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特表2024-528287冗長な千鳥状のグルコースセンサのインスリン投与量システムのための薬物送達ポンプ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】冗長な千鳥状のグルコースセンサのインスリン投与量システムのための薬物送達ポンプ
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/142 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
A61M5/142 520
A61M5/142 530
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024507178
(86)(22)【出願日】2022-08-04
(85)【翻訳文提出日】2024-04-01
(86)【国際出願番号】 US2022039477
(87)【国際公開番号】W WO2023014914
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】63/229,305
(32)【優先日】2021-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524047486
【氏名又は名称】ウィロー・ラボラトリーズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】フン・ザ・ヴォ
(72)【発明者】
【氏名】サイ・コン・フランク・リー
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・ヴェラスコ
(72)【発明者】
【氏名】トラン・ミン・トゥアン
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066BB01
4C066CC01
4C066QQ78
4C066QQ82
4C066QQ84
(57)【要約】
疾病管理システムが、薬物を薬物ポーチから患者へと送達するように構成される薬物送達ポンプを含む。薬物送達ポンプは、薬物容器から患者への薬物の流路を遮断するように構成される1つ以上のプランジャと、1つ以上の筋肉ワイヤと、1つ以上の円盤形ばねと、を備え得る。1つ以上の筋肉ワイヤおよび円盤形ばねは、薬物ポーチから患者へ向かう薬物の流路を遮断および遮断解除するために、1つ以上のプランジャを移動させるように構成され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物を薬物ポーチから患者へと送達するように構成される薬物送達ポンプであって、
第1の位置にあるとき、薬物容器から患者への薬物の流路を遮断するように構成される1つ以上の閉塞物と、
前記1つ以上の閉塞物に動作可能に接続される1つ以上のワイヤであって、前記1つ以上のワイヤが作動されるとき、前記1つ以上の閉塞物のうちの少なくとも1つの閉塞物が前記薬物の流路を開けるように構成される、1つ以上のワイヤと
を備える、薬物送達ポンプを備える疾病管理デバイス。
【請求項2】
連結されたワイヤが作動されないとき、前記1つ以上の閉塞物が前記薬物の流路を遮断するように位置決めされるように、前記1つ以上の閉塞物のうちの少なくとも1つに後退圧力を提供するように構成される1つ以上のばねをさらに備える、請求項1に記載の疾病管理デバイス。
【請求項3】
前記1つ以上の閉塞物は1つ以上のプランジャである、請求項1または2に記載の疾病管理デバイス。
【請求項4】
前記1つ以上のワイヤは、電気が適用されるときに拡張または収縮する1つ以上の筋肉ワイヤである、請求項1から3のいずれか一項に記載の疾病管理デバイス。
【請求項5】
前記閉塞物は、前記1つ以上のワイヤが作動されないときに薬物の流れを閉塞する、請求項1から4のいずれか一項に記載の疾病管理デバイス。
【請求項6】
検体センサをさらに備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の疾病管理デバイス。
【請求項7】
前記薬物はインスリンまたはグルカゴンの少なくとも一方を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の疾病管理デバイス。
【請求項8】
前記1つ以上のばねは円盤形ばねを備える、請求項2から7のいずれか一項に記載の疾病管理デバイス。
【請求項9】
前記1つ以上のばねはシリコンを含む、請求項2から8のいずれか一項に記載の疾病管理デバイス。
【請求項10】
前記1つ以上の筋肉ワイヤはニチノールワイヤを含む、請求項4から9のいずれか一項に記載の疾病管理デバイス。
【請求項11】
前記1つ以上の筋肉ワイヤはニッケルチタン合金を含む、請求項4から10のいずれか一項に記載の疾病管理デバイス。
【請求項12】
前記1つ以上の閉塞物は、前記流路の第1、第2、および第3の場所において前記薬物の流路をそれぞれ遮断するように構成される第1、第2、および第3の閉塞物を備える、請求項1から11のいずれか一項に記載の疾病管理デバイス。
【請求項13】
薬物を前記薬物ポーチから前記患者へと移動させるために、前記1つ以上のワイヤに前記1つ以上の閉塞物のうちの少なくとも1つをパターンで作動および係合させるように構成される1つ以上のハードウェア処理装置をさらに備える、請求項1から12のいずれか一項に記載の疾病管理デバイス。
【請求項14】
前記1つ以上のハードウェア処理装置は、第1および第2の閉塞物をパターンで作動させるように構成され、前記1つ以上のハードウェア処理装置は、
第1のワイヤによって前記第1の閉塞物に前記流路を第1の部分で開けさせるために、第1の電気信号を前記第1のワイヤに適用することと、
第1のばねが前記第1の閉塞物に後退圧力を加えることを許容し、これにより前記第1の閉塞物が、非収縮位置へと後退させられて、前記流路を前記第1の部分で遮断するために、前記第1の電気信号を前記第1のワイヤに適用することを停止することと、
前記第2の閉塞物に前記流路を第2の部分で開けさせるために、第2の電気信号を第2のワイヤに適用することと、
第2のばねが前記第2の閉塞物に後退圧力を加えることを許容し、これにより前記第2の閉塞物が、非収縮位置へと後退させられて、前記流路を前記第2の部分で遮断するために、前記第2の電気信号を前記第2のワイヤに適用することを停止することと、
を実行するように構成される、請求項1から13のいずれか一項に記載の疾病管理デバイス。
【請求項15】
前記1つ以上のハードウェア処理装置は、第1、第2、および第3の閉塞物をパターンで作動させるように構成され、前記1つ以上のハードウェア処理装置は、
第1のワイヤによって前記第1の閉塞物に前記流路を第1の部分で開けさせるために、第1の電気信号を前記第1のワイヤに適用することと、
第1のばねが前記第1の閉塞物に後退圧力を加えることを許容し、これにより前記第1の閉塞物が、非収縮位置へと後退させられて、前記流路を前記第1の部分で遮断するために、前記第1の電気信号を前記第1のワイヤに適用することを停止することと、
前記第2の閉塞物に前記流路を第2の部分で開けさせるために、第2の電気信号を第2のワイヤに適用することと、
第2のばねが前記第2の閉塞物に後退圧力を加えることを許容し、これにより前記第2の閉塞物が、非収縮位置へと後退させられて、前記流路を前記第2の部分で遮断するために、前記第2の電気信号を前記第2のワイヤに適用することを停止することと、
前記第3の閉塞物に前記流路を第3の部分で開けさせるために、第3の電気信号を前記1つ以上のワイヤのうちの第3のワイヤに適用することと
を実行するように構成される、請求項1から13のいずれか一項に記載の疾病管理デバイス。
【請求項16】
前記1つ以上の閉塞物は前記薬物の流路を実質的または部分的に閉塞するように構成される、請求項1から15のいずれか一項に記載の疾病管理デバイス。
【請求項17】
前記薬物送達ポンプはフィードバック制御システムをさらに備える、請求項1から16のいずれか一項に記載の疾病管理デバイス。
【請求項18】
液体薬物を薬物ポーチから患者へと送出するための方法であって、
1つ以上の閉塞物が非収縮位置にあるとき、液体薬物容器から前記患者への液体薬物の流路を遮断するステップと、
前記流路の少なくとも一部を開けるために、前記1つ以上の閉塞物を収縮させるステップと、
を含む方法。
【請求項19】
前記1つ以上の閉塞物を非収縮位置へと後退させ、前記液体薬物の流路を遮断するために、1つ以上のばねによって、前記1つ以上の閉塞物のうちの少なくとも1つに後退圧力を提供するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
検体センサで患者の1つ以上の生理学的パラメータを感知するステップをさらに含む、請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
検体センサで患者の1つ以上の生理学的パラメータを感知するステップをさらに含む、請求項18から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記液体薬物はインスリンまたはグルカゴンの少なくとも一方を含む、請求項18から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記1つ以上のばねはシリコンを含む、請求項19から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記1つ以上の閉塞物は1つ以上のプランジャを備える、請求項18から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記1つ以上の閉塞物を収縮させる前記ステップは、前記1つ以上の閉塞物を収縮させるために筋肉ワイヤを使用することを含む、請求項18から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記1つ以上の筋肉ワイヤはニチノールワイヤを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記1つ以上の閉塞物は、前記流路の第1、第2、および第3の部分において前記液体薬物の流路をそれぞれ遮断するように構成される第1、第2、および第3の閉塞物を含む、請求項18から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記液体薬物を前記薬物ポーチから前記患者へと流すために、1つ以上の筋肉ワイヤに第1、第2、および第3の閉塞物をパターンで係合させる1つ以上のハードウェア処理装置をさらに備える、請求項18から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
第1の筋肉ワイヤによって前記第1の閉塞物に前記流路を第1の部分で開けさせるために、第1の電気信号を前記第1の筋肉ワイヤに適用するステップと、
第1のばねが前記第1の閉塞物に後退圧力を加えることを許容し、これにより前記第1の閉塞物が、非収縮位置へと後退させられて、前記流路を前記第1の部分で遮断するために、前記第1の電気信号を前記第1の筋肉ワイヤに適用することを停止するステップと、
前記第2の閉塞物に前記流路を第2の部分で開けさせるために、第2の電気信号を第2の筋肉ワイヤに適用するステップと、
第2のばねが前記第2の閉塞物に後退圧力を加えることを許容し、これにより前記第2の閉塞物が、非収縮位置へと後退させられ、前記流路を前記第2の部分で遮断するために、前記第2の電気信号を前記第2の筋肉ワイヤに適用することを停止するステップと、
前記第3の閉塞物に前記流路を第3の部分で開けさせるために、第3の電気信号を前記1つ以上の筋肉ワイヤのうちの第3の筋肉ワイヤに適用するステップと、
をさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
薬物容器から患者への液体薬物の流路を遮断するように構成される閉塞物のシステムに係合するための方法であって、
第1の筋肉ワイヤによって第1の閉塞物に前記流路を前記流路の第1の部分で開けさせるために、第1の電気信号を前記第1の筋肉ワイヤに適用するステップと、
第1のばねが前記第1の閉塞物に後退圧力を加えることを許容し、これにより前記第1の閉塞物が、非収縮位置へと後退させられて、前記流路を前記流路の前記第1の部分で遮断するために、前記第1の電気信号を前記第1の筋肉ワイヤに適用することを停止するステップと、
前記第2の閉塞物に前記流路を前記流路の第2の部分で開けさせるために、第2の電気信号を第2の筋肉ワイヤに適用するステップと、
第2のばねが前記第2の閉塞物に後退圧力を加えることを許容し、これにより前記第2の閉塞物が、非収縮位置へと後退させられて、前記流路を前記第2の部分で遮断するために、前記第2の電気信号を前記第2の筋肉ワイヤに適用することを停止するステップと、
前記第3の閉塞物に前記流路を第3の部分で開けさせるために、第3の電気信号を第3の筋肉ワイヤに適用するステップと、
を含む方法。
【請求項31】
液体薬物流路を管理するように構成される筋肉ワイヤポンプシステムであって、
前記液体薬物流路の中で少なくとも1つの閉塞物を動作させることでポンプの動作を制御するように構成される制御装置と、
