(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】環境マッチングに基づく車両測位方法、装置、車両、及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G01C 21/28 20060101AFI20240719BHJP
G09B 29/00 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
G01C21/28
G09B29/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506274
(86)(22)【出願日】2021-08-19
(85)【翻訳文提出日】2024-01-31
(86)【国際出願番号】 CN2021113515
(87)【国際公開番号】W WO2023019509
(87)【国際公開日】2023-02-23
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507362513
【氏名又は名称】浙江吉利控股集団有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG GEELY HOLDING GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1760 Jiangling Road, Binjiang District, Hangzhou Zhejiang310000, China
(71)【出願人】
【識別番号】522422182
【氏名又は名称】寧波吉利汽車研究開発有限公司
【氏名又は名称原語表記】NINGBO GEELY AUTOMOBILE RESEARCH AND DEVELOPMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 818 Binhai 2nd Road, Hangzhou Bay New District, Ningbo Zhejiang 315336, China
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【氏名又は名称】田邊 淳也
(72)【発明者】
【氏名】金 晨
(72)【発明者】
【氏名】盧 紅喜
(72)【発明者】
【氏名】周 俊杰
(72)【発明者】
【氏名】衡 陽
(72)【発明者】
【氏名】杜 濠杰
【テーマコード(参考)】
2C032
2F129
【Fターム(参考)】
2C032HC08
2F129AA03
2F129BB03
2F129BB33
2F129BB50
2F129GG17
2F129GG18
(57)【要約】
環境マッチングに基づく車両測位方法、装置、車両及び記憶媒体は、自動運転の技術領域に関し、前記方法は、測位対象車両が置かれている位置の現在の環境データと現在の道路画像とを取得するステップS10と、現在の環境データとマッチングする環境影響道路画像セットを検索するステップS20と、現在の道路画像を環境影響道路画像セット内の環境影響道路画像とそれぞれマッチングを行って、現在の道路画像とマッチングするターゲット環境影響道路画像を得るステップS30と、ターゲット環境影響道路画像に基づいて、測位対象車両の現在の位置情報を確定するステップS40と、を含む。従来技術では、晴天の昼間状態で作成された高精度地図を用いて車両測位を行うことが多く、天気や時間帯による測位誤差を無視していたのに対し、上記のステップにより、異なる環境要因による地図作成への影響を十分に考慮し、環境による干渉に起因する測位誤差を低減し、異なる環境状況における車両の測位精度を高める。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環境マッチングに基づく車両測位方法であって、
測位対象車両が置かれている位置の現在の環境データと現在の道路画像とを取得するステップと、
前記現在の環境データとマッチングする環境影響道路画像セットを検索するステップと、
前記現在の道路画像を前記環境影響道路画像セット内の環境影響道路画像とそれぞれマッチングを行って、前記現在の道路画像とマッチングするターゲット環境影響道路画像を得るステップと、
前記ターゲット環境影響道路画像に基づいて、前記測位対象車両の現在の位置情報を確定するステップと、を含む、
ことを特徴とする環境マッチングに基づく車両測位方法。
【請求項2】
前記現在の環境データとマッチングする環境影響道路画像セットを検索する前記ステップの前に、
予め設定された環境モードにおける道路画像セットを取得し、前記道路画像セットに対して環境影響除去処理を実行して、ベース道路画像セットを得るステップと、
異なる環境影響に対応する環境影響特徴情報に基づいて、前記ベース道路画像に対してそれぞれ注入処理を実行して、異なる環境影響下の環境影響道路画像セットを生成するステップと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の環境マッチングに基づく車両測位方法。
【請求項3】
予め設定された環境モードにおける道路画像セットを取得し、前記道路画像セットに対して環境影響除去処理を実行して、ベース道路画像セットを得る前記ステップは、
異なる天気及び異なる時間帯における道路画像セットをそれぞれ取得し、前記道路画像セットに対して画像認識及び特徴タグ付けを実行して、道路特徴タグを得るステップと、
前記道路特徴タグに基づいて前記道路画像セットに対して環境影響除去処理を実行して、前記ベース道路画像セットを得るステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の環境マッチングに基づく車両測位方法。
【請求項4】
異なる環境影響に対応する環境影響特徴情報に基づいて、前記ベース道路画像に対してそれぞれ注入処理を実行して、異なる環境影響下の環境影響道路画像セットを生成する前記ステップは、
異なる環境影響に対応する環境特徴情報内の天気影響因子と時間帯影響因子とを取得するステップと、
前記天気影響因子と時間帯影響因子とを予め設定された組み合わせルールに従って組み合わせて、異なる環境複合因子を得るステップと、
