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特表2024-528236歯科アタッチメントアセンブリ、角度付きインプラントアセンブリ、および使用方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】歯科アタッチメントアセンブリ、角度付きインプラントアセンブリ、および使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61C 8/00 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
A61C8/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506790
(86)(22)【出願日】2022-08-03
(85)【翻訳文提出日】2024-03-22
(86)【国際出願番号】 US2022039293
(87)【国際公開番号】W WO2023014804
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】17/394,275
(32)【優先日】2021-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/478,320
(32)【優先日】2021-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/499,665
(32)【優先日】2021-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/499,671
(32)【優先日】2021-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/499,683
(32)【優先日】2021-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/703,512
(32)【優先日】2022-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510126243
【氏名又は名称】ゼスト、アイピー、ホールディングス、リミテッド、ライアビリティー、カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ZEST IP HOLDINGS,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン、プロート
(72)【発明者】
【氏名】マイケル、シュルツキ
(72)【発明者】
【氏名】トム、ストラットン
(72)【発明者】
【氏名】マックスウェル、マッキノン
(72)【発明者】
【氏名】エラー、トーレス
【テーマコード(参考)】
4C159
【Fターム(参考)】
4C159AA04
4C159AA05
4C159AA43
4C159AA44
4C159AA52
(57)【要約】
患者の口腔用の歯科アタッチメントアセンブリが提供される。企図される歯科アタッチメントアセンブリは、アバットメント部材と、アバットメント部材に取り付けるための保持部材とを含んでもよい。保持部材は、上端と、アバットメント部材の外側位置決め面上に固定式の、非患者取り外し可能な、固定された係合のために上端から突出する連続した切れ目のないスカートとを備えることができる。保持部材は、約10~75ポンドの保持力を提供するようなPEEKなどの剛性材料から構築することができる。アバットメント部材は、アバットメントのねじ付き凹部にねじ込むように構成されたねじ部を含む上部と、角度付きプラットフォームおよびプラットフォームから延在するねじ付きポストを含む下部とを有するインプラントに取り付けるように構成されてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部および下部を備えるインプラントであって、
前記上部が、アバットメントのねじ付き凹部にねじ込むように構成されたねじ部を備え、
前記下部が、角度付きプラットフォームと、前記角度付きプラットフォームから延在するねじ付きポストであって、前記ねじ付きポストが、患者の口腔内の骨または組織とねじ係合するように構成される、ねじ付きポストとを備え、前記角度付きプラットフォームが、前記ねじ付きポストの長さに直交する線に対して角度が付けられている、インプラント
を備える、患者の口腔のための歯科アセンブリ。
【請求項2】
第1の端部と、前記アバットメントの外側位置決め面上に係合するための内面を画定する前記第1の端部から延在する連続した切れ目のないスカートと、を有する保持部材
をさらに備える、請求項1に記載の歯科アセンブリ。
【請求項3】
前記保持部材が、約10~75ポンドの保持力を提供するような剛性ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)材料から構築される、請求項2に記載の歯科アセンブリ。
【請求項4】
歯科器具内に固定し、前記保持部材と係合するように構成されたキャップ
をさらに備える、請求項2に記載の歯科アセンブリ。
【請求項5】
前記ねじ付きポストが、前記上部の前記ねじ部に対して角度が付けられている、請求項1に記載の歯科アセンブリ。
【請求項6】
前記ねじ付きポストが、前記上部の前記ねじ部に対して約15度の角度が付けられている、請求項5に記載の歯科アセンブリ。
【請求項7】
前記ねじ付きポストが、前記上部の前記ねじ部に対して約30度の角度が付けられている、請求項5に記載の歯科アセンブリ。
【請求項8】
前記ねじ付きポストが、前記上部の前記ねじ部に対して約20度の角度が付けられている、請求項5に記載の歯科アセンブリ。
【請求項9】
前記角度付きプラットフォームが、前記ねじ付きポストの前記長さに直交する前記線に対して10~35度の角度が付けられている、請求項1に記載の歯科アセンブリ。
【請求項10】
前記ねじ付きポストが、単一の食付き部の山または複数の食付き部の山を備える、請求項1に記載の歯科アセンブリ。
【請求項11】
前記ねじ付きポストが、前記骨または組織へのセルフタッピングに適合された対向する軸方向カットを備える、請求項1に記載の歯科アセンブリ。
【請求項12】
前記インプラントが、約1.5mm~約4.0mmの最大外径を有する、請求項1に記載の歯科アセンブリ。
【請求項13】
歯根、インプラント、または隣接する歯に取り付けるためのアバットメント部材であって、前記アバットメント部材が、上端と、前記上端から下向きに突出する外側位置決め面部とを有し、前記外側位置決め面部が、前記アバットメント部材が歯根、インプラント、または隣接する歯に固定されたときに組織の高さよりも上方に突出するように位置付けられる、アバットメント部材と、
前記アバットメント部材への固定式の、非患者取り外し可能な取り付けのための保持部材であって、前記保持部材が、歯科器具の凹部内のキャップ内で旋回係合するための旋回ジョイントと、前記アバットメント部材の前記外側位置決め面上に係合するために前記保持部材の上端から突出する連続した切れ目のないスカートであって、前記スカートが、丸みを帯びた凸状外面を有する、スカートとを備える前記上端を有し、前記保持部材が、約10~75ポンドの保持力を提供するような剛性材料から構築される、保持部材と、
前記保持部材が前記アバットメント部材に取り付けられたときに解放可能なスナップ係合のための嵌合可能なスナップ係合構造を有する、前記アバットメント部材および前記保持部材と、
歯科器具内の凹部内に固定するためのキャップであって、前記キャップが、前記旋回ジョイントを収容するための空洞を有し、前記空洞が、前記スカートの前記丸みを帯びた外面上に解放可能なスナップ係合のための丸みを帯びた凹状内面を有し、前記旋回ジョイントおよび前記キャップの空洞が、一緒に、前記歯科器具に対する前記保持部材上の前記キャップの旋回を可能にするための手段を備える、キャップと、
を備える、歯科アタッチメントアセンブリ。
【請求項14】
前記外側位置決め面部が、前記部材が一緒に固定されるときに前記保持部材を前記アバットメント部材上の中央に配置するために、少なくとも前記アバットメント部材の前記上端に隣接して、外向きにテーパ状である、請求項13に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【請求項15】
前記剛性材料が、PEEKである、請求項13に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【請求項16】
歯根、インプラント、または隣接する歯に取り付けるためのアバットメント部材であって、前記アバットメント部材が、上端と、前記上端から下向きに突出する外側位置決め面部とを有し、前記外側位置決め面部が、前記アバットメント部材が歯根、インプラント、または隣接する歯に固定されたときに組織の高さよりも上方に突出するように位置付けられる、アバットメント部材と、
前記アバットメント部材への固定式の、非患者取り外し可能な取り付けのための保持部材であって、前記保持部材が、歯科器具の凹部内のキャップ内に係合するように構成された上端と、前記アバットメント部材の前記外側位置決め面上に係合するために前記保持部材の前記上端から突出する連続した切れ目のないスカートとを有し、前記スカートが丸みを帯びた凸状外面を有し、前記保持部材が、約10~75ポンドの保持力を提供するようなPEEK材料から構築される、保持部材と、
前記保持部材が前記アバットメント部材に取り付けられたときに解放可能なスナップ係合のための嵌合可能なスナップ係合構造を有する前記アバットメント部材および前記保持部材と、を備え、
前記キャップが、前記歯科器具の前記凹部内に固定するように構成され、前記保持部材の前記上端を収容するための空洞を備え、前記空洞が、前記スカートの前記丸みを帯びた外面上に解放可能なスナップ係合のための丸みを帯びた凹状内面を有する、
歯科アタッチメントアセンブリ。
【請求項17】
前記アバットメント部材が、前記上端にヘッド部と、前記ヘッド部から下向きに垂下するシャフトとを備え、前記シャフトが、前記ヘッド部と位置合わせされていない前記ヘッド部に対して所定の角度にある、請求項16に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【請求項18】
歯根、インプラント、または隣接する歯に取り付けるように成形された第1の端部と、外側位置決め面を有する第2の端部とを有するアバットメント部材であって、前記アバットメント部材の前記外側位置決め面が、2つの略丸みを帯びた環状突起を備える少なくとも2つの軸方向に離間した保持部分を有する、アバットメント部材と、
第1の端部と、前記アバットメント部材の前記外側位置決め面上に係合するための内面を画定する前記第1の端部から延在する連続した切れ目のないスカートとを有する保持部材であって、前記保持部材が、約10~75ポンドの保持力を提供するような剛性材料から構築され、前記保持部材が、前記アバットメント部材の前記それぞれの保持部分との解放可能なスナップ係合のために、前記スカートの前記内面上に少なくとも2つの軸方向に離間したスナップ係合構造を有し、前記スカートの前記内面上の前記軸方向に離間したスナップ係合構造が、前記アバットメント部材上の前記環状突起上にスナップ係合するための2つの離間した環状溝を備える、保持部材と、
前記保持部材を受け入れるための空洞を画定する丸みを帯びた凹状内面を有するキャップと、を備え、
前記キャップが、歯科器具内に固定するように構成される、
歯科アタッチメントアセンブリ。
【請求項19】
前記剛性材料が、PEEKである、請求項18に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【請求項20】
(a)
(i)頂部および底部を有する第1の端部であって、前記第1の端部が、
(1)下部を有するアバットメント部材との解放可能な係合のために前記第1の端部の前記頂部から延在する外部突起と、
(2)環状座部を画定する環状カフ部分と、を備え、前記アバットメント部材の前記下部が、前記アバットメント部材が前記外部突起と解放可能に係合するときに前記環状座部に接触し、その上に着座して接続線を形成し、前記接続線が、前記インプラントが患者の口腔内に固定されたときに前記患者の歯茎線のわずかに下方に位置する、
第1の端部と、
(ii)前記患者の骨または組織に直接係合するために前記第1の端部の前記底部から延在するねじ付きポストと、
を備える骨内歯科インプラントと、
(b)第1の端部と、前記アバットメント部材の外側位置決め面上に固定式の、非患者取り外し可能な係合のための内面を画定する前記第1の端部から延在する連続した切れ目のないスカートとを有する保持部材であって、前記保持部材が、10~75ポンドの保持力を提供するような剛性材料から構築され、前記剛性材料が、PEEKを含む、保持部材と、
(c)歯科器具内に固定され、前記保持部材と係合するように構成されたキャップと、
を備える、歯科アセンブリ。
【請求項21】
前記ねじ付きポストが、前記外部突起、および前記アバットメント部材のうちの少なくとも一方に対して角度が付けられている、請求項20に記載の歯科アセンブリ。
【請求項22】
歯科アセンブリであって、
第1の凹部および第2の凹部を備える歯科器具と、
前記第1の凹部内に固定するための第1のキャップおよび前記第2の凹部内に固定するための第2のキャップと、
第1の歯根、インプラント、または隣接する歯に取り付けるための第1のアバットメント部材、および第2の歯根、インプラント、または隣接する歯に取り付けるための第2のアバットメント部材と、
前記第1のキャップ内に係合するようにサイズ設定された第1の保持部材であって、前記第1の保持部材が、第1の端部と、前記第1のアバットメント部材の前記外側位置決め面上に係合するための内面を画定する前記第1の端部から延在する連続した切れ目のないスカートとを有し、前記保持部材が、約10~75ポンドの保持力を提供するような剛性材料から構築される、第1の保持部材と、
前記第2のキャップ内に係合するようにサイズ設定された第2の保持部材であって、前記第2の保持部材が、第1の端部と、前記第2のアバットメント部材の前記外側位置決め面上に係合するための内面を画定する前記第1の端部から延在する連続した切れ目のないスカートとを有し、前記保持部材が、約10~75ポンドの保持力を提供するような剛性材料から構築される、第2の保持部材と、
を備える、歯科アセンブリ。
【請求項23】
前記第1のアバットメント部材が上端を備え、前記第1のアバットメント部材の前記外側位置決め面は、前記アバットメント部材が前記第1の歯根、インプラント、または隣接する歯に固定されるときに組織の高さの周りに突出するように位置付けられ、前記第1の保持部材が、前記第1のキャップ内で旋回係合するための旋回ジョイントを備える上端を備え、前記第1のアバットメント部材および前記第1の保持部材は、前記第1の保持部材が前記第1のアバットメント部材に取り付けられたときに解放可能なスナップ係合のための嵌合可能なスナップ係合構造を有し、
前記第1のキャップが、前記旋回ジョイントを収容するための空洞を備え、前記空洞が、前記スカートの丸みを帯びた外面上に解放可能なスナップ係合のための丸みを帯びた凹状内面を有し、前記旋回ジョイントおよび前記キャップの空洞が、一緒に前記歯科器具に対する前記第1の保持部材上の前記第1のキャップの旋回を可能にするための手段を備える、請求項22に記載の歯科アセンブリ。
【請求項24】
前記第1のアバットメント部材が、前記第1の歯根、インプラント、または隣接する歯に取り付けるように成形された第1の端部と、前記第1の外側位置決め面を有する第2の端部とを備え、前記第1のアバットメント部材の前記第1の外側位置決め面が、2つの略丸みを帯びた環状突起を備える少なくとも2つの軸方向に離間した保持部分を有し、前記第1の保持部材が、前記アバットメント部材の前記それぞれの保持部分との解放可能なスナップ係合のために前記スカートの前記内面上に少なくとも2つの軸方向に離間したスナップ係合構造を有し、前記スカートの前記内面上の前記軸方向に離間したスナップ係合構造が、前記第1のアバットメント部材上の前記環状突起上のスナップ係合のための2つの離間した環状溝を備え、前記第1のキャップが、前記第1の保持部材との旋回係合を受け入れるための空洞を画定する丸みを帯びた、凹状内面を備え、前記空洞の内部上面が、前記空洞の前記内部上面の外周に沿って半径方向に延在する凹状凹部を含む、請求項22に記載の歯科アセンブリ。
【請求項25】
上部および下部を備えるインプラントをさらに備え、
前記上部が、前記第1のアバットメント部材のねじ付き凹部にねじ込むように構成されたねじ部を備え、
前記下部が、角度付きプラットフォームと、前記角度付きプラットフォームから延在するねじ付きポストであって、前記ねじ付きポストが、患者の口腔内の骨または組織とねじ係合するように構成される、ねじ付きポストとを備え、前記角度付きプラットフォームが、前記ねじ付きポストの長さに直交する線に対して角度が付けられている、
請求項22に記載の歯科アセンブリ。
【請求項26】
前記剛性材料が、PEEKである、請求項22に記載の歯科アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年8月4日に出願された米国特許出願第17/394,275号の一部継続出願である、2021年9月17日に出願された米国特許出願第17/478,320号の一部継続出願である、2021年10月12日に出願された米国特許出願第17/499,683号の一部継続出願である、2022年3月24日に出願された米国特許出願第17/703,512号の一部継続出願である。本出願はまた、2021年8月4日に出願された米国特許出願第17/394,275号の一部継続出願である、2021年9月17日に出願された米国特許出願第17/478,320号の一部継続出願である、2021年10月12日に出願された米国特許出願第17/499,665号の一部継続出願である。本出願はまた、2021年8月4日に出願された米国特許出願第17/394,275号の一部継続出願である、2021年9月17日に出願された米国特許出願第17/478,320号の一部継続出願である、2021年10月12日に出願された米国特許出願第17/499,671号の一部継続出願である。本明細書で引用される刊行物、特許出願、および特許を含むすべての参考文献は、各参考文献が個別にかつ具体的に参照により組み込まれると示され、その全体が本明細書に記載されるのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書で提供されるデバイスおよび方法は、固定式の、非患者取り外し可能なアセンブリ、および角度付きインプラントを有する歯科アタッチメントアセンブリを含む歯科アタッチメントアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
