(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】制限付きターゲットウェイクタイムサービス期間の終了
(51)【国際特許分類】
H04W 84/18 20090101AFI20240719BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20240719BHJP
H04W 72/0446 20230101ALI20240719BHJP
H04W 74/0808 20240101ALI20240719BHJP
【FI】
H04W84/18
H04W84/12
H04W72/0446
H04W74/0808
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508033
(86)(22)【出願日】2022-07-20
(85)【翻訳文提出日】2024-02-08
(86)【国際出願番号】 IB2022056657
(87)【国際公開番号】W WO2023017340
(87)【国際公開日】2023-02-16
(32)【優先日】2021-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504257564
【氏名又は名称】ソニー コーポレイション オブ アメリカ
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】シン リャンシャオ
(72)【発明者】
【氏名】スン リ-シャン
(72)【発明者】
【氏名】シャー チン
(72)【発明者】
【氏名】アブエルサウード モハメド
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067CC13
5K067CC22
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE25
(57)【要約】
CSMA/CA、EDCA及びR-TWTを使用してRTAトラフィック送信を優先する無線通信プロトコル。R-TWT SP中にRTAトラフィックが優先的に送信され、R-TWT SPの正しい指示及び終了を保証するメカニズムを提供する。このプロセス中、メンバーSTAは、送信すべきフレームをそれ以上有していない時にR-TWTスケジュール側APと通信する。R-TWTスケジュール側APは、予定終了時刻前にR-TWT SPを終了させて、非メンバーSTAが直ちにチャネルを求めて競合することを可能にすることもできる。また、R-TWTスケジュール側APは、R-TWT SP中のR-TWTメンバーSTAとのフレーム交換が完了した後に、R-TWT機能を有しているがR-TWTメンバーSTAではないSTAとフレームを交換することもできる。
【選択図】
図23
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークにおける無線通信のための装置であって、
(a)マルチリンク装置(MLD)とは別の、又はマルチリンク装置(MLD)に関連する局(STA)であって、制限付きターゲットウェイクタイム(R-TWT)のスケジューリングサービス期間(SP)にわたってIEEE802プロトコルに従って無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)上でキャリア検知多重アクセス/衝突回避(CSMA/CA)を使用してパケットでのフレームの送信を実行する他の無線局(STA)とチャネルを介して無線で通信するように構成された局(STA)としての無線通信回路と、
(b)前記STAに結合されてWLAN上で動作するプロセッサと、
(c)前記プロセッサによって実行可能な、通信プロトコル内の他のSTAと通信するための命令を記憶する非一時的メモリと、
を備え、(d)前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、R-TWTのメンバーSTAとフレームを交換するためのR-TWTスケジューリングを告知する上で、
(i)R-TWTスケジューリングを実行するように構成されたアクセスポイント(AP)として動作する、R-TWTスケジュール側APとしての前記局が、R-TWT SPに入った後に、R-TWTスケジューリングを告知してR-TWTのメンバーSTAとフレームを交換することと、
(ii)終了条件が検出されることと、
(iii)前記R-TWTスケジュール側APが、R-TWT SP中に全てのフレーム交換が完了した後に、前記R-TWT SPの終了を示す信号を終了告知において送信することと、
を含む1又は2以上のステップを実行する、
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記終了条件は、R-TWTメンバーSTAとして動作する前記STAが、通信すべきフレームをそれ以上有していないと判定した後に、前記R-TWT SP中に送信すべきフレームをそれ以上有していないことを示す信号を前記R-TWTスケジュール側APに送信した時に発生する、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記終了条件は、前記R-TWTスケジュール側APが前記R-TWT SPを終了させるために、前記R-TWT SPの予定終了時刻前に発生する、
請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記R-TWT SP中に前記R-TWTスケジュール側APと前記R-TWTメンバーSTAとの間でフレームを交換することをさらに含む、
請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記R-TWTスケジュール側APが前記R-TWT SP中に前記R-TWTメンバーSTAとのフレーム交換を完了した後に、前記R-TWTスケジュール側APと、R-TWT機能を有しているがR-TWTメンバーSTAではないSTAとの間でフレームを交換することをさらに含む、
請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、前記R-TWTメンバーSTAが、前記R-TWT SP中に送信すべきアップリンク(UL)フレーム又はピアツーピア(P2P)フレームを有していない時に前記R-TWTスケジュール側APに信号を送信することを含むステップをさらに実行する、
請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、前記R-TWTメンバーSTAが、前記R-TWT SP中に送信すべきフレームを有していないことを示すフレームを送信することを含むステップをさらに実行する、
請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記R-TWT SP中に送信すべきフレームを有していないことを示す前記フレームは、(a)サービス品質(QoS)データフレーム又はQoSヌルフレームではないフレームと、(b)前記R-TWTメンバーSTAが前記R-TWT SP中に送信すべきさらなるフレームを有していないことを表す状態にあるさらなるデータフィールドとしての、さらなるデータを有しているかどうかを示すフィールドを含むフレームと、を含む、
請求項3に記載の装置。
【請求項9】
前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、前記R-TWTメンバーSTAが、前記R-TWT SP中に送信すべきUL及び/又はP2Pフレームを有していないことを示す状態に設定されたEOSPサブフィールドを有するQoSデータ又はQoSヌルフレームを前記R-TWTメンバーSTAが送信することを含むステップをさらに実行する、
請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、前記R-TWTスケジュール側APが、前記EOSPサブフィールドが前記R-TWT SPの終了を示す状態に設定されたQoSデータフレーム又はQoSヌルフレームを送信することを含むステップをさらに実行する、
請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、前記R-TWTスケジュール側APが、送信すべきさらなるデータが存在するかどうかを示すさらなるデータフィールドとしてのフィールドを有するフレームであって、前記さらなるデータフィールドが前記R-TWT SPの終了を示す値に設定されたQoSデータフレームでもQoSヌルフレームでもないフレームを送信することを含むステップをさらに実行する、
請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、前記R-TWTスケジュール側APが、前記R-TWT SPの終了を示すために競合なし(CF)終了フレームを送信することを含むステップをさらに実行する、
請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、前記R-TWTスケジュール側APが、さらなるトリガーフレームが存在するかどうかを示すフィールドを有する、いずれの特定のR-TWTメンバーSTAにもアドレス指定されていないトリガーフレームを送信し、前記フィールドを、R-TWT SPの終了を示すように設定することを含むステップをさらに実行する、
請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、前記R-TWTスケジュール側APが、前記R-TWT SPの終了を示すR-TWT識別に等しく設定されたTWTフロー識別フィールドを有するTWT情報フレームを送信することを含むステップをさらに実行する、
請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、前記メンバーSTAが、前記R-TWT SPが終了した旨の指示を含むフレームを前記R-TWTスケジュール側APから受け取ったことに応答して前記R-TWT SPが終了したことを認識することを含むステップをさらに実行する、
請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、前記メンバーSTAが、前記R-TWT SPが終了したことを示す確認応答を前記R-TWTスケジュール側APから受け取ったことに応答して前記R-TWT SPが終了したことを認識することを含むステップをさらに実行する、
請求項1に記載の装置。
【請求項17】
ネットワークにおける無線通信のための装置であって、
(a)マルチリンク装置(MLD)とは別の、又はマルチリンク装置(MLD)に関連する局(STA)であって、制限付きターゲットウェイクタイム(R-TWT)のスケジューリングサービス期間(SP)にわたってIEEE802プロトコルに従って無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)上でキャリア検知多重アクセス/衝突回避(CSMA/CA)を使用してパケットでのフレームの送信を実行する他の無線局(STA)とチャネルを介して無線で通信するように構成された局(STA)としての無線通信回路と、
(b)前記STAに結合されてWLAN上で動作するプロセッサと、
(c)前記プロセッサによって実行可能な、他のSTAと通信するための命令を記憶する非一時的メモリと、
を備え、(d)前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、R-TWTのメンバーSTAとフレームを交換するためのR-TWTスケジューリングを告知する上で、
(i)R-TWTスケジューリングを実行するように構成されたアクセスポイント(AP)として動作する前記局がR-TWTスケジュール側APであり、前記R-TWTスケジュール側AP及びR-TWTメンバーSTAがR-TWT SPに入ることと、
(ii)前記R-TWTスケジュール側APが、前記R-TWT SPの予定終了時刻前に前記R-TWT SPを終了させて前記チャネル上で終了告知を送信することと、
(iii)前記ネットワーク上の前記R-TWTのメンバーSTAではない他のSTAが、前記終了告知を受け取ったことに応答してチャネルを求めて直ちに競合できることと、
を含む1又は2以上のステップを実行する、
ことを特徴とする装置。
【請求項18】
前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、前記R-TWTスケジュール側APが、前記R-TWT SPの終了を示す信号を、前記チャネルを介して送信することを含むステップをさらに実行する、
請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、前記R-TWTメンバーSTAが、前記R-TWT SPの終了後に前記R-TWT SPの予定終了時刻に到達するまでチャネルを求めて競合できないことを含むステップをさらに実行する、
請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、前記R-TWT SPが終了した後に前記R-TWT SPの予定終了時刻まで、前記R-TWTメンバーSTAが該R-TWTメンバーSTAの通常のEDCAパラメータ設定よりも低い優先度でチャネルを求めて競合することを許可することを含むステップをさらに実行する、
請求項17に記載の装置。
【請求項21】
ネットワークにおける無線通信のための装置であって、
(a)マルチリンク装置(MLD)とは別の、又はマルチリンク装置(MLD)に関連する局(STA)であって、制限付きターゲットウェイクタイム(R-TWT)のスケジューリングサービス期間(SP)にわたってIEEE802プロトコルに従って無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)上でキャリア検知多重アクセス/衝突回避(CSMA/CA)を使用してパケットでのフレームの送信を実行する他の無線局(STA)とチャネルを介して無線で通信するように構成された局(STA)としての無線通信回路と、
(b)前記STAに結合されてWLAN上で動作するプロセッサと、
(c)前記プロセッサによって実行可能な、他のSTAと通信するための命令を記憶する非一時的メモリと、
を備え、(d)前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、R-TWTのメンバーSTAとフレームを交換するためのR-TWTスケジューリングを告知する上で、
(i)R-TWTスケジューリングを実行するように構成されたアクセスポイント(AP)として動作する、R-TWTスケジュール側APとしての前記局と、R-TWTメンバーSTAとがR-TWT SPに入ることと、
(ii)前記R-TWT SP中に、前記R-TWTスケジュール側APと前記R-TWTメンバーSTAとの間でフレームを交換することと、
(iii)前記R-TWT SP中に前記R-TWTスケジュール側APが前記R-TWTメンバーSTAとの間でフレーム交換を完了した後に、前記R-TWTスケジュール側APと、R-TWT機能を有しているがR-TWTメンバーSTAではないSTAとの間でフレームを交換することと、
を含む1又は2以上のステップを実行する、
ことを特徴とする装置。
【請求項22】
前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、前記R-TWTスケジュール側APが、前記R-TWTメンバーSTAとのフレーム交換のための送信機会(TXOP)を、前記R-TWT SPの予定終了時刻を超えて延長することを含むステップをさらに実行する、
請求項21に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照〕
本出願は、2022年6月20日に出願された米国特許出願シリアル番号第17/844,555号に対する優先権及びその利益を主張するものであり、この文献は全体が引用により本明細書に組み入れられる。本出願は、2021年8月11日に出願された米国仮特許出願シリアル番号第63/260,155号に対する優先権及びその利益を主張ものであり、この文献は全体が引用により本明細書に組み入れられる。
【0002】
〔連邦政府が支援する研究又は開発に関する記述〕
該当なし
【0003】
〔著作権保護を受ける資料の通知〕
本特許文献中の資料の一部は、アメリカ合衆国及びその他の国の著作権法の下で著作権保護を受けることができる。著作権の権利所有者は、合衆国特許商標庁の一般公開ファイル又は記録内に表される通りに第三者が特許文献又は特許開示を複製することには異議を唱えないが、それ以外は全ての著作権を留保する。著作権所有者は、限定ではないが米国特許法施行規則§1.14に従う権利を含め、本特許文献を秘密裏に保持しておく権利のいずれも本明細書によって放棄するものではない。
【0004】
本開示の技術は、一般にCSMA/CAを使用する無線ローカルエリアネットワークに関し、具体的には、制限付きターゲットウェイクタイム(R-TWT)サービス期間(SP)を終了させることに関する。
【背景技術】
【0005】
CSMA/CAを使用する現在の無線技術は、高スループットネットワーク性能を達成することに重点を置いているが、低遅延能力に欠けている。しかしながら、リアルタイムアプリケーション(RTA)などの数多くのアプリケーションは低遅延を必要とする。
【0006】
リアルタイムアプリケーションは低遅延通信を必要とし、ベストエフォート通信を使用する。RTAから生成されるデータはRTAトラフィックと呼ばれ、送信側STAにおいてRTAフレームとしてパケット化される。これとは対照的に、非時間依存アプリケーションから生成されるデータは非RTAトラフィックと呼ばれ、送信側STAにおいて非RTAフレームとしてパケット化される。その後、送信側STAは、フレーム内のパケットをチャネル経由で受信側STAに送信する。
【0007】
RTAフレームは、配信の高適時性要件に起因して低遅延を必要とする。RTAフレームは、一定時間内に配信された場合に有効である。CSMA/CA無線プロトコルにおける1つの解決策は、RTAフレーム交換のために制限付きターゲットウェイクタイム(R-TWT)のためのサービス期間(SP)をスケジュールすることである。R-TWT SP中、RTAフレームは他のフレームよりも高い送信優先度を有する。しかしながら、効率性及び公正使用に関してR-TWT問題が発生することがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、改善されたR-TWT動作に対するニーズが存在する。本開示は、このニーズを満たすとともに、さらなるR-TWTの利点を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
IEEE802.11beなどによる現在の無線通信システムは、RTAトラフィック送信を優先するためにEDCA及びR-TWTを利用する。R-TWT SP中には、RTAトラフィックが優先的に送信される。しかしながら、R-TWT SP期間は事前にスケジュールされて告知されるので、いくつかの事例では、R-TWTメンバーSTAが必要とする送信時間よりもR-TWT SP期間の方が長くなってしまうことがある。
【0010】
本開示は、R-TWT SP中に全てのRTAトラフィックが送信された直後にR-TWT SPが終了した旨を伝えるメカニズムを含むプロトコルについて説明し、UL、DL又はP2Pであることができる送信済みRTAフレームをAPが識別するR-TWTスケジューリング課題に対処するものである。
【0011】
従って、R-TWT SPのチャネル使用の効率性を改善して公正使用問題(fair use issues)(乱用(abuse))を回避するために、R-TWT SPは、RTAフレーム交換が完了した直後に終了すべきである。
【0012】
本開示では、R-TWTスケジュール側AP(R-TWT scheduling AP)及びR-TWTのメンバーSTAが、R-TWT SP中にどのトラフィックがスケジュールされるかをネゴシエートしてそのトラフィックを優先する。
【0013】
本開示では、メンバーSTAが、R-TWT SP中に送信すべきスケジュールされたUL及び/又はP2Pをそれ以上有していないことを示す信号をR-TWT SP中にR-TWTスケジュール側APに送信することができる。
【0014】
本開示では、R-TWTスケジュール側APが、R-TWT SP中に全てのスケジュールされたトラフィックが送信された後に、R-TWT SPの終了を示す信号を他のSTAに送信することができる。
【0015】
本開示では、R-TWT SP中に全てのスケジュールされたトラフィック送信が終了した後に、R-TWTスケジュール側APが、被R-TWTスケジュール側STA(R-TWT scheduled STAs)であるがそのR-TWTのメンバーSTAではないSTAとの間で、R-TWT SPの残り時間をフレーム交換のために共有することができる。
【0016】
具体的には、本開示の少なくとも1つの実施形態では、R-TWTスケジュール側AP及びR-TWTメンバーSTAが、これらの間のフレーム交換のためにR-TWT SPを開始する。R-TWTメンバーSTAは、R-TWT SP中に送信すべきフレームをそれ以上有していない場合、R-TWTスケジュール側APに信号を送信する。R-TWTスケジュール側APは、R-TWT SP中に全てのフレーム交換を実行し終えると、R-TWT SPの終了を示す信号を送信する。
【0017】
本開示の少なくとも1つの他の実施形態では、R-TWTスケジュール側AP及びR-TWTメンバーSTAが、これらの間でフレーム交換を実行するためにR-TWT SPを開始する。R-TWTスケジュール側APは、R-TWT SPの予定終了時刻前にR-TWT SPを終了する。R-TWTのメンバーSTAでないSTAは、R-TWT SPの終了直後にチャネルを求めて競合を開始する。
【0018】
本開示の少なくとも1つのさらなる実施形態では、R-TWTスケジュール側AP及びR-TWTメンバーSTAがR-TWT SPを開始する。R-TWTスケジュール側APは、R-TWT SP中にR-TWTメンバーSTAとフレームを交換する。R-TWTスケジュール側APは、R-TWTメンバーSTAではないSTAとフレームを交換し、R-TWT SP中にR-TWTメンバーSTAとのフレーム交換を終了した後にR-TWT機能を実装させる。本開示の要素及び利点は他にも数多く存在する。
【0019】
本明細書の以下の部分では、本明細書で説明する技術のさらなる態様が明らかになり、この詳細な説明は、本技術の好ましい実施形態を限定することなく完全に開示するためのものである。
【0020】
本明細書で説明する技術は、例示のみを目的とする以下の図面を参照することによって十分に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】IEEE802.11で定められるTSPEC要素のデータフィールド図である。
【
図2】
図1に示すTS情報フィールドの内容のデータフィールド図である。
【
図3】IEEE802.11で定められるTCLAS要素の内容のデータフィールド図である。
【
図4】IEEE802.11で定められるTCLAS処理要素の内容のデータフィールド図である。
【
図5】IEEE802.11axで定められるTWT要素のデータフィールド図である。
【
図6】
図5に示すTWT要素の制御フィールドのデータフィールド図である。
【
図7】特定のネゴシエーションタイプに対して有効なブロードキャストTWTパラメータ情報フィールドのデータフィールド図である。
【
図8】ブロードキャストTWTパラメータ情報フィールドの要求タイプフィールドのデータフィールド図である。
【
図9】
図7のブロードキャストTWTパラメータ情報フィールドのブロードキャストTWT情報フィールドのデータフィールド図である。
【
図10】IEEE802.11be(草案P802.11be_D1.01)で定められるSCS設定の通信図である。
【
図11】SCS要求フレームのデータフィールド図である。
【
図12】
図11のSCSステータスリストフィールドのSCS記述子要素のデータフィールド図である。
【
図13】SCS応答フレームのフォーマットのデータフィールド図である。
【
図14】SCSステータスサブフィールドのデータフィールド図である。
【
図15】IEEE802.11axで定められるTWT設定の通信図である。
【
図16】TWT設定フレームのデータフィールド図である。
【
図18】本開示の少なくとも1つの実施形態による、局(STA)ハードウェアのハードウェアブロック図である。
【
図19】本開示の少なくとも1つの実施形態による、マルチリンク装置(MLD)ハードウェア構成のハードウェアブロック図である。
【
図20】本開示の少なくとも1つの実施形態による、ネットワーク例のネットワークトポロジーである。
【
図21】本開示の少なくとも1つの実施形態による、R-TWTメンバーシップ設定の通信図である。
【
図22】本開示の少なくとも1つの実施形態による、SCSトラフィック情報を含むTWT設定フレームのデータフィールド図である。
【
図23】本開示の少なくとも1つの実施形態による、R-TWTスケジュール側APがR-TWTx SPを終了するフロー図である。
【
図24】本開示の少なくとも1つの実施形態による、R-TWTxメンバーSTAが、R-TWTxのスケジュールされたUL及びP2Pトラフィックストリームの全てのフレームがR-TWTx SP中に送信されたことを示す信号を送信するフロー図である。
【
図25】本開示の少なくとも1つの実施形態による、R-TWTxメンバーSTAが、R-TWTxのスケジュールされたUL及びP2Pトラフィックストリームの全てのフレームがR-TWTx SP中に送信されたことを示す信号を送信するフロー図である。
【
図26】本開示の少なくとも1つの実施形態による、R-TWTxメンバーSTAが、R-TWTxのスケジュールされたUL及びP2Pトラフィックストリームの全てのフレームがR-TWTx SP中に送信されたことを示す信号を送信するフロー図である。
【
図27】本開示の少なくとも1つの実施形態による、R-TWTのためのQoSデータ及びQoSヌルフレーム内のQoS制御フィールドのデータフィールド図である。
【
図28】本開示の少なくとも1つの実施形態による、R-TWT SPの終了を示すようにEOSPが第1の状態(例えば、「1」)に設定されたQoSヌルフレームをR-TWTスケジュール側APがブロードキャストする通信図である。
【
図29】本開示の少なくとも1つの実施形態による、R-TWT SP中にR-TWTメンバーSTAがチャネルを求めて競合できるR-TWT SPの通信図である。
【
図30】終了指示が正常に受け取られなかったR-TWT SPの通信図である。
【
図31】本開示の少なくとも1つの実施形態による、R-TWT SP中にトリガーされたTXOP共有時間を終了するために、EOSPが第2の状態(例えば、「0」)に設定されたQoSヌルフレームをSTAが送信する通信図である。
【
図32】R-TWT SP中にトリガーされたTXOP共有時間を終了するために、EOSPが第1の状態(例えば、「1」)に設定されたQoSヌルフレームをSTAが送信する通信図である。
【
図33】本開示の少なくとも1つの実施形態による、R-TWTスケジュール側APがR-TWT SP中にR-TWTメンバーSTAではない被R-TWTスケジュール側STAの送信を手配する通信図である。
【
図34】本開示の少なくとも1つの実施形態による、R-TWTスケジュール側APがR-TWT SP中にスケジュールされたULトラフィックの到着を待つ通信図である。
【
