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特表2024-528233レコフラボン(recoflavone)を含む眼球乾燥症を処置するための点眼組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】レコフラボン(recoflavone)を含む眼球乾燥症を処置するための点眼組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/352 20060101AFI20240719BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20240719BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20240719BHJP
   A61K 47/14 20170101ALI20240719BHJP
【FI】
A61K31/352
A61P27/02
A61K47/10
A61K47/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506784
(86)(22)【出願日】2022-08-04
(85)【翻訳文提出日】2024-03-21
(86)【国際出願番号】 KR2022011562
(87)【国際公開番号】W WO2023014113
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】10-2021-0103199
(32)【優先日】2021-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509188045
【氏名又は名称】ジーエル・ファームテック・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】キム,ウンジョン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ジュンサン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA12
4C076BB24
4C076CC10
4C076DD22
4C076DD23
4C076DD30
4C076DD38
4C076DD44
4C076DD49
4C076DD67
4C076EE06
4C076EE23
4C076EE32
4C086AA01
4C086AA02
4C086BA08
4C086MA02
4C086MA05
4C086MA58
4C086NA14
4C086ZA33
(57)【要約】
本発明は、レコフラボン(recoflavone)を含み、眼球乾燥症を処置するための点眼剤に関する。具体的には、眼球乾燥症の症状を最大限に改善するために、本発明は、有効成分であるレコフラボンがin vivoで角膜を十分に浸透して、有効な医薬効果を示すことを可能にするように、主成分を特定濃度以上で含有しかつ少なくとも1種のポリオキシエチレンヒマシ油誘導体又はポロキサマーを浸透促進剤として含有する、点眼組成物に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライアイ疾患を処置するための眼科用組成物であって、
5%(w/v)以上のレコフラボン(recoflavone)又はその薬学的に許容し得る塩と、
単独で又は組み合わせで、0.1~5.0%(w/v) ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体又はポロキサマーとを含む、
眼科用組成物。
【請求項2】
ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体が、ポリオキシル35ヒマシ油である、請求項1記載のドライアイ疾患を処置するための眼科用組成物。
【請求項3】
ポロキサマーが、ポロキサマー407である、請求項1記載のドライアイ疾患を処置するための眼科用組成物。
【請求項4】
ドライアイ疾患を処置するための眼科用組成物が、5%(w/v)~10%(w/v)のレコフラボン(recoflavone)又はその薬学的に許容し得る塩を含む、請求項1記載のドライアイ疾患を処置するための眼科用組成物。
【請求項5】
