IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エーエムエス・センサーズ・ベルギー・ベーフェーベーアーの特許一覧

特表2024-528318ピクセル配列、画像センサ、およびピクセル配列を動作させる方法
<>
  • 特表-ピクセル配列、画像センサ、およびピクセル配列を動作させる方法 図1
  • 特表-ピクセル配列、画像センサ、およびピクセル配列を動作させる方法 図2A
  • 特表-ピクセル配列、画像センサ、およびピクセル配列を動作させる方法 図2B
  • 特表-ピクセル配列、画像センサ、およびピクセル配列を動作させる方法 図3
  • 特表-ピクセル配列、画像センサ、およびピクセル配列を動作させる方法 図4A
  • 特表-ピクセル配列、画像センサ、およびピクセル配列を動作させる方法 図4B
  • 特表-ピクセル配列、画像センサ、およびピクセル配列を動作させる方法 図5
  • 特表-ピクセル配列、画像センサ、およびピクセル配列を動作させる方法 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】ピクセル配列、画像センサ、およびピクセル配列を動作させる方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 25/57 20230101AFI20240719BHJP
【FI】
H04N25/57
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508519
(86)(22)【出願日】2022-08-10
(85)【翻訳文提出日】2024-02-09
(86)【国際出願番号】 EP2022072441
(87)【国際公開番号】W WO2023017079
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】102021120779.7
(32)【優先日】2021-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523367130
【氏名又は名称】エーエムエス・センサーズ・ベルギー・ベーフェーベーアー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アディ・シャコニ
【テーマコード(参考)】
5C024
【Fターム(参考)】
5C024AX16
5C024CX43
5C024GX03
5C024HX17
5C024HX35
(57)【要約】
高感度モード用および低感度モード用にそれぞれ構成されたピクセル配列(10)が提供される。フォトダイオード(20)は、電磁放射線をそれぞれの電荷信号に変換するように構成され、転送ゲート(30)は、それぞれの電荷信号をキャパシタンス(40)に転送するように構成される。リセットゲート(50)は、キャパシタンスをリセットするように構成される。増幅器(60)は、それぞれ低感度信号または高感度信号であるそれぞれの増幅された信号を生成するように構成される。低感度信号および高感度信号は、共通のノイズレベルに基づく。第1のスイッチ(90)に結合された第1のコンデンサ(70)は、高感度信号を記憶するように構成され、第2のスイッチ(100)に結合された第2のコンデンサ(80)は、低感度信号を記憶するように構成される。さらに、画像センサ(200)、光電子デバイス(300)、およびピクセル配列を動作させるための方法が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁放射線をそれぞれ高感度モードおよび低感度モードにおいて変換するように構成されたピクセル配列(10)であって、
- 電磁放射線をそれぞれの電荷信号に変換するように構成された少なくとも1つのフォトダイオード(20)と、
- 前記フォトダイオード(20)とキャパシタンス(40)との間の、前記それぞれの電荷信号を前記キャパシタンス(40)に転送するための転送ゲート(30)と、
- 前記キャパシタンス(40)に電気的に結合された、前記キャパシタンス(40)をリセットするためのリセットゲート(50)と、
- 前記キャパシタンス(40)に電気的に接続され、前記それぞれの電荷信号と前記感度モードとに基づいて、それぞれ、低感度信号または高感度信号であるそれぞれの増幅された信号を生成するように構成された増幅器(60)であって、前記低感度信号および前記高感度信号が共通のノイズレベルに基づく、増幅器(60)と、
- 前記高感度信号を記憶するように構成された第1のコンデンサ(70)と、
- 前記低感度信号を記憶するように構成された第2のコンデンサ(80)と、
- 前記増幅器(60)の出力端子(64)と前記第1のコンデンサ(70)との間の第1のスイッチ(90)と、
- 前記増幅器(60)の前記出力端子(64)と前記第2のコンデンサ(80)との間の第2のスイッチ(100)と
を備える、ピクセル配列(10)。
【請求項2】
前記高感度信号が、前記低感度信号と追加のビデオ信号とを含む、請求項1に記載のピクセル配列(10)。
【請求項3】
- 少なくとも1つのさらなる増幅器(110)であって、前記第1のコンデンサ(70)および/または前記第2のコンデンサ(80)に電気的に接続された入力端子(112)を備え、前記さらなる増幅器(110)の出力端子(114)においてピクセル出力信号を生成するように構成された、少なくとも1つのさらなる増幅器(110)と、
- 前記さらなる増幅器(110)の前記出力端子(114)と列バス(130)との間の、前記ピクセル出力信号を前記列バス(130)に転送するための選択ゲート(120)と
をさらに備える、請求項1または2に記載のピクセル配列(10)。
【請求項4】
前記第1のコンデンサ(70)と前記第2のコンデンサ(80)とをプリチャージするための、前記増幅器(60)の前記出力端子(64)に電気的に結合されたプリチャージゲート(40)をさらに備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のピクセル配列(10)。
【請求項5】
前記少なくとも1つのフォトダイオード(20)が、前記高感度モードにおいて第1の電荷信号を生成するための第1のフォトダイオード(20)と、前記低感度モードにおいて第2の電荷信号を生成するための第2のフォトダイオード(20’)とを備える、請求項1から4のいずれか一項に記載のピクセル配列(10)。
【請求項6】
前記リセットゲート(50)と前記キャパシタンス(40)との間に、前記キャパシタンス(40)の終端ノード(42)を第3のコンデンサ(150)の終端ノード(152)と短絡させるための感度ゲート(140)をさらに備える、請求項1から5のいずれか一項に記載のピクセル配列(10)。
【請求項7】
前記第1のコンデンサ(70)および前記第2のコンデンサ(80)が並列に配置されるか、またはカスケード接続されて配置される、請求項1から6のいずれか一項に記載のピクセル配列(10)。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載のピクセル配列(10)によるピクセルのアレイを備える、画像センサ(200)。
【請求項9】
請求項8に記載の画像センサ(200)を備える、光電子デバイス(300)。
【請求項10】
電磁放射線をそれぞれ高感度モードおよび低感度モードにおいて変換するように構成されたピクセル配列(10)を動作させるための方法であって、
- 少なくとも1つのフォトダイオード(20)によって電磁放射線をそれぞれの電荷信号に変換するステップと、
- キャパシタンス(40)をリセットするためのリセット信号(RST)を提供するステップと、
- 前記それぞれの電荷信号を前記少なくとも1つのフォトダイオード(20)から前記キャパシタンス(40)に転送するための転送信号(TX)を提供するステップと、
- 前記それぞれの電荷信号と前記感度モードとに基づいて、それぞれの増幅された信号を生成するステップであって、前記それぞれの増幅された信号が、それぞれ、低感度信号または高感度信号であり、前記低感度信号および前記高感度信号が共通のノイズレベルに基づく、ステップと、
- 前記それぞれの増幅された信号を、前記高感度信号を記憶するように構成された第1のコンデンサ(70)に転送するための第1のスイッチ信号(S1)を提供するステップと、
- 前記それぞれの増幅された信号を、前記低感度信号を記憶するように構成された第2のコンデンサ(80)に転送するための第2のスイッチ信号(S2)を提供するステップと
を含む、方法。
【請求項11】
ピクセル露光(Tex)中の第1のステップにおいて、前記低感度信号が生成され、前記第2のコンデンサ(80)において記憶されるように、前記ピクセル配列(10)が前記低感度モードにおいて動作され、ピクセル露光(Tex)中の第2のステップにおいて、前記高感度信号が生成され、前記第1のコンデンサ(70)において記憶されるように、前記ピクセル配列(10)が前記高感度モードにおいて動作される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ピクセル露光(Tex)中の前記第1のステップおよび前記第2のステップが、その間に前記キャパシタンス(40)をリセットすることなく実施される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ピクセル読み出し(Tro)中の第1のステップにおいて、前記低感度信号が読み出され、読み出し(Tro)中の第2のステップにおいて、前記高感度信号が読み出される、請求項10から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
ピクセル読み出し(Tro)中の第3のステップにおいて、前記キャパシタンス(40)がリセットされ、リセットレベルが読み出される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ピクセル読み出し(Tro)中、前記リセットレベルを前記低感度信号のための参照レベルとして使用することによって、ダブルデルタサンプリングを実行するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ピクセル読み出し(Tro)中、前記低感度信号を前記高感度信号のための参照レベルとして使用することによって、相関二重サンプリングを実行するステップをさらに含む、請求項10から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
