(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】個別の薬剤をパウチ内に包装するための包装装置及び方法
(51)【国際特許分類】
B65B 9/14 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
B65B9/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506963
(86)(22)【出願日】2022-08-04
(85)【翻訳文提出日】2024-03-25
(86)【国際出願番号】 EP2022071981
(87)【国際公開番号】W WO2023012285
(87)【国際公開日】2023-02-09
(32)【優先日】2021-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595090635
【氏名又は名称】ヴェーエムイー ホーランド ベー. ヴェー.
【氏名又は名称原語表記】VMI HOLLAND B. V.
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヨヘムセン,コルネリス ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ウィジニア,アールフ
(72)【発明者】
【氏名】オンデルデリンデン,ロベルト エルンスト
(72)【発明者】
【氏名】スミット,レネ
【テーマコード(参考)】
3E050
【Fターム(参考)】
3E050AA02
3E050AB03
3E050CA01
3E050CB05
3E050CB07
3E050DC01
3E050DD03
3E050DF01
(57)【要約】
薬剤を収容するための細長いウェブ内にパウチを形成及び充填するように構成される、個別の薬剤をパウチ内に包装するための包装装置は、細長いウェブをウェブ軌道に沿って搬送方向に案内するためのウェブ駆動部を含み、包装装置は、ウェブ軌道に沿った封止ステーションを更に含み、封止ステーションは、パウチの少なくとも一部を形成するために、シールを細長いウェブに貼るように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個別の薬剤(M)をパウチ(90)内に包装するための包装装置(1)であって、
パウチ(90)の細長いウェブ(9)をウェブ軌道(P)に沿って搬送方向(T)に案内するためのウェブ駆動部(8)と、
前記ウェブ軌道(P)に沿った封止ステーション(2)であって、パウチ(90)の少なくとも一部を形成するために、シール(91、92、93)を前記細長いウェブ(9)に貼るように構成される封止ステーション(2)と、
前記搬送方向(T)において前記封止ステーション(2)の下流の従動出力ローラ(81)と、
前記封止ステーション(2)及び前記ウェブ駆動部(8)に動作可能に接続される制御ユニット(5)と
を含み、前記制御ユニット(5)は、
a)前記細長いウェブ(9)を前記出力ローラ(81)の一定の搬送トルク(T1)でウェブ軌道(P)に沿って前記搬送方向(T)に駆動するように前記ウェブ駆動部(8)を制御するステップと、
b)前記細長いウェブ(9)の搬送を停止するように前記ウェブ駆動部(8)を制御し、且つパウチ(90)の少なくとも一部を形成するために、シール(91、92、93)を前記細長いウェブ(9)に局所的に貼るように前記封止ステーション(2)を制御するステップと、
c)前記トルクを前記搬送トルク(T1)に増加させて戻すために、前記出力ローラ(81)を一定の第1の速度(V1)で駆動するように前記ウェブ駆動部(8)を制御するステップと
を行うように構成される、包装装置(1)。
【請求項2】
前記ウェブ駆動部(8)は、前記細長いウェブ(9)を前記搬送方向(T)において前記封止ステーション(2)に送るために、前記搬送方向(T)において前記封止ステーション(2)の上流に従動送込ローラ(82)を含む、請求項1に記載の包装装置(1)。
【請求項3】
前記制御ユニット(5)は、前記従動出力ローラ(81)を前記従動送込ローラ(82)より高い周囲速度で駆動するように配置される、請求項2に記載の包装装置(1)。
【請求項4】
前記制御ユニット(5)は、前記出力ローラ(81)上の前記トルクを低減するために、ステップb)中に前記出力ローラ(81)の方向を逆転させるように配置される、請求項1~3のいずれか一項に記載の包装装置(1)。
【請求項5】
前記制御ユニット(5)は、前記封止ステーション(2)がシール(91、92、93)を前記細長いウェブ(9)に貼っているとき、出力ローラ(81)の方向を逆転させ、且つそれを1~5mmだけ回転させるように前記出力ローラ(81)を制御する、請求項4に記載の包装装置(1)。
【請求項6】
前記制御ユニットは、ステップb)とステップc)との間の所定の期間にわたり、前記包装装置(1)をアイドル段階に維持するように構成される、請求項1~5のいずれか一項に記載の包装装置(1)。
【請求項7】
前記所定の期間は、10~750ミリ秒、好ましくは25~500ミリ秒である、請求項6に記載の包装装置(1)。
【請求項8】
前記出力ローラ(81)は、ローレットローラである、請求項1~7のいずれか一項に記載の包装装置(1)。
【請求項9】
前記ウェブ駆動部(8)は、前記細長いウェブ(9)を前記搬送方向(T)において前記封止ステーション(2)に送るために、前記搬送方向(T)において前記封止ステーション(2)の上流に従動送込ローラ(82)を更に含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の包装装置(1)。
【請求項10】
前記従動送込ローラ(82)の上流にダンサを更に含む、請求項9に記載の包装装置(1)。
【請求項11】
前記ダンサは、2つのダンサローラ(83)を含む、請求項10に記載の包装装置(1)。
【請求項12】
前記ウェブ軌道(P)は、前記送込ローラ(82)の周囲の少なくとも50パーセント、好ましくは少なくとも60パーセント、より好ましくは少なくとも70パーセントを含む、請求項9~11のいずれか一項に記載の包装装置(1)。
【請求項13】
前記ウェブ駆動部(8)は、前記細長いウェブ(9)を前記送込ローラ(81)の周囲に沿って案内するための2つの補助ローラ(84)を含む、請求項9~12のいずれか一項に記載の包装装置(1)。
【請求項14】
前記ウェブ駆動部(8)は、ローラ(84、82)間の最短経路のわずかに外側に1つ又は複数のピンを更に含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の包装装置(1)。
【請求項15】
前記封止ステーション(2)は、前記細長いウェブ(9)を、前記搬送方向(T)に直交する封止方向(F)に一緒に押圧することにより、前記シール(91、92、93)を前記細長いウェブ(9)に貼るための押圧部(21)を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の包装装置(1)。
