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特表2024-528327海洋分解性のポリヒドロキシアルカノエート組成物、成形体およびその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】海洋分解性のポリヒドロキシアルカノエート組成物、成形体およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08L 67/04 20060101AFI20240719BHJP
   C08K 3/013 20180101ALI20240719BHJP
   C08L 67/02 20060101ALI20240719BHJP
   C08K 3/34 20060101ALI20240719BHJP
   C08K 3/26 20060101ALI20240719BHJP
   C08J 5/00 20060101ALI20240719BHJP
   C08L 101/16 20060101ALN20240719BHJP
【FI】
C08L67/04 ZBP
C08K3/013
C08L67/02
C08K3/34
C08K3/26
C08J5/00 CFD
C08L101/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529862
(86)(22)【出願日】2022-12-05
(85)【翻訳文提出日】2024-01-31
(86)【国際出願番号】 CN2022136554
(87)【国際公開番号】W WO2023245997
(87)【国際公開日】2023-12-28
(31)【優先権主張番号】202210977996.6
(32)【優先日】2022-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524041945
【氏名又は名称】ベイジン ブルーファ マイクロバイオロジー テクノロジー カンパニー リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】524041956
【氏名又は名称】ジアンス ランス バイオマテリアル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】マ,ジユ
(72)【発明者】
【氏名】マ,イミン
(72)【発明者】
【氏名】リ,テン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ハオチェン
【テーマコード(参考)】
4F071
4J002
4J200
【Fターム(参考)】
4F071AA08
4F071AA43
4F071AA81
4F071AB21
4F071AB30
4F071AC09
4F071AC12
4F071AE05
4F071AE11
4F071AE17
4F071AF15
4F071AF23
4F071AF45
4F071AF52
4F071BA01
4F071BB06
4F071BC01
4F071BC05
4J002AB013
4J002AB043
4J002CF032
4J002CF181
4J002CF182
4J002CF192
4J002DE236
4J002DJ046
4J002EG039
4J002EJ018
4J002EJ068
4J002EL027
4J002EP019
4J002ER007
4J002EU217
4J002EW068
4J002FD013
4J002FD016
4J002FD078
4J002FD179
4J002FD207
4J002GC00
4J002GG00
4J200AA04
4J200AA06
4J200AA14
4J200BA13
4J200BA14
4J200BA15
4J200BA16
4J200BA18
4J200BA19
4J200CA01
4J200DA23
4J200DA24
4J200EA10
4J200EA11
(57)【要約】
本発明は、ポリヒドロキシアルカノエート材料技術分野に関し、具体的に海洋分解性のポリヒドロキシアルカノエート組成物、成形体およびその製造方法を開示する。ポリヒドロキシアルカノエート組成物は、A:ポリヒドロキシアルカノエートが38~89.5部;B:その他の完全生分解性樹脂が10~30部;C:鎖延長剤が0.1~0.5部、酸化防止剤が0.1~1部、および滑剤が0.1~1部を含む、添加剤;D:充填剤が0~30部、を含む。本発明により提供される組成物に基づいて製造される成形体は、高い海洋分解性を有し、海洋生分解性認証基準を取得している。さらに、本発明に基づいて提供される製造方法は、本発明により提供されるブレンド組成物の加工性および加工効率を向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
海洋分解性のポリヒドロキシアルカノエート組成物であって、重量部で、
A:ポリヒドロキシアルカノエートが38~89.5部;
B:その他の完全生分解性樹脂が10~30部;
C:鎖延長剤が0.1~0.5部、酸化防止剤が0.1~1部、および滑剤が0.1~1部を含む、添加剤;
D:充填剤が0~30部、
を含む
ことを特徴とする、ポリヒドロキシアルカノエート組成物。
【請求項2】
前記その他の完全生分解性樹脂Bが、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリ(ブチレンサクシネート-コ-アジペート)、ポリ(ブチレンサクシネート-コ-テレフタレート)、ポリ(ブチレンアジペート-コ-テレフタレート)、ポリカプロラクトンおよびポリグリコール酸からなる群より選ばれる少なくとも一種類である、
ことを特徴とする、請求項1記載のポリヒドロキシアルカノエート組成物。
【請求項3】
前記その他の完全生分解性樹脂Bが占める比例は、10~15部である、
ことを特徴とする、請求項2記載のポリヒドロキシアルカノエート組成物。
【請求項4】
前記ポリヒドロキシアルカノエート組成物に含まれる添加剤Cにおいて、
前記鎖延長剤が、ADR4468、ADR 4370F、RPS 1005およびMDI-50からなる群より選ばれる少なくとも一種類であり;および/または
前記酸化防止剤が、酸化防止剤1010、1076、168および626からなる群より選ばれる少なくとも一種類であり;および/または
前記滑剤が、脂肪酸塩系滑剤および脂肪アミド系滑剤からなる群より選ばれる少なくとも一種類である、
ことを特徴とする、請求項1~3のいずれか記載のポリヒドロキシアルカノエート組成物。
【請求項5】
前記ポリヒドロキシアルカノエート組成物において、前記ポリヒドロキシアルカノエートAが、以下の一般式(1)で示される繰り返し単位を含む脂肪族ポリエステルであって、
【化1】
その中、Rが、水素あるいは直鎖または分岐状のC1~C15アルキル基であり;且つ
nが、1または2である
ことを特徴とする、請求項4記載のポリヒドロキシアルカノエート組成物。
【請求項6】
前記ポリヒドロキシアルカノエートAが、ポリ(3-ヒドロキシブタノアート-コ-3-ヒドロキシヘキサノアート)、ポリ(3-ヒドロキシブタノアート-コ-3-ヒドロキシペンタノアート)、ポリ(3-ヒドロキシブタノアート-コ-4-ヒドロキシブタノアート)、ポリ(3-ヒドロキシブタノアート-コ-3-ヒドロキシオクタノアート)およびポリ(3-ヒドロキシブタノアート-コ-3-ヒドロキシペンタノアート-コ-3-ヒドロキシヘキサノアート)からなる群より選ばれる少なくとも一種類である、
