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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】靴
(51)【国際特許分類】
   A43B 13/16 20060101AFI20240719BHJP
   A43B 13/36 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
A43B13/16
A43B13/36
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506178
(86)(22)【出願日】2022-07-28
(85)【翻訳文提出日】2024-02-19
(86)【国際出願番号】 GB2022051998
(87)【国際公開番号】W WO2023007175
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】2111051.5
(32)【優先日】2021-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524040638
【氏名又は名称】アレクサンダー テイラー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ALEXANDER TAYLOR LTD
【住所又は居所原語表記】Unit 301, 99 Farringdon Road London EC1R 3BN United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】110002745
【氏名又は名称】弁理士法人河崎特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】テイラー, アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ルフェーブル, フィリップ・アルベール
(72)【発明者】
【氏名】マス, ジュールス
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050BA03
4F050HA01
4F050HA16
4F050HA53
4F050HA55
4F050HA56
4F050HA73
4F050NA51
(57)【要約】
靴は、雌要素を有するソールと、挿入方向への挿入時に雌要素に収容されるように構成された対応する雄要素を有するアッパー構造体と、を備える。雄および雌要素は、雄または雌要素の一方の周面に設けられた第1固定部と、雄または雌要素の他方の周面に設けられた第2固定部とを含む相補的な固定部を有する。第1固定部は、挿入方向と交差する方向に突出する凸部を有し、第2固定部は、固定凹部を有する。固定凸部は、雄要素が雌要素に挿入されたときに固定凹部に係合し、それによりソールをアッパー構造体に固定するように構成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
雌要素を有するソールと、
挿入方向における挿入時に前記雌要素に収容されるように構成された対応する雄要素を有するアッパー構造体と、
を備え、
前記雄および雌要素は、相補的な固定部を有し、
前記相補的な固定部は、
前記雄または雌要素の一方の周面に設けられ、前記挿入方向と交差する方向に突出する凸部を含む第1固定部と、
前記雄または雌要素の他方の周面に設けられ、固定凹部を含む第2固定部と、
を有し、
前記固定凸部は、前記雄要素が前記雌要素に挿入されるときに前記固定凹部に係合し、それにより前記ソールを前記アッパー構造体に固定するように構成される、靴。
【請求項2】
前記アッパー構造体は、要素支持面を有し、
前記雄要素は、前記挿入方向において前記要素支持面から遠ざかるように延びる本体部を有し、
前記本体部は、
前記要素支持面の反対側の自由端と、
前記要素支持面と前記自由端との間を延びる外周面と、
を有する、請求項1に記載の靴。
【請求項3】
前記雄要素の前記固定部は、前記外周面に設けられる、請求項2に記載の靴。
【請求項4】
前記雌要素は、前記雄要素を受けるための開口を前記ソール内に有し、
前記開口は、内周面を規定する、請求項1~3のいずれか1項に記載の靴。
【請求項5】
前記雌要素の前記固定部は、前記内周面に設けられる、請求項4に記載の靴。
【請求項6】
前記雌要素の前記固定部は、前記第1固定部であり、
前記雄要素の前記固定部は、前記第2固定部である、請求項1~5のいずれか1項に記載の靴。
【請求項7】
前記固定凹部は、前記外周面周りにおいて実質的に連続している、請求項2に従属する請求項6に記載の靴。
【請求項8】
前記固定凹部は、溝を有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の靴。
【請求項9】
前記固定凹部は、前記挿入方向と交差する係合方向において前記固定凸部を前記固定凹部に収容するための開口を規定する、請求項1~8のいずれか1項に記載の靴。
