IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アセンテージ ファーマ(スーチョウ)カンパニー,リミティドの特許一覧 ▶ アセンテージ ファーマ グループ コーポレイション リミティドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】医薬組合せおよびその使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 45/06 20060101AFI20240719BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20240719BHJP
   A61K 31/403 20060101ALI20240719BHJP
   A61K 31/407 20060101ALI20240719BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240719BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
A61K45/06
A61K31/496
A61K31/403
A61K31/407
A61P35/00
A61P35/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506513
(86)(22)【出願日】2022-08-02
(85)【翻訳文提出日】2024-03-11
(86)【国際出願番号】 CN2022109762
(87)【国際公開番号】W WO2023011488
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/110099
(32)【優先日】2021-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520344855
【氏名又は名称】アセンテージ ファーマ(スーチョウ)カンパニー,リミティド
(71)【出願人】
【識別番号】520427044
【氏名又は名称】アセンテージ ファーマ グループ コーポレイション リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 達則
(74)【代理人】
【識別番号】100225598
【弁理士】
【氏名又は名称】桐島 拓也
(72)【発明者】
【氏名】チャイ イーファン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ターチュン
(72)【発明者】
【氏名】トン チン
(72)【発明者】
【氏名】ファン ダグラス トン
(72)【発明者】
【氏名】ビング ゼット.カーター
(72)【発明者】
【氏名】マイケル アンドリーフ
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA20
4C084MA13
4C084MA16
4C084MA17
4C084MA22
4C084MA23
4C084MA28
4C084MA34
4C084MA35
4C084MA41
4C084MA43
4C084MA52
4C084MA66
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZB271
4C084ZC412
4C084ZC751
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC50
4C086CB03
4C086CB05
4C086CB14
4C086GA07
4C086GA12
4C086MA02
4C086MA13
4C086MA16
4C086MA17
4C086MA22
4C086MA23
4C086MA28
4C086MA34
4C086MA35
4C086MA41
4C086MA43
4C086MA52
4C086MA66
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZC75
(57)【要約】
本発明は医薬品分野に属し、具体的には、Bcl-2阻害剤またはBcl-2/Bcl-xL阻害剤と1つまたは複数の抗癌剤を含む医薬組合せ、および当該の組合せの癌などの疾患の治療における使用に関し、特に、Bcl-2阻害剤に対して薬剤耐性または非感受性であり、および/またはBcl-2変異および/またはTP53変異を有する急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)または多発性骨髄腫(MM)である。本発明はさらに、当該組合せを含む医薬組成物または試薬キットに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Bcl-2阻害剤および1つまたは複数の抗癌剤を含む、医薬組合せ。
【請求項2】
前記1つまたは複数の抗癌剤は、MDM2阻害剤、IAP阻害剤、および他の抗癌剤から選ばれる、請求項1に記載の医薬組合せ。
【請求項3】
前記1つまたは複数の抗癌剤は、MDM2阻害剤、IAP阻害剤、およびその組合せから選ばれる、請求項1に記載の医薬組合せ。
【請求項4】
前記Bcl-2阻害剤は、式Vの化合物、
【化1】
またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物であり、そのうち、

【化2】
から選ばれ、
は窒素原子であり、且つ
【化3】
は単結合であり、
31、X32、およびX33は、それぞれ-CR38=および-N=から独立的に選ばれ、
31aおよびR31bは、それらが連結している炭素原子と共に3-、4-、または5-員のシクロアルキル基を形成し、
32は、-NO、-SOCH、および-SOCFから選ばれ、
32aは水素およびハロゲンから選ばれ、
33は-N(R34a)(R34b)から選ばれ、
34aは、任意選択的に置換されたC1-6アルキル基、任意選択的に置換されたC3-6シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、ヘテロアルキル基、(シクロアルキル)アルキル基および(ヘテロシクリル)アルキル基から選ばれ、
34bは水素およびC1-4アルキル基から選ばれ、
38は、水素およびハロゲンから選ばれる、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬組合せ。
【請求項5】
前記Bcl-2阻害剤は、
【化4】
またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物から選ばれる、請求項4に記載の医薬組合せ。
【請求項6】
前記Bcl-2阻害剤は、
【化5】
(S)-N-((4-(((1,4-ジオキサン-2-イル)メチル)アミノ)-3-ニトロフェニル)スルホニル)-2-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)オキシ)-4-(4-((6-(4-クロロフェニル)スピロ[3.5]ノン-6-エン-7-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ベンズアミド(化合物A)またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物である、請求項4または5に記載の医薬組合せ。
【請求項7】
前記MDM2阻害剤は、式(VI)の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物であり、
【化6】
そのうち、
【化7】
【化8】
【化9】
62、R63、R64、R65、R67、R68、R69およびR70は、H、FおよびClからなる群から独立的に選ばれ、
【化10】
6cおよびR6dは環Bの1つの炭素原子上の置換基であり、そのうち
6cはH、C1-3アルキル基またはハロゲンであり、
6dはH、C1-3アルキル基またはハロゲンであり、
6eは-C(=O)OR6aであり、
6aは水素または非置換のC1-4アルキル基である、請求項2~6のいずれか一項に記載の医薬組合せ。
【請求項8】
62はHであり、R63はFまたはClであり、R64およびR65はHであり、R67はフッ素であり、R68、R69およびR70におけるそれぞれはHであり、R6cはH、CHまたはハロゲンであり、且つR6dはH、CHまたはハロゲンである、請求項7に記載の医薬組合せ。
【請求項9】
前記MDM2阻害剤は、
【化11】
またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物である、請求項7または8に記載の医薬組合せ。
【請求項10】
前記IAP阻害剤は、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物であり、
【化12】
そのうち、
【化13】
Yは、-NH-、-O-、-S-から選ばれ、および存在せず、
Rは、
【化14】
から選ばれ、
は、
【化15】
から選ばれる、請求項2~9のいずれか一項に記載の医薬組合せ。
【請求項11】
前記IAP阻害剤は、
【化16】
またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物である、請求項10に記載の医薬組合せ。
【請求項12】
前記IAP阻害剤は、
【化17】
1,3-フェニレンビス[7-(3S,5S,9aR)-5-((S)-2-メチルアミノ-プロピオンアミド)-3-ジフェニルカルバモイル-4-オキソ-3a,7-ジアザ-デカヒドロシクロペンタシクロオクテン)]-スルホンアミド(化合物C)、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物である、請求項10または11に記載の医薬組合せ。
【請求項13】
個体における癌を治療もしくは阻害し、その重篤度を軽減し、そのリスクを低下し、またはその転移を阻害するために使用され、そのうち、前記癌は、好ましくは、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、結腸癌(結腸直腸癌を含む)、食道癌、食道扁平上皮癌、頭頸部癌、肝臓癌、肺癌(小細胞肺癌、非小細胞肺癌、および肺扁平上皮癌を含む)、中皮癌腫瘍、黒色腫、骨髄腫、横紋筋肉腫、炎症性筋線維芽細胞腫、神経ターボ腫、膵臓癌、前立腺癌、腎臓癌、腎細胞癌、肉腫(骨肉腫を含む)、皮膚癌、扁平上皮癌、紡錘細胞癌、胃癌、精巣癌、甲状腺癌、子宮癌、中皮腫、神経芽細胞腫、胆管癌、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、鼻咽頭癌腫瘍、神経内分泌癌、卵巣癌、唾液腺癌、紡錘細胞癌による転移、未分化大細胞リンパ腫、甲状腺未分化癌、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫および血液悪性腫瘍、例えば、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、多発性骨髄腫(MM)、ブドウ膜黒色腫、胸膜中皮腫、腹膜中皮腫から選ばれ、
さらに好ましくは、前記癌は、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、または多発性骨髄腫(MM)である、請求項1~12のいずれか一項に記載の医薬組合せ。
【請求項14】
前記癌は、化合物AまたはVenetoclaxなどのBcl-2阻害剤に対して薬剤耐性または非感受性であり、さらに好ましくは、前記癌は、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、または多発性骨髄腫(MM)であり、それは、化合物AまたはVenetoclaxなどのBcl-2阻害剤に対して薬剤耐性または非感受性である、請求項13に記載の医薬組合せ。
【請求項15】
前記癌は、Bcl-2変異(例えば、G101V、D103E、V156Dおよびその組合せ)および/またはTP53変異(例えば、R248Q、R175H、R282W、Y220Cおよびの組合せ)を有し、さらに好ましくは、前記癌は、Bcl-2変異および/またはTP53変異を有する急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)または多発性骨髄腫(MM)である、請求項13または14に記載の医薬組合せ。
【請求項16】
前記Bcl-2阻害剤と1つまたは複数の抗癌剤との重量比は、0.005~5000:0.005~5000、例えば、0.05~1500:0.005~5000、0.1~6:0.005~4、100:0.5~400、100:1~350、100:2~300、100:5~200、100:10~150、100:10~100、100:10~90または100:20~80である、請求項1~15のいずれか一項に記載の医薬組合せ。
【請求項17】
前記Bcl-2阻害剤と1つまたは複数の抗癌剤とのモル比は、10~1:1~10、例えば、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、および上記の値の間の任意の範囲も含まれる、請求項1~15のいずれか一項に記載の医薬組合せ。
【請求項18】
前記Bcl-2阻害剤は、
【化18】
(S)-N-((4-(((1,4-ジオキサン-2-イル)メチル)アミノ)-3-ニトロフェニル)スルホニル)-2-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)オキシ)-4-(4-((6-(4-クロロフェニル)スピロ[3.5]ノン-6-エン-7-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ベンズアミド(化合物A)またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物であり、および/または
前記MDM2阻害剤は、
【化19】
またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物であり、および/または
前記IAP阻害剤は、
【化20】
1,3-フェニレンビス[7-(3S,5S,9aR)-5-((S)-2-メチルアミノ-プロピオンアミド)-3-ジフェニルカルバモイル-4-オキソ-3a,7-ジアザ-デカヒドロシクロペンタシクロオクテン)]-スルホンアミド(化合物C)、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物である、請求項2~17のいずれか一項に記載の医薬組合せ。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか一項に記載の医薬組合せ、および任意選択の薬学的に許容されるベクターを含む、医薬組合せ。
【請求項20】
錠剤、カプセル剤、顆粒剤、シロップ剤、粉末剤、トローチ剤、サシェ、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、溶液、シロップ、エアロゾル剤、軟膏、クリーム、および注射剤である、請求項19に記載の医薬組合せ。
【請求項21】
個体における癌を治療もしくは阻害し、その重篤度を軽減し、そのリスクを低下し、またはその転移を阻害するための方法であって、治療有効量のBcl-2阻害剤、および任意選択の治療有効量の1つまたは複数の抗癌剤を個体に投与することを含み、
好ましくは、前記Bcl-2阻害剤は、請求項4~6のいずれか一項に定義されたとおりであり、且つ前記抗癌剤は、MDM2阻害剤、IAP阻害剤および他の抗癌剤から選ばれ、請求項7~12のいずれか一項に定義されたとおりであり、ならびに
好ましくは、前記癌は、請求項13~15のいずれか一項に定義されたとおりである、方法。
【請求項22】
前記Bcl-2阻害剤の投与量は、約0.005mg/日~約5000mg/日、例えば、約0.005、0.05、0.5、5、10、20、30、40、50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1500、2000、2500、3000、4000、4500または5000ミリグラム/日である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記Bcl-2阻害剤の投与量は、単位用量当たり約1ng/kg~約200mg/kg、約1μg/kg~約100mg/kg、または約1mg/kg~約50mgであり、例えば、単位用量当たり約1μg/kg、約10μg/kg、約25μg/kg、約50μg/kg、約75μg/kg、約100μg/kg、約125μg/kg、約150μg/kg、約175μg/kg、約200μg/kg、約225μg/kg、約250μg/kg、約275μg/kg、約300μg/kg、約325μg/kg、約350μg/kg、約375μg/kg、約400μg/kg、約425μg/kg、約450μg/kg、約475μg/kg、約500μg/kg、約525μg/kg、約550μg/kg、約575μg/kg、約600μg/kg、約625μg/kg、約650μg/kg、約675μg/kg、約700μg/kg、約725μg/kg、約750μg/kg、約775μg/kg、約800μg/kg、約825μg/kg、約850μg/kg、約875μg/kg、約900μg/kg、約925μg/kg、約950μg/kg、約975μg/kg、約1mg/kg、約5mg/kg、約10mg/kg、約15mg/kg、約20mg/kg、約25mg/kg、約30mg/kg、約35mg/kg、約40mg/kg、約45mg/kg、約50mg/kg、約60mg/kg、約70mg/kg、約80mg/kg、約90mg/kg、約100mg/kg、約125mg/kg、約150mg/kg、約175mg/kg、約200mg/kgで、且つ1日に1つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個)の単位用量で投与する、請求項21または22に記載の方法。
