(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】単一のスイッチデバイスを備えるレトロフィット管状ランプ
(51)【国際特許分類】
H05B 45/357 20200101AFI20240719BHJP
H05B 45/375 20200101ALI20240719BHJP
H05B 45/395 20200101ALI20240719BHJP
H05B 45/10 20200101ALI20240719BHJP
H05B 47/105 20200101ALI20240719BHJP
H05B 47/17 20200101ALI20240719BHJP
【FI】
H05B45/357
H05B45/375
H05B45/395
H05B45/10
H05B47/105
H05B47/17
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508099
(86)(22)【出願日】2022-07-18
(85)【翻訳文提出日】2024-04-03
(86)【国際出願番号】 EP2022069993
(87)【国際公開番号】W WO2023016756
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/111579
(32)【優先日】2021-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(32)【優先日】2021-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】リー ザオチン
(72)【発明者】
【氏名】ウー シュジュアン
(72)【発明者】
【氏名】コン デヨン
(72)【発明者】
【氏名】ツァン シャンドン
(72)【発明者】
【氏名】チェン ユンフェン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ツェン ユー
(72)【発明者】
【氏名】チェン シャオリン
(72)【発明者】
【氏名】スー ボロン
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273AA09
3K273BA25
3K273BA28
3K273BA35
3K273CA02
3K273CA25
3K273EA06
3K273EA22
3K273EA36
3K273FA07
3K273FA14
3K273GA03
3K273GA12
3K273GA14
(57)【要約】
レトロフィット管状ランプが、入力インターフェースの第1端部と第2端部とを選択的に互いに接続するよう構成される単一のスイッチデバイスを有する。2つの端部が接続されるとき、ランプの発光装置に電力を供給しながら変換器がバイパスされる。前記2つの端部が切り離されるとき、前記変換器を介して前記発光装置に電力が供給される。前記単一のスイッチデバイスは、更に、前記2つの端部を互いに切り離すとき、前記2つの端部間の沿面距離が所定の安全距離以上となる(即ち、安全沿面が作成される)ように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1タイプの電源と第2タイプの電源との両方と共に使用するよう構成されるレトロフィット管状ランプであって、
両方とも、前記第1タイプの電源から電力を受け取るように前記第1タイプの電源に接続可能であるよう構成される第1端部及び第2端部を含む入力インターフェースであって、前記入力インターフェースの前記第1端部だけが、更に、前記第2タイプの電源から電力を受け取るように前記第2タイプの電源に接続可能であるよう構成される入力インターフェースと、
変換器と、
発光装置と、
少なくとも第1スイッチング状態及び第2スイッチング状態で動作可能であるよう構成される単一のスイッチデバイスであって、
前記第1スイッチング状態で動作し、前記第1タイプの電源が前記入力インターフェースに接続されるとき、前記単一のスイッチデバイスが、前記入力インターフェースの前記第1端部と前記第2端部との間に第1電流経路を提供し、前記変換器を前記発光装置から切り離しながら前記発光装置に電力を供給するよう構成され、且つ
前記第2スイッチング状態で動作し、前記第2タイプの電源が前記入力インターフェースの前記第1端部だけに接続されるとき、前記単一のスイッチデバイスが、前記変換器を介して前記発光装置に電力を供給し、前記入力インターフェースの前記第1端部と前記第2端部とが電気的に切り離されるように前記入力インターフェースの前記第1端部と前記第2端部との間に安全沿面を作成するよう構成される単一のスイッチデバイスとを有するレトロフィット管状ランプ。
【請求項2】
更に、前記単一のスイッチデバイスが前記第2スイッチング状態で動作しているとき、随意に、前記第1タイプの電源が外部インピーダンスと接続されるときに、又は前記第2タイプの電源が前記第1端部に接続されるときに、前記第2端部と前記第1端部との間に安全沿面を作成するように構成され、
随意に、前記単一のスイッチデバイスが、前記レトロフィット管状ランプが給電されないときデフォルトで前記第2スイッチング状態にある請求項1に記載のレトロフィット管状ランプ。
【請求項3】
前記入力インターフェースが、前記第1端部に整流装置を有し、前記整流装置の入力が、前記第1タイプの電源及び前記第2タイプの電源に接続可能であるよう構成される請求項1又は2に記載のレトロフィット管状ランプ。
【請求項4】
前記変換器の入力が、前記整流装置の出力に接続され、
前記発光装置が、前記変換器の出力に接続され、
前記単一のスイッチデバイスが、前記整流装置の前記出力に接続される入力ノードと、前記発光装置に接続される出力ノードとを有し、前記スイッチデバイスが、
前記第1スイッチング状態で動作するとき、前記入力ノードと前記出力ノードとの間に電流が流れることを可能にして、それによって、前記第1電流経路を提供し、前記変換器をバイパスし、且つ
前記第2スイッチング状態で動作するとき、前記入力ノードと前記出力ノードとの間に電流が流れることを防止して、それによって、前記変換器が電力を引き出すことを可能にするよう構成される請求項3に記載のレトロフィット管状ランプ。
【請求項5】
前記入力インターフェースの前記第1端部における前記整流装置が、正の整流出力ノードと、負の整流出力ノードとを有し、
前記管状ランプが、更なる正のノードと更なる負のノードとを含む前記入力インターフェースの前記第2端部に更なる整流装置を更に有し、
前記単一のスイッチデバイスが、全体として作動されている第1スイッチング要素及び第2スイッチング要素を有し、前記単一のスイッチデバイスが、
前記第1スイッチング状態で動作し、前記第1タイプの電源が前記入力インターフェースに接続されるとき、前記正の整流出力ノードを前記入力インターフェースの前記第2端部の前記更なる正のノードに接続するよう前記第1スイッチング要素を制御し、前記負の整流出力ノードを前記入力インターフェースの前記第2端部の前記更なる負のノードに接続するよう前記第2スイッチング要素を制御し、且つ
前記第2スイッチング状態で動作し、前記第2タイプの電源が前記入力インターフェースに接続されるとき、前記正の整流出力ノード及び前記負の整流出力ノードを前記入力インターフェースの前記第2端部の前記更なる正のノード及び前記更なる負のノードから切り離すよう前記第1スイッチング要素及び前記第2スイッチング要素を制御するよう構成される請求項3に記載のレトロフィット管状ランプ。
【請求項6】
前記単一のスイッチデバイスが、前記整流装置の前記出力に接続される入力端子と、前記発光装置に直接接続される第1出力端子と、前記変換器に直接接続される第2出力端子とを有する切換リレーを有し、
前記切換リレーが、
前記単一のスイッチデバイスが前記第1スイッチング状態で動作しているとき、前記入力端子を前記第1出力端子に接続し、且つ
前記単一のスイッチデバイスが前記第2スイッチング状態で動作しているとき、前記入力端子を前記第2出力端子に接続するよう構成される請求項3に記載のレトロフィット管状ランプ。
【請求項7】
前記第1端部及び前記第2端部に接続される前記第1タイプの電源から駆動電圧を生成するために駆動部を更に有する請求項6に記載のレトロフィット管状ランプ。
【請求項8】
前記切換リレーが、前記切換リレーに駆動電圧が供給されないとき、前記単一のスイッチデバイスが前記第2スイッチング状態で動作するように構成される請求項7に記載のレトロフィット管状ランプ。
【請求項9】
前記切換リレーが、第1位置と第2位置との間で移動可能である接点部を有し、前記第1位置においては、前記接点部が前記入力端子を前記第1出力端子に接続し、前記第2位置においては、前記接点部が前記入力端子を前記第2出力端子に接続し、
前記駆動部が、前記接点部の位置を制御するよう構成され、前記入力インターフェースの前記第1端部と前記入力インターフェースの前記第2端部との間に結合され、前記駆動部が、
前記入力インターフェースに接続される外部インピーダンスがないとき、前記接点部の位置を制御するために前記駆動電圧を生成するのに十分な電力を取り出し、且つ
前記入力インターフェースに接続される外部インピーダンスがあるとき、前記接点部の位置を制御するために前記駆動電圧を生成するのに十分な電力を取り出すことができないよう構成される請求項7又は8に記載のレトロフィット管状ランプ。
