(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】電池セル、電池及び電力消費機器
(51)【国際特許分類】
H01M 50/538 20210101AFI20240719BHJP
H01M 10/04 20060101ALI20240719BHJP
H01M 10/0587 20100101ALI20240719BHJP
H01M 50/536 20210101ALI20240719BHJP
【FI】
H01M50/538
H01M10/04 W
H01M10/0587
H01M50/536
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505486
(86)(22)【出願日】2021-10-20
(85)【翻訳文提出日】2024-01-29
(86)【国際出願番号】 CN2021125105
(87)【国際公開番号】W WO2023065184
(87)【国際公開日】2023-04-27
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】孫東升
(72)【発明者】
【氏名】遅慶魁
(72)【発明者】
【氏名】谷慧
(72)【発明者】
【氏名】柴志生
(72)【発明者】
【氏名】朱広浩
【テーマコード(参考)】
5H028
5H029
5H043
【Fターム(参考)】
5H028AA05
5H028BB05
5H028CC12
5H028HH06
5H029AJ01
5H029AJ14
5H029AK01
5H029AK03
5H029AL06
5H029AL11
5H029BJ14
5H029CJ05
5H029HJ04
5H043AA03
5H043AA19
5H043BA19
5H043CA03
5H043CA12
5H043EA02
5H043EA06
5H043EA35
5H043LA02E
(57)【要約】
本願は、電池セル、電池及び電力消費機器を提供し、電池技術分野に関する。電池セルは電極組立体を含み、電極組立体の第1の極板の幅方向の一側に複数の溶接部が設けられ、複数の溶接部は第1の極板の長さ方向に間隔をおいて設けられ、第1の極板は巻取開始端及び巻取終了端を含み、複数の溶接部のうち巻取開始端に最も近いものは第1の溶接部であり、複数の溶接部のうち巻取終了端に最も近いものは第2の溶接部であり、第1の極板は第1の溶接部から第2の溶接部までの本体セグメントを含み、本体セグメントは長さがLである複数のサブセグメントに均等に分割され、各サブセグメントの溶接部の総長さは5%*L以上であり、200mm≦L≦1200mmであり、これにより、第1の極板と集電部材が溶接されて形成した溶接部の分布をより合理的にし、電池セルの内部抵抗を減少させ、実際の過電流ニーズを満たし、電池セルの電力性能を向上させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の極板を含む電極組立体を含み、
前記第1の極板の幅方向の一側に複数の溶接部が設けられ、前記複数の溶接部は前記第1の極板の長さ方向に間隔をおいて設けられ、
前記電極組立体は巻取構造であり、
前記第1の極板は巻取開始端及び巻取終了端を含み、
前記複数の溶接部のうち前記巻取開始端に最も近いものは第1の溶接部であり、前記複数の溶接部のうち前記巻取終了端に最も近いものは第2の溶接部であり、
前記第1の極板は、前記第1の溶接部の前記巻取開始端に近い縁から前記第2の溶接部の前記巻取終了端に近い縁までの本体セグメントを含み、前記本体セグメントは、長さがLである複数のサブセグメントに均等に分割され、
前記サブセグメントの各々の前記溶接部の総長さは5%*L以上であり、200mm≦L≦1200mmである電池セル。
【請求項2】
任意の2つの前記サブセグメントの前記溶接部の総長さの差の絶対値は10mm以下である請求項1に記載の電池セル。
【請求項3】
任意の2つの前記サブセグメントの前記溶接部の総長さは同じである請求項1又は2に記載の電池セル。
【請求項4】
任意の2つの前記サブセグメントの前記溶接部の数の差の絶対値は10以下である請求項1~3の何れか一項に記載の電池セル。
【請求項5】
任意の2つの前記サブセグメントの前記溶接部の数は同じである請求項1~4の何れか一項に記載の電池セル。
【請求項6】
前記第1の極板は、前記本体セグメントに連続して設けられる巻取開始セグメントを更に含み、
前記巻取開始セグメントは、前記巻取開始端から前記第1の溶接部の前記巻取開始端に近い縁までである請求項1~5の何れか一項に記載の電池セル。
【請求項7】
前記巻取開始セグメントの長さはAとされ、A≦Lを満たす請求項6に記載の電池セル。
【請求項8】
前記第1の極板は、前記本体セグメントに連続して設けられる巻取終了セグメントを更に含み、
前記巻取終了セグメントは、前記巻取終了端から前記第2の溶接部の前記巻取終了端に近い縁までである請求項1~7の何れか一項に記載の電池セル。
【請求項9】
前記巻取終了セグメントの長さはBとされ、B≦Lを満たす請求項8に記載の電池セル。
【請求項10】
隣接する2回りの前記第1の極板において、前記電極組立体の巻取中心に近い1回りの前記溶接部の数は、前記巻取中心から離れた1回りの前記溶接部の数より小さい請求項1~9の何れか一項に記載の電池セル。
【請求項11】
前記電池セルは、
前記電極組立体を収納するために用いられ、開口を有するハウジングと、
前記開口を覆うためのエンドカバーと、前記エンドカバーに取り付けられる電極端子と、を含むエンドカバー組立体と、
前記エンドカバーと前記電極組立体との間に位置し、前記電極組立体のタブ部と前記電極端子を接続するための集電部材と、
を更に含み、
前記タブ部は、前記第1の極板の非コーティング領域を巻き取ることで形成され、前記集電部材の少なくとも一部は、前記タブ部に溶接されて前記複数の溶接部を形成する請求項1~10の何れか一項に記載の電池セル。
【請求項12】
前記第1の極板は、前記巻取開始端から前記第1の溶接部の前記巻取開始端に近い縁までの巻取開始セグメントを更に含み、
前記本体セグメントの非コーティング領域は巻き取られて第1の部分を形成し、
前記巻取開始セグメントの非コーティング領域は巻き取られて第2の部分を形成し、前記第2の部分は、径方向に前記第1の部分の内側に位置し、
前記集電部材は、径方向に連続して配置される第1の集電部と第2の集電部を含み、
前記第1の集電部は、前記第1の部分と前記第1の極板の幅方向において対向して設けられ、且つ前記第1の部分に溶接されて前記複数の溶接部を形成し、
前記第2の集電部は、前記第2の部分と前記第1の極板の幅方向において対向して設けられ、且つ前記電極端子に溶接される請求項11に記載の電池セル。
【請求項13】
前記第1の極板は、前記巻取終了端から前記第2の溶接部の前記巻取終了端に近い縁までの巻取終了セグメントを更に含み、
前記本体セグメントの非コーティング領域は巻き取られて第1の部分を形成し、
前記巻取終了セグメントの非コーティング領域は巻き取られて第3の部分を形成し、前記第3の部分は、径方向に前記第1の部分の外側に位置し、
前記集電部材は、径方向に連続して配置される第1の集電部と第3の集電部を含み、
前記第1の集電部は、前記第1の部分と前記第1の極板の幅方向において対向して設けられ、且つ前記第1の部分に溶接されて前記複数の溶接部を形成し、
前記第3の集電部は、前記第3の部分と前記第1の極板の幅方向において対向して設けられ、且つ前記電極端子に溶接される請求項11又は12に記載の電池セル。
【請求項14】
請求項1~13の何れか一項に記載の電池セルを含む電池。
【請求項15】
請求項14に記載の電池を含む電力消費機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電池技術分野に関し、具体的には、電池セル、電池及び電力消費機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電池は、携帯電話、ノートパソコン、電気自転車、電気自動車、電気飛行機、電動船、電気玩具車、電気玩具船、電気玩具飛行機や電動工具などの電子機器に広く適用されている。
【0003】
電池技術の発展では、電池の安全性能に加え、電池の電力性能も無視できない問題であり、従来の電池は、内部抵抗が大きいため、電池の電力性能が低い。従って、如何に電池の電力性能を向上させるかは、電池技術分野において早急に解決すべき問題となっている。
【発明の概要】
【0004】
本願の実施例は、電池の電力性能を向上させるために、電池セル、電池及び電力消費機器を提供する。
【0005】
第1の態様において、本願の実施例は、電池セルを提供し、当該電池セルは、第1の極板を含む電極組立体を含み、前記第1の極板の幅方向の一側に複数の溶接部が設けられ、前記複数の溶接部は前記第1の極板の長さ方向に間隔をおいて設けられ、
