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特表2024-528129眼内レンズアセンブリにデバイスを取り付けるためのシステム及び関連する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】眼内レンズアセンブリにデバイスを取り付けるためのシステム及び関連する方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/16 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
A61F2/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505566
(86)(22)【出願日】2022-07-27
(85)【翻訳文提出日】2024-01-30
(86)【国際出願番号】 US2022038578
(87)【国際公開番号】W WO2023009664
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】63/227,620
(32)【優先日】2021-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522336096
【氏名又は名称】スパイグラス ファーマ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SPYGLASS PHARMA,INC.
(71)【出願人】
【識別番号】308032460
【氏名又は名称】ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ コロラド,ア ボディー コーポレイト
【氏名又は名称原語表記】THE REGENTS OF THE UNIVERSITY OF COLORADO,a body corporate
(74)【代理人】
【識別番号】100207837
【弁理士】
【氏名又は名称】小松原 寿美
(72)【発明者】
【氏名】ケーブル ザ セカンド、クレイグ アラン
(72)【発明者】
【氏名】カフーク、マリック ワイ.
(72)【発明者】
【氏名】マース、ショーン
(72)【発明者】
【氏名】ツァハー、ルドルフ
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA25
4C097BB04
4C097CC20
4C097SA10
(57)【要約】
薬物送達構成要素を眼内レンズ(IOL)アセンブリに固定するためのシステム及び方法に関する実施形態が開示されている。システムは、支持基部及びプランジャを概して含む。支持基部は、薬物送達構成要素を収容するように構成された第1の部分と、プランジャガイドとして機能するように構成された第2の部分とを含む。プランジャが使用中に薬物送達構成要素及びIOLアセンブリと係合するように位置決めされるように、プランジャはプランジャガイドの中に挿入され得る。プランジャは長尺状の本体及び先端部を含み、先端部は、使用中に薬物送達構成要素の固定ループと接合するように構成された傾斜部と、使用中にIOLアセンブリのハプティックと係合するように構成されたコンパートメントとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達構成要素を眼内レンズ(IOL)アセンブリに固定するためのシステムをであって、前記薬物送達構成要素は、治療剤含有部分と、該治療剤含有部分に結合された固定ループとを含み、前記IOLアセンブリはハプティックを含み、前記システムは、
プランジャ及び支持基部を含み、前記プランジャは長尺状の本体及び先端部を含み、前記支持基部は、第1の部分及び第2の部分を含み、前記第1の部分は、前記薬物送達構成要素を収容するように構成され、前記第2の部分は、前記支持基部に対する前記プランジャの移動を案内するように構成されたプランジャガイドを含み、
前記薬物送達構成要素が前記第1の部分に位置決めされる場合、前記プランジャは、前記薬物送達構成要素を第1の状態で前記第1の部分に固定すべく、前記先端部が前記薬物送達構成要素の前記固定ループ内に受容されるように、前記プランジャガイドによって遠位方向の移動で案内されるように構成されている、システム。
【請求項2】
前記プランジャの前記先端部が前記固定ループ内に受容されると、前記プランジャの追加的な遠位方向の移動は、前記固定ループが拡張される第2の状態に前記固定ループを遷移させるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記プランジャの前記先端部は、上面と、該上面から上向きに延びる傾斜部とを含み、前記傾斜部は、前記第2の状態への遠位方向の移動の間、前記薬物送達構成要素の前記固定ループを拡張するように構成されている、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記傾斜部は近位面を含み、前記プランジャの前記先端部は、前記傾斜部の近位面から近位方向に延びる側壁を更に含み、前記傾斜部の前記近位面、前記側壁、及び前記プランジャの前記先端部の前記上面は、前記第2の状態において、前記固定ループを通して該固定ループの中に前記IOLアセンブリの前記ハプティックを受容するためのコンパートメントを画定する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記IOLアセンブリの前記ハプティックが前記コンパートメント内に受容される場合、前記プランジャの近位方向の後退は、前記固定ループが前記IOLアセンブリの前記ハプティック上に収縮されている状態で、前記固定ループを第3の状態に遷移させるように構成されている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の部分は、前記薬物送達構成要素の前記治療剤含有部分を内部に受容するようなサイズ及び形状に構成された凹部を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の部分は、前記IOLアセンブリを内部に受容するようなサイズ及び形状に構成されたIOL凹部を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記プランジャガイドは、前記プランジャの移動を案内するための通路を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