【請求項16】
前記押圧部(21)は、高温の押圧部であり、前記シール(91、92、93)は、ヒートシールである、請求項15に記載の包装装置(1)。
【請求項17】
ステップc)は、前記封止ステーション(2)が前記押圧部(21)を前記細長いウェブから離れて移動させた後にのみ開始する、請求項15又は16に記載の包装装置(1)。
【請求項18】
ステップb)は、前記細長いウェブ(9)の前記搬送の急減速を伴って行われる、請求項1~17のいずれか一項に記載の包装装置(1)。
【請求項19】
前記個別の薬剤(M)を前記細長いウェブ(9)における前記パウチ(90)内に送るように構成される、前記ウェブ軌道(P)に沿った充填ステーション(3)を更に含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の包装装置(1)。
【請求項20】
個別の薬剤(M)をパウチ(90)内に包装する方法であって、
a)細長いウェブ(9)を、ウェブ軌道(P)に沿って搬送方向(T)において、出力ローラ(81)を有するウェブ駆動部(8)で一定の張力において案内するステップと、
b)前記細長いウェブ(9)内にパウチ(90)の少なくとも一部を形成するために、シール(91、92、93)を前記細長いウェブ(9)に局所的に貼る間、前記細長いウェブの張力を解放するステップと、
c)トルクを増加させるために、前記出力ローラ(81)を一定の第1の速度(V1)で駆動することにより、前記細長いウェブ(9)に張力をかけるステップと、
d)前記細長いウェブ(9)を前記ウェブ軌道(P)に沿って更に前記搬送方向(T)に一定の張力で搬送するステップと
を含む方法。
【請求項21】
前記細長いウェブの張力を解放することは、前記細長いウェブ(9)を静止状態に維持すること及び/又は前記出力ローラ(81)を逆転させることを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
ステップc)前に、前記個別の薬剤(M)を後続のパウチ(90)に送るステップを含む、請求項19又は20に記載の方法。
【請求項23】
後続のパウチ(90)の少なくとも一部を形成するためにステップa)~d)を繰り返すことを含む、請求項20~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
非一時的コンピュータ可読媒体であって、プロセッサによって実行されるとき、包装装置(1)に、請求項20~23のいずれか一項に記載の方法を行わせる命令がその上に保存されている、非一時的コンピュータ可読媒体を有するコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、個別の薬剤をパウチ内に包装するための装置に関し、且つ個別の薬剤をパウチ内に包装する方法に更に関する。そのような包装装置は、通常、それぞれが患者に一度に投与される少量の選択された用量単位を有する大量のパウチを包装するために使用される。
【背景技術】
【0002】
公知の包装装置は、細長いウェブにパウチを形成し、前記パウチに個別の薬剤を充填するように配置される。その後、パウチは、個別の薬剤を収容するように封止される。公知の包装装置は、包装装置の封止部及び充填部を通る軌道に沿って細長いウェブを引くための従動ローラを含む。
【0003】
公知の包装装置の欠点は、細長いウェブ上の従動ローラを引くことにより、前記細長いウェブに高い応力又は張力が生じ得ることである。応力又は張力は、細長いウェブを伸長させ得る。更に、前記応力又は張力により、シールが欠陥を生じるか又は低品質になり得る。最終的に、細長いウェブの応力又は張力により、細長いウェブが破裂し得る。前記構造的短所は、得られるパウチの品質を損ない得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、パウチの品質を高めることができる、個別の薬剤をパウチ内に包装するための包装装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様によれば、本発明は、個別の薬剤をパウチ内に包装するための包装装置に関し、包装装置は、薬剤を収容するための細長いウェブ内にパウチを形成及び充填するように構成され、包装装置は、細長いウェブをウェブ軌道に沿って搬送方向に案内するためのウェブ駆動部を含み、包装装置は、ウェブ軌道に沿った封止ステーションを更に含み、封止ステーションは、パウチの少なくとも一部を形成するために、シールを細長いウェブに貼るように構成され、ウェブ駆動部は、細長いウェブを搬送方向において封止ステーションに送るために、搬送方向において封止ステーションの上流に従動送込ローラを含む。
【0006】
従動送込ローラは、細長いウェブをウェブ軌道に沿って封止ステーションの上流に引くことができる。その後、封止ステーション、例えば従動送込ローラの下流の細長いウェブの応力又は張力は、低減され得る。具体的には、新たに生成されたシールの応力又は張力を一定に維持するか又は更に低減することができる。これは、シール、例えばヒートシール又は化学結合を定着させる必要があるときに特に有利である。そのため、シール及びパウチの断裂又は破裂を総じて防ぐことができる。こうしてパウチの全体的品質及び信頼性を向上させることができる。
【0007】
第2の態様によれば、本発明は、個別の薬剤をパウチ内に包装するための包装装置に関し、包装装置は、細長いウェブをウェブ軌道に沿って搬送方向に案内するためのウェブ駆動部を含み、包装装置は、ウェブ軌道に沿った封止ステーションを更に含み、封止ステーションは、パウチの少なくとも一部を形成するために、シールを細長いウェブに貼るように構成され、ウェブ駆動部は、細長いウェブをウェブ軌道に沿って搬送方向に引くために、搬送方向において封止ステーションの下流に従動出力ローラを含み、包装装置は、封止ステーション及びウェブ駆動部に動作可能に接続される制御ユニットを更に含み、制御ユニットは、
a)細長いウェブを出力ローラの一定の搬送トルクでウェブ軌道に沿って搬送方向に駆動するようにウェブ駆動部を制御するステップと、
b)細長いウェブの搬送を停止するようにウェブ駆動部を制御し、且つパウチの少なくとも一部を形成するために、シールを細長いウェブに局所的に貼るように封止ステーションを制御するステップと、
c)トルクを搬送トルクに徐々に増加させて戻すために、出力ローラを一定の第1の速度で駆動するようにウェブ駆動部を制御するステップと
を行うように構成される。包装装置は、薬剤を収容するための細長いウェブ内にパウチを形成及び充填するように構成され得る。
【0008】
その実施形態では、ウェブ駆動部は、細長いウェブを搬送方向に引くために、搬送方向において封止ステーションの下流に従動出力ローラを更に含む。そのため、細長いウェブの張力は、入力ローラと出力ローラとの間の相対速度を適合することによって制御され得る。任意選択で、出力ローラは、ローレットローラである。ローレットローラは、細長いウェブ上に固体把持部を有することができる。
