(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】軌道の下側を突き固めるためのタンピングユニット
(51)【国際特許分類】
E01B 27/10 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
E01B27/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508021
(86)(22)【出願日】2022-08-02
(85)【翻訳文提出日】2024-02-08
(86)【国際出願番号】 EP2022071666
(87)【国際公開番号】W WO2023016858
(87)【国際公開日】2023-02-16
(32)【優先日】2021-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514318345
【氏名又は名称】プラッサー ウント トイラー エクスポート フォン バーンバウマシーネン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Plasser & Theurer, Export von Bahnbaumaschinen, Gesellschaft m.b.H.
【住所又は居所原語表記】Johannesgasse 3, A-1010 Wien, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ハインツ シュプリンガー
【テーマコード(参考)】
2D057
【Fターム(参考)】
2D057AB24
2D057CB04
(57)【要約】
軌道(3)の下側を突き固めるためのタンピングユニット(4)であって、対を成して配置されたタンピングツール(12)を備え、これらのタンピングツール(12)は、各々のスクイーズシリンダ(16)によって互いにスクイーズ運動可能であり、この各々のスクイーズシリンダ(16)内に、第1の液圧回路(23)の作動圧を加えることができるスクイーズピストン(17)が配置されており、スクイーズ運動(24)に振動を重畳させるために、各々のスクイーズシリンダ(16)に振動ピストン(30)が割り当てられており、この振動ピストン(30)は、一次シリンダ(28)と二次シリンダ(29)とを備えた増圧器(27)内に配置されている、タンピングユニット(4)。こうして、振動発生をより低い圧力レベルで実施することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軌道(3)の下側を突き固めるためのタンピングユニット(4)であって、対を成して配置されたタンピングツール(12)を備え、該タンピングツール(12)は、各々のスクイーズシリンダ(16)によって互いにスクイーズ運動可能であり、該各々のスクイーズシリンダ(16)内に、第1の液圧回路(23)の作動圧を加えることができるスクイーズピストン(17)が配置されており、スクイーズ運動(24)に振動を重畳させるために、各々のスクイーズシリンダ(16)に振動ピストン(30)が割り当てられている、タンピングユニット(4)において、
前記振動ピストン(30)は、一次シリンダ(28)と二次シリンダ(29)とを備えた増圧器(27)内に配置されていることを特徴とする、タンピングユニット(4)。
【請求項2】
前記増圧器(27)は、制御弁(38)を介して第2の液圧回路(33)に接続されていることを特徴とする、請求項1記載のタンピングユニット(4)。
【請求項3】
前記制御弁(38)は、該制御弁(38)を可変の振動パラメータによって制御するように構成された制御装置(7)に接続されていることを特徴とする、請求項2記載のタンピングユニット(4)。
【請求項4】
前記制御弁(38)は比例弁またはサーボ弁として形成されており、ピストンストロークおよび/またはピストン位置を検出するためのストローク測定センサ(44)が配置されていることを特徴とする、請求項2または3記載のタンピングユニット(4)。
【請求項5】
前記増圧器(27)、特に前記増圧器(27)の前記二次シリンダ(29)は、割り当てられた前記スクイーズシリンダ(16)に直接配置されていることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載のタンピングユニット(4)。
【請求項6】
各々のスクイーズシリンダ(16)に第1および第2の増圧器(27)が割り当てられており、前記各々のスクイーズシリンダ(16)の第1の圧力室(19)は、割り当てられた前記第1の増圧器(27)の圧力室(36)に接続されており、前記各々のスクイーズシリンダ(16)の第2の圧力室(20)は、割り当てられた前記第2の増圧器(27)の圧力室(36)に接続されていることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載のタンピングユニット(4)。
