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▶ ジャベロ ヘルス リミティドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】導管固定デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/02 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
A61M25/02 502
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506951
(86)(22)【出願日】2022-08-04
(85)【翻訳文提出日】2024-03-18
(86)【国際出願番号】 GB2022052057
(87)【国際公開番号】W WO2023012484
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】2111387.3
(32)【優先日】2021-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523408905
【氏名又は名称】ジャベロ ヘルス リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】アシュトン バーネット-ベインズ
(72)【発明者】
【氏名】テレンス ケーリー
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA33
4C267BB19
4C267BB20
4C267BB24
4C267BB31
4C267BB40
4C267CC01
4C267GG03
4C267GG06
(57)【要約】
医療用導管などの導管を固定するための導管固定デバイスが開示される。デバイスは、導管を受容するためのチャネルを画定する本体と、チャネルの対向する側から延在し、チャネルに沿った長手方向に対して鋭角に配向される2つのフィンの配列を有する。フィンの配列は互いに反対向きに配向される。チャネルに挿入された導管は、フィンの少なくとも端部を弾性変形させ、フィンと導管との間の摩擦が、チャネルに沿った導管の長手方向の動きに対する抵抗、すなわち「引張抵抗」をいずれの方向に対しても提供する。
【選択図】図14(a)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャネルを画定する本体であって、前記チャネルに沿って延在する導管の一定長を受容するための、本体と;
少なくとも第1の前記チャネルの側及び反対の第2の前記チャネルの側から延在する、前記チャネルに沿って配置された第1の弾性変形可能なフィンの配列と;少なくとも第1の前記チャネルの側及び反対の第2の前記チャネルの側から延在する、前記チャネルに沿って配置された第2の弾性変形可能なフィンの配列と;
を備え、
各フィンが前記チャネルに沿った長手方向に対して鋭角に延在する配向を有し;
前記第1の配列のフィンのそれぞれが前記チャネルに沿った前記長手方向に対して第1の配向を有し、かつ、前記第2の配列のフィンのそれぞれが前記チャネルに沿った前記長手方向に対して反対の第2の配向を有する、
導管固定デバイス。
【請求項2】
前記第1の配列は、第1の前記チャネルの長さの部分に沿って延在し、かつ、前記第2の配列は、第2の前記チャネルの長さの部分に沿って延在する、請求項1に記載の導管固定デバイス。
【請求項3】
前記第1のフィンの配列及び/又は前記第2のフィンの配列はまた、第3の前記チャネルの側及び任意選択で第4の前記チャネルの側から延在し、前記第3の側及び前記第4の側は、前記第1の側及び前記第2の側と直交し;又は、前記第1のフィンの配列及び/又は前記第2のフィンの配列は、前記チャネルの実質的に全周囲に延在する、請求項1又は2に記載の導管固定デバイス。
【請求項4】
前記第1のフィンの配列は、前記第1の前記チャネルの側及び前記第2の前記チャネルの側に延在し、かつ、前記第2のフィンの配列は、直交する第3の前記チャネルの側及び第4の前記チャネルの側に延在する、請求項3に記載の導管固定デバイス。
【請求項5】
前記第1のフィンの配列は、第1の前記チャネルの円周又は外周の一部の周囲に延在し、かつ、前記第2のフィンの配列は、第2の前記チャネルの円周又は外周の一部の周囲に延在する、請求項3又は4に記載の導管固定デバイス。
【請求項6】
少なくとも前記第1の配列の一部及び前記第2の配列の一部は、前記チャネルの長さにおける共有部分又は全長に沿って延在する、請求項1に記載の導管固定デバイス。
【請求項7】
前記チャネルは、少なくとも前記チャネルの長さの一部に沿って湾曲しているか、又はコンボリュートである、請求項1~6のいずれか一項に記載の導管固定デバイス。
【請求項8】
前記チャネルは、その長さに沿って2以上の湾曲方向を有する、請求項7に記載の導管固定デバイス。
【請求項9】
前記チャネルは、その長さに沿って2以上の湾曲方向を有し、かつ、前記チャネルは、平面に沿って延在する、請求項7又は8に記載の導管固定デバイス。
【請求項10】
前記チャネルは、その長さに沿って2以上の湾曲方向を有し、かつ、前記チャネルは、2以上の湾曲配向を備え、平面に沿って延在しない、請求項8又は9に記載の導管固定デバイス。
【請求項11】
前記本体は、内側部分と、少なくとも前記第1のチャネルの側及び前記第2のチャネルの側に沿って前記内側部分の横方向外側に配置された支持部分と、を備え、前記内側部分は前記チャネルを画定し、かつ、前記弾性変形可能なフィンの配列を備え;
前記支持部分は第1の剛性を有する材料を備え、かつ、少なくとも前記内側部分の前記フィンは、より低い第2の剛性を有する材料を備える、請求項1~10のいずれか一項に記載の導管固定デバイス。
【請求項12】
内側部分及び支持部分は、取り外し可能に互いに結合され;又は、前記内側部分は、前記支持部分の中に共成形される、請求項11に記載の導管固定デバイス。
【請求項13】
前記支持部分は、凹部を備えるか又は画定し、かつ、前記内側部分は前記凹部内に位置する、請求項11又は12に記載の導管固定デバイス。
【請求項14】
少なくとも前記内側部分の前記フィンは、シリコーンなどのエラストマー材料を含むか、又は、エラストマー材料から構成され;
及び/又は、前記支持部分又は少なくともその一部は、剛性又は半剛性であり、ポリプロピレンなどの成形又は機械加工されたプラスチック材料から形成される、請求項11~13のいずれか一項に記載の導管固定デバイス。
【請求項15】
前記第1の配列及び/又は前記第2の配列を構成する複数のサブ配列を備える、請求項1~14のいずれか一項に記載の導管固定デバイス。
【請求項16】
前記固定デバイスは、2以上の分離可能なサブ配列を備え、前記サブ配列は、共に前記第1の配列及び/又は前記第2の配列を形成し、導管を概ね横方向に前記チャネルに挿入できるようにする、請求項3~6のいずれか一項に記載の導管固定デバイス。
【請求項17】
前記本体は、前記チャネルから横方向への導管の移動に抵抗するか、又は移動を阻止するための保持機構をさらに備える、請求項1~16のいずれか一項に記載の導管固定デバイス。
【請求項18】
前記保持機構がフィンの配列の少なくとも一部を備える、請求項17に記載の導管固定デバイス。
【請求項19】
前記保持機構が、前記チャネルを横断して解放可能に固定されることが可能な1つ又は複数のストラップを備えるか、又は、前記保持機構が、前記チャネルの長さの少なくとも一部の上に取り付けるための蓋又はカバーを備える、請求項17又は18に記載の導管固定デバイス。
【請求項20】
前記チャネルから前記チャネルの対向側に延在する前記フィンの端部の間に、前記チャネルの少なくとも一部に沿って延在する1つ又は複数の障壁又はリブを備える、請求項1~19のいずれか一項に記載の導管固定デバイス。
【請求項21】
前記チャネルの長さの少なくとも一部に沿って剛性又は半剛性である、少なくとも1つのリブ又は障壁を備え、及び/又は、前記チャネルの長さの少なくとも一部に沿って弾性変形可能である、少なくとも1つのリブ又は障壁を備える、請求項20に記載の導管固定デバイス。
【請求項22】
前記フィンが変形していない状態のとき、前記チャネルは対向するフィンの間に空隙経路を画定する、請求項1~21のいずれか一項に記載の導管固定デバイス。
【請求項23】
チャネルを通る断面において、前記フィンが変形していないとき、前記対向するフィンの端部は、断面が正方形、長方形又は菱形の空隙経路の2辺、3辺又は4辺を画定する;
又は、前記チャネルに面する前記フィンの配列の端部は、円、楕円又は多角形の一部を画定し得る、請求項22に記載の導管固定デバイス。
【請求項24】
変形していない状態において、前記フィンはその固定端と自由端との間で実質的にまっすぐであり;又は、前記フィンはその固定端と自由端との間で湾曲しているか又はJ字形である、請求項1~23のいずれか一項に記載の導管固定デバイス。
【請求項25】
前記固定デバイスは、少なくとも第1の構成と第2の構成との間で、前記チャネルに対する前記フィンの少なくとも一部の角度の変更、前記チャネルの長さの少なくとも一部に沿った前記空隙経路の幅の変更、前記チャネルの湾曲の変更、又は前記フィンの少なくとも一部の配向の変更などの再構成が可能である、請求項1~24のいずれか一項に記載の導管固定デバイス。
【請求項26】
前記本体は、前記固定デバイスの前記構成を変更するためのボタン又はスライダを備え、前記ボタン又は前記スライダは、前記デバイスを前記第1の構成と前記第2の構成との間で移動するように操作可能である、請求項25に記載の導管固定デバイス。
【請求項27】
前記第1の前記チャネルの側及び前記第2の前記チャネルの側に対する前記フィンの全部又は一部は、前記チャネルに湾曲を付与するため、又は前記チャネルの湾曲を変化させるため、横方向に偏向される、請求項26に記載の導管固定デバイス。
【請求項28】
前記固定デバイスは、1つ又は複数のフィン構成要素を取り外し、交換することにより、再構成が可能である、請求項25~27のいずれか一項に記載の導管固定デバイス。
【請求項29】
各配列は、取り外し可能に結合されたフィン構成要素を備え、これにより、前記デバイスは前記フィン構成要素を取り外し、その前記フィンの配向を逆にして前記フィン構成要素を再結合することにより再構成可能である、請求項28に記載の導管固定デバイス。
【請求項30】
前記第1の配列又は前記第2の配列は、前記本体又は前記支持部分に回転可能に結合された回転可能なフィン構成要素を備え、これにより、前記固定デバイスは、前記フィン構成要素を回転させ前記フィンの配向を逆にすることにより再構成可能である、請求項28に記載の導管固定デバイス。
【請求項31】
第1のチャネル及び第2のチャネルを備える、請求項1~30のいずれか一項に記載の導管固定デバイス。
【請求項32】
前記第1のチャネル及び前記第2のチャネルは、共通の第1の端部及び/又は共通の第2の端部を共有し得る、請求項31に記載の導管固定デバイス。
【請求項33】
分岐したチャネル配置を備える、請求項31又は32に記載の導管固定デバイス。
【請求項34】
前記固定デバイスを患者又は構造物に取り付けるための外部取付具をさらに備え、前記外部取付具は前記本体に結合されている、請求項1~33のいずれか一項に記載の導管固定デバイス。
【請求項35】
前記外部取付具は、
患者の四肢に取り付けるためのバンド又はストラップ;
ベスト、下着又は四肢カバーなどの衣類又は衣類の一部;
テープ又は粘着パッチもしくはストリップの形態などの粘着部分であって、患者の肌もしくは衣服、又は備品もしくは台車などの構造物に貼付することができる粘着部分;又は、
クリップもしくは面ファスナの構成要素などの解放可能な留め具
を備える、請求項34に記載の導管固定デバイス。
【請求項36】
請求項1~35のいずれか一項に記載の導管固定デバイスに固定された医療用導管を備える医療システムであって、前記導管は前記固定デバイスのチャネルの長さに沿って延在する、医療システム。
【請求項37】
請求項1~36のいずれか一項に記載の導管固定デバイスを提供することと;
