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特表2024-528220電気制御による不揮発性書き込みおよびホール効果による読み出しを備えた電子システム
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  • 特表-電気制御による不揮発性書き込みおよびホール効果による読み出しを備えた電子システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】電気制御による不揮発性書き込みおよびホール効果による読み出しを備えた電子システム
(51)【国際特許分類】
   H10B 61/00 20230101AFI20240719BHJP
   H10N 52/00 20230101ALI20240719BHJP
【FI】
H10B61/00
H10N52/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506726
(86)(22)【出願日】2022-08-03
(85)【翻訳文提出日】2024-04-02
(86)【国際出願番号】 EP2022071817
(87)【国際公開番号】W WO2023012216
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】2108564
(32)【優先日】2021-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510325651
【氏名又は名称】コミサリヤ ア レネルジ アトミク エ ウ エネルジ アルタナティブ
(71)【出願人】
【識別番号】511148123
【氏名又は名称】タレス
(71)【出願人】
【識別番号】501089863
【氏名又は名称】サントル ナシオナル ドゥ ラ ルシェルシェ サイアンティフィク
(71)【出願人】
【識別番号】519077687
【氏名又は名称】ウニベルシテ グルノーブル アルプ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】セシル グレゼス
(72)【発明者】
【氏名】ローラン ビラ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-フィリップ アタヌ
(72)【発明者】
【氏名】マニュエル ビベス
【テーマコード(参考)】
4M119
5F092
【Fターム(参考)】
4M119AA07
4M119BB03
4M119CC05
4M119DD23
4M119DD32
4M119GG01
5F092AA05
5F092AB08
5F092AC02
5F092AD25
5F092BA19
5F092BA22
5F092BA33
5F092BB15
5F092BB24
5F092BB44
5F092BD05
(57)【要約】
本発明は、積層体(18)を有する電子デバイス(12)であって、第1電極(24)と、電気的に制御可能な残留状態サブアセンブリ(26)と、2次元電子ガス(30)と、少なくとも1つの磁性層を備える磁気サブアセンブリ(34)と、2つの第1接点(C1、C3)および第2接点(C2、C4)を有する第2電極(36)と、を備える電子デバイス(12)と、2つの電極(24、36)の間に電界を印加することによって残留状態を書き込む書き込みデバイス(14)と、2つの第1接点(C1、C3)間に電流を印加し、第2接点(C2、C4)と基準電位との間の電圧を測定することにより、残留状態を読み出すホール効果読み出しデバイス(16)と、を備える電子システム(10)を開示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的制御による不揮発性の書き込みと、ホール効果による読み出しを備えた電子システム(10)であって、
積層方向(Z)に沿って積層された積層体(18)を含む電子デバイス(12)であって、前記積層体(18)は、
第1電極(24)と、
残留状態サブアセンブリ(26)が電気的に制御可能な少なくとも2つの残留状態を有するように、少なくとも1つの誘電体層を備える残留状態サブアセンブリ(26)と、
抵抗を有する2次元電子ガス(30)と、
少なくとも1つの磁性層を備える磁気サブアセンブリ(34)と、
各々が第1方向に沿って延在する2つの第1接点(C1、C3)と、第2方向に沿って延在する第2接点(C2、C4)とを含む第2電極(36)であって、前記第2方向は前記第1方向とは異なり、前記第1方向および第2方向は、前記積層体(Z)の方向に対して垂直な平面内にある、第2電極(36)と、
を備える、電子デバイス(12)と、
前記2次元電子ガス(30)の前記抵抗を変化させる前記第1電極(24)と前記第2電極(36)との間に電界を印加することによって、前記残留状態サブアセンブリ(26)の残留状態を書き込むように適合された書き込みデバイス(14)と、
前記2つの第1接点(C1、C3)間に電流を印加し、前記第2接点(C2、C4)と基準電位との間の電圧を測定することによって、前記残留状態サブアセンブリ(26)の前記残留状態を読み出すように適合されたホール効果読み出しデバイス(16)と、
を備える電子システム。
【請求項2】
前記第1電極(24)は、少なくとも1つの接点(C5)を有し、前記書き込みデバイス(14)は、前記第1電極(24)の前記少なくとも1つの接点(C5)と前記第2電極(36)の少なくとも1つの接点(C1、C2、C3、C4)との間に前記電界を印加する、請求項1に記載の電子システム。
【請求項3】
前記第1電極(24)が前記残留状態サブアセンブリ(26)と接触し、
前記第1電極(24)は、前記残留状態サブアセンブリ(26)と接合し、
前記第2電極(36)は、前記2次元電子ガス(30)と接触し、
前記第2電極(36)は、前記2次元電子ガス(30)と接合し、
前記第2電極(36)は、前記磁気サブアセンブリ(34)と接触し、
前記第2電極(36)は、前記磁気サブアセンブリ(34)と接合する、
特性のうちの少なくとも1つが実証されている、請求項1または2に記載の電子システム。
【請求項4】
前記第2電極(36)は、少なくとも追加の接点(C2、C4)を含み、前記基準電位は、前記追加の接点(C4)の電位である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電子システム。
【請求項5】
電気的に制御可能な前記残留状態サブアセンブリ(26)の前記残留状態は、強誘電効果、電荷トラップ効果、イオンマイグレーション効果、または前記効果の組み合わせによって制御可能である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電子システム。
【請求項6】
前記2次元電子ガス(30)は、1010cm-2より大きいキャリア密度を有する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電子システム。
【請求項7】
前記磁気サブアセンブリ(34)は、強磁性金属合金、強磁性酸化物、磁性半導体、複数の強磁性層および金属層を有する複合強磁性素子、ホイスラー合金、希土類合金、または、これらの材料の組み合わせの中から選択された少なくとも1つの強磁性素子を備える、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電子システム。