標準義歯は、すべての歯が除去された後に口腔内に配置される完全に取り外し可能な義歯である。口腔組織が治癒したら、義歯を配置する。これらの義歯は、吸引接触または義歯接着剤によって定位置に保持される。標準義歯を配置するためには、残りの歯を摘出しなければならず、患者はデバイスに取り付けられる。摘出された歯の以前の支持がなければ、歯肉縁(gum ridge)が崩れ始め、口がくぼんだように見える。歯肉縁は経時的に平坦になり、舌は標準義歯をがたつかせる傾向があるので、このようなデバイスは、せいぜい厄介なものになるか、または食事および発話などの基本的な機能に対する深刻な阻害要因にさえなり得る。口腔内のこれらおよび同様の軽微な障害は、ヒトの生活の質に対する大きな破壊を構成する可能性がある。
【0004】
一般的には、オーバーデンチャーと呼ばれることが多い固定式または着脱式の2種類の代替義歯が存在する。オーバーデンチャーは、取り外し可能な義歯を配置することができる歯茎支持ベースを形成し、オーバーデンチャーインプラントは、典型的には、下の歯上に施される。インプラントは、オーバーデンチャー自体のアンカーとして機能するように顎骨内に配置される。下顎のU字形状、浸透圧の欠如、舌の動き、および他の要因により、伝統的な義歯は上部義歯よりも下部口蓋で安定しないままであるため、オーバーデンチャーは下の歯に対して作られることが多い。インプラントが配置された後、修復歯科医は、LOCATOR(登録商標)アタッチメントシステムを使用して、取り外し可能な補綴義歯をインプラントに取り付けることができる。LOCATORアタッチメントは、義歯が意図せずに外れることがなく、口腔内での滑りまたは移動を防止することによって患者に不便を与えないことを確実にする。オーバーデンチャーは、毎日の衛生保全のために患者により取り外し可能であるように設計されている。
【0005】
オーバーデンチャーの利点は多岐にわたる。インプラントは、無歯顎患者に保持力、安定性、および快適性を加えるため保守的な方法を提供するので、多くの場合、ヒトは、従来の義歯よりもインプラントオーバーデンチャーを選択する。歯茎領域の周りを自由に摺動する代わりに、義歯はインプラントに固定されているため、口腔内の適所にぴったりと留まる。この利点の1つは、患者が食事による健康を維持できるようにすることである。伝統的な義歯を有する人は、義歯を外すことを懸念して噛み応えのある食物または硬い食物から離れなければならないが、インプラントで固定されたオーバーデンチャーを有する人は、通常の食事に執着し、食物を十分に噛み、栄養を吸収する能力を維持することができる。
【0006】
さらに、インプラント自体が、顔の輪郭の悪化を止めるのに役立ち、インプラントオーバーデンチャー装着者の身体的な健康だけでなく精神的な健康も改善する。通常の義歯は、顔面骨の損失、永続的な顎の崩落および早期老化を引き起こす。このような顔面骨の崩落は、歯が除去されて義歯を装着し始めた後、義歯が配置された骨稜を劣化させることによって義歯が骨の損失を加速させるために起こる。さらに、顎領域は、刺激の欠如のために歯が摘出された領域において次第に吸収される。オーバーデンチャーインプラントは、インプラントが生きている歯茎および骨と自然に一体化し、顎線を強化し、骨吸収および顔面骨の損失を防止するので、顎および歯茎領域を支持する。そのようなオッセオインテグレーションは、顔面骨を生理学的に健康に保つだけでなく、着用者が話し、食べ、笑顔になり、自信を高めて自然な外観を維持することを可能にすることによって、着用者の心理的健康を改善する。
【0007】
全体として、インプラントオーバーデンチャーは、標準義歯よりも快適で健康的で耐久性のある選択肢を提供する。インプラントは義歯を適所に固定したままにし、患者が自信を持って会話し、通常の社会的交流に参加し、最適な栄養上の健康のために多様な食事を楽しむことさえ可能にする。さらに、インプラントは、顔の輪郭および顎線が崩落しないようにし、無歯顎患者が骨保持を維持し、実際に顎線を強化することを可能にする。
【0008】
しかし、オーバーデンチャーには欠点がないわけではない。歯科用固定またはアタッチメントアセンブリは、典型的には、2つ以上の部分的に可動な構成要素を互いに嵌合させて改善された嵌合および快適性を提供することによって、オーバーデンチャー器具を歯科用インプラントまたは歯根に固定するために利用される。いくつかのアセンブリでは、雄部品および雌部品は、雄部品を雌部品に解放可能に固定するための嵌合する、スナップ係合可能な構造を有する。例えば、歯科インプラントまたは歯根に固定された雌部品はソケットを有し、器具または人工装具内に存在する雄部品はソケットにスナップ係合するためのヘッドを有する。しかし、人工装具が取り外され再取り付けされるときのソケットおよびヘッドの繰り返しの衝撃は、雄の保持ヘッドを損傷させ、それらが動くときの構成要素の摩擦に起因する摩耗を引き起こす可能性がある。圧縮性環状リングを設けて、摩擦力を吸収し、ソケットとヘッドとの間のクッションとして作用することができるが、リングでさえも、ある期間にわたって摩耗し、交換する必要があり、患者にとって不快で不便な歯科用固定アセンブリの定期的な保全を必要とする。さらに、圧縮性環状リングを容易に取り外して交換することを可能にするために、リングには、ソケット(ねじ部など)との嵌合面に固定機構を設けることができ、これは歯科用アンカーアセンブリのコストおよび複雑さをさらに増加させる。
【0009】
図15Aおよび図15Bは、取り外し可能なオーバーデンチャーアセンブリを示す。見て取ることができるとおり、人工装具1900は、歯茎1908を覆い、歯茎によって支持される歯肉フランジ1910を備える。雄キャップ1902a、b、c、およびdは、人工装具1900内に配置され、雌アバットメント1904a、b、c、およびdと嵌合して人工装具1900を固定する。アバットメント1904a、b、c、およびdは、典型的には、インプラント1906a、b、c、およびdにねじ込まれる。キャップ1902a、b、c、およびdは、人工装具を定位置に保持するアバットメント1904a、b、c、およびdと保持力を形成するが、保持力は、毎日の洗浄のために人工装具を取り外すことができるのを克服することができるように必然的である。4つのインプラントアセンブリが図15Aに示されているが、2つのインプラントアセンブリのみが取り外し可能なオーバーデンチャーに使用されることは珍しくない。
【0010】
図15Bは、バー1914を使用してインプラント支持式の取り外し可能な義歯アセンブリを形成する取り外し可能な義歯アセンブリの別の例である。見て分かるように、バーはインプラント1906a、b、c、およびdを含むか、またはそれらと結合し、アバットメント1904a、b、c、およびdを収容することができる。次いで、フランジ1910を有する人工装具1900は、アバットメント1904a、b、c、およびdに「スナップ」ダウン(down)することができる。図15Aのアセンブリは、インプラント保持義歯アセンブリと呼ばれ、図15Bのアセンブリは、インプラント支持義歯アセンブリである。
【0011】
上述したように、環状リング(図示せず)、または図6図10に関連して以下に説明するような保持ヘッドが、キャップ1902a、b、c、およびd内に含まれ得る。しかし、記載されているように、問題は依然として持続し得る。
【0012】
取り外し可能な義歯アセンブリに伴う別の問題は、経時的に組織が後退し得ることである。
【0013】
これらの問題は、永久義歯または固定義歯で対処することができ、これらは基本的に、歯科インプラントによって適所に保持され、臨床医によってのみ取り外し可能である(非患者取り外し可能な)フレームワークに接続された補綴歯の列からなる義歯デバイスである。永久義歯を配置するための典型的な処置は、患者の歯列の口腔検査と、それに続く、少なくとも顎骨の前方領域に2つ、後方に2つである、インプラント配置の正確な位置を決定するための顎骨の走査とを含む。永久義歯は、治癒期間後にインプラントに固定され、その間、インプラントはオッセオインテグレーションを介して顎骨に生物学的に融合する。
【0014】
図16Aおよび図16Bは、様々な例示的な固定義歯アセンブリを示す。図16Aに見られるように、人工装具2000は人工装具1900と同様であるが、歯肉フランジを含まない。これは、人工装具2000が出てこなく、人工装具2000の下および歯茎2008の上を清掃するためいくらか空間がなければならないためである。しかし、人工装具1900と同様に、人工装具2000をアバットメント2004a、b、c、およびdに取り付けることができ、アバットメントはインプラント2006a、b、c、およびdにねじ込むか、または別の方法でインプラントと結合することができる。しかし、再び、図15Aおよび図15Bのアセンブリとは異なり、人工装具2000は、典型的には、アバットメント2004a、b、c、およびdにねじ込まれて人工装具2000の頂部を形成するねじ2012を介してアバットメント2004a、b、c、およびdに固定される。
【0015】
図16Bは、バー(図示せず)を用いた固定義歯アセンブリの別の例であり、一般的である。見て分かるように、バーはインプラント2006a、b、c、およびdを含むか、またはそれらと結合し、アバットメント2004a、b、c、およびdを収容することができる。
【0016】
ねじ2012、アバットメント2004a、b、c、およびd、ならびにインプラント2006a、b、c、およびdは金属であり、コストを上昇させるが、位置合わせおよび着座の問題につながる可能性がある金属界面上のいくつかの金属をもたらす。固定式器具2000は、器具2000が移動できないように、ベースアセンブリ、すなわちアバットメント2004、b、c、およびd、ならびにインプラント2006、b、c、およびdにしっかりと結合されているという考えであるが、器具2000に作用する例えばカンチレバーおよび他の力が常に存在する。さらに、固定式歯科器具を取り外すことが必要な場合があり、これは金属界面上の金属に摩耗を生じさせる可能性がある。金属界面上の金属は非常に剛性であり、取り外し可能な場合のように器具が軟組織によって支持されないため、これらの力は弱い器具2000を介して散逸され、最終的に器具2000の亀裂を引き起こす可能性がある。
【0017】
図16Bは、追加の金属、ねじ保持部2005を含む別の例示的な固定義歯アセンブリを示しており、これはさらにコストを増加させ、記載された問題をさらに悪化させる可能性がある。
【0018】
従来の固定義歯アセンブリの別の問題は、積み重ねられた構成要素を収容し、人工装具のための空間を作るために最大15mmの垂直な骨の高さを取り去る必要があることである。
【0019】
従来の固定義歯アセンブリの別の問題は、衛生のための労働集約的な臨床医の予約に関する。保持ねじは、洗浄用に器具を解放するように配置され、覆われず、取り外されなければならない。その後、このプロセスは、器具を再取り付けするために逆に繰り返されなければならない。この手順は、ねじのアクセスに必要な貫通孔に起因して器具が破損する危険性があり、別の問題がそれを必要としない限り回避されることが多い。これは、患者およびその全体的な口腔衛生にとって不利である。
【発明の概要】
【0020】
一態様によれば、患者の口腔のための歯科アセンブリが提供される。歯科アセンブリは、上部および下部を有するインプラントを備えることができ、上部は、アバットメントのねじ付き凹部にねじ込むように構成されたねじ部を備え、下部は、角度付きプラットフォームと、プラットフォームから延在するねじ付きポストとを備え、ねじ付きポストは、患者の口腔内の骨または組織とねじ係合するように構成され、角度付きプラットフォームは、ねじ付きポストの長さに直交する線に対して角度が付けられている。ねじ付きポストは、上部のねじ部に対して、例えば、約15度、約20度、約30度、5度~35度、10度~35度、10度~30度、または15度~30度の角度を付けることができると考えられる。いくつかの態様では、角度付きプラットフォームは、ねじ付きポストの長さに直交する線に対して、例えば、約15度、約20度、約30度、5~35度、10~35度、10~30度、または15~30度の角度を付けることができる。いくつかの実施形態では、ねじ付きポストは、単一の食付き部の山または複数の食付き部の山を備えることができる。いくつかの実施形態では、ねじ付きポストは、骨または組織にセルフタッピングするように適合された対向する軸方向カットを備えることができる。いくつかの実施形態では、インプラントは、約1.5mm~約7mm、約1.5mm~約6mm、約2.4mm~約4.9mm、または約1.5mm~約4.0mmの最大外径を含むことができる。いくつかの実施形態では、ねじ付きポストは、異なるピッチの2つの連続するねじ山を含むことができる。歯科アセンブリは、第1の端部と、アバットメントの外側位置決め面上に係合するための内面を画定する第1の端部から延在する連続した切れ目のないスカートとを有する保持部材をさらに備えることができる。いくつかの態様では、保持部材は、第1の端部と、アバットメントの外側位置決め面上の固定式の、非患者取り外し可能な係合のための内面を画定する第1の端部から延在する連続した切れ目のないスカートとを備えることができる。保持部材は、任意の適切な材料(複数可)で構築することができ、いくつかの実施形態では、約10~75ポンド(例えば、PEEK)の保持力を提供するように剛性材料から構築することができる。歯科アセンブリは、歯科器具内に固定し、保持部材と係合するように構成されたキャップをさらに備えることができる。
【0021】
一態様によれば、歯科アタッチメントアセンブリは、歯根、インプラント、または隣接する歯に取り付けるためのアバットメント部材と、アバットメント部材に固定式の、非患者取り外し可能な取り付けのための保持部材と、歯科器具の凹部内に固定するように構成されたキャップとを備える。アバットメント部材は、上端と、上端から下方に突出する外側位置決め面部とを有することができ、外側位置決め面部は、アバットメント部材が歯根またはインプラントに固定されたときに組織の高さよりも上方に突出するように位置付けられる。保持部材は、歯科器具の凹部内のキャップ内に係合するように構成された上端と、アバットメント部材の外側位置決め面上に係合するために保持部材の上端から突出する連続した切れ目のないスカートとを有することができ、スカートは丸みを帯びた凸状外面を有し、保持部材は、約10~75ポンドの保持力を提供するようなポリエーテルエーテルケトン(PEEK)材料または他の剛性材料から構築される。アバットメント部材および保持部材は、保持部材がアバットメント部材に取り付けられたときに解放可能なスナップ係合のための嵌合可能なスナップ係合構造を有することができる。キャップは、保持部材の上端を収容するための空洞を備えてもよく、空洞は丸みを帯びた凹状内面を有する。空洞の凹状内面は、スカートの丸みを帯びた外面上の解放可能なスナップ係合を可能にすることができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、アバットメント部材は、上端にヘッド部と、ヘッド部から下向きに垂下するシャフトとを有することができる。シャフトは、ヘッド部分(例えば、下方に真っ直ぐに延在するシャフトに対して10度、下方に真っ直ぐに延在するシャフトに対して20度、下方に真っ直ぐに延在するシャフトに対して30度、下方に真っ直ぐに延在するシャフトに対して10~30度の間、またはヘッド部と位置合わせされてヘッド部から下方に真っ直ぐに延在する)に対して所定の角度であってもよい。いくつかの実施形態では、アバットメント部材は、アバットメント部材の上端から内向きに突出するソケットを有することができ、保持ヘッドは、ソケット内での解放可能なスナップ係合のために保持部材の上端から突出することができる。保持ヘッドは、スカートが保持ヘッドの下端を越えて下向きに延在する、下端を有することができ、それによって、保持ヘッドの下端がアバットメント部材への保持部材の再挿入時にソケットに到達する前にスカートがアバットメント部材に接触する。アバットメント部材は、唾液を逃がすためにソケットをアバットメント部材の外側に接続するウィープホール(weep hole)を有してもよい。いくつかの実施形態では、嵌合可能なスナップ係合構造は、アバットメント部材の外側位置決め面部の外側に膨らんだ部分と、保持部材のスカートの内面の対応する凹状リング部分とを備えることができる。いくつかの態様では、キャップは、中心長手方向軸、上壁、および上壁から離れるように延在する環状側壁を有する略カップ形状の部材を備えることができ、上壁および側壁は、歯科器具内の凹部と係合するように成形された外面を有し、空洞は、歯根、インプラント、または隣接する歯に取り付けられたアバットメント部材の外側位置決め面上で非旋回係合するように適合された保持部材と旋回係合するように構成される。上壁は、内部上面の外側環状周縁部に沿って環状経路内で半径方向に延在する凹状凹部を有する内部上面を有することができ、凹状凹部は第1の曲率半径を有する湾曲を形成する。凹状凹部の湾曲は、側壁の内面の少なくとも一部に沿って、空洞の丸みを帯びた凹状内面の開口端に向かって連続してもよい。湾曲は、保持部材の中心長手方向軸と軸方向に位置合わせした旋回してない位置と、空洞の中心長手方向軸が保持部材の中心長手方向軸に対してある角度にある完全に旋回した位置との間で、保持部材との旋回係合を提供するように構成されてもよい。キャップを保持部材上で旋回させる範囲は、10~30度、15~20度、約30度、または少なくとも30度であってもよい。
【0023】
