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特表2024-528242モータ閉ループ切り替え方法、装置、電子機器、及び記憶媒体
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  • 特表-モータ閉ループ切り替え方法、装置、電子機器、及び記憶媒体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】モータ閉ループ切り替え方法、装置、電子機器、及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H02P 6/21 20160101AFI20240719BHJP
【FI】
H02P6/21
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506827
(86)(22)【出願日】2021-10-11
(85)【翻訳文提出日】2024-02-02
(86)【国際出願番号】 CN2021123125
(87)【国際公開番号】W WO2023010681
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】202110888312.0
(32)【優先日】2021-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517413993
【氏名又は名称】広東威霊電机制造有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG WELLING MOTOR MANUFACTURING CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】NO.27 XINGYE ROAD,INDUSTRIAL PARK,BEIJIAO TOWN,SHUNDE DISTRICT,FOSHAN,GUANGDONG 528311,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】523330813
【氏名又は名称】威霊(蕪湖)電机制造有限公司
【氏名又は名称原語表記】WELLING (WUHU) MOTOR MANUFACTURING CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Economic and Technological Development Zone Wuhu,Anhui 241009,China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】韓家輝
(72)【発明者】
【氏名】柯文静
(72)【発明者】
【氏名】邵文強
【テーマコード(参考)】
5H560
【Fターム(参考)】
5H560DA13
5H560DB13
5H560TT01
5H560TT07
5H560TT11
5H560TT15
5H560XA04
5H560XA08
(57)【要約】
モータ閉ループ切り替え方法、装置、電子機器、及び記憶媒体を提供する。本願の方法は、モータの逆起電力信号のゼロクロス点信号を検出するステップと、前記ゼロクロス点信号中に干渉信号が存在するか否かを判断するステップと、前記干渉信号が存在すると識別した場合、ターゲット切り替えポリシーに従って閉ループ切り替えを行うステップと、前記干渉信号が存在しないと識別した場合、直接第1所定の回転速度を前記モータが閉ループ運転段階に切り替わった後の初期速度とするステップと、を含む。上記方法は、干渉信号を検出したときに干渉防止処理を行うことができ、干渉信号がゼロクロス点信号の検出結果に与える影響を回避し、さらに閉ループ切り替え操作への干渉信号の影響を低減させ、モータの閉ループ段階への切り替えをより確実にし、特に、強磁場環境でのモータの起動の信頼性を向上させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータの逆起電力信号のゼロクロス点信号を検出するステップと、
前記ゼロクロス点信号中に干渉信号が存在するか否かを判断するステップと、
前記干渉信号が存在すると識別した場合、ターゲット切り替えポリシーに従って閉ループ切り替えを行うステップと、
前記干渉信号が存在しないと識別した場合、直接第1所定の回転速度を前記モータが閉ループ運転段階に切り替わった後の初期速度とするステップと、を含む、ことを特徴とするモータ閉ループ切り替え方法。
【請求項2】
前記ゼロクロス点信号中に干渉信号が存在するか否かを判断する前記ステップは、
前記モータの回転速度の回転速度最大値を取得し、前記回転速度最大値が第2所定の回転速度よりも大きい場合、前記干渉信号が存在すると識別するステップ、又は、
第1位相回転速度、第2位相回転速度、及び前記第1位相回転速度と前記第2位相回転速度との間の偏差率をそれぞれ取得し、前記偏差率が第1所定の偏差率よりも大きい場合、前記干渉信号が存在すると識別するステップであって、前記第1位相回転速度及び前記第2位相回転速度は、異なる電気周期内の同位相の回転速度である、ステップを含む、ことを特徴とする請求項1に記載のモータ閉ループ切り替え方法。
【請求項3】
前記モータの回転速度の回転速度最大値を取得する前記ステップは、
隣接する前記ゼロクロス点信号間の複数の時間間隔をそれぞれ取得するステップと、
複数の前記時間間隔に応じて、時間間隔最小値を取得するステップと、
前記時間間隔最小値に応じて、前記回転速度最大値を取得するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項2に記載のモータ閉ループ切り替え方法。
【請求項4】
第1位相回転速度、及び第2位相回転速度をそれぞれ取得する前記ステップは、
いずれかの電気周期内の少なくとも2つの連続した第1ゼロクロス点信号を選択するステップと、
前記第1ゼロクロス点信号に基づいて、前記第1位相回転速度を取得するステップと、
いずれかの他の電気周期内の第2ゼロクロス点信号を選択するステップであって、前記第1ゼロクロス点信号及び前記第2ゼロクロス点信号は、異なる電気周期内の同位相ゼロクロス点信号である、ステップと、
前記第2ゼロクロス点信号に基づいて、前記第2位相回転速度を取得するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項2に記載のモータ閉ループ切り替え方法。
【請求項5】
前記ゼロクロス点信号中に干渉信号が存在するか否かを判断する前記ステップの前に、
第1数量が第1所定の数量に達するまで、検出された前記ゼロクロス点信号の前記第1数量を取得するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のモータ閉ループ切り替え方法。
【請求項6】
第1所定の回転速度を前記モータが閉ループ運転段階に切り替わった後の初期速度とする前記ステップは、
前記ゼロクロス点信号における最後の電気周期の平均回転速度を取得し、前記平均回転速度を前記第1所定の回転速度とし、前記第1所定の回転速度を前記モータが前記閉ループ運転段階に切り替わった後の前記初期速度とするステップを含む、ことを特徴とする請求項1に記載のモータ閉ループ切り替え方法。
【請求項7】
モータの逆起電力信号のゼロクロス点信号を検出する前記ステップは、
前記モータの現在の運転段階を取得するステップと、
前記モータが開ループドラッグ運転段階にある場合、前記モータの回転速度命令が開ループドラッグ最終回転速度設定値に達したか否かを判断し、前記開ループドラッグ最終回転速度設定値に達したと識別した後に、前記ゼロクロス点信号を検出するステップと、
前記モータがロータ事前位置決め運転段階にある場合、前記ロータが事前位置決めを開始したか否かを判断し、前記ロータが事前位置決めを開始していないと識別した後に、前記ゼロクロス点信号を検出するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のモータ閉ループ切り替え方法。
