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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】組立式プラスチックパレット
(51)【国際特許分類】
   B65D 19/32 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
B65D19/32 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024507847
(86)(22)【出願日】2022-08-02
(85)【翻訳文提出日】2024-03-07
(86)【国際出願番号】 KR2022011345
(87)【国際公開番号】W WO2023014026
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】10-2021-0102470
(32)【優先日】2021-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524047981
【氏名又は名称】ウシン ホールディングス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】WOOSHIN HOLDINGS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】2dong 2F, 180, Sangduwon-gil, Jangan-myeon, Hwaseong-si, Gyeonggi-do 18586 (KR)
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】イ、ジェホ
【テーマコード(参考)】
3E063
【Fターム(参考)】
3E063AA02
3E063BA05
3E063BB04
3E063CA08
3E063CC06
3E063DA05
3E063EE03
(57)【要約】
本発明は、プラスチック押出成形部品と射出成形部品との組み立てにより製造される組立式プラスチックパレットを開示する。本発明の組立式プラスチックパレットは、複数本のサポートビーム、少なくとも2枚以上のプレート、第1及び第2の補強板から構成されている。サポートビームは、断面が「I」字状であり、上フランジと、下フランジと、上フランジと下フランジとをつなぐウェブと、を備え、ウェブに複数本の貫通孔が形成され、幅方向に沿って互いに間隔を隔てて配置されている。プレートは、上フランジと下フランジのそれぞれに固定されている。第1の補強板は、ウェブの一方の面に配置され、貫通孔のうちの一部の貫通孔を通過するようにウェブの一方の面と向かい合う面に複数のスナップフィットが形成され、貫通孔のうちの一部の貫通孔と位置合わせされるようにウェブの一方の面と向かい合う面に複数本の結合孔が形成されている。第2の補強板は、第1の補強板と向かい合うようにウェブの他方の面に配置され、貫通孔のうちの残りの貫通孔を通過して第1の補強板の結合孔のそれぞれに弾力的に結合されるようにウェブの他方の面と向かい合う面に複数のスナップフィットが形成され、第1の補強板のスナップフィットのそれぞれが弾力的に結合されるようにウェブの他方の面と向かい合う面に複数本の結合孔が形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面が「I」字状であり、上フランジと、下フランジと、前記上フランジと前記下フランジとをつなぐウェブと、を備え、前記ウェブに複数本の貫通孔が形成されており、幅方向に沿って互いに間隔を隔てて配置されている複数本のサポートビームと、
前記上フランジと前記下フランジのそれぞれに固定されている少なくとも2枚以上のプレートと、
前記ウェブの補強のために前記ウェブの一方の面に配置されており、前記複数本の貫通孔のうちの一部の貫通孔を通過するように前記ウェブの一方の面と向かい合う面に複数のスナップフィットが形成されており、前記複数本の貫通孔のうちの一部の貫通孔と位置合わせされるように前記ウェブの一方の面と向かい合う面に複数本の結合孔が形成されている第1の補強板と、
前記第1の補強板と向かい合うように前記ウェブの他方の面に配置されており、前記複数本の貫通孔のうちの残りの貫通孔を通過して前記第1の補強板の複数本の結合孔のそれぞれに弾力的に結合されるように前記ウェブの他方の面と向かい合う面に複数のスナップフィットが形成されており、前記第1の補強板の複数のスナップフィットのそれぞれが弾力的に結合されるように前記ウェブの他方の面と向かい合う面に複数本の結合孔が形成されている第2の補強板と、