ことを特徴とする、請求項5記載のポリヒドロキシアルカノエート組成物。
【請求項7】
前記充填剤Dが、無機充填剤および/またはバイオベース充填剤を含み、
前記無機充填剤が、タルクおよび活化軽質炭酸カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種類であり;
前記バイオベース充填剤が、予備可塑化デンプン、微結晶セルロースおよびコーヒーかすからなる群より選ばれる少なくとも一種類である、
ことを特徴とする、請求項1記載のポリヒドロキシアルカノエート組成物。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか記載のポリヒドロキシアルカノエート組成物を成形してなる、
ことを特徴とする、成形体。
【請求項9】
請求項8記載の成形体を製造する方法であって、
前記ポリヒドロキシアルカノエート組成物を、溶融温度より10℃~60℃高い第1の温度で加熱して溶融させた後、20℃~60℃の第2の温度で冷却成形し、成形体を得る工程を含む、
ことを特徴とする、方法。
【請求項10】
前記ポリヒドロキシアルカノエート組成物を、第1の温度で加熱して溶融させた後、室温で冷却成形し、成形体を得る、
ことを特徴とする、請求項9記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本発明は、2022年8月16日に中国国家知識産権局に出願された出願番号202210977996.6の中国特許出願(発明の名称「海洋分解性のポリヒドロキシアルカノエート組成物、成形体およびその製造方法」)の優先権を主張するものであり、その全ての内容は参照により本発明に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、ポリヒドロキシアルカノエート材料の技術分野に関し、特に海洋分解性のポリヒドロキシアルカノエート組成物、成形体およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
生分解性プラスチックは、自然界に存在する微生物の働きにより分解されるプラスチックの一種であり、1997年の「京都議定書」が発効した以降、地球温暖化対策として生分解性プラスチックの開発が注目され、植物由来の原料から製造する技術が開発され、理想的なプラスチックは、分解時に無毒・無害で、使用性に優れたものである。
【0004】
しかし、すべての生分解性プラスチックが海洋環境で分解されるわけではなく、ポリ乳酸(PLA)から作られたストローやフィルムなどの製品は、自然の土壌環境では24ヶ月後にはすでに分解が始まり小さな破片になるが、海洋環境では24ヶ月間比較の原型をとどめたままであることが実験により明らかになっている。その結果、PLAやPBAT(ポリ(アジピン酸/ブチレンテレフタレート)のような生分解性素材であっても、海洋環境では生分解されにくい。適切に処理されずに廃棄されたこれらのプラスチックは、徐々に環境中に放出され、やがて河川を通って海洋に流れ込み、大量に蓄積され、海洋生物や鳥類が誤って摂取した場合に深刻な健康被害を引き起こすことになる。
【0005】
現在、海洋分解性の認証に関しては、ベルギーの機関TUV AUSTRIA(旧Vincotte)は、撤回された規格ASTM D7081に基づく認証案を開発しており、簡単に言えば、当該案が分解可能な製品が6ヶ月以内に少なくとも90%の分解を達成することを要求している。対応する認証マークは、OK Biodegradable Marine(海洋生分解性認証規格)である。
【0006】
従来技術では、ポリ乳酸(PLA)のような分解性素材にポリヒドロキシアルカノエート(PHA)をブレンドして海洋分解性を向上させているが、加工性や成形性を考慮して各成分の添加量に制限があるため、現在のブレンドでは分解にかなりの時間がかかり、海洋分解性の要件を満たすことができず、高い加工性とOK Biodgradable Marineを満たすことは難しい。
【0007】
従って、高い海洋分解性を有しながら、ブレンド材料の加工性と効率を向上させるポリヒドロキシアルカノエートブレンド樹脂組成物の開発が急務となっている。
【発明の概要】
【0008】
本発明の第1の目的は、海洋分解性のポリヒドロキシアルカノエート組成物を提供することであり、この組成物に基づいて、海洋分解率が高い(特に、6ヶ月以内に90%以上の分解率)成形体が製造され、さらに、多数の製造工程における処理効率を効果的に高め、エネルギー消費を低減する製造方法を提供することである。
【0009】
本発明の第2の目的は、このポリヒドロキシアルカノエート組成物を成形してなる成形体を提供することである。
【0010】
本発明の第3の目的は、この成形体の製造方法を提供することである。
【0011】
本発明の上記の目的を達成するために、以下の技術方案を特に採用する。
【0012】
本発明は、第1の態様において、海洋分解性のポリヒドロキシアルカノエート組成物であって、重量部で、
A:ポリヒドロキシアルカノエートが38~89.5部
B:その他の完全生分解性樹脂が10~30部;好ましくは10~15部
C:鎖延長剤が0.1~0.5部、酸化防止剤が0.1~1部、および滑剤が0.1~1部を含む添加剤
D:充填剤が0~30部
を含む、組成物を提供する。
【0013】
以下、ポリヒドロキシアルカノエート組成物に含まれる例示的な成分を詳細に説明する。ただし、これらの実施形態は例示に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。
【0014】
ポリヒドロキシアルカノエートA
ポリヒドロキシアルカノエートは、1種類のポリヒドロキシアルカノエートであってもよく、2種類またはそれ以上の異なるポリヒドロキシアルカノエートの組み合わせであってもよい。
【0015】
ポリヒドロキシアルカノエートは、その由来が特に限定されないが、当分野でよく使用される原料、例えば、3-ヒドロキシアルカノエート構造単位を含有する、および/または、4-ヒドロキシアルカノエート構造単位を含有する重合体を選ぶことができる。前記ポリヒドロキシアルカノエートは、微生物により生産されるポリヒドロキシアルカノエートであり、微生物により生産されるポリヒドロキシアルカノエートのうち、3-ヒドロキシアルカノエート構造単位が完全に(R)3-ヒドロキシアルカノエート構造単位の形態で含まれることが特に好ましい。
【0016】
ポリヒドロキシアルカノエートは、ヒドロキシアルカン酸モノマーの単独重合体であってもよく、2種類またはそれ以上の異なるヒドロキシアルカン酸モノマーの共重合体、例えば、ターポリマー、テトラポリマー等であってもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、ポリヒドロキシアルカノエートは、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を含む脂肪族ポリエステルであってもよい:
【化1】
