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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】空冷式冷却機器
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/04 20060101AFI20240719BHJP
   F25D 25/00 20060101ALI20240719BHJP
   F25D 17/08 20060101ALI20240719BHJP
   F25D 17/06 20060101ALI20240719BHJP
   F25D 23/00 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
F25D23/04 Z
F25D25/00 E
F25D17/08 306
F25D17/06 313
F25D23/00 307
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506845
(86)(22)【出願日】2022-06-22
(85)【翻訳文提出日】2024-02-23
(86)【国際出願番号】 CN2022100407
(87)【国際公開番号】W WO2023016094
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】202110920585.9
(32)【優先日】2021-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522029969
【氏名又は名称】チンダオ ハイアール レフリジレーター カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER REFRIGERATOR CO., LTD
【住所又は居所原語表記】Haier Industry Park, Haier Road No. 1 Laoshan District Qingdao,Shandong 266101, China
(71)【出願人】
【識別番号】521161200
【氏名又は名称】ハイアール スマート ホーム カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100104226
【弁理士】
【氏名又は名称】須原 誠
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン ユーニン
(72)【発明者】
【氏名】フェイ ビン
(72)【発明者】
【氏名】リー モンチォン
(72)【発明者】
【氏名】イー イャォ
【テーマコード(参考)】
3L345
【Fターム(参考)】
3L345AA02
3L345AA30
3L345BB10
3L345DD17
3L345DD51
3L345EE01
3L345EE31
3L345EE34
3L345EE45
3L345FF01
3L345FF12
3L345FF43
3L345FF44
3L345FF45
3L345KK04
3L345KK05
(57)【要約】
本発明は、空冷式冷却機器を提供する。空冷式冷却機器は、機器本体と、機器本体に装着される空冷システムと、機器本体に対して引き出し可能な引き出しとを備え、引き出しは、空冷システムから供給された冷風を受け取ることで引き出し内の被貯蔵物を冷却することが可能であり、空冷式冷却機器は、磁場発生装置と検出装置とを更に備え、磁場発生装置は、通電されているとき、引き出し内の被貯蔵物に作用する磁場を発生させ、検出装置は、引き出しが引き出されたか否かを検出し、磁場発生装置及び検出装置は、引き出しが引き出されたことが検出装置によって検出されたときに、磁場発生装置が通電を遮断するように構成される。当該空冷式冷却機器は、磁場の利用率を高め、エネルギー消費を低減し、それによって空冷式冷却機器、特にスマート冷蔵庫の使用体験を向上させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空冷式冷却機器であって、
機器本体と、前記機器本体に装着される空冷システムと、前記機器本体に対して引き出し可能な引き出しとを備え、
前記引き出しは、前記空冷システムから供給された冷風を受け取ることで前記引き出し内の被貯蔵物を冷却することが可能であり、
前記空冷式冷却機器は、磁場発生装置と検出装置とを更に備え、前記磁場発生装置は、通電されているとき、前記引き出し内の被貯蔵物に作用する磁場を発生させ、前記検出装置は、前記引き出しが引き出されたか否かを検出し、