ピクセル読み出し(Tro)中、それぞれの振幅レベルに基づいて、さらなる処理のために前記低感度信号と前記高感度信号のどちらを使用するかを決定するステップをさらに含む、請求項10から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記低感度モードにおけるピクセル露光(Tex)中、前記キャパシタンス(40)の終端ノード(42)を第3のコンデンサ(150)の終端ノード(152)と短絡させるための利得信号を印加することによって、変換利得を調整するステップをさらに含む、請求項10から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
電磁放射線をそれぞれの電荷信号に変換するステップが、第1のフォトダイオード(20)によって前記高感度モードにおいて第1の電荷信号を生成するステップと、第2のフォトダイオード(20’)によって前記低感度モードにおいて第2の電荷信号を生成するステップとを含む、請求項10から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
電磁放射線をそれぞれの電荷信号に変換するステップが、減少した露光時間(T)によって前記低感度モードにおいて第1の電荷信号を生成するステップと、増加した露光時間(T)によって前記高感度モードにおいて第2の電荷信号を生成するステップとを含む、請求項10から19のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピクセル配列、画像センサ、光電子デバイス、およびピクセル配列を動作させるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
CMOS画像センサは、カメラモジュール、およびスマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップなどの幅広い用途において使用される。いくつかの用途について、例えば、85dBを超える高ダイナミックレンジ(HDR)が必要とされる。ダイナミックレンジ(DR)は、一方では低照度条件におけるノイズフロアによって、他方では高照度条件における飽和効果によって制限される。
【0003】
飽和の問題に対処するために、いくつかの手法が開発されており、それらは、線形応答手法と非線形応答手法とに分類されることが可能である。例えば、対数圧縮、ニー圧縮、タイムスタンプ変換、光から周波数への変換は、非線形応答手法に属する。線形応答手法は、多重露光手法と単一露光手法とにさらに分類されることが可能である。多重露光手法は、異なる積分時間を有する複数のフレームを用いる方法、または異なる積分時間を有するラインインターリーブもしくはピクセルインターリーブを用いる方法を含む。単一露光手法は、例えば、多重利得読み出しまたは多重感度合成を含む。
【0004】
利用可能なDR技法のほとんどは、ローリングシャッタピクセルのために設計されているが、グローバルシャッタには適していないという問題を有する。ローリングシャッタモードにおいて、ピクセルマトリクスのピクセルは、光源によって照明される。照明中、ピクセルは、順次露光され、行ごとに読み出される。これは、読み出しプロセス全体の間、ピクセルマトリクスが照明されることを意味する。ローリングシャッタモードは、画像センサの高解像度を可能にするが、特に、ローリングシャッタモードが前述のDC技法のうちの1つの組み合わされた場合、長い照明時間、および動的アーティファクトもしくはカラーアーティファクトのような他の欠点が付いてくる可能性がある。
【0005】
グローバルシャッタモードにおいて、ピクセルマトリクスのすべてのピクセルが同じ時間期間中に露光される。したがって、ローリングシャッタモードよりも大幅に短い照明時間が必要とされる。積分時間の終了時に、ピクセルマトリクスのすべての行に対する電荷転送動作が同時に起こる。信号は、ピクセルレベルのメモリ内に記憶され、その後読み出される。前述のDR技法のうちの1つを含む周知のグローバルシャッタピクセル配列は、追加の回路構成要素を必要とし、大きいピクセルピッチを有するという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
達成されるべき目的は、高いダイナミックレンジを有するピクセル配列と、そのようなピクセル配列を動作させるための方法とを提供することである。さらなる目的は、ピクセル配列に従うピクセルのアレイを備える画像センサと、そのような画像センサを備える光電子デバイスとを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これらの目的は、独立請求項の主題によって達成される。さらなる発展および実施形態は、従属請求項において記載される。
【0008】
ここで、および以下において、「ピクセル配列」および「ピクセル」という用語は、他のピクセルとともに、マトリクスとも呼ばれる二次元アレイにおいて配置され得る受光素子を指す。アレイ内のピクセルは、行および列において配置される。「行」および「列」という用語は、ピクセルアレイの向きにのみ依存するので、交換可能に使用される可能性がある。ピクセルは、ピクセルとの間の信号を制御するための回路も含み得る。したがって、ピクセルは、いわゆるアクティブピクセルを形成し得る。ピクセルは、任意の波長範囲における光を受光し得る。「光」という用語は、例えば、赤外線(IR)放射線、紫外線(UV)放射線、および可視(VIS)光を含む電磁放射線一般を指し得る。
【0009】
一実施形態において、ピクセル配列は、電磁放射線をそれぞれ高感度モードおよび低感度モードにおいて変換するように構成される。ピクセルは、少なくとも1つのフォトダイオードを備える。フォトダイオードは、電磁放射線をそれぞれの電荷信号に変換するように構成される。ピクセル配列は、特に、グローバルシャッタピクセルを形成し得る。フォトダイオードは、特に、ピン留めフォトダイオードであり得る。フォトダイオードは、基板、特に半導体基板内に配置され得る。
【0010】
高感度モードおよび低感度モードは、ピクセルの動作モードである。高感度モードおよび低感度モードは、続けて実行され得る。これは、高感度モードおよび低感度モードが1フレーム内で実行されることを意味することができる。特に、低感度モードは、高感度モードよりも先に実行され得る。ピクセルの低感度モードは、高光条件、すなわち高照度のために提供され得る。この場合、フォトダイオードによって生成される電荷信号は、すでに大きく、例えば、高利得、長い露光時間などによって、「人為的に」増加させられる必要はない。そのような電荷信号が、例えば、高変換利得(HCG)によって増加させられた場合、飽和効果が発生する可能性がある。例えば、ピクセル内のフォトダイオードおよび/または記憶素子のポテンシャル井戸が、すべての光誘起電荷キャリアを運ぶのに十分な大きさではないので、飽和が発生する可能性がある。ピクセルの高感度モードは、低光条件、すなわち低照度のために提供され得る。その場合、フォトダイオードによって生成される電荷信号は、小さく、良好な信号対雑音比(SNR)を得るために、例えば、高い利得または長い露光時間によって増加させられるべきである。
【0011】
言い換えれば、低感度モードは、ピクセルの露光時間が短く、特に高感度モードの露光時間よりも短い動作モードであり得る。代替的には、低感度モードにおいて、低変換利得(LCG)が適用される。さらに別の代替案において、電荷信号は、小さいフォトダイオード領域またはそれぞれのフィルタによって小さく保たれる。高感度モードは、ピクセルの露光時間が長く、特に低感度モードの露光時間よりも長い動作モードであり得る。代替的は、高感度モードにおいて、信号利得は、大きい場合がある。さらに別の代替案において、電荷信号は、大きいフォトダイオード領域などによって増加される。
【0012】
ピクセル配列は、フォトダイオードとキャパシタンスとの間に配置された少なくとも1つの転送ゲートをさらに備える。転送ゲートは、それぞれの電荷信号をフォトダイオードからキャパシタンスに転送するように構成される。
【0013】
転送ゲートは、転送スイッチとして実装され得る。例えば、転送ゲートは、フォトダイオードに接続された第1の端子と、キャパシタンスに接続された第2の端子とを備える転送トランジスタの一部であり得る。転送信号を転送ゲートに印加することによって、転送トランジスタは、電荷キャリアがフォトダイオードからキャパシタンスに向かって拡散するように導電性になる。したがって、キャパシタンスは、浮動拡散キャパシタンスとして実装され得る。キャパシタンスは、記憶素子を形成する。キャパシタンスは、浮動拡散コンデンサと呼ばれる場合がある。キャパシタンスは、半導体基板内にドープされたウェルを形成し得る。キャパシタンスは、それぞれの電荷信号をそれぞれの電圧信号に変換するように構成され得る。暗電流の理由のために電荷領域ではなく電圧領域において信号を記憶し、ピクセルの寄生光感度(PLS)を低減することが望ましい場合がある。
【0014】
キャパシタンスは、転送ゲートに電気的に結合された終端ノードを備える。したがって、転送ゲートは、フォトダイオードとキャパシタンスの終端ノードとの間に配置される。キャパシタンスの終端ノードは、浮動拡散ノードまたはFDノードと呼ばれる場合がある。キャパシタンスは、接地され得るさらなる終端ノードをさらに備える。
【0015】
ピクセル配列は、キャパシタンスに電気的に結合されたリセットゲートをさらに備える。特に、リセットゲートは、FDノードに電気的に結合される。リセットゲートは、キャパシタンスをリセットするために設けられる。
【0016】
リセットゲートは、リセットスイッチとして実装され得る。例えば、リセットゲートは、ピクセル電源電圧に接続された第1の端子と、FDノードに接続された第2の端子とを備えるリセットトランジスタの一部であり得る。リセット信号をリセットゲートに印加することによって、リセットトランジスタは、ピクセル電源電圧を印加することによって、任意の冗長な電荷キャリアが除去されるように導電性になる。
【0017】