【請求項24】
前記1つまたは複数の抗癌剤は、0.005mg/日~約5000mg/日、例えば、約0.005、0.05、0.5、5、10、20、30、40、50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500または5000ミリグラム/日の量で投与される、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記1つまたは複数の抗癌剤の投与量は、単位用量当たり約1ng/kg~約200mg/kg、約1μg/kg~約100mg/kg、または約1mg/kg~約50mgであり、例えば、単位用量当たり約1μg/kg、約10μg/kg、約25μg/kg、約50μg/kg、約75μg/kg、約100μg/kg、約125μg/kg、約150μg/kg、約175μg/kg、約200μg/kg、約225μg/kg、約250μg/kg、約275μg/kg、約300μg/kg、約325μg/kg、約350μg/kg、約375μg/kg、約400μg/kg、約425μg/kg、約450μg/kg、約475μg/kg、約500μg/kg、約525μg/kg、約550μg/kg、約575μg/kg、約600μg/kg、約625μg/kg、約650μg/kg、約675μg/kg、約700μg/kg、約725μg/kg、約750μg/kg、約775μg/kg、約800μg/kg、約825μg/kg、約850μg/kg、約875μg/kg、約900μg/kg、約925μg/kg、約950μg/kg、約975μg/kg、約1mg/kg、約5mg/kg、約10mg/kg、約15mg/kg、約20mg/kg、約25mg/kg、約30mg/kg、約35mg/kg、約40mg/kg、約45mg/kg、約50mg/kg、約60mg/kg、約70mg/kg、約80mg/kg、約90mg/kg、約100mg/kg、約125mg/kg、約150mg/kg、約175mg/kg、約200mg/kgで、且つ1日に1つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個)の単位用量で投与する、請求項21~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記Bcl-2阻害剤および1つまたは複数の抗癌剤は、一緒に、同時に、連続的に、または交互に投与される、請求項21~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記Bcl-2阻害剤および1つまたは複数の抗癌剤は、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも8日間、少なくとも9日間、少なくとも10日間、少なくとも11日間、少なくとも12日間、少なくとも13日間、少なくとも14日間、少なくとも15日間、少なくとも16日間、少なくとも17日間、少なくとも18日間、少なくとも19日間、少なくとも20日間、少なくとも21日間、少なくとも22日間、少なくとも23日間、少なくとも24日、少なくとも25日間、少なくとも30日間、少なくとも35日間、少なくとも40日間、少なくとも45日間、または少なくとも50日間連続投与される、請求項21~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記Bcl-2阻害剤および1つまたは複数の抗癌剤は、1つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個)の治療コースで投与され、そのうち、各治療コースは少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも8日間、少なくとも9日間、少なくとも10日間、少なくとも11日間、少なくとも12日間、少なくとも13日間、少なくとも14日間、少なくとも15日間、少なくとも16日間、少なくとも17日間、少なくとも18日間、少なくとも19日間、少なくとも20日間、少なくとも21日間、少なくとも22日間、少なくとも23日間、少なくとも24日、少なくとも25日間、少なくとも30日間、少なくとも35日間、少なくとも40日間、少なくとも45日間、または少なくとも50日間持続し、2つの治療コース間ごとに、0日間、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、2週間、3週間または4週間の間隔をあける、請求項21~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記Bcl-2阻害剤および1つまたは複数の抗癌剤は、相同(例えば、経口)または相異である経路(例えば、それぞれ経口および非経口(例えば、注射))によって投与される、請求項21~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
Bcl-2阻害剤と1つまたは複数の抗癌剤の組合せの、癌を治療もしくは阻害し、その重篤度を軽減し、そのリスクを低下し、またはその個体における転移を阻害するための使用であって、
好ましくは、前記Bcl-2阻害剤は、請求項4~6のいずれか一項に定義されたとおりであり、且つ前記抗癌剤は、MDM2阻害剤、IAP阻害剤および他の抗癌剤から選ばれ、請求項7~12のいずれか一項に定義されたとおりであり、ならびに
好ましくは、前記癌は、請求項13~15のいずれか一項に定義されたとおりである、使用。
【請求項31】
Bcl-2阻害剤と1つまたは複数の抗癌剤の組合せの、癌を治療もしくは阻害し、その重篤度を軽減し、そのリスクを低下し、またはその個体における転移を阻害するための医薬の製造における使用であって、
好ましくは、前記Bcl-2阻害剤は、請求項4~6のいずれか一項に定義されたとおりであり、且つ前記抗癌剤は、MDM2阻害剤、IAP阻害剤および他の抗癌剤から選ばれ、請求項7~12のいずれか一項に定義されたとおりであり、ならびに
好ましくは、前記癌は、請求項13~15のいずれか一項に定義されたとおりである、使用。
【請求項32】
MDM2阻害剤の単独または1つもしくは複数の抗癌剤との組合せの、個体における癌を治療もしくは阻害し、その重篤度を軽減し、そのリスクを低下し、またはその転移を阻害するための使用であって、
好ましくは、前記MDM2阻害剤は、請求項7~9のいずれか一項に定義されたとおりであり、且つ前記抗癌剤は、Bcl-2阻害剤、IAP阻害剤および他の抗癌剤から選ばれ、請求項4~6および10~12のいずれか一項に定義されたとおりであり、ならびに
好ましくは、前記癌は、請求項13~15のいずれか一項に定義されたとおりである、使用。
【請求項33】
MDM2阻害剤の単独または1つもしくは複数の抗癌剤との組合せの、癌を治療もしくは阻害し、その重篤度を軽減し、そのリスクを低下し、またはその個体における転移を阻害するための医薬の製造における使用であって、
好ましくは、前記MDM2阻害剤は、請求項7~9のいずれか一項に定義されたとおりであり、且つ前記抗癌剤は、Bcl-2阻害剤、IAP阻害剤および他の抗癌剤から選ばれ、請求項4~6および10~12のいずれか一項に定義されたとおりであり、ならびに
好ましくは、前記癌は、請求項13~15のいずれか一項に定義されたとおりである、使用。
【請求項34】
MDM2阻害剤および1つまたは複数の抗癌剤を含む、個体における癌を治療もしくは阻害し、その重篤度を軽減し、そのリスクを低下し、またはその転移を阻害するための医薬組合せであって、
好ましくは、前記MDM2阻害剤は、請求項7~9のいずれか一項に定義されたとおりであり、且つ前記抗癌剤は、Bcl-2阻害剤、IAP阻害剤および他の抗癌剤から選ばれ、請求項4~6および10~12のいずれか一項に定義されたとおりであり、ならびに
好ましくは、前記癌は、請求項13~15のいずれか一項に定義されたとおりである、医薬組合せ。
【請求項35】
Bcl-2/Bcl-xL阻害剤の単独、または1つもしくは複数の抗癌剤との組合せの、癌を治療もしくは阻害し、その重篤度を軽減し、そのリスクを低下し、またはその個体における転移を阻害するための使用であって、
好ましくは、前記抗癌剤は、MDM2阻害剤、IAP阻害剤および他の抗癌剤から選ばれ、請求項7~12のいずれか一項に定義されたとおりであり、ならびに
好ましくは、前記癌は、請求項13~15のいずれか一項に定義されたとおりである、使用。
【請求項36】
Bcl-2/Bcl-xL阻害剤の単独、または1つもしくは複数の抗癌剤との組合せの、癌を治療もしくは阻害し、その重篤度を軽減し、そのリスクを低下し、またはその個体における転移を阻害するための医薬の製造における使用であって、
好ましくは、前記抗癌剤は、MDM2阻害剤、IAP阻害剤および他の抗癌剤から選ばれ、請求項7~12のいずれか一項に定義されたとおりであり、ならびに
好ましくは、前記癌は、請求項13~15のいずれか一項に定義されたとおりである、使用。
【請求項37】
Bcl-2/Bcl-xL阻害剤および1つまたは複数の抗癌剤を含む、個体における癌を治療もしくは阻害し、その重篤度を軽減し、そのリスクを低下し、またはその転移を阻害するための医薬組合せであって、
好ましくは、前記抗癌剤は、MDM2阻害剤、IAP阻害剤および他の抗癌剤から選ばれ、請求項7~12のいずれか一項に定義されたとおりであり、ならびに
好ましくは、前記癌は、請求項13~15のいずれか一項に定義されたとおりである、医薬組合せ。
【請求項38】
前記Bcl-2/Bcl-xL阻害剤は、
【化21】
(3R)-1-(3-(4-(4-(4-(3-(2-(4-クロロフェニル)-1-イソプロピル-4-メチルスルホニル-5-メチル-1H-ピロール-3-イル))-5-フルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノスルホニル)-2-トリフルオロメチルスルホニル-アニリノ)-4-フェニルチオ-ブチル)-ピペリジン-4-カルボン酸3-ホスホノプロピルエステル(化合物D)、または薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物、あるいは
【化22】
((R)-1-(3-((4-(N-(4-(4-(3-(2-(4-クロロフェニル))-1-イソプロピル-5-メチル-4-(メチルスルホニル)-1H))-ピロール-3-イル)-5-フルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)スルファモイル)-2-((トリフルオロメチル)スルホニル)フェニル)アミノ)-4-(フェニルチオ)ブチル)ピペリジン-4-カルボン酸(化合物E)またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物から選ばれる、請求項35または36に記載の使用あるいは請求項37に記載の医薬組合せ。
【請求項39】
(a)Bcl-2阻害剤(好ましくは上記で定義したBcl-2阻害剤)またはBcl-2/Bcl-xL阻害剤(好ましくは上記で定義したBcl-2/Bcl-xL阻害剤)、および任意選択の薬学的に許容されるベクターを含む、第1容器中の第1成分、
(b)1つまたは複数の抗癌剤(好ましくは上記で定義した抗癌剤)、および任意選択の薬学的に許容されるベクターを含む、第2容器中の第2成分および
(c)オプション仕様を含み、
そのうち、第1容器と第2容器は相同または相異であってもよい、試薬キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医薬品分野に属し、具体的には、Bcl-2阻害剤またはBcl-2/Bcl-xL阻害剤および1つまたは複数の抗癌剤を含む医薬組合せ、ならびに当該組合せの癌などの疾患の治療における使用に関する。本発明はさらに、当該組合せを含む医薬組成物または試薬キットに関する。
【背景技術】
【0002】
増殖性疾患は現代社会に深刻な脅威をもたらす。癌性増殖は、制御不能な細胞増殖、局所さらには遠隔組織への侵入する能力、分化の欠如、検出可能な症状の欠如、および効果的な治療と予防の欠如を含むその独特の特性により、現代医学に深刻な課題を提示する。世界中で毎年1000万人を超える人が癌と診断され、毎年600万人が癌によって死亡し、世界の死亡者数の12%を占める。
【0003】
標的薬(例えば、Bcl-2、Bcl-xL、EED、ALK、CDK4/6、Mek、MDM2、HDAC、PD-1、PARP、VEGF、BCR-ABL、IAP阻害剤などを標的とする医薬)を含む、異なる標的に対する多くの癌治療薬がすでに開発されている。
【0004】
Bcl-2阻害剤を例として、細胞アポトーシスは、潜在的に危険な細胞、例えば癌性欠陥を有する細胞を除去することができるデフォルトのメカニズムであり、Bcl-2タンパク質ファミリーは、ミトコンドリア(「内因性的な」とも呼ばれる)アポトーシス経路の肝要な制御因子である。Bcl-2ファミリータンパク質の癌性細胞および正常細胞(すなわち、非癌性細胞)におけるアポトーシスの制御における重要な役割、ならびに公認されるBcl-2ファミリータンパク質発現の細胞型間における変動性を鑑み、したがって、小分子阻害剤は、抗アポトーシスBcl-2タンパク質の1つまたはサブグループを選択的に標的化し、好ましくは結合することができ、例えば、特定の種類の癌で過剰発現される抗アポトーシスBcl-2ファミリーメンバーと結合することが有利である。いくつかのBcl-2小分子阻害剤は医薬開発の異なる段階で研究されており、Bcl-2/Bcl-xL阻害剤ABT-263(navitoclax、WO2009155386)は、慢性リンパ性白血病などのリンパ系悪性腫瘍において良好な臨床活性を示す。新世代のBcl-2選択的阻害剤Venetoclax(ABT-199/GDC-0199)が発売され、当該阻害剤は、これらの癌において強力な活性を示し、血小板も保護できる(Journal of Hematology&Oncology2015、8、129;Clinical Advancesin Hematology&Oncology2017、15、210)。現在、Venetoclax(原名はABT-199)は、17p欠失を伴う再発または難治性の慢性リンパ性白血病(CLL)患者の治療のためにFDAによって承認されている。
【0005】
しかし、どの特定の標的薬剤およびどの特定の構造の化合物が癌治療においてより有効であるかに関して、かなりの不確実性が依然として存在する。また、いくつかの単独で使用する医薬は、しばしば薬効不十分、過剰投与、薬剤耐性などの問題が存在する。例えば、最近の患者がBcl-2阻害剤Venetoclax(ABT-199)で19~42ヶ月間治療された後、Bcl-2において新たなGly101Val(G101V)変異が最近発見された(Cancer Discov.2019、9、342~353)。この変異は、細胞ベースの測定において、Venetoclax(ABT-199)に対するBcl-2の結合親和性が約180倍と顕著に低下する。
【0006】
医薬組合せは、医薬を単独で使用する場合と比較して、多くの潜在的な利点を有する。特に、複数の異なる標的に対する医薬組合せは、各医薬の用量を減少させ、単剤薬剤耐性の発生を回避し、組合せを注意深く選ぶことでさらに相乗効果をもたらし、これにより癌治療の効果を向上させることができる。
【0007】
したがって、標的医薬や他の抗癌剤の薬剤耐性を克服することは、治療効果および薬物開発の主要な目的の1つであり、癌治療の分野において、治療効果を向上させるおよび/または薬剤耐性を低下させるための、単剤および医薬組合せが常に緊急に必要とされている。
【発明の概要】
【0008】
一態様において、本発明は、Bcl-2阻害剤および1つまたは複数の抗癌剤を含む医薬組合せを提供する。
【0009】
別の態様において、本発明は、本発明の医薬組合せ、および任意選択の薬学的に許容されるベクターを含む医薬組成物を提供する。
【0010】
別の態様において、本発明は、個体における癌を治療もしくは阻害し、その重篤度を軽減し、そのリスクを低下し、またはその転移を阻害するための方法であって、治療有効量のBcl-2阻害剤、および任意選択の治療有効量の1つまたは複数の抗癌剤を個体に投与することを含む方法を提供する。
