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特表2024-528089公共事業、農業および製造における炭素を含む汚染物質を低減するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】公共事業、農業および製造における炭素を含む汚染物質を低減するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   C02F 3/12 20230101AFI20240719BHJP
   C02F 3/30 20230101ALI20240719BHJP
【FI】
C02F3/12 B
C02F3/30 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505386
(86)(22)【出願日】2022-07-30
(85)【翻訳文提出日】2024-03-15
(86)【国際出願番号】 US2022038978
(87)【国際公開番号】W WO2023009882
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】63/227,979
(32)【優先日】2021-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520407138
【氏名又は名称】アドバンスト・イノベーターズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ADVANCED INNOVATORS INC
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100156122
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 剛
(72)【発明者】
【氏名】ホワイトマン,ロバート
【テーマコード(参考)】
4D028
4D040
【Fターム(参考)】
4D028AA02
4D028BC01
4D028CA01
4D040BB02
4D040BB32
4D040BB52
4D040BB72
4D040BB91
(57)【要約】
本発明は、廃水処理のために若々しい微生物集団を提供、維持、使用する方法を提供する。より詳しくは、本発明は、バイオ発酵を使用した廃水および廃棄物処理にグリーンで持続可能な微生物のネットゼロカーボンソリューションを提供し、バイオ発酵微生物を含む処理で廃水および廃棄物を処理する方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流出物の質を維持しながら、廃水処理プラントのカーボンフットプリントを増加させることなく、廃水処理施設のキャパシティを増加させる方法であって、
a.廃水処理施設の初期流量を決定することであって、前記廃水処理施設がエンボディドカーボンフットプリントを有し、前記初期流量が廃水処理プラントからの流出物中の汚染物質を第1の汚染物質レベル以下に維持するエンボディドカーボンフットプリントのキャパシティにおけるものである、初期流量を決定すること、および、
b.前記廃水処理施設の流量を増加させて増加した流量を得ることであって、前記増加した流量が前記初期流量よりも少なくとも25%大きく、
c.前記流出物中の汚染物質のレベルが前記増加した流量において第1の汚染物質レベル以下に維持され、
d.前記廃水処理施設のエンボディドカーボンフットプリントが同じに維持される、増加した流量を得ること、を含む方法。
【請求項2】
前記増加した流量が前記初期流量よりも少なくとも20%大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記増加した流量が前記初期流量よりも少なくとも50%大きい、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記増加した流量が前記初期流量よりも少なくとも70%大きい、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記初期流量を前記増加した流量に処理することによって生成されるバイオソリッドの量が、少なくとも25%削減される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記初期流量を前記増加した流量に処理することによって生成されるバイオソリッドの量が、少なくとも50%削減される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記初期流量を前記増加した流量に処理することによって生成されるバイオソリッドの量が、少なくとも60%削減される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記初期流量を前記増加した流量に処理することによって生成されるリンの量が、少なくとも20%削減される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記初期流量を前記増加した流量に処理することによるリンの量が、少なくとも50%削減される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記初期流量を前記増加した流量に処理することによって生成される窒素の量が、少なくとも20%削減される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記初期流量を前記増加した流量に処理することによる窒素の量が、少なくとも50%削減される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
流出物の質を維持しながら、廃水処理プラントのキャパシティを減少させることなく、廃水の処理に関連する温室効果ガスの生成を減少させるために、廃水処理施設を運転する方法であって、
a.前記廃水処理施設が廃水処理の初期流量を有するスラッジの処理および廃棄に関して第1の量の温室効果ガスを生成することであって、前記廃水処理プラントからの流出物中の汚染物質が第1の汚染物質レベル以下に維持される、温室効果ガスを生成すること、および、
b.前記流出物中の汚染物質のレベルを前記第1の汚染物質レベル以下に維持しながら、生成される温室効果ガスの第1の量を少なくとも25%減少させることを含む、方法。
【請求項13】
前記温室効果ガスが少なくとも30%削減される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記温室効果ガスが少なくとも40%削減される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記温室効果ガスが少なくとも60%削減される、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記温室効果ガスが少なくとも80%削減される、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記初期流量を前記増加した流量に処理することによって生成されるバイオソリッドの量が、少なくとも50%削減される、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記初期流量を前記増加した流量に処理することによって生成されるバイオソリッドの量が、少なくとも60%削減される、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記初期流量を前記増加した流量に処理することによって生成されるリンの量が、少なくとも20%削減される、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記初期流量を前記増加した流量に処理することによるリンの量が、少なくとも50%削減される、請求項1~19いずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記初期流量を前記増加した流量に処理することによって生成される窒素の量が、少なくとも20%削減される、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記初期流量を前記増加した流量に処理することによる窒素の量が、少なくとも50%削減される、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
バイオ発酵微生物を含む処理を用いて廃水および廃棄物を処理するためにバイオ発酵を利用する、廃水および廃棄物処理に対するグリーンで持続可能な微生物学の正味ゼロ炭素のソリューションを提供する方法。
【請求項24】
脂肪、油およびグリースの処理を含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
脱窒を改善することによってアルカリ度の回復を増進させることを含む、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
バイオマスの沈降性を改善することを含む、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
望ましくない繊維状生育の制御を含む、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
硝化を改善し、アンモニア除去を増加させることを含む、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