【請求項10】
前記駆動部が、前記接点部の位置を制御するよう構成されるコイル、及び前記コイルと直列に接続される安全コンデンサ装置を有する請求項9に記載のレトロフィット管状ランプ。
【請求項11】
前記単一のスイッチデバイスが、前記整流装置の前記出力に接続されるスイッチ入力端子、前記発光装置に直接接続される第1スイッチ出力端子、前記変換器に直接接続される第2スイッチ出力端子、及び前記スイッチ入力端子に接続され、少なくとも、第1スイッチング部位置と、第2スイッチング部位置と、第3スイッチング部位置との間で制御可能なスイッチング部を有するディップスイッチ又はリレーを有し、
前記第1スイッチング部位置においては、前記スイッチング部が、前記スイッチ入力端子を前記第1スイッチ出力端子に接続して、それによって、前記単一のスイッチデバイスを、前記第1スイッチング状態で動作させ、
前記第2スイッチング部位置においては、前記スイッチング部が、前記スイッチ入力端子を前記第2スイッチ出力端子に接続して、それによって、前記単一のスイッチデバイスを、前記第2スイッチング状態で動作させ、
前記第3スイッチング部位置においては、前記スイッチング部が、前記第1スイッチ出力端子と前記第2スイッチ出力端子との両方から切り離される請求項3に記載のレトロフィット管状ランプ。
【請求項12】
前記第3スイッチング部位置にあるときの前記スイッチング部と、前記第1スイッチ出力端子との間の沿面距離が、所定の閾値より大きく、随意に、1.5mmより大きい請求項11に記載のレトロフィット管状ランプ。
【請求項13】
前記発光装置が、
複数の発光ユニットと、
再構成回路であって、
前記単一のスイッチデバイスが前記第1スイッチング状態で動作しているとき、前記発光ユニットを、直列に接続されるよう構成し、且つ
前記単一のスイッチデバイスが前記第2スイッチング状態で動作しているとき、前記発光ユニットを、並列に接続されるよう構成するよう構成される再構成回路とを有する請求項1乃至12のいずれか一項に記載のレトロフィット管状ランプ。
【請求項14】
前記変換器と前記第2タイプの電源のための前記発光ユニットとの間に接続されるリニアレギュレータを更に有し、随意に、前記リニアレギュレータが、前記第1タイプの電源のための前記入力インターフェースの前記第1端部と前記第2端部との間の前記第1電流経路から切り離される請求項1乃至13のいずれか一項に記載のレトロフィット管状ランプ。
【請求項15】
前記第1タイプの電源が、蛍光灯に給電するよう構成される高周波電源/安定器であり、
前記第2タイプの電源が、随意に、蛍光灯に給電するよう構成される低周波安定器又は主電源を含む、低周波電源である請求項1乃至14のいずれか一項に記載のレトロフィット管状ランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レトロフィット管状ランプの分野に関し、とりわけ、2つの異なるタイプの電源を使用して給電されることができるレトロフィット管状ランプに関する。
【背景技術】
【0002】
特定の蛍光管ランプなどのより古い照明ユニットを交換又は改造するためのレトロフィット管状ランプへの関心の高まりがある。これらのレトロフィット管状ランプは、本来は蛍光灯に給電するために設計された安定器などの電源から電力を引き出すことができるように設計される必要がある。しかしながら、市場が成長するにつれて、レトロフィット管状ランプが、AC主電源などの商用電源から直接電力を引き出すことができることを意味する、安定器がない新しい設置、並びに/又は安定器(例えば、安定器の一部)が、変更、バイパス及び/若しくは除去された再配線設置に対するビジネス上の関心も高まっている。
【0003】
従って、レトロフィット管状ランプが2つのタイプの電源から電力を引き出すよう構成されることができれば有益であるだろう。第1タイプは、電子安定器などの、蛍光灯に給電するために設計された(即ち、安定器を含む)高周波電源であってもよく、第2タイプは、少なくともAC主電源を含む低周波電源であってもよく、電磁(EM)安定器を含み得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
レトロフィット管状ランプのために使用される回路のサイズ、コスト及び材料要件を削減したいという継続的な要望がある。例えば、レトロフィット管状ランプの設置中に設置者(installer)が電気の電流経路を提供する可能性を減らすために、レトロフィット管状ランプの設置者の安全性を高めたいという要望もある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、請求項によって規定されている。
【0006】
レトロフィット管状ランプの必要な機能は、先に説明したように、ランプの設置者又は取り付け業者(fitter)の(即ち、前記ランプを電源に接続するときの)十分な安全性を確保しながら、両方のタイプの電源から動作するよう前記ランプを構成することである。或る問題は、前記ランプの入力インターフェースの2つの端部の間の望ましくない電流の流れの発生を防止するために、前記2つの端部の間に十分な安全沿面(safety creepage)が必要であることである。
【0007】
図1は、これらの要件を満たす既存のレトロフィット管状ランプ100を示している。ランプ100は、前記ランプの入力インターフェースの前記2つの端部111、112の間に安全沿面を備えるリレーなどのピン安全回路105を有する。前記ランプの他方の端部112が第1タイプの電源に接続されている間に、人体がランプ100の入力インターフェースの一方の端部111に触れている場合(及びその逆の場合)、前記ピン安全回路は、(随意に、最大で人体に安全な電流がYコンデンサを介して流れることを許容する、リレーが開いていることを介して)実質的に開いており、前記ランプの両方の端部が、それらの間に人体を挟まずに前記第1タイプの電源に接続される場合、ピン安全回路105は、(前記リレーが閉じられていることを介して)閉じられている。
【0008】
(両方のタイプの電源のために適合される)レトロフィット管状ランプの別の要件は、例えば、主電源電圧をランプ100の発光装置LEDs1のための適切なレベルに変換するための、変換器150を有することである。しかしながら、高周波電源が前記レトロフィット管状ランプに供給する場合、前記高周波電源が既にLED電流を調整することができ、もはや変換器150を使用する必要がないことから、この変換器150は、バイパス又は停止される必要がある。幾つかの既知の例においては、前記変換器をバイパスするためにMOSFET(又は同様のトランジスタベースのスイッチ)が使用されている。
図1においては、MOSFETは、バイパスMOS M1として示されており、変換器150は、スイッチモード電力変換器、より具体的には、バックコンバータである。バックコンバータ150は、制御可能なMOSFETスイッチM2、ダイオードD39、インダクタL1及び出力蓄積コンデンサC7から形成されている。前記バックコンバータのこのような構成は、当技術分野においては従来のものであり、簡潔さのために説明しない。変換器の他のトポロジも適用可能であることに留意されたい。
【0009】
既存のレトロフィット管状ランプ100の他の構成要素は、整流回路D33、D35、D34、D36、D37、D38と、整合回路140と、コンデンサC8とを含む。それらの動作は、レトロフィット管状ランプの従来の手順に従う。
【0010】
本開示は、変換器のためのバイパススイッチと、安全沿面を供給するピン安全回路とを、入力インターフェースの第1端部と第2端部との間に接続される単一のスイッチデバイスに統合する又は組み合わせることによって、上記の要件を統合する手法を提案する。これは、主電源又はEM安定器が前記変換器に給電するときに、前記第1端部と前記第2端部との間に安全沿面があることを確実にし、前記ランプの設置又は取り付けの安全性を向上させる。とりわけ、例えば設置が完了する前に前記第1端部が前記レトロフィット管状ランプに接続される場合に、主電源又はEM安定器の電流が設置者又は取り付け業者を通して伝導されるリスクが、大幅に低減される。更に、前記ランプがHF安定器に正しく接続されていないときには、前記単一のスイッチデバイスも開いており、前記第1端部と前記第2端部との間に安全沿面を提供する。この場合も先と同様に、前記ランプが前記HF安定器に正しく接続されるときには、前記スイッチデバイスは閉じられるようになり、前記HF安定器がLEDに直接給電することができるように前記変換器をバイパスする。これらの要件の全てが、この単一のスイッチデバイスによって実施される。
【0011】
本発明の或る態様による例によれば、第1タイプの電源と第2タイプの電源との両方と共に使用するよう構成されるレトロフィット管状ランプが提供される。
【0012】