ピクセル配列は、増幅器をさらに備える。増幅器は、キャパシタンス、特にキャパシタンスの終端ノード、すなわちFDノードに電気的に接続される。特に、増幅器の入力端子は、キャパシタンスの終端ノードに電気的に接続される。増幅器は、それぞれの電荷信号と感度モードとに基づいて、それぞれの増幅された信号を生成するように構成される。増幅された信号は、それぞれ、低感度信号および高感度信号のうちの1つである。低感度信号および高感度信号は、共通のノイズレベルに基づく。これは、低感度信号および高感度信号のノイズレベルが相関していることを意味することができる。共通のノイズレベルは、空間領域または時間領域における共通のノイズレベルであることが可能である。特に、共通のノイズレベルは、リセットノイズレベルであることが可能である。
【0018】
増幅器は、ソースフォロワとしても知られる共通ドレイン増幅器を形成し得る。ソースフォロワのゲート端子は、FDノードに接続され、増幅器の入力端子として機能する。共通端子は、電源電圧に接続され得る。それぞれの増幅された信号は、増幅器の出力端子において生成される。増幅器は、電圧バッファとして使用され得る。増幅器は、信号をバッファリングし、したがって、FDノードをさらなるピクセル構成要素から切り離すように構成され得る。増幅器はさらに、光誘起電荷キャリアを増幅するように構成され得る。
【0019】
増幅された信号は、ピクセルがそれぞれの瞬間において動作しているそれぞれの感度モードに応じて、低感度信号または高感度信号のいずれかになり得る。低感度信号は、ビデオ信号とノイズレベルとに基づく。ノイズレベルは、熱ノイズおよびリセットノイズなどの時間ノイズと、固定パターンノイズ(FPN)とを含む。FPNは、特定の空間位置において「固定」されたピクセル間の信号における変動を指す。熱ノイズは、主に、導電体内の電子のランダムに熱的に撹拌された運動によって発生される。リセットノイズは、電荷集積が開始する前にフレームごとにリセットする必要があるFDノードのためのリセット動作を指す。このリセット動作は、サンプリングノイズをもたらす。
【0020】
本開示の一態様によれば、高感度信号は、低感度信号に基づき得る。したがって、高感度信号は、低感度信号と同じノイズレベル、特に、共通のリセットノイズレベルおよび/または共通の固定パターンノイズレベルに基づく。高感度信号は、低感度信号と追加のビデオ信号とを含み得る。言い換えれば、高感度信号のノイズおよび低感度信号のノイズは、相関がある。したがって、高感度信号のノイズが効果的に相殺されることが可能であるように、高感度信号の参照レベルとして低感度信号を使用することが可能である。この動作は、相関二重サンプリング(CDS)と呼ばれる場合がある。したがって、高感度信号は、純粋なビデオ信号が取得されるように、CDSでアクセスされることが可能である。
【0021】
ピクセル配列は、高感度信号を記憶するように構成された第1のコンデンサをさらに備える。第1のコンデンサは、金属酸化物半導体(MOS)コンデンサとして実装され得る。代替的には、第1のコンデンサは、金属-絶縁体-金属(MIM)コンデンサとして形成される。第1のコンデンサは、終端ノードとさらなる終端ノードとを備える。さらなる終端ノードは、接地されるか、またはさらなる電源電圧に接続され得る。
【0022】
ピクセル配列は、低感度信号を記憶するように構成された第2のコンデンサをさらに備える。第2のコンデンサは、MOSコンデンサまたはMIMコンデンサとして実装され得る。第2のコンデンサは、終端ノードとさらなる終端ノードとを備える。さらなる終端ノードは、接地されるか、またはさらなる電源電圧に接続され得る。
【0023】
ピクセル配列は、増幅器の出力端子と第1のコンデンサとの間に配置された第1のスイッチをさらに備える。これは、第1のスイッチが第1のコンデンサの終端ノードを増幅器の出力端子に接続することを意味することができる。第1のスイッチは、それぞれの増幅された信号を第1のコンデンサに転送するために設けられる。第1のスイッチは、第1のスイッチングトランジスタによって形成され得る。第1のスイッチングトランジスタは、増幅された信号が転送されるように、第1のスイッチングトランジスタが導通状態になる第1のスイッチ信号を受信するように構成されたゲート端子を備え得る。第1のスイッチングトランジスタの第1の端子は、増幅器の出力端子に接続される。第1のスイッチングトランジスタの第2の端子は、第1のコンデンサの終端ノードに接続される。
【0024】
ピクセル配列は、増幅器の出力端子と第2のコンデンサとの間に配置された第2のスイッチをさらに備える。これは、第2のスイッチが第2のコンデンサの終端ノードを増幅器の出力端子に接続することを意味することができる。第2のスイッチは、それぞれの増幅された信号を第2のコンデンサに転送するために設けられる。第2のスイッチは、第2のスイッチングトランジスタによって形成され得る。第2のスイッチングトランジスタは、増幅された信号が転送されるように、第2のスイッチングトランジスタが導通状態になる第2のスイッチ信号を受信するように構成されたゲート端子を備え得る。第2のスイッチングトランジスタの第1の端子は、増幅器の出力端子に、または第1のスイッチングトランジスタの第2の端子に接続され得る。第2のスイッチングトランジスタの第2の端子は、第2のコンデンサの終端ノードに接続される。
【0025】
ピクセル配列の説明した機能を実現するために、2つのコンデンサのみが必要とされる。これは、ピクセル配列を小さくすることを可能にする。これは、ピクセルピッチが、HDRを含みながらサイズをスケール化することができることを意味し、そして次に、コストおよびモジュールサイズの削減を可能にする。例えば、ピクセルがマトリックスにおいて配置されている場合、ピクセルピッチは、2μm未満になる可能性がある。それに加えて、提案されたピクセル配置は、多くのHDR技法と互換性がある。有利なことに、2つのコンデンサは、2つの異なる信号、すなわち、高感度信号と低感度信号とを記憶する。したがって、ピクセル配列のダイナミックレンジは、拡大されることが可能である。さらに、高感度信号と低感度信号の両方は、特に熱ノイズおよびリセットノイズからなる共通のノイズレベルに基づき得る。したがって、低感度信号は、高感度信号のための参照レベルとして使用されることが可能である。これは、高感度信号がCDSでアクセスされることが可能であることを意味する。高感度信号は、低光条件において使用されるので、熱ノイズが関連パラメータである。有利なことに、熱ノイズおよびリセットノイズは、CDSによって効果的に抑制されることが可能である。高光条件において、低感度信号は、さらに処理される。高照度レベルでは光子ショットノイズが支配的であるので、ここでは、熱ノイズは、関連性が低い。
【0026】
少なくとも1つのさらなる実施形態において、高感度信号は、低感度信号と追加のビデオ信号とを含む。これは、高感度信号が低感度信号に追加のビデオ信号を加えたものに等しいことを意味することができる。追加のビデオ信号は、ノイズのない純粋なビデオ信号を表し得る。有利なことに、高感度信号のノイズは、CDSが実行されることが可能であるように、低感度信号のノイズと相関する。したがって、高感度信号のノイズは、効果的に相殺されることが可能である。
【0027】
少なくとも1つのさらなる実施形態において、ピクセル配列は、少なくとも1つのさらなる増幅器をさらに備える。さらなる増幅器は、第1および/または第2のコンデンサ、すなわちそれぞれのコンデンサの終端ノードに電気的に接続される入力端子を備える。さらなる増幅器は、さらなる増幅器の出力端子においてピクセル出力信号を生成するように構成される。
【0028】
さらなる増幅器は、さらなる共通ドレイン増幅器、すなわちさらなるソースフォロワを形成し得る。さらなる増幅器のゲート端子は、第1および/または第2のコンデンサの終端ノードに接続される。これは、さらなる増幅器のゲート端子が両方の終端ノードに接続されることが可能であるように、第1および第2のコンデンサが並列に配置されることを意味することができる。代替的には、さらなる増幅器は、第1のコンデンサの終端ノードに接続され、第2のさらなる増幅器は、第2のコンデンサの終端ノードに接続される。また、さらなる増幅器が第2のコンデンサの終端ノードにのみ直接接続されるように、第1および第2のコンデンサがカスケード接続されることも可能である。さらなる増幅器の共通端子は、ピクセル電源電圧に接続される。ピクセル出力信号は、さらなる増幅器の出力端子において印加される。さらなる増幅器は、電圧バッファとして使用され得る。増幅器は、信号をバッファリングし、したがって、コンデンサ段を読み出し回路から切り離すように構成され得る。
【0029】
少なくとも1つのさらなる実施形態において、ピクセル配列は、さらなる増幅器の出力端子と列バスとの間に選択ゲートをさらに備える。選択ゲートは、ピクセル出力信号を列バスに転送するために設けられる。
【0030】
選択ゲートは、選択スイッチとして実装され得る。例えば、選択ゲートは、さらなる増幅器の出力端子に接続された第1の端子と、列バスに接続された第2の端子とを備える選択トランジスタの一部である。選択ゲートに選択信号を印加することによって、選択トランジスタは、ピクセル出力信号が列バスを介して読み出し回路に転送されるように導電性になる。例えば、読み出し回路は、サンプルアンドホールド機能を有するアナログデジタルコンバータ(ADC)を備える。列バスは、ピクセル配列によって含まれる場合もあり、含まれない場合もある。代替的は、列バスの一部のみがピクセルによって構成される。有利なことに、アレイ内の各ピクセルの出力信号は、個別にアクセスされることが可能である。
【0031】
少なくとも1つのさらなる実施形態において、ピクセルは、増幅器の出力端子に電気的に結合されたプリチャージゲートをさらに備える。プリチャージゲートは、第1のコンデンサおよび第2のコンデンサをプリチャージするように構成される。
【0032】