ここで、Rが、水素、あるいは直鎖または分岐状のC1~C15アルキル基であり、好ましくは直鎖または分岐状のC1~C10アルキル基であり、より好ましくは直鎖または分岐状のC1~C8アルキル基であり、特に直鎖または分岐状のC1~C6アルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等があげられ;
かつ、nが、1または2である。
【0018】
好ましくは、前記ポリヒドロキシアルカノエートは少なくとも一種類のポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)を含み、前記ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)が3-ヒドロキシアルカノエート構造単位のみを含有するか、或いは3-ヒドロキシアルカノエート構造単位とその他のヒドロキシアルカノエート構造単位(例えば、4-ヒドロキシアルカノエート構造単位等)の少なくとも一種類を含有する。
【0019】
一つの具体的な実施形態として、前記ポリヒドロキシアルカノエートは、3-ヒドロキシブタノアート構造単位を含有する単独重合体であるか、或いは、3-ヒドロキシブタノアート構造単位とその他の構造単位を含有する共重合体であり;その中、前記その他の構造単位が、3-ヒドロキシプロピオナート、3-ヒドロキシペンタノアート、3-ヒドロキシヘキサノアート、3-ヒドロキシヘプタノアート、3-ヒドロキシオクタノアート、3-ヒドロキシノナノアート、3-ヒドロキシデカノエート、3-ヒドロキシ十一アルカノエートおよび4-ヒドロキシブタノアートからなる群より選ばれる少なくとも一種類である。例えば、ポリ(3-ヒドロキシブタノアート)、ポリ(3-ヒドロキシブタノアート-コ-3-ヒドロキシプロピオナート)、ポリ(3-ヒドロキシブタノアート-コ-3-ヒドロキシペンタノアート)(略称:P3HB3HV、以下、PHBV)、ポリ(3-ヒドロキシブタノアート-コ-3-ヒドロキシペンタノアート-コ-3-ヒドロキシヘキサノアート) (以下、P3HB3HV3HH)、ポリ(3-ヒドロキシブタノアート-コ-3-ヒドロキシヘキサノアート)(略称:P3HB3HH、以下、PHBH)、ポリ(3-ヒドロキシブタノアート-コ-3-ヒドロキシヘプタノアート)、ポリ(3-ヒドロキシブタノアート-コ-3-ヒドロキシオクタノアート)(以下、PHBO)、ポリ(3-ヒドロキシブタノアート-コ-3-ヒドロキシノナノアート)、ポリ(3-ヒドロキシブタノアート-コ-3-ヒドロキシデカノエート)、ポリ(3-ヒドロキシブタノアート-コ-3-ヒドロキシ十一アルカノエート)、ポリ(3-ヒドロキシブタノアート-コ-4-ヒドロキシブタノアート)(略称:P3HB4HB、以下、P34HB)等が挙げられる。特に、加工性および機械的特性等の点から考えると、好ましくは、ポリ(3-ヒドロキシブタノアート-コ-3-ヒドロキシヘキサノアート)である。3-ヒドロキシヘキサノアート構造単位と3-ヒドロキシブタノアート構造単位の適合性がよりよい。
【0020】
好ましい実施形態として、前記ポリヒドロキシアルカノエートは、ポリ(3-ヒドロキシブタノアート-コ-3-ヒドロキシヘキサノアート)、ポリ(3-ヒドロキシブタノアート-コ-3-ヒドロキシペンタノアート)、ポリ(3-ヒドロキシブタノアート-コ-4-ヒドロキシブタノアート)、ポリ(3-ヒドロキシブタノアート-コ-3-ヒドロキシオクタノアート)、ポリ(3-ヒドロキシブタノアート-コ-3-ヒドロキシペンタノアート-コ-3-ヒドロキシヘキサノアート)からなる群より選ばれる少なくとも一種類である。
【0021】
好ましくは、3-ヒドロキシブタノアート構造単位とその他の構造単位との共重合体において、前記3-ヒドロキシブタノアート構造単位とその他の構造単位の平均含有比が50/50~99/1(モル%/モル%)であり;好ましくは80/20~94/6(モル%/モル%) であり;ポリヒドロキシアルカノエートの原料が二種類以上のポリヒドロキシアルカノエートの混合物である場合、平均含有比とは、混合物全体に含まれる各モノマーのモル比である。
【0022】
いくつかの実施形態では、前記ポリヒドロキシアルカノエートの重量平均分子量が、10万~100万であり;好ましくは20万~90万であり;さらに好ましくは30万~80万である。重量平均分子量が10万未満である場合、得られるポリヒドロキシアルカノエート系樹脂成形体の機械的特性が低下する傾向がある。一方、重量平均分子量が100万を超える場合、溶融加工の際の機械への負担が高くなり、生産性が低くなる傾向がある。
【0023】
ポリヒドロキシアルカノエートAが占める比例として、例えば、38重量部、39重量部、40重量部、42重量部、45重量部、48重量部、50重量部、55重量部、60重量部、65重量部、70重量部、75重量部、80重量部、85重量部、88重量部、89重量部等である。
【0024】
その他の完全生分解性樹脂B
その他の完全生分解性樹脂Bとは、ポリヒドロキシアルカノエートを含まない「完全生分解性材料」を意味し、すなわち、バクテリア、カビ(真菌)、藻類などの自然界に存在する微生物の作用によって完全に分解され、低分子化合物になる材料を意味し、またはISO 14855、EN 13432、ASTM D6400などの要求事項を満たすか、或いはそれに合格できる材料を意味する。
【0025】
いくつかの実施形態では、その他の完全生分解性樹脂Bが、ポリ乳酸(PLA)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリ(ブチレンサクシネート-コ-アジペート)(PBSA)、ポリ(ブチレンサクシネート-コ-テレフタレート)(PBST)、ポリ(ブチレンアジペート-コ-テレフタレート)(PBAT)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリグリコール酸(PGA)からなる群より選ばれる少なくとも一種類である。
【0026】
その他の完全生分解性樹脂Bが占める比例として、例えば、10重量部、11重量部、12重量部、13重量部、14重量部、15重量部、16重量部、17重量部、18重量部、19重量部、20重量部、21重量部、22重量部、23重量部、24重量部、25重量部、26重量部、27重量部、28重量部、29重量部、30重量部等であってもよく、好ましくは10~15重量部である。
【0027】
添加剤C
その中、添加剤は、鎖延長剤0.1~0.5部、酸化防止剤0.1~1部、および滑剤0.1~1部を含む。
【0028】
ポリヒドロキシアルカノエートとその他の完全生分解性樹脂との間の溶解度パラメーターの違いにより、この2成分を直接ブレンドすると、製造された材料、成形品または製品などの相分離を引き起こし、ポリヒドロキシアルカノエートストローまたはその他の製品の性能が低下し、著しい剥離が生じ、さらには連続生産ができなくなる可能性がある。本発明で使用される鎖延長剤は、ポリヒドロキシアルカノエートとその他の完全生分解性樹脂との界面適合性を効果的に改善することができ、その結果、より優れた性能を有するポリヒドロキシアルカノエートストローまたは他の製品の製造を確実にすることができる。
【0029】
ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシ脂肪酸エステル(PHA)、ポリ(ブチレンアジペート-コ-テレフタレート)(PBAT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などの生分解性ポリマーは、カルボキシル基やヒドロキシル基などの反応性官能基を豊富に含んでいるため、加工中や使用中に熱劣化が避けられなく、ひいては製品の溶融強度や機械的特性の低下につながる。したがって、反応性官能化鎖延長剤の開発と応用は、縮合重合系生分解性ポリマーの加工と応用特性を改善する重要な方法である。
【0030】
鎖延長剤の役割は分子鎖の長さを拡大し、材料の引張強度を向上させることであり、一般に反応性の高い基を有する鎖延長剤が分子鎖の長さを拡大するのに効果的であることが知られている。エチレングリコールなどのポリオールは、反応性の高い反応性基を比較的に持たない。
【0031】
本願では、エポキシ系鎖延長剤、オキサゾリン系鎖延長剤、イソシアネート系鎖延長剤など、反応性の高い基を持つ鎖延長剤が選択される。
【0032】
エポキシ官能化鎖延長剤は、一定量のエポキシ官能基を含み、反応性が高く、加工中で縮合重合系重合体の末端水酸基、末端カルボキシル基、末端アミノ基と反応することができ、樹脂のモル質量を向上させるだけでなく、切断した鎖を再結合させ、溶融粘度を高め、製品性能を向上させることができる。
【0033】
オキサゾリン系鎖延長剤は、主に重合体型と単量体型に分けられる。重合体型オキサゾリンとは、物理的・化学的手法により、ポリマー分子鎖に一定量のオキサゾリン基を導入させたものである。モノマー型オキサゾリンとは、2つのオキサゾリン基を有する分子であり、1,3-PBDジオキサゾリン化合物に代表される。
【0034】
イソシアネートは、生分解性重合体の鎖中の活性水素と容易に反応して鎖延長効果または架橋効果を生じ、例えば、ポリウレタン工業の重要な原料であり、ポリエステル系生分解性プラスチックの鎖延長剤としても使用できるジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)が挙げられる。
【0035】
いくつかの実施形態では、前記鎖延長剤が、ADR4468、ADR 4370F、RPS 1005、MDI-50の少なくとも一種類である。
【0036】
鎖延長剤が占める比例として、例えば、0.1重量部、0.15重量部、0.2重量部、0.3重量部、0.4重量部、0.45重量部、0.5重量部であってもよい。
【0037】
酸化防止剤は、ポリヒドロキシアルカノエートが、二軸スクリューペレット化プロセス中およびペレットの貯蔵中および使用中に発生するフリーラジカルを除去し、ヒドロペルオキシドの分解を誘導し、連鎖反応が起こるのを防止し、重合体の酸化プロセスを遅延または抑制することを可能にする。
【0038】
いくつかの実施形態では、前記酸化防止剤が、酸化防止剤1010、1076、168および626からなる群より選ばれる少なくとも一種類である。
【0039】
酸化防止剤が占める比例として、例えば、0.1重量部、0.2重量部、0.3重量部、0.35重量部、0.4重量部、0.45重量部、0.5重量部、0.55重量部、0.6重量部、0.7重量部、0.8重量部、0.85重量部、0.9重量部、1重量部であってもよい。
【0040】
本発明の組成物系には、滑剤として脂肪酸塩や脂肪アミドを添加することにより、材料間の摩擦熱を低減し、組成物の熱劣化を抑えることができ、ポリヒドロキシアルカノエート組成物のペレット化時の加工性を向上させることができる。また、脂肪酸塩および脂肪アミド滑剤は、本発明の組成物系において粘着防止剤の効果を有し、プラスチック製品の帯電防止特性も向上させる。
【0041】
いくつかの実施形態では、前記滑剤が、自脂肪酸塩系滑剤および脂肪アミド系滑剤からなる群より選ばれる少なくとも一種類であり;より好ましくは、前記滑剤が、ステアリン酸カルシウムおよびオレイン酸アミドからなる群より選ばれる少なくとも一種類である。
【0042】
滑剤が占める比例として、例えば、0.1重量部、0.2重量部、0.3重量部、0.4重量部、0.5重量部、0.6重量部、0.7重量部、0.8重量部、0.9重量部、1重量部であってもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、添加剤Cが占める比例が、0.5-2部である。
【0044】
さらに、本発明の効果を阻害しない限り、成形体の製造ニーズに応じて、その他の添加剤を組成物に添加してもよい。その他の添加剤としては、核剤、可塑剤、架橋剤、発泡剤、粘着防止剤、帯電防止剤、顔料またはその他の不活性充填剤などの有機または無機材料が挙げられる。有機材料または無機材料は、単独で使用することも、2種以上を組み合わせて使用することもできる。さらに、その他の添加剤の添加量は、製造上の必要性に応じて調整することができ、本発明によって特に限定されるものではない。
【0045】
充填剤D
充填剤は任意成分であり、前記充填剤には、無機充填剤および/またはバイオベース充填剤が含まれる。
【0046】
無機充填剤は、一般的な充填剤として、ある程度の性能を向上させながら、材料のコストを低減させることができ、材料の分野で一般的に使用されている炭酸カルシウム系(重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム)、マイカ粉末、タルク粉末、モンモリロナイト、ウォラストナイト粉末、水酸化アルミニウム、カオリン、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、珪藻土、カーボンブラック、シリカなどが含まれるが、生分解性材料の分野でも広く使用されている無機充填剤も含まれる。生分解性材料で一般的に使用される無機充填剤は、ポリヒドロキシアルカノエートでも普通に使用できることが研究によって示されている。本発明では、無機充填剤は、ある程度の核形成効果も有し、ポリヒドロキシアルカノエートの結晶化を促進するため、ポリヒドロキシアルカノエートの加工困難性を低減することができる。好ましくは、前記無機充填剤は、タルクおよび活性化軽質炭酸カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種類である。
【0047】
バイオベースの充填剤は、材料のコストを低減し、生分解速度を高めながら材料のバイオベース含有量を増加させることができ、充填剤分野における一般的なバイオベース材料を含むがこれらに限定されず、デンプン、植物残渣、セルロース、ヘミセルロースおよびリグニンを含むがこれらに限定されない。しかしながら、実際の生産には、バイオベース充填剤は、加工がより困難であり、一定の前処理を必要とし、本発明で使用されるバイオベース充填剤は、全て処理されたバイオベース充填剤であり、これ以上の説明は省略する。好ましくは、前記バイオベース充填剤は、予備可塑化デンプン、微結晶セルロースおよびコーヒーかすからなる群より選ばれる少なくとも一種類である。より好ましくは、前記バイオベースの充填剤は、予備可塑化デンプンである。ここで、前記予備可塑化デンプンは、異なる植物由来のデンプンの混合および分散のような特定のプロセスによって、デンプン系に、デンプンに対して可塑化効果を有するグリセロールおよびソルビトールのような低分子アルコールを添加することによって製造された低分子アルコール可塑剤を含むデンプンである。