請求項1に記載のシステムは、前記プランジャガイド内の移動を阻止するために、前記プランジャと係合するように構成されたキーロックを更に含むシステム。
【請求項10】
前記薬物送達構成要素をさらに含む請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
薬物送達構成要素を眼内レンズ(IOL)アセンブリに固定するための方法であって、前記薬物送達構成要素は、治療剤含有部分と、該治療剤含有部分に結合された固定ループとを含み、前記IOLアセンブリはハプティックを含み、前記方法は、
プランジャ及び支持基部を含むシステムを提供することであって、前記プランジャは先端部を含み、前記支持基部は、第1の部分及び第2の部分を含み、前記第1の部分は、前記薬物送達構成要素を収容するように構成され、前記第2の部分は、前記支持基部に対する前記プランジャの移動を案内するように構成されたプランジャガイドを含むことと、
前記薬物送達構成要素の固定ループが露出されるように、前記支持基部の前記第1の部分において前記薬物送達構成要素を後側を上にして挿入することと、
前記固定ループを拡張するように、前記薬物送達構成要素の前記固定ループを通して前記プランジャの前記先端部を前進させることと、
前記薬物送達構成要素の前記固定ループを通して前記IOLアセンブリの前記ハプティックを送ることと、
前記固定ループを前記ハプティック上に収縮させるように、前記薬物送達構成要素の前記固定ループを通して前記プランジャの前記先端部を後退させることと
を含む方法。
【請求項12】
前記IOLアセンブリを前記支持基部内で後側を上にして位置決めすることを更に含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記薬物送達構成要素の固定ループを通して前記IOLアセンブリの前記ハプティックを送ることは、鉗子を使用することと、前記ハプティックを把持することと、前記薬物送達構成要素の固定ループを通して前記ハプティックの第1の端部を送ることとを含む請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記ハプティックの第2の端部が前記プランジャの前記先端部の傾斜部に対して着座するまで、前記ハプティックの前記第1の端部を引っ張ることを更に含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
薬物送達構成要素を眼内レンズ(IOL)アセンブリに固定するためのシステムであって、前記薬物送達構成要素は、治療剤含有部分と、該治療剤含有部分に結合された固定ループとを含み、前記IOLアセンブリはハプティックを含み、前記システムは、
支持基部及びプランジャを含み、前記支持基部はプランジャガイド及び凹部を含み、前記凹部は、前記薬物送達構成要素の前記治療剤含有部分を後側を上にした向きで内部に受容するようなサイズ及び形状に構成され、前記プランジャガイドは、前記凹部と交差する軸線に沿った、前記支持基部に対する前記プランジャの移動を案内するように構成され、
前記治療剤含有部分が前記凹部内に受容される場合、前記プランジャは、該プランジャの先端部が前記薬物送達構成要素の前記固定ループ内に受容されるように、前記プランジャガイドによって遠位方向の移動で案内されるように構成されている、システム。
【請求項16】
前記プランジャの前記先端部は、傾斜部と、該傾斜部から近位方向に延びる側壁とを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
コンパートメントが、前記傾斜部の近位面及び前記側壁の内面によって形成され、前記コンパートメントは、前記ハプティックの一部を内部に受容するようなサイズ及び形状に構成されている、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記後側を上にした向きでは、前記固定ループは露出される、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記プランジャの前記先端部が前記薬物送達構成要素の前記固定ループ内に受容されると、前記プランジャの追加的な遠位方向の移動は、前記固定ループを通して前記IOLアセンブリの前記ハプティックを受容するために前記固定ループを拡張するように構成される、請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
前記薬物送達構成要素をさらに含む請求項15に記載のシステム。
【請求項21】
請求項1乃至10又は15乃至20のいずれか一項に記載のシステムと、少なくとも1つの容器とを含むキット。
【請求項22】
指示ガイドを更に含む請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記キットがIOLを含まない、請求項21又は22に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、眼内薬物送達システムの分野に関し、眼内薬物送達システムを作製するために小窩内レンズアセンブリに薬物送達構成要素を取り付けるためのシステム及びその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