【請求項7】
1つのタンピングツール対の両方の前記スクイーズシリンダ(16)に2つの増圧器(27)が割り当てられており、一方の前記増圧器(27)は、一方の前記スクイーズシリンダ(16)の第1の圧力室(19)に接続されており、他方の前記増圧器(27)は、他方の前記スクイーズシリンダ(16)の第1の圧力室(19)に接続されていることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載のタンピングユニット(4)。
【請求項8】
前記両方のスクイーズシリンダ(16)の第2の圧力室(20)は蓄圧器(45)に接続されていることを特徴とする、請求項7記載のタンピングユニット(4)。
【請求項9】
両方の前記増圧器(27)の中間室(41)は、補償アキュムレータ(43)を介してまたは圧力が加えられる充填管路を介して互いに接続されていることを特徴とする、請求項6から8までのいずれか1項記載のタンピングユニット(4)。
【請求項10】
前記スクイーズシリンダ(16)と前記増圧器(27)との間の通流開口(35,37)は、前記第1の液圧回路(23)への前記スクイーズシリンダ(16)の接続開口(21,22)よりも大きいことを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載のタンピングユニット(4)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軌道の下側を突き固めるためのタンピングユニットであって、対を成して配置されたタンピングツールを備え、これらのタンピングツールは、各々のスクイーズシリンダによって互いにスクイーズ運動可能であり、この各々のスクイーズシリンダ内に、第1の液圧回路の作動圧を加えることができるスクイーズピストンが配置されており、スクイーズ運動に振動を重畳させるために、各々のスクイーズシリンダに振動ピストンが割り当てられている、タンピングユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
欧州特許出願公開第1653003号明細書に基づき、タンピングユニットが公知である。この公知のタンピングユニットでは、軌道の下側を突き固めるために、タンピングピッケルを互いに対を成して運動させる。バラスト締固めのためのこのスクイーズ運動は、液圧的に加圧可能なスクイーズシリンダによって実施される。線形のスクイーズ運動に、液圧的に振動を重畳させ、これによって、バラスト内へのより簡単な貫入と、改善された締固めとが達成される。
【0003】
オーストリア国特許出願公開第517843号明細書には、改善された液圧的な振動発生が開示されている。同明細書では、各々のスクイーズシリンダ内に、スクイーズピストンに対して追加的に、スクイーズ運動を、調整可能な振動に重畳させるための振動ピストンが配置されている。こうして、スクイーズ運動に左右されることなく、振動発生のために必要なパラメータの最適化が可能となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の根底にある課題は、冒頭に記載した形態のタンピングユニットを改良して、高いエネルギー効率でもって液圧的な振動を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、この課題は独立請求項1の特徴によって解決される。従属請求項は本発明の有利な構成を提供している。
【0006】
本発明では、各々の振動ピストンが、一次シリンダと二次シリンダとを備えた増圧器(別の呼び名は、圧力変換器またはプレッシャブースタである)内に配置されている。こうして、振動発生をより低い圧力レベルで実施することができる。高い圧力は、増圧器の二次シリンダ内にしか生じない。振動が発生する一次シリンダ内には、より低い圧力が生じる。これによって、切換動作時にエネルギー損失が少なくなる。スクイーズシリンダとは別個の増圧器内に振動発生用のピストンを配置することによって、制御可能性が改善される。例えば、振動が、バラスト内へのタンピングツールの貫入動作中およびスクイーズ動作中にしか活発とならない。
【0007】
本発明の改良形態では、増圧器が、制御弁を介して第2の液圧回路に接続されている。例えば、第1の液圧回路よりも低い圧力レベルを有する、タンピング機械内に既存の液圧回路が使用される。これによって、液圧システム全体の構造および保守が簡単になる。