【0011】
別の態様において、本発明は、Bcl-2阻害剤と1つまたは複数の抗癌剤の組合せの、癌を治療もしくは阻害し、その重篤度を軽減し、そのリスクを低下し、またはその個体における転移を阻害するための使用を提供する。
【0012】
別の態様において、本発明は、Bcl-2阻害剤と1つまたは複数の抗癌剤の組合せの、癌を治療もしくは阻害し、その重篤度を軽減し、そのリスクを低下し、またはその個体における転移を阻害するための医薬の製造における使用を提供する。
【0013】
別の態様において、本発明は、MDM2阻害剤の単独または1つもしくは複数の抗癌剤との組合せの、癌を治療もしくは阻害し、その重篤度を軽減し、そのリスクを低下し、またはその個体における転移を阻害するための使用を提供する。
【0014】
別の態様において、本発明は、MDM2阻害剤の単独使用、あるいは1つまたは複数の抗癌剤との組合せ使用の、癌を治療もしくは阻害し、その重篤度を軽減し、そのリスクを低下し、またはその個体における転移を阻害するための医薬の製造における途を提供する。
【0015】
別の態様において、本発明は、MDM2阻害剤および1つまたは複数の抗癌剤を含む、個体における癌を治療もしくは阻害し、その重篤度を軽減し、そのリスクを低下し、またはその転移を阻害するための医薬組合せを提供する。
【0016】
別の態様において、本発明は、Bcl-2/Bcl-xL阻害剤の単独使用、あるいは1つまたは複数の抗癌剤との組合せの、癌を治療もしくは阻害し、その重篤度を軽減し、そのリスクを低下し、またはその個体における転移を阻害するための使用を提供する。
【0017】
別の態様において、本発明は、Bcl-2/Bcl-xL阻害剤の単独、あるいは1つまたは複数の抗癌剤との組合せの、癌を治療もしくは阻害し、その重篤度を軽減し、そのリスクを低下し、またはその個体における転移を阻害するための医薬の製造における使用を提供する。
【0018】
別の態様において、本発明は、Bcl-2/Bcl-xL阻害剤および1つまたは複数の抗癌剤を含む、個体における癌を治療もしくは阻害し、その重篤度を軽減し、そのリスクを低下し、またはその転移を阻害するための医薬組合せを提供する。
【0019】
別の態様において、本発明は、
(a)Bcl-2阻害剤またはBcl-2/Bcl-xL阻害剤を含む、第1容器中の第1成分、
(b)1つまたは複数の抗癌剤、および任意選択の薬学的に許容されるベクターを含む、第2容器中の第2成分、および
(c)オプション仕様を含む試薬キットを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1-1】化合物Bが、異なるBcl-2変異を有するRS4;11細胞の殺傷を回復できることを示す。
図1-2】化合物Bが、異なるBcl-2変異を有するRS4;11細胞の殺傷を回復できることを示す。
図2-1】本発明の組合せが、RS4;11 Bcl2-G101V-Flag細胞株の増殖を相乗的に阻害できることを示す。
図2-2】本発明の組合せが、RS4;11 Bcl2-G101V-Flag細胞株の増殖を相乗的に阻害できることを示す。
図2-3】本発明の組合せが、RS4;11 Bcl2-G101V-Flag細胞株の増殖を相乗的に阻害できることを示す。
図2-4】本発明の組合せが、RS4;11 Bcl2-G101V-Flag細胞株の増殖を相乗的に阻害できることを示す。
図3-1】本発明の組合せが、RS4;11 Bcl2-V156D-Flag細胞株の増殖を相乗的に阻害できることを示す。
図3-2】本発明の組合せが、RS4;11 Bcl2-V156D-Flag細胞株の増殖を相乗的に阻害できることを示す。
図3-3】本発明の組合せが、RS4;11 Bcl2-V156D-Flag細胞株の増殖を相乗的に阻害できることを示す。
図3-4】本発明の組合せが、RS4;11 Bcl2-V156D-Flag細胞株の増殖を相乗的に阻害できることを示す。
図4-1】BCL-2、MDM2、およびIAPの共標的化が、化合物Aによって誘導される薬剤耐性細胞株(AMLおよびALL)において最も効果的であることを示す。
図4-2】BCL-2、MDM2、およびIAPの共標的化が、化合物Aによって誘導される薬剤耐性細胞株(AMLおよびALL)において最も効果的であることを示す。
図4-3】BCL-2、MDM2、およびIAPの共標的化が、化合物Aによって誘導される薬剤耐性細胞株(AMLおよびALL)において最も効果的であることを示す。
図5】化合物Aおよび化合物Bの組合せが、BCL-2V156D変異の腫瘍モデル(RS4;11BCL-2-V156D-Flag細胞)においてVenetoclax薬剤耐性を克服することを示す。
図6】マウスRS4;11BCL-2-G101V-FlagヒトALL癌異種移植モデルにおける併用治療を示す。
図7-1】マウスは、RS4;11-VEN-RヒトALL癌異種移植モデルにおける化合物A+化合物B+Azaと化合物A+化合物B+化合物Cとの対比を示す。
図7-2】マウスは、RS4;11-VEN-RヒトALL癌異種移植モデルにおける化合物A+化合物B+Azaと化合物A+化合物B+化合物Cとの対比を示す。
図8-1】AML細胞における化合物A+化合物Cの併用効果(72時間)を示す。
図8-2】AML細胞における化合物A+化合物Cの併用効果(72時間)を示す。
図9-1】化合物Aおよび化合物Cの併用が皮下MV-4-11 AMLの治療において相乗効果を生じることを示す。
図9-2】化合物Aおよび化合物Cの併用が皮下MV-4-11 AMLの治療において相乗効果を生じることを示す。
図9-3】化合物Aおよび化合物Cの併用が皮下MV-4-11 AMLの治療において相乗効果を生じることを示す。
図9-4】化合物Aおよび化合物Cの併用が皮下MV-4-11 AMLの治療において相乗効果を生じることを示す。
図10-1】同所性MOLM-13-lucヒトAMLモデルにおける化合物Aおよび化合物Cの併用治療効果を示す。
図10-2】同所性MOLM-13-lucヒトAMLモデルにおける化合物Aおよび化合物Cの併用治療効果を示す。
図10-3】同所性MOLM-13-lucヒトAMLモデルにおける化合物Aおよび化合物Cの併用治療効果を示す。
図11-1】p53 WT全身性OCI-AML 3 AMLモデル(Venetoclaxの内因性薬剤耐性)における化合物A、化合物Bおよび/または化合物Cの併用治療効果を示す。
図11-2】p53 WT全身性OCI-AML 3 AMLモデル(Venetoclaxの内因性薬剤耐性)における化合物A、化合物Bおよび/または化合物Cの併用治療効果を示す。
図11-3】p53 WT全身性OCI-AML 3 AMLモデル(Venetoclaxの内因性薬剤耐性)における化合物A、化合物Bおよび/または化合物Cの併用治療効果を示す。
図12-1】Venetoclax薬剤耐性のAML細胞において、細胞死を最大限に誘導するために、内因性アポトーシスおよび外因性アポトーシスが共標的化されることを示す。
図12-2】Venetoclax薬剤耐性のAML細胞において、細胞死を最大限に誘導するために、内因性アポトーシスおよび外因性アポトーシスが共標的化されることを示す。
図12-3】Venetoclax薬剤耐性のAML細胞において、細胞死を最大限に誘導するために、内因性アポトーシスおよび外因性アポトーシスが共標的化されることを示す。
図12-4】Venetoclax薬剤耐性のAML細胞において、細胞死を最大限に誘導するために、内因性アポトーシスおよび外因性アポトーシスが共標的化されることを示す。
図12-5】Venetoclax薬剤耐性のAML細胞において、細胞死を最大限に誘導するために、内因性アポトーシスおよび外因性アポトーシスが共標的化されることを示す。
図12-6】Venetoclax薬剤耐性のAML細胞において、細胞死を最大限に誘導するために、内因性アポトーシスおよび外因性アポトーシスが共標的化されることを示す。
図12-7】Venetoclax薬剤耐性のAML細胞において、細胞死を最大限に誘導するために、内因性アポトーシスおよび外因性アポトーシスが共標的化されることを示す。
図12-8】Venetoclax薬剤耐性のAML細胞において、細胞死を最大限に誘導するために、内因性アポトーシスおよび外因性アポトーシスが共標的化されることを示す。
図12-9】Venetoclax薬剤耐性のAML細胞において、細胞死を最大限に誘導するために、内因性アポトーシスおよび外因性アポトーシスが共標的化されることを示す。
図12-10】Venetoclax薬剤耐性のAML細胞において、細胞死を最大限に誘導するために、内因性アポトーシスおよび外因性アポトーシスが共標的化されることを示す。
図12-11】Venetoclax薬剤耐性のAML細胞において、細胞死を最大限に誘導するために、内因性アポトーシスおよび外因性アポトーシスが共標的化されることを示す。
図13】化合物EがBCL-2i非感受性細胞RPMI 8226において単剤活性を示すことを示す。
図14-1】化合物Eおよび化合物Cの併用が、BCL-2i非感受性細胞を増殖阻害に対して感受性にすることを示す。
図14-2】化合物Eおよび化合物Cの併用が、BCL-2i非感受性細胞を増殖阻害に対して感受性にすることを示す。
図14-3】化合物Eおよび化合物Cの併用が、BCL-2i非感受性細胞を増殖阻害に対して感受性にすることを示す。
図14-4】化合物Eおよび化合物Cの併用が、BCL-2i非感受性細胞を増殖阻害に対して感受性にすることを示す。
図15-1】化合物Cが、BCL-2阻害剤に対して非感受性のMM細胞において単剤活性を示すことを示す。
図15-2】化合物Cが、BCL-2阻害剤に対して非感受性のMM細胞において単剤活性を示すことを示す。
図16-1】化合物E/化合物Dが、Venetoclax薬剤耐性のMM細胞および異種移植モデルの両方において単剤活性を示すことを示し、化合物Eは、薬剤耐性クローンの増殖を阻害し(図16A)、同時に細胞アポトーシスを誘導し(図16B)、化合物Eは細胞死を誘導するのに最も効果的である(図16C)。化合物Eのプロドラッグ化合物Dも、これら2つの細胞株のCDXモデルにおいて効果的であり(図16Dおよび図16E)、4人のMM患者のMM細胞において化合物Eの活性がVenetoclaxよりも高いことが観察された(図16F)。
図16-2】化合物E/化合物Dが、Venetoclax薬剤耐性のMM細胞および異種移植モデルの両方において単剤活性を示すことを示し、化合物Eは、薬剤耐性クローンの増殖を阻害し(図16A)、同時に細胞アポトーシスを誘導し(図16B)、化合物Eは細胞死を誘導するのに最も効果的である(図16C)。化合物Eのプロドラッグ化合物Dも、これら2つの細胞株のCDXモデルにおいて効果的であり(図16Dおよび図16E)、4人のMM患者のMM細胞において化合物Eの活性がVenetoclaxよりも高いことが観察された(図16F)。
図16-3】化合物E/化合物Dが、Venetoclax薬剤耐性のMM細胞および異種移植モデルの両方において単剤活性を示すことを示し、化合物Eは、薬剤耐性クローンの増殖を阻害し(図16A)、同時に細胞アポトーシスを誘導し(図16B)、化合物Eは細胞死を誘導するのに最も効果的である(図16C)。化合物Eのプロドラッグ化合物Dも、これら2つの細胞株のCDXモデルにおいて効果的であり(図16Dおよび図16E)、4人のMM患者のMM細胞において化合物Eの活性がVenetoclaxよりも高いことが観察された(図16F)。
図16-4】化合物E/化合物Dが、Venetoclax薬剤耐性のMM細胞および異種移植モデルの両方において単剤活性を示すことを示し、化合物Eは、薬剤耐性クローンの増殖を阻害し(図16A)、同時に細胞アポトーシスを誘導し(図16B)、化合物Eは細胞死を誘導するのに最も効果的である(図16C)。化合物Eのプロドラッグ化合物Dも、これら2つの細胞株のCDXモデルにおいて効果的であり(図16Dおよび図16E)、4人のMM患者のMM細胞において化合物Eの活性がVenetoclaxよりも高いことが観察された(図16F)。
図16-5】化合物E/化合物Dが、Venetoclax薬剤耐性のMM細胞および異種移植モデルの両方において単剤活性を示すことを示し、化合物Eは、薬剤耐性クローンの増殖を阻害し(図16A)、同時に細胞アポトーシスを誘導し(図16B)、化合物Eは細胞死を誘導するのに最も効果的である(図16C)。化合物Eのプロドラッグ化合物Dも、これら2つの細胞株のCDXモデルにおいて効果的であり(図16Dおよび図16E)、4人のMM患者のMM細胞において化合物Eの活性がVenetoclaxよりも高いことが観察された(図16F)。
図16-6】化合物E/化合物Dが、Venetoclax薬剤耐性のMM細胞および異種移植モデルの両方において単剤活性を示すことを示し、化合物Eは、薬剤耐性クローンの増殖を阻害し(図16A)、同時に細胞アポトーシスを誘導し(図16B)、化合物Eは細胞死を誘導するのに最も効果的である(図16C)。化合物Eのプロドラッグ化合物Dも、これら2つの細胞株のCDXモデルにおいて効果的であり(図16Dおよび図16E)、4人のMM患者のMM細胞において化合物Eの活性がVenetoclaxよりも高いことが観察された(図16F)。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に別に定義しない限り、本発明に使用されるすべての技術および科学用語は、当業者に通常に理解されている意味と同じ意味を有する。本発明で使用される技術への引用は、当業者にとって明らかな変化または技術的同等物を含む、当分野で一般的に理解されている技術を指す。以下の用語は当業者によく知られていると考えられるが、本発明をより良好に説明するために以下の定義を提示する。
【0022】
例えば、本明細書で使用される用語「含む(including)」、「包含する(comprising)」、「有する(having)」、「含有する(containing)」、または「備える(comprising)」、およびその他の変形は、包括的または開放的であり、且つ列挙されていない他の要素または方法ステップが排除されない。
【0023】
特に明記しない限り、用語「1つ(a)」、「1個(an)」、「当該(the)」および類似の使用は、本発明を説明する文脈(特に特許請求の範囲の文脈)で使用される場合、単数および複数を含むものとして解釈されるべきである。特に明記しない限り、本発明における数値範囲の列挙は、その範囲内の各個別の値をそれぞれ引用するための簡略化した方法に過ぎず、且つ各個別の値は、本発明において個別に列挙されているかのように、仕様に組み込まれる。特に明記しない限り、本発明で提供されるいかなるおよびすべての例、または例示的な文言(例えば、「例えば」)の使用は、本発明に開示される内容をより良好に説明することを意図しており、本発明に開示される範囲を制限するものではない。本明細書のいかなる文言も、本発明に開示される実施に必須のいかなる特許請求されていない要素を示すものとして解釈されるべきではない。
【0024】
例えば、本発明で使用される用語「治療する(treat)」、「治療している(treating)」、「治療(treatment)」などは、疾患または障害および/またはそれに関連する症状の除去、軽減または改善を指す。排除はできないが、疾患または障害の治療には、それに関連する疾患、障害、または症状を完全に除去する必要はない。用語「治療」および同義語は、治療有効量の本発明に開示される化合物を、そのような治療を必要とする対象に投与することを考慮する。治療は、症状に対して、例えば症状の阻害を行うことができる。それは、短期内で効果を発揮し得、中期で行われ得、または維持療法の場合などの長期治療であり得る。
【0025】
例えば、本発明で使用される用語「予防する(prevent)」、「予防している(preventing)」および「予防(prevention)」は、疾患もしくは障害および/またはそれに伴う症状の発症を予防するか、あるいは対象が疾患に罹患するのを予防する方法を指す。本発明で使用されるように、「予防する」、「予防している」、および「予防」は、疾患および/またはそれに伴う症状の発症を遅らせること、および対象が疾患に罹患するリスクを低下させることをさらに含む。用語「予防する」、「予防している」、および「予防」は、「予防的治療」を含む可能性があり、これは、疾患もしくは症状の再増悪または以前に制御された疾患もしくは症状の再発がないが、そのリスクがあるか、または再増悪や再発しやすい対象において、疾患もしくは症状の再増悪または疾患もしくは症状の再発の確率を低下させることを指す。
【0026】
例えば、本発明で使用される用語「相乗効果」は、2つの治療剤の効果を指し、例えば、増殖性疾患、特に癌またはその症状の症状進行を緩和し、これは、各薬剤自体の効果を単純に合計したものよりも大きい。例えば、相乗効果は、本発明の例に記載されているものなど、当分野で知られている様々な方法および方程式を使用して計算することができる。
【0027】