ドライアイ疾患を処置するための眼科用組成物が、5.0~7.0の範囲のpHを有する、請求項1記載のドライアイ疾患を処置するための眼科用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、3’,4’,5-トリメトキシフラボン誘導体化合物であるレコフラボン(recoflavone)を含有し、ドライアイ疾患を処置するための眼科用組成物に関する。具体的には、ドライアイの症状を最大限に改善するために、本発明は、有効成分であるレコフラボンがin vivoで角膜を十分に浸透して、顕著な治療効果を示すことができるように、特定濃度の有効成分及び浸透促進剤であるポリオキシエチレンヒマシ油誘導体又はポロキサマーのうちの少なくとも一方を含有する、眼科用組成物に関する。
【0002】
背景美術
ドライアイ疾患は、涙液欠乏又は過剰な涙液の蒸発により生じる涙膜の浸透圧の上昇及び涙液のホメオスタシスの喪失により、眼球表面に炎症を生じ、眼に不快感を感じる疾患として公知である。一方、ドライアイについての適切な定義に関して、ほんの数年前まで多くの論争があり、Tear Film and Ocular Surface Society(TFOS)は、2017年にドライアイ疾患を以下のように定義した:「ドライアイ疾患は、涙膜のホメオスタシスの喪失を特徴とし、眼症状を伴う眼球表面の多因子疾患であり、この症状において、涙膜の不安定性、高浸透圧性、眼球表面の炎症及び損傷並びに神経感覚異常が、病因的役割を果たす(TFOS DEWS II introduction. Ocul. Surf. 2017, 15, 269-275)。ドライアイ疾患の診断は、症状についての問診、涙液量、涙液層破壊時間、涙液浸透圧、角結膜染色及び脂質層又はマイボーム腺の分析等の方法を使用することにより行われ、ドライアイ疾患の程度に応じて、人工涙液、抗炎症剤、涙液分泌促進剤、自己血清及び眼瞼下垂処置が処置に使用される(J. Korean Med. Assoc. 2018, 61(6), 352-364)。
【0003】
ドライアイ疾患の処置には、眼潤滑剤、例えば、人工涙液による涙液補充アプローチが最も一般的に使用されており、その典型的な例は、ヒアルロン酸ナトリウム又はカルボキシメチルセルロースナトリウムを含有する点眼剤である。抗炎症療法には、シクロスポリン製剤を使用して、角結膜上皮における免疫活性マーカー(例えば、ヒト白血球抗原-抗原D関連)、アポトーシスマーカー(例えば、Fas)及び炎症性サイトカイン(例えば、インターロイキン-6)を減少させ、眼球表面の炎症を処置し、ドライアイの症状を改善する。近年開発されたジクアホソル(ジクアホソル四ナトリウム)製剤は、P2Y2レセプターアゴニストであり、涙液の水性成分及び粘液成分の分泌促進を示す。日本では、レバミピド懸濁製剤が、眼球内の杯細胞密度を向上させ、涙液の粘液成分及び水性成分を増加させるのに有効であることが証明されており、ドライアイ疾患のための治療剤として使用されている。
【0004】
レコフラボン(recoflavone)は、3’,4’,5-トリメトキシフラボン誘導体化合物C2018であり、2-((2-(3,4-ジメトキシフェニル)-5-メトキシ-4-オキソ-4H-クロメン-7-イル)オキシ)酢酸の分子量は、386.4である。
【0005】
KR第10-0447918号、同第10-0327621号及び同第10-0644928号には、レコフラボンの抗炎症作用及び胃粘液分泌促進による消化器疾患、例えば、胃炎及び胃潰瘍並びに炎症性腸疾患、例えば、クローン病及び大腸炎への適用性が開示されている。KR第10-0930467号には、レコフラボンを含む3’,4’,5-トリメトキシフラボン誘導体化合物の結膜粘液分泌促進作用及びドライアイ疾患を治療し、予防するための薬剤としての適用性が開示されている。
【0006】
KR第10-0644928号には、レコフラボンをそのまま無水物の形で使用することができるが、その吸湿性のために、取扱い及び管理に問題が生じ、水和物として使用すれば、それを改善することができることが記載されている。
【0007】
レコフラボンは、水にほとんど溶けない。レコフラボンは、低いpHでは、溶解度が低いという性質を有する。pHが高くなるにつれて、レコフラボンはイオン化し、その溶解度が高くなる。ただし、溶けたとしても、レコフラボンは、イオン化度が高いために、細胞浸透性が乏しく、体内への吸収に問題がある場合がある。実際、3% 点眼剤をウサギの眼に投与し、経時的に眼の各組織における薬剤分布を評価したところ、レコフラボンは、眼球内部に位置する組織にはほとんど分布しておらず、主に、眼球外部の周辺組織、例えば、角膜、結膜及び強膜に分布しているという結果が示された。特に、角膜における薬剤濃度は、投与直後には高かったが、時間の経過とともに急速に低下し、薬剤は、主に、結膜及び強膜に分布しているという結果が示された(データを示さず)。
【0008】
したがって、ドライアイ疾患の症状全般に対して顕著な治療効果を示すことができるように、レコフラボンの点眼製剤をin vivoで角結膜に一定量以上浸透させることができることが求められている。
【0009】