【0009】
更なる実施形態では、包装装置は、従動送込ローラの上流及び/又は従動送出ローラの下流にダンサを更に含む。任意選択で、ダンサは、2つのダンサローラを含む。包装装置が細長いウェブを断続的に搬送する間、細長いウェブは、概して、包装装置に一定の速度で提供される。ダンサ及び/又はダンサローラは、例えば、送込ローラと出力ローラとの間の搬送速度の任意の差から生じる張力を軽減することができる。1つ又は複数のセンサは、ダンサローラの位置を決定し、従って入力又は出力をそれに応じて調節するために制御ユニットに信号を送信するためにも使用され得る。
【0010】
更なる実施形態では、ウェブ軌道は、送込ローラの周囲の少なくとも50パーセント、好ましくは少なくとも60パーセント、より好ましくは少なくとも70パーセントを含む。換言すると、細長いウェブは、送込ローラの周囲の少なくとも50パーセント、少なくとも60パーセント又は少なくとも70パーセントを包み込むことができる。そのため、送込ローラと細長いウェブとの間の接触面が増加し得る。こうして、送込ローラは、摩擦によって細長いウェブを確実に保持することができる。任意選択で、送込ローラは、ゴム又は同様に摩擦によって細長いウェブを保持することを促進する別の材料であり得る。
【0011】
更なる実施形態では、ウェブ駆動部は、細長いウェブを送込ローラの周囲に沿って案内するための2つの補助ローラを含む。補助ローラは、細長いウェブを送込ローラの周囲の増加部分の周りで案内することができ、そのため前記送込ローラの把持を改善する。一部の実施形態では、これらの補助ローラの少なくとも1つは、細長いウェブが動作中に送込ローラに保持されることを確実にすることを促進するバネ荷重回転型ホルダに接続され得る。ホルダは、操作者が細長いウェブを装填するために回転して開くようにバネ力を容易に超えることができるようにバネ荷重され得るが、次いで操作者が放すと、バネ力によってホルダをローラで適所に戻してウェブを送込ローラに保持する。任意選択で、ホルダは、1つ若しくは複数の穴又は手動操作のための他の把持特徴を含み得る。そのようなホルダは、例えば、動作中に細長いウェブが確実に送込ローラに接続されたままにするために、5~15ニュートンで送込ローラを押すガスバネを使用することができる。
【0012】
更なる実施形態では、ウェブ駆動部は、2つのローラ間の最短ウェブ経路のすぐ外側に置かれた1つ又は複数のピンを含む。ピンは、典型的には、ローラより小さい直径、例えば2~5mmを有し、細長いウェブは、ローラ間の最短経路のわずかに外側及びこのより小さい直径のピンの周りを辿って、ローラ間を通る際にピンの周りを回る。ローラは、補助ローラ及び/又は従動ローラであり得、細長いウェブをこれらのより小さいピンの周りの最短経路のわずかに外側に運ぶことは、細長いウェブ内にあり得るいかなる皺も除去することを促進し、それにより確実にパウチが封止ステーションでウェブ内に正確に形成される。
【0013】
更なる有利な実施形態では、送込ローラは、ウェブ軌道に対して傾斜角において延在する。
【0014】
その実施形態では、封止ステーションは、細長いウェブを、搬送方向に直交する封止方向に一緒に押圧することにより、前記細長いウェブにシールを貼るための押圧部を含む。好ましくは、押圧部は、高温の押圧部であり、シールは、ヒートシールである。高温の押圧部は、1つ又は複数の封止バー又は押圧部を含み得る。高温の押圧部は、確実にホイルを一緒に封止することができる。従動出力ローラと従動送込ローラとの間の張力が低減することにより、新たに貼られたシールを引き裂いて離すことなくヒートシールを冷却又は定着させることができる。例えば、送出ローラは、封止ステップのために停止するか又は更に一部を巻き戻すことができる。次に、封止バーが細長いウェブから離れて移動されると、送出ローラは、細長いウェブを正常搬送トルクで移動させる前に封止時間を設定することができるように、前方に駆動することによってウェブの張力をゆっくりと増加させ始めることができる。
【0015】
更なる実施形態では、包装装置は、個別の薬剤を細長いウェブにおけるパウチ内に送るように構成される、ウェブ軌道に沿った充填ステーションを更に含み、送込ローラは、搬送方向において充填ステーションの上流に配置される。好ましくは、充填ステーションは、搬送方向において封止ステーションの上流に配置される。
【0016】
従動出力ローラは、包装装置を通してウェブ軌道に沿って細長いウェブを引くことができる。出力ローラのトルクが徐々に増加することにより、細長いウェブの張力又は応力が低減され得る。具体的には、ステップc)で貼られたシールへの張力が低減され得る。更に、一定のトルクでの搬送は、細長いウェブの張力の急激な増加を防ぐことができる。これは、シール、例えばヒートシール又は化学結合を定着させる必要があるときに特に有利である。そのため、全体としてシール及びパウチが引き裂かれるか又は破裂することを防ぎ得る。こうして、パウチの全体の品質及び信頼性が向上させ得る。加えて、張力の急激な増加に起因して、それぞれのパウチ内の薬剤が飛び跳ねることを防ぎ得る。その結果、薬剤がそれぞれのパウチから飛び出す危険性を軽減することができる。
【0017】
その実施形態では、ウェブ駆動部は、細長いウェブを搬送方向において封止ステーションに送るために、搬送方向において封止ステーションの上流に従動送込ローラを含む。従動送込ローラは、細長いウェブの張力をより良好に制御することができる。
【0018】
更なる実施形態では、制御ユニットは、従動出力ローラを従動送込ローラより高い周囲速度で駆動するように配置される。そのため、細長いウェブは、一定の張力に維持することができる。更に、弛みを防ぐことができる。結果として、封止をより確実に適用することができる。
【0019】
更なる実施形態では、制御ユニットは、出力ローラのトルクを低減するために、ステップb)中に前記出力ローラの方向を逆転させ、例えば1~5mmだけローラを逆転させるように配置される。これにより、封止ステーションの前又はその間に1つ又は複数のシールを貼ること、例えば1つ又は複数の封止バーを細長いウェブ内に押圧することができる。出力ローラの方向を逆転させることにより、細長いウェブの張力が著しく低減し得る。そのため、封止が形成され、追加の力を受ける前により良好に冷却、硬化又は定着することができる。
【0020】
実施形態では、包装装置は、1つ又は複数のダンサローラを更に含む。これらは、従動送込ローラの上流及び/又は従動送出ローラの下流にあり得る。そのような1つ又は複数のダンサローラが可能である。
【0021】
第3の態様によれば、本発明は、個別の薬剤をパウチ内に包装する方法を提供し、方法は、
a)細長いウェブを、ウェブ軌道に沿って搬送方向において、出力ローラを有するウェブ駆動部で一定の張力において案内するステップと、