【請求項8】
前記磁気サブアセンブリ(34)は、フェリ磁性金属合金、フェリ磁性酸化物、複数の強磁性層またはフェリ磁性層および金属層を有する複合フェリ磁性素子、希土類フェリ磁性合金、または、これらの材料の組み合わせの中から選択された少なくとも1つのフェリ磁性素子を備える、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電子システム。
【請求項9】
前記磁気サブアセンブリ(34)は、反強磁性金属合金、反強磁性酸化物、互いに反強磁性的に接合された複数の磁性層および金属層を有する複合反強磁性素子、または、そのような材料の組み合わせの中から選択される少なくとも1つの反強磁性素子を備える、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電子システム。
【請求項10】
前記残留状態サブアセンブリ(26)は、非強磁性および非フェリ磁性である、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の電子システム。
【請求項11】
前記積層体(18)は、2つの端部間に延在し、一方の端部は前記第1電極(24)であり、他方の端部は前記第2電極(36)である、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の電子システム。
【請求項12】
前記磁気サブアセンブリ(34)は、0.5%より大きい異常ホール効果を有する材料、および、0.5%より大きい磁気抵抗を有する材料から選択される少なくとも1つの磁気素子を備える、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の電子システム。
【請求項13】
前記積層体(18)は、少なくとも1つの界面層(28、32)をさらに含み、前記界面層(28、32)は、非磁性金属層およびスピン軌道効果を示す層から選択される少なくとも1つの層を含む、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の電子システム。
【請求項14】
前記界面層(28、32)は、金属、ワイル半金属、2次元材料、遷移金属ジカルコゲナイドおよびトポロジカル絶縁体のうちの少なくとも1つの要素を含む、請求項13に記載の電子システム。
【請求項15】
前記電子システム(10)は、少なくとも他の電子デバイス(12)を含み、全ての前記電子デバイス(12)は、カスケード状またはアレイ状に配置され、各他の電子デバイス(12)は、前記積層方向(Z)に沿って積層された積層体(18)を含む、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の電子システム。
【請求項16】
電子デバイス(12)の前記第1電極(24)は、隣接する電子デバイス(12)の第2電極(36)に接続されている、請求項15に記載の電子システム。
【請求項17】
電子デバイス(12)の前記第2電極(36)の前記接点(C1、C2、C3、C4)のうちの1つが、隣接する電子デバイス(12)の前記第2電極(36)の前記接点(C1、C2、C3、C4)のうちの1つに接続されている、請求項16に記載の電子システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気制御による不揮発性書込みおよびホール効果による読出しを備えた電子システムに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、マイクロエレクトロニクスの分野に関し、特に、不揮発性電気制御誘電体を用いたメモリデバイス、論理デバイス、ニューロモルフィックデバイス、特に情報通信技術の分野に関する。不揮発性電気制御誘電体材料は、ヒステリシスサイクルに続く印加電圧と見かけ上の蓄積電荷との間の非線形関係によって特徴付けられる。ヒステリシスサイクルの残留状態(remanent states)は、不揮発的に情報を保存するために使用することができる。
【0003】
強誘電体材料は、このような残留状態を有する材料の一例である。実際、強誘電体材料は自発的な巨視的分極を有し、この分極は電圧を印加することで書き込むことができる。強誘電体の状態で情報の一部を符号化することが可能であり、これがメモリデバイス/強誘電体論理デバイスの出現につながっている。
【0004】
このような効果を利用したデバイスの一例として、強誘電体ランダムアクセスメモリ(Fe-RAM)が知られている。Fe-RAMは、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)に似たメモリデバイスであり、不揮発性を得るために強誘電体層が加えられている。Fe-RAMの利点は、ランダムアクセスメモリの高速性とフラッシュメモリの不揮発性を併せ持つことである。
【0005】
Fe-RAMの場合、強誘電体層の2つの面の間に電圧を印加することで、記憶すべき情報の書き込みが行われる。これにより、情報は強誘電体層の分極状態で符号化される。
【0006】
読み出しは、電圧を印加し、発生する電流を測定することによって行われる。より正確には、分極を第1状態から第2状態、例えば、状態「0」から状態「1」に切り替えるために、強誘電体層の2つの面の間に電圧パルスが印加される。Fe-RAMが既に状態「1」であった場合、読み出される出力電流は印加された電圧パルスに関連するもののみである。Fe-RAMが最初に状態「0」であった場合、生成される電流は、電圧パルスに関連する電流と、分極の反転に関連する脱分極電流との和となる。
【0007】
このように、読み出しメカニズムは破壊的である。読み出しは、保存されたメモリ状態を消去し、特定のアーキテクチャによってFe-RAMを書き換えることになる。
【0008】
強誘電体材料の特性を利用した既知のデバイスの第2の例は、強誘電体電界効果トランジスタ(Fe-FET)である。電界効果トランジスタは、ソースとドレインをつなぐチャネルの導電性に対する電界の作用に基づくユニポーラ3端子デバイスである。不揮発性を実現するため、Fe-FETはゲート電極とチャネルの間に挿入された強誘電体素子を使用する。
【0009】
Fe-FETの場合、情報は不揮発性ゲートとして働く強誘電体材料の分極で符号化され、トランジスタのチャネルの導電性を制御する。分極状態は、強誘電性材料の保磁力電圧よりも低い電圧でチャネルの長手方向の抵抗(読み出し電流に平行)を測定することで読み出される。メモリは消去されない。
【0010】
読み出しのメカニズムは確かに非破壊的であるが、強誘電体材料に読み出し電圧が印加されることによって引き起こされる部分的な脱分極による読み出しエラーに起因する問題があり、材料の選択に課される要件がデバイスの耐久性を制限している。
【0011】
抵抗ランダムアクセスメモリ(Re-RAM)も、誘電体材料中の抵抗に対する不揮発性の電気的制御を利用したデバイスの一例である。
【0012】
Re-RAMの場合、通常は絶縁体である誘電体材料に電界を印加し、導電チャンネルを通して導電性を持たせる。このような伝導は、電荷のトラッピング、イオンマイグレーション、導電性フィラメントの形成など、様々なメカニズムによって得られる。そして情報は、誘電体素子の伝導チャネルの残留抵抗状態に符号化される。