一態様によれば、歯根、インプラント、または隣接する歯に取り付けるためのアバットメント部材であって、アバットメント部材は、上端と、上端から下方に突出する外側位置決め面部とを有し、外側位置決め面部は、アバットメント部材が歯根またはインプラントに固定されたときに組織の高さよりも上方に突出するように位置付けられる、アバットメント部材と、アバットメント部材に取り付けるための雄部材(本明細書では保持部材とも呼ばれる)であって、雄部材は、歯科器具内の凹部内のキャップ内で旋回係合するための旋回ジョイントを備える上端と、アバットメント部材の外側位置決め面上に係合するために雄部材の上端から突出する連続した切れ目のないスカートであって、スカートは、丸みを帯びた凸状外面を有する、スカートとを有し、雄部材は剛性材料から構築される、雄部材と、アバットメント部材および雄部材は、雄部材がアバットメント部材に取り付けられたときに解放可能なスナップ係合のための嵌合可能なスナップ係合構造を有する、アバットメント部材および雄部材と、歯科器具内の凹部内に固定するためのキャップであって、キャップは、前述の旋回ジョイントを収容するための空洞を有し、空洞は、スカートの丸みを帯びた外面上に解放可能なスナップ係合のための丸みを帯びた凹状内面を有し、旋回ジョイントおよびキャップの空洞は、一緒に歯科器具に対する雄保持部材上のキャップの旋回を可能にするための手段を備える、キャップと、を備える、歯科アタッチメントアセンブリ。いくつかの態様では、外側位置決め面部は、部材が一緒に固定されるときに雄部材をアバットメント部材上の中央に配置するために、アバットメント部材の上端に少なくとも隣接して、外向きにテーパ状であってもよい。いくつかの態様では、剛性材料はPEEKである。いくつかの態様では、雄部材は、約10~75ポンドの保持力を提供するように剛性材料から構築される。
【0024】
別の態様によれば、歯科アタッチメントアセンブリは、歯根、インプラントまたは隣接する歯に取り付けるように成形された第1の端部と、外側位置決め面を有する第2の端部とを有するアバットメント部材であって、アバットメント部材の外側位置決め面は、2つの略丸みを帯びた環状突起を備える少なくとも2つの軸方向に離間した保持部分を有する、アバットメント部材と、第1の端部と、アバットメント部材の外側位置決め面上に係合するための内面を画定する第1の端部から延在する連続した切れ目のないスカートとを有する保持部材であって、保持部材は、約10~75ポンドの保持力を提供するように剛性材料(例えば、PEEK)から構築され、保持部材は、アバットメント部材のそれぞれの保持部分との解放可能なスナップ係合のために、スカートの内面に少なくとも2つの軸方向に離間したスナップ係合構造を有し、スカートの内面上の軸方向に離間したスナップ係合構造は、アバットメント部材上の環状突起上にスナップ係合するための2つの離間した環状溝を備える、保持部材と、保持部材を受け入れるための空洞を画定する丸みを帯びた凹状内面を有するキャップであって、キャップは、歯科器具内に固定するように構成される、キャップと、を備える。いくつかの実施形態では、空洞は、保持部材との旋回係合を受けるように構成することができ、例えば、空洞の内部上面が、空洞の内部上面の外周に沿って半径方向に延在する凹状凹部を含む。いくつかの実施形態では、アバットメント部材の少なくとも2つの軸方向に離間した保持部分は、2つの離間した環状溝を含むことができ、スカートの内面上の少なくとも2つの軸方向に離間したスナップ係合構造は、2つの略丸みを帯びた環状突起を備えることができる。いくつかの実施形態では、アセンブリは、空洞内に垂直に突出する内部上面の中央部分を備えることができ、保持部材は中央部分と直接接触することができる。いくつかの実施形態では、凹状凹部の湾曲は、空洞を画定する丸みを帯びた凹状内面の側壁に沿って続く。凹状凹部は、空洞の側壁および内部上面に沿って複数の異なる角度で湾曲することができる。凹状凹部は、一連の連続した接円弧で構成することができ、これはキャップの内部上面から底部までのサイズの増加の1つまたは複数で構成することができ、キャップの頂部分からキャップの底部までのサイズの増加する円で構成される。凹状凹部は、例えば約30度までの角度補正を有する保持部材を提供することができる。キャップは、例えば、約5.4mmの外径および約2.3mmの高さを含む、任意の適切な直径および高さを有することができる。
【0025】
別の態様によれば、歯科アセンブリは、骨内歯科インプラントであって、(i)頂部および底部を有する第1の端部であって、第1の端部は、(1)アバットメント部材であって、アバットメント部材は下部を有する、アバットメント部材との解放可能な係合のために第1の端部の頂部から延在する外部突起と、(2)環状座部を画定する環状カフ部分と、を備え、アバットメント部材の下部は、アバットメント部材が外部突起と解放可能に係合するときに環状座部に接触し、その上に着座して接続線を形成し、接続線は、インプラントが患者の口腔内に固定されたときに患者の歯茎線のわずかに下方に位置する第1の端部と、(ii)患者の骨または組織に直接係合するために第1の端部の底部から延在するねじ付きポストと、を備える、骨内歯科インプラントと、b)第1の端部と、アバットメント部材の外側位置決め面上の固定式の、非患者取り外し可能な係合のための内面を画定する、第1の端部から延在する連続した切れ目のないスカートとを有する保持部材であって、保持部材は、10~75ポンドの間の保持力を提供するような剛性材料から構築され、剛性材料は、PEEKを含む、保持部材と、c)歯科器具内に固定し、保持部材と係合するように構成されたキャップと、を備える。いくつかの態様では、ねじ付きポストは、第1の端部、外部突起、およびアバットメント部材のうちの少なくとも1つに対して角度を付けることができる。いくつかの態様では、ねじ付きポストは、環状座部に対して角度を付けることができる。
【0026】
別の態様によれば、歯科アセンブリは、a)骨内歯科インプラントであって、(i)頂部および底部を有する第1の端部であって、第1の端部は、(1)アバットメント部材であって、アバットメント部材は外部下側ベベル部分を有する、アバットメント部材との解放可能な係合のために第1の端部の頂部から延在する外部突起と、(2)凹状の内向きのテーパ状のベベル面であって、テーパ状のベベル面が外部突起を取り囲む、凹状の内向きのテーパ状のベベル面を有する環状座部を画定する環状カフ部分と、を備え、アバットメント部材の下側ベベルは、アバットメント部材が外部突起と解放可能に係合するときに環状座部のテーパ状のベベル面に接触し、着座して接続線を形成し、接続線は、インプラントが患者の口腔内に固定されたときに患者の歯茎線のわずかに下方に位置する、第1の端部と、(ii)患者の骨または組織に直接係合するために第1の端部の底部から延在するねじ付きポストと、を備える、骨内歯科インプラントと、b)第1の端部と、アバットメント部材の外側位置決め面上に係合するための内面を画定する第1の端部から延在する連続した切れ目のないスカートとを有する保持部材であって、保持部材が約10~75ポンドの保持力を提供するような剛性材料(例えば、PEEK)から構築される、保持部材と、c)歯科器具内に固定し、保持部材と係合するように構成されたキャップと、を備える。ねじ付きポストは、真っ直ぐであってもよく、または第1の端部およびアバットメント部材の少なくとも一方に対して角度を付けてもよいと考えられる。例えば、ねじ付きポストは、第1の端部およびアバットメント部材の少なくとも一方に対して10~20度、約15度、25~35度、または約30度の角度を付けることができる。いくつかの実施形態では、ねじ付きポストは、単一の食付き部の山または複数の食付き部の山を備えることができる。いくつかの実施形態では、ねじ付きポストは、患者の骨または組織にセルフタッピングするように適合された対向する軸方向カットを備えることができる。いくつかの実施形態では、歯科インプラントは、約1.5mm~約4.0mmの最大外径を有する。いくつかの実施形態では、ねじ付きポストは、異なるピッチの2つの連続するねじ山を備えることができる。いくつかの実施形態では、環状カフ部分は、異なる組織の深さに対応するために異なる高さであってもよい。いくつかの実施形態では、外部突起は、突起の上端から内向きに延在する工具受容ボアを含むことができる。
【0027】
別の態様によれば、歯科アセンブリは、第1の凹部および第2の凹部を備える歯科器具と、第1の凹部内に固定するための第1のキャップおよび第2の凹部内に固定するための第2のキャップと、第1の歯根、インプラント、または隣接する歯に取り付けるための第1のアバットメント部材および第2の歯根、インプラント、または隣接する歯に取り付けるための第2のアバットメント部材と、第1のキャップ内に係合するようにサイズ設定された第1の保持部材であって、第1の保持部材は、第1の端部と、第1のアバットメント部材の外側位置決め面上に係合するための内面(例えば、非患者取り外し可能な、固定式係合)を画定する第1の端部から延在する、連続した切れ目のないスカートとを有し、保持部材は、約10~75ポンドの保持力を提供するような剛性材料(例えば、PEEK)から構築される、第1の保持部材と、第2のキャップ内に係合するようにサイズ設定された第2の保持部材と、を備える。いくつかの実施形態では、第2の保持部材は、第1の端部と、第2のアバットメント部材の外側位置決め面上に係合するための内面を画定する第1の端部から延在する連続した切れ目のないスカートとを備え、保持部材は、約10~75ポンドの保持力を提供するような剛性材料(例えば、PEEK)から構築される。上記または詳細な説明に記載されたアバットメント部材、キャップ、および保持部材のいずれかまたはすべてを含む、すべての適切なアバットメント部材、キャップ、および保持部材が考えられる。いくつかの態様では、第1のアタッチメントアセンブリは、第2のアタッチメントアセンブリの構成要素とは異なる種類の少なくとも1つの構成要素を有することができる。例えば、第1のアタッチメントアセンブリの保持部材は、第2のアタッチメントアセンブリの保持部材とは異なる種類のものとすることができる。いくつかの態様では、第1のアタッチメントアセンブリは、第2のアタッチメントアセンブリと同じ構成要素の種類のすべてを有することができる。
【0028】
歯科器具を含む実施形態のいくつかの態様では、第1のアバットメント部材は上端を備え、第1のアバットメント部材の外側位置決め面は、アバットメント部材が第1の歯根、インプラント、または隣接する歯に固定されたときに組織の高さの周りに突出するように位置付けられ、第1の保持部材は、第1のキャップ内に係合するための上端を備え、第1のアバットメント部材および第1の保持部材は、第1の保持部材が第1のアバットメント部材に取り付けられたときに解放可能なスナップ係合のための嵌合可能なスナップ係合構造を有し、第1のキャップは、旋回ジョイントを収容するための空洞を備え、空洞は、スカートの丸みを帯びた外面上に解放可能なスナップ係合のための丸みを帯びた、凹状内面を有し、旋回ジョイントおよびキャップの空洞は一緒に、歯科器具に対する第1の保持部材上の第1のキャップの旋回を可能にするための手段を備える。いくつかの態様では、第1のアバットメント部材の外側位置決め面は、第1の保持部材と第1のアバットメント部材が一緒に固定されるときに第1の保持部材を第1のアバットメント部材上の中央に配置するために、少なくとも第1のアバットメント部材の上端に隣接して、外向きにテーパ状であってもよい。いくつかの態様では、第1のアバットメント部材は、アバットメント部材の上端から内向きに突出するソケットを有することができ、保持ヘッドは、ソケット内での解放可能なスナップ係合のために第1の保持部材の上端から突出することができる。いくつかの態様では、外側位置決め面は、第1のアバットメント部材の上端から外向きテーパを有し、第1のアバットメント部材が患者の口腔内に固定されたときに組織の高さより上の所定の位置で終端することができる。いくつかの態様では、第1のアバットメント部材は、第1のアバットメント部材の上端の下方に離間した下端を有する略円筒形ヘッドを備えることができる。いくつかの態様では、第1の保持部材のスカートは、凹状であり、第1の保持部材と第1のアバットメント部材とが一緒に固定されたときに内面の高さの少なくとも大部分に沿って第1のアバットメント部材の外側位置決め面部に接触しない所定の高さの内面を有することができる。いくつかの態様では、第1のキャップは、中心長手方向軸、上壁、および上壁から離れるように延在する環状側壁を有する略カップ形状の部材を備えることができ、上壁および側壁は、歯科器具の第1凹部と係合するように成形された外面を有する。
【0029】
歯科器具を含む実施形態のいくつかの態様では、第1のアバットメント部材は、第1の歯根、インプラントまたは隣接する歯に取り付けるように成形された第1の端部と、第1の外側位置決め面を有する第2の端部とを備えることができ、第1のアバットメント部材の第1の外側位置決め面は、2つの略丸みを帯びた環状突起を備える少なくとも2つの軸方向に離間した保持部分を有し、第1の保持部材は、アバットメント部材のそれぞれの保持部分との解放可能なスナップ係合のためにスカートの内面に少なくとも2つの軸方向に離間したスナップ係合構造を有し、スカートの内面の軸方向に離間したスナップ係合構造は、第1のアバットメント部材上の環状突起上にスナップ係合のための2つの離間した環状溝を備え、第1のキャップは、第1の保持部材との旋回係合を受け入れるための空洞を画定する丸みを帯びた凹状内面を備え、空洞の内部上面は、空洞の内部上面の外周に沿って半径方向に延在する凹状凹部を含む。内部上面の中央部分は、空洞内に垂直に突出してもよく、第1の保持部材は、中央部分と直接接触してもよい。いくつかの態様では、凹状凹部の湾曲は、空洞を画定する丸みを帯びた凹状内面の側壁に沿って続くことができる。凹状凹部は、空洞の側壁および内部上面に沿って複数の異なる角度で湾曲することができる。追加的または代替的に、凹状凹部は、一連の連続した接円弧で構成されてもよい。
【0030】
歯科器具を含む実施形態のいくつかの態様では、アセンブリは、骨内歯科インプラントをさらに含む。インプラントは、(i)頂部および底部を有する第1の端部であって、第1の端部は、(1)第1のアバットメント部材であって、第1のアバットメント部材は、外部下側ベベル部分を有する、第1のアバットメント部材との解放可能な係合のために第1の端部の頂部から延在する外部突起と、(2)凹状の内向きのテーパ状のベベル面であって、テーパ状のベベル面が外部突起を取り囲む、凹状の内向きのテーパ状のベベル面を有する環状座部を画定する環状カフ部分と、を備え、第1のアバットメント部材の下側ベベルは、アバットメント部材が外部突起と解放可能に係合するときに環状座部のテーパ状のベベル面に接触し、着座して接続線を形成し、接続線は、インプラントが患者の口腔内に固定されたときに患者の歯茎線のわずかに下方に位置する、第1の端部と、(ii)患者の骨または組織に直接係合するために第1の端部の底部から延在するねじ付きポストと、を備えることができる。ねじ付きポストは、第1の端部および第1のアバットメント部材の少なくとも一方に対して角度を付けてもよい(例えば、10~20度、約15度、25~35度、約30度)。
【0031】
歯科器具を含む実施形態のいくつかの態様では、アセンブリは、上部および下部を備えるインプラントをさらに備え、上部は、第1のアバットメント部材のねじ付き凹部にねじ込むように構成されたねじ部を備え、下部は、角度付きプラットフォームと、角度付きプラットフォームから延在するねじ付きポストとを備え、ねじ付きポストは、患者の口腔内の骨または組織とねじ係合するように構成され、角度付きプラットフォームは、ねじ付きポストの長さに直交する線に対して角度が付けられている。
【0032】
本開示の実施形態の詳細は、それらの構造および動作の両方に関して、添付の図面を検討することによって部分的に収集することができ、図面において、同様の参照符号は同様の部品を指す。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】一実施形態による、骨または歯根などの他の基部構造に固定することができるインプラントに取り付けることができる、または他の方法で結合することができる歯科用固定またはアタッチメントアセンブリの一実施形態を示す。
図2】一実施形態による、保持部材のヘッドの外面を示す。
図3図2の保持部材のヘッドの外面の別の図を示す。
図4】一実施形態による、角度を付けられた、取り外された構成の歯科アタッチメントアセンブリを示す。
図5図4に示す角度を付けられた配向の歯科アタッチメントアセンブリを示すが、保持部材がアバットメントのソケットにスナップ嵌合されている。
図6】一実施形態による、歯科器具をインプラントに取り付けるための取り外し可能な歯科アタッチメントアセンブリのアバットメント部材を示す。
図7】一実施形態による、保持部材が分離されて示されている、図6の線7-7に沿った断面図を示す。
図8】一実施形態による、図6のアバットメント部材と位置合わせしている図7の保持部材を示す、図7と同様の図である。
図9】一実施形態による、キャップを含み、図6のアバットメント部材に結合された図7の保持部材を示す、図7および図8と同様の図である。
図10】一実施形態に係る、図6のアバットメント部材の短縮形態を示す断面図である。
図11A】一実施形態による、取り外し可能な歯科アセンブリの別の例示的な実施形態を示す。
図11B図11Aの歯科アセンブリのキャップの等角図である。
図11C図11Bの歯科アセンブリのキャップの等角切欠図である。
図11D図11Aの歯科アセンブリのキャップおよび保持部材の断面図である。
図11E】キャップの内壁に凹状凹部の角度を作成するために使用される連続的な接円弧を示す、図11Aの歯科アセンブリのキャップの断面図である。
図11F】凹状凹部の角度を示す、図11Aの歯科アセンブリのキャップの断面図である。
図11G】完全に旋回した位置にある図11Aの歯科アタッチメントアセンブリの断面図である。
図12】ある程度の弾性を可能にするために保持部材に切り込まれた間隙またはスロットを含む従来のPEEK保持部材を示す。
図13】別の実施形態による、歯科用固定またはアタッチメントアセンブリの一実施形態を示す。
図14A】下部が真っ直ぐになるように構成された歯科用固定またはアタッチメントアセンブリを示す。
図14B】角度を付けるように構成された下部を有する図14Aのアセンブリを示す。
図14C】角度を付けるように構成された別の下部を有する図14Aのアセンブリを示す。
図15A】一実施形態による取り外し可能なオーバーデンチャーアセンブリを示す。
図15B】一実施形態による、バーを使用する取り外し可能な義歯アセンブリを示す。
図16A】一実施形態による固定義歯アセンブリを示す。
図16B】一実施形態による、別の固定義歯アセンブリを示す。
図17】一実施形態による、固定式ハイブリッド歯科アタッチメントアセンブリを示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