前記少なくとも1つの閉塞物のうちの少なくとも1つに連結される1つ以上の筋肉ワイヤであって、電気信号を受信し、前記少なくとも1つの閉塞物のうちの少なくとも1つの収縮を引き起こして前記少なくとも1つの閉塞物を後退させて、遮断されない液体薬物流路を可能にするように構成される1つ以上の筋肉ワイヤと、
を備える筋肉ワイヤポンプシステム。
【請求項32】
前記少なくとも1つの閉塞物を伴う組立体を形成する板に連結される1つ以上のばねをさらに備える、請求項31に記載の筋肉ワイヤポンプシステム。
【請求項33】
前記板は、前記少なくとも1つの閉塞物の少なくとも一部分を受け入れさせるように構成される1つ以上の孔を含む、請求項31または32に記載の筋肉ワイヤポンプシステム。
【請求項34】
前記1つ以上のばねは円盤ばねを備える、請求項31から33のいずれか一項に記載の筋肉ワイヤポンプシステム。
【請求項35】
薬物容器から患者への液体薬物の流路を遮断するように構成される閉塞物のシステムに係合するための方法であって、
第1の筋肉ワイヤによって第1の閉塞物に前記流路を前記流路の第1の部分で開けさせるために、第1の電気信号を前記第1の筋肉ワイヤに適用するステップと、
第1のばねが前記第1の閉塞物に後退圧力を加えることを許容し、これにより前記第1の閉塞物が、非収縮位置へと後退させられて、前記流路を前記流路の前記第1の部分で遮断するために、前記第1の電気信号を前記第1の筋肉ワイヤに適用することを停止するステップと、
前記第2の閉塞物に前記流路を前記流路の第2の部分で開けさせるために、第2の電気信号を第2の筋肉ワイヤに適用するステップと、
を含む方法。
【請求項36】
デバイスの中のフィードバック機構であって、
フィードバック層と、
フィードバック接続を起動するために、前記少なくとも1つのフィードバック層と接触するように構成されるフィードバック接触部分と、
前記デバイスからの信号を、前記フィードバック接触部分に接続する伝導性ワイヤを通じて送信させるように構成される、前記デバイスの構成要素に接続される電気コネクタと、
を備えるフィードバック機構。
【請求項37】
前記フィードバック層はPCBである、請求項36に記載のフィードバック機構。
【請求項38】
前記伝導性ワイヤは銅である、請求項36に記載のフィードバック機構。
【請求項39】
前記フィードバック接触部分は前記デバイスの前記構成要素に接続される、請求項36に記載のフィードバック機構。
【請求項40】
前記フィードバック接触部分は前記デバイスの前記構成要素に固定される、請求項39に記載のフィードバック機構。
【請求項41】
前記信号は前記デバイスの前記構成要素の状況を含む、請求項36に記載のフィードバック機構。
【請求項42】
前記フィードバック接触部分は、前記デバイスの前記構成要素が第1の位置にあるとき、前記フィードバック層と接触する、請求項36に記載のフィードバック機構。
【請求項43】
前記フィードバック接触部分は、前記デバイスの前記構成要素が第2の位置にあるとき、前記フィードバック層と接触する、請求項36に記載のフィードバック機構。
【請求項44】
前記デバイスを監視するように構成されるフィードバック制御装置をさらに備える、請求項36に記載のフィードバック機構。
【請求項45】
前記フィードバック制御装置は前記デバイスに通知するようにさらに構成される、請求項44に記載のフィードバック機構。
【請求項46】
前記フィードバック接触部分はフィードバックリングである、請求項36に記載のフィードバック機構。
【請求項47】
フィードバック機構を伴うデバイスを監視するための方法であって、
伝導性ワイヤを前記デバイスの構成要素とフィードバック接触部分とに接続するステップと、
前記フィードバック接触部分がフィードバック層に接触するときに信号を起動するステップと、
前記信号を分析するステップと、
前記信号の分析に基づいて前記デバイスを制御するステップと、
を含む方法。
【請求項48】
前記信号は前記デバイスの前記構成要素の状況を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
薬物を薬物ポーチから患者へと送達するように構成される薬物送達ポンプであって、
薬物を薬物容器から患者へと送出するように構成される少なくとも2つのピストンと、
前記少なくとも2つのピストンの各々の1つに少なくとも1つが動作可能に接続される少なくとも2つのワイヤであって、1つ以上の前記ワイヤが作動されるとき、1つ以上の前記ピストンのうちの少なくとも1つのピストンが、薬物を流路へと引き込むために、前記薬物の流路を開けて負圧を作り出すように構成される、少なくとも2つのワイヤと、
を備える薬物送達ポンプを備える疾病管理デバイス。
【請求項50】
連結されたワイヤが作動されないとき、1つ以上の前記ピストンが再位置決めされて、完全に後退させられなくなった場合に、正圧を前記薬物に加え且つ前記薬物の流路を遮断するように、少なくとも2つ以上の前記ピストンのうちの少なくとも1つに後退圧力を提供するように構成される2つ以上のばねをさらに備える、請求項49に記載の疾病管理デバイス。
【請求項51】
1つ以上の前記ピストンは1つ以上のプランジャである、請求項49または50に記載の疾病管理デバイス。
【請求項52】
1つ以上の前記ワイヤは、電気が適用されるときに拡張または収縮する1つ以上の筋肉ワイヤである、請求項49から51のいずれか一項に記載の疾病管理デバイス。
【請求項53】
前記ピストンは、前記1つ以上のワイヤが作動されないときに薬物の流れを閉塞する、請求項49から52のいずれか一項に記載の疾病管理デバイス。
【請求項54】
検体センサをさらに備える、請求項49から53のいずれか一項に記載の疾病管理デバイス。
【請求項55】
前記薬物はインスリンまたはグルカゴンの少なくとも一方を含む、請求項49から54のいずれか一項に記載の疾病管理デバイス。
【請求項56】
前記1つ以上のばねは円盤形ばねを備える、請求項49から55のいずれか一項に記載の疾病管理デバイス。
【請求項57】
前記1つ以上のばねはシリコンを含む、請求項49から56のいずれか一項に記載の疾病管理デバイス。
【請求項58】
前記1つ以上の筋肉ワイヤはニチノールワイヤを含む、請求項49から57のいずれか一項に記載の疾病管理デバイス。
【請求項59】
前記1つ以上の筋肉ワイヤはニッケルチタン合金を含む、請求項49から58のいずれか一項に記載の疾病管理デバイス。
【請求項60】
前記少なくとも2つのピストンは、前記流路の第1、第2、および第3の場所において前記薬物の流路をそれぞれ遮断するように構成される第1、第2、および第3のピストンを備える、請求項49から59のいずれか一項に記載の疾病管理デバイス。
【請求項61】
薬物を前記薬物ポーチから前記患者へと移動させるために、少なくとも2つ以上の前記ワイヤに少なくとも2つ以上の前記ピストンのうちの少なくとも1つをパターンで作動および係合させるように構成される、1つ以上のハードウェア処理装置をさらに備える、請求項49から60のいずれか一項に記載の疾病管理デバイス。
【請求項62】
前記1つ以上のハードウェア処理装置は第1および第2のピストンをパターンで作動させるように構成され、前記1つ以上のハードウェア処理装置は、
実質的に同時に、第1のワイヤによって前記第1のピストンに前記流路を前記第1の部分で開けさせ、且つ第2のワイヤによって前記第2のピストンに前記流路を前記第2の部分で開けさせ、前記第1のピストンおよび前記第2のピストンが、前記流路に薬物を引き込むように構成される負圧を発生させるために、電気信号を前記第1のワイヤと前記第2のワイヤとに適用することと、
第1のばねが前記第1のピストンに後退圧力を加えることを許容し、これにより前記第1のピストンが、非収縮位置へと後退させられて、前記流路を前記第1の部分で遮断するために、前記電気信号を前記第1のワイヤに適用することを停止することと、
を行うように構成される、請求項49から61のいずれか一項に記載の疾病管理デバイス。
【請求項63】
前記1つ以上のハードウェア処理装置は第1、第2、および第3のピストンをパターンで作動させるように構成され、前記1つ以上のハードウェア処理装置は、
実質的に同時に、第1のワイヤによって前記第1のピストンに前記流路を第1の位置で開けさせて負圧を作り出させ、且つ第2のワイヤによって前記第2のピストンに前記流路を第2の位置で開けさせて負圧を作り出させるために、電気信号を前記第1のワイヤと前記第2のワイヤとに適用することと、
第1のばねが前記第1のピストンに後退圧力を加えることを許容し、これにより前記第1のピストンが、非収縮位置へと後退させられて、前記流路を第1の部分で遮断するために、前記電気信号を前記第1のワイヤに適用することを停止することと、
第2のばねが前記第2のピストンに後退圧力を加えることを許容し、これにより前記第2のピストンが、非収縮位置へと後退させられて、正圧を前記薬物に加え且つ前記流路を第2の部分で遮断するために、実質的に同時に、前記第3のピストンに前記流路を第3の位置で開けさせるために第2の電気信号を第3のワイヤに適用し、且つ前記電気信号を前記第2のワイヤに適用することを停止することと、
を行うように構成される、請求項49から62のいずれか一項に記載の疾病管理デバイス。
【請求項64】
前記1つ以上のピストンは、前記薬物の流路を実質的または部分的に閉塞するように構成される、請求項49から63のいずれか一項に記載の疾病管理デバイス。
【請求項65】
前記薬物送達ポンプはフィードバック制御システムをさらに備える、請求項49から64のいずれか一項に記載の疾病管理デバイス。
【請求項66】
液体薬物を薬物ポーチから患者へと送出するための方法であって、
1つ以上のピストンが非収縮位置にあるとき、液体薬物容器から前記患者への液体薬物の流路を遮断するステップと、
前記1つ以上のピストンを収縮させて前記流路の少なくとも一部を開放し、且つ負圧を発生させて薬物を前記流路へと引き込むステップと、
を含む方法。
【請求項67】
1つ以上のばねにより記1つ以上のピストンのうちの少なくとも1つに後退圧力を提供して、前記1つ以上のピストンを非収縮位置へと後退させ、且つ前記液体薬物の流路を遮断して正圧を前記流路における前記薬物に加えるステップをさらに含む、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
検体センサで患者の1つ以上の生理学的パラメータを感知するステップをさらに含む、請求項66または67に記載の方法。
【請求項69】
検体センサで患者の1つ以上の生理学的パラメータを感知するステップをさらに含む、請求項66から68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
前記液体薬物はインスリンまたはグルカゴンの少なくとも一方を含む、請求項66から69のいずれか一項に記載の方法。
【請求項71】
前記1つ以上のばねはシリコンを含む、請求項66から70のいずれか一項に記載の方法。
【請求項72】
前記1つ以上のピストンは1つ以上のプランジャを備える、請求項66から71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
前記1つ以上のピストンを収縮させる前記ステップは、前記1つ以上のピストンを収縮させるために筋肉ワイヤを使用することを含む、請求項66から72のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
前記1つ以上の筋肉ワイヤはニチノールワイヤを含む、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記1つ以上のピストンは、前記流路の第1、第2、および第3の部分において前記液体薬物の流路をそれぞれ遮断するように構成される第1、第2、および第3のピストンを含む、請求項66から74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
前記液体薬物を前記薬物ポーチから前記患者へと流すために、1つ以上の筋肉ワイヤに第1、第2、および第3のピストンをパターンで係合させる1つ以上のハードウェア処理装置をさらに備える、請求項66から75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
第1のワイヤによって前記第1のピストンに前記流路を開けさせて負圧を作り出させて、薬物を前記流路へと第1の部分において流し、且つ第2のワイヤによって前記第2のピストンに前記流路を第2の部分で開けさせるために、電気信号を前記第1のワイヤと前記第2のワイヤとに適用するステップと、
第1のばねが前記第1のピストンに後退圧力を加えることを許容し、これにより前記第1のピストンが、非収縮位置へと後退させられて、正圧を前記薬物に適用させ且つ前記流路を前記第1の部分で遮断するために、前記電気信号を前記第1のワイヤに適用することを停止するステップと、
第2のばねが前記第2のピストンに後退圧力を加えることを許容し、これにより前記第2のピストンが、非収縮位置へと後退させられて、正圧を前記流路において前記薬物に加え且つ前記流路を前記第2の部分で遮断するために、前記第3のピストンに前記流路を第3の部分で開けさせるために第2の電気信号を第3のワイヤに適用し、且つ前記電気信号を前記第2のワイヤに適用することを停止するステップと、
をさらに含む、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
薬物を患者へと送出し、薬物容器から患者への液体薬物の流路を遮断するように構成されるピストンのシステムに係合するための方法であって、