プリチャージゲートは、プリチャージスイッチとして実装され得る。例えば、プリチャージゲートは、増幅器の出力端子に接続された第1の端子と、グランド(GND)に接続された第2の端子とを備えるプリチャージトランジスタの一部である。プリチャージゲートにプリチャージ信号を印加することによって、プリチャージトランジスタは、第1および第2のコンデンサがプリチャージされることが可能であるように、導電性になる。これは特に、第1および第2のコンデンサが、増幅器によってそれらの最終的な値に再充電される前に、各フレームにおいて放電されることを意味することができる。さらに、プリチャージトランジスタは、増幅器にバイアスをかけるために特定のバイアス電流を送達することもできる。プリチャージゲートは、固定電流を供給するように構成された定電流源として実装されることも可能である。
【0033】
少なくとも1つのさらなる実施形態において、少なくとも1つのフォトダイオードは、高感度モードにおいて第1の電荷信号を生成するための第1のフォトダイオードを備える。さらに、少なくとも1つのフォトダイオードは、低感度モードにおいて第2の電荷信号を生成するための第2のフォトダイオードを備える。
【0034】
第1のフォトダイオードおよび第2のフォトダイオードは、異なっていることが可能である。例えば、第1のフォトダイオードは、第2のフォトダイオードよりも多くの電荷キャリアを発生するために、第2のフォトダイオードよりも大きい光活性領域を有する。代替的には、第2のフォトダイオードは、第2の電荷信号を減衰させるためにフィルタが設けられる。第1および第2のフォトダイオードは、共通のFDノード、すなわち同じキャパシタンスを共有することができる。
【0035】
したがって、2つのフォトダイオードは、2つのそれぞれの転送ゲートに割り当てられることが可能であり、第1の転送ゲートは、第1の電荷信号をキャパシタンスの終端ノードに転送するために設けられ、第2の転送ゲートは、第2の電荷信号をキャパシタンスの終端ノードに転送するために設けられる。
【0036】
第1のフォトダイオードの第1の電荷信号は、高感度信号を結果として生じ、第2のフォトダイオードの第2の電荷信号は、低感度信号を結果として生じする。したがって、第1のフォトダイオードと、第1のフォトダイオードとは異なる第2のフォトダイオードとを設けることによって、それぞれの電荷信号は、高ダイナミックレンジを得るために使用されることが可能である。
【0037】
少なくとも1つのさらなる実施形態において、ピクセル配列は、感度ゲートをさらに備える。感度ゲートは、リセットゲートとキャパシタンスの終端ノードとの間に配置される。この実施形態において、ピクセル配列は、終端ノードを備える第3のコンデンサをさらに備える。感度ゲートは、キャパシタンスの終端ノードを第3のコンデンサの終端ノードと短絡させるために設けられる。
【0038】
感度ゲートは、利得スイッチとして実装され得る。感度ゲートは、キャパシタンスの終端ノードに電気的に接続された第1の端子と、第3コンデンサの終端ノードに電気的に接続された第2の端子とを備える感度トランジスタの一部であり得る。利得信号を感度ゲートに印加することによって、感度トランジスタは、FDノードが第3のコンデンサの終端ノードと短絡されるように導電性になる。
【0039】
第3のコンデンサは、MOSコンデンサまたはMIMコンデンサとして実装され得る。第3のコンデンサの終端ノードは、リセットゲートと感度ゲートとの間に配置される。
【0040】
第3のコンデンサは、接地され得るさらなる終端ノードをさらに備える。
【0041】
FDノードを第3のコンデンサの終端ノードと短絡させることによって、合成キャパシタンスは、FDキャパシタンスの大きさよりも大きくなる。電荷を一定に保つと、これは、減少した電圧信号につながる。したがって、キャパシタンスを大きくすることによって、利得は、減少する。これは、キャパシタンスおよび第3のコンデンサが短絡された場合、ピクセル配列が減少した利得を有することを意味する。言い換えれば、第3のコンデンサが感度ゲートによってキャパシタンスから電気的に切り離された場合、ピクセル配列は、増加した利得を有する。
【0042】
一般に、転送ゲートが非アクティブ化された場合、フォトダイオードは、電位障壁によってキャパシタンスから分離される。同様に、感度ゲートが非アクティブ化された場合、キャパシタンスは、さらなる電位障壁によって第3のコンデンサから分離される。これは、それぞれ、フォトダイオードとキャパシタンスとの間、またはキャパシタンスと第3のコンデンサとの間で、電荷キャリアが拡散するのが防止されることを意味する。しかしながら、いくつかの実施形態において、特に、それぞれフォトダイオードのポテンシャル井戸またはキャパシタンスのポテンシャル井戸が飽和された場合、そのような電荷オーバフローが許容される。このようにして、飽和中であっても光誘起電荷キャリアが失われず、ピクセル配列に増加したダイナミックレンジを提供する。言い換えれば、第3のコンデンサは、過剰な電荷キャリアを蓄積する。さらに、フォトダイオードおよび/またはキャパシタンスは、より小さい寸法にされることが可能である。
【0043】
少なくとも1つのさらなる実施形態において、第1のコンデンサおよび第2のコンデンサは、並列に配置される。第1のスイッチと第2のスイッチの両方は、増幅器の出力端子に電気的に直接接続される。第1のコンデンサの終端ノードは、さらなる増幅器に電気的に接続され得る。第2のコンデンサの終端ノードは、第2のさらなる増幅器に電気的に接続され得る。第1のコンデンサの終端ノードおよび第2のコンデンサの終端ノードは、共通のさらなる増幅器に接続されることも可能である。有利なことに、第1のコンデンサおよび第2のコンデンサは、第1および第2のスイッチによって独立して制御されることが可能である。
【0044】
少なくとも1つのさらなる実施形態において、第1のコンデンサおよび第2のコンデンサは、カスケード接続されて配置される。この場合、第2のスイッチは、第1のスイッチを介して増幅器の出力端子に電気的に接続される。言い換えれば、第2のスイッチは、第1のコンデンサの終端ノードと第2のコンデンサの終端ノードとの間に配置される。有利なことに、コンデンサの並列配置の場合におけるよりも少ない構成要素が必要とされる。
【0045】
さらに、上記の実施形態のうちの1つにおいて説明したようなピクセル配列によるピクセルのアレイを備える画像センサが提供される。これは、ピクセル配列について開示されたすべての特徴が画像センサについても開示され、適用可能であり、その逆も同様であることを意味する。
【0046】
さらに、画像センサを備える光電子デバイスが提供される。これは、画像センサについて開示されたすべての特徴が光電子デバイスについても開示され、適用可能であり、その逆も同様であることを意味する。
【0047】
画像センサは、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップ、またはカメラモジュールなどの光電子デバイスにおいて便利に用いられることが可能である。例えば、カメラモジュールは、写真撮影および/またはビデオ取り込みのために可視領域において動作するように構成される。さらに、ピクセル配列は、信号がピクセルレベルのメモリ、すなわち第1のコンデンサおよび第2のコンデンサに記憶されるので、グローバルシャッタモードにおいて動作するのに特に適している。グローバルシャッタモードは、画像センサデバイスがピクセルと同期される光源をさらに備える赤外線用途に特に適している。したがって、そのような画像センサを備える光電子デバイスは、例えば、3D画像化および/または識別目的のために、赤外線(IR)領域においても機能し得る。赤外線感度を有する画像センサは、ビデオフィードが必要とされる暗い環境において使用されることが可能である。そのような用途は、携帯電話の顔によるロック解除から運転監視システムまで多岐にわたる。両方とも、電話ユーザ/運転者が自分を照らしている光によって目がくらまされないように、短波赤外線(SWIR)スペクトルにおける照明器を配備することができる。
【0048】
さらに、電磁放射線を高感度モードおよび低感度モードにおいてそれぞれ変換するように構成されたピクセル配列を動作させるための方法が提供される。上記で説明したピクセル配列は、本明細書で説明するピクセル配列を動作させるための方法に好ましく用いられることが可能である。これは、ピクセル配列および画像センサについて開示されたすべての特徴がピクセル配列を動作させるための方法についても開示され、その逆も同様であることを意味する。
【0049】
ピクセル配列を動作させるための方法の少なくとも1つの実施形態によれば、方法は、少なくとも1つのフォトダイオードによって電磁放射線をそれぞれの電荷信号に変換するステップを含む。方法は、キャパシタンスをリセットするためのリセット信号を提供するステップをさらに含む。例えば、リセット信号は、キャパシタンスに電気的に結合されたリセットゲートに印加される。例えば、リセット信号を印加することによって、キャパシタンスにおいて蓄積された電荷キャリアが除去されるように、キャパシタンスの終端ノードにピクセル電源電圧が印加される。
【0050】
方法は、それぞれの電荷信号を少なくとも1つのフォトダイオードからキャパシタンスに転送するための転送信号を提供するステップをさらに含む。例えば、転送信号は、フォトダイオードとキャパシタンスの終端ノードとの間の転送ゲートに印加される。
【0051】
方法は、それぞれの電荷信号と感度モードとに基づいて、それぞれの増幅された信号を生成するステップをさらに含む。それぞれの増幅された信号は、それぞれ、低感度信号および高感度信号のうちの1つである。低感度信号および高感度信号は、共通のノイズレベルに基づく。これは、低感度信号のノイズレベルが高感度信号のノイズレベルと相関していることを意味することができる。例えば、それぞれの増幅された信号は、入力端子においてキャパシタンスに電気的に接続された増幅器によって生成される。
【0052】
方法は、それぞれの増幅された信号を第1のコンデンサに転送するための第1のスイッチ信号を提供するステップをさらに含む。第1のコンデンサは、高感度信号を記憶するように構成される。例えば、第1のスイッチ信号は、第1のコンデンサの終端ノードと増幅器の出力端子との間の第1のスイッチに印加される。
【0053】
方法は、それぞれの増幅された信号を第2のコンデンサに転送するための第2のスイッチ信号を提供するステップをさらに含む。第2のコンデンサは、低感度信号を記憶するように構成される。例えば、第2のスイッチ信号は、第2のコンデンサの終端ノードと増幅器の出力端子との間の第2のスイッチに印加される。
【0054】