前記磁場発生装置及び前記検出装置は、前記引き出しが引き出されたことが前記検出装置によって検出されたときに、前記磁場発生装置が通電を遮断するように構成される空冷式冷却機器。
【請求項2】
前記空冷システムは、ダンパを含み、
前記ダンパは、前記磁場発生装置が通電遮断状態であるときに閉鎖されることにより、前記空冷システムが前記引き出しへ冷風を供給することを禁止し、且つ、前記磁場発生装置が通電状態であるときに開放され得ることにより、前記空冷システムが前記引き出しへ冷風を供給するように構成される請求項1に記載の空冷式冷却機器。
【請求項3】
前記ダンパは、更に、前記引き出しが初期位置に復帰したことが前記検出装置によって検出され、且つ前記磁場発生装置が通電されているとき、開放されることにより、前記空冷システムが前記引き出しへ冷風を供給するように構成される請求項2に記載の空冷式冷却機器。
【請求項4】
前記空冷式冷却機器は、前記引き出し内の温度を検出するための温度センサを更に備え、
前記ダンパは、更に、前記磁場発生装置が通電されている状態において、前記引き出し内の温度が所定高温区間にあることが前記温度センサによって検出された場合に、開放され、前記引き出し内の温度が所定低温区間にあることが前記温度センサによって検出された場合に、閉鎖されるように構成される請求項2に記載の空冷式冷却機器。
【請求項5】
前記検出装置は、マグネットと磁気センサとを含み、前記マグネットと前記磁気センサとのうちの一方は、前記引き出しに取り付けられ、前記マグネットと前記磁気センサとのうちの他方は、前記機器本体に取り付けられている請求項1~4の何れか一項に記載の空冷式冷却機器。
【請求項6】
前記磁気センサは、ホールスイッチ又はリードスイッチである請求項5に記載の空冷式冷却機器。
【請求項7】
前記検出装置は、マイクロスイッチを含み、前記マイクロスイッチは、前記機器本体又は前記引き出しに取り付けられている請求項1~4の何れか一項に記載の空冷式冷却機器。
【請求項8】
前記磁場発生装置は、前記引き出しの両側に配置された第1電磁コイルと第2電磁コイルとを含む請求項1~4の何れか一項に記載の空冷式冷却機器。
【請求項9】
前記磁場発生装置は、前記第1電磁コイルに対応する第1透磁部材と、前記第2電磁コイルに対応する第2透磁部材とを更に含む、及び/又は、
前記空冷式冷却機器は、前記第1電磁コイルを収容するための第1収容キャビティと、前記第2電磁コイルを収容するための第2収容キャビティとを更に備え、前記第1収容キャビティと前記第2収容キャビティは、前記空冷システムから供給された冷風が前記第1収容キャビティ及び前記第2収容キャビティを経由して前記引き出しに進入するように、前記引き出しにそれぞれ連通する請求項8に記載の空冷式冷却機器。
【請求項10】
前記磁場発生装置は、更に、前記引き出し内の温度が所定温度以下に下がったときに再度通電されるように構成される請求項1~4の何れか一項に記載の空冷式冷却機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵、冷凍の技術分野に属し、具体的に空冷式冷却機器を提供する。
【背景技術】
【0002】
空冷式冷却機器は、被貯蔵物(食材、薬品、酒・飲料、生物試薬、コロニー、化学試薬等を含む)を冷蔵、冷凍するための機器である。
【0003】
理論研究により、磁場が冷凍過程における氷結晶の形成に大きな影響を与え、食材の氷結温度を下げ得ることを発見した。そのため、一部の空冷式冷却機器には、被貯蔵物の低温鮮度保持の目的が達成されるように、被貯蔵物(特に高級食材)へ磁場を供給するための磁場発生装置も配備されている。
【0004】
しかし、磁場発生装置が空冷式冷却機器のエネルギー消費を増加させるため、従来の空冷式冷却機器を更に最適化する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の1つの目的は、磁場発生装置のエネルギー消費が低い空冷式冷却機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を果たすべく、本発明は、空冷式冷却機器を提供する。当該空冷式冷却機器は、機器本体と、前記機器本体に装着される空冷システムと、前記機器本体に対して引き出し可能な引き出しとを備え、前記引き出しは、前記空冷システムから供給された冷風を受け取ることで前記引き出し内の被貯蔵物を冷却することが可能であり、前記空冷式冷却機器は、磁場発生装置と検出装置とを更に備え、前記磁場発生装置は、通電されているとき、前記引き出し内の被貯蔵物に作用する磁場を発生させ、前記検出装置は、前記引き出しが引き出されたか否かを検出し、前記磁場発生装置及び前記検出装置は、前記引き出しが引き出されたことが前記検出装置によって検出されたときに、前記磁場発生装置が通電を遮断するように構成される。
