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特表2024-528151デクスメデトミジン経皮組成物、経皮貼付剤及びその調製方法、適用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】デクスメデトミジン経皮組成物、経皮貼付剤及びその調製方法、適用
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4174 20060101AFI20240719BHJP
   A61K 9/70 20060101ALI20240719BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20240719BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20240719BHJP
   A61K 47/08 20060101ALI20240719BHJP
   A61P 25/20 20060101ALI20240719BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20240719BHJP
【FI】
A61K31/4174
A61K9/70 401
A61K47/10
A61K47/32
A61K47/08
A61P25/20
A61K47/34
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506196
(86)(22)【出願日】2022-08-22
(85)【翻訳文提出日】2024-01-31
(86)【国際出願番号】 CN2022113953
(87)【国際公開番号】W WO2023025095
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】202110969146.7
(32)【優先日】2021-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521122212
【氏名又は名称】イーチャン・ヒューマンウェル・ファーマシューティカル・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】YICHANG HUMANWELL PHARMACEUTICAL CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ペン
(72)【発明者】
【氏名】リ,ケー
(72)【発明者】
【氏名】ウー,ヨウビン
(72)【発明者】
【氏名】リン,ザイヤ
(72)【発明者】
【氏名】ユアン,ジン
(72)【発明者】
【氏名】ルブ,ジンリアン
(72)【発明者】
【氏名】ティアン,ルアンユアン
(72)【発明者】
【氏名】リ,リー
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA72
4C076BB31
4C076CC01
4C076DD38
4C076DD40
4C076EE04
4C076EE07
4C076EE10
4C076EE27
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC38
4C086GA16
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA32
4C086MA63
4C086NA10
4C086NA12
4C086ZA05
(57)【要約】
【課題】本発明は、安定性が優れ、皮膚刺激性がなく、人体への付着の安全性が有意に高く、2~5日の徐放効果を達成できるデクスメデトミジン経皮組成物、経皮貼付剤及びその調製方法、適用を課題とする。
【解決手段】本願はデクスメデトミジン経皮組成物、経皮貼付剤及びその調製方法、適用を開示する。該組成物はデクスメデトミジン、プロピレングリコール、金属キレート系架橋剤を含み、又は、デクスメデトミジン、プロピレングリコール、金属キレート系架橋剤及び感圧接着剤を含む。また、本願はデクスメデトミジン経皮組成物にプロピレングリコールを溶解補助剤として添加することにより、不純物の生成を減少し、原材料・補助材料の適合性を高めることができ、金属キレート系架橋剤と感圧接着剤を同時に採用して本製品の骨格構造を共同に構成することにより、接着性能を有意に向上させ、患者への付着感がより優れている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デクスメデトミジン、プロピレングリコール、金属キレート系架橋剤及び感圧接着剤を含む、デクスメデトミジン経皮組成物。
【請求項2】
重量部で、前記組成物において、デクスメデトミジンが0.30~3.00部であり、プロピレングリコールが0.40~8.00部であり、金属キレート系架橋剤が0.30~1.25部であり、感圧接着剤が50.00~99.00部であり、前記プロピレングリコールと前記デクスメデトミジンとの質量比は(4:3)~(8:3)である、請求項1に記載のデクスメデトミジン経皮組成物。
【請求項3】
前記組成物においてプロピレングリコールとデクスメデトミジンとの質量比は(5:3)~(7:3)であり、又は、前記組成物においてプロピレングリコールとデクスメデトミジンとの質量比は5:3である、請求項2に記載のデクスメデトミジン経皮組成物。
【請求項4】
前記感圧接着剤と前記金属キレート系架橋剤との質量比は(70:1)~(310:1)である、請求項2又は3に記載のデクスメデトミジン経皮組成物。
【請求項5】
前記感圧接着剤と前記金属キレート系架橋剤との質量比は(70:1)~(160:1)、(160:1)~(220:1)又は(220:1)~(310:1)であり、或いは、(160:1)~(220:1)、(160:1)~(210:1)、(160:1)~(200:1)又は(190:1)~(220:1)であり、或いは、160:1、170:1、180:1、190:1、200:1、210:1又は220:1である、請求項4に記載のデクスメデトミジン経皮組成物。
【請求項6】
前記金属キレート系架橋剤はアルミニウムアセチルアセトナート、ジルコニウムアセチルアセトナート、チタンアセチルアセトナート及びポリチタン酸ブチルのうちの1種又は複数種から選ばれる、請求項1~5のいずれか1項に記載のデクスメデトミジン経皮組成物。
【請求項7】
前記感圧接着剤はアクリル酸エステル感圧接着剤、ポリイソブチレン感圧接着剤、シリコーン感圧接着剤、スチレン-イソプレン-スチレンホットメルト感圧接着剤、ビニルアセテート共重合体のうちの1種又は複数種から選ばれる、請求項1~6のいずれか1項に記載のデクスメデトミジン経皮組成物。
【請求項8】
バッキング層、接着層及び付着防止離型膜層を順次に含み、前記接着層は請求項1~7のいずれか1項に記載のデクスメデトミジン経皮組成物から形成される、デクスメデトミジン経皮貼付剤。
【請求項9】
前記接着層の厚さは25μm~100μmである、請求項8に記載のデクスメデトミジン経皮貼付剤。
【請求項10】
請求項8又は9に記載のデクスメデトミジン経皮貼付剤の調製方法であって、
金属キレート系架橋剤を溶媒に溶解し、金属キレート系架橋剤溶液を得ることと、
感圧接着剤と前記金属キレート系架橋剤溶液を混合し、ブランクマトリックス溶液を得ることと、
デクスメデトミジン、プロピレングリコール及び溶媒を混合し、デクスメデトミジン溶液を得ることと、
前記デクスメデトミジン溶液と前記ブランクマトリックス溶液を混合し、攪拌し、静置し、薬物含有マトリックス溶液を得ることと、
薬物含有マトリックス溶液を付着防止離型膜層に塗布し、乾燥させ、接着層と付着防止離型膜層との複合層を得ることと、
バッキング層を接着層に積層することと、を含む、デクスメデトミジン経皮貼付剤の調製方法。
【請求項11】
前記溶媒は無水エタノール及びn-ヘプタンのうちの1種又は両方の混合物から選ばれる、請求項10に記載の調製方法。
【請求項12】
請求項1~7のいずれか1項に記載のデクスメデトミジン経皮組成物、又は請求項8又は9に記載のデクスメデトミジン経皮貼付剤の、睡眠障害を改善する薬物製剤の調製における適用。
【請求項13】
前記睡眠障害は周術期睡眠障害、高齢者睡眠障害、トラウマ性睡眠障害のうちの1種又は複数種である、請求項12に記載の適用。
【請求項14】
対応の需要を有する個体に請求項1~7のいずれか1項に記載のデクスメデトミジン経皮組成物、又は請求項8又は9に記載のデクスメデトミジン経皮貼付剤を投与することを含む、個体の睡眠障害を改善する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2021年8月23日に提出した、発明名称が「デクスメデトミジン経皮組成物、経皮貼付剤及びその調製方法、適用」であり、出願番号が202110969146.7である中国発明特許出願の優先権をクレームし、該中国特許出願の全部の内容は参照により本文に取り込まれる。
【0002】
本願は薬物製剤分野に関するがそれに限らず、特にデクスメデトミジン経皮組成物、経皮貼付剤及びその調製方法、適用に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、中国と海外に発売されているデクスメデトミジンはデクスメデトミジン塩酸塩注射液のみであり、且つ専門的な医療人員の監督がなければ使用できず、臨床上に全身麻酔の手術患者の気管内挿管及び通気時の鎮静に用いられるが、デクスメデトミジンの注射後半減期は2hに過ぎず、薬効継続時間が短い。
【0004】
従来技術の中国特許出願番号CN201480059798.5の文献にはデクスメデトミジン経皮組成物が開示され、異なるデクスメデトミジン経皮組成物の投与時間に伴って変化する平均デクスメデトミジン流量を測定したが、本発明者は該出願によるデクスメデトミジン経皮組成物の流量が劣れ、ある実施形態において経皮組成物が0.5ug/cm*hに達しない流量しか提供せず、且つ経皮拡散速度が24h目に最大に達することを発見した。
【0005】
従って、優れた経皮拡散速度を提供でき、安定に保存できるとともに、患者の自主投与に便利であり、投与回数が有意に減少し、薬物の体内での作用時間が有意に延長するデクスメデトミジン経皮組成物の研究開発は必要な課題となる。
【発明の概要】
【0006】
これに鑑みて、本願はデクスメデトミジン経皮組成物、経皮貼付剤及びその調製方法、適用を提供する。該製品は優れた経皮拡散速度を有し、安定性がよく、2~5日の徐放効果を達成できる。