前記レトロフィット管状ランプは、両方とも、前記第1タイプの電源から電力を受け取るように前記第1タイプの電源に接続可能であるよう構成される第1端部及び第2端部を含む入力インターフェースであって、前記入力インターフェースの前記第1端部が、更に、前記第2タイプの電源から電力を受け取るように前記第2タイプの電源に接続可能であるよう構成される入力インターフェースと、変換器と、発光装置と、少なくとも第1スイッチング状態及び第2スイッチング状態で動作可能であるよう構成される単一のスイッチデバイスであって、前記第1スイッチング状態で動作し、前記第1タイプの電源が前記入力インターフェースに接続されるとき、前記単一のスイッチデバイスが、前記入力インターフェースの前記第1端部と前記第2端部との間に第1電流経路を提供し、前記変換器を前記発光装置から切り離しながら前記発光装置に電力を供給するよう構成され、且つ前記第2スイッチング状態で動作し、前記第2タイプの電源が前記入力インターフェースの前記第1端部に接続されるとき、前記単一のスイッチデバイスが、前記変換器を介して前記発光装置に電力を供給し、前記入力インターフェースの前記第1端部と前記第2端部との間に安全沿面を作成するよう構成される単一のスイッチデバイスとを有する。
【0013】
提案手法は、選択的に、レトロフィット管状ランプの入力インターフェースの2つの端部を互いに接続するために単一のスイッチデバイスを使用し、前記2つの端部を接続している前記単一のスイッチデバイスは、変換器をバイパスし、前記2つの端部を切り離している前記単一のスイッチデバイスは、(前記変換器が、電力を受け取り、前記発光装置に給電することも可能にしながら)前記2つの端部の間に安全沿面を提供する。
【0014】
沿面は、2つの電気的構成要素(即ち、導電性構成要素)又はノードの間の(非導電性又は絶縁)間隔の尺度又はサイズであり、mm単位で測定され得る。 安全沿面を作成することは、実質的に、2つの構成要素又はノードの間に所定の値を超える(絶縁材料の)間隔を作成することを含み得る。換言すれば、安全沿面は、所定の閾値を超える沿面であり得る。前記安全沿面は、それによって、感電の可能性を防止又は低減するための物理的な分離を提供する。好ましくは、前記安全沿面は、少なくとも1.5mmである。
【0015】
実施形態は、(例えば、設置中のユーザのための)高められた安全性を備えるレトロフィット管状ランプを提供し、第2タイプの電源が前記ランプに接続される(単一端部入力シナリオの)ときに前記変換器が動作することを可能にし、同時に、第1タイプの電源が前記ランプに接続されるときに前記変換器が前記発光装置に給電することを防止する。提案手法は、単一のスイッチデバイスを使用してこれらの3つの動作を実施して、それによって、前記ランプの回路を簡素化し、前記ランプのコスト及び材料費を最小限に抑える。
【0016】
前記発光装置は、好ましくは、LED発光装置、即ち、1つ以上のLEDを含む発光装置である。
【0017】
前記第1タイプの電源は、前記入力インターフェースの前記第1端部及び前記第2端部において高周波(例えば>30kHz)の電力供給を行い得る。前記第2タイプの電源は、前記入力インターフェースの前記第1端部(のみ)において低周波(例えば、<100Hz又は<120Hz)の電力供給を行い得る。
【0018】
実施形態においては、前記レトロフィット管状ランプは、更に、前記単一のスイッチデバイスが前記第2スイッチング状態で動作しているとき、随意に、前記第1タイプの電源が外部インピーダンスと接続されるときに、又は前記第2タイプの電源が前記第1端部に接続されるときに、前記第2端部と前記第1端部との間に安全沿面を作成するように構成される。前記単一のスイッチデバイスは、前記レトロフィット管状ランプが給電されないときデフォルトで前記第2スイッチング状態にあるよう構成され得る。この実施形態においては、前記単一のスイッチデバイスはまた、外部インピーダンスが接続されるときに、前記第1タイプの電源に対して安全沿面を作成し、このような外部インピーダンスは、一般的に、人体である。従って、この単一のスイッチデバイスは、両端部入力シナリオに対するピン安全性という4番目の機能を更に達成する。
【0019】
実施形態においては、前記入力インターフェースは、前記第1端部に整流装置を有してもよく、前記整流装置の入力は、前記第1タイプの電源及び前記第2タイプの電源に接続可能であるよう構成される。この第1端部は、前記第2タイプの電源に結合する端部であり得る一方で、前記第2端部は、前記第2タイプの電源に結合することができるべきではない、又は前記第2タイプの電源に結合するために設計されるべきではない。
【0020】
幾つかの例においては、前記変換器の入力は、前記整流装置の出力に接続され、前記発光装置は、前記変換器の出力に接続され、前記単一のスイッチデバイスは、前記整流装置の前記出力に接続される入力ノードと、前記発光装置に接続される出力ノードとを有し、前記スイッチデバイスは、前記第1スイッチング状態で動作するとき、前記入力ノードと前記出力ノードとの間に電流が流れることを可能にして、それによって、前記第1電流経路を提供し、前記変換器をバイパスし、且つ前記第2スイッチング状態で動作するとき、前記入力ノードと前記出力ノードとの間に電流が流れることを防止して、それによって、前記変換器が電力を引き出すことを可能にするよう構成される。
【0021】
代替実施形態においては、前記単一のスイッチデバイスは、前記整流装置の前記出力に接続される入力端子と、前記発光装置に直接接続される第1出力端子と、前記変換器に直接接続される第2出力端子とを有する切換リレーを有してもよい。前記切換リレーは、前記単一のスイッチデバイスが前記第1スイッチング状態で動作しているとき、前記入力端子を前記第1出力端子に接続し、且つ前記単一のスイッチデバイスが前記第2スイッチング状態で動作しているとき、前記入力端子を前記第2出力端子に接続するよう構成され得る。
【0022】
この実施形態は、電力経路の選択の信頼性を向上させる。
【0023】
前記レトロフィット管状ランプは、前記第1端部及び前記第2端部に接続される前記第1タイプの電源から駆動電圧を生成するために駆動部を更に有してもよい。前記切換リレーは、前記切換リレーに駆動電圧が供給されないとき、前記単一のスイッチデバイスが前記第2スイッチング状態で動作するように構成され得る。
【0024】
少なくとも1つの例においては、前記切換リレーは、第1位置と第2位置との間で移動可能である接点部を有し、前記第1位置においては、前記接点部が前記入力端子を前記第1出力端子に接続し、前記第2位置においては、前記接点部が前記入力端子を前記第2出力端子に接続し、前記駆動部は、前記接点部の位置を制御するよう構成され、前記入力インターフェースの前記第1端部と前記入力インターフェースの前記第2端部との間に結合される。前記駆動部は、前記入力インターフェースに接続される外部インピーダンスがないとき、前記接点部の位置を制御するために前記駆動電圧を生成するのに十分な電力を取り出し、且つ前記入力インターフェースに接続される外部インピーダンスがあるとき、前記接点部の位置を制御するために前記駆動電圧を生成するのに十分な電力を取り出すことができないよう構成され得る。
【0025】
この実施形態においては、両端部電力入力に対して外部インピーダンスがあるときには、低いインピーダンスで両端部間の経路を閉じるよう前記スイッチを駆動するのに十分な電力がなく、従って、前記外部インピーダンス/人体を通る大電流はなく、それによって、人間を保護する。
【0026】
前記駆動部は、前記接点部の位置を制御するよう構成されるコイル、及び前記コイルと直列に接続される安全コンデンサ装置を有してもよい。前記安全コンデンサは、人体が存在するとき、電流が人体を感電させることを制限し、前記コイルの駆動を無効にし、人体が存在しないとき、前記コイルを閉状態にするために十分な電流をHF安定器から引き出すのに十分である適切なインピーダンスを持つ。
【0027】
少なくとも1つの例においては、前記単一のスイッチデバイスは、前記整流装置の前記出力に接続されるスイッチ入力端子、前記発光装置に直接接続される第1スイッチ出力端子、前記変換器に直接接続される第2スイッチ出力端子、及び前記スイッチ入力端子に接続され、少なくとも、第1スイッチング部位置と、第2スイッチング部位置と、第3スイッチング部位置との間で制御可能なスイッチング部を有するディップスイッチ又はリレーを有し、前記第1スイッチング部位置においては、前記スイッチング部が、前記スイッチ入力端子を前記第1スイッチ出力端子に接続して、それによって、前記単一のスイッチデバイスを、前記第1スイッチング状態で動作させ、前記第2スイッチング部位置においては、前記スイッチング部が、前記スイッチ入力端子を前記第2スイッチ出力端子に接続して、それによって、前記単一のスイッチデバイスを、前記第2スイッチング状態で動作させ、前記第3スイッチング部位置においては、前記スイッチング部が、前記第1スイッチ出力端子と前記第2スイッチ出力端子との両方から切り離される。前記ディップスイッチ又はリレーは、2極のセンターオフスイッチ(double pole, center-off switch)などのセンターオフスイッチであってもよい。この実施形態は、手動構成方法を提供する。
【0028】
実施形態においては、前記単一のスイッチデバイスは、前記第3スイッチング部位置にあるときの前記スイッチング部と、前記第1スイッチ出力端子との間の沿面距離が、所定の閾値より大きく、随意に、1.5mmより大きいように構成され得る。
【0029】