図35】本開示の少なくとも1つの実施形態による、R-TWTのスケジュールされたトラフィックストリームのフレームがそれ以上送信される予定でない場合にR-TWTスケジュール側APがR-TWT SPを終了する通信図である。
【
図36】本開示の少なくとも1つの実施形態による、R-TWTスケジュール側APがスケジュールされたトラフィックの到着を待っている時にR-TWT非メンバーSTAとフレームを交換する通信図である。
【
図37】本開示の少なくとも1つの実施形態による、各リンク上でのマルチリンクR-TWT SPの終了を別々に示す通信図である。
【
図38】本開示の少なくとも1つの実施形態による、1つのリンク上でのML R-TWT SPの終了の通信図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
1.802.11要素概論
1.1.トラフィック仕様(TSPEC)
図1に、IEEE802.11で定められるTSPEC要素の内容を示す。要素ID(Element ID)フィールドは要素のタイプを示し、この事例ではTSPEC要素のものであることを示す。長さ(Length)フィールドは、TSPEC要素の長さを示す。TS情報(Info)フィールドは、
図2に示すようなトラフィックストリーム情報を含む。
【0023】
なお、本開示では、説明しないフィールドは、他の要素で指定する先行フィールドと同じ機能を有する。
【0024】
公称MSDUサイズ(Nominal MSDU Size)フィールドは、このTSPEC下のTSに属するMSDU又はA-MSDUの公称サイズを示す。最大MSDUサイズ(Maximum MSDU Size)フィールドは、このTSPEC下のTSに属するMSDU又はA-MSDUの最大サイズを含む。最小サービス間隔(Minimum Service Interval)フィールドは、連続する2つのサービス期間(SP)の開始時刻間の最小時間を示す。最大サービス間隔(Maximum Service Interval)フィールドは、連続する2つのSPの開始時刻間の最大時間を示す。非作動間隔(Inactivity Interval)フィールドは、TSの削除前にそのTSに属するMSDUの到着又は送信がない時間を示す。停止間隔(Suspension Interval)フィールドは、TSのサービス品質(QoS)(+)競合なし(CF)ポーリングの生成の停止前にそのTSに属するMSDUが到着又は送信を伴わずに発生し得る時間を示す。サービス開始時刻(Service Start Time)フィールドは、最初のSPの開始時刻を示す。最小データレート(Minimum Data Rate)フィールドは、MAC SAPによって指定された、このTSPEC下のTSに属するMSDU又はA-MSDUを送信するための最低データレートを示す。平均データレート(Mean Data Rate)フィールドは、MAC SAPによって指定された、このTSPEC下のTSに属するMSDU又はA-MSDUを送信するための平均データレートを示す。
【0025】
ピークデータレート(Peak Data Rate)フィールドは、MAC SAPによって指定される、このTSPEC下のTSに属するMSDU又はA-MSDUを送信するための最大データレートを示す。バーストサイズ(Burst Size)フィールドは、このTSPEC下のTSに属するMSDU又はA-MSDUのピークデータレートでの最大バーストを示す。遅延限界(Delay Bound)フィールドは、このTSPEC下のTSに属するMSDU又はA-MSDUを送信するために許容される最大時間を示す。最小PHYレート(Minimum PHY Rate)フィールドは、このTSPEC下のTSに属するMSDU又はA-MSDUを送信するための最小PHYレートを示す。余剰帯域幅許可(Surplus Bandwidth Allowance)フィールドは、このTSPEC下のTSに属するMSDU又はA-MSDUの送信及びその再送に利用される帯域と、このMSDU又はA-MSDUを最小PHYレートで1度送信するために使用される帯域との比率を示す。媒体時間(Medium Time)フィールドは、STAが媒体へのアクセスに認められる時間を示す。DMG属性(DMG Attributes)フィールドは、TSPECが指向性マルチギガビット(DMG)BSSに適用される際に提示される。
【0026】
図2に、IEEE802.11で定められる
図1のTS情報フィールドの内容を示す。TS情報フィールドのサブフィールドは以下の通りである。トラフィックタイプ(Traffic Type)サブフィールドは、トラフィックが周期的であるか否かを指定する。TSIDサブフィールドは、TSを識別するためのID番号を示す。方向(Direction)サブフィールドは、データ送信の方向を指定する。アクセスポリシー(Access Policy)サブフィールドは、チャネルアクセス権を獲得する方法を指定する。アグリゲーション(Aggregation)サブフィールドは、アグリゲーションスケジュールが必要であるかどうかを指定する。APSDサブフィールドは、自動PS配信が使用されるかどうかを示す。ユーザ優先度(User Priority)サブフィールドは、TSに属するMSDU又はA-MSDUのユーザ優先度を示す。TSInfo ACKポリシー(TSInfo Ack Policy)サブフィールドは、Ackが必要であるかどうか、及びどの形態のAckを使用すべきであるかを示す。スケジュール(Schedule)サブフィールドは、スケジュールのタイプを示す。
【0027】
1.1.2.TCLAS要素
図3に、IEEE802.11で定められるTCLAS要素の内容を示す。要素ID(Element ID)フィールドは要素のタイプを示し、この事例ではTCLAS要素であることを示す。長さ(Length)フィールドはTCLAS要素の長さを示す。ユーザ優先度(User Priority)フィールドは上位層からのユーザ優先度を示す。フレーム分類器(Frame Classifier)フィールドは、上位層からのフレームを分類するために利用すべき方法を示す。
【0028】
1.1.3.TCLASプロセス要素
図4に、IEEE802.11で定められるTCLAS処理要素の内容を示す。要素ID(Element ID)フィールドは要素のタイプを示し、この事例ではTCLAS処理要素であることを示す。長さ(Length)フィールドはTCLAS処理要素の長さを示す。処理(Processing)フィールドは、複数のTCLAS要素が存在する場合に上位層からのトラフィックを分類する方法を示す。
【0029】
1.1.4.TWT要素
図5に、IEEE802.11axで定められる、要素ID(Element ID)、長さ(Length)、制御(Control)及びTWTパラメータ情報(TWT Parameter Information)のためのフィールドを有するTWT要素のフォーマットを示す。
【0030】
図6には、
図5に示すTWT要素の制御フィールドを示しており、このフィールドは、NDPページングインジケータ(NDP Paging indicator)、応答者PMモード(Responder PM Mode)、ネゴシエーションタイプ(Negotiation Type)、TWT情報フレーム無効化(TWT Information Frame Disabled)、ウェイク期間単位(Wake Duration Unit)、予備(Reserved)というフィールドを有する。ネゴシエーションタイプサブフィールドは、実行すべきネゴシエーションのタイプを示す。
【0031】
図7には、
図6で説明したネゴシエーションタイプが「2」又は「3」に設定された時に有効であるブロードキャストTWTパラメータ情報(Broadcast TWT parameter Information)要素を示す。サブフィールドは、要求タイプ(Request Type)、ターゲットウェイクタイム(Target Wake Time)、公称最小TWTウェイク期間(Nominal Minimum TWT Wake Duration)、TWTウェイク間隔仮数(TWT Wake Interval Mantissa)、ブロードキャストTWT情報(Broadcast TWT Information)として示す。
【0032】
なお、IEEE802.11be(草案P802.11be_D1.01)には更新版が存在する。ブロードキャストTWTパラメータ情報フィールドの要求タイプフィールド内のブロードキャストTWT推奨フィールドが「4」に設定されている場合には、ブロードキャストTWTパラメータ情報フィールドに示されるブロードキャストTWT(B-TWT)が制限付きTWT(R-TWT)であることを示す。
【0033】
図8には、ブロードキャストTWTパラメータ情報フィールドの要求タイプフィールドを示しており、このフィールドは、TWT要求(TWT Request)、TWT設定コマンド(TWT Setup Command)、トリガー、最後のブロードキャストパラメータセット(Last Broadcast Parameter Set)、フロータイプ(Flow Type)、ブロードキャストTWT推奨(Broadcast TWT Recommendation)、TWTウェイク間隔指数(TWT Wake Interval Exponent)、及び予備(Reserved)というサブフィールドを有する。
【0034】
図9には、ブロードキャストTWTパラメータ情報フィールド内のブロードキャストTWT情報フィールドを示しており、このフィールドは、ブロードキャストTWT IDサブフィールド、及びブロードキャストTWT永続性サブフィールドを有する。
【0035】
1.2.SCSシグナリング
図10に、IEEE802.11be(草案P802.11be_D1.01)で定められるSCS設定の例を示す。STAの相互作用モデルは、IEEE802.11標準で定められるものと同じであることができる。
【0036】
非AP STAは、APとの間でSCS設定手順を開始すると決定する。非AP STAの局管理エンティティ(SME)は、そのMAC副層管理エンティティ(MLME)にMLME-SCS.requestメッセージを送信する。非AP STAのMLMEは、MLME-SCS.requestメッセージを受け取ると、MLME-SCS.requestメッセージ内の情報を収集して、APにSCS要求フレームを送信する。APのMLMEはフレームを受け取り、そのSMEに対してMLME-SCS.indicationメッセージを生成する。
【0037】
次に、APのSMEは、そのMLMEにSCS設定結果を含むMLME-SCS.responseメッセージを送信する。その後、APのMLMEは、非AP STAにSCS応答フレームを送信する。非AP STAのMLMEはフレームを受け取り、そのSMEにMLME-SCS.confirmメッセージを送信する。この結果、非APは、SCS設定に成功したか否かを認識することができる。
【0038】
図11に、SCS要求フレームのフォーマットを示す。SCS記述子リスト(SCS descriptor list)フィールドは、
図12に示すような複数のSCS記述子要素を伝えることができる。
【0039】
図12には、
図11に示すSCS記述子リストのSCS記述子要素のうちの1つを示す。
【0040】
図13には、SCS応答フレームのフォーマットを示す。SCSステータスリスト(SCS status list)フィールドは、
図14に示すような複数のSCSステータスフィールドを伝えることができる。
【0041】
図14には、SCSIDフィールドに示されるSCSのSCS設定結果(例えば、受諾、拒絶、理由付き拒絶及び終了など)を表すSCSステータスサブフィールドを示す。
【0042】
1.3.R-TWTシグナリング
図15に、IEEE802.11axで定められるTWT設定の例を示す。STAの相互作用モデルは、IEEE802.11標準に定められているものと同じであることができる。
【0043】
非AP STAが、APとの間でTWT設定手順を開始すると決定する。非AP STAの局管理エンティティ(SME)は、そのMAC副層管理エンティティ(MLME)にMLME-TWTSETUP.requestメッセージを送信する。非AP STAのMLMEは、MLME-TWTSETUP.requestメッセージを受け取ると、MLME-TWTSETUP.requestメッセージ内の情報を収集して、APにTWT設定フレーム(TWT要求フレーム)を送信する。APのMLMEはフレームを受け取り、この要求を処理するSMEに対してMLME-TWTSETUP.indicationメッセージを生成する。
【0044】
次に、APのSMEは、TWT設定結果を含むMLME-TWTSETUP.responseメッセージをそのMLMEに送信する。その後、APのMLMEは、非AP STAにTWT設定フレーム(すなわち、TWT応答フレーム)を送信する。非AP STAのMLMEはこのフレームを受け取り、そのSMEにMLME-TWTSETUP.confirmメッセージを送信する。この結果、非APは、TWT設定に成功したか否かを認識する。
【0045】
IEEE802.11beの規定によれば、R-TWTスケジュール側APと呼ばれる制限付きTWT R-TWTスケジュール側APは、制限付きTWT動作をサポートして、送信されるEHT能力(EHT Capabilities)要素内の制限付きTWTサポート(Restricted TWT Support)サブフィールドを「1」に設定するEHT APである。
【0046】
被R-TWTスケジュール側STAと呼ばれる被制限付きTWT R-TWTスケジュール側STAは、制限付きTWT動作をサポートして、送信されるEHT能力要素内の制限付きTWTサポートサブフィールドを「1」に設定する非AP EHT STAである。
【0047】
被R-TWTスケジュール側STAは、R-TWTスケジュール側APによってスケジュールされた1又は2以上のR-TWTのメンバーシップを確立することができる。R-TWT設定シグナリングは、被R-TWTスケジュール側STAとR-TWTスケジュール側APとの間のR-TWTのメンバーシップネゴシエーションに使用される、追加パラメータ設定を含むブロードキャストTWTと同じものである。被R-TWTスケジュール側STAは、R-TWTスケジュール側APによってスケジュールされたR-TWTのメンバーシップを確立した後には、R-TWTのSP中に高優先度を有し、又はR-TWTスケジュール側APとのフレーム交換を許可される。一方で、R-TWTのメンバーでない被R-TWTスケジュール側STAは、R-TWT SP中に低優先度を有し、又はR-TWTスケジュール側APとのフレーム交換を許可されない。
【0048】
図16に、フレーム制御(Frame Control)、期間(Duration)、複数のアドレス(Addresses)、シーケンス制御(Sequence Control)、及びデータ(data)というフィールドを含むTWT設定フレームを示す。データフィールドは、カテゴリ(Category)、アクション(Action)、ダイアログトークン(Dialog Token)、及びTWT要素(TWT element)というサブフィールドを含む。
【0049】
フレーム制御フィールドはフレームのタイプを示し、このフレームがアクションフレームであることを示すことができる。期間フィールドは、CSMA/CAチャネルアクセスに使用されるNAV情報を含む。アドレス1フィールドは、フレーム受信者のアドレスを含む。アドレス2フィールドは、フレームを送信したSTAのアドレスを含む。アドレス3フィールドは、フレームの受信者であるSTAのBSSIDを含む。シーケンス制御フィールドは、フレームのシーケンス番号を示す。
【0050】
カテゴリ及びアクションフィールドは、アクションフレームがTWT設定フレームであることを示し、TWT要素を伝える。ダイアログトークンは、TWT設定フレームを識別するために使用される。TWT要素は、
図5に示すフォーマットを有するTWT設定情報を示す。
【0051】
図17に、R-TWT SP通信の例を示す。AP1は、R-TWT1スケジューリングを告知してR-TWT1のメンバーを管理するR-TWTスケジュール側APである。STA1及びSTA2は、R-TWT1のメンバーSTAである。R-TWT1 SP中、AP1は、メンバーSTAとのフレーム交換(例えば、STA1とのSCS1のUL PPDU、及びSTA2とのSCS2のDL PPDU)をスケジュールして優先度付けする。R-TWTスケジューリングを受け取って認識できるSTAは、被R-TWTスケジュール側STAと呼ばれる。STA3は、被R-TWTスケジュール側STAであるが、R-TWT1のメンバーSTAではない。STA3は、R-TWT1 SPの開始時刻前にそのTXOPを終了する必要がある。STA3は、R-TWT1 SP中にクワイエットモードに入ることも、又は単にチャネルを求めて競合しないこともできる。スケジュール側APは、R-TWT SP中にクワイエット間隔を告知するためにクワイエット要素をブロードキャストすることができ、この要素を認識したSTAはクワイエットモードに入ることができる。
【0052】
2.課題の記述
EDCA及びR-TWTを使用する現在の無線通信システムはRTAトラフィック送信を優先することができ、例えばR-TWT SP中にはRTAトラフィックが優先的に送信される。しかしながら、R-TWT SP期間は予めスケジュールされて告知され、いくつかの事例では、R-TWTメンバーSTAが必要とする送信時間よりもR-TWT SP期間の方が長い場合もあり、これによって未使用のチャネル帯域幅(低効率送信)が生じる。
【0053】
3.本発明の寄与
R-TWTスケジュール側AP及びR-TWTのメンバーSTAが、そのR-TWT SP中にどのトラフィックの送信をスケジュールするかをネゴシエートする。スケジュールされたトラフィックは、R-TWT SP中に優先的に送信される。本開示は、R-TWTメンバーSTAが必要とする送信時間よりもR-TWT SP期間の方が長い場合に発生する問題を確認済みである。
【0054】
R-TWT SPの全てのRTAトラフィックが送信された直後にR-TWT SPが終了したことを示すメカニズムについて説明する。対処される課題の1つは、RTAフレームがUL、DL及び/又はP2Pのいずれかであり得る場合に、全てのRTAフレームが送信されたことをR-TWTスケジュール側APがどのように識別するかである。
【0055】
このプロトコルでは、メンバーSTAが、R-TWT SP中に送信すべきスケジュールされたUL及びP2Pを有していないことを示す信号をR-TWT SP中にR-TWTスケジュール側APに送信することができる。
【0056】
R-TWT SP中に全てのスケジュールされたトラフィックが送信されると、R-TWTスケジュール側APは、R-TWT SPを終了する信号を送信することができる。
【0057】
R-TWTスケジュール側APは、R-TWT SP中に全てのスケジュールされたトラフィックの送信を完了した後に、被R-TWTスケジュール側STAではあるがそのR-TWTのメンバーSTAではないSTAとR-TWT SPの残り時間を共有してフレーム交換などを実行することができる。
【0058】
4.R-TWT終了の実施形態
4.1.STA及びMLDハードウェア構成
図18に、本開示のプロトコルを実行するように構成されたSTAハードウェアの実施形態例10を示す。外部I/O接続14が回路12の内部バス16に結合し、内部バス16上には、通信プロトコルを実装する(単複の)プログラムを実行するためにCPU18及びメモリ(例えば、RAM)20が接続されることが好ましい。ホストマシンは、1又は複数のアンテナ29、26a、26b、26c~26nにそれぞれが接続された少なくとも1つのRFモジュール24、28に結合された、通信をサポートする少なくとも1つのモデム22を収容する。複数のアンテナ(例えば、アンテナアレイ)を有するRFモジュールは、送信及び受信中にビームフォーミングを実行することを可能にする。このように、STAは、複数組のビームパターンを使用して信号を送信することができる。
【0059】
バス14は、センサ及びアクチュエータなどの様々な装置をCPUに接続することができる。プロセッサ18上では、STAがアクセスポイント(AP)局又は通常の局(非AP STA)の機能を実行することを可能にするように実行される通信プロトコルを実装するプログラムを実行するための、メモリ20からの命令が実行される。また、このプログラミングは、現在の通信状況でどのような役割を果たしているかに応じて異なるモード(TXOP所有者、TXOP共有参加者、ソース、中間、宛先、第1のAP、他のAP、第1のAPに関連する局、他のAPに関連する局、調整機(coordinator)、被調整機(coordinatee)、OBSS内のAP、及びOBSS内のSTAなど)で動作するように構成されると理解されたい。
【0060】
従って、図示のSTA HWは、少なくとも1つのモデムと、少なくとも1つの帯域上での通信を提供するための関連するRF回路とで構成される。
【0061】
なお、本開示は、それぞれが任意の数のRF回路に結合された複数のモデム22を使用して構成することができると理解されたい。一般に、使用するRF回路の数が多ければ多いほど、アンテナビーム方向のカバレッジは広くなる。なお、利用するRF回路の数及びアンテナの数は、特定の装置のハードウェア制約によって決まると理解されたい。RF回路及びアンテナの一部は、STAが近隣STAと通信する必要がないと判定した時に無効にすることができる。少なくとも1つの実施形態では、RF回路が周波数変換器及びアレイアンテナコントローラなどを含み、送受信のためにビームフォーミングを実行するように制御される複数のアンテナに接続される。このように、STAは、各ビームパターン方向がアンテナセクタとみなされる複数のビームパターンの組を使用して信号を送信することができる。
【0062】
また、図示のような局ハードウェアの複数のインスタンスはマルチリンク装置(MLD)に組み合わせることができ、通常、このMLDは活動を協調させるためにプロセッサ及びメモリを有するが、必ずしもMLD内の各STAに別々のCPU及びメモリが必要なわけではない。
【0063】
図19に、マルチリンク装置(MLD)ハードウェア構成の実施形態例40を示す。ソフトAP MLDは、APとして動作する1又は2以上の所属するSTAから成るMLDである。ソフトAP MLDは、2.4GHz、5GHz及び6GHz上で複数の無線動作をサポートすべきである。複数の無線のうちの基本リンクセットは、例えば基本リンクセット(2.4GHz及び5GHz)、基本リンクセット(2.4GHz及び6GHz)などの同時送受信(STR)モードを満たすリンクペアである。
【0064】
条件付きリンクは、何らかの基本リンクと非同時送受信(NSTR)リンクペアを形成するリンクである。例えば、これらのリンクペアは、5GHzが基本リンクである場合には、5GHzリンクに対応する条件付きリンクとして6GHzリンクを含むことができ、6GHzが基本リンクである場合には、6GHzリンクに対応する条件付きリンクとして5GHzリンクを含むことができる。ソフトAPは、Wi-Fiホットスポット及びテザリングを含む異なるシナリオで使用される。
【0065】
MLDには複数のSTAが所属し、各STAは異なる周波数のリンク上で動作する。MLDは、アプリケーションへの外部I/Oアクセスを有し、このアクセスは、CPU62及びメモリ(例えば、RAM)64を有するMLD管理エンティティ48に接続して、MLDレベルで通信プロトコルを実装する(単複の)プログラムの実行を可能にする。MLDは、ここではSTA1 42、STA2 44~STA N46として例示する接続先の各所属する局にタスクを配分してこれらから情報を収集し、所属するSTA間で情報を共有することができる。
【0066】
少なくとも1つの実施形態では、MLDの各STAが独自のCPU50及びメモリ(RAM)52を有し、これらは、1又は2以上のアンテナを有する少なくとも1つのRF回路56に接続された少なくとも1つのモデム54にバス58を通じて結合される。本例では、RF回路が、アンテナアレイなどの形の複数のアンテナ60a、60b、60c~60nを有する。RF回路及び関連する(単複の)アンテナと組み合わせたモデムは、近隣のSTAとの間でデータフレームを送信/受信する。少なくとも1つの実装では、RFモジュールが、周波数変換器、アレイアンテナコントローラ、及びそのアンテナと連動するためのその他の回路を含む。
【0067】
MLDの各STAは、特定のMLD実装に応じて互いに及び/又はMLD管理エンティティとリソースを共有することができるので、必ずしも独自のプロセッサ及びメモリを必要としないと理解されたい。なお、上記のMLD図は限定ではなく一例として示すものであり、本開示は幅広いMLD実装と共に動作することができると理解されたい。
【0068】
4.2.使用例のSTAトポロジー
図20に、本開示の目的を説明するために利用するネットワークトポロジーの実施形態例70を示す。なお、本開示の装置及び方法は特定のネットワークトポロジーに限定されるものではないため、このトポロジー(及び本明細書で例示するいずれかのトポロジー)は限定ではなく一例として示すものであると理解されたい。また、本開示全体を通じて参照する特定のMLD、STA及びリンクは、動作の理解を単純化するために示すものにすぎない。
【0069】
あるMLDにAP局が所属している場合、そのMLDはAP MLDである。あるMLDに非AP STAが所属している場合、そのMLDは非AP MLDである。
【0070】
図20に示すように、このシナリオでは、ここでは部屋として例示する所与のエリア内に3つのMLDから成る6つのSTAを示す。AP1及びAP2は、MLD1として示すマルチリンク装置(MLD)に所属し、STA1及びSTA4はMLD2に所属し、STA3及びSTA5はMLD3に所属する。STA2及びSTA6は、リンク1上で動作する非AP STA又はシングルリンクMLD(すなわち、1つのSTAのみを有して1つのリンク上で動作する特別なMLD)であることができる。STA1、STA2、STA3、STA6はリンク1を介してAP1に関連付けられ、STA4及びSTA5はリンク2を介してAP2に関連付けられる。全てのSTAは、全てのリンク上でランダムチャネルアクセス(CSMA/CA)のためにEDCAを使用する。
【0071】
R-TWTスケジュール側APは、R-TWTをスケジュールして告知することができる。被R-TWTスケジュール側STA(スケジューリング対応STA)は、R-TWTスケジュール側APからのR-TWT告知を受け取って認識し、R-TWT動作をサポートできる非AP STAである。被R-TWTスケジュール側STAは、R-TWTスケジュール側APとの間でR-TWTのメンバーシップをネゴシエートすることができる。被R-TWTスケジュール側STAがR-TWTのメンバーSTAになると、被R-TWTスケジュール側STA(すなわち、R-TWTメンバーSTA)のトラフィック(例えば、UL、DL及び/又はP2P)がスケジュールされ、そのR-TWTのSP中に優先的に送信される。
【0072】
AP1及びAP2はR-TWTスケジュール側APであり、STA1~STA5は被R-TWTスケジュール側STAであり、STA6は被R-TWTスケジュール側STAではない。
【0073】
4.3.SCSトラフィックのためのR-TWTスケジューリングのネゴシエーション
