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特表2024-528276ソフトスイッチング回路、回路基板アセンブリ及びスイッチング電源
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】ソフトスイッチング回路、回路基板アセンブリ及びスイッチング電源
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/155 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
H02M3/155 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024507008
(86)(22)【出願日】2021-12-06
(85)【翻訳文提出日】2024-02-05
(86)【国際出願番号】 CN2021135795
(87)【国際公開番号】W WO2023010733
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】202110898020.5
(32)【優先日】2021-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】王 林 国
(72)【発明者】
【氏名】朱 俊 杰
(72)【発明者】
【氏名】王 豪
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AA14
5H730AS04
5H730AS05
5H730AS08
5H730BB13
5H730BB14
5H730BB57
5H730DD04
5H730FG01
(57)【要約】
本願は、回路設計の分野に関し、本願の実施形態ではソフトスイッチング回路、回路基板アセンブリ及びスイッチング電源が提供される。ソフトスイッチング回路は、電源と、第1のスイッチトランジスタと、第2のスイッチトランジスタと、第3のスイッチトランジスタと、第4のスイッチトランジスタと、コンデンサと、主インダクタと、補助スイッチトランジスタと、補助インダクタと、制御ユニットと、を含み、制御ユニットは、主インダクタの電流が正の場合、第1のスイッチトランジスタ及び第4のスイッチトランジスタをオンさせる前に、補助スイッチトランジスタをオンさせ、主インダクタの電流が負の場合、第2のスイッチトランジスタ及び第3のスイッチトランジスタをオンさせる前に、補助スイッチトランジスタをオンさせる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源と、第1のスイッチトランジスタと、第2のスイッチトランジスタと、第3のスイッチトランジスタと、第4のスイッチトランジスタと、コンデンサと、主インダクタと、補助スイッチトランジスタと、補助インダクタと、制御ユニットと、を含み、
前記電源の負極は接地され、前記電源の正極は、前記第1のスイッチトランジスタの第一端に接続され、前記第1のスイッチトランジスタの第二端は、前記第2のスイッチトランジスタの第一端及び前記主インダクタの第一端にそれぞれ接続され、前記第2のスイッチトランジスタの第二端は接地され、前記主インダクタの第二端は、前記第3のスイッチトランジスタの第一端及び前記第4のスイッチトランジスタの第二端にそれぞれ接続され、前記第3のスイッチトランジスタの第二端は接地され、前記第4のスイッチトランジスタの第一端は、前記コンデンサの第一端に接続され、前記コンデンサの第二端は接地されており、ここで、各前記スイッチトランジスタのボディダイオードの負極が各前記スイッチトランジスタの第一端とされ、各前記スイッチトランジスタのボディダイオードの正極が各前記スイッチトランジスタの第二端とされ、
前記補助スイッチトランジスタと前記補助インダクタとが直列に接続されて補助分岐を形成し、前記補助分岐は、前記主インダクタに並列に接続され、
前記制御ユニットは、前記第1のスイッチトランジスタ、前記第2のスイッチトランジスタ、前記第3のスイッチトランジスタ、前記第4のスイッチトランジスタ及び前記補助スイッチトランジスタの制御端にそれぞれ接続され、
前記制御ユニットは、前記主インダクタの電流が正の場合、前記第1のスイッチトランジスタ及び前記第3のスイッチトランジスタをオンさせる前に、前記補助スイッチトランジスタをオンさせ、前記主インダクタの電流が負の場合、前記第2のスイッチトランジスタ及び前記第4のスイッチトランジスタをオンさせる前に、前記補助スイッチトランジスタをオンさせる、ソフトスイッチング回路。
【請求項2】
前記制御ユニットは、具体的には、
前記第1のスイッチトランジスタ及び前記第3のスイッチトランジスタをオンさせる前に、前記補助スイッチトランジスタをオンさせてから、前記第2のスイッチトランジスタ及び前記第4のスイッチトランジスタをオフさせ、
前記第2のスイッチトランジスタ及び前記第4のスイッチトランジスタをオンさせる前に、前記補助スイッチトランジスタをオンさせてから、前記第1のスイッチトランジスタ及び前記第3のスイッチトランジスタをオフさせる、
