(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】制御チャネルのモニタに関与するユーザ機器および基地局
(51)【国際特許分類】
H04W 72/0446 20230101AFI20240719BHJP
H04W 72/232 20230101ALI20240719BHJP
H04W 8/22 20090101ALI20240719BHJP
【FI】
H04W72/0446
H04W72/232
H04W8/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505375
(86)(22)【出願日】2022-07-06
(85)【翻訳文提出日】2024-01-29
(86)【国際出願番号】 EP2022068657
(87)【国際公開番号】W WO2023006361
(87)【国際公開日】2023-02-02
(32)【優先日】2021-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クゥァン クゥァン
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】堀内 綾子
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067EE02
5K067EE10
5K067JJ13
(57)【要約】
本開示は、以下を備えるユーザ機器UEに関する。プロセッサは、モニタ機能を動作させるためのUEの能力を決定し、これには次の能力条件が含まれ、その能力条件は、1つまたは複数のスロットの長さを有するグループ化ウィンドウ内の時間スパンの2つの連続するグループ間の最小グループ時間ギャップに関する。送信機は、UEの能力条件を示す能力指示を基地局に送信する。受信機は、UEがダウンリンク制御チャネルをモニタする1つまたは複数のモニタ機会を含む、モニタ機能を設定するための情報を基地局から受信する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE)であって、
動作中、モニタ機能を動作させるための前記UEの能力を決定するプロセッサであって、前記モニタ機能は、ダウンリンク制御情報メッセージを受信する目的で1つまたは複数のモニタ機会においてダウンリンク制御チャネルをモニタするために前記UEによって動作させられ、
前記UEの前記決定された能力は、前記モニタ機能を動作させるためのUEの以下の能力条件を含み、
前記能力条件は、1つまたは複数のスロットの長さを有するグループ化ウィンドウ内の時間スパンの2つの連続するグループ間の最小グループ時間ギャップに関する、
プロセッサと、
動作中、能力指示を基地局に送信する送信機であって、前記能力指示は、前記モニタ機能を動作させるための前記UEの前記決定された能力に関する情報を含み、前記能力指示は、前記UEの前記能力条件を示す、送信機と、
動作中、前記UEにおける前記モニタ機能を設定するための設定情報を前記基地局から受信する受信機であって、前記設定情報は、前記UEが前記ダウンリンク制御チャネルをモニタする1つまたは複数のモニタ機会を設定する、受信機と、
を備える、UE。
【請求項2】
時間スパンは、前記ダウンリンク制御チャネルの1つまたは複数のモニタ機会を含むいくつかの連続するシンボルであり、各モニタ機会は、完全に1つの時間スパン内にあり、前記時間スパンは、モニタ機会の最初のシンボルから始まり、モニタ機会の最後のシンボルで終わる、
請求項1に記載のUE。
【請求項3】
前記最小グループ時間ギャップは、1つのグループ化ウィンドウの終わりと、後続のグループ化ウィンドウの始まりと、の間であり、
任意選択により、前記能力指示は、前記最小グループ時間ギャップの値および前記グループ化ウィンドウの長さを示し、または、前記能力指示は、前記グループ化ウィンドウの長さと、1つのグループ化ウィンドウの始まりおよび後続のグループ化ウィンドウの始まりの間の最小グループ時間間隔と、を示し、
任意選択により、前記プロセッサは、動作中、最小グループ時間ギャップとグループ化ウィンドウの長さとの複数の異なる組み合わせの中から、前記UEの前記能力に対応する1つまたは複数の組み合わせを決定し、前記送信機は、動作中、前記最小グループ時間ギャップと前記グループ化ウィンドウの長さとの前記決定された1つまたは複数の組み合わせを前記能力指示内に示し、
任意選択により、前記プロセッサは、動作中、最小グループ時間間隔とグループ化ウィンドウの長さとの複数の異なる組み合わせの中から、前記UEの前記能力に対応する1つまたは複数の組み合わせを決定し、前記送信機は、動作中、前記最小グループ時間間隔と前記グループ化ウィンドウの長さとの前記決定された1つまたは複数の組み合わせを前記能力指示内に示し、
任意選択により、前記能力条件は、時間スパンの各グループ内の時間スパンの最大数をさらに要求し、能力条件の前記能力指示は、時間スパンの各グループ内の時間スパンの前記最大数をさらに示し、
任意選択により、前記グループ化ウィンドウの長さは、スロット単位で示され、任意選択により、前記最小グループ時間ギャップは、スロット単位で示され、任意選択により、前記最小グループ時間間隔は、スロット単位で示される、
請求項1または2に記載のUE。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記能力条件を決定するときに、前記ダウンリンク制御チャネルに使用されるサブキャリア間隔に基づいて、記憶された情報から前記最小グループ時間ギャップおよび前記グループ化ウィンドウの長さのうちの1つまたは複数を決定し、
任意選択により、前記記憶された情報は、異なるサブキャリア間隔と、異なる最小グループ時間ギャップの値および異なるグループ化ウィンドウの長さのうちの1つまたは複数と、の関連付けを含む、
請求項1~3のいずれか一項に記載のUE。
【請求項5】
前記グループ化ウィンドウ内でグループ化された時間スパンは、Nスロットごとに繰り返され、前記グループ化された時間スパンを含む前記グループ化ウィンドウは、前記Nスロットの先頭から始まる、
請求項1~4のいずれか一項に記載のUE。
【請求項6】
前記能力条件を含む前記UEの前記決定された能力は、
120kHzを超える前記ダウンリンク制御チャネルに使用されるサブキャリア間隔、任意選択により、480kHzおよび960kHz以上のサブキャリア間隔、ならびに
52.6GHzを超える前記ダウンリンク制御チャネルが送信される周波数レンジ、任意選択により、52.6GHz~71GHzの周波数レンジ
のうちの1つまたは複数に適用される、
請求項1~5のいずれか一項に記載のUE。
【請求項7】
前記能力条件を含む前記UEの前記決定された能力は、第1の共通サーチスペースのセットには適用されず、任意選択により、前記第1の共通サーチスペースのセットは、セル内の全てのUEに対して設定され、
任意選択により、前記能力条件を含む前記UEの前記決定された能力は、
UE固有サーチスペース、および
第2の共通サーチスペースのセット
のうちの1つまたは複数に適用され、
任意選択により、前記第2の共通サーチスペースのセットは、前記UEへの専用メッセージで設定される共通サーチスペース、および、UEのグループに対して共通に設定される共通サーチスペースのうちの1つまたは複数を含む、
請求項1~6のいずれか一項に記載のUE。
【請求項8】
前記プロセッサは、動作中、前記受信された設定情報に基づいて、前記UEが前記ダウンリンク制御チャネルをモニタする1つまたは複数のモニタ機会を決定し、
任意選択により、前記プロセッサは、さらに、マッピングルールに基づいて前記ダウンリンク制御チャネルのモニタ候補を前記1つまたは複数のモニタ機会にマッピングし、前記マッピングルールは、
最初に、共通サーチスペースに関連付けられたモニタ機会のモニタ候補がマッピングされ、
次に、UE固有サーチスペースに関連付けられたモニタ機会のモニタ候補が、前記UE固有サーチスペースに割り当てられたインデックスの昇順で決定されること
を含み、任意選択により、さらに、
前記プロセッサが、前記UEに対するブラインド復号試行の最大数および制御チャネルエレメントの最大数のうちの1つまたは複数を決定し、前記プロセッサがUEについて前記ブラインド復号試行の最大数または前記制御チャネルエレメントの最大数に達したと判定した場合、前記プロセッサが、前記UEに対してさらなるモニタ候補を前記モニタ機会にマッピングしないこと
を含む、
請求項1~7のいずれか一項に記載のUE。
【請求項9】
サーチスペースのモニタ機会が前記UEの前記能力条件に適合していないと前記プロセッサが判定した場合、前記プロセッサは、前記適合していないモニタ機会をスキップすることを決定する、または、前記適合していないモニタ機会が関連付けられた前記サーチスペースの全てのモニタ機会をスキップすることを決定する、
請求項1~8のいずれか一項に記載のUE。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記UEに記憶された情報から前記UEの前記能力を決定する、
請求項1~9のいずれか一項に記載のUE。
【請求項11】
ユーザ機器(UE)によって実行される、
モニタ機能を動作させるための前記UEの能力を決定するステップであって、前記モニタ機能は、ダウンリンク制御情報メッセージを受信する目的で1つまたは複数のモニタ機会においてダウンリンク制御チャネルをモニタするために前記UEによって動作させられ、
前記UEの前記決定された能力は、前記モニタ機能を動作させるためのUEの以下の能力条件を含み、
前記能力条件は、1つまたは複数のスロットの長さを有するグループ化ウィンドウ内の時間スパンの2つの連続するグループ間の最小グループ時間ギャップに関する、
ステップと、
能力指示を基地局に送信するステップであって、前記能力指示は、前記モニタ機能を動作させるためのUEの前記決定された能力に関する情報を含み、前記能力指示は前記UEの前記能力条件を示す、ステップと、
前記UEにおける前記モニタ機能を設定するための設定情報を前記基地局から受信するステップであって、前記設定情報は、前記UEが前記ダウンリンク制御チャネルをモニタする1つまたは複数のモニタ機会を設定する、ステップと、
を含む、方法。
【請求項12】
基地局であって、
動作中、1つまたは複数のユーザ機器(UE)それぞれから能力指示を受信する受信機であって、前記能力指示は、モニタ機能を動作させるための前記UEの能力を示し、前記モニタ機能は、ダウンリンク制御情報メッセージを受信する目的で1つまたは複数のモニタ機会においてダウンリンク制御チャネルをモニタするために前記UEによって動作させられる、受信機と、
動作中、前記受信された能力指示によって示される情報から、または、記憶された情報と、前記それぞれのUEによって前記ダウンリンク制御チャネルに使用されるサブキャリア間隔と、から、1つまたは複数のスロットの長さを有するグループ化ウィンドウ内の時間スパンの2つの連続するグループ間の最小グループ時間ギャップに関する前記1つまたは複数のUEの能力条件を決定するプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、動作中、前記1つまたは複数のUEの全てについて決定された前記能力条件に基づいて、前記ダウンリンク制御チャネルでモニタされる1つまたは複数のモニタ機会を、前記1つまたは複数のUEそれぞれについて決定し、
前記基地局は、
動作中、前記それぞれのUEが前記ダウンリンク制御チャネルをモニタする1つまたは複数のモニタ機会を設定することを含めて、前記UEにおける前記モニタ機能を設定するための設定情報を、前記1つまたは複数のUEのうちのそれぞれに送信する送信機
をさらに備える、基地局。
【請求項13】
前記能力条件を決定するための前記記憶された情報は、前記ダウンリンク制御チャネルに使用される異なるサブキャリア間隔と、異なる最小グループ時間ギャップの値および異なるグループ化ウィンドウの長さのうちの1つまたは複数と、の関連付けを含む、
請求項12に記載の基地局。
【請求項14】
前記プロセッサは、前記1つまたは複数のモニタ機会を決定するときに、前記能力条件を含む前記UEの前記決定された能力が第1の共通サーチスペースのセットのうちの1つまたは複数に適用されないことを考慮し、任意選択により、前記第1の共通サーチスペースのセットはセル内の全てのUEに対して設定され、
任意選択により、前記プロセッサは、前記1つまたは複数のモニタ機会を決定するときに、前記能力条件を含む前記UEの前記決定された能力が、
UE固有サーチスペース、および
第2の共通サーチスペースのセット
のうちの1つまたは複数に適用されることを考慮し、
任意選択により、前記第2の共通サーチスペースのセットは、前記UEへの専用メッセージで設定される共通サーチスペース、および、UEのグループに対して共通に設定される共通サーチスペースのうちの1つまたは複数を含む、
請求項12または13に記載の基地局。
【請求項15】
前記プロセッサは、マッピングルールに基づいて前記ダウンリンク制御チャネルのモニタ候補を前記1つまたは複数のモニタ機会にマッピングし、前記マッピングルールは、
最初に、共通サーチスペースに関連付けられたモニタ機会のモニタ候補が決定され、
次に、UE固有サーチスペースに関連付けられたモニタ機会のモニタ候補が、前記UE固有サーチスペースに割り当てられたインデックスの昇順で決定されること
を含み、任意選択により、前記マッピングルールは、
前記プロセッサが、前記UEに対するブラインド復号試行の最大数および制御チャネルエレメントの最大数のうちの1つまたは複数を決定し、前記プロセッサがUEについて前記ブラインド復号試行の最大数または前記制御チャネルエレメントの最大数に達したと判定した場合、前記プロセッサが、前記UEに対してさらなるモニタ候補を前記モニタ機会にマッピングしないこと
を含む、
請求項12~14のいずれか一項に記載の基地局。
【請求項16】
サーチスペースのモニタ機会が前記UEの前記能力条件に適合していないと前記プロセッサが判定した場合、前記プロセッサは、前記適合していないモニタ機会をスキップすることを決定する、または、前記適合していないモニタ機会が関連付けられた前記サーチスペースの全てのモニタ機会をスキップすることを決定する、
請求項12~15のいずれか一項に記載の基地局。
【請求項17】
サーチスペースのモニタ機会が前記それぞれのUEの前記能力条件に適合していないと前記プロセッサが判定した場合、前記プロセッサは、前記それぞれのUEの前記1つまたは複数の能力に適合していない前記モニタ機会を前記UEに設定する、
請求項12~16のいずれか一項に記載の基地局。
【請求項18】
基地局によって実行される、
1つまたは複数のユーザ機器(UE)それぞれから能力指示を受信するステップであって、前記能力指示は、モニタ機能を動作させるための前記UEの能力を示し、前記モニタ機能は、ダウンリンク制御情報メッセージを受信する目的で1つまたは複数のモニタ機会においてダウンリンク制御チャネルをモニタするために前記UEによって動作させられる、ステップと、
前記受信された能力指示によって示される情報から、または、記憶された情報と、前記それぞれのUEによって前記ダウンリンク制御チャネルに使用されるサブキャリア間隔とから、1つまたは複数のスロットの長さを有するグループ化ウィンドウ内の時間スパンの2つの連続するグループ間の最小グループ時間ギャップに関する前記1つまたは複数のUEの能力条件を決定するステップと、
前記1つまたは複数のUEの全てについて決定された前記能力条件に基づいて、前記ダウンリンク制御チャネルでモニタされる1つまたは複数のモニタ機会を、前記1つまたは複数のUEそれぞれについて決定するステップと、
前記それぞれのUEが前記ダウンリンク制御チャネルをモニタする1つまたは複数のモニタ機会を設定することを含めて、前記UEにおける前記モニタ機能を設定するための設定情報を、前記1つまたは複数のUEのうちのそれぞれに送信するステップと、
を含む、方法。
【請求項19】
動作中、ユーザ機器(UE)の処理を制御する集積回路であって、前記処理は、前記UEによって実行される、
モニタ機能を動作させるための前記UEの能力を決定するステップであって、前記モニタ機能は、ダウンリンク制御情報メッセージを受信する目的で1つまたは複数のモニタ機会においてダウンリンク制御チャネルをモニタするために前記UEによって動作させられ、
前記UEの前記決定された能力は、前記モニタ機能を動作させるためのUEの以下の能力条件を含み、
前記能力条件は、1つまたは複数のスロットの長さを有するグループ化ウィンドウ内の時間スパンの2つの連続するグループ間の最小グループ時間ギャップに関する、
ステップと、
能力指示を基地局に送信するステップであって、前記能力指示は、前記モニタ機能を動作させるためのUEの前記決定された能力に関する情報を含み、前記能力指示は、前記UEの前記能力条件を示す、ステップと、
前記UEにおける前記モニタ機能を設定するための設定情報を前記基地局から受信するステップであって、前記設定情報は、前記UEが前記ダウンリンク制御チャネルをモニタする1つまたは複数のモニタ機会を設定する、ステップと、
を含む、
集積回路。
【請求項20】
動作中、基地局の処理を制御する集積回路であって、前記処理は、前記基地局によって実行される、
1つまたは複数のユーザ機器(UE)それぞれから能力指示を受信するステップであって、前記能力指示は、モニタ機能を動作させるための前記UEの能力を示し、前記モニタ機能は、ダウンリンク制御情報メッセージを受信する目的で1つまたは複数のモニタ機会においてダウンリンク制御チャネルをモニタするために前記UEによって動作させられる、ステップと、
前記受信された能力指示によって示される情報から、または、記憶された情報と、前記それぞれのUEによって前記ダウンリンク制御チャネルに使用されるサブキャリア間隔と、から、1つまたは複数のスロットの長さを有するグループ化ウィンドウ内の時間スパンの2つの連続するグループ間の最小グループ時間ギャップに関する前記1つまたは複数のUEの能力条件を決定するステップと、
前記1つまたは複数のUEの全てについて決定された前記能力条件に基づいて、前記ダウンリンク制御チャネルでモニタされる1つまたは複数のモニタ機会を、前記1つまたは複数のUEそれぞれについて決定するステップと、
前記それぞれのUEが前記ダウンリンク制御チャネルをモニタする1つまたは複数のモニタ機会を設定することを含めて、前記UEにおける前記モニタ機能を設定するための設定情報を、前記1つまたは複数のUEのうちのそれぞれに送信するステップと、
を含む、
集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、3GPP(登録商標)通信システム等の通信システムにおける方法、装置、および物品を対象とする。
【背景技術】
【0002】
現在、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP:the 3rd Generation Partnership Project)は、第5世代(5G:fifth generation)とも呼ばれる次世代セルラ技術に対する技術仕様に取り組んでいる。
【0003】
1つの目的は、少なくとも拡張モバイルブロードバンド(eMBB:enhanced mobile broadband)、超高信頼低遅延通信(URLLC:ultra-reliable low-latency communications)、大規模マシンタイプ通信(mMTC:massive machine type communication)を含むすべての利用シナリオ、要件、および配置シナリオ(例、3GPP TR 38.913バージョン16.0.0のセクション6を参照)に対処する単一の技術フレームワークを提供することである。たとえば、eMBB配置シナリオは、屋内ホットスポット、密集した都市部、ルーラル、都市部マクロ、および高速を含んでもよく、URLLC配置シナリオは、産業用制御システム、モバイルヘルスケア(遠隔モニタリング、診断、および治療)、車両のリアルタイム制御、広域モニタリング、およびスマートグリッドのための制御システムを含んでもよく、mMTC配置シナリオは、たとえばスマートウェアラブルおよびセンサネットワークなどの、非タイムクリティカルデータ転送を伴う多数のデバイスを有するシナリオを含んでもよい。eMBBおよびURLLCサービスは、どちらも非常に広い帯域幅を要求する点で類似しているが、URLLCサービスは好ましくは超低遅延を必要とし得る点で異なっている。
【0004】
第2の目的は、上位互換性を達成することである。Long Term Evolution(LTE、LTE-A)セルラシステムに対する下位互換性は必要ないため、まったく新しいシステム設計および/または新規の特性の導入が促進される。
【発明の概要】
【0005】
1つの非限定的かつ例示的な実施形態は、UEが改良されたダウンリンク制御チャネルモニタを実行しやすくするための手順の提供に資する。
【0006】
一実施形態では、本明細書で開示する技術は、以下を含むユーザ機器UEを特徴とする。UEのプロセッサは、モニタ機能を動作させるためのUEの能力を決定し、モニタ機能は、ダウンリンク制御情報メッセージを受信する目的で1つまたは複数のモニタ機会においてダウンリンク制御チャネルをモニタするためにUEによって動作させられる。UEの決定された能力は、モニタ機能を動作させるためのUEの以下の2つの能力条件、すなわち、
- 1つまたは複数の連続するシンボルのスパン長を有する2つの連続する時間スパン間の最小スパン時間ギャップに関する第1の能力条件であって、各時間スパンは、ダウンリンク制御チャネルの1つまたは複数のモニタ機会を含み得る、第1の能力条件と、
- 1つまたは複数のスロットの長さを有するグループ化ウィンドウ内の時間スパンの2つの連続するグループ間の最小グループ時間ギャップに関する第2の能力条件と、
を含む。
UEの送信機は、能力指示(capability indication)を基地局に送信し、能力指示は、モニタ機能を動作させるためのUEの決定された能力に関する情報を含む。能力指示は、UEの第1の能力条件を示し、任意選択により、UEの第2の能力条件を含む。UEの受信機は、UEにおけるモニタ機能を設定するための設定情報を基地局から受信し、設定情報は、UEがダウンリンク制御チャネルをモニタする1つまたは複数のモニタ機会を設定する。
【0007】
一般的な実施形態または特定の実施形態が、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、記憶媒体、またはそれらの任意の選択的な組み合わせとして実施され得ることに留意されたい。たとえば、集積回路は、UEまたは基地局の処理を制御することができる。
【0008】
開示されている実施形態および様々な実施態様のさらなる恩恵および利点は、本明細書および図面から明らかになるであろう。これらの恩恵および/または利点は、本明細書および図面のさまざまな実施形態および特徴によって、個別に得ることができ、このような恩恵および/または利点の1つまたは複数を得る目的で、実施形態および特徴すべてを設ける必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
以下の実施形態は、添付の図面を参照してより詳細に説明される。
【
図1】3GPP NRシステムの例示的なアーキテクチャの図である。
【
図2】NG-RANと5GCとの間の機能分離を示す概略図である。
【
図3】RRC接続のセットアップ/再設定の手順のシーケンス図である。
【
図4】拡張モバイルブロードバンド(eMBB)、大規模マシンタイプ通信(mMTC)、および超高信頼低遅延通信(URLLC)の利用シナリオを示す概略図である。
【
図5】非ローミングシナリオのための例示的な5Gシステムアーキテクチャを示すブロック図である。
【
図6】帯域幅部分、制御リソースセット(CORESET:Control Resource Set)、サーチスペース、サーチスペースセット、およびPDCCH候補の間の関係を示す図である。
【
図7】PDCCHモニタスロットの例示的な設定と、PDCCHモニタスロット内のPDCCHモニタパターンと、を示す図である。
【
図8】2つの連続するPDCCH送信間の最小時間間隔に関連する、UEによって報告される様々な能力指示の様々な例示的な解釈を示す図である。
【
図9】例示的な能力指示と、その結果としてのgNBによるモニタ機会の設定の一例と、を示す図である。