b)細長いウェブ内にパウチの少なくとも一部を形成するために、シールを細長いウェブに局所的に貼る間、細長いウェブの張力を解放するステップと、
c)トルクを徐々に増加させるために、出力ローラを一定の第1の速度で駆動することにより、細長いウェブに張力をかけるステップと、
d)細長いウェブをウェブ軌道に沿って更に搬送方向に一定の張力で搬送するステップと
を含む。
【0022】
細長いウェブの張力を解放することにより、封止がより確実に置かれ、細長いウェブの張力及び搬送移動から封止が壊れるか又は損傷する危険性を低減することができる。張力は、細長いウェブを静止状態に維持すること及び/又は出力ローラを逆転させることのいずれかによって解放され得る。そのため、封止がより良好に定着することができる。更なる実施形態では、ステップc)前に、方法は、個別の薬剤を後続のパウチに送るステップを含む。前のパウチを封止している間又はその直後に薬剤を後続のパウチに送ることにより、処理効率を加速させることができる。
【0023】
好ましい実施形態では、方法は、後続のパウチの少なくとも一部を形成するためにステップa)~d)を繰り返すことを含む。
【0024】
第4の態様によれば、本発明は、非一時的コンピュータ可読媒体であって、プロセッサによって実行されるとき、包装装置に、本発明による方法を行わせる命令がその上に保存されている、非一時的コンピュータ可読媒体を有するコンピュータプログラム製品に関する。コンピュータプログラム製品は、本発明による方法を組み込み、従って上記と同じ利点を有する。
【0025】
本明細書に記載され、示される様々な態様及び特徴は、可能な場合には常に個々に適用することができる。これらの個々の態様、具体的には添付の従属請求項に記載された態様及び特徴は、分割特許出願の対象とすることができる。
【0026】
本発明は、添付の概略図に示された例示的実施形態に基づいて明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の例示的実施形態による、個別の薬剤を包装するための包装装置の等角図を示す。
【
図4】
図2による包装装置の入力におけるダンサの配置の代替実施形態を示す。
【
図5】包装装置の上面図の概略的な代替実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1及び2は、本発明の実施形態による、個別の薬剤Mをパウチ90内に包装するための包装装置1を示す。包装装置1は、薬剤Mを収容するための細長いウェブ9内に前記パウチ90を形成及び充填するように配置される。
【0029】
包装装置1は、包装装置1を通してウェブ軌道Pに沿って搬送方向Tに細長いウェブ9を断続的に搬送するためのウェブ駆動部8を含む。
図2に示されるように、細長いウェブ9は、典型的には、ストックリール4から解かれる。代わりに、細長いウェブ9は、例えば、押出機又は任意の他のウェブ供給装置から包装装置1に送られ得る。ウェブ駆動部8は、細長いウェブ9を例えば更なる処理ステーション又は中間保管ステーション(図示せず)に出力し得る。
【0030】
この具体的な実施形態では、細長いウェブ9は、それ自体の上に折り畳んで戻されるプラスチックホイル95を含む。細長いウェブ9は、底縁部98を形成する折目を介して第2の側面97に連続する第1の側面96を含む。代わりに、第1の側面96及び第2の側面97は、別個のウェブとして形成され得、それぞれが底縁部98を有する。前記代替実施形態では、底縁部98は、一緒に封止又は接合されるように配置される。第1の側面96及び第2の側面97は、いずれも底縁部98に対して同じ高さ又は実質的に同じ高さに頂縁部99を有する。
【0031】
包装装置1を通した搬送方向Tにおける搬送中、細長いウェブ9は、封止91、92、93を備える。好ましくは、前記封止91、92、93は、熱融着である。代わりに、前記封止91、92、93は、例えば、圧着又は接着シールであり得る。封止91、92、93は、前側96と裏側97との間に細長い第1のシール91、細長い第2のシール92及び細長い第3のシール93を含む。第1のシール91及び第2のシール92は、互いに平行に延在し、底縁部98に直交する。第3のシール93は、前記第1のシール91と前記第2のシール92との間に延在する。第3のシール93は、頂縁部99に平行又は実質的に平行に延在する。好ましくは、前記第3のシール93は、頂縁部99から離間される。パウチ90は、選択された個別の薬剤Mを収容及び保存するために、底縁部98と封止91、92、93との間の封止された筐体としてそれぞれ形成される。
【0032】
図1及び2に示されるように、ウェブ駆動部8は、搬送方向Tにおいて封止ステーション2の下流に従動出力ローラ81を含む。具体的には、ウェブ駆動部は、2つの従動出力ローラ81の組を含む。前記従動出力ローラ81は、細長いウェブ9の両側に配置される。好ましくは、前記従動出力ローラ2581は、ローレットローラである。この具体的な実施形態では、従動出力ローラ81は、包装装置1内に含まれるが、従動出力ローラは、搬送方向Tにおいて包装装置1の下流の更なる装置内にも含まれ得る。
【0033】
ウェブ駆動部8は、搬送方向Tにおいて封止ステーション2の上流に従動送込ローラ82を更に含む。換言すると、封止ステーション2は、従動送込ローラ82と従動出力ローラ81との間にウェブ軌道Pに沿って置かれる。任意選択で、ウェブ駆動部は、細長いウェブ9の両側に配置された2つの従動送込ローラ82の組を含み得る。
【0034】
図2に示されるように、ウェブ駆動部8は、細長いウェブ9を従動送込ローラ82の周囲で案内するための補助ローラ84を含む。好ましくは、補助ローラ84は、細長いウェブ9のウェブ軌道Pが従動送込ローラ82の周囲の少なくとも50パーセントを含むように位置付けられる。より好ましくは、ウェブ軌道Pは、従動送込ローラ82の周囲の少なくとも60パーセント、最も好ましくは少なくとも70パーセントを含む。例えば、細長いウェブ9は、従動送込ローラ82の周囲に沿って前記従動送込ローラ82の回転軸に対して270度を超えて案内され得る。加えて又は代わりに、従動送込ローラ82は、ウェブ軌道Pに対して傾斜角において延在し得る。換言すると、送込ローラ82は、ウェブ軌道Pによって画定された平面に直交して延在する。
【0035】
図2に更に示されるように、ウェブ駆動部8は、送込ローラ82とストックリール4との間に2つの送込ダンサローラ83を含む。代替実施形態では、
