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特表2024-528311ヒートスプレッダ及びカートリッジ型制御アセンブリを使用した電気モータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】ヒートスプレッダ及びカートリッジ型制御アセンブリを使用した電気モータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 11/30 20160101AFI20240719BHJP
   H02K 9/22 20060101ALI20240719BHJP
   H02K 7/14 20060101ALN20240719BHJP
【FI】
H02K11/30
H02K9/22 Z
H02K7/14 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508394
(86)(22)【出願日】2022-08-11
(85)【翻訳文提出日】2024-02-09
(86)【国際出願番号】 IB2022057522
(87)【国際公開番号】W WO2023017468
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】63/232,772
(32)【優先日】2021-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/882,677
(32)【優先日】2022-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516173429
【氏名又は名称】ジーエイチエスピー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】GHSP, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100096758
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100114845
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 雅和
(74)【代理人】
【識別番号】100148781
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 友和
(72)【発明者】
【氏名】ミッター, デイヴィッド マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ロシンスキ, リャン デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】マクマキン, ナサニエル ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】ムルダー, ブライアン ホワード
(72)【発明者】
【氏名】スチェキ, ジョセフ ダニエル
【テーマコード(参考)】
5H607
5H609
5H611
【Fターム(参考)】
5H607AA02
5H607AA12
5H607BB01
5H607BB07
5H607BB14
5H607CC05
5H607CC07
5H607DD03
5H607FF06
5H609BB03
5H609BB14
5H609BB19
5H609PP07
5H609PP16
5H609QQ23
5H609RR62
5H611AA09
5H611BB01
5H611BB06
5H611TT01
5H611UA04
(57)【要約】
モータアセンブリが、モータキャビティを有するハウジングを含む。固定子は、ハウジング内に配設されている。回転子は、回転軸を中心に固定子内及びモータキャビティ内で回転する。コントローラは、端子ヘッダにおいて相互接続されて多層回路基板アセンブリを画定するフィルタ回路基板及び主回路基板を有する固定子と結合されている。回路基板アセンブリは、電気的インターフェースと、フィルタ回路基板及び主回路基板のうちの少なくとも1つに取り付けられたデータインターフェースと、を含む。
【選択図】図2


【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータアセンブリであって、
モータキャビティを有するハウジングと、
前記ハウジング内に配設された固定子と、
回転軸を中心に前記固定子内及び前記モータキャビティ内で回転する回転子と、
端子ヘッダにおいて相互接続されて多層回路基板アセンブリを画定するフィルタ回路基板及び主回路基板を有する、前記固定子と結合されたコントローラであって、前記回路基板アセンブリが、電気的インターフェースと、前記フィルタ回路基板及び前記主回路基板のうちの少なくとも1つに取り付けられた及びデータインターフェースと、を有する、コントローラと、を備えている、モータアセンブリ。
【請求項2】
前記ハウジングに取り付けられたヒートスプレッダであって、ヒートシンクと、前記回転軸に沿って前記モータキャビティ内へ延在するシャフトと、を有する、ヒートスプレッダを更に備えている、請求項1に記載のモータアセンブリ。
【請求項3】
前記ヒートシンクが、前記回路基板アセンブリから熱を奪い、前記熱を、前記モータキャビティを通って循環する熱交換媒体に伝達する、請求項2に記載のモータアセンブリ。
【請求項4】
前記ヒートスプレッダの前記シャフトが、中空シャフトであり、前記中空シャフトを通して前記熱交換媒体が前記回路基板アセンブリから前記モータキャビティを通して送達される、請求項3に記載のモータアセンブリ。
【請求項5】
前記コントローラが、前記モータキャビティと隣接したコントローラキャビティ内に位置決めされている、請求項3又は4に記載のモータアセンブリ。
【請求項6】
前記ヒートシンクが、前記モータキャビティ及び前記コントローラキャビティに隣接して配設されたアルミニウム部材である、請求項5に記載のモータアセンブリ。
【請求項7】
前記熱交換媒体が、グリコールである、請求項3~6のいずれか一項に記載のモータアセンブリ。
【請求項8】
前記ヒートシンクと前記主回路基板との間に配設された熱ギャップインターフェース材料を更に備えている、請求項3~7のいずれか一項に記載のモータアセンブリ。
【請求項9】
前記主回路基板及び前記フィルタ回路基板が、前記端子ヘッダにおいて相互接続されて前記多層回路基板アセンブリを画定する、請求項1~8のいずれか一項に記載のモータアセンブリ。
【請求項10】