添付の図面に関連して以下に記載される詳細な説明は、様々な実施形態の説明として意図されており、本開示が実施され得る唯一の実施形態を表すことを意図するものではない。詳細な説明は、実施形態の完全な理解を提供する目的のための特定の詳細を含む。しかしながら、本発明の実施形態は、これらの特定の詳細なしに実施することができることが当業者には明らかであろう。いくつかの例では、説明を簡潔にするために、周知の構造および構成要素が簡略化された形で示されている。
【0035】
参照により完全に記載されているかのように本明細書に組み込まれる米国特許第9,931,181号明細書(’181特許)に記載の歯科アタッチメントアセンブリは、上述の固定式歯科アタッチメントシステムと同様に機能するが、特別な工具を使用して歯科専門家によってより容易に取り外すことができ、従来の固定式歯科アタッチメントアセンブリの問題の多くを克服する。’181特許に記載の歯科アタッチメントアセンブリは、使用される材料の圧縮性特質およびアセンブリ内に含まれるボールとソケット構成要素との摩擦保持されたスナップ嵌合に起因して、保持部材とアバットメントとの係合を容易にしながら、義歯などの患者によって取り外し可能であるようには意図されていない歯科器具をインプラントに取り付け、約8~75ポンドの保持力を提供するのに有用である。
【0036】
以下で詳細に説明するように、保持部材は、ポリマーまたは軟質金属などの圧縮性材料から形成され、保持部材がインプラントに固定されたアバットメントに取り付けられる、または取り外しされている間に圧縮および屈曲することを可能にする。次いで、圧縮性および可撓性保持部材は、様々な角度でアバットメントに固定することができ、これは、歯科器具を人の上部または下部下顎骨にわたって異なる角度で延在する複数のインプラントに固定するときにしばしば必要である。さらに、圧縮性ボールは、保持部材と内部アバットメント壁との間のアバットメントのソケット内に位置付けられる別個の圧縮性環状リングの必要性、ならびに環状リングをアバットメント壁に固定するための固定機構の必要性を排除する。したがって、歯科アタッチメントアセンブリは、製造がより容易であり、挿入後の保全がより少なくて済む。
【0037】
本明細書の図1図5は、’181特許の図1図5と同じである。図1は、骨または歯根などの他の基部構造(図示せず)に固定することができるインプラント(図示せず)に取り付けることができる歯科用固定またはアタッチメントアセンブリ100の一実施形態を示す。アセンブリは、インプラントに固定されるアバットメント102と、歯科器具の凹部内に固定されるキャップまたは義歯アタッチメントハウジング(DAH)104とを含む。保持部材106は、キャップ104とアバットメント102との間の摩擦によって保持された接続を提供するように機能する。この目的のために、保持部材106は、例えば、キャップ104の対応するねじ付きボア111とねじ接続されたねじ付き端部110を有するシャフト108を含む。アバットメント102と連結するシャフトの第2の端部は、実質的に球形形状であり、アバットメント102の上部開口部116に見られるソケット114内の内向き突起またはバーブ120と摩擦嵌合を形成するように構成されるヘッド112を含む。
【0038】
ヘッド112は、ソケット114内の環状内向き突起120と摩擦係合するように構成された湾曲面118と、保持部材106がキャップ104のボア111に螺合するときに適切な工具と係合するための、例えば内向きに向けられた六角形または多角形形状の凹部121を有する平坦な下端面119とを含む。内向き突起120は、ヘッド112と係合するアンダーカット123を有する。ソケット114は、必ずしもヘッド112の湾曲面118に合わせて湾曲される必要はない。代わりに、ヘッド112は、ほとんどまたはすべての取り付け方向において突起120においてのみソケット114と接触している。図1の実施形態では、ヘッド112の外面は凸状であるが、ヘッドの外端面119は、ヘッド112のアバットメント102とのより緊密な嵌合を提供するために平坦である。内向き突起120は、ソケット114の口でヘッド112の対応する直径と摩擦嵌合するように構成される。
【0039】
保持部材106の圧縮性材料の一利点は、ヘッド112の直径を変更して、環状突起120のアンダーカットバーブ123と係合するヘッド112の摩擦嵌合または圧縮によって提供される保持力を増加または減少することができることである。ヘッド112の最大直径が大きいほど、保持力が高くなり、これは、完全に係合したときに内向き突起120がヘッドにさらに食い込むためである。より小さい直径のヘッド112は、より小さい保持力を提供する。保持力はまた、図31図35Cの修正された実施形態に関連して’181特許内により詳細に記載されているように、ヘッド112のための異なる、より柔らかいまたはより硬い圧縮性材料を使用することによって変化することができる。
【0040】
図2および図3は、保持部材106の一実施形態のヘッド112の外面を示す。外側ボール形状または凸状湾曲面118は、ヘッドの湾曲面118とソケットの対応する湾曲面または突起120との間の摩擦量を低減するために、表面118の円周の周りに一連の平面または平坦部119を有することができる。代替的な実施形態では、平面は設けられず、ヘッドは滑らかな外側凸状面を有する。滑らかな凸状面は、突起が図1の取り付けられた構成においてヘッドの圧縮性表面により深く食い込むので、ヘッド112と突起120との間の摩擦量を増加させる。したがって、以下のパラメータ、すなわちヘッド直径、ヘッド形状、およびヘッドの選択された圧縮性材料のうちの1つ、2つ、またはすべてを使用して、アバットメントソケット内のヘッドの保持力を変化させることができる。保持力は、約10~約75ポンドのどこから変化してもよいが、いくつかの実施形態は、歯科器具および歯科用固定デバイスの初期位置決めに使用するためのわずか約1ポンドの保持力を提供し得る。
【0041】
キャップ104は、アバットメントの対応する湾曲した外面124と係合するように湾曲することができる環状内面122で構成され、歯科アタッチメントアセンブリに追加の摩擦嵌合を提供する。
【0042】
一実施形態では、ボールフランジ126は、ねじ部110の下に所定の間隔でシャフト108に設けられる。フランジ126は、シャフト108の軸方向に垂直に延在し、ねじ付きステム110がボア111にねじ込まれたときにキャップ104内の空洞の対向面127と係合することによって止め具として作用する。ボールフランジ126は、ソケット114およびキャップ104内にボール112を配置し、アセンブリの垂直移動を防止するのに役立つ。
【0043】
本明細書に記載の実施形態では、保持部材106は、ポリマーまたは軟質金属などの圧縮性またはエラストマー材料から形成することができ、その非限定的な例には、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などのポリマー、ポリオキシメチレンまたはDelrin(登録商標)などのアセタールポリマー、およびニッケルチタン(ニチノール)、淡紅色のTiCN(チタンカルボナイトライド)またはチタンなどの軟質金属が含まれる。軟質金属は、いくつかの実施形態では、ヘッド部の表面上のコーティングであり得る。一実施形態では、摩擦を低減するために、表面を金窒化物コーティングでコーティングすることができる。
【0044】
図4は、ヘッド118をソケット116、114内に完全に挿入する前の角度付きの取り付けられていない構成の歯科アタッチメントアセンブリを示し、保持部材106がアバットメント内にスナップ嵌合され得る様々な角度を示している。実際の用途では、インプラントは、骨の構造または手術中のインプラントの配置に起因して、理想的な垂直角とは異なる角度で骨または歯根から突出してもよい。したがって、歯科用固定またはアタッチメントアセンブリは、ソケット114内のヘッド112の回転によっていずれの角変位も補正する。一実施形態では、アバットメントに対するヘッドの接近角度は、図1に示す垂直に位置合わせした向きから任意の方向に約20度まで変化してもよい。したがって、同様の角度でオフセットされた別のインプラントと組み合わせて、歯科用固定デバイスは、約40度もの角度補正を提供することができる。
【0045】
図5は、図4に示す角度を付けられた配向の歯科アタッチメントアセンブリを示すが、保持部材106がアバットメント102のソケット114にスナップ嵌合されている。図5に示すように、異なる角度にもかかわらず、ヘッド112は、ソケット114内に固定することができる。さらに、キャップ104の環状面122も、図5に示すオフセットを有するアバットメントの外側湾曲面124の周りに依然として摩擦係合し、環状突起120は、ヘッド118の対向する環状面部の周りにある角度で摩擦係合する。
【0046】
歯科アタッチメントアセンブリは、固定された歯科アセンブリにとって、器具の貫通孔を弱めることを排除し、ねじ込まれた接合面を、ポリマーまたは軟質金属などの圧縮性あるいはエラストマー材料で作られた保持部材106と交換するという点で大きな前進であったが、その非限定的な例には、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などのポリマー、Delrin(登録商標)などのポリオキシメチレンまたはアセタールポリマー、およびニッケルチタン(ニチノール)、淡紅色のTiCN(チタンカルボナイトライド)またはチタンなどの軟質金属が含まれ、取り外し可能または固定式器具と交換可能ではなく、一方から他方に変換するために高価な構成要素の交換を依然として必要とし、15~18mmの復元高さを有することができる。
【0047】
図6図10は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、歯科器具をインプラント12に取り付けるための取り外し可能な歯科アタッチメントアセンブリ10を示す、米国特許第6,030,219号明細書(’219特許)の図1図5の再現である。図6図10は、上述の取り外し可能なアセンブリの欠点を克服する改善を提示する。アセンブリは、雌ソケット部材またアバットメント要素14と、歯科器具または人工装具内に固定されたキャップ18内で旋回係合する雄保持部材または要素16とを備える。雌要素14は、窒化チタン、淡紅色のTiCN(チタンカルボナイトライド)、DLC(ダイヤモンド状コーティング)または同様の材料でコーティングされたチタンなどの比較的強い材料からなる。要素14は、上向きソケット26を有する拡大上端部20と、上歯列弓または下歯列弓の骨に固定されたインプラント固定具12に取り付けるための下向きねじ付きシャフトまたはステム22とを有する。図6図10に示すように、ステム22は、インプラント固定具12内のねじ付き空洞に係合するためにねじ付きである。雌要素は、現在市販されている様々なインプラント固定具のいずれかに係合するために複数のねじ構成および直径で提供されることが理解されよう。
【0048】
上向きソケット26は、雄要素16上の下向きに垂下する保持ヘッド28との解放可能なスナップ係合に適した形状および寸法である。ソケット26とヘッド28との嵌合形状は、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,417,570号明細書(’570特許)に記載のものと同様であり、同様の作用を有する。上端部20の外側位置決め面30は、図9に最もよく示されているように、雌要素がインプラントまたは歯根に固定されたときに、組織の高さ32の上方に上向きに突出する。位置決め面30は、好ましくは、組織の高さの直上の位置から端部20の上端までわずかに内向きのテーパを有する。歯茎レベルより下の表面部分34は、図9に示すように、上端部14の下端35の直径がインプラント12の直径と一致するように、円筒形であってもよく、またはわずかに内向きのテーパを有してもよい。
【0049】
位置決め面30には、一対の直径方向に対向し、軸方向に延在するノッチ36を設けることができる。これらは、インプラントまたは雌要素14を保持し、それをインプラント固定具12内の一致するソケットにねじ込むための挿入ツール(図示せず)と係合するように設計されている。雌要素またはアバットメント14はまた、図6および図7に最もよく示されているように、ソケット26を要素14の外面に接続するウィープホール38を有することができる。
【0050】
固定式アセンブリに必要な保持力を提供するためにかなり非弾性でなければならない上述の保持部材106とは異なり、雄要素16は、ある程度の弾性を有する材料、好ましくは義歯が取り外され再取り付けされるときにある程度の弾性改質を提供するナイロンプラスチックで形成される。
【0051】
上面40は略平坦であり、スカート42は、保持ヘッド28を取り囲むように上面40から下向きに突出している。保持ヘッド28は、ソケット26の外形と実質的に一致する外形を有する。ソケット26は、テーパ状の前縁またはリム44と、縮径部45と、拡大リング溝部46と、下側面取り縁部48とを有する。雄要素のヘッド28は、下端の面取り部50、溝部46にスナップ係合するための拡径の環状リング部52、縮径部53、および外向きにテーパ状の上端部54と一致する形状を有する。
【0052】
スカート42は、図9に最もよく示されているように、ヘッド28の下端よりも下方に突出する下端56と、好ましくは約10°の角度でテーパ状であり、また凹状である内面60とを有する。スカートおよびヘッドの寸法は、図8に最もよく示されているように、ヘッドの下端が雌要素に接触する前に、スカートの下端56が位置決め面30に接触するような寸法である。スカート42の外面62は、図9に最もよく示されているように、キャップ18の対応する形状の空洞64内でスナップ嵌合、旋回係合するために凸状または丸みを帯びている。これは、キャップにおいて旋回、回転運動またはヒンジ動作を提供し、アタッチメントは義歯または器具に固定され、’570特許に記載されているものと同様に摩耗を低減する。金属製義歯用キャップ18内のナイロン製または弾性の雄の枢動は、平行でないアバットメントのわずかな修正を可能にするとともに、より長く持続する弾性接続を提供する。
【0053】
義歯または器具は、単に雄ヘッド28をソケット26からスナップすることによって、清掃のために繰り返し取り外すことができ、その後再挿入することができる。例えば、図8の矢印65の方向に再挿入すると、ユーザはヘッド28をソケット26と同軸に位置合わせすることができない場合がある。この場合、スカート42の下端は、ヘッド28がソケットに到達する前に位置決め面30の一方の側面に接触する。矢印65の方向へのさらなる下向き移動は、雄要素を矢印66の方向の一方の側面に付勢して、ヘッド28をソケットと適切に位置合わせする。したがって、雌要素のロケータ面部30は、スカート42の内側位置決め面と共に、ソケットにスナップ挿入する前にヘッド28をソケットとの適切な位置合わせに付勢するように作用する。これにより、位置合わせしていない場合にナイロンヘッドがソケットのテーパ状リム44に当たる可能性があるという問題が回避され、最終的により柔らかいヘッドに損傷を与え、保持能力を低下させる。スカートおよびロケータ面はまた、患者による歯科人工装具のより容易な配置および挿入を可能にする。
【0054】
雌要素14は、周囲の歯肉レベル32と一致するように、いくつかの組織カフの高さに設けることができる。アタッチメントアセンブリ全体の最小高さは、’570特許に記載される配置の最小高さ、および図1図5に関連して説明したような固定式アセンブリの最小高さよりもはるかに低い。非六角形インプラントアバットメントの最小高さは1.75mm程度であり、六角形インプラントアバットメントの最小高さは約2.75mmであり、これはインプラントが組織の高さにある場合に役立つ。これは、現在市販されているすべてのそのようなアタッチメントの高さよりも低く、ロープロファイルで、患者の快適性を高めるという利点を有する。組織の深さに応じて、他の高さも提供される。アタッチメントより上方のロープロファイルはまた、歯の配置にとっても良好である。
【0055】
’570特許のような内部六角形インデントなどではなく、挿入ツールと係合するための外部ノッチ36を設けることによって、雌要素の高さを低減することができる。ノッチは、インプラント固定具12にねじ込むために雌要素をしっかりと保持することを可能にする。
【0056】
ウィープホール38は、組織の高さより上に位置することができ、これにより、唾液をソケット26から逃がすことがより容易になり、雄ヘッドがソケットに係合する結果としての水圧が低下する。これはまた、雄要素と雌要素とのより容易な接続を可能にする。図9に示すように、ヘッド28がソケット内にスナップ係合すると、スカートは下端でロケータ面部30にのみ接触するが、凹状内面60は、図9に最もよく示されているように、アタッチメントの残りの部分に沿って面部30から離間する。これによっても、部品が適切に位置合わせされると、ヘッド28がソケット内に容易に挿入できるようになる。
【0057】
図10は、非六角形インプラント(図示せず)に取り付けるための修正された雌要素またはアバットメント70を示す。要素70は、六角形インプラントアバットメント14と同様の方法で、図6図9の雄要素16と共に使用することができ、同様の参照符号が同様の部品に適宜使用されている。この実施形態では、図10のヘッド部は、以前の実施形態におけるものよりも短く、図6図9の六角形インデント72は排除され、ヘッド部20は代わりに、インプラントのフィアット上面に嵌合するフィアット下側環状面74を有する。
【0058】
完全に記載されているかのようにその全体が本明細書に組み込まれ、ここでは図11A図11Gとして再現される米国特許第10,687,920号明細書(’920特許)の図1図5は、図6図10に関連して示され、’219特許に記載されている、取り外し可能なアセンブリの利点を有する取り外し可能な歯科アセンブリの別の例示的な実施形態を示す。しかし、’920特許に記載されているアセンブリは、旋回調整の向上も可能にする。図11Aに示され、図11Bおよび図11Cの等角図においてより明確に示されるように、一実施形態では、キャップ1108の内部上面は、空洞の内部上面の外周に沿って半径方向に延在する凹状凹部1110で構成される。凹状凹部1110は、キャップ1108が保持部材1106およびアバットメント1104に対してはるかに大きな角度で旋回することを可能にし、これにより、人が歯科器具をアバットメント1104に固定することをより容易にする。キャップ1108の内部上面の中央部分1112は、キャップ空洞内に垂直に突出し、中央部分1112が存在しなければ生じたであろう保持部材1106とキャップ1108との間の垂直変位を最小にする。この例示的な実施形態では、キャップの高さは約1.9ミリメートルであるが、当業者は、キャップの寸法が変化し得ることを理解するであろう。