【0007】
以下は、本明細書に記載されるテーマに対する概要である。本概要は本願の保護範囲を限定するためのものではない。
【0008】
第1態様では、本願はデクスメデトミジン、プロピレングリコール及び金属キレート系架橋剤を含むデクスメデトミジン経皮組成物を提供し、
選択肢として、重量部で、前記組成物において、デクスメデトミジンが0.30~3.00部であり、プロピレングリコールが0.40~8.00部であり、金属キレート系架橋剤が0.30~1.25部であり、又は、前記プロピレングリコールと前記デクスメデトミジンとの質量比は(4:3)~(8:3)である。
【0009】
第2態様では、本願はデクスメデトミジン、プロピレングリコール、金属キレート系架橋剤及び感圧接着剤を含むデクスメデトミジン経皮組成物を提供し、
選択肢として、重量部で、前記組成物において、デクスメデトミジンが0.30~3.00部であり、プロピレングリコールが0.40~8.00部であり、金属キレート系架橋剤が0.30~1.25部であり、感圧接着剤が50.00~99.00部であり、
及び/又は、前記プロピレングリコールと前記デクスメデトミジンとの質量比は(4:3)~(8:3)である。
【0010】
第3態様では、本願はデクスメデトミジン経皮貼付剤を提供し、前記経皮貼付剤はバッキング層、接着層及び付着防止離型膜層を順次に含み、前記接着層は第1態様又は第2態様に記載のデクスメデトミジン経皮組成物から形成される。
【0011】
第4態様では、本願は第2態様に記載のデクスメデトミジン経皮組成物の調製方法を提供し、前記調製方法は、
金属キレート系架橋剤を溶媒に溶解し、金属キレート系架橋剤溶液を得ることと、
感圧接着剤と金属キレート系架橋剤溶液を混合し、ブランクマトリックス溶液を得ることと、
デクスメデトミジン、プロピレングリコール及び溶媒を混合し、デクスメデトミジン溶液を得ることと、
デクスメデトミジン溶液とブランクマトリックス溶液を混合し、攪拌し、静置し、乾燥させることと、を含む。
【0012】
第5態様では、本願は第3態様に記載のデクスメデトミジン経皮貼付剤の調製方法を提供し、
金属キレート系架橋剤を溶媒に溶解し、金属キレート系架橋剤溶液を得ることと、
感圧接着剤と金属キレート系架橋剤溶液を混合し、ブランクマトリックス溶液を得ることと、
デクスメデトミジン、プロピレングリコール及び溶媒を混合し、デクスメデトミジン溶液を得ることと、
デクスメデトミジン溶液とブランクマトリックス溶液を混合し、攪拌し、静置し、薬物含有マトリックス溶液を得ることと、
薬物含有マトリックス溶液を付着防止離型膜層に塗布し、乾燥させ、接着層と付着防止離型膜層との複合層を得ることと、
バッキング層を接着層に積層することと、を含む。
【0013】
第6態様では、本願は上記デクスメデトミジン経皮組成物又はデクスメデトミジン経皮貼付剤の、睡眠障害を改善する薬物製剤の調製における適用を提供する。
【0014】
第7態様では、本願は対応の需要を有する個体に上記デクスメデトミジン経皮組成物又はデクスメデトミジン経皮貼付剤を投与することを含む個体の睡眠障害を改善する方法を提供する。
【0015】
第1態様では、本願はデクスメデトミジン、プロピレングリコール及び金属キレート系架橋剤を含むデクスメデトミジン経皮組成物を提供する。
【0016】
第1態様の幾つかの実施形態では、重量部で、前記組成物において、デクスメデトミジンが0.30~3.00部であり、プロピレングリコールが0.40~8.00部であり、金属キレート系架橋剤が0.30~1.25部である。
第1態様の幾つかの実施形態では、前記組成物において、デクスメデトミジンが0.72~3.00部であり、プロピレングリコールが1.20~8.00部であり、金属キレート系架橋剤が0.30~1.25部である。
第1態様の幾つかの実施形態では、前記組成物において、デクスメデトミジンが0.72~1.80部であり、プロピレングリコールが1.20~4.20部であり、金属キレート系架橋剤が0.30~0.80部である。
第1態様の幾つかの実施形態では、前記組成物において、デクスメデトミジンが0.72~1.45部であり、プロピレングリコールが1.20~4.20部であり、金属キレート系架橋剤が0.30~0.80部である。
【0017】
第1態様の幾つかの実施形態では、前記組成物において、プロピレングリコールとデクスメデトミジンとの質量比は(4:3)~(8:3)である。
第1態様の幾つかの実施形態では、前記組成物において、プロピレングリコールとデクスメデトミジンとの質量比は(5:3)~(7:3)である。
第1態様の幾つかの実施形態では、前記組成物において、プロピレングリコールとデクスメデトミジンとの質量比は5:3である。
【0018】
第1態様の幾つかの実施形態では、前記金属キレート系架橋剤はアルミニウムアセチルアセトナート、ジルコニウムアセチルアセトナート、チタンアセチルアセトナート及びポリチタン酸ブチルのうちの1種又は複数種から選ばれる。
第1態様の幾つかの実施形態では、前記金属キレート系架橋剤はアルミニウムアセチルアセトナート又はポリチタン酸ブチルである。
第1態様の幾つかの実施形態では、前記金属キレート系架橋剤のチタンアセチルアセトナートはチタン(オキシ)アセチルアセトナート又はチタンテトラアセチルアセトナート、或いはそれらの混合物である。
【0019】
第2態様では、本願はデクスメデトミジン、プロピレングリコール、金属キレート系架橋剤及び感圧接着剤を含むデクスメデトミジン経皮組成物を提供する。
【0020】
第2態様の幾つかの実施形態では、重量部で、前記組成物において、デクスメデトミジンが0.30~3.00部であり、プロピレングリコールが0.40~8.00部であり、金属キレート系架橋剤が0.30~1.25部であり、感圧接着剤が50.00~99.00部である。
第2態様の幾つかの実施形態では、前記組成物において、デクスメデトミジンが0.30~3.00部であり、プロピレングリコールが0.40~8.00部であり、金属キレート系架橋剤が0.30~1.25部であり、感圧接着剤が50.00~99.00部であり、前記プロピレングリコールと前記デクスメデトミジンとの質量比は(4:3)~(8:3)である。
第2態様の幾つかの実施形態では、前記組成物において、前記組成物はデクスメデトミジンを0.72~3.00部、0.72~1.80部、0.72~1.45部又は1.00~1.80部含む。
【0021】
第2態様の幾つかの実施形態では、前記組成物において、感圧接着剤と金属キレート系架橋剤との質量比は(70:1)~(310:1)である。
第2態様の幾つかの実施形態では、前記組成物において、デクスメデトミジンが0.72~3.00部であり、プロピレングリコールが1.20~8.00部であり、金属キレート系架橋剤が0.30~1.25部であり、感圧接着剤が87.00~99.00部である。
第2態様の幾つかの実施形態では、前記組成物において、デクスメデトミジンが0.72~1.80部であり、プロピレングリコールが1.20~4.20部であり、金属キレート系架橋剤が0.30~0.80部であり、感圧接着剤が93.00~99.00部である。
第2態様の幾つかの実施形態では、前記組成物において、デクスメデトミジンが0.72~1.45部であり、プロピレングリコールが1.20~4.20部であり、金属キレート系架橋剤が0.30~0.80部であり、感圧接着剤が95.00~99.00部である。
【0022】
第2態様の幾つかの実施形態では、前記組成物において、プロピレングリコールとデクスメデトミジンとの質量比は(4:3)~(8:3)である。
第2態様の幾つかの実施形態では、前記組成物において、プロピレングリコールとデクスメデトミジンとの質量比は(5:3)~(7:3)である。
第2態様の幾つかの実施形態では、前記組成物において、プロピレングリコールとデクスメデトミジンとの質量比は5:3である。
【0023】
第2態様の幾つかの実施形態では、前記組成物において、感圧接着剤と金属キレート系架橋剤との質量比は(70:1)~(160:1)、(160:1)~(220:1)又は(220:1)~(310:1)である。
第2態様の幾つかの実施形態では、前記組成物において、感圧接着剤と金属キレート系架橋剤との質量比は(160:1)~(220:1)、(160:1)~(210:1)、(160:1)~(200:1)又は(190:1)~(220:1)である。
第2態様の幾つかの実施形態では、前記組成物において、感圧接着剤と金属キレート系架橋剤との質量比は160:1、170:1、180:1、190:1、200:1、210:1又は220:1である。
第2態様の幾つかの実施形態では、前記組成物において、感圧接着剤と金属キレート系架橋剤との質量比は190:1である。
【0024】
第2態様の幾つかの実施形態では、前記組成物は金属キレート系架橋剤を0.30~0.70部含む。
第2態様の幾つかの実施形態では、前記組成物は金属キレート系架橋剤を0.40~0.60部含む。
第2態様の幾つかの実施形態では、前記組成物は金属キレート系架橋剤を0.50部含む。
【0025】
第2態様の幾つかの実施形態では、前記金属キレート系架橋剤はアルミニウムアセチルアセトナート、ジルコニウムアセチルアセトナート、チタンアセチルアセトナート及びポリチタン酸ブチルのうちの1種又は複数種から選ばれる。
第2態様の幾つかの実施形態では、前記金属キレート系架橋剤はアルミニウムアセチルアセトナート又はポリチタン酸ブチルである。
第2態様の幾つかの実施形態では、前記金属キレート系架橋剤のチタンアセチルアセトナートはチタン(オキシ)アセチルアセトナート又はチタンテトラアセチルアセトナート、或いはそれらの混合物である。
第2態様の幾つかの実施形態では、前記感圧接着剤はアクリル酸エステル感圧接着剤、ポリイソブチレン感圧接着剤、シリコーン感圧接着剤、スチレン-イソプレン-スチレンホットメルト感圧接着剤(SIS型)、及びビニルアセテート共重合体のうちの1種又は複数種から選ばれる。
第2態様の幾つかの実施形態では、前記アクリル酸エステル感圧接着剤はDuro-Tak 387-2510又はDURO-TAK 387-2287である。
【0026】
第3態様では、本願はデクスメデトミジン経皮貼付剤を提供し、前記経皮貼付剤はバッキング層、接着層及び付着防止離型膜層を順次に含み、接着層は上記デクスメデトミジン経皮組成物から形成される。
第3態様の幾つかの実施形態では、前記接着層の厚さは25μm~100μmである。
【0027】