有利なことに、2つのコンデンサは、高感度信号および低感度信号である2つの異なる信号を記憶する。したがって、ピクセル配列のダイナミックレンジは、拡大されることが可能である。さらに、両方の信号が共通のノイズレベルに基づいているので、低感度信号は、高感度信号のための参照レベルとして使用されることが可能である。これは、例えば、熱ノイズおよびリセットノイズが効果的に相殺されることが可能であるように、高感度信号がCDSでアクセスされることが可能であることを意味する。
【0055】
方法の少なくとも1つのさらなる実施形態において、方法は、ピクセル露光中、ピクセルが低感度モードにおいて動作される第1のステップをさらに含む。低感度モードにおいて、低感度信号が生成され、第2のコンデンサにおいて記憶される。ピクセル露光中の第2のステップにおいて、ピクセルは、高感度信号が生成され、第1のコンデンサにおいて記憶されるように、高感度モードにおいて動作される。ピクセル露光は、フォトダイオードが光に曝露される時間期間を指す。
【0056】
低感度信号は、高感度信号よりも小さい。特に、高感度信号は、低感度信号に追加のビデオ信号を加えたものに等しい。したがって、低感度信号は、高感度信号よりも先に決定される。したがって、有利なことに、高感度信号は、低感度信号に基づくことができる。
【0057】
方法の少なくとも1つのさらなる実施形態において、ピクセル露光中の第1のステップおよび第2のステップは、その間にキャパシタンスをリセットすることなく実施される。キャパシタンスがリセットされた場合、低感度信号に関する情報がFDノードから除去されるので、高感度信号は、低感度信号に基づかない。有利なことに、キャパシタンスは、高感度モードにおいて再利用されることが可能であるように、低感度信号に関する情報を記憶する。有利なことに、追加のノイズが導入されない。
【0058】
方法の少なくとも1つのさらなる実施形態において、低感度信号は、ピクセル読み出し中の第1のステップにおいて読み出される。読み出し中の第2のステップにおいて、高感度信号が読み出される。ピクセル読み出しは、コンデンサにおいて記憶されたアナログ信号がさらに処理される時間期間を指す。例えば、アナログ信号は、列バスを介して読み出し回路に転送され、そこでデジタル信号に変換される。有利なことに、低感度信号は、低感度信号が高感度信号のための参照レベルとして使用されることが可能であるように、高感度信号よりも前に読み出される。
【0059】
高感度信号を読み出すことは、高感度信号が第1のコンデンサから直接読み出されることを意味することができる。しかしながら、高感度信号の減衰されたバージョンが読み出されることを意味することもできる。第1および第2のコンデンサがカスケード接続されて配置された場合、2つのコンデンサは、互いに結合される。例えば、高感度信号を読み出す場合、高感度信号は、第1および第2のコンデンサにおいて再分配され得る。これは、第1のコンデンサにおける電荷が第2のコンデンサにおける電荷と混合されることを意味する。したがって、第1のコンデンサにおける高感度信号は、例えば、第1のコンデンサが第2のコンデンサと等しい場合、2分の1に減衰される。
【0060】
方法の少なくとも1つのさらなる実施形態において、ピクセル読み出し中の第3のステップにおいて、キャパシタンスは、リセットされ、リセットレベルが読み出される。キャパシタンスをリセットすることは、リセット信号を印加することによって実行される。リセットレベルは、ピクセル配列の非ビデオ信号、すなわちフォトダイオードからの電荷信号なしの信号を指す。キャパシタンス、すなわちFDノードをリセットすることによって、高感度信号または低感度信号のノイズとは相関しない追加のノイズが導入される。しかしながら、ピクセル配列のリセットレベルは、固定パターンノイズ(FPN)に関する情報を含む。したがって、有利なことに、ピクセル配列のFPNは、ピクセル読み出し中の第3のステップにおいて決定されることが可能である。
【0061】
少なくとも1つのさらなる実施形態において、方法は、ピクセル読み出し中、リセットレベルを低感度信号のための参照レベルとして使用することによって、ダブルデルタサンプリングを実行するステップをさらに含む。低感度信号は、高照度の場合にさらに処理される。高照度では光子ショットノイズが支配的であるので、ここでは、熱ノイズは、関連性が低い。したがって、ビデオ信号からノイズを除去するための相関二重サンプリングは、必要ない。しかしながら、ビデオ信号からFPNを除去することが望ましい場合がある。ダブルデルタサンプリング(DDS)を実行することによって、すなわちリセットレベルを低感度信号のための参照レベルとして使用することによって、FPNが除去されることが可能である。
【0062】
少なくとも1つのさらなる実施形態において、方法は、ピクセル読み出し中、低感度信号を高感度信号のための参照レベルとして使用することによって、相関二重サンプリングを実行するステップをさらに含む。上述したように、低感度信号および高感度信号は、共通のノイズレベルに基づく。したがって、相関二重サンプリングを実行することによって、すなわち低感度信号を高感度信号のための参照レベルとして使用することによって、ノイズは、高感度信号から効果的に除去されることが可能である。除去されるノイズは、時間ノイズと固定パターンノイズの両方を含む。
【0063】
少なくとも1つのさらなる実施形態において、方法は、ピクセル読み出し中、それぞれの振幅レベルに基づいて、さらなる処理のために低感度信号と高感度信号のどちらを使用するかを決定するステップをさらに含む。高照度の場合、高感度信号は、飽和される場合がある。したがって、低感度信号が、さらなる処理のために使用されるべきである。低照度の場合、低感度信号は、弱く、ノイズの影響を受ける場合がある。したがって、高感度信号が、さらなる処理のために使用されるべきである。それぞれの振幅レベルに基づいて、さらなる処理のために低感度信号と高感度信号のどちらを使用するかを決定するステップは、それぞれの振幅レベルをそれぞれのしきい値と比較するステップを含み得る。有利なことに、現在の照度に応じて、低感度信号または高感度信号のいずれかが使用されることが可能である。したがって、ダイナミックレンジは、拡大される。
【0064】
少なくとも1つのさらなる実施形態において、方法は、低感度モードにおけるピクセル露光中、キャパシタンスの終端ノードを第3のコンデンサの終端ノードと短絡させるための利得信号を印加することによって、変換利得を調整するステップをさらに含む。例えば、利得信号は、キャパシタンスの終端ノードと第3のコンデンサの終端ノードとの間の感度ゲートに印加される。所与の電荷信号においてそれぞれの終端ノードを短絡させることによって、総キャパシタンスが増加され、そして次に、電圧信号を減少させる。したがって、それぞれの電荷信号に関する変換利得は、減少する。したがって、2つの異なる変換利得が提供されることが可能である。
【0065】
方法の少なくとも1つのさらなる実施形態において、電磁放射線をそれぞれの電荷信号に変換するステップは、第1のフォトダイオードによって高感度モードにおいて第1の電荷信号を生成するステップと、第2のフォトダイオードによって低感度モードにおいて第2の電荷信号を生成するステップとを含む。特に、第1のフォトダイオードおよび第2のフォトダイオードは、所々の照度において異なる電荷信号を生成するように異なることができる。例えば、増加した電荷信号を生成するために、大きいフォトダイオードが高感度において使用されることが可能であり、減少した電荷信号を生成し、ピクセル内の記憶素子の飽和を防止するために、より小さいフォトダイオードが低感度モードにおいて使用されることが可能である。2つまたは少なくとも2つのフォトダイオードを使用することによって、ピクセル配列のダイナミックレンジは、増加されることが可能である。
【0066】
方法の少なくとも1つのさらなる実施形態において、電磁放射線をそれぞれの電荷信号に変換するステップは、減少した露光時間によって低感度モードにおいて第1の電荷信号を生成するステップと、増加した露光時間によって高感度モードにおいて第2の電荷信号を生成するステップとを含む。所与の照度におけるそれぞれの電荷信号は、異なる露光時間によって変化させられることが可能である。例えば、増加した電荷信号を生成するために、高感度モードにおいて長い露光時間が使用されることが可能であり、減少した電荷信号を生成し、したがって飽和を防止するために、低感度モードにおいて短い露光時間が使用されることが可能である。2つまたは少なくとも2つの露光時間を使用することによって、ピクセル配列のダイナミックレンジは、拡大されることが可能である。
【0067】
方法のさらなる実施形態は、上記で説明したグローバルシャッタピクセルの実施形態から当業者には明らかになり、その逆も同様である。
【0068】
以下の図の説明は、ピクセル配列およびそのようなピクセル配列を動作させる方法の態様をさらに例示および説明し得る。機能的に同一であるか、または同一の効果を有するピクセル配列の構成要素および部分は、同一の参照符号によって示される。同一または実質的に同一の構成要素および部分について、それらが最初に現れる図に関してのみ説明される場合がある。それらの説明は、必ずしも連続する図において繰り返されない。
【図面の簡単な説明】
【0069】
図1】ピクセル配列のダイナミックレンジを示す図である。
図2A】ピクセル配列の例示的な実装形態を示す図である。
図2B図2Aによるピクセル配列に関する例示的な信号タイミングを示す図である。
図3】ピクセル配列の別の例示的な実施形態を示す図である。
図4A】ピクセル配列の別の例示的な実施形態を示す図である。
図4B図4Aによるピクセル配列に関する例示的な信号タイミングを示す図である。
図5】ピクセル配列の別の例示的な実施形態を示す図である。
図6】ピクセル配列を備える画像センサを備える光電子デバイスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0070】