例えば、本発明で使用される用語「ハロゲン」は、それ自体で、または別の基の一部として、-Cl、-F、-Br、または-Iを指す。
【0028】
例えば、本発明で使用される用語「ニトロ基」は、それ自体で、または別の基の一部として、-NOを指す。
【0029】
例えば、本発明で使用される用語「シアノ基」は、それ自体で、または別の基の一部として、-CNを指す。
【0030】
例えば、本発明で使用される用語「ヒドロキシ基」は、それ自体で、または別の基の一部として、-OHを指す。
【0031】
例えば、本発明で使用される用語「アルキル基」は、単独で、または別の基の一部として、1~12個の炭素原子または特定の数の炭素原子を含む非置換の直鎖または分枝鎖の脂肪族炭化水素(すなわち、C1-12アルキル)、例えば、メチル基などのCアルキル基、エチル基などのCアルキル基、n-プロピル基またはイソプロピル基などのCアルキル基、メチル基、エチル基、n-プロピル基またはイソプロピル基などのC1-3アルキル基、あるいはそのようなものを指す。一実施例において、上記アルキル基はC1-4アルキル基である。C1-12アルキル基の非限定的な例は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、イソブチル基、3-ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基およびデシル基を含む。C1-4アルキル基の例は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基およびイソブチル基を含む。
【0032】
例えば、本発明で使用される用語「アルケニル基」は、それ自体で、または別の基の一部として、1個、2個、または3個の炭素-炭素二重結合を含むアルキル基を指す。一実施形態において、アルケニル基はC-Cアルケニル基である。別の実施形態において、アルケニル基はC-Cアルケニル基である。別の実施形態において、アルケニル基は、1つの炭素-炭素二重結合を有する。非限定的な例示的なアルケニル基は、ビニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、sec-ブテニル基、ペンテニル基およびヘキセニル基を含む。
【0033】
例えば、本発明で使用される用語「アルキニル基」は、それ自体で、または別の基の一部として、1個、2個、または3個の炭素-炭素三重結合を含むアルキル基を指す。一実施形態において、アルキニル基はC-Cアルキニル基である。別の実施形態において、アルキニル基はC-Cアルキニル基である。別の実施形態において、アルキニル基は、1個の炭素-炭素三重結合を有する。非限定的な例示的なアルキニル基は、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、2-ブチニル基、ペンチニル基、およびヘキシニル基を含む。
【0034】
本明細書で使用される用語「ハロアルキル基」は、それ自体で、または別の基の一部として、1つまたは複数のフッ素、塩素、臭素および/またはヨウ素原子で置換されたアルキル基を指す。一実施形態において、アルキル基は、1個、2個または3個のフッ素および/または塩素原子で置換されている。別の実施形態において、アルキル基は、1個、2個または3個のフッ素原子で置換されている。別の実施形態において、アルキル基はC-Cアルキル基である。別の実施形態において、アルキル基はC-Cアルキル基である。別の実施形態において、アルキル基はCまたはCアルキル基である。非限定的で例示的なハロアルキル基は、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、1,1ジフルオロエチル基、2,2-ジフルオロエチル基、2,2,2トリフルオロエチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、4,4,4トリフルオロブチル基およびトリクロロメチル基を含む。
【0035】
例えば、本発明で使用される用語「アルコキシ基」は、それ自体で、または別の基の一部として、末端酸素原子に連結したアルキル基を指す。一実施形態において、アルキル基はC-Cアルキル基であり、且つ、したがって、得られるアルコキシ基は「C-Cアルコキシ基」と呼ばれる。別の実施形態において、アルキル基はC-Cアルキル基である。非限定的な例示的なアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、およびt-ブトキシ基を含む。
【0036】
例えば、本発明で使用される用語「シクロアルキル基」は、単独で、または別の基の一部として、3~12個の炭素原子を有する1つもしくは2つの環または示された数の炭素原子(すなわち、C3-12シクロアルキル基)を含む飽和または部分不飽和の(1つもしくは2つの二重結合を含有する)環状脂肪族炭化水素を指す。一実施形態において、シクロアルキル基は2つの環を有する。一実施形態において、シクロアルキル基は1つの環を有する。別の実施形態において、シクロアルキル基は、C3-8シクロアルキル基から選ばれる。別の実施形態において、シクロアルキル基は、C3-6シクロアルキル基から選ばれる。シクロアルキル基の非限定的な例は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、デカヒドロナフタレン基、アダマンチル基、シクロヘキセニル基、およびシクロペンテニル基を含む。
【0037】
例えば、本明細書で使用される用語「複素環」または「ヘテロシクリル基」は、単独でまたは別の基の一部として、1個、2個または3個の環状基からなり、3~14個の環(すなわち、3~14個のヘテロシクリル基)を含有する飽和または部分不飽和(例えば、1つまたは2つの二重結合を含む)環状基を指し、そのうち、1つの環の少なくとも1個の炭素原子が1個のヘテロ原子で置換されている。各ヘテロ原子は、酸素、硫黄(スルホキシドおよびスルホンを含む)、および/または窒素(酸化または四級化される可能性がある)原子からなる基から独立的に選ばれる。「複素環」という用語は、環内の-CH2-が-C(=O)-で置換されている基、例えば、環状ウレイド基(例えば、2-イミダゾリジノン)および環状アミド(例えば、β-ラクタム、γ-ラクタム、δ-ラクタム、ε-ラクタム)およびピペラジン-2-1を含むことを意図する。一実施形態において、ヘテロシクリル基は、1つの環と、1個または2個の酸素原子および/または窒素原子を含む3~8員環状基である。一実施形態において、ヘテロシクリル基は、1つの環と、1個または2個の酸素原子および/または窒素原子を含む4-、5-または6員環基である。一実施形態において、ヘテロシクリル基は、1つの環と、1個または2個の酸素原子および/または窒素原子を含む4員または6員環状基である。複素環は、いかなる利用可能な炭素原子または窒素原子を介して分子の残りの部分に連結することができる。ヘテロシクリル基の非限定的な例は、ジオキシアシル、テトラヒドロピラニル基、2-オキソピロリジン-3-イル、ピペラジン-2-オン、ピペラジン-2,6-ジオン、2-イミダゾリジノン、ピペリジニル基、モルホリニル基、ピペラジニル基、ピロリジニル基およびインドリル基を含む。
【0038】
例えば、本発明で使用される用語「アリール基」は、それ自体で、または別の基の一部として、6~14個の炭素原子を有する芳香族環系、すなわちC-C14アリール基を指す。非限定的な例示的なアリール基は、フェニル基(「Ph」と略記)、ナフチル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、インデニル基、アズレニル基、ビフェニル基、ビフェニル基、およびフルオレニル基を含む。一実施形態において、アリール基はフェニル基またはナフチル基である。別の実施形態において、アリール基はフェニル基である。
【0039】
例えば、本発明で使用される用語「ヘテロアリール基」は、それ自体で、または別の基の一部として、5~14個の十四環構成員を有する単環式および二環式芳香族環系、すなわち、1個、2個、3個または4個のヘテロ原子を含む5~14員ヘテロアリール基を指す。各ヘテロ原子は、独立的に、酸素、硫黄、または窒素である。一実施形態において、ヘテロアリール基は、3個のヘテロ原子を有する。別の実施形態において、ヘテロアリール基は、2個のヘテロ原子を有する。別の実施形態において、ヘテロアリール基は、1個のヘテロ原子を有する。別の実施形態において、ヘテロアリール基は、5-員から10-員ヘテロアリール基である。別の実施形態において、ヘテロアリール基は、5個の環原子を有し、例えば、チエニル基は、4個の炭素原子および1個の硫黄原子を有する5員ヘテロアリール基である。別の実施形態において、ヘテロアリール基は、6個の環原子を有し、例えば、ピリジル基は、5個の炭素原子および1個の窒素原子を有する6員ヘテロアリール基である。
【0040】
例えば、本発明で使用される用後「癌」は、異常な制御されていない細胞増殖によって引き起こされる新生物または腫瘍を指す。非限定的な例は、本発明の詳細な説明に記載されている例示的な癌を含む。用語「癌」は、前癌細胞および悪性癌細胞に関連する疾患を含む。
【0041】
本発明で使用される用語「癌転移」は、癌がその元の部位から身体の別の領域に拡散する(転移する)ことを指す。ほぼすべての癌は転移する可能性がある。転移が起こるか否かは、複数の腫瘍細胞要素(癌の種類、腫瘍細胞の成熟(分化)の程度、癌の位置と年齢、およびまだ完全には解明されていないその他の要素を含む)間の複雑な相互作用に依存する。転移は、腫瘍から局所的に周囲の組織へ、血流を通じて遠隔部位へ、またはリンパ系を通じて近接または遠隔のリンパ節への3つの方式を有する。各癌は、いずれも代表的な拡散経路を有する。腫瘍は、その原発部位に応じて命名される(例えば、脳に転移した乳癌は、脳に転移した転移性乳癌と呼ばれる)。
【0042】
例えば、本発明で使用される用語「個体」、「患者」または「対象」は、ヒト(例えば、患者)および動物(例えば、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウサギ、ニワトリ、サルなど)を含むことを指す。対象がヒト患者(通常、体重60kgで計算)の場合、本発明に記載の用量は、特に明記しない限り、実験動物の換算係数(例えば、ヒト用量=マウス用量/12.3)で換算することによって得ることができる(Kin Tam.「Estimating the「First in human」dose-a revisit with special evidence on the oncology drug、ADMET&DMPK1(4)(2013)63~75)。当業者であれば、常識および対象の比重、疾患の種類および重篤度などの要素に基づいて用量を合理的に調整することができ、これらの調整後の技術案は、いずれも本発明によって要求される技術案の範囲内にある。
【0043】
例えば、本発明で使用される用語「有効量」または「予防および/または治療有効量」は、疾患または障害の1つまたは複数の症状を軽減するのに十分な程度まで治療される、投与しようとする医薬または化合物の量(例えば、用量)を指す。結果は、障害の原因もしくは疾患の原因、または生物系における任意の他の所望の変化を低減および/または軽減することであってもよい。例えば、治療的使用のための「有効量」は、過度の毒性副作用を引き起こすことなく疾患または障害の臨床症状を顕著に軽減する化合物または薬物(例えば、本発明で請求される組合せの製品)の量である。
【0044】
例えば、本発明で使用される用語「用量」は、対象の体重1キログラム(kg)当たりの活性物質の重量(例えば、ミリグラム(mg))を指す。
【0045】
例えば、本発明で使用される用語「IC50」は、そのような効果を測定する測定において50%の最大効果阻害を達成する、特定の試験化合物または医薬の量、濃度または用量を指す。
【0046】
例えば、本発明で使用される用語「室温」は、25℃±1℃を指す。同時に、実験温度は特に指定がない場合は室温とする。
【0047】
例えば、本発明で使用される用語「薬学的に許容される塩」は、化合物の酸付加塩および塩基付加塩を含む。
【0048】
適切な酸付加塩は、非毒性の塩を形成する酸から形成される。実例は、酢酸塩、アジピン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重炭酸塩/炭酸塩、重硫酸塩/硫酸塩、ホウ酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロヘキシルスルファミン酸塩、エタンジスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、安息香酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、ヨウ化水素酸塩/ヨウ素酸塩、イセチオン酸塩、乳酸リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、メチル硫酸塩、ナフトエ酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロト酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、ピログルタミン酸塩、アルドン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、トルエンスルホン酸塩、トリフルオロ酢酸塩およびオクチノキサート塩を含む。
【0049】
適切な塩基付加塩は、非毒性の塩を形成する塩基から形成される。実例は、アルミニウム塩、アルギニン塩、ベンジルベンジルペニシリン塩、カルシウム塩、コリン塩、ジエチルアミン塩、ジエタノールアミン塩、グリシン酸塩、リジン塩、マグネシウム塩、メグルミン塩、エタノールアミン塩、カリウム塩、ナトリウム塩、トロメタミン塩、および亜鉛塩を含む。
【0050】
適切な塩についての概説は、StahlおよびWermuthによる「Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties、Selection、and Use」(Wiley-VCH、2002)を参照する。本発明の化合物の薬学的に許容される塩を製造するための方法は、当業者に公知である。
【0051】
例えば、本発明で使用される用語「溶媒和物」は、本発明の化合物と溶媒分子、例えば、二溶媒和物、一溶媒和物または半溶媒和物との組合せ、物理的結合および/または溶媒和によって形成される物質であり、そのうち、溶媒分子の比率と本発明の化合物の比率は、それぞれ約2:1、約1:1または約1:2である。この物理的結合には、異なる程度に、イオン化および共有結合(水素結合を含む)に関する。場合によっては(例えば、1つまたは複数の溶媒分子が結晶固体の結晶格子に組み込まれる場合)、溶媒和物を単離することができる。したがって、溶媒は、溶液相および分離可能な溶媒の両方を含む。本発明の化合物は、薬学的に許容される溶媒(例えば、水、メタノール、およびエタノール)と共に溶媒形態で存在することができ、且つ本出願は、本発明の化合物の溶媒和形態および非溶媒和形態を含むことを意図する。
【0052】
溶媒和物の1つのタイプは水和物である。「水和物」は、溶媒分子が水である特定の溶媒和物サブセットに関する。溶媒和物は通常、薬理学的同等物の形態で機能する。溶媒和物の製造は当分野で知られており、例えば、フルコナゾールと酢酸エチルおよび水の溶媒和物の製造を記載しているM.Caira et al、J.Pharmaceut.Sci.、93(3):601~611(2004)を参照する。Van Tonder et al、AAPS Pharm.Sci.Tech.、5(1):Article12(2004)and A.L.Bingham et al、Chem.Commun.603~604(2001)は、溶媒和物、半溶媒和物、水和物などを製造するための類似の方法を記載する。代表的な非限定的な溶媒製造方法は、本発明の化合物を所望の溶媒(有機溶媒、水、またはその混合物)に20℃より高い温度~約25℃で溶解し、次いで、結晶を形成するのに十分な速度で当該溶液を冷却し、そして公知の方法(例えば、濾過)により結晶を単離することに関する。赤外分光法などの分析技術は、溶媒の結晶中の溶媒の存在を確認するように使用できる。
【0053】
本発明の文脈における「薬学的に許容されるベクター」は、合理的な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または合理的な利益/リスク比に対応する他の問題もしくは合併症を伴わずに、ヒトおよび/または他の動物の組織と接触するのに適した、治療剤と共に使用される希釈剤、アジュバント、賦形剤、またはベクターを指す。
【0054】