第4態様では、本願は上記デクスメデトミジン経皮組成物の調製方法を提供し、前記調製方法は、
金属キレート系架橋剤を溶媒に溶解し、金属キレート系架橋剤溶液を得ることと、
感圧接着剤と金属キレート系架橋剤溶液を混合し、ブランクマトリックス溶液を得ることと、
デクスメデトミジン、プロピレングリコール及び溶媒を混合し、デクスメデトミジン溶液を得ることと、
デクスメデトミジン溶液とブランクマトリックス溶液を混合し、攪拌し、静置し、乾燥させることと、を含む。
第4態様の幾つかの実施形態では、前記溶媒は無水エタノール及びn-ヘプタンのうちの1種又は両方の混合物から選ばれる。
【0028】
第5態様では、本願は上記デクスメデトミジン経皮貼付剤の調製方法を提供し、前記調製方法は、
金属キレート系架橋剤を溶媒に溶解し、金属キレート系架橋剤溶液を得ることと、
感圧接着剤と金属キレート系架橋剤溶液を混合し、ブランクマトリックス溶液を得ることと、
デクスメデトミジン、プロピレングリコール及び溶媒を混合し、デクスメデトミジン溶液を得ることと、
デクスメデトミジン溶液とブランクマトリックス溶液を混合し、攪拌し、静置し、薬物含有マトリックス溶液を得ることと、
薬物含有マトリックス溶液を付着防止離型膜層に塗布し、乾燥させ、接着層と付着防止離型膜層との複合層を得ることと、
バッキング層を接着層に積層することと、を含む。
第5態様の幾つかの実施形態では、前記溶媒は無水エタノール及びn-ヘプタンのうちの1種又は両方の混合物から選ばれる。
【0029】
第6態様では、本願は上記デクスメデトミジン経皮組成物又はデクスメデトミジン経皮貼付剤の、睡眠障害を改善する薬物製剤の調製における適用を提供する。
第6態様の幾つかの実施形態では、前記睡眠障害は周術期睡眠障害、高齢者睡眠障害及びトラウマ性睡眠障害のうちの1種又は複数種である。
【0030】
第7態様では、本願は対応の需要を有する個体に上記デクスメデトミジン経皮組成物又はデクスメデトミジン経皮貼付剤を投与することを含む個体の睡眠障害を改善する方法を提供する。
第7態様の幾つかの実施形態では、前記睡眠障害は周術期睡眠障害、高齢者睡眠障害及びトラウマ性睡眠障害のうちの1種又は複数種である。
【0031】
本願は創造的にデクスメデトミジン組成物に特定含有量のプロピレングリコールを添加して、プロピレングリコールと主薬剤のデクスメデトミジンとの質量比を(4:3)~(8:3)にするとともに、金属キレート系架橋剤と感圧接着剤を共同にデクスメデトミジンの骨格構造として採用することにより、本願に記載のデクスメデトミジン経皮組成物は体外拡散率が大きく、製品品質が安定であるとともに、市販されるデクスメデトミジン塩酸塩注射液に対して、投与が便利であり、2~5日の継続放出を実現し、患者の使用後の睡眠品質を確保する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図面は本願の実施例の更なる理解を提供するためのものであり、明細書の一部となり、下記の具体的な実施形態とともに本願の実施例を解釈することに用いられるが、本願の実施例を制限するためのものではない。
図1】本願によるデクスメデトミジン経皮貼付剤の調製の模式図である。
図2】本願によるデクスメデトミジン経皮貼付剤の構造模式図であり、Aはデクスメデトミジン経皮貼付剤の側面視であり、Bはデクスメデトミジン経皮貼付剤の上面図である。
図3】本願によるデクスメデトミジン経皮貼付剤の異なる厚さの体外経皮拡散曲線図である。
図4】本願によるデクスメデトミジン組成物が6ヶ月保存された後の結晶図であり、Aは10倍イメージであり、Bは40倍イメージである。
図5】本願によるデクスメデトミジン経皮組成物の睡眠改善適用のマウス自発的活動量データの折れ線グラフである。
図6】本願によるデクスメデトミジン経皮組成物の睡眠改善適用の72hラット睡眠-覚醒構造累計時間トレンドチャートであり、Aは貼付剤投与後72h内での、ラット睡眠構造における各時間点内の各群のWake時間累計トレンドチャートであり、Bは貼付剤投与後72h内での、各時間点内の各群のNREM時間累計トレンドチャートであり、Cは貼付剤投与後72h内での、各時間点内の各群のREM時間累計トレンドチャートであり、N=8である。
図7】本願の実施例4、実施例7と比較例1との単位面積経皮拡散速度比較曲線である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本願において、一部の用語の定義は下記の通りである。
NREM sleep:non-rapid eye movement sleep、非急速眼球運動睡眠、その特徴は大脳と眼球の活動が遅くなることであり、深い睡眠とメタボリズムの主な段階に属する。
REM sleep:rapid eye movement sleep、急速眼球運動睡眠、その特徴は大脳の活動が完全に停止していないことであり、浅い睡眠と夢を見る段階に属する。
【0034】
本願の実施形態では、本願によるデクスメデトミジン組成物は、その各成分の計算方法が下記の通りである。
【0035】
重量百分率X(%)=X/(A+B+C+D*d)*100%
【0036】
式中、Aはデクスメデトミジンの重量であり、Bはプロピレングリコールの重量であり、Cは金属キレート系架橋剤の重量であり、Dは感圧接着剤の重量であり、dは組成物に使用される感圧接着剤の型番に対応する固形物含有量であり、Xは任意にA、B、C又はD*dであってもよい。
【0037】
本願の実施形態では、本願はデクスメデトミジン、プロピレングリコール、金属キレート系架橋剤及び感圧接着剤を含むデクスメデトミジン経皮組成物を提供し、前記デクスメデトミジンの含有量は0.30~3.00部であり、前記プロピレングリコールと前記デクスメデトミジンとの含有量比率は(4:3)~(8:3)である。
【0038】
本願の1つの実施形態では、本願によるデクスメデトミジン経皮組成物はデクスメデトミジンを0.72~1.45部又は1.00~1.80部含み、好ましくは、デクスメデトミジンを0.72~1.00部、1.00~1.45部又は1.45~1.80部含む。
【0039】
本願の1つの実施形態では、本願によるデクスメデトミジン経皮組成物はデクスメデトミジンを0.72部、1.00部、1.45部又は1.80部含み、より好ましくは、デクスメデトミジンを1.00部含む。
【0040】
本願の1つの実施形態では、本願によるデクスメデトミジン経皮組成物は、前記プロピレングリコールと前記デクスメデトミジンとの含有量比率は4:3、5:3、6:3、7:3又は8:3であり、好ましくは、プロピレングリコールとデクスメデトミジンとの含有量比率は(5:3)~(7:3)であり、より好ましくは、プロピレングリコールとデクスメデトミジンとの含有量比率は5:3である。
【0041】
本願の1つの実施形態では、本願によるデクスメデトミジン経皮組成物はプロピレングリコールを0.40~8.00部、1.20~4.20部、1.31~2.42部、1.44~2.42部、1.44~1.67部、1.44~4.20部、1.44~8.00部、1.31~1.67部又は1.67~2.42部含み、好ましくは、プロピレングリコールを1.20~4.20部含む。
【0042】
本願の1つの実施形態では、本願によるデクスメデトミジン経皮組成物はプロピレングリコールを0.4部、1.2部、1.31部、1.44部、1.67部、2.42部、4.20部又は8.00部含み、好ましくは、プロピレングリコールを1.67部含む。
【0043】
本願の1つの実施形態では、本願によるデクスメデトミジン経皮組成物は、前記感圧接着剤と前記金属キレート系架橋剤との質量比は(70:1)~(160:1)、(160:1)~(220:1)又は(220:1)~(310:1)であり、好ましくは、前記感圧接着剤と前記金属キレート系架橋剤との質量比は(160:1)~(190:1)又は(190:1)~(220:1)であり、より好ましくは、前記感圧接着剤と前記金属キレート系架橋剤との質量比は190:1である。
【0044】
本願の1つの実施形態では、本願によるデクスメデトミジン経皮組成物は、前記金属キレート系架橋剤がアルミニウムアセチルアセトナート、ジルコニウムアセチルアセトナート、チタンアセチルアセトナート及びポリチタン酸ブチルのうちの1種又は複数種から選ばれる。
【0045】
本願の1つの実施形態では、本願によるデクスメデトミジン経皮組成物は、前記金属キレート系架橋剤のチタンアセチルアセトナートがチタン(オキシ)アセチルアセトナート及びチタンテトラアセチルアセトナートのうちの1種又は2種から選ばれる。
【0046】
本願の1つの実施形態では、本願によるデクスメデトミジン経皮組成物は、前記金属キレート系架橋剤の含有量範囲が0.30~1.25部、0.30~0.80部、0.30~0.60部、0.45~0.60部、0.45~0.80部、0.45~1.25部又は0.30~0.50部であり、好ましくは、金属キレート系架橋剤の含有量範囲が0.30~0.80部である。
【0047】
本願の1つの実施形態では、本願によるデクスメデトミジン経皮組成物は、前記金属キレート系架橋剤の含有量が0.30部、0.45部、0.50部、0.60部、0.80部又は1.25部であり、好ましくは、金属キレート系架橋剤の含有量が0.5部である。
【0048】
本願の実施形態では、本願によるデクスメデトミジン経皮組成物は、前記感圧接着剤がアクリル酸エステル感圧接着剤、ポリイソブチレン感圧接着剤、シリコーン感圧接着剤、スチレン-イソプレン-スチレンホットメルト感圧接着剤(SIS型)、ビニルアセテート共重合体のうちの1種又は複数種から選ばれる。
【0049】
前記アクリル酸エステル感圧接着剤は、DURO-TAK 387-2287、DURO-TAK 387-2510、DURO-TAK 387-2516、DURO-TAK 87-235A、DURO-TAK 387-2353、DURO-TAK 387-2852、DURO-TAK 387-2051、DURO-TAK 387-2052、DURO-TAK 387-2054、DURO-TAK 87-4287、DURO-TAK 87-6908及びDURO-TAK 87-267の型番の感圧接着剤のうちの1種である。
【0050】
本願の1つの実施形態では、本願によるデクスメデトミジン経皮組成物は、前記感圧接着剤と前記金属キレート系架橋剤との含有量比率が(70:1)~(310:1)、(70:1)~(220:1)、(70:1)~(200:1)、(110:1)~(310:1)、(110:1)~(220:1)、(110:1)~(200:1)、(150:1)~(310:1)、(150:1)~(220:1)、(150:1)~(200:1)、(180:1)~(310:1)、(180:1)~(220:1)又は(180:1)~(200:1)である。
