(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】再生手段及び圧縮ガスを乾燥させるための乾燥装置
(51)【国際特許分類】
B01D 53/26 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
B01D53/26 231
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024506687
(86)(22)【出願日】2022-07-26
(85)【翻訳文提出日】2024-02-02
(86)【国際出願番号】 EP2022070929
(87)【国際公開番号】W WO2023011984
(87)【国際公開日】2023-02-09
(32)【優先日】2021-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(32)【優先日】2022-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593074329
【氏名又は名称】アトラス コプコ エアーパワー,ナームローゼ フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】ATLAS COPCO AIRPOWER,naamloze vennootschap
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】ヘルマンス ハンス マリア カレル
【テーマコード(参考)】
4D052
【Fターム(参考)】
4D052AA01
4D052CD00
4D052DA03
4D052DB01
4D052FA02
4D052GA01
4D052GA03
4D052GB01
4D052GB02
4D052HA01
4D052HA02
(57)【要約】
圧縮ガスのための乾燥装置(1)内の乾燥剤を再生するための再生手段であって、この再生手段(9)は、乾燥装置(1)の再生入口(11)に接続された再生ライン(10)を備え、この再生ライン(10)は、再生ガスを供給するための送風機(12)の出口(13)に上記再生入口(11)を接続し、上記送風機(12)の出口(13)と再生入口(11)との間には、再生ガスを加熱するための加熱手段(14)が設けられており、一方で、上記送風機(12)の出口(13)と、他方で上記加熱手段(14)との間には、再生ガスを乾燥させるための、乾燥剤を有する追加容器(20)が設けられていることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮ガスのための乾燥装置(1)内の乾燥剤を再生するための再生手段であって、前記再生手段(9)は、前記乾燥装置(1)の再生入口(11)に接続された再生ライン(10)を備え、前記再生ライン(10)は、再生ガスを供給するための送風機(12)の出口(13)に前記再生入口(11)を接続し、前記送風機(12)の前記出口(13)と前記再生入口(11)との間には、前記再生ガスを加熱するための加熱手段(14)が設けられており、
一方で前記送風機(12)の前記出口(13)と、他方で前記加熱手段(14)との間には、前記再生ガスを乾燥させるための、乾燥剤を有する追加容器(20)が設けられていることを特徴とする、再生手段。
【請求項2】
前記乾燥装置(1)の冷却入口(17)に接続された冷却ライン(16)に前記送風機(12)の出口(13)を接続できるように構成された、バルブシステム(15)をさらに備える、請求項1に記載の再生手段。
【請求項3】
前記冷却ライン(16)は、前記バルブシステム(15)を介して、一方では前記送風機(12)の前記出口(13)と他方では前記追加容器(20)との間の位置で前記再生ライン(10)に接続する、請求項2に記載の再生手段。
【請求項4】
前記バルブシステム(15)は、前記再生ライン(10)、冷却ライン(16)のそれぞれが、送風機(12)の出口(13)、ブローオフ開口部(18)のそれぞれに、又はその逆で接続できるように構成されている、請求項2又は3に記載の再生手段。
【請求項5】
前記バルブシステム(15)は、
-四方バルブ(19)
-三方バルブ
-バタフライバルブ
-オン/オフバルブ
のうちの1又は2以上を備える、請求項2から4のいずれかに記載の再生手段。
【請求項6】
耐水性乾燥剤が、前記追加容器(20)内に配置されている、請求項1から5のいずれかに記載の再生手段。
【請求項7】
前記追加容器(20)は、押出成形又は管体によって製造されている、請求項1から6のいずれかに記載の再生手段。
【請求項8】
前記追加容器(20)は、熱的に絶縁されている、請求項1から7のいずれかに記載の再生手段。