前記多層回路基板アセンブリが、予め組み立てられたカートリッジ内に組み込まれており、前記多層回路基板アセンブリが、電気表面実装技術(SMT)電気ソケットを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のモータアセンブリ。
【請求項11】
前記SMT電気ソケットが、前記固定子のモータ端子を受容し、前記SMT電気ソケットが、前記モータ端子を前記主回路基板との電気通信状態に置く、請求項10に記載のモータアセンブリ。
【請求項12】
前記ヒートスプレッダの前記シャフトが、前記回転子を通って、前記回転子の前記回転軸に沿って延在し、前記回転子の駆動シャフトが、前記ヒートスプレッダの前記シャフトの周りに配設されている、請求項3~11のいずれか一項に記載のモータアセンブリ。
【請求項13】
前記ヒートスプレッダが、基部を含み、前記基部から前記シャフトが延在し、前記基部が、流体スロットを含み、前記流体スロットを通って前記熱交換媒体が前記コントローラキャビティと前記シャフトとの間を進む、請求項5~12のいずれか一項に記載のモータアセンブリ。
【請求項14】
モータアセンブリであって、
巻線型固定子であって、前記固定子内にモータキャビティを有するハウジングを形成するようにオーバーモールド成形された、巻線型固定子、
回転軸を中心に前記モータキャビティ内で回転する回転子、
端子ヘッダにおいて相互接続されて、主回路基板と電気通信するモータ端子を取り付けるための電気表面実装技術の電気ソケットを含む多層回路基板アセンブリを画定するフィルタ回路基板及び前記主回路基板を含む、コントローラ、を備えている、モータアセンブリ。
【請求項15】
前記端子ヘッダが、前記端子ヘッダの外部の領域内での前記フィルタ回路基板と前記主回路基板との間の電磁通信を制限するための少なくとも1つの絶縁体を含み、前記多層回路基板アセンブリを通して送達される電流が、約10アンペア~約50アンペアである、請求項14に記載のモータアセンブリ。
【請求項16】
前記コントローラのコネクタが、前記コネクタのブレードの上部分を受容する上部ソケット及び前記ブレードの下部分を受容する下部ソケットに係合する電気端子を含む、請求項15に記載のモータアセンブリ。
【請求項17】
前記コネクタが、前記フィルタ回路基板の第1の通信ポートに係合する第1のデータインターフェースを含み、前記コネクタが、前記主回路基板の第2の通信ポートに係合する第2のデータインターフェースを含む、請求項16に記載のモータアセンブリ。
【請求項18】
前記多層回路基板アセンブリが、前記ハウジング及び前記巻線型固定子に取り付けられた予め組み立てられたカートリッジである、請求項14~17のいずれか一項に記載のモータアセンブリ。
【請求項19】
モータアセンブリであって、
モータを有するハウジングを形成するようにオーバーモールド成形された巻線型固定子、
回転軸を中心にモータキャビティ内で回転する回転子、
前記ハウジングに取り付けられたヒートスプレッダであって、ヒートシンクと、前記回転軸を画定する前記モータキャビティ内へ延在する中空シャフトと、を有する、ヒートスプレッダ、を備え、前記ヒートシンクが、回路基板アセンブリから熱を奪い、前記熱を、前記モータキャビティ及び前記中空シャフトを通って循環する熱交換媒体に伝達する、モータアセンブリ。
【請求項20】
端子ヘッダにおいて相互接続されて前記回路基板アセンブリを画定するフィルタ回路基板及び主回路基板を有する、前記固定子と結合されたコントローラであって、前記回路基板アセンブリが、電気的インターフェースと、前記フィルタ回路基板及び前記主回路基板のうちの少なくとも1つに取り付けられた少なくとも1つのデータインターフェースと、を有する、コントローラを更に備えている、請求項19に記載のモータアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本デバイスは、流体ポンプの分野に関し、より具体的には、典型的には電気車両内で、流体ポンプを動作させるための大きいアンペア数の電流によって発生するデバイス内の熱を除去するためにヒートスプレッダを利用する流体ポンプの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
流体ポンプは、流体材料をリザーバから使用場所へと移動させ、次いでリザーバに戻すために使用される。これらの流体ポンプは、サーペンタインベルト若しくはエンジン内の他の回転構成要素に取り付けることができるか、又は電気モータを動作させるための専用の電気的アセンブリであり得る。これらのデバイスは、流体ポンプ内の熱に関する問題に対処するための流体流動機構を含むことができる。
【発明の概要】
【0003】
本開示の第1の態様によれば、モータアセンブリは、モータキャビティを有するハウジングを含む。固定子は、ハウジング内に配設されている。回転子は、回転軸を中心に固定子内及びモータキャビティ内で回転する。コントローラは、端子ヘッダにおいて相互接続されて多層回路基板アセンブリを画定するフィルタ回路基板及び主回路基板を有する固定子と結合されている。回路基板アセンブリは、電気的インターフェースと、フィルタ回路基板及び主回路基板のうちの少なくとも1つに取り付けられたデータインターフェースと、を含む。
【0004】
別の態様によれば、モータアセンブリは、巻線型固定子を含み、巻線型固定子は、固定子内にモータキャビティを有するハウジングを形成するようにオーバーモールド成形されている。回転子は、回転軸を中心にモータキャビティ内で回転する。コントローラは、端子ヘッダにおいて相互接続されて、主回路基板と電気通信するモータ端子を取り付けるための電気表面実装技術の電気ソケットを含む多層回路基板アセンブリを画定する、フィルタ回路基板及び主回路基板を含む。
【0005】
別の態様によれば、モータアセンブリは、モータを有するハウジングを形成するようにオーバーモールド成形された巻線型固定子を含む。回転子は、回転軸を中心にモータキャビティ内で回転する。ヒートスプレッダは、ハウジングに取り付けられている。ヒートスプレッダは、ヒートシンクと、回転軸を画定するモータキャビティ内へ延在する中空シャフトと、を含む。ヒートシンクは、回路基板アセンブリから熱を奪い、その熱を、モータキャビティ及び中空シャフトを通って循環する熱交換媒体に伝達する。
【0006】
本開示のこれらの及び他の態様、目的、及び特徴は、以下の明細書、特許請求の範囲、及び添付図面を検討すれば、当業者によって理解及び認識されるであろう。
【0007】
以下の図面である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】回路基板アセンブリの一態様を組み込んだ流体ポンプの一態様の斜視図である。