眼内レンズ(IOL:Intraocular Lens)は、生来の水晶体が除去された後に患者の眼の生来の水晶体を置換するために埋め込むことができる眼用の人工レンズである。例として、患者の生来の水晶体は、白内障に冒されているために除去される可能性があり、患者に鮮明な視力及びある程度の焦点合わせを提供するためにIOLを埋め込むことができる。眼内レンズはまた、極端な近視又は遠視を矯正するために、生来の水晶体(有水晶体眼内レンズ又はPIOL)を除去することなく患者に埋め込むことができる。
【0003】
例えば、IOLの埋め込みと同時に眼に治療剤を投与して、IOLの種々の副作用を軽減するか、又は例えば白内障及び緑内障をもたらす状態と同時に存在し得る眼の他の状態を処置することが有利であり得る。既存の状態又はIOLの導入の副作用(例えば、感染及び炎症)は、IOL又はIOLに固定され得る他のデバイスに組み込まれた治療剤で処置され得る。IOLに加えて、レンズを含まない眼内インプラントが、種々の状態に対処するために埋め込まれ得る。
【0004】
以前の試みでは、IOLのハプティック上への薬物送達構成要素の配置を含む、IOLと併せて使用される薬物送達構成要素の種々の構成を開示している。以下に説明するシステム及び方法は、薬物送達構成要素をIOLに固定するためのより効率的かつ/又は堅牢な手法を提供する。
【発明の概要】
【0005】
本開示の特定の態様は、1つ以上の薬物送達構成要素を眼内レンズ(IOL)アセンブリに固定するためのシステムを含むことができる。これらの態様によれば、薬物送達構成要素は、治療剤含有部分と、治療剤含有部分に結合された固定ループとを含むことができる。特定の実施形態では、治療剤含有部分は、薬物含有部分であり得る。これらの実施形態によれば、治療剤含有部分は、パッド、スポンジ、マトリックス、又は1つ以上の治療剤を収容及び分散することができる他の構成要素であり得る。更に他の実施形態では、治療剤含有部分は、分配のために治療剤を収容又は貯蔵するための別の薬剤(例えば、長期若しくは短期の分配のために治療を貯蔵することが可能な、固体マトリックス、半固体マトリックス、ゲル、ハイドロゲル、又は他の材料)を更に含むことができる。IOLアセンブリは、少なくとも1つのハプティックを含むことができる。特定の態様では、システムは、プランジャ及び支持基部を含むことができる。プランジャは、長尺状の本体及び先端部を含むことができる。支持基部は、少なくとも第1の部分及び第2の部分を含むことができる。第1の部分は、薬物送達構成要素を収容することができる。第2の部分は、支持基部に対するプランジャの移動を案内するように構成されたプランジャガイドを含むことができる。薬物送達構成要素が第1の部分に位置決めされる場合、プランジャは、先端部が薬物送達構成要素の固定ループ内に受容されて、薬物送達構成要素を第1の状態で第1の部分に固定するように、プランジャガイドによって遠位方向の移動で案内されるように構成されている。
【0006】
特定の実施形態では、プランジャの先端部が固定ループ内に受容されると、プランジャの追加的な遠位方向の移動は、固定ループが拡張されている第2の状態に固定ループを遷移させるように構成されている。
【0007】
特定の実施形態では、プランジャの先端部は、上面と、上面から上向きに延びる傾斜部とを含み、傾斜部は、第2の状態への遠位方向の移動の間、薬物送達構成要素の固定ループを拡張するように構成されている。
【0008】
特定の実施形態では、傾斜部は、近位面を含み、プランジャの先端部は、傾斜部の近位面から近位方向に延びる側壁を更に含み、傾斜部の近位面、側壁、及びプランジャの先端部の上面は、第2の状態において、固定ループを通してIOLアセンブリのハプティックを内部に受容するためのコンパートメントを画定する。
【0009】
特定の実施形態では、IOLアセンブリのハプティックがコンパートメント内に受容される場合、プランジャの近位後退は、固定ループがIOLアセンブリのハプティック上に収縮されている状態で、固定ループを第3の状態に遷移させるように構成されている。
【0010】
特定の実施形態では、第1の部分は、その中に薬物送達構成要素の治療剤含有構成要素を受容するようなサイズ及び形状に構成された凹部を含む。
特定の実施形態では、第1の部分は、その中にIOLアセンブリを受容するようなサイズ及び形状に構成された、IOL凹部を含む。
【0011】
特定の実施形態では、プランジャガイドは、プランジャの移動を案内するための通路(又はチャネル)を含む。
特定の実施形態では、システムは、プランジャガイド内の移動を阻止又は停止するために、プランジャと係合するように構成されたキーロックを更に含む。
【0012】
特定の実施形態では、システムは、薬物送達構成要素を更に含む。
本開示の態様は、薬物送達構成要素を眼内レンズ(IOL)アセンブリに固定するための方法を含むことができる。薬物送達構成要素は、治療剤含有構成要素と、治療剤含有構成要素に結合された固定ループとを含むことができる。IOLアセンブリは、ハプティックを含むことができる。この方法は、以下のステップを含むことができる。支持基部とプランジャとを含むシステムを提供することであって、プランジャが先端部を含む。支持基部は、第1の部分及び第2の部分を含むことができる。第1の部分は、薬物送達構成要素を収容することができる。第2の部分は、支持基部に対するプランジャの移動を案内するように構成されたプランジャガイドを含むことができる。本方法は、薬物送達構成要素の固定ループが露出されるように、支持基部の第1の部分において薬物送達構成要素を後側を上にして挿入することを更に含むことができる。本方法は、固定ループを拡張するように、薬物送達構成要素の固定ループを通してプランジャの先端部を前進させることを更に含むことができる。本方法は、薬物送達構成要素の固定ループを通してIOLアセンブリのハプティックを送ることを更に含むことができる。本方法は、固定ループをハプティック上に収縮させるように、薬物送達構成要素の固定ループを通してプランジャの先端部を後退させることを更に含むことができる。
