(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】1又は2以上の圧縮機ロータを駆動するモータを備える圧縮機組立体、及びそのような圧縮機組立体のハウジング部分を製造する方法
(51)【国際特許分類】
H02K 7/14 20060101AFI20240719BHJP
F04C 23/02 20060101ALI20240719BHJP
H02K 9/19 20060101ALI20240719BHJP
H02K 9/26 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
H02K7/14 B
F04C23/02 D
H02K9/19 A
H02K9/26 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506686
(86)(22)【出願日】2022-07-12
(85)【翻訳文提出日】2024-02-02
(86)【国際出願番号】 EP2022069474
(87)【国際公開番号】W WO2023016737
(87)【国際公開日】2023-02-16
(32)【優先日】2021-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(32)【優先日】2022-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593074329
【氏名又は名称】アトラス コプコ エアーパワー,ナームローゼ フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】ATLAS COPCO AIRPOWER,naamloze vennootschap
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】スワーツ トーマス ルク
(72)【発明者】
【氏名】マティス フリップ フランス
【テーマコード(参考)】
3H129
5H607
5H609
【Fターム(参考)】
3H129BB12
3H129CC07
5H607AA02
5H607AA12
5H607BB01
5H607BB07
5H607BB14
5H607CC01
5H607CC05
5H607DD03
5H607DD08
5H607DD19
5H607EE36
5H607FF07
5H609BB03
5H609BB14
5H609BB19
5H609PP05
5H609QQ05
5H609QQ11
5H609RR12
5H609RR36
5H609SS03
(57)【要約】
1又は2以上の圧縮機ローター(11、12)を駆動するモータ(2)を備える圧縮機組立体(1)は、オイルリザーバ(47)、オイルクーラ(48)、及びオイルフィルタ(50)を備えるオイル循環システム(33)と、オイル(49)をオイルリザーバ(47)から冷却及び/又は潤滑される構成要素に循環させ、オイルリザーバ(47)に戻すオイルポンプ(32)とを備え、モータ(2)は、モータシャフト(4)の軸方向(XX’)に平行な軸方向(AA’、BB’、CC’、DD’、...)に延びる流路(52)を有するモータジャケット(51)を有し、この流路内をオイル循環システム(33)のオイル(49)が循環する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機要素(9)の1又は2以上の圧縮機ロータ(11、12)を駆動するモータ(2)を備える圧縮機組立体(1)であって、前記圧縮機組立体(1)は、前記圧縮機組立体(1)の構成要素を冷却及び潤滑するためのオイル循環システム(33)を備え、前記オイル循環システム(33)は、オイルリザーバ(47)と、前記オイル循環システム(33)を通って循環するオイル(49)を冷却するためのオイルクーラ(48)と、前記オイル循環システム(33)の1又は2以上のラインを通って流れるオイル(49)を濾過するためのオイルフィルタ(50)と、を備え、前記モータ(2)は、モータジャケット(51)として実施される中央モータハウジング本体(51)を備えるモータハウジング(3)を有し、前記モータジャケット(51)には、流路(52)が設けられており、前記流路(52)は、前記モータジャケット(51)を通してオイル(49)を循環させるために、前記オイル循環システム(33)のオイルラインに接続されており、
前記オイル循環システム(33)は、前記オイルリザーバ(47)から前記オイル循環システム(33)のオイルラインを通して冷却及び/又は潤滑される関係する前記構成要素にオイル(49)を循環させ、前記オイルリザーバ(47)に戻すための駆動力を提供するオイルポンプ(32)を備え、前記モータジャケット(51)内の前記流路(52)は、前記モータ(2)のモータシャフト(4)の軸方向(XX’)に平行な軸方向(AA’、BB’、CC’、DD’、EE’、FF’、...)に延びていることを特徴とする圧縮機組立体(1)。
【請求項2】
前記オイルポンプ(32)は、前記モータハウジング(3)に統合されるか、又は、モータハウジングカバー(62)又は前記中央モータハウジング本体(51)の非駆動側(31)又は駆動側(8)に設けられた圧縮機組立体ハウジング(27)の他の部分に取り付けられており、さらに、前記モータ(2)の前記モータシャフト(4)によって駆動される、請求項1に記載の圧縮機組立体(1)。
【請求項3】
前記オイルポンプ(32)は、出口(66)において、前記中央モータハウジング本体(51)内の軸方向に向けられた流路(52、71)に直接接続されている、請求項1又は2に記載の圧縮機組立体(1)。
【請求項4】
前記圧縮機組立体(1)の前記圧縮機要素(9)は、オイルフリー又はオイルレス圧縮機要素(9)である、請求項1から3の1又は2以上に記載の圧縮機組立体(1)。
【請求項5】
前記圧縮機組立体(1)の圧縮機要素(9)は、オイルレスロータ圧縮機要素(9)であるか、又はオイルレスツース圧縮機要素(9)であり、前記モータ(2)によって駆動される前記1又は2以上の圧縮機ロータ(11、12)は、1又は2以上の圧縮機ロータ又は圧縮機ツース(19、20)である、請求項4に記載の圧縮機組立体(1)。
【請求項6】
前記中央モータハウジング本体(51)は、前記中央モータハウジング本体(51)の少なくとも重要な軸方向部分にわたって本質的に一定又は不変である断面を有する、前記請求項1から5の1又は2以上に記載の圧縮機組立体(1)。
【請求項7】
前記中央モータハウジング本体(51)は、押出成形によって製造される、請求項1から6の1又は2以上に記載の圧縮機組立体(1)。
【請求項8】
前記圧縮機組立体(1)の前記オイル循環システム(33)は、オイル(49)が前記オイルリザーバ(47)と前記オイルクーラ(48)との間で循環して戻る、少なくとも第1の循環ループ(77)及び第2の循環ループ(78)を備え、前記第1の循環ループ(77)は、前記オイルフィルタ(50)が含まれていない濾過されていない循環ループ(77)であり、前記第2の循環ループ(78)は、前記オイルフィルタ(50)がオイル(49)を濾過するために設けられている濾過された循環ループ(78)であり、前記モータジャケット(51)内の1又は2以上の流路(52、79)は、前記濾過されていない循環ループ(77)に含まれており、前記流路(52)は、前記モータハウジングジャケット(52)を冷却するための冷却流路(79)を形成している、請求項1から7の1又は2以上に記載の圧縮機組立体(1)。
【請求項9】
モータハウジング(3)は、貫通流路(68)を備え、前記貫通流路(68)は、中央モータハウジング本体(51)を貫通すると共に前記中央モータハウジング本体(51)の反対側の端部(57、58)に設けられたモータハウジングカバー(61、62)を貫通し、前記オイルポンプ(32)の前記出口(66)は、前記貫通流路(68)に直接接続されると共に前記オイルポンプ(32)のオイルポンプ圧力ライン(73)の一部(72)を形成している、請求項1から8の1又は2以上に記載の圧縮機組立体(1)。
【請求項10】
前記圧縮機組立体(1)の前記モータ(2)は、前記モータハウジング(3)に挿入されるモータステータ(6)と、前記モータステータ(6)を貫通して延びている前記モータシャフト(4)上に取り付けられたモータロータ(5)とを備える電気モータ(2)である、請求項1から9の1又は2以上に記載の圧縮機組立体(1)。
【請求項11】
前記モータハウジング(3)は、前記中央モータハウジング本体(51)の駆動側(8)において、前記モータ(2)によって駆動される前記圧縮機ロータ(11、12)に隣接する駆動側モータハウジングカバー(61)と、前記中央モータハウジング本体(51)の非駆動側(31)において、前記中央モータハウジング本体(51)の反対側に非駆動側モータハウジングカバー(62)とを追加的に備え、前記モータハウジングカバー(61、62)は、前記モータハウジングジャケット(51)を冷却するための単一又は複数の組立冷却流路(81)を形成するための、前記中央モータハウジング本体(51)内の関係する前記冷却流路(52、79)を相互接続するために、組み立てられた状態で前記中央モータハウジング本体(51)内の軸方向に向けられた冷却流路(52、79)と協働する1又は2以上の相互接続流路(80)を備える、請求項1から10の1又は2以上に記載の圧縮機組立体(1)。
【請求項12】
前記モータハウジングカバー(61、62)は、前記モータハウジング(3)を貫通する貫通流路(68)を形成するために、組み立てられた状態で前記中央モータハウジング本体(51)内の流路(71)と協働する1又は2以上の貫通開口部(69、70)を備える、請求項11に記載の圧縮機組立体(1)。
【請求項13】
前記モータ(2)の従動側(8)において、前記モータシャフト(4)は、直接連結器(25)によって直接的に、又は歯車動力伝達装置(34)によって又は歯車動力伝達装置(34)を介して間接的に、前記圧縮機ロータ(11、12)の1又は2以上に連結されている、請求項1から12の1又は2以上に記載の圧縮機組立体(1)。
【請求項14】
前記オイルポンプ(32)は、前記モータシャフト(4)が1又は2以上の圧縮機ロータ(11、12)に結合されている駆動側(8)とは反対側の前記モータ(2)の非駆動側(31)で、前記モータシャフト(4)に直接連結されるか又は前記モータシャフト(4)上に取り付けられている、請求項1から13の1又は2以上に記載の圧縮機組立体(1)。
【請求項15】
前記オイルポンプ(32)は、入口(65)で、前記オイルリザーバ(47)と前記オイルポンプ(32)との間に設けられたオイルポンプ吸い込みライン(67)に接続され、出口(66)で、前記オイルポンプ(32)を前記オイルクーラ(48)の前記入口(76)に接続するオイルポンプ圧力ライン(73)に接続されている、請求項1から14の1又は2以上に記載の圧縮機組立体(1)。
【請求項16】
前記圧縮機組立体(1)の前記オイル循環システム(33)は、前記圧縮機組立体(1)の構成要素に冷却され濾過された潤滑オイル(49)を供給するための1又は2以上のオイル注入ライン(90-101)を備え、前記オイルフィルタ(50)は、オイルクーラ出口(83)に接続されている冷却されたオイル(49)のオイルライン(85、86)に設けられている、請求項1から15の1又は2以上に記載の圧縮機組立体(1)。