前記電極組立体は巻取構造であり、前記第1の極板は巻取開始端及び巻取終了端を含み、前記複数の溶接部のうち前記巻取開始端に最も近いものは第1の溶接部であり、前記複数の溶接部のうち前記巻取終了端に最も近いものは第2の溶接部であり、前記第1の極板は、前記第1の溶接部の前記巻取開始端に近い縁から前記第2の溶接部の前記巻取終了端に近い縁までの本体セグメントを含み、前記本体セグメントは、長さがLである複数のサブセグメントに均等に分割され、各前記サブセグメントの前記溶接部の総長さは5%*L以上であり、200mm≦L≦1200mmである。
【0006】
上記技術的解決手段において、従来の集電部材と電極組立体は、レーザによる連続直線溶接又はパルススポット溶接の手段により溶接され、溶接痕の形状はX状、環状などである。極板を展開した後、極板の長さ方向において、一部のセクションの溶接部が密であるが、一部のセクションの溶接部が疎らであり、溶接部の極板における分布が均一ではないことが分かる。溶接部が疎らなセクションでは、極板の有効溶接長さ(即ち、当該セクションの溶接部の総長さ)は極板の長さに適合するには十分ではないため、極板と集電部材との間の過電流能力が低く、電池セルの内部抵抗が大きく、電池セルの電力性能が低下する。集電部材と第1の極板の幅方向の一側が溶接された後、第1の極板の長さ方向に間隔をおいて配置される複数の溶接部が形成され、第1の極板の長さ方向において、第1の極板の、巻取開始端に近い第1の溶接部及び巻取終了端に近い第2の溶接部によって画定された本体部を、長さが等しい複数のサブセグメントに分け、各サブセグメントの溶接部の総長さはサブセグメントの長さの5%以上であり、それにより、第1の極板と集電部材が溶接されて形成した溶接部の分布をより合理的にし、電池セルの内部抵抗を低下させ、実際の過電流ニーズを満たすことができ、電池セルの電力性能を向上させる。サブセグメントの長さが200mm~1200mmであることで、第1の極板の巻取長さは実際の製品のニーズを満たし、且つ電池セルは高いエネルギー密度を有する。
【0007】
本願の第1の態様のいくつかの実施例において、任意の2つの前記サブセグメントの前記溶接部の総長さの差の絶対値は10mm以下である。
【0008】
上記技術的解決手段において、任意の2つのサブセグメントの溶接部の総長さの差の絶対値を10mm以内に制御し、各サブセグメントの溶接部の総長さの差を可能な限り減少させることにより、溶接部の分布をより合理的にし、電池セルの内部抵抗の減少に役立ち、且つ各サブセグメントの過電流能力の差を小さくし、実際の過電流ニーズを満たし、電池セルの電力性能を向上させる。任意の2つのサブセグメントの溶接部の総長さの差の絶対値を10mm以内に制御することは、各サブセグメントの溶接幅の誤差を10mm以内にすることに相当し、各サブセグメントの間の溶接総長さに誤差が存在することが許容されるため、溶接の難易度を低減することができる。
【0009】
本願の第1の態様のいくつかの実施例において、任意の2つの前記サブセグメントの前記溶接部の総長さは同じである。
【0010】
上記技術的解決手段において、任意の2つのサブセグメントの溶接部の総長さ全長が同じである場合、各サブセグメントの溶接部の総長さに差がなく、溶接部の分布をより合理的にし、電池セルの内部抵抗を可能な限り減少させ、且つ各サブセグメントの過電流能力を同じにし、実際の過電流ニーズを満たし、電池セルの電力性能を向上させる。
【0011】
本願の第1の態様のいくつかの実施例において、任意の2つの前記サブセグメントの前記溶接部の数の差の絶対値は10以下である。
【0012】
上記技術的解決手段において、任意の2つのサブセグメントの溶接部の数の差の絶対値を10以内に制御し、各サブセグメントの溶接部の総長さの差を可能な限り減少させることにより、溶接部の分布をより合理的にし、電池セルの内部抵抗の減少に役立ち、各サブセグメントの過電流能力の差を小さくし、実際の過電流ニーズを満たし、電池セルの電力性能を向上させる。任意の2つのサブセグメントの溶接部の数の差の絶対値を10以内に制御することは、各サブセグメントの溶接部の数が異なってもよいことに相当し、各サブセグメントの間の溶接総長さに誤差が存在することが許容されるため、溶接の難易度を低減することができる。
【0013】
本願の第1の態様のいくつかの実施例において、任意の2つの前記サブセグメントの前記溶接部の数は同じである。
【0014】
上記技術的解決手段において、任意の2つのサブセグメントの溶接部の数が同じである場合、各サブセグメントの溶接部の総長さの差を可能な限り減少させ、溶接部の分布をより合理的にし、電池セルの内部抵抗の減少に役立ち、各サブセグメントの過電流能力を同じにし、実際の過電流ニーズを満たし、電池セルの電力性能を向上させる。
【0015】
本願の第1の態様のいくつかの実施例において、前記第1の極板は、前記本体セグメントに連続して設けられる巻取開始セグメントを更に含み、前記巻取開始セグメントは、前記巻取開始端から前記第1の溶接部の前記巻取開始端に近い縁までである。
【0016】
上記技術的解決手段において、巻取開始セグメントは、巻取開始端から第1の溶接部の巻取開始端に近い縁までであり、即ち、巻取開始端及び第1の溶接部の巻取開始端に近い縁によって巻取開始セグメントが画定され、巻取開始セグメントに溶接部が形成されておらず、巻取開始セグメントと集電部材との間に溶接関係がなく、集電部材と電極端子との溶接を容易にして電池セルの電気エネルギーを出力することができる。
【0017】
本願の第1の態様のいくつかの実施例において、前記巻取開始セグメントの長さはAとされ、A≦Lを満たす。
【0018】
上記技術的解決手段において、第1の極板の長さ方向において、巻取開始端と第1の溶接部との間の距離は特徴セグメントの長さより小さく、即ち、溶接部が設けられていない巻取開始セグメントの長さは溶接部が設けられているサブセグメントより小さく、第1の極板の溶接部のないセクションの長さが長過ぎないようにし、電池セルの電気エネルギーの安定的な出力を保証する。
【0019】
本願の第1の態様のいくつかの実施例において、前記第1の極板は、前記本体セグメントに連続して設けられる巻取終了セグメントを更に含み、前記巻取終了セグメントは、前記巻取終了端から前記第2の溶接部の前記巻取終了端に近い縁までである。
【0020】
上記技術的解決手段において、巻取終了セグメントは、巻取終了端から第2の溶接部の巻取終了端に近い縁までであり、即ち、巻取終了端及び第2の溶接部の巻取終了端に近い縁によって巻取終了セグメントが画定され、巻取終了セグメントに溶接部が設けられておらず、巻取終了セグメントと対応する集電部材との間に溶接関係がなく、集電部材と電極端子との溶接を容易にして電池セルの電気エネルギーを出力することができる。
【0021】
本願の第1の態様のいくつかの実施例において、前記巻取終了セグメントの長さはBとされ、B≦Lを満たす。
【0022】
上記技術的解決手段において、第1の極板の長さ方向において、巻取終了セグメントの長さがサブセグメントの長さより小さく、即ち、溶接部が設けられていない巻取開始セグメントの長さは溶接部が設けられているサブセグメントより小さく、第1の極板の溶接部のないセクションの長さが長過ぎないようにし、電池セルの電気エネルギーの安定的な出力を保証する。
【0023】
本願の第1の態様のいくつかの実施例において、隣接する2回りの前記第1の極板において、前記電極組立体の巻取中心に近い1回りの前記溶接部の数は、前記巻取中心から離れた1回りの前記溶接部の数より小さい。
【0024】
上記技術的解決手段において、巻取型電極組立体にとって、隣接する2回りの第1の極板において、巻取中心に近い1回りの長さが巻取中心から離れた1回りの長さより小さく、溶接時に、巻取型電極組立体の巻取中心に近い1回りの溶接部の形成数が巻取中心から離れた1回りの溶接部の数より小さく、各回りの第1の極板の長さ及び各回りの第1の極板に対応する溶接部の数が溶接部の総長さに適合するようにし、溶接部の分布をより合理的にし、電池セルの内部抵抗を減少させることができ、実際の過電流ニーズを満たすことができ、電池セルの電力性能を向上させる。
【0025】
本願の第1の態様のいくつかの実施例において、前記電池セルは、ハウジングと、エンドカバー組立体と、集電部材とを更に含み、前記ハウジングは前記電極組立体を収納するために用いられ、開口を有し、前記エンドカバー組立体は、前記開口を覆うためのエンドカバーと、前記エンドカバーに取り付けられる電極端子とを含み、前記集電部材は前記エンドカバーと前記電極組立体との間に位置し、前記電極組立体のタブ部と前記電極端子を接続するために用いられ、前記タブ部は、前記第1の極板の非コーティング領域を巻き取ることで形成され、前記集電部材の少なくとも一部は前記タブ部に溶接されて前記複数の溶接部を形成する。
【0026】
上記技術的解決手段において、集電部材の少なくとも一部はタブ部に溶接されて複数の溶接部を形成し、第1の極板の長さ方向において、第1の極板の、巻取開始端に近い第1の溶接部及び巻取終了端に近い第2の溶接部によって画定された本体部を、長さが等しい複数のサブセグメントに分け、各サブセグメントの溶接部の総長さはサブセグメントの長さの5%以上であり、これにより、第1の極板と集電部材が溶接されて形成した溶接部の分布をより合理的にし、電池セルの内部抵抗を減少させ、実際の過電流ニーズを満たすことができ、電池セルの電力性能を向上させる。