【0008】
この場合、有利には、制御弁が、この制御弁を可変の振動パラメータによって制御するように構成された制御装置に接続されている。この変更された制御構成によって、1回のタンピングサイクルの各々の段階を固有の振動パラメータに結び付けることができる。例えば、バラスト内へのタンピングツールの貫入動作中には、40~50Hzの振動周波数が予め設定される。スクイーズ運動時には、周波数を35Hzに低下させ、タンピングツールの上昇時には、振動は停止する。より高いエネルギー効率に加えて、この手段によって、運転中の騒音放出もより少なくなる。さらに、振動振幅を、突き固めるべきバラスト道床の目下の特性に適合させることができる。貫入動作時およびスクイーズ動作時のそれぞれ異なる振動振幅の設定が合理的である場合もある。
【0009】
改良された構成では、制御弁が比例弁またはサーボ弁として形成されており、ピストンストロークおよび/またはピストン位置を検出するためのストローク測定センサが配置されている。これによって、特に、増圧器の二次シリンダ内または一次シリンダ内での振動ピストンの位置が測定される。この場合、制御弁の制御は、振動周波数および/または振動振幅を調整するための制御回路を介して行われる。また、割り当てられたスクイーズピストンの瞬時の位置に応じた調整が合理的である場合もある。これによって、例えば、スクイーズストロークに応じた振動周波数を予め設定することができる。この場合、スクイーズストロークは、別のストローク測定センサまたは旋回アームに配置された角度センサによって測定される。2つの液圧回路の使用時には、振動の振幅および周波数を特に正確に効率よくコントロールすることができる。
【0010】
更なる利点は、増圧器、特に増圧器の二次シリンダが、割り当てられたスクイーズシリンダに直接配置されている場合に得られる。こうして、振動サイクル中に移動させられる作動油量が最小量に減じられる。これに相応して、液圧回路に生じる熱損失が少なくなる。さらに、振動パラメータがスクイーズ動作中に安定し続けることが確保される。なぜならば、高圧領域に可撓性の接続チューブが存在していないからである。
【0011】
有利な構成では、各々のスクイーズシリンダに第1および第2の増圧器が割り当てられており、各々のスクイーズシリンダの第1の圧力室が、割り当てられた第1の増圧器の圧力室に接続されており、各々のスクイーズシリンダの第2の圧力室が、割り当てられた第2の増圧器の圧力室に接続されている。こうして、各々のスクイーズシリンダに固有の振動回路が割り当てられている。したがって、各々のタンピングツールに固有の振動を加えることができる。このことは、例えば、上方旋回させるタンピングピッケルが振動しないように、旋回ピッケルを備えた分岐タンピングユニットにおいて合理的である。
【0012】
別の有利な構成では、1つのタンピングツール対の両方のスクイーズシリンダに2つの増圧器が割り当てられており、一方の増圧器が、一方のスクイーズシリンダの第1の圧力室に接続されており、他方の増圧器が、他方のスクイーズシリンダの第1の圧力室に接続されている。これによって、振動発生用の液圧システムの構造が簡単になる。
【0013】
この構成では、有意には、両方のスクイーズシリンダの第2の圧力室が蓄圧器に接続されている。振動サイクル中、この蓄圧器内にエネルギーが一時的に蓄えられ、これに基づき、システム全体の高いエネルギー効率が得られる。
【0014】
両方の構成では、有利には、両方の増圧器の中間室が、補償アキュムレータまたは圧力が加えられる充填管路に接続されている。中間室内の相応の予荷重圧によって、増圧器の支障のない機能が確保される。
【0015】
エネルギー効率の更なる向上は、スクイーズシリンダと増圧器との間の通流開口が、第1の液圧回路へのスクイーズシリンダの接続開口よりも大きいことによって達成される。これによって、振動が活発なときに、第1の液圧回路への反作用が回避される。振動発生のためには、作動油が、増圧器と、スクイーズシリンダの割り当てられた圧力室との間で圧送によって行き来させられるにすぎない。
【0016】
以下に、本発明を添付の図面を参照しながら例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図3】1つのスクイーズシリンダに2つの増圧器を備えた構成の概略図である。
【