図4に示されるように、2つのダンサローラ83は、それらの間にガイドローラ84を有して、細長いウェブ9又はウェブ軌道Pの同じ側面に位置付けられ得る。この構成では、2つのダンサローラ83は、ウェブ軌道Pの長さが増減するときに同じ方向に移動可能である。任意選択で、2つのダンサローラ83は、同期又は同調して一緒に移動するように連結される。代わりに、ウェブ駆動部8は、送込ローラ82の上流間に単一の送込ダンサローラ83を備え得る。ウェブ駆動部8が細長いウェブ9を断続的に搬送するように配置された場合、ストックリール4は、細長いウェブ9をウェブ駆動部8に連続速度で送るようにより良好に適合される。送込ダンサローラ83は、リール4における連続搬送からウェブ駆動部8における断続的搬送に移行させることにより、細長いウェブ9の張力のいかなる急激な変化も軽減することができる。更に、ダンサローラ83は、前記ダンサローラ83と従動送込ローラ82との間で細長いウェブ9に張力をかけて保持することができる。その結果、細長いウェブ9は、従動送込ローラ82の周囲により確実に接触することができる。そのため、従動送込ローラは、細長いウェブ9の移動をより正確及び/又は確実に制御し得る。
【0036】
図2に更に示されるように、出力ローラ81の下流の包装装置1の出力部では、ウェブ駆動部8は、細長いウェブ9を包装装置1から離れて搬送するための出力機構87、88を更に含む。この具体的な実施形態では、出力機構87、88は、第1のタイミングベルト87及び細長いウェブ9に対して前記第1のタイミングベルト87と反対の第2のタイミングベルト88を含む。換言すると、出力機構87、88は、前記第1のタイミングベルト87と前記第2のタイミングベルト88との間で細長いウェブ9を搬送するように配置される。
【0037】
ウェブ駆動部8は、出力ローラ81と出力機構87、88との間に出力ダンサローラ85を更に含む。出力ダンサローラ85は、ダンサ軸Bの周りを枢動可能である。示されるような実施形態では、出力ダンサローラ85は、付勢要素86によって出力ローラ81に向かって付勢される。代わりに、出力ダンサローラ85は、例えば、重力によって付勢され得る。
【0038】
ウェブ駆動部8は、細長いウェブ9をウェブ軌道Pに沿って案内するための複数の更なる補助ローラ84を更に含む。
【0039】
図1及び2に更に示されるように、包装装置1は、封止ステーション2、充填ステーション3及び穿孔ステーション6をウェブ軌道Pに沿って含む。封止ステーション2、充填ステーション3及び穿孔ステーション6は、送込ローラ82と出力ローラ81との間に置かれる。封止ステーション2は、搬送方向Tにおいて充填ステーション3の下流に配置される。穿孔ステーション6は、搬送方向Tにおいて封止ステーション2の下流に配置される。代わりに、穿孔ステーション6及び封止ステーション2は、単一のステーションとして形成され得る。
図2に示されるように、包装装置1は、細長いウェブ9を別個の長さに切断するための切断ステーション7を更に含む。
【0040】
封止ステーション2は、搬送方向Tに直交する封止方向Fにおいて互いに対して移動可能であるか又は駆動される2つのスタンプ又は封止押圧部21を含む。具体的には、封止方向Fは、細長いウェブ9に直交する。好ましくは、スタンプ又は封止押圧部21は、細長いウェブ9内に熱融着を形成するように構成されたヒートシールスタンプである。
【0041】
好ましくは、2つのスタンプ又は封止押圧部21は、シール91、92、93を形成するために、概略的に示されたスタンプ駆動部22を用いて対称的に移動可能である。具体的には、スタンプ又は封止押圧部21は、L字形であり、すなわち、L字形の一方の脚は、第3のシール93を貼るように配置される一方、L字形の他方の脚は、第2のシール92を第1のパウチ90に貼り、同時に第1のシール92を、搬送方向Tにおいて第1のパウチ90の上流の第2のパウチ90に貼るように配置される。
図1に最もよく示されるように、充填ステーション3は、フィーダ装置(図示せず)から個別の薬剤Mを受け取るためのホッパ30を含む。充填ステーション3は、ホッパ30の出口の下に配置されたスプレッダ31を更に含む。スプレッダ31は、選択された個別の薬剤Mを受け取るために、頂縁部99において細長いウェブ9の第1の側面96及び第2の側面97を広げるように構成される。
【0042】
好ましくは、ウェブ軌道Pは、従動送込ローラ82と従動出力ローラ81との間の水平面に対してウェブ傾斜角で傾斜される。具体的には、ウェブ軌道Pは、従動送込ローラ82と従動出力ローラ81との間の水平面に対して下降する。換言すると、前記従動送込ローラ82と従動出力ローラ81との間において、搬送方向Zは、垂直方向に負ベクトル成分を有する。ウェブ傾斜角により、個別の薬剤Mがパウチ90内で第1の封止91に向かって移動し得る。そのため、個別の薬剤Mは、第2の封止92及び第3の封止93が前記パウチ90に依然として貼られていないときでも、前記パウチ90内により確実に保持され得る。好ましくは、ウェブ傾斜角は、少なくとも30度である。より好ましくは、ウェブ傾斜角は、少なくとも45度である。
【0043】
穿孔ステーション6は、ここでは細長いウェブ9に直交する穿孔方向Gにおいて互いに対して移動可能であるか又は駆動される穿孔アンビル61として示された2つの穿孔機構を含む。封止押圧部21と同様に、穿孔線94及び任意選択で2つの隣接したパウチ90間に引き裂きノッチ(図示せず)を形成するための、概略的に示された穿孔アンビル10駆動部62を用いる対称的な穿孔アンビル61である。穿孔線94は、搬送方向Tに直交して延在する。好ましくは、前記穿孔線94は、第1のパウチ90の第2のシール92と、連続したパウチ90の第1の15シール91との間に延在する。具体的には、穿孔線94は、前記第1のシール91及び前記第2のシール92に平行又は実質的に平行に延在する。穿孔ステーション6及び封止ステーション2が単一のステーションとして形成される20代替実施形態(図示せず)では、穿孔アンビル61は、封止押圧部21内に形成される。そのため、前記組み合わせた封止押圧部21及び穿孔61を閉じるとき、第1の封止91、第2の封止92及び穿孔線94は、全てが同時に加えられる。そのため、封止線2594は、前記第1の封止91と前記第2の封止92との間により確実に位置付けられ得る。
【0044】
切断ステーション7は、出力ローラ81の下流に配置される。そのため、細長いウェブが切断されているとき、切断ステーション7の上流の細長いウェブ9の長さの先端は、依然として出力ローラ81間に保持され得る。好ましくは、前記先端を出力機構87、88に向かって搬送方向Tに搬送するとき、細長いウェブ9は、出力機構87、88が先端を確実に把持できるように、比較的低い速度、例えば前記出力機構87、88の速度より遅い速度で搬送される。先端に続く細長いウェブ9の所定の長さが出力機構87、88によって保持されると、包装装置1の正常動作が再開される。
【0045】
一方、切断ステーション7の下流の細長いウェブ9の長さの後端は、出力機構87、88によって更に搬送され得る。切断装置7は、切断アンビル70及びカッター71を含む。カッターは、細長いウェブ9を切断するために切断アンビル70に対して切断方向Hに移動可能である。
【0046】