【
図10】異なるサブキャリア間隔の無線フレーム、サブフレーム、スロット、およびOFDMシンボルを含む、5G NRなどの通信システムにおける例示的な時間領域構造を示す図である。
【
図11】52.6~72GHzの新しい周波数レンジで使用される高いサブキャリア間隔の、結果的に得られるスロット長およびOFDMシンボルを示す図である。
【
図12】2つのUEのUE固有サーチスペースおよび共通サーチスペースのモニタ機会の様々な設定と、その結果として生じる欠点と、を示す図である。
【
図13】2つのUEのUE固有サーチスペースおよび共通サーチスペースのモニタ機会の様々な設定と、その結果として生じる欠点と、を示す図である。
【
図14】UEおよびgNBの例示的な簡略化した構造を示す図である。
【
図15】改良されたダウンリンク制御チャネルモニタ手順の例示的な実装によるUEの構造を示す図である。
【
図16】改良されたダウンリンク制御チャネルモニタ手順の例示的な実装によるUE動作の流れ図である。
【
図17】改良されたダウンリンク制御チャネルモニタ手順の例示的な実装による基地局の構造を示す図である。
【
図18】改良されたダウンリンク制御チャネルモニタ手順の例示的な実装に参加する基地局の動作の流れ図である。
【
図19】改良されたダウンリンク制御チャネルモニタ手順の例示的な実装におけるUEおよびgNBの間の例示的な交換を示すシグナリング図である。
【
図20】第1の解決策における異なるUEに対する様々なモニタ機会の例示的な決定を示す図である。
【
図21】第2の解決策における異なるUEに対する様々なモニタ機会の例示的な決定を示す図である。
【
図22】第3の解決策における異なるUEに対する様々なモニタ機会の例示的な決定を示す図である。
【
図23】オーバーブッキングメカニズムをどのようにして適用することができるかについての一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<5G NRのシステムアーキテクチャおよびプロトコルスタック>
3GPPは、100GHzまでの周波数範囲で動作する新無線アクセス技術(NR)の開発を含む第5世代セルラ技術(単に「5G」ともいう)の次のリリースに向けて作業を続けている。5G規格の初版は2017年の終わりに完成しており、これにより、5G NRの規格に準拠したスマートフォンの試作および商用配備に移ることが可能となっている。
【0011】
特に、全体的なシステムアーキテクチャは、gNBを備えるNG-RAN(Next Generation-Radio Access Network)を想定する。gNBは、NG無線アクセスのユーザプレーン(SDAP/PDCP/RLC/MAC/PHY)及び制御プレーン(RRC)プロトコルのUE側の終端を提供する。gNBは、Xnインタフェースによって相互に接続される。また、gNBは次世代(NG:Next Generation)インタフェースによって次世代コア(NGC:Next Generation Core)に、より具体的には、NG-Cインタフェースによってアクセス・モビリティ管理機能(AMF:Access and Mobility Management Function。例えば、AMFを実行する特定のコアエンティティ)に、また、NG-Uインタフェースによってユーザプレーン機能(UPF:User Plane Function。例えば、UPFを実行する特定のコアエンティティ)に接続される。NG-RANアーキテクチャは、
図1に示される(例えば、3GPP TS 38.300 v16.46.0のセクション4参照)。
【0012】
NRのユーザプレーンプロトコルスタック(例えば、3GPP TS 38.300のセクション4.4.1参照)は、gNBにおいてネットワーク側で終端されるPDCP(Packet Data Convergence Protocol。TS 38.300のセクション6.4参照)サブレイヤ、RLC(Radio Link Control。TS 38.300のセクション6.3参照)サブレイヤ、及びMAC(Medium Access Control。TS 38.300のセクション6.2参照)サブレイヤを含む。さらに、PDCPの上位には、新たなアクセス層(AS:Access Stratum)サブレイヤ(SDAP:Service Data Adaptation Protocol)が導入されている(例えば、TS 38.300のsub-clause 6.5参照)。また、NRでは制御プレーンのプロトコルスタックも定義されている(例えば、TS 38.300のセクション4.4.2参照)。レイヤ2機能の概要は、TS 38.300のsub-clause 6に記載されている。RRCレイヤの機能は、TS 38.300のsub-clause 7に列挙されている。
【0013】
例えば、MACレイヤでは、論理チャネルの多重化や、様々なヌメロロジーの処理を含むスケジューリングやスケジューリング関連の機能を担う。
【0014】
物理レイヤ(PHY:physical layer)は、例えば、符号化、PHY HARQ処理、変調、マルチアンテナ処理、及び信号の適切な物理時間-周波数リソースへの配置を担う。また、トランスポートチャネルの物理チャネルへの配置も行う。物理レイヤは、トランスポートチャネルの形式でMACレイヤにサービスを提供する。物理チャネルは、特定のトランスポートチャネルの送信に使用される時間-周波数リソースの組に対応し、各トランスポートチャネルは、対応する物理チャネルに配置される。例えば、物理チャネルは、上りリンクではPRACH(Physical Random Access Channel)、PUSCH(Physical Uplink Shared Channel)及びPUCCH(Physical Uplink Control Channel)となり、下りリンクではPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)及びPBCH(Physical Broadcast Channel)となる。
【0015】
NRのユースケース/展開シナリオには、eMBB(enhanced Mobile Broadband)、URLLC(Ultra-Reliable Low-Latency Communications)、mMTC(massive Machine Type Communication)などがあり、これらはデータレート、遅延、カバレッジに関して多様な要件を持つ。例えば、eMBBでは、IMT-Advancedで提供されているものの三倍ほどのピークデータレート(下り20Gbps、上り10Gbps)および実効(user-experienced)データレートに対応することが求められる。一方、URLLCでは、より厳しい要件が超低遅延(ユーザプレーンの遅延はUL、DLともに0.5ms)と高信頼性(1ms以内に1-10-5)について課されている。最後に、mMTCには、好ましくは、高い接続密度(都市環境では1平方キロメートルあたり100万台)、悪環境での広いカバレッジ、低コスト機器の超長寿命バッテリー(15年)が求められる。
【0016】
したがって、一つのユースケースに適したOFDMヌメロロジー(例えば、サブキャリア間隔、OFDMシンボル長、巡回プレフィクス(CP)長、スケジューリング間隔あたりのシンボル数)は、他のユースケースには有効でない場合がある。例えば、低遅延サービスは、好ましくは、mMTCサービスよりも短いシンボル長(したがって、より大きなサブキャリア間隔)および/またはスケジューリング区間(換言すると、TTI)毎のシンボル数が少ないことが求められうる。さらに、チャネルの遅延スプレッドが大きい展開シナリオでは、好ましくは、遅延スプレッドが短いシナリオよりもCP長が長いことが求められうる。同様のCPオーバーヘッドを維持するためには、サブキャリア間隔は適宜最適化される必要がある。NRでは、複数の値のサブキャリア間隔をサポートしてもよい。これに対応して、現時点では15kHz、30kHz、60kHz、・・・、のサブキャリア間隔が検討されている。シンボル長Tuとサブキャリア間隔Δfは、式Δf=1/Tuによって直接関係づけられる。LTEシステムと同様、「リソースエレメント」という用語は、1つのOFDM/SC-FDMAシンボルの長さに対する一つのサブキャリアで構成される最小のリソース単位を示すのに使用することができる。
【0017】
新たな無線システム5G-NRにおいては、各ヌメロロジーおよびキャリアに対して、アップリンクおよびダウンリンクのそれぞれに対してサブキャリアおよびOFDMシンボルのリソースグリッドが定義される。リソースグリッドの各エレメントはリソースエレメントと呼ばれ、周波数領域における周波数インデックスと、時間領域におけるシンボル位置とに基づいて識別される(3GPP TS 38.211 v16.46.0、例、セクション4を参照)。たとえば、ダウンリンクおよびアップリンク送信は10msの持続時間を有するフレームに編成され、各フレームはそれぞれ1msの持続時間の10のサブフレームからなる。5g NRの実装において、サブフレーム当りの連続するOFDMシンボルの数は、サブキャリア間隔設定に依存する。たとえば、15kHzのサブキャリア間隔に対して、サブフレームは14のOFDMシンボルを有する(通常のサイクリックプレフィックスを想定したLTE適合実装と同様である)。他方で、30kHzのサブキャリア間隔に対して、サブフレームは2つのスロットを有し、各スロットは14のOFDMシンボルを含む。
【0018】
<5G NRにおけるNG-RANと5GCとの間の機能分離>
図2は、NG-RANと5GCとの間の機能分離を示す。NG-RANの論理ノードは、gNBまたはng-eNBである。5GCは、論理ノードAMF、UPF、およびSMFを有する。
【0019】
特に、gNBおよびng-eNBは、以下の主な機能をホストする:
- 無線ベアラ制御(Radio Bearer Control)、無線アドミッション制御(Radio Admission Control)、接続モビリティ制御(Connection Mobility Control)、上りリンクおよび下りリンクの両方におけるリソースのUEへの動的割当(スケジューリング)等の無線リソース管理(Radio Resource Management)の機能;
- データのIPヘッダ圧縮、暗号化、および完全性保護;
- UEが提供する情報からAMFへのルーティングを決定することができない場合のUEのアタッチ時のAMFの選択;
- UPFに向けたユーザプレーンのデータのルーティング;
- AMFに向けた制御プレーン情報のルーティング;
- 接続のセットアップおよび解除;
- ページングメッセージのスケジューリングおよび送信;
- システム報知情報(AMFまたは運用管理保守機能(OAM:Operation,Admission,Maintenance)が発信源)のスケジューリングおよび送信;
- モビリティおよびスケジューリングのための測定および測定の報告の設定;
- 上りリンクにおけるトランスポートレベルのパケットマーキング;
- セッション管理;
- ネットワークスライシングのサポート;
- QoSフロー管理およびデータ無線ベアラに対するマッピング;
- RRC_INACTIVE状態のUEのサポート;
- 非アクセス層(NAS:Non-Access Stratum)メッセージの配信機能;
- 無線アクセスネットワークの共有;
- デュアルコネクティビティ;
- NRとE-UTRAとの緊密な連携。
【0020】
アクセス・モビリティ管理機能(AMF)は、以下の主な機能をホストする:
- 非アクセス層(NAS:Non-Access Stratum)のシグナリングを終端させる機能;
- NASシグナリングのセキュリティ;
- アクセス層(AS)のセキュリティ制御;
- 3GPPのアクセスネットワーク間でのモビリティのためのコアネットワーク(CN:Core Network)ノード間シグナリング;
- アイドルモードのUEへの到達可能性(ページングの再送の制御および実行を含む);
- 登録エリアの管理;
- システム内モビリティおよびシステム間モビリティのサポート;
- アクセス認証;
- ローミング権限のチェックを含むアクセス承認;
- モビリティ管理制御(加入およびポリシー);
- ネットワークスライシングのサポート;
- セッション管理機能(SMF)の選択。
【0021】
さらに、ユーザプレーン機能(UPF)は、以下の主な機能をホストする:
- RAT内モビリティ/RAT間モビリティ(適用可能な場合)のためのアンカーポイント;
- データネットワークとの相互接続のための外部PDU(Protocol Data Unit)セッションポイント;
- パケットのルーティングおよび転送;
- パケット検査およびユーザプレーン部分のポリシールールの強制(Policy rule enforcement);
- トラフィック使用量の報告;
- データネットワークへのトラフィックフローのルーティングをサポートする上りリンククラス分類(uplink classifier);
- マルチホームPDUセッション(multi-homed PDU session)をサポートするための分岐点(Branching Point);
- ユーザプレーンに対するQoS処理(例えば、パケットフィルタリング、ゲーティング(gating)、UL/DLレート制御(UL/DL rate enforcement);
- 上りリンクトラフィックの検証(SDFのQoSフローに対するマッピング);
- 下りリンクパケットのバッファリングおよび下りリンクデータ通知のトリガ機能。
【0022】
最後に、セッション管理機能(SMF)は、以下の主な機能をホストする:
- セッション管理;
- UEに対するIPアドレスの割当および管理;
- UPFの選択および制御;
- 適切な宛先にトラフィックをルーティングするためのユーザプレーン機能(UPF)におけるトラフィックステアリング(traffic steering)の設定機能;
- 制御部分のポリシー強制およびQoS;
- 下りリンクデータの通知。
【0023】
<RRC接続のセットアップおよび再設定の手順>
図3は、NAS部分の、UEがRRC_IDLEからRRC_CONNECTEDに移行する際のUE、gNB、およびAMF(5GCエンティティ)の間のやり取りのいくつかを示す(TS 38.300参照)。
【0024】
RRCは、UEおよびgNBの設定に使用される上位レイヤのシグナリング(プロトコル)である。特に、この移行により、AMFは、UEコンテキストデータ(これは、例えば、PDUセッションコンテキスト、セキュリティキー、UE無線能力(UE Radio Capability)、UEセキュリティ能力(UE Security Capabilities)等を含む)を用意し、初期コンテキストセットアップ要求(INITIAL CONTEXT SETUP REQUEST)とともにgNBに送る。そして、gNBは、UEと一緒に、ASセキュリティをアクティブにする。これは、gNBがUEにSecurityModeCommandメッセージを送信し、UEがSecurityModeCompleteメッセージでgNBに応答することによって行われる。その後、gNBは、UEにRRCReconfigurationメッセージを送信し、これに対するUEからのRRCReconfigurationCompleteをgNBが受信することによって、シグナリング無線ベアラ2(SRB2)およびデータ無線ベアラ(DRB)をセットアップするための再設定を行う。シグナリングのみの接続については、SRB2およびDRBがセットアップされないため、RRCReconfigurationに関するステップは省かれる。最後に、gNBは、初期コンテキストセットアップ応答(INITIAL CONTEXT SETUP RESPONSE)でセットアップ手順が完了したことをAMFに通知する。
【0025】
したがって、本開示では、gNodeBとのNext Generation(NG)接続を動作時に確立する制御回路と、gNodeBとユーザ機器(UE:User Equipment)との間のシグナリング無線ベアラがセットアップされるように動作時にNG接続を介してgNodeBに初期コンテキストセットアップメッセージを送信する送信部と、を備える、5th Generation Core(5GC)のエンティティ(例えば、AMF、SMF等)が提供される。具体的には、gNodeBは、リソース割当設定情報要素(IE:Information Element)を含む無線リソース制御(RRC)シグナリングを、シグナリング無線ベアラを介してUEに送信する。そして、UEは、リソース割当設定に基づき上りリンクにおける送信または下りリンクにおける受信を行う。
【0026】
<2020年以降のIMTの利用シナリオ>
図4は、5G NRのユースケースの一部を示す。第3世代パートナーシッププロジェクトNR(3GPP NR)では、IMT-2020によって多種多様なサービスやアプリケーションに対応することが想定されている三つのユースケースが検討されている。高速大容量(eMBB)のための第一段階の仕様の策定は終了している。eMBBのサポートをさらに拡充することに加え、現在および将来的には、超高信頼低遅延(URLLC)および多数同時接続の標準化の研究も進められる。
図4は、2020年以降のIMTで想定される利用シナリオの例を示す(例えば、ITU-R M.20183の
図2を参照)。
【0027】
URLLCのユースケースは、スループット、遅延、アベイラビリティ等の性能に対する厳しい要件を有し、工業生産や製造プロセスの無線制御、遠隔医療手術、スマートグリッドの配電自動化、交通安全等、将来の垂直アプリケーションを実現するものの一つとして想定されている。URLLCの超高信頼性は、TR 38.913v16.0.0によって設定された要件を満たす技術を特定することでサポートされる。リリース15におけるNR URLLCの場合、UL(上りリンク)0.5ms、DL(下りリンク)0.5msのユーザプレーン遅延を目標とすることが主要な要件である。一度のパケット送信に対する一般的なURLLCの要件は、ユーザプレーン遅延が1msの場合、32バイトのパケットサイズに対してブロック誤り率(BLER:block error rate)が1E-5であることである。
【0028】
物理レイヤの観点では、信頼性は、多くの採り得る方法で向上可能である。現在の信頼性向上の余地としては、URLLC用の別個のCQIテーブル、よりコンパクトなDCIフォーマット、PDCCHの繰り返し送信等を定義することが含まれる。しかしながら、この余地は、NRが(NR URLLCの重要要件に関し)より安定しかつより開発されるにつれて、超高信頼性の実現のために広がりうる。リリース15におけるNR URLLCの具体的なユースケースには、拡張現実/仮想現実(AR/VR)、e-ヘルス、e-セイフティ、およびミッションクリティカルなアプリケーションが含まれる。
【0029】
また、NR URLLCが目標とする技術拡張は、レイテンシの改善および信頼性の向上を目指している。レイテンシの改善のための技術拡張には、設定可能なヌメロロジー、フレキシブルなマッピングによる非スロットベースのスケジューリング、グラントフリーの(設定グラントの)上りリンク、データチャネルにおけるスロットレベルでの繰り返し送信、および下りリンクでのプリエンプション(Pre-emption)が含まれる。プリエンプションとは、リソースが既に割り当てられた送信が停止され、当該既に割り当てられたリソースが、後から要求されたより低いレイテンシ/より高い優先度の要件の他の送信に使用されることを意味する。したがって、既に許可されていた送信は、後の送信によって差し替えられる。プリエンプションは、具体的なサービスタイプと無関係に適用可能である。例えば、サービスタイプA(URLLC)の送信が、サービスタイプB(eMBB等)の送信によって差し替えらされうる。信頼性向上についての技術拡張には、1E-5の目標BLERのための専用のCQI/MCSテーブルが含まれる。
【0030】
mMTC(大規模マシンタイプ通信)のユースケースの特徴は、典型的には遅延の影響を受けにくい比較的少量のデータを送信する接続装置の数が極めて多いことである。装置には、低価格であること、および電池寿命が非常に長いことが要求される。NRの観点からは、非常に狭い帯域幅部分を利用することが、UEから見て電力が節約されかつ電池の長寿命化を可能にする1つの解決手段である。
【0031】
上述のように、NRにおける信頼性向上のスコープはより広くなることが予測される。あらゆるケースにとっての重要要件の1つであって、特にURLLCおよびmMTCに必要な重要要件が高信頼性または超高信頼性である。いくつかのメカニズムは、無線の観点およびネットワークの観点から、信頼性を向上させることができると考えられうる。概して、信頼性の向上に役立つ可能性がある2つ~3つの重要な領域が存在する。これらの領域には、コンパクトな制御チャネル情報、データチャネル/制御チャネルの繰り返し送信、および周波数領域、時間領域、および/または空間領域に関するダイバーシチがある。これらの領域は、特定の通信シナリオにかかわらず一般に信頼性向上に適用可能である。
【0032】
NR URLLCに関し、ファクトリーオートメーション、運送業、および電力の分配のような、要件がより厳しいさらなるユースケースが想定されている。厳しい要件とは、高い信頼性(106レベルまでの信頼性)、高い可用性、256バイトまでのパケットサイズ、数μs程度までの時刻同期(time synchronization)(ユースケースに応じて、値を、周波数範囲および0.5ms~1ms程度の短いレイテンシ(特に、目標とするユーザプレーンでの0.5msのレイテンシ)に応じて1μsまたは数μsとすることができる)である。
【0033】
さらに、NR URLLCについては、物理レイヤの観点からいくつかの技術拡張が有り得る。これらの技術拡張には、コンパクトなDCIに関するPDCCH(Physical Downlink Control Channel)の拡張、PDCCHの繰り返し送信、PDCCHのモニタの増加がある。また、UCI(Uplink Control Information)の拡張は、enhanced HARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)およびCSIフィードバックの拡張に関係する。また、ミニスロットレベルのホッピングに関係するPUSCHの拡張、および再送/繰り返し送信の拡張が有り得る。用語「ミニスロット」は、スロットより少数のシンボルを含む送信時間間隔(TTI)を指す(スロットは、14個のシンボルを含む)。
【0034】
<QoS制御>
5GのQoS(サービス品質)モデルは、QoSフローに基づいており、保証されたフロービットレートが求められるQoSフロー(GBR(Granteed Bit Rate)QoSフロー)、および、保証されたフロービットレートが求められないQoSフロー(非GBR QoSフロー)をいずれもサポートする。したがって、NASレベルでは、QoSフローは、PDUセッションにおける最も微細な粒度のQoSの区分である。QoSフローは、NG-Uインタフェースを介してカプセル化ヘッダ(encapsulation header)において搬送されるQoSフローID(QFI:QoS Flow ID)によってPDUセッション内で特定される。
【0035】
各UEについて、5GCは、1つ以上のPDUセッションを確立する。各UEについて、PDUセッションに合わせて、NG-RANは、例えば
図3を参照して上に示したように少なくとも一つのデータ無線ベアラ(DRB)を確立する。また、そのPDUセッションのQoSフローに対する追加のDRBが後から設定可能である(いつ設定するかはNG-RAN次第である)。NG-RANは、様々なPDUセッションに属するパケットを様々なDRBにマッピングする。UEおよび5GCにおけるNASレベルパケットフィルタが、ULパケットおよびDLパケットとQoSフローとを関連付けるのに対し、UEおよびNG-RANにおけるASレベルマッピングルールは、UL QoSフローおよびDL QoSフローとDRBとを関連付ける。
【0036】
図5は、5G NRの非ローミング参照アーキテクチャを示す(例えば、3GPP TS 23.501 v16.7.0 または、v16.7.1.1、セクション4.2.3参照)。