図2】線II-IIに沿って切断した、図1の流体ポンプの断面図である。
図3】線III-IIIに沿って切断した、図1の流体ポンプの断面図である。
図4図1の流体ポンプの分解斜視図である。
図5図1の流体ポンプの別の分解斜視図である。
図6】回路基板アセンブリの拡大断面図であって、回路基板アセンブリの複数のプリント回路基板との電気的接続部及びデータ接続部の係合を示す、拡大断面図である。
図7】回路基板アセンブリの拡大断面図であって、回路基板アセンブリとの電気的接続部及びデータ接続部の係合を示す、拡大断面図である。
図8】回路基板アセンブリの一態様の拡大斜視図である。
図9図8の回路基板アセンブリを含むコントローラカートリッジの一態様の斜視図である。
図10】回路基板アセンブリに係合するブレード及びデータコネクタを有する主コネクタの斜視図である。
図11】ハウジング内に及びモータキャビティとコントローラキャビティとの間に位置決めされたヒートスプレッダの一態様を示す断面図である。
図12】ヒートスプレッダの一態様の概略斜視図であって、ヒートスプレッダからの熱交換媒体の移動を示す、概略斜視図である。
図13】流体ポンプのインペラ内に位置決めされたヒートスプレッダのセンタポールの平面図である。
図14】流体ポンプ内で使用される固定子の斜視図である。
図15】流体ポンプの回転子及びインペラの組み立ての進行を示す斜視図である。
図16】コントローラカートリッジを形成するための回路基板アセンブリの組み立ての進行を示す斜視図である。
図17】固定子のハウジング及び制御回路の回路基板アセンブリとの係合を示す詳細斜視図である。
図18】コネクタのブレードに沿って切断した断面図であって、回路基板アセンブリの電気端子の上部分との係合を示す、断面図である。
図19】コネクタのブレードに沿って切断した断面図であって、回路基板アセンブリの電気端子の下部分との係合を示す、断面図である。
図20】コントローラカートリッジと頂部キャップとの間に位置決めされた、ハウジングのコントローラキャビティ内のコントローラカートリッジに予荷重を付与するための波形ばねの設置を示す上面斜視図である。
図21図1の流体ポンプの斜視図であって、流体ポンプの内部構成要素の位置決めを例示するためにハウジングを破線で示す、斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
必要に応じて、本開示の詳細な実施形態が本明細書に開示されており、しかしながら、開示される実施形態は、様々かつ代替的な形態で具体化され得る本発明の単なる例示であることを理解されたい。図は、必ずしも詳細な設計に対するものではなく、いくつかの概略図は、機能の概要を示すために誇張又は最小化されている場合がある。したがって、本明細書で開示される特定の構造的及び機能的詳細は、限定的なものとして解釈されるべきではなく、単に、当業者が本発明を様々に採用することを教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。
【0010】
本明細書における説明の目的で、「上部」、「下部」、「右」、「左」、「背面」、「前面」、「垂直」、「水平」という用語、及びそれらの派生語は、図1に配向されたとおりに本概念に関連するものとする。しかしながら、反対のことが明示的に指定されている場合を除いて、本概念が様々な代替的な配向を想定し得ることが理解されるべきである。また、添付図面に例示され、以下の明細書で説明される特定のデバイス及びプロセスは、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の概念の単なる例示的な実施形態であることも理解されるべきである。したがって、本明細書で開示される実施形態に関連する特定の寸法及び他の物理的特性は、特許請求の範囲で別途明記されていない限り、限定するものとみなされるべきではない。
【0011】
この例示する実施形態は、主に、流体ポンプの複数の電気接点及びモータアセンブリを動作させる高出力電流を受信するための熱伝達システムを含む流体ポンプに関連する方法ステップ及び装置構成要素の組み合わせで存在する。したがって、装置構成要素及び方法ステップは、該当する場合、本明細書の説明の利益を有する当業者に容易に明らかになる詳細によって本開示を不明瞭にしないように、本開示の実施形態を理解することに関するそれらの特定の詳細のみを示す図面において、従来の符号によって表されている。更に、説明及び図面における同様の数字は、同様の要素を表す。
【0012】
「及び/又は」という用語は、2つ以上の項目のリストにおいて使用されるとき、列記された項目のうちのいずれか1つを単独で採用することができること、又は列記された項目のうちの2つ以上の任意の組み合わせを採用することができることを意味する。例えば、組成物が構成要素A、B、及び/又はCを含むものとして記載されている場合、組成物は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBの組み合わせ、A及びCの組み合わせ、B及びCの組み合わせ、又はA、B、及びCの組み合わせを含むことができる。
【0013】
本文書では、第1及び第2、頂部及び底部などの関係語は、必ずしもそのようなエンティティ又はアクションの間のそのようないかなる実際の関係又は順序も必要とすることなく、又は暗示することなく、1つのエンティティ又はアクションと別のエンティティ又はアクションとを区別するためにのみ使用される。「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、又は任意の他の変形形態は、要素のリストを備えるプロセス、方法、物品、又は装置が、それらの要素のみを含むのではなく、そのようなプロセス、方法、物品、又は装置に明示的に列記されもせず、固有でもない他の要素を含み得るように、非排他的な包括を網羅することを意図する。「comprises…a」によって始められる要素は、更なる制約を受けることなく、その要素を備えるプロセス、方法、物品、又は装置において、追加の同一要素の存在を排除しない。
【0014】
本明細書で使用されるとき、「約」という用語は、量、サイズ、配合、パラメータ、並びに他の量及び特性が正確ではなく、かつ正確である必要はなく、許容誤差、変換係数、四捨五入、測定誤差など、及び当業者に知られている他の要因を反映して、必要に応じて、近似の及び/又はより大きい若しくはより小さくあり得ることを意味する。範囲の値又は端点を説明する際に「約」という用語が使用される場合、本開示は、参照される特定の値又は端点を含むものと理解されるべきである。明細書の範囲の数値又は端点が「約」を記載しているかどうかにかかわらず、範囲の数値又は端点は、「約」によって修飾されたもの、及び「約」によって修飾されていないもの、の2つの実施形態を含むことを意図する。更に、範囲の各々の端点は、他の端点に関連すること、及び他の端点とは独立すること、のいずれにおいても重要であることが理解されるであろう。