先行技術文献
特許文献
(特許文献1)KR第10-0327621号
(特許文献2)KR第10-0447918号
(特許文献3)KR第10-0644928号
(特許文献4)KR第10-0930467号
非特許文献
(非特許文献1)TFOS DEWS II introduction. Ocul. Surf. 2017, 15, 269-275
(非特許文献2)J. Korean Med. Assoc. 2018, 61(6), 352-364
(非特許文献3)Invest. Ophthalmol. Vis. Sci., 2014, 55(10), 6569~6574
【0010】
発明の開示
技術的課題
本発明は、レコフラボン(recoflavone)を含有し、ドライアイ疾患を処置するための眼科用組成物に関し、レコフラボンがドライアイ疾患の症状全般に対して顕著な治療効果を示すことができるように、有効成分をin vivoで角結膜に一定量以上浸透させることができる眼科用組成物を提供する。
【0011】
KR第10-0930467号には、レコフラボンが、低薬剤濃度でのドライアイ疾患のための幾つかの証拠、例えば、粘液分泌の促進を示し、ドライアイ疾患の治療剤として開発される可能性があったことが開示されている。
【0012】
通常、眼の角結膜に傷が生じると、主要なムチンタンパク質、例えば、MUC1、MUC4、MUC16及びMUC5ACの発現が増加する。一方、ドライアイ疾患を有する患者は、角膜が傷つき易いにもかかわらず、粘液分泌が十分でないため、不快感を訴える。ヒト角結膜上皮細胞におけるレコフラボンによる薬理学的ムチン分泌を研究したところ、有効成分の100μM 溶液を適用した場合、ムチン層の厚みが顕著に厚くなることが確認された。一方、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(PCR)から、ドライアイの症状に関連するムチンタンパク質であるMUC1、MUC4、MUC16及びMUC5ACは、4時間顕著に増加し、ついで、急速に減少する傾向を示すことが確認された。また、ウェスタンブロット分析では、MUC5ACのみが増加傾向を示し、他のものはその傾向を示さなかった(Investigative Ophthalmology and Visual Science, 2014, 55(10), 6565~6574)。これらの結果から、ドライアイ疾患が種々の要因により生じる種々の症状を有することを考慮すると、レコフラボンの薬理作用によっては、ドライアイの症状の一部しか改善することができず、効率的な治療剤への発展性が制限されるおそれがあることが示唆された。
【0013】
ドライアイ疾患の治療剤としてレコフラボンを含有する製剤を開発する過程で、単に溶解させた状態の低薬剤濃度では、in vivo研究においてドライアイの症状全般を効果的に改善することが困難であることが確認された。本発明により、レコフラボンがin vivoで組織及び細胞に一定量以上浸透することができるだけで、ドライアイの症状全般を効果的に改善することができることが見出された。ついで、ドライアイ疾患の実用的な治療剤として開発することができた。したがって、本発明において、角膜を効率的に浸透して、眼の組織及び細胞においてドライアイの症状全般を顕著に改善することができる、レコフラボン含有製剤を開発する必要がある。
【0014】
課題の解決手段
本発明は、レコフラボン(recoflavone)を含有する眼科用組成物であって、角結膜に効率的に浸透して、眼の組織及び細胞においてドライアイの症状を顕著に改善する、眼科用組成物を提供する。具体的には、本発明は、眼科用組成物であって、
a)点眼中のレコフラボンの有効濃度が、5%(w/v)以上であり、
b)該眼科用組成物が、少なくとも1種の浸透促進剤を含み、
c)該眼科用組成物が、場合により、粘性剤(viscosity agent)、等張化剤、緩衝剤、pH調整剤及び保存剤をさらに含む場合がある、
眼科用組成物を提供する。
【0015】
本発明の有利な効果
本発明は、ドライアイ疾患を処置するためのレコフラボン(recoflavone)含有眼科用組成物のin vivoでの角結膜浸透量を増加させることにより、ドライアイ疾患の症状を効果的に改善することができる。特に、本発明は、ドライアイ疾患の徴候全般、例えば、涙液分泌量、角膜蛍光染色スコア、角膜上皮細胞の剥離、角膜表面の凹凸、結膜杯細胞密度及びムチン細胞密度を改善することにより、ドライアイ疾患を処置するための実用的かつ効率的な眼科用組成物を提供する。
【0016】
本発明の効果は、上記された効果に限定されるものではなく、種々の効果を以下の説明から当業者に自明な範囲内で含ませることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、ミニブタ角膜におけるレコフラボン(recoflavone)の6時間での角膜への累積浸透量を示す。