【0013】
特定の実施形態では、本方法は、IOLアセンブリを支持基部内で後側を上にして位置決めすることを更に含むことができる。
特定の実施形態では、薬物送達構成要素の固定ループを通してIOLアセンブリのハプティックを送ることは、鉗子を使用すること、ハプティックを把持すること、及び薬物送達構成要素の固定ループを通してハプティックの第1の端部を送ることのうちの少なくとも1つを更に含むことができる。
【0014】
特定の実施形態では、本方法は、ハプティックの第2の端部がプランジャの先端部の傾斜部に対して着座するまで、ハプティックの第1の端部を引っ張ることを更に含むことができる。
【0015】
本開示の特定の態様は、薬物送達構成要素を眼内レンズ(IOL)アセンブリに固定するためのシステムを含むことができる。薬物送達構成要素は、治療剤含有構成要素と、治療剤含有構成要素に結合された固定ループとを含むことができる。IOLアセンブリは、1つのハプティック又は2つ以上のハプティックを含むことができる。本システムは、支持基部及びプランジャを更に含むことができる。支持基部は、プランジャガイドと凹部とを含むことができ、凹部は、薬物送達構成要素の治療剤含有構成要素を後側を上にした向きで内部に受容するようなサイズ及び形状に構成されている。プランジャガイドは、凹部と交差する軸線に沿った、支持基部に対するプランジャの移動を案内することができる。治療剤含有構成要素が凹部内に受容される場合、プランジャは、プランジャの先端部が薬物送達構成要素の固定ループ内に受容されるように、プランジャガイドによって遠位方向の移動で案内されるように構成されている。
【0016】
特定の実施形態では、プランジャの先端部は、傾斜部と、傾斜部から近位方向に延びる側壁とを含む。
他の実施形態では、コンパートメントが、傾斜部の近位面及び側壁の内面によって形成され、コンパートメントは、ハプティックの一部を内部に受容するようなサイズ及び形状に構成されている。
【0017】
特定の実施形態では、後側を上にした向きで、固定ループは露出される。
特定の実施形態では、プランジャの先端部が薬物送達構成要素の固定ループ内に受容されると、プランジャの追加的遠位方向の移動は、固定ループを通してIOLアセンブリのハプティックを受容するために固定ループを拡張するように構成される。
【0018】
特定の実施形態では、システムは、本明細書の開示による薬物送達構成要素を含むことができる。他の実施形態では、キットが、本明細書に記載されるシステムに関して開示される任意の又は全ての構成要素を含むことが企図される。いくつかの実施形態では、キットは、開示されるシステムのいくつか又は全ての構成要素と、任意選択で、1つ以上の指示ガイドとを含むことができる。一実施形態では、IOLは、本明細書に開示されるシステムとは別個に提供され得る。他の実施形態では、IOLは、本明細書に開示されるシステムを含むキット内に提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1A】本開示のシステム及び方法と関連して使用することができる、例示的IOLアセンブリ及び薬物送達構成要素を示すものであり、図1Aは、それぞれがIOLアセンブリのハプティックに取り付けられた薬物送達構成要素を含む、2つの眼内薬物送達システムを示す。
図1B】本開示のシステム及び方法と関連して使用することができる、例示的IOLアセンブリ及び薬物送達構成要素を示すものであり、図1Bは、例示的な薬物送達構成要素を示す。
図1C】本開示のシステム及び方法と関連して使用することができる、例示的IOLアセンブリ及び薬物送達構成要素を示すものであり、図1Cは、例示的なIOLアセンブリを示す。
図2A】本開示の実施形態による、IOLアセンブリに薬物送達構成要素を取り付けるためのシステムの2つの斜視図を示す。
図2B】本開示の実施形態による、IOLアセンブリに薬物送達構成要素を取り付けるためのシステムの2つの斜視図を示す。
図2C】本開示の実施形態による、図2A及び図2Bのシステムの分解斜視図を示す。
図3A】本開示の実施形態による、例示的なプランジャを示すものであり、図3Aは、プランジャの上面図を示す。
図3B】本開示の実施形態による、例示的なプランジャを示すものであり、図3Bは、プランジャの斜視側面図を示す。
図3C】本開示の実施形態による、プランジャ先端部の部分拡大図を示すものであり、図3Cは、正面斜視図を示す。
図3D】本開示の実施形態による、プランジャ先端部の部分拡大図を示すものであり、図3Dは、側面斜視図を示す。
図4A】本開示の実施形態による、IOLアセンブリの薬物送達構成要素を取り付けるためのシステムの支持基部又はトレイの斜視図を示す。
図4B】本開示の実施形態による、IOLアセンブリの薬物送達構成要素を取り付けるためのシステムの支持基部又はトレイの上面図を示す。
図5A】本開示の実施形態による、IOLアセンブリの薬物送達構成要素を取り付けるためのシステムのキーの斜視図を示す。
図5B】本開示の実施形態による、IOLアセンブリの薬物送達構成要素を取り付けるためのシステムのキーの正面図を示す。
図6A】本開示の実施形態による、互いから離れて位置決めされたキー及びプランジャの斜視図を示す。
図6B】本開示の実施形態による、プランジャに結合されたキーの斜視図を示す。