【請求項9】
前記再生ライン(10)が設けられている前記加熱手段(14)は、電気加熱器(14)、蒸気加熱器、又は前記再生ライン(10)に組み込まれた熱交換器を備える、請求項1から8のいずれかに記載の再生手段。
【請求項10】
圧縮ガスを乾燥するための乾燥装置であって、前記乾燥装置(1)は、乾燥される圧縮ガスの入口(2)と、乾燥された圧縮ガスの出口(3)とを備え、前記乾燥装置(1)は、再生可能な圧縮ガスを収容する少なくとも2つの容器(6a、6b)と、前記入口(2)及び前記出口(3)をそれぞれ前記容器(6a、6b)に接続する、第1のバルブブロック(8a)及び第2のバルブブロック(8b)で構成される制御可能なバルブ装置(7)とを備え、前記制御可能なバルブ装置(7)は、少なくとも1つの容器(6a、6b)が圧縮ガスを乾燥させ、一方で、他方の容器(6a、6b)を再生及び冷却させることを可能にし、前記バルブ装置(7)を制御することによって、前記容器(6a、6b)の各々が順番に圧縮ガスを乾燥させることができるように構成されており、
前記乾燥装置(1)は、請求項1から9のいずれかに記載の再生手段(9)をさらに備えており、前記再生ライン(10)は、前記再生ライン(10)を前記乾燥装置(1)の再生入口(11)に接続するために、前記第2のバルブブロック(8b)に接続されていることを特徴とする、乾燥装置。
【請求項11】
前記再生手段(9)は、請求項2に記載の再生手段(9)であり、前記冷却ライン(16)は、前記冷却ライン(16)を前記乾燥装置(1)の冷却入口(17)に接続するために、前記第1のバルブブロック(8a)に接続されている、請求項10に記載の乾燥装置。
【請求項12】
前記追加容器(20)は、前記少なくとも2つの容器(6a、6b)の各々の内部容積よりも小さい内部容積を有する、請求項11に記載の乾燥装置。
【請求項13】
前記追加容器(20)の前記内部容積は、前記少なくとも2つの容器(6a、6b)のうちの1つの前記内部容積の最大で1/3、又は最大で1/4である、請求項12に記載の乾燥装置。
【請求項14】
前記乾燥装置(1)は、前記加熱手段(14)と再生される前記容器(6a、6b)との間の位置に温度センサ(22)を備える、請求項10から13のいずれかに記載の乾燥装置。
【請求項15】
前記乾燥装置(1)は、前記温度センサ(22)によって測定された温度に基づいて前記加熱手段(10)を制御するための制御ユニット(23)を備える、請求項14に記載の乾燥装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮ガスを乾燥させるための再生手段に関する。
【0002】
より具体的には、本発明は、ガスを乾燥させるための乾燥装置に適用して、その効率を高め、そのような乾燥装置を環境パラメータに依存しにくくし、より信頼できるようにすることを意図している。
【背景技術】
【0003】
圧縮ガスを乾燥させるための装置は既に知られており、この乾燥装置は、乾燥される圧縮ガスの入口と、乾燥された圧縮ガスの出口とを備えており、乾燥装置は、再生可能な乾燥剤を収容する少なくとも2つの容器と、上記入口及び上記出口をそれぞれ上記容器に接続する第1のバルブブロック及び第2のバルブブロックで構成される制御可能なバルブシステムとを備えており、制御可能なバルブシステムは、少なくとも1つの容器が、他方の容器が再生及び冷却されている間に圧縮ガスを乾燥させることができ、バルブシステムの制御により、容器の各々が順番に圧縮ガスを乾燥させることができるように構成されている。
【0004】
本明細書において再生可能な乾燥剤とは、吸着によってガスから水分を吸収することができ、水分で飽和したときにいわゆる再生ガスを通過させることによって乾燥させることができる乾燥剤又はデシカントを意味する。このプロセスは、乾燥剤の再生としても知られている。再生ガスは通常、高温ガスである。
【0005】
ここでは吸着の原理を述べたが、本発明は吸収の原理にも適用できる。
【0006】
容器を乾燥させる場合、乾燥される圧縮ガスから水分を吸収して乾燥剤を飽和させる。つまり、追加の水分はほとんど吸収できない。
【0007】
その後、この容器は再生され、通常、上記再生ガスである高温ガス、例えば熱風がこの容器を通過する。この高温ガスは、乾燥剤から水分が抽出してこれを再生させることになる。
【0008】
その後、圧縮ガスの乾燥に再び使用する前に、随意的にまず容器を冷却することができる。再生後、乾燥剤は温度が上昇していることになる。この容器を再び乾燥に使用する前に、まず容器内の乾燥剤を冷却することで、乾燥剤はより効率的に水分を抽出することができる。
【0009】
