(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-30
(54)【発明の名称】スピーカーボックス
(51)【国際特許分類】
H04R 1/02 20060101AFI20240723BHJP
【FI】
H04R1/02 101F
H04R1/02 102Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022572548
(86)(22)【出願日】2022-07-20
(85)【翻訳文提出日】2022-11-24
(86)【国際出願番号】 CN2022106642
(87)【国際公開番号】W WO2024000683
(87)【国際公開日】2024-01-04
(31)【優先権主張番号】202221690877.4
(32)【優先日】2022-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522458701
【氏名又は名称】エーエーシー テクノロジーズ (ナンネイ) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100199819
【氏名又は名称】大行 尚哉
(74)【代理人】
【識別番号】100087859
【氏名又は名称】渡辺 秀治
(72)【発明者】
【氏名】丁健華
(72)【発明者】
【氏名】呉樹文
(72)【発明者】
【氏名】馮国袖
(72)【発明者】
【氏名】肖目舒
【テーマコード(参考)】
5D017
【Fターム(参考)】
5D017AD05
5D017AD32
5D017AE28
(57)【要約】
【課題】本発明には、スピーカーボックスが提供される。
【解決手段】当該スピーカーボックスは、収容キャビティを有する金属ケースと、前記収容キャビティ内に設けられ、かつ振動板を有するスピーカーユニットとを備え、当該スピーカーボックスは前記金属ケースと前記スピーカーユニットの間に設けられた少なくとも2つの金属部材をさらに備え、前記スピーカーユニットは、フレームと、前記フレームに固定されたヨークとを含み、前記金属部材はヨーク及び前記金属ケースと溶接固定されている。関係技術と比べて、本発明に係るスピーカーボックスは、少なくとも2つの金属部材とスピーカーユニットをレーザー溶接で固定することで、落下の可能性を低減し、信頼性を向上させ、同時に、工程を最適化し、コストを節約した。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容キャビティを有する金属ケースと、前記収容キャビティ内に設けられ、かつ振動板を有するスピーカーユニットとを備えるスピーカーボックスであって、
前記金属ケースと前記スピーカーユニットの間に設けられた少なくとも2つの金属部材をさらに備え、前記スピーカーユニットは、フレームと、前記フレームに固定されたヨークとを含み、前記金属部材はヨーク及び前記金属ケースと溶接固定されている、
ことを特徴とするスピーカーボックス。
【請求項2】
前記金属部材は、その数が2つであり、かつ前記スピーカーユニットの短軸方向に沿って前記スピーカーユニットの対向する両側に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載のスピーカーボックス。
【請求項3】
前記金属ケースは、前記振動板に近い上ケースと、前記振動板から遠い下ケースと、を含み、前記上ケースは前記振動板の振動方向と平行するように設けられた第1側壁を含み、前記金属部材は、少なくとも一部が前記スピーカーユニットと前記第1側壁の間に設けられた本体部と、前記本体部の前記振動板から離れる側から内へ折り曲がって延出した延出部と、を含み、前記延出部は前記ヨークの前記振動板から離れる下面に固定され、前記本体部は前記第1側壁と固定接続されている、
ことを特徴とする請求項2に記載のスピーカーボックス。
【請求項4】
前記下ケースは前記第1側壁に接続された第2側壁を含み、前記本体部は前記第2側壁と固定接続されている、
ことを特徴とする請求項3に記載のスピーカーボックス。
【請求項5】
前記本体部は前記振動方向と平行し、前記延出部は前記振動方向と垂直である、
ことを特徴とする請求項4に記載のスピーカーボックス。
【請求項6】
前記本体部は、前記ヨークに近い第1表面を含み、前記第1表面は前記ヨークと固定接続されている、
ことを特徴とする請求項5に記載のスピーカーボックス。
【請求項7】
前記上ケースは、前記第1側壁の前記第2側壁から離れる側から前記振動方向に垂直な方向に沿って内へ折り曲がって延びる天壁をさらに含み、前記天壁は、前記振動板に近くかつ前記振動方向に垂直である上面を含み、前記本体部は、前記上面に対向して設けられた端面を含み、前記端面は前記上面と固定接続されている、