図7A】本開示の実施形態による、薬物送達構成要素と係合しているプランジャを示す、本開示のシステムの部分拡大図を示す。
図7B】本開示の実施形態による、プランジャと係合され、かつ薬物送達構成要素の固定部分を通して挿入されており、薬物送達構成要素をIOLアセンブリのハプティックに取り付けている、IOLアセンブリのハプティックを示す、本開示のシステムの部分拡大図を示す。
図8】本開示の実施形態による、IOLアセンブリの薬物送達構成要素を取り付ける例示的方法を示す、フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示は、薬物送達構成要素を眼内レンズ(IOL)アセンブリに取り付けるか又は固定するためのシステム、及び関連する使用方法に関する。
文脈上、図1A図1Cは、本開示のシステム及び方法を使用して組み立てることができる例示的な眼内薬物送達システム20を示す。そのような眼内薬物送達システム20は、IOLアセンブリ22及び1つ以上の薬物送達構成要素30を含むことができる。IOLアセンブリ22は、中央の光学部/レンズ24と、光学部/レンズ24の平面又は平行平面から外向きに延びる1つ以上のハプティック28とを含む。光学部/レンズ24は、視力矯正部を有する光学部を含むことができ、又は、構造的支持を提供するためのスキャフォールドであり得る。薬物送達構成要素30は、IOLアセンブリ22のハプティック28に取り付けられるように構成される。特定の実施形態では、取り付けは解放可能である。他の実施形態では、取り付けは解放可能ではない。眼内薬物送達システム20は、埋め込まれたときに対象の眼に対して前面及び後面を含む。いくつかの実施形態では、眼内薬物送達システム20は、任意選択で、使用中にシステムを定位置に保持するための水晶体嚢拡張リング又は水晶体嚢スキャフォールドなどの他のデバイスを含むことができる。
【0021】
ハプティック28の外側範囲は、システム20が埋め込まれたときに対象の眼の水晶体嚢に当たるのに十分な長さであり、一方、薬物送達構成要素30の半径方向外側範囲は、埋め込まれたIOLアセンブリ22上に設置されたときに、対象の眼の水晶体嚢の赤道領域における水晶体嚢への薬物送達構成要素30が当たるのを回避するために、好ましくはハプティック28の半径方向外側範囲よりも短い。特定の実施形態では、薬物送達構成要素30は、光学部-ハプティック接合領域のサイズ及び形状に寸法的に対応するように構成することができる。他の実施形態では、薬物送達構成要素30は、光学部-ハプティック接合領域よりも寸法的に大きくなるように構成される。しかしながら、本開示はそのように限定はされず、薬物送達構成要素30は、意図された使用に適した任意の様式、例えば、光学部の周囲の4分の1、光学部の周囲の3分の1、光学部の周囲の2分の1などで成形されるようなサイズであり得る。
【0022】
図1Aは、2つの眼内薬物送達システム20を示す。左側において、システム20は、一対のより大きな薬物送達構成要素30を含む。右側では、システム20は、一対の相対的に小さい薬物送達構成要素30を含む。より大きい薬物送達構成要素30は、例えば、より小さい薬物送達構成要素30と比較して、より長い持続時間又はより高い速度で治療剤を溶出することができる。薬物送達構成要素30は、異なる溶出速度、異なる治療剤、及び修正され得る他の態様などの異なる特性も含むことができる。本開示は、図1Aの左側に示される比較的大きい薬物送達構成要素30を示す。しかしながら、本開示はそのように限定はされず、本明細書に記載されるシステム及び方法は、図1Aの右側に示される相対的に小さい薬物送達構成要素30にも適用可能である。
【0023】
図1Bは、本開示の例示的な薬物送達構成要素30を示す。薬物送達構成要素30は、治療剤を含むことができ、治療剤は、薬物送達パッド70の全体又はその一部(内部薬物送達パッド、ゲル、又は薬物溶出マトリックスなど)を含むことができる。薬物送達構成要素30は、薬物送達パッド70を含むことができ、薬物送達パッド70は、治療剤を薬物デポから溶出するか、又は経時的に溶解若しくは生分解して治療剤を解放するか、又は治療剤を送達するために当該技術分野で公知の任意の他の好適な薬物送達構成で調剤することができる。薬物送達構成要素30は、薬物送達パッド70の後側に取り付けられた固定部分50を更に含むことができる。薬物送達パッド70を含む薬物送達構成要素30は、治療剤含有部分、薬物含有部分、又は薬物部分と呼ぶことができる。上記で参照した治療剤含有部分は、パッド、スポンジ、マトリックス、又は1つ以上の治療剤を収容、貯蔵、及び/又は分散することができる他の構成要素であり得る。固定部分50(固定ループとも呼ばれる)は、薬物送達パッド70の後側から垂直に延び、水平に延びるバンド60によって接続されて開口部65(例えば、スロット、孔、又はコンパートメント)を形成するポストなどの構造55を含むことができる。開口部65は、ハプティック28が開口部65を通過することができるように、IOLアセンブリ22のハプティック28を受容するように構成されている。固定部分50は、一般に、薬物送達構成要素30保持ループとして機能することができ、意図された使用のための任意の好適な材料から形成することができる。固定ループ50は、IOLアセンブリ22のハプティック28がループ50を通して受容されるために伸張又は拡張するように可撓性であり得る。そして、固定ループ50は、一旦拡張され光学部-ハプティック接合部上の所定の位置に配置されると、光学部-ハプティック接合部上で収縮することができる。非限定的な例として、固定部分50は、意図される治療剤、例えば、医療グレードシリコーンと適合性がある眼科用途のためのFDA承認ポリマーから形成することができる。更に、固定部分50は、そのような目的に適した当該技術分野で知られている任意の方法、例えば、医療グレード接着剤、熱接合などで薬物送達パッドに取り付けることができる。