請求項1に記載のソフトスイッチング回路。
【請求項3】
前記制御ユニットは、具体的には、
前記第1のスイッチトランジスタ及び前記第3のスイッチトランジスタをオンさせる前に、前記第2のスイッチトランジスタ及び前記第4のスイッチトランジスタをオフさせてから、前記補助スイッチトランジスタをオンさせ、
前記第2のスイッチトランジスタ及び前記第4のスイッチトランジスタをオンさせる前に、前記第1のスイッチトランジスタ及び前記第3のスイッチトランジスタをオフさせてから、前記補助スイッチトランジスタをオンさせる、
請求項1に記載のソフトスイッチング回路。
【請求項4】
前記制御ユニットは、さらに、
前記第1のスイッチトランジスタと前記第3のスイッチトランジスタを第1の予め設定された時間をおいてオンさせ、
前記第2のスイッチトランジスタと前記第4のスイッチトランジスタを第2の予め設定された時間をおいてオンさせる、
請求項3に記載のソフトスイッチング回路。
【請求項5】
前記制御ユニットは、さらに、
前記第1のスイッチトランジスタ及び前記第3のスイッチトランジスタをオンさせた後に、前記補助スイッチトランジスタをオフさせ、
前記第2のスイッチトランジスタ及び前記第4のスイッチトランジスタをオンさせた後に、前記補助スイッチトランジスタをオフさせる、
請求項1ないし4のうちの何れか一項に記載のソフトスイッチング回路。
【請求項6】
前記制御ユニットは、具体的には、
前記第1のスイッチトランジスタ及び前記第3のスイッチトランジスタをオンさせた後、かつ前記補助分岐の電流が0となった時に、前記補助スイッチトランジスタをオフさせ、
前記第2のスイッチトランジスタ及び前記第4のスイッチトランジスタをオンさせた後、かつ前記補助分岐の電流が0となった時に、前記補助スイッチトランジスタをオフさせる、
請求項5に記載のソフトスイッチング回路。
【請求項7】
補助ダイオードをさらに含み、
前記補助ダイオードは、前記補助分岐に設けられ、
前記補助分岐における前記補助ダイオードのターンオン方向は、前記主インダクタの第二端から前記主インダクタの第一端へ向かう方向である、
請求項1に記載のソフトスイッチング回路。
【請求項8】
前記補助スイッチトランジスタは、直列に接続される第1の補助MOSトランジスタと第2の補助MOSトランジスタを含み、
前記補助分岐における前記第1の補助MOSトランジスタのボディダイオードのターンオン方向は、前記主インダクタの第一端から前記主インダクタの第二端へ向かう方向であり、前記補助分岐における前記第2の補助MOSトランジスタのボディダイオードのターンオン方向は、前記主インダクタの第二端から前記主インダクタの第一端へ向かう方向であり、
前記制御ユニットは、具体的には、
前記電源から前記コンデンサに電気エネルギーが伝送される場合、
前記第1のスイッチトランジスタ及び前記第3のスイッチトランジスタをオンさせる前に、前記第1の補助MOSトランジスタをオンさせ、前記第2の補助MOSトランジスタをオフさせ、
前記第2のスイッチトランジスタ及び前記第4のスイッチトランジスタをオンさせる前に、前記第2の補助MOSトランジスタをオンさせ、前記第1の補助MOSトランジスタをオフさせ、
前記制御ユニットは、さらに、具体的には、
前記コンデンサから前記電源に電気エネルギーが伝送される場合、
前記第1のスイッチトランジスタ及び前記第3のスイッチトランジスタをオンさせる前に、前記第2の補助MOSトランジスタをオンさせ、前記第1の補助MOSトランジスタをオフさせ、
前記第2のスイッチトランジスタ及び前記第4のスイッチトランジスタをオンさせる前に、前記第1の補助MOSトランジスタをオンさせ、前記第2の補助MOSトランジスタをオフさせる、
請求項1に記載のソフトスイッチング回路。
【請求項9】
前記補助インダクタは、前記主インダクタと並列に磁気結合されている、
請求項1ないし8のうちの何れか一項に記載のソフトスイッチング回路。
【請求項10】
前記補助インダクタのインダクタンス値は、前記主インダクタのインダクタンス値よりも小さい、
請求項1ないし9のうちの何れか一項に記載のソフトスイッチング回路。
【請求項11】
請求項1ないし10のうちの何れか一項に記載のソフトスイッチング回路を含む回路基板アセンブリ。
【請求項12】
請求項11に記載の回路基板アセンブリを含むスイッチング電源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、出願番号が「202110898020.5」で、出願日が2021年08月05日である中国特許出願に基づく優先権を主張し、その内容を全て参照により本願に組み込むものとする。
[技術分野]
本願は、回路設計の分野に関し、特にソフトスイッチング回路、回路基板アセンブリ及びスイッチング電源に関する。
【背景技術】
【0002】
スイッチング電源は、高周波化による体積上の利点と、スイッチング状態でのみ動作する場合の高い変換効率などの特性から、現在の電子技術の分野で最も広く利用されており、機器のパワー需要が増加し続けるにつれて、スイッチング電源のパワー密度及び効率への要求も高まりつつある。