【0059】
図11Aに示す実施形態では、保持部材1106は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,981,871号明細書に開示されているように、保持部材1106のキャップ1108との解放可能な係合のためにキャップ1108の一端から突出するスカート(または側壁)によって保持される。アバットメント1104の外側位置決め面は、アバットメント1104と保持部材1106との間に積み重ねられた外部保持を提供するために、保持部材1106の内面上の対応する離間したスナップ係合構造と嵌合する、スナップ係合するための少なくとも2つの軸方向に離間した保持面を有する。
【0060】
図11Dは、旋回してない位置にあるキャップ1108および保持部材1106の側面切欠図を示し、これは、旋回が生じていないときに保持部材1106がキャップ1108の空洞内にどのように嵌合するかをより明確に示す。保持部材1106は、キャップ1108の内部上面の中央部分1112と接触している。保持部材1106の外側側壁は、キャップ1108の内側側壁の湾曲面に一致するように略湾曲しており、それらは、過度の摩擦量なしに旋回を容易にすることを可能にするために、いずれかの1つの位置で側壁の一部分に直接接触することができる。
【0061】
一実施形態では、凹状凹部1110は、図11Eおよび図11Fに示すように、可変半径の複数の円から形成された一連の連続した接円弧を使用して形成され得る曲率114を有して特に設計される。本明細書に示す実施形態では、円A、B、およびCは、曲線1114を導出するために使用される接円弧の部分を表すが、任意の複数の円を使用することができる。円A、B、およびCは、キャップの底部分1108Bからキャップの頂部分1108Aまで大径から小径に配置され、曲線1114の可変角度を形成する。図11Gに示すように、曲線1114は、キャップ1108内の保持部材1106の係合を維持しながら、保持部材1106の周りのキャップ1108の旋回を最適化するように設計されている。各円の直径は、キャップの内側側壁に沿って底部から頂部に大から小に配置されている限り、様々な直径を使用することができる。図11Eの例示的な実施形態では、凹状凹部1110は、それぞれ0.067、0.083、および0.186インチ(すなわち、それぞれ0.034、0.042および0.093インチの曲率半径)の直径を有する円A、B、およびCから形成される。円Cは、キャップの対向する側の凹状凹部1110と交差する直径を有し、したがってキャップの空洞の直径を画定する。各円の各湾曲は、凹状凹部1110の異なる部分と交差して、図11Fに示すように、様々な曲率の程度の湾曲面1114を形成する。
【0062】
図11Gは、キャップ1108内の完全に旋回した位置にある保持部材1106およびアバットメント1104の一実施形態を示しており、保持部材1106の一部分は、キャップ1108内の凹状凹部1110内に旋回している。保持部材106の対向する側は、キャップ1108内に依然として保持される点まで下向きに旋回しており、キャップ1108の一方向への旋回の全範囲を示している。この実施形態では、旋回Sの範囲は、約5.4ミリメートル(mm)の直径Dおよび約2.3mmの高さHを有するキャップでは約30度であるが、当業者であれば、これらの寸法を変更しても同じ回転の程度を達成できることを理解するであろう。回転の範囲は、合理的には約32度(例えば、15~20度)まで延びることができ、例えばキャップの高さを高くし、アバットメントの直径を減少させることによって、より大きな回転を可能にするようにキャップ、保持部材、およびアバットメントの寸法が変更される場合、約40度まで延びることができる。
【0063】
図6図10のアセンブリと同様に、保持部材1106は、ナイロンなどの弾性材料で作製される。
【0064】
PEEKなどのより硬く弾力性の低い材料は、いずれの材料が使用されても、義歯が取り外され、次いで再設置されると繰り返し変形し、次いで再形成する必要があるため、取り外し可能な義歯アセンブリの保持部材には機能しないことが一般に理解されている。PEEKは、単に十分な弾力性がない。特定の製造業者は、Straumann(登録商標)Novaloc(登録商標)保持システムなどの保持部材にPEEKを使用している。しかし、図12に示すように、そのようなPEEK保持部材は、弾性を高めることを可能にするために、保持部材に切り込まれたスロットの隙間を含まなければならない。
【0065】
取り外し可能なアセンブリで硬いPEEK保持部材を使用することは直感に反することであり、取り外し可能なアセンブリには機能しないが、試験は、例えば図6図10図11A図11G図13図14A図14Cの実施形態に関して示されるように、キャップおよびアバットメントを有する硬いPEEK保持部材の使用は、実際に、そのような取り外し可能なアセンブリの利点、すなわち、固定式アセンブリにおいて、低コスト、手術計画がなく、その長期的な結果、より低い復元高さ、より少ない構成要素、金属界面上のねじおよび金属の排除、およびより大きな位置合わせマージンを提供することができることを示している。言い換えれば、上述のアセンブリ(例えば、16、1106、1706、および任意選択的に16、1106、1706と同じ特徴および形状を有するものの代わりに)を有するPEEK保持部材は、固定された用途に必要な保持を提供することが示されている。
【0066】
これは、取り外し可能なアセンブリの利点を可能にするだけでなく、修復計画に大きな柔軟性を提供するので、固定式アセンブリにとって大きな飛躍を表す。言い換えれば、患者は取り外し可能な状態で開始し、固定式の状態に移行することができる(またはその逆)が、改修が必要とされる可能性が高いことは後述する。しかし、おそらくより重要なことに、これは、固定式の復元が失敗した場合に、最小限の手順およびコストで成功した取り外し可能な復元への移行を可能にする。失敗した従来の固定式の回復の障害は、現在移行する能力がないため、感情的および財政的に壊滅的であり得る。修復計画は、手術結果に応じてその場で変更することもできる。
【0067】
ユーザが取り外し可能なアセンブリを有する場合、固定式の実装形態に切り替え、追加のインプラント(例えば、1904)が必要とされ得る。固定式人工装具が作製されている間、フランジ1910は短期間で取り外すことができ、同じ取り外し可能な人工装具1900を少なくとも短期間使用することができる。
【0068】
上述したように、インプラントの配置は、配置および他の要因が、人工装具に亀裂を生じさせる可能性がある片持ち力をもたらす可能性があるため、重要である。特定の例では、患者の顎は、そのような力の可能性に十分に対処するために、インプラントを患者の顎の十分に後方に配置することができない場合がある。一方、図11A図11Gを参照して説明した実施形態の保持部材1106は、最大32度の旋回係合(例えば、15~20度の旋回係合)に起因する角変位を許容することができるが、これは十分ではない場合がある。したがって、インプラントは、アバットメントが顎のさらに後ろに位置付けられるような角度を付ける必要があり得る。
【0069】
例えば、図13は、インプラント1702が、インプラント1702のプラットフォームの上方に延在するねじ部1710(およびアバットメント1704の底部の凹部内の相補的なねじ山(図示せず))を介してアバットメント1704にねじ込まれるアセンブリ1700を示しており、保持部材1706はアバットメント1704と取り外し可能に結合するように構成され、キャップ1708は保持部材1706と取り外し可能に結合するように構成される。しかし、図14A図14Cに示すように、インプラント1702の下部1802は、図14Aに示すように、アバットメントから下方に真っ直ぐ下方に延在するように構成された下部に対して、真っ直ぐ(図14A)であるように、または10~30度、5~35度、15~30度、10~35度、15度(図14B)、または30度(図14C)、約15度(13.5~16.5度)、あるいは約30度(27~33度)などの様々な角度であるように構成することができる。別の観点から見ると、プラットフォーム1803の中央部分から先端1805の中央部分まで延在する線は、アバットメント1804の中央頂部分からアバットメント1804の中央底部まで延在する線と位置合わせし、その下に位置付けられることができ(例えば、真っ直ぐな線を作る)、またはプラットフォーム1803の中央部分から先端1805の中央部分まで延在する線は、アバットメント1804の中央頂部からアバットメント1804の中央底部まで延在する線と角度(例えば、145~175度、145~170度、160~170度、165度、145~155度、150度)を形成することができる。
【0070】
いくつかの実施形態では、アセンブリ1700は、例えば、参照により完全に記載されているかのように本明細書に組み込まれる米国特許第9,314,318号明細書の図27図49に記載されているものと同様であり得る。インプラント1702の上部は、図14A図14Cでは見えないねじ部1710を備えることができる。インプラント1702の下部(例えば、1802)は、プラットフォーム1803と、患者の骨または組織とのねじ係合のためにプラットフォームから延在するねじ付きポストとを備えることができる。いくつかの態様では、インプラント1702は、角度付きプラットフォーム1803を含む下部1802を備えることができる。ねじ部1710は、図14B図14Cに示すように、プラットフォーム1803の上方に位置付けられ、アバットメント(例えば、1704または1804)にねじ込まれ得る。図14Aの真っ直ぐな実施形態では、プラットフォームは、(プラットフォーム1803の中心から先端1805までの)下部の長さに対して直交またはおよそ(例えば、10%以内)直交している。図14B図14Cの実施形態では、プラットフォーム1803は、ねじ付きポストの長さに直交する線に対して、例えば、約15度、約20度、約30度、5~35度、10~35度、10~30度、または15~30度、あるいはねじ付きポストの長さに直交する線に対して任意の他の適切な角度(複数可)が付けられている。角度付きプラットフォームは、有利には、(図13の実施形態のように)ねじ部(例えば、1710)が実質的に真っ直ぐ上に延在しながら、インプラント1702のねじ付きポストまたは下部(例えば、1802)が角度を付けることを可能にすることができる。別の観点から見ると、角度付きプラットフォームは、例えば、145~175度、145~170度、160~170度、165度、145~155度、または150度の角度を形成して、有利には、インプラント1702のねじ付きポストまたは下部がねじ部1710に対して角度を付けることを可能にすることができる。したがって、インプラント1702のねじ付きポストまたは下部1802がアバットメント1704に対して角度が付けられている場合でも、アバットメント1704はインプラント1702の真っ直ぐで上向きに延在するねじ部1710と結合することができ、アバットメント、保持部材または他の構成要素を角度付きインプラント上により良好に着座させることができる。いくつかの態様では、保持部材は、例えばPEEKを含む任意の適切な材料で作製することができる。
【0071】
図17は、固定式ハイブリッド歯科アタッチメントアセンブリ2100を示す。アセンブリ2100は、キャップ2108と、保持部材2106と、アバットメント部材2104とを備える。アバットメント部材2104は、歯根、インプラント、または隣接する歯に取り付けるように構成される。保持部材2106は、アバットメント部材に固定式の、非患者取り外し可能な取り付けのために設けられている。キャップ2108は、歯科器具の凹部内に固定するように構成される。アバットメント部材2104は、上端と、アバットメント部材が歯根またはインプラントに固定されたときに組織の高さの上方に突出するように位置付けられる外側位置決め面部とを有することができる。アバットメント部材2104は、上端にヘッド部を有し、ヘッド部から下向きに垂下するシャフトを有してもよい。シャフトは、ヘッド部(例えば、10度、20度、30度、10~30度)に対して所定の角度にあってもよく、またはヘッド部と位置合わせされてもよい。アバットメント部材2104は、本明細書に記載の他の実施形態に関連して説明したアバットメント部材のいずれかを含む、任意の適切なアバットメント部材を備えることができると考えられる。例えば、いくつかの実施形態では、アバットメント部材は、歯根、インプラント、または隣接する歯に取り付けるように成形された第1の端部と、外側位置決め面を有する第2の端部とを備えることができ、アバットメント部材の外側位置決め面は、2つの略丸みを帯びた環状突起または2つの環状溝を備える少なくとも2つの軸方向に離間した保持部分を有する。
【0072】
保持部材2106は、歯科器具の凹部内のキャップ内に係合するように構成された上端と、アバットメント部材の外側位置決め面上に係合するために保持部材の上端から突出する連続した切れ目のないスカートとを有することができ、スカートは丸みを帯びた凸状外面を有し、保持部材は、約10~75ポンド、例えば約25~75ポンドまたは約50~75ポンドの保持力を提供するようなPEEK材料または他の剛性材料から部分的または全体的に構築される。アバットメント部材2104および保持部材2106は、保持部材がアバットメント部材に取り付けられたときに解放可能なスナップ係合のための嵌合可能なスナップ係合構造を有することができる。いくつかの実施形態では、アバットメント部材は、アバットメント部材の上端から内向きに突出するソケットを有することができ、保持ヘッドは、ソケット内での解放可能なスナップ係合のために保持部材の上端から突出することができる。保持ヘッドは、スカートが保持ヘッドの下端を越えて下向きに延在する、下端を有することができ、それによって、保持ヘッドの下端がアバットメント部材への保持部材の再挿入時にソケットに到達する前にスカートがアバットメント部材に接触する。アバットメント部材は、唾液を逃がすためにソケットをアバットメント部材の外側に接続するウィープホールを有してもよい。図17に示すように、保持部材の上端は、外面および内面を備え、内面は、下向きに垂下する保持ヘッド(例えば、28)を欠いていてもよい。嵌合可能なスナップ係合構造は、アバットメント部材の外側位置決め面部の外向きに膨らんだ部分と、保持部材のスカートの内面の対応する凹状リング部分とを備えることができる。いくつかの実施形態では、保持部材は、アバットメント部材のそれぞれの保持部分との解放可能なスナップ係合のために、スカートの内面上に少なくとも2つの軸方向に離間したスナップ係合構造を有することができる。スカートの内面上の軸方向に離間したスナップ係合構造は、アバットメント部材上の環状突起上にスナップ係合するための2つの離間した環状溝、または対応するアバットメント部材上の環状溝とスナップ係合するための2つの環状突起を備えることができる。
【0073】
キャップ2108は、保持部材の上端を収容するための丸みを帯びた凹状内面を有する空洞を備えることができる。空洞の凹状内面は、スカートの丸みを帯びた外面上の解放可能なスナップ係合を可能にすることができる。いくつかの態様では、キャップは、中心長手方向軸、上壁、および上壁から離れるように延在する環状側壁を有する略カップ形状の部材を備えることができ、上壁および側壁は、歯科器具の凹部と係合するように成形された外面を有する。空洞は、保持部材との旋回係合または非旋回係合するように構成されてもよく、保持部材は、歯根、インプラント、または隣接する歯に取り付けられたアバットメント部材の外側位置決め面上で旋回係合または非旋回係合するように適合されてもよい。いくつかの企図される実施形態では、上壁は、内部上面の外側環状周縁部に沿って環状経路内を半径方向に延在する凹状凹部を有する内部上面を有することができ、凹状凹部は第1の曲率半径を有する湾曲を形成する。凹状凹部の湾曲は、側壁の内面の少なくとも一部に沿って、空洞の丸みを帯びた凹状内面の開口端に向かって連続してもよい。湾曲は、保持部材の中心長手方向軸と軸方向に位置合わせした旋回してない位置と、空洞の中心長手方向軸が保持部材の中心長手方向軸に対してある角度にある完全に旋回した位置との間で、保持部材との旋回係合を提供するように構成されてもよい。キャップを保持部材上で旋回させる範囲は、10~30度、15~20度、約30度、または少なくとも30度であってもよい。凹状凹部は、空洞の側壁および内部上面に沿って複数の異なる角度で湾曲することができる。凹状凹部は、一連の連続した接円弧で構成することができ、これはキャップの内部上面から底部までのサイズの増加の1つまたは複数で構成することができ、キャップの頂部分からキャップの底部までのサイズの増加する円で構成される。凹状凹部は、例えば約30度までの角度補正を有する保持部材を提供することができる。キャップは、例えば、約5.4mmの外径および約2.3mmの高さを含む、任意の適切な直径および高さを有することができる。
【0074】
アセンブリ2100はまた、インプラント2102を含むことができ、アセンブリ1700と同様に、インプラント2102の下部のねじ付きポスト2101は、真っ直ぐであるように、または真っ直ぐに対して15~32度などの上述のように様々な角度であるように構成することができ、特にインプラントは、アバットメント部材との解放可能な係合のために頂部分から延在する外部突起を備える。例えば、インプラント2102は、上部および下部を備えることができ、上部は、アバットメントのねじ付き凹部にねじ込むように構成されたねじ部2105を備え、下部は、角度付きプラットフォームであり得るプラットフォーム2103と、プラットフォームから下方に延在するねじ付きポスト2101とを備え、ねじ付きポストは、患者の口腔内の骨または組織とねじ係合するように構成される。インプラント2102のねじ付きポスト2101は、図17に示すように真っ直ぐであるように、または図17に示すようにアバットメントから真っ直ぐ下方に延在するように構成されたねじ付きポストに対して、10~30度、5~35度、15~30度、10~35度、15度、または30度、約15度(13.5~16.5度)、あるいは約30度(27~33度の間)などの様々な角度であるように構成することができる。別の観点から見ると、プラットフォーム2103の中央部分からねじ付きポストの先端の中央部分まで延在する線は、アバットメント2104の中央頂部分からアバットメント2104の中央底部まで延在する線と位置合わせし、その下に位置付けられることができ(例えば、真っ直ぐな線を作る)、またはプラットフォーム2103の中央部分からねじ付きポストの先端の中央部分まで延在する線は、アバットメント2104の中央頂部からアバットメント2104の中央底部まで延在する線と角度(例えば、145~175度、145~170度、160~170度、165度、145~155度、150度)を形成することができる。