図1は、照度Iに対してプロットされたピクセル配列10(図示せず)の光誘起電荷信号Qを示す。電荷信号Qと照度Iとの間に線形またはほぼ線形の関係が存在することがわかる。電荷信号Qの小さい値について、信号は、ノイズの多い電荷信号Qから使用可能なビデオ信号を取得することが困難であるように、ノイズフロア998によって支配される。電荷信号がノイズフロアレベル998を十分に上回っている場合、使用可能なビデオ信号が決定されることが可能である。しかしながら、高電荷信号Qについて、飽和領域999に到達し得る。これは、それぞれのポテンシャル井戸がより多くの電荷を蓄積するのに十分な大きさではないので、前記ピクセル配列10内のフォトダイオードまたはメモリ素子が、特定の数の光誘起電荷キャリアしか扱えないことを意味する。結果として、典型的なピクセル配列10において、非常に低い光条件および非常に高い光条件に対して適切なビデオ信号が取得されることは可能ではない。その間の光条件、すなわち、適切なビデオ信号が取得されることが可能な光条件は、ピクセル配列10のダイナミックレンジDRを定義する。ピクセル配列10のダイナミックレンジを拡大することが望ましい。
【0071】
図2Aにおいて、ピクセル配列10の例示的な実施形態が示されている。図示のピクセル配列10は、高ダイナミックレンジ(HDR)を達成するように動作されることが可能である。ピクセル配列10は、電磁放射線をそれぞれ高感度モードおよび低感度モードにおいて変換するように構成される。
【0072】
ピクセル配列10は、電磁放射線をそれぞれの電荷信号に変換するように構成された少なくとも1つのフォトダイオード20を備える。フォトダイオード20は、アノード端子とカソード端子とを備える。フォトダイオード20のアノード端子は、グランド(GND)とすることもできる負のピクセル電源電圧VSSに接続される。フォトダイオード20は、任意の波長の光、例えば、可視光、赤外線、および/または紫外線を変換し得る。
【0073】
ピクセルは、フォトダイオード20とキャパシタンス40との間に転送ゲート30をさらに備える。図1に示す実施形態において、転送ゲート30は、スイッチとして機能する転送トランジスタの一部として実装される。転送トランジスタの第1の端子は、フォトダイオード20のカソード端子に電気的に接続される。転送トランジスタの第2の端子は、キャパシタンス40の終端ノード42に電気的に接続される。終端ノード42は、以下では、(浮遊)拡散(FD)ノード42と命名される。キャパシタンス40は、コンデンサとして実装され得、FDコンデンサと呼ばれる場合がある。転送トランジスタの転送ゲート30は、それぞれの電荷信号をフォトダイオード20からキャパシタンス40に転送するための転送信号TXを受信するように構成される。キャパシタンス40は、それぞれの電荷信号をそれぞれの電圧信号に変換するように構成される。キャパシタンス40のさらなる終端ノード44は、VSSに接続され得る。
【0074】
ピクセル配列10は、キャパシタンス40をリセットするために、キャパシタンス40に電気的に結合されたリセットゲート50をさらに備える。図1に示す実施形態において、リセットゲート50は、スイッチとして機能するリセットトランジスタの一部として実装される。リセットトランジスタの第1の端子は、ピクセル電源電圧VDDに電気的に接続される。リセットトランジスタの第2の端子は、キャパシタンス40の終端ノード42に電気的に接続される。リセットトランジスタのリセットゲート30は、ピクセル電源電圧VDDを印加することによってキャパシタンス40をリセットし、したがって、任意の冗長な電荷キャリアを除去するためのリセット信号RTSを受信するように構成される。
【0075】
ピクセル配列10は、キャパシタンス40に電気的に接続され、それぞれの電荷信号と感度モードとに基づいて、それぞれの増幅された信号を生成するように構成された増幅器60をさらに備える。それぞれの増幅された信号は、それぞれ、低感度信号または高感度信号である。低感度信号および高感度信号は、共通のノイズレベルに基づく。増幅器60は、図2に示すように、ソースフォロワとして知られる共通ドレイン増幅器を形成し得る。ソースフォロワのゲート端子62は、FDノード42に接続され、増幅器60の入力端子62として機能する。共通端子が電源電圧VDDに接続される。それぞれの増幅された信号は、増幅器60の出力端子64において生成される。
【0076】
ピクセル配列10は、高感度信号を記憶するように構成された第1のコンデンサ70と、低感度信号を記憶するように構成された第2のコンデンサ80とをさらに備える。第1のコンデンサ70は、終端ノード72とさらなる終端ノード74とを備える。図1に示すように、さらなる終端ノード74は、VSSに接続され得る。さらに、第2のコンデンサ80は、終端ノード82とさらなる終端ノード84とを備える。図2に示すように、さらなる終端ノード84は、VSSに接続され得る。
【0077】
ピクセル配列10は、増幅器60の出力端子64と第1のコンデンサ70との間に第1のスイッチ90をさらに備える。第1のスイッチ90は、それぞれの増幅された信号を第1のコンデンサ70に転送するために設けられる。第1のスイッチ90は、第1のスイッチングトランジスタによって形成され得る。第1のスイッチングトランジスタは、第1のスイッチ信号S1を受信するように構成されたゲート端子90を備える。第1のスイッチングトランジスタの第1の端子は、増幅器60の出力端子64に接続される。第1のスイッチングトランジスタ90の第2の端子は、第1のコンデンサ70の終端ノード71に接続される。
【0078】
ピクセル配列10は、増幅器60の出力端子64と第2のコンデンサ80との間に配置された第2のスイッチ100をさらに備える。第2のスイッチ100は、それぞれの増幅された信号を第2のコンデンサ80に転送するために設けられる。第2のスイッチ100は、第2のスイッチングトランジスタによって形成され得る。第2のスイッチングトランジスタは、第2のスイッチ信号S2を受信するように構成されたゲート端子100を備え得る。第2のスイッチングトランジスタの第1の端子は、第1のスイッチングトランジスタの第2の端子と、第1のコンデンサ70の終端ノード72とに接続される。第2のスイッチングトランジスタの第2の端子は、第2のコンデンサ80の終端ノード82に接続される。
【0079】
図2Aによるピクセル配列10は、以下のように動作されることが可能である。ピクセル露光中の第1のステップにおいて、フォトダイオード20は、第1の電荷信号が生成され、低感度信号に変換されるように、第1の露光時間Tの間、光に曝露される。それぞれのスイッチ信号S1、S2を印加することによって、低感度信号は、第2のコンデンサ80に転送され、記憶される。ピクセル露光中の第2のステップにおいて、フォトダイオード20は、第2の電荷信号が生成され、高感度信号に変換されるように、第1の露光時間Tよりも長い第2の露光時間Tの間、光に曝露される。それぞれのスイッチ信号S1、S2を印加することによって、高感度信号は、第1のコンデンサ70に転送され、記憶される。浮遊拡散キャパシタンス40は、第1のステップと第2のステップとの間にリセットされなくてもよい。したがって、高感度信号は、低感度信号に基づくか、または低感度信号を含む。これは、両方の信号が共通のノイズレベルに基づくことを意味する。したがって、ピクセル読み出し中、低感度信号は、相関二重サンプリング(CDS)が実行されることが可能であるように、高感度信号のための参照レベルとして使用されることが可能である。したがって、高感度信号におけるノイズは、相殺されることが可能である。
【0080】
ピクセル読み出し中のさらなるステップにおいて、リセット信号RTSをリセットゲート50に印加することによって、ピクセル配列10のリセットレベルがサンプリングされる。リセットレベルは、ダブルデルタサンプリング(DDS)が実行されることが可能であるように、低感度信号のための参照レベルとして使用されることが可能である。したがって、低感度信号における固定パターンノイズ(FPN)は、相殺されることが可能である。ピクセル読み出し中、それぞれの振幅レベルに基づいて、さらなる処理のためにDDSによる低感度信号とCDSによる高感度信号のどちらを使用するかが決定され得る。
【0081】
図2Aに示すピクセル配列10は、追加の構成要素を備えるが、他の実施形態では省略されることも可能である。図2Aによるピクセル配列10は、増幅器60の出力端子64に電気的に結合されたプリチャージゲート160をさらに備える。プリチャージゲート160は、第1のコンデンサ70と第2のコンデンサ80とをプリチャージするために設けられ得、これは、具体的には、新しい信号が記憶される前にコンデンサ70、80が放電されることを意味することができる。図2Aに示すように、プリチャージゲート160は、増幅器60の出力端子64に接続された第1の端子と、VSSに接続された第2の端子とを備えるプリチャージトランジスタの一部であり得る。プリチャージ信号PCをプリチャージゲート160に印加することによって、プリチャージトランジスタは、第1および第2のコンデンサ70、80が放電されるように導通状態になる。
【0082】
図2Aによるピクセル配列10は、さらなる増幅器110をさらに備え、さらなる増幅器110は、第2のコンデンサ80に電気的に接続された入力端子112を備え、さらなる増幅器110の出力端子114においてピクセル出力信号を生成するように構成される。増幅器60と同様に、さらなる増幅器は、ゲート112が入力端子112として機能し、共通端子がVDDに接続されるソースフォロワとして実装されることが可能である。
【0083】
ピクセル配列10は、さらなる増幅器110の出力端子114と列バス130との間に、ピクセル出力信号を列バス130に転送するための選択ゲート120をさらに備える。図示のように、選択ゲート120は、さらなる増幅器110の出力端子114に接続された第1の端子と、列バス130に接続された第2の端子とを備える選択トランジスタの一部であり得る。選択信号SELを選択ゲート120に印加することによって、ピクセル出力信号は、列バス130に転送される。
【0084】
図2Bにおいて、図2Aによるピクセル配列10を動作させることが、信号タイミングに関してより詳細に示されている。しかしながら、図示の信号タイミングは、一例であり、変更されることが可能であることが留意されるべきである。さらに、時間間隔のスケーリングは、正確な指標として解釈されるべきではない。
【0085】