【0048】
充填剤Dが占める比例として、例えば、0、1重量部、2重量部、3重量部、5重量部、6重量部、8重量部、10重量部、12重量部、14重量部、15重量部、16重量部、18重量部、20重量部、22重量部、25重量部、26重量部、27重量部、28重量部、30重量部であってもよい。
【0049】
本発明のポリヒドロキシアルカノエート組成物は、直接混合して粉末を得るか、または押出機でさらに溶融押出した後にペレット化する、当技術分野で公知の従来技術によって製造することができる。
【0050】
ペレット化の方法は、ポリヒドロキシアルカノエート組成物を配合に応じてブレンド、二軸押出、冷却・ペレット化などのプロセスによってポリヒドロキシアルカノエートペレットを得ることを含むことができる。
【0051】
前記ブレンドは、高速ブレンダーまたは従来のブレンダーで、室温~80℃の温度で、100r/min~1500r/minを使用して、3分~10分間行うことができる。
【0052】
前記二軸押出は、平行二軸押出機および共回転二軸押出機で実施することができ、押出機のタイプまたは押出機のスクリューの直径に関する明確な要求がなく、出力に関する明確な要求もない。このプロセスは、アスペクト比が36:1~56:1の平行二軸押出機で実施され、プロセスパラメータは、各ゾーンの温度が45℃~230℃、スクリュー速度が200r/min~500r/minに設定される。
【0053】
前記冷却・ペレット化とは、二軸押出成形後のポリヒドロキシアルカノエート組成物を冷却し、ペレット化する工程をいう。冷却・ペレット化方法としては、空冷ベルトコンベア冷却とペレタイザーによるペレット化(空冷)、水冷水浴により異なる温度水浴条件での冷却とペレタイザーによるペレット化(水冷)、金型表面ホットカットと空冷冷却(金型表面空冷)、金型表面ペレット化と水冷冷却(金型表面水冷)、水中ペレット化等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0054】
本発明では、上記のような組成物をブレンドした後、二軸押出成形により押出しペレット化した後、ポリヒドロキシアルカノエートペレットの結晶化速度が速く、押出し成形体は低粘度であるため、成形体付着の発生を抑えることができる。そのため、ポリヒドロキシアルカノエートペレットの製造において、冷却・ペレット化は、結晶化温度での冷却成形する必要がなく、むしろ室温または常温となり、効果的にエネルギーを節約することができる。それに対し、従来の結晶化温度は室温より20℃~40℃高く、対応する温度に到達するために水または空気を加熱する特定の電気加熱装置を必要とする。したがって、結晶化温度を使用せずに冷却および成形を行うことができるプロセス条件下では、加熱のために電気加熱を使用する必要がなくなり、多くのエネルギーを節約し、一定の加工コストを削減することができる。
【0055】
本発明は、第2の態様において、さらに、前記ポリヒドロキシアルカノエート組成物を成形してなる成形体を提供する。
【0056】
成形体は、フィルム、ストロー、繊維、プレートなどであってもよい。
【0057】
本発明は、第3の態様において、さらに、前記成形体を製造する方法を提供する。
【0058】
成形体は、金型成形、押出成形、射出成形、カレンダー成形、フロー成形、ブロー成形、双方向延伸成形などの種々の熱加工成形法、または溶液注型などの非熱加工成形法によって製造することができる。好ましくは、熱加工成形法によって製造される。
【0059】
いくつかの実施形態では、前記成形体の製造方法は、前記ポリヒドロキシアルカノエート組成物を、溶融温度より10℃~60℃高い第1の温度で加熱して溶融させた後、20℃~60℃(好ましくは室温)の第2の温度で成形体を冷却することを含む。好ましくは、成形体を得るために成形体を室温で冷却し、ここでいう室温は20℃~30℃であり、40℃を超えることなく、典型的には20℃、25℃、30℃、35℃である。
【0060】
ポリヒドロキシアルカノエート成形体の従来の製造方法では、ポリヒドロキシアルカノエートを含む組成物は、通常、第1の温度で加熱された後、溶融され、第2の温度で冷却され、成形される。ポリヒドロキシアルカノエートの結晶化速度は遅いため、溶融状態で粘着が生じることがあり、これは加工性に重大な影響をおよぼす可能性があるため、ポリヒドロキシアルカノエート成形体が非粘着状態に到達するのに要する時間の長さに影響する第2の温度を設定することが極めて重要である。第2の温度は、得られる成形体のガラス転移温度と融点温度との間にあることが広範な試験により確認されており、得られる成形体のガラス転移温度より30℃以上高く、かつ得られる成形体の融点温度より20℃低い温度とすることができ、40℃~60℃がよく用いられる。本発明の組成物は、第2の温度の設定を必要とせず、すなわち、より高い第2の温度を設定する必要がなく、直接的に第1の温度で溶融した後、室温でより良好な成形状態の成形体が得られ、エネルギーを節約し、加工効率を向上させることができる。
【0061】
上記のポリヒドロキシアルカノエート組成物の製造方法によって製造されたポリヒドロキシアルカノエートペレットは、異なる製品を製造するための異なる加工方法、例えば、ストロー機によるストローの製造、ブローフィルム機によるフィルムの製造、キャスト機によるフィルムまたはシートの製造、射出成形機による異なる形状の製品の製造、シート押出機によるシートまたはプレートの製造、繊維押出機による異なる繊維、不織布、メルトブローン織物などの製造などに使用することができる。上記ポリヒドロキシアルカノエート組成物およびその製造方法により製造されるポリヒドロキシアルカノエートペレットの用途には明確な制限はないので、成形体の加工としては、ストロー機によるストローの製造、キャスト機によるキャストフィルムまたはシートの製造を例として、成形体の加工を説明する。
【0062】
例えば、ストローの製造方法は、上記のポリヒドロキシアルカノエート組成物およびその製造方法から製造されたポリヒドロキシアルカノエートペレットをストロー機で通して押し出し、冷却および切断して、異なる肉厚、直径および長さを有するポリヒドロキシアルカノエートストローを製造することを含む。
【0063】
前記ストロー機は、一般的な単軸ストロー機とすることができ、単色ストロー機と多色ストロー機とすることができる。ストロー機の各ゾーンの温度を45℃~220℃の範囲に設定し、スクリュー速度を20r/min~200r/minに設定する。
【0064】
前記ストローの冷却および切断は、0℃~60℃の水中での冷却および成形、ならびにストロー切断機によるポリヒドロキシアルカノエートストローへの切断を意味する。
【0065】
さらに、例えば、フィルムの製造方法は、上記ポリヒドロキシアルカノエート組成物およびその製造方法から製造されたポリヒドロキシアルカノエートペレットを、キャスト機で押出し、冷却成形する工程を経て、厚みの異なるポリヒドロキシアルカノエートフィルムを製造することを含む。
【0066】
前記キャスト機は、一般的な単軸スクリューキャスト機であってもよく、単層キャスト機および多層キャスト機であってもよい。キャスト機の各ゾーンの温度を45℃~210℃の範囲に設定し、スクリュー速度を50r/min~200r/minに設定する。