前記環境複合因子を前記ベース道路画像にそれぞれ注入して、異なる環境影響下の環境影響道路画像セットを生成するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の環境マッチングに基づく車両測位方法。
【請求項5】
前記環境複合因子を前記ベース道路画像にそれぞれ注入して、異なる環境影響下の環境影響道路画像セットを生成する前記ステップは、
前記ベース道路画像セット内の道路構成要素を取得するステップと、
前記環境複合因子に基づいて前記ベース道路画像セット内の前記道路構成要素をそれぞれレンダリングして、異なる環境影響下の環境影響道路画像セットを生成するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項4に記載の環境マッチングに基づく車両測位方法。
【請求項6】
前記現在の環境データとマッチングする環境影響道路画像セットを検索する前記ステップは、
測位対象車両の過去のGPS測位情報を取得し、前記過去のGPS測位情報に基づいて、対応する所属エリア画像セットを確定するステップと、
前記所属エリア画像セット内で、前記現在の環境データとマッチングする環境影響道路画像セットを検索するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の環境マッチングに基づく車両測位方法。
【請求項7】
前記ターゲット環境影響道路画像に基づいて、前記測位対象車両の現在の位置情報を確定する前記ステップは、
前記過去のGPS測位情報と前記ターゲット環境影響道路画像に対応する位置情報とに基づいて、前記測位対象車両の現在の位置情報を確定するステップ、を含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の環境マッチングに基づく車両測位方法。
【請求項8】
環境マッチングに基づく車両測位装置であって、
測位対象車両が置かれている位置の現在の環境データと現在の道路画像とを取得するデータ取得モジュールと、
前記現在の環境データとマッチングする環境影響道路画像セットを検索する画像セット検索モジュールと、
前記現在の道路画像を前記環境影響道路画像セット内の環境影響道路画像とそれぞれマッチングを行って、前記現在の道路画像とマッチングするターゲット環境影響道路画像を得る画像マッチングモジュールと、
前記ターゲット環境影響道路画像に基づいて、前記測位対象車両の現在の位置情報を確定する車両測位モジュールと、を含む、
ことを特徴とする請求項環境マッチングに基づく車両測位装置。
【請求項9】
メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶され且つ前記プロセッサ上で動作できる環境マッチングに基づく車両測位プログラムとを備える車両であって、
前記環境マッチングに基づく車両測位プログラムは、請求項1から7の何れか一項に記載の環境マッチングに基づく車両測位方法のステップを実現するように構成されている、
ことを特徴とする車両。
【請求項10】
環境マッチングに基づく車両測位プログラムが記憶されており、前記環境マッチングに基づく車両測位プログラムがプロセッサにより実行された場合、請求項1から7の何れか一項に記載の環境マッチングに基づく車両測位方法のステップを実現する、
ことを特徴とする記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動運転技術の分野に関し、特に、環境マッチングに基づく車両測位方法、装置、車両及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
自動運転技術の発展及びイテレーションに伴い、自動運転車両の量産化が実現する日もますます近づいてきている。自動運転システムの自動作動中に、自身の姿勢をよりよく知覚し、正確な行動計画や車体制御を行うためには、高精度測位機能について説明しなければならない。現在業界で広く認められている高精度測位機能は2つの方式で実現されている。1つは、衛星測位と慣性ナビゲーションシステムとの組み合わせによる高精度測位システムであり、この測位システムは固定周波数の多衛星通信により測位を実現し、トンネルや高架橋など一部のエリアで衛星通信ができない場合、慣性ナビゲーションを利用して位置推定を行うことで、様々な方位での高精度測位を実現できる効果を実現している。もう1つの方式は、レーザ、視覚などの単一センサ又はマルチセンサによる融合(視覚、レーザ、ミリ波など)により地図情報収集を行うと同時に、地図作成ツールチェーンを利用して位置特定と地図作成の同時実行(Simultaneous Localization And Mapping:SLAM)を行い、自動運転システムが道路を運行する際、センサを利用して特徴マッチングを行い、高精度な測位を実現する。
【0003】
具体的な実現では、高精度地図(Map for Highly Automated Driving,HAD Map:高度自動運転用地図)の作成には、地図情報の収集が必要である。従来、国内外の地図データ収集は以下の2つの方式を採用していることが多い。1.地図情報収集の自動車隊列が専従で地図情報の収集又は更新を行う。2.データクラウドソーシングの形式で地図情報の収集又は更新を行う。いずれの方式に基づいても、従来の地図作成方式はいずれも、まず高精度地図を構築し、その後自動運転で高精度地図による測位を行う必要があるときには、リアルタイムの環境センシングを利用して高精度地図とマッチングを行って測位を行う。しかしながら、このような形式では、収集された地図情報に基づいて高精度地図が構築されるが、リアルタイムの測位を行う時にセンシングされる環境の差、例えば晴れ、曇り、昼、夜、雨、雪、霧などの様々な天気、異なる時間帯による影響が大きいため、情報の差が存在する。そのため、異なる環境状況における車両の測位精度をいかに高めるかが、早急に解決すべき問題となっている。
【0004】