【0003】
従来のスイッチング電源は、スイッチング回路を含み、スイッチング回路に複数のスイッチングデバイスが含まれることが多く、各スイッチングデバイスは、スイッチング動作を行う過程で、電圧と電流を同時に受け、スイッチングデバイスにおける寄生容量に対して充放電を行う必要がある。スイッチングデバイスのスイッチング損失は、スイッチングデバイスを流れる電流とスイッチングデバイスの電圧との積に関係があるため、スイッチングデバイスは、スイッチング動作を行うたびにスイッチング損失が発生する。スイッチング回路におけるスイッチングデバイスのスイッチング周波数を絶えず増加させると、スイッチング回路におけるすべてのスイッチングデバイスに生じる総スイッチング損失とスイッチング回路の入力パワーとの比が徐々に高くなり、すなわち、スイッチング回路の効率を低下させる。このように、スイッチングデバイスのスイッチング損失は、スイッチング回路におけるスイッチングデバイスのスイッチング周波数をさらに高め、スイッチング回路が適用されたスイッチング電源の体積をさらに減少させることを妨げる主な要因となる。
【発明の概要】
【0004】
本願の実施形態では、電源と、第1のスイッチトランジスタと、第2のスイッチトランジスタと、第3のスイッチトランジスタと、第4のスイッチトランジスタと、コンデンサと、主インダクタと、補助スイッチトランジスタと、補助インダクタと、制御ユニットと、を含み、電源の負極は接地され、電源の正極は、第1のスイッチトランジスタの第一端に接続され、第1のスイッチトランジスタの第二端は、第2のスイッチトランジスタの第一端及び主インダクタの第一端にそれぞれ接続され、第2のスイッチトランジスタの第二端は接地され、主インダクタの第二端は、第3のスイッチトランジスタの第一端及び第4のスイッチトランジスタの第二端にそれぞれ接続され、第3のスイッチトランジスタの第二端は接地され、第4のスイッチトランジスタの第一端は、コンデンサの第一端に接続され、コンデンサの第二端は接地されており、ここで、各スイッチトランジスタのボディダイオードの負極が各スイッチトランジスタの第一端とされ、各スイッチトランジスタのボディダイオードの正極が各スイッチトランジスタの第二端とされ、補助スイッチトランジスタと補助インダクタとが直列に接続されて補助分岐を形成し、補助分岐は、主インダクタに並列に接続され、制御ユニットは、第1のスイッチトランジスタ、第2のスイッチトランジスタ、第3のスイッチトランジスタ、第4のスイッチトランジスタ及び補助スイッチトランジスタの制御端にそれぞれ接続され、制御ユニットは、主インダクタの電流が正の場合、第1のスイッチトランジスタ及び第3のスイッチトランジスタをオンさせる前に、補助スイッチトランジスタをオンさせ、主インダクタの電流が負の場合、第2のスイッチトランジスタ及び第4のスイッチトランジスタをオンさせる前に、補助スイッチトランジスタをオンさせる、ソフトスイッチング回路が提供される。
【0005】
本願の実施形態では、上記のソフトスイッチング回路を含む回路基板アセンブリがさらに提供される。
【0006】
本願の実施形態では、上記の回路基板アセンブリを含むスイッチング電源がさらに提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本願の一実施形態によるソフトスイッチング回路の回路図である。
図2】本願の一実施形態によるソフトスイッチング回路の制御波形を示す図(その1)である。
図3】本願の一実施形態によるソフトスイッチング回路の制御波形を示す図(その2)である。
図4】本願の一実施形態による、主インダクタと補助インダクタとで結合インダクタを形成するソフトスイッチング回路の回路図である。
図5】本願の一実施形態による、2つの補助MOSトランジスタを有するソフトスイッチング回路の回路図である。
図6】本願の一実施形態による、2つの補助MOSトランジスタを有し、かつ主インダクタと補助インダクタとで結合インダクタを形成するソフトスイッチング回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本願の実施形態は、ソフトスイッチング回路、回路基板アセンブリ及びスイッチング電源を提供することを主な目的として、スイッチングデバイスのスイッチング損失を効果的に低減することができるソフトスイッチング回路を提供している。
【0009】
本願の実施形態では、制御ユニットは、各スイッチトランジスタのゼロ電圧ターンオンを実現する必要がある場合、補助スイッチトランジスタをオンさせることで、補助インダクタと主インダクタとを並列に接続して等価インダクタを形成し、等価インダクタのインダクタンス値は、補助インダクタ及び主インダクタのインダクタンス値よりも小さい。等価インダクタのインダクタンス値をより小さくすると、主インダクタの電流を急速に0まで下げることができ、これにより、各スイッチトランジスタのゼロ電圧ターンオンを実現し、さらに各スイッチトランジスタのスイッチング損失を低減する。