導管をそのチャネルに横方向に挿入することと、
を含む、導管を固定する方法。
【請求項38】
前記チャネルの上にストラップを固定すること、又は前記チャネルの上に蓋を閉じることにより、保持機構を操作することを含む、請求項37に記載の導管を固定する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に臨床現場で使用するための導管の取り付けの分野、特にカテーテル、血管内ラインなどの患者への取り付けの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
医学的治療は、一般に、胸部、腹部、頭蓋などの体腔、又は静脈、動脈、脊髄、尿道、腸などの管腔に流体ラインを接続することによる患者への流体の注入、又は患者からの流体の吸引を含む。
【0003】
例えば、静脈(IV)ラインは、薬剤の投与、血漿の投与や交換、患者の水分補給のために使用され、一方、体液は、尿路カテーテルや腸管カテーテルを通して除去されることがあり、外科用ドレーンは、内容物を排出し回復を促進するために、手術中又は手術後に腔内に設置されることがある。
【0004】
患者又は身体部位は、流体ラインが取り付けられている間、比較的移動可能なままである可能性があり、患者は、特に長時間の治療又は意識を回復する際に、流体ラインを忘れたり、気づかなかったりする場合がある。また、臨床現場は、追加の流体ラインや医療器具で混雑している場合があり、臨床医は、流体ラインや電気導管などに近接して頻繁に作業する必要がある場合がある。したがって、患者からの予定外のライン抜去は一般的な問題であり、ケアの質を低下させ、有害な臨床結果につながる可能性がある。
【0005】
低コストの薬剤や輸液であっても、流体ラインが意図せず抜去されることにより、消耗による損失、治療時間の延長、及び患者への苦痛につながる可能性がある。また、抜去されたラインが針などの医療器具を患者の体内に残し、これを除去するために画像診断や外科的処置が必要となる場合があることも知られている。さらに、現場によっては、意図しないライン抜去の結果、特に救急や外科の現場では、重篤な、又は致命的な事態になることさえある。
【0006】
流体又は他のラインを固定し、ラインに加わる力から入口点を隔離するために、多くの手法が一般に使用されている。
【0007】
粘着剤又はテープを使用して流体ラインを固定することができる。この手法は、異なる種類又は直径のラインにも容易に適応できるが、毛髪、汗、又はその他の流体は、患者の皮膚への接着を弱め、せいぜい限られた引張抵抗しか達成できない。これらの手段は常に更新する必要があり、さらに、時間の経過とともに、粘着剤や粘着テープは皮膚刺激を引き起こす可能性がある。場合によっては、流体ラインを引き抜いて取り外すことで痛みや傷害が生じることもある。
【0008】
ラインを入口点から隔離するために、ラインを保持デバイス内に機械的に保持するデバイスも知られている。このようなデバイスの使用において、ラインへの取り付けも、患者への取り付けから少なくともある程度は独立している。
【0009】
例えば、尿道カテーテル安定化デバイスStatlock(英国クローリー、Bard Medical社製)には、患者の皮膚に貼るための粘着パッドがあり、この粘着パッドにカテーテル用の成形保持器が取り付けられている。蓋はカテーテルを所定の位置に保持するために、カテーテル上で掛止して閉じる。しかし、保持器は特定径のカテーテルを保持するために寸法設計されており、該デバイスに保持されたカテーテルに加わる長手方向の力に対する抵抗力は限られている。
【0010】
Braidlock(英国ワーリントン、Braidlock社製)は、カテーテル又はIVラインを保持するために編組シースを採用し、該シースが張力により首部分が絞られて細くなることで、ラインにかかる縦方向の力に抵抗する。Braidlockは対応できるライン径の範囲が限られており、また、編組シースを通してラインを挿入又は抜去する必要があるため、IVラインの設置、抜去、又は交換が困難である。
【0011】
特許文献1には、可撓性の「ブレード」によって挟まれた開口チャネル又は溝内で、同様に限られた範囲のライン径にのみ対応する医療用固定デバイスが記載されている。ブレードは、導管又はラインが一方向に引かれることに少なくともある程度は抵抗するように、チャネルに対して斜めに配置されている。該デバイスは、臨床現場において導管の配索を補助する導管ガイドとして使用できるが、入口点付近では、ラインの追加的な安定化が必要となる。特許文献2には、ハウジング内に2つの対向する弾性クランプ要素の列と、その間に延在するガイドチャネルとを備えるデバイスが記載されている。クランプ要素はチャネルに対して垂直に延在し、これにより導管に接触する表面積が制限される。クランプ要素が垂直に配向していることも、チャネル内の導管に与えることができる引張抵抗量をさらに制限する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際公開第2005/051472号
【特許文献2】国際公開第2017/013114号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、既存の流体ラインの保持及び一般的な導管の保持に見られる欠陥の1つ又は複数に対処する必要性が残っている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一態様によれば、
チャネルを画定する本体であって、上記チャネルに沿って延在する導管の一定長を受容するための、本体と;
少なくとも第1の上記チャネルの側及び反対の第2の上記チャネルの側から延在する、上記チャネルに沿って配置された弾性変形可能なフィンの配列であって;各フィンが上記チャネルに沿った長手方向に対して鋭角に延在する配向を有し、かつ、上記フィンのそれぞれが上記チャネルに沿った上記長手方向に対して共通の配向を有する、フィンの配列と、
を備える、導管固定デバイスが提供される。
【0015】
本体はさらに、チャネルから横方向への導管の移動に抵抗するか、又は移動を阻止するための保持機構を備えてもよい。
【0016】
使用時には、IVライン、カテーテルなどの導管がチャネル内に配置され、保持機構によってチャネルから横方向に外されないようにその中に保持され得る。本デバイスは特にコンパクトな構成を有しており、他の装置や患者の衣服等との干渉を最小限に抑えながら、様々な場所に有利に固定できる。
【0017】
チャネルに挿入された導管は、通常、フィンの少なくとも端部をわずかに弾性的に変形させ、フィンと導管との間の摩擦が、チャネルに沿った導管の長手方向の動きに対する抵抗、すなわち「引張抵抗」を与える。実際に、固定デバイスは、固定デバイスと該デバイスから近位に延在する導管に加えられる力から、固定デバイスから遠位に延びる導管を隔離し、その逆もまた同様である。それにより、固定デバイスは、導管又は関連する医療装置における患者への入口点が破壊される危険性を低減する。
【0018】
フィンの配列の角度付きの配向により、使用時に導管がチャネルに挿入されたとき、フィンの配向が保持され、それにより、フィンは、一方の長手方向において他方の長手方向よりも大きな「引張抵抗」(固定デバイスに対する導管の長手方向の動きに対する抵抗)を提供する。フィンは、様々な導管直径に対応するために弾性変形可能である。フィンの角度付きの配向は、導管と弾性変形したフィンのそれぞれとの間の接触面積をさらに大きくし、引張抵抗をさらに促進する。
【0019】
引張抵抗は、導管の長さに沿った複数のフィンと導管との係合によって提供され、したがって、導管に沿って力が分散される。これにより、特に、可撓性又は圧縮性の導管とともに使用する場合に導管が「詰まる」(すなわち、挟まれるか、又は部分的に又は完全に閉塞される)危険性を限定することができる。
【0020】
臨床現場では、保持された導管に加えられる力は、導管に対して長手方向(すなわち軸方向)の成分と横方向の成分とを有し得ることが理解されよう。弾性変形可能なフィンは、導管が折れたり挟まれたりする可能性を低減しながら、様々な方向のそのような力に対応するように変形することができる。
【0021】
すなわち、フィンは、各フィンが長手方向に対してフィンの一方の側に対して鋭角を、他方の側に対して鈍角を画定するように、チャネルに沿った長手方向に対してある角度をなし、ここで、鋭角は、チャネルの近位端又は遠位端の一方又は他方に向けられる。
【0022】
各フィンは、チャネルに隣接する自由端と、自由端よりもチャネルから離れた固定端とを有する。
【0023】
フィンの配向とは、フィンが変形していない構成にあるときの、フィンの自由端から固定端への方向を指す。フィンは、固定端と自由端との間の向きがフィンの長さに沿って延在するように、固定端と自由端との間がまっすぐでもよい。フィンは、以下にさらに詳細に開示するような場合がある。
【0024】
使用中、導管がチャネルに挿入されると、フィンはある程度弾性変形し、フィンの全体的な配向が変化する可能性があり、典型的には、チャネルの長手方向に対する角度がさらに鋭角的になり、及び/又は、フィンが曲がるか、もしくは変形する可能性があることが理解されよう。変形の程度は、使用時に導管固定デバイスと導管との間に力が加えられるときにも変化し得る。例えば、少なくともフィンの一部に湾曲が導入される場合があり、また、湾曲の程度は変化され得る。使用中のフィンは、さらに、使用中に圧縮されるか又は延伸される場合がある。フィンは、例えば、チャネルに挿入された導管の断面形状に適応すべく、フィンの異なる領域において異なる程度に変形され得る。
【0025】
上記フィンの固定端は、本体に直接的に又は間接的に結合され得る。固定端は、本体に対して概ね固定され得る。概ね固定されるとは、固定端が、以下に開示する成形物などの弾性的に変形可能な構造の一部を形成し、それにより、使用中に固定端のわずかな変形、ひいては移動に対応し得ることを意味する。
【0026】
上記フィンは、フィンの一部又は全部の長さに沿って、本体に(直接的に又は間接的に)結合され得る。しかしながら、本体から最も遠い自由端の少なくとも一部は結合されないままであることが理解されよう。
【0027】
いくつかの実施形態では、フィン又は各フィンは、固定端でのみ本体に結合される。使用中、そのようなフィンは、チャネル内に導管を収容するために、偏向され及び/又は弾性変形され得る。自由端からフィンの一定長(又は全長)に沿って結合されていないフィンは、様々な異なるサイズの導管に対応するように偏向され得る。
【0028】
「フィンの配列」とは、チャネルの長さの少なくとも一部、又は全部に沿って、典型的には等間隔に配置された複数のフィンを指し、フィンはチャネルの対向側に存在し、チャネルに沿った長手方向に対して共通の配向を有する。配向とは、フィンが形成するチャネルに対する鋭角が向く方向に関するものであって、長手方向に対して定義される。共通の配向を共有するフィンがチャネルから延在する角度は、配列に沿って変化し得、又は、配列内のすべてのフィンの角度は、少なくとも変形していない状態では同一であり得る。配列は、任意の数のフィン、対向するフィンの対、又はチャネルの対向側に沿って千鳥配置された対向するフィンを備えることができる。フィンの配列は、チャネルの対向側に同じ数又は異なる数のフィンを含んでもよい。例えば、チャネルの各側に沿って、フィンの配列は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、15又はいくつかの実施形態ではそれよりも多くのフィンを、チャネルに沿って備えてもよい。チャネルは、1つ又は複数の配列によって提供される2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、15又はいくつかの実施形態ではそれよりも多くのフィンを、チャネルの側に沿って備えてもよい。フィンの配列内のフィンの長さは、例えば、本明細書に記載される湾曲チャネル又はコンボリュート(convoluted)チャネルを画定するために、チャネルに沿って及び/又はチャネルの対向側に対して変化することができる。