上記内容は本発明の技術案の理解を助けるために用いられるものであって、上記内容が先行技術であると認めたわけではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、異なる環境状況における車両の測位精度をいかに高めるかという技術的問題を解決するための、環境マッチングに基づく車両測位方法、装置、車両及び記憶媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、以下のステップを含む、環境マッチングに基づく車両測位方法を提供する。
【0007】
測位対象車両が置かれている位置の現在の環境データと現在の道路画像とを取得する。
【0008】
前記現在の環境データとマッチングする環境影響道路画像セットを検索する。
【0009】
前記現在の道路画像を前記環境影響道路画像セット内の環境影響道路画像とそれぞれマッチングを行って、前記現在の道路画像とマッチングするターゲット環境影響道路画像を得る。
【0010】
前記ターゲット環境影響道路画像に基づいて、前記測位対象車両の現在の位置情報を確定する。
【0011】
あるいは、前記現在の環境データとマッチングする環境影響道路画像セットを検索する前記ステップの前に、次のステップをさらに含んでもよい。
【0012】
予め設定された環境モードにおける道路画像セットを取得し、前記道路画像セットに対して環境影響除去処理を実行して、ベース道路画像セットを得る。
【0013】
異なる環境影響に対応する環境影響特徴情報に基づいて、前記ベース道路画像に対してそれぞれ注入処理を実行して、異なる環境影響下の環境影響道路画像セットを生成する。
【0014】
あるいは、予め設定された環境モードにおける道路画像セットを取得し、前記道路画像セットに対して環境影響除去処理を実行して、ベース道路画像セットを得る前記ステップは、次のステップを含んでもよい。
【0015】
異なる天気及び異なる時間帯における道路画像セットをそれぞれ取得し、前記道路画像セットに対して画像認識及び特徴タグ付けを実行して、道路特徴タグを得る。
【0016】
前記道路特徴タグに基づいて前記道路画像セットに対して環境影響除去処理を実行して、ベース道路画像セットを得る。
【0017】
あるいは、異なる環境影響に対応する環境影響特徴情報に基づいて、前記ベース道路画像に対してそれぞれ注入処理を実行して、異なる環境影響下の環境影響道路画像セットを生成する前記ステップは、次のステップを含んでもよい。
【0018】
異なる環境影響に対応する環境特徴情報内の天気影響因子と時間帯影響因子とを取得する。
【0019】
前記天気影響因子と時間帯影響因子とを予め設定された組み合わせルールに従って組み合わせて、異なる環境複合因子を得る。
【0020】
前記環境複合因子を前記ベース道路画像にそれぞれ注入して、異なる環境影響下の環境影響道路画像セットを生成する。
【0021】
あるいは、前記環境複合因子を前記ベース道路画像にそれぞれ注入して、異なる環境影響下の環境影響道路画像セットを生成する前記ステップは、次のステップを含んでもよい。
【0022】
前記ベース道路画像セット内の道路構成要素を取得する。
【0023】
前記環境複合因子に基づいて前記ベース道路画像セット内の前記道路構成要素をそれぞれレンダリングして、異なる環境影響下の環境影響道路画像セットを生成する。
【0024】
あるいは、前記現在の環境データとマッチングする環境影響道路画像セットを検索する前記ステップは、次のステップを含んでもよい。
【0025】
測位対象車両の過去のGPS測位情報を取得し、前記過去のGPS測位情報に基づいて、対応する所属エリア画像セットを確定する。
【0026】
前記所属エリア画像セット内で、前記現在の環境データとマッチングする環境影響道路画像セットを検索する。
【0027】
あるいは、前記ターゲット環境影響道路画像に基づいて、前記測位対象車両の現在の位置情報を確定する前記ステップは、次のステップを含んでもよい。
【0028】
前記過去のGPS測位情報と前記ターゲット環境影響道路画像に対応する位置情報とに基づいて、前記測位対象車両の現在の位置情報を確定する。
【0029】
さらに、上記目的を達成するために、本発明は、環境マッチングに基づく車両測位装置をさらに提案し、前記環境マッチングに基づく車両測位装置は、次のモジュールを含む。
【0030】
データ取得モジュールは、測位対象車両が置かれている位置の現在の環境データと現在の道路画像とを取得する。
【0031】
画像セット検索モジュールは、前記現在の環境データとマッチングする環境影響道路画像セットを検索する。
【0032】
画像マッチングモジュールは、前記現在の道路画像を前記環境影響道路画像セット内の環境影響道路画像とそれぞれマッチングを行って、前記現在の道路画像とマッチングするターゲット環境影響道路画像を得る。
【0033】
車両測位モジュールは、前記ターゲット環境影響道路画像に基づいて、前記測位対象車両の現在の位置情報を確定する。
【0034】
さらに、上記目的を達成するために、本発明は車両をさらに提案し、前記車両は、メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶され且つ前記プロセッサ上で動作できる環境マッチングに基づく車両測位プログラムとを備え、前記環境マッチングに基づく車両測位プログラムは、上記の環境マッチングに基づく車両測位方法のステップを実現するように構成されている。
【0035】
また、上記目的を達成するために、本発明は記憶媒体をさらに提案し、前記記憶媒体には環境マッチングに基づく車両測位プログラムが記憶されており、前記環境マッチングに基づく車両測位プログラムがプロセッサにより実行された場合、上記に記載の環境マッチングに基づく車両測位方法のステップを実現する。
有益な効果
【0036】