【請求項10】
前記固定凹部および前記固定凸部は、前記挿入方向と逆の方向において前記アッパー構造体が相対移動したときに当接し、前記雌要素から前記雄要素が外れるのを阻止するように構成された第1および第2の相補的な当接面をそれぞれ有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の靴。
【請求項11】
前記第1当接面は、前記固定凹部に設けられ、かつ前記アッパー支持面に対向し、
前記第2当接面は、前記固定凸部に設けられ、かつ前記靴の組立時に前記第1当接面に対向する、請求項6に従属する請求項10に記載の靴。
【請求項12】
前記固定凸部は、前記周面から離間した突端を規定するように前記周面から突出し、
前記固定凸部は、前記突端と前記周面との間を延びて前記周面に鋭角で交わるテーパ状の端領域を有する、請求項1~11のいずれか1項に記載の靴。
【請求項13】
前記固定凸部は、一組の固定凸部の第1固定凸部を規定し、
前記一組の固定凸部は、前記固定凹部に係合するように配置される、請求項1~12のいずれか1項に記載の靴。
【請求項14】
前記雄要素の前記本体部は、前記縦軸に垂直な断面を有し、前記断面は、第1幾何学形状を有し、
前記雌要素は、前記挿入方向に垂直な断面を有し、前記断面は、前記第1幾何学形状と同様の第2幾何学形状を有する、請求項2または請求項2に従属する任意の請求項に記載の靴。
【請求項15】
前記ソールは、前記靴の組立時に前記アッパー構造体の反対側を向くベース面を有し、
前記開口は、前記ソールを貫通して前記ベース面に開口する貫通孔である、請求項4または請求項4に従属する任意の請求項に記載の靴。
【請求項16】
前記雄および雌要素は、前記靴が使用のために組み立てられたとき、(前記雄要素の)前記自由端が、前記ベース面と実質的に面一になって接地面を構成するように構成される、請求項2に従属する請求項15に記載の靴。
【請求項17】
前記アッパー構造体は、
ベースを含む靴アッパーと、
前記要素支持面を含みかつ前記靴アッパーへの挿入に適した中敷きと、
を有し、
前記ベースは、前記雄要素の前記雌要素への挿入を許容するよう前記雄要素を受けるように構成され、前記靴アッパーの前記ベースは、前記靴の組立時に前記ソールと前記中敷きとの間に挟まれる、請求項2または請求項2に従属する任意の請求項に記載の靴。
【請求項18】
前記ベースは、前記中敷きが前記靴アッパーに挿入されるとき、前記雄要素が通って延びる開口を有する、請求項17に記載の靴。
【請求項19】
前記雌要素の前記内周面の少なくとも一部は、前記ソールの外縁に近接しており、前記靴の組立時には、前記外縁の領域において前記ソールが前記アッパー構造体に結合される、請求項4または請求項4に従属する任意の請求項に記載の靴。
【請求項20】
前記ソールは、複数の雌要素を有し、
前記アッパー構造体は、各前記雌要素に対応する雄要素を有する、請求項1~19のいずれか1項に記載の靴。
【請求項21】
前記ソールに着脱可能に接続可能で前記アッパー構造体を支持する支持要素をさらに備える、請求項1~20のいずれか1項に記載の靴。
【請求項22】
前記アッパー構造体は、側面領域、かかと領域、および爪先領域を有し、
前記支持要素は、前記側面領域、前記かかと領域、または前記爪先領域を支持するように配置可能である、請求項21に記載の靴。
【請求項23】
前記支持要素および前記ソールは、前記支持要素を前記ソールに着脱可能に接続するための相補接続部を有する、請求項21または22に記載の靴。
【請求項24】
前記ソールの前記相補接続部は、第1接続開口を有し、
前記支持要素の前記相補接続部は、第2接続開口と、前記第1および第2接続開口を接続する雄接続要素と、を有する、請求項23に記載の靴。
【請求項25】
前記雄要素は、前記ソールと実質的に同じ材料で構成される、請求項1~24のいずれか1項に記載の靴。
【請求項26】
前記雄要素および/または前記ソールは、弾性変形可能な材料で構成される、請求項1~25のいずれか1項に記載の靴。
【請求項27】
前記第1固定部の前記凸部は、前記雄または雌要素の前記周面に一体形成される、請求項1~26のいずれか1項に記載の靴。
【請求項28】
請求項1~27のいずれか1項に記載のモジュール方式の靴を組み立てる方法であって、
前記雄要素を、挿入方向において前記雌要素に挿入する工程と、
前記雄要素を前記雌要素に挿入するとき、前記第1固定部と前記第2固定部とを係合させ、それにより前記ソールを前記アッパー構造体に固定する工程と、
を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、履き物、具体的には靴、ならびにそのような靴を組み立てる方法に関する。靴は、より具体的には、分解および再組立が可能で、そのため部品交換ができたり、靴の構成要素を再利用のために分離できたりするモジュール方式の靴である。
【背景技術】
【0002】