R-TWTxによって示すR-TWTのスケジューリングは、R-TWTスケジュール側APによって告知される。被R-TWTスケジュール側STAは、R-TWTxのメンバーシップを要求することができる。さらに、R-TWTx SP中、R-TWTスケジュール側APは、どのトラフィックストリームが高優先度で送信されると予想されるかを決定/認識することができる。本節では、被R-TWTスケジュール側STAが、R-TWTxのメンバーシップを設定する際にR-TWTx SP中にどのトラフィックストリームを高優先度で送信すべきかについてR-TWTスケジュール側APとネゴシエートする方法について説明する。被R-TWTスケジュール側STAがR-TWTxのメンバーSTAになった後、R-TWTxメンバーシップ合意されたこれらのトラフィックストリームはR-TWTx SP中に高優先度で送信され、このようなトラフィックストリームをR-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームとして示す。少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、R-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームのフレームのみがR-TWTx SP中の送信を許可される。例えば、R-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームに属していないフレームは、R-TWTx SP中に送信を許可されず、又は低優先度での送信しか許可されない。なお、高優先度のトラフィックは、低優先度のトラフィックよりも早く送信される確率が高いトラフィックを表す。さらに、少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、高優先度のトラフィックを低優先度のトラフィックよりも早く送信する必要がある。
【0074】
一方で、R-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームと同じTIDを有していて再送される必要があるフレームが存在する場合には例外が発生することもあるが、これらのフレームはR-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームに属していないので、R-TWTx SP中に送信することができる。STAがそのTIDにブロック確認応答を使用する場合、これらのフレームは、そのSTAがR-TWTx SP中に同じTIDを有するR-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームのフレームを送信する前に送信すべきである。この例外が発生する理由は、これらのフレームのシーケンス番号が割り当てられており、これらのフレームがR-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームのフレームよりも小さいからである。
【0075】
図21及び
図22に、R-TWTメンバーシップ設定110及びTWT設定フレーム150の実施形態例を示す。
【0076】
図21には、被R-TWTスケジュール側STAとR-TWTスケジュール側APとの間のSCSトラフィックストリーム情報を伴うR-TWTxのメンバーシップ設定(ネゴシエーション)のシグナリングを示す。
図15と同様に、非AP STA(被R-TWTスケジュール側STA)は、AP(R-TWTスケジュール側AP)にR-TWTxのメンバーシップを要求するTWT設定フレーム(すなわち、R-TWTメンバーシップ要求フレーム)を送信する。その後、APは、非AP STAのR-TWTxメンバーシップステータスの結果を示すTWT設定フレーム(すなわち、R-TWTメンバーシップ応答フレーム)を返送する。
【0077】
図15と比較すると、ここでの違いは、R-TWTメンバーシップ設定手順中にTWT設定フレームがSCSトラフィックストリームの情報を伝えることができる点である。
図22には、SCSトラフィックストリーム情報を含むTWT設定フレームのフォーマットを示す。
【0078】
R-TWT設定を実行するには、非AP STA SME112が非AP STA MLME114にMLME-TWTSETUP要求120を送信し、非AP STA MLME114が、SCSトラフィック情報122を含むTWT設定フレームをAP MLME116に送信する。APは、これをそのSME118にMLME-TWTSETUP.indication124として送信し、SMEは、この要求を処理して、そのMLME116にMLML-TWTSETUP.response128を出力し、MLME116は、SCSトラフィック情報130を含むTWT設定フレームを非AP STA MLME114に送信し、非AP STA MLME114は、そのSME112にMLME-TWTSETUP.confirm132を送信する。
【0079】
例えば、TWT設定フレーム内のブロードキャストTWTパラメータセットフィールドがR-TWTxのためのものである場合、そのブロードキャストTWTパラメータセットフィールド内のSCSIDリストは、SCSトラフィックストリームの情報を伝える。非AP STAは、R-TWTx SP中にAPがこれらのSCSトラフィックストリームの送信をスケジュールすることを要求する目的で、TWT設定フレームにR-TWTxメンバーシップネゴシエーションの一部としてSCSトラフィックストリームの情報を埋め込む。APは、非AP STAからのR-TWTxメンバーシップ要求を受け入れると、対応するR-TWT設定フレームにSCSトラフィックストリームの情報を埋め込んで、これらのSCSトラフィックストリームがR-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームであることを示すことができる。なお、APは、R-TWTxのメンバーシップ要求を受け入れるかどうかを、R-TWTxのSCSトラフィックストリームの情報に基づいて判定する。APは、R-TWTx SP中にSCSトラフィックストリームのQoS要件を満たすことができる場合、非AP STAからのR-TWTxメンバーシップ要求を受け入れることができる。その後、APは、R-TWT設定フレームの対応するブロードキャストTWTパラメータセットフィールド内に、APがSCSIDリストフィールドに示されるSCSトラフィックストリームをR-TWTx SP中に送信できることを示すようにSCSIDリストフィールドを設定することができる。そうでなければ、APはR-TWT メンバーシップ要求を拒絶することができる。
【0080】
少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、R-TWTメンバーシップ要求が受け入れられた時に、R-TWTメンバーシップ応答フレームの対応するブロードキャストTWTパラメータセットフィールド内のSCSIDリストフィールドが、対応するR-TWTメンバーシップ要求内のものと重複する。
【0081】
少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、APが、R-TWTxメンバーシップ要求を受け入れる場合に、R-TWTxメンバーシップ要求に対する応答にSCSトラフィックストリーム情報を埋め込まない。この時、対応するR-TWTメンバーシップ要求に示されるSCSトラフィックストリームは、R-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームである。
【0082】
SCSIDリスト(SCSID list)フィールドは、SCSIDフィールドの数を識別する数字、及びその後の同じ数のSCSIDフィールドから成る。各SCSIDは、非APとAPとの間で確立された既存のSCSを表す。なお、SCS設定手順については既に
図10で説明している。
【0083】
少なくとも1つの実施形態では、SCSIDリストフィールドの存在を示すためにブロードキャストTWTパラメータセットフィールド内の予備ビットが利用される。例えば、1つの実施形態では、このビットが第1の状態(例えば、「1」)に設定された場合、ブロードキャストTWTパラメータセットフィールド内にSCSIDリストフィールドが存在することを示す。このビットが第2の状態(例えば、「0」)に設定された場合には、ブロードキャストTWTパラメータセットフィールド内にSCSIDリストフィールドが存在しないことを示す。
【0084】
被R-TWTスケジュール側STAは、R-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームと共にR-TWTxのメンバーSTAになると、R-TWTx SP中に送信又は受信すべきR-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームを有する。R-TWTxのメンバーSTA及びR-TWTスケジュール側APは、R-TWTx SP中に交換すべきR-TWTxの各スケジュールされたトラフィックストリームの量を表す範囲を予想する。限定ではなく一例として、以下の範囲タイプについて説明する。
【0085】
(a)R-TWTxのスケジュールされたDL(又はUL及び/又はP2P)SCSトラフィックストリームは、そのTSPEC要素内に、Rmin(ビット/秒)に設定された最小データレートフィールドを有する。2つの連続するR-TWTx SPの終了時刻間の時間をt(秒)とする。すると、時間t中にR-TWTスケジュール側AP(又は、このスケジュールされたトラフィックストリームを有するR-TWTxメンバーSTA)に到着すると予想されるスケジュールされたDL(又はUL及び/又はP2P)トラフィックストリームの最小量はRmin
*t(ビット)である。R-TWTスケジュール側AP(又は、このスケジュールされたトラフィックストリームを有するR-TWTxメンバーSTA)は、第2のR-TWTx SPの終了前に少なくともRmin
*t(ビット)のトラフィックを送信していると予想することができる。
【0086】
(b)R-TWTxのスケジュールされたDL(又はUL及び/又はP2P)SCSトラフィックストリームは、そのTSPEC要素内に、Rmean(ビット/秒)に設定された平均データレートフィールドを有する。2つの連続するR-TWTx SPの終了時刻間の時間をt(秒)とする。すると、時間t中にR-TWTスケジュール側AP(又は、このスケジュールされたトラフィックストリームを有するR-TWTxメンバーSTA)に到着すると予想されるスケジュールされたDL(又はUL及びP2P)トラフィックストリームの平均量はRmean
*t(ビット)である。従って、R-TWTスケジュール側AP(又は、このスケジュールされたトラフィックストリームを有するR-TWTxメンバーSTA)は、第2のR-TWTx SPの終了前に平均してRmean
*t(ビット)のトラフィックを送信していると予想することができる。
【0087】
(c)R-TWTxのスケジュールされたDL(又はUL及び/又はP2P)SCSトラフィックストリームは、そのTSPEC要素内に、Rmax(ビット/秒)に設定されたピークデータレートフィールドを有する。2つの連続するR-TWTx SPの終了時刻間の時間をt(秒)とする。すると、時間t中にR-TWTスケジュール側AP(又は、このスケジュールされたトラフィックストリームを有するR-TWTxメンバーSTA)に到着すると予想されるスケジュールされたDL(又はUL及び/又はP2P)トラフィックストリームの平均量はRmax
*t(ビット)である。R-TWTスケジュール側AP(又は、このスケジュールされたトラフィックストリームを有するR-TWTxメンバーSTA)は、第2のR-TWTx SPの終了前に最大でRmax
*t(ビット)のトラフィックを送信すると予想することができる。
【0088】
R-TWTのブロードキャストTWTパラメータセットフィールドには、(
図7に示すような)IEEE802.11axで定められるフィールドの他に、少なくとも1つの実施形態/モード/事例ではそのR-TWT SPがスケジュールされるリンクを示すリンクIDフィールドが追加される。少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、このリンクIDフィールドの存在を示すために、ブロードキャストTWTパラメータセットフィールドの予備ビットが利用される。このビットが第1の状態(例えば、「1」)に設定された場合、ブロードキャストTWTパラメータセットフィールド内にリンクIDフィールドが存在することを示す。このビットが第2の状態(例えば、「0」)に設定された場合には、ブロードキャストTWTパラメータセットフィールド内にリンクIDフィールドが存在せず、このブロードキャストTWTパラメータセットフィールドが送信されるリンク上でR-TWT SPがスケジュールされることを示す。
【0089】
1つのTWT要素は、同じ又は異なるR-TWT ID(すなわち、
図9に示すようなブロードキャストTWT IDフィールドに設定された値)を有する複数のブロードキャストTWTパラメータセットフィールドを有することができる。同じR-TWT ID及び異なるリンクIDを有する複数のブロードキャストTWTパラメータセットフィールドを1つのTWT要素に組み込んで、複数のリンク上でスケジュールされるSPを有するR-TWTを示すことができる。例えば、1つのTWT要素における、R-TWT IDが「4」に等しくリンクIDが「1」に等しい1つのブロードキャストTWTパラメータセットフィールド、及びR-TWT IDが「4」に等しくリンクIDが「2」に等しい1つのブロードキャストTWTパラメータセットフィールドは、TWT IDが「4」であってリンク1上及びリンク2上でSPがスケジュールされるR-TWTを表す。
【0090】
4.4.R-TWTメンバーではない被R-TWTスケジュール側STAへの報奨
R-TWT SP中、STAは、被R-TWTスケジュール側STAではあるがそのR-TWTのメンバーSTAでない場合、SPの存在に起因して、送信機会(TXOP)を取得する機会又はチャネルにアクセスする機会を犠牲にすることがある。例えば、STAは、SPの開始時刻前にそのTXOPを終了し、或いはSP中にチャネルを求める競合を停止(中止)する。従って、本開示の少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、R-TWT動作のサポートを促すために、このようなSTA、特にR-TWTスケジュール側APによってスケジュールされたいずれかのR-TWTのメンバーでないSTAのための報酬メカニズムを提供する。なお、R-TWT SP中には、そのR-TWTのメンバーSTAではない被R-TWTスケジュール側STAはスリープ状態に入るように構成されていないのでアウェイク中のはずである。
【0091】
IEEE802.11beにおける被R-TWTスケジュール側STAは、制限付きTWT動作をサポートして、送信されるEHT能力要素内の制限付きTWTサポートサブフィールドを第1の状態(例えば、「1」)に設定する、非AP極高スループット(Extremely High Throughput:EHT)STAである。非AP EHT STAが制限付きTWT動作をサポートしていない場合、このSTAは被R-TWTスケジュール側STAではなく、送信されるEHT能力要素内の制限付きTWTサポートサブフィールドを第2の状態(例えば、「0」)に設定する。なお、非AP EHT STAは、自機のEHT能力を示すために、関連するAPにEHT能力要素を送信する。従って、R-TWTスケジュール側APは、EHT STAから受け取った送信されたEHT能力要素の制限付きTWTサポートサブフィールドに従って、関連するEHT STAが被制限付きTWT(R-TWT)スケジュール側STAであるか否かを識別することができる。
【0092】
R-TWTスケジュール側APによってスケジュールされるR-TWT(スケジューリング)をR-TWTxとする。すると、非AP STAは、R-TWTxのSP中に以下の3つのタイプのうちの1つであることができる。
【0093】
(a)被R-TWTスケジュール側STAであるがR-TWTxのメンバーSTAではないSTA。このSTAは、R-TWTx SPの開始時刻前にそのTXOPを終了する。このSTAは、R-TWTxのSPと重複するクワイエット間隔中にクワイエットモードに入ることができる。このSTAは、いくつかの事例ではR-TWTxのSP中にチャネルアクセス権を求めて競合することができる。なお、R-TWTスケジュール側APは、STAがR-TWTxのSPと重複するクワイエット間隔中にクワイエットモードに入るかどうか、或いはR-TWTxのSP中にチャネルを求める競合を停止するか否かを、STAがR-TWTスケジュール側APにこの情報を送信しない限り知らない場合がある。例えば、このSTAは、この情報をR-TWTスケジュール側APに送信するために、送信されるEHT能力要素(又は他の要素)内にR-TWTクワイエットサポート(R-TWT quiet Support)サブフィールド及びR-TWTチャネル競合(R-TWT channel contention)サブフィールドを追加することができる。
【0094】
(a)(i)R-TWTクワイエットサポート(R-TWT quiet Support)サブフィールドは、R-TWT SPと重複するクワイエット間隔中にこのフィールドの送信側がクワイエットモードに入るかどうかを示すように設定される。このフィールドが第1の状態(例えば、「1」)に設定された場合、このフィールドの送信側は、R-TWT SPと重複するクワイエット間隔中にクワイエットモードに入る。そうでなければ、このフィールドは第2の状態(例えば、「0」)に設定され、このフィールドの送信側は、R-TWT SPと重複するクワイエット間隔中にクワイエットモードに入らない。このフィールドを受け取ったR-TWTスケジュール側APは、R-TWT SPと重複するクワイエット間隔中に予想される送信側STAの動作を判定することができる。なお、クワイエット間隔は、R-TWTスケジュール側APからのクワイエット要素によって告知される。
【0095】
(a)(ii)R-TWTチャネル競合サブフィールドは、このフィールドの送信側がそのR-TWT SPのメンバーでない(すなわち、このSPをスケジュールするR-TWTのメンバーでない)場合にR-TWT SP中にチャネルを求めて競合するかどうかを示すように設定される。このフィールドが第1の状態(例えば、「1」)に設定された場合、このフィールドの送信側は、そのR-TWT SPのメンバーでない場合にR-TWT SP中にチャネルを求めて競合する。そうでなければ、このフィールドは第2の状態(例えば、「0」)に設定され、このフィールドの送信側は、R-TWT SPのメンバーSTAでない場合にR-TWT SP中にチャネルを求めて競合しない。このようなSTAは、メンバーではないR-TWT SP中にバックオフカウンタを一時停止することができる。このフィールドを受け取ったR-TWTスケジュール側APは、特に送信側STAがそのR-TWT SPのメンバーSTAでない場合に、R-TWT SP中の送信側STAの予想されるチャネル競合動作を判定することができる。少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、R-TWTスケジュール側APによってスケジュールされたR-TWTのメンバーである被R-TWTスケジュール側STAが、自機がメンバーSTAではない全てのR-TWT SP中にチャネルを求める競合を強制的に停止(中止)する必要がある。
【0096】
(b)R-TWTxのメンバーSTAであるSTA。R-TWTxのメンバーSTAは、4.3節に示すようなR-TWTxメンバーシップネゴシエーション中に、IEEE802.11beに定められるようなSCSトラフィックストリーム又はR-TWT TIDなどのR-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームをネゴシエートすることができる。
【0097】
(c)被R-TWTスケジュール側STAではないSTA。このようなSTAは、R-TWTx SPの開始時刻前にそのTXOPを終了することも、R-TWTxのSP中にチャネルを求める競合を停止することもない。
【0098】
(c)(i)いくつかの事例では、このようなSTAが、クワイエット要素によって告知されたクワイエット間隔中にクワイエット状態を維持することができる。このようなSTAは、クワイエット間隔中にクワイエットモードに入った場合、R-TWTクワイエットサポートサブフィールドを第1の状態(例えば、「1」)に設定することによってR-TWTスケジュール側APにその旨を報告することができる。
【0099】
R-TWTx SP中、R-TWTスケジュール側APは、R-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームの送信(すなわちフレーム交換)を優先し、及び/又はこのような送信のみを許可する。R-TWTスケジュール側APは、R-TWTx SPの予定終了時刻前に全てのR-TWTxメンバーSTAとの間でR-TWTxの全てのスケジュールされたトラフィックストリームを送信し終えた場合、残りのSP時間を使用して、被R-TWTスケジュール側STAであるがR-TWTxのメンバーSTAではないSTA、及び被R-TWTスケジュール側STAではないがR-TWTクワイエットサポートサブフィールドを第1の状態(例えば、「1」)に設定したままのSTAとフレームを交換することができる。
【0100】
R-TWTスケジュール側APは、(a)これらのSTAからのTB PPDUをトリガーするトリガーフレーム、(b)これらのSTAへのDL PPDU、及び/又は(c)IEEE802.11beで定められるMU-RTS TXSフレームなどのトリガーフレームを送信して、これらのSTAが送信に使用できるトリガーされたTXOP共有時間を開始することができる。
【0101】
R-TWTスケジュール側APは、R-TWTx SPの終了を示すためにのみこれらのSTAにフレームを送信し、従ってチャネルを求めて競合するために直ちにこれらを解放することができる。
【0102】
R-TWTスケジュール側APは、R-TWTx SP中にR-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームをMU PPDUで送信する場合、スケジュールされたトラフィックストリームに必要とされるMU PPDUの送信時間が増加しなければ、被R-TWTスケジュール側STAであるがR-TWTxのメンバーSTAではないSTAとの間でフレームを送信するためにリソースユニット(RU)を割り当てることができる。
【0103】
R-TWTスケジュール側APは、R-TWTx SP中にR-TWTxのスケジュールされたULトラフィックストリームをトリガーするトリガーフレームを送信する場合、スケジュールされたULトラフィックストリームに必要とされるTB PPDUの送信時間が増加しなければ、被R-TWTスケジュール側STAであるがR-TWTxのメンバーSTAではないSTAからのフレームをトリガーするためにRUを割り当てることができる。
【0104】
R-TWTx SP中にR-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームのバッファが存在しない場合にも、スケジュール側APは、被R-TWTスケジュール側STAであるがR-TWTxのメンバーSTAではないSTAとフレームを交換することができる。
【0105】
R-TWTスケジュール側APが、被R-TWTスケジュール側STAであるがR-TWTxのメンバーSTAではないSTAからのTB PPDUをトリガーするトリガーフレームを送信できる場合、これらのSTAは、TB PPDUの送信後にMU-EDCAを使用しないことも、或いはチャネルを求めて競合するためにバックオフカウンタをリセットしないこともできる。トリガーフレームは、特定のSTAグループがRA-RUを通じてTB PPDUを送信するためのRA-RUアップリンクOFDMAランダムアクセス(UORA)を有することができる。
【0106】
RA-RUのユーザ情報フィールドのAIDは、例えば現在のIEEE802.11axで予備とされる「2047」~「4094」の間の選択値範囲内でSTAグループを表すことができる。STAは、自機が属するSTAグループに設定されたAIDを受け取ると、RA-RUにアクセスすることができる。
【0107】
STAグループは複数存在することができ、各グループは異なるAIDを使用する。STAは、複数のSTAグループ(例えば、subgroup1~subgroup6)に属することができる。
【0108】
トリガーフレームは、1又は2以上の個々のSTAにRUを割り当てることができる。個々のSTAは、後述するようなサブグループの一部のSTAであることしかできない。例えば、個々のSTAはSubgroup1のSTAであることしかできない。
【0109】
STAグループは、1又は2以上の以下のサブグループから成ることができる。
【0110】
(1)Subgroup1:R-TWTスケジュール側APのいずれのR-TWTのメンバーSTAでもなく、R-TWTチャネル競合サブフィールドを第1の状態(例えば、「1」)に等しく設定した全ての被R-TWTスケジュール側STA。
【0111】
(2)Subgroup2:R-TWTスケジュール側APのいずれのR-TWTのメンバーSTAでもなく、R-TWTチャネル競合サブフィールドを第2の状態(例えば、「0」)に設定し、R-TWTクワイエットサポートサブフィールドを第1の状態(例えば、「1」)に設定した全ての被R-TWTスケジュール側STA。
【0112】
(3)Subgroup3:R-TWTスケジュール側APのいずれのR-TWTのメンバーSTAでもなく、R-TWTチャネル競合サブフィールドを第2の状態(例えば、「0」)に設定し、R-TWTクワイエットサポートサブフィールドを第2の状態(例えば、「0」)に設定した全ての被R-TWTスケジュール側STA。
【0113】
(4)Subgroup4:被R-TWTスケジュール側STAでなく、R-TWTクワイエットサポートサブフィールドを第1の状態(例えば、「1」)に設定した全てのSTA。
【0114】
(5)Subgroup5:R-TWTxのメンバーSTAではないがR-TWTスケジュール側APの他のR-TWTのメンバーSTAであり、R-TWTチャネル競合サブフィールドを第1の状態(例えば、「1」)に設定した全ての被R-TWTスケジュール側STA。
【0115】
(6)Subgroup6:R-TWTxのメンバーSTAではないがR-TWTスケジュール側APの他のR-TWTのメンバーであり、R-TWTチャネル競合サブフィールドを第2の状態(例えば、「0」)に設定した全ての被R-TWTスケジュール側STA。
【0116】
少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、R-TWTx SP時間を使用する優先度をこれらのサブグループ間で設定することができる。一般に、複数のR-TWT動作をサポートするサブグループのSTAは、R-TWTx SP時間を使用する優先度が高くなる。残りのR-TWTx SP時間を使用するSTAの優先度は、例えばサブグループ番号順などの所望の優先順位、又は他のいずれかの所望のパターンで設定することができる。
【0117】
4.5.R-TWT SPの終了
4.3節では、被R-TWTスケジュール側STAが、そのR-TWTのメンバーシップ及びSCSトラフィックストリームなどのスケジュールされたトラフィックストリームをネゴシエートする方法について説明した。なお、R-TWTのメンバーSTAは、そのR-TWTのスケジュールされたトラフィックストリームを複数有することができる。R-TWTは、複数のR-TWTメンバーSTAを有することができる。R-TWTスケジュール側APは、R-TWTx、R-TWTy及びR-TWTzなどの複数のR-TWTを告知することができる。
