(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】海藻付着器の捕捉及び付着を促進する複合材料
(51)【国際特許分類】
A01G 33/00 20060101AFI20240719BHJP
A01K 61/75 20170101ALI20240719BHJP
【FI】
A01G33/00
A01K61/75
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024507004
(86)(22)【出願日】2022-08-04
(85)【翻訳文提出日】2024-03-14
(86)【国際出願番号】 US2022039401
(87)【国際公開番号】W WO2023014869
(87)【国際公開日】2023-02-09
(32)【優先日】2021-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100144417
【氏名又は名称】堂垣 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147212
【氏名又は名称】小林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ノーマン イー.クロフ
(72)【発明者】
【氏名】エリック ダフォード
(72)【発明者】
【氏名】バレンドラ エヌ.シルバ
【テーマコード(参考)】
2B003
2B026
【Fターム(参考)】
2B003AA03
2B003BB02
2B003CC05
2B003DD03
2B003EE04
2B026AA05
2B026AB02
2B026AB04
2B026AC01
(57)【要約】
本開示のいくつかの形態は、水産養殖、例えば、様々な種の海藻の栽培における使用のための特定の有用性を有する複合材料及び栽培システムに関する。このシステムは、少なくとも1つの高紆曲度で、大抵の場合、マイクロ繊維材料と、少なくとも1つの低い紆曲度を有する材料とを含む。これらのシステムは、様々な形状で構成することができ、いくつかの異なる構造に関連付けられ得る。これらの複合材料及び栽培システムのいくつかは、海藻などの大型藻類植物の直接播種及び間接播種の両方において使用され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
海藻植物の付着器を水生環境に固定するための海藻栽培基材であって、
第1の長さにわたって延び、水生環境に面するように構成された外側の第1のコード表面を規定する第1のコードであって、前記第1のコードは、前記第1の長さに沿って互いに近接して配置され、前記第1のコードの第1の断面厚さを規定する複数の第1のポリマー繊維を含み、前記複数の第1のポリマー繊維の各々は、隣接する第1のポリマー繊維間の第1の間隔を更に規定し、前記複数の第1のポリマー繊維及び前記第1の間隔は共に、前記外側の第1のコード表面から延び、隣接する前記第1のポリマー繊維の周りを前記第1の断面厚さの第1の中点までナビゲートする第1の自然経路の長さを規定し、前記複数の第1のポリマー繊維及び前記第1の間隔は共に、前記外側の第1のコード表面から前記第1の中点まで測定された第1の直線長さと比較した前記第1の自然経路の長さによって規定される前記第1のコードの第1の紆曲比を更に規定する、第1のコードと、
前記外側の第1のコード表面に係合し、第2の長さにわたって延び、水生環境に面するように構成された前記外側の第2のコード表面を規定する第2のコードであって、前記第2のコードは、前記第2の長さに沿って互いに近接して配置され、前記第2のコードの第2の断面厚さを規定する複数の第2のポリマー繊維を含み、前記複数の第2のポリマー繊維の各々は、隣接する第2のポリマー繊維間の第2の間隔を更に規定し、前記複数の第2の繊維及び前記第2の間隔は共に、前記外側の第2のコード表面から延び、隣接する前記第2のポリマー繊維の周りを前記第2の断面厚さの第2の中点までナビゲートする第2の自然経路の長さを規定し、前記複数の第2のポリマー繊維及び前記第2の間隔は共に、前記外側の第2のコード表面から前記第2の中点まで測定された第2の直線長さと比較した前記第2の自然経路の長さによって規定される前記第2のコードの第2の紆曲比を更に規定する、第2のコードとを備え、
前記第2の紆曲比は、前記第1の紆曲比よりも少なくとも5倍大きい、海藻栽培基材。
【請求項2】
前記第2の紆曲比は、前記第1の紆曲比よりも少なくとも50倍大きい、請求項1に記載の海藻栽培基材。
【請求項3】
前記第2の紆曲比は、前記第1の紆曲比よりも少なくとも500倍大きい、請求項1に記載の海藻栽培基材。
【請求項4】
前記第2のコードは、約1μm~約200μmのフィブリル間距離を有する連結された繊維のネットワークを含むマイクロ繊維材料を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
【請求項5】
前記第1のコードは、連結されていない繊維の束を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
【請求項6】
前記第1のコードは、連結された繊維の束を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
【請求項7】
前記第1のコードと前記第2のコードは、互いに異なる親水性を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
【請求項8】
前記第1のコードは、前記第2のコードよりも重量基準でより多くの水分を吸収する、請求項1~7のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
【請求項9】
前記第2のコードは、1.0gcm
-3以下の密度を有し、前記第1のコードは、1.0gcm
-3以上の密度を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
【請求項10】
前記第2のコードは、0.1~1.0g/cm
-3の平均密度を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
【請求項11】
前記第2のコードは、約1~約2000の平均フィブリル間距離(μm)の平均密度(gcm
-3)に対する比を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
【請求項12】
前記第2のコードは、1gcm
-3以下の密度を有する領域を有する、請求項1~11のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
【請求項13】
前記第2のコードは、1.7gcm
-3以上の密度を有する領域を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
【請求項14】
前記第2のコードは、少なくとも1つの膨張フルオロポリマーを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
【請求項15】
前記膨張フルオロポリマーは、延伸フッ素化エチレンプロピレン(eFEP)、多孔質ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、延伸エチレンテトラフルオロエチレン(eETFE)、延伸フッ化ビニリデン-コ-テトラフルオロエチレン若しくはトリフルオロエチレンポリマー(eVDF-co-(TFE若しくはTrFE))、又は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)のうちの1つである、請求項14に記載の海藻栽培基材。
【請求項16】
前記栽培基材は、少なくとも1つの膨張熱可塑性ポリマーを含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
【請求項17】
前記膨張熱可塑性ポリマーは、膨張ポリエステルスルホン(ePES)、膨張超高分子量ポリエチレン(eUHMWPE)、膨張ポリ乳酸(ePLA)、又は膨張ポリエチレン(ePE)のうちの1つである、請求項16に記載の海藻栽培基材。
【請求項18】
前記栽培基材は、少なくとも1つの膨張ポリマーを含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
【請求項19】
前記膨張ポリマーは、膨張ポリウレタン(ePU)である、請求項18に記載の海藻栽培基材。
【請求項20】
前記栽培基材は、膨張化学気相成長(CVD)によって形成された少なくとも1つのポリマーを含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
【請求項21】
前記栽培基材は、膨張ポリパラキシリレン(ePPX)を含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
【請求項22】
前記第1のコードは、スパン/フィラメントポリエステル、スパン/フィラメントナイロン、スパンHEMP、及び天然繊維からなる材料の群から選択される少なくとも1つの材料である、請求項1~20のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
【請求項23】
前記第2のコードは、相互接続された繊維を含む少なくとも1つの材料を含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
【請求項24】
前記第1のコードは、少なくとも1つの材料を含み、複数の繊維を有し、前記材料中の別の繊維に接続されていない少なくとも1つの端部を有する、請求項1~23のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
【請求項25】
前記栽培基材は、組紐、編物、ヤーン、カバードヤーン、不織布、織物、布、微粒子分散体、ビーズ、ステッチボンド布、及び積層体からなる群から選択される形態のうちの少なくとも1つである、請求項1~24のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
【請求項26】
前記栽培基材の表面は、相対的に高親水性の領域と相対的に低親水性の領域とを有する、請求項1~25のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
【請求項27】
前記栽培基材の表面上の前記相対的に高親水性の領域は、ランダムに離間している、請求項26に記載の海藻栽培基材。
【請求項28】
前記栽培基材の表面上の前記相対的に高親水性の領域は、均一に離間している、請求項26に記載の海藻栽培基材。
【請求項29】
前記相対的に高親水性の領域は、互いに約0.9~約1.0mmの範囲内の任意の距離だけ離れている、請求項26~28のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
【請求項30】
前記相対的に高親水性の領域は、互いに平均して約1.0mm以上離れている、請求項26~28のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
【請求項31】
前記第2のコードは、前記第1のコードと係合する表面を有するコアを形成する、請求項1~30のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
【請求項32】
前記第1のコードはバンドを形成し、各バンドは前記第2のコードの周りの前記第1のコードの単一の巻き付けによって規定され、前記バンドは前記第2のコードの表面の少なくとも一部分に付着されている、請求項31に記載の海藻栽培基材。
【請求項33】
前記バンドは、互いに約0.9mm~約10mmの範囲から選択される任意の距離で互いに離間している、請求項32に記載の海藻栽培基材。
【請求項34】
前記バンドは、互いに約10mmを超えて離間している、請求項32に記載の海藻栽培基材。
【請求項35】
前記第1のコードは、規則的又は不規則的に離間したバンドの形態であり、前記バンドは、前記コアの前記表面に均一に又はランダムに付着され、各バンドは、前記第2のコードの周りの前記第1のコードの単一の巻き付けによって規定される、請求項31に記載の海藻栽培基材。
【請求項36】
前記第1のコードが少なくとも1つのロープの形態であり、前記少なくとも1つのロープは、前記コアの前記表面の少なくとも一部分の周りに巻かれている、請求項31に記載の海藻栽培基材。
【請求項37】
前記第1のコードが少なくとも1つのリボンの形態であり、前記少なくとも1つのリボンが前記コアの前記表面の少なくとも一部分の周りに巻かれている、請求項31に記載の海藻栽培基材。
【請求項38】
前記コアは、ロープ、シート、支柱、層、及びロッドからなる形態の群から選択される少なくとも1つの形態である、請求項31~37のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
【請求項39】
前記栽培基材は、少なくとも1つの第2のコードと少なくとも1つの第1のコードとを含む組紐の形態である、請求項1~30のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
【請求項40】
前記栽培基材は、前記少なくとも1つの第1のコードと少なくとも1つの第2のコードとを含むカバードヤーンの形態である、請求項1~30のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
【請求項41】
前記第1のコードは、前記第2のコードの周りに巻かれている、請求項40に記載の海藻栽培基材。
【請求項42】
前記第2のコードの表面の約0.9mm~約1.1mmの反復部分は、前記第1のコードによって被覆されていない、請求項41に記載の海藻栽培基材。
【請求項43】
前記第2のコードの表面の約1.0mmを超える反復部分は、前記第1のコードによって被覆されていない、請求項41に記載の海藻栽培基材。
【請求項44】
前記第1のコードは、前記複合物上の前記海藻の捕捉を促進する間隔で前記第2のコードの表面に付着されている、請求項1~43のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
【請求項45】
前記栽培基材は、大型藻類の付着及び/又は成長を促進する少なくとも1つの栄養素を含む、請求項1~44のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
【請求項46】
前記第2のコードはマイクロ繊維材料を含み、前記マイクロ繊維材料は、少なくとも1つのより高い多孔性領域と、少なくとも1つのより低い多孔性領域とを有する、請求項1~45のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
【請求項47】
前記マイクロ繊維材料は、より大きいフィブリル間距離部分と、より小さいフィブリル間距離部分とを含む、請求項46に記載の海藻栽培基材。
【請求項48】
前記フィブリル間距離部分は、前記フィブリル間距離部分の軸方向配向を規定する、請求項47に記載の海藻栽培基材。
【請求項49】
ロッド、バッカー層、中空管、中実シャフト、ロープ、ケージ、ボード、バー、生育モジュール、線形フレーム、及び円形フレームからなる群から選択される1つ以上の構造要素を更に含む、請求項1~48のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
【請求項50】
合成繊維、天然繊維、プラスチック、木材、金属、被覆金属、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの材料を更に含む、請求項1~49のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
【請求項51】
前記栽培基材は、胞子の捕捉、発育、及び成長を促進するように構成されている、請求項1~50のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
【請求項52】
前記栽培基材は、胞子体、配偶体、幼若胞子体、幼若植物、及び成熟植物からなる群から選択される少なくとも1つの形態の前記海藻成長サイクルの捕捉、発育、及び成長を促進するように構成されている、請求項1~50のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
【請求項53】
前記栽培基材は、胞子体、配偶体、幼若胞子体、幼若植物、及び成熟植物からなる群から選択される少なくとも1つの形態の大型藻類の直接播種を促進するように構成されている、請求項1~52のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
【請求項54】
接着剤及びバイオグルーからなる群から選択される少なくとも1つの外因性結合剤を更に含む、請求項53に記載の海藻栽培基材。
【請求項55】
前記複合物は、外因性結合剤を実質的に含まない、請求項53に記載の海藻栽培基材。
【請求項56】
前記第2のコードは、海藻付着器の内部成長及び/又は発育を可能にするように構成されている、請求項1~55のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
【請求項57】
前記第1のコードは、胞子体、配偶体、幼若胞子体、幼若植物、及び成熟植物からなる群から選択される海藻の成長及び生殖の1つ以上の要素の捕捉を容易にするように構成されている、請求項1~55のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
【請求項58】
前記栽培基材は、紅藻類、褐藻類、及び緑色藻類からなる属の群から選択される少なくとも1つの種の大型藻類の捕捉及び/又は成長を促進するように構成されている、請求項1~57のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
【請求項59】
前記栽培基材は、ダルス(palmaria palmata)、ポルフィラ(porphyra)、パイロピア(pyropia)、及びカラフトコンブ(saccharina latissima)からなる群から選択される少なくとも1つの種の大型藻類の捕捉及び/又は成長を促進するように構成されている、請求項1~57のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
【請求項60】
前記第1のコードは、少なくとも1つの形態の前記大型藻類成長サイクルの捕捉を促進するように構成され、前記高紆曲度の第2のコードは、海藻付着器の成長、発育、及び付着を促進するように構成されている、請求項1~59のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
【請求項61】
前記第2のコードは、海藻植物をしっかりと固定するように構成されている、請求項1~60のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2021年8月5日に出願された仮出願第63/229,973号、2021年8月27日に出願された仮出願第63/238,003号、及び2022年2月10日に出願された仮出願第63/308,876号の利益を主張する、2022年8月3日に出願された米国特許出願公開第17/880,484号の利益を主張するものであり、これらの出願は、あらゆる目的のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、植物を栽培するための装置、システム、及び方法に関する。より具体的には、本開示は、海藻胞子及び/又は胞子体の付着及び成長を促進するための装置、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
哺乳動物(例えば、ヒト)細胞のためのバイオインターフェースの開発に多大な研究開発が行われてきたが、非哺乳動物細胞に特異的に調整されたバイオインターフェースが必要とされている。
【0004】
伝統的な海藻孵化場は、シードストリングに付着する胞子に依存する。例えば、胞子から海藻を栽培するための1つの現在のプロセスは、実験室ベースの播種プロセス中に胞子が弱く付着し、次いで外部栄養システムを通して栄養を与えられる、テクスチャ加工されたナイロン「培養ストリング」又は「シードストリング」を使用することを伴う。次いで、弱く付着した幼若海藻(配偶体及び胞子体)を含む培養ストリングを、海藻農場でロープに巻き付け、その後、ロープを水中に置く。このプロセスは元来、主に海藻が損傷し得ることに起因して、収率及び処理量が変動する。
【0005】
大規模に海藻を成長させるための更なるアプローチは、直接播種を含む。これらの方法の多くは、配偶体及び胞子体を培養で成長させ、次いで、配偶体及び胞子体を培養培地から除去し、海藻植物が成長することが意図されるロープに配偶体及び胞子体を固定するのを助ける実質的に接着剤である結合剤を使用して、配偶体及び胞子体をロープに手作業で付着させることを含む。この技術は労働集約的であり、接着剤の使用を必要とし、この接着剤は、付着器の発育を遅らせ、植物の成長を遅らせる可能性がある。明らかに、海藻の間接的成長及び直接的成長の両方のための新しい材料及び新しい方法の必要性が残っている。
【発明の概要】
【0006】
様々な態様は、胞子及び幼若海藻植物を誘引し、保持し、生存可能に維持するように構成された栽培システム、並びに関連する栽培方法を対象とする。いくつかの形態は、少なくとも2つの別個のタイプの材料を含む複合構造を有するロープ又はプラットフォームを含む栽培システムに関する。材料は、特に大型藻類などの水生植物である、付着器及び付着器の要素を付着させるのに適した微細構造を含む少なくとも1つのマイクロ繊維材料を含む。他方は、若い植物の捕捉に適したマクロ構造を含む少なくとも1つのマクロ繊維材料である。1つの例示的な栽培システムでは、マクロ繊維材料は、栽培システムを構成するマイクロ繊維材料の少なくとも1つの表面に密接に又は近接して関連付けられる。これらの栽培システムは、例えば、ロープ、リボン、ロッド、パネル、シート、厚板などを含む、実質的に任意の形状で構成され得る。これらの構造は、大型藻類胞子、胞子体、幼若胞子体、配偶体、幼若植物、及び/又は成熟植物を含むがこれらに限定されない、成体植物又は植物の生殖サイクル中に形成される植物の形態を保持するように構成された微細構造を有する少なくとも1つの材料と、大型藻類胞子、胞子体、幼若胞子体、配偶体、幼若植物、及び/又は成熟植物の誘引剤として作用する少なくとも1つの比較的親水性の材料とから構成され得る。
【0007】
一例(「例1」)によれば、大型藻類を成長させるための複合材料は、約1mm~約200mmの平均孔径を有する少なくとも1つの第1の高紆曲度構成要素と、少なくとも1つの低紆曲度を有する第2の構成要素とを含み、第2の構成要素の少なくとも一部分は、少なくとも1つの第1の高紆曲度構成要素の表面の少なくとも一部分と接触しており、高紆曲度構成要素は、低紆曲度を有する第2の構成要素よりも少なくとも5倍紆曲している。
【0008】
別の例(「例2」)によれば、例1に加えて、第1の高紆曲度構成要素は、低紆曲度を有する第2の構成要素よりも少なくとも50倍紆曲している。
【0009】
別の例(「例3」)によれば、例1に加えて、第1の高紆曲度構成要素は、低紆曲度を有する第2の構成要素よりも少なくとも500倍紆曲している。
【0010】
別の例(「例4」)によれば、例1~3に加えて、第1の高紆曲度構成要素は、約1μm~約200μmのフィブリル間距離を有する連結された繊維のネットワークを含むマイクロ繊維材料から構成されている。
【0011】
別の例(「例5」)によれば、例1~4に加えて、少なくとも1つの低紆曲度を有する第2の構成要素は、連結されていない繊維の束を含む。
【0012】
別の例(「例6」)によれば、例1~4に加えて、少なくとも1つの低紆曲度を有する第2の構成要素は、連結された繊維の束から構成されている。
【0013】
別の例(「例7」)によれば、例1~6に加えて、高紆曲度構成要素と少なくとも1つの低紆曲度を有する第2の構成要素は、互いに異なる親水性を有する。
【0014】
別の例(「例8」)によれば、例1~7に加えて、第2の構成要素は、重量基準の第1の高紆曲度構成要素よりも重量基準でより多くの水を吸収する。
【0015】
別の例(「例9」)によれば、例1~8に加えて、高紆曲度構成要素は1.0gcm-3以下の密度を有し、低紆曲度を有する第2の構成要素は1.0gcm-3以上の密度を有する。
【0016】
別の例(「例10」)によれば、例1~8に加えて、高紆曲度構成要素は、0.1~1.0gcm-3の平均密度を有する。
【0017】
別の例(「例11」)によれば、例10に加えて、高紆曲度構成要素は、約1~約2000の平均フィブリル間距離(μm)の平均密度(gcm-3)に対する比を有する。
【0018】
別の例(「例12」)によれば、例1~11に加えて、高紆曲度構成要素は、1gcm-3以下の密度を有する領域を有する。
【0019】
別の例(「例13」)によれば、例1~11に加えて、高紆曲度構成要素は、1.7gcm-3以上の密度を有する領域を有する。
【0020】
別の例(「例14」)によれば、例1~13に加えて、高紆曲度構成要素は、少なくとも1つの膨張(エキスパンデッド、膨張、延伸または発泡)フルオロポリマーを含む。
【0021】
別の例(「例15」)によれば、例14に加えて、膨張フルオロポリマーは、延伸フッ素化エチレンプロピレン(eFEP)、多孔質ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、延伸エチレンテトラフルオロエチレン(eETFE)、延伸フッ化ビニリデン-コ-テトラフルオロエチレン若しくはトリフルオロエチレンポリマー(eVDF-co-(TFE若しくはTrFE))、又は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)のうちの1つである。
【0022】
別の例(「例16」)によれば、例1~15に加えて、複合材料は、少なくとも1つの膨張熱可塑性ポリマーを含む。
【0023】
別の例(「例17」)によれば、例16に加えて、膨張熱可塑性ポリマーは、膨張ポリエステルスルホン(ePES)、膨張超高分子量ポリエチレン(eUHMWPE)、膨張ポリ乳酸(ePLA)、又は膨張ポリエチレン(ePE)のうちの1つである。
【0024】
別の例(「例18」)によれば、例1~17に加えて、複合材料は、少なくとも1つの膨張ポリマーを含む。
【0025】
別の例(「例19」)によれば、例18に加えて、膨張ポリマーは、膨張ポリウレタン(ePU)である。
【0026】
別の例(「例20」)によれば、例1~19に加えて、複合材料は、膨張化学気相成長(CVD)(expanded chemical vapor deposition)によって形成された少なくとも1つのポリマーを含む。
【0027】
別の例(「例21」)によれば、例1~20に加えて、複合材料は、膨張ポリパラキシリレン(ePPX)を含む。
【0028】
別の例(「例22」)によれば、例1~21に加えて、第2の構成要素は、スパン/フィラメントポリエステル、スパン/フィラメントナイロン、スパンHEMP、及び天然繊維からなる材料の群から選択される少なくとも1つの材料である。
【0029】
別の例(「例23」)によれば、例1~22に加えて、第2の構成要素は、相互接続された繊維からなる少なくとも1つの材料を含む。
【0030】
別の例(「例24」)によれば、例1~23に加えて、第2の構成要素は、材料中の別の繊維に接続されていない少なくとも1つの端部を有する複数の繊維を有する少なくとも1つの材料を含む。
【0031】
別の例(「例25」)によれば、例1~24に加えて、複合材料は、組紐、ニット、ヤーン、カバードヤーン、不織布、織物、布、微粒子分散体、ビーズ、ステッチボンド布、及び積層体からなる群から選択される形態のうちの少なくとも1つである。
【0032】
別の例(「例26」)によれば、例1~25に加えて、複合材料の表面は、相対的に高親水性の領域と相対的に低親水性の領域とを有する。
【0033】
別の例(「例27」)によれば、例26に加えて、複合材料の表面上の相対的に高親水性の領域は、ランダムに離間している。
【0034】
別の例(「例28」)によれば、例26に加えて、複合材料の表面上の相対的に高親水性の領域は、均一に離間している。
【0035】
別の例(「例29」)によれば、例26~28に加えて、相対的に高親水性の領域は、互いに約0.9~約1.0mmの範囲の任意の距離だけ離れている。
【0036】
別の例(「例30」)によれば、例26~28に加えて、相対的に高親水性の領域は、平均して互いに約1.0mm以上離れている。
【0037】
別の例(「例31」)によれば、例1~30に加えて、高紆曲度構成要素は、表面を有するコアを形成する。
【0038】
別の例(「例32」)によれば、例31に加えて、第2の構成要素はバンドを形成し、バンドは、高紆曲度構成要素のコアの表面の少なくとも一部分に付着されている。
【0039】
別の例(「例33」)によれば、例32に加えて、バンドは、互いに約0.9mm~約10.1mmの範囲から選択される任意の距離で互いに離間している。
【0040】
別の例(「例34」)によれば、例32に加えて、バンドは、互いに約10mmを超えて離間している。
【0041】
別の例(「例35」)によれば、例31に加えて、第2の構成要素は、規則的又は不規則的なパッチの形態であり、パッチは、コアの表面に均一に又はランダムに付着されている。
【0042】
別の例(「例36」)によれば、例31に加えて、第2の構成要素は、少なくとも1つのロープの形態であり、少なくとも1つのロープは、コアの表面の少なくとも一部分の周りに巻かれている。
【0043】
別の例(「例37」)によれば、例31に加えて、第2の構成要素は、少なくとも1つのリボンの形態であり、少なくとも1つのリボンは、コアの表面の少なくとも一部分に巻かれている。
【0044】
別の例(「例38」)によれば、例31に加えて、第2の構成要素は1つ以上の粒子の形態であり、少なくとも1つ以上の粒子は、コアの表面の少なくとも一部分に付着されている。
【0045】
別の例(「例39」)によれば、例31~38に加えて、コアは、ロープ、シート、支柱、シート、層、及びロッドからなる形態の群から選択される少なくとも1つの形態である。