従来の靴は、一般に、ソール構造と、ソール構造に固定されたアッパーとを備え、靴の内部で足を収容および支持できるように構成される。ソール構造は、靴の底部を構成すると共に地面に接触し、アッパーは、足に対して靴を保持する。したがって、ソール構造の材料は、通常、その摩擦品質や耐久性に応じて選択され、アッパーの材料は、快適性や審美性に応じて選択されることが多い。
【0003】
アッパーは、通常、2つの構成要素の分離を阻止するため、ソール構造に恒久的に縫い付けられるか、あるいは接合される。このため、ひとたび靴が完成されると、構成要素を取り外したり交換したりすることはできない。その結果、多くの靴は、その構成要素の全てが寿命を迎える前に処分される。また、従来の靴構造の恒久的な性質は、種々の構成要素材料が個別に再利用されるような、きちんとした処分を促進しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
いくつかの公知のアプローチが、ファスナやジッパによって、ソール構造にアッパーを取り外し可能に接続するための手段を提供している。しかしながら、これらのアプローチによって提供される接続は、典型的にはランニングなどの要求が厳しい活動のために靴が着用される場合に作用する力に耐えるには不十分である。モジュール方式の靴の提供における1つの特有の課題は、必要に応じて容易に分離できると共に使用時には安全である構成要素接続を実現することである。
【0005】
本発明は、このような背景に対してなされた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような背景に対し、本発明は、雌要素を有するソールと、挿入方向における挿入時に雌要素に収容されるように構成された対応する雄要素を有するアッパー構造体と、を備える靴に関する。雄および雌要素は、雄または雌要素の一方の周面に設けられ、挿入方向と交差する方向に突出する凸部を含む第1固定部と、雄または雌要素の他方の周面に設けられ、固定凹部を含む第2固定部と、を含む相補的な固定部を有する。固定凸部は、雄要素が雌要素に挿入されるときに固定凹部に係合し、それによりソールをアッパー構造体に固定するように構成される。
【0007】
雄および雌要素、ならびに相補的な固定部によって、ソールは、靴の使用に際してアッパー構造体に強固に固定され得る一方、十分な力を加えることで固定解除して取り外すことができる。したがって、本構成によると、モジュール靴構造において、ソールとアッパー構造体を、必要に応じて、組み立て、分離し、および似た構成要素に交換することが可能となる。これにより、靴の製造や摩耗した構成要素の修理、ならびに寿命を迎えた際の再利用のための分離が容易になる。
【0008】
アッパー構造体は、要素支持面を有してもよく、雄要素は、挿入方向において要素支持面から遠ざかるように延びる本体部を有してもよい。本体部は、要素支持面の反対側の自由端と、要素支持面と自由端との間を延びる外周面と、を有してもよい。
【0009】
雄要素の固定部は、外周面に設けられてもよい。
【0010】
雌要素は、雄要素を受けるための開口をソール内に有してもよく、開口は、内周面を規定してもよい。
【0011】
雌要素の固定部は、内周面に設けられてもよい。
【0012】
雌要素の固定部は、第1固定部であってもよく、雄要素の固定部は、第2固定部であってもよい。
【0013】
固定凹部は、外周面周りにおいて実質的に連続していてもよい。固定凹部は、溝を有してもよい。
【0014】
固定凹部は、係合方向において固定凸部を固定凹部に収容するための開口を規定してもよい。係合方向は、挿入方向と交差しても(すなわち、非平行であっても)よい。例えば、係合方向は、挿入方向と直交してもよい。
【0015】
固定凹部および固定凸部は、挿入方向と逆の方向においてアッパー構造体が相対移動したときに当接し、雌要素から雄要素が外れるのを阻止するように構成された第1および第2の相補的な当接面をそれぞれ有してもよい。
【0016】
第1当接面は、固定凹部に設けられ、かつアッパー支持面に対向してもよい。第2当接面は、固定凸部に設けられ、かつ靴の組立時に第1当接面に対向してもよい。
【0017】
固定凸部は、周面から離間した突端を規定するように周面から突出してもよい。固定凸部は、突端と周面との間を延びて周面に鋭角で交わるテーパ状の端領域を有してもよい。
【0018】
固定凸部は、一組の固定凸部の第1固定凸部を規定してもよく、一組の固定凸部は、固定凹部に係合するように配置されてもよい。
【0019】
雄要素の本体部は、縦軸に垂直な断面を有してもよく、この断面は、第1幾何学形状を有してもよい。雌要素は、挿入方向に垂直な断面を有してもよく、この断面は、第1幾何学形状と同様の第2幾何学形状を有してもよい。
【0020】
ソールは、靴の組立時にアッパー構造体の反対側を向くベース面を有してもよい。開口は、ソールを貫通してベース面に開口する貫通孔であってもよい。
【0021】
雄および雌要素は、靴が使用のために組み立てられたとき、雄要素の自由端が、ベース面と実質的に面一になって接地面を構成するように構成されてもよい。
【0022】