廃水プラントを再定格することを含む、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
廃水プラントのキャパシティおよび水理学的スループットを増加させることを含む、請求項1~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
リン除去を増加させることを含む、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
OPEXのコストを最小化することを含む、請求項1~31のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条(e)(1)に基づき、2021年7月30日に出願された米国仮出願第63/227,979号の出願日の利益を主張し、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、都市廃棄物および製造廃棄物(水流を含む)などの、バイオレメディエーションおよび廃棄物のための新規且つユニークな用途および使用に関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、廃水処理システムは、望ましくない物質で汚染された水が存在する地方自治体、産業現場、工場、雨水排水システム、および他の場所からの流出物を取り扱う。本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、「廃水処理システム」、「廃水処理施設」、「処理施設」という用語、および同様のそのような用語は、その最も広い可能な意味を与えられるべきであり、一次処理、二次処理または三次処理を有する産業および都市システム、並びにこれらの組み合わせおよびバリエーション、好気性、通性または嫌気性生物学的廃水システムを含み、好気性プロセスとしては、例えば、活性スラッジシステム、好気性安定化池(ASB)、曝気されたラグーン、シングルパスラグーンシステム、安定化池、回転生物学的接触器、および滴下フィルターが挙げられ、通性プロセスとしては、例えば、通性ラグーンが挙げられ、嫌気性プロセスとしては、例えば、嫌気性池、嫌気性消化槽、嫌気性フィルターまたは接触器、および嫌気性処理システムが挙げられ、清澄器、沈殿槽、消化槽、活性汚泥システム、ラグーン、シングルパスラグーン、並びにこれらの組み合わせおよびバリエーションを有するシステム、活性スラッジシステム、回転ディスクシステム、水中曝気フィルター、懸濁媒体フィルター、シーケンシングバッチリアクター非電気フィルターおよび滴下フィルターなどのシステム、並びに、廃水を洗浄するためのこれらの装置および他の装置の組み合わせおよびバリエーション、を含む。
【0004】
廃水処理プラントは、1日当たりの流量、すなわち、1日当たりのガロン(GPD)で測定される1日当たりの容量が小さいものから、1日当たり百万(1,000,000)ガロン(MGD)の流量で測定される大容量のものまで様々であり得る。流量は、10GPD、100GPD、1,000GPD、10,000GPD、および100,000GPDであり得る。典型的には、都市部および工業現場では、廃水の流量は、約0.01MGD以上、約0.1MGD以上、約1MGD以上、約2MGD以上、0.01MGDから100MGD、0.05MGDから50MGD、0.1MGDから2MGD、約1MGDから約15MGD、約5MGDから約25MGD、約10MGDから約40MGD、約20MGDから約100MGD、約25MGDから約60MGD、約200MGDから約300MGD、約300MGD以上、約350MGD以上、並びにより大きいおよびより小さい流量、並びにこれらの範囲内のすべての流量である。
【0005】
廃水処理プラントのキャパシティまたはサイズは、人口当量(「PE」)で測定することもできる。PEは、流量を測定し、異なる処理プラント間の流量を比較するために使用される標準化である。PEは、産業施設およびサービスが24時間に生成する汚染負荷の合計と1人の人が同じ時間で生成する家庭下水の個人人口の比を表す数値である。
【数1】
【0006】
典型的には、PEの一単位は、24時間当たり54グラムのBODに等しい。流量において、本明細書で使用される場合、PEの単位は、1日につき1人当たり50ガロンまたは1日につき1人当たり200リットルに等しい。廃水処理プラントは、10,000から200,000PE、50,000から100,000PE、50,000から500,000PE、100,000PEから2,000,000(2mm)PE、1mmPEから4mmPE、150mmPE以上、200mmPE以上、および約300mmPEの容量、並びにこれらの範囲内のすべてのキャパシティ、並びにより大きいキャパシティおよびより小さいキャパシティを有することができる。さらに、プラントは、高潮に対処するためにそれらのPEよりも大きいサイズにすることができる。
【0007】
一般に、高価で信頼性が低いこともある処理設備またはプロセス、例えば、スラッジ安定化設備が存在しない場合、廃水処理システムによって生成されるスラッジまたは廃棄スラッジまたはバイオソリッド(特に明記しない限り、本明細書では同義語として使用される)は、典型的には、望ましくない材料を含み、それは、さらに高価で環境的にあまり望ましくない廃棄技術を必要とする。これらのプロセスは、大きな設備投資を必要とし、高いカーボンフットプリントと共に高い運転コストを有し、腐食性および酸性化学物質などの過酷で危険な材料、並びに他の不利な要件を使用する。特に、近頃の従来のpHベースのシステム、並びに他の従来の消毒システムは、信頼性が低く、望ましくないことが判明しており、安全で、使用可能で、経済的且つ環境的に許容可能なスラッジおよびそのようなプロセスの他の最終物質を生成するという必要性を満たしていない。とは言え、堆肥化などの他のあまり資本集約的でないバリエーションは、規制された糞便物質で汚染されている可能性がある樹皮などのフィラーを使用するという欠点を有しており、糞便に関する基準を満たすことをより困難にする。
【0008】
本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、「流入物」という用語は、可能な限り最も広い意味を与えられるべきであり、装置、システム、設備、リザーバ、洗面台、処理プロセス、処理システム、処理装置、タンク、または処理プラントもしくは処理施設に流入する、生の(未処理の)または部分的に処理された廃水または他の液体を指す。
【0009】
本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、「スラッジ」という用語は、その最も広い可能な意味を与えられるべきであり、廃水処理プラントによって廃水から除去される材料を含む。典型的には、スラッジは、約0.2%~約80%の固形分、約1%~約60%の固形分、約0.25%~0.5%の固形分、約2%~約4%の固形分、約50%~約99%の固形分、約5%~約25%の固形分、約5%の固形分、約10%の固形分、約1%の固形分、約10%の固形分、約15%の固形分、約0.5%を超える固形分、約2%を超える固形分、約5%を超える固形分、並びに、これらの組み合わせおよびバリエーション、並びに、これらの範囲内のすべての値を有し得る。
【0010】
本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、「フロック形成微生物」、「フロック形成菌」、フロック形成という用語、および同様のそのような用語は、可能な限り最も広い意味が与えられるべきであり、フロック形成または凝集を引き起こし、一緒になって細菌の大きな塊またはコミュニティをもたらす微生物の一般的な群を含み、フロック形成細菌、アクロモバクター、フラボバクテリウム属、アルカリゲネス属、アルスロバクター属、細菌集団、アシネトバクター属、シトロモナス、捕食動物、すなわち原虫、ワムシ、線虫、ツリガネムシ、アスピディスカ、ゾウリムシ、リン酸塩蓄積生物(PAO)、藻類(ラグーン)を含む。
【0011】
本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、「温室効果ガス」という用語および同様のそのような用語は、それが大気中にある場合に、地球温暖化または温度上昇に寄与する任意のガスを含む。そのようなガスとしては、二酸化炭素(CO)、メタン(CH)および亜酸化窒素(N2O)が挙げられる。N2Oは、CO換算よりも地球温暖化の決定的な影響が約300倍大きい。
【0012】
本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、室温は25℃である。また、標準の温度および圧力は25℃および1気圧である。
【0013】
一般に、本明細書で使用される「約」という用語は、特に明記しない限り、±10%の分散もしくは範囲、または記載された値を得ることに関連する実験誤差もしくは機器誤差の大きい方を包含することを意味する。
【0014】
本明細書で使用される場合、別段の指定がない限り、本明細書における値の範囲の記載は、その範囲内に入る各別個の値を個別に参照する簡略化した方法として機能することを意図しているにすぎない。本明細書に別段の指示がない限り、範囲内の個々の値はそれぞれ、本明細書にあたかも個別に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0015】