図4に例示される、5Gサービスをホストする外部アプリケーションサーバなどのアプリケーション機能(AF)は、サービスを提供するために3GPPコアネットワークとやり取りを行う。例えば、トラフィックルーティングに影響を与えるアプリケーションをサポートするためにネットワーク公開機能(NEF:Network Exposure Function)にアクセスすること、QoS制御などのポリシー制御のためにポリシーフレームワークとやり取りすること(ポリシー制御機能(PCF)参照)が挙げられる。オペレータによる配備に基づき、オペレータから信頼されているとみなされるアプリケーション機能は、関連するネットワーク機能と直接やり取りすることができる。ネットワーク機能への直接のアクセスをオペレータから許可されていないアプリケーション機能は、NEFを介して外部に対する開放フレームワークを使用して、関連するネットワーク機能とやり取りする。
【0037】
図5は、5Gアーキテクチャのさらなる機能単位、すなわち、ネットワークスライス選択機能(NSSF)、ネットワークリポジトリ機能(NRF)、統一データ管理(UDM)、認証サーバ機能(AUSF)、アクセス・モビリティ管理機能(AMF)、セッション管理機能(SMF)、およびデータネットワーク(DN、例えば、オペレータによるサービス、インターネットアクセス、またはサードパーティーによるサービス)をさらに示す。コアネットワークの機能およびアプリケーションサービスの全部または一部がクラウドコンピューティング環境において展開されかつ動作してもよい。
【0038】
したがって、本開示では、QoS要件に応じたgNodeBとUEとの間の無線ベアラを含むPDUセッションを確立するために、動作時に、URLLCサービス、eMBBサービス、およびmMTCサービスのうちの少なくとも1つに対するQoS要件を含む要求を5GCの機能(例えば、NEF、AMF、SMF、PCF、UPF等)のうちの少なくとも1つに送信する送信部と、動作時に、確立されたPDUセッションを使用してサービスを行う制御回路と、を備える、アプリケーションサーバ(例えば、5GアーキテクチャのAF)が提供される。
【0039】
帯域幅部分(部分帯域(幅))
NRシステムは、LTEの20MHzの帯域幅よりもはるかに広い最大チャネル帯域幅(たとえば、数百MHz)をサポートする。LTEでは、最大20MHzのコンポーネントキャリアのキャリアアグリゲーション(CA:carrier aggregation)を介した広帯域通信もサポートされている。NRではより広いチャネル帯域幅を定義することにより、スケジューリングを介して周波数リソースを動的に割り当てることが可能になり、これは、アクティブ化/非アクティブ化がMAC制御エレメントに基づくLTEのキャリアアグリゲーション動作よりも効率的かつ柔軟であり得る。単一の広帯域キャリアを有することは、1回の制御シグナリングしか必要としないので、制御オーバーヘッドが低いという点でもメリットがある(キャリアアグリゲーションでは、アグリゲートされたキャリアごとに個別の制御シグナリングが必要である)。
【0040】
また、LTEと同様に、NRは、キャリアアグリゲーションまたはデュアルコネクティビティを介した複数のキャリアのアグリゲーションもサポートし得る。
【0041】
UEは常に高いデータ速度を要求するわけではないので、広い帯域幅を使用すると、RFおよびベースバンド信号処理の両方の観点からアイドリング消費電力が高くなり得る。この点に関して、NR用に新しく開発された帯域幅部分の概念は、設定されたチャネル帯域幅よりも狭い帯域幅でUEを動作させる手段を提供することによって、広帯域動作をサポートするにもかかわらずエネルギー効率の高い解決策を提供する。NRの全帯域幅にアクセスできないローエンドの端末は、その利益を得ることができる。
【0042】
帯域幅部分(BWP:bandwidth part)は、セルの総セル帯域幅のサブセットであり、たとえば、連続する物理リソースブロック(PRB:physical resource block)の位置および数によって定義される。これはアップリンクおよびダウンリンクで別々に定義され得る。さらに、各帯域幅部分は特定のOFDMニューメロロジーに、たとえば、サブキャリア間隔およびサイクリックプレフィックスに関連付けることができる。たとえば、UEに1つまたは複数のBWPを設定し、設定されたBWPのうちのいずれが現在アクティブであるかをUEに伝えることによって、帯域幅適応が実現される。
【0043】
例示的には、5G NRでは、RRC_Connected状態のUEに対してのみ特定のBWPが設定される。たとえば、初期BWP(たとえば、UL用およびDL用に1つずつ)以外に、BWPは接続状態のUEに対してのみ存在する。UEをRRC_IDLEまたはRRC_INACTIVE状態からRRC_CONNECTED状態に移行させる過程などでの、UEとネットワークとの間の初期データ交換をサポートするために、初期DL BWPおよび初期UL BWPが最小システム情報で設定される。
【0044】
UEには2つ以上のBWPを設定することができるが(たとえば、現在NRで定義されているように、サービングセルあたり最大4つのBWP)、UEは一度に1つのアクティブDL BWPしか有しない。設定されたBWP間の切り替えは、たとえば、ダウンリンク制御情報(DCI:downlink control information)を使用して実現され得る。
【0045】
プライマリセル(PCell:Primary Cell)の場合、初期BWPは初期アクセスに使用されるBWPであり、他の初期BWPが明示的に設定されていない限り、デフォルトのBWPは初期BWPである。セカンダリセル(SCell:Secondary Cell)の場合、初期BWPは常に明示的に設定され、デフォルトのBWPも設定され得る。サービングセルにデフォルトのBWPが設定されている場合、そのセルに関連付けられた非アクティブタイマーが切れると、アクティブなBWPがデフォルトのBWPに切り替えられる。
【0046】
一部のDCIフォーマットにはBWP IDが含まれていないが(たとえば、フォーマット0_0および1_0)、他のDCIフォーマットではBWP IDのビット数はRRCで設定可能であり、0、1、2ビットにすることができる(たとえば、フォーマット0_1、0_2、1_1、および1_2の場合)。
【0047】
図6は、周波数帯域幅が40MHzでサブキャリア間隔が15kHzのBWP1、幅が10MHzでサブキャリア間隔が15kHzのBWP2、および幅が20MHzでサブキャリア間隔が60kHzのBWP3の3つの異なるBWPが設定されたシナリオを示している。
【0048】
制御情報 - サーチスペースセット
制御情報ならびにユーザトラフィック(たとえば、PDCCH上のDCI、およびPDCCHによって示されるPDSCH上のユーザデータ)などのUE向けの情報を識別および受信するために、UEによってPDCCHモニタが行われる。
【0049】
ダウンリンクの制御情報(たとえば、ダウンリンク制御情報DCIと呼ばれ得る)は、5G NRでの目的がLTEでのDCIと基本的に同じであり、すなわち、ダウンリンクデータチャネル(PDSCHなど)またはアップリンクデータチャネル(PUSCHなど)をスケジューリングする特別な制御情報のセットである。5G NRでは、いくつかの異なる定義済みのDCIフォーマットがある(TS38.212v16.6.0セクション7.3.1参照)。概要を以下の表に示す。
【表1】
【0050】
5G NRでは、制御リソースセット(CORESET:control resource set)と呼ばれる無線リソース領域においてPDCCHが送信される。LTEでは、CORESETの概念は明示的には存在しない。代わりに、LTEのPDCCHは、最初の1~3個のOFDMシンボル(最も狭帯域の場合は4個)における全キャリア帯域幅を使用する。対照的に、NRのCORESETはスロット内の任意の位置およびキャリアの周波数レンジ内の任意の位置に存在し得、ただし、UEが自身のアクティブな帯域幅部分(BWP)外のCORESETを処理することは想定されていないという点を除く。
【0051】
したがって、UEは、たとえば3GPP TS38.213バージョン16.6.0、セクション10および11に定義されているように、PDCCHのモニタ動作を実行する。そこで例示的に定義されているように、UEは、PDCCHサーチスペースセットを単位として定義されるPDCCH候補のセットをモニタする。サーチスペースセットは、共通サーチスペースセット(CSS:common search spaceセット)またはUE固有サーチスペースセット(USS:UE-specific search spaceセット)とすることができる。3GPP TS38.213v16.6.0、セクション10.1で例示的に定義されているように、UEは以下のCSSセットおよびUSSセットのうちの1つまたは複数におけるPDCCH候補をモニタする。
- MCGのプライマリセル上のSI-RNTIによってスクランブルされたCRCを有するDCIフォーマットに対して、MIB内のpdcch-ConfigSIB1、またはPDCCH-ConfigCommon内のsearchSpaceSIB1、あるいはPDCCH-ConfigCommon内のsearchSpaceZeroによって設定されるType0-PDCCH CSSセット
- MCGのプライマリセル上のSI-RNTIによってスクランブルされたCRCを有するDCIフォーマットに対して、PDCCH-ConfigCommon内のsearchSpaceOtherSystemInformationによって設定されるType0A-PDCCH CSSセット
- プライマリセル上のRA-RNTI、MsgB-RNTI、またはTC-RNTIによってスクランブルされたCRCを有するDCIフォーマットに対して、PDCCH-ConfigCommon内のra-SearchSpaceによって設定されるType1-PDCCH CSSセット
- MCGのプライマリセル上のP-RNTIによってスクランブルされたCRCを有するDCIフォーマットに対して、PDCCH-ConfigCommon内のpagingSearchSpaceによって設定されるType2-PDCCH CSSセット
- INT-RNTI、SFI-RNTI、TPC-PUSCH-RNTI、TPC-PUCCH-RNTI、TPC-SRS-RNTI、またはCI-RNTI、およびプライマリセルのみに関して、C-RNTI、MCS-C-RNTI、CS-RNTI(複数可)、またはPS-RNTIによってスクランブルされたCRCを有するDCIフォーマットに対して、SearchSpaceType=commonのPDCCH-Config内のSearchSpaceによって設定されるType3-PDCCH CSSセット
- C-RNTI、MCS-C-RNTI、SP-CSI-RNTI、CS-RNTI(複数可)、SL-RNTI、SL-CS-RNTI、またはSLセミパーシステントスケジューリングV-RNTIによってスクランブルされたCRCを有するDCIフォーマットに対して、SearchSpaceType=ue-SpecificのPDCCH-Config内のSearchSpaceによって設定されるUSSセット
【0052】
対応するサーチスペースセットを使用するPDCCHモニタが設定されたアクティブ化された各サービングセルにおけるアクティブDL BWP上の1つまたは複数のCORESET内のサーチスペースセットがモニタされる。モニタは、モニタ対象のDCIフォーマットに従って各PDCCH候補を復号することを意味する。
【0053】
最初のCORESETであるCORESET0が、マスター情報ブロック(MIB:master information block)により初期帯域幅部分の設定の一部として提供され、ネットワークから残りのシステム情報および追加の設定情報を受信することが可能になる。接続のセットアップ後、RRCシグナリングを使用して、複数のCORESETをUEに設定することができる。
【0054】
例示的な5G NR実装では、サーチスペースは、同じアグリゲーションレベルに関連付けられた複数のPDCCH候補を含み得る(たとえば、PDCCH候補は、モニタ対象のDCIフォーマットに関して異なる)。次に、サーチスペースセットは、アグリゲーションレベルが異なるが、同じCORESETに関連付けられた複数のサーチスペースを含み得る。上記のように、制御チャネルがキャリア帯域幅全体に広がるLTEとは異なり、CORESETの帯域幅は、たとえば、アクティブなDL周波数帯域幅部分(BWP)内に設定することができる。言い換えれば、CORESET設定は、サーチスペースセットの、ひいてはそのセット内のサーチスペースに含まれるPDCCH候補の周波数リソースを定義する。CORESET設定は、サーチスペースセットの持続時間も定義し、この持続時間は1~3個のOFDMシンボルの長さを有することができる。一方、開始時間は、サーチスペースセット設定自体によって設定され、たとえば、そのOFDMシンボルから、UEはそのセットのサーチスペースのPDCCHのモニタを開始する。サーチスペースセットの設定およびCORESETの設定の組み合わせにより、UEのPDCCHモニタ要件に関する周波数領域および時間領域での明確な定義が提供される(たとえば、3GPP TS38.213v16.6.0、セクション10.1を参照)。
【0055】
概念的には、
図6は、UEがモニタできる帯域幅部分、CORESET、サーチスペース、サーチスペースセット、およびPDCCH候補の間の関係の例示的な図を提供している。
図6から明らかなように、BWPごとに1つのCORESETを示しているが、2つ以上も可能である。そして、各CORESETは特定のアグリゲーションレベル(たとえば、AL2、4、または8)の1つまたは複数のPDCCH候補のいくつかのサーチスペースを有することができ、これらはサーチスペースセット、たとえば、共通SSセットおよびUE固有SSセットにグループ化することができる。
【0056】
CORESETおよびサーチスペースセットの設定は両方とも、RRCシグナリングを介して準静的に行うことができ、対応するRRC情報エレメントは、たとえば3GPP TS38.331v16.5.0セクション6.3.2の定義に従って以下に提供する、ControlResourceSetおよびSearchSpaceである。
【0057】
ControlResourceSet
IE ControlResourceSetは、ダウンリンク制御情報を探索するための時間/周波数制御リソースセット(CORESET)を設定するために使用される(TS38.213[13]、10.1項を参照)。
【数1】
【表2-1】
【表2-2】
【表3】
【0058】
SearchSpace
IE SearchSpaceは、PDCCH候補を探索する方法および場所を定義する。各サーチスペースは1つのControlResourceSetに関連付けられる。クロスキャリアスケジューリングのケースでの被スケジューリングセルの場合、nrofCandidatesを除き、全てのオプションフィールドが(それらの存在条件に関係なく)存在しない。
【数2-1】
【数2-2】
【表4-1】
【表4-2】
【表4-3】
【表4-4】
【表5】
【0059】
UEは、上記のパラメータの一部からサーチスペースまたはサーチスペースセットを決定するプロセスを実行する。この点におけるUEによる例示的な動作は、3GPP TS38.213v16.6.0セクション10.1「UE procedure for determining physical downlink control channel assignment」によって提供された定義に従って、以下に提供される。
【0060】
サービングセルにおいてUEに設定されたDL BWPごとに、上位層によってS≦10個のサーチスペースセットがUEに提供され、S個のサーチスペースセットのうちの各サーチスペースセットについて、SearchSpaceによりUEに以下が提供される。
- searchSpaceIdによるサーチスペースセットインデックスs、0<s<40
- controlResourceSetIdまたはcontrolResourceSetId-v1610によるサーチスペースセットsとCORESET pとの間の関連付け
- monitoringSlotPeriodicityAndOffsetによる、k
sスロットのPDCCHモニタ周期およびo
sスロットのPDCCHモニタオフセット
- monitoringSymbolsWithinSlotによる、PDCCHモニタ対象のスロット内のCORESETの最初の1つまたは複数のシンボルを示すスロット内のPDCCHモニタパターン
- durationによる、サーチスペースセットsが存在するスロットの数を示すT
s<k
sスロットの持続時間
- aggregationLevel1、aggregationLevel2、aggregationLevel4、aggregationLevel8、およびaggregationLevel16による、それぞれ、CCEアグリゲーションレベル1、CCEアグリゲーションレベル2、CCEアグリゲーションレベル4、CCEアグリゲーションレベル8、およびCCEアグリゲーションレベル16についての、CCEアグリゲーションレベルLごとのPDCCH候補
【数3】
の数
- searchSpaceTypeによる、サーチスペースセットsがCSSセットまたはUSSセットのいずれであるかの指示
- サーチスペースセットsがCSSセットである場合
- DCIフォーマット0_0およびDCIフォーマット1_0のPDCCH候補をモニタするためのdci-Format0-0-AndFormat1-0による指示
- DCIフォーマット2_0および対応するCCEアグリゲーションレベルについての、1つまたは2つのPDCCH候補をモニタするための、またはサーチスペースセットのfreqMonitorLocationsがUEに提供されている場合には、RBセットごとに1つのPDCCH候補をモニタするためのdci-Format2-0による指示。
- DCIフォーマット2_1のPDCCH候補をモニタするためのdci-Format2-1による指示
- DCIフォーマット2_2のPDCCH候補をモニタするためのdci-Format2-2による指示
- DCIフォーマット2_3のPDCCH候補をモニタするためのdci-Format2-3による指示
- DCIフォーマット2_4のPDCCH候補をモニタするためのdci-Format2-4による指示
- DCIフォーマット2_6のPDCCH候補をモニタするためのdci-Format2-6による指示
- サーチスペースセットsがUSSセットである場合、DCIフォーマット0_0およびDCIフォーマット1_0、もしくはDCIフォーマット0_1およびDCIフォーマット1_1のいずれかのPDCCH候補をモニタするためのdci-Formatsによる指示、またはDCIフォーマット0_2およびDCIフォーマット1_2、もしくはDCIフォーマット0_1、DCIフォーマット1_1、DCIフォーマット0_2、およびDCIフォーマット1_2のPDCCH候補をモニタするためdci-FormatsExtによる指示、あるいはDCIフォーマット0_0およびDCIフォーマット1_0、もしくはDCIフォーマット0_1およびDCIフォーマット1_1、もしくはDCIフォーマット3_0、もしくはDCIフォーマット3_1、またはDCIフォーマット3_0およびDCIフォーマット3_1のPDCCH候補をモニタするためのdci-FormatsSLによる指示
- サーチスペースセットsの1つまたは複数のRBセットのインデックスを示すためのfreqMonitorLocations(提供されている場合)によるビットマップであり、ビットマップのMSB kは、DL BWP内のRBセットk-1に対応する。ビットマップに示されたRBセットkについて、そのRBセット内に限定された周波数領域モニタ位置の最初のPRBは
【数4】
によって与えられ、ここで、
【数5】
は、RBセットk[6、TS38.214]の最初の共通RBのインデックスであり、
【数6】
は、rb-Offsetによって提供され、またはrb-Offsetが提供されない場合は
【数7】
である。ビットマップ内で対応する値1を有する各RBセットについて、モニタ位置の周波数領域リソース割り当てパターンは、関連付けられたCORESET設定によって提供されるfrequencyDomainResourcesの最初の
【数8】
ビットに基づいて決定される。
【0061】
さらに、5G準拠の一例(3GPP TS38.213v16.6.0セクション10.1を再度参照)によれば、UEは以下のようにPDCCHモニタ機会を決定する。
【0062】
UEは、PDCCHモニタ周期、PDCCHモニタオフセット、およびスロット内のPDCCHモニタパターンからアクティブDL BWP上のPDCCHモニタ機会を決定する。サーチスペースセットsについて、UEは、
【数9】
である場合、番号n
fのフレーム内の番号
【数10】
[4、TS38.211]のスロットに1つまたは複数のPDCCHモニタ機会が存在すると判定する。UEはスロット
【数11】
から始まるT
s個の連続するスロットの間にサーチスペースセットsのPDCCH候補をモニタし、次のk
s-T
s個の連続するスロットの間はサーチスペースセットsのPDCCH候補をモニタしない。
【0063】
1つまたは複数のサーチスペースセットを決定するための上記の例示的なUE手順から明らかなように、サーチスペースセットは、共通サーチスペースセットとユーザ固有サーチスペースセットとの間で区別することもできる。
【0064】
図7は、RRC情報エレメントによって提供されるパラメータo
s、k
s、T
s、n
f、monitoringSymbolsWithinSlotを特に使用した、5G規格の上記で提供した例示的な定義に沿った、PDCCHモニタ機会の例示的な定義を示している。
図7の例示的なシナリオでは、次の仮定が行われる。
・6スロットのPDCCHモニタ周期k
s
・2スロットのPDCCHモニタオフセットo
s
・2スロットの持続時間T
s
・フレームあたりのスロット数は10(0~9)であり、n
fは無線フレームの番号である
【0065】
上記で定義された式
【数12】
は、無線フレームn
f=0に関してはPDCCHモニタスロット
【数13】
=2および8の場合に満たされ、無線フレームn
f=1に関してはPDCCHモニタスロット
【数14】
=4の場合に満たされる。言い換えれば、無線フレーム0のスロット2および8ならびに無線フレーム1のスロット4は、PDCCHモニタ機会が存在するスロットである。持続時間T
sが2スロットであると仮定されていることを考えると、PDCCHモニタ機会は、無線フレーム0のスロット3および9ならびに無線フレーム1のスロット5にも存在する。UEは、次のk
s-T
s個の連続するスロットの間にサーチスペースセットsのPDCCH候補をモニタする必要はない。
【0066】
まとめると、UEは、無線フレーム0のスロット2、3、8、9にPDCCHモニタ機会があると判定して、これらのスロットでPDCCHをモニタする。PDCCHスロットモニタは、スロット内のPDCCHモニタパターンに従って実行され、これも
図7に示し、以下で説明する。
【0067】
PDCCHモニタ対象に設定されたそのようなスロットは、1つまたは複数のPDCCHモニタ機会であり得る。スロット内のPDCCHモニタパターンは、パラメータMonitoringSymbolsWithinSlotを使用して設定され、これは14ビットの列であり、その各ビットはスロットの対応するシンボルに関連付けられている。このパラメータは、PDCCHモニタ対象に設定されたスロット内のPDCCHモニタ対象の最初の1つまたは複数のシンボルを示し、最上位(左)ビットは、スロット内の最初のOFDMシンボルを表し、最上位(左)から2番目のビットは、スロット内の2番目のOFDMシンボルを表し、以下同様である。言い換えれば、1に設定された1つまたは複数のビットは、スロット内の制御リソースセットの最初のOFDMシンボルをそれぞれ識別する。さらに、モニタ機会の持続時間は、PDCCHモニタ機会のサーチスペースセットsに関連付けられたCORESETの持続時間によって定義される。最初の1つまたは複数のシンボルおよび持続時間は、組み合わさって、スロット内のPDCCHモニタパターンを定義する。
【0068】