【0029】
近位及び遠位とは、使用時の導管に対する方向又は位置を指す。医療用導管の近位端は、典型的には、装置又は容器(流体容器など)から延在する。医療用導管の遠位端は、典型的には、使用時において、患者の体腔(患者の血管系など)又は患者との接触点(例えば、患者に接触して、又は、患者付近に配置されたセンサ)への入口点から延在する。
【0030】
いくつかの実施形態では、固定デバイスは、チャネルに沿った長手方向に対する第1の配向を有する第1のフィンの配列と、チャネルに沿った上記長手方向に対して反対の第2の配向を有する第2のフィンの配列とを備える。
【0031】
したがって、本発明の別の態様では、
チャネルを画定する本体であって、上記チャネルに沿って延在する導管の一定長を受容するための、本体と;
少なくとも第1の上記チャネルの側及び反対の第2の上記チャネルの側から延在する、上記チャネルに沿って配置された第1の弾性変形可能なフィンの配列と;少なくとも第1の上記チャネルの側及び反対の第2の上記チャネルの側から延在する、上記チャネルに沿って配置された第2の弾性変形可能なフィンの配列と;を備え、
各フィンが上記チャネルに沿った長手方向に対して鋭角に延在する配向を有し;
上記第1の配列の上記フィンのそれぞれが上記チャネルに沿った上記長手方向に対して第1の配向を有し、かつ、上記第2の配列の上記フィンのそれぞれが上記チャネルに沿った長手方向に対して反対の第2の配向を有する、
導管固定デバイスが提供される。
【0032】
第1の配列は、第1のチャネルの長さの部分に沿って延在してもよく、第2の配列は、第2のチャネルの長さの部分に沿って延在してもよい。
【0033】
少なくとも第1の配列の一部及び少なくとも第2の配列の一部は、チャネルの長さの共有部分に沿って延在してもよく、第1の配列及び第2の配列は、チャネルの長さの同一部分に沿って延在してもよい。
【0034】
第1のフィンの配列は、第1のチャネルの側及び第2のチャネルの側に延在してもよく、第2の配列は、第3のチャネルの側及び任意選択で第4のチャネルの側に延在してもよい。第1のフィンの配列は、チャネルの(円周又は外周の)第1の部分の周囲に延在してもよく、第2のフィンの配列は、チャネルの第2の部分の周囲に延在してもよい。第1の部分及び第2の部分は共に、チャネルの円周全体又は外周全体を画定してもよい。
【0035】
フィンの配列は、第3のチャネルの側及び任意選択で第4のチャネルの側から延在してもよく、第3の側及び第4の側は、第1の側及び第2の側と直交する。
【0036】
フィンの配列は、少なくともチャネルの長さの一部に沿って、いくつかの実施形態ではチャネルの全長に沿って、第1、第2、第3及び任意選択で第4のチャネルの側から延在してもよい。フィンの配列は、チャネルの長さの少なくとも一部又は全部に沿って、実質的にチャネルの全周囲に延在してもよい。
【0037】
それにより、固定デバイスは、使用時、保持された導管に加えられる幅広い範囲の力の方向に対して耐性を有し得る。
【0038】
別の態様では、本発明は、
チャネルを画定する本体であって、上記チャネルに沿って延在する導管の一定長を受容するための、本体と;
少なくとも第1の上記チャネルの側及び対向する第2の上記チャネルの側;並びに第3の上記チャネルの側及び任意選択で第4の上記チャネルの側から延在し、上記第1の側及び上記第2の側は、上記第3の側及び上記第4の側と直交する、上記チャネルに沿って配置された弾性変形可能なフィンの配列と;を備え、
各フィンが、上記チャネルに沿った長手方向に対して鋭角に延在する配向を有し;かつ、上記フィンのそれぞれが上記チャネルに沿った上記長手方向に対して共通の配向を有する、
導管固定デバイスを提供する。
【0039】
フィンの配列は、チャネルの長さの少なくとも共通部分に沿って、又は、いくつかの実施形態ではチャネルの全長に沿って、第1、第2、第3及び第4のチャネルの側から延在してもよい。
【0040】
本デバイスは、第1のフィンの配列及び第2のフィンの配列を備えてもよい。第1のフィンの配列は、第1のチャネルの長さの部分に沿って延在してもよい。第2のフィンの配列は、第2のチャネルの長さの部分に沿って延在してもよい。
【0041】
第1の配列及び第2の配列は、チャネルの長さの共通部分(又は全長)に沿って延在してもよい。少なくとも第1の配列の一部及び少なくとも第2の配列の一部は、チャネルの異なる部分に沿って延在してもよい。
【0042】
少なくともチャネルの長さの一部に沿って、第1の配列及び第2の配列は、チャネルの第1、第2、第3及び任意選択で第4の側から延在する上記配列を共に画定してもよい。すなわち、所与の配列は、第1のサブ配列及び第2のサブ配列を備えてもよい。チャネルの長さの少なくとも一部に沿って、第1のサブ配列及び第2のサブ配列は、チャネルの周囲で概ね連続的であってもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、第1のフィンの配列及び第2のフィンの配列は、使用時、導管の周囲を閉じてもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、保持機構はフィンの配列の少なくとも一部を備える。例えば、第2の配列は、蓋又はクロージャの一部を形成し、蓋又はクロージャが閉じられたときに導管の周囲を閉じるように操作可能であってもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、2つのフィンの配列は、「クラムシェル」型又は留め継ぎの配置で組み合わされてもよい。
【0046】
第1のフィンの配列は、第2のフィンの配列と同じか、又は異なる配向を有してもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、チャネルはまっすぐである。
【0048】
いくつかの実施形態では、チャネルは、チャネルの長さの少なくとも一部に沿って湾曲しているか、又はコンボリュートである。本明細書で開示されるように、チャネルは、湾曲又はコンボリュート空隙経路を備えてもよい。
【0049】
IVラインなどの可撓性導管は、湾曲又はコンボリュートチャネルに配置され得る。
【0050】
使用中、チャネルの湾曲は、デバイスの引張抵抗を補足し得る。長手方向に導管に対して加えられる張力(すなわち、少なくとも力の一成分が導管の長さに沿って加えられている)は、チャネルに沿った導管の経路をまっすぐにするように作用し、これは導管をフィンの一部に対して押し付け、さらに弾性変形するように作用し、それによってフィンと導管との間の静止摩擦を増加させる。
【0051】
チャネルは単一の湾曲部を有してもよい。チャネルは、2つ以上の湾曲方向を有してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、チャネルは、概してS字型であるか、又は、1つ又は複数の起伏部を備えてもよい。2つ以上の湾曲方向を有するいくつかの実施形態では、チャネルは平面に沿って延在する。すなわち、2つ以上の湾曲部は整列されている。2つ以上の湾曲方向を有するいくつかの実施形態では、2つ以上の湾曲配向を備え、平面に沿って延在しない。例えば、チャネルに沿った第1の湾曲は第1の平面に延在してもよく、チャネルに沿った第2の湾曲は第2の平面に沿って延在してもよく、第2の平面は第1の平面とある角度をなしている(例えば、直交する)。
【0052】
湾曲チャネル又は湾曲空隙経路などの、湾曲とは、少なくとも1つの屈曲を含むチャネル又は経路を指す。湾曲チャネル又は湾曲空隙経路は、1つ又は複数の曲率半径を含むことが出来る。コンボリュート(convoluted)とは、概して反対方向であるが必ずしもその長さに沿った同一平面上の方向ではない少なくとも2つの屈曲を含む、チャネル又は経路を指す。例えば、コンボリュートチャネル又はコンボリュート経路は、一般に蛇行状又はS形状であり得る。チャネルの湾曲はフィンの自由端により画定され得る(例えば、フィンの長さはチャネルに沿って変化し得る)。代替的に又は追加的に、チャネルの湾曲は、以下において開示されるように、1つ又は複数のリブによって画定されてもよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、本体は、内側部分と、少なくとも第1のチャネルの側及び第2のチャネルの側に沿って内側部分の横方向外側に配置された支持部分と、を備え、内側部分はチャネルを画定し、かつ、弾性変形可能なフィンの配列を備える。内側部分は、本明細書で開示されるように、1つ又は複数のフィン構成要素を含んでもよく、フィン構成要素は取り外し可能、移動可能、又は再構成可能であってもよい。
【0054】
いくつかの実施形態では、支持部分は、第1の剛性を有する材料を備えてもよく、かつ、少なくとも内側部分のフィンは、より低い第2の剛性を有する材料を備えてもよい。
【0055】
別の態様によれば、導管固定デバイスは、
内側部分及び支持部分を備える本体であって;
上記内側部分は、上記チャネルに沿って延在する導管の一定長を受容するためのチャネルを画定し;
上記内側部分は、少なくとも第1の上記チャネルの側及び反対の第2の上記チャネルの側から延在する上記チャネルに沿って配置された弾性変形可能なフィンの配列を備え;各フィンは、上記チャネルに沿った長手方向に対して鋭角に延在する配向を有し、上記フィンのそれぞれは、上記チャネルに沿った上記長手方向に対して共通の配向を有し;
上記支持部分は、少なくとも第1の上記チャネルの側及び反対の第2の上記チャネルの側に沿って、内側部分の横方向外側に配置され;上記支持部分は、第1の剛性を有する材料を備え、かつ、少なくとも上記内側部分の上記フィンは、より低い第2の剛性を有する材料を備える、
本体を備える。
【0056】
すなわち、第1の材料及び第2の材料は、固定デバイスの性能を最適化するように選択され得る。フィン(又は内側部分の全体)に対しては、弾性変形を容易にし、フィンが使用時の導管の形状や輪郭により良く従うことができるように、より低い剛性(ヤング率)の弾性材料が使用され得る。一方、そのような弾性変形が外側に伝達されることに抵抗するため、より高い剛性の材料が支持部分により使用され得る。
【0057】
支持部分の全体及び/又は内側部分の全体は、それぞれ第1の材料又は第2の材料で形成され得る。
【0058】
第1の材料は、第2の材料と異なる材料であってもよく、同一材料又は同一種類の材料であってもよいが、例えば材料の密度又は形態を変化させるように、異なる処理を施される。
【0059】
内側部分は、例えば支持部分間、又は支持部分内に結合されてもよい。内側部分及び支持部分は別体に形成され、製造中に結合されてもよい。
【0060】
内側部分と支持部分は、例えば、特定の目的のために、適切な大きさ又は構成のチャネル空隙経路及び/又はフィンの弾性を有する内側部分を、単一の構成の支持部分で使用又は選択できるようにするために、互いに取り外し可能に結合されてもよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、内側部分は支持部分の中に成形される。例えば、支持部分と内側部分は、共成形され得る。
【0062】
支持部分は、凹部を備えるか又は凹部を画定することができ、内側部分は、凹部内に位置することができる。支持部分は、チャネルの近位端及び/又は遠位端を画定することができる。例えば、支持部分は凹部(例えば、内側部分のための箱又は囲い)を画定し、チャネルは凹部の壁の開口部又はくぼみを通って延在することができる。
【0063】
本明細書で開示されるように、内側部分の少なくともフィンは、エラストマー材料又はその他の弾性的に変形可能な材料を含むか、又はそれらから構成される。
【0064】
支持部分又は少なくともその一部は、剛性又は半剛性であってもよい。半剛性とは、支持部分がある程度可撓性を有するが、チャネル内の導管によって変形したときにフィンを介して加えられる力に抵抗するのに十分な剛性を有することを意味する。支持部分は、例えば、ポリプロピレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、又はポリカーボネートなどの、成形又は機械加工されたプラスチック材料を含んでもよく、又はそれらから形成されてもよい。