を含む、組立式プラスチックパレット。
【請求項2】
前記複数本のサポートビームのうちの両側の周縁部に配置されている2本のサポートビームのそれぞれは、前記少なくとも2枚以上のプレートの両側の末端のそれぞれを遮断できるように前記上フランジと前記下フランジのそれぞれから延びている上蓋体板部と下蓋体板部とをさらに備える、請求項1に記載の組立式プラスチックパレット。
【請求項3】
前記第1及び第2の補強板のどちらか一方は、前記複数本のサポートビームのそれぞれの末端を覆うように一方の側の周縁部に形成されている蓋体板部をさらに備える、請求項1に記載の組立式プラスチックパレット。
【請求項4】
前記第1及び第2の補強板のそれぞれは、前記上フランジの下部面と前記下フランジの上部面を支持するように前記上フランジと前記下フランジとの間に嵌め込まれている、請求項1に記載の組立式プラスチックパレット。
【請求項5】
前記少なくとも2枚以上のプレートを貫通して前記少なくとも2枚以上のプレートを前記上フランジと前記下フランジのそれぞれに結合する締結部材を備える、請求項1に記載の組立式プラスチックパレット。
【請求項6】
前記複数本のサポートビームのそれぞれは、プラスチックを素材として押出成形により製造されて単位長さに切断されている長尺部材からなる、請求項1から5のいずれか一項に記載の組立式プラスチックパレット。
【請求項7】
前記少なくとも2枚以上のプレートは、前記上フランジと前記下フランジのそれぞれに幅方向と直交する長手方向に沿って互いに間隔を隔てて配置されており、プラスチックを素材として押出成形により製造されて単位長さに切断されている長尺部材からなる、請求項1から5のいずれか一項に記載の組立式プラスチックパレット。
【請求項8】
前記少なくとも2枚以上のプレートは、中空が形成されている複数本の角管部と、前記複数本の角管部のうちの隣り合う2本の角管部をつなぐ複数枚の連結板部と、から構成されており、前記複数本の角管部のそれぞれは、複数のスクリューの締結により前記上フランジと前記下フランジのそれぞれに結合されている、請求項7に記載の組立式プラスチックパレット。
【請求項9】
前記第1及び第2の補強板のそれぞれは、プラスチックを素材として射出成形により製造されている四角い形状の板材からなる、請求項1から5のいずれか一項に記載の組立式プラスチックパレット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パレット(Pallet)に関し、より詳細には、プラスチック押出成形部品と射出成形部品との組み立てにより製造される組立式プラスチックパレットに関する。
【背景技術】
【0002】
パレットは、荷物を一定の数量の単位で積載して荷役、保管、輸送するために用いられる。パレットは、木材、プラスチック、金属、紙など多種多様な材質から作製されている。また、パレットは、物流の効率性を高めるために標準化されている。
【0003】
木材パレットは、多種多様な寸法に製作し易くものの、破損し易く、湿気の多い場所において腐敗し易い。また、木材パレットは、伐木により環境を破壊してしまい、木材に存在する害虫を駆除するための防疫を実施することを余儀なくされ、リサイクルし難いという欠点がある。金属パレットは、強固であることから、重量物の荷役に多用されているが、湿気により腐食し易くて様々な環境下で使用が制約されるという問題がある。
【0004】
プラスチックパレットは、軽量であり、腐敗しないことから、長持ちすることができるが、プラスチック射出成形によって製作するが故に金型が必要である。しかしながら、プラスチック射出成形用の金型は高価であるため、パレットの製造コストを高騰させてしまう。また、プラスチックパレットは、金型の製作にかかる期間とコストによって多種多様な大きさのパレットを作製し難い。
【0005】
最近の製品の多様化には目を見張るものがあり、これに伴い、標準化規格以外のプラスチックパレットへのニーズが絶えず高まりつつある。また、物流費を節減するために組み立てと分解を行い易いプラスチックパレットに対する市場の要求もある。
【0006】
大韓民国登録特許公報第10-2109526号には、組み立てと分解を行い易い組立式プラスチックパレットが開示されている。同特許に開示されているプラスチックパレットは、荷物が積載されるプレート(Plate)と、積載された荷物を支持するビームフレーム(Beam frame)と、プレートとビームフレームとを結合するための結合部材と、から構成される。また、結合されたプレートとビームフレームとが分離されることを防ぐための施錠パネルと、分解し易くするための解錠ピンと、を含む。ビームフレームは、断面が「I」字状であって、上部面と下部面には、長手方向に沿って複数本の結合部材嵌合孔が形成されている。
