(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】オイルコントロール複合材料、その製造方法及び化粧品
(51)【国際特許分類】
A61K 8/19 20060101AFI20240719BHJP
A61Q 1/12 20060101ALI20240719BHJP
A61Q 1/02 20060101ALI20240719BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20240719BHJP
A61K 8/24 20060101ALI20240719BHJP
A61K 8/27 20060101ALI20240719BHJP
A61K 8/25 20060101ALI20240719BHJP
A61K 8/26 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
A61K8/19
A61Q1/12
A61Q1/02
A61Q19/00
A61K8/24
A61K8/27
A61K8/25
A61K8/26
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508106
(86)(22)【出願日】2022-08-11
(85)【翻訳文提出日】2024-02-06
(86)【国際出願番号】 CN2022111715
(87)【国際公開番号】W WO2023173671
(87)【国際公開日】2023-09-21
(31)【優先権主張番号】202210246508.4
(32)【優先日】2022-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524050800
【氏名又は名称】クワンチョウ ジヤン コスメティックス テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GUANGZHOU JIYAN COSMETICS TECHNOLOGY CO., LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】511096558
【氏名又は名称】中国科学院化学研究所
【氏名又は名称原語表記】INSTITUTE OF CHEMISTRY, CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
【住所又は居所原語表記】No. 2, Zhongguancun North First Street, Haidian District, Beijing, 100190, P. R. China
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ル,ワンワン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,タオ
(72)【発明者】
【氏名】チェン,インイン
(72)【発明者】
【氏名】シュ,チェ
(72)【発明者】
【氏名】リ,フイ
(72)【発明者】
【氏名】ウ,ボ
(72)【発明者】
【氏名】リ,ジンピン
(72)【発明者】
【氏名】ス,シャシャ
(72)【発明者】
【氏名】リ,ジエ
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ミンミン
(72)【発明者】
【氏名】リ,シュエ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA111
4C083AA112
4C083AB131
4C083AB132
4C083AB171
4C083AB172
4C083AB211
4C083AB212
4C083AB221
4C083AB222
4C083AB232
4C083AB242
4C083AB291
4C083AB292
4C083AB332
4C083AB431
4C083AB432
4C083AB442
4C083AC112
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC372
4C083AC392
4C083AC422
4C083AD152
4C083AD162
4C083AD172
4C083CC05
4C083CC12
4C083DD17
4C083DD23
4C083DD31
4C083EE12
4C083FF01
(57)【要約】
本発明は、合成フッ素金雲母、シリカ、アルミナ及び有機ケイ素粉末からなる群から選択された少なくとも1種の基材30~90質量部と、フラーレン0.0001~6質量部と、ハイドロキシアパタイト1~50質量部と、酸化亜鉛0.1~30質量部とを含む混合物を高圧均質化することにより得られるオイルコントロール複合材料を提供する。本発明はまた、オイルコントロール複合材料の製造方法を提供する。本発明はまた、化粧品を提供する。本発明で提供されるオイルコントロール複合材料は、皮脂を選択的に吸着し、皮脂を凝集させ、皮脂の酸化を防止する機能を有しており、皮脂の選択的吸着から皮脂の凝集、さらに皮脂の酸化防止までの閉ループを形成することにより、メイクアップに対する皮脂の影響を完全に解決することができる。また、本願で提供されるオイルコントロール複合材料は、細胞毒性の低減、紫外線透過率の低下という効果ももっている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラーレン0.0001~6質量部と、