【0051】
本願の実施形態では、本願によるデクスメデトミジン経皮組成物は、デクスメデトミジン0.72~1.80部、金属キレート系架橋剤0.30~0.80部、アクリル酸エステル感圧接着剤93.00~99.00部及びプロピレングリコールを含み、前記プロピレングリコールと前記デクスメデトミジンとの含有量比率は(4:3)~(8:3)である。
【0052】
本願の実施形態では、本願によるデクスメデトミジン経皮組成物は、前記金属キレート系架橋剤がポリチタン酸ブチル又はアルミニウムアセチルアセトナートである。
【0053】
本願の実施形態では、本願によるデクスメデトミジン経皮組成物は、前記アクリル酸エステル感圧接着剤はDuro-Tak 387-2510又はDURO-TAK 387-2287である。
【0054】
本願の1つの実施形態では、本願はデクスメデトミジン経皮組成物の、経皮貼付剤の調製における適用を提供する。
【0055】
本願の1つの実施形態では、本願はデクスメデトミジン経皮組成物を含むデクスメデトミジン経皮貼付剤を提供する。
【0056】
本願の1つの実施形態では、本願によるデクスメデトミジン経皮貼付剤は、前記デクスメデトミジン経皮組成物が該経皮貼付剤の接着層を形成する。
【0057】
本願の実施形態では、本願によるデクスメデトミジン経皮貼付剤は、前記接着層の厚さが25μm~100μmである。
【0058】
本願の1つの実施形態では、本願によるデクスメデトミジン経皮貼付剤は、バッキング層、付着防止離型膜層、及びバッキング層と付着防止離型膜層との間に設置される接着層を含み、前記接着層はデクスメデトミジン0.72~1.80部、ポリチタン酸ブチル0.30~0.80部、アクリル酸エステル感圧接着剤93.00~99.00部、及びプロピレングリコールを含み、前記プロピレングリコールと前記デクスメデトミジンとの含有量比率は(4:3)~(8:3)であり、前記アクリル酸エステル感圧接着剤はDuro-Tak 387-2510又はDURO-TAK 387-2287である。
【0059】
前記バッキング層の材料はアルミニウム-ポリエステル膜、ポリエステル-ポリエチレン複合膜、ポリエチレン-アルミニウム-ポリエステル/エチレン-ビニルアセテート複合膜、複数層ポリエステル膜、及びポリエステル-エチレン酢酸エチレン複合膜のうちの1種又は複数種から選ばれる。
【0060】
前記離型膜の材料はシリコン化ポリエステル薄膜、フッ素重合体塗布ポリエステル薄膜、アルミ箔-シリコーングリース複合体、シリコン化アルミ箔及びシリコンペーパーのうちの1種又は複数種から選ばれる。
【0061】
本願の実施形態では、本願によるデクスメデトミジン経皮貼付剤の調製方法は、
(a)金属キレート系架橋剤を溶媒に溶解し、金属キレート系架橋剤溶液を得ることと、
(b)感圧接着剤と金属キレート系架橋剤溶液を混合し、ブランクマトリックス溶液を得ることと、
(c)プロピレングリコール、溶媒、デクスメデトミジンを溶解した後にブランクマトリックス溶液に添加して混合し、薬物含有マトリックス溶液を得ることと、
(d)薬物含有マトリックス溶液を離型膜に塗布し、乾燥させ、接着層と付着防止離型膜層との複合層を得ることと、
(e)バッキング膜を接着層に積層し、デクスメデトミジン経皮貼付剤を得ることと、を含む。
前記溶媒は無水エタノール及びn-ヘプタンを含む。
【0062】
本願の実施形態では、本願は前記デクスメデトミジン経皮組成物又はデクスメデトミジン経皮貼付剤の、睡眠障害の改善における適用を提供し、前記睡眠障害は周術期睡眠障害、高齢者睡眠障害及びトラウマ性睡眠障害を含む。
【0063】
本願の実施形態では、本願による前記デクスメデトミジン経皮組成物又はデクスメデトミジン経皮貼付剤は、2~5日の徐放を実現することができる。
【0064】
本願に使用されるプロピレングリコールは低い濃度でデクスメデトミジンに対して良好な溶解促進効果を発揮でき、デクスメデトミジンの骨格材料における溶解性を高めることができ、原料薬のデクスメデトミジンとの適合性は良好である。
【0065】
本願に使用される金属キレート系架橋剤と感圧接着剤は共同に本願の経皮組成物の骨格構造として、経皮組成物の付着性能を協働して調節するとともに、デクスメデトミジンに薬物担持マトリックスを提供する。
【0066】
本願に使用される離型膜は感圧接着剤と良好な配合関係を形成することができ、離型膜を確実に感圧接着剤の表面に付着することができ、剥離する際にも接着層から分離し易く、経皮貼付剤の調製と保存過程における各種の原材料・補助材料及び溶媒の侵食に耐えることができる。
【0067】
本願に使用されるバッキング膜は良好な柔軟性を有し、生地が丈夫で滑らかであり、適当なピール強度を有し、本願の経皮貼付剤の原材料・補助材料との間に比較的に良い適合性を有する。
【0068】
本願に使用される溶媒は無水エタノール及びn-ヘプタンを含み、原料薬のデクスメデトミジン及び/又は金属キレート系架橋剤の溶解に用いられ、無毒、無刺激性及び良好な原材料・補助材料との適合性の利点を有する。
【0069】
本願によるデクスメデトミジン経皮貼付剤の調製フローは図1に示され、経皮貼付剤の詳細構造は図2に示される(Aはデクスメデトミジン経皮貼付剤の側面視であり、Bはデクスメデトミジン経皮貼付剤の上面図である)。
【0070】
離型膜はオーバラップ方式を採用し、パッチ周辺のパンチされた窪みとともに現在の付着防止層を構成し、コールドフローのリスクを更に減少する。
【0071】
本願によるデクスメデトミジン経皮貼付剤の使用又は投与方法は、人体の胴体又は上腕の刺激されていない及び照射されていない滑る平坦の皮膚表面に貼り付け、投与を中断する場合、経皮貼付剤を剥離すればよい。
【0072】
本願に使用される試薬又は機器はいずれも市販品である。機器:HS-3鉛直ミキサー、TB-04D実験用精密コーティング機、DGF302-BN電気加熱乾燥ボックス、PL-3002-IC電子バランス、KQ-500VDE超音波クリーニングマシン、MDC-25SXデジタルマイクロメーター、XMTD-204恒温磁気撹拌装置、Franz経皮拡散器TK-24BL、GHP-9160恒温インキュベーター、WD-A薬物安定性検査装置。
【0073】
実施例1 デクスメデトミジンと溶解補助剤の適合性・安定性の研究
1、サンプルの配合
「デクスメデトミジン+レブリン酸」、「デクスメデトミジン+オレイン酸」、「デクスメデトミジン+ラウロカプラム」、「デクスメデトミジン+ミリスチン酸イソプロピル」、「デクスメデトミジン+プロピレングリコール」の実験群を確立し、デクスメデトミジン:溶解補助剤=1:10の割合で実験サンプルを配合する。
【0074】
2、原材料・補助材料の適合性実験
上記実験サンプルをそれぞれ5つのサブ群配合し、それぞれ対照群、高温群、高湿群、光照射群及び加速群であり、対応の条件は表1に示される。高温、高湿、光照射及び加速のサンプリング時間点は0日、5日及び10日であり、本願のデクスメデトミジンと溶解補助剤との混合物の異なる条件での不純物含有量の状況を調査する。
評価標準:最大未知単一不純物(%、≦0.5%)、総不純物(%、≦2.0%)。
【0075】
【表1】
【0076】
3、実験結果
【表2】
【0077】
上記の表から分かるように、「原料薬+レブリン酸」群は、高温条件での最大単一不純物含有量が1.99%であり、最大総不純物含有量が5.53%であり、光照射条件での最大単一不純物含有量が0.94%であり、最大総不純物含有量が3.35%であり、加速条件での最大単一不純物含有量が0.60%であり、最大総不純物含有量が1.85%である。上記調査条件で、「原料薬+レブリン酸」群の不純物含有量は標準限度を超えているため、デクスメデトミジンとレブリン酸の原材料・補助材料の適合性・安定性は劣れる。
【0078】
【表3】
【0079】
上記の表から分かるように、「原料薬+オレイン酸」群は、高温条件での最大単一不純物含有量が1.22%であり、最大総不純物含有量が4.76%であり、光照射条件での最大単一不純物含有量が0.64%であり、最大総不純物含有量が2.68%であり、加速条件での最大単一不純物含有量が0.88%であり、最大総不純物含有量が2.12%である。上記調査条件で、「原料薬+オレイン酸」群の不純物含有量は標準限度を超えているため、デクスメデトミジンとオレイン酸の原材料・補助材料の適合性・安定性は劣れる。
【0080】
【表4】
【0081】
上記の表から分かるように、「原料薬+ラウロカプラム」群は、高温条件での最大単一不純物含有量が2.21%であり、最大総不純物含有量が4.29%であり、光照射条件での最大単一不純物含有量が0.96%であり、最大総不純物含有量が3.54%であり、加速条件での最大単一不純物含有量が0.97%であり、最大総不純物含有量が3.86%である。上記調査条件で、「原料薬+ラウロカプラム」群の不純物含有量は標準限度を超えているため、デクスメデトミジンとラウロカプラムの原材料・補助材料の適合性・安定性は劣れる。
【0082】
【表5】
【0083】
上記の表から分かるように、「原料薬+ミリスチン酸イソプロピル」群は、高温条件での最大単一不純物含有量が1.03%であり、最大総不純物含有量が3.36%であり、光照射条件での最大単一不純物含有量が0.72%であり、最大総不純物含有量が4.79%であり、加速条件での最大単一不純物含有量が0.72%であり、最大総不純物含有量が4.32%である。上記調査条件で、「原料薬+ミリスチン酸イソプロピル」群の不純物含有量は標準限度を超えているため、デクスメデトミジンとミリスチン酸イソプロピルの原材料・補助材料の適合性・安定性は劣れる。
【0084】
【表6】
【0085】
上記の表から分かるように、「原料薬+プロピレングリコール」群は、全部の調査条件での最大単一不純物含有量が0.03%であり、最大総不純物含有量が0.05%であり、従って、デクスメデトミジンとプロピレングリコールの原材料・補助材料の適合性・安定性は非常に優れている。
【0086】