【0013】
読み出しは、誘電体の端子において、書き込み電圧よりも低い電圧で誘電体の抵抗値を測定することによって行われる。
【0014】
読み出しは情報の符号化を排除しないため、読み出しのメカニズムは原理的に非破壊的であるが、誘電材料への読み出し電圧の影響による読み出しエラーに見舞われ、高電圧の印加を伴う。
【0015】
Re-RAMメモリに代わるものとして、相変化型ランダムアクセスメモリ(PC-RAM)が知られている。使用される材料は相変化材料であり、電流を流すと、導電性の低いアモルファス相と導電性の結晶相との間で切り替わる。
【0016】
しかしながら、このような材料は動作中に材料の変位を伴うため、このような部品には耐久性の問題がある。また、PC-RAMは動作電圧が高い。
【0017】
したがって、上述の欠点を克服した不揮発性電子システムが必要とされている。
【発明の概要】
【0018】
この目的のために、本明細書では、積層方向に沿って積層された積層体を含む電子デバイスを具備する、電気的制御による不揮発性の書き込みとホール効果による読み出しとを有する電子システムについて説明する。積層体は、第1電極と、残留サブアセンブリが電気的に制御され得る少なくとも2つの残留状態を有するような少なくとも1つの誘電体層を含む残留サブアセンブリと、2次元電子ガスと、少なくとも1つの磁性層を含む磁気サブアセンブリと、それぞれが第1方向に沿って延びる2つの第1接点と第2方向に沿って延びる第2接点とを含む第2電極とを含み、第2方向は第1方向とは異なり、第1方向および第2方向は積層の方向に対して垂直な平面内にある。電子システムは、2次元電子ガスの電気抵抗を変調することによって第1電極と第2電極との間に電界を印加することによって残留状態サブアセンブリの残留状態を書き込むのに適した書き込みデバイスと、2つの第1接点間に電流を印加し、第2接点と基準電位との間の電圧を測定することによって残留状態サブアセンブリの残留状態を読み出すのに適したホール効果読み出しデバイスとを含む。
【0019】
磁気メモリデバイスに対応する従来技術とは異なり、電子システムの書き込みメカニズムは、第1電極と第2電極との間に電界が印加されても、残留状態サブアセンブリの磁化を反転させない。電子システムの書き込みデバイスは、2次元電子ガスの電気抵抗の変調に対応して残留状態を変化させる役割を果たす。その結果、書き込みが改善される。
【0020】
他の特定の実施形態によれば、電子システムは、個別に、または技術的に可能な全ての組み合わせに従って、以下の特徴の1つまたは複数を有する。
第1電極は、少なくとも1つの接点を含み、書き込みデバイスは、第1電極の少なくとも1つの接点と第2電極の少なくとも1つの接点との間に電界を印加する。
第1電極は、残留状態サブアセンブリと接触している。
第1電極は、残留状態サブアセンブリと接合している。
第2電極は、2次元電子ガスと接触している。
第2電極は、2次元電子ガスと接合している。
第2電極は、磁気サブアセンブリと接触している。
第2電極は、磁気サブアセンブリと接合している。
第2電極は、少なくとも1つの追加接点を含み、基準電位は追加接点の電位である。
残留状態サブアセンブリの電気的に制御可能な残留状態は、強誘電効果、トラップ電荷効果、イオンマイグレーション効果、または効果の組み合わせによって制御することができる。
2次元電子ガスは、1010cm-2より大きいキャリア密度を有する。
磁気サブアセンブリは、強磁性金属合金、強磁性酸化物、磁性半導体、複数の強磁性層および金属層を有する強磁性複合素子、ホイスラー合金、希土類合金、または、これらの材料の組み合わせから選択される少なくとも1つの強磁性素子を含む。
磁気サブアセンブリは、フェリ磁性金属合金、フェリ磁性酸化物、複数の強磁性層またはフェリ磁性層と金属層を有する複合フェリ磁性素子、希土類フェリ磁性合金、または、これらの材料の組み合わせから選択される少なくとも1つのフェリ磁性素子を含む。
磁気サブアセンブリは、反強磁性金属合金、反強磁性酸化物、互いに反強磁性的に接続された複数の磁性層および金属層を有する複合反強磁性素子、またはそのような材料の組み合わせから選択される少なくとも1つの反強磁性素子を含む。
積層体は2つの端部の間に延びており、一方の端部は第1電極であり、他方の端部は第2電極である。
磁気サブアセンブリは、0.5%より大きい異常ホール効果を有する材料、および、0.5%より大きい磁気抵抗を有する材料から選択される少なくとも1つの磁気素子を含む。
積層体は、少なくとも1つの界面層をさらに含み、界面層は、非磁性金属層およびスピン軌道効果を示す層から選択される少なくとも1つの層を含む。
界面層は、金属、ワイル半金属、2次元材料、遷移金属ジカルコゲナイド、トポロジカル絶縁体のうち少なくとも1つの元素を含む。
電子システムは、少なくとも1つの他の電子デバイス(12)を含み、全ての電子デバイスはカスケードまたはアレイの形態で配置され、他の各電子デバイスは、積層方向に沿って積層された積層体を含む。
電子デバイスの第1電極は、隣接する電気デバイスの第2電極に接続される。
電子デバイスの第2電極の接点の1つが、隣接する電子デバイスの第2電極の接点の1つに接続されている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明の特徴および利点は、例としてのみ記載されているが、これに限定されるものではなく、添付の図面を参照しながら以下の説明を読むことにより明らかになるであろう。
図1図1は、電気的制御による不揮発性書き込みと、ホール効果による読み出しを備えた電子システムの一例の概略図であり、特に、少なくとも2つの電気的に制御可能な残留状態サブアセンブリ、2次元電子ガス、および磁気サブアセンブリを備える。
図2図2は、残留状態サブアセンブリの電荷-電圧ヒステリシスサイクルの概略図である。
図3図3は、強磁性サブアセンブリにおける異常ホール効果と平面ホール効果の電圧依存性を模式的に表したものである。
図4図4は、電気的制御による不揮発性書き込みとホール効果による読み出しを備えた電子システムの他の例の概略図である。
図5図5は、不揮発性電子デバイスのカスケードネスティング(cascade nesting)によって形成されたシステムの一例の概略図である。
図6図6は、不揮発性電子デバイスのアレイネスティング(array nesting)によるシステムの一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1に、電気的制御による不揮発性書き込みとホール効果10による読み出しを備えた電子システムを示す。以下、このようなシステムを単に電子システムと呼ぶ。
【0023】
電子システム10は、電子デバイス12と、書き込みデバイス14と、ホール効果読み出しデバイス16と、を含む。
【0024】
電子システム10は、例えば、メモリ、論理デバイス、ニューロモルフィックデバイスである。
【0025】
この場合、電子システム10が、ホール効果による電気的制御と読み出しを行うシステムであるという特異性を持っていることに、まず注目されたい。
【0026】
繰り返しになるが、ホール効果は電界の発生に寄与し、したがって物質を流れる電流に垂直な電圧の発生に寄与する。
【0027】