図7で例示的に仮定しているように、PDCCHモニタスロットはそれぞれ2つのモニタ機会を有し、これらは連続するOFDMシンボル0、1、2および7、8、9にそれぞれ位置しており、ここでは例示的に3OFDMシンボルのCORESET持続時間を仮定している。
【0069】
図7に関連した上記の例示的な説明では、単一のサーチスペースセットsについてのみ言及したが、共通SSセットおよびUE固有SSセットを含むさらなるサーチスペースセットの定義にも同様に適用することができる。
【0070】
さらに、あるSSセットのPDCCHモニタ機会は、他のSSセットのPDCCHモニタ機会と(部分的または完全に)オーバーラップする場合もあればオーバーラップしない場合もあることに留意されたい。
【0071】
上記の
図6および
図7のコンテキストでは、特に5G NR規格Rel.16の現在のバージョンに関して、gNBがサーチスペース、サーチスペースセット、PDCCHモニタ機会をどのようにして設定することができるか、およびそれらをどのようにしてUEに示すかに関する非常に具体的な例を示している。しかしながら、上記は単なる例であり、サーチスペース、サーチスペースセット、PDCCHモニタ機会を設定して示す他の方法も可能であり、以下に説明する改良された解決策、UEおよび基地局、ならびに対応する方法と共に同様に使用可能であることに留意されたい。
【0072】
UE能力指示
PDCCHモニタのコンテキストでは、UEは、UE能力に関する情報を提供することにより、gNBがサーチスペースセットを設定するのを支援することができる。異なるUEは、異なるPDCCHモニタ能力を有し得る。たとえば、URLLC(超高信頼低遅延通信)をサポートするUEは、たとえばmMTC(大規模マシンタイプ通信)のみをサポートするUEよりも高いPDCCHモニタ能力を有する。
【0073】
1つの可能性は、UEのベンダーが、UEの能力、たとえば、PDCCHをモニタし、起こり得るDCIメッセージを処理するUEの能力などに関する適切な情報をUE内に提供することである。UE能力は、UEのハードウェアおよび/またはソフトウェアに依存し、UEごとに異なり得る。いずれにせよ、能力に関するそのような情報は、たとえばベンダーによってUEに事前に記憶されることを想定することができる。このため、UEは、オペレーティングシステムおよび3GPP規格に従って、自身の動作に関連する能力を決定することができる。
【0074】
UEは、PDCCHモニタに関するUEの能力の情報を提供することができ、gNBは、これを、サーチスペースおよびモニタ機会を決定するときに考慮することができる。5G NRは、たとえば3GPP TS38.306v16.5.0において既にいくつかの合意に達しており、これは以下において、UEがどのようにして能力情報をgNBに通知することができるかについての一例として理解されるべきである。とりわけ、UEは、自身がサポートするPDCCHサーチスペースモニタ機会間の最小時間間隔を示すことができる。たとえば、3GPP TS38.306では、FeatureSetDownlinkの一部として指示pdcch-Monitoring-r16が定義されている。
【表6】
【0075】
この能力パラメータによって定義されるように、UEは、PDCCH SSモニタ機会(Yシンボルにわたる)が少なくともXシンボルだけ離されるべきであるといった自身のサポートをgNBに示すことができる。したがって、PDCCHサーチスペースモニタ機会(略してPDCCHモニタ機会)のサポートされているスパンYは、最大でも2つまたは3つの連続するOFDMシンボルである。一方、2つのスパン間の最小間隔は2、4、または7OFDMシンボルであり、次の連続するPDCCHモニタスロットにも境界を越えて適用される。PDCCHモニタスパンは、単一のスロット内にあり、すなわち、PDCCHモニタスロットの境界を越えない。XシンボルのPDCCH最小時間間隔は、スロットを越えるものを含む、2つの連続するスパンの最初のシンボル間である。スパンのシンボル数は最大でYである。
【0076】
このパラメータpdcch-Monitoring-r16は通常、スケジューリングレイテンシを短縮するために、UEがより頻繁に(スロットごとに2回以上)PDCCHをモニタおよび受信する必要があるURLLC UEに使用される。3GPP TS38.213のセクション10で規定されているように、このパラメータは、15kHzおよび30kHzのサブキャリア間隔にのみ適用可能である。
【0077】
図8は、スロット内のPDCCHモニタ指示の(X,Y)の様々な組み合わせの例示的な解釈を例示的に示している。たとえば、組み合わせ(2,2)の場合、UEは基本的にスロットを連続的にモニタすることができる。説明の目的で、
図8は、それぞれ2OFDMシンボルの長さを有し、2つの連続するスパンの最初のシンボル間の2OFDMシンボルの最小間隔要件に適合するスパンを含む。
【0078】
図8は、例示的にOFDMシンボル1から始まる(X,Y)=(4,3)の可能なスパンも示している。結果として得られるスパンは、たとえば、OFDMシンボル1、2、3、5、6、7、9、10、11、および理論的にはOFDMシンボル13も占有し得、PDCCHモニタスパンは単一のスロット内に含まれるべきであるので、最後のスパンはOFDMシンボル13のみを占有する。
【0079】
最小間隔がスロットにまたがっても適用されることを考慮すると、次のスロットの次の3つの後続のスパンは、それぞれ3OFDMシンボルの長さを有し、4OFDMシンボルの最小間隔要件に適合するOFDMシンボル3、4、5、7、8、9、11、12、および13を占有し得る。(4,3)の例では、説明の目的で、最初のスロット内の最初のスパンがOFDMシンボル1から開始することができると仮定した。しかしながら、
図8には示していないが、(4,3)のスパンは、OFDMシンボル0などの別のOFDMシンボルから開始することもできる。
【0080】
図8は、(X,Y)=(7,3)の可能なスパンも示しており、具体的には、それぞれ3OFDMシンボルの長さを有し、2つの連続するスパンの最初のシンボル間の7OFDMシンボルの最小間隔要件に適合するOFDMシンボル3、4、5、10、11、および12を占有する2つのスパンを示している。次のスロットでも同じスパンが可能である。この場合もやはり、組み合わせ(7,3)に関して他のスパンの例が可能であり、たとえば、他のOFDMシンボルから始まるものがある。
【0081】
全ての組み合わせに関して、gNBによって実際に設定されるスパンは、より短い(たとえば、1OFDMシンボルしか有さない)場合があり、またはさらに離される場合がある。
【0082】
次いで、このPDCCHモニタ能力指示に基づいて、gNBは、たとえば、UEの示されたPDCCHモニタ能力を満たすPDCCHモニタ機会をUEに設定することができる。gNBは、多くのUEのPDCCHモニタ能力を、それぞれのPDCCHモニタ機会を設定するときに考慮に入れることができる。
【0083】
図9は、UEによる特定のPDCCHモニタ能力の報告と、その結果得られる、報告された能力を満たす、gNBによって設定されたPDCCHモニタ機会と、を例示的に示している。UEが自身のPDCCHモニタ能力として(X,Y)=(4,3)をgNBに報告すると例示的に仮定する。この情報に基づいて、gNBは、たとえば、第1のスロットに3つのPDCCHモニタ機会を設定し、すなわち、OFDMシンボル2および3の第1のMO、OFDMシンボル8の第2のMO、OFDMシンボル12の第3のMOを設定する。たとえば、第1のMOは、2OFDMシンボルの持続時間のCORESETに関連付けられ、第2および第3のMOは、1OFDMシンボルの持続時間のCORESETに関連付けられる。第2のスロットでは、gNBが、前のスロットの第3のMOから4OFDMシンボルの間隔を有する、OFDMシンボル2および3を占有する第1のMOを少なくとも設定すると例示的に仮定する。第1のスロット内の3つのMOは、それぞれ、第1および第2のMOの間で6OFDMシンボルだけ離れており、第2および第3のMOの間で4OFDMシンボルだけ離れている。それに対応して、設定された全てのMOは、PDCCHモニタの最小間隔および長さに関して示されたUE能力に適合する。
【0084】
5G NRにおける時間領域
時間領域において、5G NRでの送信は、長さ10msのフレームに編成され、各フレームは、長さ1msの10個の等サイズのサブフレームに分割される。サブフレームは、1つまたは複数のスロットに分割され、各スロットは、14個のOFDMシンボルから成る。ミリ秒単位のスロットの持続時間は、ニューメロロジーによって異なる。このため、たとえば、15kHzのサブキャリア間隔の場合、NRスロットは、通常のサイクリックプレフィックスを有するLTEサブフレームと同じ構造を有する。5G NRのサブフレームは、ニューメロロジーに依存しない時間基準として機能し、これは、スロットが典型的な動的スケジューリングの単位であるのに対し、同じキャリアで複数のニューメロロジーが混合されている場合に特に有用である。3GPP 5G NR通信の基礎となるこのフレーム構造を
図10に例示的に示す。
【0085】
52GHzを超える新しい周波数スペクトル
5G NRはこれまでのところ、FR1およびFR2の2つの周波数レンジで動作する。周波数レンジ1(FR1:frequency range 1)は、450MHz~6GHzであり、LTEを含む。周波数レンジ2(FR2:frequency range 2)は、24.25GHz~52.6GHzである。サブ6GHzレンジはFR1の名称であり、mmWaveスペクトルはFR2の名称である。
【0086】
比較的活用されていないミリ波(mmWave:millimeter-wave)スペクトルは、利用可能な連続する帯域幅の量が膨大であるので、高速データレート、低レイテンシ、および大容量を提供する優れた機会を提供する。しかしながら、52.6GHzを超える周波数の帯域での動作は、デバイスの性能によって制限され、たとえば、パワーアンプ(PA:power amplifier)の効率が悪いこと、位相ノイズ障害がより大きいこと、フロントエンドの挿入損失の増加、ならびに低ノイズアンプ(LNA:low noise amplifier)およびアナログデジタルコンバータ(ADC:analog-to-digital converter)のノイズなどがある。さらに、52.6GHzを超える周波数の帯域では、伝播損失および透過損失が大きいという課題がある。それでも、52.6GHz~114.25GHzの周波数で動作するNRでは様々なユースケースが想定される。
【0087】
3GPPは現在、52.6GHz~71GHzの周波数レンジなどの52.6GHzを超えるより高い周波数の場合の、480kHzおよび960kHzなどのより高いサブキャリア間隔の使用について議論している。
【0088】
しかしながら、SCSが高くなると、シンボル持続時間が短くなり、その結果、スロット持続時間も短くなる。たとえば、120kHzSCSの場合、1スロットは125usであるが、480kHzSCSの場合、1スロットは31.25usであり、960kHzSCSの場合は15.625usである。
【0089】
図11は、120kHzのSCSのスロット長と、480kHzおよび960kHzのSCSの対応するスロット長と、の比較を示している。さらに、無線フレームは、480kHzのSCSでは32スロットを有し、960kHzのSCSでは64スロットを有し、それぞれ1スロット当たり14OFDMシンボルを有し、それに対応して短いOFDMシンボル持続時間を有する。
【0090】
これらの短縮されたOFDMシンボルおよびスロット持続時間では、UE側で高い処理能力が必要になり得る。Rel.15またはRel.16に従うUEは、スロットごとにPDCCHを処理することが可能であるべきである(シングルスロットモニタ能力)。一方、52.6~71GHzの高周波レンジでは、全てのUEがそのような短時間内に各スロットを処理できない場合がある。さらに、たとえ実際に可能であったとしても、そのような処理タイムラインが必要になると、UEの複雑さおよび消費電力が大幅に増加する。
【0091】
したがって、3GPPはRel.17のために、UEが480/960kHzSCSの場合に複数スロットごとにのみPDCCHをモニタできるようにすること、すなわち、マルチスロットモニタの実現可能性について議論しており、換言すれば、UEは各スロットをモニタする必要はない。
【0092】
さらなる改良
上記で提示したように、3GPPで現在議論されている開発の1つは、高SCSおよび高周波数レンジ52.6~71GHzのマルチスロットモニタに関連しており、これによりUEの複雑さおよび消費電力の削減が可能になる。しかしながら、そのようなマルチスロットモニタの場合、gNBによって設定され使用されるスケジューリング機会が少なくなり、gNBのスケジューリングの柔軟性が低下するという潜在的な欠点がある。
【0093】
図12および
図13は、2つのUEのPDCCHモニタ機会を示しており、これには、共通SS(CSS:common SS)およびそれぞれのUE固有SS(USS:UE-specific SS)のモニタ機会が含まれる。
図12では、両方のUEがUSSおよびCSSの両方について4スロットごとに1つのPDCCHモニタ機会のみをモニタすると例示的に仮定している。したがって、gNBは、両方のUEのUSS MOをCSS MOと同じ位置に割り当てる必要がある。
図12では、PDCCHモニタは、スロットの先頭、たとえば最初の2つまたは3つのOFDMシンボルであると例示的に仮定している。UEは、4スロットごとに1つのPDCCHモニタ機会をモニタするだけでよいので、UEのPDCCHモニタの複雑さはかなり低い。しかしながら、gNBは、CSSおよび複数のUEのUSSの両方を同じモニタ機会に設定する必要があり得る。これにより、このリソース制約に起因して、gNBによってスケジューリングできるUEの数が大幅に制限される。
【0094】
図13は、UE1およびUE2の両方が4スロットごとに2つのPDCCHモニタ機会をモニタすると仮定しており、そのため、
図12のように共通のPDCCHモニタ機会を使用する必要はなく、CSSおよびUSSを異なるPDCCHモニタ機会に設定することが可能である。それに対応して、gNBのスケジューリングの柔軟性が、
図12のシナリオと比較して向上する。しかしながら、PDCCHモニタに関するUEの要件は増加する。さらに、UE2に対して例示的に仮定したように、2つのモニタ機会が互いに近接して配置される場合、PDCCHモニタ要件は大幅に増加する。
【0095】
本発明者らは、上記で論じた潜在的な欠点および課題を特定したので、上記で特定した問題のうちの1つまたは複数を回避または軽減することを可能にするPDCCH(ダウンリンク制御チャネル)の改良されたモニタ手順を提供する可能性を特定した。本発明は、そのような改良されたダウンリンク制御チャネルモニタ手順のための様々な解決策および変形例に関する。
【0096】
たとえば、改良されたダウンリンク制御チャネルモニタ手順により、gNBのスケジューリングの柔軟性とUEのPDCCHモニタの複雑さとのバランスをとることが可能になる。
【0097】
<実施形態>
以下では、これらのニーズを満たすためのUE、基地局、および手順が5G移動通信システムのために想定される新たな無線アクセス技術のために説明されるが、LTE移動通信システムにおいても使用されうる。様々な実装形態および変形例も同様に説明される。以下の開示は、上述の議論および知見によって促進され、例えば、その少なくとも一部に基づくことができる。
【0098】
一般に、本開示の根底にある原理を明確で簡潔かつ理解可能な方法で説明できるようにするために、本明細書では多くの仮定を行ってきており、以下でも行うことに留意されたい。しかしながら、これらの仮定は、説明のために本明細書でなされた単なる例として理解されるべきであり、本開示の範囲を限定すべきではない。当業者は、以下の開示の原理および特許請求の範囲に記載した原理が、異なるシナリオに適用することができ、また、本明細書で明示的に説明していない方法で適用することができることに気付くであろう。
【0099】
さらに、以下において使用される手順、エンティティ、レイヤなどの用語のいくつかは、LTE/LTE-Aシステムまたは現行の3GPP 5G標準化において用いられる用語に密接に関係するが、次の3GPP 5G通信システムに対する新しい無線アクセス技術のコンテキストにおいて用いられる特定の用語はまだ完全に決定されていないか、または最終的に変更され得る。よって、実施形態の機能に影響することなく、将来は用語が変更される可能性がある。結果として、実施形態およびそれらの保護範囲は、より新しい用語または最終合意される用語を欠いた本明細書において例示的に使用される特定の用語に制限されるべきではなく、本開示の機能および原理の基礎をなす機能および概念によってより広く理解されるべきであることを当業者は認識している。
【0100】
たとえば、移動局または移動ノードまたはユーザ端末またはユーザ機器(UE)は、通信ネットワーク内の物理エンティティ(物理ノード)である。1つのノードがいくつかの機能エンティティを有してもよい。機能エンティティとは、同じもしくは別のノードまたはネットワークの他の機能エンティティに対して予め定められた機能セットを実施および/または提供するソフトウェアまたはハードウェアモジュールを示す。ノードは、ノードの通信を可能にする通信設備または媒体にノードを取り付ける1つ以上のインタフェースを有してもよい。同様に、ネットワークエンティティは、自エンティティと他の機能エンティティまたは対応するノードとの通信を可能にする通信設備または媒体に機能エンティティを取り付ける論理インタフェースを有してもよい。
【0101】
本明細書における「基地局」または「無線基地局」という用語は、通信ネットワーク内の物理エンティティを示す。移動局と同様に、基地局はいくつかの機能エンティティを有してもよい。機能エンティティとは、同じもしくは別のノードまたはネットワークの他の機能エンティティに対して予め定められた機能セットを実施および/または提供するソフトウェアまたはハードウェアモジュールを示す。物理エンティティは、スケジューリングおよび設定のうちの1つ以上を含む、通信デバイスに関するいくつかの制御タスクを実行する。なお、基地局の機能と通信デバイスの機能とが単一のデバイス内に統合されてもよい。たとえば、移動端末は、他の端末に対する基地局の機能も実装してもよい。LTEにおいて使用される用語はeNB(またはeNodeB)であるが、5G NRに対して現在使用される用語はgNBである。
【0102】
UEと基地局との通信は典型的に標準化されており、たとえばPHY、MAC、RRCなどの異なるレイヤによって定義されてもよい(上記の背景技術の説明を参照)。
【0103】
「モニタ機会」、「ダウンリンク制御チャネルモニタ機会」、「PDCCHモニタ機会」という表現および同様の表現は、たとえば、UEが(たとえば、PDCCH候補に従って)PDCCHをモニタするように設定されるスロットの期間(たとえば、1つまたは複数の連続するシンボルのセット)として、広く理解されるべきである。たとえば、UEは、自身に設定されたサーチスペースセットごとにモニタ機会を決定する。
【0104】
「スパン」、「時間スパン」、「MO時間スパン」という表現および同様の表現は、たとえば、1つまたは複数のモニタ機会を含むいくつかの連続するシンボルとして、広く理解されるべきである。さらに、1つの任意選択の実装では、各モニタ機会は、1つのスパン内にあり、さらにスパンは、モニタ機会が開始する最初のシンボルから開始し、モニタ機会(場合によっては最初のMOとは異なるMO)が終了する最後のシンボルで終了する。
【0105】
「サーチスペースセット」という表現は、複数のサーチスペースを有し、各サーチスペースがDCIメッセージを受信するための1つまたは複数の可能な候補を含む、サーチスペースのセットとして広く理解することができる。たとえば、サーチスペースは、同じアグリゲーションレベルを有するが、DCIメッセージのフォーマットが異なる様々な候補をグループ化したものである。転じて、たとえば、サーチスペースのセットは、アグリゲーションレベルが異なるが、同一のモニタ対象の時間周波数リソースのセット(たとえば、同じCORESET)に関連付けられたサーチスペースを含み得る。サーチスペースセットの特定の例示的な実装は、上記で説明したように、3GPP 5G NR規格によって与えられる。
【0106】
「モニタ」という用語は、特定のフォーマットなどに基づくDCIメッセージを受信するための可能な候補の復号を試みるプロセスなどとして広く理解することができる。そのような復号の試行は、ブラインド復号とも呼ばれ得る。
【0107】
「モニタ候補」という表現は、モニタ機会内でUEによってモニタされる特定の候補として広く理解することができる。3GPP 5G NR規格に準拠する特定の例示的な実装形態では、「モニタ候補」は「PDCCH候補」とみなすことができる。
【0108】
以下の解決策では、改良されたダウンリンク制御チャネルモニタ手順が、概念的には、上記で説明したように、3GPP 4Gまたは5G規格に従って既に定義されたPDCCHモニタに基づくことができると例示的に仮定する。
【0109】
図14は、ユーザ機器(通信デバイスとも称する)と、スケジューリングデバイス(ここでは、eLTE eNB(別名、ng-eNB)または5G NRのgNBなどの基地局に配置されると例示的に仮定する)との一般的で簡略化した例示的なブロック図を示している。UEおよびeNB/gNBは、それぞれ送受信機を使用して(ワイヤレス)物理チャネルを介して相互に通信する。
【0110】
通信デバイスは、送受信機と処理回路とを含んでもよい。送受信機は、受信機および送信機を含んでもよく、かつ/または受信機および送信機として機能してもよい。処理回路は、たとえば1つ以上のプロセッサまたは任意のLSIなどの1つ以上のハードウェアであってもよい。送受信機と処理回路との間に入力/出力点(またはノード)が存在し、処理回路は動作中にこの入力/出力点を通じて送受信機を制御でき、すなわち受信機および/または送信機を制御して受信/送信データを交換できる。送受信機は、送信機および受信機として、1つ以上のアンテナ、増幅器、およびRF変調器/復調器などを含むRF(無線周波数:radio frequency)フロントを含んでもよい。処理回路は、たとえば送受信機を制御して、処理回路が提供するユーザデータおよび制御データを送信すること、および/または処理回路によってさらに処理されるユーザデータおよび制御データを受信することなどの制御タスクを実施してもよい。加えて処理回路は、たとえば判定、決定、計算、測定などのその他のプロセスの実行を担ってもよい。送信機は、送信のプロセスおよびそれに関するその他のプロセスの実行を担ってもよい。受信機は、受信のプロセスおよびそれに関するその他のプロセス、たとえばチャネルのモニタなどの実行を担ってもよい。
【0111】
改良されたダウンリンク制御チャネルモニタ手順の様々な解決策を以下に説明する。これに関連して、改良されたダウンリンク制御チャネルモニタ手順に参加する改良されたUEおよび改良された基地局を提示する。UE動作および基地局動作に対応する方法も提供する。
【0112】
図15は、改良されたダウンリンク制御チャネルモニタ手順の1つの例示的な実装による簡略化した例示的なUE構造を示しており、これは
図14に関連して説明した一般的なUE構造に基づいて実装することができる。この
図15に示すUEの様々な構造要素は、たとえば、制御およびユーザデータならびに他の信号を交換するために、たとえば、対応する入力/出力ノード(図示せず)によって、互いに相互接続することができる。説明のために図示していないが、UEはさらなる構造要素を含み得る。
【0113】
図15から明らかなように、UEは、モニタ機能に関するUEの能力を決定するための回路、能力指示送信部、モニタ機会設定受信部、およびダウンリンク制御チャネルモニタ回路を含み得る。
【0114】
このため、現在のケースでは、以下の開示から明らかになるように、UEの受信機は、UEにおけるモニタ機能を設定するための設定メッセージを受信すること、ダウンリンク制御チャネルでダウンリンク制御情報メッセージを受信することなどのうちの1つまたは複数を少なくとも部分的に実行するように例示的に構成することができる。
【0115】
このため、現在のケースでは、以下の開示から明らかになるように、UEの処理回路は、第1および/または第2の能力条件など、UEの1つまたは複数の能力を決定すること、ダウンリンク制御チャネルのモニタ機会を決定することなどのうちの1つまたは複数を少なくとも部分的に実行するように例示的に構成することができる。