上記のように、表2~表6から分かるように、「デクスメデトミジン+レブリン酸」、「デクスメデトミジン+オレイン酸」、「デクスメデトミジン+ラウロカプラム」、「デクスメデトミジン+ミリスチン酸イソプロピル」の群は高温と光照射の条件でいずれも大量の不純物を生成し、これは上記補助材料と原料薬のデクスメデトミジンとの適合性・安定性が劣れることを示し、一方、「原料薬+プロピレングリコール」群は全部の調査条件での最大単一不純物含有量が0.03%であり、最大総不純物含有量が0.05%であり、これは該補助材料と原料薬の適合性・安定性が非常に優れていることを示す。従って、プロピレングリコールを本願の経皮組成物の溶解補助剤として選択して添加することにより、後続の不純物の生成を減少することができる。
【0087】
実験例2 プロピレングリコール使用量調査
1、処方1-経皮貼付剤
デクスメデトミジン 0.08g
アクリル酸エステル感圧接着剤 20.12g
アルミニウムアセチルアセトナート 0.05g
プロピレングリコール 0.16g
無水エタノール 3.41g
n-ヘプタン 1.34g
前記アクリル酸エステル感圧接着剤の型番はDuro-Tak 387-2287であり、固形物含有量が53.8%である。
【0088】
前記経皮貼付剤はバッキング層、接着層及び付着防止離型膜層を含み、前記経皮貼付剤の調製方法は具体的に下記工程(1)~(9)を含む。
(1)アルミニウムアセチルアセトナート溶液の調製:アルミニウムアセチルアセトナート0.05g、無水エタノール1.01g及びn-ヘプタン1.34gを計量して40mLバイアルに入れ、均一に混合し、使用に供する。
(2)ブランクマトリックスの配合:アクリル酸エステル感圧接着剤20.12g及び配合されたアルミニウムアセチルアセトナート溶液を計量し、密封する。
(3)混合:ブランクマトリックスを入れたバイアルを鉛直ミキサーに置いて、回転数を20rpmに調節し、4h攪拌する。
(4)薬物含有マトリックスの配合:デクスメデトミジン0.08gを計量し、プロピレングリコール0.16gと無水エタノール2.24gを添加し、デクスメデトミジンが完全に溶解するまで攪拌し、更に4h攪拌されたブランクマトリックスに添加し、無水エタノール0.16gを計量して空き瓶をブラシで洗い、薬物含有マトリックスに添加して混合し、密封する。
(5)混合:薬物含有マトリックスを入れたバイアルを鉛直ミキサーに置いて、回転数を20rpmに調節し、6h攪拌した後に停止し、一夜静置する。
(6)塗布:一夜静置した薬物含有マトリックスを離型膜Scotchpak 1022に塗布し、経皮貼付剤の薬物含有層の厚さが25μmとなるまで塗布ブレードの厚さを調節する。
(7)乾燥:乾燥オーブンに置き、温度を70°Cに調節し、20min後に取り出す。
(8)被膜:バッキング膜Scotchpak 9722を薬物含有接着層に積層する。
(9)パンチング:直径Dが30mmである円形パッチにパンチングし、パッケージングする。
【0089】
全部の無水エタノールとn-ヘプタンはいずれも調製プロセス過程において除去され、最終製品に出現しない。
【0090】
2、実験群分け
異なる使用量のプロピレングリコールを選択して処方最適化を行ってプロピレングリコールを選別し、具体的に、プロピレングリコールとデクスメデトミジンの投与重量比は3:3、4:3、5:3、6:3、7:3、8:3、9:3であり、ブランク群を設定する(処方1にプロピレングリコールを添加しない)。
【0091】
3、関連物質測定
下記8群のサンプル(n=6)に対して不純物測定を行い、関連物質不純物結果は表7に示される。
【0092】
【表7】
【0093】
上記の表から分かるように、プロピレングリコールの使用量は本実施例の経皮貼付剤の関連物質に有意な影響を与えない。
【0094】
4、付着性能テスト
8群のサンプル(n=6)に対してプロピレングリコール使用量選別を行い、8群のサンプルを8人のボランティアの滑る手の甲の皮膚に貼り付け、30min後に剥離し、皮膚での接着剤残留の有無及び疼痛感の発生の有無を観察し、本願の経皮貼付剤の付着性能を調査する。
付着性能評価指標:
1:体内接着性能が弱い
2:接着辺縁痕跡がややあり、接着性能が良好
3:接着辺縁に残留がなく、接着性能が良好
4:剥離する際に疼痛し、角質化皮膚の擦り傷を含む
デクスメデトミジンの溶解性及び経皮貼付剤の付着性の実験結果は表8に示される。
【0095】
【表8】
【0096】
上記の表から分かるように、経皮貼付剤にプロピレングリコールが含まず、及びプロピレングリコールとデクスメデトミジンの投与比が3:3である場合、サンプル付着性能が弱く、プロピレングリコールとデクスメデトミジンとの質量比が4:3以上である場合、サンプル付着性能が優れているが、投与比が8:3を超えた場合、一部のサンプルが剥離される際に疼痛を感じ、投与比範囲が(5:3)~(7:3)である場合、本実施例の経皮貼付剤の皮膚表面での付着性能がより優れ、投与比が5:3である場合、本実施例の経皮貼付剤の皮膚表面での付着性能が最適であり、全部のサンプルが剥離される際に皮膚表面に残留がなく且つ疼痛感がない。
【0097】
実験例3 金属キレート系架橋剤使用量調査
1、処方配合
1 処方2
デクスメデトミジン 0.18g
アクリル酸エステル感圧接着剤 41.32g
ポリチタン酸ブチル 0.12g
プロピレングリコール 0.30g
無水エタノール 5.70g
n-ヘプタン 6.19g
前記アクリル酸エステル感圧接着剤の型番はDuro-Tak 387-2287であり、固形物含有量が53.8%である。
処方2の調製方法は処方1と同じであり、相違点は、Scotchpak 9754バッキング膜を薬物含有接着層に積層することである。
処方2のデクスメデトミジンとプロピレングリコールの使用量と含有量を変更しないように維持し、金属キレート系架橋剤-ポリチタン酸ブチルの使用量と含有量を調整することにより、それぞれ処方2’(0.07g、約0.30部)、処方2’’(0.09g、約0.40部)、処方2’’’(0.14g、約0.60部)及び処方2’’’’(0.16g、約0.70部)を得て、対応処方のアクリル酸エステル感圧接着剤を適応的に調整する(処方2’~2’’’’において、アクリル酸エステル感圧接着剤の使用量はそれぞれ41.33g、40.91g、40.49g及び41.37gである)。
【0098】
2 処方3
デクスメデトミジン 0.18g
アクリル酸エステル感圧接着剤 41.32g
アルミニウムアセチルアセトナート 0.12g
プロピレングリコール 0.30g
無水エタノール 5.70g
n-ヘプタン 6.19g
前記アクリル酸エステル感圧接着剤の型番はDuro-Tak 387-2287であり、調製方法は処方2と同じである。
デクスメデトミジンとプロピレングリコールの使用量と含有量を変更しないように維持し、金属キレート系架橋剤の使用量と含有量を調整することにより、それぞれ処方3’(0.07g、約0.30部)、処方3’’(0.09g、約0.40部)、処方3’’’(0.14g、約0.60部)及び処方3’’’’(0.16g、約0.70部)を得て、対応処方のアクリル酸エステル感圧接着剤を適応的に調整する(処方3’~3’’’’において、アクリル酸エステル感圧接着剤の使用量はそれぞれ41.33g、40.91g、40.49g及び41.37gである)。
【0099】
3 処方4
デクスメデトミジン 0.18g
アクリル酸エステル感圧接着剤 41.32g
ジルコニウムアセチルアセトナート 0.12g
プロピレングリコール 0.30g
無水エタノール 5.70g
n-ヘプタン 6.19g
前記アクリル酸エステル感圧接着剤の型番はDuro-Tak 387-2287であり、調製方法は処方2と同じである。
デクスメデトミジンとプロピレングリコールの使用量と含有量を変更しないように維持し、金属キレート系架橋剤の使用量と含有量を調整することにより、それぞれ処方4’(0.07g、約0.30部)、処方4’’(0.09g、約0.40部)、処方4’’’(0.14g、約0.60部)及び処方4’’’’(0.16g、約0.70部)を得て、対応処方のアクリル酸エステル感圧接着剤を適応的に調整する(処方4’~4’’’’において、アクリル酸エステル感圧接着剤の使用量はそれぞれ41.33g、40.91g、40.49g及び41.37gである)。
【0100】
4 処方5
デクスメデトミジン 0.18g
アクリル酸エステル感圧接着剤 41.32g
チタン(オキシ)アセチルアセトナート 0.12g
プロピレングリコール 0.30g
無水エタノール 5.70g
n-ヘプタン 6.19g
前記アクリル酸エステル感圧接着剤の型番はDuro-Tak 387-2287であり、調製方法は処方2と同じである。
デクスメデトミジンとプロピレングリコールの使用量と含有量を変更しないように維持し、金属キレート系架橋剤の使用量と含有量を調整することにより、それぞれ処方5’(0.07g、約0.30部)、処方5’’(0.09g、約0.40部)、処方5’’’(0.14g、約0.60部)及び処方5’’’’(0.16g、約0.70部)を得て、対応処方のアクリル酸エステル感圧接着剤を適応的に調整する(処方5’~5’’’’において、アクリル酸エステル感圧接着剤の使用量はそれぞれ41.33g、40.91g、40.49g及び41.37gである)。
【0101】
5 処方6
デクスメデトミジン 0.18g
アクリル酸エステル感圧接着剤 44.85g
ポリチタン酸ブチル 0.10g
プロピレングリコール 0.32g
無水エタノール 6.62g
n-ヘプタン 1.93g
前記アクリル酸エステル感圧接着剤はDuro-Tak 387-2510であり、固形物含有量が42.7%である。処方6の調製方法は処方1と同じであり、相違点は、Scotchpak 9754バッキング膜を薬物含有接着層に積層することである。
デクスメデトミジンとプロピレングリコールの使用量と含有量を変更しないように維持し、金属キレート系架橋剤の使用量と含有量を調整することにより、それぞれ処方6’(0.06g、約0.30部)、処方6’’(0.08g、約0.40部)、処方6’’’(0.12g、約0.60部)及び処方6’’’’(0.14g、約0.70部)を得て、対応処方のアクリル酸エステル感圧接着剤を適応的に調整する(処方6’~6’’’’において、アクリル酸エステル感圧接着剤の使用量はそれぞれ45.01g、44.97g、44.87g及び44.83gである)。
【0102】
6 処方7
デクスメデトミジン 0.18g
アクリル酸エステル感圧接着剤 44.85g
アルミニウムアセチルアセトナート 0.10g
プロピレングリコール 0.32g
無水エタノール 6.62g
n-ヘプタン 1.93g
前記アクリル酸エステル感圧接着剤の型番はDuro-Tak 387-2510であり、調製方法は処方6と同じである。