アッパー構造体は、ベースを含む靴アッパーと、要素支持面を含みかつ靴アッパーへの挿入に適した中敷きと、を有してもよい。ベースは、雄要素の雌要素への挿入を許容するよう雄要素を受けるように構成されてもよく、靴アッパーのベースは、靴の組立時にソールと中敷きとの間に挟まれてもよい。
【0023】
ベースは、中敷きが靴アッパーに挿入されるとき、雄要素が通って延びる開口を有してもよい。
【0024】
雌要素の内周面の少なくとも一部は、ソールの外縁に近接していてもよく、靴の組立時には、外縁の領域においてソールがアッパー構造体に結合されてもよい。
【0025】
ソールは、複数の雌要素を有してもよく、アッパー構造体は、各雌要素に対応する雄要素を有してもよい。
【0026】
靴は、ソールに着脱可能に接続可能でアッパー構造体を支持する支持要素をさらに備えてもよい。
【0027】
アッパー構造体は、側面領域、かかと領域、および爪先領域を有してもよく、支持要素は、側面領域、かかと領域、または爪先領域を支持するように配置可能であってもよい。
【0028】
支持要素およびソールは、支持要素をソールに着脱可能に接続するための相補接続部を有してもよい。
【0029】
ソールの相補接続部は、第1接続開口を有してもよい。支持要素の相補接続部は、第2接続開口と、第1および第2接続開口を接続する雄接続要素と、を有してもよい。
【0030】
雄要素は、ソールと実質的に同じ材料で構成されてもよい。
【0031】
雄要素および/またはソールは、弾性変形可能な材料で構成されてもよい。
【0032】
第1固定部の凸部は、雄または雌要素の周面に一体形成されてもよい。あるいは、第1固定部の凸部は、雄要素または雌要素の周面に取付可能な別部品で構成されてもよい。
【0033】
本発明は、また、上述のモジュール方式の靴を組み立てる方法に関する。この方法は、雄要素を、挿入方向において雌要素に挿入する工程と、雄要素を雌要素に挿入するとき、第1固定部と第2固定部とを係合させ、それによりソールをアッパー構造体に固定する工程と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る組み立てられた靴の斜視図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る靴の分解図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係る靴の雄要素の拡大図である。
図4a図4aは、本発明の一実施形態に係る靴の雌要素の拡大図である。
図4b図4bは、本発明の一実施形態に係る靴の雌要素の断面図である。
図5図5は、本発明の一実施形態に係る靴のアッパー構造体の分解図である。
図6a図6aは、本発明の一実施形態に係る靴の分解図である。
図6b図6bは、本発明の一実施形態に係る靴の部分分解図である。
図6c図6cは、本発明の一実施形態に係る靴の部分分解図である。
図6d図6dは、本発明の一実施形態に係る靴の背面断面図である。
図6e図6eは、本発明の一実施形態に係る靴の部分分解図である。
図6f図6fは、本発明の一実施形態に係る靴の部分分解図である。
図7図7は、本発明の一実施形態に係る靴の分解図である。
図8図8は、本発明の一実施形態に係る靴の分解図である。
図9図9は、本発明の一実施形態に係る靴の分解図である。
図10図10は、本発明の一実施形態に係る靴の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明についての理解を容易にするため、以下では、本発明の実施形態につき、非限定的な例を用いて、添付の図面を参照しながら説明する。
【0036】
図1は、靴10、具体的にはモジュール方式の靴であって、一体的に組み立てられて靴10を構成し得ると共に、必要に応じて、例えば寿命を迎えて一部を再利用するために分解可能な、あるいは1つ以上の部品の交換が可能な複数のモジュール部品を備える靴10を示す。
【0037】
靴10は、ソール12と、アッパー構造体14とを備える。図2からよくわかるように、ソール12は、複数の雌要素16を有し、アッパー構造体は、複数の対応する雄要素18を有する。雄要素18は、雌要素16と並ぶように配置されており、雌要素16は、挿入方向Dにおいて雌要素16に雄要素18が挿入され得るように開口している。靴10が使用する向きにある場合、挿入方向は鉛直下向きであるが、靴が異なる向きにある場合には挿入方向が変わることがわかるだろう。
【0038】
雄および雌要素18,16は、雄要素18が雌要素16に挿入されたときに係合するように構成された、相補固定部20,22を備える。この例では、雌要素16に一組の固定部20が設けられ、各固定部20は固定凸部24を有し、雄要素18の固定部22は固定凹部25を有する。各固定凸部24は、挿入方向Dと交差する(すなわち、非平行な)方向に突出していて、固定凹部25に収容される形状になっている。
【0039】
雄および雌要素18,16は、靴10の概ね周縁部に配置される。例えば、当該要素は、靴の外縁から約25mm以下、好ましくは約15mm以下だけ離間していてもよい。この場合、靴10の下面において、中央領域に雄および雌要素18,16が実質的に存在せず、中央要素なし領域17(図1)が形成されるが、これに限定されるものではない。