ハイドロキシアパタイト1~50質量部と、
酸化亜鉛0.1~30質量部と、
合成フッ素金雲母、シリカ、アルミナ、及び有機ケイ素粉末からなる群より選択された少なくとも1種の基材40~90質量部とを含む混合物を高圧均質化することにより得られることを特徴とする、オイルコントロール複合材料。
【請求項2】
前記混合物が、
フラーレン0.001~4質量部と、
ハイドロキシアパタイト5~40質量部と、
酸化亜鉛1~20質量部と、
基材45~85質量部とを含むことを特徴とする、請求項1に記載のオイルコントロール複合材料。
【請求項3】
前記混合物が、
フラーレン0.01~2質量部と、
ハイドロキシアパタイト10~30質量部と、
酸化亜鉛5~15質量部と、
基材50~80質量部とを含むことを特徴とする、請求項2に記載のオイルコントロール複合材料。
【請求項4】
前記オイルコントロール複合材料は、粒子径が300メッシュ以下であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のオイルコントロール複合材料。
【請求項5】
合成フッ素金雲母、シリカ、アルミナ、及び有機ケイ素粉末からなる群から選択された少なくとも1種の基材30~90質量部と、フラーレン0.0001~6質量部と、ハイドロキシアパタイト1~50質量部と、酸化亜鉛0.1~30質量部と、水1000~5000質量部とを均一に混合し、混合物を得る工程と、
前記混合物を順次に高圧均質化、ろ過、乾燥及び粉砕処理することによりオイルコントロール複合材料を得る工程とを含む、オイルコントロール複合材料の製造方法。
【請求項6】
前記混合物を30~50MPaの圧力下で1~8回高圧均質化することを特徴とする、請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
高圧均質化の前に、前記混合物を800~1500r/min回転速度で30~90分間前均質化することを特徴とする、請求項5に記載の製造方法。
【請求項8】
請求項1~4のいずれか1項に記載のオイルコントロール複合材料と、クチナシ果実エキスとを含み、
前記オイルコントロール複合材料とクチナシ果実エキスとの質量比が90~99:0.1~10である、化粧品組成物。
【請求項9】
請求項1~4のいずれか1項に記載のオイルコントロール複合材料又は請求項8に記載の化粧品組成物を含む、化粧品。
【請求項10】
前記化粧品が、ルースパウダー、パウダーケーキ、リキッドファンデーション、クリームファンデーション、BBクリーム、アイソレーションクリーム、スキンリペアクリーム、ペーストコンシーラー、リキッドコンシーラー、コントゥアリングパウダーケーキ、ハイライトパウダーケーキ、及びCCクリームからなる群より選択されることを特徴とする、請求項9に記載の化粧品。
【発明の詳細な説明】
【相互参照】
【0001】
本出願は、2022年3月14日に中国特許庁に出願された、出願番号202210246508.4、発明の名称「オイルコントロール複合材料、その製造方法及び化粧品」である中国特許出願の優先権を主張し、その全内容は援用により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、日用化粧品の技術分野に関し、特にオイルコントロール複合材料、その製造方法及び化粧品に関する。
【背景技術】
【0003】
顔の皮膚の油脂分泌が多いと、どんなにデリケートなメイクでも油っぽく汚れてしまうことから、オイルコントロールは化粧下地製品が解決しようとする中心的な問題の1つである。市販されている一般的なオイルコントロールパウダーの多くはメソポーラス材料であり、各種類の油脂を選択的に吸着することができず、油脂をコントロールしすぎることがある。そして、オイルコントロールしすぎると、化粧下地の塗り困難、塗りムラ、化粧のり、乾燥感などのトラブルが次々と起こる。
【0004】
ハイドロキシアパタイトは良好な生物学的活性と生体適合性を有し、生物学や医学で広く研究されている。骨と歯は、典型的な生体石灰化組織であり、その無機成分がすべてハイドロキシアパタイトである。ハイドロキシアパタイトは、六方晶系の結晶であり、後述のいくつかの可能な表面状態を有する微結晶である。(1)OH基が結晶表面にある場合、2つのCa(II)イオンと結合している表面OH基の位置が少なくともある瞬間に空いており、そして2つのCa(II)イオンが正に帯電しているため、正に帯電した、PO4
3-又は高分子上のリン酸基若しくはカルボキシ基を吸着可能な吸着位置が形成される。(2)Caイオンが結晶表面にある場合、Ca(I)は負に帯電した6つのO原子と結合しているため、表面のCa(I)位置がある瞬間に空くと、Ca(I)位置にはSr3+、K+などのカチオン及びタンバク質分子の基を吸着可能な強い吸着位置が形成され、Ca(II)位置には弱い吸着位置が形成される。ハイドロキシアパタイトは、その結晶表面構造の特徴により、一定の選択的吸着性を有する。