【0024】
特定の実施形態では、図1Cに示されるように、IOLアセンブリ22のハプティック28は、IOLアセンブリ22に対して薬物送達構成要素30を保持及び安定化するための機構を有して構成され得る。その目的のために、ハプティック28は、保持タブ40及びガセット44を含み、これらは共に、固定ループ50がくびれ部分52内に受容された場合に薬物送達構成要素30の固定部分50を保持及び安定化するためのくびれ部分又は切り込み部分52を形成している。くびれ部分52は、光学部/レンズ24に向かって広くなり、ガセット44及び保持タブ40に向かっても広くなる狭い部分を画定する。このようにして、薬物送達構成要素30はくびれ部分52において保持される。
【0025】
更に図1Cを参照すると、ハプティック28の光学部端部又は第1の端部における保持タブ40は、光学部-ハプティック接合部48において外面43及び内面42を有する。保持タブ40によって形成された外面43の反対側に、ハプティック28は、使用中にハプティック28の屈曲及び曲げを容易にする内面42を有する曲線ノッチ又はガセット44を含む。くびれ部分52は、ハプティック28の内面42と外面43との間に画定されている。いくつかの実施形態では、保持タブ40の外面43は、半径方向面を含み、ガセット44における保持タブの内面42は、レンズ24へのハプティック28の接合部において湾曲した内側部分を提供するように、半径方向面を含む。保持タブ40とガセット44との間で、ハプティック28の前面は、使用中にその向きを安定させるために薬物送達構成要素30の少なくとも一部と係合することができる上面46を提供する。いくつかの実施形態では、上面46は、薬物送達構成要素30のサイズ及び形状に適合する(例えば、薬物送達構成要素30全体又は実質的に薬物送達構成要素30全体と係合する)ようなサイズ及び形状にすることができる。
【0026】
図2A図2Cを参照すると、本開示のシステム200は、概して、支持基部又はトレイ202と、プランジャ204とを含む。システム200は、必要に応じて、使用前にプランジャ204を定位置に保持するためのプランジャを停止/ロックするピン又はキー206を任意選択で含むことができる。特定の実施形態では、支持基部202は、固定ループ50を露出させるために後側を上にした向きで薬物送達構成要素30を収容又は受容するようなサイズ及び形状に構成されたスロット、溝、凹部、又は他のくぼみ220を形成する第1の部分210を含む。また、第1の部分210は、IOLアセンブリ(図2A図2Cには図示せず)を後側を上にした向きで収容又は受容するようなサイズ及び形状に構成されたスロット、溝、凹部、又は他のくぼみ222を含むことができる。IOLアセンブリは、IOLアセンブリを薬物送達構成要素30に結合するためにIOLの正しい向きを呈するように、凹部222内に配置され得る。他の実施形態では、凹部222の代わりに、第1の部分210は、IOLアセンブリを受容し、IOLの正しい配向を呈するようなサイズ及び形状に構成された突出部を含むことができる。支持基部202はまた、プランジャガイド212を含む第2の部分を含み、プランジャ204は、薬物送達構成要素30のための凹部220と交差する軸線に沿ってプランジャガイド212に挿入される。このようにして、プランジャ204は、使用中に薬物送達構成要素30及びIOLアセンブリ(図示せず)と係合するように位置決めされる。いくつかの実施形態では、プランジャ204は、遠位方向の移動(すなわち、凹部220に向かう)及び近位方向の移動(すなわち、凹部220から離れる)においてプランジャガイド212によって案内され得る。遠位方向の移動において、プランジャ204は、図2A及び図2Bに示される薬物送達構成要素30の固定ループ50を通って延びることができる。この状態では、プランジャ204の先端部は、タブ224の下に位置決めされ、プランジャ204が支持基部202の表面から離れて移動することを阻止することができる。プランジャガイド212は、直線経路又は軸線に沿ってプランジャ204を受容する通路であり得る。
【0027】
図2A及び図2Bに示すように、キー206は、プランジャガイド212の開口部に挿入可能である。以下に説明するように、キー206は、プランジャ204及びプランジャガイド212と係合してプランジャ204の遠位及び近位方向の移動を阻止する機構を含む。図2A及び図2Bは、キー206がプランジャ204を支持基部202に対して所定の位置にロックしているシステム200の状態を示す。システム200は、この状態では、梱包及び輸送に適している。
【0028】
図3A及び図3Bを参照すると、プランジャ204は、長尺状の本体302と、その遠位端にある先端部304とを含む。プランジャ先端部304は、使用中に薬物送達構成要素(図3A及び図3Bには図示せず)の固定ループと係合するように構成された傾斜部306と、使用中にIOLアセンブリ(図示せず)のハプティックと係合するように構成されたコンパートメント308とを含む。図3C及び図3Dは、傾斜部306及びコンパートメント308を含む先端部304の部分拡大図を示す。
【0029】