実質的に同時に、第1のワイヤによって第1のピストンに前記流路を第1の部分で開けさせ、且つ第2のワイヤによって第2のピストンに前記流路を第2の部分で開けさせるために、電気信号を前記第1のワイヤと前記第2のワイヤとに適用するステップと、
第1のばねが前記第1のピストンに後退圧力を加えることを許容し、これにより前記第1のピストンが、非収縮位置へと後退させられて、前記流路を前記第1の部分で遮断するために、前記電気信号を前記第1のワイヤに適用することを停止するステップと、
第2のばねが前記第2のピストンに後退圧力を加えることを許容し、これにより前記第2のピストンが、非収縮位置へと後退させられて、前記流路を前記第2の部分で遮断するために、実質的に同時に、前記第3のピストンに前記流路を第3の部分で開けさせるために第2の電気信号を第3のワイヤに適用し、且つ前記電気信号を前記第2のワイヤに適用することを停止するステップと、
を含む方法。
【請求項79】
液体薬物流路を管理するように構成される筋肉ワイヤポンプシステムであって、
前記液体薬物流路の中で少なくとも1つのピストンを動作させることでポンプの動作を制御するように構成される制御装置と、
前記少なくとも1つのピストンのうちの少なくとも1つに連結される1つ以上の筋肉ワイヤであって、電気信号を受信し、前記少なくとも1つのピストンのうちの少なくとも1つの収縮を引き起こして前記少なくとも1つのピストンを後退させて、遮断されない液体薬物流路を可能にし、薬物を前記流路へと引き込むために負圧を作り出すように構成される1つ以上の筋肉ワイヤと、
を備える筋肉ワイヤポンプシステム。
【請求項80】
前記少なくとも1つのピストンを伴う組立体を形成する板に連結される1つ以上のばねをさらに備える、請求項79に記載の筋肉ワイヤポンプシステム。
【請求項81】
前記板は、前記少なくとも1つのピストンの少なくとも一部分を受け入れさせるように構成される1つ以上の孔を含む、請求項79または80に記載の筋肉ワイヤポンプシステム。
【請求項82】
前記1つ以上のばねは円盤ばねを備える、請求項79から82のいずれか一項に記載の筋肉ワイヤポンプシステム。
【請求項83】
薬物容器から患者への液体薬物の流路を遮断するように構成されるピストンのシステムに係合するための方法であって、
実質的に同時に、第1のワイヤによって第1のピストンに前記流路を第1の部分で開けさせ、且つ第2のワイヤによって第2のピストンに前記流路を第2の部分で開けさせ、前記流路に薬物を引き込むように負圧を作り出すために、電気信号を前記第1のワイヤと前記第2のワイヤとに適用するステップと、
第1のばねが前記第1のピストンに後退圧力を加えることを許容し、これにより前記第1のピストンが、非収縮位置へと後退させられて、前記流路を前記第1の部分で遮断するために、前記電気信号を前記第1のワイヤに適用することを停止するステップと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の大まかな分野は、グルコース感知および疾病管理システムである。
【背景技術】
【0002】
糖尿病は、大人および子供の両方で、多くの人に影響を与えている慢性疾患である。糖尿病の管理は、患者の血液および/または間質液を含む間質腔の中のグルコースの測定と、患者へのインスリンの投与と、を含み得る。閉ループインスリン投与システムが、患者の血液および/または間質液を含む間質腔からのグルコース測定値を取るためのセンサと、グルコース測定値に基づいて患者にインスリンを投与するインスリン投与デバイスと、の両方を備える。閉ループインスリン投与システムは、糖尿病によって影響を受けている人に、自身のインスリンまたはグルコースについての心配がはるかにより小さい日常生活を送らせることができ、これによって糖尿病患者の生活の質を大きく改善することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
添付の特許請求の範囲内のシステム、方法、およびデバイスの様々な態様がそれぞれいくつかの態様を有し、それら態様のうちのどれも、本明細書に記載されている所望の属性に責任を負っていない。添付の特許請求の範囲を限定することなく、いくつかの優れた特徴が本明細書に記載されている。
【0004】
疾病管理デバイスはパッチまたは患者着用インスリンポンプを含み得る。いくつかの態様では、ポンプは軽量およびコンパクトとなるように構成され得る。例えば、ポンプは、小さい領域を有し、デバイスの中で最小の据え付け面積を占めるように構成され得る。同様に、ポンプは、デバイスの重量を最小限にするために軽量であり得る。いくつかの態様では、デバイスは、低電力または超低電力で動作するように構成され得る。いくつかの態様では、ポンプは周期ごとに基づいて動作することができ、これは、ポンプの速度を低下させる可能性がある、および/または、ポンプの正確性および精度を最大化することができる。同様に、ポンプは、最小の量のエネルギーまたは熱を発するように構成でき、これはポンプおよびデバイスの効率を増加させることができる。
【0005】
疾病管理デバイスは、薬物を薬物ポーチから患者へと送達するように構成される薬物送達ポンプを備えることができ、薬物送達ポンプは、非収縮位置にあるとき、薬物容器から患者への薬物の流路を遮断するように構成される、本明細書ではプランジャまたはピストンとも称される1つ以上の閉塞物と、1つ以上の閉塞物に動作可能に接続される筋肉ワイヤなどの1つ以上のワイヤであって、1つ以上のワイヤが収縮させられるとき、1つ以上の閉塞物のうちの少なくとも1つの閉塞物が薬物の流路を開けるように構成される、1つ以上のワイヤと、を備えることができる。疾病管理デバイスは、連結されたワイヤが収縮させられないとき、1つ以上の閉塞物が非収縮位置へと後退させられ、薬物の流路を遮断するように、1つ以上の閉塞物のうちの少なくとも1つに後退圧力を提供するように構成される1つ以上のばねも備えることができる。筋肉ワイヤは、電気が適用されるときにそれ自体を収縮させることができるニチノールワイヤを含み得る。1つ以上のばねは1つ以上の円盤形ばねを含み得る。1つ以上のばねはシリコンを含み得る。
【0006】
デバイスは検体センサを含み得る。薬物はインスリン、グルカゴン、または任意の他の投与可能な薬物のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0007】
1つ以上の閉塞物は、流路の第1、第2、および第3の部分において薬物の流路をそれぞれ遮断するように構成される第1、第2、および第3の閉塞物を含み得る。1つ以上のハードウェア処理装置は、薬物を薬物ポーチから流路を通じて患者へと移動させるために、1つ以上の筋肉ワイヤに第1、第2、および第3の閉塞物をパターンで係合させるように構成され得る。第1、第2、および第3の閉塞物にパターンで係合するために、1つ以上のハードウェア処理装置は、第1の閉塞物に流路を第1の部分で開けさせるために、第1の筋肉ワイヤによって第1の電気信号を第1の筋肉ワイヤに適用するように構成され、第1の閉塞物が、非収縮位置へと後退させられ、流路を第1の部分で遮断するように、第1のばねに後退圧力を第1の閉塞物に加えさせるために、第1の電気信号を第1の筋肉ワイヤに適用することを停止するように構成され、第2の閉塞物に流路を第2の部分で開けさせるために、第2の電気信号を第2の筋肉ワイヤに適用するように構成され、第2の閉塞物が、非収縮位置へと後退させられ、流路を第2の部分で遮断するように、第2のばねに後退圧力を第2の閉塞物に加えさせるために、第2の電気信号を第2の筋肉ワイヤに適用することを停止するように構成され、第3の閉塞物に流路を第3の部分で開けさせるために、第3の電気信号を1つ以上の筋肉ワイヤのうちの第3のワイヤに適用するように構成され得る。
【0008】
特定の態様では、疾病管理デバイスは、薬物を薬物ポーチから患者へと送達するように構成される薬物送達ポンプを備え、薬物送達ポンプは、第1の位置にあるとき、薬物容器から患者への薬物の流路を遮断するように構成される1つ以上の閉塞物と、1つ以上の閉塞物に動作可能に接続される1つ以上のワイヤであって、1つ以上のワイヤが作動されるとき、1つ以上の閉塞物のうちの少なくとも1つの閉塞物が薬物の流路を開けるように構成される、1つ以上のワイヤと、を備える。
【0009】
特定の態様では、デバイスは、連結されたワイヤが作動されないとき、1つ以上の閉塞物が薬物の流路を遮断するように位置決めされるように、1つ以上の閉塞物のうちの少なくとも1つに後退圧力を提供するように構成される1つ以上のばねをさらに備える。
【0010】
特定の態様では、1つ以上の閉塞物は1つ以上のプランジャである。
【0011】
特定の態様では、1つ以上のワイヤは、電気が適用されるときに拡張または収縮する1つ以上の筋肉ワイヤである。
【0012】
特定の態様では、閉塞物は、1つ以上のワイヤが作動されないときに薬物の流れを閉塞する。
【0013】
特定の態様では、疾病管理デバイスは検体センサを備える。
【0014】
特定の態様では、薬物はインスリンまたはグルカゴンの少なくとも一方を備える。
【0015】
特定の態様では、1つ以上のばねは円盤形ばねを備える。
【0016】
特定の態様では、1つ以上のばねはシリコンを含む。
【0017】
特定の態様では、1つ以上の筋肉ワイヤはニチノールワイヤを含む。
【0018】
特定の態様では、1つ以上の筋肉ワイヤはニッケルチタン合金を含む。
【0019】
特定の態様では、1つ以上の閉塞物は、流路の第1、第2、および第3の場所において薬物の流路をそれぞれ遮断するように構成される第1、第2、および第3の閉塞物を備える。
【0020】
特定の態様では、疾病管理システムは、薬物を薬物ポーチから患者へと移動させるために、1つ以上のワイヤに1つ以上の閉塞物のうちの少なくとも1つをパターンで作動および係合させるように構成される、1つ以上のハードウェア処理装置を備える。
【0021】
特定の態様では、1つ以上のハードウェア処理装置は、第1および第2の閉塞物をパターンで作動させるように構成され、1つ以上のハードウェア処理装置は、第1のワイヤによって第1の閉塞物に流路を第1の部分で開けさせるために、第1の電気信号を第1のワイヤに適用することと、第1の閉塞物が、非収縮位置へと後退させられ、流路を第1の部分で遮断するように、第1のばねに後退圧力を第1の閉塞物に加えさせるために、第1の電気信号を第1のワイヤに適用することを停止することと、第2の閉塞物に流路を第2の部分で開けさせるために、第2の電気信号を第2のワイヤに適用することと、第2の閉塞物が、非収縮位置へと後退させられ、流路を第2の部分で遮断するように、第2のばねに後退圧力を第2の閉塞物に加えさせるために、第2の電気信号を第2のワイヤに適用することを停止することと、を行うように構成される。
【0022】
特定の態様では、1つ以上のハードウェア処理装置は、第1、第2、および第3の閉塞物をパターンで作動させるように構成され、1つ以上のハードウェア処理装置は、第1のワイヤによって第1の閉塞物に流路を第1の部分で開けさせるために、第1の電気信号を第1のワイヤに適用することと、第1の閉塞物が、非収縮位置へと後退させられ、流路を第1の部分で遮断するように、第1のばねに後退圧力を第1の閉塞物に加えさせるために、第1の電気信号を第1のワイヤに適用することを停止することと、第2の閉塞物に流路を第2の部分で開けさせるために、第2の電気信号を第2のワイヤに適用することと、第2の閉塞物が、非収縮位置へと後退させられ、流路を第2の部分で遮断するように、第2のばねに後退圧力を第2の閉塞物に加えさせるために、第2の電気信号を第2のワイヤに適用することを停止することと、第3の閉塞物に流路を第3の部分で開けさせるために、第3の電気信号を1つ以上のワイヤのうちの第3のワイヤに適用することと、を行うように構成される。
【0023】
特定の態様では、1つ以上の閉塞物は薬物の流路を実質的または部分的に閉塞するように構成される。
【0024】
特定の態様では、薬物送達ポンプはフィードバック制御システムをさらに備える。
【0025】
特定の態様では、疾病管理システムは、液体薬物を薬物ポーチから患者へと送出するための方法を実施し、方法は、1つ以上の閉塞物が非収縮位置にあるとき、液体薬物容器から患者への液体薬物の流路を遮断するステップと、流路の少なくとも一部を開けるために、1つ以上の閉塞物を収縮させるステップと、を含む。
【0026】
特定の態様では、疾病管理システムは、1つ以上の閉塞物を非収縮位置へと後退させ、液体薬物の流路を遮断するために、1つ以上のばねによって、1つ以上の閉塞物のうちの少なくとも1つに後退圧力を提供する。
【0027】
特定の態様では、実施される方法は、検体センサで患者の1つ以上の生理学的パラメータを感知するステップをさらに含む。
【0028】
特定の態様では、実施される方法は、検体センサで患者の1つ以上の生理学的パラメータを感知することを含むステップをさらに含む。
【0029】
特定の態様では、液体薬物はインスリンまたはグルカゴンの少なくとも一方を含む。
【0030】
特定の態様では、1つ以上のばねはシリコンを含む。
【0031】
特定の態様では、1つ以上の閉塞物は1つ以上のプランジャを備える。
【0032】
特定の態様では、1つ以上の閉塞物を収縮させるステップは、1つ以上の閉塞物を収縮させるために筋肉ワイヤを使用することを含む。
【0033】
特定の態様では、1つ以上の筋肉ワイヤはニチノールワイヤを含む。
【0034】
特定の態様では、1つ以上の閉塞物は、流路の第1、第2、および第3の部分において液体薬物の流路をそれぞれ遮断するように構成される第1、第2、および第3の閉塞物を含む。