【0067】
冷却設定とは、キャスターロールの循環油または循環水の温度を0℃~60℃に設定することを意味する。
【0068】
また、本発明の効果を阻害しない限り、成形体の製造上の必要性に応じて、その他の添加剤を組成物に配合することができる。前記添加剤としては、可塑剤、光安定剤、熱安定剤、加水分解防止剤などと;異なる色の色粉またはマスターバッチと;その他の種類の架橋剤、鎖延長剤、滑剤と;その他の種類の有機または無機材料などと、が含まれる。有機または無機材料は、単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。さらに、添加剤の量は生産ニーズに応じて調整することができる。
【0069】
有益な効果
1.本発明が提供するポリヒドロキシアルカノエート配合組成物は、高い海洋分解性とOK Biodegradable Marine海洋分解認証基準の両方を満たすことができ、また配合物質の加工性と加工効率を向上させることができる。
2.本発明により提供されるポリヒドロキシアルカノエート組成物およびその製造方法を用いて製造される各種成形体は、その結晶化が速いため、第2の温度設定を伴う従来の工程による結晶化が不要となり、加工効率が向上され、加工コストが低減される。
【0070】
以上、本発明について詳細に説明したが、上記した実施形態は、本来、単なる例示であり、本発明を限定するものではない。さらに、本明細書は、前述の先行技術や本発明の内容、あるいは以下の実施形態に記載された理論によって限定されるものではない。
【0071】
本明細書で開示される範囲の終点も、いずれの数値も、その正確な範囲または値に限定されるものではなく、それらの範囲または値に近い値を包含すると理解されるべきである。数値範囲については、個々の範囲の端点値同士、個々の範囲の端点値と個々の点値との間、および個々の点値同士を組み合わせることによって、1つまたは複数の新たな数値範囲を得ることができ、そのような数値範囲は、本明細書において具体的に開示されているものとみなされるものとする。
【発明を実施するための形態】
【0072】
本発明は、実施例に関連して以下にさらに説明され、なお、以下の実施例は、例示のみを目的として提供され、本発明の請求される保護範囲を限定するものではない。
【0073】
特に指定しない限り、実施例で使用される原料、試薬、方法等は、当該技術分野において従来公知のものである。
【0074】
以下の実施例および比較例で使用される全ての原材料は、特に断らない限り、市販されているものである。
【0075】
ポリヒドロキシアルカノエートA
ポリ(3-ヒドロキシブタノアート-コ-3-ヒドロキシヘキサノアート)(PHBH)、型番:BP330、3HB(3-ヒドロキシブタノアート単位)の含有量が94%、重量平均分子量が約10万~80万、Beijing Bluepha Microbiology Technology Co.,Ltd.。
ポリ(3-ヒドロキシブタノアート-コ-3-ヒドロキシヘキサノアート)(PHBH)、型番:BP350、3HB(3-ヒドロキシブタノアート単位)の含有量が89%、重量平均分子量が約10万~80万、Beijing Bluepha Microbiology Technology Co.,Ltd.。
ポリ(3-ヒドロキシブタノアート-コ-3-ヒドロキシペンタノアート)(PHBV)、重量平均分子量が約30万~80万、Beijing Bluepha Microbiology Technology Co.,Ltd.。
ポリ(3-ヒドロキシブタノアート-コ-4-ヒドロキシブタノアート)(P34HB)、重量平均分子量が約30万~80万、Beijing Bluepha Microbiology Technology Co.,Ltd.。
ポリ(3-ヒドロキシブタノアート-コ-3-ヒドロキシオクタノアート)(PHBO)、重量平均分子量が約30万~80万、Beijing Bluepha Microbiology Technology Co.,Ltd.。
ポリ(3-ヒドロキシブタノアート-コ-3-ヒドロキシペンタノアート-コ-3-ヒドロキシヘキサノアート(P3HB3HV3HH)、重量平均分子量が約30万~80万、Beijing Bluepha Microbiology Technology Co.,Ltd.。
【0076】
その他の完全生分解性樹脂B
ポリ乳酸(PLA)、型番:4032D、メーカー:NatureWorks。
ポリブチレンサクシネート(PBS)、型番:P909169 、メーカー:Maclin。
ポリ(ブチレンサクシネート-コ-アジペート)(PBSA)、型番:TH802A 、メーカー:新疆藍山屯河。
ポリ(ブチレンサクシネート-コ-テレフタレート)(PBST)、型番:TS159 、メーカー:安徽▲しん▼科。
ポリ(ブチレンアジペート-コ-テレフタレート)(PBAT)、型番:SQ-C1200 、メーカー:ドイツBASF。
ポリカプロラクトン(PCL)、型番:2200 、メーカー:スウェーデンPerstorp。
ポリグリコール酸(PGA)、型番:26009-03-0 、メーカー:蘇州▲ち▼航生物科技。
【0077】
本実施例は、以下を含む、海洋分解性のポリヒドロキシアルカノエート組成物を提供した。成分A:38~89.5重量部のポリヒドロキシアルカノエート、本実施例では、PHBH、PHBV、P34HB、PHBO、P3HB3HV3HHを採用した。成分B:10~30重量部のその他の完全生分解性樹脂、本実施例では、PLA、PBS、PBSA、PBST、PBAT、PCL、PGAを採用した。成分C:添加剤、0.1~0.5重量部の鎖延長剤、本実施例では、采用ADR4468(ブランド:BASF、型番:Joncryl ADR-4468)、ADR4370F(ブランド:BASF、型番:Joncryl ADR4370F)、RPS 1005(ブランド:日本触媒、型番:RPS-1005)、MDI-50(ブランド:BASF、型番:MDI-50)を採用し;0.1~1重量部の酸化防止剤、本実施例では、1010、1076、168、626を採用し、および0.1~1重量部の滑剤、本実施例では、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸アミドを採用したものを含み;および成分D:0~30重量部の充填剤、本実施例では、活化軽質炭酸カルシウム、タルク、予備可塑化デンプンを採用した。
【0078】
ポリヒドロキシアルカノエート組成物ペレット、ストロー、フィルムを製造することを含む、ポリヒドロキシアルカノエート組成物を製造する以下の具体的な方法を提供した。
【0079】
実施例1~22および比較例1~3 ペレット化
表1、表2および表3に従って提供される組成物を高速ミキサーに添加し、ブレンド温度20℃~80℃、ブレンド速度100r/min~1500r/minおよびブレンド時間3~10分で混合し;組成物を、押出機の長さ対直径比が36:1~56:1の二軸押出機の下部ホッパーまたはロスインウェイトスケールに入れ;二軸押出機の温度を45℃~230℃(第1の温度)、ホスト速度を200r/min~500r/minに設定し、その後、空冷式ストリップカット、水浴式ストリップカット、研磨表面カット、水リングカット、水中ペレット化などのペレット化方式を用いて、第2の温度でペレット化する。製造されたペレットは、送風乾燥オーブンを使用して乾燥し、ペレットの特性に対する水分の影響を排除し、ペレットを完全な結晶化させ、ポリヒドロキシアルカノエート組成物ペレットを得た。