【0027】
本願の第1の態様のいくつかの実施例において、前記第1の極板は、前記巻取開始端から前記第1の溶接部の前記巻取開始端に近い縁までの巻取開始セグメントを更に含み、前記本体セグメントの非コーティング領域は巻き取られて第1の部分を形成し、前記巻取開始セグメントの非コーティング領域は巻き取られて第2の部分を形成し、前記第2の部分は、前記第1の部分の径方向内側に位置し、前記集電部材は、径方向に連続して配置される第1の集電部と第2の集電部を含み、前記第1の集電部は前記第1の部分と前記第1の極板の幅方向において対向して設けられ、且つ前記第1の部分に溶接されて前記複数の溶接部を形成し、前記第2の集電部は前記第2の部分と前記第1の極板の幅方向において対向して設けられ、且つ前記電極端子に溶接される。
【0028】
上記技術的解決手段において、本体セグメントの非コーティング領域が巻き取られて形成した第1の部分は集電部材の第1の集電部に溶接され、電極組立体と集電部材の電気的接続を実現する。巻取開始セグメントは、巻取開始端から第1の溶接部の巻取開始端に近い縁までであり、即ち、巻取開始端及び第1の溶接部の巻取開始端に近い縁によって巻取開始セグメントが画定され、巻取開始セグメントに溶接部が形成されておらず、即ち、巻取開始セグメントの非コーティング領域が巻き取られて形成した第2の部分と集電部材との間に溶接関係がなく、第2の部分と対向する第2の集電部に溶接痕が形成されておらず、集電部材と電極端子との第2の集電部を介する溶接を容易にして、電池セルの電気エネルギーを出力することができる。
【0029】
本願の第1の態様のいくつかの実施例において、前記第1の極板は、前記巻取終了端から前記第2の溶接部の前記巻取終了端に近い縁までの巻取終了セグメントを更に含み、前記本体セグメントの非コーティング領域は巻き取られて第1の部分を形成し、前記巻取終了セグメントの非コーティング領域は巻き取られて第3の部分を形成し、前記第3の部分は、径方向に前記第1の部分の外側に位置し、前記集電部材は、径方向に連続して配置される第1の集電部と第3の集電部を含み、前記第1の集電部は前記第1の部分と前記第1の極板の幅方向において対向して設けられ、且つ前記第1の部分に溶接されて前記複数の溶接部を形成し、前記第3の集電部は前記第3の部分と前記第1の極板の幅方向において対向して設けられ、且つ前記電極端子に溶接される。
【0030】
上記技術的解決手段において、本体セグメントの非コーティング領域が巻き取られて形成した第1の部分は集電部材の第1の集電部に溶接され、電極組立体と集電部材の電気的接続を実現する。巻取終了セグメントは、巻取終了端から第2の溶接部の巻取終了端に近い縁までであり、即ち、巻取終了端及び第2の溶接部の巻取終了端に近い縁によって巻取終了セグメントが画定され、巻取終了セグメントに溶接部が形成されておらず、即ち、巻取終了セグメントの非コーティング領域が巻き取られて形成された第3の部分と集電部材との間に溶接関係がなく、第3の部分と対向する第3の集電部に溶接痕が形成されておらず、集電部材と電極端子との第3の集電部を介する溶接を容易にして、電池セルの電気エネルギーを出力することができる。
【0031】
第2の態様において、本願の実施例は、第1の態様の実施例により提供される電池セルを含む電池を提供する。
【0032】
上記技術的解決手段において、第1の態様の実施例により提供される電池セルを含む電池において、電池セルの第1の極板の、巻取開始端に近い第1の溶接部及び巻取終了端に近い第2の溶接部によって画定された本体部を、長さが等しい複数のサブセグメントに分け、各サブセグメントの溶接部の総長さはサブセグメントの長さの5%以上であり、これにより、第1の極板と集電部材が溶接されて形成した溶接部の分布をより合理的にし、電池セルの内部抵抗を減少させ、実際の過電流ニーズを満たすことができ、電池の電力性能を向上させる。
【0033】
第3の態様において、本願の実施例は、第2の態様の実施例により提供される電池を含む電力消費機器を提供する。
【0034】
上記技術的解決手段において、電力消費機器は、第2の態様の実施例により提供される電池を採用し、電池セルの第1の極板の、巻取開始端に近い第1の溶接部及び巻取終了端に近い第2の溶接部によって画定された本体部を、長さが等しい複数のサブセグメントに分け、各サブセグメントの溶接部の総長さはサブセグメントの長さの5%以上であり、それにより、第1の極板と集電部材が溶接されて形成された溶接部の分布をより合理的にし、電池の内部抵抗を減少させ、実際の過電流ニーズを満たすことができ、電池の電力性能を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
本願の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例において使用する必要のある図面を簡単に説明するが、以下の図面には本願の一部の実施例のみが示されており、範囲に対する限定と見なしてはならず、当業者にとって、創造的な努力をすることなく、更にこれらの図面に基づいて他の関連する図面を得ることができることを理解されたい。
【
図1】本願のいくつかの実施例により提供される車両の構造模式図である。
【
図2】本願のいくつかの実施例により提供される電池の構造模式図である。
【
図3】本願のいくつかの実施例により提供される電池セルの分解図である。
【
図4】本願のいくつかの実施例により提供される電極組立体の構造模式図である。
【
図5】本願のいくつかの実施例により提供される第1の極板の展開図である。
【
図6】本願のいくつかの実施例により提供される第1の極板の展開状態の寸法模式図である。
【
図7】本願の別のいくつかの実施例により提供される電極組立体の構造模式図である。
【
図8】本願の別のいくつかの実施例により提供される第1の極板の展開図である。
【
図9】本願の別のいくつかの実施例により提供される第1の極板の展開状態の寸法模式図である。
【
図10】本願の更に別のいくつかの実施例により提供される第1の極板の展開図である。
【
図11】本願の更に別のいくつかの実施例により提供される第1の極板の展開状態の寸法模式図である。
【
図12】本願の更に別のいくつかの実施例により提供される電極組立体の電模式図である。
【
図13】本願のまた更に別のいくつかの実施例により提供される電極組立体の構造模式図である。
【
図14】本願のいくつかの実施例により提供される溶接後の集電部材の模式図である。
【
図15】本願の別のいくつかの実施例により提供される溶接後の集電部材の模式図である。
【
図16】本願の更に別のいくつかの実施例により提供される溶接後の集電部材の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本願の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下、本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術的解決手段を明確且つ完全に説明する。明らかに、説明される実施例は、本願の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。一般的には、ここでの図面において説明・図示される本願の実施例の組立体は様々な異なる構成で配置・設計できる。
【0037】
従って、以下、図面により提供される本願の実施例の詳細な説明は、本願の特許請求の範囲を限定することを意図するものではなく、単に本願の特定の実施例を示すものに過ぎない。本願における実施例に基づき、当業者が創造的な努力をしない前提で得られた全ての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0038】
説明する必要があるものとして、衝突しない限り、本願に係る実施例及び実施例における特徴は、互いに組み合わせることができる。
【0039】
似ている参照番号及びアルファベットは以下の図面において類似している項目を示すため、ある項目が1つの図面に一旦定義されると、これに続く図面においてこれを更に定義・解釈する必要がないことに留意されたい。
【0040】
本願の実施例の説明において、説明する必要があるものとして、指示される方位や位置関係は、図面に示される方位又は位置関係に基づくものであり、又は本願に係る製品の使用時に通常置かれる方位や位置関係であり、又は当業者に通常理解されている方位や位置関係であり、単に本願を説明しやすくするとともに説明を簡略化するためのものに過ぎず、前記装置又は素子が特定の方位を有したり、特定の方位で構成され操作されたりすることを指示又は示唆するものではないため、本願を限定するものとして理解されてはいけない。更に、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、単に区別して説明するためのものであり、相対的な重要性を指示又は示唆するものとして理解されてはいけない。