本発明において、測位対象車両が置かれている位置の現在の環境データと現在の道路画像とを取得し、前記現在の環境データとマッチングする環境影響道路画像セットを検索し、前記現在の道路画像を前記環境影響道路画像セット内の環境影響道路画像とそれぞれマッチングを行って、前記現在の道路画像とマッチングするターゲット環境影響道路画像を得て、前記ターゲット環境影響道路画像に基づいて、前記測位対象車両の現在の位置情報を確定する。従来技術では、晴天の昼間状態で作成された高精度地図を用いて車両測位を行うことが多く、天気や時間帯による測位誤差を無視していたのに対し、本発明は、測位対象車両が置かれている位置の現在の環境データに対応する環境影響道路画像セットを検索し、測位対象車両が置かれている位置の現在の道路画像を前記環境影響道路画像セット内の環境影響道路画像とそれぞれマッチングを行って、前記現在の道路画像とマッチングするターゲット環境影響道路画像を得て、そして、前記ターゲット環境影響道路画像に基づいて、前記測位対象車両の現在の位置情報を確定するため、異なる環境要因による地図作成への影響を十分に考慮し、環境による干渉に起因する測位誤差を低減し、異なる環境状況における車両の測位精度を高める。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明の実施例の案にかかるハードウェア運転環境の車両の構造模式図である。
【
図2】本発明の環境マッチングに基づく車両測位方法の第1の実施例の模式フローチャートである。
【
図3】本発明の環境マッチングに基づく車両測位方法の第2の実施例の模式フローチャートである。
【
図4】本発明の環境マッチングに基づく車両測位方法の第2の実施例にかかる、二重測位の模式図である。
【
図5】本発明の環境マッチングに基づく車両測位方法の第3の実施例の模式フローチャートである。
【
図6】本発明の環境マッチングに基づく車両測位装置の第1の実施例の構成ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
実施例と組み合わせて、添付図面を参照して本発明の目的の実現、機能特徴及び長所をさらに説明する。
ここで説明する具体的な実施例は本発明を解釈するためだけに使われるのであって、本発明を限定するために使われるのではないことは、理解しておくべきである。
【0039】
図1を参照し、
図1は本発明の実施例の案にかかる、ハードウェア運転環境の車両構成模式図である。
【0040】
図1に示すように、当該車両は、プロセッサ1001、例えば中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)と、通信バス1002と、ユーザインターフェース1003と、ネットワークインターフェース1004と、メモリ1005とを含んでもよい。通信バス1002はこれらの部品間の接続や通信を実現するためのものである。ユーザインターフェース1003はディスプレイ(Display)、入力手段(例えばキーボード(Keyboard))を含んでもよく、好ましくは、ユーザインターフェース1003はさらに標準の有線インターフェース、無線インターフェースを含んでもよい。あるいは、ネットワークインターフェース1004は、標準の有線インターフェース、無線インターフェース(例えばワイヤレスフィデリティ(Wi-FI:Wireless-Fidelity)インターフェース)を含んでもよい。メモリ1005としては高速ランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)であってもよく、安定した不揮発性のメモリ(NVM:Non-Volatile Memory)、例えば磁気ディスクメモリであってもよい。あるいは、メモリ1005は前記プロセッサ1001とは独立した記憶装置としてもよい。
【0041】
図1に示す構造は車両に対する限定を構成せず、図示より多い或いは少ない部品を含んでもよく、或いは一部の部品を組み合わせたり、異なる部品配置としたりしてもよいことは、当業者であれば理解できるはずである。
【0042】
図1に示すように、一種の記憶媒体としてのメモリ1005には、オペレーティングシステム、データ記憶モジュール、ネットワーク通信モジュール、ユーザインターフェースモジュール及び環境マッチングに基づく車両測位プログラムが含まれてもよい。
【0043】
図1に示す車両において、ネットワークインターフェース1004は主に、ネットワークサーバとデータ通信を行い、ユーザインターフェース1003は主に、ユーザとデータをやりとりし、本発明の車両におけるプロセッサ1001及びメモリ1005は、車両内に設けられてもよく、前記車両は、プロセッサ1001によりメモリ1005に記憶されている環境マッチングに基づく車両測位プログラムを呼び出して、本発明の実施例により提供される環境マッチングに基づく車両測位方法を実行する。
【0044】
本発明の実施例は、環境マッチングに基づく車両測位方法を提供する。
図2を参照し、
図2は本発明の環境マッチングに基づく車両測位方法の第1の実施例の模式フローチャートである。
【0045】
本実施例において、前記環境マッチングに基づく車両測位方法は、以下のステップを含む。
【0046】
ステップS10において、測位対象車両が置かれている位置の現在の環境データと現在の道路画像とを取得する。
【0047】
本実施例の実行主体は、上記プロセッサ1001であってもよいことは、容易に理解できる。具体的な実現において、前記プロセッサ1001に接続されたレーザ、視覚などの単一センサ又はマルチセンサによる融合(視覚、レーザ、ミリ波など)により、測位対象車両が置かれている位置の現在の道路画像を収集することができる。ここで、前記現在の道路画像は、測位対象車両が現在置かれている道路に対応する画像として考えられてもよく、具体的な実現では、認定外道路も存在するため、測位対象車両が現在置かれているエリアに対応する画像として考えられてもよく、エリアの大きさは実際の需要に応じて設定でき、本実施例ではこれについて限定しない。
【0048】
具体的な実現では、データの収集精度を高めることにより、車両の測位精度をさらに高めるために、測位対象車両が置かれている位置の現在の環境データを取得してもよい。前記現在の環境データは、現在の天気データと現在の時間帯データとを含み、前記現在の天気データにより、測位対象車両が置かれている位置の現在の天気状況、例えば、晴れ、曇り、雨、雪、霧などを反映し、前記現在の時間帯データにより、測位対象車両が置かれている位置の現在の所属時間帯、例えば、早朝、正午、夕方、深夜などを反映することができる。
【0049】
ステップS20において、前記現在の環境データとマッチングする環境影響道路画像セットを検索する。
【0050】