【0065】
本明細書に開示されるいずれかの態様又は実施形態において、対向するフィンは、互いに長手方向に整列していてもよいし、チャネルの交互の側で長手方向に互いにずれていてもよい。
【0066】
本明細書に開示された態様又は実施形態のいずれの固定デバイスも、使用時、フィンと同一の配向に、チャネル内の導管と固定デバイスとの間に長手方向の力が加えられたときに、フィンの反転又は逸脱を制限するように適合され得る。このような適合は、引張抵抗をさらに改善し得る。
【0067】
使用時に導管に接触するフィンの配列のフィンの端部は、配列の片側又は両側に沿って接合され得る。
【0068】
固定デバイスは、チャネルからチャネルの対向側に延在するフィンの端部の間に、チャネルの少なくとも一部に沿って延在する、1つ又は複数の障壁又はリブを備えることができる。特に、フィンの配列のフィンが自由端を有する実施形態では、前記リブ又は障壁は、自由端の間に部分的に延在する。
【0069】
上記リブ又は障壁は、チャネルの長さの少なくとも一部に沿って、剛性又は半剛性であってもよい。
【0070】
上記リブは、少なくともチャネルの近位端及び/又は遠位端など、チャネルの長さの少なくとも一部に沿って弾性変形可能であってもよい。弾性変形可能なリブは、導管の曲げ又は縮れの危険性を低減し得る。フィンの配列(又はサブ配列)は、フィンの別の配列の自由端の間に部分的に延在して同様の機能を果たすこともできる。
【0071】
上記リブ又は障壁は、空隙経路を少なくとも部分的に画定することができる。
【0072】
本デバイスは、複数のリブ又は障壁を備えてもよい。例えば、フィンの配列は、第1のチャネルの側及び対向する第2のチャネルの側から延在してもよく、リブは、第3のチャネルの側及び任意選択で第4のチャネルの側から、フィンの間に延在してもよい。
【0073】
上記リブ又は障壁は、湾曲又はコンボリュートチャネルを画定してもよい。
【0074】
リブ又は障壁は、例えば、本体の一部、又は上記支持部及び/又は蓋を備えてもよい。
【0075】
いくつかの実施形態は、1つ又は複数の再構成可能なリブ又は障壁を備えることができる。リブ又は障壁は、例えば、本明細書に開示されるように、ボタンもしくはスライダ、又は可動壁部に操作可能に結合され得、それにより、リブ又は障壁が配列のフィン間に延在する程度が、デバイスの引張抵抗のある程度の調節を提供するために、再構成され得る。
【0076】
固定デバイスは、複数のフィンの配列を備えることができる。例えば、第1の配列は、チャネルの長さの少なくとも一部の第1の側及び第2の側から延在し、第2のフィンの配列は、直交する第3のチャネルの側及び任意選択で第4のチャネルの側から延在してもよい。代替的に又は追加的に、固定デバイスは、本明細書で開示されるように、チャネルに沿った長手方向に対して異なる方向に配向された第1のフィンの配列及び第2のフィンの配列を備えることができる。
【0077】
固定デバイスは、配列又は複数の配列を構成し、チャネル又は各チャネルを画定する複数のフィン構成要素を備えることができる。本明細書に開示される固定デバイスの配列及びチャネルは、様々なフィン構成要素を用いて構成され得ることが理解されよう。例えば、フィンの配列は、複数の部品を備えることができ、例えば、各部品は、チャネルの片側にフィンを画定し、又は各部品は、チャネルの周囲に部分的に延びるフィンを画定する。フィンの配列は、いくつかの実施形態では、例えば成形によって単一のユニットとして形成され得る。逆に、所与のフィン構成要素は、複数のフィンの配列の少なくとも一部を画定することができる。
【0078】
本明細書に開示された実施形態のいずれかの態様に関連して、フィンの配列は、以下のような様々な構成を有することができる。
【0079】
フィンが変形していない状態のとき(チャネル内に導管が存在しないとき)、チャネルは空隙経路を画定し得る。すなわち、チャネルに対して横方向において、チャネルは、対向するフィンの間(例えば、第1のチャネルの側及び第2のチャネルの側に対するフィンの間)の間隙を構成し得る。
【0080】
空隙経路の幅(横方向)は、固定デバイス内に固定され得る導管の最小直径を規定し得る。最小直径は、例えば、空隙経路の幅の少なくとも105%、110%、120%又は130%とし得る。
【0081】
チャネルを通る断面において(すなわち、チャネルに沿って長手方向に見て)、フィンが変形していないとき、空隙経路は正方形又は長方形であり得る。すなわち、対向するフィンの端部は、断面が正方形、長方形又は菱形の空隙経路の2辺、3辺又は4辺を画定する。
【0082】
空隙経路は、断面が円形、楕円形又は多角形であってもよい。すなわち、チャネルに面するフィンの配列の両端は、円形、楕円形又は多角形の一部(通常は半分以上)を画定し得る。
【0083】
空隙経路の他の断面形状も可能である。例えば、対向するフィンの端部には、使用時にチャネル内の導管と係合し、導管を包み込み、及び/又は導管を保持することを少なくとも部分的に補助するために、湾曲又はリップを設けることができる。
【0084】
フィンの配列の各フィンは、本体に対して概ね固定された(一部の実施形態では、使用時のフィン構成要素の弾性変形中に生じるわずかな動きを除く)固定端と、チャネルに挿入された導管を収容するために本体に対して移動可能な自由端とを有してもよい。
【0085】
角度は、固定端と自由端との間に画定することができる。変形していない状態では、上記フィンの角度は、例えば、約10度と約85度の間、約20度と約80度の間、約30度と約75度の間、又は約45度と約70度の間であってもよい。角度は、約5、10、15、30、45、50、55、60、65、70又は80度であってもよい。変形していない状態では、チャネルの長手方向に対するフィンの配列の各フィンの角度は実質的に同一であり得る。
【0086】
いくつかの実施形態では、フィンの配列のフィンの角度は、チャネルに沿って変化し得る。例えば、チャネルが湾曲又はコンボリュートである場合、隣接するフィンは、互いに実質的に平行であってもよく、湾曲又はコンボリュートチャネルに対する角度はチャネルの長さに沿って変化し得る。
【0087】
導管がチャネルに挿入されたとき、フィンが変形した状態では、フィンの配向とチャネルの配向との間の角度は変化する可能性があり、角度の変化量は、導管の直径と可撓性に依存し、さらに言えば、チャネルに沿って不均一になり得ることは理解されよう。
【0088】
変形していない状態では、フィンの配列のフィンは、その固定端と自由端との間で実質的にまっすぐであり得る。いくつかの実施形態では、変形していない状態において、フィンの配列のフィンは、それらの固定端と自由端との間で湾曲しているか、J字形であるか、又はその他まっすぐではない状態である。このような構成は、いくつかの実施形態では、使用中、フィンと導管との間の接触表面積の増加を提供し得る。
【0089】
フィンは、例えば、シリコーン、独立気泡ネオプレン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリオレフィン、及び医療用途に使用するために当業者に知られている他の材料などの弾性プラスチック材料又はエラストマー材料を含む、任意の適切に弾性のある材料を備えてもよい。フィンは、弾性構成要素とコーティング構成要素とを備えてもよい。例えば、コーティング又は表面処理(例えば、粗面化された表面もしくは代替的に平滑化された表面、又はポリウレタンコーティングのような「粘着性」コーティング)は、IVラインのような特定の種類の導管とより効果的に摩擦係合するように選択されてもよい。
【0090】
フィンは、複数の弾性材料を備えてもよい。例えば、フィンの一部(例えば、使用時に、チャネルから横方向に取り外されることに対抗してチャネル内に導管を保持するために導管の周囲又は上をカップ形に覆うリップ又は他の形成物)は、チャネル内の導管の保持を援助するために、より弾性のある(すなわち、より硬い)材料を備えるか、又は該材料から形成され得る。
【0091】
フィンの弾性は、その長さに沿って、例えば自由端から固定端に向かって大きくなるように変化してもよい。
【0092】
材料は、当技術分野で知られているように、洗浄に適した耐溶剤性や耐温度性を持つように選択し得る。
【0093】
フィンの弾性は、通常の使用において導管と固定デバイスの間に作用すると予期される典型的な引張力に基づき、特定の目的に応じて選択され得る。要求荷重は、例えば、導管が延在する設備又は装置の重量に関係し得る。例えば、IVラインの固定には、固定デバイスが、静脈へのIVライン入口点を少なくとも流体バッグの落下から隔離可能であることが望ましい。このようなバッグ(生理食塩水、血漿など)は、通常、約1リットルの水性液体を含む。
したがって、デバイスの遠位側にある導管(例えばドレーン)を、デバイスと保持されたIVラインとの間にかかる、すなわちデバイスの近位側にある導管にかかる約1~10N、約1~5N、約1~3N、又は約1.5~3Nの長手方向の力から隔離するための固定デバイスが必要となる可能性がある。
【0094】
いくつかの実施形態では、約10、20、30、40、50、60もしくは80kg、又は場合によってはそれ以上の重量の外科用ドレナージデバイスのような、より重い装置の使用など、より大きな荷重抵抗が予想され得る。
したがって、デバイスの遠位側への導管(例えばドレーン)を、デバイスの近位側への導管に加わる約10~200N、約50~150N、もしくは約70~100N、又は約10、20、30、40、50、60もしくは80N、又は場合によってはそれ以上の長手方向の力から隔離するための固定デバイスが必要となる可能性がある。
【0095】
固定デバイスは長手方向の力を遮断するが、チャネル内での導管のある程度の移動を許容することができることは理解されよう。このような動きの許容範囲は、例えば、所与の長手方向の力の作用下において、約20mm、15mmもしくは10mm、又はそれら以下とすることができる。
【0096】
保持機構は、チャネル外への横方向移動に対して、チャネル内の導管を保持するように機能する。
【0097】
保持機構は、本体により画定された、チャネルに対する狭化された入口を備えてもよい。狭化された入口は、固定デバイスが使用するサイズである導管の幅よりも小さい幅を備えてもよく、それにより、使用時に、本体は、開口を一時的に広げるように撓ませられ、及び/又は、導管は、チャネルを通って適合するように絞られる。狭化された入口は、チャネルの空隙経路の幅よりも小さい場合がある。
【0098】
保持機構は、チャネルの少なくとも一部を横断するか又はチャネルの少なくとも一部を覆うクロージャを含むことができる。例えば、保持機構は、チャネルを横断して解放可能に固定されることが可能な1つ又は複数のストラップを備えてもよい。
【0099】
いくつかの実施形態では、保持機構は、チャネルの長さの少なくとも一部の上に取り付けるための蓋又はカバーを備える。蓋は、例えばアクティブヒンジによって本体に対して蝶着され、ラッチ、クリップ又は他の適切な固定手段によって固定され得る。蓋は、チャネルの長さの少なくとも一部の上に取り外し可能に取り付けられ得る。カバーは、クリップ、ラッチなどの任意の適切な固定手段によって取り付けられ得る。
【0100】
保持機構は支持部分に結合されてもよい。
【0101】
支持部分は、保持機構を備えてもよい。例えば、第3のチャネルの側及び任意選択で第4のチャネルの側、又はチャネルの周囲に延在するフィンを有する実施形態では、保持機構は、チャネルの上の蓋又はクロージャを備えてもよく、いくつかの実施形態では、蓋又はクロージャは、フィン構成要素又は複数のフィン構成要素を備える。
【0102】
支持部分の一部を形成する蓋又はクロージャは、例えば、使用時(蓋又はクロージャがチャネルの上に配置されるとき)に第3のチャネルの側から延びる上記フィンの配列を備える挿入部分を備えることができる。
【0103】
支持部分が第1の剛性を有する材料を含み、挿入部分の少なくともフィンがより低い第2の剛性を有する材料を含む実施形態では、蓋又はカバーは、第1の剛性を有する材料を含むことができる。