本発明の医薬組成物または試薬キットに使用可能な薬学的に許容されるベクターは、滅菌液体、例えば水、および石油、動物、野菜または合成源に由来する油、例えばピーナッツ油、大豆油、鉱油、ごま油などを含む油を含むが、これらに限定されない。医薬組成物が静脈内投与される場合、水は、例示的なベクターである。生理食塩水およびグルコースおよびグリセリンの水溶液も、特に注射用の液体ベクターとして使用され得る。適切な医薬賦形剤は、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、マルトース、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセリン、タルク、塩化ナトリウム、脱脂粉乳、グリセリン、プロピレン、水、エタノールなどを含む。必要に応じて、医薬組成物は、少量の湿潤剤、乳化剤、またはpH緩衝剤をさらに含んでもよい。経口製剤は、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどの標準的なベクターを含んでもよい。適切な薬学的に許容されるベクターの例は、Remington’s Pharmaceutical Sciences(1990)に記載とおりである。
【0055】
本発明の医薬組成物および試薬キットの成分は、全身的および/または局所的に機能し得る。この目的のために、それらは、適切な経路によって投与され得、例えば注射(例えば、静脈内、動脈内、皮下、腹腔内、筋肉内投与、点滴注入を含む)または経皮によって投与され、あるいは経口、口腔、鼻腔、経粘膜、局所によって投与され、眼用製剤の形態または吸入によって投与される。
【0056】
これらの投与経路について、本発明の試薬キットの医薬組成物および構成要素は、適切な剤形で投与することができる。
【0057】
上記剤形は、錠剤、カプセル剤、トローチ剤、ハードキャンディー、粉末剤、スプレー剤、クリーム剤、軟膏剤、坐剤、ゲル、ペースト剤、ローション剤、軟膏剤、水性懸濁剤、注射液、エリキシル剤、シロップ剤を含むが、これらに限定されない。
【0058】
例えば、本発明で使用される用語「容器」は、医薬成分を収容するための容器を指す。当該容器は、製造、貯蔵、輸送および/または個別/バッチ販売に使用でき、ボトル、缶、バイアル、フラスコ、シリンジ、チューブ(例えば、クリーム製品に使用されるもの)、または医薬の製造、収容、貯蔵もしくは分配のための任意の他の容器を含むことを意図する。
【0059】
例えば、本発明で使用される用語「説明書/説明」は、容器内にある医薬成分に関する情報を記録する挿入物、ラベル、タグなどを指す。記録される情報は通常、その製品が販売される地域を管轄する規制機関(例えば、米国食品医薬品局)によって決定される。好ましくは、包装説明書は、医薬成分の使用が承認されている適応症を具体的に列挙する。包装説明書は、その中または上に記載の情報を読み取ることができる、任意の材料で作成できる。好ましくは、包装リーフレットは、その上に所望の情報を形成(例えば、印刷または適用)できる印刷可能な材料(例えば、紙、プラスチック、ボール紙、箔、粘着紙またはプラスチックなど)である。
【0060】
例えば、本明細書で使用される用語「薬剤耐性」は、化学療法に対する癌細胞の薬剤耐性の発生を指す。癌細胞は、医薬標的の変異または過剰発現、医薬の不活化または細胞からの医薬の除去を含む、一連のメカニズムによって、化学療法薬剤耐性を獲得することができる。
【0061】
例えば、本発明で使用される用語「約」は、当該用語の修正値の±10%、好ましくは±5%、最も好ましくは±2%を指し、それによって、当業者は、修正値に基づいて「約」の範囲を明確に決定することができる。
医薬組合せおよび使用
【0062】
一態様において、本発明は、Bcl-2阻害剤および1つまたは複数の抗癌剤を含む医薬組合せを提供する。
【0063】
一好ましい実施形態において、1つまたは複数の抗癌剤は、MDM2阻害剤、IAP阻害剤、および他の抗癌剤から選ばれる。
【0064】
一好ましい実施形態において、1つまたは複数の抗癌剤は、MDM2阻害剤、IAP阻害剤、およびその組合せから選ばれる。
【0065】
一実施形態において、Bcl-2阻害剤は、式Vの化合物、
【化1】
またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物であり、そのうち、

【化2】
から選ばれ、
は窒素原子であり、且つ
【化3】
は単結合であり、
31、X32、およびX33は、それぞれ-CR38=および-N=から独立的に選ばれ、
31aおよびR31bは、それらが連結している炭素原子と共に3-、4-、または5-員のシクロアルキル基を形成し、
32は、-NO、-SOCH、および-SOCFから選ばれ、
32aは水素およびハロゲンから選ばれ、
33は-N(R34a)(R34b)から選ばれ、
34aは、任意選択的に置換されたC1-6アルキル基、任意選択的に置換されたC3-6シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、ヘテロアルキル基、(シクロアルキル)アルキル基および(ヘテロシクリル)アルキル基から選ばれ、
34bは水素およびC1-4アルキル基から選ばれ、
38は、水素およびハロゲンから選ばれる。
【0066】
一好ましい実施形態において、Bcl-2阻害剤は、
【化4】
またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物から選ばれる。
【0067】
一好ましい実施形態において、Bcl-2阻害剤は、
【化5】
(S)-N-((4-(((1,4-ジオキサン-2-イル)メチル)アミノ)-3-ニトロフェニル)スルホニル)-2-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)オキシ)-4-(4-((6-(4-クロロフェニル)スピロ[3.5]ノン-6-エン-7-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ベンズアミド(化合物A)またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物である。
【0068】
一実施形態において、MDM2阻害剤は、式(VI)の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物である:
【化6】
そのうち、
【化7】
【化8】
【化9】
62、R63、R64、R65、R67、R68、R69およびR70は、H、FおよびClからなる群から独立的に選ばれ、
【化10】
ならびに
6cおよびR6dは環Bの1つの炭素原子上の置換基であり、そのうち
6cはH、C1-3アルキル基またはハロゲンであり、
6dはH、C1-3アルキル基またはハロゲンであり、
6eは-C(=O)OR6aであり、
6aは水素または非置換のC1-4アルキル基である。
【0069】
一好ましい実施形態において、R62はHであり、R63はFまたはClであり、R64およびR65はHであり、R67はフッ素であり、R68、R69およびR70のそれぞれはHであり、R6cはH、CHまたはハロゲンであり、且つR6dはH、CHまたはハロゲンである。
【0070】
一好ましい実施形態において、MDM2阻害剤は、
【化11】
またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物である。
【0071】
一実施形態において、IAP阻害剤は、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物である:
【化12】
そのうち、
【化13】
Yは、-NH-、-O-、-S-から選ばれ、および存在せず、
Rは、以下のものから選ばれ、
【0072】
【化14】
は、
【化15】
から選ばれる。
【0073】
一好ましい実施形態において、IAP阻害剤は、以下のものである:
【化16】
【0074】
またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物である。
一好ましい実施形態において、IAP阻害剤は以下のものである:
【化17】
【0075】
1,3-フェニレンビス[7-(3S,5S,9aR)-5-((S)-2-メチルアミノ-プロピオンアミド)-3-ジフェニルカルバモイル-4-オキソ-3a,7-ジアザ-デカヒドロシクロペンタシクロオクテン)]-スルホンアミド(化合物C)、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物である。
【0076】
一好ましい実施形態において、医薬組合せは、癌を治療もしくは阻害し、その重篤度を軽減し、そのリスクを低下し、またはその個体における転移を阻害するために使用され、上記癌は、好ましくは、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、結腸癌(結腸直腸癌を含む)、食道癌、食道扁平上皮癌、頭頸部癌、肝臓癌、肺癌(小細胞肺癌、非小細胞肺癌、および肺扁平上皮癌を含む)、中皮癌腫瘍、黒色腫、骨髄腫、横紋筋肉腫、炎症性筋線維芽細胞腫、神経ターボ腫、膵臓癌、前立腺癌、腎臓癌、腎細胞癌、肉腫(骨肉腫を含む)、皮膚癌、扁平上皮癌、紡錘細胞癌、胃癌、精巣癌、甲状腺癌、子宮癌、中皮腫、神経芽細胞腫、胆管癌、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、鼻咽頭癌腫瘍、神経内分泌癌、卵巣癌、唾液腺癌、紡錘細胞癌による転移、未分化大細胞リンパ腫、甲状腺未分化癌、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫および血液悪性腫瘍、例えば、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、多発性骨髄腫(MM)、ブドウ膜黒色腫、胸膜中皮腫、腹膜中皮腫から選ばれる。
【0077】
一好ましい実施形態において、上記癌は、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、または多発性骨髄腫(MM)である。
【0078】
一好ましい実施形態において、上記癌は、化合物AまたはVenetoclaxなどのBcl-2阻害剤に対して薬剤耐性または非感受性であり、さらに好ましくは、上記癌は、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、または多発性骨髄腫(MM)であり、それは、化合物AまたはVenetoclaxなどのBcl-2阻害剤に対して薬剤耐性または非感受性である。
【0079】
一好ましい実施形態において、癌は、Bcl-2変異(例えば、G101V、D103E、V156Dおよびそれらの組合せ)および/またはTP53変異(例えば、R248Q、R175H、R282W、Y220Cおよびその組合せ)を有する。さらに好ましくは、上記癌は、Bcl-2変異および/またはTP53変異を有する急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)または多発性骨髄腫(MM)である。
【0080】
一好ましい実施形態において、Bcl-2阻害剤と1つまたは複数の抗癌剤との重量比は、0.005~5000:0.005~5000、例えば、0.05~1500:0.005~5000、0.1~6:0.005~4、100:0.5~400、100:1~350、100:2~300、100:5~200、100:10~150、100:10~100、100:10~90または100:20~80である。
【0081】
一好ましい実施形態において、Bcl-2阻害剤と1つまたは複数の抗癌剤とのモル比は、10~1:1~10、例えば、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、および上記の値の間の任意の範囲も含まれる。
【0082】
一好ましい実施形態において、Bcl-2阻害剤は、
【化18】
(S)-N-((4-(((1,4-ジオキサン-2-イル)メチル)アミノ)-3-ニトロフェニル)スルホニル)-2-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)オキシ)-4-(4-((6-(4-クロロフェニル)スピロ[3.5]ノン-6-エン-7-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ベンズアミド(化合物A)またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物であり、および/または
MDM2阻害剤は、
【化19】
またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物であり、および/または
IAP阻害剤は、以下のものである:
【化20】
【0083】
1,3-フェニレンビス[7-(3S,5S,9aR)-5-((S)-2-メチルアミノ-プロピオンアミド)-3-ジフェニルカルバモイル-4-オキソ-3a,7-ジアザ-デカヒドロシクロペンタシクロオクテン)]-スルホンアミド(化合物C)、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物である。
【0084】
別の態様において、本発明は、本発明の任意の医薬組合せ、および任意選択の薬学的に許容されるベクターを含む医薬組合せを提供する。
【0085】
一好ましい実施形態において、上記医薬組成物は任意の形態であり得、例えば、上記組成物は、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、シロップ剤、粉末剤、トローチ剤、サシェ、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、溶液剤、シロップ剤、エアロゾル剤、軟膏剤、クリーム剤および注射剤である。
【0086】
上記医薬組合せは通常、所定の投与経路および標準的な製薬実践に従って選ばれる医薬組成物を提供するために、医薬ベクターと混合して投与される。本発明で使用される医薬組成物は、医薬組成物の加工を容易にする賦形剤および/または補助剤を含む、1つまたは複数の生理学的に許容されるベクターを使用して従来の方法で製剤化される
これらの医薬組成物は、例えば、従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠製造、乳化、カプセル化、包埋または凍結乾燥プロセスによって製造され得る。適切な製剤は、選ばれた投与経路に依存する。治療有効量の医薬組合せが経口投与される場合、上記組成物は通常、錠剤、カプセル、粉末剤、溶液またはエリキシル剤の形態である。錠剤の形態で投与される場合、上記組成物は、ゼラチンまたはアジュバントなどの固体ベクターをさらに含んでもよい。上記錠剤、カプセル剤および粉末剤は、約0.01%~約95%、好ましくは約1%~約50%の医薬組合せを含有する。液体の形態で投与される場合、水、石油または動物もしくは植物由来の油などの液体ベクターを添加してもよい。当該組成物の液体形態は、生理食塩水、グルコースもしくは他の炭水化物溶液、またはエチレングリコールをさらに含んでもよい。液体形態で投与される場合、上記組成物は、重量で約0.1%~約90%、好ましくは約1%~約50%の医薬組合せを含有する。
【0087】
治療有効量の医薬組合せが静脈内、皮膚または皮下注射によって投与される場合、上記組成物は発熱物質を含まない非経口的に許容される水溶液の形態である。PH、等張性、安定性などを適切に考慮した、このような非経口的に許容される溶液の製造は、当分野技術の範囲内にある。静脈内、皮膚または皮下注射のための好ましい組成物は通常、等張ベクターを含む。
【0088】
上記医薬組合せは、当分野で周知の薬学的に許容されるベクターと容易に組合せることができる。標準的な医薬ベクターは、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Co.,Easton、PA、19th ed.1995に記載されている。このようなベクターにより、治療対象による経口摂取のために、活性薬剤を錠剤、丸剤、糖衣錠、カプセル、液体、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液などに製剤化することができる。経口医薬製剤は、医薬組合せを固体賦形剤に加え、得られた混合物を任意に粉砕し、そして必要に応じて適切な医薬を添加した後、顆粒混合物を加工し、これにより錠剤または糖衣錠コアを得ることができる。適切な賦形剤は、例えば、充填剤およびセルロース製剤を含み、必要に応じて崩壊剤を添加してもよい。
【0089】
医薬組合せは、注射、例えばボーラス注射または連続注入による非経口投与用に製剤化され得る。注射用製剤は、防腐剤が添加された単位剤形、例えばアンプルまたは複数回用量容器で存在してもよい。上記組成物は、油性または水性ベクター中の懸濁液、溶液またはエマルジョンなどの形態を採用することができ、且つ懸濁剤、安定化剤および/または分粉末剤などの配合剤を含有してもよい。
【0090】