例えば、磁場が印加されたときに起こる、いわゆる古典的ホール効果は、磁場と電流に垂直な電圧を発生させる。
【0028】
他の実施例によれば、材料が磁化を帯びているときに発生する、いわゆる異常(abnormal)ホール効果または異常(extraordinary)ホール効果は、磁化と電流に垂直な電圧を発生させる。
【0029】
さらに他の実施例によれば、材料が層の平面内で磁化を運ぶときに起こる平面ホール効果は、層の平面内で電流に垂直な電圧を発生させる。
【0030】
図1に示す例によれば、電子デバイス12は積層体18を含む。
【0031】
積層体18の層は、積層方向Zに沿って積層された層である。
【0032】
次に、積層方向Zに垂直な2つの長手方向、第1長手方向Xと第2長手方向Yが定義される。2つの長手方向XとYは互いに直交し、基準軸X、Y、Zが直行するように選択される。
【0033】
変形例では、第1長手方向Xと第2長手方向Yは、単に異なるだけであり、互いに直交していない。
【0034】
図1を参照すると、積層方向Zに関する下と上という相対的な概念も定義されている。ある層が他の層より下であるのは、図1におけるシート上の表示においてその層が下である場合である。
【0035】
最後に、層の厚さは、層の積層方向Zに沿った寸法、即ちその2つの面間の距離として定義される。
【0036】
図1に示す例によれば、積層体18は十字形に重ね合わされた積層体である。
【0037】
図4を参照して後述するように、他の形状も可能である。
【0038】
本実施例では、クロスは2つの分岐部20と22の接合によって形成され、第1分岐部20は第1長手方向Xに沿い、第2分岐部22は第2長手方向Yに沿う。
【0039】
図1に示す場合、下から上に向かって、電子デバイス12は、第1電極24、残留状態サブアセンブリ26、第1界面層28、2次元電子ガス30、第2界面層32、磁気サブアセンブリ34、および、第2電極36を含む。
【0040】
このような層の順序は限定的なものではなく、他の可能な順序については後述する。
【0041】
本実施例では、第1電極24は接点を含み、第2電極36は4つの接点を含むため、電子デバイス12は5つの接点を含む。
【0042】
また、以下では、第2電極36の接点をそれぞれ第1接点C1、第2接点C2、第3接点C3、第4接点C4と呼び、第1電極24の接点を第5接点C5と呼ぶ。
【0043】
各接点C1、C2、C3、C4、C5は、電気的接点である。
【0044】
図1の表示では、各接点C1、C2、C3、C4は、主方向に沿って延びる平行六面体の形で表されている。
【0045】
この形状は非限定的であるが、各接点C1、C2、C3、C4はそれぞれの主方向を有する。
【0046】
さらに、第2電極36における書き込みのための接点は、電極上のどこにあってもよいことに留意されたい。この接点は、上述の接点C1、C2、C3、C4のいずれかによって、あるいは、例えば第2電極36によって形成される十字の中心にある特定の接点によって形成することができる。
【0047】
図1の例によれば、第1電極24は接点C5を介して電気的に接続されている。各電極24または36は、積層体の両側に配置された導電層によって形成することができるが、積層体の外層の1つが導電性である場合、その層に関連する電極24または36は、そのような外層とすることができることに留意されたい。
【0048】
本実施例によれば、残留状態サブアセンブリ26は第1電極24上に配置される。
【0049】
本明細書では、「サブアセンブリ」という表現は、単層と層の集合の両方を指す。
【0050】
いずれにせよ、1つの層であろうと複数の層であろうと、残留状態サブアセンブリ26は、電気的に制御された不揮発性の誘電体素子を形成する。
【0051】
誘電体素子は、その面間に印加される電圧Vと、ヒステリシスサイクルに続く見かけ上の蓄積電荷Qとの間に非線形関係を有し、少なくとも2つの残留状態をもたらす。
【0052】
図2は、このような関係の一例を、電気的制御を伴う不揮発性誘電体のヒステリシスサイクルQ-V特性を示すことによって図式化したものである。図2からわかるように、ヒステリシスサイクルにはAとBで示される2つの残留状態が含まれる。
【0053】
このような非線形関係は、例えば、強誘電体効果、電荷トラップ効果、イオンマイグレーション効果、または、複数のこのような効果の組み合わせを用いた電気的制御から生じる。
【0054】
残留状態サブアセンブリ26を使用することにより、2次元電子ガス30の導電性を不揮発的に電気的に制御することが可能になる。
【0055】
いずれにしても、残留状態サブアセンブリ26は、電気的に制御可能な残留状態を有し、少なくとも1つの誘電体材料を含む。
【0056】
第1の実施例によれば、誘電体材料はABO型(AおよびBは陽イオン)のペロブスカイト構造である。このような構造は酸化物ペロブスカイト構造である。
【0057】
これにより、誘電体材料は、例えば、BaTiO、PZT(即ち、PbZr1-xTiであり、xが0と1の間で変化する)、PMN-PT(即ち、[1-x]Pb(Mg1/3Nb2/3)O - xPbTiOであり、xは0から1の間で変化する)、BiFeO(必要に応じて、例えば、Biサイトに希土類を、または、FeサイトにMnをドープしたもの)、SrTiO(必要に応じてドープ)、KTiO(必要に応じてドープ)、Pr0,7Ca0,3MnO(必要に応じてドープ)、または、YMnO(必要に応じてドープ)で形成される。
【0058】
第2の実施例によれば、誘電体材料は(Hf1-xZr)O、または、(Hf1-xGa)O(xは0から1の間で変化する)、または、その合金である。
【0059】
誘電体には、ポリフッ化ビニリデンも使用できる。
【0060】
このような第2の実施例では、第1の実施例とは異なり、誘電体材料はペロブスカイト構造を持たない。
【0061】
第3の実施例によれば、誘電体材料は強誘電体半導体である。
【0062】
必要に応じてドープされたGeTe、BiTeI、BiAlO、BiWOは、そのような強誘電体半導体材料の例である。
【0063】
第4の実施例によれば、誘電体材料は、以下の化合物、SiO、(Ta(TiO1-xまたは(Nb(TiNb1-x(xは0から1の間で変化する)の中から選択される。
【0064】
第5の実施例によれば、誘電体材料は、CsPbBr、MAPbI、MAPbBrなどのハロゲン化物ペロブスカイト構造の中から選択される。
【0065】
上述の各実施例において、残留状態の存在は、強誘電効果、電荷トラップ効果、イオンマイグレーション効果、または、複数のそのような効果の組み合わせに由来する。実際には、支配的な効果は誘電体層の堆積条件に依存する。本実施例によれば、誘電体素子の保磁力電界およびその厚さは、書き込みデバイス14がマイクロエレクトロニクス技術と整合性のある電圧、即ち、10ボルト未満(<10V)の電圧で残留状態を書き込むのに適するように十分に小さい。上述の材料を100nm未満、好ましくは50nm未満の厚さとすることにより、そのような特性を得ることができる。残留状態サブアセンブリ26は、繰り返しにも耐性があり、典型的には少なくとも10サイクルに耐えることができる。
【0066】
場合によっては、不揮発性電気制御特性を変調させるために、特定の基板を使用することが好ましい。
【0067】
2次元電子ガス30は、2つの層の界面に形成される閉じ込め電子ガスである。その閉じ込めは、ガスが厳密に2次元であると考えることができるものである。