デクスメデトミジンとプロピレングリコールの使用量と含有量を変更しないように維持し、金属キレート系架橋剤の使用量と含有量を調整することによりそれぞれ処方7’(0.06g、約0.30部)、処方7’’(0.08g、約0.40部)、処方7’’’(0.12g、約0.60部)及び処方7’’’’(0.14g、約0.70部)を取得し、対応処方のアクリル酸エステル感圧接着剤を適応的に調整する(処方7’~7’’’’において、アクリル酸エステル感圧接着剤の使用量はそれぞれ45.01g、44.97g、44.87g及び44.83gである)。
【0103】
7 処方8
デクスメデトミジン 0.18g
アクリル酸エステル感圧接着剤 44.85g
ジルコニウムアセチルアセトナート 0.10g
プロピレングリコール 0.32g
無水エタノール 6.62g
n-ヘプタン 1.93g
前記アクリル酸エステル感圧接着剤の型番はDuro-Tak387-2510であり、調製方法は処方6と同じである。
デクスメデトミジンとプロピレングリコールの使用量と含有量を変更しないように維持し、金属キレート系架橋剤の使用量と含有量を調整することにより、それぞれ処方8’(0.06g、約0.30部)、処方8’’(0.08g、約0.40部)、処方8’’’(0.12g、約0.60部)及び処方8’’’’(0.14g、約0.70部)を得て、対応処方のアクリル酸エステル感圧接着剤を適応的に調整する(処方8’~8’’’’において、アクリル酸エステル感圧接着剤の使用量はそれぞれ45.01g、44.97g、44.87g及び44.83gである)。
【0104】
8 処方9
デクスメデトミジン 0.18g
アクリル酸エステル感圧接着剤 44.85g
チタン(オキシ)アセチルアセトナート 0.10g
プロピレングリコール 0.32g
無水エタノール 6.62g
n-ヘプタン 1.93g
前記アクリル酸エステル感圧接着剤の型番はDuro-Tak387-2510であり、調製方法は処方6と同じである。
デクスメデトミジンとプロピレングリコールの使用量と含有量を変更しないように維持し、金属キレート系架橋剤の使用量と含有量を調整することにより、それぞれ処方9’(0.06g、約0.30部)、処方9’’(0.08g、約0.40部)、処方9’’’(0.12g、約0.60部)及び処方9’’’’(0.14g、約0.70部)を得て、対応処方のアクリル酸エステル感圧接着剤を適応的に調整する(処方9’~9’’’’において、アクリル酸エステル感圧接着剤の使用量はそれぞれ45.01g、44.97g、44.87g及び44.83gである)。
【0105】
2、付着性能テスト
2020年版『中国薬局方』の「通則0952付着力測定法」により、処方2~処方9の8群のサンプル(n=3)に対して継続付着力、180°ピール強度のテストを行い、処方2~処方9の8群のサンプル(n=3)に対して体内接着性能評価を行い、即ち、サンプルを30min貼り付けた後に剥離し、体内付着性能を評価し、評価指標は下記の通りである。
評価指標:
1:体内接着性能が弱い
2:接着辺縁痕跡がややあり、接着性能が良好
3:接着辺縁に残留がなく、接着性能が良好
4:剥離する際に疼痛し、角質化皮膚の擦り傷を含む
上記のように操作した後の付着性能テスト結果は表9~表16に示される。
【0106】
3、実験結果
【表9】
【0107】
上記の表から分かるように、ポリチタン酸ブチルの使用量の増加に伴って、180°ピール強度はまず低下するが後に増加する傾向を示し、継続付着力は一定の範囲内に大幅向上の傾向を示す。ポリチタン酸ブチルの含有量が0.30部である場合、サンプルを剥離する際に軽い疼痛感を有し、ポリチタン酸ブチルの含有量が0.70部である場合、サンプルを剥離する際に接着辺縁痕跡がややあり、ポリチタン酸ブチルの含有量範囲が0.40~0.60部である場合、全部のテストサンプルの接着性能が良好であり、且つ接着辺縁痕跡がない。
【0108】
【表10】
【0109】
上記の表から分かるように、アルミニウムアセチルアセトナートの使用量の増加に伴って、180°ピール強度はまず低下するが後に増加する傾向を示し、継続付着力は一定の範囲内に大幅向上の傾向を示す。アルミニウムアセチルアセトナートの含有量範囲が0.30~0.40部である場合、サンプルを剥離する際に軽い疼痛感を有し、アルミニウムアセチルアセトナートの含有量が0.70部である場合、サンプルを剥離する際に接着辺縁痕跡がややあり、アルミニウムアセチルアセトナートの含有量範囲が0.50~0.60部である場合、全部のテストサンプルの接着性能が良好であり、且つ接着辺縁痕跡がない。
【0110】
【表11】
【0111】
上記の表から分かるように、ジルコニウムアセチルアセトナートの使用量の増加に伴って、180°ピール強度はまず低下するが後に増加する傾向を示し、継続付着力は一定の範囲内に大幅向上の傾向を示す。ジルコニウムアセチルアセトナートの含有量範囲が0.30~0.40部である場合、サンプルを剥離する際に軽い疼痛感を有し、ジルコニウムアセチルアセトナートの含有量が0.70部である場合、サンプルを剥離する際に接着辺縁痕跡がややあり、ジルコニウムアセチルアセトナートの含有量範囲が0.50~0.60部である場合、全部のテストサンプルの接着性能が良好であり、且つ接着辺縁痕跡がない。
【0112】
【表12】
【0113】
上記の表から分かるように、チタン(オキシ)アセチルアセトナートの使用量の増加に伴って、180°ピール強度はまず低下するが後に増加する傾向を示し、継続付着力は一定の範囲内に大幅向上の傾向を示す。チタン(オキシ)アセチルアセトナートの含有量範囲が0.30~0.40部である場合、サンプルを剥離する際に軽い疼痛感を有し、チタン(オキシ)アセチルアセトナートの含有量が0.70部である場合、サンプルを剥離する際に接着辺縁痕跡がややあり、チタン(オキシ)アセチルアセトナートの含有量範囲が0.50~0.60部である場合、全部のテストサンプルの接着性能が良好であり、且つ接着辺縁痕跡がない。
【0114】
【表13】
【0115】
上記の表から分かるように、ポリチタン酸ブチルの使用量の増加に伴って、180°ピール強度はまず低下するが後に増加する傾向を示し、継続付着力は一定の範囲内に大幅向上の傾向を示す。ポリチタン酸ブチルの含有量が約0.30部である場合、サンプルを剥離する際に軽い疼痛感を有し、ポリチタン酸ブチルの含有量が約0.70部である場合、サンプルを剥離する際に接着辺縁痕跡がややあり、ポリチタン酸ブチルの含有量範囲が約0.40~0.60部である場合、全部のテストサンプルの接着性能が良好であり、且つ接着辺縁痕跡がない。
【0116】
【表14】
【0117】
上記の表から分かるように、アルミニウムアセチルアセトナートの使用量の増加に伴って、180°ピール強度はまず低下するが後に増加する傾向を示し、継続付着力は一定の範囲内に大幅向上の傾向を示す。アルミニウムアセチルアセトナートの含有量範囲が約0.30~0.40部である場合、サンプルを剥離する際に軽い疼痛感を有し、アルミニウムアセチルアセトナートの含有量が約0.70部である場合、サンプルを剥離する際に接着辺縁痕跡がややあり、アルミニウムアセチルアセトナートの含有量範囲が約0.50~0.60部である場合、全部のテストサンプルの接着性能が良好であり、且つ接着辺縁痕跡がない。
【0118】
【表15】
【0119】
上記の表から分かるように、ジルコニウムアセチルアセトナートの使用量の増加に伴って、180°ピール強度はまず低下するが後に増加する傾向を示し、継続付着力は一定の範囲内に大幅向上の傾向を示す。ジルコニウムアセチルアセトナートの含有量範囲が約0.30~0.40部である場合、サンプルを剥離する際に軽い疼痛感を有し、ジルコニウムアセチルアセトナートの含有量が約0.70部である場合、サンプルを剥離する際に接着辺縁痕跡がややあり、ジルコニウムアセチルアセトナートの含有量範囲が約0.50~0.60部である場合、全部のテストサンプルの接着性能が良好であり、且つ接着辺縁痕跡がない。
【0120】
【表16】
【0121】
上記の表から分かるように、チタン(オキシ)アセチルアセトナートの使用量の増加に伴って、180°ピール強度はまず低下するが後に増加する傾向を示し、継続付着力は一定の範囲内に大幅向上の傾向を示す。チタン(オキシ)アセチルアセトナートの含有量範囲が約0.30~0.40部である場合、サンプルを剥離する際に軽い疼痛感を有し、チタン(オキシ)アセチルアセトナートの含有量が約0.70部である場合、サンプルを剥離する際に接着辺縁痕跡がややあり、チタン(オキシ)アセチルアセトナートの含有量範囲が約0.50~0.60部である場合、全部のテストサンプルの接着性能が良好であり、且つ接着辺縁痕跡がない。
【0122】
上記のように、金属キレート系架橋剤の添加により、本願のデクスメデトミジン経皮貼付剤の付着性能を改善することができる。継続付着力、180°ピール強度及び体内付着性能の3つのテスト統合評価から分かるように、本願の経皮貼付剤の金属キレート系架橋剤の使用量は0.30~0.70部であり、好ましい使用量は0.40~0.60部であり、より好ましい使用量は0.50部である。
【0123】
実施例4 処方10
デクスメデトミジン 0.18g
アクリル酸エステル感圧接着剤 32.40g
ポリチタン酸ブチル 0.09g
プロピレングリコール 0.3g
無水エタノール 5.70g
n-ヘプタン 1.33g
前記アクリル酸エステル感圧接着剤の型番はDuro-Tak 387-2287であり、固形物含有量が53.8%である。
処方10の調製方法は処方1と同じであり、相違点は、塗布には離型膜Scotchpak 9709を採用し、積層にはバッキング膜Scotchpak 9723を採用することである。
【0124】
実施例5 処方11
デクスメデトミジン 0.09g
アクリル酸エステル感圧接着剤 18.71g
ポリチタン酸ブチル 0.05g
プロピレングリコール 0.15g
無水エタノール 3.04g
n-ヘプタン 0.96g
前記アクリル酸エステル感圧接着剤の型番はDuro-Tak 387-2510であり、固形物含有量が42.7%である。
処方11の調製方法は処方1と同じであり、相違点は、塗布には離型膜Scotchpak 9709を採用し、積層にはバッキング膜Scotchpak 9723を採用することである。
【0125】
実施例6 処方12
デクスメデトミジン 0.14g
アクリル酸エステル感圧接着剤 32.66g
アルミニウムアセチルアセトナート 0.07g
プロピレングリコール 0.24g
無水エタノール 7.64g