【請求項8】
前記ロータが事前位置決めを開始していないと識別した後に、前記ゼロクロス点信号を検出する前記ステップは、
現在時刻から前記ロータによる事前位置決め開始までの時間長を取得し、前記時間長が所定の時間長に達していないとき、前記ゼロクロス点信号を検出するステップを含む、ことを特徴とする請求項7に記載のモータ閉ループ切り替え方法。
【請求項9】
前記モータが前記ロータ事前位置決め運転段階にある場合、前記ターゲット切り替えポリシーに従って閉ループ切り替えを行う前記ステップの前に、
検出した前記干渉信号の第2数量を取得するステップと、
前記第2数量が第2所定の数量に達した場合、前記時間長が前記所定の時間長に達するまで前記ゼロクロス点信号の検出を停止するステップと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項8に記載のモータ閉ループ切り替え方法。
【請求項10】
前記モータが前記開ループドラッグ運転段階にある場合、ターゲット切り替えポリシーに従って閉ループ切り替えを行う前記ステップは、
第3所定の回転速度を、前記モータが前記閉ループ運転段階に切り替わった後の前記初期速度とするステップを含む、ことを特徴とする請求項7に記載のモータ閉ループ切り替え方法。
【請求項11】
前記第3所定の回転速度は前記開ループドラッグ最終回転速度である、ことを特徴とする請求項10に記載のモータ閉ループ切り替え方法。
【請求項12】
前記モータが前記ロータ事前位置決め運転段階にある場合、第1所定の回転速度を、前記モータが前記閉ループ運転段階に切り替わった後の初期速度とする前記ステップは、
検出された前記干渉信号が存在しない前記ゼロクロス点信号の第3数量を取得するステップと、
前記第3数量が第3所定の数量に達した場合、前記第1所定の回転速度を、前記モータが前記閉ループ運転段階に切り替わった後の前記初期速度とするステップと、を含む、ことを特徴とする請求項7に記載のモータ閉ループ切り替え方法。
【請求項13】
モータの逆起電力信号のゼロクロス点信号を検出するための検出モジュールと、
前記ゼロクロス点信号中に干渉信号が存在するか否かを判断するための判断モジュールと、
前記干渉信号が存在すると識別した場合、ターゲット切り替えポリシーに従って閉ループ切り替えを行うための第1切り替えモジュールと、
前記干渉信号が存在しないと識別した場合、直接第1所定の回転速度を前記モータが閉ループ運転段階に切り替わった後の初期速度とするための第2切り替えモジュールと、を含む、ことを特徴とするモータ閉ループ切り替え装置。
【請求項14】
前記判断モジュールは、さらに、
前記モータの回転速度の回転速度最大値を取得し、前記回転速度最大値が第2所定の回転速度よりも大きい場合、前記干渉信号が存在すると識別し、又は、
第1位相回転速度、第2位相回転速度、及び前記第1位相回転速度と前記第2位相回転速度との間の偏差率をそれぞれ取得し、前記偏差率が第1所定の偏差率よりも大きい場合、前記干渉信号が存在すると識別し、前記第1位相回転速度及び前記第2位相回転速度は、異なる電気周期内の同位相の回転速度である、ことを特徴とする請求項13に記載のモータ閉ループ切り替え装置。
【請求項15】
前記判断モジュールは、さらに、
隣接する前記ゼロクロス点信号間の複数の時間間隔をそれぞれ取得し、
複数の前記時間間隔に応じて、時間間隔最小値を取得し、
前記時間間隔最小値に応じて、前記回転速度最大値を取得する、ことを特徴とする請求項14に記載のモータ閉ループ切り替え装置。
【請求項16】
前記判断モジュールは、さらに、
いずれかの電気周期内の少なくとも2つの連続した第1ゼロクロス点信号を選択し、
前記第1ゼロクロス点信号に基づいて、前記第1位相回転速度を取得し、
いずれかの他の電気周期内の第2ゼロクロス点信号を選択し、
前記第2ゼロクロス点信号に基づいて、前記第2位相回転速度を取得し、前記第1ゼロクロス点信号及び前記第2ゼロクロス点信号は、異なる電気周期内の同位相ゼロクロス点信号である、ことを特徴とする請求項14に記載のモータ閉ループ切り替え装置。
【請求項17】
前記判断モジュールは、さらに、
第1数量が第1所定の数量に達するまで、検出された前記ゼロクロス点信号の前記第1数量を取得する、ことを特徴とする請求項13又は14に記載のモータ閉ループ切り替え装置。
【請求項18】
前記第2切り替えモジュールは、さらに、
前記ゼロクロス点信号における最後の電気周期の平均回転速度を取得し、前記平均回転速度を前記第1所定の回転速度とし、前記第1所定の回転速度を前記モータが前記閉ループ運転段階に切り替わった後の前記初期速度とする、ことを特徴とする請求項13に記載のモータ閉ループ切り替え装置。
【請求項19】
前記検出モジュールは、さらに、
前記モータの現在の運転段階を取得し、
前記モータが開ループドラッグ運転段階にある場合、前記モータの回転速度命令が開ループドラッグ最終回転速度設定値に達したか否かを判断し、前記開ループドラッグ最終回転速度設定値に達したと識別した後に、前記ゼロクロス点信号を検出し、
前記モータがロータ事前位置決め運転段階にある場合、前記ロータが事前位置決めを開始したか否かを判断し、前記ロータが事前位置決めを開始していないと識別した後に、前記ゼロクロス点信号を検出する、ことを特徴とする請求項13に記載のモータ閉ループ切り替え装置。
【請求項20】
前記検出モジュールは、さらに、
現在時刻から前記ロータによる事前位置決め開始までの時間長を取得し、前記時間長が所定の時間長に達していないとき、前記ゼロクロス点信号を検出する、ことを特徴とする請求項19に記載のモータ閉ループ切り替え装置。
【請求項21】
前記モータが前記ロータ事前位置決め運転段階にある場合、前記第1切り替えモジュールは、さらに、
検出した前記干渉信号の第2数量を取得し、
前記第2数量が第2所定の数量に達した場合、前記時間長が前記所定の時間長に達するまで前記ゼロクロス点信号の検出を停止する、ことを特徴とする請求項20に記載のモータ閉ループ切り替え装置。
【請求項22】
前記モータが前記開ループドラッグ運転段階にある場合、前記第1切り替えモジュールは、さらに、
第3所定の回転速度を、前記モータが前記閉ループ運転段階に切り替わった後の前記初期速度とする、ことを特徴とする請求項19に記載のモータ閉ループ切り替え装置。
【請求項23】
前記第3所定の回転速度は前記開ループドラッグ最終回転速度である、ことを特徴とする請求項22に記載のモータ閉ループ切り替え装置。
【請求項24】
前記モータが前記ロータ事前位置決め運転段階にある場合、前記第2切り替えモジュールは、さらに、
検出された前記干渉信号が存在しない前記ゼロクロス点信号の第3数量を取得し、
前記第3数量が第3所定の数量に達した場合、前記第1所定の回転速度を、前記モータが前記閉ループ運転段階に切り替わった後の前記初期速度とする、ことを特徴とする請求項19に記載のモータ閉ループ切り替え装置。
【請求項25】
メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶され、前記プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムと、を含み、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行すると、請求項1~12のいずれか1項に記載のモータ閉ループ切り替え方法を実現する、ことを特徴とする電子機器。
【請求項26】
コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムはプロセッサによって実行されると、請求項1~12のいずれか1項に記載のモータ閉ループ切り替え方法を実現する、ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、広東威霊電機製造有限公司、威霊(蕪湖)電機製造有限公司が2021年08月03日に提出した、出願の名称が「モータ閉ループ切り替え方法、装置、電子機器、及び記憶媒体」、出願番号が「202110888312.0」である中国特許出願の優先権を主張する。
【0002】
本願は、自動制御の技術分野に関し、特に、モータ閉ループ切り替え方法、装置、電子機器、及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、永久磁石同期モータは、通常、ロータの事前位置決め、開ループドラッグ運転、及び閉ループ運転の3段階の3段起動方式を採用している。これにより、ゼロクロス点信号に基づいて位相変換を行う位置センサレス方式を採用するには、ゼロクロス点信号の検出の正確性が重要となる。特に、起動段階において、誤ったゼロクロス点信号に基づいて閉ループ運転段階に切り替わると、閉ループ運転段階の切り替えに失敗したり、モータが焼損したりすることになる。
【0004】
しかし、強磁場の場合、干渉信号はゼロクロス点信号の検出精度に重大な影響を与えることがある。特に、コンパレータ回路を用いてゼロクロス点を検出する方式では、この状況はより深刻である。
【0005】
このため、起動成功率や平滑性に影響を与えることなく、干渉信号による影響を排除してゼロクロス点信号を正確に検出し、モータ閉ループ切り替えの正確性及び信頼性を確保することが急務の課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願は、少なくとも関連技術における技術的課題の1つをある程度解決することを目的とする。
【0007】
よって、本願の第1目的は、起動成功率や平滑性に影響を与えることなく、干渉信号による影響を排除してゼロクロス点信号を正確に検出し、モータ閉ループ切り替えの正確性及び信頼性を確保できるモータ閉ループ切り替え方法を提案することである。
【0008】
本願の第2目的は、モータ閉ループ切り替え装置を提案することである。
【0009】
本願の第3目的は、電子機器を提案することである。
【0010】
本願の第4目的は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、本願の第1態様の実施例は、モータの逆起電力信号のゼロクロス点信号を検出するステップと、前記ゼロクロス点信号中に干渉信号が存在するか否かを判断するステップと、前記干渉信号が存在すると識別した場合、ターゲット切り替えポリシーに従って閉ループ切り替えを行うステップと、前記干渉信号が存在しないと識別した場合、直接第1所定の回転速度を前記モータが閉ループ運転段階に切り替わった後の初期速度とするステップと、を含む、モータ閉ループ切り替え方法を提案する。
【0012】
本願の実施例のモータ閉ループ切り替え方法は、モータの逆起電力信号のゼロクロス点信号を検出し、ゼロクロス点信号中に干渉信号が存在するか否かを判断し、選択的に、干渉信号が存在すると識別した場合、ターゲット切り替えポリシーに従って閉ループ切り替えを行い、選択的に、干渉信号が存在しないと識別した場合、直接第1所定の回転速度を、モータが閉ループ運転段階に切り替わった後の初期速度とする。それによって、本願は、干渉信号を検出した後に干渉防止処理を行うことができ、干渉信号がゼロクロス点信号の検出結果に与える影響を回避し、さらに閉ループ切り替え操作への干渉信号の影響を低減させ、モータの閉ループ段階への切り替えをより確実にし、特に、強磁場環境でのモータの起動の信頼性を向上させる。
【0013】
本願の一実施例によれば、前記ゼロクロス点信号中に干渉信号が存在するか否かを判断する前記ステップは、前記モータの回転速度の回転速度最大値を取得し、前記回転速度最大値が第2所定の回転速度よりも大きい場合、前記干渉信号が存在すると識別するステップ、又は、第1位相回転速度、第2位相回転速度、及び前記第1位相回転速度と前記第2位相回転速度との間の偏差率をそれぞれ取得し、前記偏差率が第1所定の偏差率よりも大きい場合、前記干渉信号が存在すると識別するステップであって、前記第1位相回転速度及び前記第2位相回転速度は、異なる電気周期内の同位相の回転速度である、ステップを含む。
【0014】
本願の一実施例によれば、前記モータの回転速度の回転速度最大値を取得する前記ステップは、隣接する前記ゼロクロス点信号間の複数の時間間隔をそれぞれ取得するステップと、複数の前記時間間隔に応じて、時間間隔最小値を取得するステップと、前記時間間隔最小値に応じて、前記回転速度最大値を取得するステップと、を含む。
【0015】
本願の一実施例によれば、第1位相回転速度、及び第2位相回転速度をそれぞれ取得する前記ステップは、いずれかの電気周期内の少なくとも2つの連続した第1ゼロクロス点信号を選択するステップと、前記第1ゼロクロス点信号に基づいて、前記第1位相回転速度を取得するステップと、いずれかの他の電気周期内の第2ゼロクロス点信号を選択するステップであって、前記第1ゼロクロス点信号及び前記第2ゼロクロス点信号は、異なる電気周期内の同位相ゼロクロス点信号である、ステップと、前記第2ゼロクロス点信号に基づいて、前記第2位相回転速度を取得するステップと、を含む。
【0016】
本願の一実施例によれば、前記ゼロクロス点信号中に干渉信号が存在するか否かを判断する前記ステップの前に、第1数量が第1所定の数量に達するまで、検出された前記ゼロクロス点信号の前記第1数量を取得するステップをさらに含む。
【0017】
本願の一実施例によれば、第1所定の回転速度を前記モータが閉ループ運転段階に切り替わった後の初期速度とする前記ステップは、前記ゼロクロス点信号における最後の電気周期の平均回転速度を取得し、前記平均回転速度を前記第1所定の回転速度とし、前記第1所定の回転速度を前記モータが前記閉ループ運転段階に切り替わった後の前記初期速度とするステップを含む。
【0018】
本願の一実施例によれば、モータの逆起電力信号のゼロクロス点信号を検出する前記ステップは、前記モータの現在の運転段階を取得するステップと、前記モータが開ループドラッグ運転段階にある場合、前記モータの回転速度命令が開ループドラッグ最終回転速度設定値に達したか否かを判断し、前記開ループドラッグ最終回転速度設定値に達したと識別した後に、前記ゼロクロス点信号を検出するステップと、前記モータがロータ事前位置決め運転段階にある場合、前記ロータが事前位置決めを開始したか否かを判断し、前記ロータが事前位置決めを開始していないと識別した後に、前記ゼロクロス点信号を検出するステップと、を含む。
【0019】
本願の一実施例によれば、前記ロータが事前位置決めを開始していないと識別した後に、前記ゼロクロス点信号を検出する前記ステップは、現在時刻から前記ロータによる動作前までの時間長を取得し、前記時間長が所定の時間長に達していないとき、前記ゼロクロス点信号を検出するステップを含む。
【0020】
本願の一実施例によれば、前記モータが前記ロータ事前位置決め運転段階にある場合、前記ターゲット切り替えポリシーに従って閉ループ切り替えを行う前記ステップの前に、検出した前記干渉信号の第2数量を取得するステップと、前記第2数量が第2所定の数量に達した場合、前記時間長が前記所定の時間長に達するまで前記ゼロクロス点信号の検出を停止するステップと、をさらに含む。
【0021】
本願の一実施例によれば、前記モータが前記開ループドラッグ運転段階にある場合、ターゲット切り替えポリシーに従って閉ループ切り替えを行う前記ステップは、第3所定の回転速度を、前記モータが前記閉ループ運転段階に切り替わった後の前記初期速度とするステップを含む。
【0022】
本願の一実施例によれば、前記第3所定の回転速度は前記開ループドラッグ最終回転速度である。
【0023】