【0068】
2次元電子ガス30は、積層体18の2つの層の界面に形成される。
【0069】
2次元電子ガス30の抵抗は、残留状態サブアセンブリ26の影響下で、より正確には残留状態サブアセンブリ26の残留状態を選択することによって、不揮発的に電気的に変調することができる。
【0070】
好ましくは、ホール効果の電気的変調を改善するために、2次元電子ガスは高いキャリア密度を持つ(典型的には1010cm-2より大きい)。
【0071】
磁気サブアセンブリ34は、電子デバイス12のホール効果への寄与を生じさせるのに適している。
【0072】
場合によって、それは、異常ホール効果、平面ホール効果、あるいは双極子場の発生に関係する。後者の場合、ホール効果に寄与するのは、2次元電子ガスに対する双極子場の作用である。
【0073】
磁気サブアセンブリ34は、少なくとも1つの磁性層を含む。
【0074】
例えば、磁気サブアセンブリ34は、1つまたは複数の材料からなり、少なくとも1つの強磁性素子、フェリ磁性素子、または反強磁性素子を備える。
【0075】
変形例または追加例として、磁気サブアセンブリ34は、磁化アンカー層、即ち、磁化の方向を設定することを意図した層をさらに含む。
【0076】
第1のケースによれば、磁気サブアセンブリは強磁性材料を含む。
【0077】
第1の実施例によれば、強磁性材料は、Co、Fe、B、Ni、Alなどの元素からなる強磁性金属合金である。
【0078】
第2の実施例によれば、磁性材料は強磁性酸化物である。
【0079】
第3の実施例によれば、強磁性材料は磁性半導体である。
【0080】
第4の実施例によれば、磁性材料は[FM/M]/FM型の複合強磁性素子、即ち、複数の強磁性層FMと金属層Mとに接合された積層体である。
【0081】
nは1から10の間で変化する。
【0082】
強磁性材料FMは、例えば、最初の3つの実施例の材料である。
【0083】
金属材料Mは、Al、Ta、Ru、Pt、W、Ir、Mo、Ti、Y、および、Auから選択される。
【0084】
第5の実施例によれば、強磁性材料はホイスラー合金である。CuMnAl、CuMnIn、CuMnSn、NfiMnAl、NfiMnln、NfiMnSn、NfiMnSb、NiMnGa、CoMnAl、CoMnSi、CoMnGa、CoMnGe、PdMnAl、PdMnIn、PdMnSn、PdMnSb、CoFeSi、CoFeAl、FeVAl、MnVGa、CoFeGe、MnGa、または、MnGaRuは、ホイスラー合金の例である。
【0085】
第6の実施例によれば、強磁性材料は、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dyなどの希土類を含む合金で製造することができる。
【0086】
第2の実施例によれば、磁気サブアセンブリ34は、例えば、フェリ磁性金属合金、フェリ磁性酸化物、複数の強磁性層またはフェリ磁性層および金属層を有する複合フェリ磁性素子、ホイスラー合金または希土類フェリ磁性合金、またはそのような材料の組み合わせから選択される少なくとも1つのフェリ磁性素子を含む。
【0087】
第3の実施例によれば、磁気サブアセンブリ34は、例えば、反強磁性金属合金、反強磁性酸化物、互いに反強磁性的に接合された複数の磁性層および金属層を有する複合反強磁性素子、またはそのような材料の組み合わせから選択される少なくとも1つの反強磁性素子を含む。
【0088】
磁気サブアセンブリ34の厚さは、ホール効果読み出しデバイス16のホール効果による読み出しを最適化するように、小さい(典型的には100nm未満)。
【0089】
さらに、材料の選択は、ホール効果読み出しデバイス16によって利用されるホール効果の性質によって変わり得る。
【0090】
異常ホール効果を利用するホール効果読み出しデバイス16の場合、垂直磁化を呈する材料を選択することが好ましく、好適には異常ホール効果角が0.5%より大きい材料を選択することが好ましい。
【0091】
平面ホール効果を得るためには、0.5%を超える異方性磁気抵抗を有する平面磁性材料を選択することが好ましい。
【0092】
最後に、通常のホール効果測定の場合、強磁性サブアセンブリによって2次元電子ガス中に生成される減磁場を介して、高い磁化を持つ材料、即ち、μ>0.2テスラ(T)のような材料を使用することが好ましい。
【0093】
図1に示す実施例によれば、電子デバイス12は、界面層28および32である2つの追加層を含む。
【0094】
その位置および/または組成に応じて、各界面層28および32は、2次元電子ガス30を保護する機能、2次元電子ガス30の形成に寄与する機能、その輸送特性を改善する機能、電子デバイス12の電子輸送特性を改善する機能、および/またはホール効果読み出しデバイス16による読み出しを容易にするためにホール効果の電気的変調を改善する機能のうちの1つまたは複数の機能を果たす。
【0095】
各界面層28および32は、例えば、10nm以下の比較的薄い厚さを有する。
【0096】
一例として、界面層28または32は、Al、Ta、Ru、Pt、W、Ir、Mo、Ti、Y、Auのような周期表の3d、4d、5d、4f、5f列の元素、またはPtWのような元素の組み合わせからなる層である。
【0097】
他の実施例によれば、界面層28または32は、スピン軌道相互作用の強い材料で形成された層である。
【0098】
強いスピン軌道を有する材料は、充電電流をスピン電流に変換するための材料である。
【0099】
例えば、強いスピン軌道相互作用を有する材料としては、タンタル(β-Ta)、BiSb、Ta、β-タングステン(β-W)、W、Ptなどが挙げられる。
【0100】
第2の実施例によれば、スピン軌道相互作用の強い材料は、周期表の3d、4d、5d、4f、5f列の元素、例えば、W、Ta、BiをドープしたCuまたはAuであり、大きなスピン軌道効果を得ることができ、PtWのように5d元素の組み合わせも可能である。
【0101】
第3の実施例によれば、強いスピン軌道相互作用を有する材料は2次元スピン軌道材料である。
【0102】
2次元スピン軌道材料の例として、以下の材料、グラフェン、BiSe、BiS、BiSeTe2-x(xは0から2の間で変化する)、BiS、TiS、WS、MoS、TiSe、VSe、MoSe、B、SbS、T0,75S、Re、LaCPS、LaOAsS、ScOBiS、GaOBiS、AIOBiS、LaOSbS、BiOBiS、YOBiS、InOBiS、LaOBiSe、TiOBiS、CeOBiS、PrOBiS、NdOBiS、LaOBiS、またはSrFBiSを挙げることができる。
【0103】
必要に応じて、上記の材料をドープすることもできる。
【0104】
第4の実施例によれば、強いスピン軌道相互作用を有する材料はトポロジカル絶縁体である。トポロジカル絶縁体とは、絶縁体バンド構造を有し、金属表面状態を有する物質である。
【0105】
例えば、強いスピン軌道相互作用を有する材料は、BiSE、BiSbTe、SbTe、HgTe、α-Snである。
【0106】
第5の実施例によれば、強いスピン軌道相互作用を有する材料はワイル半金属である。
【0107】
その場合、強いスピン軌道相互作用を有する材料は、例えば、TaAs、TaP、NbAs、NbP、NaBi、CdAs、WTe、または、MoTeである。