図4】1つのスクイーズシリンダ対に2つの増圧器を備えた構成の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1に示したタンピング機械1は、レール走行装置2でもって、下側が突き固められる軌道3上で走行可能であり、タンピングユニット4と、リフライユニット(リフティング/ライニングユニット)5と、検測システム6と、制御装置7とを備えている。軌道3は、まくらぎ8とレール9とから形成された軌框がバラスト道床10内に支持されたバラスト軌道である。タンピング動作中には、リフライユニット5によって軌框が目標位置に扛上され、場合によって側方に移動させられる。検測システム6によって、目標位置による軌框の目下の位置の補償調整が行われる。
【0019】
目標位置は、振動するタンピングピッケル11でもって、まくらぎ8同士の間でタンピングユニット4がバラスト道床10内に貫入され、スクイーズ動作によって、まくらぎ8の下方のバラストを締め固めることによって確定される。タンピングツール12は、通常、旋回レバー13のピッケル取付け部内に相並んで取り付けられた2つのタンピングピッケル11を備えている。互いに向かい合って位置するタンピングツール12の旋回アーム13は、1つの共通のツール支持体14にトング状に支持されている。このツール支持体14は、ユニットフレーム15内で高さ調整可能にガイドされている。タンピングツール12の上側の端部は、各々のスクイーズシリンダ16を介してツール支持体14に枢支されている。
【0020】
各々のスクイーズシリンダ16は液圧シリンダとして形成されている。この液圧シリンダ内では、スクイーズピストン17がピストンロッド18を介して、割り当てられたタンピングツール12に連結されている。第1の圧力室(ピストン室)19には、第1の接続開口21を介して第1の液圧回路23の作動圧を加えることができ、第2の圧力室(環状室)20には、第2の接続開口22を介して第1の液圧回路23の作動圧を加えることができる。この作動圧は、切換弁(図示せず)を介して第1の圧力室19内で高められ、これによって、タンピングピッケル11のスクイーズ運動24が生じる。したがって、スクイーズ動作中、各々の第1の圧力室19内には、第1の液圧回路23内に提供されているスクイーズ圧が加えられる。
【0021】
この場合、第1の圧力室19と第2の圧力室20との間の圧力差と、第2の圧力室20に隣接した環状面26に対する第1の圧力室19に隣接したピストン面25の比とによって、所望のスクイーズ力が決定される。タンピングツール12を戻すためには、面積比を考慮して、第1の圧力室19に対して第2の圧力室20に開き圧が加えられる。バラスト道床10内へのタンピングツール12の貫入動作中、2つの圧力室19は第1の液圧回路23に対して遮断されている。これは、管路を介して2つの接続開口21,22に接続された切換弁(図示せず)を介して行われる。
【0022】
本発明によれば、各々のスクイーズシリンダ16に少なくとも1つの増圧器27が割り当てられている。
図2および
図3に示した構成では、各々のスクイーズシリンダ16に2つの増圧器27が割り当てられている。各々の増圧器27は、一次シリンダ28と二次シリンダ29とを備えている。各々の増圧器27内には、振動ピストン30が配置されている。これ以降の説明のために、二次シリンダ29内のピストン(二次ピストン)を振動ピストン30と定義する。ただし、接続ロッド31による剛結によって、一次シリンダ28内のピストン(一次ピストン)32が振動ピストンと見なされてもよい。
【0023】
二次ピストン30の直径と比較した一次ピストン32のより大きな直径によって、増圧器27の圧力変換比が決定される。図示の事例では、各々の増圧器27を介して、第2の液圧回路33の低いシステム圧が、それぞれ第1の圧力室19および第2の圧力室20内に発生する作動圧に変換される。第2の液圧回路33には、相応の減圧器によって第1の液圧回路23から供給が行われていてよい。好ましくは、相応に低い圧力レベルを有する既存の液圧回路が使用される。
【0024】
増圧器27の寸法設定時には、割り当てられたスクイーズピストン17の大きなピストン面25と環状面26との間の比が考慮されなければならない。特に、二次ピストン30の直径は、割り当てられたスクイーズシリンダ16の圧力室19,20における、活発な振動時に生じる容積変化によって予め設定される。増圧器27の一次ピストン32は、隣接した一次圧力室34内に常に同一の圧力、つまり、第2の液圧回路33のシステム圧が生じるように寸法設定されていなければならない。こうして、各々の一次ピストン32への加圧時に同一の力が作用する。各々の一次シリンダ28および二次シリンダ29の長さは、所望の振動を発生させるための最大のピストンストロークから結果的に得られる。
【0025】
割り当てられたスクイーズシリンダ16の第1の圧力室19は、第1の通流開口35を介して第1の増圧器27の二次圧力室36に接続されている。割り当てられたスクイーズシリンダ16の第2の圧力室20は、第2の通流開口37を介して第2の増圧器27の二次圧力室36に接続されている。一次圧力室34は、切換弁38を介して第2の液圧回路33に接続されている。