幾つかの例においては、前記発光装置は、複数の発光ユニットと、再構成回路であって、前記単一のスイッチデバイスが前記第1スイッチング状態で動作しているとき、前記発光ユニットを、直列に接続されるよう構成し、且つ前記単一のスイッチデバイスが前記第2スイッチング状態で動作しているとき、前記発光ユニットを、並列に接続されるよう構成するよう構成される再構成回路とを有する。換言すれば、前記ランプが前記第1タイプの電源(例えば、高周波)によって給電されるとき、前記発光ユニットは並列になり、そうでない場合、前記ランプが前記第2タイプの電源(例えば、低周波)によって給電されるとき、前記発光ユニットは直列になる。AC主電源と直列に接続される2つのランプの使用事例がある。本発明者は、各ランプにおいて、前記変換器によって給電される、直列接続される発光ユニットを有することによって、それは、異なるランプの光出力の統一性(unity)を改善することができることに気付いた。好ましくは、これは、前記変換器の固有の特性によって決定される。
【0030】
前記レトロフィット管状ランプは、前記変換器と前記第2タイプの電源のための前記発光ユニットとの間に接続されるリニアレギュレータを更に有してもよく、随意に、前記リニアレギュレータは、前記第1タイプの電源のための前記入力インターフェースの前記第1端部と前記第2端部との間の前記第1電流経路から切り離される。それ故、前記リニアレギュレータは、前記第2タイプの電源のための電力経路にしかない場合がある。このやり方においては、それは、前記第2タイプの電源に起因する低周波数リップルを低減させることができる一方で、高周波の前記第1タイプの電源に干渉しない。従って、二重の利点が提供されることができる。
【0031】
少なくとも1つの例においては、前記第1タイプの電源は、蛍光灯に給電するよう構成される高周波電源/安定器であり、前記第2タイプの電源は、随意に、蛍光灯に給電するよう構成される低周波安定器又は主電源を含む、低周波電源である。高周波は、1kHzより大きい、例えば10kHzより大きい、例えば30kHzより大きい周波数であり得る。低周波は、1kHzより低い、例えば120Hz/100Hzより低い周波数、例えば主電源周波数であり得る。
【0032】
幾つかの例においては、前記レトロフィット管状ランプは、前記入力インターフェースの前記第1端部における前記整流装置が、正の整流出力ノードと、負の整流出力ノードとを有し、前記管状ランプが、更なる正のノードと更なる負のノードとを含む前記入力インターフェースの前記第2端部に更なる整流装置を更に有し、前記単一のスイッチデバイスが、全体として作動されている第1スイッチング要素及び第2スイッチング要素を有するよう構成される。
【0033】
前記単一のスイッチデバイスは、前記第1スイッチング状態で動作し、前記第1タイプの電源が前記入力インターフェースに接続されるとき、前記正の整流出力ノードを前記入力インターフェースの前記第2端部の前記更なる正のノードに接続するよう前記第1スイッチング要素を制御し、前記負の整流出力ノードを前記入力インターフェースの前記第2端部の前記更なる負のノードに接続するよう前記第2スイッチング要素を制御し、且つ前記第2スイッチング状態で動作し、前記第2タイプの電源が前記入力インターフェースに接続されるとき、前記正の整流出力ノード及び前記負の整流出力ノードを前記入力インターフェースの前記第2端部の前記更なる正のノード及び前記更なる負のノードから切り離すよう前記第1スイッチング要素及び前記第2スイッチング要素を制御するよう構成される。
【0034】
上記の実施形態は、前記ランプの詳細な実施例を提供する。
【0035】
上述のように、AC主電源と直列に接続される異なるランプの光出力の統一を提供するためには、前記変換器の出力電流が別のランプとより統一されるように、前記変換器の動作を高い出力電圧に設定することが望ましい。これを達成するために、本発明の別の態様においては、LED装置、第1端部及び第2端部を備える管状LEDランプであり、前記第1端部が、低周波電源に接続するよう適合され、前記第1端部及び前記第2端部が、高周波電源に接続するよう適合される管状LEDランプであって、電源が、前記第1端部において受けられているのか前記第1端部と前記第2端部との間で受けられているのかを検出し、前記電源が、前記第1端部と前記第2端部との間ではなく、前記第1端部において受けられているとき、直列LEDを有する第1モードで前記LED装置を構成し、前記電源が、前記第1端部と前記第2端部との間で受けられているとき、並列LEDを有する第2モードで前記LED装置を構成するよう適合される制御回路を有することを特徴とする管状LEDランプが提案されている。
【0036】
入力の周波数を検知し、検知された前記周波数がHF安定器周波数であるかEM安定器周波数であるかに応じて、LEDを直列又は並列に構成する従来技術EP3050399B1がある。本発明の上記態様は、電力が、前記第1端部のみから入って来るのか両方の端部から入って来るのかを検出し、前記電力が、前記第1端部のみから入って来るのか両方の端部から入って来るのかに応じて、LEDを直列又は並列に構成するという点で、従来技術と異なる。
【0037】
詳細な実施形態においては、前記管状LEDランプは、前記第1端部と前記第2端部との間に、前記LED装置と直列にピン安全スイッチを更に有し、安全スイッチと並列にバイパスコンデンサを更に有し(これは既に知られており、多くの従来技術がある)、前記バイパスコンデンサと一緒に、前記制御回路が、低周波又は高周波のいずれかの電源が前記第1端部と前記第2端部との間に接続される場合に、前記第2モードで前記LED装置を構成するよう適合される。この実施形態においては、前記制御回路は、前記第1端部と前記第2端部との間にある限り、低周波電源と高周波電源との両方に応答する広帯域周波数ドライバである。このことは、前記管状LEDランプの構成を、前記入力の周波数によって決定されないようにし、前記入力が第1端部のみを介するのか両方の端部を介するのかだけに依存させる。
【0038】
更なる実施形態においては、前記制御回路は、デフォルトで前記LED装置を前記第1モードに設定し、前記第1端部と前記第2端部との間の電源に応答して前記LED装置を前記第2モードに変更するよう適合される。
【0039】
代替の第3態様においては、電源が、単一の端部を介して入って来るのか両方の端部を介して入って来るのかを検出する代わりに、バスにおける電圧の振幅を検出して、前記入力がAC主電源であるのかHF安定器であるのかを識別することが提案されている。より具体的には、第1タイプの電源と第2タイプの電源との両方と共に使用するよう構成されるレトロフィット管状ランプであり、
両方とも、前記第1タイプの電源から電力を受け取るように前記第1タイプの電源に接続可能であるよう構成される第1端部及び第2端部を含む入力インターフェースであって、前記入力インターフェースの前記第1端部が、更に、前記第2タイプの電源から電力を受け取るように前記第2タイプの電源に接続可能であるよう構成される入力インターフェースと、
変換器と、
前記変換器に結合されるLED装置と、
入力の周波数に応じて前記変換器をバイパスするよう又はバイパスしないよう適合されるバイパススイッチとを有するレトロフィット管状ランプであって、
前記バイパススイッチの前の電圧を検出し、前記電圧に応じて前記LED装置を直列LED又は並列LEDに変更するよう適合される電圧検出器を更に有することを特徴とするレトロフィット管状ランプが提案されている。
【0040】
下記の実施形態を参照して、本発明のこれら及び他の態様を説明し、明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0041】
本発明のより良い理解のために、及び本発明がどのようにして実施され得るかをより明確に示すために、ここで、ほんの一例として、添付図面を参照する。
【
図1】第1タイプの電源及び第2タイプの電源のために構成される既知のレトロフィット管状ランプを図示する。
【
図2】レトロフィット管状ランプのためのドライバを図示する。
【
図3】前記レトロフィット管状ランプのためのドライバと共に使用するためのスイッチドライバを図示する。
【
図4】前記レトロフィット管状ランプのためのドライバを図示する。
【
図5】前記レトロフィット管状ランプのためのドライバを図示する。
【
図6】前記レトロフィット管状ランプのための発光装置を図示する。
【
図7】前記レトロフィット管状ランプのための発光装置を図示する。
【
図8】前記レトロフィット管状ランプのための発光装置を図示する。
【
図9】
図1において示されているランプを改良したものである、本発明の第2態様による管状LEDランプの回路図を図示する。
【
図10】
図9の実施形態におけるスイッチSW1のための制御回路の実施例を図示する。
【
図11】
図9の実施形態におけるスイッチSW2のための制御回路の実施例を図示する。
【
図12】
図1において示されているランプを改良したものである、本発明の第3態様による管状LEDランプの回路図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図を参照して本発明について説明する。
【0043】
詳細な説明及び特定の例は、装置、システム及び方法の例示的な実施形態を示しているが、説明の目的のためのものでしかなく、本発明の範囲を限定しようとするものではないことは理解されたい。本発明の装置、システム及び方法のこれら及び他の特徴、態様及び利点は、以下の説明、添付の特許請求の範囲及び添付の図面からよりよく理解されるようになるだろう。図は、単に概略的なものに過ぎず、縮尺通りには描かれていないことは、理解されたい。図の全体を通して、同じ参照符号は、同じ又は同様のパーツを示すために使用されていることも、理解されたい。