【0040】
ソール12は、靴の使用時に、アッパーと地面との間に位置する任意の構成要素であってもよい。典型的には、これは、中底、外底、または中底と外底の組合せである。図示の実施形態では、ソール12は、組み合わされた中底および外底である。
【0041】
図3は、雄要素18を単独で示す。雄要素18は、アッパー構造体14の一部を構成する要素支持面18に支持されかつ要素支持面18から遠ざかるように延びる本体部26を有する。ここで、本体部26は、挿入方向Dに平行な縦軸Lを規定する。雄要素は、雄要素の基端部を介して要素支持面28に結合している。基端部の反対側には自由端30が設けられており、外周面32が、基端部を自由端30に接続している。本実施形態では、本体部26は、実質的に円筒状であり、縦軸に垂直な円形断面を有するが、本体部26は、その他の適当な形状を有してもよく、例えば別の幾何学形状の断面を有してもよい。本体部は、ベースに対して垂直に延びている必要はなく、その代わりに非垂直な角度で延びていてもよい。
【0042】
自由端30において、雄要素12は、端面31を有する。端面31の外縁部では、端面31を外周面32に接続する縁部33が、必要に応じて丸み付けされており、鉛直外周面32から水平端面31に移行するテーパ部または傾斜部を構成している。別の実施形態では、縁部は、直線テーパ状に面取りされていてもよい。
【0043】
固定凹部25は、要素18の外周面32に形成されていて、本体部26の自由端30から、例えば約2mmから約10mm、好ましくは約5mmの短い距離だけ離間している。固定凹部25は、本体部26の外周にわたって連続的に延びる溝の形態を有する。当該溝は、挿入方向Dと交差する(すなわち、非平行な)、この例では挿入方向Dに対して垂直な径方向係合方向Eにおいて固定凸部24が溝に挿入されるのを許容する開口34を有する。
【0044】
開口34の反対側にはベース面36が設けられており、ベース面36と開口34との間を側面38が延びている。この例では、ベース面36と側面38は直交しており、溝は、概ね正方形状または長方形状の断面を有するが、その他の構成も考えられる。
【0045】
図2からよくわかるように、複数の雄要素18は、靴10の全体にわたって長さが異なる。雄要素18の長さは、各雌要素16の領域におけるソール12の対応する深さに一致する。このように、本実施形態では、各雄要素18は、靴が組み立てられた場合に、ソール12の深さ全体にわたって延びる。なお、別の実施形態では、雄要素は、ソールの深さ全体にわたって延びていなくてもよい。
【0046】
図4aおよび図4bは、雌要素16を単独で示す。雌要素16は、ソール12内の開口40を有し、それにより内周面42が規定される。この例では、開口40は貫通孔であり、ソール12のアッパー対向面44およびベース面46の両方に開口している。開口40は、雄要素18の本体部26の断面と実質的に同じ大きさおよび形状を有し、この例では、開口40は円形であり、内周面42は実質的に円筒面である。
【0047】
固定凸部24は、雌要素16の内周面42に設けられていて、ベース面46から、例えば約2mmから約10mm、好ましくは約5mmの短い鉛直距離だけ上方に離間している。この距離は、雄要素18における自由端30と固定凹部25との間の距離に対応する。
【0048】
固定凸部24は、内周面42から径方向内側に突出する一組の固定凸部を規定する。この例では、当該組は、3つの固定凸部24を含むが、任意の適当な数の固定凸部24を含んでもよく、例えば1つだけの固定凸部を含んでもよい。
【0049】
各固定凸部24は、当該固定凸部の基端部において内周面42に接続すると共に、突端48に向かって径方向内側に延びている。上面50および下面52は、挿入方向に対して実質的に垂直に延びていて、それぞれアッパー対向面44およびベース面46の方を向いている。各凸部24は、側端面56を含む側端領域54を有する。側端領域54は、テーパ状になっており、側端面56は、内周面42に対して鋭角に交わる。この例では、側端面56は、凹状に湾曲した面である。これらのテーパ状の側端領域54は、固定凸部24が内周面42と交わる箇所での応力集中を緩和し、それにより固定凸部の耐摩耗性が改善される。
【0050】
この例では、複数の固定凸部24は、内周面42から内側に突出する外周縁部を共に規定する。当該縁部は、組内の各固定凸部を規定するように途切れ途切れになっており、複数の固定凸部24は空間25によって離間しており、側端領域54は空間25に隣接している。
【0051】
図4bや図2からよくわかるように、固定凸部24は、組内で等間隔に配置されており、空間54は、各隣り合う一対の固定凸部24の間で同じである。この例では、内周面42の周囲を延びる各固定凸部24の長さは、側端領域54を含めて、隣り合う固定凸部24の間の間隔よりも大きい。
【0052】
なお、固定凸部は、任意の適当な数、形状、あるいは配置を有してもよい。