【請求項17】
モータジャケットの冷却のために、冷却されたオイル(49)のオイル流路(85、87)は、前記オイルクーラ出口(83)と、中央モータハウジング本体ジャケット(51)内の少なくとも1つの冷却流路(52、79)との間に、又は前記中央モータハウジング本体(51)のモータハウジングカバー(61、62)内の相互接続流路(80)によって相互接続されている、前記中央モータハウジング本体ジャケット(51)内の複数の冷却流路(52、79)によって構成される1又は2以上の組立冷却流路(81)との間に設けられ、冷却されたオイル(49)のオイルライン(85)は、オイルクーラ出口(83)に接続されており、前記のオイルライン(85)は、前記オイルフィルタ(50)の上流側で、前記オイルフィルタ(50)に向かう第1の分岐(86)と、前記冷却流路(52、79)に又は前記モータハウジングジャケット(51)内の1又は2以上の組立冷却流路(81)に向かう第2の分岐(87)と、に分岐されている、請求項1から16の1又は2以上に記載の圧縮機組立体(1)。
【請求項18】
前記圧縮機組立体(1)の前記オイル循環システム(33)は、前記圧縮機組立体(1)の構成要素に冷却されていない濾過された潤滑オイル(49)を供給するための1又は2以上のオイル注入ライン(90、101)を備え、前記オイルフィルタ(50)は、前記オイルポンプ(32)と前記オイルクーラ(48)との間に設けられたオイルポンプ圧力ライン(73)から分岐した冷却されていないオイルのオイルライン(114)に設けられている、請求項1から17の1又は2以上に記載の圧縮機組立体(1)。
【請求項19】
前記圧縮機組立体(1)の前記オイル循環システム(33)は、前記圧縮機組立体(1)の構成要素に濾過された潤滑オイル(49)を供給するための1又は2以上のオイル注入ライン(90-101)を備え、前記オイル注入ライン(90-101)は、
-圧縮機ローター(11、12)に向かう濾過オイル注入ライン(90)、
-前記モータ(2)と前記圧縮機要素(9)との間の中間歯車動力伝達装置(34)の従動歯車(36)又は駆動歯車(37)に向かう濾過オイル注入ライン(91、92)、
-圧縮機出口(16)に向かって濾過オイル(49)を注入するための非駆動側オイル注入ライン(93)、
-圧縮機出口(16)に向かって濾過オイル(49)を注入するための駆動側オイル注入ライン(94)、
-雌型圧縮機ローターシャフト(17)の非駆動側軸受(21)に向かう濾過オイル注入ライン(95)、
-雄型圧縮機ローターシャフト(18)の非駆動側軸受(23)に向かう濾過オイル注入ライン(96)、
-雄型圧縮機ローターシャフト(18)の駆動側軸受(24)に向かう濾過オイル注入ライン(97)、
-雌型圧縮機ローターシャフト(17)の駆動側軸受(22)に向かう濾過オイル注入ライン(98)、
-タイミングギア(28、29)に向かう濾過オイル注入ライン(99)、
-モータシャフト軸受(45)に向かう駆動側濾過オイル注入ライン(100)、及び/又は、
-モータシャフト軸受(46)に向かう非駆動側濾過オイル注入ライン(101)、
のうちの1又は2以上を含む、請求項1から18の1又は2以上に記載の圧縮機組立体(1)。
【請求項20】
前記モータハウジング(3)において、前記モータシャフト(4)を支持する軸受(45、46)の各々に対して、濾過されたオイル(49)を関係するモータシャフト軸受(45、46)に供給するためのオイル注入流路(102)、並びに、濾過された潤滑オイル(49)を前記関係するモータシャフト軸受(45、46)から排出するためのオイルドレーン流路(103)が設けられている、請求項1から19の1又は2以上に記載の圧縮機組立体(1)。
【請求項21】
前記オイル注入流路(102)及び前記オイルドレーン流路(103)は、前記モータシャフト(4)に向かって又は前記モータシャフト(4)から離れて半径方向(RR’、SS’)に延びているか、又は半径方向(RR’、SS’)に延びている少なくとも一部分を備える、請求項20に記載の圧縮機組立体。
【請求項22】
前記モータハウジング(3)は、軸方向に延びる貫通流路(104)を備え、前記貫通流路は、前記中央モータハウジング本体(51)を貫通し、場合によっては、前記中央モータハウジング本体の反対側の端部(57、58)に設けられたモータハウジングカバー(61、62)を貫通し、前記軸方向に延びる貫通流路(104)は、前記モータシャフト軸受(45、46)から到来するオイルを排出するためのオイルドレーン流路(105)の一部を形成し、前記軸方向に延びる貫通流路(104)は、前記オイルドレーン流路(103)の半径方向に延びる前記オイルドレーン流路(103)に接続されている、請求項21に記載の圧縮機組立体(1)。
【請求項23】
前記圧縮機組立体(1)の前記オイル循環システム(33)は、前記圧縮機組立体(1)の構成要素から到来する潤滑オイル(49)を排出するための1又は2以上のオイルドレーンライン(105、113)を備え、前記オイルドレーンライン(105、113)は、
-圧縮機ローター(11、12)から到来するオイルを排出するためのオイルドレーンライン(106)、
-前記モータ(2)と前記圧縮機要素(9)との間の中間歯車動力伝達装置(34)の従動歯車(36)又は駆動歯車(37)から到来するオイルを排出するオイルドレーンライン(107、108)、
-雌型圧縮機ローターシャフト(17)の非駆動側軸受(21)から到来するオイル(49)を排出するためのオイルドレーンライン(109)、
-雄型圧縮機ローターシャフト(18)の非駆動側軸受(23)から到来するオイルを排出するためのオイルドレーンライン(110)、
-雌型圧縮機ローターシャフト(17)の駆動側軸受(22)から到来するオイル(49)を排出するためのオイルドレーンライン(111)、
-雄型圧縮機ローターシャフト(18)の駆動側軸受(24)から到来するオイル(49)を排出するためのオイルドレーンライン(112)、
-タイミングギア(28、29)から到来するオイル(49)を排出するためのオイルドレーンライン(113)、
-モータシャフト軸受(45)から到来するオイル(49)を排出するための駆動側オイルドレーンライン(105)、及び/又は
-モータシャフト軸受(46)から到来するオイル(49)を排出するための非駆動側オイルドレーンライン(105)、
のうちの1又は2以上を含む、請求項1から22の1又は2以上に記載の圧縮機組立体(1)。
【請求項24】
請求項1から23の1又は2以上に記載の圧縮機組立体(1)を製造するための方法であって、前記圧縮機組立体(1)の前記中央モータハウジング本体(51)を製造することは、軸方向に向けられた流路(52)を有するモータジャケット(51)を形成するための押出プロセスを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮機要素の1又は2以上の圧縮機ロータを駆動するモータを備える圧縮機組立体に関する。
【0002】
また、圧縮機組立体は、圧縮機組立体の構成要素を冷却及び潤滑するためのオイル循環システムを備える。このオイル循環システムは、オイルリザーバを備え、オイルは、オイルリザーバからオイル循環システムのオイルラインを通って、潤滑又は冷却される関係する構成要素に循環され、オイルリザーバに戻る。
【0003】
さらに、オイル循環システムは、オイル循環システムを循環するオイルを冷却するためのオイルクーラ、及び、オイル循環システムの1又は2以上のラインを流れるオイルを濾過するためのオイルフィルタも備える。
【0004】
本発明は、圧縮機要素がオイルフリー又はオイルレス圧縮機要素である圧縮機組立体に特に関連するものであり、これは、潤滑用オイルが圧縮機要素の圧縮機ロータ自体の間に注入されないが、軸受及びギアなどの他の構成要素が、通常、オイル循環システムのオイルによって潤滑されることを意味する。オイルフリー又はオイルレス圧縮機要素を使用する理由は、圧縮機要素内で加圧又は圧縮される流体が、オイルを含まない又はオイルによって汚染されない状態に保たれるからである。これは、例えば、食品加工用途などで非常に重要である。
【0005】
それにも関わらず、本発明は、オイルフリー又はオイルレス圧縮機要素を含む圧縮機組立体に限定されるものではなく、例えばオイル注入圧縮機要素を含む圧縮機組立体も本発明から除外されない。
【0006】
圧縮機要素内の流体を圧縮又は加圧するために、様々な技術を使用することができる。本発明は、圧縮機要素が、回転運動のためにモータによって駆動される圧縮機ロータを有する回転圧縮機要素である圧縮機組立体に関する。
【0007】
モータは、典型的には電気モータであるが、内燃機関とすること、又は、原理的には、何らかの他のタイプの回転駆動装置、アクチュエータ、又は回転運動を発生させるため装置の組み合わせとすることができる。
【0008】
本発明による圧縮機組立体のモータは、ジャケットとして実施される中央モータハウジング本体を含むモータハウジングを有し、ジャケットには、流路が設けられ、流路は、モータジャケットを通してオイルを循環させるためのオイル循環システムのオイルラインに接続されている。
【0009】
典型的には、モータハウジングは、圧縮機組立体の圧縮機組立体ハウジングを形成するために、圧縮機要素の圧縮機ハウジングと相互結合される。
【0010】
可能性のある実施形態では、モータハウジングは、完全にモータジャケットのみから構成され、これは、モータハウジングを圧縮機ハウジングに接続するための相互結合フランジに直接結合される。他の実施形態では、典型的には、モータが圧縮機組立体の圧縮機要素に結合される前にモータが予め組み立てられている場合、モータハウジングは、モータジャケットを形成している中央モータハウジング本体の片側に又は両方の反対側のそれぞれに設けられたフランジ又はカバーで実施することができる。
【0011】
モータは、基本的にモータハウジングを貫通して、場合によっては圧縮機ハウジングの一部を貫通して延びるモータシャフトを有し、このモータシャフトは、関係する圧縮機ロータ(複数可)に連結又は結合される駆動側を有する。
【0012】
これは、関係する圧縮機ロータシャフトのシャフトをモータシャフトに直接相互結合又は連結することによって、直接的な様式で実現することができる。
【0013】
別の実施形態では、モータシャフトと、関係する圧縮機ロータシャフトとの連結又は相互結合は、中間歯車動力伝達装置又はギアボックスによって間接的に実現される。このような歯車動力伝達装置又はギアボックスは、通常、圧縮機ハウジングとモータハウジングとの間に配置される中間歯車動力伝達装置ハウジングに収容される。
【0014】
圧縮機組立体の圧縮機要素は、流体、典型的には空気、又は、酸素、二酸化炭素、窒素、アルゴン、ヘリウム又は水素のような別のガスのようなガス状流体を圧縮又は加圧するためのものである。しかしながら、圧縮機要素が、水蒸気などの、より高密度の流体を圧縮又は加圧するために使用されることは、本発明から除外されない。
【背景技術】
【0015】
モータに連結された歯車伝動装置によって直接的又は間接的に連結された、オイルフリー又はオイルレス又はオイル注入圧縮機要素を含む圧縮機組立体は、従来から公知である。
【0016】