【0010】
本願の実施形態の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下、図面を参照して、本願の各実施形態を詳細に説明する。しかしながら、当業者であれば、本願の各実施形態において、読者に本願をよりよく理解させるために多くの技術的詳細が提示されていることを理解するであろう。しかし、これらの技術的詳細、及び以下の各実施形態に基づく種々の変更や修正がなくても、本願が保護を求める技術案を実現することができる。以下の各実施形態の区分は、説明の便宜のためになされたものであり、本願の具体的な実現形態を何ら限定するものではなく、矛盾しない限り、各実施形態を互いに組み合わせたり互いに参照したりすることができる。
【0011】
本願の一実施形態は、スイッチング電源に設けられたソフトスイッチング回路に関する。スイッチング電源内の各スイッチトランジスタは、ターンオン時及びターンオフ時にスイッチング損失が発生する。スイッチトランジスタは、例えばMOSトランジスタであり、MOSトランジスタのターンオン時にMOSトランジスタの寄生出力容量で消費するエネルギーは、スイッチング電源のスイッチング損失の主力になる。本願のソフトスイッチング回路は、MOSトランジスタがオンする前に、まずMOSトランジスタの寄生出力容量のエネルギーを解放し回収して、MOSトランジスタのゼロ電圧ターンオンを実現し、スイッチング電源全体のスイッチング損失を低減する。さらに、MOSトランジスタのスイッチング周波数を高くすることにより、スイッチング回路が適用されるスイッチング電源の体積をさらに減少させることができる。
【0012】
図1を参照すると、ソフトスイッチング回路は、電源1と、第1のスイッチトランジスタS1と、第2のスイッチトランジスタS2と、第3のスイッチトランジスタS3と、第4のスイッチトランジスタS4と、コンデンサCと、主インダクタL1と、補助スイッチトランジスタSaと、補助インダクタLaと、制御ユニット(図示せず)とを含む。
【0013】
回路の接続構造は以下のとおりである。すなわち、電源1の負極は接地され、電源1の正極は、第1のスイッチトランジスタS1の第一端に接続され、第1のスイッチトランジスタS1の第二端は、第2のスイッチトランジスタS2の第一端及び主インダクタL1の第一端にそれぞれ接続され、第2のスイッチトランジスタS2の第二端は接地され、主インダクタL1の第二端は、第3のスイッチトランジスタS3の第一端及び第4のスイッチトランジスタS4の第二端にそれぞれ接続され、第3のスイッチトランジスタS3の第二端は接地され、第4のスイッチトランジスタS4の第一端は、コンデンサCの第一端に接続され、コンデンサCの第二端は接地されている。ここで、各スイッチトランジスタのボディダイオードの負極が各スイッチトランジスタの第一端とされ、各スイッチトランジスタのボディダイオードの正極が各スイッチトランジスタの第二端とされる。補助スイッチトランジスタSaと補助インダクタLaとが直列に接続されて補助分岐を形成し、補助分岐は、主インダクタL1に並列に接続され、制御ユニットは、第1のスイッチトランジスタS1、第2のスイッチトランジスタS2、第3のスイッチトランジスタS3、第4のスイッチトランジスタS4及び補助スイッチトランジスタSaの制御端にそれぞれ接続され、S1、S2、S3、及びS4は、すべてMOSトランジスタであってもよい。図1において、S1、S2、S3及びS4がすべてMOSトランジスタであることを例として示しており、補助スイッチトランジスタSaは、MOSトランジスタであってもよく、制御ユニットは、具体的には、各MOSトランジスタのゲートに接続され、各MOSトランジスタの第一端(ドレイン/ソース)と第二端(ソース/ドレイン)との間のオン又はオフ制御を行う。
【0014】
制御ユニットは、第1のスイッチトランジスタS1と第2のスイッチトランジスタS2を相補的にオンさせるように制御し、第3のスイッチトランジスタS3と第4のスイッチトランジスタS4を相補的にオンさせるように制御することができる。又は、主インダクタL1の電流IL1が正の場合、すなわち、IL1が主インダクタL1の第一端から第二端にのみ流れる時に、第2のスイッチトランジスタS2及び第4のスイッチトランジスタS4は、ダイオードとして設けられることができ、主インダクタの電流が負の場合、すなわち、IL1が主インダクタL1の第二端から第一端にのみ流れる時に、第1のスイッチトランジスタS1及び第3のスイッチトランジスタS3は、ダイオードとして設けられることができる。
【0015】
主インダクタL1の電流IL1が正の場合、制御ユニットは、第1のスイッチトランジスタS1及び第3のスイッチトランジスタS3をオンさせる前に、補助スイッチトランジスタSaをオンさせる。また、主インダクタL1の電流IL1が負の場合、制御ユニットは、第2のスイッチトランジスタS2及び第4のスイッチトランジスタS4をオンさせる前に、補助スイッチトランジスタSaをオンさせる。
【0016】