【0080】
各実施例および比較例の具体的なプロセスパラメータを表1、表2、表3に示す。
【0081】
実施例23~27および比較例4~6 ストロー加工
実施例23~27は、それぞれ実施例1、2、3、7、8のペレット化により得られたポリヒドロキシアルカノエートペレットを用いて、ストロー加工を行った。
【0082】
比較例4~6は、それぞれ比較例1、2、3のペレット化により得られたポリヒドロキシアルカノエートペレットを用いて、ストロー加工を行った。
【0083】
ポリヒドロキシアルカノエートペレットは、ストロー機を通して押し出され、冷却切断などの生産プロセスが、生産および加工要件によって、異なる肉厚、直径および長さのポリヒドロキシアルカノエートストローを製造した。
【0084】
具体的な工程は、上記で得られたそれぞれのポリヒドロキシアルカノエートペレットを単軸ストロー機(南京塞一科技有限公司)に入れ、ストロー機の各ゾーンの温度を45℃~220℃に設定し、スクリュー速度を20r/min~200r/minに設定し、ストローを第2の温度(ストロー水浴温度)で冷却し、切断した。
【0085】
各実施例および比較例の具体的なプロセスパラメータを表4に示す。
【0086】
実施例28~32および比較例7~9 フィルム加工
実施例28~32は、それぞれ実施例1、2、9、13、15のペレット化により得られたポリヒドロキシアルカノエートペレットを用いて、キャスト加工を行った。
【0087】
比較例7~9は、それぞれ比較例1、2、3のペレット化により得られたポリヒドロキシアルカノエートペレットを用いて、キャスト加工を行った。
【0088】
ポリヒドロキシアルカノエートペレットをキャスト機に通して押出し、冷却・成形して厚みの異なるポリヒドロキシアルカノエートフィルムを製造した。
【0089】
具体的な工程は、上記で得られたそれぞれのポリヒドロキシアルカノエートペレットを単層のキャスト機(武漢坤元流延科技有限公司)に入れ、キャスト機の温度範囲を45℃~210℃に設定し、キャスト機のスクリューの回転数を50r/min~200r/minに設定し、キャストロール中の循環油または循環水の温度(第2温度)で冷却・成形してフィルムを製造した。
【0090】
各実施例および比較例の具体的なプロセスパラメータを表5に示す。
【0091】
ポリヒドロキシアルカノエートペレットの性能評価方法:
ポリヒドロキシアルカノエート組成物ペレットを射出成形機により対応する規格で要求する試験片を製造した。
【0092】
ISO527-2-2012に従って、試験速度5mm/minの条件下で引張強度および破断伸度を測定した。
【0093】
ISO179-1:2019に従って、ノッチ衝撃強度を測定した。
【0094】
ISO75-2:2013に従って、0.45MPaの印加で熱変形温度を測定した。
【0095】
引張強度の単位がMPaであり、破断伸度の単位が%であり、ノッチ衝撃強度の単位がkJ/mであり、熱変形温度の単位が℃である。
【0096】
ペレット化加工の難易度:
○:連続的かつ安定的ペレット化が可能であり、ペレットを安定的にペレット化することができ、粘着することはない;
△:押出機で押出する際に安定であり、破断しにくく;押出ストリップの結晶速度がやや遅く、ペレットの粘着が発生するが、一定の時間が経過した後、振動により大まかに分離することができる;
×:押出機で押出する際に不安定であり、破断し;押出ストリップの降温速度が遅く、ペレット化できなく;ペレットが粘着し、分離できない。
【0097】
ポリヒドロキシアルカノエートストロー成形体の評価方式:
ストロー加工の難易度:
○:連続的かつ安定的押出が可能であり、押出ストローが冷却タンクで安定であり、押出ストリップが安定的に切断される;
△:ストロー機で押出する際に安定であり;押出ストローの結晶速度がやや遅く、切断後外力により一定の変形が発生するが、一定の時間が経過した後、結晶が完了して変形しにくくなる;
×:ストロー機で押出する際に不安定であり、破断し;押出ストローの押出速度が遅く、切断の難易度が大きく;ストローが粘着し、分離できない。
【0098】
ポリヒドロキシアルカノエートフィルム成形体の評価方式:
フィルム加工の難易度:
○:連続的かつ安定的押出が可能であり、成膜過程が安定であり、加工過程中にロール粘着現象がなく、巻取りの際にフィルムまたはシートにおいて粘着現象がない;
△:連続的かつ安定的押出が可能であり、成膜過程がやや安定であり、加工過程中に少量のロール粘着現象が発生し、巻取りの際にフィルムまたはシートにおいて一定的な粘着現象が存在するが、一定の時間経過後、分離できる;
×:キャスト機で押出する際に不安定であり、キャストロールで破断し、ロール粘着現象がひどく、フィルムに加工することができない。
【0099】
海洋生分解性実験:
深▲せん▼市福田区深▲せん▼湾公園で採取した海水中で、製造された同等規格の成型物を28±2℃で6ヶ月間保管した後、重量を測定し、以下の基準に従って生分解性を評価した。分解率は、試料重量から灰分や水分などの不純物を除いた質量を以下の式で算出した。
分解率(%)=100~(6ヶ月後の試料重量/実験前の試料重量)×100;
○:分解率が90%以上;
△:分解率が50%以上90%未満;
×:分解率が50%未満。
【0100】
結果は、以下の表1から表5に提供される。
【表1】
【表2】
【表3】
【0101】
表1~表3には、ペレットのペレット化工程を示す。表から、実施例1~22でポリヒドロキシアルカノエート38~89.5部、その他の完全生分解性樹脂10~30部、鎖延長剤0.1~0.5部、酸化防止剤0.1~1部、滑剤0.1~1部、充填剤0~30部を用いて製造したペレットは、機械的特性基準を満たし、高い海洋分解性を有するだけでなく、配合材料の加工性と加工効率が改善され、押し出されたペレットは粘性が低く、粘着物の発生が減少し、室温で冷却して成形することができることが分かった。
【0102】
一方、比較例1~3では、ポリヒドロキシアルカノエートとその他の完全生分解性樹脂の配合割合は本発明の範囲外であり、比較例1~2のように、ポリヒドロキシアルカノエートの配合割合が高すぎ、その他の完全生分解性樹脂の配合割合が低すぎると、海洋分解性は向上するものの、製造・加工時の加工難易度を低減するために、第2の温度を一定の範囲内(例えば50℃)に制御する必要がある。比較例3では、その他の完全生分解性樹脂の配合割合が高すぎるため、製造されたペレットの破断伸度が著しく低下し、分解性が明らかに悪かった。それに対して、本発明の組成物の範囲は、ペレット化処理を実現するために、限定された第2の温度を必要とせず、処理効率が効果的に改善され、大量の生産工程中のエネルギー消費が低減される。
【0103】
ポリヒドロキシアルカノエートAについては、実施例1~4および16~22は一種類の重合体を使用し、実施例5~10、12および14は混合重合体を使用し、それらの効果が若干異なるが、全体として高い海洋分解性および非常に良好な加工性を有する。
【0104】