【0035】
特定の態様では、疾病管理システムは、液体薬物を薬物ポーチから患者へと流すために、1つ以上の筋肉ワイヤに第1、第2、および第3の閉塞物をパターンで係合させる1つ以上のハードウェア処理装置を備える。
【0036】
特定の態様では、実施される方法は、第1の閉塞物に流路を第1の部分で開けさせるために、第1の筋肉ワイヤによって第1の電気信号を第1の筋肉ワイヤに適用するステップと、第1の閉塞物が、非収縮位置へと後退させられ、流路を第1の部分で遮断するように、第1のばねに後退圧力を第1の閉塞物に加えさせるために、第1の電気信号を第1の筋肉ワイヤに適用することを停止するステップと、第2の閉塞物に流路を第2の部分で開けさせるために、第2の電気信号を第2の筋肉ワイヤに適用するステップと、第2の閉塞物が、非収縮位置へと後退させられ、流路を第2の部分で遮断するように、第2のばねに後退圧力を第2の閉塞物に加えさせるために、第2の電気信号を第2の筋肉ワイヤに適用することを停止するステップと、第3の閉塞物に流路を第3の部分で開けさせるために、第3の電気信号を1つ以上の筋肉ワイヤのうちの第3のワイヤに適用するステップと、をさらに含む。
【0037】
特定の態様では、薬物容器から患者への液体薬物の流路を遮断するように構成される閉塞物のシステムに係合するための方法が、第1の閉塞物に流路を流路の第1の部分で開けさせるために、第1の筋肉ワイヤによって第1の電気信号を第1の筋肉ワイヤに適用するステップと、第1の閉塞物が、非収縮位置へと後退させられ、流路を流路の第1の部分で遮断するように、第1のばねに後退圧力を第1の閉塞物に加えさせるために、第1の電気信号を第1の筋肉ワイヤに適用することを停止するステップと、第2の閉塞物に流路を流路の第2の部分で開けさせるために、第2の電気信号を第2の筋肉ワイヤに適用するステップと、第2の閉塞物が、非収縮位置へと後退させられ、流路を第2の部分で遮断するように、第2のばねに後退圧力を第2の閉塞物に加えさせるために、第2の電気信号を第2の筋肉ワイヤに適用することを停止するステップと、第3の閉塞物に流路を第3の部分で開けさせるために、第3の電気信号を第3のワイヤに適用するステップと、を含む。
【0038】
特定の態様では、液体薬物流路を管理するように構成される筋肉ワイヤポンプシステムが提供される。システムは、液体薬物流路の中で少なくとも1つの閉塞物を動作させることでポンプの動作を制御するように構成される制御装置と、少なくとも1つの閉塞物のうちの少なくとも1つに連結される1つ以上の筋肉ワイヤであって、電気信号を受信し、少なくとも1つの閉塞物のうちの少なくとも1つの収縮を引き起こして少なくとも1つの閉塞物を後退させて、遮断されない液体薬物流路を可能にするように構成される1つ以上の筋肉ワイヤと、を備える。
【0039】
特定の態様では、筋肉ワイヤポンプは、少なくとも1つの閉塞物を伴う組立体を形成する板に連結される1つ以上のばねを備える。
【0040】
特定の態様では、板は、少なくとも1つの閉塞物の少なくとも一部分を受け入れさせるように構成される1つ以上の孔を含む。
【0041】
特定の態様では、1つ以上のばねは円盤ばねを備える。
【0042】
特定の態様では、薬物容器から患者への液体薬物の流路を遮断するように構成される閉塞物のシステムに係合するための方法が提供される。方法は、第1の筋肉ワイヤによって第1の閉塞物に流路を流路の第1の部分で開けさせるために、第1の電気信号を第1の筋肉ワイヤに適用するステップと、第1の閉塞物が、非収縮位置へと後退させられ、流路を流路の第1の部分で遮断するように、第1のばねに後退圧力を第1の閉塞物に加えさせるために、第1の電気信号を第1の筋肉ワイヤに適用することを停止するステップと、第2の閉塞物に流路を流路の第2の部分で開けさせるために、第2の電気信号を第2の筋肉ワイヤに適用するステップと、を含む。
【0043】
特定の態様では、フィードバック機構を伴うデバイスを監視するための方法が、伝導性ワイヤをデバイスの構成要素とフィードバック接触部分とに接続するステップと、フィードバック接触部分がフィードバック層に接触するときに信号を起動するステップと、信号を分析するステップと、信号の分析に基づいてデバイスを制御するステップと、を含む。
【0044】
特定の態様では、信号はデバイスの構成要素の状況を含む。
【0045】
特定の態様では、疾病管理デバイスは、薬物を薬物ポーチから患者へと送達するように構成される薬物送達ポンプを備え、薬物送達ポンプは、薬物を薬物容器から患者へと送出するように構成される少なくとも2つのピストンと、少なくとも2つのピストンの各々1つに少なくとも1つが動作可能に接続される少なくとも2つのワイヤであって、1つ以上のワイヤが作動されるとき、1つ以上のピストンのうちの少なくとも1つのピストンが、薬物を流路へと引き込むために、薬物の流路を開けて負圧を作り出すように構成される、少なくとも2つのワイヤと、を備える。
【0046】
特定の態様では、デバイスは、連結されたワイヤが作動されないとき、1つ以上のピストンが、完全に後退させられなくなると、正圧を薬物に加え、薬物の流路を遮断するように再位置決めされるように、少なくとも2つ以上のピストンのうちの少なくとも1つに後退圧力を提供するように構成される2つ以上のばねをさらに備える。
【0047】
特定の態様では、1つ以上のピストンは1つ以上のプランジャである。
【0048】
特定の態様では、1つ以上のワイヤは、電気が適用されるときに拡張または収縮する1つ以上の筋肉ワイヤである。
【0049】
特定の態様では、ピストンは、1つ以上のワイヤが作動されないときに薬物の流れを閉塞する。
【0050】
特定の態様では、デバイスは検体センサをさらに備える。
【0051】
特定の態様では、薬物はインスリンまたはグルカゴンの少なくとも一方を備える。
【0052】
特定の態様では、1つ以上のばねは円盤形ばねを備える。
【0053】
特定の態様では、1つ以上のばねはシリコンを含む。
【0054】
特定の態様では、1つ以上の筋肉ワイヤはニチノールワイヤを含む。
【0055】
特定の態様では、1つ以上の筋肉ワイヤはニッケルチタン合金を含む。
【0056】
特定の態様では、少なくとも2つのピストンは、流路の第1、第2、および第3の場所において薬物の流路をそれぞれ遮断するように構成される第1、第2、および第3のピストンを備える。
【0057】
特定の態様では、デバイスは、薬物を薬物ポーチから患者へと移動させるために、少なくとも2つ以上のワイヤに少なくとも2つ以上のピストンのうちの少なくとも1つをパターンで作動および係合させるように構成される、1つ以上のハードウェア処理装置をさらに備える。
【0058】
特定の態様では、1つ以上のハードウェア処理装置は、第1および第2のピストンをパターンで作動させるように構成され、1つ以上のハードウェア処理装置は、実質的に同時に、第1のワイヤによって第1のピストンに流路を第1の部分で開けさせ、第2のワイヤによって第2のピストンに流路を第2の部分で開けさせ、第1のピストンおよび第2のピストンが、流路に薬物を引き込むように構成される負圧を発生させるために、電気信号を第1のワイヤと第2のワイヤとに適用することと、第1のピストンが、非収縮位置へと後退させられ、流路を第1の部分で遮断するように、第1のばねに後退圧力を第1のピストンに加えさせるために、電気信号を第1のワイヤに適用することを停止することと、を行うように構成される。
【0059】
特定の態様では、1つ以上のハードウェア処理装置は第1、第2、および第3のピストンをパターンで作動させるように構成され、1つ以上のハードウェア処理装置は、実質的に同時に、第1のワイヤによって第1のピストンに流路を第1の位置で開けさせて負圧を作り出させ、第2のワイヤによって第2のピストンに流路を第2の位置で開けさせて負圧を作り出させるために、電気信号を第1のワイヤと第2のワイヤとに適用することと、第1のピストンが、非収縮位置へと後退させられ、流路を第1の部分で遮断するように、第1のばねに後退圧力を第1のピストンに加えさせるために、電気信号を第1のワイヤに適用することを停止することと、第2のピストンが、非収縮位置へと後退させられ、正圧を薬物に加え、流路を第2の部分で遮断するように、第2のばねに後退圧力を第2のピストンに加えさせるために、実質的に同時に、第3のピストンに流路を第3の位置で開けさせるために第2の電気信号を第3のワイヤに適用し、電気信号を第2のワイヤに適用することを停止することと、を行うように構成される。
【0060】
特定の態様では、1つ以上のピストンは薬物の流路を実質的または部分的に閉塞するように構成される。
【0061】
特定の態様では、薬物送達ポンプはフィードバック制御システムをさらに備える。
【0062】
特定の態様では、液体薬物を薬物ポーチから患者へと送出するための方法が、1つ以上のピストンが非収縮位置にあるとき、液体薬物容器から患者への液体薬物の流路を遮断するステップと、薬物を流路へと引き込むように、流路の少なくとも一部を開けて負圧を発生させるために、1つ以上のピストンを収縮させるステップと、を含む。
【0063】
特定の態様では、方法は、1つ以上のピストンを非収縮位置へと後退させ、液体薬物の流路を遮断し、正圧を流路における薬物に加えるために、1つ以上のばねによって、1つ以上のピストンのうちの少なくとも1つに後退圧力を提供するステップをさらに含む。
【0064】
特定の態様では、方法は、検体センサで患者の1つ以上の生理学的パラメータを感知するステップをさらに含む。
【0065】
特定の態様では、方法は、検体センサで患者の1つ以上の生理学的パラメータを感知するステップをさらに含む。
【0066】
特定の態様では、液体薬物はインスリンまたはグルカゴンの少なくとも一方を含む。
【0067】
特定の態様では、1つ以上のばねはシリコンを含む。
【0068】
特定の態様では、1つ以上のピストンは1つ以上のプランジャを備える。
【0069】
特定の態様では、1つ以上のピストンを収縮させるステップは、1つ以上のピストンを収縮させるために筋肉ワイヤを使用することを含む。
【0070】
特定の態様では、1つ以上の筋肉ワイヤはニチノールワイヤを含む。
【0071】
特定の態様では、1つ以上のピストンは、流路の第1、第2、および第3の部分において液体薬物の流路をそれぞれ遮断するように構成される第1、第2、および第3のピストンを含む。
【0072】
特定の態様では、方法は、液体薬物を薬物ポーチから患者へと流すために、1つ以上の筋肉ワイヤに第1、第2、および第3のピストンをパターンで係合させる1つ以上のハードウェア処理装置をさらに備える。
【0073】
特定の態様では、方法は、第1のワイヤによって第1のピストンに流路を開けさせて負圧を作り出させて、薬物を流路へと第1の部分において流し、第2のワイヤによって第2のピストンに流路を第2の部分で開けさせるために、電気信号を第1のワイヤと第2のワイヤとに適用するステップと、第1のピストンが、非収縮位置へと後退させられ、正圧を薬物に適用させ、流路を第1の部分で遮断するように、第1のばねに後退圧力を第1のピストンに加えさせるために、電気信号を第1のワイヤに適用することを停止するステップと、第2のピストンが、非収縮位置へと後退させられ、正圧を流路において薬物に加え、流路を第2の部分で遮断するように、第2のばねに後退圧力を第2のピストンに加えさせるために、第3のピストンに流路を第3の部分で開けさせるために第2の電気信号を第3のワイヤに適用し、電気信号を第2のワイヤに適用することを停止するステップと、をさらに含む。
【0074】
特定の態様では、薬物を患者へと送出し、薬物容器から患者への液体薬物の流路を遮断するように構成されるピストンのシステムに係合するための方法が、実質的に同時に、第1のワイヤによって第1のピストンに流路を第1の部分で開けさせ、第2のワイヤによって第2のピストンに流路を第2の部分で開けさせるために、電気信号を第1のワイヤと第2のワイヤとに適用するステップと、第1のピストンが、非収縮位置へと後退させられ、流路を第1の部分で遮断するように、第1のばねに後退圧力を第1のピストンに加えさせるために、電気信号を第1のワイヤに適用することを停止するステップと、第2のピストンが、非収縮位置へと後退させられ、流路を第2の部分で遮断するように、第2のばねに後退圧力を第2のピストンに加えさせるために、実質的に同時に、第3のピストンに流路を第3の部分で開けさせるために第2の電気信号を第3のワイヤに適用し、電気信号を第2のワイヤに適用することを停止するステップと、を含む。
【0075】
特定の態様では、液体薬物流路を管理するように構成される筋肉ワイヤポンプシステムが、液体薬物流路の中で少なくとも1つのピストンを動作させることでポンプの動作を制御するように構成される制御装置と、少なくとも1つのピストンのうちの少なくとも1つに連結される1つ以上の筋肉ワイヤであって、電気信号を受信し、少なくとも1つのピストンのうちの少なくとも1つの収縮を引き起こして少なくとも1つのピストンを後退させて、遮断されない液体薬物流路を可能にし、薬物を流路へと引き込むために負圧を作り出すように構成される1つ以上の筋肉ワイヤと、を備える。
【0076】
特定の態様では、筋肉ワイヤポンプシステムは、少なくとも1つのピストンを伴う組立体を形成する板に連結される1つ以上のばねをさらに備える。
【0077】
特定の態様では、板は、少なくとも1つのピストンの少なくとも一部分を受け入れさせるように構成される1つ以上の孔を含む。
【0078】
特定の態様では、1つ以上のばねは円盤ばねを備える。
【0079】