図2図2は、ドライアイ実験モデルマウスにおける比較例1の眼科用組成物と実施例1の眼科用組成物との間の涙液分泌量の比較を示す。
図3図3は、ドライアイ実験モデルマウスにおける比較例1の眼科用組成物と実施例1の眼科用組成物との間の角膜蛍光染色スコアの比較を示す。
図4図4は、ドライアイ実験モデルマウスにおける比較例1の眼科用組成物と実施例1の眼科用組成物との間の角膜表面の凹凸の比較を示す。
図5図5は、ドライアイ実験モデルマウスにおける比較例1の眼科用組成物と実施例1の眼科用組成物との間の剥離した角膜上皮細胞数の比較を示す。
図6図6は、ドライアイ実験モデルマウスにおける比較例1の眼科用組成物と実施例1の眼科用組成物との間の杯細胞密度の比較を示す。
図7図7は、ドライアイ実験モデルマウスにおける比較例1の眼科用組成物と実施例1の眼科用組成物との間のムチン細胞密度を比較する写真を示す。
図8図8は、ドライアイ実験モデルマウスにおける比較例1の眼科用組成物と実施例1の眼科用組成物との間のムチン細胞密度を比較するグラフを示す。
【0018】
発明を実施するための最良の形態
以下、本明細書についてより詳細に説明するものとする。
【0019】
本発明に開示された各説明及び実施態様をそれぞれについて他の説明及び実施態様に適用することができる。すなわち、本明細書に開示された種々の要素の全ての組み合わせが、本発明の範囲に含まれる。加えて、本発明の範囲が、以下に記載される具体的な説明により限定されると考えることはできない。
【0020】
本発明者らは、レコフラボン(recoflavone)を含有する製剤をドライアイ疾患の治療剤として開発する過程において、溶解させただけの状態の低薬剤濃度では、in vivo研究でのドライアイの症状全般を効果的に改善することが困難であることを把握した。本発明者らは、レコフラボンをドライアイ疾患の有効な治療剤として開発するための研究の中で、製剤が5%(w/v)以上のレコフラボンを含有し、浸透促進剤であるポリオキシエチレンヒマシ油誘導体又はポロキサマーを単独又は組み合わせにおいて、0.1~5.0%(w/v)の量で含有すると、in vivoでの角結膜浸透量が増加して、ドライアイの症状が効果的に改善されることが見出し、それにより、本発明を完成させた。
【0021】
以下、本明細書についてより詳細に説明するものとする。
【0022】
ここで、本明細書で使用する場合、5%(w/v)以上のレコフラボン又はその薬学的に許容し得る塩、その水和物、無水物もしくは溶媒和物を含有するということは、レコフラボンとして5%(w/v)以上含有することを意味し、例として記載された含量と記載に類似する含量との両方について、レコフラボンとして含まれる濃度を指す。加えて、レコフラボンの濃度は、レコフラボンとしての濃度も指す。
【0023】
ドライアイ疾患を処置するための眼科用組成物
本発明の眼科用組成物は、5%(w/v)以上のレコフラボンと、1種以上の浸透促進剤とを含む。この眼科用組成物は、場合により、粘性剤、等張化剤、緩衝剤、pH調整剤及び保存剤をさらに含む場合がある。
【0024】
具体的には、本発明は、ドライアイ疾患を処置するための眼科用組成物であって、5%(w/v)以上のレコフラボン又はその薬学的に許容し得る塩を含み、0.1~5.0%(w/v) ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体又はポロキサマーを単独又は組み合わせで含む、眼科用組成物を提供する。
【0025】
本発明の有効成分としてのレコフラボンは、無水物又は水和物を含む溶媒和物の形態で使用することができ、その薬学的に許容し得る塩のうちの1種として使用することもできる。
【0026】
本発明において、レコフラボンは、従来公知の製造方法により直接調製することができ又は市販の購入品により調製することができる。
【0027】
本発明において、「レコフラボン(recoflavone)」という用語は、以下の化学式1の構造を有する3’,4’,5-トリメトキシフラボン誘導体化合物を指す。
【化1】
【0028】
KR第10-0644928号には、レコフラボンは、化学式自体で表わされるように、無水物の形態では吸湿性を有するが、水和物の形態で存在する場合、吸湿性がなく安定であり、種々の溶媒和物で存在する場合があることが開示されている。したがって、固形剤形、例えば、錠剤及びカプセル剤では、安定性の観点から、水和物を含む溶媒和物を使用するのが好ましいが、液体剤形、例えば、点眼剤では、種々の形態のレコフラボン、例えば、無水物、水和物を含む溶媒和物及びその薬学的に許容し得る塩を利用することができる。