【0026】
最も簡単な事例では、切換弁38は4ポート2位置弁である。この4ポート2位置弁は、両方の増圧器27を第2の液圧回路33のシステム圧に交互に切り換える。このために、切換弁38が制御装置7によって制御される。この場合、矩形信号39によって、切換時点が決定される。こうして、スクイーズシリンダ16内のスクイーズピストン17に振動が加えられ、その結果、タンピングピッケル11の振動運動40が生じる。この場合、第2の液圧回路33のシステム圧と矩形信号39とを介して、振動の周波数と振幅とが調整可能となる。
【0027】
増圧器27の二次シリンダ29と、割り当てられたスクイーズシリンダ17の圧力室19,20との間の通流開口35,37は、第1の作動圧回路23への接続開口21,22よりも著しく大きく寸法設定されている。貫入動作中、接続開口21,22を通る油流入または油流出は、切換弁(図示せず)によって遮断されている。この場合、増圧器の相応の寸法設定によって、作動油が、スクイーズシリンダ16の各々の圧力室19,20と、各々の増圧器27の割り当てられた二次圧力室36との間で行き来する。その結果、スクイーズシリンダ16内のスクイーズピストン17が振動する。この振動は、ピストンロッド18を介して、割り当てられたタンピングツール12に伝達される。
【0028】
スクイーズ動作中、振動は維持される。なぜならば、組み込まれた過圧弁の反応時間が達成されることに先だって、スクイーズシリンダ16と増圧器27との間の大きな通流開口35,37を通して二次圧力室36が充填されるからである。割り当てられたスクイーズシリンダ16への増圧器27の直接的な組付けも、減衰効果が回避されることによって、振動の維持を確保している。
【0029】
作業の開始時には、第1の圧力室(ピストン室)19が充填され、その後、遮断される。遮断された第1の室19内の作動圧と、より小さな環状面26に加えられた対抗圧とによって、増圧器27が充填される。その後、切換弁38が常時作業し始めることができる。
【0030】
両方の増圧器27の中間室41は、補償管路42を介して互いに接続されている。この補償管路42には、中間室41に予荷重圧(例えば5bar)が加えられるように、補償アキュムレータ43が接続されている。振動が活発になると、この配置形態によって、中間室41のほんの僅かな容積変動も補償される。これに対して代替的に、等しい予荷重レベルを有する充填管路が使用されてよい。
【0031】
本発明の改良形態では、切換弁38がサーボ弁または比例弁として形成されている。ストローク測定センサ44によって、シリンダ16,28,29の内部での少なくとも1回のピストンストロークが検出される。これは、相応のシリンダ16,28,29の内部での直接的な測定によって行われてもよいし、タンピングツール12の位置を介して間接的に行われてもよい。ピストンストロークに対応する測定信号が、制御装置7に供給されている。この制御装置7によって、引き続き、振動が測定信号に応じて調整される。こうして、所望の振動振幅用の調整回路が得られる。
【0032】
図4には、簡略化された構造が示してある。同図では、互いに向かい合って位置するタンピングツール12の各々のスクイーズシリンダ16にただ1つの増圧器27しか割り当てられていない。具体的には、各々の第1の圧力室(ピストン室)19が、割り当てられた増圧器27の二次圧力室36に接続されている。一次圧力室34への、第2の圧力回路33のシステム圧の印加は、
図3に示した例のように行われる。補償アキュムレータ43を備えた補償管路42または充填管路も存在している。さらに、蓄圧器(液圧式のアキュムレータ)45が付設されている。この蓄圧器45は第2の圧力室(環状室)20の接続管路46に接続されている。
【0033】
貫入動作中、この接続管路46内の圧力と第2の圧力室20内の圧力とは、液圧回路の残りの部分に対して弁(図示せず)によって遮断される。活発な振動時に発生する圧力ピークが、蓄圧器45によって一時的に蓄えられる。この場合、矩形信号39のエッジが立ち上がるときには、作動油が蓄圧器45内に貯留され、エッジが立ち下がるときには、再び放出される。
【0034】
スクイーズ動作の開始によって、接続管路46および第2の圧力室20の遮断は解消され、作動油が第1の液圧回路23内に返流することができる。その際、振動は維持される。この場合、作動油は、引き続き、矩形信号39の各々のエッジの立ち上がりと共に蓄圧器45内に貯留され、エッジの立ち下がり時に再び放出される。こうして、振動の作用に基づく作動油の加熱が回避される。
【国際調査報告】