非経口投与用の医薬組成物は、水溶性形態の活性薬剤の水溶液を含む。さらに、上記医薬組合せの懸濁液は、適切な油性注射懸濁液として製造されてもよい。適切な親油性溶媒またはベクターは、脂肪油または合成脂肪酸エステルを含む。水性注射懸濁液は、懸濁液の粘度を増加させる物質を含んでもよい。任意選択的に、上記懸濁液は、適切な安定剤または化合物の溶解度を増加させ、且つ高濃度溶液の製造を可能にする薬剤をさらに含んでもよい。あるいは、本発明の組成物は、使用前に適切なベクター(例えば、発熱物質を含まない滅菌水)で構成するための粉末形態であってもよい。
【0091】
上記医薬組合せはさらに、直腸用組成物、例えば、従来の坐剤マトリックスを含む坐剤または停留浣腸剤として製剤化されてもよい。上記に記載の製剤に加えて、本発明の化合物は長時間作用型製剤として製剤化されてもよい。このような長時間作用型製剤は、移植(例えば、皮下または筋肉内)または筋肉注射によって投与することができる。したがって、例えば、本発明の化合物は、適切なポリマーもしくは疎水性材料(例えば、許容される油中のエマルジョンとして)またはイオン交換樹脂と共に製剤化されることができる。
【0092】
具体的には、上記医薬組合せは、賦形剤(例えば、デンプンまたはラクトース)を含む錠剤の形態で経口、口腔もしくは舌下に投与されてもよく、またはカプセルもしくは胚珠の形態で投与されてもよく、あるいは単独でもしくは賦形剤と混合して、または調味料もしくは着色剤を含有する懸濁液の形態で投与されてもよい。このような液体製剤は、懸濁剤などの薬学的に許容される添加剤を用いて製造することができる。上記医薬組合せは、静脈内注射、筋肉内注射、皮下注射または冠状動脈内注射によって注射してもよい。非経口投与について、上記医薬組合せは通常、滅菌水溶液の形態で使用され、そのうち、溶液を血液と等張にするために、他の物質、例えば、塩またはマンニトールもしくはグルコースなどの単糖を含有し得る。
【0093】
別の態様において、本発明は、個体における癌を治療もしくは阻害し、その重篤度を軽減し、そのリスクを低下し、またはその転移を阻害するための方法であって、治療有効量のBcl-2阻害剤、および任意選択の治療有効量の1つまたは複数の抗癌剤を個体に投与することを含む方法を提供する。
【0094】
一好ましい実施形態において、1つまたは複数の抗癌剤は、MDM2阻害剤、IAP阻害剤、および他の抗癌剤から選ばれる。
【0095】
一好ましい実施形態において、上記Bcl-2、MDM2および/またはIAP阻害剤は上記で定義されたとおりであり、且つ上記癌は上記で定義されたとおりである。
【0096】
一好ましい実施形態において、Bcl-2阻害剤の投与量は、約0.005mg/日~約5000mg/日、例えば、約0.005、0.05、0.5、5、10、20、30、40、50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1500、2000、2500、3000、4000、4500または5000ミリグラム/日である。
【0097】
一好ましい実施形態において、上記Bcl-2阻害剤の投与量は、単位用量当たり約1ng/kg~約200mg/kg、約1μg/kg~約100mg/kg、または約1mg/kg~約50mgである。例えば、単位用量当たり約1μg/kg、約10μg/kg、約25μg/kg、約50μg/kg、約75μg/kg、約100μg/kg、約125μg/kg、約150μg/kg、約175μg/kg、約200μg/kg、約225μg/kg、約250μg/kg、約275μg/kg、約300μg/kg、約325μg/kg、約350μg/kg、約375μg/kg、約400μg/kg、約425μg/kg、約450μg/kg、約475μg/kg、約500μg/kg、約525μg/kg、約550μg/kg、約575μg/kg、約600μg/kg、約625μg/kg、約650μg/kg、約675μg/kg、約700μg/kg、約725μg/kg、約750μg/kg、約775μg/kg、約800μg/kg、約825μg/kg、約850μg/kg、約875μg/kg、約900μg/kg、約925μg/kg、約950μg/kg、約975μg/kg、約1mg/kg、約5mg/kg、約10mg/kg、約15mg/kg、約20mg/kg、約25mg/kg、約30mg/kg、約35mg/kg、約40mg/kg、約45mg/kg、約50mg/kg、約60mg/kg、約70mg/kg、約80mg/kg、約90mg/kg、約100mg/kg、約125mg/kg、約150mg/kg、約175mg/kg、約200mg/kgで、且つ1日に1つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個)の単位用量で投与する。
【0098】
好ましい実施形態において、上記1つまたは複数の抗癌剤は、0.005mg/日~約5000mg/日、例えば、約0.005、0.05、0.5、5、10、20、30、40、50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500または5000ミリグラム/日の量で投与される。
【0099】
一好ましい実施形態において、上記1つまたは複数の抗癌剤の投与量は、単位用量当たり約1ng/kg~約200mg/kg、約1μg/kg~約100mg/kg、または約1mg/kg~約50mgである。例えば、単位用量当たり約1μg/kg、約10μg/kg、約25μg/kg、約50μg/kg、約75μg/kg、約100μg/kg、約125μg/kg、約150μg/kg、約175μg/kg、約200μg/kg、約225μg/kg、約250μg/kg、約275μg/kg、約300μg/kg、約325μg/kg、約350μg/kg、約375μg/kg、約400μg/kg、約425μg/kg、約450μg/kg、約475μg/kg、約500μg/kg、約525μg/kg、約550μg/kg、約575μg/kg、約600μg/kg、約625μg/kg、約650μg/kg、約675μg/kg、約700μg/kg、約725μg/kg、約750μg/kg、約775μg/kg、約800μg/kg、約825μg/kg、約850μg/kg、約875μg/kg、約900μg/kg、約925μg/kg、約950μg/kg、約975μg/kg、約1mg/kg、約5mg/kg、約10mg/kg、約15mg/kg、約20mg/kg、約25mg/kg、約30mg/kg、約35mg/kg、約40mg/kg、約45mg/kg、約50mg/kg、約60mg/kg、約70mg/kg、約80mg/kg、約90mg/kg、約100mg/kg、約125mg/kg、約150mg/kg、約175mg/kg、約200mg/kgで、且つ1日に1つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個)の単位用量で投与する。
【0100】
一好ましい実施態様において、上記Bcl-2阻害剤および1つまたは複数の抗癌剤は、一緒に、同時に、順次に、または交互に投与される。
【0101】
一好ましい実施形態において、上記Bcl-2阻害剤および1つまたは複数の抗癌剤は、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも8日間、少なくとも9日間、少なくとも10日間、少なくとも11日間、少なくとも12日間、少なくとも13日間、少なくとも14日間、少なくとも15日間、少なくとも16日間、少なくとも17日間、少なくとも18日間、少なくとも19日間、少なくとも20日間、少なくとも21日間、少なくとも22日間、少なくとも23日間、少なくとも24日、少なくとも25日間、少なくとも30日間、少なくとも35日間、少なくとも40日間、少なくとも45日間、または少なくとも50日間連続投与される。
【0102】
一好ましい実施形態において、上記Bcl-2阻害剤および1つまたは複数の抗癌剤は、1つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個)の治療コースで投与され、そのうち、各治療コースは少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも8日間、少なくとも9日間、少なくとも10日間、少なくとも11日間、少なくとも12日間、少なくとも13日間、少なくとも14日間、少なくとも15日間、少なくとも16日間、少なくとも17日間、少なくとも18日間、少なくとも19日間、少なくとも20日間、少なくとも21日間、少なくとも22日間、少なくとも23日間、少なくとも24日、少なくとも25日間、少なくとも30日間、少なくとも35日間、少なくとも40日間、少なくとも45日間、または少なくとも50日間持続し、2つの治療コース間ごとに、0日間、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、2週間、3週間または4週間の間隔をあける。
【0103】
一好ましい実施形態において、複数の治療コースがある場合、各治療コースで投与されるBcl-2阻害剤および/または抗癌剤の量は相同または相異である。より好ましい実施形態において、前の治療過程中に投与されるBcl-2阻害剤および/または抗癌剤の量は、1~10倍、好ましくは1~5倍、例えば、後続の治療過程で使用される量の1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍または5倍である。
【0104】
一好ましい実施形態において、上記Bcl-2阻害剤および1つまたは複数の抗癌剤は、相同(例えば、経口)または相異である経路(例えば、それぞれ経口および非経口(例えば、注射))によって投与される。
【0105】
一好ましい実施形態において、上記抗癌剤は、単独投与または1つもしくは複数のBcl-2阻害剤を投与しない場合の抗癌剤の用量と比較して、より低い用量で投与される。
【0106】
一好ましい実施形態において、上記Bcl-2阻害剤は、癌の治療における上記抗癌剤の治療効果を増強し、および/または癌の治療における抗癌剤の副作用を低減する。
【0107】
一好ましい実施形態において、上記1つまたは複数の抗癌剤は、癌のBcl-2阻害剤に対する薬剤耐性または非感受性を低減または克服することができる。
【0108】
一好ましい実施形態において、上記Bcl-2阻害剤および1つまたは複数の抗癌剤(例えば、MDM2阻害剤、IAP阻害剤および他の阻害剤から選ばれる)は、癌の治療および/または癌の治療における抗癌剤の副作用を低減する。
【0109】
別の態様において、本発明は、Bcl-2阻害剤と1つまたは複数の抗癌剤(例えば、MDM2阻害剤、IAP阻害剤および他の抗癌剤から選ばれる)の組合せの、癌を治療もしくは阻害するための使用を提供し、その重篤度を軽減し、そのリスクを低下し、またはその個体における転移を阻害する。
【0110】
一好ましい実施形態において、上記Bcl-2、MDM2および/またはIAP阻害剤は上記で定義されたとおりであり、および/または上記癌は上記で定義されたとおりである。
【0111】
一好ましい実施形態において、上記個体は、化合物AまたはVenetoclaxなどのBcl-2阻害剤に対して薬剤耐性または非感受性の癌を有する。さらに好ましくは、上記癌は、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、または多発性骨髄腫(MM)であり、それは、化合物AまたはVenetoclaxなどのBcl-2阻害剤に対して薬剤耐性または非感受性である。
【0112】
別の態様において、本発明は、Bcl-2阻害剤と1つまたは複数の抗癌剤(例えば、MDM2阻害剤、IAP阻害剤および他の抗癌剤から選ばれる)の組合せの、癌を治療もしくは阻害し、その重篤度を軽減し、そのリスクを低下し、またはその個体における転移を阻害するための医薬の製造における使用を提供する。
【0113】
一好ましい実施形態において、上記Bcl-2、MDM2および/またはIAP阻害剤は上記で定義されたとおりであり、および/または上記癌は上記で定義されたとおりである。
【0114】
一好ましい実施形態において、上記個体は、化合物AまたはVenetoclaxなどのBcl-2阻害剤に対して薬剤耐性または非感受性の癌を有し、さらに好ましくは、上記癌は、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、または多発性骨髄腫(MM)であり、それは、化合物AまたはVenetoclaxなどのBcl-2阻害剤に対して薬剤耐性または非感受性である。
【0115】
別の態様において、本発明は、MDM2阻害剤の単独または1つもしくは複数の抗癌剤(例えば、Bcl-2阻害剤、IAP阻害剤、および他の抗癌剤から選ばれる)との組合せの、癌を治療もしくは阻害し、その重篤度を軽減し、そのリスクを低下し、またはその個体における転移を阻害するための使用を提供する。
【0116】
一好ましい実施形態において、上記MDM2、Bcl-2および/またはIAP阻害剤は上記で定義されたとおりであり、および/または上記癌は上記で定義されたとおりである。
【0117】
一好ましい実施形態において、上記個体は、化合物AまたはVenetoclaxなどのBcl-2阻害剤に対して薬剤耐性または非感受性の癌を有する。さらに好ましくは、上記癌は、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、または多発性骨髄腫(MM)であり、それは、化合物AまたはVenetoclaxなどのBcl-2阻害剤に対して薬剤耐性または非感受性である。
【0118】
別の態様において、本発明は、MDM2阻害剤の単独または1つもしくは複数の抗癌剤(例えば、Bcl-2阻害剤、IAP阻害剤および他の抗癌剤から選ばれる)との組合せの、癌を治療もしくは阻害し、その重篤度を軽減し、そのリスクを低下し、またはその個体における転移を阻害するための医薬の製造における使用を提供する。
【0119】
一好ましい実施形態において、上記MDM2、Bcl-2および/またはIAP阻害剤は上記で定義されたとおりであり、および/または上記癌は上記で定義されたとおりである。
【0120】
一好ましい実施形態において、上記個体は、化合物AまたはVenetoclaxなどのBcl-2阻害剤に対して薬剤耐性または非感受性の癌を有する。さらに好ましくは、上記癌は、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、または多発性骨髄腫(MM)であり、それは、化合物AまたはVenetoclaxなどのBcl-2阻害剤に対して薬剤耐性または非感受性である。
【0121】
別の態様において、本発明は、MDM2阻害剤および1つまたは複数の抗癌剤(例えば、Bcl-2阻害剤、IAP阻害剤および他の抗癌剤から選ばれる)を含む、個体における癌を治療もしくは阻害し、その重篤度を軽減し、そのリスクを低下し、またはその転移を阻害するための医薬組合せを提供する。
【0122】
一好ましい実施形態において、上記MDM2、Bcl-2および/またはIAP阻害剤は上記で定義されたとおりであり、および/または上記癌は上記で定義されたとおりである。
【0123】
一好ましい実施形態において、上記個体は、化合物AまたはVenetoclaxなどのBcl-2阻害剤に対して薬剤耐性または非感受性の癌を有し、さらに好ましくは、上記癌は、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、または多発性骨髄腫(MM)であり、それは、化合物AまたはVenetoclaxなどのBcl-2阻害剤に対して薬剤耐性または非感受性である。
【0124】
別の態様において、本発明は、Bcl-2/Bcl-xL阻害剤の単独、または1つもしくは複数の抗癌剤(例えば、MDM2阻害剤、IAP阻害剤および他の抗癌剤から選ばれる)との組合せの、癌を治療もしくは阻害し、その重篤度を軽減し、そのリスクを低下し、またはその個体における転移を阻害するための使用を提供する。
【0125】
一好ましい実施形態において、上記MDM2阻害剤および/またはIAP阻害剤は上記で定義されたとおりであり、および/または上記癌は上記で定義されたとおりである。
【0126】
一好ましい実施形態において、上記個体は化合物AまたはVenetoclaxなどのBcl-2阻害剤に対して薬剤耐性または非感受性の癌を有する。さらに好ましくは、上記癌は、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、または多発性骨髄腫(MM)であり、それは、化合物AまたはVenetoclaxなどのBcl-2阻害剤に対して薬剤耐性または非感受性である。
【0127】
一好ましい実施形態において、Bcl-2/Bcl-xL阻害剤は、
【化21】
(3R)-1-(3-(4-(4-(4-(3-(2-(4-クロロフェニル)-1-イソプロピル-4-メチルスルホニル-5-メチル-1H-ピロール-3-イル))-5-フルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノスルホニル)-2-トリフルオロメチルスルホニル-アニリノ)-4-フェニルチオ-ブチル)-ピペリジン-4-カルボン酸3-ホスホノプロピルエステル(化合物D)、または薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物、あるいは