本実施形態では、スイッチングデバイスのスイッチング損失を効果的に低減することができるソフトスイッチング回路を提供している。制御ユニットは、各スイッチトランジスタのゼロ電圧ターンオンを実現する必要がある場合、補助スイッチトランジスタをオンさせることで、補助インダクタと主インダクタとを並列に接続して等価インダクタを形成し、等価インダクタのインダクタンス値は、補助インダクタ及び主インダクタのインダクタンス値よりも小さい。等価インダクタのインダクタンス値をより小さくすると、主インダクタの電流を急速に0まで下げることができ、これにより、各スイッチトランジスタのゼロ電圧ターンオンを実現し、さらに各スイッチトランジスタのスイッチング損失を低減する。
【0017】
具体的には、第1のスイッチトランジスタS1、第2のスイッチトランジスタS2及び主インダクタL1は、BUCK(降圧)回路を形成し、第3のスイッチトランジスタS3、第4のスイッチトランジスタS4及び主インダクタL1は、BOOST(昇圧)回路を形成する。S1、S2、S3及びS4がいずれもMOSトランジスタである場合、制御ユニットは、第1のスイッチトランジスタS1と第2のスイッチトランジスタS2を相補的にオンさせるように制御し、具体的には、第1のスイッチトランジスタS1をオン又はオフさせることにより、BUCK(降圧)回路が動作するように制御する。制御ユニットは、さらに、第3のスイッチトランジスタS3と第4のスイッチトランジスタS4を相補的にオンさせるように制御し、具体的には、第3のスイッチトランジスタをオン又はオフさせることにより、BOOST(昇圧)回路が動作するように制御する。具体的には、コンデンサCの第一端に負荷を接続してもよく、コンデンサCの電圧は、負荷に電力供給するために使用され、図1において、負荷が抵抗Rであることを例として示している。
【0018】
通常、主インダクタL1のインダクタンス値が大きく設定されるため、主インダクタL1で伝送する電流のリップルを小さくすることができる。しかし、式U=L*di/dtから分かるように、電圧Uが略不変な場合、インダクタのインダクタンス値Lが大きいほど、電流の変化率(di/dt)が小さくなる。各スイッチトランジスタのソフトスイッチングターンオン(ゼロ電圧ターンオン)を実現する必要がある場合、主インダクタL1は、インダクタンス値が大きいため、主インダクタL1の電流を直ちに0まで下げることができず、さらに各スイッチトランジスタの両端の電圧を等しくすることができず、各スイッチトランジスタのゼロ電圧ターンオンを実現することができず、スイッチング損失が大きくなる。各スイッチトランジスタのゼロ電圧ターンオンを実現するために、インダクタンス値の小さいインダクタを主インダクタL1として直接選択すると、伝送される電流のリップルが大きくなりすぎ、依然として伝送路のターンオン状態にある時の損失及びターンオフ損失が増加する。
【0019】
本願の制御ユニットは、各スイッチトランジスタのゼロ電圧ターンオンを実現する必要がある場合、補助スイッチトランジスタSaをオンさせることで、補助インダクタLaと主インダクタL1とを並列に接続して等価インダクタを形成し、等価インダクタのインダクタンス値は、補助インダクタLa及び主インダクタL1のインダクタンス値よりも小さい。等価インダクタのインダクタンス値をより小さくすると、主インダクタL1の電流を急速に0まで下げることができ、これにより、各MOSトランジスタのゼロ電圧ターンオンを実現し、さらに各MOSトランジスタのスイッチング損失を低減する。
【0020】
一実施形態では、補助インダクタLaのインダクタンス値は、主インダクタL1のインダクタンス値よりも小さい。補助インダクタのインダクタンス値が主インダクタのインダクタンス値よりも小さい場合、補助インダクタと主インダクタとの等価によって得られた等価インダクタのインダクタンス値は、必ず主インダクタのインダクタンス値よりも小さくなる。そして、補助インダクタのインダクタンス値が小さいほど、補助インダクタと主インダクタとの等価によって得られた等価インダクタのインダクタンス値が小さくなり、U=L*di/dtから分かるように、Uが不変な場合、Lが小さいほど、電流の変化率(di/dt)が大きくなり、等価インダクタの電流は速く0に変化することができ、さらに各MOSトランジスタのゼロ電圧ターンオンを速く実現することができ、各MOSトランジスタのスイッチング周波数が徐々に増加する場合にも、ゼロ電圧ターンオンを良好に実現することができる。
【0021】
一実施形態では、制御ユニットが各MOSトランジスタ及び補助スイッチトランジスタSaを制御する1つの具体的な実現形態が提供される。
【0022】
図2の制御波形図を参照すると、Vsw1及びVsw2は図1の2箇所の電圧であり、主インダクタL1の電流をIL1とし、補助インダクタLaの電流をILaとする。制御ユニットは、第1のスイッチトランジスタS1及び第3のスイッチトランジスタS3をオンさせる前に、補助スイッチトランジスタSaをオンさせてから、第2のスイッチトランジスタS2及び第4のスイッチトランジスタS4をオフさせる。また、第2のスイッチトランジスタS2及び第4のスイッチトランジスタS4をオンさせる前に、補助スイッチトランジスタSaをオンさせてから、第1のスイッチトランジスタS1及び第3のスイッチトランジスタS3をオフさせる。すなわち、ゼロ電圧ターンオンが必要なMOSトランジスタをオンさせる前に、補助スイッチトランジスタSaをオンさせてから、ターンオン状態にあるMOSトランジスタをオフさせる。