【0044】
本発明は、レトロフィット管状ランプを提供する。単一のスイッチデバイスは、入力インターフェースの第1端部と第2端部とを選択的に互いに接続するよう構成される。2つの端部が接続されるとき、変換器はバイパスされる一方で、両方の端部間の電力(即ち、両端部電力)がランプの発光装置に供給される。2つの端部が切り離されるとき、単一の端部において変換器を介して発光装置に電力が供給される。単一のスイッチデバイスは、更に、2つの端部を互いに切り離すとき、2つの端部間の沿面距離が所定の安全距離以上となる(即ち、安全沿面が作成される)ように構成される。要するに、バイパス機能と安全沿面機能との両方が単一のスイッチデバイスによって提供される。
【0045】
図2は、実施形態によるレトロフィット管状ランプのためのドライバ200の第1構成を図示している。
【0046】
ドライバ200は、ドライバの電源が第1タイプの電源であるか第2タイプの電源であるかに関係なく、LEDで形成される発光装置(図示せず)を駆動するよう構成される。
【0047】
先に説明したように、第1タイプは、蛍光灯に給電するために設計された(即ち、高周波安定器を含む)高周波電源であってもよく、第2タイプは、少なくともAC主電源又は低周波安定器を含む低周波電源であってもよい。従って、第1タイプの電源は、高周波電力(例えば、>30kHz)を供給してもよく、第2タイプの電源は、低周波電力(例えば、主電源周波数などの<120Hz/100Hz)を供給してもよい。
【0048】
ドライバは、第1端部211及び第2端部212を含む入力インターフェースを有する。第1端部211は、第1入力ノードPin1と第2入力ノードPin2とを有する。第2端部212は、互いに接続される第3入力ノードPin3と第4入力ノードPin4とを有する。第1端部211及び第2端部212に追加のフィラメント回路が存在する可能性があり、それらのフィラメント回路はHF安定器との適合性(compatibility)のためのものである。これらのフィラメント回路は、本発明とは関係がなく、それ故、省かれている。
【0049】
第1端部211及び第2端部212は、両方とも、第1タイプの電源から電力を受け取るために第1タイプの電源に接続可能であるよう構成される。入力インターフェースの第1端部は、更に、第2タイプの電源から電力を受け取るために第2タイプの電源に接続可能であるよう構成される。これらは、特に欧州地域における、このランプの2つの典型的な設置である。ユーザは、第2端部を第2タイプの電源に接続しないよう指示される必要がある。このような誤った接続のリスクを軽減するために、ランプ又は保護回路にラベルがある必要がある。いずれにしても、これも本発明とは関係がなく、従って、これ以上詳細を示さない。
【0050】
従って、ドライバが第1タイプの電源に接続されるとき、入力インターフェースの両方の端部において電力が供給される。これは、両端部入力とも呼ばれる。ドライバが第2タイプの電源に接続されるとき、入力インターフェースの第1端部のみにおいて電力が供給される。これは、単一端部入力とも呼ばれる。
【0051】
ドライバは、複数のダイオードD1、D2、D3、D4から形成される整流装置221を更に有する。整流装置221は、正の整流出力ノードV+と、負の整流出力ノードV-とを提供する。整流装置は、正の電圧のみが第1端部211から正の整流出力ノードへ流れることができ、負の電圧のみが第1端部211から負の整流出力ノードへ流れることができるように構成される。ここでは、整流装置はブリッジ整流器である。
【0052】
ドライバ200は、更なる整流装置222を更に有する。更なる整流装置は、複数のダイオードD5、D6から形成される。更なる整流装置は、更なる正のノードVf+と更なる負のノードVf-とを有する。更なる整流装置は、正の電圧のみが第2端部212から更なる正のノードVf+へ流れることができ、負の電圧のみが第2端部212から更なる負のノードVf-へ流れることができるように構成される。
【0053】
ドライバは、変換器250を更に有する。変換器は、スイッチモード電源又は他の形態のAC/DC-DC変換器であってもよく、バックコンバータ、ブーストコンバータ及び/又はバックブーストコンバータを有してもよい。
図1においては、適切なバックコンバータの例が図示されている。
【0054】
変換器250は、変換器入力ノードVi+、Vi-において供給される電力Vinを変換して、発光装置に給電するためのDC電源Voを第1電圧源ノードVa+、Va-において生成するよう構成される。この第1構成のドライバにおいては、変換器入力ノードVi+、Vi-は、整流出力ノードV+、V-に直接接続される。
【0055】
ドライバ200は、(SW1a、SW2aの統合された二重接点(integrated double contacts)のリレーであり得る)単一のスイッチデバイスSW1を更に有する。単一のスイッチデバイスは、スイッチデバイスを閉じることによって変換器250を選択的にバイパスするよう動作する。変換器が(単一のスイッチデバイスによって)バイパスされるときには、発光装置は、第2電圧源ノードVb+、Vb-によって給電される。Vb+は、Vf+に直接接続され、Vb-は、Vf-に直接接続される。変換器がバイパスされないときには、発光装置は、変換器250によって提供される第1電圧源ノードVa+、Va-によって給電される。
【0056】
従って、発光装置のための電圧源ノードの2つのセットがある。第1セットは、第1電圧源ノードVa+、Va-を含み、第2セットは、第2電圧源ノードVb+、Vb-を含む。
【0057】
単一のスイッチデバイスは、別々のサブスイッチを使用して概略的に図示されているが、実際には、二重接点リレー又は2極単投スイッチなどの単一のデバイスに統合され得る。
【0058】
単一のスイッチデバイスは、少なくとも第1スイッチング状態及び第2スイッチング状態で動作可能である。
【0059】
第1スイッチング状態で動作し、第1タイプの電源が入力インターフェースに接続されるとき、単一のスイッチデバイスは、入力インターフェースの第1端部と第2端部との間に第1電流経路を提供し、変換器を発光装置から切り離しながら発光装置に電力を供給するよう構成される。
【0060】
図示されている例においては、単一のスイッチデバイスは、正の整流出力ノードV+を更なる正のノードVf+に(、それ故、Vb+に)接続し、負の整流出力ノードV-を更なる負のノードVf-に(、それ故、Vb-に)接続するよう、閉じられるようになる。
【0061】
このやり方においては、単一のスイッチデバイスが第1スイッチング状態で動作しており、第1タイプのデバイスが(第1端部及び第2端部において)入力インターフェースに接続されるとき、電力が第1端部211において正である場合には、電流は、Pin1-Pin2から、ダイオードD1-D2を通って、次いで、発光装置に接続するVb+へ流れ、次いで、Vb-へ流れ、D6を通って、最終的に第2端部212へ流れ、電力が第2端部において正である場合には、電流は、Pin3/Pin4から、ダイオードD5を通って、次いで、発光装置に接続するVb+へ流れ、次いで、Vb-へ流れ、D3-D4を通って、最終的に第2端部Pin1-Pin2へ流れる。この場合には、変換器250は、非動作状態又は条件にある。
【0062】
このやり方においては、単一のスイッチデバイスが第1スイッチング状態で動作しているとき、第2セットの電圧源ノードVb+、Vb-が発光装置のための電圧源を提供する。
【0063】
第2スイッチング状態で動作し、第2タイプの電源が入力インターフェースの第1端部に接続されるとき、単一のスイッチデバイスは、変換器を介して発光装置に電力を供給し、入力インターフェースの第1端部と第2端部との間に安全沿面を作成するよう構成される。
【0064】
このやり方においては、単一のスイッチデバイスが第2スイッチング状態で動作しており、第2タイプのデバイスが(第1端部において)入力インターフェースに接続されるとき、Pin1が正である場合には、電流は、Pin1から、ダイオードD1を通って、ノードVf+において、変換器250へ流れ、それによって、変換器250は、接続されている発光装置に給電するための電圧をVa+/Va-において供給し、ノードVf-において、ダイオードD4及びPin2に戻り、Pin2が正である場合は、その逆となる。
【0065】
従って、このやり方においては、単一のスイッチデバイスが第2スイッチング状態で動作しているとき、第1セットの電圧源ノードVb+、Vb-が発光装置のための電圧源を提供する。
【0066】
スイッチが開いていることから、入力インターフェースの第1端部と第2端部との間(即ち、単一のスイッチデバイスの接点間)の沿面距離が、所定の安全距離、例えば1.5mmより大きい場合、安全沿面が得られる。これは、適切に構成されたスイッチングデバイス、例えば二重接点リレーの使用を通して、達成されることができる。従って、第1端部をソケットに取り付けるときに第2端部に触れる人間は、第1端部において供給される電力に電気的に接続され、それ故、安全である。
【0067】