ことを特徴とする請求項6に記載のスピーカーボックス。
【請求項8】
前記金属部材の材質は鋼材である、
ことを特徴とする請求項1に記載のスピーカーボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気音響変換分野に関し、特にスピーカーボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
スピーカーは携帯電話、タブレット、学習機、MP4などの電子機器によく使われるサウンドデバイスである。関連技術では、金属ケースが用いられたスピーカーがあるが、その構造及び電子機器の制限により、電子デバイスと合わせる位置決めと締め付け方法が欠如しており、長時間にわたって使用するとスピーカーボックスにおけるユニットが緩みやすくなり、スピーカーの音質に影響を与えてしまい、高品質の音質を安定的かつ確実的に出力することができなくなり、電子機器完成品における応用に限界がある。
【0003】
しかしながら、従来技術では、スピーカーユニットはまず支持発泡体及び金属ケースによって固定され、その後、接着剤でスピーカーのハウジング及びユニットを固定しているが、このような固定方法は複雑であり、かつ堅牢なものではない。
【0004】
したがって、上記の課題を解決するための新しいスピーカーボックスを提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、信頼性が高くて安定性能に優れているスピーカーボックスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明には、スピーカーボックスが提供され、当該スピーカーボックスは、収容キャビティを有する金属ケースと、前記収容キャビティ内に設けられ、かつ振動板を有するスピーカーユニットとを備え、当該スピーカーボックスは前記金属ケースと前記スピーカーユニットの間に設けられた少なくとも2つの金属部材をさらに備え、前記スピーカーユニットは、フレームと、前記フレームに固定されたヨークとを含み、前記金属部材はヨーク及び前記金属ケースと溶接固定されている。
【0007】
好ましくは、前記金属部材は、その数が2つであり、かつ前記スピーカーユニットの短軸方向に沿って前記スピーカーユニットの対向する両側に設けられている。
【0008】
好ましくは、前記金属ケースは、前記振動板に近い上ケースと、前記振動板から遠い下ケースと、を含み、前記上ケースは前記振動板の振動方向と平行するように設けられた第1側壁を含み、前記金属部材は、少なくとも一部が前記スピーカーユニットと前記第1側壁の間に設けられた本体部と、前記本体部の前記振動板から離れる側から内へ折り曲がって延出した延出部と、を含み、前記延出部は前記ヨークの前記振動板から離れる下面に固定され、前記本体部は前記第1側壁と固定接続されている。
【0009】
好ましくは、前記下ケースは前記第1側壁に接続された第2側壁を含み、前記本体部は前記第2側壁と固定接続されている。
【0010】
好ましくは、前記本体部は前記振動方向と平行し、前記延出部は前記振動方向と垂直である。
【0011】
好ましくは、前記本体部は、前記ヨークに近い第1表面を含み、前記第1表面は前記ヨークと固定接続されている。
【0012】
好ましくは、前記上ケースは、前記第1側壁の前記第2側壁から離れる側から前記振動方向に垂直な方向に沿って内へ折り曲がって延びる天壁をさらに含み、前記天壁は、前記振動板に近くかつ前記振動方向に垂直である上面を含み、前記本体部は、前記上面に対向して設けられた端面を含み、前記端面は前記上面と固定接続されている。
【0013】
好ましくは、前記金属部材の材質は鋼材である。
【発明の効果】
【0014】
関係技術と比べて、本発明に係るスピーカーボックスは、少なくとも2つの金属部材を追加し、少なくとも2つの金属部材をそれぞれ金属ケース及びスピーカーユニットのヨークと溶接固定することにより、スピーカーユニットと金属ケースを堅固に固定することができる。本発明では、スピーカーユニットを支持する従来技術における支持発泡体を除去し、工程を最適化し、コストを節約した。金属ケースとスピーカーユニットをレーザー溶接することで、落下信頼性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明の実施例における技術案をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明し、明らかに、以下説明された図面は、本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、進歩的な労働をしなくても、これらの図面に基づいて他の図面を取得することができ、そのうち、
【
図1】