【0118】
本節では、R-TWT SPを終了させる方法について説明する。本開示は、R-TWTのメンバーSTAに、これらのSTAがそのR-TWT SP中に送信すべきスケジュールされたトラフィックストリームのフレームをそれ以上有していないことを示す信号をR-TWTスケジュール側APに送信させることを可能にする。R-TWTスケジュール側APは、全てのスケジュールされたトラフィックが送信されたことを認識すると、そのR-TWTのSPの終了を示す信号を送信する。
【0119】
R-TWTスケジュール側AP及び被R-TWTスケジュール側STAは、
図27に示すようなQoS制御フィールドをQoSデータ又はQoSヌルフレームに埋め込むことができる。
【0120】
図23に、R-TWTスケジュール側APがR-TWTx SP(すなわち、R-TWTxのSP)を終了する実施形態例170を示す。説明を単純にするために、R-TWTスケジュール側APによってスケジュールされるR-TWTをR-TWTxとして示す。R-TWTスケジュール側APは、R-TWTx SP中に、R-TWTxメンバーSTAとの間でR-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームのフレームの交換を開始する(172)。なお、R-TWTxメンバーSTAは、4.3節で説明したようにR-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームをネゴシエートすることができる。
【0121】
最初に、
図23のフローチャートの概要を示す。ブロック172において、スケジュール側APは、R-TWTx SP中にR-TWTxメンバーSTAとの間でR-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームのフレームの交換を開始する。
【0122】
チェック174において、R-TWTx SPの予定終了時刻前に全てのスケジュールされたトラフィックが送信されたかどうかを判定する。全てのトラフィックが送信されていない場合、ブロック180において、スケジュール側APが予定終了時刻にR-TWTx SPを終了し、プロセスは終了することができる。
【0123】
一方で、全てのスケジュールされたトラフィックが送信されて条件が満たされた場合、ブロック176において、スケジュール側APが、R-TWTx SPの残り時間中にR-TWTxのメンバーSTAではない被R-TWTスケジュール側STAとフレームを交換する。その後、スケジュール側APは、R-TWTx SPの終了を示す信号を送信して(178)プロセスを終了する。
【0124】
以下の節では、
図23に示すやりとりのさらなる詳細を階層形態で示す。
【0125】
(a)いくつかの事例では、R-TWTスケジュール側AP及びR-TWTxメンバーSTAがR-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームのフレーム交換を開始する前に、R-TWTスケジュール側AP又はR-TWTメンバーSTAのいずれかが、フレーム交換のためのTXOPを取得するためにチャネルを求めて競合する必要がある。少なくとも1つの実施形態又はモードでは、R-TWTスケジュール側AP又はR-TWTxメンバーSTAが、そのバッファ内にR-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームのフレームが存在する場合にのみチャネルを求めて競合することができる。いくつかの事例では、R-TWTスケジュール側APが、R-TWTx SP中にR-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームのバッファを有していなくてもチャネルを求めて競合することができる。
【0126】
(b)R-TWTスケジュール側AP又はR-TWTxメンバーSTAがチャネルアクセス権を獲得すると、RTS/MU-RTSとCTSとの交換を使用してTXOPを予約することができる。少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、TXOP期間が、スケジュールされたR-TWTx SP時間(R-TWTx SPの予定終了時刻-R-TWTx SPのR-TWT予定開始時刻)以下である必要がある。少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、R-TWTx SPの予定終了時刻を超えるTXOPの予約が許可されない。TXOP中には、全てのR-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームをTXOPのプライマリACからのトラフィックとして送信することができる。
【0127】
(c)少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、被R-TWTスケジュール側STAが、R-TWTx SPと重複するTXOPを取得する予定である場合に、(MU)RTS/CTS交換を使用してそのTXOPを取得せざるを得ない。R-TWTスケジュール側APは、被R-TWTスケジュール側STAによるTXOPの取得を許可しないこのようなRTSを被R-TWTスケジュール側STAから受け取った場合、CTSに応答しないことができる。少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、R-TWTスケジュール側APが、被R-TWTスケジュール側STAからのこのようなRTSに応答して、CTSフレーム内に任意のNAVを設定する。その後、被R-TWTスケジュール側STAは、CTSフレーム内のNAVに等しいTXOPのみを取得する。
【0128】
(d)少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、R-TWTスケジュール側APが、R-TWTx SP中にR-TWTxメンバーSTAからのR-TWTxのスケジュールされたULトラフィックストリームのためのトリガーフレームを送信する。トリガーフレームは、いずれかのSTA(又は4.4節で説明したような1又は2以上のサブグループ)がUL送信に使用できるRA-RU(UORA)を含むことができる。STAにRA-RUを割り当てる優先度は、4.4節で説明したようなサブグループの優先度に従うことができる。少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、トリガーフレーム内のRA-RUが、R-TWTxのスケジュールされたULトラフィックストリームに必要な求められるTB PPDUの送信時間がそのRA-RUによって増加しない場合にのみ許可される。
【0129】
(e)少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、R-TWTスケジュール側AP及びR-TWTxメンバーSTAが、R-TWTx SP中にR-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームの送信のためのTXOPを取得するためにEDCAを使用する。EDCA TXOPが取得されると、少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、プライマリAC及び非プライマリACからのものを含むR-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームの全てのフレームをこのEDCA TXOP中に送信することができる。なお、プライマリACは、EDCAFがTXOPを取得するACに相当する。少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、R-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームのフレームをバッファ内に有するACのEDCAFのみがチャネルを求めて競合することができる。
【0130】
(f)少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、R-TWTxのブロードキャストTWTパラメータ情報フィールドの要求タイプフィールド内のトリガーフィールドがR-TWTスケジュール側APによって第1の状態(例えば、「1」)に設定されている場合、R-TWTx SP中にR-TWTスケジュール側APのみがチャネルを求めて競合することができる。このフィールドが第2の状態(例えば、「0」)に設定されている場合には、R-TWTxメンバーSTAもR-TWTx SP中にチャネルを求めて競合することができる。
【0131】
(g)少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、R-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームと同じTIDを有するフレームが存在し、これらのフレームを再送する必要があるが、これらがいずれのR-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームにも属していない場合、R-TWTスケジュール側APがR-TWTx SP中にこれらのフレームを送信する。少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、そのTIDにブロック確認応答が使用される場合に、R-TWTスケジュール側APが、同じTIDを有するR-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームのフレームよりも早くR-TWTx SP中にこれらのフレームを送信する。このことが有益である理由は、これらのフレームのシーケンス番号が割り当てられており、これらのフレームの方がR-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームのフレームよりも小さいからである。
【0132】
R-TWTスケジュール側AP及びR-TWTxメンバーSTAは、R-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームのフレーム交換を継続する。スケジュールされたトラフィックストリームは、アップリンク(UL)ストリーム、ダウンリンク(DL)ストリーム、及び/又はピアツーピア(P2P)ストリームであることができる。R-TWTスケジュール側APは、R-TWTxメンバーSTAのスケジュールされたトラフィックストリームの全てのフレームがR-TWTx SP中に送信されたかどうかを知る(決定/認識する)必要がある。なお、R-TWTxメンバーSTAのR-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームの空のバッファステータスは、スケジュールされたトラフィックストリームの全てのフレームがR-TWTx SP中に送信された旨の有効な指標でない場合もある。スケジュールされたトラフィックストリームのフレームは、後でR-TWTx SPの途中などにR-TWTxメンバーSTAに到着することもある。従って、本開示は、R-TWTxメンバーSTAのスケジュールされたトラフィックストリームの全てのフレームがR-TWTx SP中に送信されたことを明示的に示す信号を利用する一方で、空のバッファステータスレポートを使用することに依拠しない。明示的信号は、以下の形態をとることができる。
【0133】
(a)R-TWTxのスケジュールされたUL又はP2Pトラフィックストリームが存在する場合、R-TWTスケジュール側APは、
図24~
図26のフローチャートで説明するように、R-TWTx SP中に、R-TWTxのスケジュールされたUL及び/又はP2Pトラフィックストリームを有する各R-TWTxメンバーSTAから、R-TWTxのスケジュールされたUL及びP2Pトラフィックストリームの全てのフレームを送信したこと(すなわち、送信すべきR-TWTxのスケジュールされたUL及び/又はP2Pトラフィックストリームのフレームをそれ以上有していないこと)を示す信号を受け取ると予想する。R-TWTスケジュール側APは、R-TWTx SP中にR-TWTxのスケジュールされたUL及びP2Pトラフィックストリームを有する全てのR-TWTxメンバーSTAからこのような信号を受け取ると、R-TWTxのスケジュールされたUL及びP2Pトラフィックストリームの全てのフレームが送信されたと認識する。
【0134】
(b)少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、R-TWTxメンバーSTAがR-TWTx SP中に送信すべきR-TWTxのスケジュールされたUL及び/又はP2Pトラフィックストリームのフレームをそれ以上有していないことを示す信号を送信する代わりに、R-TWTスケジュール側APが、以下の2つの条件が満たされた時に、R-TWTxメンバーが送信すべきR-TWTxのスケジュールされたULトラフィック又はP2Pトラフィックストリームのさらなるフレームを有していないと認識する。
【0135】
(b)(i)R-TWTxメンバーSTAに到着すると予想される各スケジュールされたUL及びP2Pトラフィックストリームの最小量がR-TWTスケジュール側APによって受け取られる。例えば、R-TWTxのスケジュールされたUL SCSトラフィックストリームは、そのTSPEC要素内にRmin(ビット/秒)に設定された最小データレートフィールドを有する。結果としての2つのR-TWTx SPの終了時刻間の時間をt(秒)とする。すると、時間t中にR-TWTxメンバーSTAに到着すると予想されるスケジュールされたUL SCSトラフィックストリームの最小量はRmin
*t(ビット)である。R-TWTスケジュール側APは、第2のR-TWTx SPの終了前にこれらRmin
*t(ビット)のトラフィックを全て受け取るべきである。
【0136】
(b)(ii)全てのR-TWTxのスケジュールされたUL及び/又はP2Pトラフィックステームのバッファが空である。R-TWTスケジュール側APは、この情報を要求するためにBSRPを送信することができる。また、R-TWTxメンバーSTAは、R-TWTx SP中に、R-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームのバッファステータスのみをR-TWTxスケジュール側APに報告することができる。
【0137】
(b)(続き)R-TWTxの各スケジュールされたUL又はP2Pトラフィックストリームの最小量は、4.3節で説明したように計算できるR-TWTxの各スケジュールされたDLトラフィックストリームの平均量又は最大量、或いは同様の相対的尺度に置き換えることができる。
【0138】
(c)R-TWTスケジュール側APは、以下の2つの条件が満たされた時に、送信すべきスケジュールされたDLトラフィックストリームのさらなるフレームを有していないと認識することができる。
【0139】
(c)(i)R-TWTスケジュール側APに到着すると予想されるR-TWTxの各スケジュールされたDLトラフィックストリームの最小量が送信済みである。例えば、R-TWTxのスケジュールされたDL SCSトラフィックストリームは、そのTSPEC要素内にRmin(ビット/秒)に設定された最小データレートフィールドを有する。結果としての2つのR-TWTx SPの終了時刻間の時間をt(秒)とする。すると、時間t中にR-TWTスケジュール側APに到着すると予想されるスケジュールされたDLトラフィックストリームの最小量はRmin
*t(ビット)である。R-TWTスケジュール側APは、第2のR-TWTx SPの終了前にこれらRmin
*t(ビット)のトラフィックを全て送信すべきである。R-TWTスケジュール側APは、R-TWTxの複数のスケジュールされたDLトラフィックストリームを有することができる。
【0140】
(c)(ii)全てのR-TWTxのスケジュールされたDLトラフィックストリームのバッファが空である。
【0141】
(c)(続き)R-TWTxの各スケジュールされたDLトラフィックストリームの最小量は、4.3節で説明したように計算できるR-TWTxの各スケジュールされたDLトラフィックストリームの平均量又は最大量、或いは同様の相対的尺度に置き換えることができる。
【0142】
(d)チェック174において、R-TWTx SPの予定終了時刻前にR-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームの全てのフレームが送信された場合、R-TWTスケジュール側APは、R-TWT SPの残り時間中にR-TWTxメンバーSTAではない被R-TWTスケジュール側STAとフレーム176を交換することができる。これは、R-TWTxメンバーSTAではない被R-TWTスケジュール側STAのR-TWT動作のサポートに報いるためである。詳細については4.4節で説明している。
【0143】
(e)R-TWTスケジュール側APは、R-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームの全てのフレームの送信後であってR-TWTx SPの予定終了時刻前に、R-TWTx SPの終了を示す信号を送信(178)することができる。例えば、R-TWT SPの終了を示す信号は、以下のいずれかであることができる。
【0144】
(e)(i)EOSPサブフィールドが第1の状態(例えば、「1」)に等しく設定されることにより、フレームのQoS制御フィールドが
図27に示す通り又はIEEE802.11axで定められる通りであることができるQoSデータフレーム又はQoSヌルフレーム(なお、EOSPが「1」に設定されたQoSヌルフレームがブロードキャストされる必要がある)。
【0145】
(e)(ii)さらなるデータ(More Data)フィールドが第2の状態(例えば、「0」)に等しく、IEEE802.11axで定められるものと同じであることができる、(Ack又はBAフレームを含む)QoSデータフレームでもQoSヌルフレームでもないフレーム。なお、さらなるデータフィールドは、フレーム制御フィールド内、又はHT制御フィールドのCAS制御のRDG/さらなるデータフィールド内に存在することができる。この場合、さらなるデータサブフィールドが第1の状態(例えば、「1」)に設定された時には、EOSPが第2の状態(例えば、「0」)に設定された場合と同じ効果がある。さらなるデータサブフィールドが第2の状態(例えば「0」)に設定された時には、第1の状態(例えば「1」)に等しいEOSPと同じ効果がある。
【0146】
(e)(iii)R-TWT SPの終了を示すCF終了(CF-End)フレーム。
【0147】
(e)(iv)第2の状態(例えば、「0」)に等しいさらなるTF(More TF)フィールドを有し、どのR-TWTメンバーSTAにもアドレス指定されていないトリガーフレーム。
【0148】
(e)(v)R-TWT SPの終了を示すR-TWT IDと等しいTWTフロー識別フィールドを有する、IEEE802.11axで定められるTWT情報フレーム。
【0149】
(e)(vi)R-TWT SP中にさらなるデータフィールド(例えば、フレーム制御フィールド内のさらなるデータサブフィールド又はHT制御フィールドのCAS制御内のRDG/さらなるデータフィールドのいずれか)がフレーム内で第1の状態(例えば、「1」)に等しい、QoSデータフレームでもQoSヌルフレームでもないフレーム(Ack又はBAフレームを含む)。
【0150】
なお、R-TWT SP中には、さらなるデータサブフィールドが第1の状態(例えば、「1」)に設定されると、EOSPが第1の状態(例えば、「1」)に等しい場合と同じ効果がある。さらなるデータサブフィールドが第2の状態(例えば「0」)に設定された時には、EOSPが第2の状態(例えば、「0」)に等しい場合と同じ効果がある。なお、R-TWT SP外の場合には、さらなるデータフィールドを現在のIEEE802.11axの場合と同じように利用することができる。
【0151】
(f)STAは、以下の条件下でR-TWTx SPの終了を認識することができる。
【0152】
(f)(i)即時応答を要求しない、R-TWT SPの終了を示すフレーム(例えば、ブロードキャストフレーム)をR-TWTスケジュール側APから受け取った場合。
【0153】
(f)(ii)R-TWT SPの終了を示すフレームに応答して確認応答を送信する場合。なお、R-TWT SPの終了を示すフレームはR-TWTスケジュール側APによって送信される。
【0154】
(g)R-TWTxメンバーSTAでない被R-TWTスケジュール側STAは、R-TWTx SPの終了を認識した直後にチャネルを求めて競合を開始又は継続することができる。
【0155】
(h)R-TWTxメンバーSTAは、R-TWTx SPの終了を認識すると、(i)省電力モードにある場合にはスリープ状態に入り、又は(ii)直ちにチャネル競合を開始又は継続し、又は(iii)R-TWTx SPの予定終了時刻までチャネルを求めて競合することができない。
【0156】
(j)少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、R-TWTxメンバーSTAがR-TWTx SPの終了後にチャネルを求めて競合し始める時に、例えばIEEE802.11axにおけるMU-EDCA要素などのEDCAパラメータセットを利用して、R-TWTxメンバーSTAのチャネル競合プロセスを一定期間(例えば、MU-EDCAにおける各ACのMU EDCAタイマーフィールド)にわたって低速化する(遅延させる)ことができる。
【0157】
(k)R-TWTx SPの予定終了時刻までにR-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームの全てのフレームを送信できない場合、R-TWTスケジュール側AP又はR-TWTメンバーSTAは、予定終了時刻にR-TWTx SPを終了し(180)、或いは取得したTXOPを延長することによってR-TWTx SPを延長することができる。
【0158】
図24~
図26に、R-TWTxメンバーSTAがR-TWTx SP中にそのR-TWTxのスケジュールされたUL及びP2Pトラフィックストリームの全てのフレームが送信されたことを示す信号を送信するプロセスを示す。
【0159】
最初に、
図24~
図26のフローチャートの概要を示す。ブロック192において、R-TWTxメンバーSTAは、そのバッファ内にR-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームが到着するのを待つ。
【0160】
チェック194において、R-TWTx SP中に送信するためのUL及び/又はP2PトラフィックストリームをR-TWTxメンバーSTAがそのバッファ内に有しているかどうかを判定する。この条件が満たされた場合、ブロック196において、R-TWTxメンバーSTAは、そのバッファ内のR-TWTxのスケジュールされたUL又はP2Pトラフィックストリームのフレームを送信し、実行は
図25のブロック200に進む。
【0161】
ブロック200において、R-TWTxメンバーSTAがそのR-TWTxのスケジュールされたUL及びP2Pトラフィックの全てのフレームをR-TWTx SP中に送信したかどうかを判定するチェックを行う。全てのフレームが送信されていない場合、実行はブロック192に戻る。そうでなければ、全てのフレームが送信済みであるため、実行はブロック202に進み、R-TWTxメンバーSTAは、R-TWTx SP中にR-TWTxのスケジュールされたUL及びP2Pトラフィックストリームの全てのフレームを送信したことを示す信号をスケジュール側APに送信する。
【0162】
実行は判定ブロック204に到達し、R-TWTxメンバーSTAがR-TWTx SPのいずれかの終了信号を受け取ったかどうかを判定する。終了信号が受け取られた場合、ブロック206においてR-TWTx SPは終了し、R-TWTxメンバーSTAはチャネルを求めて競合することができ、又は他のトラフィックがチャネルを求めて競合することができ、プロセスは終了する。そうでなければ、ブロック208において、R-TWTxメンバーSTAは、R-TWTx SPがその予定終了時刻に終了するまでチャネルを求めて競合することができない。
【0163】
次に
図24のブロック194に戻り、ブロック194の条件が満たされない場合、判定ブロック198に到達して2つのオプション間で判定を行う。オプション2では、ブロック192に戻ってフレームの到着を待ち続け、一方でオプション1が実行されると、既に説明した
図25のブロック202に進む。
【0164】
以下、
図24~
図26に示すプロセスに関するさらなる詳細を示す。
【0165】
最初に、R-TWTxメンバーSTAは、そのバッファ内にR-TWTxのスケジュールされたUL又はP2Pトラフィックストリームが到着するのを待つ(192)。ブロック194において、R-TWTxメンバーSTAがR-TWTx SP中にそのバッファ内にR-TWTxのスケジュールされたUL又はP2Pトラフィックストリームのフレームを有していると判定された場合、R-TWTxメンバーSTAは、R-TWTx SP中にこれらのR-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームのフレームをR-TWTスケジュール側APに送信し始める(196)。なお、4.3節で説明したように、R-TWTxメンバーSTAは、R-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームをネゴシエートすることができる。このネゴシエーションは、以下のいずれかの方法で実行することができる。
【0166】
(a)いくつかの事例では、R-TWTスケジュール側AP及びR-TWTxメンバーSTAがR-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームのフレーム交換を開始する前に、R-TWTスケジュール側AP又はR-TWTxメンバーSTAのいずれかがフレーム交換のためのTXOPを取得するためにチャネルを求めて競合する必要がある。R-TWTスケジュール側AP又はR-TWTメンバーSTAがチャネルアクセス権を取得すると、RTS/MU-RTS及びCTSの交換を使用してTXOPを予約することができる。少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、TXOP期間が、スケジュールされたR-TWTx SP時間以下でなければならない。少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、R-TWTx SPの終了時刻を超えて延長するようにTXOPを予約することはできない。TXOP中には、全てのスケジュールされたトラフィックストリームをTXOPのプライマリACからのトラフィックとして送信することができる。
【0167】
(b)少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、被R-TWTスケジュール側STAが、R-TWT SPと重複するTXOPを取得する予定である場合に、(MU)RTS/CTS交換を使用してそのTXOPを取得せざるを得ない。R-TWTスケジュール側APは、被R-TWTスケジュール側STAによるTXOPの取得を許可しないこのようなRTSを被R-TWTスケジュール側STAから受け取った場合、CTSに応答しないことができる。R-TWTスケジュール側APは、被R-TWTスケジュール側STAからのこのようなRTSに応答して、CTSフレーム内に任意のNAVを設定することもできる。その後、被R-TWTスケジュール側STAは、CTSフレーム内のNAVに等しいTXOPのみを取得する。