本願の一実施例によれば、前記モータが前記ロータ事前位置決め運転段階にある場合、第1所定の回転速度を、前記モータが前記閉ループ運転段階に切り替わった後の初期速度とする前記ステップは、検出された前記干渉信号が存在しない前記ゼロクロス点信号の第3数量を取得するステップと、前記第3数量が第3所定の数量に達した場合、前記第1所定の回転速度を、前記モータが前記閉ループ運転段階に切り替わった後の前記初期速度とするステップと、を含む。
【0024】
上記の目的を達成するために、本願の第2態様の実施例は、モータの逆起電力信号のゼロクロス点信号を検出するための検出モジュールと、前記ゼロクロス点信号中に干渉信号が存在するか否かを判断するための判断モジュールと、前記干渉信号が存在すると識別した場合、ターゲット切り替えポリシーに従って閉ループ切り替えを行うための第1切り替えモジュールと、前記干渉信号が存在しないと識別した場合、直接第1所定の回転速度を前記モータが閉ループ運転段階に切り替わった後の初期速度とするための第2切り替えモジュールと、を含む、モータ閉ループ切り替え装置を提案する。
【0025】
本願の実施例のモータ閉ループ切り替え装置は、モータの逆起電力信号のゼロクロス点信号を検出し、ゼロクロス点信号中に干渉信号が存在するか否かを判断し、選択的に、干渉信号が存在すると識別した場合、ターゲット切り替えポリシーに従って閉ループ切り替えを行い、選択的に、干渉信号が存在しないと識別した場合、直接第1所定の回転速度を、モータが閉ループ運転段階に切り替わった後の初期速度とする。それによって、本願は、干渉信号を検出した後に干渉防止処理を行うことができ、干渉信号がゼロクロス点信号の検出結果に与える影響を回避し、さらに閉ループ切り替え操作への干渉信号の影響を低減させ、モータの閉ループ段階への切り替えをより確実にし、特に、強磁場環境でのモータの起動の信頼性を向上させる。
【0026】
本願の一実施例によれば、前記判断モジュールは、さらに、前記モータの回転速度の回転速度最大値を取得し、前記回転速度最大値が第2所定の回転速度よりも大きい場合、前記干渉信号が存在すると識別し、又は、第1位相回転速度、第2位相回転速度、及び前記第1位相回転速度と前記第2位相回転速度との間の偏差率をそれぞれ取得し、前記偏差率が第1所定の偏差率よりも大きい場合、前記干渉信号が存在すると識別し、前記第1位相回転速度及び前記第2位相回転速度は、異なる電気周期内の同位相の回転速度である。
【0027】
本願の一実施例によれば、前記判断モジュールは、さらに、隣接する前記ゼロクロス点信号間の複数の時間間隔をそれぞれ取得し、複数の前記時間間隔に応じて、時間間隔最小値を取得し、前記時間間隔最小値に応じて、前記回転速度最大値を取得する。
【0028】
本願の一実施例によれば、前記判断モジュールは、さらに、いずれかの電気周期内の少なくとも2つの連続した第1ゼロクロス点信号を選択し、前記第1ゼロクロス点信号に基づいて、前記第1位相回転速度を取得し、いずれかの他の電気周期内の第2ゼロクロス点信号を選択し、前記第2ゼロクロス点信号に基づいて、前記第2位相回転速度を取得し、前記第1ゼロクロス点信号及び前記第2ゼロクロス点信号は、異なる電気周期内の同位相ゼロクロス点信号である。
【0029】
本願の一実施例によれば、前記判断モジュールは、さらに、第1数量が第1所定の数量に達するまで、検出された前記ゼロクロス点信号の前記第1数量を取得する。
【0030】
本願の一実施例によれば、前記第2切り替えモジュールは、さらに、前記ゼロクロス点信号における最後の電気周期の平均回転速度を取得し、前記平均回転速度を前記第1所定の回転速度とし、前記第1所定の回転速度を前記モータが前記閉ループ運転段階に切り替わった後の前記初期速度とする。
【0031】
本願の一実施例によれば、前記検出モジュールは、さらに、前記モータの現在の運転段階を取得し、前記モータが開ループドラッグ運転段階にある場合、前記モータの回転速度命令が開ループドラッグ最終回転速度設定値に達したか否かを判断し、前記開ループドラッグ最終回転速度設定値に達したと識別した後に、前記ゼロクロス点信号を検出し、前記モータがロータ事前位置決め運転段階にある場合、前記ロータが事前位置決めを開始したか否かを判断し、前記ロータが事前位置決めを開始していないと識別した後に、前記ゼロクロス点信号を検出する。
【0032】
本願の一実施例によれば、前記検出モジュールは、さらに、現在時刻から前記ロータによる事前位置決め開始までの時間長を取得し、前記時間長が所定の時間長に達していないとき、前記ゼロクロス点信号を検出する。
【0033】
本願の一実施例によれば、前記モータが前記ロータ事前位置決め運転段階にある場合、前記第1切り替えモジュールは、さらに、検出した前記干渉信号の第2数量を取得し、前記第2数量が第2所定の数量に達した場合、前記時間長が前記所定の時間長に達するまで前記ゼロクロス点信号の検出を停止する。
【0034】
本願の一実施例によれば、前記モータが前記開ループドラッグ運転段階にある場合、前記第1切り替えモジュールは、さらに、第3所定の回転速度を、前記モータが前記閉ループ運転段階に切り替わった後の前記初期速度とする。
【0035】
本願の一実施例によれば、前記第3所定の回転速度は前記開ループドラッグ最終回転速度である。
【0036】
本願の一実施例によれば、前記モータが前記ロータ事前位置決め運転段階にある場合、前記第2切り替えモジュールは、さらに、検出された前記干渉信号が存在しない前記ゼロクロス点信号の第3数量を取得し、前記第3数量が第3所定の数量に達した場合、前記第1所定の回転速度を、前記モータが前記閉ループ運転段階に切り替わった後の前記初期速度とする。
【0037】
上記の目的を達成するために、本願の第3態様の実施例は、メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶され、前記プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムと、を含み、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行すると、本願の第1態様の実施例に記載のモータ閉ループ切り替え方法を実現する、電子機器を提案する。
【0038】
上記の目的を達成するために、本願の第4態様の実施例は、コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムはプロセッサによって実行されると、本願の第1態様の実施例に記載のモータ閉ループ切り替え方法を実現する、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本願の一実施例に係るモータ閉ループ切り替え方法の流れの模式図である。
図2】本願の別の実施例に係るモータ閉ループ切り替え方法の流れの模式図である。
図3】本願の別の実施例に係るモータ閉ループ切り替え方法の流れの模式図である。
図4】本願の別の実施例に係るモータ閉ループ切り替え方法の流れの模式図である。
図5】本願の別の実施例に係るモータ閉ループ切り替え方法の流れの模式図である。
図6】本願の別の実施例に係るモータ閉ループ切り替え方法の流れの模式図である。
図7】本願の別の実施例に係るモータ閉ループ切り替え方法の流れの模式図である。
図8】本願の別の実施例に係るモータ閉ループ切り替え方法の流れの模式図である。
図9】本願の一実施例に係るモータ閉ループ切り替え装置の構造模式図である。
図10】本願の一実施例に係る電子機器の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本願の実施例を詳細に説明し、本実施例の一例を図面に示し、ここで、図面を通じて同じ又は同様の符号は、同じ又は同様の要素、又は同じ又は同様の機能を有する要素を示す。図面を参照して以下に説明する実施例は、本願を説明するために意図された例示的なものであり、本願を限定するものとは理解されない。
【0041】
以下、図面を参照して本願の実施例のモータ閉ループ切り替え方法、装置、電子機器、及び記憶媒体を説明する。
【0042】