【0116】
このため、現在のケースでは、以下の開示から明らかになるように、UEの送信機は、能力指示を基地局に送信することなどのうちの1つまたは複数を少なくとも部分的に実行するように例示的に構成することができる。
【0117】
以下でさらにより詳細に開示する1つの例示的な手順は、以下を含むUEによって実装される。UEのプロセッサは、モニタ機能を動作させるためのUEの能力を決定し、モニタ機能は、ダウンリンク制御情報メッセージを受信する目的で1つまたは複数のモニタ機会においてダウンリンク制御チャネルをモニタするためにUEによって動作させられる。UEの決定された能力は、モニタ機能を動作させるためのUEの以下の2つの能力条件、すなわち、
- 1つまたは複数の連続するシンボルのスパン長を有する2つの連続する時間スパン間の最小スパン時間ギャップに関する第1の能力条件であって、各時間スパンは、ダウンリンク制御チャネルの1つまたは複数のモニタ機会を含み得る、第1の能力条件と、
- 1つまたは複数のスロットの長さを有するグループ化ウィンドウ内の時間スパンの2つの連続するグループ間の最小グループ時間ギャップに関する第2の能力条件と、
を含む。
UEの送信機は、能力指示を基地局に送信し、能力指示は、モニタ機能を動作させるためのUEの決定された能力に関する情報を含む。能力指示は、UEの第1の能力条件を示し、任意選択により、UEの第2の能力条件を含む。UEの受信機は、UEにおけるモニタ機能を設定するための設定情報を基地局から受信し、設定情報は、UEがダウンリンク制御チャネルをモニタする1つまたは複数のモニタ機会を設定する。
【0118】
対応する例示的な方法は、UEによって実行される、
モニタ機能を動作させるためのUEの能力を決定するステップであって、モニタ機能は、ダウンリンク制御情報メッセージを受信する目的で1つまたは複数のモニタ機会においてダウンリンク制御チャネルをモニタするためにUEによって動作させられ、
UEの決定された能力は、モニタ機能を動作させるためのUEの以下の2つの能力条件、すなわち、
- 1つまたは複数の連続するシンボルのスパン長を有する2つの連続する時間スパン間の最小スパン時間ギャップに関する第1の能力条件であって、各時間スパンは、ダウンリンク制御チャネルの1つまたは複数のモニタ機会を含み得る、第1の能力条件と、
- 1つまたは複数のスロットの長さを有するグループ化ウィンドウ内の時間スパンの2つの連続するグループ間の最小グループ時間ギャップに関する第2の能力条件と、
を含む、決定するステップと、
能力指示を基地局に送信するステップであって、能力指示は、モニタ機能を動作させるためのUEの決定された能力に関する情報を含み、能力指示は、UEの第1の能力条件を示し、任意選択により、UEの第2の能力条件を含む、送信するステップと、
UEにおけるモニタ機能を設定するための設定情報を基地局から受信するステップであって、設定情報は、UEがダウンリンク制御チャネルをモニタする1つまたは複数のモニタ機会を設定する、受信するステップと、
を含む。
【0119】
上記で論じたUEおよびUEの方法に沿った例示的なUE動作に対応するシーケンス図を
図16に示す。
図16から明らかなように、UEは、ダウンリンク制御チャネルをモニタするためのモニタ機能を動作させるための自身の能力を決定し、次いで、示された能力を基地局に送信する。UEの能力には2つの別個の能力条件が含まれ得る(詳細は以下を参照)。どちらの能力条件もUEによって決定されるが、第1の能力条件は、常に基地局に送信され、第2の能力条件は、任意選択により送信することができる。それに応じて、UEは、ダウンリンク制御チャネルのモニタ機会を含む、モニタ機能を設定するための設定情報を基地局から受信する。
図16には示していないが、決定され示されたUEモニタ能力は、
- 1つまたは複数の連続するシンボルのスパン長を有する2つの連続する時間スパン間の最小スパン時間ギャップであって、各時間スパンが1つまたは複数のダウンリンク制御チャネルモニタ機会を含み得る、最小スパン時間ギャップと、
- 1つまたは複数のスロットの長さを有するグループ化ウィンドウ内の時間スパンの2つの連続するグループ間の最小グループ時間ギャップと、
の一方または両方を示す。
【0120】
改良されたダウンリンク制御チャネルモニタ手順のいくつかの例示的な実装には、UEが現在接続されている基地局(たとえば、サービング基地局と呼ばれる)も関与する。それに対応して、改良されたダウンリンク制御チャネルモニタ手順は、それに参加する改良された基地局も提供する。
【0121】
図17は、改良されたダウンリンク制御チャネルモニタ手順の1つの例示的な実装による簡略化した例示的な基地局構造を示しており、これは
図14に関連して説明した一般的な基地局構造に基づいて実装することができる。この
図17に示す基地局の様々な構造要素は、たとえば、制御およびユーザデータならびに他の信号を交換するために、たとえば、対応する入力/出力ノード(図示せず)によって、互いに相互接続することができる。説明のために図示していないが、基地局はさらなる構造要素を含み得る。
【0122】
図17から明らかなように、基地局は、能力指示受信部、能力決定回路、モニタ機会を決定するための回路、およびモニタ機会設定送信部を備える。
【0123】
以下でさらにより詳細に開示する1つの例示的な手順は、以下を含む基地局によって実装される。基地局の受信機は、1つまたは複数のユーザ機器UEそれぞれから能力指示を受信し、能力指示は、モニタ機能を動作させるためのUEの能力を示し、モニタ機能は、ダウンリンク制御情報メッセージを受信する目的で1つまたは複数のモニタ機会においてダウンリンク制御チャネルをモニタするためにUEによって動作させられる。各UEからの能力指示は、UEの能力として第1の能力条件を示し、
- 第1の能力条件は、1つまたは複数の連続するシンボルのスパン長を有する2つの連続する時間スパン間の最小スパン時間ギャップに関し、各時間スパンは、ダウンリンク制御チャネルの1つまたは複数のモニタ機会を含み得る。
基地局のプロセッサは、受信された能力指示によって示される情報から、または記憶された情報と、それぞれのUEによってダウンリンク制御チャネルに使用されるサブキャリア間隔と、から、1つまたは複数のスロットの長さを有するグループ化ウィンドウ内の時間スパンの2つの連続するグループ間の最小グループ時間ギャップに関する1つまたは複数のUEの第2の能力条件を決定する。プロセッサは、1つまたは複数のUEの全てについて決定された第1および第2の能力条件に基づいて、ダウンリンク制御チャネルでモニタされる1つまたは複数のモニタ機会を、1つまたは複数のUEそれぞれについて決定する。基地局の送信機は、それぞれのUEがダウンリンク制御チャネルをモニタする1つまたは複数のモニタ機会を設定することを含めて、UEにおけるモニタ機能を設定するための設定情報を、1つまたは複数のUEのうちのそれぞれに送信する。
【0124】
対応する方法は、基地局によって実行される、
1つまたは複数のユーザ機器UEそれぞれから能力指示を受信するステップであって、能力指示は、モニタ機能を動作させるためのUEの能力を示し、モニタ機能は、ダウンリンク制御情報メッセージを受信する目的で1つまたは複数のモニタ機会においてダウンリンク制御チャネルをモニタするためにUEによって動作させられる、受信するステップ
を含む。
各UEからの能力指示は、UEの能力として第1の能力条件を示し、
- 第1の能力条件は、1つまたは複数の連続するシンボルのスパン長を有する2つの連続する時間スパン間の最小スパン時間ギャップに関し、各時間スパンは、ダウンリンク制御チャネルの1つまたは複数のモニタ機会を含み得、
受信された能力指示によって示される情報から、または記憶された情報と、それぞれのUEによってダウンリンク制御チャネルに使用されるサブキャリア間隔と、から、1つまたは複数のスロットの長さを有するグループ化ウィンドウ内の時間スパンの2つの連続するグループ間の最小グループ時間ギャップに関する1つまたは複数のUEの第2の能力条件を決定するステップと、
1つまたは複数のUEの全てについて決定された第1および第2の能力条件に基づいて、ダウンリンク制御チャネルでモニタされる1つまたは複数のモニタ機会を、1つまたは複数のUEそれぞれについて決定するステップと、
それぞれのUEがダウンリンク制御チャネルをモニタする1つまたは複数のモニタ機会を設定することを含めて、UEにおけるモニタ機能を設定するための設定情報を、1つまたは複数のUEのうちのそれぞれに送信するステップ。
【0125】
上記で論じた基地局および対応する方法に沿った例示的な基地局動作に対応するシーケンス図を
図18に示す。このシーケンス図は、上記で提示した基地局の方法の例示的な簡略化した実装を示している。
図18から明らかなように、基地局は、ダウンリンク制御チャネルのUEモニタ機能に関する能力指示を1つまたは複数のUEから受信し、能力指示は、UEの第1の能力条件を前もって示すことができる。次いで、基地局は、受信された能力指示からUE能力を決定し、さらなるオプションとして、記憶された情報と、ダウンリンク制御チャネルに使用されるサブキャリア間隔と、の組み合わせから、第2の能力条件を決定する。これらの決定されたUEモニタ能力に基づいて、基地局は、特にUEモニタ能力に適合する、ダウンリンク制御チャネルの適切なモニタ機会を決定する。次いで、基地局は、ダウンリンク制御チャネルをモニタするためのモニタ機能のモニタ機会を設定するための設定情報を1つまたは複数のUEに送信することができる。
【0126】
図19は、上記で論じた改良されたダウンリンク制御チャネルモニタ手順の改良されたUEおよび改良された基地局の間の単純かつ例示的なインタラクションを示している。
図19に示すこの解決策では、インタラクションは、UEが、ダウンリンク制御チャネルをモニタするためのモニタ機能に関する能力を含む、UEの能力を決定することから始まる。UEモニタ能力の詳細は以下に示され、第1および第2のUE能力条件のうちの1つまたは複数を含む。次いで、UEは、たとえば能力指示の形で、決定された能力に関する情報を基地局に送信する。解決策に応じて、能力指示には、第1および第2のUE能力条件のうちの一方または両方に関する情報が含まれる。基地局は、たとえば受信された能力指示から、また、任意選択により、記憶された情報およびSCSからUE能力を決定し、次いで、前もって決定されたUEモニタ能力に基づいてUEモニタ機能のモニタ機会を決定する。次いで、基地局は、決定されたダウンリンク制御チャネルモニタ機会についてUEに通知する。転じて、UEは、受信された設定に基づいてダウンリンク制御チャネルのモニタ機会を決定する。したがって、UEは、設定されたようにモニタ機能を動作させることができ、設定されたモニタ機会に従ってダウンリンク制御チャネルをモニタする。したがって、UEは、ダウンリンク制御チャネルのモニタ期間中に基地局によって送信されたダウンリンク制御情報を受信することができる。
【0127】
上記の改良されたダウンリンク制御チャネルモニタ手順、および関連するUE、基地局は、UEの能力の使用に基づいており、この能力は、基地局およびUEによって決定され、UEから基地局に送信することができる。
【0128】
以下では、改良されたダウンリンク制御チャネルモニタ手順のためにUEモニタ能力が使用されるべきである様々な解決策を提示する。
【0129】
第1の解決策
改良されたダウンリンク制御チャネルモニタ手順の第1の解決策では、UEのこれらの能力は、
- 1つまたは複数の連続するシンボルのスパン長を有する2つの連続する時間スパン間の最小スパン時間ギャップであって、各時間スパンがダウンリンク制御チャネルの1つまたは複数のモニタ機会を含み得る、最小スパン時間ギャップ、および
- 1つまたは複数のスロットの長さを有するグループ化ウィンドウ内の時間スパンの2つの連続するグループ間の最小グループ時間ギャップ
とすることができる。
【0130】
したがって、第1の解決策は、ダウンリンク制御チャネルのモニタ機会が両方とも満たすべきである2つの能力条件(能力要件、UE能力、UE能力制約、またはUE能力制限とも呼ばれ得る)の組み合わせに少なくとも依存する。
【0131】
この第1の解決策の第1のUE能力条件は、1つまたは複数の連続するOFDMシンボルの特定のスパン長を有する2つの連続する時間スパン間の最小スパン時間ギャップを確保することに関する。たとえば、最小の(ならびに実際の)スパン時間ギャップは、ある時間スパンの終わりと後続の時間スパンの始まりとの間に位置するように定義される。時間スパンは、UEがダウンリンク制御チャネルをモニタするための1つまたは複数のモニタ機会を含むものとして理解されるべきである。言い換えれば、2つの時間スパンは、少なくとも最小スパン時間ギャップだけ離れており、時間スパンは、1つまたは複数のダウンリンク制御チャネルモニタ機会を含むように基地局によって設定することができるが、基地局は、ダウンリンク制御チャネルのモニタ機会を含まないように最小スパン時間ギャップを設定すべきである。gNBは、UEが最小スパン時間ギャップ内でダウンリンク制御チャネルのモニタ機会をモニタすることを期待すべきではない。この第1のUE能力条件の例外については、基地局によって実行することができるオーバーブッキングメカニズムに関連して後述する。
【0132】
この最小時間スパンギャップは、たとえば、1つまたは複数のOFDMシンボルとし、最大で1つまたは複数のスロットとすることができる。
【0133】
したがって、上記で説明した第1のUE能力条件は、時間スパンのダウンリンク制御チャネルモニタ機会に基地局から受信され得るダウンリンク制御情報を処理するための、時間スパンの1つまたは複数のモニタ機会の後のある程度の処理時間を、次の時間スパンに同じ処理を実行しなければならなくなる前に、UEが有することを保証する。
【0134】
以下に、第2のUE能力条件に関する情報を提供する。
【0135】
この第1の解決策の第2のUE能力条件は、1つまたは複数のスロットの長さを有するグループ化ウィンドウ内の時間スパンの2つの連続するグループ間の最小グループ時間ギャップを確保することに関する。言い換えれば、グループ(1つまたは複数の時間スパンを含む)の各時間スパンは、1つまたは複数のスロットのグループ化ウィンドウ内にあり、その場合、2つの連続するグループ、または2つの連続するグループ化ウィンドウは、少なくとも最小時間ギャップ(たとえば、最小グループ時間ギャップと呼ばれる)だけ離されるべきである。たとえば、最小グループ時間ギャップは、あるグループ化ウィンドウの終わりと後続のグループ化ウィンドウの始まりとの間に位置するように定義される。
【0136】
第1の解決策の代替の第2のUE能力条件は、1つまたは複数のスロットの長さを有するグループ化ウィンドウ内のダウンリンク制御チャネルモニタ機会の2つの連続するグループ間の最小グループ時間ギャップを確保するものとして定義することができる。時間スパン(1つまたは複数のモニタ機会を有する)のグループ化とモニタ機会のグループ化との両方が、同じグループ化ウィンドウ内でのグループ化をもたらすことを考えると、この代替の第2のUE能力条件は、前述の第2のUE能力条件と非常に似ているか、または基本的に同等である。また、最小グループ時間ギャップは、第1の解決策の代替のおよび前述の第2のUE能力条件の両方で同じになる。
【0137】
さらに、最小グループ時間ギャップとグループ化ウィンドウの長さとの組み合わせは、常にグループ化ウィンドウよりも(すなわち、少なくとも最小グループ時間ギャップだけ)大きい別のウィンドウとして定義することができる。第2のUE能力条件の上記の定義に従って、モニタ機会はグループ化ウィンドウ内にのみ基地局によって設定されるべきであるが、モニタ機会は最小グループ時間ギャップ内には基地局によって設定されるべきではない。gNBは、UEがグループ化ウィンドウ内でモニタ機会をモニタすることを期待すべきであるが、UEが最小グループ時間ギャップ内でモニタ機会をモニタすることを期待すべきではない。この第2のUE能力条件の例外については、基地局によって実行することができるオーバーブッキングメカニズムに関連して後述する。
【0138】
したがって、グループ化ウィンドウと最小グループ時間ギャップとを含むこのより大きなウィンドウをマルチスロットモニタウィンドウと呼ぶことができ、その理由は、UEがこのマルチスロットモニタウィンドウの全てのスロットをモニタする必要はなく、多くとも時間スパングループ化ウィンドウのスロットをモニタすればよいためである(Rel.17のマルチスロットモニタに関する上記の議論を参照)。マルチスロットモニタウィンドウを時間的に繰り返して、連続するマルチスロットモニタウィンドウが、マルチスロットモニタウィンドウ間の追加のギャップなしで存在するようにすることができる。
【0139】
第1のUE能力条件とは独立して、この第2のUE能力条件は、グループ化ウィンドウのモニタ機会の後に、UEが次のグループ化ウィンドウのモニタ機会の処理(次のマルチスロットモニタウィンドウも参照)を開始しなければならなくなる前に、UEがある程度の処理時間(たとえば、少なくとも1スロット)を有することを保証する。
【0140】
第1の解決策で第2のUE能力条件を追加的に使用してUEにある程度の追加の処理時間を確保することにより、たとえば、主に第1のUE能力条件のみに依存するが、最小スパン時間ギャップが少なくとも1スロットであるというより厳しい条件を有する第2の解決策(下記参照)と比較して、第1のUE能力条件はそれほど厳しい必要はない。
【0141】
第2のUE能力条件のさらなる変形例によれば、より大きなマルチスロットモニタウィンドウ内のどこにグループ化ウィンドウを配置するかについて、いくつかの可能性がある。たとえば、グループ化ウィンドウは、マルチスロットモニタウィンドウの先頭に置くことができ、すなわち、グループ化ウィンドウおよびマルチスロットモニタウィンドウは同じOFDMシンボルから始まる。さらなる例として、グループ化ウィンドウは、次のグループ化ウィンドウの始まりまで、最小グループ時間ギャップになおも適合しながら、より大きなマルチスロットモニタウィンドウの開始から(たとえば、中間に)シフトすることができる。さらなる例として、グループ化ウィンドウは、より大きなマルチスロットモニタウィンドウの終わりに置くことができる。マルチスロットモニタウィンドウに対するグループ化ウィンドウの位置が時間の経過と共に変化しない限り(換言すれば、変動しない限り)、最小グループ時間ギャップを確保することができる。
【0142】
第1のUE能力条件は、様々な異なる方法で基地局に示すことができる。一般に、第1のUE能力条件は、最小スパン時間ギャップ(パラメータQ-Pと呼ばれ得る)および時間スパンの長さ(パラメータPと呼ばれ得る)の2つのパラメータに関する情報を通じて示される。
【0143】
第1のUE能力条件を基地局に示す方法の第1の例示的な実装によれば、最小スパン時間ギャップおよび時間スパンのスパン長は、OFDMシンボル数などの対応する値として直接示すことができる。したがって、この第1のUE能力条件の能力指示は、最小スパン時間ギャップ(Q-P)および時間スパンのスパン長(P)をそれぞれ示す2つの値を含む。
【0144】
第1のUE能力条件を基地局に示す方法の第2の例示的な実装によれば、第1の例示的な実装のように最小スパン時間ギャップをシグナリングする代わりに、ある時間スパンの始まりと後続の時間スパンの始まりとの間の最小スパン時間間隔(パラメータQと呼ばれ得る)を示すことも可能である。最小スパン時間ギャップ(Q-P)は、たとえば、最小スパン時間間隔(Q)から時間スパン長(P)を減算すること、すなわち、Q-Pなどによって、最小スパン時間間隔および時間スパン長から直接導き出すことができる。したがって、第1のUE能力条件の能力指示は、最小スパン時間間隔(Q)および時間スパンのスパン長(P)をそれぞれ示す2つの値を含む。
【0145】
第1のUE能力条件を基地局に示す方法の第3の例示的な実装は、第1および第2の例示的な実装で既に上記で提示した関連パラメータ、すなわち、第1の実装の最小スパン時間ギャップ(Q-P)および時間スパンのスパン長(P)、または、第2の実装の最小スパン時間間隔(Q)および時間スパンのスパン長(P)を間接的に示すことに基づく。
【0146】
より詳細には、能力指示は、最小スパン時間ギャップ(または最小スパン時間間隔)およびスパン時間長の組み合わせを示す。それに対応して、最小スパン時間ギャップ(または最小スパン時間間隔)およびスパン時間長の複数の異なる組み合わせが、UEおよび基地局において事前に定義される。たとえば、10OFDMシンボルの最小スパン時間ギャップを3OFDMシンボルのスパン長と共に、(Q-P,P)=(10,3)として示すことができる。次いで、UEは自身の第1のUE能力条件を決定し、その能力に対応する1つまたは複数の組み合わせを選択する。
【0147】
次いで、選択された1つまたは複数の組み合わせを、基地局に送信される能力指示において示すことができる。たとえば、能力指示はビットマップを含み得、各ビットは第1のUE能力条件に関する1つの可能な組み合わせ(たとえば、(Q,P))を表し、ビット値1は、UEがそれに対応する組み合わせを示すことを意味し、ビット値0は、UEがそれに対応する組み合わせを示さないことを意味する。他の変形例では、各組み合わせをインデックスに明確に関連付けて、能力指示が選択された1つまたは複数の組み合わせの1つまたは複数のインデックスを含むようにすることができる。
【0148】
上記の第1から第3の実装とは独立して、最小スパン時間ギャップ(Q-P)を(および最小スパン時間間隔(Q)も)1つまたは複数のOFDMシンボルとして示すことができ、これにより、第1のUE能力条件をどのように決定して示すことができるかについての粒度を細かくすることが可能になる。一方、最小スパン時間ギャップ(Q-P)を(および最小スパン時間間隔(Q)も)1つまたは複数のスロットとして示すことができ、これにより、上記のOFDMシンボルベースの指示と比較して、第1のUE能力を示すためのビットを節約することが可能になる。たとえば、高いサブキャリア間隔の場合、大きな最小スパン時間ギャップ(Q-P)を示す必要があることが想定される。したがって、OFDMシンボルではなくスロットを使用すると、最小スパン時間ギャップを示すのに必要なビット数を減らすことが可能になる。
【0149】
一方、スパン時間長(P)は、時間スパンのモニタ機会中にダウンリンク制御チャネルをモニタするためのUEのモニタ労力を削減するために、スパン持続時間が短い(たとえば、CORESETの持続時間と同じである)場合があることを考慮して、1つまたは複数のOFDMシンボルとして示すことができる。
【0150】
第1のUE能力条件について上述したのと同様の方法で、第2のUE能力条件も様々な異なる方法で基地局に示すことができる。一般に、第2のUE能力条件は、最小グループ時間ギャップ(パラメータN-Mと呼ばれ得る)およびグループ化ウィンドウの長さ(パラメータMと呼ばれ得る)の2つのパラメータに関する情報を通じて示される。
【0151】
第2のUE能力条件を基地局に示す方法の第1の例示的な実装によれば、最小グループ時間ギャップ(N-M)およびグループ化ウィンドウの長さ(M)は、スロット数などの対応する値として直接示すことができる。したがって、この第2のUE能力条件の能力指示は、最小グループ時間ギャップ(N-M)およびグループ化ウィンドウの長さ(M)をそれぞれ示す2つの値を含む。
【0152】
第2のUE能力条件を基地局に示す方法の第2の例示的な実装によれば、第1の例示的な実装のように最小グループ時間ギャップをシグナリングする代わりに、あるグループ化ウィンドウの始まりと後続のグループ化ウィンドウの始まりとの間の最小グループ時間間隔(Nと呼ばれ得る)を示すことも可能である。その場合、最小グループ時間ギャップ(N-M)は、たとえば、最小グループ時間間隔(N)からグループ化ウィンドウの長さ(M)を減算すること、すなわち、N-Mなどによって、最小グループ時間間隔(N)およびグループ化ウィンドウの長さ(M)から直接導き出すことができる。したがって、第2のUE能力条件の能力指示は、最小グループ時間間隔(N)およびグループ化ウィンドウの長さ(M)をそれぞれ示す2つの値を含む。
【0153】
最小グループ時間間隔およびグループ化ウィンドウの長さは、それぞれ1つまたは複数のスロットの数として示すことができる。