【0075】
インプラント2102の下部は、プラットフォーム2103と、患者の骨または組織とのねじ係合のためにプラットフォームから延在するねじ付きポスト2101とを備えることができる。いくつかの態様では、インプラント2101は、角度付きプラットフォームを含む下部を備えることができる。ねじ部2105は、図17に示すように、プラットフォーム2103の上方に位置付けられ、アバットメント(例えば、2104)にねじ込まれ得る。図17の真っ直ぐな実施形態では、プラットフォームは、(プラットフォーム2193の中心からねじ付きポストの先端の中心までの)ねじ付きポストの長さに対して直交またはおよそ(例えば、10%以内)直交している。いくつかの企図される実施形態では、プラットフォーム2103は、ねじ付きポストの長さに直交する線に対して、例えば、約15度、約20度、約30度、5~35度、10~35度、10~30度、または15~30度、あるいはねじ付きポストの長さに直交する線に対して任意の他の適切な角度(複数可)で角度を付けることができる。角度付きプラットフォームは、有利には、インプラント2102のねじ付きポスト2101が、ねじ部分(例えば、2105)が実質的に真っ直ぐ上に延在しながら角度を付けることを可能にすることができる。別の観点から見ると、角度付きプラットフォームは、例えば、145~175度、145~170度、160~170度、165度、145~155度、または150度の角度を形成して、有利には、インプラント2102のねじ付きポストがねじ部2105に対して角度を付けることを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、ねじ付きポストは、患者の骨または組織にセルフタッピングするように適合された対向する軸方向カットを備えることができる。いくつかの実施形態では、歯科インプラントは、約1.5mm~約4.0mmの最大外径を有する。いくつかの実施形態では、ねじ付きポストは、異なるピッチの2つの連続するねじ山を備えることができる。いくつかの実施形態では、環状カフ部分は、異なる組織の深さに対応するために異なる高さであってもよい。いくつかの実施形態では、外部突起は、突起の上端から内向きに延在する工具受容ボアを含むことができる。
【0076】
別の態様によれば、企図されるインプラントは、a)(i)頂部および底部を有する第1の端部であって、第1の端部が、(1)アバットメント部材であって、アバットメント部材が外部下側ベベル部分を有する、アバットメント部材との解放可能な係合のために第1の端部の頂部から延在する外部突起と、(2)凹状の内向きのテーパ状のベベル面であって、テーパ状のベベル面が外部突起を取り囲む、凹状の内向きのテーパ状のベベル面を有する環状座部を画定する環状カフ部分と、を備え、アバットメント部材の下側ベベルは、アバットメント部材が外部突起と解放可能に係合したときに環状座部のテーパ状のベベル面に接触し、着座して接続線を形成し、接続線は、インプラントが患者の口腔内に固定されたときに患者の歯茎線のわずかに下方に位置する、第1の端部と、(ii)患者の骨または組織に直接係合するために第1の端部の底部から延在するねじ付きポストと、を備える骨内歯科インプラントを備える。ねじ付きポストは、真っ直ぐであってもよく、または第1の端部およびアバットメント部材の少なくとも一方に対して角度を付けてもよいと考えられる。例えば、ねじ付きポストは、第1の端部およびアバットメント部材の少なくとも一方に対して10~20度、約15度、25~35度、または約30度の角度を付けることができる。いくつかの実施形態では、ねじ付きポストは、単一の食付き部の山または複数の食付き部の山を備えることができる。いくつかの実施形態では、ねじ付きポストは、患者の骨または組織にセルフタッピングするように適合された対向する軸方向カットを備えることができる。いくつかの実施形態では、歯科インプラントは、約1.5mm~約4.0mmの最大外径を有する。いくつかの実施形態では、ねじ付きポストは、異なるピッチの2つの連続するねじ山を備えることができる。いくつかの実施形態では、環状カフ部分は、異なる組織の深さに対応するために異なる高さであってもよい。いくつかの実施形態では、外部突起は、突起の上端から内向きに延在する工具受容ボアを含むことができる。
【0077】
しかしながら、アセンブリ2100またはその1つまたは複数の構成要素(例えば、キャップ2108、保持部材2106)は、本明細書に記載のアセンブリおよび歯科器具のいずれかの構成要素のいずれかに関連して使用することができることを理解されたい。
【0078】
いくつかの態様では、歯科アセンブリは、歯科器具および任意の適切な数のアタッチメントアセンブリ(例えば、1、2、3、4、5)を備えることができる。歯科器具は、歯科アセンブリに含まれるアタッチメントアセンブリの数と少なくとも同じ数の凹部を有することができる。各アタッチメントアセンブリは、キャップ、保持部材、およびアバットメントを備えることができる。各アタッチメントアセンブリは、任意選択的にインプラントを備えることができる。歯科アセンブリのアタッチメントアセンブリは、同じまたは異なるアタッチメントアセンブリを備えることができる。例えば、アタッチメントアセンブリは、図1図5図6図10図11A図11G図13図14A図17に記載および図示された歯科アセンブリを含む、本明細書に記載の歯科アセンブリの任意の組み合わせの1つまたは複数を備えることができ、アタッチメントアセンブリの少なくとも1つの保持部材は、第1の端部と、第1のアバットメント部材の外側位置決め面上に係合するための内面を画定する第1の端部から延在する連続した切れ目のないスカートとを有し、保持部材は、約10~75ポンドの保持力を提供するような剛性材料(例えば、PEEK)から構築される。
【0079】
非限定的な実施形態
【0080】
実施形態1.上部および下部を備えるインプラントであって、上部は、アバットメントのねじ付き凹部にねじ込むように構成されたねじ部を備え、下部は、角度付きプラットフォームと、角度付きプラットフォームから延在するねじ付きポストとを備え、ねじ付きポストは、患者の口腔内の骨または組織とねじ係合するように構成され、角度付きプラットフォームは、ねじ付きポストの長さに直交する線に対して角度が付けられている、インプラントを備える、患者の口腔のための歯科アセンブリ。
【0081】
実施形態2.第1の端部と、アバットメントの外側位置決め面上に係合するための内面を画定する、第1の端部から延在する連続した切れ目のないスカートとを有する保持部材をさらに備える、実施形態1に記載の歯科アセンブリ。
【0082】
実施形態3.保持部材が、約10~75ポンドの保持力を提供するような、剛性ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)材料から構築される、実施形態1または実施形態2に記載の歯科アセンブリ。
【0083】
実施形態4.歯科器具内に固定し、保持部材と係合するように構成されたキャップをさらに備える、実施形態1、実施形態2または実施形態3に記載の歯科アセンブリ。
【0084】
実施形態5.ねじ付きポストが、上部のねじ部に対して角度が付けられている、実施形態1~4のいずれかに記載の歯科アセンブリ。
【0085】
実施形態6.ねじ付きポストが、上部のねじ部に対して約15度の角度が付けられている、実施形態1~5のいずれかに記載の歯科アセンブリ。
【0086】
実施形態7.ねじ付きポストが、上部のねじ部に対して約30度の角度が付けられている、実施形態1~5のいずれかに記載の歯科アセンブリ。
【0087】
実施形態8.ねじ付きポストが、上部のねじ部に対して約20度の角度が付けられている、実施形態1~5のいずれかに記載の歯科アセンブリ。
【0088】
実施形態9.角度付きプラットフォームが、ねじ付きポストの長さに直交する線に対して10~35度の角度が付けられている、実施形態1~5のいずれかに記載の歯科アセンブリ。
【0089】
実施形態10.ねじ付きポストが、単一の食付き部の山または複数の食付き部の山を備える、実施形態1に記載の歯科アセンブリ。
【0090】
実施形態11.ねじ付きポストが、骨または組織へのセルフタッピングに適合された対向する軸方向カットを備える、実施形態1に記載の歯科アセンブリ。
【0091】
実施形態12.ねじ付きポストが、単一の食付き部の山または複数の食付き部の山を備える、実施形態9に記載の歯科アセンブリ。
【0092】
実施形態13.ねじ付きポストが、骨または組織へのセルフタッピングに適合された対向する軸方向カットを備える、実施形態9に記載の歯科アセンブリ。
【0093】
実施形態14.インプラントが、約1.5mm~約4.0mmの最大外径を有する、実施形態1に記載の歯科アセンブリ。
【0094】
実施形態15.インプラントが、約1.5mm~約4.0mmの最大外径を有する、実施形態9に記載の歯科アセンブリ。
【0095】
実施形態16.ねじ付きポストが、単一の食付き部の山または複数の食付き部の山を備える、実施形態6に記載の歯科アセンブリ。
【0096】
実施形態17.ねじ付きポストが、単一の食付き部の山または複数の食付き部の山を備える、実施形態7に記載の歯科アセンブリ。
【0097】
実施形態18.ねじ付きポストが、骨または組織にセルフタッピングするように適合された対向する軸方向カットを備える、実施形態6に記載の歯科アセンブリ。
【0098】
実施形態19.ねじ付きポストが、骨または組織へのセルフタッピングに適合された対向する軸方向カットを備える、実施形態7に記載の歯科アセンブリ。
【0099】
実施形態20.インプラントが、約1.5mm~約4.0mmの最大外径を有する、実施形態6に記載の歯科アセンブリ。
【0100】
実施形態21.インプラントが、約1.5mm~約4.0mmの最大外径を有する、実施形態7に記載の歯科アセンブリ。
【0101】
実施形態22.歯根、インプラント、または隣接する歯に取り付けるためのアバットメント部材であって、アバットメント部材が、上端と、上端から下向きに突出する外側位置決め面部とを有し、外側位置決め面部は、アバットメント部材が歯根、インプラント、または隣接する歯に固定されたときに組織の高さよりも上方に突出するように位置付けられる、アバットメント部材と、アバットメント部材への固定式の、非患者取り外し可能な取り付けのための保持部材であって、保持部材は、歯科器具の凹部内のキャップ内で旋回係合するための旋回ジョイントと、アバットメント部材の外側位置決め面上に係合するために保持部材の上端から突出する連続した切れ目のないスカートであって、スカートは、丸みを帯びた凸状外面を有する、スカートとを備える上端を有し、保持部材は、約10~75ポンドの保持力を提供するような剛性材料から構築される、保持部材と、保持部材がアバットメント部材に取り付けられたときに解放可能なスナップ係合のための嵌合可能なスナップ係合構造を有する、アバットメント部材および保持部材と、歯科器具内の凹部内に固定するためのキャップであって、キャップは、前述の旋回ジョイントを収容するための空洞を有し、空洞は、スカートの丸みを帯びた外面上に解放可能なスナップ係合のための丸みを帯びた凹状内面を有し、旋回ジョイントおよびキャップの空洞は、一緒に、歯科器具に対する保持部材上のキャップの旋回を可能にするための手段を備える、キャップと、を備える、歯科アタッチメントアセンブリ。
【0102】
実施形態23.外側位置決め面部は、部材が一緒に固定されるときに保持部材をアバットメント部材上の中央に配置するために、少なくともアバットメント部材の上端に隣接して、外向きにテーパ状である、実施形態22に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0103】
実施形態24.剛性材料はPEEKである、実施形態22に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0104】
実施形態25.アバットメント部材は、アバットメント部材の上端から内向きに突出するソケットを有し、保持ヘッドは、ソケット内での解放可能なスナップ係合のために保持部材の上端から突出する、実施形態22に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0105】
実施形態26.保持ヘッドは下端を有し、スカートは保持ヘッドの下端を越えて下向きに延在し、それによって、保持部材をアバットメント部材に再挿入する際に、保持ヘッドの下端がソケットに到達する前にスカートがアバットメント部材に接触する、実施形態25に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0106】
実施形態27.保持ヘッドはスカートの下端を超えて下向きに突出せず、それによってスカートの下端は、アタッチメントアセンブリの他の部分よりも前にアバットメント部材に接触する、実施形態25に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0107】
実施形態28.アバットメント部材は、唾液を逃がすことを可能にするためにソケットをアバットメント部材の外側に接続するウィープホールを有する、実施形態25に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0108】
実施形態29.外側位置決め面部は、前述の上端から外向きテーパを有し、アバットメント部材が患者の口腔内に固定されたときに組織の高さより上の所定の位置で終端する、実施形態22に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0109】
実施形態30.アバットメント部材は、前述の上端の下方に離間した下端を有する略円筒形ヘッドを備える、実施形態22に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0110】
実施形態31.スカートは、凹状であり、雄部材とアバットメント部材とが一緒に固定されたときに内面の高さの少なくとも大部分に沿ってアバットメント部材の外側位置決め面部に接触しない所定の高さの内面を有する、実施形態22に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0111】
実施形態32.アバットメント部材の外側位置決め面部は、アバットメント部材をインプラントと係合するための挿入器具と係合するための一対の直径方向に対向する細長いノッチを有する、実施形態22に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0112】
実施形態33.アバットメント部材は、非六角形インプラントに取り付けるための手段を備え、アバットメント部材は、1.75mmの最小高さを有する、実施形態22に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0113】
実施形態34.アバットメント部材は、六角形インプラントに取り付けるための手段を備え、アバットメント部材は、2.75mmの最小高さを有する、実施形態22に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0114】
実施形態35.アバットメント部材は、前述の上端に隣接する凸状外面部分を有する略円筒形ヘッド40を備え、保持部材は、前述のヘッド上に嵌合するための内部空洞を有する略カップ形状であり、スカートは、部材を一緒に解放可能に固定するために前述の凸状外面部分上にスナップ係合するための凹状内面部分を有し、前述の凸状および凹状表面部分は、前述の嵌合可能なスナップ係合構造を備える、実施形態22に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0115】
実施形態36.アバットメント部材は、上端にヘッド部と、ヘッド部から下向きに垂下するシャフトとを有する、実施形態22に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0116】
実施形態37.シャフトは、ヘッド部に対して所定の角度にある、実施形態36に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0117】
実施形態38.歯根またはインプラントと選択的に係合するための複数のアバットメント部材を含み、前述のヘッド部と位置合わせされたシャフトを有する第1のアバットメント部材と、前述のヘッド部に対して10°の角度でシャフトを有する第2の角度付きアバットメント部材と、前述のヘッド部に対して20°の角度でシャフトを有する第3の角度付きアバットメント部材とを含む、実施形態37に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0118】
実施形態39.前述のヘッド部の外側位置決め面部は、凸状である、実施形態38に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0119】
実施形態40.前述のアバットメント部材は、上端から前述の下端まで延在する貫通ボアを有し、保持部材は、該貫通ボア内での解放可能なスナップ係合のためにその上端から突出する保持ヘッドを有する、実施形態38に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0120】
実施形態41.前述のスカートは、前述の保持ヘッドが前述のアバットメント部材の上端に到達する前に前述のアバットメント部材に接触するために、前述の保持ヘッドを越えて延在する下端を有する、実施形態40に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0121】