提案手法は、単一のスイッチデバイスを使用して、第2スイッチ状態で動作するときに安全沿面を提供することによって、バイパススイッチの機能とピン安全を効果的に組み合わせる。このことは、レトロフィット管状ランプの回路を簡素化する。
【0068】
単一のスイッチデバイスの動作は、スイッチドライバ(図示せず)によって制御されてもよい。スイッチドライバは、高周波電力が入力インターフェースに供給される(即ち、第1タイプの電源が電力を供給する)ときには、スイッチを閉じて入力インターフェースの第1端部と第2端部とを互いに接続し、(両端部入力シナリオにおける安全沿面のための)第1端部と第2端部との間に供給される高周波電力が存在しない又は十分にないときには、第1端部と第2端部とを切り離すよう構成され得る。より具体的には、スイッチドライバは、両方の端部に接続し、両方の端部間に流れる十分なAC信号があるか否かを検出することができる。HF安定器が正しく接続されている可能性があることを意味する、十分なAC信号がある場合には、スイッチドライバは、変換器をバイパスし、LED装置が第1タイプの電源によって給電されることを可能にするよう、スイッチを閉じ、それ以外の場合には、スイッチドライバは、変換器が第1端部において潜在的な第2タイプの電源によって給電されることを可能にしながら、2つの端部の間に安全沿面を作成するよう、スイッチを開いたままにする。従って、単一のスイッチデバイスのスイッチング状態は、入力インターフェースに接続される電源のタイプに依存する場合がある。
【0069】
図3は、単一のスイッチデバイスSW1を制御するためのスイッチドライバ300の例を図示している。
【0070】
ここでは、単一のスイッチデバイスSW1は、2つの入力端子と2つの出力端子とを持つ切換リレーである。切換リレーは、入力端子と出力端子とが互いに切り離される第1位置と、各入力端子がそれぞれの出力端子に接続する第2位置との間で移動可能である接点部を有する。それ故、SW1は、2極単投スイッチである。
【0071】
或る入力端子は、正の整流出力ノードV+に接続され、Vb+に接続される出力端子に制御可能に接続する。別の入力端子は、負の整流出力ノードV-に接続され、Vb-に接続される出力端子に制御可能に接続する。
【0072】
駆動部が、接点部の位置を制御する。駆動部は、(十分な電圧が供給されるときに)入力端子を出力端子に接続するよう構成されるコイルを有してもよい。それ以外の場合には(即ち、給電されていない状態においては)、駆動部は、入力端子を出力端子から切り離し得る。
【0073】
単一のスイッチデバイスSW1は、入力端子と出力端子とが切り離されるとき、沿面距離dcが、(最小)安全距離以上となる、例えば1.5mm以上となるように構成される。他の安全距離については、後で述べる。
【0074】
スイッチドライバ300は、単一のスイッチデバイスSW1の駆動部に供給される電圧を制御する。
【0075】
スイッチドライバ300は、Pin1/Pin2、Vb-、及びPin3/4において供給される高周波AC電流によって給電される。この電流は、(ダイオードD52を含む)スイッチ整流装置を通過する。整流された電力は、スイッチ制御ノードCoilpにおいてDC電力を供給するために、平滑コンデンサC6によって平滑化される。C6の両端のDC電力が、スイッチリレーSW1を駆動する。
【0076】
接地抵抗器R2は、(Vb-における)接地への、整流された電力のための経路を提供するよう構成される。ダイオードD20は、スイッチ制御ノードCoilpにおける電圧がVb-における電圧を下回ることを防止する。
【0077】
各ピンPin1、Pin2と直列にそれぞれのYコンデンサY2、Y3が接続される。これらのコンデンサの静電容量は、充電電流を制限するよう選択される。静電容量の適切な選択は、高周波安定器に対するピン安全が得られることができるように、随意に人体インピーダンスなしで、ピンPin1/Pin2及びPin3/Pin4において高周波電力が供給されるときにのみ、単一のスイッチデバイスの駆動部が給電されることを意味する。
【0078】
要約すると、単一のスイッチデバイスSW1及びスイッチドライバの動作原理は、第1タイプの電源が両方の端部において(高周波)電力を供給するときには、コンデンサが低い/適切なインピーダンスを持ち、SW2を駆動するための十分な電力が存在し(即ち、回路は閉じ)、第2タイプの電源がピンPin1、Pin2において(低周波)電力を供給するときには、コンデンサが、高いインピーダンスを持ち、ピンPin1とピンPin2との間の短絡の発生を防止するというものである。
【0079】
ピン安全性の向上は、コンデンサY2、Y3(のインピーダンス)の適切な設定によって実現されることができる。とりわけ、(例えばVb-に接続される)入力インターフェースの第2端部のPin3/Pin4の外部に人間/身体のインピーダンスRHがある場合、コンデンサ、RH及び単一のスイッチデバイスの駆動部の合成インピーダンスは、駆動部が十分な電圧を受け取らない(即ち、Coilpにおける電圧が駆動部を動作させるのに不十分になる)ほど大きくなるよう構成され得る。それ故、スイッチSW1は閉じず、このことは、大きな電流が入力インターフェース及び人体を流れることを防止し、触れる人間の安全性を向上させる。当然、人間/身体のインピーダンスがない場合、コンデンサ及び単一のスイッチデバイスの駆動部の合成インピーダンスは、スイッチSW1を閉じるよう単一のスイッチデバイスの駆動部を動作させるのに十分である。
【0080】
図4は、実施形態によるレトロフィット管状ランプのためのドライバ400の第2構成を図示している。
【0081】
ドライバ400は、単一のスイッチデバイスSW2の構成及び周囲の端子接続において、前述のドライバ200と異なる。
【0082】
単一のスイッチデバイスSW2は、2極双投スイッチを有する。単一のスイッチデバイスSW2は、第1サブスイッチSW2a及び第2サブスイッチSW2bから形成される。第1サブスイッチSW2aは、V+を、(もはやV+に直接接続されていない)Vi+、又はVb+のいずれかに制御可能に接続し、第2サブスイッチSW2bは、V-を、(もはやV-に直接接続されていない)Vi-、又はVb-のいずれかに制御可能に接続する。
【0083】
ドライバ400の動作は、変換器がバイパスされるとき(即ち、V+がVb+に接続され、V-がVb-に接続されるとき)、変換器がもはや整流装置の出力に接続されない(即ち、変換器が完全に切り離される)ことを除いて、前述のドライバ200の動作とほぼ同じである。 従って、第2スイッチング状態は、単に第1端部を第2端部から切り離すのではなく、第1端部が、第2端部から切り離され、変換器(の入力)に接続されるように修正される。同様に、第2スイッチング状態は、単に第1端部を第2端部に接続するのではなく、第1端部が、第2端部に接続され、変換器から切り離されるように修正される。
【0084】
それ故、ドライバ400の動作原理は以下の通りである。
【0085】
単一のスイッチデバイスSW2が第1スイッチング状態で動作しており、第1タイプのデバイスが入力インターフェースに接続されるとき、スイッチSW2a/bは、Vb+/-位置に切り替わり、電流は、第1端部と第2端部との間を、Pin1-Pin4を介して、ダイオードD1-D6を通って、発光装置に接続するVb+/Vb-を通って流れる。この場合には、変換器150は、入力ノードVi+、Vi-がフローティング(floating)又は高インピーダンスになるように、整流装置から切り離される。
【0086】
単一のスイッチデバイスSW2が第2スイッチング状態で動作しており、第2タイプのデバイスが入力インターフェースの第1端部に接続されるとき、スイッチSW2a/bは、図示されている位置にあり、電流は、Pin1及びPin2を介して、ダイオードD1-D4を通って、変換器450へ流れ、それによって、変換器450は、接続されている発光装置に給電するための電圧をVa+/Va-において供給する。この場合には、変換器は整流装置の出力に接続され、インターフェースの第2端部はインターフェースの第1端部から切り離される。
【0087】
第2スイッチング状態にあるとき、単一のスイッチデバイスSW2は、(第1端部と第2端部との間の)沿面距離が所定の安全距離(例えば1.5mm)より大きいように構成される。換言すれば、安全沿面が提供される。
【0088】
第1タイプの電源が接続される場合に変換器450がバイパスされるときには変換器450はもはや整流装置の出力に接続されていないので、変換器450には、第1タイプの電源の非点灯電圧によってトリガされる危険性がなく、変換器の構造に関して考慮すべき事項(例えば、バックコンバータを使用すべきかブーストコンバータを使用すべきか)がもはや考慮される必要がない。従って、
図4のドライバ400の構成は、
図2のドライバ200よりも柔軟性を提供する。しかしながら、第1構成(2極単投)の単一のスイッチデバイスは、第2構成の単一のスイッチデバイスよりも、単純で、コスト効果が良く、少ない材料を使用する。
【0089】
図4のドライバ400のためのスイッチドライバの構成及び動作は、スイッチが、インターフェースの第1端部をインターフェースの第2端部に接続するよう給電されていないときに、(単にフローティングになるのではなく)インターフェースの第1端部を変換器450に接続するよう構成されることを除いて、
図3において図示されているものと同一であり得る。
【0090】