図1及び2に概略的に示されるように、包装装置1は、封止ステーション2、充填ステーション3、穿孔ステーション6及びウェブ駆動部8と動作可能に接続される制御ユニット5を含む。好ましくは、制御ユニット5は、切断ステーション7に更に動作可能に接続される。制御15ユニット5は、電子プロセッサ及び命令、プログラムコード又はソフトウェアを記憶するための有形非一時的メモリを含み、有形非一時的メモリは、プロセッサによって実行されるとき、これらの部分を動作させるように制御ユニット5を制御する。具体的には、制御ユニット5は、細長いウェブ9をウェブ軌道Pに沿って搬送方向Tに断続的に搬送するようにウェブ駆動部8を制御するように配置される。この目的のため、制御ユニット5は、
図3Aの運動プロファイルを出力ローラ81に付与するように配置される。制御ユニット5は、
図3Bの運動プロファイルを送込ローラ82に付与するように更に配置される。
図3Cは、出力ローラ81に対する目標トルクプロファイルを示す。出力ローラ81のトルクは、細長いウェブ9の張力に対応するか又は実質的に対応する。制御ユニット5は、
図3Dの運動プロファイルを封止クランプ21に付与するように封止ステーション2を制御するように更に配置される。
【0047】
ここで、個別の薬剤Mをパウチ90内に包装する方法について、
図1、2及び3A~3Cを使用して記載する。
【0048】
図1及び2に示されるように、細長いウェブ9は、ウェブ軌道Pに沿って延在するように包装装置1内に位置付けられている。包装中、ストックリール4は、好ましくは、一定又は実質的に一定の回転速度で解かれる。それに応じて、出力機構87、88は、細長いウェブ9を包装装置1から一定又は実質的に一定の速度で離れて搬送するように配置される。
図3A~3Cに示されるように、最初に、包装装置1は、静止段階、すなわちアイドル段階S4にある。この段階は、例えば、パウチ90が封止された後に生じ得る。
図3Aに示されるように、前記アイドル段階S4では、出力ローラ82は、静止し、すなわちアイドル出力速度V0である。送込ローラ81も同様に静止し、すなわちアイドル送込速度U1である。細長いウェブ9は、アイドルトルクT0を出力ローラ81に付与する初期張力をかけられる。好ましくは、細長いウェブ9の初期張力は、無視できるため、ゼロ又は実質的にゼロのアイドルトルクT0になる。細長いウェブ9の張力が無視できることにより、パウチの封止91、92、93を冷却及び/又は定着させることができる。リール4と送込ローラ82との間の細長いウェブ9の部分は、送込ダンサローラ83を使用して一定の張力に維持される。それに応じて、出力ダンサ85は、出力ローラ81と出力機構87、88との間の細長いウェブ9の部分のいかなる張力も平滑にする。
【0049】
アイドル段階S4の次は、張力付与段階S1である。前記張力付与段階S1では、制御ユニット5は、一定の第1の出力速度V1で回転させるように出力ローラ81を制御する。前記出力速度V1は、細長いウェブ9の平均搬送速度より大幅に遅く選択される。送込ローラ81は、アイドル送込速度U1に維持される。結果として、細長いウェブ9は、次第に張力をかけられ、出力ローラ82のトルクをアイドルトルクT0から搬送トルクT1に徐々に増加させる。
【0050】
制御ユニット5が、搬送トルクT1が出力ローラ81に作用することを感知すると、前記制御ユニット5は、搬送段階S2を開始する。前記搬送段階S2では、制御ユニット5は、第1の出力速度V1より高い第2の出力速度V2に加速させるように出力ローラ82を制御する。同時に又は実質的に同時に、制御ユニットは、アイドル送込速度U1から活性送込速度U2に向かってアイドル送込速度U1より速く加速させるように送込ローラ81を制御する。その結果、細長いウェブ9は、ウェブ軌道Pに沿って搬送方向Tに搬送される。充填ステーション3の第1の位置X1におけるパウチ90は、こうして、封止ステーション2において第2の位置X2に向かって移動される。それに応じて、第2の位置X2において隣接したパウチ90は、穿孔ステーション6において第3の位置X3に向かって移動される。第3の位置X3におけるパウチ90は、更に搬送方向Tに搬送され、第1の位置X1におけるパウチから上流の隣接したパウチ90は、前記同じ第1の位置X1に向かって移動される。
【0051】
図3Cに示されるように、搬送段階S2中、制御ユニット5は、出力ローラ82に作用するトルクを搬送トルクT1で一定又は実質的に一定に維持するように配置される。それに応じて、細長いウェブ9の張力も同様に一定又は実質的に一定に維持される。好ましくは、制御ユニット5は、出力ローラ82で一定又は実質的に一定のトルクに影響を及ぼすために、送込ローラ81の速度を能動的に適合するように配置される。
【0052】
搬送段階S2の端部に向かって、制御ユニット5は、封止ステーション2において第1の封止段階S6を開始する。前記第1の封止段階S6中、封止押圧部21は、封止方向Fにおいて互いに向かって移動される。換言すると、封止ステーション2は、閉じられる。封止ステーション2の閉鎖中、封止押圧部21は、長手方向シール、例えば第3のシール93などの搬送方向Tに延在するシールをすでに開始していることができる。
【0053】
第1の封止段階S6の次は、第2の封止段階S7である。第2の封止段階S7中、封止バー21は、細長い第3のシール93並びに第1及び第2のシール91、92の両方を、搬送方向Tに直交する方向に形成するために細長いウェブ9を締め付けている。同時に、制御ユニット5は、入力ローラ82及び出力ローラ81に対して弛緩段階S3を開始する。前記弛緩段階S3前に、入力ローラ82は、アイドル送込速度U1に減速して戻されている。出力ローラ81は、停止されている。これにより、細長いウェブ9を急激に減速させることができ、これは、すでに充填されたパウチ内の薬剤をパウチの前に向かって移動させることを促進し得る。これは、薬がパウチ内に適切に位置付けられる、例えば更なる封止のために場所を空け、且つ/又は検査並びに包装及び輸送のための巻き上げのために所望の位置にあることを確実にすることを促進し得る。
【0054】
次に、制御ユニット5は、細長いウェブ9の張力を解放するために、例えば1~5mm回転して戻すように出力ローラ81を制御する。こうして、出力ローラ81に付与されたトルクは、弛緩間隔Rにより初期アイドルトルクT0に更に低減される。
【0055】
薬剤を分注することより、薬がシールを傷付けることなくパウチ内に確実に落ちるように、このプロセスで正確にタイミングを合わせることもできる。例えば、一部の実施形態では、薬の落下及び締付により、クランプが第2の封止段階S7において第1及び第2のシール91、92を形成するために閉じた直後に薬がパウチ内に落下するように正確に調整する(例えば、締付を遅らせる)ことができる。薬及び締付の正確な解放時間は、パウチを形成するホイル内に薬が落下する正確な時間にシールを形成するようにクランプを確実に閉じるために、特定の薬、落下距離、クランプの移動する速度、その他を知ることで計算することができる。これにより、薬の落下が、形成されるシール、具体的にはシステム内で傾けられるため、薬がシールの上に直接落下し得るシールに悪影響を与えないことを確実にすることを促進し得る。
【0056】