【0015】
本明細書で使用されるとき、「実質的な」、「実質的に」という用語、及びそれらの変形形態は、説明された特徴が、値又は説明と等しい又はほぼ等しいことに注目することを意図する。例えば、「実質的に平面状の」表面は、平面状であるかほぼ平面状である表面を表すことを意図する。更に、「実質的に」は、2つの値が等しいかほぼ等しいことを表すことを意図する。いくつかの実施形態では、「実質的に」は、互いに約5%以内又は互いに約2%以内などの、互いに約10%以内の値を表し得る。
【0016】
本明細書で使用されるとき、「the」、「a」、又は「an」という用語は、「少なくとも1つ」を意味し、反対のことが明示的に示されていない限り、「1つのみ」に限定されるべきではない。したがって、例えば「ある構成要素(a component)」に対する参照は、別途文脈が明確に示していない限り、2つ以上のそのような構成要素を有する実施形態が含まれる。
【0017】
図1図21を参照すると、参照番号10は、概して、流体入口12及び流体出口14を有する流体ポンプを指し、プロセス流体16は、流体ポンプ10を通って、第1の場所から第2の場所へと移動し、次いで、流体入口12へと戻り、特定の専用のアセンブリを通して再循環される。流体ポンプ10は、様々な機構及び車両のうちのいずれか1つの中に設置できることが想到される。かかる車両としては、従来の内燃機関車両、ハイブリッド車両、又は電気車両を挙げることができる。デバイスの様々な態様によれば、本明細書に記載される流体ポンプ10は、典型的には電気車両内で使用され、この電気車両は、流体ポンプ10の様々な構成要素を動作させるために、流体ポンプ10に高アンペア数の大電流18を提供する。流体ポンプ10は、巻線24を備えた固定子22を有するモータアセンブリ20を含む。固定子22及び巻線24は、オーバーモールド48で覆われるか、又は包み込まれて、固定子22を取り囲むオーバーモールド48の一部分の中に配設されたモータキャビティ28を有するハウジング26を形成する。ハウジング26はまた、回路基板アセンブリ34を有するコントローラカートリッジ32を受容するコントローラキャビティ30も含む。回転子36は、モータキャビティ28内に配設されて、固定子22との電磁通信状態に置かれる。回転子36は、回転軸38を中心に回転可能に動作可能である。回転子36は、回転軸38を中心にインペラ42を回転させるための、インペラ42に取り付けられた駆動シャフト40を含む。本明細書で論じられるように、インペラ42は、流体ポンプ10の流体入口12及び流体出口14を介して、流体ポンプ10と専用のアセンブリとの間でプロセス流体16を移動させるために使用される。加えて、回転子36及びインペラ42の動作は、少なくとも回路基板アセンブリ34内で発生する熱46を放散するための熱交換媒体44を、モータキャビティ28を通して循環させる役割を果たす。
【0018】
図1図21を再度参照すると、流体ポンプ10は、端子ヘッダ64によって相互接続されて多層回路基板アセンブリ34を画定するフィルタ回路基板60及び主回路基板62を有する、コントローラカートリッジ32を含む。回路基板アセンブリ34は、フィルタ回路基板60に取り付ける主電気的インターフェース66を有する。回路基板アセンブリ34はまた、フィルタ回路基板60及び主回路基板62のうちの少なくとも1つに係合する、少なくとも1つのデータインターフェースも含む。特定の態様では、データインターフェースは、単一のデータコネクタを含むことができる。データインターフェースはまた、フィルタ回路基板60に取り付けられた第1のデータインターフェース68と、主回路基板62に取り付けられた第2のデータインターフェース70と、を含むことができる。必要に応じて、フィルタ回路基板60と主回路基板62との間に延在する端子ヘッダ64を使用することで、フィルタ回路基板60と主回路基板62との間で電力及び通信を伝達することができる。
【0019】
ヒートスプレッダ80は、ハウジング26に取り付けられて、典型的には、モータキャビティ28とコントローラキャビティ30との間に位置決めされている。ヒートスプレッダ80は、シャフト82と、ヒートシンク84と、を含む。シャフト82は、典型的には、中空シャフト82の形態で、回転軸38に沿ってモータキャビティ28内へ延在する。シャフト82の中空セクション214は、熱交換媒体44のための流路86の一部分を画定する。ヒートシンク84は、回路基板アセンブリ34から熱46を奪って、この熱46を、コントローラキャビティ30から、ヒートシンク84を通して、モータキャビティ28及びヒートスプレッダ80のシャフト82の中空セクション214を循環する熱交換媒体44に伝達することを可能にする。
【0020】
ここで、図1図11を参照すると、コントローラカートリッジ32は、ハウジング26のコントローラキャビティ30内に配設された回路基板アセンブリ34を含む。コントローラカートリッジ32は、あるときには典型的には支持フレーム100を含むコントローラパックと称される、予め組み立てられたカートリッジである。支持フレーム100は、フィルタ回路基板60及び主回路基板62を支持フレーム100内に位置決めする役割を果たす、位置決め機構102及び取り付け特徴104を含む。あるときにはパイフィルタ基板と称されるフィルタ回路基板60は、典型的にはプリント回路基板(PCB)内に見出されるコンデンサ、インダクタ、及び他のより大きい電気的構成要素を組み込む。
【0021】