【0046】
別の例(「例40」)によれば、例1~30に加えて、複合材料は、少なくとも1つの高紆曲度構成要素と、少なくとも1つの低紆曲度を有する第2の構成要素とを含む組紐の形態である。
【0047】
別の例(「例41」)によれば、例1~39に加えて、複合材料は、少なくとも1つの高紆曲度構成要素と、少なくとも1つの低紆曲度を有する第2の構成要素とを含むカバードヤーンの形態である。
【0048】
別の例(「例42」)によれば、例41に加えて、低紆曲度を有する第2の構成要素は、高紆曲度構成要素の周りに巻かれている。
【0049】
別の例(「例43」)によれば、例42に加えて、高紆曲度構成要素の表面の約0.9mm~約1.1mmの反復部分は、低紆曲度を有する第2の構成要素によって被覆されていない。
【0050】
別の例(「例44」)によれば、例42に加えて、高紆曲度構成要素の表面の約1.0mmを超える反復部分は、低紆曲度を有する第2の構成要素によって被覆されていない。
【0051】
別の例(「例45」)によれば、例1~44に加えて、第2の構成要素は、複合材料上の海藻の捕捉を促進する間隔で、高紆曲度構成要素の表面に付着されている。
【0052】
別の例(「例46」)によれば、例1~45に加えて、複合材料は、大型藻類の付着及び/又は成長を促進する少なくとも1つの栄養素を含む。
【0053】
別の例(「例47」)によれば、例1~46に加えて、高紆曲度構成要素は、マイクロ繊維材料を含み、マイクロ繊維材料は、少なくとも1つのより高い多孔性領域と、少なくとも1つのより低い多孔性部分とを有する。
【0054】
別の例(「例48」)によれば、例47に加えて、マイクロ繊維材料は、より大きいフィブリル間距離部分と、より小さいフィブリル間距離部分とを含む。
【0055】
別の例(「例49」)によれば、例47~48に加えて、フィブリル間距離部分は、フィブリル間距離部分の軸方向配向を規定する。
【0056】
別の例(「例50」)によれば、例45~49に加えて、高紆曲度構成要素とより低く紆曲する構成要素は、異なる親水性を有し、構成要素は互いにランダムに関連付けられている。
【0057】
別の例(「例51」)によれば、例1~50に加えて、ロッド、バッカー層、中空管、中実シャフト、ロープ、ケージ、ボード、バー、生育モジュール、線形フレーム、及び円形フレームからなる群から選択される1つ以上の構造要素を更に含む。
【0058】
別の例(「例52」)によれば、例1~51に加えて、合成繊維、天然繊維、プラスチック、木材、金属、被覆金属、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの材料を更に含む。
【0059】
別の例(「例53」)によれば、例1~52に加えて、複合材料は、胞子の捕捉、発育(development)、及び成長を促進するように構成されている。
【0060】
別の例(「例54」)によれば、例1~52に加えて、複合材料は、胞子体、配偶体、幼若胞子体、幼若植物、及び成熟植物からなる群から選択される少なくとも1つの形態の海藻成長サイクルのうちの少なくとも1つの捕捉、発育、及び成長を促進するように構成されている。
【0061】
別の例(「例55」)によれば、例1~52に加えて、複合材料は、胞子体、配偶体、幼若胞子体、幼若植物、及び成熟植物からなる群から選択される形態のうちの少なくとも1つの大型藻類の直接播種を促進するように構成されている。
【0062】
別の例(「例56」)によれば、例55に加えて、複合材料は、接着剤及びバイオグルーからなる群から選択される少なくとも1つの外因性結合剤を更に含む。
【0063】
別の例(「例57」)によれば、例55に加えて、複合材料は、外因性結合剤を実質的に含んでいない。
【0064】
別の例(「例58」)によれば、例1~57に加えて、高紆曲度構成要素は、海藻付着器の内部成長及び/又は発育を可能にするように構成されている。
【0065】
別の例(「例59」)によれば、例1~58に加えて、低紆曲度を有する第2の構成要素は、胞子体、配偶体、幼若胞子体、幼若植物、及び成熟植物からなる群から選択される海藻の成長及び生殖の1つ以上の要素の捕捉を容易にするように構成されている。
【0066】
別の例(「例60」)によれば、例1~59に加えて、複合材料は、紅藻類、褐藻類、及び緑色藻類からなる群から選択される少なくとも1つの種の大型藻類の捕捉及び/又は成長を促進するように構成されている。
【0067】
別の例(「例61」)によれば、例1~59に加えて、複合材料は、ダルス(palmaria palmata)、ポルフィラ(porphyra)、パイロピア(pyropia)、及びカラフトコンブ(saccharina latissima)からなる群から選択される少なくとも1つの種の大型藻類の捕捉及び/又は成長を促進するように構成されている。
【0068】
別の例(「例62」)によれば、例1~59に加えて、低紆曲度を有する第2の構成要素は、少なくとも1つの形態の大型藻類成長サイクルの捕捉を促進するように構成され、高紆曲度材料は、海藻付着器の成長、発育、及び付着を促進するように構成されている。
【0069】
別の例(「例63」)によれば、例1~62に加えて、高紆曲度構成要素は、海藻植物をしっかりと固定するように構成されている。
【0070】
別の例(「例64)によれば、栽培システムは、例1~63の複合材料のいずれか1つと、少なくとも1つの追加の特徴とを含み、特徴は、大型藻類の栽培に有用である。
【0071】
別の例(「例65」)によれば、例64に加えて、栽培システムは、少なくとも支持要素を更に含む。
【0072】
別の例(「例66」)によれば、例65に加えて、支持要素は、ロープ、ケーブル、バー、ロッド、プレート、スクリーン、及びシートからなる群から選択される少なくとも1つの要素を含む。
【0073】
別の例(「例67」)によれば、例64~66に加えて、栽培システムは、フック、ループ、重り、浮き、ブイ、ケージ、スクリーン、梯子、枕木、及びプラットフォームのうちの少なくとも1つの構造を更に含む。
【0074】
別の例(「例68」)によれば、例64~67に加えて、栽培システムは、以下の構造要素、すなわち、バッカー層、キャリア層、複数の層の積層体、複合材料、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを更に含む。
【0075】
別の例(「例69」)によれば、例64~68に加えて、栽培システムは、海藻の成長及び/又は収穫を促進するように構成されている。
【0076】
別の例(「例70」)によれば、海藻を栽培するための方法は、海藻胞子、配偶体、又は胞子体の集団を、例1~62のいずれか1つの複合材料のいずれか1つに、海藻胞子、配偶体、又は胞子体の集団の少なくとも一部分が栽培システムによって保持されるまで接触させることを含む。
【0077】
別の例(「例71」)によれば、海藻を栽培するための方法は、少なくとも1つの幼若海藻植物及び/又は1つの成熟海藻植物を、例1~62のいずれか1つの複合材料に、海藻胞子、配偶体、又は胞子体の集団の少なくとも一部分が成長し、材料への付着を構築するまで接触させることを含む。
【0078】
別の例(「例72」)によれば、例70~71に加えて、少なくとも1つの海藻植物又は海藻生殖構造の少なくとも一部分が複合材料に付着したら、複合材料を輸送することを更に含む。
【0079】
別の例(「例73」)によれば、例70~72に加えて、複合材料に付着した海藻植物又は海藻生殖構造の集団の一部分を含む複合材料を開放水域環境に配置することを更に含む。
【0080】
別の例(「例74」)によれば、水産養殖における使用のための複合材料は、1インチ当たり約5~6ピックを有する延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)の6キャリアダイヤモンド編組を含み、ePTFEは、1.0gcm-3未満の密度、1μm~50μmの典型的なフィブリル間間隔、及び3000デニールの線質量密度を有する。
【0081】
別の例(「例75」)によれば、水産養殖における使用のための複合材料は、1.0gcm-3未満の密度、1μm~50μmの典型的なフィブリル間間隔、及び1000デニールの線質量密度を有する延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)の一端と、8/1スパンポリエステルの一端と、8/1スパンポリエステルの2つの端の各々の3キャリアとの6キャリアダイヤモンド編組を含み、編組は、1インチ当たり約5~6ピックを有する。
【0082】
別の例(「例76」)によれば、水産養殖における使用のための複合材料は、1.0gcm-3未満の密度、1μm~50μmの典型的なフィブリル間間隔、及び5000デニールの線質量密度を有する延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含むコアと、1/8スパンポリエステルの一対のダブル被覆表面巻きとからなるダブルカバードヤーンを含む。
【0083】
別の例(「例77)によれば、ダルスを培養する方法は、例72~77の材料のいずれか1つを、胞子、胞子体、幼若胞子体、配偶体、幼若植物、及び成熟植物からなる形態から選択されるダルス(palmaria palmata)由来の海藻と接触させることを含む。
【0084】
別の例(「例78」)によれば、海藻植物の付着器を水生環境に固定するための海藻栽培基材が、第1の長さにわたって延び、水生環境に面するように構成された外側の第1のコード表面を規定する第1のコードであって、第1のコードは、第1の長さに沿って互いに近接して配置され、第1のコードの第1の断面厚さを規定する複数の第1のポリマー繊維を含み、複数の第1のポリマー繊維の各々は、隣接する第1のポリマー繊維間の第1の間隔を更に規定し、複数の第1のポリマー繊維及び第1の間隔は共に、外側の第1のコード表面から延び、隣接する第1のポリマー繊維の周りを第1の断面厚さの第1の中点まで(又は第1の中点の方向に)ナビゲートする第1の自然経路の長さを規定し、複数の第1のポリマー繊維及び第1の間隔は共に、外側の第1のコード表面から第1の中点まで(又は第1の中点の方向の第1の位置まで)測定された第1の直線長さと比較した第1の自然経路の長さによって規定される第1のコードの第1の紆曲比を更に規定する、第1のコードと、外側の第1のコード表面に係合し、第2の長さにわたって延び、水生環境に面するように構成された外側の第2のコード表面を規定する第2のコードであって、第2のコードは、第2の長さに沿って互いに近接して配置され、第2のコードの第2の断面厚さを規定する複数の第2のポリマー繊維を含み、複数の第2のポリマー繊維の各々は、隣接する第2のポリマー繊維間の第2の間隔を更に規定し、複数の第2の繊維及び第2の間隔は共に、外側の第2のコード表面から延び、隣接する第2のポリマー繊維の周りを第2の断面厚さの第2の中点(又は第2の中点の方向の第2の位置)までナビゲートする第2の自然経路の長さを規定し、複数の第2のポリマー繊維及び第2の間隔は共に、外側の第2のコード表面から第2の中点まで(又は第2の中点の方向の第2の位置まで)測定された第2の直線長さと比較した第2の自然経路の長さによって規定される第2のコードの第2の紆曲比を更に規定する、第2のコードとを含む。第2の紆曲比は、第1の紆曲比よりも少なくとも5倍大きい。あるいは、例78は、第2の紆曲比より少なくとも5倍大きい第1の紆曲比を有し得る。
【0085】
材料内又は所与の材料の要素の結合又は非結合層、スタック、及び/又は束の間の既存の隣接空間を通る経路の長さは、所与の材料の単位厚さ当たりの空間のサイズが減少し、空間の数が増加するにつれて、増加し得る。材料の相対的紆曲度の尺度は、材料の表面上の特定の開始点から材料の中点における特定の停止点(又は材料の中点の方向に位置する点)まで測定された材料を通る経路の長さと、材料の表面上の同じ開始点から材料の中点における同じ停止点(又は材料の中点の方向の点)まで引かれた直線の長さとの比として定義され得る。この定義によれば、比が高いほど、材料はより紆曲している。例えば、より紆曲した材料は、より紆曲していない材料よりも少なくとも5倍、又は50倍、又は500倍紆曲し得る。
【0086】
海藻栽培基材のいくつかの態様は、少なくとも2つのコードで構成され、各コードは異なる紆曲度を有する。例えば、比較的低い紆曲度を有する第1のコードは、比較的高い紆曲度を有する第2コードの表面の一部分と接触させられ、ここで、各材料の表面のセクションは、環境に対して露出される。水生環境では、互いに接触していないコードの表面は、水、例えば海水と接触していてもよい。高紆曲度を有する材料から構成されるコードは、複数のフィブリル間空間を有する多孔質又は半多孔質のマイクロ繊維材料から構成され得る。低紆曲度を有する材料は、複数のフィブリル間空間を有する多孔質マクロ繊維材料から構成され得る。いくつかの態様では、低紆曲度多孔質材料は、個々の要素間に空間を形成するように互いに対して配置された中実又はほぼ中実の個々の要素から構成され得る。要素間のこれらの空間は、紆曲経路を形成するように配置され得る。いくつかの態様では、高紆曲度材料から構成されるコードは、様々な種類の海藻などの水生植物の付着を促進するように構成され得、これらの材料は、海藻付着器の要素の内部成長に適した基材を容易にするように構成され得る。いくつかの態様では、比較的低い紆曲度を示す材料は、胞子体、幼若胞子体、配偶体、幼若植物、及び植物などの発芽形態の海藻の捕捉を促進するように構成され得る。
【0087】
いくつかの態様では、海藻基材は、胞子から成熟植物までのその生活環における様々な又は特定の形態の海藻の直接播種及び/又は間接播種を容易にするように構成され得る。
【0088】
別の例(「例79」)によれば、海藻植物の付着器を水生環境に固定するための海藻栽培基材は、フレーム上に配置され、第1の外面を有する第1のコードと、一連の第1の繊維の間に第1の通路を規定する一連の第1の繊維とを含み、第1の通路は、第1の外面から第1のコード内に延びる。基材は、第2の外面を有する第2のコードを更に含み、第2のコードは、第1のコードの部分にわたって配置されて第1のコードの当該部分を覆い、水生環境に対して交代の基材外面を提示する。交代の基材外面は、第2の外面に隣接して配置された、未被覆の第1の外面を有する。第2のコードは、第2の外面から第2のコード内に延びる第2の通路を有する。いくつかの例では、紆曲度は、材料内に又は材料を通って延び、材料内に又は材料を通ってナビゲートする紆曲経路の長さに対応する紆曲値を決定することによって定義されてもよく、長さは、紆曲経路に沿って材料内への入口点から終点に達するまで延び、終点では、紆曲経路に沿って進行する間に方向転換される累積角度量は、少なくともある角度量(例えば、100度、200度、500度、及び1000度)に等しい。
【0089】
したがって、一例によれば、例79に加えて、未被覆の第1の外面は、第1の入口点から第1のコードの内部に向かって第1の距離だけ第1のコード内に延び、未被覆の第1の外面は、未被覆の第1の外面内に又はそれを通って延び、材料内に又はそれを通ってナビゲートする第1の紆曲経路の第1の長さを表す第1の紆曲値を規定し、第1の長さは、第1の入口点から第1の紆曲経路に沿って第1の終点に達するまで延び、第1の終点では、第1の紆曲経路に沿って進む間に方向転換される累積度が少なくとも100度に等しく、第2の外面は、第2の入口点から第2のコード内への又は第2のコードを通った距離だけ第2のコード内に延び、第2の外面は、第2の外面を通って延在する第2の紆曲経路の第2の長さを表す第2の紆曲値を規定し、第2の紆曲経路のほぼ第2の中心を通ってナビゲートし、第2の長さは、第2の入口点から第2の紆曲経路に沿って第2の終点に達するまで延び、第2の終点では、第2の紆曲経路に沿って進む間に方向転換される累積度が少なくとも100度に等しく、第2の紆曲値は、第1の紆曲値よりも少なくとも5倍大きい。あるいは、例79は、第2の紆曲値より少なくとも5倍大きい第1の紆曲値を有し得る。
【0090】
いくつかの態様では、所与の材料の紆曲度は、測定される角度(例えば、度)に選択された限界を設定し、材料の要素によって規定される連続空間の中心を通る粒子の経路を追跡することによって測定され得る。粒子が所与の経路上で行わなければならない方向転換度は、粒子の経路上の各方向転換に対して測定され得、方向転換度は、角度に関する選択された限界に達するまで合計され、その点において、粒子がその開始点から移動した材料内への又は材料を通る総距離が測定されて、紆曲度の尺度を与える。比較的紆曲した材料の場合、粒子は、より紆曲した材料においてより多くの方向転換を経るため、粒子は、より紆曲していない材料と比較して、材料内へ又は材料を通ってより短い距離を移動する。別の言い方をすれば、紆曲した材料を通る粒子は、複数の障害物に遭遇し、材料の厚さを更に通過せずに頻繁に方向転換しなければならない(例えば、横方向又は逆方向にさえ方向転換する)ため、材料内へ又は材料を通って比較的短い長さ又は深さだけ移動する。逆に、低紆曲度を有する材料を通って移動する粒子は、より少ない方向転換しか要求されず、任意の角度に達する前に材料の厚さを通ってより長い距離を移動することができる。同じ任意の角度限界が使用され、同じサイズの粒子が材料を通る経路を追跡するために使用される場合、設定された角度限界に達するまで粒子が移動する距離は、経路によって規定される長さの経路を横切るために所与の物体が取らなければならない鋭角及び/又は鈍角の方向転換数の関数として、所与の材料の紆曲度を規定するために使用され得る。所与の粒子が、材料の構造要素との接触を回避するか、又は少なくとも最小限に抑えるために行わなければならない方向の変化は、粒子が材料の厚さ又は深さを通る所与の経路を横断するのに必要な総方向転換角度として表され得る。比較目的のために、総方向転換角度は、所与の材料の単位厚さ当たりで表される所与の値に正規化され得る。例えば、100度の方向転換は、比較的紆曲した材料内への又はそれを通る10μmの経路を規定し得る一方で、100度の方向転換は、より紆曲していない材料内へ1mm以上延びる経路を規定し得る。いくつかの態様では、累積度の計算は、二次元平面に沿って、又は評価中にコードの材料に切り込むために使用される切断平面に沿って測定された紆曲経路に沿って行われた各方向転換について測定された左又は右への角度の加算であり得る。他の態様では、累積度の計算は、三次元基準系において測定された紆曲経路に沿って行われた各方向転換について測定された左向き、右向き、上向き、及び下向きの角度の加算であってもよく、左向き、右向き、上向き、又は下向きの方向転換に起因する角度が加算されて累積度を提供する。更なる態様では、方向転換の測定及び方向転換の角度は、中心に位置付けられた紆曲経路に基づいてもよく、その紆曲経路は、中心に位置付けられた紆曲経路の表現を提供するために必要とされる範囲で周囲構造から等距離を保つ。他の態様では、紆曲経路は、周囲構造からの等距離に基づいて、中心位置の片側に偏らせ得る。更に他の態様では、紆曲経路は、コードの中心に向かうより直接的な経路を提供する方向転換を支持するように偏らせ得る。更に他の態様では、紆曲経路は、行き止まりにつながるか、又は方向の反転を必要とする方向転換を避けるように偏らせ得る。更に他の態様では、累積方向転換数の評価において、評価は、行き止まり又は反転に対応する角度を提供する方向転換を無視し得る。更に他の態様では、紆曲経路に沿った中心位置若しくは偏り位置、又は累積方向転換数の評価は、対象の材料又はコードから観察されるデータ点又は測定値の代表的な集合の平均に基づき得る。
【0091】
別の例(「例80」)によれば、海藻の水産養殖における使用のための複合材料は、1インチ当たり少なくとも5ピックを有する8キャリアダイヤモンド編組を含み、8キャリアダイヤモンド編組は、第1の群の4キャリアと第2の群の4キャリアとを有し、第1の群の4キャリアの各々は、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)繊維の一端を有し、ePTFE繊維の各々は、1.0g/cc未満の密度、1μm~50μm(両端含む)の典型的なフィブリル間間隔、及び少なくとも1000デニールの線質量密度を有し、第1の群の4キャリアの各々は、8/1スパンポリエステル繊維の一端を更に含み、第2の群の4キャリアの各々は、8/1スパンポリエステル繊維の2つの端を有する。
【0092】
別の例(「例81」)によれば、海藻の水産養殖における使用のための複合材料は、1インチ当たり少なくとも5本のピックを有する8キャリアダイヤモンド編組を含み、100%ePTFE繊維で織られた8キャリアダイヤモンド編組は少なくとも8つのキャリアを有し、少なくとも8つのキャリアの各々は、ePTFE繊維の一端を有し、ePTFE繊維の各々は、1.0g/cc未満の密度、1μm~50μm(両端含む)の典型的なフィブリル間間隔、及び少なくとも1000デニールの線質量密度を有する。
【0093】
別の例(「例82」)によれば、水生環境において海藻植物の付着器を固定するための海藻栽培基材は、例80~81の材料のいずれか1つと、固定された物体に基材を固定するための少なくとも1つの特徴とを含む。
【0094】
別の例(「例83」)によれば、ダルスを培養するための方法は、例80又は81の材料のいずれか1つを提供することと、胞子、胞子体、幼若胞子体、配偶体、幼若植物、及び成熟植物からなる形態から選択される少なくとも1つの形態のダルス(palmaria palmata)と接触させることと、を含む。
【0095】
別の例(「例84」)によれば、例78~83のいずれか1つに加えて、第1のコードと第2のコードは、互いに異なる親水性を有する。
【0096】
別の例(「例85」)によれば、例78~84のいずれか1つに加えて、第1のコードは、重量基準の第2のコードよりも重量基準で多くの水を吸収する。
【0097】
別の例(「例86」)によれば、例78~85のいずれか1つに加えて、第2のコードは、1.0gcm-3以下の密度を有し、第1のコードは、1.0gcm-3以上の密度を有する。
【0098】
別の例(「例87」)によれば、例78~86のいずれか1つに加えて、第2のコードは、0.1~1.0gcm-3の平均密度を有する。
【0099】
別の例(「例88」)によれば、例78~87のいずれか1つに加えて、第2のコードは、約1~約2000の平均フィブリル間距離(μm)の平均密度(gcm-3)に対する比を有する。
【0100】
別の例(「例89」)によれば、例78~88のいずれか1つに加えて、第2のコードは、1gcm-3以下の密度を有する領域を有する。
【0101】
別の例(「例90」)によれば、例78~89のいずれか1つに加えて、第2のコードは、1.7g/cm-3以上の密度を有する領域を有する。
【0102】
別の例(「例91」)によれば、例78~90のいずれか1つに加えて、第2のコードは、少なくとも1つの膨張フルオロポリマーを含む。
【0103】
別の例(「例92」)によれば、例91に加えて、膨張フルオロポリマーは、延伸フッ素化エチレンプロピレン(eFEP)、多孔質ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、延伸エチレンテトラフルオロエチレン(eETFE)、延伸フッ化ビニリデン-コ-テトラフルオロエチレン又はトリフルオロエチレンポリマー(eVDF-co-(TFE又はTrFE))、又は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)のうちの1つである。
【0104】
別の例(「例93」)によれば、例78~92のいずれか1つに加えて、栽培基材は、少なくとも1つの膨張熱可塑性ポリマーを含む。
【0105】
別の例(「例94」)によれば、例93に加えて、膨張熱可塑性ポリマーは、膨張ポリエステルスルホン(ePES)、膨張超高分子量ポリエチレン(eUHMWPE)、膨張ポリ乳酸(ePLA)、又は膨張ポリエチレン(ePE)のうちの1つである。
【0106】
別の例(「例95」)によれば、例78~94のいずれか1つに加えて、栽培基材は、少なくとも1つの膨張ポリマーを含む。
【0107】
別の例(「例96」)によれば、例95に加えて、膨張ポリマーは、膨張ポリウレタン(ePU)である。
【0108】
別の例(「例97」)によれば、例78~96のいずれか1つに加えて、栽培基材は、膨張化学気相成長(CVD)によって形成された少なくとも1つのポリマーを含む。
【0109】
別の例(「例98」)によれば、例78~97のいずれか1つに加えて、栽培基材は、膨張ポリパラキシリレン(ePPX)を含む。
【0110】
別の例(「例99」)によれば、例78~97のいずれか1つに加えて、第1のコードは、スパン/フィラメントポリエステル、スパン/フィラメントナイロン、スパンHEMP、及び天然繊維からなる材料の群から選択される少なくとも1つの材料である。
【0111】
別の例(「例100」)によれば、例78~99のいずれか1つに加えて、第2のコードは、相互接続された繊維を含む少なくとも1つの材料を含む。
【0112】
別の例(「例101」)によれば、例78~100のいずれか1つに加えて、第1のコードは、少なくとも1つの材料を含み、複数の繊維を有し、材料内の別の繊維に接続されていない少なくとも1つの端部を有する。
【0113】
別の例(「例102」)によれば、例78~101のいずれか1つに加えて、栽培基材は、組紐、編物、ヤーン、カバードヤーン、不織布、織物、布、微粒子分散体、ビーズ、ステッチボンド布、及び積層体からなる群から選択される形態のうちの少なくとも1つである。
【0114】
別の例(「例103」)によれば、例78~102のいずれか1つに加えて、栽培基材の表面は、相対的に高親水性の領域と相対的に低親水性の領域とを有する。
【0115】
別の例(「例104」)によれば、例103に加えて、栽培基材の表面上の相対的に高親水性の領域は、ランダムに離間している。
【0116】
別の例(「例105」)によれば、例103に加えて、栽培基材の表面上の相対的に高親水性の領域は、均一に離間している。
【0117】
別の例(「例106」)によれば、例103~105のいずれか1つに加えて、相対的に高親水性の領域は、互いに約0.9~約1.0mmの範囲内の任意の距離だけ離れている。
【0118】
別の例(「例
【0119】
107」)によれば、例103~105のいずれか1つに加えて、相対的に高親水性の領域は、平均して互いに約1.0mm以上離れている。
【0120】
別の例(「例108」)によれば、例78~107のいずれか1つに加えて、第2のコードは、第1のコードと係合する表面を有するコアを形成する。
【0121】
別の例(「例109」)によれば、例108に加えて、第1のコードはバンドを形成し、各バンドは、第2のコードの周りの第1のコードの単一の巻き付けによって規定され、バンドは、第2のコードの表面の少なくとも一部分に付着されている。
【0122】
別の例(「例110」)によれば、例109に加えて、バンドは、互いに約0.9mm~約10mmの範囲から選択される任意の距離で互いに離間している。
【0123】
別の例(「例111」)によれば、例109に加えて、バンドは、互いに約10mmを超えて離間している。
【0124】
別の例(「例112」)によれば、例108に加えて、第1のコードは規則的又は不規則的に離間したバンドの形態であり、バンドは、コアの表面に均一に又はランダムに付着され、各バンドは、第2のコードの周りに第1のコードの単一の巻き付けによって規定される。
【0125】
別の例(「例113」)によれば、例108に加えて、第1のコードは、少なくとも1つのロープの形態であり、少なくとも1つのロープは、コアの表面の少なくとも一部分の周りに巻かれている。
【0126】
別の例(「例114」)によれば、例108に加えて、第1のコードは、少なくとも1つのリボンの形態であり、少なくとも1つのリボンは、コアの表面の少なくとも一部分の周りに巻かれている。
【0127】
別の例(「例115」)によれば、例108~114のいずれか1つに加えて、コアは、ロープ、シート、支柱、層、及びロッドからなる形態の群から選択される少なくとも1つの形態である。
【0128】
別の例(「例116」)によれば、例78~107のいずれか1つに加えて、栽培基材は、少なくとも1つの第2のコードと少なくとも1つの第1のコードとを含む組紐の形態である。
【0129】
別の例(「例117」)によれば、例78~107のいずれか1つに加えて、栽培基材は、少なくとも1つの第1のコードと少なくとも1つの第2のコードとを含むカバードヤーンの形態である。
【0130】
別の例(「例118」)によれば、例117に加えて、第1のコードは、第2のコードの周りに巻かれている。
【0131】
別の例(「例119」)によれば、例118に加えて、第2のコードの表面の約0.9mm~約1.1mmの反復部分は、第1のコードによって被覆されていない。
【0132】
別の例(「例120」)によれば、例118に加えて、第2のコードの表面の約1.0mmを超える反復部分は、第1のコードによって被覆されていない。
【0133】
別の例(「例121」)によれば、例78~120のいずれか1つに加えて、第1のコードは、複合物上での海藻の捕捉を促進する間隔で第2のコードの表面に付着されている。
【0134】
別の例(「例122」)によれば、例78~121のいずれか1つに加えて、栽培基材は、大型藻類の付着及び/又は成長を促進する少なくとも1つの栄養素を含む。
【0135】
別の例(「例123」)によれば、例78~122のいずれか1つに加えて、第2のコードは、マイクロ繊維材料を含み、マイクロ繊維材料は、少なくとも1つのより高い多孔性領域と、少なくとも1つのより低い多孔性領域とを有する。
【0136】
別の例(「例124」)によれば、例123に加えて、マイクロ繊維材料は、より大きいフィブリル間距離部分と、より小さいフィブリル間距離部分とを含む。
【0137】
別の例(「例125」)によれば、例124に加えて、フィブリル間距離部分は、フィブリル間距離部分の軸方向配向を規定する。
【0138】
別の例(「例126」)によれば、例45~49のいずれか1つに加えて、第1のコードと第2のコードは、異なる親水性を有し、第1のコードと第2のコードは、互いにランダムに関連付けられている。
【0139】
別の例(「例127」)によれば、例78~126のいずれか1つに加えて、ロッド、バッカー層、中空管、中実シャフト、ロープ、ケージ、ボード、バー、生育モジュール、線形フレーム、及び円形フレームからなる群から選択される1つ以上の構造要素を更に含む。