【0005】
CN112741775Aは、酸化亜鉛とハイドロキシアパタイトを用いて化粧品レベル雲母粉の表面に被覆した、オイルコントロール性能を有する化粧品用複合雲母粉及びその製造方法を提供するものである。この材料は一定の方向性の油脂吸収効果を有するが、顔の皮膚から分泌された油脂に対する吸着効果が十分ではない。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、オイルコントロール複合材料、その製造方法及び化粧品を提供することを目的とする。本発明で提供されるオイルコントロール複合材料は、皮脂を選択的に吸着し、皮脂を凝集させ、皮脂の酸化を防止する機能を有し、皮脂の吸着能力が強い。
【0007】
本発明は、
フラーレン0.0001~6質量部と、
ハイドロキシアパタイト1~50質量部と、
酸化亜鉛0.1~30質量部と、
合成フッ素金雲母、シリカ、アルミナ及び有機ケイ素粉末からなる群より選択される少なくとも1種の基材40~90質量部とを含む混合物を高圧均質化することにより得られるオイルコントロール複合材料を提供する。
【0008】
本発明は、合成フッ素金雲母、シリカ、アルミナ及び有機ケイ素粉末からなる群から選択された少なくとも1種の基材と、フラーレンと、ハイドロキシアパタイトと、酸化亜鉛とを原料とし、フラーレン、ハイドロキシアパタイト及び酸化亜鉛が基材に嵌合されるように高圧均質化し、比較的均一で表面が比較的平坦で角がより滑らかな複合材料を得、従って複合材料のオイルコントロール効果が向上する。
【0009】
本発明で提供される混合物では、複数のP軌道から構成された大きなπ結合共役系を持っているフラーレンを含むことにより、電子を受け取る能力が強く、またその独特な構造と物理化学的性質により、「フリーラジカルスポンジ」と呼ばれるほどのフリーラジカル消去作用に優れていると同時に、優れた抗酸化作用も示すから、化粧品材料やバイオ医薬品などで広く注目されている。本発明では、フラーレンが基材上に複合されることにより、フラーレンの分散度が向上し、得られる複合材料の性能の向上が図れる。一実施形態において、フラーレンの使用量は0.0001~6質量部とする。一実施形態において、フラーレンの使用量は0.001~4質量部とする。一実施形態において、フラーレンの使用量は0.01~2質量部とする。
【0010】
本発明で提供される混合物はハイドロキシアパタイトを含む。ハイドロキシアパタイトはその結晶表面構造の特徴により、油脂に対して一定の選択的吸着性を有する。一実施形態において、ハイドロキシアパタイトの使用量は1~50質量部とする。一実施形態において、ハイドロキシアパタイトの使用量は5~40質量部とする。一実施形態において、ハイドロキシアパタイトの使用量は10~30質量部である。
【0011】
本発明で提供される混合物は酸化亜鉛を含む。酸化亜鉛は収斂、乾燥の機能を有する。一実施形態において、酸化亜鉛の使用量は0.1~30質量部とする。一実施形態において、酸化亜鉛の使用量は1~20質量部とする。一実施形態において、酸化亜鉛の使用量は5~15質量部である。
【0012】
本発明で提供される混合物は基材を含む。前記基材は、合成フッ素金雲母、シリカ、アルミナ及び有機ケイ素粉末からなる群から選択された少なくとも1種である。一実施形態において、前記基材の使用量は40~90質量部とする。一実施形態において、前記基材の使用量は45~85質量部とする。一実施形態において、前記基材の使用量は50~80質量部である。
【0013】
一実施形態において、前記混合物は、
フラーレン0.001~4質量部と、
ハイドロキシアパタイト5~40質量部と、
酸化亜鉛1~20質量部と、
基材45~85質量部とを含む。
【0014】
一実施形態において、前記混合物は、
フラーレン0.01~2質量部と、
ハイドロキシアパタイト10~30質量部と、
酸化亜鉛5~15質量部と、
基材50~80質量部とを含む。
【0015】
本発明において、前記オイルコントロール複合材料は上記混合物を高圧均質化することにより得られる。一実施形態において、前記オイルコントロール複合材料は、粒子径が300メッシュ以下である。
【0016】
本発明で提供されるオイルコントロール複合材料は、皮脂を選択的に吸着し、皮脂を凝集させ、皮脂の酸化を防止する作用を有し、閉ループを形成することにより、メイクアップに対する皮脂の影響を完全に解決し、オイルコントロール化粧品に広く応用できる。
【0017】
また、本発明は、フラーレン0.0001~6質量部と、ハイドロキシアパタイト1~50質量部と、酸化亜鉛0.1~30質量部と、基材40~90質量部(ここで、前記基材は、合成フッ素金雲母、シリカ、アルミナ及び有機ケイ素粉末からなる群から選択された少なくとも1種である)と、水1000~5000質量部とを均一に混合し、混合物を得る工程と