特定の態様では、薬物容器から患者への液体薬物の流路を遮断するように構成されるピストンのシステムに係合するための方法が、実質的に同時に、第1のワイヤによって第1のピストンに流路を第1の部分で開けさせ、第2のワイヤによって第2のピストンに流路を第2の部分で開けさせ、流路に薬物を引き込むように負圧を作り出すために、電気信号を第1のワイヤと第2のワイヤとに適用するステップと、第1のピストンが、非収縮位置へと後退させられ、流路を第1の部分で遮断するように、第1のばねに後退圧力を第1のピストンに加えさせるために、電気信号を第1のワイヤに適用することを停止するステップと、を含む。
【0080】
本開示のこれらおよび他の例の態様は、後に続く詳細な説明および添付の特許請求の範囲と、添付の図面とにおいて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0081】
図1】疾病管理環境の一部であり得る、または、インターリーブデバイスとして使用され得る例の疾病管理システムの図である。
図2】疾病管理システムの例の実施の図である。
図3】疾病管理システムの例の筋肉ワイヤポンプの斜視図である。
図4】疾病管理システムの別の例の筋肉ワイヤポンプの例の構成要素の図である。
図5A】閉塞物と、疾病管理システムの例の筋肉ワイヤポンプのばね構成要素として作用するシリコーン膜と、の図である。
図5B】閉塞物と、疾病管理システムの例の筋肉ワイヤポンプのばね構成要素として作用するシリコーン膜と、の図である。
図5C】閉塞物と、疾病管理システムの例の筋肉ワイヤポンプのばね構成要素として作用するシリコーン膜と、の図である。
図5D】閉塞物と、疾病管理システムの例の筋肉ワイヤポンプのばね構成要素として作用するシリコーン膜と、の図である。
図6】閉塞物と、例の筋肉ワイヤポンプの例の流体ラインへのばね構成要素として作用するシリコーン膜と、の例の接続の図である。
図7A】例の筋肉ワイヤポンプのばね構成要素の例の機能性の図である。
図7B】例の筋肉ワイヤポンプのばね構成要素の例の機能性の図である。
図7C】例の筋肉ワイヤポンプのばね構成要素の例の機能性の図である。
図8】例の筋肉ワイヤポンプの例の動作の図である。
図9】筋肉ワイヤポンプの例の流路の図である。
図10】筋肉ワイヤポンプの一部であり得る例のフィードバック制御システムの図である。
図11】フィードバック制御システムを含む例の筋肉ワイヤポンプの図である。
図12】例の筋肉ワイヤポンプの図である。
【発明を実施するための形態】
【0082】
一般的な実施に従って、図面に示されている様々な特徴は一定の縮尺で描かれていない可能性がある。したがって、様々な特徴の寸法は、明確性のために任意で拡張または縮小されている可能性がある。また、図面のうちの一部は、明確性のために単純化されている可能性がある。したがって、図面は、所与の装置(例えば、デバイス)の構成要素あるいは方法のすべてを描写しているとは限らない可能性がある。最後に、同様の符号が、明細書および図を通じて同様の特徴を支持するために使用されてもよい。
【0083】
特定の好ましい態様および例が下記に開示されているが、本発明の主題は、明確に開示されている態様を越えて、他の代替の態様および/または使用へと、ならびに、それらの変形および均等へと及ぶ。したがって、本明細書から生じ得る特許請求の範囲は、下記の具体的な態様のいずれによっても限定されることはない。例えば、本明細書に開示されているいずれの方法または過程において、方法または過程の行為または動作は、任意の適切な流れで実施させることができ、あらゆる具体的な開示されている流れに必ずしも限定されない。さらに、様々な動作が、特定の態様を理解する際に有用であり得る手法で、複数の別々の動作をとして記載され得るが、記載の順番は、これらの動作が順番に依存することを意味するように解釈されるべきではない。また、本明細書に記載されている構造、システム、および/またはデバイスは、一体化された構成要素として、または、別々の構成要素として具現化されてもよい。様々な態様を比較する目的のために、特定の態様およびこれらの態様の利点が記載されている。必ずしもすべてのこのような態様または利点が任意の具体的な態様によって達成されるわけではない。したがって、例えば、様々な態様は、本明細書においても教示または提案され得るように、必ずしも他の態様または利点を達成することなく、本明細書において教示されているような1つの利点または利点のグループを達成または最適化する手法で行われてもよい。
【0084】
A. 例示的疾病管理システム
図1は、例の疾病管理システム1101のブロック図を示している。いくつかの例では、疾病管理システム1101は、先に記載されているように、疾病管理環境の一部であり得る。疾病管理システム1101は、患者の1つ以上の生理学的パラメータ(脈拍、皮膚温度、または他の値など)を測定し、患者の血液に存在する1つ以上の検体(グルコース、脂質、または他の検体など)を測定し、薬物(インスリン、グルカゴン、または他の薬物など)を投与するように構成され得る。いくつかの例では、疾病管理システム1101は、クラウドに基づく処理装置またはユーザデバイスなど、疾病管理システム1101の外部にあり得る1つ以上のハードウェア処理装置と通信するように構成され得る。疾病管理システム1101は、ユーザデバイス(例えば、スマートフォンまたはスマートウォッチ)との認証およびペアリング、追加の疾病管理システムまたはデバイスとのBluetooth(登録商標)通信、および、関連する制御アプリケーションを実行するペアにされたユーザデバイスとのBluetooth(登録商標)通信を支援するために、NFCタグを含み得る。使用の容易性および患者との安全なやり取りを支援するために、システムは、タップ検出加速度計を通じた使用者入力を組み込むことができ、音響スピーカ、触覚的な振動、および/または視覚的な指示器を介してフィードバックを提供することができる。システムは、電池の電力で動作することができ、保管可能期間と、ひとたび患者に適用されてからの信頼できる動作と、の両方を支援することができる。電池の寿命は、いくつかの計画されたスリープおよび電力消費のレベルの制御を通じて管理され得る。この信頼性を支援するために、制御装置がいくつかのシステム健全性パラメータを監視することができ、含まれる薬物の温度と、デバイスの寿命のための周囲温度と、を監視することができる。
【0085】
図1に示されているように、疾病管理システム1101の制御装置1138が、疾病管理システム1101の1つ以上の構成要素と通信し、それら構成要素を制御するように構成され得る。制御装置1138は、印刷回路基板(PCB)などの1つ以上のハードウェア処理装置を含み得る。制御装置1138は、検出器エレクトロニクスを使用して、患者の脈拍、温度、および血液グルコースなどの生理学的パラメータおよび血液検体の正確な測定を支援するために、周辺デバイスまたは構成要素と通信するように構成され得る。続いて、制御装置1138は、投与量を計算することができる、または、計算された投与量の値を受信し、作動ポンプの作動によってインスリンなどの薬物を投与することができる。制御装置1138は、デバイス活動を記録することができ、記録されたデータを不揮発性の安全な記憶空間に伝達することができる。デバイスまたはシステムの寿命の終わりにおいて、制御装置は、動作をロックし、必要な場合には、記録されたデータへの認証アクセスを可能とするために、データ復旧モジュールを作り出すように構成され得る。
【0086】
疾病管理システム1101は検体センサ1120を備え得る。検体センサ1120は、患者の血液における検体を検出するように構成され得る。例えば、検体センサ1120は、皮膚1121の表面を穿孔するように構成されたグルコース感知プローブを備え得る。いくつかの例では、疾病管理システム1101は、1つ以上の検体を検出するために複数の検体センサ1120を備え得る。いくつかの例では、検体センサ1120は複数の検体を検出するように構成され得る。感知される検体には、限定されることはないが、グルコース、インスリン、および他の検体があり得る。検体センサ1120は検体検出器1126と通信するように構成され得る。検体検出器1126は、患者の血液における1つ以上の検体を測定するために、1つ以上の検体センサ1120の信号を受信するように構成され得る。検体検出器1126は制御装置1138と通信するように構成され得る。例えば、検体検出器1126は、検体値を制御装置1138へと送信し、制御信号を制御装置から受信するなどのように構成され得る。
【0087】
疾病管理システム1101は薬物カテーテル1122を備え得る。薬物カテーテル1122は、限定されることはないがインスリンを含め、薬物を患者に投与するように構成され得る。薬物カテーテル1122は、投与される薬物を収容するように構成される薬物ブラダ1128から薬物を受け入れることができる。薬物ブラダ1128は、1日間、3日間、6日間、またはより長くなど、長期間にわたる薬物を収容するように構成され得る。薬物ブラダ1128は、インスリンなどの特定の薬物の種類を収容するように構成され得る。いくつかの例では、疾病管理システム1101は、同じまたは異なる薬物の1つ以上の容器のための複数の薬物ブラダ1128を備え得る。いくつかの例では、疾病管理システム1101は、患者への投与の前に、薬物ブラダ1128からの薬物を混合するように構成され得る。ポンプ1130が、薬物をブラダ1128からインスリンカテーテル1122を通じて患者へと投与させるように構成され得る。ポンプ1130は、限定されることはないが、本明細書に記載されているようなポンプであり得る。
【0088】
疾病管理システム1101は生理学的センサ1124を任意選択で備え得る。生理学的センサ1124は、脈拍数センサ、温度センサ、パルスオキシメトリなど、またはそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの例では、疾病管理システム1101は複数の生理学的センサを含むように構成され得る。生理学的センサ1124は生理学的検出器1134と通信するように構成され得る。生理学的検出器1134は生理学的センサ1124の信号を受信するように構成され得る。生理学的検出器1134は、信号から生理学的値を測定または決定して通信するように構成され得る。生理学的検出器1134は制御装置1138と通信するように構成され得る。例えば、生理学的検出器1134は、例えば、測定された生理学的値を制御装置1138へと送信し、制御信号を制御装置から受信するように構成され得る。
【0089】
疾病管理システム1101は1つ以上のローカルユーザインターフェース構成要素1136を備え得る。例えば、ローカルユーザインターフェース構成要素1136は、限定されることはないが、1つ以上の光学的表示装置、触覚用モータ、音響スピーカ、および使用者入力検出器を含み得る。いくつかの例では、光学的表示装置は、複数の色を表示するように構成されるLEDライトを含み得る。いくつかの例では、光学的表示装置は、限定されることはないが、デバイス状況、薬物状況、患者状況、測定された検体値もしくは生理学的値など、またはそれらの組み合わせを含め、疾病管理システム1101と関連付けられる情報のデジタル表示を含み得る。いくつかの例では、使用者入力検出器には、慣性測定ユニット、タップ検出器、タッチディスプレイ、または、使用者入力を受け付けおよび受信するように構成される他の構成要素があり得る。いくつかの例では、音響スピーカは、デバイス状況、薬物状況、使用者状況など、またはそれらの組み合わせに関する可聴警報を伝えるように構成され得る。制御装置1138は、例えば、触覚用モータを作動させるために、光学的表示装置への出力を発生させるために、音響出力を発生させるために、または、ローカルユーザインターフェース構成要素1136のうちの1つ以上を制御するために、使用者入力を1つ以上の使用者入力構成要素から受信することで、または、制御信号を送信することで、1つ以上のローカルインターフェース構成要素1136と通信するように構成され得る。
【0090】
疾病管理システム1101は1つ以上の通信構成要素1140を備え得る。通信構成要素1140は、限定されることはないが、Bluetooth(登録商標)、セルラ、Wi-Fi(登録商標)、または他の無線信号を発するように構成される1つ以上の無線を含み得る。いくつかの例では、通信構成要素1140は有線接続のためのポートを含み得る。また、疾病管理システム1101は、1つ以上のハードウェア処理装置と通信することを容易にするために、NFCタグ1142を備え得る。1つ以上の通信構成要素1140およびNFCタグ1142は、疾病管理システム1101と関連付けられる情報を送信および/または受信するために、制御装置1138と通信するように構成され得る。例えば、制御装置1138は、薬物情報および測定された値を、1つ以上の通信構成要素1140を通じて外部デバイスへと伝えることができる。また、制御装置1138は、測定サンプリングレート、薬物送達、または、1つ以上の外部デバイスから1つ以上の通信構成要素1140を通じた管理システム1101の動作と関連付けられる他の情報と関連付けられる命令を受信することができる。
【0091】
疾病管理システム1101は1つ以上の電力構成要素1144を備え得る。電力構成要素は、限定されることはないが、1つ以上の電池、および、電圧調整器などの電力管理構成要素を含み得る。1つ以上の電力構成要素1144からの電力は、疾病管理システム1101を動作させるために、疾病管理システム1101の制御装置および/または他の構成要素によってアクセスされ得る。