なお、前記現在の環境データを取得した後に、前記現在の環境データとマッチングする環境影響道路画像セットを、予め設定された道路画像ライブラリ内で検索してもよい。ここで、前記環境影響道路画像セットは、例えば、雨の日の深夜に対応する道路画像、霧の日の早朝に対応する道路画像、曇りの日の夕方に対応する道路画像など、異なる環境影響下の対応する道路画像を含むデータセットとして考えられてもよい。前記予め設定された道路画像ライブラリは、リアルタイムに更新される、異なる環境影響下の異なる道路(又は異なるエリア)の対応する画像セットを格納したデータベースとして考えられてもよい。
【0051】
ステップS30において、前記現在の道路画像を前記環境影響道路画像セット内の環境影響道路画像とそれぞれマッチングを行って、前記現在の道路画像とマッチングするターゲット環境影響道路画像を得る。
【0052】
ステップS40において、前記ターゲット環境影響道路画像に基づいて、前記測位対象車両の現在の位置情報を確定する。
【0053】
測位対象車両が置かれている位置の現在の環境データとマッチングする環境影響道路画像セットを取得した場合、測位対象車両が置かれている位置の現在の道路画像を前記環境影響道路画像セット内の環境影響道路画像とそれぞれマッチングを行って、前記現在の道路画像とマッチングするターゲット環境影響道路画像を得て、前記ターゲット環境影響道路画像に基づいて、前記測位対象車両の現在の位置情報を確定するようにしてもよいことは、容易に理解できるであろう。具体的な実現では、前記環境影響道路画像セットに基づいて、位置特定と地図作成の同時実行技術を用いて、対応する高精度地図を作成してから、得られた高精度地図に基づいて車両の測位を行ってもよく、さらに、前記高精度地図内の前記ターゲット環境影響道路画像に対応する位置情報を前記測位対象車両の現在の位置情報としてもよく、例えば、前記ターゲット環境影響道路画像に対応する位置座標が(a,b,c)であるとすると、(a,b,c)を前記測位対象車両の現在の位置情報とする。
【0054】
本実施例において、測位対象車両が置かれている位置の現在の環境データと現在の道路画像とを取得し、前記現在の環境データとマッチングする環境影響道路画像セットを検索し、前記現在の道路画像を前記環境影響道路画像セット内の環境影響道路画像とそれぞれマッチングを行って、前記現在の道路画像とマッチングするターゲット環境影響道路画像を得て、前記ターゲット環境影響道路画像に基づいて、前記測位対象車両の現在の位置情報を確定する。従来技術では、晴天の昼間状態で作成された高精度地図を用いて車両測位を行うことが多く、天気や時間帯による測位誤差を無視していたのに対し、本実施例は、測位対象車両が置かれている位置の現在の環境データに対応する環境影響道路画像セットを検索し、測位対象車両が置かれている位置の現在の道路画像を前記環境影響道路画像セット内の環境影響道路画像とそれぞれマッチングを行って、前記現在の道路画像とマッチングするターゲット環境影響道路画像を得て、そして、前記ターゲット環境影響道路画像に基づいて、前記測位対象車両の現在の位置情報を確定するため、異なる環境要因による地図作成への影響を十分に考慮し、環境による干渉に起因する測位誤差を低減し、異なる環境状況における車両の測位精度を高める。
【0055】
図3を参照し、
図3は本発明の環境マッチングに基づく車両測位方法の第2の実施例の模式フローチャートである。
【0056】
上記第1の実施例に加えて、本実施例において、前記ステップS20の前に、前記方法はさらに以下のステップを含む。
【0057】
ステップS01において、予め設定された環境モードにおける道路画像セットを取得し、前記道路画像セットに対して環境影響除去処理を実行して、ベース道路画像セットを得る。
【0058】
なお、異なる環境影響下の環境影響道路画像セットを取得するためには、まず、異なる天候(例えば、晴れ、曇り、雨、雪、霧など)及び異なる時間帯(例えば、早朝、正午、夕方、深夜など)における道路画像セットをそれぞれ取得し、前記道路画像セットに対して画像認識を行って、画像認識結果を得て、そして、前記画像認識結果に対して特徴タグ付けを行って、道路特徴タグを得るようにしてもよい。ここで、特徴タグ付けは、画像認識結果内の特徴情報をタグ付けすることとして考えられてもよく、天気、時間帯、道路構成要素、道路構成要素の所属カテゴリなどを示すために利用されてもよい。例えば、ある道路の道路構成要素の画像認識結果が薄暗い道路の街灯であれば、対応する道路特徴タグは、夕方/深夜、街灯である。また、ある道路の道路構成要素の画像認識結果が雪に覆われた警戒標識であれば、対応する道路特徴タグは、雪の日、警戒標識である。ここで、前記道路構成要素とは、道路交通標識類の要素(例えば、警戒標識、規制標識、案内標識等)、道路交通標示類要素(例えば、指示標示、規制標示、警戒標示等)、交通設備類要素(例えば、信号、街灯、防護柵等)、建築施設類要素(例えば、住宅、学校、病院等)等、道路を構成する異なる要素として考えられる。具体的な実現では、特徴タグ付けの精度を高めるために、ユーザが入力したタグ修正情報を受け取り、前記タグ修正情報に従って前記画像特徴タグを追加/削除/修正してもよく、あるいは、ユーザが入力した道路特徴タグを直接受け取ってもよい。
【0059】
前記道路特徴タグを得た場合、前記道路特徴タグに基づいて前記道路画像セットに対して環境影響除去処理を実行して、ベース道路画像セットを得ることができる。前記環境影響処理は、環境要因による影響有りの道路画像セットに対してそれぞれ、異なる環境影響に応じて、対応するアフターエフェクト処理を行って、環境影響無しのベース道路画像セットを得ることとして考えられてもよく、具体的な実現では、異なる環境影響に応じて、対応するエフェクト処理プラグインを選択してから、異なるエフェクト処理プラグインを用いて、前記道路画像セットに対して対応するアフターエフェクト処理を行って、ベース道路画像セットを得てもよい。例えば、道路特徴タグのうち天気を示すタグが雪の日であれば、雪の日に対応するエフェクト処理プラグインを呼び出す。また例えば、道路特徴タグのうち時間帯を示すタグが夕方/深夜であれば、夕方/深夜に対応するエフェクト処理プラグインを呼び出す。さらに、特徴タグのうち要素カテゴリを示すタグを合わせて利用して、対応するエフェクト処理プラグインを呼び出して、環境影響除去処理を実行してもよい。例えば、道路特徴タグが夕方/深夜、街灯であれば、夕方/深夜及び街灯に対応するエフェクト処理プラグインを呼び出すか、夕方/深夜及び街灯が属する要素カテゴリ(すなわち交通設備類要素)に対応するエフェクトプラグインを呼び出す。また例えば、道路特徴タグが雪の日、警戒標識であれば、雪の日及び警戒標識に対応するエフェクト処理プラグイン、又は、雪の日及び警戒標識が属する要素カテゴリ(すなわち道路交通標識クラスの要素)に対応するエフェクトプラグインを呼び出す。