図1図11を再度参照すると、フィルタ回路基板60は、あるときには本明細書で主コネクタ116又は主ヘッダと称される、コネクタ116の端子ブレード114を受容する電気的インターフェース66の主電気端子110及び接地端子112を含む。コネクタ116は、外部電力を受信し、更には、コントローラカートリッジ32と外部コントローラとの間のデータ通信の伝達を可能にする。本明細書で論じられるように、コネクタ116のブレード114は、大量(高アンペア数)の電流18を、コネクタ116を通して回路基板アセンブリ34内へ伝達する役割を果たす。この電流18は、約10アンペア~約50アンペアの範囲内、及びそれらの間の様々な範囲内のアンペアであり得る。典型的には、ブレード114は、電気供給源から回路基板アセンブリ34へと約30アンペア~約40アンペアを伝導する。回路基板アセンブリ34に伝達されるこの高レベルの電流18は、電気端子110及び接地端子112を表すかなりの断面積を必要とする。本明細書に例示されるように、複数の電気端子110及び複数の接地端子112は、増加した接触面積を提供し、その結果、高アンペア数電流18の効率的な流れを提供する。したがって、複数の端子ブレード114は、フィルタ回路基板60の両側に係合するように二股に分けられる。フィルタ回路基板60は、フィルタ回路基板60の両側に位置決めされた一組の上部ソケット118及び一組の下部ソケット120を含む。一組の上部ソケット118及び一組の下部ソケット120の各々は、主コネクタ116の各ブレード114の上部分122又は下部分124をそれぞれ受容する。コネクタ116のブレード114とフィルタ回路基板60との間の表面積のこの増加は、回路基板アセンブリ34内の電流18のより効率的な流れを提供する。
【0022】
ブレード114又は端子ブレード114に加えて、コネクタ116は、別個の通信接続部、典型的には2つの通信接続部を含む。ブレード114及び通信接続部は、コネクタ116の構造を形成するために典型的には樹脂で作製された断熱体とともに固定される。第1のデータインターフェース68は、フィルタ回路基板60の第1の通信ポート132に係合する第1の通信コネクタ130を含む。第2のデータインターフェース70は、主回路基板62の第2の通信ポート136に係合する第2の通信コネクタ134を含む。本明細書で論じられるように、端子ヘッダ64は、フィルタ回路基板60と主回路基板62との間の電流18の伝達及びデータ通信を可能にする。ハウジング26は、断熱体及び様々な端子ブレード114、並びに第1の通信コネクタ130及び第2の通信コネクタ134をフィルタ回路基板60と係合するように案内するガイドインターフェースを含む。
【0023】
デバイスの様々な態様によれば、第1のデータインターフェース68及び第2のデータインターフェース70は、主データ接続部と、非常データ接続部と、を含むことができる。フィルタ回路基板60、主回路基板62、及びデータ通信を受信するための様々な接続端子のこの構成を使用することで、コネクタ116は、比較的狭い空間内で回路基板アセンブリ34の2つの別個のPCBに係合することができる。加えて、回路基板アセンブリ34を通して、フィルタ回路基板60と主回路基板62との間に高アンペア数の電流18を効率的に送達することができる。
【0024】
図1図11を更に参照すると、主回路基板62はまた、固定子22からの対応するモータ端子152を受容する複数の端子ソケット150も含む。典型的には、固定子22は、主回路基板62内に配設された対応する一組の端子ソケット150に係合する、4つのモータ端子152を含む。これらのモータ端子152は、端子ソケット150内にドライドッキングし、次いで、レーザ溶接して、固定子22のモータ端子152と回路基板アセンブリ34の主回路基板62との間に安全な電気的接続部を画定することができる。これらのモータ端子152及び対応する端子ソケット150は、回転子36を動作させるために固定子22に送達され得る高アンペア数の電流18の少なくとも一部分を補償するように構成されている。
【0025】
フィルタ回路基板60及び主回路基板62は、各々、典型的には、好ましい例示的な材料として、FR4などの難燃性エポキシ樹脂材料を使用して形成される。加えて、SMT(表面実装技術)電気ソケットを使用して、様々な回路がフィルタ回路基板60及び主回路基板62上へ配設される。これらのSMT電気ソケットは、フィルタ回路基板60及び主回路基板62の表面に形成される。本明細書で使用及び記載されるSMTプロセスは、回路基板アセンブリ34の様々な構成要素を位置決めするためのSMT電気ソケットを構成する回路及び端子接続部を効率的に位置付ける。SMT電気ソケットがPCBの材料に配設された後に、PCBの様々なコンデンサ、インダクタ、ソケット、端子、及び他の構成要素を取り付けることができる。この取り付けとしては、はんだ付け、レーザ溶接、他の取り付け方法、又は機械的インターフェースを挙げることができる。少なくともモータ端子152の場合、SMTプロセスの使用で、固定子22のモータ端子152と回路基板アセンブリ34の端子ソケット150との間に作成される相互接続は、一貫した、繰り返し可能で、かつ堅牢な電気的接続部を提供する。この相互接続は、固定子22への電力の一貫した送達を、並びに固定子22と回路基板アセンブリ34との間のデータ通信の伝達を提供する。
【0026】
本明細書で論じられるように、フィルタ回路基板60は、流体ポンプ10のコネクタ116の二股ブレード114を受容する上部ソケット118及び下部ソケット120を含む。これらのブレード114の各々は、フィルタ回路基板60の材料の周りに延在して、上部ソケット118及び下部ソケット120にそれぞれ係合するように適合された中央スロット162を有する、輪郭セクション160を含む。本明細書で論じられるように、この中央スロット162は、ブレード114の各々を二股に分けて、かなりの電流18を回路基板アセンブリ34へ、及びそれを通して送達するためのブレード114の増加した表面積を提供する。
【0027】
コントローラカートリッジ32の組み立て中に、フィルタ回路基板60は、典型的には、フィルタ回路基板60の外周172の周りにアクセスポイント170を有するように設計されている。これらのアクセスポイント170は、フィルタ回路基板60を主回路基板62よりも小さくすることによって作成することができる。この構成を通して、コントローラカートリッジ32がハウジング26のコントローラキャビティ30内に配設されたときに、モータ端子152を受容する端子ソケット150へのアクセスが、フィルタ回路基板60の周りに、又はそれを通して提供される。回路基板アセンブリ34のフィルタ回路基板60の周りのこれらのアクセスポイント170は、モータ端子152と端子ソケット150との間の接続点に、レーザ溶接又は他の取り付けプロセスを実行するためのアクセスを提供する。また、このアクセスがレーザ溶接動作を実行することを可能にするために、支持フレーム100内には間隙174も設計されている。これらのアクセスポイント170及び間隙174はまた、従来のはんだ付け、並びに他の同様の溶接及び接着取り付けプロセス及び方法も提供することができる。
【0028】