【0053】
図4bに戻ると、開口40は、固定凸部24の領域と、ソール12のベース面46に開口する拡大ベース領域41とを除き、その全長にわたって実質的に同じ幅を有する。ベース領域41において、開口40は、開口40の残部よりもやや大きな直径を有する。雄要素18が開口40内に配置される場合、拡大ベース領域41は、雄要素18の自由端30周りに小さな隙間を提供し、そのことは図6dに最もよく表れている。
【0054】
図5は、アッパー構造体14をより詳しく示し、アッパー構造体14が、アッパー60と、アッパー60に挿入可能な中敷き62とを有することが示されている。
【0055】
中敷き62は、足支持面64を規定する上面と、要素支持面28を規定する下面とを含む概ね平坦な基体63を有する。雄要素18は、要素支持面28から下方に延びている。この例では、基体63と雄要素18は、同じ物体から一体形成されていて、同じ材料で構成される。適当な材料は、例えば、適当な樹脂材料、ゴム材料、または発泡体であり、藻類発泡体や可撓性ポリウレタンが例示できる。好ましくは、材料は、弾性変形可能な材料である。
【0056】
この例では、アッパー60は、靴下のような構成を有し、ベース66およびシャフト68を有する。使用時、ベース66は、中敷き62の基体63とソール12との間に挟まれ、シャフト68は、着用者の足を覆う。アッパーは、編まれるか織られた材料、その他の繊維材料、ゴムもしくはその他のポリマー、革材料など、任意の適当な材料で構成されてもよい。ベース66およびシャフト68は、同じ材料で構成されてもよいし、異なる材料で構成されてもよい。
【0057】
ベース66は、使用時に中敷き62の下に配置されるベース面を規定する。ベース66は、中敷き62がアッパー60に挿入される場合、基体63がベース66の上面に載った状態で、雄要素18がベース面の下方に突出してソール12の雌要素16と係合するように構成される。
【0058】
この例では、ベース66は、雄要素18と並んで配置された開口70を有し、雄要素18は、中敷き62がアッパー60内に配置されるとき、開口70を通って突出する。別の例では、アッパー60は、可撓性材料で構成されてもよく、その場合、ベース面66が雄要素18の周囲で変形し得る。
【0059】
図6aは、上述のアッパー構造体14およびソール12を示し、左および右側面支持要素74a,74bならびに後かかと支持要素76の形態における追加の任意的な支持要素72が設けられる。側面支持要素74a,74bは、アッパー60の側面領域の輪郭に沿うように構成される。本実施形態では、側面支持要素は、概ね「U」状になっているが、側面支持要素は、任意の適当な形状になっていてもよい。側面支持要素74a,74bは、ひもを受けると共にアッパー60の対応するひも穴を補強するためのひも穴78を有してもよい。かかと支持要素76は、アッパー60のかかと領域に沿うように構成され、特に使用者のかかとの後部周辺を覆うように構成される。
【0060】
支持要素72は、使用者の足を追加的に支持するように構成され、好ましくは、アッパー60の材料よりも硬い材料で構成される。例えば樹脂材料などの任意の適当な材料が使用されてもよく、またモールド成形、3D印刷、または切り抜かれもしくは打ち抜かれたシート材料からの成形など、任意の適当な方法を形成に使用することができる。
【0061】
支持要素72は、ソール12に対して取り外し可能に接続されるように構成される。このために、支持要素72およびソール12は、相補接続部80,82を有する。この例では、ソール12の相補接続部80は雌接続部であり、支持要素72の相補接続部82は雄接続部である。
【0062】
ソール12は、ソール12の左および右側面の各々に前および後雌接続部80を有する。ソール12の各雌接続部80は、開口84と、開口84を取り囲む囲み部86とを有する。囲み部86は、靴10が使用する向きにある場合、ソール12の上面よりも上側で鉛直上向きに突出するように構成される。また、囲み部86は、ソール12の上面の外側寄りに配置される。これにより、図1に示すように、組み立てられた靴10において、囲み部86および開口84は、ソール12の上面よりも上側かつアッパー構造体14の外側寄りに位置し、支持要素72の接続のために容易にアクセス可能である。
【0063】
図示の実施形態では、各支持要素72の各雄接続部82は、支持要素72から取り外し可能に構成される。ここで、雄接続部82は、両頭スタッドの形態における取り外し可能な雄接続要素88と、接続部72に設けられた開口90とを有する。スタッド88の第1端88aは、支持要素82の雄接続部82が組み立てられるように、押込みばめによって開口90に挿入可能であり、スタッド88の第2端88bは、ソール12の雌接続部80の開口84に挿入可能であり、それにより支持要素82がソール12に接続される。
【0064】
各側面支持要素74a,74bは、各スタッド88を介して、前および後接続部80の各々に接続するように構成される。すなわち、左側面支持要素74aは、前左および後左接続部80に接続するように構成され、右側面支持要素74bは、前右および後右接続部80(図6aでは見えない。)に接続するように構成される。