【0168】
(c)少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、R-TWTスケジュール側AP及びR-TWTxメンバーSTAが、R-TWTx SP中にR-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームの送信のためのTXOPを取得するためにEDCAを使用する。EDCA TXOPが取得されると、いくつかの事例では、プライマリAC及び非プライマリACからのものを含むR-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームの全てのフレームをこのEDCA TXOP中に送信することができる。なお、プライマリACは、EDCAFがTXOPを取得するACに相当する。少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、R-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームをバッファ内に有するACのEDCAFのみがチャネルを求めて競合することができる。
【0169】
(d)少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、R-TWTxのブロードキャストTWTパラメータ情報フィールドの要求タイプフィールドのトリガーフィールドがR-TWTスケジュール側APによって第1の状態(例えば、「1」)に設定されている場合、R-TWTxメンバーSTAはR-TWTx SP中にチャネルを求めて競合することができない。このフィールドが第1の状態(例えば、「0」)に設定されている場合には、R-TWTxメンバーSTAもR-TWTx SP中にチャネルを求めて競合することができる。
【0170】
(e)R-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームと同じTIDを有していて再送する必要があるが、いずれのR-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームにも属していないフレームが存在する場合、R-TWTxメンバーSTAは、R-TWTx SP中にこれらのフレームを送信することができる。そのTIDにブロック確認応答が使用される場合、R-TWTxメンバーSTAは、同じTIDを有するR-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームのフレームよりも早くR-TWTx SP中にこれらのフレームを送信すべきである。この理由は、これらのフレームのシーケンス番号が割り当てられており、これらのフレームの方がR-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームのフレームよりも小さいからである。
【0171】
R-TWTxメンバーSTAは、ブロック194において、R-TWTx SP中にR-TWTxのスケジュールされたUL及び/又はP2Pトラフィックストリームのフレームをそのバッファ内に有していないと判定された場合、フレームの到着を待ち続ける(192)か、それともR-TWTx SP中にR-TWTxのスケジュールされたUL及びP2Pトラフィックストリームの全てのフレームを送信したことを示す信号をR-TWTスケジュール側APに送信する(202)か、のオプションを決定することができる(198)。すなわち、R-TWTxメンバーSTAは、R-TWTx SP中にスケジュールされたUL及び/又はP2Pトラフィックストリームのフレームのさらなる到着及び送信はないと予想する。
【0172】
R-TWTxメンバーSTAは、ブロック200において、そのバッファ内のR-TWTxのスケジュールされたUL及び/又はP2Pトラフィックストリームの全てのフレームを送信したが、R-TWTx SP中にR-TWTxのスケジュールされたUL又はP2Pトラフィックストリームのフレームがさらに到着すると予想していると判定された場合、これらのフレームの到着を待ち続けるべきである(192)。
【0173】
R-TWTxメンバーSTAは、R-TWT SP中にR-TWTx UL及び/又はP2Pトラフィックストリームの全てのフレームを送信した場合にはこのような指示を含む信号を送信し(202)、以下ではこのプロセスについてさらに概説する。
【0174】
(a)なお、R-TWTxメンバーSTAは、以下の2つの条件が満たされた場合に、送信すべきR-TWTxのスケジュールされたUL及び/又はP2Pトラフィックストリームのフレームをそれ以上有していないと認識することができる。
【0175】
(a)(i)R-TWTメンバーSTAに到着すると予想される各スケジュールされたUL及びP2Pトラフィックストリームの最小量が送信済みである。例えば、R-TWTxのスケジュールされたUL SCSトラフィックストリームは、Rmin(ビット/秒)に設定された最小データレートフィールドをTSPEC要素内に有する。2つの連続するR-TWTx SPの終了時刻間の時間をt(秒)とする。すると、時間t中にR-TWTxメンバーSTAに到着すると予想されるUL SCSトラフィックストリームの最小量はRmin
*t(ビット)である。R-TWTxメンバーSTAは、第2のR-TWTx SPの終了前にこれらのRmin
*t(ビット)のトラフィックを全て送信すべきである。R-TWTxメンバーSTAは、R-TWTxの複数のスケジュールされたUL及び/又はP2Pトラフィックストリームを有することができる。
【0176】
(a)(ii)これらのR-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームのバッファがR-TWTxメンバーSTAにおいて空である。
【0177】
(a)(続き)R-TWTxの各スケジュールされたDLトラフィックストリームの最小量は、4.3節で説明したように決定(例えば、計算)できるR-TWTxの各スケジュールされたDLトラフィックストリームの平均量又は最大量、或いは同様の相対的尺度に置き換えることができる。
【0178】
(b)少なくとも1つの実施形態では、R-TWTメンバーSTAがそのR-TWTxのスケジュールされたUL及びP2Pトラフィックストリームの全てのフレームをR-TWTx SP中に送信したことを示す信号が以下から選択される。
【0179】
(b)(i)この信号は、さらなるデータ(More Data)フィールドが第2の状態(例えば、「0」)に等しく、IEEE802.11axで定められるものと同じであることができる、(Ack又はBAフレームを含む)QoSデータフレームでもQoSヌルフレームでもないフレームであることができる。さらなるデータフィールドは、フレーム制御フィールド内、又はフレームのHT制御フィールドのCAS制御のRDG/さらなるデータフィールド内に存在することができる。さらなるデータサブフィールドが第1の状態(例えば、「1」)に設定された時には、EOSPが第2の状態(例えば、「0」)に設定された場合と同じ効果がある。さらなるデータサブフィールドが第2の状態(例えば「0」)に設定された時には、EOSPが第1の状態(例えば「1」)に設定された場合と同じ効果がある。
【0180】
(b)(ii)この信号は、
図17に示すことができるフレームのQoS制御フィールド内のEOSPサブフィールドが「1」に等しいQoSデータフレーム又はQoSヌルフレームであることができる。
【0181】
(b)(iii)この信号は、R-TWT SP中にさらなるデータフィールド(例えば、フレーム制御フィールド内のさらなるデータサブフィールド又はHT制御フィールドのCAS制御内のRDG/さらなるデータフィールドのいずれか)がフレーム内で第1の状態(例えば、「1」)に等しい、QoSデータフレームでもQoSヌルフレームでもない(Ack又はBAフレームを含む)フレームであることができる。なお、R-TWT SP中には、RDG/さらなるデータサブフィールドが第1の状態(例えば、「1」)に設定されると、EOSPが第1の状態(例えば、「1」)に設定された場合と同じ効果がある。RDG/さらなるデータサブフィールドが第2の状態(例えば「0」)に設定された時には、EOSPが第2の状態(例えば、「0」)に設定された場合と同じ効果がある。なお、R-TWT SP外の場合には、さらなるデータフィールドが現在のIEEE802.11axの場合と同じように使用されることが好ましい。
【0182】
(c)この信号がデータフレームによって伝えられる場合、このデータフレームは、R-TWTxメンバーSTAによって送信されるR-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームの最後のデータフレームであることができる。少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、この信号が、R-TWTxメンバーSTAによって送信された最後のPPDU内の全てのデータフレームによって伝えられ、例えば最後のPPDU内の全てのデータフレームは、EOSPサブフィールドを第1の状態(例えば、「1」)に設定する。そして、この信号は、最後のデータフレームを伝えるPPDU全体が正常に受け取られた時、又はPPDU内のR-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームの全てのフレームが正常に受け取られた時に、R-TWTスケジュール側APによって正常に受け取られる。少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、R-TWTx SP中に、PPDUがR-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームのフレームのみを伝えることができる。
【0183】
(d)信号が正常に送信されない場合、R-TWTxメンバーSTAは、R-TWTスケジュール側APにこの信号を再送する必要がある。
【0184】
(e)この信号は、R-TWTxメンバーSTAがそのバッファ内にR-TWTxのスケジュールされたUL又はP2Pトラフィックストリームのフレームを有しておらず、R-TWTxメンバーSTAによってR-TWTxのスケジュールされたUL及び/又はP2Pトラフィックストリームが送信される予定であるにもかかわらず、R-TWTxスケジュール側APがR-TWTx SPを終了できることを知らせる時に、R-TWTxメンバーSTAが一方的に送信することができる。
【0185】
(f)少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、R-TWTxのスケジュールされたUL及び/又はP2Pトラフィックストリームを有していないR-TWTxメンバーSTAが、R-TWTx SP中にこのような信号を送信することができない。別の実施形態/モード/事例では、R-TWTxのスケジュールされたUL及び/又はP2Pトラフィックストリームを有していないR-TWTxメンバーSTAもこのような信号を送信する必要がある。
【0186】
(g)R-TWTxメンバーSTAは、R-TWTxのスケジュールされたDLトラフィックストリームを有しておらず、省電力モードで動作している場合、R-TWTスケジュール側APに正常に信号を送信した直後にスリープモードに入る(スリープする)ことができる。
【0187】
従って、
図24~
図26で説明したように、R-TWTスケジュール側APは、全てのスケジュールされたトラフィックストリームが送信された後に、R-TWTx SPの終了を示す信号を送信することができる。R-TWTxメンバーSTAは、ブロック204においてR-TWTx SPの終了を認識していると判定されると、直ちにチャネルを求めて競合206を開始することができる。少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、R-TWTxメンバーSTAが、チャネル競合の優先度を低下させるために、一定期間にわたって異なるEDCAパラメータ設定を利用することができる。例えば、R-TWTxメンバーSTAは、R-TWTx SPの終了後にチャネル競合のためにMU-EDCAパラメータを使用する。R-TWTxメンバーSTAは、R-TWTx SPの終了時に、チャネルを求めて競合する代わりに節電のためにスリープモードに入ることもできる。そうでなければ、R-TWTxメンバーSTAは、R-TWTx SP中にR-TWTxのスケジュールされたUL及びP2Pトラフィックストリームの全てのフレームを送信した(208)ことを示す信号を送信した後に、R-TWTx SPの予定終了時刻にR-TWTx SPが終了するまでチャネルを求めて競合することができない。
【0188】
4.6.R-TWTのQoSデータ及びヌルフレーム内のQoS制御フィールド。
図27に、R-TWTのためのQoSデータ及びQoSヌルフレーム内のQoS制御フィールドの実施形態例210を示す。なお、少なくとも1つの実施形態では、QoSデータフレームが、QoSデータ+CF Ackフレームも含む。QoSデータ及びQoSヌルフレームは、予約されたフレームタイプ(例えば、IEEE802.11のフレーム制御フィールド内のタイプとサブタイプとの組み合わせ)を使用することによって、又はR-TWT SP中にフレームを送信することによって、又はR-TWTスケジュール側AP又は被R-TWTスケジュール側STAによって送信されることによって、このフレームタイプがR-TWTのためのものであることを示すことができる。QoSデータ及びQoSヌルフレームがR-TWTのためのものである場合には、
図27に示すQoS制御フィールドがフレーム内で使用される。
【0189】
TIDフィールドは、このQoS制御フィールドを伝えるフレームのデータのTIDを表すように設定される。TIDは、「0」~「7」、又は「8」~「15」、又は「0」~「15」の数に設定することができる。このフィールドは、QoSヌルフレームで送信される時にも予約することができる。
【0190】
EOSPフィールドは、被R-TWTスケジュール側STAによって、R-TWT SP中に被R-TWTスケジュール側STAがR-TWTのスケジュールされたUL及び/又はP2Pトラフィックストリームの全てのフレームを送信したかどうかを示すように設定される。このフィールドが第1の状態(例えば、「1」)に設定された場合、被R-TWTスケジュール側STAは、そのR-TWT SP中にR-TWTのスケジュールされたUL及びP2Pトラフィックストリームの全てのフレームを送信し終えている。そうでなければ、このフィールドは第2の状態(例えば、「0」)に設定され、被R-TWTスケジュール側STAは、そのR-TWT SP中にR-TWTのスケジュールされたUL及びP2Pトラフィックストリームのさらなるフレームを有している。このフィールドがQoSデータフレームで送信される場合、この情報は、スケジュールされたトラフィックストリームの全てのデータフレームがQoSデータフレームの同じPPDU(又は全PPDU)で正常に受け取られたことを示すフィードバックをR-TWTスケジュール側APが送信する際に、R-TWTスケジュール側APによって確認応答される。この情報がR-TWTスケジュール側APによって確認応答されなかった場合、被R-TWTスケジュール側STAはこの情報を再送することができる。R-TWTスケジュール側APは、このフィールドを現在のR-TWT SPの終了を示すように設定する。このフィールドが第1の状態(例えば、「1」)に設定された場合、現在のR-TWT SPは終了する。そうでなければ、このフィールドは第2の状態(例えば、「0」)に設定され、現在のR-TWT SPは終了しない。STAは、このフィールドを受け取ることによってR-TWT SPの終了を認識することができる。
【0191】
Ackポリシーインジケータ(Ack Policy Indicator)フィールドは、IEEE802.11で定められるQoS制御フィールド内のものと同一であることができる。A-MSDU存在(A-MSDU Present)フィールドは、IEEE802.11で定められるQoS制御フィールド内のものと同一であることができる。
【0192】
HT制御存在(HT Control Present)フィールドは、フレームのMACヘッダ内にHT制御フィールドが存在するかどうかを示すように設定される。このフィールドが第1の状態(例えば、「1」)に設定された場合には、HT制御フィールドが存在する。HT制御フィールドは、BSRなどのさらなる情報を伝えることができる。このフィールドが第2の状態(例えば、「0」)に設定された場合には、MACヘッダ内にHT制御フィールドが存在しない。
【0193】
4.7.R-TWTを終了する例
本節では、R-TWT SPの終了の複数の例を示す。4.3節で説明したように、R-TWTはR-TWTスケジュール側APによってスケジュールされる。被R-TWTスケジュール側STAは、R-TWTのメンバーシップを要求し、そのR-TWTのスケジュールされたSCSトラフィックストリームをネゴシエートする。
【0194】
本節の例では、R-TWTスケジュール側AP及び被R-TWTスケジュール側STAが、QoSデータ又はQoSヌルフレームに
図27に示すようなQoS制御フィールドを埋め込むことができる。
【0195】
表1に、異なるR-TWT SP中に送信されるようにスケジュールされた5つのSCSトラフィックストリームをリストする。
【0196】
SCS1は、MLD2とMLD1との間に確立される。SCS1トラフィックストリームの方向はアップリンク(MLD2からMLD1へのトラフィックフロー)である。このトラフィックストリームは、リンク1上のR-TWT1のスケジュールされたトラフィックストリームである。
【0197】
SCS2は、STA2とMLD1との間に確立される。このSCS2トラフィックストリームの方向はダウンリンク(すなわち、MLD1からSTA2へのトラフィックフロー)である。このトラフィックストリームは、リンク1上のR-TWT1のスケジュールされたトラフィックストリームである。
【0198】
SCS3は、STA2とSTA1との間に確立される。SCS3トラフィックストリームの方向はP2P(STA2からSTA1へのトラフィックフロー)である。このトラフィックストリームは、リンク1上のR-TWT2のスケジュールされたトラフィックストリームである。
【0199】
SCS4は、MLD3とMLD1との間に確立される。SCS3トラフィックストリームの方向はアップリンク(MLD3からMLD1へのトラフィックフロー)である。このトラフィックストリームは、リンク1及びリンク2上のR-TWT4のスケジュールされたトラフィックストリームである。
【0200】
SCS5は、MLD3とMLD1との間に確立される。このSCS3トラフィックストリームの方向はダウンリンク(MLD1からMLD3へのトラフィックフロー)である。このトラフィックストリームは、リンク1及びリンク2上のR-TWT5のスケジュールされたトラフィックストリームである。
【0201】
SCS6は、STA2とMLD1との間に確立される。SCS6トラフィックストリームの方向はアップリンク(STA2からMLD1へのトラフィックフロー)である。このトラフィックストリームは、リンク1上のR-TWT2のスケジュールされたトラフィックストリームである。
【0202】
本節の例は、表1に示すようなR-TWTスケジューリングに従う。この例では、
図20に示すネットワークトポロジーを使用する。
【0203】
図28に、R-TWT SPの終了を示すようにEOSPが第1の状態(例えば、「1」)に設定されたQoSヌルフレームをR-TWTスケジュール側APがブロードキャストする実施形態例230を示す。図示のSTAは、MLD1のAP1 232、STA2 234、MLD2のSTA1 236、及びその他のSTA238である。
【0204】
R-TWT1 SP240中に、AP1(R-TWTスケジュール側AP)、STA2及びSTA1(R-TWT1メンバーSTA)が、表1に示すようなSCS1及びSCS2トラフィックストリームのフレームを交換する。
【0205】
図示のように、SCS1のアップリンク(UL)送信を行うために、AP1がSTA1にBSRP242を送信してSTA1のバッファステータスを要求する。次に、STA1が、AP1にSCS1トラフィックストリームのバッファステータス244を報告する(例えば、STA1はSCS1トラフィックストリームのバッファステータスのみをBSRで報告する)。次に、AP1は、ここではSTA2へのSCS2のダウンリンク(DL)送信246として示す送信を最初に開始することができる。SCS2のDL PPDUは、現在のR-TWT1 SP中に送信すべきR-TWT1のスケジュールされたトラフィックストリームのさらなるフレームが存在することを示すように第2の状態(例えば、「0」)に設定されたEOSPを有することができる。なお、AP1は、SCS2の予想されるフレームが全てそのバッファに到着して送信されたかどうかを判定することができる。STA2は受信を確認応答する(248)。
【0206】
次に、AP1がSCS1のUL送信をトリガーする。図示のように、AP1は、SCS1のUL送信を250及び256の2回トリガーするように例示されている。SCS1の第1のUL PPDU252は、現在のR-TWT1 SP中に送信すべきさらなるUL PPDUが存在することを示す第2の状態(例えば、「0」)に設定されたEOSPを有する。SCS1の第2のUL PPDU258は、現在のR-TWT1 SP中に送信すべきR-TWT1のスケジュールされたULトラフィックストリームのフレームをSTA1がそれ以上有していないことを示す第1の状態(例えば、「1」)に設定されたEOSPを有する。AP1は、各アップリンク254及び260を確認応答(例えば、BA)する。STA1は、EOSPが第1の状態(例えば、「1」)に設定されたSCS1のUL PPDUに応答して、全てのUL送信が正常に受け取られたことを示すBAを受け取る。
【0207】
その後、R-TWT1のスケジュールされたトラフィックストリーム(すなわち、SCS1及びSCS2)の全てのフレームがR-TWT1 SPの予定終了時刻前に送信されたので、AP1は、R-TWT1 SPの終了264を示すようにEOSPが第1の状態(例えば、「1」)に設定されたQoSヌルフレーム262をブロードキャストする。このQoSヌルフレームを受け取った他のSTAは、直ちにチャネルを求めて競合を開始することができる。
【0208】
なお、図のDL PPDU及びUL PPDUは、
図27に示すようなQoS制御フィールド内のEOSPサブフィールドを有するQoSデータ又はQoSヌルフレームをフレームで伝えることが必要となり得る。1つのPPDUが複数のQoSデータ又はQoSヌルフレームを伝える場合の少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、最後のフレームのみがEOSPサブフィールドを第1の状態(例えば、「1」)に設定することができる。図示のPPDU内のEOSP設定は、これらのPPDUの最後のEOSPサブフィールド値を表す。
【0209】
少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、図のDL PPDU及びUL PPDUがQoSデータもQoSヌルフレームも伝えない。この場合、これらのフレーム内に設定すべきEOSPサブフィールドは存在しない。代わりに、4.5節で説明したように、フレーム内のさらなるデータサブフィールドを利用してEOSPサブフィールドを置き換えることができる。
【0210】
少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、R-TWTスケジュール側APによる送信のためにEOSPが第1の状態(例えば、「1」)に設定されたQoSヌルフレームが、R-TWT1 SPの終了を示すためにCF終了フレーム又はTWT情報フレームに置き換えられる。
【0211】
R-TWT SP中、R-TWTスケジュール側AP及びR-TWT1メンバーSTAは、EOSPサブフィールド又はさらなるデータサブフィールドのいずれかを使用すべきであるが、これらの両方を使用すべきではない。
【0212】
図29に、R-TWT SPの終了を示すようにEOSPが第1の状態(例えば、「1」)に設定されたQoSヌルフレームをR-TWTスケジュール側APがブロードキャストする実施形態例270を示す。前の例は、R-TWT1のブロードキャストTWTパラメータ情報フィールドの要求タイプフィールド内のトリガーフィールドがR-TWTスケジュール側APによって第1の状態(例えば、「1」)に設定された時に発生できるのに対し、この例は、R-TWT1のブロードキャストTWTパラメータ情報フィールドの要求タイプフィールド内のトリガーフィールドがR-TWTスケジュール側APによって第2の状態(例えば、「0」)に設定された時に発生することができる。図示のSTAは、MLD1のAP1 232、STA2 234、MLD2のSTA1 236、及びその他のSTA238である。
【0213】
R-TWT1 SP240中に、AP1(R-TWTスケジュール側AP)、STA2及びSTA1(R-TWT1メンバーSTA)が、表1に示すようなSCS1及びSCS2トラフィックストリームのフレームを交換する。
【0214】
図示のように、SCS1のアップリンク(UL)送信を行うために、STA1がバックオフ272を実行してチャネルを求めて競合する。STA1は、チャネルアクセス権を取得すると、SCS1のフレームを伝えるUL PPDU274及び278の送信を開始し、AP1はこれらのフレームの受信を確認応答する(276、280)。STA1は、SCS1の最後のフレームを送信する時に、そのフレーム内でEOSPを第1の状態(例えば、「1」)に設定する。AP1が、SCS1の最後のフレームを伝えるPPDUが正常に受け取られたことを示すBA280を送信すると、これにより、STA1がR-TWT1 SP中にR-TWT1のスケジュールされたUL及び/又はP2Pトラフィックストリームの全てのフレームを送信したことが示される。
【0215】
また、AP1は、R-TWT1のスケジュールされたダウンリンク(DL)トラフィックストリーム284、すなわちSCS2のフレームをSTA2に送信するためにチャネルを求めて競合する(282)。SCS2のDL PPDUは、たとえこのPPDUが正常に受け取られた後にR-TWT1のスケジュールされたトラフィックストリームの全てのフレームが送信される場合でも、R-TWT1 SPが終了しないことを示すようにEOSPを第2の状態(例えば、「0」)に設定することができる。
【0216】
SCS2のDL PPDUが正常に受け取られたことを示すBA286をSTA2が送信した後には、R-TWT1 SPの予定終了時刻までにR-TWT1のスケジュールされたトラフィックストリーム(すなわち、SCS1及びSCS2)の全てのフレームが送信済みである。その後、AP1は、R-TWT1 SPの終了を示すようにEOSPが第1の状態(例えば、「1」)に設定されたQoSヌルフレーム288をブロードキャストし、その後にR-TWT SPの予定終了時刻264が発生する。このQoSヌルフレームを受け取った他のSTAは、直ちにチャネルを求めて競合を開始することができる。
【0217】
なお、図のDL PPDU及びUL PPDUは、