ここで、図2図7及び図12図13を参照すると、モータキャビティ28とコントローラキャビティ30との間に位置決めされたヒートスプレッダ80は、回路基板アセンブリ34内に蓄積した熱46をモータキャビティ28内へ伝達する役割を果たす。次いで、この熱46は、熱交換媒体44を通って、モータキャビティ28から離れるように放散されて、コントローラキャビティ30及び回路基板アセンブリ34を特定の温度範囲に維持する。ヒートスプレッダ80は、典型的には熱伝導材料の形態である、アルミニウム部材などのヒートシンク84を含む。ヒートシンク84は、モータキャビティ28及びコントローラキャビティ30に隣接してハウジング26に取り付けられている。ヒートスプレッダ80のシャフト82は、このヒートシンク84からモータキャビティ28内へ延在する。熱ギャップインターフェース材料190は、ヒートシンク84に配置されて、熱46をヒートシンク84に伝達することができる一貫した熱経路を提供するために、回路基板アセンブリ34の一部分に、典型的には主回路基板62に係合する。
【0029】
モータアセンブリ20の動作中には、回転子36がインペラ42を動作させて、プロセス流体16を流体入口12内へ、インペラ42を通して、流体出口14に送達する。モータアセンブリ20の動作は、インペラ42を通したプロセス流体16の移動を提供する圧力及び吸引を発生させる。この圧力及び吸引の一部分は、モータキャビティ28内で利用されて、熱交換媒体44を、固定子22と回転子36との間に画定された領域内を、及びヒートスプレッダ80のシャフト82の中空セクション214を通して循環させる。この構成を通して、熱交換媒体44は、回転子36のオーバーモールド48の周りを、及びオーバーモールド成形された固定子22内を移動し、更なる再循環のために、ヒートシンク84の基部212に向けられる。ヒートシンク84の基部212の中には、熱交換媒体44がシャフト82の中空セクション214内へ向けることを可能にするように、流体スロット210が配設されている。シャフト82のこの中空セクション214は、シャフト82の長さだけ延在して、熱交換媒体44を流体ポンプ10の対向する吸引側に向けて、回転子36の外側及び周りを、並びにモータキャビティ28の回転子36と固定子22との間を再循環させる。この熱交換媒体44は、グリコール、水、油性材料、又は他の同様の熱交換媒体44などの様々な熱交換材料のうちの任意の1種以上の形態であり得ることが想到される。典型的には、熱交換媒体44は液体形態であるが、熱交換媒体44はまた、ガス形態であり得るか、又は液体若しくはガスのうちのいずれか若しくは両方の形態であり得る相変化材料であり得る。
【0030】
図2図7及び図12図13を再度参照すると、ヒートスプレッダ80のヒートシンク84を位置決めすることは、回路基板アセンブリ34及びコントローラキャビティ30から、モータキャビティ28を通って循環する熱交換媒体44への熱46の効率的な移動を提供する。これは、回路基板アセンブリ34及びコントローラキャビティ30を、典型的には約160℃未満、より典型的には約150℃未満である、一貫した温度範囲内に維持するために行われる。デバイスの特定の態様では、熱交換媒体44は、約110℃の最高温度を有することができるグリコールである。この温度勾配は、回路基板アセンブリ34と、熱ギャップインターフェース材料190と、ヒートスプレッダ80のヒートシンク84と、熱交換媒体44との間の一貫した熱交換を提供する。この熱交換媒体44は、典型的には、モータキャビティ28だけを介して循環し、伝達された熱46は、熱交換媒体44がモータキャビティ28を通って循環するときに放散される。
【0031】
デバイスの特定の態様では、熱交換媒体44は、一般的には、コントローラキャビティ30及び流体ポンプ10から熱46を放散するための代替的な機構を提供するための外部の場所に送達できることが想到される。
【0032】
研究は、熱モデリングを通して、概して図2図13に例示されるように、ヒートスプレッダ80のヒートシンク84及びシャフト82を回路基板アセンブリ34に対して位置決めすることが、回路基板アセンブリ34の温度を約20℃~約40℃低下させることを示した。この一貫した温度の低下は、回路基板アセンブリ34のPCBの材料内でのFR4材料の使用を提供する。デバイスのこの構成は、回路基板アセンブリ34内での高アンペア数の電流の使用を提供し、一方でまた、回路基板アセンブリ34のPCBを製造するためのFR4材料のコスト効率的な使用も提供する。熱交換媒体44は、コントローラキャビティ30内の一貫した温度を維持するように、回路基板アセンブリ34から離れるように熱46を効率的に送達する。
【0033】
図2図7及び図12図13を再度参照すると、ヒートスプレッダ80のシャフト82は、典型的には、回転子36を通って延在して、回転子36及び駆動シャフト40を流体ポンプ10の回転軸38に対して動作させることができる回転インターフェースを提供する。追加的に、シャフト82は、流体ポンプ10のモータキャビティ28の圧力側と流体ポンプ10のモータキャビティ28の吸引側との間で熱交換媒体44を送達する、中空セクション214を含む。熱交換媒体44の方向は、流体ポンプ10及びモータキャビティ28の特定の設計に応じて変更することができる。したがって、熱交換媒体44は、モータキャビティ28のインペラ側面から、シャフト82を通して、次いでヒートスプレッダ80の基部212内に画定された流体スロット210の外へ動作させることができる。熱交換媒体44はまた、流体ポンプ10の設計に応じて反対方向に動作させることもできる。
【0034】
デバイスの様々な態様によれば、本明細書に記載されるように、及び少なくとも図1図21に例示されるように、流体ポンプ10の組み立ては、効率的で繰り返し可能な製造プロセスを提供する。この製造プロセスは、流体ポンプ10を形成するために組み立てられる個々の構成要素の別個の製造を含む。例示であって限定ではないが、コントローラカートリッジ32をある場所で製造することができ、一方で、流体ポンプ10のハウジング26及びモータ構成要素を別の場所で製造することができる。インペラ42及び流体エンドキャップ254もまた、これらの構成要素が効率的かつ好都合な様式で組み立てられる別の場所で製造することができる。この組み立てを支援するために、ハウジング26及び支持フレーム100の位置決め機構102及び取り付け特徴104の形態の様々なフィードバック機構が、構成要素が適切な配向及び順序で組み立てられている旨の指示を組み立て作業者に提供する。
【0035】