【0140】
別の例(「例128」)によれば、例78~127のいずれか1つに加えて、合成繊維、天然繊維、プラスチック、木材、金属、被覆金属、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの材料を更に含む。
【0141】
別の例(「例129」)によれば、例78~128のいずれか1つに加えて、栽培基材は、胞子の捕捉、発育、及び成長を促進するように構成されている。
【0142】
別の例(「例130」)によれば、例78~128のいずれか1つに加えて、栽培基材は、胞子体、配偶体、幼若胞子体、幼若植物、及び成熟植物からなる群から選択される少なくとも1つの形態の海藻成長サイクルの捕捉、発育、及び成長を促進するように構成されている。
【0143】
別の例(「例131」)によれば、例78~130のいずれか1つに加えて、栽培基材は、胞子体、配偶体、幼若胞子体、幼若植物、及び成熟植物からなる群から選択される少なくとも1つの形態の大型藻類の直接播種を促進するように構成されている。
【0144】
別の例(「例132」)によれば、例131に加えて、接着剤及びバイオグルーからなる群から選択される少なくとも1つの外因性結合剤を更に含む。
【0145】
別の例(「例133」)によれば、例131に加えて、複合物は、外因性結合剤を実質的に含んでいない。
【0146】
別の例(「例134」)によれば、例78~133のいずれか1つに加えて、第2のコードは、海藻付着器の内部成長及び/又は発育を可能にするように構成されている。
【0147】
別の例(「例135」)によれば、例78~133のいずれか1つに加えて、第1のコードは、胞子体、配偶体、幼若胞子体、幼若植物、及び成熟植物からなる群から選択される海藻の成長及び生殖の1つ以上の要素の捕捉を容易にするように構成されている。
【0148】
別の例(「例136」)によれば、例78~135のいずれか1つに加えて、複合基材は、紅藻類、褐藻類、及び緑色藻類からなる群から選択される少なくとも1つの種の大型藻類の捕捉及び/又は成長を促進するように構成されている。
【0149】
別の例(「例137」)によれば、例78~135のいずれか1つに加えて、栽培基材は、ダルス(palmaria palmata)、ポルフィラ(porphyra)、パイロピア(pyropia)、及びカラフトコンブ(saccharina latissima)からなる群から選択される少なくとも1つの種の大型藻類の捕捉及び/又は成長を促進するように構成されている。
【0150】
別の例(「例138」)によれば、例78~137のいずれか1つに加えて、第1のコードは、少なくとも1つの形態の大型藻類成長サイクルの捕捉を促進するように構成され、高紆曲度の第2のコードは、海藻付着器の成長、発育、及び付着を促進するように構成されている。
【0151】
別の例(「例139」)によれば、例78から138のいずれか1つに加えて、第2のコードは、海藻植物をしっかりと固定するように構成されている。
【0152】
別の例(「例140」)によれば、海藻植物の付着器を水生環境に固定するための海藻栽培基材は、フレームにわたって配置され、第1の外面と一連の第1の繊維の間に第1の通路を規定する一連の第1の繊維とを有する第1のコードであって、第1の通路が第1の外面から第1のコード内へ延びる、第1のコードと、第2の外面を有する第2のコードであって、第2のコードは、第1のコードの部分にわたって配置されて第1のコードの前記部分を被覆して、交互の基材外面を水生環境に提示し、未被覆の第1の外面は、第2の外面に隣接して配置され、第2のコードは、第2の外面から第2のコード内へ延びる第2の通路を有する、第2のコードとを含み、未被覆の第1の外面は、第1の入口点から第1のコードの内部に向かって第1の距離だけ第1のコード内に延び、未被覆の第1の外面は、未被覆の第1の外面を通って延び、第1の紆曲路のほぼ第1の中心を通ってナビゲートする第1の紆曲路の第1の長さを表す第1の紆曲値を規定し、第1の長さは、第1の紆曲路に沿って移動している間の累積方向転換度が少なくとも100度に等しくなる第1の終点に到達するまで第1の紆曲路に沿って第1の入口点から延び、第2の外面は、第2の入口点から第2のコードの内部に向かって第2の距離だけ第2のコード内に延び、第2の外面は、第2の外面を通って延び、第2の紆曲路のほぼ第2の中心を通ってナビゲートする第2の紆曲路の第2の長さを表す第2の紆曲値を規定し、第2の長さは、第2の紆曲路に沿って移動している間の累積方向転換度が少なくとも100度に等しくなる第2の終点に到達するまで第2の紆曲路に沿って第2の入口点から延び、第2の紆曲値は、第1の紆曲値より少なくとも5倍大きい。
【0153】
別の例(「例141」)によれば、例140に加えて、第2の紆曲比は、第1の紆曲比よりも少なくとも50倍大きい。
【0154】
別の例(「例142」)によれば、例140に加えて、第2の紆曲比は、第1の紆曲比よりも少なくとも500倍大きい。
【0155】
別の例(「例143」)によれば、例140~142のいずれか1つに加えて、第2のコードは、約1μm~約200μmのフィブリル間距離を有する連結された繊維のネットワークを含むマイクロ繊維材料を含む。
【0156】
別の例(「例144」)によれば、例140~143のいずれか1つに加えて、第1のコードは、連結されていない繊維の束を含む。
【0157】
別の例(「例145」)によれば、例140~143のいずれか1つに加えて、第1のコードは、連結された繊維の束を含む。
【0158】
別の例(「例146」)によれば、例140~145のいずれか1つに加えて、第1のコード及び第2のコードは、異なる親水性を有する。
【0159】
別の例(「例147」)によれば、例140~146のいずれか1つに加えて、第1のコードは、重量基準の第2のコードよりも重量基準でより多くの水を吸収する。
【0160】
別の例(「例148」)によれば、例140~147のいずれか1つに加えて、第2のコードは1.0gcm-3以下の密度を有し、第1のコードは1.0gcm-3以上の密度を有する。
【0161】
別の例(「例149」)によれば、例140~147のいずれか1つに加えて、第2のコードは、0.1~1.0gcm-3の平均密度を有する。
【0162】
別の例(「例150」)によれば、例140~149のいずれか1つに加えて、第2のコードは、約1~約2000の平均フィブリル間距離(μm)の平均密度(gcm-3)に対する比を有する。
【0163】
別の例(「例151」)によれば、例140~149のいずれか1つに加えて、第2のコードは、1gcm-3以下の密度を有する領域を有する。
【0164】
別の例(「例152」)によれば、例140~149のいずれか1つに加えて、第2のコードは、1.7gcm-3以上の密度を有する領域を有する。
【0165】
別の例(「例153」)によれば、例140~152のいずれか1つに加えて、第2のコードは、少なくとも1つの膨張フルオロポリマーを含む。
【0166】
別の例(「例154」)によれば、例153に加えて、膨張フルオロポリマーは、延伸フッ素化エチレンプロピレン(eFEP)、多孔質ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、延伸エチレンテトラフルオロエチレン(eETFE)、延伸フッ化ビニリデン-コ-テトラフルオロエチレン又はトリフルオロエチレンポリマー(eVDF-co-(TFE又はTrFE))、又は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)のうちの1つである。
【0167】
別の例(「例155」)によれば、例140~154のいずれか1つに加えて、栽培基材は、少なくとも1つの膨張熱可塑性ポリマーを含む。
【0168】
別の例(「例156」)によれば、例155に加えて、膨張熱可塑性ポリマーは、膨張ポリエステルスルホン(ePES)、膨張超高分子量ポリエチレン(eUHMWPE)、膨張ポリ乳酸(ePLA)、又は膨張ポリエチレン(ePE)のうちの1つである。
【0169】
別の例(「例157」)によれば、例140~156のいずれか1つに加えて、栽培基材は、少なくとも1つの膨張ポリマーを含む。
【0170】
別の例(「例158」)によれば、例157に加えて、膨張ポリマーは、膨張ポリウレタン(ePU)である。
【0171】
別の例(「例159」)によれば、例140~158のいずれか1つに加えて、栽培基材は、膨張化学気相成長(CVD)によって形成された少なくとも1つのポリマーを含む。
【0172】
別の例(「例160」)によれば、例140~159のいずれか1つに加えて、栽培基材は、膨張ポリパラキシリレン(ePPX)を含む。
【0173】
別の例(「例161」)によれば、例140~160のいずれか1つに加えて、第1のコードは、スパン/フィラメントポリエステル、スパン/フィラメントナイロン、スパンHEMP、及び天然繊維からなる材料の群から選択される少なくとも1つの材料である。
【0174】
別の例(「例162」)によれば、例140~161のいずれか1つに加えて、第2のコードは、相互接続された繊維を含む少なくとも1つの材料を含む。
【0175】
別の例(「例163」)によれば、例140から162のいずれか1つに加えて、第1のコードは、少なくとも1つの材料を含み、複数の繊維を有し、少なくとも材料内の別の繊維に接続されていない少なくとも1つの端部を有する。
【0176】
別の例(「例164」)によれば、例140~163のいずれか1つに加えて、栽培基材は、組紐、編物、ヤーン、カバードヤーン、不織布、織物、布、微粒子分散体、ビーズ、ステッチボンド布、及び積層体からなる形態の群から選択される形態のうちの少なくとも1つである。
【0177】
別の例(「例165」)によれば、例140~164のいずれか1つに加えて、栽培基材の表面は、相対的に高親水性の領域と相対的に低親水性の領域とを有する。
【0178】
別の例(「例166」)によれば、例165に加えて、栽培基材の表面上の相対的に高親水性の領域は、ランダムに離間している。
【0179】
別の例(「例167」)によれば、例165に加えて、栽培基材の表面上の相対的に高親水性の領域は、均一に離間している。
【0180】
別の例(「例168」)によれば、例165~157のいずれか1つに加えて、相対的に高親水性の領域は、互いに約0.9~約1.0mmの範囲内の任意の距離だけ離れている。
【0181】
別の例(「例169」)によれば、例165~167のいずれか1つに加えて、相対的に高親水性の領域は、平均して互いに約1.0mm以上離れている。
【0182】
別の例(「例170」)によれば、例140~169のいずれか1つに加えて、第2のコードは、表面を有するコアを形成する。
【0183】
別の例(「例171」)によれば、例170に加えて、第1のコードはバンドを形成し、バンドは第2のコードの表面の少なくとも一部分に付着されている。
【0184】
別の例(「例172」)によれば、例171に加えて、バンドは、互いに約0.9mm~約10mmの範囲から選択される任意の距離で互いに離間している。
【0185】
別の例(「例173」)によれば、例171に加えて、バンドは、互いに約10mmを超えて離間している。
別の例(「例174」)によれば、例170に加えて、第1のコードは、規則的又は不規則的に離間したバンドの形態であり、バンドは、コアの表面に均一に又はランダムに付着され、各バンドは、第2のコードの周りの第1のコードの単一の巻き付けによって規定される。
【0186】
【0187】
別の例(「例175」)によれば、例170に加えて、第1のコードは、少なくとも1つのロープの形態であり、少なくとも1つのロープは、コアの表面の少なくとも一部分の周りに巻かれている。
【0188】
別の例(「例176」)によれば、例170に加えて、第1のコードは、少なくとも1つのリボンの形態であり、少なくとも1つのリボンは、コアの表面の少なくとも一部分の周りに巻かれている。
【0189】
別の例(「例177」)によれば、例170~176のいずれか1つに加えて、コアは、ロープ、シート、支柱、層、及びロッドからなる形態の群から選択される少なくとも1つの形態である。
【0190】
別の例(「例178」)によれば、例140~169のいずれか1つに加えて、栽培基材は、少なくとも1つの第2のコードと少なくとも1つの第1のコードとを含む編組の形態である。
【0191】
別の例(「例179」)によれば、例140~179のいずれか1つに加えて、複合物は、少なくとも1つの第1のコードと少なくとも1つの第2のコードとを含むカバードヤーンの形態である。
【0192】
別の例(「例180」)によれば、例179に加えて、第1のコードは、第2のコードの周りに巻かれている。
【0193】
別の例(「例181」)によれば、例180に加えて、第2のコードの表面の約0.9mm~約1.0mmの反復部分は、第1のコードによって被覆されていない。
【0194】
別の例(「例182」)によれば、例180に加えて、第2のコードの表面の約1.0mmを超える反復部分は、第1のコードによって被覆されていない。
【0195】
別の例(「例183」)によれば、例140~182のいずれか1つに加えて、第1のコードは、栽培基材上の海藻の捕捉を促進する間隔で第2のコードの表面に付着されている。
【0196】
別の例(「例184」)によれば、例140~183のいずれか1つに加えて、栽培基材は、大型藻類の付着及び/又は成長を促進する少なくとも1つの栄養素を含む。
【0197】
別の例(「例185」)によれば、例140から184のいずれか1つに加えて、第2のコードは、マイクロ繊維材料を含み、マイクロ繊維材料は、少なくとも1つのより高い多孔性領域と、少なくとも1つのより低い多孔性領域とを有する。
【0198】
別の例(「例186」)によれば、例185に加えて、マイクロ繊維材料は、より大きいフィブリル間距離部分と、より小さいフィブリル間距離部分とを含む。
【0199】
別の例(「例187」)によれば、例186に加えて、フィブリル間距離部分は、フィブリル間距離部分の軸方向配向を規定する。
【0200】
別の例(「例188」)によれば、例140~187のいずれか1つに加えて、第1のコードと第2のコードは、異なる親水性を有し、第1のコードと第2のコードは、互いにランダムに関連付けられている。
【0201】
別の例(「例189」)によれば、例140~188のいずれか1つに加えて、ロッド、バッカー層、中空管、中実シャフト、ロープ、ケージ、ボード、バー、生育モジュール、線形フレーム、及び円形フレームからなる群から選択される1つ以上の構造要素を更に含む。
【0202】
別の例(「例190」)によれば、例140~189のいずれか1つに加えて、合成繊維、天然繊維、プラスチック、木材、金属、被覆金属、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの材料を更に含む。
【0203】
別の例(「例191」)によれば、例140~190のいずれか1つに加えて、栽培基材は、胞子の捕捉、発育、及び成長を促進するように構成されている。
【0204】
別の例(「例192」)によれば、例140~190のいずれか1つに加えて、栽培基材は、胞子体、配偶体、幼若胞子体、幼若植物、及び成熟植物からなる群から選択される少なくとも1つの形態の海藻成長サイクルの捕捉、発育、及び成長を促進するように構成されている。
【0205】
別の例(「例193」)によれば、例140~190のいずれか1つに加えて、栽培基材は、胞子体、配偶体、幼若胞子体、幼若植物、及び成熟植物からなる群から選択される少なくとも1つの形態の大型藻類の直接播種を促進するように構成されている。
【0206】
別の例(「例194」)によれば、例193に加えて、接着剤及びバイオグルーからなる群から選択される少なくとも1つの外因性結合剤を更に含む。
【0207】
別の例(「例195」)によれば、例193に加えて、栽培基材は、外因性結合剤を実質的に含んでいない。
【0208】
別の例(「例196」)によれば、例140から195のいずれか1つに加えて、第2のコードは、海藻付着器の内部成長及び/又は発育を可能にするように構成されている。
【0209】
別の例(「例197」)によれば、例140~196のいずれか1つに加えて、第1のコードは、胞子体、配偶体、幼若胞子体、幼若植物、及び成熟植物からなる群から選択される海藻の成長及び生殖の1つ以上の要素の捕捉を容易にするように構成されている。
【0210】
別の例(「例198」)によれば、例140~197のいずれか1つに加えて、複合材料は、紅藻類、褐藻類、及び緑色藻類からなる群から選択される少なくとも1つの種の大型藻類の捕捉及び/又は成長を促進するように構成されている。
【0211】
別の例(「例199」)によれば、例140~197のいずれか1つに加えて、栽培基材は、ダルス(palmaria palmata)、ポルフィラ(porphyra)、パイロピア(pyropia)、及びカラフトコンブ(saccharina latissima)からなる群から選択される少なくとも1つの種の大型藻類の捕捉及び/又は成長を促進するように構成されている。
【0212】
別の例(「例200」)によれば、例140~199のいずれか1つに加えて、第2のコードは、大型藻類成長サイクルの少なくとも1つの形態の捕捉を促進するように構成され、高紆曲度材料は、海藻付着器の成長、発育、及び付着を促進するように構成されている。
【0213】
別の例(「例201」)によれば、例140~200のいずれか1つに加えて、第1のコードは、海藻植物をしっかりと固定するように構成されている。
【0214】
別の例(「例202」)によれば、海藻の水産養殖における使用のための複合材料は、1インチ当たり少なくとも5ピックを有する8キャリアダイヤモンド編組を含み、8キャリアダイヤモンド編組は、第1の群の4キャリアと第2の群の4キャリアとを有し、第1の群の4キャリアの各々は、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)繊維の一端を有し、ePTFE繊維の各々は、1.0g/cc未満の密度、1μm~50μm(両端含む)の典型的なフィブリル間間隔、及び少なくとも1000デニールの線質量密度を有し、第1の群の4キャリアの各々は、8/1スパンポリエステル繊維の一端を更に含み、第2の群の4キャリアの各々は、8/1スパンポリエステル繊維の2つの端を有する。
【0215】
別の例(「例203」)によれば、海藻の水産養殖における使用のための複合材料は、1インチ当たり少なくとも5ピックを有する8キャリアダイヤモンド編組を含み、100%ePTFE繊維で織られた8キャリアダイヤモンド編組は、少なくとも8つのキャリアを有し、少なくとも8つのキャリアの各々は、ePTFE繊維の一端を有し、ePTFE繊維の各々は、1.0g/cc未満の密度、1μm~50μm(両端含む)の典型的なフィブリル間間隔、及び少なくとも1000デニールの線質量密度を有する。
【0216】
別の例(「例204」)によれば、水生環境において海藻植物の付着器を固定するための海藻栽培基材は、例202~203の材料のいずれか1つと、基材を固定物体に固定するための少なくとも1つの特徴とを含む。
【0217】
別の例(「例205」)によれば、ダルスを栽培するための方法は、例202~203のいずれか1つの材料のいずれか1つを提供することと、材料と胞子、胞子体、幼若胞子体、配偶体、幼若植物、及び成熟植物からなる形態から選択される少なくとも1つの形態のダルス(palmaria palmata)と接触させることと、を含む。
【0218】
別の例(「例206」)によれば、海藻栽培基材は、より多孔質の栽培基材材料と、より多孔質の栽培基材材料に隣接して配置されるより多孔質でない栽培基材材料と、水生植物とを含み、水生植物は、より多孔質の栽培基材材料上及びより多孔質の栽培基材材料内に成長する植物物質を有し、より多孔質の栽培基材上及びより多孔質の栽培基材内への植物物質の成長は、植物-材料界面を形成し、植物-材料界面は、より多孔質の栽培基材上での植物物質の成長の第1の部分と、より多孔質の栽培基材内への植物物質の成長の隣接する第2の部分との間に境界を有し、第1の部分及び第2の部分は共に、境界における植物物質の成長の100μmの厚さを規定し、100μmの厚さの第1の半分は、より多孔質の栽培基材上での植物物質の成長であり、100μmの厚さの第2の半分は、より多孔質の栽培基材内への植物物質の成長であり、第1の部分及び第2の部分は共に、植物-材料界面での境界にわたる植物物質の成長の遷移を規定し、第2の半分における植物物質の成長の密度は、第1の半分における植物物質の成長の密度の少なくとも50%である。
【0219】
別の例(「例207」)によれば、例206に加えて、第1の材料は、第2の材料よりも少なくとも10倍多孔質である。
【0220】
別の例(「例208」)によれば、例206~207のいずれか1つに加えて、植物-材料界面の断面は、材料上及び材料内に成長する植物の側面図を作製し、規定された境界によって二分された境界領域は、二分された領域の第1の半体及び二分された領域の第2の半体を形成し、二分された境界領域の第1の半体は、自然に成長する水生植物のみを含み、二分された境界領域の第2の半体は、材料と植物物質との混合物を含み、二分された境界領域の第1の半体における植物物質の量と、二分された境界領域の第2の半体における植物物質の量とが比を決定する。
【0221】
別の例(「例209」)によれば、例208に加えて、第1の比は、植物とより多孔質の材料との間の規定された境界によって二分された境界内領域を使用して決定され、第2の比は、植物とより多孔質でない材料との間の規定された境界によって二分された境界内領域によって決定される。
【0222】
別の例(「例210」)によれば、例209に加えて、第1の比は、第2の比より5倍小さい。
【0223】
別の例(「例211」)によれば、例209に加えて、第1の比は、第2の比より10倍も小さい。
【0224】
別の例(「例212」)によれば、例206~211のいずれか1つに加えて、より多孔質でない材料は、スパン/フィラメントポリエステル、スパン/フィラメントナイロン、スパンHEMP、及び天然繊維からなる群から選択される少なくとも1つの材料である。
【0225】
別の例(「例213」)によれば、例206~212のいずれか1つに加えて、より多孔質の材料は、延伸フッ素化エチレンプロピレン(eFEP)、多孔質ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、延伸エチレンテトラフルオロエチレン(eETFE)、延伸フッ化ビニリデン-コ-テトラフルオロエチレン若しくはトリフルオロエチレンポリマー(eVDF-co-(TFE若しくはTrFE))、又は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)からなる群から選択される少なくとも1つの材料である。
【0226】
別の例(「例214」)によれば、例206~213のいずれか1つに加えて、少なくとも2つの多孔質材料が組み合わされてスパンヤーンを形成する。
【0227】
別の例(「例215」)によれば、例206~214のいずれか1つに加えて、少なくとも1つの構造要素を更に含む。
【0228】
別の例(「例216」)によれば、例206~215のいずれか1つに加えて、基材を特定の位置に固定するための少なくとも1つの要素を更に含む。
【0229】
別の例(「例217」)によれば、例206~216のいずれか1つに加えて、水生植物は、大型藻類である。
【0230】
別の例(「例218」)によれば、栽培基材上の内部成長を測定する方法は、水生植物と、水生植物と栽培基材とが組み合わされた領域である組み合わせゾーンと、の間の境界を通って水生植物及び栽培基材の一部分を横断する工程と、水生植物と組み合わせゾーンとの間の境界にわたる断面を撮像し、画像は、境界にわたって配置された100μm×100μmのフレームを二分するように配置することを含む、工程と、主に植物から構成される二分されたフレームの第1の半体の第1の画像内の植物材料の第1の量と、水生植物及び栽培基材から構成される二分されたフレームの第2の半体の第2の画像内の植物材料の第2の量と、を比較する工程と、植物材料の第1の量を植物材料の第2の量と比較することによって成長の程度をスコア付けする工程であって、スコア付けは、第2の量の値が第1の量の値の少なくとも50%であることを示す、スコア付けする工程とを含む。
【0231】
別の例(「例219」)によれば、例218に加えて、撮像工程を実行する前に断面を造影剤で処理することを更に含む。
【0232】
別の例(「例220」)によれば、例218~219のいずれか1つに加えて、撮像工程は、可視撮像、蛍光撮像、及び電子顕微鏡法からなる群から選択される技術を使用する。
【0233】
別の例(「例221」)によれば、水生環境で使用するための海藻栽培システムは、水生環境で海藻植物を支持するのに十分なロープ長さを有するロープであって、ロープ長さを延長してロープの引張強度を規定する第1の繊維材料を有し、ロープは、第1の繊維材料に隣接して配置され、ロープの外部に第2の材料の多孔質表面を提示するように更に配置された第2の材料を更に有する、ロープと、第2の材料の多孔質表面に係合して付着器の両方の第1の部分が第2の材料の多孔質表面に隣接し、付着器に隣接する第2の部分が第2の材料の多孔質表面を貫通する係合ゾーンを規定する海藻植物の付着器であって、ロープ長さがロープの軸を規定し、係合ゾーンは、ロープ軸に垂直に配置されたロープの切断部分に設けられた断面図において観察可能である、付着器と、を備え、係合ゾーンの画像は、100μm×100μmの正方形フレーム係合ゾーンが適用されて、正方形フレーム係合ゾーンの第1の半体を付着器の第1の部分のうちの1つの上に配置し、正方形フレーム係合ゾーンの第2の半体を付着器の第2の部分のうちの1つの上に配置する係合領域を更に含み、正方形フレーム係合ゾーンの第1の半体は、100%海藻植物ベンチマーク値を規定するために、完全に天然に配置された海藻植物材料を含む画像の第1の可視領域を囲み、正方形フレーム係合ゾーンの第2の半体は、100%海藻植物ベンチマーク値と比較して少なくとも50%の海藻植物材料を含む画像の第2の可視領域を囲む。
【0234】
別の例(「例222」)によれば、例221に加えて、海藻植物材料の存在は、可視光の使用によって観察可能である。
【0235】
別の例(「例223」)によれば、例221に加えて、海藻植物材料の存在は、蛍光可能光源の使用によって観察可能であり、海藻植物材料は、蛍光可能光源に対して露出されると蛍光を発する。
【0236】
別の例(「例224」)によれば、例221~223のいずれか1つに加えて、第2の可視領域は、100%海藻植物ベンチマーク値と比較して少なくとも75%の海藻植物材料である。
【0237】
別の例(「例225」)によれば、例221~223のいずれか1つに加えて、第2の可視領域は、100%海藻植物ベンチマーク値と比較して少なくとも90%の海藻植物材料である。
【0238】
別の例(「例226」)によれば、例221~223のいずれか1つに加えて、第2の可視領域は、100%の海藻植物ベンチマーク値と比較して50~90%の海藻植物材料である。
【0239】
別の例(「例227」)によれば、例221~223のいずれか1つに加えて、第2の可視領域は、100%海藻植物ベンチマーク値と比較して50~75%の海藻植物材料である。
【0240】
別の例(「例228」)によれば、例218~224のいずれか1つに加えて、第2の材料は、第1の繊維材料の少なくとも一部分と編まれる。
【0241】
別の例(「例229」)によれば、例228に加えて、編まれた第2の材料は、ロープ長に沿って変化する非連続的な外向き位置において第2の材料の部分を提供するように配置される。
【0242】
別の例(「例230」)によれば、例221~227のいずれか1つに加えて、第2の材料は、第1の繊維材料の外面上に配置される。
【0243】
別の例(「例231」)によれば、例221~227のいずれか1つに加えて、第2の材料は、ロープ長に沿った複数の別個の非連続的な位置に配置される。
【0244】
別の例(「例232」)によれば、例221~232のいずれか1つに加えて、第2の材料は、延伸フッ素化エチレンプロピレン(eFEP)、多孔質ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、延伸エチレンテトラフルオロエチレン(eETFE)、延伸フッ化ビニリデン-コ-テトラフルオロエチレン又はトリフルオロエチレンポリマー(eVDF-co-(TFE又はTrFE))、及び延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)からなる群から選択される少なくとも1つの材料である。
【0245】
別の例(「例233」)によれば、例221~232のいずれか1つに加えて、付着器は、少なくとも7日間の期間にわたって第2の材料内に成長している。
【0246】
別の例(「例234」)によれば、例221~232のいずれか1つに加えて、付着器は、少なくとも1ヶ月の期間にわたって第2の材料内に成長している。
【0247】
別の例(「例235」)によれば、例221~232のいずれか1つに加えて、付着器は、少なくとも3ヶ月の期間にわたって第2の材料内に成長している。
【0248】
別の例(「例236」)によれば、例221~232のいずれか1つに加えて、付着器は、海藻植物の栽培に適した季節によって規定される期間にわたって第2の材料内に成長している。
【0249】
別の例(「例237」)によれば、例221~232のいずれか1つに加えて、付着器は、海藻植物の胞子段階によって規定される期間にわたって第2の材料内に成長している。
【0250】
別の例(「例238」)によれば、例221~232のいずれか1つに加えて、付着器は、海藻植物の播種段階によって規定される期間にわたって第2の材料内に成長している。
【0251】
別の例(「例239」)によれば、例221~232のいずれか1つに加えて、付着器は、海藻植物の幼若段階によって規定される期間にわたって第2の材料内に成長している。
【0252】