人間、都市および地方の生活環境、農業および製造活動によって生成される廃水などの廃棄物から汚染物質を除去および排除するための方法および装置の必要性が長年にわたって高まっている。これらの方針に沿って、そのような活動によって生成されるCOなどの温室効果ガスの量を減らす必要性がますます高まっており、これらの活動をカーボンニュートラルにする必要性が長年にわたってますます高まっている。本発明は、とりわけ、本明細書において教示され、開示され、特許請求される物質の組成物、材料、製造品、装置およびプロセスを提供することによって、これらの必要性を解決する。
【0016】
世界的には、廃水処理は、二酸化炭素排出量の3%、すなわち年間315億トンに相当する。100年以上にわたり、人口の増加および廃水処理の需要に対するソリューションは、資本施設およびエネルギー集約的プロセスを構築して自然の生態を封じ込めることであった。その目標は、清浄な水を排出する前に、全懸濁固形分(TSS)、生化学的酸素要求量(BOD)として測定される有機物、並びに窒素(N)およびリン(P)などの栄養素の供給源を除去することである。エネルギー集約的なプロセスは、カーボンフットプリントを増加させ、集合的な気候危機を増加させる。本発明は、本明細書に記載されている処理施設およびその施設の運転方法を提供することによって、これらの問題および他の問題を解決する。
【0017】
本発明以前には、バイオソリッドの取り扱いの問題に対処するための高価で複雑なエンジニアリングソリューションしか存在しなかった。これらのプロセスはすべて、その構造上かなりの「エンボディドカーボン」を伴う資本集約的なものであり、そのことがほとんどの場合見過ごされている。さらに、バイオソリッドの全体的な処理、取り扱い、および廃棄は、公益事業の運用予算の30~40%に相当する場合がある。本発明は、これらの問題に対処し、これらのすべてのプロセスのカーボンフットプリントを20%から60%削減し、それ以上削減する可能性があり、新たな設備投資の必要性も低減する。
【0018】
本発明以前には、廃水処理システムに微生物(例えば、細菌)を添加して用いることは、廃水から汚染物質を除去する上でいくらかの利益をもたらすが、あまり効果的ではないと理解されていた。本発明以前には、これらの微生物を添加するタイプの技術は、廃水処理施設のカーボンフットプリントを削減することが知られておらず、理解されておらず、またはカーボンフットプリントを削減するために実施されていなかったか、またはその施設からの温室効果ガスの生成を削減することが知られておらず、理解されておらず、またはカーボンフットプリントを削減するために実施されていなかったと考えられる。
【0019】
廃水処理施設で使用するための、現場で増殖させた、または現場で提供された活性微生物の処理バッチの使用は、処理施設から来る流出物の汚染を低減する上で大きな利点を提供する。これらの「活性処理バッチ」方式の好ましいタイプ(例えば、システム、方法、方法論および技術)は、米国特許第11,155,484号、同第9,409,803号および同第7,879,593号に教示および開示されており、その各々の開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。特に好ましいタイプの活性処理バッチ方式は、Biofermentation(登録商標)方式であり、米国特許第11,155,484号、同第9,409,803号および同第7,879,593号に教示および開示されている。これらの手法は、例えば、廃水施設の運転における問題、流入物の汚染の増加、施設のバランスの崩れ、流出物の純度を増加させること(すなわち、流出物中の汚染物質を削減すること)、排出液の純度を維持したまま汚泥の発生量を削減すること、および、汚染物質のレベルが低減されたスラッジ、例えば、クラスAスラッジを得ること、に対処するために使用されてきた。
【0020】
本発明以前には、活性処理バッチの方法論および技術、例えば、Biofermentation(登録商標)の方法論および技術の構成、実施、および使用は、廃水処理施設のカーボンフットプリントを低減すること、温室効果ガス生産の増加を強いる流出物純度の増加のパラダイムを打破すること、並びにこれらの利点および他の利点の組み合わせおよびバリエーションが知られておらず、理解されておらず、または実施されていなかった。本発明は、活性処理バッチ方法論および技術、例えば、Biofermentation(登録商標)方法論および技術の驚くべき新しい使用、用途および構成、とりわけ、廃水処理プラントのカーボンフットプリントを削減すること、温室効果ガスの生成を増加させることなく廃水流出物の純度を増加させること、流出物の純度の増加と、カーボンフットプリントの増加および温室効果ガスの生成の増加とを結び付けるパラダイムを打破すること、並びに本明細書で設定される他の利益および利点、を提供する。
【0021】
したがって、流出物の質を維持しながら、廃水処理プラントのカーボンフットプリントを増加させることなく、廃水処理施設のキャパシティを増加させる方法であって、廃水処理施設の初期流量を決定することであって、廃水処理施設がエンボディドカーボンフットプリントを有し、初期流量が廃水処理プラントからの流出物中の汚染物質を第1の汚染物質レベル以下に維持するエンボディドカーボンフットプリントのキャパシティにおけるものである、初期流量を決定すること、および、廃水処理施設の流量を増加させて増加した流量を得ることであって、増加した流量が初期流量よりも少なくとも25%大きく、流出物中の汚染物質のレベルが増加した流量において第1の汚染物質レベル以下に維持され、廃水処理施設のエンボディドカーボンフットプリントが同じに維持される、増加した流量を得ること、を含む方法が提供される。
【0022】
さらに、バイオ発酵微生物を含む処理を用いて廃水および廃棄物を処理するためにバイオ発酵を利用する、廃水および廃棄物処理に対するグリーンで持続可能な微生物学の正味ゼロ炭素のソリューションを提供する方法が提供される。
【0023】
さらに、流出物の質を維持しながら、廃水処理プラントのキャパシティを減少させることなく、廃水の処理に関連する温室効果ガスの生成を減少させるために、廃水処理施設を運転する方法であって、廃水処理施設が廃水処理の初期流量を有するスラッジの処理および廃棄に関して第1の量の温室効果ガスを生成することであって、廃水処理プラントからの流出物中の汚染物質が第1の汚染物質レベル以下に維持される、温室効果ガスを生成すること、および、流出物中の汚染物質のレベルを第1の汚染物質レベル以下に維持しながら、生成される温室効果ガスの第1の量を少なくとも25%減少させることを含む、方法が提供される。
【0024】
さらに加えて、以下の特徴、すなわち、増加した流量が初期流量よりも少なくとも20%大きい、増加した流量が初期流量よりも少なくとも50%大きい、増加した流量が初期流量よりも少なくとも70%大きい、初期流量から増加した流量に処理することによって生成されるバイオソリッドの量が少なくとも25%削減される、初期流量から増加した流量に処理することによって生成されるバイオソリッドの量が少なくとも50%削減される、初期流量から増加した流量に処理することによって生成されるバイオソリッドの量が少なくとも60%削減される、初期流量から増加した流量に処理することによって生成されるリンの量が少なくとも20%削減される、初期流量から増加した流量に処理することによってリンの量が少なくとも50%削減される、初期流量から増加した流量に処理することによって生成される窒素の量が少なくとも20%削減される、初期流量から増加した流量に処理することによって窒素の量が少なくとも50%削減される、温室効果ガスが少なくとも30%削減される、温室効果ガスが少なくとも40%削減される、温室効果ガスが少なくとも60%削減される、温室効果ガスが少なくとも80%削減される、初期流量を増加した流量に処理することによって生成されるバイオソリッドの量が少なくとも50%削減される、初期流量を増加した流量に処理することによって生成されるバイオソリッドの量が少なくとも60%削減される、初期流量を増加した流量に処理することによって生成されるリンの量が少なくとも20%削減される、初期流量を増加した流量に処理することによってリンの量が少なくとも50%削減される、初期流量を増加した流量に処理することによって生成される窒素の量が少なくとも20%削減される、脂肪、油およびグリースの処理を含む、脱窒を改善することによってアルカリ度の回復を増進させることを含む、バイオマスの沈降性を改善することを含む、望ましくない繊維状生育の制御を含む、硝化を改善してアンモニア除去を増加させることを含む、再定格廃水プラントを含む、廃水プラントのキャパシティおよび水理学的スループットを増加させることを含む、増加させることを含む、のうちの1つ以上を有する、これらの方法、およびこれらの方法を動作させるためのシステムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、本発明に従って、活性化された活性処理バッチ方式の実施形態が設計または提案された処理施設の実施形態のエンボディドカーボンフットプリントに及ぼす影響を示すチャートである。
【0026】
図2図2は、本発明に従って、活性化された活性処理バッチ方式の一実施形態がエンボディドカーボン対オペレーティングカーボンに及ぼす影響を示すチャートである。
【0027】
図3図3は、本発明に従って、活性化された活性処理バッチ方式の一実施形態が総カーボンフットプリントに及ぼす影響を示すチャートである。
【0028】
図4図4は、本発明に従って、活性化された活性処理バッチ方式の一実施形態が土壌施用の実務に及ぼす影響を示すチャートである。
【0029】
図5図5は、本発明に従って、活性化された活性処理バッチ方式の一実施形態が焼却の実務に及ぼす影響を示すチャートである。
【0030】