【0104】
いくつかの実施形態では、固定デバイスは再構成可能である。
【0105】
再構成可能な固定デバイスは、少なくとも第1の構成と第2の構成との間で、チャネルに対するフィンの少なくとも一部の角度の変更、チャネルの長さの少なくとも一部に沿った空隙経路の幅の変更、チャネルの湾曲の変更、又はフィンの少なくとも一部の配向の変更などの再構成が可能であり得る。
【0106】
上記支持部分及び/又は上記内側部分は、再構成可能であってもよい。
【0107】
再構成することにより、デバイスによってチャネルに保持された導管に加えられる引張抵抗、デバイスによってチャネルに保持された導管に加えられる引張抵抗の方向、又は、チャネルのサイズ(したがって、その中に保持され得る導管の直径)の調整を行うことができる。
【0108】
本体(例えば、その支持部分)は、固定デバイスの構成を変更するためのボタン又はスライダを備えてもよい。ボタン又はスライダは、デバイスを第1の構成と第2の構成との間で移行させるように操作可能であってもよい。
【0109】
使用時、導管はデバイスが第1の構成にあるときにチャネルに装填され得、その後、デバイスが第2の構成に移行され得る。
【0110】
チャネルの少なくとも一部の湾曲は、第1の構成と第2の構成との間でデバイスを移行させることにより変更することができる。
【0111】
第1の構成では、チャネルはまっすぐであってもよい。第2の構成では、チャネルは湾曲していてもよい。第1の構成から第2の構成に移行することにより、チャネルの少なくとも一部の曲率を増加させ得る。
【0112】
第1の構成から第2の構成に移行することで、チャネルの長さの少なくとも一部に沿ったチャネルの空隙経路の幅を縮小することができる。
【0113】
第1の構成と第2の構成との間の移行は、ボタンを押すか、又はスライダ(例えば傾斜スライダ)を動かしてフィンの全部又は一部をチャネルに対して横方向に移動させることによって達成することができる。第1のチャネルの側及び第2のチャネルの側に対するフィンの全部又は一部を横方向に偏向させ、チャネルに湾曲を付与し、又はチャネルの湾曲を変化させることができる。
【0114】
フィンを横方向に偏向させるための配置は、本明細書で開示されるように、支持部内に簡便に設けることができる。ボタン又はスライダは、支持部分の可動内壁を横方向及び/又は長手方向に偏向させることができ、又は支持部分の横方向の動きを阻止もしくは制限することができる。
【0115】
スライダは、横方向又は長手方向に移動可能であってもよく、フィンの少なくとも1つに結合又は係合されてもよい。例えば、フィンの少なくとも一部は、第1のチャネル及び/又は第2のチャネルの側に沿ったチャネルの長さの少なくとも一部に沿って、上記可動部分に係合し又は結合されることができる。上記可動壁部分、ボタン又はスライダは、1つ又は複数のフィン構成要素に結合又は係合されてもよい。
【0116】
スライダを移動させることで、使用時に、関連するフィンの角度を再構成することができる。例えば、導管は、固定デバイスが第1の構成にあるときにチャネル内に保持されてもよく、スライダは、デバイスを第2の構成に移動するように操作可能であってもよい。導管に係合されたフィンの端部は、両方の構成において実質的に同じ位置に留まり、スライダに結合されたフィンの端部は長手方向に移動し、それによって角度が変化する。スライダに結合されたフィンは、本明細書で開示されるように、それらがチャネルに対して概ね垂直である第1の構成と、フィンがチャネルに対してある角度をなす第2の構成との間で移行させることができる。
【0117】
フィンの角度を変えることで、関連するフィンの配向を変えることができる。
【0118】
ボタン又はスライダは、インデックス付きで、第1の構成及び第2の構成によって定義される少なくとも2つのインデックス位置を備えることができる。
【0119】
固定デバイスは、1つ又は複数のフィン構成要素を取り外し、交換することにより、再構成可能である。例えば、いくつかの実施形態では、1つ又は複数の配列のそれぞれは、取り外し可能に結合されたフィン構成要素を備えるか、又はフィン構成要素から構成されることができ、それにより、デバイスは、フィン構成要素を取り外し、そのフィンの配向を逆にして再結合することによって再構成可能であり得る。これは、例えば、所与の本体内で異なるサイズ、弾性、空隙経路の側面、湾曲等のフィン構成要素を使用することを容易にし得る。患者又は設備へのデバイスの配置がセンシティブである場合、これは、臨床現場における間違いの可能性を低減し、及び/又は効率を改善する可能性がある。
【0120】
固定デバイスは、1つ又は複数の回転可能なフィン構成要素を備えてもよい。1つ又は複数のフィン構成要素は、本体又は支持部分に回転可能に結合され得る。固定デバイスは、1つ又は複数のフィン構成要素を回転させそのフィンの配向を逆にすることにより再構成することができる。
【0121】
フィン構成要素の配向を変えることで、フィンの配列の配向を選択することができ、配列が提供する最大の引張抵抗を選択することができる。
【0122】
いくつかの実施形態では、デバイスは、2つ以上の配列から構成され得、そのうちの少なくとも1つは、そのフィンの配向を変更するように再構成可能であり、それにより、固定デバイスは、(チャネルに対して)両方の長手方向において実質的に等しい引張抵抗を提供すること、又は選択された長手方向においてより大きな引張抵抗を提供することを選択的に可能にし得る。
【0123】
固定デバイスは、第1のチャネルと第2のチャネルを備えてもよい。実施形態によっては、3つ以上のチャネルを備えてもよい。
【0124】
固定デバイスは、それぞれがチャネルを画定する、複数の本体を備えてもよい。
【0125】
固定デバイスは、複数のチャネルを画定する本体を備えてもよい。
【0126】
第1のチャネル及び第2のチャネルは、互いに概ね平行に延在してもよい。
【0127】
第1のチャネル及び第2のチャネルは、共通の第1の端部及び/又は共通の第2の端部を共有してもよい。
【0128】
いくつかの実施形態では、第1のチャネルは第1のフィンの配列を備え、第2のチャネルは第2のフィンの配列を備える。第1の配列及び第2の配列は、異なる配向であってよく、それにより固定デバイスの方向性が選択され得る。
【0129】
いくつかの実施形態では、第1のチャネルは第1のフィンの配列を備え、第2のチャネルは第2のチャネルの長手方向に対して反対向きの2つの第2のフィンの配列を備える。導管は、単一方向の引張抵抗、又は両方向の引張抵抗を選択的に提供するように挿入され得る。
【0130】
2つ以上のチャネルは、端部から端部まで延在してもよい。いくつかのそのような実施形態では、固定デバイスは、分岐したチャネル配置を備える。すなわち、デバイスは、その一端に延在し上記第1及び第2のチャネルに延在する主チャネルを備える。主チャネル、第1のチャネル及び第2のチャネルのそれぞれは、任意の組み合わせ又は配向の順序で、フィンの配列、又は複数のフィンの配列を備えることができる。
【0131】
さらに言えば、本デバイスは2対の第1のチャネル及び第2のチャネルを備えることができ、各対は共通の第1の端部及び/又は第2の端部を共有し、それにより、導管に様々な経路を提供できる。
【0132】
したがって、各方向に固定された導管にデバイスが与える引張抵抗の程度を、より高い分解能で選択できる。
【0133】
追加的に又は代替的に、複数のチャネルを有する固定デバイスは、複数の幅の空隙経路を有するチャネルを備えてもよく、又は、複数の弾性を有するフィンの配列を備えてもよい。そのような実施形態は、使用中に、導管の特定の直径や可撓性に適合するために選択される特定の経路を提供することができる。
【0134】
固定デバイスは、固定デバイスを患者又は構造物に取り付けるための外部取付具をさらに備えることができ、外部取付具は本体に結合されている。
【0135】
外部取付具は、例えば、患者の四肢に取り付けるためのバンド又はストラップを備えることができる。外部取付具は、ベスト、下着、四肢カバーなどの衣類、又は衣類の一部を含んでもよい。外部取付具は、患者の皮膚もしくは衣服、又は備品や台車などの構造物に貼り付けることができる、例えばテープ又は粘着パッチもしくはストリップの形態などの粘着部分を含んでもよい。外部取付具は、クリップや面ファスナの構成要素などの解放可能な留め具を含んでもよい。
【0136】
本デバイスを患者に取り付けるするための外部取付具は、調節可能なバンド又はストラップで構成することができる。調節機能は、面ファスナ、バックル、ラチェット、又は紐など、任意の適切な手段によって提供され得る。
【0137】
本体は、外部取付具に(任意選択で解放可能に)取り付けられるか、少なくとも部分的に埋め込まれるか、又は外部取付具に囲まれてもよい。例えば、外部取付具はプラスチック又はエラストマー材料を含んでもよく、本体、又は少なくともその支持部分は、ポリプロピレン材料などのより硬い材料であってもよく、外部取付具のプラスチック/エラストマー材料に少なくとも部分的に埋め込まれるか、又はそれに囲まれてもよい。
【0138】
本体は、例えば、1つ又は複数のクリップ、固定具又はループ等を介して、外部取付具に接続されてもよい。
【0139】
本体は、例えば洗浄のために、外部取付具から取り外し可能であってもよい。本体と外部取付具は一体であってもよく、例えば単一の材料から形成されてもよい。
【0140】
固定デバイス又はその構成部品の材料選択は、臨床現場に応じて決定することができる。外科的用途や緊急用途のような状況によっては、デバイスを単回使用に適合させ得ることは、当業者には理解されよう。一方、他の用途、例えば、デバイスの使用がより長期間にわたって必要とされる場合には、患者の快適性、デバイスの洗浄及び/又はデバイスの滅菌及び再使用性を考慮した材料選択が望ましい場合がある。
【0141】
いくつかの実施形態では、固定デバイス又はその1つ又は複数の構成部品は、好都合には、拭浄材料(wipe-clean material)から作られる。拭浄材料は、実質的に非多孔性の表面を有する材料である。例えば、プラスチック材料又はエラストマー材料、例えば、シリコーン、独立気泡ネオプレン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリオレフィン、及び医療用途に使用するために当業者に知られている他のそのような材料が挙げられる。固定デバイスは、プラスチック又はエラストマーコーティングされた布地のような、洗浄可能又は滅菌可能な布地を備えることができる。
【0142】
いくつかの実施形態では、固定デバイス、又はその1つ又は複数の構成部分は、熱可塑性プラスチック材料などのリサイクル可能な材料、又は生分解性プラスチック材料等の生分解性材料から作られる。生分解性プラスチック材料、例えば、植物由来のポリマー又は樹脂をベースとするセルロース系又は他のプラスチック材料は、当技術分野で知られている。
【0143】
固定デバイスの1つ又は複数の構成要素は、成形(すなわち、圧縮成形又は射出成形等の成形により形成)されてもよい。例えば、フィン構成要素、本体の1つ又は複数の部品、外部取付具が成形され得る。
【0144】
固定デバイスの1つ又は複数の構成要素は、1つ又は複数のさらなる構成要素とオーバーモールド又は共成形されてもよい。例えば、支持部分及び内側部分は、共成形されてもよく、外部取付具は少なくとも本体の一部の周囲にオーバーモールドされてもよい。
【0145】
固定デバイス又はその構成部品は、抗病原性(抗細菌性、抗真菌性又は抗微生物性など)コーティングを備えてもよく、又は抗病原性成分を含浸させてもよい。このような抗病原性成分は、銀又は銅をベースとするような金属コロイド組成物、第4級アンモニウム組成物又はポリマー、ビグアニドポリマーなど多数のものが含まれ、当技術分野において多く知られている。
【0146】
固定デバイス又はその構成部品には、発光コーティングを施してもよく、又は発光顔料もしくは発光染料を含浸させてもよい。これは、例えば、夜間又は低照度条件下で固定デバイスの位置を特定するのに役立つ場合があり、又は患者がまだ固定デバイスを装着していることを思い出させる役割を果たす場合がある。