例示であって限定ではないが、モータ端子152は、固定子22の回転軸38の周りに対称に位置決めされていない。むしろ、それらは、これらのモータ端子152と回路基板アセンブリ34の端子ソケット150との取り付けが、回路基板アセンブリ34のハウジング26に対する単一の回転配向でだけ達成することができるように、特定の角度で位置決めされている。回路基板アセンブリ34とハウジング26との取り付けは、これらの構成要素の適切な設置に関する視覚フィードバック、並びに特定の場合では、聴覚フィードバック及び触覚フィードバックを提供する。加えて、コントローラカートリッジ32の製造中に、支持フレーム100内の様々なインターフェース特徴は、フィルタ回路基板60及び主回路基板62の支持フレーム100内での正確な位置決めを提供する。これらの構成要素は、支持フレーム100内に位置付けられた時点で一緒に取り付けて、ハウジング26のコントローラキャビティ30内に好都合に設置することができるコントローラカートリッジ32の最終的な構成を提供することができる。
【0036】
ここで、図2図5及び図14図15を参照すると、モータアセンブリ20の組み立て中に、固定子22は、一連の積み重ねられた、又は螺旋状に巻かれた積層体から形成される。これらの積層体は、固定子22全体を形成することができ、又は一緒に取り付けられて固定子22のコア及び歯230を形成する固定子22のセクションを形成することができる。巻線型固定子22を形成した後に、巻線24が固定子22の歯230の周りに配設され、回転子磁石232が回転子フレーム234内に位置決めされて、回転子36の構造体を形成する。回転子フレーム234は、回転子磁石232を受容するポケットを形成する積み重ねた積層体で作製することができる。これらのポンプ構成要素の各々は、オーバーモールド48で覆われるか、又は包み込まれて、ハウジング26及びモータキャビティ28、並びにモータキャビティ28内に位置決めすることができるオーバーモールド48を有する回転子36を形成することができる。次いで、インペラ42を回転子36に取り付けることができ、それにより、固定子22内の回転子36の動作がインペラ42の回転を生じさせて、流体入口12から流体ポンプ10の流体出口14へとプロセス流体16を移動させる。
【0037】
図2図5及び図17図21に例示されるように、ハウジング26のオーバーモールド48は、固定子22を取り囲むオーバーモールド48の材料の中に一体的に形成された様々な位置決め特徴及び取り付け機構を含む。ハウジング26のインペラ端部250は、回路基板アセンブリ34のモータ端子152と端子ソケット150との間の接続点に加えて、流体入口12と流体出口14との間に流体経路の一部分を画定するチャネル252を含む。この構成を通して、流体入口12及び流体出口14を有する流体エンドキャップ254の正確な位置決め配向、又はボリュートは、組み立て作業者に提供される視覚、聴覚、及び触覚キューの形態の正のフィードバックを通して確実にすることができる。様々なシール及びガスケットもまた、コントローラキャビティ30とモータキャビティ28との間に位置決めされて、熱交換媒体44がコントローラキャビティ30から分離された状態を維持することを確実にする。加えて、デバイスの特定の態様では、インペラ42を収納するモータキャビティ28の一部分は、回転子36を収容するモータキャビティ28の残部から密封することができる。この密封構成は、回転子36を取り囲み、ヒートスプレッダ80を通して移動する熱交換媒体44が、インペラ42によって流体エンドキャップ254を通って移動するプロセス流体16から分離した状態を維持することを確実にするために使用することができる。したがって、熱交換媒体44は、回路基板アセンブリ34から離れるように余剰熱46を奪うための熱交換機能を提供するようにモータキャビティ28内に含まれている。
【0038】
ここで、図2図5図8図10、及び図16図20を参照すると、コントローラカートリッジ32の組み立て中に、本明細書で論じられるように、フィルタ回路基板60及び主回路基板62は、端子ヘッダ64を介して相互接続される。この端子ヘッダ64は、フィルタ回路基板60と主回路基板62との間に延在する。この端子ヘッダ64は、フィルタ回路基板60と主回路基板62との間の直線経路内に位置決めすることができ、又はより傾斜した経路内を移動して、フィルタ回路基板60と主回路基板62との間のデータ接続部及び電流18の効率的な流れを提供することができる。少なくとも1つの絶縁体270を端子ヘッダ64の周りに位置決めして、回路基板アセンブリ34を通して送達される大量の電流18によって生成され得る電界間の電気的相互作用及び電磁的相互作用を最小にすることができる。本明細書で論じられるように、レーザ溶接のための主回路基板62へのアクセス、及びコントローラカートリッジ32の製造のための他の接続動作を可能にするために、フィルタ回路基板60は、主回路基板62とは異なるサイズ及び形状であるように構成される。次いで、コントローラカートリッジ32がハウジング26のコントローラキャビティ30内に配設されて、主回路基板62への端子ソケット150を介してモータ端子152に係合される。
【0039】
ここで、図4図5及び図16図21を参照すると、コントローラカートリッジ32は、コントローラカートリッジ32の端部に設置される波形ばね282を受容する周方向チャネル280を含む。この波形ばね282は、頂部キャップ284に係合して、コントローラカートリッジ32に予荷重を付与してコントローラカートリッジ32をコネクタ116及びコネクタ開口286に対して位置決めする役割を果たす。コントローラキャビティ30内に位置決めされた時点で、一対のブレード114及び一対のデータ接続部を有するコネクタ116を、フィルタ回路基板60及び主回路基板62内の様々な接点及び端子に設置して取り付けることができる。波形ばね282は、コントローラカートリッジ32を、ハウジング26のコントローラキャビティ30内の様々な位置決め機構102に対して固定して、フィルタ回路基板60及び主回路基板62をコネクタ開口286に対して位置決めすることを確実にする。コントローラカートリッジ32をコネクタ開口286と整列させた時点で、コネクタ開口286を通して様々なコネクタ116を設置して、フィルタ回路基板60及び主回路基板62と係合させることができる。Oリングシール272もまた、頂部キャップ284に対して密封して、流体がコントローラキャビティ30内に浸入しないことを確実にするように、ハウジング26の縁部に位置決めされる。
【0040】