【0029】
レコフラボンの濃度に関して、KR第10-0930467号及び先行技術では、有効成分として1~3%(w/v)が実施されている。一方、本発明において、ドライアイの症状全般を顕著に改善するために、一定量以上のレコフラボンがin vivoで組織に浸透する必要があり、この場合、レコフラボンの濃度は、製剤中に5%(w/v)以上であるべきであることが見出された。
【0030】
好ましくは、レコフラボンの濃度は、5%(w/v)以上かつ10%(w/v)以下である。10%(w/v)超のレコフラボンは、浸透圧のために、点眼製剤に適用するのが困難である。
【0031】
本発明において、「浸透促進剤」は、レコフラボンを含有する眼科用組成物が眼に投与される場合、ドライアイの症状全般を顕著に改善するように、in vivoで角膜を、一定量以上のレコフラボンを浸透させる役割を果たすものを指し、レコフラボンの細胞膜浸透性を高める役割を果たすある種の界面活性剤であることができる。
【0032】
具体的には、浸透促進剤は、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体又はポロキサマーを含み、より具体的には、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体は、ポリオキシル35ヒマシ油であることができ、ポロキサマーは、ポロキサマー407であることができる。
【0033】
本発明において、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体又はポロキサマーは単独で又は組み合わせて使用することができ、単独で又は組み合わせて含まれる場合、眼科用組成物中に、0.1~5.0%(w/v)の範囲で含ませることができる。
【0034】
本発明において、必要に応じて、点眼剤に一般的に使用される粘性剤(viscosity agent)を場合により含ませることができる。例えば、非イオン性ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース;イオン性ポリマー、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリカルボフィル、カルボマー;糖類、例えば、グルカン、キトサン、レハロース及びガム、例えば、キサンタンガムを使用することができ、場合により、眼科用組成物中に、0~3.0%(w/v)の範囲で含ませることができる。
【0035】
本発明において、涙液との等張性に一般的に使用される等張化剤を使用することができる。例えば、非イオン性化合物、例えば、マンニトール、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、マルトース、スクロース、ソルビトール、トレハロース及びグルコース又はイオン性化合物、例えば、塩化ナトリウム、硝酸ナトリウム及び硝酸カリウムを使用することができる。これらの等張化剤は、単独で又はそれらの2種以上を任意に組み合わせて使用して、浸透圧を涙液の浸透圧に近くなるように調整することができ、眼科用組成物中に、0.01~1.0%(w/v)の範囲で含ませることができる。
【0036】
本発明において、角膜又は結膜を刺激せず又は傷害しない範囲にpHを調整し、維持するために、眼科用製剤の分野において一般的に使用される緩衝剤又はpH調整剤を使用することができる。例えば、ホスファート、シトラート、アセタート、炭酸水素塩、炭酸塩、グルコナート、ラクタート、プロピオナート、TRIS又はボラートを緩衝剤として使用することができ、従来の酸、例えば、塩酸、乳酸、酢酸、リン酸又は従来の塩基、例えば、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムを単独で又はそれらの2種以上を任意に組み合わせて、pH調整剤として使用することができる。この場合、眼科用組成物中に、0.01~3.0%(w/v)の範囲で含ませることができる。
【0037】
本発明において、点眼剤が細菌又は真菌に汚染されることを防止する目的で、必要に応じて、点眼剤に一般的に使用される保存剤を場合により、使用することができ、通常、点眼製剤の包装として、マルチユース容器が使用されるか又は使い捨て容器が使用されるかどうかにより決まる。例えば、第三級アンモニウム塩、例えば、塩化ベンザルコニウム及び塩化ベンゼトニウム;パラヒドロキシ安息香酸エステル、例えば、メチルパラベン及びプロピルパラベン;アルコール、例えば、クロロブタノール及びベンジルアルコール;酢酸クロルヘキシジン並びにエデト酸ナトリウム等を単独で又はそれらの2種以上を任意に組み合わせて使用することができ、場合により、眼科用組成物中に、0~0.1%(w/v)の範囲で含ませることができる。