実施形態42.前述のスカートおよび前述の外側位置決め面部分は、雄部材およびアバットメント部材が一緒に固定されるときに前述の保持ヘッドを前述の貫通ボアと位置合わせするための位置合わせ手段を共に備える、実施形態41に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0122】
実施形態43.キャップは、中心長手方向軸を有する略カップ形状の部材と、上壁および上壁から離れて延在する環状側壁を備え、上壁および側壁は、歯科器具の凹部と係合するように成形された外面と、歯根、インプラント、または隣接する歯に取り付けられ、中心長手方向軸を有するアバットメント部材の外側位置決め面上で非旋回係合するように適合された保持部材と旋回係合するように構成された空洞を画定する丸みを帯びた凹状内面とを有し、上壁は、内部上面の外側環状周縁部に沿って環状経路内で半径方向に延在する凹状凹部を有する内部上面を有し、凹状凹部は、第1の曲率半径を有する曲線を形成し、凹状凹部の湾曲は、空洞の丸みを帯びた凹状内面の開口端に向かって側壁の内面の少なくとも一部に沿って連続し、湾曲は、保持部材の中心長手方向軸と軸方向に位置合わせした旋回してない位置と、空洞の中心長手方向軸が保持部材の中心長手方向軸に対してある角度にある完全に旋回した位置との間で、保持部材との旋回係合を提供するように構成されている、実施形態22に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0123】
実施形態44.空洞内に垂直に突出する上面の中央部分をさらに備え、突出した中央部分は、旋回してない位置で保持部材の対向面の中央部分に接触するように適合される、実施形態43に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0124】
実施形態45.凹状凹部の湾曲および空洞の側壁の内面は、側壁に沿った上壁からの湾曲の長さに沿って異なる曲率半径を有する複数の連続した接円弧を備える、実施形態43に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0125】
実施形態46.一連の連続した接円弧の曲率半径は、空洞の丸みを帯びた凹状内面の内部上面から開口端に向かってサイズが増大する、実施形態45に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0126】
実施形態47.一連の連続した接円弧の曲率半径は、空洞の丸みを帯びた凹状内面の内部上面から開口端までサイズが増大する、実施形態46に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0127】
実施形態48.空洞の凹状内面の湾曲に沿って3つの連続した接円弧が存在する、実施形態47に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0128】
実施形態49.連続した接円弧が、それぞれ0.034、0.042および0.093インチの半径を有する、実施形態48に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0129】
実施形態50.キャップの外径が約5.4ミリメートル(mm)であり、キャップの高さが約2.3mmである、実施形態43に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0130】
実施形態51.旋回してない位置と完全に旋回した位置との間の、保持部材に対するキャップの凹状凹部の旋回係合は、最大約30度である、実施形態43に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0131】
実施形態52.キャップの内部上面の凹状凹部が、内部上面と、旋回してない位置にある保持部材の対向する第1の端部との間に空間を提供し、完全に旋回した位置にある保持部材の対向する外面部分と係合するように適合されている、実施形態43に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0132】
実施形態53.歯根、インプラント、または隣接する歯に取り付けるためのアバットメント部材であって、アバットメント部材が、上端と、上端から下向きに突出する外側位置決め面部とを有し、外側位置決め面部は、アバットメント部材が歯根、インプラント、または隣接する歯に固定されたときに組織の高さよりも上方に突出するように位置付けられる、アバットメント部材と、アバットメント部材への固定式の、非患者取り外し可能な取り付けのための保持部材であって、保持部材は、歯科器具の凹部内のキャップ内に係合するように構成された上端と、アバットメント部材の外側位置決め面上に係合するために保持部材の上端から突出する連続した切れ目のないスカートとを有し、スカートは丸みを帯びた凸状外面を有し、保持部材は、約10~75ポンドの保持力を提供するようなPEEK材料から構築される、保持部材と、保持部材がアバットメント部材に取り付けられたときに解放可能なスナップ係合のための嵌合可能なスナップ係合構造を有するアバットメント部材および保持部材と、を備え、キャップは、歯科器具の凹部内に固定するように構成され、保持部材の前述の上端を収容するための空洞であって、空洞は、スカートの丸みを帯びた外面上に解放可能なスナップ係合のための丸みを帯びた凹状内面を有する、空洞を備える、歯科アタッチメントアセンブリ。
【0133】
実施形態54.アバットメント部材は、上端にヘッド部と、ヘッド部から下向きに垂下するシャフトとを備え、シャフトは、ヘッド部と位置合わせされていないヘッド部に対して所定の角度にある、実施形態53に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0134】
実施形態55アバットメント部材は、アバットメント部材の上端から内向きに突出するソケットを有し、保持ヘッドは、ソケット内で解放可能にスナップ係合するために、保持部材の上端から突出する、実施形態53に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0135】
実施形態56.保持ヘッドは下端を有し、スカートは保持ヘッドの下端を越えて下向きに延在し、それによって、保持部材をアバットメント部材に再挿入する際に、保持ヘッドの下端がソケットに到達する前にスカートがアバットメント部材に接触する、実施形態55に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0136】
実施形態57.保持ヘッドは、スカートの下端を超えて下向きに突出せず、それによってスカートの下端は、アタッチメントアセンブリのいずれの他の部分よりも前にアバットメント部材に接触する、実施形態55に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0137】
実施形態58.アバットメント部材は、唾液を逃がすために、アバットメント部材の上端から内向きに突出するソケットをアバットメント部材の外側に接続するウィープホールを有する、実施形態53に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0138】
実施形態59.嵌合可能なスナップ係合構造は、アバットメント部材の外側位置決め面部の外向きに膨らんだ部分と、保持部材のスカートの内面の対応する凹状リング部分とを備える、実施形態53に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0139】
実施形態60.アバットメント部材は、前述の上端に隣接する凸状外面部分を有する略円筒形ヘッドを備え、保持部材は、前述のヘッド上に嵌合するための内部空洞を有する略カップ形状であり、スカートは、部材を一緒に解放可能に固定するために前述の凸状外面部分上にスナップ係合するための凹状内面部分を有し、前述の凸状および凹状表面部分は、前述の嵌合可能なスナップ係合構造を備える、実施形態53に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0140】
実施形態61.第2のアバットメント部材および第3のアバットメント部材をさらに備え、アバットメント部材は、前述のヘッド部と位置合わせされたシャフトを有し、第2のアバットメント部材は、前述のヘッド部に対して10°の角度のシャフトを有し、第3のアバットメント部材は、前述のヘッド部に対して20°の角度のシャフトを有する、実施形態54に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0141】
実施形態62.ヘッド部が外側位置決め面部を備え、外側位置決め面部が凸状である、実施形態54に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0142】
実施形態63.キャップは、中心長手方向軸、上壁、および上壁から離れて延在する環状側壁を有する略カップ形状部材であって、上壁および側壁は、歯科器具の凹部と係合するように成形された外面を有し、空洞は、歯根、インプラント、または隣接する歯に取り付けられたアバットメント部材の外側位置決め面上で非旋回係合するように適合された保持部材と旋回係合するように構成される、略カップ形状部材と、内部上面の外側環状周縁部に沿って環状経路内で半径方向に延在する凹状凹部であって、凹状凹部は、第1の曲率半径を有する曲線を形成する、凹状凹部を有する内部上面を有する上壁と、空洞の丸みを帯びた凹状内面の開口端に向かって側壁の内面の少なくとも一部に沿って連続している、凹状凹部の湾曲と、を備え、湾曲は、保持部材の中心長手方向軸と軸方向に位置合わせした旋回してない位置と、空洞の中心長手方向軸が保持部材の中心長手方向軸に対してある角度にある完全に旋回した位置との間で、保持部材との旋回係合を提供するように構成される、実施形態53に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0143】
実施形態64.保持部材の上端が旋回ジョイントを備え、旋回ジョイントおよびキャップ空洞が一緒に保持部材上でのキャップの旋回を可能にする、実施形態53に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0144】
実施形態65.保持部材上のキャップの旋回範囲が15~20度である、実施形態64に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0145】
実施形態66.保持部材上のキャップの旋回範囲が約30度である、実施形態64に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0146】
実施形態67.歯根、インプラント、または隣接する歯に取り付けるように成形された第1の端部と、外側位置決め面を有する第2の端部とを有するアバットメント部材であって、アバットメント部材の外側位置決め面は、2つの略丸みを帯びた環状突起を備える少なくとも2つの軸方向に離間した保持部分を有する、アバットメント部材と、第1の端部と、アバットメント部材の外側位置決め面上に係合するための内面を画定する第1の端部から延在する連続した切れ目のないスカートとを有する保持部材であって、保持部材は、約10~75ポンドの保持力を提供するような剛性材料から構築され、保持部材は、アバットメント部材のそれぞれの保持部分との解放可能なスナップ係合のために、スカートの内面上に少なくとも2つの軸方向に離間したスナップ係合構造を有し、スカートの内面上の軸方向に離間したスナップ係合構造は、アバットメント部材上の環状突起上にスナップ係合するための2つの離間した環状溝を備える、保持部材と、保持部材を受け入れるための空洞を画定する丸みを帯びた凹状内面を有するキャップと、を備え、キャップは、歯科器具内に固定するように構成される、歯科アタッチメントアセンブリ。
【0147】
実施形態68.剛性材料はPEEKである、実施形態67に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0148】
実施形態69.空洞の内部上面は、空洞の内部上面の外周に沿って半径方向に延在する凹状凹部を含む、実施形態67に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0149】
実施形態70.空洞内に垂直に突出する内部上面の中央部分をさらに備える、実施形態69に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0150】
実施形態71.保持部材は、内部上面の中央部分と直接接触している、実施形態70に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0151】
実施形態72.凹状凹部の湾曲は、空洞を画定する丸みを帯びた凹状内面の側壁に沿って続く、実施形態68に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0152】
実施形態73.凹状凹部は、空洞の側壁および内部上面に沿って複数の変化する角度で湾曲する、実施形態72に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0153】
実施形態74.凹状凹部は、一連の連続した接円弧から構成される、実施形態72に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0154】
実施形態75.一連の連続した接円弧は、キャップの内部上面から底部までサイズが増大する、実施形態74に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0155】
実施形態76.一連の連続した接円弧は、キャップの頂部分からキャップの底部までサイズが増大する円からなる、実施形態73に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0156】
実施形態77.キャップの外径が約5.4ミリメートル(mm)であり、キャップの高さが約2.3mmである、実施形態67に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0157】
実施形態78.凹状凹部が、約30度までの角度補正を有する保持部材を提供する、実施形態68に記載の歯科アタッチメントアセンブリ。
【0158】
実施形態79.(a)(i)頂部および底部を有する第1の端部であって、第1の端部は、(1)アバットメント部材であって、アバットメント部材は下部を有する、アバットメント部材との解放可能な係合のために第1の端部の頂部から延在する外部突起と、(2)環状座部を画定する環状カフ部分と、を備え、アバットメント部材の下部は、アバットメント部材が外部突起と解放可能に係合するときに環状座部に接触し、その上に着座して接続線を形成し、接続線は、インプラントが患者の口腔内に固定されたときに患者の歯茎線のわずかに下方に位置する、第1の端部と、(ii)患者の骨または組織に直接係合するために第1の端部の底部から延在するねじ付きポストと、を備える骨内歯科インプラントと、(b)第1の端部と、アバットメント部材の外側位置決め面上に固定式の、非患者取り外し可能な係合のための内面を画定する第1の端部から延在する連続した切れ目のないスカートとを有する保持部材であって、保持部材は、10~75ポンドの保持力を提供するような剛性材料から構築され、剛性材料は、PEEKを含む、保持部材と、(c)歯科器具内に固定され、保持部材と係合するように構成されたキャップと、を備える、歯科アセンブリ。
【0159】
実施形態80.(a)(i)頂部および底部を有する第1の端部であって、第1の端部は、(1)アバットメント部材であって、アバットメント部材は外部下部を有する、アバットメント部材との解放可能な係合のために第1の端部の頂部から延在する外部突起と、(2)凹状の内向きのテーパ状のベベル面であって、テーパ状のベベル面が外部突起を取り囲む、凹状の内向きのテーパ状のベベル面を有する環状座部を画定する環状カフ部分と、を備え、アバットメント部材の下側ベベルは、アバットメント部材が外部突起と解放可能に係合するときに環状座部のテーパ状のベベル面に接触し、着座して接続線を形成し、接続線は、インプラントが患者の口腔内に固定されたときに患者の歯茎線のわずかに下方に位置する、第1の端部と、(ii)患者の骨または組織に直接係合するために第1の端部の底部から延在するねじ付きポストと、を備える骨内歯科インプラントと、(b)第1の端部と、アバットメント部材の外側位置決め面上に係合するため内面を画定する第1の端部から延在する連続した切れ目のないスカートとを有する保持部材であって、保持部材は、約10~75ポンドの保持力を提供するような剛性材料から構築される、保持部材と、(c)歯科器具内に固定し、保持部材と係合するように構成されたキャップと、を備える、歯科アセンブリ。
【0160】
実施形態81.ねじ付きポストは、外部突起、第1の端部、およびアバットメント部材のうちの少なくとも1つに対して角度が付けられている、実施形態79または実施形態80に記載の歯科アセンブリ。
【0161】
実施形態82.ねじ付きポストは、第1の端部およびアバットメント部材の少なくとも一方に対して10~20度の角度が付けられている、実施形態81に記載の歯科アセンブリ。
【0162】
実施形態83.ねじ付きポストは、第1の端部およびアバットメント部材の少なくとも一方に対して約15度の角度が付けられている、実施形態82に記載の歯科アセンブリ。
【0163】
実施形態84.ねじ付きポストは、第1の端部およびアバットメント部材の少なくとも一方に対して25~35度の角度が付けられている、実施形態81に記載の歯科アセンブリ。
【0164】
実施形態85.ねじ付きポストは、第1の端部およびアバットメント部材の少なくとも一方に対して約30度の角度が付けられている、実施形態84に記載の歯科アセンブリ。
【0165】
実施形態86.剛性材料はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)である、実施形態79または実施形態80に記載の歯科アセンブリ。
【0166】
実施形態87.ねじ付きポストは、単一の食付き部の山または複数の食付き部の山を備える、実施形態79または実施形態80に記載の歯科アセンブリ。
【0167】