【0041】
現在、市場の発展傾向から見れば、動力電池の適用が益々広くなる。動力電池は、水力、火力、風力及び太陽熱発電所などのエネルギー貯蔵電源システムに適用されているだけでなく、電気自転車、電動バイク、電気自動車などの電動式乗物、及び軍用機器や航空宇宙などの多くの分野にも広く適用されている。動力電池の適用分野の拡大に伴い、その市場の需要量はますます多くなっている。
【0042】
発明者に留意されたように、電池セルは、ハウジング、エンドカバー組立体及び電極組立体を含み、エンドカバー組立体はハウジング上に覆われ、電極組立体及び電解液のために密閉した空間を提供し、電極組立体の電気エネルギーは、エンドカバー組立体の電極端子を介してハウジングの外に引き出すことができ、電極組立体はタブを介して集電部材に溶接され、電極端子は、電池の電気エネルギーを引き出すように、集電部材に電気的に接続される。電極組立体は極板を含み、極板は、活物質層がコーティングされたコーティング領域及び活物質層がコーティングされていない非コーティング領域を含む。極板の非コーティング領域は巻き取られてタブ部を形成し、集電部材はタブ部に溶接され、複数の溶接部を形成する。
【0043】
巻取型のフルタブ電極組立体にとって、タブを平らにした後に集電部材に溶接する必要があり、従来の集電部材と電極組立体は、レーザによる連続直線溶接又はパルススポット溶接の手段により溶接され、溶接痕の形状はX状、環状などである。極板を展開した後、極板の長さ方向において、一部のセクションの溶接部が密であるが、一部のセクションの溶接部が疎らであり、溶接部の極板における分布が均一ではないことが分かる。溶接部が疎らなセクションでは、極板の有効溶接長さ(即ち、当該セクションの溶接部の総長さ)は極板の長さに適合するには十分ではないため、極板と集電部材との間の過電流能力が低く、電池セルの内部抵抗が大きく、電池セルの電力性能が低下する。
【0044】
これに鑑み、極板と集電部材の溶接位置の分布が合理的ではないため、電池セルの内部抵抗が大きく、過電流能力が弱いという問題を解決するために、発明者が鋭意研究を重ねた結果、電池セルを設計し、第1の極板の、巻取開始端に近い第1の溶接部及び巻取終了端に近い第2の溶接部によって画定された本体部を、長さが等しい複数のサブセグメントに分け、且つ各サブセグメントの溶接部の総長さをサブセグメントの長さの5%以上にすることにより、第1の極板と集電部材が溶接されて形成された溶接部の分布をより合理的にし、電池セルの内部抵抗を減少させ、実際の過電流ニーズを満たすことができ、電池セルの電力性能を向上させる。
【0045】
本願の実施例に記載の技術的解決手段は、電池及び電池を使用した電力消費機器に適用される。
【0046】
電力消費機器は、車両、携帯電話、携帯型機器、ノートパソコン、船、宇宙航空機、電気玩具や電動工具などであってもよい。車両は、ガソリン自動車、ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純粋な電気自動車、ハイブリッド自動車や航続距離延長型電気自動車などであってもよく、宇宙航空機は、飛行機、ロケット、スペースシャトルや宇宙船などを含み、電気玩具は、ゲーム機、電気自動車玩具、電動船玩具や電気飛行機玩具などの固定型又は移動型の電気玩具を含み、電動工具は、電動ドリル、電動グラインダ、電動レンチ、電動ドライバ、電動ハンマー、インパクト電動ドリル、コンクリートバイプレーターや電動カンナなどの金属切削電動工具、研磨電動工具、実装電動工具及び鉄道電動使用工具を含む。本願の実施例において、上記電力消費機器について特に制限しない。
【0047】
以下の実施例において、説明しやすくするために、電力消費機器が車両である場合を例として説明する。
【0048】
図1を参照し、
図1は、本願のいくつかの実施例により提供される車両1000の構造模式図である。車両1000の内部に電池100が設けられており、電池100は、車両1000の底部又は前部又は後部に設けられてもよい。電池100は、車両1000に給電するために用いることができ、例えば、電池100は、車両1000の動作電源とすることができる。
【0049】
車両1000は、コントローラ200及びモータ300を更に含んでもよく、コントローラ200は、電池100をモータ300に給電させるように制御するために用いられ、例えば、車両1000の始動、ナビゲーション及び走行中の作動電力のニーズに応えるために用いられる。
【0050】
本願のいくつかの実施例において、電池100は、車両1000の動作電源として用いることができるだけでなく、車両1000の駆動電源として、ガソリン又は天然ガスの代わりに、又はその一部の代わりに車両1000に駆動動力を提供することができる。
【0051】
図2を参照し、
図2は、本願のいくつかの実施例により提供される電池100の構造模式図である。電池100は、筐体10及び筐体10内に収容される電池セル20を含む。
【0052】
筐体10は、電池セル20のために収納空間11を提供するために用いられる。いくつかの実施例において、筐体10は、第1の部分12及び第2の部分13を含んでもよく、第1の部分12及び第2の部分13は互いに覆われ、電池セル20を収納するための収納空間11が画定される。勿論、第1の部分12と第2の部分13との接続箇所は、シール部材(図示せず)によりシールされてもよく、シール部材はシールリングやシーラントなどであってもよい。
【0053】
第1の部分12及び第2の部分13は、直方体や円柱体などの様々な形状であってもよい。第1の部分12は、一端が開放され、電池セル20を収納する収納部が形成された中空構造であり、第2の部分13も、一端が開放され、電池セル20を収納する収納部が形成された中空構造であってもよく、第2の部分13の開放側が第1の部分12の開放側に覆われ、密閉空間を有する筐体10が形成される。勿論、第1の部分12は、一端が開放され、電池セル20を収納する収納部が形成された中空構造であり、第2の部分13は板状構造であり、第2の部分13が第1の部分12の開放側に覆われ、密閉空間を有する筐体10が形成されてもよい。
【0054】
電池100において、電池セル20は、1つであってもよく、複数であってもよい。電池セル20が複数であれば、複数の電池セル20は、直列接続又は並列接続又は直並列接続であってもよく、直並列接続は、複数の電池セル20に直列接続も並列接続も含まれることを意味する。複数の電池セル20を、直接的に、直列接続又は並列接続又は直並列接続してから、複数の電池セル20で構成された全体を筐体10内に収容してもよい。勿論、複数の電池セル20をまず直列接続又は並列接続又は直並列接続して電池モジュールを構成し、複数の電池モジュールを更に直列接続又は並列接続又は直並列接続して1つの全体として形成するとともに、筐体10内に収容してもよい。電池セル20は、円柱体、扁平体、直方体又は他の形状などであってよい。
図2には、電池セル20が円柱体である場合が例示的に示されている。
【0055】
いくつかの実施例において、電池100は、バスバー部材(図示せず)を更に含んでもよく、複数の電池セル20の間は、バスバー部材を介して電気的接続を実現することで、複数の電池セル20の直列接続又は並列接続又は直並列接続を実現することができる。
【0056】
図3を参照し、
図3は、本願のいくつかの実施例により提供される電池セル20の分解図である。電池セル20は、ハウジング21、電極組立体22及びエンドカバー組立体23を含んでもよい。ハウジング21は開口211を有し、電極組立体22はハウジング21内に収納され、エンドカバー組立体23は開口211を覆うために用いられる。
【0057】
ハウジング21は、円柱体や直方体などの様々な形状であってもよい。ハウジング21の形状は、電極組立体22の具体的な形状に応じて決定可能である。例えば、電極組立体22が円柱体構造である場合、ハウジング21は円柱体構造を選択することができ、電極組立体22が直方体構造である場合、ハウジング21は直方体構造を選択することができる。
図3には、ハウジング21及び電極組立体22が円柱体である場合が例示的に示されている。
【0058】
ハウジング21は、例えば、銅、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、アルミニウム合金などの様々な材質であってもよく、本願の実施例は、これに対して特に制限しない。
【0059】
電極組立体22は、正極板(図示せず)、負極板(図示せず)及びセパレータ(図示せず)を含んでもよい。
【0060】