【0038】
本発明において、レコフラボンを含有し、ドライアイを処置するための眼科用組成物について、ミニブタ角膜におけるレコフラボンの6時間での累積浸透量は、130μg/cm2以上であるか又は浸透促進剤を含有しない眼科用組成物と比較して3倍以上である。この場合、レコフラボンの累積浸透量は、実験例1に従って試験された場合における、ミニブタ角膜を6時間で浸透したレコフラボンの総量を意味する。
【0039】
角膜は、眼を保護する機能を有し、薬剤吸収に対する障壁として機能するため、点眼剤の開発を成功させるためには、薬剤の適切な角膜浸透量を確保する必要がある。
【0040】
レコフラボンは、3%(w/v)又は5%(w/v)の高濃度であっても、完全に透明な溶液で点眼剤を調製可能であるという利点を有する。一方、高濃度に溶解させただけのレコフラボンを含有する点眼剤では、in vivo研究において、ドライアイ疾患の症状全般の顕著な改善が認められず、角膜浸透性試験の結果から、レコフラボンを高濃度に溶解させたにもかかわらず、レコフラボンを十分な量で浸透させることができないことが確認された。本発明において、レコフラボン含有眼科用組成物に浸透促進剤を含ませると、レコフラボンの角膜浸透量が顕著に増加することが確認され、浸透促進剤を含ませることにより、ドライアイ疾患の症状全般が改善されることが確認された。
【0041】
本発明において、眼に直接投与される点眼剤の特性及びレコフラボンの物理化学的特性を考慮すると、ドライアイ疾患を処置するための眼科用組成物は、4.0~8.0のpH範囲を有することができ、好ましくは、この範囲を5.0~7.0のpHに設定することができる。
【0042】
眼科用組成物の用法及び用量
本発明の眼科用組成物について、有効成分が十分に眼に曝露されることにより、薬剤を眼の角結膜細胞の内外に一定量以上送達することができることが、ドライアイの症状全般を顕著に改善するのに有利である。したがって、本発明の眼科用組成物を投与するための方法は、一度に1~2滴を1日に3回以上点眼することが好ましい。
【0043】
具体的には、一度に1滴を3回以上、4回以上、5回以上又は6回以上点眼することができ、より具体的には、一度に1滴を1日に3~6回点眼することができる。
【0044】
本発明の眼科用組成物を他の点眼剤と組み合わせて投与することができ、この場合、少なくとも5分の間隔をおいて投与することができる。
【0045】
以下、好ましい実施例を本発明の理解を助けるために示す。ただし、下記実施例は、本発明の理解をより容易にするために提供されるものであり、本発明の内容は、実施例により制限されない。
【0046】
実施例1~4及び比較例1~2:眼科用組成物の調製
眼科用組成物を以下の表1に示される割合に従って調製した。まず、適切な量の精製水を撹拌しながら、水酸化ナトリウムを精製水に加えて、溶解させ、ついで、レコフラボン一水和物を加えて、溶解させた。塩酸をこの溶解液に加えて、pH4~8に調整し、ついで、浸透促進剤、等張化剤、緩衝剤及び保存剤を加えて、溶解させた。別途、粘性剤を適量の精製水に入れ、種類に応じて、加温するか又は室温で保持することにより溶解させ、ついで、上記された溶液に加えて、混合した。追加の精製水を正しい体積を確保するために適用した。pHが、4~8であることを確認した後、必要に応じて、pHを、pH調整剤を使用して調整した。この溶液を0.22μm以下のフィルターに通して、透明な眼科用組成物を調製した。
【0047】
【表1】
【0048】
実験例1:角膜浸透性試験
角結膜における眼科用組成物の浸透の程度を評価するために、浸透率を比較的浸透しにくく、角膜浸透試験が可能なミニブタ角膜を使用することにより測定した。一般的には、結膜は、角膜と比較して、2~3倍浸透しやすいことが報告されている。
【0049】
比較例及び実施例の眼科用組成物の角膜浸透性のin vitro試験を、縦型フランツ拡散セル装置を使用して行った。試験用の角膜とその周囲の強膜を体重40~50kgのミニブタの眼から採取した。角膜をフランツ拡散セルに固定するため、角膜領域をレセプターチャンバーの中央部のみ露出させた。ついで、ドナーチャンバーをジョイントで覆い、固定した。レセプターチャンバーと角膜とが接する部分の空気を除去するように注意した。pH7.4のリン酸溶液(PBSバッファー) 5mL及びマグネティックスターラーをレセプターチャンバーに入れた。試験溶液 1mLをドナーチャンバーに入れ、ついで、ドナーチャンバーを蓋で閉じ、パラフィルムで密封した。浸透性試験中、スターラーは約500rpmに保ち、フランツ拡散セルを36.5℃に保った。0.5、1、2、4及び6時間後、各サンプル 200μLを採取し、同量のリン酸溶液(PBSバッファー)を補充した。採取されたサンプル中の薬剤濃度を、HPLC分析装置を使用することにより測定した。各サンプルで測定された濃度を時間あたりの浸透量に換算し、希釈液の量を補正して、レコフラボンの6時間での累積浸透量を算出した。ミニブタ角膜を使用することによるin vitro浸透性試験の結果から、実施例に含まれる浸透促進剤により、レコフラボンの累積浸透量が増加することが確認された。