図6図6は、本発明に従って、活性化された活性処理バッチ方式の一実施形態がリン除去の増加に及ぼす影響を示すチャートである。
【0031】
図7図7は、本発明に従って、活性化された活性処理バッチ方式の一実施形態がキャパシティおよび水理学的スループットの増加に及ぼす影響を示すチャートである。
【0032】
図8図8は、本発明に従って、活性化された活性処理バッチ方式の一実施形態がアンモニア-窒素除去の改善に及ぼす影響を示すチャートである。
【0033】
図9図9Aおよび図9Bは、活性化された活性処理バッチ方式の一実施形態が本発明に従って沈降性の改善および繊維状生育の制御に及ぼす影響を示すチャートである。
【0034】
図10図10Aおよび図10Bは、活性化された活性処理バッチ方式の一実施形態が本発明に従って脱窒の改善によるアルカリ度の回復に及ぼす影響を示すチャートである。
【0035】
図11図11は、廃水処理施設の一実施形態における活動ごとの消費電力を示すチャートである。
【0036】
図12図12は、一実施形態におけるプロセスによる廃水処理施設への炭素寄与の実施形態を示すチャートである。
【0037】
図13図13は、本発明によるエネルギー使用量削減の改善の一実施形態を示すチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
一般に、本発明は、存在する温室効果ガス、特に環境中に放出される温室効果ガスなどの汚染物質の量を削減するために廃水および廃棄物を処理するためのシステム、装置およびプロセスに関する。したがって、本発明の実施形態は、生物由来物質による廃水および廃棄物の処理、そのような処理を行うためのシステムおよび方法、並びに廃水から有用で安全且つ環境的に許容される、液体を含む材料を生成することに関する。その開示全体が参照により組み込まれる米国特許出願公開第2020/0087183号に教示され、開示されるタイプの装置、設備、システム、処理およびバイオ発酵法を本発明で使用して、本発明の利益および利点を実現することができる。
【0039】
本明細書は、主に都市廃水処理プラントに焦点を当てているが、本発明はそのように限定されない。本明細書に記載の本システムおよび方法の実施形態は、産業廃水処理プラント、例えば、パルプおよび製紙産業、鉱業、並びに商業(工場)農園および畜産施設などの産業廃水処理プラントに用途、適用性を見出し、利益をもたらす。
【0040】
本システム、装置、および方法の実施形態は、温室効果ガス(例えば、CO、N2OおよびCH)の生産および生成を低減することができ、正味のカーボンニュートラルな方法で動作することができる。
【0041】
本発明の実施形態は、処理施設に関連する温室効果ガスの生成を増加させることなく、流出物の純度を増加させることができる。したがって、本発明の実施形態は、温室効果ガスの生成を増加させることなく、好ましくは温室効果ガスを減少させながら、流出物の純度の増加、すなわち汚染物質の減少を実現する。
【0042】
廃水の環境品質基準(EQS)が米国および世界中で引き上げられているため、これらの引き上げられた基準を満たすために、一般に、二次のまたは追加の処理プロセスおよび設備が必要とされている。これらの追加の処理手段は、セメント使用量の増加を含む、より大きなまたは追加の施設の構築、並びに、これらの追加の施設、プロセスまたは処理装置を動作させるためのエネルギー使用量の増加の両方を通して、エネルギー使用量の増加を必要とする。このように、より高いEQSを満たすことにより流出水の質は向上するが、それはカーボンフットプリントの増加および温室効果ガス汚染という代償を伴うという、残念で、本発明以前には解決不可能なパラダイムを生み出す。本発明は、このパラダイムに対処し、克服する。本発明の実施形態は、事前の追加の対策を必要とせず、それらの追加の対策に伴ってカーボンフットプリントおよび温室効果ガスが結果としての増加することなしに、より高いESO基準、すなわち廃水処理施設からのより清浄な流出物、を満たすことを可能にする。
【0043】
一般に、本発明の実施形態は、図1に示すように、カーボンフットプリントを大幅に低減しながら、同等のまたはより良好なスループットキャパシティおよび流出物の質を有するように構築され得る新規な処理施設の構築を提供する。したがって、例えば、活性処理バッチ方式を用いるように構築された処理施設は、キャパシティを控えめに言って25%増加させることができ、それによって設計および新規構築のエンボディドカーボンを少なくとも25%減少させる。既存の処理施設の場合、建設の必要性を排除しながら、なおもキャパシティを25%増加させることによって、カーボンフットプリントを削減する例が図2にさらに示されている。例えば、200~300MGPの流量を有する処理施設の最大の課題は、今後25年間で処理施設のキャパシティを25%増加させることであり、これは、拡張またはエンボディドカーボンのために計画された設備投資の全部または大部分を簡単に排除し得ることを意味する。したがって、例えば、エンボディドカーボンは、14,500から300のPEを処理するプラントの6.4から14年のオペレーティングカーボン排出量に相当する。
【0044】
本発明の実施形態によれば、エンボディドカーボンフットプリントを増加させることなく、長期間にわたって、例えば、今後10年間、今後20年間、今後25年間にわたって、処理施設のキャパシティの増加が実現する。このようなキャパシティの増加は、25%以上、30%以上、および50%以上であり得る。本発明は、その請求の範囲をキャパシティを25%増加させることに限定するものではなく、これは単なる例である。カーボンフットプリント(例えば、エンボディドカーボンフットプリント)を増加させることなくキャパシティを増加させるこれらの運転構成および方法は、10,000から200,000PE、50,000から100,000PE、50,000から500,000PE、100,000PEから2mmPE、1mmPEから4mmPE、150mmPE以上、200mmPE以上、および約300mmPEのキャパシティ、並びにこれらの範囲内のすべての値のキャパシティを有する廃水処理プラントで実施することができる。
【0045】
本発明の実施形態によれば、エンボディドカーボンフットプリントを増加させることなく、長期間にわたって、例えば、今後10年間、今後20年間、今後25年間にわたって、処理施設のキャパシティの増加が実現する。このようなキャパシティの増加は、25%以上、30%以上、および50%以上であり得る。本発明は、その請求の範囲をキャパシティを25%増加させることに限定するものではなく、これは単なる例である。カーボンフットプリント(例えば、エンボディドカーボンフットプリント)を増加させることなくキャパシティを増加させるこれらの運転構成および方法は、約0.01MGD以上、約0.1MGD以上、約1MGD以上、約2MGD以上、0.01MGDから100MGD、0.05MGDから50MGD、0.1MGDから2MGD、約1MGDから約15MGD、約5MGDから約25MGD、約10MGDから約40MGD、約20MGDから約100MGD、約25MGDから約60MGD、約200MGDから約300MGD、約300MGD以上、約350MGD以上の廃水流量、それ以上およびそれ以下の流量並びにこれらの範囲内の全ての流量の廃水流量を有する廃水処理プラントで実施することができる。
【0046】
一般に、本発明の実施形態は、活性処理バッチの方法論および技術を使用および最適化し、かくして著しいエンボディドカーボンの排出を排除する。廃水処理施設に関するこのような施設のエンボディドカーボンフットプリントは、エンジニアリングソリューション(例えば、同じ質およびスループットを得るためにサイズおよびプロセスを追加する必要がある)。より4桁小さいこのようなシステムのオペレーティングカーボンフットプリントは、エンジニアリングソリューションよりも3桁小さく、優れている。そのような施設の実装、運用および利点が図3にさらに示されている。
【0047】
一般に、本発明の実施形態は、温室効果ガスを削減する埋め立て地設計および運用に関する。したがって、活性処理バッチ法および技術は、廃棄ルートとして使用される埋立地適用からのNOXおよびメタンの放出に比例して影響を与える(例えば、削減する)であろうスラッジの生成を少なくとも44%減少させる。そのような施設の実装、運用および利点が図4にさらに示されている。
【0048】
一般に、本発明の実施形態は、温室効果ガスを削減する汚泥焼却運用に関する。したがって、活性処理バッチ法および技術は、廃棄ルートとして使用されるスラッジ焼却用途からのCOおよびNOXの放出に比例して影響を与える(例えば、削減する)であろうスラッジの生成を少なくとも44%減少させる。そのような施設の実装、運用および利点が図5にさらに示されている。
【0049】
一般に、本発明の実施形態は、廃水の処理およびこの処理から生成されるスラッジの廃棄における温室効果ガス排出を削減する方法に関する。したがって、本発明の実施形態は、廃水の処理、特に都市廃水の処理に関する温室効果ガスの総量の、すなわち開始から終了までの削減を提供する。
【0050】
したがって、一般に、本発明の実施形態は、公益企業および事業者が温室効果ガス排出を削減して、既存の施設並びに利益の中でもとりわけ新たに建設された施設からの国、地域および世界の規制および組織のゼロ炭素または低炭素ガイドライン、規則または基準を満たすためのソリューションを提供する、活性処理バッチ法および技術を利用する廃水管理の実施形態に関する。
【0051】