【0007】
好ましくは、前記空冷システムは、ダンパを含み、前記ダンパは、前記磁場発生装置が通電遮断状態であるときに閉鎖されることにより、前記空冷システムが前記引き出しへ冷風を供給することを禁止し、且つ、前記磁場発生装置が通電状態であるときに開放され得ることにより、前記空冷システムが前記引き出しへ冷風を供給するように構成される。
【0008】
好ましくは、前記ダンパは、更に、前記引き出しが初期位置に復帰したことが前記検出装置によって検出され、且つ前記磁場発生装置が通電されているとき、開放されることにより、前記空冷システムが前記引き出しへ冷風を供給するように構成される。
【0009】
好ましくは、前記空冷式冷却機器は、前記引き出し内の温度を検出するための温度センサを更に備え、前記ダンパは、更に、前記磁場発生装置が通電されている状態において、前記引き出し内の温度が所定高温区間にあることが前記温度センサによって検出された場合に、開放され、前記引き出し内の温度が所定低温区間にあることが前記温度センサによって検出された場合に、閉鎖されるように構成される。
【0010】
好ましくは、前記検出装置は、マグネットと磁気センサとを含み、前記マグネットと前記磁気センサとのうちの一方は、前記引き出しに取り付けられ、前記マグネットと前記磁気センサとのうちの他方は、前記機器本体に取り付けられている。
【0011】
好ましくは、前記磁気センサは、ホールスイッチ又はリードスイッチである。
【0012】
好ましくは、前記検出装置は、マイクロスイッチを含み、前記マイクロスイッチは、前記機器本体又は前記引き出しに取り付けられている。
【0013】
好ましくは、前記磁場発生装置は、前記引き出しの両側に配置された第1電磁コイルと第2電磁コイルとを含む。
【0014】
好ましくは、前記磁場発生装置は、前記第1電磁コイルに対応する第1透磁部材と、前記第2電磁コイルに対応する第2透磁部材とを更に含む、及び/又は、
前記空冷式冷却機器は、前記第1電磁コイルを収容するための第1収容キャビティと、前記第2電磁コイルを収容するための第2収容キャビティとを更に備え、前記第1収容キャビティと前記第2収容キャビティは、前記空冷システムから供給された冷風が前記第1収容キャビティ及び前記第2収容キャビティを経由して前記引き出しに進入するように、前記引き出しにそれぞれ連通する。
【0015】
好ましくは、前記磁場発生装置は、更に、前記引き出し内の温度が所定温度以下に下がったときに再度通電されるように構成される。
【発明の効果】
【0016】
当業者は、以上の記述に基づいて下記のことを理解可能である。本発明の上述した解決手段において、引き出しが引き出されたことが検出装置によって検出されたときに磁場発生装置が通電を遮断することにより、引き出しが引き出されたときに磁場発生装置が無駄な働きをすることは、回避され、磁場発生装置の通電中に発生した全磁場は、引き出し内の被貯蔵物に作用することができる。したがって、本発明の空冷式冷却機器は、磁場の利用率を高めることにより、エネルギー消費を低減する。
【0017】
更に、引き出し内の温度が所定温度以下に下がったときに磁場発生装置を再度通電することにより、被貯蔵物が温度の低い(特に氷結温度に近接する)ときのみに磁場発生装置による磁場の作用を受け、被貯蔵物の氷結を防止する。したがって、本発明の空冷式冷却機器は、更に磁場の利用率を高め、更にエネルギー消費を低減する。
【0018】
また更に、引き出しを秤量するための秤量センサ、又は引き出し内に被貯蔵物が存在するか否かを認識するための画像認識手段を備えることにより、引き出し内に被貯蔵物が収納されているか否かを判断し、且つ引き出し内に被貯蔵物が収納されているときのみに磁場発生装置を再度通電するため、引き出し内に被貯蔵物がないときに磁場発生装置が通電されることによる電力の浪費は、回避される。
【0019】
以下に図面を参照した本発明の具体的な実施例の詳細な記述に基づいて、当業者は、本発明の上記及びその目的、メリット及び特徴をより明瞭に理解できる。
【0020】