前記混合物を順次に高圧均質化、ろ過、乾燥及び粉砕処理することにより、オイルコントロール複合材料を得る工程とを含む、オイルコントロール複合材料の製造方法を提供する。
【0018】
本発明には、まず、上記混合物と水を均一に混合し、混合物を形成する。一実施形態において、上記各原料は、攪拌条件下で水と均一に混合される。一実施形態において、前記攪拌の回転速度は50~100r/minとする。
【0019】
一実施形態において、高圧均質化を行う前に、混合物を前均質化する工程がさらに含まれる。一実施形態において、前記前均質化は攪拌条件下で行われる。一実施形態において、前記前均質化は800~1500r/minの回転速度で30~90分間行われる。
【0020】
前均質化後、得られた混合物を高圧ホモジナイザーで高圧均質化する。高圧均質化プロセス中には、素材が高速せん断、高周波振動、キャビテーション及び対流衝撃などの機械的力の影響を受け、素材に物理的、化学的、構造的性質の変化が生じるように誘導し、従って各素材を一緒に嵌合させて原料を一つの全体として結合させるようになる。
【0021】
一実施形態において、前記混合物は1~8回高圧均質化に供される。一実施形態において、前記混合物は3~6回高圧均質化に供される。一実施形態において、各高圧均質化の圧力は30~50MPaとする。一実施形態において、各高圧均質化の圧力は35~55MPaとする。
【0022】
高圧均質化が完了した後、得られる混合材料を順次にろ過、乾燥、粉砕、篩い分けし、オイルコントロール複合材料を得る。具体的には、まずプレートアンドフレームフィルターを用いて溶媒をろ過し、その後濾過残渣を真空乾燥させ、乾燥した濾過残渣を粉砕し、300メッシュ以下の篩を通過させ、複合オイルコントロール材料を得る。
【0023】
本発明で提供されるオイルコントロール複合材料は、皮脂の選択的吸着から皮脂の凝集、さらに皮脂の酸化防止までの閉ループを形成することにより、メイクアップに対する皮脂の影響を完全に解決する。また、本発明で提供されるオイルコントロール複合材料は、細胞毒性の低減、紫外線透過率の低下という効果もある。
【0024】
また、本発明は、前記のオイルコントロール複合材料と、クチナシ果実エキスとを90~99:0.1~10の質量比で含有する化粧品組成物を提供する。
【0025】
本発明におけるクチナシ果実エキスは、クチナシ果実を加水分解後に精製乾燥して得られた青色の粉末を指し、抗酸化作用を有し、油脂の酸化やくすみを軽減でき、黄色を補正する作用を持ち、複合オイルコントロール材料と併用することで化粧下地のくすみを効果的に軽減する効果を奏する。
【0026】
本発明で使用されるクチナシ果実エキスは、以下の手順に従って調製することができる。
クチナシ果実を粉砕し、エタノール-水溶液を加えて浸出し、減圧下で乾燥してエタノールを除去し、クチナシ果実スラリーを得、
クチナシ果実スラリーを酵素分解し、ろ過し、
ろ液にアミノ酸を加えて反応させ、
反応後の混合物をマクロ多孔質樹脂を使用して精製し、その後濃縮させ、乾燥させ、クチナシ果実エキスが得られる。
【0027】
本発明に記載されているクチナシ果実エキスの抽出技術は国内外で成熟しており、商業化されている。
【0028】
本発明の一実施形態において、使用されるクチナシ果実エキスは森馨社(Sensient Technologies Corp (China) Ltd.)から購入され、製品コードがGB618である。0.0125%クチナシ果実エキスは、DPPHフリーラジカルクリアランスが66.2%であったと測定された。
【0029】
また、本発明は、前記のオイルコントロール複合材料と前記の化粧品組成物とを含む化粧品を提供する。
【0030】
本発明で提供されるオイルコントロール複合材料は、ルースパウダー、パウダーケーキ、リキッドファンデーション、クリームファンデーション、BBクリーム、アイソレーションクリーム、スキンリペアクリーム、ペーストコンシーラー、リキッドコンシーラー、コントゥアリングパウダーケーキ、ハイライトパウダーケーキ、及びCCクリームなどを含むがこれらに限定されないオイルコントロール化粧品を調製するために使用することができる。
【0031】
本発明で提供されるオイルコントロール複合材料は、クチナシ果実エキスと併用して化粧品を調製することができ、良好な抗酸化性能を有し、化粧下地のくすみを軽減できる。
【0032】
上記化粧品は、オイルコントロール複合材料を含み、さらに他の成分を含むことができる。他の成分の種類及び使用量は、当業者が化粧品の機能的必要性に応じて適切に決定できるものであるので、その説明を割愛する。
【0033】