実施形態88.ねじ付きポストは、患者の骨または組織にセルフタッピングするように適合された対向する軸方向カットを備える、実施形態79または実施形態80に記載の歯科アセンブリ。
【0168】
実施形態89.歯科インプラントは、約1.5mm~約4.0mmの最大外径を有する、実施形態79または実施形態80に記載の歯科アセンブリ。
【0169】
実施形態90.ねじ付きポストは、異なるピッチの2つの連続するねじ山を備える、実施形態79または実施形態80に記載の歯科アセンブリ。
【0170】
実施形態91.環状カフ部分は、異なる組織深さに対応するために異なる高さであってもよい、実施形態79または実施形態80に記載の歯科アセンブリ。
【0171】
実施形態92.外部突起は、突起の上端から内向きに延在する工具受容ボアを有する、実施形態79または実施形態80に記載の歯科アセンブリ。
【0172】
実施形態93.歯科アセンブリであって、第1の凹部および第2の凹部を備える歯科器具と、第1の凹部内に固定するための第1のキャップおよび第2の凹部内に固定するための第2のキャップと、第1の歯根、インプラント、または隣接する歯に取り付けるための第1のアバットメント部材および第2の歯根、インプラント、または隣接する歯に取り付けるための第2のアバットメント部材と、第1のキャップ内に係合するようにサイズ設定された第1の保持部材であって、第1の保持部材は、第1の端部と、第1のアバットメント部材の外側位置決め面上に係合するための内面を画定する第1の端部から延在する連続した切れ目のないスカートとを有し、保持部材は、約10~75ポンドの保持力を提供するような剛性材料から構築される、第1の保持部材と、第2のキャップ内に係合するようにサイズ設定された第2の保持部材であって、第2の保持部材は、第1の端部と、第2のアバットメント部材の外側位置決め面上に係合するための内面を画定する第1の端部から延在する連続した切れ目のないスカートとを有し、保持部材は、約10~75ポンドの保持力を提供するような剛性材料から構築される、第2の保持部材と、を備える、歯科アセンブリ。
【0173】
実施形態94.第1のアバットメント部材は上端を備え、第1のアバットメント部材の外側位置決め面は、アバットメント部材が第1の歯根、インプラント、または隣接する歯に固定されるときに組織の高さの周りに突出するように位置付けられ、第1の保持部材は、第1のキャップ内で旋回係合するための旋回ジョイントを備える上端を備え、第1のアバットメント部材および第1の保持部材は、第1の保持部材が第1のアバットメント部材に取り付けられたときに解放可能なスナップ係合のための嵌合可能なスナップ係合構造を有し、第1のキャップは、旋回ジョイントを収容するための空洞であって、空洞は、スカートの丸みを帯びた外面上に解放可能なスナップ係合のための丸みを帯びた凹状内面を有する、空洞を備え、旋回ジョイントおよびキャップ空洞は、一緒に歯科器具に対する第1の保持部材上の第1のキャップの旋回を可能にするための手段を備える、実施形態93に記載の歯科アセンブリ。
【0174】
実施形態95.第1のアバットメント部材の外側位置決め面は、部材が一緒に固定されるときに第1の保持部材を第1のアバットメント部材上の中央に配置するために、少なくとも第1のアバットメント部材の上端に隣接して、外向きにテーパ状である、実施形態94に記載の歯科アセンブリ。
【0175】
実施形態96.第1のアバットメント部材は、第1の歯根、インプラントまたは隣接する歯に取り付けるように成形された第1の端部と、第1の外側位置決め面を有する第2の端部とを備え、第1のアバットメント部材の第1の外側位置決め面は、2つの略丸みを帯びた環状突起を備える少なくとも2つの軸方向に離間した保持部分を有し、第1の保持部材は、アバットメント部材のそれぞれの保持部分との解放可能なスナップ係合のためにスカートの内面に少なくとも2つの軸方向に離間したスナップ係合構造を有し、スカートの内面に軸方向に離間したスナップ係合構造は、第1のアバットメント部材上の環状突起上にスナップ係合するための2つの離間した環状溝を備え、第1のキャップは、第1の保持部材との旋回係合を受け入れるための空洞を画定する丸みを帯びた凹状内面を備え、空洞の内部上面は、空洞の内部上面の外周に沿って半径方向に延在する凹状凹部を含む、実施形態93に記載の歯科アセンブリ。
【0176】
実施形態97.上部および下部を備えるインプラントをさらに備え、上部は、第1のアバットメント部材のねじ付き凹部にねじ込むように構成されたねじ部を備え、下部は、角度付きプラットフォームと、角度付きプラットフォームから延在するねじ付きポストとを備え、ねじ付きポストは、患者の口腔内の骨または組織とねじ係合するように構成され、角度付きプラットフォームは、ねじ付きポストの長さに直交する線に対して角度が付けられている、実施形態93に記載の歯科アセンブリ。
【0177】
実施形態98.剛性材料はPEEKである、実施形態93に記載の歯科アセンブリ。
【0178】
実施形態99.第1のアバットメント部材は、アバットメント部材の上端から内向きに突出するソケットを有し、保持ヘッドは、ソケット内での解放可能なスナップ係合のために第1の保持部材の上端から突出する、実施形態94または実施形態95に記載の歯科アセンブリ。
【0179】
実施形態100.外側位置決め面は、第1のアバットメント部材の上端から外向きのテーパを有し、第1のアバットメント部材が患者の口腔内に固定されたときに組織の高さより上の所定の位置で終端する、実施形態94または実施形態95に記載の歯科アセンブリ。
【0180】
実施形態101.第1のアバットメント部材は、第1のアバットメント部材の上端の下方に離間した下端を有する略円筒形ヘッドを備える、実施形態94または実施形態95に記載の歯科アセンブリ。
【0181】
実施形態102.第1の保持部材のスカートは、凹状であり、第1の保持部材と第1のアバットメント部材とが一緒に固定されたときに内面の高さの少なくとも大部分に沿って第1のアバットメント部材の外側位置決め面部に接触しない所定の高さの内面を有する、実施形態94または実施形態95に記載の歯科アセンブリ。
【0182】
実施形態103.第1のキャップは、中心長手方向軸、上壁、および上壁から離れて延在する環状側壁を有する略カップ形状の部材を備え、上壁および側壁は、歯科器具の第1の凹部と係合するように成形された外面を有する、実施形態94または実施形態95に記載の歯科アセンブリ。
【0183】
実施形態104.第1のアバットメント部材は、第1の歯根、インプラント、または隣接する歯に取り付けるように成形された第1の端部と、第1の外側位置決め面を有する第2の端部とを備え、第1のアバットメント部材の第1の外側位置決め面は、2つの略丸みを帯びた環状突起を備える少なくとも2つの軸方向に離間した保持部分を有し、第1の保持部材は、アバットメント部材のそれぞれの保持部分との解放可能なスナップ係合のためにスカートの内面上に少なくとも2つの軸方向に離間したスナップ係合構造を有し、スカートの内面上の軸方向に離間したスナップ係合構造は、第1のアバットメント部材上の環状突起上のスナップ係合のため2つの離間した環状溝を備え、第1のキャップは、第1の保持部材との旋回係合を受け入れるための空洞を画定する丸みを帯びた、凹状内面を備え、空洞の内部上面は、空洞の内部上面の外周に沿って半径方向に延在する凹状凹部を含む、実施形態93に記載の歯科アセンブリ。
【0184】
実施形態105.空洞内に垂直に突出する内部上面の中央部分をさらに備える、実施形態104に記載の歯科アセンブリ。
【0185】
実施形態106.第1の保持部材は、内部上面の中央部分と直接接触している、実施形態105に記載の歯科アセンブリ。
【0186】
実施形態107.凹状凹部の湾曲は、空洞を画定する丸みを帯びた凹状内面の側壁に沿って続く、実施形態104に記載の歯科アセンブリ。
【0187】
実施形態108.凹状凹部は、空洞の側壁および内部上面に沿って複数の異なる角度で湾曲する、実施形態107に記載の歯科アセンブリ。
【0188】
実施形態109.凹状凹部は、一連の連続した接円弧から構成される、実施形態108に記載の歯科アセンブリ。
【0189】
実施形態110.(i)頂部および底部を有する第1の端部であって、第1の端部は、(1)第1のアバットメント部材であって、第1のアバットメント部材は外部下側ベベル部分を有する、第1のアバットメント部材との解放可能な係合のために第1の端部の頂部から延在する外部突起と、(2)凹状の内向きのテーパ状のベベル面であって、テーパ状のベベル面が外部突起を取り囲む、凹状の内向きのテーパ状のベベル面を有する環状座部を画定する環状カフ部分と、を備え、第1のアバットメント部材の下側ベベルは、アバットメント部材が外部突起と解放可能に係合するときに環状座部のテーパ状のベベル面に接触し、着座して接続線を形成し、接続線は、インプラントが患者の口腔内に固定されたときに患者の歯茎線のわずかに下方に位置する、第1の端部と、(ii)患者の骨または組織に直接係合するために第1の端部の底部から延在するねじ付きポストと、を備える、骨内歯科インプラントをさらに備える、実施形態93に記載の歯科アセンブリ。
【0190】
実施形態111.ねじ付きポストは、第1の端部および第1のアバットメント部材の少なくとも一方に対して角度が付けられている、実施形態110に記載の歯科アセンブリ。
【0191】
実施形態112.ねじ付きポストは、第1の端部およびアバットメント部材の少なくとも一方に対して10~20度の角度が付けられている、実施形態111に記載の歯科アセンブリ。
【0192】
実施形態113.ねじ付きポストは、第1の端部およびアバットメント部材の少なくとも一方に対して約15度の角度が付けられている、実施形態112に記載の歯科アセンブリ。
【0193】
実施形態114:ねじ付きポストは、第1の端部およびアバットメント部材の少なくとも一方に対して25~35度の角度が付けられている、実施形態111に記載の歯科アセンブリ。
【0194】
実施形態115:ねじ付きポストは、第1の端部およびアバットメント部材の少なくとも一方に対して約30度の角度が付けられている、実施形態114に記載の歯科アセンブリ。
【0195】
実施形態116:剛性材料はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)である、実施形態93に記載の歯科アセンブリ。
【0196】
このように、歯科アタッチメントアセンブリの具体的な例が開示されている。開示された実施形態の上記の説明は、当業者が本発明を作製または使用することを可能にするために提供される。これらの実施形態に対する様々な変更は、当業者には容易に明らかであり、本明細書に記載の一般的な原理は、本発明の精神または範囲から逸脱することなく他の実施形態に適用することができる。したがって、本明細書に提示される説明および図面は、本発明の現在の好ましい実施形態を表し、したがって、本発明によって広く企図される主題を表すことを理解されたい。本発明の範囲は、当業者に明らかになり得る他の実施形態を完全に包含し、したがって本発明の範囲は限定されないことがさらに理解される。
【0197】
上記の利益および利点は、1つの実施形態に関連してもよく、またはいくつかの実施形態に関連してもよいことが理解されよう。一実施形態に関連して説明された態様は、他の実施形態と共に使用できるように意図されている。一実施形態に関連する任意の説明は、他の実施形態の同様の特徴に適用され、複数の実施形態の要素を組み合わせて他の実施形態を形成することができる。実施形態は、記載された問題のいずれかまたはすべてを解決するもの、または記載された利益および利点のいずれかまたはすべてを有するものに限定されない。
【0198】
前述の詳細な説明は、本質的に単なる例示であり、本発明または本発明の用途および使用を限定することを意図するものではない。記載された実施形態は、歯根または歯科インプラントなどの基部構造に歯科器具を固定するための特定の種類の歯科アタッチメントアセンブリと組み合わせた使用方法に限定されない。したがって、本実施形態は、説明の便宜上、歯根または歯科インプラントなどの基部構造を有する歯科器具を固定するための歯科アタッチメントアセンブリに実装されるものとして図示および説明されているが、歯根または歯科インプラントなどの基部構造を有する歯科器具を固定するための様々な他の種類の歯科アタッチメントアセンブリに実装することができることが理解されよう。さらに、任意の前述のセクションに提示されたいずれの理論にも拘束される意図はない。図示は、示された参照された項目をよりよく例示するために誇張された寸法およびグラフ表示を含むことができ、そのように明示的に述べられていない限り、限定と見なされないことも理解される。
【0199】
さらに、明細書および特許請求の範囲の両方を解釈する際に、すべての用語は、文脈と一致する可能な限り最も広い方法で解釈されるべきである。具体的には、「備える(comprises)」および「備える(comprising)」という用語は、要素、構成要素、または工程を非排他的な方法で参照するものとして解釈されるべきであり、参照される要素、構成要素、または工程が存在し得るか、または利用され得るか、あるいは明示的に参照されていない他の要素、構成要素、または工程と組み合わされ得ることを示す。
【0200】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかにそうでないことを指示しない限り、複数の指示対象を含む。特許請求の範囲は、任意の要素を除外するように起草され得ることにさらに留意されたい。したがって、この記述は、特許請求の範囲の要素の列挙、または「否定的な」限定の使用に関連して、「もっぱら(solely)」、「のみ(only)」などの排他的な用語を使用するための先行詞としての役割を果たすことを意図している。
【0201】
本明細書を通して「実施形態」または「実装形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が少なくとも1つの実施形態または実装形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体の様々な箇所における「一実施形態では」という句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態または単一の排他的な実施形態を指すとは限らない。さらに、本明細書に記載の特定の特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態あるいは1つまたは複数の実装形態において任意の適切な方法で組み合わせることができる。
【0202】
「例示的」という用語は、本明細書では「例、事例、または例示としての役割を果たす」を意味するために使用される。本明細書で「例示的」として説明される任意の態様は、必ずしも他の態様よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。特に明記しない限り、「いくつかの(some)」という用語は、1つまたは複数を指す。
【0203】
文脈が反対のことを指示しない限り、本明細書に記載のすべての範囲は、それらの終点を含むと解釈されるべきであり、制約のない(open-ended)範囲は、商業的に実用的な値のみを含むと解釈されるべきである。同様に、文脈が反対を示さない限り、値のすべてのリストは中間値を含むと見なされるべきである。本明細書に記載のすべての方法は、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行することができる。本明細書の特定の実施形態に関して提供されるありとあらゆる例または例示的な言語(例えば、「など(such as)」)の使用は、単に本発明をよりよく明らかにすることを意図しており、特許請求される本発明の範囲を限定するものではない。本明細書のいかなる言語も、本発明の実施に不可欠な特許請求されていない要素を示すと解釈されるべきではない。
【0204】
本明細書では、特定の数値および範囲が提示され、数値の前に「約」という用語が付されている。「約」という用語は、本明細書では、それが先行する正確な数、ならびにその用語が先行する数に近いかまたはほぼ近い数の文字通りの支持を提供するために使用される。ある数が具体的に列挙された数に近いかほぼ列挙された数であるかを判定する際に、近いか近似の列挙されていない数は、それが提示される文脈において、具体的に列挙された数の実質的な等価物を提供する数であってもよい。
【0205】
「A、B、またはCの少なくとも1つ」、「A、B、またはCのうちの1つ以上」、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、およびCのうちの1つ以上」、および「A、B、C、またはそれらの任意の組み合わせ」などの本明細書に記載される組み合わせは、A、B、および/またはCの任意の組み合わせを含み、Aの複数、Bの複数、またはCの複数を含み得る。具体的には、「A、B、またはCの少なくとも1つ」、「A、B、またはCのうちの1つ以上」、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、およびCのうちの1つ以上」、および「A、B、C、またはそれらの任意の組み合わせ」などの組み合わせは、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびB、AおよびC、BおよびC、またはAおよびBおよびCであってもよく、任意のそのような組み合わせは、その構成要素A、B、および/またはCの1つまたは複数のメンバーを含んでもよい。例えば、AとBの組み合わせは、1つのAと複数のB、複数のAと1つのB、または複数のAと複数のBを含んでもよい。
【0206】
当業者に知られている、または後に当業者に知られるようになる、本開示を通して説明される様々な態様の構成要素に対するすべての構造的および機能的同等物は、参照により本明細書に明示的に組み込まれ、特許請求の範囲に包含されることが意図される。さらに、本明細書に開示されたものは、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に記載されているかどうかにかかわらず、公衆に供されたものであることを意図していない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図11F
図11G
図12
図13
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
図16A
図16B
図17
【国際調査報告】