圧縮機要素がオイルフリー又はオイルレス、又はオイル注入圧縮機要素であるかにかかわらず、このような圧縮機組立体の多くの要素又は構成要素は、オイルによって潤滑又は冷却する必要がある。そのため、圧縮機組立体は、オイル循環システムを備える。
【0017】
オイルによる潤滑又は冷却を必要とする圧縮機組立体の要素又は構成要素には、典型的には、圧縮機組立体の圧縮機要素とモータとの間の歯車動力伝達装置のタイミングギア又は歯車などの歯車;圧縮機出口;圧縮機ロータシャフトの軸受;モータシャフト軸受;などが含まれる。
【0018】
オイル循環システムを通してオイルを循環させるためのオイル駆動手段は、圧縮機組立体の圧縮機ロータ自体、又は他のオイル駆動手段、又はその組み合わせで構成することができる。
【0019】
圧縮機組立体のモータを冷却するために、モータハウジングは、オイル循環システムのオイルが流れることができる流路を備えるジャケットとして実施される。
【0020】
オイルリザーバ又はオイルサンプ、オイルポンプ、オイルクーラ、及びオイルフィルタは、通常、オイル循環システムに含まれる。
【0021】
多くのオイル注入ライン及びオイルドレーンラインは、オイルリザーバからモータハウジングジャケットに、及び潤滑又は冷却される圧縮機組立体の構成要素又は要素にオイルを循環させて、オイルリザーバに戻すために必要である。また、これらのラインは、オイル駆動手段、オイルクーラ、オイルフィルタを互いに相互接続するか、又はこれらを圧縮機組立体の要素及び構成要素と相互接続する。
【0022】
関係するオイルライン及び構成要素の数量が、優れたコンパクトで効率的な設計をかなり複雑にすることは容易に理解される。
【0023】
さらに、オイルラインを圧縮機組立体又はオイル循環システムの上述の要素及び構成要素の1つに接続する必要がある場所では、適切なシーリングが必要である。
【0024】
関係する構成要素及びラインが多いほど、ある時点でオイルが漏れるリスクが高くなる。これは、圧縮機組立体の適切な機能及びその必須の要素の適切な潤滑及び/又は冷却にとって非常に危険である。従って、このような状況もできるだけ避けるべきである。
【0025】
従って、関心のあるタイプの適切な圧縮機組立体を設計する大きな課題は、所要の構成要素の数、及び圧縮機要素のスペース、接地面積を削減するために、所要のオイル回路構成要素(例えば、オイルポンプ、配管、冷却流路、注入流路、オイルフィルタ、ブリーザなどの要素)をコンパクトな方法で統合することである。
【0026】
オイルライン及び相互結合を削減する可能性のある方法は、これらを圧縮機組立体のハウジング又はその一部、例えばモータハウジング又はモータハウジングの一部に、少なくとも部分的に統合することである。
【0027】
流路又はオイルライン及び他の機能を機械的骨組み(armature)に統合するには、骨組み又はハウジングを鋳造する製造プロセスが非常に適している。鋳造技術は、複雑な3次元形状及び内部空洞をもつ部品をコスト効率よく設計することを可能にし、さらにより複雑な機能を簡単な方法で導入することを可能にする。
【0028】
鋳造製造プロセスを適用する別の利点は、工具費(鋳型を製造するための、及び鋳造後にハウジングを機械加工するための、例えば治具を実現するための)が比較的安いことである。従って、モータ又は圧縮機組立体を専用に設計する場合、標準的技法では、鋳造ハウジングモデルが提案される。
【0029】
また、鋳造ハウジングは比較的良好な振動挙動を示すよう見え、これは、ハウジング並びにそのハウジングに取付けられた構成要素の寿命、ハウジングから発生する騒音のレベルなどに関する限り好都合である。
【0030】
しかしながら、鋳造鋳型の欠点は、様々な所要の設計変更に大きな相違がある場合(例えば、フレームサイズに応じて異なるモータ長)、各設計変更が独自の鋳造鋳型を必要とすることになるので、あまり適していないことである。
【0031】
従って、鋳造製造プロセスは、製造される骨組み又はハウジングの数がかなり制限されている場合、及び多くの異なる設計モデルが関与している場合、非常に労働集約的でもあり、従って高価である。
【0032】
さらに、関係する圧縮機組立体が、オイルフリー又はオイルレス圧縮機要素である圧縮機要素を含む用途では、特定の問題を解決する必要がある。
【0033】
実際、オイル注入圧縮機要素では、オイルは、圧縮機要素自体の圧縮機ロータによって発生するポンプ力によって、オイル循環システム内で循環される。これは、オイルが圧縮機ロータ間に注入されるので可能である。
【0034】
しかしながら、オイルフリー又はオイルレス圧縮機要素では、潤滑オイルによる加圧流体の汚染は絶対に許されないので、これは不可能である。
【0035】
その結果として、オイル循環システムにおいてオイルをポンプ送給するためのポンプ送給力を発生させる役割は、圧縮機ロータが負うことはできず、その目的のために、圧縮室の外部に配置される追加のオイル駆動手段、又はオイルポンプのようなポンプ送給力を発生させるための大きな能力をもつオイル駆動手段を設ける必要がある。
【0036】
このことは、圧縮機組立体がオイルフリー又はオイルレス圧縮機要素を含む用途では、圧縮機組立体の設計に追加のオイルポンプ又は他のオイル駆動手段及び/又は追加のオイルラインを統合する必要性が、オイル注入圧縮機用途よりも一般的に高いことを意味する。オイルフリー又はオイルレス圧縮機要素を備えたこのような圧縮機組立体のコンパクトで効率的な設計及び上手く統合された設計に至る問題は、同じ理由で比較的複雑である。
【0037】
また、オイルフリー又はオイルレス圧縮機要素では、圧縮機組立体のオイル循環システムを通してオイルをポンプ送給するために、追加のオイルポンプ又はオイル駆動手段の必要性、又はそのようなオイルポンプ又はオイル駆動手段の容量を増加させる必要性があり、これは、追加された構成要素に関する及び/又はエネルギー消費の増加に起因する余分なコストを意味する。
【0038】
本発明に関連する別の重要な側面は、オイル注入圧縮機要素では、全ての潤滑オイル及び冷却オイルが、通常、圧縮機ロータによってもたらされる圧力下で循環されることである。オイルの全流量が圧縮機ロータ間の圧縮室を通過するため、この潤滑オイル及び冷却オイルの品質に対する要求は高い。圧縮機要素を確実に機能させるためには、この潤滑オイル及び冷却オイルに汚染がないことが重要であり、これはオイルをオイルフィルタに通すことで得られる。従って、オイル注入圧縮機要素のフィルタ要件は非常に高い。
【0039】
一方、オイルフリー又はオイルレス圧縮機要素では、圧縮機ロータ間にオイルは注入されない。そのため、潤滑オイル及び/又は冷却オイルのフィルタ要件は、オイル注入圧縮機要素の場合とは異なる。
【0040】
明らかに、圧縮機組立体を設計する場合、組立体に組み込まれる構成要素及び装置、及びこれらの構成要素と装置との間のオイルライン接続部の数、製造コスト及び複雑さ、組立体の特定の部分における潤滑オイル及び/又は冷却オイルの品質及び純度、組立体のサイズ及び能力など、多くの様々な側面を考慮する必要がある。そのため、このような圧縮機組立体を、コンパクトで費用対効果が高く、信頼性の高い方法で設計するには、多くの作業が必要であり、必ずしも明白ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0041】
本発明の目的は、上述の問題の1又は2以上及び/又は場合によってはさらに他の問題を解決することである。
【0042】
特に、本発明の目的は、圧縮機組立体のより統合された設計を提供することであり、そこでは、オイルライン接続部及びそれらの接続部をシールする必要性が大幅に低減され、その結果、潤滑オイル又は冷却オイルの漏れ、又はそのオイルの汚染によって引き起こされる圧縮機組立体の故障又は性能低下のリスクが低減される。
【0043】
本発明の別の目的は、費用効果が高く、特にその長さに関する限り、圧縮機組立体の設計を、その製造プロセスに対する高価な変更を必要とすることなく、比較的容易に適合させることを可能にする解決策を提供することである。
【0044】
本発明のさらに別の目的は、最適化又は改良されたオイル濾過システムを備えた圧縮機組立体を提供することであり、潤滑オイル及び/又は冷却オイルは、圧縮機組立体の関係する構成要素のニーズに適合した方法で濾過される。
【0045】
本発明のさらなる目的は、オイルフリー又はオイルレスロータ圧縮機要素である圧縮機要素を含む圧縮機組立体において、上述の目的の1又は2以上を実現することである。
【0046】
最後に、本発明の目的は、コンパクトな圧縮機組立体を開発することであり、モータシャフトは、好ましくは限定されたサイズのギア動力伝達装置を介して直接又は間接的に圧縮機ロータシャフトに連結され、モータ、圧縮機要素、及び可能性のあるギア動力伝達装置は、圧縮機組立体ハウジングに一体化されている。
【課題を解決するための手段】
【0047】
この目的のために、本発明は、圧縮機要素の1又は2以上の圧縮機ロータを駆動するモータを備える圧縮機組立体に関し、圧縮機組立体は、圧縮機組立体の構成要素を冷却及び潤滑するためのオイル循環システムを備え、オイル循環システムは、オイルリザーバと、オイル循環システムを通って循環するオイルを冷却するためのオイルクーラと、オイル循環システムの1又は2以上のラインを通って流れるオイルを濾過するためのオイルフィルタとを備え、モータは、ジャケットとして実施される中央モータハウジング本体を備えるモータハウジングを有し、モータハウジングには、流路が設けられており、この流路は、モータジャケットを通してオイルを循環させるために、オイル循環システムのオイルラインに接続されており、オイル循環システムは、オイルリザーバからオイル循環システムのオイルラインを通して冷却及び/又は潤滑される関係する構成要素にオイルを循環させ、オイルリザーバに戻すための駆動力を提供するオイルポンプを備え、モータジャケット内の流路は、モータのモータシャフトの軸方向に平行な軸方向に延びている。
【0048】
本発明による当該圧縮機組立体の第1の重要な態様は、組立体のオイル循環システムのオイルラインを通してオイルを循環させるためのオイルポンプを備えていることである。
【0049】
この態様の大きな利点は、オイルポンプが、オイル循環システムを通るオイルの循環に必要な駆動力の少なくとも一部を提供することである。その結果、オイルは、圧縮機組立体の圧縮機ロータによって提供される駆動力によって必ずしもポンプ送給される必要はなく、従って、圧縮機組立体は、オイルフリー及びオイル注入タイプの圧縮機要素に適している。
【0050】
本発明による当該圧縮機組立体の別の重要な態様は、モータジャケット内の流路が、モータのモータシャフトの軸方向と平行な軸方向に延びていることである。このことは、中央モータハウジング本体を、上記軸方向(複数可)、すなわちモータ又はその一部の長さ方向で考えた場合に一定又は不変である、モータ軸に垂直な断面積を有するように作ることができることを意味する。
【0051】
従って、本発明による当該圧縮機組立体の利点は、圧縮機組立体のモータのための異なる長さの中央モータハウジング本体を製造するために同じ製造方法を使用することができ、従って、様々な長さの圧縮機組立体を容易に製造することができることである。明らかに、長さが長い圧縮機組立体のハウジングには、大きな駆動力又は圧縮力又は圧縮圧力又は流量の装置を取り付けることができる。
【0052】