【0092】
疾病管理システム1101が、電力使用を調整するのを助けるために、1つ以上の電力モードおよびスリープモードを有し得る。例えば、疾病管理システム1101はスリープモードを有し得る。スリープモードは、システムを起こし、システムの温度測定を行うなどのために、RTC(またはリアルタイムクロック)および警報などの最低限の機能を伴う非常に低い電力のモードであり得る。他の例では、疾病管理システム1101は、低減した機能を伴う低電力モードに対応し得る測定温度モードを含み得る。測定温度モードは、システムが温度測定を行い、値を保存し、システムをスリープモードに戻すように構成されるRTCによって起動させられ得る。他の例では、疾病管理システム1101はウェイクアップモードを含み得る。ウェイクアップモードは、NFCデバイスによって起動させることができ、Bluetooth(登録商標)などによって、システムを外部デバイスとペアにさせることができる。ペアリング事象が起こらない場合、システムはスリープモードに戻ることができる。他の例では、疾病管理システム1101はペアリングモードを含み得る。ペアリングモードはNFCデバイスによって起動させることができる。制御アプリケーションが認識されるとき、システムは、アプリケーションとペアになり、システムをオンコンディションに設定するように進むことができ、初期データ移動を確立するためにクラウドまたは他の外部デバイスに通信することができる。他の例では、疾病管理システム1101は、システムが測定同士の間により低い電力モードに入るように構成される休止モードを含み得る。他の例では、疾病管理システム1101は、データ取得が行われる中程度の電力モードにシステムが入るように構成されるデータ取得モードを含み得る。他の例では、疾病管理システム1101が、血液グルコース計算などのパラメータ計算が実施され、データが外部デバイスおよび/またはクラウドに送られる中程度の電力モードにシステムが入るように構成されるパラメータ計算モードを含み得る。他の例では、疾病管理システム1101は、ポンプが薬物を患者へと送達するために電力を引き込むより高い電力のモードにシステムが入るように構成されるポンプモードを含み得る。
【0093】
疾病管理システム1101は1つ以上のコネクタテストポイント1146を備え得る。コネクタテストポイントは、疾病管理システム1101のプログラミング、デバッギング、試験、または他のアクセスにおいて支援するように構成され得る。いくつかの例では、コネクタテストポイント1146には、例えば、GPIOスペア、UART受信装置、UART送信装置など、またはそれらの組み合わせがあり得る。
【0094】
図2は、疾病管理システム1103、および、疾病管理システム1103を患者に適用するためのアプリケータ1190の例の実施を示している。疾病管理システム1103は、下記の特徴に加えて、疾病管理システム1101に関する上記の特徴のうちの任意の1つ以上を含み得る。図示されている例では、アプリケータ1190は、疾病管理システム1103と嵌まり合うように構成され得る。いくつかの例では、アプリケータ1190は、アプリケータ1190との解放または他の相互作用のための安全ボタン1192を含み得る。図示されている例では、疾病管理システム1103は、表示装置の色、周波数、および長さのうちの1つ以上を使用する情報を出力するように構成され得る1つ以上のLED1160を備え得る。いくつかの例では、疾病管理システム1103は、ブザー1176、触覚用アクチュエータ1170、または、警報といった情報を患者へと出力するためのスピーカなどの他のフィードバック機構を備え得る。いくつかの例では、疾病管理システム1103は電池1174と制御装置1172とを備え得る。いくつかの例では、疾病管理システム1103は、ブラダ1180などの薬物投与システムと、ブラダに圧力を加えるためのブラダ圧力付与装置1178(ポンプの構成要素など)と、アクチュエータ1182と、ポンプ歯車1184と、ポンプ1186と、を備え得る。いくつかの例では、疾病管理システム1103は、1つ以上の検体センサ(グルコースセンサなど)1156を含み得る1つ以上の針1158を備え得る。いくつかの例では、疾病管理システム1103は、薬物を患者に投与するように構成される1つ以上のカニューレ1164を備え得る1つ以上の針1162を備え得る。いくつかの例では、疾病管理システム1103は、患者への送達の前に薬物における気泡の存在を検出するように構成される気泡センサ1152を備え得る。いくつかの例では、グルコース制御システム1103は、限定されることはないが、脈拍センサを含め、非侵襲的な生理学的センサなどの1つ以上の生理学的センサ1154を備え得る。いくつかの例では、疾病管理システム1103は、患者の皮膚への疾病管理システム1103の接着を提供するために、基礎板1106と、基礎板1106の下の接着層1168と、を備え得る。後で記載されているように、疾病管理システム1103の筐体は、疾病管理システム1103の構成要素のための支持を提供することと、少なくとも一部で疾病管理システム1103を患者の皮膚にぴったり合わせることと、の両方のために、柔軟性材料と剛性材料との組み合わせから成り得る。
【0095】
接着層1168は、長期間にわたって接着を提供するように構成され得る。例えば、接着層1168は、1日間、3日間、6日間、より多くの日数、より少ない日数、より長い時間、またはより短い時間の期間にわたって、疾病管理システム1103を患者の皮膚に接着させるように構成され得る。いくつかの例では、接着層は、疾病管理システム1103の意図されている使用の期間の間、疾病管理システム1103の偶発的な取り外しまたは移動を防止するのに十分な接着力を有するように構成され得る。いくつかの例では、接着層1168は、患者と境界を接するように構成される疾病管理システム1103の表面の少なくとも一部分にわたる接着剤の単一の層であり得る。いくつかの例では、接着層1168は、患者と境界を接するように構成される疾病管理システム1103の表面において複数の接着領域を含み得る。いくつかの例では、接着層1168は、湿気、または水道水、塩水、および塩素消毒水などの液体によって濡れた後、患者の皮膚に呼吸可能に接着するように構成され得る。接着剤の厚さは、例えば、0.1~0.5mmの範囲、または、より大きい厚さもしくはより小さい厚さの範囲であり得る。
【0096】
ある例では、針1158、1162は、患者の年齢、重量、または他のパラメータに基づいて、異なる深さに挿入され得る。例えば、薬物カニューレの挿入の深さが、7歳から12歳までについてはおおよそ3mmであり得る。他の例では、薬物カニューレの挿入の深さは、13歳以上についてはおおよそ4mmであり得る。例えば、薬物針の挿入の深さが、7歳から12歳までについてはおおよそ4mmから4.5mmまでであり得る。他の例では、薬物針の挿入の深さは、13歳以上についてはおおよそ5mmから5.5mmまでであり得る。他の例では、検体センサの挿入の深さが、7歳から12歳までについてはおおよそ3mmであり得る。他の例では、検体センサの挿入の深さは、13歳以上についてはおおよそ4mmであり得る。他の例では、検体センサと関連付けられる針についての挿入の深さが、7歳から12歳までについてはおおよそ4mmから4.5mmまでであり得る。他の例では、検体センサと関連付けられる針についての挿入の深さは、13歳以上についてはおおよそ5mmから5.5mmまでであり得る。しかしながら、挿入される構成要素のいずれについての他の値または範囲も可能である。
【0097】
B. 例示的筋肉ワイヤポンプ
図3は、筋肉ワイヤを使用する例の閉塞物の方式のポンプの態様を示している。筋肉ワイヤポンプは、少なくともばねと筋肉ワイヤとの間の相互作用の結果として力を配管または薬物の流路に加えるために、筋肉ワイヤを使用する。
【0098】
図3は、ローラを利用する筋肉ワイヤポンプの第1の構成を示している。図示されている例では、筋肉ワイヤ4628が、中心カム4634におけるスペーサ4627に圧し掛かる1つ以上のローラ4625の周りに巻き付けられ得るか、または、1つ以上のローラ4625と接触し得る。スペーサ4627および中心カム4634は、ポンプ組立体の上側に位置付けられ得る。しかしながら、他の構成も可能である。追加または代替で、筋肉ワイヤ4628は、ポンプ組立体の側方に配置される少なくとも1つのピン4629の周りで回転するように構成される1つ以上のローラ4621の周りに巻き付けられ得る。しかしながら、他の構成も可能である。筋肉ワイヤ4624は、本明細書ではプランジャとも称される1つ以上の閉塞物4630に連結され得る。筋肉ワイヤ4624は、ワイヤ端子4623を通じて電流を受け入れるように構成され得る。電力供給されるとき、筋肉ワイヤ4624は収縮してローラと共に移動することができ、プランジャ4630を傾かせる。電力が加えられないとき、筋肉ワイヤ4624が緩むことで、ばね4632がプランジャを配管(図示略)へと押し下げることができる。筋肉ワイヤ4624への電力を変更することで、プランジャ4630は、配管を絞り、配管に送出動作を実施させ、ポーチからカニューレへの薬物の移送を容易にする。
【0099】
図3に示されているような筋肉ワイヤポンプシステムの構成要素は、例えば、ポンプの複雑性を低減するために、組み立てを改善するために、応答時間を短くするために、ポンプ速度を向上させるために、および、管の弾性係数(またはヤング率)へのポンプ機能の依存を下げて所望の性能を達成するために、置き換えまたは単純化されてもよい。例えば、図4に示されているように、1つ以上の螺旋ばねが円盤ばね404に置き換えられてもよい。追加または代替で、1つ以上のプランジャ406の輪郭および設計は単純化されてもよい。追加または代替で、1つ以上のプランジャに対する配管の配向が変更されてもよい。例えば、プランジャに対する配管の配向は、プランジャが配管を圧縮するためにより小さい圧力を必要とするように、または、配管における薬物の流れを他に遮断するように、構成されてもよい。
【0100】
図4に示されているように、筋肉ワイヤポンプのばねは円盤ばね404を含み得る。いくつかの例では、円盤ばね404は、シリコーン、または、熱可塑性エラストマー(TPE)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)などの他のポリマを含み得る。筋肉ワイヤのプランジャを移動させるために円盤ばねの少なくとも一部分の変位に応答して十分な回復力を提供することができる他の材料が使用されてもよい。いくつかの例では、円盤ばねは、おおよそ円錐台の形などを有し、変位させられるように構成される一部分を少なくとも含み得る。いくつかの例では、円盤ばねは、変位させられないときにおおよそ平坦であり得る。いくつかの例では、円盤ばねは、変位させられるときにおおよそ円錐台となり得る。他の形の円盤ばねも可能であり得る。例えば、円盤ばねは、湾曲した側面の輪郭を伴う上から下へとおおよそ円形の輪郭を有してもよい。いくつかの例では、湾曲した側面の輪郭はS字形の湾曲を含んでもよい。しかしながら、湾曲した側面の輪郭の他の湾曲も可能である。
【0101】
プランジャ406は、薬物を薬物ポーチから患者へと運ぶように構成される管を圧縮するように構成できる。しかしながら、プランジャおよび薬物送達または流路の他の構成も可能である。例えば、図4に示されているように、プランジャ406は、管408において薬物の流路を閉塞するように構成され得る。いくつかの例では、プランジャ406は、管または流路408の一部分を、封止もしくは閉塞するように、または、少なくとも部分的に封止もしくは閉塞するように、構成され得る。いくつかの例では、プランジャ406は、管における流路へと押し付けられるときに封止を形成するように構成されるシリコーンなどの材料を含み得る。プランジャ406は、プランジャ406を固定または安定化させるためにオーバーモールドされ得る。例えば、オーバーモールドはシリコーンまたは同様の材料を含み得る。プランジャ406は、流路へと押し付けられるときに形成されるシールの形成を最大化するためにシール(例えば、Oリングシール)を備えてもよい。これは、流路から漏れ得る流体の量を最小限にすることができる。プランジャ406の形は、流路を直接的または間接的に閉塞するために、任意の適切な形であり得る。例えば、プランジャ406は、管または流路を圧縮するように、薬物の流路を直接的に閉塞するように、または同様となるように構成され得る。いくつかの例では、薬物の流路と直接的または間接的に係合するように構成されたプランジャ406の少なくとも1つの表面などのプランジャの接触点が、長方形、正方形、円形、楕円形、長円形、非対称、または対称となり得る。1つ以上のばね404が、流路を閉塞または部分的に閉塞するために、圧力をプランジャ406に提供することができるように、プランジャ406は1つ以上のばね404によって係合されるように構成され得る。いくつかの例では、1つ以上のばね404は、流路を遮断するために後退圧力をプランジャ406に加えることができる。別の言い方をすれば、ばね404は、プランジャ406に流路を遮断させるために、筋肉ワイヤから後退することができる。
【0102】