n-ヘプタン 2.50g
前記アクリル酸エステル感圧接着剤の型番はDuro-Tak 387-2510であり、固形物含有量が42.7%である。
処方8の調製方法は処方1と同じであり、相違点は、バッキング膜Scotchpak 9745を薬物含有接着層に積層することである。
【0126】
実施例7 処方13
デクスメデトミジン 0.18g
アクリル酸エステル感圧接着剤 40.82g
ポリチタン酸ブチル 0.09g
プロピレングリコール 0.30g
無水エタノール 5.70g
n-ヘプタン 1.44g
前記アクリル酸エステル感圧接着剤の型番はDuro-Tak 387-2510であり、固形物含有量が42.7%である。
処方9の調製方法は処方1と同じであり、相違点は、離型膜がScotchpak 9709を採用し、バッキング膜がScotchpak 9745を採用し、塗布の際に薬物含有層の厚さを50μmに調節することである。
【0127】
実施例8 処方14
デクスメデトミジン 0.03g
感圧接着剤 23.00g
アルミニウムアセチルアセトナート 0.03g
プロピレングリコール 0.04g
無水エタノール 2.50g
n-ヘプタン 1.25g
前記アクリル酸エステル感圧接着剤の型番はDuro-Tak 387-2510であり、固形物含有量が42.7%である。
処方10の調製方法は処方1と同じであり、相違点は、離型膜がScotchpak 9709を採用し、バッキング膜がScotchpak 9745を採用し、塗布の際に薬物含有層の厚さを50μmに調節することである。
【0128】
実施例9 処方15
デクスメデトミジン 0.09g
感圧接着剤 28.45g
ポリチタン酸ブチル 0.04g
プロピレングリコール 0.15g
無水エタノール 5.70g
n-ヘプタン 1.44g
前記アクリル酸エステル感圧接着剤の型番はDuro-Tak 387-2510であり、固形物含有量が42.7%である。
処方11の調製方法は処方1と同じであり、相違点は、離型膜がScotchpak 9709を採用し、バッキング膜がScotchpak 9745を採用し、塗布の際に薬物含有層の厚さを50μmに調節することである。
【0129】
実施例10 処方16
デクスメデトミジン 0.36g
感圧接着剤 43.50g
アルミニウムアセチルアセトナート 0.16g
プロピレングリコール 0.84g
無水エタノール 5.70g
n-ヘプタン 6.80g
前記アクリル酸エステル感圧接着剤の型番はDuro-Tak 387-2510であり、固形物含有量が42.7%である。
処方12の調製方法は処方1と同じであり、相違点は、離型膜がScotchpak 9709を採用し、バッキング膜がScotchpak 9745を採用し、塗布の際に薬物含有層の厚さを50μmに調節することである。
【0130】
実施例11 処方17
デクスメデトミジン 0.72g
感圧接着剤 49.20g
ポリチタン酸ブチル 0.30g
プロピレングリコール 1.92g
無水エタノール 5.60g
n-ヘプタン 9.50g
前記アクリル酸エステル感圧接着剤の型番はDuro-Tak 387-2510であり、固形物含有量が42.7%である。
処方13の調製方法は処方1と同じであり、相違点は、離型膜がScotchpak 9709を採用し、バッキング膜がScotchpak 9745を採用し、塗布の際に薬物含有層の厚さを50μmに調節することである。
【0131】
実施例11 塗布厚さ調査
1、方法
処方13で調製されたサンプル(D=14mm)を採用し、薬物含有層の厚さを25μm、50μm及び100μmに調節し、3群に分ける。
調製された経皮貼付剤から付着防止層を除去し、豚皮表面に貼り付け、指で軽く押し、豚皮と貼付剤との付着の良好性を確保する。それから、豚皮をロータが取り付けられるFranz拡散セルと供給室との間に貼り付け、バッキング層を空気に接触させ、鉄クランプで確実に固定し、ピペットで9mL受け媒体を計量して受け室に入れ、磁気攪拌子を入れて恒温(32±0.5°C)、定速(180r/min)の条件で攪拌する。予め想定した時間点でそれぞれ1mLシリンジを用いてサンプルを0.8mL取って、同温度等量のブランク受け液を補充する。取り出されたサンプルに対して即時に高速液体クロマトグラフで含有量を測定する。体外経皮拡散結果は下記の表に示される。
【0132】
2、実験結果
【表17】
【0133】
具体的に、異なる厚さの貼付剤の体外経皮拡散曲線は図3に示され、図3から分かるように、デクスメデトミジン骨格型経皮貼付剤の厚さは作用時間長さに関連し、経皮貼付剤の厚さを増加すれば経皮貼付剤の作用時間長さを延長することができる。厚さが25μmであるデクスメデトミジン経皮貼付剤は48hの時刻で薬物放出安定期に達し、厚さが50μmである貼付剤は72hに薬物放出安定期に達し、厚さが100μmである貼付剤は120hに薬物放出安定期に達するため、厚さが25μm~100μmである本願のデクスメデトミジン貼付剤処方は2~5日の継続徐放を実現することができる。
【0134】
試験例1 経皮貼付剤の皮膚反応テスト
評価指標
皮膚反応グレードは下記グレードを含む。
グレード4:紅斑、水脹れ及び水疱を形成する
グレード3:紅斑、水脹れがあり、水疱がない
グレード2:紅斑が貼付剤領域全体を覆い、水脹れがない
グレード1:軽い紅斑が貼付剤領域の一部を覆う
グレード0:貼付剤部位において最小であり、又は反応がない
本願の処方1~17のサンプルをそれぞれ2部を取って、それぞれ18匹の背部が脱毛されたラットに24h貼り付けた結果、処方1~17の製品はいずれも皮膚刺激がなく、グレードが0であることが認められた。
【0135】
試験例2 製剤の安定性研究
上記処方1~処方17のサンプル(n=3)の円形パッチを用いて、ストレス試験により関連物質調査を行い、平均値を取り、各項の不純物含有量限度は下記の通りであり、調査結果は下記の通りである。
【0136】
【表18】
【0137】
上記の表から分かるように、高温条件での10日、高温条件での30日、及び加速条件で、本願のデクスメデトミジン経皮貼付剤の保存はいずれも安定である。
【0138】
試験例3 デクスメデトミジン結晶の研究
処方13で調製されたサンプルを用いて、本願のデクスメデトミジン経皮貼付剤の長期結晶化状況を観察し、処方にデクスメデトミジン結晶が生成するかどうかを確認する。
サンプルを6ヶ月保存した後の結晶観察結果は図4(Aは10倍イメージであり、Bは40倍イメージである)に示され、偏光顕微鏡により結晶状況を観察して分かるように、本願によるデクスメデトミジン経皮貼付剤は6ヶ月の長期保存において結晶を生成していない。
【0139】
試験例4 マウス自発的活動量監視
1、方法
マウスを脱毛してから24h後、マウスを運動装置に置いて適応訓練を行い、10min後に5min内の活動度監視を行い、結果を0h活動度と記す。表19におけるマウス薬効学実験案により、処方13で調製された薬物含有貼付剤を投与し、マウスを運動装置に置き、投与後のマウス活動度監視を行い、後期監視時間が届いた後に続いてマウス活動度監視を行い、監視時間点はそれぞれ1h、3h、6h、8h、12h、24hである。
24h監視が終了した後にマウス背部の貼付剤を除去し、続いてマウス活動度を監視し、監視時間は27h、30hであり、監視方法は上記と同じである。
評価指標は、5min内の活動回数を記録することである。
【0140】
【表19】
【0141】
2、実験結果
マウス自発的活動量データは図5に示され、ブランク対照と比べて、デクスメデトミジン経皮貼付剤はマウス活動量を有意に減少でき、有意な用量影響関係を示し、デクスメデトミジンが顕著な睡眠改善薬効を有することが示された。
【0142】
試験例5 ラットの脳波と筋電監視実験
1、群分け
投与前に、実験動物の体重を計り、体重に基づいてランダム群分けを行い、具体的には下記の通りである。
【0143】
【表20】
【0144】
2、方法
SDラット(SPF級、雄性)を12h明暗交代環境に置いて7日適応させる(消灯7:00、点灯19:00)。実験当日にZoletil(i.p.,20mg/kg)及びキシラジン(i.p.,8mg/kg)を併用して動物を麻酔し、麻酔した後、脳定位固定装置で固定し、頭部の毛を剃って消毒した後、頭部皮膚を鋏で切って、止血鉗子で4つの角を挟んで、頭蓋骨を充分に露出させ、骨膜を剥離し、乾燥した脱脂綿で表面が乾燥してきれいにするまで拭く。頭蓋骨に穴を開き、電極を埋植する。2本の筋電図電極をそれぞれ平行に頚筋内に挿入し、縫合糸で両端を固定し、末端が互いに接触することを避ける。基準電極を同様に対向側の頚筋内に挿入して固定する。それからインプラントを皮下に置き、手術傷口を縫合して消毒する。手術後にラットを丁寧に清潔なリカバリーケージ内に置き、側臥位にし、流暢な気道を確保する。単一籠で飼養し、遮断回復室に置き、12h明暗を自動的に交代し、消灯時間は7:00であり、点灯時間は19:00である。手術後に動物を3日介護し、手術切り口にセフラジン粉末を局部的に投与して処理し、ゲンタマイシン4~8mg/kgを皮下投与し、メロキシカム0.1ml/匹を3日連続して皮下注射し、7~10日回復した後に実験を行い、動物体重に基づいてランダムに群を分ける。群を分けた後、EEG、EMGを24h連続して監視し、ベースライン信号とする。
Sham群以外、各群のラットの背部と足底に対して縦長さが約2cmである皮膚切り口及び筋膜切り口を開き、それから縫合する。全部の動物モデルを確立した後、各群のラットに対して動物用剃刀を用いて投与部位を清潔にして、対応薬物を投与し(貼付剤位置は背部にあり且つ皮膚に固定し、貼付剤の落ちによる投与失敗を防止する)、72h続いて記録し、該時間帯におけるラットのEEGとEMG信号を監視し、手術後覚醒(Wake)、浅い睡眠又は急速眼球運動睡眠(REM)及び深い睡眠又は非急速眼球運動睡眠(NREM)の構造変化を分析する。
【0145】
3、データ分析
オリジナルデータはDSIシステムPonemahソフトウェアにより採集され、NeuroScoreソフトウェアにより分析される。実験データは平均値±標準誤差(Mean±S.E.M.)で示され、Graph Pad Prism 7.0ソフトウェアを用いて、Two-way ANOVA及びOne-way ANOVAにより統計分析を行い、P<0.05は有意な差を有することを示し、P<0.01は非常に有意な差を有することを示し、P<0.001は極めて有意な差を有することを示す。
【0146】
4、実験結果