【0147】
本発明は、別の態様では、本明細書に開示された態様及び実施形態に従って固定デバイスに固定された医療用導管を含む医療用システムであって、導管が固定デバイスのチャネルの長さに沿って延在する医療用システムに拡張する。
【0148】
導管は、可撓性、半可撓性又は剛性のいずれでもよい。
【0149】
導管は、IVライン、静脈ライン、動脈ライン、又はドレーンなどの流体ラインであってもよい。導管は、例えば麻酔薬や酸素を供給するためのガスラインであってもよい。導管は、電気的又は光学的導管であってもよく、例えば、患者に外部的又は経皮的に適用されるモニタリングデバイス(例えば、コンパートメントモニタ、電気的又は光学的センサなど)から延在するようなものであってもよい。
【0150】
導管は可撓性を有し、フィンの配列によって湾曲又はコンボリュート経路内へと付勢されてもよい。
【0151】
医療システムの固定デバイスは、外部取付具をさらに含んでもよい。
【0152】
外部デバイスは、例えば、患者の四肢、頭部、頸部又は胴部に、又は、台車又はベッドフレームなどの周囲などの、患者又は構造物に取り付けられるか、又は取り付け可能である。固定デバイスは、点滴スタンド、ICPモニタリングスタンドなどのスタンドに取り付け可能である。
【0153】
医療システムは、固定デバイスに固定され、それぞれのチャネルに沿って延びる2つ以上の導管(同一又は異なる種類もしくは直径のもの)を備えてもよい。
【0154】
該固定デバイスのさらなる代替的な又は任意的な特徴は、本明細書に開示された固定デバイスの別の態様又は実施形態に対応する。
【0155】
別の態様では、
本明細書に開示された態様及び実施形態に従う固定デバイスを提供することと;
導管をそのチャネルに横方向に挿入することと、
を含む、導管固定方法が提供される。
【0156】
本方法は、保持機構を操作することを含んでもよい。保持機構は、例えば、チャネル上にストラップを固定すること、又は蓋を閉じることなどにより操作され得る。
【0157】
本方法は、少なくとも第1の構成と第2の構成との間で固定デバイスを再構成すること、すなわち、チャネルに対するフィンの少なくとも一部の角度の変更、チャネルの長さの少なくとも一部に沿った空隙経路の幅の変更、チャネルの湾曲の変更すること、又はフィンの少なくとも一部の配向の変更などを目的として再構成することを含んでもよい。
【0158】
固定デバイスは、導管をチャネルに挿入する前、又は導管をチャネルに挿入した後に再構成することができる。固定デバイスは、保持機構を操作する前、又は操作した後に再構成することができる。
【0159】
本方法は、可撓性導管を湾曲又はコンボリュート経路内へと付勢することを含んでもよい。
【0160】
本方法は、外部取付具を患者又は構造物に取り付けることを含んでもよい。
【0161】
外部取付具はバンド又は衣類を備えてもよく、この方法は、バンドを患者の四肢又は他の身体部位に巻き付けること、又は患者の四肢又は身体部位を外部取付具に通すか、もしくは外部取付具の中に入れることを含んでもよい。
【0162】
外部取付具は粘着テープを備えてもよく、本方法は、固定デバイスを患者又は衣類に配置することと、固定デバイスの一部の上に粘着テープを貼付することとを含んでもよい。外部取付具は粘着性表面からなる場合があり、本方法は、粘着性表面を準備又は露出させ、患者に貼付することを含んでもよい。
【0163】
外部取付具は、クリップ又はクランプを備えてもよく、本方法は、上記クリップ又はクランプを患者の衣服、ベッドフレームなどに取り付けることを含んでもよい。
【0164】
本方法は、導管を固定デバイスに固定する前及び/又は固定した後に、外部取付具を取り付けることを含んでもよい。
【0165】
本方法は、2つ以上の導管を固定デバイスに固定することを含んでもよいことが理解されよう。2つ以上の導管が同時に固定されてもよい。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の導管は、1つ又は複数の他の導管に対して異なる時間に取り付けられてもよい。例えば、状況によっては臨床医が患者のもとに戻り、例えば点滴を交換するために、導管を固定及び/又は取り外す場合がある。
【0166】
本方法は、導管を固定デバイスから取り外すことを含んでもよい。取り外しは、本明細書に開示された固定方法を逆にすることによって行うことができる。取り外しは、例えば、1つ又は複数の上記ストラップの破壊、例えば、1つ又は複数の上記ストラップを切断して導管又は複数の導管を解放することにより行うことができる。
【0167】
別の態様では、本発明は、医療用導管などの導管を固定するための、本明細書に開示された固定デバイスの使用に関する。本使用は、例えば、カニューレ入口点などの入口点に近接して、患者に対して医療用導管を固定することであってよい。
【0168】
本発明の各態様のさらなる特徴及び任意選択の特徴は、本発明の別の任意の態様のさらなる特徴及び任意選択の特徴に対応することが理解されよう。本明細書で開示される方法は、例えば、本明細書で開示される固定デバイス又は医療システムの任意の特徴を使用することを含んでもよく、固定デバイス及び医療システムは、方法の実施に必要な任意の装置を含んでもよい。
【0169】
「横」、「長手」及び関連する用語は、場合によっては、チャネル、そこを通る空隙経路、又は導管に関する配向又は方向を指す。例えば、導管に関して、長手方向は、一般に導管の軸に沿った、又は湾曲した導管の長さに沿った方向である。チャネルは、本体の第1の端部から第2の端部まで延在してもよく、チャネルに関する長手方向は、概して第1の端部と第2の端部との間の方向であってもよい。長手方向は、湾曲又はコンボリュートチャネルの任意の部分に沿って定義されてもよい。同様に、「横」方向は、長手方向に対してある角度で定義されてもよい。例えば、横方向は、導管の軸に対して一般に半径方向であってもよく、又はチャネルの長手方向に対して一般に垂直であってもよい。導管に加えられる長手方向の又は「引張」力に言及する場合、固定デバイスに関連して導管に加えられる力(すなわち、どちらかの移動によって生じる可能性のある力)を指し、その少なくとも一成分は導管に平行である。
【0170】
本明細書において「備える」又は「含む」という用語は、上述の特徴及び任意選択でさらなる特徴を含む装置又は方法を指す。用語「備える」又は「含む」は、引用された特徴のみからなる装置又は方法も包含する。
【0171】
本発明は、主として医療用途の固定デバイス、システム、及び方法に関連して説明されてきたが、固定デバイスは、他のタイプの導管と併用したり、電気導管、ロープ用、編組ケーブルなど、ケーブル類の配索、固定、及び張力からの隔離が望まれる他の環境で使用するために提供してもよい。したがって、本明細書における医療用導管などへの言及は、限定的なものと考えられるべきではない。
【0172】
以下の図面を参照して、例示的な実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0173】
図1(a)-(b)】図1(a)及び図1(b)は、導管固定デバイスの例を示す斜視図である。
図1(c)】図1(c)は、チャネル内に導管が固定されている図1(b)のデバイスの平面図である。
図2図2は、医療用導管がチャネル内に配置されている導管固定デバイスの他の例を示す平面図である。
図3(a)-(b)】図3(a)及び図3(b)は、2つの構成のそれぞれにおける図2のデバイスの斜視図である。
図4(a)-(b)】図4(a)及び図4(b)は、2つの構成のそれぞれにおける再構成可能な固定デバイスのさらなる例の斜視図である
図5(a)-(c)】図5(a)はコンボリュートチャネルを備えた導管固定デバイスの斜視図であり、図5(b)及び図5(c)は、コンボリュートチャネルに沿って配置された可撓性導管を備えた固定デバイスを示す図である。
図6(a)-(b)】図6(a)及び図6(b)は、蓋とチャネル周囲のフィンの配列とを備えた導管固定デバイスの平面図及び断面端面図である。
図7図7は、2つのチャネルを持つ固定デバイスを示す図である。
図8図8は、2つのチャネルを持つ固定デバイスを示す図である。
図9図9は、分岐したチャネル配置を備える固定デバイスを示す図である。
図10図10は、再構成可能な固定デバイスを示す図である。
図11図11は、再構成可能な固定デバイスを示す図である。
図12図12は、再構成可能な固定デバイスを示す図である。
図13(a)-(c)】図13(a)~(c)は、フィンの配列の間にリブを画定する本体を有する固定デバイスを示す図である。
図14(a)】図14(a)は、複数の湾曲配向を有するコンボリュートチャネルを有する固定デバイスの斜視図である。
図14(b)-(c)】図14(b)及び図14(c)は、図14(a)の固定デバイスの挿入部分の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0174】
図1(a)は導管、特に医療用導管を固定するための固定デバイス100を示す。デバイス100は、チャネル104を画定する本体102を有する。チャネルは、第1のチャネルの側107a及び第2のチャネルの側107bから延在する弾性変形可能なフィン106を備える。フィンが変形していない状態でのデバイス100が示される。
【0175】
フィンは、それぞれ、チャネルに沿った長手方向Lに対して鋭角αで延在する配向を有する。角度αは一般に、固定端106aから自由端106bまでの上記フィン106の長さLに沿って測定される。フィン106のそれぞれは共通の配向を有する。すなわち、自由端106bから延在するフィンの配向及び各フィンの固定端106aを画定する線と、チャネルの長手方向Lとの間の各フィンの鋭角αは、一般に、長手方向Lに関して同様に向いている(すなわち、チャネルの同じ近位端108p又は遠位端108dの方向)。
【0176】
使用中、IVライン又はカテーテルなどの導管は、チャネル内に配置される。デバイス100の大きさ、特に、チャネル104の幅は、導管が、少なくともフィンの端部を弾性変形させ、フィンと導管との間の摩擦によりチャネルに沿った導管の長手方向の動きに対する抵抗、すなわち「引張抵抗」が与えられるように、選択され得る。
【0177】
使用中、固定デバイスは、固定デバイスから遠位に延在する導管を、固定デバイスとデバイスから近位に延在する導管との間に加えられる力から、隔離し、その逆も同様である。固定デバイスは、それにより、導管又は関連する医療装置の患者への入口点が破壊される危険性を低減する。
【0178】
角度が付いたフィンは、より大きな「引張抵抗」を遠位(方向D)に与える。導管が方向Dに引っ張られると、フィン106の端部は、摩擦によってある程度引きずられて圧縮し、又は、更なる圧縮により導管との係合が増加する。方向Pに引っ張られるときは、導管とフィンとの間で一定の摩擦(したがって引張抵抗)が存在するが、それらの間の摩擦はフィンを伸長させ、鋭角αを鋭くする傾向があり、フィンの変形を減少させる。
【0179】
フィンは、様々な導管の直径に適応するために、偏向及び弾性変形することができる。
【0180】
臨床現場において、保持された導管に加えられる力は、導管(すなわち軸方向)に関する長手方向成分及び横方向成分を有する場合があることは理解されよう。弾性変形可能なフィンは、導管が折れたり挟まれる可能性を減少させながら、様々な方向のそのような力に適応するために変形することができる。
【0181】
フィンの弾性もしくは他の特性(表面テクスチャ又は材料など)、チャネルの長さ及び/又は幅は、特定の目的に応じて選択され得る。
【0182】
配列のフィン106は(変形していないとき)互いに平行であり、チャネルの長手方向に対してそれぞれ同一の角度をなす。本明細書で開示される代替的な実施形態では、チャネルに対する角度はチャネルに沿って変化し得る。
【0183】
図示の実施形態では、本体102は、支持部分110及び内側部分112を含む。支持部分は、内側部分の横方向外側にあり、図示の例では、支持部分は、チャネル104の端部にくぼみ110aを有する凹部を画定する。以下でさらに詳細に説明するように、いくつかの実施形態では、内側部分は取り外し可能であり得る。別の実施形態では、内側部分は取り外し可能でなく、例えば、支持部分内に接着又は成形することができる。