図27に示すようなQoS制御フィールド内のEOSPサブフィールドを有するQoSデータ又はQoSヌルフレームをフレームで伝えることが必要となり得る。1つのPPDUが複数のQoSデータ又はQoSヌルフレームを伝える場合の少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、最後のフレームのみがEOSPサブフィールドを第1の状態(例えば、「1」)に設定する。図示のPPDU内のEOSP設定は、これらのPPDUの最後のEOSPサブフィールド値を表す。
【0218】
少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、図のDL PPDU及び/又はUL PPDUがQoSデータもQoSヌルフレームも伝えない。この場合、これらのフレーム内に設定すべきEOSPサブフィールドは存在しない。代わりに、4.5節で説明したように、フレーム内のさらなるデータサブフィールドを使用してEOSPサブフィールドを置き換えることができる。
【0219】
少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、EOSPが第1の状態(例えば、「1」)に設定されたQoSヌルフレームを、R-TWT1 SPの終了を示すためにCF終了フレーム又はTWT情報フレームに置き換えることができる。
【0220】
R-TWT SP中、R-TWTスケジュール側AP及びR-TWT1メンバーSTAは、EOSPサブフィールド又はさらなるデータサブフィールドのいずれかを使用すべきであるが、同時にこれらの両方を使用すべきではない。
【0221】
図30に、R-TWT SPの終了指示が正常に受け取られなかった実施形態例310を示す。この例では、STA2及びSTA1は省電力モードで動作しているものと仮定する。図示のSTAは先の図と同じであり、MLD1のAP1 232、STA2 234、MLD2のSTA1 236、及びその他のSTA238である。
【0222】
R-TWT1 SP240中に、AP1(R-TWTスケジュール側AP)、STA2及びSTA1(R-TWT1メンバーSTA)が、表1に示すようなSCS1及びSCS2トラフィックストリームのフレームを交換する。
【0223】
図示のように、R-TWT1 SP中にSTA1及びSTA2がアウェイクしていることを確認するために、AP1がSTA2及びSTA1にトリガーフレーム312を送信する。STA2は、自機がアウェイク中であってR-TWTスケジュール側APからR-TWT1のスケジュールされたDLトラフィックストリームを受け取る準備ができていることを示すPSポール(PS-Poll)314を送信する。STA1は、アウェイク中であることを示すためにQoSヌルフレーム316を送信する。QoSヌルフレームは、STA1側のR-TWT1のスケジュールされたトラフィックストリームのバッファを報告するBSRをHT制御フィールドで伝えることができる。AP1は、BA318でQoSヌルに応答する。
【0224】
QoSヌルフレームがHT制御フィールドでBSRを伝えていない場合、R-TWTスケジュール側APは、図示のようなSTA1におけるR-TWT1のスケジュールされたトラフィックストリームのバッファのためのBSR322をSTA1に要求するためにBSRP320を送信することができる。
【0225】
次に、AP1は、SCS1のUL送信326をトリガーする(324)。AP1は、図示のようにSCS1のUL送信を2回トリガーする。図示のように、SCS1の第1のUL PPDU326は、現在のR-TWT1 SP中に送信すべきUL PPDUがそれ以上存在しないことを示す第1の状態(例えば、「1」)に設定されたEOSPを有する。しかしながら、BA応答328によって再送が必要であることが示され、AP1は、SCS1のUL送信332のための別のトリガーフレーム330を送信する。このSCS1の第2のUL PPDU332もEOSPを第1の状態(例えば、「1」)に設定し、その応答BA334フレームはUL送信に成功したことを示す。その後、STA1は、現在のR-TWT1 SP中にR-TWT1のスケジュールされたトラフィックストリームのUL送信を終了する。STA1は省電力モードで動作しており、R-TWT1のスケジュールされたULトラフィックストリームしか有していないため、直ちにスリープすることができる。
【0226】
その後、AP1は、STA2に対してSCS2のダウンリンク(DL)送信336を開始することが分かる。SCS2のDL PPDUは、現在のR-TWT1 SP中に送信すべきR-TWT1のスケジュールされたトラフィック送信がそれ以上存在しないことを示すように第1の状態(例えば、「1」)に設定されたEOSPを有することができる。しかしながら、STA2からの応答BA338は再送が必要であることを示しており、従ってR-TWT1 SPを終了することができない。
【0227】
AP1は、EOSPが第1の状態(例えば、「1」)に設定されたSCS2の別のDL PPDU340を再送のために送信する。なお、PPDUは、再送を必要とするフレームのみを伝えればよい。STA2は、EOSPが第1の状態(例えば、「1」)に設定されたSCS2のDL PPDUが正常に受け取られたことを示すBA342を返送すると、現在のR-TWT1 SPが終了したと認識する。その後、STA2は省電力モードで動作しているため、直ちにスリープする(スリープモードに入る)ことができる。
【0228】
AP1は、EOSPが第1の状態(例えば、「1」)に設定されたQoSヌルフレーム344をブロードキャストすることができる。従って、このフレームを受け取った他のSTAはR-TWT1 SP264の終了を認識し、直ちにチャネルを求めて競合を開始することができる。
【0229】
なお、図のDL PPDU及びUL PPDUは、
図27に示すようなQoS制御フィールド内のEOSPサブフィールドを有するQoSデータ又はQoSヌルフレームをフレームで伝えることが必要となり得る。1つのPPDUが複数のQoSデータ又はQoSヌルフレームを伝える場合の少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、最後のフレームのみがEOSPサブフィールドを第1の状態(例えば、「1」)に設定することができる。図示のPPDU内のEOSP設定は、これらのPPDUの最後のEOSPサブフィールド値を表す。
【0230】
少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、図のDL PPDU及びUL PPDUがQoSデータもQoSヌルフレームも伝えない。この場合、これらのフレーム内に設定すべきEOSPサブフィールドは存在しない。代わりに、4.5節で説明したように、フレーム内のさらなるデータサブフィールドを使用してEOSPサブフィールドを置き換えることができる。
【0231】
少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、R-TWTスケジュール側APによって送信されたものとしてEOSPが第1の状態(例えば、「1」)に設定されたQoSヌルフレームを、R-TWT1 SPの終了を示すためにCF終了フレーム又はTWT情報フレームに置き換えることができる。
【0232】
R-TWT SP中、R-TWTスケジュール側AP及びR-TWT1メンバーSTAは、EOSPサブフィールド又はさらなるデータサブフィールドのいずれかを使用すべきであるが、同時にこれらの両方を使用すべきではない。
【0233】
図31に、トリガーされたTXOP共有時間をR-TWT SP中に終了するようにEOSPが第2の状態(例えば、「0」)に設定されたQoSヌルフレームをSTAが送信する実施形態例370を示す。図示のSTAは先の図と同じであり、MLD1のAP1 232、STA2 234、MLD2のSTA1 236、及びその他のSTA238である。
【0234】
R-TWT2 SP240中に、AP1(R-TWTスケジュール側AP)及びSTA2(R-TWT2メンバーSTA)が、表1に示すようなSCS3及びSCS6トラフィックストリームのフレームを交換する。
【0235】
図示のように、SCS3のP2P送信を行うために、AP1がSTA2にBSRP372を送信してSTA1のバッファステータスを要求する。次に、STA1が、AP1にSCS3トラフィックストリームのバッファステータスを報告する(例えば、STA3はSCS3トラフィックストリームのバッファステータスのみをBSR374で報告する)。次に、AP1は、SCS3のP2P送信を開始することができる。AP1は、STA2との間でTXOP時間を共有するために、IEEE802.11beで定められるようなMU-RTS TXSフレーム376を送信することができる。STA2は、MU-RTS TXSフレームに応答してCTSフレーム378を送信した後に、SCS3のP2P PPDU380及び384をSTA1に送信し始め、BA382及び386を受け取る。STA2は、P2P送信を終了した後に、トリガーされたTXOP共有の終了を示すようにEOSPが第2の状態(例えば、「0」)に設定されたQoSヌルフレーム388を送信するが、STA2は、現在のR-TWT2 SP中に送信すべきR-TWT2のスケジュールされたトラフィックストリームのさらなるフレームを有している。
【0236】
AP1は、今回はSCS6のULバッファ392を報告するBSRをSTA2に要求するためにBSRP390を送信する。次に、AP1は、SCS6のUL送信のための別のトリガーTXOP共有を開始するために別のMU-RTS TXSフレーム394を送信する。その後、STA2は、CTS396を送信した後に、STA2が現在のR-TWT2 SP中にそのR-TWT2のスケジュールされたUL及びP2Pトラフィックストリームの全てのフレーム送信を終えたことを示す第1の状態(例えば、「1」)に設定されたEOSPを有するSCS6のUL PPDU398を送信する。このEOSPは、トリガーされたTXOP共有時間の終了も示す第1の状態(例えば、「1」)に設定される。AP1は、BA400で受信を確認応答する。
【0237】
なお、AP1は、BSR内のP2PバッファとULバッファとを区別できない可能性があるため、UL PPDU送信にはトリガーフレームの代わりにMU-RTS TXSフレームを使用する。R-TWT2のスケジュールされたP2Pトラフィックストリームが存在するので、AP1は、トリガーされたTXOP共有を開始するためにMU-RTS TXSフレームを使用する。すなわち、R-TWT SP中にP2Pトラフィック及びULトラフィックの両方がスケジュールされている場合、R-TWTスケジュール側APは、P2Pトラフィック及びULトラフィックをトリガーするためにMU-RTS TXSフレームを使用すべきである。
【0238】
次に、R-TWT2のスケジュールされたトラフィックストリーム(すなわち、SCS3及びSCS6)の全てのフレームがR-TWT2 SPの予定終了時刻前に送信されたので、AP1は、R-TWT2 SP264の終了を示すようにEOSPが第1の状態(例えば、「1」)に設定されたQoSヌルフレーム402をブロードキャストする。このQoSヌルフレームを受け取った他のSTAは、直ちにチャネルを求めて競合を開始することができる。
【0239】
なお、図のUL PPDUは、
図27に示すようなQoS制御フィールド内のEOSPサブフィールドを有するQoSデータ又はQoSヌルフレームをフレームで伝えることが必要となり得る。1つのPPDUが複数のQoSデータ又はQoSヌルフレームを伝える場合の少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、最後のフレームのみがEOSPサブフィールドを第1の状態(例えば、「1」)に設定することができる。図示のPPDU内のEOSP設定は、これらのPPDUの最後のEOSPサブフィールド値を表す。
【0240】
少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、図のUL PPDUがQoSデータ又はQoSヌルフレームを伝えない。この場合、これらのフレーム内に設定すべきEOSPサブフィールドは存在しない。代わりに、4.5節で説明したように、フレーム内のさらなるデータサブフィールドを利用してEOSPサブフィールドを置き換えることができる。
【0241】
少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、EOSPが第1の状態(例えば、「1」)に設定されたQoSヌルフレームを、R-TWT1 SPの終了を示すためにCF終了フレーム又はTWT情報フレームに置き換えることができる。
【0242】
R-TWT SP中、R-TWTスケジュール側AP及びR-TWT1メンバーSTAは、EOSPサブフィールド又はさらなるデータサブフィールドのいずれかを使用すべきであるが、これらの両方を使用すべきではない。
【0243】
STAは、トリガーされたTXOP共有を終了するための信号をいつでも使用することができ、この信号はR-TWT SPのみに限定されない。少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、EOSPを有するQoSヌルフレームがフィードバックのためのAck/BAを要求する。
【0244】
なお、1つのMU-RTS TXSフレームによってトリガーされたTXOP共有時間中には、MU-RTS TXSフレームの対象受信者であるSTAが、トリガーされたTXOP共有時間間隔中にいずれかの所望の数のPPDUを送信することができる。
【0245】
図32に、R-TWT SP中にトリガーされたTXOP共有時間を終了するようにEOSPが第1の状態(例えば、「1」)に設定されたQoSヌルフレームをSTAが送信する実施形態例430を示す。この例には、STAがR-TWT SP中にトリガーされたTXOP共有時間を終了するために空のバッファを報告するBSRを伝えるフレームを送信する事例も示す。図示のSTAは先の図と同じであり、MLD1のAP1 232、STA2 234、MLD2のSTA1 236、及びその他のSTA238である。
【0246】
R-TWT2 SP240中に、AP1(R-TWTスケジュール側AP)及びSTA2(R-TWT2メンバーSTA)が、表1に示すようなSCS3及びSCS6のトラフィックストリームのフレームを交換する。
【0247】
図示のように、SCS3及びSCS6のP2P送信及び/又はUL送信を行うために、AP1がSTA2にBSRP432を送信してSTA1のバッファステータスを要求する。次に、STA1が、AP1にバッファステータス(BSR)434を報告することができる(例えば、STA3はSCS3及びSCS6トラフィックストリームのバッファステータスのみをBSRで報告することができる)。次に、AP1は、STA2との間でTXOP時間を共有するために、IEEE802.11beで定められるようなMU-RTS TXSフレーム436を送信することができる。STA2は、MU-RTS TXSフレームに応答してCTSフレーム438を送信した後に、SCS6のUL PPDU440をAP1に送信し始める。UL PPDUは、バッファが空であることを示すBSRを含む。次に、このUL PPDUを使用して、トリガーされたTXOP共有は終了したが、R-TWT2 SP中に送信すべきR-TWT2のスケジュールされたトラフィックストリームのフレームをSTA2がさらに有していることを示すことができる。AP1は、SCS6のUL PPDUを正常に受け取った後にBAフレーム442で応答して、トリガーされたTXOP共有を終了する。
【0248】
その後、AP1は、STA2にBSRを要求するためにBSRP444を送信し、STA2は、今回はバッファ内にR-TWT2のスケジュールされたトラフィックストリームのフレームがさらに存在することを報告するBSRフレームと共にそのバッファ状態446を報告する。次に、AP1は、別のMU-RTS TXSフレーム448を送信して別のトリガーTXOP共有を開始し、STA3はこれを使用して、図示のようにSCS3のP2P送信をSTA1に送信する。STA2は、CTS450を送信した後にP2P送信452を開始する。STA2は、P2P送信が完了してSTA1からBA454を受け取った後に、EOSPが第1の状態(例えば、「1」)に設定されたQoSヌルフレーム456をAP1に送信する。このQoSヌルフレームは、STA2が現在のR-TWT2 SP中にR-TWT2のスケジュールされたUL及びP2Pトラフィックストリームの全てのフレームの送信を完了したことを示す。なお、AP1は、BSR内のP2PバッファとULバッファとを区別できない可能性があるため、UL PPDU送信にはトリガーフレームの代わりにMU-RTS TXSフレームを使用する。R-TWT2のスケジュールされたP2Pトラフィックストリームが存在するので、AP1は、トリガーされたTXOP共有を開始するためにMU-RTS TXSフレームを使用する。すなわち、R-TWT SP中にP2Pトラフィック及びULトラフィックの両方がスケジュールされている場合、R-TWTスケジュール側APは、P2Pトラフィック及びULトラフィックをトリガーするためにMU-RTS TXSフレームを使用すべきである。
【0249】
次に、R-TWT2のスケジュールされたトラフィックストリーム(すなわち、SCS3及びSCS6)の全てのフレームがR-TWT2 SPの予定終了時刻前に送信されたので、AP1は、R-TWT2 SP264の終了を示すようにEOSPが第1の状態(例えば、「1」)に設定されたQoSヌルフレーム458をブロードキャストする。このQoSヌルフレームを受け取った他のSTAは、直ちにチャネルを求めて競合を開始できると認識することができる。
【0250】
なお、図のUL PPDUは、
図27に示すようなQoS制御フィールド内のEOSPサブフィールドを有するQoSデータ又はQoSヌルフレームをフレームで伝えることが必要となり得る。1つのPPDUが複数のQoSデータ又はQoSヌルフレームを伝える場合の少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、最後のフレームのみがEOSPサブフィールドを第1の状態(例えば、「1」)に設定することができる。図示のPPDU内のEOSP設定は、これらのPPDUの最後のEOSPサブフィールド値を表す。
【0251】
少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、図のUL PPDUがQoSデータもQoSヌルフレームも伝えない。この場合、これらのフレーム内に設定すべきEOSPサブフィールドは存在しない。代わりに、4.5節で説明したように、フレーム内のさらなるデータサブフィールドを利用してEOSPサブフィールドを置き換えることができる。
【0252】
少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、EOSPが第1の状態(例えば、「1」)に設定されたQoSヌルフレームを、R-TWT1 SPの終了を示すためにCF終了フレーム又はTWT情報フレームに置き換えることができる。
【0253】
R-TWT SP中、R-TWTスケジュール側AP及びR-TWT1メンバーSTAは、EOSPサブフィールド又はさらなるデータサブフィールドのいずれかを使用すべきであるが、同時にこれらの両方を使用すべきではない。
【0254】
STAは、トリガーされたTXOP共有を終了するための信号をいつでも利用することができ、この信号はR-TWT SPでの使用に限定されない。少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、EOSPを有するQoSヌルフレームがフィードバックのためのAck/BAとして機能する。
【0255】
なお、1つのMU-RTS TXSフレームによってトリガーされたTXOP共有時間中には、MU-RTS TXSフレームの対象受信者であるSTAが、トリガーされたTXOP共有時間内に収まるいずれかの所望の数のPPDUを送信することができる。
【0256】
図33に、R-TWTスケジュール側APがR-TWT SP中にR-TWTメンバーSTAではない被R-TWTスケジュール側STAの送信を手配する実施形態例470を示す。図示のSTAは先の図と同じであり、MLD1のAP1 232、STA2 234、MLD2のSTA1 236、及びその他のSTA238である。
【0257】
この例は、UL送信後に実行される内容を除き、
図28に示す例と同様である。
【0258】
R-TWT1 SP240中に、AP1(R-TWTスケジュール側AP)、STA2及びSTA1(R-TWT1メンバーSTA)が、表1に示すようなSCS1及びSCS2トラフィックストリームのフレームを交換する。SCS1のアップリンク(UL)送信を行うために、AP1がSTA1にBSRP472を送信してSTA1のバッファステータスを要求する。次に、STA1が、AP1にSCS1トラフィックストリームのバッファステータス474を報告する(例えば、STA1はSCS1トラフィックストリームのバッファステータスのみをBSRで報告する)。次に、AP1は、ここではSTA2へのSCS2のダウンリンク(DL)送信476として示す送信を最初に開始することができる。SCS2のDL PPDUは、現在のR-TWT1 SP中に送信すべきR-TWT1のスケジュールされたトラフィックストリームのフレームがさらに存在することを示すように第2の状態(例えば、「0」)に設定されたEOSPを有することができる。なお、AP1は、SCS2の予想されるフレームが全てそのバッファに到着して送信されたかどうかを判定することができる。STA2は受信を確認応答する(478)。
【0259】
次に、図示のように、AP1はSCS1のUL送信を480及び486の2回トリガーする。SCS1の第1のUL PPDU482は、現在のR-TWT1 SP中に送信すべきUL PPDUがさらに存在することを示す第2の状態(例えば、「0」)に設定されたEOSPを有する。SCS1の第2のUL PPDU488は、現在のR-TWT1 SP中に送信すべきR-TWT1のスケジュールされたULトラフィックストリームのフレームをSTA1がそれ以上有していないことを示す第1の状態(例えば、「1」)に設定されたEOSPを有する。AP1は、各アップリンク484及び490を確認応答(例えば、BA)する。
【0260】
図28との違いは、R-TWT1のスケジュールされたトラフィックストリーム(すなわち、SCS1及びSCS2)の全てのフレームがR-TWT1 SPの予定終了時刻前に送信された時に発生する。
図28に示すようにEOSPが第1の状態(例えば、「1」)に設定されたQoSヌルフレームを送信するのではなく、
図33では、AP1がSTA3からのUL送信494をトリガーするためのベーシックトリガーフレーム492をSTA3に送信し、スケジュールされたR-TWT1 SPの終了時にBA496で応答する。トリガー492を送信する際には、AP1がSTA3のバッファステータスを決定しているものと仮定する。
【0261】
少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、AP1が、STA3からのUL送信をトリガーする前に、STA3のバッファステータスを要求するためにBSRPを送信する。その後、STA3は、ベーシックトリガーフレームによってトリガーされたUL PPDUをAP1に送信することができる。なお、STA3は、R-TWT1 SPのメンバーではない被R-TWTスケジュール側STAである。少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、AP1が、現在のR-TWT SPのメンバーではない被R-TWTスケジュール側STAの送信のみを手配することができる。すなわち、例えばAP1は、STA6のいかなる送信もトリガーすべきではない。
【0262】
なお、R-TWT非メンバーSTAのみに送信されるベーシックトリガーフレームは、現在のR-TWT SPの終了を示すことができる。ベーシックトリガーフレームは、現在のR-TWT SPの終了を示すために、そのさらなるTFフィールドを第2の状態(例えば、「0」)に等しく設定する必要があり得る。例えば、AP1は、R-TWT1の非メンバーSTAに複数のベーシックトリガーフレームを送信することができる。最後のベーシックトリガーフレームは、さらなるTFフィールドを第2の状態(例えば、「0」)に設定し、他のベーシックトリガーフレームは、さらなるTFフィールドを第1の状態(例えば、「1」)に設定すべきである。
【0263】
R-TWTスケジュール側APとR-TWT非メンバーSTAとの間のフレーム交換は、R-TWT SPの予定終了時刻前に完了又は別様に終了しなければならない。
【0264】
図34に、R-TWTスケジュール側APがR-TWT SP中にスケジュールされたULトラフィックの到着を待つ実施形態例530を示す。R-TWT1 SP中に、AP1(R-TWTスケジュール側AP)、STA2及びSTA1(R-TWT1メンバーSTA)は、表1に示すようなSCS1及びSCS2トラフィックストリームのフレームを交換する。図示のSTAは先の図と同じであり、MLD1のAP1 232、STA2 234、MLD2のSTA1 236、及びその他のSTA238である。
【0265】
図示のように、SCS1のアップリンク(UL)送信を行うために、AP1がSTA1にBSRP532を送信してSTA1のバッファステータスを要求する。次に、STA1が、AP1にSCS1トラフィックストリームのバッファステータス534を報告することができる(例えば、STA1は、SCS1トラフィックストリームのバッファステータスのみをBSRで報告する)。しかしながら、この事例では、STA1が、そのバッファステータスが空であることを報告する(534)。この時点で、スケジュールされたトラフィックストリームSCS1のフレームはSTA1に到着していない。
【0266】
次に、AP1は、STA2に対してSCS2のダウンリンク(DL)送信536及び540を開始し、BA538及び542を受け取る。SCS2のDL PPDUは、現在のR-TWT1 SP中に送信すべきR-TWT1のスケジュールされたトラフィックストリームのフレームがさらに存在することを示すように第2の状態(例えば、「0」)に設定されたEOSPを有することができる。なお、AP1は、SCS2の全ての予想されるフレームがそのバッファに到着して送信されたかどうかを判定/認識することができる。
【0267】
次に、AP1は、STA1のバッファステータスを要求するために別のBSRP544を送信し、STA1は、自機のバッファが空でないことを示すBSRフレーム546で応答する。すなわち、スケジュールされたトラフィックストリームSCS1のフレームがSTA1に到着済みである。AP1は、SCS1のUL送信をトリガーする。図示のように、AP1は、SCS1のUL送信を1回(1度)のみトリガーする。図示のように、SCS1のUL PPDU550は、現在のR-TWT1 SP中にR-TWT1のスケジュールされたULトラフィックストリームのフレーム送信をSTA1が終了することを示す、第1の状態(例えば、「1」)に設定されたEOSPを有する。AP1は、BA552を送信することによってUL PPDU550の受信を確認応答する。
【0268】
SCS1のUL送信終了後には、R-TWT1 SP中にスケジュールされたトラフィックストリームの全てのフレームが送信されている。AP1は、R-TWT1 SPの終了を示すために、EOSPが第1の状態(例えば、「1」)に設定されたQoSヌルフレーム554をブロードキャストする。このQoSヌルフレームを受け取った他のSTAは、直ちにチャネルを求めて競合を開始することができる。
【0269】