一般に、本発明の実施形態は、現場で増殖させた、または現場で提供された活性微生物の処理バッチを実施するために構成され、構築され、改良され、運転される廃水処理施設、並びにこれらの組み合わせおよびバリエーションに関する。(処理バッチ中の活性微生物は、哺乳動物の腸内のプロバイオティクスと同様に、相乗的に理論化された機能である)処理バッチは、処理施設の現場または処理施設に近い場所で増殖させることができ、その結果、生きている活性微生物を含む液体処理バッチが、1つ以上の適用地点で施設内の廃水に供給される。
【0052】
これらの液体活性処理バッチ方式の好ましいタイプ(例えば、システム、方法、方法論および技術)は、米国特許第11,155,484号、同第9,409,803号および同第7,879,593号に教示および開示されている。特に好ましいタイプの活性処理バッチ方式は、Biofermentation(登録商標)方式であり、米国特許第11,155,484号、同第9,409,803号および同第7,879,593号に教示および開示されている。液体活性処理バッチ方式は、液体処理バッチを得るために、副流反応器として現場でまたは近くのオフサイト施設で微生物培養物を増殖させるための反応器、方法およびプロセスを利用する。好ましくは、これらの方式は、微生物培養物を反応器に添加して処理バッチを増殖させる前の、非常に高い死滅率、おそらくは99.9%の死滅率を有し得る凍結乾燥または保存工程を回避する。
【0053】
一般に、液体処理バッチ中の微生物は、廃水の処理に有用な任意の微生物であり得、好ましくは1つ以上のフロック形成微生物から選択される。一般に、液体処理バッチは、廃水処理施設内の、活性スラッジシステム、好気性安定化池(ASB)、曝気されたラグーン、シングルパスラグーンシステム、安定化池、回転生物学的接触器、および滴下フィルターが挙げられ、通性プロセスとしては、例えば、通性ラグーンが挙げられ、嫌気性プロセスとしては、例えば、嫌気性池、嫌気性消化槽、嫌気性フィルターまたは接触器、および嫌気性処理システムが挙げられ、清澄器、沈殿槽、消化槽、活性汚泥システム、ラグーン、シングルパスラグーン、並びにこれらの組み合わせおよびバリエーションを有するシステム、活性スラッジシステム、回転ディスクシステム、水中曝気フィルター、懸濁媒体フィルター、シーケンシングバッチリアクター非電気フィルターおよび滴下フィルターなどのシステム、並びに、廃水を洗浄するためのこれらの装置および他の装置の組み合わせおよびバリエーション、などの1つ以上の場所に添加することができる。これらの活性処理バッチ方式の好ましいタイプ(例えば、システム、方法、方法論および技術)は、米国特許第11,155,484号、同第9,409,803号および同第7,879,593号に教示および開示されており、その各々の開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0054】
一般に、本実施形態で使用するための液体処理バッチ中の微生物は、微生物の1つ以上の株、類または種であり得る。本明細書で使用される微生物という用語は、真菌、酵母、細菌、および他の生分解性小型単細胞生物を含む。例えば、微生物はフロック形成微生物であり得る。液体処理バッチで使用するための、特定の生分解特性を有する微生物のいくつかの追加の例を表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
液体処理バッチに使用され得る微生物のさらなる例としては、バチルス属、バチルス・サブティリス、シュードモナス、例えば、シュードモナス・プチダおよびノカルジア菌株、並びに、参照により本明細書に組み込まれるWatkinsonの「Developments in Biodegradation of Hydrocarbons-1」、Applied Science Publishers、1978 ISBN:0-85334-751-4に文書化されている炭化水素の生分解のための他の株が挙げられる。白色腐朽菌を使用したクロロ有機物の生分解は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,554,075号に十分に文書化されている。培養方法は、参照により本明細書に組み込まれる、「Increasing Ligninolytic Enzyme Activities in Several White-Rot Basidiomycetes by Nitrogen Sufficient Media」Erwinら、Biosource Technology、53巻(1995)、133~139頁、Elsevier Science Limitedに論じられている。
【0057】
一般に、最初に増殖させた液体処理バッチは、約10~1010コロニー形成単位/ミリリットル(cfu/ml)、約10~10cfu/ml、約10cfu以上、約10cfu以上の微生物の濃度を有し得る。現場で増殖させる場合、これらの処理バッチを廃水に直接添加することができる。これらの処理バッチは、微生物の生存および活性を維持する形でさらに濃縮し、次いで処理プラント内の廃水に供給することができる。バッチ処理されるこれらの処理の濃度は、最初に増殖させるときの液体処理バッチ(すなわち、約10から10cfu/ml)よりも2倍から400倍大きく、約4倍大きく、約20倍大きく、約40倍大きく、約100倍大きく、約200倍大きく、約10倍から100倍大きく、約300倍から約400倍大きく、これらの範囲内のすべての値であり得る。次いで、これらの液体濃縮処理バッチを、作製後24時間以内、作製後最大48時間以内、作製後最大72時間以内、または作製後一週間以内、またはそのバリエーションで廃水に添加する。
【0058】
特定の処理システムに添加される処理バッチの量(例えば、投与量、または投与速度(dosing rate)、投与速度(dosage rate))は、流量、PE、有機的且つ水理学的負荷率、必要とされる迅速性または応答、直面する課題、都市プラントの工業排出の深刻な見かけの負荷の増加、既存の生態を死滅させる毒性または毒性化合物の存在、所望の結果と適用される液体の濃度、およびプラントの種類などの要因に依存する。例えば、MCRTが7日を超える活性汚泥プラントでは、処理バッチを週1回施用すればよいが、最良の結果を得るためには、1パスのラグーンを連続的に添加する必要があり、トリクルフィルターを毎日追加することが好ましい。前述のように、処理バッチの濃度は1倍から400倍まで変動し得るので、体積はそれに応じて変動し得る。一般に、4倍を基礎として使用すると、1MGDの流量を処理するための体積は、1週間当たり100~400ガロンの液体処理バッチになる。14,500のPEでは、4倍で1週間当たり1,500~5,000リットルの投与速度が有効である。
【0059】
さらに、例えば、14,500のPEを有する処理プラントは、4倍の処理バッチ濃度で、3,000リットル/週で処理される。6GPMは、4倍の処理バッチ濃度で、200ガロン/週で処理される。
【0060】
したがって、4倍濃度の投与速度は、約50ガロン/週から400ガロン/週、約100ガロン/週から約300ガロン/週、約200ガロン/週から400ガロン/週、約50ガロン/週以上、約100ガロン/週以上、約150ガロン/週以上、約500ガロン/週以上、約1,000ガロン/週以上(例えば、10~50MGDプラントの場合)の範囲、およびこれらの範囲内のすべての値、並びにより多い量および少ない量の範囲とすることができる。一般に、濃度が増加するにつれて、液体処理バッチの投与速度(例えば、1週間当たりの量)はそれに比例して減少する。同様に、PEが増加し、流量が増加するにつれて、液体処理バッチの投与速度は増加する。
【0061】
一般に、本発明の実施形態は、「高度消化」と呼ばれる新規且つユニークなプロセスに関する。高度消化は、本発明の実施形態に関連し、本発明の実施形態は、スラッジ/既存の生態の分解を伴う死滅期またはスラッジが減少する間に微生物の生存率を高めるための好気性消化槽に対する本活性処理バッチ方式に関する。これによりアンモニアが放出され、これが硝化細菌によって好気的に硝酸塩に変換される。好気性消化物からのデカントは、通常、アンモニアおよび/または硝酸塩の窒素負荷を加えて廃水処理施設のヘッドに戻される。高度消化は、消化槽内の空気のオン/オフを繰り返して、硝酸塩が細菌によって使用されてより多くのスラッジを分解する通性条件または無酸素条件を生じさせる。最終的に、硝酸塩がなくなると、スラッジは嫌気相に変化し、これを利用してより多くのスラッジを分解してより多くのアンモニアを放出するか、または曝気を再びオンに切り替えて、硝化/脱窒サイクルを再び開始することができる。これにより、長期間、例えば、60ヶ月にわたってスラッジを廃棄または運搬する必要なしに、またはスラッジの処理および取り扱いの全体を90%+/-5%削減する一方で、スラッジの運搬を削減し、それによって下流の処理、取り扱いおよび最終廃棄に関するカーボンフットプリントを削減する、消化槽の運転が可能になる。曝気によるカーボンフットプリントは、スラッジの性質並びに消化槽を循環する好気性相、無酸素性相および嫌気性相に応じて30~70%減少する。
【0062】
一般に、本発明の実施形態は、本活性処理バッチ方式および処理施設の実施形態に関し、表2の1つ以上のパラメータの下で構成および運転することができる。
【0063】
【表2】
【0064】
カーボンフットプリントの削減、並びに温室効果ガスの削減を評価または抑止するためのパラメータは、地球温暖化緩和の分野の当業者に知られている。これらのパラメータには、例えば、1立方ヤードのセメント(3900ポンド)が約400ポンドの二酸化炭素に相当することが含まれる。
【0065】
一般に、本発明の実施形態は、以下のうちの1つ以上を提供する。
1)水理学的スループット=同じ設備を使ってより多い-本発明者らは200%以上を実証した。