本発明は、合成フッ素金雲母、シリカ、アルミナ及び有機ケイ素粉末からなる群から選択された少なくとも1種の基材と、フラーレンと、ハイドロキシアパタイトと、酸化亜鉛とを原料とし、高圧均質化し、高圧均質化プロセス中に、素材が高速せん断、高周波振動、キャビテーション及び対流衝撃などの機械的力の影響を受け、素材に物理的、化学的、構造的性質の変化が生じるように誘導し、従って各素材を一緒に嵌合させて原料を一つの全体として結合させるようになり、比較的均一で表面が比較的平坦で角がより滑らかな複合材料が得られる。本発明で提供されるオイルコントロール複合材料は、皮脂を選択的に吸着し、皮脂を凝集させ、皮脂の酸化を防止する機能を有しており、皮脂の選択的吸着から皮脂の凝集、さらに皮脂の酸化防止までの閉ループを形成することにより、メイクアップに対する皮脂の影響を完全に解決することができる。また、本発明で提供されるオイルコントロール複合材料は、細胞毒性の低減、紫外線透過率の低下という効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】
図1は、本発明の実施例8で調製された材料の走査型電子顕微鏡写真である。
【
図2】
図2は、本発明の実施例8で調製された材料の粒子径分布図である。
【
図3】
図3は、本発明の比較例4で調製された材料の走査型電子顕微鏡写真である。
【
図4】
図4は、本発明の実施例7で調製された材料の水中の分散安定性の写真である。
【
図5】
図5は、本発明の比較例4で調製された材料の水中の分散安定性の写真である。
【
図6】
図6は、本発明の実施例及び比較例で調製された材料のラマン分光スペクトルである。
【
図7】
図7は、本発明の実施例及び比較例で提供された材料のフリーラジカル消光の試験結果を示す。
【
図8】
図8は、本発明の実施例及び比較例で提供された材料による細胞生存率の試験結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明で提供されるオイルコントロール複合材料、その製造方法及び化粧品について、実施例を参照して詳細に説明する。
【0036】
実施例1
フラーレン0.0001部、ハイドロキシアパタイト1部、酸化亜鉛30部、フレーク状アルミナ50部、脱イオン水3000部を混合し、60r/minの回転速度で均一に撹拌した後、1000r/minの回転速度で60分間均質化処理し、得られたスラリーを高圧ホモジナイザーで処理し、このように40MPa条件下で4回繰り返した後、プレートアンドフレームフィルターで溶媒を濾別し、得られた濾過残渣を真空乾燥させ、乾燥した濾過残渣を粉砕し、300メッシュで篩い分けし、複合オイルコントロール材料を得た。前記複合オイルコントロール材料は、メジアン径D50が1~20μmであった。
【0037】
実施例2
フラーレン6部、ハイドロキシアパタイト50部、酸化亜鉛0.1部、合成フッ素金雲母90部、脱イオン水3000部を混合し、60r/minの回転速度で均一に撹拌した後、1000r/minの回転速度で60分間均質化処理し、得られたスラリーを高圧ホモジナイザーで処理し、40MPa条件下で4回繰り返した後、プレートアンドフレームフィルターで溶媒を濾別し、得られた濾過残渣を真空乾燥させ、乾燥した濾過残渣を粉砕し、300メッシュで篩い分けし、複合オイルコントロール材料を得た。
【0038】
実施例3
フラーレン0.001部、ハイドロキシアパタイト5部、酸化亜鉛20部、有機ケイ素粉末65部、脱イオン水3000部を混合し、60r/minの回転速度で均一に撹拌した後、1000r/minの回転速度で60分間均質化処理し、得られたスラリーを高圧ホモジナイザーで処理し、40MPa条件下で4回繰り返した後、プレートアンドフレームフィルターで溶媒を濾別し、得られた濾過残渣を真空乾燥させ、乾燥した濾過残渣を粉砕し、300メッシュで篩い分けし、複合オイルコントロール材料を得た。
【0039】
実施例4
フラーレン4部、ハイドロキシアパタイト40部、酸化亜鉛1部、シリカ90部、脱イオン水3000部を混合し、60r/minの回転速度で均一に撹拌した後、1000r/minの回転速度で60分間均質化処理し、得られたスラリーを高圧ホモジナイザーで処理し、40MPa条件下で4回繰り返した後、プレートアンドフレームフィルターで溶媒を濾別し、得られた濾過残渣を真空乾燥させ、乾燥した濾過残渣を粉砕し、300メッシュで篩い分けし、複合オイルコントロール材料を得た。
【0040】
実施例5
フラーレン0.01部、ハイドロキシアパタイト10部、酸化亜鉛1部、シリカ40部、アルミナ30部、脱イオン水3000部を混合し、60r/minの回転速度で均一に撹拌した後、1000r/minの回転速度で60分間均質化処理し、得られたスラリーを高圧ホモジナイザーで処理し、40MPa条件下で4回繰り返した後、プレートアンドフレームフィルターで溶媒を濾別し、得られた濾過残渣を真空乾燥させ、乾燥した濾過残渣を粉砕し、300メッシュで篩い分けし、複合オイルコントロール材料を得た。
【0041】
実施例6
フラーレン2部、ハイドロキシアパタイト30部、酸化亜鉛10部、シリカ40部、合成フッ素金雲母45部、脱イオン水3000部を混合し、60r/minの回転速度で均一に撹拌した後、1000r/minの回転速度で60分間均質化処理し、得られたスラリーを高圧ホモジナイザーで処理し、40MPa条件下で4回繰り返した後、プレートアンドフレームフィルターで溶媒を濾別し、得られた濾過残渣を真空乾燥させ、乾燥した濾過残渣を粉砕し、300メッシュで篩い分けし、複合オイルコントロール材料を得た。
【0042】
実施例7