【0108】
さらに、材料への照射は、HeイオンやArイオンなどのイオンで行うことができる。
【0109】
第6の実施例によれば、スピン軌道層の材料は遷移金属ジカルコゲナイドであり、好ましくはROChジカルコゲナイドである。実際、このような材料は良好なラシュバ効果を示す。
【0110】
このような式において、「R」は例えばLa、Ce、Pr、Nd、Sr、Ga、Al、Inの中から選ばれ、「Ch」はS、Se、Teの中から選ばれる。
【0111】
第2電極36は、2つの分岐部20、22と、4つの接点、即ち、第1接点C1、第2接点C2、第3接点C3、第4接点C4を含む。
【0112】
分岐部20および22は、2次元電子ガス30または磁気サブアセンブリ34のいずれかと接触または接合している。
【0113】
接点C1、C2、C3、C4は、対をなして対向している。
【0114】
これにより、本実施例では、第2接点C2と第4接点C4は、一対の対向する接点を形成し、それぞれ主に同じ方向、即ち、第1長手方向Xに沿って延びる。第1接点C1と第3接点C3は、対向する他の接点の組を形成し、それぞれ主に同じ方向、即ち、第2長手方向Yに沿って延びる。
【0115】
次に、図3を参照して、システムの動作について説明する。
【0116】
図2を参照して説明したように、残留状態サブアセンブリ26は、AおよびBで示される2つの残留状態を含む。
【0117】
書き込みモードにおいて、書き込みデバイス14は、第1電極24と第2電極36との間に電圧を印加することによって状態を変化させる。
【0118】
本実施例によれば、図1に点線で示すように、書き込みデバイス14は、第1接点C1と第5接点C5との間に電圧を印加することによって書き込みを行う。本明細書では、第2電極36の任意の接点を使用することができる。
【0119】
その結果、書き込みデバイス14は、例えば、第2電極36を正または負に充電する役割を果たすトランジスタとなる。
【0120】
ホール効果読み出しデバイス16による残留状態AまたはBの読み出しメカニズムには、ホール効果が関与している。
【0121】
この目的のために、ホール効果読み出しデバイス16は、第1接点C1と第3接点C3との間に電流が印加されたときに、電位差、即ち、第2接点C2と第4接点C4との間にホール効果によって生じる電圧を測定する。
【0122】
第4接点C4(本実施形態では追加接点と見なすことができる)がない場合、基準電位は、第3接点C3の電位、またはシステム外部の他の接点(例えば、アース電位)の電位とすることができる。
【0123】
ホール効果による読み出しは、印加される読み出し電流に垂直な磁気サブスタック34のホール抵抗を測定することによって実行される。
【0124】
これにより、ホール効果読み出しデバイス16は、電流を注入するためのユニットと、ホール電圧を測定するためのユニットとを含む。一例として、電流注入ユニットは、書き込みデバイス14のトランジスタとは異なるトランジスタである。
【0125】
図3のグラフは、このような測定によって2つの状態を決定することが可能であることを明確に示している。実際、図3のグラフは、第1接点C1と第3接点C3との間に10マイクロアンペア(μA)の電流を印加しているときに、第2接点C2と第4接点C4との間で測定された、磁気サブスタック34における異常(Anomalous)ホール効果(AHE)と平面ホール効果(PHE)の印加電圧依存性を示している。
【0126】
これにより、ホール効果による読み出しは、読み出しが残留状態サブアセンブリ26の状態を変化させないという意味で、非破壊的である。
【0127】
その結果、電子システム10は、独自の方法で、2次元電子ガス30と、ホール効果による読み出しのための磁気サブアセンブリ34とを組み合わせており、非破壊で、電気的制御を伴うあらゆるタイプの不揮発性誘電体素子と互換性がある。実際、誘電体素子が強誘電体効果、電荷トラップ効果、イオンマイグレーション効果、フィラメント形成効果、または、これらの効果の組み合わせに基づくものであるか否かは問わない。
【0128】
2次元電子ガス30と磁気サブアセンブリ34の組み合わせにより、ホール効果が増大し、信頼性が高く再現性のある検出が可能になる。
【0129】
その結果、電子システム10に対する書き込みと読み出しの性能が向上する。
【0130】
さらに、電子デバイス12の製造は、本明細書においてアセンブリ18を厚さ全体にわたってリソグラフィおよびエッチングすることができる限り、比較的容易である。
【0131】
電子システム10を有する他の実施形態も考えられる。
【0132】
第1の実施例によれば、電子デバイス12は界面層を持たないか、1層のみを含む。
【0133】
他の変形例によれば、デバイスは、積層体18を下から上に向かって横切るとき、層が異なる順序で配置された積層体18を含む。
【0134】
これから説明する各実施形態において存在してもしなくてもよい界面層を考慮しないことにより、図1に示す積層体18は、下から上に向かって、残留状態サブアセンブリ26、2次元ガス層30、および磁気サブアセンブリ34を提示している。
【0135】
さらに他の実施例によれば、残留状態サブアセンブリ26、次に磁気サブアセンブリ34、次に2次元ガス層30の順である。
【0136】
さらに、場合によって、第1電極24は、上部に(上部電極として)または下部に(下部電極として)配置することができる。第1の場合、第1電極24の接点C1~C4は、積層体18の他の層に対して最後に堆積されるが、第2の場合、同じものが最初に堆積される。
【0137】
図1の場合について説明した動作と利点は、主要な層の順序が異なる実施形態でも変わらない。あるいは、2つの電極24と26の間の層の順序は必要に応じて変えることができ、2つの電極24と26は積層体18の両端に配置される。
【0138】
デバイスの他の実施形態を図4に示す。
【0139】
当該実施例では、第4接点C4が除去される。
【0140】
このデバイスは、十字形ではなく「T」字形に重ね合わせた積層体を示す。
【0141】
ホール電圧は、第2接点C2と基準電位との間で読み出される。
【0142】
基準電位は、例えば、第1接点C1または第3接点C3の電位である。
【0143】
その結果、例えば、デバイス12の密度を最適化することができる。
【0144】
図1の場合と同様に、主要層の順序は同様に変えることができ、界面層28および32はあってもなくてもよいことに留意されたい。
【0145】
図5図6を参照すると、複数の電子デバイス12を備えた電子システム10も考えられる。
【0146】
図5の場合は、電子デバイス12がアレイを形成するように接続されている場合に相当する。
【0147】
アレイは、行にn個の電子デバイス12、列にm個の電子デバイス12を備え、mとnは整数であり、そのうちの少なくとも1つは2以上である。
【0148】
図示の例では、ある行の電子デバイス12の第3接点C3は、リンク38を介して、同じ行の隣接する電子デバイス12の第1接点C1に接続されている。
【0149】
列に関しては、電子デバイス12の第4接点C4は、リンク40を介して、同じ列の隣接する電子デバイス12の第2接点C2に接続されている。
【0150】
このような構成は、読み出し電流を複数の電子デバイスに流すため、および/または、読み出し電圧を合計するために使用される。それによって読み出しが改善される。