【化22】
((R)-1-(3-((4-(N-(4-(4-(3-(2-(4-クロロフェニル))-1-イソプロピル-5-メチル-4-(メチルスルホニル)-1H))-ピロール-3-イル)-5-フルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)スルファモイル)-2-((トリフルオロメチル)スルホニル)フェニル)アミノ)-4-(フェニルチオ)ブチル)ピペリジン-4-カルボン酸(化合物E)またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物から選ばれる。
【0128】
別の態様において、本発明は、Bcl-2/Bcl-xL阻害剤の単独、または1つもしくは複数の抗癌剤(例えば、MDM2阻害剤、IAP阻害剤および他の抗癌剤から選ばれる)との組合せの、癌を治療もしくは阻害し、その重篤度を軽減し、そのリスクを低下し、またはその個体における転移を阻害するための医薬の製造における使用を提供する。
【0129】
一好ましい実施形態において、上記Bcl-2/Bcl-xL、MDM2および/またはIAP阻害剤は上記で定義されたとおりであり、および/または上記癌は上記で定義されたとおりである。
【0130】
一好ましい実施形態において、上記個体は化合物AまたはVenetoclaxなどのBcl-2阻害剤に対して薬剤耐性または非感受性の癌を有する。さらに好ましくは、上記癌は、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、または多発性骨髄腫(MM)であり、それは、化合物AまたはVenetoclaxなどのBcl-2阻害剤に対して薬剤耐性または非感受性である。
【0131】
別の態様において、本発明は、Bcl-2/Bcl-xL阻害剤および1つまたは複数の抗癌剤(例えば、MDM2阻害剤、IAP阻害剤および他の抗癌剤から選ばれる)を含む、個体における癌を治療もしくは阻害し、その重篤度を軽減し、そのリスクを低下し、またはその転移を阻害するための医薬組合せを提供する。
【0132】
一好ましい実施形態において、上記Bcl-2/Bcl-xL、MDM2および/またはIAP阻害剤は上記で定義されたとおりであり、および/または上記癌は上記で定義されたとおりである。
【0133】
一好ましい実施形態において、上記個体は化合物AまたはVenetoclaxなどのBcl-2阻害剤に対して薬剤耐性または非感受性の癌を有する。さらに好ましくは、上記癌は、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、または多発性骨髄腫(MM)であり、それは、化合物AまたはVenetoclaxなどのBcl-2阻害剤に対して薬剤耐性または非感受性である。
【0134】
別の態様において、本発明は、
(a)Bcl-2阻害剤(好ましくは上記で定義したBcl-2阻害剤)またはBcl-2/Bcl-xL阻害剤(好ましくは上記で定義したBcl-2/Bcl-xL阻害剤)、および任意選択の薬学的に許容されるベクターを含む、第1容器中の第1成分、
(b)1つまたは複数の抗癌剤(好ましくは上記で定義した抗癌剤)、および任意選択の薬学的に許容されるベクターを含む、第2容器中の第2成分、および
(c)オプション仕様を含み、
そのうち、第1容器と第2容器は相同または相異であってもよい試薬キットを提供する。
具体的な実施例
【0135】
本発明の目的および技術案をより明確に示すために、以下、具体的な実施例と組合せて本発明をさらに説明する。なお、これらの実施例は、本発明の範囲を限定することを意図するものではないと理解すべきである。また、以下の実施例に記載されていない具体的な実験方法は、従来の実験方法に準じて実施した。
化合物の合成
【0136】
実施例1:例示的な化合物A~Eの製造。
【0137】
化合物Aは、当分野で知られている方法、例えば、WO2018/027097A1に記載されている方法に従って製造される。
【0138】
化合物Bは、当分野で知られている方法、例えば、WO2015/161032A1に記載されている方法に従って製造される。
【0139】
化合物Cは、当分野で知られている方法、例えば、WO2014/031487A1に記載されている方法に従って製造される。
【0140】
化合物DおよびEは、当分野で知られている方法、例えば、WO2014/113413A1に記載されている方法に従って製造される。
【0141】
上述の参考文献の開示は、引用により本発明に組み込まれる。
生物測定
【0142】
本発明で使用される一般的な実験方法は、以下のとおりである、
WST実験
細胞のプレートへの播種:抗増殖作用は、水溶性テトラゾリウム塩(WST)に基づくCCK-8(Cell Counting Kit-8)測定によって検出された。細胞を96ウェルプレートに播種し、95μLの完全培地のみを各陰性対照群に添加した。試験待ちの各ウェルに95μLの完全培養培地の細胞懸濁液を添加し、細胞密度は(5~10)×10^4/ウェルである。
【0143】
医薬の添加(光を避け):96ウェル培養プレートにおいて、異なる医薬に対する異なる細胞の感受性に応じて、10μMの最高濃度を選び、それを1:3の比率で連続希釈して9つの濃度を得た。各ウェルに5μLの化合物を添加し、各濃度につき2~3個の反復ウェルを作成した。化合物を添加した後、96ウェルプレートを5%のCOインキュベーター内、37℃で培養した。9種類の異なる濃度の医薬と3回の固定用量の化合物を72時間作用させた後、化合物と医薬の併用効果を測定した。
【0144】
読み取り値:培養終了時、試験待ちのウェルから古い溶液を取り出し、100μL/ウェルのCCK-8測定溶液を添加した(対応する培地には10%CCK-8、5%FBSが含まれた)。プレートをCOインキュベーター内、37℃で2~4時間連続培養した。
【0145】
OD値は、マイクロプレートリーダー(SpectraMax Plus384、Molecular Devices、LLC.,US)を使用してA450nmで測定した。3つの反復ウェルの平均OD値を取得し、次の式に従って細胞生存率の百分率を計算した。
【0146】
(測定ウェルの外径-ブランク対照ウェルの外径)/(細胞対照ウェル外径-ブランク対照ウェルの外径)×100%。
【0147】
併用実験のについて、細胞生存率は、単剤対照の3つの反復ウェルの平均OD値を正規化することによって計算された。併用投与曲線と単剤投与曲線から得られたIC50値を比較すると、2つの化合物が相乗効果を達成していることが示された(併用投与曲線は左にシフトした)。
細胞生存率測定(CTG)
【0148】
細胞生存率は、製造業者の説明に従って、CellTiter-Glo(登録商標)発光細胞生存率測定(Promega)またはWST測定(Cell counting Kit-8、Shanghai life iLab、China)を使用して測定した。細胞生存率は、細胞生存率=(平均RLUサンプル-平均RLUブランク)/(RLU細胞対照-RLUブランク)×100として計算した。IC50値は、GraphPad Prismを使用して計算した。併用係数(CI)値は、CalcuSynソフトウェア(BIOSOFT、UK)によって計算した。CI<0.9は相乗併用効果を示した。CI<0.1のスコアは5+で相乗併用効果が非常に強いことを示し、CIが0.1~0.3のスコアは4+で相乗併用効果が強いことを示し、CIが0.3~0.7のスコアは3+で相乗併用効果が中程度であることを示した。
インビボ薬効実験評価方法
【0149】
細胞接種法を採用して、ヒト腫瘍免疫不全マウス皮下移植腫瘍モデルを構築した。対数増殖期の腫瘍細胞を収集し、計数し、1×PBSに再懸濁し、細胞懸濁液の濃度を2.5~5×10/mLに調整した。1mLシリンジ(4番針)を用いて、免疫不全マウスの右側皮下に5~10×10/0.2mL/匹を接種した。すべての動物実験は、いずれもGenePharma Co.,Ltd.およびSuzhou Ascentage Pharma Co.,Ltd.の実験動物の使用および管理規定に厳密に従って実施され、関連パラメータの計算は中国国家薬品監督管理局(NMPA)『細胞毒性抗腫瘍薬の非臨床研究に関する技術ガイドライン』を参考した。
【0150】
実験過程中、動物の体重および腫瘍サイズを週に2回測定した。毎日、動物の状態や死亡の有無を観察した。腫瘍の増殖および治療が動物の正常な行動に対する影響を定期的にモニタリングし、具体的には、実験動物の活動、摂食および飲水、体重の増加または減少、眼、衣服、毛髪などの異常状況を含んだ。実験期間に観察された死亡および臨床症状を生データに記録した。すべての投与およびマウスの体重と腫瘍体積の測定の操作は、いずれも清潔な作業台上で行われた。実験プロトコールの要件に従って、最終投与の終了後、血漿および腫瘍組織を収集し、重量を秤量し、そして写真を撮った。血漿および腫瘍試料は-80℃で凍結して必要に備えた。
【0151】
腫瘍体積(TV)の計算式は、TV=a×b/2であり、式中、aおよびbは、それぞれ測定待ちの腫瘍の長さおよび幅を表した。
【0152】
相対腫瘍体積(RTV)の計算式は、RTV=V/Vであり、式中、Vは群分け投与開始時の腫瘍体積、Vは投与後t日目に測定して得られた腫瘍体積であった。
【0153】
抗腫瘍活性の評価指標は腫瘍相対増殖率T/C(%)であり、その計算式は、腫瘍相対増殖率T/C(%)=(TRTV/CRTV)×100%、TRTVは治療群RTVであり、CRTVは溶媒対照群のRTVであった。
【0154】
腫瘍退縮率(%)の計算式は、治療後にSD(病勢安定)、PR(部分退縮)およびCR(完全退縮)を示した担腫瘍マウスの数/この群の総マウス数×100%であった。
【0155】
体重変化(%)=(実測体重-群分け開始時の体重)/群分け開始時の体重×100%であった。
【0156】
治療効果評価基準:中国NMPA『細胞毒性抗腫瘍薬の非臨床研究に関する技術ガイドライン』(2006年11月)によると、T/C(%)値が≦40%で、統計解析p<0.05の場合、治療効果があることが確認された。マウスの体重が20%以上減少した場合、または薬物関連の死亡数が20%を超えた場合、当該用量の薬物は、重篤な毒性があると考えられた。
【0157】
Clarke R.の説明によると、乳癌などのモデルのインビボ実験細胞毒性研究における実験設計問題および終点分析[J].Breast Cancer Research&Treatment、1997、46(2-3):255-278において、相乗効果分析は、以下の式で評価された。相乗効果係数=((A/C)×(B/C))/(AB/C)、A=薬剤A単独群のRTV値、B=薬剤B単独群のRTV値、C=溶媒対照群のRTV値、AB=AとBの併用群のRTV値であった。相乗効果係数>1は相乗効果が達成されることを示し、相乗効果係数=1は相加効果が達成されることを示し、相乗効果係数<1は拮抗作用が達成されることを示した。
【0158】
腫瘍反応は、mRECIST(Gao et al.,2015)を使用して測定し、病勢安定(SD)、部分腫瘍退縮(PR)、および完全退縮(CR)が含まれ、t日目とベースライン時の腫瘍体積変化を比較して、腫瘍体積変化(%)=(Vt-V1/V1)を決定した。最適な応答は、t≧10時の腫瘍体積変化の最小値(%)であった。各時間tについて、t=1からtまでの腫瘍体積変化の平均値も計算した。最適な平均応答(BestAvgResponse)は、t≧10の当該平均値の最小値として定義された。応答基準(mRECIST)は、RECIST基準(Gao et al.,2015、Therasse et al.,2000)から改編され、次のように定義された、mCRについて、最適な応答<-95%および最適な平均応答<-40%であり、mPRについて、最適な応答<-50%および最適な平均応答<-20%であり、mSDについて、最適な応答<35%および最適な平均応答<30%であり、mPDについて、別に分類されていない。SD、PR、およびCRは反応者とみなされ、且つ反応率(%)の計算に使用された。動物の体重を同時にモニタリングした。体重変化は、投与初日(1日目)の動物の体重に基づいて計算した。腫瘍体積および体重の変化(%)は、平均値±平均値の標準誤差(SEM)として表された。
同所性/全身性異種移植方法
【0159】
MOLM 13-Luc腫瘍細胞を、10%熱不活化ウシ胎児血清(Gibco製品)、100U/mLペニシリン、および100μg/mLストレプトマイシンを含むRPMI1640培地に置き、37℃、5%COの空気中で懸濁培養した。腫瘍細胞は、週に2回定期的に継代培養した。指数増殖期に増殖した細胞を収集し、そして腫瘍接種をカウントした。
【0160】
免疫系を阻害することによって異種移植モデルを構築するために、細胞接種の24時間前に、メスのNOD SCIDマウスを150mg/kgのシクロホスファミドで1日1回(qd)で2回前処理した。各マウスに0.2mLのPBS中でMOLM13-luc腫瘍細胞(2×10/マウス)を尾静脈を介して腫瘍発生のために接種した。腫腫瘍移植から3日後、平均生物発光測定値が3.18×10光子/秒に達した時、動物を群分けに選んだ。Excelベースのランダム化ソフトウェアを使用して動物を群分け、それらの生物発光強度に従って層別無作為化を行った。治療は同日に直ちに開始した(d1と定義された)。
【0161】
第1終点は、医薬治療群と比較して腫瘍の増殖速度を遅らせることができるか、および/または転移を予防できるか否かを評価することであった。このために、外科接種したマウスを秤量し、そして150mg/kgの用量でフルオレセインを腹腔内注射した。フルオレセイン注射の10分後、動物を酸素およびイソフルランの混合ガスで麻酔した。当該動物が完全に麻酔状態にある場合、IVIS(LuminaII)イメージングシステムのイメージングチャンバーにマウスを移動して生物発光測定を行った。生物発光は週に2回測定および記録された。腫瘍増殖曲線は、生物発光強度(光子/秒)を用いてプロットされた。次いで、腫瘍生物発光をT/C値(%)の計算に使用し、TおよびCはそれぞれ、特定の日の治療群および対照群の相対生物発光増殖率であった。腫瘍生物発光データに対して一元配置分散分析を実行し、顕著なF-統計量(治療分散と誤差分散の比率)を得(P<0.001)、Games-Howellを採用して群間の比較を実行した。
【0162】
第2終点は動物生存率であった。動物に対して検査を毎日行い、悪化および瀕死の状態(20%の体重減少、四肢の麻痺、眼の突出、腫瘍の増殖および転移による腹囲の増加を含む)および/または十分な食物もしくは水を獲得する能力を失った動物はCOによって安楽死させた。各動物の生存期間を記録し、そして各群の生存期間中央値(MST)を計算した。生存期間はKaplan-Meier法を採用して分析した。関連するイベントは動物の死亡であった。生存期間は、治療開始から死亡までの時間(日単位)として定義された。各群の生存期間中央値および対応する95%信頼区間を計算した。各群はいずれもKaplan-Meier曲線をプロットし、log-rankを採用して群間生存曲線の比較を行った。対照群とすべての治療群の間、および治療群間の生存期間の統計的差異を分析した。
【0163】
すべてのデータはいずれもSPSS17.0を使用して分析した。P値<0.05は統計的に有意であると考えられた。
実施例2:化合物Bは、異なるBcl-2変異を有するRS4;11細胞の殺傷を回復できる
【0164】
細胞生存率は、CTG法を採用して測定した。RS4;11細胞は、急性リンパ芽球性白血病(ALL)患者の骨髄から構築された。
【0165】
図1Aおよび図1Bに示すように、化合物Bは、RS4;11-wt(野生型)およびG101V、D103E、V156D、G101V-D103Eなどの異なるBcl-2変異を有するRS4;11細胞を含むRS4;11細胞の細胞生存率を効果的に低下させることができた。すべての細胞株において、化合物BのIC50(CTG72h)値は、いずれもABT-199(Venetoclax)より低かった。
【0166】
結論:
化合物Bは、異なるBcl-2変異を有するRS4;11細胞の殺傷を回復できる。BCL2変異はVenetoclax薬剤耐性患者において広く報告されているため、上記結果は、AMLやALLなどの癌における化合物Bの単独使用、または他の医薬との併用によりVenetoclax薬剤耐性を克服する可能性を示した。
実施例3:本発明の組合せは、RS4;11 Bcl2-G101V-Flag細胞株の増殖を相乗的に阻害できる
【0167】
細胞生存率は、CTG法を採用して測定した。RS4;11 BCL2-G101V-Flag細胞株は、Bcl2-G101V-Flag変異を有するRS4;11細胞であった。
【0168】
図2A図2Dに示すように、CTG測定(72h)において、化合物Aおよび化合物Bの併用は、化合物Aまたは化合物Bの単独使用より細胞生存率が低く、化合物Aおよび化合物Cの併用は、化合物Aまたは化合物Cの単独使用より細胞生存率が低く、化合物Bおよび化合物Cの併用は、化合物Bまたは化合物Cの単独使用より細胞生存率が低く、化合物A、化合物Bおよび化合物Cの3剤併用は、化合物A、化合物Bまたは化合物Cの単独使用より細胞生存率が低かった。