【0060】
具体的な実現では、さらに、前記ベース道路画像セットに基づいて、位置特定と地図作成の同時実行技術を用いて、対応するベース高精度地図を作成してから、得られたベース高精度地図に基づいて車両の仮測位を行ってもよく、さらに、その後、環境影響道路画像セットに基づいて、位置特定と地図作成の同時実行技術を用いて、対応する高精度地図を作成してから、得られたベース高精度地図と高精度地図とに基づいて二重測位を行うことにより、車両の測位精度と使用者の乗車時の安全性をさらに高めることができる。
【0061】
ステップS02において、異なる環境影響に対応する環境影響特徴情報に基づいて、前記ベース道路画像に対してそれぞれ注入処理を実行して、異なる環境影響下の環境影響道路画像セットを生成する。
【0062】
なお、取得される異なる環境影響下の環境影響道路画像セットの画像精度を高めるために、異なる環境影響に対応する環境特徴情報内の天気影響因子と時間帯影響因子とを取得してもよい。ここで、前記天気影響因子は、異なる天気に対応する画像影響因子、例えば、雨、風、雪、霧、砂塵などとして考えられる。前記時間帯影響因子は、異なる時間帯に対応する画像影響因子、例えば、温湿度、光の明るさなどとして考えられる。そして、前記天気影響因子と時間帯影響因子とを予め設定された組み合わせルールに従って組み合わせて、異なる環境複合因子を得てもよい。前記予め設定された組み合わせルールは、実際の需要に応じて設定されてもよく、例えば、天気影響因子の各々を時間帯影響因子のそれぞれと組み合わせてもよく、本実施例は、これについて限定しない。さらに、前記環境複合因子を前記ベース道路画像にそれぞれ注入して、異なる環境影響下の環境影響道路画像セットを生成する。具体的な実現では、環境複合因子に応じて、対応するエフェクト処理プラグインをマッチングさせ、前記エフェクト処理プラグインを用いて、前記環境複合因子を前記ベース道路画像にそれぞれ注入して、異なる環境影響下の環境影響道路画像セットを生成してもよい。例えば、環境複合因子が雪と低い光の明るさの組み合わせであれば、マッチングされたエフェクト処理プラグインは、雪の日及び夕方/深夜に対応するエフェクト処理プラグインであってもよい。
【0063】
なお、取得される異なる環境影響下の環境影響道路画像セットの画像精度を高めるために、さらに、前記ベース道路画像セット内の道路構成要素を取得し、前記環境複合因子に基づいて前記ベース道路画像セット内の前記道路構成要素をそれぞれレンダリングして、異なる環境影響下の環境影響道路画像セットを生成するようにしてもよい。具体的な実現では、前記環境複合因子に応じて、対応するエフェクト処理プラグインをマッチングさせ、前記エフェクト処理プラグインを用いて前記ベース道路画像セット内の前記道路構成要素をそれぞれレンダリングして、異なる環境影響下の環境影響道路画像セットを生成してもよい。さらに、取得される異なる環境影響下の環境影響道路画像セットの精度を高めるために、道路構成要素を合わせて利用して、対応するエフェクト処理プラグインをマッチングさせてもよい。例えば、環境複合因子が雪と低い光の明るさとの組み合わせであり、道路構成要素が防護柵であれば、雪の日、夕方/深夜及び防護柵に対応するエフェクト処理プラグインを呼び出して、このエフェクト処理プラグインを用いて前記防護柵をレンダリングしてもよく、又は、雪の日、夕方/深夜、及び防護柵が属する要素カテゴリ(交通設備類要素)に対応するエフェクトプラグインを取得し、このエフェクト処理プラグインを用いて前記防護柵をレンダリングしてもよい。こうして、前記ベース道路画像セット内の道路構成要素を探索・処理して、異なる環境影響下の環境影響道路画像セットを得る。さらに、前記環境影響道路画像セットに基づいて、位置特定と地図作成の同時実行技術を用いて、対応する高精度地図を作成してから、得られた高精度地図に基づいて車両の測位を行ってもよい。
【0064】
図4を参照し、
図4は本発明の環境マッチングに基づく車両測位方法の第2の実施例にかかる、二重測位の模式図である。
【0065】
図4では、地図データ(即ち、上述した予め設定された環境モードにおける道路画像セット)を収集した後に、地図データに対して環境影響の剥離(即ち、上述した環境影響除去処理)を行って、ベース道路画像セットを取得し、そして、前記ベース道路画像セットに基づいて、位置特定と地図作成の同時実行技術を用いて、対応するベース高精度地図を作成し、さらに、前記ベース高精度地図に対して環境影響注入を行って(すなわち、上述したように、異なる環境影響に対応する環境影響特徴情報に基づいて、前記ベース道路画像に対してそれぞれ注入処理を実行して)、異なる環境影響下の環境影響道路画像セットを生成し、そして、環境影響道路画像セットに基づいて、位置特定と地図作成の同時実行技術を用いて、対応する高精度地図を作成してから、マッチングされた現在の環境影響下の高精度地図と前記ベース高精度地図とを合わせて利用して、リアルタイムの二重測位を行うことにより、車両の測位精度と使用者の乗車時の安全性をさらに高めることができる。
【0066】
本実施例において、予め設定された環境モードにおける道路画像セットを取得し、前記道路画像セットに対して環境影響除去処理を実行して、ベース道路画像セットを得て、異なる環境影響に対応する環境影響特徴情報に基づいて、前記ベース道路画像に対してそれぞれ注入処理を実行して、異なる環境影響下の環境影響道路画像セットを生成する。予め設定された環境モードにおける道路画像セットに対して環境影響除去処理を実行して、ベース道路画像セットを得て、さらに、異なる環境影響に対応する環境影響特徴情報に基づいて、前記ベース道路画像に対してそれぞれ注入処理を実行して、異なる環境影響下の環境影響道路画像セットを生成することにより、得られる異なる環境影響下の環境影響道路画像セットの精度とその後異なる環境影響下の環境影響道路画像セットに基づいて作成される高精度地図の精度を高める。さらに、得られた高精度地図に基づいた車両測位の精度を高めた。