容器の再生を可能にするために、加熱手段を有する第1の再生ラインを備え、この再生ラインは、再生される容器に再生ガスを供給するために設けられており、第1の再生ラインが第2のバルブブロックに接続しており、さらに、飽和した再生ガスを排出するための第2の再生ラインを備え、第2の再生ラインが第1のバルブブロックに接続している、装置がすでに知られており、第1の再生ライン及び第2の再生ラインのそれぞれは、周囲空気を供給するための送風機などの出口、ブローオフ開口部にそれぞれ接続することができ、その逆も可能である。
【0010】
容器の再生時には、第1の再生ラインは上記送風機に、第2の再生ラインは上記ブローオフ開口部に接続されることになる。
【0011】
上記送風機は、第2のバルブブロックを介して再生される容器に移送される前に、上記加熱手段によって加熱される周囲空気を供給することができる。
【0012】
再生される容器を通過した後、飽和した再生空気は、上記第2の再生ラインとブローオフ開口部を通って装置から出ることになる。
【0013】
その後、この再生容器はまず冷却される。
【0014】
この目的のために、第1の再生ラインはブローオフ開口部に接続され、第2の再生ラインは上記送風機に接続される。
【0015】
送風機は、冷却ガスを第2の再生ラインに通し、次に再生容器に通すことになり、乾燥剤は、冷却ガスによって冷却される。
【0016】
この冷却ガスは、第1の再生ライン及びブローオフ開口部を通って装置から出ることになる。
【0017】
このような装置の欠点は、再生ガス、結果として加熱手段に比較的高い温度を必要とするため、比較的多くのエネルギーを消費することである。
【0018】
これは、再生のために周囲空気を使用する結果であり、その結果、この空気は常に水分を含み、周囲空気が非常に強く加熱されない限り、再生は最適化されないことになる。
【0019】
加えて、装置は、再生及び冷却に周囲空気が使用されるため環境パラメータに左右される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明は、上述の欠点及び他の欠点の少なくとも1つに対する解決策を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、圧縮ガスのための乾燥装置内に乾燥剤を再生するための再生手段を含み、この再生手段は、乾燥装置の再生入口に接続された再生ラインを備え、この再生ラインは、再生ガスを供給するための送風機の出口に上記再生入口を接続し、上記送風機の出口と再生入口との間には、再生ガスを加熱するための加熱手段が設けられており、一方で上記送風機の出口と他方で上記加熱手段との間には、再生ガスを乾燥させるための、乾燥剤を有する追加容器が設けられていることを特徴とする。
【0022】
利点は、乾燥装置内の乾燥剤の再生中に、再生ガス、通常、周囲空気が、加熱される前に追加容器を通過することである。
【0023】
全ての(周囲の)水分は、追加容器内の乾燥剤によって再生ガスから抽出され、この完全に乾燥した周囲空気を使用して再生を行うことになる。これは、より効率的な再生を保証することになる。
【0024】
さらなる利点は、再生ガスをより強力に加熱する必要がないことであり、そのため加熱手段は、より低い温度に設定することができ、少なくとも一時的により小さい電力を使用することになる。
【0025】
典型的には、これは、例えば、公知の装置に対して30℃から40℃の温度低下となる。
【0026】
従って、必要な加熱容量が少なくなるので、よりコンパクトな加熱手段を提供することも可能である。
【0027】
好ましくは、再生手段は、上記乾燥装置の冷却入口に接続された冷却ラインに送風機の出口を接続できるように構成されたバルブシステムをさらに備える。
【0028】
上記冷却ラインによって、乾燥装置内の乾燥剤を冷却するための冷却ガスが乾燥装置に供給され、冷却ガスは、乾燥装置内の乾燥剤を通過した後、上記再生ラインを通って乾燥装置から出る。
【0029】
別の利点は、再生後の乾燥装置内の乾燥剤がその後に冷却される際に、その再生された乾燥剤からの熱が冷却ガスを介して追加容器に運ばれることになり、追加容器内の乾燥剤がその過程で再生されることである。
【0030】
さらに、いうなればこの熱は、追加容器に一時的に蓄えられることになり、つまり追加容器が加熱される。
【0031】
その後のサイクルで乾燥装置内の乾燥剤が再生される際に、送風機によって吸い込まれた周囲空気は、追加容器によって乾燥されるだけでなく、一定時間加熱されことになる。
【0032】
さらに、この追加容器では、吸着によって熱が放出される。これは「吸着熱」とも呼ばれ、凝縮熱に匹敵する。
【0033】
典型的には、これは例えば、公知の装置と比較して10℃の温度上昇に相当することになる。