図1は、本発明のピーカーボックスの斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明のピーカーボックスの一部の分解図である。
【
図3】
図3は、本発明のピーカーボックスの別の部分の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施例における図面を参照しながら本発明の実施例における技術案を明確かつ完全に説明する。明らかに、記載された実施例は、全ての実施例ではなく、本発明の一部の実施例に過ぎない。当業者が本発明における実施例に基づいて進歩的な労働をしない前提に得られた他の全ての実施例は、本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【0017】
図1~4を同時に参照すると、本発明には、収容キャビティ10を有する金属ケース1と、収容キャビティ10内に設けられたスピーカーユニット2と、金属ケース1とスピーカーユニット2の間に設けられた少なくとも2つの金属部材5と、を備えるスピーカーボックス100が提供される。
【0018】
金属ケース1は互いに接続された上ケース11と下ケース12を含み、上ケース11と下ケース12は収容キャビティ10を取り囲んで形成する。
【0019】
スピーカーユニット2は、フレーム22と、フレーム22の一方側に固定されたヨーク23と、フレーム22の他方側に固定される振動板21を含み、ヨーク23は振動板21から離れる下面231を含む。
【0020】
金属部材5はヨーク23及び金属ケース1とレーザー溶接で固定されており、金属部材5は、一方側がヨーク23とレーザー溶接で固定され、他方側が金属ケース1とレーザー溶接で固定されている。上ケース11は下ケース12よりも振動板21に近く、上ケース11は振動板21の振動方向と平行するように設けられた第1側壁111を含み、下ケース12は第1側壁111に接続された第2側壁121を含む。金属部材5は、少なくとも一部がスピーカーユニット2と第1側壁111の間に設けられた本体部51と、本体部51の振動板21から離れる側から内へ折り曲がって延出した延出部52と、を含み、延出部52はヨーク23の振動板21から離れる下面231に固定され、本体部51は第1側壁111と固定接続されている。
【0021】
本実施形態では、固定効果をさらに高めるために、本体部51は第1側壁111と第2側壁121のいずれとも固定接続されているが、他の実施形態では、本体部は第1側壁のみと固定接続されてもよい。本実施形態では、本体部51は振動板21の振動方向と平行するように設けられ、延出部52は振動板21の振動方向と垂直となるように設けられているが、他の実施形態では、スピーカーユニットと金属ケースの異なる形状及び機能に合わせるために、本体部と延出部は他の方向に沿って設けられてもよい。
【0022】
本体部51は、ヨーク23に近い第1表面511を含み、第1表面511とヨーク23とが間隔をあけて設置されているが、他の実施形態では、接続の確実性を高めるために、第1表面がヨークと固定接続されてもよい。
【0023】
本実施形態では、スピーカーユニット2は略矩形であり、金属部材5は、2つあり、かつスピーカーユニット2の短軸方向に沿ってスピーカーユニット2の対向する両側に設けられている。他の実施形態では、スピーカーユニットの形状、重量及び材質によって、金属部材は3つや4つなど複数設けられてもよい。
【0024】
上ケース11は、第1側壁111の第2側壁121から離れる側から振動方向に垂直な方向に沿って内へ折り曲がって延びる天壁112をさらに含み、天壁112は、振動板21に近くかつ振動方向に垂直である上面1121を含み、本体部51は、上面1121に対向して設けられた端面512を含み、端面512は上面1121と固定接続されており、端面512と上面1121はいずれも平面である。他の実施形態では、端面と上面とは間隔をあけて設けられてもよい。
【0025】
本実施形態では、金属部材5の材質は鋼材であるが、他の実施形態では、ヨークと金属ケースの材質の変化に応じて、金属部材は他の材質を用いてもよい。
【0026】
また、関係技術と比べて、本発明に係るスピーカーボックス100には、少なくとも2つの金属部材を追加し、少なくとも2つの金属部材をそれぞれ金属ケース及びスピーカーユニットのヨークと溶接固定することにより、スピーカーユニットと金属ケースを堅固に固定することができる。本発明では、スピーカーユニットを支持する従来技術における支持発泡体を除去し、工程を最適化し、コストを節約した。金属ケースとスピーカーユニットをレーザー溶接することで、落下信頼性を改善することができる。
【0027】
以上は、本発明の実施形態に過ぎない。当業者にとって、本発明の創造思想から逸脱することなく、改良を行うこともできるが、これらの改良はいずれも本発明の保護範囲に含まれるとここで指摘すべきである。
【国際調査報告】