【0023】
具体的には、図1のVsw1及びVsw2の位置を参照すると、第2のスイッチトランジスタS2及び第4のスイッチトランジスタS4がターンオン状態にある時に、第1のスイッチトランジスタS1の第二端の電圧Vsw1は、0に等しく、第3のスイッチトランジスタS3の第一端の電圧Vsw2は、コンデンサCの両端の電圧Voに等しい。このとき、制御ユニットが第1のスイッチトランジスタS1及び第3のスイッチトランジスタS3を同時にオンさせるように制御すると、第1のスイッチトランジスタS1の両端に電圧が存在し、そして第3のスイッチトランジスタS3の両端に電圧が存在するため、第1のスイッチトランジスタS1及び第3のスイッチトランジスタS3にスイッチング損失が発生する。
【0024】
本実施形態では、第1のスイッチトランジスタS1及び第3のスイッチトランジスタS3をオンさせる前に、まず補助スイッチトランジスタSaをオンさせることで、補助インダクタLaと主インダクタL1とでインダクタンス値がより小さい等価インダクタを形成し、等価インダクタを流れる電流(主インダクタL1の第一端から第二端へ)を急速に0まで減少させ(その電流方向については図1の方向1を参照)、そして、逆方向に(主インダクタL1の第二端から第一端へ)増加させ始める(その電流方向については図1の方向2を参照)。等価インダクタを流れる電流が0まで減少した後、IL1はILaよりも小さくなり、このとき、等価インダクタは、第1のスイッチトランジスタS1への充電を開始し、Vsw1を0から増加させ、また、第4のスイッチトランジスタS4へ逆充電して、Vsw2をVoから減少させる。Vsw1が電源1から出力される電圧Vinまで増加し、かつ、Vsw2が0まで減少すると、第1のスイッチトランジスタの両端の電圧が0となり、第3のスイッチトランジスタの両端の電圧も0となり、このとき、制御ユニットは、第1のスイッチトランジスタS1及び第3のスイッチトランジスタS3を制御してゼロ電圧ターンオンを実現し、第1のスイッチトランジスタS1及び第3のスイッチトランジスタS3のスイッチング損失を効果的に低減する。
【0025】
制御ユニットが、第2のスイッチトランジスタS2及び第4のスイッチトランジスタS4を制御してゼロ電圧ターンオンを実現する原理は、上記と同じであるが、違いは、等価インダクタが、主インダクタL1の第二端から第一端へ流れる電流を急速に0まで減少させ、そして、逆方向に(主インダクタL1の第一端から第二端へ)増加させ始め、Vsw1がVinから0に減少し、Vsw2が0からVoに増加すると、第2のスイッチトランジスタS2及び第4のスイッチトランジスタS4を制御してゼロ電圧ターンオンを実現し、第2のスイッチトランジスタS2及び第4のスイッチトランジスタS4のスイッチング損失を効果的に低減することである。
【0026】
一実施形態では、制御ユニットが各スイッチトランジスタ及び補助スイッチトランジスタSaを制御する別の具体的な実現形態が提供される。
【0027】
制御ユニットは、第1のスイッチトランジスタS1及び第3のスイッチトランジスタS3をオンさせる前に、第2のスイッチトランジスタS2及び第4のスイッチトランジスタS4をオフさせてから、補助スイッチトランジスタSaをオンさせる。また、第2のスイッチトランジスタS2及び第4のスイッチトランジスタS4をオンさせる前に、第1のスイッチトランジスタS1及び第3のスイッチトランジスタS3をオフさせてから、補助スイッチトランジスタSaをオンさせる。
【0028】
本実施形態の実現形態と前の実施形態の実現形態とは、主に以下の点で相違する。
前の実施形態では、制御ユニットは、第1のスイッチトランジスタS1及び第3のスイッチトランジスタS3をオンさせる前に、まず補助スイッチトランジスタSaをオンさせ、その後、第2のスイッチトランジスタS2及び第4のスイッチトランジスタS4をオフさせる。第2のスイッチトランジスタS2及び第4のスイッチトランジスタS4をオフさせる前は、ともに補助スイッチトランジスタSaをオンさせているため、等価インダクタの電圧は、第2のスイッチトランジスタS2及び第4のスイッチトランジスタS4をオフさせた後に減少し始めるまで、一定期間Voに等しくなり続けるので、Laの電流ILaの増加速度が速く、第1のスイッチトランジスタS1及び第3のスイッチトランジスタS3のゼロ電圧ターンオンを同時に実現することができるが、Laの電流ILaが大きくなると、ソフトスイッチング回路全体のターンオン状態にある時の損失及び各スイッチトランジスタのターンオフ損失を増加させてしまう。
【0029】