図5Aおよび図5Bに示されているように、いくつかの例では、プランジャ406は、電流が適用されるときに収縮するように構成される筋肉ワイヤのための圧着部など、カップリング502を通じて持ち上げ機構によって係合されるように構成され得る。持ち上げ機構は、薬物ポーチから患者への薬物の流れを容易にするために、流路の領域からプランジャを持ち上げることができる。いくつかの例では、プランジャ406は、筋肉ワイヤの圧着部分または係合部分などのカップリング502を含み得るか、またはカップリング502に連結され得る。筋肉ワイヤ圧着部502は、筋肉ワイヤを掴むように、または、筋肉ワイヤをプランジャに直接的または間接的に連結するように、構成され得る。本明細書では、多くの例において筋肉ワイヤが持ち上げ機構として記載されているが、他の種類の持ち上げ機構が追加または代替で使用されてもよい。
【0103】
図5Cおよび図5Dに示されているように、筋肉ワイヤポンプの1つ以上の構成要素は、製造過程の一部としてオーバーモールドおよび/または化学的結合され得る。例えば、1つ以上のばね404、506は、プランジャ406を伴う組立体510を形成するために板508に結合させることができ、板は、1つ以上のプランジャに、プランジャの少なくとも一部分を、板508の水平面に対して鉛直方向に移動させるために、孔を含むように構成される。1つ以上のばね506は、流路を遮断するために後退圧力をプランジャ406に提供することができる。ばね506は、ばねを包み込むように構成された膜を含み得る。例えば膜はシリコンまたは同様の材料を含み得る。
【0104】
図6に示されているように、組立体510は、薬物の流路を含むポンプの底部分602と係合するように構成され得る。組立体510は、底部分602に溶接(例えば、レーザー溶接)されるように、または、底部分602に永久的もしくは半永久的に連結されるように、構成され得る。図6に示されているように、組立体が、より大きな組立体に組み込まれ得る、または、図1図2に示されている疾病管理デバイスなどの薬物送達デバイスへとポンプ組立体を連結するように構成され得る。
【0105】
図7A図7Cは、例の円盤ばねの形と、図示されている様々な円盤ばねの形についての変位および力のシミュレーションと、を示している。図7Aおよび図7Bに示されている例では、円盤ばねはおおよそ平坦または円錐台の形を備える。いくつかの例では、円盤ばねの寸法は薬物流路の管または直径の寸法に対応することができる。いくつかの例では、円盤ばねの寸法はプランジャの形状に対応することができる。円盤ばねへの行使についての力の限度は、圧力の限度に円盤ばねの開放領域を掛けた値に基づいて計算できる。開放領域は、開放領域=π(Douter/2)inner/2として計算することができる。圧力の限度は、300/760atmまたは(4x10)(N/m)とできる。
【0106】
約0.0mmの内径を伴う例の円盤ばねでは、外径は約0.8mmである。力の限度は0.002kgfとして計算され得る。安全な力の限度は、全体の力の限度よりいくらかのパーセテージで小さくなり得る。例えば、同じ例では、安全な力の限度は10gfであり得る。
【0107】
図7Aは、外部の点704に対する円盤ばねの内部の点702の約0.2mmの変位の間の円盤ばねの表面における例の応力を示す線図706A、706Bを示している。図示されているように、応力は、円盤ばねの変位した部分においてより大きく、おおよそ0.25mmの変位について(2x10)(N/m)以上まで到達する可能性がある。
【0108】
図7Bは、外部の点704に対する円盤ばねの内部の点702の約0.5mmの変位の間の円盤ばねの表面における例の応力を示す線図708A、708Bを示している。図示されているように、応力は、円盤ばねの変位した部分においてより大きく、0.5mmの変位について(8x10)(N/m)以上まで到達する可能性がある。
【0109】
図7Cは、内部の点702と外部の点704との間にS字形湾曲を有する円盤ばねの表面における例の応力を示す線図710A、710B、710Cを示している。線図710Aは、外部の点704に対する円盤ばねの内部の点702の約0.12mmの変位の間の応力を示している。図示されているように、応力は、円盤ばねの変位した部分においてより大きく、0.2mmの変位について(2x10)(N/m)以上まで到達する可能性がある。線図710Bは、外部の点704に対する円盤ばねの内部の点702の約0.35mmの変位の間の応力を示している。図示されているように、応力は、円盤ばねの変位した部分においてより大きく、0.35mmの変位について(7x10)(N/m)以上まで到達する可能性がある。
【0110】
図8は、例の筋肉ワイヤポンプ802の例の機能を示している。図示されている例では、筋肉ワイヤポンプ802は、複数の筋肉ワイヤまたは筋肉ばね804と、筋肉ワイヤ804のための1つ以上の案内部806と、1つ以上のプランジャ(本明細書ではピストンとも称される)808と、1つ以上の流路810と、を備えることができる。より多くの構成要素、より少ない構成要素、および/または異なる構成要素が使用されてもよい。
【0111】
ポンプは各々のプランジャ808について筋肉ワイヤ804を含み得る。筋肉ワイヤ804は、電流が適用されるときに収縮するように構成される任意の材料を含み得る。例えば、筋肉ワイヤ804はニチノールまたはニッケルチタン合金を含み得る。他の形状記憶合金も使用できる。いくつかの例では、筋肉ワイヤ804は張力を維持するように吊るされ得る。いくつかの例では、案内部806がワイヤ804の支持を支援するために使用され得る。いくつかの例では、結合構成要素810が、ポンプ、または、ポンプが連結される疾病管理システムに対して、案内部806、筋肉ワイヤ804、または他の構成要素を所定位置で保持するために構成され得る。追加または代替で、結合構成要素810は、電流を筋肉ワイヤに適用するように構成されるポンプの電子部品に向けて、またはそのような電子部品へと、筋肉ワイヤ804を案内または連結するのを助けることができる。筋肉ワイヤ804はプランジャ808に接続するように構成され得る。プランジャ808は、薬物の流路810を直接的または間接的に閉塞するように構成され得る。組立体は複数のプランジャ808および筋肉ワイヤ804を含み得る。ばね812が、流路を閉塞するために、プランジャ808に力を加えるために各々のプランジャ808に連結され得る。
【0112】
制御装置は、複数のプランジャを連続して動作させることでポンプの動作を制御するように構成され得る。図9は、入口902からの例の流路906を示しており、入口902は、薬物ポーチから出口904への流体と関連付けることができ、出口904は、薬物を患者へと送達するように構成されるカニューレと関連付けることができる。流体および/または薬物ポーチは圧力下にあり得る。いくつかの例では、流体ポーチに加えられる圧力は最小であり得るが、流体を、流路へと押す、または流路を通じて押すのに十分であり得る。流体が流体ポーチを出て行くとき、ポーチは潰れることができ、圧力を流体に加え続けることができる。代替で、薬物ポーチは圧力下にある必要がなく、その場合、プランジャが、流体を流路へと引っ張るために負圧を発生させるように構成される。第1のプランジャ908などのプランジャが、閉じられるように、または、流路906を第1の構成で閉塞するように構成され得る。薬物を、入口902を通じて出口904へと押すために、制御装置は、薬物が流路の領域910Aにおいて第1のプランジャと第2のプランジャとの間で流れるように、プランジャ908を開放または持ち上げることができる。第1のプランジャと第2のプランジャとは、ほとんど同時または同等の時間に持ち上げられ得る。同等の時間における第1のプランジャおよび第2のプランジャの持ち上げは、薬物を空の空洞へと流す真空を作り出すことができる。これは、薬物を領域910Aへと流すことができる。薬物は、薬物ポーチにおいて加えられる正圧、または、各々のプランジャの後退によって発生させられる負圧のいずれかによって、流路へと流れることができる。制御装置は、流路を閉止または閉塞するために、第1のプランジャを閉じるかまたは下げることができる。次に、第2のプランジャは、第3のプランジャが持ち上げられるのとおおよそ同じ時間または同等の時間に、閉じられ得るか、または、流路を閉塞し得る。これは、形成された真空により患者から戻るように流れ得る流体の量を最小限にすることができ、第2のプランジャが解放して薬物へと押し下がるとき、流路における薬物に正圧も作り出す。これは、薬物を、第2のプランジャとの間の領域910Bから、出口904に向けて流すこともできる。いくつかの例では、第2のプランジャの閉じることは、第3のプランジャの収縮に対して若干遅らされ得る。この遅れは、両方のプランジャが同時またはほぼ同時に移動するように、第3のプランジャが持ち上げられる前に第2のプランジャが解放され得るような時間調整において説明され得る。これは、第2のプランジャに接続される筋肉ワイヤの温度における増加のためであり得る。いくつかの例では、制御装置は第1のプランジャと第2のプランジャとをおおよそ同時に開閉することができ、第1のプランジャと第3のプランジャとが閉じられるときに第2のプランジャを開けることができる。この連続を実施するとき、薬物は入口902から出口904へと送出され得る。
【0113】
C. 例示的フィードバック機構
いくつかの例では、ポンプシステムがフィードバック制御システムを備え得る。図10図12は、例のポンプシステムについてのフィードバック制御の例の態様を示している。図10に示されているように、フィードバック機構は、限定されることはないが、上フィードバックPCB1006と、下フィードバックPCB1010と、1つ以上の接触リング1002(閉塞物またはプランジャ1018に搭載される)と、PCBを搭載するための1つ以上のスペーサ1008と、を備え得る。組み立ての間、下フィードバックPCB1010が初めに主筐体1020に搭載され得る。次に、他の構成要素が下フィードバックPCB1010の上に層ごとで組み立てられ得る。フィードバックシステムの1つ以上の構成要素が、所定位置で保持され、位置合わせピン1014および1つ以上の外れ止め1016などの1つ以上の構成要素を使用して位置合わせされ得る。例えば、上PCB1006と下PCBとは、位置合わせピン1014と1つ以上の外れ止め1016とを使用して、所定位置で位置合わせおよび保持され得る。ポンプ筐体1020は、COCまたはPP材料などのプラスチックで作られてもよい。筐体が、限定されることはないが、SiO被覆を伴うHDPEを含め、他のプラスチックポリマで作られることも可能である。接触リング1002は高伝導性材料で作られ得る。接触リング1002は炭素充填ポリマまたは導電性シリコーンで被覆され得る。フィードバックPCBのパターンおよび/またはレイアウトは重要な役割を演じることができる。パターンは、接触リングが回路を短絡するときに検出を相当に高めることができる。例のパターン1012が図10に示されている。
【0114】
ポンプは、形状記憶合金(円盤ばねなど)を過剰に引き伸ばすことで損傷させないようにプランジャが所望の距離で進むとき、制御装置へのフィードバック通知を含み得る。フィードバックは、プランジャの進む距離をきっちりと制御することで、ボーラス送達のより良好な制御を提供することもできる。フィードバック制御信号は、追加または代替で、プランジャが完全に着座させられることで流体の流れを閉塞するときを指示してもよい。フィードバック制御信号は、追加または代替で、プランジャが完全に開くことで流体の流れを許容するときを指示してもよい。フィードバック制御は、プランジャの上方または下方に位置付けられる印刷回路基板1006、1010における2つの配線の間でプランジャによって作り出される短絡に基づいて行うことができる。印刷回路基板は、プランジャによる接触を検出するように構成される1つ以上の接触リング1002を含み得る。回路基板同士の間の1つ以上のスペーサ1008は、偶発的な短絡または意図しない短絡を防止することができる。制御装置は、フィードバック制御信号を読み取り、短絡回路を検出するときにプランジャがさらに移動するのを無効にすることができる。
【0115】
プランジャ1018が上位置へと移動することを上フィードバックPCB1006が検出するとき、プランジャは所定位置で保持され得る。パルス幅変調(PWM)を作動させることができ、これは、筋肉ワイヤにおける温度を維持する。したがって、筋肉ワイヤは、不動のまま留まり、プランジャを不動のまま保持することができる。したがって、筋肉ワイヤは、追加的な張り、または張りにおける緩みで引っ張りのないようにされ得る。追加または代替で、上フィードバックPCB1006は、プランジャ1018が上位置へと移動することを検出するとき、筋肉ワイヤのための電力を減らすことになる。上フィードバックは、プランジャが係合解除されることを検出するとき、再び電力を増やすことができる。この往復の電力のサイクルは、プランジャを上位置の近くに留まらせることになる。プランジャが底に触れることを下フィードバックPCBが検出するとき、システムは、プランジャが完全に閉じられたことが分かる。これは、プランジャが完全に閉じられていることを確保することができる。
【0116】