【0151】
図1の場合と同様に、主要な層の順序は同様に変えることができることに留意されたい。
【0152】
図4の場合のように、第4接点C4を電子デバイス12の一部または全部から取り外すことも可能であることに留意されたい。
【0153】
図6は、電子デバイス12がカスケード接続されている場合を示している。
【0154】
このような例では、n個の電子デバイス12が次々に接続される。
【0155】
より正確には、電子デバイス12の第4接点C4は、リンク42を介して後続の電子デバイス12の第5接点に接続されている。
【0156】
これにより、電子デバイス12間の接続は、電子デバイス12によって生成されるホール電圧が、残留状態サブスタック26の状態を変化させることを可能にするように行われる。
【0157】
このようにして実際には、電子システム10にカスケード効果を生じさせることが可能であり、これは論理的またはニューロモルフィックな応用に有利である。
【0158】
ここでもまた、図1と同様に、主要な層の順番は様々である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-04-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0158
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0158】
ここでもまた、図1と同様に、主要な層の順番は様々である。
[構成1]
電気的制御による不揮発性の書き込みと、ホール効果による読み出しを備えた電子システム(10)であって、
積層方向(Z)に沿って積層された積層体(18)を含む電子デバイス(12)であって、前記積層体(18)は、
第1電極(24)と、
残留状態サブアセンブリ(26)が電気的に制御可能な少なくとも2つの残留状態を有するように、少なくとも1つの誘電体層を備える残留状態サブアセンブリ(26)と、
抵抗を有する2次元電子ガス(30)と、
少なくとも1つの磁性層を備える磁気サブアセンブリ(34)と、
各々が第1方向に沿って延在する2つの第1接点(C1、C3)と、第2方向に沿って延在する第2接点(C2、C4)とを含む第2電極(36)であって、前記第2方向は前記第1方向とは異なり、前記第1方向および第2方向は、前記積層体(Z)の方向に対して垂直な平面内にある、第2電極(36)と、
を備える、電子デバイス(12)と、
前記2次元電子ガス(30)の前記抵抗を変化させる前記第1電極(24)と前記第2電極(36)との間に電界を印加することによって、前記残留状態サブアセンブリ(26)の残留状態を書き込むように適合された書き込みデバイス(14)と、
前記2つの第1接点(C1、C3)間に電流を印加し、前記第2接点(C2、C4)と基準電位との間の電圧を測定することによって、前記残留状態サブアセンブリ(26)の前記残留状態を読み出すように適合されたホール効果読み出しデバイス(16)と、
を備える電子システム。
[構成2]
前記第1電極(24)は、少なくとも1つの接点(C5)を有し、前記書き込みデバイス(14)は、前記第1電極(24)の前記少なくとも1つの接点(C5)と前記第2電極(36)の少なくとも1つの接点(C1、C2、C3、C4)との間に前記電界を印加する、構成1に記載の電子システム。
[構成3]
前記第1電極(24)が前記残留状態サブアセンブリ(26)と接触し、
前記第1電極(24)は、前記残留状態サブアセンブリ(26)と接合し、
前記第2電極(36)は、前記2次元電子ガス(30)と接触し、
前記第2電極(36)は、前記2次元電子ガス(30)と接合し、
前記第2電極(36)は、前記磁気サブアセンブリ(34)と接触し、
前記第2電極(36)は、前記磁気サブアセンブリ(34)と接合する、
特性のうちの少なくとも1つが実証されている、構成1または2に記載の電子システム。
[構成4]
前記第2電極(36)は、少なくとも追加の接点(C2、C4)を含み、前記基準電位は、前記追加の接点(C4)の電位である、構成1乃至3のいずれか一項に記載の電子システム。
[構成5]
電気的に制御可能な前記残留状態サブアセンブリ(26)の前記残留状態は、強誘電効果、電荷トラップ効果、イオンマイグレーション効果、または前記効果の組み合わせによって制御可能である、構成1乃至4のいずれか一項に記載の電子システム。
[構成6]
前記2次元電子ガス(30)は、1010cm-2より大きいキャリア密度を有する、構成1乃至5のいずれか一項に記載の電子システム。
[構成7]
前記磁気サブアセンブリ(34)は、強磁性金属合金、強磁性酸化物、磁性半導体、複数の強磁性層および金属層を有する複合強磁性素子、ホイスラー合金、希土類合金、または、これらの材料の組み合わせの中から選択された少なくとも1つの強磁性素子を備える、構成1乃至6のいずれか一項に記載の電子システム。
[構成8]
前記磁気サブアセンブリ(34)は、フェリ磁性金属合金、フェリ磁性酸化物、複数の強磁性層またはフェリ磁性層および金属層を有する複合フェリ磁性素子、希土類フェリ磁性合金、または、これらの材料の組み合わせの中から選択された少なくとも1つのフェリ磁性素子を備える、構成1乃至6のいずれか一項に記載の電子システム。
[構成9]
前記磁気サブアセンブリ(34)は、反強磁性金属合金、反強磁性酸化物、互いに反強磁性的に接合された複数の磁性層および金属層を有する複合反強磁性素子、または、そのような材料の組み合わせの中から選択される少なくとも1つの反強磁性素子を備える、構成1乃至6のいずれか一項に記載の電子システム。
[構成10]
前記残留状態サブアセンブリ(26)は、非強磁性および非フェリ磁性である、構成1乃至9のいずれか一項に記載の電子システム。
[構成11]
前記積層体(18)は、2つの端部間に延在し、一方の端部は前記第1電極(24)であり、他方の端部は前記第2電極(36)である、構成1乃至10のいずれか一項に記載の電子システム。
[構成12]
前記磁気サブアセンブリ(34)は、0.5%より大きい異常ホール効果を有する材料、および、0.5%より大きい磁気抵抗を有する材料から選択される少なくとも1つの磁気素子を備える、構成1乃至11のいずれか一項に記載の電子システム。
[構成13]
前記積層体(18)は、少なくとも1つの界面層(28、32)をさらに含み、前記界面層(28、32)は、非磁性金属層およびスピン軌道効果を示す層から選択される少なくとも1つの層を含む、構成1乃至12のいずれか一項に記載の電子システム。
[構成14]
前記界面層(28、32)は、金属、ワイル半金属、2次元材料、遷移金属ジカルコゲナイドおよびトポロジカル絶縁体のうちの少なくとも1つの要素を含む、構成13に記載の電子システム。
[構成15]
前記電子システム(10)は、少なくとも他の電子デバイス(12)を含み、全ての前記電子デバイス(12)は、カスケード状またはアレイ状に配置され、各他の電子デバイス(12)は、前記積層方向(Z)に沿って積層された積層体(18)を含む、構成1乃至14のいずれか一項に記載の電子システム。
[構成16]
電子デバイス(12)の前記第1電極(24)は、隣接する電子デバイス(12)の第2電極(36)に接続されている、構成15に記載の電子システム。
[構成17]