別の例(「例240」)によれば、水生環境で使用するための海藻栽培システムは、水生環境で海藻を支持するのに十分なロープ長を有するロープを含み、ロープは、ロープ長を延長してロープの引張強度を規定する第1の繊維材料を有し、ロープは、第1の繊維材料に隣接して配置され、ロープの外部に第2の材料の多孔質表面を提供するように更に配置された第2の材料を更に有し、第1の材料及び第2の材料は、互いに隣接して配置され、ロープの外面上に海藻成長支持面を提示し、隣接する第1の材料及び第2の材料は、第1の材料内に延びる第1の自然経路及び第2の材料内に延びる第2の自然経路の画像を提供するように顕微鏡レベルで視認可能であり、第1の材料の画像は第1の材料の第1の紆曲値を規定し、第2の材料の画像は第2の材料の第2の紆曲値を規定し、第2の材料の紆曲値は、第1の材料の紆曲値より大きい。
【0253】
別の例(「例241」)によれば、例240に加えて、画像は、コードの三次元図に適用される二次元斜視図である。
【0254】
別の例(「例242」)によれば、例240~241のいずれか1つに加えて、画像は、第1の材料と第2の材料の両方を含む。
【0255】
別の例(「例243」)によれば、例240~241のいずれか1つに加えて、画像は、第1の材料の第1の画像と第2の材料の第2の画像とを含む。
【0256】
別の例(「例244」)によれば、例240~243のいずれか1つに加えて、画像は、第1の自然経路及び/又は第2の自然経路を追跡するために画像に適用される追跡によって強調される。
【0257】
別の例(「例245」)によれば、例240~244のいずれか1つに加えて、海藻植物の内部成長はコード内に存在し、画像は、内部成長によって規定される自然経路を追跡するために画像に適用される追跡によって強調される。
【0258】
別の例(「例246」)によれば、例240~245のいずれか1つに加えて、自然経路は、コードの中点に向かう方向に進むように規定される。
【0259】
別の例(「例247」)によれば、例240~246のいずれか1つに加えて、自然経路は、コード表面に直交する方向に進むように規定される。
【0260】
別の例(「例248」)によれば、例240~247のいずれか1つに加えて、自然経路は、自然経路の角度を提供する一連の方向転換を含む。
【0261】
別の例(「例249」)によれば、例240~248のいずれか1つに加えて、自然経路は、自然経路の終点を規定する。
【0262】
別の例(「例250」)によれば、例249に加えて、終点は、コード表面に対する直線深さを規定する。
【0263】
別の例(「例251」)によれば、例240~250のいずれか1つに加えて、第1の紆曲値は、第1の自然経路の長さ及び第1の終点を有する第1の自然経路と第1の深さとの比較に基づき、第1の紆曲値は、2未満、1~2、1~1.75、1~1.50、及び1~1.25のうちの少なくとも1つである。
【0264】
別の例(「例252」)によれば、例240~251のいずれか1つに加えて、第2の紆曲値は、第2の自然経路の長さ及び第2の終点を有する第2の自然経路と第2の深さとの比較に基づき、第2の紆曲値は、2~200(両端含む)の範囲、2~100(両端含む)の範囲、2~50(両端含む)の範囲、2~10(両端含む)の範囲、2~5(両端含む)の範囲、2~3(両端含む)の範囲、5~200(両端含む)の範囲、5~100(両端含む)の範囲、5~50(両端含む)の範囲、5~10(両端含む)の範囲、10~200(両端含む)の範囲、10~100(両端含む)の範囲、10~50(両端含む)の範囲、50~200(両端含む)の範囲、50~100(両端含む)の範囲、及び100~200(両端含む)の範囲のうちの1つである。
【0265】
別の例(「例253」)によれば、例240~252のいずれか1つに加えて、第2の紆曲値は、第2の自然経路の長さ及び第2の終点を有する第2の自然経路と第2の深さとの比較に基づき、第2の紆曲値は、2以上、5以上、10以上、20以上、50以上、100以上、及び200以上のうちの1つである。
【0266】
別の例(「例254」)によれば、例240~253のいずれか1つに加えて、第1の紆曲値は、第1の自然経路の第1の単位長さ当たりの第1の自然経路に沿って経験される方向転換量に基づき、第1の紆曲値は、3.00度/μm未満である。
【0267】
別の例(「例255」)によれば、例240~254のいずれか1つに加えて、第2の紆曲値は、第2の自然経路の第2の単位長さ当たりの第2の自然経路に沿って経験される方向転換量に基づき、第2の紆曲値は、3~1000度/μm、3~500度/μm(両端含む)の範囲、3~200度/μm(両端含む)の範囲、3~100度/μm(両端含む)の範囲、3~50度/μm(両端含む)の範囲、3~10度/μm(両端含む)の範囲、3~5度/μm(両端含む)の範囲、5~1000度/μm(両端含む)の範囲、5~500度/μm(両端含む)の範囲、5~200度/μm(両端含む)の範囲、5~100度/μm(両端含む)の範囲、5~50度/μm(両端含む)の範囲、5~10度/μm(両端含む)の範囲、7~1000度/μm(両端含む)の範囲、7~500度/μm(両端含む)の範囲、7~200度/μm(両端含む)の範囲、7~100度/μm(両端含む)の範囲、7~50度/μm(両端含む)の範囲、及び7~10度/μm(両端含む)の範囲のうちの1つである。
【0268】
別の例(「例256」)によれば、例240~255のいずれか1つに加えて、第2の紆曲値は、第2の自然経路の第2の単位長さ当たりの第2の自然経路に沿って経験される方向転換量に基づき、第2の紆曲値は、3度/μm以上、5度/μm以上、7度/μm以上、及び10度/μm以上のうちの1つである。
【0269】
別の例(「例257」)によれば、例240~256のいずれか1つに加えて、第1の紆曲値は、第1の深さ前進部分及び第1の深さ中立部分を有する第1の自然経路に基づき、更に、第1の深さ前進部分及び第1の深さ中立部分の合計と比較した第1の深さ中立部分の百分率に基づき、第1の紆曲値は30%未満である。
【0270】
別の例(「例258」)によれば、例240~257のいずれか1つに加えて、第2の紆曲値は、第2の深さ前進部分及び第2の深さ中立部分を有する第2の自然経路に基づき、更に、第2の深さ前進部分及び第2の深さ中立部分の合計と比較した第2の深さ中立部分の百分率に基づき、第2の紆曲値は、30~90%(両端含む)の範囲、30~80%(両端含む)の範囲、30~70%(両端含む)の範囲、30~60%(両端含む)の範囲、30~50%(両端含む)の範囲、30~40%(両端含む)の範囲、40~90%(両端含む)の範囲、40~80%(両端含む)の範囲、40~70%(両端含む)の範囲、40~60%(両端含む)の範囲、40~50%(両端含む)の範囲、50~90%(両端含む)の範囲、50~80%(両端含む)の範囲、50~70%(両端含む)の範囲、50~60%(両端含む)の範囲、60~90%(両端含む)の範囲、60~80%(両端含む)の範囲、60~70%(両端含む)の範囲、70~90%(両端含む)の範囲、70~80%(両端含む)の範囲、80~90%(両端含む)の範囲のうちの少なくとも1つである。
【0271】
別の例(「例259」)によれば、例240~258のいずれか1つに加えて、第2の紆曲値は、第2の深さ前進部分及び第2の深さ中立部分を有する第2の自然経路に基づき、更に、第2の深さ前進部分及び第2の深さ中立部分の合計と比較した第2の深さ中立部分の百分率に基づき、第2の紆曲値は、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、及び90%以上のうちの1つである。
【0272】
別の例(「例260」)によれば、例240~259のいずれか1つに加えて、第1の紆曲値は、コード表面によって二分された正方形フレームを有する第1の画像に適用された100μm正方形フレーム内の第1の材料への海藻の内部成長の視覚的存在に基づき、更に、正方形フレームの第1の半体における海藻の視覚的存在と正方形フレームの第2の半体との比較に基づき、第1の紆曲値は、10%~25%の範囲である。
【0273】
別の例(「例261」)によれば、例240~260のいずれか1つに加えて、第2の紆曲値は、コード表面によって二分された正方形フレームを有する第2の画像に適用された100μmの正方形フレーム内の第2の材料への海藻内部成長の視覚的存在に基づき、更に、正方形フレームの第1の半体と正方形フレームの第2の半体とにおける海藻の視覚的存在の比較に基づき、第1の紆曲値は、25%~90%(両端含む)の範囲、30~90%(両端含む)の範囲、30~80%(両端含む)の範囲、30~70%(両端含む)の範囲、30~60%(両端含む)の範囲、30~50%(両端含む)の範囲、30~40%(両端含む)の範囲、40~90%(両端含む)の範囲、40~80%(両端含む)の範囲、40~70%(両端含む)の範囲、40~60%(両端含む)の範囲、40~50%(両端含む)の範囲、50~90%(両端含む)の範囲、50~80%(両端含む)の範囲、50~70%(両端含む)の範囲、50~60%(両端含む)の範囲、60~90%(両端含む)の範囲、60~80%(両端含む)の範囲、60~70%(両端含む)の範囲、70~90%(両端含む)の範囲、70~80%(両端含む)の範囲、及び80~90%(両端含む)の範囲のうちの少なくとも1つである。
【0274】
別の例(「例262」)によれば、例240~261のいずれか1つに加えて、第2の紆曲値は、コード表面によって二分された正方形フレームを有する第2の画像に適用された100μm正方形フレーム内の第2の材料への海藻内部成長の視覚的存在に基づき、更に、正方形フレームの第1の半体と正方形フレームの第2の半体とにおける海藻の視覚的存在の比較に基づき、第1の紆曲値は、25%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、及び90%以上のうちの1つである。
【0275】
別の例(「例263」)によれば、例240~262のいずれか1つに加えて、視覚的存在は、可視光の存在である。
【0276】
別の例(「例264」)によれば、例240~262のいずれか1つに加えて、視覚的存在は、蛍光の存在である。
【0277】
別の例(「例265」)によれば、例240~263のいずれか1つに加えて、第1の材料及び第2の材料は、コード内で編組を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0278】
【
図1A】
図1Aは、コア、シングルカバードヤーン、及びダブルカバードヤーン、並びにシングルカバードヤーン及びダブルカバードヤーンを形成する工程の図である。
【0279】
【0280】
【
図2A】
図2Aは、「緩く」巻かれたカバードヤーンの図である。
【0281】
【
図2B】
図2Bは、「きつく」巻かれたカバードヤーンの図である。
【0282】
【
図3】
図3は、低紆曲度を有する材料の表面上に主に位置するように示された海藻を伴うカバードヤーンの図である。
【0283】
【
図4A】
図4Aは、高紆曲度マイクロ繊維材料の編組の図である。
【0284】
【
図4B】
図4Bは、高紆曲度マイクロ繊維材料と、低紆曲度を有する材料とを含む複合編組の図である。
【0285】
【
図4C】
図4Cは、高紆曲度マイクロ繊維材料と、低紆曲度を有する材料とを含む2つの編組複合物の図である。
【0286】
【
図5】
図5は、海藻の成長を支持する編組複物の表面のカラー写真である。
【0287】
【
図6】
図6は、マイクロ繊維材料の表面に付着した海藻付着器の一部分を示す走査型電子顕微鏡写真(SEM)画像である。画像は、画像に記された倍率及び縮尺である。
【0288】
【
図7】
図7は、マイクロ繊維材料の表面上及び繊維間空間への海藻付着器つるの成長を示すSEM画像である。画像は、画像に記された縮尺である。
【0289】
【
図8】
図8は、マイクロ繊維材料上及びマイクロ繊維材料内に成長した海藻付着器の一部分の断面のSEM画像である。画像は、画像に記された縮尺である。
【0290】
【
図9A】
図9Aは、海藻の成長を支持する複合材料の一部分のSEM画像である。画像は、画像に記された縮尺である。
【0291】
【
図9B】
図9Bは、
図9Aに示される複合材料の一部分の拡大SEM画像である。画像は、画像に記された縮尺である。
【0292】
【
図9C】
図9Cは、
図9Aに示される複合材料の一部分の拡大SEM画像である。画像は、画像に記された縮尺である。
【0293】
【
図10A】
図10Aは、
図9Aと同じSEM画像であるが、構成要素材料を通る紆曲経路を追跡する線と、材料を通る仮想直線経路を示す対をなす直線とが追加されている。画像は、画像に記された縮尺である。
【0294】
【
図10B】
図10Bは、
図9Bと同じSEM画像であるが、構成要素材料を通る紆曲経路をたどる線と、材料を通る仮想直線経路を示す対をなす直線とが追加されている。画像は、画像に記された縮尺である。
【0295】
【
図10C】
図10Cは、
図9Cと同じSEM画像であるが、構成要素材料を通る紆曲経路をたどる線と、材料を通る仮想直線経路を示す対をなす直線とが追加されている。画像は、画像に記された縮尺である。
【0296】
【
図11A】
図11Aは、
図9A及び
図10Aと同じSEM画像であるが、構成要素材料を通る紆曲経路をたどる一連のベクトルが追加されている。画像は、画像に記された縮尺である。
【0297】
【
図11B】
図11Bは、
図9B及び
図10Bの同じSEM画像であるが、構成要素材料を通る紆曲経路を追跡する一連のベクトルが追加されている。画像は、画像に記された縮尺である。
【0298】
【
図12】
図12は、高紆曲度マイクロ繊維材料と、低紆曲度を有する材料とを含む複合8キャリアダイヤモンド編組の図である。画像は、定規のイラスト上に表示されたミリメートル及びインチを用いて、画像に記されたスケールに合わせられる。
【0299】
【
図13】
図13は、ePTFE及びスパンポリエステルを含む複合栽培基材と接触して成長する水生植物の拡大写真画像である。画像は、画像に記された縮尺である。
【0300】
【
図14A】
図14Aは、複合栽培基材上及び複合栽培基材内に成長する水生植物の一部分の断面図の拡大可視光写真画像である。画像は、画像に記された縮尺である。
【0301】
【0302】
【
図15A】
図15Aは、複合栽培基材上及び複合栽培基材内に成長する水生植物の一部分の断面図の拡大可視光写真画像である。画像は、画像に記された縮尺である。
【0303】
【0304】
【
図16】
図16は、海藻の成長を示す2つのコード部分の写真画像である。
【0305】
当業者であれば容易に認識するように、本明細書で参照される添付の図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、本開示の様々な形態を示すために誇張されている又は概略的に示されている場合があり、その点に関して、図面は限定するものとして解釈されるべきではないことに留意されたい。
【発明を実施するための形態】
【0306】
定義及び用語
本開示は、限定的に読まれることを意味しない。例えば、本出願において使用される用語は、当業者がそのような用語に帰属させる意味の文脈において広く読まれるべきである。
【0307】
不正確さの用語に関して、「約」及び「およそ」という用語は、述べられた測定値を含み、述べられた測定値に合理的に近い任意の測定値も含む測定値を指すために互換的に使用され得る。述べられた測定値に合理的に近い測定値は、関連分野の当業者によって理解され、容易に確認されるように、述べられた測定値から合理的に少量だけ逸脱する。そのような逸脱は、例えば、測定誤差、測定及び/又は製造機器較正の差、測定の読み取り及び/又は設定におけるヒューマンエラー、他の構成要素に関連する測定の差を考慮して性能及び/又は構造パラメータを最適化するために行われる微調整、特定の実装シナリオ、人又は機械による物体の不正確な調整及び/又は操作などに起因し得る。当業者がそのような合理的に小さい差の値を容易に確認しないであろうと判定される場合、用語「約」及び「およそ」は、述べられた値のプラス又はマイナス10%を意味すると理解され得る。
【0308】
本明細書では、便宜上、特定の用語を使用する。例えば、「上」、「下」、「上側」、「下側」、「左」、「左向き」、「右」、「右向き」、「水平」、「垂直」、「上向き」、及び「下向き」などの語は、図に示された構成又は設置位置における部品の向きを単に説明するものである。実際に、参照される構成要素は、任意の方向に配向され得る。同様に、本開示全体を通して、プロセス又は方法が示されるか又は説明される場合、方法は、方法が最初に実行される特定の動作に依存することが文脈から明らかでない限り、任意の順序で又は同時に実行され得る。
【0309】
「Y」軸が垂直方向に対応し、「X」軸が水平方向又は横方向に対応し、「Z」軸が内部/外部方向に対応する座標系が図に示され、説明において参照される。
【0310】
捕捉は、孵化場における最初の播種後の成長培地内での胞子/配偶体の最初の捕捉である。捕捉は、付着(付着器形成)が、健康な植物の成長が開始されるのに十分な安定度を提供することができるまで、胞子/配偶体の保護(すなわち、胞子/配偶体の移動による損失に対する抵抗)を提供する。
【0311】
付着器は、海藻植物の基部にある根様構造であり、それを例えば岩などの基材に固定する。付着器及び根は、種間で形状及び構造が異なる。根様構造は、付着器から延びて、海藻を基材に更に固定することができる。基材のタイプはまた、付着器及び根の形状及び構造に影響を及ぼし得る。海藻の付着器は、陸生植物の根に見られるような栄養吸収機能を有さないので、陸生植物の根とは異なるが、付着器及び根の両方とも、陸生植物及び海生植物において同様の固定機能を有する。
【0312】
紆曲度は、多孔質材料の特性であり、紆曲している、すなわち、多くの方向転換でねじれている曲線に関して定義され得る。紆曲度は、多孔質又は半多孔質媒体の部分の中又はそれを通過する開口部及び通路を通る複雑な経路を特徴付ける。紆曲度は、(1)経路を規定する構造及び表面によって許容されるように、材料内に又は材料を通過する、第1の点から第2の点までの自然流線又は自然流経路の長さと、(2)同じ第1の点と第2の点との間に引かれ、任意の介在構造及び表面内に又はそれを通過する仮想直線の長さとの比として定義され得る。材料の紆曲度が高いほど、仮想直線長さと比較した場合の自然流線長さの紆曲比が大きくなる。紆曲比はまた、(1)侵入有機構造が多孔質材料との適切な係合を得るために潜在的に又は実際に移動する距離と、(2)同じ侵入有機構造が、有機構造の表面入口点から有機構造の終点まで測定して同じ係合に対して達成する直線深さとの比較であり得る。合成微孔質材料と岩や土壌などの天然多孔質構造とを含む多孔質媒体は、広範囲にわたって変化する孔径を有する高度に無秩序な孔を含有する複合材料の広範なセットである。これらの多孔質媒体は、直線ではなく、紆曲し蛇行した経路を含む。高紆曲度材料を通って流れる仮想物体は、同じ経路の始点と終点との間に引かれた仮想直線長よりも何倍も長い場合がある経路を横切らなければならない。本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、いくつかの高紆曲度材料では、少なくとも1つの経路が材料を完全に貫通していなくてもよく、これは、高紆曲度材料の一方の側で開始する本体が、高紆曲度材料の全幅を横断することができず、単一経路を横断することによって材料の反対側で材料から出現することができないことを意味する。紆曲度を決定するための更に別の方法は、材料を通る自然経路をたどることによって、材料の表面で開始する点から材料の中点に向かって粒子が横断する総距離を追跡することであり、表面上の同じ開始点から開始して、その自然経路をたどる粒子によって到達される中点に向かって開始表面点から直線を引くことができ、直線距離に対するその自然経路上で粒子が移動した距離の比は、紆曲度の尺度である。材料の紆曲度が高いほど、材料内への又は材料を通る自然経路の長さが長くなり、自然経路の長さと、自然経路の開始点と材料の中点に向かって配置された点との間に引かれた直線との比が大きくなる。紆曲度の更に別の尺度は、粒子が材料又は材料の層を有するチャネルの中央を通る自然経路を追跡するときに粒子がなす総方向転換角度を測定することである。粒子が、材料の厚さ又は深さ内を、又は材料の厚さ又は深さを通って、ある合計角度値に達するまで移動する総距離は、材料の紆曲度の尺度である。紆曲度材料内へ又はそれを通って移動する粒子は、複数の方向にいくつかの方向転換を行うことになり、任意の三次元方向又は平面と整列した方向における方向転換度の合計は、角度として表すことができ、材料の自然経路の長さは、粒子が選択された累積角度に達すると測定することができる。前述の例のそれぞれにおいて、評価された紆曲値は、材料の選択された体積又は表面積に対する平均値、中央値、又は値の範囲であってもよい。例えば、材料の紆曲度は、所望の数の測定を行い、それらの値を平均することによって、所望の面積(例えば、1平方センチメートル、1平方メートル、又は何らかの他の値)にわたって評価され得る。その例では、材料の紆曲値は、材料の管理可能な表面積又は体積にわたって見られる平均紆曲値として表され得る。同様に、多種多様な細孔サイズ及び可変チャネル寸法を有する材料について、中央紆曲値は、平均紆曲値を得るために使用される方法と同様の方法で決定される。
【0313】
様々な態様の説明
本開示は、付着器などの植物固定構造の内部成長に適した空間を含む少なくとも1つのフィブリル化材料と、フィブリル化材料よりも親水性が高く、典型的にはフィブリル化材料の外部と関連付けられる少なくとも1つの追加の構成要素とを含む栽培基材を含む栽培システムに関する。栽培システムは、海藻の誘引、保持、培養、及び/又は成長、並びに関連する方法及び装置のために使用され得る。いくつかの態様では、栽培システムは、開放水域環境又はインキュベータ内で海藻を成長させるように動作可能である。
【0314】
本開示による栽培システムは、海藻などの植物における胞子の付着、培養、発芽、及び/又は成長を促進するために使用され得る。これらの構造は、植物の成長、発育、及び/又は生殖の1つ以上の段階において有用である。いくつかの態様は、大型藻類の生殖及び成長の以下の段階:海藻配偶体及び/又は胞子体の付着及び/又は発芽及び成長、並びに幼若植物及び成熟植物の付着及び成長、並びに植物の成長、発育、及び生殖の1つ以上の段階におけるそのような植物の輸送及び堆積のうちの1つ以上に有用性を見出す。ある特定の態様では、本明細書に記載される栽培基材は、海藻形態(例えば、胞子、配偶体、胞子体、幼若胞子体、幼若植物、成熟植物)の成長及び栽培のための改善された成長基材として使用されてもよく、現在の栽培慣行と比較して改善された収量及び処理量をもたらす。
【0315】
これらの態様では、栽培システムは、胞子/配偶体のための捕捉と、付着器及び付着器から延びる根状構造のための付着特徴との両方を提供する。
【0316】
いくつかの態様では、栽培システムは、1つ以上の種の海藻の内部成長、安定化、及び固定を促進する孔径を有する、接続/相互連結されたフィブリル微細構造と部分的に接続されたフィブリル微細構造の両方のネットワークを有する少なくとも1つの材料を含む。基材のフィブリル化微細構造及びシステムの高親水性構成要素は、システムへの海藻の付着並びに植物の成長及び発育の両方を促進する。微孔質材料の細孔は、海藻付着器の付着及び内部成長を栽培するように選択され得る。更なる態様において、微孔性材料の孔は、例えば、
図6及び7に示されるように、軸方向又は単一方向に編成され得る。
【0317】
これらの態様において、栽培システム自体の高親水性構成要素は、三次元構造を有する。これらの構造の形状としては、ロッド、リボン、繊維、バンド、層、管、並びに様々なサイズ及び形状のパッチが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの態様では、より高い親水性の構成要素は、高疎水性コア材料の表面に付着しているか、又は少なくとも関連付いている。高親水性構成要素は、コアの少なくとも一部分と連続的に接触していてもよく、又は高疎水性コアの表面の1つ以上の領域のみでコアと接触し得る。親水性構成要素は、コアの周囲に巻かれてもよく、コア上に層化されてもよく、係留デバイスと同じ又は異なる材料を使用して1つ以上の点でコアに結び付けられてもよく、又はコアの表面に接着されてもよく、又そうでなければ結合されてもよく、縫い付けられてもよく、又は連結されてもよい。
【0318】
本開示の様々な形態は、栽培基材を含む栽培システムに関する。いくつかの態様は、胞子の保持、培養、及び/又は成長のために(例えば、藻類胞子を保持及び維持し、そこから成熟海藻を成長させるために)使用される栽培基材、並びに関連する方法及び装置に関する。様々な例において、栽培システムは、多細胞生物(例えば、海藻)を成長させるように動作可能である。いくつかの態様では、栽培システムは、開放水域環境(例えば、塩水)において多細胞生物を成長させるように動作可能である。
【0319】
本開示による栽培システムは、胞子の捕捉、胞子の培養及び成長、胞子及び/又は配偶体/胞子体の輸送及び堆積、並びに海藻の付着器の増殖及び発育を含む様々な用途において使用され得る。
【0320】
いくつかの態様では、本明細書に記載される栽培基材は、海藻形態(例えば、胞子、配偶体、胞子体)の成長及び培養のための改善された成長基材として使用されてもよく、現在の栽培慣行と比較して改善された収量及び処理量をもたらす。
【0321】
いくつかの態様では、栽培システムは、平均フィブリル間距離を規定する複数のフィブリルを含む微細構造を有するフィブリル化材料をそれ自体が含む栽培基材を含む。いくつかの態様では、マイクロ繊維材料は、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)である。マイクロ繊維材料の微細構造は、ノードを相互接続する複数のフィブリルによって規定され得る。フィブリルは、フィブリル間空間を規定する。
【0322】
いくつかの態様では、フィブリルは、約1μm~約200μm、約1μm~約5μm、約1μm~約20μm、約1μm~約10μm、約1μm~約5μm、約5μm~約50μm、約5μm~約20μm、約5μm~約10μm、約10μm~約100μm、約10μm~約75μm、約10μm~約50μm、約10μm~約25μm、約25μm~約200μm、約25μm~約150μm、約25μm~約100μm、約25μm~約50μm、約50μm~約200μm、約50μm~約150μm、約50μm~約100μm、約100μm~約200μm、約100μm~約150μm、又は約150μm~約200μmであってもよい、規定された平均フィブリル間距離を有する。いくつかの態様では、フィブリルは、例えば、約1μm、約2μm、約3μm、約4μm、約5μm、約10μm、約20μm、約30μm、約40μm、約50μm、約60μm、約70μm、約80μm、約90μm、約100μm、約110μm、約120μm、約130μm、約140μm、約150μm、約160μm、約170μm、約180μm、約190μm、又は約200μmの平均フィブリル間距離を有し得るが、様々な追加の値が企図される。
【0323】
細孔は、円形、ほぼ円形、又は楕円形であってもよい。細孔は、約1μm~約200μm、約1μm~約50μm、約1μm~約20μm、約1μm~約10μm、約1μm~約5μm、約5μm~約50μm、約5μm~約20μm、約5μm~約10μm、約10μm~約100μm、約10μm~約75μm、約10μm~約50μm、約10μm~約25μm、約25μm~約200μm、約25μm~約150μm、約25μm~約100μm、25μm~約50μm、約50μm~約200μm、約50μm~約150μm、約50μm~約100μm、約100μm~約200μm、約100μm~約150μm、又は約150μm~約200μmの直径又はおおよその直径を有し得る。いくつかの態様では、細孔は、例えば、約1μm、約2μm、約3μm、約4μm、約5μm、約10μm、約20μm、約30μm、約40μm、約50μm、約60μm、約70μm、約80μm、約90μm、約100μm、約110μm、約120μm、約130μm、約140μm、約150μm、約160μm、約170μm、約180μm、約190μm、又は約200μmの直径又はおおよその直径を有し得るが、様々な追加の値が企図される。
【0324】
いくつかの態様では、栽培基材の微細構造は、胞子及び胞子体、配偶体、又は保持された胞子から成長した他の生物を保持するように構成されている。いくつかの態様では、微細構造は、藻類胞子、藻類胞子体及び/又は配偶体、植物胞子、種子、細菌内生胞子、真菌胞子、又はそれらの組み合わせを保持するように構成されている。いくつかの態様では、栽培基材は、複数の胞子及び/又はそれから成長した生物(例えば、胞子体及び/又は配偶体)を保持する。複数の胞子及び/又は生物は、全て同じタイプであってもよく、又は2つ以上の異なるタイプであってもよい。いくつかの態様において、栽培基材は、一緒に培養又は成長させた場合に共生関係を示す2つの異なる胞子タイプを保持する。簡略化のために、本開示全体を通して「胞子」に言及するが、配偶体、胞子体、種子、又は胞子から成長した他の生物もこの用語によって企図され、本開示の範囲内であると考えられる。
【0325】
いくつかの態様では、胞子を保持することに加えて、本開示の栽培システム及び基材は、保持された胞子の発芽及び保持された胞子からの成長を促進する。すなわち、栽培システム及び基材は、保持された胞子を生存可能に維持する。特定の態様では、微細構造は、胞子の少なくとも一部分をしっかりと固定するように構成されている。
【0326】
いくつかの態様では、栽培基材は、保持された胞子の発芽及び保持された胞子からの成長を促す微細環境を作り出す。いくつかの態様では、微細構造は、最初に、微細構造が標的胞子を保持及び維持するように機能する第1の保持相にある。その後、微細構造は、第2の成長期に移り、同成長期では、胞子の発芽が誘導され、胞子から微細構造上及び/又は微細構造内への芽胞体(例えば、胞子体、配偶体、種子など)の内部成長が発生し、それによって微細構造への芽胞体の機械的連結又は固定がもたらされる。したがって、いくつかの態様では、微細構造は、発芽した胞子を取り外し不能に固定するように構成され、例えば、野外(例えば、開放水域環境)への輸送又は配置中の発芽した胞子の損失、又は環境因子(例えば、潮流)への損失を防止する。
【0327】
特定の態様では、栽培基材は、非標的胞子又は他の細胞の発芽、成長、及び/又は増殖を阻害又は防止しながら、標的胞子からの発芽及び成長を促す選択的微小環境を作り出す。選択的微小環境は、例えば、非標的胞子又は他の細胞の発芽、成長、及び/又は増殖を阻害又は防止しながら、標的胞子の発芽及び標的胞子からの成長を支持する、フィブリル間距離及び/又は孔径、材料密度、材料の平均密度に対するフィブリル間距離の比、深さ又は厚さ、疎水性、並びに栄養源、水分、生物活性剤、及び接着剤の有無の組み合わせを提供することによって達成され得る。