図3A図3Dを更に参照すると、プランジャ先端部304は、ほぼ平坦な上面310を含む。プランジャ先端部304は、最遠位点から近位方向に延びる、一対のほぼ平行な側縁部312を含む。一対の側縁部312の各々は、プランジャ先端部304の幅が広くなるように外向きに延びる角度付きセクション314を含む。図に見られるように、角度付きセクション314のうちの1つは、他の角度付きセクション314よりも遠位方向に外向きに延びる。傾斜部306は、プランジャ先端部304の上面310の一部に画定される。すなわち、傾斜部306の幅は、上面310の幅全体にわたって延びていない。別の言い方をすれば、上面310がその一方の側で傾斜部306を過ぎて続く開放空間又は間隙が存在する。傾斜部306の近位側は、近位面316を含み、ほぼ平坦である。薄い側壁318は、側縁部312の1つから近位方向に延びる。薄い側壁318は、近位方向に延びるにつれて幅が広くなり、反対側の側縁部312に向かって弧を描く。コンパートメント308は、近位面316と、側壁318と、プランジャ先端部304の上面310との間に画定される。コンパートメント308は、上面310が傾斜部306を過ぎて続く開放空間又は間隙と同一の広がりを持つ。
【0030】
プランジャ先端部304の近位方向に、プランジャ204は、ほぼ円筒形のシャフト320を含む。シャフト320は、円筒形シャフト320の反対側の部分を通って下方に延びる一対のノッチ322を含む。一対のノッチ322は、キー206と係合するようなサイズ及び形状である。プランジャ204の近位端には、ユーザ(例えば、親指)によって係合されるようなサイズ及び形状に構成された整列構造324及び係合構造326がある。
【0031】
図4A及び図4Bは、それぞれ、支持基部202の斜視図及び上面図を示す。図に見られるように、支持基部202は、固定ループを露出させるために後側を上にした向きで薬物送達構成要素(図4A及び図4Bには図示せず)を収容又は受容するようなサイズ及び形状に構成されたスロット、溝、凹部、又は他のくぼみ220を形成する第1の部分210を含む。薬物送達構成要素の凹部220に隣接して、IOLアセンブリ(図示せず)を受容するための凹部222がある。図に示されるように、IOLアセンブリのための凹部222は、薬物送達構成要素の凹部220と交差しない。凹部222は、薬物送達構成要素をIOLアセンブリのハプティックに結合するときにユーザが使用することができるガイドとして配向される。例えば、ユーザは、IOLアセンブリを薬物送達構成要素に結合する前に、IOLアセンブリを凹部222内に配置して、IOLの正しい向きを示すことができる。第1の部分210には、プランジャ(図示せず)のプランジャ先端部と係合するためのタブ224がある。
【0032】
プランジャガイド212は、支持基部202の近位端からの通路を含み、この通路は、単一の向きでプランジャを内部に受容するようにサイズ決めされる。支持基部202の近位開口部226は、プランジャ先端部上の傾斜部を上向き位置に整列させる向きでプランジャの整列構造に嵌合するようなサイズ及び形状に構成された、長尺状のセクション228を含む。この向きでは、プランジャ上のノッチは、キー(図示せず)を開口部230に挿入してノッチでプランジャに固定することができるように、プランジャガイド212内の開口部230に整列される。図に示されるように、プランジャガイド212の遠位端は、角度付き角部232で終端する弓状表面を含む。角度付き角部232は、IOLアセンブリのハプティックと係合し、プランジャが後退させられて(近位方向に移動させられて)薬物送達構成要素の固定ループをハプティック上に収縮させるときにIOLアセンブリを定位置に支持するようなサイズ及び形状にされる。
【0033】
図5A及び図5Bは、それぞれ、IOLアセンブリの薬物送達構成要素を取り付けるためのシステムのキー206の斜視図及び正面図を示す。図に示すように、キー206は、近位端にタブ又はプレートの形態の係合構造502を含む。キー206のほぼ中間点には、係合構造502から外向きに延びるガード504がある。ガード504から遠位方向に延びるのは、ノッチ(図5A及び図5Bには図示せず)においてプランジャのシャフトの周りに受容されるようなサイズ及び形状の一対のフィンガ506である。係合構造502は、2つの側でガード504から下方に延び、プランジャガイドと係合する一対の端部508で終端する。
【0034】
図6A及び図6Bは、それぞれ、互いから離れて位置決めされたキー206及びプランジャ204の斜視図、並びにプランジャ204に結合されたキー206の斜視図を示す。図に示されるように、キー206のフィンガ506は、シャフト320のノッチ322においてプランジャ204の長尺状の本体302の周りにスナップ留めするか、又は位置決めされ得る。プランジャ204は、それに結合されると、キー206がプランジャガイド(図示せず)に接触するので、支持基部(図6A及び図6Bには図示せず)に対する遠位及び近位方向の移動が阻止される。
【0035】
図7Aは、薬物送達構成要素30と係合しているプランジャ204を示すシステム200の部分拡大図を示す。特定の実施形態では、プランジャ先端部304は、固定ループ50を露出させる後側を上にした向きで支持基部202の第1の部分210の凹部220内に挿入された薬物送達構成要素30の固定ループ50を通して受容される。プランジャ先端部304もタブ224の下に受容されている。包装及び輸送に好適である、この状態では、キー(図7Aに図示せず)は、プランジャガイド212の開口部の中に挿入することができ、又はプランジャ204は、キーを受容するために正しい位置に配向され得る。この状態では、プランジャ先端部304の平行な側縁部312及びほぼ平坦な上面310は、固定ループ50を通して位置決めされている。
【0036】
図7Bは、薬物送達構成要素30をIOLアセンブリ22のハプティック28に取り付けるために、プランジャ204と係合され、薬物送達構成要素30の固定ループ50を通して挿入されたIOLアセンブリ22のハプティック28を示すシステム200の部分拡大図を示す。図7Bは、図7Aにおけるその以前の位置から遠位方向に前進又は移動したプランジャ204を示す。そうするために、キー(図7Bには図示せず)は、プランジャ204との結合から取り外される必要がある。図7Aに示される状態からのプランジャ204の遠位前進は、傾斜部306が固定ループ50の下にくさび止めされることによって、固定ループ50を拡張させる。十分な遠位前進により、薄い側壁318は、固定ループ50を上に拡張させ、コンパートメント308上に開くので、ハプティック28を固定ループ50を通して送ることができる。