電子デバイス(12)の前記第2電極(36)の前記接点(C1、C2、C3、C4)のうちの1つが、隣接する電子デバイス(12)の前記第2電極(36)の前記接点(C1、C2、C3、C4)のうちの1つに接続されている、構成16に記載の電子システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的制御による不揮発性の書き込みと、ホール効果による読み出しを備えた電子システム(10)であって、
積層方向(Z)に沿って積層された積層体(18)を含む電子デバイス(12)であって、前記積層体(18)は、
第1電極(24)と、
残留状態サブアセンブリ(26)が電気的に制御可能な少なくとも2つの残留状態を有するように、少なくとも1つの誘電体層を備える残留状態サブアセンブリ(26)と、
抵抗を有する2次元電子ガス(30)と、
少なくとも1つの磁性層を備える磁気サブアセンブリ(34)と、
各々が第1方向に沿って延在する2つの第1接点(C1、C3)と、第2方向に沿って延在する第2接点(C2、C4)とを含む第2電極(36)であって、前記第2方向は前記第1方向とは異なり、前記第1方向および第2方向は、前記積層体(Z)の方向に対して垂直な平面内にある、第2電極(36)と、
を備える、電子デバイス(12)と、
前記2次元電子ガス(30)の前記抵抗を変化させる前記第1電極(24)と前記第2電極(36)との間に電界を印加することによって、前記残留状態サブアセンブリ(26)の残留状態を書き込むように適合された書き込みデバイス(14)と、
前記2つの第1接点(C1、C3)間に電流を印加し、前記第2接点(C2、C4)と基準電位との間の電圧を測定することによって、前記残留状態サブアセンブリ(26)の前記残留状態を読み出すように適合されたホール効果読み出しデバイス(16)と、
を備える電子システム。
【請求項2】
前記第1電極(24)は、少なくとも1つの接点(C5)を有し、前記書き込みデバイス(14)は、前記第1電極(24)の前記少なくとも1つの接点(C5)と前記第2電極(36)の少なくとも1つの接点(C1、C2、C3、C4)との間に前記電界を印加する、請求項1に記載の電子システム。
【請求項3】
前記第1電極(24)が前記残留状態サブアセンブリ(26)と接触し、
前記第1電極(24)は、前記残留状態サブアセンブリ(26)と接合し、
前記第2電極(36)は、前記2次元電子ガス(30)と接触し、
前記第2電極(36)は、前記2次元電子ガス(30)と接合し、
前記第2電極(36)は、前記磁気サブアセンブリ(34)と接触し、
前記第2電極(36)は、前記磁気サブアセンブリ(34)と接合する、
特性のうちの少なくとも1つが実証されている、請求項1または2に記載の電子システム。
【請求項4】
前記第2電極(36)は、少なくとも追加の接点(C2、C4)を含み、前記基準電位は、前記追加の接点(C4)の電位である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電子システム。
【請求項5】
電気的に制御可能な前記残留状態サブアセンブリ(26)の前記残留状態は、強誘電効果、電荷トラップ効果、イオンマイグレーション効果、または前記効果の組み合わせによって制御可能である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電子システム。
【請求項6】
前記2次元電子ガス(30)は、1010cm-2より大きいキャリア密度を有する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電子システム。
【請求項7】
前記磁気サブアセンブリ(34)は、強磁性金属合金、強磁性酸化物、磁性半導体、複数の強磁性層および金属層を有する複合強磁性素子、ホイスラー合金、希土類合金、および、これらの材料の組み合わせからなるリストにおいて選択された少なくとも1つの強磁性素子を備える、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電子システム。
【請求項8】
前記磁気サブアセンブリ(34)は、フェリ磁性金属合金、フェリ磁性酸化物、複数の強磁性層またはフェリ磁性層および金属層を有する複合フェリ磁性素子、希土類フェリ磁性合金、および、これらの材料の組み合わせからなるリストにおいて選択された少なくとも1つのフェリ磁性素子を備える、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電子システム。
【請求項9】
前記磁気サブアセンブリ(34)は、反強磁性金属合金、反強磁性酸化物、互いに反強磁性的に接合された複数の磁性層および金属層を有する複合反強磁性素子、または、そのような材料の組み合わせからなるリストにおいて選択される少なくとも1つの反強磁性素子を備える、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電子システム。
【請求項10】
前記残留状態サブアセンブリ(26)は、非強磁性および非フェリ磁性である、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の電子システム。
【請求項11】
前記積層体(18)は、2つの端部間に延在し、一方の端部は前記第1電極(24)であり、他方の端部は前記第2電極(36)である、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の電子システム。
【請求項12】
前記磁気サブアセンブリ(34)は、0.5%より大きい異常ホール効果を有する材料、および、0.5%より大きい磁気抵抗を有する材料からなるリストにおいて選択される少なくとも1つの磁気素子を備える、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の電子システム。
【請求項13】
前記積層体(18)は、少なくとも1つの界面層(28、32)をさらに含み、前記界面層(28、32)は、非磁性金属層およびスピン軌道効果を示す層から選択される少なくとも1つの層を含む、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の電子システム。
【請求項14】
前記界面層(28、32)は、金属、ワイル半金属、2次元材料、遷移金属ジカルコゲナイドおよびトポロジカル絶縁体からなるリストにおいて選択される少なくとも1つの要素を含む、請求項13に記載の電子システム。
【請求項15】
前記電子システム(10)は、少なくとも他の電子デバイス(12)を含み、全ての前記電子デバイス(12)は、カスケード状またはアレイ状に配置され、各他の電子デバイス(12)は、前記積層方向(Z)に沿って積層された積層体(18)を含む、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の電子システム。
【請求項16】
電子デバイス(12)の前記第1電極(24)は、隣接する電子デバイス(12)の第2電極(36)に接続されている、請求項15に記載の電子システム。
【請求項17】
電子デバイス(12)の前記第2電極(36)の前記接点(C1、C2、C3、C4)のうちの1つが、隣接する電子デバイス(12)の前記第2電極(36)の前記接点(C1、C2、C3、C4)のうちの1つに接続されている、請求項16に記載の電子システム。
【国際調査報告】