2)有機キャパシティ=同じ設備を使ってより大きい40~200%であり、且つ追加の曝気を必要としない=処理される有機物の質量当たりのエネルギーがより少ない=フットプリントがより小さい(本発明者らは、このプロセスが酸素移動効率を高めると考えている-パルプおよび紙の事例研究を参照されたい)。
3)バイオマスの沈降性が改善され、その結果、リサイクル率が低下し、その結果、電力が削減され、その結果、カーボンフットプリントが削減される。
4)脱窒の改善=有機物の変換のために酸素の代わりに硝酸塩が使用されるため、エネルギー回収が増加する。
5)リン酸塩除去の改善は、高いカーボンフットプリントを有する高価な化学物質を排除する。
6)バイオソリッド(例えば、スラッジ)
a)曝気槽からのバイオソリッドの生成を最大70%削減(最適化しない場合、20~30%+)=下流処理がなく、化学物質が少ない=カーボンフットプリントが少ない―これは正比例する
b)高度消化
i.資本を追加することなく(カーボンフットプリントなし)、クラスB、AもしくはAA、または低い糞便限度を満たす
ii.栄養値が改善されて少ないまたは、
iii.廃棄のない年数/月数。
【0066】
一般に、本発明の実施形態は、以下のうちの1つ以上を提供することができる。
1.コンクリートの使用を減らす=コンクリートなしでキャパシティを増やす
2.圧送および曝気のための電力使用量を減らす=バイオマスのより良好な沈降性およびより良好な酸素移動効率
3.バイオソリッドの質量を減少させる=曝気槽内でその場で減少させる=輸送およびすべての下流処理を削減し、土地への質量を減少させる
【0067】
以下の実施例は、本発明のシステムおよび方法の様々な実施形態を説明するために提供される。これらの実施例は例示目的のためのものであり、先見的であり得、限定的なものと見なされるべきではなく、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例
【0068】
実施例1
【0069】
一実施形態では、廃水処理システムの微生物学集団は、任意の数の添加点で廃水システムに生きている微生物(例えば、フロック形成微生物、シュードモナス、シュードモナス・プチダ、バチルス、バチルス・スブチリス、バチルス、バチルス・スブチリス、シュードモナス、例えば、シュードモナス・プチダ、ノカルジアなど)の液体処理バッチを添加し、それにより生物学的酸素要求量(BOD)並びに窒素(N)およびリン(P)などの栄養素を除去する微生物(例えば、細菌)の生きたコンソーシアムを制御し、事前に決定する、活性処理バッチ方式、例えば、Biofermentation(登録商標)を使用して制御される。活性処理バッチ方式のこの使用は、バイオマスの沈降性を著しく改善し、廃水処理プラントが流出物の濁度を最小化し、総Pを最小化し、平均細胞滞留時間(MCRT)を最大化することを可能にし、これにより、より安定したリン除去をもたらす。この実施形態は、施設のカーボンフットプリントを増加させずに、流出物中の汚染物質を削減する。
【0070】
このブレークスルーは、パラダイムシフトをもたらし、流出物純度の増加が温室効果ガス生産の増加に直結するという従来のパラダイムを打破する。本発明によって提供されるこのシフトは、廃水施設の長年の必要性を満たし、今日業界が直面している現在の規制および資金供給の限界に対応し、国、地域および世界の規制および組織のゼロ炭素または低炭素のガイドライン、規則または基準を達成するのを助ける。活性処理バッチ方式プロセスは、曝気槽、RAS(戻り活性化スラッジ)ライン、廃水プラントの無酸素ゾーン、並びにこれらの組み合わせおよびバリエーションの中に、これらの微生物を直接日常的に注入する副流反応器を使用して現場で微生物を増殖させる。または、処理バッチが液体として部位に送達される場合、処理バッチは、最大2倍、最大5倍、最大10倍、最大20倍、最大40倍もしくは最大400倍またはそれらの組み合わせに濃縮して、送達する体積を減少させることができる。次いで、この液体または濃縮物は、先に説明したように、作製後24時間以内、作製後最大48時間以内、作製後最大72時間以内、または作製後一週間以内またはそれらのバリエーションで添加される。これにより、バイオマスの沈降性およびリンの取り込みが大幅に改善され、廃水システムがその完全で大きな潜在能力に達することが可能になる。
【0071】
図6を参照すると、Pの減少が示されている。この活性処理バッチ方式は、CAPEXを増加させず、OPEXを増加させない収益性の良いソリューションを提供する。重要なことに、活性処理バッチ方式は、資本増加コストを排除することによって、また、次に、バイオソリッドの生成を現場で25%以上、50%以上、60%以上、約25%から約70%、約40%、約50%、約60%低減することによって、二酸化炭素(CO)の大幅な削減を実現するが、残ったバイオソリッド中にリンを依然として保持する。活性処理バッチ方式が達成するバイオソリッド生成の上記の減少(例えば、60%以上の減少)およびPの減少に近づけるだけでも、追加され、運転される必要がある(すなわち、追加のエネルギー使用量)従来の方式と比較した場合、このバイオソリッドの減少およびPの減少は、少なくとも20%低い、少なくとも40%低い、少なくとも100%低い、少なくとも50%低い、および40%から70%低いカーボンフットプリントと併せて達成される。
【0072】
実施例2
【0073】
一実施形態では、廃水処理システムの微生物学集団は、任意の数の添加点で廃水システムに生きている微生物(例えば、フロック形成微生物、シュードモナス、シュードモナス・プチダ、バチルス、バチルス・スブチリス、バチルス、バチルス・スブチリス、シュードモナス、例えば、シュードモナス・プチダ、ノカルジアなど)の液体処理バッチを添加し、それにより生物学的酸素要求量(BOD)および過剰なバイオソリッドを除去する微生物(例えば、細菌)の生きたコンソーシアムを制御し、事前に決定する、活性処理バッチ方式、例えば、Biofermentation(登録商標)を使用して制御される。活性処理バッチ方式のこの使用は、繊維状生育を大幅に制御し、フロック構造を改善して、廃水処理施設が平均細胞滞留時間(MCRT)を最大化し、ひいては単位体積当たりのより多くの有機負荷および流量を処理することを可能にする。この実施形態は、この改善されたスループットを提供し、施設のカーボンフットプリントを増加させずに、流出物に要求される低レベルの汚染物質を維持する。
【0074】
このブレークスルーは、パラダイムシフトをもたらし、流出物純度の増加が温室効果ガス生産の増加に直結するという従来のパラダイムを打破する。本発明によって提供されるこのシフトは、廃水施設の長年の必要性を満たし、今日業界が直面している現在の規制および資金供給の限界に対応し、国、地域および世界の規制および組織のゼロ炭素または低炭素のガイドライン、規則または基準を満たすのを助ける。活性処理バッチ方式プロセスは、曝気槽、RAS(戻り活性化スラッジ)ライン、廃水プラントの無酸素ゾーン、並びにこれらの組み合わせおよびバリエーションの中に、これらの微生物を直接日常的に注入する副流反応器を使用して現場で微生物を増殖させる。これにより、バイオマスの沈降性が大幅に改善され、設計キャパシティの125%以上を処理し、150%以上のサージを水理学的に処理することによって、廃水システムがその完全で大きな潜在能力に達することが可能になる。
【0075】
図7を参照すると、このキャパシティおよび水理学的スループットの増加が示されている。この活性処理バッチ方式は、CAPEXを増加させず、OPEXを増加させない収益性の良いソリューションを提供する。重要なことに、活性処理バッチ方式は、資本増加コストを排除することによって、また、次に、バイオソリッドの生成を現場で25%以上、50%以上、60%以上、約25%から約70%、約40%、約50%、約60%低減することによって、二酸化炭素(CO2)の大幅な削減を実現すると同時に、キャパシティおよび水理学的スループットを増加させる。活性処理バッチ方式が達成するバイオソリッド生成の上記の減少(例えば、60%以上の減少)並びにキャパシティおよび水理学的スループットの増加に近づけるだけでも、追加され、運転される必要がある(すなわち、追加のエネルギー使用量)従来の方式と比較した場合、このバイオソリッドの減少およびスループットの増加は、少なくとも20%低い、少なくとも40%低い、少なくとも100%低い、少なくとも50%低い、および40%から70%低いカーボンフットプリントと併せて達成される。
【0076】
実施例3
【0077】
一実施形態では、廃水処理システムの微生物学集団は、任意の数の添加点で廃水システムに生きている微生物(例えば、フロック形成微生物、シュードモナス、シュードモナス・プチダ、バチルス、バチルス・スブチリス、バチルス、バチルス・スブチリス、シュードモナス、例えば、シュードモナス・プチダ、ノカルジアなど)の液体処理バッチを添加し、それにより生物学的酸素要求量(BOD)および過剰なバイオソリッドを除去する微生物(例えば、細菌)の生きたコンソーシアムを制御し、事前に決定する、活性処理バッチ方式、例えば、Biofermentation(登録商標)を使用して制御される。活性処理バッチ方式のこの使用は、繊維状生育を制御して硝化を可能にし、硝化のための8日間の最小平均細胞滞留時間(MCRT)は、沈降性が悪いために達成できない場合がある。寒冷気候およびMCRTが硝化の程度に影響を与える場合、MCRTを増加させて、硝化生物の低い増殖速度を相殺し、安定した硝化プロセスを可能にすることができる。この実施形態は、施設のカーボンフットプリントを増加させずに、この改善された硝化および脱窒を提供する。
【0078】