【0184】
支持部分110は、ポリプロピレンなどの比較的硬く柔軟性のないプラスチック材料から成形される。フィン106の配列を含む内側部分112は、医療グレードのシリコーンなどのより低い剛性を有する弾性変形可能な材料から成形される。図示の実施形態では、内側部分全体(フィンを含む)が単一の材料から成形されているが、代替の実施形態では複数の材料を使用することができ、少なくともフィン106は外側支持部分110よりも低い剛性を有する。
【0185】
内側部分112は支持部分110から取り外し可能であり、デバイス100を異なる内側部分112で再構成できるようにする。
【0186】
異なる剛性を有する内側部分及び支持部分が提供されることで、それらの剛性を最適化することができる。例えば、フィンは、比較的低い剛性を有するように作成され、それにより、より良く導管に適合し把持できるようになり、支持部分は、チャネルの拡張に対して全体的な抵抗を提供する。
【0187】
固定デバイス100はまた、スロットに通したバンド又はストラップ(図示せず)を用いて固定デバイスを患者又は構造物に取り付けるための、外部取付具として機能するスロット122を有するベース120を含む。ベース120は、図示の実施形態では、本体102と共成形されている。
【0188】
任意選択で、ストラップは、チャネル104の開いた上面を覆うように配線され、導管がチャネルから横方向に引き出されるのを防止するためのチャネル上の保持機構として機能することができる。代替的な実施形態では、デバイス100は、チャネル上で閉じ、保持機構として機能するように操作可能な蓋又はフラップ(図示せず)を代替的に含む。
【0189】
図1(b)は、別の固定デバイス200を示す。固定デバイス100と共通する特徴には、100を増分した同様の参照数字が付されている。デバイス100のフィン106(フィンが図示のように変形していない構成にあるとき、固定端106aから自由端106bへの方向にまっすぐである)とは異なり、デバイス200のフィン206は「J字形」、すなわち、自由端206bに向かって湾曲して設けられている。したがって、フィン206の自由端206bは、チャネルの長手方向Lに対して、固定端206aの角度α1よりも鋭角をなす。フィンの配向(固定端と自由端との間に延在する線と、チャネルの配向Lとの間に定義される角度α)もまた、角度α1よりも小さい(すなわち、より鋭い)。図示の実施形態では、自由端206bは、チャネルの長手方向Lとほぼ整列している。使用中、J字形フィン206は、導管とのより大きな接触表面積を提供することができる。これは図1(c)に示されており、チャネル204内に導管224が配置されたデバイス200を示している。
フィン206は、導管224に対して弾性変形し、フィン206のそれぞれの自由端206bの近傍における表面領域が、導管224と接する。
【0190】
ゆるやかな湾曲や、フィンのそれぞれに沿った中間部のねじれなど、他のまっすぐでない構成も可能である。
【0191】
デバイス100、200のフィンは、変形されていない構成で示される。図示されるように、対向するフィンの自由端106b、206b(第1のチャネルの側および第2のチャネルの側に対する)は、チャネルが、対向するフィンの自由端同士の間に空隙経路を画定するように、接触しない。
【0192】
図2は、別の固定デバイス300を示す。デバイス100と共通する特徴には、200を増分した同様の参照数字が付されている。
【0193】
固定デバイス300は、第1のチャネル304の部分に沿って延びる第1のフィン306の配列と、第2のチャネル304の部分に沿って延在する第2のフィン356の配列とを有する。配列306,356のフィンのそれぞれは、弾性変形可能であり、チャネル304の長手方向に対して鋭角αで延びている。
【0194】
導管324の一定長がチャネル内に配置されて示されており、導管324をチャネル304内に収容し保持するように複数のフィン306、356が弾性変形している。
【0195】
第1のフィン306の配列は第1の配向を有し、チャネルの近位端308pに向かって方向Pに配向している。第2のフィン356の配列は、反対の第2の配向を有し、チャネルの遠位端に向かって方向Dに配向している。したがって、デバイス300は、導管に長手方向に張力が加えられるとき、第1のフィン306の配列又は第2のフィン356の配列の一方又は他方が追加的に圧縮されることによって、導管に両方向の引張抵抗を与える。
【0196】
デバイス300はいずれの配向でも使用可能であり、近位及び遠位という用語は説明の目的のみに使用されることが理解されるであろう。すなわち、使用中、チャネルの端部308dは、例えば、近位に向いていてもよい。
【0197】
デバイス300は、デバイス100に関連して上述した本体のさらなる特徴を任意選択で備えることができる。
【0198】
一実施形態では、デバイス300は再構成可能であり、取り外し可能な第1の内側部分312a及び第2の内側部分312bを備える。使用中、内側部分312a、312bの一方を取り外し、フィンの配向を逆にして支持部分310に再挿入することができ、これにより、デバイス300は、同じ方向に配向したフィン306、356の2つの配列を有するように再構成される。図3(a)及び図3(b)は、この方法によりどのようにデバイス300が再構成され得るかを示す。
【0199】
デバイス300はまた、外側ボタン326を備え、その一方又は両方は、所定の伸長位置(図示)から所定の押下位置(図示せず)まで内側に押下することができ、チャネルに湾曲を付与するか、又は少なくとも導管324に対する第2のフィン356の配列の圧縮を増大させる。チャネルの湾曲又は幅/導管の圧縮の再構成は、状況によっては追加の引張抵抗を提供することができる。一方又は両方のボタン326の押下によるチャネル304の効果的な狭化はまた、デバイス300をより広い範囲の導管直径で使用することを可能にし得る。
【0200】
ボタンは、支持部分310に結合されてもよく、一般に本明細書で開示されるように、チャネル304の長さに沿って内向きの力を加えるために、任意選択で偏向可能な内壁部分(図示せず)を備えてもよい。
【0201】
固定デバイス400は、いくつかの実施形態では、開いた支持部分410を備えてもよい。これにより、図4(a)及び図4(b)に示すように、支持部分410の開口430内に置かれる共成形されたピン又は突起428を中心とする第2の内側部分412bの回転が容易になる。
【0202】
デバイス300、400の回転又は再構成を可能にするために、固定機構又は外部取付具などのベース部分のさらなる構成要素を、使用時に本体に取り外し可能に取り付けることができる。
【0203】
別の固定デバイス500を図5(a)に示す。デバイス100と共通する特徴には、400を増分した同様の参照数字が付されている。
【0204】
デバイス500は、支持部510を有する本体502を有する。本体502(特に、その内側部分512)は、コンボリュートチャネル504を画定する。図に示すように、フィンの配列506が変形していない構成では、チャネル504はコンボリュートであり、その長さに沿って2つの湾曲部を備える。特定の用途、特にIVラインのような可撓性導管を使用する場合、導管に長手方向に加えられる張力は、チャネルに沿って導管をまっすぐにするように作用し、導管がチャネル504の曲線の片側のフィンに対して押し付けられるため、曲線状のチャネル504は、デバイス500の引張抵抗を補足する。したがって、フィンはさらに弾性変形し、導管とチャネルとの間の摩擦が増加する。
【0205】
加えて、湾曲又コンボリュート経路は、様々な直径の導管により良く適応することができる。これは、図5(b)及び図5(c)に示されており、それぞれ、チャネル504内に固定された細いIVライン524n及び太いIVライン524wを示している。図示の実施形態では、細いIVライン524nは直径3mmのラインであり、太いIVライン524wは直径6mmのラインである。湾曲により、フィン506の少なくとも一部が細い導管と係合し、適切な引張抵抗を提供する。
【0206】
本発明による固定デバイスは、異なる直径の可撓性導管、又はより小さい又はより広い範囲の導管直径に適応するように構成できることが理解されよう。例えば、10mm又は15mmの流体導管が使用される場合があり、所与の固定デバイスは両方の直径に適応するように適合され得る。
【0207】
図6(a)及び図6(b)は、別の導管固定デバイス600の平面図及び断面端面図である。デバイス100と共通する特徴には、500を増分した同様の参照数字が付されている。
【0208】
デバイス600は、チャネル604を画定する本体602を有する。図示された実施形態では、チャネルはまっすぐであるが、湾曲又はコンボリュートの実施形態もまた意図される。このデバイスはまた、その中にスロット622を有するベース620を含み、このベース620は、上述したように外部取付具として機能する。
【0209】
本体602は、アクティブヒンジ611を介して結合された下部610aと蓋部610bとを含む外側支持部分610を備える。支持部分610の各部610a、610bは空洞を画定し、この空洞には、剛性の低い(例えばシリコーン製)下部内側部分612a及び上部内側部分612bがそれぞれ取り付けられている。
【0210】
下部内側部分612aは、第1のフィン606aのサブ配列を画定する。上部内側部分612bは、第2のフィン606bのサブ配列を画定する。第1のサブ配列及び第2のサブ配列は、互いに同じ方向に配向されたフィンを備える。
【0211】
図6(b)に示すように、フィン606a、606bのサブ配列のそれぞれは、対向するフィンの各対からの(チャネルに沿って見た場合に)半円形断面の切り込みを含み、これにより、蓋610bが閉じられると、サブ配列606a、606bが一体となり、チャネルの周囲に延在するフィン606の配列を画定する。
【0212】
断面において、蓋610bが閉じられ(ラッチ619を介してラッチされ)、フィンが変形していないとき、配列606は、円形断面の空隙経路605を有するチャネルを画定する。本明細書で開示されるように、他の断面を有する空隙経路もまた意図される。
【0213】
図7及び図8は、2つのチャネルを画定する本体702、802を有するデバイス700、800を示す。
【0214】
デバイス700は、第1のチャネル704a、及び、平行な第2のチャネル704bを有する。第1のチャネル704aは、一般に、デバイス300について上述したように、反対向きに配向するフィン706a及び706bの2つの配列を有する。第2のチャネル704bは、一般にデバイス100について上述したように、単一のフィン706cの配列を有する。このデバイス700により、使用者は、一方向に強い引張抵抗が必要な場合と、両方向に引張抵抗が必要な場合との間で、導管724のチャネルを選択することができる。2つの導管は同時に使用され得る。
【0215】
代替的な実施形態では、本デバイスは、代替的にもしくは追加的に、又は、チャネルの異なる幅、異なる剛性のフィンを有するチャネル等、又はそのような任意選択項目の組み合わせを備えることができる。
【0216】
デバイス800は、共通の近位端808p及び遠位端808dを共有する第1のチャネル804a及び第2のチャネル804bを有する。チャネルは湾曲している。第2のチャネル804bは、反対向きに配向する2つのフィンの配列806a、806bを有する。第1のチャネル804bは、単一のフィン806cの配列を有する。導管824は、いずれかのチャネルに沿って配線されることができる。
【0217】
図9の固定デバイス900は、分岐したチャネル配置を有しており、共通の近位端及び遠位端を共有する、第1のチャネル904a及び第2のチャネル904bに分岐する主チャネル904を備える。第1のチャネル及び第2のチャネルは、互いに反対方向に配列されたフィンを備え、使用中、可撓性導管の経路の選択の機会を提供する。
【0218】