【0328】
いくつかの因子が、胞子及びそれから増殖した生物の保持及び/又は生存維持に影響を及ぼし得る。このような因子としては、例えば、フィブリル間距離及び/又は孔径、材料密度、材料の平均密度に対するフィブリル間距離の比、深さ又は厚さ、疎水性、並びに栄養源、水分、生物活性剤、及び接着剤の有無が挙げられる。これらの要因についてそれぞれより詳細に説明する。
【0329】
いくつかの態様では、2つのフィブリル間の距離(すなわち、フィブリル間距離)は、フィブリル間空間を規定する。いくつかの態様では、フィブリル間空間、したがってフィブリル間距離は、その中に胞子を保持するのに十分であり、胞子は、フィブリル間空間を規定する2つのフィブリルの間に保持される。フィブリル間距離は、胞子の少なくとも一部分がフィブリル間空間を規定する2つのフィブリル間に(例えば、移動、成長、又はそれらの組み合わせを介して)入ることを可能にするのに十分である。
【0330】
いくつかの態様では、微細構造への胞子の少なくとも一部分の進入を促進するために、平均フィブリル間距離が制御される。例えば、微細構造がダルスの胞子を保持することが望ましい場合である。
【0331】
約30μmの直径を有するダルス(Palmaria palmata)胞子では、微細構造の平均フィブリル間距離は、約30μmであるか、又はわずかに大きい(例えば、約32μm~約35μm)。微細構造が、それぞれが約10μmの直径を有する胞子を有する、例えば、ノリ、例えば、ポルフィラ(porphyra)/パイロピア(pyropia)、又はケルプ、例えば、マコンブ(Saccharina)種、アラリア(Alaria)種、マクロシスチス(Macrocystis)種の胞子を保持することが望ましい場合、微細構造の平均フィブリル間距離は、約10μm、又はそれよりわずかに大きい(例えば、約12μm~約15μm)。いくつかの態様では、複数の種(例えば、ダルス、海苔、及びケルプ)の胞子を保持することが望ましい場合がある。そのような態様では、平均フィブリル間距離は、複数の種の胞子の少なくとも一部分がフィブリル間空間に入り、そこに保持されることを可能にするのに十分である。いくつかの態様では、標的胞子、配偶体、及び胞子体は、約0.5μm~約200μmの直径を有する。
【0332】
いくつかの態様では、標的胞子の約半分が、フィブリル間空間に入り得る。そのような態様では、フィブリル間距離は、標的胞子の寸法(例えば、直径又は幅)と少なくとも等しい。いくつかの態様では、フィブリル間距離は、標的胞子の寸法よりもわずかに大きい。これにより、胞子全体がフィブリル間空間に入り、そこに保持されることが可能になる。
【0333】
いくつかの態様では、標的胞子の半分超、最大で胞子全体が、フィブリル間空間に入り得る。そのような態様では、フィブリル間空間に入る胞子の部分は、開口部がフィブリル間空間によって規定される細孔の深さによって左右され得る。細孔の深さは、例えば材料密度によって制御され得る。
【0334】
いくつかの態様では、胞子、胞子体、幼若胞子体、配偶体、幼若植物、及び/又は成熟植物の一部分のみがフィブリル間空間に入る。したがって、フィブリル間距離が標的胞子の直径未満である場合、標的胞子は、フィブリル間空間に部分的にのみ入り得る。標的胞子がフィブリル間空間に部分的にのみ入る場合、標的胞子の十分な部分がフィブリル間空間に入るならば、標的胞子はその中に保持され得る。いくつかの態様では、微細構造に塗布された接着剤などの物質は、フィブリル間空間に入るのに必要な胞子の部分を減少させ、保持を助けることができる。
【0335】
いくつかの態様では、微細構造は、非フィブリル化材料によって形成される。特定の態様では、細孔開口部は、栽培基材の材料に固有である。異なる材料は、異なる細孔開口特性を有してもよく、材料は、所望の細孔開口特性を提供するように製造又そうでなければ操作されてもよいことが認識されるであろう。他の態様では、細孔開口部は、例えば、超音波穿孔、粉末ブラスト、又は研磨水ジェット加工(AWJM)などの機械的マイクロ穿孔;レーザ加工などの熱マイクロ穿孔;湿式エッチング、深堀り反応性イオンエッチング(DRIE)、又はプラズマエッチングを含む化学的マイクロ穿孔;並びに火花放電支援化学型彫(SACE)、振動支援微細加工、レーザ誘起プラズマ微細加工(LIPMM)、及び水支援微細加工などのハイブリッドマイクロ穿孔技術などのマイクロ穿孔技術によって形成される。
【0336】
微細構造が非フィブリル化材料によって形成される態様では、細孔開口部は、記載されたフィブリル間空間のように作用し、標的胞子の少なくとも一部分が細孔開口部に入ることを可能にするのに十分なサイズである。いくつかの態様では、胞子は、それによって、栽培基材の微細構造内に保持される。いくつかの態様では、細孔開口部のサイズは、標的胞子の少なくとも一部分の微細構造への進入を促進するように制御される。例えば、微細構造が、約30μmの直径を有するダルス(Palmaria palmata)の胞子を保持することが望ましい場合、微細構造の細孔開口部は、約30μm、又はわずかに大きい(例えば、約32μm~約35μm)直径を有する。いくつかの態様では、標的胞子は、約0.5μm~約200μmの直径を有する。
【0337】
いくつかの態様では、標的胞子の約半分が細孔開口部に入り得る。そのような態様では、細孔開口部は、標的胞子の寸法(例えば、直径又は幅)に少なくとも等しい。いくつかの態様では、細孔開口部は、標的胞子の寸法よりもわずかに大きい。これは、胞子全体が細孔開口部に入り、そこに保持されることを可能にする。
【0338】
いくつかの態様では、標的胞子の半分超から胞子全体までが細孔開口部に入り得る。そのような態様では、細孔開口部に入る胞子の部分は、細孔の深さによって左右され得る。細孔の深さは、例えば材料密度によって制御され得る。
【0339】
いくつかの態様では、胞子の一部分のみが細孔開口部に入る。したがって、細孔開口部が標的胞子の直径よりも小さい場合、標的胞子は、細孔開口部に部分的にのみ入り得る。標的胞子が細孔開口部に部分的にのみ入る場合、標的胞子の十分な部分が細孔開口部に入るならば、標的胞子はその中に保持され得る。いくつかの態様では、微細構造に塗布される接着剤等の物質は、細孔開口部に入り、保持を補助するために必要とされる胞子の部分を低減し得る。
【0340】
いくつかの態様では、栽培基材は、低密度材料を含む。低密度材料は、フィブリル化されていてもフィブリル化されていなくてもよく、いくつかの態様では、栽培基材の微細構造を規定する。低密度材料の密度は、約0.1g/cm3、約0.2g/cm3、約0.3g/cm3、約0.4g/cm3、約0.5g/cm3、約0.6g/cm3、約0.7g/cm3、約0.8g/cm3、約0.9g/cm3、又は約1.0g/cm3であり得る。いくつかの態様では、低密度材料の密度は、約0.1g/cm3~約1g/cm3である。
【0341】
いくつかの態様では、低密度材料は、フィブリル間空間又は細孔開口部に胞子を保持するのに十分な細孔深さを提供する。
【0342】
いくつかの態様では、孔開口部の寸法(長さ(μm)及び幅(μm))は、フィブリル化材料によって形成されているか非フィブリル化材料によって形成されているかにかかわらず、標的胞子が孔に入る深さ(μm)と共に捕捉比を規定する。各胞子タイプは、微細構造による胞子の適切な保持に必要な異なる捕捉比を有し得る。必要とされる捕捉比は、微細構造を構成する材料の特性、並びに栄養素、接着剤、及び/又は生物活性剤の有無に影響され得る。
【0343】
いくつかの態様では、低密度材料は、胞子が発芽して低密度材料内へ成長することを可能にする。例えば、本明細書に記載の微細構造を有する低密度材料中に保持されたダルス胞子が配偶体中に発育し、次いで胞子体に発育するにつれて、ダルスは、三次元全てにおいて(すなわち、x及びy次元において水平に、z次元において深さ方向に)低密度材料内へ成長する。この三次元成長は、ダルス配偶体及び胞子体の保持の改善を可能にする。
【実施例】
【0344】
以下の実施例で使用されるように、用語「紆曲」(tortuous、紆曲、迂曲、蛇行性、曲がりくねった、うねうねした)及び「紆曲度」(tortuosity、紆曲度、迂曲度、蛇行度、曲がりくねり度、うねうね度)は、そのような用語に関連して提供される例示的な比及び値のいずれかを含む、前述の方法及び定義のいずれかに従って評価され得る。以下の実施例は、本明細書で前述した例の「例」に完全に対応しない場合がある。
【実施例1】
【0345】
一般的な栽培システムは、大型藻類の成長サイクルに見られる様々な形態の植物の捕捉及び付着を促進する能力が異なる1つ以上の材料を含む複合材料を含んでもよい。いくつかの非限定的な例としては、大型藻類固定構造及び/又は微細藻類の固定システムの構成要素、例えば、仮根及び/又は付着器の要素などの付着を促進するように構成されたePTFEなどのマイクロ繊維材料、並びに胞子、成長及び発育の1つ以上の段階における胞子体、配偶体、幼若植物、及び成熟植物などの様々な形態の大型藻類成長サイクルの捕捉を促進するように構成されたスパンポリエステルなどのマクロ繊維材料が挙げられる。複合物中の異なる材料は、異なる親水性を有し得る。
【0346】
比較的高い親水性を有する材料は、胞子体、配偶体、幼若植物などの海藻形態の捕捉を促進すると考えられる。水を吸収する比較的高い親水性を有する材料は、胞子体、配偶体、及び幼若植物などの海藻形態の捕捉を促進するのに特に有効であると考えられる。
【実施例2】
【0347】
栽培システムは、大型藻類固定システムの少なくともいくつかの要素の付着及び生着を促進するように構成されたマイクロ繊維材料を含み得、マイクロ繊維材料は、必要な場合、栽培システムに引張強度を提供する追加の材料によって支持される。
図1Aは、様々な構成のコード(2、3、及び4)を有する例示的な栽培システム(1)を示しており、これらのコードは、単一材料のコードコア(左端の画像)から始まり、巻かれたコード又はヤーン(中央の画像)に至り、次いで、二重に巻かれたコード又は編組構成(右端の画像)に至る組み立てプロセスの段階としても見ることができる。
図1Aに示されるように、左端の画像における栽培システム(1)は、ePTFEなどの高紆曲度材料、又は引張強度を高める追加の材料を含むように改変されたePTFEの組み合わせ材料から作製された単一コア(2)材料であり得る。
図1Aの中央の画像には、システム(1)に引張強度を与える高張力材料で作られた単一のコード(3)で巻かれたコア(2)が示されており、材料又はコード(3)は、ポリエステルなどの低紆曲度材料である。
図1Aの最も右の画像には、コア(2)の周りに巻かれた又は編まれた二重巻きコード(3、4)を有する栽培システム(1)が示されている。コード(3、4)は両方とも、ポリエステルなどの低紆曲度を有する高張力材料であり得る。
図1Aに示される構成の全てにおいて見られ得るように、種々の栽培システム(1)の外部は、低紆曲度材料(3、4)を露出させる外面を呈する。
図1Aの中央及び右端の画像の外面はまた、低紆曲度材料(3、4)に隣接するコア(2)の高紆曲度材料の露出を提供する外面を提示し、それにより、低紆曲度材料及び高紆曲度材料の両方が、個々の海藻植物が隣接する低紆曲度材料及び高紆曲度材料と相互作用して海藻植物の捕捉、成長、及び付着を促進することを可能にするように互いに十分に近く水生環境に対して提示される。同様に、また図示されるように、巻かれた又は編まれた構成を有する栽培システム(中央及び右端の画像)は、コード(3、4)によって規定される窓(5)を提供し、それを通じて、コア(2)の下層材料が、植物成長を促進するために、外部水生環境にアクセス可能であり得る。
図1Bは、
図1Aの右端の栽培システム(1)の代替的な外観図を示し、窓(5)は、コード(3、4)を通じて、ePTFEなどの高紆曲度材料から作製された下にあるコア(2)へのアクセスを提供する。
【0348】
当業者によって理解され得るように、栽培システム(1)は、コア(2)の周りに巻かれるか、又はコア(2)の周りに、例えば、6つ又は8つの編組構成で編まれる追加のコードを提供するように変更され得る。他の構成では、コア(2)は、ポリエステルなどの低紆曲度材料であり得、コード(3、4)のうちの1つ以上は、高紆曲度材料であり得る、又は低紆曲度コード(3)と高紆曲度材料を外面に提示する高紆曲度コード(4)との組み合わせであり得る。他の構成では、コア(2)はなくてもよく、コード(3、4)は、好ましくは6つ又は8つのコードの編組を使用する既知の技法を使用して編まれてもよく、編組内のコードのうちの1つ以上は、ePTFEなどの高紆曲度材料である。
【0349】
図1A及び
図1Bからも理解され得るように、示される栽培システム(1)は、2つのブイを互いに接続するのに十分な長さのより長いコードの一部分であってもよく、その結果、コードの中央部は、海藻植物の成長を促進する十分な日光及び栄養素を提供するために、水生環境内のある深さに吊り下げられる。別の態様では、示される栽培システム(1)は、一端を重りに接続し、他端をフロート又はブイに接続して、コードを適切な深さ及び位置に吊り下げて海藻の成長を促進するのに十分な、より長い長さの一部分であり得る。更に別の態様では、栽培システム(1)は支持管の周りに配置され得る。更に別の態様では、栽培システム(1)は、1つの水生環境から別の水生環境への移動の前に未成熟海藻植物のインキュベーションを促進するためにインキュベータ内に配置され得る。
【実施例3】
【0350】
栽培システムは、少なくとも1つの種の大型藻類の固定部分の少なくともいくつかの要素の付着及び生着を促進するように構成された高紆曲度マイクロ繊維材料と、少なくとも1つの形態の大型藻類成長サイクルの捕捉を促進するように構成された少なくとも1つのマクロ繊維材料との複合物を含み得る。再び
図1Aを参照すると、栽培システム(1)は、スパンポリエステルなどの材料であり得る低紆曲度を有する第2の材料(3)で被覆されたePTFEなどの材料のヤーンを含む高紆曲度マイクロ繊維コア(2)からなるカバードヤーンである。
【0351】
ここで
図1Bを参照すると、高紆曲度マイクロ繊維材料(2)、例えば、5000デニールの線質量のゴア材料である低密度延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)と、低紆曲度を有する第2の構成要素(3、4)、例えば、8/1スパンポリエステルとを含むダブルカバードヤーン(1)が示されている。更に
図1Bを参照すると、高紆曲度材料(2)は、低紆曲度を有する構成要素(3、4)で二重に被覆されており、隣接する低紆曲度構成要素(3、4)の間に窓(5)があり、下にある高紆曲度材料(2)を外部の水生環境に露出させている。
【実施例4】
【0352】
栽培システムは、少なくとも1つの種の大型藻類の固定部分の少なくともいくつかの要素の付着及び生着を促進するように構成された高紆曲度マイクロ繊維材料と、少なくとも1つの形態の大型藻類成長サイクルの捕捉を促進するように構成された少なくとも1つの低紆曲度を有する第2の材料との複合物を含み得る。
図1Aを参照すると、栽培システム(1)は、例えばスパンポリエステルなどの低紆曲度を有する材料の2つのコード(3、4)で被覆された、例えばePTFEのヤーンを含む高紆曲度マイクロ繊維コア(2)からなるダブルカバードヤーン又はコード(右端の画像)を有する。
図1Bは、
図1Aの最も右側の栽培システム(1)の別の外観図を示す。
【0353】
図2Aは、ダブルカバードコード又はヤーン(20)の一部分の図を提供する。ダブルカバードヤーン(20)は、少なくとも1つの材料、例えばePTFEで作られた高紆曲度マイクロ繊維コア(27)を含む。コア(27)は、低紆曲度を有する第2の構成要素(26)、例えば、ストランド(21、22)から作製されるラップ又は編組として
図2Aに示されるスパンポリエステルなどの材料で「緩く」被覆されている。ストランド(21、22)は、コア(27)の露出(未被覆)表面の一部分を外部の水生環境に提供するために、下にあるコア(27)への外部アクセスを提供する、ストランド(21、22)間に提供される間隙(27a、27b)が存在するように、緩く巻かれるか又は編まれる。
【0354】
図2Bを参照すると、カバードコード又はヤーン(25)は、高紆曲度マイクロ繊維コア(23)を含む。コア(23)は、ePTFEなどの高紆曲度材料から作製され得る。コア(23)は、例えば、スパンポリエステルなどの低紆曲度を有する第2の構成要素(28)で「きつく」被覆され得る。高紆曲度コア(23)上の低紆曲度材料(28)のきつい巻き付けは、きつく巻かれた低紆曲度材料(28)の個々の巻き間のコア(23)の未被覆表面の一部分を露出させるために、低紆曲度材料の個々の巻き付け間に空間又は間隙(23a、23b)を提供するように配列され得る。
図2Aに示されるカバードヤーン(20)と
図2Bのカバードヤーン(23)とを比較すると、きつく巻かれたカバードヤーン(25)よりも緩く巻かれたカバードヤーン(20)において、コア材料(21、23)の表面のより多くが露出していることが理解され得る。
【0355】
図3は、ダブルカバードコード又はヤーン(30)(
図1Bに関連して示され説明されたものなど)を示す。ダブルカバードヤーン(30)は、ePTFEなどの少なくとも1つの高紆曲度材料からなるコア(36)を含み、コア(36)は、ポリエステル等の低紆曲度を有する2つの構成要素(34a及び34b)によって被覆されている。当該分野で公知の方法を使用して、未熟な海藻植物は、例えば、海藻フレークの形態の未熟な海藻植物を成長培地と接触させて、フレークの表面構造が成長培地上に包埋されるか、又はそれ自体が増殖培地上に固定されるようにすることによって、成長培地に接着され得る。
図3に示されるように、ケルプ植物(31、32)のフレークが、係合しているカバードヤーン(30)の外面上に示されている。図示されるように、フレーク(31、32)は、主に、低紆曲度の第2の構成要素(34a、34b)上に配置されるか、又はそれと関連付けられ、主に、高紆曲度マイクロ繊維コア材料(36)の露出面上に配置されない。
図3に示されるフレーク(31、32)などのケルプ植物のフレークは、海藻フレークの外面が、ポリエステルなどの低多孔性材料と良好に係合するようにサイズ決定及び配置された特徴を有する外面を有するため、例えばポリエステルを含み得る低紆曲度の第2の構成要素(34a、34b)などの低紆曲度材料と良好に係合すると考えられる。対照的に、同じフレークは、
図3に示されるように、フレークの外面特徴と低紆曲度材料によって提示される外面との間の不整合のために、例えば、ePTFE等の高紆曲度材料と良好に係合しないとも考えられる。更に、各材料が互いに隣接して配置された低紆曲度材料及び高紆曲度材料の複合物は、理由の中でも特に、海藻フレークが低紆曲度材料に良好に付着したままであり得る一方で、成長している海藻植物が成長している付着器に到達し、近くに配置された高紆曲度材料に係合するために、海藻成長のための改善された環境を提供すると考えられる。
図3に示されるように、隣接する低紆曲度材料及び高紆曲度材料を有する低紆曲度構成要素及び高紆曲度構成要素の編組又は巻き付け構造は、とりわけ、これらの2つの異種材料の近接が、その成長サイクル中の植物の異なる要求を満たす2つの人工表面を幼若海藻植物に提供するため、海藻付着及び成長のための改善された環境を提示する。
【実施例5】
【0356】
ここで
図4Aを参照すると、マイクロ繊維状の比較的疎水性の高紆曲度材料であってもよく、また、例えば、3000デニール線形質量のゴア材料などの低密度延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)であってもよい、高紆曲度材料(41)から本質的になる6キャリアダイヤモンド編組の編組(40)が示されている。この編組は、1インチ当たり5~6ピックを有する。
【実施例6】
【0357】
図4Bを参照すると、ePTFE(43)などの高紆曲度マイクロ繊維材料、例えば、1000デニールの線質量のゴア材料である低密度延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)と、低紆曲度を有する第2の材料、例えば8/1スパンポリエステル(44)とを含む6キャリアダイヤモンド編組(42)が示されている。この編組は、1インチ当たり5~6ピックを有する。
【実施例7】
【0358】
図4Cは、2つの異なる8キャリアダイヤモンド編組(45a)及び(45b)の図を提供する。
図4Cの上部に示される編組(45a)は、低紆曲度材料(48)と編まれた高紆曲度材料(46)からなる。高紆曲度材料(46)は、例えば、3000デニールの線質量のゴア材料であってもよい低密度延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)などの高紆曲度マイクロ繊維材料を含み得る。低紆曲度材料(48)は、例えば、8/1スパンポリエステルを含み得る。
【0359】
依然として
図4Cを参照すると、
図4Cの下部に示される編組(45b)は、低紆曲度材料(49)と編まれた高紆曲度材料(47)からなる。編組(45b)は、例えば、3000デニール線形質量のゴア材料であってもよい低密度延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含み得る、高紆曲度マイクロ繊維材料(47)からなる。低紆曲度材料(49)は、例えば、25/1/3スパンポリエステルを含み得る。
【実施例8】
【0360】
図5は、
図4Bに示される編組(42)などの複合編組(50)の表面の顕微鏡写真画像を示す。画像に示されるように、編組表面は、編組構成において、低紆曲度材料(53)の繊維に隣接する高紆曲度材料(51)の繊維を含む。
図5に示されるように、複合編組(50)は、暗いスポットとして画像に現れる幼若ケルプ植物(52)の捕捉及び成長を支持する。
図3に関して上述したように、編組(50)は、海藻の捕捉、付着、及び成長のための改善された環境を提供するために、低紆曲度構成要素と高紆曲度構成要素を互いに隣接して配置する構造を含む。
図5に示されるように、複合編組の白色領域(54)は、高紆曲度マイクロ繊維材料(51)を含み、幼若植物の捕捉を完全に支持していないものとして示される。更に
図5を参照すると、幼若ケルプ植物(52)及び(56)は、主に、ポリエステルなどのより低い紆曲度のマクロ繊維構成要素(53)を有する材料を含む灰色領域(56)の表面に係合しているのが見られる。
図3に関して上述したように、隣接する低紆曲度材料及び高紆曲度材料を有する低紆曲度構成要素及び高紆曲度構成要素の編組又は巻かれたコード又はヤーン構造は、低紆曲度材料に係合するときに幼若植物の捕捉を可能にし、その後、幼若植物が高紆曲度材料に係合する成長付着器を提示するときに係合を可能にすることによって、海藻付着及び成長のための改善された環境を提供すると考えられる。
【実施例9】
【0361】
図6は、海藻植物(60)を示すSEM画像であり、海藻付着器(62)の一部分が植物から延びて、例えばePTFEを含み得るマイクロ繊維材料(64)の表面に付着している。画像は、画像に記された縮尺である。
【実施例10】
【0362】
図7は、例えばePTFEを含み得る高紆曲度マイクロ繊維材料(74)の表面上にケルプ付着器(72)(大部分は垂直配向を有する)を有する海藻植物を示すSEM画像である。図示されるように、高紆曲度材料(74)は、フィブリル(76)間の繊維間空間(78)を規定するフィブリル(76)(大部分が水平配向を有する)を含む。また図示されるように、付着器(72)は、高紆曲度マイクロ繊維材料(74)の繊維間空間(78)内に成長している。画像は、画像に記された縮尺である。理解され得るように、SEM撮像方法は、画像内の付着器(72)を脱水し、また理解され得るように、実行可能な付着器(72)は、脱水なしで見た場合、流体で満たされ、膨張して繊維間空間(78)の大部分又は全てを占有し、付着器(72)と高紆曲度マイクロ繊維材料(74)との間の係合を提供する。
【実施例11】
【0363】
図8は、海藻植物(80)と、フィブリル(86)(大部分は水平方向に配置されている)の間及び高紆曲度マイクロ繊維材料(84)の繊維間空間(88)内に成長している海藻付着器(82)(大部分は垂直方向に配置されている)の一部分の断面とを示すSEM画像である。断面は、ePTFEなどの高紆曲度のコード又はヤーン(84)の一部分を切断することによって作製され、
図13に示されるように、海藻付着器(82)が材料に係合している。切断部分は更に、付着器(82)がコード又はヤーンの外面(83)に係合している点を示し、付着器(82)がコード又はヤーンの外面(83)を貫通して植物(82)と材料(86、88)との間の係合を達成する場所を更に示す画像透視図を提供するように位置決めされる。画像は、画像に記された縮尺である。
図7に関して述べたように、
図8を作製するために使用されるSEM撮像方法は、画像中の付着器(82)を脱水し、また理解され得るように、実行可能な付着器(82)は、脱水なしで見た場合、流体で充填され、繊維間空間(88)の大部分又は全てを占有するように膨潤して、付着器(82)と高紆曲度マイクロ繊維材料(84)との間の係合を提供する。
【0364】
図7と
図8との間の顕著な違いは、画像の向きである。
図7は、付着器がコード又はヤーンの表面を横切って成長するコード又はヤーンの表面を見下ろした画像を示す。
図8は、
図13に示されるように、材料に90度の切り込みを入れることによって得られた、材料に係合するが異なる向きからの海藻付着器を示す本質的に同じ内容の画像を示し、付着器は材料の表面に係合し、材料に貫入する。
【実施例12】
【0365】
図9A、
図9B、及び
図9Cは、同じSEM画像の3つの図である、拡大主画像(
図9A)、第1の更なる拡大画像(
図9B)、及び第2の更なる拡大画像(
図9C)を示す。拡大主画像(
図9A)は、第1及び第2の更なる拡大画像(
図9B及び
図9C)が拡大主画像(
図9A)とどこで対応するかを示す点線ボックス(9B及び9C)を含む。全ての3つの画像(
図9A、9B、及び9C)は、まとめて理解されるべきであり、全ての画像は、それぞれの画像に示されるように拡大及び縮尺される。
【0366】
図9A~
図9Cの3つの画像は、前述の栽培システム(1)に記載されたようなコード又はヤーン、コード、ヤーン、及び編組(20、25、30、40、42、45a、45b、50)の断面を示す。特に、
図9A~9Cに示される画像は、SEM撮像技術で見るためにコード又はヤーンの内部構造を露出させ、
図13に示されるように、海藻付着器(91)がコード又はヤーンに係合する場所を表示するように選択された位置で、コード又はヤーンを通る横断切断によって作製されたコード又はヤーン(90)の断面である。
図9A、
図9B、及び
図9CのSEM撮像は、切断されたコード又はヤーン(90)の領域に向けられており、植物付着器(91)がコード又はヤーン(90)の表面(90a)に係合しているのを見ることができ、更にコード又はヤーン(90)の表面(90a)に貫入しているのを見ることができる。
図9Aに示されるように、編まれたコード又はヤーン(90)の選択された部分は、高紆曲度材料(92)及び低紆曲度材料(93)の両方と、高紆曲度材料及び低紆曲度材料の両方に係合する海藻付着器(91)とを含む。特に、図示された複合コード又はヤーン(90)は、ePTFEのような高紆曲度マイクロ繊維材料(91)と、コード又はヤーン(90)に沿った位置で選択されたポリエステルのような低紆曲度マイクロ繊維材料(93)とから構成されており、植物付着器(91)は、コード又はヤーン(90)上及びコード又はヤーン(90)内で成長する。
【0367】
また、
図9Bに示されるように、ケルプ植物(91)の付着器は、植物(91a)を高紆曲度材料(92)から区別することを困難にするように高紆曲度材料(92)に係合するねじれた植物成長(91a)によって実証されるように、高紆曲度マイクロ繊維材料(92)への密接な組み込みを呈する。植物(91a)及び高紆曲度材料(92)は、色画像、染料、蛍光、及び植物又は材料のいずれかに視覚的強調を提供して一方を他方から区別するための他の既知の技法を使用して、互いにより区別可能にされ得る。観察及び理解され得るように、植物成長(91a)と高紆曲度材料(92)との間のねじれ係合は、コード(90)の中心に向かって材料(92)内へ直接突出する植物成長(91a)の部分と、コード(90)の中心に向かう方向から横向きに方向転換するか、又は植物(91)を高紆曲度材料(92)に係合及び固定するために高紆曲度材料(92)のフィブリル及び他の材料特徴の周囲及び背後を通過する植物成長(91a)の部分とを含む。全く対照的に、
図9A及び9Cにおける低紆曲度材料(93)に係合する植物成長(91b)は、あまり顕著ではなく、低紆曲度材料(93)によって規定される内部空間内でより狭い空間を占有する。更に、
図9Cにおいて、植物成長(91b)は、植物成長及び発育の段階中に低紆曲度マクロ繊維材料(93)との相互作用をほとんど又は全く示さないことが示されており、これは、植物成長(91b)の大部分が、わずかに側方に逸れてコード(90)の中心に向かう方向に突出し、コード(90)の個々の繊維の後ろ又は周囲に巻き付いていることによって実証される。
【0368】
高紆曲度材料(92)の表面に係合する純粋な付着器(91)から、付着器(91)が高紆曲度材料(92)に貫入する場所への移行を識別するのを助けるために、コード又はヤーン(90)の表面(90a)を示す破線が
図9Bに示されている。
図9Bに更に示されるように、高紆曲度材料(92)への付着器(91)のある深さの貫入後、植物がもはや高紆曲度材料(92)に貫入しない領域(92a)が存在する。理解され得るように、
図9Bは、SEM断面において注目されるとき、3つの重要な相を示し、上部相は、高紆曲度材料(92)の表面(90a)上に配置された純粋な表面植物成長(91)を含み、中間内部相(91a)は、高紆曲度マイクロ繊維材料(92)への貫入性植物成長の密接な組み込みを表し、下部相(92a)は、有意な植物貫入のない高紆曲度マイクロ繊維材料を表す。高紆曲度材料(92)内への貫入性植物成長(91a)の深さは、中間内部相において顕著であり、中間内部相における植物成長(91a)と高紆曲度材料(92)との組み合わせは、コード表面(90a)から少なくとも50μmの深さに達する。貫入性植物成長(91a)は、そのような成長の前に中間内部相における高紆曲度材料(92)によって規定される内部空間内の植物成長の体積によって規定されるときに定量化可能であり、中間内部相における高紆曲度材料(92)の一部分は、内部成長の前に高紆曲度材料(92)によって規定される体積の50%以上である植物材料(91a)の体積を有する。ここで