本発明の解決手段がより明瞭に説明されるように、後文では、図面を参照しながら本発明の一部の実施例を記述する。当業者であれば理解できるように、異なる図面において同一符号で示される部品又は素子が同じであり又は類似し、本発明の図面同士が必ずしも縮尺通りに描かれるとは、限らない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の幾つかの実施例における空冷式冷却機器の効果模式図である。
図2】本発明の幾つかの実施例における空冷式冷却機器の原理模式図である。
図3】本発明の幾つかの実施例における磁場発生装置及び引き出しの斜視効果模式図である。
図4】本発明の幾つかの実施例における磁場発生装置の斜視図である。
図5】本発明の幾つかの実施例における引き出し容器及び磁場発生装置の前上斜視図である。
図6】本発明の幾つかの実施例における引き出し容器及び磁場発生装置の前下斜視図である。
図7】本発明の幾つかの実施例における検出装置の効果模式図である。
図8】本発明の別の幾つかの実施例における検出装置の効果模式図である。
図9】本発明の更に別の幾つかの実施例における空冷式冷却機器の局所原理の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
当業者であれば理解できるように、後記する実施例は、単に本発明の一部の実施例であり、本発明の全ての実施例ではない。当該一部の実施例は、本発明の技術原理を解釈するためのものであり、本発明の保護範囲を制限するためのものではない。本発明に係る実施例に基づいて、当業者が進歩性に値する労働を掛けずになした他の全ての実施例は、依然として本発明の保護範囲に含まれるべきである。
【0023】
説明すべきことは、本発明の記述において、用語「中心」、「上」、「下」、「頂部」、「底部」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「内」、「外」などの方向又は位置関係を示す用語が、図面に示す方向又は位置関係に基づくものであり、記述を容易にするためだけであり、必ずしもかかる装置や素子が特定の方位を有して特定の方位で構成されたり操作されたりすることを示すかヒントするのではないので、本発明に対する制限として理解され得ない。また、用語「第1」、「第2」、「第3」は、目的を記述するためだけであり、相対的な重要性を示すかヒントすると理解され得ない。
【0024】
また、更に説明すべきことは、本発明の記述において、明確な規定と限定が別途にない限り、用語「取り付け」、「繋がり」、「接続」は、広義に理解されるべきである。例えば、それらは、固定接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体的な接続であってもよい。また、それらは、機械的接続であってもよいし、電気的接続であってもよい。また、それらは、直接的に接続されてもよいし、中間媒体を介して間接的に接続されてもよいし、2つの素子内部の連通であってもよい。当業者であれば、本発明における上記用語の具体的な意味を具体的な状況に応じて理解できるはずである。
【0025】
図1は、本発明の幾つかの実施例における空冷式冷却機器の効果模式図であり、図2は、本発明の幾つかの実施例における空冷式冷却機器の原理模式図であり、図3は、本発明の幾つかの実施例における磁場発生装置及び引き出しの斜視効果模式図であり、図4は、本発明の幾つかの実施例における磁場発生装置の斜視図であり、図5は、本発明の幾つかの実施例における引き出し容器及び磁場発生装置の前上斜視図であり、図6は、本発明の幾つかの実施例における引き出し容器及び磁場発生装置の前下斜視図であり、図7は、本発明の幾つかの実施例における検出装置の効果模式図である。
【0026】
図1図2に示すように、本発明の幾つかの実施例において、空冷式冷却機器は、機器本体10、引き出し20、空冷システム30、磁場発生装置40及び温度センサ60を備える。引き出し20は、機器本体10に引き出し可能に取り付けられ、引き出し20は、被貯蔵物(食材、薬品、酒・飲料、生物試薬、コロニー、化学試薬等を含む)を収納する。空冷システム30は、機器本体10に装着され、引き出し20へ冷風を供給することで引き出し20内の被貯蔵物を冷却することが可能である。磁場発生装置40は、磁場を発生させ、且つ当該磁場は、引き出し20内の被貯蔵物に作用する。温度センサ60は、引き出し20内の空気の温度を直接又は間接的に検出する。
【0027】
図1に示すように、機器本体10は、引き出し容器11を含み、引き出し20は、引き出し容器11に引き出し可能に取り付けられる。引き出し容器11は、引き出し20のために単独で配備される部品であってもよく、空冷式冷却機器の冷蔵室の内箱、冷凍室の内箱又は変温室の内箱であってもよい。