一方、本実施形態では、図3の制御波形図を参照すると、制御ユニットは、第1のスイッチトランジスタS1及び第3のスイッチトランジスタS3をオンさせる前に、まず第2のスイッチトランジスタS2及び第4のスイッチトランジスタS4をオフさせ、その後、補助スイッチトランジスタSaをオンさせる。補助スイッチトランジスタSaをオンさせてから、等価インダクタの電圧はVoから減少し始めるため、Laの電流ILaの増加速度は遅く、Laの電流ILaは小さく、ソフトスイッチング回路全体のターンオン状態にある時の損失及び各スイッチトランジスタのターンオフ損失を効果的に低減することができる。また、等価インダクタの電流はVsw1を増加させるとともに、同期してVsw2を減少させるが、電源1から出力される電圧VinとコンデンサCの両端の電圧Voが等しくない可能性があるため、このとき、Vsw1=VinかつVsw2=0となる時刻がなく、第1のスイッチトランジスタS1及び第3のスイッチトランジスタS3を同時にオンさせると、両方のゼロ電圧ターンオンの効果に差が生じる。このため、本願では、第1のスイッチトランジスタS1と第3のスイッチトランジスタS3を第1の予め設定された時間をおいて順次オンさせることができ、つまり、Vsw1=Vinとなる時に第1のスイッチトランジスタS1をオンさせ、Vsw2=0となる時に第3のスイッチトランジスタS3をオンさせ、Vin>Voの場合にまず第3のスイッチトランジスタS3をオンさせ、逆の場合にまず第1のスイッチトランジスタS1をオンさせる。図3において、まず第1のスイッチトランジスタS1をオンさせることを例として示しており、2つのスイッチトランジスタのゼロ電圧ターンオンを実現することが保証され、ソフトスイッチング回路全体のスイッチング損失が低減される。同様に、第2のスイッチトランジスタS2と第4のスイッチトランジスタS4を第2の予め設定された時間をおいて順次オンさせることができ、第1の予め設定された時間と第2の予め設定された時間とは等しくてもよいし、等しくなくてもよい。
【0030】
一実施形態では、制御ユニットは、電源1から出力される電圧VinがコンデンサCの両端の電圧Voと略等しくなる時に、第1のスイッチトランジスタS1及び第3のスイッチトランジスタS3を同時にオンさせるように制御し、すなわち、第1の予め設定された時間が0となり、また、第2のスイッチトランジスタS2及び第4のスイッチトランジスタS4を同時にオンさせるように制御し、すなわち、第2の予め設定された時間が0となる。本実施形態では、VinがVoに近い場合、制御ユニットが第1のスイッチトランジスタ及び第3のスイッチトランジスタを同時にオンさせるように制御するように直接設定することができ、制御ポリシーを簡略化する。
【0031】
一実施形態では、制御ユニットは、さらに、第1のスイッチトランジスタS1及び第3のスイッチトランジスタS3をオンさせた後に、補助スイッチトランジスタSaをオフさせ、また、第2のスイッチトランジスタS2及び第4のスイッチトランジスタS4をオンさせた後に、補助スイッチトランジスタSaをオフさせる。本実施形態では、第1のスイッチトランジスタ及び第3のスイッチトランジスタをオンさせる前に補助スイッチトランジスタをオフさせていれば、補助スイッチトランジスタをオフさせた時に、補助分岐の電流が大きくなる傾向があるため、第1のスイッチトランジスタ及び第3のスイッチトランジスタをオンさせた後に補助スイッチトランジスタをオフさせることにより、補助スイッチトランジスタのターンオフ時における補助分岐の電流をできる限り小さくすることができ、補助スイッチトランジスタをオフさせることによるターンオフ損失を低減し、さらにソフトスイッチング回路全体のスイッチング損失を低減する。
【0032】
一実施形態では、制御ユニットは、具体的には、第1のスイッチトランジスタS1及び第3のスイッチトランジスタS3をオンさせた後、かつ補助分岐の電流が0となった時に、補助スイッチトランジスタSaをオフさせ、また、第2のスイッチトランジスタS2及び第4のスイッチトランジスタS4をオンさせた後、かつ補助分岐の電流が0となった時に、補助スイッチトランジスタSaをオフさせる。本実施形態では、制御スイッチは、具体的には、補助分岐の電流が0になった時に、補助スイッチトランジスタをオフさせ、これにより、補助スイッチトランジスタのゼロ電流ターンオフを実現し、補助スイッチトランジスタのターンオフによるターンオフ損失をさらに低減し、さらにソフトスイッチング回路全体のスイッチング損失を低減する。
【0033】
一実施形態では、ソフトスイッチング回路は、補助ダイオードDaをさらに含み、補助ダイオードDaは、補助分岐に設けられ、補助分岐における補助ダイオードDaのターンオン方向は、主インダクタL1の第二端から前記主インダクタL1の第一端へ向かう方向であり、ここでは、補助分岐における補助ダイオードDaの具体的な位置を限定することはない。図1において、補助ダイオードDaが補助インダクタLaと主インダクタL1の第二端との間に設けられていることを例として示している。
【0034】