フラーレン1部、ハイドロキシアパタイト20部、酸化亜鉛5部、合成フッ素金雲母77.5部、脱イオン水3000部を混合し、60r/minの回転速度で均一に撹拌した後、1000r/minの回転速度で60分間均質化処理し、得られたスラリーを高圧ホモジナイザーで処理し、40MPa条件下で4回繰り返した後、プレートアンドフレームフィルターで溶媒を濾別し、得られた濾過残渣を真空乾燥させ、乾燥した濾過残渣を粉砕し、300メッシュで篩い分けし、複合オイルコントロール材料を得た。
【0043】
実施例8
フラーレン0.02部、ハイドロキシアパタイト15部、酸化亜鉛5部、合成フッ素金雲母80部、脱イオン水3000部を混合し、60r/minの回転速度で均一に撹拌した後、1000r/minの回転速度で60分間均質化処理し、得られたスラリーを高圧ホモジナイザーで処理し、40MPa条件下で4回繰り返した後、プレートアンドフレームフィルターで溶媒を濾別し、得られた濾過残渣を真空乾燥させ、乾燥した濾過残渣を粉砕し、300メッシュで篩い分けし、複合オイルコントロール材料を得た。
【0044】
実施例8で得られた材料を走査型電子顕微鏡で観察した結果を
図1に示す。
図1は、本発明の実施例8で調製された材料の走査型電子顕微鏡写真である。
図1から分かるように、本発明の実施例で調製された材料は、全体が均一な状態であり、表面が比較的平坦で角がより滑らかであり、皮膚感触が改善されるのに有利である。
【0045】
実施例8で得られた材料について、粒子径分布試験を行った結果を
図2に示す。
図2は、本発明の実施例8で調製された材料の粒子径分布図である。
図2から分かるように、本発明の実施例で調製された材料は、メジアン径D50が1~20μmであった。
【0046】
比較例1
複合材料に合成フッ素金雲母を添加しないことを除いて、実施例8と同じ製造方法を採用した。
【0047】
比較例2
複合材料にハイドロキシアパタイトを添加しないことを除いて、実施例8と同じ製造方法を採用した。
【0048】
比較例3
複合材料に酸化亜鉛を添加しないことを除いて、実施例8と同じ製造方法を採用した。
【0049】
比較例4
フラーレン0.02部、ハイドロキシアパタイト15部、酸化亜鉛5部、合成フッ素金雲母80部を物理的に攪拌して混合した。
【0050】
比較例4で得られた材料を走査型電子顕微鏡で観察した結果を
図3に示す。
図3は、本発明の比較例4で調製された材料の走査型電子顕微鏡写真である。
図3から分かるように、直接物理的に混合された材料は、電子顕微鏡下で各成分が分離しているように見えた。
【0051】
実験例1
オレイン酸と水を2:1の割合で混ぜて、簡易的な人工皮脂を作った。実施例1~8で調製された複合オイルコントロール材料及び比較例1~4で調製された試料をそれぞれ50mlのビーカーに1.2g入れ、人工皮脂7.2gを加え、均一に撹拌した後、ビーカーを傾けて流動性を観察し、凝固時間を計算し、材料の皮脂凝集能力を観察した結果を表1に示す。表1は、本発明の実施例及び比較例で提供された材料の油脂吸着量及び皮脂凝集能力の試験結果である。
【0052】
実験例2
オレイン酸及びシリコーンオイルは、それぞれ皮膚から分泌される油脂及び化粧下地処方に一般的に使用される油脂である。実施例1~8で調製された複合オイルコントロール材料5g及び比較例1~4で調製された試料5gをそれぞれオレイン酸50g、シリコーンオイル50g(10cst)と均一に混合し、室温で18時間放置した。その後、石油エーテル100mLを加えて30分間攪拌し、ろ過して濾過残渣を洗浄し、洗浄を3回繰り返した。石油エーテルを完全に蒸発させた後、坩堝に残留物を1g秤量し、マッフル炉に入れて500℃±25℃の温度下で2時間焼成した後、坩堝を取り出して炉外の石綿板の上に置き、3分間冷却した後に乾燥器に移し、室温まで冷却した後に精密天秤で秤量し、連続した2回秤量した質量差が0.4mg未満になるまで上記操作を繰り返し(2回目以降の焼成時間を30分間とした)、重量減少分から油脂吸着量を求め、その結果を表1に示す。表1は、本発明の実施例及び比較例で提供された材料の油脂吸着量及び皮脂凝集能力の試験結果である。
【0053】
【0054】
実験例3 複合オイルコントロール材料の水中の分散安定性試験
比較例4及び実施例7の材料のそれぞれ1.25gを100mLのメスフラスコに秤量し、脱イオン水35gを加えてよく振盪し、30分間超音波をかけ、2時間静置し、溶液を観察した結果を
図4及び
図5に示す。
図4は、本発明の実施例7で調製された材料の水中の分散安定性の写真である。
図5は、本発明の比較例4で調製された材料の水中の分散安定性の写真である。
【0055】
純粋なフラーレン粉末は黒色であり、フラーレンがよく分散している場合は淡黄色に見える。
図4及び
図5から分かるように、直接物理的に混合された材料は超音波処理した後、フラスコの底に黒い粒子が析出した。この黒い物質を採取して検査したところ、黒い粒子はフラーレンであることが確認された。それに対して、実施例7で調製された複合材料は、超音波処理に供した後も依然として均一な状態を示したから、本発明で調製された複合材料は安定性が良好であることが分かった。