図10(a)は、コンボリュートチャネル1004を有する再構成可能な固定デバイス1000を示す。デバイス1000は、第1の側及び対向する第2の側から延在する第1のフィン1006aの配列を有する第1のチャネル部分と、直交する第3の側及び対向する第4の側から延在する第2のフィン1006bの配列を有する第2のチャネル部分とを有する。デバイス1000は、第1の配列1006aを備える第1の内側部分1012aを収容する凹部を画定する下部1010aを有する、支持部分を有する。さらなる凹部は、第2の配列1006bの下側構成要素を収容する。下部1010aに蝶着された上部1010bは、第2の配列1006bの上側構成要素を収容し、さらに、上部及び下部が使用時に導管周りに閉じられるときに保持機構として機能する。図10(b)の断面図に示すように、支持部分1010は、ネック1064を介して可動壁部分1066に接続され、支持部分の外側に延在するボタン1062を備えるスライダ1060を含む。ネックはスロット1068を通って延在し、これにより、ボタンは、壁部分1066を移動するように操作可能であり得る。壁部分は、支持部分1010内に画定された第1の配列1006aに隣接する凹部1070内に収容される。第2の配列1006bに隣接して、凹部は、第2の配列1006bと支持部分1010との間に画定される。壁部分1066の移動は、凹部内で移動ができる第2の配列(上部)の長さを調整し、したがって、使用時にチャネル1004内の導管に対して第2の配列1006bによって加えられる力をある程度調整できる。
【0219】
一部の用途では、スライダの操作により、第2の配列1006bを導管と係合するように移動させたり、係合から外したりすることができ、それにより、単一の方向、又は2つの方向に強い引張抵抗を有するようにデバイスを再構成する選択の機会を使用者に提供する。これは、例えば、蓋1010bを開ける必要なく導管の位置を調整し、導管の配置を最適化するのに好都合であり得る。例えば、いくつかの処置では、導管を正確に前進させることが必要な場合があるが、導管を引き抜くことは有害な場合がある。このような例としては、大動脈の出血を抑えるために、カテーテルを大腿動脈のような動脈に心臓に向かって進めることが挙げられるが、このような場合、本デバイスを使用することにより、処置中にカテーテルが動脈から押し戻されないようにすることができる(これは生命を脅かす可能性がある)。一旦導管が適切に配置されると、デバイスは「双方向」の引張抵抗を提供するように再構成され得る。
【0220】
図11(a)及び図11(b)には、コンボリュートチャネル1104を有する別の固定デバイス1100が示されている。本体1102は、反対方向に配向する第1の配列1106及び第2の配列1156を画定する。デバイス1100は、図示のように2つの構成の間で再構成可能である。本体は、スライダ1160を有する外側支持部分1110からなり、ネック(視認されない)を介して支持部分の内部のボタン(視認されない)に接続されたボタン1162を有する。内部のボタンは、ピボット1167から撓む可動壁部分1166に当接する。スロット1168内のスライダの移動は、内部ボタンを可動壁部分1166に対してピボット1167からより近く(図11(b))又はより遠く(図11(a))にスライドさせ、それによって壁部分1166の内方への撓みの程度を調整する。壁部分1166は、内側部分1112に当接しており、したがって、チャネル1104の幅(すなわち、その空隙経路)、及び、使用中、壁部分1166に隣接するチャネルの領域において、フィン1106とチャネル内の導管との間に加えられる力の程度の調整を提供する。再び、上述したように、導管をデバイスから取り外すことなく、デバイスは、使用中、一方向に引張抵抗を与え、導管の配置が最終決定されると、反対方向に追加の引張抵抗を与えるように再構成することができる。
【0221】
図12(a)~図12(c)は、再構成可能な固定デバイス1200の別の例を示す。デバイス1200は、対向する第1のチャネルの側1207a及び第2のチャネルの側1207bから延在する第1のフィン1206の配列を有するまっすぐなチャネル1204を有する。フィン1206は、支持部分1210の下部1210aの空洞内に、弾性変形可能な挿入部分1212aの一部を形成する。配列1206のフィンは、方向Dに配向している。
【0222】
支持部分1210はまた、蓋1210bを含む。蓋1210bは、支持部分の外側に延在するボタン1262を備えるスライダ1260を含み、ネック1264を介して可動壁部分1266に接続されている。ネックはスロット1268を通って延在しており、これにより、ボタンを操作して壁部分1266を移動できる。第2のフィン1256の配列は、可動壁部分に取り付けられ、蓋1210bが閉じられると、チャネルの第3の側1207cからチャネルの長さの一部に沿って延在する。
【0223】
導管1224がチャネル1204に挿入され、蓋1210bが下部1210aを覆って閉じられると、第1の配列1206のフィンは、導管1224と係合し、導管1224に対して弾性変形し、方向Pに加えられる力に対する引張抵抗と比較して、方向Dにおいて導管1224とデバイス1224との間に加えられる長手方向の力に対してより大きな引張抵抗を提供する。
【0224】
ボタン1260がスロット1268内で方向Pにおいて最も進んだ位置にあるとき、図示されるように、フィン1256は、方向Pに配向するように、すなわち第1の配列1206aのフィンの配向とは反対向きに配向するように、弾性的に変形する。
【0225】
ボタン1260がスロットの遠位端まで(方向Dに可能な限り)移動されると、フィン1206bの固定端は、フィン1206bの向きが逆になるように可動壁部分と一緒に引っ張られる。フィン内の圧縮力は、ボタン1260をこれら2つの位置の一方又は他方に偏らせる。
【0226】
このように、デバイス1200の第2のフィン1256の配列は、各方向におけるデバイスの全体的な引張抵抗に対するフィン1256の寄与を調整するように再構成可能である。
【0227】
図13(a)は、導管固定デバイス1300を示し、本体1302は、下部1310a及び蓋の形態の上部1310bを有する支持部分1310を含む。
フィン1306の配列を備える挿入部分1312が、下部1310aによって画定された凹部内に配置される。フィンは、第1のチャネル1304の側1307a、及び対向する第2のチャネル1304の側1307bから延在し、チャネルは、フィン1306の自由端1306b間の空隙経路を含む。
【0228】
空隙経路はまた、下部リブ1380a及び上部リブ1380bによって、直交する第3及び第4の側に境界を接しており、これは、挿入部分1312が取り除かれた本体を示す図13(b)において最も明瞭に見ることができる。図示の実施形態では、リブは本体の支持部分1310と共成形され、剛性である。代替的な実施形態では、本明細書で開示されるように、弾性変形可能なリブ、又は弾性変形可能な部分を有するリブを設けることができる。
【0229】
リブ1380a、1380bは、フィン1306の自由端1306bがフィンの間に延在する場所で係合するため、フィン1306の裏返り又は逸脱を抑制する。リブはまた、フィンの構造に、より適合性が高く、より弾性が低い材料の使用を容易にすることも考えられ、これは、用途によっては、過度の圧縮及び導管の挟み込み又は閉塞の危険を伴うことなく、必要な引張抵抗を提供するのに有利になり得る。
【0230】
下部1310a及び蓋1310bの実施形態では、リブ1380a、1380bは一定の深さであり、その結果、チャネル1304がまっすぐであり、空隙経路が長方形の断面を有する。
【0231】
図13(c)は、同一の挿入部分1312と共に使用するための代替的な下部1310c及び上側蓋部分1310dを有する代替的な支持部分1310’を示す。支持部分1310’は、チャネルに対して第3及び第4の方向に起伏する起伏リブ1380c及び1380dを有する。下部リブ1380cは、近位谷部1381pと遠位山部1382dとを有し、一方、上部リブ1380dは、相補的な近位山部1382pと遠位谷部1381dとを有する。
【0232】
したがって、チャネル1304は、垂直面(フィン間に画定される)では平面であり、デバイス1300を通る水平面内外で起伏している。
【0233】
図14(a)~図14(c)は、複数の湾曲方向を有するコンボリュートチャネル1404を有する固定デバイス1400を示す。
【0234】
デバイス1400は、上述したように、外部取付具として機能するベース1420及びスロット1420を有する本体1402を有する。本体1402は、上部蓋部分1410bにアクティブヒンジ(図14(a)では視認されない)を介して取り付けられ、ラッチ1419によってチャネルを覆うように固定可能な、下部支持部分1410aを有する。
【0235】
弾性材料で成形された第1の挿入部分1412aは、下側支持部分1410aの凹部内に配置され、第1のチャネル1404の側1407a及び第2のチャネル1404の側1407bから延在する、対向する第1のフィン1406aの配列及び第2のフィン1456aの配列を備える。
【0236】
第1及び第2の方向に平行な平面Hにおいて(すなわち、図示の向きでデバイス1400を水平に貫通する)、チャネル1404は、その長さに沿って3つの湾曲部を有し、コンボリュートである。
【0237】
デバイス1400はまた、下部支持部分1410a及び蓋1410bにそれぞれはめ込まれた下部1413a及び上部1413bを有する第2の挿入部分1412bを含む。第2の挿入部分1412bは、互いに反対向きである第3のフィン1406bの配列と第4のフィン1456bの配列を画定し、それぞれ、第1及び第2の側と直交する第3のチャネルの側1407c及び反対の第4のチャネルの側1407dから延在する。
【0238】
図14(b)及び図14(c)は、第1及び第2の挿入部分の分解斜視図であり、
チャネル1404が、様々なフィンの自由端の間に空隙経路を含み、第3の配列1456a及び第4の配列1456bのフィンが、第1の配列1406a及び第2の配列1456aの自由端の間に部分的に平面Vの方向(図示の向きでは垂直)に延在することを示す。
【0239】
デバイス1300のリブ1380c及び1380dと同様に、平面Hに平行に見た第3の配列の自由端及び第4の配列のフィンの自由端は、相補的な起伏を画定する。その結果、第3及び第4の方向に平行な平面Vにおいてもまた、チャネル1404はコンボリュートであり、その長さに沿って3つの湾曲部を有する。
【0240】
さらに、第1の配列の自由端及び第2の配列の自由端は、第3の配列の自由端及び第4の配列の自由端と概ね長手方向に整列しており、その結果、第3の配列及び第4の配列は、使用中、第1の配列のフィン及び第2の配列のフィンの裏返り又は逸脱を抑制するように作用することに留意すべきである。図示の実施形態では、第3のフィンの配列及び第4のフィンの配列は、一般に、第1の配列のフィン及び第2の配列のフィンよりも短く、したがって、逸脱しにくい。
【0241】
垂直、水平、上及び下、ならびに向きに関するその他の用語は、本明細書に開示されるデバイスの様々な特徴の相対的な向き、例えば図示されるデバイスの向きに関する向きを指すことが理解されよう。このような用語は、使用中のデバイス又は特徴の向きを限定するものとして解釈されるものではない。
【0242】
上述した様々な任意の特徴(保持機構、外部取付具などに関して)は、任意の例又は実施形態に関連して提供され得ることが理解されるであろう。さらに、任意の例又は実施形態に関連して開示された様々な特徴(再構成のための手段、チャネル形状、サイズ、蓋/クロージャ、構築方法又は材料、配列及びサブ配列などであるが、これらに限定されない)はまた、互いにさらなる組み合わせで提供され得る。
図1a
図1b
図1c
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図5a
図5b
図5c
図6a
図6b
図7
図8
図9
図10a
図10b
図11a
図11b
図12a
図12b
図12c
図13a)】
図13b)】
図13c)】
図14a
図14b
図14c
【国際調査報告】