正極板は、正極集電体及び正極活物質層を含み、正極活物質層は、正極集電体の表面にコーティングされ、正極活物質層がコーティングされていない正極集電体は、正極活物質層がコーティングされた正極集電体から突出し、正極活物質層がコーティングされていない正極集電体は、正極タブとして使用される。リチウムイオン電池を例として、正極集電体の材料はアルミニウムであってもよく、正極活物質は、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元リチウム又はマンガン酸リチウムなどであってもよい。負極板は、負極集電体及び負極活物質層を含み、負極活物質層は、負極集電体の表面にコーティングされ、負極活物質層がコーティングされていない負極集電体は、負極活物質層がコーティングされた負極集電体から突出し、負極活物質層がコーティングされていない負極集電体は、負極タブとして使用される。負極集電体の材料は銅であってもよく、負極活物質は、炭素又はシリコンなどであってもよい。
【0061】
電極組立体22は、正極板、セパレータ及び負極板を巻き取ることで形成された巻取構造であってもよい。電極組立体22は、正極タブ(図示せず)及び負極タブ(図示せず)を更に含み、正極板における正極活物質層がコーティングされていない正極集電体を正極タブとすることができ、負極板における負極活物質層がコーティングされていない負極集電体を負極タブとすることができる。
【0062】
エンドカバー組立体23は、密閉した収納キャビティ(図示せず)を形成するように、ハウジング21の開口211を覆うために用いられ、収納キャビティは、電極組立体22を収納するために用いられる。収納キャビティは、更に電解液などの電解質を収納するために用いられる。エンドカバー組立体23は、電極組立体22の電気エネルギーを出力する部材として使用され、エンドカバー組立体23における電極端子232は、電極組立体22に電気的に接続するために用いられ、即ち、電極端子232は、電極組立体22のタブに電気的に接続される。
【0063】
説明する必要があるものとして、ハウジング21の開口211は、1つであってもよく、2つであってもよい。ハウジング21の開口211が1つである場合、エンドカバー組立体23も1つであってもよく、エンドカバー組立体23には2つの電極端子232が設けられてもよく、2つの電極端子232は、それぞれ電極組立体22の正極タブ及び負極タブに電気的に接続するために用いられ、エンドカバー組立体23における2つの電極端子232は、それぞれ正極電極端子232及び負極電極端子232である。
図3に示すように、ハウジング21の開口211が2つである場合、例えば、2つの開口211はハウジング21の対向する両側に設けられ、エンドカバー組立体23も2つであってもよく、2つのエンドカバー組立体23は、それぞれハウジング21の2つの開口211に覆われている。この場合、一方のエンドカバー組立体23における電極端子232は、電極組立体22の正極タブに電気的に接続するための正極電極端子であり、他方のエンドカバー組立体23における電極端子232は、電極組立体22の負極板に電気的に接続するための負極電極端子であってもよい。
【0064】
図4、
図5及び
図6を参照すると、
図4は、本願のいくつかの実施例により提供される電極組立体22の構造模式図であり、
図5は、本願のいくつかの実施例により提供される第1の極板221の展開図であり、
図6は、本願のいくつかの実施例により提供される第1の極板の展開状態の寸法模式図である。電池セル20は、電極組立体22を含む。電極組立体22は第1の極板221を含み、第1の極板の幅方向Xの一側に複数の溶接部222が設けられ、複数の溶接部222は、第1の極板の長さ方向Yに間隔をおいて設けられる。電極組立体22は巻取構造であり、第1の極板221は巻取開始端223及び巻取終了端224を含み、複数の溶接部222のうち巻取開始端223に最も近いものは第1の溶接部222aであり、複数の溶接部222のうち巻取終了端224に最も近いものは第2の溶接部222bであり、第1の極板221は、第1の溶接部222aの巻取開始端223に近い縁から第2の溶接部222bの巻取終了端224に近い縁までの本体セグメント225を含み、本体セグメント225は、長さがLである複数のサブセグメント2251に均等に分割され、各サブセグメント2251の溶接部222の総長さは5%*L以上であり、200mm≦L≦1200mmである。
【0065】
第1の極板の幅方向Xにおいて、第1の極板221は、活物質層がコーティングされたコーティング領域2211及び活物質層がコーティングされていない非コーティング領域2212を含む。第1の極板221は、正極板であってもよく、負極板であってもよく、電極組立体22は、第2の極板を更に含み、第1の極板221が正極板であり、コーティング領域2211に正極活物質材料がコーティングされている場合、第2の極板は負極板である。第1の極板221が負極板であり、コーティング領域2211に負極活物質材料がコーティングされている場合、第2の極板は正極板である。電極組立体22のタブがフルタブである巻取型電極組立体の実施例において、第1の極板221のタブ及び第2の極板のタブは、それぞれ電極組立体22の軸方向の両端に位置する。
【0066】
巻取開始端223について、第1の極板221を巻き取ることで電極組立体22を形成する時、巻取開始端223は第1の極板221の巻取始点として使用され、巻取が完了した後、巻取開始端223は、第1の極板221の他の部位に対して電極組立体22の最内側に位置する。
【0067】
巻取終了端224について、第1の極板221を巻き取ることで電極組立体22を形成する時、巻取終了端224は第1の極板221の巻取終点として使用され、巻取が完了した後、巻取終了端224は、第1の極板221の他の部位に対して電極組立体22の最外側に位置する。
【0068】
第1の極板221が展開状態にある時、溶接部222の長さは、溶接部222の巻取開始端223に近い縁と巻取終了端224に近い縁との間の距離、即ち、溶接部222の第1の極板の長さ方向Yにおける寸法を指す。サブセグメント2251の溶接部222の総長さは、サブセグメント2251に位置する全ての溶接部222の長さの総和を指す。
【0069】
各サブセグメント2251は、1つ又は複数の溶接部222を含んでもよく、各サブセグメント2251が複数の溶接部222を含む実施例において、複数の溶接部222は、均一に間隔をおいて配置されてもよく、非均一に間隔をおいて配置されてもよい。
【0070】
本体セグメント225の長さは2つのサブセグメント2251の長さの合計以上とすべきであり、つまり、本体セグメント225は、少なくとも2つのサブセグメント2251に均等に分割される。
【0071】
実際に溶接する際に、電極組立体22の第1の極板221の平らにされたタブを径方向に沿って電極組立体22の巻取中心を囲む複数の領域に分け、各領域は少なくとも1回りの第1の極板221を含み、各領域は1つ又は複数のサブセグメント2251を含んでもよく、各サブセグメント2251は少なくとも1回り巻き取られてもよい。
【0072】
例示的に、
図4に示すように、電極組立体22の巻取中心穴226を囲んで、第1の極板221のタブ部を同心円状に配置される6つの領域に分け、内から外へそれぞれ第1の領域226a、第2の領域226b、第3の領域226c、第4の領域226d、第5の領域226e及び第6の領域226fと定義する。
図4において、6つの領域は、それぞれ点線で示される第1の環227a、第2の環227b、第3の環227c、第4の環227d及び第5の環227eによって分けられ、各領域は1つのサブセグメント2251を含む。
【0073】
本願に記載の「内から外へ」は、電極組立体22の巻取中心に対するものであり、両者のうち巻取中心に近いものは巻取中心から離れたものの内側に位置する。
【0074】
電池セルの検証では、0.1s内の電池の放電内部抵抗をオーム抵抗とする。オーム抵抗の大きさは、電池セル20の充放電の内部抵抗及び充放電の過電流能力に影響を与える。サブセグメント2251の溶接部222の総長さとサブセグメント2251の長さの比による電池セル20の充放電の内部抵抗及び充放電の過電流能力への影響をテストするために、次のようなテストを行った。
【0075】
テスト条件:サブセグメントの長さは800mmとした。テストの環境温度は25℃とした。SOC(state of charge、充電状態)は、バッテリを一定の期間使用した後又は長期にわたって放置して使用していない場合の残量とその完全に充電された状態の容量との比を指し、百分率で表される場合が多い。その値の範囲は0~1であり、SOC=0の場合、電池が完全に放電されたことを表し、SOC=1の場合、電池が完全に充電されたことを表し、本願において、SOC=0.5を例として電池セル20のオーム内部抵抗及び電池の全内部抵抗をテストした。電池セル20の電池の全内部抵抗を取得するために、DCIR(Direct Current Internal Resistance、直流内部抵抗のテスト)を採用した。電池セル20の電池の全内部抵抗は、オーム内部抵抗及び分極内部抵抗の2つの部分を含み、直流内部抵抗のテスト(DCIR)は、動的内部抵抗とも呼ばれる2つの部分の抵抗を全て考慮に入れて測定する方法である。
【0076】
【0077】