【0056】
実験例4 複合オイルコントロール材料のラマン分光検出実験
比較例4、実施例8の試料、原材料1(フラーレン)、原材料2(混合されたハイドロキシアパタイト、酸化亜鉛、及び合成フッ素金雲母)をそれぞれ固体基板上に採取し、試料表面を清潔な平らなシートで覆い、軽く押して実験表面を平らにし、ラマン分光検出を行った結果を
図6に示す。
図6は、本発明の実施例及び比較例で調製された材料のラマンスペクトルであり、ただし、複合オイルコントロール材料は実施例8で調製された材料であり、物理的混合した原材料は比較例4で調製された材料であった。
図6から分かるように、本発明の実施例で調製された複合オイルコントロール材料は、原材料1の特性信号と原材料2の特性信号の両方を有しており、材料の元の構造が複合後に変化していないことを示した。しかし、直接物理的混合と比較すると、複合オイルコントロール材料は、ラマンピークが大きく異なったから、複合オイルコントロール材料が単純に混合されているのではなく、一定の相互作用と組み合わされていることが証明された。
【0057】
実験例5 複合オイルコントロール材料の抗酸化性能試験
(1)フリーラジカル消光試験:比較例4及び実施例8で得られた試料を採取し、電子常磁性共鳴(EPR)により材料のフリーラジカル消光作用を検出した。5.5μlのDMPO母液を250μlの超純水に加え、DMPO溶液を調製した。比較例4及び実施例8で得られた試料のそれぞれ20mgを秤量し、超純水それぞれ1000μlを加えて超音波分散し、直ちに試料25μlを移して25μlのH
2O
2(100mM)と均一に混合し後、10μlのDPMO溶液を加えて得られた。まず、溶液に500W紫外線を4分間照射し、その後暗所でXバンドEPRスペクトルを記録した結果を
図7に示す。
図7は、本発明の実施例及び比較例で提供された材料のフリーラジカル消光試験結果を示す。
図7から分かるように、比較例4で調製された材料は、フリーラジカルに対する消光作用がほとんどなく、抗酸化性能が弱くなった。それは、フラーレンの抗酸化特性がその分散性に関係しており、材料を直接物理的に混合した場合は、フラーレンが十分に分散しなかったためである。それに対して、実施例8で調製された複合材料では、フラーレンは材料表面に均一に付着しており、抗酸化性能が十分に発揮した。
【0058】
(2)抗油脂酸化能力の試験:実施例8で調製された材料をオレイン酸に1.25%の割合で添加し、オレイン酸の酸化を促進するために紫外線ランプ下で7日間照射した後、遠心し、上清を採取して過酸化物価を測定した結果を表2に示す。表2は、本発明の実施例で提供された複合材料の抗油脂酸化能力の試験結果である。
【0059】
【0060】
実験例6 複合オイルコントロール材料の細胞保護実験
実施例8で調製された材料及び比較例4で調製された材料それぞれ5mgを秤量し、FBSを10%含む培地それぞれ1mLを加えてよく混合し後、37℃の定温インキュベーターで24時間放置した後にろ過し、試料浸出液を得た。
【0061】
対数増殖期の細胞を、10%ウシ胎児血清を含むDMEM無色細胞培養液を使用して適切な濃度の細胞懸濁液を調製し、1ウェルあたり5×10
4細胞(100μl)を96ウェル細胞培養プレートに加え、一晩培養した。実験には、ブランク群、実施例8群及び比較例4群の3群に分けた。実施例8群及び比較例4群に対してはそれぞれ試料浸出液40mgを加え、ブランク群を対照とした。細胞がコンフルエンス80%に達したら、試料浸出液を加えてインキュベーター内で24時間培養し、各群のHACAT細胞に対してCCK8テストを行い、マイクロプレートリーダーでHACAT細胞の450nmでの吸光度を検出し、各群のHACAT細胞の増殖活性を得、そのデータを
で表した。細胞生存率=投与群の値/ブランク群のOD値×100%により計算した結果を
図8に示す。
図8は、本発明の実施例及び比較例で提供された材料による細胞生存率の試験結果を示す。
図8から分かるように、実施例8で調製された複合オイルコントロール材料群には細胞生存率が99.2%であったのに対して、比較例4の試料群には細胞生存率がただ20.94%であったから、本発明で調製された複合オイルコントロール材料は細胞を保護する作用を有することが証明された。
【0062】
実験例7 複合オイルコントロール材料の油脂選択的吸着試験
異なる種類の油脂を約0.11g秤量し、n-ヘキサン110mLを加えて溶解し、均一に混合した。実施例8で調製された複合材料を三角フラスコに約0.5g秤量し、油脂を含むn-ヘキサン50mLを加え、蓋をして密封し、1時間振盪し、ろ過し、GCMSで分析し、外部標準法により含有量を算出し、油脂を含むn-ヘキサンを用いて含有量100%、20%、10%、1%及び0.1%とした検量線を作成し、その結果を表3に示す。表3は、本発明の実施例で提供された材料の油脂への吸着結果を示す。
【0063】
【0064】