弛緩段階S3の次は、封止91、92、93が冷却及び/又は定着することができる静止段階、すなわちアイドル段階S4である。アイドル段階S4中、入力ローラ82及び出力ローラ81は、それぞれのアイドル速度U1、V0に維持される。弛緩段階S3中、封止ステーション2は、第3の封止段階S8において開く。封止ステーション2が開くことにより、細長いウェブ9を更に搬送方向Tに搬送することができる。
【0057】
制御ユニット5は、封止91、92、93を静止させることができるように、包装装置1を所定の期間にわたってアイドル段階S4に維持するように配置される。アイドル段階S4、具体的には第3の封止段階S8の終わりと、次の張力付与段階S1の初めとの間のアイドル段階S4の部分に対する典型的な時間間隔は、25~500ミリ秒である。好ましくは、前記時間間隔は、30~200ミリ秒である。一部の実施形態では、アイドル段階S4中、第1の位置X1におけるパウチは、充填ステーション3において充填される。
【0058】
アイドル段階S4の次に、制御ユニット5は、連続する張力付与段階S1を開始し、上記のプロセス段階S1、S2、S3、S4を繰り返すように配置される。
【0059】
要約すると、制御ユニット5、具体的には前記制御ユニット5の有形非一時的メモリは、プロセッサによって実行されるとき、包装装置1に上記の方法を行わせる、それに記憶された命令を含む。
【0060】
図5は、包装装置の更なる実施形態を示し、
図2に示された実施形態と同様に動作する。従って、違いのみについて検討する。
図5に示された実施形態では、穿孔ステーションが最初であり、次に封止ステーションが搬送方向Tにおいて穿孔ステーションの下流で送出ローラ81の前に配置される。システムは、ピン100及び圧力ローラ84’を保持するためにバネ荷重ローラホルダ102も含む。
【0061】
ピン100は、ローラ84より小さい直径(例えば、2~10mmの直径)であり、ローラ84間の最短(細長いウェブ)経路のわずかに外側に位置付けられる。細長いウェブ9は、
図5に示されるように、最初にピン100の周りを、次いでローラ84の周りを包まなければならない。細長いウェブ9が包み込むためのより小さい直径のピンを含むことにより、皺を寄せ、且つ/又は細長いウェブ9を折り畳むことを促進し、細長いウェブは、適切にパウチを形成するために折り畳まれない状態で包装装置を通して確実に延在する。2つのピン100が示されているが、より多い又は少ないピンを使用することができ、それらは、異なる位置、例えば包装装置の細長いウェブ軌道に沿って異なる場所に位置付けられ得る。
【0062】
ローラ84’は、ローラ84’をローラ82にある程度の力で保持するために回転可能なホルダ102と共に示されている。バネ荷重ホルダ102は、概略的に示されており、別の連結具、シリンダ、バネ、その他などのより多くの部品を含み得る。ホルダ102は、ローラ82とローラ84’との間に細長いウェブ9を保持する一定の力(例えば、25キロ)をかけるバネで荷重され得る。ホルダ102は、ホルダの動作位置により高い力及び「開」位置又は「荷重」位置により低い力を加えるように構築される。力は、操作者が細長いウェブに負荷を加えるか又は負荷を軽減するためにホルダを開位置に回転又は移動させるように、荷重力を容易に超えることができるレベルであるべきである。そのような力は、ガス荷重バネを使用して、例えば5~15ニュートンであり得る。力は、操作者が放すとウェブ9を送込ローラ82に保持するように、ローラ84’を有するホルダ102を、
図5に示された位置に戻し、ホルダをその正常な荷重位置に戻すこともできる。ホルダ102の移動は、典型的には、ホルダ102が「安定した」開位置に向かって開くことができないようにも制限される。これにより、ホルダ102が開位置にある状態で機械が開始することを防ぐ。ホルダ102(及び/又は様々な関連する構成要素)は、1つ若しくは複数の穴又は操作者によるホルダの手動操作のための他の把持特徴を含み得る。
【0063】
ローラ84’は、一部の実施形態では、同じローラ軸に堆積された一連の小さいローラから構築され得る。そのような配置は、皺を除去するために必要な小さい速度差が可能であるため、細長いウェブの層の一方又は両方の小さい皺を除去することを促進し得る。
【0064】
バネ荷重ホルダ102を有するローラ84’の使用により、細長いウェブ9が包装装置を通して細長いウェブ9を駆動し、包装プロセスの様々な部分で所望の張力を維持するためにローラ82に接続されたままにすることを確実にする。バネ荷重は、ローラ82によって摩擦して駆動されたままである2つの細長いウェブ9間に空間がないように、ローラ84’をローラ82に押し付ける。一部の過去のシステムでは、埃又は他の汚染物質により、ウェブ9がローラ82に接続されて留まらず、且つ/又は摩擦を消失して滑るため、ローラ82によって正確に駆動されない可能性がある。バネ荷重ホルダを有するローラ84’は、動作中に正確に駆動するためにウェブ9とローラ82との間の接続を維持するように一定の力が存在することを確実にすることを促進する一方、ホルダ102は、負荷を加え、且つ/又は負荷を軽減することができるため、操作者は、依然として力を容易に超える。外力を受けないとき、力が
図5に示された位置にローラ84’を保持するように構成することにより、ホルダは、ローラが動作中に圧力を加えることを常に確実にし、手動で閉じる必要がない。これは、力を加えるためにローラ84’を適切に位置付けるのを偶発的に忘れることを回避することも促進し、ローラが開位置にあることに起因して機械が開始することを防ぎ得る。
【0065】
上記は、好ましい実施形態の動作を例示するために含まれており、本発明の趣旨及び範囲を限定することを意味するものではないことを理解されたい。上の検討から、多くの変形形態が当業者に明らかになり、これらも本発明の範囲によって包含される。
【符号の説明】
【0066】
1 包装装置
2 封止ステーション
21 スタンプ又は封止押圧部
22 スタンプ駆動部
3 充填ステーション
30 ホッパ
31 スプレッダ
4 ストックリール
5 制御ユニット
6 穿孔ステーション
61 穿孔アンビル
62 穿孔駆動部
7 切断ステーション
70 切断アンビル
71 カッター
8 ウェブ駆動部
81 従動出力ローラ
82 従動送込ローラ
83 送込ダンサローラ
84 補助ローラ
84’ 圧力ローラ
85 出力ダンサローラ
86 ダンサローラ付勢要素
87 第1のタイミングベルト
88 第2のタイミングベルト
9 細長いウェブ
90 パウチ
91 第1のシール
92 第2のシール
93 第3のシール
94 穿孔線
95 プラスチックホイル
96 第1の側面
97 第2の側面
98 底縁部
99 頂縁部
100 ピン
102 バネ荷重ローラホルダ
B ダンサ軸
F 封止方向
G 穿孔方向
H 切断方向
M 薬剤
P ウェブ軌道
S1 張力付与段階
S2 搬送段階
S3 弛緩段階
S4 アイドル段階
S6 第1の封止段階
S7 第2の封止段階