このことは、製造コスト及び/又は複雑さを実質的に増加させることなく、異なる圧縮機組立体を、むしろ様々な特性で、あまり大量でなくとも製造することができるという点で好都合である。
【0053】
モータジャケット内の流路がモータの軸方向と平行な軸方向に延びている、本発明による当該圧縮機組立体の別の利点は、モータジャケットを介してオイルを一方の側から反対側に輸送することができることである。このような構成は、ジャケットを通してオイルを輸送するのに非常に効率的であり、結果的にオイルの流れが容易になり、結果として、冷却能力又はオイル輸送能力が高くなる。
【0054】
これらの軸方向に向けられた流路は、モータジャケットの反対側に設けられたキャップ、フランジ又はカバー内で互いに容易に組み合わせること又は接続することもできるので、単一のタイプのモータジャケットであっても、異なる内部流路を有するキャップ又はカバーを使用するだけで、モータジャケットを通してオイル又は他の水などの物質を案内するための異なる構成を容易に構成することができる。
【0055】
本発明による圧縮機組立体の好ましい実施形態では、オイルポンプは、モータハウジングに統合されるか、又は、モータハウジングカバー又は中央モータハウジング本体の非駆動側又は駆動側に設けられた圧縮機組立体ハウジングの他の部分に取り付けられ、モータのモータシャフトによって駆動される。
【0056】
非駆動側は、中央モータハウジング本体の駆動側とは反対側であり、その駆動側は、モータが圧縮機要素の圧縮機ロータを駆動している中央モータハウジング本体の側である。
【0057】
本発明の圧縮機組立体の当該実施形態の大きな利点は、圧縮機要素の多くの要素が効率的かつ論理的な方法で統合された、制限されたサイズの非常にコンパクトな圧縮機組立体を実現できることである。
【0058】
実際、オイルポンプは、モータ及びそのモータシャフトに非常に近づけられ、従って、圧縮機組立体の圧縮機ロータと一緒に上記モータシャフトによって駆動することができるので、オイルポンプを駆動するための追加の駆動手段は必要ない。
【0059】
オイルポンプは、圧縮機要素も駆動する圧縮機組立体の同じモータによって直接駆動され、追加の外部駆動手段によって駆動されない、本発明による圧縮機組立体の当該実施形態の別の利点は、オイルポンプを主モータに直接連結された機械要素として含むのでより効率的で信頼性が高いことである。このようにして、少なくとも機械的故障又はオイル流路の閉塞がなければ、モータの運転中に軸受の潤滑が常に保証される。電気駆動式の外部オイルポンプは、単純な通信障害によって機械の始動時にポンプが作動しない可能性があるので信頼性が低い。潤滑オイルのない「ドライ運転」が長すぎると、モータ及び/又は圧縮機要素の軸受、又は中間歯車装置に有害な損傷を与えることになる。
【0060】
本発明による圧縮機組立体の好ましい実施形態では、オイルポンプはさらに、その出口において、中央モータハウジング本体内の上述の軸方向に向けられた流路に直接接続されている。
【0061】
本発明による圧縮機組立体の当該実施形態の大きな利点は、オイルポンプのオイル圧ラインもモータハウジング内に統合されているため、オイルポンプ出口に追加の外部オイルラインを接続する必要がないことである。また、非常に堅牢な設計が可能になり、オイルポンプの出口でのオイル漏れのリスクが大幅に低減される。さらに、このような設計では、例えば偶発的な破損又は材料疲労によるオイルポンプ出口での外部オイルラインの故障は起こり得ないため、圧縮機組立体の信頼性が向上する。
【0062】
本発明による圧縮機組立体の上述の好ましい特徴は、圧縮機組立体の圧縮機要素がオイルフリー又はオイルレス圧縮機要素である実施形態での適用に特に非常に好都合である。
【0063】
実際、オイルフリー又はオイルレス圧縮機組立体では、オイル循環システムを通して潤滑オイル又は冷却オイルをポンプ送給するための駆動力を発生させるオイルポンプが常に必要である。
【0064】
さらに、オイル注入タイプの圧縮機要素は、大規模で大量に使用され、駆動モーターフレームサイズに大きな多様性があるが、オイルフリー又はオイルレス圧縮機要素は、使用頻度が低く、生産量が少なく、サイズ又は能力に多様性が少ない。
【0065】
中央モータハウジング本体内に軸方向に整列した流路で提供された解決策のさらなる利点は、同一又はほぼ同一の製造プロセスで異なる長さのモータハウジングを製造することが可能になることである。これにより、各タイプの少量ロットのみを製造する必要がある場合でも、許容可能なコストで、オイルフリー又はオイルレス圧縮機要素を有する様々なタイプの圧縮機組立体を製造する道が開かれる。
【0066】
従って、本発明による圧縮機組立体の好ましい実施形態では、中央モータハウジング本体は、押出成形によって製造される。
【0067】
もちろん、押出プロセスは、軸方向に不変であるか又はほとんど不変である断面を有する物体を製造するのに非常に適している。
【0068】
また、押出プロセスは、長さが異なるが断面又は輪郭が同じものを製造する必要がある場合には非常に興味深いものであり、このことは、鋳造プロセスを使用する場合には、設計に対する何らかの変更が別の金型を必要とすることになるので全く当てはまらない。
【0069】
実際、同じ押出ダイスを使用して、様々な長さの同じ押出輪郭の部品を製造することができる。一方、鋳造プロセスと比較すると、押出技術には高い初期投資が必要である。
【0070】
それにも関わらず、同じ押出ダイスを様々な長さのモータハウジングに使用することができるため、鋳造技術を適用した場合とは異なり、同じ押出技術を余分な投資なしに異なるタイプのハウジングに使用できるという利点によって、初期投資が高くなるという欠点を補うことができる。そのため、生産される(異なるタイプの)製品の総量は、当初の高い投資を正当化するのに十分な量となり得る。
【0071】
さらに、この技術は、長さの異なるモータハウジングを生産する場合により実用的であるため、押出成形の全体的な利点は、高い初期投資の負担をほぼ補っている。これは、オイルフリー圧縮機要素を備える圧縮機組立体を製造する場合に特に興味深い。このことは、オイルフリー市場では、各タイプの圧縮機組立体が少量ロットしか必要とされないので、オイルフリー圧縮機要素を備える圧縮機組立体を製造する場合に特に興味深い。
【0072】
本発明による圧縮機組立体のさらに別の好ましい実施形態では、圧縮機組立体のオイル循環システムは、オイルがオイルリザーバとオイルクーラとの間を循環して戻る、少なくとも第1の循環ループ及び第2の循環ループを備え、第1の循環ループは、オイルフィルタが含まれていない濾過されていない循環ループであり、第2の循環ループは、オイルフィルタがオイルを濾過するために設けられている濾過された循環ループであり、モータジャケット内の1又は2以上の流路は、濾過されていない第1の循環ループの流路に含まれており、これらの流路は、モータハウジングジャケットを冷却するための冷却流路を形成している。
【0073】
本発明による圧縮機組立体の当該実施形態では、オイル循環システムを循環する全てのオイルを常に濾過する必要はない。その代わりに、オイル循環システム内のオイルの全流量は、2つの異なる循環ループ、すなわち濾過された循環ループ及び濾過されていない循環ループを流れる2つのオイルの流れに分割される。
【0074】
重要なことは、モータジャケットを冷却するためにモータジャケットを通るオイルの流れは、濾過されていない循環ループの一部であり、このオイルの流れは、圧縮機組立体の軸受及びギアを潤滑するための濾過されたオイルの流れに比べて、一般的にかなり大きいことである。
【0075】
これは非常に好都合な構成である。実際、フィルタの寿命は、a)オイルの汚れ、及び、b)フィルタを通過する流量によって決まる。ここで説明されているような圧縮機組立体の実施形態では、オイル流量のほとんどは濾過されることなく冷却に使用される。従って、オイル循環システムのフィルタの寿命は、潤滑に使用されるより限定されたオイル流量だけを濾過することにより、非常に長くなる。
【0076】
これは、いくつかの説明を必要とする。オイル循環システムの全てのオイルを濾過し、従って濾過されたオイルを冷却媒体としても使用することは、ある意味で、複雑な機械設計をわずかに低減することができるという利点もある。実際、その場合、モータの軸受は、例えば、モータジャケットの流路から濾過されたオイルを引き抜く単純なブリードオフポイントによって形成することができる潤滑ポイントを通して供給される濾過されたオイルによって潤滑することができる。濾過されたオイルをモータ軸受に供給するためのこのような単純な設計は、モータジャケット内の流路が濾過されていない冷却オイルを輸送する場合には不可能である。
【0077】
しかしながら,オイル循環システムの全てのオイルを濾過することの欠点は,システムの保守点検の頻度が高くなることである。あるいは,別の方法として,大型オイルフィルタを使用する必要がある。また、オイルフィルタ上の圧力損失は、それを通過する流量に対して2次関数的に増加する。従って、この圧力損失を低減するためには、フィルタを通過する流量を十分に低く保つためにフィルタのサイズを十分に大きくする必要がある。これはまた、濾過されたオイルが潤滑目的だけでなく、冷却目的にも使用される場合に問題となる。
【0078】
全てのオイル流を潤滑用の濾過された循環ループと冷却用の濾過されていない循環ループとに分割する本発明の特徴は、圧縮機組立体を設計する賢明な方法である。組立体の一部の要素に濾過された潤滑オイルを供給する限り、設計が若干複雑になるという欠点は、より小型のオイルフィルタを使用できる利点及びオイルフィルタの寿命が長くなり、点検の頻度が少なくなるという利点によってほぼ補われる。濾過されたオイルライン及び濾過されていないオイルラインを賢明な方法でモータジャケットに統合することにより、本発明によるこのような設計は、非常にコンパクトで信頼性が高く、堅牢でもある。
【0079】
また、本発明は、上述したように、本発明によって圧縮機組立体のハウジング部分を製造する方法に関する。本発明のこの方法において、圧縮機組立体の中央モータハウジング本体の製造は、軸方向に向けられた流路を有するモータジャケットを形成するための押出プロセスを含む。
【0080】
上述したように、押出プロセスは、非常に実用的かつ効果的であり、比較的小ロットで長さの異なるハウジング本体を製造するのにも適している。
【0081】
本発明は、図面を参照してさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【
図1】本発明による圧縮機組立体の第1の実施形態の一部の断面概略図である。
【
図2】本発明による圧縮機組立体の第2の実施形態の一部の同様の断面概略図である。
【
図3】予冷却オイル注入を有するオイルフリー圧縮機要素を備える、本発明による完全な圧縮機組立体の概略図である。
【
図4】非冷却オイル注入を有するオイルフリー圧縮機要素を備える、本発明による完全な圧縮機組立体の
図2と同様の概略図である。
【
図5】本発明による圧縮機組立体の未完成の中央モータハウジング本体の斜視図を示す。
【
図6】
図5に示されたものと同じ中央モータハウジング本体の完成バージョンの斜視図を示す。
【
図7】ステータが挿入された後の
図6の完成バージョンの中央モータハウジング本体の斜視図である。
【
図8】