ピクセル配列10動作させることは、2つの時間間隔に分割されることが可能であり、第1の時間間隔Texは、ピクセル露光およびフレーム記憶のために提供され、第2の時間間隔Troは、ピクセル読み出しおよび行読み出しのためにそれぞれ提供されることがわかる。この文脈において、行読み出しは、単一行の読み出しを意味することができる。行は、順次読み出されることが可能であり、すべての行は、同じ時間間隔Troを必要とする。ピクセル配列10は、グローバルシャッタピクセルであることが可能であり、ピクセル露光およびフレーム記憶は、グーバル動作であることが可能であり、すなわち、ピクセル露光およびフレーム記憶は、ピクセルのアレイの各ピクセルに同時に影響を与えることができる。しかしながら、ピクセルアレイのピクセルまたは行が次々に読み出されることが可能であるので、ピクセルを読み出すことは、ローカル動作であることが可能である。さらに、図示の実施形態のピクセル配列10において、第1の時間間隔Texは、上記で説明したように、第1の(短い)露光時間Tと第2の(長い)露光時間Tとに細分される。
【0086】
図2Bは、転送信号TX、リセット信号RST、第1のスイッチ信号S1、第2のスイッチ信号S2、プリチャージ信号PC、および選択信号SELのタイミングを示す。これらの信号は、アクティブ化状態(ハイ状態)または非アクティブ化状態(ロー状態)であることが可能である。それぞれの信号を印加することは、信号がアクティブ化状態に切り替えられることを意味することができる。以下において、タイミングについて、図に示す選択された時点t1~t8を使用してより詳細に説明する。
【0087】
第1の露光時間Tの終了時に、転送信号TXは、それぞれの電荷信号がフォトダイオード20からキャパシタンス40に転送されるように、時間t1において印加される。さらに、これは、第1および第2のスイッチ90、100を制御する両方のスイッチ信号S1、S2がアクティブ化状態にあるので、第2のコンデンサ80に転送される低感度信号を結果として生じる。時間t2において第2のスイッチ信号S2を非アクティブ化することによって、低感度信号は、第2のコンデンサ80において記憶される。
【0088】
第2の露光時間Tの終了時に、転送信号TXは、それぞれの電荷信号がフォトダイオード20からキャパシタンス40に転送されるように、時間t3において再び印加される。その場合、これは、スイッチ信号S1が依然としてアクティブ化状態にあるので、第1のコンデンサ70に転送される高感度信号を結果として生じる。時間t4において第1のスイッチ信号S1を非アクティブ化することによって、高感度信号は、第1のコンデンサ70において記憶される。時間t1と時間t3との間、リセット信号RSTは、非アクティブ化されたままであり、これは、高感度信号および低感度信号が共通のノイズレベルに基づくように、キャパシタンス40がリセットされないことを意味することが留意されるべきである。時間t5において、リセット信号RSTは、アクティブ化される。それは、ブルーミングなどの画像化問題を防止するためである。リセット信号RSTは、高感度信号が記憶された後にアクティブ化される。
【0089】
ピクセル読み出しは、時間t6において選択信号SELを印加することによって開始する。この瞬間において、第2のコンデンサ80において記憶された低感度信号は、読み出される。第1のコンデンサ70において記憶された高感度信号は、第2のスイッチ信号S2を印加することによって時間t7において読み出される。時間t8から、リセットレベルは、リセット信号RSTを非アクティブ化することによって読み出される。その後、リセットレベルに対応する信号が読み出し回路に転送され、コンデンサ70、80が放電されるように、第1のスイッチ信号S1、第2のスイッチ信号S2、およびプリチャージ信号PCは、アクティブ化される。その後、ピクセル配列10は、次のフレームのための準備が整う。
【0090】
図3において、ピクセル配列10の別の実施形態が示されている。図3による実施形態は、コンデンサ70、80がカスケード接続されて配置されず、並列に配置されている点において、図2による実施形態とは異なる。これは、第2のコンデンサ80に結合された第2のスイッチ100が、増幅器60の出力端子64に直接接続され、図2におけるように第1のスイッチ90を介して接続されないことを意味する。プリチャージゲート160は、固定電流を提供するように構成された定電流源として実装されることも可能であることが留意されるべきである。さらに、図3による実施形態は、第2のコンデンサ80に結合された第2のさらなる増幅器110’およびさらなる選択ゲート120’をさらに備え、一方、さらなる増幅器110および選択ゲート120は、第1のコンデンサ70に結合される。しかしながら、図示の実施形態は、単なる例として、コンデンサ70、80の並列配置を示していることが留意されるべきである。他の配置が可能である。例えば、並列に配置されたコンデンサ70、80は、追加のスイッチによって共通のさらなる増幅器110を共有することができる。さらなる構成要素の必要性を犠牲にして、並列配置は、高感度信号および低感度信号が独立して記憶および読み出されることが可能であるという利点を有する。図2Bに示すような信号タイミングを実装する方法は、当業者によって理解されるであろう。しかしながら、第1のスイッチおよび第2のスイッチが独立して動作されることが可能であるので、信号タイミングは、ピクセル露光中とピクセル読み出し中の両方でわずかに変化する場合がある。
【0091】
図4Aにおいて、ピクセル配列10の別の実施形態が示されている。図4による実施形態は、ピクセル配列が、第2の転送ゲート30’を介してFDノード42に接続された第2のフォトダイオード20’をさらに備える点において、図2による実施形態とは異なる。これは、第1のフォトダイオード20および第2のフォトダイオード20’が並列に配置されることを意味する。第1のフォトダイオード20は、高感度モードにおいて第1の電荷信号を生成するように構成され、第2のフォトダイオード20’は、低感度モードにおいて第2の電荷信号を生成するように構成される。第1および第2のフォトダイオード20、20’は、異なることができ、これは、所与の照度においてそれぞれの電荷信号が異なることを意味することができる。そのようなピクセル配列10を動作させる方法は、図2Aの実施形態におけるものと同様であることが可能であるが、それぞれのフォトダイオード20、20’の露光時間は、等しくすることができる。
【0092】
図4Bにおいて、図4Aによるピクセル配列10を動作させることは、信号タイミングに関してより詳細に示されている。再び、図示の信号タイミングは、一例であり、変更されることが可能であることが留意されるべきである。時間間隔のスケーリングは、正確な指標として解釈されるべきではない。それぞれの信号のタイミングは、第1の転送信号TX1が第1の転送ゲート30を制御し、第2の転送信号TX2が第2の転送ゲート30’を制御するという違いを除いて、図2Bの例と同様である。したがって、時間t1において、それぞれの電荷信号は、第2の転送信号TX2をアクティブ化することによって、第2のフォトダイオード20’からキャパシタンス40に転送され、一方、時間t3において、それぞれの電荷信号は、第1の転送信号TX1をアクティブ化することによって、第1のフォトダイオード20からキャパシタンス40に転送される。図4Bのさらなる説明について、図2Bに関する上記の説明が参照される。
【0093】
図5において、ピクセル配列10の別の実施形態が示されている。図5による実施形態は、キャパシタンス40とリセットゲート50との間に感度ゲート140をさらに備えるという点において、図2Aによる実施形態とは異なる。したがって、この実施形態において、リセットゲート50は、感度ゲート140を介してキャパシタンス40に電気的に結合される。さらに、ピクセル配列10は、第3のコンデンサ150を備える。第3のコンデンサ150は、終端ノード152と、さらなる終端ノード154とを備える。第3のコンデンサ150のさらなる終端ノード154は、図示のようにVSSに接続され得る。感度ゲート140は、キャパシタンス40のFDノード42に接続された第1の端子と、第3のコンデンサ150の終端ノード152に接続された第2の端子とを備える感度トランジスタの一部であり得る。利得信号を感度ゲート140に印加することによって、感度トランジスタは、FDノード42が第3のトランジスタ150の終端ノード152と短絡されるように導通状態になる。したがって、総キャパシタンスが増加されることが可能であり、変換利得が低減されることが可能である。
【0094】
この実施形態の動作モードは、図2Aによる実施形態の動作モードと同様である。しかしながら、ここでは、ピクセル10は、必ずしも2回露光される必要はない。フォトダイオード20の電荷信号は、まず、感度ゲート140に利得信号を印加することによって低変換利得で変換され、低感度信号につながる。次いで、電荷信号は、利得信号を非アクティブ化することによって高変換利得で変換され、高感度信号につながる。前述の実施形態におけるように、キャパシタンス40は、高感度信号の生成と低感度信号の生成との間でリセットされない。図2Bおよび図4Bに示すような信号タイミングを実装する方法は、当業者によって理解されるであろう。しかしながら、信号タイミングは、少なくともピクセル露光中にわずかに変化する場合がある。
【0095】
図6において、ピクセル配列10を備える画像センサ200を備える光電子デバイス300が概略的に示されている。画像センサ200のピクセル10は、図6に示すように、二次元アレイにおいて配置されることが可能である。光電子デバイス300または画像センサ200は、他の構成要素、例えば、他の回路素子、またがピクセル10と同期される光源を備え得る。
【0096】
本明細書で開示されたピクセル配列10およびそのようなピクセル配列10を動作させる方法の実施形態について、アイデアの新規な態様を読者に習熟させる目的で論じてきた。好ましい実施形態について、図示および説明してきたが、特許請求の範囲から不必要に逸脱することなく、開示された概念の多くの変更、修正、均等物、および置換が当業者によってなされ得る。
【0097】
本開示は、開示された実施形態、および特に上記で示され、説明されたものに限定されないことが理解されるであろう。むしろ、別個の従属請求項または明細書に記載された特徴は、有利なことに組み合わされ得る。さらに、本開示の範囲は、当業者に明らかであり、添付の特許請求の範囲内に入るそれらの変形および修正を含む。
【0098】