【0007】
上記の特許文献の組立式プラスチックパレットは、ビームフレーム、プレート、結合部材、施錠パネル及び解錠ピンなど部品点数が多いため、金型コストの高騰に伴う全体的な製造コストが高騰するという問題がある。また、結合部材、施錠パネル及び解錠ピンなどの部品は、ビームフレームとプレートとを固定及び解除するために最小限の作動長さを必要とする。したがって、規格化した製品を生産することができるとはいえ、産業現場において求められる小型又は様々な大きさを有するパレットを生産し、組み立てるには多くの制約がある。
【0008】
また、ビームフレームの下部面と上部面に結合されるプレートは、両側の端部が露出されて外部の衝撃を受ける場合、ビームフレームとプレートとの隙間が広がりやすいという問題がある。さらに、ビームフレームは、薄肉であり、しかも長尺状であるため、パレットを運搬するためにフォークリフトのフォーク(Fork)をパレットに嵌入するとき、フォークがビームフレームにぶつかって衝撃を加えると、ビームフレーム又はプレートが破損し易いという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】韓国登録特許第2109526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記のような問題を解決可能な新たな組立式プラスチックパレットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様によれば、組立式プラスチックパレットが提供される。本発明に係る組立式プラスチックパレットは、断面が「I」字状であり、上フランジと、下フランジと、上フランジと下フランジとをつなぐウェブと、を備え、ウェブに複数本の貫通孔が形成されており、幅方向に沿って互いに間隔を隔てて配置されている複数本のサポートビームと、上フランジと下フランジのそれぞれに固定されている少なくとも2枚以上のプレートと、ウェブの補強のためにウェブの一方の面に配置されており、複数本の貫通孔のうちの一部の貫通孔を通過するようにウェブの一方の面と向かい合う面に複数のスナップフィットが形成されており、複数本の貫通孔のうちの一部の貫通孔と位置合わせされるようにウェブの一方の面と向かい合う面に複数本の結合孔が形成されている第1の補強板と、第1の補強板と向かい合うようにウェブの他方の面に配置されており、複数本の貫通孔のうちの残りの貫通孔を通過して第1の補強板の複数本の結合孔のそれぞれに弾力的に結合されるようにウェブの他方の面と向かい合う面に複数のスナップフィットが形成されており、第1の補強板の複数のスナップフィットのそれぞれが弾力的に結合されるようにウェブの他方の面と向かい合う面に複数本の結合孔が形成されている第2の補強板と、を含む。
【0012】
本発明に係る組立式プラスチックパレットにおいて、複数本のサポートビームのうちの両側の周縁部に配置されている2本のサポートビームのそれぞれは、少なくとも2枚以上のプレートの両側の末端のそれぞれを遮断できるように上フランジと下フランジのそれぞれから延びている上蓋体板部と下蓋体板部とをさらに備える。また、第1及び第2の補強板のどちらか一方は、複数本のサポートビームのそれぞれの末端を覆うように一方の側の周縁部に形成されている蓋体板部をさらに備える。したがって、プレートの末端とサポートビームの末端が衝撃により損傷されることを防ぐことができる。
【0013】
本発明に係る組立式プラスチックパレットの第1及び第2の補強板のそれぞれは、上フランジの下部面と下フランジの上部面を支持するように上フランジと下フランジとの間に嵌め込まれている。したがって、サポートビームの剛性が第1及び第2の補強板により構造的に補強されて積み過ぎや外部の衝撃によるパレットの破損を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る組立式プラスチックパレットは、サポートビームとプレートのそれぞれを1つ又は2つの金型により押出成形して製造することができる。したがって、部品点数に比べて最小限の金型を用いることができるので、金型コストを節減して生産コストを下げることができ、生産性を向上させることができるという効果がある。また、サポートビームとプレートのそれぞれは、押出成形した後に単位長さに切断して様々な規格のパレットを簡便に製造することができる。したがって、産業現場において求められる多種多様な規格のパレットを安価なコストにて多品種少量生産をすることができるという効果がある。さらに、サポートビームの剛性が第1及び第2の補強板により構造的に補強されて積み過ぎや外部の衝撃によるパレットの破損を防ぐことができるので、パレットの耐久性及び信頼性を向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る組立式プラスチックパレットを示す斜視図である。