スイッチドライバ及びスイッチは、駆動部が給電されないときには、スイッチが、V+をVi+に接続し、V-をVi-に接続するように構成され得る。このことは、例えば、設置中に(例えば、入力インターフェースの第1端部に主電源が接続される場合に、)入力インターフェースの第1端部から入力インターフェースの第2端部へ電流が流れることは許可されないので、レトロフィット管状ランプを設置する又は取り付ける人の安全性が向上させる。
【0091】
図5は、実施形態によるレトロフィット管状ランプのためのドライバ500第3構成を図示している。
【0092】
ドライバ500は、単一のスイッチデバイスSW3の構成及び周囲の端子接続において、第1構成100及び第2構成400と異なる。
【0093】
単一のスイッチデバイスSW3は、2極の切換スイッチ又は2極のセンターオフスイッチを有する。単一のスイッチデバイスSW3は、第1サブスイッチSW3a及び第2サブスイッチSW3bから形成される。第1サブスイッチSW3aは、V+を、制御可能に、(もはやV+に直接接続されていない)Vi+に接続する、又はいずれにも接続しない(即ち、フローティングにする)。第2サブスイッチSW3bは、V-を、制御可能に、(もはやV-に直接接続されていない)Vi-に接続する、又はいずれにも接続しない(即ち、フローティングにする)。
【0094】
それ故、ドライバ500の動作原理は、ドライバ400と同様である。しかしながら、単一のスイッチデバイスは、更に、第3スイッチング状態で動作可能であり、第3スイッチング状態においては、単一のスイッチデバイスは、入力インターフェースから変換器550を切り離し、入力インターフェースの第1端部を第2端部から切り離す。
【0095】
第3スイッチング状態においては、ドライバ500の入力と出力との間に電気的接続がない(即ち、電流が流れない)ので、第3スイッチング状態は、レトロフィット管状ランプの設置時の安全性を高めることができる。
【0096】
それ故、単一のスイッチデバイスSW3は、3つのスイッチング位置、即ち、(スイッチング部が、V+をVb+に接続し、V-をVb-に接続する)第1スイッチング位置と、(スイッチング部が、V+をVi+に接続し、V-をVi-に接続する)第2スイッチング位置と、(V+が、Vb+及びVi+から切り離され、V-が、Vb-及びVi-から切り離される)第3スイッチング位置との間で移動可能なスイッチング部を有する。
【0097】
好ましくは、単一のスイッチデバイスSW3は、スイッチング部が第3スイッチング位置にあるとき、入力インターフェースの第1端部と第2端部との間の沿面距離が所定の安全距離以上(例えば≧1.5mm)になるように構成される。
【0098】
単一のスイッチデバイスSW3は、手動で操作されるスイッチであってもよく、例えば、ドライバの第1構成及び第2構成における単一のスイッチデバイスの例のようにスイッチドライバに関連付けられなくてもよい。
【0099】
他の例においては、単一のスイッチデバイスは、入力検出(即ち、入力インターフェースに接続される電源のタイプの検出)に基づき得る。
【0100】
レトロフィット管状ランプのドライバの上記の全ての構成において、発光装置のための電圧(電)源ノードの2つのセットが存在する。どのセットが発光装置に電圧(電)源を提供するかを、単一のスイッチデバイスのスイッチング状態が制御し、それ故、電源のタイプが制御する。それ故、使用される電圧源ノードのセットに依存する(それ故、電源のタイプに依存する)異なる光出力装置を実現することが簡単である。
【0101】
従って、各々が電圧源ノードの2つのセットを有するレトロフィット管状ランプのドライバの提案構成は、発光装置を構成及び制御するための新たな機会を提供する。
【0102】
図6は、レトロフィット管状ランプの発光装置600の第1構成を図示している。
【0103】
発光装置600は、電圧源ノードの第1セットVa+、Va-又は電圧源ノードの第2セットVb+、Vb-のいずれかから電力を受け取るよう構成される。
【0104】
発光装置600は、(各々が1つ以上のLEDを含む)2つのLEDセット、第1LEDセットLEDs1と第2LEDセットLEDs2とを有する。各LEDセットは、管状LED(の一部)を有してもよい。発光装置600は、ダイオード装置を更に有し、ダイオードD8、D13、D14、D15及びD16を有する。
【0105】
ダイオードは、電力が電圧源ノードの第1セットVa+、Va-から受け取られるとき、第1LEDセットLEDs1と第2LEDセットLEDs2とが直列に接続される(即ち、電流が、第1セットを流れ、次いで、第2セットを流れる)ように構成される。ダイオードはまた、電力が電圧源ノードの第2セットVb+、Vb-から受け取られるとき、第1LEDセットLEDs1と第2LEDセットLEDs2とが並列に接続される(即ち、電流が、第1セットと第2セットとの間で分けられる)ように構成される。
【0106】
それ故、ダイオードは、直列又は並列に接続されるようLEDセットを構成するための再構成回路として機能する。
【0107】
それ故、発光装置のための電圧源ノードの2つのセットを提供する、レトロフィット管状ランプのための提案ドライバは、LEDセットが直列に接続されるか並列に接続されるかを規定するための発光装置内の追加のスイッチの必要性をなくす。このことは、直列・並列接続の変更を、より実施しやすくし、(スイッチの使用を回避することによって)前記変更の信頼性を向上させ、(材料)コストを低下させる。
【0108】
当業者は、ダイオードD8、D13、D14、D15、D16が、どのように適切なスイッチ装置に置き換えられ得るかを理解するだろう、それ故、適切なスイッチ装置は再構成回路として機能することができることを理解するだろう。
【0109】
図7は、レトロフィット管状ランプの発光装置700の第2構成を図示している。
【0110】
図7は、第2セットの電圧源ノードにおいて供給される電流を平滑化することなく(即ち、それは、無効にされる又はバイパスされることができる)、第1セットの電圧源ノードVa+/-において供給される電流を平滑化するために、どのように(例えば、リニアレギュレータ及び/又は他の同様の回路を含む)リップル除去器750が追加されることができるかを図示している。
【0111】
この手法は、低周波の第2タイプの電源の低周波リップルを軽減する。更に、第1タイプの電源がレトロフィット管状ランプに給電するときにリップル除去器がアクティブになることを避けることは、第1タイプの電源の電力損失、及び遅い応答の線形調整とスパイク点弧電圧との間のコンフリクト(conflict)などのリップル除去器と第1タイプの電源との間のコンフリクトの発生を防止することができる。リップル除去器を使用することによって、第2タイプの電源のために大きな出力コンデンサを使用する必要がなく、このことは、第2タイプの電源が使用される場合にレトロフィット管状ランプがオフにされるときの残光を減らすのに役立ち得る。別の角度から見ると、第1タイプの電源の周波数は、非常に高く、人間には感知できないことから、第1タイプの電源のために大きな出力コンデンサを使用する必要もない。全体として、大きな出力コンデンサは使用されず、残光は防止される。
【0112】
電圧源ノードの2つのセットの使用は、リップル除去器がアクティブであるか否かを制御するための追加のスイッチング回路などの必要性をなくす。
【0113】
第2構成において示されている概念は、例えばリップル除去器を(例えばVa-と第2LEDセットとの間に)適切に配置することを通して、発光装置の第1構成での使用のために容易に適合されることができる。
【0114】
図8は、レトロフィット管状ランプの発光装置800のための更に別の構成を図示している。
【0115】
発光装置は、(1つ以上のLEDの)2つの別々のLEDセットを提供する。第1LEDセットLEDs1は、第1セットの電圧源ノードVa+、Va-において電力が供給されるときに駆動される。第2LEDセットLEDs2は、第2セットの電圧源ノードVb+、Vb-において電力が供給されるときに駆動される。それ以外の場合には、LEDセットは駆動されない。
【0116】
好ましくは、この例においては、発光装置800は、V+、Vb+、V-、Vb-の間、及び第1LEDセットと第2LEDセットとの間の沿面距離dcが、所定の安全距離、例えば1.5mm以上であるように構成される。
【0117】
幾つかの例においては、リップル除去器が第1LEDセットLEDs1と直列に接続されてもよく、且つ/又はリップル除去器が第2LEDセットLEDs2と直列に接続されなくてもよい。この手法は、(入力インターフェースに接続される) 第1電源がレトロフィット管状ランプに電力を供給することを停止するときの残光の期間を短縮する。
【0118】
記載されているいずれの実施形態においても、レトロフィット管状ランプは、3つ以上のLEDセットを有してもよく、いずれの再構成回路も(存在する場合には)、前記LEDセットを任意の構成で(例えば、直列又は並列に)接続するよう構成され得る。記載されているいずれの実施形態においても、LEDセットは、他の形態の発光ユニット、例えば、ハロゲンベースの発光ユニットに置き換えられ得る。
【0119】