【0034】
明確にするために、ここでは、追加容器内の乾燥剤が乾燥装置内の乾燥剤と同じ乾燥剤である可能性もあるが、異なる乾燥剤である可能性もあることが明示される。
【0035】
好ましくは、上記冷却ラインは、上記バルブシステムを介して、一方では上記送風機の出口と他方では上記追加容器との間の位置で再生ラインに接続する。
【0036】
実用的な実施形態では、追加容器は熱的に絶縁されている。
【0037】
この断熱は、例えば、追加容器の内側及び/又は外側の断熱コーティング、及び/又は追加容器が包まれた断熱材料の層の形態をとることができる。
【0038】
この利点は、冷却段階で追加容器内に一時的に到達する熱が、可能な限り最適に貯蔵されることである。
【0039】
また、本発明は、圧縮ガスを乾燥するための乾燥装置に関し、この乾燥装置は、乾燥される圧縮ガスの入口と、乾燥された圧縮ガスの出口とを備え、この乾燥装置は、再生可能な乾燥剤を収容する少なくとも2つの容器と、上記入口と上記出口をそれぞれ上記容器に接続する、第1のバルブブロック及び第2のバルブブロックで構成される制御可能なバルブ装置とを備え、上記制御可能なバルブ装置は、少なくとも1つの容器の圧縮ガスを乾燥させ、一方で、他方の容器を再生及び冷却させることを可能にし、上記バルブ装置を制御することにより、上記容器の各々が順番に圧縮ガスを乾燥させることができるように構成されており、上記乾燥装置は、本発明による再生手段をさらに備え、上記再生ラインは、上記再生ラインを上記乾燥装置の再生入口に接続するために、上記第2のバルブブロックに接続されていることを特徴とする。
【0040】
このような乾燥装置の利点は、本発明による再生剤の利点と同様である。
【0041】
好ましくは、冷却ラインは、冷却ラインを乾燥装置の冷却入口に接続するために、第1のバルブブロックに接続されている。
【0042】
本発明の好ましい特徴によれば、追加容器の内部容積は、上記少なくとも2つの容器の各々の内部容積よりも小さい。
【0043】
これは、追加容器内の乾燥剤の全容積が冷却中に常に完全に再生され、結果として再生プロセスの開始時に追加容器内に何らかの水分が残留するのを防止することを保証することになる。
【0044】
本発明の特徴をよりよく示すために、本発明による再生手段及び圧縮ガスを乾燥させるための乾燥装置の好ましい実施形態は、添付図面を参照して、非限定的かつ例示的に以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】本発明による再生手段を備える、圧縮ガスを乾燥させるための本発明による乾燥装置を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1に示す圧縮ガス乾燥装置1は、乾燥される圧縮ガスの入口2と、乾燥された圧縮ガスの出口3とを備える。
【0047】
図1の例では、入口2は圧縮機5の出口4に接続されている。
【0048】
乾燥装置1は、再生可能な乾燥剤を収容する2つの容器6a、6bをさらに備える。
【0049】
本発明は、装置1がこのような容器6a、6bを3以上含むことを排除しない。
【0050】
さらに、装置1は、第1のバルブブロック8a及び第2のバルブブロック8bで構成される制御可能なバルブ装置7を備える。
【0051】
第1のバルブブロック8aは、容器6a、6bを、乾燥される圧縮ガスのための上記入口2に接続し、第2のバルブブロック8bは、容器6a、6bを、乾燥された圧縮ガスのための上記出口3に接続することになる。
【0052】
上記バルブブロック8a、8bは、少なくとも1つの容器6a、6bが再生され、その後、冷却されるが、他の容器6a、6b(複数可)が圧縮ガスを乾燥させるように制御することができる異なるパイプ及びバルブのシステムであり、これにより、バルブ装置7を制御することにより、容器6a、6bの各々は、順番に圧縮ガスを乾燥させることになる。
【0053】
本発明によれば、装置1は、本発明による再生手段9をさらに備える。
【0054】
本発明によれば、これらの再生手段9は、再生ライン10を備える。
【0055】
この再生ライン10は、乾燥装置1の再生入口11に接続されている。
【0056】
再生ライン10は、第2のバルブブロック8bに接続されている。従って、再生入口11は、この第2のバルブブロック8bの位置に配置されている。
【0057】
再生ガスは、この再生入口11を介して乾燥装置1の中に供給することができる。
【0058】
再生ガスは、この再生ライン10及び再生入口11を介して再生される容器6a、6bに供給することができる。
【0059】