図2図1のII-II線矢視断面図である。
図3】本発明に係るプラスチックパレットを取り外した状態を示す正面図である。
図4】本発明に係るプラスチックパレットの一方の側の周縁部に配置されるサポートビームを示す斜視図である。
図5】本発明に係るプラスチックパレットの他方の側の周縁部に配置されるサポートビームを示す斜視図である。
図6】本発明に係るプラスチックパレットの真ん中に配置されるサポートビームを示す斜視図である。
図7】本発明に係るプラスチックパレットのプレートを示す斜視図である。
図8】本発明に係るプラスチックパレットの第1及び第2の補強板を示す斜視図である。
図9】本発明に係る組立式プラスチックパレットの他の実施形態を示す斜視図である。
図10】本発明に係る他の実施形態のプラスチックパレットの第1及び第2の補強板を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明のその他の目的、特定の長所と新規な特徴は、添付図面と結び付けて行われる以下の詳細な説明と好適な実施形態からより一層明らかになる筈である。本発明を説明する上で参照する図面に示された構成要素の大きさや形状などは、説明の明瞭性と説明のしやすさのためにやや誇張したりて単純化させて表現されている場合もある。なお、本発明の構成及び作用を考慮して特に定義された用語は、本発明の使用者、運用者の意図又は慣例などによって異なる。このような用語は、この明細書の全般に亘っての内容を踏まえて本発明の技術的思想と符合する意味と概念として解釈されるべきである。
【0017】
以下、本発明に係る組立式プラスチックパレットに関する好適な実施形態について添付図面に基づいて詳しく説明する。
【0018】
まず、図1図3を参照すると、本発明に係る組立式プラスチックパレット10は、幅方向に沿って配置されている複数本のサポートビーム(Support beam)20:20-1、20-2、20-3を備える。サポートビーム20は、プラスチック、例えば、ポリプロピレン(Polypropylene;PP)を素材として押出成形により製造されて単位長さに切断されている所要の長尺部材から構成されている。サポートビーム20のそれぞれは、少なくとも3本以上が互いに間隔を隔てて配置されている。サポートビーム20の間の間隔は、フォークリフトのフォークを十分に嵌入可能なフォーク孔(Fork hole)を形成するように保持されている。サポートビーム20-1、20-2は、幅方向の両側の周縁部に配置される一対のサイドサポートビーム(Side support beam)である。サポートビーム20-3は、サイドサポートビームの間の真ん中に配置されるセンターサポートビーム(Center support beam)である。
【0019】
図4図6を参照すると、サポートビーム20:20-1、20-2、20-3のそれぞれは、断面が「I」字状であり、上フランジ(Upper flange)22と、下フランジ(Lower flange)24と、上フランジ22と下フランジ24とを垂直につなぐウェブ(Web)26と、を備える。複数本の貫通孔28がウェブ26に形成されている。複数本の固定孔30が上フランジ22と下フランジ24のそれぞれに形成されている。フォークリフトのフォークを嵌入可能な一対のフォーク孔32がウェブ26に互いに間隔を隔てて形成されている。いくつかの実施形態において、フォーク孔32は排除されてもよい。
【0020】
図4図5に示されているように、サポートビーム20のうちの両側の周縁部に配置されている2本のサポートビーム20-1、20-2のそれぞれは、上フランジ22の外側端から上側へと延びている上蓋体板部34と、下フランジ24の外側端から下側へと延びている下蓋体板部36と、をさらに備える。
【0021】
図1図3図7を参照すると、本発明に係る組立式プラスチックパレット10は、上フランジ22と下フランジ24のそれぞれに結合されている少なくとも2枚以上のプレート40:40-1、40-2を備える。プレート40は、プラスチック、例えば、ポリプロピレンを素材として押出成形により製造されて所要の単位長さに切断されている長尺部材から構成されている。長尺部材のプレート40は、上フランジ22と下フランジ24のそれぞれに幅方向と直交する長手方向に沿って互いに間隔を隔てて配置されている。
【0022】