図6の矢印F08で示された完成バージョンの中央モータハウジング本体の正面図であり、モータシャフト軸受とそのモータシャフト軸受へのオイル注入が示されている。
【
図9】
図6の斜視図と同様の完成した中央モータハウジング本体上の斜視図であり、第1の構成におけるオイルの流れ方向が矢印によって示されている。
【
図10】
図9の矢印F10に沿った正面図であり、第1の構成における完成した中央モータハウジング本体内の流路を通る同じオイルの流れを示す。
【
図11】
図9の斜視図と同様の完成した中央モータハウジング本体の斜視図であり、第2の構成におけるオイルの流れ方向が矢印によって示されている。
【
図12】
図11の矢印F12に沿った正面図であり、第2の構成における完成した中央モータハウジング本体内の流路を通る同じオイルの流れを示す。
【
図13】本発明による圧縮機組立体のより現実的なバージョンの一部分解図の斜視表現である。
【発明を実施するための形態】
【0083】
図1は、本発明による圧縮機組立体1の第1の実施形態の一部を示す。圧縮機組立体は、モータハウジング3に取り付けられ、モータハウジング3を貫通して軸方向XX’に延びるモータシャフト4を含む、この場合電気モータであるモータ2を備える。モータシャフト4は、モータハウジング3内に固定的に取り付けられたモータステータ巻線6内でモータシャフト4と共に回転するモータロータ5を備える。ロータシャフト4は、モータシャフト軸受7によってモータハウジング3内で回転可能に支持されている。代替案として、その目的のために一対のモータシャフト軸受を使用することは、本発明から除外されない。
【0084】
モータ2の駆動側8では、圧縮機要素9がモータ2に連結されている。冒頭で説明したように、本発明は、この圧縮機要素9がオイルフリー又はオイルレス圧縮機要素9である圧縮機組立体1に特に関連する。
【0085】
圧縮機要素9は、圧縮機ハウジング10内に取り付けられ、圧縮機入口14で圧縮機要素9に供給される流体13を圧縮するために互いに協働することができる圧縮機ロータ11及び12を備える。圧縮又は加圧された流体15は、加圧又は圧縮された流体15の消費者又は消費者ネットワークに供給するために、圧縮機出口16で排出される。
【0086】
圧縮機ロータ11及び12の各々は、圧縮機ロータシャフト、それぞれ圧縮機ロータシャフト17及び圧縮機ロータシャフト18を備え、その中心部分にロータ、それぞれ圧縮機ロータ19及び圧縮機ロータ20が設けられている。圧縮機ロータ19は、他方の圧縮機ロータ20を形成する雄型ロータ20と協働する雌型ロータ19とすること、又はその逆とすることができる。実際には、圧縮機ロータ19及び20の各々は、例えばスクリュー圧縮機のスクリューロータ、又はツース圧縮機のツースロータとすることができるが、他のタイプは、本発明から除外されない。
【0087】
圧縮機ロータシャフト17及び18の各々は、一対の圧縮機シャフト軸受、それぞれ一対の圧縮機シャフト軸受21及び22並びに一対の圧縮機シャフト軸受23及び24によって、圧縮機ハウジング10内で回転可能に支持されている。
【0088】
電気モータ2によって圧縮機要素9、より正確には圧縮機要素9の圧縮機ロータ11及び12を駆動するために、モータシャフト4は、関係するシャフト4及び18の直接連結器25によって、圧縮機ロータ12の圧縮機ロータシャフト18に直接的に連結されている。モータシャフト4の自由端と圧縮機ロータシャフト18の自由端との間の連結器25は、モータハウジング3と圧縮機ハウジング10との間に設けられた中間ハウジング区画26に配置されている。
【0089】
モータハウジング3、圧縮機ハウジング10及び中間ハウジング区画26は、協働して圧縮機組立体ハウジング27を形成する。
【0090】
この場合、圧縮機ロータ12はモータシャフト4によって直接駆動され、圧縮機ロータ11は、圧縮機ロータシャフト17及び圧縮機ロータシャフト18のそれぞれの非駆動端30に取り付けられた一対のタイミングギア28と29の間の相互作用によって間接的に駆動される。
【0091】
最後に、モータ2の非駆動側31、すなわちモータ2が圧縮機要素9に連結されている駆動側8とは反対側において、圧縮機組立体1は、オイルポンプ32をさらに備えている。このオイルポンプ32は、モータハウジング3に統合されるか、又はモータハウジング3上に又はそのモータハウジング3のモータハウジングカバー上に取り付けられている。
【0092】
また、このオイルポンプ32は、電気モータ2のモータシャフト4によって直接駆動され、圧縮機組立体1のオイル循環システム33内でオイルを循環させるための駆動力を提供するためのものである。このオイル循環システム33は、潤滑目的又は冷却目的、あるいはその両方の目的で、圧縮機組立体1の構成要素にオイルを供給するためのものである。
【0093】
通常、潤滑を必要とする圧縮機組立体1の構成要素は、例えば、モータシャフト軸受7又は圧縮機シャフト軸受21から24のような軸受であるか、又はタイミングギア17及び18のようなギアである。冷却を必要とする構成要素は、例えば電気モータ2、圧縮機要素9の出口16の圧縮流体15、圧縮機要素9自体、又は圧縮機組立体1の他の要素である。オイル循環システム33は、
図1には表されていないが、例えば
図3及び4に関してより詳細に説明される。
【0094】
図2は、本発明による圧縮機組立体1の第2の実施形態の一部を示しており、これは
図1に表された実施形態と非常に類似している。
【0095】
図1の実施形態との第1の相違点は、モータシャフト4が、
図1の場合のように、圧縮機ロータシャフト18に直接連結器25によって連結されていないことである。
図2の実施形態では、モータシャフト4は、中間歯車動力伝達装置34又はギアボックスによって間接的に圧縮機要素9の圧縮機ロータシャフト18に連結又は相互結合されている。この中間歯車動力伝達装置34又はギアボックスは、圧縮機ハウジング10とモータハウジング3との間に配置された中間歯車動力伝達装置ハウジング35に収容されている。
【0096】
この場合、中間歯車動力伝達装置34は、互いにかみ合う一対の歯車36及び37で構成されている。歯車36は、中間歯車動力伝達装置ハウジング35内に延びている圧縮機ロータシャフト18の自由端38に固定的に取り付けられている従動ピニオンギヤ36である。
【0097】
中間歯車動力伝動装置34の他方の歯車37は、場合によってはブルギア37と呼ばれる、駆動歯車37であり、一対の軸受40及び41によって中間歯車動力伝達装置ハウジング35内に回転可能に支持されている、追加歯車動力伝達装置シャフト39に固定的に取り付けられている。
【0098】
追加歯車動力伝達装置シャフト39は、追加歯車動力伝達シャフト39の自由端42をモータ軸4の自由端43に連結する直接連結器25によって、モータシャフト4に直接連結されている。関係するシャフト4及び39は、両方とも中間ハウジング区画25の中に延びている。可能性のある実施形態では、直接連結器25は、モータシャフト4と歯車動力伝達装置シャフト39のずれに対処できる撓み連結器で構成されている。
【0099】
この中間ハウジング区画25は、中間歯車動力伝達装置ハウジング35とモータハウジング3との間に配置され、この例では、圧縮機ハウジング10、中間歯車動力伝達装置ハウジング35、中間ハウジング区画25、及びモータハウジング3は、協働して圧縮機組立体ハウジング27を形成する。
【0100】
図2の実施形態と
図1の実施形態との間の別の相違点は、オイルポンプ32の位置である。
図2の実施形態では、オイルポンプ32は、追加歯車動力伝達装置シャフト39の自由端42とは反対側の自由端44に直接取り付けられている。
【0101】
追加歯車動力伝達装置シャフト39は、中間歯車動力伝達装置ハウジング35から圧縮機要素9に向かう方向に外向きに延びている。従って、
図2の場合、オイルポンプ32は電気モータ2の駆動側8で電気モータ2に連結されていると言えるが、
図1ではこのオイルポンプ32は非駆動側31であった。もちろん、
図1の実施形態の場合と同様な位置で、オイルポンプ32をモータハウジング3の非駆動側31に取り付けることは、本発明から除外されない。
【0102】
図1の第1の実施形態とのさらに別の相違点は、
図2の実施形態では、モータシャフト4が単一の軸受7ではなく、一対のモータシャフト軸受45及び46によって支持されていることである。
【0103】
図3は、本発明による圧縮機組立体1を全体として概略的に示す。
図1及び2に関して既に説明した要素は、この
図3において、一種の分解図の様式で繰り返されている。圧縮機組立体1の他の要素が追加されているが、これは主に、圧縮機組立体1の構成要素を冷却及び潤滑するためのオイル循環システム33の詳細を示すものである。
【0104】
このオイル循環システム33は、オイルリザーバ47と、オイル循環システム33を循環するオイル49を冷却するためのオイルクーラ48と、オイル循環システム33のラインを流れるオイル49を濾過するためのオイルフィルタ50とを備える。
【0105】
オイルリザーバ47から、圧縮機組立体1の冷却及び/又は潤滑される関連する構成要素への、及びオイルリザーバ47に戻るオイル循環システム33のオイルラインを通してオイル49を循環させるために、オイル循環システム33は、必要な駆動力を提供するオイルポンプ32も備える。本発明によれば、このオイルポンプ32は、好ましくは、モータハウジング3に統合されるか、又はモータハウジング3の非駆動側31に設けられたモータハウジングカバー上に取り付けられる。
【0106】
第1に、このことは、オイルポンプ32が圧縮機要素9の圧縮機ロータ11及び12を駆動する電気モータ2の同じモータシャフト4によって駆動することができるため、好都合である。このコンパクトな設計は、以下で明らかになるように、さらに別の利点を有する。
【0107】
例えば
図7及び13に示されているように、モータ2のモータハウジング3は、ジャケットとして実施される中央モータハウジング本体51を備え、このジャケットには流路52が設けられており、流路52は、モータジャケット51を通してオイル49を循環させるためのオイル循環システム33のオイルラインに接続されている。
【0108】
基本的に、これらの流路52の大部分は、モータ2を冷却するために、モータジャケット51を通ってオイル49を運ぶためのものである。
【0109】
本発明によれば、モータジャケット51内のこれらのオイル流路52は、モータ2のモータシャフト4の軸方向XX’と平行に軸方向AA’、BB’、CC’、DD’、EE’、...に延びており、オイル流路52は、モータ2の非駆動側31と駆動側8との間の中央モータハウジング本体51全体を貫通して延びている。これは例えば
図13に明確に示されている。
【0110】
中央モータハウジング本体51は、基本的に円筒形要素53によって形成されており、この要素53は、モータジャケット51内の異なる流路52を互いに分離する仕切り壁56によって互いに結合された外壁54と内壁55とを有する二重壁要素53であると考えることができる。これは、例えば
図7及び8に明確に示されている。この場合、このような流路52は8つあり、そのうちの7つは同様の幅を有し、内壁55と外壁54の間の空間の主要部分を占めている。円筒形要素53の底部にある8番目の流路52は、実質的に小さな幅及び断面を有する。明らかに、本発明によれば、モータジャケット内に何らかの他の数の流路52を適用することができる。