このブレークスルーは、パラダイムシフトをもたらし、流出物純度の増加が温室効果ガス生産の増加に直結するという従来のパラダイムを打破する。本発明によって提供されるこのシフトは、廃水施設の長年の必要性を満たし、今日業界が直面している現在の規制および資金供給の限界に対応し、国、地域および世界の規制および組織のゼロ炭素または低炭素のガイドライン、規則または基準を満たすのを助ける。活性処理バッチ方式プロセスは、曝気槽、RAS(戻り活性化スラッジ)ライン、廃水プラントの無酸素ゾーン、並びにこれらの組み合わせおよびバリエーションの中に、これらの微生物を直接日常的に注入する副流反応器を使用して現場で微生物を増殖させる。これにより、バイオマスの沈降性並びに硝化および脱窒が大幅に改善され、廃水システムがその完全で大きな潜在能力に達することが可能になる。
【0079】
図8を参照すると、この改善されたアンモニア-窒素除去が示されている。この活性処理バッチ方式は、CAPEXを増加させず、OPEXを増加させない収益性の良いソリューションを提供する。重要なことに、活性処理バッチ方式は、資本増加コストを排除することによって、また、次に、バイオソリッドの生成を現場で25%以上、50%以上、60%以上、約25%から約70%、約40%、約50%、約60%低減することによって、二酸化炭素(CO)の大幅な削減を実現すると同時に、アンモニア-窒素除去の改善を達成する。活性処理バッチ方式が達成するバイオソリッド生成の上記の減少(例えば、60%以上の減少)並びにキャパシティおよびアンモニア-窒素除去の改善に近づけるだけでも、追加され、運転される必要がある(すなわち、追加のエネルギー使用量)従来の方式と比較した場合、このバイオソリッドの減少およびアンモニア-窒素除去の改善は、少なくとも20%低い、少なくとも40%低い、少なくとも100%低い、少なくとも50%低い、および40%から70%低いカーボンフットプリントと併せて達成される。
【0080】
実施例4
【0081】
一実施形態では、廃水処理システムの微生物学集団は、任意の数の添加点で廃水システムに生きている微生物(例えば、フロック形成微生物、シュードモナス、シュードモナス・プチダ、バチルス、バチルス・スブチリス、バチルス、バチルス・スブチリス、シュードモナス、例えば、シュードモナス・プチダ、ノカルジアなど)の液体処理バッチを添加し、それにより生物学的酸素要求量(BOD)および過剰なバイオソリッドを除去する微生物(例えば、細菌)の生きたコンソーシアムを制御し、事前に決定する、活性処理バッチ方式、例えば、Biofermentation(登録商標)を使用して制御される。活性処理バッチ方式のこの使用は、フロック構造を改善して、廃水プラントが平均細胞滞留時間(MCRT)を最大化し、ひいては単位体積当たりのより多くの有機負荷速度および流量を処理することを可能にする。この実施形態は、施設のカーボンフットプリントを増加させずに、単位体積当たりのこの改善された有機負荷および流量を提供する。
【0082】
このブレークスルーは、パラダイムシフトをもたらし、流出物純度の増加が温室効果ガス生産の増加に直結するという従来のパラダイムを打破する。本発明によって提供されるこのシフトは、廃水施設の長年の必要性を満たし、今日業界が直面している現在の規制および資金供給の限界に対応し、国、地域および世界の規制および組織のゼロ炭素または低炭素のガイドライン、規則または基準を満たすのを助ける。活性処理バッチ方式プロセスは、曝気槽、RAS(戻り活性化スラッジ)ライン、廃水プラントの無酸素ゾーン、並びにこれらの組み合わせおよびバリエーションの中に、これらの微生物を直接日常的に注入する副流反応器を使用して現場で微生物を増殖させる。これにより、バイオマスの沈降性並びに単位体積当たりの有機物質の負荷および流量が大幅に改善され、廃水システムがその完全で大きな潜在能力に達することが可能になる。
【0083】
図9A(未処理)および図9B(活性処理バッチ施用)を参照すると、この改善された沈降性およびフロック構造がMCRTの最大化を可能にし、ひいては単位体積当たりの有機負荷速度および流量を増加させることが示されている。この活性処理バッチ方式は、CAPEXを増加させず、OPEXを増加させない収益性の良いソリューションを提供する。重要なことに、活性処理バッチ方式は、資本増加コストを排除することによって、また、次に、バイオソリッドの生成を現場で25%以上、50%以上、60%以上、約25%から約70%、約40%、約50%、約60%低減することによって、二酸化炭素(CO)の大幅な削減を実現すると同時に、アンモニア-窒素除去の改善を達成する。活性処理バッチ方式が達成するバイオソリッド生成の上記の減少(例えば、60%以上の減少)並びにキャパシティおよび単位体積当たりの有機負荷および流量の改善に近づけるだけでも、追加され、運転される必要がある(すなわち、追加のエネルギー使用量)従来の方式と比較した場合、このバイオソリッドの減少および単位体積当たりの有機負荷および流量の改善は、少なくとも20%低い、少なくとも40%低い、少なくとも100%低い、少なくとも50%低い、および40%から70%低いカーボンフットプリントと併せて達成される。
【0084】
実施例5
【0085】
一実施形態では、廃水処理システムの微生物学集団は、任意の数の添加点で廃水システムに生きている微生物(例えば、フロック形成微生物、シュードモナス、シュードモナス・プチダ、バチルス、バチルス・スブチリス、バチルス、バチルス・スブチリス、シュードモナス、例えば、シュードモナス・プチダ、ノカルジアなど)の液体処理バッチを添加し、それにより生物学的酸素要求量(BOD)および過剰なバイオソリッドを除去する微生物(例えば、細菌)の生きたコンソーシアムを制御し、事前に決定する、活性処理バッチ方式、例えば、Biofermentation(登録商標)を使用して制御される。活性処理バッチ方式のこの使用は、無酸素ゾーンまたは曝気槽における脱窒からのアルカリ度(3~3.6mg/mg硝酸塩)の回復を改善する。アルカリ度はしばしば制限されるが、完全な硝化が起こるために必要である(酸化アンモニア1mg当たりCaCO7.14mg)。曝気槽でアルカリ度の回復が起こると、これは同時硝化脱窒(SND)の指標となり、25%減少した曝気で25%少ないバイオソリッドを効率的に生成する。この実施形態は、施設のカーボンフットプリントを増加させずに、単位体積当たりのこの改善された有機負荷および流量を提供する。
【0086】
このブレークスルーは、パラダイムシフトをもたらし、流出物純度の増加が温室効果ガス生産の増加に直結するという従来のパラダイムを打破する。本発明によって提供されるこのシフトは、廃水施設の長年の必要性を満たし、今日業界が直面している現在の規制および資金供給の限界に対応し、国、地域および世界の規制および組織のゼロ炭素または低炭素のガイドライン、規則または基準を満たすのを助ける。活性処理バッチ方式プロセスは、曝気槽、RAS(戻り活性化スラッジ)ライン、廃水プラントの無酸素ゾーン、並びにこれらの組み合わせおよびバリエーションの中に、これらの微生物を直接日常的に注入する副流反応器を使用して現場で微生物を増殖させる。これにより、硝酸塩-窒素除去が大幅に改善され、廃水システムがその完全で大きな潜在能力に達することが可能になる。
【0087】
図10Aおよび図10Bを参照すると、アルカリ度の回復を伴うこの改善された硝酸塩-窒素除去が示されている。この活性処理バッチ方式は、CAPEXを増加させず、OPEXを増加させない収益性の良いソリューションを提供する。重要なことに、活性処理バッチ方式は、資本増加コストを排除することによって、また、次に、バイオソリッドの生成を現場で25%以上、50%以上、60%以上、約25%から約70%、約40%、約50%、約60%低減することによって、二酸化炭素(CO)の大幅な削減を実現すると同時に、硝酸塩-窒素除去の改善を達成する。活性処理バッチ方式が達成するバイオソリッド生成の上記の減少(例えば、60%以上の減少)並びにキャパシティおよびアンモニア-窒素除去の改善に近づけるだけでも、追加され、運転される必要がある(すなわち、追加のエネルギー使用量)従来の方式と比較した場合、このバイオソリッドの減少および硝酸塩-窒素除去の改善は、少なくとも20%低い、少なくとも40%低い、少なくとも100%低い、少なくとも50%低い、および40%から70%低いカーボンフットプリントと併せて達成される。
【0088】
実施例6
【0089】
一実施形態では、廃水処理システムの微生物学集団は、任意の数の添加点で廃水システムに生きている微生物(例えば、フロック形成微生物、シュードモナス、シュードモナス・プチダ、バチルス、バチルス・スブチリス、バチルス、バチルス・スブチリス、シュードモナス、例えば、シュードモナス・プチダ、ノカルジアなど)の液体処理バッチを添加し、それにより生物学的酸素要求量(BOD)および過剰なバイオソリッドを除去する微生物(例えば、細菌)の生きたコンソーシアムを制御し、事前に決定する、活性処理バッチ方式、例えば、Biofermentation(登録商標)を使用して制御される。活性処理バッチ方式のこの使用は、回収システムにおけるFOGおよび臭気を低減する。液体処理バッチは、専用の供給システムを使用して回収ネットワーク内の湿潤ウェルおよびリフトステーションに1日2回施用される。この実施形態は、施設のカーボンフットプリントを増加させずに、単位体積当たりのこの改善された有機負荷および流量を提供する。
【0090】