プレート40のそれぞれは、第1の末端42、第2の末端44、上部面46と下部面48を備える。プレート40のそれぞれは、中空が形成されている複数本の角管部(Square pipe portion)50:50a、50b、50cと、角管部50のうちの隣り合う2本の角管部50同士をつなぐ連結板部52:52a、52bと、から構成されている。複数本の固定孔54がサポートビーム20の固定孔30と位置合わせされるように角管部50に形成されている。
【0023】
プレート40のうちの上フランジ22に配置される複数枚のプレート40-1は、上面デッキ(Top deck)60又は上プレート(Upper plate)を構成する。下フランジ24に配置される複数枚のプレート40-2は、下面デッキ(Bottom deck)62又は下プレート(Lower plate)を構成する。図1には、天部及び下面デッキ60、62のそれぞれは、5枚のプレート40により構成されていることが示されているが、これは単なる例示的なものに過ぎず、プレート40の枚数は必要に応じて増減可能である。いくつかの実施形態において、上面及び下面デッキ60、62のそれぞれは、プレート40の代わりにプラスチックパネル(Plastic panel)、プラスチックボード(Plastic board)から構成されてもよい。
【0024】
図1図3に戻ると、本発明に係る組立式プラスチックパレット10は、上フランジ22と下フランジ24のそれぞれにプレート40を結合するための複数の締結部材70を備える。締結部材70のそれぞれは、プレート40の固定孔54を介して上フランジ22と下フランジ24のそれぞれの固定孔30に結合されるスクリュー(Screw)72、釘(Nail)、ステープル(Staple)、ボルト(Bolt)など種々に構成されてもよい。また、締結部材70は、スナップフィット(Snap fit)、クリップ(Clip)などのファスナー(Fastener)から構成されてもよい。スナップフィットは、プレート40に一体に形成されてもよい。
【0025】
図1図3図8を参照すると、本発明に係る組立式プラスチックパレット10は、サポートビーム20のそれぞれのウェブ26の補強のための第1の補強板80と第2の補強板90を備える。第1及び第2の補強板80、90のそれぞれは、プラスチック、例えば、ポリプロピレンを素材として射出成形により製造されている四角い形状の板材であり、実質的に同じ部品から構成されてウェブ26の両側面に互いに対応するように配置される。
【0026】
第1の補強板80は、ウェブ26の一方の面に配置されている。複数のスナップフィット82が貫通孔28のうちの一部の貫通孔を通過するようにウェブ26の一方の面と向かい合う面に形成されている。複数本の結合孔84が貫通孔28のうちの一部の貫通孔と位置合わせされるようにウェブ26の一方の面と向かい合う面に形成されている。スナップフィット82と結合孔84のそれぞれは、第1の補強板80の対角線の方向に沿って形成されている。
【0027】
第2の補強板90は、第1の補強板80と向かい合うようにウェブ26の他方の面に配置されている。複数のスナップフィット92が貫通孔28のうちの残りの貫通孔を通過して第1の補強板80の結合孔84のそれぞれに弾力的に結合されるようにウェブ26の他方の面と向かい合う面に形成されている。複数本の結合孔94が第1の補強板80のスナップフィット82のそれぞれが弾力的に結合されるようにウェブ26の他方の面と向かい合う面に形成されている。
【0028】
第1及び第2の補強板80、90のそれぞれは、上フランジ22の下部面と下フランジ24の上部面を支持するように上フランジ22と下フランジ24との間に嵌め込まれている。このように、上フランジ22及び下フランジ24のそれぞれが第1及び第2の補強板80、90のそれぞれの上部面と下部面に支持されることにより、サポートビーム20の剛性を補強し、上フランジ22及び下フランジ24の歪みを防ぐことができる。
【0029】
以下では、このような構成を有する本発明に係る組立式プラスチックパレットの組み立て過程について説明する。
【0030】
図1図3を参照すると、貫通孔28のうちの一部の貫通孔に第1の補強板80のスナップフィット82を嵌め込んで第1の補強板80をウェブ26の一方の面に配置する。ウェブ26の他方の面の側において第2の補強板90のスナップフィット92を貫通孔28のうちの残りの貫通孔を介して第1の補強板80の結合孔84に結合するとともに、第1の補強板80のスナップフィット82を第2の補強板90の結合孔94に結合する。
【0031】