図9Cを参照し、
図9Bと比較すると、低紆曲度材料(93)内への
図9Cの付着器(91)の貫入は、中間内部相によって著しく制限され、中間内部相は、中間内部相で規定される体積の50%未満の付着器成長(91b)を含む。
【0369】
ここで
図9Bと
図9Cとを比較すると、画像に示された倍率で、かつ色を提供しないSEM技術を用いて、
図9Bでは、高紆曲度材料(92)内の植物の付着器(91a)の内部成長及び付着は、コード表面(90a)から50μmの深さにおいて高紆曲度材料自体と区別できないことが更に明らかである。対照的に、
図9Cは、貫入性植物成長によって充填されないままである低紆曲度材料(93)の繊維間の空間の有意な存在のために、低紆曲度材料(93)内の植物の付着器(91b)の内部成長が、コード表面(90a)から50μmの深さについて低紆曲度材料から容易に区別可能であることを示す。
【実施例13】
【0370】
ここで、
図9と同じ画像及び内容を有する
図10を参照すると、コード又はヤーン(90)、コード表面(90a)、付着器(91)、貫入性植物成長(91a)/中間内部相(91a)、付着器成長(91b)、高紆曲度材料(92)、下相(92a)、及び低紆曲度材料(93)が再び示されているが、
図9からはラベル付けされていない。
図9に関して説明したのと同様に、
図10は、拡大された主画像(10A)と、第1の更なる拡大画像(10B)と、第2の更なる拡大画像(10C)とを有する同じSEM画像の3つの図を示す。全ての3つの画像(10A、10B、10C)は、まとめて理解されるべきであり、全ての画像は、それぞれの画像に記載されるように拡大及び縮尺される。
【0371】
図10に関して、材料の紆曲度は、部分的に、潜在的な海藻内部成長に対して提示可能であるか、又は観察可能に海藻付着器の内部成長を促進したかのいずれかである、材料を通る自然経路を識別することによって特徴付けられ、規定され得ると考えられ、また、材料の紆曲度は、(a)自然経路に沿った移動の長さを(b)材料内で達成される深さと比較することによって更に規定され得ると考えられる。更に、材料の紆曲度は、海藻の内部成長が存在しない材料の画像に適用される、及び/又は材料内への観察可能な海藻の付着器の内部成長の画像に適用される追跡又はフレームワークから確認され得る、材料内への潜在的又は観察可能な内部成長経路の方向に部分的に基づき得ると考えられる。また、材料の紆曲度は、(a)経路の終点までの自然経路の長さ、及び(b)表面と終点との間の材料の表面からの深さを確認するために、材料及び/又は材料への海藻の内部成長の画像に適用される材料を通る自然経路の追跡によって部分的に規定され得、自然経路の長さ及び深さは、評価される材料の紆曲値を規定するために互いに比較され得ると考えられる。
【0372】
画像10A及び10Bは、2つのタイプの高紆曲線(95a、95b)を示し、画像10A及び10Cは、2つのタイプの非紆曲線(99a、99b)を示す。画像10Aの高紆曲線(95a)は、貫入性植物成長(91a)を受容するために利用可能である、高紆曲度材料(92)内に存在する空間(繊維内空間であってもよい)にわたって画像に加えられる。画像10Bの高紆曲線(95b)は、存在し、植物成長(91a)が高紆曲度材料(92)の空間及び繊維内空間を通ってナビゲートするときに高紆曲度材料(92)に貫入して観察される、付着器貫入性植物成長(91a)上の画像に加えられる。画像10Aの非紆曲線(99a)は、付着器植物成長(91b)を受容するために利用可能である低紆曲度材料(93)の繊維間に存在する空間にわたって画像に加えられる。画像10Cの非紆曲線(99b)は、存在し、植物成長(91b)が低紆曲度材料(93)の空間を通ってナビゲートするにつれて低紆曲度材料(93)に貫入して観察される付着器植物成長(91b)上の画像に加えられる。
【0373】
画像10Aを参照すると、高紆曲線(95a)及び非紆曲線(99a)はそれぞれ、画像10Aに示される海藻付着器(91)による実際の経路を無視し、代わりに、貫入する付着器がそれぞれ高紆曲度材料又は低紆曲度材料の内部構造をナビゲートする際にとることができる高紆曲度材料(92)又は低紆曲度材料(93)を通る通路をたどる、材料規定の自然経路をたどる。高紆曲線(95a)は、高紆曲度材料(92)内に前進してもよく、非紆曲線(99a)は、それら自体の開始点から、例えば、コード表面(90a)上又はコード表面(90a)において、低紆曲度材料(93)内に前進してもよく、コード又はヤーン(90)の中点(図示せず)に向かう中点方向(96a)である方向に前進するか、又はコード表面(90a)に直交する直交方向(96b)に前進する。画像10Aに示される高紆曲線(95a)によって追跡される材料規定の自然経路は、中点方向(96a)にある。画像10Aに示される非紆曲線(99a)によって追跡される材料規定の自然経路は、非紆曲線(99a)が始まるコード表面(90a)の部分に対して直交して配置される直交方向(96b)にある。
【0374】
ここで画像10B及び10Cを参照すると、画像10B内の代替的な高紆曲線(95b)及び画像10C内の代替的な非紆曲線(99b)は、それぞれ、海藻付着器(91)が存在する場所に従う成長規定の自然経路に従うように示され、それぞれ、高紆曲度材料(92)又は低紆曲度材料(93)に貫入するように観察される。画像10B及び10Cに示されるように、高紆曲線(95b)及び非紆曲線(99b)の両方は、それぞれ、例えば、表面(90a)上又は表面(90a)における開始点から延び、コード又はヤーン(90)の中点(図示せず)又はコード表面(90a)に直交する直交方向(96b)の点のいずれかに向かう中点方向(96a)である方向に進行する。画像10Bに示される貫入する植物成長(91a)は、直交方向(96b)の高紆曲線(95b)によって追跡される。画像10Cに示される貫入する植物成長(91a)は、中点方向(96a)に非紆曲線(99b)によって追跡される。
【0375】
理解され得るように、コード表面(90a)からコード又はヤーン(90)の中点(図示せず)に向かう中点方向(96a)は、
図10に提示される切断されたコード(90)の画像を取得するために必要とされる処理の前に中点があったであろう場所に基づいて推定され得る。また、理解できるように、コード表面(90a)から離れてコード(90)内に向かう直交方向(96b)は、コード表面(90a)が、関連する追跡の開始点又はその付近で直交方向(96b)を(96b)を規定するのに十分なほど線形である、又は実質的に線形であるコード表面(90a)の一部分に基づいて評価され得る。更に理解され得るように、高紆曲線(95a)又は非紆曲線(99a)を材料規定の自然経路にわたって追跡するとき、材料規定の線(95a、99a)は、妨害構造を回避する経路内の連続的な方向転換を使用して、各方向転換が中点方向(96a)又は直交方向(96b)に向かう方向(96b)のいずれかに連続的に前進する経路を追跡することによってプロットされ得、各方向転換は、中点方向(96a)又は直交方向(96b)に向かう方向である。
【0376】
それぞれの材料規定の自然経路に適用される高紆曲線(95a)又は非紆曲線(99a)の追跡に対する主要な影響は、トレース経路の各方向転換の選択が、材料規定の自然経路に沿って配置される内部材料構造によって提示されるオプションに基づくことであり、この選択は、所望の中点方向(96a)又は直交方向(96b)への前進を継続する方向転換オプションの選好によって誘導される。それぞれの成長規定の自然経路に適用される高紆曲線(95b)又は非紆曲線(99b)の追跡に対する主要な影響は、各方向転換の選択が、成長規定の自然経路に沿った観察された貫入性植物成長(91a)によって提示されるオプションに基づくことであり、この選択は、所望の中点方向(96a)又は直交方向(96b)に前進し続ける観察された成長を選択する選好によって誘導される。理解され得るように、材料規定の自然経路に基づく線(95a、99a)の追跡は、貫入性植物成長(91a)の存在を必要としない。
【0377】
中点方向(96a)又は直交方向(96b)に連続的に進行する、材料規定の又は成長規定の自然経路の追跡は、画像10A、10B、及び10Cに示されるように、切断されたコード(90)の画像内に提示される、二次元又は写真で可能化された平面内に完全に含まれる追跡に限定されてもよく、又は拘束されず、画像によって規定される平面に限定されることなく、三次元内で回転することが可能であってもよい。画像10Aに示されるように、高紆曲線(95a)は、中点方向(96a)において材料規定の自然経路を追跡し、画像内に提示される平面によって制限される方向転換からなり、また、中点方向(96a)と反対の方向に進む方向転換なしに、中点方向(96a)において材料規定の自然経路を連続的に前進させる方向転換からなる。画像10Bに示されるように、高紆曲線(95b)は、直交方向(96b)において成長規定の自然経路を追跡し、画像内に提示される平面によって制限される方向転換からなり、また、ほぼ直交方向(96b)において観察された貫入性植物成長(91a)に従う方向転換からなり、成長の性質に起因して、観察された成長が直交方向(96b)においてより前進した後の点に到達するまで、いくつかの点(95c)において時には直交方向(96b)と反対の方向に折り返す場合がある。画像10Aに示されるように、非紆曲線(99a)は、直交方向(96b)において材料規定の自然経路を追跡し、画像内に提示される平面によって制限される方向転換からなり、また、直交方向(96b)と反対の方向に進む方向転換なしに、直交方向(96b)に材料規定の自然経路を連続的に前進させる方向転換からなる。画像10Cに示されるように、非紆曲線(99b)は、中点方向(96a)において成長規定の自然経路を追跡し、画像内に提示される平坦面によって制限される方向転換からなり、また、ほとんど中点方向(96a)において観察された貫入性植物成長(91a)に従う方向転換からなり、成長の性質に起因して、観察された成長が中点方向(96a)においてより前進した後の点に到達するまで、いくつかの点(画像10Cに提示される実施例では観察できない)において、時には中点方向(96a)と反対の方向に折り返す場合がある。
【0378】
図10を参照すると、高紆曲線(95a、95b)及び非紆曲線(99a、99b)はそれぞれ、それぞれの終点(95aに対して97a、95bに対して97b、99aに対して97c、99bに対して97d)に到達するように追跡されて、それぞれの高紆曲線又は非紆曲線の長さを提供し、方向(96a、96b)が規定された場所の近くのコード表面(90a)と比較して、各線に対して材料内で到達する深さを提供することができる。終点(97a、97b、97c、97d)は、
図10に示されるように、コード表面(90a)から任意の深さであってもよいし、選択された中点方向(96a)又は直交方向(96b)においてコード表面(90a)から50μm又は100μmの深さに固定されていてもよい。理解され得るように、各終点(97a、97b、97c、97d)に関連する深さは、コード表面(90a)と終点(97a、97b、97c、97d)との間の直線距離(すなわち、直線長さ)を規定し、これは、対応する高紆曲線(95a、95b)又は非紆曲線(99a、99b)のねじれ長と比較され得る。高紆曲線(95a、95b)の長さはそれぞれ、対応する直線長さと比較されて、高紆曲度材料(92)の紆曲度を表す比(紆曲値)を提供し得、同様に、非紆曲線(99a、99b)の長さはそれぞれ、対応する直線長さと比較されて、低紆曲度材料(99)の紆曲度を表す比(紆曲値)を提供し得る。
【0379】
例えば、
図10を参照すると、高紆曲線(95a)は、400μmのねじれ長(コード表面90aから終点97aまでの高湾曲自然経路に沿って)を有してもよく、その対応する直線測定深さは、200μmの長さ(コード表面90aと終点97aとの間の直線に沿って)を有してもよく、それによって、400μmを200μmで割って計算される高紆曲度材料(92)の紆曲値2を提供する。例えば、紆曲値2は、コード表面から高紆曲度材料内への選択された方向(中点方向又は直交方向のいずれか)において(例えば50μmの)指定された深さを達成する直線長さの各単位について、材料構造を通るねじれた自然経路が、自然経路の終端において材料内への所望の深さに到達するために、その単位長さの2倍を必要とすることを表す。別の例では、画像10Bを参照すると、高紆曲線(95b)は、600μmのねじれ長を有し得、その対応する直線測定深さは、200μmの長さを有し得、それによって、600μmを200μmで除算することから計算される高紆曲度材料(92)の紆曲値3を提供する。例えば、紆曲値3は、高紆曲度材料内への選択された方向における深さを達成する直線長さの各単位に対して、材料を通る自然経路が、材料内への所望の深さに到達するために、その単位長さの3倍を必要とすることを表す。理解できるように、この計算方法を適用すると、高紆曲度材料は、低紆曲度材料の紆曲値よりも大きい紆曲値を有することになる。また理解され得るように、画像10A~10Bに示され、紆曲値2及び3を有するとして特徴付けられる高紆曲度材料(92)は、前述の例を使用して、限定ではなく、範囲を表す2~3の紆曲値を有するとして、2.5の平均紆曲値を有するとして、又は材料紆曲度を特徴付けるための統計的に十分な数のサンプリングを構成する前述の値及び追加の値に基づく平均値を有するとして、更に特徴付けられ得る。更なる態様において、本明細書に図示及び説明される高紆曲度材料は、2~200、2~100、2~50、2~10、2~5、2~3、5~200、5~100、5~50、5~10、10~200、10~100、10~50、50~200、50~100、及び100~200(両端含む)の範囲を含む紆曲値を有すると考えられる。また、本明細書に図示及び説明される高紆曲度材料は、2以上、5以上、10以上、20以上、50以上、100以上、及び200以上の紆曲値を有すると考えられる。
【0380】
同様に、別の実施例では、画像10A及び10Cを参照すると、非紆曲線(99a)は、210μmのねじれ長を有し得、その対応する直線測定深さは、200μmの長さを有することができ、それによって、低紆曲度材料(93)に対して1.05の紆曲値を提供する。例えば、紆曲値1.05は、低紆曲度材料内への選択された方向(中点方向又は直交方向のいずれか)における深さを達成する直線長さの各単位について、材料によって規定されるねじれた自然経路が、材料内への所望の深さに到達するために、その単位長さの1.05倍を必要とすることを表し得る。別の例では、画像10Cを参照すると、非紆曲線(99b)は、250μmのねじれ長を有し、その対応する直線測定深さは、200μmの長さを有し得、それによって、低紆曲度材料(93)に対して1.25の紆曲値を提供する。例えば、紆曲値1.25は、高紆曲度材料内への選択された方向における深さを達成する直線長さの各単位に対して、材料の自然経路が、材料内への所望の深さに達するために、その単位長さの1.25倍を必要とすることを表し得る。理解できるように、画像10A及び10Cに示される低紆曲度材料(93)は、前述の例を使用して、限定ではなく、1.05~1.25の紆曲値を有するものとして、1.15の平均紆曲値を有するものとして、又は材料についての十分な数のサンプリングに基づく平均値を有するものとして特徴付けられ得る。海藻を栽培するために使用される既知の低紆曲度材料の評価において、低紆曲度材料は、2未満、1~2、1~1.75、1~1.50、及び1~1.25の紆曲値を有すると考えられる。
【0381】
前述のいくつかの態様は、低紆曲度材料と組み合わせられるか、又は低紆曲度材料に隣接する、高紆曲度材料の編組又は組成物を含む。そのような構成では、編組又は複合コード又はヤーンの紆曲度は、低紆曲度材料の紆曲値と比較した高紆曲度材料の紆曲値の比として表すことができる。例えば、紆曲値2を有する高紆曲度材料及び紆曲値1.05を有する低紆曲度材料を有する編まれたコードにおいて、比較紆曲値は、組み合わされた比1.90(2を1.05で割って計算される)として、差0.95(2から1.05を引くことから計算される)として、又は+0.95(高紆曲度材料の紆曲値2が、低紆曲度材料の紆曲値1.05に対して+0.95の増大を表すことを表す)などの低紆曲度材料によって規定されるベースラインへの加算として表され得る。他の表現では、編組の数及び各編組内の材料のタイプは、海藻係合表面を呈するコードの外面上のより大きい存在、より大きい質量、又はより大きい表面積を有する材料に、より大きい計算上の重量を与えるように表現を偏らせるために使用され得る。
【実施例14】
【0382】
ここで、
図9(画像9A及び9b)及び10(画像10A及び10B)と同じ画像及び内容を有する
図11A及び11Bを参照すると、コード又はヤーン(90)、コード表面(90a)、付着器(91)、貫入性植物成長(91a)/中間内部相(91a)、付着器成長(91b)、高紆曲度材料(92)、下相(92a)、低紆曲度材料(93)、中点方向(96a)、及び直交方向(96b)が再び示されているが、
図9及び10からはラベル付けされていない。
図9に関して説明したのと同様に、
図11Bは、
図11Aの一部分の拡大図である。
図11A及び
図11Bの両方は、まとめて理解されるべきであり、
図9からの
図9Cと共に理解される必要がある。
図9及び
図10と同様に、
図11A及び
図11Bの全ての画像は、それぞれの画像に示されているように拡大及び縮尺されている。
【0383】
図11A及び11Bに関して、材料の紆曲度は、潜在的な海藻内部成長に対して提示可能であるか、又は観察可能に海藻付着器の内部成長を促進したかのいずれかである、材料を通る自然経路を識別することによって、部分的に特徴付けられ、規定され得ると考えられ、また、材料の紆曲度は、(a)自然経路に沿った移動の長さを、(b)その移動の間に経る方向転換量又は方向転換数と比較することによって更に規定され得ると考えられる。更に、材料の紆曲度は、海藻の内部成長が存在しない材料の画像に適用される、及び/又は材料内への観察可能な海藻の付着器の内部成長の画像に適用される追跡又はフレームワークから確認され得る、材料内への潜在的又は観察可能な内部成長の長さに部分的に基づき得ると考えられる。また、材料の紆曲度は、部分的に、(a)自然経路の長さ、及び(b)自然経路の長さに沿って経た累積方向転換数又は累積方向転換度を確認するために、材料及び/又は材料内への海藻の内部成長の画像に適用される材料を通る自然経路の追跡によって規定され得、自然経路の長さ及び累積方向転換の数又は度は、評価された材料の紆曲値を規定するために互いに比較され得ると考えられる。
【0384】
ここで
図11A及び11Bを参照し、
図9及び10の説明を参照すると、
図11Aは、低紆曲度材料(93)を通る自然経路を追跡する一連のベクトル(100)を示し、
図11Bは、高紆曲度材料(92)を通る自然経路を追跡する一連のベクトル(100)を表す線(101)を示す。一連のベクトルの各ベクトル(100)は、自然経路のほぼ直線のセグメントを追跡するために、開始点から終了点まで離散的な長さに延びる直線であり、一連のベクトル(100)は共に、
図9及び
図10に関して前述したように、自然経路全体を追跡する。一連のベクトルの各ベクトル(100)は、端から端まで接続し、自然経路における離散的な方向転換を表す隣接するベクトル間の角度を規定する。その角度は、自然経路に沿って観察される方向転換数を提供するために、又は自然経路に沿って隣接するベクトル(100)間の方向転換度を提供するために評価され得る。各ベクトルは、自然経路が海藻材料の存在なしに材料を通って移動する離散距離に対応し、材料を通って自然経路を移動する観察された海藻付着器の移動の離散距離にも対応し得る。
図11Aに示されるように、隣接するベクトルの角度又は方向の変化は、終点(100h)における最後のベクトル(100)の終わりに達するまで、点(100a、100b、100c、100d、100e、100f、及び100g)において生じる。理解され得るように、1つのベクトルが一連のベクトル内の次のベクトルに隣接する場合、隣接するベクトル間に対応する角度が存在するか、又は別の見方をすれば、一連のベクトル内の前のベクトルによって規定される経路の方向の変化が存在する。自然経路の角度又は方向の変化は、例えば、
図11Aなどの画像によって規定される二次元平面において観察されるような方向転換度の値を割り当てられ得る、又は方向転換数は、一連のベクトルの各ベクトル間で計数され得る。自然経路における方向転換の度又は角度の総数を合計して、所与の移動長さに対して自然経路によって提示される総方向転換又は角度を決定することができる。
【0385】
方向の変化が材料規定の自然経路に沿って決定される
図11Aの例では、一連のベクトル内の第1のベクトル(100)は、第1のベクトルの初期方向を第2のベクトルの方向に変化させるために必要な方向転換度を決定するために使用される初期方向を設定する。
図11Aに示されるように、初期ベクトル及び他のベクトル(100)は、コード表面(90a)において中点方向又は直交方向に開始する自然経路を追跡し、次いで、一連のベクトル内の次のベクトル(100)と整合するように、数度の方向転換を経ることができる。
図11Aに示されるように、第1のベクトルは、画像の二次元平面において直交方向(96b)にあり、点100aで次の第2のベクトルにつながるように示されており、点100aでは、第2のベクトルと位置合わせするために左に60度方向転換しており、次いで、第2のベクトルが点100bで終了し、点100bでは、第3のベクトルにつながるために右に65度方向転換しており、以下同様である。この一連のベクトルは次のように続く:点100cで右に30度、点100dで左に45度、点100eで左に45度、点100fで右に45度、点100gで左に30度方向転換し、点100hで終了する。この自然経路の累積角度は、個々の方向転換値の合計として計算される。
図11Aの例では、7つの方向転換は、選択された二次元平面内で合計320度になる(60度+65度+30度+45度+45度+45度+30度=320度から計算される)。
図11Aの低紆曲度材料(93)は、
図11Aに示されるスケーリングから測定可能な経路の長さを達成するために、320度の方向転換を経ることが理解され得る。
図11Aの各ベクトル及び提供されたスケールの検査は、20μm、15μm、15μm、15μm、10μm、15μm、15μm、及び20μmの個々のベクトル長値から計算される125μmの自然経路の長さの測定を可能にする。したがって、
図11Aの低紆曲度材料(93)は、一連のベクトルの第1の直交ベクトル(100)によって確立される方向に、125μmの自然経路の長さにわたる320度の方向転換に基づく紆曲値を有すると判定することができる。比として表される場合、
図11Aの例に示される低紆曲度材料(93)は、各マイクロメートルの長さに対して2.56度の紆曲値を有すると言うことができ、又は更に別の方法で表される場合、2.56度/μmの紆曲値(320度を125μmで割って計算)を有すると言うことができる。理解され得るように、高紆曲度材料は、高紆曲度材料において見られる自然経路に沿った移動の各単位長さについて、より大きい程度の方向転換を経るために、より高い紆曲値を呈する。
【0386】
図10に関して上で説明したように、
図11Aに示され、2.56度/μmの紆曲値を有するものとして特徴付けられる低紆曲度材料(93)は、前述の例を使用して、限定ではなく、材料の複数の評価を包含する範囲として表される紆曲値を有するものとして、材料の複数の評価の平均に基づく平均紆曲値を有するものとして、又は材料紆曲度を特徴付けるために統計的に十分な数のサンプリングに基づく平均値を有するものとして更に特徴付けられ得る。更に、海藻用途に使用される低紆曲度材料は、3.00度/μm未満の紆曲値に限定されると考えられている。
【0387】
ここで
図11Bを参照すると、高紆曲度材料(92)の自然経路は、
図11Aの説明において適用された一連のベクトル(100)を表す線(101)によって追跡される。
図11Bの自然経路における方向転換の高い出現率は、低紆曲度自然経路のために
図11Aと共に使用された同じサイズの離散ベクトルによる高紆曲度自然経路の適用及び閲覧を妨げ、本開示のための
図11Bの評価を可能にするために、線(101)が、多数の小さいサイズの離散ベクトル(100)によって表されたであろうベクトル及び方向転換の大部分を捕捉するために適用される。理解され得るように、高紆曲度材料に適用される離散ベクトル(100)は、より大きい倍率を用いて、かつ自然経路の識別におけるベクトル及び方向転換の識別を可能にする又は向上させ得るコンピュータで可能化された画像分析の使用を用いて、線(101)によってより良好に表され得る。また、理解され得るように、線(101)の使用は、
図11Bの画像の高倍率で観察されるであろう方向転換及び方向転換度のうちのいくつかを省略する簡略化である。
【0388】
図9及び
図10に関して前述したように、線(101)は、海藻が存在しない材料を通る自然経路を追跡してもよく、又は観察可能な付着器内部成長に続く自然経路を追跡し得る。また、
図9及び10に関して説明されるように、線(101)は、中点方向又は直交方向に前進し得る。
図11Bでは、線(101)は、コード表面(90a)から直交方向(96b)に前進し、観察可能な海藻内部成長によって規定される自然経路を追跡し、この自然経路は、時には、海藻内部成長がそのような方向転換を示す直交方向とは反対の方向に戻る。
【0389】
更に
図11Bを参照すると、線(101)に沿った点が方向を変えるように示されており、各方向転換に関連付けられた方向転換度の視覚的推定が
図11Bの画像から取得され得る。
図11Bの例では、各有意な方向転換が、画像の二次元平面から評価され、それは、方向転換度が以下のように各点について評価されることを可能にする:点101aにおける90度の右方向転換、点101bで180度の左方向転換、点101cで完全な360度ループ、点101dで170度の右方向転換、点101eで100度の左方向転換、点101fで70度の右方向転換、180度の左方向転換、続いて点101gで60度の右方向転換、続いて60度の左方向転換、点101hで180度の右方向転換、点101iで180度の左方向転換、点101jで180度の右方向転換、点101kで110度の左方向転換、点101lで90度の右方向転換、180度の左方向転換、続いて点101mで60度の右方向転換、次いで60度の左方向転換、次いで90度の右方向転換、続いて点101nで90度の左方向転換。
図11Bにはマークされていないが、線(101)は、終点(101o)に達するまでの追加の方向転換を示す。点101nに続くこれらの追加のマークされていない方向転換は、終点(101o)に到達するまで以下の方向転換度を提供する:30度の右方向転換、70度の右方向転換、70度の左方向転換、70度の右方向転換、30度の左方向転換、160度の左方向転換、180度の右方向転換、90度の左方向転換、110度の右方向転換、90度の左方向転換、130度の左方向転換、170度の右方向転換、90度の左方向転換、130度の左方向転換、120度の右方向転換、及び45度の左方向転換。上述の方向転換の全てを加算することにより、高紆曲度材料をナビゲートして終点(101o)に到達するために合計4075度の方向転換が提供される。
図11Bに示されるように、線(101)の長さは、画像内に提供されるスケーリングを用いて、画像内に提供される2次元平面内で540μmの長さを有するように評価することができる。したがって、
図11Bの高紆曲度材料(92)は、開始点101aから確立される方向で540μmの自然経路の長さにわたる4075度の方向転換に基づく紆曲値を有するように判定することができる。比として表される場合、
図11Bの例に示される高紆曲度材料(92)は、各マイクロメートルの長さに対して7.55度の紆曲値を有すると言うことができ、又は更に別の方法で表される場合、7.55度/μmの紆曲値(4075度を540μmで割って計算)を有すると言うことができる。理解され得るように、より低い紆曲度材料は、低紆曲度材料又は非紆曲度材料において見られる自然経路に沿った移動の各単位長さについて、より少ない程度の方向転換を経るために、より低い紆曲値を呈する。
【0390】
図10に関して上述したように、
図11Bに示され、紆曲値7.55度/μmを有するものとして特徴付けられる高紆曲度材料(92)は、前述の例を使用して、限定ではなく、材料の複数の評価を包含する範囲として表される紆曲値を有するものとして、材料の複数の評価の平均に基づく平均紆曲値を有するものとして、又は材料紆曲度を特徴付けるための統計的に十分な数のサンプリングに基づく平均値を有するものとして更に特徴付けられ得る。更なる態様では、本明細書に示され、記載される高紆曲度材料は、3~1000度/μm、3~500度/μm、3~200度/μm、3~100度/μm、3~50度/μm、3~10度/μm、3~5度/μm、5~1000度/μm、5~500度/μm、5~200度/μm、5~100度/μm、5~50度/μm、5~10度/μm、7~1000度/μm、7~500度/μm、7~200度/μm、7~100度/μm、7~50度/μm、及び7~10度/μm(両端含む)の範囲を含む紆曲値を有すると考えられる。また、本明細書に示され記載される高紆曲度材料は、3度/μm以上、5度/μm以上、7度/μm以上、及び10度/μm以上の紆曲値を有すると考えられる。
【0391】
前述のいくつかの態様は、低紆曲度材料と組み合わせられるか、又は低紆曲度材料に隣接する、高紆曲度材料の編組又は組成物を含む。そのような構成では、編組又は複合コード又はヤーンの紆曲度は、低紆曲度材料の紆曲値と比較した高紆曲度材料の紆曲値の比として表すことができる。例えば、7.00度/μmの紆曲値を有する高紆曲度材料及び2.50度/μmの紆曲値を有する低紆曲度材料を有する編まれたコードにおいて、比較紆曲値は、2.8の組み合わせ比(7.00度/μmを2.50度/μmで割って計算)として、4.50度/μmの差(7.00度/μmから2.50度/μmを引いて計算)として、又は+4.50度/μm(7.00度/μmの高紆曲度材料の紆曲値が、2.50度/μmの低紆曲度材料の紆曲値が、度/μmの低紆曲度材料の紆曲値に対して+4.50度/μmの増大を表すことを表す)などの低紆曲度材料により規定されるベースラインへの付加として表され得る。他の表現では、編組の数及び各編組内の材料のタイプは、海藻係合表面を呈するコードの外面上のより大きい存在、より大きい質量、又はより大きい表面積を有する材料に、より大きい計算上の重量を与えるように表現を偏らせるために使用され得る。