【0028】
図2に示すように、引き出し容器11には、冷風入口111と冷風出口112が設けられている。引き出し容器11は、空冷システム30から供給された冷風を当該冷風入口111を介して受け取ることにより、冷風で引き出し20内の被貯蔵物を冷却する。引き出し容器11内の空気は、冷風出口112を介して引き出し容器11から排出される。
【0029】
図2に示すように、本発明の幾つかの実施例において、空冷システム30は、冷凍室31、送風風路32、還気風路33、蒸発器34、ファン35及びダンパ36を含む。冷凍室31は、送風風路32と還気風路33を介して引き出し容器11にそれぞれ連通する。具体的に、冷凍室31は、送風風路32を介して冷風入口111に連通し、冷凍室31は、還気風路33を介して冷風出口112に連通する。蒸発器34は、冷凍室31内に配置され、冷凍室31内の空気を冷却する。ファン35は、冷凍室31、送風風路32又は還気風路33内に配置され、冷凍室31内の空気の流動を駆動し、引き出し容器11へ流れる冷風を形成する。ダンパ36は、送風風路32内に配置される。好ましくは、ダンパ36は、送風風路32内の冷風入口111に近接する位置に配置されている。ダンパ36が開放されているとき、送風風路32内の冷風が引き出し容器11へ流れることができ、ダンパ36が閉鎖されているとき、送風風路32内の冷風が引き出し容器11へ流れ込むことができない。
【0030】
図2図6に示すように、磁場発生装置40は、第1電磁コイル41、第2電磁コイル42、第1透磁部材43、第2透磁部材44及び透磁接続部材45を含む。第1電磁コイル41と第2電磁コイル42は、引き出し20の両側に配置される。好ましくは、第1電磁コイル41と第2電磁コイル42は、引き出し20の頂側と底側にそれぞれ配置され、更に好ましくは、第1電磁コイル41と第2電磁コイル42は、何れも引き出し容器11の外側に配置されることにより、第1電磁コイル41と第2電磁コイル42の通電中に発生した熱が引き出し20内の被貯蔵物の冷蔵又は冷凍に影響を与えることを回避する。
【0031】
また、本発明の他の実施例において、当業者は、必要に応じて、第1電磁コイル41と第2電磁コイル42を引き出し20の左側と右側にそれぞれ配置し、且つ第1電磁コイル41と第2電磁コイル42を選択的に引き出し容器11の内側に配置してもよい。このようにすると、第1電磁コイル41と第2電磁コイル42も、引き出し容器11内に進入した冷風によって冷却され得る。
【0032】
引き続き図2図6を参照すると、第1透磁部材43は、第1電磁コイル41に対応し、第2透磁部材44は、第2電磁コイル42に対応する。第1透磁部材43と第2透磁部材44は、第1電磁コイル41と第2電磁コイル42が引き出し20内で均一な強度の磁場を形成することを支援することにより、引き出し20内の各領域の食材が同じ磁場環境にあることを確保可能であり、引き出し20内の被貯蔵物へ良好な磁場鮮度保持環境を提供する。また、第1透磁部材43および第2透磁部材44の配置により、第1電磁コイル41と第2電磁コイル42とで形成された磁場の強度に対する制御を容易にし、引き出し20内の局所領域で磁場の強度が高すぎたり低すぎたりする状況が生じるのを回避する。
【0033】
図3図6に示すように、透磁接続部材45は、第1透磁部材43と第2透磁部材44とを接続する。
【0034】
本発明において、透磁接続部材45は、少なくとも第1電磁コイル41と第2電磁コイル42との磁場の漏洩を防止可能である。即ち、第1電磁コイル41と第2電磁コイル42とで発生した磁場を制限する。具体的には、第1電磁コイル41と第2電磁コイル42とで発生した磁場を引き出し20内に制限することにより、当該磁場をできるだけ引き出し20内の被貯蔵物に作用させる。したがって、本発明では、第1透磁部材43、第2透磁部材44及び透磁接続部材45を備えることにより、第1電磁コイル41と第2電磁コイル42との磁場の利用率を高める。
【0035】
説明すべきことは、第1透磁部材43、第2透磁部材44及び透磁接続部材45が何れかの実施可能な透磁部材、例えば、珪素鋼板、45パーマロイ合金、78パーマロイ合金、スーパーマロイ等であってもよいことである。
【0036】
図5図6に示すように、第1透磁部材43、第2透磁部材44及び透磁接続部材45も引き出し容器11の外側に配置されることにより、第1透磁部材43、第2透磁部材44及び透磁接続部材45の取付及び固定を容易にする。無論、当業者は、必要に応じて、第1透磁部材43、第2透磁部材44及び透磁接続部材45を引き出し容器11の内側に配置されてもよい。