【0067】
図5を参照し、
図5は本発明の環境マッチングに基づく車両測位方法の第3の実施例の模式フローチャートである。
【0068】
上記各実施例に加えて、本実施例において、前記ステップS20は以下のステップを含む。
【0069】
ステップS201において、測位対象車両の過去のGPS測位情報を取得し、前記過去のGPS測位情報に基づいて、対応する所属エリア画像セットを確定する。
【0070】
ステップS202において、前記所属エリア画像セット内で、前記現在の環境データとマッチングする環境影響道路画像セットを検索する。
【0071】
なお、画像セットの検索効率を向上させるために、まず、測位対象車両の過去のGPS測位情報を取得し、前記過去のGPS測位情報に基づいて、対応する所属エリア画像セットを確定し、そして、前記所属エリア画像セット内で、前記現在の環境データとマッチングする環境影響道路画像セットを検索してもよい。周知のように、車両の走行中に、GPS信号が弱いなどのために車両の測位が困難な状況が発生し、この場合、過去のGPS測位情報を取得し、過去のGPS測位情報に基づいて、対応する所属エリア画像セットを確定してもよい。ここで、前記エリア画像セットは、予め設定された道路画像ライブラリに格納される、異なるエリアに応じて分けられた異なる画像セットとして考えられてもよい。前記予め設定された道路画像ライブラリは、リアルタイムに更新される、異なる環境影響下の異なる道路(又は異なるエリア)の対応する画像セットを格納したデータベースとして考えられてもよい。具体的な実現では、エリアの大きさは実際の需要に応じて設定でき、本実施例ではこれについて限定しない。なお、本実施例で取得されるのは、測位対象車両の過去のGPS測位情報に限らず、慣性ナビゲーション測位情報等であってもよく、本実施例ではこれについて限定しない。
【0072】
したがって、前記ステップS40は、以下のステップを含む。
【0073】
ステップS401において、前記過去のGPS測位情報と前記ターゲット環境影響道路画像に対応する位置情報とに基づいて、前記測位対象車両の現在の位置情報を確定する。
【0074】
本実施例において、車両の測位精度を高めるために、前記過去のGPS測位情報に基づいて現在時刻のGPS測位情報を予測し、そして、予測された現在時刻のGPS測位情報と前記ターゲット環境影響道路画像に対応する位置情報とに基づいて、前記測位対象車両の現在の位置情報を確定してもよい。具体的な実現では、異なるシーンにおける前記予測された現在時刻のGPS測位情報と前記ターゲット環境影響道路画像に対応する位置情報との間の誤差率が予め設定された誤差率以下であるか否かを判定し、予め設定された誤差率以下である場合、異なるシーンにおける前記予測された現在時刻のGPS測位情報と前記ターゲット環境影響道路画像に対応する位置情報との両者に対応する重みを設定し、さらに、両者及びそれらに対応する重みとに基づいて、前記測位対象車両の現在位置情報を確定してもよい。ここで、前記予め設定された誤差率は、実際の需要に応じて設定されてもよく、本実施例は、これについて限定しない。具体的な実現では、前記環境影響道路画像セットに基づいて、位置特定と地図作成の同時実行技術を用いて、対応する高精度地図を作成してから、前記高精度地図内の前記ターゲット環境影響道路画像に対応する位置情報を取得し、前記高精度地図内の前記ターゲット環境影響道路画像に対応する位置情報と予測された現在時刻のGPS測位情報とに基づいて、前記測位対象車両の現在の位置情報を確定してもよい。例えば、前記ターゲット環境影響道路画像に対応する位置座標が(a,b,c)であり、対応する重みが0.7であり、予測された現在時刻のGPS測位情報が(d,e,f)であり、対応する重みが0.3であれば、前記測位対象車両の現在の位置情報は(0.7a+0.3d,0.7b+0.3e,0.7c+0.3f)とすることができる。
【0075】
本実施例において、測位対象車両の過去のGPS測位情報を取得し、前記過去のGPS測位情報に基づいて、対応する所属エリア画像セットを確定し、前記所属エリア画像セット内で、前記現在の環境データとマッチングする環境影響道路画像セットを検索する。測位対象車両の過去のGPS測位情報に基づいて、対応する所属エリア画像セットを確定し、前記所属エリア画像セット内で、前記現在の環境データとマッチングする環境影響道路画像セットを検索することにより、画像セットの検索効率を向上させて、その後の画像セットに基づく車両測位の測位効率をさらに向上させる。なお、本実施例において、前記過去のGPS測位情報と前記ターゲット環境影響道路画像に対応する位置情報とに基づいて、前記測位対象車両の現在の位置情報を確定する。測位対象車両の過去のGPS測位情報と前記ターゲット環境影響道路画像に対応する位置情報とを合わせて利用して前記測位対象車両の現在の位置情報を確定することにより、車両測位の誤差を出来る限り低減させ、車両測位精度を高めるとともに、車両測位に二重の保証を提供し、ユーザの乗車時の安全性を向上させることを実現する。
【0076】
また、本発明の実施例は記憶媒体をさらに提案し、前記記憶媒体には環境マッチングに基づく車両測位プログラムが記憶されており、前記環境マッチングに基づく車両測位プログラムがプロセッサにより実行された場合、上記に記載の環境マッチングに基づく車両測位方法のステップを実現する。
【0077】
図6を参照し、
図6は本発明の環境マッチングに基づく車両測位装置の第1の実施例の構成ブロック図である。
【0078】
図6に示すように、本発明の実施例により提案される環境マッチングに基づく車両測位装置は以下のモジュールを含む。
【0079】
データ取得モジュール10は、測位対象車両が置かれている位置の現在の環境データと現在の道路画像とを取得する。
【0080】