加えて、再生手段9は送風機12を備えており、この送風機12の出口13は、再生ライン10によって再生入口11に接続されている。再生ガスの供給は送風機12を介して行うことができ、それによって送風機12は周囲の空気を吸い込むことになる。もちろん、送風機12の代わりに、周囲空気を吸い込むための他の手段を設けることは排除されない。
【0060】
送風機12の出口13と再生入口11との間には、再生される容器6a、6bに流入して通過する前に再生ガスを加熱できるように、加熱手段14が再生ライン10に設けられている。
【0061】
この場合、これらの加熱手段14は電気加熱システムで構成されるが、再生ライン10に組み込まれた蒸気加熱器又は熱交換器で構成されることも排除されない。
【0062】
また、加熱手段14は、圧縮機5の圧縮熱を利用して再生ガスを加熱する熱交換器で構成することもできる。
【0063】
図1に示す例では、再生手段は、送風機12の出口13を、乾燥装置1の冷却入口17に接続された冷却ライン16に接続できるように構成されたバルブシステム15をさらに備える。
【0064】
ここで、バルブシステム15が上記接続を実現する
図2も参照されたい。
【0065】
この場合、冷却ライン16は第1のバルブブロック8aに接続されている。従って、冷却入口17は、第1のバルブブロック8aの位置に配置されている。
【0066】
図2に示すように、この冷却入口17を介して、冷却ガスを乾燥装置1の中に供給することができる。
【0067】
この冷却ライン16及び冷却入口11を介して、再生される容器6a、6bに再生ガスを供給することができる。
【0068】
再生ライン10及び冷却ライン16の各々は、異なるバルブブロック8a、8bに接続されている。
【0069】
バルブシステム15は、再生ライン10、冷却ライン16をそれぞれ、送風機12の出口13、ブローオフ開口部18のそれぞれに、又はその逆に接続できるように構成されている。
【0070】
再生ライン10が送風機12の出口13に接続され、冷却ライン16がブローオフ開口部18に接続される、あるいはその逆である、すなわち冷却ライン16が送風機12の出口13に接続され、再生ライン10がブローオフ開口部18に接続される。
【0071】
上記の動作は、
図1の場合、冷却入口17がいわば再生出口として機能し、
図2の場合、再生入口11がいわば冷却出口として機能することを意味することに留意されたい。
【0072】
再生ライン10及び冷却ライン16の両方に送風機12及びブローオフ開口部18を設け、両者を切り替えるための切替え手段を設けることも可能であるが、
図1の例では、よりコンパクトな設計を実現するために、装置1に四方バルブ19としてのバルブシステム15を設けることが選択されている。
【0073】
しかしながら、このようなコンパクトなバルブシステム15は、必ずしも四方バルブ19を備える必要はない。
【0074】
バルブシステム15は、好ましくは、
-四方バルブ(19)
-三方バルブ
-バタフライバルブ
-オン/オフバルブ
の構成要素の1又は2以上を備える。
【0075】
バルブシステム15は、例えば、4つの別個のバタフライバルブ、4つの別個のオン/オフバルブ、又は2つの三方バルブで構成することができる。
【0076】
四方バルブ19を介して、再生ライン10、冷却ライン16をそれぞれ、送風機12の出口13、ブローオフ開口部18のそれぞれに、又はその逆に接続することができる。
【0077】
このため、四方バルブ19の1つの接続点は再生ライン10に、1つの接続点は冷却ライン16に、1つの接続点はブローオフ開口部18に、1つの接続点は送風機12の出口13に接続される。
【0078】
四方バルブ19を切り替えることにより、再生ライン10及び冷却ライン16のどちらを送風機12の出口13に接続し、どちらをブローオフ開口部18に接続するかを選択することができる。
【0079】
図1は、四方バルブ19の第1の位置の状況を示しており、再生ライン10は、送風機12の出口13に接続されている。
【0080】
装置1は、四方バルブ19のこの位置において、送風機12によって吸い込まれた周囲空気が、四方バルブ19、再生ライン10及び第2のバルブブロック8bを通って、再生される容器6b内に到達することができるようなものである。
【0081】
もちろん、バルブ装置7は、ここでは、周囲空気の正しい流路を可能にするために適切に制御される。
【0082】
図2は、四方バルブ19の第2の位置の状況を示しており、再生ライン10は、ブローオフ開口部18に接続されている。
【0083】
装置1は、四方バルブ19のこの位置において、送風機12によって吸い込まれた周囲空気が、四方バルブ19、冷却ライン16及び第1のバルブブロック8aを通って、冷却される容器6bに入ることができるようなものである。