【0037】
図2図7に示すように、本発明の幾つかの実施例において、検出装置50は、マグネット51及び磁気センサ52を含む。マグネット51は、引き出し20に取り付けられ、磁気センサ52は、引き出し容器11に取り付けられている。また、当業者は、必要に応じて、マグネット51を引き出し容器11に取り付け、磁気センサ52を引き出し20に取り付けてもよい。
【0038】
本発明の幾つかの実施例において、引き出し20が初期位置(引き出し容器11内に挿入された)にあるとき、磁気センサ52がマグネット51で発生した磁場を検出する。空冷式冷却機器は、これに基づいて、引き出し20が初期位置にあると判定可能である。
【0039】
また、本発明の他の実施例において、当業者は、必要に応じて、引き出し20が引き出し容器11内から完全に引き出されたときに、磁気センサ52にマグネット51で発生した磁場を検出させてもよい。空冷式冷却機器は、これに基づいて引き出し20が引き出されたと判定可能である。
【0040】
本発明において、磁気センサ52は、ホールスイッチ又はリードスイッチである。
【0041】
図8は、本発明の別の幾つかの実施例における検出装置50の効果模式図である。
【0042】
図8に示すように、本発明の別の幾つかの実施例において、検出装置50は、マイクロスイッチ53を含み、当該マイクロスイッチ53は、機器本体10(具体的に引き出し容器11)に取り付けられている。引き出し20が初期位置に移動したときに、マイクロスイッチ53をトリガすることにより、空冷式冷却機器は、これに基づいて引き出し20が初期位置にあると判定可能である。
【0043】
また、本発明の他の実施例において、当業者は、必要に応じて、マイクロスイッチ53を引き出し20に取り付けてもよい。
【0044】
図9は、本発明の更に別の幾つかの実施例における空冷式冷却機器の局所原理の模式図である。
【0045】
図9に示すように、本発明の更に別の幾つかの実施例において、機器本体10は、トップカバー12、ボトムカバー13及びサイドカバー14を更に含む。トップカバー12は、引き出し容器11の頂側に配置され、引き出し容器11の頂壁とともに第1収容キャビティ15を画定する。ボトムカバー13は、引き出し容器11の底側に配置され、引き出し容器11の底壁とともに第2収容キャビティ16を画定する。サイドカバー14は、引き出し容器11の左側及び/又は右側に配置され、引き出し容器11の側壁とともに連通通路17を画定する。第1収容キャビティ15は、第1電磁コイル41及び第1透磁部材43を収容する。第2収容キャビティ16は、第2電磁コイル42及び第2透磁部材44を収容する。連通通路17の一方端は、第1収容キャビティ15に連通し、連通通路17の他方端は、第2収容キャビティ16に連通する。
【0046】
引き続き図9を参照すると、冷風入口111は、第1収容キャビティ15の側壁に形成されている。第2収容キャビティ16の頂壁には、底部スルーホール161が設けられ、底部スルーホール161の一方端は、第2収容キャビティ16に連通し、底部スルーホール161の他方端は、引き出し容器11の内側空間に連通する。連通通路17の側壁には、側部スルーホール171が設けられ、側部スルーホール171の一方端は、連通通路17に連通し、側部スルーホール171の他方端は、引き出し容器11の内側空間に連通する。
【0047】
引き続き図9を参照すると、冷風は、冷風入口111から第1収容キャビティ15に進入し、第1収容キャビティ15内の第1電磁コイル41を冷却して連通通路17に進入する。連通通路17内の冷風の一部は、側部スルーホール171を経由して引き出し容器11に進入して引き出し20の側壁へ吹き付けられ、連通通路17内の冷風のもう一部は、第2収容キャビティ16に進入した後で底部スルーホール161から引き出し容器11に進入して引き出し20の底壁へ吹き付けられる。
【0048】
又は、当業者は、必要に応じて、側部スルーホール171を省略し、冷風の全部を底部スルーホール161から引き出し容器11に進入させて引き出し20の底壁へ吹き付けてもよい。
【0049】
当業者であれば理解できるように、本発明の当該更に別の幾つかの実施例において、冷風を引き出し20の底壁及び側壁へ吹き付けることにより、冷風が引き出し20内の被貯蔵物へ直接吹き付けられるのを回避するため、被貯蔵物の熱損失の過大による氷結を回避する。
【0050】
以下では、図2を参照しながら本発明におけるダンパ36及び磁場発生装置40の動作原理を詳細に説明する。
【0051】