S8 第3の封止段階
T 搬送方向
T0 アイドルトルク
T1 搬送トルク
U1 アイドル送込速度
U2 活性送込速度
V0 アイドル出力速度
V1 第1の出力速度
V2 第2の出力速度
X1 第1の位置
X2 第2の位置
X3 第3の位置
【手続補正書】
【提出日】2024-03-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個別の薬剤(M)をパウチ(90)内に包装するための包装装置(1)であって、
パウチ(90)の細長いウェブ(9)をウェブ軌道(P)に沿って搬送方向(T)に案内するためのウェブ駆動部(8)と、
前記ウェブ軌道(P)に沿った封止ステーション(2)であって、パウチ(90)の少なくとも一部を形成するために、シール(91、92、93)を前記細長いウェブ(9)に貼るように構成される封止ステーション(2)と、
前記搬送方向(T)において前記封止ステーション(2)の下流の従動出力ローラ(81)と、
前記封止ステーション(2)及び前記ウェブ駆動部(8)に動作可能に接続される制御ユニット(5)と
を含み、前記制御ユニット(5)は、
a)前記細長いウェブ(9)を前記出力ローラ(81)の一定の搬送トルク(T1)でウェブ軌道(P)に沿って前記搬送方向(T)に駆動するように前記ウェブ駆動部(8)を制御するステップと、
b)前記細長いウェブ(9)の搬送を停止するように前記ウェブ駆動部(8)を制御し、且つパウチ(90)の少なくとも一部を形成するために、シール(91、92、93)を前記細長いウェブ(9)に局所的に貼るように前記封止ステーション(2)を制御するステップと、
c)前記トルクを前記搬送トルク(T1)に増加させて戻すために、前記出力ローラ(81)を一定の第1の速度(V1)で駆動するように前記ウェブ駆動部(8)を制御するステップと
を行うように構成される、包装装置(1)。
【請求項2】
前記制御ユニット(5)は、前記出力ローラ(81)上の前記トルクを低減するために、ステップb)中に前記出力ローラ(81)の方向を逆転させるように配置される、請求項
1に記載の包装装置(1)。
【請求項3】
前記制御ユニット(5)は、前記封止ステーション(2)がシール(91、92、93)を前記細長いウェブ(9)に貼っているとき、出力ローラ(81)の方向を逆転させ、且つそれを1~5mmだけ回転させるように前記出力ローラ(81)を制御する、請求項
2に記載の包装装置(1)。
【請求項4】
前記制御ユニットは、ステップb)とステップc)との間の所定の期間にわたり、前記包装装置(1)をアイドル段階に維持するように構成され
、好ましくは、前記所定の期間は、10~750ミリ秒、好ましくは25~500ミリ秒である、請求項1~
3のいずれか一項に記載の包装装置(1)。
【請求項5】
前記出力ローラ(81)は、ローレットローラである、請求項
1に記載の包装装置(1)。
【請求項6】
前記ウェブ駆動部(8)は、前記細長いウェブ(9)を前記搬送方向(T)において前記封止ステーション(2)に送るために、前記搬送方向(T)において前記封止ステーション(2)の上流に従動送込ローラ(82)を更に含む、請求項
1に記載の包装装置(1)。
【請求項7】
前記従動送込ローラ(82)の上流にダンサを更に含む、請求項
6に記載の包装装置(1)。
【請求項8】
前記ダンサは、2つのダンサローラ(83)を含む、請求項
7に記載の包装装置(1)。
【請求項9】
前記ウェブ軌道(P)は、前記送込ローラ(82)の周囲の少なくとも50パーセント、好ましくは少なくとも60パーセント、より好ましくは少なくとも70パーセントを含む、請求項
6~8のいずれか一項に記載の包装装置(1)。
【請求項10】
前記ウェブ駆動部(8)は、前記細長いウェブ(9)を前記送込ローラ(81)の周囲に沿って案内するための2つの補助ローラ(84)を含む、請求項
6~8のいずれか一項に記載の包装装置(1)。
【請求項11】
前記制御ユニット(5)は、前記従動出力ローラ(81)を前記従動送込ローラ(82)より高い周囲速度で駆動するように配置される、請求項
6~8のいずれか一項に記載の包装装置(1)。
【請求項12】
前記ウェブ駆動部(8)は、ローラ(84、82)間の最短経路のわずかに外側に1つ又は複数のピンを更に含む、請求項
1に記載の包装装置(1)。
【請求項13】
前記封止ステーション(2)は、前記細長いウェブ(9)を、前記搬送方向(T)に直交する封止方向(F)に一緒に押圧することにより、前記シール(91、92、93)を前記細長いウェブ(9)に貼るための押圧部(21)を含む、請求項
1に記載の包装装置(1)。
【請求項14】
前記押圧部(21)は、高温の押圧部であり、前記シール(91、92、93)は、ヒートシールである、請求項
13に記載の包装装置(1)。
【請求項15】
ステップc)は、前記封止ステーション(2)が前記押圧部(21)を前記細長いウェブから離れて移動させた後にのみ開始する、請求項
13又は14に記載の包装装置(1)。
【請求項16】
ステップb)は、前記細長いウェブ(9)の前記搬送の急減速を伴って行われる、請求項
1に記載の包装装置(1)。
【請求項17】
前記個別の薬剤(M)を前記細長いウェブ(9)における前記パウチ(90)内に送るように構成される、前記ウェブ軌道(P)に沿った充填ステーション(3)を更に含む、請求項
1に記載の包装装置(1)。
【請求項18】
個別の薬剤(M)をパウチ(90)内に包装する方法であって、
a)細長いウェブ(9)を、ウェブ軌道(P)に沿って搬送方向(T)において、出力ローラ(81)を有するウェブ駆動部(8)で一定の張力において案内するステップと、
b)前記細長いウェブ(9)内にパウチ(90)の少なくとも一部を形成するために、シール(91、92、93)を前記細長いウェブ(9)に局所的に貼る間、前記細長いウェブの張力を解放するステップと、
c)トルクを増加させるために、前記出力ローラ(81)を一定の第1の速度(V1)で駆動することにより、前記細長いウェブ(9)に張力をかけるステップと、
d)前記細長いウェブ(9)を前記ウェブ軌道(P)に沿って更に前記搬送方向(T)に一定の張力で搬送するステップと
を含む方法。
【請求項19】
前記細長いウェブの張力を解放することは、前記細長いウェブ(9)を静止状態に維持すること及び/又は前記出力ローラ(81)を逆転させることを含む、請求項
18に記載の方法。
【請求項20】
ステップc)前に、前記個別の薬剤(M)を後続のパウチ(90)に送るステップを含む、請求項
18又は19に記載の方法。
【請求項21】
後続のパウチ(90)の少なくとも一部を形成するためにステップa)~d)を繰り返すことを含む、請求項
18又は19に記載の方法。
【請求項22】
非一時的コンピュータ可読媒体であって、プロセッサによって実行されるとき、包装装置(1)に、請求項
18又は19に記載の方法を行わせる命令がその上に保存されている、非一時的コンピュータ可読媒体を有するコンピュータプログラム製品。
【国際調査報告】