図1は、本願の一実施例に係るモータ閉ループ切り替え方法の流れの模式図である。本願の実施例のモータ閉ループ切り替え方法は、本願の実施例によるモータ閉ループ切り替え装置によって実行されてもよく、制御装置は、モータに設けられてもよい。
【0043】
図1に示すように、本願の実施例のモータ閉ループ切り替え方法は、具体的には、以下のステップを含んでもよい。
【0044】
S101:モータの逆起電力信号のゼロクロス点信号を検出する。
【0045】
なお、本願では、モータの逆起電力信号のゼロクロス点信号を検出するための具体的な方式は限定されず、実際の状況に応じて選択してもよい。
【0046】
選択的に、コンパレータ(Comparator)によってモータの逆起電力信号のゼロクロス点信号を検出してもよい。ここで、コンパレータとは、2つ以上のデータ項目を比較して、それらが等しいかどうかを判断したり、それらの大小関係や配列順序を判断したりできる回路又は装置を指す。
【0047】
S102:ゼロクロス点信号中に干渉信号が存在するか否かを判断する。
【0048】
なお、本願では、ゼロクロス点信号中に干渉信号が存在するか否かを判断するための具体的な方式は限定されず、実際の状況に応じて選択してもよい。
【0049】
選択的に、可以モータの回転速度の回転速度最大値を取得し、前記回転速度最大値に基づいて、ゼロクロス点信号中に干渉信号が存在するか否かを判断してもよく、選択的に、1組の位相回転速度を取得し、この組の位相回転速度に基づいて、ゼロクロス点信号中に干渉信号が存在するか否かを判断してもよい。
【0050】
S103:干渉信号が存在すると識別した場合、ターゲット切り替えポリシーに従って閉ループ切り替えを行う。
【0051】
ここで、ターゲット切り替えポリシーは、モータの現在の運転段階に応じて設定されてもよい。例えば、モータの現在の運転段階が開ループドラッグ運転段階である場合、ターゲット切り替えポリシーは、第3所定の回転速度を、モータが閉ループ運転段階に切り替わった後の初期速度とするように設定されてもよく、ここで、第3所定の回転速度は、開ループドラッグ最終回転速度であってもよい。
【0052】
S104:干渉信号が存在しないと識別した場合、直接第1所定の回転速度を、モータが閉ループ運転段階に切り替わった後の初期速度とする。
【0053】
なお、本願では、第1所定の回転速度は限定されず、実際の状況に応じて取得してもよい。
【0054】
1つの可能な実装形態として、ゼロクロス点信号における最後の電気周期の平均回転速度を取得し、平均回転速度を第1所定の回転速度としてもよい。このような場合、平均回転速度(第1所定の回転速度)を、モータが閉ループ運転段階に切り替わった後の初期速度としてもよい。
【0055】
本願の実施例のモータ閉ループ切り替え方法は、モータの逆起電力信号のゼロクロス点信号を検出し、ゼロクロス点信号中に干渉信号が存在するか否かを判断し、選択的に、干渉信号が存在すると識別した場合、ターゲット切り替えポリシーに従って閉ループ切り替えを行い、選択的に、干渉信号が存在しないと識別した場合、直接第1所定の回転速度を、モータが閉ループ運転段階に切り替わった後の初期速度とするようにしてもよい。それによって、本願は、干渉信号を検出したときに干渉防止処理を行うことができ、干渉信号がゼロクロス点信号の検出結果に与える影響を回避し、さらに閉ループ切り替え操作への干渉信号の影響を低減させ、モータの閉ループ段階への切り替えをより確実にし、特に、強磁場環境でのモータの起動の信頼性を向上させる。
【0056】
以下、モータが永久磁石同期モータである場合を例にして、本願で提案されたモータ閉ループ切り替え方法について説明する。
【0057】
本願の実施例では、ゼロクロス点信号中に干渉信号が存在するか否かを判断しようとするときに、モータの回転速度又は位相回転速度によって判断してもよい。
【0058】
1つの可能な実装形態として、モータの回転速度の回転速度最大値を取得し、回転速度最大値が第2所定の回転速度よりも大きい場合、干渉信号が存在すると識別するようにしてもよい。
【0059】
ここで、第2所定の回転速度は、モータの現在の運転段階に応じて設定されてもよい。例えば、開ループドラッグ運転段階の場合、第2所定の回転速度を開ループドラッグ最終回転速度の2倍以上、ロータ事前位置決め運転段階の場合、第2所定の回転速度を校正されたモータ最大回転速度よりも大きく設定してもよい。
【0060】
図2に示すように、上記の図1に示される実施例を基にして、上記のステップでは、モータの回転速度の回転速度最大値を取得する具体的なプロセスは、以下のステップを含んでもよい。
【0061】
S201:隣接するゼロクロス点信号間の複数の時間間隔をそれぞれ取得する。
【0062】
一例として、4つの隣接するゼロクロス点信号A1~A4の場合、3つの時間間隔△T1~△T3を取得してもよく、それぞれ6ms、5ms、及び7msである。
【0063】
S202:複数の時間間隔に応じて、時間間隔最小値を取得する。
【0064】
なお、時間間隔最小値は、モータの回転速度の回転速度最大値に対応しており、それにより、本願では、複数の時間間隔が取得されると、これらの中から時間間隔最小値が選択されてもよい。
【0065】
一例として、3つの時間間隔△T1~△T3がそれぞれ6ms、5ms、及び7msである場合、△T2は時間間隔最小値となる。
【0066】
S203:時間間隔最小値に応じて、回転速度最大値を取得する。
【0067】
本願の実施例では、時間間隔最小値を取得した後、時間間隔最小値をモータの回転速度に変換することで、回転速度最大値を取得してもよい。選択的に、7つのゼロクロス点信号が1回転に対応し、すなわち、6つの時間間隔が1回転に対応するように設定されてもよい。さらに、時間間隔最小値をモータの回転速度に変換して、回転速度最大値を取得してもよい。
【0068】
別の可能な実装形態として、第1位相回転速度、第2位相回転速度、及び第1位相回転速度と第2位相回転速度との間の偏差率をそれぞれ取得するし、偏差率が第1所定の偏差率よりも大きい場合、干渉信号が存在すると識別するようにしてもよく、第1位相回転速度及び第2位相回転速度は、異なる電気周期内の同位相の回転速度である。
【0069】
図3に示すように、上記の図1に示す実施例を基にして、上記のステップにおいて第1位相回転速度及び第2位相回転速度を取得する具体的なプロセスは、以下のステップを含んでもよい。
【0070】
S301:いずれかの電気周期内の少なくとも2つの連続した第1ゼロクロス点信号を選択する。
【0071】
本願の実施例では、いずれかの電気周期において任意の数量の連続したゼロクロス点信号を選択してもよい。例えば、電気周期1内の3つの連続した第1ゼロクロス点信号を選択してもよい。
【0072】
S302:第1ゼロクロス点信号に基づいて、第1位相回転速度を取得する。
【0073】
本願の実施例では、第1ゼロクロス点信号を取得した後、いずれか2つの連続した第1ゼロクロス点信号から、第1位相回転速度V1を算出してもよい。
【0074】
一例として、モータが1対のポールを持つモータであると仮定すれば、以下の式により第1位相回転速度を取得してもよい。
V1=(1/6t)*60rps
【0075】
ここで、tは、2つの第1ゼロクロス点信号間の時間長である。
【0076】
S303:いずれかの他の電気周期内の第2ゼロクロス点信号を選択し、第1ゼロクロス点信号及び第2ゼロクロス点信号は、異なる電気周期内の同位相ゼロクロス点信号である。
【0077】
本願の実施例では、別の電気周期において同様なゼロクロス点信号を選択してもよく、第1ゼロクロス点信号及び第2ゼロクロス点信号は、異なる電気周期内の同位相ゼロクロス点信号である。
【0078】
S304:第2ゼロクロス点信号に基づいて、第2位相回転速度を取得する。
【0079】
本願の実施例では、第2ゼロクロス点信号を取得した後、いずれか2つの連続した第2ゼロクロス点信号から、第1位相回転速度V2を算出してもよい。