上記のいずれの実施形態においても、単一のスイッチングデバイスは、好ましくは、リレーなどの電気機械スイッチである。特定の例においては、単一のスイッチングデバイスは、単一のスイッチングデバイスの任意の入力端子と任意の出力端子との間の沿面距離が所定の安全距離(例えば1.5mm)以上であるように構成される。
【0120】
上記の例の沿面距離の所定の安全距離(例えば、1.5mm)は、単なる例示的なものにすぎず、(例えば)ベストプラクティス、業界標準、高度若しくは気圧の変化、及び/又は所望の安全マージンに応じて変化し得る。所定の安全距離の他の適切な例は、1mm、2mm、3mm、5mm、10mmなどを含む。
【0121】
本発明の別の態様においては、入力が1つの端部のみで受け取られているのか2つの端部の間で受け取られているのかに応じて、LEDを直列接続又は並列接続に構成する管状LEDランプが提案されている。上述のように、管状LEDランプがAC主電源と直列に接続され、ランプ間の光出力の統一を達成することが望ましい使用事例がある。管状LEDランプがAC主電源と直列に接続されることは、2つのランプのPin1及びPin2はAC主電源と直列に接続される一方で、各ランプのPin3及びPin4は依然としてフロート(float)であることを意味することに留意されたい。各ランプがAC主電源(低周波電源)によって給電されることから、変換器が必要とされる。本発明者は、異なるランプの変換器は、変換器の出力電圧が高い場合には、それらの出力電流をより統一的に調整することに気付いた。従って、本発明者は、入力が単一の端部を介して入って来るのか両方の端部を介して入って来るのかを検出し、入力が単一の端部を介して入って来る場合にはLEDを直列接続に構成し、入力が両方の端部を介して入って来る場合にはLEDを並列接続に構成することを提案する。
【0122】
図9は、
図1において示されている既知の回路の上に、上記の態様を実施したものを示している。
図9と
図1とで同様の構成要素については、再度説明しない。
【0123】
最も重要なことには、LED装置、第1端部111及び第2端部112を備える管状LEDランプであり、第1端部111が、低周波電源に接続するよう適合され、第1端部111及び第2端部112が、高周波電源に接続するよう適合される管状LEDランプであって、電源が、第1端部111において受けられているのか第1端部111と第2端部112との間で受けられているのかを検出し、電源が、第1端部111と第2端部112との間ではなく、第1端部111において受けられているとき、直列LEDを有する第1モードでLED装置を構成し、電源が、第1端部111と第2端部112との間で受けられているとき、並列LEDを有する第2モードでLED装置を構成するよう適合される制御回路を有することを特徴とする管状LEDランプが提案されている。
【0124】
制御回路は、
図9において示されているように、2つのスイッチSW1及びSW2と、それぞれの駆動回路とを有する。入力が第1端部のみを介するものであることが検出されるとき、スイッチSW1及びSW2が開いているとき、LEDs1とLEDs2とが、直列接続になり、スイッチM1、インダクタL1及びダイオードD32を含むバックコンバータによって駆動され、入力が第1端部111及び第2端部112を介するものであることが検出されるとき、スイッチSW1及びSW2が閉じられているとき、LEDs1とLEDs2とが、並列接続になり、随意に、入力が並列のLEDs1及びLEDs2に直接給電するようにバックコンバータがMOSFETのBypassによってバイパスされる。
【0125】
図10は、スイッチSW1及びその駆動回路を含む制御回路を示している。入力が両方の端部を介して来るのか否かの検出は、端子V+及び端子X1を介するものであり、端子V+及びX1は
図9においても示されている。端子V+は、整流ダイオードを介して、実質的に第1端部に接続され、端子X1は、Yコンデンサを介して、実質的に第2端部に接続される。
【0126】
第1端部111のみが電源に接続されるとき、端子V+から端子X1への電気経路は存在しない。従って、コンデンサC12は、充電されず、スイッチSW1は、閉じるよう駆動されない。従って、スイッチSW1は開いている。
【0127】
電源が第1端部111と第2端部112との両方に接続されるとき、電源はAC電源であり、第1端部111、端子V+、ダイオードD18、コンデンサC11、抵抗器R12、端子X1、Yコンデンサから、第2端部112へ、コンデンサC12を充電するよう流れる電流がある。好ましくは、Yコンデンサ及びコンデンサC11の静電容量は、HF安定器周波数及びAC主電源/EM安定器周波数が通過し、コンデンサC12を充電することを可能にする。スイッチSW1はPMOSであり、従って、コンデンサC11によって供給されるソースからゲートへのバイアス電圧は、スイッチSW1を閉じることができる。
【0128】
図11は、スイッチSW2及びその駆動回路を含む制御回路を示している。入力が両方の端部を介して来るのか否かの検出は、端子V-及び端子X1を介するものであり、端子V-及びX1は
図9においても示されている。端子V-は、整流ダイオードを介して、実質的に第1端部に接続され、端子X1は、Yコンデンサを介して、実質的に第2端部に接続される。
【0129】
第1端部111のみが電源に接続されるとき、端子V-から端子X1への電気経路は存在しない。従って、コンデンサC12は、充電されず、スイッチSW2は、閉じるよう駆動されない。従って、スイッチSW2は開いている。
【0130】
電源が第1端部111と第2端部112との両方に接続されるとき、電源はAC電源であり、第2端部112、Yコンデンサ、端子X1、抵抗器R7、コンデンサC2、ダイオードD16、端子V-から、第1端部111へ、コンデンサC10を充電するよう流れる電流がある。好ましくは、Yコンデンサ及びコンデンサC10の静電容量は、HF安定器周波数及びAC主電源/EM安定器周波数が通過し、コンデンサC12を充電することを可能にする。スイッチSW2はNMOSであり、従って、コンデンサC10によって供給されるゲートからソースへのバイアス電圧は、スイッチSW2を閉じることができる。
【0131】
スイッチSW1及びSW2が開いている場合には、LEDs1とLEDs2とが、直列接続になる。スイッチSW1及びSW2が閉じられている場合には、LEDs1とLEDs2とが、並列接続になる。
【0132】
両方の端部に接続されるHF安定器からの十分な信号によってピン安全回路が閉じられるとき、Yコンデンサはバイパスされ、スイッチSW1及びSW2を閉じたままにするためにコンデンサC10及びC11を充電するための電流が依然として存在する。
【0133】
図12おいて示されているような、代替の第3態様においては、第1タイプの電源と第2タイプの電源との両方と共に使用するよう構成されるレトロフィット管状ランプであり、
両方とも、第1タイプの電源から電力を受け取るように第1タイプの電源に接続可能であるよう構成される第1端部及び第2端部を含む入力インターフェースであって、入力インターフェースの第1端部が、更に、第2タイプの電源から電力を受け取るように第2タイプの電源に接続可能であるよう構成される入力インターフェースと、
変換器と、
変換器に結合されるLED装置と、
入力の周波数に応じて変換器をバイパスするよう又はバイパスしないよう適合されるバイパススイッチとを有するレトロフィット管状ランプであって、
バイパススイッチの前の電圧を検出し、電圧に応じてLED装置を直列LED又は並列LEDに変更するよう適合される電圧検出器を更に有することを特徴とするレトロフィット管状ランプが提案されている。
【0134】
より具体的には、HF安定器が接続される場合には、バイパススイッチが、(2つの端部間の高周波選択を介して)閉じられ、バックコンバータをバイパスし、HF安定器信号が、直接LEDへ流れ、バイパススイッチBypassの前の電圧振幅は、相対的に低いLED順方向電圧に等しい。
【0135】
AC主電源が接続される場合には、バイパススイッチは開いており、バックコンバータがAC主電源に接続し、バイパススイッチBypassの前の電圧は、実質的に入力電圧となり、即ち、ピークは、単一ランプ設置の場合は230*1.414ボルトとなり、直列ランプ設置の場合は115*1.414ボルトとなり、これらの両方とも、HFの場合におけるLED順方向電圧よりもかなり高い。
【0136】
次いで、検出される電圧が低い場合には、LED装置は並列接続に設定され、検出される電圧が高い場合には、LED装置は直列接続に設定される。
【0137】
当業者は、請求項記載の発明の実施において、図面、明細及び添付の特許請求の範囲の研究から、開示されている実施形態に対する変形を、理解し、達成することができる。特許請求の範囲において、「有する」という単語は、他の要素又はステップを除外せず、単数形表記は、複数性を除外しない。単に、或る特定の手段が、相互に異なる従属請求項において挙げられているという事実は、これらの手段の組み合わせは有利になるようには使用されることができないことを示すものではない。特許請求の範囲又は明細書において「~するよう適合される」という用語が使用されている場合には、「~するよう適合される」という用語は、「~するよう構成される」という用語と同等であるよう意図されていることに留意されたい。特許請求の範囲における如何なる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【国際調査報告】