【0084】
また、バルブ装置7は、ここでは、周囲空気の正しい流路を可能にするために適切に制御される。
【0085】
また、四方バルブ19の代わりに、例えば4つのバルブを備えたバルブブロック、又は、四方バルブ19と同じ構成を実現できる他の手段を使用することも排除されない。
【0086】
本発明によれば、追加容器20が、ブローオフ開口部18又は送風機12と上述の加熱手段14との間の再生ライン10に組み込まれている。
【0087】
図から分かるように、冷却ライン16は、上記バルブシステム15を介して、一方では送風機12の出口13と他方では上記追加容器20との間の位置で再生ライン10に接続することになる。
【0088】
また、この追加容器20には、再生可能な乾燥剤が設けられている。
【0089】
この場合、好ましくは、これは、例えばシリカゲル又は活性酸化アルミニウム(活性アルミナ)のような耐水性乾燥剤である。
【0090】
これには、追加容器20内で凝縮水が発生しても、乾燥剤に影響を与えないという利点がある。
【0091】
この場合、追加容器20は、例えばアルミニウムから押出成形によって製造される。また、追加容器20は、例えば管体、詳細には鋼管とすることもできる。
【0092】
追加容器20には圧縮ガスが入らないので、この追加容器20は圧力容器である必要はないが、追加容器20が圧力容器であることは排除されない。
【0093】
また、この場合、追加容器20は、追加容器を熱的に絶縁するために断熱材21で包まれている。
【0094】
あるいは、追加容器20の内側及び/又は外側に断熱コーティングを施すことによって、追加容器20を熱的に絶縁することも可能である。
【0095】
好ましくは、追加容器20の内部容積は、容器6a、6bの各々の内部容積よりも小さく、それにより、追加容器20内の乾燥剤の量も、容器6a、6bのうちの1つの容器内の乾燥剤の量よりも小さい。
【0096】
好ましくは、追加容器20の内部容積は、上記2つの容器6a、6bのうちの1つの内部容積の最大で1/3、より好ましくは1/4である。
【0097】
追加容器20の好ましい最大寸法は、予期される環境パラメータに依存する。
【0098】
相対湿度が100%の場合、追加容器20の内部容積は、好ましくは上記容器6a、6bの内部容積の1/3である。
【0099】
相対湿度が70%の場合、追加容器20の内部容積は、好ましくは上記容器6a、6bの内部容積の1/4である。
【0100】
この場合、装置1は、電気加熱器14と再生される容器6a、6bの入口との間の位置の温度を測定するように構成された温度センサ22を備える。本明細書において、「再生される容器6a、6bの入口」とは、再生ガスが容器に入る容器6a、6bの側を意味することに留意されたい。
【0101】
図1の例では、この温度センサ22は、電気加熱器14と第2のバルブブロック8bとの間の再生ライン10に設けられている。
【0102】
この位置には、1つの温度センサ22だけ設ける必要があるという利点がある。しかしながら、容器6a、6bの上記入口の各々に温度センサ22を設けることも可能である。
【0103】
図1の例では、温度センサ22は、加熱手段14と第2のバルブブロック8bとの間に配置されているが、これは必須ではない。
【0104】
最後に、本例の装置1は、温度センサ22によって測定された温度に基づいて加熱手段14を制御するための制御ユニット23を備える。
【0105】
このために、制御ユニット1は、温度センサ22及び加熱手段14に接続されている。
【0106】
乾燥装置1の動作は非常に簡単であり、以下の通りである。
【0107】
装置1の動作時、乾燥される圧縮ガスは、入口2を通り、バルブ装置7の適切な制御により、乾燥過程にある容器6aに入ることになる。
【0108】
図1及び
図2の例では、左側の容器6aが圧縮ガスを乾燥させることになる。
【0109】
この左側の容器6aを通過する際、乾燥剤は、ガスから水分を抽出することになる。
【0110】
乾燥された圧縮ガスは、出口3を通って装置1を出ることになる。
【0111】
バルブ装置7の適切な制御により、乾燥される圧縮ガスの正しい流路が実現される。
【0112】
他方の、この場合は右側の容器6bは、前のサイクル又は段階で既にガスを乾燥させており、水分を含んでおり、この間に再生される。
【0113】
本明細書では、再生サイクルを使用し、この再生サイクルは、周囲空気を加熱し、これを関連する容器6bに通過させ、その後、これを噴出させることを含む。
【0114】
このために、
図1に示すように、四方バルブ19を第1の位置に切り替える。
【0115】
送風機12は、四方バルブ19を介して追加容器20に入る周囲空気を吸い込む。
【0116】