表3から分かるように、本発明の実施例で調製された複合オイルコントロール材料は、オレイン酸(皮膚から分泌される油脂成分)への吸着率が最も高く、化粧下地処方に一般的に使用されている油脂に対して、シリコーンオイル及びパルミチン酸イソオクチル(2-EHP)への吸着が少なく、鉱物油、スクワラン、カプリン酸グリセリル(GTCC)への吸着がほとんどなかったから、この複合材料が選択的吸着機能を有することが証明された。
【0065】
実施例8
表4に示す処方に従ってリキッドファンデーションを調製した。
【0066】
【0067】
その中で、クチナシ果実エキスは森馨社(Sensient Technologies Corp (China) Ltd.)から購入し、製品コードがGB618であった。
【0068】
調製手順には次の手順が含まれる。
1、乳化剤、着色剤、皮膜形成剤、肌潤剤、皮膚感触調整剤、増粘剤をビーカーに順次加え、攪拌して80℃に加熱し、10分間均質化し、10分間保温し、A相材料を得た。
2、保湿剤、無機塩、複合オイルコントロール材料組成物、防腐剤、及び水をビーカーに順次加え、攪拌して80℃に加熱し、10分間保温し、B相材料を得た。
3、B相材料をA相材料にゆっくりと加えて10分間均質化し、攪拌して35℃まで冷却し、リキッドファンデーションを得た。
【0069】
オリーブオイル:オレイン酸:スクワランを2:2:1の割合で混ぜて簡易的な人工皮脂を作り、リキッドファンデーション4gをそれぞれ取り、人工皮脂0.4gを加えて均一に撹拌し、ガラス板の上に置き、フィルムアプリケーターで90μmの膜に塗布し、測色計でファンデーション膜の色を測定し、室温で12時間放置して再度ファンデーション膜の色を測定し、色差値を算出した結果を表5に示す。表5は、本発明で提供されるリキッドファンデーションの色差値である。
【0070】
【0071】
表5から分かるように、複合オイルコントロール材料組成物を添加したリキッドファンデーションは、12時間塗布された後に色差値ΔEが最も小さかったから、リキッドファンデーションの変色が最も軽く、くすみを防ぐ能力が最も優れていることが示された。
【0072】
前述の説明は、本発明の好ましい具体的な実施形態にすぎないが、本発明の保護範囲はこれに限定されず、当業者が本発明に開示された技術的範囲内で本発明の技術及びその発明概念に基づいて同等の置換又は変更を行って得られたものは、すべて本発明の保護範囲に含まれるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラーレン0.0001~6質量部と、
ハイドロキシアパタイト1~50質量部と、
酸化亜鉛0.1~30質量部と、
合成フッ素金雲母、シリカ、アルミナ、及び有機ケイ素粉末からなる群より選択された少なくとも1種の基材40~90質量部とを含む混合物を高圧均質化することにより得られることを特徴とする、オイルコントロール複合材料。
【請求項2】
前記混合物が、
フラーレン0.001~4質量部と、
ハイドロキシアパタイト5~40質量部と、
酸化亜鉛1~20質量部と、
基材45~85質量部とを含むことを特徴とする、請求項1に記載のオイルコントロール複合材料。
【請求項3】
前記混合物が、
フラーレン0.01~2質量部と、
ハイドロキシアパタイト10~30質量部と、
酸化亜鉛5~15質量部と、
基材50~80質量部とを含むことを特徴とする、請求項2に記載のオイルコントロール複合材料。
【請求項4】
前記オイルコントロール複合材料は、粒子径が300メッシュ以下であることを特徴とする、請求項
1に記載のオイルコントロール複合材料。
【請求項5】
合成フッ素金雲母、シリカ、アルミナ、及び有機ケイ素粉末からなる群から選択された少なくとも1種の基材30~90質量部と、フラーレン0.0001~6質量部と、ハイドロキシアパタイト1~50質量部と、酸化亜鉛0.1~30質量部と、水1000~5000質量部とを均一に混合し、混合物を得る工程と、
前記混合物を順次に高圧均質化、ろ過、乾燥及び粉砕処理することによりオイルコントロール複合材料を得る工程とを含む、オイルコントロール複合材料の製造方法。
【請求項6】
前記混合物を30~50MPaの圧力下で1~8回高圧均質化することを特徴とする、請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
高圧均質化の前に、前記混合物を800~1500r/min回転速度で30~90分間前均質化することを特徴とする、請求項5に記載の製造方法。
【請求項8】
請求項1~4のいずれか1項に記載のオイルコントロール複合材料と、クチナシ果実エキスとを含み、
前記オイルコントロール複合材料とクチナシ果実エキスとの質量比が90~99:0.1~10である、化粧品組成物。
【請求項9】
請求項1~4のいずれか1項に記載のオイルコントロール複合材料又は請求項8に記載の化粧品組成物を含む、化粧品。
【請求項10】
前記化粧品が、ルースパウダー、パウダーケーキ、リキッドファンデーション、クリームファンデーション、BBクリーム、アイソレーションクリーム、スキンリペアクリーム、ペーストコンシーラー、リキッドコンシーラー、コントゥアリングパウダーケーキ、ハイライトパウダーケーキ、及びCCクリームからなる群より選択されることを特徴とする、請求項9に記載の化粧品。
【国際調査報告】