その他の完全生分解性樹脂Bについては、実施例1~2、4~5、7~9、11、13~15、18、20~22は異なる種類の完全生分解性樹脂を使用し、それらの効果が若干異なるが、実施例3、6、10、12、16~17、19は混合種類の完全生分解性樹脂を使用し、それらの効果が若干異なるが、全体として高い海洋分解性と非常に良好な加工性を有する。
【0105】
実施例1~22のように、10~30重量部の範囲内でその他の完全生分解性樹脂Bを添加することをさらに検討したところ、いずれも海水中で50%以上の分解率を達成した。このことは、本願の10~30重量部の範囲内で他の完全生分解性樹脂Bを添加することにより、製造された配合物が海洋分解性の要件を満たすことを示している。PLA、PBAT(実施例2~3)のような一部の完全生分解性樹脂Bについては、10~15重量部という好ましい割合範囲で、90%以上の高い海洋生分解率になり、OK Biodegradable Marine認証基準を満たした。PGAのような一部の完全生分解性樹脂Bでは、10~30重量部の割合範囲で海洋生分解率は高いレベルを維持した。もちろん、PGAのような一部の完全生分解性樹脂の単独またはPLA、PBS、PBSA、PCLなどとの組み合わせ(実施例16~19)でも、10~30重量部の割合範囲で海洋生分解率は比較的高く、OK Biodegradable Marineの基準である90%以上の分解率を満たした。
【表4】
【0106】
表4はストローの加工を示す。表から、実施例23~27を用いて加工されたストローは、海洋生分解性が高く、OK Biodegradable Marine認証基準を満たし、ストローの加工性及び加工効率が高く、室温で冷却して成形することができ、効果的に加工効率を向上させ、製造工程における多くのエネルギー消費を削減することができることが分かった。一方、比較例4~6で加工されたストローは、海洋分解性と加工性の面で要件を満たさず、生産加工の際に、加工の困難度を下げるために、一定の範囲内(例えば、50℃)で第2の温度を制御することが必要となる。
【0107】
【表5】
【0108】
表5はキャスト加工を示す。表から、実施例28~32を用いて加工したフィルムは、海洋生分解率が高く、OK Biodegradable Marine認証基準を満たし、かつフィルムの加工性および加工効率が高く、常温で冷却成形が可能であるため、大量生産工程における加工効率の向上、エネルギー消費の低減に効果的であることが分かった。これに対し、比較例7~9で加工されたフィルムは、海中分解性及び加工性の点で要件を満たさず、加工の困難度を下げるために、一定の範囲内(例えば50℃)で第2の温度を制御する必要がある。
【0109】
上記の実施形態は、本発明の技術的解決策を例示することのみを意図したものであり、それらを限定することを意図したものではない。前記実施形態を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者は、本発明の精神および実質から逸脱することなく、前記実施形態に記載された技術的解決策を変更してもよく、またはその技術的特徴の一部または全部を置き換えてもよく、これらの変更または置き換えが依然として本発明の範囲内に留まることが、理解されるべきである。


【手続補正書】
【提出日】2024-01-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
海洋分解性のポリヒドロキシアルカノエート組成物であって、重量部で、
A:ポリヒドロキシアルカノエートが38~89.5部;
B:その他の完全生分解性樹脂が10~30部;
C:鎖延長剤が0.1~0.5部、酸化防止剤が0.1~1部、および滑剤が0.1~1部を含む、添加剤;
D:充填剤が0~30部、
を含む
ことを特徴とする、ポリヒドロキシアルカノエート組成物。
【請求項2】
前記その他の完全生分解性樹脂Bが、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリ(ブチレンサクシネート-コ-アジペート)、ポリ(ブチレンサクシネート-コ-テレフタレート)、ポリ(ブチレンアジペート-コ-テレフタレート)、ポリカプロラクトンおよびポリグリコール酸からなる群より選ばれる少なくとも一種類である、
ことを特徴とする、請求項1記載のポリヒドロキシアルカノエート組成物。
【請求項3】
前記その他の完全生分解性樹脂Bが占める比例は、10~15部である、
ことを特徴とする、請求項2記載のポリヒドロキシアルカノエート組成物。
【請求項4】
前記ポリヒドロキシアルカノエート組成物に含まれる添加剤Cにおいて、
前記鎖延長剤が、ADR4468、ADR 4370F、RPS 1005およびMDI-50からなる群より選ばれる少なくとも一種類であり;および/または
前記酸化防止剤が、酸化防止剤1010、1076、168および626からなる群より選ばれる少なくとも一種類であり;および/または
前記滑剤が、脂肪酸塩系滑剤および脂肪アミド系滑剤からなる群より選ばれる少なくとも一種類である、
ことを特徴とする、請求項1記載のポリヒドロキシアルカノエート組成物。
【請求項5】
前記ポリヒドロキシアルカノエート組成物において、前記ポリヒドロキシアルカノエートAが、以下の一般式(1)で示される繰り返し単位を含む脂肪族ポリエステルであって、
【化1】
その中、Rが、水素あるいは直鎖または分岐状のC1~C15アルキル基であり;且つ
nが、1または2である
ことを特徴とする、請求項4記載のポリヒドロキシアルカノエート組成物。
【請求項6】
前記ポリヒドロキシアルカノエートAが、ポリ(3-ヒドロキシブタノアート-コ-3-ヒドロキシヘキサノアート)、ポリ(3-ヒドロキシブタノアート-コ-3-ヒドロキシペンタノアート)、ポリ(3-ヒドロキシブタノアート-コ-4-ヒドロキシブタノアート)、ポリ(3-ヒドロキシブタノアート-コ-3-ヒドロキシオクタノアート)およびポリ(3-ヒドロキシブタノアート-コ-3-ヒドロキシペンタノアート-コ-3-ヒドロキシヘキサノアート)からなる群より選ばれる少なくとも一種類である、
ことを特徴とする、請求項5記載のポリヒドロキシアルカノエート組成物。
【請求項7】
前記充填剤Dが、無機充填剤および/またはバイオベース充填剤を含み、
前記無機充填剤が、タルクおよび活化軽質炭酸カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種類であり;
前記バイオベース充填剤が、予備可塑化デンプン、微結晶セルロースおよびコーヒーかすからなる群より選ばれる少なくとも一種類である、
ことを特徴とする、請求項1記載のポリヒドロキシアルカノエート組成物。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか記載のポリヒドロキシアルカノエート組成物を成形してなる、
ことを特徴とする、成形体。
【請求項9】
請求項8記載の成形体を製造する方法であって、
前記ポリヒドロキシアルカノエート組成物を、溶融温度より10℃~60℃高い第1の温度で加熱して溶融させた後、20℃~60℃の第2の温度で冷却成形し、成形体を得る工程を含む、
ことを特徴とする、方法。
【請求項10】
前記ポリヒドロキシアルカノエート組成物を、第1の温度で加熱して溶融させた後、室温で冷却成形し、成形体を得る、
ことを特徴とする、請求項9記載の方法。
【国際調査報告】