【0050】
各個々のサンプルにおける単位面積当たりの累積浸透量をサンプリング時間にわたる平均値でプロットし、線形回帰分析を行った。等式の傾きを6時間の薬剤の平均浸透率(flux)として算出した。相対浸透促進率を比較例1と比較した各実施例の6時間での平均浸透率の比として算出した(等式1を参照のこと)。
【0051】
【数1】
【0052】
上記方法により、実施例1~3並びに比較例1及び2の眼科用組成物の角膜単位面積当たりの平均累積浸透量及び経時的な平均浸透率並びに相対浸透促進率を算出し、表2に示す。
【0053】
表2を参照して、実施例1~3から、従来の点眼組成物のように有効成分のみを含有する比較例1と比較して、同じ薬剤濃度において、浸透促進剤の有無により、薬剤の浸透性が異なることが確認された。加えて、実施例1から、比較例2と比較して、同じ組成におけるレコフラボンの濃度に応じて、浸透性が向上することが確認された。
【0054】
加えて、レコフラボンの濃度が低いが、浸透促進剤を含む比較例2の浸透性は、比較例1の浸透性より高いことが確認された。
【0055】
結果から、実施例1は、6時間で平均浸透率が27μg/cm2/hrであったため、浸透促進剤を含まない比較例1と比較して、相対浸透促進率が、3.4倍上昇したことが示された。
【0056】
また、以下に記載される実験例において、in vivoでのドライアイの症状の改善を比較評価した。結果から、実施例1による総合的な改善は、浸透促進剤を含まない比較例1による改善より顕著に良好であることが示された。
【0057】
したがって、単に実験室データを良くするのではなく、in vivoでのドライアイの症状を総合的に改善することを追求した結果、浸透促進剤を含まない比較例1と比較して、ミニブタの角膜における6時間での相対浸透促進率が、好ましくは、3.0以上であるべきであり又は累積浸透量が、好ましくは、130μg/cm2以上であるべきであることが確認された。
【0058】
【表2】
【0059】
実験例2:涙液分泌
ドライアイ実験モデルマウスにおいて、涙液分泌量に対する眼科用組成物の角膜浸透性改善の影響を評価した。
【0060】
12~14週齢のNOD.B10.H2マウス(Jackson Laboratory, Bar Harbor, USA)を7日間順応させ、平均40%を下回る周囲湿度の乾燥ストレス下で、0.5mg/0.2mL スコポラミン臭化水素酸塩を後肢に、1日4回(午前8時、午前11時、午後2時、午後5時)、10日間皮下注射した。ドライアイの発生を確認した後、プラセボ(実施例1における有効成分を含まない組成物)、比較例1及び実施例1をそれぞれ、5μLの用量で、1日4回、21日間両目に点眼した。
【0061】
涙液量を測定するため、フェノールレッド含浸綿糸を外眼角に20秒間置いた。涙液が吸収された糸の長さをマイクロリットル(μL)に換算した。
【0062】
図2に、上記された方法によるドライアイ実験モデルマウスにおける涙液分泌量の結果を示す。角膜浸透性を向上させた実施例1では、涙液量が改善されたが、実施例1と同様に5%(w/v)のレコフラボンを含有する比較例1では、涙液量は、プラセボとほとんど変わらないことが示された。
【0063】
実験例3:角膜フルオレセイン染色(CFS)
ドライアイ実験モデルマウスにおける角膜蛍光染色(CFS)に対する眼科用組成物の角膜浸透性改善の影響を評価した。
【0064】
実験例2と同じ条件で、プラセボ(実施例1の有効成分を含まない組成物)、比較例1及び実施例1を10日間点眼し、1% フルオレセイン試薬 1μLを眼に適用して、角膜を染色し、眼を生理食塩水で洗浄した。画像をデジタルスリットランプで撮影し、スコア化し、上皮障害の程度(蛍光染色の程度)を評価した。角膜の5つの領域それぞれについて1~3点のスコアを付け、合計した。
【0065】
図3に、上記された方法によるドライアイ疾患の改善についての直接的な指標としての角膜蛍光染色(CFS)の結果を示す。実施例1では、角膜蛍光染色(CFS)の顕著な減少が示された。これは、ドライアイの症状が顕著に改善されたことを意味する。一方、比較例1では、プラセボと比較して、改善が認められなかった。
【0066】
実験例4:角膜表面の凹凸の評価
ドライアイ実験モデルマウスにおける角膜表面の凹凸に対する眼科用組成物の角膜浸透性改善の影響を評価した。
【0067】