モータハウジング26内に含まれる熱交換媒体44を使用することで、全体として、コントローラキャビティ30から、及び流体ポンプ10から熱46を抽出することができる。流体ポンプ10から熱46を抽出することによって、本明細書に記載された温度範囲に対してより高い耐性を有し得る、より広範囲の材料を流体ポンプ10内で使用することができる。流体ポンプ10内で使用することができるより広範囲の利用可能な材料は、より容易に利用可能な、又はよりコスト効率的な材料を含むことができる。例示であって限定ではないが、回路基板アセンブリ34のPCBの材料は、FR4材料で作製することができる。追加的に、ハウジング26は、PPS(ポリフェニレンスルフィド)から作製することができる。熱交換媒体44がモータキャビティ28を通って移動する結果として、流体ポンプ10の構成要素内の温度が低下するので、流体ポンプ10内で他のポリマーを利用することができる。
【0041】
本明細書で論じられるように、本出願の流体ポンプ10は、大きいアンペア数の非常に高い電流18を使用して動作する。この大電流18及び高アンペア数を補償するために、この電流18をコネクタ116から受信して、この電流を主回路基板62に、次いで、モータアセンブリ20の様々な構成要素及び流体ポンプ10を動作させるための固定子22に送達するための複数の端子が、フィルタ回路基板60内に含まれている。データ接続部は、フィルタ回路基板60及び主回路基板62の各々に伝達され、それにより、フィルタ回路基板60のコンデンサ及びインダクタ、並びに主回路基板62内に配設された端子ソケット150にデータを直接送達することができる。
【0042】
図4図5及び図16図21を再度参照すると、頂部キャップ284の設置は、波形ばね282に係合して、コントローラハウジング26内に画定された保持構成要素に対して付勢されるように、コントローラカートリッジ32に予荷重を付与する。次いで、頂部キャップ284が圧着されて、回路基板アセンブリ34の電気的構成要素を適切な軸方向位置に位置決めして、ブレード114及びコネクタ116のデータ接続部を受容する。これらの上部ソケット118及び下部ソケット120は、SMT電気ソケットを介してフィルタ回路基板60に装着された、電気的に接続されて上部ソケット118及び下部ソケット120を形成する成型ヘッダの形態であり得る。これらの成型ヘッダは、ハウジング26に、及びコントローラキャビティ30内に密封係合させることができる。コントローラカートリッジ32は、コントローラカートリッジ32内で、及びハウジング26のコントローラキャビティ30内で、フィルタ回路基板60及び主回路基板62を支持する、典型的には樹脂材料で作製された支持フレーム100を含む。本明細書で論じられるように、支持フレーム100は、使用中に流体ポンプ10が受け得る試験振動及び動作振動に対する堅牢性のために、大容量キャパシタ及び導体を固定するための特徴を含む。支持フレーム100はまた、コントローラカートリッジ32に予荷重を付与する波形ばね282を受容するための、周方向チャネル280の形態のポケットも含む。本明細書で論じられるように、このポケットは、頂部キャップ284に係合してコントローラハウジング26内のコントローラカートリッジ32に予荷重を付与する、波形ばね282を受容する。
【0043】
図1図21を再度参照すると、モータアセンブリ20の主回路基板62は、固定子22からハウジング26の部分を通って延在して、コントローラキャビティ30内へ延在するモータ端子152を受容する。同時に、フィルタ回路基板60の電気端子110は、端子ヘッダ64、並びにフィルタ回路基板60の両側に画定された上部ソケット118及び下部ソケット120を介して、コネクタ116のブレード114から電流18を受信する。様々な端子は、腐食を防止するために、銀めっき又は金めっきすることができる。典型的には、データ接続部もまた、腐食を防止するために、このようにしてめっきすることができる。デバイスの特定の態様では、より大きい電流18を受信する接続部は、この大電流18が接続部を通って流れることにより接続部を腐食のない状態に維持することができるので、この方法でめっきする必要がない場合がある。
【0044】
図1図21に例示されるように、流体ポンプ10は、PPSなどの樹脂から作製することができる、固定子22の巻線24の周りに延在するオーバーモールド48を含む。これは、流体ポンプ10を動作させるための回転子36を受容するモータキャビティ28を形成するために使用される。ヒートスプレッダ80のヒートシンク84の形態のアイソレータ部品は、熱伝導材料で作製され、典型的には、ハウジング26に、又はヒートスプレッダ80のための基部212に接着、溶接、又は別様に接続することができるアルミニウム部材の形態である。このヒートシンク84は、モータキャビティ28とコントローラキャビティ30との間に配置されて、固定子22のオーバーモールド48とヒートシンク84のためのアイソレータ部品との間のシールインターフェースで、半径方向の2つのキャビティの間に障壁を作成する。ヒートシンク84は、ドライコントローラキャビティ30と、そこを通って循環する熱交換媒体44を有するウェットモータキャビティ28との間に熱経路を作成する。この熱交換媒体44は、流体ポンプ10のインペラ42の動作中に発生する圧力及び吸引の少なくとも一部分の使用によって、モータキャビティ28を通してポンプ圧送される。ヒートスプレッダ80のこのシャフト82もまた、モータキャビティ28を通した熱交換媒体44の循環を提供するために利用される。
【0045】
少なくとも回路基板アセンブリ34及びヒートスプレッダ80を含むモータアセンブリ20の様々な構成要素を使用することで、コントローラキャビティ30の温度を、多くの材料の破損状態を越えて上昇させずに、流体ポンプ10の回路基板アセンブリ34に大電流18を送達することができる。したがって、概して、より広範囲にわたる耐熱性の低い材料から選択して、回路基板アセンブリ34及び流体ポンプ10内で利用することができる。加えて、ヒートスプレッダ80の使用は、流体ポンプ10から離れて放散させるための、回路基板アセンブリ34から熱交換媒体44内への熱46の効率的な伝達機構を提供する。また、ハウジング26、コントローラカートリッジ32、及びヒートスプレッダ80の形態の別個の構成要素の製造は、効率的な製造プロセスによって、別個に製造して、特定の場所に組み立てることができる。この構成の使用は、要求の高い大電流設定で利用することができる流体ポンプ10のための堅牢な機械及び電気システムを提供する。
【0046】
本開示の概念から逸脱することなく、上述した構造に変更及び修正が行われ得ることも理解されるべきであり、更に、これらの特許請求の範囲がそれらの言語によって別途明示的に述べていない限り、そのような概念は、以下の特許請求の範囲によって網羅されることを意図することが理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【国際調査報告】