【0392】
上記に加えて、2つの材料の紆曲値を比較する別の方法は、所定の経路の長さに達するまで各材料に存在する自然経路をたどり、次いで、各材料について達成された方向転換度を比較することである。2つの材料の紆曲値を比較する更に別の方法は、各材料に存在する自然経路をたどり、所定の量の角度が達成されるまでに経た方向転換度を累積し、次いで、達成された経路の長さ又は材料の深さを比較することである。
図11A及び
図11Bの例を参照すると、紆曲度の1つの尺度は、所与の角度が達成されるまで延びる経路の長さである。ePTFEのような高紆曲度材料を通って移動する本体は、スパンポリエステルのようなより低い紆曲度の材料を通って移動する本体よりも頻繁に方向を変える必要がある。設定された累積角度に達するまで、所与の材料の中に、その材料内に、又はその材料を通って横断する経路の長さは、材料の紆曲度を測定する1つの方法である。紆曲度を測定する目的で、角度を所与の値に設定することができ、物体が自然経路に沿って移動するときに物体が追跡する経路の長さを、物体が累積角度限界に達するまで測定することができる。
【実施例15】
【0393】
再び
図11Bを参照すると、材料の紆曲度は、部分的に、潜在的な海藻内部成長に対して提示可能であるか、又は観察可能に海藻付着器の内部成長を促進したかのいずれかである、材料を通る自然経路を識別することによって特徴付けられ、規定され得ると考えられ、更に、材料紆曲度は、(a)材料内の自然経路の深さを増加させる方向における自然経路に沿った移動の一部分を、(b)材料内の自然経路の深さを増加させる前述の方向に対して直交又は横向きの方向における自然経路に沿った移動の一部分と比較することによって特徴付けられ得ると考えられる。更に、材料の紆曲度は、海藻の内部成長が存在しない材料の画像に適用される、及び/又は材料内への観察可能な海藻の付着器の内部成長の画像に適用される追跡から確認され得る、材料内への潜在的又は実際の内部成長の長さに部分的に基づき得ると考えられる。また、材料の紆曲度は、(a)材料内の自然経路の深さを前進させる自然経路の第1の深さ前進部分、及び(b)材料内の自然経路の深さを前進又は減少させない自然経路の第2の深さ中立部分を確認するために、材料及び/又は材料内への海藻の内部成長の画像に適用される、材料を通る自然経路の追跡によって部分的に規定され得、深さ前進部分及び深さ中立部分は、評価される材料の紆曲値を規定するために互いに比較され得ると考えられる。
【0394】
図11Bに関して上述したように、自然経路は、線(101)などの線によって追跡されてもよく、
図11Bの直交方向(96b)などの選択された方向に追跡線の進行を進める深さ前進部分を有し、選択された方向に前進させないか、又は先の前進を減少させる深さ中立部分を有するように示され得る。同様に、
図11Aに関して、自然経路は、ベクトル(100)等の一連のベクトルによって追跡されてもよく、一連のベクトルのそれぞれは、
図11Aの直交方向(96b)などの選択された方向に追跡線の進行を前進させる深さ前進部分を有し、選択された方向に前進しない、又は先の前進を減少させる深さ中立部分を有するように示され得る。
図11Bの線(101)又は
図11Aのベクトル(100)の各々は、選択された方向(直交方向96b)に平行な第1の部分と、選択された方向に平行でない第2の部分とに分割することができる。第1の部分は、選択された方向と反対の要素を除去するように更に精緻化されてもよく、それによって、第1の部分を深さ増強部分のみに低減する。理解され得るように、第1の深さ増大部分の長さを第2の深さ中立部分と比較して、自然経路及び材料の紆曲値を提供することができる。
【0395】
図11Aの例では、コード表面(90a)における一連のベクトルの開始点から終点(100h)までの距離は、画像のスケールから確認可能であり、これは、200μmの深さ増大距離(又は深さ)を提供する。画像の同じ評価及びそのスケーリングは、一連のベクトルが終点(100h)に進むときに直交方向(96b)の左又は右のいずれかを横断した距離を提供し、これは、画像のスケールから確認可能であり、70μmの深さ中立距離(又は総左右移動)を提供する。
図11Aの例についての深さ中立値と深さ増大値との比較は、26%の紆曲値(70μmの側方部分を観察された合計200+70μmで割った百分率として計算される)を提供し、これは、低紆曲度材料(93)を通って横断する自然経路の26%パーセントが側方移動に充てられることを表す。海藻栽培に使用される低紆曲度材料は、30%未満の紆曲値を提供すると考えられている。高紆曲度材料の高紆曲経路は、低紆曲度材料内に提示されるより低い紆曲経路と比較して、側方への動きに貢献する移動においてより大きい割合を有するであろう。理解され得るように、材料が、非紆曲度材料への直線経路を呈する場合、そのような線は、その移動のいずれもが横方向ではないであろうため、0パーセントの紆曲度値を有する。
【0396】
図11Bの例では、コード表面(90a)の点101aにおける線(100)の開始点から終点(101o)までの距離は、110μmの深さ増大距離(又は深さ)を提供し、これは画像のスケールから確認可能である。画像の同じ評価及びそのスケーリングは、線(101)が終点(101o)に進むときに直交方向(96b)の左又は右のいずれかを横断した距離を提供し、これは、画像のスケールから確認可能であり、230μmの深さ中立距離(又は総左右移動)を提供する。
図11Bの例についての深さ中立値と深さ増大値との比較は、68%の紆曲値(230μmを230+110μmで割った百分率として計算される)を提供し、これは、高紆曲度材料(92)を通って横断する自然経路の68%パーセントが横向き移動に貢献することを表す。
【0397】
図10に関して上述したように、
図11Bに示され、紆曲値68%を有するものとして特徴付けられる高紆曲度材料(92)は、前述の例を使用して、限定ではなく、材料の複数の評価を包含する範囲として表される紆曲値を有するものとして、材料の複数の評価の平均に基づく平均紆曲値を有するものとして、又は材料紆曲度を特徴付けるための統計的に十分な数のサンプリングに基づく平均値を有するものとして更に特徴付けられ得る。更なる態様では、本明細書に示され、説明される高紆曲度材料は、30~90%、30~80%、30~70%、30~60%、30~50%、30~40%、40~90%、40~80%、40~70%、40~60%、40~50%、50~90%、50~80%、50~70%、50~60%、60~90%、60~80%、60~70%、70~90%、70~80%、及び80~90%(両端含む)の範囲を含む紆曲値を有すると考えられる。また、本明細書に示され記載される高紆曲度材料は、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、及び90%以上の紆曲値を有すると考えられる。
【実施例16】
【0398】
ここで
図12を参照すると、第1の群の4キャリアと第2の群の4キャリアとからなる、1インチ当たり5~6つのピックを有する8キャリアダイヤモンド編組(120)が縮尺で示されている。第1の群の4キャリアの各々は、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)繊維の一端を含み、ePTFE繊維(122)(黄褐色又は点描で示される)は、1.0g/cc未満の密度、1μm~50μmの典型的なフィブリル間間隔、及び1000デニールの線質量密度を有する。第1の群の4キャリアの各々はまた、8/1スパンポリエステル繊維の一端を含む。第2の群の4キャリアの各々は、8/1スパンポリエステル繊維(124)(白色又は斑点なしで示されている)の2つの端部を含む。当業者によって理解され得るように、同様の編組は、例えば、第1の群の6キャリアと第2の群の6キャリアとを有する12キャリア編組を使用して織られ得る。編組技術の他の変形例が想定され、編組(120)の形成のための選択肢の範囲内である。例えば、編組のより丸みを帯びた外径のために、例えば、16、32、及び64のキャリア編組などのより多くのキャリアが採用され得る。より頑丈な編組のために、ePTFE繊維の線質量密度は、2000、3000、4000、又は5000デニールに増加され得る。
【0399】
この実施例の代替的な態様では、8キャリアダイヤモンド編組は、1.0g/cc未満の密度、1μm~50μmの典型的なフィブリル間間隔、及び1000デニールの線質量密度を有するePTFE繊維の一端を含む8キャリアの各々からなる1インチ当たり5~6ピックの100%ePTFE繊維(ポリエステル構成要素なし)で織られ得る。当業者によって理解され得るように、同様の編組は、例えば、12キャリア以上の編組を使用して織られ得る。編組技術の他の変形例が想定され、編組の形成のための選択肢の範囲内である。例えば、編組のより丸みを帯びた外径のために、例えば、16、32、及び64のキャリア編組などのより多くのキャリアが採用され得る。より頑丈な編組のために、繊維の線形質量密度は、2000、3000、4000、又は5000デニールに増加され得る。
【実施例17】
【0400】
先に述べたように、種子又は若い海藻植物は、健康な植物に成長及び成熟し、海藻農家に高収量収穫を提供するために、その付着器と固定面との間の安定した係合を必要とする。種々の海藻成長パターンの分析は、付着器と固定面との間の不十分な係合が、海藻植物を刺激して、より多くの栄養素を付着器の発育に供し、季節の間の全体的な植物成長には供しないことを明らかにした。付着器と固定基材材料との間の高度の係合、特に、固定基材材料への付着器の高度の貫入は、基材と植物との係合の改善に関連すると考えられる。更に、付着器-基材界面における植物-アンカー係合の改善は、頑強な植物の健康の達成及び収穫時の収量の向上に関連すると考えられる。
【0401】
当業者によって理解され得るように、栽培基材は、適切な長さ及び張力のロープを含む海藻栽培システムの構成要素であってもよく、それにより、ロープは、水生環境において浮き又はアンカーによって支持されることが可能になる。いくつかの態様では、ロープは、最初に未成熟海藻植物を播種され、未成熟海藻植物は、ロープ材料の上及び中に成長してロープとの係合を形成するように配置される。
図13に示すように、海藻がロープと係合して1つ以上の断面を形成した場所で、ロープを軸横断方向又は垂直方向に切断することによって、生育期間後に、栽培基材と海藻付着器との間のこの界面の画像を得ることができる。切断されたロープは、適切な角度で境界面の図を提供することができる既知の巨視的及び微視的視覚化技術を用いて、及び適切な照明又は他の視覚化技術を用いて、栽培基材と付着器との間の境界面の図を提供することができる。他の巨視的及び顕微鏡的可視化技術、例えば、基材と付着器とを区別するために画像を強調するために、又は海藻物質の存在を単に強調するために色素を適用する技術を使用し得る。別の可視化技術は、蛍光を使用して画像を強調し、基材と付着器とを区別するか、又は海藻材料の存在を強調することを含み得る。
【0402】
当業者によって理解され得るように、画像は、水生植物を水生植物成長基材上で成長させるプロセス中の任意の時点で作製され得る。所与の基材上での成長は、基材を胞子、配偶体、胞子体、幼若植物、又は成長のより進行した段階にある植物若しくは植物の一部と接触させることによって開始され得る。画像及び試料は、成長サイクルの間の任意の時間に、例えば、付着直後から植物が収穫の準備ができている時間までに取得され得る。
【0403】
図13は、スパンポリエステル(157)及びePTFE(158)の織物を含む複合栽培基材の表面と接触して成長する水生植物の拡大カラー画像を示す。破線の円(151)によって規定される領域は、スパンポリエステル(157)を含む栽培基材の外面と接触している植物付着器(152)の部分を示す分離された詳細である。破線円(153)は、複合物中のePTFE(158)から構成される栽培基材の外面と接触している植物付着器(154)の部分を示す分離された詳細である。この画像に示されるように、ePTFE(158)から構成される基材の表面上で成長する付着器(154)の部分の成長は、スパンポリエステル(157)と接触する付着器(152)の部分の成長に見られるよりも強固な成長及び係合を示す。
【実施例18】
【0404】
図14~
図17を参照すると、付着器係合のための材料の適合性及び材料の紆曲度は、部分的に、海藻が規定量の時間にわたって材料内に成長することを可能にされた後に、海藻付着器が材料内に係合し、成長する程度を識別及び特徴付けることによって、特徴付けられ、規定され得ると考えられる。また、付着器係合及び内部成長の程度は、付着器-材料係合が存在する試料を作製することによって、及び顕微鏡法、特に可視光技術及び蛍光透視技術を使用して材料内の付着器内部成長の存在を見て確認することによって、視覚的に評価することができると考えられる。更に、係合した海藻付着器を有する材料の可視光及び蛍光写真画像は、係合及び内部成長のレベルを明らかにするように処理及び表示することができ、これらの写真画像を使用して、材料内への内部成長の量、程度、及び深さを評価することができると考えられる。係合及び内部成長のレベルを定量化するために、スケーリングされた追跡及びフレームをそのような写真画像に適用することができ、材料に隣接して配置された(したがって内部成長として材料内にない)海藻付着器構造、付着器内部成長を有する材料の部分、及び付着器内部成長が最小限であるか又は付着器内部成長を有さない材料の部分の間で比較を行うことができるとも考えられる。
【0405】
図14A及び
図14Bは、同じ例の2つの顕微鏡図を示す。この例は、
図9、
図10、及び
図11A~
図11Bに関して示され説明されたものと同じ低紆曲度材料から部分的に作製された編組コードの一部分である。
図14A及び
図14Bの画像は、
図9、
図10、及び
図11A~
図11Bに関して説明した作製技法と同様の作製技法を使用して、コードを横断方向に切断し、コードの切断端を操作して、低紆曲度度材料と、低紆曲度度材料に係合して貫入する海藻付着器との図を提示することによって作製されたコードの断面図である。
図14Aは可視光における断面の顕微鏡図であり、
図14Bは蛍光可能光における同じ断面の顕微鏡図である。
図14A及び
図14Bは両方とも同じ縮尺であり、両方ともそれぞれの画像に記された縮尺である。
図14Aに示すような可視光画像は、標準的な写真技術を用いて作製され得る。
【0406】
図14Aは、繊維間の空間(121)を規定するポリエステル繊維で作られた低紆曲度材料(120)を有するコード(110)の一部分を示す。低紆曲度材料(120)は、コードの外面である表面(122)を有し、この表面は、調製前に、コード(110)の表面(122)上及びその表面内への海藻付着器の成長を促進するために、成長期間中に水生環境に提示された。画像に示されるように、コード表面(122)に隣接して配置された海藻付着器(123)を示し、繊維間の空間(121)内の低紆曲度材料(120)に貫入する海藻内部成長(124)を示すように、切断されたコード(110)の図が選択及び作製された。可視光でコード(110)及び付着器(123)を表示する
図14Aの写真画像では、無色のポリエステルと比較して海藻材料の暗褐色の着色に部分的に起因して、及びポリエステル繊維のより大きな構造と比較して海藻材料のより微細な構造に部分的に起因して、人工コード材料と有機海藻材料とを区別することが可能である。
【0407】
図14Aに見られるように、コード表面(122)の一部分は、低紆曲度材料(120)及び海藻付着器(123)が互いに隣接したままであり、付着器(123)から延びる海藻内部成長(124)が低紆曲度材料(120)の構造内で損なわれていない直線配向を有する。少なくとも100μmの長さを有する境界線(125)が、直線状に配向されたコード表面(122)の画像の上に配置される。境界線(125)は、海藻-材料係合の好適な表現が存在する、特に、低紆曲度材料(120)と付着器(123)との間に直線又はほぼ直線の係合が存在する、及び付着器(123)が、低紆曲度材料(120)内に延びる貫入性内部成長(124)との係合を提示する、画像上の特徴をマークする。また示されるように、フレーム(126)は、フレーム(126)を二分し、境界線(125)の各側にフレーム(126)の半体を配置するように、特定の配向で境界線にわたって配置される。フレーム(126)は、100μm×100μmの正方形であり、境界線(125)によって二分され、第1のフレーム半体(126a)は、海藻付着器(123)にわたって延び(この例では50μm)、第2のフレーム半体(126b)は、海藻内部成長(124)を有する低紆曲度材料(120)にわたって延びる(この例では50μm)。第2のフレーム半体(126b)は、海藻内部成長(124)を欠く低紆曲度材料(120)の領域にわたって配置されない。理解され得るように、境界線(125)及びフレーム(126)の配置は、第1のフレーム半体(126a)における海藻付着器(123)の一貫した代表的な図を捕捉し、第2のフレーム半体(126b)における貫入性内部成長(124)の一貫した代表的な図を捕捉するように、意図的に行われる。
図14Aの第1のフレーム半体(126a)と第2のフレーム半体(126b)とを比較すると、可視光顕微鏡下で第2のフレーム半体(126b)に視覚的に存在する有機海藻物質は、同じ可視化技術下で第1のフレーム半体(126a)に視覚的に存在する有機海藻物質の25%未満であることが当業者に明らかである。海藻付着器と係合し、付着器の低紆曲度材料への内部成長を有する低紆曲度材料は、第1のフレーム半体(126a)中の有機海藻材料の量の10%~25%の範囲である量の有機海藻材料を第2のフレーム半体(126b)中に提示すると考えられる。
【0408】
また、100μm×100μmのフレーム(126)の適用は、コード(122)のより大きな表面にわたる係合を表すのに十分な海藻-材料係合の試料を提供し、そのようなフレームは、試料コードの平均を提供するために係合及び内部成長を提示する複数の位置に適用され得ると考えられる。境界線(125)によって二分され得る100μmの直径を有する円であるフレームなどの、コードの大部分について、海藻-材料係合の公正な表現である面積を規定する他のフレームが使用され得ることが企図される。
【0409】
図14Bは、
図14Aと同じ画像を示すが、可視光の代わりに蛍光画像を用いている。
図14Bに示されるような蛍光画像は、Aquapenハンドヘルドデバイスの使用によるような標準的な技術を使用して作製され得る。蛍光撮像技術に関する更なる情報は、「Chlorophyll fluorescence analysis;a guide to good practice and understanding some new applications」、Murchie及びLawson、Journal of Experimental Botany、第64巻、第13号、3983~3998頁、2013年などの情報源に見出され得る。
【0410】
図14Bは、
図14Aに示されたのと同じ構造の全てを含むが、
図14Bに表示された蛍光画像技術に供されたときに、より少なく又はより多く可視であるいくつかの構造を有する。観察者を助けるために、
図14Aに見られるようにポリエステル低紆曲度材料(120)が存在するところの輪郭を描くように、点線(127)が
図14Bに適用されている。
図14Bに見られるように、点線(127)内の低紆曲度材料(120)は、黒色であり、非蛍光性であり、蛍光を有さない画像の領域と区別できない。加えて、
図14Bにおける画像のコントラストは、低紆曲度材料(120)の画像を、蛍光画像においてゼロ又は最小限の存在を有するレベルに維持するように調整されている。図から分かるように、コントラストの調整により、低紆曲度材料(120)は、画像のゼロ蛍光バックグラウンドに一致するように、又は画像内のゼロ蛍光ベースラインレベルとして規定され得るレベルに設定されるように作製することができる。理解され得るように、この蛍光画像コントラストの較正は、適切に実行される場合、較正が、第1のフレーム半体(126a)と第2のフレーム半体(126b)との間で比較が行われるとき、画像内の有意な蛍光源としての低紆曲度材料(120)を排除するであろうために重要である。
【0411】
図14Bにも見られるように、付着器(123)及び貫入性内部成長(124)は両方とも、低紆曲度材料(120)及び画像のゼロ蛍光背景から視覚的及び測定可能に区別可能である、観察可能なレベルの蛍光を提供する。フレーム126を見ると、付着器(123)の有機海藻材料を含む領域を囲む第1のフレーム半体(126a)の蛍光が、低紆曲度材料(120)の繊維間に配置された貫入性内部成長(124)の有機海藻材料を含む領域を囲む第2のフレーム半体(126b)の蛍光よりも実質的に大きいことも明らかである。
図14Bの第1のフレーム半体(126a)と第2のフレーム半体(126b)とを比較すると、蛍光撮像顕微鏡技術下で第2のフレーム半体(126b)に視覚的に存在する有機海藻物質は、同じ可視化技術下で第1のフレーム半体(126a)に存在する有機海藻物質の25%未満であることが当業者には明らかである。海藻付着器と係合し、付着器の低紆曲度材料への内部成長を有する低紆曲度材料は、第1のフレーム半体(126a)によって囲まれる第1の量の有機海藻材料の10%~25%の範囲である、第2のフレーム半体(126b)によって囲まれる第2の量の有機海藻材料を提示すると考えられる。
【0412】
ここで、
図15A及び15Bを参照する。理解され得るように、
図14A及び14Bに適用される同じ可視化技術が、それぞれ、
図15A及び15Bの画像に適用され得、(a)付着器の内部成長を伴うコード及び付着器の例を選択及び作製し、断面図を提供し、(b)可視照明又は蛍光技術のいずれかを用いて、コード材料、付着器、及び貫入性内部成長の画像を取得し、(c)画像の特定の比較可能な領域間の同様の比較を達成するために、画像に線及びフレームを適用する。簡略化のため、可能であれば、同様の構造又は特徴が識別される
図14A~
図14Bで使用されるのと同じ番号付けスキームが
図15A~
図15Bで使用される。
【0413】
図15A及び
図15Bは、同じ例の2つの顕微鏡図を示す。この例は、
図9、
図10、及び
図11A~
図11Bに関して示され説明されたものと同じ高紆曲度材料で部分的に作られた編組コードの一部分である。
図15A及び
図15Bの画像は、
図9、
図10、
図11A~
図11B、及び
図14A~
図14Bに関して説明した作製技術と同様の作製技術を使用して、コードを横断方向に切断し、コードの切断端部を操作して、高紆曲度材料と、高紆曲度材料に係合及び貫入する海藻付着器との図を提示することによって作製されたコードの断面図である。
図15Aは可視光における断面の顕微鏡図であり、
図15Bは蛍光可能光における同じ断面の顕微鏡図である。
図15A及び
図15Bは両方とも同じ縮尺であり、両方ともそれぞれの画像に記された縮尺である。
図15Aに示すような可視光画像は、標準的な写真技術を用いて作製され得る。
【0414】
図15Aは、フィブリル間に繊維内空間(図示せず)を規定するePTFEフィブリルで作製された高紆曲度材料(130)を有するコード(110)の一部分を示す。高紆曲度材料(130)は、コードの外面である表面(132)を有し、この表面は、作製前に、コード(110)の表面(132)上及びその表面内への海藻付着器の成長を促進するために、成長期間中に水生環境に提示された。画像に示されるように、コード表面(132)に隣接して配置された海藻付着器(123)を示し、フィブリル間の繊維内空間(図示せず)内の高紆曲度材料(130)に貫入する海藻内部成長(124)を示すように、切断されたコード(110)の図が選択及び作製された。可視光でコード(110)及び付着器(123)を表示する
図15Aの写真画像において、白色ePTFEと比較して海藻材料の暗褐色の着色に部分的に起因して、人工コード材料と有機海藻材料とを区別することが可能である。白色ePTFEは、白色ePTFE及び高紆曲度材料(130)の表面(132)に隣接して配置された暗褐色の海藻付着器(123)と比較して色差を提供するのに海藻が十分に存在する場所で黄褐色になるため、白色ePTFE高紆曲度材料(130)に存在する海藻内部成長(124)を見ることも可能である。
【0415】
図15Aに見られるように、コード表面(132)の一部分は、高紆曲度材料(130)及び海藻付着器(123)が互いに隣接したままであり、付着器(123)から延びる海藻内部成長(124)が高紆曲度材料(130)の構造内で損なわれていない直線配向を有する。少なくとも100μmの長さを有する境界線(125)が、直線状に配向されたコード表面(132)の画像の上に配置される。境界線(125)は、海藻-材料係合の好適な表現が存在する、特に、高紆曲度材料(130)と付着器(123)との間に直線又はほぼ直線の係合が存在する、及び付着器(123)が高紆曲度材料(130)内に延びる貫入性内部成長(124)との係合を提示する、画像上の特徴をマークする。また図示されるように、フレーム(136)は、フレーム(136)を二分する特定の配向で境界線(125)上に配置され、境界線(125)の各側にフレーム半体(136)が配置される。フレーム(136)は、80μm×80μmの正方形であり、境界線(125)によって二分され、第1のフレーム半体(136a)は、海藻付着器(123)にわたって延び(この例では40μm)、第2のフレーム半体(136b)は、海藻内部成長(124)を有する高紆曲度材料(130)にわたって延びる(この例では40μm)。第2のフレーム半体(136b)は、海藻内部成長(124)を欠く低紆曲度材料(130)の領域にわたって配置されない。理解され得るように、境界線(125)及びフレーム(136)の配置は、第1のフレーム半体(136a)における海藻付着器(123)の一貫した代表的な図を捕捉し、第2のフレーム半体(136b)における貫入性内部成長(124)の一貫した代表的な図を捕捉するように、意図的に行われる。
図15Aの第1のフレーム半体(136a)と第2のフレーム半体(136b)とを比較すると、可視光顕微鏡下で第2のフレーム半体(136b)に視覚的に存在し、白色又は黄褐色を有する有機海藻材料が、同じ可視化技術下で第1のフレーム半体(136a)に視覚的に存在する(暗褐色を有する)有機海藻材料の25%以上を含有することが当業者に明らかである。海藻付着器と係合し、付着器の高紆曲度材料への内部成長を有する高紆曲度材料は、第1のフレーム半体(136a)によって囲まれる第1の量の有機海藻材料の25%~90%の範囲である、第2のフレーム半体(136b)によって囲まれる第2の量の有機海藻材料を提示すると考えられる。更なる態様では、本明細書に図示及び説明される高紆曲度材料は、第2のフレーム半体(136b)が、第1のフレーム半体(136a)によって囲まれる第1の量の有機海藻材料の百分率を構成する第2の量の有機海藻材料を取り囲む海藻内部成長を促進すると考えられ、百分率は、30~90%、30~80%、30~70%、30~60%、30~50%、30~40%、40~90%、40~80%、40~70%、40~60%、40~50%、50~90%、50~80%、50~70%、50~60%、60~90%、60~80%、60~70%、70~90%、70~80%、80~90%(両端含む)の範囲、並びに25%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、及び90%以上のうちの1つである。
【0416】
80μm×80μmのフレーム(136)の適用は、コード(122)のより大きな表面にわたる係合を表すのに十分な海藻-材料係合の試料を提供し、そのようなフレームは、試料コードの平均を提供するために係合及び内部成長を提示する複数の位置に適用され得ることも考えられる。
図15Aのフレーム(136)は、ePTFE材料が
図15Aの選択された画像においてより狭い構造を提示するので、
図14Aのフレーム(126)よりもわずかに小さいことに留意されたい。境界線(125)によって二分され得る80μmの直径を有する円であるフレームなどの、コードの大部分に対する海藻-材料係合の公正な表現である領域を規定する他のフレームが使用され得ることが企図される。
【0417】
図15Bは、
図15Aと同じ画像を示すが、可視光の代わりに蛍光画像を用いている。
図15Bに示すような蛍光画像は、
図14Bに関して上述したのと同じ方法で作製され得る。
【0418】
図15Bは、
図15Aに示されたのと同じ構造の全てを含むが、
図15Bに表示された蛍光画像技術に供されたときに、より少なく又はより多く可視であるいくつかの構造を有する。観察者を助けるために、
図15Aに見られるようにePTFE高紆曲度材料(130)が存在するところの輪郭を描くために点線(137)が
図15Bに適用されている。
図15Bに見られるように、点線(137)内の高紆曲度材料(130)は、黒色及び非蛍光部分(138a)と、蛍光を有さない画像の領域と区別できないほぼ非蛍光部分(138b)とを有する。加えて、
図15Bにおける画像のコントラストは、高紆曲度材料(130)の画像を、蛍光画像においてゼロ又は最小限の存在を有するレベルに維持するように調整されている。図から分かるように、コントラストの調整により、(例えば、黒色の非蛍光部分(138a)及びほぼ非蛍光部分(138b)において)海藻内部成長(124)を有さない高紆曲度材料(130)は、画像のゼロ蛍光背景に一致するように、又は画像内のゼロ蛍光ベースラインレベルとして規定され得るレベルに設定されるように作製することができる。理解され得るように、この蛍光画像コントラストの較正は、適切に実行される場合、較正が、第1のフレーム半体(136a)と第2のフレーム半体(136b)との間で比較が行われるとき、画像内の蛍光の有意な源として高紆曲度材料(130)を排除するであろうために重要である。
【0419】
また、