【0111】
中央モータハウジング本体51の両方の末端57及び58において、外壁54は、外部に複数の膨出部59を備えており、これらの膨出部59の各々は、場合によっては雌ねじ穴60又は雌ねじなしの貫通穴60の穴60を備えている。図の場合、両方の末端57及び58の各々には、円筒形要素53の円周にわたって互いに間隔をあけて対称的に配置された6つの当該膨出部59が設けられている。
【0112】
さらに、中央モータハウジング本体51は、各側面58及び59において、モータハウジングカバー61及び62によって閉鎖されている(
図13参照)。詳細には、モータハウジング3は、中央モータハウジング本体51の駆動側8において、モータ2によって駆動される圧縮機ロータ11及び12に隣接する駆動側のモータハウジングカバー61を備え、中央モータハウジング本体51の非駆動側31において、中央モータハウジング本体51の反対側に非駆動側のモータハウジングカバー62を備える。
【0113】
これらのカバー61、62は、カバー61、62を中央モータハウジング本体51に対してボルト締めするための、膨出部59及び(ねじ付き)穴60に対応する穴63及びボルト64を備える。
【0114】
オイルポンプ32は、オイルポンプ入口65及びオイルポンプ出口66を有する。オイルポンプ入口65は、オイル吸い込みライン67によってオイルリザーバ47に接続されている。
【0115】
さらに、本発明による圧縮機組立体1の好ましい実施形態では、モータハウジング3は、貫通流路68を備え、これは、中央モータハウジング本体51を貫通し、中央モータハウジング本体51の反対側の末端57及び58に設けられたモータハウジングカバー61及び62を貫通する。この目的のために、カバー61及び62は、中央モータハウジング本体51の上述の軸方向に向けられた流路52の流路71に嵌合する貫通開口部69及び70も備え、協働して貫通流路68を形成するようになっている。
【0116】
オイルポンプ32は、その出口66において、オイルクーラ48に接続されているオイルポンプ32のオイルポンプ圧力ライン73の部分72を形成するために、この貫通流路68に直接接続されることが好ましい。また、
図9及び10を参照すると、貫通流路68のための流路71が示されており、オイルポンプ32から流入しオイルポンプ圧力ライン73を通るオイル49の流れが矢印PLで示されている。
【0117】
モータハウジング3とオイルクーラ48との間に延びるこのオイルポンプ圧力ライン73の残りの部分74は、モータハウジング3の駆動側8において貫通流路68の出口75で接続されるオイルライン74によって形成されている。このオイルライン74の他端は、オイルクーラ48の入口76に接続されている。
【0118】
オイルクーラ48へのオイルポンプ圧力ライン73の部分72がモータジャケット51に統合されていることは、圧縮機組立体1の構成のコンパクト性及び堅牢性に関する限り、大きな利点がある。この構成では、オイルポンプ出口66でのオイル漏れのリスクも著しく低減される。
【0119】
図1の場合、オイルリザーバ47からオイルポンプ32へ至り、モータジャケット51を通ってオイルクーラ48に至るオイルラインは1本だけであり、このオイルラインは吸い込みライン67及びオイルポンプ圧力ライン73で構成されている。これは、吸い込みライン67を介してオイルポンプ32によって吸い込まれたオイル49の全体がオイルクーラ48に運ばれることを意味し、これにより、圧縮機組立体1のオイル循環システム33によって循環される全てのオイル49は、圧縮機組立体1の冷却及び/又は潤滑される様々な構成要素に供給される前に冷却される。
【0120】
図1に示される本発明の圧縮機組立体1の別の態様では、圧縮機組立体1のオイル循環システム33は、少なくとも1つの第1の循環ループ77及び少なくとも1つの第2の循環ループ78を備え、オイル49は、オイルリザーバ47とオイルクーラ48との間を循環して戻る。第1の循環ループ77は、オイルフィルタ50が含まれていない濾過されていない循環ループ77である。一方、第2の循環ループ78は、オイルフィルタ50がオイル49を濾過するために設けられている濾過された循環ループ78である。
【0121】
濾過されていない複数の循環ループ77及び/又は濾過された複数の循環ループ78を備えることは、本発明から除外されない。
【0122】
本発明による圧縮機組立体1の好ましい実施形態では、モータジャケット51内の流路52の1又は2以上の流路79は、1又は2以上の濾過されていない循環ループ77がある場合、第1の濾過されていない循環ループ77に、又は示される濾過されていない循環ループ77のうちの1つに含まれる。これらの流路79は、モータハウジングジャケット51を冷却するためのモータ冷却流路79を形成し、モータ2自体を冷却するために、モータ冷却流路79を流れるオイル49にモータ2から発生した熱を伝達して、この熱を除去するためのものである。
【0123】
図13から推測でき、
図9から12に矢印で模式的に示されているように、モータハウジングカバー61及び62は、1又は2以上の相互接続流路80を備え、これは、中央モータハウジング本体51の関係する冷却流路79を相互に接続すると共にモータウジングジャケット51及びモータ2を冷却するための単一の組立(composed)冷却流路81を形成するために、組み立てられた状態で中央モータハウジング本体51の軸方向に向けられた冷却流路79と協働する。この単一の組立冷却流路は、
図9から12において矢印CCで示されている。
【0124】
図9-12は、単一の組立冷却流路81を備える圧縮機組立体1を示す。しかしながら、本発明による圧縮機組立体1の他の実施形態では、2以上の組立冷却流路81を設けること、又は、組み立てられない単一の流路のみを設けることはもちろん可能であり、その場合、全ての冷却流路52は、互いに平行である。
【0125】
例えば、第1の組立冷却流路81が時計回りに循環し、第2の組立冷却流路81が反時計回りに循環するようなモータ冷却構成を設計することができる。このような設計は明らかにやや複雑であるが、組立冷却流路81を通る流量を半分にできるという利点がある。その結果、組立冷却流路81の圧力損失は約4分の1になる。これは、モータ冷却流路81の圧力降下が大きいと冷却回路内の圧力が高くなりすぎる可能性がある大型モータ2にとって特に興味深いであろう。
【0126】
冷却されたオイル49をモータジャケット51に供給するために、オイルクーラ48のオイルクーラ出口83と、中央モータハウジング本体ジャケット51内の少なくとも1つの冷却流路79又は単一の組立冷却流路81の冷却流路入口84との間に、オイルライン82が設けられている。
【0127】
冷却されたオイル49のオイルライン85は、オイルクーラ出口83に接続され、このオイルライン85はオイルフィルタ50の上流で、オイルフィルタ50に向かうオイルライン86を形成する第1の分岐86と、モータハウジングジャケット51内の上記冷却流路79又は単一の組立冷却流路81に向かうオイルライン82を形成する第2の分岐87とに分岐されている。
【0128】
さらに、
図3の例では、圧縮機組立体1のオイル循環システム33は、フィルタ50のフィルタ出口側88に接続されている圧縮機組立体1の構成要素に冷却された濾過潤滑オイル49を供給するための多数のオイル注入ラインを備える。オイルフィルタ50自体は、冷却オイル49のオイルライン86に設けられており、これはオイルクーラ出口83とフィルタ入口側89との間に延びている。
図3の場合、オイル49は注入される前に冷却されるので、オイル循環システム33は、予冷却されたオイル注入システムを成すと考えることができる。
【0129】
詳細には、オイル循環システム33は、圧縮機組立体1の圧縮機要素9の構成要素に濾過された潤滑オイルを供給するために、以下のオイル注入ライン90-99を備えている。すなわち、
-圧縮機ロータ11及び/又は12に向かう濾過オイル注入ライン90、
-モータ2と圧縮機要素9との間の中間歯車動力伝達装置34の従動歯車36又は駆動歯車37に向かう濾過オイル注入ライン91及び92、
-圧縮機出口16に向かって濾過オイル49を注入するための非駆動側オイル注入ライン93、
-圧縮機出口16に向かって濾過オイル49を注入するための駆動側オイル注入ライン94、
-雌型圧縮機ロータシャフト17の非駆動側軸受21に向かう濾過オイル注入ライン95、
-雄型圧縮機ロータシャフト18の非駆動側軸受23に向かう濾過オイル注入ライン96、
-雄型圧縮機ロータシャフト18の駆動側軸受24に向かう濾過オイル注入ライン97、
-雌圧縮機ロータシャフト17の駆動側軸受22に向かう濾過オイル注入ライン98、
-タイミングギア28又は29に向かう濾過オイル注入ライン99、
である。
【0130】
圧縮機要素9がオイルレス又はオイルフリー圧縮機要素9である実施形態の場合、もちろん、濾過オイル注入ライン90は存在しない。また、他の実施形態では、ここで説明した例の場合よりも多い又は少ないオイルラインを適用することができる。
【0131】
また、オイル循環システム33は、圧縮機組立体1のモータ2の構成要素に濾過された潤滑オイルを供給するためのオイル注入ライン100及び101を備えている。詳細には、
図3の場合のモータ2は、
-モータシャフト軸受45に向かう駆動側の濾過オイル注入ライン100、及び
-モータシャフト軸受46に向かう非駆動側の濾過オイル注入ライン101、
を備える。
【0132】
図8は、濾過され冷却されたオイル49をモータ軸受45及び46に向かって供給するためのオイル注入ライン100及び101がどのように実現されるかを示す。濾過されたオイルを関係するモータ軸受45又は46に供給するために、モータシャフト4を支持する各軸受45及び46に対して、オイル注入流路102がモータハウジング3を貫通して設けられている。
【0133】
可能性のある実施形態では、これらのオイル注入流路102は、モータジャケット51のカバー61又は61の一方を貫通して、又はモータジャケット51自体を貫通して延びている。
【0134】
同様に、濾過された潤滑オイル49を関係するモータシャフト軸受45又は46からモータハウジングの外に排出し、オイルリザーバ47に戻すためのオイルドレーン流路103も存在する。
【0135】
これらのオイル注入流路102及びオイルドレーン流路103は、モータシャフト4に向かう又はモータシャフト4から離れる半径方向RR’又はSS’に延びている、又はそのような半径方向RR’又はSS’に延びている少なくとも一部分で構成される。
【0136】
本発明による圧縮機組立体1の好ましい実施形態では、モータハウジング3は、軸方向に延びる貫通流路104を備え、貫通流路104は、原理的には、オイルポンプ圧力ライン73のための貫通流路68に類似しており、中央モータハウジング本体51を貫通し、中央モータハウジング本体51の反対側の末端57及び58に設けられたモータハウジングカバー61及び62の開口部を通る。
【0137】
この軸方向に延びる貫通流路104は、ドレーン流路104であり、モータシャフト軸受45及び46からのオイル49をオイルリザーバ47に向かって排出するためのオイルドレーンライン105の一部を形成している。軸方向に延びる貫通流路104は、オイルドレーンライン105を形成するために上述の半径方向に延びる部分103に接続されている。排出されたオイル49の流れは、