【0169】
結論:
本発明の組合せ(化合物A+化合物B、化合物A+化合物C、および化合物B+化合物C)は、RS4;11 Bcl2-G101V-Flag細胞に対して比較的強い抗増殖活性を有した。BCL2変異はVenetoclax薬剤耐性患者において広く報告されているため、上記の結果は、AMLおよびALLなどの癌におけるVenetoclax薬剤耐性の克服における本発明の組合せの潜在的使用を示した。
実施例4:本発明の組合せは、RS4;11 BCL2-V156D-Flag細胞株の増殖を相乗的に阻害できる
【0170】
細胞生存率は、CTG法を採用して測定した。RS4;11 BCL2-V156D-Flag細胞株は、Bcl2-V156D-Flag変異を有するRS4;11細胞であった。
【0171】
図3A図3Dに示すように、CTG測定(72h)において、化合物Aおよび化合物Bの併用は、化合物Aまたは化合物Bの単独使用より細胞生存率が低く、化合物Aおよび化合物Cの併用は、化合物Aまたは化合物Cの単独使用より細胞生存率が低く、化合物Bおよび化合物Cの併用は、化合物Bまたは化合物Cの単独使用より細胞生存率が低く、化合物A、化合物Bおよび化合物Cの3剤併用は、化合物A、化合物Bまたは化合物Cの単独使用より細胞生存率が低かった。
【0172】
結論:
本発明の組合せ(化合物A+化合物B、化合物A+化合物C、および化合物B+化合物C)は、RS4;11 BCL2-V156D-Flag細胞に対して比較的強い抗増殖活性を有した。BCL2変異はVenetoclax薬剤耐性患者において広く報告されているため、上記の結果は、AMLおよびALLなどの癌におけるVenetoclax薬剤耐性の克服における本発明の組合せの潜在的使用を示した。
実施例5:BCL-2、MDM2およびIAPの併用標的化は、化合物Aによって誘導される薬剤耐性細胞株(AMLおよびALL)において最も効果的であった
【0173】
細胞生存率は、CTG法を採用して測定した。実験前に、化合物Aを用いて、化合物Aによって誘導された薬剤耐性細胞株に長期間作用した(MV-4-11、RS4;11、およびMOLM-13)。
【0174】
図4A図4Cに示すように、CTG測定(72h)において、化合物A、化合物B、および化合物Cの3つの組合せは、細胞生存率が最も低かった。
【0175】
結論:
化合物A(Bcl-2阻害剤)、化合物B(MDM2阻害剤)、および化合物C(IAP阻害剤)の3つの組合せは、化合物Aによって誘導される薬剤耐性細胞株(MV-4-11、RS4;11、およびMOLM-13)に対して最も効果的であった。したがって、BCL-2、MDM2、およびIAPの併用標的化は、化合物Aによって誘導された薬剤耐性細胞株(AMLおよびALL)に対して最も効果的であった。上記の結果は、AMLおよびALLなどの癌における化合物A薬剤耐性の克服における3剤併用療法の潜在的使用を示した。
実施例6:BCL-2変異腫瘍モデルにおいて、化合物Aと化合物Bの併用治療は、Venetoclax薬剤耐性を克服できる
【0176】
皮下異種移植法を採用した。RS4;11 BCL2-V156D-Flag細胞株は、Bcl2-V156D-Flag変異を有するRS4;11細胞であった。
【0177】
図5に示すように、皮下異種移植実験において、腫瘍増殖曲線は、化合物Aと化合物Bの併用が、腫瘍増殖の阻害において各単剤より優れていることを示した(腫瘍体積に基づく)。
【0178】
結論:
化合物Aと化合物Bの併用の抗腫瘍効果は、単剤より優れていた。Bcl2-V156DはVenetoclax薬剤耐性患者において報告されている変異であるため、上記の結果は、化合物Aと化合物Bの併用が、AMLおよびALLなどの癌におけるVenetoclax薬剤耐性を克服する上で潜在的な応用価値があることを示した。
実施例7:RS4;11BCL-2-G101V-FlagヒトALL癌マウス異種移植モデルの併用治療
【0179】
皮下異種移植法を採用した。RS4;11 BCL2-G101V-Flag細胞株は、Bcl2-G101V-Flag変異を有するRS4;11細胞であった。
【0180】
図6に示すように、皮下異種移植実験において、化合物Aと化合物Bの併用、化合物Aと化合物Cの併用、化合物Bと化合物Cの併用、および化合物Aと化合物Bと化合物Cの3剤併用は、いずれも腫瘍増殖速度が各単剤より低かった(腫瘍体積に基づく)。そのうち、化合物A、化合物Bと化合物Cの3剤併用は、腫瘍増殖が最も低かった。
【0181】
結論:
本発明の組合せ(化合物A+化合物B、化合物A+化合物C、化合物B+化合物Cおよび化合物A+化合物B+化合物C)は、RS4;11BCL-2-G101V-FlagヒトALL癌マウス移植腫瘍モデルに対して比較的強い抗増殖活性を有した。BCL2変異(BCL2-G101V変異を含む)はVenetoclax薬剤耐性患者において広く報告されているため、上記の結果は、本発明の組合せが、AMLおよびALLなどの癌におけるVenetoclax薬剤耐性を克服するために使用され得ることを示した。
実施例8:RS4;11-VEN-RヒトALL癌マウス異種移植モデルにおける化合物A+化合物B+Azaと化合物A+化合物B+化合物Cの比較
【0182】
方法は、異種移植実験であった。RS4;11-VEN-RヒトALL癌マウス移植腫瘍モデルを構築した。当該モデルは、Venetoclax(VEN)薬剤耐性のものであった。
【0183】
図7Aおよび図7Bに示すように、異種移植実験において、化合物Aおよび化合物Bの組合せは、ベクター対照と比較して腫瘍体積の減少を達成した。また、化合物Aと化合物Bとアザシチジンの3つの組合せ、および化合物Aと化合物Bと化合物Cの3つの組合せは、いずれも化合物Aと化合物Bの組合せおよびベクター対照より優れていた。具体的には、化合物A、化合物B、および化合物Cの組合せの抗増殖活性は、化合物A、化合物B、およびアザシチジンの組合せの抗増殖活性に相当した。
【0184】
結論:
化合物Aと化合物Bの組合せは、RS4;11-VEN-RヒトALL癌異種移植腫瘍モデルに対して増殖阻害効果を有し、さらに化合物Cを添加すると、その増殖阻害効果を増強することができる。上記の結果は、AMLおよびALLなどの癌におけるVenetoclax薬剤耐性(VEN-R)の克服における本発明の組合せの潜在的使用を示した。
実施例9:AML細胞における化合物A+化合物Cの併用効果(72時間)
【0185】
細胞生存率は、WST法を採用して測定した。MOLM-13WAT測定およびMV-4-11WST測定をそれぞれ行った。
【0186】
併用係数(CI)法はChouおよびTalalayの記載に基づいて、CalsuSynソフトウェアを使用してCI値を計算した。
【0187】
図8Aおよび図8Bに示すように、細胞生存率WST測定において、AML細胞株MOLM-13およびMV-4-11における化合物Aおよび化合物Cの相乗効果がCI値に従って実証された。具体的には、CI値<0.9は相乗効果を示した。
【0188】
結論:
化合物Aと化合物Cの組合せは、AML細胞株MOLM-13およびMV-4-11において相乗効果を達成した。上記の結果は、化合物Aと化合物Cの併用治療がAMLなどの癌の治療において潜在的な応用価値を有することを示した。
実施例10:化合物Aと化合物Cの併用が皮下MV-4-11AMLの治療において相乗効果を達成した
【0189】
方法は皮下異種移植法を採用した。本実施例において、皮下MV-4-11AMLモデルを使用した。
【0190】
図9A図9Dに示すように、AML MV-4-11異種移植モデルにおける化合物Aと化合物Cの相乗効果は、T/Cおよび腫瘍体積によって腫瘍阻害効果の増強を反映した。さらに、相乗比率は、>1が相乗抗腫瘍活性を有することも示した。
【0191】
結論:
化合物Aと化合物Cの組合せは、AML MV-4-11異種移植モデルにおいて相乗効果を達成した。上記の結果は、化合物Aと化合物Cの併用治療がAMLなどの癌の治療において潜在的な応用価値を有することを示した。
【0192】
実施例11:同所性MOLM-13-lucヒトAMLモデルにおける化合物Aと化合物Cの併用治療
方法は、同所性/全身性異種移植であった。本実施例において、同所性MOLM-13-lucヒトAMLモデルが使用された。
【0193】
図10A図10Cを参照すると、図10Aは動物腫瘍負荷生物発光を示し、図10Bは生存曲線を示し、図10Cは生存期間中央値および生存延長期間を示した。図10A図10Cに示すように、同所性MOLM-13-lucヒトAMLモデルにおいて、化合物Aおよび化合物Cの併用治療は、各単剤より効果的であった。
【0194】
結論:
化合物Aと化合物Cの組合せは、同所性MOLM-13-lucヒトAMLモデルにおいて利益を取得した。上記の結果は、AMLなどの癌の治療における化合物Aと化合物Cの組合せの潜在的使用を示した。
【0195】
実施例12:p53 WT全身性OCI-AML3AMLモデル(Venetoclax内因性薬剤耐性)における化合物A、化合物Bおよび/または化合物Cの併用治療
方法は、同所性/全身性異種移植であった。本実施例において、Venetoclaxの内因性薬剤耐性モデルであるp53 WT全身性OCI-AML3AMLモデルが使用された。
【0196】
図11A図11Cを参照すると、図11Aは腫瘍体積で、図11Bは体重変化で、図11CはRTVおよびT/C値を示した。図11A図11Cに示すように、p53 WT全身性OCI-AML3AMLモデルにおいて、化合物A+化合物Bまたは化合物A+化合物B+化合物Cの併用治療は、対照群治療より優れていた。
【0197】
結論:
化合物Aと化合物Bの組合せ、および化合物Aと化合物Bと化合物Cの組合せは、p53 WT全身性OCI-AML3AMLモデル(ventoclax内因性薬剤耐性)において利益を取得した。上記の結果は、Venetoclaxに対する薬剤耐性のAMLなどの癌の治療における本発明の組合せの潜在的使用を示した。
実施例13:Venetoclax薬剤耐性のAML細胞において、細胞死を最大限に誘導するための内因性アポトーシスと外因性アポトーシスの併用標的化
【0198】
本発明者らは、これらの3つの薬物およびその組合せを用いて、CRISPR(Boettcher S et al.,Science2019)によって生成されたTP53を欠いているか、またはTP53変異(R248W、KO、R175H、R282W、Y220C、R248Q)を有するMolm13細胞を処理した。図12A図12Kに示すように、すべての変異細胞は単剤に対していずれも非感受性であった。2つの薬物を併用した場合、Bcl-2、IAPs、およびMDM2の活性が増強し、Bcl-2、IAPs、およびMDM2の併用は、TP53ノックアウトおよびすべてのTP53変異細胞によって誘導された細胞死に対して最も効果的であった(三剤併用は、任意の二剤または単剤処理と比較してP<0.05であり、二剤併用はそれぞれの単剤処理と比較してP<0.05であった)。Western blot分析は、単剤または併用処理した細胞においてcIAP1、cIAP2、XIAP、またはp21の減少が観察されたことを示した。三剤群においてのみ、cIAP1、cIAP2、XIAP、およびMDM2が明らかに減少し、p21が顕著に減少した。
【0199】
以上により、上記の研究は、内因性アポトーシと外因性アポトーシの併用標的化は、Bcl-2に拮抗し、cIAPsとXIAP、およびMDM2とp21を除去することにより、VENまたはTP53変異に対する獲得耐性のAML細胞死を最大限に誘導し得ることを示した。
実施例14:化合物Eは、BCL-2阻害剤(BCL-2i)非感受性細胞RPMI 8226において単剤活性を示す
【0200】
細胞生存率は、CTG法を採用して測定した。BCL-2i非感受性多発性骨髄腫(MM)モデルRPMI 8226細胞の構築は、化合物A(BCL-2i)に対するIC50が5.58μM(非感受性)であった。
【0201】
図13に示すように、BCL-2阻害剤(Venetoclaxを含む)に対して非感受性のMM細胞において、化合物Eは、細胞増殖の阻害の単剤活性を示した(RPMI 8226モデル)。
【0202】
結論:
化合物Eは、BCL-2i非感受性細胞RPMI 8226において単剤活性を示し、上記の結果は、化合物Eの単独または他の薬物との組合せは、VenetoclaxまたはMMなどの癌に対する化合物Aの薬剤耐性を克服するための潜在的使用を示した。
実施例15:化合物Eと化合物Cの併用は、BCL-2i抗増殖阻害細胞を相乗的に増感する
【0203】
細胞生存率は、CTG法を採用して測定した。BCL-2i耐性MMモデルKMS-26を構築した。
【0204】
図14A図14Dに示すように、BCL-2阻害剤(Venetoclaxを含む)に対して非感受性または薬剤耐性のMM細胞において、化合物Eは化合物B(MDM2阻害剤)または化合物C(IAP阻害剤)と組合せて、KMS-26細胞を増殖阻害に対して感受性にした。
【0205】
結論:
化合物Eと化合物C/化合物Bの併用は、BCL-2i非感受性細胞の増殖阻害に対する感受性を相乗的に増強することができ、上記の結果は、化合物Eが他の薬剤と併用し、MMなどの腫瘍においてVenetoclaxまたは化合物Aの薬剤耐性を克服できることを示した。
実施例16:化合物Cが、BCL-2阻害剤に対して非感受性のMM細胞において単剤活性を示す
【0206】
細胞生存率は、CTG法を採用して測定した。BCL-2i耐性MMモールドNCI-H929を構築した。
【0207】
図15Aおよび図15Bに示すように、化合物Cは、BCL-2阻害剤(Venetoclaxを含む)に対して非感受性または薬剤耐性のMM細胞において、細胞増殖を阻害する単剤活性を示した(NCI-H929モデル)。
【0208】
結論:
化合物Cは、BCL-2阻害剤に対して非感受性のMM細胞において単剤活性を示し、化合物Cを単独で、または他の薬物と組合せて使用して、Venetoclaxまたは化合物Aに対するMMなどの腫瘍の薬剤耐性を克服できることを示した。
実施例17:化合物E/化合物Dは、Venetoclax薬剤耐性のMM細胞および異種移植モデルの両方においていずれも単剤活性を示す
【0209】
KMS27感受性MM細胞株を高濃度のVenetoclaxで処理し、MMの獲得薬剤耐性表現型を構築した。モノクローナル薬剤耐性増幅持続性(DTEP)クローンを生成するために、生存細胞から生じたコロニーを高用量のVenetoclax中で培養した。IC50は親細胞と比較して少なくとも3~10倍増加した。Venetoclaxと比較して、BCL-2/BCL-xL/BCL-w阻害剤化合物Eは、薬剤耐性クローンの増殖を阻害することに成功し(図16A)、同時に細胞アポトーシスを誘導した(図16B)。
【0210】
化合物EがVenetoclax内因性薬剤耐性の場合においても有効であるか否かを調べるために、Venetoclax薬剤耐性MM細胞株(MM1.SおよびKMS34)をVenetoclax、化合物E、またはNavitoclaxで処理した。図16Cに示すように、化合物Eは細胞死の誘導に最も効果的であった。図16Dおよび図16Eに示すように、血小板毒性が比較的低い化合物Eのプロドラッグである化合物Dも、両方の細胞株のCDXモデルにおいて有効であった。
【0211】
化合物Eの活性は、インビトロ初代MM細胞において確認された。図16Fに示すように、本発明者らは、4人のMM患者からのMM細胞を処理し、そして化合物Eの活性がVenetoclaxより高いことを観察した。
【0212】
以上により、化合物E/化合物Dは、Venetoclax薬剤耐性のMM細胞および異種移植モデルの両方においていずれも単剤活性を示した。
【0213】
本発明に記載の方法、化合物および組成物を十分に説明した後、当業者であれば、本発明に記載の方法、化合物および組成物またはそれらの任意の実施形態に影響を与えない範囲で、広範且つ同等の条件、配合、および他のパラメータの範囲内で同様に行うことができることを理解すべきである。
【0214】
本明細書で引用されるすべての特許、特許出願、および出版物は、その全体が引用により本明細書に組み込まれる。
図1-1】
図1-2】
図2-1】
図2-2】
図2-3】
図2-4】
図3-1】
図3-2】
図3-3】
図3-4】
図4-1】
図4-2】
図4-3】
図5
図6
図7-1】
図7-2】
図8-1】
図8-2】
図9-1】
図9-2】
図9-3】
図9-4】
図10-1】
図10-2】
図10-3】
図11-1】
図11-2】
図11-3】
図12-1】
図12-2】
図12-3】
図12-4】
図12-5】
図12-6】
図12-7】
図12-8】
図12-9】
図12-10】
図12-11】
図13
図14-1】
図14-2】
図14-3】
図14-4】
図15-1】
図15-2】
図16-1】
図16-2】
図16-3】
図16-4】
図16-5】
図16-6】
【国際調査報告】