上記のテスト結果から分かるように、サブセグメント2251の溶接部222の総長さとサブセグメント2251の長さとの比が3%~5%である場合、電池セル20のオーム内部抵抗及び電池の全内部抵抗は、いずれもサブセグメント2251の溶接部222の総長さとサブセグメント2251の長さとの比の増加につれて徐々に減少し、サブセグメント2251の溶接部222の総長さとサブセグメント2251の長さとの比が5%以上である場合、電池セル20のオーム内部抵抗及び電池の全内部抵抗はいずれも安定的になる傾向にあるため、本願において、サブセグメント2251の溶接部222の総長さはサブセグメント2251の長さの5%以上であり、それにより、電池セル20は小さい充放電の内部抵抗及び強い充放電の過電流能力を有する。
【0078】
従来の技術において、集電部材24(
図3に示されている)及び電極組立体22は、レーザによる連続直線溶接又はパルススポット溶接の手段により溶接され、溶接痕の形状はX状、環状などである。極板を展開した後、極板の長さ方向において、一部のセクションの溶接部が密であるが、一部のセクションの溶接部が疎らであり、溶接部の極板における分布が均一ではないことが分かる。溶接部が疎らなセクションでは、極板の有効溶接長さ(即ち、当該セクションの溶接部の総長さ)は極板の長さに適合するには十分ではないため、極板と集電部材24との間の過電流能力が低く、電池セルの内部抵抗が大きく、電池セル20の電力性能が低下する。集電部材24と第1の極板の幅方向Xの一側が溶接された後、第1の極板の長さ方向Yに間隔をおいて配置される複数の溶接部222が形成され、第1の極板の長さ方向Yにおいて、第1の極板221の、巻取開始端223に近い第1の溶接部222a及び巻取終了端224に近い第2の溶接部222bによって画定された本体部を、長さが等しい複数のサブセグメント2251に分け、各サブセグメント2251の溶接部222の総長さはサブセグメント2251の長さの5%以上であり、それにより、第1の極板221と集電部材24が溶接されて形成した溶接部222の分布をより合理的にし、電池セル20の内部抵抗を減少させ、実際の過電流ニーズを満たすことができ、電池セル20の電力性能を向上させる。各サブセグメント2251の長さの範囲が200mm~1200mmであることで、第1の極板221の巻取長さは実際の製品のニーズを満たし、且つ電池セル20は高いエネルギー密度を有する。
【0079】
図5及び
図6を参照すると、いくつかの実施例において、任意の2つのサブセグメント2251の溶接部222の総長さの差の絶対値は10mm以下である。
【0080】
図5及び
図6において、任意の2つのサブセグメント2251のうちの一方のサブセグメントにおける各溶接部222の長さをそれぞれL1、…、Lnとして定義し、任意の2つのサブセグメント2251のうちの他方のサブセグメントにおける各溶接部222の長さをそれぞれH1、…、Hmとして定義し、n及びmはいずれも1以上の自然数である。-10mm≦(L1+…+Ln)-(H1+…+Hm)≦10mmを満たす。
【0081】
任意の2つのサブセグメント2251の溶接部222の総長さの差の絶対値を10mm以内に制御し、各サブセグメント2251の溶接部222の総長さの差を可能な限り減少させることにより、溶接部222の分布をより合理的にし、電池セル20の内部抵抗の減少に役立ち、且つ各サブセグメント2251の過電流能力の差を小さくし、実際の過電流ニーズを満たし、電池セル20の電力性能を向上させる。任意の2つのサブセグメント2251の溶接部222の総長さの差の絶対値を10mm以内に制御することは、各サブセグメント2251の溶接幅の誤差を10mm以内にすることに相当し、各サブセグメント2251の間の溶接総長さに誤差が存在することが許容されるため、溶接の難易度を低減することができる。
【0082】
いくつかの実施例において、任意の2つのサブセグメント2251の前記溶接部222の総長さは同じである。
【0083】
任意の2つのサブセグメント2251の前記溶接部222の総長さが同じであることは、任意の2つのサブセグメント2251の溶接部222の総長さの差がゼロであると理解されてもよい。
【0084】
任意の2つのサブセグメント2251の溶接部222の総長さが同じである場合、各サブセグメント2251の溶接部222の総長さに差がなく、溶接部222の分布をより合理的にし、電池セル20の内部抵抗を可能な限り減少させ、且つ各サブセグメント2251の過電流能力を同じにし、実際の過電流ニーズを満たし、電池セル20の電力性能を向上させる。
【0085】
いくつかの実施例において、任意の2つのサブセグメント2251の溶接部222の数の差の絶対値は10以下である。
【0086】
図5において、-10≦n-m≦10であり、即ち、任意の2つのサブセグメント2251の溶接部222の数の差の絶対値は10以下である。
【0087】
任意の2つのサブセグメント2251の溶接部222の数の差の絶対値を10以内に制御し、各サブセグメント2251の溶接部を可能な限り減少させ、電池セル20の内部抵抗を減少させ、各サブセグメント2251の過電流能力の差を小さくし、実際の過電流ニーズを満たし、電池セル20の電力性能を向上させる。任意の2つのサブセグメント2251の溶接部222の数の差の絶対値を10以内に制御することは、各サブセグメント2251の溶接部222の数が異なってもよいことに相当し、各サブセグメント2251の間の溶接総長さに誤差が存在することが許容されるため、溶接の難易度を低減することができる。
【0088】
いくつかの実施例において、任意の2つのサブセグメント2251の溶接部222の数は同じである。
【0089】
任意の2つのサブセグメント2251の前記溶接部222の数が同じであることは、任意の2つのサブセグメント2251の溶接部222の数の差がゼロであると理解されてもよく、
図6において、n-m=0である。
図4に示すように、第2の領域226b、第3の領域226c、第4の領域226d、第5の領域226e及び第6の領域226fは、いずれも1つのサブセグメント2251を有し、第2の領域226b、第3の領域226c、第4の領域226d、第5の領域226e及び第6の領域226fの溶接部222の数は同じである。
【0090】
任意の2つのサブセグメント2251の溶接部222の数が同じである場合、各サブセグメント2251の溶接部222の総長さの差を可能な限り減少させ、溶接部222の分布をより合理的にし、電池セル20の内部抵抗の減少に役立ち、各サブセグメント2251の過電流能力を同じにし、実際の過電流ニーズを満たし、電池セル20の電力性能を向上させる。
【0091】
続けて
図4、
図5及び
図6を参照すると、いくつかの実施例において、第1の極板221は、本体セグメント225に連続して設けられる巻取開始セグメント228を更に含み、巻取開始セグメント228は、巻取開始端223から第1の溶接部222aの巻取開始端223に近い縁までである。
【0092】
本体セグメント225が巻取開始セグメント228に連続して設けられることは、巻取開始セグメント228が本体セグメント225に直接接続されることを指す。巻取が完了した後、巻取開始セグメント228を巻き取ることで形成された環状層は、本体セグメント225を巻き取ることで形成された環状層の内側に位置する。
図4、
図5及び
図6に示すように、巻取開始セグメント228は、第1の領域226aに位置し、溶接部222が設けられていない。
【0093】
いくつかの実施例において、第1の極板221は、巻取開始セグメント228及び本体セグメント225のみを含んでもよい。別のいくつかの実施例において、第1の極板221は、本体セグメント225のみを含んでもよい。
【0094】
巻取開始セグメント228は、巻取開始端223から第1の溶接部222aの巻取開始端223に近い縁までであり、即ち、巻取開始端223及び第1の溶接部222aの巻取開始端223に近い縁によって巻取開始セグメント228が画定され、換言すれば、巻取開始端223は第1の溶接部222aを超えており、巻取開始セグメント228に溶接部222が形成されておらず、巻取開始セグメント228と集電部材24(
図3に示されている)との間に溶接関係がなく、巻取開始セグメント228のタブに対応する集電部材24(
図3に示されている)の部分は溶接されておらず、電池セル20の電気エネルギーを出力するように、電極端子232との溶接に用いることができる。
【0095】
異なる電池セル20にとって、巻取開始セグメント228の長さは異なってもよい。いくつかの実施例において、巻取開始セグメント228の長さはAとされ、A≦Lを満たす。
【0096】
巻取開始セグメント228の長さは、第1の極板221が展開状態にある場合における、巻取開始端223と第1の溶接部222aの巻取開始端223に近い縁との間の距離を指す。
【0097】