図6に示すように、Aは貼付剤投与後72h内での、ラット睡眠構造における各時間点内の各群のWake時間累計トレンドチャートであり、Bは貼付剤投与後72h内での、各時間点内の各群のNREM時間累計トレンドチャートであり、Cは貼付剤投与後72h内での、各時間点内の各群のREM時間累計トレンドチャートであり、N=8である。
図6の実験データにより示されるように、通常群と比べて、デクスメデトミジン用量の増加に伴って、薬物含有群ラットの72h内の覚醒時間は徐々に低下し、低用量群と通常群の72h内の覚醒時間は有意な差を有さず、手術後モデル群と比べて、薬物含有群ラットの72h内の覚醒時間長さは有意に低下する。
通常群と比べて、デクスメデトミジン用量の増加に伴って、薬物含有群ラットの72h内の徐波睡眠時間は徐々に延長し、低用量群と通常群の72h内の徐波睡眠時間長さは有意な差を有さず、手術後モデル群と比べて、薬物含有群ラットの72h内の徐波睡眠時間は有意に延長する。
全体的に言えば、本願のデクスメデトミジン経皮貼付剤は非急速眼球運動睡眠(NREM)時間を効果的に延長し、手術後ラットの急速眼球運動睡眠(REM)時間を低減し、睡眠品質を効果的に改善することができる。高用量での経皮貼付剤によるSDラットの睡眠時間長さへの影響は大きく、覚醒時間長さの割合を有意に短縮し、一定の程度で動物の正常の昼夜生活リズムに影響を与える。中高用量での経皮貼付剤は72h継続の場合にラットの手術後睡眠障害を効果的に改善し、睡眠品質を促進することができ、低用量(0.88mg/kg)と比べて、効用時間がより長いが、低用量群は睡眠品質を有意に改善できるだけでなく、中高用量群のように昼夜生活リズムを変えることがない。低用量群は通常群の72h内の徐波睡眠総時間長さ及び覚醒総時間長さと基本的に一致する。
【0147】
比較例1
1、製剤処方
引用文献CN201480059798.5における製剤33に基づいて本願の比較例を調製し、具体的な処方は下記の通りである。
デクスメデトミジン 0.18g
レブリン酸 0.11g
アクリル酸エステル感圧接着剤 32.92g
前記アクリル酸エステル感圧接着剤の型番はDuro-Tak 87-2287であり、固形物含有量が53.8%である。
引用文献に記載のデクスメデトミジン経皮組成物の調製方法により本願の比較例1のデクスメデトミジン経皮貼付剤を調製し、即ち、デクスメデトミジンと感圧接着剤とを有機溶媒において混合し、接着混合することにより製剤を調製する。均一な混合物を形成すると、前記溶液を剥離ライナーに注ぎ、60℃~80℃で10分間~90分間乾燥させる。それから前記単一層接着剤薄膜層をPETバッキングに押し、必要なサイズに分割して袋に入れる。本比較例において、レブリン酸を接着剤組成物に添加する。
感圧接着剤に含まれる溶媒、及び調製過程において添加された有機溶媒はいずれも乾燥過程において除去される。
【0148】
2、体外経皮拡散試験
本願の実施例7、実施例4及び比較例1で調製された貼付剤をそれぞれ3枚を取って、それぞれ離型膜層を除去し、体外経皮拡散実験を行い、試験方法は実施例12と同じである。
【0149】
3、実験結果
3群の経皮貼付剤の体外経皮拡散曲線は図7に示される。図7から分かるように、3群の経皮貼付剤の拡散速度の全体的な傾向は、実施例7が実施例4よりも優れ、実施例4が比較例1よりも優れたことである。実施例7で調製されたデクスメデトミジン経皮貼付剤の単位面積経皮拡散速度は12時間目に最大に達し、1.1μg/cm*hであり、比較例1の約2倍であり、且つ比較例1で調製された貼付剤は24h目に最大単位面積経皮拡散速度に達する。全体的に言えば、本願で調製された経皮貼付剤の体外拡散速度は引用文献1よりも優れている。
【0150】
以上は本願の好適な実施形態に過ぎず、当業者にとって、本願の原理を逸脱せずに、若干の改善と修飾を行うことができ、これらの改善と修飾も本願の保護範囲と見なされるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-01-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デクスメデトミジン、プロピレングリコール、金属キレート系架橋剤及び感圧接着剤を含む、デクスメデトミジン経皮組成物。
【請求項2】
重量部で、前記組成物において、デクスメデトミジンが0.30~3.00部であり、プロピレングリコールが0.40~8.00部であり、金属キレート系架橋剤が0.30~1.25部であり、感圧接着剤が50.00~99.00部であり、前記プロピレングリコールと前記デクスメデトミジンとの質量比は(4:3)~(8:3)である、請求項1に記載のデクスメデトミジン経皮組成物。
【請求項3】
前記組成物においてプロピレングリコールとデクスメデトミジンとの質量比は(5:3)~(7:3)であり、又は、前記組成物においてプロピレングリコールとデクスメデトミジンとの質量比は5:3である、請求項2に記載のデクスメデトミジン経皮組成物。
【請求項4】
前記感圧接着剤と前記金属キレート系架橋剤との質量比は(70:1)~(310:1)である、請求項に記載のデクスメデトミジン経皮組成物。
【請求項5】
前記感圧接着剤と前記金属キレート系架橋剤との質量比は(70:1)~(160:1)、(160:1)~(220:1)又は(220:1)~(310:1)であり、或いは、(160:1)~(220:1)、(160:1)~(210:1)、(160:1)~(200:1)又は(190:1)~(220:1)であり、或いは、160:1、170:1、180:1、190:1、200:1、210:1又は220:1である、請求項4に記載のデクスメデトミジン経皮組成物。
【請求項6】
前記金属キレート系架橋剤はアルミニウムアセチルアセトナート、ジルコニウムアセチルアセトナート、チタンアセチルアセトナート及びポリチタン酸ブチルのうちの1種又は複数種から選ばれる、請求項に記載のデクスメデトミジン経皮組成物。
【請求項7】
前記感圧接着剤はアクリル酸エステル感圧接着剤、ポリイソブチレン感圧接着剤、シリコーン感圧接着剤、スチレン-イソプレン-スチレンホットメルト感圧接着剤、ビニルアセテート共重合体のうちの1種又は複数種から選ばれる、請求項に記載のデクスメデトミジン経皮組成物。
【請求項8】
バッキング層、接着層及び付着防止離型膜層を順次に含み、前記接着層は請求項に記載のデクスメデトミジン経皮組成物から形成される、デクスメデトミジン経皮貼付剤。
【請求項9】
前記接着層の厚さは25μm~100μmである、請求項8に記載のデクスメデトミジン経皮貼付剤。
【請求項10】
請求項8又は9に記載のデクスメデトミジン経皮貼付剤の調製方法であって、
金属キレート系架橋剤を溶媒に溶解し、金属キレート系架橋剤溶液を得ることと、
感圧接着剤と前記金属キレート系架橋剤溶液を混合し、ブランクマトリックス溶液を得ることと、
デクスメデトミジン、プロピレングリコール及び溶媒を混合し、デクスメデトミジン溶液を得ることと、
前記デクスメデトミジン溶液と前記ブランクマトリックス溶液を混合し、攪拌し、静置し、薬物含有マトリックス溶液を得ることと、
薬物含有マトリックス溶液を付着防止離型膜層に塗布し、乾燥させ、接着層と付着防止離型膜層との複合層を得ることと、
バッキング層を接着層に積層することと、を含む、デクスメデトミジン経皮貼付剤の調製方法。
【請求項11】
前記溶媒は無水エタノール及びn-ヘプタンのうちの1種又は両方の混合物から選ばれる、請求項10に記載の調製方法。
【請求項12】
請求項1~7のいずれか1項に記載のデクスメデトミジン経皮組成物、又は請求項8又は9に記載のデクスメデトミジン経皮貼付剤の、睡眠障害を改善する薬物製剤の調製における適用。
【請求項13】
前記睡眠障害は周術期睡眠障害、高齢者睡眠障害、トラウマ性睡眠障害のうちの1種又は複数種である、請求項12に記載の適用。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0085
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0085】
上記の表から分かるように、「原料薬+プロピレングリコール」群は、全部の調査条件での最大単一不純物含有量が0.04%であり、最大総不純物含有量が0.05%であり、従って、デクスメデトミジンとプロピレングリコールの原材料・補助材料の適合性・安定性は非常に優れている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0086
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0086】
上記のように、表2~表6から分かるように、「デクスメデトミジン+レブリン酸」、「デクスメデトミジン+オレイン酸」、「デクスメデトミジン+ラウロカプラム」、「デクスメデトミジン+ミリスチン酸イソプロピル」の群は高温と光照射の条件でいずれも大量の不純物を生成し、これは上記補助材料と原料薬のデクスメデトミジンとの適合性・安定性が劣れることを示し、一方、「原料薬+プロピレングリコール」群は全部の調査条件での最大単一不純物含有量が0.04%であり、最大総不純物含有量が0.05%であり、これは該補助材料と原料薬の適合性・安定性が非常に優れていることを示す。従って、プロピレングリコールを本願の経皮組成物の溶解補助剤として選択して添加することにより、後続の不純物の生成を減少することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0136
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0136】
【表18】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0149
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0149】
3、実験結果
3群の経皮貼付剤の体外経皮拡散曲線は図7に示される。図7から分かるように、3群の経皮貼付剤の拡散速度の全体的な傾向は、実施例7が実施例4よりも優れ、実施例4が比較例1よりも優れたことである。実施例7で調製されたデクスメデトミジン経皮貼付剤の単位面積経皮拡散速度は12時間目に最大に達し、1.1μg/cm*hであり、比較例1の約2倍であり、且つ比較例1で調製された貼付剤は24h目に最大単位面積経皮拡散速度に達する。全体的に言えば、本願で調製された経皮貼付剤の体外拡散速度は比較例1よりも優れている。
【国際調査報告】