実験例2と同じ条件で、プラセボ(実施例1の有効成分を含まない組成物)、比較例1及び実施例1を10日間点眼した。角膜表面のホワイトリング画像を反射させ、実体顕微鏡(SZX7, Olympus)の光ファイバーリング照明器から取得した。角膜表面の凹凸スコアを反射されたリングに付けた:0点:歪みがない;1点:リングの1/4に歪みがある;2点:2/4に歪みがある;3点:3/4に歪みがある;4点:4/4全てに歪みがある;5点:ひどい歪みがある。
【0068】
角膜表面の凹凸を、角膜治癒に対する影響を確認するために、上記された方法により評価した(図4)。実施例1では、角膜表面の凹凸が、約30%減少していることが示された。これは、ドライアイの症状が顕著に改善されたことを示した。一方、比較例1では、プラセボとの差は何ら認められなかった。
【0069】
実験例5:角膜上皮細胞の剥離
ドライアイ実験モデルマウスにおける角膜上皮細胞の剥離に対する眼科用組成物の角膜浸透性改善の影響を評価した。
【0070】
実験例2と同じ条件で、プラセボ(実施例1の有効成分を含まない組成物)、比較例1及び実施例1を21日間点眼し、動物を殺処分した。
【0071】
手術で摘出された眼周囲領域及び涙腺を10% ホルマリンで3日間固定し、パラフィンに包埋した。5μm 組織をミクロトームで切断し、スライド上で1時間乾燥させた。この組織をヘマトキシリン-エオシン(H&E)染色法により調製し、剥離した上皮細胞をバーチャル顕微鏡(Nanozoomer 2.0RS, Hamamatsu, Japan)により、1mm2の角膜領域において評価した。ドライアイの症状の改善度を正確に比較するために、ドライアイが完全に誘導された後で薬剤投与直前の時点での眼組織(初期)と、10日間薬剤にも乾燥環境ストレスにも曝さなかった正常マウスの眼組織(正常眼)とを併せて比較した。
【0072】
図5に、剥離した角膜上皮細胞を評価した結果を示す。正常眼では、剥離した上皮細胞はごくわずかであったが、ドライアイ誘発環境に10日間曝すことにより(初期)、剥離が著しく増加した。比較例1では、プラセボと比較して明らかな改善を示された。実施例1では、正常眼の状態まで回復するというより良好な結果が示された。これは、剥離した上皮細胞が効果的に減少したことを示した。
【0073】
実験例6:結膜杯細胞密度
ドライアイ実験モデルマウスおける粘液分泌のための杯細胞密度に対する眼科用組成物の角膜浸透性改善の影響を評価した。
【0074】
実験例5と同じ条件で、パラフィン包埋組織を切片化し、スライドに載せた。染色をPAS(過ヨウ素酸シッフ反応)キットの説明書に従って行い、杯細胞密度をバーチャル顕微鏡(Nanozoomer 2.0RS, Hamamatsu, Japan)により、1mm2の結膜領域において評価した。
【0075】
図6に、上記された方法により、結膜杯細胞密度を評価した結果を示す。初期の結膜杯細胞は、ドライアイ誘発環境に10日間曝されたことにより、正常眼と比較して著しい減少を示した。プラセボでは、結膜杯細胞の回復が示されなかった。比較例1では、プラセボと比較して、明らかな改善効果が示された。一方、実施例1では、比較例1からの更なる改善が示された。これは、正常眼のレベルに近づくまで回復するというより良好な結果を示した。
【0076】
実験例7:ムチンの分布
ドライアイ実験モデルマウスにおける粘液の主成分であるムチンの分布に対する眼科用組成物の角膜浸透性改善の影響を評価した。
【0077】
実験例5と同じ条件で、パラフィン包埋組織を切片化し、スライドに載せた。染色をアルシアンブルー染色キットの説明書に従って行い、バーチャル顕微鏡(Nanozoomer 2.0RS, Hamamatsu, Japan)により、1mm2の角膜及び結膜領域において評価した。
【0078】
図7及び図8に、上記された方法によるムチンの分布を示す。初期のムチンは、ドライアイ誘発環境に10日間曝されたことにより、正常眼と比較して著しい減少を示した。プラセボでは、粘液の主要成分であるムチンの回復は示されなかった。比較例1では、プラセボと比較して明らかな改善効果を示された。一方、実施例1では、比較例1からの更なる改善が示された。これは、正常眼のレベルに近づくまで回復するというより良好な結果を示した。これらは、実験例6におけるムチン分泌のための杯細胞密度の結果と一致した。
【0079】
上記示されたように、本発明の特定部分を詳細に説明したが、関連技術分野における当業者にとって、この特定技術は、好ましい実施態様に過ぎず、本発明の範囲が、これに限定されないことは明らかである。したがって、本発明の実質的な範囲は、添付の特許請求の範囲及びその均等物により定義されるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】