このブレークスルーは、パラダイムシフトをもたらし、流出物純度の増加が温室効果ガス生産の増加に直結するという従来のパラダイムを打破する。本発明によって提供されるこのシフトは、廃水施設の長年の必要性を満たし、今日業界が直面している現在の規制および資金供給の限界に対応し、国、地域および世界の規制および組織のゼロ炭素または低炭素のガイドライン、規則または基準を満たすのを助ける。活性処理バッチ方式プロセスは、曝気槽、RAS(戻り活性化スラッジ)ライン、廃水プラントの無酸素ゾーン、並びにこれらの組み合わせおよびバリエーションの中に、これらの微生物を直接日常的に注入する副流反応器を使用して現場で微生物を増殖させる。これにより、FOGおよび臭気の低減が大幅に改善され、廃水システムがその完全で大きな潜在能力に達することが可能になる。
【0091】
この活性処理バッチ方式は、CAPEXを増加させず、OPEXを増加させない収益性の良いソリューションを提供する。重要なことに、活性処理バッチ方式は、資本増加コストを排除することによって大幅に二酸化炭素(CO)を削減すると同時に、FOGおよび臭気低減の改善を達成する。
【0092】
活性処理バッチ方式が達成するFOGおよび臭気の低減に近づけるだけでも、追加され、運転される必要がある(すなわち、追加のエネルギー使用量)従来の方式と比較した場合、このFOGおよび臭気の低減は、少なくとも20%低い、少なくとも40%低い、少なくとも100%低い、少なくとも50%低い、および40%から70%低いカーボンフットプリントと併せて達成される。
【0093】
実施例7
【0094】
一実施形態では、廃水処理システムの微生物学集団は、任意の数の添加点で廃水システムに生きている微生物(例えば、フロック形成微生物、シュードモナス、シュードモナス・プチダ、バチルス、バチルス・スブチリス、バチルス、バチルス・スブチリス、シュードモナス、例えば、シュードモナス・プチダ、ノカルジアなど)の液体処理バッチを添加し、それにより生物学的酸素要求量(BOD)および過剰なバイオソリッドを除去する微生物(例えば、細菌)の生きたコンソーシアムを制御し、事前に決定する、活性処理バッチ方式、例えば、Biofermentation(登録商標)を使用して制御される。活性処理バッチ方式のこの使用は、米国のクラスA/AA残留量または国際的な同等の基準を作成することによって、バイオマスの沈降性、キャパシティおよび水理学的スループットの増加、窒素およびリンの除去の改善、バイオソリッドの脱水、処理および廃棄の負担の軽減、のうちの1つ以上、好ましくは全てを提供する。この実施形態は、施設のカーボンフットプリントを増加させずに、これらの改善された運転パラメータを提供する。
【0095】
このブレークスルーは、パラダイムシフトをもたらし、流出物純度の増加が温室効果ガス生産の増加に直結するという従来のパラダイムを打破する。本発明によって提供されるこのシフトは、廃水施設の長年の必要性を満たし、今日業界が直面している現在の規制および資金供給の限界に対応し、国、地域および世界の規制および組織のゼロ炭素または低炭素のガイドライン、規則または基準を満たすのを助ける。活性処理バッチ方式プロセスは、曝気槽、RAS(戻り活性化スラッジ)ライン、廃水プラントの無酸素ゾーン、並びにこれらの組み合わせおよびバリエーションの中に、これらの微生物を直接日常的に注入する副流反応器を使用して現場で微生物を増殖させる。これにより、これらの改善された運転パラメータが提供され、廃水システムがその完全で大きな潜在能力に達することが可能になる。
【0096】
この活性処理バッチ方式は、CAPEXを増加させず、OPEXを増加させない収益性の良いソリューションを提供する。重要なことに、活性処理バッチ方式は、資本増加コストを排除し、これらの改善された運転パラメータを提供することによって、二酸化炭素(CO)を大幅に削減する。これらの改善された動作パラメータは、活性処理バッチ方式が達成する上記の改善された動作パラメータに近づけるだけでも、追加され、運転される必要がある(すなわち、追加のエネルギー使用量)従来の方式と比較して、25%+(すなわち、25%以上)低いカーボンフットプリントが達成される。これらの運転パラメータを表3にまとめる。
【0097】
【表3】
【0098】
実施例8
【0099】
一実施形態では、廃水処理計画(約100+MG)のプロセスごとのエネルギー消費の内訳を図11に示す。可溶性有機物の生分解のための曝気は、総エネルギー消費量の53%(180.2GWh/年)であることが分かる。嫌気性消化およびベルトプレスによって残ったバイオソリッドの取扱いは、さらに約19%(64.6GWh/年)である。
【0100】
特定の処理システムに添加される処理バッチの量は、流量、PE、有機的且つ水理学的負荷率、必要とされる迅速性または応答、直面する課題、都市プラントの工業排出の深刻な見かけの負荷の増加、既存の生態を死滅させる毒性または毒性化合物の存在、所望の結果と適用される液体の濃度、およびプラントの種類に依存する。例えば、MCRTが7日を超える活性汚泥プラントでは、処理バッチを週1回施用すればよいが、最良の結果を得るためには、1パスのラグーンを連続的に添加する必要があり、トリクルフィルターを毎日追加する必要がある。前述のように、処理バッチの濃度は1倍から400倍まで変動し得るので、体積はそれに応じて変動し得る。一般に、4倍を基礎として使用すると、1MGDの流量を処理するための体積は、1週間当たり100~400ガロンになる。14,500のPEでは、4倍で1週間当たり1,500~5,000リットルの投与速度が有効である。
【0101】
本活性処理バッチ法および技術の一実施形態を使用すると、曝気のための電力消費量を25%(45GWh/年)削減することができ、バイオソリッド加工処理のための電力消費量を60%(38.7GWh/年)削減することができ、電力消費量を83.7GWh/年、または全電力消費量の25%削減することができ、ひいては、この電力を生成するための温室効果ガスを削減することができる。さらに、バイオソリッドの全体的な処理、取り扱い、および廃棄は、公益事業の運用予算の30~40%に相当する場合がある。本発明は、これらの問題に対処し、これらのすべてのプロセスのカーボンフットプリントを20%から60%削減し、それ以上削減する可能性があり、新たな設備投資の必要性も低減する。さらに、本実施形態は、カーボンフットプリントを増加させることなく、すべてのCAPXを排除するキャパシティを提供する。
【0102】
これらの実施形態は、図12に示すように、カーボンフットプリントおよび亜酸化窒素(NOX)を削減することができる。図12で比較した11の従来のプロセスおよび廃棄方法すべての総カーボンフットプリントを使用すると、平均カーボンフットプリントは、年間約32,000トンのCO排出量である。したがって、この例の実施形態は、年間11,509台のSUVが道路外に排出するのに匹敵するCO排出量を削減する。
【0103】
実施例9
【0104】
活性処理バッチ法および技術を使用する処理施設および運転の一実施形態では、図13に示すパラメータの下で運転される。
【0105】
実施例10
【0106】
実施例1~9のうちの1つ以上の条件下、好ましくはすべての条件下で運転するように廃水処理施設を構築することができ、または既存の廃水施設を実施例1~9のうちの1つ以上の条件下、好ましくはすべての条件下で運転することができる。
【0107】
本発明の実施形態の主題であるか、または本発明の実施形態に関連する、新規且つ革新的なプロセス、材料、性能、または他の有益な特徴および特性の基礎となる理論を提示または言及する必要はないことに留意されたい。とは言え、この分野における技術をさらに進歩させるために、本明細書では様々な理論が提示されている。本明細書に記載されている理論は、特に明記されていない限り、特許請求される発明に与えられるべき保護の範囲を決して限定するものではなく、制限するものでもなく、狭めるものでもない。これらの理論は、多くの場合、本発明を利用するために必要とされず、または実施されない。本発明は、本発明の方法、物品、材料、装置およびシステムの実施形態の機能的特徴を説明するために、これまでに知られていない新しい理論につながる可能性があり、後に展開されたそのような理論が、本発明に与えられる保護の範囲を限定するものではないことがさらに理解される。
【0108】
本明細書に記載されたシステム、設備、技術、方法、活動および動作の様々な実施形態は、本明細書に記載されたものに加えて、様々な他の活動および他の分野で使用されてもよい。さらに、これらの実施形態は、例えば、将来開発され得る他の設備または活動と共に使用されてもよく、本明細書の教示に部分的に基づいて変更され得る既存の設備または活動と共に使用されてもよい。さらに、投与量および速度、微生物の齢、微生物の添加点などの本明細書に記載の様々な実施形態は、互いに、1つ以上の実施例のいずれかにおいて、1つ以上の実施形態のいずれかにおいて、および異なる様々な組み合わせで使用することができる。したがって、例えば、本明細書の様々な実施形態で提供される構成は、互いに使用することができ、本発明に与えられる保護の範囲は、特定の実施形態、実施例、または特定の図の実施形態に記載される特定の実施形態、構成、または配置に限定されるべきではない。
【0109】
本発明は、その趣旨または本質的な特徴から逸脱することなく、本明細書に具体的に開示された形態以外の形態で具現化されてもよい。記載された実施形態は、すべての点で例示的なものにすぎず、限定的なものではないと見なされるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
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図9
図10
図11
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【国際調査報告】