セグメント
13 溝
14 サブ車輪
14a 固定セグメント
14b 可動セグメント
16 車軸
18 歯車
20 モータ
22 チャネル
24 突出部
26 スロット
28 制御機構
29 部分、延長部分
30 シュート
31 接続点
32 開口部
34 通路、貫通通路
36 チャンバ
37 貫通通路
40 搬送フレーム
42 開口
44 骨組
46 支持板
48 1次内側板
50 コネクタ板
52 コネクタ脚
54 2次内側板
56 縁板
58 基部板
60 制御システム
61 PCI接続インターフェース、雌PCIコネクタ、PCI接続部、PCIコネクタ
62 PCB
62a 大PCB
62b 小PCB
63 コネクタ
64 1次スロット、位置合わせスロット
65 コンデンサ
66 2次スロット、接続スロット
68 フランジ
70 軌道
72 空所
102 コンベヤモジュール
104 全方向車輪
106 ハウジング
107 ケーシング
108 上蓋
109 ボディ
110 開口
111 開口部
113 チャネル
115 かみ合い機構
115a 第1のフック形突出部
115b 第2のフック形突出部
117 ねじ
118 歯車
119 面取り隅部
120 モータ
121 ソケット
123 開口部
125 側板
127 ロックタブ
127a ブラケット
127b ロック特徴
128 制御機構
129 部分、延長部分
131 基部
133 内部側面
143 突出部、隅部
145 テーパ、テーパ付けされた周囲
147 間隙
158 第1の開口部
159 第2の開口部
160 基部
A1 輪郭線、第1の小包
A2 輪郭線、第2の小包
【国際調査報告】