第1の極板の長さ方向Yにおいて、巻取開始端223と第1の溶接部222aとの間の距離はサブセグメントの長さより小さく、即ち、溶接部222が設けられていない巻取開始セグメント228の長さは溶接部222が設けられているサブセグメント2251の長さより小さく、第1の極板221の溶接部222のないセクションの長さが長過ぎないようにし、電池セル20の電気エネルギーの安定的な出力を保証する。
【0098】
図7、
図8及び
図9を参照すると、
図7は、本願の別のいくつかの実施例により提供される電極組立体22の構造模式図であり、
図8は、本願の別のいくつかの実施例により提供される第1の極板221の展開図であり、
図9は、本願の別のいくつかの実施例により提供される第1の極板221の展開状態の寸法模式図である。いくつかの実施例において、第1の極板221は、本体セグメント225に連続して設けられる巻取終了セグメント229を更に含み、巻取終了セグメント229は、巻取終了端224から第2の溶接部222bの巻取終了端224に近い縁までである。
【0099】
本体セグメント225が巻取終了セグメント229に連続して設けられることは、巻取終了セグメント229が本体セグメント225に直接接続されることを指す。巻取が完了した後、巻取終了セグメント229を巻き取ることで形成された環状層は、本体セグメント225を巻き取ることで形成された環状層の外側に位置する。
図6及び
図7に示すように、巻取終了セグメント229は、第6の領域226fに位置し、溶接部222が設けられていない。
【0100】
いくつかの実施例において、第1の極板221は、巻取終了セグメント229及び本体セグメント225のみを含んでもよい。別のいくつかの実施例において、
図10及び
図11に示すように、第1の極板221は、順に接続される巻取開始セグメント228、本体セグメント225及び巻取終了セグメント229を含んでもよい。
【0101】
巻取終了セグメント229は、巻取終了端224から第2の溶接部222bの巻取終了端224に近い縁までであり、即ち、巻取終了端224及び第2の溶接部222bの巻取終了端224に近い縁によって巻取終了セグメント229が画定され、換言すれば、巻取終了端224は第2の溶接部222bを超えており、巻取終了セグメント229に溶接部222が形成されておらず、巻取終了セグメント229と集電部材24(
図3に示されている)との間に溶接関係がなく、巻取終了セグメント229のタブ部に対応する集電部材24(
図3に示されている)の部分は溶接されておらず、電池セル20の電気エネルギーを出力するように、電極端子232との溶接に用いることができる。
【0102】
異なる電池セル20にとって、巻取終了セグメント229の長さは異なってもよく、巻取終了セグメント229の長さは、電極組立体22が実際のニーズを満たすようにする必要がある。いくつかの実施例において、巻取終了セグメント229の長さはBとされ、B≦Lを満たす。
【0103】
第1の極板221が展開状態にある場合、巻取終了セグメント229の長さは、巻取終了端224と第2の溶接部222bの巻取終了端224に近い縁との間の距離を指す。
【0104】
第1の極板の長さ方向Yにおいて、巻取終了セグメント229の長さはサブセグメント2251の長さより小さく、即ち、溶接部222が設けられていない巻取開始セグメント228の長さは溶接部222が設けられているサブセグメント2251より小さく、第1の極板221の溶接部222のないセクションの長さが長過ぎないようにし、電池セル20の電気エネルギーの安定的な出力を保証する。
【0105】
図12及び
図13を参照し、
図12は、本願の更に別のいくつかの実施例により提供される電極組立体22の模式図であり、
図13は、本願のまた更に別のいくつかの実施例により提供される電極組立体22の構造模式図である。いくつかの実施例において、隣接する2回りの第1の極板221のうち、電極組立体22の巻取中心に近い1回りの溶接部222の数は、巻取中心から離れた1回りの溶接部222の数より小さい。
【0106】
ここに記載の「隣接する2回りの第1の極板221のうち」は、任意の隣接する2回りの第1の極板221のうちであってもよく、一部の隣接する2回りの第1の極板221のうちであってもよい。
【0107】
例示的に、
図12に示すように、各領域は1回りの第1の極板221を有し、第1の領域226aにおいて、各回りの第1の極板221に2つの溶接部222が設けられ、第2の領域226bにおいて、各回りの第1の極板221に4つの溶接部222が設けられ、第3の領域226cにおいて、各回りの第1の極板221に6つの溶接部222が設けられ、第4の領域226dにおいて、各回りの第1の極板221に6つの溶接部222が設けられ、第5の領域226eにおいて、各回りの第1の極板221に6つの溶接部222が設けられている。溶接部222は放射状に分布している。
【0108】
図13に示すように、各領域は1回りの第1の極板221を有し、第2の領域226bにおいて、一部の環状層の第1の極板221に4つの溶接部222が設けられ、一部の環状層の第1の極板221に5つの溶接部222が設けられ、他の環状層の第1の極板221に6つの溶接部222が設けられ、第3の領域226cにおいて、各回りの第1の極板221に6つの溶接部222が設けられ、第4の領域226dにおいて、各回りの第1の極板221に6つの溶接部222が設けられ、第5の領域226eにおいて、各回りの第1の極板221に6つの溶接部222が設けられ、第6の領域226fにおいて、一部の環状層の第1の極板221に6つの溶接部222が設けられ、他の環状層の第1の極板221に5つの溶接部222が設けられている。一部の溶接部222は放射状に分布し、一部の溶接部222は繋がって電極組立体22の巻取中心を囲む円弧セグメントを形成し、円弧セグメントは第6の領域226fに位置し、円弧セグメントは溶接部222からなる隣接する2つの放射線を接続する。
【0109】
他の実施例において、任意の隣接する2回りの第1の極板221の溶接部222の数は同じであってもよい。
【0110】
巻取型電極組立体22にとって、隣接する2回りの第1の極板221において、巻取中心に近い1回りの長さが巻取中心から離れた1回りの長さより小さく、溶接時に、巻取型電極組立体22の巻取中心に近い1回りの溶接部222の形成数が巻取中心から離れた1回りの溶接部222の数より小さく、各回りの第1の極板221の長さ及び各回りの第1の極板221に対応する溶接部222の数が溶接部222の総長さに適合するようにし、溶接部222の分布をより合理的にし、電池セル20の内部抵抗を減少させることができ、実際の過電流ニーズを満たすことができ、電池セル20の電力性能を向上させる。
【0111】
図3、
図4、
図5及び
図6を参照し、いくつかの実施例において、電池セル20は、ハウジング21と、エンドカバー組立体23と、集電部材24と、を更に含み、ハウジング21は電極組立体22を収納するために用いられ、開口211を有し、エンドカバー組立体23は、開口211を覆うためのエンドカバー231と、エンドカバー231に取り付けられる電極端子232とを含み、集電部材24はエンドカバー231と電極組立体22との間に位置し、電極組立体22のタブ部と電極端子232を接続するために用いられ、タブ部は、第1の極板221の非コーティング領域を巻き取ることで形成され、集電部材24の少なくとも一部はタブ部に溶接されて複数の溶接部222を形成する。
【0112】
集電部材24の少なくとも一部はタブ部に溶接されて複数の溶接部222を形成し、第1の極板の長さ方向Yにおいて、第1の極板221の、巻取開始端223に近い第1の溶接部222a及び巻取終了端224に近い第2の溶接部222bによって画定された本体部を、長さが等しい複数のサブセグメント2251に分け、各サブセグメント2251の溶接部222の総長さはサブセグメント2251の長さの5%以上であり、それにより、第1の極板221と集電部材24が溶接されて形成した溶接部222の分布をより合理的にし、電池セル20の内部抵抗を減少させ、実際の過電流ニーズを満たし、電池セル20の電力性能を向上させることができる。
【0113】
図14を参照し、
図14は、本願のいくつかの実施例により提供される溶接後の集電部材24の模式図である。いくつかの実施例において、第1の極板221は、巻取開始端223から第1の溶接部222aの巻取開始端223に近い縁までの巻取開始セグメント228を更に含み、本体セグメント225の非コーティング領域は巻き取られて第1の部分12(図示せず)を形成し、巻取開始セグメント228の非コーティング領域は巻き取られて第2の部分13(図示せず)を形成し、第2の部分13は、径方向に第1の部分12の内側に位置し、集電部材24は、径方向に連続して配置される第1の集電部241と第2の集電部242を含み、第1の集電部241は第1の部分12と第1の極板の幅方向Xに対向して設けられ、且つ第1の部分12に溶接されて複数の溶接部222を形成し、第2の集電部242は第2の部分13と第1の極板の幅方向Xに対向して設けられ、且つ電極端子232に溶接される。
【0114】