【0037】
図7Bに示すように、ハプティック28の保持タブ40は、傾斜部306の近位面316に当接する。保持タブ40の反対側で、ハプティック28の自由端は、プランジャ204の後退が、ハプティック28の自由端をプランジャガイド212の角度付き角部232に接触させ、ハプティック28が近位方向に移動するのを防止するように、角度付き角部232に対向している。プランジャ204が、図7Bに示される位置から近位方向に移動すると、固定ループ50は、側壁318に沿って、傾斜部306を下ってスライドし、これは、固定ループ50(可撓性である)の収縮を引き起こす。ハプティック28の自由端は、角度付き角部232に接触し、保持タブ40は、傾斜部306の近位面316と接触しているので、近位方向に移動させられ続ける。したがって、ハプティック28は、固定ループ50がハプティック28のくびれ部上に収縮されると、少なくともわずかに時計回りに回転させられる。
【0038】
本開示のシステムは、当該技術分野で公知の任意の好適な様式で作製することができる。非限定的な例として、システムは、3D印刷、機械工具を使用して作製することができ、又はプラスチックから成形することができる。眼科手術実施に関連して使用するのに適した任意の材料を使用することができる。更に、支持基部及びプランジャは、同じ材料から形成することができ、又は異なる材料から形成することができる。システムは、1度限りの単回使用のために作製され得るか、又は反復使用のために作製され得る(例えば、それらは、使い捨てであり得るか、又は使用の間に洗浄及び滅菌されるように作製され得る)。非限定的な例として、システムは、FDA承認及び/又はUSP適応ポリマー、例えば、クラスVIポリプロピレン(PP-P5M6K-080)から作製され得るか、又はFDA承認の金属又は金属合金、例えば、ステンレス鋼(SS316L)から作製され得る。しかしながら、本開示はそのように限定はされない。
【0039】
特定の実施形態では、薬物送達構成要素は、任意の好適な様式で本開示のシステムを利用して、IOLアセンブリに取り付けるか又は固定することができる。例として、薬物送達構成要素をIOLアセンブリに取り付ける方法800が、図8のフローチャートに提供される。ステップ802において、ユーザは、薬物送達構成要素の固定ループが露出されるように、薬物送達構成要素を収容するように構成された支持基部の第1の部分に薬物送達構成要素を後側を上にして挿入することができる(例えば、図7Aを参照)。ステップ804において、ユーザは、プランジャを停止/ロックするピン(存在する場合)を除去することができる。これは、一方の手で支持基部を保持しながら他方の手で行うことができる。ステップ806において、プランジャは、プランジャガイドを通して、かつ薬物送達構成要素の固定ループを通して前進させることができる。ユーザの一方の手は支持基部を保持することができ、ユーザは他方の手でプランジャを作動させて(押して/挿入して)、初期抵抗停止点に到達するまで薬物送達構成要素の固定ループを通してプランジャを前進させることができる(図7A参照)。ステップ808において、ユーザは、次いで、別個の包装からIOLアセンブリを取り出し、IOLアセンブリの後側を上にして支持基部内に配置することができる。ステップ810において、ハプティックは固定ループを通して送られる。このステップは、鉗子又は他の好適なツール(例えば、カタリストサージカル社のフェクトナー氏リング鑷子又は同等物)を使用して、先頭ハプティックを穏やかに把持し、鉗子が固定ループを通してハプティックをもはや送ることができなくなるまで、薬物送達構成要素の固定ループ内にハプティックを送ることを含んでもよい。この時点で、ハプティックの少なくとも一部が固定ループを通して送られ、それによって、ユーザが固定ループの反対側からハプティックの先端部を引っ張ることが可能になる。次いで、鉗子を使用して、ユーザは、固定ループを通して送られたハプティックの先端部を穏やかに把持し、プランジャの先端部の傾斜部に対して着座したハプティックの端部が、それによって薬物送達構成要素をIOLアセンブリに固定するまで固定ループを通してハプティックの残りのセクションを引っ張ることができる(図7B参照)。ステップ812において、ユーザは、次いで、プランジャを近位方向に後退させ、固定ループをハプティックのくびれ部上に収縮させることができる。ステップ814において、そこに薬物送達構成要素が取り付けられているIOLアセンブリは、プランジャガイドを通してプランジャを近位方向に後退させることによって、プランジャから取り除かれ得る(例えば、長尺状の本体から滑り落ちる)。これらのステップは、IOLアセンブリの任意の残りのハプティックに追加の薬物送達構成要素を固定するために必要に応じて繰り返すことができる。
【0040】
装置及び方法の好ましい実施形態を、それらが開発された環境を参照して説明してきたが、それらは本発明の原理の単なる例示である。様々な実施形態の要素は、他の種類のそれぞれに組み込まれて、そのような他の種類との組み合わせでそれらの要素の利益を得ることができ、様々な有益な特徴は、実施形態において単独で、又は互いとの組み合わせで使用することができる。本発明の趣旨及び添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、他の実施形態及び構成を考案することができる。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
【国際調査報告】