ここで、周囲空気は乾燥され、その後、加熱手段14によって加熱される。
【0117】
追加容器20から出る周囲空気の測定温度に基づいて、制御ユニット23は、加熱手段10を適切に制御し、周囲空気は、関連容器6bを再生できるように所望の温度を有することになる。
【0118】
制御ユニット23は、ここで、周囲空気が乾燥されている事実を考慮することになり、周囲空気は、より効率的に乾燥できるようになっており、温度は、乾燥されていない周囲空気と比較してそれほど高く設定する必要はない。
【0119】
乾燥され、加熱された周囲空気は、容器6b内の乾燥剤を再生するために、第2のバルブブロック8bを介して右側の容器6bに供給されることになる。
【0120】
容器6bを通過した後、容器6b内の乾燥剤は、乾燥されるだけでなく加熱されることになる。
【0121】
その後、周囲空気は、第1のバルブブロック8a、四方バルブ19、ブローオフ開口部18を通って装置1から出ることになる。
【0122】
ここで、右側の容器6bは再生されている、つまり、乾燥剤から水分が除去され、加熱されている。
【0123】
この容器6bは、次のサイクル又はステップで圧縮ガスを最適に乾燥できるのを保証するために、まず冷却される。
【0124】
結局のところ、低温の乾燥剤は高温の乾燥剤よりも良好に乾燥させる。
【0125】
このため、
図2に示すように、四方バルブ19は、第2の位置に切り替えられる。
【0126】
バルブ装置7の状態又は位置は変更されないので、その間に、左側の容器6aは依然として圧縮ガスを乾燥させることができる。
【0127】
四方バルブ19を切り替えることによって、送風機12によって吸い込まれた周囲空気は、第1のバルブブロック8aを通って容器6bに到達し、この容器6bから熱を放散させる。
【0128】
第2のバルブブロック8b及び加熱器14を通り、今や加熱された周囲空気は、追加容器20に到達する。
【0129】
制御ユニット23は、遅くとも冷却開始時には加熱手段10をスイッチオフにしていることに留意されたい。
【0130】
加熱された周囲空気は、追加容器20を再生することになり、前のステップで周囲空気から取り込まれた水分が追加容器20から抽出され、さらに乾燥剤も加熱することになることを意味する。
【0131】
このプロセスの結果、右側の容器6bは冷却され、追加容器20は再生及び加熱されることになる。
【0132】
断熱材21が設けられているため、この熱は全て追加容器20に最適に蓄えられることになる。
【0133】
この冷却ステップの終了時、左側の容器6a内の乾燥剤は飽和することになり、この容器は再生可能な状態になっているが、右側の容器6bは圧縮ガスを乾燥させることができる状態になっている。
【0134】
バルブ装置7を制御又は切り替えることにより、乾燥される圧縮ガスが右側の容器6b内に到達して乾燥されることを保証することができる。
【0135】
それと同時に、左側の容器6aは前のステップと同じ方法で再生されることになる。
【0136】
ここで、
図1に示すように、四方バルブ19は、第1の位置に戻されることになる。
【0137】
送風機12は、追加容器20に到達する周囲空気を吸い込むことになる。
【0138】
ここで、周囲空気は乾燥されるだけでなく、少なくとも部分的に加熱されることになる。
【0139】
その結果、乾燥されすでに予熱されている周囲空気は、再生ライン10を通って加熱手段14に到達することになる。
【0140】
制御ユニット23は、温度センサ22に基づいて加熱手段14を制御することになる。
【0141】
周囲空気はすでに予熱されているため、加熱手段14はそれほど高く設定する必要がないことになり、その結果、加熱手段14が供給する必要がある最高温度はそれほど高くないことになる。
【0142】
さらに、この容器6aの再生とそれに続く冷却は、右側の容器6bについて上述したのと同様に進む。
【0143】
左側の容器6aの冷却後、右側の容器6bは飽和し、容器を再び交換することができる。
【0144】
その後、サイクル全体が最初から繰り返される。
【0145】
図示し説明した例では、容器6a、6bは2つしか存在しないが、3以上の容器6a、6bの存在も排除できず、その場合、少なくとも1つの容器6a、6bは、常に圧縮ガスを乾燥させることになる。
【0146】
例えば、6つの容器6a、6bが存在する場合があり、そのうち3つの容器6a、6bが圧縮ガスを乾燥させ、2つの容器6a、6bが再生され、1つの容器6a、6bが冷却されることになる。
【0147】
図示の例の温度センサ22は加熱手段14の後に配置されているが、温度センサ22が再生ラインの他の場所に配置されることも排除できない。
【0148】