図11は、フィードバック機構1102を含む筋肉ワイヤポンプ1100の例を示している。フィードバック機構1102は、筋肉ワイヤポンプの制御、精度、正確性などを最大化するために、筋肉ワイヤポンプの他の構成要素との組み合わせで作動することができる。例えば、筋肉ワイヤポンプ1100は、複数の電気コネクタ1104と、複数の筋肉ワイヤ1106と、筋肉ワイヤに接続するように構成される複数の伝導性ワイヤ1108と、を備え得る。電気コネクタ1104および伝導性ワイヤ1108は、持ち上げ機構または筋肉ワイヤ1106へと送信される信号を促進または許容するために使用され得る。先に記載されているように、筋肉ワイヤポンプは、複数のプランジャ1110と、ポンプ蓋1112と、ポンプ筐体1114と、ポンプ出口1116と、ポンプ入口1118と、を備え得る。筋肉ワイヤポンプ1100は、フィードバック機構1102に各々のプランジャ1110の位置および状況を監視させることができる少なくとも1つのフィードバックリング1120をさらに備え得る。いくつかの例では、筋肉ワイヤポンプの中に、各々のプランジャに接続されるフィードバックリングがあり得る。例えば、フィードバックリング1120は、プランジャ1110の各々の状況を監視または制御することを促進する信号をフィードバック機構に持たせることができる。いくつかの例では、プランジャが開位置にあるとき、フィードバックリングは、フィードバック機構へと送信される信号を起動することができるフィードバック機構に接触することができる。信号は、プランジャが開位置にあることをフィードバック機構に知らせることができる。いくつかの例では、プランジャが閉位置にあるとき、フィードバックリングは、フィードバック機構へと送信される信号を起動することができるフィードバック機構に接触することができる。信号は、プランジャが閉位置にあることをフィードバック機構に知らせることができる。いくつかの例では、フィードバックリングがフィードバック機構と接触していないとき、フィードバック機構はプランジャの位置および状況を監視しなくてもよい。筋肉ワイヤポンプ1100は、フィードバック機構1102に接続するように構成されるケーブル(例えば、フレックスケーブル)を備えてもよい。
【0117】
図12図11の断面図を示しており、筋肉ワイヤポンプの各々の構成要素一体化、接続、および/または連結がフィードバック機構にとって重要であり得る。図12に示されているように、筋肉ワイヤポンプ1100は、複数のプランジャ1110の各々1つに接続されるフィードバックリング1120と、PCB1203と、圧着コネクタ1204と、少なくとも1つの伝導性ワイヤ1108と、シール1206と、少なくとも1つの筋肉ワイヤ1106と、入口1118と、プランジャ1210に接続するように構成されるアダプタ1212と、スペーサ1214と、を備え得る。フィードバックリング1120はPCB1203に直接的に接触するように構成され得る。圧着コネクタ1204は、筋肉ワイヤポンプの中の複数のプランジャの各々について、各々の伝導性ワイヤを各々の筋肉ワイヤに連結するように構成され得る。したがって、この接触は、プランジャ1110の位置および状況を監視または制御するためにフィードバック機構を起動することができる。フィードバックリング1120とPCB1203との間の直接的な接触が、プランジャ1110の状況を監視または制御することを促進する信号をフィードバック機構に持たせる点において有用であり得る。例えば、信号は、フィードバック機構にプランジャの位置を決定させることができる。いくつかの例では、信号は、プランジャが開位置にあるのか閉位置にあるのかをフィードバック機構に決定させることができる。フィードバックリング1120は、筋肉ワイヤポンプの制御、精度、正確性などを最大化することができる。いくつかの例では、伝導性ワイヤ1108(例えば、銅ワイヤ)が、圧着コネクタ1204を含め、筋肉ワイヤポンプへの電気接続を続けるため、伝導性ワイヤ1108は筋肉ワイヤ1106とフィードバックリング1120との両方に接続させることができる。この接続は、信号を起動させるために、フィードバックリング1120がPCB1203と接触すると、フィードバック機構にプランジャの位置および/または状況を監視させることができる。明示的には、図12に示されているように、伝導性ワイヤ1108は、フィードバックリング1120が複数のプランジャ1110の各々に接続される出口位置において、複数のプランジャの各々の内部区画室を出ることができる。これは、伝導性ワイヤ1108が筋肉ワイヤ1106とフィードバックリング1120との両方に接続することを可能にする。
【0118】
フィードバック機構は、制御装置にプランジャの位置を知らせる。フィードバック信号が、プランジャが開位置にあるのか閉位置にあるのかを制御装置に知らせるために使用され得る。いくつかの例では、フィードバック信号が、プランジャが部分的に開いているのか、完全に開いているのかを制御装置に知らせるために使用され得る。例えば、制御装置は、プランジャを25%、50%、75%、または100%の開位置で開けることができる。さらに、プランジャの開いた度合いは、ポンプシステムを通じて送出される流体のボーラス量または量を制御することができる。同様に、プランジャの開いた度合いは、流体の体積を決定することができるため、流体がポンプシステムを通じて流れる速さを決定することができる。有利には、これは、プランジャのうちの少なくともいくつかが十分なボーラスを送達するために完全に開けられる必要がない場合に、電力を節約することができる。これは、患者特定のボーラス量を、ポンプシステムを通じて送出するために必要であり得る速さに基づいて変化し得る。追加または代替で、プランジャのうちの少なくともいくつかの電力を停止することは、筋肉ワイヤポンプシステムの精度を増加させることができる。プランジャは、流体が、薬物のブラダまたはポーチから、患者に埋め込まれたカテーテルまたはカニューレに向けてなど、一方から他方への方向に移動することができるように、明確に時間調整され得る。いくつかの例では、プランジャの時間調整は、複数のプランジャの各々の位置を決定するために使用され得る。プランジャはそれぞれ同時に開位置にあってもよく、これは、ポーチからの流体の規制のない流れを可能にし得る。ポーチは、加圧され得る、または圧力下にあり得る。ポーチからの圧力は、プランジャが開位置にあるとき、薬物を、プランジャを越えて流すことができる。これは、プランジャが開位置の度合いへと開くときのみ薬物が放出され得るため、薬物が必要とされるときに患者へと送達されることを確保する点において有利であり得る。追加または代替で、フィードバック機構は、プランジャ動作の正確な時間調整が実施され得るように使用されてもよい。例えば、プランジャが開位置に到達すると、信号がフィードバック機構を起動してもよい。いくつかの例では、プランジャが開位置に到達すると、信号がフィードバック機構を起動してもよい。この手法では、プランジャの開くずれたタイミングのため、薬物のうちのわずかな一部だけが所与の時間に放出されるため、患者に送達される薬物の量が制御できる。
【0119】
患者に送達される薬物の制御された量は、必要とされる薬物の投与量に対して正確であり得、精度があり得る。有利には、プランジャの開く配置、タイミング、または度合いは細かく調整させることができ、これは、患者へと送達される薬物の制御された量および/または正確な量を可能にする。例えば、プランジャが100%の開位置にあるとき、最大量の薬物が筋肉ワイヤポンプに入ることができる。同様に、プランジャが100%未満である位置にあるとき、プランジャの開位置のパーセンテージに等しい薬物量が患者へと送達されることになる。フィードバック機構は、プランジャの各々が開位置または閉位置に到達するときに形成される信号に基づいて、薬物または流体の正しい量が患者へと送達され得ることを正確に通知するために、信号を送ることができる。追加または代替で、フィードバック機構は、薬物が筋肉ワイヤポンプシステムを通じて消散していないことを確保することができる。
【0120】
有利には、フィードバック機構は筋肉ワイヤポンプシステムに安全率を提供することもできる。例えば、フィードバック機構は、プランジャがいつ開位置にあるか、および/または、プランジャがいつ閉位置にあるかを認識または登録することができる。
【0121】
D. 用語
先の記載は本発明の新規の特徴を様々な態様に適用されるとして指摘してきたが、当業者は、記載されているデバイスまたは過程の形態および詳細における様々な省略、代用、および変更が本発明の範囲から逸脱することなく行えることを理解するものである。そのため、本発明の範囲は、前述の記載によってではなく、添付の特許請求の範囲によって定められる。特許請求の範囲の均等の意味および範囲の中から生じるすべての変形は、それらの範囲内に含まれる。
【0122】
本明細書を通じての「いくつかの態様」または「態様」への言及は、態様との関連で記載されている具体的な特徴、構造、または特性が少なくともいくつかの態様に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通じた様々な場所において「いくつかの態様では」または「態様では」という文言が現れることは、必ずしもすべて同じ態様に言及しているのではなく、同じ態様または異なる態様のうちの1つ以上に言及している可能性がある。さらに、具体的な特徴、構造、または特性は、1つ以上の態様において、本開示から当業者には明らかとなるように、任意の適切な手法で組み合わせることができる。
【0123】
本出願で使用されているように、「備える」、「含む」、および「有する」などの用語は、同意語であり、オープンエンドの様態で包括的に使用されており、追加の要素、特徴、行為、および動作などを排除しない。また、「または」という用語は、使用されるとき、例えば、要素の列記を接続するために、列記における要素の1つ、いくつか、または全部を意味するように、その包括的な意味で使用される(その排他的な位置で使用されない)。
【0124】
同様に、態様の先の記載では、様々な特徴が、本開示を効率的にし、様々な発明の態様の1つ以上の理解を助ける目的のために、それらの単一の態様、図、または記載において一緒にグループ化されることがあることは、理解されるべきである。しかしながら、この開示の方法は、いずれかの請求項がその請求項で明示的に提唱されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するとして解釈されるものではない。むしろ、発明の態様は、任意の単一の前述の開示されている態様のすべての特徴より少ない特徴の組み合わせにある。
【0125】
開示されているシステムおよび方法の態様は、局所的および/または遠隔のデバイス、構成要素、および/またはモジュールと使用および/または実施され得る。「遠隔」という用語は、例えばローカルバスを介してアクセス可能ではないといった、ローカルに保管されないデバイス、構成要素、および/またはモジュールを含み得る。したがって、遠隔のデバイスは、物理的に同じ部屋に位置付けられ、スイッチまたはローカルエリアネットワークなどのデバイスを介して接続されるデバイスを含み得る。他の状況では、遠隔デバイスは、異なる場所、建物、町、および国などにおいて、地理的に離れた場所に位置付けられてもよい。
【0126】
特定の好ましい態様および例の例示の文脈で記載されてきたが、本開示が明示的に記載されている態様を越えて、他の代替の態様および/または使用、ならびに明らかな変形および均等へと及ぶことは、当業者によって理解されるものである。したがって、下記の特許請求の範囲が上記の具体的な態様によって限定されるべきではないことが意図されている。
【符号の説明】
【0127】
404 円盤ばね
406 プランジャ
408 管、流路
502 カップリング、筋肉ワイヤ圧着部
506 ばね
602 底部分
702 内部の点
704 外部の点
706A、706B、708A、708B、710A、710B、710C 線図
802 筋肉ワイヤポンプ
804 筋肉ワイヤ、筋肉ばね
806 案内部
808 プランジャ、ピストン
810 流路、結合構成要素
902 入口
904 出口
906 流路
908 第1のプランジャ
1002 接触リング
1006 上フィードバックPCB
1008 スペーサ
1010 下フィードバックPCB
1012 パターン
1014 位置合わせピン
1016 外れ止め
1018 閉塞物、プランジャ
1020 主筐体、ポンプ筐体
1100 筋肉ワイヤポンプ
1101 疾病管理システム
1102 フィードバック機構
1103 疾病管理システム、グルコース制御システム
1104 電気コネクタ
1106 基礎板
1106 筋肉ワイヤ
1108 伝導性ワイヤ
1110 プランジャ
1112 ポンプ蓋
1114 ポンプ筐体
1116 ポンプ出口
1118 ポンプ入口
1120 検体センサ、フィードバックリング
1122 薬物カテーテル、インスリンカテーテル
1124 生理学的センサ
1126 検体検出器
1128 薬物ブラダ
1130 ポンプ
1134 生理学的検出器
1136 ローカルユーザインターフェース構成要素
1138 制御装置
1140 通信構成要素
1142 NFCタグ
1144 電力構成要素
1146 コネクタテストポイント
1152 気泡センサ
1154 生理学的センサ
1156 検体センサ
1158 針
1160 LED
1162 針
1164 カニューレ
1168 接着層
1170 触覚用アクチュエータ
1172 制御装置
1174 電池
1176 ブザー
1178 ブラダ圧力付与装置
1180 ブラダ
1182 アクチュエータ
1184 ポンプ歯車
1186 ポンプ
1190 アプリケータ
1192 安全ボタン
1203 PCB
1204 圧着コネクタ
1206 シール
1210 プランジャ
1212 アダプタ
1214 スペーサ
4623 ワイヤ端子
4624 筋肉ワイヤ
4625 ローラ
4627 スペーサ
4628 筋肉ワイヤ
4629 ピン
4630 閉塞物、プランジャ
4632 ばね
4634 中心カム
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】