【0154】
第2のUE能力条件を基地局に示す方法の第3の例示的な実装は、第1および第2の例示的な実装で既に上記で提示した関連パラメータ、すなわち、第1の例示的な実装の最小グループ時間ギャップ(N-M)およびグループ化ウィンドウの長さ(M)、または、第2の例示的な実装の最小グループ時間間隔(N)およびグループ化ウィンドウの長さ(M)を間接的に示すことに基づく。
【0155】
より詳細には、能力指示は、最小グループ時間ギャップ(または最小グループ時間間隔)およびグループ化ウィンドウの長さの組み合わせを示す。それに対応して、最小グループ時間ギャップ(または最小グループ時間間隔)およびグループ化ウィンドウの長さの複数の異なる組み合わせが、UEおよび基地局において事前に定義される。たとえば、2スロットの最小グループ時間ギャップを2スロットのグループ化ウィンドウの長さと共に、(N-M,M)=(2,2)として示すことができる。次いで、UEは第2のUE能力条件を決定し、その能力に対応する1つまたは複数の組み合わせを選択する。
【0156】
次いで、選択された1つまたは複数の組み合わせを、基地局に送信される能力指示において示すことができる。たとえば、能力指示はビットマップを含み得、各ビットは第2のUE能力条件に関する1つの可能な組み合わせ(たとえば、(N,M))を表し、ビット値1は、UEがそれに対応する組み合わせを示すことを意味し、ビット値0は、UEがそれに対応する組み合わせを示さないことを意味する。他の変形例では、各組み合わせをインデックスに明確に関連付けて、能力指示が選択された1つまたは複数の組み合わせの1つまたは複数のインデックスを含むようにすることができる。
【0157】
第2のUE能力条件のさらなる実装によれば、第2のUE能力条件は、時間スパンの各グループ内の時間スパンの最大数を追加で要求する。代替として、第2のUE能力は、グループ内のモニタ機会の最大数を追加で要求する。言い換えれば、第2のUE能力は、グループ化ウィンドウの長さおよび最小グループ時間ギャップを定義するだけでなく、UEがグループ化ウィンドウ内で処理/サポートできる時間スパン/モニタ機会の数の上限も設定する。
【0158】
したがって、UEは、最大数の時間スパン/モニタ機会からのみ受信されたダウンリンク制御情報を処理すればよいので、その処理要求をさらに削減することができる。
【0159】
第2のUE能力条件の上述の指示に加えて、または、その代わりに、改良されたダウンリンク制御チャネルモニタ手順の第1の解決策の他の実装は、UEから基地局への第2のUE能力のそのような送信に依存しない。その代わりに、第2のUE能力条件は、UEおよびgNBによって、たとえば、それぞれ記憶された情報およびダウンリンク制御チャネルのサブキャリア間隔に基づいて、個別に決定される。具体的には、UEおよびgNBは、異なるサブキャリア間隔と異なる第2のUE能力条件との間の関連付けを含む事前に記憶された情報を有しており、ここで、関連付けられた第2のUE能力は、上記で説明した実装の1つ、たとえば、最小グループ時間ギャップとグループ化ウィンドウの長さとの組み合わせ、または、最小グループ時間間隔とグループ化ウィンドウの長さとの組み合わせとすることができ、あるいは、時間スパン/モニタ機会の各グループ内の時間スパン/モニタ機会の最大数を追加で含むことができる。
【0160】
たとえば、2スロットのグループ化ウィンドウの長さと2スロットの最小グループ時間ギャップとの組み合わせ(2,2)を480kHzのサブキャリア間隔に関連付けることができる。他の例として、3スロットのグループ化ウィンドウの長さと5スロットの最小グループ時間ギャップとの組み合わせ(3,5)を960kHzのサブキャリア間隔に関連付けることができる。このため、UEおよび基地局の両方は、480kHzまたは960kHzのSCSを使用するダウンリンク制御チャネルに対して同じ第2のUE能力条件を決定する。
【0161】
一例では、サブキャリア間隔と第2のUE能力との間の関連付けを含む記憶された情報は、基地局が事前に決定し、たとえばシステム情報またはUE専用のメッセージ(たとえば、RRCプロトコルのメッセージ)でUEに提供することができる。したがって、同じ記憶された情報が無線セル内の全てのUEに適用され得る。あるいは、記憶された情報は、3GPP規格で定義して、たとえば、UEおよび基地局のオペレーティングシステムの一部とすることができる。さらに他の代替例によれば、記憶された情報は、UEの事業者によって定義して、たとえばUEのSIMカード(またはe-SIM情報)に加入者情報として提供することができる。
【0162】
改良されたダウンリンク制御チャネルモニタ手順のこの第1の解決策の1つの例示的な実装によれば、3GPP TS38.306で既に定義されているものとして上記で説明した能力指示pdcch-monitoring-r16が、第1のUE能力条件の基礎として使用され得る。具体的には、pdcch-monitoring-r16指示は、パラメータX(2つの連続する時間スパンの間隔)およびY(時間スパンの長さ)の様々な組み合わせを定義する。全く同じpdcch-monitoring-16指示を再利用することができるので、第1の解決策の第1のUE能力条件として3つの異なる組み合わせ(X,Y)=(2,2)、(4,5)、または(7,3)の指示が可能になる。pdcch-monitoring-16指示のパラメータXは最小時間スパン間隔(Q)に対応し、pdcch-monitoring-16指示のパラメータYはスパン時間長(P)に対応する。あるいは、pdcch-monitoring-r16指示を拡張して、第1の解決策の第1のUE能力条件の組み合わせ(Q,P)として、たとえば、(10,2)、(14,2)、(10,3)、(14,3)などのさらなる組み合わせを示すこともできる。
【0163】
上述および後述の改良されたダウンリンク制御チャネルモニタ手順のこの第1の解決策の1つの例示的な実装によれば、第1および第2のUE能力は、背景セクションで論じた高SCSおよび新しい周波数レンジなどの特定のシナリオに特有である。たとえば、第1および第2のUE能力は主に、120kHzより高いダウンリンク制御チャネルのサブキャリア間隔、たとえば480kHzおよび/または960kHzのサブキャリア間隔にのみ適用され得る。それに加えて、または、その代わりに、第1および第2のUE能力条件は主に、52.6GHzを超える新しい周波数レンジ、たとえば、52.6GHz~71GHzの周波数レンジにのみ適用され得る。
【0164】
背景セクションに関連して説明したように、新しい高周波数レンジに関連して使用される高いサブキャリア間隔により、スロットおよびOFDMシンボルの持続時間が短くなり、その結果、UEによるダウンリンク制御チャネルモニタ処理の要件が増加する。
【0165】
図20は、UE1、UE2、UE3、およびUE4の4つの異なるUEについての様々なモニタ機会の例示的な決定を示している。モニタ条件が両方のUE能力条件に適合すべきであると例示的に仮定する。共通サーチスペース(UE1、UE2、UE3、UE4の各UEに共通)が4スロットの周期を有すると例示的に仮定する。共通サーチスペースCSSのスロット0、4、および8でのモニタ機会を
図20の一番下に示す。
【0166】
4つ全てのUEが、長さ2スロット(M=2スロット)のグループ化ウィンドウ内の時間スパンの2つの連続するグループ間に2スロット(N-M=2スロット)の最小グループ時間ギャップが存在するという第2のUE能力条件に適合する必要があると例示的に仮定する。
【0167】
さらに、UE1は、11シンボルの最小スパン時間ギャップ(Q-P)ならびに3シンボルのスパン長、すなわち(Q,P)=(14,3)に従う第1のUE能力条件に適合する必要がある。UE2は、4シンボルの最小スパン時間ギャップ(Q-P)ならびに3シンボルのスパン長、すなわち(Q,P)=(7,3)に従う第1のUE能力条件に適合する必要がある。UE3は、7シンボルの最小スパン時間ギャップ(Q-P)ならびに3シンボルのスパン長、すなわち(Q,P)=(10,3)に従う第1のUE能力条件に適合する必要がある。
【0168】
さらに、UE4は、第1のUE能力として、UE4が4スロットの最小スパン時間間隔、すなわちQ=4スロットを満たすPDCCHモニタ機会をモニタすることができるという制限を有すると例示的に仮定する。したがって、CSSは4スロットの周期を有するので、gNBは、4スロット*X(Xは1以上の整数)の周期を有し、CSS MOと同じ位置に配置される、UE4のUE固有サーチスペースのモニタ機会を設定する。
図20では、UE4のUSSも4スロットの周期を有すると仮定している。CSS MOとUE4のUSS MOとが同じ位置にあることを示すために、CSS MOをUSS MOの上に示している。さらに、UE1、UE2、およびUE4が1つのUE固有サーチスペースを有し、UE3が2つのUE固有サーチスペースを有すると例示的に仮定する。
【0169】
この例では、モニタ処理をさらに制限するために、UE2は、グループ化ウィンドウごとに最大2つのMOを示すことができる。これは、最小スパン時間ギャップが小さく、たとえば、グループ化ウィンドウが長いシナリオで特に役立つ。
【0170】
4つのUEのモニタ機会の可能な設定の例示的な結果を
図20に示す。
図20から明らかなように、UE1のUSSおよびCSSモニタ機会は、2スロットの長さを有するグループ化ウィンドウ内にグループ化されており、CSS MOおよびUSS MOは、11シンボルの最小スパン時間ギャップだけ離れている。実際には、CSS MOおよびUSS MOはそれぞれ、グループ化ウィンドウの2つのスロットの先頭にある。
【0171】
同様に、UE2のUSSおよびCSSモニタ機会は、2スロットの長さを有するグループ化ウィンドウ内にグループ化されている。CSS MOおよびUSS MOは、4シンボルの最小スパン時間ギャップだけ離れている。UE3の3つのUSSおよびCSSモニタ機会も、2つのスロットのグループ化ウィンドウ内にグループ化されている。両方のギャップ、すなわち、CSS MOと第1のUSSとの間、および、第1のUSSと第2のUSSとの間は、少なくとも7シンボルの最小スパン時間ギャップだけ十分に離れている。
【0172】
全てのUEのNスロットウィンドウの第3および第4のスロットは、モニタ機会を含まないので、最初の2つのスロットのモニタ機会に関連する処理を終えるために、または電力を節約するためにUEによって使用され得る。
【0173】
UE1、UE2、およびUE3の第1のUE能力は、UE4と比較してより高度であるため、異なるサーチスペースのモニタ機会をずらすことができるので、同じ位置に配置される必要がない。それに対応して、gNBはダウンリンク制御チャネルのスケジューリングがより柔軟になる。これは、より高い周波数レンジで、またアナログビームフォーミングを使用する場合に特に役立つ。
【0174】
さらに、UE3は、グループ化ウィンドウ内で(UE1、UE2、およびUE4の2つのモニタ機会のみではなく)3つのモニタ機会が可能であるので、より高い能力を有し、そのため、gNBはダウンリンク制御チャネルのスケジューリングがさらにいっそう柔軟になる。
【0175】
第2の解決策
改良されたダウンリンク制御チャネルモニタ手順の他の第2の解決策では、UEの能力は、
- 1つまたは複数の連続するシンボルのスパン長を有する2つの連続する時間スパン間の最小スパン時間ギャップであって、各時間スパンがダウンリンク制御チャネルの1つまたは複数のモニタ機会を含み得、最小スパン時間ギャップが1つまたは複数のスロットとして示される、最小スパン時間ギャップ
とすることができる。
【0176】
したがって、この第2の解決策は、1つの能力条件に主に依存し、これは第1の解決策の第1のUE能力条件と似ているが、最小スパン時間ギャップが少なくとも1スロットであるという点でより厳しい。したがって、この第2の解決策の第1のUE能力条件は、時間スパンの1つまたは複数のモニタ機会をモニタおよび処理するための、たとえば、基地局から受信され得るダウンリンク制御情報を処理するための、少なくともある程度の処理時間(少なくとも1スロット)を、次の時間スパンに同じ処理を実行しなければならなくなる前に、UEに与える。
【0177】
最小スパン時間ギャップが少なくとも1スロットであるという追加のより厳しい側面を除いて、この第2の解決策の第1のUE能力条件は、第1の解決策に関して詳細に説明したものと同じにすることができる。第1の解決策の第1のUE能力条件では、わずか数個のOFDMシンボルのより短い最小スパン時間ギャップが許可されたが、第2の解決策の第1のUE能力条件では、常に1スロットの最小スパン時間ギャップが確保される。したがって、第1の解決策に関連して既に詳細に説明した第1のUE能力条件に関する実装は、この第2の解決策にも等しく適用される。
【0178】
たとえば、第1のUE能力条件をUEから基地局に示す様々な方法は、第1の解決策に関して説明したものと全く同じにすることができ、たとえば、パラメータQ-PおよびPの値を直接示す第1の例示的な実装に従うこと、パラメータQおよびPを直接示す第2の例示的な実装に従うこと、および、組み合わせ(Q-P,P)または(Q,P)などのパラメータの組み合わせを通じてパラメータを間接的に示す第3の例示的な実装に従うことができる。
【0179】
さらに、第2の解決策も、3GPP TS38.306で既に定義されている、上記で説明した能力指示pdcch-monitoring-r16を利用することができる。このpdcch-monitoring-r16を拡張して、第2の解決策のより厳しい第1の能力条件の組み合わせ(Q,P)を可能にする、たとえば、(28,2)、(28,3)、(42,3)などのさらなる組み合わせを示すこともできる。
【0180】
この場合もやはり、第1の解決策で詳細に説明したように、この第2の解決策の第1のUE能力条件も、高SCSおよび/または新しい周波数レンジなどの、たとえば、480kHzおよび960kHzなどの120kHzより高いダウンリンク制御チャネルのサブキャリア間隔にのみ適用される、特定のシナリオに固有のものとして定義することができる。さらに、この第2の解決策の第1のUE能力条件は、52.6GHzを超える新しい周波数レンジ、たとえば52.6GHz~71GHzの周波数レンジにのみ適用されるように定義することができる。
【0181】
図21は、UE1、UE2、およびUE3の3つの異なるUEについての様々なモニタ機会の例示的な決定を示している。共通サーチスペース(UE1、UE2、UE3の各UEに共通)が4スロットの周期を有すると例示的に仮定する。共通サーチスペースCSSのスロット0、4、および8でのモニタ機会を
図21の一番下に示す。
【0182】
UE1が、2スロットの最小スパン時間間隔Qに従う第1のUE能力条件に適合する必要があると例示的に仮定し、同様にこれは最小スパン時間ギャップQ-P=1スロットを意味し得る(
図21には示していない)。それに対応して、UE2の場合、第1のUE能力条件は3スロットの最小スパン時間間隔Qであり(たとえば、Q-P=2スロット)、UE3の場合、第1のUE能力条件は4スロットの最小スパン時間間隔Qである(たとえば、Q-P=3スロット)。
【0183】
3つのUEのモニタ機会の可能な設定の例示的な結果を
図21に示す。
図21では、UE3のUSSも4スロットの周期を有すると仮定している。CSSは4スロットの周期を有するので、gNBは、4スロット*X(Xは1以上の整数)の周期を有し、CSS MOと同じ位置に配置された、UE3のUE固有サーチスペースのモニタ機会を設定する。CSS MOとUE3のUSS MOとが同じ位置にあることを示すために、USS MOをCSS MOの上に示している。
【0184】
UE3と同様に、CSSおよびUE2のUSSは同じ位置に配置されているので、少なくとも3スロットの最小スパン時間間隔に適合することができる。そこから明らかなように、CSSおよびUE1のUSSはそれぞれ、2スロットの最小スパン時間間隔に適合して、十分に離れている。
【0185】
第3の解決策
改良されたダウンリンク制御チャネルモニタ手順の他の第3の解決策では、UEの能力は、
- 1つまたは複数のスロットの長さを有するグループ化ウィンドウ内の時間スパンの2つの連続するグループ間の最小グループ時間ギャップ
とすることができる。
【0186】
したがって、換言すれば、第3の解決策は、第1の解決策の第2のUE能力条件のみに基づいている。一例では、第1の解決策と全く同じ第2のUE能力条件を使用することができる。第1の解決策の第1のUE能力条件を必ずしも使用しないことを除けば、この第3の解決策では、第1の解決策の残りの部分は同じままにすることができる。
【0187】
したがって、第1の解決策に関連して既に詳細に説明した第2のUE能力条件に関する実装は、この第3の解決策にも等しく適用される。
【0188】
たとえば、グループ化ウィンドウは、最小グループ時間ギャップに適合しながら、より大きなマルチスロットモニタウィンドウ内で、たとえば、先頭、中間、または最後など、様々な異なる方法で配置することができる。
【0189】
たとえば、第2のUE能力条件をUEから基地局に示す様々な方法は、第1の解決策について説明したものと全く同じにすることができ、たとえば、パラメータN-MおよびMの値を直接示す第1の例示的な実装に従うこと、パラメータNおよびMを直接示す第2の例示的な実装に従うこと、および、組み合わせ(N-M,M)または(N,M)などのパラメータの組み合わせを通じてパラメータを間接的に示す第3の例示的な実装に従うことができる。
【0190】
さらに、第3の解決策でも、第1の解決策で詳細に説明したように第2のUE能力を拡張して、時間スパンの各グループ内の時間スパンの最大数も要求するか、あるいはモニタ機会のグループ内のモニタ機会の最大数も要求することができる。
【0191】
さらに、第3の解決策も、第1の解決策で詳細に説明したように、UEから基地局への第2のUE能力の送信を必要としないことができる。そうではなく、第2のUE能力は、記憶された情報と、ダウンリンク制御チャネルに使用されるサブキャリア間隔と、に基づいて、UEおよびgNBによって個別に決定され得る。
【0192】
この場合もやはり、第1の解決策で詳細に説明したように、この第3の解決策の第2のUE能力条件も、高SCSおよび/または新しい周波数レンジなどの、たとえば、480kHzおよび960kHzなどの120kHzより高いダウンリンク制御チャネルのサブキャリア間隔にのみ適用される、特定のシナリオに固有のものとして定義することができる。さらに、この第3の解決策の第2のUE能力条件は、52.6GHzを超える新しい周波数レンジ、たとえば52.6GHz~71GHzの周波数レンジにのみ適用されるように定義することができる。
【0193】
図22は、UE1、UE2、UE3、およびUE4の4つの異なるUEについての様々なモニタ機会の例示的な決定を示している。共通サーチスペース(UE1、UE2、UE3、UE4の各UEに共通)が4スロットの周期を有すると例示的に仮定する。共通サーチスペースCSSのモニタ機会を
図22の一番下に示す。
【0194】
4つ全てのUEが、長さ2スロット(M=2スロット)のグループ化ウィンドウ内の時間スパンの2つの連続するグループ間に2スロット(N-M=2スロット)の最小グループ時間ギャップが存在するという第2のUE能力条件に適合する必要があると例示的に仮定する。
【0195】
さらに、第1の解決策の
図20の例と比較して、第1のUE能力条件に適合する必要はないので、(2スロットの)グループ化ウィンドウ内のそれぞれの時間スパン/MOを、必須ではないが、互いに全く離さないことができる。CSSおよびUE2のUSS1のモニタ機会は、グループ化ウィンドウ内で離されておらず、むしろ互いに直接連続しており、間にギャップがない。同様に、UE3の2つのUSS1およびUSS2は、グループ化ウィンドウ内で離されておらず、むしろ互いに直接連続しており、間にギャップがない。一方、第1のUE能力条件によって要求されているわけではないが、CSSおよびUE1のUSSは離れており、CSSおよびUE3の第1のUSSも離れている。
【0196】
第1、第2、および第3の解決策に関連する上述および後述の改良されたダウンリンク制御チャネルモニタ手順の様々な実装の一部は、時間スパンの定義に基づいている。時間スパンの例示的な定義は、ダウンリンク制御チャネルの1つまたは複数のモニタ機会を含むいくつかの連続するシンボルであるということである。時間スパンは、あるモニタ機会の最初のシンボルから始まり、あるモニタ機会の最後のシンボルで終わり、後者のモニタ機会は、必須ではないが、時間スパンが始まるモニタ機会と同じであり得る。さらに、各モニタ機会は、完全に1つの時間スパン内にあり得る。
【0197】
第1、第2、および第3の解決策に関連する上述および後述の改良されたダウンリンク制御チャネルモニタ手順の様々な実装には、UEがダウンリンク制御チャネルをモニタするモニタ機会をUEおよび基地局が決定することが含まれる。
【0198】
上記で説明したように、ダウンリンク制御チャネルモニタ機会の決定は、上記で論じたUE能力を考慮に入れることができる。より詳細な例示的な実装形態では、UEおよび基地局は、UEに設定されたサーチスペースおよびサーチスペースセットに基づいてマッピングルールを適用することができ、具体的には、マッピングルールに従ってPDCCH候補をサーチスペースセットのモニタ機会にマッピングすることができる。
【0199】
マッピングルールの1つは、共通サーチスペースに関連付けられたモニタ機会におけるPDCCH候補が最初にマッピングされるというものである。そして次に、UE固有サーチスペースセットに関連付けられたモニタ機会におけるPDCCH候補が、たとえばUE固有サーチスペースセットに割り当てられたインデックスの昇順で決定される。
【0200】
このマッピングプロセスに対する制限は、UEに設定することができるブラインド復号試行の最大数(たとえば、PDCCH候補の数)およびCCE限度によって提供される。結果的に、UEがブラインド復号試行の最大数またはCCEの最大数に達すると、UEは停止し、さらなるPDCCH候補をUE固有サーチスペースセットのモニタ機会にマッピングしない。
【0201】
そして、マッピングプロセスに対するさらなる制限が、上記で論じたUE能力条件によって提供される。たとえば、特定のサーチスペースセット(たとえば、USSセット)のあるモニタ機会が、上記で論じたUE能力条件(第1、第2、または第3の解決策を参照)のうちの1つに適合していないとUEおよびgNBが判定した場合、UEおよびgNBは、この適合していないモニタ機会を含むサーチスペースセット全体(すなわち、そのサーチスペースセットの全てのモニタ機会)のマッピングをスキップするか、または適合していないモニタ機会のみのマッピングをスキップすることが許可される(その結果、UEおよびgNBは依然として、そのサーチスペースセットの他のモニタ機会をUEにマッピングすることができる)。サーチスペースセット全体ではなく1つまたは複数のモニタ機会がスキップされるケースでは、第2の条件が当てはまる場合、グループ化ウィンドウごとにスキップを実行することができる。たとえば、当該サーチスペースセットに関連付けられたグループ化ウィンドウ内の全てのモニタ機会がスキップされる。
【0202】
上記で論じたスキッピング(またはドロップ)メカニズムは、UEおよびgNBによって同様に適用することができ、両方のエンティティがダウンリンク制御チャネルの利用可能なモニタ機会について同じ共通の理解を有しているので、UEがgNBから送信されたダウンリンク制御情報を受信することができるという追加の利点がある。
【0203】
UEおよびgNBの両方によって実行される上記のスキッピングメカニズムに加えて、またはそれとは独立して、gNBは、ダウンリンク制御チャネルのモニタ機会を決定するときにオーバーブッキングメカニズムを適用することができる。具体的には、サーチスペースセットに従ってマッピングされるモニタ機会が、上記で論じたUE能力条件のうちの1つまたは複数に適合していない状況が特定された場合に、その適合していないモニタ機会が、UE能力に適合していないにもかかわらず、依然として設定される。したがって、gNBは、UE能力を超える数のモニタ機会をUEに設定することが許可される。
【0204】