本実施形態では、第1のスイッチトランジスタ及び第3のスイッチトランジスタをゼロ電圧でオンさせた後、主インダクタの第二端から第一端へ流れる等価インダクタの電流は0に減少し、そして、逆方向に主インダクタの第一端から第二端へ流れる。電流が主インダクタの第一端から第二端へ流れる間、補助ダイオードの存在により、補助スイッチトランジスタの電流は0となり、この間、補助スイッチトランジスタをオフさせることにより、補助スイッチトランジスタのゼロ電流ターンオフを実現し、ソフトスイッチング回路全体のスイッチング損失をさらに低減することができる。
【0035】
一実施形態では、図4を参照すると、補助インダクタLaは、主インダクタL1と並列に磁気結合されている。具体的には、補助インダクタLaのコイルは、主インダクタL1の磁心に設けられ、補助インダクタLaは、磁界を介して主インダクタL1とエネルギー交換を行う。本実施形態では、補助インダクタは、主インダクタと並列に磁気結合され、具体的には、補助インダクタのコイルは、主インダクタの磁心に直接設けられ、主インダクタと結合インダクタを形成しており、別途、磁心を設ける必要がなく、ソフトスイッチング回路全体の体積をある程度減少させるとともに、補助インダクタと主インダクタとの間で磁界を介してエネルギーを直接伝送することにより、主インダクタと補助インダクタとの電気的分離を実現し、分離装置を追加する必要がなく、また、補助分岐の両端は他の電位に接続されることができ、例えば、いずれも制御ユニットと同じ基準グランドに接続される場合、補助スイッチトランジスタをフローティング駆動する必要がなく、駆動要件を低減する。
【0036】
一実施形態では、図5を参照すると、補助スイッチトランジスタSaは、直列に接続される第1の補助MOSトランジスタSa1と第2の補助MOSトランジスタSa2を含み、補助分岐における第1の補助MOSトランジスタSa1のボディダイオードのターンオン方向は、主インダクタL1の第一端から主インダクタL1の第二端へ向かう方向であり、補助分岐における第2の補助MOSトランジスタSa2のボディダイオードのターンオン方向は、主インダクタL1の第二端から主インダクタL1の第一端へ向かう方向である。
【0037】
電源1からコンデンサCへの方向に電気エネルギーが伝送されると、制御ユニットは、第1のスイッチトランジスタS1及び第3のスイッチトランジスタS3をオンさせる前に、第1の補助MOSトランジスタSa1をオンさせ、第2の補助MOSトランジスタSa2をオフさせる。このとき、第2の補助MOSトランジスタSa2のボディダイオードの方向は、明らかに図1に対応する実施形態における補助ダイオードDaの方向と同じであるため、この場合も補助スイッチトランジスタのゼロ電流ターンオフを実現し、ソフトスイッチング回路全体のスイッチング損失をさらに低減することができる。また、第2のスイッチトランジスタS2及び第4のスイッチトランジスタS4をオンさせる前に、第2の補助MOSトランジスタSa2をオンさせ、第1の補助MOSトランジスタSa1をオフさせ、同様に、第1の補助MOSトランジスタSa1のボディダイオードも補助スイッチトランジスタのゼロ電流ターンオフを実現し、ソフトスイッチング回路全体のスイッチング損失をさらに低減することができる。
【0038】
コンデンサCから電源1への方向に電気エネルギーが伝送されると、制御ユニットは、第1のスイッチトランジスタS1及び第3のスイッチトランジスタS3をオンさせる前に、第2の補助MOSトランジスタSa2をオンさせ、第1の補助MOSトランジスタSa1をオフさせる。また、第2のスイッチトランジスタS2及び第4のスイッチトランジスタS4をオンさせる前に、第1の補助MOSトランジスタSa1をオンさせ、第2の補助MOSトランジスタSa2をオフさせる。
【0039】
図6を参照すると、補助インダクタLaのコイルは、主インダクタL1の磁心に設けられており、このとき、補助インダクタLaの両側の第1の補助MOSトランジスタSa1及び第2の補助MOSトランジスタSa2の一端をすべて制御ユニットと同じ基準グランドに接続することができるため、第1の補助MOSトランジスタSa1及び第2の補助MOSトランジスタSa2をフローティング駆動する必要がなく、駆動要件を低減する。
【0040】
本実施形態では、電源とコンデンサが双方向に電気エネルギーを伝送する際に、各MOSトランジスタのゼロ電圧ターンオンを実現することができ、その実現原理は上記の実施形態と同様である。また、補助スイッチトランジスタのゼロ電流ターンオフを実現し、ソフトスイッチング回路全体のスイッチング損失をさらに低減することもできる。
【0041】
本願の一実施形態は、上記の実施形態のソフトスイッチング回路を含む回路基板アセンブリに関する。
【0042】
本願の一実施形態は、上記の実施形態の回路基板アセンブリを含むスイッチング電源に関する。
【0043】
当業者であれば、上記の実施形態は、本願を実現するための具体的な実施形態であり、実際の適用においては、本願の思想及び範囲から逸脱することなく、形式的及び詳細的に様々な変更を加えることができることを理解するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】