【0065】
靴の後部において、かかと支持要素76は、ソール12の左および右後接続部80に接続するように構成される。ここで、靴の後部において、左側面支持要素74aは、かかと支持要素76の左側面と同じ雌接続部80に接続し、右側面支持要素74bは、かかと支持要素76の右側面と同じ雌接続部80に接続する。1つのスタッド88が、側面支持要素74の後雄接続部84およびかかと支持要素76の取り外し可能な雄接続要素として機能する。
【0066】
接続部80,82は、それにより、支持要素72をソールに強固に接続し、使用に際して、支持要素72は、アッパー構造体14の外側寄りに配置されて使用者の足を支持する。
【0067】
なお、別の実施形態では、スタッド88は、支持要素72と一体に形成されて雄接続部82を規定してもよい。この場合、スタッドは、片頭スタッドであってもよい。
【0068】
以下、靴の組立ての各段階について、図6a~図6fを参照して説明する。
【0069】
図6aに示すように、ソール12、アッパー60および中敷き62、ならびに支持要素72が提供される。
【0070】
まず、図6bに示す構成のように、中敷き62がアッパー60に挿入され、アッパー構造体14が形成される。雄要素18がアッパー60のベース66における開口70に位置合わせされ、中敷き62が所定位置に押し込まれ、中敷き62の基体63のベース面28がアッパー60のベース66に載り、雄要素18が開口70を通って突出する。
【0071】
そして、図6cおよび図6dに示すように、アッパー構造体14がソール12に嵌められる。アッパー構造体14の雄要素18が、ソール12の雌要素18に位置合わせされ、そして挿入方向Dに挿入される。挿入は、雄要素18の自由端30、特に丸み付けされた縁部33が、雌要素の固定凸部24に接触するまで、特に固定凸部24の上面50に接触するまで継続される。
【0072】
ここで、固定凹部25が固定凸部24と並ぶまで、雄要素18の領域では固定凸部24から丸み付き縁部を押す圧力が作用する。固定凹部25と固定凸部24が並ぶと、固定凸部24は、挿入方向Dと直交する係合方向において固定凹部25にスナップ嵌めされるように進入し、それにより雄要素18が雌要素16内で固定される。
【0073】
全ての固定部20,22がうまく係合すると、アッパー60のベース66は、ソール12のアッパー対向面44と中敷き62の下面28との間に挟まれる。挿入方向における各雄要素18の高さが各雌要素16の高さに一致するため、各雄要素18の端面31は、ソール12のベース面46と面一になる。ここで、本実施形態では、端面31とベース面46は、使用時に地面に接触する靴10の下側接地面を共に規定する。雄要素がソール12を完全に通って延びてはいない別の実施形態では、靴の下側接地面は、ソールのベース面のみによって規定されてもよい。
【0074】
最後に、図6eおよび図6fに示すように、支持要素72が、ソール12に接続される。支持要素72は、図6eに示すように、支持要素72の接続開口がソール12の接続開口の隣にくるように、アッパーの外側の所定位置に配置される。その後、スタッド88が、当該接続開口を接続するために押し入れられ、それにより支持要素72が所定位置に固定される。
【0075】
この状態で、靴10は、使用のための組立てが完了する。
【0076】
その組立状態において、固定部20,22は、ソール12およびアッパー構造体14を特に強固に一体保持するので、靴10が着用されるとき、当該構成要素は係合状態に維持され、分離の危険性がない。特に、靴10の使用時に、ソール12に対して上向きにアッパー構造体14を動かそうとする力が生じる場合、図6dを参照して、固定凸部24の下面52が固定凹部25の下側水平面38に当接して当該動きを阻止する。このように、固定凸部24の下面52と固定凹部25の下側水平面38とは、通常使用時に、挿入方向と反対向きに雄要素18が雌要素16から引き抜かれるのを阻止しようとする、対応する当接面を規定する。
【0077】
靴10の使用時、アッパー構造体14からソール12を分離させようとする力は、ソール12の縁部に作用する可能性が最も高い。雄および雌要素18,16が靴10の縁部近くに配置されていることで、最も必要とされるソールの縁部で特に良好な係合が実現される。これにより、特に強固な係合が実現され得る。
【0078】
例えば、構成要素を交換するべく、あるいは使用済みの靴10を再利用するべく、靴10を分解するために、アッパー構造体14は、適切な力を加えることでソール12から分離可能である。これは、人手によって、適当な道具によって、または機械によって行われてもよい。
【0079】
雄要素16の弾性変形可能な材料、ならびに雄要素18の端領域30の丸み付き縁部33の周囲の隙間領域によって、雄要素18は、雌要素16の開口40の片側に寄せられ得、それにより固定凸部24は、係合方向と反対の方向において雄および雌要素18,16の片側で固定凹部25から引き抜かれる。