第1の極板221が巻取状態にある場合、第1の極板の幅方向Xは、電極組立体22の巻取軸線方向と一致する。第1の極板221の非コーティング領域が第1の極板221のタブを形成するために用いられるため、第1の部分12及び第2の部分13はいずれも第1の極板221のタブに属する。第2の部分13が第1の部分12の径方向内側に位置することは、第2の部分13の一部が第1の部分12の内側に位置し、第2の部分13の別の部分が第1の部分12の一部と同一の円周上に位置することであってもよく、第2の部分13が全て第1の部分12の内側に位置し、第1の部分12が第2の部分13の外周を囲んで設けられることであってもよい。
【0115】
第1の集電部241が第1の部分12と第1の極板の幅方向Xに対向して設けられることは、第1の極板の幅方向Xにおいて、第1の部分12の集電部材24への投影が第1の集電部241と少なくとも部分的に重なり、重なり部分が互いに溶接され、複数の溶接部222が形成され、電極組立体22と集電部材24の電気的接続を実現すると理解されてもよい。第1の集電部241と第2の集電部242は、径方向に連続して配置され、巻取開始セグメント228は、巻取開始端223から第1の溶接部222aの巻取開始端223に近い縁までであり、即ち、巻取開始端223及び第1の溶接部222aの巻取開始端223に近い縁によって巻取開始セグメント228が画定され、巻取開始セグメント228に溶接部222が形成されておらず、即ち、巻取開始セグメント228の非コーティング領域が巻き取られて形成した第2の部分13と集電部材24との間に溶接関係がなく、第2の部分13と対向する第2の集電部242に溶接痕が形成されておらず、集電部材24と電極端子232との第2の集電部242を介する溶接を容易にして、電池セル20の電気エネルギーを出力することができる。
【0116】
図15を参照すると、
図15は、本願の別のいくつかの実施例により提供される溶接後の集電部材24の模式図である。いくつかの実施例において、第1の極板221は、巻取終了端224から第2の溶接部222bの巻取終了セグメント229に近い縁までの巻取終了セグメント229を更に含み、本体セグメント225の非コーティング領域は巻き取られて第1の部分12を形成し、巻取終了セグメント229の非コーティング領域は巻き取られて第3の部分(図示せず)を形成し、第3の部分は径方向に第1の部分12の外側に位置し、集電部材24は、径方向に連続して配置される第1の集電部241と第3の集電部243を含み、第1の集電部241は第1の部分12と第1の極板の幅方向Xに対向して設けられ、且つ第1の部分12に溶接されて複数の溶接部222を形成し、第3の集電部243は第3の部分と第1の極板の幅方向Xに対向して設けられ、且つ電極端子232に溶接される。
【0117】
第1の極板221の非コーティング領域が第1の極板221のタブを形成するために用いられるため、第1の部分12及び第3の部分はいずれも第1の極板221のタブに属する。第3の部分が径方向に第1の部分12の外側に位置することは、第3の部分の一部が第1の部分12の外側に位置し、第3の部分の別の部分が第1の部分12の一部と同一の円周に位置することであってもよく、第3の部分が全て第1の部分12の内側に位置し、第3の部分が第1の部分12の外周を囲んで設けられることであってもよい。
【0118】
図16を参照すると、
図16は、本願の更に別の実施例により提供される溶接後の集電部材24の模式図であり、第1の極板221が巻取開始セグメント228、本体セグメント225及び巻取終了セグメント229を含む実施例において、集電部材24は、径方向に沿って内から外への第2の集電部242、第1の集電部241及び第3の集電部243を含んでもよい。第1の集電部241は第1の部分12に溶接され、第2の集電部242は第2の部分13と第1の極板の幅方向Xに対向して配置され、第3の集電部は第3の部分と第1の極板の幅方向Xに対向して配置され、第2の集電部242及び第3の集電部243は電極端子232に溶接され、電池セル20の電気エネルギーを出力する。
【0119】
第1の集電部241と第1の部分12との溶接により、電極組立体22と集電部材24との電気的接続を実現し、第3の集電部243及び第1の集電部241は、径方向に連続して配置され、巻取終了セグメント229は、巻取終了端224から第2の溶接部222bの巻取終了端224に近い縁までであり、即ち、巻取終了端224及び第2の溶接部222bの巻取終了端224に近い縁によって巻取終了セグメント229が画定され、巻取終了セグメント229に溶接部222が形成されておらず、即ち、巻取終了セグメント229の非コーティング領域が巻き取られて形成された第3の部分と集電部材24との間に溶接関係がなく、第3の部分と対向する第3の集電部243に溶接痕が形成されておらず、第3の集電部243を介する集電部材24と電極端子232との溶接を容易にして、電池セル20の電気エネルギーを出力することができる。
【0120】
本願の実施例は、円柱形のハウジング21、円柱形の電極組立体22、集電部材24及びエンドカバー組立体23を含む円柱電池を提供し、電極組立体22はケース内に収納され、エンドカバー組立体23のエンドカバー231はハウジング21の開口211を覆い、電極組立体22は第1の極板221を含み、第1の極板221は巻取開始端223及び巻取終了端224を含み、複数の溶接部222のうち巻取開始端223に最も近いものは第1の溶接部222aであり、複数の溶接部222のうち巻取終了端224に最も近いものは第2の溶接部222bであり、第1の極板221は、第1の溶接部222aの巻取開始端223に近い縁から第2の溶接部222bの巻取終了端224に近い縁までの本体セグメント225を含み、本体セグメント225は、長さがLである複数のサブセグメント2251に均等に分割され、各サブセグメント2251の溶接部222の総長さは5%*L以上であり、200mm≦L≦1200mmである。任意の2つのサブセグメント2251の溶接部222の総長さの差の絶対値は10mm以下であり、任意の2つのサブセグメント2251の溶接部222の数の差の絶対値は10以下である。第1の極板221は、本体セグメント225に連続して設けられる巻取開始セグメント228と巻取終了セグメント229を更に含み、巻取開始セグメント228は、巻取開始端223から第1の溶接部222aの巻取開始端223に近い縁までである。巻取終了セグメント229は、巻取終了端224から第2の溶接部222bの巻取終了端224に近い縁までであり、巻取開始セグメント228の長さはAとされ、巻取終了セグメント229の長さはBとされ、A≦L及びB≦Lを満たす。集電部材24は、径方向に沿って内から外へ連続して配置される第2の集電部242、第1の集電部241及び第3の集電部243を含む。本体セグメント225の非コーティング領域は巻き取られて第1の部分12を形成し、巻取開始セグメント228の非コーティング領域は巻き取られて第2の部分13を形成し、巻取終了セグメント229の非コーティング領域は巻き取られて第3の部分を形成し、第1の極板の幅方向Xにおいて、第1の集電部241は第1の部分12と対向して設けられ、且つ第1の部分12に溶接されて複数の溶接部222を形成し、第2の集電部242は第2の部分13と対向して設けられ、且つ電極端子232に溶接され、第3の集電部243は第3の部分と対向して設けられ、且つ電極端子232に溶接され、それにより円柱電池の電気エネルギーを出力する。
【0121】
本願の実施例は、上記の任意の実施例により提供される電池セル20を含む電池100を更に提供する。
【0122】
本願の実施例は、上記の実施例により提供される電池100を含む電力消費機器を更に提供する。
【0123】
以上は、本願の好適な実施例に過ぎず、本願を制限するためのものではなく、当業者であれば、本願に対して様々な変更や変形を行うことができる。本願の精神及び原則内で行われる全ての修正、同等置換や改善などは、本願の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0124】
1000 車両
100 電池
10 筐体
11 収納空間
12 第1の部分
13 第2の部分
20 電池セル
21 ハウジング
211 開口
22 電極組立体
221 第1の極板
2211 コーティング領域
2212 非コーティング領域
222 溶接部
222a 第1の溶接部
222b 第2の溶接部
223 巻取開始端
224 巻取終了端
225 本体セグメント
2251 サブセグメント
226 巻取中心穴
226a 第1の領域
226b 第2の領域
226c 第3の領域
226d 第4の領域
226e 第5の領域
226f 第6の領域
227a 第1の環
227b 第2の環
227c 第3の環
227d 第4の環
227e 第5の環
228 巻取開始セグメント
229 巻取終了セグメント
23 エンドカバー組立体
231 エンドカバー
232 電極端子
24 集電部材
241 第1の集電部
242 第2の集電部
243 第3の集電部
200 コントローラ
300 モータ
X 第1の極板の幅方向
Y 第1の極板の長さ方向
【国際調査報告】