「備える」という用語は、特許請求の範囲または明細書本文において使用された限りにおいて、対応する特徴または手順の他の要素またはステップを排除するものではない。「a」または「an」という用語が特徴と組み合わせて使用された場合、それらは、複数のそのような特徴を排除しない。さらに、特許請求の範囲におけるいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0099】
本特許出願は、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれている、独国特許出願第102021120779.7号の優先権を主張するものである。
【符号の説明】
【0100】
10 ピクセル配列
20 フォトダイオード
30 転送ゲート
40 キャパシタンス
42 キャパシタンスの終端ノード
44 キャパシタンスのさらなる終端ノード
50 リセットゲート
60 増幅器
62 増幅器の入力端子
64 増幅器の出力端子
70 第1のコンデンサ
72 第1のコンデンサの終端ノード
74 第1のコンデンサのさらなる終端ノード
80 第2のコンデンサ
82 第2のコンデンサの終端ノード
84 第2のコンデンサのさらなる終端ノード
90 第1のスイッチ
100 第2のスイッチ
110 さらなる増幅器
112 さらなる増幅器の入力端子
114 さらなる増幅器の出力端子
120 選択ゲート
130 列バス
140 感度ゲート
150 第3のコンデンサ
152 第3のコンデンサの終端ノード
154 第3のコンデンサのさらなる終端ノード
160 プリチャージゲート
200 画像センサ
300 光電子デバイス
998 ノイズフロア
999 飽和領域
DR ダイナミックレンジ
I 照度
PC プリチャージ信号
Q 電荷
RST リセット信号
S1、S2 スイッチ信号
SEL 選択信号
t1~t8 時点
ex ピクセル露光
ro ピクセル読み出し
TX、TX1、TX2 転送信号
VSS 負のピクセル電源電圧、GND
VDD ピクセル電源電圧
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-02-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁放射線をそれぞれ高感度モードおよび低感度モードにおいて変換するように構成されたピクセル配列(10)であって、
- 電磁放射線をそれぞれの電荷信号に変換するように構成された少なくとも1つのフォトダイオード(20)と、
- 前記フォトダイオード(20)とキャパシタンス(40)との間の、前記それぞれの電荷信号を前記キャパシタンス(40)に転送するように構成された転送ゲート(30)と、
- 前記キャパシタンス(40)に電気的に結合され、前記キャパシタンス(40)をリセットするように構成されたリセットゲート(50)と、
- 前記キャパシタンス(40)に電気的に接続され、前記それぞれの電荷信号と前記感度モードとに基づいて、それぞれ、低感度信号または高感度信号であるそれぞれの増幅された信号を生成するように構成された増幅器(60)であって、前記低感度信号および前記高感度信号が共通のノイズレベルに基づく、増幅器(60)と、
- 前記高感度信号を記憶するように構成された第1のコンデンサ(70)と、
- 前記低感度信号を記憶するように構成された第2のコンデンサ(80)と、
- 前記増幅器(60)の出力端子(64)と前記第1のコンデンサ(70)との間の第1のスイッチ(90)と、
- 前記増幅器(60)の前記出力端子(64)と前記第2のコンデンサ(80)との間の第2のスイッチ(100)と
を備え
前記低感度信号が前記高感度信号のための参照レベルとして利用可能であり、したがって、相関二重サンプリングを可能にする、ピクセル配列(10)。
【請求項2】
前記高感度信号が、前記低感度信号と追加のビデオ信号とを含む、請求項1に記載のピクセル配列(10)。
【請求項3】
- 少なくとも1つのさらなる増幅器(110)であって、前記第1のコンデンサ(70)および/または前記第2のコンデンサ(80)に電気的に接続された入力端子(112)を備え、前記さらなる増幅器(110)の出力端子(114)においてピクセル出力信号を生成するように構成された、少なくとも1つのさらなる増幅器(110)と、
- 前記さらなる増幅器(110)の前記出力端子(114)と列バス(130)との間の、前記ピクセル出力信号を前記列バス(130)に転送するための選択ゲート(120)と
をさらに備える、請求項に記載のピクセル配列(10)。
【請求項4】
前記第1のコンデンサ(70)と前記第2のコンデンサ(80)とをプリチャージするための、前記増幅器(60)の前記出力端子(64)に電気的に結合されたプリチャージゲート(40)をさらに備える、請求項に記載のピクセル配列(10)。
【請求項5】
前記少なくとも1つのフォトダイオード(20)が、前記高感度モードにおいて第1の電荷信号を生成するための第1のフォトダイオード(20)と、前記低感度モードにおいて第2の電荷信号を生成するための第2のフォトダイオード(20’)とを備える、請求項に記載のピクセル配列(10)。
【請求項6】
前記リセットゲート(50)と前記キャパシタンス(40)との間に、前記キャパシタンス(40)の終端ノード(42)を第3のコンデンサ(150)の終端ノード(152)と短絡させるための感度ゲート(140)をさらに備える、請求項に記載のピクセル配列(10)。
【請求項7】
前記第1のコンデンサ(70)および前記第2のコンデンサ(80)が並列に配置されるか、またはカスケード接続されて配置される、請求項に記載のピクセル配列(10)。
【請求項8】
請求項に記載のピクセル配列(10)によるピクセルのアレイを備える、画像センサ(200)。
【請求項9】
請求項8に記載の画像センサ(200)を備える、光電子デバイス(300)。
【請求項10】
電磁放射線をそれぞれ高感度モードおよび低感度モードにおいて変換するように構成されたピクセル配列(10)を動作させるための方法であって、
- 少なくとも1つのフォトダイオード(20)によって電磁放射線をそれぞれの電荷信号に変換するステップと、
- キャパシタンス(40)をリセットするためのリセット信号(RST)を提供するステップと、
- 前記それぞれの電荷信号を前記少なくとも1つのフォトダイオード(20)から前記キャパシタンス(40)に転送するための転送信号(TX)を提供するステップと、
- 前記それぞれの電荷信号と前記感度モードとに基づいて、それぞれの増幅された信号を生成するステップであって、前記それぞれの増幅された信号が、それぞれ、低感度信号または高感度信号であり、前記低感度信号および前記高感度信号が共通のノイズレベルに基づく、ステップと、
- 前記それぞれの増幅された信号を、前記高感度信号を記憶するように構成された第1のコンデンサ(70)に転送するための第1のスイッチ信号(S1)を提供するステップと、
- 前記それぞれの増幅された信号を、前記低感度信号を記憶するように構成された第2のコンデンサ(80)に転送するための第2のスイッチ信号(S2)を提供するステップと
- 前記低感度信号を前記高感度信号のための参照レベルとして使用することによって、相関二重サンプリングを実行するステップと
を含む、方法。
【請求項11】
ピクセル露光(Tex)中の第1のステップにおいて、前記低感度信号が生成され、前記第2のコンデンサ(80)において記憶されるように、前記ピクセル配列(10)が前記低感度モードにおいて動作され、ピクセル露光(Tex)中の第2のステップにおいて、前記高感度信号が生成され、前記第1のコンデンサ(70)において記憶されるように、前記ピクセル配列(10)が前記高感度モードにおいて動作される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ピクセル露光(Tex)中の前記第1のステップおよび前記第2のステップが、その間に前記キャパシタンス(40)をリセットすることなく実施される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ピクセル読み出し(Tro)中の第1のステップにおいて、前記低感度信号が読み出され、読み出し(Tro)中の第2のステップにおいて、前記高感度信号が読み出される、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
ピクセル読み出し(Tro)中の第3のステップにおいて、前記キャパシタンス(40)がリセットされ、リセットレベルが読み出される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ピクセル読み出し(Tro)中、前記リセットレベルを前記低感度信号のための参照レベルとして使用することによって、ダブルデルタサンプリングを実行するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ピクセル読み出し(Tro)中、それぞれの振幅レベルに基づいて、さらなる処理のために前記低感度信号と前記高感度信号のどちらを使用するかを決定するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記低感度モードにおけるピクセル露光(Tex)中、前記キャパシタンス(40)の終端ノード(42)を第3のコンデンサ(150)の終端ノード(152)と短絡させるための利得信号を印加することによって、変換利得を調整するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
電磁放射線をそれぞれの電荷信号に変換するステップが、第1のフォトダイオード(20)によって前記高感度モードにおいて第1の電荷信号を生成するステップと、第2のフォトダイオード(20’)によって前記低感度モードにおいて第2の電荷信号を生成するステップとを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
電磁放射線をそれぞれの電荷信号に変換するステップが、減少した露光時間(T)によって前記低感度モードにおいて第1の電荷信号を生成するステップと、増加した露光時間(T)によって前記高感度モードにおいて第2の電荷信号を生成するステップとを含む、請求項10に記載の方法。
【国際調査報告】