本発明は、例として説明され、図示された実施形態に限定されるものではなく、本発明による圧縮ガスを乾燥するための装置及び方法は、本発明の範囲を逸脱することなく、あらゆる変形例で実現することができる。
【符号の説明】
【0149】
1 乾燥装置
9 再生手段
10 再生ライン
11 再生入口
12 送風機
13 出口
14 加熱手段
20 追加容器
【手続補正書】
【提出日】2024-02-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮ガスのための乾燥装置(1)内の乾燥剤を再生するための再生手段であって、前記再生手段(9)は、前記乾燥装置(1)の再生入口(11)に接続された再生ライン(10)を備え、前記再生ライン(10)は、再生ガスを供給するための送風機(12)の出口(13)に前記再生入口(11)を接続し、前記送風機(12)の前記出口(13)と前記再生入口(11)との間には、前記再生ガスを加熱するための加熱手段(14)が設けられており、
一方で前記送風機(12)の前記出口(13)と、他方で前記加熱手段(14)との間には、前記再生ガスを乾燥させるための、乾燥剤を有する追加容器(20)が設けられており、
前記再生手段は、前記乾燥装置(1)の冷却入口(17)に接続された冷却ライン(16)に前記送風機(12)の出口(13)を接続できるように構成された、バルブシステム(15)をさらに備え、
前記再生ライン(10)が設けられている前記加熱手段(14)は、電気加熱器(14)、蒸気加熱器、又は前記再生ライン(10)に組み込まれた熱交換器を備え、
前記冷却ライン(16)は、前記バルブシステム(15)を介して、一方では前記送風機(12)の前記出口(13)と他方では前記追加容器(20)との間の位置で前記再生ライン(10)に接続することを特徴とする、再生手段。
【請求項2】
前記バルブシステム(15)は、前記再生ライン(10)、冷却ライン(16)のそれぞれが、送風機(12)の出口(13)、ブローオフ開口部(18)のそれぞれに、又はその逆で接続できるように構成されている、請求項1に記載の再生手段。
【請求項3】
前記バルブシステム(15)は、
-四方バルブ(19)
-三方バルブ
-バタフライバルブ
-オン/オフバルブ
のうちの1又は2以上を備える、請求項1に記載の再生手段。
【請求項4】
耐水性乾燥剤が、前記追加容器(20)内に配置されている、請求項1に記載の再生手段。
【請求項5】
前記追加容器(20)は、押出成形又は管体によって製造されている、請求項1に記載の再生手段。
【請求項6】
前記追加容器(20)は、熱的に絶縁されている、請求項1に記載の再生手段。
【請求項7】
圧縮ガスを乾燥するための乾燥装置であって、前記乾燥装置(1)は、乾燥される圧縮ガスの入口(2)と、乾燥された圧縮ガスの出口(3)とを備え、前記乾燥装置(1)は、再生可能な圧縮ガスを収容する少なくとも2つの容器(6a、6b)と、前記入口(2)及び前記出口(3)をそれぞれ前記容器(6a、6b)に接続する、第1のバルブブロック(8a)及び第2のバルブブロック(8b)で構成される制御可能なバルブ装置(7)とを備え、前記制御可能なバルブ装置(7)は、少なくとも1つの容器(6a、6b)が圧縮ガスを乾燥させ、一方で、他方の容器(6a、6b)を再生及び冷却させることを可能にし、前記バルブ装置(7)を制御することによって、前記容器(6a、6b)の各々が順番に圧縮ガスを乾燥させることができるように構成されており、
前記乾燥装置(1)は、請求項1に記載の再生手段(9)をさらに備えており、前記再生ライン(10)は、前記再生ライン(10)を前記乾燥装置(1)の再生入口(11)に接続するために、前記第2のバルブブロック(8b)に接続されており、
前記冷却ライン(16)は、前記冷却ライン(16)を前記乾燥装置(1)の冷却入口(17)に接続するために、前記第1のバルブブロック(8a)に接続されていることを特徴とする、乾燥装置。
【請求項8】
前記追加容器(20)は、前記少なくとも2つの容器(6a、6b)の各々の内部容積よりも小さい内部容積を有する、請求項7に記載の乾燥装置。
【請求項9】
前記追加容器(20)の前記内部容積は、前記少なくとも2つの容器(6a、6b)のうちの1つの前記内部容積の最大で1/3、又は最大で1/4である、請求項8に記載の乾燥装置。
【請求項10】
前記乾燥装置(1)は、前記加熱手段(14)と再生される前記容器(6a、6b)との間の位置に温度センサ(22)を備える、請求項7に記載の乾燥装置。
【請求項11】
前記乾燥装置(1)は、前記温度センサ(22)によって測定された温度に基づいて前記加熱手段(10)を制御するための制御ユニット(23)を備える、請求項10に記載の乾燥装置。
【国際調査報告】