なお、図のDL PPDU及びUL PPDUは、
図27に示すようなQoS制御フィールド内のEOSPサブフィールドを有するQoSデータ又はQoSヌルフレームをフレームで伝えることが必要となり得る。1つのPPDUが複数のQoSデータ又はQoSヌルフレームを伝える場合の少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、最後のフレームのみがEOSPサブフィールドを第1の状態(例えば、「1」)に設定することができる。図示のPPDU内のEOSP設定は、これらのPPDUの最後のEOSPサブフィールド値を表す。
【0270】
少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、図のDL PPDU及びUL PPDUがQoSデータもQoSヌルフレームも伝えないことにより、これらのフレーム内に設定すべきEOSPサブフィールドは存在しない。代わりに、4.5節で説明したように、フレーム内のさらなるデータサブフィールドを利用してEOSPサブフィールドを置き換えることができる。
【0271】
少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、R-TWT1 SPの終了を示すために、EOSPが第1の状態(例えば、「1」)に設定されたQoSヌルフレームをCF終了フレーム又はTWT情報フレームに置き換えることができる。
【0272】
R-TWT SP中、R-TWTスケジュール側AP及びR-TWT1メンバーSTAは、EOSPサブフィールド又はさらなるデータサブフィールドのいずれかを使用すべきであるが、同時にこれらの両方を使用すべきではない。
【0273】
図35に、R-TWTのスケジュールされたトラフィックストリームのフレームをそれ以上送信する予定でない場合にR-TWTスケジュール側APがR-TWT SPを終了する実施形態例570を示す。R-TWT1 SP中に、AP1(R-TWTスケジュール側AP)、STA2及びSTA1(R-TWT1メンバーSTA)は、表1に示すようなSCS1及びSCS2トラフィックストリームのフレームを交換する。図示のSTAは先の図と同じであり、MLD1のAP1 232、STA2 234、MLD2のSTA1 236、及びその他のSTA238である。
【0274】
図示のように、SCS1のアップリンク(UL)送信を行うために、AP1がSTA1にBSRP532を送信してSTA1のバッファステータスを要求する。次に、STA1が、AP1にSCS1トラフィックストリームのバッファステータスを報告することができる(例えば、STA1は、SCS1トラフィックストリームのバッファステータスのみをBSRで報告する)。しかしながら、今回は、STA1が、バッファステータスが空であることを報告する(534)。スケジュールされたトラフィックストリームSCS1のフレームは未だSTA1に到着していない。
【0275】
次に、AP1は、STA2に対してSCS2のダウンリンク(DL)送信を開始することができる。SCS2のDL PPDUは、現在のR-TWT1 SP中に送信すべきR-TWT1のスケジュールされたトラフィックストリームのフレームがさらに存在することを示すようにEOSPが第2の状態(例えば、「0」)に設定されたSCS2フレームを有することができる。なお、AP1は、SCS2の全てのフレームがそのバッファに到着して送信されているかどうかを判定/認識する。従って、異なる局への複数のDL送信536及び540が実行され、確認応答される(538及び574)。なお、DL PPDU540は、送信すべきSCS2の最後のDL PPDU572である。
【0276】
次に、AP1は、STA1のバッファステータスを要求するために別のBSRP576を送信し、STA1は、自機のバッファが依然として空であることを示すBSRフレーム578で応答する。
【0277】
送信すべきR-TWT1のスケジュールされたトラフィックストリームのフレームがバッファに存在しないので、AP1は、R-TWT1 SPの終了264を示すようにEOSPが第1の状態(例えば、「1」)に設定されたQoSヌルフレーム580をブロードキャストする。他のSTAは、このQoSヌルフレームを受け取ると、直ちにチャネルを求めて競合を開始できると認識する。
【0278】
なお、図のDL PPDUは、
図27に示すようなQoS制御フィールド内のEOSPサブフィールドを有するQoSデータ又はQoSヌルフレームを伝えることが必要となり得る。1つのPPDUが複数のQoSデータ又はQoSヌルフレームを伝える場合の少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、最後のフレームのみがEOSPサブフィールドを第1の状態(例えば、「1」)に設定すべきである。図示のPPDU内のEOSP設定は、これらのPPDUの最後のEOSPサブフィールド値を表す。
【0279】
少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、図のDL PPDUが、QoSデータ又はQoSヌルフレームを送信せず、従ってこれらのフレーム内に設定すべきEOSPサブフィールドは存在しない。代わりに、4.5節で説明したように、フレーム内のさらなるデータサブフィールドを使用してEOSPサブフィールドを置き換えることができる。
【0280】
少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、R-TWT1 SPの終了を示すために、EOSPが第1の状態(例えば、「1」)に設定されたQoSヌルフレームをCF終了フレーム又はTWT情報フレームに置き換えることができる。
【0281】
R-TWT SP中、R-TWTスケジュール側AP及びR-TWT1メンバーSTAは、EOSPサブフィールド又はさらなるデータサブフィールドのいずれかを使用すべきであるが、これらの両方を使用すべきではない。
【0282】
図36に、R-TWTスケジュール側APが、スケジュールされたトラフィックの到着を待っている時にR-TWT非メンバーSTAとフレームを交換する実施形態例630を示す。R-TWT1 SP中に、AP1(R-TWTスケジュール側AP)、STA2及びSTA1(R-TWT1メンバーSTA)が、表1に示すようなSCS1及びSCS2トラフィックストリームのフレームを交換する。図示のSTAは先の図と同じであり、MLD1のAP1 232、STA2 234、MLD2のSTA1 236、及びその他のSTA238である。
【0283】
図示のように、SCS1のアップリンク(UL)送信を行うために、AP1がSTA1にBSRP532を送信してSTA1のバッファステータスを要求する。次に、STA1が、AP1にSCS1トラフィックストリームのバッファステータスを報告することができる(例えば、STA1は、SCS1トラフィックストリームのバッファステータスのみをBSRで報告する)。しかしながら、この事例では、STA1が、そのバッファステータス534が空であることを報告する。スケジュールされたトラフィックストリームSCS1のフレームはSTA1に到着していない。
【0284】
次に、AP1は、STA2に対してSCS2のダウンリンク(DL)送信536及び540を開始し、確認応答(BA)538及び632を受け取っていることが分かる。なお、DL PPDU540は、送信すべきSCS2の最後のDL PPDUである(572)。SCS2のDL PPDUは、現在のR-TWT1 SP中に送信すべきR-TWT1のスケジュールされたトラフィックストリームのフレームがさらに存在することを示すように第2の状態(例えば、「0」)に設定されたEOSPを有することができる。なお、AP1は、SCS2の全ての予想されるフレームがそのバッファに到着して送信されているかどうかを判定/認識する。
【0285】
次に、AP1は、STA1のバッファステータスを要求するために別のBSRP634を送信し、STA1は、そのバッファが依然として空であることを示すBSRフレーム636で応答する。
【0286】
送信すべきR-TWT1のスケジュールされたトラフィックストリームのフレームがそれ以上バッファに存在しないので、AP1は、被R-TWTスケジュール側STAであってR-TWTメンバーSTAではないSTA3にDL PPDU638を送信する。AP1は、STA3へのDL送信を終了してBA640を受け取った後に、バッファ報告のためにSTA1に別のBSRP642を送信する。今回、STA1はSCS1のバッファを報告(BSR)し(644)、AP1は、SCS1のUL送信648をトリガーするために直ちにベーシックトリガー646を送信する。SCS1のUL PPDUは1つしか存在せず、STA1は、UL PPDUの最後のMPDU内のEOSPフィールドを第1の状態(例えば、「1」)に設定する。AP1が、SCS1のUL PPDUが正常に送信されたことを示すBA650を送信すると、R-TWT1 SPは終了するが、このBAは、T-TWT1 SPの予定終了時刻264後に送信される。
【0287】
また、この例には、R-TWT SPの予定終了時刻までにそのR-TWTのスケジュールされたトラフィックストリームの全てのフレームを送信できない場合にR-TWT SPを延長できる可能性も示す。例えば、図示のようにR-TWT1 SPが予定終了時刻よりも遅れて終了している。TXOP所有者は、R-TWT SPを延長して現在のTXOPを延ばすことができる。例えば、図示のように、AP1が送信した最後のトリガーフレームによってTXOPを延長することができる。
【0288】
なお、図のDL PPDU及びUL PPDUは、
図27に示すようなQoS制御フィールド内のEOSPサブフィールドを有するQoSデータ又はQoSヌルフレームをフレームで伝えることが必要となり得る。1つのPPDUが複数のQoSデータ又はQoSヌルフレームを伝える場合の少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、最後のフレームのみがEOSPサブフィールドを第1の状態(例えば、「1」)に設定することができる。図示のPPDU内のEOSP設定は、これらのPPDUの最後のEOSPサブフィールド値を表す。
【0289】
少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、図のDL PPDU及びUL PPDUがQoSデータもQoSヌルフレームも伝えないことにより、これらのフレーム内に設定すべき関連するEOSPサブフィールドは存在しない。代わりに、4.5節で説明したように、フレーム内のさらなるデータサブフィールドを利用してEOSPサブフィールドを置き換えることができる。
【0290】
少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、R-TWT1 SPの終了を示すために、EOSPが第1の状態(例えば、「1」)に設定されたQoSヌルフレームをCF終了フレーム又はTWT情報フレームに置き換えることができる。
【0291】
R-TWT SP中、R-TWTスケジュール側AP及びR-TWT1メンバーSTAは、EOSPサブフィールド又はさらなるデータサブフィールドのいずれかを使用すべきであるが、同時にこれらの両方を使用すべきではない。
【0292】
図37に、各リンク上のマルチリンクR-TWT SPの終了の実施形態例670を別々に示す。この例では、R-TWTスケジュール側APが、1つのリンク上で信号を送信してそのリンク上のマルチリンクR-TWT SPを終了させる。STA例は、MLD3 672のSTA3 676及びSTA5 678、並びにMLD1 674のAP1 680及びAP2 682として示す。
【0293】
図示のように、R-TWTスケジュール側AP MLD1からR-TWT4 684が告知され、リンク1及びリンク2の両方でR-TWT4 SPがスケジュールされる。4.3節で説明したように、複数のリンク上のR-TWTは、1つのTWT要素内の同じR-TWT ID及び異なるリンクIDを有する複数のブロードキャストTWTパラメータセットフィールドによって示すことができる。例えば、AP MLD1は、R-TWT IDがR-TWT4に設定されてリンクIDがリンク1に設定された1つのブロードキャストTWTパラメータセットフィールドと、R-TWT IDがR-TWT4に設定されてリンクIDがリンク2に設定された他のブロードキャストTWTパラメータセットフィールドとをビーコンフレームのTWT要素内に有することによって、リンク1及びリンク2上のR-TWT4 SPを告知することができる。被R-TWTスケジュール側STAは、R-TWT IDがR-TWT4に設定されてリンクIDがリンク1に設定された1つのブロードキャストTWTパラメータセットフィールドと、R-TWT IDがR-TWT4に設定されてリンクIDがリンク2に設定された他のブロードキャストTWTパラメータセットフィールドとをTWT要素が有するTWT設定フレームをリンク1上又はリンク2上で送信することによって、リンク1及びリンク2上のR-TWT4 SPのメンバーシップを要求することができる。
【0294】
R-TWTスケジュール側STAは、R-TWT IDがR-TWT4に設定されてリンクIDがリンク1に設定された1つのブロードキャストTWTパラメータセットフィールドと、R-TWT IDがR-TWT4に設定されてリンクIDがリンク2に設定された他のブロードキャストTWTパラメータセットフィールドとをTWT要素が有するTWT設定フレームをリンク1又はリンク2上で送信することによって、リンク1及びリンク2上のR-TWT4 SPのメンバーシップ要求に応答することができる。少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、R-TWTのメンバーシップを要求するTWT設定フレーム、及びメンバーシップ要求に応答するTWT設定フレームを、異なるリンクを介して送信することができる。
【0295】
また、非AP MLD3は、R-TWT4のメンバーシップを要求する場合、SCS5及びSCS4がR-TWT4のスケジュールされたトラフィックストリームであることを示すことができる。R-TWT4のSP中には、MLD1(R-TWTスケジュール側AP)に所属するAP1及びAP2と、MLD3に所属するSTA3及びSTA5(R-TWT4メンバーSTA)とが、表1に示すようなSCS4及びSCS5トラフィックストリームのフレームを交換する。
【0296】
図示のように、SCS4のアップリンク(UL)送信を行うために、AP1及びAP2は、それぞれSTA3及びSTA5にBSRP686及び688を送信してバッファステータス情報を要求する。STA3及びSTA5は、リンク1上及びリンク2上での送信のためにそれぞれAP1及びAP2にトリガーするように要求しているバッファを示すためにバッファを報告することができる。SCS4はリンク1及びリンク2を介して送信することができるが、いくつかの事例では、STA3がSCS4のバッファステータス690を報告できる一方で、STA5は、EOSPが第1の状態(例えば、「1」)に設定されたQoSヌルフレーム692で空のバッファを報告することができる。
【0297】
AP1は、STA3から受け取られたバッファ報告に従って、リンク1上のSCS4のUL送信698として示す送信をトリガー(ベーシックトリガー694)することができる。AP2は、リンク2上のR-TWT4 SP中にSTA5がUL送信を有していないと判定/認識する。なお、MLD3は、2つのリンク上でどのようにバッファを報告するかを決定することができる。
【0298】
STA3は、STA3がリンク1上の現在のR-TWT4 SP中にR-TWT4のスケジュールされたULトラフィックストリームの全てのフレームを終了したことを示すようにEOSPが第1の状態(例えば、「1」)に設定されたSCS4のUL PPDU698を送信する。
【0299】
次に、AP1は、STA3からBA702を受け取った後に、リンク1上でSCS5のDL送信706を開始することができる。AP1は、SCS5の全てのDL送信をリンク1上で送信してBA712を受け取った後に、リンク1上のR-TWT4の終了716を示すようにEOSPが第1の状態(例えば、「1」)に設定されたQoSヌルフレーム714をブロードキャストする。
【0300】
再びリンク2を参照すると、AP2は、ベーシックトリガー694を受け取った後に、STA5からのバッファレポートに従ってリンク2上でのSCS5のUL送信をトリガーしないことが分かる。STA5は、リンク2上の現在のR-TWT4 SP中に送信すべきR-TWT4のスケジュールされたトラフィックストリームのフレームがさらに存在することを示すように第2の状態(例えば、「0」)に設定されたEOSPを有することができるSCS5のDL PPDU696及び704を送信し、AP2からBA700及び708を受け取る682。その後、AP2は、リンク2上でのR-TWT4 SPの終了を示すようにEOSPが第1の状態(例えば、「1」)に設定されたQoSヌルフレーム710をブロードキャストする。
【0301】
なお、図のDL PPDU及びUL PPDUは、
図27に示すようなQoS制御フィールド内のEOSPサブフィールドを有するQoSデータ又はQoSヌルフレームを伝えることが必要となり得る。1つのPPDUが複数のQoSデータ又はQoSヌルフレームを伝える場合の少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、最後のフレームのみがEOSPサブフィールドを第1の状態(例えば、「1」)に設定することができる。図示のPPDU内のEOSP設定は、これらのPPDUの最後のEOSPサブフィールド値を表す。
【0302】
少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、図示のようなDL PPDU及びUL PPDUがQoSデータ又はQoSヌルフレームを伝えず、従ってこれらのフレーム内に設定すべきEOSPサブフィールドは存在しない。代わりに、4.5節で説明したように、フレーム内のさらなるデータサブフィールドを使用してEOSPサブフィールドを置き換えることができる。
【0303】
少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、EOSPが第1の状態(例えば、「1」)に設定されたQoSヌルフレームを、R-TWT1 SPの終了を示すためにCF終了フレーム又はTWT情報フレームに置き換えることができる。
【0304】
R-TWT SP中、R-TWTスケジュール側AP及びR-TWT1メンバーSTAは、EOSPサブフィールド又はさらなるデータサブフィールドのいずれかを使用すべきであるが、同時にこれらの両方を使用すべきではない。
【0305】
図38に、1つのリンク上のML R-TWT SPの終了の実施形態例770を示す。この例では、R-TWTスケジュール側APが、異なるリンク上でスケジュールされている同じR-TWTのSPを終了させる信号を1つのリンク上で送信する。
【0306】
図示のSTAは先の図と同じであり、MLD3 672のSTA3 676及びSTA5 678、並びにMLD1 674のAP1 680及びAP2 682である。
【0307】
図示のように、R-TWTスケジュール側AP MLD1からR-TWT4が告知され(684)、リンク1及びリンク2の両方でR-TWT4 SPがスケジュールされる。4.3節で説明したように、複数のリンク上のR-TWTは、1つのTWT要素内の同じR-TWT ID及び異なるリンクIDを有する複数のブロードキャストTWTパラメータセットフィールドによって示すことができる。例えば、AP MLD1は、R-TWT IDがR-TWT4に設定されてリンクIDがリンク1に設定された1つのブロードキャストTWTパラメータセットフィールドと、R-TWT IDがR-TWT4に設定されてリンクIDがリンク2に設定された他のブロードキャストTWTパラメータセットフィールドとをビーコンフレームのTWT要素内に有することによって、リンク1及びリンク2上のR-TWT4 SPを告知することができる。被R-TWTスケジュール側STAは、R-TWT IDがR-TWT4に設定されてリンクIDがリンク1に設定された1つのブロードキャストTWTパラメータセットフィールドと、R-TWT IDがR-TWT4に設定されてリンクIDがリンク2に設定された他のブロードキャストTWTパラメータセットフィールドとをTWT要素が有するTWT設定フレームをリンク1上又はリンク2上で送信することによって、リンク1及びリンク2上のR-TWT4 SPのメンバーシップを要求することができる。R-TWTスケジュール側STAは、R-TWT IDがR-TWT4に設定されてリンクIDがリンク1に設定された1つのブロードキャストTWTパラメータセットフィールドと、R-TWT IDがR-TWT4に設定されてリンクIDがリンク2に設定された他のブロードキャストTWTパラメータセットフィールドとをTWT要素が有するTWT設定フレームをリンク1又はリンク2上で送信することによって、リンク1及びリンク2上のR-TWT4 SPのメンバーシップ要求に応答することができる。少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、R-TWTのメンバーシップを要求するTWT設定フレーム、及びメンバーシップ要求に応答するTWT設定フレームを、異なるリンクを介して送信することができる。
【0308】
また、非AP MLD3は、R-TWT4のメンバーシップを要求する場合、SCS5及びSCS4がR-TWT4のスケジュールされたトラフィックストリームであることを示すことができる。R-TWT4のSP中には、MLD1(R-TWTスケジュール側AP)に所属するAP1及びAP2と、MLD3に所属するSTA3及びSTA5(R-TWT4メンバーSTA)とが、表1に示すようなSCS4及びSCS5トラフィックストリームのフレームを交換する。
【0309】
図示のように、SCS4のアップリンク(UL)送信を行うために、AP1及びAP2は、それぞれSTA3及びSTA5にBSRP772及び774を送信してバッファステータスを要求し、STA3及びSTA5は、これらのバッファステータス776及び778を報告することができる。なお、この例では、STA3及びSTA5が同じバッファステータスを報告する(例えば、STA3及びSTA5は、SCS4トラフィックストリームのバッファステータスのみをBSRで報告する)。
【0310】
次に、AP1は、リンク1上でのSCS4のUL送信をトリガーするためにリンク1上でベーシックトリガーフレーム780を送信する。STA3は、STA3がリンク1上及びリンク2上の現在のR-TWT4 SP中にR-TWT4のスケジュールされたULトラフィックストリームの全てのフレーム送信を終了したことを示すようにEOSPが第1の状態(例えば、「1」)に設定されたSCS4のUL PPDU784を送信する。次に、AP1は、BA788を受け取った後にリンク1上でSCS5のDL送信792を開始することができ、そのためにBA798を受け取る。
【0311】
前に戻ると、AP2は、STA5からのバッファレポートに従って、リンク2上でのSCS5のUL送信を開始しないと決定する。すなわち、リンク1上のSCS4の1つのUL PPDUで十分と考えられる。AP2は、STA5に対してSCS5のダウンリンク(DL)送信782、790及び796を開始し、確認応答(BA)786、794及び804を受け取る。
【0312】
SCS5のDL PPDUはリンク1上で送信されているため、AP2は、SCS5の全てのDL PPDUをリンク2上で送信する場合にはR-TWT4 SPを終了することができない。4.4節で説明したように、AP2は、STA4などの被スケジュール側R-TWT STAであるSTAといくつかの送信を開始することができる。
【0313】
AP1は、リンク1上でのSCS5の最後のDL PPDUに応答して、SCS5の全てのDL PPDUが正常に受け取られたことを示すBAフレーム798を受け取った後に、リンク1上及びリンク2上でのR-TWT4を終了させるようにEOSPが第1の状態(例えば、「1」)に設定されたQoSヌルフレーム800をブロードキャストすることができる(802)。その後、AP2は、リンク1上及びリンク2上のR-TWT4を終了させるようにEOSPが第1の状態(例えば、「1」)に設定されたQoSヌルフレーム806をリンク2上でブロードキャストすることもできる。
【0314】
なお、図のDL PPDU及びUL PPDUは、
図27に示すようなQoS制御フィールド内のEOSPサブフィールドを有するQoSデータ又はQoSヌルフレームをフレームで伝えることが必要となり得る。1つのPPDUが複数のQoSデータ又はQoSヌルフレームを伝える場合の少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、最後のフレームのみがEOSPサブフィールドを第1の状態(例えば、「1」)に設定すべきである。図示のPPDU内のEOSP設定は、これらのPPDUの最後のEOSPサブフィールド値を表す。
【0315】
少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、図のDL PPDU及びUL PPDUがQoSデータもQoSヌルフレームも伝えず、従ってこれらのフレーム内に設定すべきEOSPサブフィールドは存在しない。代わりに、4.5節で説明したように、フレーム内のさらなるデータサブフィールドを利用してEOSPサブフィールドを置き換えることができる。
【0316】
少なくとも1つの実施形態/モード/事例では、EOSPが第1の状態(例えば、「1」)に設定されたQoSヌルフレームを、R-TWT1 SPの終了を示すためにCF終了フレーム又はTWT情報フレームに置き換えることができる。
【0317】
R-TWT SP中、R-TWTスケジュール側AP及びR-TWT1メンバーSTAは、EOSPサブフィールド又はさらなるデータサブフィールドのいずれかを使用すべきであるが、これらの両方を共に使用すべきではない。
【0318】
5.実施形態の一般的範囲
本明細書では、コンピュータプログラム製品としても実装できる、本技術の実施形態による方法及びシステム、及び/又は手順、アルゴリズム、ステップ、演算、数式又はその他の計算表現のフローチャートを参照して本技術の実施形態を説明することができる。この点、フローチャートの各ブロック又はステップ、及びフローチャートのブロック(及び/又はステップ)の組み合わせ、並びにいずれかの手順、アルゴリズム、ステップ、演算、数式、又は計算表現は、ハードウェア、ファームウェア、及び/又はコンピュータ可読プログラムコードの形で具体化された1又は2以上のコンピュータプログラム命令を含むソフトウェアなどの様々な手段によって実装することができる。理解されるように、このようないずれかのコンピュータプログラム命令は、以下に限定されるわけではないが、汎用コンピュータ又は専用コンピュータ、又は機械を生産するための他のいずれかのプログラマブル処理装置を含む1又は2以上のコンピュータプロセッサによって実行して、コンピュータプロセッサ又は他のプログラマブル処理装置上で実行されるコンピュータプログラム命令が、(単複の)特定される機能を実施するための手段を生み出すようにすることができる。
【0319】
従って、本明細書で説明したフローチャートのブロック、並びに手順、アルゴリズム、ステップ、演算、数式、又は計算表現は、(単複の)特定の機能を実行する手段の組み合わせ、(単複の)特定の機能を実行するステップの組み合わせ、及びコンピュータ可読プログラムコードロジック手段の形で具体化されるような、(単複の)特定の機能を実行するコンピュータプログラム命令をサポートする。また、本明細書で説明したフローチャートの各ブロック、並びにいずれかの手順、アルゴリズム、ステップ、演算、数式、又は計算表現、及びこれらの組み合わせは、(単複の)特定の機能又はステップを実行する専用ハードウェアベースのコンピュータシステム、又は専用ハードウェアとコンピュータ可読プログラムコードとの組み合わせによって実装することもできると理解されるであろう。