図15Bに見られるように、付着器(123)及び貫入性内部成長(124)は両方とも、コード表面(132)の近くに配置された高紆曲度材料(130)のいくつかの部分(138c)に、蛍光に視覚的かつ測定可能に近いか又は同一である、観察可能なレベルの蛍光を提供する。フレーム136を見ると、付着器(123)の有機海藻材料を含む領域を囲む第1のフレーム半体(136a)の蛍光が、高紆曲度材料(130)のフィブリル間に配置された貫入性内部成長(124)の有機海藻材料を含む領域を囲む第2のフレーム半体(136b)の蛍光と実質的に類似又は同一であることも明らかである。
図15Bの第1のフレーム半体(136a)と第2のフレーム半体(136b)とを比較すると、蛍光撮像顕微鏡技術下で第2のフレーム半体(136b)に視覚的に存在する有機海藻物質は、同じ可視化技術下で第1のフレーム半体(136a)に存在する有機海藻物質の25%以上であることが当業者には明らかである。海藻付着器と係合し、付着器の高紆曲度材料内への内部成長を有する高紆曲度材料は、第1のフレーム半体(136a)内の有機海藻材料の量の25%~90%(両端を含む)の範囲の量の有機海藻材料を第2のフレーム半体(136b)内に提示すると考えられる。更なる態様では、本明細書に図示及び説明される高紆曲度材料は、第2のフレーム半体(136b)が、第1のフレーム半体(136a)によって囲まれる(蛍光技術によって検出可能な)第1の量の有機海藻材料の百分率を構成する(蛍光技術によって検出可能な)第2の量の有機海藻材料を取り囲む海藻内部成長を促進すると考えられ、百分率は、30~90%、30~80%、30~70%、30~60%、30~50%、30~40%、40~90%、40~80%、40~70%、40~60%、40~50%、50~90%、50~80%、50~70%、50~60%、60~90%、60~80%、60~70%、70~90%、70~80%、80~90%(両端含む)の範囲、並びに25%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、及び90%以上のうちの1つである。
【0420】
コード表面上及びコード表面内への海藻付着器の成長を促進するために、成長期間中に低紆曲度及び/又は高紆曲度材料を有するコードを水生環境に提示することに関して先になされた言及に加えて、そのような成長を達成するために必要とされるタイミングは、様々な成長サイクル及び海藻植物成熟段階に対応するように規定され得ることが理解され得る。例えば、成長期間は、少なくとも7日間、少なくとも1ヶ月間、若しくは少なくとも3ヶ月間であってもよく、又は成長期間は、海藻植物の栽培に適した季節を構成するのに十分な時間であってもよい。他の例では、成長期間は、海藻植物の胞子段階、海藻植物の播種段階、海藻植物の幼若段階、又は成熟海藻植物の成長を達成するのに十分な期間によって規定することができる。
【実施例19】
【0421】
この実施例では、ある長さのePTFEを栽培基材として使用し、ある長さのポリエステルを対照基材として使用し、ePTFE基材及びポリエステル基材は同様の幅を有し、それぞれにカラフトコンブ(saccharina latissima)(サトウコンブ)の胞子を播種し、適切な光、海水、及び温度条件下で実験室孵化場に置いて、胞子の発芽及び受精を誘導して幼若苗にした。実験室孵化場で6週間後、各基材の1メートル長の試料を海水タンクから取り出し、各基材上の表面水を吸収性布を用いて除去した。次いで、長さ1メートルの試料を秤量した。次に、各基材を小さなオリフィスに通して基材表面から海藻を効果的に剥ぎ取ることによって、各基材から海藻を除去した。次いで、基材の各1メートル試料を再秤量し、元の重量値と最終重量値との差を計算して、基材の長さ1メートル当たりの各基材上の全植物成長の重量を表した。
【0422】
ここで
図16を参照すると、同じ長さの時間にわたってePTFE(141)及びポリエステル(142)上で成長する同じ水生植物の2つの画像が提示されている。
図16に示すように、ePTFE材料(141)の上及び中に成長する水生植物播種の単位長さ当たりの質量は、1.97グラム/メートルであることが分かり、ポリエステル材料(142)の上及び中に成長する水生植物播種の単位長さ当たりの質量は、0.13グラム/メートルであることが分かった。理解され得るように、ePTFE材料(141)について観察された成長密度は、ポリエステル材料(142)について観察された成長密度よりも約15倍大きい。この実施例は、海藻の成長培地としてのePTFEの使用が、ポリエステル成長培地で観察される同じ成長サイクルと比較して、水生植物の成長サイクルの成体段階でのより強い成長に関連することを実証するものである。
【0423】
前述の例は、本開示の態様に関連して説明される様々な概念を示し、それらの概念と共にまとめて読まれることを意味する。
【0424】
本出願の発明の範囲は、一般的なものと、具体的な態様及び実施例に関するものの両方について上述した。本開示の範囲から逸脱することなく、態様において様々な修正及び変形を行うことができることが当業者には明らかであろう。それゆえ、態様は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等の範囲内に収まるのであれば、本発明の修正及び変形を包含するものであることを意図している。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0424
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0424】
本出願の発明の範囲は、一般的なものと、具体的な態様及び実施例に関するものの両方について上述した。本開示の範囲から逸脱することなく、態様において様々な修正及び変形を行うことができることが当業者には明らかであろう。それゆえ、態様は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等の範囲内に収まるのであれば、本発明の修正及び変形を包含するものであることを意図している。
(態様)
(態様1)
海藻植物の付着器を水生環境に固定するための海藻栽培基材であって、
第1の長さにわたって延び、水生環境に面するように構成された外側の第1のコード表面を規定する第1のコードであって、前記第1のコードは、前記第1の長さに沿って互いに近接して配置され、前記第1のコードの第1の断面厚さを規定する複数の第1のポリマー繊維を含み、前記複数の第1のポリマー繊維の各々は、隣接する第1のポリマー繊維間の第1の間隔を更に規定し、前記複数の第1のポリマー繊維及び前記第1の間隔は共に、前記外側の第1のコード表面から延び、隣接する前記第1のポリマー繊維の周りを前記第1の断面厚さの第1の中点までナビゲートする第1の自然経路の長さを規定し、前記複数の第1のポリマー繊維及び前記第1の間隔は共に、前記外側の第1のコード表面から前記第1の中点まで測定された第1の直線長さと比較した前記第1の自然経路の長さによって規定される前記第1のコードの第1の紆曲比を更に規定する、第1のコードと、
前記外側の第1のコード表面に係合し、第2の長さにわたって延び、水生環境に面するように構成された前記外側の第2のコード表面を規定する第2のコードであって、前記第2のコードは、前記第2の長さに沿って互いに近接して配置され、前記第2のコードの第2の断面厚さを規定する複数の第2のポリマー繊維を含み、前記複数の第2のポリマー繊維の各々は、隣接する第2のポリマー繊維間の第2の間隔を更に規定し、前記複数の第2の繊維及び前記第2の間隔は共に、前記外側の第2のコード表面から延び、隣接する前記第2のポリマー繊維の周りを前記第2の断面厚さの第2の中点までナビゲートする第2の自然経路の長さを規定し、前記複数の第2のポリマー繊維及び前記第2の間隔は共に、前記外側の第2のコード表面から前記第2の中点まで測定された第2の直線長さと比較した前記第2の自然経路の長さによって規定される前記第2のコードの第2の紆曲比を更に規定する、第2のコードとを備え、
前記第2の紆曲比は、前記第1の紆曲比よりも少なくとも5倍大きい、海藻栽培基材。
(態様2)
前記第2の紆曲比は、前記第1の紆曲比よりも少なくとも50倍大きい、態様1に記載の海藻栽培基材。
(態様3)
前記第2の紆曲比は、前記第1の紆曲比よりも少なくとも500倍大きい、態様1に記載の海藻栽培基材。
(態様4)
前記第2のコードは、約1μm~約200μmのフィブリル間距離を有する連結された繊維のネットワークを含むマイクロ繊維材料を含む、態様1~3のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
(態様5)
前記第1のコードは、連結されていない繊維の束を含む、態様1~4のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
(態様6)
前記第1のコードは、連結された繊維の束を含む、態様1~5のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
(態様7)
前記第1のコードと前記第2のコードは、互いに異なる親水性を有する、態様1~6のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
(態様8)
前記第1のコードは、前記第2のコードよりも重量基準でより多くの水分を吸収する、態様1~7のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
(態様9)
前記第2のコードは、1.0gcm
-3
以下の密度を有し、前記第1のコードは、1.0gcm
-3
以上の密度を有する、態様1~6のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
(態様10)
前記第2のコードは、0.1~1.0g/cm
-3
の平均密度を有する、態様1~9のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
(態様11)
前記第2のコードは、約1~約2000の平均フィブリル間距離(μm)の平均密度(gcm
-3
)に対する比を有する、態様1~10のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
(態様12)
前記第2のコードは、1gcm
-3
以下の密度を有する領域を有する、態様1~11のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
(態様13)
前記第2のコードは、1.7gcm
-3
以上の密度を有する領域を有する、態様1~12のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
(態様14)
前記第2のコードは、少なくとも1つの膨張フルオロポリマーを含む、態様1~13のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
(態様15)
前記膨張フルオロポリマーは、延伸フッ素化エチレンプロピレン(eFEP)、多孔質ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、延伸エチレンテトラフルオロエチレン(eETFE)、延伸フッ化ビニリデン-コ-テトラフルオロエチレン若しくはトリフルオロエチレンポリマー(eVDF-co-(TFE若しくはTrFE))、又は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)のうちの1つである、態様14に記載の海藻栽培基材。
(態様16)
前記栽培基材は、少なくとも1つの膨張熱可塑性ポリマーを含む、態様1~15のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
(態様17)
前記膨張熱可塑性ポリマーは、膨張ポリエステルスルホン(ePES)、膨張超高分子量ポリエチレン(eUHMWPE)、膨張ポリ乳酸(ePLA)、又は膨張ポリエチレン(ePE)のうちの1つである、態様16に記載の海藻栽培基材。
(態様18)
前記栽培基材は、少なくとも1つの膨張ポリマーを含む、態様1~17のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
(態様19)
前記膨張ポリマーは、膨張ポリウレタン(ePU)である、態様18に記載の海藻栽培基材。
(態様20)
前記栽培基材は、膨張化学気相成長(CVD)によって形成された少なくとも1つのポリマーを含む、態様1~19のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
(態様21)
前記栽培基材は、膨張ポリパラキシリレン(ePPX)を含む、態様1~20のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
(態様22)
前記第1のコードは、スパン/フィラメントポリエステル、スパン/フィラメントナイロン、スパンHEMP、及び天然繊維からなる材料の群から選択される少なくとも1つの材料である、態様1~20のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
(態様23)
前記第2のコードは、相互接続された繊維を含む少なくとも1つの材料を含む、態様1~22のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
(態様24)
前記第1のコードは、少なくとも1つの材料を含み、複数の繊維を有し、前記材料中の別の繊維に接続されていない少なくとも1つの端部を有する、態様1~23のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
(態様25)
前記栽培基材は、組紐、編物、ヤーン、カバードヤーン、不織布、織物、布、微粒子分散体、ビーズ、ステッチボンド布、及び積層体からなる群から選択される形態のうちの少なくとも1つである、態様1~24のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
(態様26)
前記栽培基材の表面は、相対的に高親水性の領域と相対的に低親水性の領域とを有する、態様1~25のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
(態様27)
前記栽培基材の表面上の前記相対的に高親水性の領域は、ランダムに離間している、態様26に記載の海藻栽培基材。
(態様28)
前記栽培基材の表面上の前記相対的に高親水性の領域は、均一に離間している、態様26に記載の海藻栽培基材。
(態様29)
前記相対的に高親水性の領域は、互いに約0.9~約1.0mmの範囲内の任意の距離だけ離れている、態様26~28のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
(態様30)
前記相対的に高親水性の領域は、互いに平均して約1.0mm以上離れている、態様26~28のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
(態様31)
前記第2のコードは、前記第1のコードと係合する表面を有するコアを形成する、態様1~30のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
(態様32)
前記第1のコードはバンドを形成し、各バンドは前記第2のコードの周りの前記第1のコードの単一の巻き付けによって規定され、前記バンドは前記第2のコードの表面の少なくとも一部分に付着されている、態様31に記載の海藻栽培基材。
(態様33)
前記バンドは、互いに約0.9mm~約10mmの範囲から選択される任意の距離で互いに離間している、態様32に記載の海藻栽培基材。
(態様34)
前記バンドは、互いに約10mmを超えて離間している、態様32に記載の海藻栽培基材。
(態様35)
前記第1のコードは、規則的又は不規則的に離間したバンドの形態であり、前記バンドは、前記コアの前記表面に均一に又はランダムに付着され、各バンドは、前記第2のコードの周りの前記第1のコードの単一の巻き付けによって規定される、態様31に記載の海藻栽培基材。
(態様36)
前記第1のコードが少なくとも1つのロープの形態であり、前記少なくとも1つのロープは、前記コアの前記表面の少なくとも一部分の周りに巻かれている、態様31に記載の海藻栽培基材。
(態様37)
前記第1のコードが少なくとも1つのリボンの形態であり、前記少なくとも1つのリボンが前記コアの前記表面の少なくとも一部分の周りに巻かれている、態様31に記載の海藻栽培基材。
(態様38)
前記コアは、ロープ、シート、支柱、層、及びロッドからなる形態の群から選択される少なくとも1つの形態である、態様31~37のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
(態様39)
前記栽培基材は、少なくとも1つの第2のコードと少なくとも1つの第1のコードとを含む組紐の形態である、態様1~30のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
(態様40)
前記栽培基材は、前記少なくとも1つの第1のコードと少なくとも1つの第2のコードとを含むカバードヤーンの形態である、態様1~30のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
(態様41)
前記第1のコードは、前記第2のコードの周りに巻かれている、態様40に記載の海藻栽培基材。
(態様42)
前記第2のコードの表面の約0.9mm~約1.1mmの反復部分は、前記第1のコードによって被覆されていない、態様41に記載の海藻栽培基材。
(態様43)
前記第2のコードの表面の約1.0mmを超える反復部分は、前記第1のコードによって被覆されていない、態様41に記載の海藻栽培基材。
(態様44)
前記第1のコードは、前記複合物上の前記海藻の捕捉を促進する間隔で前記第2のコードの表面に付着されている、態様1~43のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
(態様45)
前記栽培基材は、大型藻類の付着及び/又は成長を促進する少なくとも1つの栄養素を含む、態様1~44のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
(態様46)
前記第2のコードはマイクロ繊維材料を含み、前記マイクロ繊維材料は、少なくとも1つのより高い多孔性領域と、少なくとも1つのより低い多孔性領域とを有する、態様1~45のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
(態様47)
前記マイクロ繊維材料は、より大きいフィブリル間距離部分と、より小さいフィブリル間距離部分とを含む、態様46に記載の海藻栽培基材。
(態様48)
前記フィブリル間距離部分は、前記フィブリル間距離部分の軸方向配向を規定する、態様47に記載の海藻栽培基材。
(態様49)
ロッド、バッカー層、中空管、中実シャフト、ロープ、ケージ、ボード、バー、生育モジュール、線形フレーム、及び円形フレームからなる群から選択される1つ以上の構造要素を更に含む、態様1~48のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
(態様50)
合成繊維、天然繊維、プラスチック、木材、金属、被覆金属、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの材料を更に含む、態様1~49のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
(態様51)
前記栽培基材は、胞子の捕捉、発育、及び成長を促進するように構成されている、態様1~50のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
(態様52)
前記栽培基材は、胞子体、配偶体、幼若胞子体、幼若植物、及び成熟植物からなる群から選択される少なくとも1つの形態の前記海藻成長サイクルの捕捉、発育、及び成長を促進するように構成されている、態様1~50のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
(態様53)
前記栽培基材は、胞子体、配偶体、幼若胞子体、幼若植物、及び成熟植物からなる群から選択される少なくとも1つの形態の大型藻類の直接播種を促進するように構成されている、態様1~52のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
(態様54)
接着剤及びバイオグルーからなる群から選択される少なくとも1つの外因性結合剤を更に含む、態様53に記載の海藻栽培基材。
(態様55)
前記複合物は、外因性結合剤を実質的に含まない、態様53に記載の海藻栽培基材。
(態様56)
前記第2のコードは、海藻付着器の内部成長及び/又は発育を可能にするように構成されている、態様1~55のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
(態様57)
前記第1のコードは、胞子体、配偶体、幼若胞子体、幼若植物、及び成熟植物からなる群から選択される海藻の成長及び生殖の1つ以上の要素の捕捉を容易にするように構成されている、態様1~55のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
(態様58)
前記栽培基材は、紅藻類、褐藻類、及び緑色藻類からなる属の群から選択される少なくとも1つの種の大型藻類の捕捉及び/又は成長を促進するように構成されている、態様1~57のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
(態様59)
前記栽培基材は、ダルス(palmaria palmata)、ポルフィラ(porphyra)、パイロピア(pyropia)、及びカラフトコンブ(saccharina latissima)からなる群から選択される少なくとも1つの種の大型藻類の捕捉及び/又は成長を促進するように構成されている、態様1~57のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
(態様60)
前記第1のコードは、少なくとも1つの形態の前記大型藻類成長サイクルの捕捉を促進するように構成され、前記高紆曲度の第2のコードは、海藻付着器の成長、発育、及び付着を促進するように構成されている、態様1~59のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
(態様61)
前記第2のコードは、海藻植物をしっかりと固定するように構成されている、態様1~60のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
海藻植物の付着器を水生環境に固定するための海藻栽培基材であって、
第1の長さにわたって延び、水生環境に面するように構成された外側の第1のコード表面を規定する第1のコードであって、前記第1のコードは、前記第1の長さに沿って互いに近接して配置され、前記第1のコードの第1の断面厚さを規定する複数の第1のポリマー繊維を含み、前記複数の第1のポリマー繊維の各々は、隣接する第1のポリマー繊維間の第1の間隔を更に規定し、前記複数の第1のポリマー繊維及び前記第1の間隔は共に、前記外側の第1のコード表面から延び、隣接する前記第1のポリマー繊維の周りを前記第1の断面厚さの第1の中点までナビゲートする第1の自然経路の長さを規定し、前記複数の第1のポリマー繊維及び前記第1の間隔は共に、前記外側の第1のコード表面から前記第1の中点まで測定された第1の直線長さと比較した前記第1の自然経路の長さによって規定される前記第1のコードの第1の紆曲比を更に規定する、第1のコードと、
前記外側の第1のコード表面に係合し、第2の長さにわたって延び、水生環境に面するように構成された前記外側の第2のコード表面を規定する第2のコードであって、前記第2のコードは、前記第2の長さに沿って互いに近接して配置され、前記第2のコードの第2の断面厚さを規定する複数の第2のポリマー繊維を含み、前記複数の第2のポリマー繊維の各々は、隣接する第2のポリマー繊維間の第2の間隔を更に規定し、前記複数の第2の
ポリマー繊維及び前記第2の間隔は共に、前記外側の第2のコード表面から延び、隣接する前記第2のポリマー繊維の周りを前記第2の断面厚さの第2の中点までナビゲートする第2の自然経路の長さを規定し、前記複数の第2のポリマー繊維及び前記第2の間隔は共に、前記外側の第2のコード表面から前記第2の中点まで測定された第2の直線長さと比較した前記第2の自然経路の長さによって規定される前記第2のコードの第2の紆曲比を更に規定する、第2のコードとを備え、
前記第2の紆曲比は、前記第1の紆曲比よりも少なくとも5倍大きい、海藻栽培基材。
【請求項2】
前記第2の紆曲比は、前記第1の紆曲比よりも少なくとも50倍大きい、請求項1に記載の海藻栽培基材。
【請求項3】
前記第2のコードは
、1μm
~200μmのフィブリル間距離を有する連結された繊維のネットワークを含むマイクロ繊維材料を含む、請求項1~
2のいずれか一項に記載の海藻栽培基材。
【請求項4】
前記第2のコードは、1.0gcm
-3以下の密度を有し、前記第1のコードは、1.0gcm
-3以上の密度を有する、請求項
1に記載の海藻栽培基材。
【請求項5】
前記第1のコードは、スパン/フィラメントポリエステル、スパン/フィラメントナイロン、スパンHEMP、及び天然繊維からなる材料の群から選択される少なくとも1つの材料である、請求項
1に記載の海藻栽培基材。
【請求項6】
前記第1のコードは、少なくとも1つの形態
の大型藻類成長サイクルの捕捉を促進するように構成され
、高紆曲度の第2のコードは、海藻付着器の成長、発育、及び付着を促進するように構成されている、請求項
1に記載の海藻栽培基材。
【請求項7】
前記第2のコードは、海藻植物をしっかりと固定するように構成されている、請求項1
に記載の海藻栽培基材。
【請求項8】
海藻栽培基材であって、
より多孔質の栽培基材材料と、
前記より多孔質の栽培基材材料に隣接して配置されるより多孔質でない栽培基材材料と、
水生植物と、
を含み、
前記水生植物は、前記より多孔質の栽培基材材料上及び前記より多孔質の栽培基材材料内に成長する植物物質を有し、
前記より多孔質の栽培基材上及びより多孔質の栽培基材内への前記植物物質の成長は、植物-材料界面を形成し、前記植物-材料界面は、前記より多孔質の栽培基材上での前記植物物質の成長の第1の部分と、前記より多孔質の栽培基材内への前記植物物質の成長の隣接する第2の部分との間に境界を有し、
前記第1の部分及び前記第2の部分は共に、前記境界における前記植物物質の成長の100μmの厚さを規定し、前記100μmの厚さの第1の半分は、前記より多孔質の栽培基材上での前記植物物質の成長であり、前記100μmの厚さの第2の半分は、前記より多孔質の栽培基材内への植物物質の成長であり、前記第1の部分及び前記第2の部分は共に、前記植物-材料界面での境界にわたる前記植物物質の成長の遷移を規定し、前記第2の半分における前記植物物質の成長の密度は、前記第1の半分における植物物質の成長の密度の少なくとも50%である、海藻栽培基材。
【請求項9】
第1の材料は、第2の材料よりも少なくとも10倍多孔質である、請求項8記載の海藻栽培基材。
【請求項10】
前記植物-材料界面の断面は、前記材料上及び前記材料内に成長する植物の側面図を作製し、規定された境界によって二分された境界領域は、前記二分された領域の第1の半体及び二分された領域の第2の半体を形成し、前記二分された境界領域の第1の半体は、自然に成長する水生植物のみを含み、前記二分された境界領域の第2の半体は、前記材料と前記植物物質との混合物を含み、前記二分された境界領域の第1の半体における前記植物物質の量と、前記二分された境界領域の第2の半体における前記植物物質の量とが比を決定する、請求項8又は9記載の海藻栽培基材。
【請求項11】
第1の比は、前記植物と前記より多孔質の材料との間の規定された境界によって二分された境界内領域を使用して決定され、第2の比は、前記植物と前記より多孔質でない材料との間の規定された境界によって二分された境界内領域によって決定される、請求項10記載の海藻栽培基材。
【請求項12】
前記第1の比は、第2の比より5倍小さい、請求項11記載の海藻栽培基材。
【請求項13】
水生環境で使用するための海藻栽培システムであって、
前記水生環境で海藻植物を支持するのに十分なロープ長さを有するロープであって、ロープ長さを延長して前記ロープの引張強度を規定する第1の繊維材料を有し、前記ロープは、第1の繊維材料に隣接して配置され、前記ロープの外部に第2の材料の多孔質表面を提示するように更に配置された第2の材料を更に有する、ロープと、
前記第2の材料の多孔質表面に係合して付着器の両方の第1の部分が第2の材料の多孔質表面に隣接し、前記付着器に隣接する第2の部分が前記第2の材料の多孔質表面を貫通する係合ゾーンを規定する海藻植物の付着器であって、前記ロープ長さが前記ロープの軸を規定し、前記係合ゾーンは、ロープ軸に垂直に配置された前記ロープの切断部分に設けられた断面図において観察可能である、付着器と、
を備え、
前記係合ゾーンの画像は、100μm×100μmの正方形フレーム係合ゾーンが適用されて、前記正方形フレーム係合ゾーンの第1の半体を前記付着器の第1の部分のうちの1つの上に配置し、前記正方形フレーム係合ゾーンの第2の半体を前記付着器の第2の部分のうちの1つの上に配置する係合領域を更に含み、前記正方形フレーム係合ゾーンの第1の半体は、100%海藻植物ベンチマーク値を規定するために、完全に天然に配置された海藻植物材料を含む画像の第1の可視領域を囲み、前記正方形フレーム係合ゾーンの第2の半体は、100%海藻植物ベンチマーク値と比較して少なくとも50%の海藻植物材料を含む画像の第2の可視領域を囲む、水生環境で使用するための海藻栽培システム。
【請求項14】
前記第2の材料は、前記第1の繊維材料の少なくとも一部分と編まれる、請求項13記載の海藻栽培システム。
【請求項15】
前記編まれた第2の材料は、前記ロープ長に沿って変化する非連続的な外向き位置において前記第2の材料の部分を提供するように配置される、請求項14記載の海藻栽培システム。
【請求項16】
前記付着器は、少なくとも1ヶ月の期間にわたって第2の材料内に成長している、請求項13記載の海藻栽培システム。
【国際調査報告】