画像セット検索モジュール20は、前記現在の環境データとマッチングする環境影響道路画像セットを検索する。
【0081】
画像マッチングモジュール30は、前記現在の道路画像を前記環境影響道路画像セット内の環境影響道路画像とそれぞれマッチングを行って、前記現在の道路画像とマッチングするターゲット環境影響道路画像を得る。
【0082】
車両測位モジュール40は、前記ターゲット環境影響道路画像に基づいて、前記測位対象車両の現在の位置情報を確定する。
【0083】
本実施例において、測位対象車両が置かれている位置の現在の環境データと現在の道路画像とを取得し、前記現在の環境データとマッチングする環境影響道路画像セットを検索し、前記現在の道路画像を前記環境影響道路画像セット内の環境影響道路画像とそれぞれマッチングを行って、前記現在の道路画像とマッチングするターゲット環境影響道路画像を得て、前記ターゲット環境影響道路画像に基づいて、前記測位対象車両の現在の位置情報を確定する。従来技術では、晴天の昼間状態で作成された高精度地図を用いて車両測位を行うことが多く、天気や時間帯による測位誤差を無視していたのに対し、本実施例は、測位対象車両が置かれている位置の現在の環境データに対応する環境影響道路画像セットを検索し、測位対象車両が置かれている位置の現在の道路画像を前記環境影響道路画像セット内の環境影響道路画像とそれぞれマッチングを行って、前記現在の道路画像とマッチングするターゲット環境影響道路画像を得て、そして、前記ターゲット環境影響道路画像に基づいて、前記測位対象車両の現在の位置情報を確定するため、異なる環境要因による地図作成への影響を十分に考慮し、環境による干渉に起因する測位誤差を低減し、異なる環境状況における車両の測位精度を高める。
【0084】
本発明の上述した環境マッチングに基づく車両測位装置の第1の実施例に基づいて、本発明の環境マッチングに基づく車両測位装置の第2の実施例を提案する。
【0085】
本実施例において、前記データ取得モジュール10はさらに、予め設定された環境モードにおける道路画像セットを取得し、前記道路画像セットに対して環境影響除去処理を実行して、ベース道路画像セットを得る。
【0086】
前記データ取得モジュール10はさらに、異なる環境影響に対応する環境影響特徴情報に基づいて、前記ベース道路画像に対してそれぞれ注入処理を実行して、異なる環境影響下の環境影響道路画像セットを生成する。
【0087】
前記データ取得モジュール10はさらに、異なる天気及び異なる時間帯における道路画像セットをそれぞれ取得し、前記道路画像セットに対して画像認識及び特徴タグ付けを実行して、道路特徴タグを得る。
【0088】
前記データ取得モジュール10はさらに、前記道路特徴タグに基づいて前記道路画像セットに対して環境影響除去処理を実行して、ベース道路画像セットを得る。
【0089】
前記データ取得モジュール10はさらに、異なる環境影響に対応する環境特徴情報内の天気影響因子と時間帯影響因子とを取得する。
【0090】
前記データ取得モジュール10はさらに、前記天気影響因子と時間帯影響因子とを予め設定された組み合わせルールに従って組み合わせて、異なる環境複合因子を得る。
【0091】
前記データ取得モジュール10はさらに、前記環境複合因子を前記ベース道路画像にそれぞれ注入して、異なる環境影響下の環境影響道路画像セットを生成する。
【0092】
前記データ取得モジュール10はさらに、前記ベース道路画像セット内の道路構成要素を取得する。
【0093】
前記データ取得モジュール10はさらに、前記環境複合因子に基づいて前記ベース道路画像セット内の前記道路構成要素をそれぞれレンダリングして、異なる環境影響下の環境影響道路画像セットを生成する。
【0094】
前記画像セット検索モジュール20はさらに、測位対象車両の過去のGPS測位情報を取得し、前記過去のGPS測位情報に基づいて、対応する所属エリア画像セットを確定する。
【0095】
前記画像セット検索モジュール20はさらに、前記所属エリア画像セット内で、前記現在の環境データとマッチングする環境影響道路画像セットを検索する。
【0096】
前記車両測位モジュール40はさらに、前記過去のGPS測位情報と前記ターゲット環境影響道路画像に対応する位置情報とに基づいて、前記測位対象車両の現在の位置情報を確定する。
【0097】
本発明の環境マッチングに基づく車両測位装置の他の実施例又は具体的な実施形態は、上述した各方法の実施例を参照することができ、ここでは説明を省く。
【0098】
本文において、「含む」、「含める」といった用語或いは何れの他のバリエーションは非排他的な包含を意味することで、一連の要素の過程、方法、物品或いはシステムがそれらの要素だけでなく、明確に列挙されていない他の要素を含み、或いはこの種の過程、方法、物品或いはシステムに固有の要素を含むようにする。それ以上の制限がない状況で、「一つの…を含む」という文により限定される要素は、当該要素を含む過程、方法、物品或いはシステムの中に他の同じ要素がさらに存在することを除外しない。
【0099】
上記本発明実施例の番号は説明のためのものだけであって、実施例の優劣を表すものではない。
【0100】
以上の実施態様の説明を通して、当業者は、上記の実施例の方法はソフトウェアに必要な汎用ハードウェアプラットフォームを加える方法(勿論ハードウェアによることも可能であるが、多くの場合では前者がより良い実施方法)で実現できることを明確に理解できる。このような理解に基づいて、本発明の技術案は、本質としては、或いは先行技術に対して貢献する部分は、ソフトウェア製品の形式で体現できる。当該コンピュータソフトウェア製品は記憶媒体(例えばリードオンリーメモリ/ランダムアクセスメモリ、磁気ディスク、光ディスク)の中に記憶でき、一台の端末機器(携帯電話、コンピュータ、サーバ、エアコン、又はネットワーク機器等でもよい)に本発明の各実施例で説明する方法を実行させるための幾つかの命令を含む。
【0101】
以上は本発明の好ましい実施例に過ぎず、それによって本発明の特許の保護範囲を制限するわけではない。本発明の明細書及び添付図面の内容を利用してなされた均等構造或いは均等流れ変換、或いは直接又は間接的な他の関連する技術分野への応用も、同じ理由で本発明の特許の保護範囲に含まれる。
【国際調査報告】