スキッピングメカニズムならびにオーバーブッキングメカニズムにより、UE能力に厳密に従わないことが許可されるので、gNB側でのモニタ機会の決定が容易になる。さらに、異なるサーチスペースのモニタ機会は異なる周期を有し得るので、オーバーブッキングおよびスキッピングメカニズムにより、gNBがUE能力を最大限に活用することが容易になる。
【0205】
図23は、上記で論じたオーバーブッキングメカニズムをどのように適用することができるかについての一例を示している。ダウンリンク制御チャネルのモニタ機会は、以下の第1および第2のUE能力条件に適合する必要があると仮定する。第1のUE能力条件によれば、UEは、3OFDMシンボルの時間スパンPに対する7OFDMシンボルの最小スパン時間間隔Q、すなわち、4OFDMシンボルの最小スパン時間ギャップ(Q-P)をサポートする。さらに、第2のUE能力条件によれば、UEは、4スロットの最小グループ時間間隔Nを有する、長さM=2スロットのグループ化ウィンドウ内で(その結果、最小グループ時間ギャップN-Mは2スロットになる)最大2つのモニタ機会をサポートする。
【0206】
モニタ機会が設定される必要がある2つのUE固有サーチスペースおよび共通サーチスペースが存在する。gNBおよびUEは、たとえば、上記で論じたマッピングルールに従うことができ、8スロットの周期を有するCSSのモニタ機会(およびPDCCH候補など)が最初に設定される。結果として得られたCSS MOの設定を
図23の一番下の行に示す。
【0207】
次いで、第1のUSS1のモニタ機会(およびPDCCH候補など)が決定され、ここで、USS1は4スロットの周期を有すると仮定する。USS1 MOは、Q=7OFDMシンボルの第1のUE能力条件が満たされるように決定される。それに対応して、
図23の一番上の行は、USS1のモニタ機会を示している。
【0208】
次いで、次のインデックスを有するUSS2のモニタ機会が決定され、ここで、USS2も4スロットの周期を有する。したがって、少なくとも一部のグループ化ウィンドウ(たとえば、
図23のNスロットウィンドウ1、3、および5)には3つのMO、すなわち、CSS、USS1、およびUSS2が存在するので、グループ化ウィンドウ内に最大2つのMOが存在するという要件に適合することができないという問題がある。
【0209】
この状況に対処する1つの方法は、USS2全体を完全にスキップして、CSS MOおよびUSS1 MO(および対応するPDCCH候補など)のみがこのUEに対して決定されるようにすることであろう。これは、第1および第2のUE能力条件に厳密に従い、オーバーブッキングおよびスキッピングが許可されないワーストケースのシナリオである。
【0210】
この状況に対処する他の方法は、オーバーブッキングを適用し、第2のUE能力条件に適合しないモニタ機会のみをスキップすること、すなわち、Nスロットウィンドウ1、3、および5でUSS2 MOをスキップしつつ(すなわち、OFDMシンボル1、9、および17)、Nスロットウィンドウ2および4の(スロット5および13の)USS2 MOを決定することなどであろう。そのような解決策は、上記で説明したオーバーブッキングおよびスキッピングメカニズムがなければ不可能である。
【0211】
上記で論じたUE能力条件に従ってモニタ機会をどのように決定することができるかについてのさらなる例示的な改良を以下で説明し、これは、これらのUE能力条件が全てのサーチスペースに適用されるのではなく、モニタ機会が決定される一部のサーチスペースにのみ適用されるという考えを中心に展開する。言い換えれば、UE能力条件(上記の第1、第2、または第3の解決策を参照)は、一部のサーチスペースのモニタ機会を決定するときに適用される必要はなく、残りのサーチスペースのモニタ機会を決定するときに適用されるべきである。
【0212】
1つの例示的な実装によれば、UE能力条件が適用されるべきではない第1のサーチスペースのセットは、セル内の全てのUEに対して設定される共通サーチスペースを含む。さらに、UEは、UE固有サーチスペース、UEへの専用メッセージで設定される共通サーチスペース、およびUEのグループに共通に設定される共通サーチスペースのモニタ機会を決定するときに、UE能力条件を適用すべきである。
【0213】
改良されたダウンリンク制御チャネルモニタ手順の5G NR準拠の実装では、5G NRのType1-PDCCH共通サーチスペース(上記の背景セクションを参照)は、UEへの専用メッセージ(RRC)で設定することができ、UEおよび基地局によってUE能力条件を適用することができる共通サーチスペースである。さらに、Type3-PDCCH共通サーチスペースは、グループ共通のサーチスペース(すなわち、たとえば必ずしも全てのUEにではなく、UEのグループに割り当てられる共通サーチスペース)であって、UEおよび基地局によってUE能力条件を適用することができるものである。逆に、UEはこのため、専用RRCメッセージで設定されなかったType1-PDCCH共通サーチスペース、Type0、Type0A、およびType2共通サーチスペースにUE能力条件を適用する必要はない。
【0214】
一例では、UEが、専用RRCメッセージで設定されなかったType1-PDCCH共通サーチスペース、Type0、Type0A、およびType2共通サーチスペースを、任意のシンボルにおいて所与の持続時間でモニタすることを必要とすることができる。
【0215】
上記の例外によれば、基地局は、一部のサーチスペース(たとえば、USS)のモニタ機会を特定の共通サーチスペース(たとえば、セル内の全てのUEに共通のもの)のモニタ機会と揃える必要がないので、基地局のスケジューリングの柔軟性がさらに高まる。
【0216】
第1、第2、および第3の解決策に関連する上述および後述の改良されたダウンリンク制御チャネルモニタ手順の様々な実装には、UEにおけるモニタ機能を設定するための設定情報を基地局がUEに送信することが含まれる。5G NR規格に準拠した一例によれば、このプロセスは、たとえば3GPP TS38.331v16.5.0セクション6.3.2の定義に従って上記で論じたように、上記で論じた情報エレメントControlResourceSetおよびSearchSpaceに基づいて行うことができる。
【0217】
さらなる態様
第1の態様によれば、以下を含むユーザ機器が提供される。UEのプロセッサは、モニタ機能を動作させるためのUEの能力を決定し、モニタ機能は、ダウンリンク制御情報メッセージを受信する目的で1つまたは複数のモニタ機会においてダウンリンク制御チャネルをモニタするためにUEによって動作させられる。UEの決定された能力は、モニタ機能を動作させるためのUEの以下の2つの能力条件、すなわち、
- 1つまたは複数の連続するシンボルのスパン長を有する2つの連続する時間スパン間の最小スパン時間ギャップに関する第1の能力条件であって、各時間スパンは、ダウンリンク制御チャネルの1つまたは複数のモニタ機会を含み得る、第1の能力条件と、
- 1つまたは複数のスロットの長さを有するグループ化ウィンドウ内の時間スパンの2つの連続するグループ間の最小グループ時間ギャップに関する第2の能力条件と、
を含む。
UEの送信機は、能力指示を基地局に送信し、能力指示は、モニタ機能を動作させるためのUEの決定された能力に関する情報を含む。能力指示は、UEの第1の能力条件を示し、任意選択により、UEの第2の能力条件を含む。UEの受信機は、UEにおけるモニタ機能を設定するための設定情報を基地局から受信し、設定情報は、UEがダウンリンク制御チャネルをモニタする1つまたは複数のモニタ機会を設定する。
【0218】
第1の態様に加えて提供される第2の態様によれば、時間スパンは、ダウンリンク制御チャネルの1つまたは複数のモニタ機会を含むいくつかの連続するシンボルである。各モニタ機会は完全に1つの時間スパン内にあり、時間スパンは、モニタ機会の最初のシンボルから始まり、モニタ機会の最後のシンボルで終わる。
【0219】
第1または第2の態様に加えて提供される第3の態様によれば、最小スパン時間ギャップは、1つの時間スパンの終わりと、後続の時間スパンの始まりと、の間である。任意選択の実装では、能力指示は、最小スパン時間ギャップの値および時間スパンのスパン長を示し、または、能力指示は、時間スパンのスパン長と、1つの時間スパンの始まりおよび後続の時間スパンの始まりの間の最小スパン時間間隔と、を示す。任意選択の実装では、最小スパン時間ギャップおよび最小スパン時間間隔は、1つまたは複数のシンボルとして示される。任意選択の実装では、最小スパン時間ギャップまたは最小スパン時間間隔は、1つまたは複数のスロットとして示され、任意選択により、スパン長は、シンボル単位で示される。任意選択の実装では、プロセッサは、動作中、最小スパン時間ギャップとスパン長との複数の異なる組み合わせの中から、UEの能力に対応する1つまたは複数の組み合わせを決定し、送信機は、動作中、最小スパン時間ギャップとスパン長との決定された1つまたは複数の組み合わせを能力指示内に示す。任意選択の実装では、プロセッサは、動作中、最小スパン時間間隔とスパン長との複数の異なる組み合わせの中から、UEの能力に対応する1つまたは複数の組み合わせを決定し、送信機は、動作中、最小スパン時間間隔とスパン長との決定された1つまたは複数の組み合わせを能力指示内に示す。
【0220】
第1~第3の態様のいずれかに加えて提供される第4の態様によれば、最小グループ時間ギャップは、1つのグループ化ウィンドウの終わりと、後続のグループ化ウィンドウの始まりと、の間である。任意選択の実装では、能力指示は、最小グループ時間ギャップの値およびグループ化ウィンドウの長さを示し、または、能力指示は、グループ化ウィンドウの長さと、1つのグループ化ウィンドウの始まりおよび後続のグループ化ウィンドウの始まりの間の最小グループ時間間隔と、を示す。任意選択の実装では、プロセッサは、動作中、最小グループ時間ギャップとグループ化ウィンドウの長さとの複数の異なる組み合わせの中から、UEの能力に対応する1つまたは複数の組み合わせを決定し、送信機は、動作中、最小グループ時間ギャップとグループ化ウィンドウの長さとの決定された1つまたは複数の組み合わせを能力指示内に示す。任意選択の実装では、プロセッサは、動作中、最小グループ時間間隔とグループ化ウィンドウの長さとの複数の異なる組み合わせの中から、UEの能力に対応する1つまたは複数の組み合わせを決定し、送信機は、動作中、最小グループ時間間隔とグループ化ウィンドウの長さとの決定された1つまたは複数の組み合わせを能力指示内に示す。任意選択の実装では、能力条件は、時間スパンの各グループ内の時間スパンの最大数をさらに要求し、能力条件の第2の能力指示は、時間スパンの各グループ内の時間スパンの最大数をさらに示す。任意選択の実装では、グループ化ウィンドウの長さは、スロット単位で示され、任意選択により、最小グループ時間ギャップは、スロット単位で示され、任意選択により、最小グループ時間間隔は、スロット単位で示される。
【0221】
第1~第4の態様のいずれかに加えて提供される第5の態様によれば、プロセッサは、第2の能力条件を決定するときに、ダウンリンク制御チャネルに使用されるサブキャリア間隔に基づいて、記憶された情報から最小グループ時間ギャップおよびグループ化ウィンドウの長さのうちの1つまたは複数を決定する。任意選択の実装では、記憶された情報は、異なるサブキャリア間隔と、異なる最小グループ時間ギャップの値および異なるグループ化ウィンドウの長さのうちの1つまたは複数と、の関連付けを含む。
【0222】
第1~第5の態様のいずれかに加えて提供される第6の態様によれば、グループ化ウィンドウ内でグループ化された時間スパンは、Nスロットごとに繰り返され、グループ化された時間スパンを含むグループ化ウィンドウは、Nスロットの先頭から始まる。
【0223】
第1~第6の態様のいずれかに加えて提供される第7の態様によれば、第1および第2の能力条件のうちの1つまたは複数を含むUEの決定された能力は、
・120kHzを超えるダウンリンク制御チャネルに使用されるサブキャリア間隔、任意選択により、480kHzおよび960kHz以上のサブキャリア間隔、ならびに
・52.6GHzを超えるダウンリンク制御チャネルが送信される周波数レンジ、任意選択により、52.6GHz~71GHzの周波数レンジ
のうちの1つまたは複数に適用される。
【0224】
第1~第7の態様のいずれかに加えて提供される第8の態様によれば、第1および第2の能力条件のうちの1つまたは複数を含むUEの決定された能力は、第1の共通サーチスペースのセットには適用されず、任意選択により、第1の共通サーチスペースのセットは、セル内の全てのUEに対して設定される。任意選択の実装では、第1および第2の能力条件のうちの1つまたは複数を含むUEの決定された能力は、
・UE固有サーチスペース、および
・第2の共通サーチスペースのセット
のうちの1つまたは複数に適用される。
【0225】
任意選択の実装では、第2の共通サーチスペースのセットは、UEへの専用メッセージで設定される共通サーチスペース、および、UEのグループに対して共通に設定される共通サーチスペースのうちの1つまたは複数を含む。
【0226】
第1~第8の態様のいずれかに加えて提供される第9の態様によれば、プロセッサは、動作中、受信された設定情報に基づいて、UEがダウンリンク制御チャネルをモニタする1つまたは複数のモニタ機会を決定する。任意選択の実装では、プロセッサはさらに、マッピングルールに基づいてダウンリンク制御チャネルのモニタ候補を1つまたは複数のモニタ機会にマッピングし、マッピングルールは、
- 最初に、共通サーチスペースに関連付けられたモニタ機会のモニタ候補がマッピングされ、
- 次に、UE固有サーチスペースに関連付けられたモニタ機会のモニタ候補が、UE固有サーチスペースに割り当てられたインデックスの昇順で決定されること
を含む。
任意選択の実装はさらに、
- プロセッサが、UEに対するブラインド復号試行の最大数および制御チャネルエレメントの最大数のうちの1つまたは複数を決定し、プロセッサがUEについてブラインド復号試行の最大数または制御チャネルエレメントの最大数に達したと判定した場合、プロセッサが、UEに対してさらなるモニタ候補をモニタ機会にマッピングしないこと
を含む。
【0227】
第1~第9の態様のいずれかに加えて提供される第10の態様によれば、サーチスペースのモニタ機会がUEの第1および第2の能力条件のうちの1つまたは複数に適合していないとプロセッサが判定した場合、プロセッサは、適合していないモニタ機会をスキップすることを決定する、または、適合していないモニタ機会が関連付けられたサーチスペースの全てのモニタ機会をスキップすることを決定する。
【0228】
第1~第10の態様のいずれかに加えて提供される第11の態様によれば、プロセッサは、UEに記憶された情報からUEの能力を決定する。
【0229】
第12の態様によれば、ユーザ機器UEによって実行される、
モニタ機能を動作させるためのUEの能力を決定するステップであって、モニタ機能は、ダウンリンク制御情報メッセージを受信する目的で1つまたは複数のモニタ機会においてダウンリンク制御チャネルをモニタするためにUEによって動作させられる、決定するステップ
を含む方法が提供される。UEの決定された能力は、モニタ機能を動作させるためのUEの以下の2つの能力条件、すなわち、
- 1つまたは複数の連続するシンボルのスパン長を有する2つの連続する時間スパン間の最小スパン時間ギャップに関する第1の能力条件であって、各時間スパンは、ダウンリンク制御チャネルの1つまたは複数のモニタ機会を含み得る、第1の能力条件と、
- 1つまたは複数のスロットの長さを有するグループ化ウィンドウ内の時間スパンの2つの連続するグループ間の最小グループ時間ギャップに関する第2の能力条件と、
を含む。
この方法は、能力指示を基地局に送信するステップであって、能力指示は、モニタ機能を動作させるためのUEの決定された能力に関する情報を含み、能力指示は、UEの第1の能力条件を示し、任意選択により、UEの第2の能力条件を含む、送信するステップと、
UEにおけるモニタ機能を設定するための設定情報を基地局から受信するステップであって、設定情報は、UEがダウンリンク制御チャネルをモニタする1つまたは複数のモニタ機会を設定する、受信するステップと、
をさらに含む。
【0230】
第13の態様によれば、動作中、モニタ機能を動作させるためのUEの能力を決定するプロセッサであって、モニタ機能は、ダウンリンク制御情報メッセージを受信する目的で1つまたは複数のモニタ機会においてダウンリンク制御チャネルをモニタするためにUEによって動作させられる、プロセッサを備えるUEが提供される。UEの決定された能力は、モニタ機能を動作させるためのUEの以下の第1の能力条件を含む。第1の能力条件は、1つまたは複数の連続するシンボルのスパン長を有する2つの連続する時間スパン間の最小スパン時間ギャップに関し、各時間スパンは、ダウンリンク制御チャネルの1つまたは複数のモニタ機会を含み得、最小スパン時間ギャップは、1つまたは複数のスロットとして示される。
送信機は、能力指示を基地局に送信し、能力指示は、モニタ機能を動作させるためのUEの決定された能力に関する情報を含み、能力指示は、UEの第1の能力条件を示す。受信機は、UEにおけるモニタ機能を設定するための設定情報を基地局から受信し、設定情報は、UEがダウンリンク制御チャネルをモニタする1つまたは複数のモニタ機会を設定する。
【0231】
第13の態様に加えて提供される第14の態様によれば、最小スパン時間ギャップは、1つの時間スパンの終わりと、後続の時間スパンの始まりと、の間である。任意選択の実装では、能力指示は、最小スパン時間ギャップの値および時間スパンのスパン長を示し、または、能力指示は、時間スパンのスパン長と、1つの時間スパンの始まりおよび後続の時間スパンの始まりの間の最小スパン時間間隔と、を示す。任意選択の実装では、プロセッサは、動作中、最小スパン時間ギャップとスパン長との複数の異なる組み合わせの中から、UEの能力に対応する1つまたは複数の組み合わせを決定し、送信機は、動作中、最小スパン時間ギャップとスパン長との決定された1つまたは複数の組み合わせを能力指示内に示す。
任意選択の実装では、プロセッサは、動作中、最小スパン時間間隔とスパン長との複数の異なる組み合わせの中から、UEの能力に対応する1つまたは複数の組み合わせを決定し、送信機は、動作中、最小スパン時間間隔とスパン長との決定された1つまたは複数の組み合わせを能力指示内に示す。
【0232】
第13または第14の態様に加えて提供される第15の態様によれば、プロセッサは、動作中、
- 1つまたは複数のスロットの長さを有するグループ化ウィンドウ内の時間スパンの2つの連続するグループ間の最小グループ時間ギャップに関する第2の能力条件
をさらに含むUEの能力を決定する。
プロセッサは、第2の能力条件を決定するときに、ダウンリンク制御チャネルに使用されるサブキャリア間隔に基づいて、記憶された情報から最小グループ時間ギャップおよびグループ化ウィンドウの長さのうちの1つまたは複数を決定する。任意選択の実装では、記憶された情報は、ダウンリンク制御チャネルに使用される異なるサブキャリア間隔と、異なる最小グループ時間ギャップの値および異なるグループ化ウィンドウの長さのうちの1つまたは複数と、の関連付けを含む。
【0233】
第13~第15の態様のいずれかに加えて提供される第16の態様によれば、第1および第2の能力条件のうちの1つまたは複数を含むUEの決定された能力は、
・120kHzを超えるダウンリンク制御チャネルに使用されるサブキャリア間隔、任意選択により、480kHzおよび960kHz以上のサブキャリア間隔、ならびに
・52.6GHzを超えるダウンリンク制御チャネルが送信される周波数レンジ、任意選択により、52.6GHz~71GHzの周波数レンジ
のうちの1つまたは複数に適用される。
【0234】
第13~第16の態様のいずれかに加えて提供される第17の態様によれば、第1および第2の能力条件のうちの1つまたは複数を含むUEの決定された能力は、第1の共通サーチスペースのセットには適用されず、任意選択により、第1の共通サーチスペースのセットは、セル内の全てのUEに対して設定される。任意選択の実装では、第1および第2の能力条件のうちの1つまたは複数を含むUEの決定された能力は、
・UE固有サーチスペース、および
・第2の共通サーチスペースのセット
のうちの1つまたは複数に適用される。
任意選択の実装では、第2の共通サーチスペースのセットは、UEへの専用メッセージで設定される共通サーチスペース、および、UEのグループに対して共通に設定される共通サーチスペースのうちの1つまたは複数を含む。
【0235】
第18の態様によれば、ユーザ機器UEによって実行される、
モニタ機能を動作させるためのUEの能力を決定するステップであって、モニタ機能は、ダウンリンク制御情報メッセージを受信する目的で1つまたは複数のモニタ機会においてダウンリンク制御チャネルをモニタするためにUEによって動作させられ、
UEの決定された能力は、モニタ機能を動作させるためのUEの以下の第1の能力条件を含み、
- 第1の能力条件は、1つまたは複数の連続するシンボルのスパン長を有する2つの連続する時間スパン間の最小スパン時間ギャップに関し、各時間スパンは、ダウンリンク制御チャネルの1つまたは複数のモニタ機会を含み得、最小スパン時間ギャップは、1つまたは複数のスロットとして示される、
決定するステップと、
能力指示を基地局に送信するステップであって、能力指示は、モニタ機能を動作させるためのUEの決定された能力に関する情報を含み、能力指示は、UEの第1の能力条件を示す、送信するステップと、
UEにおけるモニタ機能を設定するための設定情報を基地局から受信するステップであって、設定情報は、UEがダウンリンク制御チャネルをモニタする1つまたは複数のモニタ機会を設定する、受信するステップと、
を含む、方法が提供される。
【0236】
第19の態様によれば、基地局であって、動作中、1つまたは複数のユーザ機器UEそれぞれから能力指示を受信する受信機であって、能力指示は、モニタ機能を動作させるためのUEの能力を示し、モニタ機能は、ダウンリンク制御情報メッセージを受信する目的で1つまたは複数のモニタ機会においてダウンリンク制御チャネルをモニタするためにUEによって動作させられ、
各UEからの能力指示は、UEの能力として第1の能力条件を示し、
- 第1の能力条件は、1つまたは複数の連続するシンボルのスパン長を有する2つの連続する時間スパン間の最小スパン時間ギャップに関し、各時間スパンは、ダウンリンク制御チャネルの1つまたは複数のモニタ機会を含み得る、
受信機を備え、
プロセッサは、動作中、受信された能力指示によって示される情報から、または、記憶された情報と、それぞれのUEによってダウンリンク制御チャネルに使用されるサブキャリア間隔と、から、1つまたは複数のスロットの長さを有するグループ化ウィンドウ内の時間スパンの2つの連続するグループ間の最小グループ時間ギャップに関する1つまたは複数のUEの第2の能力条件を決定し、
基地局はさらに、
動作中、1つまたは複数のUEの全てについて決定された第1および第2の能力条件に基づいて、ダウンリンク制御チャネルでモニタされる1つまたは複数のモニタ機会を、1つまたは複数のUEそれぞれについて決定するプロセッサと、
動作中、それぞれのUEがダウンリンク制御チャネルをモニタする1つまたは複数のモニタ機会を設定することを含めて、UEにおけるモニタ機能を設定するための設定情報を、1つまたは複数のUEのうちのそれぞれに送信する送信機と、
を備える、基地局が提供される。
【0237】
第19の態様に加えて提供される第20の態様によれば、第2の能力条件を決定するための記憶された情報は、ダウンリンク制御チャネルに使用される異なるサブキャリア間隔と、異なる最小グループ時間ギャップの値および異なるグループ化ウィンドウの長さのうちの1つまたは複数と、の関連付けを含む。
【0238】
第19または第20の態様に加えて提供される第21の態様によれば、プロセッサは、1つまたは複数のモニタ機会を決定するときに、第1および第2の能力条件のうちの1つまたは複数を含むUEの決定された能力が第1の共通サーチスペースのセットのうちの1つまたは複数に適用されないことを考慮し、任意選択により、第1の共通サーチスペースのセットは、セル内の全てのUEに対して設定される。任意選択の実装では、プロセッサは、1つまたは複数のモニタ機会を決定するときに、第1および第2の能力条件のうちの1つまたは複数を含むUEの決定された能力が、