図9から12において矢印DCで示されている。
【0138】
本発明による圧縮機組立体1の別の実施形態では、オイル注入流路102は、モータジャケット51の軸方向に延びる流路52にモータジャケット51のこれらのオイル注入流路102も統合することによって、軸方向に延びる貫通流路104と同様の方法で実施することもできる。
【0139】
さらに、貫通ドレーン流路104は、例えば、典型的にはモータ2が水平に配向されている配置において、重力の影響下で潤滑オイル49を受け取るために、モータジャケット51の底部に配置されている。他の構成では、モータ2は垂直方向に延びており、これは例えばオイル注入スクリュー圧縮機要素の典型的な場合であり、このような場合、潤滑オイル49は、他の力、典型的にはオイルポンプによって生成される駆動力の圧力下で流れる。これは、オイルポンプ圧力ライン73及びモータジャケット51冷却のための他の流路71及び79よりも断面サイズが実質的に小さい。
【0140】
もちろん、オイル注入ライン90-99を通って圧縮機構成要素に供給されたオイル47は、オイルリザーバ47に排出される必要もある。そのために、
図3の圧縮機組立体1のオイル循環システム33は、以下のオイル排出ラインを備える。すなわち
-圧縮機ロータ11又は12から到来するオイルを排出するためのオイルドレーンライン106、
-モータ2と圧縮機要素9との間の中間歯車動力伝達装置34の従動歯車36又は駆動歯車37から到来するオイルを排出するオイルドレーンライン107及び108、
-雌型圧縮機ロータシャフト17の非駆動側軸受21から到来するオイル49を排出するためのオイルドレーンライン109、
-雄型圧縮機ロータシャフト18の非駆動側軸受23から到来するオイルを排出するためのオイルドレーンライン110、
-雌型圧縮機ロータシャフト17の駆動側軸受22から到来するオイル49を排出するためのオイルドレーンライン111、
-雄型圧縮機ロータシャフト18の駆動側軸受24から到来するオイル49を排出するためのオイルドレーンライン112、
-タイミングギア28又は29から到来するオイル49を排出するためのオイルドレーンライン113、
である。
【0141】
これらのオイルドレーライン106-113はすべて一緒になって、オイル49をオイルリザーバ47に戻し、オイル循環システム33による次のサイクルのために、オイルポンプ32によって再び吸い上げられるように導く。
【0142】
図4は、
図3と同様に、本発明による圧縮機組立体1の別の実施形態を全体的に示している。
【0143】
構成要素の大部分は、
図3と同じであり、同じ参照番号で示されている。
図3の実施形態との主な相違は、
図4の実施形態では、潤滑のために圧縮機要素9及びモータ2の軸受45及び46の要素に供給されるオイル49が、
図3の実施形態の場合のように予冷却されない点である。
【0144】
図4の例では、圧縮機組立体1のオイル循環システム33は、圧縮機組立体1の構成要素に冷却されていない、濾過された潤滑オイル49を供給するためのオイル注入ライン90-101を備える。この場合、オイルィルタ50は、オイルポンプ32とオイルクーラ48との間に設けられたオイルポンプ圧力ライン73から分岐した、冷却されていないオイル49のオイルライン114に設けられている。このオイルポンプ圧力ライン73は、この場合も貫通部68を通ってモータジャケット51を部分的に貫通する。
【0145】
従って、主な相違は、
図3の実施形態では、オイルフィルタ50が、オイルクーラ48の下流側又は後方にあるオイルライン分岐86に配置されているのに対し、
図4の実施形態では、オイルフィルタが、オイルクーラ48の上流側又は前方にあるオイルライン分岐114に配置されている点である。オイル49が潤滑のために関係する構成要素に供給される前に冷却されないという事実を除けば、両方の圧縮機組立体1の間には、さらに他の基本的な相違はない。
【0146】
図5から7は、本発明の方法による電気モータの中央モータハウジング本体51の製造時の連続したステップを示す。
【0147】
本発明によれば、圧縮機組立体1の中央モータハウジング本体51の製造は、軸方向に向けられた流路52を有するモータジャケット51を形成するための押出プロセスを含む。
【0148】
図5は、押出ステップが実行された直後の依然として未完成の状況を示す。中央モータハウジング本体51は、中央モータハウジング本体51の少なくとも重要な軸方向部分にわたって本質的に一定又は不変の断面を有し、さらに、完成した中央モータハウジング本体51にも存在する全ての重要な特徴、例えば、軸方向流路52が仕切り壁56によって分離された内壁55と外壁54との間に設けられている円筒形二重壁要素53の形状を既に有している。外壁54の外側に設けられた膨出部59は、依然として未完成であり、これは、中央モータハウジング本体51の全長にわたって延びる軸方向に整列した膨出部である。
【0149】
図6は、本発明の方法の次のステップの実行後の結果を示しており、膨出部59の中間部分がフライス加工又は切削加工で除去されている。さらに、穴60が膨出部59に設けられ、この穴は、場合によっては雌ねじが設けられるか、又は雌ねじなしで単に貫通穴60として実施される。
【0150】
最後に、
図7は、モータのステータ6が円筒形二重壁要素53に挿入された後の中央モータハウジング本体51を示す。
【0151】
図11及び12は、
図9及び10に示した構成とはわずかに異なる、本発明によるオイル循環システム33の構成の一部を示す。
【0152】
その相違は、
図11及び12の実施形態では、
図9及び10の実施形態の場合よりも、中央モータハウジング本体51の流路52が1つ少ないことである。
図9及び10の実施形態では、オイルポンプ圧力ライン73の部分72を形成する流路71が省略されている。その結果、オイルポンプ圧力ライン73は、この場合はモータジャケット51に統合されておらず、この例では、オイルポンプ吸い込みライン67及びオイルポンプ圧力ライン73の両方は、外部からオイルポンプに接続する必要がある。
【0153】
同様に、モータジャケット51の底部に統合されたドレーン流路104を省略し、例えばモータ軸受45及び46から到来するオイルを直接下部のオイルサンプに排出することは、本発明から除外されない。
【0154】
もちろん、さらに他の構成も本発明から除外されるものではなく、モータジャケットの軸方向に整列した流路52は、全く異なる形状又はサイズを有することができ、設けられる流路52の数は増減させることもできる。
【0155】
オイルポンプ圧力ライン73、オイル注入ライン102、及び/又はオイルドレーンライン104(又は何らかの他の非冷却流路)をモータジャケット51に統合しないことは、モータ2の冷却性能を高めることができるという利点がある。一方、モータジャケット51により多くのオイルラインを統合することは、モータ2をよりコンパクトな形式で実施できるという点で好都合である。組立体1のコンパクト性を高め、オイル漏れのリスクを低減するために、モータジャケット51に追加的に統合される可能性のある興味深い候補は、例えばオイルポンプ吸い込みライン67又は何らかのオイル注入ライン90-101である。しかしながら、モータジャケット51にオイルラインを統合することによる欠点は、その場合、モータ2の冷却力が多少低下することである。
【0156】
本発明は、上述した圧縮機組立体1の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲から逸脱することなく、そのような圧縮機組立体1は、多くの異なる方法で適用すること及び実施することができる。
【0157】
また、本発明は、上述した圧縮機組立体1の一部を製造する方法に限定されるものではなく、本発明の範囲から逸脱することなく、他の方法は、その遂行のために多くの異なる方法で適用することができる。
【符号の説明】
【0158】
1 圧縮機組立体
2 モータ
4 モータシャフト
11、12 圧縮機ロータ
32 オイルポンプ
33 オイル循環システム
47 オイルリザーバ
48 オイルクーラ
49 オイル
50 オイルフィルタ
51 モータジャケット
52 流路
【手続補正書】
【提出日】2024-02-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機要素(9)の1又は2以上の圧縮機ロータ(11、12)を駆動するモータ(2)を備える圧縮機組立体(1)であって、前記圧縮機組立体(1)は、前記圧縮機組立体(1)の構成要素を冷却及び潤滑するためのオイル循環システム(33)を備え、前記オイル循環システム(33)は、オイルリザーバ(47)と、前記オイル循環システム(33)を通って循環するオイル(49)を冷却するためのオイルクーラ(48)と、前記オイル循環システム(33)の1又は2以上のラインを通って流れるオイル(49)を濾過するためのオイルフィルタ(50)と、を備え、前記モータ(2)は、モータジャケット(51)として実施される中央モータハウジング本体(51)を備えるモータハウジング(3)を有し、前記モータジャケット(51)には、流路(52)が設けられており、前記流路(52)は、前記モータジャケット(51)を通してオイル(49)を循環させるために、前記オイル循環システム(33)のオイルラインに接続されており、
前記オイル循環システム(33)は、前記オイルリザーバ(47)から前記オイル循環システム(33)のオイルラインを通して冷却及び/又は潤滑される関係する前記構成要素にオイル(49)を循環させ、前記オイルリザーバ(47)に戻すための駆動力を提供するオイルポンプ(32)を備え、前記モータジャケット(51)内の前記流路(52)は、前記モータ(2)のモータシャフト(4)の軸方向(XX’)に平行な軸方向(AA’、BB’、CC’、DD’、EE’、FF’、...)に延びていることを特徴とする圧縮機組立体(1)。
【請求項2】
前記オイルポンプ(32)は、前記モータハウジング(3)に統合されるか、又は、モータハウジングカバー(62)又は前記中央モータハウジング本体(51)の非駆動側(31)又は駆動側(8)に設けられた圧縮機組立体ハウジング(27)の他の部分に取り付けられており、さらに、前記モータ(2)の前記モータシャフト(4)によって駆動される、請求項1に記載の圧縮機組立体(1)。
【請求項3】
前記オイルポンプ(32)は、出口(66)において、前記中央モータハウジング本体(51)内の軸方向に向けられた流路(52、71)に直接接続されている、請求項1に記載の圧縮機組立体(1)。
【請求項4】
前記圧縮機組立体(1)の前記圧縮機要素(9)は、オイルフリー又はオイルレス圧縮機要素(9)である、請求項1に記載の圧縮機組立体(1)。
【請求項5】
前記圧縮機組立体(1)の圧縮機要素(9)は、オイルレスロータ圧縮機要素(9)であるか、又はオイルレスツース圧縮機要素(9)であり、前記モータ(2)によって駆動される前記1又は2以上の圧縮機ロータ(11、12)は、1又は2以上の圧縮機ロータ又は圧縮機ツース(19、20)である、請求項4に記載の圧縮機組立体(1)。
【請求項6】
前記中央モータハウジング本体(51)は、前記中央モータハウジング本体(51)の少なくとも重要な軸方向部分にわたって本質的に一定又は不変である断面を有する、前記請求項1に記載の圧縮機組立体(1)。