【0080】
一例として、以下の式により第2位相回転速度を取得してもよい。
V2=(1/6t)*60rps
【0081】
ここで、tは、2つの第2ゼロクロス点信号間の時間長である。
【0082】
本願の実施例のモータ閉ループ切り替え方法は、モータの回転速度又は位相回転速度に基づいて判断してもよく、選択的に、モータの回転速度の回転速度最大値を取得し、回転速度最大値が第2所定の回転速度よりも大きい場合、干渉信号が存在すると識別してもよく、選択的に、第1位相回転速度、第2位相回転速度、及び第1位相回転速度と第2位相回転速度との間の偏差率をそれぞれ取得し、偏差率が第1所定の偏差率よりも大きい場合、干渉信号が存在すると識別してもよい。それによって、本願は、回転速度最大値及び/又は位相回転速度に基づいて、干渉信号が存在するか否かを正確に判断することができ、それにより、モータ閉ループ段階切り替えの信頼性をさらに向上させる。
【0083】
なお、本願では、ゼロクロス点信号検出の正確性及び干渉信号の判断結果の正確性をさらに向上させるために、ゼロクロス点信号中に干渉信号が存在するか否かを判断する前、検出されたゼロクロス点信号の数量を取得し識別することができる。
【0084】
選択的に、第1数量が第1所定の数量に達するまで検出されたゼロクロス点信号の第1数量を取得してもよい。つまり、ゼロクロス点信号に対する検出を開始した後、検出されたゼロクロス点信号の第1数量を取得し、第1数量が第1所定の数量に達した場合にのみ、ゼロクロス点信号中に干渉信号が存在するか否かを判断する。
【0085】
なお、本願では、モータ閉ループ段階切り替えの正確性及び適性を向上させるために、モータの現在の運転段階に応じて、マッチングするゼロクロス点信号検出ポリシーを取得してもよい。
【0086】
1つの可能な実装形態として、図4に示すように、上記の図1に示す実施例を基にして、上記のステップS101では、モータの逆起電力信号のゼロクロス点信号を検出する具体的なプロセスは、以下のステップを含んでもよい。
【0087】
S401:モータの現在の運転段階を取得する。
【0088】
ここで、モータの現在の運転段階は、ロータ事前位置決め運転段階及び開ループドラッグ運転段階であってもよい。
【0089】
S402:モータが開ループドラッグ運転段階である場合、モータの回転速度命令が開ループドラッグ最終回転速度設定値に達したか否かを判断し、開ループドラッグ最終回転速度設定値に達したと識別した後に、ゼロクロス点信号を検出する。
【0090】
なお、モータが開ループドラッグ運転段階にある場合、検出されたゼロクロス点信号の第1数量が第1所定の数量に達すると識別し、かつ開ループドラッグ最終回転速度設定値に達したと識別した後に、ゼロクロス点信号を検出し、ゼロクロス点信号中に干渉信号が存在するか否かを判断する必要がある。
【0091】
S403:モータがロータ事前位置決め運転段階にある場合、ロータが事前位置決めを開始したか否かを判断し、ロータが事前位置決めを開始していないと識別した後に、ゼロクロス点信号を検出する。
【0092】
なお、モータがロータ事前位置決め運転段階にある場合、ロータが事前位置決めを開始していないと識別した後に、ゼロクロス点信号を検出し、検出されたゼロクロス点信号の第1数量が第1所定の数量に達するとき、ゼロクロス点信号中に干渉信号が存在するか否かを判断する。
【0093】
さらに、開ループドラッグ運転段階と異なり、モータがロータ事前位置決め運転段階にある場合、所定の時間長に達するまでに、ゼロクロス点信号を検出する。
【0094】
選択的に、ロータが事前位置決めを開始していないと識別した後に、現在時刻からロータによる事前位置決め開始までの時間長を取得し、時間長が所定の時間長に達していないときに、ゼロクロス点信号を検出することができる。
【0095】
さらに、モータがロータ事前位置決め運転段階にある場合、干渉信号が存在しないと識別した場合、ターゲット切り替えポリシーに従って閉ループ切り替えを行う前に、干渉信号の数量を取得し識別してもよい。
【0096】
1つの可能な実装形態として、図5に示すように、上記の実施例を基にして、具体的には、以下のステップを含んでもよい。
【0097】
S501:検出された干渉信号の第2数量を取得する。
【0098】
S502:第2数量が第2所定の数量に達した場合、時間長が所定の時間長に達するまでゼロクロス点信号の検出を停止する。
【0099】
ここで、第2所定の数量は、実際の状況に応じて設定されてもよい。例えば、第2所定の数量は2~3に設定されてもよい。
【0100】
さらに、モータがロータ事前位置決め運転段階にある場合、干渉信号が存在すると識別した場合、第1所定の回転速度を、モータが閉ループ運転段階に切り替わった後の初期速度とするとき、干渉信号が存在しないゼロクロス点信号の数量を取得し識別してもよい。
【0101】
1つの可能な実装形態として、図6に示すように、上記の実施例を基にして、具体的には、以下のステップを含んでもよい。
【0102】
S601:検出された干渉信号が存在しないゼロクロス点信号の第3数量を取得する。
【0103】
S602:第3数量が第3所定の数量に達した場合、第1所定の回転速度を、モータが閉ループ運転段階に切り替わった後の初期速度とする。
【0104】
ここで、第3所定の数量は、実際の状況に応じて設定されてもよい。例えば、第3所定の数量は2~3に設定されてもよい。
【0105】
以下、開ループドラッグ運転段階、及びロータ事前位置決め運転段階のそれぞれに関して、本願で提案されるモータ閉ループ切り替え方法について説明する。
【0106】
開ループドラッグ運転段階では、図7に示すように、上記の実施例を基にして、本願で提案されるモータ閉ループ切り替え方法は、具体的には、以下のステップを含んでもよい。
【0107】
S701:モータの回転速度が開ループドラッグ最終回転速度に達すると識別した後に、モータの逆起電力信号のゼロクロス点信号を検出する。
【0108】
S702:検出されたゼロクロス点信号の第1数量を取得する。
【0109】
S703:第1数量が第1所定の数量に達したか否かを判断する。
【0110】
選択的に、第1数量が第1所定の数量に達したと識別した場合、ステップS704を実行し、第1数量が第1所定の数量に達していないと識別すると、ステップS702に戻る。
【0111】
S704:回転速度最大値を取得し、回転速度最大値が第2所定の回転速度よりも大きいか否かを判断する。
【0112】
ここで、第2所定の回転速度は、開ループドラッグ最終回転速度の2倍以上である。
【0113】
選択的に、回転速度最大値が第2所定の回転速度以下であると識別する場合、回転速度最大値が要件を満たすことを意味し、偏差率が要件を満たすか否かの判断を続けることができるので、ステップS705を実行し、回転速度最大値が第2所定の回転速度よりも大きいと識別する場合、回転速度最大値が要件を満たさないことを意味し、すなわち、干渉信号が存在することが確認された場合、ステップS706を実行する。
【0114】
S705:第1位相回転速度、及び第2位相回転速度をそれぞれ取得し、第1位相回転速度と第2位相回転速度との間の偏差率が第1所定の偏差率よりも大きいか否かを判断する。
【0115】
ここで、第1所定の偏差率の値の範囲は、0.2~0.5である。
【0116】
選択的に、偏差率が第1所定の偏差率以下であると識別する場合、偏差率が要件を満たすことを意味し、すなわち、干渉信号が存在しないことが確認された場合、ステップS707を実行し、偏差率が第1所定の偏差率よりも大きいと識別する場合、偏差率が要件を満たさないことを意味し、すなわち、干渉信号が存在することが確認された場合、ステップS706を実行する。
【0117】
S706:第3所定の回転速度を、モータが閉ループ運転段階に切り替わった後の初期速度とする。
【0118】
S707:第1所定の回転速度を、モータが閉ループ運転段階に切り替わった後の初期速度とする。
【0119】