このように、ウェブ26の両側の面に継ぎ足しされる第1及び第2の補強板80、90によりサポートビーム20の剛性が構造的に補強されてパレット10の信頼性を向上させることができる。また、同一の構成の第1及び第2の補強板80、90がスナップフィット82、92の嵌め合いにより手軽に組み立てられて生産性を向上させることができる。第1及び第2の補強板80、90は、スナップフィット82、92のそれぞれを結合孔84、94のそれぞれから抜き出すことにより手軽に取り外し可能である。
【0032】
図1図3図8を参照すると、サポートビーム20と第1及び第2の補強板80、90との組み立てが完了すれば、サポートビーム20を幅方向に沿って等間隔にて配置した後、プレート40を上フランジ22に長手方向に沿って等間隔にて配置する。このとき、両側の周縁部に配置されているサポートビーム20の上蓋体板部34は、プレート40の第1及び第2の末端42、44を覆うように配置する。角管部50の固定孔54を介してスクリュー72を上フランジ22の固定孔30に固定する。スクリュー72がセルフ・タッピング・スクリュー(Self-tapping screw)又はセルフ・ドリリング・スクリュー(Self-drilling screw)から構成されている場合、固定孔30、54は、上フランジ22と角管部50に予め形成されていなくても、セルフ・タッピング・スクリュー同士の締結によりサポートビーム20とプレート40とを手軽に結合することができる。また、釘、ステープルなどをステープラー(Stapler)によりプレート40を上フランジ22に結合する場合であっても、この固定孔30、54を予め形成する必要がない。したがって、サポートビーム20とプレート40との組み立てを簡便に行うことができる。
【0033】
引き続けて、プレート40を上フランジ22に結合した後、下フランジ24が上側を向くようにサポートビーム20を逆さまに立てる。プレート40を下フランジ24に長手方向に沿って等間隔にて配置する。このとき、両側の周縁部に配置されているサポートビーム20の下蓋体板部36は、プレート40の第1及び第2の末端42、44を覆うように配置する。角管部50の固定孔54を介してスクリュー72を下フランジ24の固定孔30に固定すれば、パレット10の組み立てが完了する。
【0034】
このように、本発明に係る組立式プラスチックパレット10は、サポートビーム20と第1及び第2の補強板80、90とを組み立て、サポートビーム20の上フランジ22と下フランジ24のそれぞれにプレート40を組み立てる簡単な工程により生産性を向上させることができる。また、サポートビーム20とプレート40は、押出成形により製造して所要の単位長さに切断して使用可能であるため、パレット10の規格を多様化させて簡便に製造することができる。
【0035】
図9図10に本発明に係る組立式プラスチックパレットの他の実施形態が示されている。図9図10を参照すると、他の実施形態の組立式プラスチックパレット10Aと前述した組立式プラスチックパレット10の同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。他の実施形態の組立式プラスチックパレット10Aと前述した組立式プラスチックパレット10との相違点は、サポートビーム20の剛性を補強するための第1の補強板80Aにある。
【0036】
他の実施形態の組立式プラスチックパレット10Aの第1の補強板80Aは、サポートビーム20のそれぞれの末端を覆うように一方の側の周縁部から延びている蓋体板部86を備える。蓋体板部86は、第1の補強板80Aと直交するように第1の補強板80Aの一方の側の周縁部に形成されている。いくつかの実施形態において、蓋体板部86は、第2の補強板90の一方の側の周縁部に形成されてもよい。
【0037】
他の実施形態の組立式プラスチックパレット10Aにおいて、蓋体板部86は、サポートビーム20のそれぞれの末端が外部に露出されないように遮断して保護する。したがって、サポートビーム20の末端が外部の衝撃により損傷されることが防がれる。また、蓋体板部86は、サポートビーム20とプレート40との間の隙間が広がらないようにしてパレット10Aの外観を保持することにより、信頼性を向上させる。
【0038】
以上において説明された実施形態は、本発明の好適な実施形態を説明したものに過ぎず、本発明の権利範囲は、説明された実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的思想と特許請求の範囲内においてこの分野における当業者によって多種多様な変更、変形又は置換を行うことが可能であり、そのような実施形態は、本発明の範囲に属するものと理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】