【請求項7】
前記中央モータハウジング本体(51)は、押出成形によって製造される、請求項1に記載の圧縮機組立体(1)。
【請求項8】
前記圧縮機組立体(1)の前記オイル循環システム(33)は、オイル(49)が前記オイルリザーバ(47)と前記オイルクーラ(48)との間で循環して戻る、少なくとも第1の循環ループ(77)及び第2の循環ループ(78)を備え、前記第1の循環ループ(77)は、前記オイルフィルタ(50)が含まれていない濾過されていない循環ループ(77)であり、前記第2の循環ループ(78)は、前記オイルフィルタ(50)がオイル(49)を濾過するために設けられている濾過された循環ループ(78)であり、前記モータジャケット(51)内の1又は2以上の流路(52、79)は、前記濾過されていない循環ループ(77)に含まれており、前記流路(52)は、前記モータハウジングジャケット(52)を冷却するための冷却流路(79)を形成している、請求項1に記載の圧縮機組立体(1)。
【請求項9】
モータハウジング(3)は、貫通流路(68)を備え、前記貫通流路(68)は、中央モータハウジング本体(51)を貫通すると共に前記中央モータハウジング本体(51)の反対側の端部(57、58)に設けられたモータハウジングカバー(61、62)を貫通し、前記オイルポンプ(32)の前記出口(66)は、前記貫通流路(68)に直接接続されると共に前記オイルポンプ(32)のオイルポンプ圧力ライン(73)の一部(72)を形成している、請求項1に記載の圧縮機組立体(1)。
【請求項10】
前記圧縮機組立体(1)の前記モータ(2)は、前記モータハウジング(3)に挿入されるモータステータ(6)と、前記モータステータ(6)を貫通して延びている前記モータシャフト(4)上に取り付けられたモータロータ(5)とを備える電気モータ(2)である、請求項1に記載の圧縮機組立体(1)。
【請求項11】
前記モータハウジング(3)は、前記中央モータハウジング本体(51)の駆動側(8)において、前記モータ(2)によって駆動される前記圧縮機ロータ(11、12)に隣接する駆動側モータハウジングカバー(61)と、前記中央モータハウジング本体(51)の非駆動側(31)において、前記中央モータハウジング本体(51)の反対側に非駆動側モータハウジングカバー(62)とを追加的に備え、前記モータハウジングカバー(61、62)は、前記モータハウジングジャケット(51)を冷却するための単一又は複数の組立冷却流路(81)を形成するための、前記中央モータハウジング本体(51)内の関係する冷却流路(52、79)を相互接続するために、組み立てられた状態で前記中央モータハウジング本体(51)内の軸方向に向けられた冷却流路(52、79)と協働する1又は2以上の相互接続流路(80)を備える、請求項1に記載の圧縮機組立体(1)。
【請求項12】
前記モータハウジングカバー(61、62)は、前記モータハウジング(3)を貫通する貫通流路(68)を形成するために、組み立てられた状態で前記中央モータハウジング本体(51)内の流路(71)と協働する1又は2以上の貫通開口部(69、70)を備える、請求項11に記載の圧縮機組立体(1)。
【請求項13】
前記モータ(2)の従動側(8)において、前記モータシャフト(4)は、直接連結器(25)によって直接的に、又は歯車動力伝達装置(34)によって又は歯車動力伝達装置(34)を介して間接的に、前記圧縮機ロータ(11、12)の1又は2以上に連結されている、請求項1に記載の圧縮機組立体(1)。
【請求項14】
前記オイルポンプ(32)は、前記モータシャフト(4)が1又は2以上の圧縮機ロータ(11、12)に結合されている駆動側(8)とは反対側の前記モータ(2)の非駆動側(31)で、前記モータシャフト(4)に直接連結されるか又は前記モータシャフト(4)上に取り付けられている、請求項1に記載の圧縮機組立体(1)。
【請求項15】
前記オイルポンプ(32)は、入口(65)で、前記オイルリザーバ(47)と前記オイルポンプ(32)との間に設けられたオイルポンプ吸い込みライン(67)に接続され、出口(66)で、前記オイルポンプ(32)を前記オイルクーラ(48)の前記入口(76)に接続するオイルポンプ圧力ライン(73)に接続されている、請求項1に記載の圧縮機組立体(1)。
【請求項16】
前記圧縮機組立体(1)の前記オイル循環システム(33)は、前記圧縮機組立体(1)の構成要素に冷却され濾過された潤滑オイル(49)を供給するための1又は2以上のオイル注入ライン(90-101)を備え、前記オイルフィルタ(50)は、オイルクーラ出口(83)に接続されている冷却されたオイル(49)のオイルライン(85、86)に設けられている、請求項1に記載の圧縮機組立体(1)。
【請求項17】
モータジャケットの冷却のために、冷却されたオイル(49)のオイル流路(85、87)は、オイルクーラ出口(83)と、中央モータハウジング本体ジャケット(51)内の少なくとも1つの冷却流路(52、79)との間に、又は前記中央モータハウジング本体(51)のモータハウジングカバー(61、62)内の相互接続流路(80)によって相互接続されている、前記中央モータハウジング本体ジャケット(51)内の複数の冷却流路(52、79)によって構成される1又は2以上の組立冷却流路(81)との間に設けられ、冷却されたオイル(49)のオイルライン(85)は、オイルクーラ出口(83)に接続されており、前記のオイルライン(85)は、前記オイルフィルタ(50)の上流側で、前記オイルフィルタ(50)に向かう第1の分岐(86)と、前記冷却流路(52、79)に又は前記モータハウジングジャケット(51)内の1又は2以上の組立冷却流路(81)に向かう第2の分岐(87)と、に分岐されている、請求項1に記載の圧縮機組立体(1)。
【請求項18】
前記圧縮機組立体(1)の前記オイル循環システム(33)は、前記圧縮機組立体(1)の構成要素に冷却されていない濾過された潤滑オイル(49)を供給するための1又は2以上のオイル注入ライン(90、101)を備え、前記オイルフィルタ(50)は、前記オイルポンプ(32)と前記オイルクーラ(48)との間に設けられたオイルポンプ圧力ライン(73)から分岐した冷却されていないオイルのオイルライン(114)に設けられている、請求項1に記載の圧縮機組立体(1)。
【請求項19】
前記圧縮機組立体(1)の前記オイル循環システム(33)は、前記圧縮機組立体(1)の構成要素に濾過された潤滑オイル(49)を供給するための1又は2以上のオイル注入ライン(90-101)を備え、前記オイル注入ライン(90-101)は、
-圧縮機ローター(11、12)に向かう濾過オイル注入ライン(90)、
-前記モータ(2)と前記圧縮機要素(9)との間の中間歯車動力伝達装置(34)の従動歯車(36)又は駆動歯車(37)に向かう濾過オイル注入ライン(91、92)、
-圧縮機出口(16)に向かって濾過オイル(49)を注入するための非駆動側オイル注入ライン(93)、
-圧縮機出口(16)に向かって濾過オイル(49)を注入するための駆動側オイル注入ライン(94)、
-雌型圧縮機ローターシャフト(17)の非駆動側軸受(21)に向かう濾過オイル注入ライン(95)、
-雄型圧縮機ローターシャフト(18)の非駆動側軸受(23)に向かう濾過オイル注入ライン(96)、
-雄型圧縮機ローターシャフト(18)の駆動側軸受(24)に向かう濾過オイル注入ライン(97)、
-雌型圧縮機ローターシャフト(17)の駆動側軸受(22)に向かう濾過オイル注入ライン(98)、
-タイミングギア(28、29)に向かう濾過オイル注入ライン(99)、
-モータシャフト軸受(45)に向かう駆動側濾過オイル注入ライン(100)、及び/又は、
-モータシャフト軸受(46)に向かう非駆動側濾過オイル注入ライン(101)、
のうちの1又は2以上を含む、請求項1に記載の圧縮機組立体(1)。
【請求項20】
前記モータハウジング(3)において、前記モータシャフト(4)を支持する軸受(45、46)の各々に対して、濾過されたオイル(49)を関係するモータシャフト軸受(45、46)に供給するためのオイル注入流路(102)、並びに、濾過された潤滑オイル(49)を前記関係するモータシャフト軸受(45、46)から排出するためのオイルドレーン流路(103)が設けられている、請求項1に記載の圧縮機組立体(1)。
【請求項21】
前記オイル注入流路(102)及び前記オイルドレーン流路(103)は、前記モータシャフト(4)に向かって又は前記モータシャフト(4)から離れて半径方向(RR’、SS’)に延びているか、又は半径方向(RR’、SS’)に延びている少なくとも一部分を備える、請求項20に記載の圧縮機組立体。
【請求項22】
前記モータハウジング(3)は、軸方向に延びる貫通流路(104)を備え、前記貫通流路は、前記中央モータハウジング本体(51)を貫通し、場合によっては、前記中央モータハウジング本体の反対側の端部(57、58)に設けられたモータハウジングカバー(61、62)を貫通し、前記軸方向に延びる貫通流路(104)は、前記モータシャフト軸受(45、46)から到来するオイルを排出するためのオイルドレーン流路(105)の一部を形成し、前記軸方向に延びる貫通流路(104)は、前記オイルドレーン流路(103)の半径方向に延びる前記オイルドレーン流路(103)に接続されている、請求項21に記載の圧縮機組立体(1)。
【請求項23】
前記圧縮機組立体(1)の前記オイル循環システム(33)は、前記圧縮機組立体(1)の構成要素から到来する潤滑オイル(49)を排出するための1又は2以上のオイルドレーンライン(105、113)を備え、前記オイルドレーンライン(105、113)は、
-圧縮機ローター(11、12)から到来するオイルを排出するためのオイルドレーンライン(106)、
-前記モータ(2)と前記圧縮機要素(9)との間の中間歯車動力伝達装置(34)の従動歯車(36)又は駆動歯車(37)から到来するオイルを排出するオイルドレーンライン(107、108)、
-雌型圧縮機ローターシャフト(17)の非駆動側軸受(21)から到来するオイル(49)を排出するためのオイルドレーンライン(109)、
-雄型圧縮機ローターシャフト(18)の非駆動側軸受(23)から到来するオイルを排出するためのオイルドレーンライン(110)、
-雌型圧縮機ローターシャフト(17)の駆動側軸受(22)から到来するオイル(49)を排出するためのオイルドレーンライン(111)、
-雄型圧縮機ローターシャフト(18)の駆動側軸受(24)から到来するオイル(49)を排出するためのオイルドレーンライン(112)、
-タイミングギア(28、29)から到来するオイル(49)を排出するためのオイルドレーンライン(113)、
-モータシャフト軸受(45)から到来するオイル(49)を排出するための駆動側オイルドレーンライン(105)、及び/又は
-モータシャフト軸受(46)から到来するオイル(49)を排出するための非駆動側オイルドレーンライン(105)、
のうちの1又は2以上を含む、請求項1に記載の圧縮機組立体(1)。
【請求項24】
請求項1に記載の圧縮機組立体(1)を製造するための方法であって、前記圧縮機組立体(1)の前記中央モータハウジング本体(51)を製造することは、軸方向に向けられた流路(52)を有するモータジャケット(51)を形成するための押出プロセスを含む、方法。
【国際調査報告】