・UE固有サーチスペース、および
・第2の共通サーチスペースのセット
のうちの1つまたは複数に適用されることを考慮する。
任意選択の実装では、第2の共通サーチスペースのセットは、UEへの専用メッセージで設定される共通サーチスペース、および、UEのグループに対して共通に設定される共通サーチスペースのうちの1つまたは複数を含む。
【0239】
第19~第21の態様のいずれかに加えて提供される第22の態様によれば、プロセッサは、マッピングルールに基づいてダウンリンク制御チャネルのモニタ候補を1つまたは複数のモニタ機会にマッピングし、マッピングルールは、
- 最初に、共通サーチスペースに関連付けられたモニタ機会のモニタ候補が決定され、
- 次に、UE固有サーチスペースに関連付けられたモニタ機会のモニタ候補が、UE固有サーチスペースに割り当てられたインデックスの昇順で決定されること
を含む。
任意選択の実装では、マッピングルールは、
- プロセッサが、UEに対するブラインド復号試行の最大数および制御チャネルエレメントの最大数のうちの1つまたは複数を決定し、プロセッサがUEについてブラインド復号試行の最大数または制御チャネルエレメントの最大数に達したと判定した場合、プロセッサが、UEに対してさらなるモニタ候補をモニタ機会にマッピングしないこと
を含む。
【0240】
第19~第22の態様のいずれかに加えて提供される第23の態様によれば、サーチスペースのモニタ機会がUEの第1および第2の能力条件のうちの1つまたは複数に適合していないとプロセッサが判定した場合、プロセッサは、適合していないモニタ機会をスキップすることを決定する、または、適合していないモニタ機会が関連付けられたサーチスペースの全てのモニタ機会をスキップすることを決定する。
【0241】
第19~第23の態様のいずれかに加えて提供される第24の態様によれば、サーチスペースのモニタ機会がそれぞれのUEの第1および第2の能力条件のうちの1つまたは複数に適合していないとプロセッサが判定した場合、プロセッサは、それぞれのUEの1つまたは複数の能力に適合していないモニタ機会をUEに設定する。
【0242】
第25の態様によれば、基地局によって実行される、
1つまたは複数のユーザ機器UEそれぞれから能力指示を受信するステップであって、能力指示は、モニタ機能を動作させるためのUEの能力を示し、モニタ機能は、ダウンリンク制御情報メッセージを受信する目的で1つまたは複数のモニタ機会においてダウンリンク制御チャネルをモニタするためにUEによって動作させられ、
各UEからの能力指示は、UEの能力として第1の能力条件を示し、
- 第1の能力条件は、1つまたは複数の連続するシンボルのスパン長を有する2つの連続する時間スパン間の最小スパン時間ギャップに関し、各時間スパンは、ダウンリンク制御チャネルの1つまたは複数のモニタ機会を含み得る、
受信するステップと、
受信された能力指示によって示される情報から、または、記憶された情報と、それぞれのUEによってダウンリンク制御チャネルに使用されるサブキャリア間隔と、から、1つまたは複数のスロットの長さを有するグループ化ウィンドウ内の時間スパンの2つの連続するグループ間の最小グループ時間ギャップに関する1つまたは複数のUEの第2の能力条件を決定するステップと、
1つまたは複数のUEの全てについて決定された第1および第2の能力条件に基づいて、ダウンリンク制御チャネルでモニタされる1つまたは複数のモニタ機会を、1つまたは複数のUEそれぞれについて決定するステップと、
それぞれのUEがダウンリンク制御チャネルをモニタする1つまたは複数のモニタ機会を設定することを含めて、UEにおけるモニタ機能を設定するための設定情報を、1つまたは複数のUEのうちのそれぞれに送信するステップと、
を含む、方法が提供される。
【0243】
第26の態様によれば、基地局であって、
動作中、1つまたは複数のユーザ機器UEそれぞれから能力指示を受信する受信機であって、能力指示は、モニタ機能を動作させるためのUEの能力を示し、モニタ機能は、ダウンリンク制御情報メッセージを受信する目的で1つまたは複数のモニタ機会においてダウンリンク制御チャネルをモニタするためにUEによって動作させられ、
各UEからの能力指示は、UEの能力として第1の能力条件を示し、
- 第1の能力条件は、1つまたは複数の連続するシンボルのスパン長を有する2つの連続する時間スパン間の最小スパン時間ギャップに関し、各時間スパンは、ダウンリンク制御チャネルの1つまたは複数のモニタ機会を含み得、最小スパン時間ギャップは、1つまたは複数のスロットとして示される、
受信機と、
動作中、1つまたは複数のUEの全てについて決定された第1の能力条件に基づいて、ダウンリンク制御チャネルでモニタされる1つまたは複数のモニタ機会を、1つまたは複数のUEそれぞれについて決定するプロセッサと、
動作中、それぞれのUEがダウンリンク制御チャネルをモニタする1つまたは複数のモニタ機会を設定することを含めて、UEにおけるモニタ機能を設定するための設定情報を、1つまたは複数のUEのうちのそれぞれに送信する送信機と、
を備える、基地局が提供される。
【0244】
第27の態様によれば、基地局によって実行される、
1つまたは複数のユーザ機器UEそれぞれから能力指示を受信するステップであって、能力指示は、モニタ機能を動作させるためのUEの能力を示し、モニタ機能は、ダウンリンク制御情報メッセージを受信する目的で1つまたは複数のモニタ機会においてダウンリンク制御チャネルをモニタするためにUEによって動作させられ、
各UEからの能力指示は、UEの能力として第1の能力条件を示し、
- 第1の能力条件は、1つまたは複数の連続するシンボルのスパン長を有する2つの連続する時間スパン間の最小スパン時間ギャップに関し、各時間スパンは、ダウンリンク制御チャネルの1つまたは複数のモニタ機会を含み得、最小スパン時間ギャップは、1つまたは複数のスロットとして示される、
受信するステップと、
1つまたは複数のUEの全てについて決定された第1の能力条件に基づいて、ダウンリンク制御チャネルでモニタされる1つまたは複数のモニタ機会を、1つまたは複数のUEそれぞれについて決定するステップと、
それぞれのUEがダウンリンク制御チャネルをモニタする1つまたは複数のモニタ機会を設定することを含めて、UEにおけるモニタ機能を設定するための設定情報を、1つまたは複数のUEのうちのそれぞれに送信するステップと、
を含む、方法が提供される。
【0245】
第28の態様によれば、動作中、ユーザ機器の処理を制御する集積回路であって、処理は、ユーザ機器によって実行される、
モニタ機能を動作させるためのUEの能力を決定するステップであって、モニタ機能は、ダウンリンク制御情報メッセージを受信する目的で1つまたは複数のモニタ機会においてダウンリンク制御チャネルをモニタするためにUEによって動作させられ、
UEの決定された能力は、モニタ機能を動作させるためのUEの以下の2つの能力条件、すなわち、
- 1つまたは複数の連続するシンボルのスパン長を有する2つの連続する時間スパン間の最小スパン時間ギャップに関する第1の能力条件であって、各時間スパンは、ダウンリンク制御チャネルの1つまたは複数のモニタ機会を含み得る、第1の能力条件と、
- 1つまたは複数のスロットの長さを有するグループ化ウィンドウ内の時間スパンの2つの連続するグループ間の最小グループ時間ギャップに関する第2の能力条件と、
を含む、決定するステップと、
能力指示を基地局に送信するステップであって、能力指示は、モニタ機能を動作させるためのUEの決定された能力に関する情報を含み、能力指示は、UEの第1の能力条件を示し、任意選択により、UEの第2の能力条件を含む、送信するステップと、
UEにおけるモニタ機能を設定するための設定情報を基地局から受信するステップであって、設定情報は、UEがダウンリンク制御チャネルをモニタする1つまたは複数のモニタ機会を設定する、受信するステップと、
を含む、集積回路が提供される。
【0246】
第29の態様によれば、動作中、ユーザ機器の処理を制御する集積回路であって、処理は、ユーザ機器によって実行される、
モニタ機能を動作させるためのUEの能力を決定するステップであって、モニタ機能は、ダウンリンク制御情報メッセージを受信する目的で1つまたは複数のモニタ機会においてダウンリンク制御チャネルをモニタするためにUEによって動作させられ、
UEの決定された能力は、モニタ機能を動作させるためのUEの以下の第1の能力条件を含み、
- 第1の能力条件は、1つまたは複数の連続するシンボルのスパン長を有する2つの連続する時間スパン間の最小スパン時間ギャップに関し、各時間スパンは、ダウンリンク制御チャネルの1つまたは複数のモニタ機会を含み得、最小スパン時間ギャップは、1つまたは複数のスロットとして示される、
決定するステップと、
能力指示を基地局に送信するステップであって、能力指示は、モニタ機能を動作させるためのUEの決定された能力に関する情報を含み、能力指示はUEの第1の能力条件を示す、送信するステップと、
UEにおけるモニタ機能を設定するための設定情報を基地局から受信するステップであって、設定情報は、UEがダウンリンク制御チャネルをモニタする1つまたは複数のモニタ機会を設定する、受信するステップと、
を含む、集積回路が提供される。
【0247】
第30の態様によれば、動作中、基地局の処理を制御する集積回路であって、処理は、基地局によって実行される、
1つまたは複数のユーザ機器UEそれぞれから能力指示を受信するステップであって、能力指示は、モニタ機能を動作させるためのUEの能力を示し、モニタ機能は、ダウンリンク制御情報メッセージを受信する目的で1つまたは複数のモニタ機会においてダウンリンク制御チャネルをモニタするためにUEによって動作させられ、
各UEからの能力指示は、UEの能力として第1の能力条件を示し、
- 第1の能力条件は、1つまたは複数の連続するシンボルのスパン長を有する2つの連続する時間スパン間の最小スパン時間ギャップに関し、各時間スパンは、ダウンリンク制御チャネルの1つまたは複数のモニタ機会を含み得る、
受信するステップと、
受信された能力指示によって示される情報から、または、記憶された情報と、それぞれのUEによってダウンリンク制御チャネルに使用されるサブキャリア間隔と、から、1つまたは複数のスロットの長さを有するグループ化ウィンドウ内の時間スパンの2つの連続するグループ間の最小グループ時間ギャップに関する1つまたは複数のUEの第2の能力条件を決定するステップと、
1つまたは複数のUEの全てについて決定された第1および第2の能力条件に基づいて、ダウンリンク制御チャネルでモニタされる1つまたは複数のモニタ機会を、1つまたは複数のUEそれぞれについて決定するステップと、
それぞれのUEがダウンリンク制御チャネルをモニタする1つまたは複数のモニタ機会を設定することを含めて、UEにおけるモニタ機能を設定するための設定情報を、1つまたは複数のUEのうちのそれぞれに送信するステップと、
を含む、集積回路が提供される。
【0248】
第31の態様によれば、動作中、基地局の処理を制御する集積回路であって、処理は、基地局によって実行される、
1つまたは複数のユーザ機器UEそれぞれから能力指示を受信するステップであって、能力指示は、モニタ機能を動作させるためのUEの能力を示し、モニタ機能は、ダウンリンク制御情報メッセージを受信する目的で1つまたは複数のモニタ機会においてダウンリンク制御チャネルをモニタするためにUEによって動作させられ、
各UEからの能力指示は、UEの能力として第1の能力条件を示し、
- 第1の能力条件は、1つまたは複数の連続するシンボルのスパン長を有する2つの連続する時間スパン間の最小スパン時間ギャップに関し、各時間スパンは、ダウンリンク制御チャネルの1つまたは複数のモニタ機会を含み得、最小スパン時間ギャップは、1つまたは複数のスロットとして示される、
受信するステップと、
1つまたは複数のUEの全てについて決定された第1の能力条件に基づいて、ダウンリンク制御チャネルでモニタされる1つまたは複数のモニタ機会を、1つまたは複数のUEそれぞれについて決定するステップと、
それぞれのUEがダウンリンク制御チャネルをモニタする1つまたは複数のモニタ機会を設定することを含めて、UEにおけるモニタ機能を設定するための設定情報を、1つまたは複数のUEのうちのそれぞれに送信するステップと、
を含む、集積回路が提供される。
【0249】
本開示のハードウェアおよびソフトウェアの実装を含むさらなる変形例
本開示は、ソフトウェア、ハードウェア又はハードウェアと連動するソフトウェアによって実現することができる。上述した各実施例の説明に用いた各機能ブロックは、集積回路等のLSIによって部分的又は全体的に実現可能であり、各実施例で説明される各処理は、同一のLSI又はLSIの組み合わせによって部分的又は全体的に制御されてもよい。LSIは、個別にチップとして形成されていてもよいし、あるいは、機能ブロックの一部又は全部を含むように1つのチップが形成されていてもよい。LSIは、それに結合されたデータ入出力を含んでもよい。ここで、LSIとは、集積度の違いにより、IC(集積回路)、システムLSI、スーパーLSI又はウルトラLSIとして呼ばれうる。しかし、集積回路を実現する技術はLSIに限定されず、専用回路、汎用プロセッサ又は特定用途向けプロセッサを用いて実現されてもよい。さらに、LSI内部に配置される回路セルの接続及び設定が再設定可能なLSI又はリコンフィギュラブルプロセッサの製造後にプログラミング可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)が利用されてもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現することができる。半導体技術や他の派生技術の進歩の結果として、将来の集積回路技術がLSIに取って代わる場合、機能ブロックは、将来の集積回路技術を用いて集積化することができる。バイオテクノロジーも適用できる。
【0250】
本開示は、通信装置と呼ばれる、通信機能を有する何れかのタイプの装置、デバイス又はシステムによって実現することができる。
【0251】
通信装置は、送受信機及び処理/制御回路を有してもよい。送受信機は、受信機及び送信機を有し、及び/又は機能してもよい。送信機及び受信機としての送受信機は、増幅器、RF変調器/復調器など及び1つ以上のアンテナを含むRF(Radio Frequency)モジュールを含んでもよい。
【0252】
そのような通信装置のいくつかの非限定的な例は、電話機(例えば、携帯(セル)電話、スマートフォン)、タブレット、パーソナルコンピュータ(PC)(例えば、ラップトップ、デスクトップ、ネットブック)、カメラ(例えば、デジタルスチル/ビデオカメラ)、デジタルプレーヤ(デジタルオーディオ/ビデオプレーヤ)、ウェアラブルデバイス(例えば、ウェアラブルカメラ、スマートウォッチ、トラッキングデバイス)、ゲームコンソール、デジタルブックリーダ、遠隔ヘルス/遠隔医療(リモートヘルス及びリモート医療)デバイス、及び通信機能を提供する車両(例えば、自動車、飛行機、船舶)、並びにそれらの様々な組み合わせを含む。
【0253】
通信装置は、携帯型又は可動型であることに限定されず、スマートホームデバイス(例えば、家電、ライティング、スマートメータ、制御パネル)、自動販売機及び“Internet of Things(IoT)”のネットワークにおける他の何れかの“物”など、非携帯型又は固定型である何れかのタイプの装置、デバイス又はシステムを含んでもよい。
【0254】
通信は、例えば、セルラシステム、無線LANシステム、衛星システムなど、及びそれらの様々な組み合わせを介してデータを交換することを含んでもよい。
【0255】
通信装置は、本開示に記載された通信の機能を実行する通信デバイスに結合されたコントローラ又はセンサなどのデバイスを含んでもよい。例えば、通信装置は、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスによって使用される制御信号又はデータ信号を生成するコントローラ又はセンサを含んでもよい。
【0256】
加えて通信装置は、たとえば基地局、アクセスポイント、およびたとえば上述の非限定的な例におけるものなどの装置と通信するか、またはそれを制御する任意のその他の装置、デバイス、またはシステムなどのインフラストラクチャ設備を含んでもよい。
【0257】
(制御信号)
本開示において、本開示に関連するダウンリンク制御信号(情報)は、物理レイヤのPDCCHを介して送信される信号(情報)であり得、または上位レイヤのMAC制御エレメント(CE:Control Element)またはRRCを介して送信される信号(情報)であり得る。ダウンリンク制御信号は、事前定義された信号(情報)であり得る。
【0258】
本開示に関連するアップリンク制御信号(情報)は、物理レイヤのPUCCHを介して送信される信号(情報)であり得、上位レイヤのMAC CEまたはRRCを介して送信される信号(情報)であり得る。また、アップリンク制御信号は、事前定義された信号(情報)であり得る。アップリンク制御信号は、アップリンク制御情報(UCI:uplink control information)、第1ステージサイドリンク制御情報(SCI:sidelink control information)、または第2ステージSCIに置き換えられ得る。
【0259】
(基地局)
本開示では、基地局は、たとえば、送受信ポイント(TRP:Transmission Reception Point)、クラスタヘッド、アクセスポイント、リモートラジオヘッド(RRH:Remote Radio Head)、eNodeB(eNB)、gNodeB(gNB)、基地局(BS:Base Station)、基地送受信局(BTS:Base Transceiver Station)、ベースユニット、またはゲートウェイであり得る。また、サイドリンク通信においては、基地局の代わりに端末が採用され得る。基地局は、上位ノードと端末との間の通信を中継する中継装置であり得る。基地局は路側ユニットであり得る。
【0260】
(アップリンク/ダウンリンク/サイドリンク)
本開示は、アップリンク、ダウンリンク、およびサイドリンクのいずれにも適用され得る。
【0261】
本開示は、たとえば、PUSCH、PUCCH、およびPRACHなどのアップリンクチャネル、PDSCH、PDCCH、およびPBCHなどのダウンリンクチャネル、ならびに物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH:Physical Sidelink Shared Channel)、物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH:Physical Sidelink Control Channel)、および物理サイドリンクブロードキャストチャネル(PSBCH:Physical Sidelink Broadcast Channel)などのサイドリンクチャネルに適用され得る。
【0262】
PDCCH、PDSCH、PUSCH、およびPUCCHは、それぞれ、ダウンリンク制御チャネル、ダウンリンクデータチャネル、アップデータチャネル、アップリンク制御チャネルの例である。PSCCHおよびPSSCHは、それぞれサイドリンク制御チャネルおよびサイドリンクデータチャネルの例である。PBCHおよびPSBCHはそれぞれブロードキャストチャネルの例であり、PRACHはランダムアクセスチャネルの例である
【0263】
(データチャネル/制御チャネル)
本開示は、データチャネルおよび制御チャネルのいずれにも適用され得る。本開示におけるチャネルは、PDSCH、PUSCH、およびPSSCHを含むデータチャネル、ならびに/あるいはPDCCH、PUCCH、PBCH、PSCCH、およびPSBCHを含む制御チャネルに置き換えられ得る。
【0264】
(参照信号)
本開示において、参照信号は、基地局および移動局の両方に既知の信号であり、各参照信号は、参照信号(RS)または場合によってはパイロット信号と呼ばれ得る。参照信号は、DMRS、チャネル状態情報-参照信号(CSI-RS:Channel State Information-Reference Signal)、トラッキング参照信号(TRS:Tracking Reference Signal)、位相トラッキング参照信号(PTRS:Phase Tracking Reference Signal)、セル固有参照信号(CRS:Cell-specific Reference Signal)、およびサウンディング参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)のいずれでもあり得る。
【0265】
(時間間隔)
本開示では、時間リソース単位は、スロットおよびシンボルのうちの1つまたは組み合わせに限定されず、フレーム、スーパーフレーム、サブフレーム、スロット、タイムスロットサブスロット、ミニスロットなどの時間リソース単位、またはシンボル、直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル、シングルキャリア周波数分割多重アクセス(SC-FDMA:Single Carrier-Frequency Division Multiplexing Access)シンボルなどの時間リソース単位、あるいは他の時間リソース単位であり得る。1スロットに含まれるシンボル数は、上述の1つまたは複数の実施形態で例示したいかなるシンボル数にも限定されず、他のシンボル数であり得る。
【0266】
(周波数バンド)
本開示は、ライセンスバンド、アンライセンスバンドのいずれにも適用され得る。
【0267】
(通信)
本開示は、基地局と端末との間の通信(Uuリンク通信)、端末と端末との間の通信(サイドリンク通信)、およびビークルツーエブリシング(V2X:Vehicle to Everything)通信のいずれにも適用され得る。本開示におけるチャネルは、PSCCH、PSSCH、物理サイドリンクフィードバックチャネル(PSFCH:Physical Sidelink Feedback Channel)、PSBCH、PDCCH、PUCCH、PDSCH、PUSCH、およびPBCHに置き換えられ得る。
【0268】
また、本開示は、地上ネットワーク、または衛星もしくは高高度疑似衛星(HAPS:High Altitude Pseudo Satellite)を使用した地上ネットワーク以外のネットワーク(NTN:非地上ネットワーク:Non-Terrestrial Network)のいずれにも適用され得る。また、本開示は、セルサイズが大きいネットワーク、シンボル長またはスロット長に比べて遅延が大きい地上ネットワーク、たとえば、超広帯域伝送ネットワークにも適用され得る。
【0269】
(アンテナポート)
アンテナポートとは、1つまたは複数の物理アンテナで形成される論理アンテナ(アンテナグループ)を指す。すなわち、アンテナポートは、必ずしも1つの物理アンテナを指すわけではなく、複数のアンテナで形成されるアレイアンテナなどを指す場合もある。たとえば、アンテナポートを形成する物理アンテナの数は定義されておらず、代わりに、アンテナポートは、端末が参照信号を送信することが可能な最小単位として定義される。また、アンテナポートは、プリコーディングベクトルの重み付けを乗算するための最小単位として定義され得る。
【0270】
さらに、さまざまな実施形態は、プロセッサによって実行されるか、またはハードウェアにおいて直接実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよい。ソフトウェアモジュールとハードウェア実装との組み合わせも可能であり得る。ソフトウェアモジュールは、たとえばRAM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、レジスタ、ハードディスク、CD-ROM、DVDなどの任意の種類のコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。さらに、異なる実施形態の個々の特徴が個別に、または任意の組み合わせで、別の実施形態の主題になり得ることに留意すべきである。
【0271】
特定の実施形態において示された本開示に対して、多数の変更および/または修正を加えてもよいことを当業者は認識するだろう。したがって本実施形態はすべての点から例示的であり、限定的なものではないとみなされるべきである。
【国際調査報告】