ロータ事前位置決め運転段階では、図8に示すように、上記の実施例を基にして、本願で提案されるモータ閉ループ切り替え方法は、具体的には、以下のステップを含んでもよい。
【0120】
S801:モータの逆起電力信号のゼロクロス点信号を検出する。
【0121】
S802:検出されたゼロクロス点信号の第1数量を取得する。
【0122】
S803:第1数量が第1所定の数量に達したか否かを判断する。
【0123】
選択的に、第1数量が第1所定の数量に達したと識別した場合、ステップS804を実行し、第1数量が第1所定の数量に達していないと識別すると、ステップS802に戻る。
【0124】
S804:回転速度最大値を取得し、回転速度最大値が第2所定の回転速度よりも大きいか否かを判断する。
【0125】
ここで、第3所定の回転速度は、校正されたモータ最大回転速度よりも大きい。
【0126】
選択的に、回転速度最大値が第2所定の回転速度以下であると識別する場合、回転速度最大値が要件を満たすことを意味し、偏差率が要件を満たすか否かの判断続けることができるので、ステップS805を実行し、回転速度最大値が第2所定の回転速度よりも大きいと識別する場合、回転速度最大値が要件を満たさないことを意味し、すなわち、干渉信号が存在することが確認された場合、ステップS806を実行する。
【0127】
S805:第1位相回転速度、及び第2位相回転速度をそれぞれ取得し、第1位相回転速度と第2位相回転速度との間の偏差率が第1所定の偏差率よりも大きいか否かを判断する。
【0128】
ここで、第1所定の偏差率の値の範囲は、0.2~0.5である。
【0129】
選択的に、偏差率が第1所定の偏差率以下であると識別する場合、偏差率が要件を満たすことを意味し、すなわち、干渉信号が存在しないことが確認された場合、ステップS809を実行し、偏差率が第1所定の偏差率よりも大きいと識別する場合、偏差率が要件を満たさないことを意味し、すなわち、干渉信号が存在することが確認された場合、ステップS806~S808を実行する。
【0130】
S806:検出された干渉信号の回数に1を加算したと確認する。
【0131】
S807:検出された干渉信号の第2数量を取得し、第2数量が第2所定の数量に達したか否かを判断する。
【0132】
選択的に、第2数量が第2所定の数量に達したと識別すると、干渉信号の多重確認が成功したことを意味するので、ステップS808を実行し、第2数量が第2所定の数量に達していないと識別する場合、ステップS811を実行する。
【0133】
S808:時間長が所定の時間長に達するまでゼロクロス点信号の検出を停止する。
【0134】
S809:検出された干渉信号が存在しないゼロクロス点信号の第3数量を取得し、第3数量が第3所定の数量に達したか否かを判断する。
【0135】
選択的に、第3数量が第3所定の数量に達したと識別した場合、ステップS810を実行し、第3数量が第3所定の数量に達していないと識別する場合、ステップS811を実行する。
【0136】
S810:ゼロクロス点信号における最後の電気周期の平均回転速度を、モータが閉ループ運転段階に切り替わった後の初期速度とする。
【0137】
S811:所定の時間に達したか否かを判断する。
【0138】
選択的に、所定の時間に達したと識別した場合、ステップS812を実行し、所定の時間に達していないと識別する場合、ステップS802に戻る。
【0139】
ここで、所定の時間は、実際の状況に応じて設定されてもよい。
【0140】
S812:開ループドラッグ運転段階に入る。
【0141】
本願の実施例では、設定された時間内に、ゼロクロス点信号の検出の成功回数が所定回数に達すると、モータは閉ループに切り替わる。干渉信号が検出された回数が所定回数に達すると、干渉信号の存在を確認し、ゼロクロス点検出を停止し、設定時間が終了するのを持つ。
【0142】
上記の実施例を実現するために、本願の実施例はまた、上記のいずれかの実施例のモータ閉ループ切り替え方法を実現できるモータ閉ループ切り替え装置を提案する。
【0143】
図9は、本願の一実施例に係るモータ閉ループ切り替え装置の構造模式図である。
【0144】
図9に示すように、本願の実施例で提案されるモータ閉ループ切り替え装置100は、具体的には、検出モジュール11、判断モジュール12、第1切り替えモジュール13、及び第2切り替えモジュール14を含んでもよい。
【0145】
検出モジュール11は、モータの逆起電力信号のゼロクロス点信号を検出する。
【0146】
判断モジュール12は、前記ゼロクロス点信号中に干渉信号が存在するか否かを判断する。
【0147】
第1切り替えモジュール13は、前記干渉信号が存在すると識別した場合、ターゲット切り替えポリシーに従って閉ループ切り替えを行う。
【0148】
第2切り替えモジュール14は、前記干渉信号が存在しないと識別した場合、直接第1所定の回転速度を前記モータが閉ループ運転段階に切り替わった後の初期速度とする。
【0149】
さらに、本願の実施例の1つの可能な実装形態では、判断モジュール12は、さらに、前記モータの回転速度の回転速度最大値を取得し、前記回転速度最大値が第2所定の回転速度よりも大きい場合、前記干渉信号が存在すると識別し、又は、第1位相回転速度、第2位相回転速度、及び前記第1位相回転速度と前記第2位相回転速度との間の偏差率をそれぞれ取得し、前記偏差率が第1所定の偏差率よりも大きい場合、前記干渉信号が存在すると識別し、前記第1位相回転速度及び前記第2位相回転速度は、異なる電気周期内の同位相の回転速度である。
【0150】
さらに、本願の実施例の1つの可能な実装形態では、判断モジュール12は、さらに、隣接する前記ゼロクロス点信号間の複数の時間間隔をそれぞれ取得し、複数の前記時間間隔に応じて、時間間隔最小値を取得し、前記時間間隔最小値に応じて、前記回転速度最大値を取得する。
【0151】
さらに、本願の実施例の1つの可能な実装形態では、判断モジュール12は、さらに、いずれかの電気周期内の少なくとも2つの連続した第1ゼロクロス点信号を選択し、前記第1ゼロクロス点信号に基づいて、前記第1位相回転速度を取得し、いずれかの他の電気周期内の第2ゼロクロス点信号を選択し、前記第2ゼロクロス点信号に基づいて、前記第2位相回転速度を取得し、前記第1ゼロクロス点信号及び前記第2ゼロクロス点信号は、異なる電気周期内の同位相ゼロクロス点信号である。
【0152】
さらに、本願の実施例の1つの可能な実装形態では、判断モジュール12は、さらに、前記第1数量が第1所定の数量に達するまで、検出された前記ゼロクロス点信号の第1数量を取得する。
【0153】
さらに、本願の実施例の1つの可能な実装形態では、第2切り替えモジュール14は、さらに、前記ゼロクロス点信号における最後の電気周期の平均回転速度を取得し、前記平均回転速度を前記第1所定の回転速度とし、前記第1所定の回転速度を前記モータが前記閉ループ運転段階に切り替わった後の前記初期速度とする。
【0154】
さらに、本願の実施例の1つの可能な実装形態では、検出モジュール11は、さらに、前記モータの現在の運転段階を取得し、前記モータが開ループドラッグ運転段階にある場合、前記モータの回転速度命令が開ループドラッグ最終回転速度設定値に達したか否かを判断し、前記開ループドラッグ最終回転速度設定値に達したと識別した後に、前記ゼロクロス点信号を検出し、前記モータがロータ事前位置決め運転段階にある場合、前記ロータが事前位置決めを開始していないか否かを判断し、前記ロータが事前位置決めを開始していないと識別した後に、前記ゼロクロス点信号を検出する。
【0155】
さらに、本願の実施例の1つの可能な実装形態では、検出モジュール11は、さらに、現在時刻から前記ロータによる事前位置決め開始までの時間長を取得し、前記時間長が所定の時間長に達していないとき、前記ゼロクロス点信号を検出する。
【0156】