【0320】
さらに、コンピュータ可読プログラムコードなどの形で具体化されるこれらのコンピュータプログラム命令を、コンピュータプロセッサ又は他のプログラマブル処理装置に特定の態様で機能するように指示することができる1又は2以上のコンピュータ可読メモリ又はメモリ装置に記憶して、これらのコンピュータ可読メモリ又はメモリ装置に記憶された命令が、(単複の)フローチャートの(単複の)ブロック内に指定される機能を実施する命令手段を含む製造の物品を生産するようにすることもできる。コンピュータプログラム命令をコンピュータプロセッサ又は他のプログラマブル処理装置によって実行し、コンピュータプロセッサ又は他のプログラマブル処理装置上で一連の動作ステップが実行されるようにしてコンピュータで実施される処理を生成し、コンピュータプロセッサ又は他のプログラマブル処理装置上で実行される命令が、(単複の)フローチャートの(単複の)ブロック、(単複の)手順、(単複の)アルゴリズム、(単複の)ステップ、(単複の)演算、(単複の)数式、又は(単複の)計算表現に特定される機能を実施するためのステップを提供するようにすることもできる。
【0321】
さらに、本明細書で使用する「プログラム」又は「プログラム実行文」という用語は、本明細書で説明した1又は2以上の機能を実行するために1又は2以上のコンピュータプロセッサが実行できる1又は2以上の命令を意味すると理解されるであろう。命令は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで具体化することができる。命令は、装置の非一時的媒体に局所的に記憶することも、又はサーバなどに遠隔的に記憶することもでき、或いは命令の全部又は一部を局所的に又は遠隔的に記憶することもできる。遠隔的に記憶された命令は、ユーザが開始することによって、或いは1又は2以上の要因に基づいて自動的に装置にダウンロード(プッシュ)することができる。
【0322】
さらに、本明細書で使用するプロセッサ、ハードウェアプロセッサ、コンピュータプロセッサ、中央処理装置(CPU)及びコンピュータという用語は、命令、並びに入力/出力インターフェイス及び/又は周辺装置との通信を実行できる装置を示すために同義的に使用されるものであり、プロセッサ、ハードウェアプロセッサ、コンピュータプロセッサ、CPU及びコンピュータという用語は、単一の又は複数の装置、シングルコア装置及びマルチコア装置、及びこれらの変種を含むように意図するものであると理解されるであろう。
【0323】
本明細書の説明から、本開示は、限定ではないが以下の内容を含む複数の技術実装を含むと理解されるであろう。
【0324】
ネットワークにおける無線通信のための装置であって、(a)マルチリンク装置(MLD)とは別の、又はマルチリンク装置(MLD)に関連する局(STA)であって、制限付きターゲットウェイクタイム(R-TWT)のスケジューリングサービス期間(SP)にわたってIEEE802プロトコルに従って無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)上でキャリア検知多重アクセス/衝突回避(CSMA/CA)を使用してパケットでのフレームの送信を実行する他の無線局(STA)とチャネルを介して無線で通信するように構成された局(STA)としての無線通信回路と、(b)前記STAに結合されてWLAN上で動作するプロセッサと、(c)プロセッサによって実行可能な、通信プロトコル内の他のSTAと通信するための命令を記憶する非一時的メモリとを備え、(d)前記命令は、プロセッサによって実行された時に、R-TWTのメンバーSTAとフレームを交換するためのR-TWTスケジューリングを告知する上で、(d)(i)R-TWTスケジューリングを実行するように構成されたアクセスポイント(AP)として動作する前記局が、R-TWTスケジュール側APとして、R-TWT SPに入った後に、R-TWTスケジューリングを告知してR-TWTのメンバーSTAとフレームを交換することと、(d)(ii)終了条件が検出されることと、(d)(iii)前記R-TWTスケジュール側APが、R-TWT SP中に全てのフレーム交換が完了した後に、R-TWT SPの終了を示す信号を終了告知において送信することと、を含む1又は2以上のステップを実行する、装置。
【0325】
ネットワークにおける無線通信のための装置であって、(a)マルチリンク装置(MLD)とは別の、又はマルチリンク装置(MLD)に関連する局(STA)であって、制限付きターゲットウェイクタイム(R-TWT)のスケジューリングサービス期間(SP)にわたってIEEE802プロトコルに従って無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)上でキャリア検知多重アクセス/衝突回避(CSMA/CA)を使用してパケットでのフレームの送信を実行する他の無線局(STA)とチャネルを介して無線で通信するように構成された局(STA)としての無線通信回路と、(b)前記STAに結合されてWLAN上で動作するプロセッサと、(c)プロセッサによって実行可能な、他のSTAと通信するための命令を記憶する非一時的メモリとを備え、(d)前記命令は、プロセッサによって実行された時に、R-TWTのメンバーSTAとフレームを交換するためのR-TWTスケジューリングを告知する上で、(d)(i)R-TWTスケジューリングを実行するように構成されたアクセスポイント(AP)として動作する前記局がR-TWTスケジュール側APであり、前記R-TWTスケジュール側AP及びR-TWTメンバーSTAがR-TWT SPに入ることと、(d)(ii)前記R-TWTスケジュール側APが、R-TWT SPの予定終了時刻前に前記R-TWT SPを終了させてチャネル上で終了告知を送信することと、(d)(iii)ネットワーク上のR-TWTのメンバーSTAではない他のSTAが、前記終了告知を受け取ったことに応答してチャネルを求めて直ちに競合できることと、を含む1又は2以上のステップを実行する、装置。
【0326】
ネットワークにおける無線通信のための装置であって、(a)マルチリンク装置(MLD)とは別の、又はマルチリンク装置(MLD)に関連する局(STA)であって、制限付きターゲットウェイクタイム(R-TWT)のスケジューリングサービス期間(SP)にわたってIEEE802プロトコルに従って無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)上でキャリア検知多重アクセス/衝突回避(CSMA/CA)を使用してパケットでのフレームの送信を実行する他の無線局(STA)とチャネルを介して無線で通信するように構成された局(STA)としての無線通信回路と、(b)前記STAに結合されてWLAN上で動作するプロセッサと、(c)プロセッサによって実行可能な、他のSTAと通信するための命令を記憶する非一時的メモリとを備え、(d)前記命令は、プロセッサによって実行された時に、R-TWTのメンバーSTAとフレームを交換するためのR-TWTスケジューリングを告知する上で、(d)(i)R-TWTスケジューリングを実行するように構成されたアクセスポイント(AP)として動作するR-TWTスケジュール側APとしての前記局とR-TWTメンバーSTAとがR-TWT SPに入ることと、(d)(ii)前記R-TWT SP中に、前記R-TWTスケジュール側APとR-TWTメンバーSTAとの間でフレームを交換することと、(d)(iii)R-TWT SP中に前記R-TWTスケジュール側APが前記R-TWTメンバーSTAとの間でフレーム交換を完了した後に、前記R-TWTスケジュール側APと、R-TWT機能を有しているがR-TWTメンバーSTAではないSTAとの間でフレームを交換することと、を含む1又は2以上のステップを実行する、装置。
【0327】
パケットの送信を行う無線通信システム/装置であって、システム/装置においてCSMA/CAが適用され、R-TWTスケジュール側APが、R-TWTスケジューリングを告知してR-TWT SP中にR-TWTのメンバーSTAとフレームを交換し、(a)R-TWTスケジュール側AP及びR-TWTメンバーSTAが、これらの間のフレーム交換のためのR-TWT SPを開始することと、(b)R-TWTメンバーSTAが、R-TWT SP中に送信すべきさらなるフレームを有していない時にR-TWTスケジュール側APに信号を送信することと、(c)R-TWTスケジュール側APが、R-TWT SP中に全てのフレーム交換が終了した時にR-TWT SPの終了を示す信号を送信することと、を含む、無線通信システム/装置。
【0328】
前記終了条件は、R-TWTメンバーSTAとして動作する前記STAが、通信すべきフレームをそれ以上有していないと判定した後に、R-TWT SP中に送信すべきフレームをそれ以上有していないことを示す信号を前記R-TWTスケジュール側APに送信した時に発生する、いずれかの先行する実装の装置又は方法又はシステム。
【0329】
前記終了条件は、前記R-TWTスケジュール側APがR-TWT SPを終了させるために、前記R-TWT SPの予定終了時刻前に発生する、いずれかの先行する実装の装置又は方法又はシステム。
【0330】
前記R-TWT SP中に前記R-TWTスケジュール側APとR-TWTメンバーSTAとの間でフレームを交換することをさらに含む、いずれかの先行する実装の装置又は方法又はシステム。
【0331】
前記R-TWTスケジュール側APがR-TWT SP中にR-TWTメンバーSTAとのフレーム交換を完了した後に、前記R-TWTスケジュール側APと、R-TWT機能を有しているがR-TWTメンバーSTAではないSTAとの間でフレームを交換することをさらに含む、いずれかの先行する実装の装置又は方法又はシステム。
【0332】
前記命令は、プロセッサによって実行された時に、R-TWTメンバーSTAが、R-TWT SP中に送信すべきアップリンク(UL)フレーム又はピアツーピア(P2P)フレームを有していない時に前記R-TWTスケジュール側APに信号を送信することを含むステップをさらに実行する、いずれかの先行する実装の装置又は方法又はシステム。
【0333】
前記命令は、プロセッサによって実行された時に、前記R-TWTメンバーSTAが、R-TWT SP中に送信すべきフレームを有していないことを示すフレームを送信することを含むステップをさらに実行する、いずれかの先行する実装の装置又は方法又はシステム。
【0334】
R-TWT SP中に送信すべきフレームを有していないことを示す前記フレームは、(a)サービス品質(QoS)データフレーム又はQoSヌルフレームではないフレームと、(b)前記R-TWTメンバーSTAがR-TWT SP中に送信すべきさらなるフレームを有していないことを表す状態にあるさらなるデータフィールドとしての、さらなるデータを有しているかどうかを示すフィールドを含むフレームと、を含む、いずれかの先行する実装の装置又は方法又はシステム。
【0335】
前記命令は、プロセッサによって実行された時に、R-TWTメンバーSTAが、R-TWTメンバーSTAがR-TWT SP中に送信すべきUL及び/又はP2Pフレームを有していないことを示す状態に設定されたEOSPサブフィールドを有するQoSデータ又はQoSヌルフレームを送信することを含むステップをさらに実行する、いずれかの先行する実装の装置又は方法又はシステム。
【0336】
前記命令は、プロセッサによって実行された時に、前記R-TWTスケジュール側APが、EOSPサブフィールドがR-TWT SPの終了を示す状態に設定されたQoSデータフレーム又はQoSヌルフレームを送信することを含むステップをさらに実行する、いずれかの先行する実装の装置又は方法又はシステム。
【0337】
前記命令は、プロセッサによって実行された時に、前記R-TWTスケジュール側APが、送信すべきさらなるデータが存在するかどうかを示すさらなるデータフィールドとしてのフィールドを有するフレームであって、前記さらなるデータフィールドがR-TWT SPの終了を示す値に設定されたQoSデータフレームでもQoSヌルフレームでもないフレームを送信することを含むステップをさらに実行する、いずれかの先行する実装の装置又は方法又はシステム。
【0338】
前記命令は、プロセッサによって実行された時に、前記R-TWTスケジュール側APが、R-TWT SPの終了を示すために競合なし(CF)終了フレームを送信することを含むステップをさらに実行する、いずれかの先行する実装の装置又は方法又はシステム。
【0339】
前記命令は、プロセッサによって実行された時に、前記R-TWTスケジュール側APが、さらなるトリガーフレームが存在するかどうかを示すフィールドを有する、いずれの特定のR-TWTメンバーSTAにもアドレス指定されていないトリガーフレームを送信し、フィールドを、R-TWT SPの終了を示すように設定することを含むステップをさらに実行する、いずれかの先行する実装の装置又は方法又はシステム。
【0340】
前記命令は、プロセッサによって実行された時に、前記R-TWTスケジュール側APが、R-TWT SPの終了を示すR-TWT識別に等しく設定されたTWTフロー識別フィールドを有するTWT情報フレームを送信することを含むステップをさらに実行する、いずれかの先行する実装の装置又は方法又はシステム。
【0341】
前記命令は、プロセッサによって実行された時に、前記メンバーSTAが、R-TWT SPが終了した旨の指示を含むフレームを前記R-TWTスケジュール側APから受け取ったことに応答してR-TWT SPが終了したことを認識することを含むステップをさらに実行する、いずれかの先行する実装の装置又は方法又はシステム。
【0342】
前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、前記メンバーSTAが、R-TWT SPが終了したことを示す確認応答を前記R-TWTスケジュール側APから受け取ったことに応答してR-TWT SPが終了したことを認識することを含むステップをさらに実行する、いずれかの先行する実装の装置又は方法又はシステム。
【0343】
前記命令は、プロセッサによって実行された時に、前記R-TWTスケジュール側APが、R-TWT SPの終了を示す信号を、チャネルを介して送信することを含むステップをさらに実行する、いずれかの先行する実装の装置又は方法又はシステム。
【0344】
前記命令は、プロセッサによって実行された時に、前記R-TWTメンバーSTAが、R-TWT SPの終了後にR-TWT SPの予定終了時刻に到達するまでチャネルを求めて競合できないことを含むステップをさらに実行する、いずれかの先行する実装の装置又は方法又はシステム。
【0345】
前記命令は、プロセッサによって実行された時に、R-TWT SPが終了した後にR-TWT SPの予定終了時刻まで、R-TWTメンバーSTAが該R-TWTメンバーSTAの通常のEDCAパラメータ設定よりも低い優先度でチャネルを求めて競合することを許可することを含むステップをさらに実行する、いずれかの先行する実装の装置又は方法又はシステム。
【0346】
前記命令は、プロセッサによって実行された時に、前記R-TWTスケジュール側APが、R-TWTメンバーSTAとのフレーム交換のための送信機会(TXOP)を、R-TWT SPの予定終了時刻を超えて延長することを含むステップをさらに実行する、いずれかの先行する実装の装置又は方法又はシステム。
【0347】
R-TWTメンバーSTAは、R-TWT SP中に送信すべきULフレーム又はP2Pフレームを有していない時に、R-TWTスケジュール側APに信号を送信することができる、いずれかの先行する実装の装置又は方法又はシステム。
【0348】
R-TWTメンバーSTAは、R-TWT SP中に送信すべきフレームを有していないことを示すために、さらなるデータフィールドが0に等しいQoSデータでもQoSヌルフレームでもないフレームを送信することができる、いずれかの先行する実装の装置又は方法又はシステム。
【0349】
R-TWTメンバーSTAは、R-TWT SP中に送信すべきULフレーム及びP2Pフレームを有していないことを示すために、EOSPサブフィールドが1に等しいQoSデータ又はQoSヌルフレームを送信することができる、いずれかの先行する実装の装置又は方法又はシステム。
【0350】
R-TWTスケジュール側APは、R-TWT SPの終了を示すために、EOSPサブフィールドが1に等しいQoSデータ又はQoSヌルフレームを送信することができる、いずれかの先行する実装の装置又は方法又はシステム。
【0351】
R-TWTスケジュール側APは、R-TWT SPの終了を示すために、さらなるデータフィールドが0に等しいQoSデータでもQoSヌルフレームでもないフレームを送信することができる、いずれかの先行する実装の装置又は方法又はシステム。
【0352】
R-TWTスケジュール側APは、R-TWT SPの終了を示すためにCF終了フレームを送信することができる、いずれかの先行する実装の装置又は方法又はシステム。
【0353】
R-TWTスケジュール側APは、R-TWT SPの終了を示すために、さらなるTFフィールドが0に等しくいずれのR-TWTメンバーSTAにもアドレス指定されていないトリガーフレームを送信することができる、先行する実装の装置又は方法又はシステム。
【0354】
R-TWTスケジュール側APは、R-TWT SPの終了を示すために、R-TWT IDに等しいTWTフロー識別フィールドを有するTWT情報フレームを送信することができる、いずれかの先行する実装の装置又は方法又はシステム。
【0355】
STAは、即時応答を要求しないR-TWT SPの終了を示すフレームをR-TWTスケジュール側APから受け取った時に、R-TWT SPの終了を認識することができる、いずれかの先行する実装の装置又は方法又はシステム。
【0356】
STAは、R-TWTスケジュール側APから送信されたR-TWT SPの終了を示すフレームに応答して確認応答を受け取った時に、R-TWT SPの終了を認識することができる、いずれかの先行する実装の装置又は方法又はシステム。
【0357】
R-TWTスケジュール側APは、R-TWT SPの終了を示す信号を送信することができる、いずれかの先行する実装の装置又は方法又はシステム。
【0358】
R-TWTメンバーSTAは、R-TWT SPが終了した後にR-TWT SPの予定終了時刻までチャネルを求めて競合することができない、先行する実装の装置又は方法又はシステム。
【0359】
R-TWTメンバーSTAは、R-TWT SPが終了した後にR-TWT SPの予定終了時刻まで低い優先度でチャネルを求めて競合することができる、いずれかの先行する実装の装置又は方法又はシステム。
【0360】
R-TWTスケジュール側APは、R-TWTメンバーSTAとのフレーム交換のTXOPを、R-TWT SPの予定終了時刻を超えて延長することができる、いずれかの先行する実装の装置又は方法又はシステム。
【0361】
本明細書で使用する「実装」という用語は、本明細書で説明する技術を実践するための実施形態、実施例、又はその他の形態を制限なく含むように意図される。
【0362】
本明細書で使用する単数形の「a、an(英文不定冠詞)」及び「the(英文定冠詞)」は、文脈において別途明確に示されていない限り複数形の照応を含む。ある物体に対する単数形での言及は、明確にそう述べていない限り「唯一」を意味するものではなく、「1又は2以上」を意味する。
【0363】
本開示における「A、B及び/又はC」などの表現構造は、A、B又はCのいずれか、或いは項目A、B及びCのいずれかの組み合わせが存在し得ることを表す。「~のうちの少なくとも1つ(at least one of)」の後にリストされた一群の要素が続くものなどを示す表現構造は、該当する際にはこれらのリストされた要素のいずれかの考えられる組み合わせを含む、これらの一群の要素のうちの少なくとも1つが存在することを示す。
【0364】
本開示における「ある実施形態」、「少なくとも1つの実施形態」又は同様の実施形態という言い回しについて言及する参照は、説明する実施形態に関連して説明した特定の特徴、構造又は特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを示す。従って、これらの様々な実施形態の表現は、必ずしも全てが同じ実施形態、又は説明されている他の全ての実施形態とは異なる特定の実施形態を意味するわけではない。実施形態という表現は、所与の実施形態の特定の特徴、構造又は特性を、開示する装置、システム又は方法の1又は2以上の実施形態においていずれかの好適な形で組み合わせることができることを意味するものとして解釈すべきである。
【0365】
本明細書で使用する「組(set)」という用語は、1又は2以上の物体の集合を意味する。従って、例えば物体の組は、単一の物体又は複数の物体を含むことができる。
【0366】
本文書における第1及び第2、頂部及び底部などの関係語は、1つの実体又は行動を別の実体又は行動と区別するために使用しているにすぎず、必ずしもこのような実体又は行動同士のこのようないずれかの実際の関係又は順序を必要としたり、又は意味したりするものではない。
【0367】
「備える、有する、含む(comprises、comprising、has、having、includes、including、contains、containing)」という用語、又はこれらの用語の他のあらゆる変化形は、非排他的包含を含むことが意図されており、従って、ある要素リストを備える、有する又は含むプロセス、方法、物品又は装置は、これらの要素のみを含むのではなく、明示的に列挙していない、又はこのようなプロセス、方法、物品又は装置に特有の他の要素を含むこともできる。「~を備える、有する、又は含む(comprises … a、has … a、includes … a、contains … a)」に続く要素は、その要素を備える、有する又は含むプロセス、方法、物品又は装置にさらなる同一要素が存在することを、さらなる制約を受けることなく除外するものではない。
【0368】
本明細書で使用する「近似的に(approximately)」、「近似する(approximate)」、「実質的に(substantially)」、「基本的に(essentially)」及び「約(about)」という用語、又はこれらのいずれかの変形形態は、わずかな変動の記述及び説明のために使用するものである。これらの用語は、事象又は状況に関連して使用した時には、これらの事象又は状況が間違いなく発生する場合、及びこれらの事象又は状況が発生する可能性が非常に高い場合を意味することができる。これらの用語は、数値に関連して使用した時には、その数値の±5%以下、±4%以下、±3%以下、±2%以下、±1%以下、±0.5%以下、±0.1%以下、又は±0.05%以下などの、±10%以下の変動範囲を意味することができる。例えば、「実質的に」整列しているということは、±5°以下、±4°以下、±3°以下、±2°以下、±1°以下、±0.5°以下、±0.1°以下、又は±0.05°以下などの、±10°以下の角度変動範囲を意味することができる。
【0369】
また、本明細書では、量、比率及びその他の数値を範囲形式で示すこともある。このような範囲形式は、便宜的に単純化して使用するものであり、範囲の限界として明確に指定された数値を含むが、この範囲に含まれる全ての個々の数値又は部分的範囲も、これらの各数値及び部分的範囲が明確に示されているかのように含むものであると柔軟に理解されたい。例えば、約1~約200の範囲内の比率は、約1及び約200という明確に列挙した限界値を含むが、約2、約3、約4などの個々の比率、及び約10~約50、約20~約100などの部分的範囲も含むと理解されたい。
【0370】
本明細書で使用する「結合される(coupled)」という用語は、「接続される」と定義されるが、必ずしも直接的な機械的接続ではない。特定の形で「構成される(configured)」装置又は構造は、少なくともその形で構成されるが、列挙していない形で構成することもできる。
【0371】
利点、長所、問題解決手段、及びいずれかの利点、長所又は解決手段を生じさせる、又はより顕著にするいずれかの(単複の)要素は、本明細書で説明した技術、或いは一部又は全部の請求項の重要な、必要な又は不可欠な特徴又は要素として解釈すべきでない。
【0372】
また、上述した開示では、開示を合理化する目的で様々な実施形態において様々な特徴を共にグループ化することができる。本開示の方法は、請求項に記載する実施形態が、各請求項に明示的に記載する特徴よりも多くの特徴を必要とするという意図を反映したものであると解釈すべきではない。本発明の主題は、開示した単一の実施形態の全ての特徴よりも少ないものによって成立することができる。
【0373】
本開示の要約書は、読者が技術開示の本質を素早く確認できるように示すものである。要約書は、特許請求の範囲又はその意味を解釈又は限定するために使用されるものではないという理解の下で提示するものである。
【0374】
管轄によっては、出願後に本開示の1又は2以上の部分の削除を求める慣行もあると理解されたい。従って、読者は、本開示の元々の内容については出願日時点の出願を参照すべきである。開示内容のいずれかの削除は、当初出願時の出願のいずれかの主題の放棄、失権又は公衆への献呈として解釈すべきではない。
【0375】
以下の特許請求の範囲は、各請求項が単独の発明主題として自立した状態で本開示に組み込まれる。
【0376】
本明細書の説明は多くの詳細を含んでいるが、これらは本開示の範囲を限定するものではなく、現在のところ好ましい実施形態の一部を例示するものにすぎないと解釈すべきである。従って、本開示の範囲は、当業者に明らかになると考えられる他の実施形態も完全に含むと理解されるであろう。
【0377】
当業者に周知の本開示の実施形態の要素の構造的及び機能的同等物も、引用によって本明細書に明確に組み入れられ、本特許請求の範囲に含まれるように意図される。さらに、本開示の要素、構成要素又は方法ステップは、これらが特許請求の範囲に明示されているかどうかにかかわらず、一般に公開されるように意図するものではない。本明細書における請求項の要素については、その要素が「~のための手段」という表現を使用して明確に示されていない限り、「ミーンズプラスファンクション」の要素として解釈すべきではない。また、本明細書における請求項の要素については、その要素が「~のためのステップ」という表現を使用して明確に示されていない限り、「ステッププラスファンクション」の要素として解釈すべきではない。
【符号の説明】
【0378】
170 実施形態例
172 スケジュール側APがR-TWTx SP中にR-TWTxメンバーSTAとの間でR-TWTxのスケジュールされたトラフィックストリームのフレームの交換を開始
174 R-TWTx SPの予定終了時刻前に全てのスケジュールされたトラフィックが送信されたか?
176 スケジュール側APがR-TWTx SPの残り時間中にR-TWTxのメンバーSTAではない被R-TWTスケジュール側STAとフレームを交換
178 スケジュール側APがR-TWTx SPの終了を示す信号を送信
180 スケジュール側APが予定終了時刻にR-TWTx SPを終了
表1
R-TWT SP中に送信をスケジュールされるSCSトラフィックストリーム
【国際調査報告】