【0080】
アッパーアセンブリの分解が必要な場合、中敷き62は、基体63を引き出すことで、よって雄要素18を開口70から引き抜くことで、アッパー60から簡単に取り外すことができる。
【0081】
構成要素が分離されたら、靴は必要に応じて再利用され得る。あるいは、1つ以上の構成要素を交換してもよく、靴を再使用のために再び組み立ててもよい。
【0082】
したがって、上記モジュール方式の靴構造体によると、特に雄および雌要素や相補固定部の組合せによって、必要に応じて容易に分解および再組立が可能である一方、使用時には安全である靴が提供される。
【0083】
図7は、代替的なモジュール方式の靴構造体を示す。ソール112は、図2のソールと実質的に同じである。しかしながら、アッパー構造体114は、雄要素118が靴アッパー160と一体の構成要素として設けられる点で異なる。ここで、要素支持面128は、アッパー160のベースによって規定され、雄要素118は当該ベースから突出する。本実施形態では、別個の中敷きは設けられなくてもよく、あるいは、中敷きは、アッパー160の内部に従来的な態様で配置可能な従来的な中敷き(図示せず)として設けられてもよい。
【0084】
図8は、靴の先芯領域を支持する爪先キャップ92の形態における支持要素72の別の実施形態を示す。それに応じて、爪先キャップ92は、アッパー構造体14の先芯領域の外側周りに沿うように構成されていて、アッパー構造体14の下を延びるベース94であって、使用時に、アッパー構造体14とソール12との間に挟まれるベース94を有する。
【0085】
ベース94は、アッパー構造体14に設けられた雄要素18と並んで配置された開口96を有し、雄要素18は、爪先キャップ92のベース94がアッパー構造体14とソール12との間に配置されたとき、ソール12の雌要素16と係合するように爪先キャップ92の開口96を通って突出する。
【0086】
なお、爪先キャップ92は、図5に示すアッパー構造体14の先芯領域の内側に収まるように構成されてもよい。そのような例では、爪先キャップ92は、中敷き62に設けられた雄要素18が、爪先キャップ92の開口96を通ってソール12に設けられた各雌要素16内へ突出するように、爪先キャップ92のベース94を中敷き62とアッパー60のベース66との間に挟むことで所定の位置に固定されてもよい。
【0087】
爪先キャップ92は、好ましくは、使用時に着用者の爪先を保護するのに適した材料で構成される。例えば、樹脂またはゴム材料などの任意の適当な材料が使用されてもよく、またモールド成形、3D印刷、または切り抜かれもしくは打ち抜かれたシート材料からの成形など、任意の適当な方法を形成に使用することができる。ベース94は、中底の柔軟かつ滑らかな特性を維持するために、爪先キャップ92の残部と異なる材料で構成されてもよい。
【0088】
図9は、図6a~図6fに示す上述の側面支持要素74a,74bの代替的な実施形態を示す。本実施形態では、左および右側面支持要素174a,174bは、上述の爪先キャップ92のベース94と概ね同様に機能するブリッジ領域98を介して連結される。すなわち、側面支持要素174a,174bは、ブリッジ領域98をアッパー構造体14とソール12との間に挟むことで所定の位置に固定される。それに応じて、ブリッジ領域98は、靴10の組立てにおいて、雄要素18がブリッジ領域98の開口96を通ってソール12の雌要素16と係合し得るように、雄要素18と並ぶように構成された開口96を有する。
【0089】
図10に示すように、支持要素72をアッパー構造体14とソール12との間に挟む同様の原理が、後かかと支持要素76、あるいは必要とされ得る任意の別の支持要素72に適用されてもよい。
【0090】
上述の実施形態では、固定凸部は、周面に一体形成されるように雌要素の一体部品であるが、これに限られるものではない。例えば、凸部は、別個の固定要素として形成されてもよい。この場合、雄または雌要素は、別個の固定要素の第1部分を収容するための凹部を有してもよい。そして、固定要素の第2部分は、雄または雌要素の他方に設けられた固定凹部に収容されてもよい。
【0091】
その他の実施形態や変形例が実現可能である。例えば、雄および雌要素は、任意の適当な大きさ、形状、または数で設けられてもよく、靴の任意の適当な部位に配置されてもよい。任意の適当な材料が、構成要素に対して使用されてもよい。
【0092】
アッパー構造体は、任意の適当な形態を有してもよい。特に、アッパーが足を完全には包まない実施形態が想定される。例えば、アッパーは、足の一部のみを包んでもよいし、アッパー構造体を足に固定するための、ひもまたはその他の構成のみを有してもよい。
【0093】
その他の変更が、当業者にとって、添付するクレームの範囲を逸脱することなく明らかであろう。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6a
図6b
図6c
図6d
図6e
図6f
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】