さらに、本願の実施例の1つの可能な実装形態では、前記モータが前記ロータ事前位置決め運転段階にある場合、第1切り替えモジュール13は、さらに、検出した前記干渉信号の第2数量を取得し、前記第2数量が第2所定の数量に達した場合、前記時間長が前記所定の時間長に達するまで前記ゼロクロス点信号の検出を停止する。
【0157】
さらに、本願の実施例の1つの可能な実装形態では、前記モータが前記開ループドラッグ運転段階にある場合、前記第1切り替えモジュールは、さらに、第3所定の回転速度を、前記モータが前記閉ループ運転段階に切り替わった後の前記初期速度とする。
【0158】
さらに、本願の実施例の1つの可能な実装形態では、前記第3所定の回転速度は前記開ループドラッグ最終回転速度である。
【0159】
さらに、本願の実施例の1つの可能な実装形態では、前記モータが前記ロータ事前位置決め運転段階にある場合、第2切り替えモジュール14は、さらに、検出された前記干渉信号が存在しない前記ゼロクロス点信号の第3数量を取得し、前記第3数量が第3所定の数量に達した場合、前記第1所定の回転速度を、前記モータが前記閉ループ運転段階に切り替わった後の前記初期速度とする。
【0160】
なお、前述のモータ閉ループ切り替え方法の実施例についての説明は、この実施例のモータ閉ループ切り替え装置にも適用できるので、ここでは詳しく説明しない。
【0161】
本願の実施例のモータ閉ループ切り替え装置は、モータの逆起電力信号のゼロクロス点信号を検出し、ゼロクロス点信号中に干渉信号が存在するか否かを判断し、選択的に、干渉信号が存在すると識別した場合、ターゲット切り替えポリシーに従って閉ループ切り替えを行い、選択的に、干渉信号が存在しないと識別した場合、直接第1所定の回転速度を、モータが閉ループ運転段階に切り替わった後の初期速度とする。それによって、本願は、干渉信号を検出したときに干渉防止処理を行うことができ、干渉信号がゼロクロス点信号の検出結果に与える影響を回避し、さらに閉ループ切り替え操作への干渉信号の影響を低減させ、モータの閉ループ段階への切り替えをより確実にし、特に、強磁場環境でのモータの起動の信頼性を向上させる。
【0162】
上記の実施例を実現するために、本願の実施例はまた、電子機器200を提案し、図10に示すように、該電子機器200は、具体的には、メモリ21と、プロセッサ22と、メモリ21に記憶され、プロセッサ22で実行可能なコンピュータプログラムと、を含み、プロセッサ22は、プログラムを実行すると、上記の実施例に示すモータ閉ループ切り替え方法を実現する。
【0163】
上記の実施例を実現するために、本願の実施例はまた、コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、該プログラムは、プロセッサによって実行されると、上記の実施例に示すモータ閉ループ切り替え方法を実現する、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提案する。
【0164】
本明細書の説明において、用語「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体例」、又は「いくつかの例」などを参照した説明は、当該実施例又は例に関連して説明された特定の特徴、構造、材料、又は特性が本願の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書では、上記の用語の概略的な表現は、必ずしも同じ実施例又は例を対象とするものではない。さらに、説明された特定の特徴、構造、材料、又は特性は、任意の1つ又は複数の実施例又は例において、適切な方法で組み合わされてもよい。さらに、当業者は、互いに矛盾することなく、本明細書に記載された異なる実施例又は例、及び異なる実施例又は例の特徴を結合したり組み合わせたりすることができる。
【0165】
本願の実施例が上記で示され、説明されているが、上記の実施例は例示的なものであり、本願を限定するものとは理解されず、当業者であれば、本願の範囲内で上記の実施例を変更、修正、置換、及び変形することができることが理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-02-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
本願の一実施例によれば、前記ロータが事前位置決めを開始していないと識別した後に、前記ゼロクロス点信号を検出する前記ステップは、現在時刻から前記ロータによる事前位置決め開始までの時間長を取得し、前記時間長が所定の時間長に達していないとき、前記ゼロクロス点信号を検出するステップを含む。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0079
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0079】
本願の実施例では、第2ゼロクロス点信号を取得した後、いずれか2つの連続した第2ゼロクロス点信号から、第位相回転速度V2を算出してもよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0163
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0163】
上記の実施例を実現するために、本願の実施例はまた、コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、該プログラムは、プロセッサによって実行されると、上記の実施例に示すモータ閉ループ切り替え方法を実現する、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提案する。
前記方法は、特定の特徴及び/又は例示的な用途に従って様々な方法で実装されてもよい。例えば、これらの方法は、ハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアの組み合わせによって実装されてもよい。例えば、ハードウェア実装では、プロセッサは、1つ又は複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理機器(DSPD)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子機器、上記機能を実行するための他の機器ユニット、及び/又はこれらの組み合わせで実装されてもよい。
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、命令実行機器によって使用される命令を保持及び記憶することができる有形機器であってもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、電子記憶機器、磁気記憶機器、光記憶機器、電磁記憶機器、半導体記憶機器、又はこれらの任意の適切な組み合わせであってもよいが、これらに限定されるものではない。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体のより具体的な例の不完全なリストには、ポータブルコンピュータフロッピーディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ポータブル光ディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタル化汎用ディスク(DVD)、メモリカード、フロッピーディスク、符号化機械機器(例えば、穴あきカード又は命令が記録された突起構造を有する溝)、及びこれらの機器の任意の適切な組み合わせが含まれる。ここで使用されるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、電波その他の自由に伝搬する電磁波、導波管その他の伝送媒体を介して伝搬する電磁波、電気配線を介して伝送される電気信号等の伝送信号そのものを意味するものではない。
【国際調査報告】