本発明において、磁場発生装置40と検出装置50は、引き出し20が引き出されたことが検出装置50によって検出されたときに、磁場発生装置40が通電を遮断するように構成される。このように、引き出し20が引き出されたときに磁場発生装置40が無駄な働きをする(即ち、発生された磁場が引き出し20内の被貯蔵物に作用しない)ことが回避され、磁場の利用率が高められ、エネルギー消費が低減される。
【0052】
更に、ダンパ36は、磁場発生装置40が通電遮断状態であるときに閉鎖されて、空冷システムが引き出し20へ冷風を供給することを禁止することにより、冷風が引き出された引き出し20から外部へ漏れて空冷式冷却機器の冷熱を浪費することを回避し、それによって空冷式冷却機器のエネルギー消費を低減する。ダンパ36は、磁場発生装置40が通電状態であるときに開放され得ることにより、空冷システム30が引き出し20へ冷風を供給して引き出し20内の被貯蔵物を冷却する。
【0053】
好ましくは、ダンパ36は、引き出し20が初期位置(図5図6における、引き出し20の引き出し容器11に対する位置)に復帰したことが検出装置50によって検出され、且つ磁場発生装置40が通電されているとき、開放されることにより、空冷システム30が引き出し20へ冷風を供給するようにする。具体的に、ユーザが引き出し20を引き出された位置から図5図6における引き出し20の引き出し容器11に対する位置に押し戻したときに、検出装置50の磁気センサ52又はマイクロスイッチ53がトリガされ、それによって磁場発生装置40が通電されて磁場の発生を開始し、引き出し20内の被貯蔵物に対して磁場鮮度保持を行う。空冷式冷却機器は、磁場発生装置40の通電を検出したときに、ダンパ36を開放することにより、空冷システム30が引き出し20へ冷風を供給するようにする。
【0054】
好ましくは、磁場発生装置40が通電されている状態において、引き出し20内の温度が所定高温区間にあることが温度センサ60によって検出された場合になってから、ダンパ36を開放することで引き出し20の被貯蔵物を冷却し、引き出し20内の温度が所定低温区間にあることが温度センサ60によって検出された場合に、ダンパ36を閉鎖することにより、引き出し20の被貯蔵物が冷却され過ぎて氷結することを防止する。
【0055】
ここで、所定高温領域は、温度値が所定温度値以上の温度領域であり、所定低温区間は、温度値が所定温度値以下の温度領域である。当該所定温度値は、被貯蔵物について長持ちの鮮度保持を実現できる温度であり、例えば、0℃、-1℃、-2℃、-4℃等の何れかの実施可能な温度値であってもよい。
【0056】
更に好ましくは、引き出し20が初期位置に復帰したことが検出装置50によって検出されたときに、引き出し20内の温度が所定温度以下に下がったときに磁場発生装置40を再度通電することにより、引き出し20の被貯蔵物が温度の低い(特に氷結温度に近接する)ときのみに磁場発生装置40による磁場の作用を受け、被貯蔵物の氷結を防止し、空冷式冷却機器のエネルギー消費を低減する。
【0057】
更に、磁場発生装置40が無駄な働きをすることを回避するために、本発明の空冷式冷却機器は、引き出し20を秤量するための秤量センサを更に備える。秤量センサで検出された重量が引き出し20自身の重量を超えるときに限って、磁場発生装置40の通電とダンパ36の開放とを許容することにより、電力の浪費と冷熱の浪費とを回避する。
【0058】
又は、秤量センサを画像認識手段で代替し、引き出し20内に被貯蔵物が存在するか否かを画像認識手段によって認識してもよい。引き出し20内に被貯蔵物が収納されていることが画像認識手段によって認識されたときに限って、磁場発生装置40の通電とダンパ36の開放とを許容することにより、電力の浪費と冷熱の浪費とを回避する。
【0059】
これまでに、前文の複数の実施例を用いて本発明の技術案を記述したが、当業者であれば容易に理解できるように、本発明の保護範囲がこれらの具体的な実施例に限定されない。本発明の技術原理から逸脱しない前提で、当業者は、上記各実施例における技術案に対して分割や組み合わせを行ってもよく、関連する技術的特徴に対して均等な変更又は置換を行ってもよい。本発明の技術思想及び/又は技術原理内でなされる如何なる変更、均等物による置換、改良等は、何れも本発明の保護範囲内に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-02-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正の内容】
図3
【国際調査報告】